令和七年東京都議会会議録第九号〔速報版〕

○副議長(谷村孝彦君) 百十七番荒木ちはるさん。
   〔百十七番荒木ちはる君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○百十七番(荒木ちはる君) 質問に先立ちまして、本日、名誉都民である長嶋茂雄氏がご逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 令和七年第二回定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表し、小池知事及び警視総監、教育長、関係局長に質問いたします。
 今定例会は、私たちの任期中最後の定例議会となります。振り返れば、私たち都民ファーストの会東京都議団は、これまで八年間にわたって、まさに都民ファーストの視点で、小池知事と共に、東京大改革を推し進めてきました。
 一期目では、政党復活予算の廃止、政務活動費の見直しや費用弁償の廃止など、議会改革、議員提案条例の制定など、都政の構造改革を主導してきました。
 また、コロナ禍のさなかにスタートした二期目では、都民の命と暮らしを守る対策を次々と提案し、都民にとって安全で安心できる形で、東京二〇二〇大会を実現へと導きました。
 そして、予算構成の見直しの旗を振り、子育て政策をはじめとする未来への投資を大幅に拡大させ、保育園の待機児童実質ゼロの達成、保育士の処遇改善、第一子からの保育料の無償化、〇一八サポートなど、数多くの実績を上げてまいりました。こうした動きは、今や国をもリードしています。
 そして、これらの取組は、ワイズスペンディングの徹底により、増税に頼ることなく、また、ほかのサービスの低下も招くことなく、予算を捻出し、実現してきたものです。
 私たちが小池知事と共に全力で取り組んできた東京大改革については、このように大きな前進がありましたが、不安定で不確実な時代の中にある今、これまで進めてきた改革の歩みを礎にしながら、今後、東京をさらに発展させていくことが必要です。
 これまでの東京大改革の取組の成果と今後の展望について、知事の見解を伺います。
 近年、過去に例のない豪雨や猛暑など、地球沸騰化とまでいわれる危機的な状況になっています。
 私たちは、災害級とも呼べる暑さから都民の命を守るべく、クーリングシェルターの活用支援や、教育現場における暑さ対策支援など、数多くの提案を行ってまいりました。
 また、適度に体を動かしたり、入浴するなどの暑熱順化の取組も有効とされていますが、物価の高騰により、これらの対策やエアコンの利用を控える都民も多いのが現状です。
 今般、私たちの求めに応じ、物価高騰と暑さ対策に資する東京水道の一般家庭向け基本料金の無償化のための補正予算案が提出をされました。
 今回の補正予算案では、一般会計が必要な事業費を水道事業会計に支出する方式が取られていて、迅速果敢な決断に感謝するものですが、改めて都民の命を守るための光熱水費の低減に向けた、東京水道の一般家庭向けの基本料金無償化について、知事の決意を伺います。
 エッセンシャルワーカーへの暑さ対策も重要です。全国の職場における熱中症の死亡数は、昨年まで三年連続で三十人を超えており、熱中症による労働災害は、今後も増加することが懸念されています。
 特に、エッセンシャルワーカーは、高温環境下で作業せざるを得ない方も多く、雇用する事業者や業界団体は、徹底した熱中症対策の体制整備に迫られています。
 そこで、都は、関係団体とも連携し、エッセンシャルワーカーなど事業者等に向けた暑さ対策を強化するべきだと考えますが、見解を伺います。
 さらに、学校現場における暑さ対策も重要です。
 本年三月の予算特別委員会の私たちの代表質問において、都立学校における熱中症対策を強化するとの答弁がありました。既に東京では真夏日も記録する中で、学校では屋外の活動が活発に行われています。
 この夏の猛暑に間に合うよう、都立学校における暑さ対策を速やかに実施すべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちがこの八年間、最も力を入れて提案を重ねてきた領域が、子育て現役世代などの未来への投資です。
 特に、少子化対策は、長らくの日本の課題でありながら、国レベルで有効な対策が打てなかった領域でもあります。
 私たちは、こうした課題を東京から解決するためにチルドレンファーストの社会の実現に取り組み、国をリードし、結果として都民のおよそ九割が、東京は子育てにいい場所であると回答しています。
 今や子育て世代からは、小池知事を都民の義母と呼ぶ声もあり、今後も知事と共に進めてきた子育て支援を拡充していかなければなりません。
 知事はこれまで、子育て支援にどのような思いで向き合い、どのような実績を上げてきたのか、改めて伺います。
 若者の中には、結婚、妊娠、出産を望みながらも、仕事と育児の両立や経済面などで不安を感じ、結婚を希望しながら、あるいは結婚に関心を持ちながらも、様々な不安から一歩を踏み出せないでいる方々がいます。
