令和五年東京都議会会議録第九号

○副議長(本橋ひろたか君) 七十二番白戸太朗君。
   〔七十二番白戸太朗君登壇〕

○七十二番(白戸太朗君) 三十年以上前、私が初めて海外遠征をしたときに、当然ではありますが、全ての国の選手が英語でコミュニケーションしていた姿、忘れることはできません。私自身、中学、高校、大学と英語教育を受けてきたはずなのに、役に立たない。そして、英語がネーティブでない国の選手も、うまくない英語で堂々と話す姿にショックを受けました。
 あるとき、彼からこんなことをいわれました。日本人は日本国内で経済が成立しているから日本語だけでいいんだよ。でも、僕たちは国の中だけで物を考えていくには小さ過ぎる。そのために世界の共通言語である英語でのコミュニケーションは必須なんだ。
 確かに、当時の日本は、国内だけを相手にしていても問題を感じることはありませんでした。しかし、経済規模の小さな国では、生き残るために必須だったんです。
 そして、その三十数年後の日本、何をやるにも世界の動きを考慮せざるを得ない状況です。実業も製造も文化やスポーツも、国内だけを見ていては未来がありません。さらに、通信手段の進化で世界はますます狭くなっています。
 こうした中、これからの子供たちは、年齢や国籍、文化や言語などの違いにかかわらず、多様な価値観を持つ人々と協力、協働しながら、課題を解決する力が求められています。
 令和五年から、新たに教育庁にグローバル人材育成部が設置されるなど、都はグローバル人材の育成に注力しています。改めてその狙いについて知事に伺います。
 都は、都立高校生の海外派遣事業を推進していますが、大切なことは、海外に行って何をするかです。それを踏まえ、都では新しいプログラムについて取り組んでいると聞いております。
 そこで、昨年度の都立高校における海外派遣事業の取組とその成果について伺います。
 さらに、都教育委員会は、グローバル教育の一環として、昨年度から中学校英語スピーキングテストを実施していますが、改めてその意義と目的、さらに導入の成果について伺います。
 次に、観光関連の人材確保支援について伺います。
 観光産業が復調する中、ホテルなどでは、働き手不足により客室の稼働やサービスの提供ができないなどの声が多く届いています。
 都は、今年三月に観光関連産業を対象としたマッチングイベントを開催してきました。しかし、四月以降、国の水際対策の終了や感染症の五類移行などが加わり、特に観光業の人手不足のため、労働力を確保できずに十分な営業が行えず、経営に大きな影響が出ている企業も目立ち始めています。
 観光関連の事業者が業務運営を継続していけるよう、早急に人材の確保に向けた支援を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
 また、人手不足に苦しむ中小企業にとって、急速にニーズが高まっているのが外国人材の確保です。都はこれまでにも、中小企業の外国人材の確保に向けて様々な取組を行ってきたと認識していますが、どんなによい施策を行っても、それが知られていなければ意味はありません。
 都には、全国有数の大学や専門学校と、そこに通う留学生の集積があります。留学生が通う大学などに対し、都の取組や中小企業における受入れ体制を積極的にPRしていくことにより、中小企業の外国人材の確保を大きく後押しできるものと考えます。
 そこで、都は、大学や専門学校の集積を最大限に生かし、大学などと連携した取組も進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 グローバル人材の育成と国内グローバル人材の活用、どちらもこれからの東京、いや日本には大変重要なことであると考えます。
 次に、私のライフワークである自転車関連について伺います。
 自転車は、環境問題や渋滞対策に有効なことはもちろん、乗る人の身体的、精神的な健康促進にも有効な交通手段です。そのため、世界の大都市では、自転車での移動を都市交通手段の中心に置いたまちづくりが進んでおります。都においてもGRAND CYCLE TOKYO開催など、自転車利用の機運を推進させているところです。
 しかし、昨年、都内全ての交通事故に占める自転車関連事故の割合は四割を超え、交通事故は依然として少なくありません。これは、自転車の利用者に原因がある場合もありますが、一方、自転車の利用者からは、車にクラクションを鳴らされた、幅寄せされたなど、怖い思いをしたという声もあり、私自身もそんな経験を何度もしてきました。
