令和六年東京都議会会議録第七号

令和六年五月二十九日(水曜日)
 出席議員 百十八名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
三番石島 秀起君
四番吉住はるお君
五番松田りゅうすけ君
六番上田 令子君
七番漢人あきこ君
八番岩永やす代君
十番伊藤 大輔君
十一番青木 英太君
十二番もり  愛君
十三番桐山ひとみ君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番土屋 みわ君
二十一番平田みつよし君
二十二番星  大輔君
二十三番磯山  亮君
二十六番おじま紘平君
二十七番山田ひろし君
二十八番龍円あいり君
二十九番田の上いくこ君
三十番米川大二郎君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十一番浜中のりかた君
四十二番本橋たくみ君
四十三番渋谷のぶゆき君
四十四番伊藤しょうこう君
四十八番関野たかなり君
四十九番白戸 太朗君
五十番入江のぶこ君
五十一番保坂まさひろ君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十八番原田あきら君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番松田 康将君
六十五番柴崎 幹男君
六十六番早坂 義弘君
六十七番鈴木  純君
六十八番山加 朱美君
七十番平けいしょう君
七十一番あかねがくぼかよ子君
七十二番森口つかさ君
七十三番清水やすこ君
七十四番成清梨沙子君
七十五番福島りえこ君
七十六番鈴木  烈君
七十七番風間ゆたか君
七十八番竹井ようこ君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番こいそ 明君
八十八番三宅 正彦君
八十九番林あきひろ君
九十番田村 利光君
九十一番小松 大祐君
九十二番小宮あんり君
九十三番藤井あきら君
九十四番菅原 直志君
九十五番内山 真吾君
九十六番本橋ひろたか君
九十八番増子ひろき君
九十九番阿部祐美子君
百番宮瀬 英治君
百一番藤井とものり君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百五番あぜ上三和子君
百六番高倉 良生君
百七番まつば多美子君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番鈴木 章浩君
百十一番ほっち易隆君
百十二番川松真一朗君
百十三番菅野 弘一君
百十四番宇田川聡史君
百十五番三宅しげき君
百十六番尾崎 大介君
百十七番村松 一希君
百十八番後藤 なみ君
百十九番たきぐち学君
百二十番小山くにひこ君
百二十一番森村 隆行君
百二十二番山口  拓君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 一名
 九十七番 石川 良一君
 欠員
    九番   二十四番 二十五番
    四十番  四十五番 四十六番
    四十七番 六十九番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事潮田  勉君
副知事宮坂  学君
副知事中村 倫治君
副知事栗岡 祥一君
教育長浜 佳葉子君
東京都技監都市整備局長兼務谷崎 馨一君
政策企画局長坂本 雅彦君
総務局長佐藤 智秀君
財務局長山下  聡君
警視総監緒方 禎己君
子供政策連携室長田中 愛子君
スタートアップ・国際金融都市戦略室長吉村 恵一君
デジタルサービス局長山田 忠輝君
主税局長佐藤  章君
生活文化スポーツ局長古屋 留美君
生活文化スポーツ局生活安全担当局長竹迫 宜哉君
環境局長松本 明子君
福祉局長山口  真君
保健医療局長雲田 孝司君
消防総監吉田 義実君
産業労働局長田中 慎一君
建設局長花井 徹夫君
港湾局長松川 桂子君
会計管理局長須藤  栄君
交通局長久我 英男君
水道局長西山 智之君
下水道局長佐々木 健君
住宅政策本部長小笠原雄一君
中央卸売市場長早川 剛生君
選挙管理委員会事務局長川上 秀一君
人事委員会事務局長田中  彰君
監査事務局長小林 忠雄君
労働委員会事務局長堀越弥栄子君
収用委員会事務局長有金 浩一君

五月二十九日議事日程第一号
第一 常任委員の選任
第二 第百四十六号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第三 第百四十七号議案
東京都安全安心まちづくり条例の一部を改正する条例
第四 第百四十八号議案
都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百四十九号議案
東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第六 第百五十号議案
東京都母子及び父子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第七 第百五十一号議案
東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第八 第百五十二号議案
東京都保健医療局関係手数料条例の一部を改正する条例
第九 第百五十三号議案
東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
第十 第百五十四号議案
東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百五十五号議案
東京国際展示場(六)東展示棟改修工事請負契約
第十二 第百五十六号議案
東京都青山葬儀所(六)改築工事請負契約
第十三 第百五十七号議案
都営住宅六H─一三四東(葛飾区新宿四丁目)工事請負契約
第十四 第百五十八号議案
都営住宅六H─一〇四西(清瀬市野塩二丁目)工事請負契約
第十五 第百五十九号議案
都営住宅六H─一〇三西及び六M─一〇三西(練馬区田柄二丁目)工事請負契約
第十六 第百六十号議案
東京国際展示場(六)東展示棟改修電気設備工事請負契約
第十七 第百六十一号議案
新海面処分場(六)Dブロック西側及び南側護岸遮水・裏埋工事請負契約
第十八 第百六十二号議案
新海面処分場(六)Dブロック南側護岸遮水・裏埋工事(その一)請負契約
第十九 第百六十三号議案
新海面処分場(六)Dブロック南側護岸遮水・裏埋工事(その二)請負契約
第二十 第百六十四号議案
東京都PCR等検査無料化事業に係る補助金返還等請求に関する民事訴訟の提起について
第二十一 第百六十五号議案
広尾病院及び広尾看護専門学校整備等事業契約の締結について
第二十二 第百六十六号議案
区分建物の買入れについて
第二十三 第百六十七号議案
品川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第二十四 第百六十八号議案
無線機(移動用)(救急)外四点の買入れについて
第二十五 第百六十九号議案
建物収去土地明渡等の請求に関する民事訴訟の提起について
第二十六 第百七十号議案
特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れ(その二)について
第二十七 第百七十一号議案
特種用途自動車(はしご車)の買入れ(その一)について
第二十八 第百七十二号議案
特種用途自動車(はしご車)の買入れ(その二)について
第二十九 第百七十三号議案
特種用途自動車(救急車)の買入れ(その一)について
第三十 第百七十四号議案
特種用途自動車(救急車)の買入れ(その二)について
第三十一 第百七十五号議案
特種用途自動車(救急車)の買入れ(その三)について
第三十二 第百七十六号議案
特種用途自動車(交通情報提供車)の買入れについて
第三十三 諮問第三号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第三十四 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

   午後一時開会・開議

○議長(宇田川聡史君) ただいまから令和六年第二回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(宇田川聡史君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

○議長(宇田川聡史君) 次に、去る五月二十六日執行されました東京都議会議員の補欠選挙において当選されました議員の議席を、会議規則第二条第二項の規定により、青木英太君を十一番に、西崎つばさ君を五十三番にそれぞれ指定いたします。

○議長(宇田川聡史君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十五 番 清水とし子さん 及び
   六十四番 松田 康将君
を指名いたします。

○議長(宇田川聡史君) 次に、議会局の局部長に異動がありましたので、紹介をいたします。
 議会局長児玉英一郎君、管理部長菅原雅康君、議事部長小河原靜子さん、調査部長櫻井幸枝さん。
   〔局部長挨拶〕

○議長(宇田川聡史君) 以上で紹介を終わります。

○議長(宇田川聡史君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(小河原靜子君) 令和六年五月二十二日付東京都告示第六百四十二号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案三十二件の送付並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく専決処分一件の報告及び承認についての依頼がありました。
 次に、令和六年第一回定例会の会議において同意を得た副知事、教育委員会教育長、収用委員会委員、収用委員会予備委員及び固定資産評価審査委員会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、知事及び監査委員外三行政委員会より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更及び説明員の委任の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
 次に、知事より、東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄について報告がありました。
 また、令和五年度東京都一般会計予算外四件の明許繰越について、令和五年度東京都一般会計予算の事故繰越について及び令和五年度東京都中央卸売市場会計予算外七件の繰越しについて、それぞれ報告がありました。
 次に、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき、知事等が講じた措置に関する報告がありました。
 次に、住民監査請求について、地方自治法第二百四十二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)

○議長(宇田川聡史君) この際、報告いたします。
 四月三日、台湾において地震が発生し、多数の死傷者を出すなど、多大な被害がありました。衷心よりお見舞いを申し上げます。
 本議会は、議員の拠出による見舞金を贈ることにつきまして、全議員の賛同を得たところでありますが、去る四月二十二日、台北駐日経済文化代表処を訪問し、議会を代表して贈呈をしてまいりました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第一回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(九ページ)に掲載〕

○議長(宇田川聡史君) 次に、閉会中の議員の退職について申し上げます。
 去る四月十四日、目黒区選出伊藤ゆう君及び西崎つばさ君は、公職選挙法第九十条の規定により、それぞれ退職となりました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、新たに当選をされました諸君を順次ご紹介を申し上げます。
 十一番青木英太君。
   〔十一番青木英太君登壇〕

○十一番(青木英太君) さきの補欠選挙で当選をさせていただきました目黒区選出の青木英太です。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

○議長(宇田川聡史君) 五十三番西崎つばさ君。
   〔五十三番西崎つばさ君登壇〕

○五十三番(西崎つばさ君) 目黒区の西崎つばさでございます。改めてここで働かせてください。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

○議長(宇田川聡史君) 以上をもって紹介は終わりました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、先般、副知事及び教育長に就任されました方々をご紹介いたします。
 副知事栗岡祥一君。
   〔副知事栗岡祥一君登壇〕

○副知事(栗岡祥一君) 先般の第一回都議会定例会におきまして、選任のご同意をいただき、副知事を拝命いたしました栗岡祥一でございます。
 厳しい社会経済環境の中で、災害対策や気候変動対策、少子高齢社会への対応など、東京の持続的な成長と都民生活の向上に向け、知事の下、微力を尽くしてまいります。
 都議会の皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

○議長(宇田川聡史君) 教育長浜佳葉子さん。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 令和六年第一回都議会定例会におきまして、教育長の再任にご登用いただき、引き続き教育長の職を務めることになりました浜佳葉子でございます。
 東京の目指す、誰一人取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って自ら伸び、育つ教育の推進に、今後とも全力で取り組む所存でございます。
 都議会の皆様方には、引き続きのご指導、ご鞭撻をいただきますようよろしくお願い申し上げます。

○議長(宇田川聡史君) 以上をもって副知事及び教育長の紹介は終わりました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。
 東京都技監都市整備局長兼務谷崎馨一君、政策企画局長坂本雅彦君、総務局長佐藤智秀君、子供政策連携室長田中愛子さん、主税局長佐藤章君、生活文化スポーツ局長古屋留美さん、環境局長松本明子さん、福祉局長山口真君、産業労働局長田中慎一君、建設局長花井徹夫君、住宅政策本部長小笠原雄一君、選挙管理委員会事務局長川上秀一君、監査事務局長小林忠雄君、労働委員会事務局長堀越弥栄子さん、収用委員会事務局長有金浩一君。
   〔理事者挨拶〕

○議長(宇田川聡史君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 去る五月十七日付をもって、お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ常任委員の所属変更の申出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。
   〔常任委員所属変更名簿は本号末尾(一五三ページ)に掲載〕

○議長(宇田川聡史君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から六月十二日までの十五日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(宇田川聡史君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十五日間と決定いたしました。

○議長(宇田川聡史君) この際、知事より発言の申出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和六年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を述べさせていただきます。
 都知事に就任し、初めてとなる所信表明の場で、私はこう申し上げました。今の都民のために、そして、いまだ見ぬ百年後の都民のために働かなくてはいけない、もっと東京はよくなると、都民が希望を持てる都政を展開する。この決意は一瞬たりとも揺らいだことはありません。
 とりわけ、新型コロナウイルスとの一千二百日に及ぶ闘いは、都民の命と健康を守り抜くために全身全霊を傾けた日々でございました。いち早く立ち上げた東京iCDCが核となり、試行錯誤で築き上げた東京モデルによりまして、百万人当たりの死亡者数はOECD加盟国でも極めて低い水準に抑えられました。これは、医療従事者をはじめ都民や事業者、全ての関係者の皆様のご尽力、ご協力のたまものであります。そして、コロナ禍の下で開催いたしました東京二〇二〇大会、まさに東京が一つになり、世界中に勇気と感動を届けられたと、このように考えております。
 この間、エネルギーや自然災害、国際競争力など様々な不安が都民に襲いかかってきました。国際情勢もさま変わりいたしております。不透明で困難な局面だからこそ、私は、人を縦糸に都政を幅広く俯瞰をし、成長と成熟が両立した持続可能な都市にするための大改革に邁進をしてまいったのでございます。待機児童はほぼ解消させ、DXを爆速で進める体制を構築し、都市の強靱化も強力に推進をしております。同時に、こうした都民第一の施策を展開し続けるため、無駄をなくす取組を徹底し、毎年約一千億円、八年間で約八千百億円に及ぶ新たな財源も生み出してまいりました。
 都政に全力で向き合ってきたからこそ意を強くしたのは、東京には、我が国の発展はもちろん、世界有数の大都市として、人類共通の課題を乗り越え、国際社会をもリードする力があるということでございます。足元では、少子高齢化や人口減少といった社会の根幹を揺るがす問題が先鋭的に表れています。東京の底力を掘り起こし、未来を切り開く役割が今まで以上に求められているのを感じます。
 時代が変化する兆しを見逃してはなりません。大改革の芽をさらに大きく花開かせ、一つの成功モデルを示し、社会を構造から変えるダイナミックな流れを起こしていく。そのためにも、今必要なのは、なすべきこと、東京だからこそできることを実行するスピード感、すなわち都政の動きを加速していくことであります。
 まずは、再びアジア、そして世界の成長を牽引する都市へと飛躍する、また飛躍させる取組についてであります。
 世界の至るところで生み出される技術やアイデアの混ざり合いが、都市課題を解決する新しいビジネス、新しい価値を生み出し、明るい未来をつくり上げていく。東京をそのハブへと引き上げるSusHi Tech Tokyo 二〇二四が、先日、大盛況のうち、幕を閉じたところでございます。昨年スタートさせ、僅か二年であるにもかかわらず、期間中は、四百三十社を超えるスタートアップ、四十五もの世界の都市の代表が参画し、さらには、延べ六十万人を上回る皆様にも足を運んでいただき、既にアジアを代表するような催しの一つとなりました。都市同士の連携や革新的なテクノロジーによって切り開かれる持続可能な社会の姿を多くの人に実感いただけたのではないでしょうか。東京に来れば課題解決のヒントが見つかる、東京で起業したい、東京にはチャンスがある、そうした期待も高められたと思います。このイベントは、ゴールではなくスタートであります。都市とスタートアップの具体的な協働の動きも始まりました。今回生まれたネットワークやイノベーションの種をよりよい未来に向けてしっかりと根づかせ、花開かせていかなければなりません。
 そうした挑戦の一つの核となるのが、機能を一層充実させて、先日グランドオープンを迎えましたTokyo Innovation Baseであります。先般訪れたアメリカのシリコンバレーは、世界中から様々な人が集まり、多様性によって互いに刺激し合うような場所でありました。SusHi Tech Tokyoをてこにして国際的なネットワークも強化し、多様なプレーヤーの結節点として進化させていきます。金融・資産運用特区を進める国と緊密に連携を図りながら、投資とイノベーションの好循環を生み出します。
 イノベーティブな都市にとって欠かせないインフラの一つ、それはデジタルであります。その力で都民が利便性を実感できるようにする東京DXを昨年立ち上げたGovTech東京を推進力にして加速させます。この間の取組で早くも成果は表れています。例えば、施設予約のデジタル化など自治体が共通して抱える課題を伴走型で支援してきたほか、デジタルツールの共同調達で、事務負担の軽減と約二十億円ものコスト削減を実現いたしました。今後は、区市町村との間で、共同化のメニューの幅を広げるとともに、GovTech東京に登録している専門的なスキルを持つ人材とのマッチングを進めてまいります。子育てサービスの変革に挑むこどもDXにつきましても、複数の自治体での先行実施が始まっております。区市町村のニーズに即した支援とDX全体を引っ張る取組を両輪で進め、都民サービスの質を格段に高めてまいります。
 いよいよ開催を来年に控える世界陸上とデフリンピック。多くの方々に夢と希望を届けるスポーツの力で、インクルーシブ、すなわち包摂的な都市の実現に弾みをつけていきたいと思います。
 開幕まで五百日を切った世界陸上につきましては、東京大会を象徴するロゴマークの下、ボランティアの募集をはじめ準備を加速させ、世界中の期待を高めてまいります。デフリンピックは、大会期間中、運営や輸送、選手同士の交流など様々な機能を集約した拠点、デフリンピックスクエアを国立オリンピック記念青少年総合センターに設置をいたします。さらに、みんなで大会をつくり上げていきたいという願いを込めまして、クラウドファンディングを開始いたしましたほか、聴覚障害や言語の壁を乗り越え意思疎通を図れるユニバーサルコミュニケーション技術の実装も進めてまいります。
 成功裏に幕を閉じました東京二〇二〇大会は、鉄道駅や宿泊施設はもとより、あらゆる面で段差の解消が進む契機となりました。来年開催いたします二つの国際スポーツ大会を通じまして、この流れを加速させ、共生社会の実現につなげます。
 東京が持つ強みを新たな魅力としてどんどん引き出してまいります。ゴジラが登場するコンテンツも大好評いただいております都庁舎のプロジェクションマッピング、これまで国内外から二十万人を超える方々に楽しんでいただきました。何もないところが、開始から僅か三か月で観光スポットになっているのです。今後も、地元の団体や民間事業者とも連携しながら、新たな夜の名所を生み出してまいります。工事現場の仮囲いなどを彩るプロジェクトのさらなる推進に加えまして、来年度ベイエリアで開催する予定の東京の国際芸術祭、トリエンナーレを起爆剤に、アートのまちとしても一層磨きを上げてまいります。さらに、江戸の記憶が息づく日本橋川の周辺では、先日新たに立ち上げました検討会が中心となって、地域の歴史や文化、緑を生かした水辺のにぎわいを創出していきます。
 臨海部では、今、最先端のまちづくりが加速しています。恵まれたロケーションや歴史、文化資源などのポテンシャルを有する築地市場跡地では、いよいよ新たなプロジェクトが始動いたします。地域に息づく食文化を生かしながら、場外市場をはじめベイエリア全体と連携した築地ならではのにぎわいを進化させてまいります。
 一方、長い年月を経まして醸し出される個性や味のあるまち並みも、東京らしさを形づくる大切な要素の一つであります。江戸情緒あふれるまち並みづくりを新たに支援いたします。さらに、建築安全条例の改正に着手しまして、安全性を確保しながら既存ストックを地域の魅力創出に生かしていくなど、今後、リノベーションによるまちづくりにも力を入れてまいります。
 まちとまちを結びつけ都市全体に活力をもたらす、それが交通インフラです。知事就任以来、東京の持続的な発展を牽引する鉄道網の充実に力を入れてまいりました。来月には、地下鉄八号線の延伸や品川地下鉄の新設について都市計画を決定いたします。鉄道新線に係る計画決定は、およそ四半世紀ぶりとなります。都心とベイエリアを結ぶ臨海地下鉄につきましても、早期事業化に向けて取り組み、交通ネットワークの充実を推進いたします。
 東京の魅力を語るときに欠かせない多摩・島しょ地域。そのブランド価値を高め、多くの人が住み訪れたい場所にしたい、こう思っています。
 そこで、多摩地域では、国内で開催される大規模な観光イベントでのPRや多様なメディアを活用した情報発信など、誘客キャンペーンを展開いたします。社員の生産性などを高めるためのワーケーションに活用してもらうべく、企業単位の誘致活動も行いまして、様々な角度から多摩地域の魅力をアピールしてまいります。
 島しょ地域では、複数の島にまたがる新たなサービスの事業化などを支援する東京宝島チャレンジプロジェクトを展開し、広域的な魅力の創出につなげます。また、青い海に囲まれ、独自の生態系が息づく小笠原諸島では、先般、振興開発計画の素案を取りまとめました。地域資源を活用した産業振興や自然と調和したインフラ整備など、小笠原の特殊性を踏まえながら、住民生活の安定や福祉の向上を図ります。
 気候変動という危機を前に、エネルギーの大消費地である都市から持続可能な社会のモデルをつくり上げていかなければなりません。
 多くの都民、事業者の皆様にご理解とご協力をいただき、全国に先駆けて成し遂げた太陽光発電設備の設置義務化が来年度から始まります。環境技術は日進月歩であり、世界がしのぎを削っています。その一つが、薄く、軽く、曲がる次世代型ソーラーセルであります。都庁の展望室や住宅供給公社の施設に続きまして、先日、東京国際クルーズターミナルにも新たに設置いたしました。これから発展していく技術だからこそ、都が率先してその見える化に取り組み、社会実装の流れを加速させて、発電する未来都市への道を開いてまいります。
 今年の三月に開催を実現いたしました世界最高峰の電気自動車レース、フォーミュラEをはずみに、脱炭素に貢献するZEVをモビリティーの主役にしていきたいと思います。そのために欠かせないのが充電インフラであります。都はかねて住宅等への充電設備の設置を支援してまいりました。加えて、公道におきましても、東京駅や増上寺の周辺で急速充電器を新たに二か所設置するとともに、さらなる増設も検討いたします。充電設備等を備えたマルチエネルギーステーションを増やす支援など、様々な取組も通じまして、ZEVの普及を見据えた環境の整備を図ってまいります。
 さらに、持続可能なまちづくりを先導する臨海副都心におきましては、二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向けまして、官民連携による新たな戦略を策定いたします。これに合わせまして、主要交通機関であります「ゆりかもめ」の一〇〇%グリーン電力による運行も八月から開始をするとともに、エリア内のCO2排出量の約九割を占めますオフィスビルなどの業務部門におきまして、事業者と協働して脱炭素化を進めてまいります。
 世界に先駆けた水素社会の実現も推し進めてまいりました。水素エネルギーの普及拡大には、需要と供給を両輪とした戦略的な取組が不可欠であります。燃料電池トラックや燃料電池ごみ収集車の実装を強力に推進するとともに、我が国の玄関口であり、世界へのPRにもなります空港臨海エリアでの需要拡大を図るべく、航空機の支援車両への導入も進めてまいります。JR東日本が中心となりまして、南武線で試験走行を実施しております水素電車でございますが、このたび、都内区間での実証が決まりました。こうして、まずは水素エネルギーの強みを生かせる商用分野での利活用を広げてまいります。
 供給網も整えていかなければなりません。海外から受け入れるグリーン水素を活用するため、パイプラインを含む供給体制の構築に向けました協議会、新たに設置をいたしました。空港臨海エリアで実装に取り組みます民間や自治体等と将来のロードマップ、描いてまいります。先月には、大田区平和島で全国初となるトラックターミナル内の水素ステーションも営業を開始するなど、将来をにらんで先手の取組を展開してまいります。
 経済性と効率性を優先するまちづくりは過去のものとなり、東京は緑豊かな都市としてさらなる進化を続けています。最近の大規模民間開発では、合わせまして六万平方メートルを超える緑の空間が創出されましたほか、この任期中に新たに整備された都立公園は、東京ドーム約七個分に上ります。緑を守る、育てる、生かす、ゆとりと潤いあふれるまちを未来に継承していくため、都民はもとより、区市町村や企業などあらゆる主体を巻き込み、東京グリーンビズを大きなムーブメントへと育て上げてまいります。その土台となるのが、グリーンビズマップであります。都内の公園など緑あふれるスポットの情報を分かりやすく発信してまいります。さらに、緑への都民の関心を高められますような、そんな機能も盛り込むなど、段階的にバージョンアップを図ってまいります。また、ベイエリアにおいて緑化率を引き上げるなど、基準の改定などを行いました都市開発諸制度の活用を通じて、民間開発による緑の充実を効果的に誘導してまいります。
 動植物や自然との共生も推進いたします。緑豊かな環境を有する保全地域の指定目標を一千ヘクタールに拡大するとともに、区市町村やボランティアと連携協力するための拠点、東京都生物多様性推進センターを先月新たに設置をいたしました。八月に開催する「山の日」全国大会も、東京グリーンビズが掲げる緑と生きるまちづくりへの共感を育む契機としてまいります。
 続いて、一人一人の暮らしを支える安全・安心についてでございます。
 元日に起きました能登半島地震をはじめ、各地で地震が頻発をし、大規模災害への不安が高まっています。安心して在宅避難できる東京とどまるマンションにつきまして、今年度から、防災備蓄資器材の支援を通じまして、登録の促進だけではなく、町会等と合同で防災訓練を実施するインセンティブを導入いたしました。都民の約三分の二が暮らすマンション等の防災力の向上と地元とのつながりの創出、この二つの相乗効果で地域全体の共助の力を強化いたします。
 気候変動の影響により激甚化、頻発化する風水害への備えも万全にしなければなりません。海に面する都市として高潮への対策を強化するため、学識経験者等による検討委員会を立ち上げ、今年度内に、河川ごとの最適な整備手法などを定めます対策方針を策定いたします。さらに、環七地下広域調節池等を連結しまして東京湾までつなげる、いわば新しい川を地下に一本つくる取組も、今年度から着実に推進していきます。
 かつて静岡県熱海市の市街地で発生した土石流災害、これを教訓に制定されました盛土規制法に基づく運用、七月から始まります。都民の安全を確保するため、都内のほぼ全域を規制区域といたしまして、都独自に人工衛星データや都民投稿ツールを活用した盛土の監視を行ってまいります。
 この夏も例年以上の暑さが見込まれております。毎年多くの方の命を奪う熱中症は、もはや災害の一つという認識に改めまして、対策の徹底が肝要でございます。HTT・ゼロエミッション推進協議会でも危機感を共有し、官民がしっかりと連携をいたしまして、きめ細かな情報発信など、幅広い取組を展開いたします。クーリングシェルターの設置、また普及啓発も区市町村と協力して進めるなど、都民一人一人に命を守る行動を促してまいります。
 働き方改革と生活を支える様々なサービスの両立が求められています。二〇二四年問題への対応であります。国や事業者と連携しまして、再配達の削減に向けた消費者の意識改革等に取り組む東京物流ビズを始動いたしました。また、物流の要である東京港では、かねてターミナル利用に予約制を試験導入しておりまして、その結果、大幅な待ち時間の削減に成功いたしました。今後、これを東京港全体に広げるほか、トラックによる輸送力の低下に備えて、鉄道や船舶へのモーダルシフトも加速いたします。物流のみならず、建設や医療の分野でも働き方改革が本格化しております。デジタルツールを活用した効率的な業務体制の構築など、生産性の向上に資する取組、しっかりと後押しをしてまいります。
 長期化する物価高騰から都民生活や企業活動を守り抜く。こうした覚悟で、今年度予算には、住宅困窮者支援や中小企業の経営下支え、さらには、企業の賃上げ後押しなど重層的な手当てを講じたところであります。低所得世帯を対象にした世帯当たり一万円分の商品券などによる生活支援につきましては、来月にも申請受付を開始いたします。こうした様々な取組が、必要とする都民の皆様の下に届きますよう、着実に施策を実行に移してまいります。それに加えまして、都民の命と生活を守る。東京を持続可能なまちとし続ける。それこそが都政を預かる者の最大の使命でございます。
 いつの時代も、主役は人。人々が制度や仕組みに合わせて生きるのではなく、その生き方に制度や仕組みの方を合わせて、人が輝く社会を実現していかなければなりません。
 人口減少は、我が国の構造的課題の最たるものであります。人口は国力そのものであり、本来ならば、国家としての大方針があってしかるべきであります。人口減少に大きな影響を与える少子化。その要因は複合的で、子供を持つことは一人一人の人生の選択の結果であります。問題の根っこにあるのは、子供を持つ、それが一つの幸せな生き方につながると確信を持てるかどうかではないでしょうか。だからこそ、私は、望む人が安心して子供を産み育てられる社会の実現を都政の最優先課題に位置づけて取り組んできたのであります。卵子凍結に関する支援、〇一八サポートに象徴されるように、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援を国に先駆けて推し進めてきました。こうした取組には、多くの方々の共感をいただけたと、このように感じております。都民、国民の皆様が、一人一人の自己実現を応援してくれる社会に変わったと実感できなければなりません。ライフステージを通じた取組をスピード感を持って積み重ねてまいります。
 将来の妊娠に向けた男性への検査の支援も新たに開始をいたしました。また、育業を社会全体で応援する機運の醸成、職場の環境づくりにも取り組んだ結果、都におきましては、今や働く男性の約四割が育業する時代となりました。これを一層推進するため、従業員の後押しに力を入れる中小企業への支援制度を充実強化いたします。
 申請手続に当たり、大きな反響と様々なご意見をいただきました〇一八サポート。今年度新たに対象となった方の受付、来月から始めます。マイナンバーカードを活用し、手続の負担を劇的に改善いたしました。様々な行政サービスを、国、東京都、区市町村が一体となって、簡単に、確実に届けていく。そのような子供を産み育てやすい環境づくり、都が先頭に立って進めてまいります。
 女性が存分に力を発揮できる社会への転換も加速していかなければなりません。隗より始めよで、都庁では、審議会などの女性任用率が約四六%と大幅に拡大をし、女性管理職の比率も民間企業の平均を上回っています。覚悟を持って取り組めば変わる、そう確信しています。これまで築き上げた、思いを同じくする企業同士のネットワークを生かしまして、都立高校生のキャリア形成や女性リーダー育成に取り組みます。さらに、はたらく女性スクエアを九月に開設するほか、投資家のネットワークと女性起業家を結びつける機会を設けるなど、自ら望むキャリアを歩み、自分らしく輝けるようにしていきます。
 そして、昨年立ち上げました東京くらし方会議では、いわゆる年収の壁など、女性の前に立ちはだかる壁を意識して、その活躍を引き出す社会にするためにはどうしたらよいのか、我が国が抱える課題を洗い出しをしてきました。そして、先日には、今年度の第一回となる会議を開催したところであります。多面的な観点から議論を深掘りし、女性の活躍を阻む制度につきましては直ちに見直すよう国に強く求めてまいります。
 未来の担い手を大切に育むチルドレンファーストの社会の実現、それは都政における最重点の課題であります。だからこそ、この間、真正面から取り組んでまいりました。
 乳幼児のすくすくとわくわくを応援するとうきょうすくわくプログラムは、開発から普及拡大のフェーズへと移ってまいります。区市町村も含めた幅広い関係者に対しまして、戦略的な周知活動を展開し、都内全域へと広げてまいります。都立高校の生徒と教師の海外派遣も対象国や規模を拡大いたしまして、多様な個性や専門性、豊かな国際感覚を育みます。
 また、学校生活になじめない子供の学びや居場所の選択肢を増やすため、フリースクールなどの利用者や団体を対象にしまして今年度創設した支援制度について、専用のホームページを来月開設いたします。また、制度を広く活用いただけますよう周知を図り、多様な学びを支えてまいります。さらに、中高生政策決定参画プロジェクトと銘打ちまして、未来を担う子供たちの目線で政策のバージョンアップにつなげる取組を進めてまいります。
 困難や悩みを抱え、居場所を求める若者たちも増えています。こうした昨今の事情も踏まえまして、社会的自立に向けた支援施策の基本方針などを示す東京都子供・若者計画の改定に着手いたします。若者の意見を取り込む工夫をするなど、安心して健やかに成長できるようにしてまいります。教育の充実こそ、自己実現を後押しし、東京の未来の発展につながる都政の重要な柱なのであります。
 人生百年時代といわれる今、シニア世代が能力や経験を生かし、いつまでも自分らしく活躍できることを当たり前にしていかなければなりません。これまで、東京リカレントナビや都立大のプレミアム・カレッジを開設し、学びたい意欲や学び直しのニーズに応える環境を整えてまいりました。これに加えまして、来月、意欲あるシニア人材の多様な働き方の実現を後押しするプラチナ・キャリアセンターを虎ノ門に開設いたします。都が発祥のシルバー人材センター、個々のニーズに合った情報を提供できますよう、DXを駆使いたしまして機能強化を図り、企業と地域それぞれでの活躍の場を広げてまいります。
 そして、戦後のベビーブーマーが後期高齢者となる来年二〇二五年の備えを加速させてまいります。いざ介護が必要な状況になりましても、安心して生活できる社会、その実現に向けまして、介護業界のイメージアップのほか、日本の現場に飛び込む外国人介護人材とそれを受け入れる施設側の双方をサポートいたします。さらには、介護職員やケアマネジャーへの居住支援などきめ細かな施策を展開いたしまして、戦略的に人材の確保、定着、育成を図ってまいります。
 今後を見据えますならば、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らせるよう、一層の環境整備も喫緊の課題であります。当事者の方の意見を聞きながら、TOKYO認知症施策推進プロジェクトなど、都の先進的な取組を盛り込みました新たな計画の策定を進めてまいります。
 さて、人が輝き、人が未来をつくっていく。親から子へ、子から孫へ、その物語に終わりはありません。であるならば、一人一人が輝ける舞台をしっかりと次の世代へと引き継いでいくために何をするか、それが今を生きる私たちに問われています。
 世界は広いです。時代は激動しています。だからこそ、五十年、百年先を想像しながら、自分たちの強みを知り、どのように生かしていくのかを考え、社会をよりよいものへと変えていかなければなりません。
 なすべきは、江戸から続く知恵や伝統の深み、安全・安心に暮らせる都市基盤をこれからもしっかりと守る、そして、思い込みや前例にとらわれず、視野をぐんと広げて、東京をさらに磨き上げることでございます。都民が第一、都民ファーストで推し進める東京大改革の先にこそ、明るい未来は開かれていきます。私はそう確信をいたしております。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○議長(宇田川聡史君) 傍聴人は静粛に。