 将来、結婚したい、子供を持ちたいと考えている若者への支援に込めた思いと、これまでの取組の成果について、知事の見解を伺います。
 次に、教育分野です。
 変化する時代、教育も社会情勢やニーズの変化にスピード感を持って対応していかなければなりません。
 都立高校においては、都は、海外留学支援の強化やチャレンジスクールの拡大など、学びの多様化を進めてきましたが、課題となっているのが入試制度です。
 私たちはこれまでも、増加する不登校児童や発達障害児が、内申点制度によって不利になっている現状から、都立高校の入試制度改革を求めてきました。
 困難を抱える生徒や児童にも開かれた都立学校となるよう、新たな教育スタイルや内申点などの入試制度の改善について、モデル的に実施していくべきと考えますが、見解を伺います。
 なお、今後、高校授業料の無償化により、私立高校への進学がより身近な選択肢となったことで、公立離れの進行や、都立高校の定員割れの拡大が懸念されます。
 そこで、現行の二次募集試験とは別の制度として、例えば一次募集の試験の結果を用いて、複数校に出願できる併願制度についても、論点を整理など、検討することを求めておきます。
 知事は、昨日の所信表明において、令和八年度から段階的に都内公立中学校で三十五人学級への移行を進めると表明されました。
 世界を見ると、少人数学級については、学習環境がよくなるだけでなく、自己肯定感の向上や、いじめ、不登校の予防など、教育的効果が大きいとの研究、実証結果があり、実際にOECDの加盟国では、中学レベルで約二十三人が平均となっています。
 三十五人学級が実現すれば、より生徒一人一人に寄り添った指導ができるようになり、理解度に応じた個別の対応や、いじめや不登校の予兆の早期発見のほか、教員の負担を軽減し、働き方改革にもつながることが期待されます。
 教育の質の向上や働き方改革に資する少人数学級制度を公立中学校まで拡大すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、不登校対策について伺います。
 都内小中学生の不登校児童生徒が増加の一途をたどる中、私たちは、令和五年度予算の重点要望でフリースクール大改革を掲げ、いち早くこの政策課題に真正面から向き合ってまいりました。
 こうした中、東京都は昨年度、独自のフリースクール利用料助成制度を創設したところであり、多くの都民から喜びの声が届いています。
 一方で、民間の調査によると、不登校の子を持つ親の半数以上が孤独を感じているということが明らかになっており、同じ境遇の親同士がつながる場の必要性が高まっています。
 都では今年度、保護者に対し支援策を情報提供するポータルサイトを構築しますが、公的機関の支援に加え、親の会といった民間での支援も幅広く紹介するべきと考えますが、見解を伺います。
 障害児が十八歳を迎え、成人となることで、それまで受けられていた支援が受けづらくなる十八歳の壁問題は切実です。国が二〇一二年の法改正で支援を開始した放課後等デイサービスのいわゆる一期生の生徒は、二〇二四年三月に卒業しました。
 放課後等デイサービスを利用することで、育児と仕事を両立できていた障害児の保護者は、学校卒業後の子供の日中の居場所が、生活介護や作業所などに移行する一方で、これらが閉所してから十五時半以降の居場所がないことから、就労継続を断念する事態が発生しています。
 また、障害児にとっても、自宅や日中の居場所以外で仲間と過ごせる時間はとても大切です。
 十八歳の壁の打破に向け、障害者の夕方以降の居場所の在り方についても実態を把握し、支援策につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、居場所を開設するための場所も不足しています。都内は家賃が高く、居場所を設けるに当たっての周辺住民の理解も課題になっています。特別支援学校を含む都有施設の福祉的利用の検討も要望します。
 次に、医療介護政策です。
 シニアの皆様が安心の医療介護基盤を整備する上で、大きな課題の一つが介護人材の不足です。
 私たちはこれまでも、シニアを支える介護職の処遇改善に向け、宿舎借り上げ支援の大幅拡充、月最大二万円の居住支援特別手当など、国をリードする取組を提案、実現してまいりました。
 一方、多くの業界で賃上げが進む中、いまだ介護職平均と全産業平均給与との差が一・五倍近くあり、さらなる処遇改善に向けた取組が欠かせません。
 特に、介護職員等が介護事業所で生涯働き続けていくためには、中長期的に給与のベースアップが図られる仕組みが必要です。
 これまでの介護職への人材確保策を伺うとともに、さらなるベースアップに向けた介護職員の昇給制度の構築に向けても議論を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 昇給制度の創設に加えて、私たちは、介護職員の特定最低賃金制度の創設で、介護職員の時給千五百円を目指していきます。公労使を巻き込んだ会議体の設置など、踏み込んだ対応を求めます。
 続いて、セーフシティについて伺います。
 小池知事は、あらゆる災害から都民を守る首都防衛というスローガンを掲げ、東京の災害対策、危機管理体制の強化に取り組まれています。
