○副議長(菅野弘一君) 三十六番久保りかさん。
〔三十六番久保りか君登壇〕
○三十六番(久保りか君) 初めに、木造住宅密集地域の課題について質問します。
都はこれまで、不燃化特区制度等を活用し、重点整備地域の不燃化を強力に推進してきました。地域全体の不燃領域率は改善してきた一方で、居住者の高齢化や、敷地が十分な幅員の道路に接していないなどの理由から、老朽建築物の更新が進みにくい地域も存在しており、引き続き取組を進めていく必要があります。
私は、昨年の都市整備委員会で、不燃化が進みにくい地域の取組を一層促進していくことを求め、都からは、地域特性に応じた制度の拡充を検討しているとの答弁がありました。
これらを踏まえ、不燃化特区制度において、来年度から拡充する具体的な支援策について見解を求めます。
次に、私道における無電柱化について質問します。
都は、木造住宅密集地域の防災性を向上させることを目的に、令和四年十二月に私道等を対象とした無電柱化の補助制度を始めました。私の地元中野区大和町でも、狭小な私道における道路上の電柱が緊急車両の通行や安全な歩行空間を妨げている状況があります。
都道など、道路幅員が広い道路の無電柱化を進めることも重要であります。しかし、木密地域においては、むしろ狭小な私道の無電柱化を進めることが災害時の住民の避難路の確保につながり、命を守るため直結する課題であることから、都議会公明党は、これまで私道の無電柱化を進めることを訴えてきました。
私道無電柱化の実施に当たっては、私道の性格上、土地所有者間の調整が必要であり、工事に向けて難しい課題があると承知をしています。
また、無電柱化の進まぬ原因として、狭小道路へのトランス設置は難しく、協力が得られにくいと考えます。例えば、沿道住民が所有地に設置協力をする際に、固定資産税の免除などのインセンティブを設ける、また、私道と接道する公道や公有地に設置を可能とすべきと考えます。
無電柱化への課題の解決を図り、木造密集地域内で私道の無電柱化に取り組むべきと考えます。知事の見解を求めます。
次に、女性の健康のための検診事業について質問します。
これまで私は、区議として、乳がん検診における視触診のみの検診を改善させることや、区民検診のマンモグラフィー車の導入などに取り組んできました。しかし、都の乳がん検診の受診率は、目標の六〇%に対し約五〇%、子宮頸がん検診については四〇%台と低い受診率であり、一層の受診率向上への取組が必要です。
都では、来年度、受診率の向上を目的に、受診状況を個人で申請することによりインセンティブを受けることができる、女性のがん検診受診応援事業を実施するとしています。応援事業の実施について、保険者の発送する受診案内と連動させるなど、事業の存在を対象者にプッシュ式アプローチする必要があると考えます。見解を求めます。
がん検診の受診率向上には、住民検診だけでなく、受診者の多い職域検診の質の向上が重要であり、都は、企業や健保組合への働きかけと自治体検診との連携を強化すべきです。あわせて、職域、自治体、人間ドックを通じた受診状況を把握し、がん検診受診促進につなげていくべきと考えます。見解を求めます。
次に、骨粗鬆症検診について質問します。
高齢期の骨折は要介護の状態になる大きな要因であり、早期発見と運動、栄養支援の連動が重要です。
健康増進法第十九条の二に基づき、市町村は四十代以降の女性に対し、早期に骨量減少者を発見し、骨粗鬆症を予防することを目的に、検診等を実施することに努めることとされています。
骨粗鬆症検診は任意検診でありますが、受診率については令和十四年度までに一五%と目標が示されています。現在、都内三十七自治体が実施、令和六年度の受診率は一〇・五%にとどまっています。全自治体で骨粗鬆症検診の実施が進むよう、都として後押しすべきと考えます。見解を求めます。
次に、ペット防災について質問します。
都内の令和六年度の犬の登録頭数は約五十六万頭、猫の推定総数は約百七万頭とされています。飼い主にとっては、ペットは家族の一員であり、同伴避難できないことが、避難の遅れや自宅残留につながるケースも指摘されています。