 こうした中で、自転車の安全確保のためには、ソフトの面ではサイクリストだけではなく、ドライバーの認識を変えていく必要もあると考えます。ハード面では、自転車通行空間の整備が不可欠です。
 道路の幅員が狭く、道路余地の少ない中でも、都は、令和三年度末に約三百三十九キロを整備してきたことは評価しますが、まだまだ都内では、連続性の確保がされていない箇所も少なくありません。
 そこで、自転車通行空間の整備について、今後、都はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 我々は子供の頃から、自転車の二人乗りは危ないのでやめなさいといわれて育ってきました。が、自転車競技に関わるようになり、タンデム自転車というのがあることを知りました。
 タンデム自転車というのは、座席が複数個並び、同時にこぐことができるような自転車を指します。二人で息を合わせて運転することが大きな魅力で、特に後部に座る同乗者はハンドル操作が必要ないため、視覚障害者や高齢者が楽しめたり、親子や夫婦のような体力差のある組合せも楽しむことができる、いわばユニバーサルスポーツです。
 その一方で、全長が長いため、小回りが利かない、バランスを崩しやすいといった点もあり、運転者と同乗者のコミュニケーションが大変重要で、安全への配慮も大切です。
 日本では、一九七八年に長野県で承認されてから全国自治体に広がっていく中で、東京ではなかなか認められませんでした。私は、以前からこの全面開放に取り組んでおり、二〇一九年には、自転車関連十四団体の連名で警視庁に要望書を提出させていただいたり、その翌年の都議会一般質問で取り上げ、試験的に三か所の走行許可をいただき、その歩みを進めてきました。
 そして、このたび、本年七月一日からタンデム自転車都内全面解禁となることが知事より発表され、自転車界では大きなニュースとなっており、ご尽力いただいた関係者の皆様に改めて感謝するところであります。
 これらの経緯を経て、いよいよ解禁されるわけですが、都内にはまだタンデム車を見たことがない、その存在すら知らないというドライバーや都民が大勢います。
 このようにタンデム自転車の認知度が低い中、警視庁はどのように安全対策を進めていくのか、見解を伺います。
 東京都が自転車の普及促進や理解促進のために開始したGRAND CYCLE TOKYOプロジェクト。昨年はレインボーブリッジを自転車が渡るという、橋が架かって以来の出来事に大変大きなインパクトを残しました。橋だけではなく、海底トンネルを渡るなど、ふだんは自転車が通れない新しい東京を体感する機会を提供したことは、東京の新しい魅力を切り出せたのではないかと評価いたします。
 今年は、東京移管百三十年を迎える多摩地域で、東京二〇二〇大会のコースを活用した本格的な自転車ロードレースが開催され、東京大会のレガシーを継承する取組として意義深いと考えます。
 こうした取組に加え、東京大会のときにトップサイクリストが多摩地域を駆け抜けた感動の記憶を未来に継承していくためには、我が会派が以前から要望してきたように、大会のコースとなった道路に何らかの形でそのあかしを残し、住民はもちろん、サイクリストらにも認知できるような工夫が必要であると考えますが、知事の見解を伺います。
 二〇二〇大会のレガシーは、今後の国際スポーツにも生かしていく必要があります。東京大会に続き、二〇二五年にはデフリンピック大会が開催されますが、日本初開催のため、認知度が低いのが現状です。
 幅広い都民に効果的に大会を知って関心を持ってもらえるよう、工夫を凝らした取組を展開していくとともに、発信力のあるアンバサダーを起用するなど、訴求力の高い施策を実施していくべきですが、見解を伺います。
 次に、東京湾の真ん中にできた大きな森である海の森公園について伺います。
 海の森公園では、本年三月、プレオープンイベントが開催され、私も参加させていただきました。海の森は、ごみの埋立地を森に生まれ変わらせるという全国でも有数の壮大なプロジェクトで、先人たちの努力が実を結びつつあるのを確認できました。
 プレオープンセレモニーでは、ボランティアの登録証の授与が行われ、認証された方々からは今後の活動に対する誇りと意欲を感じました。彼らが自然再生事業のお手本ともいえる海の森公園の成り立ちを広く伝えていく活動は、環境教育の面からも大切な取組です。
 現在、ボランティア活動は十八歳以上が対象と聞いていますが、こうした取組を次世代を担う子供たちにも担ってもらい、主体的に考え、活動してもらうことこそが真の環境教育になるのではないかと考えます。
