○議長(宇田川聡史君) 百二十二番山口拓君。
〔百二十二番山口拓君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕
○百二十二番(山口拓君) 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、都政の諸課題について質問いたします。
まず、知事の基本姿勢について伺います。
今定例会は、小池知事任期最後の議会となります。
東京都議会立憲民主党は、知事提案の令和六年度予算案に反対をいたしました。これは、私たちが知事に求めてきた全ての自治体での給食無償化、学校教育の無償化、家賃補助、格差解消、多様性のある東京について、十分な予算が措置されなかったためです。
また、物価高を上回る賃上げやコロナ検証など、知事が答えるべき質問に知事自身が答えない答弁拒否を繰り返し、予算の審議に対する真摯な姿勢に欠け、都民への説明責任を果たさないことから、極めて大きな問題があると判断しました。
小池知事には、説明責任を果たし、税金の使い方をしっかり検証し、透明化することを改めて強く求め、代表質問を行います。
まず、知事の学歴詐称並びにその隠蔽工作疑惑について伺います。
公職の選挙立候補者の学歴詐称は、当選無効になり得る罪です。公訴時効となっていますが、学歴詐称や隠蔽工作が行われたとすれば、道義的には、現在知事であることが適当なのかすら疑問といわざるを得ません。
ノンフィクション作家の石井妙子氏の本に登場した北原百代さんが、先日、実名で告発しました。さらに、知事の元側近である小島敏郎氏により、学歴詐称の隠蔽工作に関する証拠も示され、看過できない事態となっています。
小島氏のいうように、カイロ大学卒業に関わる隠蔽工作があったとすれば、幾ら卒業証書があったとしても、本当に在学し、学んだ事実があったのか、非常に疑わしいといわざるを得ません。
そこで、カイロ大学の卒業に関わって、知事本人を含め、知事側からエジプト並びにカイロ大学の関係者への働きかけ、メール等のやり取り自体があったのかなかったのか、はっきりお答えをいただきたいと思いますが、知事の答弁を求めます。
このような疑惑がくすぶるのは、知事自身が、その疑惑を完全に払拭する最も有効な手だてを取らないからです。自ら卒業証書、卒業証明書、そしてカイロ大で学んだ事実を示す成績証明を、まずは都議会に提出するべきと考えますが、知事の見解を伺います。
カイロ大学には、何年何月に入学し、何年何月に卒業したのか、やましいことがないのであれば、自ら明らかにすべきと考えますが、知事の答弁を求めます。
小池知事が知事選に出馬するのであれば、選挙公報にカイロ大学の卒業と書くのか書かないのか、知事の見解も伺います。
次に、知事の答弁拒否について伺います。
知事は、都庁として答弁している、答弁拒否はしていないと述べました。我が会派の関口議員が討論で述べたように、知事にしか答えられない、知事本人が直接答えるべき質問の答弁を避け、都の職員に答弁をさせることが、知事の答弁拒否です。
知事は、論点をずらし、ごまかし、印象操作しようとしていますが、ごまかしの言動はやめ、答弁拒否の事実と向き合うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
次に、知事選公約の検証について伺います。
小池知事は、二〇一六年七月の都知事選挙において、七つのゼロを目指しますとして、待機児童ゼロ、介護離職ゼロ、残業ゼロ、都道電柱ゼロ、満員電車ゼロ、多摩格差ゼロ、ペット殺処分ゼロの公約を掲げました。
選挙公約で数値目標を掲げること自体は推奨されるべきであり、仮に達成できなくても、課題を検証し、達成に向けて果敢に取り組むことが重要だと考えます。
しかし、小池知事からは、とりわけ介護離職ゼロ、残業ゼロといった公約に対して、熱意が全く感じられません。介護離職ゼロ、残業ゼロ公約達成について、知事の見解を伺います。
選挙公約の検証とともに、私は、都の新型コロナ対策の検証が必要だと考えています。
私もコロナで入院し、何とか命を助けていただいてここにいますが、必要な医療につながらず、自宅で亡くなった方がいたことを決して忘れてはなりません。電話がつながらない、病床に空きがない、医師が足りず受入れができない事態を決して繰り返してはなりません。
また、行政のトップである小池知事の判断や決断も適正であったのか検証されなければなりません。誰もが初めての危機的事態であったことを鑑みれば、殊さら当時の対応をあげつらおうとは思いませんが、知事のロックダウン発言をはじめレインボーブリッジを赤色にした東京アラートや政府を出し抜かんがためのパフォーマンス、都立病院等の独法化など、次の感染症対策への教訓にするためにも検証が必ず必要です。コロナ対策の検証について、知事の見解を伺います。
