令和八年東京都議会会議録第三号〔速報版〕

○副議長(菅野弘一君) 六十七番あかねがくぼかよ子さん。
〔六十七番あかねがくぼかよ子君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○六十七番(あかねがくぼかよ子君) 二〇二五年、一年間の都内の出生数と婚姻数の速報値が先ほど公表されました。
 出生数は一・三%の増加、婚姻数も四・八%の増加となり、かねてから都民ファーストの会東京都議団が小池知事と両輪で進めてきた、大胆なチルドレンファーストの施策の大きな成果であると高く評価をいたします。
 今後もこの兆しを確かな潮流とするため、さらなる施策の強化が求められます。
 出生数、婚姻数とも、通年で増加となった今般の速報値について、知事の受け止めを伺います。
 東京が日本のエンジンであり続けるためには、成長産業への積極的な投資が不可欠です。
 都が新たに官民ファンドを組成し、二つのファンドに計二百億円を出資し、民間資金と合わせて五百億円規模を目指すとのことです。
 官民ファンドの意義は、都が投じる資金が民間資金を上回る政策効果を生み、東京に産業と雇用を根づかせることにあります。
 官民ファンドは、成功したかどうかが曖昧になりやすい領域でもあり、最初から効果を測れる設計にしておくべきです。
 都が出資する新たな官民ファンドについて、行政介入の必然性、KPI、運用体制について、都の考え方と具体的な仕組みを伺います。
 世界のAI技術革新のスピードはすさまじく、今年中にも、目的を示せば、具体的な指示がなくても、段取りまで自発的に進める、まるで優秀な秘書のような動きができるようになると予測されています。
 都は、全国に先駆けて、昨年七月にAI戦略を策定し、令和八年度予算においてはAI関連の事業数、予算規模ともに大幅に拡充するなど、都民サービスの質向上や業務の生産性向上に向け、攻めの姿勢でAI導入を図ろうとしている点を高く評価します。
 都庁業務において、有効で、かつリスクの低い分野で深く浸透させながら、AI利活用を進め、都民サービスの向上につなげていくべきです。
 また、そこで都が得た知見を全国へと広げていくことも期待されます。
 全庁的な職員の意識醸成や利用環境の整備、都民サービスへの利活用など、リスクをコントロールしながらも、積極果敢にAI導入を進めるべきと考えますが、宮坂副知事の見解を伺います。
 緊急避妊薬の販売が始まりました。様々な事情で、望まない妊娠の可能性のある女性が、自分の意思で自身の心身を守ることができる手段があることは望ましいことです。しかし、本来であれば、緊急避妊薬や堕胎の必要性がなくなることが理想です。
 その前提となるのは、年齢に応じた包括的な性教育です。特に中高生になると異性と交際をすることが多くなり、学習指導要領を超えた避妊や性交など、より広い範囲の性教育へのニーズは明らかでありますが、一部の学生しか学校経由で学ぶ機会がないのが実態です。
 そこで、中高生が興味を持って学べるよう、中高生の意見を反映しながら性についてのコンテンツなどを作成し、ユースヘルスケア、Tokyo中高生Webサイトに掲載をするなど、必要な情報発信を都として継続的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちが提案し、令和五年度に開始をした加齢などによる妊娠機能の低下を懸念する場合に行う卵子凍結への支援に対して、令和八年一月末で一万八千六百十八人が説明会へ申込み、実際に卵子凍結支援を希望した人は五千三百三人になったとのことです。
 実施後アンケートの満足度も高く、適齢期の女性の人生設計には大きな影響を与えています。
 都は、令和六年度から、幅広く参加が可能な卵子凍結に関するセミナーを開催していますが、タイミングが合わない場合は視聴することができません。より多くの方が視聴できるよう環境を整えるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 小中高の不登校生徒に関する文科省調査によると、やる気が出ない、生活リズムが乱れている、不安、抑うつ状態のいずれかに、全不登校生徒の七割以上が当てはまっているとのことです。
 また、うち九五・八%が学校内外の機関や担任等から相談、指導を受けているにもかかわらず九十日以上の長期欠席となっている割合は、小学校で四四%、中学校で六一%です。
 都は、不登校の子供の保護者を支援するため、TOKYO多様な学びの場・居場所ナビというポータルサイトを二〇二五年十月に開設をしています。
 不登校の状態になっている児童の理由は様々であり、解決の道筋は一つではありません。
 保護者が情報を選択しやすくなるように、ポータルサイトを工夫していくべきですが、見解を伺います。
 世界的な睡眠研究者によると、日本人の睡眠は慢性的に不足をしており、それがGDPや生産性の足かせになっているとのことです。また、うつ病などのメンタル疾患にもつながっています。
 都においても睡眠の課題に着目し、眠り方キャンペーンを進める方向が示されていることは、大変意義のある取組です。
 一方で、睡眠の問題は啓発だけでは解決するものではありません。特に、小児、思春期の子供については、成人とは異なる発達段階に応じた対応が必要であり、医療、教育の連携した支援体制が求められます。
 子供の睡眠に関する普及啓発や、必要な医療支援につながる導線づくりを進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 小児、思春期の睡眠の問題は、発達特性、鉄分不足、いびきや睡眠時無呼吸などが理由で発生することもあります。
 都立多摩北部医療センターには、日本でも数少ない小児睡眠障害外来があり、こうした専門性があることは、都の強みです。
 学校現場では、睡眠の問題が遅刻、欠席、集中困難、意欲低下、情緒の不安定さとして現れ、不登校につながる場合もあります。
 そこで、不登校の未然防止や早期支援のためにも、思春期の子供の睡眠不調のサインに、教職員や養護教諭、スクールカウンセラーが気づき、家庭への適切な声がけや関係機関への橋渡しができるよう工夫をしていくべきですが、教育長の見解を伺います。
