令和五年東京都議会会議録第四号

   午後四時四十五分開議

○議長(三宅しげき君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 六十七番本橋たくみ君。
   〔六十七番本橋たくみ君登壇〕

○六十七番(本橋たくみ君) 初めに、少子化対策について伺います。
 少子化は、社会の基盤を揺るがす危機といえます。
 年明け以降、都は矢継ぎ早に新たな少子化対策を公表しましたが、都だけでなく、様々な主体、特に住民に最も近い基礎自治体である区市町村と連携して取り組むことが重要です。
 同じ都内であっても、地域によって、子供や子育て世代を取り巻く環境などには違いがある実態があり、だからこそ、子育て施策を行う区市町村に対して、都として連携し、支援をしていく必要があります。
 そこで、都は、少子化対策に取り組む区市町村をどのように支援していくのか、知事に見解を伺います。
 次に、多摩地域の児童相談所について伺います。
 児童虐待が深刻化し、児童相談所の体制強化が求められている中、児童虐待を早期に発見し対応していくためには、市区町村や警察、保健所等と緊密に連携を図っていくことが重要です。
 今回、児童相談所の新設により、多摩地域のエリアを四つから七つにする素案が出されましたが、管轄区域の見直しを機に、関係機関との連携を一層強化していくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、新設する児童相談所の設置場所については、管内の全ての自治体と緊密な連携体制が取れるよう、市町村の意見も聞きながら、バランスを考慮して検討を進めるべきと考えますが、見解を伺います。
 虐待対応件数が毎年増え続けるとともに、一時保護件数も増加しており、都の一時保護所では定員超過が常態化していると聞いています。また、児童福祉司等は、国が示す配置基準に対して大幅に不足しており、最近では、トー横キッズなどの影響などから、夜間の警察からの身柄付通告も多く、児童相談所職員の業務の負担増及び一時保護所の逼迫が課題となっています。
 こうした中でも、児童相談所がより専門性の高い業務を発揮できるよう、児童相談分野のノウハウのある民間の力を活用するなど、児童相談所の体制を強化する必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、理系人材の育成について伺います。
 我が国の国際競争力を支えてきたのは科学技術であり、科学技術の発展に寄与できる人材を育成することが求められています。一方で、高校生の理数離れが進んでいるといわれており、国際競争力の低下につながりかねない状況が生じています。
 そうした危機から、都議会自民党はかねてより、都立高校における理数教育の充実を主張してきました。我が国の科学技術の発展のためには、理数好きの子供たちの裾野を拡大する取組も重要です。
 そこで、都立高校における理数教育の取組の成果について伺います。
 さらに、今後、Society五・〇の到来を見据え、理数分野で活躍する人材を多く輩出することにより、我が国が科学技術の分野で世界をリードできるようにする必要があります。
 そのためには、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、アート、マスマティクスの頭文字を取ってSTEAM教育といわれる、科学、芸術、数学等の教科の枠を超えた教育を新たに創出していくことが重要であり、STEAM教育の推進を図っていくべきと考えますが、都教育委員会の見解を伺います。
 次に、統合型校務支援システムの共同調達について伺います。
 教育分野においてもデジタル化、データ利活用が進む中、島しょ地域においても教育DXを進めていくことは重要であり、教員の働き方改革を進めるに当たって、島しょ部での情報連携も有用ではないかと考えますが、島しょ地域の小中学校では、都内のほとんどの区市町村で導入されている統合型校務支援システムが導入されておらず、島しょ地域の自治体では、校務のデジタル化を単独で進めていくのは難しい現状があります。
 そこで、島しょ地域の校務のデジタル化を一層支援すべきと考えますが、見解を伺います。
 さらに、児童生徒の個別最適な学びを実現するためには、一人一人に合わせた丁寧な指導をしていく必要があります。
 島しょ地域は学校の規模が小さく、配置される教員の人数が少ないため、教員同士で指導方法について学び合う機会も限られています。また、児童生徒は、小学校から高校まで一つの島で過ごすことが多い現状があるため、島内にある教育データを効果的に活用していくことで、教育内容を充実させていくことができると考えます。
 そこで、島しょ地域それぞれの小中高校間でデータを活用した教育を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、ジュニア世代のスポーツ育成支援について伺います。
