○議長(増子博樹君) 百二十番坂本まさし君。
〔百二十番坂本まさし君登壇〕
○百二十番(坂本まさし君) 国民民主党東京都議団幹事長の坂本まさしです。都議団を代表し、都政の未来に向けた我が会派の基本的立場を申し上げます。
我々は、都民の手取りを増やすことを掲げ、選挙を戦いました。都民が働く意欲を持ち、消費や投資に回るお金を回し、経済全体に好循環を生み出すことで、暮らしに希望を感じられる社会を実現することこそ、日本の首都東京に課せられた責務であります。
また、我が党は、国政政党として、区政、都政、国政がしっかりと連携し、現実的で、偏らない、正直な政治の実現に向けて取り組みます。
制度設計や財源の確保に当たり、国との協議、調整は不可欠ですが、東京都だからこそ、国に先駆けて取り組むことができる施策はまだまだ残されています。
これらを踏まえ、私たちは、幅広い分野にわたり都市生活を支え、首都東京の持続的成長を切り開くための具体策について、知事並びに関係当局の見解を伺います。
まず、都民生活に直結する税制について伺います。
物価高騰の影響は依然として重く、特に現役世代にとっては、住まいの費用負担が生活を圧迫しています。こうした現役世代の暮らしを支えるには、日々の可処分所得を確保するための具体的な施策が不可欠です。
東京都は、防災の観点から、固定資産税、都市計画税の軽減措置を講じており、耐震化促進税制や不燃化特区税制などが年度末に期限を迎えます。これらは首都直下地震リスクの高まりを踏まえ、継続すべき施策であります。
そこで、固定資産税などの耐震化促進税制及び不燃化特区支援税制について、来年度以降も継続するべきと考えますが、都の見解を伺います。
東京都は、こうした政策税制に加えて、都民の負担軽減を図るため、独自に二十三区において、小規模住宅用地の都市計画税を二分の一に軽減する措置を講じており、その軽減額は、令和七年度当初予算において約四百九億円に上ります。
地価上昇が続く中で、依然として住宅取得、維持の負担が重いとの声が寄せられており、毎年度ご負担いただく固定資産税や都市計画税の負担軽減を図ることは、国民民主党の重点政策である都民の手取りを増やすことに通じるものとなります。
都民のさらなる負担緩和を図り、手取りを増やすことにより、生活を支えるため、さらなる都民への還元策を検討することを要望して、次の質問に移ります。
東京を訪れる外国人観光客は急増し、経済に大きな効果をもたらす一方で、都市インフラや地域社会への負担も看過できない状況です。国際都市にふさわしい姿を築くには、観光振興を推し進めると同時に、都民生活との調和を図る外国人政策が重要課題であると考えます。
そこで、東京の持続的成長と都民生活の安定の両立に向け、外国人観光客との共生政策をどのように位置づけ、展開しようとしておられるのか、都の基本的なお考えをお聞かせください。
外国人観光客との共生は、単に受入れ環境づくりやマナー意識の醸成にとどまらず、その経済効果を都民生活にどのように還元していくのかという視点も不可欠であります。観光の果実を地域社会の持続性や都民の安心につなげる仕組みがあってこそ、国際都市東京の成長は真に持続可能なものとなります。
その一環として、具体的には、国際的に見ても極めて低水準にとどまっている東京都独自の宿泊税を、国際水準に沿った適正なご負担をお願いする形で整理し直すべきであります。
その成果は、将来的には観光振興に限らず、他国の事例にも倣い、一般財源化を視野に入れて、教育、子育て、さらには減税財源など、都民生活の全般に広く活用し得る仕組みへと整えるべきであります。
特に固定資産税の減税、子育て世帯を直接支援する〇一八サポートの拡充への安定財源と位置づけることで、都民が実感を伴って享受できる都民配当を実現するものであると考えます。
企業経営に学ぶ効率と成果の視点を都政に息づかせ、東京が自らの稼ぐ力を高め、その果実を公平に都民と分かち合う、この循環こそが世界都市東京の使命を果たすものであり、我が会派が掲げる都政の未来像であります。
こうした観点から、東京都独自の宿泊税についても、国際的な水準に照らした見直しが強く求められると考えます。