○知事(小池百合子君) なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、条例案九件、契約案九件など、合わせまして三十三件、議案を提案いたしております。どうぞよろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。
 ありがとうございました。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○議長(宇田川聡史君) 傍聴人は静粛に願います。従わない場合は退場を命じます。
 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(鈴木純君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入られることを望みます。

○議長(宇田川聡史君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(宇田川聡史君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入ることに決定いたしました。

○議長(宇田川聡史君) 日程第一、常任委員の選任を行います。
 お諮りいたします。
 常任委員の選任については、委員会条例第五条第一項の規定により、議長から、新たに当選されました青木英太君を総務委員に、西崎つばさ君を財政委員にそれぞれ指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(宇田川聡史君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、それぞれ議長指名のとおり選任することに決定いたしました。

○六十七番(鈴木純君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明三十日から六月三日まで五日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(宇田川聡史君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(宇田川聡史君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明三十日から六月三日まで五日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、六月四日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時四十五分散会


文書質問趣意書及び答弁書

6財主議第108号
令和6年5月21日
東京都議会議長
 宇田川聡史 殿
東京都知事
小池百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 令和6年第一回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

松田りゅうすけ議員
漢人あきこ議員
岩永やす代議員
桐山ひとみ議員
清水とし子議員
田の上いくこ議員
中田たかし議員
原純子議員
福手ゆう子議員
五十嵐えり議員
須山たかし議員
原のり子議員
藤田りょうこ議員
竹井ようこ議員
とくとめ道信議員
池川友一議員
米倉春奈議員
宮瀬英治議員
とや英津子議員
あぜ上三和子議員
中村ひろし議員
大山とも子議員
和泉なおみ議員

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 松田りゅうすけ

質問事項
 一 暮らしを応援!TOKYO元気キャンペーンの実施について

一 暮らしを応援!TOKYO元気キャンペーンの実施について
  都民の生活を守るとともに、消費を喚起し経済の活性化にもつなげていくため、都内の対象店舗において、商品購入やサービス利用の支払いを対象のQRコード決済で行うと、決済額の最大10%のポイントを還元する「暮らしを応援!TOKYO元気キャンペーン」を令和6年3月11日(月曜日)から3月31日(日曜日)まで、実施を予定していたが、キャンペーン特典の付与総額が予定していた上限の金額に達する見込みとなり、2024年3月23日(土曜日)をもって、キャンペーンが終了となった。
 1 当初のキャンペーン期間より短くなったが、予算組の際は付与総額はどの様な試算のもと、設定していたのか。
 2 キャッシュレス決済でのポイント還元は、事務費等を安く抑えられるメリットがあるが、なぜ今回はキャッシュレス決済の中でもQRコード決済だけを対象としたのか。また、対象のQRコード決済事業者については、どの様に選定したのか。
 3 利用者からすると1つのアプリで1人当たりの還元上限12,000円相当まで還元を受けられる方が使い勝手が良いのにも関わらず、対象QRコード毎に上限3,000円相当を設定したのか。

令和6年第一回都議会定例会
松田りゅうすけ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 暮らしを応援!TOKYO元気キャンペーンの実施について
  1 当初のキャンペーン期間より短くなったが、予算組の際は付与総額はどの様な試算のもと、設定していたのか。

回答
  今回の支援の規模については、東京で暮らす方の消費の実情に対応できるよう、消費に関する季節的な要因や東京の人口の大きさなどを踏まえた水準を設定しました。
  東京のひと月のQRコードによる平均の決済額を10%のポイントで還元する考え方としました。

質問事項
 一の2 キャッシュレス決済でのポイント還元は、事務費等を安く抑えられるメリットがあるが、なぜ今回はキャッシュレス決済の中でもQRコード決済だけを対象としたのか。また、対象のQRコード決済事業者については、どの様に選定したのか。

回答
  消費の喚起などを速やかに行うため、民間のQRコード決済のポイント還元の仕組みを活用することとしました。
  多くの都民が活用できる店舗の数を十分に確保することが必要なため、広く普及している複数の決済事業者を活用することとしました。

質問事項
 一の3 利用者からすると1つのアプリで1人当たりの還元上限12,000円相当まで還元を受けられる方が使い勝手が良いのにも関わらず、対象QRコード毎に上限3,000円相当を設定したのか。

回答
  今回の支援では、多くの都民が活用できる店舗の数を十分に確保することが必要であったため、複数の決済事業者を活用することを通じ、参加の店舗を増やし、利用者の利便性の向上につなげることとしました。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 漢人あきこ

質問事項
 一 “はけ”と野川を壊す都市計画道路の優先整備路線選定根拠について
 二 医学的適応のない卵子凍結支援事業について
 三 2030年熱中症死亡者半減とエネルギー貧困対策について
 四 東京水素ビジョン 燃料電池バス補助について
 五 中野区を会場とした「令和5年度国民保護共同訓練」について
 六 自衛隊による市街地行進訓練について
 七 朝鮮学校運営費補助金の不交付と東京都こども基本条例について
 八 玉川上水整備活用計画と生物多様性について

一 “はけ”と野川を壊す都市計画道路の優先整備路線選定根拠について
  都市計画道路小金井3・4・1号線、小金井3・4・11号線外(以下、2路線)が「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において優先整備路線に選定されたのは2016(平成28)年3月です。10年後の2026年3月をめどに事業着手するとされ、すでに8年が経過しました。都は、第四次事業化計画に関する自治体との意見交換を行っています。
  第四次事業化計画の策定過程において、2路線を優先整備路線にすることについて、都はパブリックコメントを実施しました。2,000件を超える疑問、反対の声が届けられましたが、都は優先整備路線に選定しました。
  あらためて、2路線の選定理由の根拠を問い、その根拠はいまも有効性があるのか伺います。
 1 「交通量予測」について
  ア 都市計画道路の必要性を判断する目安として交通量「1日あたり6,000台」としていますが、その根拠を伺います。
  イ 交通量推計にあたっては2005(平成17)年度全国道路・街路交通情勢調査に基づいて予測していますが、具体的にどのような推計方法なのか伺います。
  ウ 以下のデータを示してください。
   a 2015(平成27)年度の優先整備路線選定時の、小金井街道、新小金井街道、連雀通りの小金井市及び周辺の実測データ
   b 2路線完成時、フルネット完成時の2路線の交通量予測データ
   c 2路線完成時、フルネット完成時での小金井街道、新小金井街道、連雀通りの、aと同箇所の交通量予測データ
 2 小金井エリアの都道等の幹線道路の交通量について
   交通センサスは2005(平成17)年度以降、2010年、2015年、2021年に行われています。2路線に関係すると思われる小金井及び周辺エリアの都道等幹線道路の交通量は、2005年を基準年に2021年までの推移を見てみると、全体に減少傾向を示し、20%から30%減の地点も少なくありません。
   野川ほたる村は2023(令和5)年の調査について、「特筆すべきは小金井街道前原5丁目の交通量が、完成年予測値の1日あたり8,000台(12時間換算約6,200台)と同水準にまで減少していることだ」と指摘しています。
  ア 2005(平成17)年以降、優先整備路線選定後も交通量が減少傾向にあるため、優先整備路線選定の有効性が失われつつあると考えますが、見解を伺います。
  イ 都は、小金井市の既存の都道等幹線道路について、2005(平成17)年以降、交通量の推移をどのように予測していましたか。予測していれば、そのデータを示してください。
 3 3・4・11号線の選定項目「自動車交通の円滑化」はいまも有効なのか
   3・4・11号線は第四次事業化計画で、「選定項目2 自動車交通の円滑化」によって優先整備路線に選定されました。
   第四次事業化計画では「選定項目2 自動車交通の円滑化」について、以下のように記されています。
   (広域的視点)では「渋滞を早期に解消していくため、主要渋滞箇所を含む区間や混雑度1.25を上回る区間について、交通の転換や拡幅により、渋滞緩和に寄与することが期待される区間を優先性の高い区間として選定します。」
   (地域的視点)では「こうした地域においては混雑の解消などを進めていく必要があります。また、地域内の公共交通不便地域の解消のため、都市計画道路の整備により、バスなどの公共交通の導入を計画している箇所もあります。このように現在、地域で抱える交通課題の解決に資する都市計画道路を優先性の高い区間として選定します。」
   このように「自動車交通の円滑化」は、いずれも「渋滞の解消」を重要課題としています。
  ア 第四次事業化計画の優先整備路線選定にあたって、渋滞調査は行われたか伺います。
  イ 優先整備路線選定時の「433か所」は、2013(平成25)年の「首都圏渋滞ボトルネック対策協議会資料」によるものか伺います。
  ウ 「433か所」の内、小金井市の渋滞区間、箇所を示してください。
  エ ウの区間、箇所の渋滞解消のための対策は、選定後行われたか伺います。
  オ 優先整備路線選定後、「首都圏渋滞ボトルネック対策協議会」による同様の調査は行われましたか。その結果を伺います。
  カ 渋滞調査は、優先整備路線選定後の2018(平成30)年に建設局が行い、小金井街道(前原坂上交差点)が最大で11月27日(火曜日)750メートル、12月2日(日曜日)360メートルでした。
    その後、「野川ほたる村」の2023(令和5)年調査では、小金井街道(前原坂上交差点)について「やや渋滞する時間帯でも短時間に終わり、最大2回の信号待ちで通過。現在ではほとんど渋滞のない状態になっている」としています。
    都は、現時点での小金井街道(前原坂上交差点)の渋滞状況を把握しているか伺います。
  キ 今後、渋滞調査は予定されているか伺います。
 4 3・4・1号線の選定項目「地域の安全性の向上」はいまも有効なのか
   3・4・1号線は第四次事業化計画で「選定項目4 地域の安全性の向上」によって優先整備路線に選定されました。
   第四次事業化計画では「選定項目4 地域の安全性の向上」について、以下のように記されています。
   (広域的な視点)「生活道路での交通事故の原因の一つとして、円滑な交通処理を担う都市計画道路が未着手であることから、渋滞する区間を避けて、通過交通が生活道路へ流入していることが挙げられます。(中略)人身事故密度が高い住宅エリアの街区を形成する都市計画道路を優先性の高い区間として選定します。」
   (地域的な視点)「歩行者が安全に通行できない道路が都内にはいまだ数多く存在しており、(中略)歩行者、自転車、自動車それぞれの安全・安心を確保し、地域の安全性の向上に寄与する都市計画道路を優先性の高い区間として選定します。」
  ア 3・4・1号線の選定理由は「地域の安全性」であり、周辺エリアが「人身事故密度の高い住宅エリア」で「地域を安心して歩くことができない状況」にあるとしています。
    そのようなことを裏付けるデータなどを開示請求しましたが存在しませんでした。選定から8年間で「地域の安全性」が脅かされていることを示す新たなデータがあれば示してください。
  イ 優先整備路線選定にあたって、該当エリアの抜け道調査は行われていますか。その調査結果を示してください。
  ウ 建設局が2018(平成30)年に行った「抜け道」調査の結果についての評価を伺います。
  エ 都は、その後「抜け道」調査を行っているか伺います。
  オ 今後、「抜け道」調査は行うのか伺います。
 5 選定から8年。地元自治体の意向の変化について
   2022(令和4)年8月に小金井市が策定した小金井市都市計画マスタープランの「〔1〕都市計画道路の整備方針(広域連携軸・地域連携軸)」には、次のように記載されています。
   「●東京都及び関係市と連携して、地域のまちづくりの特性、整備済み・着手路線との連続性、道路ネットワークの形成及び国分寺崖線(はけ)、野川、玉川上水及び都市公園など自然環境・景観などの保全を勘案して、必要な道路整備を計画的に進めます。
   ●長期間にわたり事業化する時期が未定の広域幹線道路及び幹線道路については、社会経済情勢及び地域のまちづくりの変化などを踏まえ、東京都及び関係市と連携して、都市計画道路の検証を行い、必要に応じて、見直すべきものは見直していきます。」としています。その上で、「幹線道路の整備」の項では、3・4・1号線、3・4・11号線も含め都市計画道路の市内11路線をあげ「未完成区間は、必要な道路整備を計画的に推進します。」
   小金井市は2012(平成24)年都市計画マスタープランで「整備推進」としていた3・4・11号線を2022年の改定において、はけと野川などの自然環境保全への市民の関心の高まり、社会情勢やまちづくりの変化を踏まえ、検証を行い、必要に応じて、見直すべきは見直す対象としました(3・4・1号線は2022年においても「見直し」とされていました)。
   小金井市長は2024年第1回定例会の「施政方針」において「国分寺崖線「はけ」と野川の自然やその豊かな自然環境から生み出される文化は、本市にとってかけがえのない財産であり、宝です。都市の近郊であり宅地開発が進む利便性の高い地域であるからこそ、豊かな自然の保全が一層重要となります。こうした観点から、優先整備路線である小金井都市計画道路3・4・1号線及び小金井都市計画道路3・4・11号線につきましては、施行者である東京都に対し事業化の中止を求める要望書を提出するなど、今後も、はけと野川を守り、豊かな暮らしや文化を後世に継承していくため、適切に対応していきたいと考えております。」と述べ、優先整備路線2路線についても市としての検証を1年かけて行うことを表明し、そのための予算化も行いました。
   2路線について、選定から8年、新たな小金井市都市計画マスタープラン、市長の事業化中止の表明など、地元自治体の意向の大きな変化を尊重すべきと考えますが、いかがですか。

二 医学的適応のない卵子凍結支援事業について
  「卵子・精子などの凍結保存」に関する国・自治体による公的助成は、2021(令和3)年度から厚生労働省が「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」を創設したことに始まります。目的は同療法を受ける患者の経済的負担の軽減です。
  この研究は、がんの治療など医療上の要請によって患者の妊孕性温存のための「医学的適応のある卵子凍結保存」であり、私的な個人の都合によって行われる「医学的適応のない(ノンメディカル)卵子凍結保存」とは明確に区別されています。
  欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)加盟国の卵子凍結に対する姿勢の調査結果(2017年)を見ると、加盟27カ国中、「医学的適応のある卵子凍結保存」を推進しているのは14カ国、慎重な態度を取っているのは13カ国で、14カ国が費用助成をしています。一方、「医学的適応のない卵子凍結保存」を推進しているのは6カ国、慎重な態度を取っているのは18カ国、禁止は3カ国で、費用助成している国はありません(出典:『近未来の〈子づくり〉を考える-不妊治療のゆくえ』/久具宏司著、春秋社刊)。
  本年2月20日の施政方針表明において、知事は、少子化対策、女性の選択肢拡大をうたって、都独自の「医学的適応のない卵子凍結保存」の本格実施を提案しました。事業目的・効果に大いに疑問があり、リスク把握も不十分です。公的助成のあり方としても慎重であるべきと考え、以下、質問をします。
 1 実施状況と予算について
  ア 2023年度の予算の内訳(説明会:講師料含む、助成金、他)、説明会への申込人数、説明会開催回数、説明会出席人数、助成金を申請した人数を伺います。
  イ 本事業の内容は女性の健康、ライフプランに大きな関わりがあり、専門機関に意見を聞くべきだと考えます。本事業について、日本産科婦人科学会、日本生殖医学会、日本産婦人科医会から意見を聞いていますか。
  ウ 医療機関の紹介、斡旋をしていますか。
  エ 2023年度は、予算枠を拡大し希望者全員を助成対象としたとのことですが、予算は限られており、抽選などにより枠内に収めることもできたと思います。希望者全員を助成対象としたのはなぜですか。
  オ 2024年度においても、予算枠を超える希望者全員を助成対象とするのですか。
  カ 2024年度の予算の内訳(説明会、卵子凍結助成金、企業助成金、他)を示してください。
 2 少子化対策の位置づけについて
   卵子凍結保存は出産を延期する選択肢を女性に与える技術ですが、少子化の一因である女性の晩産化をさらに促進することになりかねない側面があります。また、凍結保存した卵子を用いた妊娠が成立に至るにはいくつかの技術的なハードルを超える必要があります。卵子凍結には限界があり必ず妊娠や出産ができるわけではありませんし、さらに高齢妊娠は流産・死産率が高くなります。
   卵子凍結保存を少子化対策と位置づける根拠は何か伺います。
 3 女性の選択肢の拡大と言えるのか
   経済界からは、卵子凍結保存によって貴重な戦力を継続的に温存できる、女性従業員にとってもキャリアを中断せずに仕事に専念できるなどの利点が強調されています。しかし、逆に、若い女性従業員が妊娠・出産と仕事の両立を希望しても、企業がスキルアップや転勤などを求めて、卵子凍結保存を推奨し、逆に女性の選択を狭める可能性がないとは言い切れません。ライフプラン、個人の生殖の領域に企業が介入し女性の自己決定権が脅かされる危険が生じます。
  ア 都が従業員の卵子凍結の支援に取り組む企業への助成を行う理由を伺います。
  イ 女性の選択肢の拡大とは言えないのではないかと考えますが、見解を伺います。
  ウ 都に求められているのは、女性従業員が希望する時に妊娠・出産が実現できるよう、企業が職場環境や処遇改善に取り組むことへの支援ではないかと考えますが、見解を伺います。
 4 卵子凍結のデメリットについて
   「医学的適応のない卵子凍結保存」のメリットは、自分の都合に合わせて出産を延期できること、加齢に伴う卵子の老化を回避できることなどがあげられています。一方、デメリットには以下が考えられます。
   ○女性個人に関して
   (採卵時)
   ・出血や内臓損傷のリスク(低率)
   ・卵巣過剰刺激症候群(卵子凍結保存のためにできるだけ多くの成熟卵子を採取。薬剤等による卵巣刺激が必要)
   (高齢妊娠)
   ・妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病など
   ・子宮筋腫などの子宮の疾患が発症している可能性も年齢とともに高くなる
   ・流産、早産、死産、出産時の出血のリスクが高くなる
   (凍結保存が卵子に与える影響)
   ・長期の凍結保存後の卵子を用いた妊娠で出生した児への影響は現時点で不明
   (妊娠が成立しなかった時の落胆、ダメージ)
   ○実施機関(凍結卵子の管理)に関して
   ・凍結卵子の取り違え(発覚に長期を要し、発覚しないケースもあり得る)
   ・保管のトラブル:ヒューマンエラー(保管温度など条件設定のミス)、災害による停電
   ・個人経営の病医院、診療所、クリニックの存続
  ア これらのデメリットをどう考えているのか伺います。
  イ 説明会ではデメリットについて充分に伝えているのか伺います。
 5 卵子提供の問題が発生しないか
   米国においては、使い切れない凍結卵子を他の女性に提供すると費用の援助が受けられるシェアリング・プログラムが存在します。また卵子売買ができる国もあります。
   欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)加盟国の調査結果(2017年)をみると、他人への卵子提供が約6割で、自分で使うノンメディカルは13.1%に留まります。海外で卵子凍結保存が増えていると言われますが、それは生殖補助技術がビジネス化している国です。有名人が体験談をSNS等で発信し話題になっていますが、一過性であるかどうかわかりません。
   ○欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)加盟国の調査結果(2017年)
   他人への卵子提供59.9%、医学的適応27%、ノンメディカル13.1%
   *卵子凍結保存の適応(目的)を分類
   *16カ国が協力。2013年に行われた9,126例の卵子凍結保存の内、適応が明確な8,885例の解析
   (出典:『近未来の〈子づくり〉を考える-不妊治療のゆくえ』/久具宏司著、春秋社刊)
   日本では、2020年に「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」が成立し、それまで制限されてきた第三者からの卵子提供が実施に向けて動き出しています。現在、超党派の議員連盟が「特定生殖補助医療に関する法律案」(仮称)の「たたき台」をつくり議論されています。生殖補助医療の大きな課題の一つは提供卵子の確保です。
  ア 今後、第三者の卵子提供が認められていけば、本事業による支援を受けた者の余剰凍結卵子を使いたい医療機関や不妊症のカップルが出てくる可能性は大きいと想定されます。助成を受けた者が同意すれば、凍結卵子を提供することは可能ですか。
  イ 本事業の助成期間5年後、あるいは5年に満たなくても助成を受けた者が必要としなくなった場合、残された凍結保存卵子の扱いをどのようにお考えですか。
  ウ 第三者に提供された場合、都が想定していない者が受益者となりますが、公費助成事業のあり方として問題があるのではないですか。
 6 「医学的適応のない卵子凍結保存」に公費を使うことについて
  ア 「医学的適応のない卵子凍結保存」に公費を使っている国はありますか。
  イ 「いつかは子どもを産みたい」という願望、いわば個人の将来の保険としての「医学的適応のない卵子凍結保存」に公費を使う理由を伺います。
 7 今後の5年間の経過観察とその後について
  ア 5年間の経過観察を行うとのことですが、その内容は、卵子採取・凍結に至るまで、凍結卵子の使用、妊娠の成功、流産、出産の成功、子の生育、次の妊娠出産などが考えられます。5年間の経過を追い、その実績を記録し評価する仕組みはどのように作られているのですか。
  イ 本事業の実績をどのようにまとめ、評価していくのですか。
  ウ 本事業の展望をどのように考えているのですか。

三 2030年熱中症死亡者半減とエネルギー貧困対策について
 1 熱中症対策に必須の高齢者・低所得者に対する取組み
   昨年改正された気候変動適応法に基づいて閣議決定された「熱中症対策実行計画」では、「2030年に熱中症による死亡者数を現状の1,295名から半減する」という目標を明記しています。ところが、3月に示された「東京都気候変動適応計画」の改定案には「2030年、熱中症死亡者半減」の記載がありませんでした。
   東京都の熱中症死亡者数は、2019年から2022年の平均で246人で、同期間の平均の交通事故死亡者数138人の2倍近い人数です。国立環境研究所は2050年までに「熱ストレス超過死亡数はすべての県において2倍以上となる」と予測していますから、都は500人を超えることになります。
   また、総務省によれば、昨年の夏に熱中症で救急搬送されたのは日本全体で91,467人で、都は最多の7,325人でした。救急搬送された人のうち4割は屋内で発症し、熱中症死亡者の約9割は屋内で、エアコンを使っていない割合が8割から9割、エアコンを持ってない割合が2割強。さらに、高齢者が8割以上、単身者が7割です。東京都気候変動適応センターの「夏季の都内熱中症救急搬送者数」調査によると、「高齢者が多く、所得が低い自治体で熱中症救急搬送者数が多い」ことは明らかです。
  ア 都は、福祉局が中心となって2030年熱中症死亡者半減を掲げて取り組むべきだと思いますが、いかがですか。
  イ 熱中症対策は、高齢者・低所得者に照準を当てることが有効だと考えます。見解を伺います。
  ウ 高齢者・低所得者に照準を当てた熱中症対策があれば、その主な取り組みを示してください。
 2 高齢者・低所得者層へのエアコン普及とエネルギー貧困対策について
   都は2021(令和3)年度から、身近できめ細やかな対応が可能な市区町村と連携し、使用年数の浅いリユースの省エネ家電への購入等の支援を行っています。高齢者・低所得者層へのエアコン普及に有効な事業であるにもかかわらず、実施自治体は荒川区、調布市の2区市のみです。また、練馬区、足立区では、独自に一定の要件を満たした区民に対するエアコン購入ないし設置に対する補助が行われているようです。
   エアコンは、今や生存権に関わるほどの重要性を持ちます。そして、必要な要件を確認するために、個々の住居を訪問する必要がありますから、市区町村での制度実施が有効です。
   気候変動適応センターの調査から「高齢者が多く、所得が低い自治体で熱中症救急搬送者数が多い」ことが読み取れます。今後、気候変動が深刻化すれば、熱波による被害も増えるなど、高齢者・低所得者層に照準を当てた施策の必要性が高まることは明らかで、この対策は、環境局と福祉局が連携して行う必要があります。
  ア リユース省エネ家電購入等支援は環境局所管の事業ですが、熱中症対策に確実な効果がある高齢者・低所得者層へのエアコン普及につながるため、福祉局と連携して、実施自治体増加を図るべきと考えますが、いかがですか。
  イ 高齢者・低所得者層をはじめとしたエネルギー貧困世帯の実態調査に、福祉局が中心となって取り組むことが必須だと考えます。見解を伺います。
 3 都営住宅における気候変動対策の状況について
   都営住宅は、その入居資格から、比較的低所得者を対象としています。したがって、都営住宅に対して省エネ等を押し進めることで、気候変動対策となるだけでなく、低所得者層に対する資源の再分配、生活環境の改善といった効果を持ちます。
   都営住宅では建替えに合わせて、太陽光発電設備の設置、高効率給湯器の導入、断熱性能の向上といった取り組みが行われています。
  ア 建替えにおいては、どの程度の基準の断熱・省エネが行われているか伺います。
  イ 都営住宅は約25万戸あり、建替えは年間で約2,000戸から3,000戸のペースで進められています。2020(令和2)年ごろから、建替えのペースが遅くなっていますが、その理由を伺います。
  ウ 断熱・省エネ等を伴う建替えには、様々なメリットがあり、迅速に進めるべきと考えます。今後、建替えを加速させる予定はありますか。
  エ 低家賃かつ気候変動対策の進んだ住宅ストックを増やすため、新設する予定はありますか。

四 東京水素ビジョン 燃料電池バス補助について
  都は2022(令和R4)年に「東京水素ビジョン」を作成し、都の水素の活用方法等について包括的にまとめています。水素の活用は、再生可能エネルギーを用いた電力では担いきれない分野において、一定の必要性があります。例えば、燃料電池自動車は、電気自動車が長距離移動等を苦手とすることを考えれば、特定の種類の自動車に対して用いることに合理性があると考えられます。
  しかし、決まった経路を移動するバスについては、電気自動車の高性能化を待てば足りるのではないでしょうか。あえて、開発途上であり、高額な燃料電池自動車を支援する必要性は認められません。
  本来であれば電力で十分に役割を担うことのできる分野に水素を活用することになれば、水素と電力の両方のインフラが混在することになり、コストや利用しやすさの面でも問題があります。また、究極的にめざされるグリーン水素は、再生可能エネルギーの電力を用いて作られるため、エネルギー効率は明らかに再生可能エネルギーに劣り、非合理的です。
 1 これらの困難にもかかわらず、燃料電池バス1台に対する上限5,000万円の補助など、燃料電池バスを推進する理由を伺います。
 2 都が掲げる2030年カーボンハーフは世界的にはさらに前倒しでの取り組みが求められており、死守しなければならない目標です。「東京水素ビジョン」による2030年までのCO2削減目標を具体的に示してください。

五 中野区を会場とした「令和5年度国民保護共同訓練」について
  本年1月15日に中野区を会場として「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」である「令和5年度国民保護共同訓練」が実施されました。都内で行われた「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」は2018年1月22日の文京区、2023年11月6日の練馬区に続いて3回目になります。今回の中野区で行われた訓練では、都営地下鉄東中野駅での住民避難訓練の他に、区立中野四季の森公園において救出・救助訓練が行われた点が特徴です。そこで、伺います。
 1 今回実施された「令和5年度国民保護共同訓練」は『令和5年度の国民保護共同訓練実施意向等に関する調査について(回答)』の1から6のどの項目に該当するのか示してください。
 2 2018年の文京区、2023年の練馬区では実施されなかった救出・救助訓練を、今回行った理由を伺います。救出・救助訓練を実施しようと提案したのはどの組織なのか示してください。
 3 2023年6月7日付都総務局総合防災部『弾道ミサイルを想定した避難訓練について(素案)』によれば訓練想定として「X国から弾道ミサイルが発射され、我が国に着弾することが判明」したとされています。この訓練想定は2018年の文京区、2023年の練馬区もほぼ同様の想定ですが、「X国から弾道ミサイルが発射され」た場合、文京区、練馬区、中野区といった1つの自治体に対してのみ弾道ミサイルが発射されたとの想定は無理があります。なぜ弾道ミサイルを想定した避難訓練では単一の自治体を想定した避難訓練を行うのか説明してください。
 4 3に関連して、多摩地域で「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」を、これまで実施していない理由について伺います。
 5 今回の訓練と、2023年6月7日付都総務局総合防災部『弾道ミサイルを想定した避難訓練について(素案)』は、実施日以外変更はないと思われますが、その理解でよいですか。実施日の他に変更点があれば示してください。
 6 実施日以外に大きな変更点がないとすれば、訓練に対する世論啓発や訓練参加者の日程調整などを考えれば、外部への告知は早く行うことが望ましいと考えます。にもかかわらず、都の告知は2023年12月15日、中野区は12月21日です。直前に発表した理由を伺います。また、告知時期について改善の必要があると思いますが、いかがですか。
 7 本年1月1日に能登半島地震が発生しました。発生後72時間の救援が重要なうえに、今回は地震発生場所の中心が半島であり、道路も寸断され、消防や警察等の支援がいつもの災害以上に求められました。このような状況下では、今回の訓練は当初予定通りに実施するのでなく、中止ないしは延期して、被災地支援に全力を向けるべきであったと考えます。
   都から参加機関の内閣官房や総務省消防庁などに対して、訓練の中止や延期を申し入れましたか。申し入れた場合は、その日時と内容及び参加機関からの返答を、申し入れをしていない場合は、その理由について示してください。
 8 都ホームページの「知事の部屋」によれば、知事は今回の訓練に出席し、次のように述べています。
   「今回は、弾道ミサイルを想定した訓練を行った。ロシアによるウクライナ侵攻では、キーウがミサイル攻撃を受けている。我が国周辺でも、北朝鮮が弾道ミサイルをたびたび発射しており、極めて深刻かつ重大な脅威となっている。」
   今回の訓練想定にあるX国とは北朝鮮だと考えてよいですか。

六 自衛隊による市街地行進訓練について
  本年3月11日、自衛隊による市街地行進訓練が実施されました。荒川区が3月6日に『陸上自衛隊が市街地行進訓練を実施』を、足立区が3月8日に『陸上自衛隊が市街地行進訓練を実施します』と、それぞれ公式HPに公開したことにより、自衛隊による市街地行進訓練が本年3月11日に実施されることが分かりました。しかし、この両区以外でも迷彩服の上に災害派遣訓練実施中という目印をつけた自衛隊員を見たという報告もあり、3月11日の自衛隊による市街地行進訓練のルート、行き先などの詳細に関しては不明な点が多くあります。
  市街地行進訓練の実施機関は自衛隊ですから、市街地行進訓練の告知に関しては自衛隊が主に担うべきです。自衛隊は公道を使って市街地行進訓練を実施したのですから、警視庁に対して何らかの事前連絡があったと思われます。そこで、伺います。
 1 自衛隊から警視庁に対し、市街地行進訓練について、事前の情報提供や道路使用許可申請の連絡を受けましたか。受けた場合は、その日時と内容を示してください。
 2 市街地行進訓練で、自衛隊が通行したのは歩道のみですか。また警視庁が信号の調整や交通規制を行った場所があれば示してください。
 3 デモの場合、警視庁がデモ隊の横を警備する事例があります。今回の市街地行進訓練で警視庁が行進訓練中の自衛隊を警備した事例はありましたか、伺います。
 4 年末年始カウントダウンやハロウィンなどのイベントの際、警視庁が沿道の住民等に向けて事前に交通規制等のお知らせをすることがありますが、市街地行進訓練に関して警視庁が沿道の住民等に向けて事前にお知らせした場所はありますか。ある場合はその場所及び期間を、ない場合はその理由について示してください。
 5 災害派遣訓練実施中との目印を付けていたとはいえ、自衛隊が迷彩服を着て公道を行進する市街地行進訓練は日常のありふれた行為とは言えません。そうである以上、市街地行進訓練について、市民に対して事前のお知らせが必要です。自衛隊が市街地行進訓練を行う際、都は自衛隊に対して市街地行進訓練の日時、行進ルートなどを市民向けにお知らせするように働きかけるべきです。警視庁の見解を示してください。