 海の森公園の運営に当たっては、大人だけではなく、子供たちも自然観察の手伝いや訪問者へのガイドとして活躍できるようにすべきと考えますが、見解を伺います。
 また、東京湾の真ん中で、海と空の玄関口といえるこの海の森公園は、広大な草原や深い緑の森があり、その環境を生かした利用手法も一層推進すべきと考えます。中でも、近年人気が高まっているキャンプなどには絶好のロケーションであり、多くのニーズがあると考えます。
 そこで、このようなキャンプ体験の機会を増やす取組を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、かつて東京港と都心を結び、戦後日本の復興を支えた臨港鉄道の一部である旧晴海鉄道橋について伺います。
 私は、令和三年第一回定例会本会議において、旧晴海鉄道橋を観光資源として活用すべきと質疑を行い、港湾局から、この歴史的構造物を遊歩道に生まれ変わらせ、臨海部の魅力をさらに高めていくことと答弁をいただきました。
 現在、晴海地区に晴海ふ頭公園及び晴海緑道公園が昨年の十月に開園し、豊洲地区の春海橋公園やぐるり公園と連続した水辺のネットワークが形成される中で、晴海地区と豊洲地区を結ぶ春海橋は重要な交通拠点となっており、休日などは歩道が混雑し過ぎて歩きにくいほどになっています。
 そうした意味でも、この遊歩道化は、歩行者の流動性や利便性を高めることにもなり、さらに歩きたくなるまちづくりの実現に非常に重要な取組です。
 旧晴海鉄道橋の遊歩道化は、臨海部のさらなる魅力創出に欠かせない取組であり、通行量も多いことから、できる限り早期に実現すべきと考えますが、所見を伺います。
 私の地元江東区では、多くの燃料電池バスを日頃からよく見かけ、区内の都営バスの営業所には三十両程度在籍するなど、地域住民によく認識されています。また、この六月からは、EVバイクのシェアリングサービスなど、ZEV化の先導的な取組が進められているところです。
 それらを支えているのが水素ステーションであり、燃料電池バスをさらに普及させていく上で、バス営業所内へのステーション整備も効果的です。
 さらに、民間バス会社も、都営バスにおける水素ステーション整備の動向について関心を持っていると聞いています。
 営業所における水素ステーション整備に当たっては、都営バスの事業者として、他のバス事業者のZEV化を牽引するような役割も担うべきと考えますが、局の見解を伺い、私の質疑を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 白戸太朗議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、グローバル人材の育成についてであります。
 未来を担う子供たちには、英語力を基盤として、社会の様々な課題を主体的に解決していく力や、多様な人々と協働する力などを身につけてほしいものです。
 そのため、都は、子供たちが海外で通用する高い英語力を身につけるとともに、多様な国や地域の人々と交流することを通じて将来の可能性を広げられますよう、グローバル人材育成の取組を強化いたしております。
 子供たちには、英語を使いこなし、世界とつながる喜びを知ってもらいたい。昨年度、本格実施したスピーキングテストを契機に、中学三年生の子供たちが大きな一歩を踏み出したことを大変心強く思っております。
 こうした子供たちが、世界を視野に新たな時代を切り開き、東京から羽ばたいていくことができますよう、世界で活躍できる人材の育成をさらに加速してまいります。
 次に、東京二〇二〇大会のレガシーについてであります。
 大会史上初の延期、コロナ禍という困難を乗り越え、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮する姿は、人々に多くの感動と勇気をもたらしました。
 こうした記憶や大会の開催意義を後世に伝えるには、身近な場所でその足跡を刻むことが重要であります。
 都はこれまで、聖火台やマスコット像などを再設置するとともに、競技会場等には、地元自治体とも連携し、大会の記憶を残す銘板を設置してまいりました。
 これに加え、多摩地域での自転車ロードレース開催に合わせまして、東京大会の自転車競技で走行した道路上に、記念のマークを設置いたします。
 こうした取組を通じて、大会のレガシーを未来に継承し、スポーツフィールド東京の実現につなげてまいります。
 なお、その他の質問につきましては、警視総監、教育長、東京都技監及び関係局長が答弁いたします。
   〔警視総監小島裕史君登壇〕