都議会公明党の求めで、都の避難所運営指針では、災害時のペットとの同伴避難について考え方が示されました。ペット同伴避難訓練を着実に推進していくためにも、まずは各区市町村のペットの受入れ体制の整備に向けた取組状況を調査し、課題等を明らかにすべきです。また、各自治体で同伴避難を具体的に実装するための仕組みをつくっていく必要があると考えます。見解を求めます。
また、同伴避難は避難所の敷地内で別区画に分かれて過ごすことであり、ペットと同じ部屋で過ごせる形の避難が同室避難となります。避難所生活が長期化した場合には、同室避難を求める声が高まると考えます。都有地の活用も含め、民間事業者、ボランティア団体とも連携し、条件を整えた上で同室避難も可能とする避難所の開設について、都が主体的に取り組むべきと考えます。見解を求めます。
令和四年六月から、ペットショップやブリーダーには、販売する犬や猫にマイクロチップ装着が義務化され、飼い主にも装着の努力義務が国で定められました。
行政による保護動物の管理や迷子ペットの返還にもマイクロチップの情報は役立ち、災害時の逸走動物の保護にもつながります。既にマイクロチップの装着費用の助成が実施されている区市もありますが、令和四年五月以前から飼われている、また、販売業者を経由せずに飼っている犬、猫にはマイクロチップが装着されていないことが多く、マイクロチップ装着助成制度を構築すべきと考えます。都の見解を求めます。
あわせて、マイクロチップリーダーの存在も周知がされていません。避難所等への配備も必要であると考えます。見解を求めます。
次に、消防団の情報伝達手段について二点質問します。
令和十一年のMCA無線の廃止は、消防をはじめとする災害対応機関の通信体制に大きな影響を与える重要な課題であり、現在、総務省において、代替となる通信手段の検討が進められていると承知しています。今後は、国の検討を踏まえ、東京消防庁としても次の通信基盤の整備に着手していくものと考えます。
消防団員の災害時等の情報伝達手段であるMCA無線機についても、令和十一年五月末に廃止されるとのことです。私も消防団員として活動しておりますが、地元消防団員から、MCA無線機が廃止になると通信手段はどうなるのかとの心配の声があります。MCA無線機の廃止に関する今後の対応について、東京消防庁の見解を求めます。
東京消防庁では、特別区消防団に令和三年度からタブレット端末を整備するなど、消防団のDXを推進しています。
総務省消防庁による消防団の力向上モデル事業でも、消防団アプリの導入事例が多く示されています。日常活動における団員の事務負担軽減を目的として、出動指令から出動状況の把握、現場情報の共有、事後処理まで一元管理できるアプリを導入し、効果を発揮していると評価されています。
また、消防団活動においては、多言語対応、手話対応も求められることから、支援ツールも必要です。
今後、消防団業務の効率化や情報伝達の迅速化などを図るため、消防団員専用のアプリを導入し、DXをさらに推進していくべきと考えます。東京消防庁の見解を求めます。
最後に、西武新宿線の連続立体交差事業について質問します。
私の地元である中野区の北部を東西に横断している西武新宿線は、区内に五つの駅を要する重要な交通手段ですが、二十か所の踏切があり、朝夕ラッシュ時に開かずの踏切となることが地域の長年の課題となっています。
都では、中井駅から野方駅間については平成二十五年度から事業に着手し、現在は工事を施工しています。野方駅から井荻駅付近については、平成二十九年度に国から着工準備採択を受け、現在、事業化に向けて検討が進められていますが、この区間の野方駅付近では、西武新宿線と環状七号線が立体交差しているため、駅直近の野方第一号踏切が除却されない懸念があるといわれています。
一方、中野区では、都の協力を受けて鉄道事業者と協定を締結し、具体的な検討を行っており、野方第一号踏切の除却について区施行による連続立体交差事業となることも視野に入れ、検討を進めることとしています。
そこで、野方駅から井荻駅付近の連続立体交差事業について、改めて中野区と連携して検討していくべきと考えます。都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 久保りか議員の一般質問にお答えいたします。