 都は、ジュニア世代のスポーツ選手の育成、支援に様々な形で取り組んでいますが、その中でも国際大会を通じた育成が特に重要だと考えます。
 私自身、都が実施している東京国際ユースサッカー大会で審判員として関わった経験がありますが、ジュニア選手たちが海外選手との対戦で多くの刺激を受けていると感銘をいたしました。
 日頃の練習の成果を海外の選手にぶつけ、また、試合後の交流を通じてお互いの理解を深めることは、感受性が豊かで吸収の早いジュニア世代の選手にとって大きな刺激となり、選手たちがトップアスリートとしてさらに成長するきっかけになります。
 都は、国際大会を通じたジュニア選手の育成を今後も積極的に実施していくべきだと考えますが、見解を伺います。
 次に、中小企業支援について伺います。
 原材料価格の高騰や円安などが続く中、電気料金の値上がりにより、中小企業の経営は一層深刻な影響を受けています。
 都は昨年三月から、中小企業によるエネルギーコスト削減の取組へのサポートを行っていますが、電気料金の値上がりの影響を極力回避し、安定的な経営を行っていくためには、節電などの省エネに取り組み、使用電力を減らすことに加え、自社で必要な電力をつくり、蓄えることが重要であると考えます。
 一方、中小企業の現場にとって、発電や蓄電の設備の導入はハードルが高く、どのような設備を導入できるのか分からないという声や、ノウハウや予算がなく、目の前の事業を運営することで精いっぱいという意見を伺います。
 都は来年度、中小企業による発電や蓄電の取組を後押ししていくこととしています。
 そこで、中小企業の実情に寄り添ったきめ細かい支援を行っていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、農産物のブランド化について伺います。
 狭小な東京の農地において稼ぐ農業を展開していくためには、農産物のブランド化が重要です。
 私の地元の花の生産者は、高い技術力を生かして魅力的な商品を作り出し、全国的な品評会で毎年のように入賞するなど、自らブランド化に成功していますが、個人の生産者ができる取組には限界があります。
 一方、国分寺市においては、市内で生産された農畜産物を、地元飲食店や流通事業者と連携して、こくベジという愛称でブランド化を図っています。
 東京農業の活性化を図るためには、生産者だけでなく、様々な関係者の知恵を活用しながら、農産物の品質を向上させ、幅広い方に認知していただくような取組が重要です。
 都は、東京農産物の魅力を高めるとともに、そのブランド化に積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 また、ブランド化した農産物を新鮮なうちに消費者に届けるためには、流通が大きな課題となっています。
 都内の農家は、一般的に売上規模が小さく、直売所等で販売しているところが多い実態があります。しかし、営農の規模を拡大し、生産量が増えてくると、新たな販売先を見つける必要があります。
 一方、都心部のスーパーや百貨店などは、東京産の新鮮な農産物に関心を持っているが、農産物の輸送などにかかるコストが高いために、取引につながらない例もあると聞いています。
 農家と小売店等との取引を実現するためには、収穫後できるだけ早く、コストを抑え、効率的に売場まで運べるような流通システムが求められています。
 都は、東京産の農産物の円滑な流通に向けて取組を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、多摩・島しょの観光振興について伺います。
 水際対策の大幅な緩和以降、私の地元の多摩地域でも外国人旅行者を見かけるようになりましたが、都心部ほどのにぎわいは見られません。
 多摩や島しょ地域は、都心部に比べアクセスが容易ではなく、外国人旅行者に足を運んでいただくには長期的な滞在が前提となります。そのためには、滞在環境を整えることが必要であるのはもちろんですが、その地域にとどまり、時間をかけて楽しめる魅力的なコンテンツも必要であります。多摩・島しょ地域には、魅力的な自然や文化が数多くあるものの、外国人を引きつけ、長い期間滞在してもらうには至っていません。
 そこで、多摩・島しょ地域へのインバウンドの誘客を図るため、地域観光資源の一層の活用を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、多摩地域の消防団について伺います。
 近年、地震や台風など、各地で甚大な被害が発生することが多くなっています。しかしながら、地域防災の要である消防団員が全国的に減少しており、私の地元の多摩地域においても、成り手不足などの問題が深刻化しています。
 加えて、平成二十九年の道路交通法の改正で、準中型免許ができたことにより、普通免許で運転できる車両総重量が三・五トンとなってから、約四トンの消防ポンプ車を運転できない団員が徐々に増えてきていることも懸念しています。
