令和五年東京都議会会議録第十五号

令和五年十二月五日(火曜日)
 出席議員 百十九名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
三番石島 秀起君
四番吉住はるお君
五番松田りゅうすけ君
六番上田 令子君
七番漢人あきこ君
八番岩永やす代君
十番伊藤 大輔君
十二番もり  愛君
十三番桐山ひとみ君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番土屋 みわ君
二十一番平田みつよし君
二十二番星  大輔君
二十三番磯山  亮君
二十六番おじま紘平君
二十七番龍円あいり君
二十八番関野たかなり君
二十九番田の上いくこ君
三十番米川大二郎君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十一番浜中のりかた君
四十二番本橋たくみ君
四十三番渋谷のぶゆき君
四十四番伊藤しょうこう君
四十五番松田 康将君
四十七番白戸 太朗君
四十八番入江のぶこ君
四十九番保坂まさひろ君
五十番平けいしょう君
五十一番あかねがくぼかよ子君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十八番原田あきら君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番柴崎 幹男君
六十五番早坂 義弘君
六十六番山加 朱美君
六十七番鈴木  純君
六十八番こいそ 明君
七十番森口つかさ君
七十一番清水やすこ君
七十二番成清梨沙子君
七十三番山田ひろし君
七十四番福島りえこ君
七十五番藤井あきら君
七十六番鈴木  烈君
七十七番風間ゆたか君
七十八番竹井ようこ君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番三宅 正彦君
八十八番小宮あんり君
八十九番林あきひろ君
九十番田村 利光君
九十一番小松 大祐君
九十二番鈴木 章浩君
九十三番菅原 直志君
九十四番内山 真吾君
九十五番本橋ひろたか君
九十六番石川 良一君
九十七番伊藤 ゆう君
九十八番増子ひろき君
九十九番阿部祐美子君
百番宮瀬 英治君
百一番藤井とものり君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百五番あぜ上三和子君
百六番高倉 良生君
百七番まつば多美子君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番ほっち易隆君
百十二番川松真一朗君
百十三番菅野 弘一君
百十四番三宅しげき君
百十六番尾崎 大介君
百十七番村松 一希君
百十八番後藤 なみ君
百十九番たきぐち学君
百二十番小山くにひこ君
百二十一番森村 隆行君
百二十二番山口  拓君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 なし
 欠員
    九番    十一番   二十四番
    二十五番  四十番   四十六番
    六十九番  百十五番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事中村 倫治君
副知事宮坂  学君
教育長浜 佳葉子君
東京都技監建設局長兼務中島 高志君
政策企画局長古谷ひろみ君
総務局長野間 達也君
財務局長山下  聡君
警視総監小島 裕史君
子供政策連携室長田中 慎一君
スタートアップ・国際金融都市戦略室長吉村 恵一君
デジタルサービス局長山田 忠輝君
主税局長児玉英一郎君
生活文化スポーツ局長横山 英樹君
生活文化スポーツ局生活安全担当局長竹迫 宜哉君
都市整備局長谷崎 馨一君
環境局長栗岡 祥一君
産業労働局長坂本 雅彦君
消防総監吉田 義実君
福祉局長佐藤 智秀君
保健医療局長雲田 孝司君
港湾局長松川 桂子君
会計管理局長須藤  栄君
交通局長久我 英男君
水道局長西山 智之君
下水道局長佐々木 健君
住宅政策本部長山口  真君
中央卸売市場長早川 剛生君
選挙管理委員会事務局長副島  建君
人事委員会事務局長田中  彰君
監査事務局長小沼 博靖君
労働委員会事務局長根本 浩志君
収用委員会事務局長杉崎智恵子君

十二月五日議事日程第一号
第一 第百九十七号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百九十八号議案
  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百九十九号議案
  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第二百号議案
  非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第五 第二百一号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第六 第二百二号議案
  都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第七 第二百三号議案
  都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第八 第二百四号議案
  液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料条例の一部を改正する条例
第九 第二百五号議案
  都立桐ヶ丘高等学校(五)改築及び改修工事請負契約
第十 第二百六号議案
  都立城南職業能力開発センター大田校(五)改築工事請負契約
第十一 第二百七号議案
  都営住宅五H―一一六東(江東区辰巳一丁目)工事請負契約
第十二 第二百八号議案
  都営住宅五H―一〇一西(国立市北三丁目)工事請負契約
第十三 第二百九号議案
  東京消防庁国分寺消防署西元出張所(仮称)庁舎(五)改築工事その二請負契約
第十四 第二百十号議案
  晴海ふ頭客船受入施設(仮称)(五)改築工事請負契約
第十五 第二百十一号議案
  当せん金付証票の発売について
第十六 第二百十二号議案
  東京都営住宅、東京都福祉住宅、東京都特定公共賃貸住宅、東京都地域特別賃貸住宅、東京都引揚者住宅等の指定管理者の指定について
第十七 第二百十三号議案
  東京都リハビリテーション病院の指定管理者の指定について
第十八 第二百十四号議案
  集中的検査に用いる新型コロナウイルス抗原定性検査キットの買入れ(単価契約)について
第十九 第二百十五号議案
  東京都立奥多摩湖畔公園山のふるさと村の指定管理者の指定について
第二十 第二百十六号議案
  東京都立多幸湾公園の指定管理者の指定について
第二十一 第二百十七号議案
  東京都檜原都民の森の指定管理者の指定について
第二十二 第二百十八号議案
  東京都奥多摩都民の森の指定管理者の指定について
第二十三 第二百十九号議案
  東京都立東京臨海広域防災公園の指定管理者の指定について
第二十四 第二百二十号議案
  東京都瑞江葬儀所の指定管理者の指定について
第二十五 第二百二十一号議案
  特種用途自動車(救助車)の買入れについて
第二十六 諮問第一号
  地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について

   午後一時開会・開議

○議長(宇田川聡史君) ただいまから令和五年第四回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(宇田川聡史君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

○議長(宇田川聡史君) 次に、去る十月十五日執行されました東京都議会議員の補欠選挙において当選されました議員の議席を、会議規則第二条第二項の規定により、伊藤大輔君を十番に、鈴木烈君を七十六番にそれぞれ指定いたします。

○議長(宇田川聡史君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十四番  関口健太郎君 及び
   六十八番 こいそ 明君
を指名いたします。

○議長(宇田川聡史君) 謹んで申し上げます。
 先般の本会議におきましてご逝去の報告をいたしました足立区選出高島なおき議員の葬儀に際しましては、議会を代表して議長より深甚なる弔意を表しておきました。
 ここで、故高島なおき君に弔意を表するため、三宅しげき君より発言の申出がありますので、これを許します。
 百十四番三宅しげき君。
   〔百十四番三宅しげき君登壇〕

○百十四番(三宅しげき君) 追悼の辞。
 ただいま議長からご報告のありましたとおり、足立区選出高島なおき議員におかれましては、去る十月二日、ご家族の懸命な看護と願いもむなしく、ご逝去されました。
 享年七十三歳、政治家として円熟されて、より一層の活躍を期待されていた矢先の突然の悲報に、ただただ驚愕いたしますとともに、痛惜の念に堪えません。
 ここに私は、皆様のご同意によりまして、東京都議会を代表し、謹んで高島議員への哀惜の言葉を述べさせていただきます。
 今、演壇から議場を見渡し、中央の奥、いつもの場所に高島議員のお姿が見えないこと、そして白い花が置かれていることに、頭では理解していても、いまだ実感が湧きません。ここ議事堂におりますと、高島議員の在りし日のお姿が自然と目に浮かび、おお元気かと気さくな声が聞こえてくるような気がいたします。
 顧みますと、高島議員は、昭和二十五年に足立区千住の製あん業を営むご家庭にお生まれになりました。学生時代は勉学にいそしみ、テスト前になると級友にノートを貸したり出題予想を教えたりと、生来真面目で面倒見がよかったご様子がうかがえます。大学卒業後は、ご実家の製あん所で働かれ、近藤信好都議会議員の後援会副会長を務めていたお父様の代理で会合に出席したことをきっかけに、近藤先生の秘書となられました。その後、家業を継がれ、いっときは政治の世界から遠ざかられていましたが、地元の方々の強い期待を受け、昭和五十八年五月、足立区議会議員に初当選されました。以後、区議会議員として、三期連続十年余にわたり地場産業の経営基盤の強化や都市環境の整備などに献身的に取り組まれました。
 そして、平成九年七月、その誠実さと持ち前の行動力をもって東京都議会議員に当選され、活躍の場を都政に移されました。
 都議会におけるご活躍については今さら申し上げるまでもございません。六期二十二年余にわたる議員生活の中で、公営企業委員会副委員長や建設・住宅委員会委員長、議会運営委員会委員長を、東京都議会自由民主党においては政務調査会長、そして幹事長という要職を歴任されました。
 平成二十六年には第四十六代東京都議会議長に就任され、また、全国都道府県議会議長会の会長に選任されました。折しも国において地方創生が打ち出され、東京対地方の構図が殊さらに強調される中、高島議員は都議会議長として、また議長会会長として、四十七都道府県における様々な連携の重要性と、その相乗効果による日本全体の発展を強く主張されていました。
 こうした長年にわたる活躍の中でも、ひときわ大きな、そしてご自身にとっても感慨深い功績の一つが、ラグビーワールドカップ二〇一九日本大会、そして東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の開催ではないでしょうか。
 ワールドラグビー会長をして、これまでで最もすばらしい大会といわしめたラグビーワールドカップ二〇一九ですが、東京での開催、そして大会の成功に向け、八面六臂の活躍をされたのが高島議員でした。日本中が熱狂している様子に顔をほころばせながらも、その経験を東京二〇二〇大会につなげていこうと決意を新たにされていました。
 東京二〇二〇大会においては、オールジャパンで大会を成功させることが重要であると、大会組織委員会理事、オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会委員長として、国そして全国の自治体との連携に尽力されていました。コロナ禍での異例の大会を成功させた東京には世界から多くの称賛が寄せられましたが、その結果に満足することなく、大会レガシーの継承やその先の東京、また、日本のさらなる発展を真剣に考えられていたお姿に心から敬服したのは私だけではないと思います。
 高島議員が大事にされていた座右の銘があります。「爾の俸 爾の禄は 民の膏 民の脂なり 下民は虐げ易きも 上天は欺き難し」。都民の方々からの様々な相談に真摯に向き合いながら、都議会においては都政の課題解決のため、各会派との調整に奔走し、執行機関と熱心に意見を交換され、国との交渉に奮迅なさっていました。高島議員は、いつも天に、そして何よりも都民の皆様に恥じないよう、その生涯をかけて全身全霊で議員活動をされてきました。
 今年に入り、体調を崩されていたとお聞きしましたが、都議会でお会いする高島議員はいつもと変わらず、つらいそぶりはみじんも感じさせませんでした。病魔と闘いながら、そして最期は病床にありながらも、都政を案じて各方面と連絡を取り、最後の最後まで都議会議員であり続けました。
 義理堅く人情味にあふれ、誰に対しても優しく、常に都民と都政を思い、全力で行動されていた高島議員。私たちは、高島なおきという都議会議員がいたことを誇りに思います。
 高島議員という傑出した同志を失ったことは、地元足立区のみならず、都政にとっても余りにも大きな損失であり、一つの時代が終わってしまったかのような気さえいたします。私たちは、高島議員のご遺志を引き継ぎ、高島議員が愛した東京都の発展のため、力を合わせ一層努力していくことで、そのご遺徳にお応えをしたいと思います。
 高島議員、どうか安らかにお眠りください。そして、私たち都政に関わる議員、職員を見守っていてください。
 最後になりましたが、ご遺族の方々がこの悲しみを乗り越えて力強く歩まれていかれますようお願いを申し上げ、高島議員のご冥福を心からお祈りし、追悼の言葉とさせていただきます。
  令和五年十二月五日
     東京都議会議員 三宅しげき

○議長(宇田川聡史君) 以上をもって三宅しげき君の発言は終わりました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(古賀元浩君) 令和五年十一月二十八日付東京都告示第千二百号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案二十六件の送付がありました。
 次に、選挙管理委員会委員長より、選挙管理委員及び同補充員の任期について、令和五年十二月二十二日をもって満了するとの通知がありました。
 次に、知事より、令和五年第三回定例会の会議において同意を得た監査委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、人事委員会委員長より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の委任の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。
 また、令和五年十月十三日付で、都の一般職の職員の給与についての勧告等がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
(別冊参照)

○議長(宇田川聡史君) この際、令和五年十月二十六日付をもちまして、全国都道府県議会議長会において、自治功労者として表彰を受けられました方々をご紹介いたします。
 在職三十年以上、大山とも子さん。
 在職十年以上、田の上いくこさん、たきぐち学君、石川良一君、とくとめ道信君、柴崎幹男君、尾崎あや子さん、菅野弘一君、和泉なおみさん、上田令子さん、里吉ゆみさん、宮瀬英治君、小松大祐君、川松真一朗君、白石たみお君、米倉春奈さん。
 ここに敬意を表し、心からお祝いを申し上げます。
   〔拍手〕

○議長(宇田川聡史君) 次に、新たに当選されました諸君を順次ご紹介申し上げます。
 十番伊藤大輔君。
   〔十番伊藤大輔君登壇〕

○十番(伊藤大輔君) さきの補欠選挙で立川市選挙区から選出をいただきました、都民ファーストの会、伊藤大輔と申します。
 今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

○議長(宇田川聡史君) 七十六番鈴木烈君。
   〔七十六番鈴木烈君登壇〕

○七十六番(鈴木烈君) 同じく立川市選出の立憲民主党、鈴木烈でございます。
 自己紹介は、来週の一般質問に代えさせていただきたいと存じます。
 以後、よろしくお願いいたします。(拍手)

○議長(宇田川聡史君) 以上をもって紹介は終わりました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(九ページ)に掲載〕

○議長(宇田川聡史君) 次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員をご紹介いたします。
 人事委員会事務局長田中彰君。
   〔理事者挨拶〕

○議長(宇田川聡史君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 去る十月十八日付をもって、お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ常任委員の所属変更の申出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書の規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。
   〔常任委員所属変更名簿は本号末尾(一九五ページ)に掲載〕

○議長(宇田川聡史君) 次に、閉会中の常任委員の選任について申し上げます。
 委員会条例第五条第四項の規定により、去る十月十八日付をもって、議長において、新たに当選されました伊藤大輔君及び鈴木烈君を厚生委員に指名いたしました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、閉会中のオリンピック・パラリンピック特別委員の欠員の補充について申し上げます。
 議員の逝去に伴い、同委員に欠員が生じましたので、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、去る十月二十日付をもって星大輔君を指名いたしました。

○議長(宇田川聡史君) 次に、閉会中の令和四年度各会計決算特別委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る十月十一日付をもって、小松大祐君より辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書の規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって岩永やす代さんを指名いたしました。

○議長(宇田川聡史君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十二月二十日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(宇田川聡史君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。

○議長(宇田川聡史君) この際、知事より発言の申出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和五年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対します所信の一端を述べさせていただきます。
 去る十月二日、高島なおき議員が逝去されました。ここに謹んで追悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 先般、国際通貨基金、IMFから、二〇二三年の日本のGDPがドイツに抜かれ四位に後退するとの見通しが発表されました。私たちは常に厳しい国際競争のただ中にいることを忘れてはなりません。日本経済の復活に向けた本気度が問われる、まさに正念場であります。
 深刻化する気候危機や少子高齢化、国際競争力の低下など、我が国が先送りしてきた課題が先鋭的に現れています。不確かな時代において、都民が将来に希望を持ち、安心して暮らせる都市を実現する、そして、日本の牽引役としての役割を果たす。そのために、東京は先手先手で持続可能な都市への変革に取り組んできました。この手を緩めることなく、一歩も二歩も前に進めていく。時代のその先に目を向け、何が都民ファーストになるか、これを第一に考えながら、未来を切り開く政策を全力で推し進めてまいります。
 東京の強みを磨き上げることで、人や投資を呼び込み、厳しい国際競争を勝ち抜かなければなりません。成長が次の成長を呼ぶ持続的なエコシステムの創出が求められています。
 都市が抱える多くの課題を解決し、新たな価値を生み出すために欠かせないイノベーション。その原動力がスタートアップです。先日開催した若手起業家を輩出するコンテストでは、ファイナリストの大半が女性でした。新たな視点や発想は次々と生まれています。こうした未来を開く力を支援する拠点、Tokyo Innovation Base、通称TIBが、先週、国内外のキーパーソンをお迎えしてプレオープンいたしました。全国各地に点在するスタートアップ拠点を有機的に結びつけ、そして世界とつながるグローバルなハブとなり、東京を核にした大きな一つの生態系を生み出します。既に、大学やアクセラレーター、大企業など約三十の多様なプレイヤーがスターティングメンバーとして参画しています。来年五月の本格オープンに向けまして、若者をはじめ、国内外の意欲あふれる挑戦者を全力でサポートする仕掛けづくりを進め、世界と肩を並べるエコシステムを創出いたします。
 今や中小企業の技術力が宇宙への道も切り開こうとする時代です。昨年開設した東京たま未来メッセを中心に、中小企業の強みを生かして新たなビジネスを生み出します。来月には、多摩地域で最大級となる展示会、たま未来・産業フェアを初めて開催します。熱意と創意工夫で磨かれた優れた製品やサービスを知ってもらい、企業同士の新たなつながりを生むことでイノベーションを促します。
 こうして進化を遂げる技術は社会を変えます。例えば、自動運転や空飛ぶ車は、もはや空想の世界ではなく、腕を伸ばせばもう少しで手が届く現実的な未来の話です。戦略的なロードマップを描き、次世代モビリティーの実装化を着実に進めます。
 国内外から投資を呼び込む国際金融都市としての環境整備も不可欠です。資産運用立国を目指す国に対し、国内企業の英文でのIR情報開示や機関投資家のアクティブ運用促進など三十五項目に及ぶ政策提言を行いました。国と連携することで、世界有数のビジネスインフラを備えた東京の優位性を余すことなく発揮し、国際社会から選ばれる都市にします。
 都政のDXは、都民サービスのDXへと次なるステップに挑みます。重要なのは、デジタルでサービスの質が上がったと実感できること、すなわちDXのX、トランスフォーメーションの実現です。関係者の力を結集し、切れ目のないサービスを都民に届けます。変革の突破口として、子供や子育て世帯を社会全体で応援するこどもDXを国、区市町村、民間の推進団体と共に推し進めます。必要な情報が先回りで届くプッシュ型子育てサービスや手間のかかる入園手続がオンラインで完結する保活ワンストップを二〇二五年度末までに実現します。今月、東京こどもDX二〇二五つながる子育て推進会議を発足し、GovTech東京と共に、全国に展開できるサービスの実装を加速します。
 インバウンドが急速に回復する今こそ、観光を経済成長の突破口にするチャンスです。先月からお台場で開催している国内最大級のビーチプロジェクション、CONCORDIAは、AIやAR等の最先端技術を活用した光と音の幻想的な体験が好評を博しています。これに続き、大みそかには都民広場でカウントダウンイベントも開催します。弧を描く壁面に映し出すプロジェクションマッピングや新年への思いを込めたランタンを空に浮かべる演出など、光を使った東京の夜の魅力をアピールしていきます。
 海外でも注目される日本の多彩な食。豊かな食文化を支える農作物の栽培において、肥料の安定確保は大きな課題です。水再生センターから発生する下水汚泥に含まれるリンを取り出し、肥料として有効活用する取組に挑みます。我が国は、リンのほぼ全量を輸入に依存しています。全国の下水処理量の一割を占める東京が肥料の国産化に乗り出せば、食料安全保障上も大きなインパクトとなります。JA全農と協定も締結し、東京のリンを全国で利用いただけるよう連携して取組を進めます。
 バラエティーに富む東京の取組を世界に向け強力に発信する機会となるのが、来年春に開催するSusHi Tech Tokyo 二〇二四です。五大陸の都市のリーダーをお招きするほか、目玉の一つとなるスタートアップピッチコンテストの挑戦者も国内外から募っています。最先端技術を通して未来の都市の可能性を体験できるプログラムも展開するなど、これを機に東京のプレゼンスをぐんと引き上げ、イノベーションにつながる多様な結びつきが次々と生まれる都市にしたいと思います。開催百日前に合わせ、デジタル空間を活用したPRも実施し、バーチャルの世界で江戸東京の多彩な文化や産業の魅力に触れてもらうことで、SusHi Tech Tokyoへの期待を一層高めます。
 二十一世紀は都市の時代といわれています。人類に立ちはだかる気候危機を前に、エネルギーの大消費地としてその責任を果たしていかなければなりません。
 今、中東のUAEで開催中のCOP28では、各都市のリーダーが招待されるサミットが開催されました。共通の危機に立ち向かう国際社会にとって、まさに歴史的な一歩であります。
 こうした世界の動向を踏まえれば、都が掲げる二〇三〇年のカーボンハーフ、その先のゼロエミッション東京の実現を確かなものにしなければなりません。先日、私も会議に出席をいたしまして、太陽光発電設備の設置義務化やペロブスカイト太陽電池など、東京、日本の先進的な取組を強く発信し、そして、二〇三〇年に都内の再エネ設備を三倍に拡大することを宣言してまいりました。パリ協定で掲げる一・五度C目標を達成する。この強い覚悟の下、団結、行動、実現が世界に求められています。持続可能な未来のため、具体の行動を重ねてまいります。
 COP28では、東京が水素エネルギーの普及に向けて国際社会を牽引するべく、水素の製造や利活用を推進する世界有数の機関と連携し、国内初となる水素取引所を立ち上げる構想を明らかにいたしました。加えて、海外都市とのアライアンス締結も推し進め、国際的なサプライチェーンの構築や技術開発につなげます。身近な取組として、意欲ある自治体を対象に燃料電池で動くごみ収集車の導入も支援するなど、需要と供給を掘り起こし、脱炭素の切り札とされる水素の利活用を活性化させます。
 隗より始めよで、都は率先して再エネの実装を推し進めます。長く地域で親しまれる東京さくらトラムを来年度から水力発電由来のグリーン電力で運行するほか、庁有車に太陽光パネルを搭載した車両を導入し、太陽電池活用の裾野を広げます。令和七年度からの建築物環境報告書制度の開始に先駆け、環境性能の高い建築物の普及に力を入れる事業者の表彰制度も創設いたしました。さらに、使用済み食用油などを使った次世代の航空燃料のSAFは、全国で初めて定期便での継続的な使用に取り組みます。先月の有識者等の会議におきましては、電力の需給状況に応じたデマンドレスポンスなどエネルギーマネジメントに関する助言をいただきました。今後も検討を深め、我が国のエネルギー構造の転換を牽引してまいります。
 クリーンエネルギーの拠点整備等を目的に設立したサステーナブルエネルギーファンドから、北海道の三万キロワット級の風力発電事業に第一号となる投資を行いました。脱炭素社会の実現には、こうして金融の力を上手に生かし、民間の取組を促すことが肝要です。都内企業の大部分を占める中小企業を対象に、持続可能性に配慮した経営の視点を浸透させるためのセミナーも金融機関と連携して開催いたしました。サステーナブルファイナンスを活性化し、脱炭素化を強力に後押しいたします。
 世界的にも自然環境と都市機能の調和が重要視される中、大きな転換点を迎えているのがまちづくりであります。緑があふれ、人が憩い、楽しく歩ける、百年後に胸を張って継承できる暮らしや潤いを大切にした都市を築き上げます。例えば、西新宿エリアでは、地元の区や企業と協力して、道路や公園などエリア一体となった、人が中心のウオーカブルな空間を創出し、青空の下、多くの方々に目指すまちづくりの魅力を体感してもらいました。
 さらに、世代を超えて人々に寄り添う安らぎの場として、国立競技場に臨む都立明治公園に新たなエリアをオープンいたしました。開放感のある芝生広場で誰もが思い思いの時間を過ごせるほか、子供たちをはじめ地域住民の皆様と植樹も行った木々を豊かな森へと大切に育て上げていきます。
 虎ノ門や麻布台、日本橋や品川、今、都心では各地で大規模な再開発が進んでいます。都市に息づく緑を守り、増やし、つないでいく。例えば、先日開業しました麻布台ヒルズでは、まち全体が四季折々の草木で彩られ、都心とは思えない憩いの空間が創出されています。まちづくりを通じて多くの緑が新たに生まれているのであります。今後、専門家の皆様やこれからの東京を背負って立つ若者たちの意見をしっかりと取り入れながら施策を強化し、東京グリーンビズを次のステージへ進めてまいります。
 続いて、人を育み、誰もがいつまでも輝ける真の成熟都市を実現する取組について申し上げます。
 海外紛争や円安などに起因する物価高騰が都民生活に影響を及ぼしています。こうした社会経済情勢の中、都民生活、東京の経済をしっかりと守っていかなければなりません。
 これまで講じてきたエネルギー価格高騰等への対策に加えまして、都民生活を下支えし、消費を喚起するための新たな取組を実施するなど、物価高騰の影響を受ける都民、事業者への支援を速やかに講じてまいります。今後、こうした支援策を盛り込んだ補正予算案を提案いたします。
 チルドレンファーストの推進こそ、都市の持続可能性を支える重要な要素です。子供が主役の社会をつくり上げなければなりません。
 今日の子育て環境の下において、子育て世帯は将来への不安など様々な悩みを抱えています。国に対し、その責任において、子育て世帯への支援の充実、強化、早期実現を図るよう強く働きかけを行っていきます。同時に、都として先行して、特に大きな負担となっている教育費、とりわけ高校授業料の実質無償化や学校給食費の負担軽減に大胆に踏み出し、スピード感を持って子育て世帯を全力でサポートしてまいります。
 ゼロ歳から十八歳までの子供たち一人一人の成長をひとしく支える〇一八サポートは、いよいよ来月から支給が始まります。都立大学等の授業料を免除する新たな制度も来年度から開始し、子供たちを安心して育める環境を整えます。
 もっと知りたい、もっとうまくなりたいという生徒たちの意欲に応え、能力や才能を伸ばす後押しをします。先月から開始した都立高校一年生を対象としたプログラムでは、芸術分野の第一線で活躍する大学教育陣の講演や特別指導を受けるなど、学びを深める機会を提供しております。生徒たちの若き感性を刺激し、次なる才能を育てます。都内の高校生等を対象にして、身近な課題解決をテーマにしたアプリの開発を競うコンテストも開催しました。優秀な作品は来月表彰を行い、社会の中で必要性が一層高まるプログラミングへの興味、関心を育みます。
 一方、不登校の児童生徒の数が増加し続けています。子供たちが安心して学び、力を伸ばせる環境を整えなければなりません。校内の別室で学習指導や相談を行う支援員の配置も後押しをし、きめ細かなサポートを行います。さらに、仮想空間を活用して居場所や学習の場を提供するなど、多様な学びのための環境整備を着実に進めます。
 昨今、子供への性加害問題が国内外で大きな波紋を呼びました。性被害や性暴力は、被害者の心身を将来にわたり深く傷つけるものであります。早期の対応や当事者に寄り添った支援が欠かせません。子供や保護者が相談しやすいように専用のホットラインを設置しました。来月にはSNSを活用した窓口も開設いたします。被害に悩んでいる方々は、どうかためらわず相談してほしいと思います。
 また、少子化が叫ばれる中で、児童虐待は増加の一途をたどっています。一時保護の長期化や心理的ケアのニーズの高まりなど大都市特有の困難なケースが先鋭的に現れています。児童相談体制の強化、これは急務です。都と区市町村の連携はもとより、最前線を担う現場での対応力、そしてそれを専門性を生かしてバックアップする機能の強化、児童福祉司や心理司など人材の確保、育成も必要です。こうした視点で、かけがえのない子供たちを守り抜く体制をしっかりと構築していきます。
 世界でも高齢化の最前線を走る東京。健康長寿社会を見据えた環境づくりは欠かせません。人生百年時代を生きる高齢者の活躍を後押しするために都立大学に設置したプレミアム・カレッジは大変好評を得ています。また、二〇二五年には約七百万人規模になると推測されている認知症への対応は避けて通れない課題です。都民の約三分の二が暮らすマンション等でも認知症の住民が増えています。管理組合に専門家を派遣して関係機関との連携方法など助言を行い、対応力向上を図ります。症状の進行を遅らせる効果が期待できる新たな薬が登場し、治療の選択肢も増えています。地域で安心して暮らし続けられるよう、健康長寿医療センター等の知見を活用しながら、早期診断、早期治療など幅広い観点で総合的かつ計画的に施策を推し進めます。
 都内企業の女性管理職の割合は一割を超え、上昇傾向にあります。それでも世界に大きく遅れを取るのが現状です。都政では、審議会等の女性委員の割合が、既に「未来の東京」戦略で四〇%以上としている目標を超え、約四六%と着実に増加しています。これに加え、民間企業でも女性の登用を加速するため、企業のトップと共に経営戦略として活躍を推進するムーブメントづくりを行います。また、新たに立ち上げた情報発信サイトによって、女性特有の健康課題に関する職場の理解を広げることで、働きやすい環境も整えます。
 この間、東京くらし方会議での議論を通じて、社会の仕組みや意識など多様な視点からのアプローチが必要であることが改めて明らかとなっています。女性が輝く社会に向けまして、東京にできることは何か。引き続き、有識者のご意見もいただきながら、政策を練り上げてまいります。
 障害のある方々の自己実現を応援します。働くことを通じて、人は社会に参画している実感を得られます。そこで、大変好評を得ている大規模な障害者マッチングイベントを今年度も開催します。企業との面接会や講演、セミナー等を同時開催し、障害者雇用の裾野を広げるとともに、社会のマインドチェンジにつなげます。
 そして、現在、年度末の策定を目指し、障害のある方々や福祉のまちづくりに関する基本計画の改定作業を進めています。多様な人が互いを尊重し、誰もが輝ける真の共生社会へと続く道しるべとして実効性あるものにしてまいります。
 サービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられるカスタマーハラスメントが増加しています。放置すれば、労働生産性を損ない、産業界の活力をそぐことにもつながりかねません。顧客満足と働く人の心身の健康が並び立つ、東京ならではのルールづくりを進めます。
 二〇二五年に東京で開催される世界陸上とデフリンピックの準備が本格化しています。先月、運営の基本的な方向性を示した開催基本計画がそれぞれ策定されました。世界陸上につきましては、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる舞台を整えるとともに、持続可能性が重視される今後の国際スポーツ大会のモデルを目指します。また、開催まで二年を切ったデフリンピック、この機を捉え、期間限定でオープンした、みるカフェでは、私も聴覚障害を持つスタッフとデジタル技術を使ったやり取りを体験し、あまりのスムーズさに驚いたところであります。多様な人々の力を結集して大会をつくり上げ、デジタル技術によるユニバーサルコミュニケーションが浸透した社会への転換点にいたします。さらに、両大会を通じて、準備段階から子供の参画機会も設けることで、そこで得られる経験をレガシーとして確実に次世代へと受け継ぎます。
 人の力を存分に引き出し、活発な都市活動を支える土台は安全・安心にほかなりません。自助、共助、公助を三位一体で強化いたします。
 まずは自助、共助についてです。多くの都民が暮らすマンションなどでは、災害時でも生活を継続しやすいよう備えに取り組む東京とどまるマンションへの登録が進んでいます。機運を逃さず、訓練や備蓄の重要性などを積極的に発信し、さらなる登録拡大を図ることで防災力の向上につなげます。
 発災時の都民の活動体制強化にも取り組みます。先日には、東京消防庁の管轄エリア全域を対象に、二十四時間にわたる実動型の震災訓練を実施しました。区市町村、地元消防団との連携や町会、自治会等における防火防災を一層強固なものにいたします。
 公助の取組も推し進めます。今月、豪雨対策の基本方針を改定し、発生が予測される大部分の降雨に対応できますよう、対策の目標を都内全域で時間十ミリ引き上げます。予測を超える事態を想定してグリーンインフラの導入促進なども盛り込み、今後の河川施設の在り方も踏まえながら、風水害に負けない都市を築きます。また、日の出町と青梅市を結ぶ梅ヶ谷トンネルがいよいよ来年三月に開通します。これにより、道路網のダブルルート化を図り、地域の防災性を飛躍的に高めます。
 近い将来、南海トラフ地震の発生も想定される中、島しょ地域の津波対策は待ったなしであります。一昨日、八丈島や神津島等で津波が観測されましたが、十月に発生した津波では、小型の船が転覆する被害が発生し、その際、都は直ちに観測体制等の強化を国に要望いたしました。加えて、都立大学が中心となり、津波検知システムの構築も着実に進めます。さらに、島内完全無電柱化に向けて、利島と御蔵島では年明けに工事を開始し、島しょ地域の防災力強化を推進していきます。
 首都直下地震を想定して策定している都政のBCP、いわゆる業務継続計画を、オールハザード型Step.1として多様な災害にも柔軟に対応できるよう大幅に改定しました。今後、富士山の噴火なども含めたBCPへとさらなるバージョンアップを行い、司令塔の役割を担う都庁の災害対応力を一層向上させます。
 重大な脅威ともいうべき弾道ミサイルの飛来に備え、先月は練馬区におきまして、都内で初めて緊急一時避難施設を活用した避難訓練を実施しました。いざというときに命を守る重要なポイントは、逃げる、離れる、隠れるであります。今後も、継続的に訓練を重ねるとともに、周知活動も強化し、都民一人一人にミサイルへの危機意識を養います。
 こうした様々な取組を踏まえ、TOKYO強靱化プロジェクトを年内にアップグレードします。豪雨対策やマンション防災に加え、富士山噴火による火山灰対策など、新たな取組の追加や施策の具体化を図ります。施策ごとの中間目標も明らかにすることで、都民の命と財産を守り抜く、強靱で持続可能な都市への道筋を確かなものにいたします。
 さて、時代の変遷とともに、都市の姿、社会の在り方も変わります。関東大震災や第二次世界大戦、一九六四年のオリンピック、振り返れば、歴史の節目節目を大転換点とし、あまたの先人たちが未来志向でより豊かな都市へと東京をつくり変えてきました。経済や社会の姿が大きく変貌を遂げる今だからこそ、その姿勢に学ばなければなりません。自然と都市機能の調和、デジタル化の推進、イノベーションを支える新たなエコシステムの創出、そして何より都民一人一人が輝ける都市の実現。明るい未来を現実のものとする実行力が再び問われているのであります。
 国際社会の現状に目を向ければ、逡巡しているいとまがないことは明らかです。私たちの前には無限大の可能性が広がっています。都民ファーストという揺るぎない信念の下、共に東京大改革を推し進めてまいりましょう。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含めまして、条例案八件、契約案六件など、合わせて二十六件の議案を提案いたしております。よろしくご審議お願いを申し上げます。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。

○議長(宇田川聡史君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(鈴木純君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明六日から十一日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(宇田川聡史君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(宇田川聡史君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明六日から十一日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は十二月十二日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時五十分散会


文書質問趣意書及び答弁書

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 松田りゅうすけ

質問事項
 一 東京都の子供たちの高コレステロール血症について

一 東京都の子供たちの高コレステロール血症について
  東京都の子供たちに高コレステロール血症が蔓延しており、都民に現代病は増え続けて勤労・育児世代で現代病が原因で亡くなる方は稀ではなくなっている。
  「禁煙による肺がんの予防に次いで、心筋梗塞は最も予防可能な慢性疾患である」と言われているように、コレステロール値を下げて心筋梗塞を減らす健康増進法は既に確立されている。現代病で初めに欧米先進国で問題になったのは心筋梗塞であった。穀物の消費が減り畜産物の消費が増えて、摂取カロリーに占める脂肪比率、特に飽和脂肪酸比率の増加が原因であると解明され、それまでの食事指導を180度転換して、穀物中心で植物ベースの伝統食に戻るようにとの心筋梗塞の予防法が欧米諸国の食事指導となった。心筋梗塞・脳梗塞が劇的に減った後、癌や認知症の罹患率も低下していると報告されており、すでに癌や認知症の罹患率は欧米より日本の方が高くなっている。
  国連やWHOは欧米諸国で有効性が実証された非感染性慢性疾患NCDs(現代病:心筋梗塞、脳梗塞、ある種の癌、認知症、高コレステロール血症、高血圧、肥満、糖尿病など)対策の健康政策を各国政府に求めており、アジア、中南米、アフリカなどの各国も国連・WHOの勧告する健康施策を行っている。
  日本で脳出血を減らすために、高血圧にならないように塩分摂取に気をつけるように周知して、国民の平均血圧を下げて脳出血を劇的に減らすことに成功したのと同様である。ところが日本では「穀物に偏らないでバランスよく食べましょう」など、現代病が流行する以前の食事指導が続けられており、もしも現代病対策の健康施策が実施されれば、亡くならずにすんだ何万人もの日本人が毎年現代病で死亡している。
  東京都予防医学協会の小児生活習慣病予防健診2008年版では参加した小学4年生の25%の児童はLDLコレステロール値が140を超えており高コレステロール血症に罹患している。米国の同年齢の児童の罹患率は数%である。2008年の米国小児科学会の「Pediatrics:Lipid Screening and Cardiovascular Health in Childhood」に示されたデータでは男児でLDLコレステロール値が133を超えている児童は5%、女児では136を超えている児童は5%であり、東京都での蔓延は早急な対策を要する状況である。
  日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版では高コレステロール血症の原因について「1946年から1990年の観察で、全穀物、米の消費量は顕著に減少し、牛乳、乳製品、肉類の消費量は著明に増加しており、食生活の欧米化が認められている」と説明して「肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を抑え、魚類、大豆製品の摂取を増やす。野菜、果物、未精製穀類、海藻の摂取を増やす」の食事指導を必ず行うようにと記載している。同2022年版では、小児期(15歳未満)の脂質異常症の基準LDLコレステロール値を140ミリグラムパーデシリットル以上と定めて、小児期から食事を含めた適切な生活習慣を身につけることが重要であるとしている。
  また、WHOと国連食糧農業機関の合同レポート「DIET, NUTRITION AND THE PREVENTION OF CHRONIC DISEASES」では下記の内容が記載されている。穀物の消費が減り、脂肪、特に飽和脂肪酸(畜産物)の消費が増えたことが、途上国や新興国で非感染性慢性疾患による障害や勤労・育児世代での病死が増えている原因である。民族性・地方色のある伝統食を手本にすべきである。学校で脂肪の少ない肉や成分無調整ではなく低脂肪乳の提供に変更すべきだと考える。
  飽和脂肪は肉類・乳製品・卵黄のことで、不飽和脂肪は魚類・豆類、トランス脂肪は植物油を工業的に加工した業務用油などのことを指している。日本では耳慣れない言葉だが、欧米、中南米、アジア諸国では減らすべき総脂肪と避けるべき飽和脂肪酸、トランス脂肪酸の含有量は加工食品に成分表示が義務付けられている。日本では飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の表示は任意となっており、加工食品での成分表示はほとんど行われていない。
  今でも日本では牛乳給食や「穀物に偏らないでバランスよく食べなさい。動物性蛋白質は重要な栄養素です。肉が体を作る。牛乳からカルシウムを摂りなさい。卵を1日1個食べましょう。」などの食事指導が学校で行われているが、国連とWHOの食事指導と反対になっており、健康を害する原因となっている。
 1 東京都は東京都予防医学協会の小児生活習慣病予防健診で小児高コレステロール血症が蔓延している事実を認識しているか。
 2 世界中で採用されている国連やWHOの推奨する食事指導と、現在の東京都の食事指導が異なっていることを認識しているか。
  2014年に大田区医師会の小児栄養検討委員会が小学4年生のLDLコレステロール値と飽和脂肪酸の摂取状況を調べる健診を行なった。健診での飽和脂肪酸摂取状況は男児の88%は摂取過多で摂取源の48%は牛乳・乳製品、19%は肉類で、女児の79%は摂取過多で摂取源の44%は牛乳・乳製品、19%は肉類であった。小池知事が関東農政局長宛に提出した『「東京都学校給食用牛乳供給実施方針」の変更について』の中で「牛乳給食を将来にわたる牛乳の需要を確保する。」「都の酪農振興にとって重要な施策として位置付けるものである。」と記載している。また、「消費拡大(牛乳)のために講じている施策と今後の消費拡大の方針」では、アイスクリームの消費拡大を図る方針を示して、消費拡大のために栄養士を啓発すると記載している。
 3 『「東京都学校給食用牛乳供給実施方針」の変更について』には学校給食や学校での栄養教育を畜産振興のために利用していることが記されている。この方針は早急に変更すべきと考えるが、都の認識を伺う。
 4 牛乳給食を速やかに中止すべきと考えるが、都の認識を伺う。
 5 『「東京都学校給食用牛乳供給実施方針」の変更について』には学校給食や学校での栄養教育を畜産振興のために利用していることが記されている。しかし、給食の牛乳代は保護者が支払っている為、保護者の牛乳給食の変更の意向があった場合に、選択できる様にすべきと考えるが、都の認識を伺う。
 6 『「東京都学校給食用牛乳供給実施方針」の変更について』には、牛乳の消費拡大の目的で、栄養士の啓発を行うことが記載されている。国連/WHOが推奨している栄養指導に基づき職務を全うすべきだが、東京都としてはなぜ栄養士に牛乳給食の啓発を行うことにしているのか認識を伺う。

令和5年第三回都議会定例会
松田りゅうすけ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 東京都の子供たちの高コレステロール血症について
  1 東京都は東京都予防医学協会の小児生活習慣病予防健診で小児高コレステロール血症が蔓延している事実を認識しているか伺う。

回答
  小中学校などで実施されている児童生徒等向けの健康診断は、学校保健安全法に基づき検査項目が定められており、血中脂質検査は含まれていません。
  なお、東京都予防医学協会年報(2023年版)によると、当該協会が都内の一部地域の児童生徒を対象とした小児生活習慣病予防健診で血液検査等を実施しており、血液中に含まれる脂質について、協会独自の基準を用いた結果判定が行われています。

質問事項
 一の2 世界中で採用されている国連やWHOの推奨する食事指導と、現在の東京都の食事指導が異なっていることを認識しているか伺う。

回答
  国は、健康増進法に基づく日本人の食事摂取基準において、健康の保持増進を図る上で望ましいエネルギー及び栄養素の摂取量を示しており、都はこれを踏まえ、健康的な食生活の推進に取り組んでいます。

質問事項
 一の3 『「東京都学校給食用牛乳供給実施方針」の変更について』には学校給食や学校での栄養教育を畜産振興のために利用していることが記されている。この方針は早急に変更すべきと考えるが、都の認識を伺う。

回答
  「東京都学校給食用牛乳供給実施方針」は、国の学校給食用牛乳供給対策要綱に基づき、同要綱に定める様式により作成し、国へ報告しています。

質問事項
 一の4 牛乳給食を速やかに中止すべきと考えるが、都の認識を伺う。

回答
  学校給食における食品構成については、国の定める「学校給食摂取基
準」を踏まえつつ、多様な食品を適切に組み合わせることとされており、各学校の設置者が適切に判断しています。

質問事項
 一の5 『「東京都学校給食用牛乳供給実施方針」の変更について』には学校給食や学校での栄養教育を畜産振興のために利用していることが記されている。しかし、給食の牛乳代は保護者が支払っている為、保護者の牛乳給食の変更の意向があった場合に、選択できる様にすべきと考えるが、都の認識を伺う。

回答
  国の定める学校給食実施基準では、学校給食は、これを実施する学校においては、当該学校に在学する全ての児童又は生徒に対し実施されるものとしています。また、同基準では、児童又は生徒の個々の健康及び生活活動等の実態並びに地域の実情等に配慮するものとしています。
  学校給食は、同基準等も踏まえ、各学校の設置者がその責任において適切に実施しています。

