令和五年東京都議会会議録第十一号

令和五年九月十九日(火曜日)
 出席議員 百十七名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
三番石島 秀起君
四番吉住はるお君
五番松田りゅうすけ君
六番上田 令子君
七番漢人あきこ君
八番岩永やす代君
十二番もり  愛君
十三番桐山ひとみ君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番土屋 みわ君
二十一番平田みつよし君
二十二番星  大輔君
二十三番磯山  亮君
二十六番平けいしょう君
二十七番森口つかさ君
二十八番龍円あいり君
二十九番田の上いくこ君
三十番米川大二郎君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十一番浜中のりかた君
四十二番本橋たくみ君
四十三番渋谷のぶゆき君
四十四番伊藤しょうこう君
四十五番松田 康将君
四十七番保坂まさひろ君
四十八番清水やすこ君
四十九番入江のぶこ君
五十番あかねがくぼかよ子君
五十一番関野たかなり君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十八番原田あきら君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番柴崎 幹男君
六十五番早坂 義弘君
六十六番山加 朱美君
六十七番鈴木  純君
六十八番こいそ 明君
七十番白戸 太朗君
七十一番おじま紘平君
七十二番成清梨沙子君
七十三番山田ひろし君
七十四番福島りえこ君
七十五番藤井あきら君
七十六番風間ゆたか君
七十七番竹井ようこ君
七十八番阿部祐美子君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番三宅 正彦君
八十八番小宮あんり君
八十九番林あきひろ君
九十番田村 利光君
九十一番小松 大祐君
九十二番鈴木 章浩君
九十三番菅原 直志君
九十四番内山 真吾君
九十五番石川 良一君
九十六番伊藤 ゆう君
九十七番森村 隆行君
九十八番本橋ひろたか君
百番宮瀬 英治君
百一番藤井とものり君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百五番あぜ上三和子君
百六番高倉 良生君
百七番まつば多美子君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番ほっち易隆君
百十二番川松真一朗君
百十三番菅野 弘一君
百十四番三宅しげき君
百十六番尾崎 大介君
百十七番村松 一希君
百十八番後藤 なみ君
百十九番たきぐち学君
百二十番小山くにひこ君
百二十一番増子ひろき君
百二十二番山口  拓君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 一名
百十五番  高島なおき君
 欠員
    九番    十番    十一番
    二十四番  二十五番  四十番
    四十六番  六十九番  九十九番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事中村 倫治君
副知事宮坂  学君
教育長浜 佳葉子君
東京都技監建設局長兼務中島 高志君
政策企画局長古谷ひろみ君
総務局長野間 達也君
財務局長山下  聡君
警視総監小島 裕史君
子供政策連携室長田中 慎一君
スタートアップ・国際金融都市戦略室長吉村 恵一君
デジタルサービス局長山田 忠輝君
主税局長児玉英一郎君
生活文化スポーツ局長横山 英樹君
生活文化スポーツ局生活安全担当局長竹迫 宜哉君
都市整備局長谷崎 馨一君
環境局長栗岡 祥一君
産業労働局長坂本 雅彦君
消防総監吉田 義実君
福祉局長佐藤 智秀君
保健医療局長雲田 孝司君
港湾局長松川 桂子君
会計管理局長須藤  栄君
交通局長久我 英男君
水道局長西山 智之君
下水道局長佐々木 健君
住宅政策本部長山口  真君
中央卸売市場長早川 剛生君
選挙管理委員会事務局長副島  建君
人事委員会事務局長初宿 和夫君
監査事務局長小沼 博靖君
労働委員会事務局長根本 浩志君
収用委員会事務局長杉崎智恵子君

九月十九日議事日程第一号
第一 第百六十四号議案
  災害派遣手当等の支給に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百六十五号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百六十六号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百六十七号議案
  行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づく個人番号の利用並びに特定個人情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百六十八号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第六 第百六十九号議案
  東京都保健医療局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七 第百七十号議案
  興行場の構造設備及び衛生措置の基準等に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百七十一号議案
  旅館業法施行条例の一部を改正する条例
第九 第百七十二号議案
  プール等取締条例の一部を改正する条例
第十 第百七十三号議案
  東京都ふぐの取扱い規制条例の一部を改正する条例
第十一 第百七十四号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百七十五号議案
  火災予防条例の一部を改正する条例
第十三 第百七十六号議案
  都営住宅五CH―一〇一東(台東区小島一丁目・台東区施設)工事請負契約
第十四 第百七十七号議案
  都営住宅五H―一一九東(北区桐ケ丘二丁目GN十二街区)工事請負契約
第十五 第百七十八号議案
  都営住宅五M―一〇一西(世田谷区新町一丁目)工事請負契約
第十六 第百七十九号議案
  大田合同庁舎(仮称)(五)改築工事その二請負契約
第十七 第百八十号議案
  東京国際展示場(五)会議棟及び西展示棟改修給水衛生設備工事その二請負契約
第十八 第百八十一号議案
  新海面処分場(五)Dブロック東側護岸建設工事請負契約
第十九 第百八十二号議案
  新海面処分場(五)Dブロック南側護岸建設工事請負契約
第二十 第百八十三号議案
  神田川整備工事(その四十三)その二請負契約
第二十一 第百八十四号議案
  備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の買入れについて
第二十二 第百八十五号議案
  備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
第二十三 第百八十六号議案
  集中的検査に用いる新型コロナウイルス抗原定性検査キットの買入れ(単価契約)について
第二十四 第百八十七号議案
  土地の買入れについて
第二十五 第百八十八号議案
  特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十六 第百八十九号議案
  特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その二)について
第二十七 第百九十号議案
  特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その三)について
第二十八 第百九十一号議案
  特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十九 第百九十二号議案
  特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れ(その二)について
第三十 第百九十三号議案
  特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れ(その一)について
第三十一 第百九十四号議案
  特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れ(その二)について
第三十二 第百九十五号議案
  特種用途自動車(化学車)の買入れについて
第三十三 第百九十六号議案
  都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都デートクラブ営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
第三十五 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した特定異性接客営業等の規制に関する条例の一部を改正する条例の報告及び承認について
議事日程第一号追加の一
第一 東京都副知事の選任の同意について(五財主議第二七四号)
第二 東京都名誉都民の選定の同意について(五財主議第二七一号)
第三 東京都名誉都民の選定の同意について(五財主議第二七二号)
第四 東京都名誉都民の選定の同意について(五財主議第二七三号)

   午後一時開会・開議

○議長(三宅しげき君) ただいまから令和五年第三回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(三宅しげき君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

○議長(三宅しげき君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十二番  もり  愛さん 及び
   六十七番 鈴木  純君
を指名いたします。

○議長(三宅しげき君) 謹んで申し上げます。
 先般の本会議におきましてご逝去の報告をいたしました府中市選出鈴木錦治議員の葬儀に際しましては、議会を代表して議長より深甚なる弔意を表しておきました。
 ここで、故鈴木錦治君に弔意を表するため、小山くにひこ君より発言の申出がありますので、これを許します。
 百二十番小山くにひこ君。
   〔百二十番小山くにひこ君登壇〕

○百二十番(小山くにひこ君) 追悼の辞。
 ただいま議長からご報告のありましたとおり、府中市選出鈴木錦治議員におかれましては、去る六月十八日、ご家族の懸命な看護と切なる願いもむなしく、ご逝去されました。
 享年六十七歳、政治家として円熟し、これからもより一層の活躍を望まれていただけに、惜しみても余りあるご生涯であり、誠に痛惜の念に堪えません。
 ここに私は、皆様のご同意によりまして、東京都議会を代表し、謹んで鈴木錦治議員への哀惜の言葉を述べさせていただきます。
 本日、本議場には、在りし日の鈴木議員の姿、とりわけあの豪快な、そして温かみのある笑顔が見られず、議員一同、惜別の情を禁じ得ません。
 顧みますと、鈴木議員は、府中市で生まれ育ち、おじい様は旧多磨村の村議会議員、お父様は府中市議会議員という環境の下で、幼い頃から地域の貢献に力を尽くすことが当然と感じられていたのでしょう。大学卒業後は、家業である農業に従事しながら、モータースポーツの世界に飛び込まれ、トップドライバーとして活躍される傍ら、地元の消防団や青年会議所などで地域活動に精力的に取り組まれました。
 平成十一年四月、お父様、鈴木一治先生の引退に伴い、地元の方々の強い支持を受け、府中市議会議員に初当選されました。以降、市議会議員として、十四年余にわたり、青少年の育成や農業の振興、防災対策など、市政の着実な推進に尽力されてきました。平成十九年五月には府中市議会議長に選出され、各会派や関係機関との調整に奔走され、市議会の円滑な運営に大きく貢献されました。
 鈴木議員は、こうした実績と市議会議員として培われた豊富な経験を背景に、平成二十五年六月に、市民の方々の強い期待と大きな応援を受け、東京都議会議員に当選されました。都議会においては、財政委員会委員長、都市整備委員会副委員長等に就かれ、持ち前の面倒見のよさと誠実さから会派を超えた信頼を得て、数多くの課題に積極果敢に取り組まれていました。
 また、東京都議会自由民主党においては、当選直後から副幹事長や政務調査会副会長など要職を歴任されるなど、そのご活躍は皆様ご存じのとおりであります。
 鈴木議員は、政治は未来のためにあるとし、未来に誇れる東京へをスローガンに、まちづくりや教育の推進、そして都市農業の振興に尽力されてきました。病気の治療のため右足を失い義足になられた際も、障害を持って初めて気づくことも多くあると、バリアフリーの実現に注力されていました。
 病魔と闘いながらも、本日議場にお越しいただいている愛するご家族、とりわけ奥様の支えの下、不屈の精神で、まさに命を燃やすように都議会議員として精いっぱい活動されている姿に、私たちはいつも感銘を受けておりました。
 今思い出しますのは、十五年以上前になりますが、鈴木議員と私が府中市議会議員当時、議会閉会後、府中市役所から二人で自転車をこいで、多磨霊園駅近くの懇意の焼き鳥屋さんに連れていっていただき、ふるさと府中の話を笑顔でお話しされていたときのお姿です。あのときの笑顔を今でも忘れることができません。
 鈴木議員のような豊富な経験と熱い思いを併せ持った議員を失ったことは、都議会にとって、そして地元府中市にとって大きな損失です。
 しかし、私たちは前を向かなければなりません。鈴木議員の死を悼むだけでなく、そのご遺徳にお応えするべく、未来に誇れる東京を目指し、都政の発展に一層邁進していくことをお誓いしたいと思います。
 鈴木議員、どうか安らかにお眠りください。
 結びに、鈴木議員のご冥福を心からお祈りするとともに、ご遺族の皆様がこの悲しみを乗り越えて力強く歩んでいかれますようお願いを申し上げ、追悼の言葉とさせていただきます。
  令和五年九月十九日
     東京都議会議員 小山くにひこ

○議長(三宅しげき君) 以上をもって小山くにひこ君の発言は終わりました。

○議長(三宅しげき君) 謹んでご報告申し上げます。
 名誉都民福原義春氏は、去る八月三十日、逝去されました。誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。

○議長(三宅しげき君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(古賀元浩君) 令和五年九月十二日付東京都告示第九百九十七号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案三十三件の送付並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく専決処分二件の報告及び承認についての依頼がありました。
 次に、令和五年第二回定例会の会議において同意を得た公安委員会委員及び人事委員会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、東京都議会説明員の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。
 次に、東京都が東京信用保証協会に対し交付する補助金に係る回収納付金を受け取る権利の放棄について報告がありました。
 次に、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定により、健全化判断比率及び資金不足比率について、それぞれ報告がありました。
 次に、東京都債権管理条例に基づく私債権放棄について報告がありました。
 次に、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、教育委員会教育長より、令和五年度東京都教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価、令和四年度分について報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、令和五年定例監査、令和四年度執行分の結果について報告がありました。
 次に、住民監査請求について、地方自治法第二百四十二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)

○議長(三宅しげき君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第二回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一一ページ)に掲載〕

○議長(三宅しげき君) 次に、閉会中の議員の退職について申し上げます。
 去る八月二十七日、立川市選出酒井大史君及び清水孝治君は、公職選挙法第九十条の規定により、それぞれ退職となりました。

○議長(三宅しげき君) 次に、先般の組織改正に伴い異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。
 福祉局長佐藤智秀君、保健医療局長雲田孝司君。
   〔理事者挨拶〕

○議長(三宅しげき君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○議長(三宅しげき君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 去る八月二十八日付をもって、三宅正彦君より、財政委員から文教委員へ常任委員の所属変更の申出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書の規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。

○議長(三宅しげき君) 次に、閉会中の議会運営委員、新型コロナウイルス感染症対策特別委員並びにオリンピック・パラリンピック特別委員の辞任及び選任について申し上げます。
 お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書の規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、お手元配布の名簿のとおり指名いたしました。
   〔議会運営委員、新型コロナウイルス感染症対策特別委員、オリンピック・パラリンピック特別委員辞任・選任名簿は本号末尾(一八四ページ)に掲載〕

○議長(三宅しげき君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都副知事の選任の同意について外人事案件三件が提出されました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(三宅しげき君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十月五日までの十七日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十七日間と決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) この際、知事より発言の申出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和五年第三回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を述べさせていただきます。
 去る六月十八日、鈴木錦治議員が逝去されました。また、八月三十日、名誉都民である福原義春さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 さて、世界の様相は刻々と変化し、そのスピードは増すばかりであります。総合的な安全保障が問われております。高まる地政学的リスクやエネルギー、資源をめぐる競争の激化、それによる物価の高騰。東京もまた、複雑に絡み合うグローバルな動きのただ中にいます。異次元に突入したかのような気候変動や、ますます加速する我が国の少子化。こうした厳しい現実に向き合うとき、かつて東京市長を務め、その後、帝都復興院総裁として関東大震災という未曽有の危機を東京発展の転機とした後藤新平の炯眼を改めて思い出します。今こそ、都民一人一人の幸せ、子や孫の幸せを願い、再び百年の計で東京がなすべきことを考え、ゲームチェンジを起こさなければなりません。
 日本、そして東京を飲み込む大きな変化の渦に翻弄されることなく、広い視野と前例にとらわれない新たな発想で未来への種をまき、花開かせてまいります。
 安全・安心がしっかりと担保されてこそ、困難を乗り越え、大きな飛躍を遂げることができます。備えよ常にを合い言葉に、百年先をも見据えた都市の強靱化を推し進めます。
 まずは風水害対策です。六月の台風二号による豪雨では、都内の調節池に二十五メートルプール約三千杯もの雨水を取り込み、被害の軽減に大きな威力を発揮しました。将来の気候変動も考慮いたしますれば、現在の一・一倍の雨量に対応できるよう、さらなる対策の強化は待ったなしです。
 先般、今後の河川施設の在り方につきまして、中間のまとめを公表いたしました。地下河川化、いわば地下にもう一本の川をつくるという壮大な発想など、多角的な視野で取組をレベルアップいたします。
 また、豪雨対策全般の基本方針の検討を加速いたします。河川等の整備だけではなく、高台まちづくりの推進やグリーンインフラの導入促進なども新たに盛り込み、年内に策定いたします。
 東部低地帯の五区のうち特に被害が想定される地域では、命を守る適切な行動を促すため、全国で初めて世帯ごとに水害リスクを記載した診断書を配布しております。公助のみならず、自助、共助が重要な役割を果たすことは、関東大震災での経験が証明しています。震災百年を機に、有識者による基調講演やVRを駆使したリアルな水害体験など、防災意識を高めるイベントを集中的に展開いたしました。リニューアルした「東京くらし防災」と「東京防災」もよりどころにして、自分や大切な方を守るための知識と行動をしっかりと身につけていただきたいと思います。
 また、東村山市と合同で総合防災訓練を実施し、行政の災害対応力の向上も図っています。自助、共助、公助を三位一体で強化し、都民の命と財産を守るため、でき得る備えを徹底的に講じてまいります。
 先月訪れたフィンランドのヘルシンキでは、ミサイル攻撃などの有事に備えた避難施設が随所に設けられていました。平時は駐車場やスポーツ施設などとしてふだん使いするなど工夫も見られ、冷戦時代から培われた国家として危機管理を徹底する姿勢が伝わってきました。海外の事例も参考に、安全に避難できる施設や円滑な避難に必要な関係機関等との連携など、ハード、ソフト両面から東京に見合った取組を推進します。
 感染症をはじめ、健康を脅かす様々なリスクからも都民を守り抜きます。約三年に及びコロナ対策の中枢を担った東京iCDCの取組の軌跡を分かりやすく取りまとめて公表しました。東京モデルをはじめ、パンデミックの渦中で培った様々な知見や経験、ネットワーク、そして明らかとなった課題。この貴重な英知を生かして年度内を目途に感染症予防計画を見直し、発生時に迅速かつ円滑に動けるよう備えを固めます。
 地球環境と便利で豊かな社会生活の両立、これは人類共通の課題であり、大都市東京に課された使命でもあります。都は、先頭に立って行動を起こし、国内外の取組を牽引します。
 経済性や効率性が優先された高度経済成長期の都市開発は遠い過去のものです。コンクリートやアスファルトで覆われたまちではなく、人の暮らしや潤いを大切にしたまちづくりに取り組んでいます。近年は、用地を巧みに創出し、自然との調和を図ることで、開発が進む都心部の緑はむしろ増加しているのです。竹芝や麻布台、大手町など、とりわけ最近のまちづくりでは、思わず深呼吸したくなるような森や彩り豊かな草花をオフィスや住宅に寄り添うようにあしらい、六万平方メートルを超える緑の空間が新たに生まれています。気候危機や新型コロナウイルスとの闘いを契機に、人々の価値観や都市の役割がますます多様化し、自然環境と都市機能のさらなる調和が求められています。東京グリーンビズ、百年先を見据えた緑と生きるまちづくりを進めます。
 多摩地域の森林整備を促進するため、都道府県と区市町村それぞれに配分される森林環境譲与税を効果的に活用できるよう、都内の十二区市町村と連携協定を締結しました。環境保全や自然体験活動、多摩産材の普及など、連携の輪が一層広がるよう取り組みます。
 都会のオアシスである緑豊かな都立公園は、年度内に策定予定の新たなマスタープランの下アップデートを図ることで、時代に求められる役割をしっかりと果たしていきます。植え替えが必要な樹木を公園整備等で再活用するツリーバンクや自然の機能を社会課題の解決に生かすグリーンインフラなど、緑を守る、増やしつなぐ、そして生かす取組で自然と調和した都市を実現いたします。
 二〇三〇年のカーボンハーフを確かなものにするには、都が取組を先導し、官民を巻き込んだムーブメントを起こすことが重要です。
 そこで、都営バスでは、営業所内に水素ステーションを設置し、燃料電池バスの導入を推進します。また、充電設備や車両の性能向上、災害時等における動く蓄電池としての活用など、大都市におけるEVバスの導入モデル構築にも挑み、脱炭素社会に貢献するモビリティーの導入を推し進めます。次世代の航空燃料として注目が集まるSAFは、原料となる使用済み食用油の回収プロジェクトを開始し、日本初となる国産大規模製造に向けた供給網の構築を後押しいたします。
 十一月のCOP28に先立ち、二つの国際会議を開催します。エネルギーの脱炭素化をテーマに具体の行動を呼びかける会議のほか、水素の国際的なサプライチェーン構築や技術開発の促進に向けて新たな会議を立ち上げ、目標を同じくする海外都市との連携を強化します。国内外に取組の重要性を発信しながら、まさにタイム・ツー・アクトで再エネや水素の早期実装化を先導してまいります。
 さらに、CO2排出の抑制と再エネ供給の拡大を目指し、都が先駆的に導入したキャップ・アンド・トレード制度を強化します。大規模事業所のCO2削減義務率を大幅に引き上げるほか、再エネ利用を一層促す仕組みに見直します。中小規模事業所につきましても、二〇三〇年の達成水準を新たに策定し、事業者に計画的な取組を求めることとしました。
 本定例会には、こうした制度強化に係る条例改正案を提案しています。東京がこれからの時代にふさわしい環境先進都市へと進化するため、取組のさらなる底上げは不可欠です。よろしくご審議、お願いをいたします。
 都民、国民の身近な行動も大切です。デコ活という言葉、ご存じでしょうか。デカーボナイゼーション、すなわち脱炭素と同時にエコな生活を促すキャッチフレーズであります。この国民運動を推進する環境省と協力し、HTTに加え、デコ活東京をキーワードに、環境負荷の少ない行動を都民に浸透させます。
 脱炭素社会への歩みを下支えし加速させるのが金融の力であります。来月、持続可能な発展に向けた金融の在り方を議論する国際会議、PRI in Personが日本で初開催されます。この機を捉え、Tokyo Sustainable Finance Weekと題し、各種セミナーや講演会を集中的に開催いたします。資産運用立国を目指す国とも緊密に連携して、サステーナブルファイナンスの機運を盛り上げ、国際金融都市としてのプレゼンスを大いに高めます。
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 こうした高度なインフラ技術のように、東京の強みであり新たな成長の源泉となるSusHi Tech Tokyo、これをデジタル技術を駆使して、いわば見える化する拠点が有楽町にオープンしたSusHi Tech Squareであります。アートやデザインの要素を取り入れたコンテンツを展開し、デジタルが持つ可能性を多くの方に体感してほしいと思います。
 その上のフロアではスタートアップの支援拠点、Tokyo Innovation Baseが十一月にプレオープンを迎えます。民間の関係者と重ねてきた議論をいよいよ実践段階へと移します。イベント開催などから運営をスタートさせ、来年春の本格オープンに向けまして、企画、運営のブラッシュアップを図りながら、機能を充実していきます。施設を一体的に運用して巨大な交流空間とすることで、スタートアップをはじめ多様なプレーヤーがこのたまり場に集い、意見をぶつけ合い、夢を語り合う。企業や地域の垣根を越えたフラットな交わりを、社会を変える新たな発想につなげてほしいと思います。
 イノベーションを生み出す重要なプレーヤーが大学です。先般、ニューヨークを中心に都市課題の解決に貢献するコロンビア大学と、研究や人材交流などを進める覚書を締結いたしました。全国的な学術研究のネットワークを持つ東京大学とも手を結び、国内外の大学と連携の輪を広げます。東京と世界の知を融合させ、スタートアップを次々と生み育てます。
 東京大改革の最大のツール、それはDXです。都が牽引役となり、デジタルの力で行政サービスの変革に挑みます。一人一人に最適化されたサービスを行政の垣根を越えてタイムリーに届けていく。この変革の推進力となる専門家集団GovTech東京がいよいよ始動いたしました。多くの自治体が頭を悩ます人材の確保だけでなく、システムの共同化などにより、都と区市町村のDXを強力に推し進めます。その先に実現する将来像を東京デジタル二〇三〇ビジョンとして取りまとめをいたしました。都とGovTech東京が両輪となってデジタル先進都市へと突き進みます。
 一方、民間のDXの裾野を広げることも重要です。課題となっている中小企業のデジタル人材育成を後押しいたします。テクノロジーを上手に活用することで、業務の効率性や生産性を飛躍的に向上させ、よりよいサービスや製品の創出につなげます。
 こうした取組に欠かせないのが通信基盤であります。いつでもどこでも安心してつながる東京を実現する新たな方針を策定いたしました。誰もが便利なサービスを利用でき、データを使って様々な課題の解決が容易になるスマートな都市を目指し、官民一体で取組を推し進めます。
 まちを歩く外国人観光客の姿が再び日常の光景となりつつあります。この機を捉え、東京の魅力を一層磨き上げます。見る者を圧倒するプロジェクションマッピングをはじめ多彩な音と光の演出が堪能できるTOKYO LIGHTS二〇二三は今年で三年目を迎えました。今回も多くの人を魅了し、東京の新たな魅力として定着したことを印象づけるものとなりました。
 加えて、池袋では、アニメコンテンツの拠点、アニメ東京ステーションの本格開業も控えています。人気作品の展示イベントやワークショップ、講演会等の企画を充実させ、日本が世界に誇るキラーコンテンツの魅力を余すことなく発信していきます。
 十一月には、丸の内、銀座、渋谷の三つのまちを舞台に、参加型のファッションイベントを同時開催いたします。ロンドンやパリに負けない研ぎ澄まされた感性で生み出される東京発のファッションを武器に、言葉や文化、世代を超えて国内外の人々を魅了し、引きつけてまいります。
 自らの魅力を磨き上げ、東京を活力あふれた都市にするだけでなく、日本全体を元気にしていく、これは首都東京の大きな役割であります。そこで、一千四百万都民のいわば消費者力を生かし、福島県とも連携いたしまして、風評を払拭し水産業を応援するキャンペーンを開始いたします。日本の食は我が国が誇る魅力の一つであります。この機会に、新鮮でおいしい海の幸を食べることで、事業者や被災地の皆様を力強くサポートするとともに、世界にもアピールしてまいります。
 臨海部では、晴海の選手村跡地が来年、新たなまちへと生まれ変わります。まち開きに先駆け、プロローグイベントを来月開催し、持続可能な都市のモデルとなるまちを一足早く都民の皆様に感じていただきます。ベイエリアから都心部へのアクセス向上を目指し、水辺空間を活用した舟旅通勤も開始いたします。日本橋―豊洲間は来月から、晴海―日の出間はまち開きに合わせ来年春から運航を始め、水の都東京を象徴する交通手段として定着させます。
 東京へ移管されて百三十年目を迎える多摩地域、これを記念したイベント超たまらん博を開催します。住んでよし、働いてよし、訪れてよし、三方よしの魅力を多くの方々に届けます。
 また、南北に走る多摩モノレールから見える映画のワンシーンのような夜景が、このたび日本夜景遺産に認定されました。車窓に映る多摩の人々の営み、これを大切に守り、一層発展させていきたいと思っています。多摩振興計画を進化させるべく、市町村や有識者の意見を聞きながら、さらなる活性化策を練り上げてまいります。
 島しょ地域では、創意工夫で地元の特性を生かした魅力の創出が進んでいます。電力や水を自給自足できるサステーナブルな住宅整備、先端技術を駆使した観光のDX化など、これまでと一線を画すような大胆な発想で新たな活力とにぎわいを呼び込みます。さらに、都内の大学生が一週間程度島に滞在し、特産品のブランド化を狙った企画、提案を行うなど、東京宝島の魅力の発掘も進めます。
 世界陸上でやり投げの北口榛花選手が獲得した歴史的な金メダル、また、バスケットボール男子日本代表による四十八年ぶりの快挙は、都民、国民に感動と勇気を与えてくれました。スポーツのかけがえのない価値を次の世代に胸を張って継承していけるよう、二〇二五年に開催する二つの国際大会を成功に導いてまいります。
 先般、デフリンピックの大会ビジョンを公表いたしました。掲げるのは、誰もが個性を生かし力を発揮できる共生社会の実現であります。聴覚障害のある学生や次世代を担う中高生の思いがぎゅっと詰まった大会エンブレムの下、東京二〇二〇大会のレガシーも生かしながら精力的に準備を進めます。
 世界陸上につきましては、大会運営組織が立ち上がり本格的な活動がスタートしています。先月、ブダペストで開催された世界陸上の様子を現地で確認をいたしまして、次回開催都市東京のPRも行ってきました。両大会の成功に向け運営組織がガバナンスを確立し、大会が公正で信頼されるものとなるよう、都も様々な場面でサポートしてまいります。
 深刻さを増す少子化や人口減少によって、一人一人が活躍できる社会の実現がこれまで以上に重要となっています。人が主役となる都市を目指し、きめ細かな取組を展開していきます。
 ゼロ歳から十八歳まで全ての子供たちに月額五千円を支給する〇一八サポートの申請受付がスタートいたしました。これは、とうきょうママパパ応援事業をはじめ、妊娠、出産から子育てまでシームレスに支える都の姿勢を象徴するものであります。
 子育てしやすい住環境の整備を促進する東京こどもすくすく住宅認定制度は、既に多くの事業者から関心をいただき、着実に認定件数を増やしています。育児は休みではなく未来を育む仕事であるという育業の理念を広く普及させるため、企業と連携したプロジェクトも展開し、住まいや働き方など、様々な分野で切れ目なく子育てを応援します。
 さらに、成長と発達をサポートする子育ち応援プログラムは、すくすく育ち、わくわくを大切にしてほしいという思いで、とうきょうすくわくプログラムと名づけました。幼稚園や保育所などの垣根を越えて都内全域に広げていきます。また、保護者の就労の有無を問わない保育所等での定期的な預かりも開始し、乳幼児から様々な人と関わり合う機会を創出いたします。
 先月には、各界の第一線で活躍する皆様に、こどもスマイルムーブメントのアンバサダーに就任いただきました。チルドレンファーストの取組で子供たちの笑顔を満開にし、社会全体も元気にしてまいります。
 次世代の人材を育てる教育の質も向上を図ります。都立学校では、来年の運用開始を目指し、生徒の出欠状況や成績等の教育データを集約、可視化する教育ダッシュボードの構築を進めています。エビデンスに基づく指導で生徒の力を最大限に引き出します。
 また、新たに生まれ変わった工科高校、新ものづくり人材をコンセプトに、ものづくりにとどまらない多彩で質の高い教育が大きな自慢です。その魅力を余すことなく伝える積極的なPRを展開いたします。工科高校での学びを通じて、新たな価値を生み出す人材として力強く羽ばたいてほしいと思います。
 同時に、国際社会で問われるのは英語によるコミュニケーション力です。さきの全国学力テストの結果で、中学生の英語を使いこなす力に課題があると指摘される中、スピーキングテストの導入など先駆的な取組を続ける東京はトップの成績を収めています。体験型英語学習施設TGGで実施したサマーキャンプには大変多くの応募があり、予定数を大幅に上回る生徒たちに英語漬けの時間を過ごしてもらいました。この秋以降、新たに高校生を対象とした英語プレゼンテーションコンテストも実施します。実践の場を増やし、英語力のさらなる向上を図ります。
 女性の参画という点で、まだまだ世界の常識から大きく後れを取っているのが日本の現状です。取組を急がねばなりません。特設サイトを立ち上げ、女性の健康課題を技術で解決に導くフェムテックの活用や様々な休暇制度の利用など、積極的に取り組む企業のモデル事例を発信します。オンラインセミナーなども実施し、働き手と職場双方の理解を深めることで、安心して仕事を続けられる職場づくりと働く女性が心身共に輝ける環境整備の機運を創出します。
 さらに、十月、十一月と続けて、自治体の首長や経営者など、第一線の女性たちによる会議を開催いたします。積極的な意見交換や女性からの力強いメッセージの発信を通して、活躍を阻む社会のマインドを払拭していきます。
 一方、社会進出がライフプランを狭めるようなことがあってはなりません。女性たちの自分らしく生きたいという願いを応援するため、卵子凍結に係る費用の支援を来月から開始します。都民や企業向けの正しい知識の普及をはじめ、安全かつ安心して卵子凍結を行える環境を整え、一人一人の選択を後押ししてまいります。
 社会参加を通して、シニア層がいつまでも生き生きと生活できるようにすることが重要です。豊富な知識や経験を生かし中小企業への再就職を希望するシニアに向け、新しい職場に溶け込むノウハウを学ぶ短期集中の講座を新たに開設いたしました。都が発祥のシルバー人材センターの活性化もしっかりと後押しをして、意欲あるシニア層のセカンドキャリアを応援します。
 また、希望に応じた活動に参加できる仕組みづくりが大切です。都内の様々な活動情報を一元管理し、広域的なマッチングができるオンラインプラットフォームの構築を着実に進めます。
 発達障害のある方々に多いといわれる記憶や計算といった分野のたぐいまれな特性、これを社会の中で生かしていくニューロダイバーシティの考え方を広めることで、障害者の活躍の場を広げます。そこで、今月から企業でのトライアル雇用を開始いたしました。課題や効果を検証するとともに、モデル事例を発信し、意欲ある企業の裾野拡大につなげます。
 高齢者や障害者の地域生活を支える福祉人材の充実にも力を注がなければなりません。確保、育成、定着といったあらゆる視点で効果的な施策の検討を深め、戦略的に取り組んでまいります。そして、誰もが力を最大限発揮できる真の共生社会の実現を推進いたします。
 居場所を求めて集結する青少年を犯罪被害等から守る取組も進めます。ふだんから多くの青少年が集まる新宿歌舞伎町の通称トー横を、地元の吉住健一区長と共に視察し、連携して対応していくことを確認いたしました。大人の甘い言葉に乗せられ、苦しむ現状を見過ごすことはできません。安心して相談できる環境の整備など、不安を抱える当事者に寄り添った丁寧な対策を講じていきます。
 このたび、名誉都民の候補者として、今井通子さん、中村メイコさん、堀田力さんの三名の方々を選定させていただきました。
 今井通子さんは、世界の登山史に残る偉業と長年の医師の経験を生かし、自然の大切さを伝える活動や環境問題の研究に尽力されてきました。
 中村メイコさんは、八十六年もの長きにわたり、テレビ、著作等と多方面で活躍され、その魅力と作品の数々は多くの人に親しまれてきました。
 堀田力さんは、新しい触れ合い社会の創造を旗印にボランティア活動の普及啓発に尽力するなど、日本の福祉推進に貢献されてきました。
 お三方につきまして、都議会の皆様のご同意をいただき、来月、名誉都民として顕彰したいと考えております。よろしくお願いいたします。
 さて、最近国際会議などで訪れたインドやフィンランド、そこで出会った若者たちの輝くまなざしが忘れられません。将来への希望、世界を牽引していくという情熱。国を大きく成長させるのはやはり人の力であると改めて確信をいたしました。急速に縮みゆく日本の現状を変えていくのは東京であります。どのような時代でありましても、一人一人が希望を見いだし、自らの力を存分に発揮できる社会にする。このことが東京の発展を持続可能にし、さらには日本全体を元気にする鍵となるのであります。
 私たちの行動は、今を生きる私たちのためだけのものではありません。後藤新平がよき助言者として信頼を置いたアメリカの歴史家、チャールズ・A・ビアード博士。かつて博士は、焼け野原と化した帝都の復興に臨む後藤新平にこう手紙を送ったといいます。今日を目標として建設することなかれ。願わくば、永遠を目標として建設されよ。まだ見ぬ未来を真剣に考えた先人たちがいたからこそ、今日の繁栄があるのです。東京大改革、すなわち都政の大イノベーションによって、百年先も誰もが輝く、明るい東京の未来を確かなものにしてまいります。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、条例案十三件、契約案八件など、合わせまして三十五件の議案を提案いたしております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。

○議長(三宅しげき君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(鈴木純君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一から第四までを先議されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一から第四までを先議することに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 追加日程第一、東京都副知事の選任の同意についてを議題といたします。
   〔古賀議事部長朗読〕
一、東京都副知事の選任の同意について一件

五財主議第二七四号
令和五年九月十九日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
   東京都副知事の選任の同意について(依頼)
 東京都副知事に左記の者を選任したいので、地方自治法第百六十二条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     宮坂  学

      略歴
宮坂  学
昭和四十二年十一月十一日生
平成三年三月   同志社大学経済学部卒業
平成九年六月   ヤフー株式会社入社
平成十四年一月  ヤフー株式会社メディア事業部長
平成二十一年四月 ヤフー株式会社執行役員コンシューマ事業統括本部長
平成二十四年四月 ヤフー株式会社最高経営責任者執行役員
平成二十四年六月 ヤフー株式会社代表取締役社長
平成二十五年六月 ソフトバンク株式会社(現ソフトバンクグループ株式会社)取締役
平成二十七年六月 ヤフー株式会社代表取締役社長社長執行役員最高経営責任者
平成二十九年六月 ソフトバンク株式会社取締役
平成三十年四月  ヤフー株式会社代表取締役社長
平成三十年六月  ヤフー株式会社取締役会長
令和元年七月   東京都参与
令和元年九月   東京都副知事

○議長(三宅しげき君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、知事の選任に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三宅しげき君) 起立多数と認めます。よって、本件は、知事の選任に同意することに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 追加日程第二から第四まで、東京都名誉都民の選定の同意について三件を一括して議題といたします。
   〔古賀議事部長朗読〕
一、東京都名誉都民の選定の同意について三件

五財主議第二七一号
令和五年九月十九日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
   東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     今井 通子
     (本名 高橋 通子)

      略歴
現住所 東京都世田谷区
今井 通子
(本名 高橋 通子)
昭和十七年二月一日生
昭和十七年  東京府(現東京都)生まれ
昭和三十五年 東京女子医科大学入学、山岳部に入部
昭和四十二年 東京女子医科大学泌尿器科助手
同年     マッターホルン北壁を女性パーティで世界初登攀
昭和四十四年 アイガー北壁登攀
昭和四十六年 グランド・ジョラス北壁登攀、女性で世界初のヨーロッパアルプス三大北壁登攀を達成
昭和五十七年 医学博士号取得
昭和六十年  冬季チョモランマ(エベレスト)北壁登攀を指揮、隊員が世界最高到達点を記録
昭和六十二年 世界第六位の高峰チョーオユ登攀
平成十九年  社団法人日本山岳ガイド協会副会長
平成二十年  特定非営利活動法人森林セラピーソサエティ理事長
平成二十三年 国際自然・森林医学会(INFOM)会長
令和二年   「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰

      事績
今井 通子
(本名 高橋 通子)
昭和十七年二月一日生
 昭和十七年二月一日、東京府(現東京都)に生まれる。
 昭和三十五年、東京女子医科大学に入学する。在学中は山岳部に所属し、本格的に登山活動を開始する。
 昭和四十二年、東京女子医科大学泌尿器科助手となる。以後、医師として勤務する傍ら、登山活動も継続する。
 同年、マッターホルン北壁登山に隊長として挑み、女性パーティで世界初の登攀に成功する。
 昭和四十四年、アイガー北壁登攀に成功する。
 昭和四十六年、グランド・ジョラス北壁登攀に成功し、女性で世界初のヨーロッパアルプス三大北壁登攀を達成する。
 昭和五十七年、医学博士号を取得する。
 昭和六十年、チョモランマ(エベレスト)北壁登山隊長を務め、隊員二名が冬季世界最高到達点記録を達成する。
 昭和六十二年、世界第六位の高峰チョーオユ登山隊長を務め、登攀に成功する。
 平成十九年、社団法人日本山岳ガイド協会(現公益社団法人日本山岳ガイド協会)副会長に就任する。
 平成二十年、特定非営利活動法人森林セラピーソサエティ理事長に就任する。
 平成二十三年、国際自然・森林医学会(INFOM)を設立し、会長に就任する。
 令和二年、自然環境の普及啓発活動が評価され、「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受ける。
 氏は、世界の登山史に残る偉業を成し遂げるとともに、長きにわたり泌尿器科医師として社会に貢献した。また、近年はその経験を生かし、国内外における自然環境の大切さについての普及啓発や環境問題の研究に精力的に取り組んでいる。
 多方面にわたり活躍する氏の功績は多大であり、人々に希望や活力を与えるその姿は、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

五財主議第二七二号
令和五年九月十九日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
   東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     中村メイコ
     (本名 神津 五月)

      略歴
現住所 東京都調布市
中村メイコ
(本名 神津 五月)
昭和九年五月十三日生
昭和九年   東京府(現東京都)生まれ
昭和十二年 「江戸っ子健ちゃん」で映画デビュー
昭和十五年  NHK実験放送のドラマ「謡と代用品」でテレビ初出演
昭和二十八年 ラジオドラマ「お姉さんといっしょ」出演
昭和三十年  レコード「田舎のバス」発売
昭和三十二年 作曲家の神津善行氏と結婚
昭和三十四年 第十回NHK紅白歌合戦の紅組司会
昭和四十七年 バラエティー番組「お笑いオンステージ」出演
昭和五十八年 第三十四回日本放送協会放送文化賞
平成三年   ラジオ「メイコのいきいきモーニング」放送開始
平成十二年  第二十回日本文芸大賞エッセイ奨励賞
平成十四年  NHK連続テレビ小説「さくら」出演
平成二十年  NHK大河ドラマ「篤姫」出演
令和三年   著書「大事なものから捨てなさい メイコ流 笑って死ぬための三十三のヒント」発売

      事績
中村メイコ
(本名 神津 五月)
 昭和九年五月十三日生
 昭和九年五月十三日、東京府(現東京都)に生まれる。
 昭和十二年、二歳八か月の時、「江戸っ子健ちゃん」で映画デビューする。
 昭和十五年、NHK実験放送のドラマ「謡と代用品」でテレビ初出演を果たす。
 昭和二十八年、ラジオドラマ「お姉さんといっしょ」に出演し、一人で何役も演じ分けたことで「七色の声」と評判になる。
 昭和三十年、レコード「田舎のバス」が発売され、ヒットする。
 昭和三十二年、作曲家の神津善行氏と結婚する。その後、一男二女を授かり、神津ファミリーとして親しまれる。
 昭和三十四年、第十回NHK紅白歌合戦の紅組司会に起用される。以降、三年連続で司会を務める。
 昭和四十七年から昭和五十七年まで、バラエティー番組「お笑いオンステージ」に出演する。
 昭和五十八年、第三十四回日本放送協会放送文化賞を受賞する。
 平成三年から平成二十二年まで、ラジオ「メイコのいきいきモーニング」に出演する。
 平成十二年、第二十回日本文芸大賞エッセイ奨励賞を受賞する。
 平成十四年、NHK連続テレビ小説「さくら」に出演する。
 平成二十年、NHK大河ドラマ「篤姫」に出演する。
 令和三年、著書「大事なものから捨てなさい メイコ流 笑って死ぬための三十三のヒント」が発売される。
 氏は、八十六年もの長きにわたり映画・ラジオ・テレビ・著作と多方面で活躍し、その人間的な魅力や数々の作品は、多くの人々に親しまれてきた。
 日本のエンターテインメントの発展に貢献した功績は多大であり、今もなお活動を続けるその姿は、人々に希望や活力を与え、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

五財主議第二七三号
令和五年九月十九日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
   東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     堀田  力

      略歴
現住所 神奈川県川崎市
堀田  力
昭和九年四月十二日生
昭和九年   京都府生まれ
昭和三十三年 京都大学法学部卒業
昭和三十六年 検事任官
昭和四十一年 大阪地方検察庁特別捜査部検事
昭和四十七年 在アメリカ合衆国日本国大使館一等書記官
昭和五十一年 東京地方検察庁特別捜査部検事、ロッキード事件を担当
昭和五十九年 法務大臣官房人事課長
平成元年   最高検察庁検事
平成二年   法務大臣官房長
平成三年   最高検察庁を退職し弁護士登録、さわやか法律事務所及びさわやか福祉推進センターを設立
平成七年   さわやか福祉財団理事長
平成十三年  社会福祉法人東京都社会福祉協議会会長
平成二十六年 公益財団法人さわやか福祉財団会長

      事績
堀田  力
昭和九年四月十二日生
 昭和九年四月十二日、京都府に生まれる。
 昭和三十三年、京都大学法学部を卒業し、司法試験に合格する。
 昭和三十六年、検事に任官。以降、札幌、旭川及び大津の各地方検察庁に勤務する。
 昭和四十一年、大阪地方検察庁特別捜査部検事として、大阪タクシー汚職事件を摘発する。
 昭和四十七年、在アメリカ合衆国日本国大使館に一等書記官として赴任する。ボランティア活動が定着した現地社会への憧憬が、後の福祉活動への転身につながる契機となる。
 昭和五十一年、東京地方検察庁特別捜査部検事として、ロッキード事件の捜査や公判に携わる。
 昭和五十九年、法務大臣官房人事課長に就任し、司法制度改革に着手する。
 平成元年、最高検察庁検事に就任する。
 平成二年、法務大臣官房長に就任する。
 平成三年、最高検察庁を退職して弁護士となり、さわやか法律事務所及びさわやか福祉推進センター(現公益財団法人さわやか福祉財団)を設立する。ボランティア活動の普及啓発等の取組を始める。
 平成七年、さわやか福祉推進センターはさわやか福祉財団(現公益財団法人さわやか福祉財団)となり、理事長に就任する。
 平成十三年、社会福祉法人東京都社会福祉協議会会長に就任する。
 平成二十六年、公益財団法人さわやか福祉財団会長に就任する。
 氏は、検事を皮切りに司法の世界で活躍してきたが、すべての人が生きがいを持ち、人を傷つけることなく助け合って生きる社会を実現するため、退職後は福祉活動に身を投じ、「新しいふれあい社会の創造」を旗印に、ボランティア活動の普及啓発に尽力するなど、三十年以上にわたり日本の福祉推進に貢献している。
 氏の功績は多大であり、高い志を持ち、積極的に前進し続けるその姿は、人々に希望や活力を与え、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