小池知事は、所信表明で、毎年一千億円、八年間で八千百億円の新たな財源を生み出したと述べました。しかし、この数字は私たちが度々指摘してきたとおり、工事の終了、単年度事業など、事業評価による財源確保、無駄をなくすという看板とはかけ離れた数字が盛り込まれており、到底金額が新たな財源を生み出したものとはいえません。
そこで、知事が主張する八千百億円の財源確保のうち、工事の終了、単年度事業によるものは何件、幾ら含まれているのか、また、財源確保というからには、事業を根本から見直し、そうでないものには財源確保という言葉を使うべきではないと考えますが、知事の見解を伺います。
知事選を目前にして、都内自治体の首長らが小池知事に出馬を要請しました。各区長、市長は、要請書への賛同を求められたとのことです。
都から区市へは、毎年莫大な補助金等が交付されており、中でも市町村総合交付金は算定基準が明らかにされていないブラックボックスです。そのため、賛同しなければ、非小池とみなされ、予算を減らされ、住民の不利益になるのではないかとの不安を背景として、圧力を感じた方もおられます。
都知事の強大な予算編成権を背景とした圧力などあってはなりません。このようなやり方が古い政治、古い都政への逆戻りです。知事サイドからこうしたことを働きかけたことがないのか、知事の見解を伺います。
次に、選挙妨害、危険行為の取締りについて伺います。
東京十五区の衆議院補欠選挙では、立憲民主党から立候補し、当選をした酒井菜摘衆議院議員の街頭演説に対し、大音量を出して、候補者等の演説が聞こえないようにするなどの悪質な行為が繰り返されました。幼い子供がいる酒井議員の自宅前でのネット中継や大音量の騒音、車をたたき進路を妨害するなど、犯罪になり得る行為もあり、一一〇番もしたと聞いています。
酒井議員は、危険を感じる場面もあり本当に怖かった、演説の日時を公表できず、区民に政策や思いを届けられず申し訳ないと述べています。
候補者による相手の主張を封じるような大音量での選挙演説妨害や危険な行為は、民主主義の基盤である言論による選挙を破壊し、有権者の利益を損なうものです。
規制等は、本来抑制的であるべきで、選挙中、時に白熱した論戦は必要ですが、一線を越えてはなりません。候補者や運動員だから許されるようなことがあってはならず、妨害行為や危険行為には厳正に対処すべきと考えますが、警視総監の見解を伺います。
次に、防災対策について伺います。
先日、能登半島地震における災害関連死が初めて認定され、避難所での感染、肺炎、水分不足で心筋梗塞、車中泊で腹部動脈瘤など、避難生活が生命に関わる事態であることが改めて明らかになりました。
翻って、都の状況を見ると、都内の避難所収容可能人数は約三百二十万人、都の首都直下地震の被害想定では、避難者は最大二百九十九万人です。一見足りているように見えますが、多くの区市町村は、都の示す三・三平米に二人で計画しており、例えばスフィア基準の一人最低三・五平米の基準を当てはめると、収容可能人数は半分以下になります。
一方、台湾東部の地震では、市民や民間団体が初動から積極的に協力したことで、三時間で個室テントや温かい食事など体制が整い、日本との違いが際立ちました。
十分な避難所の確保や被災者支援、感染症予防等によって、避難所生活を原因とする死をなくさなければなりません。災害だから仕方がないと考えるのではなく、避難所で人間らしい生活ができ、災害関連死ゼロとなるように取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
気候変動による降雨量の増加や台風の強大化に伴い、水害リスクも高まっています。
都は、既に目標降雨の水準を引き上げ、その分を主に調節池等で対応するとしていますが、河川整備を進めるに当たっても、当然に効率的で効果的な対策が求められます。
しかし、例えば石神井川上流地下調節池の整備では、都が国の補助金を受けるために示した費用便益比一・三一は、コスト増を反映していないとして申請が廃案となりましたが、このことについて関係自治体や都民に説明がありませんでした。
都は、調節池事業などの公共事業において、着工の直前に説明会を行うのではなく、費用対効果を踏まえた事業評価を関係者はもちろんのこと、広く都民に丁寧に説明すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、賃上げと働き方改革について伺います。
今年の春闘の賃上げ率は三十三年ぶりに五%を超える高水準ですが、中小企業や非正規労働者は取り残されています。