質問事項
 一の6 『「東京都学校給食用牛乳供給実施方針」の変更について』には、牛乳の消費拡大の目的で、栄養士の啓発を行うことが記載されている。国連/WHOが推奨している栄養指導に基づき職務を全うすべきだが、東京都としてはなぜ栄養士に牛乳給食の啓発を行うことにしているのか認識を伺う。

回答
  学校栄養職員等は、学校給食法等に基づき、児童・生徒が健全な食生活を自ら営むことができるよう、学校給食を活用した食に関する指導を行っています。
  都教育委員会は、学校栄養職員等に対し、児童・生徒が各栄養素をバランスよく摂取しつつ様々な食に触れることができるようにするため、多様な食品を組み合わせた献立計画等の研修を実施しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 上田令子

質問事項
 一 脱炭素義務付けについて
 二 葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について
 三 教育・子ども子育て支援政策について
 四 外国人起業家の資金調達支援事業について
 五 小池都政のガバナンス・マネジメントについて

一 脱炭素義務付けについて
  東京都は、脱炭素社会の実現に向けた実効性ある取組の強化を図るため、温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度及び地球温暖化対策報告書制度について、所要の改正を行うために「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例」改正案を令和5年第三回定例会に提案しました。今後のスケジュールとしては、今年度中に条例を議会で制定し、令和7年(2025年)4月1日に施行することを東京都は目指しているとのことです。
  ついては、以下について伺います。
 1 国と都の二重規制になるのではないか
   脱炭素政策としては、この5月に国としてグリーントランスフォーメーション関連法が制定され、国として今後10年間で150兆円の官民投資を行うなどの計画が策定されたばかりであります。事業所に対しても、脱炭素の規制や補助金などの措置は国としてすでに多く制定されています。東京都の排出削減義務や計画書制度に類似の制度も省エネルギー法などの形で施行されており、排出量取引制度についても国として導入することが決定しました。
   この状況において、なぜ東京都独自の制度の継続が必要なのでしょうか。
   国と都が二重の規制をすることによって、事業所にとっての事務費用は倍増します。
   加えて、東京都のみが突出して厳しい規制を課するとなると、都内の事業所はコスト増になり、都外や国外の事業所との競争に負け、閉鎖に追い込まれる懸念があります。
   都が国の規制に上乗せするには正当な理由が必要です。ばいじんによる大気汚染などであれば、地上での汚染濃度を低く保つために、東京のような密集地では個々の工場の排出基準を厳しくすることには正当性があり、かつての公害対策では実際にそのような措置が採られ、適切だったと評価しています。
   CO2に関しては、それで直接都民が害を受ける訳ではありません。日本全体として合理的なコストの低い方法でCO2を減らせばよいのではないでしょうか。東京都だけが突出して厳しい規制を課する理由が見当たりません。
   国の脱炭素政策の本格的整備に委ねておけばよいことを、都が新条例によって強化し二重規制の弊害をもたらす必要がわかりません。
   排出権取引制度一つをとっても、国の排出権取引と都の排出権取引の両方をしなければならない、というのは不合理だからです。
   もしも小池知事が常に口にする「国よりも先んじて」という功名争いが主目的なのであれば、脱炭素ではなく、真に都民の利益になる事業を展開すべきと考えます。
   そこで、国と都の二重規制になるのではないか。都が規制上乗せする正当な根拠があるのか、伺います。
 2 事実上の太陽光義務付けではないのか
   示された条例案では、大規模事業所については大幅なCO2削減を義務付けるとしています。
   対象期間は令和7年度(2025年度)から11年度(2029年度)ということですから、新たな技術開発の成果が利用できるような時間軸ではありません。
   大規模事業所については、すでに東京都は脱炭素政策を従前から施行しており、すでに省エネなどの余地はほぼなくなっているはずです。
   この状況において、大幅な削減を義務付けるとなると、事業所としては、手頃な値段で実行できる技術的手段がほとんど何も残っていないのではないでしょうか。できることは、太陽光発電を設置することぐらいです。しかしながら、太陽光発電の設置については、国民経済への負担、ウイグルなどの人権問題、水害時などの防災上の問題などがあり、その義務付けは不適切であることは、住宅への太陽光発電義務付け条例の審議において最大会派自民党が反対に回るという、都議会でも異例の事態になったことが証左です。
   実際には、太陽光発電を設置することのできる事業所は限られるために、事業所は、CO2排出権、再生可能エネルギー証書などの「証書」を購入して目標を達成することになるのではないかと思料します。この場合、以下の疑問が生じることから以下について伺います。
  ア その費用負担は幾らになるのか。事業所の重荷になるのではないか、所見を伺います。
  イ 現実のCO2削減費用は高いのに対して、証書の値段は格安であることが多いものですが、これはあたかも「免罪符」のごとく、見せかけのCO2削減にすぎないからだと言う批判もあります(グリーンウオッシュと呼ばれる)。これらの問題にどう対応するのでしょうか。
  ウ そのような形で事業所に追加的な負担をさせること、それを東京都の事業所だけに突出して実施させることに、いったい何の意味があるのでしょうか。金銭的な負担を強要するだけで、事業所におけるエネルギー利用の実態としては何も変わらないことになりませんか。金銭的な負担を鑑みた費用対効果についての所見を伺います。
  エ 事実上の太陽光義務付けではないのか。ウイグル人権問題などを事業者に押し付けることにならないか確認します。
 3 中小事業所の負担が大きいのではないか
   今回の条例案では、中小事業所に対しても計画書の達成を義務付ける、としています。
   国による性急なインボイス制度の導入の負担にあえぐ中小事業所に、人手が足りず、計画書を作成させることは、経営者にいらぬさらなる負担をかけることになります。その一方で、個々の事業所のエネルギー消費量やCO2排出量は僅かであり、排出削減可能な量は少ないはずです。このような理由で、国としては報告の義務を課してこなかったというのに、なぜ東京都だけが突出して中小事業所にまで計画書の提出を義務付ける必要があるのでしょうか。コロナや、ウクライナ侵攻による物価高で青息吐息で資金繰りが苦しい中小事業所がほとんどです。都が設定した水準を達成する計画の提出を義務付けるというが、そのために太陽光発電を導入したり、証書を購入したりする費用負担に耐えられるのでしょうか。
   ちなみに、制度の対象となる(報告書が提出できる)事業所数は、都内の中小規模事業所数の約63万、そのうち、提出が義務となる事業所は約2万、任意で提出している事業所は約1.2万とのことです。つきましては、以下につき伺います。
  ア 対象は63万事業所とのことですが具体的にどのような事業所で、「制度の対象となる」とは具体的にどのようなことで、報告書の「任意での提出」も求められるのでしょうか。その場合、何万件の提出が見込まれるのか、それぞれ伺います。
  イ 提出が義務となる約2万事業所とのことですが、具体的にどのような事業所でしょうか。また、これまで任意で提出していなかった事業所は差し引くと約0.8万となりますが、具体的にどのような事業所なのでしょうか。
  ウ 上記のような事業所情報が明確に読み取れる資料・数値があればお示し下さい。
  エ その上で、所要の人件費などの負担を明らかにした上で、実施可能性についてもご説明下さい。
  オ 地球温暖化対策報告書制度の対象は、年間の原油換算エネルギー使用量が1,500キロリットル未満の事業所とのことですが、これは例え年間の原油換算エネルギー使用量が1キロリットルでも報告書の提出が義務になるということか、その場合対象となる事業所数は合計何件になるのか伺います。
 4 中小事業所が弱体化するのではないか
   東京都では、過去、工場からのCO2排出は大きく減ってきました。残念ながら最大の理由は、工場が壊滅的に減ったことです。
   今でも東京に工場は沢山あります。23区の中では大田区が有名ですが、私の地元江戸川区にも西部の多摩地区にも多くの工場があります。残念ながら、著しい減少傾向にあります。地元の一人の人間として痛感しています。統計的にも、東京都の資料(東京都産業労働局「東京の中小企業の現状」)で確認できます。
   これだけ工場が激減し、雇用も減っていれば、CO2が減るのは何ら不思議ではありません。
   東京都は、過去にCO2が減った理由が何だったのか、事業者に過度の負担を強いるわけなのですから要因を分解して調査すべきではないでしょうか。
   そして、本条例によってCO2を2030年に向けて更に激減させるということの意味をよく考えるべきです。大田区から、江戸川区から、多摩地区から、更に工場が減り、雇用を喪失し、都税収も減るのではないかと思料するものです。
   この条例改正によって、事業者に不要不急の負担を強いることになり、脱炭素を促進することで事業者の経営悪化、廃業を促進させることにならないか所見を伺います。

二 葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について
 1 東京都が株式会社シアトリエと契約した葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について、事業者が提出し、都が承認した工程表、特に設計から工事完了までに至る設計工程表の内容についての詳細を伺います。
 2 そのうち、基本計画終了の時期、基本設計終了の時期、実施設計終了の時期、およびそれぞれの設計内容について議会承認があるかないかも伺います。
 3 また、既存施設すなわち、既存施設とは淡水生物館本体および付帯施設、淡水生物館の杭40本、淡水生物館屋外展示スペース、池沼の展示造形・水景・背景の樹林、草木、土壌および周辺の生態系、渓流の展示造形・水景・背景の樹林、草木、土壌および周辺の生態系、淡水生物館の北側の樹林、草木、土壌、流れの水景部とその周辺の樹林、草木、土壌および周辺の生態系、淡水濾過室、機械室1、機械室2、田んぼ、水辺の鳥ゾーン、水辺の鳥ゾーンから水の広場までの園路、芝生広場下の高圧ケーブル、水の広場の壁泉および基礎と杭、トイレおよび杭、水の広場の舗装、新施設の工事範囲にある約1,400本の樹木それぞれについてその解体開始時期、既存樹木の伐採開始時期の詳細日程についても伺います。
 4 選定された事業者の提案においては、新施設の本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしているとのことですが、都は「事業者募集時に示した要求水準書では、新水族園においても既存の淡水生物館の機能の確保を求め、淡水生物館を継続利用することも可能としています。」とのことです。であれば、今からでも淡水生物館の継続利用を求めるべきと考えますが所見を伺います。
 5 「流れ」については、「選定された事業者の提案においては、新施設の本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしています」とのことです。現在の武蔵野の水辺の原風景を復元し動植物が棲息している自然そのものの展示を破壊して「新施設の本館内」での淡水生物展示をすることのどこが、小池知事の掲げるサステナブルリカバリーなのか理解に苦しみます。リアルな自然の生き物の棲みかを奪ってまで室内展示を是とする矛盾についてご説明ください。
 6 淡水生物の展示を新施設内で行うことにこだわるのであれば、展示は新施設内で行うとしても、既存の淡水生物館に関しては、これまでに一度も解体に関して議論のないことであり、解体撤去する根拠はないはずです。60メートルの杭40本で支えられている建物を周辺の景観と一体として活用するべきです。既存建物と展示を新たな用途、カフェ、教育学習などに利活用することも考えられるのではないか、所見を伺います。
 7 新施設整備に当たり支障となる樹木については、「樹木診断を実施のうえ移植し、「共生の杜」を整備するために活用するなど引き続き生かし、この考え方に基づき、現在事業を進める」とのことです。「共生の杜」の詳細について整備する場所規模などご説明下さい。
 8 3月23日に「よくある質問」が公表されてから3ヶ月、既存樹木の取り扱いについて、内容が更新されたことは指摘しているところです。内容は、建設局根来部長が環境・建設委員会において公表した施設計画地に植生している1,400本の樹木について、3月23日には「建物が樹木にかかってしまう場合であっても、可能な限り伐採ではなく敷地内に移植します」としていたものから、6月13日「伐採ではなく敷地内に」の文字が消え、「建物が樹木にかかってしまう場合であっても、樹木診断を実施のうえ、可能な限り移植します」と言い換えが行われました。その後公表した「東京グリーンビズ」の「ツリーバンク」という私からすれば、都立公園を再開発することが自己目的化した工事の支障になる樹木をいったん引っこ抜き、別の都有地に植樹する謎の手法により「敷地外への移植」をよもや検討し始めたのではないのかと危惧するものです。江戸川区民に愛されている聖地をズタズタに切刻まれたくない、よもやそのような蛮行を行わないと否定して頂きたい強い思いから所見を確認します。
 9 葛西臨海水族園について、都が事業者の「著作権」を盾に、計画案の開示や審査員の発言を都民だけでなく、都民の代表者である都議にさえ開示せず秘匿していることは事業者の権利を国民の知る権利より優先していることであり、基本的人権の根本に係ることだと考えます。そもそも事業者の著作権を優先する契約を事業者とかわしたのであれば、その契約事項を設定したのは都であり、都民への背信行為ではないでしょうか。都立公園、動植物園は都民のものであり、都民の税金で運営できているわけですから、都民に示す義務が都にはあるはずです。都民から何を秘匿し何を守ろうとしているのか不思議でなりません。「著作権」イコール「著作権が入札参加者に帰属するために、公表を控える根拠」では無いのではないでしょうか。そもそも「入札参加者に書面の承諾を得れ」ば開示することになんら支障はないはずであり、黒塗りで公開されていない配置図や工程表は「公表を控えるべき」著作物とは考えられず、公表すれば計画を正しく理解してもらうことになるはずです。都HP「よくある質問」で「事実と異なる」などと記載する必要もなくなるわけです。日本のトップランナーとして誇る施設の計画案であれば、都民に限らず、世界に誇るべく公表するべきものではないでしょうか。「著作権」と「著作権が入札参加者に帰属するために、公表を控える根拠」のご説明と、改めての公表しない根拠をお示し下さい。
 10 水族館は都の所有する建築物なので、広義ではその図面も東京都の財産のはずです。図面の著作権は現時点どこが有しているのでしょうか。昨年度の定例会や環境・建設委員会の答弁で何度となく著作権は事業者にあると繰り返しているので、著作権が事業者にある契約か覚書があるのか根拠を伺います。
 11 著作権法の法文に、行政に未公開の著作物を提供した場合、地方公共団体の機関、実施機関が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを同意したものとみなす箇所があります。
   「昭和四十五年法律第四十八号
   著作権法
   著作権法(明治三十二年法律第三十九号)の全部を改正する。
   第二款 著作者人格権
   (公表権)
   第十八条 著作者は、その著作物でまだ公表されていないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。
   3 著作者は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる行為について同意したものとみなす。
   三 その著作物でまだ公表されていないものを地方公共団体又は地方独立行政法人に提供した場合(開示する旨の決定の時までに別段の意思表示をした場合を除く。)情報公開条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する情報の公開を請求する住民等の権利について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)の規定により当該地方公共団体の機関又は地方独立行政法人が当該著作物を公衆に提供し、又は提示すること(当該著作物に係る歴史公文書等が当該地方公共団体又は地方独立行政法人から公文書管理条例(地方公共団体又は地方独立行政法人の保有する歴史公文書等の適切な保存及び利用について定める当該地方公共団体の条例をいう。以下同じ。)に基づき地方公文書館等(歴史公文書等の適切な保存及び利用を図る施設として公文書管理条例が定める施設をいう。以下同じ。)に移管された場合(公文書管理条例の規定(公文書管理法第十六条第一項の規定に相当する規定に限る。以下この条において同じ。)による利用をさせる旨の決定の時までに当該著作物の著作者が別段の意思表示をした場合を除く。)にあつては、公文書管理条例の規定により地方公文書館等の長(地方公文書館等が地方公共団体の施設である場合にあつてはその属する地方公共団体の長をいい、地方公文書館等が地方独立行政法人の施設である場合にあつてはその施設を設置した地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が当該著作物を公衆に提供し、又は提示することを含む。)。
   都が著作権を盾に比濁していますが著作権法と
   「行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)
   (地方公共団体の情報公開)
   第二十五条 地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、その保有する情報の公開に関し必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければならない。」
   および
   「東京都情報公開条例
   第二章 公文書の開示
   第一節 公文書の開示(第五条―第十八条)
   (公文書の開示義務)
   第七条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報(以下「不開示情報」という。)が記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該公文書を開示しなければならない。」
   と東京都情報公開条例には条項があり、入札時の提出書類などは
   「三 法人(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。)その他の団体(以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上又は事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれると認められるもの。」の「法人に関する情報」には該当しない。よって「公にすることにより、当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上又は事業運営上の地位その他社会的な地位が損なわれる」こともない。
   上記を照らし合わせますと、未公開の著作物について、著作者は公の情報開示請求に従い、公表することを同意することになっていて、実施機関は公表しなければいけない。と読めますがこの点は抵触していないのか、伺います。
 12 PFI事業者選定の審査の公平性について
  ア 加点審査における配点700点について
    葛西臨海水族園(仮称)整備等事業審査委員会の技術審査委員13人それぞれが、全ての審査項目に対して持ち点700点で採点を行ない、委員全員の点数の合計を平均して加点審査点として、総合点としたのか、または審査委員に対してそれぞれ都から割り当てられた担当分野に関する項目のみについて分野別の採点をおこない、項目ごとの合計を加点審査点としたのか伺います。
  イ 加点審査について
    配点700点のうちの各項目の配点の割合はどのようにして決定したのか、配点の基準が恣意的ではなかったか、配点は誰が決めたのか、公正と判断した基準を伺います。
  ウ 都立で唯一の海辺の公園内に計画する施設として、周辺の景観や既存施設との調和が必須なはずです。加点審査における配点700点中、配置計画21点景観・外観計画21点、環境や景観に対する配点は、わずか合計42点です。審査に偏りが生じてないのか所見を伺います。

三 教育・子ども子育て支援政策について
 1 教職員による性加害について
   大手芸能事務所の経営者による子どもへの性加害問題につき、英国国営放送が取り上げようやく日本のマスメディアも動き当該企業も後手後手の対応に追われ、社会問題を超えて国際問題へと発展しております。また時同じくして大手進学塾講師二人が児童の盗撮を連携して行い逮捕されています。民間企業の性加害もあってはなりませんが、公教育現場では絶対にあってはならないことです。しかしながら、勤務先の中学校で教え子の裸の画像を所持したなどとして、警視庁捜査1課は9月11日までに、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で、東京都練馬区立三原台中学校の校長、北村比左嘉容疑者が逮捕されました。おぞましいことに「性器を触る画像や裸が写った画像が入ったビデオカメラを校長室に所持していた」とのことです。そればかりか、北村容疑者は過去に勤務していた区立中学校で教諭としての立場を利用し、調べに「生徒を好きになり、性的欲求を抑えられなかった」と女子生徒に性的暴行を加えてけがを負わせた疑いにて、準強姦致傷容疑で警視庁に再逮捕されています。北村容疑者から性被害を受けたとの相談が複数、警視庁に寄せられており、同庁が確認を進めているとのことです。
   令和4年4月1日に施行された教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が制定されたにも関わらず重大かつ深刻な事件が発生したことは大変由々しき大問題です。今後の可及的速やか、かつ厳峻な対応が東京都教育委員会・教育長に求められることから以下伺います。
  ア 一般的に教職員による性暴力事件が発生した場合、遡って性被害の実態を確認すべきと考えるが対応をどうしているのか、この三原台中学校重大事件にはどう対応するのか伺います。
  イ 令和3年度の教職員等による児童生徒性暴力等による懲戒処分等の実績を伺います。
  ウ 令和3年度懲戒処分等を受けた教職員への研修と現場復帰の実績について伺います。
  エ 令和3年度、児童生徒性暴力等による懲戒処分等を受けた職員が再び懲戒処分を受けたことがあるのか、伺います。
  オ 令和3年度懲戒処分等を受けた教職員のうち、捜査機関へ通報、告発の実績、逮捕された件数を伺います。
  カ 前述質疑については昨年文書質問にて「捜査機関への通報、告発については、件数の集計はしていません。」との答弁でした。また教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律についての教職員への周知・研修の状況を確認したところ「都立学校や区市町村教育委員会に対して、法の施行や都の方針を校長や地区教育委員会を対象とした連絡会や通知等により周知し、事例演習等の研修を実施」していたとのことですが、結局このような重大事件が露見したわけです。このような体制だからこそ、長年の極悪非道な性暴力事件を看過したと断言します。今後、刑事訴訟法、地方公務員法に基づいた通報告発を現場にさらに徹底すべきと考えますが所見を伺います。
  キ 告発については、件数の集計は今後するのかも確認します。
  ク 「官報情報検索ツール」への昨年度の登録、検索等の利用実績について伺います。
  ケ 「児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口」の開設後の利用状況と、性暴力が認められた件数とその対処について報告を求めます。
  コ 教育職員等による児童生徒性暴力等については、特に事実認定が難しいとされる事案があるが、今後、どのような体制で調査や服務監察を実施していくのか確認していたところ「教職員等による児童生徒性暴力の発生が疑われるときには、区市町村教育委員会等、学校設置者が関係者への調査等を行うこととなっており、都教育委員会として必要な助言を行う」としていましたが、この措置で今後再発防止ができるとは到底思えません。練馬の事件を受けて新たな取り組みを当然していると思料しますので伺います。
  サ 北村容疑者から性被害を受けたとの相談が複数、警視庁に寄せられており、警視庁が確認を進めているとのことです。私は長年指摘していますが、警察との強固な情報共有と連携が不可欠です。何度も確認してきましたが、「スクールサポーター」制度を活用した警視庁から学校への情報提供は年間3万件平均、「相互連絡制度に基づく情報提供」は年間千件平均に対し、学校から警察への情報提供は驚くべきことに平成29年度から令和3年度まで28件12件23件15件6件とけた違いに少ない実態があります。ここまで教員が性犯罪を重ね続けられる教育現場においては第三者の監視の目がないことの証左と考えます。今後スクールサポーター制度等警察との連携等を強化し、その対象を教員にも広げるべきと考えますが教育長・教育委員会の所見を伺います。
  シ 警視庁に寄せられた北村容疑者事案についてどのように都教委・教育長は連携体制を取っていくのか伺います。
  ス 都としては、「被害者の特定や学校への誹謗中傷につながる」と北村容疑者の勤務校を公表していませんが、すべて公表すれば特定はできないはずです。これは教員を守り、逆に被害者の声をあがりにくくする措置と思料いたします。あろうことか「さかのぼって調査は考えていない」と報道されていましたが、ありえない感覚です。これでは、児童・生徒は安心して通学できるはずがありません。遡って調査すべきと考えますが所見を伺います、また遡らないとしたらその理由もお答えください。
  セ 被害者の特定や誹謗中傷を理由にさかのぼらないとするならば、児童生徒や保護者に確認してからだと思いますので、この凶悪事件を受けて児童・生徒及び、教員全体に悉皆調査を行うべきと考えますが対策を伺います。
  ソ 今回の事件はたまたま発覚した氷山の一角と考えます。「児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口」はあるもののいかにも受動的です。今後さらなる児童・生徒・保護者に向けた学校現場での性被害について各学校で定期的に確認をする等の取組が必要と考えますが、学校現場での対応について所見を伺います。
 2 こども誰でも通園制度について
   本年4月、こども家庭庁が発足致しました。岸田総理の「異次元の少子化対策」の目玉事業の一環として、こども誰でも通園制度(仮称)について、令和6年度概算要求において、本格実施を見据えた形での試行的事業を実施することとしています。
   通園先が保育園に限定されないよう、私は専業主婦の多くが利用する幼稚園においても広く対象となるべきと考えるものです。都は長年認定こども園事業を手がけた実績もあります。是非、都独自の取組においても、保育園だけでなく幼稚園でも実施が広がるよう求めるものですが所見を伺います。

四 外国人起業家の資金調達支援事業について
  令和5年第二回都議会定例会上田文書質問以降決定した、実績数と各金額を伺います。

五 小池都政のガバナンス・マネジメントについて
 1 デジタルサービス局のマネジメントについて
   令和3年12月デジタルサービス局構造改革推進チームが局のマネジメントにつきアンケートを実施したとのことです。概要は本年3月に職員へ公表されたものの、詳細についての全容は公開されてないとのことです。この種のアンケートは具体的な状況を共有しなければ「構造改革」には結びつかないのは当然のことです。私のところへは、特定幹部職のパワーハラスメントについて複数声が寄せられていたところ、前向きに動いてくれると期待していたところですが、残念ながら現場職員のためにはなっておらずやった感だけで終わっている模様です。ついては以下伺います。
  ア 構造改革チームのアンケートというのは内部調査とはいえ、なぜ公開されていないのでしょうか。ことはパワハラ、人権に関わる大問題です。公表をしない理由を説明下さい。
  イ このアンケート結果を受けて何か組織としてアクションを起こしたのでしょうか、なにが改善されたのか。伺います。
  ウ よもやデジタルサービス局において、依然として幹部職等によるパワハラが横行していませんか、伺います。
  エ 小池知事はアンケート結果を知っているのでしょうか、把握しながらもパワハラ幹部をよもや重用しまいと思料いたしますが、現状を伺います。
 2 職員目安箱制度について
   1と同様にデジタルサービス局において「小池知事に「職員目安箱」で人権侵害の被害救済を訴えましたが、「○○だから」と雑用を押し付けパワハラも繰返されている」との具体的な声が上田に寄せられております。他にも、目安箱に通報して、犯人探しをされて人事他不利益な処遇をとられたという嘆きに近い職員の声も上田に多数寄せられています。果たして、この制度は適正に運用されているのでしょうか。
   予算要望で常に求めておりますが、都政改善を望む勇気ある職員の犯人捜しをしたり、本人が特定されるような運用をし、理不尽な処遇やハラスメントに遭わせぬことを望むものですので以下伺います。
  ア 職員目安箱の開始以来利用状況(件数・内訳)と解決に結びついた、結び付かなかった事例につきご報告下さい。
  イ 同制度を利用した後、3年内で退職した職員数を伺います。
  ウ 同制度を利用した職員の身分確保、心身の安全安心を保護するために取組んでいる対策を明示下さい。
 3 小池都政における職員の状況
   小池知事が誕生してから、東京都職員の士気が盛り下がり続けているのではないか、と危惧をするものです。
年度ごとの状況について以下について伺います。
  ア 小池知事就任以降の、東京都職員の自殺者数。
  イ 同、病気休暇及び病気休職の状況。
  ウ 同、定年を待たない退職者数の経緯。
  エ 同、部長職以上の定年を待たない退職者数の経緯。
  オ 上記四問の傾向と過去の平均の傾向につき分析・所見を求めます。
 4 神宮外苑地区のまちづくりについて
   神宮外苑の再開発においては、3月の坂本龍一氏の小池知事への手紙に始まり以降村上春樹氏の神宮外苑再開発計画への反意の表明、9月7日の国際イコモスのヘリテージアラート、9月17日にリリースされた神宮外苑再開発計画を問題視するサザンオールスターズの「Relay 森の詩」も大きな話題となり、東京都のみならず日本全国、世界からも注目が集まっております。東京都は、9月12日、伐採前に保全案提示を事業者に要請し、事業者側はこの要請を受けて9月29日、樹木の伐採を延期し、伐採する樹木の削減も含めた計画変更届を都の環境影響評価審議会に文書で提出したうえで、令和6年明け以降同審議会で説明すると明らかにしました。事業認可が2月に小池知事によって下りたにもかかわらず、伐採が延長になったことは異例の事態であり、民意が小池都政と事業者を動かしたことの歴史的快挙といえましょう。つきましては以下について確認します。
  ア 計画変更届の提出期限はいつで、どのような流れで令和6年明けに事業者は説明するのでしょうか。
  イ 事業者が樹木伐採等計画延期を表明し、都へ報告をした経緯、年明けの審議会までの今後の状況を伺います。
 5 神宮外苑再開発における知事判断について
   小池知事は本年2月に神宮外苑再開発計画につき自ら事業認可をしたにも関わらず、3月に世界的音楽家である坂本龍一氏からの再開発を憂う手紙については「明治神宮に出すべきだ」と切り捨て、世論から批判があがったとたん、事業者と「間違った情報」で騒ぐと責任転嫁を今日に至るまで続けています。著名人が異例の批判の声を上げ始めヘリテージアラートが出て慌てて9月12日に事業者に形ばかりの要請をし、火消しに躍起に見受けます。「植え替えが必要な樹木を公園整備等で再活用する「ツリーバンク」や、自然の機能を社会課題の解決に活かす「グリーンインフラ」など、緑を「まもる」「増やし・つなぐ」、そして「活かす」取組で、自然と調和した都市を実現」とし所信表明で発言しました。ついては以下について伺います。
  ア 神宮外苑において植え替えが必要な樹木の判断基準をお示し下さい。
  イ 神宮外苑の緑を「まもる」「増やし・つなぐ」、そして「活かす」取組について明示下さい。
  ウ 「100年先を見据えた、緑と生きる街づくりを進める」と都度発言している小池知事ですが、ヒートアイランドに詳しい東京都立大の三上岳彦名誉教授(都市気候学)も知事発言を「新しく植えた木が、今の木と同じ冷却効果を発揮するのは100年後」と疑問視されています。緑の測り方には面積と容積があります。「緑は増える」と言いますが、再開発前の緑の面積と体積、開発後の緑の面積と体積についてお示し下さい。
  エ 小池知事はことあるごとに「間違った情報が伝わっている」と発言していますが、その具体的根拠と、なにをどう都民・国民が間違っていると考えているのか具体的な事例をあげた上に、彼ら彼女らの疑問が解消しうるご説明を知事ご自身の言葉でご説明下さい。
  オ そもそも知事が2月に事業認可を唯々諾々とせずに、「いったん立ちどまる」ことで、今日に至る国民の反感を買うことはなかったと考えます。あの時に、樹木伐採をしない、高層ビル・ホテルの再開発を再考させることができた唯一の最終責任者だったはずです。みすみす樹木が大量伐採され、国民の憩う公苑を「再開発」の名の下に壊滅的な破壊をする決断をなぜ2月に下したのかの根拠を伺います。

令和5年第三回都議会定例会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 脱炭素義務付けについて
  1 国と都の二重規制になるのではないか。都が規制上乗せする正当な根拠があるのか伺う。

回答
  国の地球温暖化対策計画において、都道府県等は、地球温暖化対策計画書制度等の整備・運用により、事業者の温室効果ガス排出削減の促進に取り組むこととされています。

質問事項
 一の2 事実上の太陽光義務付けではないのか
    ア 太陽光発電を設置することのできる事業所は限られるために、事業所は、CO2排出権、再生可能エネルギー証書などの「証書」を購入して目標を達成することになるのではないかと考えるが、その費用負担はいくらになるのか。事業所の重荷になるのではないか、所見を伺う。

回答
  排出量取引や再エネ由来証書の購入に要する費用は、各事業所の状況により異なります。

質問事項
 一の2のイ 現実のCO2削減費用は高いのに対して、証書の値段は格安であることが多いものだが、これはあたかも「免罪符」のごとく、見せかけのCO2削減にすぎないからだと言う批判もある。これらの問題にどう対応するのか伺う。

回答
  改正後のキャップアンドトレード制度においては、再エネ由来証書の利用だけでなく、省エネ対策に加え、事業所外からの再エネの導入や小売電気事業者が提供する再エネ電気メニューの調達など、より多様な手段で排出削減に取り組むことができます。

質問事項
 一の2のウ 金銭的な負担を鑑みた費用対効果についての所見を伺う。

回答
  金銭的な負担及び費用対効果は、各事業所の状況により異なります。

質問事項
 一の2のエ 事実上の太陽光義務付けではないか。ウイグル人権問題などを事業者に押し付けることにならないか伺う。

回答
  改正後のキャップアンドトレード制度においては、省エネ対策に加え、事業所外からの再エネの導入や小売電気事業者が提供する再エネ電気メニューの調達など、より多様な手段で排出削減に取り組むことができます。

質問事項
 一の3 中小事業所の負担が大きいのではないか
    ア 対象は63万事業所とのことだが具体的にどのような事業所で、「制度の対象となる」とは具体的にどのようなことで、報告書の「任意での提出」も求められるのか。その場合、何万件の提出が見込まれるのか、それぞれ伺う。

回答
  地球温暖化対策報告書制度の対象は、年間の原油換算エネルギー使用量が1,500キロリットル未満の事業所です。複数事業所のエネルギー使用量合計が3,000キロリットル以上となる事業者は提出義務があります。それ以外は義務はありませんが、現在、約1.2万事業所が提出しています。

質問事項
 一の3のイ 提出が義務となる約2万事業所とのことだが、具体的にどのような事業所か。また、これまで任意で提出していなかった事業所は差し引くと約0.8万となるが、具体的にどのような事業所なのか伺う。

回答
  約2万事業所の多くは、コンビニエンスストアや事務所などです。なお、報告書の提出義務がある全ての事業所が報告書を提出しています。

質問事項
 一の3のウ ア、イのような事業所情報が明確に読み取れる資料・数値があれば伺う。

回答
  報告書を提出した事業所の情報については、環境局のホームページで公表しています。

質問事項
 一の3のエ 所要の人件費などの負担を明らかにした上で、実施可能性について伺う。

回答
  所要の人件費などの負担は、各事業所の状況によって異なります。なお、報告書の提出義務がある全ての事業所が報告書を提出しています。

質問事項
 一の3のオ 地球温暖化対策報告書制度の対象は、年間の原油換算エネルギー使用量が1,500キロリットル未満の事業所とのことだが、これは例え年間の原油換算エネルギー使用量が1キロリットルでも報告書の提出が義務になるのか、その場合対象となる事業所数は合計何件になるのか伺う。

回答
  複数の事業所の年間原油換算エネルギー使用量の合計が3,000キロリットル以上となる事業者は報告書の提出義務があります。3,000キロリットルは、30キロリットル以上1,500キロリットル未満の事業所の使用量を合計し、算定します。そのため、1キロリットルの事業所は義務にはなりません。

質問事項
 一の4 条例改正によって、事業者に不要不急の負担を強いることになり、脱炭素を促進することで事業者の経営悪化、廃業を促進させることにならないか所見を伺う。

回答
  気候危機は一層深刻化しており、脱炭素の取組は喫緊の課題です。なお、都内最終エネルギー消費と都内総生産との関係では、デカップリング(分離)が進んでおり、省エネルギーの取組と経済成長は両立しています。

質問事項
 二 葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について
  1 東京都が株式会社シアトリエと契約した葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について、事業者が提出し、都が承認した工程表、特に設計から工事完了までに至る設計工程表の内容についての詳細を伺う。

回答
  事業のスケジュールについては、都ホームページにおいて公表しています。

質問事項
 二の2 基本計画終了の時期、基本設計終了の時期、実施設計終了の時期、およびそれぞれの設計内容について議会承認があるかないかも伺う。

回答
  民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)においては、事業契約の締結について議会の議決を要することとなっており、令和4年第四回都議会定例会での審議を経て可決されています。

質問事項
 二の3 淡水生物館本体および付帯施設、淡水生物館の杭40本、淡水生物館屋外展示スペース、池沼の展示造形・水景・背景の樹林、草木、土壌および周辺の生態系、渓流の展示造形・水景・背景の樹林、草木、土壌及び周辺の生態系、淡水生物館の北側の樹林、草木、土壌、流れの水景部とその周辺の樹林、草木、土壌および周辺の生態系、淡水濾過室、機械室1、機械室2、田んぼ、水辺の鳥ゾーン、水辺の鳥ゾーンから水の広場までの園路、芝生広場下の高圧ケーブル、水の広場の壁泉および基礎と杭、トイレおよび杭、水の広場の舗装、新施設の工事範囲にある約1,400本の樹木それぞれについての解体開始時期、既存樹木の伐採開始時期の詳細日程について伺う。

回答
  事業全般の進捗状況については、適切に公表することとしています。

質問事項
 二の4 今からでも淡水生物館の継続利用を求めるべきだが所見を伺う。

回答
  選定された事業者の提案においては、新施設の本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしています。

質問事項
 二の5 リアルな自然の生き物の棲みかを奪ってまで室内展示を是とする矛盾について見解を伺う。

回答
  流れは、既存施設の展示物の一部であり、既存施設の修景を構成するものです。
  選定された事業者の提案においては、新施設の本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしています。

質問事項
 二の6 既存建物と展示を新たな用途、カフェ、教育学習などに利活用することも考えられるのではないか、所見を伺う。

回答
  選定された事業者の提案においては、新施設の本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしています。

質問事項
 二の7 「共生の杜」の詳細について整備する場所規模などについて伺う。

回答
  共生の杜は、新旧両施設の間に設ける予定です。

質問事項
 二の8 「敷地外への移植」をよもや検討し始めたのではないのかと危倶するものである。江戸川区民に愛されている聖地をズタズタに切刻まれたくない、よもやそのような蛮行を行わないと否定して頂きたい強い思いから、所見について伺う。

回答
  新施設整備に当たり支障となる樹木については、樹木診断を実施の上移植し、「共生の杜」を整備するために活用するなど引き続き生かしていくこととしています。

質問事項
 二の9 日本のトップランナーとして誇る施設の計画案であれば、都民に限らず、世界に誇るべく公表するべきものではないか。「著作権」と「著作権が入札参加者に帰属するために、公表を控える根拠」の説明と、改めての公表しない根拠について伺う。

回答
  著作権とは、著作物などに関する著作者等の権利です。
  本事業の事業提案内容については、著作権が事業者に帰属しており、公表の際には事業者の同意が必要です。

質問事項
 二の10 図面の著作権が事業者にある契約か覚書があるのか根拠について伺う。

回答
  事業者公募時に公表した入札説明書において、入札時提出書類の著作権は、入札参加者に帰属することを定めています。

質問事項
 二の11 著作権法と「行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)」および「東京都情報公開条例」を照らし合わせると、未公開の著作物について、著作者は公の情報開示請求に従い、公表することを同意することになっていて、実施機関は公表しなければいけない。と読めるがこの点は抵触していないのか、伺う。

回答
  都は、東京都情報公開条例等に基づき適切に対応しています。

質問事項
 二の12 PFI事業者選定の審査の公平性について
    ア 加点審査における配点700点について、葛西臨海水族園(仮称)整備等事業審査委員会の技術審査委員13人それぞれが、全ての審査項目に対して持ち点700点で採点を行ない、委員全員の点数の合計を平均して加点審査点として、総合点としたのか、または審査委員に対してそれぞれ都から割り当てられた担当分野に関する項目のみについて分野別の採点をおこない、項目ごとの合計を加点審査点としたのか伺う。

回答
  技術審査委員会における加点審査に当たっては、全ての委員が全ての審査項目について審査を行いました。

質問事項
 二の12のイ 加点審査について、配点700点のうちの各項目の配点の割合はどのようにして決定したのか、配点の基準が恣意的ではなかったか、配点は誰が決めたのか、公正と判断した基準を伺う。

回答
  落札者決定基準については、建築や環境などの専門家等から構成される技術審査委員会において策定しました。

質問事項
 二の12のウ 都立で唯一の海辺の公園内に計画する施設として、周辺の景観や既存施設との調和が必須なはずである。加点審査における配点700点中、配置計画21点景観・外観計画21点、環境や景観に対する配点は、わずか合計42点である。審査に偏りが生じてないのか所見を伺う。

回答
  落札者決定基準については、建築や環境などの専門家等から構成される技術審査委員会において策定しました。

質問事項
 三 教育・子ども子育て支援政策について
  1 教職員による性加害について
   ア 一般的に教職員による性暴力事件が発生した場合、遡って性被害の実態を確認すべきと考えるが対応をどうしているのか、この三原台中学校重大事件にはどう対応するのか伺う。

回答
  都教育委員会では、性暴力の早期発見に向けて、都内公立学校の全ての児童生徒へ相談シートを配布しているほか、弁護士による第三者相談窓口を設置し、過去の事案も含め、広く相談を受け付けており、受け付けた相談については、事実確認等を行った上で、事案に応じて警察等と連携するなど、適切に対応しています。
  当該事案については、警察の捜査状況を踏まえ、厳正に対処します。

質問事項
 三の1のイ 令和3年度の教職員等による児童生徒性暴力等による懲戒処分等の実績を伺う。

回答
  18歳未満の者に対し、わいせつ行為を行った教職員に対する懲戒処分件数は、令和3年度は8件です。

質問事項
 三の1のウ 令和3年度懲戒処分等を受けた教職員への研修と現場復帰の実績について伺う。

回答
  令和3年度に、イの懲戒処分を受けた教職員で、在職中の者はいません。

質問事項
 三の1のエ 令和3年度、児童生徒性暴力等による懲戒処分等を受けた職員が再び懲戒処分を受けたことがあるのか、伺う。

回答
  令和3年度に、イの懲戒処分を受けた教職員で、在職中の者はおらず、このため、再度懲戒処分の対象になった者もいません。

質問事項
 三の1のオ 令和3年度懲戒処分等を受けた教職員のうち、捜査機関へ通報、告発の実績、逮捕された件数を伺う。

回答
  捜査機関への通報、告発、逮捕された件数については、件数の集計はしていません。

質問事項
 三の1のカ 今後、刑事訴訟法、地方公務員法に基づいた通報告発を現場にさらに徹底すべきだが所見を伺う。

回答
  教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律では、警察への通報や告発について定められており、都教育委員会は、令和5年4月1日に「教職員等による児童生徒性暴力等が発生した場合の初動対応」を策定し、研修を実施しています。

質問事項
 三の1のキ 告発については、件数の集計は今後するのか伺う。

回答
今後も集計する予定はありません。

質問事項
 三の1のク 「官報情報検索ツール」への昨年度の登録、検索等の利用実績について伺う。

回答
  公立学校教員のほか国立私立の教員や教職に就いていない免許状所持者を含めた東京都全体で、令和4年度に官報情報検索ツールに登録した件数は、児童生徒性暴力等以外の理由により処分を受けたものも含めて19件です。
  都教育委員会では、教員採用などにおいて、所管部署がこのツールを活用して懲戒免職処分歴等を確認しています。

質問事項
 三の1のケ 「児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口」の開設後の利用状況と、性暴力が認められた件数とその対処について伺う。

回答
  児童・生徒を教職員等による性暴力から守るための第三者相談窓口には、令和4年度に、電話・メール等で235件の相談が寄せられており、令和5年6月末時点で、うち6件が懲戒処分となっています。

質問事項
 三の1のコ 練馬の事件を受けて新たな取り組みを当然しているか伺う。

回答
  都教育委員会では、従来から、全教職員による自己点検の実施や研修等を通じ、性暴力に関する理解を深め、発生防止の徹底を図っています。
  また、弁護士による第三者相談窓口を設置し広く相談を受け付けるとともに、児童生徒への相談シートの配布や啓発ポスターの掲示等を行っています。今回の事案も、窓口への相談をきっかけとして、警察等と連携して対応したものです。

質問事項
 三の1のサ 今後スクールサポーター制度等警察との連携等を強化し、その対象を教員にも広げるべきだが教育長・教育委員会の所見を伺う。

回答
  教職員による性暴力が疑われる事案については、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律に基づき、現在も警察等と連携して対応しています。

質問事項
 三の1のシ 警視庁に寄せられた北村容疑者事案についてどのように都教委・教育長は連携体制を取っていくのか伺う。

回答
  当該事案については、警察が慎重に捜査を進めているものと承知しており、都教育委員会では、警察の捜査状況を踏まえ、厳正に対処します。

質問事項
 三の1のス 都は、北村容疑者の勤務校を公表していない。遡って調査すべきだが所見を伺う。また遡らないとしたらその理由も伺う。

回答
  当該事案については、警察が慎重に捜査を進めているものと承知しており、都教育委員会では、警察の捜査状況を踏まえ、厳正に対処します。

質問事項
 三の1のセ 被害者の特定や誹誇中傷を理由にさかのぼらないとするならば、児童生徒や保護者に確認してからだと思うので、この凶悪事件を受けて児童・生徒及び、教員全体に悉皆調査を行うべきと考えるが対策について伺う。