○議長(三宅しげき君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも知事の選定に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三宅しげき君) 起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも知事の選定に同意することに決定いたしました。

○六十七番(鈴木純君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二十日から二十五日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二十日から二十五日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、九月二十六日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時五十一分散会


文書質問趣意書及び答弁書

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 上田令子

質問事項
 一 医療法人社団孝山会滝山病院虐待事案について
 二 葛西臨海水族園(仮称)整備事業について
 三 外国人起業家の資金調達支援事業について
 四 太陽光パネル設置義務化について
 五 「指導死」問題について

一 医療法人社団孝山会滝山病院虐待事案について
  令和5年2月15日入院患者に暴力を振るったとして、警視庁八王子署は、東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」に勤務する50歳代の看護師の男が暴行容疑で逮捕されました。マスコミ報道が先んじ見るに堪えない画像や聞くに堪えぬ音声、NHK・ETV特集「ルポ 死亡退院 精神医療・闇の実態」が2月25日に放映され、院長・医師・看護師等医療従事者が患者の尊厳を全く考えぬ暴言を吐き、虐待を看過するどころか積極的に加担し、さらにはカルテの改ざんともとれるような文書の捏造が疑われる映像に全国に衝撃が走りました。都は実地指導で虐待を見つけられなかったばかりか、報告書では人権侵害について4段階評価で上から2番目のB判定、身体拘束などの入院患者の生活状況については多くがA判定であったとも報道されています。結局のところ、虐待や不当な入院や拘束などの状況を見つけ出すことについて、精神科病院に対する実地指導が全く機能していないということではなかったかと直後の厚生委員会予算審査で指摘をしていました。事件があったからではなく、上田はかねてより、都における立ち入り検査が少なすぎる、抜き打ちは、ほとんど実施していないことから資料要求もし、指摘を重ねてきました。令和4年の事務事業質疑で取り寄せた資料では精神科医療機関の立ち入り検査、虐待件数はゼロ件、令和3年1月13日付厚生労働省の通知「精神科病院に対する指導監督等の徹底について」を受けて実地指導をした件数はたったの1件という有様でした。
  都としては、ようやく重い腰を上げて令和5年4月25日、それでも異例の改善命令を出しました。一方、令和5年6月2日、看護師による入院患者への暴行事件で都から改善命令を受けた東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」を巡り、元患者らの代理人の相原啓介弁護士、滝山病院から提出された改善計画の内容に問題があるとして、都に受理を撤回し、再度の提出を求めるよう申し入れをされています。
  同病院は「虐待防止委員会」を設置し令和5年6月19日に第1回が開催されるとのことですが、相原弁護士の申し入れは、「病院管理者等について、事件に関する責任が問われていないのみならず、未だ事件の全体像も病院管理者等の関与の有無・内容等も一切不明なまま今後の虐待防止について中心的役割を負う計画になっている」「第三者委員会・虐待防止委員会の人選に中立性が欠けるうえ、その調査対象も病院管理者ら自身の不正の有無に対する調査が入っていないなど不適切であること」「被害者・被害者家族等に対する被害者説明会の開催や賠償の方向性などについての計画がない」点をあげ、上田としても最もな指摘と考えております。東京都議会においても、滝山病院の虐待事件について、議員の質疑には答弁しても厚生委員会の場での都からの正式な報告が未だになされておりません。民間病院の起こした事件ではなく、管理監督を長年怠ってきた都の責任は重大であります。
  つきましては以下について伺います。
 1 この重大虐待事件を受けての滝山病院はもとより、東京都内全精神病院における医療保護入院について患者の尊厳を守るために当然改善にむけた、再検討あるいは各病院への注意喚起、啓発をするものと思料いたします。所見及び現時点の取組を伺います。
 2 取り締まり法規は性善説にたっていては機能しません。新たな対策を講じることもなく今ある法律規則、行政の監督責任を行使すべきと考えます。上田の質疑へは「都は関係法令等に基づき、定期の立入検査に加え、必要と判断した場合は、予告なく速やかに立入検査、実地指導。」と答弁されています。滝山病院虐待事件を受け、上田が調べた限り皆無に近かった「予告ない速やかな立ち入り検査」をどう実現して講じていくのか、新たな抜き打ち立ち入り検査の基準も含め伺います。
 3 虐待の速やかな内部通知についてです。厚生労働省通知「精神科病院に対する指導監督等の徹底について(障第113号・健政発第232号・医薬発第176号・社援第491号)最終改正 令和3年1月13日障発0113第1号」では「イ 法律上適正を欠く等の疑いのある精神科病院に対して実地指導を行う場合には、最長でも1週間から10日間の予告期間をもって行うこととするが、入院中の者に対する虐待が強く疑われる緊急性が高い場合等については予告期間なしに実施できること。」とあります。児童相談所の判断と同じく「虐待が強く疑われる」という一文でその判断が恣意的かつ現場での裁量権に委ねられ、迅速な救済に結びつかないのではないかと危惧するものです。実際に日本精神科病院協会会長山崎學氏は、日本精神科病院協会雑誌4月号にて以下の様な発言をしています。「NHKの特集(前述のETV特集)についていくつかの疑問点を指摘しておきたい。まず放送の中心になった情報源の入手経路である。放送の中で病室の高い位置から映した人に暴行される患者の映像と看護人の声が音声として流れ、その後も定点撮影された…(中略)内部告発のための情報として盗撮・盗聴を行うことには違法性はないとされるが、バックヤードの会話を公表することは、どの業界においても好ましいと思う人はいないだろう。(中略)個人情報保護の観点から、病院の管理責任の問題が大きいとは思われるが、虐待、暴力の告発とは異なる内容であり、単純に、正当な情報入手とは考えにくい。滝山病院は腎不全など重度の身体合併症を抱えた患者が多く、死亡退院という形でしか退院できない患者も多いと思われた。例えば、特別養護老人ホームは終の住み処として、亡くなって退所する施設であるが、滝山病院はそのような最後の最後の医療を提供している病院であり、死亡退院を強調することには違和感を覚えずにはいられなかった。」と、せっかくの内部告発を「個人情報」漏洩にすりかえたうえに、異常な死亡退院についても庇うような見解を述べており、精神医療業界全体への深い反省が感じられず驚愕しました。東京精神科病院協会会長の平川淳一氏も同協会会誌158号において同様の趣旨の内容を述べております。虐待防止委員には東京精神科病院協会会長の平川淳一氏が就任するとあれば、「中立性に欠く」と相原弁護士が指摘するように患者の命と人権を尊重するため真の内部通報が実現できる虐待防止策が図れるのかはなはだ疑わしいと言わざるをえません。改善計画では「全病室のほかナースステーションや透析室などに計50台のカメラを設置する。」とのことですが、内部通知をする者を監視するのではないかと思えるほどです。
  ア 同通知を受け、「強く疑われる」の「強く」の基準は何をもって判断するのかご説明下さい。これまでの運用としては、職員等から内部通報があってもそれだけでは「強く」疑われるとまでは言えないという見解のもと、他に証拠となる録音録画等のより客観的な資料がない場合には事前通知をしてから実地指導を行い、結果として貴重な内部通報を無意味なものとし、患者を虐待から守るという職責を果たせてこなかったという実態があったかと思います。今後は、実効性の確保の見地や虐待が見過ごされた場合の被害の深刻さに鑑みれば、少なくとも病院職員からの内部通報があればただちに抜き打ちの立ち入り調査等を行うことを原則とすべきと考えますが、この点についても併せてご説明ください。
  イ 日本の精神病院業界のトップの座にある日本精神科病院協会会長山崎學氏も、東京精神科病院協会会長の平川淳一氏も「内部告発のための情報として盗撮・盗聴を行うこと」に否定的です。今後、全病院に盗撮・盗聴禁止令が出るのではないかと危惧します。ただし、この度の滝山病院事件における録音録画に関しては正当な証拠保全活動であって盗撮・盗聴といった何か犯罪を連想させかねない文言の使用は避けるべきではないかと考えます。しかし、都としては、今後も同様の事案において証拠保全のための録音録画についても盗撮・盗聴という文言を用いることは適切であると考えた上で、各民間病院においてそのような盗撮・盗聴を職員に禁ずることが許されるというご見解にたたれるのか伺います。
  ウ 虐待が疑われても、盗撮・盗聴等の証拠が職場で禁止される等、不可能な場合、どうしても物的証拠を得ることが出来ない場合、どのような手段で虐待内部通報をすれば、抜き打ち立ち入り検査に結び付けられるのか伺います。
  エ 勇気をもって内部通報をしても、福祉保健局医療安全課等所管部署が、病院に事前に連絡をしてしまっては証拠隠滅を行い、通報職員の犯人探しを行い隠蔽することは火を見るよりも明らかです。「強く」に拘らず虐待が疑われたら直ちに予告なしに実施せねば絶対に根絶に結びつかないと考えます。そのため上田の提言以外にも何かお考えがあれば、どのようにして職員の身分と内部通報を守り速やかに、抜き打ち立ち入り検査に結び付けるのか所見を伺います。
  オ 不当な処遇や違法と思われる強制入院や拘束を巡り、多摩地区の複数の精神科病院(七生病院、多摩あおば病院)が患者側から訴えられています。滝山病院の虐待事件も加わり、多摩地域の精神病院医療従事者のモラルの低下が疑われます。多摩地域全体の精神医療従事者への教育・啓発、意識改革を進めるべきと考えますが所見を伺います。
 4 滝山病院は、外来診療を行っていないことや、面会の制限があったと指摘されることから外部の人間が入ることが極端に少なかったことが、虐待の温床となったと思料いたします。コロナの様な特別な場合を除き面接制限の法的根拠をお示し下さい。
 5 外来もない滝山病院にどのような形で患者が入院していったのか不思議に思っております。NHKの番組では、特別区などからも入院しているようでした。行政や他の病院の紹介などで入院しているのか、実態について伺います。
 6 過剰診療及び過剰診療が原因で死亡していると思われる事案がある等も指摘されています。同院院長の朝倉重延医師は、患者への虐待や大量の診療報酬の不正請求の発覚等により廃院となった朝倉病院の当時の院長でした。NHK番組でも書類改ざんが疑われるシーンもあり、不正請求についても都は確認すべきと思料いたしますが、所見を伺います。
 7 滝山病院には、地域医療連携室があるのか、あっても機能していたのか、退院後生活環境相談員の配置やスキルはどうであったかも確認します。
 8 現在滝山病院に残っている患者の心身の健康、命、人権が守られ、虐待が続いていないのか懸念しております。被害者がどうなっているのか、救済されたのか。被害者を把握せず救わずに指導完了では意味がないと思料します。残っている患者の人数、今後の個別の救済策を伺います。特に、現在も患者の安全が確保されているのか確証がない以上、その救済には何ヶ月かけるのではなくスピード感が求められますが、救済策がある場合には今後の活動のスケジュールについてもできるだけ具体的な見通しを併せてご説明ください。
 9 行政処分等について
  ア 滝山病院には、生活保護者が多数入院していたと側聞しております。都は、生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定に基づき、指定医療機関へ不正を調査したり指定取り消ししたりできる権限、つまり行政処分(指定の取消し、指定の全部もしくは一部の効力の停止)を行うことができるはずです。まず、生活保護者患者にかかる不正や不当な事案にかかるこれまでの都の行政処分の考え方、実績を伺います。
  イ なぜこれまで滝山病院に行政処分が下されなかったのか伺います。その上で、滝山病院が独自に設置する第三者機関の判断とは切り分けて、都が今後この行政処分の判断を下さないのか伺います。
  ウ 保険医療機関の指導や取消処分自体は厚生局が担当する一方、生活保護の医療扶助や自立支援医療費などの公費負担分については厚生局だけでは追えないため、不正の全貌を掴むためには厚生局と自治体の連携が不可欠と思われます。特に、生活保護受給者の割合が多い医療機関については、都道府県が主体的に動かない限り不正の実態はつかめません。滝山病院に関しては、厚生局と東京都と八王子市が合同で調査を始めたという報道がありましたが、これまでにも東京都が主体となって診療報酬の不正について調査し、その結果として保険医療機関指定取消や、生活保護や自立支援医療の指定医療機関取消に至った事例はあるのでしょうか?具体的な事例をお示しください。

二 葛西臨海水族園(仮称)整備事業について
  「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関するよくある質問」という、QA集を令和5年3月23日に公表し、さらに6月13日に更新をいたしました。以下について確認します。
 1 「事実と異なる情報」の「誤解」を解くために「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関するよくある質問」を作成したようですが、なぜ作るに至ったか理由と経緯と期待した効果を時系列で伺います。
 2 「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について」の請願審査が環境・建設委員会において行われることを分かっていた上で、「よくある質問」を3月23日に公表し、「大量の樹木を伐採する等の事実と異なる情報がSNSを中心に流布」と記した送り状をわざわざ添えて「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について」の請願審査を行う環境・建設委員会各委員に直接送ったのはなぜか。各委員へ意図的に先入観を持たせるためだったのではないか疑義を抱いております。なぜこのタイミングで、何を目的に行ったのか所見を伺います。
 3 6月13日に「よくある質問」が更新され、その文中に「1,400本の樹木を伐採するなどの情報が、SNSを中心に一部で流れていますが、事実ではありません。」と加筆されている。あえて、今行われている定例会の開催中に慌ててこのような文言を加えた理由について伺います。
 4 よりにもよって、これまで上田も本会議で質してきた、樹木伐採や9億円も安いのに選ばれなかったTOKYO Aqua-Life(TAL)グループ案の図面等の「事実」を定例会においても、環境・建設委員会においても明らかにせず明確な答弁を避け、都民の開示請求においても隠蔽してきているにも関わらず、都が「事実」を隠蔽したと都民のそしりを受けかねぬ状態のまま「事実と異なる情報が流布」と正式に公表することには違和感しかありません。
   そもそも都が把握している「事実」とはいかなるものなのでしょうか。「事実と異なる」と公表したからには、「事実」が明確になっているということです。その「事実」を樹木調査図に建設範囲を重ねた配置図、伐採する予定の樹木の本数、「可能な限り」移植する予定の樹木の本数と移植性を明示した図などにより、具体的にお示しください。
 5 3月13日版にあった「樹木の取り扱いについては、事業の進捗に合わせて適切に公表していきます」の文言が更新版で消えてしまいました。今後適切に公表をしないためにこの文言が消えたのか、お答えください。
 6 「事実」が明白になった今の時点が「樹木の取り扱いを公表する適切な時期」ですので、改めて「事実」とは何かご説明の上、それを公表するのかしないのか伺います。
 7 3月23日版には「建物が樹木にかかってしまう場合でも、可能な限り伐採ではなく敷地内に移植します」とありますが、6月13日の更新版では「敷地内に」の文言が消え、ただ「可能な限り移植します。」となっています。更新時に「敷地内」を消した意図は何かお答えください。敷地内に移植が困難またはできなくなったために、その文言を消したのではないことを、根拠を示した上で、その理由をお示しください。
 8 「淡水生物館」は解体撤去して新施設の中で展示を行う方針と質疑に答えていますが、そもそも、「淡水生物館」については、「あり方検討会」においても「事業検討委員会」においても、解体する議論は行われたことはないものと思料いたします。都民の貴重な文化財産を、新施設建設のために邪魔だから解体撤去するということでは済まされません。解体撤去するとすれば、その根拠を明らかにし、都議会において承認を受ける必要があると考えますが、所見を伺います。
 9 「流れ」については「新しい水族園では、本館において、淡水生物と人とのつながりなどがより深く感じられる、魅力的な展示を行います。」とだけ表記しており、解体するのか、既存施設を活かしながら一体化した施設にするのか、結局淡水生物館もろとも壊すのかが、明確ではありません。既存の「流れ」「淡水生物館」を解体するのかしないのか明確にお答え下さい。
 10 樹木を切るとは虚偽であると断言していますが、改めてその根拠は本当に一本も成木を伐採しないということなのか、伺います。
 11 再三再四にわたって上田も公表を求め、都民も開示請求をしていたTOKYO Aqua-Life(TAL)グループ案ですが、6月5日マスコミ報道によって公表され、大変な反響となりました。多数都へも問い合わせもあったと思料します。9億も安く、しかも樹木も伐採せず生物館も残すことが出来る案のようです。INOCHIがなぜ採用されたのか改めて伺います。
 12 都民から多くの批判も寄せられているINOCHI案と比べて、報道後高く評価されている評価がTAL案的要素や、切実な都民の声を反映すべきと考えます。所見を伺います。
 13 令和4年4月から令和5年5月末までに東京都知事、東京都に寄せられた再整備、樹木伐採、太陽光パネル設置他葛西臨海水族園に関する都民の声の月別の件数と送付手段の内訳を伺います。

三 外国人起業家の資金調達支援事業について
  融資の実施は令和5年度まで、事業実施期間は貸付期間を踏まえて令和15年度までで予算金額を全額執行次第終了とのことです。
 1 当初からこれまでの予算額と、執行状況不用額等について伺います。
 2 これまで決定した企業の全容(国別、応募人数と、決定人数、利用実績、業種)を伺います。
 3 統括支援機関東京インキュベーション株式会社は「今回の外国人起業家を支援する取り組みを最も効果的に実施できるため選定」していることは度々答弁いただいているが、同社のこれまでの事業実績、倒産・行政指導などを経て会社名を変えていないかなど同社のこれまでの経営実態については結局都は把握しているのかいないのか、伺います。

四 太陽光パネル設置義務化について
  令和4年12月15日、新築物件の屋根に太陽光パネル・充電設備の設置を義務付ける条例(東京都環境確保条例)改正案は、政府与党である東京都議会自由民主党会派が反対に回るという異例の事態の中、賛成多数で可決されてしまいましたが、今をもって都民、全国民が疑義を抱き、上田のもとへも反対の声が届き続けております。可決されても、決して止まぬこうした批判の声に小池知事は危機感を抱いたようで、令和5年6月2日に「太陽光発電は、脱炭素社会の実現の要である再生可能エネルギーの基幹エネルギー化に寄与するとともに、経済性や防災性など多様なメリットを有しています。東京都、川崎市、及び一般社団法人太陽光発電協会は、太陽光発電の一層の普及拡大を図るため、3者による」「再生可能エネルギーの基幹エネルギー化に向けた太陽光発電の普及拡大に関する連携協定」を締結しました。協定書では、太陽光発電の基礎的な知識の普及や国連の定める「SDGs」に配慮したサプライチェーンの構築、それに廃棄やリサイクルに関する取り組みなどを連携して進めるとしています。未だに解決されていない課題がある中での拙速な義務化にあたり、上田は施行までに諦めず改悪条例の改正を求め以下確認致します。なお、「Q&A等において、分かりやすく説明を行っています。」といった誠意のない答弁をせずにつまびらかなご答弁をお願いします。
 1 都、川崎市、及び一般社団法人太陽光発電協会3者による協定が締結することになった経緯を検討過程から誰が起案し、どのような合議、決裁を経て行ったのか、具体的に時系列で伺います。
 2 かねてより、上田は太陽光パネルの調達について疑義を呈し、令和5年第4回定例会一般質問でも以下の通り質しております。
   「中国パネルシェアは今後九割に達するといわれています。アメリカでは六月に輸入禁止法が施行されるも、日本ではいまだ法整備が進んでいない中、部品について新疆ウイグル自治区での強制労働の製品ではないということをどう識別するのか、具体的な追跡手法をご説明ください。SDGsを掲げる知事は、国際人権問題には厳しく対処すべきです。ジェノサイドへの加担を都民と事業者に義務づけることにならないか、結果的に使用した場合どう責任を取るのか、知事の所見を求めます」
   小池知事は答弁を拒否し、局長より「サプライチェーンでの人権の尊重についてでございますが、先般、都は、太陽光発電の普及拡大や人権尊重の取組をさらに促進するため、業界団体と連携協定を締結いたしました。今後は、本協定を基に、持続的なサプライチェーンの構築を推進するとともに、継続的な意見交換や研修等を通じて、企業の適正な取組と情報公開を促してまいります。」といった、きわめて曖昧な答弁を得ています。世界ではこの間も、米国では中国製パネルが税関で輸入を差し止められており、東南アジア経由で中国製パネルが米国に産地偽装で輸出されていて、問題視されています。ついては、義務化を「国に先駆けて」強固に推進している都においても早々に米国同様の措置をとるべきと考えます。ついては「業界団体と連携協定を締結」「本協定を基に、持続的なサプライチェーンの構築」の具体的な説明をしてください。
 3 協定締結後、上田が求めている新疆ウイグル自治区での強制労働の製品ではないということを識別する対策などどうするか決まったのか、決まったとしたらその対策を伺います。決まっていないのであればその旨もご回答ください。
 4 令和4年9月太陽光発電設備高度循環利用推進協議会を立ち上げています。前回文書質問では「住宅パネルのリサイクルの流れを確実なものにしていく」と答弁いただいていますが、その後の廃棄・リサイクル対応策の進捗を確認致します。
 5 前回文書質問で上田は「一生の買い物であるマイホームをどうするか、太陽光パネルを設置するのかしないのかは、小池知事が決めるのではなく都民に決定権があります。都民における、憲法29条で保障された財産権を行使し、太陽光パネル設置の拒否をした都民(施主)とその意向を受けて設置をしなかった「特定開発事業者」と同条例の関係性について、憲法と同条例においてどちらに優位性があるのかも含め明確にご説明下さい。」と質しましたが、都は「特定開発事業者は、地域におけるエネルギーの有効利用計画制度の対象事業者です。なお、都は、憲法と条例の関係性についてQ&A等において、分かりやすく説明を行っています。」と趣旨と違う答弁に終始しております。私有財産と、個人の財産を保証する憲法29条と条例について質しておりQA集にあるような「憲法94条に定める「法律の範囲内」という条例制定権を逸脱しているのではないか」ということではありません。改めて、憲法29条と同条例の優位性について確認します。また、憲法29条と94条と同条例の関係性についてもご説明下さい。

五 「指導死」問題について
  去る令和5年2月27日に上田も記者会見に立ち合い以下の要望が知事宛に提出されました。
  「要望の趣旨
   学校法人武蔵野学院(以下「設置者」)が設置する武蔵野中学高等学校(以下「本件高校」)に在籍していた高橋勁至(けいし)(以下「亡勁至」)が、平成30年11月24日に自死した事件について、都知事による再調査の実施を要望します。
   要望の理由
   第1 要望の理由(概要)
   1.亡勁至は、平成30年11月24日に自宅で自死した(以下「本件自死事件」)。本件自死事件について、設置者は、第三者委員会(以下「本件調査委員会」)を設置して調査を行い、調査報告書を作成している。
   2.しかし、自殺の背景調査の目的は主として、何があったのか事実を明らかにする、自殺に至る過程をできる限り明らかにする、再発防止に活かす、にあるところ(「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針(改訂版)」参照)、本件調査委員会の調査は、亡勁至が参加を嫌がっていた自死当日の学校予定(学校説明会アテンダント)の調査をしない等、調査範囲が限定的であり、聴き取り調査も数人にしか行わないなど、文部科学省・児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議が定める「子供の自殺が起きた時の背景調査の指針」(以下「背景調査指針」)に従った調査をしていない。
   また、そもそも亡勁至の遺族は、完成した調査報告書について、全部を見ることができず、一部しか開示を受けていない。遺族に対しては、本件調査委員会が実施する調査について情報共有がほとんどなく、調査報告書の全容も明らかにされていないものである。背景調査は、遺族の「自死の経緯を明らかにしたい」「事実に向き合いたい」という希望に応える趣旨も含んで実施されているものであるが、遺族は、調査委員会の調査や調査報告書について正確な情報を得られておらず、我が子の死の原因を知りたいという遺族としての純粋な思いもかなっていない状態である。さらに、調査委員会は、設置者との関係が疑われる者が委員となっており、調査委員会の中立性・公平性にも疑義がある。
   3.したがって、調査委員会による調査は、調査自体が不十分で調査の目的が達成されていない調査であり、中立性・公平性にも疑義がある委員による調査であるから、改めて亡勁至の自死に至る経緯を明らかにするため、ひいては本件高校や他の私立高校の今後の自殺防止に生かすため、都知事による再調査の実施を求める。」
  この間、上田は文書質問をし、文教委員会へ当該遺族から請願書も提出され去る令和5年6月1日でも審査が行われてきました。
  また令和5年6月16日には、教師らの不適切な指導が原因で自殺した児童生徒の遺族らでつくる「安全な生徒指導を考える会」が主催した集会が衆院第2議員会館で開かれました。「文部科学省の統計で児童生徒の自殺原因の約6割が「不明」となっていることに触れ、「実際は、教員との関係の悩みが一番多いのでは。実態に合った統計と再発防止策が必要だ」と強調した。」と報道されています。
  ようやく、長らく上田も指摘をしてまいりました教員による不適切指導による児童・生徒の自殺、「指導死」問題が政府に届き全国的に注目を集めるに至り、急激に状況が変わりつつあります。
  私の第一回都議会定例会文書質問趣意書にて、武蔵野中学高等学校で発生した自殺事案への都の対応について経緯をもとめておりましたところ「事件発生後学校に対して国の指針に基づき調査するよう指導」等具体性に欠く答弁でした。驚くことに令和5年6月1日文教委員会にて、同校は、自殺直後に能動的に東京都へ報告をしておらず、都は平成30年12月15日保護者からの連絡・相談によって自殺事案を認知したということが判明いたしました。ついては以下伺います。
 1 改めて、平成30年11月24日、自殺事案発生時から今日に至るまでの、同校の都への報告や相談・連絡、それに対する都の対応について具体的な年月日を含めて時系列でお答え下さい。とりわけ、自殺発生時、同校はどうしていたのか、都へ自殺事案の報告をしたのはいつなのか、平成30年12月15日の保護者相談も含めての詳細経緯も求めます。
 2 保護者による「高橋勁至に関する第三者委員会の再調査の嘆願」によれば「息子の死後、2018年12月17日、学校長から基本調査の報告がありました。」とあります。これは都の指導によるものなのか、同校による自発的なものだったのか伺います。
 3 自殺が発生してから3週間以上も報告をしないというのは、法律・条例以前に常道を逸する状態です。この同校の対応にかかる都の所見を伺います。
 4 公立・私立を問わず児童・生徒の自殺については、可及的速やかに所轄行政に報告すべきと考えます。公立・私立における、児童・生徒の自殺事案の報告はどのような条例・法律に基づいて報告義務を定めているのか、書面でなければいけないのか、まずは電話やメール等今日的な手段でも構わないのか等の伝達運用も含めて確認します。
 5 当然のことながら、公立・私立を問わず子どもの人権・権利を守るためには改善状況を確認する必要があると考えます。同校における「第三者委員会の調査報告書」は都へ提供されているのか、いないのか、提出されていたとしたら都は内容を確認しているのか伺います。
 6 同校にまず当初の調査報告書の提出を求める等能動的指導は行わなかったのか、今後行わないのか伺います。
 7 令和5年2月27日の保護者の記者会見を受けて要望書が提出されたことに対し学校側は文書での取材に応じ、学校長名で「これまでの調査に不十分な点はないと考えています」と答えた上で、今後の対応について「再調査は特に行う考えはないが、東京都からの指導には従うつもりです」と回答しています。都は私立であったとしても指導・助言をする立場にあります。再発防止を防ぎ他の私立への警鐘ともなることから既存法律を柔軟に援用して「チルドレンファースト」を標ぼうする小池知事の覚悟の元「再調査」も可能と思料いたします。実際に同校は、都の指導に従うとまで言っておりますことから、「再調査」を可能とする要件を明示したうえで「再調査」にかかる都の権限の有無の確認を致します。
 8 他道府県知事により、私立におけるイジメ・自殺など重大事案について独自に対策をとった事例は当然把握していると思料しますのでお示し下さい。
 9 かねてより上田は「指導死」問題を指摘、平成30年第1回定例会一般質問で上田は「指導の名のもとに行われる暴力行為を根絶するために、何をすべきかについての所見をお聞かせください。具体例を例示しましたが、どの事案も学校災害、いじめ、不適切指導に当たって、学校においての意思決定、管理体制が原因という根幹は同じです。これら、あってはならないことが実際に生じた事案を深く受けとめられ、都教委、区市町村教育委員会、各指導室長、指導主事体制、学校管理職が、子供最優先に、迅速に有機的に機能するためにどうしていくか、具体的な対策をご説明ください。」と質しております。この時に都が公立・私立の区別なく徹底していれば、高橋勁至さんの命を守ることができたのではないかと忸怩たる思いでおります。命輝く子ども達を自死に追い込む教員の行為は「不適切“指導”」ではありません。「指導」なわけがありません。「不適切指導」から「教員によるイジメ・暴力・ハラスメント」という認識を、まずもって、常に小池知事が発言する「国に先がけて」首都東京が明確に定義づけるべきと考えます。所見を伺います。
 10 子ども、児童・生徒の人権・権利、命を守ることにおいては私立・公立の別もあってはならないと考えます。学校現場で心身の健康や、命が脅かされていいわけがありません。この事案を受けて、国と東京都という縦割り行政、法律・条例に零れ落ちて、放置される東京に暮らす私立の児童・生徒たちをどう救済していくべきなのか知事の見解を伺います。
 11 コロナ禍の期間子供たちは、閉塞感に見舞われ、自殺も虐待も家庭内暴力も急増している深刻な状況でした。しかしながら小池知事が招集する総合教育会議は令和3年度は一度も開かれず、令和4年10月以降開かれておりません。今、前述しましたように東京都だけではなく、全国的に教員の不適切指導による児童・生徒の自殺問題がようやく社会問題として認識されてきました。「わいせつ教員」対策においては、議員立法として「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が衆参両院の全会一致により成立し、令和3年6月4日に公布、令和4年4月1日から施行されています。
   この法律は、児童生徒等の尊厳を保持するため、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を推進し、もって児童生徒等の権利利益の擁護に資することを目的とし、国が先駆けて、性暴力に関しての厳粛な対応を講ずる法整備を実現してくれていますが性暴力に限定されています。そこで、全国で最も児童・生徒が多い東京が先んじて、児童・生徒へのあらゆる教員のイジメ・暴言・暴力といったあらゆるハラスメント・暴力行為を防ぐために「指導死」問題に取り組むべきと考えます。つきましては、公立・私立・高専等校種の区別のない全ての東京の児童・生徒の教員不適切指導に因る自殺、「指導死」を総合教育会議で協議すべきと考えますが、所見を伺います。

令和5年第二回都議会定例会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 医療法人社団孝山会滝山病院虐待事案について
  1 この重大虐待事件を受けての滝山病院はもとより、東京都内全精神病院における医療保護入院について患者の尊厳を守るために当然改善にむけた、再検討あるいは各病院への注意喚起、啓発をするものと思料するが、所見及び現時点の取組について伺う。

回答
  都は、医療保護入院制度の主旨や手続等について、都内の精神科病院に周知するとともに、適正に運用が行われているか、関係法令等に基づき、立入検査等において確認しています。

質問事項
 一の2 滝山病院虐待事件を受け、上田が調べた限り皆無に近かった「予告ない速やかな立ち入り検査」をどう実現して講じていくのか、新たな抜き打ち立ち入り検査の基準も含め、見解を伺う。

回答
  都は、関係法令等に基づき、定期の立入検査に加え、入院患者に対する虐待が強く疑われ緊急性が高い場合等は、事前の予告なしで立入検査を実施しています。

質問事項
 一の3 厚生労働省通知「精神科病院に対する指導監督等の徹底について」について
    ア 同通知を受け、「強く疑われる」の「強く」の基準は何をもって判断するのか伺う。また、今後は、実効性の確保の見地や虐待が見過ごされた場合の被害の深刻さに鑑みれば、少なくとも病院職員からの内部通報があればただちに抜き打ちの立ち入り調査等を行うことを原則とすべきと考えるが、この点についても併せて伺う。

回答
  都は、関係法令等に基づき、定期の立入検査に加え、入院患者に対する虐待が強く疑われ緊急性が高い場合等は、事前の予告なしで立入検査を実施しています。

質問事項
 一の3のイ 都としては、今後も同様の事案において証拠保全のための録音録画についても盗撮・盗聴という文言を用いることは適切であると考えた上で、各民間病院においてそのような盗撮・盗聴を職員に禁ずることが許されるという見解か伺う。

回答
  国の通知では、虐待が疑われる事案が発生した場合には、精神科病院は速やかにその概況を都道府県等に報告することとされています。

質問事項
 一の3のウ 虐待が疑われても、盗撮・盗聴等の証拠が職場で禁止される等、不可能な場合、どうしても物的証拠を得ることが出来ない場合、どのような手段で虐待内部通報をすれば、抜き打ち立ち入り検査に結び付けられるのか伺う。

回答
  都は、関係法令等に基づき、入院患者に対する虐待が強く疑われ緊急性が高い場合等は、事前の予告なしで立入検査を実施しています。

質問事項
 一の3のエ 「強く」に拘らず虐待が疑われたら直ちに予告なしに実施せねば絶対に根絶に結びつかないと考える。どのようにして職員の身分と内部通報を守り速やかに、抜き打ち立ち入り検査に結び付けるのか見解を伺う。

回答
  公益通報者保護法では、公益通報したことを理由とする労働者に対する不利益な取扱い等を禁止しています。
  都は、関係法令等に基づき、入院患者に対する虐待が強く疑われ緊急性が高い場合等は、事前の予告なしで立入検査を実施しています。

質問事項
 一の3のオ 多摩地域の精神病院医療従事者のモラルの低下が疑われる。多摩地域全体の精神医療従事者への教育・啓発、意識改革を進めるべきと考えるが所見を伺う。

回答
  医療機関の管理者は、障害者虐待防止法に基づき、院内における虐待の防止に必要な研修等を行うこととされています。
 都は、院内医療従事者向け研修資料を周知するなど、精神科病院における虐待の発生防止や早期発見の取組を促しています。

質問事項
 一の4 滝山病院は、外来診療を行っていないことや、面会の制限があったと指摘されることから外部の人間が入ることが極端に少なかったことが、虐待の温床となったと思料する。コロナの様な特別な場合を除き面接制限の法的根拠について伺う。

回答
  面会の制限については、精神保健福祉法第三十七条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が基準を定めています。

質問事項
 一の5 行政や他の病院の紹介などで入院しているのか、実態について伺う。

回答
  入院経路については、患者個人の状況により様々です。

質問事項
 一の6 過剰診療及び過剰診療が原因で死亡していると思われる事案がある等も指摘されている。NHK番組でも書類改ざんが疑われるシーンもあり、不正請求についても都は確認すべきと思料するが、所見を伺う。

回答
  国と都は共同で、当該病院に対し、健康保険法、国民健康保険法等に基づく指導を令和5年5月に実施しており、事実関係を確認中です。

質問事項
 一の7 滝山病院には、地域医療連携室があるのか、あっても機能していたのか、退院後生活環境相談員の配置やスキルはどうであったか、伺う。

回答
  当該病院には、いわゆる「地域医療連携室」は設置されていませんが、法令で定める資格を有する退院後生活環境相談員は2名配置されています。

質問事項
 一の8 残っている患者の人数、今後の個別の救済策について伺う。特に、現在も患者の安全が確保されているのか確証がない以上、その救済には何ヶ月かけるのではなくスピード感が求められるが、救済策がある場合には今後の活動のスケジュールについてもできるだけ具体的な見通しを併せて伺う。

回答
  令和5年7月1日現在、滝山病院に入院している患者は105人です。
  都では、滝山病院に入院中の患者への転院及び退院等に向けた支援を行っています。

質問事項
 一の9 行政処分等について
  ア まず、生活保護者患者にかかる不正や不当な事案にかかるこれまでの都の行政処分の考え方、実績について伺う。

回答
  都は、生活保護法に基づき指定医療機関への行政処分を行っており、令和4年度の実績は、指定取消し3件です。

質問事項
 一の9のイ なぜこれまで滝山病院に行政処分が下されなかったのか伺う。その上で、滝山病院が独自に設置する第三者機関の判断とは切り分けて、都が今後この行政処分の判断を下さないのか伺う。

回答
  都は、医療法及び精神保健福祉法に基づく立入検査等において虐待の事実を確認し、当該病院に対する行政処分を行いました。
  健康保険法に基づく保険医療機関の行政処分は厚生労働省が、生活保護法の指定医療機関の行政処分は中核市である八王子市が所管しています。

質問事項
 一の9のウ 滝山病院に関しては、厚生局と東京都と八王子市が合同で調査を始めたという報道があったが、これまでにも東京都が主体となって診療報酬の不正について調査し、その結果として保険医療機関指定取消や、生活保護や自立支援医療の指定医療機関取消に至った事例はあるのか、具体的な事例について伺う。

回答
  法令に基づき、保険医療機関の行政処分は厚生労働省が、生活保護や自立支援医療の指定医療機関の行政処分は都道府県及び中核市等が行うこととされており、都内における主な指定取消しの理由は架空請求等です。

質問事項
 二 葛西臨海水族園(仮称)整備事業について
  1 「事実と異なる情報」の「誤解」を解くために「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関するよくある質問」を作成したようだが、なぜ作るに至ったか理由と経緯と期待した効果を時系列で伺う。

回答
  利用者の目線に立った分かりやすく正確な情報を発信するため、令和5年3月に「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関するよくある質問」をとりまとめ、公表しています。

質問事項
 二の2 「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について」の請願審査が環境・建設委員会において行われることを分かっていた上で、「よくある質問」を3月23日に公表し、「大量の樹木を伐採する等の事実と異なる情報がSNSを中心に流布」と記した送り状をわざわざ添えて「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業について」の請願審査を行う環境・建設委員会各委員に直接送ったのはなぜか。各委員へ意図的に先入観を持たせるためだったのではないか疑義を抱いている。なぜこのタイミングで、何を目的に行ったのか所見を伺う。

回答
  「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関するよくある質問」は、事実と異なる情報がSNSを中心に流布していたため、令和5年3月に公表したものであり、所管の環境・建設委員会の委員にも送付しました。

質問事項
 二の3 6月13日に「よくある質問」が更新され、その文中に「1,400本の樹木を伐採するなどの情報が、SNSを中心に一部で流れていますが、事実ではありません。」と加筆されている。あえて、今行われている定例会の開催中に慌ててこのような文言を加えた理由について伺う。

回答
  「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業に関するよくある質問」については、利用者の目線に立ったわかりやすく正確な情報を発信するため、適宜更新することとしています。

質問事項
 二の4 そもそも都が把握している「事実」とはいかなるものか。樹木調査図に建設範囲を重ねた配置図、伐採する予定の樹木の本数、「可能な限り」移植する予定の樹木の本数と移植性を明示した図などにより、具体的に見解を伺う。

回答
  新施設整備に当たり支障となる樹木については、樹木診断を実施のうえ移植し、「共生の杜」を整備するために活用するなど引き続き生かしていきます。
  この考え方に基づき、現在事業を進めています。

質問事項
 二の5 3月13日版にあった「樹木の取り扱いについては、事業の進捗に合わせて適切に公表していきます」の文言が更新版で消えている。今後適切に公表をしないためにこの文言が消えたのか、見解を伺う。

回答
  新施設整備に当たり支障となる樹木については、樹木診断を実施のうえ移植し、「共生の杜」を整備するために活用するなど引き続き生かしていきます。
  この考え方に基づき、現在事業を進めています。
  樹木の具体的取扱いについては、事業全般の進捗状況に合わせて適切に公表します。

質問事項
 二の6 「事実」が明白になった今の時点が「樹木の取り扱いを公表する適切な時期」なので、改めて「事実」とは何か説明の上、それを公表するのかしないのか伺う。

回答
  新施設整備に当たり支障となる樹木については、樹木診断を実施のうえ移植し、「共生の杜」を整備するために活用するなど引き続き生かしていきます。
  この考え方に基づき、現在事業を進めています。
  樹木の具体的取扱いについては、事業全般の進捗状況に合わせて適切に公表します。

質問事項
 二の7 3月23日版には「建物が樹木にかかってしまう場合でも、可能な限り伐採ではなく敷地内に移植します」とあるが、6月13日の更新版では「敷地内に」の文言が消え、ただ「可能な限り移植します。」となっている。更新時に「敷地内」を消した意図は何か伺う。敷地内に移植が困難またはできなくなったために、その文言を消したのではないことを、根拠を示した上で、その理由について伺う。

回答
  新施設整備に当たり支障となる樹木については、樹木診断を実施のうえ移植し、「共生の杜」を整備するために活用するなど引き続き生かしていきます。
  この考え方に基づき、現在事業を進めています。

質問事項
 二の8 「淡水生物館」については、「あり方検討会」においても「事業検討委員会」においても、解体する議論は行われたことはないものと思料する。都民の貴重な文化財産を、新施設建設のために邪魔だから解体撤去するということでは済まされない。解体撤去するとすれば、その根拠を明らかにし、都議会において承認を受ける必要があると考えるが、所見を伺う。

回答
  事業者募集時に示した要求水準書では、新水族園においても既存の淡水生物館の機能の確保を求め、淡水生物館を継続利用することも可能としています。選定された事業者の提案においては、新施設の本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしています。

質問事項
 二の9 「流れ」については「新しい水族園では、本館において、淡水生物と人とのつながりなどがより深く感じられる、魅力的な展示を行います。」とだけ表記しており、解体するのか、既存施設を活かしながら一体化した施設にするのか、結局淡水生物館もろとも壊すのかが、明確ではない。既存の「流れ」「淡水生物館」を解体するのかしないのか明確に伺う。

回答
  選定された事業者の提案においては、新施設の本館内で淡水生物に関する展示を行うこととしています。

質問事項
 二の10 樹木を切るとは虚偽であると断言しているが、改めてその根拠は本当に一本も成木を伐採しないということなのか、伺う。

回答
  新施設整備に当たり支障となる樹木については、樹木診断を実施のうえ移植し、「共生の杜」を整備するために活用するなど引き続き生かしていきます。
  この考え方に基づき、現在事業を進めています。

質問事項
 二の11 再三再四にわたって上田も公表を求め、都民も開示請求をしていたTOKYO Aqua-LIFE(TAL)グループ案だが、6月5日マスコミ報道によって公表され、大変な反響となった。9億も安く、しかも樹木も伐採せず生物館も残すことが出来る案のようだが、INOCHIがなぜ採用されたのか改めて伺う。

回答
  既に都議会本会議でお答えしているとおりです。

質問事項
 二の12 都民から多くの批判も寄せられているINOCHI案と比べて、報道後高く評価されている評価がTAL案的要素や、切実な都民の声を反映すべきだが、所見を伺う。

回答
  落札者の決定に当たっては、総合評価一般競争入札を採用しており、提案内容に基づく加点審査点と、入札価格に基づく価格審査点の総合得点により決定しています。
  提案内容の審査は、学識経験者を含む技術審査委員会において実施しています。

質問事項
 二の13 令和4年4月から令和5年5月末までに東京都知事、東京都に寄せられた再整備、樹木伐採、太陽光パネル設置他葛西臨海水族園に関する都民の声の月別の件数と送付手段の内訳を伺う。

回答
  葛西臨海水族園の新施設整備に関し、都民の声窓口に寄せられた意見の内訳は、下表のとおりです。

質問事項
 三 外国人起業家の資金調達支援事業について
  1 当初からこれまでの予算額と、執行状況不用額等について伺う。

回答
  令和5年度の当初予算は87,764千円です。それ以外は、これまでの文書質問でお答えしたとおりです。

質問事項
 三の2 これまで決定した企業の全容(国別、応募人数と、決定人数、利用実績、業種)を伺う。

回答
  令和4年度は、融資の実績は1件7,500千円です。

質問事項
 三の3 統括支援機関東京インキュベーション株式会社のこれまでの事業実績、倒産・行政指導などを経て会社名を変えていないかなど同社のこれまでの経営実態については結局都は把握しているのかいないのか、伺う。

回答
  これまでの文書質問でお答えした内容のとおりです。

質問事項
 四 太陽光パネル設置義務化について
  1 都、川崎市、及び一般社団法人太陽光発電協会3者による協定が締結することになった経緯を検討過程から誰が起案し、どのような合議、決裁を経て行ったのか、具体的に時系列で伺う。

