○議長(増子博樹君) 十二番さんのへあやさん。
〔十二番さんのへあや君登壇〕
○十二番(さんのへあや君) 初めに、エジプト政府との合意について伺います。
都は、八月十九日付けで、エジプト人労働者の日本での雇用に有益な研修及び情報提供に関する協力に係る合意書を締結しました。
都は、多くの国や都市と交流や協力を進めてきましたが、自治体が特定の国を対象に、雇用促進に積極的に関与する合意を外国政府と結んだ前例はありますか。
合意書第二条の一では、都がエジプト人労働者に対してのみ国内での仕事を確保し、情報提供する特別扱いになっています。この経緯と意図について、小池都知事に説明を求めます。
また、合意書第三条の二では、予算を伴うことを想定していますが、どの項目に、どの程度の予算額を想定していますか。
さらに、特定国への支援は、地方財政法や外国為替管理法等関係法令に抵触しないか、見解を伺います。
都は他国とも合意書を結んできましたが、雇用に関するものは今回が初めてです。そして、都は理由として、友好都市関係や知事の訪問を挙げています。しかし、なぜ雇用の合意をエジプトとのみ結ぶのか、根拠は依然不明確です。不安を抱く都民が声を上げれば、誤情報、排外主義と決めつける姿勢こそ、都民排外主義のそしりを免れないのではないでしょうか。
次に、火葬場についてです。
都内の火葬場の七割超を運営する東京博善が火葬料金を再び値上げします。さらに、都知事の特別許可で設置された代々幡斎場や堀ノ内斎場では、無申告の増改築疑義があります。
都は、これら施設の増改築をどう把握し、監督しているのか、変更は正式に許可したのか、時系列でご説明ください。
東京博善が運営する全施設についても、変更申請や許可手続は適正に行われているのか伺います。
知事は、代表質問で区市町村と連携する、実態調査をすると答弁しましたが、東京博善が二〇二〇年に外資系子会社となる以前から、区長会をはじめ関係者は、都に対して公域的対応を求めてきました。にもかかわらず、都は所管外と一蹴し、その結果、外資支配、相次ぐ値上げを招きました。想定可能な事態にも、都は手だてを講じませんでした。
増改築は固定資産税にも影響します。特定行政庁移管時の引継ぎがきちんと行われたのか、これまでの対応の遅れを踏まえ、今後は都が主体性を持ち、責務を果たすべきです。
次に、同じく重要な公共インフラである中央卸売市場の公益性についてです。
複数の市場関係者への聞き取り調査において、経営難等により、外国資本の参入が進んでいる実態を確認いたしました。令和五年度の調査では仲卸事業者の四五・五%が赤字経営であり、その状況は今もなお深刻です。
現行の卸売市場法には、資本構成に関する直接的な規制や報告義務は定められておらず、独占禁止法は競争確保を目的とするもので、公設市場の公共的使命を企業に課す仕組みは含まれていません。
大規模災害やパンデミックによる流通途絶に備え、買占めや国外転売で、都民、国民の食料供給が脅かされぬよう、食料品備蓄や都の指示に基づく供給義務を課す条例の改正を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
条例改正が難しくとも、災害時協定等の締結や法的拘束力のある予防措置の検討が必要と考えます。性善説に基づいて運用されてきた法令の隙をついて、不透明な資本流入や支配が進み、市場の公正な競争と公益性が脅かされることになる前に、日本の首都東京の食の安全保障、食文化と伝統、ブランドを守り、受け継ぐための予防措置として、都として仲卸事業者の資本関係を把握する新たな調査手法や情報開示の義務づけを検討すべきと考えますが、検討を伺います。
最後に、補助金交付の透明性確保についてです。
都では、補助金等交付規則に基づき、申請交付指導検査が行われていますが、TOKYO補助金サーチ見える化ボードでは、概要のみで、支給先が分かりません。
給付行政の透明性や説明責任の担保は不十分でないか、知事の認識を伺います。
同様に規則を持つ北海道では、補助事業者名まで公表しています。都の補助金支出は、過去には一兆円を超え、一般の歳出の約三割に達した年度もありました。不正受給の事例も後を絶たず、また、外資を含む様々な事業者が公共事業に参入する中で、補助金の透明化と適正運用の徹底は、税金を守る上での喫緊の課題です。補助金が公正に使われていることが都民に伝わるよう、透明性を高めるべきです。
そこで、虚偽申請や不正受給について、国の補助金適正化法に倣い、返還義務や刑事罰を設ける条例化、あるいは第三者による監視機関、補助金Gメンの設置など、監視強化を検討すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