回答
  当該事案については、警察が慎重に捜査を進めているものと承知しており、都教育委員会では、警察の捜査状況を踏まえ、厳正に対処します。

質問事項
 三の1のソ 今後さらなる児童・生徒・保護者に向けた学校現場での性被害について各学校で定期的に確認をする等の取組が必要だが、学校現場での対応について所見を伺う。

回答
  都教育委員会では、従来から、全教職員による自己点検の実施や研修等を通じ、性暴力に関する理解を深め、発生防止の徹底を図っています。
  また、弁護士による第三者相談窓口を設置し広く相談を受け付けるとともに、児童生徒への相談シートの配布や啓発ポスターの掲示等を行っています。

質問事項
 三の2 こども誰でも通園制度について、通園先が保育園に限定されないよう、専業主婦の多くが利用する幼稚園においても対象となるべきである。都は長年認定こども園事業を手がけた実績もある。是非、都独自の取組においても、保育園だけでなく幼稚園でも実施が広がるよう求めるが所見を伺う。

回答
  都が今年度から行っている、保護者の就労等の有無にかかわらず児童を定期的に預かる新たな仕組みについては、保育所だけではなく幼稚園を含んでおり、区市町村と連携して取り組んでいるところです。
  なお、「こども誰でも通園制度(仮称)」に向けた国のモデル事業においても、幼稚園は対象となっています。

質問事項
 四 外国人起業家の資金調達支援事業について
   令和5年第二回都議会定例会上田文書質問以降決定した、実績数と各金額を伺う。

回答
  融資の実績は2件10,500千円です。

質問事項
 五 小池都政のガバナンス、マネジメントについて
  1 デジタルサービス局のマネジメントについて
   ア 構造改革チームのアンケートは内部調査とはいえ、なぜ公開されていないのか。ことはパワハラ、人権に関わる大問題である。公表をしない理由を伺う。

回答
  本調査は、都政の構造改革の一環として、職場の活性化の取組を進めるための参考として実施したものであり、公表を前提としていません。

質問事項
 五の1のイ アンケート結果を受けて何か組織としてアクションを起こしたのか、なにが改善されたのか、伺う。

回答
  「シン・トセイ3」における職場の活性化の取組を進める中で、本調査も参考にしています。

質問事項
 五の1のウ デジタルサービス局において、依然として幹部職等によるパワハラが横行していないか、伺う。

回答
  そのようなことは確認されていません。

質問事項
 五の1のエ 小池知事はアンケート結果を知っているのか、把握しながらもパワハラ幹部をよもや重用しまいと思料するが、現状を伺う。

回答
  本調査は、都政の構造改革の一環として、職場の活性化の取組を進めるための参考として、デジタルサービス局において実施したものです。

質問事項
 五の2 職員目安箱制度について
    ア 職員目安箱の開始以来利用状況(件数、内訳)と解決に結びついた、結び付かなかった事例について伺う。

回答
  職員目安箱には多数の意見等が寄せられており、主な意見等については都ホームページに公表しています。

質問事項
 五の2のイ 同制度を利用した後、3年内で退職した職員数を伺う。

回答
  職員目安箱に意見等を送付した職員の動向調査は行っていません。

質問事項
 五の2のウ 同制度を利用した職員の身分確保、心身の安全安心を保護するために取組んでいる対策について伺う。

回答
  職員目安箱において、各局が調査を行う際には、意見等を送付した職員の情報の秘匿性を確保しています。
  なお、職員は、意見等の送付を理由として、不利益な取扱いを受けることはないよう定めています。

質問事項
 五の3 小池都政における職員の状況
    ア 小池知事就任以降の、東京都職員の自殺者数について伺う。

回答
  知事部局の常勤職員における自殺者数については、平成28年は0人、平成29年は2人、平成30年は1人、令和元年は2人、令和2年は6人、令和3年は1人、令和4年は6人です。

質問事項
 五の3のイ 小池知事就任以降の、病気休暇及び病気休職の状況について伺う。

回答
  知事部局の常勤職員における病気休暇及び病気休職を30日以上取得した職員数については、平成28年は613人、平成29年は670人、平成30年は702人、令和元年は767人、令和2年は757人、令和3年は784人、令和4年は702人です。

質問事項
 五の3のウ 小池知事就任以降の、定年を待たない退職者数の経緯について伺う。

回答
  知事部局の常勤職員における普通退職者数については、平成28年度は638人、平成29年度は594人、平成30年度は618人、令和元年度は686人、令和2年度は687人、令和3年度は785人、令和4年度は460人です。

質問事項
 五の3のエ 小池知事就任以降の、部長職以上の定年を待たない退職者数の経緯について伺う。

回答
  知事部局の部長級以上の普通退職者数については、平成28年度は6人、平成29年度は1人、平成30年度は5人、令和元年度は4人、令和2年度は9人、令和3年度は4人、令和4年度は0人です。

質問事項
 五の3のオ 上記四問の傾向と過去の平均の傾向につき分析・所見を伺う。

回答
  自殺については、原因の把握及びその解明は困難です。病気休暇等取得者や退職者については、毎年度一定数発生しています。職員一人一人の健康維持、職場の活力や生産性の向上を図るため、総合的な対策を講じています。

質問事項
 五の4 神宮外苑地区のまちづくりについて
    ア 計画変更届の提出期限はいつで、どのような流れで令和6年明けに事業者は説明するのか伺う。

回答
  環境影響評価手続きにおける変更届については、特段の提出期限はなく、事業者から提出され次第、内容を踏まえて手続を進めることになります。

質問事項
 五の4のイ 事業者が樹木伐採等計画延期を表明し、都へ報告をした経緯、年明けの審議会までの今後の状況を伺う。

回答
  令和5年9月12日の都からの要請に対し、事業者が回答したものです。事業者から変更届が提出され次第、内容を踏まえて手続を進めることになります。

質問事項
 五の5 神宮外苑再開発における知事判断について
    ア 神宮外苑において植え替えが必要な樹木の判断基準について伺う。

回答
  環境影響評価書において事業者は、解体や建築に際して支障となる樹木のうち、樹高や目通りが大きいものや、根鉢の適切な確保が難しいと樹木医が判断したものなどを除き、移植としております。

質問事項
 五の5のイ 神宮外苑の緑を「まもる」「増やし・つなぐ」、そして「活かす」取組について伺う。

回答
  事業者からは、関係者が一体となって既存樹木の保全に取り組むとともに、新たな緑も創出し、従来よりも樹木の本数や緑の割合を増加させる計画が示されています。

質問事項
 五の5のウ 再開発前の緑の面積と体積、開発後の緑の面積と体積について伺う。

回答
  緑の面積と体積は、環境影響評価書で既に公表されております。

質問事項
 五の5のエ 小池知事はことあるごとに「間違った情報が伝わっている」と発言しているが、その具体的根拠と、なにをどう都民・国民が間違っていると考えているのか具体的な事例をあげた上に、彼ら彼女らの疑問が解消しうる説明を知事ご自身の言葉で伺う。

回答
  事業者からは、四列のいちょう並木の保全に万全を期すとともに、関係者が一体となって既存樹木の保全に取り組み、従来よりも樹木の本数や緑の割合を増加させる計画が示されております。

質問事項
 五の5のオ みすみす樹木が大量伐採され、国民の憩う公苑を「再開発」の名の下に壊滅的な破壊をする決断をなぜ2月に下したのか、の根拠を伺う。

回答
  都市再開発法に基づき適切に認可を実施したものです。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 漢人あきこ

質問事項
 一 環境破壊の小金井2路線など第四次事業化計画優先整備路線の現状と今後について
 二 知事所信表明の「6万平方メートルを超える緑の空間が新たに生まれている」について
 三 専用水道のPFAS汚染調査と対策について
 四 学校教室の断熱改修について

一 環境破壊の小金井2路線など第四次事業化計画優先整備路線の現状と今後について
  「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」の期間は2016年度から2025年度であり、優先整備路線は、この期間のうちに「事業着手」すべき路線です。第四次期間が残り2年となった段階で行われている3点の調査委託について質問します。
 1 「令和4年度地域的な都市計画道路の在り方検討委託」および、「都市計画道路の整備に関する調査委託」の趣旨とそれぞれの関連について伺います。
 2 「都市計画道路の整備に関する調査委託」では「今後の整備について効率かつ効果的に進めていくために、優先度の高い路線を選定するための選定方法を検討」とされています。これは新たに事業化計画を起こし、優先整備路線の選定を行うという趣旨ですか。第四次期間終了後の都市計画道路事業計画のあり方について伺います。
 3 「都市計画道路の整備に関する調査委託」では、区市町村などの会議等開催支援を業務とし、会議は四半期に3回程度、計21回程度を予定とされています。当該会議の趣旨と開催状況について伺います。
 4 「令和5年度 多摩地域を支える交通ネットワークに関する基礎調査委託」の趣旨を伺います。
 5 「令和5年度 多摩地域を支える交通ネットワークに関する基礎調査委託」において、都市計画道路の必要性の整理として挙げられている15路線の選定基準を示してください。

二 知事所信表明の「6万平方メートルを超える緑の空間が新たに生まれている」について
 1 小池知事は、第三回定例会の所信表明の「3 持続可能な都市を目指し、地球規模の課題に果敢に挑む」の「東京グリーンビズで新たなまちづくりを進める」において、「経済性や効率性が優先された高度経済成長期の都市開発は遠い過去のものです。コンクリートやアスファルトで覆われた街ではなく、人の暮らしや潤いを大切にしたまちづくりに取り組んでいます。近年は、用地を巧みに創出し、自然との調和を図ることで、開発が進む都心部の緑はむしろ増加しているのです。竹芝や麻布台、大手町など、とりわけ最近のまちづくりでは、思わず深呼吸したくなるような森や彩り豊かな草花を、オフィスや住宅に寄り添うようにあしらい、6万平方メートルを超える緑の空間が新たに生まれています。」と述べています。この「6万平方メートル」の積み上げ根拠を伺います。
 2 「緑の空間が新たに生まれた」とされた緑の種類と評価について伺います。

三 専用水道のPFAS汚染調査と対策について
 1 東京都の専用水道は2021(令和3)年3月31日現在、399施設(国の施設は含まない。)で、このうち、地下水等の自己水源のみによるものが104施設(区部:9、多摩地区:94、島しょ地区:1)、自己水源と水道事業者からの受水を併用するものが83施設(区部:35、多摩地区:48)です。これらの施設についてのPFAS調査の実施状況と、調査結果を受けた対応を伺います。
 2 PFAS調査の結果、暫定目標値50ナノグラムを上回った施設に対して、浄水器設置や水道代などの財政支援等を検討しませんか。

四 学校教室の断熱改修について
 1 断熱改修が行われていない教室はエアコンを使用しても適切な室温にならず、子どもたちにとっては学ぶ環境の保証どころか、観測史上最高を更新し続ける夏においては、命の危険さえ招きかねない事態となっています。エアコンの効率も悪くCO2排出量は増加し極めて悪循環な状態です。
   文部科学省は、「学校環境衛生基準の一部改正について(通知)」(2018(平成30)年4月2日、2022(令和4)年5月9日)により、学校の教室の望ましい室温の基準「18℃以上、28℃以下」を示していますが、都立学校(高等学校及び特別支援校)及び都内市区町村立学校において、この基準を超えている教室等の有無について把握していますか。
 2 適切な室温を保てない教室は、東京都こども基本条例がうたう「こどもの安全安心の確保」「こどもの学び、成長への支援」に反しています。学校教室の断熱改修の必要性についての認識を伺います。
 3 断熱に必須なのは「天井・壁の断熱」「窓の日射遮蔽」「換気設備」とされています。都は、都有建築物の改築等において、熱負荷の低減、最新の省エネ設備、多様な再エネ設備の導入等により、エネルギー使用の合理化を図ることを目的として、「省エネ・再エネ東京仕様」を定めています。
   都立学校について、「省エネ・再エネ東京仕様」がスタートした2007(平成19)年以降に改築等の設計が行われ、すでに終了している学校数と内訳(高等学校及び特別支援校)、現在改築等を行っている学校数と内訳(同)、今後の改築等計画について伺います。
 4 「省エネ・再エネ東京仕様」はスタート時の「省エネ東京仕様2007」から一定レベルの「天井・壁面断熱」「窓の日射遮蔽」「換気設備」が掲げられています。都立学校の改築等は「省エネ・再エネ東京仕様」に基づいて行われ、「天井・壁面断熱」「窓の日射遮蔽」「換気設備」に対応しているのか伺います。
 5 「省エネ東京仕様2007」が適用される以前に改築等が行われた学校および、今後、改築等を行うまでに一定年数がかかる学校について、特にエアコンが効かず過酷な状態にある最上階教室だけでも断熱改修を行うことを検討するべきだと思います。いかがですか。
 6 現在、都は市区町村立学校体育館のリースによる空調設備の設置と断熱改修の補助を行っていますが、教室についても断熱改修の実施を促すため、実施自治体・学校への財政支援を検討しませんか。
 7 教室の断熱改修を環境教育として位置づけ、都立学校及び市区町村立学校に対して、子どもたちが参加するワークショップを実施することを奨励しませんか。

令和5年第三回都議会定例会
漢人あきこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 環境破壊の小金井2路線など第四次事業化計画優先整備路線の現状と今後について
  1 「令和4年度地域的な都市計画道路の在り方検討委託」および、「都市計画道路の整備に関する調査委託」の趣旨とそれぞれの関連について伺う。

回答
  「令和4年度地域的な都市計画道路の在り方検討委託」については、最新の道路交通センサスの公表を受け、必要な調査、資料作成等を行うものです。
  「都市計画道路の整備に関する調査委託」については、令和4年度の調査を踏まえ、都市計画道路の在り方の調査検討を行うものです。

質問事項
 一の2 第四次期間終了後の都市計画道路事業計画のあり方について伺う。

回答
  四次期間終了後の都市計画道路の事業計画については未定です。

質問事項
 一の3 「都市計画道路の整備に関する調査委託」では、区市町村などの会議等開催支援を業務とし、会議は四半期に3回程度、計21回程度を予定とされている。当該会議の趣旨と開催状況について伺う。

回答
  御質問の会議の趣旨は今後の都市計画道路の在り方を検討していくものであり、現在開催していません。

質問事項
 一の4 「令和5年度多摩地域を支える交通ネットワークに関する基礎調査委託」の趣旨を伺う。

回答
  本調査は、多摩地域の交通基盤について、地域内や都市間の交通ネットワーク等の現状を把握し、今後のあり方を検討することを目的としています。

質問事項
 一の5 「令和5年度多摩地域を支える交通ネットワークに関する基礎調査委託」において、都市計画道路の必要性の整理として挙げられている15路線の選定基準について伺う。

回答
  都市計画道路については、多摩地域における事業中もしくは未着手の主要な路線等を選定しています。

質問事項
 二 知事所信表明の「6万平方メートルを超える緑の空間が新たに生まれている」について
  1 「6万平方メートル」の積み上げ根拠を伺う。

回答
  都心3区における都市再生特別地区などの制度を活用した都市開発のうち、令和元年以降に竣工し、3千平方メートル以上の緑を創出した地区の緑化面積の集計により算出しています。

質問事項
 二の2 「緑の空間が新たに生まれた」とされた緑の種類と評価について伺う。

回答
  都市再生特別地区などの制度を適用する際には、周辺の緑との連続性や樹高や樹種の選定などに配慮した、良質な緑空間の形成を誘導しています。

質問事項
 三 専用水道のPFAS汚染調査と対策について
  1 東京都の専用水道は2021(令和3)年3月31日現在、399施設(国の施設は含まない。)で、このうち、地下水等の自己水源のみによるものが104施設(区部:9、多摩地区:94、島しょ地区:1)、自己水源と水道事業者からの受水を併用するものが83施設(区部:35、多摩地区:48)です。これらの施設についてのPFAS調査の実施状況と、調査結果を受けた対応を伺います。

回答
  都は、管轄する専用水道のうち地下水等を水源とする施設の水質状況を把握する検査を実施し、その結果、国が定めるPFOS等の暫定目標値の超過が確認された場合には、施設の設置者に対し、飲用に供さないことなどの助言を行っています。

質問事項
 三の2 PFAS調査の結果、暫定目標値50ナノグラムを上回った施設に対して、浄水器設置や水道代などの財政支援等を検討しないか、見解を伺う。

回答
  水道法において、専用水道は自家用の水道と定義されており、消毒その他衛生上必要な措置を講じることや、施設を良好な状態に保つための維持及び修繕の責任は設置者にあるとされています。
  都は、国が定めるPFOS等の暫定目標値の超過が確認された施設の設置者に対し、飲用に供さないことなどの助言を行っています。

質問事項
 四 学校教室の断熱改修について
  1 文部科学省は、学校の教室の望ましい室温の基準「18℃以上、28℃以下」を示しているが、都立学校(高等学校及び特別支援校)及び都内市区町村立学校において、この基準を超えている教室等の有無について把握しているか伺う。

回答
  都立学校においては、国の「学校環境衛生基準」に基づき、教室等の温度管理を実施しており、学校薬剤師が定期的に必要な指導・助言を行っています。
  公立小・中学校の管理は、各区市町村教育委員会において行われており、教室等の環境についても、同基準に基づき適切に管理しているものと認識しています。

質問事項
 四の2 適切な室温を保てない教室は、東京都こども基本条例がうたう「こどもの安全安心の確保」「こどもの学び、成長への支援」に反している。学校教室の断熱改修の必要性についての認識を伺う。

回答
  都立学校の普通教室では、既に全校で空調設備を設置しており、必要に応じて、スポットクーラー等を設置しています。
  都の施設については、改築等に当たって「省エネ・再エネ東京仕様」に基づき、断熱性の向上に取り組むこととなっており、都立学校においても、計画的に進めています。
  また、公立小・中学校の施設整備は、原則として、設置者である区市町村の責任において行われるものであり、学校施設の改修等については、各区市町村が計画等に基づき実施しています。

質問事項
 四の3 都立学校について、「省エネ・再エネ東京仕様」がスタートした2007(平成19)年以降に改築等の設計が行われ、すでに終了している学校数と内訳(高等学校及び特別支援校)、現在改築等を行っている学校数と内訳(同)、今後の改築等計画について伺う。

回答
  平成19年(2007年)以降に設計し、竣工した都立学校は75校で、その内訳は、高等学校は51校、特別支援学校は24校です。
  現在、改築等を行っている都立学校は22校で、その内訳は、高等学校は12校、特別支援学校は10校です。

質問事項
 四の4 都立学校の改築等は「省エネ・再エネ東京仕様」に基づいて行われ、「天井・壁面断熱」「窓の日射遮蔽」「換気設備」に対応しているのか伺う。

回答
  都立学校の改築等は、「省エネ・再エネ東京仕様」に定める「外壁断熱」「日射遮蔽」「換気設備」等の各技術項目に基づき行っています。

質問事項
 四の5 「省エネ東京仕様2007」が適用される以前に改築等が行われた学校および、今後、改築等を行うまでに一定年数がかかる学校について、特にエアコンが効かず過酷な状態にある最上階教室だけでも断熱改修を行うことを検討すべきだが見解を伺う。

回答
  都立学校の普通教室では、既に全校で空調設備を設置しており、必要に応じて、スポットクーラー等を設置しています。
  また、都の施設については、改築等に当たって「省エネ・再エネ東京仕様」に基づき、断熱性の向上に取り組むこととなっており、都立学校においても、計画的に進めています。

質問事項
 四の6 現在、都は市区町村立学校体育館のリースによる空調設備の設置と断熱改修の補助を行っているが、教室についても断熱改修の実施を促すため、実施自治体・学校への財政支援を検討しないか、見解を伺う。

回答
  公立小・中学校の施設整備の経費は、原則として、設置者である区市町村が負担することとされています。
  なお、都が補助している体育館のリースによる空調設置及び断熱性を確保するための工事については、早期に良好な教育環境等が確保されるよう、区市町村を支援しているものです。学校施設の断熱性を向上するための改修については、区市町村が国の補助制度を活用し、整備が進められるよう支援しています。

質問事項
 四の7 教室の断熱改修を環境教育として位置づけ、都立学校及び市区町村立学校に対して、子どもたちが参加するワークショップを実施することを奨励しないか、見解を伺う。

回答
  環境に関する教育については、各学校において、学習指導要領等に基づき、校長が編成する教育課程に位置付け、各教科等で実施しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 岩永やす代

質問事項
 一 廃棄物とリサイクルについて
 二 学校の断熱について
 三 防災対策について
 四 精神障がい者支援について
 五 滝山病院の暴行事件について

一 廃棄物とリサイクルについて
 1 プラスチックのリサイクルについて
   プラスチックによる環境汚染が世界中で深刻になるなか、プラスチック汚染対策の条約が検討されています。日本では、ようやくレジ袋の有料化が定着してきましたが、脱プラスチックへの道のりは遠いのが現状です。3Rの優先順位やマテリアルリサイクルしやすくするために単一素材への変更など、事業者の努力が欠かせません。市民が排出するプラスチックごみについては、これまでも自治体の役割であり、分別、リサイクルが進められてきました。プラスチック資源循環促進法で、22年から自治体が分別回収するプラスチックに、容器包装だけでなく製品プラスチックも入れるようになりました。
  ア プラスチックを分別回収し、再商品化を容リ協会に委託している自治体はどれだけあるか、容器包装のみと製品プラも入れたところそれぞれについて伺います。
  イ 自治体では、収集したプラスチックを手選別などの経費をかけて容リ協会に引き渡し、協会では、引き取ったプラスチックはすべてリサイクルしていると公表していますが、マテリアルリサイクルの半分が残さとなり、そのほとんどが燃やされています。
    プラスチック資源循環促進法33条では、自治体が再商品化計画を作成し国の認定を受けてリサイクル事業者と直接契約するしくみを定めています。最近の技術革新により、光学式選別機を使って素材ごとに選別、高度なリサイクルができる事業者もあり、再生品が回っていくしくみをつくることが重要です。都内ではまだ手を挙げている自治体はありませんが、申請を促し、そのための支援が必要と考えます。現在実施しているプラ製容器包装等・再資源化支援事業を33条適用にシフトするとともに、技術的な支援も併せて実施することを提案しますが、見解を伺います。
  ウ 高齢化が進み増える紙おむつのリサイクルに取り組むところが広がっています。東京都でも2020年から2年間実証事業を実施しました。紙おむつの素材は、パルプ52%、樹脂28%、高分子吸収材20%であり、このパルプを使った紙おむつをつくる事業も展開されています。紙おむつリサイクルの現状と今後について伺います。
 2 太陽光パネルの廃棄とリサイクルについて
   東京都では太陽光発電を積極的に推進しています。住宅への義務化もこれから始まるため、いずれ使えなくなって廃棄パネルが大量に発生することが見込まれています。すでに廃棄するパネルもあり、環境負荷の少ない処分やリサイクルが重要な課題になっており、都は、使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業を6月から開始しました。
  ア 都の使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業のしくみと、回収からリサイクルまでのルートについて伺います。
  イ 都内自治体では、住宅の屋根にパネルを設置するだけでなく、防災対策やアウトドア用などで、ベランダ置きの太陽光パネルや、小型の太陽光パネル付きモバイルバッテリーなど、さまざまなタイプの太陽光発電が使われています。ところが、破損した小型パネルを廃棄する際に、受け入れてくれるところがないという相談が来ました。自治体では処理困難物であり回収ルートがないということでした。大きさもタイプも異なるパネルについても、リサイクルが必要です。廃棄パネルを自治体が回収しリサイクルルートに乗せるため、事業者を紹介するなど情報を提供・周知を図る必要があると考えますが、見解を伺います。
 3 都市鉱山と小型家電リサイクルについて
   全国から携帯電話などを集めて、東京2020オリンピック・パラリンピックの金・銀・銅メダルを作るプロジェクトが大きな話題となりました。各自治体では公共施設などに小型家電の回収ボックスが多く設置され、分別回収が進みました。その後も都市鉱山からレアメタルなどを回収する取り組みが実施されていますが、有用な金属などを取り出すだけでなく、残りの部分のリサイクルや環境汚染を引き起こさない対策が必要であり、自治体の取り組みについても都として状況を把握すべきです。
  ア 昨年度レアメタル緊急回収プロジェクトが実施されましたが、このプロジェクトの実績を伺います。また、ほかに都で行っているレアメタル回収の取り組みの現状と今後について伺います。
  イ パソコンをはじめ小型家電は、プラスチック部分が多いですが、レアメタル回収後のリサイクルは、どのように行われているのか伺います。
  ウ ごみ収集車でリチウムイオン電池の発火が問題になっています。小型家電リサイクルの一環で回収しており、東京都も自治体も分別ルールを宣伝していますが、解決には至っていません。リチウムイオン電池使用の製品へのリサイクル呼びかけシールの貼付など、事業者に働きかけ、さらなる啓発が必要と考えますが、見解を伺います。

二 学校の断熱について
  夏の暑さはどんどんひどくなり、猛暑日が連日続く事態となっています。学校の教室にはエアコンが設置されるようになりましたが、今の暑さには間に合わない事態です。暑さ対策のため学校で行われる断熱ワークショップが報道されるなど、断熱効果が注目されています。
  都立学校は省エネ・再エネ東京仕様に則って建築しているとのことですが、2020年改正の東京仕様では、断熱性能UA値が屋根0.30以下、外壁0.39以下としています。その後今年1月にも改正し、2月にはZEB化の手引き(学校編)が出されるなど、これから建築する校舎については省エネで快適な環境が期待されるところです。
 1 教室の気温などについてめやすとする値があるのか、また、暑さを訴える声がどれくらい届いているのか伺います。
 2 断熱性能が2020年以降の仕様になっている都立学校は何校あるのか伺います。またそれ以前の2007年東京仕様では、断熱のための屋根や外壁の厚みが示されており、これが反映されている学校は何校あるのか伺います。
 3 すぐには建て替えない校舎が多いことから、暑さ対策のためには、空調設備の更新とともに教室の断熱改修が有効と考えますが、見解を伺います。
 4 地域の小中学校でも、教室の暑さ対策は喫緊の課題となっています。東京都は住宅の断熱改修への補助を国よりもきめ細かく実施していますが、学校の断熱改修を促すために補助するよう提案しますが、見解を伺います。

三 防災対策について
 1 発災時の対応と在宅避難について
   東京都地域防災計画の2023年の見直しで、在宅避難が強化されました。自助と共助の強化が言われていますが、都としては自助と共助の取り組みが進むようバックアップすることが大切です。在宅避難においても、とりわけ災害時に被害を受けやすい女性や子ども、性的マイノリティ、高齢者、障がい者、難病患者、外国人等に対してきめ細かい配慮が必要であり、都の取り組みについて伺います。
  ア 避難行動要支援者や自宅での在宅避難が難しい人が、都内や他府県など被災地外のホテルや旅館などに避難できるよう、宿泊施設との協定を進めることが必要です。そこで現在の協定の締結の状況とその内容を伺います。
  イ 在宅避難に欠かせないトイレ対策の取り組みについて伺います。東日本大震災では、3日以内に約3割の避難所にしか仮設トイレが行き渡りませんでした。また、マンションなどでは、配管の損傷で下の階に汚物があふれた被害などもありました。在宅避難への備えとして、携帯トイレ・簡易トイレの啓発を進めていく必要があり、都の取り組みを伺います。
  ウ 2021年5月の災害対策基本法の改正により、高齢者や障がい者等の避難行動要支援者について、個別避難計画を策定することが市区町村の努力義務とされました。策定した計画が災害発生時に適切に活用されるよう市区町村は実効性を確保することが必要です。都は地元自治体と連携し、避難訓練の実施等計画の実効性を高めるための取り組みをどのように推進しているのか伺います。
    また、将来的には個々の都民の状況に応じ、よりきめ細かな支援も検討していく必要があります。今年9月に東京都と東村山市の合同総合防災訓練に参加した際に、展示体験のコーナーで着脱式車いすの緊急避難装置の体験をしました。車いすをリアカーのように前から引いて移動するものです。がれきやデコボコの道は車いすの後ろから押して進むことはとても難しかったのですが、車いすの前輪を浮かせて前から引くことで、簡単に移動できることから、災害時に大変有効だと感じました。今年度から観光振興で、このような装置を活用して車いすで自然の中を観光するプログラムにも活用できる補助メニューが始まりました。今後は観光分野だけではなく、災害時の緊急避難という視点から、防災分野にも広げていくことを要望します。
  エ 災害時のデマへの対策について現在の取り組みを伺います。
 2 帰宅困難者対策実施計画の改定について
  ア 東日本大震災の教訓を生かし、都は事業者への協力体制のもと、一斉帰宅抑制を進めてきました。しかし、事業者の認知度が低下していると聞いていますが、その原因について伺います。
  イ 人口が密集している東京では「逃げる対策」より「逃げない対策」が必要です。逃げない対策を進めるには、一時滞在施設の確保が重要です。確保の難しい原因として、企業が開放した施設でけがをした場合の責任問題をどうするか、食料などの備蓄や必要な施設整備への支援など、制度を整備することが必要と考えますが、見解を伺います。
  ウ 災害発災時の帰宅困難者への情報提供が重要です。帰宅困難者に対して混乱状況や一時滞在施設開設状況等を迅速に発信しなければなりません。駅や商業施設などとの連携について伺います。
  エ 2011年に発生した東日本大震災では、首都圏・関東地域の公共交通が寸断され、多くの外国人旅行者が被災者として困難な状況に陥りました。2016年に発生した熊本地震では、熊本市国際交流会館に外国人避難対応施設が開設され、特に災害時における外国人旅行者への対応が注目されました。大規模災害時には、特に外国人旅行者は、頼ることができるコミュニティを持たないことが多く、また、災害に関する知識や情報も乏しいことから、「的確な情報の入手」と「帰国までの滞在拠点の確保」が指摘されています。災害時における外国人観光客への対策について伺います。

四 精神障がい者支援について
 1 都内の精神科病床について
  ア 都立病院の精神科で合併症患者の入院が受け入れ可能な病院数と病床数を伺います。
  イ 都内の都立病院以外の病院の精神科で合併症患者を受け入れている病院数と病床数を伺います。
  ウ 精神疾患のある場合に、合併症の治療で手術や入院を受け入れる病院が少なく、必要な医療へのアクセスが難しい状況があります。都立病院の役割として、精神科の合併症患者の受け入れ体制を拡充すべきと考えますが、見解を伺います。
 2 精神障がい者の地域移行について
  ア 精神障がい者の地域移行として、直近3か年の退院者の在院期間別の割合を、入院後3か月未満、6か月未満、1年未満のそれぞれについて伺います。
    また、入院期間が1年以上の長期入院者数のうち、65歳以上の人数、65歳未満の人数についても直近3か年の実績を伺います。
  イ 精神障がい者の地域移行支援、精神障がい者の地域定着支援、精神障がい者の共同生活援助(グループホーム)、精神障がい者の自立生活援助、精神病床における退院患者の退院後の行き先について、第6期計画における見込み数と実績を伺います。
  ウ 退院にむけて地域での生活をイメージし、体験を重ねるためのショートステイ事業が重要ですが、実績を伺います。
  エ 精神障がい者が入居できる都内のグループホームの定員数を伺います。
  オ グループホームでの居室を増やすために、どのような課題があるのか伺います。また、受け入れ数を増やすために、今後、都ができる支援について伺います。
  カ 退院前から退院後の地域の暮らしを当事者の立場で支えるピアサポートが大切です。ピアサポーターの養成とピア活動はどのように行われているのか伺います。また、都は自治体にどのような支援を行っているか伺います。
  キ 都内自治体での居住支援協議会の設置数および居住支援協議会が未設置の自治体にはどのような課題があるのか伺います。また、都はどのような支援を進めていくのか伺います。

五 滝山病院の暴行事件について
  2月に複数の看護師による患者への暴行事件が起こった八王子市の滝山病院に係る問題について伺います。
 1 都内にある20床以上の病院635施設のうち、精神病床を有する病院は104で、都は精神保健福祉法に基づく定例の立入検査を毎年1回実施しています。あわせて、都内全ての病院を対象として3年に1度、医療法に基づく定例の立入検査を実施しています。それぞれ直近5年間の実績を伺います。
 2 実地指導や立入検査を行っているにもかかわらず、このような看護師による暴行・虐待事件はどうして起こったのか、どうしてこれまで見逃されてきたのか都の認識を伺います。
 3 2月の事件発覚後、全ての入院患者に対して都は意向調査を実施したと聞いています。意向調査はどのような体制で行われたのか伺います。また、退院した人数とその内訳(退院数、転院数、死亡数)を伺います。
 4 入院患者が地域の福祉関係者や司法関係者からの支援を希望する場合には、その希望に添って地域の関連団体との橋渡しをして欲しいという要望が出されています。外部の福祉団体との連携は可能なのか伺います。
 5 元院長の監禁罪の嫌疑による送検の事実を受け、改めて病院組織全体の不正の有無を網羅的に調査対象とするよう滝山病院に対して再度、改善命令その他の追加措置を講じるべきと考えますが、見解を伺います。
 6 今後の再発防止策について、具体的にどのような取り組みを行っていくのか伺います。
 7 精神病院の入院者には、自分から声を出せない人や外部に連絡できない人、家族とのコミュニケーションが難しい人や、身体的・心理的に弱っている人や、隔離や身体拘束を受けている人も多いため、虐待や権利侵害を受けやすい立場にあります。
   大阪府では、2003年から「精神医療オンブズマン」が導入されており、精神病院の入院患者の権利擁護の視点から、外部の支援者が定期的に病棟内まで出向く「病院訪問型のアドボケイト」が実施されています。入院患者の権利擁護について、都の取り組みの現状と今後について伺います。

令和5年第三回都議会定例会
岩永やす代議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 廃棄物とリサイクルについて
  1 プラスチックのリサイクルについて
   ア プラスチックを分別回収し、再商品化を容リ協会に委託している自治体はどれだけあるか、容器包装のみと製品プラも入れたところそれぞれについて伺う。

回答
  日本容器包装リサイクル協会によれば、容器包装プラスチックのみを同協会に再商品化委託している自治体数は41、容器包装プラスチックと製品プラスチックの両方を同協会に委託している自治体数は7です。

質問事項
 一の1のイ 現在実施しているプラ製容器包装等・再資源化支援事業を33条適用にシフトするとともに、技術的な支援も併せて実施することを提案するが、見解を伺う。

回答
  プラスチック資源循環法では、区市町村は、収集したプラスチック使用製品のリサイクルについて、指定法人に委託して行う方法と、国の認定を受けた再商品化計画に基づいて行う方法のいずれかを選択できます。
  都は、プラ製容器包装等・資源化支援事業等により、区市町村の状況に応じた更なる再資源化を支援しています。

質問事項
 一の1のウ 紙おむつリサイクルの現状と今後について伺う。

回答
  都は、使用済み紙おむつのリサイクル推進に向け、令和2年度及び3年度に、ICTを活用した分別収集やリサイクル技術の検証等を目的とした実証事業を実施し、区市町村と情報共有を行っています。
  令和4年度から区市町村のリサイクルに向けた検討等に対する補助を行っています。

質問事項
 一の2 太陽光パネルの廃棄とリサイクルについて
    ア 都の使用済住宅用太陽光パネルリサイクル促進事業のしくみと、回収からリサイクルまでのルートについて伺う。

回答
  都は、太陽光パネルの高度なリサイクル施設を公募の上、6施設を指定し、当該施設でリサイクルされる住宅用太陽光パネルを対象に、令和5年6月から補助事業を開始しています。

質問事項
 一の2のイ 防災やアウトドア用などの小型太陽光パネルを自治体が回収しリサイクルルートに乗せるため、事業者を紹介するなど情報を提供・周知を図る必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
  解体や撤去工事等を伴わず、一般家庭から排出される太陽光パネルは、廃棄物処理法の一般廃棄物となり、区市町村が処理責任を負います。
  首都圏には、既に複数の太陽光パネルのリサイクル施設が稼働しており、こうした施設の中には、様々な大きさや種類のパネルを処理できる施設があります。
  都は、こうした情報を、引き続き、区市町村へ情報提供していきます。

質問事項
 一の3 都市鉱山と小型家電リサイクルについて
    ア 昨年度レアメタル緊急回収プロジェクトが実施されたが、このプロジェクトの実績を伺う。また、ほかに都で行っているレアメタル回収の取り組みの現状と今後について伺う。

回答
  都は、令和4年度のレアメタル緊急回収プロジェクトにおいて、約10万台のパソコンを回収しました。また、小型家電のリサイクル方法やレアメタルの循環利用の重要性について様々な媒体を通じて周知を図るなど、区市町村と連携して回収の促進に取り組んでいます。

質問事項
 一の3のイ パソコンをはじめ小型家電は、プラスチック部分が多いが、レアメタル回収後のリサイクルは、どのように行われているのか伺う。

回答
  国によれば、小型家電に含まれるプラスチックは、国の認定を受けたリサイクル事業者において、令和2年度は7,529トンが再資源化され、25,301トンが熱回収されています。

質問事項
 一の3のウ リチウムイオン電池使用の製品へのリサイクル呼びかけシールの貼付など、事業者に働きかけ、さらなる啓発が必要だが、見解を伺う。

回答
  都は、リチウムイオン電池使用製品のメーカーに対する適切な表示の義務付け等について、国に要望を行っています。また、リチウムイオン電池や内蔵製品の適正な排出やリサイクルについて、東京消防庁等と連携して作成したリーフレット、都民向けの動画などにより普及啓発を実施しています。

質問事項
 二 学校の断熱について
  1 教室の気温などについてめやすとする値があるのか、また、暑さを訴える声がどれくらい届いているのか伺う。

回答
  国の「学校環境衛生基準」において、教室の望ましい温度の基準は「18℃以上、28℃以下」と示されています。
  また、今年度、10月4日現在で、「都民の声」が22件、寄せられています。

質問事項
 二の2 断熱性能が2020年以降の仕様になっている都立学校は何校あるのか伺う。またそれ以前の2007年東京仕様では、断熱のための屋根や外壁の厚みが示されており、これが反映されている学校は何校か伺う。

回答
  令和2年(2020年)に改正された「省エネ・再エネ東京仕様」に基づき、建築・竣工した都立学校はありません。
  平成19年(2007年)以降に設計し、竣工した都立学校は、75校です。

質問事項
 二の3 すぐには建て替えない校舎が多いことから、暑さ対策のためには、空調設備の更新とともに教室の断熱改修が有効だが、見解を伺う。

回答
  都立学校の普通教室では、既に全校で空調設備を設置しており、計画的に更新を進めるとともに、必要に応じて、スポットクーラー等を設置しています。
  また、都の施設については、改築等に当たって「省エネ・再エネ東京仕様」に基づき、断熱性の向上に取り組むこととなっており、都立学校においても、計画的に進めています。

質問事項
 二の4 東京都は住宅の断熱改修への補助を国よりもきめ細かく実施しているが、学校の断熱改修を促すために補助するよう提案するが、見解を伺う。

回答
  公立小・中学校の施設整備の経費は、原則として、設置者である区市町村が負担することとされています。
  都は、学校施設の断熱性を向上するための改修について、区市町村が国の補助制度を活用し、整備が進められるよう支援しています。

質問事項
 三 防災対策について
  1 発災時の対応と在宅避難について
   ア 避難行動要支援者や自宅での在宅避難が難しい人が、都内や他府県など被災地外のホテルや旅館などに避難できるよう、宿泊施設との協定を進めることが必要だが、現在の協定の締結の状況とその内容を伺う。

回答
  都は、区市町村におけるホテル・旅館等の宿泊施設の活用を支援するため、都内の宿泊業関連団体と災害時の避難所確保に係る協定等を締結しています。
  また、被災者の都県境を越えた避難先の確保については、九都県市や全国知事会などにおいて締結している、災害時の相互応援に関する協定に基づき対応することとなります。

質問事項
 三の1のイ 在宅避難への備えとして、携帯トイレ・簡易トイレの啓発を進めていくべきだが、都の取り組みを伺う。

回答
  都では、在宅避難する場合や避難所から一時帰宅する場合に備えて、防災ブックや「日常備蓄」の実践を呼びかけるパンフレット及び東京備蓄ナビ等で、携帯トイレ等の備蓄品の確保を促しています。

質問事項
 三の1のウ 地元自治体と連携し、避難訓練の実施等計画の実効性を高めるための取り組みをどのように推進しているのか伺う。

回答
  全国の区市町村を対象とした個別避難計画の作成状況等に関する国の調査では、令和5年1月1日現在で、都内13区市町が計画の実効性を高める取組として、避難訓練を実施しています。
  都は、個別避難計画を活用した避難訓練や福祉専門職への研修会等の実施により、実効性のある計画作成に取り組む区市町村を包括補助により支援しています。

質問事項
 三の1のエ 災害時のデマへの対策について現在の取り組みを伺う。

回答
  都は、SNS分析ツールの導入により、AIが収集した有用な防災情報を、警察や消防、区市町村等と共有する仕組みを構築し、ネット上に疑わしい情報がある場合には関係機関に確認の上、注意喚起を行うこととしています。

質問事項
 三の2 帰宅困難者対策実施計画の改定について
    ア 東日本大震災の教訓を生かし、都は事業者への協力体制のもと、一斉帰宅抑制を進めてきた。しかし、事業者の認知度が低下していると聞いているが、その原因について伺う。

回答
  大量の帰宅困難者が発生した東日本大震災から時間が経過するにつれ、その記憶が薄れつつあることなどが要因として考えられます。

質問事項
 三の2のイ 一時滞在施設の確保の難しい原因として、企業が開放した施設でけがをした場合の責任問題をどうするか、食料などの備蓄や必要な施設整備への支援など、制度を整備することが必要と考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、「発災時の損害賠償責任が事業者に及ばない制度」の創設に向け、国に対し法改正を実施するよう提案要求を行ってきました。
  また、民間一時滞在施設に対し、食料や水など必要な備蓄品の購入について補助を行うとともに、備蓄倉庫などの施設整備に関しても、国と連携してその整備費を負担しています。

質問事項
 三の2のウ 帰宅困難者に対して混乱状況や一時滞在施設開設状況等を迅速に発信しなければならないが、駅や商業施設などとの連携について伺う。

回答
  都は、都内主要駅に、区市と共同して、鉄道事業者や大規模集客施設の管理者などで構成される駅前滞留者対策協議会を52箇所設立しています。
  この協議会を中心として、駅ごとに、帰宅困難者への情報提供や誘導等のルールの策定、訓練の実施など、行政と地域が一体となった体制づくりを進めています。

質問事項
 三の2のエ 災害時における外国人観光客への対策について伺う。

回答
  都は防災情報を都内40箇所のサイネージで、外国語により提供しています。

質問事項
 四 精神障がい者支援について
  1 都内の精神科病床について
   ア 都立病院の精神科で合併症患者の入院が受け入れ可能な病院数と病床数を伺う。

回答
  都立病院では、精神病床を7病院で1,174床有しており、身体疾患を有する精神障害者も受け入れています。

質問事項
 四の1のイ 都内の都立病院以外の病院の精神科で合併症患者を受け入れている病院数と病床数を伺う。

回答
  都は、精神科患者身体合併症医療事業により、夜間及び休日に身体疾患を併発した精神障害者や、精神科病院に入院中に身体疾患に罹患した患者の診療体制を確保しており、本事業における協力病院数は、令和5年9月1日時点で、都立病院を除き15病院、当該病院の精神病床の総数は1,766床となっています。
  また、精神障害者が身体疾患に罹患した際に、地域で迅速かつ適正な医療が受けられるよう、地域精神科身体合併症救急連携事業により、一般救急医療機関と精神科医療機関との地域における相互連携体制の強化を図っています。