私道等の無電柱化についてでございます。
いつ発生してもおかしくない首都直下地震などによります電柱倒壊を防ぐため、無電柱化の取組を急がなければなりません。
木密地域におきましては、より効果的に震災時の避難や消火活動等を進めるために、幅員が狭い私道の無電柱化を推進することが重要であり、支援制度を設けて、地元自治体と共に取組を進めております。
来年度から、支援制度の活用促進に向けまして対象地域を拡大するとともに、土地所有者の負担を軽減する新たな支援を開始いたします。加えまして、狭小な道路の地中化に関わる様々な課題につきまして、関係者間で連携し、引き続き検討を進めてまいります。
これらの取組によりまして、木密地域における防災性を向上させ、安全・安心な都市を実現してまいります。
なお、その他の質問につきましては、都技監及び関係局長が答弁いたします。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) 不燃化特区の取組強化についてでございます。
震災の脅威から都民の生命、財産を守るためには、木密地域の解消が重要であり、都は早期に防災性の向上を図るべき市街地におきまして、不燃化特区を指定し、重点的、集中的に不燃化を進めてまいりました。
これまでの取組により、今年度末には八地区で不燃化の整備目標を達成する見込みでございます。残る四十四地区のさらなる不燃化に向け、高齢者と子世帯等との同居に向けた建て替えや、隣接地との敷地統合による無接道敷地解消への支援として、それぞれ最大二百万円の助成を従来に加え開始いたします。
こうした施策を展開することで、木密地域の解消をスピード感を持って着実に進めてまいります。
〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕
○保健医療局長(山田忠輝君) 四点のご質問にお答えいたします。
初めに、女性のがん検診受診応援事業についてでございますが、子宮頸がん及び乳がんは他のがんに比べ検診受診率が低く、検診の受診を一層後押しする必要がございます。
このため、都は来年度、子宮頸がん及び乳がんの検診を受けた方に健康関連グッズ等を提供する事業を実施いたします。
実施に当たりましては、地域の医療機関を通じて事業の周知を行うほか、区市町村と連携し、がん検診の個別勧奨に合わせて検診対象者へ本事業を案内するなど、効果的に取組を進めてまいります。
次に、職域におけるがん検診の受診促進についてでございますが、事業所や就業者数が多い東京において、がん検診受診率を向上し、がんの早期発見につなげるためには、職域での取組も重要でございます。
都は、職域におけるがん予防対策を推進するため、受診勧奨の際に女性のがん検診受診応援事業の周知を併せて行うよう、企業や医療保険者に働きかけてまいります。
また、これまで定期的に実施してきた調査に加え、本事業における参加者アンケートを活用することで、職域を含めた検診受診のきっかけや受診に当たって配慮してほしいことなどを把握し、今後の受診促進の取組に生かしてまいります。
次に、骨粗鬆症検診についてでございますが、骨粗鬆症が原因の骨折を予防し、生活の質を保つためには、食生活や身体活動など生活習慣の改善とともに、早期発見に向けた検診の受診が重要でございます。
都は、早期に骨量の減少を発見し、骨粗鬆症の予防につなげるため、区市町村に対し、健康増進法に基づく骨粗鬆症検診に要する費用の三分の二を補助しておりますが、実施の有無や受診率に差があります。
今後、受診率の高い自治体の好事例を全区市町村に展開するなど、検診の実施を働きかけ、区市町村の取組を後押ししてまいります。
最後に、マイクロチップの装着に関するご質問にお答えいたします。
犬や猫の飼い主情報を登録できるマイクロチップの装着は、令和四年六月から販売業者に対し義務化され、飼い主には努力義務となりました。
都は、マイクロチップの装着が進むよう、災害時などペットがはぐれた際の有効性や、装着後に飼い主が行う登録手続について、ホームページなどで周知しております。また、装着に対する助成や、マイクロチップリーダーの配備等に取り組む区市町村を包括補助で支援しております。