回答
  太陽光発電の一層の普及拡大を図るため、3者間での協議を経て、令和5年5月22日付けで決定の上、6月2日に連携協定を締結しています。

質問事項
 四の2 義務化を「国に先駆けて」強固に推進している都においても早々に米国同様の措置をとるべきと考える。ついては「業界団体と連携協定を締結」「本協定を基に、持続的なサプライチェーンの構築」との答弁に対する具体的な説明について伺う。

回答
  都と太陽光発電協会は連携して、国の指針や専門家の知見も踏まえた人権尊重に係る取組ガイダンスを令和5年4月に策定しました。今後とも、人権研修の継続実施や企業との意見交換を重ねていきます。

質問事項
 四の3 協定締結後、新彊ウイグル自治区での強制労働の製品ではないということを識別する対策などどうするか決まったのか、決まったとしたらその対策について伺う。決まっていないのであればその旨についても伺う。

回答
  都と太陽光発電協会は連携して、国の指針や専門家の知見も踏まえた人権尊重に係る取組ガイダンスを令和5年4月に策定しました。今後とも、人権研修の継続実施や企業との意見交換を重ねていきます。

質問事項
 四の4 前回文書質問では「住宅パネルのリサイクルの流れを確実なものにしていく」と答弁しているが、その後の廃棄・リサイクル対応策の進捗について伺う。

回答
  都は、住宅用太陽光パネルをリサイクルへ誘導するため、埋立処分と比べ割高となる費用に対し、令和5年6月より補助を開始しました。

質問事項
 四の5 憲法29条と同条例の優位性について伺う。また、憲法29条と94条と同条例の関係性についても併せて伺う。

回答
  これまでお答えしたとおり、都は、憲法と条例の関係性についてQ&A等において、分かりやすく説明を行っています。

質問事項
 五 「指導死」問題について
  1 改めて、平成30年11月24日、自殺事案発生時から今日に至るまでの、同校の都への報告や相談・連絡、それに対する都の対応について具体的な年月日を含めて時系列で伺う。とりわけ、自殺発生時、同校はどうしていたのか、都へ自殺事案の報告をしたのはいつなのか、平成30年12月15日の保護者相談も含めての詳細経緯についても伺う。

回答
  事案発生後、平成30年12月7日、都は、保護者からの連絡を受け、学校に対して状況を確認し、国の指針等に基づき対応するよう指導しました。
  学校は同日に事件発生報告を都に提出するとともに、調査を開始しました。

質問事項
 五の2 保護者による「高橋勁至に関する第三者委員会の再調査の嘆願」によれば「息子の死後、2018年12月17日、学校長から基本調査の報告がありました。」とある。これは都の指導によるものなのか、同校による自発的なものだったのか伺う。

回答
  事案発生後、都は、学校に対して、国の指針に基づき調査するよう指導し、学校が自ら調査を実施しました。

質問事項
 五の3 自殺が発生してから3週間以上も報告をしないというのは、法律・条例以前に常道を逸する状態である。この同校の対応にかかる都の所見を伺う。

回答
  都としては、日頃から、国の指針や通知等にのっとって速やかに報告等の対応を行うよう各学校へ周知しているところです。
  また、本件については事案発生後、学校に対して、国の指針に基づき調査するよう指導しました。

質問事項
 五の4 公立・私立における、児童・生徒の自殺事案の報告はどのような条例・法律に基づいて報告義務を定めているのか、書面でなければいけないのか、まずは電話やメール等今日的な手段でも構わないのか等の伝達運用も含めて伺う。

回答
  児童生徒が自殺した場合は、国の通知で定める様式に基づき、都道府県を通じて、速やかに報告することとなっています。
  都立学校及び区市町村立学校については、事故発生報告等事務処理要綱により対応しており、報告の形式は、第一報については電話連絡で速やかに行い、その後、状況報告書をメールで提出することとしています。

質問事項
 五の5 同校における「第三者委員会の調査報告書」は都へ提供されているのか、いないのか、提出されていたとしたら都は内容を確認しているのか伺う。

回答
  国や都道府県への調査報告書の提出は求められていませんでした。

質問事項
 五の6 同校にまず当初の調査報告書の提出を求める等能動的指導は行わなかったのか、今後行わないのか伺う。

回答
  国や都道府県への調査報告書の提出は求められていませんでした。

質問事項
 五の7 同校は、都の指導に従うとまで言っていることから、「再調査」を可能とする要件を明示したうえで「再調査」にかかる都の権限の有無について伺う。

回答
  生徒の自死については、国の指針に基づき、学校が調査し、必要な対応 を行うものです。

質問事項
 五の8 他道府県知事により、私立におけるイジメ・自殺など重大事案について独自に対策をとった事例について、伺う。

回答
  私立学校は、法令や国の基準・通知等に基づき、それぞれの学校において適切に対応していくものと考えます。

質問事項
 五の9 「不適切指導」から「教員によるイジメ・暴力・ハラスメント」という認識を、まずもって、常に小池知事が発言する「国に先がけて」首都東京が明確に定義づけるべきと考えるが、所見を伺う。

回答
  公立学校については、都教育委員会が、教職員による児童・生徒への体罰、暴言などについて「体罰関連行為のガイドライン」の中で定義しています。
  私立学校については、法令や国の基準・通知等に基づき、それぞれの学校において適切に対応していくものと考えます。

質問事項
 五の10 この事案を受けて、国と東京都という縦割り行政、法律・条例に零れ落ちて、放置される東京に暮らす私立の児童・生徒たちをどう救済していくべきなのか知事の見解を伺う。

回答
  私立学校は、法令や国の基準・通知等に基づき、それぞれの学校において適切に対応していくものと考えます。

質問事項
 五の11 公立・私立・高専等校種の区別のない全ての東京の児童・生徒の教員不適切指導に因る自殺、「指導死」を総合教育会議で協議すべきと考えるが、所見を伺う。

回答
  総合教育会議は、知事と教育委員会が教育政策の方向性や重点的な施策等について協議・調整する場であり、必要に応じて、テーマを選定し開催しています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 漢人あきこ

質問事項
 一 環境破壊の都市計画道路小金井2路線について
 二 史跡玉川上水整備活用計画の改定と生物多様性地域戦略について
 三 PFASによる地下水汚染について
 四 日比谷公園再生整備計画について
 五 都営大江戸線(光が丘から大泉学園町まで)の延伸計画について
 六 認可保育所の指導検査と補助金不正受給問題について
 七 若年被害女性等支援事業について
 八 受動喫煙防止 喫煙可能な飲食店の実態について
 九 関東大震災100年にあたっての歴史的事実を踏まえた人権尊重の取り組みについて

一 環境破壊の都市計画道路小金井2路線について
 1 道路概略検討(3北南-小金井3・4・11外2路線)の報告書について
   道路概略検討の報告書を情報開示請求したところ、開示期限の延長を経て、一部開示決定となりましたが、かなりの部分が非開示で黒塗りとなっています。非開示の理由は「都の内部における検討に関する情報であって、路線の構造、幅員等に関する未確定の情報であることから、公にすることにより、未成熟な情報が確定した情報と誤解されるなど、都民の間に混乱を生じさせる恐れがある。またこれら混乱により、都の業務の遂行に支障を及ぼす恐れがある。」です。
  ア 2017(H29)年度の道路概略検討の報告書は同様の理由による非開示はありませんでした。今回の報告書と判断が異なる理由を示してください。
  イ 2017年の報告書では、道路構造について高架案を有力として公開しオープンハウスで模型を展示しました。前回の道路構造案は「未成熟」でなかったということですか。
  ウ 2017年の報告書の開示によって「混乱」を招いたと認識しているのですか。
  エ 開示にあたって「東京都としての確定情報ではない」と明記すればよく、今回のような一部公開は都民の知る権利の侵害であり、政策決定過程の開示こそが必要だと思いますが、見解を求めます。
  オ 2017年の報告書では、高架案を有力としてオープンハウスで模型を展示し、「トンネル案」は「縦断勾配が規定値に収まらない」ことから「検討案として成立しない」としました。ところが今回の報告書では、「改めてトンネル案の検討を行っている」としています。なぜ、今回「トンネル案」が「検討案」として成立したのですか。
 2 「東京都生物多様性地域戦略」の策定を受けて
   今年4月策定の「東京都生物多様性地域戦略」において、東京都は、「2050年東京の将来像の実現に相応しい2030年目標を次の通り掲げます」とし、「自然と共生する豊かな社会をめざし、あらゆる主体が連携して生物多様性の保全と持続可能な利用を進めることにより、生物多様性を回復軌道に乗せる(=ネイチャーポジティブの実現)」と宣言しています。ネイチャーポジティブとは、「2020年をベースラインとして2030年までに自然の損失を止め、回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること」です。
   自然再生推進法に基づく自然再生協議会が活動を展開している東京都で唯一指定されている「野川第一・第二調節池地区自然再生事業」は2005年の全体構想発表から18年、東京都、小金井市、市民団体の連携によって、保全と再生が積み上げられ、指定地域は生物多様性の再生が進み、すでに「回復軌道」に乗っています。まさにネイチャーポジティブのモデル地域であり、2030年には、2050年将来像「自然と共生する豊かな社会」を先取りするシンボル的地域です。
   小金井3・4・1号線および3・4・11号線外の「2路線」の事業化地域は、この自然再生事業対象地域と重なり、「2路線」の事業化は、回復軌道にのった自然再生事業の対象地域の生物多様性を再び損失させることになります。
   優先されるべきは「生物多様性の保全・再生」です。「ゼロエミッション」に加えて、「生物多様性地域戦略」を掲げ、東京都は環境先進都市へ向けて大きく舵を切ろうとしています。
   「東京都の緑の骨格となる崖線」(生物多様性地域戦略 P28)を損なう2路線の事業化については中止の検討に入るべきです。見解を求めます。

二 史跡玉川上水整備活用計画の改定と生物多様性地域戦略について
  史跡玉川上水整備活用計画検討委員会の第1回委員会が5月23日に開催されました。史跡玉川上水整備活用計画(以下「計画」とする)改定の概要と、4月に策定された東京都生物多様性地域戦略(以下「地域戦略」とする)の関係性について伺います。
 1 計画改定の概要とポイント、および計画を改定することとした検討の経緯と今後のスケジュール
 2 計画検討委員会の開催予定、頻度
 3 計画改定の方向性として、4つの論点(水路・法面の保全、小金井サクラの保存、植生管理、活用整備)が示されています。この審議の予定
 4 検討委員会において、小金井サクラ保存のための過度な樹木伐採の現状把握はされていますか。また、この現状に関する市民からの意見聴取と検討会での共有は、改定案策定後のパブリックコメントとは別に早い段階で行うべきと考えますが、いかがですか。
 5 地域戦略の策定により、都のすべての施策についての見直しが求められています。2030年に達成すべき目標として掲げた、生物多様性を回復軌道に乗せるネイチャーポジティブの実現に照らして玉川上水の整備活用のあり方も検証されるべきですが、行われていますか。行われていれば、その内容を示してください。
 6 検討委員会では、地域戦略は、どのように反映されるのですか。第1回委員会での説明はどのようになされましたか。また、委員には地域戦略の周知(配布)はされていますか。

三 PFASによる地下水汚染について
 1 PFASに関する電話相談の概要を伺います。
  ア 何回線で、どのような人が受け付けているのですか。
  イ 相談件数と主な相談内容
 2 5月23日に、環境大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣にあてて提出した「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」の背景とその後について伺います。
  ア 提出の経過、東京都としてのプレスリリースをしなかった理由
  イ 「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」(第3回)および「PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議」(第2回)について、都として特に注目すべき点
  ウ 緊急要望への国の対応
 3 PFASによる地下水汚染の現状把握と今後の都の対応について伺います。
  ア 調査地点の追加、市区町村との連携の具体的方針
  イ 学校、病院、施設などの飲用井戸の調査奨励を強化しないか
  ウ 測定結果の都民への情報提供の具体的方法
  エ 暫定指針値を超過した地下水を飲用しないための取り組みの徹底の具体的内容
  オ 希望する都民の血液検査への実施や補助

四 日比谷公園再生整備計画について
 1 再生整備計画について伺います。
  ア 都立公園において再生整備計画を策定する主旨と位置づけ
  イ 再生整備計画を策定した、もしくは今後策定予定の公園名と策定時期
  ウ 日比谷公園再生整備計画を、この時点で策定することとした理由、および隣接する内幸町1丁目地区の開発計画との関連
  エ 再生整備計画がその前提としている『グランドデザイン』の公園整備事業上の位置づけ。『グランドデザイン』は、広く区民や関係者の意見を聞く機会を設けられたのですか。
 2 道路上空公園(以下「デッキ」とする)について伺います。
  ア デッキの規模(地上高、幅、長さ、基本の形状)、および整備主体と管理主体
  イ デッキを公園区域として整備することとした経過、理由
 3 整備の進め方について伺います。
  ア 再生整備計画に基づいた今後の公園整備における整備エリアの設定、整備スケジュール。整備の順序、時期など当面の整備エリアと事業の準備状況
  イ Park-PFIの対象となる公募対象公園施設と特定公園施設について、手続きの進捗状況と今後のスケジュール、Park-PFI事業者を指定管理者に特命で指定する考え方
 4 樹木の保全について伺います。
  ア 現状の樹木の状況。公園内樹木の本数、おもな樹種。再生整備計画中、「既往調査などを基に歴史性や貴重性などの高い樹木を把握する」とされている樹木の一覧
  イ 再生整備計画に基づいて想定される主なエリアごとの樹木のうち伐採もしくは移植が必要となると思われる本数
  ウ デッキの設置に伴って伐採もしくは移植が必要となる樹木の本数
  エ 2021年3月に、にれの木広場の樹木を「移植する」と表示しながら、移植は1本のみで23本を伐採処分したとのことですが、その理由
 5 歴史的建造物、工作物の保全・保存に関する考え方について伺います。
  ア 保全・修復することとされる「歴史的、文化的価値のある公園施設」の一覧
  イ 日比谷公園のシンボルである、「大噴水」や「小音楽堂」などの歴史的・文化的価値の評価、並びに再生整備計画におけるそれらの取り扱い
  ウ 文化庁から、日比谷公園を近代化遺産として「名勝」に指定することの打診を受け断った経緯があるということは事実ですか。今後、文化庁から打診を受けた場合、再び断るのですか。
  エ 1984年「第2回全国都市緑化フェア Tokyo」の記念植樹による「郷土の森」は大音楽堂の建て替えにあたって保全されるのですか。樹木伐採の可能性とその範囲
 6 今後の進め方について伺います。
   今後、エリアごとに設計作業が進んでいくと思われますが、基本設計の段階で広く都民、関係者の意見を聞く機会を設けるべきと考えますが、いかがですか。

五 都営大江戸線(光が丘から大泉学園町まで)の延伸計画について
  都営大江戸線の延伸計画に関連して、以下、質問します。
 1 延伸の位置づけについて伺います。
   2022年度高速電車事業会計予算において、延伸にかかる事業である「地下鉄12号線の延伸に関する調査」が主要事業として頭出しされたが、その意図、主旨について。
 2 延伸の見通しと課題について伺います。
  ア 延伸を実現するために解決されるべき課題についての、都としての認識
  イ 2019年に将来需要予測、混雑率の見通しなどについて具体的に都議会で答弁していますが、その後、あらためて調査を重ねることとした理由
 3 収支採算性についての考え方を伺います。
  ア 延伸の可否を判断するにあたって、収支採算性は延伸部分に関するものについてのみ評価されるのですか。あるいは、大江戸線全体もしくは都営地下鉄全体での評価になるのですか。
  イ 整備費と経常的な経費について都の一般財源を投入することについての、都としての考え方
 4 大江戸線延伸にかかる庁内検討プロジェクトチームについて伺います。
   昨年度設置された庁内検討チームでは、「次年度の更なる調査で、将来の旅客需要や収支採算性を検証し、事業化に当たっての課題を明確にした後、その解決の方向性などについて検討していく」(2023.3 議事要旨)とされていますが、次年度(2023年度)で課題の整理を終えると考えてよいですか。チームとして解決の方向性を取りまとめる時期の見通しを伺います。
 5 整備費用の負担について伺います。
   費用負担の基本的な考え方として、地元自治体に線路、駅舎、車庫等の鉄道施設の費用の負担を求める考えはありますか。また、都営地下鉄の整備・延伸にあたって、地元自治体が鉄道施設整備費の負担をしたケースが過去にあれば示してください。
 6 鉄道不便地域についての考え方を伺います。
  ア 東京における「鉄道不便地域」の現状
  イ 「鉄道不便地域」の解消に向けた都の基本的な姿勢、考え方

六 認可保育所の指導検査と補助金不正受給問題について
  保育所をめぐるさまざまな問題が発生しています。従来の対応を見直し、都としての積極的な関与が求められているのではないでしょうか。
 1 「指導検査」について
   都は児童福祉法に基づき、認可保育所に対して必要な助言・指導等を行う「指導検査」を実施し、入所者の処遇、職員の配置及び勤務条件、経理状況、設備の状況等施設の運営管理全般等を把握するため、福祉諸法をはじめ労働基準法、消防法などの関係法令の適合状況についても確認することになっています。以下、質問します。
  ア 都の指導検査の対象となる保育所数と、指導検査を行った保育所数の過去3年間の実績、および、その内、小金井市内の保育所数と指導検査の実績
  イ 過去3年間に都が認可した保育所の内、指導検査をした保育所数、および、その内、小金井市内の保育所数
  ウ 指導検査を行う保育所はどのように決めているのですか。
  エ 指導検査の実施率が大変低く、特に開設以来一度も指導検査を行っていない保育所が相当数に上ると思われますが、その理由と見解、および改善方針
  オ 区市町村は、子ども・子育て支援法に基づき、区市町村条例で定めた基準等の実施状況について、指導検査を実施することになっていますが、都は実施状況を把握していますか。
  カ 各区市町村による指導検査は大変不十分な状態であるにもかかわらず、職員体制の現状などにより改善することが困難だと思われます。都としての支援を検討するべきではありませんか。
 2 株式会社コスモズによる補助金不正受給について
   都内22カ所で認可保育所などを営む株式会社コスモズが、建設費などの補助金を不正受給していた問題について、弁護士3人による社外調査委員会の報告書により、過大受給の総額が、杉並、三鷹、小平、武蔵野、小金井の5区市で約1億円に上ることが明らかになりました。
  ア 都はコスモズが経営する保育所について、補助金不正受給以外に不適切な運営がされていないか確認する責任があると思いますが、指導検査は行っていますか。
  イ 「複数の自治体で何度も受給しており非常に悪質」との指摘もされています。都としても実態解明と再発防止に向けて関与すべきです。見解を求めます。

七 若年被害女性等支援事業について
  都の委託を受けて若年被害女性等支援事業に取り組んできた一般社団法人Colaboの活動が不当な妨害に晒され、歌舞伎町でのアウトリーチ活動であるバスカフェが中止に追い込まれました。昨年夏から執拗な妨害活動を繰り返してきたグループなどを許すことはできませんが、これらに対して毅然とした態度を示さず、バスカフェの中止を求めた都の対応は全く納得できるものではありませんでした。
  そして都は今年度、若年被害女性等支援事業を「委託」から「補助」へと制度変更しました、その経緯と現状について伺います。
 1 委託事業から補助事業に変更した手続きについて
  ア 委託事業から補助事業に変更した理由と検討の経過について伺います。また、検討段階において委託団体はじめ関係者からの意見聴取をしていましたか。
  イ 補助事業化による実施要綱および申請方法の周知はどのように行われましたか。
 2 補助事業の申請と審査の状況について
  ア 福祉保健局ホームページに「事業開始から5年が経過し、支援に取り組む民間団体も増加」とありますが、事業開始時と現在の支援に取り組む民間団体数を伺います。
  イ 交付決定6月上旬とのスケジュールが示されています。補助金交付申請書を提出した団体数と、交付決定した団体数と団体名を伺います。
 3 「東京都若年被害女性等支援事業実施要綱」について
  ア 誓約書に「8 事業の履行確認に必要な個人情報を提供することに同意します」を追加した理由
  イ 委託事業においては、「関係機関の間で情報共有を行うことについて支援開始時点等に利用者から同意を得ることとする。」という補助事業の要綱にも入っている内容について、ただし同意を得られなかった場合には、利用者の生命や身体に危険のある場合、または法令等に特段の定めがある場合を除いて、「個人を特定できる情報についてはこの限りでない」という確認や、「支援開始時点において、円滑に支援を開始するための妨げになることが明らかな場合には、利用者から同意をとろうとする必要はない」ということを、疑義解釈として確認していたと聞いています。これらは継承されていますか。
  ウ 昨年度まで5年間にわたって委託事業を行ってきた一般社団法人Colaboは、「補助金の要綱が、昨年度までの委託事業の要綱から変更されていて、少女たちの情報を東京都の判断で提供しなければならない、そういうものになったため」などの理由で補助金申請をしなかったと記者会見も行っています。Colaboの主張に対する見解を伺います。また、都は貴重な活動実績のあるColaboとの意思疎通を図るべきだと思いますがいかがですか。
 4 若年被害女性等支援事業への都の取り組みについて
   今回の補助事業化は都の責任の縮小化であり、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が来年度施行となる流れに逆行するものです。若年被害女性等支援事業に対する都の見解と取り組みの方針を伺います。

八 受動喫煙防止 喫煙可能な飲食店の実態について
 1 喫煙可能な飲食店の実態把握について
   改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例が全面施行された2020年(令和2年)4月1日からの都内における喫煙可能な飲食店数の動向について把握していますか。喫煙可能、禁煙の店舗数の割合について、それぞれの動向を伺います。
 2 喫煙設備に関する標識(以下、ステッカーとする)について
   飲食店は、どのような場合に掲示することになっていますか。
 3 喫煙可能な飲食店の調査について
   ステッカーの掲示状況を含め飲食店に関する指導はどのようにしていますか。確認項目や頻度、保健所との連携の有無を伺います。
 4 受動喫煙防止の目標達成について
   改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例の施行によって、飲食店は原則屋内禁煙になったことにより、利用者(お客)は副流煙に悩まされることがなくなると考えていました。しかし、いまなお受動喫煙の被害にあったという声も届いており、受動喫煙防止の目的は達成されていないのではないかと思われます。現状をどのように認識していますか。

九 関東大震災100年にあたっての歴史的事実を踏まえた人権尊重の取り組みについて
  関東大震災100年を契機に、二度と朝鮮人などの虐殺の悲劇を繰り返さないためにも、「災害発生時の差別や偏見による人権侵害」を起こさないよう「人権啓発事業」を行うことが求められます。第一回定例会の一般質問で「機会を捉えた啓発を行い、ヘイトスピーチは決して許されないという都民の意識を醸成」との答弁がありました。関東大震災100年は、まさにその機会です。
 1 第一回定例会では「災害時における人権侵害を防止するためには、平時からの都民の意識啓発が重要」との答弁もありました。「災害時における人権侵害を防止するための都民の意識啓発」に関する事業の昨年度の実施状況、および今年度の実施予定を伺います。
 2 1974年以降、歴代の東京都知事は、毎年9月1日に東京都墨田区の都立横網町公園で開かれる関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典へ「追悼文」を寄せてきました。小池知事も就任の年には「多くの在日朝鮮人の方々が、言われのない被害を受け、犠牲になられたという事件は、わが国の歴史の中でもまれに見る、誠に痛ましい出来事」などとする追悼文を送っていますが、2017年以降、送付を取りやめています。
  ア 知事が追悼文送付をやめた2017年以降、「追悼式典」の隣接地で行われるようになった集会では、朝鮮人を貶め、傷つける差別的な演説がなされ、人権尊重条例に基づく審査会はヘイトスピーチにあたると認定しました。追悼文送付取りやめが差別意識を助長したことは明らかだと思いますが、見解を伺います。
  イ 関東大震災100年の今年こそ、都立横網町公園で行われる「追悼式典」へ「追悼文」を送付するなど、「関東大震災における朝鮮人犠牲者」への追悼の意を表明しませんか。
  ウ 関東大震災100年の機会を捉えて、「関東大震災における朝鮮人虐殺」について、学校教育や社会教育の場などにおいて、啓発と人権教育を推進することが求められます。実施しませんか。

令和5年第二回都議会定例会
漢人あきこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 環境破壊の都市計画道路小金井2路線について
  1 道路概略検討(3北南一小金井3・4・11外2路線)の報告書について
   ア 道路概略検討の報告書を情報開示請求したところ、開示期限の延長を経て、一部開示決定となったが、かなりの部分が非開示で黒塗りとなっている。2017(H29)年度の道路概略検討の報告書は同様の理由による非開示はなかった。今回の報告書と判断が異なる理由について伺う。

回答
  平成29年度の道路概略検討は、小金井3・4・11号線外の概略設計及び地元住民との意見交換会のための資料作成等を目的としており、意見交換会及び説明会の開催後に開示請求があったことから、委託報告書の全部を開示しています。
  令和4年度の道路概略検討は、環境への影響等を考慮した道路構造の検討を目的としたもので、現在、報告書の内容を踏まえ最適案を整理しており、今後、オープンハウスの開催などにより多くの方々に周知していく予定です。
  非開示部分は、未確定の情報であり、その内容を公にすることにより、未成熟な情報が確定した情報と誤解されるなど、都民の間に混乱を生じさせるおそれがあります。これにより、都の事業の遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、東京都情報公開条例に基づき一部開示としています。

質問事項
 一の1のイ 2017年の報告書では、道路構造について高架案を有力として
  公開しオープンハウスで模型を展示した。前回の道路構造案は「未成
  熟」でなかったということか、見解を伺う。

回答
  平成29年度の道路概略検討は、小金井3・4・11号線外の概略設計及び地元住民との意見交換会のための資料作成等を目的としており、当時の設計条件を基に道路構造の検討を行ったものです。

質問事項
 一の1のウ 2017年の報告書の開示によって「混乱」を招いたと認識しているか、見解を伺う。

回答
  平成29年度の道路概略検討は、小金井3・4・11号線外の概略設計及び地元住民との意見交換会のための資料作成等を目的としており、意見交換会及び説明会の開催後に開示請求があったことから、委託報告書の全部を開示しています。

質問事項
 一の1のエ 開示にあたって「東京都としての確定情報ではない」と明記すればよく、今回のような一部公開は都民の知る権利の侵害であり、政策決定過程の開示こそが必要だが、見解を伺う。

回答
  令和4年度の道路概略検討は、環境への影響等を考慮した道路構造の検討を目的としたもので、現在、報告書の内容を踏まえ最適案を整理しており、今後、オープンハウスの開催などにより多くの方々に周知していく予定です。
  非開示部分は、未確定の情報であり、その内容を公にすることにより、未成熟な情報が確定した情報と誤解されるなど、都民の間に混乱を生じさせるおそれがあります。これにより、都の事業の遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、東京都情報公開条例に基づき一部開示としています。

質問事項
 一の1のオ 2017年の報告書では、高架案を有力としてオープンハウスで模型を展示し、「トンネル案」は「縦断勾配が規定値に収まらない」ことから「検討案として成立しない」とした。ところが今回の報告書では、「改めてトンネル案の検討を行っている」としている。なぜ、今回「トンネル案」が「検討案」として成立したのか見解を伺う。

回答
  令和4年度の道路概略検討では、改めて道路構造案の縦断線形等を検討し、トンネル案を比較案として選定しています。

質問事項
 一の2 小金井3・4・1号線及び3・4・11号線外の「2路線」の事業化地域は、自然再生事業対象地域と重なり、「2路線」の事業化は、回復軌道にのった自然再生事業の対象地域の生物多様性を再び損失させることになる。「東京都の緑の骨格となる崖線」を損なう2路線の事業化については中止の検討に入るべきだが、見解を伺う。

回答
  小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線外は、第四次事業化計画において優先整備路線に位置づけられており、広域避難場所へのアクセス向上や生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線です。
  これらの路線は、国分寺崖線や野川と交差しているため、その整備に当たっては、現地の地形状況や景観を踏まえた検討が必要です。
  このうち、小金井3・4・11号線外では、環境概況調査の結果等を基にとりまとめた道路概略検討報告書の内容を踏まえ、自然環境や景観にも配慮した最適案を整理しており、今後、オープンハウスの開催などにより周知し、多くの方の意見を聞きながら丁寧に対応するなど、事業化に向けて取り組んでいきます。

質問事項
 二 史跡玉川上水整備活用計画の改定と生物多様性地域戦略について
  1 計画改定の概要とポイント、および計画を改定することとした検討の経緯と今後のスケジュールについて伺う。

回答
  史跡玉川上水を良好な状態で次世代に引き継ぐため、都では、特に保全が必要な中流部を対象として、史跡玉川上水整備活用計画を策定し、水路や法面の保全、名勝小金井(サクラ)の保存、復活などの取組を進めてきました。
  しかし、ケヤキ等の巨木化、台風による倒木被害の増加、ナラ枯れなどの課題が生じています。
  こうしたことから、史跡玉川上水のより適切な管理方法を検討するため、学識経験者等による史跡玉川上水整備活用計画検討委員会を設置し、令和5年5月23日に第1回検討委員会を開催しました。
  今後、検討委員会において、保存整備や植生管理の進め方などについて御意見をいただきながら、令和6年中に計画改定案の検討を行う予定です。

質問事項
 二の2 計画検討委員会の開催予定、頻度について伺う。

回答
  第1回検討委員会では、計画改定の方向性について、委員の方々に御議論いただきました。
  今後は、玉川上水中流部を対象とした現況調査の進捗状況を踏まえながら、保存整備や植生管理の進め方などについて、検討委員会を開催していく予定です。

質問事項
 二の3 計画改定の方向性として、4つの論点(水路・法面の保全、小金井サクラの保存、植生管理、活用整備)が示されているが、この審議の予定について伺う。

回答
  第1回検討委員会においてお示しした4つの論点を議論するため、玉川上水中流部について、水路の測量調査、植物等に関する調査などを実施しています。
  今後、これらの調査の進捗状況等を踏まえながら、計画改定の方向性について検討委員会で議論していただく予定です。

質問事項
 二の4 検討委員会において、小金井サクラ保存のための過度な樹木伐採の現状把握はされているか。また、この現状に関する市民からの意見聴取と検討会での共有は、改定案策定後のパブリックコメントとは別に早い段階で行うべきだが、見解を伺う。

回答
  第1回検討委員会において、ヤマザクラ並木の保存に係る取組として、モデル区間の整備や被圧樹木への対処などについて説明しました。
  今後、地元住民の意見の把握については、検討委員会の意見も踏まえながら、適切に対応していきます。

質問事項
 二の5 2030年に達成すべき目標として掲げた、生物多様性を回復軌道に乗せるネイチャーポジティブの実現に照らして玉川上水の整備活用のあり方も検証されるべきだが、行われているか。行われていれば、その内容について伺う。

回答
  現行の整備活用計画においても、玉川上水の整備に当たっては、緑の保全に配慮した植生管理を行うとともに、生物多様性をもった適切な生態系が維持されるように努めることとしています。
  整備活用計画に基づくこれまでの取組の検証については、玉川上水中流部を対象に毎木調査、植物調査などを行っています。

質問事項
 二の6 検討委員会では、地域戦略は、どのように反映されるか。第1回委員会での説明はどのようになされたか。また、委員には地域戦略の周知(配布)はされているか伺う。

回答
  第1回検討委員会では、整備活用計画の内容やこれまでの取組状況、計画改定の方向性などについて議論していただきました。
  この中で、計画改定の方向性における、検討課題の一つとして、「生物多様性に配慮した植生管理の考え方」を示しており、東京都生物多様性地域戦略についても委員に説明することとしています。

質問事項
 三 PFASによる地下水汚染について
  1 PFASに関する電話相談の概要について
   ア 何回線で、どのような人が受け付けているのか伺う。

回答
  令和5年5月1日に都が設置したPFASに関する電話相談窓口は5回線で、相談には衛生監視や保健師、看護師などが対応しています。

質問事項
 三の1のイ 相談件数と主な相談内容について伺う。

回答
  都が設置したPFASに関する電話相談窓口には、令和5年5月1日の設置から6月末日までに、健康影響などに関する相談が790件寄せられています。

質問事項
 三の2 5月23日に、環境大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣にあてて提出した「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」の背景とその後について
    ア 提出の経過、東京都としてのプレスリリースをしなかった理由について伺う。

回答
  都は国に対し、健康影響及び環境に関する評価等について、科学的根拠に基づいた知見を早急に示すよう緊急要望しており、報道機関に対して情報提供しています。

質問事項
 三の2のイ 「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」(第3回)および「PFOS-PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議」(第2回)について、都として特に注目すべき点について伺う。

回答
  国の専門家会議では、国民への情報発信のためのQ&A集(案)やPFOSに関する今後の対応の方向性等について議論されました。都は、今後も国の動向を注視していきます。

質問事項
 三の2のウ 緊急要望への国の対応について伺う。

回答
  都が緊急要望を行った際、国からは、PFASに対する総合戦略検討専門家会議で対応を検討している旨の説明がありました。

質問事項
 三の3 PFASによる地下水汚染の現状把握と今後の都の対応について
    ア 調査地点の追加、市区町村との連携の具体的方針について伺う。

回答
  都は、令和6年度に実施予定の測定地点について、区市町村と連携して選定の上、令和5年度に調査を行います。

質問事項
 三の3のイ 学校、病院、施設などの飲用井戸の調査奨励を強化しないかについて伺う。

回答
  都は、多摩地域の飲用井戸等の水質状況を把握するための検査を行い、国が定めるPFOS及びPFOAの暫定目標値を超えた場合には、飲用を控えるよう助言を行っているほか、井戸の設置者が自ら衛生的な管理ができるよう、定期的に情報発信等を行っています。

質問事項
 三の3のウ 測定結果の都民への情報提供の具体的方法について伺う。

回答
  地下水の測定結果は、環境局のホームページで公表しています。

質問事項
 三の3のエ 暫定指針値を超過した地下水を飲用しないための取り組みの徹底の具体的内容について伺う。

回答
  暫定指針値の超過が判明した場合には、関係各局で共有を図り、飲用井戸所有者には飲用を控えるよう助言を行っています。

質問事項
 三の3のオ 希望する都民の血液検査への実施や補助について伺う。

回答
  PFASの健康影響等については、現時点で明らかになっていませんが、国は現在、専門家会議でPFASに対する総合的な対応を検討しています。
  都は国に対し、健康影響及び環境に関する評価について、科学的根拠に基づいた知見を早急に示すよう、緊急要望しています。

質問事項
 四 日比谷公園再生整備計画について
  1 再生整備計画について
   ア 都立公園において再生整備計画を策定する主旨と位置づけについて伺う。

回答
  歴史的価値の高い日本を代表する公園において、バリアフリーなど更なる機能の拡充と魅力の向上を図る再生整備計画を策定しています。

質問事項
 四の1のイ 再生整備計画を策定した、もしくは今後策定予定の公園名と策定時期について伺う。

回答
  上野恩賜公園再生基本計画を平成21年に策定し、都立日比谷公園再生整備計画を令和3年に策定しました。今後の策定は未定です。

質問事項
 四の1のウ 日比谷公園再生整備計画を、この時点で策定することとした理由、および隣接する内幸町1丁目地区の開発計画との関連について伺う。

回答
  都は平成30年12月に「日比谷公園グランドデザイン」を策定し、令和3年7月に都立日比谷公園再生整備計画を策定しました。令和5年7月に、本計画の実現に向け、事業計画として「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」を取りまとめました。
  なお、令和元年12月の国家戦略特別区域会議において、道路上部の公園整備等を含む内幸町地区の開発計画が都市再生プロジェクトに追加されたため、その内容も踏まえたものとしています。

質問事項
 四の1のエ 再生整備計画がその前提としている『グランドデザイン』の公園整備事業上の位置づけ。『グランドデザイン』は、広く区民や関係者の意見を聞く機会を設けられたのか伺う。

回答
  日比谷公園グランドデザインは、日比谷公園の将来像を利用者の視点から明らかにするとともに、将来像を実現するための主な取組を示したものです。策定に当たっては、パブリックコメントを実施しました。

質問事項
 四の2 道路上空公園(以下「デッキ」とする)について
    ア デッキの規模(地上高、幅、長さ、基本の形状)、および整備主体と管理主体について伺う。

回答
  令和3年11月に都市計画公園の区域を定めており、有楽町側デッキは幅員9メートル、内幸町側デッキは幅員18メートルとしており、現在、内幸町地区の開発事業者が都と協議しながら設計を進めています。
  デッキの整備及び管理は、都が定める条件に基づき開発事業者が行います。

質問事項
 四の2のイ デッキを公園区域として整備することとした経過、理由について伺う。

回答
  令和3年7月策定の日比谷公園再生整備計画では、公園とまちをデッキでつなぎ、新たな視点場や交流の結節点を整備し、回遊性を高めるとしており、この計画等を踏まえ、同年11月にデッキの区域が都市計画公園の区域として追加されました。

質問事項
 四の3 整備の進め方について
    ア 再生整備計画に基づいた今後の公園整備における整備エリアの設定、整備スケジュール。整備の順序、時期など当面の整備エリアと事業の準備状況について伺う。

回答
  日比谷公園の整備については、令和15年の完了に向け、令和5年7月に公表した「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」に基づき、エリアごとに段階的に整備していくこととしています。
  今年度は、第二花壇及びその周辺の工事や、大音楽堂の再整備について事業者の公募を行います。

質問事項
 四の3のイ Park-PFIの対象となる公募対象公園施設と特定公園施設について、手続きの進捗状況と今後のスケジュール、Park-PFI事業者を指定管理者に特命で指定する考え方について伺う。

回答
  大音楽堂においては、令和5年7月にパークPFI事業者の公募を開始しており、今年度中に決定する予定です。
  本事業では、特定公園施設と公募対象公園施設の管理運営を一体的に行わせるため、指定管理者にパークPFI事業者を指定することを予定しています。
  なお、指定管理者の指定は、都議会による議決を経てなされます。

質問事項
 四の4 樹木の保全について
    ア 現状の樹木の状況。公園内樹木の本数、おもな樹種。再生整備計画中、「既往調査などを基に歴史性や貴重性などの高い樹木を把握する」とされている樹木の一覧について伺う。

回答
  日比谷公園の整備にあたっては、樹木を保全し進めていきます。
  整備については、エリアごとに段階的に進めることとし、樹木調査についても、エリアごとの段階的な整備に合わせて実施します。

質問事項
 四の4のイ 再生整備計画に基づいて想定される主なエリアごとの樹木のうち伐採もしくは移植が必要となると思われる本数について伺う。

回答
  日比谷公園の整備にあたっては、樹木を保全し進めていきます。
  整備については、エリアごとに段階的に進めることとし、樹木調査についても、エリアごとの段階的な整備に合わせて実施します。

質問事項
 四の4のウ デッキの設置に伴って伐採もしくは移植が必要となる樹木の本数について伺う。

回答
  デッキのエリアにおける樹木は現在の位置に残すこととし、移植が必要となる場合には樹木診断を行った上、公園内で移植することを都が定める条件とします。

質問事項
 四の4のエ 2021年3月に、にれの木広場の樹木を「移植する」と表示しながら、移植は1本のみで23本を伐採処分したとのことの理由について伺う。

回答
  日比谷公会堂耐震工事に先立つ準備工事にあたり、にれの木広場内の移植対象木のうち、根腐れしていた樹木を除き、園内に移植しました。

質問事項
 四の5 歴史的建造物、工作物の保全・保存に関する考え方について
    ア 保全・修復することとされる「歴史的、文化的価値のある公園施設」の一覧について伺う。

回答
  歴史的、文化的価値のある公園施設は、日比谷公園グランドデザインに掲載している心字池などの「歴史性・文化性の高い資源」があります。

質問事項
 四の5のイ 日比谷公園のシンボルである、「大噴水」や「小音楽堂」などの歴史的・文化的価値の評価、並びに再生整備計画におけるそれらの取り扱いについて伺う。

回答
  大噴水は、昭和36年に整備され、多くの人に親しまれてきました。今後は、現在の形状を継承し再整備します。
  小音楽堂は、明治38年に完成したわが国最初の公園の野外音楽堂であり、現在の小音楽堂は3代目です。ステージ等の高さを下げて段差や柵をなくすなどの再整備を行います。

質問事項
 四の5のウ 文化庁から、日比谷公園を近代化遺産として「名勝」に指定することの打診を受け断った経緯があるということは事実か。今後、文化庁から打診を受けた場合、再び断るのか伺う。

回答
  日比谷公園について、都が文化庁から名勝指定に関して意見照会等を受けたことはありません。

質問事項
 四の5のエ 1984年「第2回全国都市緑化フェアTokyo」の記念植樹による「郷土の森」は大音楽堂の建て替えにあたって保全されるのか。樹木伐採の可能性とその範囲について伺う。

回答
  令和5年7月より事業者の公募を開始した大音楽堂のエリア内の「郷土の森」にある寄贈された樹木は、現状のまま保全することとしています。

質問事項
 四の6 今後、エリアごとに設計作業が進んでいくと思われるが、基本設計の段階で広く都民、関係者の意見を聞く機会を設けるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
  整備を進めるに当たっては、エリアごとの詳細な整備内容がまとまり次第、オープンハウス等により情報発信していきます。

質問事項
 五 都営大江戸線(光が丘から大泉学園町まで)の延伸計画について
  1 2022年度高速電車事業会計予算において、延伸にかかる事業である「地下鉄12号線の延伸に関する調査」が主要事業として頭出しされたが、その意図、主旨について伺う。

回答
  令和3年3月に策定した「未来の東京」戦略において、大江戸線の延伸が関係者と事業化について協議・調整を進める路線として掲げられたことなどを踏まえ、調査費を主要事業として計上しています。

質問事項
 五の2 延伸の見通しと課題について
    ア 延伸を実現するために解決されるべき課題についての、都としての認識について伺う。

回答
  大江戸線の大泉学園町方面への延伸については、新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえた将来的な旅客需要の見通しや事業の収支採算性の確保等の課題があります。

質問事項
 五の2のイ 2019年に将来需要予測、混雑率の見通しなどについて具体的に都議会で答弁しているが、その後、あらためて調査を重ねることとした理由を伺う。

回答
  現在、延伸による乗客数の増加見込みなど、将来の旅客需要について、新型コロナウイルス感染症に伴うお客様の行動変容も踏まえながら分析を進めています。

質問事項
 五の3 収支採算性についての考え方について
    ア 延伸の可否を判断するにあたって、収支採算性は延伸部分に関するものについてのみ評価されるのか。あるいは、大江戸線全体もしくは都営地下鉄全体での評価になるのか、見解を伺う。

回答
  国によると、採算性分析に当たっては、鉄道新線整備等により得られる運輸収入と運営費用等の支出とを比較し、鉄道事業が成立するかどうかを評価するものとされています。

質問事項
 五の3のイ 整備費と経常的な経費について都の一般財源を投入することについての、都としての考え方について伺う。

回答
  今年度実施する調査で将来の旅客需要や収支採算性を検証し、事業化に当たっての課題を明確にした後、その解決の方向性などについて検討することとしています。

質問事項
 五の4 昨年度設置された庁内検討チームでは、「次年度の更なる調査で、将来の旅客需要や収支採算性を検証し、事業化に当たっての課題を明確にした後、その解決の方向性などについて検討していく」とされているが、次年度(2023年度)で課題の整理を終えると考えてよいか。チームとして解決の方向性を取りまとめる時期の見通しについて伺う。

回答
  課題の明確化やその解決の方向性などの検討について、練馬区の協力を得ながら、関係局が連携して、スピード感を持って取り組むこととしています。

質問事項
 五の5 費用負担の基本的な考え方として、地元自治体に線路、駅舎、車庫等の鉄道施設の費用の負担を求める考えはあるか。また、都営地下鉄の整備・延伸にあたって、地元自治体が鉄道施設整備費の負担をしたケースが過去にあれば伺う。

回答
  令和5年度実施する調査で将来の旅客需要や収支採算性を検証し、事業化に当たっての課題を明確にした後、その解決の方向性などについて検討することとしています。
  都営新宿線の整備に当たり、千葉県内の区間において県からの補助金を充当しています。

質問事項
 五の6 鉄道不便地域についての考え方について
    ア 東京における「鉄道不便地域」の現状について伺う。

回答
  都は、鉄道駅から800メートル、バス停から300メートルの圏域以外の地域を「公共交通空白地域」と定義しており、武蔵野線西側の地域を中心に、公共交通空白地域が存在していると認識しております。