質問事項
 四の1のウ 都立病院の役割として、精神科の合併症患者の受け入れ体制を拡充すべきだが、見解を伺う。

回答
  都立病院は、都内の精神科患者に対し、迅速かつ適正な身体医療の確保を目的とする精神科患者身体合併症医療事業において、令和4年度は、夜間及び休日に身体疾患を併発した方の94パーセントに当たる64名を、また、精神科病院の入院患者で、迅速な対応が必要な身体疾患を併発し、転院が必要となった方の75パーセントに当たる415名を受け入れています。
  また、精神科の有無にかかわらず、全ての都立病院は、その医療機能に応じて、身体疾患を有する精神障害者を受け入れ、治療を行っています。

質問事項
 四の2 精神障がい者の地域移行について
    ア 精神障がい者の地域移行として、直近3か年の退院者の在院期間別の割合を、入院後3か月未満、6か月未満、1年未満のそれぞれについて伺う。また、入院期間が1年以上の長期入院者数のうち、65歳以上の人数、65歳未満の人数についても直近3か年の実績を伺う。

回答
  国が実施する精神保健福祉資料調査に基づき算出した、直近3か年における、各年6月、1か月間の都内精神病床からの退院者数に占める在宅、障害福祉施設、介護施設等への退院者数の在院期間別の割合は以下のとおりです。

令和2年 令和3年 令和4年
在院3か月未満注釈1 63.5% 69.8% 68.8%
在院6か月未満注釈2 88.2% 90.9% 90.2%
在院1年未満注釈3 94.4% 95.9% 95.9%
   注釈1 各年6月、1か月の在院期間3か月未満の退院者数÷各年6月、1か月の精神病床からの退院者数
   注釈2 各年6月、1か月の在院期間6か月未満の退院者数÷各年6月、1か月の精神病床からの退院者数
   注釈3 各年6月、1か月の在院期間1年未満の退院者数÷各年6月、1か月の精神病床からの退院者数
   注釈4 注釈1から注釈3までの退院者数は、転床、転院、死亡、不明を除く

  また、長期入院者数のうち、各年6月30日現在の65歳以上の人数、65歳未満の人数については以下のとおりです。
令和2年 令和3年 令和4年
65歳以上 6,949人 6,238人 5,924人
65歳未満 3,953人 3,636人 3,558人

質問事項
 四の2のイ 精神障がい者の地域移行支援、精神障がい者の地域定着支援、精神障がい者の共同生活援助(グループホーム)、精神障がい者の自立生活援助、精神病床における退院患者の退院後の行き先について、第6期計画における見込み数と実績を伺う。

回答
  精神障害者の地域移行支援、地域定着支援、共同生活援助、自立生活援助及び精神病床における退院患者の退院後の行き先に係る、第6期東京都障害福祉計画における見込み数と実績は以下のとおりです。
種類 事項
(単位) 令和3年度 令和4年度 令和
5年度
見込み 実績 見込み 実績 見込み
精神障害者の
地域移行支援 利用者数
(人) 178 133 187 156 196
精神障害者の
地域定着支援 利用者数
(人) 326 282 345 316 364
精神障害者の
共同生活援助 利用者数
(人) 4,134 3,854 4,487 4,399 4,840
精神障害者の
自立生活援助 利用者数
(人) 331 211 395 290 459
精神病床における退院患者の退院後の行き先 在宅 退院患者数
(人) 2,160 1,795 2,180 1,778 2,198
障害福祉施設注釈 124 182 134 180 142
計 2,284 1,977 2,314 1,958 2,340
注釈 「障害福祉施設」には障害者グループホームを含む。

質問事項
 四の2のウ 退院にむけて地域での生活をイメージし、体験を重ねるためのショートステイ事業が重要だが、実績を伺う。

回答
  都は、精神科病院に入院している精神障害者が退院後の地域生活のイメージを持ち、退院への意欲を高めることができるよう、グループホームに併設した専用居室を利用して、金銭管理、服薬管理、買い物、調理などの生活体験を行うグループホーム活用型ショートステイ事業を実施しています。
  令和4年度における利用者数は78人、延べ利用日数は738日です。

質問事項
 四の2のエ 精神障がい者が入居できる都内のグループホームの定員数を伺う。

回答
  令和4年度末時点で、主に精神障害者を対象とした都内の障害者グループホームの定員は、3,761人です。

質問事項
 四の2のオ グループホームでの居室を増やすために、どのような課題があるのか伺う。また、受け入れ数を増やすために、今後、都ができる支援について伺う。

回答
  都は、障害者グループホームを整備する事業者の負担を軽減するため、整備費の特別助成や都有地の減額貸付等を行うとともに、グループホーム職員の人材育成支援のため、グループホーム管理者及び従業者向けの研修を実施しています。
  また、国に対し、障害者を支える人材確保、良質なサービス提供のため、サービス全般にわたり基本的な報酬の改善・財源確保等を行うことを提案要求しています。

質問事項
 四の2のカ ピアサポーターの養成とピア活動はどのように行われているのか伺う。また、都は自治体にどのような支援を行っているか伺う。

回答
  ピアサポーターは、精神科病院に出向き、入院患者との面談や病棟プログラムへの参加を通じて、退院後の生活不安解消のための情報提供などを行っています。
  都は、ピアサポーター養成のため、基礎研修、専門研修、フォローアップ研修で構成する障害者ピアサポート研修を行っています。
  また、ピアサポーター活用の推進に向け、区市町村に対して、ピアサポーターの活動状況に関する情報提供等を行っています。

質問事項
 四の2のキ 都内自治体での居住支援協議会の設置数および居住支援協議会が未設置の自治体にはどのような課題があるのか伺う。また、都はどのような支援を進めていくのか伺う。

回答
  令和5年9月30日現在、都内自治体のうち31市区において、市区町村の居住支援協議会が設置されています。
  都が居住支援協議会を設置していない市区町村に対して実施したアンケート調査では、居住支援協議会を設立するに至らない理由として、必要なマンパワーの不足等が挙げられています。
  都は、市区町村に対して運営経費の補助や参考となる設立事例の情報提供を行っています。

質問事項
 五 滝山病院の暴行事件について
  1 都内にある20床以上の病院635施設のうち、精神病床を有する病院は104で、都は、精神保健福祉法に基づく定例の立入検査を毎年1回実施している。あわせて、都内全ての病院を対象として3年に1度、医療法に基づく定例の立入検査を実施しているが、それぞれ直近5年間の実績を伺う。

回答
  精神保健福祉法に基づく定例の立入検査の実績は、平成30年度108件、令和元年度106件、令和2年度68件、令和3年度33件、令和4年度80件です。
  また、医療法に基づく定例の立入検査の実績は、平成30年度222件、令和元年度231件、令和2年度130件、令和3年度67件、令和4年度181件です。

質問事項
 五の2 実地指導や立入検査を行っているにもかかわらず、このような看護師による暴行・虐待事件はどうして起こったのか、どうしてこれまで見逃されてきたのか都の認識を伺う。

回答
  都は、令和4年5月、当該病院での虐待疑いについて情報提供があったため、定例の立入検査に加え、病院職員等への聞き取りを複数回実施しましたが、病院管理者が虐待の事実を認めず、その時点では事実関係を確認できませんでした。
  虐待が強く疑われる情報提供があった令和5年2月以降、臨時の立入検査を複数回実施し、病院管理者が虐待の事実を認めたため、4月に関係法令に基づく改善命令を発出しました。

質問事項
 五の3 全ての入院患者に対して都は意向調査を実施したと聞いているが、意向調査はどのような体制で行われたのか伺う。また、退院した人数とその内訳(退院数、転院数、死亡数)を伺う。

回答
  都は、一般社団法人東京精神保健福祉士協会の協力を得て、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、事務の12名から13名による合同チームで転退院に関する意向調査を行いました。
  滝山病院では、虐待事件が発覚した令和5年2月時点で145名いた入院患者のうち、9月末までに、3名が自宅へ退院し、33名が転院や施設入所をし、28名が死亡しています。

質問事項
 五の4 入院患者が地域の福祉関係者や司法関係者からの支援を希望する場合には、その希望に添って地域の関連団体との橋渡しをして欲しいという要望が出されているが、外部の福祉団体との連携は可能なのか伺う。

回答
  滝山病院には、長期入院の患者も多く、心身の状況等からも直ちに地域で暮らすのは難しいことも想定されるため、都は、東京精神保健福祉士協会の協力を得て、本人の意思を確認し、まずは地域移行支援に取り組んでいる病院への転院を進めています。
  患者が転院後に地域での生活を希望する場合には、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを活用して、地域での生活につなげることとしています。

質問事項
 五の5 元院長の監禁罪の嫌疑による送検の事実を受け、改めて病院組織全体の不正の有無を網羅的に調査対象とするよう滝山病院に対して再度、改善命令その他の追加措置を講じるべきだが、見解を伺う。

回答
  令和5年4月、都は滝山病院に対し、医療法及び精神保健福祉法に基づく改善命令を発出しました。
  現在、立入検査などにより改善計画の履行状況等を確認しており、引き続き適切に対応していきます。

質問事項
 五の6 今後の再発防止策について、具体的にどのような取り組みを行っていくのか伺う。

回答
  都は、滝山病院に対し改善命令を発出し、虐待防止委員会を設置して検証すること、具体的な再発防止策をまとめること、虐待の未然防止等の取組を強化することなどを求めています。
  現在、立入検査などにより改善計画の履行状況等を確認しており、引き続き適切に対応していきます。

質問事項
 五の7 入院患者の権利擁護について、都の取り組みの現状と今後について伺う。

回答
  都は、精神病床を有する病院に対して立入検査を毎年行い、法令等に基づいた対応が行われているか確認しています。
  また、令和6年4月の改正精神保健福祉法の施行に向け、精神科病院で虐待を受けたと思われる患者を発見した方や虐待を受けた患者、その家族からの通報・相談窓口の設置に向けた準備を進めています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 もり愛

質問事項
 一 医療・福祉政策について

一 医療・福祉政策について
  だれ一人取り残さない東京都の実現に向けて、都の福祉施策について伺います。
  超党派で条例ワーキングチームにより「東京都手話言語条例」が作られ、2022年9月に施行されました。
 1 私たちは、この条例により、切れ目の無い手話の獲得に向けた支援が欠かせないと考えます。
   第10条では、乳幼児期から手話を獲得し、又は習得するための切れ目ない学習環境を整備することが記されております。聞こえない乳幼児の手話獲得の環境整備について、都はどのように環境を整備していくか伺います。
   都内のろう学校では乳幼児相談を実施しており、教育と福祉のシームレスな支援につなげる為ろう学校の敷地内に児童発達中核的支援事業を設置する事を要望します。
 2 「東京都手話言語条例」第3条において、「手話を必要とする者の意思疎通を行う権利を尊重し、手話に対する理解の促進、手話の普及その他の手話を使用しやすい環境の整備を行うものとする」とあり、都は区市町村その他の関連機関を連携して環境整備を行う責務があります。
   24時間対応の意思疎通支援体制の構築に向けて、都はどのように整備を進めていくか伺います。
  手話を必要とする人への手話を専門とする人材の育成について
 3 資格である「手話通訳士」、都道府県事業である「手話通訳者の育成」、自治体が行っている「手話奉仕員」の育成が挙げられます。
   手話を必要とする人への、手話による意思疎通支援のための人材育成に向けて、どの様に取り組んでいくのか、都の見解を伺います。
 4 東京都手話言語条例では、初めて、大学との連携という文言を書き込むことが出来ました。
   これをテコとして、都内の大学、言語聴覚士のカリキュラム、教員の育成過程、特別支援学校の免許、教養教育の間に、手話奉仕員の資格が取れるよう、都として取り組むことは有効だと考えます。都の見解を伺います。
 5 意思疎通支援と相談支援における環境整備に向けては、警察・消防、都立病院、区市町村等、体制整備のために局横断的な検討委員会の設置が求められます。都の見解を伺います。
 6 2025年デフリンピックにおいて、世界からデフ選手・関係者をお迎えする開催都市としての環境整備についても、光や文字による情報提供等の、インフラ整備の一層の推進が求められます。今後の整備について、伺います。
 7 「盲ろう者」は、都内に840名いるとされておりますが、生まれながらにして視覚と聴覚両方に障害を併せ持つ為、コミュニケーションや言語の獲得に大きな課題があり、専門的な支援と早期につながる体制が求められると考えます。
   「盲ろう児」の支援について、盲ろう児の親によるピアサポートや、療育・教育につながるよう、都として支援の一層の充実が求められます。都の見解を伺います。
 8 東京都は、特別支援学校の医療的ケア専門通学車両への看護師の配置をおこなっていますが、現場からは、看護師不足のため、今も保護者が同行せねばならない窮境を伺います。
   看護師の人数を、医療的ケア児の人数に応じて配置すべきと考えますが、都の見解を伺います。
  特別支援学校の卒業後の居場所の整備は、重要な課題です。
  特別支援学校では、重度障害があっても充実した学校生活を送ってきた方が、卒業後は19歳から60歳まで同じ支援施設での生活となるため、特別支援学校卒業後も、これまで積み上げてきた学びを継続できるような支援の場が求められます。
 9 大田区には、特定非営利法人の「おおきなき」さんが行う、民間の訪問大学の取り組みがあり、国においても特別支援学校卒業後の学びについて、支援拡充を求めております。以前も質問をさせて頂きましたが、進捗状況と、今後にむけた都の見解を伺います。
 10 重症心身障害児を受け入れる放課後等デイサービスの支援のさらなる拡充が求められます。
   医療的ケアの有無にかかわらず、利用者のニーズに応じた支援と、事業所が安定的に事業を継続できるよう、都独自の加算により、受け皿の拡充が求められます。都の見解を伺います。
  医療的ケアを必要とする方にとって、災害時の電源の確保と生命維持のための物品は、命に係わる重要な課題です。
 11 福祉避難所への生命維持のための物品や、障がい特性に応じた防災備蓄品の拡充について、当事者団体の声を聴いて、きめ細やかな対応が求められると考えます。都の見解を伺います。
 12 障がいの程度にかかわらず、児童・生徒一人ひとりが、自分らしい生き方を実現するために、肢体不自由児者特別支援学校でのキャリアパスポートの活用が求められます。
   キャリア教育が保護者に浸透していないとの声も聞かれ、学校と保護者が連携してキャリア教育の推進体制を進めて頂きたいと考えますが、都の見解を伺います。
 13 障がい者グループホームの増設を求める声が多く聞かれ、毎年の要望書でも重点項目として声が寄せられております。親亡き後の居場所の課題は、重要な課題です。
   誰もが、住み慣れた地域で安心して暮らすことが出来るよう、障がい特性に応じた、グループホームの整備に向けて、自治体、居住支援法人とも連携し、都有地や都内の空き家等を借り上げて、整備を進める等、グループホームの整備が迅速に進むよう、都として後押しすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 14 障がい者就労の促進に向けて、ICTの活用と、遠隔操作ロボットオリヒメ等を活用した多様な就労促進が求められ、以前の議会質問でも要望し、前向きなご答弁を頂きました。
   その後の事業の進捗と、都の取り組みについて伺います。
 15 高齢者の誤嚥事故による死亡件数は、交通事故死の約3倍にも及ぶ現状があり、オーラルフレイルは、健康寿命の延伸につながる重要な課題です。オーラルフレイル予防のため口腔機能の維持の大切さを、都民により周知するとともに、かかりつけ歯科医が口腔機能の維持管理を行うための支援を強化すべきと考えます。都の見解を伺います。

令和5年第三回都議会定例会
もり愛議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 医療・福祉政策について
  1 第10条では、乳幼児期から手話を獲得し、又は習得するための切れ目ない学習環境を整備することが記されているが、聞こえない乳幼児の手話獲得の環境整備について、都はどのように環境を整備していくか伺う。

回答
  都立聴覚障害特別支援学校では、乳幼児教育相談において手話の獲得を支援しているほか、都内には、手話を中心とした療育を行っている民間の事業所もあります。
  都は、難聴児等に対し、相談対応や情報提供などを担う中核的機能の令和5年度中の整備に向けた検討を進めています。

質問事項
 一の2 24時間対応の意思疎通支援体制の構築に向けて、都はどのように整備を進めていくか伺う。

回答
  障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の意思疎通支援事業では、個人への意思疎通支援者の派遣は区市町村の役割となっており、都は実施区市町村に対し応分の財政負担をしています。

質問事項
 一の3 手話を必要とする人への、手話による意思疎通支援のための人材育成に向けて、どの様に取り組んでいくのか、見解を伺う。

回答
  都はこれまでも、手話通訳者養成事業により、手話通訳者をはじめ、手話通訳士や手話指導者等を養成しており、引き続き、手話に関する専門人材の育成に取り組んでいきます。

質問事項
 一の4 東京都手話言語条例では、初めて、大学との連携という文言を書き込むことが出来た。これをテコとして、都内の大学、言語聴覚士のカリキュラム、教員の育成過程、特別支援学校の免許、教養教育の間に、手話奉仕員の資格が取れるよう、都として取り組むことは有効だが、見解を伺う。

回答
  東京都手話言語条例では、「都は、手話の発展に資するため、大学等と連携して調査研究の推進及びその成果の普及を支援するよう努めるものとする。」と規定しています。
  都は、大学生向け手話普及イベントの開催や都内大学生への手話講習会の周知などを通じて、大学生等の若年層を対象に手話及び聴覚障害の普及啓発を図っています。

質問事項
 一の5 意思疎通支援と相談支援における環境整備に向けては、警察・消防、都立病院、区市町村等、体制整備のために局横断的な検討委員会の設置が求められるが、見解を伺う。

回答
  都は、警視庁、東京消防庁を含む都の職員や政策連携団体及び区市町村職員に対して障害者差別解消条例や手話言語条例に関する研修を実施するなど、障害者差別の解消や手話の普及、手話を使いやすい環境整備に努めています。

質問事項
 一の6 2025年デフリンピックにおいて、世界からデフ選手・関係者を迎える開催都市としての環境整備についても、光や文字による情報提供等の、インフラ整備の一層の推進が求められるが、今後の整備について伺う。

回答
  都はこれまで、デフリンピックを契機に、デジタル技術を用いたユニバーサルコミュニケーションを促進するため、各種イベント等において、音声文字配信の技術を試行するなど、その活用可能性を検討してきました。
  また、競技会場となる駒沢オリンピック公園総合運動場の体育館において、聴覚障がい者への対応として、火災警報をランプの点滅により知らせるフラッシュライトをトイレに整備する等の改修工事を行っています。

質問事項
 一の7 「盲ろう児」の支援について、盲ろう児の親によるピアサポートや、療育・教育につながるよう、都として支援の一層の充実が求められるが、見解を伺う。

回答
  都は、日常の様々な場面で困難を抱える盲ろう児及びその家族への支援として、盲ろう者支援センターでの相談対応や意思疎通支援者の派遣等を行っています。

質問事項
 一の8 看護師の人数を、医療的ケア児の人数に応じて配置すべきだが、見解を伺う。

回答
  医療的ケア児専用通学車両の運行に当たっては、都のガイドラインにのっとり、児童・生徒の医療的ケアの内容に応じて、必要な人数の看護師を配置することとしています。
  看護師の確保に当たっては、非常勤看護師の報酬単価の引上げ、関係団体との連携や人材紹介会社の活用等による効果的なPRを行っています。

質問事項
 一の9 大田区には、特定非営利法人の「おおきなき」さんが行う、民間の訪問大学の取り組みがあり、国においても特別支援学校卒業後の学びについて、支援拡充を求めているが、以前も質問をしたが、進捗状況と、今後にむけた見解を伺う。

回答
  都教育委員会では、障害のある方々の豊かな地域生活と社会参加促進を目指し、特別支援学校において障害のある成人等を対象とした公開講座を実施しています。
  これに加え、障害者の学びの支援に取り組んでいるNPOや企業等と連携し、障害者の生涯学習推進に向けたシンポジウムや人材育成を行っています。

質問事項
 一の10 医療的ケアの有無にかかわらず、利用者のニーズに応じた支援と、事業所が安定的に事業を継続できるよう、都独自の加算により、受け皿の拡充が求められるが、見解を伺う。

回答
  都は、重症心身障害児や医療的ケア児が放課後などに安心して過ごせる場を確保するため、放課後等デイサービスなどにおいて、区市町村が地域の実情に応じて実施する、看護師等の専門職の手厚い配置や保護者の送迎負担の軽減、開所時間の延長などの取組に対し、独自に補助を行っています。

質問事項
 一の11 福祉避難所への生命維持のための物品や、障がい特性に応じた防災備蓄品の拡充について、当事者団体の声を聴いて、きめ細やかな対応が求められるが、見解を伺う。

回答
  都は、「東京都避難所管理運営の指針」において、聴覚障害や視覚障害の方など、避難所利用者の障害特性に応じて必要な物資などの配慮事項を記載しており、災害発生時に区市町村が避難所を円滑に運営できるよう支援しています。

質問事項
 一の12 キャリア教育が保護者に浸透していないとの声も聞かれ、学校と保護者が連携してキャリア教育の推進体制を進めるべきだが、見解を伺う。

回答
  都立特別支援学校では、教育活動全体を通じて高等部の卒業までを見据え、個別指導計画や学校生活支援シート、キャリア・パスポートの作成・活用等により、保護者の意向を踏まえた一貫性のあるキャリア教育を行っています。

質問事項
 一の13 誰もが、住み慣れた地域で安心して暮らすことが出来るよう、障がい特性に応じた、グループホームの整備に向けて、自治体、居住支援法人とも連携し、都有地や都内の空き家等を借り上げて、整備を進める等、グループホームの整備が迅速に進むよう都として後押しすべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、障害者グループホームを整備する事業者の負担を軽減する特別助成や都有地の減額貸付等を行っています。

質問事項
 一の14 障がい者就労の促進に向けて、ICTの活用と、遠隔操作ロボットオリヒメ等を活用した多様な就労促進が求められるが、その後の事業の進捗と、取り組みについて伺う。

回答
  都はこれまで、自治体や民間企業における新たな技術を活用した障害者就労について、実例などの調査や事業スキームの検討を行ってきました。
  令和5年度からは、一般就労が困難な重度肢体不自由等の重度障害者を対象に意思伝達システム等のデジタル機器を活用した就労支援事業の検証を行っています。

質問事項
 一の15 オーラルフレイル予防のため、口腔機能の維持の大切さを、都民により周知するとともに、かかりつけ歯科医が口腔機能の維持管理を行うための支援を強化すべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、都民の口腔機能の維持・向上に資するため、ホームページ等を通じ、噛む力を維持する体操などについて広く普及啓発を図っています。
  また、歯科医師等を対象に、高齢者に対する早期からの口腔ケアや摂食嚥(えん)下(げ)機能支援等を内容とした研修会を実施するほか、在宅歯科医療に取り組む医療機関に対して、診療に必要な医療機器等の整備費を補助しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 清水とし子

質問事項
 一 JR豊田駅北口駅前広場のさらなるバリアフリー化について

一 JR豊田駅北口駅前広場のさらなるバリアフリー化について
  豊田駅北口の駅前広場(ロータリー)は、2005年に策定された「日野市交通バリアフリー基本構想」に記載があります。
  しかし、駅前広場の現状には次のような課題があります。
  〔1〕ロータリーの縁石が高く、バスやタクシー乗車場所にスロープがありません。
   このため、車いすの方が、バスやタクシーに乗車する際には、後ろ向きになって、車椅子をかなり倒して車道に降りなければ乗車できません。
   また、家族の送迎車、バス、タクシーから降車する場合には、自力で縁石を超えることが難しいため、段差がないロータリーの端までいかないと駅に行くことができず、大回りすることになります。
  〔2〕都道と隣接する豊田駅北口エレベーター入口に向かうスロープは、勾配が急です。車椅子の方の中には腕の力で登ることができず、後ろ向きになって足で蹴りながら登っていく方もいて、危険です。
  〔3〕豊田駅北口をでて左手、自転車駐車場への曲がり角のところは勾配がきついうえに、勾配の角度が歩道の端と真ん中部分で違うため、つまずく歩行者も見られます。
 1 都は、道路のバリアフリー化についてどのような方針をもって整備を進めていますか。また、整備の具体的な内容はどのようになっていますか。
 2 歩道の段差の解消については、どのように整備することになっていますか。
   その考え方と具体的な方策などについて伺います。
 3 豊田駅北口広場のロータリーについて、バスやタクシー、送迎車両から高齢者や車いす使用者、ベビーカー利用者が使いやすいように段差の解消が必要と考えますが、いかがですか。
 4 歩道の勾配の改善については、どのように整備することになっていますか。
   その考え方と具体的な方策などについて伺います。
 5 豊田駅北口エレベーター入口に向かうスロープ、駐輪場への曲がり角の勾配についても改善を求めますが、いかがですか。
 6 バリアフリー化が整備済みとされている箇所であっても、現状に合っているかどうかの点検が必要です。都では点検についてどう取り組んでいますか。

令和5年第三回都議会定例会
清水とし子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 JR豊田駅北口駅前広場のさらなるバリアフリー化について
  1 都は、道路のバリアフリー化についてどのような方針をもって整備を進めているか、また、整備の具体的な内容はどのようになっているか伺う。

回答
  都は、東京都福祉のまちづくり条例等に基づき、歩道の段差解消や視覚障害者誘導用ブロックの設置など、道路のバリアフリー化を進めています。

質問事項
 一の2 歩道の段差の解消については、どのように整備することになっているか、考え方と具体的な方策などについて伺う。

回答
  歩道の段差については、東京都福祉のまちづくり条例による施設整備マニュアルに基づき、車椅子使用者の利便と視覚障害者の安全な通行の双方を考慮して解消を図っています。

質問事項
 一の3 豊田駅北口広場のロ-タリーについて、バスやタクシー、送迎車両から高齢者や車いす使用者、ベビーカー利用者が使いやすいように段差の解消が必要だが、見解を伺う。

回答
  当該箇所については、地元自治体が設置したまちづくり懇談会に、地元自治会、商店会、企業、鉄道事業者、東京都等がメンバーとして参加し、そこでの議論を踏まえ整備を行いました。
  バスやタクシーなど公共交通事業者等から要望があれば、乗降及び歩道の利用状況を踏まえて必要性を検討していきます。

質問事項
 一の4 歩道の勾配の改善については、どのように整備することになっているか、その考え方と具体的な方策などについて伺う。

回答
  歩道の勾配については、東京都福祉のまちづくり条例による施設整備マニュアルに基づき、高齢者や車椅子使用者の通行に配慮して改善を図っています。

質問事項
 一の5 豊田駅北口エレベーター入口に向かうスロープ、駐輪場への曲がり角の勾配についても改善を求めるが、見解を伺う。

回答
  当該箇所における対応については、鉄道事業者や地元自治体との調整が必要です。

質問事項
 一の6 バリアフリー化が整備済みとされている箇所であっても、現状に合っているかどうかの点検が必要だが、都では点検についてどう取り組んでいるか伺う。

回答
  都は歩道の状況について、日常の巡回点検や徒歩点検などを行っています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 田の上いくこ

質問事項
 一 物価高対策について
 二 許認可等申請について
 三 バリアフリーについて
 四 居場所づくりについて
 五 2024年問題について
 六 貨物輸送評価制度について
 七 下請け企業へのしわ寄せについて
 八 消費者対策について

一 物価高対策について
 1 建設現場では、燃料や原材料価格高騰による建材の値上げなどにより厳しい状況です。木材価格が高止まりしていますが、都では、これまで国産木材の需要拡大に向けての取り組みが多く、流通に向けての努力が必要と考えますが、見解を伺います。
 2 資材の高騰のみならず、鉄骨や木材などの建築資材の品不足や、内窓、給湯器など住設機器の品不足も課題です。発注から1か月以上かかって納品になるケースも見られ、工期への影響が必至です。都発注の公共工事に関しては、品不足の状況も踏まえた適当な工期設定が必要と考えますが、見解を伺います。

二 許認可等申請について
  行政手続きにおける無資格者の書類作成代行が課題と聞いているが、法令上行政書士でない無資格者が書類作成代行ができないことを徹底的に周知するべきです。無資格者の書類作成代行に対して都が行っている対策について伺います。また、申請書等に職名や登録番号を含む記名欄を設けるなどの工夫が必要と考えますが、見解を伺います。

三 バリアフリーについて
 1 これまでにもバリアフリーの複数化について、質疑を重ねてきました。鉄道駅は、構内の広さが限られています。車いすはさまざまな種類があり、その大きさを鑑み、広いエレベーターの設置やユニバーサルシート付トイレの設置が望まれます。今後のエレベーターやトイレの設置では、十分な広さを確保すべきですが、見解を伺います。
 2 都営地下鉄駅構内における広さの十分なトイレへのユニバーサルシート設置及び広さの十分なエレベーター設置を求めるものですが、見解を伺います。
 3 都では長年障がいがある方の就労支援を進めていますが、職場のバリアフリーの状況は完全ではなく、肢体不自由の方には働きやすい環境ばかりではありません。民間企業へのバリアフリー環境への一層の普及啓発を求めます。また、テレワークなど多様な働き方ができるよう企業への啓発を求めるものですが、見解を伺います。

四 居場所づくりについて
 1 18歳は法律上成人となりましたが、社会的養護の子どもたちが巣立つには、難しい場合も多々あります。社会養護施設に継続入所できる措置延長もありますが、20歳を超えた延長には消極的な現状があります。
   若年で社会的自立を強いられる施設退所者は、不安定なことが多く支援策が必要です。こども家庭庁の令和6年度概算要求にある社会的養護自立支援拠点事業の「一時避難的かつ短期間の居場所の提供」を都で導入するべきだと思いますが、見解を伺います。
 2 同様に、望まない妊娠で「にんしんSOS東京」などに連絡してくる若年妊婦は、相談から、同行援護、出産すれば終了ではありません。
   帰宅できず路頭に迷う若年者もいます。家庭生活に困難を抱える特定妊婦や出産後の母子等に対する一時的な住まいや食事の提供が必要です。こども家庭庁の令和6年度概算要求にある「妊産婦等生活援助事業」を都で導入するべきだと思いますが、見解を伺います。

五 2024年問題について
  最近の報道にもありますが、運転手の不足などで全国でバスの減便が相次ぐ中、業界団体は2030年度には3万6,000人の運転手が不足するという試算をまとめました。
 1 都営交通においてバス乗務員の不足は近年の課題であり、私も何年も質問を重ねてきました。養成枠の採用選考のみならず、魅力的な職場環境と処遇改善ができなければ、交通不便地域への公共交通としての役割も果たせません。バスの折り返し地点のトイレなど必要な施設がないことが課題でしたが、女性ドライバーが快適に働ける女性施設の充実については、どのように進展しているでしょうか。
 2 都内の職員住宅が場所により廃止になる、または全体的に賃料が上がると聞いています。物価高の現在、また乗務員不足の折に、賃料を上げることは、得策とは思えませんが、職員住宅についての見解をお聞かせください。また、乗務員不足への今後の対応を伺います。
 3 ドライバー不足と高齢化は、バス業界だけではありません。タクシードライバーや運送事業者も労働力不足が課題です。
   2種免許取得の助成や、女性ドライバーの運転免許取得の助成、働きやすい職場環境整備を支援するべきと考えますが、見解を伺います。

六 貨物輸送評価制度について
  カーボンハーフ、ゼロエミッションに向けて都は、さまざまな取り組みをしており、今定例会では環境確保条例も改正します。都はCO2削減推進として、エコドライブ等の日常的な努力を実走行燃費で評価する貨物輸送評価制度を平成24年度から実施していますが、評価取得に対するインセンティブがないことが以前より指摘されています。入札の際の加点にするなど、メリット付与を検討するべきと考えますが、見解を伺います。

七 下請け企業へのしわ寄せについて
  国では、2020年に大企業と中小企業の共存共栄の関係を構築する「パートナーシップ構築宣言」を導入し、ロゴマークを作成しました。サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正な分配の実現に向けて、働き方を含めた取引の適正化を進めるために「パートナーシップ構築宣言」の普及啓発をしていくことでしわ寄せ防止を図るべきと考えますが、見解を伺います。

八 消費者対策について
 1 顧客等からの著しい迷惑行為「カスタマーハラスメント」に苦しむ公務・介護従事者や第三次産業従事者などから声をいただいています。厚生労働省でも「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」などを作成しましたが、都でも積極的な啓発をするべきと考えますが、見解を伺います。
 2 また、被害状況を調査し、適切な対応を検討するべきと考えますが、いかがですか。

令和5年第三回都議会定例会
田の上いくこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 物価高対策について
  1 木材価格が高止まりしているが、都では、これまで国産木材の需要拡大に向けての取り組みが多く、流通に向けての努力が必要だが、見解を伺う。

回答
  都は、木材の問屋が多摩産材等の取扱量の増加に伴い必要となる輸送費に助成を行っています。

質問事項
 一の2 都発注の公共工事に関しては、品不足の状況も踏まえた適当な工期設定が必要だが、見解を伺う。

回答
  工期設定に当たっては、工事に必要な日数のほか、施工条件や休日等を考慮した日数を加え、工事の各段階に必要な期間を確保しています。
  また、資材の調達期間などについても、適切に工期に反映しています。
  今後とも、施工現場の状況等を踏まえ、適切な工期設定に努めていきます。

質問事項
 二 許認可等申請について
   行政手続きにおける無資格者の書類作成代行が課題と聞いているが、法令上行政書士でない無資格者が書類作成代行ができないことを徹底的に周知すべきである。無資格者の書類作成代行に対して都が行っている対策について伺う。また、申請書等に職名や登録番号を含む記名欄を設けるなどの工夫が必要だが、見解を伺う。

回答
  行政書士制度について、庁内各局に対して周知徹底するとともに、許認可窓口にも掲示するよう通知しています。
  また、代理申請の多い手続などについては、各局において行政書士が書類を作成した際の記載方法の明示などを行っており、今後とも適正な運用に努めていきます。

質問事項
 三 バリアフリーについて
  1 鉄道駅は、構内の広さが限られている。車いすは様々な種類があり、その大きさを鑑み、広いエレベーターの設置やユニバーサルシート付トイレの設置が望まれる。今後のエレベーターやトイレの設置では、十分な広さを確保すべきだが、見解を伺う。

回答
  エレベーターやトイレ整備等、駅のバリアフリー化の推進には、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠です。
  国は、バリアフリー法に基づき、遵守すべき基準等を定めるとともに、整備のあり方の具体的な目安としてのガイドラインを示しています。
  都は、こうした基準等を踏まえ、国や区市町と連携して補助を実施し、鉄道事業者を支援しています。

質問事項
 三の2 都営地下鉄駅構内における広さの十分なトイレへのユニバーサルシート設置及び広さの十分なエレベーター設置を求めるが、見解を伺う。

回答
  地下鉄駅は、一般的に駅構内が狭く、トイレの面積が限られていることから、駅の大規模改修等の機会を捉え、活用可能なスペース等を勘案しながら車椅子使用者対応トイレ内に介助用ベッドを設置しています。
  また、エレベーターの新規整備に当たっては、国のバリアフリー整備ガイドライン旅客施設編に基づき、駅の構造等を勘案しながら可能な場合には大型エレベーターを整備しています。

質問事項
 三の3 民間企業へのバリアフリー環境への一層の普及啓発や、テレワークなど多様な働き方ができるよう企業への啓発を求めるが、見解を伺う。

回答
  都は、障害者が就職した職場で働き続けることができるよう、専門家の派遣など様々な支援を行っており、そうした内容を中小企業等に紹介しています。
  また、障害者がテレワークを活用し働くことができるよう支援する取組について宣伝しています。

質問事項
 四 居場所づくりについて
  1 こども家庭庁の令和6年度概算要求にある社会的養護自立支援拠点事業の「一時避難的かつ短期間の居場所の提供」を都で導入すべきだが、見解を伺う。

回答
  「一時避難的かつ短期間の居場所の提供」については、事業の詳細が国から示されていません。
  都は独自に、児童養護施設等の退所者への支援として、18歳で措置解除となった方のためにアパートなどを借り上げる施設等に経費を補助しています。

質問事項
 四の2 こども家庭庁の令和6年度概算要求にある「妊産婦等生活援助事業」を都で導入すべきだが、見解を伺う。

回答
  令和6年に、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が施行されるに当たり、都は、基本計画の策定を進めており、この中で、支援を要する妊産婦の居場所についても検討しています。

質問事項
 五 2024年問題について
  1 バスの折り返し地点のトイレなど必要な施設がないことが課題だが、女性ドライバーが快適に働ける女性施設の充実については、どのように進展しているか伺う。

回答
  バス営業所への女性施設の整備については、これまでに20か所中18か所の整備が完了しており、残る2か所についても、施設の大規模改修等に合わせて整備を進めることとしています。

質問事項
 五の2 物価高の現在、また乗務員不足の折に、賃料を上げることは、得策とは思えないが、職員住宅についての見解を伺う。また、乗務員不足への今後の対応を伺う。

回答
  職員住宅の使用料については、近傍同種家賃を基に、国の統計結果を踏まえた減額率を設定するなど適正化を進めており、また、見直しに当たっては激変緩和のための経過措置を設けています。
  また、バス乗務員の確保に向けては、採用PRの充実や採用時の年齢要件の拡大、大型二種免許の未取得者に対して免許取得を支援する養成型選考の導入など、様々な取組を行っており、今後とも必要な人材の確保に努めていきます。

質問事項
 五の3 タクシードライバーや運送事業者も労働力不足が課題である。2種免許取得の助成や、女性ドライバーの運転免許取得の助成、働きやすい職場環境整備を支援すべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、中小企業の人材の確保や定着に向けて、業界団体を通じ、資格の取得促進等の支援を行っています。

質問事項
 六 貨物輸送評価制度について
   都はCO2削減推進として、エコドライブ等の日常的な努力を実走行燃費で評価する貨物輸送評価制度を平成24年度から実施しているが、評価取得に対するインセンティブがないことが以前より指摘されている。入札の際の加点にするなど、メリット付与を検討するべきだが、見解を伺う。

回答
  都では、環境負荷の低減に努める事業者から優先して購入する仕組みであるグリーン購入において、評価取得事業者の利用を推奨するとともに、関係団体等にも、グリーン購入ガイドに準じた物品調達を行うよう要請しています。
  また、荷主や都民に向けたセミナーやホームページを通じて評価取得事業者の取組等を紹介しています。

質問事項
 七 下請け企業へのしわ寄せについて
   サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正な分配の実現に向けて、働き方を含めた取引の適正化を進めるために「パートナーシップ構築宣言」の普及啓発をしていくことでしわ寄せ防止を図るべきだが、見解を伺う。

回答
  都では、下請企業との間で適正な取引を行うことを宣言した会社に対して国の優遇の仕組みなどを伝えるほか、様々な企業に普及啓発をしています。

質問事項
 八 消費者対策について
  1 厚生労働省でも「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」などを作成したが、都でも積極的な啓発をすべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、ウェブやポスター等による啓発を行っていきます。

質問事項
 八の2 被害状況を調査し、適切な対応を検討するべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、公労使会議の場を活用し、適切な対応の在り方について検討していきます。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 米川大二郎

質問事項
 一 医療政策について
 二 受動喫煙防止対策について
 三 保育サービスについて
 四 被爆者擁護・原爆死没者について
 五 都有施設における太陽光発電設置について
 六 教育政策について
 七 職員のコンプライアンスについて
 八 まちづくりについて

一 医療政策について
  東京都は、令和4年度から、都のてんかん支援拠点病院を設置し、東京都全体の支援ネットワークを構築していくとしていますが、その現状はどのようになっているのか伺う。
  また、相談窓口との連携についても位置付けていくことを検討すべきですが、その状況についても伺う。

二 受動喫煙防止対策について
  飲食を主目的とする居酒屋チェーン店やコーヒーショップが、喫煙を主目的とする「喫煙目的店」となっている事例が横行しています。
 1 「喫煙目的店」の基準や、飲食を主目的とする都内の居酒屋やコーヒーショップなどが「喫煙目的店」と標ぼうしていることへの指導等の状況について、伺う。また、健康増進法や東京都受動喫煙防止条例が適切に遵守されているか、常に確認することが必要ですが、その実施状況、法や条例が全面施行されて以降の処分等の件数を併せて伺う。
 2 議員提案条例として成立した「子どもを受動喫煙から守る条例」では、家庭、家庭外、自動車内、公園・児童遊園・広場、学校等周辺、小児医療施設周辺における受動喫煙防止措置や公教育・社会教育、啓発の措置を定めていますが、令和5年現在、どのような措置が講じられているか伺う。

三 保育サービスについて
  学童クラブの登録児童数は毎年増加しています。設置される施設は、児童一人当たりの専用スペース確保や集団規模についての厚生労働省の省令基準を満たすことが必要ですが、都の取り組み状況について伺う。また、学童保育の質の向上のためには、放課後児童支援員の人材確保に加え、長く働き続けるための処遇改善も必要ですが、都の取り組み状況について伺う。

四 被爆者擁護・原爆死没者について
 1 東京都内在住の被爆者健康手帳所持者の高齢化が進み、相談内容の深刻化と、よりきめ細かな対応が必要となっています。高齢被爆者に対する相談事業の水準の維持・向上が必要ですが、都の見解を伺う。
 2 原爆死没者への追悼事業である東京都主催の「原爆犠牲者追悼のつどい」は、2012年度に葛飾区立の公園に「原爆犠牲者慰霊碑」を移設し、葛飾区内の会場で実施されています。今後も、東友会が実施主体として企画運営されるものと考えますが、都の見解を伺う。

五 都有施設における太陽光発電設置について
 1 東京都では、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みとして、都有施設への再エネ設備の設置を進めています。設置するだけでなく、設置された設備のメンテナンスや更新も必要と考えます。都有施設に設置した再エネ設備が長期間使用されないことのないよう、設備の改修や更新にどのように取り組むのか伺う。
 2 平成元年に開舎した「葛飾盲学校寄宿舎」の屋根部分に、長期間使用されていない太陽光温水器が設置されたままとなっています。ただちに撤去し、新たな再エネ設備を設置すべきですが、見解を伺う。

六 教育政策について
 1 寄宿舎について
  ア 「葛飾盲学校寄宿舎」の中庭は、放課後の遊び場としての機能に加え、火災や地震等の緊急時には、避難場所としても活用される重要な場所となっています。しかし、水はけの悪さや、雑草が生えてしまい、避難場所としての使用に支障をきたす状況です。安全に施設を利用するための取り組みについて、見解を伺う。
  イ 寄宿舎ごとに配置されている職員について、職(寄宿舎指導員など)ごとの定数と現員(配置人数)の状況について、伺う。
 2 都立高校の受験者及び入学者の出身中学校について
   調査書は、生徒が在籍する中学校長が作成し、受験する都立高校へ提出することから、都立高校には、一般入試の受験者及び入学者の出身中学校名や人数を把握しています。
   また、進学指導重点校である都立青山高校では、都内公立中学校、都内私立中学校及び他府県中学校別の入学者数を公表しています。
   そこで、都立日比谷高校と都立西高校について、一般入試の受験者及び入学者ごとの都内公立中学校、都内私立中学校、都内国立中学校及び他府県中学校別の人数を伺います。
 3 副校長の配置について
   都立高校の各課程(全日制、定時制)ごとに、副校長が2名以上配置されている学校名について、伺う。また、2名以上の副校長を配置している学校について、定数、配置人数及び配置している理由を学校ごとに伺う。
 4 学校閉庁日について
  ア 都教育委員会は、学校閉庁日を設定しています。この学校閉庁日に職員は、「必ず年休を取得しなければならないのか」又は、「必ず年休を取得する必要はなく、勤務することが可能なのか」伺う。
  イ 学校閉庁日に必ず年休を取得するよう管理職員が指導・命じている都立学校があれば、その学校名を伺う。また、必ず年休を取得するよう管理職員が指導・命じている理由及び根拠について、伺う。
   都内の区市町村教育委員会へは、都教育庁指導部から職員が派遣されています。都派遣職員が勤務する北区教育委員会や青梅市教育委員会では、学校閉庁日に「教員は出勤せず」「学校内に教職員が不在」と外部に向けて説明しています。何らの手続きもなく、出勤しないと欠勤となるため、教職員は年次有給休暇の取得を義務づけられていると受け止めます。
  ウ 学校閉庁日に教員が勤務しないことを保護者や地域に向けて、文書などで説明している区市町村教育委員会の有無について、把握しているか伺います。把握している区市町村教育委員会があれば、その名と教職員に必ず年休を取得させているのかを伺う。
 5 私学の財務情報について
   私学の経営には多くの公費が投入されており、財務情報の公開がより積極的に行われることが求められています。現在、学校関係者から請求があれば、財務情報を閲覧させることになりますが、経営の透明化を高めるため、外部への情報公開をインターネット等を通じて、積極的に行う必要がありますが、都の見解を伺う。