 そこで、都は、団員の中型免許取得などの課題に対応し、団員が安心して長く活躍をできるような活動環境の整備に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、中央線の複々線化について伺います。
 JR中央線は、都心部と多摩地域をつなぎ、日常生活において通勤通学での利用者も多く、多摩地域にとって大変重要な路線です。
 一方、通勤時ダイヤが大幅に遅れることが常態化しており、解決に向け、複々線の実現に大きな期待が寄せられています。
 この路線には、中央線複々線事業促進のための国会議員の会や、三鷹・立川間立体化複々線促進協議会などの精力的な活動もあり、地元が期待する中、取組が進められてきましたが、代表質問でも申し上げたとおり、平成六年に都市計画決定をされたにもかかわらず、事業予定者であるJR東日本にいまだ実現に向けた動きがありません。
 そこで、中央線複々線化について、これまでの経緯を踏まえ、現在の状況と今後の取組について伺います。
 次に、スタートアップについて伺います。
 多摩地域には数多くの大学や専門学校があり、都外から来る学生たちも含め、多くの若者がその希望に満ちた将来に向けて準備をしています。
 こうした若者たちが社会に変革をもたらすべく、スタートアップなどに挑戦しやすい環境としていくことが、これからの日本の発展に大きくつながり、挑戦を後押しすることで多くのスタートアップが生まれ、それが社会の成長につながり、税収が上がり、都民のQOLが高まる好循環を生み出していくべきだと考えます。
 若者がスタートアップと交流するイベントを多摩地域でもぜひ開催すべきだと考えます。
 そこで、スタートアップへの挑戦に向けて、学生や若者とスタートアップとの交流をどのように生み出していくのか、見解を伺います。
 また、こうした交流を通じて起業への意識に目覚め、踏み出そうとする学生や若者の夢やアイデアを大切に育て、成功に導いていくことも重要であります。
 よりきめ細かな支援が成功の確率を高めていくと考えますが、挑戦を後押しする支援について都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 本橋たくみ議員の一般質問にお答えいたします。
 少子化対策についてです。
 次の世代を担う子供たちが減り続けています。我が国は、子供を持ちたいという一人一人の思いに真剣に向き合わなければなりません。
 そのためには、都自らの取組に加え、国や区市町村、民間企業などが一体となり、社会全体で少子化対策に取り組むという大きなうねりを起こしていくことが必要です。とりわけ、住民に身近な自治体である区市町村が、地域の実情に応じたきめの細かい取組を進めていくことが重要です。
 都は来年度から、区市町村が行う独自の少子化対策への支援を新たに開始をいたします。子育て支援に加えまして、結婚支援、住宅の確保、雇用、就労環境整備など、地域における多様な取組を積極的に後押しすることで、子供を望む人がより産み育てやすい東京の実現を目指してまいります。
 なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁をいたします。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、都立高校における理数教育の成果についてでございますが、都教育委員会は、今年度から、理数好きの生徒を増やすことを目的として、都立高校四校を指定し、希望者を対象に、最先端の科学施設の見学や研究職による講演、フィールドワークなどを実施いたしました。
 この事業に延べ千百人を超える生徒が参加し、生徒から、環境問題に関心が高まった、理科や数学の実用性が分かったといった感想が寄せられるなど、生徒の理数に関する興味、関心を高めることができました。
 次に、STEAM教育の推進についてでございますが、都教育委員会は、生徒の理数、芸術分野での活躍につながるよう、来年度から、都立高校生の希望者を対象に、世界トップランキングの大学を訪問して講義を体験するなど、STEAM教育に直接触れる機会を設定いたします。
 また、都立高校生が、高度な問題解決力が求められる国内外の科学オリンピック等に参加する場合の費用を補助いたします。
 こうした取組を通して、STEAM教育を充実させることにより、生徒の論理的思考力や創造性を高め、将来の科学技術立国日本を支える人材を育成してまいります。
 次に、島しょ地域の教育DXの推進についてでございますが、島しょ地域の教育を充実するには、校務等のデジタル化が必要であり、都は、各町村教育委員会と議論を重ね、共同して統合型校務支援システムを導入することといたしました。
 クラウドサービスの導入など国の最新の方針を参考に、調達や運用コストの低廉化、導入期間の短縮を図り、令和五年度に速やかにシステム整備を進めてまいります。