東京都の宿泊税は、現行では最高でも一泊二百円と、主要都市に比べ極めて低水準にとどまっております。例えば、パリでは一泊最大十五ユーロ、ニューヨークにおいては宿泊料の五%の税率に定額課税を加えるなど、国際的にはむしろ高水準が一般的であります。
また、その使途についても、海外主要都市では観光増加と住民生活の調和を図る観点から、住民にも便益のある事業に宿泊税を活用する取組が広がっております。
そこで伺います。
東京都もまた、国際都市にふさわしい水準へと税率の引上げを検討すべきではないでしょうか。さらに、その使途についても、都が年内に示すとしている見直し案においても、観光振興施策の裾野の広さを鑑みれば、戦略的な視点から観光客のみならず都民に広く還元される事業の財源として、積極的に活用することを打ち出すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
これまで申し上げてまいりましたとおり、我が会派は現役世代の手取りを増やすことを最重要課題に掲げておりますが、その前提として、都の財政運営が計画的かつ持続可能であることが不可欠であります。
東京都はこれまで、歳出精査を通じた財源捻出や基金への計画的積立て、また必要に応じた都債の発行など、多様な手法を組み合わせて安定的な財政運営を図ってきました。こうした取組により、全国的に見ても極めて健全性の高い財政を実現し、都市課題の解決や都自体の施策を講じることができる。これは大きな強みであります。
一方で、東京を取り巻く環境は決して平たんではなく、東京一極集中に対する批判や偏在是正税制の議論など、持続的な財源確保を難しくする要素も数多く存在しています。そのような制約を乗り越え、さらに強い東京をつくっていくためには、発想の転換も必要ではないでしょうか。
具体的には、企業経営の視点を取り入れ、例えば、今決算のような増収時には基金を確実に積み増すことが重要です。基金の資産運用については、令和六年度の東京都の公金管理実績によれば、基金残高は約三兆八千五百四十一億円、運用利回りは〇・一二八%、その運用収入は約四十九億四千四百七万円と、安全かつ効率的な運用がなされています。
これを踏まえ、今後は変動する市場環境にも対応できる柔軟な運用手法の検討や、従来の枠にとらわれない新たな資産運用戦略の構築によって、さらなる収益機会の開拓に挑戦すべきと考えます。
こうした形で都が稼ぐ力を強化し、得られた収益を都民生活に資する投資に充て、結果として、都民配当として様々な形で還元する仕組みづくりを検討する価値は十分にあります。
東京都が世界都市として持続的に発展していくためには、都市課題の解決にも資する新たな取組の実現はもとより、基金の計画的かつ戦略的な積立て、運用、取崩しを行うなど、収入面も強く意識しながら今後の財政運営を行っていくべきと考えますが、知事のお考えを伺います。
次に、水道料金についてです。
都は、物価高騰を踏まえ、都民生活を下支えするために、水道料金の基本料金を四か月無償化しました。生活必需費の軽減策として一定の効果が評価される一方、無償化終了後の家計への反動負担に強い懸念が寄せられています。
また、水道事業は、施設更新など将来の財政負担を抱え、全国的に値上げを検討する自治体が増加しているため、今回の措置後に東京都も水道料金値上げや追加負担に踏み切るのではないかと、そういった不安が高まっており、物価高が続く都民生活にどのような影響を及ぼすのか懸念があります。
そこで伺います。今回の無償化終了後、東京都で水道料金の値上げや新たな負担を行う可能性はあるのか、都のお考えをお聞かせください。
次に、中小企業再生と独自支援策についての質問です。
東京都の経済と雇用を支える多くの現役世代が中小企業で働いており、その稼ぐ力の強化は東京の持続的成長に不可欠であります。本来、十分な給与を保障し、従業員に報いるのは経営者の責務でありますが、現実にはコロナ禍から復活できない企業や後継者不足、人手不足に悩む事業者がいまだ多く、出口の見えない状況に置かれています。
一時しのぎとして導入された租税公課や社会保険料の猶予措置も、期間満了後には二重返済の形で重くのしかかり、加えてコロナ融資の返済本格化により、資金繰りに苦慮する企業も見込まれ、現場には再生余力を断たれる深刻な声が広がっています。自己破産せざるを得なくなれば、経営者、家族の生活再建も困難となり、東京の雇用や地域経済にも大きな影響を与えかねません。