大手自動車メーカーによる長年の下請企業に対する不当な減額要請は大問題となっていますが、都としても、中小下請企業が取引先の大企業と価格交渉や取引に必要なデータづくりを支援するなど、交渉を支援していく必要があります。
埼玉県では、価格交渉支援ツールを作成し、誰でも利用できるような形で公開しています。
都においても、中小企業の賃上げの実現のために、取引の適正化をはじめ、あらゆる支援を行うべきですが、見解を伺います。
東京都の最低賃金は、昨年十月、四十一円アップの千百十三円になりましたが、非正規労働者の暮らしは困難な状況にあります。四月十六日、労働団体は、諸外国と比較して低位にとどまっているとして、最低賃金の水準引上げを国に要望しました。
物価高に対応した最低賃金の引上げを都としても後押しすべきと考えますが、見解を伺います。
私たちは、利用者やドライバーの安全を担保できないライドシェアには反対をし続けてまいりました。そんな中で、四月八日から、都内でも自家用車活用事業、日本版ライドシェアが導入されました。
現在は、タクシー会社がタクシーの運行管理をすることで重大事故は起こっていませんが、私たちは、僅か二か月の調査だけで、その可否を判断するのは拙速であり、年間を通して日本版ライドシェアの検証を続けていくことが必要だと考えています。
タクシーなど有償旅客運送サービスについては、利用者、ドライバーの安全を担保するものであるべきであると考えますが、ライドシェアに対する都の見解を伺います。
次に、カスタマーハラスメント対策について伺います。
いよいよ国においても、カスハラ対策を企業に義務づける法改正の検討に入りました。
私たちが、昨年の第三回定例会でカスハラ対策条例案の必要性を訴えた結果、都においては、先月二十二日の公労使会議において、条例案を提出する方針が決まり、国の動きにも影響を与えたと考えます。
事業者の責務として、事業者による措置を定める必要があると考えます。また、医療、介護の現場でも被害が起こっています。さらに、何人もカスタマーハラスメントを行ってはならないとの禁止規定を明確に位置づけるべきです。提案時期を含めて、効果的なカスタマーハラスメント対策条例案の制定について見解を伺います。
また、労働組合の実態調査などによれば、暴言や長時間拘束、セクハラ行為などの被害に加え、SNS、インターネット上での誹謗中傷といったカスハラ被害も増えています。
そこで、私は、増加傾向にあるSNS、インターネット上にあるカスハラをなくしていく実効的な対策を検討することも重要だと考えますが、見解を伺います。
次に、まちづくりについて伺います。
四月十九日、東京都は、築地市場跡地のまちづくり事業について、五万人を収容する多機能型スタジアムを中心に、商業施設や国際交流拠点などを整備するとした事業者グループの計画を選定しました。
小池知事は、二〇一七年六月二十日に緊急記者会見を招集し、築地は守る、豊洲は生かすと表明し、築地の将来イメージとして、食のワンダーランドを掲げました。五万人収容のスタジアムを中心とする計画が、どうして築地を守ることになるのか理解に苦しみます。
知事自らが説明責任を果たすべきと考えますが、見解を伺います。
知事選を前に、神宮外苑再開発事業に関して、事業者からの樹木保全策の再提出が遅れています。
神宮外苑の再開発が進めば、都市計画公園が縮小し、国民、都民の献金や献木、ボランティアでつくられてきた歴史がある神宮外苑の貴重な都民の共有財産、緑豊かな環境が損なわれるのではないかとの懸念があります。
知事選後に神宮外苑のイチョウなどの貴重な樹木が切られるのではないかとの都民の懸念に、樹木を保全すると知事が確約すべきと考えますが、見解を伺います。
次に、高齢者施策について伺います。
警察庁の答弁から、国の六十五歳以上の高齢者の孤独死は、年間六・八万人と推計されます。東京都監察医務院によれば、死後一週間以上たって発見された人の数は、二〇二四年、二千百九十二人と、この五年間で一・四四倍に増えています。
一人暮らし高齢者の数が圧倒的に多い東京都においては、高齢者の孤立防止は喫緊の課題であり、一昨年の予算特別委員会では、高齢者に対する声かけ運動、挨拶運動などを提案してきました。私たち一人一人の気づきや声がけが、つながることへのハードルを下げるのではないかと考えます。
また、民生委員や老人クラブ、検針や宅配などの民間事業者等との連携した見守りの推進をはじめ、多様な居場所の確保なども積極的に進めるべきです。
高齢者の孤独、孤立対策の推進に向けて、知事の見解を伺います。
次に、子育て、教育について伺います。