質問事項
 五の6のイ 「鉄道不便地域」の解消に向けた都の基本的な姿勢、考え方について伺う。

回答
  平成28年、国の審議会から、東京圏における国際競争力の強化や地域の成長に資する鉄道プロジェクトについて答申され、この中で、事業化に向けて検討などを進めるべきとされた路線等について、都は、路線の実現に向け取り組んでいます。

質問事項
 六 認可保育所の指導検査と補助金不正受給問題について
  1 「指導検査」について
   ア 都の指導検査の対象となる保育所数と、指導検査を行った保育所数の過去3年間の実績、および、その内、小金井市内の保育所数と指導検査の実績について伺う。

回答
  都が児童福祉法等に基づき実施した、認可保育所に対する指導検査の実績は、令和元年度は対象の2,969施設のうち238施設、令和2年度は2,978施設のうち148施設、令和3年度は2,886施設のうち129施設です。
  そのうち、小金井市内の実績は、令和元年度は対象の29施設のうち2施設、令和2年度は32施設のうち3施設、令和3年度は39施設のうち3施設です。

質問事項
 六の1のイ 過去3年間に都が認可した保育所の内、指導検査をした保育所数、および、その内、小金井市内の保育所数について伺う。

回答
  都が令和元年度から令和3年度までの3年間に認可した認可保育所は721施設であり、そのうち138施設に対し、令和3年度末までに指導検査を実施しました。
  また、同期間に都が認可した小金井市内の認可保育所は14施設であり、そのうち5施設に対し、令和3年度末までに指導検査を実施しました。

質問事項
 六の1のウ 指導検査を行う保育所はどのように決めているのか伺う。

回答
  都は、保育施設指導検査等実施方針に基づき、過去の指導検査における指摘事項が改善されていない施設や、苦情・通報等が多く寄せられている施設等を中心に指導検査の実施施設を選定しています。

質問事項
 六の1のエ 指導検査の実施率が大変低く、特に開設以来一度も指導検査を行っていない保育所が相当数に上ると思われるが、その理由と見解および改善方針について伺う。

回答
  都は、過去の指導検査における指摘事項が改善されていない施設等を中心に、児童福祉法等に基づく指導検査を行い、不適切な保育の通報等があった場合は速やかに特別指導検査を実施しています。
  また、区市町村は、子ども・子育て支援法等に基づき指導検査を実施しています。
  今後とも、区市町村と連携を密にしながら、指導検査を実施していきます。

質問事項
 六の1のオ 区市町村は、子ども・子育て支援法に基づき、区市町村条例で定めた基準等の実施状況について、指導検査を実施することになっているが、都は実施状況を把握しているか、伺う。

回答
  令和3年度は、都内の認可保育所3,477施設のうち、23区14市が1,273施設に対し、子ども・子育て支援法等に基づく指導検査を実施しています。

質問事項
 六の1のカ 各区市町村による指導検査は大変不十分な状態であるにもかかわらず、職員体制の現状などにより改善することが困難だと思われる。都としての支援を検討するべきではないか、見解を伺う。

回答
  都は、区市町村職員向け研修の実施や研修生の受け入れ、指導検査の合同実施等により、区市町村の指導検査技術の向上を支援しています。

質問事項
 六の2 株式会社コスモズによる補助金不正受給について
    ア 都はコスモズが経営する保育所について、補助金不正受給以外に不適切な運営がされていないか確認する責任があると思うが、指導検査は行っているか伺う。

回答
  本事業者が令和3年度末時点で都内に設置していた認可保育所12施設のうち、4施設に対し、都は、令和元年度から令和3年度までの3か年で指導検査を実施しました。

質問事項
 六の2のイ 「複数の自治体で何度も受給しており非常に悪質」との指摘もされている。都としても実態解明と再発防止に向けて関与すべきだが、見解を伺う。

回答
  現在、本事業者に補助金を支出した自治体において、事案の詳細について調査を進めており、都は、関係区市との情報交換会を開催し、それぞれの調査状況等を自治体間で共有しています。

質問事項
 七 若年被害女性等支援事業について
  1 委託事業から補助事業に変更した手続きについて
   ア 委託事業から補助事業に変更した理由と検討の経過について伺う。また、検討段階において委託団体はじめ関係者からの意見聴取をしていたか伺う。

回答
  東京都若年被害女性等支援事業(以下「本事業」という。)は、事業開始から5年が経過し、支援に取り組む民間団体も増加しており、今後、事業の効果をより一層高めていくため、民間の創意工夫を生かし、支援が必要な若年女性の状況に応じた柔軟な対応が可能となるよう、補助事業化することとしました。
  補助事業化の検討に当たっては、平成30年度から令和3年度に実施した委託事業の実績を検証することとし、委託先の団体からも意見を聴取しています。

質問事項
 七の1のイ 補助事業化による実施要綱および申請方法の周知はどのように行われたか伺う。

回答
  令和5年4月、本事業の実施要綱及び申請方法について、報道発表を行うとともに、東京都のホームページに掲載し、周知しました。

質問事項
 七の2 補助事業の申請と審査の状況について
    ア 福祉保健局ホームページに「事業開始から5年が経過し、支援に取り組む民間団体も増加」とあるが、事業開始時と現在の支援に取り組む民間団体数を伺う。

回答
  国のモデル事業として開始した平成30年度は、4団体から応募があり、そのうち3団体を選定しました。
  補助事業化した令和5年度は、9団体から申請があり、そのうち5団体を補助事業者として決定しました。

質問事項
 七の2のイ 交付決定6月上旬とのスケジュールが示されている。補助金交付申請書を提出した団体数と、交付決定した団体数と団体名を伺う。

回答
  令和5年度は、9団体から本事業の交付申請書の提出があり、公益社団法人日本駆け込み寺、特定非営利活動法人ぱっぷす、特定非営利活動法人BONDプロジェクト、特定非営利活動法人レスキュー・ハブ及び一般社団法人若草プロジェクトの5団体に交付決定を行いました。

質問事項
 七の3 「東京都若年被害女性等支援事業実施要綱」について
    ア 誓約書に「8 事業の履行確認に必要な個人情報を提供することに同意します」を追加した理由について伺う。

回答
  事業執行の更なる適正化を図るため、履行状況を的確に確認できる仕組みとしました。

質問事項
 七の3のイ 委託事業においては、「関係機関の間で情報共有を行うことについて支援開始時点等に利用者から同意を得ることとする。」という補助事業の要綱にも入っている内容について、ただし同意を得られなかった場合には、利用者の生命や身体に危険のある場合、または法令等に特段の定めがある場合を除いて、「個人を特定できる情報についてはこの限りでない」という確認や、支援開始時点において、円滑に支援を開始するための妨げになることが明らかな場合には、利用者から同意をとろうとする必要はない」ということを、疑義解釈として確認していたと聞いているが、これらは継承されているか伺う。

回答
  本事業の実施要綱における「関係機関の間で利用者に関する情報の共有を行うことについて、支援開始時点等に利用者から同意を得ることとする。」との記載については、補助事業化後も変更していません。

質問事項
 七の3のウ 昨年度まで5年間にわたって委託事業を行ってきた一般社団法人Colaboは、「補助金の要綱が、昨年度までの委託事業の要綱から変更されていて、少女たちの情報を東京都の判断で提供しなければならない、そういうものになったため」などの理由で補助金申請をしなかったと記者会見も行っている。Colaboの主張に対する見解を伺う。また、都は貴重な活動実績のあるColaboとの意思疎通を図るべきだが、見解を伺う。

回答
  本事業は、事業開始から5年が経過し、支援に取り組む民間団体も増加しており、今後、事業の効果をより一層高めていくため、民間の創意工夫を生かし、支援が必要な若年女性の状況に応じた柔軟な対応が可能となるよう、補助事業化することとしました。
  本事業は、民間団体や区市町村など関係機関と連携しながら取り組むこととしています。
  関係機関が連携して若年女性を支援する際には、氏名や年齢、置かれている状況等を共有する必要があることなどから、都は、補助事業化に当たっては、自立支援計画や個人別支援記録などを都が求める場合に提示するよう、要綱に定めたものです。
  なお、補助金の申請については、要綱の内容を踏まえ、各団体が判断しているものと認識しています。

質問事項
 七の4 今回の補助事業化は都の責任の縮小化であり、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が来年度施行となる流れに逆行するものである。若年被害女性等支援事業に対する都の見解と取り組みの方針について伺う。

回答
  本事業は重要な取組であり、補助事業化後も、公的機関と民間団体が密接に連携し、公的機関への「つなぎ」を含めたアプローチなどを実施することにより、若年女性の自立に資するという目的は変わりません。
  本事業は、事業開始から5年が経過し、支援に取り組む民間団体も増加しており、今後、事業の効果をより一層高めていくため、民間の創意工夫を生かし、支援が必要な若年女性の状況に応じた柔軟な対応が可能となるよう、補助事業化することとしました。
  都は、支援が必要な女性を確実に自立につなげるため、関係機関との連携強化を図り、若年被害女性等への支援を一層充実していくこととしています。

質問事項
 八 受動喫煙防止 喫煙可能な飲食店の実態について
  1 改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例が全面施行された2020年(令和2年)4月1日からの都内における喫煙可能な飲食店数の動向について把握しているか。喫煙可能、禁煙の店舗数の割合について、それぞれの動向を伺う。

回答
  都は毎年度、都内飲食店から無作為抽出した10,000店を対象に、受動喫煙防止対策実態調査を行っています。
  この調査において、喫煙専用室等喫煙可能な設備を設置している割合は、令和2年度27.0パーセント、令和3年度24.7パーセント、令和4年度17.4パーセントと減少しています。
  また、屋内禁煙の割合は、令和2年度62.1パーセント、令和3年度64.8パーセント、令和4年度72.2パーセントと増加しています。

質問事項
 八の2 喫煙設備に関する標識(以下、ステッカーとする)について飲食店は、どのような場合に掲示することになっているか。

回答
  飲食店の管理権原者は、健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の規定に適合する喫煙専用室等を定めようとするときは、当該場所の出入口の見やすい箇所に、喫煙することができる場所である旨などを、また、飲食店の出入口の見やすい箇所に、店内に喫煙専用室等が設置されている旨などを記載した標識をそれぞれ掲示しなければならないこととなっています。
  さらに、条例では、飲食店内が禁煙である場合にも、その旨の標識を出入口の見やすい箇所に掲示するよう、管理権原者に義務付けています。

質問事項
 八の3 ステッカーの掲示状況を含め飲食店に関する指導はどのようにしているか。確認項目や頻度、保健所との連携の有無について伺う。

回答
  飲食店における健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の遵守については、保健所が計画的な巡回等を行い、標識の適切な掲示や喫煙専用室等の技術的基準への適合性などを確認し、法や条例に関する義務違反が疑われる場合には、施設の管理権原者に対して改善に向けた指導等を行っています。
  都は、ハンドブックなどを作成し、法令遵守を繰り返し啓発するほか、保健所設置区市や都保健所が参加する連絡会等を通じて、飲食店への啓発・指導に関する具体的な取組事例の共有や意見交換を実施するなど、保健所設置区市等と連携、協力して受動喫煙対策に取り組んでいます。

質問事項
 八の4 いまなお受動喫煙の被害にあったという声も届いており、受動喫煙防止の目的は達成されていないのではないか。現状をどのように認識しているか見解を伺う。

回答
  都は毎年度、都内在住の3,000名を対象に、受動喫煙に関する意識調査を行っています。
  この調査で、受動喫煙を経験した場所として飲食店と回答があった割合は、改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の全面施行以降減少しており、都は引き続き、飲食店等の事業者への啓発など受動喫煙対策に取り組んでいきます。

質問事項
 九 関東大震災100年にあたっての歴史的事実を踏まえた人権尊重の取り組みについて
  1 「災害時における人権侵害を防止するための都民の意識啓発」に関する事業の昨年度の実施状況、および今年度の実施予定について伺う。

回答
  令和4年度に都は、人権尊重条例に基づき、ヘイトスピーチと認められる表現活動の概要公表を行ったほか、啓発冊子の作成・配布や人権啓発イベントにおけるパネル展示、人権週間に合わせた動画配信等を行いました。
  令和5年度も引き続き、広く都民への意識啓発の取組を行っていきます。

質問事項
 九の2 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への「追悼文」について
    ア 知事が追悼文送付をやめた2017年以降、「追悼式典」の隣接地で行われるようになった集会では、朝鮮人を貶め、傷つける差別的な演説がなされ、人権尊重条例に基づく審査会はヘイトスピーチにあたると認定した。追悼文送付取りやめが差別意識を助長したことは明らかだと思うが、見解を伺う。

回答
  都は、ヘイトスピーチの解消に向け、様々な機会を捉えて啓発を行っており、引き続き、ヘイトスピーチは決して許されないというメッセージを発信していきます。

質問事項
 九の2のイ 関東大震災100年の今年こそ、都立横網町公園で行われる「追悼式典」へ「追悼文」を送付するなど、「関東大震災における朝鮮人犠牲者」への追悼の意を表明しないか、見解を伺う。

回答
  東京都は、毎年3月と9月に都立横網町公園で執り行われている大法要において、東京で起こった甚大な災害と、それに続く様々な事情で亡くなられた全ての方々に対して哀悼の意を表しています。

質問事項
 九の2のウ 関東大震災100年の機会を捉えて、「関東大震災における朝鮮人虐殺」について、学校教育や社会教育の場などにおいて、啓発と人権教育を推進することが求められるが、実施しないか見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、学校教育や社会教育の中で、様々な人権課題を取り上げ、偏見や差別意識の解消に向けた人権教育の推進を図っています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 岩永やす代

質問事項
 一 国立3・3・15号線等の都市計画道路について
 二 困難な問題を抱える女性への支援について
 三 失語症者の意思疎通支援について
 四 子どもの誤飲事故防止について
 五 PFAS汚染問題について

一 国立3・3・15号線等の都市計画道路について
 1 第四次事業化計画について
   2023年度は東京都における都市計画道路の整備方針、第四次事業化計画の開始から8年目となりますが、人口減少、超高齢社会をむかえる中で、これまでとは違った社会インフラの整備が必要です。また、2020年から3年以上続いたコロナ禍で、ライフスタイルや社会情勢が大きく変化しました。気候危機対策としても、コンクリートではなく、緑や土の自然を活かしたグリーンインフラの整備など、市民参加で方向性を選択するまちづくりが求められている中で、都市計画道路の整備においても社会経済情勢にあわせた見直しが必要です。
   また、2022年4月に改定された都市計画運用指針では、都施行の都市計画道路であっても、関係市区町村への十分な情報共有のもと相互の意思疎通を図るなど、地元自治体の意見がより一層重要となりました。第四次事業化計画においても、現在未着手の優先整備路線を含めて、市民や地元自治体の意向を聞きながら必要性も含めて検討すべきと考えます。
  ア 第四次事業化計画が2016年3月に策定されました。優先整備路線の選定にあたっては、どのような検討を経て優先整備路線に選定されたのか、検討内容および検討経過について伺います。
  イ 第四次事業化計画の策定にあたり、地元自治体との検討や市民の声の反映はどのように行われたのか伺います。
  ウ 第四次事業化計画期間内での都施行の優先整備路線の事業実施や都が検討主体となる計画内容再検討路線および見直し候補路線の変更については、地元自治体との協議や市民意見の反映を含め、どのように判断するのか伺います。
 2 第四次事業化計画の優先整備路線のうち、都市計画道路国立3・3・15号線および国立3・4・5号線について
  ア 国立3・3・15号線の一部は、62年前に計画された都市計画道路ですが、390mが国立市の土地区画整理事業区域内にあります。また、東京女子体育大学の敷地内を通る計画となっているため、大学との協議も必要です。東京女子体育大学との協議はどのように行われていくのか伺います。
  イ 第四次事業化計画に位置づけられて以降、地元自治体との協議について伺います。地元市国立市との協議はどのように行われてきたのか、また、今後はどのように進めていくのか伺います。
  ウ 国立3・3・15号線及び国立3・4・5号線に関する東京都の2023年度予算額とその内訳を伺います。
  エ 甲州街道より南の完成している国立3・3・15号線は、青柳崖線の高木が茂り、「ママ下湧水」と呼ばれる豊かな湧水が流れ出る場所です。整備にあたっては、どのような環境調査が行われたのか伺います。
  オ 国立3・3・15号線と、国立3・4・5号線の延伸道路の2つの幹線道路が、2か所で矢川を横切る計画となっています。矢川は、国立第六小学校の校庭の横を流れ、校庭内にはビオトープの池もあります。都内で学校の敷地内に湧水が流れているのは2校のみです。この大変貴重な矢川の保全にむけて、環境影響評価が必要ですが、事業化される場合には、どのような環境影響評価を行う予定か伺います。
  カ 国立3・3・15号線と、国立3・4・5号線の延伸道路の道路予定地には、いずれも縄文土器が出土したことのある遺跡があります。事業化された場合には、遺跡に関連してどのような調査が行われるのか伺います。
  キ 国立3・3・15号線と、国立3・4・5号線に関して、第五次事業化計画策定にむけたスケジュールや都と地元自治体である国立市との検討会議がどのように進められるのか伺います。
  ク 計画段階からの情報公開と、周辺住民をはじめとする市民を対象とした意見交換、市民への分かりやすい情報公開と市民参加のしくみが重要です。事業化にあたって、情報公開と市民参加をどのように進めていくのか伺います。
  ケ 南武線の連続立体交差事業と国立3・3・15号線と国立3・4・5号線2路線の事業の進め方の関係性について伺います。
 3 土地区画整理事業との関連について
   土地区画整理事業の廃止の手続きについて伺います。

二 困難な問題を抱える女性への支援について
  「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の2024年4月施行に向けて今年度中に基本計画を策定するため、東京都は準備を進めています。この新法では、人権擁護やジェンダー視点をもとに、本人の意思を尊重し、自立生活に向けた多様な支援を包括的に提供する体制整備や民間団体との協働が重要になっています。
 1 基本計画では、当事者や支援現場の実態に基づくしくみづくりが重要です。計画策定にあたる検討委員会に民間支援団体の人をメンバーに入れる必要があると考えますが、見解を伺います。
 2 新法に合わせて、婦人保護事業をリニューアルしていくことになります。現状の女性相談センター(婦人相談所)、女性相談員(婦人相談員)、婦人保護施設それぞれについて、課題をどのように捉えているか伺います。
 3 婦人保護施設と民間シェルターは、女性の自立支援に向けた事業を展開しています。どちらも新法が示すニーズに応えて活動が期待されるにもかかわらず、婦人保護施設は現在の利用者のニーズに合わず、民間シェルターの運営は厳しさを増しています。民間団体との協働をうたうのですから、都は民間シェルターに対し運営費の補助をすべきと考えますが、見解を伺います。
 4 実際に困難な問題を抱えた女性は、相談窓口や支援者をとおして自治体とつながっていくことが多いです。生活の現場である市区町村は、支援者をまじえ、ていねいに本人の意思を確認し、社会資源も活用して、基本方針が定義する自立につなげていく必要があります。そのキーとなる女性相談員の確保や人材育成に関して、東京都として新法施行により何を具体化していくのか伺います。
 5 「若年被害女性等支援事業」は、事業開始から5年が経過しました。新法でも位置づけられたアウトリーチや居場所などの事業を実施し、多くの女性たちが利用してきました。特に東京は大きな繁華街を複数抱え、若年女性が性風俗産業などにからめとられるのを防ぐために、非常に重要な事業です。新法を梃子にアウトリーチ型の支援事業をさらに進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 6 JKビジネス条例は、施行されて6年が経過します。JKビジネスは、女子高生などの女性を異性の客への接待業務に従事させるもので、飲食以外にも客との接触や散歩、撮影などをさせる事業者を摘発します。この間、JKビジネスの条例違反やそれに起因した犯罪の取り締まりはどれくらい実施されたのでしょうか。条例施行からの検挙件数や内容について伺います。また、違法なJKビジネスに関わらないための対策について伺います。

三 失語症者の意思疎通支援について
  脳卒中や事故の後遺症などで「話す、聞く、読む、書く」などが不自由になる失語症。記憶や判断力などは変わらないのに会話が困難であり、外からは分かりにくいため、孤立したり誤解されたりすることも多い言葉の障がいです。症状は個別で、回復には社会参加が必要とされますが、機能訓練の場がないことが課題となっています。
  そのような失語症を理解して、失語症者の個別の症状に合わせてコミュニケーションや意思決定を支援するのが「意思疎通支援者」です。東京都は2018年から意思疎通支援者養成講習会を実施し、2021年度からは3年間のモデル事業として都内2か所で月に1回のサロンの開催と、市区町村による事業立ち上げの支援などが行われてきました。都の市区町村への聞き取りによると、2022年度には、世田谷区、豊島区、港区、多摩市、国分寺市の5自治体での事業が行われているとのことです。また、複数の自治体が実施に向けて検討を進めているとのことです。
 1 失語症者向け意思疎通支援者養成講習会は、必修基礎と応用がありますが、研修開始以降のそれぞれの受講者数と修了者数を年度別に伺います。
 2 これまでの意思疎通支援者の派遣実績を、年度別に伺います。
 3 事業の実施自治体が少ないことから、養成研修を受講した支援者のマッチングがなかなか進まないという声も聞きます。今後も都内で自治体を超えて派遣できるしくみづくりや、派遣者の交流や情報交換の場づくりなどを都が支援することが重要と考えますが見解を伺います。
 4 養成研修を受講しても派遣回数が少ない、または全くないなど、活動の場がない支援者も多く、受講を修了した支援者がスキルを継続できるようなしくみが必要です。フォローアップ講座などの実施についてはどのように検討されているのか伺います。
 5 失語症者は自分の意見や気持ちを伝えにくく、事業内容を知ることやサービスの利用の手続きにも支援が欠かせません。事業の周知はもちろんですが、申請手続きの支援も含めた丁寧な対応が必要です。市区町村や医療機関、当事者への周知はどのように行われているのか伺います。
 6 失語症者は全国で50万人いると言われています。都内の失語症者の実態把握を行う必要があると考えますが、見解を伺います。

四 子どもの誤飲事故防止について
  「消費者安全調査委員会事故等原因調査報告書(2022年3月24日)」によると、強力な磁力をもつおもちゃ、マグネットセットを複数誤飲した子どもの内臓を挟んで磁石が引きあい内臓に穴が開いたり、開腹手術による摘出が必要となった事故が、2017年から2022年に11件発生し、開腹手術により摘出したマグネットセットの磁石の個数は多いもので37個もあったと聞いています。
  また、水で膨らむボールについては、2021年から2022年に、誤飲した乳幼児の腸内で大きく膨らみ摘出するために開腹手術が行われた事故が5件発生しています。
  これらの製品による被害が重大であるため、消費生活用製品安全法施行令が5月19日に改正されて特定製品に指定され規制対象となりました。6月19日から製造や輸入の禁止、12月19日以降は販売禁止となります。
  販売禁止まではまだ半年ありますので、家にある場合は廃棄することや、子どもの手が届かない場所で管理することなど、パンフレットや啓発ポスターを作成して配布したり、誤飲防止の啓発用として使われている「チャイルドマウス」などを改めて周知徹底するなど、保護者に向けて注意喚起を呼びかけることが大切です。
 1 こうした国からの情報について、都は自治体にどのように周知しているのか伺います。
 2 保育園、幼稚園、児童館や親子ひろばを始めとする子ども関連施設や乳幼児の保護者にむけて、速やかに情報提供を行い、子どもの誤飲事故防止の啓発が必要ですが、自治体と連携してどのように進めていくのか伺います。

五 PFAS汚染問題について
  地下水のPFAS汚染問題がマスコミでも大きく取り上げられています。国では専門家会議を開いて対応を検討していますが、東京都は汚染対策を率先して進めていただきたいと思いますが、まずは汚染状況を把握することが急務です。
 1 5月23日、環境省、厚生労働省、農林水産省に対して都知事名で4項目の緊急要望を提出しました。これに対する国からの回答や反応について伺います。
 2 汚染状況や身体への影響を心配する市民が相談できるように、5月1日に電話相談窓口を開始しました。これまでの相談件数および内容について伺います。
 3 環境局が汚染源特定に向けてやっていることはどのようなものか伺います。
 4 環境局が実施している地下水継続監視調査で、経年変化の状況をどのように捉えているか伺います。
 5 都内全域の地下水濃度測定の2021年度調査データを見ると、測定した62か所のうち、51か所は検出されており、そのうち暫定指針値超が5か所あります。23区でも高濃度のところがあります。この汚染分布についてどのように捉えているか伺います。
 6 汚染源特定のためには、データの収集が重要です。各市が実施している地下水の測定状況およびその結果を把握しているか伺います。
 7 PFASの地下水汚染は広範囲にわたっていますが、その中でもやはり多摩地域を中心に高い地域があると思われます。汚染源の特定が重要ですが、特定には時間がかかるので、汚染拡大を防止するため、調査を進めると同時に高濃度井戸の汚染除去を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 8 水道水源として取水している河川水の原水は、どこの浄水場も検出限界を下回っていますが、環境局が実施している河川の測定では、暫定指針値よりも低い値ですが検出されています。場所の選定や測定方法を伺います。また、これまでの結果をどのように捉えているか伺います。
 9 土壌中のPFASについても測定すべきと考えますが、見解を伺います。
 10 空気中においてもPFASが塵に含まれて漂っていると指摘されています。空気の測定は実施しているか伺います。
 11 PFASは分解されにくいため、水や物質の循環に乗って汚染はさらに広がっていくことが予測されています。PFAS全体について、製造だけでなく使用規制すべきであり、国に対して規制を求める必要があると考えます。そして、そのためにも都は、測定などによりデータを提供することが重要です。健康影響について国に評価を示すよう求めていますが、多摩地域で市民団体が血中濃度を検査し市民に不安が広がっていることから、都として検査すべきと考えますが、見解を伺います。

令和5年第二回都議会定例会
岩永やす代議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 国立3・3・15号線などの都市計画道路について
  1 第四次事業化計画について
   ア 第四次事業化計画が2016年3月に策定されたが、優先整備路線の選定にあたっては、どのような検討を経て優先整備路線に選定されたのか、検討内容および検討経過について伺う。

回答
  第四次事業化計画における優先整備路線の検討については、骨格幹線道路網の形成や高度な防災都市の実現など六つの選定項目を設定し、事業の継続性や実現性などを踏まえ選定しました。
  第四次事業化計画の検討経過については、平成25年に区部及び多摩地域それぞれに策定検討会議を設置して検討を進め、平成27年5月の中間のまとめを経て、平成28年3月に策定しました。

質問事項
 一の1のイ 第四次事業化計画の策定にあたり、地元自治体との検討や市民の声の反映はどのように行われたのか伺う。

回答
  第四次事業化計画の策定に当たっては、区部及び多摩地域それぞれの策定検討会議を通じて、優先整備路線の選定等の検討を進めてきました。
  住民の意見を把握するため、東京における都市計画道路の整備方針(中間のまとめ)及び整備方針(案)の公表時にパブリックコメントを実施するとともに、整備方針(案)の公表後にオープンハウス形式の説明会も開催するなど、幅広く都民などの意見を踏まえて策定しています。

質問事項
 一の1のウ 第四次事業化計画期間内での都施行の優先整備路線の事業実施や都が検討主体となる計画内容再検討路線および見直し候補路線の変更については、地元自治体との協議や市民意見の反映を含め、どのように判断するのか伺う。

回答
  都施行の優先整備路線については、周辺道路の整備状況や関連する事業の計画等を踏まえるとともに、地元自治体と連携して地元説明会等を開催するなど、地域の皆様の理解と協力を得られるよう努めながら事業を実施しています。
  計画内容再検討路線及び見直し候補路線の変更については、都市計画の手続の中で地元自治体の意見を聴き、案の縦覧の際に住民等からの意見書提出の機会を設けています。

質問事項
 一の2 第四次事業化計画の優先整備路線のうち、都市計画道路国立3・3・15号線および国立3・4・5号線について
    ア 国立3・3・15号線の一部は、62年前に計画された都市計画道路だが、390mが国立市の土地区画整理事業区域内にある。また、東京女子体育大学敷地内を通る計画となっているため、大学との協議も必要だが、東京女子体育大学との協議はどのように行われていくのか伺う。

回答
  国立3・3・15号線のうち、国立市富士見台四丁目から国立3・4・4号線までの東京女子体育大学を含む区間は、第四次事業化計画において国立市施行の優先整備路線に選定されています。
  本区間における東京女子体育大学との協議については、事業者が行っていくものと認識しています。

質問事項
 一の2のイ 第四次事業化計画に位置付けられて以降、地元市国立市との協議はどのように行われてきたのか、また、今後はどのように進めていくのか伺う。

回答
  都は、国立3・3・15号線及び国立3・4・5号線の事業化の範囲や時期について、国立市と適宜意見交換を行ってきました。
  引き続き、国立市と意見交換を重ね、早期事業化に向けて取り組んでいきます。

質問事項
 一の2のウ 国立3・3・15号線および国立3・4・5号線に関する都の2023年度予算額とその内訳を伺う。

回答
  令和5年度予算では、国立3・3・15号線及び国立3・4・5号線について、環境調査に要する費用として1億4,000万円、道路構造等の検討費用として6,000万円、交通量調査等に要する費用として2,500万円をそれぞれ計上しており、合計は2億2,500万円です。

質問事項
 一の2のエ 甲州街道より南の完成している国立3・3・15号線は、青柳崖線の高木が茂り、「ママ下湧水」と呼ばれる豊かな湧水が流れ出る場所だが、整備にあたっては、どのような環境調査が行われたのか伺う。

回答
  国立3・3・15号線と青柳崖線との交差部の整備に当たっては、湧水の水量や水温、水質等のほか、動植物の生息状況等の調査を実施しています。

質問事項
 一の2のオ 国立3・3・15号線および国立3・4・5号線の延伸道路の2つの幹線道路が、2か所で矢川を横切る計画となっている。矢川は、国立第六小学校の校庭の横を流れ、都内で学校の敷地内に湧水が流れているのは2校のみである。この大変貴重な矢川の保全にむけて、環境影響評価が必要だが、事業化される場合には、どのような環境影響評価を行う予定か伺う。

回答
  東京都環境影響評価条例の対象となる事業については、東京都環境影響評価技術指針により、対象事業の種類、規模、地域の概況等を勘案して、必要な調査、予測及び評価の項目、方法等を選定し、環境影響評価を行います。
  なお、矢川との交差方法については、国立市特定公共物管理条例に基づき、市と協議していきます。

質問事項
 一の2のカ 国立3・3・15号線および国立3・4・5号線延伸道路の道路予定地には、いずれも縄文土器が出土したことのある遺跡がある。事業化された場合には、遺跡に関連してどのような調査が行われるのか伺う。

回答
  埋蔵文化財の調査については、文化財を所管する都の教育庁や市教育委員会などと調査対象や実施方法などについて調整を行いながら進めていきます。
  調査の進め方については、まずは試掘調査を行い、その結果を踏まえ、必要な範囲での本格的な発掘調査を行います。

質問事項
 一の2のキ 国立3・3・15号線および国立3・4・5号線に関して、第五次事業化計画策定にむけたスケジュールや都と地元自治体である国立市との検討会議がどのように進められるのか伺う。

回答
  次期事業化計画の策定については、未定です。
  このため、国立3・3・15号線と国立3・4・5号線に関する、スケジュールや国立市も含めた地元自治体との検討会議等についても未定です。

質問事項
 一の2のク 計画段階からの情報公開と、周辺住民をはじめとする市民を対象とした意見交換、市民への分かりやすい情報公開と市民参加のしくみが重要であるが、事業化に当たって情報公開と市民参加をどのように進めていくのか伺う。

回答
  国立3・3・15号線及び国立3・4・5号線については、都市計画素案説明会や都市計画案及び環境影響評価書案説明会、用地測量等説明会において、都市計画の内容や測量等に関する説明を行い、地域の方々の御質問や御意見を伺うとともに、説明会後も個別に対応していきます。

質問事項
 一の2のケ 南武線の連続立体交差事業と国立3・3・15号線および国立3・4・5号線2路線の事業の進め方の関係性について伺う。

回答
  国立3・3・15号線及び国立3・4・5号線については、JR南武線の連続立体交差化計画と道路整備計画の内容及び事業実施時期の整合を図る必要があります。

質問事項
 一の3 土地区画整理事業の廃止の手続きについて伺う。

回答
  国立市における土地区画整理事業の廃止手続については、市が行うものであり、その際、都は、都市計画法第19条第3項の規定により市から協議を受けることとなっています。

質問事項
 二 困難な問題を抱える女性への支援について
  1 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の2024年4月施行に向けて今年度中に基本計画を策定するため、都は準備を進めているが、基本計画では、当事者や支援現場の実態に基づくしくみづくりが重要だ。計画策定にあたる検討委員会に民間支援団体の人をメンバーに入れるべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(以下「法」という。)に基づく基本計画の策定に向け、区市町村や民間団体、婦人保護施設等から意見を聴きながら、女性への支援について検討していくこととしています。

質問事項
 二の2 新法に合わせて、婦人保護事業をリニューアルしていくことになるが、現状の女性相談センター(婦人相談所)、女性相談員(婦人相談員)、婦人保護施設それぞれについて、課題をどのように捉えているか伺う。

回答
  国が示した困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針では、婦人保護施設の入所者のうち半数近くが、何らかの障害や疾病を抱えていることなどが示されています。
  都は、法に基づく基本計画の策定に向け、区市町村や民間団体、婦人保護施設等から意見を聴きながら、課題も含め女性への支援について検討していくこととしています。

質問事項
 二の3 婦人保護施設と民間シェルターは、女性の自立支援に向けた事業を展開している。どちらも新法が示すニーズに応えて活動が期待されるにもかかわらず、婦人保護施設は現在の利用者のニーズに合わず、民間シェルターの運営は厳しさを増しているが、民間団体との協働をうたうのだから、都は民間シェルターに対し運営費の補助をすべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、東京都若年被害女性等支援事業において、居場所の提供に関する支援についても補助対象としています。
  また、シェルターの安全対策など民間団体が行う配偶者等暴力被害者に対する自主的な活動に助成等を行っています。
  なお、法では、婦人保護施設は新たに女性自立支援施設と規定され、従来の入所・保護に加えて、医学的・心理学的な援助、自立促進のための生活支援、退所者についての相談等を行うこととされています。

質問事項
 二の4 実際に困難な問題を抱えた女性は、相談窓口や支援者をとおして自治体とつながっていくことが多く、生活の現場である市区町村は、支援者をまじえ、ていねいに本人の意思を確認し、社会資源も活用して、基本方針が定義する自立につなげていく必要がある。そのキーとなる女性相談員の確保や人材育成に関して、都として新法施行により何を具体化していくのか伺う。

回答
  都は、法に基づく基本計画の策定に向け、区市町村や民間団体、婦人保護施設等から意見を聴きながら、女性への支援について検討していくこととしています。

質問事項
 二の5 「若年被害女性等支援事業」は、新法でも位置づけられたアウトリーチや居場所などの事業を実施し、多くの女性たちが利用してきた。特に東京は大きな繁華街を複数抱え、若年女性が性風俗産業などにからめとられるのを防ぐために、非常に重要な事業であり、新法を梃子にアウトリーチ型の支援事業をさらに進めるべきだが、見解を伺う。

回答
  東京都若年被害女性等支援事業については、事業開始から5年が経過し、支援に取り組む民間団体も増加しており、今後、事業の効果をより一層高めていくため、民間の創意工夫を生かし、支援が必要な若年女性の状況に応じた柔軟な対応が可能となるよう、令和5年度から補助事業として実施しています。

質問事項
 二の6 JKビジネス条例は、施行されて6年が経過する。この間、JKビジネスの条例違反やそれに起因した犯罪の取締りに関して、条例施行からの検挙件数や内容について伺う。また、違法なJKビジネスに関わらないための対策について伺う。

回答
  特定異性接客営業等の規制に関する条例の施行(平成29年7月1日)後から令和4年末までの、いわゆる「JKビジネス」に起因した犯罪の検挙件数と、そのうち特定異性接客営業等の規制に関する条例違反の検挙件数は、以下のとおりです。

  条例以外の適用法令については、児童福祉法、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律、東京都青少年の健全な育成に関する条例等の法令を駆使して、取締りを行っています。
  女子高生等がJKビジネスに関わらないための対策については、青少年やその保護者を対象とした各種学校における非行防止教室、街頭キャンペーン等、あらゆる機会を活用してJKビジネスに青少年を従事させないための教育・啓発活動を推進しているほか、警視庁ホームページにJKビジネスに従事することの危険性や相談窓口について掲載しています。

質問事項
 三 失語症者の意思疎通支援について
  1 失語症者向け意思疎通支援者養成講習会は、必修基礎と応用があるが、研修開始以降のそれぞれの受講者数と修了者数を年度別に伺う。

回答
  失語症者向け意思疎通支援者養成講習会の必修基礎コースの受講者数と修了者数はそれぞれ、平成30年度が40名と39名、令和元年度が40名と36名、令和3年度がともに20名、令和4年度が30名と28名です。
  応用コースの受講者数と修了者数はそれぞれ、令和元年度が18名と15名、令和3年度が15名と13名、令和4年度がともに11名です。
  なお、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、研修を中止しました。

質問事項
 三の2 これまでの意思疎通支援者の派遣実績を、年度別に伺う。

回答
  各区市町村の意思疎通支援者の派遣実績は、平成30年度が6名、令和元年度が49名、令和2年度が104名、令和3年度が157名、令和4年度が274名です。
  また、都の失語症者向け意思疎通支援モデル事業の派遣実績は、令和3年度が34名、令和4年度が171名となっています。

質問事項
 三の3 事業の実施自治体が少ないことから、養成研修を受講した支援者のマッチングがなかなか進まないという声も聞く。今後も都内で自治体を超えて派遣できるしくみづくりや、派遣者の交流や情報交換の場づくりなどを都が支援することが重要だが見解を伺う。

回答
  都は、令和3年度より失語症者向け意思疎通支援モデル事業を実施しており、連絡会の場で事例紹介や意見交換を行うなど、区市町村の体制整備を支援しています。

質問事項
 三の4 養成研修を受講しても派遣回数が少ない、または全くないなど、活動の場がない支援者も多く、受講を修了した支援者がスキルを継続できるようなしくみが必要だが、フォローアップ講座などの実施についてはどのように検討されているのか伺う。

回答
  都は、意思疎通支援者の活動の場を増やせるよう、区市町村にモデル事業の成果や知見を提供し、派遣事業の立上げを支援しています。

質問事項
 三の5 失語症者は自分の意見や気持ちを伝えにくく、事業内容を知ることやサービスの利用の手続きにも支援が欠かせない。事業の周知はもちろん、申請手続きの支援も含めた丁寧な対応が必要だが、市区町村や医療機関、当事者への周知はどのように行われているのか伺う。

回答
  都は、失語症者向け意思疎通支援モデル事業に関するチラシを作成し、区市町村、社会福祉協議会、関係医療機関、意思疎通支援者、東京都言語聴覚士会会員等に配布しています。
  また、令和4年度は、当事者団体の会議等において事業内容の説明を行いました。

質問事項
 三の6 失語症者は全国で50万人いると言われており、都内の失語症者の実態把握を行う必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、福祉保健基礎調査において、障害者の生活実態を5年に一度調査しており、その対象は、失語症者など言語機能障害者の方も含まれています。
  また、失語症者向け意思疎通支援事業の実施状況等を把握するため、区市町村に対してアンケート調査を実施しています。

質問事項
 四 子どもの誤飲事故防止について
  1 「消費者安全調査委員会事故等原因調査報告書(2022年3月24日)」といった国からの情報について、都は自治体にどのように周知しているのか伺う。

回答
  政令改正によりマグネットセットや水で膨らむボールが販売等の規制対象となることについて、都は令和5年6月、区市の担当者を対象とした事務連絡会において周知しました。
  また、区市町村等を通じて広く都民に配布している「東京くらしねっと」や、ホームページ「東京くらしWEB」及びSNSにおいて、子供の誤飲事故防止に向けた普及啓発や注意喚起を行っています。

質問事項
 四の2 保育園、幼稚園、児童館や親子ひろばを始めとする子ども関連施設や乳幼児の保護者にむけて、速やかに情報提供を行い、子どもの誤飲事故防止の啓発が必要だが、自治体と連携してどのように進めていくのか伺う。

回答
  子供の誤飲事故防止について、都は、ホームページやSNS等を活用するほか、区市町村を通じて「東京くらしねっと」を配布するなどにより、都民への普及啓発や注意喚起を行っており、今後も引き続き適切に対応していきます。

質問事項
 五 PFAS汚染問題について
  1 5月23日、環境省、厚生労働省、農林水産省に対して都知事名で4項目の緊急要望を提出したが、これに対する国からの回答や反応について伺う。

回答
  都が緊急要望を行った際、国からは、PFASに対する総合戦略検討専門家会議で対応を検討している旨の説明がありました。

質問事項
 五の2 汚染状況や身体への影響を心配する市民が相談できるように、5月1日に電話相談窓口を開始した。これまでの相談件数および内容について伺う。

回答
  都が設置したPFASに関する電話相談窓口には、令和5年5月1日の設置から6月末日までに、健康影響などに関する相談が790件寄せられています。

質問事項
 五の3 環境局が汚染源特定に向けてやっていることはどのようなものか伺う。

回答
  PFOS等の有機フッ素化合物は、半導体の製造、撥水加工等で使用されてきたことから広域に検出されており、排出源の特定は困難と考えています。

質問事項
 五の4 環境局が実施している地下水継続監視調査で、経年変化の状況をどのように捉えているか伺う。

回答
  都は、暫定指針値を超過した地点について、引き続き、継続監視調査を行っていきます。

質問事項
 五の5 都内全域の地下水濃度測定の2021年度概況調査データを見ると、測定した62か所のうち、51か所は検出されており、そのうち暫定指針値超が5か所ある。23区でも高濃度のところがあるが、この汚染分布についてどのように捉えているか伺う。

回答
  PFOS等の有機フッ素化合物は、半導体の製造、撥水加工等で使用されてきたことから広域に検出されています。

質問事項
 五の6 汚染源特定のためには、データの収集が重要だが、各市が実施している地下水の測定状況およびその結果を把握しているか伺う。

回答
  都は、各市と情報交換を行う中で、測定状況等を把握しています。

質問事項
 五の7 PFASの地下水汚染は広範囲にわたっているが、その中でもやはり多摩地域を中心に高い地域があると思われる。汚染源の特定が重要だが、特定には時間がかかるので、汚染拡大を防止するため、調査を進めると同時に高濃度井戸の汚染除去を進めるべきだが、見解を伺う。

回答
  暫定指針値の超過が判明した場合には、関係各局で共有を図り、飲用井戸所有者には飲用を控えるよう助言を行っています。

質問事項
 五の8 水道水源として取水している河川水の原水は、どこの浄水場も検出限界を下回っているが、環境局が実施している河川の測定では、暫定指針値よりも低い値だが検出されている。場所の選定や測定方法を伺う。また、これまでの結果をどのように捉えているか伺う。

回答
  PFOS及びPFOAは要監視項目の一つとして、毎年関係機関と協議の上、測定地点を定め、国が定めた測定方法に従い、各機関が水質測定を行っています。
  これまでの測定結果は、すべての地点で国の暫定指針値を下回っています。

質問事項
 五の9 土壌中のPFASについても測定すべきだが、見解を伺う。

回答
  土壌中のPFOS等については、国が測定方法等の検討を進めているところであり、都は、こうした国の動向を注視していきます。

質問事項
 五の10 空気中においてもPFASが塵に含まれて漂っていると指摘されているが、空気の測定は実施しているか伺う。

回答
  国は、専門家会議において、環境中のPFASについて総合的に検討しており、都は、こうした国の動向を注視していきます。

質問事項
 五の11 健康影響について国に評価を示すよう求めているが、多摩地域で市民団体が血中濃度を検査し市民に不安が広がっていることから、都として検査すべきだが、見解を伺う。

回答
  PFASの健康影響等については、現時点で明らかになっていませんが、国は現在、専門家会議でPFASに対する総合的な対応を検討しています。
  都は国に対し、健康影響及び環境に関する評価について、科学的根拠に基づいた知見を早急に示すよう、緊急要望しています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 桐山ひとみ