今後、包括補助の一層の活用を促すとともに、ウェブ広告による啓発を強化するなど、マイクロチップ装着のさらなる普及を図ってまいります。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕
○総務局長(佐藤智秀君) 二点のご質問にお答えをいたします。
まず、ペット同伴避難の仕組みの構築についてのご質問でございます。
都は、昨年度に板橋区と合同で実施をいたしました防災訓練におきまして、小型犬を想定した避難所へのペット受入れ手順を確認いたしました。
今年度の羽村市との合同訓練では、昨年度の訓練内容を発展させまして、複数の種類のペットの避難を想定し、獣医師の指導の下、ペット滞在スペースの設定やゾーニング、逃走防止対策などについて検証をいたしました。現在、その成果と課題を取りまとめているところであります。
今後、区市町村と共有するとともに、意見交換を実施し、対策に反映させてまいります。
続いて、ペットを伴う避難についての質問でございます。
都の避難所に関する運営指針では、ペットを避難所に受け入れるに当たり、動物が苦手な方や動物アレルギーの方への配慮として、居住スペースの区分など、事前に準備すべきことについて区市町村に示しております。あわせて、指針では、指定避難所を補完する機能として、ペット同伴避難に特化した避難所を準備しておくことも有効としております。
また、動物等の専門学校と協定を締結し、ペットと共に過ごせる避難所として確保した事例を区市町村に紹介をしております。
こうした取組により、飼育者が安心して避難できる環境を整えてまいります。
〔消防総監市川博三君登壇〕
○消防総監(市川博三君) 二点の質問にお答えいたします。
まず、災害時等における消防団の情報伝達についてでございますが、団本部と分団本部等が連携した活動を行うため、災害に強い通信手段を確保することが重要でございます。
特別区消防団では、平成二十四年度にMCA無線機を整備して以来、災害活動をはじめ各種警戒活動等で積極的に活用しております。
当該無線サービスの終了に伴い、情報伝達に支障が生じないよう、引き続き国や関係機関等の動向を注視し、災害に強い通信手段の確保について検討を進めていくとともに、消防団員に対し、適時適切な情報提供を行ってまいります。
次に、消防団業務におけるDXの推進についてでございますが、業務の効率化や情報伝達の迅速化を図ることは、今後の特別区消防団の充実強化に重要でございます。
令和七年三月、各区の消防団運営委員会から、専用アプリの活用など、消防団業務におけるDXを推進すべきとの答申がなされました。このことから、来年度はタブレット端末を更新し、消防団活動を支援するツールを導入するとともに、専用アプリの市場調査や、既に導入している他消防本部にヒアリングを引き続き行ってまいります。
こうした取組により、スピード感を持って消防団業務におけるDXを推進してまいります。
〔建設局長花井徹夫君登壇〕
○建設局長(花井徹夫君) 西武新宿線の野方駅から井荻駅付近の鉄道立体化に向けた取組についてでございますが、本区間には、補助第一三三号線を含む十六か所の踏切があり、鉄道立体化が必要でございます。
都はこれまで、構造形式等の検討を進めてまいりましたが、中野区におきまして、野方駅周辺のまちづくりを進めるため、野方第一号踏切を除却の対象に加える検討が行われ、昨年十二月に技術的には可能であることの報告を受けました。
現在、区におきまして事業スキーム等の検討を行っており、今後、改めて本区間の構造形式等の検討を深めてまいります。
引き続き、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道立体化に向けて着実に取り組んでまいります。
○副議長(菅野弘一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後二時四十五分休憩
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