○議長(増子博樹君) 二十三番小川ゆうた君。
〔二十三番小川ゆうた君登壇〕
○二十三番(小川ゆうた君) 都民ファーストの会葛飾区選出の小川ゆうたと申します。
区議会議員時代から地域猫活動や保護猫活動など、ボランティア活動をしてまいりましたので、動物関連政策、こちらについてはより一層取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(発言する者あり)ありがとうございます。
それでは、質問させていただきます。
最初に、公立小中学校の防犯対策についてお伺いいたします。
本年五月、立川市の小学校において、児童の母親の知人が校舎内に侵入し、教職員に暴行を加えるという事件が発生しました。学校は、子供たちが学び、生活する大切な場所であり、安全を脅かされないよう対策を徹底しなければならないと考えます。
既に小学校の一部からは、今後、防犯カメラを校門や廊下に追加で設置したいという声も聞いております。不審者に対する防犯対策としては、例えば防犯カメラやオートロックシステムの設置などが挙げられます。
このような取組を行う区市町村に対し、東京都はこれまでも、費用を補助してきておりますが、スピード感を持って対策を進めることが重要です。
そこで、小中学校で施設の防犯対策が速やかに進むよう、引き続き、都として区市町村の取組を着実に支援していくべきと考えますが、見解を伺います。
次に、放課後児童支援員の処遇について伺います。
学童保育クラブは、保護者にとって安心して就労を続けるための基盤であり、子供にとっては放課後の健全な育成と居場所を提供する重要な役割を担っております。近年、共働き家庭の増加に伴い、そのニーズは一層高まっており、学童保育クラブの量の拡充と質の向上のためには、人材の確保、育成が重要です。
そこで、学童保育クラブの運営者が速やかに人材を確保できるよう対応すべきと考えますが、都の見解を伺います。
加えて、支援員の約半数を占める二十代職員は、産休、育休を取りにくい状況にあり、その要因として職員体制の不足が挙げられます。
こうした状況を改善していくためには人材確保が不可欠と考えますが、都としてどのように対応していくのか見解を伺います。
次に、都立高校入試制度改革についてお伺いいたします。
私たち都民ファーストがかねて訴えてまいりました都立高校の魅力向上に向けて、有識者等から成る懇談会が設置され、多様な立場の方による自由闊達な意見交換を期待しております。
都立高校の魅力向上の一つの視点として、各都立高に特色を持たせることが挙げられますが、そのためには、入り口の入試制度も現状の画一的なものでいいのか疑問があり、さらに、国の方では公立高校の併願制度に関する検討も進められています。
また、都内では、中学受験をする家庭が少なくない割合で存在しておりますが、その理由として、内申点への疑問など、地域の中学校への不安のお声を伺うところであり、小学校のご家庭を含め、幅広い意見を求めることが必要です。
そこで、都立高校の魅力向上の議論の中で、入試制度の在り方について明確に議題として設定し、有識者等による議論に加え、広く都民から意見を求めるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、残されたペットの処遇についてお伺いいたします。
猫ボランティアの方々からのお声で、高齢者の方が急に亡くなったり、空家に取り残された際のペットの引取りを緊急で依頼されるケースが多々あり、その際、動物愛護相談センターに引取り相談をした場合、自分で飼い主を探すように促す対応に戸惑う声を聞いております。
動物愛護管理法において、終生飼育が基本理念とされておりますが、現実には、飼い主の突然の死亡により、ペットの引取り先がなく、命の危機にさらされる事例が後を絶ちません。
民法上、ペットは相続財産として扱われ、相続人が飼育を継続することが原則でありますが、必ずしも円滑に引き継がれるとは限りません。飼い主が生前に遺言やペット信託を活用し、死後の飼育費用や引取り先を確保するなど、自らが万が一に備えていくことも重要です。
さらに、ペットを飼っている、また、これからペットと暮らしたいと考えている高齢者が安心して終生飼育を計画できる環境を整えることが重要です。高齢者のペット飼養に関する知事の見解を伺います。
次に、猛暑下におけるペットの屋外活動についてお伺いいたします。
東京都動物愛護管理審議会で話題に上がった案件で、昨今、猛暑の日のペットを連れての募金活動が頻繁に見受けられ、ペットたちがつらい思いをしている旨の連絡を多くいただくようになりました。
都としては、現在、熱中症の際の散歩や外出などの屋外活動は控えるように注意喚起を行っておりますが、ペットを連れての募金活動の事例から考えても、より一層取り組むべきと感じております。