質問事項
 一 中学校英語スピーキングテストについて
 二 教員の働き方改革について
 三 予防のためのこどもの死亡検証(チャイルド・デス・レビュー)について
 四 いじめ等による生徒児童の死亡について
 五 フレイル対策について
 六 社会的適応による卵子凍結について
 七 都立東伏見公園の整備について
 八 田無警察署移転について

一 中学校英語スピーキングテストについて
 1 都立高校入試で中学校英語スピーキングテストの結果が活用されました。今年度都立高校に入学した生徒について、国立中、私立中、他府県の公立・私立中からの入学者数を伺います。
 2 都立高等学校入学者選抜の第一次募集・分割前期募集において不合格となった者からの、4月末までの音声データの申請受理者数、提供者数を伺います。また、ESAT-Jの全ての受験者を対象とした申請受理者数、提供者数の7月末現在の状況について伺います。
 3 「提供する音声データは、受験者本人以外の個人情報を保護する観点により、記録された音声データから受験者本人の音声を抽出処理したデータとしています。なお、受験者本人の受験時の声が小さい場合は、抽出処理した結果、一部音声が聞き取りづらかったり周囲の音が入ったりする場合がある。また、受験者本人が発話・回答していない場合は、本人の音声が含まれていないデータとなる。」との事でしたが、なぜ生の音声データをそのまま開示できないのですか。
   そもそも他人の声や周囲の声が入っていることを認めている事になりませんか。見解を伺います。
 4 今後の中学校英語スピーキングテストを「話すこと」の力の向上に活用することを目的として、音声データを提供するということですが、それなら希望する生徒だけではなく、すべての中学校英語スピーキングテストを受験した生徒を対象とすべきです。また、提供時期についても生音声データを採点結果と同時期に提供できるようにすべきです。見解を伺います。
 5 音声データの提供方法については、「申請時に登録されたメールアドレスに、音声データ提供用のWEBサイトのリンクを送付する。申請者は、リンクより音声データをダウンロードする。」とされていますが、生徒に個人IDが付与されているマイページから確認できるようにできないのか伺います。できないのであればその理由も伺います。
 6 中学校英語スピーキングテストの受験会場については、今年度から導入予定の1、2年生は在学中学校で受験することとしていますが、中学3年生についても在学中学校で受験する事とすべきです。見解を伺います。中学3年生は、昨年度と同様に都立高校、大学施設、民間施設などで行うとするならばその違いについて、理由と併せて伺います。
 7 中学校英語スピーキングテストにおけるPDCAサイクルについて伺います。

二 教員の働き方改革について
 1 「東京都公立学校教員勤務実態調査結果」を踏まえ、働いているのに「超過勤務手当」等の手当てが支給されない「サービス残業」や「ただ働き」となっている時間数、及びそれらに、労働基準法で定められている手当を支払った場合の総額はいくらになるか、伺います。また、教職調整額の支給割合の根拠について、伺います。
 2 教員の勤務条件の改善には、教員は教員免許がなければできない「教育」に専念できるようにし、教員免許がなくてもできる「業務」は、それぞれのエキスパートに委ね、学校運営を教員とエキスパートで運営するように改革すべきだと考えますが、公立の小学校、中学校、都立学校におけるスクール・サポート・スタッフやエデュケーション・アシスタント、部活動指導員の過去3年間の人材配置の状況について、伺います。

三 予防のためのこどもの死亡検証(チャイルド・デス・レビュー)について
 1 チャイルド・デス・レビューは、18歳以下の子どもの全死亡例を対象に詳細な死因究明をし、予防できる死から子どもを守る安全で安心な社会を構築していくものです。
   こどもが亡くなった後、直接の死因、社会的背景や環境要因等を分析、検証し、予防対策を提言するものです。死亡診断を行う医療機関をはじめ、福祉、保健、教育、警察など、子供と家族に関わる様々な機関の連携協力が不可欠とのことであり、また、子どもの死という特に配慮を要する情報を取り扱うため、収集する情報の範囲や入手、管理の方法、検証結果の共有、公表、施設での事故等を検証する既存の制度との関係など整理する課題があります。
   現在、関係機関による連絡会議を開催され、国のモデル事業に参画し、関係機関と共に検証等の取組を開始するとしているが現状と課題について伺います。
 2 18歳未満のすべての子どもに対する死亡事案に対する検証を行うとしていますが、学校現場におけるいじめによる自死や、いわゆる「指導死」といわれる子どもの自死については「因果関係」について解明する事が困難になるケースが多い中、保護者にとって死因について知ることが出来ることに期待の声があります。教育現場(公立学校、私立学校含む)におけるチャイルド・デス・レビューの必要性についての見解を伺います。また現場の課題についても、併せて伺います。

四 いじめ等による生徒児童の死亡について
 1 東京都内の公立学校・私立学校別で、自殺者数(平成27年度から令和3年度まで)及びいじめの重大事態の内訳ごとの発生件数(平成26年度から令和3年度まで)を伺います。
   また、東京都として、学校から報告をうけた件数、学校に指導・助言した件数を伺います。
 2 公立学校、私立学校を問わず、厳しい叱責や体罰といった不適切な指導が子どもの不登校や自殺につながる事の認識について伺いました。学校における「いじめ」特に、教師による子どもへの「いじめ」や学校がそれを黙認することはあってはならないことです。
   これまで、いわゆる「指導死」についての言及はなく、「生徒指導については生徒指導提要を踏まえ、各学校が責任をもって実施すべきもの」との答弁のみです。しかしその指導が原因で生徒の自殺につながるおそれがあるものであれば、学校内の問題としてではなく、生徒の安全を守る一般社会の問題として対処すべきです。「こどもの命がかかっているのに何もしないのか」、再発防止策としてどのように対応するのか伺います。

五 フレイル対策について
 1 スマートウォッチ等デジタル機器活用事業は、バイタルや身体活動量を計測できるスマートウォッチ等を用いて、高齢者のデータを収集、分析し、健康状態の把握や病気の予兆を察知できるアプリ等の開発につなげるとともに、それにより高齢者の行動変容を促し、健康増進を図ることを目的に実施するもので、板橋区、千代田区等の協力を得るなど65歳以上の1,500人に協力依頼をしてデータを収集することとしています。2年目を迎える今年度は、追跡調査の測定結果とデータを比較してフレイルや介護予防、あるいは高血圧症や糖尿病、不整脈など、多様な健康リスクとの関係性を解明するとしているが現在の状況について伺います。
 2 この事業におけるコールセンターを設置したとの事でしたが、機器のトラブル等などどのような相談が寄せられているか伺います。
 3 デジタル機器等を継続して装着いただくために、装着中の健康状態を可視化できるアプリも併せて配布をしているとの事ですが、参加者に対しては、健康長寿医療センターより月一回程度、可視化したデータをまとめた健康レポートを郵送する予定となっているが現状について伺います。また、健康状態を把握することによっての行動変容についても併せて伺います。
 4 EIM、エクササイズ・イズ・メディシンとは、「運動は薬である」と言う、アメリカスポーツ医学会によって提唱された、適度な運動こそは健康寿命を延ばす医療そのものであるという考え方に基づいて、社会全体で運動で健康になるという機運の醸成を図る取り組みです。
   これまで小池知事からも、「誰もがいつまでも自分らしく健康で生き生きと過ごせる東京の実現を目指しまして、都民一人一人に運動習慣の定着を呼びかけてまいりました。」との事ですが、適度な運動は健康にとっていいと頭でわかっていても行動変容を促す環境を整える事が重要です。例えば、都道の歩道に何キロ歩くと何カロリー消費するとか、身近な公園に誘導し、健康器具に触れるとか、街中ピアノのように公共敷地や道路など活用してスポーツ器具を置くだけで体を動かす機会を提供する等誰もが楽しめるこうした各自治体の取組に積極的に財政支援すべきと考えますが見解を伺います。

六 社会的適応による卵子凍結について
 1 卵子凍結についての普及啓発や卵子凍結に関する新たな助成対象疾患の可能性について調査を行うなど、適切な選択が行えるよう、卵子凍結に関するメリット、デメリットなどについて専門医にヒアリングを行い、それを踏まえて、普及啓発冊子の内容の充実や電子書籍化を進めるとしていますが具体的にどのような成果物となったのか伺います。
 2 社会的適応による卵子凍結は、自己都合における対応の為、卵子を凍結しても何年も保管し解凍せず廃棄する事もある為、社会適応について公金を助成し積極的に支援する事については反対です。まず、これまで助成しているAYA世代のがんなどのほか、医学的適応による卵子凍結の助成対象となり得る疾患について調査をし、拡充する事が先決であると考えますが現在の調査の状況について伺います。

七 都立東伏見公園の整備について
 1 都立東伏見公園は、東伏見地区をはじめとする西東京市の水と緑のネットワークの中心として、ふれあいや交流の場を提供し、人々が集い、賑わいをもたらすように整備していますが、都立東伏見公園の直近における事業認可の取得状況及び現在の進捗状況について伺います。
 2 都立東伏見公園内にはトイレが一か所しかなく利用者からトイレの増設の声もある。この間増設に際し近隣住民からの反対の声もあり、過去に建築基準法の許可に対する審査請求がなされるなど課題があったが現在の進捗状況について伺います。
 3 公園事業(東伏見公園)・河川事業(石神井川)と連携し、石神井川や隣接する東伏見稲荷特別緑地保全地区等、一体となった緑豊かなうるおい空間を創出することを目指しています。現在の石神井川の河川整備状況と事業認可期間について伺います。

八 田無警察署移転について
 1 田無警察署庁舎(西東京市田無町5丁目)は1978年10月に竣工。今年で築45年になります。また、老朽化し手狭になったなどから移転が検討され、田無警察署は、同じ5丁目にあるJA東京みらい田無支店が移転した跡地に新庁舎を建設、移転することになっています。新庁舎建設にあたり現在の進捗状況を伺います。
 2 今後の課題として、運転免許センターの新設を求める声が地元から上がっており、市長も警視庁に要望をしています。
   近隣の住民が運転免許証を更新するのは府中運転免許試験場(府中市多磨町3丁目)で、優良運転者(通称「ゴールド免許」)らは石神井警察署別館の石神井運転免許証更新事務所(練馬区石神井町6丁目)でも可能です。各それぞれの西東京市及び東久留米市の市民が免許更新の為の来庁者人数と割合について伺います。(過去5年分)
   併せて、西東京市における運転免許センターの必要性についての認識を伺います。

令和5年第二回都議会定例会
桐山ひとみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 中学校英語スピーキングテストについて
  1 今年度都立高校に入学した生徒について、国立中、私立中、他府県の公立・私立中からの入学者数を伺う。

回答
  都教育委員会では、都立高校の入学者のうち、国立や私立中学校、他県の中学校出身者の人数については、把握していません。

質問事項
 一の2 都立高等学校入学者選抜の第一次募集・分割前期募集において不合格となった者からの、4月末までの音声データの申請受理者数、提供者数を伺う。また、ESAT-Jの全ての受験者を対象とした申請受理者数、提供者数の7月末現在の状況について伺う。

回答
  4月末までの申請受理者数は38人で、全員に提供しました。また、7月末現在、申請受理者数は176人で、169人に提供し、他の7人については準備が出来次第提供する予定です。

質問事項
 一の3 なぜ生の音声データをそのまま開示できないのか。そもそも他人の声や周囲の音が入っていることを認めている事にならないか、見解を伺う。

回答
  受験者本人以外の個人情報を保護するため、本人の音声を抽出処理したデータを提供することとしています。

質問事項
 一の4 今後の中学校英語スピーキングテストを「話すこと」の力の向上に活用することを目的として、音声データを提供するということだが、それなら希望する生徒だけではなく、すべての中学校英語スピーキングテストを受験した生徒を対象とすべきである。また、提供時期についても生音声データを採点結果と同時期に提供できるようにすべきだが、見解を伺う。

回答
  希望する全ての生徒を対象に、オンラインで音声データを提供することにより、自分の音声と解答例を照らし合わせ、学習の成果に基づいた目標を立てられるようにするなど、テストの結果を「話すこと」の力の向上に活用することが可能となる仕組みとしています。
  また、受験者本人以外の個人情報を保護するため、本人の音声を抽出処理した上で、データを提供することとしています。

質問事項
 一の5 音声データの提供方法については、「申請時に登録されたメールアドレスに、音声データ提供用のWEBサイトのリンクを送付する。申請者は、リンクより音声データをダウンロードする。」とされているが、生徒に個人IDが付与されているマイページから確認できるようにできないのか、できないのであればその理由も伺う。

回答
  希望する全ての生徒に対し、オンラインで音声データを提供しています。マイページは3月末で運用を終了することから、4月以降も音声データの申請ができるようにするため、申請者に対し、音声データ提供用のWEBサイトのリンクを送付する方式としています。

質問事項
 一の6 中学校英語スピーキングテストの受験会場については、今年度から導入予定の1、2年生は在学中学校で受験することとしているが、中学3年生についても在学中学校で受験する事とすべきだが、見解を伺う。中学3年生は、昨年度と同様に都立高校、大学施設、民間施設などで行うとするならばその違いについて、理由と併せて伺う。

回答
  中学3年生対象のスピーキングテストは、結果を入学者選抜で活用することから、より一層の公平・公正を確保するため、都立高校等で実施しています。

質問事項
 一の7 中学校英語スピーキングテストにおけるPDCAサイクルについて伺う。

回答
  都教育委員会は、平成31年2月にスピーキングテストの実施方針を決定して以来、オンライン学習の教材やプレテストの結果を踏まえた指導情報の提供など、生徒の学習意欲の向上や中学校での指導改善に取り組んできました。
  こうした取組により、令和4年度の国の調査ではCEFR A1レベルの中学3年生は国の目標値を上回る59.5パーセントとなり、前年より5.1ポイント上昇するなど、英語力は着実に向上しています。
  引き続き、客観的な結果に基づく指導を一層充実させていきます。

質問事項
 二 教員の働き方改革について
  1 「東京都公立学校教員勤務実態調査結果」を踏まえ、働いているのに「超過勤務手当」等の手当てが支給されない「サービス残業」や「ただ働き」となっている時間数、及びそれらに労働基準法で定められている手当を支払った場合の総額はいくらになるか、伺う。また、教職調整額の支給割合の根拠について、伺う。

回答
  「公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法」等において、教員の勤務態様の特殊性を踏まえ、勤務時間の内外を問わず包括的に評価した処遇とするため、昭和41年度に文部省が行った教員の勤務実態調査の結果を勘案し、給料月額の4パーセントに相当する教職調整額を支給しており、時間外勤務手当を支給しないこととしています。

質問事項
 二の2 教員の勤務条件の改善には、教員は教員免許がなければできない「教育」に専念できるようにし、教員免許がなくてもできる「業務」はエキスパートに委ね、学校運営を教員とエキスパートで運営するよう改革すべきだが、公立の小学校、中学校、都立学校におけるスクール・サポート・スタッフやエデュケーション・アシスタント、部活動指導員の過去3年間の人材配置の状況について伺う。

回答
  スクール・サポート・スタッフの配置数は、区市町村立小中学校で、令和2年度1,633人、令和3年度1,783人、令和4年度1,818人です。
  エデュケーション・アシスタントの配置数は、区市町村立小学校で、令和4年度57人です。
  部活動指導員の配置数は、区市町村立中学校で、令和2年度540人、令和3年度523人、令和4年度632人です。また、都立学校で、令和2年度759人、令和3年度818人、令和4年度884人です。

質問事項
 三 予防のためのこどもの死亡検証(チャイルド・デス・レビュー)について
  1 現在、関係機関による連絡会議を開催され、国のモデル事業に参画し、関係機関と共に検証等の取組を開始するとしているが、現状と課題について伺う。

回答
  都は、チャイルド・デス・レビューの実施に向け、医療や警察等の関係機関との連携強化等を図るため、令和5年3月に連絡会議を開催しました。
  令和5年度は、国のモデル事業に参画し、関係機関とともに検証等の取組を開始する予定であり、現在、医療関係者の意見も伺いながら、情報収集や検証の具体的内容について検討を進めています。

質問事項
 三の2 18歳未満のすべての子どもに対する死亡事案に対する検証を行うとしているが、教育現場(公立学校、私立学校含む)におけるチャイルド・デス・レビューの必要性についての見解を伺う。また現場の課題についても、併せて伺う。

回答
  チャイルド・デス・レビューは、子供の死亡事例について、社会的背景や環境要因等を分析・検証することで、将来に向けた予防につなげるものです。

質問事項
 四 いじめ等による生徒・児童の死亡について
  1 東京都内の公立学校・私立学校別で、自殺者数(平成27年度から令和3年度まで)及びいじめの重大事態の内訳ごとの発生件数(平成26年度から令和3年度まで)を伺う。また、都として、学校から報告をうけた件数、学校に指導・助言した件数を伺う。

回答
  都内公立学校における児童・生徒の自殺者数は、次のとおりです。
                          (単位:人)
年度 小学校 中学校 高等学校
平成27年度 0 4 12
平成28年度 0 14 4
平成29年度 0 7 10
平成30年度 0 11 12
令和元年度 0 5 12
令和2年度 1 8 22
令和3年度 0 8 13

  また、都内公立学校におけるいじめの重大事態の発生件数は、次のとおりです。
                            (単位:件)
年度 合計 第1号重大事態 第2号重大事態
小学校 中学校 高等
学校 特別
支援
学校 小計 小学校 中学校 高等
学校 特別
支援
学校 小計
平成26年度 11 - - - - - - - - - -
平成27年度 22 7 4 2 0 13 10 7 0 0 17
平成28年度 22 5 6 1 0 12 7 4 1 0 12
平成29年度 27 1 3 1 0 5 11 14 1 0 26
平成30年度 40 4 7 0 0 11 17 19 0 0 36
令和元年度 45 13 3 1 0 17 28 8 2 0 38
令和2年度 23 6 6 2 0 14 7 7 0 0 14
令和3年度 45 16 3 1 0 20 19 8 0 0 27
  注釈1 第1号重大事態とは、生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるもの。
  注釈2 第2号重大事態とは、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるもの。
  注釈3 平成26年度については、注釈1と注釈2の区分がなく、小学校7件、中学校2件、高等学校2件、特別支援学校0件であった。
  注釈4 各号の小計を足し合わせた数が合計と一致しないのは、第1号及び第2号の双方に該当する事案があるためである。

  なお、公立学校において発生した重大事態については、「いじめ防止対策推進法」に基づき、設置者である所管教育委員会が報告を受けることとなっており、都教育委員会は、都立学校における上記全ての重大事態について、報告を受け、指導・助言を行っています。

  都内私立学校における児童・生徒の自殺者数は、次のとおりです。
                          (単位:人)
年度 小学校 中学校 高等学校
平成27年度 0 2 5
平成28年度 0 1 9
平成29年度 0 3 7
平成30年度 0 1 8
令和元年度 0 1 7
令和2年度 1 3 8
令和3年度 0 3 9

  また、都内私立学校におけるいじめの重大事態の発生件数は、次のとおりです。
                            (単位:件)
年度 合計 第1号重大事態 第2号重大事態
小学校 中学校 高等
学校 特別
支援
学校 小計 小学校 中学校 高等
学校 特別
支援
学校 小計
平成26年度 11 - - - - - - - - - -
平成27年度 8 0 3 3 0 6 0 3 0 0 3
平成28年度 16 2 3 4 0 9 2 6 3 0 11
平成29年度 16 1 7 4 0 12 1 2 5 0 8
平成30年度 33 1 11 12 0 24 0 17 6 0 23
令和元年度 17 2 7 3 0 12 2 6 3 0 11
令和2年度 12 0 3 5 0 8 1 1 2 0 4
令和3年度 22 0 10 3 0 13 1 10 3 0 14
  注釈1 第1号重大事態とは、生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるもの。
  注釈2 第2号重大事態とは、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるもの。
  注釈3 平成26年度については、注釈1と注釈2の区分がなく、小学校2件、中学校5件、高等学校4件、特別支援学校0件であった。
  注釈4 各号の小計を足し合わせた数が合計と一致しないのは、第1号及び第2号の双方に該当する事案があるためである。

  私立学校における上記事案は全て学校から報告を受けています。また、それぞれの事案に応じて、指導又は助言を行っています。

質問事項
 四の2 指導が原因で生徒の自殺につながるおそれがあるものであれば、学校内の問題としてではなく、生徒の安全を守る一般社会の問題として対処すべきであり、「こどもの命がかかっているのに何もしないのか」、再発防止策としてどのように対応するのか伺う。

回答
  生徒指導については、生徒指導提要等を踏まえ、各学校が責任をもって実施すべきものと考えます。都としては、学校や保護者からの意見、相談があった場合には、丁寧に対応するとともに、保護者等からの意見等については学校に対して情報提供を行うなど、必要な対応を行っています。
  また、都教育委員会は、寄せられた情報に基づき、詳細な事実確認を行った上で、教職員の不適切な指導等に厳正に対処するとともに、被処分者に服務事故再発防止研修を実施しています。

質問事項
 五 フレイル対策について
  1 スマートウォッチ等デジタル機器活用事業では、65歳以上の1,500人に協力依頼をしてデータを収集することとしている。2年目を迎える今年度は、追跡調査の測定結果とデータを比較してフレイルや介護予防、あるいは高血圧症や糖尿病、不整脈など、多様な健康リスクとの関係性を解明するとしているが、現在の状況について伺う。

回答
  東京都健康長寿医療センターでは、令和4年度は、スマートウォッチやアンクルバンドを1,152名に配布してデータを収集しました。
  令和5年度は、収集したデータと健康診断結果を詳細に比較分析して健康リスクを可視化し、高齢者が自ら確認できるアプリの試作モデルの開発を進めています。

質問事項
 五の2 この事業におけるコールセンターを設置したとの事だが、機器のトラブル等などどのような相談が寄せられているか伺う。

回答
  本事業に併せて東京都健康長寿医療センターが設置したコールセンターには、配布したスマートウォッチ等の機器の電源の入れ方やリセット方法など、操作方法等に関する問合せが寄せられており、高齢者の視点に立って丁寧に対応しています。

質問事項
 五の3 参加者に対しては、健康長寿医療センターより月一回程度、可視化したデータをまとめた健康レポートを郵送する予定となっているが現状について伺う。また、健康状態を把握することによっての行動変容についても併せて伺う。

回答
  本事業では、参加者全員に、月に1度、1か月間の歩数や歩行速度、睡眠時間等を振り返ることができる健康レポートを郵送しています。
  現在、東京都健康長寿医療センターでは、収集データ等の分析結果を踏まえ、高齢者が自ら健康リスクを確認できるアプリの試作モデルの開発を進めています。

質問事項
 五の4 適度な運動は健康にとっていいと頭でわかっていても行動変容を促す環境を整える事が重要である。各自治体の取組に積極的に財政支援すべきだが見解を伺う。

回答
  都は、健康推進プラン21において、日常生活における身体活動量を増やすことを目標に掲げ、運動体験などの機会を提供する健康づくりイベントの実施、健康遊具のある公園や消費エネルギー量等の情報を盛り込んだウォーキングマップの作成などに取り組む区市町村を包括補助で支援しています。
  都民が身近な地域で適度な運動に取り組むことができるよう、引き続き、区市町村の取組を促進していきます。

質問事項
 六 社会的適応による卵子凍結について
  1 卵子凍結についての普及啓発や卵子凍結に関する新たな助成対象疾患の可能性について調査を行うなど、適切な選択が行えるよう、卵子凍結に関するメリット、デメリットについて専門医にヒアリングを行い、それを踏まえて普及啓発冊子の内容の充実や電子書籍化を進めるとしているが具体的にどのような成果物となったのか伺う。

回答
  都は、妊娠に関する基礎知識等を掲載した普及啓発冊子に、卵子凍結のメリットとして老化前の卵子を保存できることを、デメリットとして排卵誘発剤による副作用の可能性があること等を盛り込むとともに、電子書籍も作成しました。

質問事項
 六の2 これまで助成しているAYA世代のがんなどのほか、医学的適応による卵子凍結の助成対象となり得る疾患について調査をし、拡充する事が先決だが、現在の調査の状況について伺う。

回答
  都は、令和4年度に卵子凍結の助成対象となり得る疾患についての調査を実施しており、その結果等も踏まえ、卵子凍結に関する支援について検討することとしています。

質問事項
 七 都立東伏見公園の整備について
  1 都立東伏見公園は、東伏見地区をはじめとする西東京市の水と緑のネットワークの中心として、ふれあいや交流の場を提供し、人々が集い、賑わいをもたらすように整備しているが、都立東伏見公園の直近における事業認可の取得状況及び現在の進捗状況を伺う。

回答
  本公園は、計画区域約13.7ヘクタールのうち、約5.2ヘクタールを開園しています。令和5年4月、計画区域北西部において、新たに約1.6ヘクタールの事業認可を取得し、用地説明会を開催しました。現在、測量を行っており、今後、関係権利者との折衝を進めることになります。

質問事項
 七の2 都立東伏見公園内にはトイレが一か所しかなく利用者からトイレの増設の声もある。この間増設に際し近隣住民からの反対の声もあり、過去に建築基準法の許可に対する審査請求がなされるなど課題があったが現在の進捗状況について伺う。

回答
  増設予定のトイレについては、建築基準法の許可に対する再審査請求の不存在を確認したため、地域住民の理解を得ながら、整備に向けて取り組むこととしています。

質問事項
 七の3 公園事業(東伏見公園)・河川事業(石神井川)と連携し、石神井川や隣接する東伏見稲荷特別緑地保全地区等、一体となった緑豊かなうるおい空間を創出することを目指しているが、現在の石神井川の河川整備状況と事業認可期間について伺う。

回答
  都立東伏見公園内の石神井川については、水辺に近づきやすい緩傾斜護岸を整備するなど、河川と公園で一体的な整備を行い、良好な水辺空間の創出に取り組んでいます。
  平成25年3月に坂下橋から柳沢橋までの300メートルの区間で事業認可を取得し、認可の期間は令和6年3月までとなっています。
  現在、用地取得を進め、事業用地がまとまって確保できた箇所から工事に着手しており、令和5年度は、坂下橋付近の護岸整備を行います。

質問事項
 八 田無警察署移転について
  1 田無警察署庁舎の新庁舎建設にあたり現在の進捗状況を伺う。

回答
  田無警察署新庁舎建設の進捗状況については、令和5年度中に移転先用地の買収を行うため、現在、東京みらい農業協同組合と手続きを進めています。
  今後、新庁舎建設に向けた基本計画を策定していきます。

質問事項
 八の2 今後の課題として、運転免許センターの新設を求める声が地元から上がっているが、近隣の住民が運転免許証を更新するのは府中運転免許試験場で、優良運転者らは石神井警察署別館の石神井運転免許証更新事務所でも可能である。各それぞれの西東京市及び東久留米市の免許更新の為の来庁者人数と割合について伺う。(過去5年分)併せて、西東京市における運転免許センターの必要性についての認識を伺う。

回答
  過去5年の西東京市及び東久留米市に在住する優良運転者の免許更新申請者のうち、府中運転免許試験場又は石神井警察署で免許を更新した方の人数と割合は以下のとおりです。

平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 令和4年
人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合
西東京市 府中試験場 4,041 30.7% 4,287 29.8% 5,128 33.8% 4,717 30.8% 4,661 30.3%
石神井警察署 5,696 43.2% 6,401 44.4% 7,149 47.1% 7,090 46.4% 6,965 45.2%
東久留米市 府中試験場 2,675 37.6% 2,808 37.2% 3,045 38.9% 2,943 37.7% 3,009 38.3%
石神井警察署 3,443 48.4% 3,739 49.5% 3,977 50.7% 3,828 49.0% 3,796 48.3%
  一般論として、運転免許証を更新するための施設を新設することは、更新者の分散につながり、利便性の向上に資すると考えています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 もり愛

質問事項
 一 オーガニック給食の推進と給食の無償化について
 二 神宮外苑開発における生物多様性の保全について

一 オーガニック給食の推進と給食の無償化について
  食の安全と子ども達の健康を守るオーガニック給食の推進を訴え、私もり愛は、令和3年第4回定例会、令和5年第1回定例会でも質疑を重ねて参りました。
  今月、6月2日には、「全国オーガニック(有機)給食協議会」として、全国30を超える自治体や多くの農協が参加し、無農薬の米、野菜など有機農産物を使った学校給食拡大を目指す全国組織が設立をされました。
 1 日本では近年、EUで禁止をされているグリホサート系農薬の基準が緩和されるなど、世界の動きに逆行する動きがあり、また、種子法の廃止、種苗法の改正など、食の安全安心よりも、大企業の利益優先の国の流れに、国が国民の食の安全と安心を守らないならば、東京都こそが、都民の食の安全と子ども達の健康を守る為、グリホサート系農薬の使用に対しても、東京都で条例化を行い、販売・使用に対して規制強化に踏み切るべきであると考えますが、都の見解を伺います。
  食材の高騰により、学校給食においても資材の高騰が、学校給食の質の確保に影響を与える事の無いよう、支援が求められております。
 2 先日の一般質問の答弁においても、教育長は、学校給食の運営主体は自治体であり、学校給食の無償化は都では行わないとの答弁がありましたが、一方では、米粉パンの支援については、都が食育として実施している事業もあります。
   小麦が高騰する中で、米粉パンの利用促進については、私もかねてより議会で要望して参りました。学校給食のパンにおいても、輸入小麦を使ったパンからは、グリホサート系農薬の残留が懸念をされる中、学校給食のパンにおいては、国産小麦か米粉パンに切り替えるべきであると考えます。都の見解を伺います。
 3 学校給食における有機食材の活用に向けては、有機農産物の安定供給が重要な課題です。国は、農地の25%を有機に、農薬を半減する「みどり戦略」を策定し、2050年有機農業100万haを目指すとしています。東京農業において、「みどり戦略」をどのように推進をしていくのか、都の取組を伺います。
  ぜひ、都内農業における有機農産物の生産を増やし、学校給食が積極的に安定供給先となる事で、都内農業の高付加価値化による所得の向上と結び付け、好循環を生み出すような取り組みとして頂きたいと、強く要望致します。
 4 以前、オーガニック給食の推進を議会質問で求めた際、学校現場からは安定供給の課題が聞かれた一方で、生産者側からは、「学校給食の納入に際しては、規格が厳しいため、カタチのそろったものでないと納品できない」との声が聞かれたのも事実です。
   見た目よりも、大地の自然な恵みで、不揃いだけれども力強い美味しさを実感する事も重要であると考えます。
   かねてより要望して参りましたが、学校現場における、有機農産物の理解の促進について、都の取組を伺います。
 5 富山県滑川市などでは、有機給食を増やすために、小学生の子ども達と、そのご家族が一緒に、自然栽培の田植え作業に参加するなど、有機食材への理解を子ども達と共に進める事は、食育の向上にもつながる取り組みであると考えます。
   都内にも、奥多摩や青梅など、有機栽培に取り組む農家、農協と連携しながら、子どもたちと共に食育の推進を通じて、オーガニック給食の推進に取り組んで頂きたいと考えます。都の見解を伺います。
 6 都内でも学校給食の無償化に取り組む自治体は増えております。私の地元の大田区でも、学校給食の無償化を公約に掲げた新区長が誕生し、学校給食の無償化に期待するものですが、実際は、物価高騰対策として、来年3月までの時限での実施方針に、保護者からは、落胆の声も聞かれます。
   自治体の財政状況によって、都内でも学校給食の無償化についても不公平が生じております。
   また、区が独自に学校給食の実施を決定した自治体においても、特別支援学校等、都立小中学校では無償化となっておりません。
   都内の全ての子ども達に届く、学校給食の無償化の推進に、都が財政支援を行うべきであると考えます。都の見解を伺います。

二 神宮外苑開発における生物多様性の保全について
  先日は、環境建設委員会において、生物多様性の保全についての質疑を行いましたが、報告事項については、所管外のご答弁を頂くことは出来ませんでしたので、改めてお伺いいたします。
  多様性戦略(41頁)では、「台地東部には高度な都市機能が集約する中、皇居や明治神宮などの大規模緑地や企業など民有の緑地があります。」と述べ、明治神宮については、「都心に残る大規模緑地」「永遠の杜づくり」として「コラム」が設けられていますが、「明治神宮外苑」については、一言も触れられていません。
 1 明治天皇及び昭憲皇太后を祭神とする明治神宮は国が、神宮外苑は日本全国の人々の献金と献木(けんぼく)によって創建されたものであり、森林生態系としてはともに重要だと考えますが、都の明治神宮外苑における生物多様性に対する評価を伺います。
 2 行動目標〔1〕では、「開発などにより失われるおそれのある既存のみどりの確保の視点」や「人の利用に供する公園・緑地の拡大の視点」(147p)が指摘され、『「森林や里地里山などの今ある自然を適切に保全管理していく事」「開発などで失われる恐れのある既存の緑がこれ以上失われないよう確保していく事」及び「公園・緑地などの緑を新たに拡大していくこと」の視点が必要である。』と記述されていますが、明治神宮外苑では、「再開発によって失われる既存の緑」が多くあり、また、「人の利用に供する公園・緑地」は拡大していないと考えますが、都の見解を伺います。
  明治神宮再開発で、事業者は1面広告を打って、「緑が増える」というのは「切って植えるから、緑はふえる」と述べています。
  「切って、植える」というのは、環境政策では、「ミティゲーション」の中の「代償措置」です。
  「ミティゲーション」には、〔1〕「回避」、ある行為をしないことで影響を避ける、〔2〕「最小化」、ある行為とその実施に当たり規模や程度を制限して影響を最小化する、〔3〕「修正・修復」、影響を受ける環境の修復、回復、復元により影響を矯正する、〔4〕「軽減」、ある行為の実施期間中、繰り返しの保護やメンテナンスで影響を軽減または除去する、〔5〕「代償」、代替資源や環境を置き換えて提供して影響の代償措置を行うという5段階あり、「代償措置」は最後の手段です。
 3 「代償措置」に行きつくまでの間に、「回避」、「最小化」、「修正・修復」、「軽減」のそれぞれの措置について、どのような検討がなされたのか、伺います。
 4 「切る木は743本」というのは、「3メートル以上の木の数」であって、イコモスによれば文庫の杜だけで3,000本の木が伐採されるという見解がありますが、事業者の見解は、森の生態系の考え方に即して正しいものと考えているのか、都の見解を伺います。
  ネイチャーポジティブについて、伺います。
  東京都生物多様性戦略でも、「東京の将来像を実現するための2030年目標」として、「自然と共生する豊かな社会を目指し、あらゆる主体が連携して生物多様性の保全と持続可能な利用を進めることにより、生物多様性を回復軌道に乗せる(=ネイチャーポジティブの実現)」が掲げられています(142p)。
 5 明治神宮外苑再開発において、「ネイチャーポジティブ」は、どのように実現されているのか、伺います。
  「ネイチャーポジティブ」は、方法論として「あらゆる主体が連携して生物多様性の保全と持続可能な利用を進めること」とされていますが、明治神宮外苑再開発では、地域住民が説明会を求めても、日本イコモス委員会が意見交換を求めても、三井不動産は対話の姿勢を見せておりません。まさに、「無視と排除」の明治神宮再開発です。
 6 明治神宮再開発において、「あらゆる主体が連携して生物多様性の保全と持続可能な利用を進めること」は、どのように生かされているのか、伺います。
  「東京都環境影響評価条例」は、「計画の策定及び事業の実施に際し、公害の防止、自然環境及び歴史的環境の保全、景観の保持等(以下「環境の保全」という。)について適正な配慮がなされることを期し、もつて都民の健康で快適な生活の確保に資することを目的とする。」とされています。
 7 「ネイチャーポジティブ」は、環境影響評価に生かされるべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 8 6月9日の衆議院環境委員会で、環境省は「環境影響評価は、住民から広く意見を聞き、専門家の意見も聞きながら、環境保全の観点からより良い事業とすることとするもの」と述べていますが、都として、明治神宮外苑再開発の東京都環境影響評価条例の運用について、住民から広く意見を聞いて、また、専門家の意見を聞きながら、進めたものと考えているのか、見解をお伺いします。
 9 また、同じ委員会で、西村環境大臣は、「東京都から相談があれば、助言をする」と述べていますが、東京都として、明治神宮外苑再開発の環境影響評価について、環境省や文部科学省に相談をしていないようですが、なぜ、相談しないのか、その理由を伺います。
  2022年2月、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」は、JR東日本に対して、鉄道遺構「高輪築堤」について、「発掘・記録・破壊のサイクル」の停止と、より広い範囲での一般公開、開発計画の見直しなどを求める「ヘリテージアラート」を発出しました。イコモスでは、既に、明治神宮外苑についても「ヘリテージアラート」の審議中であると聞いています。
 10 明治神宮外苑再開発は、現在は「イベント施設とオフィス・商業施設」へと変化していますが、都市計画の権限を有する東京都が、当初「スポーツクラスター」をつくろうと主導してきた再開発であり、事業者だけに責任を押し付けるのではなく、広く専門家や住民の意見を聞いて進めるべきだと考えます。都の見解をお伺いします。

令和5年第二回都議会定例会
もり愛議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 オーガニック給食の推移と給食の無償化について
  1 グリホサート系農薬の使用に対して、都で条例化を行い、販売・使用に対して規制強化に踏み切るべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、化学的に合成した農薬を削減して生産した農産物を認証し、そのPRを行っています。

質問事項
 一の2 学校給食のパンにおいても、輸入小麦を使ったパンからは、グリホサート系農薬の残留が懸念をされる中、学校給食のパンにおいては、国産小麦か米粉パンに切り替えるべきだが、見解を伺う。

回答
  輸入小麦については、国において、輸入業者に残留農薬等の検査を義務付けるなど、その安全性を確保しているものと認識しています。
  学校給食に使用する食材の選定については、文部科学省が定める「学校給食衛生管理基準」に基づき、各教育委員会や学校の判断により行っています。

質問事項
 一の3 学校給食における有機食材の活用に向けては、有機農産物の安定供給が重要な課題だ。国は、農地の25%を有機に、農薬を半減する「みどり戦略」を策定し、2050年有機農業100万haを目指すとしているが、東京農業において、「みどり戦略」をどのように推進をしていくのか、取組を伺う。

回答
  都は、化学的に合成した農薬や肥料を削減して生産した農産物を認証し、PRを行うほか、たい肥を使う農家の取組を後押しすることとしています。

質問事項
 一の4 学校現場における、有機農産物の理解の促進について、都の取組を伺う。

回答
  都教育委員会は、立川国際中等教育学校附属小学校において、有機農産物に関する食育の取組を実施することとしています。
  また、学校栄養職員への研修等により、有機農産物を活用した食育の取組事例について、周知を図ることとしています。

質問事項
 一の5 奥多摩や青梅など、有機栽培に取り組む農家、農協と連携しながら、子どもたちと共に食育の推進を通じて、オーガニック給食の推進に取り組んで頂きたいが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、立川国際中等教育学校附属小学校において、有機農産物に関する食育の取組を実施するとともに、こうした食育の取組事例について、都内の栄養教諭や学校栄養職員が参加する研修会等の機会を活用し、各学校へ周知を図っていくこととしています。

質問事項
 一の6 都内の全ての子どもたちに届く、学校給食の無償化の推進に、都が財政支援を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  法においては、食材費等の学校給食費は、保護者等が負担することとされています。
  学校給食費の取扱いについては、国の責任と負担によるべきものと考えています。

質問事項
 二 神宮外苑開発における生物多様性の保全について
  1 明治天皇及び昭憲皇太后を祭神とする明治神宮は国が、神宮外苑は日本全国の人々の献金と献木によって創建されたものであり、森林生態系としてはともに重要であるが、明治神宮外苑における生物多様性に対する評価を伺う。

回答
  環境影響評価制度は、事業が環境に与える影響を事業者自らが予測・評価し、その内容について、住民や関係自治体などの意見を聴くとともに、専門的立場からその内容を審査することにより、事業の実施において適正な環境配慮がなされるようにするための一連の手続です。
  神宮外苑地区市街地再開発事業においては、事業が環境に与える影響の項目に生物・生態系を含め、事業者が影響の予測及び評価を行っています。

質問事項
 二の2 明治神宮外苑では、「再開発によって失われる既存の緑」が多くあり、また、「人の利用に供する公園・緑地」は拡大していないと考えるが、見解を伺う。

回答
  事業者の計画では、既存樹木を極力保存又は移植するとともに、新たな緑を創出することで、樹木の本数は従前の1,904本から1,998本に、緑の割合は約25パーセントから約30パーセントに増加することになっています。
  また、広く一般に公開される広場、緑地、歩行者通路などのオープンスペースは、約21パーセントから約44パーセントに増加することになっています。

質問事項
 二の3 「切って、植える」という「代償措置」に行きつくまでの間に、「回避」、「最小化」、「修正・修復」、「軽減」のそれぞれの措置について、どのような検討がなされたのか、伺う。

回答
  環境影響評価書では、建国記念文庫の既存樹木については、設計・施工の両面からの工夫等により保存又は移植を検討し、自然環境の保全に努めるとしており、また、ラグビー場東側及び北側には緑道を整備するほか、新植による緑量の確保や質の向上にも配慮していくとしています。
  今後、設計及び施工計画の詳細を決定していく中で、樹木医の判断も仰ぎながら樹木の伐採を可能な限り回避し、樹木の保全に努めるとともに、建国記念文庫の保全エリアを可能な限り拡大するよう努めるとしています。

質問事項
 二の4 「切る木は743本」というのは、「3メートル以上の木の数」であって、イコモスによれば文庫の杜だけで3,000本の木が伐採されるという見解があるが、事業者の見解は、森の生態系の考え方に即して正しいものと考えているのか、見解を伺う。

回答
  環境影響評価書では、建国記念文庫等の緑地が一部改変されるが、文化交流施設棟周辺及び中央広場周りにおいて、建国記念文庫からの移植木を基調としつつ、新たに新植樹木も配置することで、次の100年に受け継ぐ緑地環境を整備し、建国記念文庫の樹林及び生態系を復元するとしています。

質問事項
 二の5 明治神宮外苑再開発において、「ネイチャーポジティブ」は、どのように実現されているのか、伺う。

回答
  環境影響評価書では、たとえば、建国記念文庫においては、建設後においてもケヤキやシラカシといった高木や下草の緑地であり、並木東側と同様にムラサキシジミ等が好む環境を引き続き保全するとしています。

質問事項
 二の6 明治神宮再開発において、「あらゆる主体が連携して生物多様性の保全と持続可能な利用を進めること」は、どのように生かされているのか、伺う。

回答
  環境影響評価書では、たとえば、段階的に整備していく各施設について、施設に付帯した緑地や広場についても合わせて順次供用していく計画であり、これら緑地や広場については、現状の計画地内の緑地や広場の多様な利用状況を踏まえ、今後、人や生物に応じた自然との触れ合い活動・交流の場となるよう検討を行っていくとしています。

質問事項
 二の7 「ネイチャーポジティブ」は、環境影響評価に生かされるべきだが、見解を伺う。

回答
  東京都環境影響評価技術指針では、対象計画の案又は対象事業の事業計画の策定に際しては、より環境保全に配慮したものの策定に努めるとともに、対象計画又は対象事業の実施に伴う環境への影響については、大規模な緑地の創出等の自然環境への配慮等により、新たに良好な環境を創出することも含め、環境影響評価の中で、十分に対応することに努めるものとしています。

質問事項
 二の8 6月9日の衆議院環境委員会で、環境省は「環境影響評価は、住民から広く意見を聞き、専門家の意見も聞きながら、環境保全の観点からより良い事業とすることとするもの」と述べているが、都として、明治神宮外苑再開発の東京都環境影響評価条例の運用について、住民から広く意見を聞き、また、専門家の意見を聞きながら進めたものと考えているのか、見解を伺う。

回答
  調査計画書や環境影響評価書案については、都民及び関係区長からの意見書の提出を受けたほか、都民の意見を聴く会を開催しました。
  合わせて、環境影響評価審議会に諮問し、専門的立場からの議論・検討を踏まえた答申を受けて審査意見書を作成し、事業者に送付しています。
  このように、条例にのっとり、適切に手続を進めています。

質問事項
 二の9 また、同じ委員会で、西村環境大臣は、「東京都から相談があれば、助言をする」と述べているが、都として、明治神宮外苑再開発の環境影響評価について、環境省や文部科学省に相談をしていないようだが、その理由を伺う。