こうした現状に対し、国の制度改革を訴えるとともに、都政としても現場の声を真摯に受け止め、企業の厳しい状況に配慮した、資金繰りに対するなだらか返済の支援や、再投資余力確保のための独自補助金、そして事業再生に向けた伴走型支援を強化していくことが必要不可欠だと考えます。
そこで、三点ご質問いたします。
一つ目は、様々な返済負担が中小企業の経営再建に深刻な支障を来している問題について、東京都として現状を認識し、なだらか返済への都独自のサポートや事業再生、資金繰り改善に直結する支援を充実すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、経営者の自己破産を回避し、再チャレンジできる環境整備のため、東京都中小企業再生支援協議会などとの連携による早期事業再生支援や、経営改善計画作成支援の強化に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
最後に、持続的な賃上げ、雇用創出や再投資を実現するため、国の補助金、融資制度の補完として、東京都独自の再投資余力の確保を目的とした時限的支援金、補助金制度、例えば省力化や省人化投資、新規事業進出などへのサポートであります。これらを積極的に講じるべきと考えますが、具体策について見解をお聞かせください。
次に、子育て世帯の住宅支援について伺います。
東京都二十三区では、住宅価格、賃料の高騰により、三、四十代子育て世帯の近郊移住が進み、十五歳未満人口の転出超過も続いています。新築マンション価格は近年、約五割上昇し、二〇二三年には平均価格が一億円を突破、賃貸家賃も高水準であります。
二〇三〇年に人口がピークを迎えた後、減少に転じる中で、現役世代の流出は都の持続性に深刻な影響を与えます。そのため、若年、子育て世帯が定住可能な住宅環境整備が急務であります。
都は今年度、官民合わせ二百億円規模のアフォーダブル住宅供給促進ファンドを組成する方針ですが、十分な供給につながるかは不透明であります。
そこで、二点伺います。
第一に、低家賃を実現するには、投資利回りの抑制も必要となりますが、そうした条件下で民間投資家が参画するメリットをどう考えるのか、都の見解を伺います。
第二に、空家を改修し、子育て世帯向けに低廉賃貸するなど、地域コミュニティの活性化などにも資する空家活用を一層推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
次に、東京都における教職員のメンタルヘルスの問題についてお伺いいたします。
東京都における教職員の病気休職者は、令和五年度で千十八名、そのうち精神疾患による休職者は八百三十名に上り、全体の一・二三%に相当するとのことであります。この割合は全国でも沖縄県に次いで高く、依然として深刻な状況にあります。
教育庁が行うリワークプログラムに参加した教員は、復職後の再休職率が低いという効果がデータで示されています。にもかかわらず、参加率は復帰支援プログラム対象者数である七百七十九名のうち九十三名、約一二%にとどまっており、決して高くはありません。
解決策の一つとして、教員の方々が安心・安全に働ける環境の構築や、現在休職中の教員の方々について、早期の復職に対するさらなる施策が必要です。その前提として、教育現場の管理職が職場環境の課題を認識し、改善に向けた取組ができるよう、データに基づく助言が有効であると考えます。
また、休職者支援として職場復帰訓練などをしていますが、それだけでなく、教員の方々それぞれの状況に応じた寄り添った支援を行い、復職に結びつけていくべきと考えます。
こうした観点を踏まえた今後の施策について、都教育委員会の見解を伺います。
次に、Tokyo支援ナビについて伺います。
現在の都政においては、単に制度や支援策を設計、公表するだけではなく、都民一人一人にそれらが確実に届く仕組みづくりが不可欠であります。ビジネスのCRM、カスタマー・リレーションシップ・マネジメントの概念を、シチズン・リレーションシップ・マネジメントとして都民との関係性を深め、孤立をなくす社会の実現に向けた都政DXの基軸に据えることが求められています。