七 朝鮮学校運営費補助金の不交付と東京都こども基本条例について
  東京都こども基本条例に基づいて朝鮮学校に対する補助金の凍結解除を求める「ぼくたちをなかまはずれにしないで」都民署名が、昨年11月から取り組まれ、この3月に知事に提出されました。
  署名本文、呼びかけ団体は以下の通りです。
  東京都知事 小池百合子様
  「東京都こども基本条例」に基づき朝鮮学校に対する補助金の凍結解除を求めます。
  (理由)
   2010年に石原都知事は、私立外国人学校に対する教育運営費補助金を朝鮮学校だけ突然停止しました。以降、今日まで解除されていません。
   東京都は、1995年に本補助金を実施するにあたりその目的を「外国人学校の教育条件の維持向上及び外国人学校に在学する生徒に係る就学上の経済的負担の軽減を図る」とし、実施の理由は「都内に在住する外国人は、都民として納税の義務を負っており、教育費の一定額を補助することにより、教育の充実と負担の軽減を図ることが適当である」としています。
   2021年に施行した東京都こども基本条例は、「こどもの最善の利益を最優先する」とし、差別の禁止を明記しています。東京都は、朝鮮学校に通うこどもたちが、安心して通い、学べる環境を整備する責務があります。
   都民として、朝鮮学校に対する補助金を一刻も早く凍結解除することを強く求めます。
  呼びかけ 「都議会勉強会」実行委員会・東京都こども基本条例を学ぶ「地域連続学習会」
 1 「ぼくたちをなかまはずれにしないで」都民署名は締め切り後も増え、3月22日までに18,421筆に達していると聞いています。すでに受理した日付と筆数を伺います。
 2 2021年4月に施行された「東京都こども基本条例」は、「こどもの権利条約の精神にのっとり、こどもを権利の主体として尊重し、こどもの最善の利益を最優先にする」という基本理念を明確化しています。
   こどもの権利条約は、いかなる差別も許さないことをうたっていますが、国籍による差別も禁じていると考えますが、見解を伺います。
 3 こども基本条例は「全てのこどもが誰一人取り残されることなく、将来への希望を持って、伸び伸びと健やかに育っていく環境を整備していかなければならない」とうたっています。全てのこどもとは国籍を問わないと考えてよいですか。
 4 本年3月13日の予算特別委員会において、子供政策連携室長は「施策の実施にあたりましては、東京都こども基本条例の理念と、施策の性質を踏まえ、判断されるべきものと考えている」と答弁しました。「基本条例」の「理念」は個別の施策を含む都政全般に対する方向性を示すものであり、殊に人権に関する理念に例外はないと考えます。見解を伺います。

八 玉川上水整備活用計画と生物多様性について
  玉川上水の小金井エリアでは、ヤマザクラの生育に支障があるとの理由で皆伐したケヤキなどの樹木のひこばえの伐採が再び行われました。東京都生物多様性地域戦略が策定され、地域からの見直しの声が高まっているにもかかわらず、このような対応がとられたことは納得できません。
  現在、史跡玉川上水整備活用計画検討委員会が開催され、今年2024年中の計画策定が予定されています。
 1 第3回委員会では、「植生管理の進め方(生物多様性の保全)」について議論が行われ、まず、植生管理、別に、生物多様性について総合的に検討されることになったと理解しています。今後の検討の予定を伺います。
 2 年内の計画策定に向けた委員会開催とパブリックコメントなどの予定を伺います。

令和6年第一回都議会定例会
漢人あきこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 “はけ”と野川を壊す都市計画道路の優先整備路線選定根拠について
  1 「交通量予測」について
   ア 都市計画道路の必要性を判断する目安として交通量「1日あたり6,000台」としているが、その根拠について伺う。

回答
  都市計画道路の最低限の規格として二車線道路を想定しており、その担うべき交通量の目安として、その二車線道路の交通容量の半分である1日6,000台を設定しています。

質問事項
 一の1のイ 交通量推計に当たっては2005(平成17)年度全国道路・街路交通情勢調査に基づいて予測しているが、具体的にどのような推計方法なのか伺う。

回答
  交通量推計は、交通機関分担、発生集中交通量、分布交通量及び配分交通量の四つの計算段階に分解して予測する四段階推計法により推計しており、広く一般に用いられている予測手法です。

質問事項
 一の1のウ 以下のデータについて伺う。
      a 2015(平成27)年度の優先整備路線選定時の、小金井街道、新小金井街道、連雀通りの小金井市及び周辺の実測データ

回答
  公表している「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」に記載のとおりです。

質問事項
 一の1のウのb 2路線完成時、フルネット完成時の2路線の交通量予測データ

回答
  御指摘のデータについては、開示請求があれば情報公開条例に基づき適切に対応します。

質問事項
 一の1のウのc 2路線完成時、フルネット完成時での小金井街道、新小金井街道、連雀通りの、aと同箇所の交通量予測データ

回答
  御指摘のデータについては、開示請求があれば情報公開条例に基づき適切に対応します。

質問事項
 一の2 小金井エリアの都道等の幹線道路の交通量について
    ア 2005(平成17)年以降、優先整備路線選定後も交通量が減少傾向にあるため、優先整備路線選定の有効性が失われつつあると考えるが、見解を伺う。

回答
  優先整備路線は、都市の活力、防災性の強化、安全で快適な都市空間の創出などの観点から、選定しています。

質問事項
 一の2のイ 都は、小金井市の既存の都道等幹線道路について、2005(平成17)年以降、交通量の推移をどのように予測していたか。予測していれば、そのデータについて伺う。

回答
  交通量については、公表している「全国道路・街路交通情勢調査」により把握しています。

質問事項
 一の3 3・4・11号線の選定項目「自動車交通の円滑化」はいまも有効なのか
    ア 第四次事業化計画の優先整備路線選定にあたって、渋滞調査は行われたか伺う。

回答
  優先整備路線は、都市の活力、防災性の強化、安全で快適な都市空間の創出などの観点から、選定しています。
  交通量については、公表している「全国道路・街路交通情勢調査」により把握しています。

質問事項
 一の3のイ 優先整備路線選定時の「433か所」は、2013(平成25)年の「首都圏渋滞ボトルネック対策協議会資料」によるものか伺う。

回答
  平成25年の国の「首都圏渋滞ボトルネック対策協議会資料」に記載のとおりです。

質問事項
 一の3のウ 「433か所」の内、小金井市の渋滞区間、箇所について伺う。

回答
  平成25年の国の「首都圏渋滞ボトルネック対策協議会資料」に記載のとおりです。

質問事項
 一の3のエ ウの区間、箇所の渋滞解消のための対策は、選定後行われたか伺う。

回答
  国等で構成される首都圏渋滞ボトルネック対策協議会において、特定された主要渋滞箇所の多摩地域における対応方針については、多摩南北道路の整備により、通過交通の地域への進入の抑制及び交通の分散を図るなどの取組を進めることとなっています。
  引き続き、道路ネットワークの強化等を推進していきます。

質問事項
 一の3のオ 優先整備路線選定後、「首都圏渋滞ボトルネック対策協議会」による同様の調査は行われたか。その結果について伺う。

回答
  国等で構成される首都圏渋滞ボトルネック対策協議会は、首都圏の主要渋滞箇所の対応方針を決定した平成25年6月以降は開催されていません。

質問事項
 一の3のカ 都は、現時点での小金井街道(前原坂上交差点)の渋滞状況を把握しているか伺う。

回答
  平成30年度に小金井街道(前原坂上交差点)を含む、小金井3・4・11号線周辺における幹線道路や生活道路の交通状況を把握することを目的に交通量調査を実施しています。
  これ以降、同じ調査は実施していません。

質問事項
 一の3のキ 今後、渋滞調査は予定されているか伺う。

回答
  渋滞調査については、未定です。

質問事項
 一の4 3・4・1号線の選定項目「地域の安全性の向上」はいまも有効なのか
    ア 選定から8年間で「地域の安全性」が脅かされていることを示す新たなデータがあれば伺う。

回答
  御指摘のデータについては、開示請求があれば情報公開条例に基づき適切に対応します。

質問事項
 一の4のイ 優先整備路線選定にあたって、該当エリアの抜け道調査は行われているか。その調査結果について伺う。

回答
  優先整備路線は、都市の活力、防災性の強化、安全で快適な都市空間の創出などの観点から、選定しています。
  交通量については、公表している「全国道路・街路交通情勢調査」により把握しています。

質問事項
 一の4のウ 建設局が2018(平成30)年に行った「抜け道」調査の結果についての評価について伺う。

回答
  平成30年度に実施した小金井3・4・11号線周辺における生活道路の通過交通に関する状況調査において、二枚橋の坂では、この地域を通過するだけの車両が半数以上であるという結果が得られており、通過交通が生活道路へ進入していると考えられます。
  本路線が整備されることで通過交通が転換し、生活道路への進入が抑制され、地域の安全性が高まることが期待されます。

質問事項
 一の4のエ 都は、その後「抜け道」調査を行っているか伺う。

回答
  平成30年度に小金井3・4・11号線周辺における生活道路の交通状況を把握することを目的に交通量調査を実施しています。
  これ以降、同じ調査は実施していません。

質問事項
 一の4のオ 今後、「抜け道」調査は行うか伺う。

回答
  抜け道調査については、未定です。

質問事項
 一の5 2路線(3・4・11号線、3・4・1号線)について、選定から8年、新たな小金井市都市計画マスタープラン、市長の事業化中止の表明など、地元自治体の意向の大きな変化を尊重すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  小金井3・4・1号線及び3・4・11号線ほかは、第四次事業化計画の優先整備路線に位置付けられており、武蔵野公園などの広域避難場所へのアクセス向上や、生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上に資する重要な路線です。
  引き続き、事業化に向けて地元市や地域住民と意見交換を行うなど、丁寧に対応していきます。

質問事項
 二 医学的適応のない卵子凍結支援事業について
  1 実施状況と予算について
   ア 2023年度の予算の内訳(説明会:講師料含む、助成金、他)、説明会への申込人数、説明会開催回数、説明会出席人数、助成金を申請した人数を伺う。

回答
  昨年度の当初予算額の内訳は、助成に係る費用が60,000千円、卵子凍結に関する正しい知識の普及啓発等に係る経費及びその他事務費が42,000千円です。
  昨年度の説明会は開催回数104回、申込者9,675人、出席者7,586人、助成金を申請した方は1,467人です。

質問事項
 二の1のイ 本事業について、日本産科婦人科学会、日本生殖医学会、日本産婦人科医会から意見を聞いているか伺う。

回答
  本事業は、学会等の関係機関と意見交換した上で実施しています。

質問事項
 二の1のウ 医療機関の紹介、斡旋をしているか伺う。

回答
  本事業では、医療機関を登録制としており、登録医療機関の一覧をホームページで公表しています。
  卵子凍結を希望する方は、登録医療機関の一覧から医療機関を選択することとしています。

質問事項
 二の1のエ 2023年度は、予算枠を拡大し希望者全員を助成対象としたとのことだが、予算は限られており、抽選などにより枠内に収めることもできたと思う。希望者全員を助成対象としたのはなぜか伺う。

回答
  卵子凍結は、子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情により、すぐには難しい方にとって、将来の妊娠に備える選択肢の一つです。
  都は、事業への参加を申し込んだ方全員の希望に応えました。

質問事項
 二の1のオ 2024年度においても、予算枠を超える希望者全員を助成対象とするのか伺う。
 
回答
  今年度の予算は、昨年度の説明会への申込者数などの実績を踏まえ、計上しています。

質問事項
 二の1のカ 2024年度の予算の内訳(説明会、卵子凍結助成金、企業助成金、他)を伺う。

回答
  今年度の当初予算額の内訳は、卵子凍結の助成に係る費用が440,000千円、企業への助成金が16,000千円、卵子凍結に関する正しい知識の普及啓発等に係る経費及びその他事務費が101,911千円となっています。

質問事項
 二の2 少子化対策の位置づけについて、卵子凍結保存を少子化対策と位置づける根拠は何か伺う。

回答
  少子化の要因は複合的であり、都は、ニーズや課題に応じて様々な対策を講じています。
  卵子凍結は、子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情により、すぐには難しい方にとって、将来の妊娠に備える選択肢の一つです。

質問事項
 二の3 女性の選択肢の拡大と言えるのか
    ア 都が従業員の卵子凍結の支援に取り組む企業への助成を行う理由を伺う。

回答
  働く女性が妊娠や出産等の時期を考える場合、卵子凍結を選択肢にできる職場環境をつくることは重要です。

質問事項
 二の3のイ 女性の選択肢の拡大とは言えないのではないかと考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、企業向けに、卵子凍結の正しい知識を提供するシンポジウムやセミナーを開催しています。

質問事項
 二の3のウ 都に求められているのは、女性従業員が希望する時に妊娠・出産が実現できるよう、企業が職場環境や処遇改善に取り組むことへの支援ではないかと考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、出産や育児のための職場環境整備として、休業や休暇を取得しやすい制度の充実などに取り組む中小企業等に対し、専門家派遣や奨励金の支給を行っています。

質問事項
 二の4 卵子凍結のデメリットについて
    ア 卵子凍結のデメリットについてどう考えているのか伺う。

回答
  卵子凍結は、子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情により、すぐには難しい方にとって、将来の妊娠に備える選択肢の一つです。
  本事業は、卵子凍結に関する知識を正しく理解するための説明会への参加を助成要件としており、説明会では卵子凍結のメリットやデメリット、採卵から凍結までの医療行為の流れ等を説明しています。

質問事項
 二の4のイ 説明会ではデメリットについて充分に伝えているのか伺う。

回答
  説明会では、医師が専門的知見から卵子凍結のメリットやデメリット、採卵から凍結までの医療行為の流れ等を説明しています。

質問事項
 二の5 卵子提供の問題の発生について
    ア 助成を受けた者が同意すれば、凍結卵子を提供することは可能か伺う。

回答
  本事業は、凍結卵子の売買、譲渡その他第三者への提供、海外への移送を行わないことを要件としています。

質問事項
 二の5のイ 本事業の助成期間5年後、あるいは5年に満たなくても助成を受けた者が必要としなくなった場合、残された凍結保存卵子の扱いをどのようにお考えか伺う。

回答
  本事業は、凍結卵子の売買、譲渡その他第三者への提供、海外への移送を行わないことを要件としています。

質問事項
 二の5のウ 第三者に提供された場合、都が想定していない者が受益者となるが、公費助成事業のあり方として問題があるのではないか伺う。

回答
  本事業は、凍結卵子の売買、譲渡その他第三者への提供、海外への移送を行わないことを要件としています。

質問事項
 二の6 「医学的適応のない卵子凍結保存」に公費を使うことについて
    ア 「医学的適応のない卵子凍結保存」に公費を使っている国はあるか伺う。

回答
  加齢等による妊娠機能の低下を懸念する場合に行う卵子凍結に対して、海外における公費による助成の実施状況については把握していません。

質問事項
 二の6のイ 「いつかは子どもを産みたい」という願望、いわば個人の将来の保険としての「医学的適応のない卵子凍結保存」に公費を使う理由を伺う。

回答
  本事業は、子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情により、すぐには難しい方にとって、将来の妊娠に備える選択肢の一つとなるよう支援するものです。

質問事項
 二の7 今後の5年間の経過観察とその後について
    ア 5年間の経過を追い、その実績を記録し評価する仕組みはどのように作られているのか伺う。

回答
  都は、事業の検証を行うため、卵子凍結を行った方に対して、令和10年度まで、凍結した卵子の使用状況等について調査を実施することとしています。

質問事項
 二の7のイ 本事業の実績をどのようにまとめ、評価していくのか伺う。

回答
  都は、卵子凍結を行った方に対して、令和10年度まで、凍結した卵子の使用状況等について調査を実施し、事業の検証を行うこととしています。

質問事項
 二の7のウ 本事業の展望をどのように考えているのか伺う。

回答
  都は、卵子凍結を行った方に対して、令和10年度まで、凍結した卵子の使用状況等について調査を実施し、事業の検証を行うこととしています。

質問事項
 三 2030年熱中症死亡者半減とエネルギー貧困対策について
  1 熱中症対策に必須の高齢者・低所得者に対する取組み
   ア 都は、福祉局が中心となって2030年熱中症死亡者半減を掲げて取り組むべきだが、見解を伺う。

回答
  令和6年3月に改定した東京都気候変動適応計画では、健康分野における2050年の目指すべき姿として、熱中症等による健康被害などの気温上昇による健康影響が最小限に抑えられている、としています。
  都は、全庁的な推進体制の下、関係各局が連携して様々な取組を進めています。

質問事項
 三の1のイ 熱中症対策は、高齢者・低所得者に照準を当てることが有効だと考えるが、見解を伺う。

回答
  熱中症の予防には、エアコンの適切な利用が有効とされており、都は、高齢者や生活保護世帯における適切なエアコン利用等を区市町村に周知するとともに、区市町村が高齢者に対し、地域の実情に応じて行う熱中症対策の取組を支援しています。

質問事項
 三の1のウ 高齢者・低所得者に照準を当てた熱中症対策があれば、その主な取り組みについて伺う。

回答
  都では、区市町村が高齢者に対し、地域の実情に応じて行う、熱中症予防担当者による戸別訪問や、日中猛暑時の避難場所の設置、普及啓発などの熱中症対策事業を包括補助により支援しています。
  生活保護受給者については、国の基準により、保護開始時や転居の場合などの要件に合致するものに対し、冷房器具の購入等に必要な費用の支給が認められています。
  また、低所得者世帯向けの貸付けである生活福祉資金では、冷暖房設備等の設置費が対象となっています。

質問事項
 三の2 高齢者・低所得者層へのエアコン普及とエネルギー貧困対策について
    ア リユース省エネ家電購入等支援は環境局所管の事業だが、熱中症対策に確実な効果がある高齢者・低所得者層へのエアコン普及につながるため、福祉局と連携して、実施自治体増加を図るべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  都では、リユース省エネ家電購入に係る補助の活用が進むよう、区市町村の環境主管課長会のほか、福祉主管課長会等においても働き掛けています。

質問事項
 三の2のイ 高齢者・低所得者層をはじめとしたエネルギー貧困世帯の実態調査に、福祉局が中心となって取り組むことが必須だと考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、東京都気候変動適応計画に基づき、全庁的な推進体制の下、関係各局が連携して様々な取組を進めています。

質問事項
 三の3 都営住宅における気候変動対策の状況について
    ア 建替えにおいては、どの程度の基準の断熱・省エネが行われているか伺う。

回答
  令和4年度の国の公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正を踏まえ、令和5年度に、都営住宅の断熱・省エネ性能をいわゆるZEH水準に引き上げ、建替えを計画している住棟の基本設計に反映しています。

質問事項
 三の3のイ 都営住宅は約25万戸あり、建替えは年間で約2,000戸から3,000戸のペースで進められている。2020(令和2)年ごろから、建替えのペースが遅くなっているが、その理由を伺う。

回答
  令和2年度以降の都営住宅建設事業の実績は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う感染防止対策として、新規工事の発注の一時見合せや、受注者の申出による設計業務や工事の一時中止を実施したことなどの影響を受けています。

質問事項
 三の3のウ 断熱・省エネ等を伴う建替えには、様々なメリットがあり、迅速に進めるべきと考えるが、今後、建替えを加速させる予定はあるか伺う。

回答
  都営住宅の建替えに当たっては、昭和40年代以前に建設された住棟を中心に、地域の特性や老朽化の度合いなどを勘案しながら、計画的に事業を進めています。

質問事項
 三の3のエ 低家賃かつ気候変動対策の進んだ住宅ストックを増やすため、新設する予定はあるか伺う。

回答
  住宅ストック全体が量的に充足している中で、今後、人口が減少する見込みであることから、都営住宅は現在のストックを最大限に活用していくこととしています。

質問事項
 四 東京水素ビジョン 燃料電池バス補助について
  1 燃料電池バス1台に対する上限5,000万円の補助など、燃料電池バスを推進する理由について伺う。

回答
  脱炭素社会の実現につながる水素エネルギーの普及に向けて様々な種類の車両でその利用を図ることは重要です。
  このため都は、燃料電池を搭載した乗用車に加え、バス等の導入を支援しています。

質問事項
 四の2 「東京水素ビジョン」による2030年までのCO2削減目標を具体的に伺う。

回答
  東京水素ビジョンでは、あらゆる分野でグリーン水素が本格活用され、脱炭素化に貢献することを2050年の目指す姿としています。
  このため都は、グリーン水素の普及に向け、まずは水素の需要拡大に向けた取組を進めていきます。

質問事項
 五 中野区を会場とした「令和5年度国民保護共同訓練」について
  1 今回実施された「令和5年度国民保護共同訓練」は「令和5年度の国民保護共同訓練実施意向等に関する調査について(回答)」の1から6のどの項目に該当するのか伺う。

回答
  「1 共同訓練(実動・図上訓練)の意向等について」です。

質問事項
 五の2 2018年の文京区、2023年の練馬区では実施されなかった救出・救助訓練を、今回行った理由を伺う。救出・救助訓練を実施しようと提案したのはどの組織なのか併せて伺う。

回答
  弾道ミサイル落下後の関係機関の初動対処能力の向上を図ることを目的として、関係機関等と調整の上、実施しました。

質問事項
 五の3 訓練想定は2018年の文京区、2023年の練馬区もほぼ同様の想定だが、「X国から弾道ミサイルが発射され」た場合、文京区、練馬区、中野区といった1つの自治体に対してのみ弾道ミサイルが発射されたとの想定は無理がある。なぜ弾道ミサイルを想定した避難訓練では単一の自治体を想定した避難訓練を行うのか伺う。

回答
  弾道ミサイル落下後の関係機関の初動対処能力の向上を図ることを目的として、関係機関等と調整の上、実施しました。

質問事項
 五の4 3に関連して、多摩地域で「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」を、これまで実施していない理由について伺う。

回答
  弾道ミサイル落下後の関係機関の初動対処能力の向上を図ることを目的として、関係機関等と調整の上、実施しました。

質問事項
 五の5 今回の訓練と、2023年6月7日付都総務局総合防災部「弾道ミサイルを想定した避難訓練について(素案)」は、実施日以外変更はないと思われるが、その理解でよいか。実施日の他に変更点があれば伺う。

回答
  「弾道ミサイルを想定した避難訓練について(素案)」(令和5年6月7日付)は、関係機関等と調整するための資料です。

質問事項
 五の6 実施日以外に大きな変更点がないとすれば、訓練に対する世論啓発や訓練参加者の日程調整などを考えれば、外部への告知は早く行うことが望ましいと考える。にもかかわらず、都の告知は2023年12月15日、中野区は12月21日である。直前に発表した理由を伺う。また、告知時期について改善の必要があると思うが、見解を伺う。

回答
  関係機関等との調整が完了した時点で、速やかに公表しています。

質問事項
 五の7 本年1月1日に能登半島地震が発生した。このような状況下では、今回の訓練は当初予定通りに実施するのでなく、中止ないしは延期して、被災地支援に全力を向けるべきであったと考える。都から参加機関の内閣官房や総務省消防庁などに対して、訓練の中止や延期を申し入れたか。申し入れた場合は、その日時と内容及び参加機関からの返答を、申し入れをしていない場合は、その理由について伺う。

回答
  有事の際、自らの生命を守るためには、都民一人一人が速やかに避難行動を行うとともに、関係機関等と連携した避難者の安全確保のため、継続した訓練が重要です。
  なお、能登半島地震においては、発災直後から避難所の運営や上下水道の復旧など、被災地のニーズを踏まえた支援を行っています。

質問事項
 五の8 今回の訓練想定にあるX国とは北朝鮮だと考えてよいか伺う。

回答
  特定の国を想定したものではありません。

質問事項
 六 自衛隊による市街地行進訓練について
  1 自衛隊から警視庁に対し、市街地行進訓練について、事前の情報提供や道路使用許可申請の連絡を受けたか。受けた場合は、その日時と内容を伺う。

回答
  令和6年3月11日に実施された練馬駐屯地を出発地とする徒歩行進訓練については、自衛隊から同訓練の実施場所を管轄する各警察署に事前説明がなされており、同年2月29日、同駐屯地の所在地を管轄する警視庁光が丘警察署において道路使用許可申請を受理しました。内容は、災害発生を想定した各区役所等までの経路の確認等と承知しています。

質問事項
 六の2 市街地行進訓練で、自衛隊が通行したのは歩道のみか。また警視庁が信号の調整や交通規制を行った場所があれば伺う。

回答
  本件訓練の実施に係る道路使用許可に当たっては、歩道が設置された場所では歩道を通行するなどの条件を付しています。
  なお、信号機の調整や交通規制は行っていません。

質問事項
 六の3 デモの場合、警視庁がデモ隊の横を警備する事例がある。今回の市街地行進訓練で警視庁が行進訓練中の自衛隊を警備した事例はあるか伺う。

回答
  個別具体的な警備措置の内容等につきましては、今後の警備に支障が生じるおそれがあるため、お答えを差し控えさせていただきます。

質問事項
 六の4 市街地行進訓練に関して警視庁が沿道の住民等に向けて事前にお知らせした場所はあるか。ある場合はその場所及び期間を、ない場合はその理由について伺う。

回答
  本件訓練は徒歩による移動のみであったと承知しており、交通規制を伴わず、一般交通に及ぼす影響が限定的であると認められたことから、警視庁から広報は行っていません。

質問事項
 六の5 自衛隊が市街地行進訓練を行う際、都は自衛隊に対して市街地行進訓練の日時、行進ルートなどを市民向けにお知らせするように働きかけるべきであるが、警視庁の見解を伺う。

回答
  一般的に、マラソン等の路上競技のように、通行止めなどの交通規制により一般交通に及ぼす影響が著しい場合は、主催者に広報を依頼していますが、本件訓練はそのような影響があるとは認められませんでした。

質問事項
 七 朝鮮学校運営費補助金の不交付と東京都こども基本条例について
  1 「ぼくたちをなかまはずれにしないで」都民署名は3月22日までに18,421筆に達していると聞いている。すでに受理した日付と筆数を伺う。

回答
  都は、令和5年12月25日に8,232筆の署名を、令和6年2月20日に9,408筆の署名を、令和6年3月25日に781筆の署名を受領しています。

質問事項
 七の2 2021年4月に施行された「東京都こども基本条例」は、「こどもの権利条約の精神にのっとり、こどもを権利の主体として尊重し、こどもの最善の利益を最優先にする」という基本理念を明確化している。こどもの権利条約は、いかなる差別も許さないことをうたっているが、国籍による差別も禁じていると考えるが、見解を伺う。

回答
  東京都こども基本条例の前文においては、「こどもの権利条約では、こどもに対するあらゆる差別の禁止、こどもの最善の利益の確保、生命・生存・発達への権利及びこどもの意見の尊重を一般原則としている。」と規定されているものと認識しています。

質問事項
 七の3 こども基本条例は「全てのこどもが誰一人取り残されることなく、将来への希望を持って、伸び伸びと健やかに育っていく環境を整備していかなければならない」とうたっている。全てのこどもとは国籍を問わないと考えてよいか伺う。

回答
  東京都こども基本条例に規定されている子供とは、全ての子供であると認識しています。

質問事項
 七の4 本年3月13日の予算特別委員会において、子供政策連携室長は「施策の実施にあたりましては、東京都こども基本条例の理念と、施策の性質を踏まえ、判断されるべきものと考えている」と答弁した。「基本条例」の「理念」は個別の施策を含む都政全般に対する方向性を示すものであり、殊に人権に関する理念に例外はないと考えるが、見解を伺う。

回答
  東京都こども基本条例第1条においては、「この条例は、こどもの笑顔があふれる社会の実現に向けた基本理念及び東京都が取り組むべき施策の基本となる事項を定めることにより、こどもの健やかな成長に寄与することを目的とする。」と規定されているものと認識しており、施策の実施に当たっては、東京都こども基本条例の理念と施策の性質を踏まえ、判断されるべきものと考えています。

質問事項
 八 玉川上水整備活用計画と生物多様性について
  1 第3回委員会では、「植生管理の進め方(生物多様性の保全)」について議論が行われ、まず、植生管理、別に、生物多様性について総合的に検討されることになったと理解している。今後の検討の予定を伺う。

回答
  史跡玉川上水整備活用計画検討委員会では、玉川上水の保存整備や植生管理の進め方などについて、検討をしてきました。
  今後、都において、検討委員会における意見やパブリックコメントなども踏まえながら、計画改定案の検討を行っていきます。

質問事項
 八の2 年内の計画策定に向けた委員会開催とパブリックコメントなどの予定を伺う。

回答
  都において、史跡玉川上水整備活用計画検討委員会における意見やパブリックコメントなども踏まえながら、令和6年中に計画改定案の検討を行っていきます。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 岩永やす代

質問事項
 一 東京都生物多様性地域戦略と玉川上水について
 二 連光寺・若葉台里山保全地域について
 三 都立特別支援学校のスクールバスについて
 四 すべての子どもの学びの保障について

一 東京都生物多様性地域戦略と玉川上水について
  東京のような大都市では、自然が乏しくなることは避けられませんが、それだけに自然と人の生活との折り合いをつけることが重要です。東京都が策定した「東京都生物多様性地域戦略」は、大都市東京においても多様な生態系を維持回復していこうとするものです。玉川上水は、市街地を羽村から杉並までの30キロメートルを流れる水路で、その脇の樹林はきわめて貴重です。多摩地域から都心まで東西をつなぐ緑の軸として、緑施策や景観マスタープランなどに位置づけられてきました。
 1 生物多様性地域戦略で、玉川上水はどのように考えられているのか伺います。
 2 生物多様性にとって、樹林の連続性はたいへん重要です。ところが、小金井部分で桜を残して樹林が皆伐されました。多くの市民は桜とともにコナラやケヤキなどの樹木やその下に生える野草なども共存する緑を期待していましたが、全て皆伐されてしまいました。それによって、生物多様性の劣化を招いています。専門家の鳥類調査によれば、玉川上水沿いの4箇所で比較したところ、鳥類の種数も個体数も小金井が最も貧弱で、それは樹林が貧弱だからということがわかりました。つまり、桜だけの並木は生物多様性保全と相入れないということです。こうした指摘について、生物多様性の観点から見解を伺います。
 3 玉川上水は、国の史跡に指定されています。桜以外の樹木が皆伐され樹木や低木・草本がなくなると、雨が直接地面を打ち、法面の表土の侵食が起こります。植物があることが土壌流失を防ぐことは砂防学の常識で、樹木は伐採されても根が張っていれば土壌を縛りとめ、多くの樹木は切株から萌芽し、生き続けます。小規模な雨でも表土が流れますが、台風などでは土砂崩れも誘発します。これは玉川上水が歴史遺産であることを考えると由々しき問題と考えますが、見解を伺います。
 4 さらに、桜の木が間隔を置いて植えられていることも問題です。しかも並木の桜はソメイヨシノではなくヤマザクラです。ヤマザクラは日本の在来樹木であり、他の落葉広葉樹とともに森林を形成する樹木で、孤立木としては生育しません。現に2018年の台風24号の時、小金井では多数のヤマザクラが倒れました。その倒木率は他の場所の7倍も高かったのです。これは孤立木が直接風を受けたためで、隣接木があれば倒木は起きません。このことは道路の安全性にとっても問題と考えますが、見解を伺います。
 5 現在、「史跡玉川上水整備活用計画」の改定について検討が進められています。桜だけになった小金井部分では、樹木がなくなったために地面が熱せられ、非常な高温になることなども問題で、樹林があった頃のように散歩ができなくなったという声もあります。小金井市には、桜並木を重視する人がいることも確かですが、花見のあり方も時代とともに変化しています。東京都としても、若者や子どもも含む小金井市民全体の意見分布を聞き、その総意を玉川上水の樹林管理に反映することが重要と考えますが、見解を伺います。

二 連光寺・若葉台里山保全地域について
 1 2014年に指定された連光寺・若葉台里山保全地域は、2020年に区域拡張し、その際に保全計画が一部追加されました。地元の多摩市では、保全地域内の農的活用の検討が加速し、約1.4haの「農業公園」の計画が進められています。市は「農地エリアのさらなる拡張や駐車場や管理棟設置」も検討しており、すでに農業公園に隣接する竹林の伐採が行われ、市民からは、動植物の生息域への影響を心配する声が出ています。
   当該エリアは、この保全地域を指定する根拠となった国の絶滅危惧種の陸生貝類、水生貝類の生息域である湿地の、極めて重要な集水域であり、区域拡張による土地の取得はそのためだったはずです。上流部では、既に産業労働局によるインキュベーション施設(約2,000平方メートル)設置により集水機能は縮小しており、今後さらに農業公園施設として駐車場、管理棟等が設置され、雨水浸透率を低下させることは本末転倒というほかありません。下流に位置する湿地では、継続的に陸生貝類や水生生物、土壌ほか専門家と地域の市民団体と都の三者が継続的に意見交換し学び合いながら、段階的、計画的に管理手法を検討し実施してきました。
   保全地域として指定した東京都は、多摩市で検討されている農業公園の整備について、集水域としての機能維持、農地に隣接するエリアへの配慮などをするよう求める必要があると考えますが、都の認識と見解を伺います。
 2 保全地域内の野生動植物保護地区とした湿地において、隣接地の処分が検討されていることが、地権者から地域の市民団体への知らせで明らかになりました。そこで、地域の市民団体と多摩市、環境局自然環境部緑環境課が立ち合って現況を確認し、すでに多摩市から都に相談があったとのことです。
   制度上、保全地域指定の際に指定範囲に入れられなかったことは制度の欠陥ともいえ今後の検討課題ですが、この一部土地は斜面林から湿地への移行帯であり、湿地環境改善計画長期計画においては二次林の林縁(湿性草地との移行帯)を目標として掲げてきた場所と隣接しています。
   2月12日に都と調査受託者と地域の市民団体とで行われた2023年度の調査報告会の終了後には、貝類や昆虫、土壌など継続的に湿地に関わってきた専門家からも、この土地の宅地開発について、擁壁化は避けられず、今より擁壁が拡がることによって集水機能や夜間の照明など、湿地への影響は計り知れないため、都は保全すべきだ、という意見がありました。この意見に対して、都はどのように受け止めているのか伺います。
 3 市民からは、湿地の集水域として斜面は重要であり、将来にわたって維持するために公有地化を求める声が寄せられています。保全地域を拡げて当該斜面地を指定することはできないか、見解を伺います。
 4 国の補助金を活用し特別緑地保全地区の制度による公有地化も可能です。都はこの制度への補助金を予算化し、市民団体は多摩市に特別緑地保全地区の指定を働きかけています。
   都が2024年度から開始する特別緑地保全地区の指定促進のための補助制度の内容としくみおよび手続きについて伺います。