昨年二月の代表質問で、私たちは、〇一八サポート事業、東京都版子供手当の創設を前向きに捉えつつ、子供一人当たり月額五千円の給付をするよりも、学校給食の無償化の方が施策の優先度が高いのではないかと述べ、その実現を求めました。
今年度予算で、不十分とはいえ、学校給食の保護者負担軽減が創設されたことは当然ともいえますが、加えて、〇一八サポート事業よりも、義務教育の無償化の方が優先度が高いのではないかと考えます。
もちろん、義務教育の無償化は、授業料だけではなく、給食費や教材費、学用品、課外活動費や修学旅行費などをはじめ、見えない教育費を含む義務教育の無償化です。
私は、子育て世帯の経済的負担軽減に向けて、義務教育の無償化に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
私立高校授業料の実質無償化における所得制限撤廃も大きな前進ですが、まだまだ課題も残されています。
この間、私たちは、入学金や施設費等に対する補助制度を新設すべきと訴えてきましたし、また、特別奨学金が親の手元に届くまでに時間がかかるとも指摘をしてきました。昨今、質の高い教育を提供するため、授業料を値上げするというニュースも聞きますが、授業料の便乗値上げを招かない仕組みづくりも必要です。
加えて、私は、所得の低い家庭の子供が、平均授業料以上の私立高校への進学をちゅうちょすることがないよう、制度を拡充すべきと考えます。
私は、特別奨学金などの制度拡充をはじめ、私立高校に通う子育て世帯の負担をさらに軽減すべく取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
学校給食費や私立授業料の無償化に、周辺県知事から困惑の声が上がっていますが、むしろ東京の子育て世帯は都外に流出しています。
二月十三日、内閣府が公表した日本経済レポートでは、東京の子育て世帯が首都圏近郊へ向かっている理由として、単身向けの賃貸価格にあまり変化がない一方で、ファミリー向けの賃貸やマンション価格が上昇を続けている旨、分析をしています。
また、二十代後半から四十代前半までの既婚女性の有業率は、通勤時間が十五分長いと五・〇ポイント低下するとの研究を紹介するとともに、希望より狭い都心の住宅を取得せざるを得なかった世帯は、二人目、三人目の子供を諦める可能性もあると指摘をしています。
本来、国でやるべきことは、他県と連携して国に迫りつつも、私は、多子世帯に対する家賃補助制度を創設するなど、都として独自に子育て世帯の経済的負担の軽減に取り組んでいくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
次に、青少年健全育成について伺います。
先日、都議会立憲民主党は、百十二名もの漫画家から、東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づく不健全な図書類の名称を改めてほしいとの要望を受けました。
不健全図書の不健全という言葉が、世間的に存在自体許されないという不当なイメージを有することで、成人向け販売等は許容されているにもかかわらず、通販サイト等の自主規制により、出版社に経済的損害が生まれているだけではなく、自分の作品を不健全と呼ばれることで、非常につらい思いをしているとのことです。
他の東京都議会各会派にもこうした声が届けられ、テレビや新聞などで広く報じられましたが、まず、東京都は、こうした声があることを認識しているのか伺います。
不健全な図書類という名称が、条例の趣旨から外れて弊害を生じさせ、漫画家の自由な表現活動を萎縮させています。
東京都は、不健全図書の名称について、ホームページをはじめ、都が発出する告示や広告物の不健全な図書類の記載を条例の本来の趣旨に沿うよう変更すべきと考えますが、見解を伺います。
以上、再質問を留保し、東京都議会立憲民主党を代表しての質問を終わります。
ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕
○知事(小池百合子君) 山口拓議員の代表質問にお答えいたします。
経歴についてのご質問でございます。
カイロ大学、卒業を正式に認めておりまして、そもそもご質問の前提が間違っていると思います。
なお、カイロ大学による声明文ですが、あくまで大学の声明文でありまして、大学当局の意思に基づいて公表されたものでございます。
次に、経歴に関する二問の質問をまとめてお答えいたします。
これまで、議会をはじめ様々な場面でお伝えしてきておりまして、卒業を証明する書類なども既に公開、公にしております。
カイロ大学、卒業を認めていることはご承知のとおりでございます。
七月の選挙についてのお尋ねがございました。現在、都政運営に集中しているところでございます。