 私たちも、地下調節池整備やグリーンインフラの導入など水害対策、雑魚寝の解消など、スフィア基準に基づく避難所改革、東京とどまるマンション事業によるマンション防災の強化など、様々な施策を提案し、後押ししてきました。
 南海トラフ巨大地震や首都直下地震の切迫性も指摘され、激甚化、頻発化する風水害などのリスクに対応するため、ハード、ソフトの両面における備えのさらなる進化が求められていると考えます。
 あらゆる災害から都民を守る首都防衛について、知事の決意を伺います。
 昨年一月に発生した能登半島地震は、避難所改革の重要性を改めて浮き彫りにしました。能登半島地震は、災害関連死が直接死を上回る状況になり、首都直下地震の備えとして、避難所の環境整備を抜本的に進めていくべきです。
 私たちの求めに応じ、都は、今年の三月に避難所運営指針を策定、公表しました。発災時に都民の生命と健康を守るためには、指針を示すだけでなく、都が指針で示した基準の達成に向け、避難所の運営主体である区市町村が実効性を持って取り組めるよう、後押しが必要であります。
 そこで、都は、区市町村を支援し、避難所改革を推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 セーフシティの観点において、防災対策と同時に重要なのが治安対策です。
 都民の体感治安は悪化しており、その原因になっているのが凶悪化する強盗被害や、匿名・流動型犯罪グループ、トクリュウによる特殊詐欺被害です。
 先の定例会でも、強盗被害から都民を守るための啓発や、個人宅への防犯設備の導入支援を求め、また、トクリュウについても、若者が巻き込まれないための取組を確認してきました。
 改めて、匿名・流動型犯罪グループの特徴と、それに対応するための警視庁の体制について、警視総監の見解を伺います。
 次に、経済対策について伺います。
 我が国の経済を牽引するエンジンである東京の産業を育て、守ることは、極めて重要です。
 まず、育てる観点として、私たちは一貫して、新産業やスタートアップへの積極的な投資の必要性を訴えてきました。スタートアップ戦略の策定から二年半が経過し、専管部署としてスタートアップ戦略推進本部が発足した今こそ、さらに先を見据えた取組をスピーディーに展開していくべきと考えます。
 世界に誇るスタートアップ先進都市の実現に向け、ユニコーンとなり得るスタートアップに資金や人材面の集中支援を行うなどして、グローバルに活躍する環境を拡充すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、産業、とりわけ都内企業の約九九%を占める中小企業を守るための取組についてです。
 都民の賃上げ機運を高め、全ての都民が手取りの増加や年収の向上を実感できるようにすることは、政治の重要な役割です。
 私たちは、賃上げが一過性でなく定着することが重要であることを訴え、企業の生産性の向上や、適正な価格転嫁に通じた賃上げの促進を求め、都の政策をリードしてまいりました。
 社員の自発的な貢献意欲を引き出し、短時間で成果を上げる効率的な働き方や、イノベーティブな働き方への転換を進め、生み出した付加価値を賃上げまたは手取り時間として働き手に還元していくことが重要です。働き方改革を生産性の向上につなげ、好循環をつくり出していく、この後押しを今後も強力に進めていくべきと考えます。
 そこで、これまでの賃上げを促す取組を伺うとともに、今後、若者の採用や育成につながる処遇の改善支援も強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、女性活躍推進について伺います。
 知事が述べているように、日本の最大の未活用エネルギーが女性のパワーです。
 女性活躍推進法の成立から約一〇年がたち、この間、男女の賃金格差などは縮小しているものの、ジェンダーギャップ指数では、経済分野における女性管理職の割合の低さにより、諸外国に比べて大きく遅れるなど、我が国の女性活躍は道半ばです。
 こうした中、私たちは女性が仕事を通じて力を発揮できる環境を整えていくため、時短で勤務する者の管理職への登用や、働く意欲のある女性が働き控えをせず、経済的な自立を手に入れることができる取組等を、強力に実施すべきであると主張してまいりました。
 小池知事と共に私たちが八年間進めてきた女性活躍の取組を確認するとともに、今後の決意を伺います。
 誰もが暮らしやすい都市東京の実現、その基盤となるのは公共交通です。安全で、快適で、誰にとっても使いやすい、そうした公共交通の実現のために、核のある政策の必要性を訴えてまいりました。
 その中でもホームドアについては、視覚障害者や高齢者等の転落や接触による事故などを防止する上で重要です。
 これまで私たちは、小池知事と共に、ホームドアの整備推進に積極的に取り組んでまいりました。小池知事は、公約にホームドアの整備加速を掲げるとともに、昨年度、鉄道事業者と行政が一体となって協議会を立ち上げ、具体的に動き出しました。