三 都立特別支援学校のスクールバスについて
  障がいのある子どもを育てながら働く保護者が増えています。保育園では朝7時からの保育が行われていますが、特別支援学校に通学するスクールバスの運行ルートによっては、バスの乗車時刻が8時30分近くになることもあります。多摩地域から都内に勤務する保護者は、通勤時間に1時間以上かかることも多く、保護者の負担が大きく、仕事との両立が難しいという声が複数寄せられています。
 1 多摩地域の特別支援学校の学校数と在籍人数、スクールバス利用者数を伺います。
 2 スクールバスの始発時間と、最終の乗車時間について伺います。
 3 スクールバス以外で直接登校する特別支援学校の児童・生徒の登校時間の受け入れの現状を伺います。
 4 共働き世帯の増加を背景に、学校の校門があくのを待つ児童が増え、都内の公立小学校でも、始業前の学校で子どもの居場所を確保する取り組みがすすめられています。都立特別支援学校では、スクールバスについて、保護者からどのような要望が届いているのか伺います。
 5 特別支援学校のスクールバスの運行については、毎年保護者の声を丁寧に聞き、運行ルートやバス停の場所を見直すべきと考えますが見解を伺います。

四 すべての子どもの学びの保障について
  東京都は2024年度から高等学校の授業料の支援と私立中学校等の授業料の支援について、所得制限を撤廃し拡充します。このように子どもの学びへの支援が広がる一方で、朝鮮学校への私立外国人学校教育運営費補助金支給が、2010年から停止になっています。この補助金は、外国人学校やインターナショナルスクールも対象となっているにもかかわらず、朝鮮学校だけ外すことは特定の学校への差別であり、人権の視点からも大きな問題です。
 1 これまで都は「都民の理解が得られない」との答弁を繰り返すことに終始しています。もし都がそのように認識しているのであれば、ダイバーシティ・インクルージョンを掲げ、国際都市を標榜する東京都として、都民の理解を得るために尽力することこそ都の役割ではないでしょうか。都は都民の理解を得るために、どのような取り組みを行ってきたのか伺います。
 2 朝鮮学校への「私立外国人学校教育運営費補助金」再開を求めて市民団体が都に要請し、当事者である子どもたちの声も届けられました。賛同する1万8千筆以上の署名が提出されるなど、多くの市民が補助金の復活を求めています。都議会全会派の賛成で制定された東京都こども基本条例の趣旨も踏まえ、すべての子どもたちに等しく学びを保障するために、一日も早く復活することを求めますが、見解を伺います。

令和6年第一回都議会定例会
岩永やす代議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 東京都生物多様性地域戦略と玉川上水について
  1 生物多様性地域戦略で、玉川上水はどのように考えられているのか伺う。

回答
  玉川上水は、自然保護条例に基づく保全地域の一つに指定しています。また、東京都生物多様性地域戦略では、保全地域など都内の自然環境について、適切に保全することとしています。

質問事項
 一の2 専門家の鳥類調査によれば、玉川上水沿いの4箇所で比較したところ、鳥類の種数も個体数も小金井が最も貧弱で、それは樹林が貧弱だからということがわかった。つまり、桜だけの並木は生物多様性保全と相入れないということである。こうした指摘について、生物多様性の観点から見解を伺う。

回答
  令和2年から3年にかけて小金井市教育委員会が実施した調査によると、これまでの取組により、ヤマザクラ並木が整備されてきた区域では、多様な草花が確認されています。
  都は、引き続き、史跡玉川上水整備活用計画に基づき、生物多様性をもった適切な生態系が維持されるよう、整備に努めていきます。

質問事項
 一の3 植物があることが土壌流失を防ぐことは砂防学の常識で、樹木は伐採されても根が張っていれば土壌を縛りとめ、多くの樹木は切株から萌芽し、生き続ける。小規模な雨でも表土が流れるが、台風などでは土砂崩れも誘発する。これは玉川上水が歴史遺産であることを考えると由々しき問題と考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、史跡玉川上水整備活用計画に基づき、水路、法面や法肩に生育する巨木について、法面等の崩壊を防止するため必要な対策を行うとともに、法面の形状変化の把握に向けた水路の横断測量調査を実施するなど、玉川上水を適切に管理しています。

質問事項
 一の4 桜の木が間隔を置いて植えられていることも問題である。ヤマザクラは日本の在来樹木であり、他の落葉広葉樹とともに森林を形成する樹木で、孤立木としては生育しない。現に2018年の台風24号の時、小金井では多数のヤマザクラが倒れた。その倒木率は他の場所の7倍も高かった。これは孤立木が直接風を受けたためで、隣接木があれば倒木は起きない。このことは道路の安全性にとっても問題と考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、名勝「小金井(サクラ)」に指定されている区間において、ヤマザクラの並木を良好な状態で保存及び復活させるため、ヤマザクラを被圧する樹木への対策を講じることで日照条件の改善を図っており、引き続き、適切に対応していきます。

質問事項
 一の5 東京都としても、若者や子どもも含む小金井市民全体の意見分布を聞き、その総意を玉川上水の樹林管理に反映することが重要と考えるが、見解を伺う。

回答
  都では、史跡玉川上水整備活用計画改定に係る住民説明会を開催し、そこで寄せられた意見について、専門家により構成される史跡玉川上水整備活用計画検討委員会に報告しています。

質問事項
 二 連光寺・若葉台里山保全地域について
  1 保全地域として指定した東京都は、多摩市で検討されている農業公園の整備について、集水域としての機能維持、農地に隣接するエリアへの配慮などをするよう求める必要があると考えるが、都の認識と見解を伺う。

回答
  地方公共団体が保全地域内に建築物その他工作物を新築する場合には、自然保護条例に基づき、都との協議が必要となります。
  協議に際しては、自然環境の保全に向けて必要な措置を講ずるよう求めています。

質問事項
 二の2 2月12日に都と調査受託者と地域の市民団体とで行われた2023年度の調査報告会の終了後には、貝類や昆虫、土壌など継続的に湿地に関わってきた専門家からも、この土地の宅地開発について、集水機能や夜間の照明など、湿地への影響は計り知れないため、都は保全すべきだ、という意見があった。この意見に対して、都はどのように受け止めているのか伺う。

回答
  連光寺・若葉台里山保全地域においては、地元自治体やボランティア団体、専門家などと意見を交換しながら、自然環境保全に向けた取組を実施しています。

質問事項
 二の3 市民からは、湿地の集水域として斜面は重要であり、将来にわたって維持するために公有地化を求める声が寄せられている。保全地域を拡げて当該斜面地を指定することはできないか、見解を伺う。

回答
  都は、自然保護条例に基づき、自然の保護と回復を図るため、一定程度まとまった貴重な自然地を保全地域に指定しています。

質問事項
 二の4 都は特別緑地保全地区の制度への補助金を予算化し、市民団体は多摩市に特別緑地保全地区の指定を働きかけている。都が2024年度から開始する特別緑地保全地区の指定促進のための補助制度の内容としくみおよび手続きについて伺う。

回答
  本補助制度は、地元自治体が特別緑地保全地区に指定された土地を買い取る際の用地費及び整備費について、国費を除いて、都と地元自治体が2分の1ずつを負担するものです。
  具体的には、公益財団法人東京都都市づくり公社に設置した基金を通じ、買取りに必要な経費の一部を地元自治体の申請に基づき補助することを予定しています。

質問事項
 三 都立特別支援学校のスクールバスについて
  1 多摩地域の特別支援学校の学校数と在籍人数、スクールバス利用者数を伺う。

回答
  多摩地域に所在する都立特別支援学校の令和5年5月1日時点の学校数は20校、在籍人数は4,727名であり、令和5年度のスクールバス利用者は3,063名です。

質問事項
 三の2 スクールバスの始発時間と、最終の乗車時間について伺う。

回答
  都立特別支援学校のスクールバスの時刻表は、学校やコースごとに異なっています。

質問事項
 三の3 スクールバス以外で直接登校する特別支援学校の児童・生徒の登校時間の受け入れの現状を伺う。

回答
  都立特別支援学校では、スクールバスに乗車せずに一人で通学する児童・生徒、保護者や移動支援者等が自家用車や公共交通機関等を利用した送迎により通学する児童・生徒等がおり、各学校で定める時間に登校しています。

質問事項
 三の4 共働き世帯の増加を背景に、学校の校門があくのを待つ児童が増え、都内の公立小学校でも、始業前の学校で子どもの居場所を確保する取り組みがすすめられている。都立特別支援学校では、スクールバスについて、保護者からどのような要望が届いているのか伺う。

回答
  都立特別支援学校では、児童・生徒の実態等を踏まえ、各学校において登校時間やスクールバスの時刻表を設定しています。
  令和5年度においては、保護者団体から乗務員への研修・指導の徹底など、より安全・安心にスクールバスを利用できるよう配慮してほしいなどの要望が寄せられています。

質問事項
 三の5 特別支援学校のスクールバスの運行については、毎年保護者の声を丁寧に聞き、運行ルートやバス停の場所を見直すべきと考えるが見解を伺う。

回答
  都立特別支援学校のスクールバスの運行ルートやバス停の位置については、児童・生徒の居住地等を踏まえ、毎年度見直しています。

質問事項
 四 すべての子どもの学びの保障について
  1 朝鮮学校への私立外国人学校教育運営費補助金支給が、2010年から停止になっていることについて、これまで都は「都民の理解が得られない」との答弁を繰り返すことに終始している。もし都がそのように認識しているのであれば、ダイバーシティ・インクルージョンを掲げ、国際都市を標榜する東京都として、都民の理解を得るために尽力することこそ都の役割ではないか。都は都民の理解を得るために、どのような取り組みを行ってきたのか伺う。

回答
  朝鮮学校の運営等の実態を確認するため過去に実施した調査結果や、その後の状況などを総合的に勘案して、朝鮮学校に外国人学校教育運営費補助金を交付することは都民の理解が得られないと判断しています。

質問事項
 四の2 都議会全会派の賛成で制定された東京都こども基本条例の趣旨も踏まえ、すべての子どもたちに等しく学びを保障するために、「私立外国人学校教育運営費補助金」が一日も早く復活することを求めるが、見解を伺う。

回答
  施策の実施に当たっては、東京都こども基本条例の理念と施策の性質を踏まえて判断するものと考えています。
  朝鮮学校の運営等の実態を確認するため過去に実施した調査結果や、その後の状況などを総合的に勘案して、朝鮮学校に外国人学校教育運営費補助金を交付することは都民の理解が得られないと判断しています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 桐山ひとみ

質問事項
 一 卵子凍結について
 二 神宮外苑再開発について

一 卵子凍結について
  結婚・出産によって人生が左右される女性にとって、ライフプランを設計することはとても大切です。東京都は、女性のキャリアと妊娠・出産の両立を後押しするとの事で少子化対策の一環として卵子凍結補助制度として今年度予算化しました。
  「産む、産まない」の妊娠や出産をする選択は人それぞれ選ぶ権利がありそれは不妊治療や卵子凍結に対しても同じ事だと理解しています。
  令和6年度予算では、「卵子凍結への支援」が、前年度1億円から5億円に増額されました。「卵子凍結」を税金で補助するからには、政策目的が明確でなければなりません。そうでなければ、政策効果も検証できず、税金投入が無駄なのか、効果があったのか、PDCAを回すことができないからです。
 1 「卵子凍結」への税金投入が少子化対策の一環であるならば、5億円投入することによって、全国最低の出生率がどのくらい向上するのかが、PDCAを回す際の指標となると考えますが、卵子凍結は少子化対策なのか、伺います。
  最近では、タレントの指原莉乃さんがSNS等で「卵子凍結」を公表し注目をあびました。都の卵子凍結への補助に対する説明会には当初6,000人超えと報道もあり、関心の高さがみえました。しかし、「卵子凍結」という言葉だけがブームとなり「未来への保険」や「時を止め、妊娠出産を後回しにすることのできる技術」のように言われ「なんとなくよさそう」「みんながやってるから」などと安易な考えで選択するべきではないと考えます。
 2 直近の件数を伺います。これまでに説明会に来た人数、そして実際に助成申請した人数、及びその年齢別件数を伺います。
 3 件数をみると、30代後半の女性の割合が圧倒的に大きいのですが、その原因をどのように分析しているか伺います。
  日本生殖医学会は、「未受精卵子等の採取時の年齢は、36歳未満が望ましい」としており36歳以上になると、卵子凍結個数を増やしても出生率が上がらないと報告されていたり、年齢が上がるほど卵子の質の低下を個数で補う必要がでてくるので、その分必要となる費用が増える可能性もあるとも言われています。
 4 卵子凍結までして、成し遂げなければならない「女性の自己実現」とはなにか、伺います。
 5 妊娠を希望する30代の女性に対して、「自己実現のためのキャリアアップのために、今は妊娠をあきらめて、卵子凍結を推奨するのは、間違いであって、社会的な場で活躍しながら子どもを産み育てることができる環境を整備することこそが、第一義的に推進されるべきと考えますが、見解を伺います。
 6 卵子凍結は、それ自体が自己目的ではなく、妊娠、出産のために行うものですが、30代後半に卵子凍結する女性が、何歳になったら妊娠し、出産することを想定して、都は助成しているのか、伺います。
  日本産科婦人科学会は健康な女性の卵子凍結については推奨しない立場をとっています。その理由は、高齢出産は母体も赤ちゃんもリスクが高まるからであり、卵子凍結する事で相対的に高齢出産が増える懸念があるということです。
  AYA世代のガン患者の妊孕性温存目的の為の医学的適応とは別に、健康な女性が東京都の助成をきっかけとして、卵子凍結を選択し、子どもを授かる人生となった、という人も長期的には出てくるでしょう。しかし、短期的には出産を後回しにすることを後押しする制度なので、待ったなしの少子化対策としては疑問を持たざるを得ません。
 7 卵子凍結は選択肢の一つとして必要ではありますが、都が率先して卵子凍結を推奨することへの懸念はあります。5年間の調査費という名目で管理費用まで補助するからには調査結果を検証し公表すべきです。見解を求めます。
  凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成制度を使用するには、年齢は43歳まで、事実婚含む婚姻関係が前提で助成する条件となっています。
 8 凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成について、加齢等の影響を考慮して作成した凍結卵子を使用した生殖補助医療に係る費用を助成しているがこちらも年齢別件数について伺います。
  「日本産科婦人科学会」の調査によると、2018(平成30)年における体外受精胚移植等の治療延べ件数は45万4,893件、出生児数は5万6,979人といずれも過去最多で、その年の総出生児数は91万8,400人で、約16人に1人が体外受精胚移植等で生まれた計算になる。ちなみに、累積出生児数は65万333人になっています。
  人工授精の普及に伴って、子どもの親を知る権利や親子関係を明らかにする必要が生じ、2020(令和2)年12月4日、「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」が成立しました。
  人工授精には、このような問題がありますが、「卵子凍結」の場合は、卵子凍結と出産の間に相当な期間が想定されるため、これを東京都が政策として行うためには、子どもの権利に対する配慮、親子関係、母体に対する影響などの配慮が不可欠です。
 9 東京都の卵子凍結事業に当たって、子どもの権利に対する配慮、親子関係、母体に対する影響などへの配慮について、どのような施策を講じているのか、伺います。
 10 卵子売買や、優生的な卵子保存や精子選択など「優生思想」への懸念もありますが、それへの対策はどのように行っているのか、伺います。
 11 「医学的卵子凍結」と「社会的卵子凍結」とは、明らかに医学的必要性や緊急度が異なり、これを区別し、「医学的卵子凍結」に手厚くして対策を講じるべきだと考えますが、都の見解を伺います。

二 神宮外苑再開発について
 1 明治神宮外苑地区にある次のスポーツ施設について、それぞれ、示されたい。
  ア 都市計画施設か否か。
  イ 都市計画事業として認可・施行されたものか、又は建築許可を受けて建設されたものか。
   〔1〕東京体育館(公益財団法人 東京都スポーツ文化事業団 東京体育館)
   〔2〕新国立競技場(独立行政法人日本スポーツ振興センター Japan Sport Council JSC)
   〔3〕明治神宮球場(明治神宮)
   〔4〕明治神宮外第二野球場(解体中)
   〔5〕秩父宮ラグビー場(独立行政法人日本スポーツ振興センター Japan Sport Council JSC)
   〔6〕テニス場(明治神宮)
   〔7〕軟式野球場(明治神宮)

令和6年第一回都議会定例会
桐山ひとみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 卵子凍結について
  1 「卵子凍結」への税金投入が少子化対策の一環であるならば、5億円投入することによって、全国最低の出生率がどのくらい向上するのかが、PDCAを回す際の指標となると考えるが、卵子凍結は少子化対策なのか、伺う。

回答
  少子化の要因は複合的であり、都は、ニーズや課題に応じて様々な対策を講じています。
  卵子凍結は、子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情により、すぐには難しい方にとって、将来の妊娠に備える選択肢の一つです。

質問事項
 一の2 直近の件数を伺う。これまでに説明会に来た人数、そして実際に助成申請した人数、及びその年齢別件数を伺う。

回答
  本年5月13日時点で、説明会への出席者は7,748人、助成金を申請した方は1,993人です。
  助成金を申請した方の年齢別の内訳は、20歳から24歳までが4人、25歳から29歳までが65人、30歳から34歳までが624人、35歳から39歳までが1,300人です。

質問事項
 一の3 件数をみると、30代後半の女性の割合が圧倒的に大きいが、その原因をどのように分析しているか伺う。

回答
  卵子凍結は、子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情により、すぐには難しい方にとって、将来の妊娠に備える選択肢の一つになっていると認識しています。

質問事項
 一の4 卵子凍結までして、成し遂げなければならない「女性の自己実現」とはなにか、伺う。

回答
  都は、女性が自分らしく人生を送るための選択肢を広げられるよう、卵子凍結への支援を開始しました。

質問事項
 一の5 妊娠を希望する30代の女性に対して、「自己実現のためのキャリアアップのために、今は妊娠をあきらめて、卵子凍結を推奨するのは、間違いであって、社会的な場で活躍しながら子どもを産み育てることができる環境を整備することこそが、第一義的に推進されるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  都はこれまでも、安心して子供を産み育てられる環境づくりを進めるため、妊娠、出産、子育ての切れ目ない支援の充実に取り組んでいます。
  また、女性が自分らしく人生を送るための選択肢を広げられるよう、卵子凍結への支援を行っています。

質問事項
 一の6 卵子凍結は、それ自体が自己目的ではなく、妊娠、出産のために行うものだが、30代後半に卵子凍結する女性が、何歳になったら妊娠し、出産することを想定して、都は助成しているのか、伺う。

回答
  凍結した卵子を使用する時期は、それぞれの方の考えによるものです。
  なお、本事業は、凍結した卵子を43歳未満で使用する意思を有する方を対象にしています。

質問事項
 一の7 卵子凍結は選択肢の一つとして必要ではあるが、都が率先して卵子凍結を推奨することへの懸念はある。5年間の調査費という名目で管理費用まで補助するからには調査結果を検証し公表すべきであるが、見解を伺う。

回答
  都は、事業の検証を行うため、卵子凍結を行った方に対して、令和10年度まで、凍結した卵子の使用状況等について調査を実施することとしています。
  なお、卵子凍結に関する知識を正しく理解するための説明会において、卵子凍結のメリットやデメリット等を説明しています。

質問事項
 一の8 凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成について、加齢等の影響を考慮して作成した凍結卵子を使用した生殖補助医療に係る費用を助成しているがこちらも年齢別件数について伺う。

回答
  都は、凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成事業の実施に当たり、医療機関を登録制としており、常勤の生殖補助医療の専門医の配置や、卵子の適切な凍結保管などを要件としています。
  昨年10月から事業を開始したところであり、本事業開始後に登録医療機関で行った生殖補助医療が助成の対象となっています。
  本年4月1日時点では、申請を受けていません。

質問事項
 一の9 東京都の卵子凍結事業に当たって、子どもの権利に対する配慮、親子関係、母体に対する影響などへの配慮について、どのような施策を講じているのか、伺う。

回答
  卵子凍結に係る費用への助成は、凍結卵子の売買、譲渡その他第三者 への提供、海外への移送を行わないことを要件としています。
  また、卵子凍結に関する知識を正しく理解するための説明会への参加を 助成要件としており、説明会では卵子凍結のメリットやデメリット、採卵 から凍結までの医療行為の流れのほか、凍結卵子の売買等の禁止を含む助 成要件などを説明しています。

質問事項
 一の10 卵子売買や、優生的な卵子保存や精子選択など「優生思想」への懸念もあるが、それへの対策はどのように行っているのか、伺う。

回答
  本事業は、凍結卵子の売買、譲渡その他第三者への提供、海外への移送を行わないことを要件としています。
  都は、卵子凍結に関する知識を正しく理解するための説明会において、こうした助成要件等について説明しています。

質問事項
 一の11 「医学的卵子凍結」と「社会的卵子凍結」とは、明らかに医学的必要性や緊急度が異なり、これを区別し、「医学的卵子凍結」に手厚くして対策を講じるべきだと考えるが、都の見解を伺う。

回答
  本事業は、子供を産み育てたいと望んでいるものの、様々な事情により、すぐには難しい方にとって、将来の妊娠に備える選択肢の一つとなるよう支援するものです。

質問事項
 二 神宮外苑再開発について
   東京体育館(公益財団法人東京都スポーツ文化事業団東京体育館)、新国立競技場(独立行政法人日本スポーツ振興センター)、明治神宮球場(明治神宮)、明治神宮外第二野球場(解体中)、秩父宮ラグビー場(独立行政法人日本スポーツ振興センター)、テニス場(明治神宮)、軟式野球場(明治神宮)
  1 これらのスポーツ施設について、都市計画施設か否か伺う。

回答
  これらのスポーツ施設については、都市計画施設には該当していません。

質問事項
 二の2 これらのスポーツ施設について、都市計画事業として認可・施行されたものか、又は建築許可を受けて建設されたものか伺う。

回答
  これらのスポーツ施設については、都市計画法等に基づく許可を受けて建築されたものです。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 清水とし子

質問事項
 一 シルバーパスのコミュニティバスでの利用と東京都の支援について

一 シルバーパスのコミュニティバスでの利用と東京都の支援について
 1 シルバーパスは、買い物や通院など、高齢者の生活に欠かせません。
   都の調査でも、幅広い世代から評価されています。
   都は、シルバーパスの重要性をどう認識していますか。
 2 コミュニティバスのうち、シルバーパスが利用できる路線は、どのようなものですか。
 3 コミュニティバスのうち、シルバーパスが使える路線、使えない路線はそれぞれいくつありますか。
 4 コミュニティバスのうち、シルバーパスが使える路線に対して、都はシルバーパスの運賃補償をしていますか。
  都は2023年10月20日各会計決算特別委員会第2分科会で、「コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて、区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっております」と答弁しています。
  この「協議」について、第46回日野市地域公共交通会議で日野市は「日野市と京王バスさんとの間での協議とは何かということになります。それはずばり費用負担の協議ということになります。
  市が新規にミニバス路線を導入する場合に、日野市が京王バスさんに対して、東京都から入らないシルバーパス補償金分を補填すれば、ミニバスの新規路線にシルバーパスが使えるようになるということになります。」と述べています。
 5 都は、自治体とバス事業者の「協議」が、費用負担の協議であるという実情を把握していますか。
  さらに、同会議では、バス事業者が「使えるようにすることは簡単なんですけれども、それは正直かなりの額になります。日野市さんにとってもそうであると思いますし、仮に日野市さんが負担できないということであれば当社になりますけれども、とても負担できる範囲の金額ではないということで、実質的には使えるように出来ないという状況になっていると思います。」と述べています。
 6 都は、市やバス事業者がシルバーパスの運賃補償相当分を負担することは難しいという実態は把握していますか。コミュニティバスに対しても、都が運賃補償をすべきと考えますが、いかがですか。

令和6年第一回都議会定例会
清水とし子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 シルバーパスのコミュニティバスでの利用と東京都の支援について
  1 シルバーパスは、買い物や通院など、高齢者の生活に欠かせない。都の調査でも、幅広い世代から評価されている。都は、シルバーパスの重要性をどう認識しているか伺う。

回答
  シルバーパス制度は、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることを目的としています。
  現在、多くの高齢者がシルバーパスの発行を受けて、社会参加と生きがいの活動に活用されていると認識しています。

質問事項
 一の2 コミュニティバスのうち、シルバーパスが利用できる路線は、どのようなものか伺う。

回答
  コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっています。

質問事項
 一の3 コミュニティバスのうち、シルバーパスが使える路線、使えない路線はそれぞれいくつあるか伺う。

回答
  令和2年10月現在、コミュニティバスが一般路線バスと同等の運賃を設定している路線のうち、利用が可能な路線は83路線で、利用できない路線は14路線です。

質問事項
 一の4 コミュニティバスのうち、シルバーパスが使える路線に対して、都はシルバーパスの運賃補償をしているか伺う。

回答
  都は、東京都シルバーパス条例等に基づき、指定団体である一般社団法人東京バス協会に対し、パスの発行枚数に応じた利用者運賃補助経費等を補助しています。
  なお、バス事業者に対する支援は、条例施行規則において指定団体の業務としています。

質問事項
 一の5 都は、自治体とバス事業者の「協議」が、費用負担の協議であるという実情を把握しているか伺う。

回答
  都は、コミュニティバスに関して区市町村とバス事業者が行っている具体的な協議の内容については承知していません。

質問事項
 一の6 都は、市やバス事業者がシルバーパスの運賃補償相当分を負担することは難しいという実態は把握しているか。コミュニティバスに対しても、都が運賃補償をすべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  コミュニティバスは、交通手段の少ない地域の解消や公共施設などへの移動手段の確保のため、区市町村とバス事業者が協定を締結し、運行されています。
  コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて区市町村とバス事業者の協議が調った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 田の上いくこ

質問事項
 一 防災について
 二 都の施設の名称変更について
 三 都営バスの停留所について

一 防災について
  災害拠点病院等自家発電設備等整備強化事業は、昨年より450,000,000円減額の928,000,000円の令和6年度予算案計上となりました。災害時における医療機能の確保を図るため、災害拠点病院、災害拠点連携病院及び災害医療支援病院が対象となっています。私の地元江戸川区は、東部低地帯にあり、ひとたび大規模水害に見舞われてしまうと、2週間以上にわたり水が引かないことが想定されています。浸水などにより医療機関の機能が失われないよう現状地下に設置されていることが多い自家発電設備をより階上に設置する必要があります。
 1 こうした地域における一定規模以上の医療機関に対し、災害時自家発電設備の対応支援をしていくべきと考えますが、見解を伺います。
 2 また、当区では前述の理由により、自主的広域避難(分散避難)を推奨しています。広域避難場所は、複数選べるようにしていただきたいと思いますが、現在東京都で指定している広域避難場所は何件でどこにありますか。
 3 指定にあたっては、どのような基準で指定しているのでしょうか。
  2019年の台風19号の際には、江戸川区の新中川以西の住民が避難所である学校等に押し寄せました。令和5年2月4日に、「京成本線荒川橋梁架替事業起工式」が開催され、令和3年11月1日には、堤防の切り欠き部における暫定対策としてコンクリート壁(パラペット)が設置されました。
  京成本線荒川橋梁の堤防部は、橋の桁下高が周辺の高さより約3.7メートル低く、荒川の増水時は溢水の危険性が高いとされており、19号のときにもこの場所が懸念となりました。江戸川区民や周辺自治体の住民が心待ちにしている荒川橋梁架替事業ですが、当初、2024年完了見込みだった計画が、13年延長されて2037年完了見込みに変更されたと聞いています。
 4 都は、国土交通省との話し合いをどのように進めているのか、実際の進捗状況を含めお答えください。

二 都の施設の名称変更について
  工業高校から工科高校、首都大学東京から都立大学など、既存の施設の名称が変わることがあります。その際には、バス停の名称や案内板、信号の名称、都でつくるパンフレットなど、できるだけ速やかに変更することが望まれます。
  しかしながら、令和5年4月に工科高校へと変更になってから1年近く経っても変更されない場所があります。
  工業高校から工科高校への名称変更に伴うバス停の名称や案内板、信号の名称、都でつくるパンフレットなどの修正はどれくらいの期間を目安に実施されるものなのか伺います。

三 都営バスの停留所について
  葛西駅、一之江駅、船堀駅など、江戸川区内のいくつかの鉄道駅では、駅前のバスロータリーの停留所に収まらず、少し離れた場所に停留所がある場合があります。道路を横断して停留所がある場合などは、バスに間に合うように信号を無視してでも渡り、事故にあう事例もあります。
 1 ロータリー内にすべての系統のバスが停車できるようにするために、工夫が必要と考えます。現状の課題について、また改善策について交通局の見解を伺います。
 2 江戸川区役所の移転に伴い、バスの経路も新たに要望されるものと考えます。住民の要望を活かし、区役所に足を運べる路線を増やしていただきたいと考えますが、見解を伺います。

令和6年第一回都議会定例会
田の上いくこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 防災について
  1 一定規模以上の医療機関に対し、災害時自家発電設備の対応支援をしていくべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、水害により、浸水が発生した場合にも医療の提供を継続できるよう、災害拠点病院、災害拠点連携病院が行う防水板の設置や自家発電設備の高所への移設を支援しています。
  令和6年度は、支援の対象を浸水想定区域に所在する全ての病院に拡大するとともに、建物の構造や立地状況など病院ごとの浸水リスクに応じた対策を促すため、専門的な調査や設計に要する経費に対する補助を開始することとしています。

質問事項
 一の2 広域避難場所は、複数選べるようにしていただきたいが、現在東京都で指定している広域避難場所は何件でどこにあるか伺う。

回答
  広域避難先施設の確保を進めるためには、施設管理者等の理解を得ることが重要です。
  これまで都は、職員が直接施設を訪問し、協力を求めることで、現在、都有施設の活用はもとより、国・民間14団体と協定を締結しています。

質問事項
 一の3 指定にあたっては、どのような基準で指定しているのか伺う。

回答
  都は、都内の浸水想定区域外にある大規模施設を基本としており、施設管理者等と調整の上、協定を締結しています。

質問事項
 一の4 江戸川区民や周辺自治体の住民が心待ちにしている荒川橋梁架替事業だが、当初、2024年完了見込みだった計画が、13年延長されて2037年完了見込みに変更されたと聞いている。都は、国土交通省との話し合いをどのように進めているのか、実際の進捗状況を含め伺う。

回答
  都は、事業者である国などの関係機関からなる「京成本線荒川橋梁架替に係る事業調整協議会」などにおいて、架替事業の進捗状況等を確認しています。
  令和6年2月に実施した協議会では、同年1月末時点の用地取得率は約86%であり、足立区側及び葛飾区側のアプローチ部における盛土撤去の仮設工等を実施中との報告を受けています。

質問事項
 二 都の施設の名称変更について
   工業高校から工科高校への名称変更に伴うバス停の名称や案内板、信号の名称、都でつくるパンフレットなどの修正はどのくらいの期間を目安に実施されるものなのか伺う。

回答
  令和4年10月の東京都立学校設置条例改正後、案内板等を管理する地元自治体や道路管理者、交通事業者などに対して、案内板等の表記を「工業高校」から「工科高校」に変更するよう依頼しており、各施設管理者がそれぞれの状況に応じて対応しています。

質問事項
 三 都営バスの停留所について
  1 ロータリー内にすべての系統のバスが停車できるようにするために、工夫が必要と考えるが、現状の課題について、また改善策について見解を伺う。

回答
  ロータリー内に全ての系統のバスが停車できるようにするためには、ロータリー内に新たな停留所を設置するスペースが必要となります。
  駅周辺の再開発等が行われる際には、停留所を設置するためのスペースの確保について協議しています。

質問事項
 三の2 江戸川区役所の移転に伴い、バスの経路も新たに要望されるものと考える。住民の要望を活かし、区役所に足を運べる路線を増やしていただきたいと考えるが、見解を伺う。

回答
  都営バスでは、これまでも需要の変化に合わせて路線やダイヤを見直してきており、引き続き、輸送需要の変化に対して適切に対応していきます。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中田たかし

質問事項
 一 広尾病院の建て替えについて
 二 神宮前五丁目地区まちづくりについて
 三 放置船舶について
 四 都葬について
 五 代々木警察署の建て替えについて