 都が実施した民間病院への経営実態調査から、三十年ぶりの高水準となる診療報酬本体部分三%以上の引上げにつながったことは大いに評価すべきことです。
 一方で、診療報酬の引上げは、医療費、保険料負担の増加圧力となりますので、これらを抑制できる取組も同時に求められます。
 今まで、都の医療費適正化の取組では、健診、保健指導、ジェネリックが中心でありましたが、疾病別データを分析すると、今後は、高血圧、糖尿病、腎不全の重症化を減らすことが最も効き目があると考えます。
 例えば、未治療高血圧者の受診接続率、糖尿病治療中断率、糖尿病性腎症の透析移行抑制率といった重症化回避率を区市町村ごとにKPIで見える化すべきです。
 国民健康保険は区市町村による差が大きいので、都が共通指標で比較可能にするだけでも、各区市町村が自律的に改善に動く効果につながります。
 都は、既に保険者協議会でKDB分析や取組の好事例共有をしていますが、今後は、区市町村ごとに重症化予防のために何をやったか、どれだけ改善したかを見える化することが医療費適正化に大きく寄与すると考えますが、見解を伺います。
 都は、今までも国の方針に基づき、医療費適正化の取組を行っており、着実な成果を出しています。しかし、どの施策がどれだけ効いたのか、厳密な検証はできていません。
 都として、効果検証に必要な情報分析手法の提供を国へ要望をしているところではありますが、KDB、レセプト、健診データなどを用いた都独自の効果検証フレームも持てるように、今後の取組として要望をいたします。
 収入のある六十歳以上のシニア世代の約三割は、働けるうちはいつまでも働きたいと高い就労意欲を示しています。
 都は、シニア世代の人材と企業を結びつける拠点として、令和六年にプラチナ・キャリアセンターを開設し、セミナーや交流会など様々な支援を実施してきましたが、裾野を広げていく視点が重要です。
 今後、シニア世代の経験や意欲に応じた多様な選択肢を提供するとともに、中小企業の人材確保を一層推進するためのマッチング支援を強化していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 非正規雇用労働者は、企業経由の能力開発の機会は乏しいため、行政として、リスキリングの機会を提供し、希望者がより待遇のよい仕事へ移れるよう支援をしていくことが重要です。
 都は、非正規雇用の女性が正社員として幅広い職業を選択できるよう、eラーニングの講座や就職支援を通じて、女性のキャリアチェンジを後押ししてきています。
 非正規雇用で働く女性が正社員として採用された後も、職場の中核を担う人材として活躍ができるよう、キャリアアップにつながる支援を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 地域防災の最前線は消防団です。しかし、必要な団員数を確保するのは簡単なことではありません。
 昨年、意欲のある新入団員を紹介したのに、一部の被服に欠品が生じたため、供給が半年遅延をするということが発生しました。
 現在は、欠品は改善されたと伺っておりますが、消防団の被服などの供給に遅延が起きていた原因とそれに対する改善策をお伺いします。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) あかねがくぼかよ子議員の一般質問にお答えいたします。
 出生数、婚姻数の増加についてでございます。
 昨年一年間の都内での出生数及び婚姻数が公表されまして、出生数は一・三%の増加となりました。これは九年ぶりのことでございます。婚姻数は四・八%の増加、二年連続の大幅な増加となっております。
 知事に就任いたしまして十年、チルドレンファーストを政策の中心に据えまして、切れ目のない支援を果断に展開をいたしてまいりました。
 これらの取組もあり、出生数の増加という結果が現れたことは特筆すべきことであり、率直にうれしく思っております。
 また、婚姻数の二年連続の大幅な増加は、将来への明るい兆しでございます。
 結婚したい、子供を持ちたいと望む方が安心して一歩を踏み出されますよう、今後とも邁進をしてまいります。
 次に、小児、思春期の睡眠についてでございます。
 睡眠は、子供の健やかな成長に欠かせない大切な生活習慣でございます。
 都は、子供の睡眠につきまして、保護者等のさらなる理解を促すため、来年度新たに実施をいたします眠り方改革キャンペーンにおきまして、専門家による講演動画を作成し、SNSなどを活用して発信をいたしてまいります。
 また、家庭や学校が睡眠障害のある子供に早期に気づき、適切な医療的支援につなげられますよう、正しい知識や受診の重要性などにつきましても併せて啓発してまいります。
 睡眠に関する取組を一層進め、次の世代を担う子供の健康を支えてまいります。
 なお、その他の質問につきましては、副知事、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) 都政におけるAIの利活用についてでございますが、AIは、都民サービスの質を飛躍的に向上させ、都政を大きく変革し得る重要なテクノロジーであり、その可能性とリスクを正しく理解した上で、積極的に利活用を進めることが欠かせません。
 そのため、安全かつ効果的にAIを導入できるよう、ガイドラインを年度内に策定いたします。
 事業の企画から調達、運用、廃止に至るまでのフェーズごとに留意すべき事項とその対応策を体系的に取りまとめ、全庁的なガバナンスを確立いたします。
 また、業務の生産性を高めるため、組織で活用できる業務アプリを職員自ら、柔軟に開発、利用できる環境を来年度から本格導入いたします。加えて、希望する区市町村にも同様の環境を提供してまいります。
 これらの取組から得られた知見や好事例を、自治体の垣根を越えて共有することはもちろん、広く全国への展開も見据え、取り組んでまいります。
 リスクへの適切な対応と攻めの利活用を両立させ、内部業務から都民サービスに至るまで、行政へのAI導入を強力に推進してまいります。
〔教育長坂本雅彦君登壇〕