 協議会において、二〇二八年までに、都内におけるJR及び私鉄駅約六割にホームドアを設置するということを目標に、鉄道事業者と共に取り組んでいくことを共同宣言したことは大きな前進です。
 鉄道事業者による技術面の工夫と併せて行政も必要な支援を行うことで、整備をより一層加速していく必要があると考えますが、見解を伺います。
 さらに、交通不便地域ゼロに向けては、交通政策の抜本的な改革も必要です。とりわけ多摩地域では、運転手不足やエネルギー価格高騰などの供給的要因、進行する高齢化という需要的要因の両面から、公共交通へのアクセシビリティーが低下しており、その維持が急務であります。
 その一環として、知事の公約である多摩都市モノレールへの対象拡大につきまして、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 東京都が主体的に公共交通網を維持するためには、公共交通の状況を把握するとともに、利用者を増やし、事業者の利益を上げる取組が必要です。
 この観点から、子供パスの創設や、多摩都市モノレールとコミュニティバスのシルバーパスの適用など、新たな利用者増の施策をエビデンスベースで検討、構築し、東京の交通不便地域ゼロを目指すよう求めておきます。
 続いて、スマートシティ東京の実現に向けた取組についてです。
 都政における都民の利便性の最大の鍵はDXです。都は、東京デジタルファースト条例の制定をはじめ、都政のデジタル化に積極的に取り組み、四年前に、わずか五%だった行政手続のデジタル化は、八〇%を超えるまでに進展をしました。
 今後は進化を続けるAIの活用など、新たな技術も活用して、都民の手取り時間を増やすDXの進化が必要です。
 行政においても、デジタルを通じて都民の暮らしに寄り添った新たなサービスの創出や、組織や分野を超えた大胆なDXを進めていくべきと考えますが、これまでの成果と今後の展望について、知事の見解を伺います。
 多摩地域には多様なポテンシャルがあり、豊かな緑や、地域固有の産業等、都民の誇るべき財産が多くあります。また、島しょ地域は火山や海洋によって生まれた独自の自然があり、小笠原諸島は世界遺産にも登録されています。これらを生かさずして、東京の未来を描くことはできません。
 もっとも、多摩地域の基礎自治体には、特別区に比べて財政力が厳しい状況も見られ、学校給食費や子供の医療費に関して、多摩格差と呼ばれる状況も存在していました。
 知事と私たちの改革の結果、市町村総合交付金の拡充により、給食費の無償化支援や子供の医療費無償化支援など、これまでにない多摩地域への支援が実現しました。その結果、ハード、ソフトの両面で成果が表れています。
 多摩・島しょ地域の持続的発展に向け、市町村総合交付金のさらなる拡充を含め、これまで以上に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 今年はいよいよデフリンピックが東京で開催をされます。
 私たちは、この大会を契機に、AIなどを生かしたユニバーサルコミュニケーション技術の社会実装化の取組も求めてまいりました。これらの技術を活用することで、多様な人々が共に生きる共生社会への理解を都民の間でより深めていく必要があります。
 先日、私の地元、中野区で開催されたイベントを拝見しましたが、子供たちがデフリンピックを観戦することは、多様な価値観を認め合うことの大切さを実感する貴重な機会となり、未来の東京に向けた重要な礎になると考えます。
 デフリンピックのデフアスリートが、聞こえない、聞こえにくい中で、様々な工夫の下、熱戦を繰り広げる姿を、ぜひ子供たちに会場で見てもらいたいと思います。
 そこで、デフリンピックの子供の観戦について、多くの子供たちに実りある体験をしてもらえるよう取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。
 これまで、政治倫理条例検討委員会が集中的に開催されてきました。そこでの検討を踏まえて、私たちは本定例会に、都議会公明党の皆さんと共同で、東京都議会議員の政治倫理に関する条例案を提出いたしました。
 条例の実効性を高めるポイントとなる連座制については、議員の会計責任者に対する監督責任等を明文化し、審査会の構成委員を全て議員以外の有識者とすることで第三者性を確立し、再発防止を図ります。また、この条例を四年ごとに見直すことも規定しています。
 政治倫理の確立及び不正の再発防止については、都議会として迅速な対応が求められており、皆様のご賛同を求めるものであります。
 東京大改革の旗印の下に集まった多様な人材による、都民の声に基づいた現実的で幅広い政策の提案。私たちは、知事と車の両輪となって、そうした提案を積み重ね、東京の変革を推し進めてまいりました。
 しかし、物価高騰、首都直下地震への備え、少子化への対応など、いまだ取り組むべき課題は山積をしています。子育て、教育政策等で培った確かな実績を、全ての世代へ。もっと東京をよくするために、これからも私たちが、東京の改革に必要であると確信をしています。