東京都のTokyo支援ナビは、多様な支援制度、情報を一元的に把握しやすくした都政DXの重要な一環であります。現状は、主に顕在化したニーズを持つ都民向けのUI、UX設計に注力されていますが、言語化が難しい困り事や潜在ニーズへの対応が不足しており、三つのそびれ、知りそびれ、申し込みそびれ、受け取りそびれ、こうした三つのそびれを防ぐためには、さらなる進化が必要であります。
こうした支援の空白地帯をなくすため、今後、CRMプラットフォームが必要であると考えます。
そこで、まずは都で運用しているTokyo支援ナビについて、AIやレコメンド技術、ファジー検索、タグ分類の高度化、チャットボット連携などにより、困り事の言語化が難しい都民にも対応できるよう改善が必要と考えますが、見解をお聞かせください。
次に、都民に情報が届いたか、届き切っていない人はどれだけいるか、これらを可視化、KPI化するなど広報のPDCAを徹底していくべきと考えますが、その方針について所見を伺います。
次に、女性の活躍に関する条例について伺います。
国民民主党東京都議団は、多様な人材が活躍することが東京の持続的成長と労働力確保の要と考え、女性活躍推進条例の制定を強く支持しております。我々は、男女共同参画推進や多様な働き方の尊重を基本政策に掲げ、女性が希望や事情に応じて自らの働き方を選べる社会を目指しています。
条例制定に当たっては、女性管理職数など単一の指標に偏らず、本人の意欲や働き方の多様な選好を反映した多角的なKPIを備えることが不可欠です。
また、固定的性別役割意識の解消を条例に明確に位置づけることも重要だと考えます。
同時に、賃金決定は、企業の自律的判断であるとの前提に立ち、東京都は、生産性向上の支援と環境整備に軸足を置き、中小企業の負担増を招かない形で主体的な取組を後押しすべきです。
仮称女性の活躍に関する条例に基づく取組を進める上で、女性の多様な働き方を踏まえた目標設定や中小企業の負担への配慮が必要と考えますが、知事の見解を伺います。
次に、ソーシャルファームの持続的発展について伺います。
我が会派は、ソーシャルファームが単に福祉政策の一環にとどまらず、持続可能な社会保障制度の基盤を強化し、現役世代の安心を支える政策的意義を持っていると考えています。
また、就職氷河期世代を含む働きたくても働けない層に自立への道を開くことは、中長期的には税収基盤の拡大や社会的コストの軽減にもつながり、東京の未来を支える戦略的な投資といえます。
東京都の認証ソーシャルファームは、様々な理由で就労が困難となった方々に、事業活動を通じて働く機会と社会参加の場を提供する仕組みです。全国に先駆けて制度化され、既に六十を超える事業所が認証を受けています。
一方で、認証を受けた事業所の中には、経営環境の厳しさから持続的な運営に不安を抱える例も見られます。制度の理念を実効性あるものとするためには、事業者と就業者双方の自立を確かなものとし、安定的に活動を続けられる支援の仕組みが不可欠です。そのためには、現場の実態を踏まえた柔軟な見直しが必要だと考えます。
こうした課題を踏まえ、東京都が現在どのような支援を行い、今後どのように普及拡大を図ろうとしているのかを伺います。
次に、知事の所信表明でも触れられた都内火葬場の現状と課題について伺います。
火葬は誰にとっても避けられない公益的な施設であり、近年の火葬料金の相次ぐ値上げや参入困難な構造が、多くの都民に不安を与えています。都自らが区市と連携してこの局面を先導的に解決していくことが必要であり、そのためにも、区市と協力して取り組む姿勢を明確にすべきです。
都民生活に直結する重要な問題に対し、知事の決意を伺います。
最後に、首都防災DXについて伺います。
知事は、今回の所信表明において、首都防衛及びDXによる防災力のさらなる向上を強調されました。
これまで通信インフラについては、区市町村と連携した避難所への対策や、重要拠点周辺の携帯電話基地局を対象とした強靱化が進められていると承知していますが、実際には、避難所にたどり着く前に何らかの理由で携帯電話基地局の電波が届かなくなり、SOSを発信できずに孤立してしまう方々も発生し得ると考えられます。