次に、答弁についてであります。
二元代表制の下で、議会におきまして、都として丁寧にお答えをいたしておりまして、ご質問の趣旨に応じて、執行機関である知事として適切に対応いたしております。答弁拒否という事実はございません。
二〇一六年の選挙における項目についてのご質問がございました。
知事就任以来、東京大改革の旗の下で、首都東京が長きにわたり抱えている課題の克服に向けて、真摯に取り組んでまいりました。
お尋ねの点につきましても、介護基盤の充実に加え、介護と仕事を両立する環境整備を後押しするなど、高齢者がいつまでも自分らしく活躍できる社会づくりを進めております。
特に、今年度の予算に盛り込みました介護職員への最大で月二万円の居住支援手当もその一つでございます。
残業対応につきましては、都庁の職員は、コロナ禍におきまして、都民の命を守るために総力を挙げて対応してくれました。
一方、DXによって、より柔軟で効率的な働き方が可能となり、知事就任以前とは隔世の感がございます。
明るい未来の東京の実現に向けた大改革は、着実に花開いております。都議会の議員の皆様方のご協力があって、この大改革はさらに加速するものと確信をいたしております。
そして、知事選についてのお尋ねもございました。先日の定例記者会見でもお答えしたとおりで、ご指摘のような事実はございません。
そして、一人暮らし高齢者への支援についてのお尋ねでございます。
都は、一人暮らし高齢者が地域で安心して暮らせますよう、区市町村が行う見守り体制の構築、そしてまた、高齢者の多様な居場所づくりを支援するなど、様々な施策に取り組んでおります。
なお、その他の質問につきましては、警視総監、教育長、都技監及び関係局長が答弁をいたします。
以上です。
〔警視総監緒方禎己君登壇〕
○警視総監(緒方禎己君) 選挙期間中の選挙運動に対する妨害行為や危険行為への対処についてでありますが、選挙が公正に行われて、国民の意思が正しく政治に反映されることは、民主主義の根幹をなすものであります。
警視庁といたしましては、選挙の自由や公正を害する悪質な行為につきましては、引き続き法と証拠に基づき、厳正に対処してまいります。
〔教育長浜佳葉子君登壇〕
○教育長(浜佳葉子君) 義務教育の無償化についてでございますが、憲法では義務教育を無償とすることが定められていますが、無償とは、最高裁判決で授業料不徴収の意味と解するのが相当であり、その他教育に必要な一切の費用の無償を定めたものではないとされております。
保護者の負担する教育費に対する支援は、設置者がそれぞれ適切に支援しているものと認識しております。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、ライドシェアについてでございます。
自家用車を活用するライドシェアの導入により、観光地のタクシー不足解消等を期待する声がある一方、ドライバーのみが責任を負う形態につきましては、安全の確保や利用者の保護等の観点から問題があると指摘されております。
本年四月には、いわゆる日本版ライドシェアが開始され、現在、国が様々な観点から検討を進めており、都としては、こうした国の動向を注視してまいります。
次に、築地まちづくりについてでございます。
平成二十九年六月の基本方針で示された豊洲と築地の両方を生かすという大きな方向性は一貫しており、変わっておりません。
そのうち、築地に関しては、都心に近接した立地特性や浜離宮、隅田川、食文化など地域のポテンシャルを踏まえ、事業実施方針の策定などを進めてきたところでございます。今回の提案は、こうした方針等を踏まえたものでございます。
次に、樹木の保全についてでございます。
神宮外苑のまちづくりは、明治神宮など民間事業者が自らの所有地において実施するものであり、都はこれまでも、事業者に対して既存樹木の保全などに取り組むよう要請しております。
これを受け、事業者は、四列のイチョウ並木の保全に万全を期すとともに、関係者が一体となって既存樹木の保全に取り組むとしております。
〔総務局長佐藤智秀君登壇〕
○総務局長(佐藤智秀君) 二点のご質問にお答えをいたします。
まず、コロナ対策の検証についてのご質問でございます。
都はこれまで、都民や事業者の皆様にもご協力いただきながら、新型コロナ対策に取り組み、そこで得られた知見や経験を次の対策に生かし、東京モデルを確立させ、幾度も感染の波を乗り越えてまいりました。
その結果、新型コロナウイルスとの千二百日に及ぶ闘いにおきまして、百万人当たりの死亡者数は、OECD加盟国でも極めて低い水準に抑えられました。
今後も、専門家の助言を踏まえつつ、国や関係機関と緊密に連携をし、新たな感染症に備えてまいります。