 この先も、都民ファーストの理念を貫き、小池知事と車の両輪となって、政策提案に邁進をしてまいりますことをお誓いし、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 荒木ちはる議員の代表質問にお答えいたします。
 東京大改革についてのお尋ねがございました。
 この間、チルドレンファーストや女性活躍、DXによる手取り時間の創出など、一人一人の自己実現を全力で応援するとともに、社会を制度や仕組みから変えるべく、太陽光発電設備等の設置義務化やカスハラ条例など、全国に先駆けた政策を推し進めてまいりました。
 同時に、こうした積極的な施策展開を支えるため、ワイズスペンディングを徹底しまして、九年間で約九千四百億円もの新たな財源を生み出すなど、東京大改革に邁進をしてまいりました。
 そして今、時代は極めて不確実で不安定でございます。だからこそ、私たちは縮こまるのではなく、もっと世界に目を向け、打って出るべきであります。東京自らがゲームチェンジャーとなり、我が国の持続的発展を牽引するという首都の機能を果たすことで、ピンチをチャンスに変えていかなければなりません。
 引き続き、都民ファーストの理念を共有する改革派の皆様と共に、世界一の都市東京の実現に全力を尽くしてまいります。
 次に、水道の基本料金を無償とする取組についてであります。
 物価高騰の影響により、実質賃金がマイナスの状況が続く中、都民の命と健康と暮らしを守っていく。
 こうした決意の下、この夏に予想される猛暑におきまして、暮らしへの不安から、都民がエアコンなどの利用を控えることのないよう、暑さ対策にも資する取組を迅速に実施をいたします。
 具体的には、この夏に限りました臨時的な特別措置として、都民の光熱水費の軽減につながりますよう、早い家庭では六月から、四か月分の水道料金の基本料金を無償といたします。
 実施に当たりましては、水道事業の持続可能性を確保し、その経営に影響を与えないよう、歳入歳出の精査により捻出いたしました一般会計の財源を活用いたします。
 こうした大胆かつ効果的な取組をスピード感を持って行うことで、この夏に予想される猛暑におきましても、都民が安心して暮らせる環境を確保してまいります。
 次に、子育て支援の充実についてであります。
 子供は社会にとってかけがえのない宝です。私は、望む人誰もが子供を産み育てやすい環境を整えることこそが、夢と希望にあふれる未来につながるとの信念の下、御会派の提案も踏まえまして、都民目線に立った施策を全力で展開してまいりました。
 子供の健やかな成長は、全ての親の願いです。〇一八サポートは、親の所得によらず、全ての子供の育ちを切れ目なく支援するため創設したものでございまして、国の児童手当の所得制限撤廃につながり、我が国の子育て政策をも動かしてまいりました。
 また、八年前には八千五百人を超えていた保育の待機児童をほぼ解消いたしました。今年九月には、保育料の第一子無償化を実現いたします。さらに、認証学童クラブ制度の創設などによりまして、質、量の両面から子供の居場所を確保してまいります。
 今や約九割の子育て世帯に、東京は子育てしやすいと実感いただいております。引き続き、都としてなすべき施策を果断に実行し、チルドレンファーストの社会の実現に邁進をしてまいります。
 若者等への支援についてであります。
 全ての人が輝き、幸せを実感できる東京を実現いたします。これは、都政に課せられた使命でございます。多様な価値観を尊重しながら、結婚、妊娠、出産を望む一人一人のかなえたいを支えていきたい。
 こうした認識の下で、都は、AIマッチングシステムの導入などにより、若者等の出会い、結婚への一歩を後押ししております。また、卵子凍結や不妊治療への支援、さらには企業と連携した育業の推進など、都民の皆様方から共感の得られる施策を果断に講じてまいりました。
 こうした中、昨年、都内の婚姻数が増加したほか、男性育業取得率が五割を超え、男性の育児参加が定着するなど、今後の出生数の増加につながり得る、明るい兆しが見えてきております。
 一人一人の自己実現を応援してくれる社会になったと実感してもらえますよう、今後とも、都民の皆様の思いに寄り添った施策を幅広く展開し、明るい兆しを確かなものにしてまいります。
 首都防衛についてのお尋ねでございます。いつ起こるとも知れない巨大地震や、激甚化する風水害から都民の命や財産を守ることは、都の重要な責務でございます。
 都はこれまで、耐震化や不燃化を強力に推進してまいりました。そして、その結果、首都直下地震の最新の被害想定では、前回と比べ、建物被害、死者数ともに約三割から四割の減少が見込まれております。また、無電柱化の推進や調節池の整備に加えまして、防災DX、マンション防災の充実などを図るとともに、新たにトイレの確保や、ペット同行、同伴避難などの内容を盛り込みました避難所の改革に着手をいたしました。
 こうした都市の強靱化を一層推進するとともに、新たな広域防災拠点を立川に整備をしまして、首都直下地震への備えを抜本的に強化をいたします。同時に、現在の立川地域防災センターにつきましては、防災施設としての機能に加えて、都民が防災を学び、体験できる施設としてまいります。