また、ペットの熱中症対策は、災害時でのペットの同行、同伴避難への対応の観点からも、今後ますます重要になると考えておりますが、まずは平時の対応に、より一層の力を入れて取り組んでいただきたいと考えております。
そこで、猛暑におけるペットの屋外活動について、熱中症予防などを注意喚起する普及啓発に都としてさらに進めるべきと考えますが、都の見解を求めます。
次に、空家対策についてお伺いいたします。
令和五年度から、各区において空家のマッチング制度が始まっておりますが、私の葛飾区においても、この二年半で一件という、成果が出ていないと聞いております。課題として、家賃の折り合いがつかない、耐震工事や防火措置が必要など、金銭的なことが大きな壁になっております。
そこで、空家を改修するに当たっては、内部をリノベーションするだけでなく、耐震基準を満たすように耐震化を施すことも必要となりますが、それに伴う費用の負担が空家を利活用する民間事業者のネックとなっております。
これを踏まえて、都として支援を行い、空家活用の促進につなげていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
次に、京成高砂駅の開かずの踏切についてお伺いいたします。
都内には、開かずの踏切が多く残されており、京成高砂第一号踏切は、一時間で最大五十七分も遮断しておりまして、高齢者や自転車などであふれ返り、交通渋滞や踏切事故が危ぶまれ、地域の活力や魅力を損なっております。
この踏切では、これまでに橋上駅舎化や踏切拡幅など対策が行われ、安全性は向上してきておりますが、今後も可能な踏切対策について積極的な支援を要望いたします。
さらに、この課題を抜本的に解決するために、複数の踏切を同時に除却する連続立体交差事業の早期事業化が必要であります。
一方、京成電鉄は、鉄道輸送における京成高砂駅のボトルネックの改良が必要との話を伺いました。
そこで、京成高砂駅から江戸川駅間の鉄道立体化に向けた取組状況についてお伺いいたします。
次に、緊急避妊薬の市販化の対応について伺います。
緊急避妊薬の市販化が来年、二〇二六年春頃から始まります。これにより、医療へのアクセスが重要となり、特に薬局での対応が要となります。薬剤師による対面販売や服薬指導が義務づけられる中、薬局側の対応体制が利用者の安心感と制度の信頼性に直結します。特に性暴力被害者や若年層が利用する場合、プライバシーへの配慮や丁寧な対応が不可欠です。
都として、対応マニュアルの整備、相談体制の強化など、薬局現場の質を高める取組が求められます。
そこで、制度の円滑な運用と利用者の尊厳を守るため、都として薬剤師会との連携を進めるなど、現場の体制整備を進めるべきと考えますが、見解を求めます。
次に、PFOS等の泡消火薬剤についてお伺いいたします。
PFASの一種であるPFOS及びPFOAを含む泡消火薬剤は、主として駐車場等において使用されてきました。PFOSやPFOAは既に製造、輸入等は禁止されておりますが、これらを含む泡消火薬剤は使用が禁止されていないため、火災時等により薬剤が漏出した場合、環境中に流出するリスクがあります。
このため、都は、全国に先駆けて泡消火薬剤の交換費用を補助する制度を創設しました。そこで、転換を加速させるためには、使用実態を把握し、消火設備の所有者に対して働きかけを行っていくべきです。
さらに、これまで補助対象ではなかったPFOAについて、具体的な取組を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
次に、アルコール依存症についてお伺いいたします。
都が進めてきた依存症対策は、薬物、アルコール、ギャンブルと幅広く、国の法律と連動しながら取組を展開してきました。
しかしながら、普及啓発の促進、医療提供体制の充実、関係機関との連携、そして何より当事者やその家族への支援において、依然として課題が残されております。
特にコロナ禍を経て、いわゆる宅飲みが広がり、未成年や妊婦におけるアルコール依存のリスクが高まっていることは看過できません。依存症は、本人だけでなく、家族や社会全体に深刻な影響を及ぼすものであり、早期の予防と適切な支援が不可欠です。
そこで、都は現在、第三次アルコール健康障害対策推進計画の策定を予定しています。この計画において、従来の啓発や医療体制の整備に加え、依存症患者本人とその家族が孤立せず、安心して相談支援を受けられる仕組みを強化すべきと考えますが、都の見解を求めます。
最後に、ギャンブル依存症についてお伺いいたします。
ギャンブル依存症は、社会全体の課題です。過去にはパチンコや競馬場など、その場に行かなければギャンブルができませんでしたが、近年はネット上でのギャンブル環境が整い、業界の売上げが増えていることから、若年層のギャンブル依存症が特に増えているといえます。若者は、前頭葉が発達段階のために、制御が利かず、依存を深めるともいわれます。