○教育長(坂本雅彦君) 学校に通う子供の睡眠の確保についてのご質問にお答えいたします。
 学校に通う子供が、生活のリズムの乱れにより睡眠を十分に取れず、不登校となる場合はあり、これを防ぐための適切な対応を行うことは重要でございます。
 これまで、都教育委員会は、不登校の傾向の出始めた子供に関し、家庭での様子を把握し、対応する知識等をまとめた冊子を公立学校に配布をしております。その中で、子供の睡眠不足などをテーマに、学校の教員やスクールカウンセラーが協力し対応する方法を説明しております。
 来年度、教員の研修のプログラムで、こうした冊子等を活用し、子供の睡眠の確保を通じた不登校の予防を図る取組を学ぶ機会を設けてまいります。
〔スタートアップ戦略推進本部長吉村恵一君登壇〕

○スタートアップ戦略推進本部長(吉村恵一君) ファンドの政策効果についてのご質問にお答えいたします。
 新たなファンドは、事業を大きく成長させるスケールアップ期の資金市場が未成熟であるという課題に応えるため、官民が連携して大きな資金の流れをつくり出すものでございます。
 これに向けまして、ファンド理念に沿った多彩な資金調達や、投資戦略などの提案を募りまして、優れた運営事業者を選定いたします。ファンドの組成後は、提案内容に沿った積極的な投資活動を行っていただきまして、都は、投資件数や民間出資額等を適切に確認してまいります。
 こうした支援を通じたスタートアップの売上げや雇用状況等を把握、公表することなどを通じまして、新たな産業や雇用の創出につながる民間の活発な投資へとつなげてまいります。
〔子供政策連携室長田中愛子君登壇〕