 備えよ常にの精神を都民の皆様と共有し、地域防災力を向上するなど、ハードとソフトの両面から取組を強力に進めてまいります。自助、共助、公助の総力を結集し、東京のレジリエンスを高めることで、首都防衛を実現してまいります。
 次に、エコシステム強化に向けました取組の加速についてのお尋ねにお答えいたします。
 アジア最大級のSusHi Techには百の国等から過去最大の五万七千人が参加いたしました。スタートアップ戦略の策定以来取り組んでまいりました、TIBとSusHi Techを軸とするプラットフォームが大きく育ってきております。
 一方で、世界もすさまじいスピードで進化しています。当日、経団連の南場副会長とも議論を交わしまして、日本の未来に思いを寄せる人々の力を結集し、さらなる高みを目指す決意を新たにいたしました。戦略で示した取組の到達点や課題につきまして、世界の潮流を見据え検証いたしまして、グローバルに活躍するスタートアップを生み出す取組を加速してまいります。
 グロース期のスタートアップに資金や人材面などから集中支援をいたしまして、SusHi Techの理念の下で世界に売り出してまいります、SusHi Tech Globalの取組を大胆に展開いたしてまいります。SusHi Techの学生チームが北欧のイベントに参加し、学生主導の先進的な活動を体感することなどによりまして、日本のエコシステムをさらに進化させてまいります。
 働く女性の活躍推進についてのお尋ねです。
 東京の最大のポテンシャルは女性であります。女性の活躍は東京の持続的な成長の原動力であり、知事就任以来、一貫して申し上げているところでございます。
 こうした思いの下、女性が経済の分野で能力を十分に発揮できる社会の実現に向けまして、責任あるポストへ女性を登用する企業を、専門家の助言や奨励金の支給により支援をしてまいりました。また、世界で活躍する女性起業家を育てるため、海外展開に向けたプログラムの提供や投資家等とのネットワークの構築などをサポートし、約二百四十億円の資金調達につなげてまいりました。
 今年度は、さらに多くの女性の力を引き出すため、年収の壁を越えて働いても手取りを減らさない取組への新たな助成を開始いたしました。
 今後、こうした動きを一層加速させる条例の制定に向けました議論を深めながら、女性活躍の輪を広げ、誰もが持てる力を発揮できる社会を目指してまいります。
 次に、DXの成果と今後の展開についてでございます。東京大改革を進める柱の一つとして、DXを掲げ、大胆かつスピーディーに変革を進めてまいりました。
 東京のDX推進のハブとなるGovTech東京を立ち上げ、区市町村との協働を加速することで、都民目線に立ちました取組、着実に実を結びつつあります。子育て世代に着目いたしました保活ワンストップサービスは利用者から好評をいただき、参加自治体も大幅に広がりを見せております。また、〇一八サポートと赤ちゃんファーストを同時に申請できるサービスを開始するなど、便利で快適な子育て支援サービスを提供しております。
 さらに、都民との身近な接点となる全ての窓口のキャッシュレス化など、サービス変革も前進いたしました。
 来年度の行政手続デジタル化一〇〇%実現とともに、今後、都民の人生を豊かにする手取り時間を増やすため、東京アプリではAIも活用し、都民の困り事や利便性向上に役立つ機能を充実させ、新たな行政モデルを構築いたします。加えまして、新たにサイバーセキュリティセンターを立ち上げて、都民生活を支えるインフラ等を守ってまいります。
 都民ファーストの視点に立ちまして改革を推し進め、一人一人が幸せを実感できる東京を実現してまいります。
 最後に、多摩・島しょ地域の振興についてのお尋ねです。
 これまで市町村長との意見交換、そして、各地に自ら足を運ぶことで、地域の実情をつぶさに把握してまいりました。この間、多摩都市モノレールの延伸などの交通インフラの充実、相談窓口の開設による移住、定住施策の推進、島しょ地域のブランド化など、新たな取組を積極的に進めております。
 また、市町村の自主、自立的な取組を後押しするための市町村総合交付金を七百五億円まで大幅に増額しておりまして、全ての市町村での学校給食費無償化の実施や、医療費助成の所得制限撤廃などの政策課題にも対応しております。
 多摩・島しょ地域の可能性を一層花開かせていくため、地域の皆様と力を合わせ、課題をチャンスに変えていく発想を持ち、戦略的に施策を推進いたします。三十九市町村、それぞれの個性を一層磨き上げ、地域のさらなる発展につなげますよう全力で取り組んでまいります。
 なお、その他の質問につきましては、警視総監、教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔警視総監迫田裕治君登壇〕

○警視総監(迫田裕治君) 匿名・流動型犯罪グループの特徴と警視庁の体制についてでありますが、同グループは、匿名性の高い通信手段等を活用しながら役割を細分化させ、犯行の都度メンバーを入れ替え、末端の実行犯を使い捨てにすると、よって、組織の把握が容易ではない、そのような特徴を有しています。また、各種犯罪により獲得した犯罪収益などを別の資金獲得活動に充てることで活動を継続、拡大するなど、違法なビジネスモデルを構築しています。