七 職員のコンプライアンスについて
  第3回都議会定例会の桐山都議が行った「知事が重用した都庁幹部が教育委員会勤務期間に行ったセクハラの懲戒処分は、職員から相談があった懇親会に限ったものと聞いています。幹部職員が行った他のセクハラ、パワハラの被害の実態調査、被害者への救済措置、ケアを行う必要がありますが、都の見解を伺います。」との一般質問に対し、野間総務局長は、「懲戒処分は、指針に基づき、非違行為の社会的重大性や信用失墜の度合い、その他個別の事情等総合的に考慮の上、決定している」旨の答弁を行いました。これは、懲戒処分の一般的な考えを示したもので、被害の実態調査等に対しては答弁していません。停職3か月の停職処分を受けた幹部職員は、都の調査に「ハラスメントという認識はなかった」と話したとも聞いています。幹部職員本人の認識はないが、他の職員が、セクシュアル・ハラスメントやパワハラと受け止める行為を行っていた可能性を否定できないため、実態調査が必要と考え質問したものです。そこで、改めて、質問します。
  知事が重用した都庁幹部が教育委員会勤務期間に行ったセクハラの懲戒処分は、職員から相談があった懇親会に限ったものと聞いています。幹部職員が行った他のセクハラ、パワハラの被害の実態調査、被害者への救済措置、ケアを行う必要がありますが、都の見解を伺います。

八 まちづくりについて
 1 恒久サブトラックについて
   第3回都議会定例会の桐山都議が行った一般質問に対し、谷崎都市整備局長は、「サブトラックについて、関係地権者等とまちづくりの調整を進める中で、恒久サブトラックを設置する空間余地がないことなどから、整理されたもの」と答弁を行いました。
   調整を行った「関係地権者など」とは、三井不動産、明治神宮、JSC、伊藤忠商事、日本オラクル、TEPIAのほかどこなのか、具体的に列挙・お示しください。また、「空間余地がないことなど」とありますが、空間余地がないこと以外にどのような問題があり、恒久サブトラックを設置しなくなったのか、具体的にお示しください。
 2 公園まちづくり制度について
   「公園まちづくり制度」では、「事業化が進まない都市計画公園・緑地の区域では、未供用の状態が続くとともに、都市計画制限により市街地の更新が進んでいません」とし、
   〔1〕本制度を活用する区域には、再開発等促進区を定める地区計画を定めること、
   〔2〕都市計画公園・緑地を削除する面積の60パーセント以上かつ1.0ヘクタール以上を、地区施設又は主要な公共施設のうち、緑地、広場その他の公共施設として整備すること
  としています。
  ア なぜ、神宮外苑は「事業化が進まない都市計画公園・緑地の区域」なのか、伺います。
  イ なぜ、秩父宮ラグビー場の土地は「未利用地」なのか、伺います。
  ウ なぜ、神宮外苑は、「都市計画制限により市街地の更新が進んでいない」区域なのか、伺います。
 3 「公園まちづくり制度」の法的性格について
  ア 「公園まちづくり制度」は、誰の権限によって、どのような手続きで、東京都の行政の中でどのような位置づけのものとして定められたのか、伺います。
  イ 「公園まちづくり制度」は、東京都に対してどのような拘束力があるのか、伺います。
  ウ 法的に都市計画法とは、どういう関係にあるのか、伺います。

令和5年第三回都議会定例会
米川大二郎議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 医療政策について
   東京都は、令和4年度から、都のてんかん支援拠点病院を設置し、東京都全体の支援ネットワークを構築していくとしているが、その現状はどのようになっているのか伺う。また、相談窓口との連携についても位置付けていくことを検討すべきだが、その状況についても伺う。

回答
  令和4年9月1日、都は、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院をてんかん支援拠点病院に指定しました。
  てんかん支援拠点病院では、てんかん患者を適切な診療につなげるための各診療科間・各医療機関間の連携強化、保健所や精神保健福祉センター等との連携・調整、てんかん患者及びその家族への専門的な相談支援、てんかんへの正しい理解を深めるための情報発信等を行っています。

質問事項
 二 受動喫煙防止対策について
  1 「喫煙目的店」の基準や、飲食を主目的とする都内の居酒屋やコーヒーショップなどが「喫煙目的店」と標ぼうしていることへの指導等の状況について伺う。また、健康増進法や東京都受動喫煙防止条例が適切に遵守されているか、常に確認することが必要だが、その実施状況、法や条例が全面施行されて以降の処分等の件数を併せて伺う。

回答
  喫煙目的施設は、シガーバー等の喫煙場所の提供を主目的とする施設であり、国が政令で要件を定めていますが、要件が曖昧なため指導が難しい例があり、保健所設置区市等からも同様の意見があります。このため都は、国に対して、喫煙目的施設の基準等の明確化を繰り返し提案要求しています。
  また、飲食店における健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の遵守については、保健所設置区市等が計画的な巡回等で確認し、義務違反が疑われる場合には、施設の管理権原者に対して改善に向けた指導等を行っていますが、令和5年9月時点で、勧告、公表、命令、過料処分に至った事例はありません。

質問事項
 二の2 「子どもを受動喫煙から守る条例」では、家庭、家庭外、自動車内、公園・児童遊園・広場、学校等周辺、小児医療施設周辺における受動喫煙防止措置や公教育・社会教育、啓発の措置を定めているが、令和5年現在、どのような措置が講じられているか伺う。

回答
  都は、子供を受動喫煙から守るため、東京都受動喫煙防止条例において、幼稚園や保育所、小中高校等での敷地内禁煙を規定し、普及啓発ポスターを対象施設に配布するなど周知を図っています。
  また、小中高校における喫煙防止教育の教材等を活用し、保護者等に対しても受動喫煙による健康影響を示すなど、子供をたばこの煙から保護することの重要性等を啓発しています。

質問事項
 三 保育サービスについて
   学童クラブの登録児童数は毎年増加しているが、設置される施設は、児童一人当たりの専用スペース確保や集団規模についての厚生労働省の省令基準を満たすことが必要だが、都の取り組み状況について伺う。また、学童保育の質の向上のためには、放課後児童支援員の人材確保に加え、長く働き続けるための処遇改善も必要だが、都の取り組み状況について伺う。

回答
  都は、学童クラブの整備を進めるため、施設の新設や改築等に係る経費や、賃貸物件を活用する場合の賃借料の補助を行っています。
  また、放課後児童支援員の経験年数等に応じた処遇改善を図るため、キャリアアップ処遇改善事業により、賃金改善に必要な費用の一部を支援しています。

質問事項
 四 被爆者擁護・原爆死没者について
  1 高齢被爆者に対する相談事業の水準の維持・向上が必要だが、見解を伺う。

回答
  都は、原子爆弾被爆者の健康の保持、増進及び福祉の向上を図るため、医療生活相談や訪問相談指導などを実施しており、引き続き、被爆者の相談に応じていきます。

質問事項
 四の2 東京都主催の「原爆犠牲者追悼のつどい」は、2012年度に葛飾区立の公園に「原爆犠牲者慰霊碑」を移設し、葛飾区内の会場で実施されている。今後も、東友会が実主体として企画運営されるものと考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、原子爆弾による死没者を追悼する原爆犠牲者追悼のつどいを、一般社団法人東友会に委託して実施しており、引き続き、東友会と連携していきます。

質問事項
 五 都有施設における太陽光発電設置について
  1 都有施設に設置した再エネ設備が長期間使用されないことのないよう、設備の改修や更新にどのように取り組むのか伺う。

回答
  都有施設の環境負荷の低減を図るためには、再エネ設備の設置などとともに、必要な設備の点検や保守などが重要になります。
  日常的な再エネ設備の維持保全については、他の設備と同様に、各施設管理者が定期的な点検や保守などを実施しています。
  財務局では、こうした取組に関する職員への定期的な講習会や維持修繕に係るサポートを実施しています。
  今後とも、都有施設の大規模改修などの機会を捉えながら、着実に再エネ設備の改修や更新に取り組んでいきます。

質問事項
 五の2 平成元年に開舎した「葛飾盲学校寄宿舎」の屋根部分に、長期間使用されていない太陽光温水器が設置されたままとなっているが、ただちに撤去し、新たな再エネ設備を設置すべきだが、見解を伺う。

回答
  現在使用していない太陽光温水器の撤去及び新たな再エネ設備の設置については、寄宿舎の施設設備の状況等を踏まえ適切に対応していきます。

質問事項
 六 教育政策について
  1 寄宿舎について
   ア 「葛飾盲学校寄宿舎」の中庭は、放課後の遊び場としての機能に加え、火災や地震等の緊急時には、避難場所としても活用される重要な場所となっている。しかし、水はけの悪さや、雑草が生えてしまい、避難場所としての使用に支障をきたす状況だが、安全に施設を利用するための取り組みについて、見解を伺う。

回答
  中庭については、定期的に除草を行うとともに日常的に点検を行うなど、安全に施設を利用できるよう適切に維持管理を行っています。

質問事項
 六の1のイ 寄宿舎ごとに配置されている職員について、職(寄宿舎指導員など)ごとの定数と現員(配置人数)の状況について、伺う。

回答
  令和5年5月1日現在、都立特別支援学校の寄宿舎について、舎監は、都立特別支援学校5舎とも定数1人に対して実員数1人、寄宿舎指導員は、文京盲学校及び久我山青光学園が定数12人に対して実員数14人、葛飾盲学校及び光明学園が定数12人に対して実員数12人、八王子盲学校が定数15人に対して実員数15人、看護師は、光明学園が定数4人に対して実員数4人となっています。
  区立特別支援学校の寄宿舎について、舎監は、区立特別支援学校3舎とも定数1人に対して実員数1人、寄宿舎指導員は、板橋区立天津わかしお学校及び葛飾区立保田しおさい学校が定数12人に対して実員数12人、大田区立館山さざなみ学校が定数12人に対して実員数11人となっています。

質問事項
 六の2 都立日比谷高校と都立西高校について、一般入試の受験者及び入学者ごとの都内公立中学校、都内私立中学校、都内国立中学校及び他府県中学校別の人数を伺う。

回答
  当該都立高校における受検者の在籍中学校別の人数については、集計していません。なお、各高校が管理している受検者の情報は、個人の属性に関わる事項であるとともに、試験の実施・運営に関わる情報であり、公表しないこととしています。
  また、当該都立高校における入学者の出身中学校別の人数については、集計していませんが、両校では在籍生徒の居住する区市町村別の人数については、学校要覧等で情報を提供しています。

質問事項
 六の3 都立高校の各課程(全日制、定時制)ごとに、副校長が2名以上配置されている学校名について、伺う。また、2名以上の副校長を配置している学校について、定数、配置人数及び配置している理由を学校ごとに伺う。

回答
  令和5年5月1日現在、都立高校の全日制については、エンカレッジスクールである蒲田高校、足立東高校、東村山高校、秋留台高校、中野工科高校、練馬工科高校、単位制の工業科高校である六郷工科高校、産業科高校である橘高校及び八王子桑志高校に、副校長を2人配置しています。また、国際学科であり国際バカロレアコースも設置している国際高校及び実践的な海洋教育を実施し実習船と寄宿舎を有する大島海洋国際高校に、3人配置しています。
  定時制については、昼夜間定時制である一橋高校、六本木高校、新宿山吹高校、浅草高校、大江戸高校、世田谷泉高校、稔ヶ丘高校、荻窪高校、桐ヶ丘高校、小台橋高校、八王子拓真高校及び砂川高校に、2人配置しています。

質問事項
 六の4 学校閉庁日について
    ア 都教育委員会は、学校閉庁日を設定しているが、この学校閉庁日に職員は、「必ず年休を取得しなければならないのか」又は、「必ず年休を取得する必要はなく、勤務することが可能なのか」伺う。

回答
  学校閉庁日は、長期休業期間等において、部活動や講習、学校施設開放等の業務を行わないことにより、教職員が年次有給休暇等を取得しやすい環境づくりを進めるものであり、教職員が年次有給休暇等を必ず取得しなければならないものではありません。

質問事項
 六の4のイ 学校閉庁日に必ず年休を取得するよう管理職員が指導、命じている都立学校があれば、その学校名を伺う。また、必ず年休を取得するよう管理職員が指導、命じている理由及び根拠について、伺う。

回答
  都教育委員会は、都立学校に対し、学校閉庁日は年次有給休暇等を取得しやすい環境づくりを進めるものであり、教職員に対し、年次有給休暇等の取得を促進するよう周知しており、各学校での教職員への周知は適切に行われています。

質問事項
 六の4のウ 学校閉庁日に教員が勤務しないことを保護者や地域に向けて、文書などで説明している区市町村教育委員会の有無について、把握しているか伺う。把握している区市町村教育委員会があれば、その名と教職員に必ず年休を取得させているのか伺う。

回答
  区市町村立小中学校における学校閉庁日の設定及び保護者等への説明は、各区市町村教育委員会において実施しています。

質問事項
 六の5 現在、学校関係者から請求があれば、財務情報を閲覧させることになるが、経営の透明化を高めるため、外部への情報公開をインターネット等を通じて、積極的に行う必要があるが、都の見解を伺う。

回答
  都道府県所轄の学校法人は、私立学校法第47条に基づき、財産目録等を各事務所に備え置き、利害関係人から請求があった場合に、正当な理由がある場合を除いて、閲覧に供することが義務付けられています。
  また、外部への情報公開については、各学校法人の考え方に基づき対応しているところです。

質問事項
 七 職員のコンプライアンスについて
   知事が重用した都庁幹部が教育委員会勤務期間に行ったセクハラの懲戒処分は、職員から相談があった懇親会に限ったものと聞いている。幹部職員が行った他のセクハラ、パワハラの被害の実態調査、被害者への救済措置、ケアを行うべきだが、見解を伺う。

回答
  懲戒処分は、指針に基づき、非違行為の社会的重大性や信用失墜の度合い、その他個別の事情等を総合的に考慮の上、決定しています。

質問事項
 八 まちづくりについて
  1 恒久サブトラックについて
    調整を行った「関係地権者など」とは、三井不動産、明治神宮、JSC、伊藤忠商事、日本オラクル、TEPIAのほかどこなのか、伺う。また、「空間余地がないことなど」とあるが、空間余地がないこと以外にどのような問題があり、恒久サブトラックを設置しなくなったのか、伺う。

回答
  関係地権者等には、一般的に地元区なども含まれます。
  恒久サブトラックについては、関係地権者等とまちづくりの調整を進める中で整理されたものです。

質問事項
 八の2 公園まちづくり制度について
    ア 神宮外苑は「事業化が進まない都市計画公園・緑地の区域」なのか伺う。

回答
  公園まちづくり制度の対象地は、「センター・コア・エリア内にある当初都市計画決定からおおむね50年以上経過した都市計画公園・緑地のうち、東京都が都市計画決定を行うもの、且つ、未供用区域の面積が2.0ヘクタール以上のもの」としています。

質問事項
 八の2のイ 秩父宮ラグビー場の土地は「未利用地」なのか伺う。

回答
  関係する法令等の考え方によって未供用としたものです。

質問事項
 八の2のウ 神宮外苑は、「都市計画制限により市街地の更新が進んでいない」区域なのか伺う。

回答
  神宮外苑地区は、スポーツ施設の老朽化や、広場の不足、バリアフリーの歩行者空間の不足などの課題があると考えています。

質問事項
 八の3 「公園まちづくり制度」の法的性格について
    ア 「公園まちづくり制度」は、誰の権限によって、どのような手続きで、都の行政の中でどのような位置づけのものとして定められたのか伺う。

回答
  公園まちづくり制度は、都市整備局が要綱で定めたものです。

質問事項
 八の3のイ 「公園まちづくり制度」は、都に対してどのような拘束力があるのか伺う。

回答
  都は、本制度の要綱に基づき、公園まちづくり制度の適用の可否を判断しています。

質問事項
 八の3のウ 法的に都市計画法とは、どういう関係にあるのか、伺う。

回答
  都は、本制度の要綱に基づき、公園まちづくり制度の適用の可否を判断しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 アオヤギ有希子

質問事項
 一 不登校の子どもたちへの対応について
 二 東京都住宅供給公社 横川町住宅の住環境の改善について

一 不登校の子どもたちへの対応について
  不登校の子どもたちが増えている中、一人一人に寄り添った対応が求められています。
  一方で、東京都教育委員会では、不登校の子ども達を学級編制の人数に入れない場合があるということがわかっています。
 1 都教委が、区市町村に発出した、「在籍者から除外する児童・生徒」の学級編制の仕方についてお示しください。
 2 Q1の文書の取扱いはいつから実施しているのですか。
 3 1の文書では、「在籍者から除外する児童・生徒」の規定が8つあるとされていますが、こうした子どもたちを学級編制から除外する理由をお示しください。
 4 Q1の都教委の発出した文書では、「病気、不登校による欠席が1年以上継続しているもの」を学級編制から除外することを基本とし、「家庭訪問等により継続して指導を受けていることを記録として残され、校長により確認されているもの」など3つのケースでは学級編制に算定できる、とされています。
   不登校であっても教育を受ける権利があり、むしろ手をかける必要のある生徒であり、除外を基本とする文書は不適切ではありませんか。
 5 そのような規定ですと、不登校の子どもたちが学級に編制することのハードルが上がり、実際、138人の学年なのに、3学級になってしまった学校があります。こうした学校では子どもたちに適切な働きかけをすることが困難になります。実態を把握しているか伺います。
 6 学級編制の人数の上限ぎりぎりの学級では、不登校の子どもたちが学級へ戻ることになっても、席が作れないほどの状況になり、学級に居場所がない状況になってしまうのではないでしょうか。この不登校の子ども達の対応は、不登校支援とは逆行しており、改めるべきと考えますがいかがですか。
 7 現在、1年以上、不登校が続き、家庭訪問等をしていない子ども達への学校の対応は、誰がどのように対応することになっているのですか。
 8 Q5のケースの場合、連絡が取れないなどの状況が考えられますが、虐待や、ヤングケアラーなど深刻な状況を見逃すことにもつながりかねません。不登校が続いている期間にかかわらず、基本的には学級編制に入れて、担任が不登校の子ども達にもついている体制にすべきではありませんか。

二 東京都住宅供給公社 横川町住宅の住環境の改善について
  八王子市にある東京都住宅供給公社 横川町住宅で、居住していない外部の人が、非常階段やエレベーターを使い、最上階の11階のバルコニーから飛びおり自殺をするケースが、ここ数年増えており、住民は不安を抱えています。
  一部の団地で取り入れられている、非常階段の入り口と、エレベーターにもカギを早急につけていただきたいと思いますが、いかがですか。

令和5年第三回都議会定例会
アオヤギ有希子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 不登校の子どもたちへの対応について
  1 都教委が、区市町村に発出した、「在籍者から除外する児童・生徒」の学級編制の仕方について伺う。

回答
  国が昭和60年12月23日に発出した「義務教育費国庫負担金の額の算定の基礎となる児童生徒の適正な把握について(通知)」及び毎年度発出している「公立義務教育諸学校の教職員定数に関する報告書の提出について(依頼)」において、1年以上当該学校に通学していない児童・生徒は、教職員定数の算定上は在籍者としないが、学校への復帰を前提とした学習活動を行っており、学校長が出席扱いとしている児童・生徒は在籍者数に含めることとされています。
  これを踏まえ、都教育委員会においても、学級編制における児童・生徒数の算定に当たっては、病気、不登校等による欠席が1年以上継続している児童・生徒であっても、家庭訪問等により継続して指導を受けていることが記録として残され、校長により確認されている者等については、児童・生徒数に含めることができることとしています。

質問事項
 一の2 1の文書の取扱いはいつから実施しているのか伺う。

回答
  学級編制における児童・生徒数の算定に係る取扱いについては、通知の保存期間内である平成30年度以降は実施していることを確認しています。

質問事項
 一の3 1の文書では、「在籍者から除外する児童・生徒」の規定が8つあるとされているが、こうした子どもたちを学級編制から除外する理由を伺う。

回答
  国が昭和60年12月23日に発出した「義務教育費国庫負担金の額の算定の基礎となる児童生徒の適正な把握について(通知)」及び毎年度発出している「公立義務教育諸学校の教職員定数に関する報告書の提出について(依頼)」において、1年以上当該学校に通学していない児童・生徒は、教職員定数の算定上は在籍者としないが、学校への復帰を前提とした学習活動を行っており、学校長が出席扱いとしている児童・生徒は在籍者数に含めることとされています。
  これを踏まえ、都教育委員会においても、学級編制における児童・生徒数の算定に当たっては、病気、不登校等による欠席が1年以上継続している児童・生徒であっても、家庭訪問等により継続して指導を受けていることが記録として残され、校長により確認されている者等については、児童・生徒数に含めることができることとしています。

質問事項
 一の4 不登校であっても教育を受ける権利があり、むしろ手をかける必要のある生徒であり、除外を基本とする文書は不適切ではないか伺う。

回答
  国が昭和60年12月23日に発出した「義務教育費国庫負担金の額の算定の基礎となる児童生徒の適正な把握について(通知)」及び毎年度発出している「公立義務教育諸学校の教職員定数に関する報告書の提出について(依頼)」において、1年以上当該学校に通学していない児童・生徒は、教職員定数の算定上は在籍者としないが、学校への復帰を前提とした学習活動を行っており、学校長が出席扱いとしている児童・生徒は在籍者数に含めることとされています。
  これを踏まえ、都教育委員会においても、学級編制における児童・生徒数の算定に当たっては、病気、不登校等による欠席が1年以上継続している児童・生徒であっても、家庭訪問等により継続して指導を受けていることが記録として残され、校長により確認されている者等については、児童・生徒数に含めることができることとしています。

質問事項
 一の5 不登校の子どもたちが学級に編制することのハードルが上がり、実際、138人の学年なのに、3学級になってしまった学校がある。こうした学校では子どもたちに適切な働きかけをすることが困難になるが、実態を把握しているか伺う。

回答
  学年の当初までに病気が回復し、出席することが診断書により確実であると判断される者、在籍校に出席していないが、適応指導教室等において継続して指導を受けている者で指導の記録があり、在籍校の校長がその記録を確認した上で出席扱いとした者、家庭訪問等により継続して指導を受けていることが記録として残され、校長により確認されている者については、児童・生徒数に含めることができることとしています。
  区市町村立学校の学級編制は、各教育委員会が、児童・生徒の実態を考慮して、適切に実施していると認識しています。

質問事項
 一の6 学級編制の人数の上限ぎりぎりの学級では、不登校の子どもたちが学級へ戻ることになっても、席が作れないほどの状況になり、学級に居場所がない状況になってしまうのではないか。この不登校の子ども達の対応は、不登校支援とは逆行しており、改めるべきだが、見解を伺う。

回答
  区市町村立学校の学級編制は、各教育委員会が、児童・生徒の実態を考慮して、適切に実施していると認識しています。

質問事項
 一の7 現在、1年以上、不登校が続き、家庭訪問等をしていない子ども達への学校の対応は、誰がどのように対応することになっているのか伺う。

回答
  学校においては、不登校の子供一人一人の状況に応じて、家庭、関係機関等と連携し、必要な支援を行っており、長期にわたる不登校の子供に対しては、スクールソーシャルワーカー等も活用し、定期的に状況を確認しています。

質問事項
 一の8 不登校が続いている期間にかかわらず、基本的には学級編制に入れて、担任が不登校の子ども達にもついている体制にすべきだが、見解を伺う。

回答
  学級編制における児童・生徒数の算定に当たっては、病気、不登校等による欠席が1年以上継続している児童・生徒であっても、家庭訪問等により継続して指導を受けていることが記録として残され、校長により確認されている者等については、児童・生徒数に含めることができることとしています。
  区市町村立学校の学級編制は、各教育委員会が、児童・生徒の実態を考慮して、適切に実施していると認識しています。

質問事項
 二 東京都住宅供給公社横川町住宅の住環境の改善について
   八王子市にある東京都住宅供給公社横川町住宅で、居住していない外部の人が、非常階段やエレベーターを使い、最上階の11階のバルコニーから飛びおり自殺をするケースが、ここ数年増えており、一部の団地で取り入れられている、非常階段の入り口と、エレベーターにもカギを早急につけるべきだが、見解を伺う。

回答
  東京都住宅供給公社の横川町住宅は、昭和55年に建設されたオートロック設備のない団地であり、居住者以外の方が住棟に無断で立ち入ることを防止するため、非常階段の入口とエレベーターに新たに鍵を付けるには、来訪者を住棟の入口まで迎えに行くなど居住者の負担への理解や、改修コストなどの課題があります。
  こうしたことから、公社は、防犯カメラを設置しているほか、住棟や非常階段の入口付近に関係者以外の立入りを禁止する旨の掲示を増やすとともに、フロントスタッフによる巡回を強化しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原純子

質問事項
 一 東京都内23区の火葬料の最近の引上げ状況について

一 東京都内23区の火葬料の最近の引上げ状況について
  全国的に、火葬場はほとんどが公営であり、公衆衛生の観点からも公共性の高い事業であることから「その永続性と非営利性が確保されなければならない」(昭和43年4月5日環衛第8058号・厚生省通達)とされています。
  しかし東京23区の火葬場は、公営は2か所のみで、残り7か所は民営となっています。都内でも市町村の葬儀所の火葬料が0円から数千円、多くても1万円程度なのに対し、都立瑞江葬儀所は59,600円、公営の臨海斎場(港区、品川区、目黒区、世田谷区、大田区の共同設置)は44,000円に対し、東京博善株式会社経営の6か所の火葬料金は一般的な場合で現在87,200円と著しく高額になっています。火葬料75,000円に加え、他の地域では例のない燃料費特別付加火葬料12,200円を徴収しているため、このような額になっています。さらに、東京博善は今年5月に、式場、休憩室、お別れ室などの室料も大幅引き上げをしたことで関係事業者を驚かせています。
  特別区にあたっては、区長が許可権限を持つとされていますが、利用者は区をまたいで利用する実態がある以上、広域の観点から葬儀所の利用料金のあり方を考える必要があり、都として課題を共有し、対応策を持ち、誰もが費用の心配なく故人を送ることのできる葬儀を保障することが急務です。
  都の認識について伺います。
 1 民間事業者である東京博善株式会社の火葬料について、高額との認識は、ありますか。
 2 東京博善は、2021年1月以降、本年10月1日現在までに数回にわたり火葬料を実質値上げし、その引き上げ額は28,200円値上げで、1.47倍です。この度重なる料金引き上げが、他の葬祭業者の経営を苦しめていますが、関連事業者や利用者の声を聞いていますか。どんな声ですか。
 3 火葬は亡くなった方が必ず通らなければならない過程です。公共性を担保する保障について、今の課題と、都としての対応策について伺います。
 4 「火葬料金の公定価格を決める」、「民間事業者による火葬料や葬儀費用の値上げについて、区または主な利用区の許可制にする」などの関連事業者や住民からの提案について、都はどのように考えますか。
 5 そもそも葬儀料金はどうあるべきと考えますか。
 6 都は、瑞江葬儀所の火葬料を2002年の7,200円から、現在は59,600円(2022年4月度改定)となっており、2年ごとの改定のたびに値上げをしてきました。ここ20年間でじつに8倍になり、利用者にとって重い負担となっています。都立葬儀所の料金設定は、同エリア同種業界のベースとなります。都が受益者負担の考え方に立ち、料金を引き上げてきたことが、民間事業者のさらなる値上げをもたらしたとも言えると思います。
   0円から数千円が全国自治体の公設葬儀所料金のスタンダードになっている中、本来の公共性の立場に立つならば、都立葬儀所の火葬料金は、無料または低額にするべきと考えますが、いかがですか。

令和5年第三回都議会定例会
原純子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 東京都内23区の火葬料の最近の引上げ状況について
  1 民間事業者である東京博善株式会社の火葬料について、高額との認識はあるか伺う。

回答
  墓地、埋葬等に関する法律では、火葬場の管理等は、火葬場の経営主体にかかわらず、国民の宗教的感情に適合し、かつ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることが求められています。
  また、「火葬場の経営・管理について」(令和4年11月24日付厚生労働省通知)では、指導権限を有する自治体に対し、公衆衛生の確保のほか、永続性の確保や利用者の利益の保護等の観点から、適正な火葬場の経営・管理について指導監督の徹底を求めています。

質問事項
 一の2 東京博善の度重なる料金引き上げが、他の葬祭業者の経営を苦しめているが、関連事業者や利用者の声を聞いているか伺う。

回答
  葬祭事業者の団体から、火葬料金等に関する意見が出ていることは承知しています。

質問事項
 一の3 火葬は亡くなった方が必ず通らなければならない過程である。公共性を担保する保障について、今の課題と、都としての対応策について伺う。

回答
  墓地、埋葬等に関する法律では、火葬場の管理等は、国民の宗教的感情に適合し、かつ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることが求められています。
  また、令和4年の国通知では、指導権限を有する自治体に対し、公衆衛生の確保のほか、永続性の確保や利用者の利益の保護等の観点から、適正な火葬場の経営・管理について指導監督の徹底を求めており、区が適切に対応していると認識しています。

質問事項
 一の4 「火葬料金の公定価格を決める」、「民間事業者による火葬料や葬儀費用の値上げについて、区または主な利用区の許可制にする」などの関連事業者や住民からの提案について、都の見解を伺う。

回答
  火葬場等の管理については、墓地、埋葬等に関する法律に基づき、経営の許可を行う自治体が必要に応じ検査や報告の徴取等を行うこととされています。
  また、令和4年の国通知では、指導権限を有する自治体に対し、公衆衛生の確保のほか、永続性の確保、利用者の利益の保護等の観点から、指導監督を行うことを求めています。

質問事項
 一の5 葬儀料金はどうあるべきと考えるか、見解を伺う。

回答
  葬儀の内容や費用等は、故人の遺志や遺族の意向によるものと考えます。

質問事項
 一の6 0円から数千円が全国自治体の公設葬儀所料金のスタンダードになっている中、本来の公共性の立場に立つならば、都立葬儀所の火葬料金は、無料または低額にすべきだが、見解を伺う。

回答
  瑞江葬儀所の火葬料は、受益者負担の適正化を図る観点から、施設整備に要した費用や維持管理に要する費用など、原価相当額を基に設定することとしています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 福手ゆう子

質問事項
 一 感震ブレーカー配布について
 二 東京都職員の生理休暇について

一 感震ブレーカー配布について
  昨年5月に公表した首都直下地震等による東京の被害想定で、出火防止対策は火災被害を最小限に抑えるのに重要であることを明らかにしています。そして、都内での感震ブレーカー設置率を現在の7.1%から、2030年までに25%にまで引き上げることを地域防災計画にも位置付けました。
  このため都は、都民の出火防止対策を促進するため、震災時に延焼による被害が懸念される木造住宅密集地域の対象世帯に対し、感震ブレーカーを配布するとしています。
  文京区内の木造住宅密集地域は、大塚6丁目、千駄木2・5丁目、根津2丁目です。その内の大塚6丁目は、隣接する大塚5丁目とあわせて、都の不燃化特区事業の対象地区にもなっています。
  不燃化特区事業とは、首都直下地震が発生した場合に地震火災など大きな被害が想定される木密地域で特に重点的・集中的に改善を図る地区と指定し、都と区が連携して、不燃領域率70%を目標に、不燃化を強力に推進して「燃え広がらない・燃えない」まちづくりを進める制度です。
  そこで伺いますが、
 1 感震ブレーカーの配布対象地域を検討する際、この不燃化特区の対象地域の世帯への配布は検討されたのでしょうか。
 2 検討の際には、不燃化特区事業を所管する都市整備局とは相談されたのでしょうか。
  文京区大塚5丁目は不燃化特区の対象地域ですが、木密地域ではないために感震ブレーカー配布の対象ではありません。
 3 なぜ、不燃化特区の対象地域は感震ブレーカー配布対象にしなかったのか、理由を伺います。
  たとえ不燃化特区事業の対象で「燃えないまちづくり」を推進する地域であったとしても、事業期間の途中であるかぎり、この地域は震災時に延焼による被害が懸念されることが想定される地域であることに違いなく、それを都と区は認めています。
  また、実際には、木造住宅の建替えや除去などの不燃化は、簡単にはいかないというのが実状です。そうであれば、不燃化特区事業の対象地域でも感震ブレーカー配布の対象にするべきです。
  同時に、感震ブレーカーの配布を希望する方全てへ対象を広げることを求めます。

二 東京都職員の生理休暇について
  女性のからだは子宮、卵巣、それによるホルモンの影響、周期的に起こる月経など特徴を持って生きています。職場でも女性の健康を維持する権利は重要であり保障されなければなりません。
  東京都は職員の生理休暇の取得について条例で定めています。
  生理休暇は、生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置として労働基準法68条で位置付けており、生理期間、その間の苦痛の程度あるいは就労の難易は各人により異なるものであり、就業規則その他によりその日数を限定することはできないとされています。
  権利である生理休暇を取得しやすくしていくという立場で、以下質問いたします。
 1 東京都職員の生理休暇の取得の実績を伺います。
 2 都の生理休暇の取得はどのような内容になっていますか。
 3 生理休暇制度は、働く女性にとって大事な権利と考えますが、都の認識を伺います。
  厚労省の調査では生理休暇の請求率は1965年をピークにその後はずっと減少傾向です。
  女性の働き方としては、男女雇用機会均等法により女性を理由にした差別が禁止されたことをうけ、労働基準法改定では女性の残業等を制限した保護規定を撤廃しました。男性並みに働くことが平等だという概念が、生理休暇を取得しにくい背景となっています。非常勤職員が無給の制度であることも正規職員が取りづらくさせています。
  大事なのは生理休暇が必要な人が取得しやすくすることです。職場に十分な人員体制があるか、制度の趣旨の周知徹底など、生理休暇を活用しやすくすることが必要です。
 4 生理に関する知識や理解を深め、生理休暇が取得しやすい職場環境づくりへの対応について伺います。
 5 管理職の研修で、生理休暇の取得については、何を学んでいますか。

令和5年第三回都議会定例会
福手ゆう子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 感震ブレーカー配布について
  1 感震ブレーカーの配布対象地域を検討する際、この不燃化特区の対象地域の世帯への配布は検討したのか伺う。

回答
  都民の出火防止対策を促進するために、木造住宅密集地域において、希望する対象世帯に対し、感震ブレーカーを配布することとしたものです。

質問事項
 一の2 検討の際には、不燃化特区事業を所管する都市整備局とは相談したのか伺う。

回答
  出火防止対策促進事業は、関係局との連携の下に進めています。

質問事項
 一の3 なぜ、不燃化特区の対象地域は感震ブレーカー配布対象にしなかったのか、理由を伺う。

回答
  出火防止対策促進事業は、不燃化特区内も含めた木造住宅密集地域において、感震ブレーカーを配布するものです。

質問事項
 二 東京都職員の生理休暇について
  1 東京都職員の生理休暇の取得の実績を伺う。

回答
  都立学校、区市町村立学校、警視庁及び東京消防庁を含む都職員における生理休暇の取得人数は、令和4年は3,143人です。

質問事項
 二の2 都の生理休暇の取得はどのような内容になっているか伺う。

回答
  都の生理休暇は、職員が請求した日数を与えるものであり、給与が支払われる期間は、1回の生理について引き続く2日までとしています。

質問事項
 二の3 生理休暇制度は、働く女性にとって大事な権利と考えるが、都の認識を伺う。

回答
  都の生理休暇は、労働基準法の趣旨、地方公務員法に定める国や他団体との均衡の原則に基づき、労使交渉を経て設定し、条例で規定しています。

質問事項
 二の4 生理に関する知識や理解を深め、生理休暇が取得しやすい職場環境づくりへの対応について伺う。

回答
  都職員の休暇制度については、その意義や具体的内容、質疑応答等を盛り込んだ「勤務時間の手引き」を作成し、全庁ポータルサイトへの掲載により周知を図るなどの取組を行っています。

質問事項
 二の5 管理職の研修で、生理休暇の取得については、何を学んでいるか伺う。

回答
  管理職等に対する研修において、生理休暇などの女性特有の健康に関するものも含め、休暇制度に関する知識を習得させるなど、理解を促進しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 五十嵐えり

質問事項
 一 井の頭恩賜公園について
 二 公の施設の利用について
 三 意思疎通支援事業について
 四 会計年度任用職員について
 五 滝山病院について
 六 産業振興について
 七 都庁記者クラブについて

一 井の頭恩賜公園について
 1 西部公園緑地事務所の庁舎建替えに伴い、この間、近隣の住民からの伐採本数を減らしてほしいとの要望を受け、東京都建設局との間で話し合いを重ねてきた。そこで、当初の計画から、計画の見直しなどを行ってきた結果、現時点で、伐採本数が何本減ったか、伺う。
 2 令和5年9月に、建設局から西部公園緑地事務所の庁舎建替え工事に伴い、本来解体工事では残置することとなっていた樹木を誤って3本伐採したとの報告があった。こうしたことが起きた原因と、東京都の再発防止策を伺う。
 3 庁舎建替え工事について、今後はどのようなスケジュールで行うのか伺う。
 4 井の頭公園自然文化園にある資料館や彫刻館の来園者が少なく、十分に活用されていないとの声がある。東京都は、今後、自然文化園をどのように活性化させようとしているか、見解を伺う。
 5 井の頭恩賜公園について、最近、観光客が増え、ごみが増える等している。東京都として、井の頭恩賜公園の環境整備にどのように取り組んでいるか、伺う。

二 公の施設の利用について
  東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例(以下「人権条例」という)第8条に規定する趣旨に沿い、条例第11条に規定する「公の施設の利用制限に関する基準(以下「基準」という)」では、施設管理者は、〔1〕ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いこと、〔2〕ヘイトスピーチが行われることに起因して発生する紛争等により施設の安全な管理に支障が生じる事態が予測されること、の二要件を満たした場合には、利用制限ができる旨規定している。
  ところが、令和5年9月1日、「日本女性の会 そよ風」という団体が、横網町公園での占用許可の申請をし、東京都建設局は、「使用許可」と決定した。当日、横網町公園では「日本女性の会 そよ風」が、ヘイトスピーチを行ったとのことである。当該団体の言動は、令和2年に東京都人権条例に基づいて、横網町公園での「ヘイトスピーチ」が認定された団体であった。
 1 人権尊重条例に規定する審査会において、公の施設の利用制限に関する意見照会を受けたことがあるか伺う。
 2 横網町公園の施設管理者である建設局は、なぜ、令和5年9月1日に、当該団体に対して、公園占用許可を出したのか、理由を伺う。
 3 建設局は、占用許可を出した当時、当該団体の言動が、令和2年に人権条例に基づいてヘイトスピーチとして認定されていたことを認識していたか。認識していた場合は、なぜ、当該団体が、基準の二要件に該当しないと判断したのか、根拠を伺う。
 4 利用制限の要件である「ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いこと」とは具体的にどのような場合をいうか伺う。
 5 東京都は、人権条例に基づいて、ヘイトスピーチと認められる表現活動の概要のみならず、ヘイトスピーチを行った個人名又は団体名を公表すべきだが、見解を伺う。

三 意思疎通支援事業について
  失語症は、脳卒中や頭部のけがにより、言語機能に障害を持つ失語症も外見からは分かりにくく、見えない障害といわれる。失語症になると、言葉を聞いたり文字を読んだりして理解することに障害が生じ、意思疎通が困難になり、日常生活上の支援が必須である。国は平成28年度から障害者総合支援法に基づく意思疎通支援事業に「失語症」が対象であると明確化し、平成30年度からは都道府県で失語症向け意思疎通支援者の養成が開始された。
 1 市区町村の地域生活支援事業の必須事業である意思疎通支援事業の対象には失語が位置づけられているが、現状、市区町村自体の取組が少ない。私が令和4年12月8日、一般質問で、東京都は市区町村へ事業の立ち上げを積極的に働きかけるべきと質したのに対し、東京都は「区市町村の体制整備を促してまいります」と答弁したが、現時点での区市町村の取り組みの数と推移を伺う。
 2 東京都は、失語症者向けの意思疎通支援者を養成するとともに、令和3年度から、当事者と支援者の会話サロンをモデル事業として設置している。しかし、会話サロンは実際におしゃべりするだけの場となっており、失語症者の生活に直接役立つ支援にはなっていない。そこで、日常生活に関する意思疎通支援の派遣事業を行うなど、失語症者の生活を直接に支援できる意思疎通支援事業に改善すべきと考えるが、見解を伺う。

四 会計年度任用職員について
  東京都が雇用している非常勤職員等(会計年度任用職員を含む。)について、10年間の数の推移及び主要な職員の報酬月額の推移を伺う。

五 滝山病院について
 1 東京都は、5月より、一般社団法人東京精神保健福祉士協会と協力して、入院患者の転退院支援を行っているが、支援体制について人数や規模を伺う。また、転退院の現状と今後の見込みを伺う。
 2 滝山病院は暴行虐待を行った被害者に対して、謝罪や被害の賠償を行ったのか。
 3 滝山病院入院患者への転退院支援について、早急に、患者の希望に沿うよう、一般社団法人東京精神保健福祉士協会のみならず他の地域福祉関係者からの協力をも得ながら転退院を行うべきと考えるが、見解を伺う。
 4 令和5年8月17日に滝山病院の元院長が監禁罪の容疑で送検された。これを受け、改めて東京都として、滝山病院に対して、病院組織全体の不正の有無を網羅的に調査対象とするよう再度の改善命令その他の追加措置を講じる予定はあるのか、伺う。

六 産業振興について
 1 産業労働局が所管する東京ビッグサイトでは、令和5年12月より大規模改修が予定されているが、改修によってどのような機能の改善が見込まれているか、具体的に示されたい。
 2 東京ビッグサイトにおける大規模改修によって、施設利用者から会場使用料が値上げされるのではないかとの懸念の声が上がっている。イベント事業者においてはコロナ禍のダメージも癒えておらず、会場使用料の値上げについては慎重にすべきと考えるが、見解を伺う。
 3 産業労働局が所管する都立産業貿易センターの利用に際して、同人誌即売会等への留意事項の中で本年3月よりコスプレ等に関して新たな制約が追加された。新しいコスプレに関しての制約が追加されたのはなぜか。経緯について具体的に示されたい。
 4 上記3に関連して、「過度の性的・暴力的表現が見られるコスプレの禁止」、当センターの職員が会場内外を点検します。との記載があるが、これらは具体的にどのようなものか伺う。またそれについて、誰がどのように「過度」か否かを判断するのか、それについて過度だと判断された際にはどのような対応をするのか、伺う。
 5 東京都立産業貿易センターにおいて受付の際の優先度を「受付順位」として区分し、対応に差をつけているが、同人誌即売会は区分表の1、2、3、4のどれに類されているのか、伺う。
 6 東京都港湾局が所管し、東京港埠頭株式会社等に委託されているお台場海浜公園等での写真撮影について、都が定めた「写真撮影のための占用許可の取り扱い」の「参考事例」の中に「特定の被写体(モデル、コスプレイベントのコスプレイヤー等)を対象としたアマチュアカメラマンによる撮影会については占用許可を必要とする」との記載があるが、コスプレを行なっている友人同士が、自身の携帯電話やカメラで、その他の機材を伴わず短時間(10分以内)の撮影を行なっている場合は、この記載に該当するのか、見解を伺う。