一 広尾病院の建て替えについて
 1 広尾病院の建て替えにおいて、入札不調になったことによる影響について伺う。
 2 落札金額と今後の計画について伺う。

二 神宮前五丁目地区まちづくりについて
  神宮前五丁目地区まちづくりの進捗状況、今後の展開について伺う。

三 放置船舶について
  放置船舶の現在の数、過去5年の推移、今後の対策について伺う。

四 都葬について
 1 都葬の基準、過去の都葬者一覧、かかった費用について伺う。
 2 半旗掲揚の基準、令和5年度の実績について伺う。
 3 庁内での黙祷を行う基準、令和5年度の実績について伺う。

五 代々木警察署の建て替えについて
  代々木警察署の建て替えにかかる、令和6年度の予算額、その内訳について伺う。

令和6年第一回都議会定例会
中田たかし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 広尾病院建て替えについて
  1 広尾病院建て替えにおいて、入札不調になったことによる影響について伺う。

回答
  都立病院機構は、PFI法に基づき、広尾病院及び広尾看護専門学校整備等事業の入札事務を進めてきましたが、建設資材や労務費の高騰等の影響を受け、令和4年度に実施した入札は不調となりました。
  そのため、事業者が一層の経費削減や工期短縮に向け創意工夫した提案を行えるよう、令和5年5月に整備基本計画を修正するとともに実施方針を改定し、令和5年7月に入札公告を行いました。

質問事項
 一の2 落札金額と今後の計画について伺う。

回答
  広尾病院及び広尾看護専門学校整備等事業の落札金額は97,506,976,600円です。
  今後、落札者が設立する特別目的会社とPFI事業契約を締結し、事業を進めていきます。

質問事項
 二 神宮前五丁目地区まちづくりについて
   神宮前五丁目地区まちづくりの進捗状況、今後の展開について伺う。

回答
  都は、旧こどもの城及び周辺都有地について、有識者、都及び地元区から成る、神宮前五丁目地区まちづくり検討会をこれまで3回開催し、当地区や周辺の状況等についての整理及びまちづくりの基本的方向性などの検討を進めています。
  引き続き、神宮前五丁目地区における都有地の一体活用に向け、検討会を運営するとともに、まちづくりの方針策定に関する調査に取り組んでいきます。

質問事項
 三 放置船舶について
   放置船舶の現在の数、過去5年の推移、今後の対策について伺う。

回答
  都が管理する河川区域及び港湾区域における放置船舶は、令和5年4月末現在165隻あります。
  また、過去5年の推移は下表のとおりです。

年次ごとの放置船舶数
年次 令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度
放置船舶数 230隻 218隻 204隻 181隻 165隻
(各年度4月末現在の隻数)
 
  今後も、「東京都船舶の係留保管の適正化に関する条例」及び「東京都船舶の係留保管適正化計画」に基づき、放置船舶の所有者に対する指導・警告を強化しながら、あわせて受け皿となる係留保管施設の確保を進めることにより、放置船舶の適正化を推進していきます。

質問事項
 四 都葬について
  1 都葬の基準、過去の都葬者一覧、かかった費用について伺う。

回答
  都の主催による葬儀は、御遺族の意向を尊重し、総合的に判断し実施しています。

  過去の一覧
対象者等 費用(千円)
注釈:都負担分
安井 誠一郎  元都知事
(東京都葬) 4,342
東  龍太郎  元都知事
(東京都 日本赤十字社 日本体育協会 合同葬) 20,247
美濃部 亮吉  元都知事
(東京都葬 合同市民葬) 10,746
鈴木  俊一  元都知事
(東京都葬) 2,289

質問事項
 四の2 半旗掲揚の基準、令和5年度の実績について伺う。

回答
  半旗の掲揚は都として弔意の表明を行うものであり、令和5年度の実績は4件です。

質問事項
 四の3 庁内での黙祷を行う基準、令和5年度の実績について伺う。

回答
  庁内音声放送による黙とうは、都として弔意の表明を行うものであり、令和5年度の実績は3件です。

質問事項
 五 代々木警察署の建て替えについて
   代々木警察署の建て替えにかかる、令和6年度の予算額、その内訳について伺う。

回答
  警視庁代々木警察署仮設庁舎建築工事における令和6年度の予算額は、9億5,953万7,000円です。
  内訳は、設計費1億3,374万4,000円、工事費8億2,579万3,000円です。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原純子

質問事項
 一 東京都や政策連携団体による公園園地等清掃業務委託に関し、労務単価の積算基準を公表し、最低制限価格制度を設けることについて
 二 区市町村が行う耐震シェルター助成事業に関し、都が補助を行う必要性について

一 東京都や政策連携団体による公園園地等清掃業務委託に関し、労務単価の積算基準を公表し、最低制限価格制度を設けることについて
  都や東京都公園協会は、現在、公園園地等清掃業務の事業者選定を、競争入札制度で行っています。ここ数年の推移をみれば、落札価格が年々下がり続けており、背景には、事業者にとっては、入札価格を下げないと落札できないという事情があります。
  東京都立公園条例の第一条で「この条例は、都立公園の設置、管理等について必要な事項を定め、都立公園の健全な発達と利用の適正化を図り、都民の福祉の増進と生活文化の向上に寄与することを目的とする」とあり、この目的を達成するためには、清掃業務を含め公園の維持管理に従事する労働者の適正な労務管理と労働環境の確保が重要です。
  ある事業者から、落札はしたものの、労賃の適正な支払いに苦労しているとのお話を伺いました。都が定める最低賃金は年々上がるのに、委託契約費が下がることで、従業員の待遇は改善されるどころか悪化し、業務の質の低下につながることも想定され、看過できません。
 1 東京都公園協会による都立公園園地清掃の委託契約金額が年々下がってきていることについて、どこに影響があると認識されていますか。
 2 都が委託している公園園地清掃では、人件費である労務単価について積算されていますか。
 3 策定中の東京都社会的責任調達指針(素案)によると、「調達関連事業者は、工事・物品等の調達過程に従事する労働者に対して、法令等で定める最低賃金額以上の賃金及び適切な手当てを支払わなければならない。」とあり、これは義務規定とされています。この「物品等」の中には、都立公園や施設の清掃や維持管理業務も含まれています。
   本指針を果たせるよう、都が発注する業務委託においては、労務単価の設定と、最低制限価格を設ける必要があると思いますが、見解を伺います。
 4 都並びに東京都公園協会の公園園地等清掃業務委託について、最低制限価格制度または公契約条例をつくり、労賃が最低賃金を割らないことを保障する落札価格にすることを求めますが、検討はされますか。

二 区市町村が行う耐震シェルター助成事業に関し、都が補助を行う必要性について
  耐震基準に満たない家屋で、建て替えがすぐにできない世帯において、部分耐震を行う耐震シェルターを、都もパンフレットを作成し、推奨品を紹介しています。
  現在区市町村では、例えば新宿区では、昭和56年以前に建てられた木造住宅を対象に、耐震シェルターに45万円、耐震ベッドに35万円の補助をするなど、少なくとも17区5市1町で、助成制度があります。
  こうした区市町村の耐震助成を都が後押しすることは重要だと思いますが、いかがですか。
 1 耐震シェルターなど、部分耐震について、震災対策の効果についてどのようにとらえていますか。
 2 区市町村が行う部分耐震助成の制度や利用実績などについてつかんでいますか。つかんでいたらお示しください。
 3 都がこうした区市町村の助成制度を支援する補助制度をつくるべきだと思いますが、検討されますか。

令和6年第一回都議会定例会
原純子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 東京都や政策連携団体による公園園地等清掃業務委託に関し、労務単価の積算基準を公表し、最低制限価格制度を設けることについて
  1 東京都公園協会による都立公園園地清掃の委託契約金額が年々下がってきていることについて、どこに影響があると認識しているか、見解を伺う。

回答
  東京都公園協会が指定管理者として管理運営する都立公園において、清掃業務が仕様書等のとおりに適切に履行されていることを確認しています。

質問事項
 一の2 都が委託している公園園地清掃では、人件費である労務単価について積算しているか伺う。

回答
  都が委託している清掃業務においては、都の積算基準に基づき人件費を算出しています。

質問事項
 一の3 策定中の東京都社会的責任調達指針(素案)によると、「調達関連事業者は、工事・物品等の調達過程に従事する労働者に対して、法令等で定める最低賃金額以上の賃金及び適切な手当てを支払わなければならない。」とあり、これは義務規定とされている。この「物品等」の中には、都立公園や施設の清掃や維持管理業務も含まれている。本指針を果たせるよう、都が発注する業務委託においては、労務単価の設定と、最低制限価格を設けるべきだが、見解を伺う。

回答
  業務委託契約の品質確保のためには、業務の履行を担保する適切な予定価格の設定が重要です。
  種類や内容が多岐にわたる業務委託においては、各案件の性質に応じ、実勢を踏まえた予定価格の設定を適切に行っています。
  最低制限価格制度の導入には、統一的な積算基準が不可欠ですが、業務委託では、様々な積算方法が存在しており、適用範囲の設定や積算方法を共通化することによる影響の分析などについて、引き続き検討が必要と認識しています。

質問事項
 一の4 都並びに東京都公園協会の公園園地等清掃業務委託について、最低制限価格制度または公契約条例をつくり、労賃が最低賃金を割らないことを保障する落札価格にすべきだが、検討するのか、見解を伺う。

回答
  最低制限価格制度の導入には、統一的な積算基準が不可欠であり、適用範囲の設定や積算方法を共通化することによる影響の分析などについて、引き続き検討が必要と認識しています。
  また、賃金等の労働条件は、労働関係法令による下支えの上で、各企業において、対等な労使間での交渉により自主的に決定されるべきものと認識しており、公契約条例により労働報酬下限額を定めることについては、労働関係法令との整合や公正性、競争性の確保などから課題があると考えています。
  なお、都はこれまでも、受注者に対して、契約約款により法令遵守等を義務付け、適正な労働環境の確保を図っています。
  都は、東京都公園協会が締結する契約について、「東京都政策連携団体の指導監督等に関する基準」に沿ったものとするよう求めています。

質問事項
 二 区市町村が行う耐震シェルター助成事業に関し、都が補助を行う必要性について
  1 耐震シェルターなど、部分耐震について、震災対策の効果についてどのようにとらえているか、見解を伺う。

回答
  耐震シェルターや防災ベッドを設置することにより、地震による住宅の倒壊等に対し、一定の効果があるものと考えています。

質問事項
 二の2 区市町村が行う部分耐震助成の制度や利用実績などについてつかんでいるか。つかんでいたら、内容を伺う。

回答
  都は、東京都耐震ポータルサイトにおいて、区市町村が行う耐震シェルター等への助成制度の紹介を行っています。
  利用実績については、承知していません。

質問事項
 二の3 都がこうした区市町村の助成制度を支援する補助制度をつくるべきだが、検討するか、見解を伺う。

回答
  引き続き、パンフレットやホームページでの情報提供などの普及啓発を通じて、区市町村の取組を支援していきます。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 福手ゆう子

質問事項
 一 朝鮮学校の子どもたちの権利について

一 朝鮮学校の子どもたちの権利について
  これまでも様々な場面で朝鮮学校の子どもたちの権利について取り上げてきましたが、今なお解決していないため、以下質問をいたします。
 1 予算特別委員会の質疑において、国籍を問う質問に対する答弁で「条例の理念と施策の性質を踏まえて判断されるべきもの」と答えたことは、「全ての子どもが誰一人取り残されることなく」と条例に規定されている事と大きく矛盾していますが、見解を伺います。
  北朝鮮が拉致問題を起こしていることを理由に、子どもの学ぶ権利の保障に係る朝鮮学校への補助金支給を停止するということは、こどもに制裁を加えることだという声があります。
 2 子どもの権利条約に、こどものあらゆる差別の禁止とあります。国際社会では、政治的な理由でこどもを差別することは認められていませんが、認識を伺います。
  いったん支給されていた補助金の支給を停止したことは、こどもの最善の利益が後退したものとして、こども基本条例に反するものであると考えます。
 3 都は補助金を停止した際、どのような調査を行ったのか伺います。
  朝鮮学校で子どもたちは、日本で朝鮮人として生きていくために必要なアイデンティティを確立するため、学習指導要領に基づく教育と併せて、母語や文化、歴史を学んでいます。
 4 在日外国人であるこどもが、母語を学んだり、母国の文化や歴史を学ぶ民族教育は、子どもにとって重要だと考えます。東京都こども基本条例の第8条(こどもの学び、成長への支援)に照らし、子どもの学ぶ権利について現状の認識を伺います。
 5 「こどもの最善の利益」を保障するには、こどもに国籍や民族、思想などは問われますか。
 6 「都民の理解がえられない」という言葉は朝鮮学校のこどもたちに対するヘイトだという都民の声がありますが、受けとめを伺います。
 7 こどもが「自分も一人の人間として大切にされている」と実感することが重要とされていますが、朝鮮学校のこどもたちは昨年3月に渡した「こどもたちの声」には、「日本人の中には私たちに対して嫌な感情を持っている人が多い」「朝鮮だからといじめられたり、朝鮮語を話しているだけで人々の目が鋭くなり悪く言われる時もある」「ミサイルの報道などで差別され心ない言葉を受けた」などの差別と偏見を受けるこどもたちの声があります。人権尊重条例の理念について都の認識を伺います。
  朝鮮学校の子どもたちは日常的に差別と偏見の中で過ごしています。都として差別を無くすことが求められています。
  都は、こども基本条例の理念と都の実施する施策の関係について、「施策の性質を踏まえ判断されるべきもの」と説明していますが、新年度から都は授業料無償化などの学校授業料の負担軽減や所得制限の撤廃を実施する予定であり、全ての子どもの学ぶ権利を尊重するとも言っています。しかし、朝鮮学校の子どもたちに対しては「施策の性質を踏まえ判断されるべきもの」と言って、朝鮮学校に対して補助金の支給を停止したままにしているのは差別と考えます。
 8 都は、朝鮮学校の子どもたちに対して行われている差別を知っていながら、放置し続けていることが、在日朝鮮人や朝鮮学校への差別を助長することに繋がっていると思いますが、都はこれをどう解決するのですか。
  子どもを朝鮮学校に通わせる保護者が、予算特別委員会での質疑を見て、このような感想を私に寄せてくれました。
  「子どもたちは、差別になれることはありません。この間深く傷ついてきましたし、傷つけられてきましたが、補助金停止に賛成する人たちは朝鮮学校差別になれきってしまい、差別を当たり前であると、思い込んでしまっているのではないかと思っています」と。また、「子ども基本条例で尊重されるこどもに、国籍は関係ないと言えない都に、恐ろしさを感じました」と言っていました。
  これは非常に重い言葉です。都は、この当事者の言葉を重く受け止めるべきです。そして、朝鮮人学校に対する補助金を再開するべきです。

令和6年第一回都議会定例会
福手ゆう子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 朝鮮学校の子どもたちの権利について
  1 予算特別委員会の質疑において、国籍を問う質問に対する答弁で「条例の理念と施策の性質を踏まえて判断されるべきもの」と答えたことは、「全ての子どもが誰一人取り残されることなく」と条例に規定されている事と大きく矛盾しているが、見解を伺う。

回答
  東京都こども基本条例第1条においては、「この条例は、こどもの笑顔があふれる社会の実現に向けた基本理念及び東京都が取り組むべき施策の基本となる事項を定めることにより、こどもの健やかな成長に寄与することを目的とする。」と規定されているものと認識しており、施策の実施に当たっては、東京都こども基本条例の理念と施策の性質を踏まえ、判断されるべきものと考えています。

質問事項
 一の2 子どもの権利条約に、こどものあらゆる差別の禁止とある。国際社会では、政治的な理由でこどもを差別することは認められていないが、認識を伺う。

回答
  東京都こども基本条例の前文において、「こどもの権利条約では、こどもに対するあらゆる差別の禁止、こどもの最善の利益の確保、生命・生存・発達への権利及びこどもの意見の尊重を一般原則としている」と規定されているものと認識しています。

質問事項
 一の3 都は補助金を停止した際、どのような調査を行ったのか伺う。

回答
  平成23年12月から平成25年10月までの間、現地調査等を実施しました。

質問事項
 一の4 在日外国人であるこどもが、母語を学んだり、母国の文化や歴史を学ぶ民族教育は、子どもにとって重要だと考える。東京都こども基本条例の第8条(こどもの学び、成長への支援)に照らし、子どもの学ぶ権利について現状の認識を伺う。

回答
  東京都こども基本条例第8条に「こどもの学び、成長への支援」の規定もあり、子供の学びや成長への支援は重要です。

質問事項
 一の5 「こどもの最善の利益」を保障するには、こどもに国籍や民族、思想などは問われるか伺う。

回答
  東京都こども基本条例に規定されている子供とは、全ての子供であると認識しています。

質問事項
 一の6 「都民の理解がえられない」という言葉は朝鮮学校のこどもたちに対するヘイトだという都民の声があるが、受けとめを伺う。

回答
  本邦外出身者に対する不当な差別的言動については、人権尊重条例第8条に規定しております。

質問事項
 一の7 こどもが「自分も一人の人間として大切にされている」と実感することが重要とされているが、朝鮮学校のこどもたちは昨年3月に渡した「こどもたちの声」には、「日本人の中には私たちに対して嫌な感情を持っている人が多い」「朝鮮だからといじめられたり、朝鮮語を話しているだけで人々の目が鋭くなり悪く言われる時もある」「ミサイルの報道などで差別され心ない言葉を受けた」などの差別と偏見を受けるこどもたちの声がある。人権尊重条例の理念について都の認識を伺う。

回答
  人権尊重の理念が広く都民等に一層浸透していくことは重要であると認識しています。

質問事項
 一の8 朝鮮学校の子どもたちに対して行われている差別を知っていながら、放置し続けていることが、在日朝鮮人や朝鮮学校への差別を助長することに繋がっているが、都はこれをどう解決するのか伺う。

回答
  人権尊重条例の理念に基づき、引き続き、様々な機会を捉えた効果的な啓発を行っていきます。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 五十嵐えり

質問事項
 一 石神井川上流地下調節池の費用便益分析の問題について
 二 東京都青少年健全育成条例について

一 石神井川上流地下調節池の費用便益分析の問題について
  石神井川上流地下調節池は、石神井川河川整備計画に位置付けられた、年超過確率20分の1の規模の降雨に対応する施設で、南町調節池と溜渕橋から上柳沢橋間から洪水を取水する総容量約30万立米の施設である。約10年間の工事期間をかけて、令和6年度予算概要には事業費「1,073億円」と記載されている。東京都は、国交省治水経済調査マニュアルに反した独自の手法を用いて、「費用887億円、便益1,154億円、B/Cは1.31」とする資料を作成し、令和5年11月27日の河川整備計画策定専門家委員会に対して提出していた。
 1 東京都は令和5年1月の武蔵野市民への住民説明会において「600億円」と説明したが、その5日後に東京都は「989億円」と公表した。なぜ、都は令和5年1月の時点で「989億円」と認識していたにも関わらず、武蔵野市民に対して「600億円」と説明したのか。
 2 都は、令和5年1月の住民説明会の議事録は北多摩南部建設事務所のホームページに掲載したが、令和6年2月の住民説明会については配布資料の掲載はあるが議事録の掲載がない。住民に対して都はどのような説明をしたのかが分かるよう、早急に議事録も掲載すべきと考えるが、見解を伺う。
 3 住民説明会での議事録に関し、発言者が議事録の内容が自分の発言と異なると指摘して修正を求めている。都は、早急に発言者からの申し出に沿うよう議事録を修正すべきと考えるが、見解を伺う。
 4 東京都が費用便益分析に用いた資料は、私に提供した資料4点の他にはあるのか。開示請求手続きにおいて、「費用便益分析の算出根拠(石神井川上流地下調節池)」と記載したのに、被害試算の根拠たる「氾濫図」を提供しなかったことは非常に問題であると考える。他にも同様の資料があるのか、算出根拠として関連する一切の資料を要求しているが、現時点でもう1か月ほど回答がない。有無を伺う。
 5 令和5年1月27日公表の令和5年度予算989億円、令和5年11月27日の河川整備計画策定専門家委員会877億円、令和6年1月26日公表の令和6年度予算1,073億円、それぞれについて、調節池の維持費4.9億円50年間分を含むのか、示されたい。
 6 令和5年11月27日河川整備計画策定専門家委員会において、都は委員に対し、石神井川上流地下調節池の「B/C1.31」の算出の根拠たる被害額の試算や氾濫図等を提供して、説明したのか。
 7 都は国交省に対し、国の採択にあたり、B/Cの算出根拠を説明したのか。どのように説明したのか、内容を伺う。
 8 東京都は、令和5年11月27日付「石神井川上流地下調節池の整備事業について」との河川整備計画策定専門家委員会に提出した資料の中で、2分の1から10分の1の2ケースのみを想定して、年間平均被害軽減期待額を「85.4億円」とした。この根拠を伺う。
 9 算出根拠資料のうち「基礎数量・資産額・被害額」という資料があるが、「case1-1」と「case1-2」とはそれぞれどういう場合を想定したものか。
 10 算出根拠資料のうち「基礎数量・資産額・被害額」のうちcase1-2の被害額がゼロになる最小の超過確率はいくつか。
 11 国交省の「治水経済調査マニュアル(以下「国交省マニュアル」という)」では被害額の計算を6ケース程度設定することを想定している。東京都は2ケースしかやっていない理由として、令和6年3月14日の予算特別委員会での答弁では、「左に行くに従って等比級数的に上がる」旨説明した。427億円は高額であり、都の説明の通り、金額も左側は等比級数的に上がっていくはずである。にもかかわらず、都は被害0円から427億円の平均をとった。なぜ、都は2ケースの計算なのか、詳細に理由を示されたい。
 12 算出根拠資料の「基礎数量・資産額・被害額」のうち、超過確率10分の1の場合に生じる被害として、調節池があった場合のcase1-2について、約616億円の被害が出ると試算している。この被害は、どんな被害か。川の溢󠄀水氾濫か、内水氾濫も含むのか。
 13 他の調節池事業で、費用便益分析した事業はあるか。ある場合は何か。他の都の公共事業についてはどうか。
 14 国交省マニュアルでは「洪水波形は、基本高水等の検討において設定された代表洪水の中から次の事項に配慮して設定する。…著名な水害で、できるだけ近年のもの」(27頁)とある。本件の費用便益分析においては、氾濫図を元にしたシミュレーションとして被害額を算出しており、近年の著名な水害に配慮していないため、過大な被害想定がなされている。東京都は、石神井川についての「著名な水害」をどの事案と認識しているか。具体的に示されたい。
 15 被害額の計算において無害流量を超過確率2分の1、時間雨量40ミリを設定している。この設定は超過確率3分の1、時間雨量50ミリでは溢󠄀水被害が生じるという解釈となる。時間雨量50ミリの降雨時の石神井川上流域の溢󠄀水氾濫の近年の履歴を示されたい。
 16 都は令和6年3月14日の予算特別委員会で本事業について「都民の命」を守ると説明している。都は、計画雨量を上回る豪雨による溢󠄀水があった場合に地下室やアンダーパスがない石神井川上流のどこで「都民の命」が失われる可能性があると認識しているのか。危険な地域を挙げる等して具体的に示されたい。
 17 時間最大雨量153ミリを想定したハザードマップの浸水エリアよりも65ミリの氾濫図のエリアの方が広い。令和6年3月14日の予算特別委員会での答弁では「目的が違っている」ことが理由として挙げていたが、何故、作成目的が違うと65ミリの氾濫図の浸水エリアの方が広くなるのか。むしろ、ハザードマップが答弁の通り、住民の避難のために作られたのであれば、ハザードマップのほうが広くなると思われるが、見解を伺う。
 18 本事業の計画の基とした「東京都内の中小河川における今後の整備のあり方について 最終報告書(平成24年11月)」によると、平成17年9月豪雨では中野区等の区部西部全体で時間雨量と24時間の双方で中小河川の計画雨量を上回り」(17頁)との記載がある。計画雨量を上回った降雨量でも南町調節池が溢󠄀水していないという事実は、本事業がなくとも計画雨量に対する調整池の容量は足りているということである。それにもかかわらずに、本事業を行う理由はなにか。具体的に示されたい。
 19 上記の最終報告書32頁にも「〔8〕実績降雨時の溢󠄀水解消効果から見た検討」として「都内中小河川流域に浸水被害をもたらした既往の降雨を対象に、整備水準ごとの溢󠄀水被害の解消効果を検討する」と記載されている。報告書の方法に基づいた計算となっていないのは何故か。
 20 上記の最終報告書50頁の「図3.16 整備水準ごとの年平均浸水解消数による整備効果の比較」では、多摩部時間65ミリの降雨があったときに都内台地部を流れる中小河川全体の年平均被害解消額が1,000億円と図示している。本事業による被害軽減額を427億円としているが、都内の中小河川全体の年平均被害解消額の4割以上が石神井川上流の氾濫防止によるものということになる。南町調節池が氾濫した履歴がない中で、これは極めて不自然と思われるが、見解を伺う。
 21 国交省マニュアル81頁では、「巻末に示す様式に従って、費用便益分析に用いたデータおよび計算手法は原則として公表するものとする」とし、年平均被害軽減期待額の算定は複数ケースの被害額の計算を行う様式が示されている。しかし、都は2ケースのみでこの様式に反している。なぜ、都は、この様式に反する方法で計算を行ったのか。
 22 国交省マニュアルでは「費用便益分析に用いたデータ及び計算手法は原則として公表するものとする」(81頁)とある。しかし、東京都は、費用便益分析に用いたデータ及び計算手法を公表していない。都は、早急に運用を改め、東京都建設局のホームページで「費用便益分析に用いたデータ及び計算手法」を公表すべきだが、見解を伺う。
 23 令和6年3月14日都議会予算特別委員会において、費用便益分析の根拠について「現在公表のあり方を検討しているところ」と答弁があった。これは公表するということか、説明されたい。
 24 都は費用便益分析の算出根拠の非公表の理由として「(都民に)説明が必要だから」の旨を答弁したが、説明が必要のために非公表とはいかなる法的根拠に基づくものか。都民が見てもわからないという理由で公表すべき資料を非公表とするのは問題ではないか、見解を伺う。
 25 東京都は国の補助採択がなかった場合にも、「水害から都民の命とくらしを守るため、本事業を実施する」と回答している。B/Cが1を下回る公共事業に合理性はないはずだが、国からの補助がなくても実施するということか。
 26 東京都の算出根拠の資料によると、石神井川上流地下調節池を10年かけて1,073億円で整備しても、10年に1度の規模の65ミリの雨で石神井川が氾濫し、616億円の被害が生じることになる。他の政策を差し置いて、この事業に投資する在り方として適切なのか、見解を伺う。

二 東京都青少年健全育成条例について
  東京都青少年健全育成条例に基づく東京都青少年健全育成審議会において、条例施行後から現在までに、審査された図書の数及び審査の結果「不健全図書」として指定された図書の数をそれぞれ伺う。なお、施行後全ての数を上げられない場合は、その理由と根拠法令を伺う。

令和6年第一回都議会定例会
五十嵐えり議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 石神井川上流地下調節池の費用便益分析の問題について
  1 都は令和5年1月の武蔵野市民への住民説明会において「600億円」と説明したが、その5日後に東京都は「989億円」と公表した。なぜ、都は令和5年1月の時点で「989億円」と認識していたにも関わらず、武蔵野市民に対して「600億円」と説明したのか伺う。

回答
  事業費については、設計の進捗や、その時点の資材価格等を踏まえて適切に算出しており、トンネルや立坑などの構造がほぼ決まった段階での事業費は、989億円であり、令和5年1月末に公表しています。
  なお、同年1月の説明会で住民から質問された際には、公表前であったため、概略計画に基づく事業費として約600億円と回答しています。

質問事項
 一の2 都は、令和5年1月の住民説明会の議事録は北多摩南部建設事務所のホームページに掲載したが、令和6年2月の住民説明会については配布資料の掲載はあるが議事録の掲載がない。住民に対して都はどのような説明をしたのかが分かるよう、早急に議事録も掲載すべきだが、見解を伺う。

回答
  令和6年2月の工事説明会の議事要旨については、同年4月にホームページに掲載しました。

質問事項
 一の3 住民説明会での議事録に関し、発言者が議事録の内容が自分の発言と異なると指摘して修正を求めている。早急に発言者からの申し出に沿うよう議事録を修正すべきだが、見解を伺う。

回答
  掲載している議事要旨は、説明会での主な意見や質問の趣旨を踏まえ、取りまとめたものです。

質問事項
 一の4 東京都が費用便益分析に用いた資料は、私に提供した資料4点の他にはあるのか。開示請求手続きにおいて、「費用便益分析の算出根拠(石神井川上流地下調節池)」と記載したのに、被害試算の根拠たる「氾濫図」を提供しなかったことは非常に問題であると考える。他にも同様の資料があるのか、有無を伺う。

回答
  開示請求については、東京都情報公開条例に基づき適切に対応しています。
  国の「治水経済調査マニュアル(案)」における費用便益分析の算定に必要な資料は、既に提出済みです。

質問事項
 一の5 令和5年1月27日公表の令和5年度予算989億円、令和5年11月27日の河川整備計画策定専門家委員会877億円、令和6年1月26日公表の令和6年度予算1,073億円、それぞれについて、調節池の維持費4.9億円50年間分を含むのか、伺う。

回答
  989億円は、トンネルや立坑などの構造がほぼ決まった段階の事業費で、1,073億円は、その後のトンネルを構成する主要資材の価格上昇を反映した事業費であり、これらには維持管理費は含まれていません。
  また、877億円は、費用便益分析に用いる費用であり、建設費と50年間分の維持管理費を、工事着手時点の令和5年度の価値に換算し、合計した金額となっています。

質問事項
 一の6 令和5年11月27日河川整備計画策定専門家委員会において、都は委員に対し、石神井川上流地下調節池の「B/C1.31」の算出の根拠たる被害額の試算や氾濫図等を提供して、説明したのか伺う。

回答
  令和5年11月27日の第17回河川整備計画策定専門家委員会では、石神井川上流地下調節池の事業概要などを含めて説明し、その際の資料はホームページで公開しています。

質問事項
 一の7 都は国交省に対し、国の採択にあたり、B/Cの算出根拠を説明したのか。どのように説明したのか、内容を伺う。

回答
  石神井川上流地下調節池の事業概要などを含めて、費用と便益及び費用対効果を説明しました。

質問事項
 一の8 東京都は令和5年11月27日付「石神井川上流地下調節池の整備事業について」との河川整備計画策定専門家委員会に提出した資料の中で、2分の1から10分の1の2ケースのみを想定して、年間平均被害軽減期待額を「85.4億円」とした。この根拠を伺う。

回答
  年平均被害軽減期待額である85.4億円は、「治水経済調査マニュアル(案)」に沿って洪水の発生確率を2分の1と10分の1との二つのケースを設定し、それぞれについて調節池の有無による洪水の被害額の差を求め、その平均値に、発生確率の差を乗じて算定したものです。

質問事項
 一の9 算出根拠資料のうち「基礎数量・資産額・被害額」という資料があるが、「case1-1」と「case1-2」とはそれぞれどういう場合を想定したものか伺う。

回答
  「case1-1」は調節池を整備しない場合、「case1-2」は調節池を整備した場合を想定したものです。

質問事項
 一の10 算出根拠資料のうち「基礎数量・資産額・被害額」のうちcase1-2の被害額がゼロになる最小の超過確率はいくつか伺う。

回答
  case1-2の被害額がゼロになる年超過確率は、今回の費用便益分析には必要がないため求めていません。

質問事項
 一の11 国交省の「治水経済調査マニュアル」では被害額の計算を6ケース程度設定することを想定しており、東京都は2ケースしかやっていない理由として、令和6年3月14日の予算特別委員会での答弁では、「左に行くに従って等比級数的に上がる」旨説明した。427億円は高額であり、都の説明の通り、金額も左側は等比級数的に上がっていくはずだが、都は被害0円から427億円の平均をとった。なぜ、都は2ケースの計算なのか、伺う。

回答
  今回の費用便益分析に用いた降雨の確率は、「治水経済調査マニュアル(案)」に照らして2ケースで十分であると考えています。

質問事項
 一の12 算出根拠資料の「基礎数量・資産額・被害額」のうち、超過確率10分の1の場合に生じる被害として、調節池があった場合のcase1-2について、約616億円の被害が出ると試算している。この被害は、どんな被害か。川の溢水氾濫か、内水氾濫も含むのか伺う。

回答
  「治水経済調査マニュアル(案)」に沿って求めた被害は、洪水時の溢(いっ)水氾濫によるものを想定しています。

質問事項
 一の13 他の調節池事業で、費用便益分析した事業はあるか。ある場合は何か。他の都の公共事業についてはどうか伺う。

回答
  国庫補助申請を行った個別の調節池事業で費用便益分析を行った事例は他にありません。
  事業の効率性及び実施過程の透明性の一層の向上を目的として、建設局では事業評価委員会を開催しており、この委員会において対象となった事業について、費用便益分析を実施しております。