回答
  都の環境影響評価制度は、東京都環境影響評価条例等に基づいて、適切に手続を進めています。

質問事項
 二の10 明治神宮外苑再開発は、現在は「イベント施設とオフィス・商業施設」へと変化しているが、都市計画の権限を有する都が、当初「スポーツクラスター」をつくろうと主導してきた再開発であり、広く専門家や住民の意見を聞いて進めるべきだが、見解を伺う。

回答
  神宮外苑は、創建時から多くのスポーツ施設が設けられ、国民や競技者がスポーツに親しんできた場所である一方で、スポーツ施設の老朽化、広場やバリアフリーの歩行者空間の不足などの課題を抱えています。
  こうした課題を解決し、緑豊かなスポーツの拠点として、更に発展させていくため、関係権利者との協議や、有識者、地元区との検討などを経て、まちづくりの方向性を示しました。
  都市計画決定等の手続に際して、案の説明会や縦覧・意見書の受付などで広く都民の意見を聴取し、都市計画審議会に付議し決定しました。
  再開発は、明治神宮など民間事業者が自らの所有地において、競技の継続性に配慮しながら実施するものです。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 清水とし子

質問事項
 一 日野市三沢3丁目の斜面地開発について
 二 畜産農家への支援について

一 日野市三沢3丁目の斜面地開発について
  2023年6月3日深夜、三沢3丁目48番地の開発区域の崖地が崩れ、すぐ下にある集合住宅の玄関前に土砂が流入しました。
  この崖地は、2014年に土砂崩れを起こし京王動物園線内に土砂が流入し、その後も2019年の台風19号の際にも、京王動物園線を止める土砂崩れがくりかえされています。
  多摩丘陵では、以前は開発事業者が手を付けなかった土砂災害の危険があるような急傾斜地の開発がみられるようになっています。
  都として、土砂災害の危険がある斜面地等での宅地開発は、法や条例を駆使して、抑制することを求めます。
 1 今回の開発区域では、土砂災害の防止や、宅地の安全性確保がとりわけ求められていました。
   土砂崩れ防止対策や雨水排水処理対策、行き止まり道路について、都の開発許可の審査基準はどのようなものが設けられていますか。
 2 開発事業者の計画では、土砂崩れ防止対策や雨水排水処理対策、行き止まり道路について、どのような対策が講じられることになっていましたか。
  近隣住民の方から、戸建て住宅側にある擁壁について、当該開発のアパートの地下構造部分が、戸建て住宅側にある既存の擁壁のすぐ裏側にできたため、擁壁の水抜き穴が十分に機能しなくなり、行き場を失った水が、擁壁の上などから泥とともに戸建て住宅側の道路に流れ出し、困っているとの声が寄せられています。
 3 どうして開発区域の土砂や雨水が近隣にあふれ出る事態が起きるのですか。
 4 開発に際しての審査基準に適合していた事業で、土砂崩れの事故が起きたことについて、都はどのように認識していますか。
  2023年6月2日の豪雨の際には、アパートの裏山が土砂崩れを起こし、直下にあるアパートに設置されている1メートルほどの塀を乗り越えて土砂が玄関の前に流入しました。
  今後も、裏山に擁壁を作るなど、さらなる土砂崩れの追加対策を講じなければ、再び、土砂の流入が起きる恐れがあります。
  今後、開発区域に建設される新しいアパートでも同様に裏山の土砂流入の危険性があります。
  また、6月2日の降雨量は174.5ミリメートル/日でした。八王子の観測情報によれば、同等以上の降雨は1998年以降の25年間で13回もあり、今後も同様の降雨があることは十分に考えられます。
 5 この開発計画の土砂災害防止対策が十分であったのか、検証することが必要ではありませんか。
 6 裏山に擁壁を作るなどの追加の対策が必要ではありませんか。

二 畜産農家への支援について
 1 外国産の飼料が高騰していることや持続可能な農業を促進していくなどの観点から、国産の飼料の利用を促進していくことが重要と考えますが、都の認識についてうかがいます。
  都内の養鶏農家からお話を伺いました。
  この農家は、安全性やおいしさにこだわり、餌には遺伝子組み換えをしていないトウモロコシや大豆かす、国産の飼料米、魚粉を自家配合して鶏を育てています。そこで出る鶏糞は、近隣農家などに肥料として活用されています。
  物価高騰のなかで、トウモロコシは1トン当り3万円から9万円へと3倍になり、国産の飼料米や魚粉も外国産飼料の高騰につられるような形で値上がりをし、餌代は月300万円にも上っています。さらに、ヒナ鳥の購入価格も値上がりしていますが、その全てを価格転嫁することはできません。
  飼料代の高騰対策として、国の配合飼料価格安定制度がありますが、自家配合農家は対象外のため、支援が受けられません。
  国の低コスト配合飼料自家製造推進緊急対策があるものの、その対象はトウモロコシに限定されています。
 2 都として、飼料米や魚粉など、自家配合飼料についての独自の価格安定制度を創設することや、飼料代の高騰等に対する支援を講じるべきと考えますが、いかがですか。
 3 昨年度、都は「飼料価格高騰に伴う畜産経営緊急支援事業」を実施し、多くの農家から「大変助かった」との声が寄せられています。
   その後も、飼料価格や電気代の高騰が続いています。
   都として、再度「飼料価格高騰に伴う畜産経営緊急支援事業」を実施すべきと考えますが、いかがですか。

令和5年第二回都議会定例会
清水とし子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 日野市三沢3丁目の斜面地開発について
  1 土砂崩れ防止対策や雨水排水処理対策、行き止まり道路について、都の開発許可の審査基準はどのようなものが設けられているか伺う。

回答
  都市計画法及び宅地造成等規制法の規定に基づく許可等に関する都の審査基準では、土砂崩れ防止対策については、30度を超える崖面の場合には基準に基づき擁壁を設けるなど、地盤の改良、擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置が取られていること、雨水排水処理対策については、排水施設や雨水流出抑制施設の設計が5年に1回の確率で想定される降雨強度に対して適切であること、道路については、行き止まりであっても避難上及び車両の通行上支障がない設計となっていることを、事業者から提出された図面や計算書等の資料により審査することとなっています。

質問事項
 一の2 開発事業者の計画では、土砂崩れ防止対策や雨水排水処理対策、行き止まり道路について、どのような対策が講じられることになっていたか伺う。

回答
  土砂崩れ防止対策については、必要な箇所に擁壁を設置するなど、関係法令に適合した設計としています。
  雨水排水処理対策については、貯留施設で集水した後、管きょで排水する計画となっています。
  道路については、幅員が6メートルで、接続先道路を含めた行き止まり道路延長が120メートル以内であることから、行き止まり道路に関する基準を満たしています。

質問事項
 一の3 開発区域の土砂や雨水が近隣にあふれ出る事態が起きるのか伺う。

回答
  一般的に、土砂や雨水の流出については、気象状況や施設の管理状況等が複合的に関係していると考えられます。

質問事項
 一の4 開発に際しての審査基準に適合していた事業で、土砂崩れの事故が起きたことについて、どのように認識しているか伺う。

回答
  当該事故の発生については、気象状況や工事完了後の土地の管理等が複合的に関係していると考えられます。

質問事項
 一の5 この開発計画の土砂災害防止対策が十分であったのか、検証することが必要ではないか、見解を伺う。

回答
  本箇所における開発工事は、事業者からの申請内容が都市計画法の規定に適合していたことから、都は平成30年5月に許可を行いました。
  対策が十分であったかについては、土地の保全義務を負う土地所有者等が検証すべきものです。

質問事項
 一の6 裏山に擁壁を作るなどの追加の対策が必要ではないか、伺う。

回答
  令和5年6月2日から3日にかけての豪雨に伴う土砂崩れに対しては、事業者が応急的な措置を行っており、都はその状況を既に確認しています。
  また、同月20日付けで、事業者に対して宅地造成等規制法に基づき、土砂の流出防止対策を行うことを勧告しています。
  この勧告に基づき、事業者に対して必要な対応を求めていきます。

質問事項
 二 畜産農家への支援について
  1 外国産の飼料が高騰していることや持続可能な農業を促進していくなどの観点から、国産の飼料の利用を促進していくことが重要だが、都の認識についてうかがう。

回答
  都は、乳牛等を飼育する農家が、飼料となる国産の牧草の購入等を行う経費への支援を充実しています。

質問事項
 二の2 都として、飼料米や魚粉など、自家配合飼料についての独自の価格安定制度を創設することや、飼料代の高騰等に対する支援を講じるべきと考えるがいかがか。

回答
  飼料を買い入れる畜産農家について、国による支援制度の利用に係る負担を減らす助成を行っています。

質問事項
 二の3 都として、再度「飼料価格高騰に伴う畜産経営緊急支援事業」を実施すべきだが、いかがか。

回答
  都は、畜産農家が生産性を高めるための設備等を導入する経費への支援等の充実を行っています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中田たかし

質問事項
 一 角筈アパート跡地について
 二 神宮前五丁目地区まちづくりについて
 三 幡ヶ谷原町アパート跡地について
 四 道玄坂二丁目地区について

一 角筈アパート跡地について
  角筈アパート跡地について、これまでの活用の検討経過、今後の活用について伺う。

二 神宮前五丁目地区まちづくりについて
  神宮前五丁目地区まちづくり検討会の現在の検討状況と、今後の予定について伺う。

三 幡ヶ谷原町アパート跡地について
  幡ヶ谷原町アパート跡地について、これまでの活用の検討経過、今後の活用について伺う。

四 道玄坂二丁目地区について
  「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」の街区再編まちづくり制度に基づき、道玄坂二丁目地区を街並み再生地区に指定されたが、これまでの検討経過と今後について伺う。

令和5年第二回都議会定例会
中田たかし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 角筈アパート跡地について
   これまでの活用の検討経過、今後の活用について伺う。

回答
  都営角筈アパートは、平成18年度に解体しました。
  この跡地については、平成21年度から令和元年度まで住宅展示場として活用し、その後、令和3年9月まで東京2020大会の輸送拠点として活用してきました。
  また、中長期的視点から都としての利活用を図るため、令和3年3月に庁内の利用意向照会を行い、検討の結果、移動式水素ステーションの設置用地及び代々木警察署の仮設用地として活用することとしています。

質問事項
 二 神宮前五丁目地区まちづくりについて
   神宮前五丁目地区まちづくり検討会の現在の検討状況と、今後の予定について伺う。

回答
  都は、旧こどもの城及び周辺都有地について、有識者、都及び地元区から成る、神宮前五丁目地区まちづくり検討会を令和4年度に設置し、当地区や周辺の現況等についての整理及びまちづくりの基本的方向性などの検討を進めています。
  引き続き、神宮前五丁目地区における都有地の一体活用に向け、検討会を運営するとともに、まちづくりの方針策定に関する調査に取り組んでいきます。

質問事項
 三 幡ヶ谷原町アパート跡地について
   これまでの活用の検討経過、今後の活用について伺う。

回答
  都営幡ヶ谷原町アパートは、平成29年度に解体しました。
  現在、この跡地の一部について、地元区から暫定的な駐輪場の設置に向けた相談を受けています。
  跡地全体の今後の活用については未定ですが、都有地は都民の貴重な財産であり、引き続き、地元区の意見等も聞きながら、検討していきます。

質問事項
 四 道玄坂二丁目地区について
   「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」の街区再編まちづくり制度に基づき、道玄坂二丁目地区を街並み再生地区に指定されたが、これまでの検討経過と今後について伺う。

回答
  道玄坂二丁目地区においては、令和3年から、町会、商店会、地権者等で構成するまちづくり協議会などにおいて、街区再編まちづくり制度を活用したまちづくりの検討が重ねられ、令和4年2月に、渋谷区へ街並み再生方針の指定を求める提案がなされました。
  この提案を踏まえ、区は、同年3月から令和5年1月にかけて、地権者等を対象とした意見交換会を開催し、界わい性と魅力にあふれたエンタメ都市の体現を目指し、街並み再生方針の案を取りまとめました。
  都は、同年3月、区から街並み再生方針の策定及び街並み再生地区の指定の依頼を受け、同年6月に指定しました。
  現在、区において、街並み再生方針を踏まえ、地区計画の都市計画素案を作成し、同年8月には説明会を実施するなど、都市計画手続を進めております。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原純子

質問事項
 一 都立葛西臨海水族園(仮称)整備等事業におけるPFI事業者の選定過程の詳細を、広く都民に明らかにすべき件について

一 都立葛西臨海水族園(仮称)整備等事業におけるPFI事業者の選定過程の詳細を、広く都民に明らかにすべき件について
  2022年8月、都は、葛西臨海水族園の新施設建設計画を請け負うPFI事業者を選定しました。入札事業者は2グループで、審査委員会の選考の結果、INOCHIグループ(のちに株式会社東京シアトリエを設立)が落札されました。同年12月、都議会第4定例会に、PFI事業の契約案件として提出されましたが、計画の提案内容については、イメージ図2枚(鳥瞰図と施設概要)のみで、提案内容はほとんど不明でした。審査記録についても、審査点数と審査講評、提案内容に言及した議論部分は省かれた議事録が公表されているのみで、非落札事業者TALグループの提案内容については一切の情報が非公表でした。これでは、2社の違いはどこで、都は「PFIによるコスト縮小」をうたいながら、なぜ9億円高いINOCHIグループが落札されたのか、議論の経過がわからず、私ども日本共産党都議団は契約を到底承認することができませんでした。
  その後も、市民による情報開示請求に対してほぼ黒塗りの秘匿事項だらけのゆゆしき状態が続き、樹木の大量伐採への懸念について、都も事業者もなんら誠意を見せず、先延ばしにして、現在に至っています。
  ところが先日、6月5日、非落札事業者のTALグループのプランとされる、新施設の提案資料がマスコミによって公開されました。
  記事情報によると、TALグループは「樹木の伐採と建物の解体を最小限に抑える配置計画とする」とのコンセプトを打ち出し、淡水生物館を残すプランになっています。既存水族園との連携もイメージ図に示されており、多くの市民がパブリックコメントでのぞんだ意見が反映されているように見えます。この提案がTALグループの提案で間違いないならば、審査がどのように行われたのかを、都民は知る権利があります。
 1 審査経過の詳細を公表すべきですがいかがですか。
 2 特に、2社の提案内容について質疑応答や議論をした部分で省略されている内容を公表すべきです。また、審査委員のつけた点数については、各委員ごとのつけた点数を一覧で公表すべきですが、公表していただけませんか。
 3 この間の環境建設委員会の質疑の答弁では、提案の詳細は「事業者の秘匿事項」との説明が再三されていますが、公共建築の計画を進める上で、当然保障されるべき、都民の知る権利と矛盾しませんか。
 4 提案内容が事業者に所属するものなら、都民が納得いくよう、都は事業者に公表させるべきではないですか。
  非落札事業者の提案内容も公表し、選ばれなかった理由がきちんと説明されなければ、都民は審査について疑義をもってしまうと思いますが、両グループの提案内容の公表と結果までの経過を公表していただくことを求めます。
 5 淡水生物館の存廃について、改めてパブリックコメントの実施が必要だと思いますが、検討されますか。
 6 樹木の伐採、移植についての判断を、事業者に勝手に行うことはさせないでいただきたいです。樹木調査の結果報告を広く公表し、専門家の意見を聞くべきですが、その予定はありますか。
 7 地元の住民説明会の開催など意見を聞く機会を設けていただきたいですが、予定はありますか。
  本事業計画について、広く都民に情報を公開し、都民の納得を得ながら進めることを改めて強く求めます。

令和5年第二回都議会定例会
原純子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 都立葛西臨海水族園(仮称)整備等事業におけるPFI事業者の選定過程の詳細を、広く都民に明らかにすべき件について
  1 審査経過の詳細を公表すべきだが見解を伺う。

回答
  「事業者選定経過及び審査講評」及び「技術審査委員会議事録」を、令和4年9月に、都ホームページにおいて公表しています。

質問事項
 一の2 特に、2社の提案内容について質疑応答や議論をした部分で省略されている内容を公表すべきであり、また、審査委員のつけた点数については、各委員ごとのつけた点数を一覧で公表すべきだが、見解を伺う。

回答
  「技術審査委員会議事録」を、都ホームページにおいて公表しています。議事録のうち、ヒアリングの内容及び質疑応答については、応募グループの固有のノウハウが多く含まれているため、公表していません。
  技術審査委員会における各応募グループの加点審査の結果については、「事業者選定経過及び審査講評」において公表しています。

質問事項
 一の3 この間の環境建設委員会の質疑の答弁では、提案の詳細は「事業者の秘匿事項」との説明が再三されているが、公共建築の計画を進める上で、当然保障されるべき、都民の知る権利と矛盾しないか伺う。

回答
  入札時提出書類の著作権は事業者に帰属しています。

質問事項
 一の4 提案内容が事業者に所属するものなら、都民が納得いくよう、事業者に公表させるべきではないか、見解を伺う。

回答
  事業の概要については、既に都ホームページで公表しており、今後の進捗状況についても適切に公表していきます。

質問事項
 一の5 淡水生物館の存廃について、改めてパブリックコメントの実施が必要だと考えるが、検討されるか伺う。

回答
  新施設の整備に向けては、パブリックコメントにより都民意見を広く聴取した上で基本構想及び事業計画を策定しています。

質問事項
 一の6 樹木の伐採、移植についての判断を、事業者に勝手に行うことはさせないでいただきたく、樹木調査の結果報告を広く公表し、専門家の意見を聞くべきだが、その予定はあるか伺う。

回答
  新施設整備に当たり支障となる樹木については、樹木診断を実施のうえ移植し、「共生の杜」を整備するために活用するなど引き続き生かしていきます。
  この考え方に基づき、現在事業を進めています。
  樹木の具体的取扱いについては、事業全般の進捗状況に合わせて適切に公表します。

質問事項
 一の7 地元の住民説明会の開催など意見を聞く機会を設けていただきたいが、予定はあるか伺う。

回答
  新施設の整備に向けては、パブリックコメントにより都民意見を広く聴取した上で基本構想及び事業計画を策定しています。
  また、事業の進捗状況について、今後も適切に公表していきます。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 福手ゆう子

質問事項
 一 朝鮮学校の子どもの権利について

一 朝鮮学校の子どもの権利について
  子供政策連携室は今年3月22日、朝鮮学校に通うこどもから直接「子どもたちの声」が届けられ、それを受け取りました。
  そこには、朝鮮学校に通う子どもたちに対する差別や偏見、高校無償化や補助金制度から除外されている差別に傷ついている思いや、朝鮮学校が子どもたちにとってかけがえのない場所であること、また、東京都こども基本条例への期待など、さまざまな子どもたちの声が書かれていました。
  私は第一回定例会の総務委員会で、「東京都こども基本条例の「すべてのこども」に朝鮮学校に通っている子どもは含まれるのか」と質問したのに対し、子供政策調整担当部長は「東京都こども基本条例に規定されている「こども」とは、「全てのこども」」と答弁しました。
  2010年に補助金を停止して以降、人種差別撤廃委員会総括所見(2014年)の19、子どもの権利委員会一般的意見23(2017年)の63、同委員会の日本の第4・第5回統合定期報告書に関する総括所見の18では、朝鮮学校とそこに通う子どもたちに対する差別を懸念し、補助金支給停止の解除などの対応を求めていることが読みとれます。こうした勧告と、東京都こども基本条例とは整合性がとれていません。
  子どもの最善の利益を確保することの責務をもつ東京都は、朝鮮学校に通う子どもの意見を受け止め、補助金支給を再開するべきです。
  日本共産党都議団は先日、朝鮮中高級学校を見学し、生徒や先生とも懇談をさせていただきました。生徒たちからは「朝鮮人である誇りをもって生きたい。それをかなえてくれる環境がある」「自分を知ること、どう生きるかを考えることができる」「同じ状況の人がいるところで学びたい」と、自分がどう生きるかを真剣に考え朝鮮学校で学んでいる姿を見ることができました。
  また先生からは、補助金停止と生徒数の減少で学校経営が非常に厳しい状況にあること、そのため保護者負担が大きく、家庭の経済状況によって朝鮮学校に行きたくても行けない子が増えていること、そして、生徒が減ることに子どもたちがとても悲しく不安に思っていることなどをお聞きしました。
  子どもの権利条約は教育において、父母や子どもの文化的同一性、言語や価値観、居住国と出身国の国民的価値観などへの尊重を育成するとしています。また、東京都人権尊重条例の前文では都が様々な人権に関する不当な差別を許さないという立場を明らかにしています。そうであるなら、都は朝鮮学校が子どもの教育に不可欠な役割を担っていることを認識し、子どもの学ぶ意欲や権利を尊重し、補助金の対象から排除するとした、子どもたちに対する差別的対応はただちに止めるべきです。
  朝鮮学校で学ぶ在日コリアンの子どもたちは、日本で生まれ日本でくらし、多くが将来も日本社会で生活していきます。全てのこどもが誰一人取り残されることなく、あらゆる差別を禁止し、子どもの最善の利益を保障する国や東京都の責務を果たすことを求め、以下質問いたします。
 1 今年3月22日に、子供政策連携室は「朝鮮学校に通う子どもたちの声」を受け取っていますが、その後「子どもたちの声」は、子供政策連携室の中で共有し読んでいただけましたか。
 2 3月22日の件のほかに、朝鮮学校に通う子どもか否かにかかわらず、子どもたちが子供政策連携室に対して意見書を持参し、手渡したことはあるか伺います。
 3 子ども自身の声を直接受け止めることの大事さについて、認識をうかがいます。
 4 子どもたちから出された声・意見をどのように受け止めたか感想をうかがいます。
 5 東京都は、東京都こども基本条例の「全てのこども」に朝鮮学校に通う子どもたちは含まれるとしています。しかし、当事者である子どもたちからは「条例の対象外になっている」「私たちだけが権利を踏みにじられている」という意見があります。子供政策連携室はこのことをどう受け止め、どう対応するのですか。
 6 子どもの最善の利益とはどういうことか、子供政策連携室の認識をうかがいます。
 7 在日コリアンの子どもたちにとって、母国語で教育を受けることや文化や歴史を学ぶ機会は極めて限られています。子どもの権利条約には少数者の民族教育も含めた教育を保障することが書かれています。子どもたちは朝鮮学校で学ぶ権利の保障を求めています。東京都こども基本条例の第8条(こどもの学び、成長への支援)に照らし、朝鮮学校で学ぶ子どもの権利について現状の認識をうかがいます。
 8 学校以外の場所で日常的にある差別や偏見に子どもたちは不安と恐怖を感じています。学校に訪問した際に、昨年の赤羽駅での悪質な落書き以降、登校できなくなっている子がいることもお聞きしました。朝鮮学校に通う子どもが差別や偏見を受けている状況をどう認識し、またこうした状況を無くすためにどう対応するのですか。
 9 朝鮮学校の子どもからは、東京都こども基本条例が施行されたことについて「私たちが未来への希望をもって健やかに学び育っていくための条例が施行」し「ありがたく心強い」と言っています。この子どもたちの条例に期待する思いをどう受け止め、応えていくことが必要と考えますか。
 10 朝鮮学校に通う子どもの声を受け、子供政策連携室として子どもの置かれている実態を直接把握することが必要と考えますが、いかがですか。

令和5年第二回都議会定例会
福手ゆう子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 朝鮮学校の子どもの権利について
  1 今年3月22日に、子供政策連携室は「朝鮮学校に通う子どもたちの声」を受け取っているが、その後「子どもたちの声」は、子供政策連携室の中で共有し読んでいただけたか伺う。

回答
  東京都として、「子どもたちの声」の内容については確認しました。

質問事項
 一の2 3月22日の件のほかに、朝鮮学校に通う子どもか否かにかかわらず、子どもたちが子供政策連携室に対して意見書を持参し、手渡したことはあるか伺う。

回答
  令和5年3月22日のほかには受け取っていません。

質問事項
 一の3 子ども自身の声を直接受け止めることの大事さについて、認識を伺う。

回答
  「都は、こどもが社会の一員として意見を表明することができ、かつ、その意見が施策に適切に反映されるよう、環境の整備を図るものとする。」
  このように、東京都こども基本条例第10条に規定されているものと認識しています。

質問事項
 一の4 子どもたちから出された声・意見をどのように受け止めたか感想を伺う。

回答
  学校に通う子供たちや保護者の皆様の思いが書かれていました。

質問事項
 一の5 都は、東京都こども基本条例の「全てのこども」に朝鮮学校に通う子どもたちは含まれるとしているが、当事者である子どもたちからは「条例の対象外になっている」「私たちだけが権利を踏みにじられている」という意見がある。このことをどう受け止め、どう対応するのか伺う。

回答
  全ての子供があらゆる場面で社会の一員として尊重され、健やかに育つ環境を整備するためには、子供の権利に関する都民の理解を醸成することが重要であり、子供をはじめ、都民に対し、条例を分かりやすく周知しています。

質問事項
 一の6 子どもの最善の利益とはどういうことか、認識を伺う。

回答
  東京都こども基本条例の前文において、「こどもの権利条約(児童の権利に関する条約をいう。以下同じ。)では、こどもに対するあらゆる差別の禁止、こどもの最善の利益の確保、生命・生存・発達への権利及びこどもの意見の尊重を一般原則としている。」と規定されています。

質問事項
 一の7 こども基本条例の第8条(こどもの学び、成長への支援)に照らし、朝鮮学校で学ぶ子どもの権利について現状の認識を伺う。

回答
  子供の学びや成長への支援は、重要であると認識しています。

質問事項
 一の8 朝鮮学校に通う子どもが差別や偏見を受けている状況をどう認識し、またこうした状況を無くすためにどう対応するのか伺う。

回答
  人権尊重条例では、東京に集う多様な人々の人権が、誰一人取り残されることなく尊重され、人権尊重の理念が広く都民等に一層浸透していくこととしており、引き続き、人権全般に関する啓発冊子や動画等を活用して効果的な啓発を行っていきます。

質問事項
 一の9 朝鮮学校の子どもからは、東京都こども基本条例が施行されたことについて「私たちが未来への希望をもって健やかに学び育っていくための条例が施行」し「ありがたく心強い」と言っている。この子どもたちの条例に期待する思いをどう受け止め、応えていくことが必要と考えるか伺う。

回答
  子供を権利の主体として尊重する「こども基本条例」の理念も踏まえ、子供の目線に立った施策を推進しています。

質問事項
 一の10 朝鮮学校に通う子どもの声を受け、子供政策連携室として子どもの置かれている実態を直接把握することが必要と考えるが、見解を伺う。

回答
  子供が日常的に過ごす居場所でのヒアリングやSNSアンケートなど、様々な手法により子供との対話を実践し、多様な子供の意見を把握しています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 田の上いくこ

質問事項
 一 教員の負担軽減について
 二 学校が求める制服等に要する教育負担の軽減について
 三 新型コロナウイルス感染症対策について

一 教員の負担軽減について
 1 6-7年ほど前から教員の出退勤管理の必要性を訴え、ICT活用を含め在校時間の把握に努めていただき、年々改善してきたことと思います。各校での出退勤管理は、どのような形で行っているのか、また、その在校時間の把握は、どのように活かされてきたのか伺います。
 2 スクールサポートスタッフや部活動指導員などの人材を配置はもちろんですが、何を民間に任せ、何を教員がやらなければいけないのかしっかりと分類していく必要があります。
   また、一方で、事業の廃止や縮減、精選をしていかなくてはなりません。
   以前より質問していますが、これまでに不要と思われる学校業務の廃止や縮減、精選が行われてきたのか、もしそうであれば、どのようなものが対象となり、どのようなものが対象とならず課題として残っているのか伺います。
 3 教員の通勤時間について、自宅から概ね90分以内で配置されていますが、この長い通勤時間が疲労の原因の一つです。休日の学校所在地域の行事への出席なども含め、この通勤時間の問題は、教員にとって大変大きな負担となります。
   専門の教科により異動する場所が限られるなどの課題はありますが、出勤時間の早い教員が概ね60分以内で通勤できるよう改善すべきです。
   そこで、教員の通勤時間について、30分以内、31分から60分以内、61分から90分以内、90分以上の教員の人数、割合について伺います。
 4 通勤時間短縮と地域密着のために、人事異動については、基本的な権限を区市町村の教育委員会に渡し、東京都は非常時の異動などを担うほうが効率的ですが、そのように人事制度を改めるため、何が障害となっているのか、伺います。

二 学校が求める制服等に要する教育負担の軽減について
 1 都立を含む公立の中高一貫校や、中学校、高等学校で制服着用が義務付けられている理由を伺います。
 2 公立の一貫校や中学校や高等学校で、体操着や水着などに統一性が求められる理由を伺います。
 3 公立の一貫校や中学校や高等学校で、学校指定がなく統一しない場合の不利益はどのようなことがあるのか、伺います。
 4 公立の一貫校や中学校や高等学校で体操着や制服等に刺繍の名入れが必要な理由を伺います。
 5 都立を含む公立の学校で、天候により年間数回しか使えない、特に成長期で体が大きくなるたびに購入しなければならないプールの水着を指定して購入させることは、義務教育には就学援助があるとはいえ、備品購入にかかる費用が大きくなります。高等教育になると就学援助もありません。統一した指定品の水着の購入や、色を指定して購入させる理由について、伺います。
 6 年々高騰するランドセルは、自分で選択して購入できるとはいえ、高いものでは20万円するものもあります。このようなランドセルこそ家庭の経済負担の課題とし、学校指定のナイロンバッグなどにするべきと考えますが、見解を伺います。
 7 制服を含む学用品の購入費を抑えるために工夫が必要と考えますが、見解を求めます。

三 新型コロナウイルス感染症対策について
 1 効果があるワクチンで、100%安全というものはありません。一定程度、副作用が生じるものです。都では、ワクチンを接種した方々に対する副作用のデータを取っているのか伺います。
 2 ワクチンの副作用があった方々に対して、予防接種法に基づく救済を受けるための支援など、どのような支援措置を講じているのか伺います。
 3 知事は、2020年9月、新型コロナ対策の司令塔として、「東京iCDC」を設置されましたが、有事において、実際にどのように機能したのか伺います。
 4 「東京iCDC」は、平時においては「政策立案や国・大学等とのネットワークを生かした調査・分析、普及啓発やガイドライン作成などの情報収集・発信、人材育成などのインテリジェンス機能を強化していきます。」とされていますが、何をもって有事と平時を判断するのか伺います。
 5 感染症の平時における組織体制と有事における組織体制の違いを、伺います。

令和5年第二回都議会定例会
田の上いくこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 教員の負担軽減について
  1 各校での出退勤管理は、どのような形で行っているのか、また、その在校時間の把握は、どのように活かされてきたのか伺う。

回答
  都立学校全校及びほとんどの区市町村立学校において、出勤カードシステム等の客観的な方法により、教員の出退勤を管理しています。
  学校管理職や教育委員会が教員の在校等時間を客観的に把握することにより、個々の教員に時間を意識した働き方を促すとともに、業務分担の見直し等を行うほか、産業医による面接の実施など教員の健康安全管理等にも活用しています。

質問事項
 一の2 これまでに不要と思われる学校業務の廃止や縮減、精選が行われてきたのか、もしそうであれば、どのようなものが対象となり、どのようなものが対象とならず課題として残っているのか伺う。

回答
  平成30年2月に策定した「学校における働き方改革推進プラン」等に基づき、都教育委員会では、学校に対する調査等の縮減や外部人材の活用等により、教員の負担軽減を図っています。
  また、各学校においては、保護者や地域の理解を得ながら、留守番電話の活用による勤務時間外における電話対応の見直しや、学校行事の精選等に取り組んでいます。
  引き続き、教員の負担軽減を進めることとしています。

質問事項
 一の3 教員の通勤時間について、30分以内、31分から60分以内、61分から90分以内、90分以上の教員の人数、割合について伺う。

回答
  教員の異動先を検討するに当たっては、「東京都公立学校教員の定期異動実施要綱」に基づき、個々の事情を配慮した上で、おおむね90分までを標準とする通勤時間になるよう、異動候補者の通勤所要時間の目途を調べ、異動先を決定しています。
  全職員の実際の通勤時間を把握しているものではありません。

質問事項
 一の4 通勤時間短縮と地域密着のために、人事異動については、基本的な権限を区市町村の教育委員会に渡し、都は非常時の異動などを担うほうが効率的だが、そのように人事制度を改めるため、何が障害となっているのか、伺う。

回答
  地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、一定水準の教職員を確保し、教育水準の維持向上を図るため、区市町村立小中学校の教職員の任命は、都道府県教育委員会の権限とされています。

質問事項
 二 学校が求める制服などに要する教育負担の軽減について
  1 都立を含む公立の中高一貫校や、中学校、高等学校で制服着用が義務付けられている理由を伺う。

回答
  制服等の学校生活上の服装に関する取扱いについては、生徒や保護者等からの意見や生徒への指導の観点等を踏まえ、校長が各学校の実情に応じて適切に判断しています。

質問事項
 二の2 都立の一貫校や中学校や高等学校で、体操着や水着などに統一性が求められる理由を伺う。

回答
  都立学校における体操着や水着などの取扱いについては、運動に適した機能で安全性が確保されていることや、家庭の負担への配慮などの観点を踏まえて、校長が各学校の実情に応じて適切に判断しています。

質問事項
 二の3 都立の一貫校や中学校や高等学校で、学校指定がなく統一しない場合の不利益はどのようなことがあるのか、伺う。

回答
  都立学校における体操着や水着などの取扱いについては、運動に適した機能で安全性が確保されていることや、家庭の負担への配慮などの観点を踏まえて、校長が各学校の実情に応じて適切に判断しています。

質問事項
 二の4 公立の一貫校や中学校や高等学校で体操着や制服等に刺繍の名入れが必要な理由を伺う。

回答
  体操着や制服等の名入れについては、緊急時における生徒の判別等の安全管理の確保や生徒同士の取り違えの防止などの観点から、校長が各学校の実情に応じて適切に判断しています。

質問事項
 二の5 都立を含む公立の学校で、天候により年間数回しか使えない、特に成長期で体が大きくなるたびに購入しなければならないプールの水着を指定して購入させることは、義務教育は就学援助があるとはいえ、備品購入にかかる費用が大きい。高等教育になると就学援助もない。統一した指定品の水着の購入や、色を指定して購入させる理由について、伺う。

回答
  水着の取扱いについては、運動に適した機能で安全性が確保されていることや、家庭の負担への配慮などの観点を踏まえて、校長が各学校の実情に応じて適切に判断しています。

質問事項
 二の6 年々高騰するランドセルは、自分で選択して購入できるとはいえ、高いものでは20万円するものもある。このようなランドセルこそ家庭の経済負担の課題とし、学校指定のナイロンバッグなどにするべきだが、見解を伺う。

回答
  通学用かばんについては、校長が適切に判断して、保護者に説明し、各家庭で購入しています。

質問事項
 二の7 制服を含む学用品の購入費を抑えるために工夫が必要だが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、学校指定用品の購入に係る保護者の負担について、国の通知に基づき、都立学校及び区市町村教育委員会に対して、適切に取り扱われるよう周知しています。
  また、都立学校においては、仕様を定めた上で最も低廉な価格を提示した事業者を販売業者として指定するなど、保護者負担の軽減を図っています。

質問事項
 三 新型コロナウイルス感染症対策について
  1 都では、ワクチンを接種した方々に対する副作用のデータを取っているのか伺う。

回答
  ワクチン接種後に生じる副反応を疑う事例については、ワクチンの安全性の評価・管理や国民等への情報提供のため、予防接種法に基づき、国が医療機関に報告を求めています。
  収集された事例は、国の審議会に報告され、専門家による評価を受けて結果が公表されています。

質問事項
 三の2 ワクチンの副作用があった方々に対して、予防接種法に基づく救済を受けるための支援など、どのような支援措置を講じているのか伺う。

回答
  新型コロナウイルスワクチンの接種を受け、健康被害が生じた場合、予防接種法に基づき医療費等の給付が受けられる救済制度が設けられています。申請は区市町村に行い、国の審査会で接種と健康被害との因果関係が審査されます。
  都内区市町村から国への申請件数は、令和5年6月30日までに794件で、そのうち認定が149件、否認が21件、その他は審査中となっています。
  都は、新型コロナウイルスワクチン副反応相談センターを設置し、24時間365日、接種後の副反応に関する相談を受け付けており、必要に応じて、本救済制度を紹介しています。

質問事項
 三の3 2020年9月、新型コロナ対策の司令塔として、「東京iCDC」を設置したが、有事において、実際にどのように機能したのか伺う。

回答
  東京iCDCでは、新型コロナウイルス感染症に対応するため、専門家の科学的知見に基づき、変異株の動向や夜間滞留人口と実効再生産数の推移などをモニタリング会議等で報告し、情報発信を行ってきました。
  また、ワクチン接種後の抗体保有状況を定期的に調査・分析するほか、換気の重要性やマスク着用の考え方などを、都民へわかりやすく周知しました。
  さらに、高齢者施設等での感染拡大防止に関する研修や感染対策事例集の作成等により、新型コロナに対する各施設の対応力強化を支援しました。

質問事項
 三の4 「東京iCDC」は、平時においては「政策立案や国・大学等とのネットワークを生かした調査・分析、普及啓発やガイドライン作成などの情報収集・発信、人材育成などのインテリジェンス機能を強化していきます。」とされているが、何をもって有事と平時を判断するのか伺う。

回答
  令和5年5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に変更されたことに伴い、都は、より多くの医療機関で都民が安心して必要な医療を受けられるよう、平時に向けた段階的な移行を進めています。
  また、感染状況等に応じた必要な対策を講じるため、5類移行後もモニタリング分析を継続しており、引き続き、専門家の助言や国の動向等を踏まえ、適切に対応することとしています。

質問事項
 三の5 感染症の平時における組織体制と有事における組織体制の違いについて、伺う。

回答
  都は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴い、モニタリング会議を廃止し、新型コロナ以外も含めた感染症のリスクに対応するため、「東京都感染症対策連絡会議」を設置しました。
  東京iCDCにおいても、感染症全般にわたる調査・分析機能の強化や国内外の研究機関等との連携などにより、今後起こりうる危機に迅速に対応できる体制を整えることとしています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 五十嵐えり

質問事項
 一 東京都が保有するEV車について
 二 東京都職員の離職者の数等について
 三 私立特別支援学校等経常費補助金について
 四 東京・多摩地域のPFAS汚染について

一 東京都が保有するEV車について
  東京都が保有するEV車の台数について、局ごとに伺う。

二 東京都職員の離職者の数等について
  東京都で採用された職員のうち、職員の離職者の数及び率について、過去十年間分を局ごとに伺う。

三 私立特別支援学校等経常費補助金について
 1 私立特別支援学校等経常費補助金について、東京都が私立幼稚園に交付した総額の過去十年間の推移を伺う。
 2 東京都は、上記1を交付した私立幼稚園に対して、私立特別支援学校等経常費補助金交付要綱等に基づいて、制度創設以降に、何らかの調査や措置等を行ったことがあるか。ある場合は、その事案の内容についても伺う。

四 東京・多摩地域のPFAS汚染について
  東京・多摩地域のPFAS汚染(PFOS含む)について、東京・多摩7市の住民の血液中のPFASの濃度が全国平均3.4倍の調査結果が出たとの報道もある。東京都として、PFAS汚染をいつから認識していたか。また、対策を伺う。

令和5年第二回都議会定例会
五十嵐えり議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 東京都が保有するEV車について
   都が保有するEV車の台数について、局ごとに伺う。

回答
  東京都が保有する局ごとのEV車の台数は、下表のとおりです。
                    (単位:台)
総務局 5
財務局 1
都市整備局 4
環境局 13
福祉保健局 31
産業労働局 2
建設局 15
港湾局 11
交通局 2
水道局 5
下水道局 4
警視庁 207
東京消防庁 4
合計 304
       注釈 令和5年3月末時点

質問事項
 二 東京都職員の離職者の数等について
   都で採用された職員のうち、職員の離職者の数及び率について、過去十年間分を局ごとに伺う。

回答
  平成24年度から令和3年度までにおける知事部局の常勤職員に係る局別の離職者数及び離職率については、以下の表のとおりです。

<離職者数及び離職率>
平成24
年度 平成25
年度 平成26
年度 平成27
年度 平成28
年度 平成29
年度 平成30
年度 令和元
年度 令和2
年度 令和3
年度
政策企画局 離職者数 - - - 2 2 1 3 3 3 7
離職率 - - - 0.8% 0.8% 0.4% 1.1% 1.3% 1.2% 2.0%
知事本局 離職者数 0 1 2 - - - - - - -
離職率 0.0% 0.4% 0.8% - - - - - - -
総務局 離職者数 8 12 14 8 9 14 24 19 18 19
離職率 0.5% 0.8% 0.9% 0.5% 0.6% 0.9% 1.6% 1.3% 1.2% 1.3%
財務局 離職者数 2 2 2 4 1 3 4 2 3 4
離職率 0.5% 0.5% 0.4% 0.8% 0.2% 0.6% 0.8% 0.4% 0.6% 0.8%
デジタル
サービス局 離職者数 - - - - - - - - - 3
離職率 - - - - - - - - - 1.6%
主税局 離職者数 7 18 14 12 18 15 22 21 17 31
離職率 0.2% 0.6% 0.5% 0.4% 0.6% 0.5% 0.8% 0.7% 0.6% 1.1%
生活文化局 離職者数 4 2 3 3 1 3 5 6 8 2
離職率 0.8% 0.4% 0.6% 0.6% 0.2% 0.6% 1.1% 1.3% 1.7% 0.4%
オリンピック・
パラリンピック準備局 離職者数 - - 0 3 4 7 8 12 14 23
離職率 - - 0.0% 0.7% 0.7% 1.0% 0.8% 0.8% 0.9% 1.5%
スポーツ
振興局 離職者数 3 1 - - - - - - - -
離職率 1.1% 0.3% - - - - - - - -
都市整備局 離職者数 5 1 3 7 6 8 18 10 6 11
離職率 0.4% 0.1% 0.2% 0.5% 0.5% 0.6% 1.3% 1.1% 0.6% 1.2%
環境局 離職者数 4 2 1 5 2 5 6 8 5 7
離職率 0.8% 0.4% 0.2% 0.9% 0.4% 0.9% 1.0% 1.4% 0.9% 1.2%
福祉保健局 離職者数 83 81 72 62 59 73 60 88 72 97
離職率 1.5% 1.6% 1.4% 1.3% 1.2% 1.5% 1.3% 1.9% 1.5% 2.0%
産業労働局 離職者数 15 7 6 7 14 16 14 20 18 18
離職率 1.0% 0.5% 0.4% 0.5% 0.9% 1.1% 0.9% 1.3% 1.2% 1.2%
建設局 離職者数 7 8 18 12 16 14 15 25 26 22
離職率 0.3% 0.3% 0.7% 0.5% 0.6% 0.5% 0.6% 1.0% 1.0% 0.8%
港湾局 離職者数 1 3 4 2 5 8 9 6 2 5
離職率 0.2% 0.5% 0.6% 0.3% 0.7% 1.1% 1.2% 0.8% 0.3% 0.7%
会計管理局 離職者数 0 0 1 0 2 1 4 0 0 0
離職率 0.0% 0.0% 0.9% 0.0% 1.7% 0.9% 3.4% 0.0% 0.0% 0.0%
都民安全
推進本部 離職者数 - - - - - - - 0 2 0
離職率 - - - - - - - 0.0% 3.5% 0.0%
青少年治安対策本部 離職者数 0 1 0 1 0 1 0 - - -
離職率 0.0% 1.4% 0.0% 1.4% 0.0% 1.4% 0.0% - - -
戦略政策情報推進本部 離職者数 - - - - - - - 3 4 -
離職率 - - - - - - - 2.3% 2.5% -
住宅政策
本部 離職者数 - - - - - - - 4 1 3
離職率 - - - - - - - 0.9% 0.2% 0.7%
病院経営
本部 離職者数 447 510 520 515 495 419 419 449 480 529
離職率 6.1% 7.0% 7.2% 7.0% 6.8% 5.7% 5.7% 6.2% 6.6% 7.2%
中央卸売
市場 離職者数 3 3 1 1 3 4 5 8 7 3
離職率 0.5% 0.5% 0.2% 0.2% 0.5% 0.6% 0.8% 1.3% 1.2% 0.5%
収用委員会 離職者数 1 0 0 0 0 0 1 1 0 1
離職率 3.8% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 3.2% 3.6% 0.0% 3.8%
労働委員会 離職者数 1 2 1 0 1 2 1 1 1 0
離職率 2.9% 5.3% 2.6% 0.0% 2.9% 5.7% 2.9% 2.8% 2.7% 0.0%
 注釈 離職者数は、普通退職者の人数
 注釈 離職率は、離職者数を各年度4月1日の常勤職員数で除したもの