 こうした特徴、実態を踏まえ、警視庁では、捜査の指揮命令系統を合理化し、情報の一元的な集約、分析をする体制を構築するため、匿名・流動型犯罪グループ対策本部を新設するとともに、刑事部と組織犯罪対策部を統合することといたしました。
 こうした体制の下、取締りターゲットの選定や戦略の立案を行い、グループの実態解明及び首謀者らの検挙を徹底するとともに、犯罪収益等に係る違法なビジネスモデルの解体を進めるなど、匿名・流動型犯罪グループの壊滅に向け、組織の総合力を発揮した対策をさらに推進してまいります。
   〔教育長坂本雅彦君登壇〕

○教育長(坂本雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立学校における暑さ対策についてでございますが、夏の気温の上がる中、学校の建物の外や屋内において、安全で安心な環境の下、教育を行う取組を充実することは重要でございます。
 このため、都教育委員会は今年度、二つの都立学校で猛暑への対応に向け、校庭や運動スペースの横に日よけをモデル的に設置し、効果検証を行い、今後の取組に反映いたします。
 また、全ての都立学校に暑さ指数の測定器のほか、テントやミストシャワーなどの導入を進めているところでございます。
 これらに加えまして、都立学校の生徒等約五千人に、体温の上昇を知らせる腕時計型の最新の機器を配布し、効果検証を行います。
 これらによりまして、都立学校の熱中症対策の強化を図ってまいります。
 次に、都立高校に多様な生徒を受け入れる取組についてでございますが、様々な背景や事情により困難を抱える生徒を受け入れる教育環境を都立高校でつくり上げることは重要でございます。
 このため、都教育委員会は、そうした生徒にきめ細かい教育を行う取組を全日制の深沢高校で来年度の入学生から開始いたします。具体的には、教室の授業になじめない生徒が、別室でデジタル教材を使い学習し単位を取る、新たな教育のスタイルによる対応等を進めます。また、生徒の悩みの相談に乗る専門家が必要に応じ常駐し、サポートを行います。
 さらに、新たな入試の方法として、不登校等で調査書の点数が十分でない生徒に配慮し、学力検査のみの点数を、学力検査と調査書を組み合わせた点数と比べ、より高い方で選抜する仕組みを導入いたします。
 最後に、中学校の三十五人学級についてでございますが、公立中学校での三十五人学級への移行により、一層きめ細かな優れた教育を行うとともに、生徒数に応じ、業務を見直し、働き方改革に役立てることは重要でございます。
 これまで都教育委員会は、小学校の三十五人学級への移行に関し、区市町村と連携し取組を進め、対応を完了したところでございます。
 来年度から公立中学校への三十五人学級への移行を一年生から段階的に進めてまいります。これを円滑に行うため、都教育委員会は、教員の確保を適切に行うほか、学級数の増加による教室の確保に関し、柔軟な対応が可能となるよう国に働きかけを行います。
 また、中学校での外部人材活用を後押しし、教員の業務を見直し、働き方の改革にも結びつけてまいります。
   〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕

○東京都技監(谷崎馨一君) ホームドア整備の加速についてでございます。
 ホームドアは、駅利用者の転落を防止し、人の命を守る重要な施設であり、一刻も早い整備が必要でございます。
 各鉄道事業者は、協議会で議論した施工の効率化等のホームドア設置加速に向けた取組により、例えばJR東日本は五十三駅、京王電鉄は三十駅、西武鉄道は十三駅において、二〇二八年度までに整備を進めるとしております。
 都は、本年六月末に、これらの駅を含め、新たな補助制度の活用により、整備加速に取り組む事業者の整備計画を公表いたします。
 今後は、協議会を通じまして、事業の進捗状況の確認などを進め、目標達成に向け、一層の整備促進を図ってまいります。
   〔環境局長須藤栄君登壇〕

○環境局長(須藤栄君) 事業者などに向けた暑さ対策の推進についてでございますが、都民生活を支えるエッセンシャルワーカーが快適に働けるよう、関係団体と連携し取り組むことは重要でございます。
 今年度、都は、事業者ニーズの高まりを捉え、作業服の選定方法や水分補給の頻度など、具体的なノウハウを学ぶ講習会を新たに開催し、定員の二倍のご参加をいただきました。
 また、業界団体に専門家をプッシュ型で派遣し、各業界の業務特性などを踏まえた暑さ対策ガイドラインの作成を後押しいたします。その際、体の中心部の温度上昇を検知し危険を知らせるデバイスを作業者に配布し、熱中症の未然防止につなげてまいります。
 これらを暑さが本格化する前から行い、暑熱環境下で働く労働者を守ってまいります。
   〔子供政策連携室長田中愛子君登壇〕