ギャンブル依存症は、早期支援や適切な治療で回復が可能とされておりますが、当事者や家族が適切な医療や相談窓口にたどり着くまで平均三年がかかっているといわれております。この状況を改善するために、さらなる取組を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
以上で私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 小川ゆうた議員の一般質問にお答えいたします。
高齢者のペット飼養についてでございます。
動物は、私たちの生活に潤いや癒やしを与えてくれる大切な存在です。
都は、高齢者が安心してペットと暮らし続けられますよう、病気や入院などの際に、ボランティアによる一時預かりなどの支援が身近な地域で受けられる体制づくりに取り組んでおります。
また、飼えなくなった場合に備えまして、あらかじめ新しい飼い主を探しておくなど、日頃から準備すべきことにつきまして、様々な機会を通じて広く発信をしております。
飼い主にとりまして、ペットは家族の一員です。今後とも、区市町村やボランティアとも連携しながら、高齢者がペットと共に生き生きと暮らせる社会の実現を目指してまいります。
なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
〔教育長坂本雅彦君登壇〕
○教育長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、公立小中学校の防犯対策への支援についてでございますが、公立の小中学校で児童や生徒が安全で安心な学校生活を送る上で、施設面の防犯対策を確実に行うことは重要でございます。
このため、都教育委員会は、小中学校でインターホンや電子錠などを使い、簡単で速やかに施設の防犯対策を進める区市町村への助成を行ってまいりました。
また、校内への出入口の門や学校を囲むフェンス等について、防犯のため工事を行う場合、国による補助制度の活用を区市町村に促しております。
小中学校で速やかな防犯対策を進めるニーズの高い状況を踏まえまして、今後とも都による助成を着実に実施をしてまいります。
次に、都立高校の入試制度についてでございますが、東京の社会や経済の変化に応じ、多様な人材を育成し、子供たちの学習意欲等に応えるため、都立高校の入試制度を適切につくり上げることは重要でございます。
都教育委員会は、様々な困難を抱える子供たちにきめ細かい教育を行う深沢高校で、今年度より、学力検査と調査書に関する新たな入試を実施いたします。
また、先月には、都立高校の魅力向上に向けた有識者の会議を設け、これからの新たな学校づくりの進め方等に関し議論を行っております。
今後、この会議の中での検討や意見を踏まえ、東京をめぐる様々な状況の変化や生徒のニーズなどを的確に捉え、入試制度への反映に役立ててまいります。
〔福祉局長高崎秀之君登壇〕
○福祉局長(高崎秀之君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、放課後児童支援員の研修についてでございますが、都は、学童クラブの待機児童解消に取り組む区市町村に対して整備費などの支援を行うほか、国の基準を上回る職員体制などを要件とした認証学童クラブ事業を実施しております。
こうした取組を進めるためには、学童クラブで働く人材の養成が不可欠でありまして、都が実施する放課後児童支援員の認定資格研修について、今年度、定員を三千名から三千四百名に拡大しております。
今後、学童クラブの開設が集中する四月に合わせて人材を養成できるよう、研修の実施時期を前倒しするなど、学童クラブの量の拡大と質の向上につながる取組を検討してまいります。
次に、学童クラブの人材確保についてでございますが、職員が安心して産休、育業を取得するためには、職場における理解や環境整備の促進に加えまして、代替となる職員の速やかな確保も重要でございます。
このため、都は、福祉分野の就職支援サイト、ふくむすびに学童クラブの求人情報を掲載するとともに、求職者が効率的に求人情報を検索できる機能も整備しております。
また、今年度から、学童クラブに特化した就職相談会を開催するとともに、学童クラブでの勤務経験のない求職者などを対象に、職場体験から就業、定着までを一貫して支援する取組も開始いたしました。
今後、こうした取組をさらに進めまして、学童クラブの人材確保を一層支援してまいります。
次に、アルコール健康障害の家族支援についてでございますが、アルコール健康障害は本人の健康の問題だけでなく、その配偶者や子供などに対しても深刻な影響をもたらすため、依存症患者の家族への支援が重要でございます。
このため、都は、アルコール健康障害対策推進計画の改定に当たりまして、新たに家族に対する支援を重点的な取組として位置づけることを外部の有識者等が参画する委員会で議論しております。