質問事項
 三 私立特別支援学校等経常費補助金について
  1 私立特別支援学校等経常費補助金について、都が私立幼稚園に交付した総額の過去十年間の推移を伺う。

回答
  交付金額の推移については、次のとおりです。
年度 交付金額(円)
平成24年度 733,824,000
平成25年度 827,904,000
平成26年度 936,096,000
平成27年度 974,512,000
平成28年度 1,021,552,000
平成29年度 1,136,848,000
平成30年度 1,208,928,000
令和元年度 1,328,880,000
令和2年度 1,360,240,000
令和3年度 1,646,400,000

質問事項
 三の2 上記1を交付した私立幼稚園に対して、私立特別支援学校等経常費補助金交付要綱等に基づいて、制度創設以降に、何らかの調査や措置等を行ったことがあるか。ある場合は、その事案の内容についても伺う。

回答
  都は当該補助金について、補助金の決定に係る交付申請書の審査や実績報告書の確認等を行っていますが、その他の措置については文書保存年限の5年間の範囲で確認したところ、実施しておりません。

質問事項
 四 東京・多摩地域のPFAS汚染について
   東京・多摩地域のPFAS汚染(PFOS含む)について、東京・多摩7市の住民の血液中のPFASの濃度が全国平均3.4倍の調査結果が出たとの報道もある。都として、PFAS汚染をいつから認識していたか。また、対策を伺う。

回答
  都は、国際的な規制強化の動向を踏まえ、地下水中のPFOS等について、平成22年度からの4年間で、島しょを除く都内全域の検出状況を把握してきました。暫定指針値の超過が判明した場合には、関係各局で共有を図り、飲用井戸所有者には飲用を控えるよう助言を行っています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原のり子

質問事項
 一 朝鮮学校の子どもたちの声に学び、差別や偏見をなくすとりくみを推進することについて
 二 清瀬特別支援学校の校舎建て替えに伴う課題について

一 朝鮮学校の子どもたちの声に学び、差別や偏見をなくすとりくみを推進することについて
  13年もの長い間、都内に10校ある朝鮮学校だけに「私立外国人学校教育運営費補助金」が停止されています。きっかけは2010年、当時の石原知事が、拉致問題などをあげ、朝鮮学校が日本に敵意をもつような教育を続けているなら、という趣旨の発言をし、都議会で議論することを求めたことです。そして、あっという間に補助金は停止されてしまいました。この状態をこのままにしておくわけにいかないと、都民の方々が都に働きかけを続けてきました。現在、こども基本条例の学習をしながら、いっそう働きかけを強めています。また、私たち都議会にも声がかかり、勉強会が超党派で行われています。共産党都議団としても、第1回定例会で質疑をおこなっています。
  文教委員会でとや英津子議員が質疑を行い、朝鮮学校では反日教育はされていないことを確認しています。政治的な理由をもって子どもを差別することはあってはなりません。
  東京都は2021年、議員提案により、全会一致で「こども基本条例」を制定しました。そこには、「誰一人取り残されることなく」と位置付け、子どもの権利条約にのっとり子どもに対するあらゆる差別を禁止することが明記されました。福手ゆう子議員は、総務委員会において、こども基本条例の「こども」に朝鮮学校の子どもたちも含まれているか質問しました。それに対し、「すべての子ども」だと子供政策連携室から答弁がありました。
  また、人権部も、人権を守る取り組みにおける対象をたずねた私の質問に、「人権尊重条例の前文では、東京に集う多種多様な人々の人権が誰ひとり取り残されることなく尊重されるとしており、国籍は問いません」と答弁しました。
  一日も早く補助金を復活すべきであることが、ますます鮮明になっています。
  こうした中、朝鮮学校の子どもたちから都議や行政側に声が届けられています。子どもたちは、こども基本条例を学んで感じたことや、日本社会に生きていて感じていることを書いています。この声に学ぶことが大切であると考え、以下人権部に質問します。
 1 朝鮮学校の子どもたちの声を、受け取っていますか。
  中級部3年生の生徒の言葉を紹介します。
  ・「私たちが接する日本人の中には、私たちに対してイヤな感情を持っている人が多い」
  ・「現在も高校無償化や幼保無償化問題が続いていますし、スマホやネット上では、日本の人たちから私たち朝鮮学生に対する悪口や差別を受けている」
  ・「私たちは異国の地に生きながら、醜い偏見や冷たい視線、差別の嵐が吹きます。朝鮮だから、と日本の保育園、幼稚園でいじめられたり、道で朝鮮語で話しているだけで人々の目が鋭くなり、悪く言われるときもあります」
  ・「私はこれまで日本人というとあまりよくない偏見を抱いていました。試験期間、電車の中でハングルで書かれた教科書を使い勉強していたら、他の人からの視線を感じてしまったり、ミサイルの報道などで差別され心ない言葉を受けた生徒もいます」
  ・「私たちのまわりには、私たちに差別をしたり、私たちのウリマルを聞いて避ける人もいます」
  ・「ネット上では、私たちを差別する人が多いです」
  人権尊重条例の前文では、「様々な人権に関する不当な差別を許さないこと」を明確にしています。それにも関わらず、朝鮮学校の子どもたちは、日常的に差別と偏見の中で生きているのです。胸が痛いです。そして、衝撃を受けたのは、都議会勉強会の都議のメッセージビデオを見て、自分たちのことを応援してくれる人もいるのだと一様に驚いていることです。こういう中で日々を過ごしているということは看過ごせません。日本社会において子どもたちの人権が保障され、のびのびと成長できるようにしていかなければなりません。「私たちを応援してくれる人もいるのだと知ってありがたかった。そして私は本当に幸せ者だと思ったし、朝鮮学校に通う朝鮮人として堂々と生きていかなければならないと思いました」…この声に向き合うことが私たちに問われています。
 2 そこでうかがいますが、日本に生きていて日常的に子どもたちが受けている偏見や差別についての認識をうかがいます。
 3 子どもたちが偏見や差別による被害を相談し、解決にとりくむための都の窓口はどこになりますか。
 4 朝鮮学校の生徒、在日朝鮮人、ということで差別されることはあってはならないことですが、法や条例ではどのように規定していますか。
 5 差別や偏見をなくしていくために、都としてはどのようなとりくみをしていますか。
 6 アイデンティティを大事にすることは権利です。人権尊重条例でも、個人の人権が尊重されるべきことが明記されていますが、具体的にどのような規定になっているのかうかがいます。
   補助金を停止したままでいることが、朝鮮学校を排除していることを正当化し、差別を助長しているのではないでしょうか。
 7 差別をなくす、人権を守る立場から、都の事業・施策における都民への差別がないよう全庁でとりくんでいくことを求めますが、いかがですか。

二 清瀬特別支援学校の校舎建て替えに伴う課題について
  清瀬特別支援学校の建て替えのため、9月から仮設校舎に移転します。仮設校舎は現在地からかなり離れた場所になるため、子どもたちが安心して通い、学べるように十分な配慮が必要です。今定例会の文教委員会でのアオヤギ有希子議員の質問で、事前見学会は実施するということがわかりました。保護者のみなさんからは、「場所に慣れることに時間のかかる子どもたちが少なくないので、事前見学会は必ずやってほしいと希望していた。よかった」と声が寄せられています。
  同時に、まだ課題は多くあります。建て替え期間は4年間と言われているので、中学部3年間をずっと仮設校舎で過ごす子どもたちもいます。この3年間は子どもたちにとってかけがえのない時間です。仮設校舎だからということを理由に、今までできたことがやれない、ということのないようにしてほしいと保護者のみなさんは願っています。そこでうかがいます。
 1 2021年1月に、保護者のみなさんは、都教委に対し、838名の署名を添えて、仮設校舎に関する要望書を提出しています。要望項目は二つで、運動や式典ができるスペースの確保、グラウンドの設置です。提出時に都教委の担当は、体育館やグラウンドまでは難しいが、多目的室の整備や運動できるスペースをどのぐらいとれるか今後設計を詰めていく中で、できる工夫をしていきたい、と話していました。これはどうなりましたか。
 2 子どもも保護者も最も楽しみにしていて、成長が確認できる大事な行事である学習発表会や、夏期のプール指導など大事な教育活動は仮設校舎であっても、工夫して実施できるようにすべきと考えますがいかがですか。
 3 慣れない場所のため、しばらくは子どもたちの緊張も高まると思われます。保護者が送り迎えしなければならない場合もでてくるかもしれません。そういう場合に対応できる駐車スペースなどは考えられていますか。
 4 高等部進学に向け、路線バスに乗る練習をする子どももいます。しかし、バス停は車の通りの激しい小金井街道沿いにあり、歩道も、バス待ちをする場所も狭く安全対策が必要だと考えますが、いかがですか。
 5 また、小金井街道から仮設校舎のある場所に入る部分は、しょっちゅう渋滞がおき、小金井街道全体の渋滞にもつながっています。現状のままでは、スクールバスの運行にも影響することが考えられます。子どもたちが長時間乗ったままにならないように、右折用の信号を設置することが必要だと思いますが、いかがですか。
 6 新設される校舎についてもうかがいます。現在の校舎は、正門より車両を乗り入れる場合、歩道をまたいで一時停車し、車を降りて正門を開ける、という状況です。歩行者の妨げになっているだけでなく、大きな事故につながらないか保護者も近隣住民の方も心配されています。改善を求めますがいかがですか。
 7 新設校舎の工事説明会はいつ開かれますか。また、保護者対象の説明会はいつ行われますか。

令和5年第二回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 朝鮮学校の子どもたちの声に学び、差別や偏見をなくすとりくみを推進することについて
  1 朝鮮学校の子どもたちの声を受け取ったか伺う。

回答
  「都議会勉強会」実行委員会から「36名のこどもたちの声」と題する文書を受領しています。

質問事項
 一の2 そこでうかがうが、日本に生きていて日常的に子どもたちが受けている偏見や差別についての認識を伺う。

回答
  人権尊重条例では、東京に集う多様な人々の人権が、誰一人取り残されることなく尊重され、人権尊重の理念が広く都民等に一層浸透していくこととしています。

質問事項
 一の3 子どもたちが偏見や差別による被害を相談し、解決にとりくむための都の窓口はどこになるか伺う。

回答
  都は、東京都人権プラザにおいて人権相談を実施しているほか、東京都教育相談センターなど、子供が相談できる窓口を設置しています。

質問事項
 一の4 朝鮮学校の生徒、在日朝鮮人、ということで差別されることはあってはならないことだが、法や条例ではどのように規定しているか伺う。

回答
  ヘイトスピーチ解消法では、本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されないこととされており、人権尊重条例においても同法律に基づき、都の実情に応じた施策を講ずることにより、不当な差別的言動の解消を図るものとしています。

質問事項
 一の5 差別や偏見をなくしていくために、都としてはどのようなとりくみをしているか伺う。

回答
  都は、人権尊重条例に基づき、都民等からの申出を受け、ヘイトスピーチと認められる表現活動の概要公表を行っているほか、啓発冊子や動画等を活用した広報、人権啓発イベントでの展示などを通じ、都民への啓発に取り組んでいます。

質問事項
 一の6 アイデンティティを大事にすることは権利であると考える。人権尊重条例でも個人の人権が尊重されるべきことが明記されているが具体的にどのような規定になっているか伺う。

回答
  人権尊重条例では、東京に集う多様な人々の人権が、誰一人取り残されることなく尊重され、人権尊重の理念が広く都民等に一層浸透していくこととしています。

質問事項
 一の7 差別をなくす、人権を守る立場から、都の事業・施策における都民への差別がないよう全庁で取り組んでいくことを求めるが、見解を伺う。

回答
  都は、平成30年に人権尊重条例を制定し、人権施策を実施してきました。
  引き続き、同条例に基づく取組を進めていきます。

質問事項
 二 清瀬特別支援学校の校舎建て替えに伴う課題について
  1 2021年の1月の都教委に対する要望書の要望項目は二つで、提出時に都教委の担当は、体育館やグラウンドまでは難しいが、多目的室の整備や運動できるスペースをどのぐらいとれるか今後設計を詰めていく中で、できる工夫をしていきたい、と話していたが、これはどうなったか伺う。

回答
  清瀬特別支援学校の仮設校舎では、約1,400平方メートルの運動場や屋内の運動スペースとして約300平方メートルの多目的室を設置しています。

質問事項
 二の2 子どもも保護者も最も楽しみにしていて、成長が確認できる大事な行事である学習発表会や、夏期のプール指導など大事な教育活動は仮設校舎であっても、工夫して実施できるようにすべきだが見解を伺う。

回答
  学習発表会等の学校行事の実施については、学校長が仮設校舎の状況等を踏まえ決定します。
  また、令和6年度以降のプール指導については、近隣の施設を借りられるよう調整しています。

質問事項
 二の3 慣れない場所のため、しばらくは子どもたちの緊張も高まると思われ、保護者が送り迎えしなければならない場合もでてくるかもしれないが、そういう場合に対応できる駐車スペースなどは考えられているか伺う。

回答
  仮設校舎の敷地には、スクールバスの駐車場のほか、保護者の送迎用駐車場も設けています。

質問事項
 二の4 高等部進学に向け、路線バスに乗る練習をする子どももいるが、バス停は車の通りの激しい小金井街道沿いにあり、歩道も、バス待ちをする場所も狭く安全対策が必要だが、見解を伺う。

回答
  学校から具体的な要望があれば、小金井街道の安全対策について検討していきます。

質問事項
 二の5 子どもたちが長時間乗ったままにならないように、右折用の信号を設置することが必要だが、見解を伺う。

回答
  小金井街道が、朝の通学時間帯を中心に渋滞していることは承知していますが、御質問の場所については、小金井街道と清瀬特別支援学校の仮設校舎方向から交差点を通行する車両を制御する信号ではなく、同交差点の南側において、歩行者が小金井街道を横断するための信号として運用しているため、右折用の信号を設置することはできません。

質問事項
 二の6 現在の校舎は、正門より車両を乗り入れる場合、歩道をまたいで一時停車し、車を降りて正門を開ける、という状況で、歩行者の妨げになっているだけでなく、大きな事故につながらないか保護者も近隣住民の方も心配されている。新設される校舎について、改善を求めるが見解を伺う。

回答
  清瀬特別支援学校の正門は、児童生徒の登下校の時間帯には常時開けた状態とし、教員が歩行者や車の誘導を行うなど通行の安全管理を徹底しています。
  登下校の時間帯以外では、正門は学校の安全管理上の理由から、常時閉じた状態としています。
  引き続き、学校運営において歩行者等の通行の安全管理に配慮していきます。

質問事項
 二の7 新設校舎の工事説明会はいつ開かれるか。また、保護者対象の説明会はいつ行われるか伺う。

回答
  改築工事の着工前に近隣住民への工事説明会を開催し、また、保護者には工事説明会の前に学校から保護者会等で説明する予定です。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 斉藤まりこ

質問事項
 一 保育の質の向上について
 二 水辺環境の改善、河川の管理について

一 保育の質の向上について
  保育の質の向上や保育士の確保のためにも、保育士の処遇改善や保育の基準の引き上げは待ったなしの課題です。都は昨年度に4年ぶりとなる「東京都保育士実態調査」を行ないました。都内の保育士資格をもつ18,239人の回答から、給与についての不満や改善を求める声が大きいことがわかります。
  また、保育士退職意向の理由や辞めた理由(いずれも複数回答可)では、「給料が安い」のほかに、「仕事量が多い」「労働時間が長い」という回答が上位になっています。
 1 都は実態調査の報告のはじめに、本報告書を踏まえ、保育士の安定的な確保・育成・定着に向けて引き続き取り組んでいくとしていますが、この結果を受けて、都は保育士の確保と定着にどんなことが必要だと認識していますか。
  実態調査では、給与・賞与等について、約6割(59%)が「非常に不満」「不満」「やや不満」と答え、「現在の職場で働き続けるために充実を希望する項目」(複数回答可)について、「給与」が約8割(79.4%)と、もっとも多くなっています。保育士退職意向の理由(複数回答可)では、「給与が安い」がもっとも多く61.6%になっています。
  過去に保育士就業経験がある方へのアンケートでは、復職する場合の希望年収平均額は266.5万円であり、現在の保育士全体の実態の額254.5万円から12万円の差になっています。また、正規職員のみの希望者の希望額は年収374.1万円に対して、現在の正規職員の実態額は323万円と、50万円もの隔たりがあります。
 2 保育士の確保と定着に向けて、給与の抜本的な引き上げが必要であることが明らかですが、いかがですか。
 3 実態調査を踏まえて、都として保育士の処遇改善のための支援を拡充するべきですが、いかがですか。
  近年では、保育士の仕事量は配置基準が定められた当時と比べて格段に増えています。しかし、4・5歳児の配置基準は1948年の制定以来75年、1・2歳児の配置基準も50年以上改善がされていません。全国で「子どもたちにもう一人保育士を」と、保育士の配置基準の改善を求める声が高まるなか、政府は6月13日に発表した「こども未来戦略方針」のなかに、配置基準について、1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと改善することを盛り込みました。
 4 政府はこの方針のなかで、保育について、量と質両面からの強化を図ることを掲げていますが、東京都も保育の質の向上のために、保育士の配置基準の改善が必要であると認識していますか。
  保育園を運営、経営する方、また保育士の方々から、保育士確保のために人材紹介会社を利用しているが、「手数料が高い」「職員がすぐやめてしまう」などのトラブルが多発しているという声が寄せられています。紹介する職員の年収の3割にあたる100万円近い手数料を人材紹介会社に支払い、さらにそうした職員が3か月くらいですぐに辞めてしまうことで、年に何百万と人材紹介会社に支払わなければならないなどの深刻な実態があります。「公費や利用料が紹介会社の儲けになるのは納得がいきません」「1年に何百万も使うなら、その分で私たちの給料をちゃんと上げて辞めないようにしてほしいです」という声が届いています。保育士がすぐに辞めて入れ替わってしまうことは、子どもたちへの継続的な保育、安定した保育にも大きな影響を与えます。
 5 都は人材紹介会社の紹介手数料等の問題をどう認識していますか。状況の把握のためにも、都として実態調査が必要だと考えますが、いかがですか。
 6 保育現場のほか、介護の現場からも同様に、紹介手数料の規制や、悪質な会社の取り締まりをしてほしいという声が届いていますが、国と連携して対策を行なう必要があると考えますが、いかがですか。
  高額な手数料がなくても、保育や介護の従事者を安定的に確保できるように、ハローワークや社会福祉協議会の福祉人材センターの機能強化をしてほしいという声が寄せられています。
 7 東京都社会福祉協議会では、都の委託事業として東京都福祉人材センターを設置していますが、相談件数と採用件数は年間で何人なのか、過去5年間の推移を伺います。
 8 事業者が安心して保育士や介護従事者の確保ができるように、東京都福祉人材センターの委託事業を強化するべきですが、いかがですか。
  足立区で保育士の一斉退職により、昨年2022年の4月から休園となっていた認可保育園が、今年の6月入所から園児の募集を開始しています。この認可保育園では、区の聞き取り調査により、保育士が減ったり主任が不在になっても、園長がまともに対応しないことや、私自身も調査をおこなったなかで、職員に対するパワハラやマタハラの言動が行われていたことが明らかになっています。再発防止や対策が示されないなかでの再開は許されないことを繰り返し求めてきたなかで、都は昨年6月に保育所設置認可等事務取扱要綱を改定し、「再開」という項目をつくりました。この中で、知事が求める書類等の提出を求め、原因究明や再発防止策を講じたことを書類で提出させるということでした。今回、この認可保育園から提出された書類を足立区と都で確認をしたうえで、再開が認められているということです。
 9 今回、この認可保育園から、どのような再発防止策が示されたのか、具体的に講じられている対策と合わせて伺います。
  この認可保育園の突然の休園によって、通っていた園児たちの継続的な保育が断絶され、幼い園児や保護者にも大きな負担となりました。お友達同士がバラバラになってしまい、新しい保育園に入らなくてはならない、希望通りの保育園は転園できないこともあり、園児と保護者は大きな心理的負担も負うことになりました。
  また、園長の言動については、以前からも区にも数年にわたって苦情が多くあり、保育士の大量退職も繰り返されてきました。そうした中で、この保育園の再開の情報を知って、周辺の住民や保育関係者たちから、再開して大丈夫なのか、どのような改善が行われているのか、心配する声が多く届いています。
 10 安心安全な保育を提供する都の責任として、この認可保育園が再開にあたって示している再発防止策について、公表するべきですが、いかがですか。

二 水辺環境の改善、河川の管理について
 1 「未来の東京戦略ビジョン」のバージョンアップ2023では、「緑や水辺を生かした、潤いや憩いを感じられる魅力ある空間の創出」が戦略として掲げられています。具体的には外濠の水質改善の推進と隅田川等での水辺空間の整備が挙げられていますが、こうした空間の創出の考え方は、この二つの場所に限らず、都民生活に広く潤いや憩いを感じられる場を提供するためにも重要な視点だと考えますが、認識を伺います。
  国は2013年に河川法を改正し、河川の維持、河川環境の保全などの河川の管理につながる活動を自発的に行っている民間団体等を『河川協力団体』として法律上位置付けました。河川管理者と河川協力団体が充実したコミュニケーションを図り、互いの信頼関係を構築することで、河川管理のパートナーとしての活動を促進し、地域の実情に応じた河川管理の充実を図ることを目的として制度化されたものです。河川協力団体の活動は、河川空間を活用した活動や環境学習、環境美化などが期待され、全国でその登録が進んでいます。
 2 東京都は河川協力団体の活動の意義をどのように認識していますか。また、都に登録している団体はいくつですか。
  河川には流下の阻害になるような自転車などの不法投棄の他にも、缶やペットボトルなどのゴミも多く捨てられているという声が寄せられています。
 3 都は河川敷や岸辺の清掃や、水面でのごみ拾いについて、どのような考えにもとづき、どのような方法で、どれくらいの頻度で行なっているのか伺います。
   また、生態系にも大きく影響するプラスティックなどの汚染から海の環境を守るためにも河川の清掃は重要な取り組みだと考えますが、見解を伺います。
  都は、毛長川に面した文教大学側に階段護岸を整備しており、隣接する区立毛長公園の整備に合わせ、利用できることとなっていますが、予定よりも完成が遅れている状況です。これまで川を所管する東京都と足立区の連携によって整備が始まり、区民からも期待されていますが、なるべく早く利用ができるように求めます。また、川に隣接する区立の毛長公園を川の美化活動を行なう団体が利用できるように都から足立区へ要望を行なうように求めます。
  足立区と隣接する草加市に、民間団体と連携した河川の管理についてお話を伺いました。草加市では、埼玉県独自の「川の応援団」の制度に登録している団体と協定を結んで、川の美化活動などのために必要な資材の置き場として、川に隣接する公園などのスペースを利用してもらうなど、団体の活動を支援しています。また同じ川に一箇所だけでなく、例えば伝右川にも2か所に川に降りられる場所をつくるなど、整備を進めています。
  足立区でも毛長川について、文教大学のエリアだけでなく、舎人の二つ橋あたりにも出入り口をつくって、安全に降りられる場所をつくってほしいという声があります。現地を確認しましたが、門扉の設置など少しの工夫を行なえば、出入りが可能な状況ではないかと感じました。
 4 都として現地調査を行い、今後出入口の設置の検討をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
  河川の浚渫について伺います。浚渫は土砂を取り除いて船の航行の安全を守り、川の流下能力を高めて洪水や高潮などによる災害を防止するだけでなく、水質の改善にもつながるものです。
 5 都の河川の浚渫の取り組み状況について伺います。
  足立区の綾瀬川と中川につながる垳川はヘドロが溜まり、水が流れず、夏には匂いも発生するという声が寄せられています。垳川は、かつて農業用水として利用されていましたが、近年では農業用水が減少し、垳川流域の下水道も整備されたことにより、1995年には川の西側の小溜井排水場が閉鎖され、垳川の流れが著しく停滞するようになったということです。また、生活排水の流入や降雨時の汚濁物質の流入によって、水質が悪化し、ヘドロも多く堆積したことから底質の環境が悪化したと言われています。2008年度から2010年度にかけて浚渫を行ない、川底に堆積するヘドロやゴミを除去する作業を実施していますが、それから12年以上経ち、再び水が流れず、ヘドロが溜まっている状況です。川沿いには緑豊かな散策路が続いていますが、憩える水辺どころか、近寄りたくない状況だということです。
 6 河川周辺の良好な環境をつくり、水害から都民の安全を守るためにも、地域住民の声に応え、垳川の浚渫工事について検討し、計画していくことを求めます。いかがですか。

令和5年第二回都議会定例会
斉藤まりこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 保育の質の向上について
  1 都は実態調査の報告のはじめに、本報告書を踏まえ、保育士の安定的な確保・育成・定着に向けて引き続き取り組んでいくとしているが、この結果を受けて、都は保育士の確保と定着にどんなことが必要だと認識しているか伺う。

回答
  都は、保育人材の確保・定着を図るため、保育所向けに社会保険労務士による講座の開催や、ICT化に関する経費の補助など、働きやすい職場環境の整備が進むよう支援しています。

質問事項
 一の2 保育士の確保と定着に向けて、給与の抜本的な引き上げが必要であることが明らかだが、見解を伺う。

回答
  都は、国の公定価格における処遇改善等加算に加え、独自に保育士等キャリアアップ補助を実施しています。

質問事項
 一の3 実態調査を踏まえて、都として保育士の処遇改善のための支援を拡充するべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、国の公定価格における処遇改善等加算に加え、独自に保育士等キャリアアップ補助を実施しています。

質問事項
 一の4 政府は、保育について、量と質両面からの強化を図ることを掲げているが、東京都も保育の質の向上のために、保育士の配置基準の改善が必要であると認識しているか伺う。

回答
  保育士の配置基準は、国が省令で定め、都や区市町村はそれらを踏まえ、それぞれの議会等の審議を経て、条例等で定めています。基準の見直しについては、まずは、国において検討するものと考えています。

質問事項
 一の5 都は人材紹介会社の紹介手数料等の問題をどう認識しているか。状況の把握のためにも、都として実態調査が必要だが、見解を伺う。

回答
  医療・介護・保育分野における職業紹介事業に関しては、令和5年6月に公表された規制改革実施計画等において、国が指導監督等を実施することとされています。

質問事項
 一の6 保育現場のほか、介護の現場からも同様に、紹介手数料の規制や、悪質な会社の取り締まりをしてほしいという声が届いており、国と連携して対策を行なうべきだが、見解を伺う。

回答
  職業紹介事業に関する指導監督は、国が定期的に実施しています。

質問事項
 一の7 東京都社会福祉協議会では、都の委託事業として東京都福祉人材センターを設置しているが、相談件数と採用件数は年間で何人なのか、過去5年間の推移を伺う。

回答
  東京都福祉人材センターにおける相談実績は、平成30年度が13,753件、令和元年度が12,504件、令和2年度が11,856件、令和3年度が11,482件、令和4年度が10,539件です。
  また、採用実績は、平成30年度が1,876人、令和元年度が1,530人、令和2年度が1,635人、令和3年度が1,665人、令和4年度が1,525人です。

質問事項
 一の8 事業者が安心して保育士や介護従事者の確保ができるように、東京都福祉人材センターの委託事業を強化するべきだが、見解を伺う。

回答
  東京都福祉人材センターでは、職業紹介・あっせんを行うほか、福祉の仕事の魅力をアピールするセミナーや大規模な就職説明会、中高生を対象とした職場体験、福祉の現場等を体験するツアーなどを実施しており、引き続き、こうした取組を進めていきます。

質問事項
 一の9 今回、この認可保育園から、どのような再発防止策が示されたのか、具体的に講じられている対策と合わせて伺う。

回答
  事業者からは、休止に至った原因や労働環境の改善等の再発防止策が示されました。

質問事項
 一の10 安心安全な保育を提供する都の責任として、この認可保育園が再開にあたって示している再発防止策について、公表するべきだが、見解を伺う。

回答
  保育所の休止や再開など個別事項の公表は行っていませんが、都は、区市町村と連携して、運営を再開した保育所の状況を確認しています。

質問事項
 二 水辺環境の改善、河川の管理について
  1 「未来の東京戦略ビジョン」のバージョンアップ2023では、外濠の水質改善の推進と隅田川等での水辺空間の整備が挙げられており、こうした空間の創出の考え方は、この二つの場所に限らず、都民生活に広く潤いや憩いを感じられる場を提供するためにも重要な視点だが、認識を伺う。

回答
  「未来の東京」戦略version up 2023(令和5年1月)においては、「緑や水辺を生かした、潤いや憩いを感じられる魅力ある空間の創出」として、緑や水辺を生かした都市空間の整備を進め、人々が憩える魅力あるまちづくりを展開することを重点政策の一つとして掲げています。

質問事項
 二の2 東京都は河川協力団体の活動の意義をどのように認識しているか。また、都に登録している団体はいくつか伺う。

回答
  河川協力団体は、河川管理のパートナーとして活動することにより、地域の実情に応じた河川管理の充実を図ることを目的としたものと認識しています。
  現在、都では1団体を登録しています。

質問事項
 二の3 都は河川敷や岸辺の清掃や、水面でのごみ拾いについて、どのような考えにもとづき、どのような方法で、どれくらいの頻度で行なっているのか伺う。また、生態系にも大きく影響するプラスティックなどの汚染から海の環境を守るためにも河川の清掃は重要な取り組みだが、見解を伺う。

回答
  河川を維持するためには、河道及び河川管理施設を良好な状態に保持するとともに、河川の環境を保全することが必要です。
  河川敷、岸辺、水面の清掃は、この目的を達成するため、不法投棄の是正など必要に応じて実施しています。

質問事項
 二の4 都として現地調査を行い、今後出入口の設置を検討すべきだが、見解を伺う。

回答
  毛長川では、川沿いの開発に合わせて護岸整備を行っている箇所を除き、護岸が垂直で水面との高低差がある壁形状となっています。このため、安全対策として、一般の方が水面に降りることができないよう転落防止柵を設置しています。
  舎人二つ橋付近においても、同様の形状となっていることから、出入口を設けることは困難です。

質問事項
 二の5 都の河川の浚渫の取り組み状況について伺う。

回答
  都は、船舶による大規模なしゅんせつを実施しています。
  令和4年度は、隅田川や新河岸川などでしゅんせつを実施しました。

質問事項
 二の6 河川周辺の良好な環境をつくり、水害から都民の安全を守るためにも、地域住民の声に応え、垳川の浚渫工事について検討し、計画していくことを求めるが、見解を伺う。

回答
  垳川は、東京都足立区と埼玉県八潮市の都県境を流れる延長約2キロメートルの一級河川です。
  垳川の水質改善については、国、都、埼玉県、足立区、八潮市で構成される関係機関5者連絡会が設置されており、これまで綾瀬川からの導水など様々な対策を実施してきました。
  引き続き、堆積状況や水質について注視していきます。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 藤田りょうこ

質問事項
 一 新型コロナウイルス感染症の感染拡大前後の救急活動時間について
 二 東京都立病院における精神疾患患者に対する透析医療の実態について

一 新型コロナウイルス感染症の感染拡大前後の救急活動時間について
  2023年第2回定例会の厚生委員会の質疑にて、救急搬送困難事例、いわゆる東京ルールの適用件数は、コロナパンデミック以前と比べて著しく増加し、救急搬送全体に占める割合は、コロナ前の2019年が1.27%だったのに対し、2022年は7.29%であった。医療機関はもともと、熱中症の多い夏や、脳卒中や虚血性心疾患などの急性疾患が多い冬に、救急搬送が増加する傾向にあるが、コロナ後は、感染拡大していない時期においても、東京ルール事案が多くなっていた。
  2023年6月16日の厚生委員会の資料では、今年5月の東京ルール事案は、コロナ前の2019年と比べて約4倍にも増えていた。年間を通じて、医療機関での受け入れが難しくなっており、救急搬送にかかる時間の延長は、命に直結する重大な問題となっている。
 1 コロナ感染が拡大すると救急活動時間も伸びている。そこで、救急隊出場から現場到着までの時間について、コロナ前の2019年8月と感染拡大第7波の2022年8月の時間、および、2020年1月と感染拡大第8波の2023年1月の時間について、それぞれうかがう。
 2 また、救急出場から現場到着までの時間について、コロナ以前の2019年5月と2023年5月の時間についても、それぞれうかがう。
 3 救急隊出場から現場に到着する時間が延伸する要因についてうかがう。
 4 救急隊の現場到着から、医療機関に到着するまでの時間について、コロナ前の2019年8月と感染拡大第7波の2022年8月の時間、および、2020年1月と感染拡大第8波の2023年1月の時間について、それぞれうかがう。
 5 また、救急隊の現場到着から、医療機関に到着するまでの時間について、コロナ以前の2019年5月と2023年5月の時間についても、それぞれうかがう。
  医療機関では、コロナ患者以外の患者であっても、感染防止対策を確実に行う必要があり、感染拡大時であるか否かを問わず、救急患者の受け入れに当たっては相当な時間を要するようになった。医療現場においては、医師や看護師などの増員をはじめとした医療体制の抜本的な強化が必要である。同時に、昨年末の救急車の横転事故では、1つの救急隊が17時間連続して活動に対応しており、医療機関の受け入れが困難になると、救急隊も1隊で連続していくつもの現場を回らなければならなくなる。コロナに限らず、感染症に強い東京にするために、救急隊の体制強化を行うよう求める。

二 東京都立病院における精神疾患患者に対する透析医療の実態について
  都内には、精神疾患患者の慢性期の透析医療、いわゆる維持透析が行える医療機関が極めて少ないことから、精神科身体合併症の中でも透析が必要な方は滝山病院にお願いせざるを得ない状況があった。
 1 現在、滝山病院に入院している患者は何人か。そのうち、人工透析を行っている患者は何人か、伺う。
 2 都は現在、滝山病院に入院している患者の希望を聞いて、退院支援を行っている。透析を行っている患者が転院を希望した場合、どう対応するつもりなのか伺う。
  都立松沢病院の前院長である、齋藤正彦名誉院長は、透析が必要な精神科患者は、不採算な部分を診療報酬で対応するのではなく税金で診るべき、と指摘をしている。
 3 現在、都立病院には何台の透析ユニットがあるのか、精神科を有する病院ごとに伺う。また、過去3年の、精神疾患患者への透析の実績と、維持透析の実績を伺う。
 4 精神科病棟のある都立荏原病院において、透析を行っていないのはなぜか、理由を伺う。
 5 都立病院の透析ユニットを増やし、近隣の施設に入所されている、もしくは他の医療機関に入院されている精神疾患患者の維持透析を受け入れる仕組みを作るべきである。見解を伺う。
  滝山病院に入院している患者が、退院や転院を希望しても、受け入れられる施設や医療機関がなければ、事態は解決できない。都が患者の人権に責任を持った対応を行うよう、強く求める。

令和5年第二回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 新型コロナウイルス感染症の感染拡大前後の救急活動時間について
  1 コロナ感染が拡大すると救急活動時間も伸びているが、救急隊出場から現場到着までの時間について、コロナ前の2019年8月と感染拡大第7波の2022年8月の時間、および、2020年1月と感染拡大第8波の2023年1月の時間について、それぞれ伺う。

回答
  救急隊出場から現場到着までの時間は、令和元年8月は6分57秒、令和4年8月は11分26秒、令和2年1月は6分35秒、令和5年1月は速報値で11分38秒です。

質問事項
 一の2 また、救急出場から現場到着までの時間について、コロナ以前の2019年5月と2023年5月の時間についても、それぞれ伺う。

回答
  救急隊出場から現場到着までの時間は、令和元年5月は6分12秒、令和5年5月は速報値で8分48秒です。

質問事項
 一の3 救急隊出場から現場に到着する時間が延伸する要因について伺う。

回答
  救急出場件数の増加及び救急活動時間の延伸に伴い、近隣の救急隊が出場中となり、遠方の救急隊が出場してくるため、到着までの時間が延伸するものと考えられます。

質問事項
 一の4 救急隊の現場到着から、医療機関に到着するまでの時間について、コロナ前の2019年8月と感染拡大第7波の2022年8月の時間、および、2020年1月と感染拡大第8波の2023年1月の時間について、それぞれ伺う。

回答
  救急隊の現場到着から医療機関に到着するまでの時間は、令和元年8月は30分49秒、令和4年8月は43分49秒、令和2年1月は32分11秒、令和5年1月は速報値で50分10秒です。

質問事項
 一の5 また、救急隊の現場到着から、医療機関に到着するまでの時間について、コロナ以前の2019年5月と2023年5月の時間についても、それぞれ伺う。

回答
  救急隊の現場到着から医療機関に到着するまでの時間は、令和元年5月は26分54秒、令和5年5月は速報値で38分5秒です。

質問事項
 二 東京都立病院における精神疾患患者に対する透析医療の実態について
  1 現在、滝山病院に入院している患者は何人か。そのうち、人工透析を行っている患者は何人か、伺う。

回答
  令和5年7月1日現在、滝山病院に入院している患者は105人で、そのうち人工透析を行っている患者は26人です。

質問事項
 二の2 都は現在、滝山病院に入院している患者の希望を聞いて、退院支援を行っているが、透析を行っている患者が転院を希望した場合、どう対応するつもりなのか伺う。

回答
  都は、本年5月より、一般社団法人東京精神保健福祉士協会の協力を得て、滝山病院に入院中の患者への転院及び退院等に向けた支援を行っています。

質問事項
 二の3 現在、都立病院には何台の透析ユニットがあるのか、精神科を有する病院ごとに伺う。また、過去3年の、精神疾患患者への透析の実績と、維持透析の実績を伺う。

回答
  精神科を有する都立病院の透析室には、広尾病院5台、豊島病院6台、墨東病院16台、多摩総合医療センター12台、松沢病院2台の透析装置を配置しています。また、精神科の入院患者に対する透析実施件数は、令和2年度201件、令和3年度262件、令和4年度337件で、そのうち継続的に行う維持透析は令和2年度172件、令和3年度236件、令和4年度295件です。

質問事項
 二の4 精神科病棟のある都立荏原病院において、透析を行っていないのはなぜか、理由を伺う。

回答
  都立荏原病院では、他の医療機関等との適切な役割分担と密接な連携の下、行政的医療をはじめとする医療を提供しています。なお、患者の希望等に応じて他の都立病院も紹介しています。

質問事項
 二の5 都立病院の透析ユニットを増やし、近隣の施設に入所されている、もしくは他の医療機関に入院されている精神疾患患者の維持透析を受け入れる仕組みを作るべきだが、見解を伺う。

回答
  都立病院は、透析を含む精神科身体合併症医療など、急性期の精神科医療を提供しています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 竹井ようこ

質問事項
 一 五日市街道の歩道拡幅について
 二 児童相談所について
 三 東京都東村山福祉園について
 四 紙おむつのリサイクルについて

一 五日市街道の歩道拡幅について
  小平市を通る五日市街道の小金井橋付近から喜平橋付近の歩道が大変狭い、あるいは歩道が設置されていない状況で「車いすや白杖を持った方も車道を歩くことを余儀なくされている」「子ども達の通学に際して大変心配」との声を頂いています。歩道の拡幅が望まれますが、この区間の歩道拡幅の取組状況と拡幅計画について伺います。

二 児童相談所について
  児童相談所について以下伺います。
 1 一時保護について、直近の、平均的期間、また最長期間について。調査に時間がかかっている例についてはその原因をどう捉えているか、またその改善策。
 2 児童福祉法の改正に伴い、一時保護の適正性の確保や手続きの透明性の確保のため、一時保護開始の判断に関する司法審査の導入が予定されているが、都の検討状況を伺う。
 3 子どもの権利保障、とりわけ一時保護所からの通学の保障、及び一時保護中の子どもの面会の権利について見解を伺う。

三 東京都東村山福祉園について
  去る5月16日東京都東村山福祉園の見学をさせていただきました。経験を踏まえ、各種機能が充実した施設が完成したことを歓迎します。同園では伝統的に地域との交流を行ってきたと聞きますが、今後の地域との交流についてお考えをお聞きします。
  併せて、遊具のある園庭については地域に開放してほしいとの声がありますが見解を伺います。

四 紙おむつのリサイクルについて
  使用後の紙おむつは、現在は主に焼却処理されていますが、リサイクルによってパルプ等の有効利用が期待できます。
  環境省では、2030年度には一般廃棄物にしめる紙おむつの割合は6.6%から7.1%にのぼると推計しており、紙おむつの再生利用等は、持続可能な社会の実現のためには重要です。
  都でも紙おむつのリサイクル事業を推進していると思いますが、その現状と課題認識、また今後の予定について伺います。

令和5年第二回都議会定例会
竹井ようこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 五日市街道の歩道拡幅について
   五日市街道の小金井橋付近から喜平橋付近の歩道が大変狭い、あるいは歩道が設置されていない状況で、「車いすや白杖を持った方も車道を歩くことを余儀なくされている」「子ども達の通学に際して大変心配」との声を頂いており、歩道の拡幅が望まれるが、この区間の歩道拡幅の取組状況と拡幅計画について伺う。

回答
  五日市街道の小金井橋付近から喜平橋付近のうち、茜屋橋交差点付近から喜平橋交差点付近の約700メートルの区間において、歩道整備に取り組んでおり、令和5年3月末現在の用地取得率は約58パーセントとなっています。
  なお、小金井橋交差点付近から喜平橋交差点付近までの区間は、道路の都市計画決定がされています。

質問事項
 二 児童相談所について
  1 一時保護について、直近の、平均的期間、また最長期間について、調査に時間がかかっている例についてはその原因をどう捉えているか、またその改善策を伺う。

回答
  一時保護は、児童の安全確保やアセスメントが必要な場合に行っており、退所児童の平均保護日数は、1人当たり44.4日となっています。
  保護期間中は、家庭復帰に向けた保護者との調整等、個々の状況に合わせた対応を行っているため、必要な一時保護期間は児童により異なります。
  都は、児童の最善の利益を図ることを最優先に、一人一人の状況を総合的に勘案した上で、引き続き速やかな援助方針の決定に努めてまいります。

質問事項
 二の2 児童福祉法の改正に伴い、一時保護の適正性の確保や手続きの透明性の確保のため、一時保護開始の判断に関する司法審査の導入が予定されているが、都の検討状況を伺う。

回答
  一時保護開始の判断に関する司法審査については、令和7年度までに導入される予定であり、国は現在、一時保護の要件や一時保護状の請求手続とその運用方法等について検討を行っています。
  都は、国に対し、自治体の意見を十分に聴きながら検討を進めるよう、提案要求しており、引き続き国の検討状況を注視していきます。

質問事項
 二の3 子どもの権利保障、とりわけ一時保護所からの通学の保障、及び一時保護中の子どもの面会の権利について見解を伺う。

回答
  都は、子供の安全が確保できる場合に、一時保護所から在籍校へ通学できるよう支援しています。
  一時保護中の子供と保護者との面会については、国の児童相談所運営指針や一時保護ガイドラインに基づき、子供の最善の利益を図る観点から児童相談所が個別に判断しています。

質問事項
 三 東京都東村山福祉園について
   同園では伝統的に地域との交流を行ってきたと聞くが、今後の地域との交流についての考えを伺う。併せて、遊具のある園庭については地域に開放してほしいとの声があるが見解を伺う。

回答
  東京都東村山福祉園はこれまで、園祭りや近隣公園の美化作業等を通じて地域との交流を行ってきており、引き続き取り組んでいきます。
  なお、同園の園庭は、日頃から近隣の公園を利用することが難しい同園の利用者が、屋外活動等で利用することを想定して整備したものであるため、地域への開放は行っていません。

質問事項
 四 紙おむつのリサイクルについて
   都でも紙おむつのリサイクル事業を推進しているが、その現状と課題認識また今後の予定について伺う。

回答
  都は、使用済み紙おむつのリサイクル推進に向け、令和2年度及び令和3年度に、ICTを活用した分別収集やリサイクル技術の検証等を目的とした実証事業を実施し、区市町村と情報共有を行いました。
  また、処理責任を有する区市町村の取組が重要であり、地域における排出実態などの把握も必要であることから、令和4年度から区市町村のリサイクルに向けた検討等に対する補助を行っています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 池川友一