七 都庁記者クラブについて
  コロナ禍、小池知事の定例記者会見において、加盟社ではないフリーの記者は、オンラインのみ参加しか許されなかった。都庁記者クラブから、都庁からそのように指示があり決められたと聞いている。小池都政は情報公開は「1丁目1番地」をうたいつつ、実態はコロナ五類以降も、フリーの記者を排除している現状が続いている。早急に、フリーの記者もリアルで参加できるよう改めるべきと考えるが、見解を伺う。

令和5年第三回都議会定例会
五十嵐えり議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 井の頭恩賜公園について
  1 西部公園緑地事務所の庁舎建替えに伴い、この間、近隣の住民からの伐採本数を減らしてほしいとの要望を受け、東京都建設局との間で話し合いを重ねてきた。そこで、当初の計画から、計画の見直しなどを行ってきた結果、現時点で、伐採本数が何本減ったか伺う。

回答
  西部公園緑地事務所の庁舎建替えに伴い支障となる樹木の伐採本数は、令和2年6月の基本構想の112本から、段階的に見直しを行い、56本減少しました。

質問事項
 一の2 令和5年9月に、建設局から西部公園緑地事務所の庁舎建替え工事に伴い、本来解体工事では残置することとなっていた樹木を誤って3本伐採したとの報告があったが、こうしたことが起きた原因と、再発防止策を伺う。

回答
  西部公園緑地事務所の建替えに伴い、支障となる樹木の伐採において、解体工事期間中一時残置としていた3本を伐採しました。
  最新の「樹木撤去図」ではなく、契約締結当初の「樹木撤去図」に基づく伐採が原因です。
  今後は、受注者と発注者の間で、最新の「樹木撤去図」を共有するとともに現地確認を徹底し、再発防止に努めてまいります。

質問事項
 一の3 庁舎建替え工事について、今後はどのようなスケジュールで行うのか伺う。

回答
  令和3年3月に策定した基本計画では、倉庫棟などの付属施設跡地に新庁舎棟を建築した後、現庁舎を解体し、現庁舎跡地に車庫棟の建築、駐車場・外構整備を順に行い、令和8年度の完了を予定しています。

質問事項
 一の4 井の頭自然文化園にある資料館や彫刻館の来園者が少なく、十分に活用されていないとの声がある。東京都は、今後、自然文化園をどのように活性化させようとしているか、見解を伺う。

回答
  井の頭自然文化園では、令和元年度より彫刻館に学芸員を配置し、ギャラリートークや企画展に取り組んでいるほか、資料館も活用し、さまざまな作家が参画した芸術と動物園をつなげるような特設展等を実施しています。
  これらの施設も活用し、芸術・文化と自然の両方に関心を持つ人などが集まり、出会う場としていくこととしています。

質問事項
 一の5 井の頭恩賜公園について、最近、観光客が増え、ごみが増える等しているが、都として、井の頭恩賜公園の環境整備にどのように取り組んでいるか伺う。

回答
  井の頭恩賜公園を含め都立公園では、公園利用者によるごみの持ち帰りを原則としています。定期的な清掃に加え、毎日の巡回時に職員が適宜ごみ拾いを行っています。
  また、掲示物の設置やホームページ等を活用し、公園利用者へごみの持ち帰りを呼びかけています。

質問事項
 二 公の施設の利用について
  1 人権尊重条例に規定する審査会において、公の施設の利用制限に関する意見照会を受けたことがあるか、伺う。

回答
  東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例に基づき設置する審査会において、施設管理者から公の施設の利用制限に係る意見照会を受けたことはありません。

質問事項
 二の2 横網町公園の施設管理者である建設局は、なぜ、令和5年9月1日に、当該団体に対して、公園占用許可を出したのか、理由を伺う。

回答
  都は、占用許可に当たり審査基準を定めており、これにのっとり適正に対応しています。

質問事項
 二の3 建設局は、占用許可を出した当時、当該団体の言動が、令和2年に人権条例に基づいてヘイトスピーチとして認定されていたことを認識していたか。認識していた場合は、なぜ、当該団体が、基準の二要件に該当しないと判断したのか、根拠を伺う。

回答
  都は、占用許可に当たり審査基準を定めており、これにのっとり適正に対応しています。

質問事項
 二の4 利用制限の要件である「ヘイトスピーチが行われる蓋然性が高いこと」とは具体的にどのような場合をいうか伺う。

回答
  ヘイトスピーチが行われる蓋然性については、予定されている集会等について事前に判明しているテーマ・具体的内容、開催・実施の方法等の諸事情を勘案することとしています。

質問事項
 二の5 東京都は、人権条例に基づいて、ヘイトスピーチと認められる表現活動の概要のみならず、ヘイトスピーチを行った個人名又は団体名を公表すべきだが、見解を伺う。

回答
  概要公表は、発言者に対する制裁を行うことではなく、不当な差別的言動の実態を広く都民に伝え、啓発していくことを目的としており、氏名や団体名の公表は行っていません。

質問事項
 三 意思疎通支援事業について
  1 市区町村の地域生活支援事業の必須事業である意思疎通支援事業の対象には失語が位置づけられているが、現状、市区町村自体の取組が少ない。現時点での区市町村の取り組みの数と推移を伺う。

回答
  失語症者向け意思疎通支援事業を実施している都内の区市町村数は、令和3年度は4自治体、令和4年度は5自治体であり、令和5年度は8自治体となる見込みです。

質問事項
 三の2 都は、失語症者向けの意思疎通支援者を養成するとともに、令和3年度から、当事者と支援者の会話サロンをモデル事業として設置しているが、日常生活に関する意思疎通支援の派遣事業を行うなど、失語症者の生活を直接に支援できる意思疎通支援事業に改善すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  都は令和3年度から、会話支援等を行うサロンを試行的に設置し、そのノウハウを区市町村とも共有することで、区市町村における失語症者向けの意思疎通支援の取組を促しています。
  会話サロンでは、配置したコーディネーターが、失語症当事者の障害特性に合わせて適切な意思疎通支援者をマッチングし、意思疎通支援者が失語症当事者の個別ニーズを把握した上で、外出同行支援に結び付けています。

質問事項
 四 会計年度任用職員について
   東京都が雇用している非常勤職員等(会計年度任用職員を含む。)について、10年間の数の推移及び主要な職員の報酬月額の推移を伺う。

回答
  知事部局における非常勤職員等数の10年間の推移について、平成26年は8,684人、平成27年は8,912人、平成28年は9,225人、平成29年は9,463人、平成30年は9,478人、令和元年は9,493人、令和2年は10,559人、令和3年は11,323人、令和4年は8,254人、令和5年は8,270人です。
  また、主要な職員の報酬月額は、平成26年から平成27年までは194,200円、平成28年から令和4年までは194,400円、令和5年は194,800円です。
  なお、令和元年以前の非常勤職員等数には臨時職員数を含んでおり、各年8月時点の人数及び報酬月額としています。

質問事項
 五 滝山病院の暴行事件について
  1 都は、5月より、一般社団法人東京精神保健福祉士協会と協力して、入院患者の転退院支援を行っているが、支援体制について人数や規模を伺う。また、転退院の現状と今後の見込みを伺う。

回答
  都は、一般社団法人東京精神保健福祉士協会の協力を得て、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、事務の12名から13名による合同チームで転退院に関する意向調査を行いました。
  滝山病院では、虐待事件が発覚した令和5年2月時点で145名いた入院患者のうち、9月末までに、3名が自宅へ退院し、33名が転院や施設入所をしています。
  今後も関係機関と連携しながら支援を継続していきます。

質問事項
 五の2 滝山病院は暴行虐待を行った被害者に対して、謝罪や被害の賠償を行ったのか伺う。

回答
  令和5年4月、都は滝山病院に対し、医療法及び精神保健福祉法に基づく改善命令を発出し、虐待防止委員会を設置して検証することなどを求めています。

質問事項
 五の3 滝山病院入院患者への転退院支援について、早急に、患者の希望に沿うよう、一般社団法人東京精神保健福祉士協会のみならず他の地域福祉関係者からの協力をも得ながら転退院を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  滝山病院には、長期入院の患者も多く、心身の状況等からも直ちに地域で暮らすのは難しいことも想定されるため、都は、東京精神保健福祉士協会の協力を得て、本人の意思を確認し、まずは地域移行支援に取り組んでいる病院への転院を進めています。
  患者が転院後に地域での生活を希望する場合には、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを活用して、地域での生活につなげることとしています。

質問事項
 五の4 令和5年8月17日に滝山病院の元院長が監禁罪の容疑で送検されたが、改めて東京都として、滝山病院に対して、病院組織全体の不正の有無を網羅的に調査対象とするよう再度の改善命令その他の追加措置を講じる予定はあるのか、伺う。

回答
  令和5年4月、都は滝山病院に対し、医療法及び精神保健福祉法に基づく改善命令を発出しました。
  現在、立入検査などにより改善計画の履行状況等を確認しており、引き続き適切に対応していきます。

質問事項
 六 産業振興について
  1 産業労働局が所管する東京ビッグサイトでは、令和5年12月より大規模改修が予定されているが、改修によってどのような機能の改善が見込まれているか伺う。

回答
  東京国際展示場は設備などの老朽化が著しい状況のため、大規模改修によりそれらの更新を図ります。

質問事項
 六の2 東京ビッグサイトにおける大規模改修によって、施設利用者から会場使用料が値上げされるのではないかとの懸念の声が上がっている。イベント事業者においてはコロナ禍のダメージも癒えておらず、会場使用料の値上げについては慎重にすべきだが、見解を伺う。

回答
  東京ビッグサイトの使用料については、施設を運営する事業者の経営責任に基づいて判断することになっています。

質問事項
 六の3 都立産業貿易センターの利用に際して、同人誌即売会等への留意事項の中で本年3月よりコスプレ等に関して新たな制約が追加されたが、新しいコスプレに関しての制約が追加されたのはなぜか。経緯について伺う。

回答
  最近の利用の状況を踏まえ、主催者に施設の利用にあたっての留意事項を伝えることとしました。

質問事項
 六の4 「過度の性的・暴力的表現が見られるコスプレの禁止」、当センターの職員が会場内外を点検します。との記載があるが、これらは具体的にどのようなものか伺う。またそれについて、誰がどのように「過度」か否かを判断するのか、それについて過度だと判断された際にはどのような対応をするのか、伺う。

回答
  産業貿易センターについて、施設を設けた目的である商工業の振興を図るため、施設の適正な管理運営を行うことが必要です。そのために同センターの職員が会場を巡回するルールとしています。
  こうした中、センターの会場内でトラブルや混乱が生じた場合等に、その状況を解消するために適切な対応を行うこととしています。

質問事項
 六の5 東京都立産業貿易センターにおいて受付の際の優先度を「受付順位」として区分し、対応に差をつけているが、同人誌即売会は区分表の1、2、3、4のどれに類されているのか、伺う。

回答
  これまでに産業貿易センターで開催された同人誌即売会は、第4受付順位となっています。

質問事項
 六の6 東京港埠頭株式会社等に委託されているお台場海浜公園等での写真撮影について、都が定めた「写真撮影等のための占用許可の取扱い」の「参考事例」の中に「特定の被写体(モデル、コスプレイベントのコスプレイヤー等)を対象としたアマチュアカメラマンによる撮影会については占用許可を必要とする」との記載があるが、コスプレを行なっている友人同士が、自身の携帯電話やカメラで、その他の機材を伴わず短時間(10分以内)の撮影を行なっている場合は、この記載に該当するのか、見解を伺う。

回答
  海上公園における占用許可を必要とする写真撮影は、「写真撮影等のための占用許可の取扱い」において「公園の本来目的以外の使用であること」及び「公園の排他的、独占的使用であること」の2つの要件を満たす撮影と規定しています。
  来園者が日常生活の中で自由に公園を利用する範囲で行われる写真撮影については、占用許可は必要ありません。

質問事項
 七 都庁記者クラブについて
   小池都政は情報公開は「1丁目1番地」をうたいつつ、実態はコロナ五類以降も、フリーの記者を排除している現状が続いている。早急に、フリーの記者もリアルで参加できるよう改めるべきだが、見解を伺う。

回答
  知事の定例記者会見は、都庁記者クラブが主催しており、記者の参加方法を含めルールについては、都庁記者クラブで決定しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 藤田りょうこ

質問事項
 一 子どもの学ぶ権利を保障するため、夜間定時制高校を守る重要性について

一 子どもの学ぶ権利を保障するため、夜間定時制高校を守る重要性について
  私の長男は中学1年生です。長男のもとには、学校を通じて都立高校の案内チラシが3枚届けられました。見てみると、都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の3つでした。
 1 都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の3つのチラシは、誰を対象に配布しましたか。また、これらの学校のチラシを配ることになった経緯について伺います。
  配布されたチラシは全面カラーで、見開き4ページの構成となっています。さらに、夏休み明けに配布された「都立工科高校ドリームフェスタ」のチラシによれば、イベントを盛り上げるゲストが出演するなど、広報にとても費用が掛かっているように感じました。
 2 今年の教育庁の広報費のうち、都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の広報に充てている費用はいくらですか。また、「都立工科高校ドリームフェスタ」開催の予算は、案内チラシなどを含め、一校当たりいくらになっていますか。
 3 「都立工科高校ドリームフェスタ」を開催した目的と、来場した方の人数について伺います。
  私の地元、大田区の都立大森高校は私の母校でもあり、今年は、夜間定時制課程の入学式に参加させていただきました。その時にいただいたパンフレットを読んでみると、「少人数でアットホームな雰囲気の中、年齢や国籍、経験、生活環境などの異なる様々な生徒たちが、共に学びあうことが最大の魅力」「自分も相手も大切にできる安全安心な場所」「あなたの人生の主人公はあなた自身です」と、校長のメッセージが書かれていました。
  定時制課程の校長のお話では、中学生の時ほとんど学校に通っていなかったという方も学んでいるそうです。
 4 ほとんど学校に通っていなかったという方でも通えるのが夜間定時制課程です。都立夜間定時制高校の存在について、今日的意義を伺います。
 5 文部科学省の調査によれば、都内公立小中学校において、2021年度に30日以上登校しなかった小中学生は、過去最多の2万1,536人に上っています。安心して学べる環境を守り発展させることが重要と考えますが、都の認識を伺います。
  ほとんど学校に通っていなかった子どもたちも含め、学校の存在や魅力を中学生に伝える必要があります。「定時制課程・通信制課程入学案内」には、夜間定時制高校について1校1校特色や魅力が掲載されています。
 6 「定時制課程・通信制課程入学案内」の作成経費と部数を伺います。公立中学校に通う生徒をはじめ、学校に通っていない子どもにも、直接この案内が届く仕組みを構築すべきと考えますが、いかがですか。
  私の長男は、現在通っている公立中学校の授業について、「面白くない」「わからない」と話しています。小学5年、3年のきょうだいも公立学校に通っていますが、学校教員が不足する中、一人一人の子どもの学びを支えることは非常に困難だと感じることがあります。
 7 学校に通えなくなったり、授業についていけなくなったりすることは、誰にでも起こりうることです。どのような子どもでも受け止めてくれるのが夜間定時制高校であり、いつからでもやり直せる場所があることを、多くの方に知らせることが必要です。そのためにも、夜間定時制高校の広報にこれまで以上に力を入れるべきと考えますが、認識を伺います。

令和5年第三回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 子どもの学ぶ権利を保障するため、夜間定時制高校を守る重要性について
  1 都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の3つのチラシは、誰を対象に配布したか。また、これらの学校のチラシを配ることになった経緯について伺う。

回答
  当該リーフレットは、名称変更した工科高校の認知向上と、新たな取組として今年度指定したスキルアップ推進校及びビジネス人材育成推進校の特色や魅力を伝え、理解を促進していくことを目的として、都内すべての公立中学校生徒向けに配布したものです。

質問事項
 一の2 今年の教育庁の広報費のうち、都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の広報に充てている費用はいくらか。また、「都立工科高校ドリームフェスタ」開催の予算は、案内チラシなどを含め、一校当たりいくらか伺う。

回答
  都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校に係るリーフレットの作成等の経費は約800万円です。都立工科高校ドリーム・フェスタ開催の経費は約5,000万円で、イベントには全日制課程・定時制課程計21校が参加しており、一校当たりの経費は約240万円です。

質問事項
 一の3 「都立工科高校ドリームフェスタ」を開催した目的と、来場者の人数について伺う。

回答
  「都立工科高校ドリーム・フェスタ」は、中学生やその保護者等に対して工科高校等の全日制課程及び定時制課程双方の魅力を発信していくために実施しました。来場者の人数は、約2,000人です。

質問事項
 一の4 都立夜間定時制高校の存在について、今日的意義を伺う。

回答
  夜間定時制課程は、不登校を経験した生徒や外国人の生徒など多様な生徒が在籍しており、自立した人材を育成する役割を果たしている一方で、生徒数減少により学習環境等に課題も生じています。

質問事項
 一の5 文部科学省の調査によれば、都内公立小中学校において、2021年度に30日以上登校しなかった小中学生は、過去最多の2万1,536人に上っている。安心して学べる環境を守り発展させることが重要だが、認識を伺う。

回答
  都教育委員会は、不登校の子供一人ひとりの状況に応じ、多様な学びの場を確保することができるよう、学校、家庭、その他の教育機関における支援の充実を図っています。

質問事項
 一の6 「定時制課程・通信制課程入学案内」の作成経費と部数を伺う。公立中学校に通う生徒をはじめ、学校に通っていない子どもにも、直接この案内が届く仕組みを構築すべきだが、見解を伺う。

回答
  入学案内の作成等の経費は約100万円で、配布部数は1万部です。
  各公立中学校等を通じて、不登校の生徒を含め必要とする生徒に配布しています。

質問事項
 一の7 どのような子どもでも受け止めてくれるのが夜間定時制高校であり、いつからでもやり直せる場所があることを、多くの方に知らせるためにも、夜間定時制高校の広報にこれまで以上に力を入れるべきだが、認識を伺う。

回答
  引き続き、リーフレットやイベント等により、夜間定時制課程についても広報を実施していきます。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 風間ゆたか

質問事項
 一 公道を走行する電動車両について
 二 トー横キッズ問題に関する警視庁の対応について
 三 都立高校における中学生学校見学について
 四 都立学校における部活動ルールについて
 五 エデュケーション・アシスタントについて
 六 都内公立学校におけるスクールロイヤーについて
 七 校内教育支援センターについて

一 公道を走行する電動車両について
 1 歩道走行不可の電動キックボードが歩道走行していたり、二段階右折をすべき交差点で右折レーンから右折をするような電動キックボードによる交通違反を毎日のように見かける。このような電動キックボードによる交通違反を今年度上期(4月から9月まで)に警視庁が取り締まった件数及び人身事故件数を伺う。
 2 自走できるペダル付原動機付自転車が公道を走行している姿を毎日のように見かけるが、ペダル付原動機付自転車による交通違反を今年度上期(4月から9月まで)に警視庁が取り締まった件数及び人身事故件数を伺う。
 3 インターネット上を含め、違法電動自転車(違法電動モペット等)を販売する店舗が散見されるが、先日京都府警は全国初の摘発を行なった。警視庁はこのような違法自転車販売者の捜査は行っているのか。

二 トー横キッズ問題に関する警視庁の対応について
 1 新宿区歌舞伎町では悪意ある大人による未成年者への接触が懸念されると青少年協議会の答申にもあったが、警視庁の歌舞伎町地区における少年・少女の非行や犯罪被害の防止対策の現状について伺う。
 2 新宿区歌舞伎町において補導された昨年1年間(令和4年1月から12月)の人数を伺う。

三 都立高校における中学生学校見学について
 1 都立高校における中学生学校見学について、人数制限により見学できない生徒が多い状況を改善すべきだ。都教委のこの問題に関する認識を問う。
 2 都立高校における中学生学校見学について、人数制限により見学不可となった場合「落選」という連絡が届くと聞くが、受験前に「落」という文字を用いることはあまりに配慮に欠ける。改善をすべきだが都教委の見解を問う。

四 都立学校における部活動ルールについて
  都立学校では、生徒が部活動に所属する際の頭髪に関するルールの取扱いが、どのようになっているのか伺う。

五 エデュケーション・アシスタントについて
 1 今年度、エデュケーション・アシスタントは当初予算で5自治体にて各自治体何校にて何人登用できるよう積算したのか。
 2 今年度、各自治体で実際何校にて何人登用されているのか。

六 都内公立学校におけるスクールロイヤーについて
  都内公立学校において、様々なトラブルが生じた場合に、法律の専門家などへの相談ができる窓口があるのか、伺う。

七 校内教育支援センターについて
 1 昨年度、文科省から各都道府県教委に校内教育支援センターの設置を求める通知があったが都教委はこの間どのような対応をしたのか。
 2 今年度、東京都内の公立学校で校内教育支援センター設置の自治体数及び学校数を伺う。

令和5年第三回都議会定例会
風間ゆたか議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 公道を走行する電動車両について
  1 電動キックボードによる交通違反を今年度上期(4月から9月まで)に警視庁が取り締まった件数及び人身事故件数を伺う。

回答
  令和5年4月から9月までの都内における電動キックボードの月別の交通違反取締件数及び交通人身事故件数は以下のとおりです。

4月 5月 6月 7月 8月 9月 計
交通違反取締件数 298 339 390 373 635 803 2,838
交通人身事故件数 2 3 5 8 11 20 49
 (暫定値)

質問事項
 一の2 自走できるペダル付原動機付自転車が公道を走行している姿を毎日のように見かけるが、ペダル付原動機付自転車による交通違反を今年度上期(4月から9月まで)に警視庁が取り締まった件数及び人身事故件数を伺う。

回答
  令和5年4月から9月までの都内におけるペダル付原動機付自転車の月別の交通違反取締件数及び交通人身事故件数は以下のとおりです。

4月 5月 6月 7月 8月 9月 計
交通違反取締件数 6 0 3 8 1 2 20
交通人身事故件数 2 1 1 3 4 1 12
 (暫定値)

質問事項
 一の3 インターネット上を含め、違法電動自転車(違法電動モペット等)を販売する店舗が散見されるが、警視庁はこのような違法自転車販売者の捜査は行っているのか伺う。

回答
  法令の基準に適合しないペダル付原動機付自転車が関与する交通事故や交通違反を取り扱うなどした際には、販売業者の販売状況に関する事実確認を実施し、違法性が認められた場合には所要の捜査を行うこととしています。

質問事項
 二 トー横キッズ問題に関する警視庁の対応について
  1 新宿区歌舞伎町では悪意ある大人による未成年者への接触が懸念されると青少年協議会の答申にもあったが、警視庁の歌舞伎町地区における少年・少女の非行や犯罪被害の防止対策の現状について伺う。

回答
  歌舞伎町地区における少年・少女の非行や犯罪被害の防止対策として、街頭補導活動を実施しており、深夜はいかいや飲酒・喫煙等の不良行為が認められる少年・少女はもとより、不良行為が認められない少年・少女に対しても警察職員が声掛けを行い、注意、助言等を行うとともに、必要に応じ、保護者への連絡やその後の継続的な指導等を実施しています。
  さらに、少年・少女の不正宿泊防止や性犯罪の被害場所等となり得る空間への対策として、同地区周辺の宿泊事業者等を対象とした啓発活動を実施しています。
  このほか、少年・少女の健全な育成に向け、非行防止教室等を開催するとともに、少年・少女を犯罪被害から守るため、福祉犯等の取締りを徹底しています。

質問事項
 二の2 新宿区歌舞伎町において補導された昨年1年間(令和4年1月から12月)の人数を伺う。

回答
  令和4年1月から12月までに新宿区歌舞伎町において警視庁が補導した少年・少女の人数は、延べ約580人です。

質問事項
 三 都立高校における中学生学校見学について
  1 都立高校における中学生学校見学について、人数制限により見学できない生徒が多い状況を改善すべきだが、認識を問う。

回答
  学校見学会については、各高校において、施設の規模等を考慮の上、可能な限り見学機会を提供できるよう、実施しています。

質問事項
 三の2 都立高校における中学生学校見学について、人数制限により見学不可となった場合「落選」という連絡が届くと聞くが、受験前に「落」という文字を用いることはあまりに配慮に欠けるため、改善をすべきだが見解を伺う。

回答
  学校見学会に係る抽選結果の通知の表現については検討します。

質問事項
 四 都立高校における部活動ルールについて
   都立学校では、生徒が部活動に所属する際の頭髪に関するルールの取扱いが、どのようになっているのか伺う。

回答
  都立高校における部活動は、「学校部活動及び地域クラブ活動に関する総合的なガイドライン」に基づき、生徒の自主的・自発的な参加となるよう、各学校が運営体制を整えています。
  頭髪に関するルールについても、競技の特性に応じた必要性などを顧問・生徒・保護者間で話し合い、共通理解を図っています。

質問事項
 五 エデュケーション・アシスタントについて
  1 今年度、エデュケーション・アシスタントは当初予算で5自治体にて各自治体何校にて何人登用できるよう積算したのか伺う。

回答
  令和5年度当初予算では、エデュケーション・アシスタントを5地区の小学校100校で140人の配置ができる予算を確保しました。

質問事項
 五の2 今年度、各自治体で実際何校にて何人登用されているのか伺う。

回答
  今年度は、5地区84校124人を配置しています。

質問事項
 六 都内公立学校におけるスクールロイヤーについて
   都内公立学校において、様々なトラブルが生じた場合に、法律の専門家などへの相談ができる窓口があるのか、伺う。

回答
  都立学校で生じる日常的な懸案事項については、公益財団法人東京都教育支援機構の「学校法律相談デスク」において、弁護士等が学校からの法律的な相談に対応しています。
  また、都内公立学校で発生する学校だけで解決が困難な問題については、都教育委員会が設置している学校問題解決サポートセンターにおいて、弁護士等の意見を踏まえ、解決に向けた助言を行うなどしています。

質問事項
 七 校内教育支援センターについて
  1 昨年度、文科省から各都道府県教委に校内教育支援センターの設置を求める通知があったが、この間どのような対応をしたのか伺う。

回答
  都教育委員会は、今年度から、校内の別室であれば登校できる子供に対し、相談対応やドリル学習の支援などを通して、一人ひとりに応じた学びを保障できるよう、不登校の子供が多い小・中学校に、別室指導支援員を配置しました。

質問事項
 七の2 今年度、東京都内の公立学校で校内教育支援センター設置の自治体数及び学校数を伺う。

回答
  令和5年6月の時点で、区市町村が独自に設置している校内別室を含め、都内公立小・中学校において校内別室が設置されている自治体数は47地区、学校数は748校となっています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 竹井ようこ

質問事項
 一 018サポートについて
 二 児童福祉施設の指導監査について
 三 青梅街道(小平市)の歩道の拡幅について

一 018サポートについて
  018サポート事業は、発表当初市区町村との事前調整が図られていないことで市長会などからも困惑の声が聞かれました。都は独自で地方公共団体情報システム機構と連携して事業を進めてきたが、本来は制度構築の前に市区町村との協議が不可欠であったと思料します。
  以下について伺います。
 1 令和5年度に東京都に居住実績があれば支給の対象になるが、9月の申請開始より前に都外に転居している人で対象者は何人か、またその人達への周知はどのように行うのか。
 2 来年1月にひとり6万円を支給したあとで都外に転居した人には返金を求めるとのことであるが、どのように行うのか。市区町村の連携が不可欠になると思われるが市区町村との協議は整っているのか。
 3 本事業のうち準備にかかる予算、支給にかかる予算を伺います。
 4 先般の「お知らせ」の誤送付の背景と、それにかかる経費の額、負担先について伺います。

二 児童福祉施設の指導監査について
  社会福祉法及び、児童福祉法に基づく、東京都の指導監査は、児童福祉法施行令第三十八条により「都道府県知事は、当該職員をして、年度ごとに一回以上、国以外の者の設置する児童福祉施設が法第四十五条第一項の規定に基づき定められた基準を遵守しているかどうかを実地につき検査させなければならない。」と定められているが、保育現場の実情としては、早くても5年~8年、10年以上来ないことも不思議ではないという現状だと仄聞します。
  また監査時間については施設監査のみであっても10時から17時までと、施設幹部職員の拘束時間が非常に長くなっており、保育現場へのしわ寄せも見受けられます。
  同法三十八条の後段に「ただし、当該児童福祉施設について次の各号のいずれかに該当する場合においては、実地の検査に代えて、必要な報告を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させることにより、当該基準を遵守しているかどうかを確認させることができる。
 一 天災その他やむを得ない事由により当該年度内に実地の検査を行うことが著しく困難又は不適当と認められる場合
 二 前年度の実地の検査の結果その他内閣府令で定める事項を勘案して実地の検査が必ずしも必要でないと認められる場合」
  とあるため、上記二を拡大解釈すれば、必ずしも施行令に反しているわけではないが、昨今の保育施設等による不適切保育、不正経理の問題が多発していることを鑑みると、東京都の指導監査の頻度は上げていく必要があると考えます。
  同時に、監査の効率化を図り、長時間の監査により、保育現場にしわ寄せがいくことを防止する取り組みが必要ではないかと考えます。
  以下質問します。
 1 認可保育所の指導検査の対象件数と実施件数について5年間の実績を伺います。
 2 令和2年4月時点における指導検査の対象施設のうち、3年間に検査を実施した施設数を伺います。
 3 法令の定める期間で実地検査が行われていない実情について都の見解は。
 4 指導検査時間について、開始時刻と終了時刻を伺います。
 5 指導検査に要する時間について都の見解を伺います。
 6 今後の指導検査について都の方針を伺います。

三 青梅街道(小平市)の歩道の拡幅について
  小平市仲町402付近の青梅街道の車道には自転車ナビマークがありますが、交差点の付近であって右折レーンが設けられていることから多くの自転車は歩道を走行しています。しかし、歩道も幅員が狭く、自転車のすれ違いも困難であるばかりか、歩行者と自転車のすれ違い、あるいは車いすの走行も困難な状況です。
  安全確保のためには歩道の拡幅が急務ですが、見解をうかがいます。
 1 これまでどのような対策、検討が行われてきたのか。
 2 当該箇所の歩行者の安全を確保するためには今後どのような方策をとるのか。

令和5年第三回都議会定例会
竹井ようこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 018サポートについて
  1 令和5年度に東京都に居住実績があれば支給の対象になるが、9月の申請開始より前に都外に転居している人で対象者は何人か、またその人たちへの周知はどのように行うのか伺う。

回答
  018サポートは、都内在住の0歳から18歳までの子供を対象としています。
  5歳階級ごとの、他都道府県への転出者数を集計した国の住民基本台帳人口移動報告によれば、令和5年4月から8月までに、都から他道府県に転出した0歳から19歳までの人数は、約1万8千人です。
  都は、本事業について、SNSやウェブ広告、駅でのポスター掲示等により幅広く周知を行っています。

質問事項
 一の2 来年1月にひとり6万円を支給したあとで都外に転居した人には返金を求めるとのことであるが、どのように行うのか。市区町村の連携が不可欠になると思われるが市区町村との協議は整っているのか伺う。

回答
  都は、保有する情報を用いて転出者を確認し、支給対象外の期間が生じた場合は、法令等に基づき返還いただくことになります。

質問事項
 一の3 事業のうち準備にかかる予算、支給にかかる予算を伺う。

回答
  018サポートの令和5年度予算額は1,260億8,600万円であり、その内訳は、給付金が1,200億円、事務費が60億8,600万円です。

質問事項
 一の4 先般の「お知らせ」の誤送付の背景と、それにかかる経費の額、負担先について伺う。

回答
  018サポートの案内チラシの誤送付は、給付金支給対象者の抽出及びチラシ送付先リスト作成の受託事業者である、地方公共団体情報システム機構が作成した住民基本台帳情報における対象者抽出プログラムの仕様に不備があったため、本来は支給対象外の方が送付先リストに含まれていたことが原因です。
  誤送付により生じた経費については、地方公共団体情報システム機構に対し費用負担の調整を行っています。

質問事項
 二 児童福祉施設の指導監査について
  1 認可保育所の指導検査の対象件数と実施件数について5年間の実績を伺う。

回答
  都が児童福祉法に基づき実施した、認可保育所に対する指導検査件数の実績は、平成30年度が2,713施設に対し236件、令和元年度が2,969施設に対し238件、令和2年度が2,978施設に対し148件、令和3年度が2,886施設に対し129件、令和4年度が2,870施設に対し161件です。

質問事項
 二の2 令和2年4月時点における指導検査の対象施設のうち、3年間に検査を実施した施設数を伺う。

回答
  令和2年4月時点における、都の指導検査の対象となる認可保育所は2,978施設であり、そのうち令和2年度から令和4年度までに313施設に対し指導検査を実施しました。

質問事項
 二の3 法令の定める期間で実地検査が行われていない実情について都の見解を伺う。

回答
  都は、児童福祉法等に基づき、過去の指導検査における指摘事項が改善されていない施設や、苦情・通報等が多く寄せられている施設等を中心に指導検査を行っており、不適切な保育の通報等があった場合には速やかに特別指導検査を実施しています。

質問事項
 二の4 指導検査時間について、開始時刻と終了時刻を伺う。

回答
  都の認可保育所に対する一般指導検査は、通常、10時に開始し、17時30分に終了することを目途に実施しています。

質問事項
 二の5 指導検査に要する時間について、見解を伺う。

回答
  都の指導検査に要する時間は、帳票類や保育の実施状況等の確認、施設長や職員へのヒアリング等を行い、運営管理や保育内容、会計経理の事項について定めた指導検査基準の全ての検査項目を確認するために必要なものです。

質問事項
 二の6 今後の指導検査についての都の方針を伺う。

回答
  都は、児童福祉法等に基づき、過去の指導検査における指摘事項が改善されていない施設や、苦情・通報等が多く寄せられている施設等を中心に指導検査を行っており、不適切な保育の通報等があった場合には速やかに特別指導検査を実施しています。
  また、区市町村は、子ども・子育て支援法等に基づき指導検査を実施しています。
  都は、引き続き区市町村との合同検査の実施など連携を密にしながら、指導検査を実施していきます。

質問事項
 三 青梅街道(小平市)の歩道の拡幅について
  1 小平市仲町402付近の青梅街道の車道には自転車ナビマークがありますが、交差点付近であって右折レーンが設けられていることから多くの自転車は歩道を走行しています。しかし、歩道も幅員が狭く、自転車のすれ違いも困難であるばかりか、歩行者と自転車のすれ違い、あるいは車いすの走行も困難な状況です。
    安全確保のためには歩道の拡幅が急務ですが、見解を伺います。
    これまでどのような対策、検討が行われてきたのか伺う。

回答
  当該箇所付近では、これまで路面補修に併せて、現道内において歩道勾配の改善、段差の解消など、歩道の安全確保を行っています。

質問事項
 三の2 当該箇所の歩行者の安全を確保するためには今後どのような方策をとるのか伺う。

回答
  既に密集した市街地が形成され、マンションなど堅牢な建物や店舗が緊密に立ち並んでいる都市計画道路以外の都道については、拡幅による歩道整備は困難なため、段差を解消することなどにより歩行者の安全確保に努めています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 阿部祐美子

質問事項
 一 ユニバーサルフォント等の使用について
 二 労働者協同組合法施行後への対応について
 三 東京都出産応援事業の未登録者の状況把握について

一 ユニバーサルフォント等の使用について
  ユニバーサルフォントは視覚障害の有無にかかわらず、より判別しやすく伝わりやすい特性を持っており、その活用拡大を求めてきたところであるが、今後の更なる活用拡大に向けた取組について見解を問う。

二 労働者協同組合法施行後への対応について
  労働者協同組合法が2020年10月に施行された。労働者協同組合の名称や概念について、より一層の周知を進めるべきではないか。

三 東京都出産応援事業の未登録者の状況把握について
  東京都出産応援事業は、令和3年1月1日から同5年3月31日までに出生した都民に対し新生児1人あたり10万円相当の商品を贈る事業であり、対象家庭にとっては価値の高い施策として喜ばれている。本事業は専用サイトへの登録期間が終了したが、未登録者もいると聞いている。
 1 同事業の対象者の登録状況について伺う。
 2 同事業の未登録者の登録に向け、各自治体と連携してどのように対応してきたのか伺う。

令和5年第三回都議会定例会
阿部祐美子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 ユニバーサルフォント等の使用について
   ユニバーサルフォントは視覚障害の有無にかかわらず、より判別しやすく伝わりやすい特性を持っており、その活用拡大を求めてきたところであるが、今後の更なる活用拡大に向けた取組について見解を伺う。

回答
  都庁内では、主な端末でユニバーサル・デザイン・フォントが使用できますが、当該フォントの使用に当たっては、受け取る相手側の情報機器の環境で再現されるか否かにも配慮する必要があります。
  こうした点を踏まえ、引き続き、読みやすい文書の作成に努めてまいります。

質問事項
 二 労働者協同組合法施行後への対応について
   労働者協同組合法が2020年10月に施行されたが、労働者協同組合の名称や概念について、より一層の周知を進めるべきではないか、見解を伺う。

回答
  都は、労働者協同組合について、専用のウェブサイトを開設し、活動事例等を発信することなどにより、都民に幅広く紹介しています。

質問事項
 三 東京都出産応援事業の未登録者の状況把握について
  1 同事業の対象者の登録状況について伺う。

回答
  東京都出産応援事業では、育児用品等を提供する専用サイトへアクセスするためのIDカードを、区市町村を通じて対象家庭に配付しており、令和3年1月1日から令和5年3月31日までに出生した子供を持つ家庭は、令和5年10月1日が専用サイトへの登録期限となっています。
  登録期限である同年10月1日時点で約21万3千人にIDカードを配付しており、約21万2千人が登録しています。
  なお、同年10月2日以降、未登録の方については、本事業のコールセンターにお問い合わせいただき、個別に登録方法をご案内しています。

質問事項
 三の2 同事業の未登録者の登録に向け、各自治体と連携してどのように対応してきたのか伺う。

回答
  都は、本事業の未登録家庭に対し、区市町村の協力を得て、早期の登録を促す通知を複数回送付し、登録方法等の問合せに対応するコールセンターを案内するとともに、電話やメール等により個別の働きかけを行っています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 曽根はじめ

質問事項
 一 東京外環道事業の経済便益効果について

一 東京外環道事業の経済便益効果について
  東京外環道事業の便益効果について質問します。
  事業開始からすでに15年が経過する東京外環道事業については、大深度地下利用法に基づき地上権を設定せず地下40メートル以深でシールドトンネル工法が行われていた調布市内の工区で、2020年10月に陥没・空洞が発生した事故を契機として、陥没発生個所の地盤補修工事やそのための建物除却工事その他にかかる費用も増大せざるを得ないことなど今後の事業に大きな支障が生まれており、事業完成時期も見通しにくくなっていることは明らかです。
  一方で、事故直前の2020年9月に発表された外環道事業の便益効果を表すB/Cの直近の指数が、すでに陥没発生以前にかなり低い数値に変更されていたことが判明しました。
  私は、東京外環道の直近での便益比についての状況変化とその要因について、また今後の外環道事業への影響などについて何点か質問いたします。
 1 費用便益費(以下、「B/C」という)は、道路建設を行うか、やめるかを判断する重要な指数だと思いますが、いかがですか。
 2 東京外環道の最新のB/Cは、いくつですか。またB/Cの推移を伺います。
 3 東京外環道のB/Cの数値が小さくなったのはなぜですか。
 4 今後、外環道の事業費が増える要因はどのようなことが考えられますか。
   また、事業費が減る要因は、ありますか。

令和5年第三回都議会定例会
曽根はじめ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 東京外環道事業の便益効果について
  1 費用便益比(以下、「B/C」という。)は、道路建設を行うか、やめるかを判断する重要な指数だと思いますが、いかがですか。

回答
  事業評価において、B/Cは重要な要素の一つですが、これに限らず、災害時の緊急輸送の確保等の貨幣換算が困難な多様な効果も含め、総合的に評価するものであり、事業継続等の方針については、こうした評価の結果を踏まえ、決定していると承知しています。

質問事項
 一の2 東京外環道の最新のB/Cは、いくつですか。またB/Cの推移を伺います。

回答
  東京外かく環状道路(関越~東名)の最新のB/Cは令和2年度の事業再評価時で1.01と示されています。前回のB/Cは平成28年度の事業再評価時で1.9と示されています。

質問事項
 一の3 東京外環道のB/Cの数値が小さくなったのはなぜですか。

回答
  令和2年度の事業再評価において、中央ジャンクションにおける地中拡幅部の断面形状・工法変更等に伴う事業費の増加等の理由によるものと事業者から聞いています。

質問事項
 一の4 今後、外環道の事業費が増える要因はどのようなことが考えられますか。
   また、事業費が減る要因は、ありますか。

回答
  事業者からは、調布市での陥没・空洞事故に伴う再発防止対策の確実な実施や地盤補修等については、費用の増加要因となる可能性がある一方、今後とも更なるコスト縮減に努めることとしており、現段階では、事業費を見通せる状況にはないと聞いています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 とくとめ道信

質問事項
 一 電動キックボードの規制緩和による影響について

一 電動キックボードの規制緩和による影響について
  電動キックボードの規制を大幅に緩和した改定道路交通法が今年7月から施行されました。従来、電動キックボードの運転には免許証が必要でしたが、これが不要となり、ヘルメットの着用も義務から努力義務に緩和されました。また条件付きで歩道の走行も可能となっています。
  しかし、規制緩和の議論では、政府の検討会や国会の審議で緩和の危険性は繰り返し指摘されていました。
  電動キックボードの普及が進む中で事故や法令違反が増加しています。都内では昨年の死亡事故や規制緩和後の轢き逃げ事件などが起こっています。
  電動キックボードの普及が先行していた欧米では問題が深刻化しており、免許を必要としたり、ヘルメットの着用義務を拡大したりする動きが出ています。
  そこで、知事及び警視庁に伺います。
 1 警視庁管内で電動キックボードによる昨年及び、今年6月までの人身事故(死傷者数の内訳を含む)、違反件数をそれぞれ月別にお答えください。
 2 警視庁管内で今年7月の規制緩和後、7月から9月までの人身事故(死傷者数の内訳を含む)、違反件数をそれぞれ月別にお答えください。また、18歳未満の人数も合わせてお答えください。
 3 今年7月から9月までの警視庁管内で、特定小型原動機付の自転車運転者講習制度の対象となった人数をお答えください。また、18歳未満の人数も合わせてお答えください。
 4 都内の高校生を対象にした、電動キックボードの安全運転講習等を、行った実績はありますか。ある場合は何件行ったかお答えください。
 5 電動キックボードの運転は、以前はヘルメットも着用が義務でしたが、現在は努力義務に緩和されています。レンタルの電動キックボードにも、ヘルメットは付属していません。
   警視庁として、特定小型原動機付の運転の際は、ヘルメットを着用するよう、啓発を強化すべきだと考えますが、いかがですか。
 6 電動キックボードの規制緩和が、7月に実施されてから、3カ月が経過しました。警視庁は、この3カ月間の経験を踏まえて、事故防止のために、どういう課題があると考えていますか。
 7 今後、電動キックボードの事故や違反が続く場合、電動キックボードの再規制も含めた検討をおこなうよう、政府に求めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。

令和5年第三回都議会定例会
とくとめ道信議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 電動キックボードの規制緩和による影響について
  1 警視庁管内で電動キックボードによる昨年及び今年6月までの人身事故(死傷者数の内訳を含む)、違反件数をそれぞれ月別に伺う。