質問事項
 一の14 本件の費用便益分析においては、氾濫図を元にしたシミュレーションとして被害額を算出しており、近年の著名な水害に配慮していないため、過大な被害想定がなされているが、石神井川についての「著名な水害」をどの事案と認識しているか伺う。

回答
  「治水経済調査マニュアル(案)」によると、費用便益分析における洪水波形の設定に当たって、「河川管理施設等の設計対象洪水となっているもの」「著名な水害で、できるだけ近年のもの」「氾濫ボリュームが大きい等想定被害額が大きくなるもの」の3点に配慮するとされており、このうち本事業では、中小河川における都の整備方針を踏まえて、「河川管理施設等の設計対象洪水となっているもの」を採用しています。
  なお、石神井川における主な水害は、河川整備計画に掲載しています。

質問事項
 一の15 被害額の計算において無害流量を超過確率2分の1、時間雨量40ミリを設定している。この設定は超過確率3分の1、時間雨量50ミリでは溢水被害が生じるという解釈となる。時間雨量50ミリの降雨時の石神井川上流域の溢水氾濫の近年の履歴を伺う。

回答
  石神井川においては、時間50ミリを超える降雨により、平成17年及び22年に溢(いっ)水氾濫が発生しています。
  なお、費用便益分析に用いる降雨は計画降雨であり、実績降雨とは異なります。

質問事項
 一の16 都は、計画雨量を上回る豪雨による溢水水があった場合に地下室やアンダーパスがない石神井川上流のどこで「都民の命」が失われる可能性があると認識しているのか。危険な地域を挙げる等して具体的に伺う。

回答
  都では、都民の迅速な避難に資するため、想定し得る最大規模の降雨による「浸水予想区域図」を作成し、浸水範囲や浸水深などの水害リスクを公表しています。
  なお、浸水予想区域図を基に区市町村が作成するハザードマップには、アンダーパスなどの危険となる箇所を表示しています。

質問事項
 一の17 時間最大雨量153ミリを想定したハザードマップの浸水エリアよりも65ミリの氾濫図のエリアの方が広い。令和6年3月14日の予算特別委員会での答弁では「目的が違っている」ことが理由として挙げていたが、何故、作成目的が違うと65ミリの氾濫図の浸水エリアの方が広くなるのか。むしろ、ハザードマップが答弁の通り、住民の避難のために作られたのであれば、ハザードマップのほうが広くなると思われるが、見解を伺う。

回答
  氾濫図は、費用便益分析を実施することを目的として、「治水経済調査マニュアル(案)」に沿って氾濫解析を行い、その結果を確認するために作成したものです。

質問事項
 一の18 計画雨量を上回った降雨量でも南町調節池が溢水していないという事実は、本事業がなくとも計画雨量に対する調整池の容量は足りているということだが、それにもかかわらずに、本事業を行う理由はなにか伺う。

回答
  都内において、時間50ミリを超える降雨に伴う水害が発生していることから、平成24年に中小河川における都の整備方針を策定し、石神井川では、目標降雨を年超過確率20分の1の規模、時間75ミリに設定しました。
  これを受け、平成28年3月に、石神井川河川整備計画を改定し、新たな調節池を複数位置付けました。
  石神井川では、過去に浸水被害が発生しており、また気候変動により降雨量の増加が見込まれます。地域の治水安全度を早期に高めるためには、石神井川上流地下調節池の整備が必要です。

質問事項
 一の19 上記の最終報告書32頁にも「〔8〕実績降雨時の溢水解消効果から見た検討」として「都内中小河川流域に浸水被害をもたらした既往の降雨を対象に、整備水準ごとの溢水被害の解消効果を検討する」と記載されている。報告書の方法に基づいた計算となっていないのは何故か伺う。

回答
  「〔8〕実績降雨時の溢水解消効果から見た検討」は、平成24年に策定した「東京都内の中小河川における今後の整備のあり方について 最終報告
 書」において、都内の中小河川における目標整備水準の設定をするための検討項目です。
  今回の費用便益分析は、「治水経済調査マニュアル(案)」に沿って算出しています。

質問事項
 一の20 本事業による被害軽減額を427億円としているが、都内の中小河川全体の年平均被害解消額の4割以上が石神井川上流の氾濫防止によるものということになる。南町調節池が氾濫した履歴がない中で、これは極めて不自然だが、見解を伺う。

回答
  「東京都内の中小河川における今後の整備のあり方について 最終報告書」では、「整備水準ごとの年平均浸水被害解消数による整備効果の比
 較」の年平均被害解消額1,000億円とされている。これは、時間50ミリの施設が全て完成した条件で、年超過確率20分の1規模である区部時間75ミリの降雨による被害を元に試算したものであり、今回の費用便益分析の条件とは異なるものです。
  また、石神井川上流地下調節池による被害軽減額は、427億円であり、年平均被害軽減期待額は、85.4億円です。

質問事項
 一の21 国交省マニュアル81頁では、「巻末に示す様式に従って、費用便益分析に用いたデータおよび計算手法は原則として公表するものとす
  る」とし、年平均被害軽減期待額の算定は複数ケースの被害額の計算を行う様式が示されている。しかし、都は2ケースのみでこの様式に反している。なぜ、都は、この様式に反する方法で計算を行ったのか伺う。

回答
  費用便益分析における年平均被害軽減期待額については、「治水経済調査マニュアル(案)」の様式に沿って作成しています。

質問事項
 一の22 都は、早急に運用を改め、東京都建設局のホームページで「費用便益分析に用いたデータ及び計算手法」を公表すべきだが、見解を伺う。

回答
  本事業の費用便益分析の結果についてはすでに公表しており、費用便益分析の詳細については内容が専門的であり、説明が必要であるため、現在、公表の在り方を検討しています。

質問事項
 一の23 令和6年3月14日都議会予算特別委員会において、費用便益分析の根拠について「現在公表のあり方を検討しているところ」と答弁があった。これは公表するということか、伺う。

回答
  費用便益分析の詳細については内容が専門的であり、説明が必要であるため、現在、公表の在り方を検討しています。

質問事項
 一の24 都は費用便益分析の算出根拠の非公表の理由として「(都民に)説明が必要だから」の旨を答弁したが、説明が必要のために非公表とはいかなる法的根拠に基づくものか。都民が見てもわからないという理由で公表すべき資料を非公表とするのは問題ではないか、見解を伺う。

回答
  費用便益分析の詳細については内容が専門的であり、説明が必要であるため、現在、公表の在り方を検討しています。

質問事項
 一の25 都は国の補助採択がなかった場合にも、「水害から都民の命とくらしを守るため、本事業を実施する」と回答している。B/Cが1を下回る公共事業に合理性はないはずだが、国からの補助がなくても実施するということか伺う。

回答
  石神井川では、過去に浸水被害が発生しており、また気候変動により降雨量の増加が見込まれます。地域の治水安全度を早期に高めるためには、石神井川上流地下調節池の整備が必要です。

質問事項
 一の26 東京都の算出根拠の資料によると、石神井川上流地下調節池を10年かけて1,073億円で整備しても、10年に1度の規模の65ミリの雨で石神井川が氾濫し、616億円の被害が生じることになる。他の政策を差し置いて、この事業に投資する在り方として適切なのか、見解を伺う。

回答
  都内において、時間50ミリを超える降雨に伴う水害が発生していることから、平成24年に中小河川における都の整備方針を策定し、石神井川では、目標降雨を年超過確率20分の1の規模、時間75ミリに設定しました。
  これを受け、平成28年3月に、石神井川河川整備計画を改定し、新たな調節池を複数位置付けました。
  石神井川では、過去に浸水被害が発生しており、また気候変動により降雨量の増加が見込まれます。地域の治水安全度を早期に高めるためには、石神井川上流地下調節池の整備が必要です。

質問事項
 二 東京都青少年健全育成条例について
   東京都青少年健全育成条例に基づく東京都青少年健全育成審議会において、条例施行後から現在までに、審査された図書の数及び審査の結果「不健全図書」として指定された図書の数をそれぞれ伺う。なお、施行後全ての数を上げられない場合は、その理由と根拠法令を伺う。

回答
  東京都青少年健全育成審議会への諮問図書類等に関する文書の保存年限は、東京都文書管理規則に基づき3年と定めており、これを超える文書は廃棄しています。
  令和2年4月から令和6年3月までに45冊を審議会に諮問し、審議の結果、全て指定することが適当であるとの答申がありました。それを受け、同期間に指定した図書は45冊となっています。
  なお、指定した図書は、「指定番号」で管理しており、昭和39年の条例施行時から、令和6年3月までで4,349冊となっています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 須山たかし

質問事項
 一 富士山噴火対策について

一 富士山噴火対策について
 1 都議会立憲民主党は、富士山大噴火の火山灰で、電車は運行停止、道路は通行不能、下水管が詰まり、停電するなど、首都機能麻痺の恐れがあることから、対策を求めてきました。
   令和4年の予算特別委員会では、中村議員の「噴火の被害を最小限に抑える備えを万全に」との提案に、知事より「必要な対策を検討していく」との答弁を頂きました。
   その言葉どおり、富士山噴火降灰対策検討会が設置され、昨年末、東京都の大規模噴火降灰対応指針を策定、大規模降灰に備えた7つの到達目標、ハードソフト両面の対策が示されました。短期、中長期、国への要望に分けて取組みを示しており、大変わかりやすく、評価する。
   富士山噴火対策に係る総務局としての予算の計上状況と、到達目標の実現に向けた来年度予算の位置づけ・進捗管理について伺う。
 2 指針において短期的な取組みとして位置づけられた、除灰や道路啓開に必要な資器材、備蓄等が予算化されており、進捗が見られる。
   内閣府の検討委員会のシミュレーションでは、私の地元八王子でも、風向きによっては8センチメートルから16センチメートルも積もるとされている。灰が1ミリメートル積もると一般的な車(2輪駆動車)は時速30キロメートルでしか走れず、10センチメートルで走れなくなるとのこと。
   実際、2011年の霧島連山新燃岳噴火では、数ミリメートルから数センチメートルの火山灰堆積でスリップ事故が相次いだと報じられている。雨が降れば3センチメートルでも一般的な車は走れないとのことであり、都市機能を維持するため、道路啓開に万全の体制を整えなければならない。
   まずは指針において短期的取組みとされている部分、道路啓開態勢の構築、応急復旧策の明確化など、早期の道路啓開に向けての備えを万全にする必要があるが、どのように取組んでいくのか。

令和6年第一回都議会定例会
須山たかし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 富士山噴火対策について
  1 富士山噴火対策に係る総務局としての予算の計上状況と、到達目標の実現に向けた来年度予算の位置づけ・進捗管理について伺う。

回答
  都は、令和5年12月に公表した「大規模噴火降灰対応指針」を踏まえ、地域防災計画火山編を修正するとともに、CG動画等を活用した都民向け広報を実施するために、令和6年度予算で約8千万円を計上しています。
  現在国は、火山灰の処分方法や降灰情報の収集方法などについて検討しており、都は、その結果等も踏まえながら、富士山噴火時の降灰に係る取組を進めることとしています。

質問事項
 一の2 まずは指針において短期的取組みとされている部分、道路啓開態勢の構築、応急復旧策の明確化など早期の道路啓開に向けての備えを万全にするべきだが、どのように取組んでいくのか伺う。

回答
  道路啓開については、引き続き、関係機関と連携し、「大規模噴火降灰対応指針」に基づき、優先除灰道路等について検討を実施していきます。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原のり子

質問事項
 一 「アクティブChojuプロジェクト」について
 二 黒目川への油流出問題について

一 「アクティブChojuプロジェクト」について
  知事は、2024年第1回定例会の施政方針表明において、「高齢者が自分らしく活躍し、不安なく生活できるよう、『アクティブChojuプロジェクト』を展開します」と述べました。そして、その冒頭で、「6月に『プラチナ・キャリアセンター』を虎ノ門に開設し、意欲あるシニア層が、人材不足に悩む中小企業で自らのスキルを活かせるよう支援します。また、都が発祥のシルバー人材センターにつきまして、多様な職種や分野の新規求人先を開拓するなど、時代の変化に合わせて活性化を図っていきます」と述べました。ほかにも、高齢者の住まいの問題、認知症、介護・看護人材の確保などについて述べられています。
  高齢者が自分らしく活躍し、不安なく生活できるようにしていくことは重要ですが、問題は、それを高齢者の自己責任にせず、都としてどういう支援をしていくかです。「アクティブChojuプロジェクト」がそういう内容になるのか、いくつか確認します。
 1 プラチナ・キャリアセンターのねらい、内容、対象者はどういうものですか。
 2 プラチナ・キャリアセンターの予算額、その内訳、運営主体についてうかがいます。
 3 プラチナ・キャリアセンターとシルバー人材センターは、競合はしないのですか。
 4 シルバー人材センターは、区市町村単位に置かれ、国や地方公共団体の高齢社会対策を支える重要な組織として、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」にもとづいて事業を行う、都道府県知事の指定を受けた公益法人です。高年齢者が、はたらくことを通じて生きがいを得るとともに、地域社会の活性化に貢献する組織です。
   知事の施政方針では、「多様な職種や分野の新規求人先を開拓するなど、時代の変化にあわせて活性化」と述べられましたが、シルバー人材センターの目的と役割をどのようにとらえていますか。
 5 シルバー人材センターの登録会員が生きがいをもって働くことができるように、事故防止のための対策は欠かせません。会員の健康管理やフレイル予防などの研修や講習が重要です。こうしたことへの支援が必要ではないですか。
 6 シルバー人材センターは、昨年10月からのインボイス制度施行に伴い、就業した会員の配分金に含まれている消費税の支払い義務がセンターに課せられることになりました。いわゆるフリーランス法が施行されると、従来の請負契約から新契約への移行により消費税負担は無くなるが、それまでの間は消費税の負担が生じます。あるセンターでは、経過措置があってもなお、2023年度下半期と2024年度分で1,000万円の負担になると話します。それについては、自己財源より負担しなければなりません。
   さらに、フリーランス法で新契約へ移行することに伴い、会員一人ひとりへの就業条件の明示や、スマホ等を活用するための会員への操作研修やシステム変更の費用などが負担となります。制度変更にともなう、職員人件費、OA機器の購入や各種研修の外部講師委託費用などについて、都としては、どのような支援をすすめるのですか。
 7 あるシルバー人材センターの職員は、「新契約になっても顔の見える関係を大事にしたい。会員さんの話しを聞くことが大切な仕事。それがシルバーの存在意義」と話します。知事は、東京都発祥のシルバー人材センターだと強調されました。単に仕事をあっせんするのがシルバーではありません。地域に根差し、ボランティア活動も含めさまざまな地域貢献をしています。今後、都としてどのような支援をすすめていきますか。

二 黒目川への油流出問題について
  東久留米市を流れる一級河川、黒目川に油が流出する問題がひんぱんに起きています。昨年の6月23日は降馬橋近くの雨水溝から大量の廃油が流出、12月6日、2月19日、3月16日は楊柳川と黒目川の合流点に油が流出していました。住民の方が発見しています。昨年の6月23日の場合は、廃油を入れていたドラム缶を外に出していたため、そこに雨が流れ込んで漏出し、それを事業者が流してしまったことが原因だとわかり、事業者への注意と管の清掃がおこなわれました。東久留米市では、市の広報で、注意喚起の記事を掲載しました。しかし、その他の3回は原因がわかりません。きちんと原因を究明し、再発防止の注意喚起が必要です。
  この場所は、湧水点にもなっています。黒目川は、鳥も多く飛来し、希少な生物、植物が生きている貴重な川です。将来に引き継いでいくために、以下質問します。
 1 黒目川の管理は都の責任ですが、河川監察はどのぐらいの頻度でおこなっていますか。そのなかで、今年度は、どのような課題があり、どのように対応しましたか。
 2 6月23日の油流出後、東久留米市では広報で注意喚起の記事を載せましたが、東京都としてはどのような注意喚起をおこないましたか。
 3 事故が起きた場合の原因究明、事故現場の対策、原因元への指導などは、都と市の責任の所在はどのようになっていますか。
 4 住民の方が通報した12月、2月の油流出については把握していましたか。どのような対応をされましたか。
 5 原因究明すべきですが、現在どのような対応をされていますか。
 6 東久留米市議会でも議論されていて、そのなかで、「灯油のようなにおいがあった」ということも言われています。黒目川と落合川の間を流れる楊柳川は黒目川の支流です。楊柳川に油が流れ込んだ可能性もありますが、この場合の原因究明と対策の責任の所在を明らかにしてください。
 7 河川の環境を守るために、都としても、頻発している油等の流出について注意喚起の広報をすることが必要だと思いますがいかがですか。

令和6年第一回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 「アクティブChojuプロジェクト」について
  1 プラチナ・キャリアセンターのねらい、内容、対象者はどういうものか伺う。

回答
  プラチナ・キャリアセンターでは、シニア世代の社員等が、その力を副業等を通じ新たな会社で生かすことができるよう、就業の後押しを行います。

質問事項
 一の2 プラチナ・キャリアセンターの予算額、その内訳、運営主体について伺う。

回答
  プラチナ・キャリアセンターの創設に関する令和6年度予算額は約4億6,600万円であり、その内訳として、開設に係る経費及び事業運営に係る経費を計上しています。施設の運営主体は東京しごと財団です。

質問事項
 一の3 プラチナ・キャリアセンターとシルバー人材センターは、競合はしないのか伺う。

回答
  プラチナ・キャリアセンターは、シニア世代の社員等が、その力を副業等を通じ新たな会社で生かすことを目的としています。
  シルバー人材センターは、会員に働く機会を提供することを通じて、会員の生きがいの充実や生活の安定、また、地域社会の発展や現役世代の下支えなどを推進することを目的としています。

質問事項
 一の4 知事の施政方針では、「多様な職種や分野の新規求人先を開拓するなど、時代の変化にあわせて活性化」と述べたが、シルバー人材センターの目的と役割をどのようにとらえているか伺う。

回答
  シルバー人材センターは、会員に働く機会を提供することを通じて、会員の生きがいの充実や生活の安定、また、地域社会の発展や現役世代の下支えなどを推進することを目的としています。

質問事項
 一の5 シルバー人材センターの登録会員が生きがいをもって働くことができるように、事故防止のための対策は欠かせない。会員の健康管理やフレイル予防などの研修や講習が重要であり、こうしたことへの支援が必要だが、見解を伺う。

回答
  都は、シルバー人材センターを支援する東京しごと財団と協力し、安全就業のための研修等を実施しています。

質問事項
 一の6 制度変更にともなう、職員人件費、OA機器の購入や各種研修の外部講師委託費用などについて、都としては、どのような支援をすすめるか伺う。

回答
  都は、シルバー人材センターが制度変更に伴う事務手続をデジタル技術により適切に進めることができるよう支援を行います。

質問事項
 一の7 知事は、東京都発祥のシルバー人材センターだと強調したが、単に仕事をあっせんするのがシルバーではない。地域に根差し、ボランティア活動も含めさまざまな地域貢献をしているが、今後、都としてどのような支援をすすめていくか伺う。

回答
  都は、令和6年度、シルバー人材センターが地域での新たな仕事の立上げに必要な支援を行います。

質問事項
 二 黒目川への油流出問題について
  1 黒目川の管理は都の責任だが、河川監察はどのぐらいの頻度でおこなっているか、そのなかで、今年度は、どのような課題があり、どのように対応したか伺う。

回答
  都における河川監察は、河川法、海岸法、砂防法、砂利採取法、地すべり等防止法、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律及び公有水面に関わる違法行為の取締り及び違反行為の排除を目的に、都管理河川において年1回以上行っています。この取締りの対象及び違反行為には、河川の水質を汚濁させる行為は含まれておりません。
  黒目川では、令和5年9月に河川監察を実施しましたが、違法及び違反行為はありませんでした。

質問事項
 二の2 6月23日の油流出後、東久留米市では広報で注意喚起の記事を載せたが、都としてはどのような注意喚起をおこなったか伺う。

回答
  都は、広域自治体として九都県市で連携し、油等を海や川に流さないよう普及啓発を行っています。

質問事項
 二の3 事故が起きた場合の原因究明、事故現場の対策、原因元への指導などは、都と市の責任の所在はどのようになっているか伺う。

回答
  水質事故発生時の状況把握、規制対象事業者への指導等は、都と区市町村が連携して行っています。

質問事項
 二の4 住民の方が通報した12月、2月の油流出については把握していたか。どのような対応をしたか伺う。

回答
  都は油流出を把握し、東久留米市と連携してオイルマットを設置して油の拡散防止及び回収を行いました。

質問事項
 二の5 原因究明すべきだが、現在どのような対応をしているか伺う。

回答
  東久留米市において原因の調査を実施しましたが、原因の特定には至らなかったと聞いています。

質問事項
 二の6 黒目川と落合川の間を流れる楊柳川は黒目川の支流であり、楊柳川に油が流れ込んだ可能性もあるが、この場合の原因究明と対策の責任の所在を伺う。

回答
  公共用水域に油が流出した場合には、都と市とが連携して状況把握や拡散防止措置等を実施します。

質問事項
 二の7 河川の環境を守るために、都としても、頻発している油等の流出について注意喚起の広報をするべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、広域自治体として九都県市で連携し、油等を海や川に流さないよう普及啓発を行っています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 藤田りょうこ

質問事項
 一 独法化した都立病院の休止病床の再開と行政的医療の実施について
 二 踏切の赤色せん光灯とバス停留所の安全対策について

一 独法化した都立病院の休止病床の再開と行政的医療の実施について
  今年の予算特別委員会の質疑では、都立14病院全体で稼働していない病棟の数は、工事に伴うものを除き、本年3月時点で19病棟、休止病床の数は629床であることがわかりました。
  また、独法化の効果としては、柔軟な人材確保や機動的な運用で、行政的医療をはじめとする質の高い医療を提供している、とも答弁しています。引き続き都立病院が、民間で担うことが難しい医療の提供に責任を持つためにも、休床となっている病床の運用ができるよう、職員体制の確保を進めることが必要です。
  ところが、予算特別委員会の保健医療局長の答弁では、すべての病床を稼働させるために必要な人員について質問したところ、「職員体制の状況や患者動向等を総合的に勘案して対応」と繰り返すのみで、具体の数については答弁されませんでした。
 1 2023年度中の、看護師の退職者数は何人でしたか。2024年4月1日就職の看護師は何人で、同日の現員は何人ですか。
 2 2024年度初めに看護師が欠員の都立病院はどこですか。各病院の欠員の人数についても伺います。
  都立小児総合医療センターは全体で約600床ですが、そのうち小児精神科の病床は202床です。14年前に、多くの保護者と都民の反対を押し切って、全国でも貴重な都立梅ケ丘病院を廃止し、小児総合医療センターへの統廃合を強行しました。そのことにより、当時264床あった小児精神科の病床は、約200床にまで減らされたのです。
  そしてさらに、小児精神科病棟は2病棟60床が休止されたままとなっています。
 3 独法化前の小児総合医療センターの小児精神科医の定数は何人ですか。また、今の小児精神科医の現員についても伺います。
 4 独法化前の小児総合医療センターの副院長の定員は何人ですか。院長と合わせて、どのような専門領域で構成してきたのかについても伺います。
 5 小児総合医療センターの小児精神科部長はいつからいないのですか。補充のめどはあるのですか。
  3月14日の予算特別委員会の質疑では、小児総合医療センターの運営協議会で、地域の医師会から、「不登校から鬱になるケースが増加しているが、府中市内には専門医がほとんどいない。」「摂食障害の患者さんについても都立小児に相談したが、入院適応でないから待ってほしいという結論であった。」「開業医レベルでもリストカットや自殺企図の対応を迫られている。入院まで行きつかない患者の対応もしてほしい。」など、切実な声が寄せられていることを紹介しました。
  しかし、保健医療局長は「地域の医療機関では対応困難な重症患者を確実に受け入れている」「地域医療機関との役割分担の下、連携体制を構築いたしまして」「行政的医療である児童精神科医療を着実に提供している」と強弁しました。
 6 都立小児総合医療センターの児童・思春期精神科では、初診までの待ち時間は、2013年2月1日現在は80日程度だと過去の厚生委員会で答弁がありました。現在はどのようになっていますか。
 7 開設当初、2010年度の小児総合医療センターの児童・思春期精神科の外来には、1,300名の20歳未満の新規患者が来ていましたが、昨年度は半減しています。なぜ、減ったのですか。
  責任ある立場の医師も含め、児童・思春期精神科の体制を抜本的に強化し、地域の医療機関では対応が難しい患者を確実に受け入れられるようにすべきです。運営協議会で出された意見に対し、責任を持って対応することを要望します。
  また、保健医療局長の答弁では、「小児総合医療センターの児童・思春期精神科では、子どもの健やかな成長などの観点から、可能な限り地域生活を経験できますよう、患者や保護者の意向も確認しながら入院期間を必要最小限にしている」という答弁もありました。
  しかし、そもそも梅ケ丘病院と小児総合医療センターでは、前提となる入院環境が大きく異なります。
 8 旧梅ケ丘病院では、院外に行くと言えば病院の敷地の外に行っていました。庭にも直接出られました。地元の商店街も温かく子どもたちを受け入れて、見守ってくれていて、体調が良くなってくれば商店街に買い物に行ったり、高校生なら商店街でアルバイトもさせてくれるなど、それ自体が、社会に出ていく、退院するにあたっての助走にもなっていました。児童・思春期精神科では、こうした地域に開かれた環境で入院できることが、子どもの健やかな成長の観点からも重要だと思うのですが、いかがですか。
  ところが、3つの小児病院の統廃合が進められる中、児童精神科は身体の分野とは別にすべきだということや、たとえ総合病院になったとしても、単独の施設であることが最低限必要だという病院の現場からの指摘がありましたが、それさえも守られませんでした。
  ゆったりとした環境が必要な児童精神科を、身体の急性期と一緒の病院施設にしてしまいました。小児総合医療センターの児童・思春期精神科は、ドアに鍵がかけられ、外にも自由には出られない環境になってしまいました。
  小児精神科医療は、対象となる子どもたちに対して、生活面でも安心できるように支えようとするならば、いつでもゆっくり入院できる環境が必要です。一方、その診療報酬や処遇は、実態とは大きくかけ離れた、極めて低い設定となっているため、行政的医療の中でも、確固たる方針をもって運営していかなければ、途端に患者や家族の行き場がなくなってしまう医療なのです。
  都は、梅ケ丘病院の廃止を強行した歴史に責任を持つ必要があります。
 9 都立梅ケ丘病院を小児総合医療センターに統廃合して14年が経ちます。その間、子どもたちを取り巻く環境はどう変化したのか。統廃合によって小児精神科医療はどうなったのか、閉鎖病棟のみにしたことは、子どもたちにどう影響しているのかなど、都として検証すべきと考えますが、いかがですか。
  貧困と格差が広がり、子どもの虐待相談対応件数が増加しています。子どもの自殺や不登校の人数も過去最高水準となっています。子どもが生きづらい社会に未来はありません。都立小児総合医療センターでは、そうした社会環境も見据えて、子どもたちが必要とする医療に責任を持つ体制整備を進めるよう、強く要望します。

二 踏切の赤色せん光灯とバス停留所の安全対策について
  聴覚に障害のある方が線路の踏切を渡る際、注意してみているのが「踏切警報灯」「赤色せん光灯」です。
 1 東京都交通局が運営する路線の踏切警報灯はいくつありますか。保守点検や、踏切警報灯の交換のタイミングはどうしているのですか。
  踏切警報灯は、一般的には車両の進行方向に対して通行車線側の路側に設置されている場合が多いため、歩行者が右側の歩道から踏切に進入するときは、多くの方が音で遮断機が下りることを認識しています。
  しかし、視覚情報に頼らざるを得ない聴覚障害者は、目の前の踏切警報灯で情報が得られない場合には、対角にある赤色せん光灯も見ようとしますが、実際には真横からでは見えにくく、かつ、車の通行などで遮られ、見えないこともあります。
  先日ある聴覚障害者から、「気が付いたら踏切内に閉じ込められていた」、というお話を伺いました。
 2 都営交通の踏切警報灯のうち、全方位の視認を確保した赤色せん光灯はいくつですか。全方位の視認性があることの重要性について伺います。
   現在、赤色せん光灯の視認方位には決まりが無いので、故障や老朽化などの問題がない場合には、視認方位が一方向のみの赤色せん光灯が残っている踏切も少なくありません。
   しかし、情報保障を進めていこうとしている今日において、本来は法律等で「原則全方位の視認を確保した赤色せん光灯にすること」とし、そのための財政措置も国や行政で行うべきです。
   情報コミュニケーション条例の検討を行っている都において、国に先駆けて障害者に安全なまちづくりを進めるべく、都営交通の路線においては、踏切警報灯をすべて全方位の視認を確保した赤色せん光灯に更新することを求めます。
  次に、バスの停留所の安全についてです。
  身近な交通手段となっている路線バスですが、近年の猛暑と高齢化等による要望として、ベンチと上屋の設置を求める声が多く寄せられています。
  都は、東京都交通局経営計画2022の中で、停留所の上屋とベンチについて、「バス停留所での待ち時間における負担感の軽減を図り、より一層都営バスを快適にご利用いただくため、上屋・ベンチの更新等を進めます。」とし、2017年度から2022年度までの5年間で、停留所の上屋を61か所、停留所のベンチを133か所増やしています。
 3 都は都営バスの停留所に上屋を設置することで、どのような負担感の軽減が図られると考えていますか。また、上屋を設置する上でどのような課題がありますか。
 4 都バスの停留所にベンチを設置することで、どのような負担感の軽減が図られると考えていますか。また、ベンチを設置する上でどのような課題がありますか。
  鉄道よりも路線数が多く、自宅から近くにある路線バスは、多くの高齢者の生活の足となっています。日中にはベビーカーで外出するにも便利な手段となっています。
 5 高齢者の外出を促進し、赤ちゃんや子ども連れの方でも安全に利用できるようにするためには、民営バスの停留所においても待ち時間の負担感の軽減を図ることが重要です。福祉のまちづくりの観点から、都として民間バス事業者に対し、バス停留所にベンチや上屋の設置促進を働きかける必要があると考えます。都の認識を伺います。

令和6年第一回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 独法化した都立病院の休止病床の再開と行政的医療の実施について
  1 2023年度中の、看護師の退職者数は何人か。2024年4月1日就職の看護師は何人で、同日の現員は何人か伺う。

回答
  都立病院の看護要員について、令和5年度の退職者数は493名、令和6年4月1日付けの採用者数は570名であり、同日の現員数は6,203.7名で前年同時期と比べ115.8名増加しています。

質問事項
 一の2 2024年度初めに看護師が欠員の都立病院はどこか。各病院の欠員の人数についても伺う。

回答
  都立病院機構では、都と同様の定数管理は行っていませんが、令和6年度予算における看護要員の人件費の積算基礎は、6,258名です。
  令和6年4月1日の看護要員の現員数を、積算基礎と比較した場合の職員数の多寡は患者動向などにより病院ごとに様々であり、病院数は7病院、14病院の現員数は54.3名、それぞれ下回っていますが、前年同月の現員数との比較では、115.8名増加しています。

質問事項
 一の3 独法化前の小児総合医療センターの小児精神科医の定数は何人か。また、今の小児精神科医の現員についても伺う。

回答
  小児総合医療センターの児童・思春期精神科医師について、独法化前の令和4年度の定数は11名、令和6年4月1日時点の現員数は12.8名です。

質問事項
 一の4 独法化前の小児総合医療センターの副院長の定員は何人か。院長と合わせて、どのような専門領域で構成してきたのか伺う。

回答
  独法化前の小児総合医療センターの副院長の定数は3名です。
  院長、副院長の専門領域に定めはなく、小児科や外科、精神科などの医師が務めており、副院長はそれぞれ、医療連携や医療人材、経営戦略等に係る業務を担当していました。

質問事項
 一の5 小児総合医療センターの小児精神科部長はいつからいないのか。補充のめどはあるのか伺う。

回答
  都立病院の診療科には、責任者を適切に配置しており、小児総合医療センターの児童・思春期精神科においては部長又は医長が務めています。

質問事項
 一の6 都立小児総合医療センターの児童・思春期精神科では、初診までの待ち時間は、2013年2月1日現在は80日程度だと過去の厚生委員会で答弁があったが、現在はどのようになっているか伺う。

回答
  小児総合医療センターの児童・思春期精神科は、原則として、かかりつけ医等からの紹介に基づき、地域の医療機関では対応が困難な重症患者を中心に治療を行っており、初診までの待ち日数も、緊急度や重症度により異なります。
  小児総合医療センターのホームページでは、児童・思春期精神科外来の初診までの待ち日数の目安として、早期入院を要するような緊急度、重症度の高い方は1か月程度、中程度の方は2か月程度、他の方と比べて相対的に緊急度の低い方は3か月程度と案内しています。
  なお、極めて緊急度の高いケースはおおむね1週間以内に診察しているほか、急性精神病や拒食、希死念慮などの症状や状態にあるとかかりつけ医が判断した場合は、即日から数日以内に入院受入れを行っています。