続きまして、災害関連死のご質問にお答え申し上げます。
都が一昨年度公表した被害想定では、避難所等の慣れない環境での生活によりまして、病状が悪化し、あるいは体調を悪化させて発症し、死亡する可能性があることなどをお示ししております。
東京都地域防災計画では、市町村における巡回健康相談などへの支援、生活必需品や感染症対策に必要な物資の備蓄などによりまして、避難生活の環境改善を図ることとしております。
〔財務局長山下聡君登壇〕
○財務局長(山下聡君) 事業評価による財源確保に関するご質問にお答えいたします。
事業評価では、全ての事業に終期を設定し、事後検証を徹底するとともに、進捗管理を強化することで、事業の見直しや適切な終了につなげております。
このため、工事や単年度事業の終了も財源確保額として計上しております。
なお、八年間で、工事の終了に伴うものは百七十件、七百三十億円、単年度事業の終了に伴うものは四百十二件、五百三十二億円でございまして、評価制度の趣旨を踏まえ、これらも事業評価の財源確保額に含めております。
〔建設局長花井徹夫君登壇〕
○建設局長(花井徹夫君) 調節池事業における都民への説明についてでございますが、都はこれまでも、事業の進捗に応じて、地域住民へ事業の目的や効果、工事の内容等を丁寧に説明してきておりまして、石神井川上流地下調節池につきましても、令和三年の事業説明会を皮切りに、工事着手前までに十回の説明会を重ねてまいりました。
また、事業評価は、国が定める要領に基づき、国庫補助の新規事業採択時に行っております。本調節池では、費用便益比を国のマニュアルに沿って適正に算出し、昨年十一月に学識経験者の意見を聴取した上で、本年三月に補助申請を行いました。
その後、昨今の物価高騰等を反映するべく、国との協議の結果、改めて申請することといたしました。
なお、事業評価の結果は、国のホームページに公表されます。
〔産業労働局長田中慎一君登壇〕
○産業労働局長(田中慎一君) 四点のご質問にお答えいたします。
中小企業の賃上げに向けた支援についてでございます。
都は、価格交渉に向け、専門家が助言を行うほか、労務費の計算ツールを提供しております。
また、中小企業がDXを活用し、新たな事業展開を行う際の支援につきまして、従業員の収入増加を図る場合に助成率の引上げを行ってございます。
最低賃金の引上げについてでございます。
最低賃金は、法に基づき、労働者、使用者、公益の三者の代表が審議し、地域の労働者の生計費や賃金、企業の支払い能力を考慮して国が決めております。
都としては、この制度が国において適切に運用されるべきものと考えております。
続きまして、カスタマーハラスメントへの対応についてでございます。
これまでの検討会議では、官民を問わず、あらゆる働く人をハラスメントから守る条例が必要との見解が示され、行政が禁止を強く働きかけるべきとの意見がありました。
こうした議論を踏まえ、条例の検討と併せ、実効性を確保するガイドライン等の検討に着手するなど、適切に対応してまいります。
最後に、インターネット上の行為への対策についてでございます。
この間の検討会議では、ウェブ上の誹謗中傷に対し、条例は有効に機能するとの見解が示されております。
今後、条例と併せてガイドライン等の検討に着手し、その中でSNS上の行為を含む幅広いカスタマーハラスメントに適切に対応してまいります。
〔生活文化スポーツ局長古屋留美君登壇〕
○生活文化スポーツ局長(古屋留美君) 私立高校生の教育費負担軽減についてお答えいたします。
都は、私立高校の授業料について、国と都の制度を合わせて都内私立高校の平均授業料まで支援しており、今年度からは所得制限を撤廃しております。
また、奨学給付金、育英資金、入学支度金貸付などの制度を設け、負担軽減を図っているところでございます。
〔住宅政策本部長小笠原雄一君登壇〕
○住宅政策本部長(小笠原雄一君) 子育て世帯への家賃補助についてでございます。
対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識をしております。
子育て世帯の居住の安定確保につきましては、都営住宅や民間賃貸住宅を活用し、重層的な住宅セーフティーネット機能の強化を図ってまいります。
〔生活文化スポーツ局生活安全担当局長竹迫宜哉君登壇〕
○生活文化スポーツ局生活安全担当局長(竹迫宜哉君) 東京都青少年健全育成条例に関するお尋ねでございます。
本条例に関しまして、様々なご意見があることは承知をいたしております。
次に、同条例に基づき指定する図書類についてでございます。