そこで、国民民主党東京都議団は、万が一、携帯電話基地局の電波が届かない場所にあっても、SOSなど最低限の通信ができる衛星通信に期待しており、その活用に向けては、通信事業者と都の協力体制が不可欠と考えます。
災害時において、都民がSOSを発信することができ、孤立することのないよう、衛星通信の活用に向けた取組を強化すべきと考えますが、都の見解を伺います。
我々国民民主党東京都議団は、都政を取り巻く多様な課題に対し、一切妥協せず、真っ正面から全力で取り組むことをここに誓います。
都民の声に真摯に耳を傾け、具体的かつ実効性ある政策実現に向けて、党派を超えた対話と連携を力強く推進してまいります。都民の皆様の期待と信頼に応え、しっかりと結果を出す、これが国民民主党東京都議団の使命であり、責任であります。
以上をもちまして、国民民主党東京都議団の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 坂本まさし議員の一般質問にお答えいたします。
宿泊税についてでございます。
東京の観光が成長を遂げる中、宿泊税をめぐる状況も高額な宿泊を含む観光客の増加など大きく変化をいたしております。
こうした中、東京都税制調査会のご報告や、先般の有識者や宿泊施設事業者の皆様との意見交換におきましても、課税の在り方や使途に関しまして、観光の持続的発展に向けた施策や観光客増加への対応に活用するなど、幅広いご意見を頂戴いたしております。
宿泊税は、観光施策の推進を財政面から支える目的税であり、その見直しにつきましては、都民や観光客の皆様からより一層共感をいただけますよう、意見交換でいただきましたご意見なども参考にしつつ、年内の素案公表に向けまして検討を深めてまいります。
財政運営についてでございます。
予想を超えるスピードで時代の変化が進む中、明るい未来の実現に向けまして着実に施策を推進していくためには、将来を見据えた財政対応力の確保が重要でございます。
こうした観点から、都は独自のルールを設け、税収が増加する場合には、財政調整基金への積立てを義務づけると同時に、都市の強靱化など都政の重要課題に対応するため、特定目的基金を戦略的に活用いたしております。
また、都民の皆様からお預かりしております公金の安全性の確保を前提にしながら、金融情勢の変化も的確に捉えまして、基金の運用収益の最大化を図っております。
今後とも、歳入面も含めまして創意工夫を凝らしながら、積極的な施策展開を支え得る強靱な財政基盤を構築してまいります。
女性活躍に関しましての条例でございます。
社会状況が変化する中で企業が持続的に成長するには、そこで働く女性一人一人が個性や能力を発揮して、自分らしく活躍することが重要でございます。
条例の実効性を高めるため、政策目標を定めまして、小規模な事業者でも取組が進みますよう具体的な事例などを提示してまいります。また、雇用分野に影響を及ぼしております性別による無意識の思い込みの払拭にも取り組んでまいります。
新たな条例を原動力にいたしまして、女性活躍の輪を広げ、誰もが生き生きと暮らす社会を目指してまいります。
火葬についてのお尋ねでございます。
都内には、区部を中心に民間火葬場が多く存在いたしております。指導監督権限を有する区と連携いたしまして、火葬料金などの指導を適切に行えますよう法改正等を国に要望してまいります。
今後、実態を精緻に把握した上で、火葬能力の強化に向けました取組を検討してまいります。
なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
〔教育長坂本雅彦君登壇〕
○教育長(坂本雅彦君) 教員のメンタルヘルスについてのご質問にお答えいたします。
教員が学校の現場で教育を着実に行う上で、心の健康を維持し、安心して働き続けるためのサポートを実施することは重要でございます。
このため、公立学校では、教員の心理的な負担の状況についてストレスチェックを行い、職場での課題解決に役立てているところでございます。
また、都教育委員会は、専門家を公立学校からの要望に応じ派遣し、教職員と面談し、心の病の未然防止につなげているところでございます。