○子供政策連携室長(田中愛子君) 二点のご質問にお答えします。
 まず、中高生が性について学ぶ機会についてでございますが、都は、思春期に知っておきたい健康情報を発信するユースヘルスケアのウェブサイトにおきまして、妊娠や避妊等の性に関する記事コンテンツを掲載しております。今後、このサイトのアンケート欄に寄せられた要望や、とうきょう若者ヘルスサポート等での相談事例を踏まえ、ユース世代の関心が高いテーマについて、新規の記事を作成いたします。
 これらの情報が多くの中高生に届くよう、SNS等を通じた広報に加えまして、Tokyo中高生Webサイトの新着情報においても、新たに紹介いたします。
 これらによりまして、中高生のニーズを踏まえた性に関する情報コンテンツを充実させるとともに、発信を強化してまいります。
 次に、不登校の子供の保護者への支援についてでございますが、都は、不安や悩みを抱える保護者が、子供の状況に応じた相談先や支援策を見つけることができるよう、ポータルサイト、TOKYO多様な学びの場・居場所ナビにおいて、各種支援情報を一元的に提供しております。
 具体的には、都や区市町村の相談窓口等の公的支援に加えまして、フリースクール等の民間支援、保護者の不安や悩みの解決に資する専門家のコラムを掲載しております。
 来年度、支援情報やコラムのさらなる充実を図るとともに、保護者が必要とする情報により容易にアクセスできるよう、検索機能の利便性を高めます。
 これによりまして、不登校の子供の保護者に寄り添った情報提供を強化いたします。
〔福祉局長高崎秀之君登壇〕

○福祉局長(高崎秀之君) 卵子凍結への支援に関するご質問にお答えいたします。
 都は、女性が自分らしく人生を送るための選択肢を広げられるよう、卵子凍結を希望する方への助成を令和五年度から開始いたしました。
 希望する女性が安心して卵子凍結を行うためには、職場などの周囲の方も、卵子凍結の正しい知識を持つことが大切なことから、都は、年代や性別を問わず参加できるセミナーを開催しております。
 来年度からは、より多くの方に卵子凍結の知識を知っていただくため、セミナーの動画を常時視聴できるようにいたします。
 こうした取組を通じまして、卵子凍結に関する理解を深められるよう支援してまいります。
〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕

○保健医療局長(山田忠輝君) 医療費適正化に向けた取組に関するご質問にお答えいたします。
 医療費適正化を推進するためには、健診データ等を分析し、地域の健康課題を明確にした上で、保健事業を展開することが重要でございます。
 このため都は、レセプト等を分析し、医療の傾向や健康課題等をまとめたデータを区市町村へ提供しております。
 これに加えまして、来年度、東京都国民健康保険団体連合会を通じまして、AI技術などの活用により、保健事業の効果を可視化し、より効果が期待できる改善策を区市町村へ提案いたします。
 あわせて、連合会を通じて、保健師の派遣等による伴走支援を実施いたします。
 こうした取組によりまして、区市町村における保健事業の推進を支援してまいります。
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕

○産業労働局長(田中慎一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、シニア世代の就業支援についてでございます。
 経験豊富なシニア人材の希望に応じ、働く機会を増やす取組は重要でございます。
 都は、プラチナ・キャリアセンターにおいて、専門的な知識や技術を持つ社員に加え、来年度、定年後に不安を抱える方が新たな職場で就業できるよう支援を行います。
 具体的には、これまでのキャリアを棚卸しした上で、自分の強みを再認識するセミナーや、即戦力を求める中小企業との就職につながる機会を新たに設けます。
 これによりまして、シニア世代の方の経験や意欲に応じた就業、さらに人材と企業を結びつけるための取組を進めてまいります。
 次に、非正規雇用で働く女性への支援についてでございます。
 働く女性がスキルアップに取り組み、処遇の向上につなげるとともに、将来のキャリアアップに向けて意欲を高めることへの後押しは重要でございます。
 都は来年度、非正規雇用で働く女性に向けた就労支援を充実いたします。
 具体的には、経理やマーケティング等のeラーニングの職業訓練と就職支援等とを一体的に行う事業を七百人規模に拡充いたします。
 また、リーダーシップやマネジメント力を学ぶ講座を加えるなど、正社員として就職した後も、管理職等を目指す動機づけにつながる取組も開始いたします。
 これによりまして、女性のキャリアチェンジをより一層サポートしてまいります。
〔消防総監市川博三君登壇〕

○消防総監(市川博三君) 特別区消防団の被服の給貸与についてでございますが、近年の急激な物価高騰等に加え、入団者数及び被服の更新数が増加傾向にあり、一部の被服において在庫不足を生じさせたことが遅延の原因であると認識をしております。
 このため、物価高騰を踏まえた単価の見直しや、返却された被服の再利用を推進しております。
 また、今年度から、被服の更新数に対応した増強を図るとともに、サイズの汎用性を高めるための仕様変更を行い、在庫不足の改善を図りました。今後、再利用の被服を含めた在庫状況を一元的に把握する仕組みを構築するなどにより、迅速な被服の給貸与に取り組んでまいります。

○議長(増子博樹君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時十一分休憩