質問事項
 一の7 開設当初、2010年度の小児総合医療センターの児童・思春期精神科の外来には、1,300名の20歳未満の新規患者が来ていたが、昨年度は半減している。なぜ、減ったのか伺う。

回答
  小児総合医療センターの児童・思春期精神科の外来では、地域の医療機関等との適切な役割分担の下、かかりつけ医等からの紹介に基づき、地域の医療機関では対応が困難な重症患者を中心に治療を行っています。

質問事項
 一の8 児童・思春期精神科では、こうした地域に開かれた環境で入院できることが、子どもの健やかな成長の観点からも重要だが、見解を伺う。

回答
  小児総合医療センターの児童・思春期精神科では、入院が必要な場合には、子供の健やかな成長などの観点から、可能な限り地域生活を経験できるよう、患者や保護者の意向も確認しながら入院期間を必要最小限にしています。
  また、退院後の円滑な地域生活への移行に向け、入院中から、子ども・家族・地域サポートセンターが地域の医療機関等と連携して支援を行うほか、退院後の外来診療や、緊急時又は症状の悪化が見込まれる際の再入院にも対応しています。
  地域の医療機関等との適切な役割分担の下、かかりつけ医等では対応が困難な重症患者を中心に着実に治療を行っています。

質問事項
 一の9 都立梅ケ丘病院を小児総合医療センターに統廃合して14年が経つが、その間、子どもたちを取り巻く環境はどう変化したのか。統廃合によって小児精神科医療はどうなったのか、閉鎖病棟のみにしたことは、子どもたちにどう影響しているのかなど、都として検証すべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、都立病院機構中期目標において、児童・思春期精神科医療などの行政的医療について、医療環境が変化していく中でも、適正に提供していくことを、都立病院機構に求めています。
  都立病院機構では、中期計画において、精神疾患を有する患者の権利擁護を推進するとともに、地域の医療機関等と連携し、入院患者の円滑な地域生活への移行を積極的に支援することを定めています。
  小児総合医療センターの児童・思春期精神科では、他の医療機関等との適切な役割分担と密接な連携を図りながら、地域の医療機関では対応が困難な重症患者等に積極的に対応するなど、こころとからだを総合した質の高い医療を提供しています。

質問事項
 二 踏切の赤色せん光灯とバス停留所の安全対策について
  1 東京都交通局が運営する路線の踏切警報灯はいくつあるか。保守点検や、踏切警報灯の交換のタイミングはどうしているのか伺う。

回答
  交通局では、東京さくらトラム(都電荒川線)において83か所に踏切警報灯を設置しています。
  踏切警報灯は、2か月に一度巡回検査するなど定期的に保守点検を実施しており、老朽化等の状況を踏まえ計画的に交換しています。

質問事項
 二の2 都営交通の踏切警報灯のうち、全方位の視認を確保した赤色せん光灯はいくつか。全方位の視認性があることの重要性について伺う。

回答
  交通局の踏切警報灯のうち、全方位型せん光灯は21か所の踏切に設置しています。
  せん光灯の種別については、設置場所における視認性等を勘案し選定しています。

質問事項
 二の3 都は都営バスの停留所に上屋を設置することで、どのような負担感の軽減が図られると考えているか。また、上屋を設置する上でどのような課題があるか伺う。

回答
  都営バスでは、お客様がバスをお待ちいただく際に日差しなどを避けられるよう、停留所への上屋の整備に取り組んでいます。
  上屋の設置に当たっては、歩道の幅員等が道路占用許可基準を満たすこと、警察の許可や停留所付近の地権者の同意等を得ること、地下埋設物がなく、上屋の基礎が構築できることなどが必要となります。

質問事項
 二の4 都バスの停留所にベンチを設置することで、どのような負担感の軽減が図られると考えているか。また、ベンチを設置する上でどのような課題があるか伺う。

回答
  都営バスでは、お客様がバスをお待ちいただく際にお掛けいただけるよう停留所へのベンチの設置に取り組んでいます。
  ベンチの設置に当たっては、上屋と同様に、歩道の幅員等が道路占用許可基準を満たすこと、警察の許可や停留所付近の地権者の同意等を得ること、地下埋設物がなく、ベンチの基礎が構築できることなどが必要となります。

質問事項
 二の5 福祉のまちづくりの観点から、都として民間バス事業者に対し、バス停留所にベンチや上屋の設置促進を働きかけるべきだが、都の認識を伺う。

回答
  バス停留所等の整備は、バス事業者が交通管理者、道路管理者及び地元自治体と協議・調整を行った上で、事業者が対策を行うものと考えています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 竹井ようこ

質問事項
 一 西武線のホームドアについて
 二 都立霊園について
 三 ヤングケアラーについて
 四 PFAS(有機フッ素化合物)について

一 西武線のホームドアについて
  ホームドアの設置についてはこれまで会派としても個人としてもたびたび取り上げてきました。都内の西武線の駅では池袋駅(2番から6番ホーム)、練馬駅(全ホーム)、西武新宿駅(全ホーム)、高田馬場駅(全ホーム)、国分寺駅(全ホーム)についてはホームドア設置済み、それ以外は未設置です。
  私の地元小平市において、私たちの要望もあり、今般小平駅と花小金井駅で整備の検討が追加されたことは喜ばしいことです。しかし、整備の目途については2030年までにとのことのみで具体的なスケジュールが見えません。
  また、都は乗降客数が少ない駅でも駅の特性や特徴を踏まえてホームドア整備を促進するため優先整備の考え方を作成し、鉄道事業者に整備計画の策定を求めていることは理解しています。「優先整備の考え方」では盲学校等の特別支援学校を考慮するとしていますが、私の地元小平市内の7つの駅の1つ西武線の小川駅は都立小平特別支援学校の最寄り駅であるがホームドアは整備されていません。小平特別支援学校では車いすなどで一人で通学する生徒もいます。小川駅については特別支援学校の最寄り駅であることに加えて駅前再開発が進行しているため今後駅の利用者が増加することも想定されます。
  このような駅(小川駅)のホームドア整備は早急に行うべきであり事業者には一層の整備推進を働きかけてほしいと思いますが都の見解を伺います。

二 都立霊園について
  私の地元には都立小平霊園がありますが、特に地元の皆さんから死後は都立霊園の樹林墓地に入りたいという声をたびたびいただきます。樹林墓地は「死後は自然に帰りたい」という思いにこたえた施設でまた管理や承継の必要がないということもあり近年人気が高いとのことですが以下質問します。
 1 都立霊園の樹林墓地の過去3カ年度の公募倍率の推移について伺います。
 2 都内の死亡者数は令和4年まで16年連続で増加し今後も増加していくことが予想されるため都立霊園の樹林墓地についても増やしていく必要があると考えるが見解を伺います。
 3 都立霊園の使用料について「高い」という声をたびたびいただきます。以前行われた都民モニターでも「安さ」が期待されていますし、都立霊園という公共性を考えれば使用料は低額で提供されてしかるべきと思料しますが都の見解を伺います。

三 ヤングケアラーについて
  ヤングケアラーは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子供達のことであると言われていますが、実際には、一人ひとりの置かれている状況は様々です。このため、周囲の大人がヤングケアラーについて正しく理解するとともに、子供自身がヤングケアラーであることに気付くことのできる環境づくりを進めていく必要があると考えます。
  都として、ヤングケアラーの子供自身やその家族の気持ちを踏まえながら、ヤングケアラーの理解促進に取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

四 PFAS(有機フッ素化合物)について
  昨年末、国際がん研究機関は「有機フッ素化合物(PFAS)」の評価について、PFOSを「発がん性の可能性がある」、PFOAを「発がん性がある」と分類しました。今年2月には、食品安全委員会のもとに設けられた専門家会議「PFASワーキンググループ(WG)でPFASの健康影響評価書(案)をとりまとめ、3月7日まで、パブリックコメントを募集していました。ちなみに、この評価書案で示された許容摂取量は体重1キロあたり20ナノグラムですが、PFAS問題に長年取り組んでこられた諸永裕司さんによれば、これはアメリカ環境保護庁(EPA)が現在提案中の値と比べると、PFOSで200倍、PFOAで666倍も大きく、欧州食品安全機関(EFSA)と比べても60倍以上になり、多摩地域の有機フッ素化合物汚染を明らかにする会などの皆さんからおかしいという声が届いています。
  都内においては、今年に入って、立川市内の防災井戸1カ所で、国の暫定指針値の9倍を超えるPFOS、PFOAの値が確認されたと発表されています。
  健康への被害が懸念されているPFASへの対策を都は促進すべきと考えますが、都内の状況を把握するため、立川市や武蔵野市では、水質調査を実施します。
 1 都として、こうした地下水調査に取り組む自治体と連携し、都内の状況を把握すべきと考えますが、見解を伺います。
 2 国においてはPFASの有害性についての研究を進め、健康被害が起こらないよう、また、環境汚染を防止することが重要です。都としても引き続き国際的な動向や国の動きを注視しながら環境汚染の防止について取り組むことが必要ですが見解を伺います。

令和6年第一回都議会定例会
竹井ようこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 西武線のホームドアについて
   このような駅(小川駅)のホームドア整備は早急に行うべきであり事業者には一層の整備推進を働きかけるべきだが、見解を伺う。

回答
  ホームドアの整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠です。
  都は、引き続き、鉄道事業者に対し、「鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方」を踏まえた整備計画の充実、前倒しを求めるなど、ホームドア整備の推進を働き掛けていきます。

質問事項
 二 都立霊園について
  1 都立霊園の樹林墓地の過去3カ年度の公募倍率の推移について伺う。

回答
  過去3年間は、多磨霊園で樹林墓地の募集を行っており、公募倍率は、令和3年度は2.9倍、令和4年度は2.9倍、令和5年度は2.7倍です。

質問事項
 二の2 都内の死亡者数は令和4年まで16年連続で増加し今後も増加していくことが予想されるため都立霊園の樹林墓地についても増やしていくべきだが見解を伺う。

回答
  都はこれまで、樹林墓地を小平霊園において、平成23年度に1基、多磨霊園において、今年度までに3基整備してきました。
  また、雑司ケ谷霊園では、令和6年度の工事完了に向けて現在整備を進めています。これらにより、墓地の安定的な供給に努めてきています。

質問事項
 二の3 都立霊園の使用料について、以前行われた都民モニターでも「安さ」が期待されており、都立霊園という公共性を考えれば使用料は低額で提供されるべきだが、見解を伺う。

回答
  都立霊園の使用料は、霊園の施設やサービスを提供するために必要な費用等を算定し、それに基づき設定しています。

質問事項
 三 ヤングケアラーについて
   都として、ヤングケアラーの子供自身やその家族の気持ちを踏まえながら、ヤングケアラーの理解促進に取り組んでいくべきだが、見解を伺う。

回答
  都では、今年2月に、ヤングケアラー支援の専用ホームページ「ヤングケアラーのひろば」を開設しました。ホームページでは、ヤングケアラーについて分かりやすく解説するイラストや、ヤングケアラーの体験談に基づいた事例紹介等のコンテンツを掲載しています。引き続き、ヤングケアラーに関する普及啓発に取り組んでまいります。

質問事項
 四 PFAS(有機フッ素化合物)について
  1 都として、こうした地下水調査に取り組む自治体と連携し、都内の状況を把握すべきだが、見解を伺う。

回答
  都はこれまでも、区市町村の意見も踏まえながら、都内全域の地下水のPFOS等の調査を実施し、都内の状況を把握しております。
  今年度は、都の取組を補完する調査を実施する区市町村に対して、費用の一部を負担します。

質問事項
 四の2 国においてはPFASの有害性についての研究を進め、健康被害が起こらないよう、また、環境汚染を防止することが重要だが、都としても引き続き国際的な動向や国の動きを注視しながら環境汚染の防止について取り組むべきだが、見解を伺う。

回答
  昨年、国内外の最新の知見等を踏まえて取りまとめた国の専門家会議では、飲用しない取組の徹底を掲げています。
  都は、国に先んじて、水道水の安全性を確保するとともに、地下水等の調査を実施し、関係局が連携して、暫定指針値を超える地下水を飲用しない取組を進めているほか、分かりやすい情報発信を行っています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 とくとめ道信

質問事項
 一 交通安全対策の強化について
 二 防犯活動、地域の安全・安心を守る取組について

一 交通安全対策の強化について
  2023年の都内の交通事故等は、発生件数、死者数、負傷者数ともに前年よりも増加している。今年に入っても1月2月ともに前年比より増加し、引き続き交通安全対策の強化と普及・啓発が求められる。
 1 昨年の7月の「電動キックボード」規制緩和から、昨年12月までの6か月間で、電動キックボードによる事故が84件発生し、うち重傷事故が4件となっている。規制緩和以前の1月から6月は事故発生件数17件、うち重傷事故件数が2件のため、大幅な増加となっている。警視庁として、この理由をどう分析しているか伺う。
 2 電動キックボードの運転者による事故発生件数について、2023年の月ごとに年齢別(10年単位の別)の件数を伺う。
 3 電動キックボードは個人所有よりもレンタルで利用されることが多い。しかし、レンタルできるポートのほとんどが無人であり、ヘルメット着用を促す掲示等もされていない。警視庁もホームページで「自転車事故で死亡した人の64.9%が、頭部に致命傷を負っています。また、ヘルメットの着用状況による致死率では、着用している場合と比較して、着用していない場合の致死率は約2.7倍と高くなっています。自転車用ヘルメットを着用し、頭部を守ることが重要です」とヘルメット着用を促しています。
   ヘルメット着用は努力義務ではあるが、警視庁として、事業者などと連携し、ヘルメット着用を推進する掲示や案内をすべきだが見解を伺う。
 4 急遽、レンタルの電動キックボードや自転車を使用する際もヘルメットの着用は推奨されるべきである。持ち運びしやすい折り畳み式のヘルメットの普及も交通安全対策に資すると考える。警視庁として普及啓発を促進すべきと考えるが見解を伺う。
 5 自転車専用レーンの整備について、2024年度の整備方針を伺う。
 6 視覚障害者にとって、安全に外出でき自由に歩けるためには、エスコートゾーン、音響式信号機は不可欠である。これらの2024年度の整備方針を伺う。
 7 交通事故を防止するため、道路上の危険個所を点検し、改良や改善を行うことは不可欠である。警視庁の認識と、これまでの対応と2024年度の整備方針を伺う。

二 防犯活動、地域の安全・安心を守る取組について
  防犯活動、とりわけ地域の安全・安心を守るために、交番やパトロールの役割は重要である。しかし、パトロール中に留守となる交番も一定数存在する。こうしたパトロールによる交番の空き時間を解消すべきと考えるが、警視庁の認識と対応を伺う。

令和6年第一回都議会定例会
とくとめ道信議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 交通安全対策の強化について
  1 昨年の7月の「電動キックボード」規制緩和から、昨年12月までの6か月間で、電動キックボードによる事故が84件発生し、うち重傷事故が4件となっている。規制緩和以前の1月から6月は事故発生件数17件、うち重傷事故件数が2件のため、大幅な増加となっている。警視庁として、この理由をどう分析しているか伺う。

回答
  昨年7月から12月までの間に発生した特定小型原動機付自転車が関与する交通事故の増加については、その要因の一つとして、特定小型原動機付自転車の利用者が増加したとみられることが挙げられます。

質問事項
 一の2 電動キックボードの運転者による事故発生件数について、2023年の月ごとに年齢別(10年単位の別)の件数を伺う。

回答
  令和5年中の都内における電動キックボードの月別及び年齢層別の交通人身事故件数は、以下のとおりです。

令和5年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 計
運転者
年齢層別
10代 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
20代 1 2 0 0 0 1 6 7 11 12 3 6 49
30代 0 1 1 1 2 1 0 3 3 4 4 3 23
40代 0 0 0 1 1 3 1 0 2 4 3 3 18
50代 1 0 1 0 0 0 2 2 3 0 0 0 9
60代 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
70代 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
不明 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2
合計 2 3 2 2 3 5 9 12 21 20 10 12 101
  注釈:7月以降は、特定小型原動機付自転車のみを集計。
  注釈:不明は、運転者の特定ができなかったもの。

質問事項
 一の3 電動キックボードは個人所有よりもレンタルで利用されることが多い。しかし、レンタルできるポートのほとんどが無人であり、ヘルメット着用を促す掲示等もされていない。ヘルメット着用は努力義務ではあるが、警視庁として、事業者などと連携し、ヘルメット着用を推進する掲示や案内をすべきだが、見解を伺う。

回答
  警視庁では、自転車や特定小型原動機付自転車を利用する方の安全を確保するため、ヘルメットを着用することの重要性について、ホームページやリーフレットによる情報発信などを通じて周知しています。引き続きこれらの取組を推進するとともに、シェアリング事業者に対してアプリやポートを活用した広報啓発を働き掛けるなど、あらゆる機会を通じて着用促進を図っています。

質問事項
 一の4 急遽、レンタルの電動キックボードや自転車を使用する際もヘルメットの着用は推奨されるべきである。警視庁として普及啓発を促進すべきだが見解を伺う。

回答
  ヘルメットの着用を促進するに当たり、持ち運びの利便性の観点から、 折り畳み機能を備えたヘルメットも有効な選択肢と考えており、こうした ヘルメットの着用についても広報啓発に努めていきます。

質問事項
 一の5 自転車専用レーンの整備について、2024年度の整備方針を伺う。

回答
  警視庁では、道路形態や交通状況等を勘案し、歩行者、自転車及び自動 車が適切に分離されるように自転車専用通行帯の整備を進めており、引き 続き、道路管理者と連携しながら推進していきます。

質問事項
 一の6 視覚障害者にとって、安全に外出でき自由に歩けるためには、エスコートゾーン、音響式信号機は不可欠である。これらの2024年度の整備方針を伺う。

回答 
  警視庁では、横断歩道を利用する視覚障害者の安全性及び利便性を向上させるため、エスコートゾーン及び音響式信号機の整備を進めており、引き続き、視覚障害者の方からの要望等を踏まえ、道路管理者と連携しながら推進していきます。

質問事項
 一の7 交通事故を防止するため、道路上の危険個所を点検し、改良や改善を行うことは不可欠である。警視庁の認識と、これまでの対応と2024年度の整備方針を伺う。

回答
  警視庁では、安全で快適な交通社会を実現するため、これまでも道路管理者等との緊密な連携の下、交通実態を踏まえた交通規制や各種安全対策を講じており、引き続きこれらの対策を推進し、道路交通環境の改善に努めていきます。

質問事項
 二 防犯活動、地域の安全・安心を守る取組について
   防犯活動、とりわけ地域の安全・安心を守るために、交番やパトロールの役割は重要である。しかし、パトロール中に留守となる交番も一定数存在する。こうしたパトロールによる交番の空き時間を解消すべきだが、警視庁の認識と対応を伺う。

回答
  警察官が一時的に交番に不在となる時間は、長時間にわたることのないよう配慮すべきであると認識しています。
  交番に勤務する警察官は、管内実態に即した街頭警察活動を実施しており、パトロールのほか、110番の対応などにより、警察官が一時的に交番に不在となることもありますが、交番相談員の効果的な配置運用や、パトカーによる立ち寄り警戒などにより、必要な補完措置を行っています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 池川友一

質問事項
 一 児童相談所について
 二 公文書管理と情報公開について

一 児童相談所について
  東京都は、多摩地域の児童相談所を増やすこととしています。1月末には、設置場所及び設置予定時期など計画の詳細を公表しました。
  町田児童相談所(仮称)の設置場所は、2025年度から28年度までは現在の都立町田の丘学園山崎校舎。29年度からは現在の町田市教育センターの敷地「町田市(仮称)子ども・子育てサポート等複合施設」に移ることが示されています。
  以下、町田児童相談所(仮称)について質問します。
 1 現在の都立町田の丘学園山崎校舎を、町田児童相談所(仮称)として利用するにあたり、どのような日程で準備を進めていくのですか。
 2 町田児童相談所(仮称)は、体制、施設の規模、機能はどうなるのですか。また、開設時と移設時の違いがあるのかも伺います。
 3 「町田市(仮称)子ども・子育てサポート等複合施設」の基本計画では「子育て世帯など、目的があって施設を訪れる方だけではなく、地域にお住まいの高齢者など、様々な市民が気軽に立ち寄って時間を過ごせるような施設を目指します」など、地域に開かれたものにすることが示されています。また、複合施設に入る機能は民間も含め、多岐に渡ることが示されています。
   一方、児童相談所は子どもの権利を保障し、プライバシーをしっかりと守ること、動線をしっかりとわけることなど、気をつけなければならない課題はいくつもあります。
   民間も含め、幅広い機能を持つ複合施設の中に児童相談所を設置するにあたり、都はどのような課題があると考えていますか。また、どのように対応していくのですか。
 4 子ども家庭支援センター等、町田市との連携強化が必要です。児童相談所の設置により、これまで以上の連携が求められます。どうとりくむのですか。
  児童相談所における子どもの権利保障は重要です。
 5 児童相談所における子どもの権利を保障する重要性について、認識を伺います。また、さらなる子どもの権利保障をすすめるため不断の努力をする必要があると思いますが、いかがですか。

二 公文書管理と情報公開について
 1 公文書管理条例第二条は、「「実施機関」とは、知事、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、公安委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者、警視総監及び消防総監並びに都が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。次項において同じ。)をいう。」と規定されていますが、東京プロジェクションマッピング実行委員会は、実施機関に含まれますか。
 2 公文書管理条例第二条2では、「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録だと規定されています。職務専念義務を免除されている都職員が、作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録は「公文書」なのですか。
 3 東京プロジェクションマッピング実行委員会の開示請求書には、「開示請求に係る公文書の件名又は内容」という項目がありますが、実行委員会が公文書を開示することはできるのですか。

令和6年第一回都議会定例会
池川友一議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 児童相談所について
  1 現在の都立町田の丘学園山崎校舎を、町田児童相談所(仮称)として利用するにあたり、どのような日程で準備を進めていくのか伺う。

回答
  町田児童相談所(仮称)については、令和7年度の開設に向けて、町田市と連携しながら具体的な準備を進めていくこととしています。

質問事項
 一の2 町田児童相談所(仮称)は、体制、施設の規模、機能はどうなるのか。また、開設時と移設時の違いがあるのか伺う。

回答
  町田児童相談所(仮称)の人員体制については、児童福祉司や児童心理司など、必要な人員を配置します。
  また、町田児童相談所(仮称)の仮設については、既存建物を一部改修して設置することとしており、本設については「町田市(仮称)子ども・子育てサポート等複合施設整備基本計画」に基づき整備される複合施設内に設置することとしています。

質問事項
 一の3 「町田市(仮称)子ども・子育てサポート等複合施設」の基本計画では地域に開かれたものにすることが示されている。また、複合施設に入る機能は民間も含め、多岐に渡ることが示されている。民間も含め、幅広い機能を持つ複合施設の中に児童相談所を設置するにあたり、都はどのような課題があると考えているか。また、どのように対応していくのか伺う。

回答
  「町田市(仮称)子ども・子育てサポート等複合施設整備基本計画」に基づき整備される複合施設内には、町田児童相談所(仮称)のほか様々な機能の配置が予定されており、利用者が安心して安全に施設を利用できるよう、入口や動線を工夫することとしています。

質問事項
 一の4 子ども家庭支援センター等、町田市との連携強化が必要である。児童相談所の設置により、これまで以上の連携が求められるが、どうとりくむのか伺う。

回答
  都は今年度、子供家庭支援センターの体制を充実させるため、子供の泣き声に対する通告等に伴う安全確認や関係機関への調査などを行う職員の増配置等を支援することとしています。

質問事項
 一の5 児童相談所における子どもの権利を保障する重要性について、認識を伺う。また、さらなる子どもの権利保障をすすめるため不断の努力をすべきだが、見解を伺う。

回答
  子供が様々な場面で意見を表明できる環境を整える観点から、昨年度、児童相談所が関わる子供の意見表明等支援に関する検討委員会を設置し、児童相談所職員等に対する子供の意見表明等に関する理解促進や、意見表明等支援員の研修などについて具体的な検討を行いました。
  今年度は、意見表明等支援員を一部児童相談所に導入することとしています。

質問事項
 二 公文書管理と情報公開について
  1 公文書管理条例第二条は、「「実施機関」とは、知事、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会、監査委員、公安委員会、労働委員会、収用委員会、海区漁業調整委員会、内水面漁場管理委員会、固定資産評価審査委員会、公営企業管理者、警視総監及び消防総監並びに都が設立した地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。次項において同じ。)をいう。」と規定されているが、東京プロジェクションマッピング実行委員会は、実施機関に含まれているか伺う。

回答
  東京プロジェクションマッピング実行委員会は、東京都公文書等の管理に関する条例第2条第1項の「実施機関」に含まれていません。

質問事項
 二の2 公文書管理条例第二条2では、「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録だと規定されている。職務専念義務を免除されている都職員が、作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録は「公文書」なのか伺う。

回答
  都職員が実施機関の職務外として作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録は、東京都公文書等の管理に関する条例第2条第2項の「公文書」には当たりません。

質問事項
 二の3 東京プロジェクションマッピング実行委員会の開示請求書には、「開示請求に係る公文書の件名又は内容」という項目があるが、実行委員会が公文書を開示することはできるのか伺う。

回答
  東京プロジェクションマッピング実行委員会では、都のルールに準じ、情報公開を行うこととしています。
  東京プロジェクションマッピング実行委員会による開示の対象は、実行委員会で作成し、又は取得した文書等であって、組織的に用いるものとして保有しているものです。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 米倉春奈

質問事項
 一 都立大塚病院のベッド削減について

一 都立大塚病院のベッド削減について
  小池知事が都立病院を独法化して1年半です。
  私の地元、豊島区にある大塚病院は、これまで、地域住民が頼りにしてきた病院です。「大塚病院に運ばれて命を救われた」「うちの子はみんな大塚病院で生まれました。ひとりは生まれた時、肛門に障害がありましたが、すぐに手術を受けられ、今は元気です。すごく面倒をみてもらって感謝しています」「大塚病院に10日間入院した。一番心配なお金も、公立病院だから安心だった」という声を聞いてきました。
 1 知事は大塚病院が果たす役割をどう認識していますか。都立病院の役割は、民間では採算が取れない行政的医療を提供することです。都の責任で引き続き行政的医療を担うべきです。いかがですか。
  豊島区は人口あたりの病院のベッド数が都内平均の6割しかありません。
  ベッドを増やすべきところを、都と独法法人は、大塚病院の大規模改修で、ベッドを100床近く減らし413床にすることを、住民にも議会にも説明なく進めていたことが分かりました。重大です。
 2 私は、地元の医師の方々に話を伺いました。
   ある医師は、病床が減ることは知らされていない。100床減るのは中小規模の病院が一つ減るようなもの。かなり影響があるのではないかと話します。
   別の医師は、コロナの時、都立大塚病院・駒込病院が患者を受け入れてくれて助かった。ベッドが減ると感染症が広がったとき、対応に障害が出るのではないかと話します。
   大塚病院は地元医療機関との連携を重視していますが、コロナ以来、在宅の患者さんの具合が悪くなっても大塚病院に頼めなくなっている。以前は入院して精密検査し、診断していたのが、診断もつかないまま在宅看取りになってしまっている。立場の弱い人から権利が侵害されている。この上ベッドを減らせば、地域の総合病院の役割を崩すことになる。絶対あってはならないという話も聞きました。
   都は、ベッドを減らしても入院期間が短くなったからいいと言いますが、これから高齢社会で患者は増えるのだから足りない、これ以上短くできる余地はない。あとは人権とQOLを削減することになるという指摘も寄せられています。
   大塚病院は心筋梗塞、脳梗塞など急性期医療を担っています。病院に余裕がないと救急は受けられなくなることも心配だと話します。
   都はこうした、地元の医師の方々の声をどう受け止めますか。
   行政的医療の後退となる、大塚病院のベッド削減は重大な誤りです。
 3 都がやるべきは医療体制の充実です。都の責任で豊島区に新たな都立病院を作るべきです。知事の認識を伺います。

令和6年第一回都議会定例会
米倉春奈議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 都立大塚病院のベッド削減について
  1 知事は大塚病院が果たす役割をどう認識しているか伺う。都立病院の役割は、民間では採算が取れない行政的医療を提供することであり、都の責任で引き続き行政的医療を担うべきだが、見解を伺う。

回答
  感染症医療や周産期医療など、民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供は、都立病院が果たすべき重要な役割です。
  都は、都立病院機構の定款や中期目標において、行政的医療等の安定的かつ継続的な提供を明示しており、大塚病院では、周産期医療や小児医療などの行政的医療を提供しています。

質問事項
 一の2 大塚病院は心筋梗塞、脳梗塞など急性期医療を担っており、病院に余裕がないと救急は受けられなくなることも心配だと地元の医師は話しているが、都はこうした、地元の医師の方々の声をどう受け止めるのか、見解を伺う。

回答
  各都立病院は、運営協議会等を設置し、外部からの助言や提言等を得ながら、病院運営を行っています。
  大塚病院では、改修工事により、行政的医療である周産期医療の強化のほか、感染症の拡大時に陰圧室として対応可能な病室の増設など、機能強化を図っています。
  また、大塚病院の平均在院日数は、改修前の平成25年度は14.4日でしたが、令和4年度には10.7日へと大幅に短縮しており、地域の医療機関と連携しながら、十分な患者の受入れが可能です。

質問事項
 一の3 都がやるべきは医療体制の充実であり、都の責任で豊島区に新たな都立病院を作るべきだが、知事の認識を伺う。

回答
  都立病院は、行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関等との適切な役割分担と密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的な役割としており、豊島区を含む区西北部保健医療圏において、大塚病院では、改修工事により、行政的医療である周産期医療提供体制等の強化を図っています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 宮瀬英治

質問事項
 一 食料安全保障について
 二 台湾有事について

一 食料安全保障について
  農水省の「都道府県別食料自給率」において、東京都のカロリーベースの食料自給率は、令和3年度(概算値)、令和2年度(確定値)ともに0%となっている。東京都は厳しい食料自給率におかれている中、食の健康被害に対処する東京都食品安全推進計画を策定しているが、食の安定供給を目指す食料安全保障計画がない。そこで以下を伺う。
 1 東京都のあるべき食料自給率(カロリーベース)について、見解を伺う。
 2 東京都の食料備蓄について、現状と充足に関する見解を伺う。
 3 東京都の食料供給断絶に関するシミュレーションと対策について、見解を伺う。

二 台湾有事について
 1 都有施設のシェルターの配備状況について伺う。
 2 都の重要インフラ施設における対応について伺う。
 3 都および米軍の重要インフラ施設の周辺住民において避難計画について伺う。

令和6年第一回都議会定例会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 食料安全保障について
  1 都のあるべき食料自給率(カロリーベース)について、見解を伺う。

回答
  国では、食料自給率の向上を図ることとしています。

質問事項
 一の2 都の食料備蓄について、現状と充足に関する見解を伺う。

回答
  国では、食料の供給が途絶える場合に備え、備蓄を行っています。
  都では、災害時に備えた食料の備蓄等を行っています。

質問事項
 一の3 都の食料供給断絶に関するシミュレーションと対策について、見解を伺う。

回答
  国では、食料の供給が途絶える場合に備え、備蓄を行っています。
  都では、農業の振興を行うほか、災害時に備えた食料の備蓄等を行って
 います。

質問事項
 二 台湾有事について
  1 都有施設のシェルターの配備状況について伺う。

回答
  国民保護法は、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活及び国民経済に及ぼす影響を最小となるような措置を的確かつ迅速に実施することを目的としています。    
  都は、国民保護法に基づき、緊急一時避難施設を4,474か所指定しており、うち都有施設は410か所です。

質問事項
 二の2 都の重要インフラ施設における対応について伺う。

回答
  都は、国民保護法及び国民の保護に関する基本指針に基づき東京都国民保護計画を策定しています。国民保護法では、国民生活に関連する施設や危険物質等の取扱施設等を生活関連施設等と位置付けており、これを踏まえ、生活関連等施設における安全確保のため、施設の管理者との連絡体制を確保するとともに、武力攻撃災害の発生又はその拡大を防止するために特に必要があると認めるときは、当該施設の管理者に対して、必要な措置を講ずるよう要請することとしています。

質問事項
 二の3 都および米軍の重要インフラ施設の周辺住民において、避難計画について伺う。

回答
  都は、国民保護法、国民の保護に関する基本指針及び東京都国民保護計画に基づき、国、区市町村、その他関係機関と連携し、迅速・的確に避難・救援等の措置を実施することとしています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 とや英津子