○子供政策連携室長(田中愛子君) 不登校の子供の保護者への支援についてでございますが、都は、保護者の不安や悩みに寄り添うため、不登校支援等に関する様々な情報を一元的に入手できるポータルサイトを本年秋に開設いたします。このサイトには、都や区市町村の不登校支援策や相談窓口、教育支援センター、子供家庭支援センター、児童相談所等の公的支援について、教育や福祉など、分野横断的に掲載いたします。
 また、都の利用者支援事業の対象施設であるフリースクール等に加えて、親の会などの様々な民間支援に関する情報を提供いたします。
 さらに、不登校の実情に即した各種支援策の活用ノウハウなどを紹介する専門家のコラムについても掲載し、不安を抱える保護者に寄り添った情報提供を行ってまいります。
   〔福祉局長高崎秀之君登壇〕

○福祉局長(高崎秀之君) 三点の質問にお答えいたします。
 まず、成人期の障害者の居場所についてでございますが、特別支援学校を卒業した障害者などが、放課後等デイサービスから就労支援などの通所サービスに移行した後も、ニーズに応じた支援を受けられることは重要でございます。
 このため、都は、地域の実情に応じて、通所サービスの利用後に障害者が安心して過ごせる居場所の確保に取り組む区市町村を包括補助事業により支援しております。
 今後、特別支援学校を卒業した障害者などが切れ目のない支援を受けられるよう、地域における取組状況を詳細に把握しまして、区市町村に好事例を紹介するとともに、利用者ニーズに応じた施策を検討してまいります。
 次に、介護人材の確保対策についてでございますが、都はこれまで、職場体験や資格取得支援、介護職員の宿舎借り上げ支援のほか、令和六年度からは、居住支援特別手当の支給に取り組む事業者への支援も開始するなど、様々な取組を実施してまいりました。
 また、介護人材の確保、定着には、実効性の高い人事給与制度の構築が有効なことから、今年度、介護事業者の実態調査やヒアリングを行うとともに、有識者会議を今月設置しまして、介護保険制度の構造的な課題を議論しながら、事業者の規模や種別などに応じて、資格やスキル等が適切に反映される人事給与制度の在り方について検討してまいります。
 最後に、シルバーパスについてでございますが、シルバーパスは、現行制度となってから四半世紀が経過し、平均寿命、健康寿命の延伸や、交通事情の変化、地域における移動手段の多様化など、本事業を巡る環境は大きく変化しております。
 このような状況の変化を踏まえまして、アクティブな長寿社会の実現を目指し、高齢者施策全体を総合的に議論する中で、ICカード化により利用実態を把握しながら、制度の改善に向けて検討してまいります。
   〔総務局長佐藤智秀君登壇〕

○総務局長(佐藤智秀君) 避難所改革の推進についてのご質問にお答えをいたします。
 本年四月、雑魚寝の解消や、衛生的なトイレ環境の確保など、誰もが安心して過ごせる避難所の実現に向けて新たに策定した指針と補助制度の概要を全区市町村に説明をいたしました。
 今後、補助金の活用に向け、避難所の状況やニーズに合った資器材を紹介するなど、区市町村を支援してまいります。
 また、避難所運営の知見を持つ専門家のセミナーなどを行ってまいります。
 さらに、著しく多い避難者やマンションが多数存在する大都市東京の特質を踏まえまして、専門家のご意見を伺い、区市町村と連携して、在宅避難者を含めた避難者全体への生活支援などについても検討を進めてまいります。
 こうした取組により、避難生活の向上を図ってまいります。
   〔産業労働局長田中慎一君登壇〕

○産業労働局長(田中慎一君) 人材確保に向けた処遇改善への支援についてのご質問にお答えいたします。
 人手不足が深刻化する中、中小企業が新たな社員を獲得できるよう、賃上げや働きやすい職場づくりを後押しすることは重要であり、都はこれまで、正社員への転換に合わせ賃上げを行う企業への支援などを行ってまいりました。
 今年度は、週休三日制やリモートキャリアなど、手取り時間の確保とともに賃上げを行います企業の取組に対して奨励金を支給いたします。
 また、若手社員の定着に向けまして、育成計画の策定に加え賃上げを行う企業への助成も新たに実施いたします。
 これらによりまして、中小企業の魅力を高め、人材の確保とその定着を後押ししてまいります。
   〔スポーツ推進本部長渡邉知秀君登壇〕

○スポーツ推進本部長(渡邉知秀君) デフリンピックの子供観戦についてのご質問にお答えいたします。
 都は、本日から、都内の小中高等学校等を対象といたしまして、観戦事業への申込み受付を開始いたします。
 子供たちの大会観戦に当たりましては、フラッグやランプ等の視覚的な合図を用いた競技運営や、サインエールでの応援など、デフスポーツの特徴や醍醐味を体感できるような取組を進めてまいります。
 また、大会の様々な場面で活用されるユニバーサルコミュニケーション技術への理解も深める機会も設けてまいります。
 未来を担う子供たちが、スポーツのすばらしさやお互いの違いを尊重し合う共生社会の大切さに気づくきっかけとなりますよう、学校とも連携して準備を進めてまいります。

○議長(増子ひろき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時五十一分休憩