さらに、精神面の病気で休職した教員の職場復帰の支援も行っており、今後、休職直後からのサポートにも力を入れてまいります。
〔主税局長武田康弘君登壇〕
○主税局長(武田康弘君) 防災対策に係る政策税制に関するご質問にお答えをいたします。
都は、独自に耐震化促進税制及び不燃化特区支援税制を実施し、二十三区内における固定資産税及び都市計画税の減免を図っております。
二つの税制は、助成事業など様々な施策の効果と相まって、住宅の耐震化や不燃化の促進を税制面から支えており、防災まちづくりに一定の役割を果たしているものと認識しております。
来年度以降の取扱いにつきましては、適用実績や施策の目標の達成状況、財政的な影響のほか、国の税制改正の動向などを踏まえて検討してまいります。
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) 六点のご質問にお答えいたします。
まず、観光と都民生活との両立についてでございます。
東京の持続的な観光振興を図るためには、外国人旅行者のさらなる誘致とともに、地域の生活環境に配慮することが必要でございます。
都は、食や伝統文化など、多彩な魅力を海外に効果的に発信し、一層の旅行者誘致につなげております。また、夜間の誘客イベントへの支援などを通じまして、旅行者による消費の拡大も図っているところでございます。
こうした取組に併せ、外国人旅行者に向けた日本の習慣やマナーの啓発のほか、地域による混雑緩和対策への支援なども行ってございます。
これらによりまして、生活環境と調和した観光振興を進めてまいります。
次に、事業再生に向けた支援についてでございます。
資金繰りに苦しんでおられる中小企業に対し、実情に合わせたきめ細かな支援を行うことが重要でございます。
都では、中小企業の事業継続を支えるため、感染症対応融資等の借換えを可能とし、経営改善を促進する融資メニューを設け、経営の再建を支援してまいりました。
また、制度融資での資金調達が困難な中小企業に対し、都独自の融資制度におきまして、融資期間の上限を五年から七年に延長し、事業者の月々の返済負担を軽減してございます。
今後も、経営環境の変化に応じて中小企業の経営の安定を支援してまいります。
続いて、事業再生に向けた環境整備についてでございます。
中小企業の円滑な事業再生を図るため、迅速かつ効果の高い支援を行うことが重要でございます。
都はこれまで、信用保証協会と連携し、公的な支援機関等による再生計画に基づく債権放棄を行うことで、企業の債務負担を軽減してございます。
今年度は、国とも連携し、こうした取組が推進されるよう、関係機関に対して支援事例等の周知を図るほか、債権放棄の手続の迅速化に取り組み、事業の再構築を後押ししております。
これらによりまして、中小企業を再生し、地域経済の発展につなげてまいります。
次に、中小企業の収益力向上への支援でございます。
中小企業が事業を展開する上で生産性の向上や高付加価値化を図り、収益を確保することで、持続的な賃金の引上げなどにつなげる取組は重要でございます。
そのため、都は、業務の効率化を図るデジタル機器や最新設備等の導入を支援するとともに、その成果を計画的に賃上げに結びつけた場合に助成率を引き上げてございます。
今年度からは、この取組につきまして、将来に向けて安定的に収益力を高めるため、既存事業を改善強化するための支援などにも広げてございます。
これらによりまして、中小企業の経営を着実に後押ししてまいります。
続きまして、アフォーダブル住宅についてでございます。
都が今年度組成する官民連携ファンドは、子育て世帯等が住みやすいアフォーダブル住宅の供給を進め、民間主体での供給機運の醸成につなげていくことを目的とするものでございます。
現在、ファンドの理念に共鳴する複数の事業者からの提案内容について、専門機関による適正調査を実施しているところでございます。
民間投資家側のメリットといたしましては、インパクト投資の実践による企業ブランドの向上のほか、出資を通じた先駆的な取組への関与による事業分野の拡大やノウハウの獲得などが考えられます。
最後に、ソーシャルファームについてでございます。
就労に困難を抱える方が活躍する場であるソーシャルファームが社会に根づくよう支援を行うことは重要でございます。