回答
  令和4年及び令和5年6月末までの警視庁管内における電動キックボードの月別の交通人身事故件数及び交通違反取締件数は以下のとおりです。

○ 交通人身事故件数
令和4年 令和5年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 計 1月 2月 3月 4月 5月 6月 計
発生件数 1 2 2 3 2 1 2 2 3 4 3 3 28 2 3 2 2 3 5 17
死者数 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0
重傷者数 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 2
軽傷者数 1 2 2 3 2 1 2 2 2 4 3 3 27 1 3 2 2 3 5 16
(令和5年は暫定値)

○ 交通違反取締件数
令和4年 令和5年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 計 1月 2月 3月 4月 5月 6月 計
交通違反取締件数 27 80 96 122 126 116 149 184 244 159 182 178 1,663 192 202 312 298 339 390 1,733
(令和5年は暫定値)

質問事項
 一の2 警視庁管内で今年7月の規制緩和後、7月から9月までの人身事故(死傷者数の内訳を含む)、違反件数をそれぞれ月別に伺う。また、18歳未満の人数も合わせて伺う。

回答
  令和5年7月から9月までの警視庁管内における電動キックボードの月別の交通人身事故件数及び交通違反取締件数とそれぞれにおける18歳未満の運転者の人数は以下のとおりです。
 ○ 交通人身事故件数
令和5年
7月 8月 9月 計
発生件数 8 11 20 39
うち、18歳未満の運転者 0 0 0 0
死者数 0 0 0 0
重傷者数 0 0 1 1
軽傷者数 9 11 20 40
                  (暫定値)
 ○ 交通違反取締件数
令和5年
7月 8月 9月 計
交通違反取締件数 373 635 803 1,811
うち、18歳未満の運転者 2 4 1 7
                  (暫定値)

質問事項
 一の3 今年7月から9月までの警視庁管内で、特定小型原動機付の自転車運転講習制度の対象となった人数を伺う。また、18歳未満の人数も合わせて伺う。

回答
  特定小型原動機付自転車運転者講習制度は、信号無視など一定の違反行為を3年間に2回した方が受講の対象となります。
  令和5年7月から9月までの間に、警視庁管内で2回目の取締りを受けて講習の対象となった方は23人で、18歳未満の者はいません。

質問事項
 一の4 都内の高校生を対象にした、電動キックボードの安全運転講習等を行った実績はあるか伺う。ある場合は、何件行ったか伺う。

回答
  都内の高校生を対象とした電動キックボードの交通安全教育は、令和5年は、9月末までに14件実施しています。

質問事項
 一の5 警視庁として、特定小型原動機付の運転の際は、ヘルメットを着用するよう啓発を強化すべきだが、見解を伺う。

回答
  特定小型原動機付自転車については、ヘルメットの着用が努力義務となっており、利用者の安全を確保するため、交通安全教育や各種キャンペーンなどあらゆる機会を通じて、ヘルメット着用の促進に努めています。

質問事項
 一の6 電動キックボードの規制緩和が、7月に実施されてから、3か月が経過したが、警視庁は、この間の経験を踏まえて、事故防止のためにどういう課題があると考えているか伺う。

回答
  令和5年7月から9月までの電動キックボードの取締状況は違反者のうち約65パーセントを10代及び20代が占めていることから、若年層に対する交通ルールの周知徹底に向けた取組が重要であると認識しています。
  警視庁では、これらの方々を対象とした交通安全教育に力を注ぐほか、引き続き、指導取締りや広報啓発活動を推進していきます。

質問事項
 一の7 今後、電動キックボードの事故や違反が続く場合、電動キックボードの再規制も含めた検討をおこなうよう、政府に求めるべきだが、知事の見解を伺う。

回答
  令和5年7月に改正道路交通法が施行され、特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードの交通ルールが新たに設けられました。都は利用状況を注視しつつ、区市町村、民間事業者等と連携し、電動キックボードの安全利用に向けて、リーフレットの配布や動画の作成・配信を通して、引き続き普及啓発を行っていきます。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 池川友一

質問事項
 一 都有施設などのトイレの改善について

一 都有施設などのトイレの改善について
  SDGsの目標6は「安全な水とトイレを世界中に」となっています。これは、トイレの問題が生きていく上で必要なものであることを示しています。
  トイレへのアクセスは、私たちの日常生活には不可欠なものです。トイレについて、国務大臣も国会で「トイレは、男女問わず全ての人にとって欠かせないものでありまして、使用したいときに使用できるということは当然重要であると考えております」と述べています。トイレにアクセスすることは人権に関わる重要な問題です。
  以下、トイレに関わる課題について質問します。
  まず、男女のトイレ格差について伺います。
 1 都有施設、都営交通の駅、多摩都市モノレールの駅、ゆりかもめの駅におけるトイレの数(男性は小便器と個室、女性は個室)はどうなっていますか。施設ごとにお示しください。
  都内在住の女性が、2022年から公共交通機関の便器数の男女比をトイレ案内板で調査しています。全国各地の300カ所以上を調べたところ、駅や空港などの男性トイレの小便器と個室の合計は平均で女性個室の1.76倍という結果でした。
 2 都有施設における、トイレの設置については、どのような基準で行なっているのですか。
 3 国交省が2016年に行った調査では、駅のトイレの不満で「行列に並ばなければいけない」が女性は44%で、男性の31.3%を上回っています。
   翌年に発表した「女性が輝く社会づくりにつながるトイレ等の環境整備・利用のあり方に関する取りまとめ」では、女性トイレの行列の原因は「利用者数に見合った個室便房数となっていない」として、「個室便房の数を増やすことが最も効果的」と明記しました。
   中日本高速道路(ネクスコ中日本)が2014年度に行った調査によると、男性が小便器を利用する時間が平均37.7秒であったのに対し、女性の個室トイレの平均利用時間は約93.1秒で、男性の約2.5倍の時間がかかっていました。その後、同社は待ち時間が男女とも2分未満になるよう計算し、女性用個室を2倍以上に増やしました。
   都は、利用時間に差があることについてどう認識していますか。都としても、利用の実態を把握し、計画的に改善をすすめていく必要がありますがいかがですか。
 4 災害時の避難所については、内閣府の男女共同参画局が2020年に出した防災・復興ガイドラインで、女性用トイレの数は男性用トイレの数に比べて多くするとしています。
   また、国際赤十字やNGO団体などが「人道憲章と人道対応に関する最低基準」、通称「スフィア基準」(スフィアハンドブック)では、男性トイレと女性トイレの割合を1対3とすることが推奨されています。
   避難所におけるトイレ設置の考え方について、こうした基準も踏まえて対応する必要がありますがいかがですか。
  次にトイレの洋式化について伺います。
 5 都有施設、都営交通の駅、多摩都市モノレールの駅、ゆりかもめの駅、都立学校のトイレの和式と洋式の数及び割合はどうなっていますか。施設ごとにお示しください。
 6 和式トイレには人が並ばず、洋式トイレには長蛇の列ができるということも起こっています。トイレを洋式化することについて基本的な認識を伺います。
 7 それぞれの施設において、洋式化に向けた計画を策定し、早期に洋式化を行うべきと考えますが、いかがですか。

令和5年第三回都議会定例会
池川友一議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 都有施設などのトイレの改善について
  1 都有施設、都営交通の駅、多摩都市モノレールの駅、ゆりかもめの駅におけるトイレの数(男性は小便器と個室、女性は個室)はどうなっているか、施設ごとに伺う。

回答
  都有施設等におけるトイレの数は以下のとおりです。

小便器数 個室数
男性 女性
都庁舎 636 432 480
都営交通 469 319 409
都営地下鉄 435 300 378
浅草線 75 52 63
三田線 95 63 77
新宿線 94 59 87
大江戸線 171 126 151
日暮里・舎人ライナー 34 19 31
多摩都市モノレール 47 43 65
ゆりかもめ 45 36 43

質問事項
 一の2 都有施設における、トイレの設置は、どのような基準で行なっているか伺う。

回答
  空気調和・衛生工学会が定めた規準を用いて、施設の用途を踏まえた上で設置しています。

質問事項
 一の3 男女でトイレの利用時間に差があることについてどう認識しているか。都も、利用実態を把握し、計画的に改善をすすめていくべきだが、見解を伺う。

回答
  トイレの設置に当たっては、空気調和・衛生工学会の規準におけるトイレの利用時間や施設の用途などを踏まえて、設定しています。

質問事項
 一の4 災害時の避難所について、内閣府の男女共同参画局が2020年に出した防災・復興ガイドラインで、女性用トイレの数は男性用トイレの数に比べて多くするとしている。また、国際赤十字などが「人道憲章と人道対応に関する最低基準」で、男性トイレと女性トイレの割合を1対3とすることを推奨しており、避難所におけるトイレ設置の考え方について、こうした基準も踏まえて対応するべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、区市町村の避難所運営の在り方について示した避難所管理運営指針で、避難所において設置するトイレの女性用対男性用の割合は、3対1が理想的といわれていることを記載しています。

質問事項
 一の5 都有施設、都営交通の駅、多摩都市モノレールの駅、ゆりかもめの駅、都立学校のトイレの和式と洋式の数及び割合はどうなっているか、施設ごとに伺う。

回答
  都有施設等におけるトイレの和式と洋式の数及び割合は以下のとおりです。

和式トイレ 洋式トイレ
数量 割合 数量 割合
都庁舎 118 13% 821 87%
都営交通 103 14% 625 86%
都営地下鉄 86 13% 592 87%
浅草線 30 26% 85 74%
三田線 28 20% 112 80%
新宿線 28 19% 118 81%
大江戸線 0 0% 277 100%
日暮里・舎人ライナー 17 34% 33 66%
多摩都市モノレール 48 38% 79 62%
ゆりかもめ 6 8% 73 92%
都立学校 3,012 14% 18,674 86%
都立高校 2,811 17% 14,048 83%
特別支援学校 201 4% 4,626 96%

質問事項
 一の6 和式トイレには人が並ばず、洋式トイレには長蛇の列ができるということも起こっている。トイレを洋式化することについて基本的な認識を伺う。

回答
  東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルにおいて、高齢者など下肢機能が低下している人にとって、和式トイレの利用は困難を伴うとされています。
  また、都内において、和式トイレに慣れていない外国人旅行者が増加しています。
  こうしたことを踏まえ、都庁舎ではトイレの洋式化を進めています。
  多摩都市モノレール株式会社では、トイレの改修については、中期経営計画に定めています。
  ゆりかもめでは、駅のトイレを、全てのお客様に安心かつ快適に御利用いただけるよう、トイレの洋式化を計画的に進めています。
  交通局では、お客様が駅のトイレを快適にご利用いただけるよう、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、洋式化を含むトイレの改修を計画的に進めています。
  都教育委員会は、これまで都立学校のトイレの洋式化率80パーセントを目標に計画的に整備を進め、既に目標を達成していますが、引き続き洋式化を推進しています。

質問事項
 一の7 それぞれの施設において、洋式化に向けた計画を策定し、早期に洋式化を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  都庁舎においては、トイレ改修時に洋式化を行っています。
  多摩都市モノレール株式会社では、トイレの改修については、中期経営計画に定めています。
  ゆりかもめでは、これまでも各駅におけるトイレの洋式化を進めており、令和8年度までに全てのトイレの洋式化を完了させる予定です。
  交通局では、洋式化を含むトイレの改修を計画的に進めています。
  都教育委員会は、これまで都立学校のトイレの洋式化率80パーセントを目標に計画的に整備を進め、既に目標を達成していますが、引き続き洋式化を推進しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 宮瀬英治

質問事項
 一 カスタマーハラスメントについて
 二 東京都立大学の学費および大学生に対する支援について
 三 東京都立大学、都立学校の不審者対応について
 四 東京都立大構内における窓落下および東京都立学校の安全について
 五 在日外国人児童の教育、生活について

一 カスタマーハラスメントについて
 1 都および国はカスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」)をどのように定義しているのか伺う。
 2 カスハラに対する都の認識について伺う。
 3 都の職員が行う消費者対応業務において、職員が消費者の方から著しく粗野または乱暴な言動、いわゆるカスハラを受けたことがあるのか、またそれはどれくらいか10か年での状況を伺う。
 4 それらに対し、東京都としてどう認識しどのような対策をとってきたのか取り組みを伺う。
 5 東京都教育庁はカスハラをどのように定義しているのか伺う。
 6 カスハラに対する教育庁の認識について伺う。
 7 教職員はじめ教育庁の職員が行う保護者や近隣住民への対応において、職員が保護者等の方から著しく粗野または乱暴な言動、いわゆるカスハラを受けたことがあるのか、またそれはどれくらいか10か年での件数及び状況を伺う。
 8 それらに対し、教育庁としてどう認識しどのような対策をとってきたのか取り組みを伺う。
 9 東京消防庁はカスハラをどのように定義しているのか伺う。
 10 カスハラに対する消防庁の認識について伺う。
 11 消防庁の職員が行う消費者対応業務において、職員が消費者の方から著しく粗野または乱暴な言動、いわゆるカスハラを受けたことがあるのか、またそれはどれくらいか10か年での状況を伺う。
 12 それらに対し、消防庁としてどう認識しどのような対策をとってきたのか取り組みを伺う。
 13 民間の事業者等が行う消費者対応業務において、彼らが消費者の方から著しく粗野または乱暴な言動、いわゆるカスハラがどれくらいか10か年での状況を伺う。
 14 それらに対し、東京都としてどう認識しどのような対応をしてきたのか伺う。
 15 さらに東京都は今度どのような対策を講じていくのか伺う。
 16 私は悪質クレーム、カスタマーハラスメントとは、従業者等に対し、その対応業務に関連して行われる消費者の行為のうち、いちじるしく粗野または乱暴な言動を行うこと、その他の迷惑行為であって、従業者等に業務上受忍すべき範囲を超えて精神的または身体的な苦痛を与えるおそれのあるものと考えられるが、都の認識を伺う。
 17 カスハラと正当なクレームの違いについて都の認識を伺う。とりわけ都は「著しく」「不当な」をどう判別しているのか伺う。
 18 具体的な行為として、事業者が提供する事業や商品・サービスに瑕疵・過失が認められない場合の要求や、要求の内容が事業者の提供する事業や商品・サービスの内容と関係のない場合の要求は、悪質クレーム、カスハラに含まれると考えるが、伺う。
 19 具体的な行為として、身体的な攻撃や精神的な攻撃、威圧的で脅迫的な言動、土下座の要求は、悪質クレーム、カスハラに含まれると考えるが、伺う。
 20 具体的な行為として、繰り返される執拗な言動、電話やメール、SNSでの投稿は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、伺う。
 21 具体的な行為として、不退去や居座り、監禁などの拘束的な行動は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、伺う。
 22 具体的な行為として、差別的な言動や性的な言動は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、伺う。
 23 具体的な行為として、従業者等個人への攻撃・要求は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、伺う。
 24 具体的な行為として、社会通念上の範囲を超えた商品交換、金銭補償の要求、土下座を除く謝罪の要求は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、伺う。
 25 具体的な行為として、対応した従業者等の撮影やインターネットへの動画・画像の投稿は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、伺う。
 26 従業員等が、悪質クレーム、カスタマーハラスメントによって、その就業環境が害されないようにするとともに、事業者による従業員等を保護するための取組が主体的に行われることが重要であるという認識の下で、悪質クレーム、カスタマーハラスメント対策が条例化含め推進されるべきと考えるが、伺う。
 27 悪質クレーム、カスタマーハラスメント対策を推進するにあたっては、消費者が苦情、クレームを申し出る機会を十分に確保することや、事業活動の発展に資することに配慮するとともに、消費者からの苦情、クレームが不当に妨げられることのないよう、配慮しなければならないと考えるが、伺う。
 28 悪質クレーム、カスタマーハラスメントに対する行政の対策として、事業者が行う取組を推進させる対応マニュアルの作成、相談や相談体制の整備、被害者のケアなど保健医療サービスの提供、再就職施策、啓発及び教育が必要だと考えるが、それぞれの現状と都の取組について伺う。
 29 悪質クレーム、カスタマーハラスメントに対する行政の対策を議論、検討する機関として、協議会を設置し、対策を推進する必要があると考えるが、現状を伺うとともに今までそのような協議会で協議されたことがあるのか伺う。さらには今後のスケジュールについて伺う。
 30 悪質クレーム、カスタマーハラスメントに対する行政の対策として、各行政機関や関係機関等と連携し、協力を図っていくことが必要だと考えるが現状を伺うとともに今後どのような連携を行っていくのか伺う。
 31 悪質クレーム、カスタマーハラスメントに対する対策として、事業者が、行政の対策に協力するとともに、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに係る取組を主体的に行って行く必要があると考えるが現状を伺うとともに今後、都はどのように関わっていくのか伺う。

二 東京都立大学の学費および大学生に対する支援について
  東京都立大学では2019、2021、2022、2023年の学生大会において学費の現状維持を求める議案が提出されている。また、令和6年度以降世帯年収が910万円を下回る学生に対して東京都が東京都立大学の学費を無償化すると発表した。そこで以下伺う。
 1 今回の授業料実質無償化の目的について伺う。
 2 東京都立大学の授業料実質無償化について決定したのは東京都か東京都公立大学法人どちらなのか伺う。
 3 今回の授業料実質無償化の要件が世帯年収910万円未満とされたがその根拠について伺う。
 4 今回の授業料実質無償化の対象となる世帯の詳細な要件はいつ頃決定し、受験生や在学生に対しどのように告知するのか伺う。
 5 日本学生支援機構が令和2年度に実施した「令和2年度学生生活調査・高等専門学校生生活調査・専修学校生生活調査」によると、世帯年収が900万円以下の学生の割合は私立大学が64.4%と国立大学の61%よりも多い。一方で、私立大学の授業料負担の平均は国立大学の約二倍である。東京都としては国に必要な要望を行うなどして私立大学に通う学生にも東京都立大学の学生同様に支援を行うべきであると考えるが見解を伺う。

三 東京都立大学、都立学校の不審者対応について
  2022年11月に東京都立大学南大沢キャンパスで宮台真司教授に対する傷害事件が発生した。また、2023年8月にも東京都立大学の敷地内で不審者が発見された旨が学内ポータルサイトで告知がされた。これを踏まえて以下伺う。
 1 宮台真司教授の傷害事件に際し、大学がとった対応(学生を屋内に入れるとともに各施設を施錠するなどの対応)について都や東京都公立大学法人の責任や検証の有無とその内容はどのようなものか、また検証をしたのであれば対応は適切であったと考えているか見解を伺う。
 2 東京都立大学、東京都立産業技術高等専門学校、東京都立高校をはじめとする都立学校ではどの程度の頻度で不審者対応訓練が実施されているのかそれぞれ伺う。
 3 東京都立大学、東京都立産業技術高等専門学校、都立学校において不審者に対応するための、さすまた、盾などの備品の配置について都や東京都公立大学法人として統一した基準があるのか、また、基準がある場合どの程度その基準を充足しているかについて伺う。
 4 不審者が暴れにくい環境づくりのためには街灯などにより学校敷地内に暗がりを作らないことが有効であると考えるが、東京都立大学、東京都立産業技術高等専門学校、都立学校敷地内の街灯についてどの程度の頻度で点検が実施されているのか伺う。

四 東京都立大構内における窓落下および東京都立学校の安全について
  2023年8月15日16時ごろ東京都立大学南大沢キャンパスの建物の窓が窓枠ごと落下し破損したとの情報を入手した。これを踏まえて以下伺う。
 1 本件事故の概要について伺う。
 2 事故前後の八王子市のアメダスのデータを調べたところ、風速は8メートル毎秒から10メートル毎秒前後で推移していた。東京都や東京都公立大学法人としては今回の事故の原因は何であったと推定するか伺う。
 3 今回窓が落下した建物の窓の点検は従来どの程度の頻度で行われていたのか伺う。
 4 事故発生後東京都や東京都公立大学法人はどのような事故処理を行なったのか伺う。
 5 本件事故を踏まえて東京都や東京都公立大学法人はどのような事故再発防止策を講じたのか伺う。
 6 東京都が所有するほかの都立学校の建造物のうち今回窓が落下した建造物と窓の形状が同じないし類似した建造物において窓枠落下の危険性はないのか見解を伺う。
 7 東京都公立大学法人が所有する学校、それ以外の都立学校においてそれぞれ敷地内建造物の安全管理責任は誰にあるのか伺う。

五 在日外国人児童の教育、生活について
  国際化する東京都において、就労等により都内に在住している外国人が増加しているが、同時にその児童生徒については学校や地域での生活において様々な受け入れ態勢を整えることが必要である。そこで以下伺う。
 1 都内公立小学校及び中学校における在都外国人児童生徒数および日本人との比率の推移について伺う。
 2 特別支援学級に在籍している在都外国人児童生徒数および日本人との比率の推移について伺う。
 3 普通学級に在籍している在都外国人児童生徒数および日本人との比率の推移について伺う。
 4 上記以外に在籍している在都外国人児童生徒数および日本人との比率の推移について伺う。
 5 外国人児童が日本人児童の2倍以上の比率で特別支援学級に在籍していることがNPO法人「国際社会貢献センター」の調査で分かった。三重、愛知、群馬、静岡の4県で外国人の多い113の小学校を調べたところ、日本人児童は4万9,159人中730人(1.48%)が特別支援学級に在籍し、外国人児童は1,886人中116人(6.15%)が在籍していたとのことである。外国人児童が多く在籍する学校の校長らによると「日本語ができない子供は障害の有無に関わらず、特別支援の対象」としている例や、「日本語ができないのか、言語障害があるのか見分けることが難しい」ケースがある。こういった事例は東京都にあるのか見解を伺う。
 6 在都外国人児童の言語障害の有無を区市町村はどのように見分けているのか、さらには特別支援学級に入るか否かの判断基準はどのようなものか伺うとともに、医師の診断を受けていた児童生徒の割合について伺う。
 7 特別支援学級は前提として、社会適応能力を養う学級であるのか、学習を第一に考える学級なのかどちらなのか伺う。
 8 上記の様々な質問で確認したが、該当する事案があった場合、学校で勉強をしたいと望む児童生徒にとっては、特別支援学級は最適な環境ではないともいえる。都の認識とその現状をどう改善するべきか見解を伺う。
 9 一方、普通学級に所属している外国人児童も問題を抱えている。在日外国人児童の母親へのインタビュー調査や在日外国人児童の話によると、学習を充分にサポートをしてくれる人がいないので、授業について行けず苦痛を感じたり、言語、文化の違いから差別に合うことで不登校になってしまう子供達や、日本の環境に馴染めない精神的不安から非行に走ってしまう子供達がいることが分かった。こういった事例は東京都にあるのか統計および見解について伺う。
 10 こういった子どもたちに対して支援活動は行われているが、在日外国人児童が多く住む地域とそうでない地域で、支援に大きな格差があることを問題視されている。
   例えば、茨城県つくば市や埼玉県さいたま市では、放課後補習や別教室で授業を行う制度を用いて、彼らの学習や生活の遅れを補っている。一方で、こういった児童が少ない地域では、支援が疎かになっていることが多く、21.5%もの要支援児童がまだ全国には存在するとされている。都内においても支援の地域間格差があるのか、またそれを改善するべきだが、見解を伺う。
 11 在日外国人児童への十分な支援といっても、現状、多忙な教員には困難であることが予想される。そこで学校とNPO等を連携させて、アメリカのESL制度のようなサポートを行うのが最適と考えるが、現状および都の見解を伺う。

令和5年第三回都議会定例会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 カスタマーハラスメントについて
  1 都および国はカスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」)をどのように定義しているのか伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。
  国の厚生労働省の作成したマニュアルの中では、カスタマーハラスメントについて、明確に定義することはできないとした上で、企業の現場では「顧客等からのクレームや言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」と考えられていると説明しています。

質問事項
 一の2 カスハラに対する認識について伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の3 都の職員が行う消費者対応業務において、職員が消費者の方から著しく粗野または乱暴な言動、いわゆるカスハラを受けたことがあるか、またそれはどれくらいか10か年での状況を伺う。

回答
  令和2年6月の労働施策総合推進法の改正を踏まえ、パワー・ハラスメントの防止に関する要綱を策定し、局長等の責務として、「職員が担当する行政サービスの利用者等からの言動で、職員の業務の範囲や程度を明らかに超える要求をするものに係る相談・苦情があった場合に、組織として対応し、その内容に応じて、迅速かつ適切に職員の救済を図ること」としています。
  具体的な状況については、各局等において、被害の実態や事業の特性等を踏まえ、必要に応じて把握することとしています。

質問事項
 一の4 それらに対し、都としてどう認識しどのような対策をとってきたのか取り組みを伺う。

回答
  都においては、職員の業務の範囲や程度を明らかに超える要求に対し、各局等において、事業の特性を踏まえ、マニュアル、事例集の活用や研修等の実施により、適切に対応しています。

質問事項
 一の5 東京都教育庁はカスハラをどのように定義しているのか伺う。

回答
  「パワー・ハラスメントの防止に関する要綱」及び「都立学校におけるパワー・ハラスメントの防止に関する要綱」においては、「職員が担当する行政サービスの利用者等からの言動で、職員の業務の範囲や程度を明らかに超える要求をするものに係る相談・苦情があった場合に、組織として対応し、その内容に応じて、迅速かつ適切に職員の救済を図ること」としています。

質問事項
 一の6 カスハラに対する教育庁の認識について伺う。

回答
  「パワー・ハラスメントの防止に関する要綱」及び「都立学校におけるパワー・ハラスメントの防止に関する要綱」においては、「職員が担当する行政サービスの利用者等からの言動で、職員の業務の範囲や程度を明らかに超える要求をするものに係る相談・苦情があった場合に、組織として対応し、その内容に応じて、迅速かつ適切に職員の救済を図ること」としています。

質問事項
 一の7 教職員はじめ教育庁の職員が行う保護者や近隣住民への対応において、職員が保護者等の方から著しく粗野または乱暴な言動、いわゆるカスハラを受けたことがあるのか、またそれはどれくらいか10か年での件数及び状況を伺う。

回答
  件数は把握しておりません。
  なお、保護者や関係者に対しては、適切に対応しています。

質問事項
 一の8 それらに対し、教育庁としてどう認識しどのような対策をとってきたのか取り組みを伺う。

回答
  保護者や関係者に対しては、適切に対応しています。

質問事項
 一の9 東京消防庁はカスハラをどのように定義しているのか伺う。

回答
  都において定めている行政対象暴力対応マニュアルでは、カスタマーハラスメントを「都職員が担当する行政サービスの利用者等からの言動で、当該行政サービスをめぐるそれまでの経緯やその場の状況により、その対応を打ち切りづらい中で行われるものであって、当該言動を受ける職員の業務の範囲や程度を明らかに超える要求」と定義しており、東京消防庁においても同義と解しています。

質問事項
 一の10 カスハラに対する消防庁の認識について伺う。

回答
  行政対象暴力対応マニュアルに準拠して、東京消防庁行政対象暴力対応マニュアルを作成しており、カスタマーハラスメントの認識についても都と同義と解しています。

質問事項
 一の11 消防庁の職員が行う消費者対応業務において、職員が消費者の方から著しく粗野または乱暴な言動、いわゆるカスハラを受けたことがあるのか、またそれはどれくらいか10か年での状況を伺う。

回答
  東京消防庁行政対象暴力対応マニュアルに基づく報告が過去10年間で2件ありました。

質問事項
 一の12 それらに対し、消防庁としてどう認識しどのような対策をとってきたのか取り組みを伺う。

回答
  発生した事案に対しては、行政対象暴力として認識し、東京消防庁行政対象暴力対応マニュアルに基づき、関係機関と連携するとともに厳正で毅然とした組織的な対応を行っていました。

質問事項
 一の13 民間の事業者等が行う消費者対応業務において、彼らが消費者の方から著しく粗野または乱暴な言動、いわゆるカスハラがどれくらいか10か年での状況を伺う。

回答
  国の令和2年度のアンケート調査によれば、過去3年間に、会社の中で顧客等からの著しい迷惑行為に関する相談の件数は「増加している」とした企業の割合が「減少している」より高くなっています。

質問事項
 一の14 それらに対し、都としてどう認識し、どのような対応をしてきたのか伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないものと考えています。
  このため都は、会社に対して啓発リーフレットで対応方法の紹介を行うほか、相談窓口を通じ助言等を進めてきました。

質問事項
 一の15 都は今後どのような対策を講じていくのか伺う。

回答
  ウェブやポスター等による啓発を行うほか、公労使会議の場を活用し、適切な対応の在り方について検討していきます。

質問事項
 一の16 悪質クレーム、カスタマーハラスメントとは、従業者等に対し、その対応業務に関連して行われる消費者の行為のうち、いちじるしく粗野または乱暴な言動を行うこと、その他の迷惑行為であって、従業者等に業務上受忍すべき範囲を超えて精神的または身体的な苦痛を与えるおそれのあるものと考えられるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の17 カスハラと正当なクレームの違いについて認識を伺う。とりわけ都は「著しく」「不当な」をどう判別しているのか伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の18 具体的な行為として、事業者が提供する事業や商品・サービスに瑕疵・過失が認められない場合の要求や、要求内容が事業者の提供する事業や商品サービスの内容と関係のない場合の要求は、悪質クレーム、カスハラに含まれると考えるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の19 具体的な行為として、身体的な攻撃や精神的な攻撃、威圧的で脅迫的な言動、土下座の要求は、悪質クレーム、カスハラに含まれると考えるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の20 具体的な行為として、繰り返される執拗な言動、電話やメール、SNSでの投稿は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の21 具体的な行為として、不退去や居座り、監禁などの拘束的な行動は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の22 具体的な行為として、差別的な言動や性的な言動は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の23 具体的な行為として、従業者等個人への攻撃・要求は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の24 具体的な行為として、社会通念上の範囲を超えた商品交換、金銭補償の要求、土下座を除く謝罪の要求は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の25 具体的な行為として、対応した従業者等の撮影やインターネットへの動画・画像の投稿は、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに含まれると考えるが、認識を伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないと考えています。

質問事項
 一の26 従業員等が、悪質クレーム、カスタマーハラスメントによって、その就業環境が害されないようにするとともに、事業者による従業員等を保護するための取組が主体的に行われることが重要であるという認識の下で、悪質クレーム、カスタマーハラスメント対策が条例化含め推進されるべきだが、見解を伺う。

回答
  都は公労使会議の場を活用し、適切な対応の在り方について検討していきます。

質問事項
 一の27 悪質クレーム、カスタマーハラスメント対策を推進するにあたっては、消費者が苦情、クレームを申し出る機会を十分に確保することや、事業活動の発展に資することに配慮するとともに、消費者からの苦情、クレームが不当に妨げられることのないよう、配慮しなければならないが、見解を伺う。

回答
  都は公労使会議の場を活用し、適切な対応の在り方について検討していきます。

質問事項
 一の28 悪質クレーム、カスタマーハラスメントに対する行政の対策として、事業者が行う取組を推進させる対応マニュアルの作成、相談や相談体制の整備、被害者のケアなど保健医療サービスの提供、再就職施策、啓発及び教育が必要だが、それぞれの現状と取組について伺う。

回答
  顧客やサービスの利用者等から過大な要求や不当なクレームを受け、従業員が人格を傷つけられ精神的なダメージを受ける状況を放置することはできないものと考えています。
  このため都は、会社に対して啓発リーフレットで対応方法の紹介を行うほか、相談窓口を通じ助言等を進めてきました。
  今後、都は公労使会議の場を活用し、適切な対応の在り方について検討していきます。

質問事項
 一の29 悪質クレーム、カスタマーハラスメントに対する行政の対策を議論、検討する機関として、協議会を設置し、対策を推進する必要があるが、現状を伺うとともに今までそのような協議会で協議されたことがあるのか伺う。さらには今後のスケジュールについて伺う。

回答
  都は、公労使会議の場を活用し、適切な対応の在り方について検討していきます。

質問事項
 一の30 悪質クレーム、カスタマーハラスメントに対する行政の対策として、各行政機関や関係機関等と連携し、協力を図っていくことが必要だが、現状を伺うとともに今後どのような連携を行っていくのか伺う。

回答
  都は、公労使会議の場を活用し、適切な対応の在り方について検討していきます。

質問事項
 一の31 悪質クレーム、カスタマーハラスメントに対する対策として、事業者が、行政の対策に協力するとともに、悪質クレーム、カスタマーハラスメントに係る取組を主体的に行って行く必要があるが、現状を伺うとともに今後、都はどのように関わっていくのか伺う。

回答
  都は、会社に対して啓発リーフレットで対応方法の紹介を行うほか、相談窓口を通じ助言等を進めてきました。
  今後、公労使会議の場を活用し、適切な対応の在り方について検討していきます。

質問事項
 二 東京都立大学の学費および大学生に対する支援について
  1 今回の授業料実質無償化の目的について伺う。

回答
  東京都立大学において、令和6年度から開始する授業料減免制度は、少子化の現状を踏まえ、都内子育て世帯の教育費の負担軽減を図ることを目的として実施するものです。

質問事項
 二の2 東京都立大学の授業料実質無償化について決定したのは、都か東京都公立大学法人どちらなのか伺う。

回答
  今般の授業料実質無償化の準備経費については、都として都内子育て世帯の負担軽減を図るため、所得や住所の要件を満たす世帯を対象に実施することを制度の概要として本年の第一回定例会で御審議いただき、予算として認められたものです。

質問事項
 二の3 今回の授業料実質無償化の要件が世帯年収910万円未満とされたがその根拠について伺う。

回答
  都立・私立の高校における授業料実質無償化の要件が世帯年収910万円未満であることを踏まえ、これと同額とすることとしました。

質問事項
 二の4 今回の授業料実質無償化の対象となる世帯の詳細な要件はいつ頃決定し、受験生や在学生に対しどのように告知するのか伺う。

回答
  新たな授業料減免制度における所得や住所、その他の要件は、令和5年10月13日にプレス発表を行い、都や東京都公立大学法人のホームページに掲載しています。

質問事項
 二の5 私立大学の授業料負担の平均は、国立大学の約二倍と負担が大きい。都としては国に必要な要望を行うなどして、私立大学に通う学生にも東京都立大学の学生と同様に支援を行うべきであると考えるが見解を伺う。

回答
  大学生等高等教育機関に通う学生への支援は、国の責任において行うべきものです。
  国は、いわゆる高等教育の無償化の制度において、授業料等の負担軽減を図っています。
  このうち、都内私立専門学校については、都としても財政負担を行うとともに、学校が制度利用の申請をした場合の審査や負担金の交付等を行っています。
  なお、本年6月に行った国に対する提案要求において、高等教育に係る負担の軽減について、国としてより踏み込んだ対策の充実を求めています。

質問事項
 三 東京都立大学、都立学校の不審者対応について
  1 宮台真司教授の傷害事件に際し、大学がとった対応(学生を屋内に入れるとともに各施設を施錠するなどの対応)について都や東京都公立大学法人の責任や検証の有無とその内容はどのようなものか、また検証をしたのであれば対応は適切であったと考えているか見解を伺う。

回答
  地方独立行政法人法に基づく公立大学法人制度においては、具体的な業務運営は公立大学法人が自主的、自律的に行うこととされています。
  東京都立大学では、事件後速やかに安全確保対策検討会を設置し、事件発生時の初動対応について再点検を行い、問題はなかったことを確認しつつ、今回の経験を今後に活かすこととしています。
  法人は、当該事件への対応などについて、東京都地方独立行政法人評価委員会へ報告し、着実な業務の実施状況にあるとの評価を受けており、都は同委員会の評価結果の公表や、都議会への報告を行い、都民への説明責任を果たしています。

質問事項
 三の2 東京都立大学、東京都立産業技術高等専門学校、東京都立高校をはじめとする都立学校ではどの程度の頻度で不審者対応訓練が実施されているのかそれぞれ伺う。

回答
  東京都立大学では、令和4年11月に南大沢キャンパスで発生した傷害事件を受け、令和5年1月に地元警察と連携した不審者対応訓練を実施しました。また、東京都立産業技術高等専門学校では、令和5年度から不審者対応訓練の実施を予定しています。
  都立学校においては、文部科学省からの通知や「学校危機管理マニュアル」に基づいて、学校危機管理計画を策定しており、その計画の下で不審者対応も含め、年1回以上訓練を実施しています。

質問事項
 三の3 東京都立大学、東京都立産業技術高等専門学校、都立学校において不審者に対応するための、さすまた、盾などの備品の配置について都や東京都公立大学法人として統一した基準があるのか伺う。また、基準がある場合どの程度その基準を充足しているかについて伺う。

回答
  東京都立大学及び東京都立産業技術高等専門学校では、警察の助言を受けながら、不特定多数の人の出入りのある場所等に、必要な防犯用具を配備しています。
  都立学校においては、文部科学省からの通知や「学校危機管理マニュアル」において、不審者の対応をする際の防犯用具について記載しており、各学校において、適切に防犯用具を配置しています。

質問事項
 三の4 不審者が暴れにくい環境づくりのためには街灯などにより学校敷地内に暗がりを作らないことが有効であると考えるが、東京都立大学、東京都立産業技術高等専門学校、都立学校敷地内の街灯についてどの程度の頻度で点検が実施されているのか伺う。

回答
  東京都立大学及び東京都立産業技術高等専門学校では、街灯などの電気設備については、年1回点検を実施するとともに、日常の見回り等により不具合を発見した場合は、随時修繕を行っています。
  都立学校については、法令に基づき、毎学期1回以上、施設設備の安全点検を実施しているほか、日常的にも点検を行っています。

質問事項
 四 東京都立大構内における窓落下および東京都立学校の安全について
  1 2023年8月15日16時ごろ東京都立大学南大沢キャンパスの建物の窓が窓枠ごと落下し破損した事故の概要について伺う。

回答
  令和5年8月15日(火曜日)、東京都立大学南大沢キャンパスの学生ホールの5階に設置されていた縦軸回転窓の窓ガラスとサッシ部分が、窓枠から脱落し、破損しました。けが人はありませんでした。

質問事項
 四の2 事故前後の八王子市のアメダスのデータを調べたところ、風速は8メートル毎秒から10メートル毎秒前後で推移していた。都や東京都公立大学法人としては今回の事故の原因は何であったと推定するか伺う。

回答
  東京都公立大学法人では、事故が発生した窓の製造業者に調査を依頼しましたが、原因の特定には至りませんでした。

質問事項
 四の3 今回窓が落下した建物の窓の点検は従来どの程度の頻度で行われていたか伺う。

回答
  東京都公立大学法人では、今回、事故が発生した窓を含め、3年に1回、法定の点検を実施するとともに、利用者等から不具合等の連絡があった場合には、随時修繕を行っており、建物の安全管理に努めています。

質問事項
 四の4 事故発生後都や東京都公立大学法人はどのような事故処理を行なったのか伺う。

回答
  東京都公立大学法人では、事故発生後、学生等の安全を確保するため、速やかに現場付近の歩道を立入禁止にし、飛散したガラス片などを回収したほか、窓が落下した5階の部屋について、風雨を防ぐための応急の養生を実施しました。

質問事項
 四の5 本件事故を踏まえて都や東京都公立大学法人はどのような事故再発防止策を講じたのか伺う。

回答
  東京都公立大学法人では、キャンパス内の建物の縦軸回転窓について、開閉の不具合や金具の緩みの有無等について、点検を進めています。

質問事項
 四の6 都が所有するほかの都立学校の建造物のうち今回窓が落下した建造物と窓の形状が同じないし類似した建造物において窓枠落下の危険性はないのか見解を伺う。

回答
  関係局から今回の事故の状況等を確認し、引き続き、都立学校においても、施設及び設備の安全管理について適切に対応していきます。

質問事項
 四の7 東京都公立大学法人が所有する学校、それ以外の都立学校においてそれぞれ敷地内建造物の安全管理責任は誰にあるのか伺う。

回答
  東京都公立大学法人が所有する学校敷地内の建物の維持・保全は各キャンパスに置かれる資産管理者が行うこととされています。
  都立学校においては、校長が安全管理責任者です。

質問事項
 五 在日外国人児童の教育、生活について
  1 都内公立小学校及び中学校における在都外国人児童生徒数および日本人との比率の推移について伺う。

回答
  都内公立小学校及び中学校における直近の3年間の外国籍児童生徒数は、令和2年度16,235人、令和3年度17,134人、令和4年度17,546人であり、外国人児童生徒1人に対する日本人児童生徒の在籍者に対する比率は、令和2年度2.0パーセント、令和3年度2.1パーセント、令和4年度2.1パーセントです。

質問事項
 五の2 特別支援学級に在籍している在都外国人児童生徒数および日本人との比率の推移について伺う。

回答
  特別支援学級に在籍している児童生徒の国籍は把握しておりません。

質問事項
 五の3 普通学級に在籍している在都外国人児童生徒数および日本人との比率の推移について伺う。

回答
  普通学級に在籍している児童生徒の国籍は把握しておりません。

質問事項
 五の4 上記以外に在籍している在都外国人児童生徒数および日本人との比率の推移について伺う。

回答
  児童生徒は、普通学級又は特別支援学級に在籍しています。

質問事項
 五の5 外国人児童が多く在籍する学校の校長らによると「日本語ができない子供は障害の有無に関わらず、特別支援の対象」としている例や、「日本語ができないのか、言語障害があるのか見分けることが難しい」ケースがある。こういった事例は都にあるのか見解を伺う。

回答
  特別支援学級に入るかどうかの判断については、区市町村教育委員会が、本人、保護者、専門家の意見も踏まえ、日本語の習得状況にかかわらず、一人一人の障害の状態や発達の段階などに応じて十分な教育が受けられるよう、総合的に判断するという手順で適切に行っています。

質問事項
 五の6 在都外国人児童の言語障害の有無を区市町村はどのように見分けているのか、さらには特別支援学級に入るか否かの判断基準はどのようなものか伺うとともに、医師の診断を受けていた児童生徒の割合について伺う。

回答
  特別支援学級に入るかどうかの判断については、区市町村教育委員会が、本人、保護者、専門家の意見も踏まえ、日本語の習得状況にかかわらず、一人一人の障害の状態や発達の段階などに応じて十分な教育が受けられるよう、総合的に判断するという手順で適切に行っています。
  なお、就学先の決定は区市町村教育委員会が行うため、区市町村立小・中学校の特別支援学級に就学相談を行った児童・生徒のうち、医師の診断を受けた割合について、都教育委員会として把握していません。

質問事項
 五の7 特別支援学級は前提として、社会適応能力を養う学級であるのか、学習を第一に考える学級なのかどちらなのか伺う。

回答
  学校教育法では、特別支援学級は、「障害による学習上又は生活上の困難を克服するための教育を行うものとする。」と定められています。

質問事項
 五の8 上記の様々な質問で確認したが、該当する事案があった場合、学校で勉強をしたいと望む児童生徒にとっては、特別支援学級は最適な環境ではないともいえる。都の認識とその現状をどう改善するべきか見解を伺う。

回答
  区市町村教育委員会は、全ての子供について、適切に就学先を決定しているものと認識しています。

質問事項
 五の9 在日外国人児童の母親へのインタビュー調査や在日外国人児童の話によると、学習を十分にサポートしてくれる人がいないので、授業について行けず苦痛を感じたり、言語、文化の違いから差別に合うことで不登校になってしまう子供達や、日本の環境に馴染めない精神的不安から非行に走ってしまう子供達がいることが分かった。こういった事例は都にあるのか統計および見解について伺う。