 各学校でこのシステムを活用することにより、島ごとの垣根を超えた教員の情報共有にも取り組み、教員の指導力向上や働き方改革につなげてまいります。
 教育のデジタル化に各町村教育委員会と連携して取り組み、島しょ地域における教育の質の向上を図ってまいります。
 次に、島しょ地域でのデータの利活用についてでございますが、島しょ地域の児童生徒は島内の高校に進学することが多いという特徴を生かして、都教育委員会は来年度から、町村教育委員会と連携して、小中高の校種をまたいだ一貫した教育データの分析を行ってまいります。
 各校種の出欠席や成績などのデータをつなげ、小学校から高校まで連続して分析することで、一人一人の子供に合わせた適切な指導ができる環境を検証してまいります。
 こうした取組を通じて、島しょ地域ならではの魅力的な教育の実現を目指してまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、多摩地域の児童相談所についてでございますが、都は先月、市長会、町村長会に児童相談所の管轄区域の見直し素案を提示しており、その中で、管轄人口を百万人以下とするとともに、各児童相談所の管轄自治体数を見直すこととしております。
 これにより、各市町村の子供家庭支援センターや警察、学校など地域の関係機関とのよりきめ細やかな連携体制を構築し、虐待相談等の対応を強化してまいります。
 また、来年度は、新設する児童相談所の設置場所や整備工程などの詳細な調査を実施いたします。設置場所等については、管轄区域内の関係機関との連携が図りやすくなるよう、市町村の意見も聞きながら、交通のアクセス等に考慮し、具体的な検討を進めてまいります。
 次に、児童相談所における民間事業者の活用についてでございますが、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、都は来年度、児童福祉分野の知識や経験を有する民間事業者を活用し、児童相談所の体制を強化します。
 具体的には、一時保護ケースの増加に緊急的に対応するため、事業者が、足立児童相談所の仮設一時保護所や民間の物件等を活用し、保護児童を受け入れます。また、保護児童を他道府県へ移送する際の同行業務や夜間の相談受付業務も民間事業者を活用し、児童相談所職員の負担を軽減することで、よりきめ細やかな支援を行ってまいります。
 こうした取組により、民間事業者も活用しながら、児童相談所の体制を一層強化してまいります。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 国際大会を通じたジュニア選手の育成についてでございますが、ジュニア選手にとって、技術力を高め、国を超えた相互理解を深める上で、国際試合の経験は重要でございます。
 こうしたことから、都は、東京国際ユースサッカー大会やジュニアスポーツアジア交流大会を開催してまいりました。コロナ禍により、大会の中止や海外チームの参加が困難になる等の影響が続きましたが、来年度は、両大会とも海外チームの招聘を再開し、交流の充実を図ります。
 さらに、国内外で行われる国際大会に日本代表候補としてジュニア選手が出場する際、遠征費用等を支援するなど、国際大会の経験を積めるよう引き続き後押しをしてまいります。
 これらの取組により、コロナ後を見据えながら、国際大会を通じたジュニア世代の育成を一層推進してまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の電力確保の取組への支援についてでございますが、中小企業が電力を安定して確保し、事業を継続できるよう、再生可能エネルギーを活用した電気の地産地消を後押しすることは重要でございます。
 これまで都は、省エネにより電気代を抑え、固定費を減らす助言とその実現に必要な経費に助成を行ってまいりました。
 来年度は、電力の安定確保に役立つ地産地消を進める中小企業へのサポートを開始いたします。具体的には、専門の窓口を設け、電力を再エネで生み出し、蓄える効果的な仕組みについて相談対応を行います。また、技術に詳しいアドバイザーが現場に出向き、中小企業の実情に合わせ、小型の風力発電機や蓄電池の導入等に関して、きめ細かい助言とその実現に向けた経費への助成を行います。
 次に、農産物のブランド力を高める取組についてでございますが、農産物を販売して収益を上げる上で、そのブランド化を推進し、付加価値を高める取組は重要でございます。
 これまで都は、農産物のブランド化に取り組む農業者に対し、新たなラベルのデザインなどについて専門家が助言を行い、その作成等の必要経費に助成をしてまいりました。また、農林総合研究センターで開発した優れた品質のイチゴを東京おひさまベリーと名づけ、ロゴやパッケージに工夫を行うなどのブランド化を進めたところでございます。