以上で、再質問を留保し、自由を守る会さんのへあやの質問を終わります。(拍手)
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) さんのへあや議員の一般質問にお答えいたします。
二点のご質問にお答えいたします。
エジプト側との合意についてでございます。
他自治体において、海外の都市や国との雇用分野に関する合意書等の締結は行われております。
都は、これまでもエジプトと様々な交流をしておりまして、友好関係の発展について意見交換を行い、実務的な協議を重ねた結果、このたび、雇用のほか複数の分野の合意書締結に至ったものであります。
次に、合意書第三条第二項についてでございます。
この規定では、予算、具体的なプロジェクト契約及びスケジュールを含む実施の詳細は、両当事者が別途かつ相互に合意して策定するものとするとしております。
今回の合意内容は、エジプト側で実施されます日本での雇用に必要なスキル、基準の研修等について、都は助言や情報提供などを行うものであります。
今後、必要があれば、規定に基づき対応いたします。
〔政策企画局長佐藤章君登壇〕
○政策企画局長(佐藤章君) 合意書の締結についてのご質問にお答えします。
都が海外の都市や政府機関等と結ぶ合意書は、相手側への支援だけではなく、人的交流や情報交換等を通じて、特定分野の協力関係を促進することを目的としております。
本合意書は法令に抵触するものではございません。
〔保健医療局長山田忠輝君登壇〕
○保健医療局長(山田忠輝君) 二点のご質問にお答えいたします。
初めに、火葬場の指導監督についてでございますが、火葬場の設置や変更の許可は、墓埋法に基づき、島しょ地域は都が、それ以外の区域は区市町村が行っております。
次に、火葬場の変更申請等についてでございますが、区部の火葬場に関しては、墓埋法に基づき、当該火葬場が所在する区が変更許可等を行っております。
〔中央卸売市場長猪口太一君登壇〕
○中央卸売市場長(猪口太一君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、有事における食料供給についてでございますが、生鮮食料品の買占め等は、不公正な取引として、東京都中央卸売市場条例で規制されてございます。
また、発災時の生鮮食料品の確保につきましても、本条例のほか、災害対策基本法等の関係法令に基づきまして、既に必要な措置が定められていることから、条例改正が必要な状況とは考えてございません。
次に、市場業者の資本の調査等についてでございますが、東京都中央卸売市場条例では、取引参加者の資本関係を問わず、買占め等不公正な取引を禁止するなど、生鮮食料品等の円滑な供給を確保するため必要な規制が既に設けられており、市場業者の資本に係る新たな調査等が必要な状況とは考えてございません。
〔財務局長山下聡君登壇〕
○財務局長(山下聡君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、補助金についてでございますが、都はこれまでも、補助対象や補助率、予算額などを都民が容易に検索できるTOKYO補助金サーチ見える化ボードを公開しておりまして、補助金に関する透明性の確保とアカウンタビリティーの充実を図っております。
次に、補助金の交付についてでございますが、都はこれまでも、補助金に係る不正や違反があった場合には、補助金等交付規則等に基づき、返還命令を行うとともに、必要に応じて法的措置を執るなど、厳正に対処しております。
また、地方自治法に基づき実施している監査委員による定例監査や財政援助団体等監査等を通じて、補助対象事業が補助金の目的に沿って適正に執行されているかなどを検証しております。
〔十二番さんのへあや君登壇〕
○十二番(さんのへあや君) 他自治体が諸外国と雇用支援を結んだ事例は、いずれも明確な産業ニーズが背景にあります。歴代都知事初となる外国との雇用促進合意を結ばれた都知事に、その背景、経緯、数ある国の中でなぜエジプトなのかを再度問います。
知事は、都民に自ら説明できないような合意を結んだのですか。お答えください。
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) 再質問にお答えいたします。
先ほどご答弁申し上げたとおりでございます。
Copyright © 1999
Tokyo Metropolitan Assembly All Rights Reserved.