○警視総監(小島裕史君) タンデム自転車の交通安全対策についてでありますが、警視庁では、視覚障害者の方々からのご要望などを踏まえ、東京都道路交通規則を改正し、本年七月一日から、都内全域においてタンデム自転車の二人乗りを可能といたします。
 当庁では、タンデム自転車が安全に利用されるように、基本的な交通ルールはもとより、一般的な自転車と比べて内輪差が大きい、制動距離が長いといった走行特性を踏まえた運転方法を広く都民に周知するなどの取組を自転車関連団体と連携し、推進してまいります。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、昨年度の都立高校生海外派遣事業の取組と成果についてでございますが、都教育委員会は、学校での学びを現地ならではの経験を通じて実践的に深められるよう、現地教育機関や在外大使館などと連携し、独自プログラムを企画し、実施いたしました。
 具体的には、生徒は言語や文化の異なるUAE等三か国で、環境保全や水素等の代替エネルギーの活用などに先進的に取り組んでいる公的機関や企業等の視察を行いました。
 また、事前学習で自らが設定した課題について現地の生徒に向けてプレゼンをしたり、専門家等との意見交換を行うなどにより、学びを深めました。
 帰国後は、課題の研究をさらに深め、環境に配慮した行動への変容や日々の学びへの意欲向上等について、在籍校や都の報告会で発表しました。
 今後、こうした成果を周知し、全ての都立高校でグローバル人材を育成してまいります。
 次に、スピーキングテストの目的と成果についてでございますが、都教育委員会は、平成三十一年二月にスピーキングテストの実施方針を決定して以来、オンライン学習の教材やプレテストを踏まえた指導情報の提供など、生徒の学習意欲の向上や中学校での指導改善に取り組んでまいりました。
 こうした取組により、令和四年度の国の調査では、CEFR、A1レベルの中学三年生は国の目標値を上回る五九・五%となり、前年より五・一ポイント上昇するなど、英語力は着実に向上しています。
 また、結果を都立高校入試で活用することにより、話すことを含む四技能の習得状況を適切に反映することができました。
 客観的な結果に基づく指導を一層充実させるため、今年度からスピーキングテストの対象を一、二年生にも拡大し、生徒の使える英語力の育成を強力に進めてまいります。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 自転車通行空間の整備についてでございますが、誰もが安全で快適に自転車を利用できるよう、自転車通行空間の整備を進めることは重要でございます。
 このため、都は、令和三年五月に整備推進計画を策定し、二〇三〇年度までに、既に完成した区間を含めまして、約九百キロメートルを整備することとしております。
 計画の推進に当たりましては、ネットワークの連続性や、自転車交通量、事故の発生状況等の視点に基づき、優先整備区間を選定し、整備に取り組んでいるところでございます。
 また、交通管理者や区市町村等で構成する会議を開催し、具体的整備手法等に関する情報共有を図っております。
 今後とも、関係機関と連携しながら、自転車通行空間の整備を積極的に進めてまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、観光関連産業の人材確保についてでございますが、観光関連の事業者が働き手を確保するため、会社と求職者をマッチングする機会を増やすとともに、事業者の人材確保の取組を後押しすることは重要でございます。
 都は今年度、人手不足の業界を対象として、中小企業と求職者が参加する合同就職面接会を開催いたします。これに加え、観光等の業界に対象を絞り、参加する会社と求職者の数を大幅に増やした面接会を実施いたします。この取組では、企業向けに人材確保に役立つセミナーを開くほか、相談窓口を設ける工夫を行います。
 また、観光事業者が専門家の助言を受け、職場のDX等を推進するための助成制度に関し、今後は、人材確保を進める場合も対象といたします。
 これによりまして、東京の観光産業の振興を進めてまいります。
 次に、中小企業の外国人材の確保についてでございますが、中小企業が外国人材を効果的に採用できるよう、留学生等が通う大学などと協力した取組を進めることは有効でございます。
 これまで都は、東京の学校に通う留学生などの採用を希望する中小企業に対し、セミナーを通じた情報提供や窓口での相談対応を行ってまいりました。また、そうした会社に専門家を派遣し、外国人の受入れに向けた助言も実施をしております。