都は、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認められる図書類を条例に基づき指定しております。
指定された図書類につきましては、個別包装や区分陳列等を義務づけ、青少年には販売を行わないよう販売事業者等へ通知をしております。
今後、条例の趣旨がより明確に伝わるよう、告示や出版社への通知、ホームページ等の広報物の記載について検討してまいります。
〔百二十二番山口拓君登壇〕
○百二十二番(山口拓君) 私たちが、知事が直接答弁すべきと考えた十五の質問のうち、知事の答弁拒否は七問にも上りました。いわば半分が答弁拒否となるわけです。知事のご答弁も、正面からお答えをいただけない、ごまかしも看過できないものであります。
そこで、知事に対して、改めて再質問をさせていただきたいと思います。
知事の学歴詐称の疑惑について、今の答弁や記者会見でも、知事は、不思議なほど、カイロ大学で学んだ、カイロ大学に通ったとはおっしゃられません。カイロ大学が卒業を認めた、カイロ大学が決めたと繰り返すばかりで、具体的なエピソードがない、ご学友のお話もない、極めて不自然に感じます。
ここまで拒否をされるとなると、もう証明ができないのではないかと、都民の皆様の疑惑はさらに増すことでしょう。
カイロ大学卒業の隠蔽の疑いに対し伺いましたが、大学当局の意思の下に発出されたとのことでありました。そうしたことを聞いているのではありません。関係者への働きかけがあったのかを聞いているのです。聞いたことに真っ正面からお答えをいただきたいと思います。
そもそも前提が違うかどうかということではなく、カイロ大学の卒業に対し、知事側からエジプト並びにカイロ大学関係者への働きかけ、メール等のやり取りがあったのでしょうか。もし事実でなければ、知事は、きっぱりノーといえるはずです。イエスかノーでお答えをいただきたいと思います。
卒業証書をプレスに見せただけでは、もはやこの疑念、違和感を払拭することは不可能です。
もう一度伺います。カイロ大学で学んだ事実を示す成績証明を、まずは議会に提出すべきと考えますが、知事の見解も伺いたいと思います。
さらにもう一点、知事は、都内自治体の首長への出馬要請の依頼について、私からはしていない、そのような事実はありませんとお答えになりました。
私は、知事サイドからとお聞きをしました。知事からとは伺っていません。質問に正面からお答えをいただきたいんですが、知事への出馬要請は、知事サイドにより周到に用意されたとの見方もあり、都庁で知事が面会し、記者も入っている状況で、知らなかったなど通常あり得ません。私からはしていないは、ごまかしの答弁と聞こえます。
知事サイドから都内自治体の首長に対し、知事選への応援依頼、出馬要請を働きかけたことはないのか、知事の見解を改めて伺います。
最後に、神宮外苑の樹木保全について、知事はまたも答弁を拒否し、担当局長に答弁をさせました。この問題は、知事の決断と行動がなければ打開できません。
もう一度伺います。もう一度伺います。知事、知事選が終われば、神宮外苑の貴重な樹木が切られるとの都民の懸念に対して、樹木を保全すると知事が確約すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
知事の誠意ある答弁を求めて、再質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 先ほどの再質問ということで、ご要望ございました。
先ほど述べたとおりでございまして、それ以上ではございません。
以上です。
〔東京都技監谷崎馨一君登壇〕
○東京都技監(谷崎馨一君) 神宮外苑についての再質問でございます。
先ほど申しましたように、都はこれまでも、事業者に対して既存樹木の保全などに取り組むよう要請しております。
これを受け、事業者は、四列のイチョウ並木の保全に万全を期すとともに、関係者が一体となって既存樹木の保全に取り組むとしております。
○六十七番(鈴木純君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。
○議長(宇田川聡史君) お諮りいたします。
ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(宇田川聡史君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
明日は、午後一時より会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午後八時十分散会
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