制度開始以来、意欲ある事業者に対し、就労困難者の雇用や経営に関する助言など伴走型の支援を行ってございます。さらに、裾野拡大に向けまして、先進的な事業モデルの情報発信とともに、ソーシャルファームを学ぶ場や就労体験機会の提供などにも取り組んでございます。
これらを通じまして、昨年度までに六十一事業所を認証したところでございます。今後も、就労困難者の雇用が促進されるよう取組を進めてまいります。
〔水道局長山口真君登壇〕
○水道局長(山口真君) 水道料金に関するご質問にお答えいたします。
水道局では、東京水道経営プラン二〇二一の計画期間内におきまして、安定給水に必要な取組を推進した上で、現行の料金水準を維持した健全な財政運営が可能と見込んでおります。
今後とも、計画的な施設の更新により支出の平準化を図るとともに、経費の縮減などの経営努力を行うことで、安定的な財政運営に取り組んでまいります。
〔住宅政策本部長山崎弘人君登壇〕
○住宅政策本部長(山崎弘人君) 空家の活用についてでございますが、子育て世帯等に対して手頃な価格の住宅を供給する手段の一つとして、空家の活用は有効でございます。
これまで都は、民間事業者が空家を子育て世帯向けに改修し、低廉な家賃で賃貸するなど、地域の課題解決につながる空家の活用を支援してまいりました。
今年度はさらに、空家をひとり親世帯等を対象としたシェアハウスに改修する取組への支援も開始しており、民間事業者に対し、地元自治体との意見交換を求めることにより、地域のニーズを踏まえた取組となるよう促してまいります。
これらにより、子育て世帯等が安心して生活できる住環境の整備を図ってまいります。
〔政策企画局長佐藤章君登壇〕
○政策企画局長(佐藤章君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、Tokyo支援ナビについてでございます。
都民のライフスタイルやニーズに応じた行政サービスを届けるためには、簡単に支援策が検索できる本サイトをより多くの方に使っていただけるよう利便性を高めていくことが重要でございます。
そのため、事業名が分からなくても、育児や介護といったライフシーンに応じて支援策を絞り込める機能を備えるとともに、現在、検索結果の関連事業を表示するレコメンド機能の追加に向けた取組も進めております。
さらに、行政サービスの一元的な窓口となる東京アプリとの連携を見据え、データベースの充実を図ってまいります。
次に、広報におけるPDCAの徹底についてでございます。
都のサービスを必要とする都民や事業者に情報を確実に届けるためには、事業の企画段階から広報についても一体で検討し、広報効果を分析して改善を図ることが重要でございます。
そのため、都では、広報に精通した民間出身の専門人材の知見も活用して、重要施策等の広報計画を策定しております。計画には、事業内容に応じた広報のターゲットや成果指標を盛り込み、効果的な広報を展開しております。
また、実施後は、アクセス解析やウェブアンケートにより視聴数や認知度などを検証することで、広報活動を適宜適切に見直しております。
〔デジタルサービス局長高野克己君登壇〕
○デジタルサービス局長(高野克己君) 災害時を想定した衛星通信の活用についてお答えいたします。
救助や支援を求める都民が確実に通報できるよう、通信可能な環境の整備が重要でございます。
都は、衛星通信を活用した携帯電話基地局の強靱化や、災害時に人が多く集まる施設へのWi-Fi環境の整備など、通信手段の多重化を進めております。
また、山間部や島しょ地域、船舶での衛星通信の実証を踏まえ、学識経験者や通信事業者等と構成いたします協議会におきまして、災害時を含めた衛星の活用に向けた議論を行っております。
引き続き、衛星通信の開発状況も注視しながら、災害時の通信環境の確保に向け、通信事業者と連携しながら取り組んでまいります。
○議長(増子博樹君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後五時三十一分休憩
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