質問事項
 一 豪雨災害への対策について

一 豪雨災害への対策について
  激甚化、頻発化する豪雨災害について、東京都として対応することが必要です。
 1 6月2日から3日にかけての豪雨で、国道16号バイパス(町田市相原町)の土砂崩れを受けて都としてどのような対応が必要だと考えていますか。都道(特に擁壁)の点検の必要性について、どう認識し、対応するのですか。
 2 2019年の台風19号の際に、都道18号(鎌倉街道)で土砂崩れが起こって以降、どのような対策をとったのですか。また、都道において、どのような対策を実施してきたのですか。

令和5年第二回都議会定例会
池川友一議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 豪雨災害への対策について
  1 6月2日から3日にかけての豪雨で、国道16号バイパス(町田市相原町)の土砂崩れを受けて都としてどのような対応が必要だと考えているか。都道(特に擁壁)の点検の必要性について、どう認識し、対応するのか伺う。

回答
  都は都道の擁壁等について定期的に点検を実施するなど豪雨に備えた対応を適切に実施しています。

質問事項
 一の2 2019年の台風19号の際に、都道18号(鎌倉街道)で土砂崩れが起こって以降、どのような対策をとったのか伺う。また、都道において、どのような対策を実施してきたのか伺う。

回答
  令和元年の台風第19号の際に、鎌倉街道で発生した土砂崩れについては、発災直後速やかに土砂撤去等の応急復旧工事を実施し、その後、令和2年12月に本復旧工事を完了したところです。
  今後とも、都は道路施設の定期的な点検等を実施するとともに、道路において土砂崩れが発生した際は、被災状況や地形条件を踏まえ適切に対応していきます。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 とや英津子

質問事項
 一 教員不足と教育の質の向上について

一 教員不足と教育の質の向上について
  教員不足と教育の質の向上について伺います。
  昨年度に続き今年度も4月7日から小学校で80人もの欠員が生じるなど、教員不足は改善するどころか欠員数が増加する深刻な事態です。「入学式に教員が3人も欠員となっていた」「特別支援学級には本来7人のはずが、6人しか配置されなかった」などの声があちこちから聞かれ、欠員は80人どころではないというのが学校や保護者の実感です。
  このままでは子どもたちの教育が守れないと、都民は大きな衝撃を受け、小手先でなく根本的な解決を求める世論が広がっています。
 1 教員の仕事を増やして長時間で過密な労働環境を生み、教員の退職や病気休職を増やし、教員志望者を減らしている根本には、どれだけ働いても残業代がつかないという「定額働かせ放題」の公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)があることが指摘され、国で見直しの議論が行われています。
   議論では、給特法により給与に上乗せで支払う調整額を4%から10%に引き上げる案などもありますが、これでは現状を固定化させるだけで、教員の仕事を減らし仕事量に見合った人数を配置するインセンティブが働かず、長時間労働の解消にはつながりません。残業代をきちんと支払う法改正をすることが必要だと考えますが、見解を伺います。またそのことを国に要望することを求めますが、いかがですか。
 2 全日本教職員組合の調査によれば、持ち帰り残業も含む都内小中学校教職員の時間外勤務労働時間は、全国平均より月約30時間も長くなっています。この調査では学級規模が大きくなるほど時間外勤務が増えることも明らかになっています。
   本気で教員の労働環境の改善と教員確保を考えるなら、国の動向待ちではなく、他県のような独自の少人数学級の拡大(学年の拡大とクラスサイズの縮小)が急務だと考えますが、いかがですか。
 3 「勤務時間が8時15分からなのに、子どもたちは8時10分から登校してくる」「休憩時間に会議や研修を入れられる」など、時間外勤務が強制となっている事例があることを把握していますか。
   また、「早朝から仕事をしているのに、タイムカードは決まった時間からしか打刻できないシステムになっている」「夕方一定の時間になるとタイムカードを押すことになっているが、その後も残って仕事をしている」など、勤務時間が実際より短く記録されている例があることを把握していますか。
 4 これらの事例は不適切であると思いますが、見解を求めます。
 5 「教員同士で子どもや授業の話をすることがない。話そうとすると『それより行事の企画はどうなっているのか』と言われてしまう」「職員会議が伝達の場とされていることから、教員同士の話し合いがなく、管理職や主幹には何も言えない雰囲気が醸成されている」ことなどが指摘されています。
   こうした実態は好ましくないと考えますが、見解を伺います。教員に、専門性にもとづく裁量や研究、研鑽をする余地があり、子どもたちを中心に生き生きと働ける環境があってこそ、教員不足の解消にもつながるのではないかと考えますが、見解を伺います。
 6 日本若者協議会が先日要望に見えました。メンバーの都立高校生は、「産育休代替教員がみつからず2クラス合同の授業を受けたときに公教育の崩壊を実感した」「英語の教員が1年間に3回も交代し、授業のやり方に慣れるのも信頼関係を作るのも大変だった」「担任の先生は忙しそうで進路や友人関係の相談は申し訳なくてできない」「小学校の時は心を壊してしまった先生もいた」と自らの経験を語り、改善を訴えています。
   都立高校生自身のこの声を正面から受け止めてほしいと思いますが、いかがですか。定数通りに教員が配置されていることは大前提ですが、ただ人数を揃えれば良いというだけではありません。教員の長時間労働や教員不足は子どもたちを傷つけているという認識はありますか。
 7 都教委は、学級担任が欠員となった場合、音楽や図工などの専科や少人数指導加配の教員などを回すように伝えています。専科があるクラスの担任に回った場合、子どもたちは専門性の高い授業を受けられなくなるとともに、専科の受け持っていた授業は各クラスの担任が行うことになり労働時間増につながります。
   また、通常学級の担任確保が優先され、特別支援学級の教員が欠員となっている学校が大量に生じ、子どもの安全確保のために保護者に付き添いをお願いしている学校もあります。
   教員不足の解消に向けて、都教委の認識と対応を伺います。
 8 特に、特別支援教室の配置基準は、区市町村ごとに児童生徒12人に対し教員1名で、学校ごとの定数がないために、教員が未配置であっても学校も保護者もわからない状況が生じていることは問題です。
   5月1日現在で特別支援教室の教員定数は何人で、実際に配置されているのは何人ですか、区市町村ごとの欠員数についても伺います。
 9 また、特別支援教室は自立活動であり教科ではないとして時間講師の配置がされませんが、国の法律により禁じられているのですか。
 10 子どもたちは、取り出しで授業を受けているのであり、自立活動だからと言って欠員が欠員のままで良いはずがありません。マンツーマンの特性に応じた個別の指導ができなくなったり、時間が短くなったりしてしまいます。教員不足が解消するまでの特例措置として、講師配置も可能とすることを検討すべきです。
 11 年度途中からの産休育休や病休などにより、欠員は年度末が近づくにつれ増加する傾向があります。都が今年度から産休育休の4か月まえから代替教員を確保できるとしたことは前進ですが、確実に配置できるようにするためには、産休育休代替教員を正規教員として確保することが必要です。産休育休代替教員は現在、全員、臨時的任用で対応していますが、そもそも地方公務員の育児休業等に関する法律第6条では、職員の配置換えその他の方法によって正規教員を配置することが困難な場合に限り、臨時的任用教員をあてることができることとされており、正規教員を増やして対応していくべきです。見解を求めます。

令和5年第二回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 教員不足と教育の質の向上について
  1 残業代をきちんと支払う法改正をするべきだが、見解を伺う。またそのことを国に要望することを求めるが、見解を伺う。

回答
  国において「公立の義務教育諸学校等の教職員の給与等に関する特別措置法」の在り方等について検討を始めたところであり、こうした国の議論の動向を注視していきます。

質問事項
 一の2 本気で教員の労働環境の改善と教員確保を考えるなら、国の動向待ちではなく、他県のような独自の少人数学級の拡大(学年の拡大とクラスサイズの縮小)が急務だが見解を伺う。

回答
  義務教育における学級編制は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき行っており、少人数学級の拡大については、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。

質問事項
 一の3 時間外勤務が強制となっている事例があることを把握しているか。また、「早朝から仕事をしているのに、タイムカードは決まった時間からしか打刻できないシステムになっている」「夕方一定の時間になるとタイムカードを押すことになっているが、その後も残って仕事をしている」など、勤務時間が実際より短く記録されている例があることを把握しているか伺う。

回答
  都教育委員会は、「都立学校の教育職員の在校等時間の上限等に関する方針」を策定し、校長は、教員の在校等時間について、出勤カードシステム等の客観的な方法により日々把握し、その管理及び保存を適切に行うこととしています。
  なお、区市町村立小中学校における教員の在校等時間の把握については、服務監督権者である区市町村教育委員会において、適切に行っているものと考えています。

質問事項
 一の4 これらの事例は不適切だが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、在校等時間の把握に際し、上限時間の遵守を形式的に行うことが目的化し、実際より短い虚偽の時間を記録する、又は記録させるようなことはあってはならないと、各都立学校に通知しています。
  また、区市町村教育委員会に対してもこの通知を送付しています。

質問事項
 一の5 職員会議が伝達の場とされていることから、教員同士の話し合いがなく、管理職や主幹には何も言えない雰囲気が醸成されていることなどが指摘されており、こうした実態は好ましくないと考えるが、見解を伺う。また、教員に専門性に基づく裁量や研究、研鑽をする余地があり、生き生きと働ける環境があってこそ、教員不足の解消にもつながるのではないかと考えるが、見解を伺う。

回答
  子供たちの豊かな学びと健やかな成長のためにも、学校教育の中核である教員がやりがいを持って生き生きと働くことは大切です。
  都教育委員会では、学校内外での研修や授業研究、日常的な教育活動に関する助言等を通じて教員一人一人の資質能力や適性を向上し、その成果を教員間で共有することで、互いに成長し合う職場づくりを進めています。
  また、職員室において、動線や机の配置などを工夫することで、教員同士のコミュニケーションの円滑化を図るなど、安心して働ける職場環境の整備を進めています。

質問事項
 一の6 日本若者協議会の都立高校生は改善を訴えており、都立高校生自身のこの声を正面から受け止めてほしいが見解を伺う。定数通りに教員が配置されていることは大前提だが、ただ人数を揃えれば良いというだけではなく、教員の長時間労働や教員不足は子どもたちを傷つけているという認識はあるか見解を伺う。

回答
  高校生を含む若者の団体が教員の労働環境の改善について、政策提言を行ったことは承知しています。
  都教育委員会は、校務のDX化や外部人材の活用等により、教員の負担軽減に取り組んでいます。また、教員不足が生じた学校には、臨時的任用教員を紹介するほか、ホームページやチラシ等で臨時的任用教員の募集を行っています。
  引き続き、学校における働き方改革を推進するとともに、教員確保に取り組んでいくこととしています。

質問事項
 一の7 専科があるクラスの担任に回った場合、子どもたちは専門性の高い授業を受けられなくなるとともに、専科の受け持っていた授業は各クラスの担任が行うことになり労働時間増につながる。また、通常学級の担任確保が優先され、特別支援学級の教員が欠員となっている学校が大量に生じ、子どもの安全確保のために保護者に付き添いをお願いしている学校もある。教員不足の解消に向けて、都教委の認識と対応について伺う。

回答
  子供たちの学習環境を整えるためには、専科や特別支援学級等の教員を含めて、教員を適切に確保・配置することが重要です。
  令和5年度は、退職者や休職者が見込みを上回ったことなどにより、主に小学校で教員不足が発生しており、都教育委員会では、現在、不足が生じた学校に臨時的任用教員を紹介するほか、ホームページやチラシ等で臨時的任用教員の募集を行っています。
  引き続き、教員確保に向けて取り組んでいくこととしています。

質問事項
 一の8 5月1日現在で特別支援教室の教員定数は何人で、実際に配置されているのは何人か、区市町村ごとの欠員数についても伺う。

回答
  教員の確保については、都教育委員会が採用等を行い、区市町村教育委員会では、都教育委員会から配当された教員数の中で、各学校の状況等を踏まえながら配置を行っており、都として特別支援教室の教員の配置状況について現時点では把握していません。

質問事項
 一の9 また、特別支援教室は自立活動であり教科ではないとして時間講師の配置がされないが、国の法律により禁じられているのか伺う。

回答
  時間講師は、都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例に定めるものであり、教科の授業に従事することとしています。

質問事項
 一の10 教員不足が解消するまでの特例措置として、講師配置も可能とすることを検討すべきだが、見解を伺う。

回答
  正規教員等を自立活動の授業に従事させた上で、当該教員が担当する教科の授業に時間講師を従事させるなどにより対応している事例もあります。

質問事項
 一の11 産休・育休代替教員は現在、全員、臨時的任用で対応しているが、地方公務員の育児休業等に関する法律第6条では、職員の配置換えその他の方法によって正規教員を配置することが困難な場合に限り、臨時的任用教員をあてることができることとされており、正規教員を増やして対応していくべきだが、見解を伺う。

回答
  産休育休に伴う欠員に対する代替教員の任用については、「女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律」、「地方公務員の育児休業等に関する法律」に基づき、臨時的任用により対応しています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 尾崎あや子

質問事項
 一 横田基地所属のC-12輸送機の部品喪失について
 二 横田基地のオスプレイについて
 三 有機フッ素化合物(PFAS)について

一 横田基地所属のC-12輸送機の部品喪失について
  横田基地所属のC-12輸送機が4月18日、訓練中に部品を紛失しました。東京都は、基地周辺の5市1町連絡協議会と共に、在日米軍横田基地第374空輸航空団司令官あてに「横田基地所属C-12の部品遺失について」要請をしています。紛失した部品は「ライトレンズ」で重さは約1kgです。住宅街に落下していたら、大きな事故につながる可能性があります。
  そこで、いくつか質問します。
 1 横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会の要請事項は、〔1〕事故の経緯を明らかにするとともに、原因究明を行い再発防止を図ること。これらの対応が図られるまで、同機種の飛行運用を差し控えること。〔2〕航空機の点検整備を強化するとともに、安全確保の徹底を図ること。〔3〕以上に関する情報を関係自治体に速やかに提供することです。今回の要請では、特に〔1〕で、「これらの対応が図られるまで、同機種の飛行運用を差し控えること」としたことは、重要です。しかし、原因究明がされないまま、4月22日には飛行が確認されています。
   都は、申し入れの立場に徹して、原因究明と再発防止がきちんと図られるまでC-12輸送機の飛行運用はやめさせるべきですが、いかがですか。
 2 C-12輸送機の部品喪失は訓練の飛行2時間の中で起こったものだと聞いていますが、都には、その後どのような説明がありましたか。
 3 北関東防衛局は、米側に対しC-12輸送機の部品喪失について、原因究明と再発防止を要望したと聞いています。都民の安全を守るために防衛省には、都と同じ立場に立つよう強く求めるべきですが、どうですか。

二 横田基地のオスプレイについて
  CV-22オスプレイは現在、横田基地に6機配備されていますが、2024年ごろまでに10機の配備を行う予定とされています。
  しかし、横田基地のCV-22オスプレイが使用する施設整備は、当初予定よりも遅れている状況です。到底、10機配備されるまでには施設整備は完了しません。
  そこで、いくつか質問します。
 1 施設整備が遅れている理由などは、聞いていますか。施設整備が完了していないのであれば、オスプレイの増配備はやめるべきですが、どうですか。
 2 そもそも、昨年夏にはクラッチの不具合でCV-22オスプレイ全機が地上待機となり、部品交換が必要であることや設計変更を契約したことなどが報道されています。抜本的改善がされていないオスプレイを、横田基地にあと4機増やすことは、都民の安全・安心を脅かすものです。このまま増やすわけにはいかないと思いますが、都の認識を伺います。
 3 横田基地で、事前に周辺自治体への通告なしに、6月5日・7日の2日間、空軍の特殊作戦機CV-22オスプレイからパラシュート降下訓練を実施しました。横田基地でのCV-22オスプレイを使ってのパラシュート降下訓練は異例です。都として、事前通告なくCV-22オスプレイからパラシュート降下訓練を行ったことに対し、抗議すべきですがいかがですか。

三 有機フッ素化合物(PFAS)について
  有機フッ素化合物(PFAS)は発がん性が指摘され、住民の中に不安が広がっています。
  多摩地域の有機フッ素化合物汚染を明らかにする会が結成され、650人の血液検査が行われ、血液中の13種類のPFASを測定し今回はそのうち代表的な4種類についてまとめています。調査の分析を行った京都大学の原田浩二准教授は「多摩地域の住民の血中PFAS濃度は高い状況にあると考えられる。特に国分寺市、立川市に住んでいる人は、相当な割合で高いという結果になった」「曝露源として主として水道水が考えられる」などとまとめています。
  東京都は、5月1日から専用電話による相談を実施しています。また、5月23日には環境大臣・厚生労働大臣・農林水産大臣あてに、「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」を出しています。
  そこで、いくつか質問します。
 1 都として、国に「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」を出した理由について、伺います。
 2 都が出した「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望書」に対し、国から説明などあったのですか。
 3 都環境科学研究所の平成23年度(2011年度)・公開研究発表会で、分析研究科の西野貴裕氏が「都内河川および地下水における有機フッ素化合物の実態調査」の報告をしています。この研究は、東京都が依頼した研究ですか。
   依頼した研究であれば、依頼する経過と、都ではどのような議論を行ったのか、伺います。
 4 この西野氏の論文の中に「各PFGsの合計濃度が100ナノグラムパーリットルを超えたのは、一部を除き多摩地区で採取したものであったため、地下水の汚染は当該地域に存在していたと考えられる」「構成比に着目すると国立市、立川市、府中市の3地点は、全物質の比率で類似していた」という記述がありました。
   西野氏の論文で指摘があった高濃度の地域と、今回の多摩地域の住民の血中濃度の高い地域は一致しています。このことは、何らかの汚染源があることを示しており、大変興味深い内容です。
   この研究結果について、都はどう受け止めたのですか。
 5 また、この研究結果を受けて、地下水調査の強化など都はどのような取り組みを行ったのですか。
 6 公開研究発表会の論文の最後に「PFCsの組成類似していることから、排出事業者に共通する特徴があることも想定され、今後の調査が必要と考える」とまとめています。この指摘は、汚染源の特定につながる重要なものだと思いますが、都は、この後も研究依頼をしているのですか。
   有機フッ素化合物に対する都民の関心や不安が広がっていることから、都の行っている調査結果に基づいて、環境科学研究所に分析・研究を依頼すべきだと思いますが、いかがですか。
 7 西野氏の研究で、多摩川水系におけるPFOS、PFOAの濃度変化を調べた結果、PFOSは「浅川からの負荷量が最も高いという結果が得られた」とし、「今後、更に環境改善を進めるためには負荷の高い特定の支川を突き止め、集中的、効果的な対策が必要であることが明らかになった」と指摘しています。
   この指摘を都はどう受け止めたのですか。また、どう対応したのですか。

令和5年第二回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 横田基地所属のC-12輸送機の部品喪失について
  1 都は、申し入れの立場に徹して、原因究明と再発防止がきちんと図られるまでC-12輸送機の飛行運用はやめさせるべきだが、見解を伺う。

回答
  安全保障に関することは、国の専管事項です。米軍機の安全確保は、国が責任をもって行うべきことです。
  国からは、メンテナンスクルーとエアクルーはそれぞれ、飛行前と飛行後に機体の点検を毎回行っている、点検の際、問題が特定された場合はフライトの遅延、キャンセル、または別の航空機が使用される、と聞いています。
  今後も、都民の生命、安全、安心を守る立場から、地元自治体と共に、国や米軍に対して必要なことを申し入れていきます。

質問事項
 一の2 C-12輸送機の部品喪失は訓練の飛行2時間の中で起こったものだと聞いているが、都には、その後どのような説明があったか伺う。

回答
  国からは、メンテナンスクルーとエアクルーはそれぞれ、飛行前と飛行後に機体の点検を毎回行っている、点検の際、問題が特定された場合はフライトの遅延、キャンセル、または別の航空機が使用される、と聞いています。

質問事項
 一の3 北関東防衛局は、米側に対しC-12輸送機の部品喪失について、原因究明と再発防止を要望したと聞いているが、都民の安全を守るために防衛省には、都と同じ立場に立つよう強く求めるべきだが、見解を伺う。

回答
  安全保障に関することは国の専管事項です。米軍機の安全確保は国が責任をもって行うべきことです。
  都は地元自治体と共に、原因究明や再発防止等を米軍に申し入れるよう国に要請しています。

質問事項
 二 横田基地のオスプレイについて
  1 施設整備が遅れている理由などは、聞いているか。施設整備が完了していないのであれば、オスプレイの増配備はやめるべきだが、見解を伺う。

回答
  安全保障に関することは国の専管事項です。
  国からは、CV-22オスプレイが使用する施設の整備については、格納庫/AMU(航空機整備ユニット)の建設、飛行隊施設及び倉庫の建設について、当初の予定から工期が変更されており、理由について米側に確認したところ、工事予定日は、計画及び運用面の要素を考慮したうえで決定されるが、当該プロジェクトの予定が変更となった直接の理由についてお伝えできる情報はないとの回答があった、と聞いています。
  また、国からは、2024年頃までに段階的に計10機のCV-22オスプレイを横田飛行場に配備する計画となっている、と聞いています。

質問事項
 二の2 抜本的改善がされていないオスプレイを、横田基地にあと4機増やすことは、都民の安全、安心を脅かすものであり、このまま増やすわけにはいかないと思うが、都の認識を伺う。

回答
  安全保障に関することは国の専管事項です。CV-22オスプレイを含む米軍機の安全確保は、国が責任をもって行うべきことです。
  国からは、CV-22オスプレイの機体自体の安全性に問題はなく、教育訓練や、機体点検などを継続的に行うことで、飛行の安全が確保できると確認したと聞いています。
  また、国からは、2024年頃までに段階的に計10機のCV-22オスプレイを横田飛行場に配備する計画となっている、と聞いています。

質問事項
 二の3 横田基地でのCV-22オスプレイを使ってのパラシュート降下訓練は異例であるが、都として、事前通告なくCV-22オスプレイからパラシュート降下訓練を行ったことに対し、抗議すべきだが見解を伺う。

回答
  都はこれまでも、人員降下訓練について、訓練情報の早期提供の徹底や、人口密集地で行う訓練の危険性を十分考慮の上、事故防止、基地周辺地域に影響を及ぼさないこと等を国や米軍に要請しています。
  なお、本件については、日頃から都と連絡調整を行っている横田基地周辺市町が、国及び米軍に対し要請を実施しています。
  今後とも、周辺市町と連携を図りつつ、必要な働きかけを行っていきます。

質問事項
 三 有機フッ素化合物(PFAS)について
  1 都として、国に「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」を出した理由について、伺う。

回答
  都は国に対し、健康影響及び環境に関する評価等について、科学的根拠に基づいた知見を早急に示すよう、緊急要望しました。

質問事項
 三の2 都が出した「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望書」に対し、国から説明などあったのか伺う。

回答
  都が緊急要望を行った際、国からは、PFASに対する総合戦略検討専門家会議で対応を検討している旨の説明がありました。

質問事項
 三の3 都環境科学研究所の平成23年度(2011年度)・公開研究発表会で、分析研究科の西野貴裕氏が「都内河川および地下水における有機フッ素化合物の実態調査」の報告をしているが、この研究は、東京都が依頼した研究か。依頼した研究であれば、依頼する経過と、都ではどのような議論を行ったのか、伺う。

回答
  当該調査は、都が、国際的な規制強化の動向を踏まえ、都内全域の水環境の実態を調査したものです。

質問事項
 三の4 西野氏の論文で指摘があった高濃度の地域と、今回の多摩地域の住民の血中濃度の高い地域は一致しており、このことは、何らかの汚染源があることを示しており、大変興味深い内容であるが、この研究結果について、都はどう受け止めているか伺う。

回答
  PFOS等の有機フッ素化合物は、半導体の製造、撥水加工等で使用されてきたことから広域に検出されており、排出源の特定は困難と考えています。

質問事項
 三の5 また、この研究結果を受けて、地下水調査の強化など都はどのような取り組みを行ったのか伺う。

回答
  暫定指針値の超過が判明した場合には、関係各局で共有を図り、飲用井戸所有者には飲用を控えるよう助言を行っています。

質問事項
 三の6 公開研究発表会の論文の指摘は、汚染源の特定につながる重要なものだが、都は、この後も研究依頼をしているのか。有機フッ素化合物に対する都民の関心や不安が広がっていることから、都の行っている調査結果に基づいて、環境科学研究所に分析・研究を依頼すべきだが、見解を伺う。

回答
  PFOS等の有機フッ素化合物は、半導体の製造、撥水加工等で使用さ れてきたことから広域に検出されており、排出源の特定は困難と考えています。

質問事項
 三の7 西野氏の研究で、多摩川水系におけるPFOS、PFOAの濃度変化を調べた結果、PFOSは「浅川からの負荷量が最も高いという結果が得られた」とし、「今後、更に環境改善を進めるためには負荷の高い特定の支川を突き止め、集中的、効果的な対策が必要であることが明らかになった」と指摘しているが、この指摘を都はどう受け止めたのか。また、どう対応したのか伺う。

回答
  都は、令和3年度から、PFOS及びPFOAを水質測定計画の要監視項目と定め、関係機関と協議の上、都内河川で水質測定を行っており、これまでの測定結果は、全ての地点で国の暫定指針値を下回っています。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 里吉ゆみ

質問事項
 一 駒沢オリンピック公園総合運動場の屋外プールについて

一 駒沢オリンピック公園総合運動場の屋外プールについて
  現在、駒沢オリンピック公園総合運動場では、改修、改築計画に基づき工事が行われています。一方、屋外プールについては廃止することが決まって以降、その後も、なんら計画も明らかにされないまま、10年以上経過しました。プールの利用実績は、2010年の利用最後の年でも4万7千人でした。廃止された後、世田谷区内だけでなく、目黒区の方からもプールを再開してほしいという声が繰り返し出されています。
  2022年9月に「駒沢オリンピック公園マネジメントプラン」駒沢オリンピック公園の管理運営、整備等の取り組み方針が出されましたが、ここでも特に屋外プールについての方針は示されていません。
 1 屋外プールについて、廃止が決まっただけでそのままになって10年以上になっている経緯についてお示しください。
 2 現在、水泳場についてはどのようにするのか、検討状況について伺います。
 3 廃止の理由として、周りに屋内プールが増えてきたことが挙げられていますが、駒沢オリンピック公園の目標と取組方針の目標5に、スポーツによる健康づくりの場となる都立公園とあることから、プールを再開させることは、この目標達成のためにもなるのではないでしょうか。
  今回の「マネジメントプラン」は、固定的なものでなく、目標や計画は継続的に見直し、改善を図るとともに、社会経済情勢の変化等への対応が必要となった場合には、柔軟に必要事項等について再検討を行い、適宜見直し改善を行っていくもの、とあります。
 4 あらためて、駒沢オリンピック公園総合運動場のプールについては、再開を求める要望も含めて、地域の声、都民の声を聞く機会を設けることを求めますが、いかがですか。

令和5年第二回都議会定例会
里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 駒沢オリンピック公園総合運動場の屋外プールについて
  1 屋外プールについて、廃止が決まっただけでそのままになって10年以上になっている経緯について伺う。

回答
  駒沢オリンピック公園総合運動場の屋外プールは、老朽化が著しく、また、周辺に年間を通して利用できる屋内プール施設の整備が進んでいることなどから、平成22年7月に公表した駒沢オリンピック公園総合運動場改修・改築基本計画に基づき廃止しました。

質問事項
 一の2 現在、水泳場についてはどのようにするのか、検討状況について伺う。

回答
  改修・改築基本計画に基づき、プールは廃止しました。

質問事項
 一の3 廃止の理由として、周りに屋内プールが増えてきたことが挙げられているが、駒沢オリンピック公園の目標と取組方針の目標5に、スポーツによる健康づくりの場となる都立公園とあることから、プールを再開させることは、この目標達成のためにもなるのではないか伺う。

回答
  本マネジメントプランでは、スポーツゾーンの各種競技施設は公園管理者と運営主体が異なり、双方が連携を図りながら、施設の利用と調和した管理を行うものとしています。
  スポーツ施設については、改修・改築基本計画に基づき引き続き対応していきます。

質問事項
 一の4 あらためて、駒沢オリンピック公園総合運動場のプールについては、再開を求める要望も含めて、地域の声、都民の声を聞く機会を設けることを求めるが、見解を伺う。

回答
  駒沢オリンピック公園総合運動場の周辺では、区や民間が経営する屋内プールや屋外プールが多数あります。
  スポーツ施設については、改修・改築基本計画に基づき、引き続き対応していきます。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中村ひろし

質問事項
 一 教育政策について
 二 障がい者施策について
 三 雇用労働対策について
 四 中国残留邦人への支援について

一 教育政策について
 1 学校に通えない子どもの中に「起立性調節障害」という病気があると言われています。朝、起きられなくなる疾患で、思春期に起こりやすく、10人から20人に一人がなるとも言われています。しかし、その存在を知らなければ怠けているととらえられ、状況はますます深刻になってしまいます。「起立性調節障害」について都の基本認識を伺います。
 2 「起立性調節障害」になった児童生徒に対して、学校や教員、保護者が理解し対応することが必要です。病気への知識と理解、啓発が必要ですが、見解を伺います。
 3 教員不足が言われていますが、教師の多忙化による休暇や退職が残った教員をさらに多忙にするという悪循環に陥っています。教員不足の早期解消は必要ですが、長期的に見れば少人数学級を促進し、教員と子どもが向き合う時間の確保が必要です。見解を伺います。
 4 教員の多忙化の解消には、業務の見直し、必要のない業務の削減を行うことが必要です。このことは長く言われながら必ずしも改善されたとは言えません。現状をどのようにとらえ、どう改善していくのか見解を伺います。
 5 教員の質の低下が懸念される中で、指導力が十分でない教員をフォローする周りの教員の多忙さが増しているとの声がありますが、どのように対応するのか伺います。
 6 ICT機器が普及し、新しいアプリが導入されるたびに研修を受けたり、小学生や中学生のタブレットの故障や不具合の対応で授業が中断するなどが起こります。ICT化への対応が過度に教員の負担にならないよう対応すべきですが見解を伺います。

二 障がい者施策について
 1 障がい者への合理的配慮について、国では法律で努力義務としていますが、都では条例で義務としています。その姿勢は高く評価しますが、具体的に都として国の政策に上乗せしてどのような施策を行っているのか伺います。
 2 今後、国でも障害者差別解消法の改正により、2024年には自治体だけではなく民間事業者においても合理的配慮が義務化されます。都はすでに国に先行して取り組んでいますが、改正法の施行による合理的配慮の努力義務から義務化になるに伴い、都としてどのように対応していくのか見解を伺います。
 3 都は総務局が所管する東京都人権プラザにおいて、障がい者の人権に関する相談にも対応しています。とはいえ、障がい者施策を所管する福祉局も積極的に差別や偏見などの解消に取り組む必要があります。組織の壁を越えて総務局とも連携して障がい者の人権を守るため、普及啓発や相談体制の強化など、積極的に取り組むべきと考えますが見解を伺います。
 4 障がい者が学校で学ぶ際に、必要な合理的配慮を行うことで社会的障壁を取り去り、障がい者が学ぶ権利を守ることが重要です。条例の趣旨を踏まえ、義務教育のみならず高校や大学など様々な教育機関において、合理的配慮がなされ、障がい者が学ぶ環境が整えられる必要があると考えますが、見解を伺います。

三 雇用労働対策について
 1 有期雇用が5年間続くと無期雇用に転換することが義務化されましたが、5年満了の直前に雇止めするなど改正労働契約法の趣旨を理解していない事業者が見られます。都は無期転換ルールの実態をどのように把握しているか伺います。また、事業者に対して普及啓発すべきですが見解を伺います。
 2 女性雇用労働者の53.4%、1,432万人が非正規雇用労働者で、その約8割が年収200万円未満とのことです。安定就労・所得向上を求めている就労支援が必要です。とりわけ女性の非正規雇用労働者の正規転換等の支援をより一層進めるべきですが見解を伺います。
 3 バブル崩壊後の概ね1970年から1982年生まれの就職氷河期世代は2,300万人を超えて生産年齢人口の約3割を占めています。就職氷河期世代の安定雇用や所得向上を求める非正規雇用労働者に対して、正規雇用につながる支援を強化する必要がありますが、見解を伺います。
 4 コロナ禍において、生活困窮者や就労困難者の困難さが増し、より一層の就労支援、生活自立支援を行うことの重要性が明らかになりました。就労困難者等への就労支援策の周知や情報伝達、アウトリーチ支援、伴走支援等の就労支援全般の強化が必要ですが見解を伺います。
 5 国連が掲げるSDGsの考え方が社会的にも浸透しつつあり、持続可能な社会に向けた取り組みが進んでいます。都が行う入札や契約においても、経済・社会の持続可能性を担保する公正労働基準の要件を入れるべきですが、見解を伺います。

四 中国残留邦人への支援について
 1 中国残留孤児や中国残留婦人及びその家族について、帰国後の支援についてたびたび質問してきました。本人と同伴で帰国した2世と違い、呼び寄せた2世は援護対象になっていないため、自治体における独自の施策にとどまっています。高齢化に伴い、問題はますます深刻化しています。一般的に中高年にとっての就労は厳しいのですが、中国帰国者2世は言葉や習慣の違いからますます厳しくなっています。本来は国が援護対象とすべきですが、都としても2世の就労支援に取り組むべきですが見解を伺います。
 2 中国帰国者2世自身が署名活動を始め国に立法化を求めています。自治体としても2世を支援するための立法化を国に求めるべきですが見解を伺います。また、国が支援に取り組むまでは自治体としても独自に支援する必要がありますが見解を伺います。

令和5年第二回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 教育政策について
  1 「起立性調節障害」について都の基本認識を伺う。

回答
  起立性調節障害は、たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛など思春期に発症しやすい自律神経機能不全の一つであり、重症の例では、登校できないケースも見られるものと認識しています。

質問事項
 一の2 「起立性調節障害」になった児童生徒に対して、学校や教員、保護者が理解し対応すること、病気への知識と理解、啓発が必要だが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、教職員など学校関係者に対し、起立性調節障害を含む様々な健康問題に適切に対応できるよう、保健指導の手引き等を通じて、周知を行っています。

質問事項
 一の3 教員不足の早期解消は必要だが、長期的に見れば少人数学級を促進し、教員と子どもが向き合う時間の確保が必要だが、見解を伺う。

回答
  義務教育における学級編制は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」に基づき行っており、少人数学級の促進については、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。

質問事項
 一の4 教員の多忙化がかねてから問題になってきているが、必要のない業務の調査、見直し、削減を行うことが必要だが見解を伺う。

回答
  平成30年2月に策定した「学校における働き方改革推進プラン」等に基づき、都教育委員会では、学校に対する調査等の縮減や外部人材の活用等により、教員の負担軽減を図っています。
  また、各学校においては、保護者や地域の理解を得ながら、留守番電話の活用による勤務時間外における電話対応の見直しや、学校行事の精選等に取り組んでいます。
  引き続き、教員の負担軽減を進めることとしています。

質問事項
 一の5 教員の質の低下が懸念される中で、指導力が十分でない教員をフォローする周りの教員の多忙さが増しているとの声があるが、どのように対応するのか伺う。

回答
  都教育委員会では、令和5年2月に策定した「東京都公立学校の校長・副校長及び教員としての資質向上に関する指標」に基づき研修を実施しているほか、各区市町教育委員会や各学校においても集合研修やOJT等に取り組んでいます。
  また、特に指導力に課題がある教員については、区市町村教育委員会や学校経営支援センター等が学校訪問し、授業等を観察するとともに必要な指導を行っています。

質問事項
 一の6 ICT化への対応が過度に教員の負担にならないよう対応すべきだが見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、区市町村教育委員会に対して、ICT支援員の配置経費の一部を補助しているほか、教員の問い合わせに対応するヘルプデスクの設置経費等の一部に対して、国の補助に上乗せした補助を行うなどの支援を行っています。

質問事項
 二 障がい者施策について
  1 障がい者への合理的配慮について、国では法律で努力義務としているが、都では条例で義務としている。その姿勢は高く評価するが、具体的に都として国の政策に上乗せしてどのような施策を行っているのか伺う。

回答
  東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(以下「条例」という。)では、障害を理由とする差別の解消に関する法律(以下「法律」という。)で努力義務とされている民間事業者の合理的配慮の提供を義務化するとともに、相談・紛争解決の仕組みを整備し、障害を理由とした差別に関する相談を専門に受け付ける広域支援相談員を配置しています。

質問事項
 二の2 今後、国でも法律改正により、2024年には自治体だけでなく民間事業者においても合理的配慮が義務化される。都は、すでに国に先行して取り組んでいるが、改正法の施行による合理的配慮の努力義務から義務化になるに伴い、都としてどのように対応していくのか見解を伺う。

回答
  都は、国に先行して条例で事業者の合理的配慮の提供を義務化しており、引き続き事業者を対象にパンフレットの配布や説明会を実施するなど、障害者差別の解消に向け、普及啓発に取り組んでいきます。

質問事項
 二の3 都は総務局が所管する東京都人権プラザにおいて、障がい者の人権に関する相談にも対応しているが、障がい者施策を所管する福祉局も積極的に差別や偏見などの解消に取り組む必要があり、組織の壁を越えて総務局とも連携して障がい者の人権を守るため、普及啓発や相談体制の強化など、積極的に取り組むべきと考えるが見解を伺う。

回答
  都は、福祉局に設置している東京都障害者権利擁護センターにおいて、障害者差別に関する相談を受け付けるほか、助言や関係者の調整を行うなど、個々の事例に即した専門的な対応を行っています。
 また、相談内容に応じて、東京都人権プラザなど関係機関と連携し、相談者に対して回答を行っています。

質問事項
 二の4 条例の趣旨を踏まえ、義務教育のみならず高校や大学など様々な教育機関において、合理的配慮がなされ、障がい者が学ぶ環境が整えられる必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
  都は、広く都民、教育機関を含む事業者、区市町村等に対して、法律及び条例の趣旨を普及啓発しています。
  また、障害者及びその家族等からの相談に応じ、必要な助言や調査、情報提供及び関係者間の調整を行っています。

質問事項
 三 雇用労働対策について
  1 有期雇用が5年間続くと無期雇用に転換することが法定化されたが、5年満了の直前に雇止めするなど改正労働契約法の趣旨を理解していない事業者が見られるが、都は無期転換ルールの実態をどのように把握しているか伺う。また、普及啓発すべきだが見解を伺う。

回答
  都は、期間の定めのある雇用について調査を行い、状況を把握しています。
  また、国の法令の内容について、事業主等に対して普及啓発を行っています。

質問事項
 三の2 とりわけ女性の非正規雇用労働者の正規転換等の支援をより一層進めるべきだが、見解を伺う。

回答
  非正規雇用の方の正規雇用化は、安定した就労を実現する重要な取組です。
  都は、令和5年度から、非正規から正規への転換を行う企業への支援を充実しています。

質問事項
 三の3 就職氷河期世代の安定雇用や所得向上を求める非正規雇用労働者に対して、正規雇用につながる支援を強化すべきだが、見解を伺う。

回答
  就職氷河期に入社ができず、不安定な就労や生活の続く方々に対し、速やかな就業を後押しすることは必要です。
  このため都は、こうした方々の安定した就労に向けた支援を行っており、令和5年度は施策を充実しています。

質問事項
 三の4 就労困難者等への就労支援策の周知や情報伝達、アウトリーチ支援、伴走支援等の就労支援全般の強化が必要だが、見解を伺う。

回答
  都は、就労に困難を抱える方に対して、支援の内容に関し様々な方法で周知を行っています。
  また、就職に関する専門知識を持つカウンセラー等による相談対応も実施しています。

質問事項
 三の5 都が行う入札や契約においても、経済・社会の持続可能性を担保する公正労働基準の要件を入れるべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、公共調達を通じてSDGsの理念を踏まえた社会的責任を果たすため、調達に係る指針を新たに策定することを目的として、「社会的責任に配慮した調達に係る有識者会議」を設置し、令和5年4月に第1回会議を開催しました。
  本有識者会議を通じて、環境、人権、労働などの専門家から意見を聴取しながら、引き続き調達指針の策定に向けた検討を進めていきます。

質問事項
 四 中国残留邦人への支援について
  1 一般的に中高年にとっての就労は厳しいが、言葉や習慣の違いからますます厳しくなっており、2世の就労支援に取り組むべきだが見解を伺う。

回答
  中国残留邦人等への支援については、毎年、二十二都道府県中国帰国者対策協議会において国提案を行っており、令和5年1月には、帰国者が呼び寄せた2世や3世に職業訓練等の措置を講じることなどを提案しています。

質問事項
 四の2 2世自身が署名活動を始め国に立法化を求めており、自治体としても2世を支援するための立法化を国に求めるべきだが見解を伺う。また、国が支援に取り組むまでは自治体としても独自に支援するべきだが見解を伺う。

回答
  中国残留邦人等への支援は、国の責任において実施すべきものであり、都はこれまでも必要な提案要求を行っています。
  また、都は、国の支援対象となっていない2世等についても、自立・定着の促進を図るため、独自に生活相談員制度を設け、日常生活の諸課題に関する相談、助言や通院への同行などを行っています。
  なお、生活に困窮する2世等への支援は、要件を満たせば生活保護制度において対応することとなります。

令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 和泉なおみ

質問事項
 一 橋の長寿命化事業とバリアフリー化を一体で推進することについて

一 橋の長寿命化事業とバリアフリー化を一体で推進することについて
  都は2009年度から、主要な橋梁の寿命を延命化する長寿命化事業に取り組んでいます。都内にある1,221の管理橋を「グループA」と「グループB」に分け、「グループA」に分類される橋は、重要度が高く、適切な管理を行いながら100年以上使い続けることを目指すとされています。
  最新の点検結果に基づいて様々な観点から橋の性能を把握し、早めに必要な補修を行って橋の長寿命化を図るものです。
  「グループB」に分類される橋は、損傷や劣化のある橋について原因を究明し適切な対策を講じて、建設時と同等の性能まで回復を図るものです。
  葛飾区と足立区をまたいで荒川に架かる「堀切橋」は、1967年に架設され長寿命化の対象になっており、今年度の予算でも長寿命化の予算が計上されています。
  私は、文書質問で葛飾区内に係る道路橋の問題を繰り返し取り上げてきました。
  川に囲まれて暮らす葛飾の住民にとって、橋を渡っての移動は日常であり、その橋が利用しやすいものになっているかどうかは、大変重要です。
  ところが、堀切橋には、スロープがなく、自転車は歩行者用の階段に設置された斜路を押しながら上り下りしなければなりません。しかも、自転車用の斜路は道路の片側にしか設置されていないため、橋を下る人と上る人は、どちらかが橋の上か下で待っていなければなりません。
  車いすの方は利用できず、子育て世帯や、高齢者や障害のある方にとっても利用しにくいのが現状です。
  このような道路橋には、地域住民の社会生活を支えるための利便性が求められているという視点から、以下質問します。
 1 橋の長寿命化事業に際し、架設から数十年たっている橋について架設当時の性能を維持するだけでなく、現在求められている橋の性能へと水準を引き上げる必要があると思いますが、都の見解を伺います。
 2 長寿命化を行う場合には、それだけを行うのではなく、バリアフリー化についても一体的に行った方が効率的であると考えますが、都の見解を伺います。

令和5年第二回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 橋の長寿命化事業とバリアフリー化を一体で推進することについて
  1 橋の長寿命化事業に際し、架設から数十年たっている橋について架設当時の性能を維持するだけでなく、現在求められている橋の性能へと水準を引き上げるべきだが、見解を伺う。

回答
  長寿命化事業においては、既設橋梁の構造特性、周辺環境、交通状況等を踏まえ、現行の橋梁構造に関する技術基準に基づき要求性能を設定し、対策を実施しています。

質問事項
 一の2 長寿命化を行う場合には、それだけを行うのではなく、バリアフリー化についても一体的に行った方が効率的だが、見解を伺う。

回答
  既設道路橋の長寿命化については、「橋梁予防保全計画」に基づき実施しています。
  また、バリアフリー化については、「都道における既設道路橋のバリアフリー化に関する整備方針」に基づき、「優先的に整備を検討する橋梁」を選定し整備に向けた検討・調整を進めています。その際、他事業との一体的な整備を行うことで効果的・効率的な整備が可能か検討することとしています。

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