今後、委員会での議論も踏まえながら、家族が安心して相談支援を受けられる体制の充実に向け、精神保健福祉センターと児童福祉部門との連携強化など、効果的な施策を検討してまいります。
最後に、ギャンブル等依存症対策についてでございますが、都は、本年三月に改定したギャンブル等依存症対策推進計画に基づきまして、若者などからの相談体制の強化や、関係機関が連携した支援の充実などに取り組んでおります。
具体的には、本年四月から、若者がアクセスしやすいLINE相談を開始するとともに、五月の啓発週間には、精神保健福祉センターと支援団体などが連携した相談会を初めて実施いたしました。
さらに、今年度中に相談先や医療機関などの情報を一元的に提供するポータルサイトを構築するなど、ギャンブル等依存症の早期発見、早期支援に向け取り組んでまいります。
〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕
○保健医療局長(山田忠輝君) 二点のご質問にお答えいたします。
初めに、ペットの熱中症予防についてでございますが、ペットの健康と安全を確保するためには、飼い主が責任を持って適正に飼養することが重要でございます。
そのため、都は、飼い主に対して普及啓発を行うとともに、熱中症を防ぐため、夏場は日差しの強い屋外での飼育を避けること、飼育場所の温度を確認することなどを専用サイト等で周知しております。
また、今年度は、夏を迎える時期に、暑い時間帯での犬の散歩等についてSNSで注意喚起をしております。
今後も様々な機会を通じまして、ペットの熱中症に関する飼い主への情報発信を行ってまいります。
次に、緊急避妊薬の市販化についてでございますが、薬局などで販売が予定されております緊急避妊薬は、薬剤師による対面での情報提供の義務づけなど、特に適正な販売が求められる要指導医薬品でございます。
加えて、販売に当たりましては、所定の研修を修了した薬剤師が勤務していること、プライバシーへの配慮、近隣の産婦人科との連携体制の構築などが要件となります。
本年九月、国がこれらの要件を示しており、都は、薬剤師会などを通じて周知徹底を図っております。
販売開始後は、保健所設置区市と連携して、取扱いのある薬局などを対象に、要件の遵守状況について重点的に監視指導を実施してまいります。
〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕
○住宅政策本部長(山崎弘人君) 空家の活用についてでございますが、空家の有効活用のためには、耐震性などの建物の安全を確保することが重要でございます。
都は、空家を改修して住宅政策の課題解決等に取り組む事業者に対しまして、内装等の改修費に加え、耐震改修費を上乗せして補助を行っており、これまで古民家を地域住民が集える居場所に改修した事例などがございます。
こうした支援制度や活用事例などを区市町村や関係団体と連携を図りながら、空き家を活用したい事業者と所有者を結びつけるセミナーや展示会などで周知することなどにより、空家の有効活用を一層促進してまいります。
〔建設局長花井徹夫君登壇〕
○建設局長(花井徹夫君) 京成本線の京成高砂駅から江戸川駅付近の鉄道立体化に向けた取組についてでございますが、本区間では、補助第一四三号線など都市計画道路が三か所で交差することになるほか、京成高砂第一号踏切を含む十三か所の踏切がございまして、鉄道立体化による踏切解消が必要でございます。
都はこれまで、構造形式や施工方法の検討を進めてまいりましたが、本年、鉄道事業者より輸送力増強に向け、京成高砂駅付近の改良をしたいとの申出がございまして、現在、鉄道事業者におきまして、鉄道線形などの再検討を行っているところでございます。
今後とも、地元区や鉄道事業者と連携しながら、鉄道立体化に向けて積極的に取り組んでまいります。
〔環境局長須藤栄君登壇〕
○環境局長(須藤栄君) PFOS等含有泡消火薬剤の転換についてでございますが、泡消火薬剤由来のPFOS等については、実態を速やかに把握した上で、非含有泡消火薬剤への転換を促し、流出を防止することが重要でございます。
そのため、都は、本年九月に、都内の泡消火設備所有者約四千八百件に対して、交換費用の支援制度を周知するほか、使用状況の調査を実施いたしました。
現時点で約四割から回答があり、このうち約六割でPFOSまたはPFOAの含有を確認しており、引き続き、都内の現状を把握してまいります。
今後は、調査結果に応じて、直接現地に出向き、非含有泡消火薬剤への早期転換を促すとともに、PFOAについても適切な対応を検討してまいります。
○議長(増子博樹君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時四十八分休憩
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.