質問事項
 一 石神井公園駅南口西地区再開発事業について
 二 トー横問題について

一 石神井公園駅南口西地区再開発事業について
  石神井公園周辺の地域では、2003年から12年まで約9年間、住民によるまちづくりの協議が続けられ、「石神井公園まちづくり計画」を定めました。練馬区は、この計画を土台に石神井公園南地区計画を定めていました。
  計画で定めたまちづくりのルールは、周囲から突出する高さの建物を造らないこと、駅から公園に向かって徐々に建物高さを低くしてスカイラインを整えること、その最高地点が駅前商業地区の35mです。
  ところが区は住民合意なしにルールを変更し、都市計画道路232号線の建設と再開発を計画しました。建設される再開発ビルは、合計110億円もの公金が投入される予定です。
  最高高さを大幅に緩和して100メートルの超高層ビルを可能にする計画によって、住民がつくりあげた地区計画は一方的に変更され、石神井の景観は犠牲になると住民から批判の声があがっています。
  それだけではありません。再開発によって地権者が多大な損害を被ることになり、生活権、営業権を侵害され、それによる精神的・肉体的苦痛は計り知れないものがあります。
  このような理不尽なまちづくりに対して住民訴訟がおき、現在第二次訴訟が係争中です。
  ところが、再開発組合は権利変換計画を東京都に申請、都は今年1月に認可しました。これを受けて再開発組合は、行先も決まらない地権者に対し、今年3月15日を期限に土地の明け渡しを強いる行為に出ました。住民側から、市街地再開発事業がこれ以上進むことを仮に止めることを求める「執行停止」の申し立てをしたところ、3月13日に本件の、第一審判決言い渡しの日から三か月を経過する日まで、これを停止するとの決定が下されました。決定には、「自己の居住する場所を自ら決定するという居住の自由に由来して居住の地益に係るものであって純粋な財産的損害とは異なる面があるから、同利益が一度失われた場合の損害の回復が容易であるとは言い切れない」、「申立人が被る損害は、重大なものと評価すべきである。」と述べています。もっぱら再開発事業者の利益確保のために、立ち退きを迫られることが長年住み続けてきた住民にとってどれだけの苦痛を伴うことになるのか。再開発にともなう権限を持つ都として認識すべきです。
  さらに、「本件再開発事業は高さ100メートルの高層ビル建設を可能とするものであり、石神井公園からの眺望の中で突出しないよう高さを抑えるという景観形成基準との抵触も問題となる」と100メートルのビルを建てることによる違法性にも踏み込んだ内容となっています。
  改めて再開発事業の公共性を問う画期的な決定です。
  そこで、以下質問します。
 1 再開発における組合施行の事業において、権利変換計画の認可後、地権者から明け渡しに関する「執行停止」の申し立ては、過去何件出ていますか。
 2 再開発における組合施行の事業において、権利変換計画の認可後、裁判所による「執行停止」の判断が下された案件は過去何件ありますか。
 3 都が定めた地区計画の区域において、再開発事業などに伴い高さ制限を緩和する場合、地区計画の変更は必要ですか。
 4 高度地区について、高さ制限の特例の内容を伺います。また、総合設計制度について、都市計画等で建築物の高さの最高限度が定められている場合の特例の内容を伺います。
 5 「高度地区」について、高さ制限の特例が活用されるようになったのはいつからですか。また、総合設計制度において、建築物の高さの考え方が運用されるようになったのはいつからですか。
 6 石神井公園駅南口西地区再開発において、都は地区計画変更の理由について、練馬区からどのような説明を受けていますか。

二 トー横問題について
  トー横問題についてうかがいます。
  新宿区の繁華街、歌舞伎町のシネシティ広場など、新宿東宝ビル周辺、いわゆるトー横に居場所を求めて集まる青少年がいます。
  彼らはトー横キッズと呼ばれていますが、家庭での虐待や貧困、いじめなどで家庭にも学校にも安全な場所がなかったり、居場所を失った子どもたちが多く、そこにつけ込んで性風俗店で働かせられたり、利用しようとする大人たちから性被害を受けたり、知らない間に加害者にさせられるなど犯罪に巻き込まれたりしています。多額の借金を背負わされるなどの被害にあっています。そしてその行為はますます巧妙になっています。
  こうした事態を受けて、都は青少年審議会に昨年、トー横対策について諮問し、答申がでました。現在、都は具体的な対策を検討していますが、特に性暴力から青少年を守ることは喫緊の課題です。
 1 性暴力は痴漢に限らず様々な場面で若者が常に直面する可能性をはらんでいます。若者がいつでも相談できる、立ち寄れる場所として今年度トー横に10日間、臨時相談窓口を設置しました。利用者数は合計295人と立ち寄った人は一定の数がいたと思います。立ち寄った人の年齢層、またどのような相談が寄せられましたか。今回の臨時相談窓口の設置を踏まえて来年度に生かすべき点などをお答えください。
 2 前回の青少年協議会の答申を受けての質疑では、トー横の実態把握の在り方について、課題の整理を行うとのことでした。どんなことが課題となったのか、また実態把握は加害も行うことを改めて提案しますが、いかがですか。
 3 若者が性被害者・加害者とならないために、民間団体との協力についても必要性の提案がありましたが、どのように連携・協力しますか。

令和6年第一回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 石神井公園駅南口西地区再開発事業について
  1 再開発における組合施行の事業において、権利変換計画の認可後、地権者から明け渡しに関する「執行停止」の申し立ては、過去何件出ているか伺う。

回答
  明渡しに関する「執行停止」は、組合を相手方として地権者が申し立てるものであるため、都は承知していません。

質問事項
 一の2 再開発における組合施行の事業において、権利変換計画の認可後、裁判所による「執行停止」の判断が下された案件は過去何件あるか伺う。

回答
  明渡しに関する「執行停止」は、組合を相手方として地権者が申し立てるものであるため、都は承知していません。

質問事項
 一の3 都が定めた地区計画の区域において、再開発事業などに伴い高さ制限を緩和する場合、地区計画の変更は必要か伺う。

回答
  地区計画に定められた高さの制限を緩和する場合は、都市計画変更が必要となります。

質問事項
 一の4 高度地区について、高さ制限の特例の内容を伺う。また、総合設計制度について、都市計画等で建築物の高さの最高限度が定められている場合の特例の内容を伺う。

回答
  練馬区が都市計画決定している高度地区では、良好な市街地環境の形成に資する建築物を誘導するため、地区計画に定める建築物の高さの最高限度を、高度地区の建築物の高さの最高限度と読み替えて適用する特例や、区長の許可により、市街地環境の整備向上の程度に応じて、高さの最高限度の1.5倍までの範囲で緩和する特例を定めています。
  都の総合設計制度では、地域特性に応じた景観誘導等を図るため、建築物の高さ等に係る誘導指針を定めています。この指針では、都市計画等で高さの最高限度が定められている区域等において適用除外が規定されている場合、建築物の高さを最高限度の1.5倍以下としています。

質問事項
 一の5 「高度地区」について、高さ制限の特例が活用されるようになったのはいつからか伺う。また、総合設計制度において、建築物の高さの考え方が運用されるようになったのはいつからか伺う。

回答
  練馬区では、平成20年3月、第一種低層住居専用地域や高度地区が指定されていない商業地域等を除く全域を対象に、高度地区の都市計画を変更し、建築物の高さの最高限度とその特例を定めました。
  総合設計制度における誘導指針については、平成18年4月から運用しています。

質問事項
 一の6 石神井公園駅南口西地区再開発において、都は地区計画変更の理由について、練馬区からどのような説明を受けているか伺う。

回答
  練馬区都市計画マスタープランを踏まえ、市街地再開発事業と併せて、都市計画道路の整備やその周辺のまちづくりなどを進め、地域生活を支える拠点である駅を中心として、商店街、石神井公園が連続した魅力あふれるみどりを大切にしたまちの実現を目指すため、地区計画を変更すると区から説明を受けています。

質問事項
 二 トー横問題について
  1 今年度トー横に10日間、臨時相談窓口を設置したが、立ち寄った人の年齢層、また、どのような相談が寄せられたか伺う。また、今回の臨時相談窓口の設置を踏まえて来年度に生かすべき点などを伺う。

回答
  臨時相談窓口には295名の来訪者があり、このうち自己申告のあった185名の年齢層の割合は、18歳未満が約4割、18歳以上が約6割でした。
  窓口では、就労や家庭問題等についての相談が寄せられました。
  この実施状況等も踏まえ、今年度開設する窓口では、来所しやすい環境の整備等を行っていきます。

質問事項
 二の2 前回の青少年協議会の答申を受けての質疑では、トー横の実態把握の在り方について、課題の整理を行うとのことであった。どんなことが課題となったか、また実態把握は加害も行うことを改めて提案するが、見解を伺う。

回答
  青少年問題協議会の答申では、「トー横」の青少年の生の声を直接聞き、その内容を分析等する旨提言されています。
  「青少年の生の声を聞くこと」が課題であると認識しており、把握方法等については今後検討していきます。

質問事項
 二の3 若者が性被害者・加害者とならないために、民間団体との協力も必要だが、どのように連携・協力するか伺う。

回答
  「トー横」に集まる若者を取り巻く問題は複雑であり、様々な場面で民間団体等と連携していくことが必要と考えています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 あぜ上三和子

質問事項
 一 高齢期の1人暮らしの女性に対する支援ならびに単身高齢者等の総合相談支援事業について

一 高齢期の1人暮らしの女性に対する支援ならびに単身高齢者等の総合相談支援事業について
 1 都が行った「高齢者の生活実態」調査によれば、都内のひとり暮らし高齢者の3人に1人は年収150万円未満です。平均支給月額5万5千円程度の国民年金のみで暮らす高齢者は、少なくありません。とりわけ、65歳以上の1人暮らしの女性の相対的貧困率が、44.1%にのぼることが、阿部彩・都立大教授の国民生活基礎調査(2021年分)の個票をもとに独自に集計したものから明らかになりました。都は、高齢期の女性の相対貧困率が高いことをどう受け止めていますか。また、高齢期の女性の相対的貧困率が高い理由をどう考えていますか。
 2 ある都内にお住いの70代の女性は、貯金も減り続け今のUR団地の家賃を払うことはもう限界となり、知り合いもいない離れた土地へと引っ越しせざるを得なくなりました。また、80代半ばの女性は、腰痛があるけれど生活のためには働かなければならないと仕事を探しています。フードバンクの食糧をもらった女性は、まさか自分がこのように支援を受けるとは思わなかったと話していました。近所の葬儀がある時は電気を消してじっと静かにしているという女性もいて、普通にご近所づきあいもできず、ひっそりと暮らさざるを得ない高齢期の女性が多くいます。都として、こうした生活に困窮する高齢期女性に対する支援を行うべきではありませんか。
 3 少なくとも、当面の対策として、都が物価高騰に対応した経済的支援を行うべきではありませんか。
 4 また、家賃の高い東京では経済的困窮が住まいの喪失につながったり、子どもと同居せざるをえないなど高齢期の女性の住まいの問題もおこっています。都として、一人暮らしの高齢期女性が利用できる家賃補助を実施すべきではありませんか。
  高齢期女性の1人暮らしの方からは「身元保証の民間事業者はお金がかかり使えない」「わずかな預貯金で亡くなった時のことが心配」等の声が寄せられています。新年度予算案において、高齢者等が元気なうちに将来の準備ができるよう終活支援の総合相談窓口の設置等をおこなう区市町村を包括補助で、新たに支援することは重要です。
 5 都として各区市町村における終活支援の総合相談窓口はどのような役割を果たすことを条件としているのか、伺います。
 6 都の単身高齢者等の総合相談支援事業を包括補助項目に入れたことを区市町村に積極的に広報することを求めますが、いかがですか。

 

令和6年第一回都議会定例会
あぜ上三和子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 高齢期の1人暮らしの女性に対する支援ならびに単身高齢者等の総合相談支援事業について
  1 高齢期の女性の相対貧困率が高いことをどう受け止めているか伺う。また、高齢期の女性の相対的貧困率が高い理由をどう考えているか伺う。

回答
  都民の暮らし向きは様々であり、暮らしに余裕がないと感じている方がいると認識しています。

質問事項
 一の2 都として、こうした生活に困窮する高齢期女性に対する支援を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  生活に困窮する方に対しては、生活困窮者自立支援法に基づき、区市等が設置している自立相談支援機関で相談支援などを行っています。 
  また、困窮の程度に応じ、最後のセーフティネットとして生活保護制度があり、各区市等の福祉事務所で対応しています。

質問事項
 一の3 少なくとも、当面の対策として、都が物価高騰に対応した経済的支援を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、物価高の影響を受けやすい低所得世帯の生活を支援するため、令和4年度から令和5年度にかけて、国産の米や野菜などの食品を配送する東京おこめクーポン事業を実施しました。
  また、今年度、低所得世帯の生活必需品の購入を支援するため、商品券等を送付する物価高騰対策臨時くらし応援事業を実施することとしています。

質問事項
 一の4 家賃の高い東京では経済的困窮が住まいの喪失につながったり、子どもと同居せざるをえないなど高齢期の女性の住まいの問題もおこっている。都として、一人暮らしの高齢期女性が利用できる家賃補助を実施すべきだが、見解を伺う。

回答
  家賃補助制度については、対象世帯の範囲、民間家賃への影響、財政負担の問題のほか、生活保護制度との関係など、多くの課題があると認識しています。

質問事項
 一の5 都として各区市町村における終活支援の総合相談窓口はどのような役割を果たすことを条件としているのか、伺う。

回答
  都は、遺言書の作成や遺品整理などに関して、高齢者等が元気なうちに自分の意思を反映しながら準備することができるよう、弁護士等が専門的な相談に応じ、個々の状況に応じて支援や助言などを行う総合相談窓口を設置することを、区市町村に対する補助の条件としています。

質問事項
 一の6 都の単身高齢者等の総合相談支援事業を包括補助項目に入れたことを区市町村に積極的に広報することを求めるが、見解を伺う。

回答
  都は、令和6年3月に、成年後見など権利擁護を担当する区市町村の職員や区市町村社会福祉協議会の職員に対して補助事業の説明を行うとともに、4月及び5月に開催した区市町村向けの包括補助事業説明会においても周知を行っています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中村ひろし

質問事項
 一 防災・災害対策について
 二 平和への取り組みについて

一 防災・災害対策について
 1 災害時には、様々な災害廃棄物の処理が必要となりますが、被災した方の健康・衛生(悪臭・害虫・感染症)にすぐさま影響を及ぼす課題として、トイレ問題があります。
   過去の震災でも、避難所のトイレが大行列し、回数を減らそうとして健康を害する、仮設トイレが満タンなど、大変苦労されている現場を見てきましたが、能登半島地震でも繰り返されました。
   避難所等の仮設トイレのし尿の回収・運搬は、基礎自治体の仕事とされていますが、下水道があるので区市町村はバキュームカーを持っていません。
   私も、心配した都民から、東京は人が多いから大変なことになるのでは、と不安の声を聞いています。過去の震災も教訓に、避難所等の仮設トイレのし尿の回収・運搬について、備えを進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 2 避難所のトイレの問題は、建物が無事でも、ライフラインの寸断によって各家庭のトイレが使えなくなると、避難所のトイレを使う人が増え、拍車がかかります。
   知事は非常用の携帯トイレの備蓄を40万人分拡大すると明らかにしました。これは、在宅避難者など、想定以上のニーズに対応するためとのことですが、所管局に確認したところ40万人の3日分とのことです。大切なのは、この備蓄を必要とする人にどのように行き渡らせるのか、さらに、行政からの支援だけでなく、家庭における備蓄品として非常用トイレについて推奨していくことも必要です。そこで、来年度策定するトイレに関する計画において、しっかり検討すべきと考えますが、あわせて都の見解を伺います。
 3 避難所外で避難する人にも、物資や保健などの支援を届けなければならず、状況把握、支援体制が必要となります。
   こうした方に対して、避難所で情報を登録するなどの取り組みが行われてきましたが、三鷹市では、避難所の定員不足や、避難所まで物資を取りに行けない人等特別なニーズがある方へのケア体制などのため、避難所外避難者の支援拠点を地域のコミュニティセンターに設け、自治会等が運営を担うこととしています。
   住宅の89%が耐震性を有するとされ、都も新たにマンションのエレベーターなどの電力確保などを支援し、推進していることから、在宅避難が増えていくと思います。そこで、避難所外避難者への支援拠点の設置運営について、都として支援すべきと考えますが、見解を伺います。

二 平和への取り組みについて
 1 ウクライナやパレスチナなど世界各地で紛争が起きています。平和を守るためには教育が重要です。昨年、都議会立憲民主党は広島県の平和教育への取り組みを視察しましたが、被爆地である広島では小学生の頃から平和についてしっかりと学んでいるという状況を伺いました。むしろ、広島の方はそれが当たり前だと思っていて、東京に来ると、平和への取り組みの不十分さに驚かれるようです。都としても平和教育の拡充に取り組む必要がありますが見解を伺います。
 2 学生の頃から中国残留孤児問題に取り組んできましたが、私が学生の頃は、肉親調査とか涙の対面とか、そういった報道を耳にして多くの人がこの問題を認識していたのと違って、最近の学生に聞くと、こういう問題そのものも知らない人も多くなってきています。時間の経過というのが戦争の記憶を風化させてしまいます。地方だけではなく東京からも開拓団が満州に渡っています。冷戦後も地方では暮らせないため多くの中国残留邦人が東京に集まり暮らしています。中国残留邦人問題は大変重要な課題ですが、学校等でどのように教えているのか伺います。
 3 中国残留邦人問題については、本人から、2世、3世、さらには4世への問題が広がっています。今後も支援が必要です。中国残留邦人問題に対する令和6年度予算の事業内容を伺います。

令和6年第一回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 防災・災害対策について
  1 過去の震災も教訓に、避難所等の仮設トイレのし尿の回収・運搬について、備えを進めるべきだが、見解を伺う。

回答
  地域防災計画や災害廃棄物処理計画では、仮設トイレのし尿の収集運搬等は、区市町村が主体となって行い、区市町村の対応のみでは困難となった場合には、都は、要請に基づき、し尿収集車の確保についての広域的な調整・応援要請を行うこととなっています。

質問事項
 一の2 行政からの支援だけでなく、家庭における備蓄品として非常用トイレについて推奨していくことも必要であり、来年度策定するトイレに関する計画において、しっかり検討すべきだが、見解を伺う。

回答
  東京都地域防災計画では、過去の災害における確保数や衛生等の多様な視点を考慮し、災害用トイレを確保することを定めています。
  都は令和6年度、公衆衛生の観点から、災害時のトイレ環境の向上策についての計画を取りまとめていくこととしています。

質問事項
 一の3 避難所外避難者への支援拠点の設置運営について、都として支援すべきだが、見解を伺う。

回答
  東京都地域防災計画では、区市町村は、在宅避難者等に対しても、生活環境の整備に必要な措置を講じるよう努めることとされており、それぞれの区市町村の特性に応じた地域防災計画を定めることとされています。

質問事項
 二 平和への取り組みについて
  1 ウクライナやパレスチナなど世界各地で紛争が起きており、平和を守るためには教育が重要である。都としても平和教育の拡充に取り組む必要があるが、見解を伺う。

回答
  都内公立学校では、学習指導要領に基づき、国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力等を育む教育を行っています。

質問事項
 二の2 地方だけではなく東京からも開拓団が満州に渡っており、冷戦後も地方では暮らせないため多くの中国残留邦人が東京に集まり暮らしている。中国残留邦人問題は大変重要な課題だが、学校等でどのように教えているのか伺う。

回答
  第二次世界大戦による様々な影響については、都内公立学校において、学習指導要領に基づき、社会科等で適切に指導しています。

質問事項
 二の3 中国残留邦人問題については、本人から2世、3世、さらには4世への問題が広がっており、今後も支援が必要だが、中国残留邦人問題に対する令和6年度予算の事業内容を伺う。

回答
  中国残留邦人等に対する支援は、国制度に基づいて区市が実施主体として行われています。
  都は、国の支援制度の対象とならない、帰国者が呼び寄せた家族について、その自立・定着の促進を図るため、引き続き独自に、相談窓口の設置、生活相談員の派遣、区市町村職員等への研修などを実施することとしています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 大山とも子

質問事項
 一 新宿駅西口周辺工事中もバス停へは平面で移動できるようにすることについて

一 新宿駅西口周辺工事中もバス停へは平面で移動できるようにすることについて
  新宿駅西口周辺再開発が始まり、いたるところで工事による閉鎖があり、地下は今までも混雑していたところに、さらなる混雑とわかりにくさが重なっています。地上の様子もだいぶ変化して、今まであった横断歩道がなくなったり、階段が少なくなったり、歩道に囲いができたりしています。
 1 工事中であっても歩行者への過重な負担を掛けないようにする配慮が求められますが、どう認識していますか。
 2 新宿駅西口には多くのバス乗り場があり、高齢者をはじめ、多くの人々に活用されています。バスのいいところは、段差なくバス停に行けることです。だからこそ、高齢者も安心して負担なく利用できます。どう認識していますか。
  西口にあるバス停は、都営交通の品97品川駅高輪口行、早77早稲田行、白61練馬車庫前・練馬駅前行、王78王子駅前行、宿91新代田駅前行、宿91杉並車庫前行、関東バス4路線、京王バス3路線の合計13路線と深夜急行バス2方面のバス停が、道路の向かい側に集中しています。工事が始まる前は、西口を出たところすぐに横断歩道がありましたから、それらのバス停にはそのまま平面で行くことができました。
  ところが、工事が始まってから、それらのバス停には地上からはいけなくなってしまったのです。地上にいても一度地下におりてから再び地上に上がらないとバス停にたどり着けません。
  元気な人なら階段を降りて、また昇ってということもありますが、バスを使う方は高齢者も多いし、ベビーカーを押している人も、車いすの人もいます。
 3 このような状態は、いつまで続くのですか。
 4 西口の出口から目と鼻の先にあるバス停に行くためには、まずは、地下に行くためのエレベーターに乗らなければなりません。約200メートル移動することになります。横断歩道を2回渡りやっと地下に降りるエレベーターにたどり着きます。それで地下一階に降りて、今度はほぼ地上で歩いていた距離を戻って、西口交番の手前まで行って、やっとエレベーターがありますからそれに乗り、地上に出たらようやくバス停にたどり着きます。階段を上り下りすることが困難になっている高齢者や障害者、ベビーカーを押している人達には、あまりにも配慮が無さすぎではないでしょうか。どう認識していますか。
  そのエレベーターも昨今、インバウンドの方々も多く、キャリーバッグを持って移動していますから、もちろんエレベーターを使います。80代の女性は、先日、バス停に行こうとエレベーターを待っていましたが、お客が多く、エレベーターを3回も待たなければならなかったそうです。
 5 交通局のバス停が多くあるところです。交通局はこのように利用者に過度な負担をかけることについて、どう考えていますか。
 6 これらの問題を解消するためには、従来通り駅前にバス停に行くための横断歩道と信号機を設置することです。従来横断歩道が設置されていたあたりに設置すればよいことです。従来のあたりなら、その前の信号との距離も問題ありません。また、狭い道だと乱横断が増えるなどと言うことは、横断歩道と信号機を設置すれば済むことです。また、横断歩道以外は現在もフェンスをしているのですから、渡ることはできません。いかがですか。
  工事期間が長いだけに歩行者に過度な負担をかけることなく、安全に歩行できる、バス停にも平面で行けるよう、環境を整えることを求めます。

令和6年第一回都議会定例会
大山とも子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 新宿駅西口周辺工事中もバス停へは平面で移動できるようにすることについて
  1 新宿駅西口周辺再開発が始まり、いたるところで工事による閉鎖がある。工事中であっても歩行者への過重な負担を掛けないようにすべきだが、見解を伺う。

回答
  工事中の歩行者動線については、歩行者の安全に留意し、バリアフリー動線の確保をはじめ、案内板の設置や交通誘導などの対応を図っています。

質問事項
 一の2 新宿駅西口には多くのバス乗り場があり、高齢者をはじめ、多くの人々に活用されている。バスのいいところは、段差なくバス停に行けることであり、だからこそ高齢者も安心して負担なく利用できるが、どう認識しているか伺う。

回答 
  工事中の西口広場のバス停へのアクセスについては、バス利用者の安全を確保し、利便性に配慮することが重要と認識しています。
  このため、バリアフリー動線を確保するとともに、案内板の設置や交通誘導などを行っています。

質問事項
 一の3 工事が始まってから西口にあるバス停に地上から行けなくなっているが、このような状態はいつまで続くのか伺う。

回答
  工事等の状況に応じて、利用者の安全確保に留意しながら適切に対応していきます。

質問事項
 一の4 西口の出口から目と鼻の先にあるバス停に行くためには、地下に行く必要がある上に、移動距離も長く、階段を上り下りすることが困難な高齢者や障害者、ベビーカーを押している人たちにあまりにも配慮が無いと思われるが、見解を伺う。

回答
  工事中の西口広場のバス停へのアクセスについては、利用者の安全を確保し、利便性に配慮することが重要と認識しています。
  このため、バリアフリー動線を確保するとともに、案内板の設置や交通誘導などを行っています。

質問事項
 一の5 交通局のバス停が多くあるところだが、交通局はこのように利用者に過度な負担をかけることについてどう考えているか伺う。

回答
  交通局では、工事に伴う歩行者動線等の変更に際して、お客様の安全に留意し、バリアフリー動線の確保や案内などの対応を行うよう、開発事業者等に求めています。

質問事項
 一の6 これらの問題を解消するために、従来通り駅前にバス停に行くための横断歩道と信号機を設置すべきだが、見解を伺う。

回答
  御質問の場所においては、道路と立体交差する形で、工事車両の搬入路の建設が進められており、信号機の設置に必要な高さが確保できないほか、橋脚等により車両運転者からの視認性が悪く、横断歩道を設置したとしても歩行者の安全が確保できないことから、現況では、信号機と横断歩道の設置は困難と考えています。

令和6年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 和泉なおみ

質問事項
 一 液状化対策について
 二 スクールカウンセラーについて

一 液状化対策について
  能登半島地震の液状化によって、1万件を超える家屋に被害が広がっています。政府は、被害を受けた自治体が再発防止に取り組む場合の補助率を引き上げるとともに、被害住宅の修復などに最大120万円を補助する方針を打ち出したと、報道されています。また、「宅地液状化防止事業」を拡充し、被災した宅地と周辺の下水道や道路などの公共施設を一体的に補強する場合の自治体への補助率を2分の1に引き上げるとのことです。
  通常の「宅地液状化防止事業」の補助率は4分の1となっています。東日本大地震の時に創設され、補助率が2分の1に引き上げられた熊本地震で実績がありますが、それ以外の実績は、国交省のホームページを探しても、多くはないようです。
  能登半島地震で液状化被害のあった、富山県氷見市の市長は、市民との意見交換の場で、「個人での液状化対策はできないと思うので、街全体で対策するような大胆なことをやっていかなければならない」、「県や国に制度をつくってもらう要望をしている」と述べています。この発言からも分かるように、液状化対策は、面的に取り組みを進めることが重要です。
 1 都は、液状化対策の面的な取り組みについて、どう考え、どう取り組むのですか。認識と対応を伺います。
 2 私の地元、葛飾区では東日本大地震での液状化被害をきっかけに、住宅の地盤調査、液状化対策工事に補助を行なっています。葛飾区だけでなく、液状化の危険がある地域で、取り組みが進むよう、都の積極的な支援が必要だと思いますが、いかがですか。
 3 国の「宅地液状化防止事業」は、面的な液状化対策としても広く活用が進むことが求められると思いますが、都の見解を伺います。
 4 区市町村における面的な取り組みが進むよう、国の「宅地液状化防止事業」に都としての上乗せ補助を行うことを提案しますが、いかがですか。

二 スクールカウンセラーについて
  250人ものカウンセラーを雇い止めにした都教委を非難する世論はますます広がっています。東京、そして全国の公認心理師協会も、選考基準の明確化や複数年度雇用を求めています。第一回定例会においても複数の会派が、雇い止めの撤回や雇用年限の撤廃を求めました。
  3月20日付の朝日新聞の「社会季評」では、今回の事態について、臨床心理士が「消えつつあるのは、未来を育てる人の未来だ」との論考を掲載しています。
 1 都教委のやり方が、スクールカウンセラーにとっても、子どもたちにとっても理不尽なものであることは明らかです。今回の雇い止めは撤回するべきではありませんか。
  再度任用(更新)の回数を4回までとしていること自体に、批判の声があがっています。しかも5回目の公募による選考が面接のみで行われ、学校での実績がまったく考慮されませんでした。校長たちも「勤務評価はオールAをつけたのに、なぜ不採用なのか」と絶句したということです。経験の長い人ほど落とされており、最初から誰を落とすか決めているかのような圧迫面接だったという声も届いています。
 2 国の「スクールカウンセラー等活用事業に関するQ&A」は、スクールカウンセラーの採用にあたっては「資格を有していることのみをもって判断するのではなく」「学校現場での活動実績についても十分に踏まえた上で選考していただきたい」としています。
   都教委の選考は、学校現場での活動実績を踏まえるべきではありませんか。
 3 私たちのところに、保護者からメールが届いています。
   「いろいろな出来事により不登校になっています。スクールカウンセラーさんが母子ともに支えや相談相手になってくれていました。大変温かい誠実な対応をされるベテランの方で、頼りにしていました。しかし先日『東京都から雇い止めにあってしまい、退職します』と聞き、ショックを受けています。
   子どもの心のサポートは、継続した信頼関係の中で成り立つもので、親子ともども失望しています。せめて新しく来るカウンセラーに引き継ぎや顔合わせなどしていただきたいと申し入れましたが、学校から断られてしまいました。
   あまりにも利用者の立場を理解していない学校や教育委員会のやり方に、心底怒っています。弱い立場の子どもたちを考慮してほしい」という、切実な訴えです。このお子さんと保護者の声をどう受け止めますか。
  子どもは機械ではありません。信頼関係をつくって、やっと心を開いて話すことができ、その中で元気を取り戻し成長できるのです。250人も雇い止めにした結果、子どもも保護者も困っている、こういう事態を招いた責任を重く受け止めるべきです。子どもを育てる大人を大切にし、安心して働ける環境を整備しなければ、東京の教育に未来は開けません。
  スクールカウンセラーの雇い止めは撤回し、雇用年限を撤廃し、学校への配置を増やして充実させることを重ねて求めるものです。

令和6年第一回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 液状化対策について
  1 都は、液状化対策の面的な取り組みについて、どう考え、どう取り組むのか。認識と対応を伺う。

回答
  首都直下地震等における被害想定では、都内でも広範囲で液状化の被害が示されています。
  区画整理事業などに合わせた面的対策については、東京の地域特性に応じた対策工法などの検討を加速していきます。

質問事項
 一の2 葛飾区では東日本大地震での液状化被害をきっかけに、住宅の地盤調査、液状化対策工事に補助を行なっている。葛飾区だけでなく、液状化の危険がある地域で、取り組みが進むよう、都の積極的な支援が必要だが、見解を伺う。

回答
  今年度から、所有者等が行う液状化対策のための地盤調査や対策工事への助成を開始しており、地域の状況を把握している区市町村と連携し、取り組んでいきます。

質問事項
 一の3 国の「宅地液状化防止事業」は、面的な液状化対策としても広く活用が進むことが求められるが、都の見解を伺う。

回答
  国の「宅地液状化防止事業」は、3,000平方メートル以上かつ家屋が10戸以上の区域など、対象が限定的であると認識しています。

質問事項
 一の4 区市町村における面的な取り組みが進むよう、国の「宅地液状化防止事業」に都としての上乗せ補助を行うことを提案するが、見解を伺う。

回答
  国の「宅地液状化防止事業」は、対象が限定的であると認識しており、今後、国に必要な改善を求めていきます。

質問事項
 二 スクールカウンセラーについて
  1 今回の雇い止めは撤回すべきだが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、文部科学省の「スクールカウンセラー等活用事業実施要領」を踏まえて策定した「東京都公立学校スクールカウンセラー選考実施要項」に基づき、スクールカウンセラーの選考を行っています。

質問事項
 二の2 国の「スクールカウンセラー等活用事業に関するQ&A」は、スクールカウンセラーの採用にあたっては「資格を有していることのみをもって判断するのではなく」「学校現場での活動実績についても十分に踏まえた上で選考していただきたい」としている。都教委の選考は、学校現場での活動実績を踏まえるべきではないか、見解を伺う。

回答
  スクールカウンセラーの選考に当たっては、4回までは、公募によらない再度任用とし、校長の勤務評価等により選考しています。また、5回目は、公募による任用とし、新規申込者と同様に面接を実施し、選考しています。
  選考においては、実際の勤務を想定して面接を行っており、東京都に限らず、スクールカウンセラーとしての勤務経験のある方が、自らの経験を踏まえて、適切に応答した場合には、評価に反映されることとしています。

質問事項
 二の3 不登校の子どもを持つ保護者から、「あまりにも利用者の立場を理解していない学校や教育委員会のやり方に、心底怒っています。弱い立場の子どもたちを考慮してほしい」という訴えがあるが、この声をどう受け止めるのか、見解を伺う。

回答
  都内公立学校においては、スクールカウンセラーを含む全教職員による教育相談体制を構築し、スクールカウンセラーが交代しても、子供たちが不安を感じることがないよう、前年度までに行ってきた相談対応や支援等が確実に継続される仕組みとなっており、子供たちに寄り添った支援を進めています。