 来年度は、農業者のグループと都が協力して、ブランド化を進める協議会を設置します。これによりまして、ブランド化の対象となる農産物を選び、マーケティングを行い、販売戦略をつくり、効果的なPRキャンペーン等を実施いたします。
 こうした取組によりまして、東京農業の振興を進めてまいります。
 次に、農産物の流通の促進についてでございますが、東京産の野菜や果物の地産地消を推進する上で、新しい流通ルートを増やし、その効率化を進めていくことは重要でございます。
 これまで都は、多摩地域等で取れた農産物をJAの直売所に集め、それを民間の配送車が都内の百貨店などに配送する取組を行ってまいりました。
 来年度は、農産物を生産者やJAから仕入れた上で、区部の飲食店やスーパーまで運搬し、納品を行う事業者への支援を開始いたします。また、こうしたルートのPRにも力を入れて、生産者による利用の後押しにつなげます。
 こうした取組によりまして、東京産農産物の地産地消を着実に進めてまいります。
 最後に、多摩・島しょ地域の観光振興についてでございますが、海外から東京を訪れる外国人旅行者を多摩・島しょ地域に誘客するため、優れた観光資源を数多くつくる取組が必要でございます。
 このため、都は、地元の観光協会などが外国人旅行者向けに工芸品づくりを体験できるツアーをつくる場合の経費に対し、助成を行っております。
 来年度は、地元の豊かな自然と文化を組み合わせて、より魅力的なツアーをつくり出すことができるよう、観光関連の団体に専門家を派遣し、地元の実情に応じた助言を行い、その実現に必要な経費を助成いたします。
 これらによりまして、多摩・島しょ地域の観光振興を着実に進めてまいります。
   〔総務局長野間達也君登壇〕

○総務局長(野間達也君) 消防団員の資質向上に向けた取組についてでございますが、地域の安全・安心を守るためには、消防団活動の充実強化が重要でございまして、新たな入団者の確保はもとより、団員の資質や能力の向上に向けた取組が不可欠でございます。
 このため、都は、消防操法や応急救護、ドローンの操作技術等、様々な教育訓練を実施しております。
 また、準中型免許の取得につきましては、市町村において免許取得支援制度を導入している事例の横展開や、普通免許でも運転可能な軽量の消防車両の導入に向け、必要な情報提供や助言を行ってございます。
 こうした取組を通じまして、市町村の消防団活動を支援してまいります。
   〔都市整備局長福田至君登壇〕

○都市整備局長(福田至君) JR中央線の複々線化についてでございます。
 本路線は、国の答申において、多摩地域と都心部とのアクセス利便性が向上するとの効果が示されております。
 一方、都や国、事業予定者であるJR東日本等が参画した事業検討委員会において、多額の費用や採算性の確保等の課題が示されていることから、都は国に対し、国の支援も含め、新しい整備の仕組みづくりなど必要な措置を講じるよう、引き続き要請してまいります。あわせて、JR東日本に対して具体的な検討を早期に進めるよう求めてまいります。
 今後、国やJR東日本等と一層の連携を図りながら、課題の解決に向けた取組を進めてまいります。
   〔政策企画局スタートアップ戦略担当局長吉村恵一君登壇〕

○政策企画局スタートアップ戦略担当局長(吉村恵一君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、若者や学生のスタートアップとの交流についてでございます。
 起業の裾野を広げるためには、若者や学生がスタートアップの仕事や働き方に触れ、起業を身近に感じ、人生の選択肢にしてもらえるようにすることが重要でございます。
 そのため、都は今年度、採用を目指すスタートアップと関心のある人々が一堂に会するキャリアフェアや、起業家に学生がアイデアをぶつけ、交流するセミナーを開催いたしました。多くの方が参加し、スタートアップから生の話が聞けて有意義だったとの声をいただいております。
 来年度は、こうした声も踏まえ、数多くの大学等がある多摩地域を含めまして、イベントを定期的に開催し、交流の充実を図ってまいります。
 次に、若者の挑戦を後押しする取組でございます。
 若者がビジネスで成功を収めるまでには、アイデアの磨き上げや資金調達など様々な課題がございます。このプロセスを乗り越えるには、起業を志望する方と対話を重ね、的確なサポートを届ける伴走型の支援が有効でございます。
 そのため、都は来年度、独創的なアイデアを持つ若者に対し、新たな支援を開始いたします。メンターとの対話を通じてアイデアをブラッシュアップし、市場調査や技術実証の経費を支援し、ビジネスプランを高めてまいります。その後の資金調達や販路開拓を含め、きめ細かくサポートいたします。
 多くの若者の挑戦を後押しし、誰もが夢に向かって羽ばたける東京の実現に向け、取り組んでまいります。

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