回答
  毎年度実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」では、暴力行為やいじめ、不登校等に関する調査を実施しています。この調査では、国籍を問うていないため、在日外国人に限定した結果は把握していません。
  都教育委員会は、日本語指導が必要な児童生徒が日本語を学習し、学校に適応できるように支援するため、教材や映像資料の作成により、基本的な日本語や学校生活について学ぶことができる環境を整えています。

質問事項
 五の10 こういった子どもたちに対して支援活動は行われているが、在日外国人の多く住む地域とそうでない地域で支援に大きな格差があることを問題視されている。都内においても支援の地域間格差があるか、またそれを改善するべきだが見解を伺う。

回答
  区市町村教育委員会では、地域の実態に応じて、日本語指導を支援する取組が行われています。
  都教育委員会は、日本語指導に係る支援員派遣等の費用を、国の補助制度に上乗せして負担するなど、区市町村教育委員会の取組を支援しています。

質問事項
 五の11 在日外国人児童への十分な支援といっても、現状、多忙な教員には困難であることが予想される。そこで、学校とNPO等を連携させて、アメリカのESL制度のようなサポートを行うのが最適と考えるが、現状及び都の見解を伺う。

回答
  区市町村教育委員会では、地域の実態に応じて、外部人材も活用するなど、日本語指導を支援する取組が行われています。
  都教育委員会は、日本語指導に係る支援員派遣等の費用を、国の補助制度に上乗せして負担するなど、区市町村教育委員会の取組を支援しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 とや英津子

質問事項
 一 都営地下鉄12号線(大江戸線)の延伸について

一 都営地下鉄12号線(大江戸線)の延伸について
  都営地下鉄12号線(以下大江戸線)は、1991年に都営12号線として練馬区の光が丘駅から練馬駅までの区間が開業し、1997年には新宿駅まで延伸されました。その後計画が進み2000年には現在の区間が全面開通しています。
  今後、光が丘駅から大泉学園町方面に向かって約3.2キロメートル延伸予定で、新たに3つの駅を設けることが予定されています。この区間の延伸については、2016年に交通政策審議会答申第198号で、進めるべきプロジェクトの一つに位置づけられました。
  大江戸線を延伸するからと区画整理で立ち退いた住民もおり、長年待ちわびている地元の人々からは、いつ工事が始まるのか、いつ開通するのかなどの声が寄せられ、大江戸線延伸の情報が流れるたびに一喜一憂する状況です。
  こうしたもと、東京都は2022年2月に公表した「『未来の東京』戦略 version up 2022」で、関係者と事業化について協議、調整を進める路線として大江戸線光が丘駅から大泉学園町を位置づけました。さらに今年に入って地元練馬区との話し合いも行われているとお聞きしています。
  延伸予定区域の住民の悲願である地下鉄大江戸線の光が丘から大泉学園町区間について、以下、これまでの経過や進捗、今後の開通の見通しについてうかがいます。
 1 昨年度東京都は、地下鉄大江戸線に関する調査をおこなっています。この調査の内容と分析結果についてお答えください。また、今年度も引き続き調査を行うとしていますが、どのような調査ですか。
 2 2022年度調査・分析結果の公表はいつですか。
 3 大江戸線の過去10年間の乗車人員の推移についてお答えください。また、同期間の年間収支についても示してください。
 4 都は2023年3月、副知事をトップとする庁内検討組織を設置したと公表しました。検討会のメンバー、この間の会議の開催状況と議題についてお答えください。
 5 この間地元区である練馬区との話し合いをおこなってきたとお聞きしていますが、開催日時と都区双方の出席理事者についてお答えください。その際の議題と内容をそれぞれお答えください。
  大江戸線導入空間となる都市計画道路補助230号線は、2023年春に練馬区が発行した「大江戸線延伸ニュース」によれば、土支田通りから外環道の約850メートルの用地取得率は93%、同区間の道路整備における事業認可は2028年3月までです。また外環道から大泉学園通りの用地取得率は68%です。
 6 導入空間である補助230号線の事業認可期間について伺います。
   また、大泉学園町方面への大江戸線延伸の工事着手は、補助230号線の整備終了後になりますか。
 7 大江戸線を建設した際には、計画作成や都市計画決定、工事着手にどのくらいの期間を要し、いつ開業したのかお答えください。
 8 今後、都として大江戸線延伸に向けてどのような取り組みをしますか。
 9 地下鉄の新線建設における国や都の財政支援制度を教えてください。

令和5年第三回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 都営地下鉄12号線(大江戸線)の延伸について
  1 昨年度東京都は、地下鉄大江戸線に関する調査をおこなっている。この調査の内容と分析結果について伺う。また、今年度も引き続き調査を行うとしているが、どのような調査か伺う。

回答
  昨年度は、新型コロナウイルス感染症に伴うお客様の行動変容も踏まえながら、将来の旅客需要について調査を行いました。
  今年度は、最新の知見を基に将来の旅客需要や収支採算性について調査を行っています。

質問事項
 一の2 2022年度調査・分析結果の公表はいつか伺う。

回答
  調査結果は、公にすることで当該情報が確定した情報と誤認され、混乱を生じさせる等のおそれがあるため、公表を予定していません。

質問事項
 一の3 大江戸線の過去10年間の乗車人員の推移について伺う。また、同期間の年間収支についても伺う。

回答
  大江戸線の一日平均乗車人員と損益額の過去10年間の推移は、下表のとおりです。

一日平均乗車人員(千人) 損益額(億円)
平成25年度 859 ▲ 81
平成26年度 879 ▲ 49
平成27年度 914 ▲ 13
平成28年度 934   3
平成29年度 956   9
平成30年度 977 10
令和元年度 978 ▲ 10
令和2年度 654 ▲142
令和3年度 677 ▲112
令和4年度 750 ▲ 98

質問事項
 一の4 都は2023年3月、副知事をトップとする庁内検討組織を設置したと公表した。検討会のメンバー、この間の会議の開催状況と議題について伺う。

回答
  「大江戸線延伸にかかる庁内検討プロジェクトチーム」は、副知事をトップとし、交通局、財務局、都市整備局、建設局によって構成されており、令和5年3月の第1回以降、5月、9月に開催し、将来の旅客需要や収支採算性に関する調査・検討を進めています。

質問事項
 一の5 この間地元区である練馬区との話し合いをおこなってきたと聞いているが、開催日時と都区双方の出席理事者、その際の議題と内容をそれぞれ伺う。

回答
  都と練馬区では、大江戸線延伸に関係する職員による打合せを今年度複数回開催しており、「大江戸線延伸にかかる庁内検討プロジェクトチーム」の状況報告や地区計画など区の沿線まちづくりに関する意見交換を行っています。

質問事項
 一の6 導入空間である補助230号線の事業認可期間について伺う。また、大泉学園町方面への大江戸線延伸の工事着手は、補助230号線の整備終了後になるか伺う。

回答
  補助第230号線の事業認可上の事業施行期間は、東京外環道から土支田通りまでのⅠ期区間が令和9年度末までであり、大泉学園通りから東京外環道までのⅡ期区間が令和8年度末までです。
  大江戸線延伸については、現在、将来の旅客需要や収支採算性に関する調査・検討を進めている段階です。

質問事項
 一の7 大江戸線を建設した際には、計画作成や都市計画決定、工事着手にどのくらいの期間を要し、いつ開業したのか伺う。

回答
  大江戸線の練馬駅から光が丘駅間を建設した際には、昭和47年3月の都市交通審議会答申等を受け、新線建設に向けた検討や計画の作成、都市計画手続等を行い、昭和59年8月に都市計画決定され、昭和61年6月に工事着手した後、平成3年12月に開業しました。

質問事項
 一の8 今後、都として大江戸線延伸に向けてどのような取り組みをするか伺う。

回答
  今年度実施する調査で将来の旅客需要や収支採算性を検証し、事業化に当たっての課題を明確にした後、その解決の方向性などについて検討することとしています。

質問事項
 一の9 地下鉄の新線建設における国や都の財政支援制度について伺う。

回答
  地下鉄の新線建設については、国土交通省所管の地下高速鉄道整備事業費補助の対象となっており、建設費から人件費、事務費等の総係費、車両費及び建設利子を除いた額の約26パーセントを限度に国が、約29パーセントを限度に地方公共団体が補助金として交付することとされています。また、総務省の通知では、建設費の20パーセントが地方公共団体の出資に係る繰出しの基準とされています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 尾崎あや子

質問事項
 一 都内公立小中学校教職員の婦人科検診について

一 都内公立小中学校教職員の婦人科検診について
  今年2月末に、女性教職員が34歳の若さで、1歳の赤ちゃんを残して他界されました。29歳で乳がんを発症し、入退院を繰り返しながら教壇に立つために闘病しました。一緒に働いた教職員の方から「婦人科検診があったら、早期発見ができたのではないか。悔やまれる」という報告も届いています。
  多摩地域の小中学校教職員の方から「以前は健康診断の項目の中に婦人科検診があったが廃止された。復活してほしい」の声が寄せられています。
  日本共産党都議団は、「都内小中学校の教職員の婦人科検診の実施状況」について調査を行いました。そこで、いくつか質問します。
 1 都内教職員の病気休職者の状況はどうなっていますか。学校種別(小学校、中学校)ではどうなっていますか。
 2 健康診断の結果、治療が必要となった場合にはどのような支援を行うのですか。
 3 国のがん対策推進基本計画(2023年)では、早期発見・治療のためのがんの検診受診率の目標値を60%と掲げています。職場でのがん検診が、国民の受診機会を提供するうえで大きな役割を担っていると考えますが、都の認識を伺います。
 4 教員不足が大きな課題になっています。採用されている教職員の方の健康を守ることは大変重要な問題になっていると思います。
   日本共産党都議団調査で婦人科検診を実施しているのは、東京全体で41区市町村。不実施は8市町村、廃止は13市でした。詳しく見ると、23区では全ての区で婦人科検診を実施しています。ところが、多摩地域で実施しているのは14市町村、不実施は3市、廃止したのは13市という状況です。
   23区と多摩地域では教職員の婦人科検診実施状況で差が生じていることを、知っていますか。また、都は、この状況をどう受け止めますか。
 5 乳がんは早期発見なら9割が完治すると言われます。また、子宮がんについても早期発見が肝心だと言われています。定期的に受ける検診の中にあるからこそ「早期発見」できるのではないでしょうか。
   国分寺市教職員組合のアンケートには137人が回答し、婦人科検診の再開を希望しているのは97%でした。また、婦人科検診が廃止され、婦人科検診の受診率は半分近く下がったことも明らかになっています。
   都内の教職員が健康で働ける環境をつくるのは、都の責任だと思いますが、いかがですか。
 6 教職員の婦人科検診は、通常の健康診断に加えて事業者(学校設置者)に女性特有の病にも関わらず、働く者の健康管理による一層事業者の責任分担を広げたものです。
   多摩地域で教職員の婦人科検診を廃止した理由に「居住地での検診があるから」「公立学校共済組合の検診が改善されたから」「財政上の問題」などをあげています。
   ある市教育委員会は、各自の居住する自治体の検診や教職員共済を受けるように指導していますが、現場では、検診のため居住地の病院を探し、保育や介護などの家事の日程を調整して予約を取り、学校では授業や時間割の変更をお願いすることになります。検診の間の課題作成や学級活動の引継ぎなどをして、ようやく管理職に「年次休暇」の申請となります。代替がなく、他の先生に迷惑をかけるようなら受診をあきらめてしまうというように、受診の困難さを訴える声が寄せられています。
   公立小中学校の職員は都民や子どもたちにとって、かけがえのない人たちです。健康で働ける環境をつくるため、「婦人科検診」に都の財政支援が必要だと考えますが、いかがですか。
 7 今回の日本共産党都議団調査で、23区の全ての自治体職員の検診に婦人科検診があります。一方、多摩地域の全ての自治体職員には婦人科検診がありません。
   23区と多摩地域の自治体職員の婦人科検診状況に、こんなに差があることを知っていますか。自治体職員の健康を守ることは最優先にすべき課題です。全ての自治体が、職員の「婦人科検診」を実施するため、都として財政補助を行うよう検討すべきです。いかがですか。

令和5年第三回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 都内公立小中学校教職員の婦人科検診について
  1 都内教職員の病気休職者の状況はどうなっているか、学校種別(小学校、中学校)ではどうなっているか伺う。

回答
  都内公立学校教職員の病気休職者数は、直近の調査では、令和3年度、小学校で504人、中学校で190人です。

質問事項
 一の2 健康診断の結果、治療が必要となった場合にはどのような支援を行うのか伺う。

回答
  学校保健安全法第16条では、学校の設置者は、健康診断の結果に基づき、治療を指示し、勤務を軽減する等適切な措置をとらなければならないとされています。

質問事項
 一の3 職場でのがん検診が、国民の受診機会を提供するうえで大きな役割を担っていると考えるが、都の認識を伺う。

回答
  がん検診は、職域も含め受診機会の確保を図ることが、受診率の向上につながると考えられます。

質問事項
 一の4 23区と多摩地域では教職員の婦人科検診実施状況で差が生じていることを知っているか伺う。また、この状況をどう受け止めるか伺う。

回答
  都内公立小中学校教職員の健康診断は、学校保健安全法第15条に基づき、学校の設置者である区市町村教育委員会が実施することとなっており、実施する内容は、それぞれの教育委員会が判断しています。

質問事項
 一の5 乳がんは早期発見なら9割が完治すると言われる。また、子宮がんについても早期発見が肝心だと言われている。都内の教職員が健康で働ける環境をつくるのは、都の責任だが、見解を伺う。

回答
  都内公立小中学校教職員の健康診断は、学校保健安全法第15条に基づき、学校の設置者である区市町村教育委員会が実施しています。
  なお、がん検診は、健康増進法第19条の2に基づき区市町村が実施に努めることとされています。

質問事項
 一の6 多摩地域で教職員の婦人科検診を廃止した理由に「居住地での検診があるから」「公立学校共済組合の検診が改善されたから」「財政上の問題」などをあげている。公立小中学校の職員が健康で働ける環境をつくるため、「婦人科検診」に都の財政支援が必要だが、見解を伺う。

回答
  がん検診は、健康増進法第19条の2に基づき区市町村が実施に努めることとされています。
  市町村によるがん検診については、国による地方交付税措置が行われています。

質問事項
 一の7 全ての自治体が職員の「婦人科検診」を実施するため、都として財政補助を行うよう検討すべきだが、見解を伺う。

回答
  事業主は、労働安全衛生法上、職場における労働者の安全と健康を確保しなければならないとされています。
  自治体職員の健康診断は、同法第66条第1項に基づき、事業主の責務として各自治体が実施することとなっています。職員向けのがん検診については、当該健康診断の項目外となっており、それぞれの自治体の判断により実施しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 あぜ上三和子

質問事項
 一 物流2024問題について
 二 災害時要配慮者対策について

一 物流2024問題について
  トラック運転手不足が起きるとされる2024年問題。原因には、トラック運転手の長時間労働と低い賃金があります。トラックやバスなど運転労働者の労働条件は厚生労働省の「改善基準告示」で定められていますが、来年4月から適用の改正「基準告示」では、トラック運転手の年間拘束時間を最大3,516時間から3,400時間と116時間短縮されることとなります。物流業界は、トラック運転手の長時間労働がまん延していますが、来年4月から拘束時間が短縮されることで運転手不足となり、荷物総量の3割が運べなくなるとする試算もあります。
 1 運転手不足の対策として、現在、政府が政府案を検討していますが、例えば、高速道路でのトラックの速度制限を今の80キロを引き上げる検討なども入っています。しかし、長時間労働の是正というのは、安全性を置き去りにするようなやり方は絶対にやってはならないことです。都の見解を伺います。
  トラック労働者からは「長時間労働で荷待ち時間も長く、身体がもたない」「残業代で何とかなっていたが、身体はきつい。労働時間の短縮は待ったなしだが、大前提が賃金の大幅引き上げだ」という声があがっています。また、中小の運送業者からは、「荷主に運賃改定の交渉などしたら、契約を打ち切られるからとても言えない」「本来、荷下ろしなど別契約でするものだが、弱い立場で運搬費に含まれてしまう場合もある」など燃油高騰で厳しい状況に追い込まれている中小の運輸業者は、賃上げしたくても運賃改定等とても荷主との交渉出来るような状況ではないとの声もあがっています。
  政府は、トラック運転手の標準的賃金水準を残業代なしで3.4%アップしたと(2020年から2022年まで)していますが、もともと低い賃金で、燃料代も上がる中でそれで十分とはとてもいえません。
 2 都としても中央卸売市場や都の公共事業などあらゆる分野に多大な影響が及ぶことから、トラック運転手不足問題は自らの問題として、まずは都内のトラック運転手の労働実態調査を早急に行うべきです。いかがですか。
 3 運輸事業者は都の産業別企業数(東京の産業と雇用就業2022)で見ると、運輸業・郵便業でカウントされており、9,109企業数あり、中小企業比率は98.9%であり、うち76%が小規模企業です。運輸事業者のトラック運転手の産業別特定最賃を確立するよう法整備を国に求めるべきですが、いかがですか。
 4 徳島県や大分県などでは、トラック運送事業者や貨物運送事業者などへの支援を9月補正予算で組むなど支援をおこなっています。中小の運輸事業者が賃金引き上げと安全運行を確保できるよう都として支援制度を創設すべきではありませんか。
 5 また、中小の運輸事業者に対する燃油高騰対策は9月までです。引き続き、実施すべきではありませんか。
 6 国に対し、運送事業の商取引の実態調査を求めるとともに、商取引Gメン(下請けGメン248人)を拡充するよう求めるべきです。また、安全運行を確保できる運賃改定など適正な商取引が行われるよう都として荷主などの事業者に要請するべきだと考えますが、いかがですか。

二 災害時要配慮者対策について
 1 大規模災害のたびに、いわゆる災害弱者に被害が集中してきたことから、一昨年の災害対策基本法改正で、自ら避難することが困難な高齢者や障害者など一人ひとりの個別避難計画の策定が、区市町村の努力義務とされました。都は個別避難計画の重要性をどう認識していますか。
 2 都内区市町村の個別避難計画は、要支援者数に対して、どれくらいの割合で作成されているのですか。
 3 例えば、江東区では、要配慮者の個別計画が完了しているのは国の避難行動要支援者数46,474人のうち支援を希望する要配慮者2万人の半分の1万人です。すべての要配慮者の個別計画を作成するには、障害者施設や高齢者施設など民間に協力していただくことをしなければできないのが現状と伺っています。個別避難計画の都内の作成数を抜本的に引き上げるために、都は広域自治体として、都内区市町村が計画策定にあたり抱えている困難を把握し、それにかみ合った支援を強化することが必要です。都はどう取り組むのですか。
 4 難病患者の方々からは「災害時、避難入院ができる病院を増やしてほしい」との声が寄せられています。災害時における難病患者への対策について、都の取組を伺います。
 5 都内福祉避難所は、1,600カ所(2022年)ですが、国のガイドラインが改訂され、福祉避難所の確保や直接避難が求められています。直接避難するには、登録制にしなければならず、早急に区市町村と協議し、具体化をすすめることが必要です。特別支援学校など福祉避難所設置に積極的に取組むことを求めますが、いかがですか。
 6 備蓄の内容は、障害・病気によっても個人によっても異なります。個々の症状にあったものを預けられる仕組みづくりや個別訓練を行うなど、避難対策の事前対策も重要です。都としてどのような支援をおこなうのですか。

令和5年第三回都議会定例会
あぜ上三和子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 物流2024問題について
  1 長時間労働の是正というのは、安全性を置き去りするようなやり方は絶対にやってはならないことだが、見解を伺う。

回答
  物流の分野の中小企業が、時間外労働の上限規制の導入に対応できるよう、現場での働き方の改革を進めることは必要です。

質問事項
 一の2 トラック運転手不足問題は自らの問題として、まずは都内のトラック運転手の労働実態調査を早急に行うべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、都内中小企業の労働条件等に関する実態調査を実施し、その状況を把握しています。

質問事項
 一の3 運輸事業者は都の産業別企業数(東京の産業と雇用就業2022)で見ると、運輸業・郵便業でカウントされており、9,109企業数あり、中小企業比率は98.9%であり、うち76%が小規模企業である。運輸事業者のトラック運転手の産業別特定最賃を確立するよう法整備を国に求めるべきだが、見解を伺う。

回答
  賃金などの労働条件は、労働者と使用者が対等な立場において、労使間の協議により、自律的に定めることが基本です。

質問事項
 一の4 徳島県や大分県などでは、トラック運送事業者や貨物運送事業者などへの支援を9月補正予算で組むなど支援をおこなっている。中小の運輸事業者が賃金引き上げと安全運行を確保できるよう都として支援制度を創設すべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、労働者の処遇改善に向けた中小企業の様々な取組について、経営や職場づくりの面から支援しています。

質問事項
 一の5 中小の運輸事業者に対する燃油高騰対策は9月までである。引き続き、実施すべきだが、見解を伺う。

回答
  運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業は、国からの電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金を活用して実施しています。

質問事項
 一の6 国に対し、運送事業の商取引の実態調査を求めるとともに、商取引Gメン(下請けGメン248人)を拡充するよう求めるべきである。また、安全運行を確保できる運賃改定など適正な商取引が行われるよう都として荷主などの事業者に要請すべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、中小企業が適正な条件で取引を行うための対応について、既に国に提案しています。また、発注側の会社に巡回し、適正な取引を推進しています。

質問事項
 二 災害時要配慮者対策について
  1 大規模災害のたびに、いわゆる災害弱者に被害が集中してきたことから、一昨年の災害対策基本法改正で、自ら避難することが困難な高齢者や障害者など一人ひとりの個別避難計画の策定が、区市町村の努力義務とされたが、個別避難計画の重要性について、認識を伺う。

回答
  避難行動要支援者の災害時における円滑な避難の実効性を確保するため、令和3年に災害対策基本法が改正され、避難行動要支援者ごとの個別避難計画の作成が、区市町村の努力義務となっています。
  区市町村における計画作成を促進する必要があるため、都は、研修会の実施や包括補助などにより、区市町村の取組を支援しています。

質問事項
 二の2 都内区市町村の個別避難計画は、要支援者数に対して、どれくらいの割合で作成されているのか伺う。

回答
  国は、全国の区市町村における令和5年1月1日現在の個別避難計画の作成状況等について調査を実施し、同年6月に結果を公表しました。
  都内の避難行動要支援者数は563,718人、このうち、計画の策定済件数は56,977件であり、要支援者に対する計画策定済件数の割合は、約1割となっています。
  その後、国は、進捗状況把握のため同年10月1日時点で計画作成に着手している区市町村数についての追加調査を実施し、都内では9割を超える自治体が既に計画の作成に着手しており、都はこうした区市町村の取組を支援しています。

質問事項
 二の3 個別避難計画の都内の作成数を抜本的に引き上げるために、都は広域自治体として、都内区市町村が計画策定にあたり抱えている困難を把握し、それにかみ合った支援を強化することが必要だが、どう取り組むのか伺う。

回答
  都は、個別避難計画作成の取組が進むよう、区市町村の担当者を対象に毎年度実施している研修会で、区市町村の意見も踏まえ、先行して計画作成に取り組んでいる自治体の事例紹介などを行っています。
  また、個別避難計画を効果的・効率的に作成する区市町村を包括補助により支援しています。

質問事項
 二の4 難病患者の方々からは「災害時、避難入院ができる病院を増やしてほしい」との声が寄せられている。災害時における難病患者への対策について、都の取組を伺う。

回答
  難病患者は、国が策定した災害時の避難行動支援に関する指針において、避難行動要支援者として例示されており、区市町村は、患者個々の状況により、必要に応じて個別避難計画を作成し、支援することとされています。
  また、難病患者を含む在宅での人工呼吸器使用者は、発災時に自ら避難することが困難なため、関係機関や患者・家族が適切に行動できるよう、都は東京都在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針により、区市町村の取組を支援しています。

質問事項
 二の5 都内福祉避難所は、1,600カ所(2022年)だが、国のガイドラインが改訂され、福祉避難所の確保や直接避難が求められている。直接避難するには、登録制にしなければならず、早急に区市町村と協議し、具体化をすすめることが必要であり、特別支援学校など福祉避難所設置に積極的に取組むべきだが、見解を伺う。

回答
  災害対策基本法及び同法施行令等に基づき、区市町村は、あらかじめ高齢者、障害者など受入対象者を特定した福祉避難所を指定し、都道府県知事に通知するとともに公示することとされています。
  都は、「東京都避難所管理運営の指針」を作成し、要介護度の高い方や難病患者の方など、避難生活に配慮が必要な方の状況に応じた区市町村の避難所運営を支援するとともに、国の「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」を区市町村に周知しています。

質問事項
 二の6 備蓄の内容は、障害・病気によっても個人によっても異なる。個々の症状にあったものを預けられる仕組みづくりや個別訓練を行うなど、避難対策の事前対策も重要だが、どのような支援を行うのか伺う。

回答
  都は、「東京都避難所管理運営の指針」において、内部障害のある方や難病患者の方など、避難所利用者の特性に応じて必要な物資などの配慮事項を記載しており、災害発生時に区市町村が避難所を円滑に運営できるよう、支援しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中村ひろし

質問事項
 一 まちづくりについて
 二 猛暑対策について
 三 教育について
 四 多摩格差の是正について
 五 福祉について

一 まちづくりについて
 1 三鷹市下連雀付近において都が事業を実施している都市計画道路三鷹3・4・7号線(連雀通り)については、地域から早期の整備が望まれていますが、現在まで完成を見ていません。早期の完成を求めるものですが、現在の進捗状況と今後の見通しを伺います。
 2 三鷹3・4・7号線(連雀通り)の整備事業について、事業認可上の事業施行期間が延伸される場合、連雀通りまちづくり協議会等の地元に丁寧に説明する必要があります。見解を伺います。
 3 三鷹3・4・7号線(連雀通り)に限らず、都市計画道路の整備について、事業認可上の事業施行期間が延伸される場合が散見されます。地域住民等への説明は当然ですが、多くの方の期待や影響もあることからホームページなどで計画の見通しと、延期した場合はその内容を広報する必要がありますが、見解を伺います。
 4 三鷹市内の都道連雀通りについては、現在、おおむね三鷹通りと吉祥寺通りの間の下連雀の区間で事業化されています。また、それに続く西側の上連雀の区間については第四次事業化計画の優先整備路線に位置付けられていますが、事業化がされていません。このうち都道調布・保谷線との交差点については、連雀通りを東から走行した際に右折が禁止されています。調布・保谷線の整備前は狭い小道で一方通行だったので右折が禁止でしたが、同路線が整備されたことにより、右折のニーズも高まっています。そこで、局所的な交差点の改良を含め、早期の事業化を求めますが見解を伺います。
5 三鷹市内の都道連雀通りについては、現在事業中の下連雀の区間及び第四次事業化計画の優先整備路線に位置付けられた上連雀の区間を除いた井口地域では、都市計画決定されながら具体的な整備計画が策定されていません。このため、地域からは、安全な歩行空間の確保のためにも早期の拡幅整備を求める声が出されています。早期整備を求めますが見解を伺います。

二 猛暑対策について
  今年の6月から8月までの3か月間は観測史上最も暑い夏となりました。都の公共事業に携わる各業界においては、猛暑から労働者の安全を守るべく、熱中症対策として、定期的かつ複数回の休憩時間の確保や状況に応じた工事の休止を行う必要があったと聞きます。また、建設業界の2024年問題もあり、週休2日制をはじめとする働き方改革の推進に向けた取組が業界に求められています。
  猛暑対策や働き方改革を踏まえ、労働災害を起こさない公共事業としていくべきと考えますが、見解を伺います。

三 教育について
 1 都教育委員会は全国の公立高校で唯一残っていた男女別定員制について、2024年度から全廃することを決めました。男女で合格ラインに差が出るのは不公平との声もあり、改善したものです。一方、東京都は都立の中高一貫教育校を設置していますが、男女別の定員制になっています。中高一貫教育校についての男女別の合格者数と男女別の合格ラインについて伺います。
 2 都立中高一貫教育校についても、都立高校と同様に男女別定員制を廃止すべきですが、見解を伺います。

四 多摩格差の是正について
 1 今年は多摩地域の東京府への移管130周年になります。しかし、依然として23区と多摩地域とはさまざまな面で格差があると思われます。小池知事は選挙公約で「多摩格差ゼロ」を掲げて当選しました。都は「三多摩格差」をどのように認識し、「多摩格差ゼロ」の達成はどのような状況を意味するのか、見解を伺います。
 2 市町村総合交付金は毎年増加していることは評価しますが、増額幅は横ばいになりつつあります。一方では、政策連携枠が設置されましたが、「ひもつき補助金」との批判もあります。政策連携枠は別の政策目的の補助金とし、その分については市町村が自由に使える市町村総合交付金に上乗せすべきと考えますが見解を伺います。
 3 子どもの医療費の無料化、小中学校の校舎へのエアコンの設置、そして、最近では学校給食の無償化など、明らかに23区と市町村とでは実施について差があり、実施の状況について、自治とか住民の選択とかの域を超えています。市区町村の政策について都としても調査を行い、明らかに格差がある事業に市町村から支援の要請がある場合は都としての支援を検討することが必要ですが、見解を伺います。
 4 昨年来、高校生の医療費の無料化、低所得者へのお米券の配布、018サポートなど、本来、都と市区町村が連携して取り組むべき事業が、情報提供や調整もなく知事が発表することで、市区町村長から不満の声が出されています。スピードも必要ですが、連携して行うべき市区町村との調整がうまくいかないのは、好ましい状況とは言えません。今後、市区町村に関わる事業については原則として事前の調整をすべきと考えますが、見解を伺います。

五 福祉について
 1 失語症の情報保障は十分ではありません。自身の生活に必要な手続きを理解するにも支援が必要ですが、今は対人の意思疎通支援者の派遣事業程度しかありません。さらに充実させていくためには都単独でも対応すべきと考えますが、見解を伺います。
 2 ひとり暮らしの高齢者、高齢者だけの夫婦が増えています。また、夫婦であってもいずれかが先に亡くなるとひとり暮らしの高齢者になります。都として孤独孤立対策がますます重要になります。都として孤独孤立対策を行う必要がありますが、見解を伺います。
 3 孤独孤立対策の充実に加えて、いかに人生の終末を迎えるかについても行政が関わらざるを得ない時代を迎えようとしています。介護については介護保険制度がありますが、最後を迎えるにあたっての入院、見取り、死後の財産整理など身寄りがいなければ行政が関わらざるを得ないことになります。身寄りがない方だけではなく、身寄りがあっても疎遠な場合なども多く、行政としての対応が必要になります。都として、ひとり暮らしの高齢者の終末を迎えるにあたり対策を考える必要がありますが見解を伺います。

令和5年第三回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 まちづくりについて
  1 三鷹市下連雀付近において都が事業を実施している都市計画道路三鷹3・4・7号線(連雀通り)については、地域から早期の整備が望まれているが、現在まで完成を見ていない。早期の完成を求めるが、現在の進捗状況と今後の見通しを伺う。

回答
  三鷹3・4・7号線は、三鷹市井の頭1丁目から同市井口4丁目に至る約5.4キロメートルの地域幹線道路であり、三鷹市を東西に結ぶ重要な路線です。
  現在、吉祥寺通り付近から三鷹通り付近までの約780メートルの区間で事業中であり、これまでに、89パーセントの用地を取得し、狐久保交差点付近において、電線共同溝設置工事等を実施してきました。今年度から、下連雀四丁目など連担して用地が取得できた区間において、排水管設置工事を予定しています。
  本事業の都市計画事業認可上の事業施行期間は令和5年度末までですが、残る工事等を考慮すると期間内に完了することは困難な状況です。今後、事業に必要となる期間を精査の上、国など関係機関と調整を図り、見直しを行っていきます。
  引き続き、早期の完成に向けて、地元の理解と協力を得ながら、残る用地の取得に努めるとともに、順次工事を進めていきます。

質問事項
 一の2 三鷹3・4・7号線(連雀通り)の整備事業について、事業認可上の事業施行期間が延伸される場合、連雀通りまちづくり協議会等の地元に丁寧に説明する必要があるが、見解を伺う。

回答
  三鷹3・4・7号線の整備にあたっては、平成26年から継続して連雀通りまちづくり協議会に出席し、事業報告や道路整備に関する意見交換を行っています。
  また、まちづくり協議会が開催する、地元住民向けのまちづくり情報コーナーにおいて、道路整備の進捗状況を掲示するなど、事業に関する広報に努めています。
  引き続き、地域住民等に対して丁寧な説明を行いつつ、着実に事業を推進していきます。

質問事項
 一の3 三鷹3・4・7号線(連雀通り)に限らず、都市計画道路の整備について、事業認可上の事業施行期間が延伸される場合が散見される。地域住民への説明は当然だが、ホームページなどで計画の見通しと、延期した場合はその内容を広報する必要があるが、見解を伺う。

回答
  都市計画道路の整備において、既定の事業期間内に完了しない場合には、内容を精査した上で延伸し、事業施行期間、事業規模及び事業費等の情報をホームページで公表しています。また、区市町の窓口では、都市計画法の規定に基づき、事業施行期間等を縦覧に供しています。

質問事項
 一の4 三鷹市内の都道連雀通りについて、上連雀の区間については第四次事業化計画の優先整備路線に位置付けられているが、事業化がされていない。このうち都道調布・保谷線との交差点について、連雀通りを東から走行した際に右折が禁止されているが、同路線が整備されたことにより、右折のニーズも高まっている。そこで、局所的な交差点の改良を含め、早期の事業化を求めるが、見解を伺う。

回答
  三鷹3・4・7号線の三鷹3・4・17号線付近から三鷹3・4・18号線付近までの区間は、現道を拡幅することで、自動車交通の円滑化による渋滞緩和や歩行者空間の確保に寄与することが期待されます。
  今後、周辺の道路の整備状況を踏まえ、事業化の時期を検討するとともに、関係機関等との協議を進めていきます。

質問事項
 一の5 三鷹市内の都道連雀通りについて、現在事業中の下連雀の区間及び第四次事業化計画の優先整備路線に位置付けられた上連雀の区間を除いた井口地域では、都市計画決定されながら具体的な整備計画が策定されていない。このため、地域からは、安全な歩行空間の確保のためにも早期の拡幅整備を求める声があるが、見解を伺う。

回答
  都は、おおむね10年ごとに、都市計画道路の事業化計画を策定し、優先的に整備すべき路線を定め、計画的・効率的な道路整備に取り組んでいます。
  三鷹3・4・7号三鷹国分寺線のお尋ねの区間は、平成28年3月に策定した第四次事業化計画において優先整備路線に位置付けられていないため、現在、事業化の予定はありません。
  優先整備路線以外の都市計画道路の事業化については、今後の社会経済情勢の変化や、周辺の都市計画道路の整備状況を勘案しながら、適切に対応していきます。

質問事項
 二 猛暑対策について
   猛暑対策や働き方改革を踏まえ、労働災害を起こさない公共事業としていくべきだが、見解を伺う。

回答
  都の発注工事では、毎年受注者に対し、計画的な熱中症の予防対策等の徹底を求めるとともに、工期への影響が見込まれる場合は工期延伸の協議が可能である旨を周知しています。
  また、予防対策費用については、当初工事費への計上に加え、追加対策及び工期延伸に伴う経費についても、設計変更により対応しています。
  引き続き、工事の発注に当たっては適切に工期を設定するとともに、熱中症対策の取組を推進し、受注者の理解が進むよう制度の周知に努めていきます。

質問事項
 三 教育について
  1 都教育委員会は国の公立高校で唯一残っていた男女別定員制について、2024年度から全廃することを決めた。一方、都は都立の中高一貫教育校を設置しているが、男女別の定員制になっている。中高一貫教育校についての男女別の合格者数と男女別の合格ラインについて伺う。

回答
  都立中高一貫教育校10校の令和5年度入学者決定(一般枠募集)における男女別の合格者数は、都立白鴎高等学校附属中学校が男女各83名、都立立川国際中等教育学校が男女各65名、その外の8校が男女各80名となっています。
  また、男女別の合格最低点については、公表していません。

質問事項
 三の2 都立中高一貫教育校についても、都立高校と同様に男女別定員制を廃止すべきだが、見解を伺う。

回答
  都立中高一貫教育校については、令和7年度入学者決定から男女合同定員制に移行する予定です。

質問事項
 四 多摩格差の是正について
  1 都は「三多摩格差」をどのように認識し、「多摩格差ゼロ」の達成はどのような状況を意味するのか、見解を伺う。

回答
  従来からのいわゆる多摩格差については、これまで、都と市町村が連携し、解決に努めた結果、かなりの部分で解消していると認識しています。
  一方で、多摩地域は、人口減少・少子高齢化への対応、道路・交通インフラの整備、防災対策、産業振興など、地域それぞれの課題を依然として抱えているため、こうした課題に一つ一つ丁寧に対応していくことが重要であると考えています。

質問事項
 四の2 市町村総合交付金は毎年増加しているが、増額幅は横ばいになりつつある。一方では、政策連携枠が設置されたが、「ひもつき補助金」との批判もある。政策連携枠は別の政策目的の補助金とし、その分については市町村が自由に使える市町村総合交付金に上乗せすべきだが、見解を伺う。

回答
  市町村総合交付金は、政策連携枠も含め、市町村が行う各種施策に要する一般財源の不足を補完するものであり、制度創設以降、その充実に努めてきました。
  令和5年度予算では、総額で過去最高となる592億円を確保しており、今後も市町村総合交付金を有効に活用していただけるよう、市町村の意見も踏まえて適切な支援に努めていきます。

質問事項
 四の3 子どもの医療費の無料化、小中学校の校舎へのエアコンの設置、そして、最近では学校給食の無償化など、明らかに23区と市町村とでは実施について差がある。市区町村の政策について都としても調査を行い、明らかに格差がある事業に市町村から支援の要請がある場合は都としての支援を検討すべきだが、見解を伺う。

回答
  行政サービスについては、自治体を取り巻く社会経済環境や地理的状況など、様々な状況を踏まえ、それぞれの自治体において判断し、提供していくものであると認識しています。

質問事項
 四の4 今後、市区町村に関わる事業については原則として事前の調整をすべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、市区町村との連絡会議など様々な機会を通じ、日頃から市区町村と意見交換し、連携しながら支援策に取り組んでいます。今後も適切に対応していきます。

質問事項
 五 福祉について
  1 失語症の情報保障は十分ではない。自身の生活に必要な手続きを理解するにも支援が必要だが、今は対人の意思疎通支援者の派遣事業程度しかない。さらに充実させていくためには都単独でも対応すべきだが、見解を伺う。

回答
  障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業において、区市町村は失語症者向け意思疎通支援者の派遣事業を、都は意思疎通支援者の養成事業を行っています。
  都はこれに加え、会話支援等を行うサロンを試行的に設置し、そのノウハウを区市町村とも共有することで、区市町村における失語症者向けの意思疎通支援の取組を促しています。

質問事項
 五の2 ひとり暮らしの高齢者、高齢者だけの夫婦が増えている。また、夫婦であってもいずれかが先に亡くなるとひとり暮らしの高齢者になる。都として孤独孤立対策を行う必要があるが、見解を伺う。

回答
  区市町村では、地域の高齢者の状況を把握し、相談や支援につなげるため、地域包括支援センターを拠点とする見守り体制を構築しています。
  都は、区市町村や地域住民向けに見守り活動のポイントを整理したガイドブックを作成するとともに、同センターと連携して独居高齢者への訪問などを行う高齢者見守り相談窓口の設置や、見守りサポーターの養成、自治会等による見守り活動に取り組む区市町村を包括補助で支援しています。

質問事項
 五の3 都として、ひとり暮らしの高齢者の終末を迎えるにあたり対策を考えるべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、医療と介護を必要とする高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、切れ目のない在宅医療・介護の提供体制の構築を推進するとともに、自らが望む医療やケアについて、家族や医療・介護関係者等とあらかじめ話し合い、共有する取組を進めています。
  また、認知症高齢者など判断能力が十分でない方も安心して福祉サービスを利用できるよう、権利擁護相談や、成年後見制度の利用促進を行う区市町村を包括補助で支援しています。

令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 和泉なおみ

質問事項
 一 水元公園の菖蒲田管理について

一 水元公園の菖蒲田管理について
  都立水元公園は、小合溜に沿った96万平方メートルを超える広大な敷地に、メタセコイアの森や中央広場、バードサンクチュアリなどとともに、バーベキュー広場、キャンプ広場やドッグランなどが配され、自然豊かな環境と都市型公園の特徴を併せ持つ、都内唯一の水郷景観を持つ都立公園です。
  その中にある約9,000平米のしょうぶ園では、6月初旬から7月にかけて100種類、20万本におよぶハナショウブが咲き誇り、訪れる人々を楽しませています。
  葛飾区が毎年行ってきた、「葛飾菖蒲まつり」は堀切菖蒲園と水元公園しょうぶ園であわせて同時開催し、ハナショウブの見事さを競いながら、さまざまなイベントを行って多くの来場者を呼んできました。
  地域周辺の住民が、この菖蒲まつりを一年かけて準備し並々ならぬ努力で成功させてきたのは、江戸の時代からつづく堀切菖蒲園に多くの人々が訪れ景勝地となってきた歴史的背景に加え、区の花でもあるハナショウブをこよなく愛してきたからにほかなりません。
  しかし、堀切菖蒲園をしのぐ見事さを誇った水元公園のハナショウブが、近年、生育状況が極めて悪く、地域の人々にとって大変心配な状況が続いています。
  そもそも、ハナショウブは水の温度によって疫病にかかりやすかったり、株分けのタイミングの見極めなど、その育成には高い専門性が求められます。
  水元公園も、堀切菖蒲園も、関係者はボランティア講演会や専門家を招いての勉強会に参加したり、実際に専門家に見てもらい、アドバイスをもらったりして努力しています。
  私は、実際に管理にあたっている造園事業者と葛飾区に直接話を聞きましたが、水元公園のしょうぶ園の大きな課題は、近年の温暖化により水温が上がりすぎること、堀切菖蒲園が3年で株分けを行うのに対して、水元公園は5年から6年での株分けになっていることだと、話していました。
  このような状況の下で、都は今年度、水元公園のしょうぶ園に関して調査を行っていると聞いています。
  そこで伺います。
 1 現在行っている調査の目的と、具体的な調査内容を伺います。
 2 この調査の結果を受け、「以前のようにみごとなハナショウブ」を、多くの人に楽しんでもらいたいと切望する地域の住民の願いに、こたえる取り組みが求められていますが、都の見解を伺います。
 3 地元の事業者からは、「適度な水温を保つために井戸を掘らせてほしい」との要望が出されています。都は水温の課題にどう対応するのですか。
 4 株分けのタイミングをもっと早めるべきですが、いかがですか。

令和5年第三回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 水元公園の菖蒲田管理について
  1 現在行っている調査の目的と、具体的な内容について伺います。

回答
  ハナショウブのある魅力ある水辺空間を保全するため、生育の改善に向けて、土壌や水質等の菖蒲田の現況調査を行っています。

質問事項
 一の2 この調査の結果を受け、「以前のようにみごとなハナショウブ」を、多くの人に楽しんでもらいたいと切望する地域の住民の願いに、こたえる取組が求められていますが、都の見解を伺う。

回答
  ハナショウブの生育の改善に向けて、調査を踏まえ、菖蒲田改修の基本設計を進めていきます。

質問事項
 一の3 地元の事業者からは、「適度な水温を保つために井戸を掘らせてほしい」との要望が出されています。都は水温の課題にどう対応するのですか。

回答
  ハナショウブの生育の改善に向けて、調査を踏まえ、必要に応じて対策を検討していきます。

質問事項
 一の4 株分けのタイミングをもっと早めるべきですが、いかがですか。

回答
  ハナショウブの生育状況等を踏まえながら、適切に株分けを行っています。

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