 今年度は、留学生の通う大学等と中小企業が外国人の採用に関する情報を交換する交流会を新たに開催いたします。この取組の中におきまして、外国人材の採用を後押しする都の施策に関する紹介も行います。
 これらによりまして、中小企業の外国人材の確保を支援してまいります。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) デフリンピックの機運醸成についてでございますが、二〇二五年に向けて、デフリンピックの認知度を高めていくとともに、その魅力を伝える取組が重要でございます。
 そのため、都は今年度、大会概要に加え、競技の特色や注目選手等を分かりやすく伝えられるよう、特設サイトを開設いたします。また、大会二年前の節目に、若年層が集まる店舗をデジタル技術を使った聴覚障害者との交流の場とし、大会を知ってもらうきっかけといたします。
 加えて、さらなる発信強化のため、デフスポーツに理解がある著名人や話題性のあるキャラクターなどからアンバサダーを起用し、各種イベントで活用してまいります。
 現在、制作している大会エンブレムも用いまして、大会に向けた機運を醸成し、魅力を広く伝えてまいります。
   〔港湾局長松川桂子君登壇〕

○港湾局長(松川桂子君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、海の森公園における子供ボランティアについてでございます。
 未来を担う子供たちが、ごみの島を美しい森によみがえらせる海の森プロジェクトに主体的に関わることは、環境問題への理解を促す取組として有意義でございます。
 このため、都は、海の森公園において、子供たちが昆虫や草花の観察記録づくりや来園者への自然観察ガイドなどを担う子供レンジャー制度を導入してまいります。来年度の開園に向け、本年秋には募集を開始し、活動に必要な養成プログラムを実施するなど、子供たちがレンジャーとして活躍できる環境を準備してまいります。
 今後も、海の森公園が子供たちの自発的な環境学習の拠点となるよう取り組んでまいります。
 次に、海の森公園におけるキャンプについてでございますが、都心に近く、海に囲まれた広大な森の中でのキャンプ体験は、都民が豊かな自然と触れ合える貴重な機会であり、この取組を推進することは重要でございます。
 民間事業者と連携し、昨年から実施しております大型イベント、TOKYO ISLANDでは、音楽を楽しむだけでなく、花火や探検ツアーに加え、キャンプイベントも実施し、多くの方から、都会の喧騒を忘れ、自然に浸れる貴重な機会を体験できたとの声が寄せられました。
 今後も、様々な機会を捉え、海の森公園の自然の豊かさを体験できるキャンプ体験プログラムなどを継続して実施し、多くの都民が憩い、緑に親しめる場を創出してまいります。
 最後に、旧晴海鉄道橋の遊歩道化についてでございます。
 日本で初めて採用されましたローゼ橋と呼ばれるアーチ形式の鉄道橋であり、貴重な鉄道遺産として評価されている旧晴海鉄道橋を観光資源として遊歩道へよみがえらせることは、まちと歴史が調和した良好な景観形成に資する重要な取組でございます。
 現在、橋梁の耐震補強工事を進めているところでありますが、整備に当たりましては、橋梁部と取付部を同時に施工することなどにより工期の短縮を図り、完成は、当初計画より約一年半早い、令和七年夏を予定しております。
 引き続き、着実に整備を進め、誰もが憩い楽しめる水辺環境を創出し、臨海部の魅力を向上させてまいります。
   〔交通局長久我英男君登壇〕

○交通局長(久我英男君) ZEV化に向けた都営バスの役割についてでございますが、交通局では、これまでも燃料電池バスを国内最大の七十三両導入するなど、積極的にZEV化を推進してまいりました。
 今後、燃料電池バスのさらなる導入拡大に向けて、国内初となるバス営業所内水素ステーションを有明営業所に整備いたします。令和七年の開所に向けて、今月からの公募により安定的な供給体制等について提案を受け、選定された事業者がステーションを整備、運営してまいります。
 近隣ステーションとの連携や他社バスの受入れなどを通じまして、臨海地域における燃料電池バスの導入拡大を図るとともに、この施設が先行事例となることで、他のバス事業者によるステーション整備を促進していきます。
 こうした取組により、ゼロエミッション東京の実現に向けて、都営交通として先導的な役割を果たしてまいります。

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