令和五年東京都議会会議録第三号

○副議長(本橋ひろたか君) 八十三番中山信行君。
   〔八十三番中山信行君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○八十三番(中山信行君) 初めに、幼児教育、保育について質問します。
 都が来年度、非認知能力の育成に役立つ集団保育を、保護者の就労の有無にかかわらず、希望に応じて提供することを評価します。
 非認知能力とは、数値化できない能力の総称で、保育などの文脈では、周囲の協力を効果的に引き出して問題解決を図る力といったものを意味し、お子さんの社会性に直結するものと認識するものです。
 私は、先駆者の一人、新宿せいが子ども園の藤森平司園長に、平成二十九年三月、足立区でお会いし感銘を受け、平成三十年から同僚議員と共に訪問を重ねてまいりました。
 我が党の要請に応えて、小池知事ご自身も令和二年に訪問され、同園の見守る保育の実践を視察してくださっています。
 都議会公明党の粘り強い取組が実り、幼児教育、保育の分野での歴史的な転換点ともいえる今回の新規事業に結びついたものと考えます。
 乳幼児期の子育ちを、こども未来アクションのリーディングプロジェクトに位置づけた知事に、非認知能力の育成に向けた今後の取組について見解を求めます。
 この新規事業では、保育所の空き定員の活用も重要ですが、都は、待機児童数が多い地域でも利用が進むよう支援するべきです。
 加えて、非認知能力の育成は、新しく、進展が著しい分野です。多くの関係者が先進的な事例に触れ、自らの実践の場で工夫できるよう、丁寧な推進を図るべきです。併せて都の見解を求めます。
 次に、デフリンピックについて質問します。
 昨日の代表質問で取り上げたとおり、清新で透明感のある大会運営に徹し、都民、国民の支持を得られる大会とすることを強く求めるものです。
 その上で、都は今後、大会の機運向上に向けて、障害を乗り越えて競技に挑むデフアスリートの活躍を積極的に支援していくべきと考えます。見解を求めます。
 次に、働き盛り世代などを対象にしたスポーツ振興について質問します。
 働き盛り世代や元気高齢者などを対象にしたスポーツの振興の取組は、ともすれば一過性のイベントになりがちです。
 そのため、国は、スポーツ庁や経済産業省などに医師会も加わり、運動能力や健康状態の推移を記録するパーソナル・ヘルス・レコード、PHRの取組を開始します。マイナンバーカードへの組み込みも視野に入れ、健康増進への国民の意欲と関心を高める狙いです。
 健康経営に注目する経済界も巻き込み、ヘルスケア産業を大きく成長させることにより、健康寿命と年齢寿命との差を本格的に縮めようとする取組です。既に全国のスポーツジムやフィットネスクラブの約七割が加盟する団体が、百万人規模でのデータ収集に協力する意向を示しています。
 都は、PHRの推進を図る国やヘルスケア団体と連携し、働き盛り世代や元気高齢者などを対象に、スポーツや運動の中長期的な施策を検討すべきです。見解を求めます。
 また、私は、過去三回の都のアーバン・フィットネス事業を同僚議員と視察し、通勤帰りや休日に、体調や希望に応じた運動方法についてのアドバイスやフィットネス体験などを楽しむ利用者の声を伺ってきました。
 事業効果をさらに上げるため、都だけでなく、区市町村も主体となって実施できますよう、都はノウハウや費用などの点で支援するべきと考えます。見解を求めます。
 足立区には、公式のサッカーの試合が可能な人工芝のグラウンドがなく、私も足立区サッカー協会の皆様と共にその改善を目指してきました。
 ようやく区立小学校の跡地への人工芝グラウンドの整備が決まったほか、下水道局の土づくりの里の覆蓋部分に高台公園が建設される予定となり、スポーツ施設の整備が進む可能性が見えてきました。人工芝のグラウンドが整うことを期待します。
 加えて、都立舎人公園につきましても、機能改善が待ち望まれています。
 サッカーでの利用は、陸上競技場のフィールドのほか、プレイグラウンドではキッズの利用が盛んです。しかし、公式試合にはやや狭く、水はけに難があります。冬場を過ぎ春を迎えますと、梅雨や台風を前に水はけ対策が話題となります。
 早期の改善を期待するものであり、都技監に見解を求めます。
 次に、リスキリングについて質問します。
 私は毎年、都立城東職業能力開発センターを訪れ、訓練生のお姿に接してまいりました。こうした方々などが就職先に定着し活躍を続けるためには、就職後も技能を磨き、上位資格の修得に挑戦できる環境が必要です。
 しかし、中小企業は昨今の原材料高もあって経営が厳しく、民間が提供する訓練は費用が高く、利用が進みません。
 特に、非正規で働く方は正社員に比べて研修の機会が少なく、スキルアップや処遇の改善に結びつきにくい状況にあります。
 都は、リスキリングに取り組む中小企業への支援を強化し、特に、非正規従業員向けの訓練機会の確保については支援を手厚くするべきです。見解を求めます。
 また、都議会公明党の提案に応え、都が開始した奨学金返済支援事業は、奨学金返済の負担が軽減される若者だけではなく、企業にとっても若手技術者の確保につなげられる意義の大きい取組です。
 効果をPRしていくべきであり、成果を踏まえた今後の展開について見解を求めます。
 発達障害について質問します。
 孤立感や違和感を抱え社会参加が進まない若者の要因の一つに、発達障害の問題があります。発達障害においては、ご本人が障害の内容を自覚し、適切な克服方法を身につけることが肝要といわれています。
 識字障害でも、字体を変えてみたり、縦書きを横書きに組み替えたりすれば判読が可能になる事例もあります。APDという聴覚の情報処理障害では、イヤーマフといわれる周囲の音を遮断する補助具によって窓口や電話での応対も可能になったりします。
 しかし、こうした取組の推進には専門家の関与が必要であり、教育の現場で発達障害と向き合う教員の方々にとっても、専門機関との連携が重要です。
 発達障害児支援に取り組む都の福祉部門は、子供一人一人の障害特性に応じた適切な支援の取組が都内で広がるよう、区市町村や学校と連携しながら、学校現場での質の高い支援の普及に向け、積極的に協力していくべきと考えます。見解を求めます。
 若者が社会参加に困難を感じる場合のもう一つの要因に精神疾患の問題があります。精神疾患に罹患した成人の約半数は十代半ばまでに、四分の三が二十代半ばまでに発症しているとの報告もあり、海外では早くから注目されてきました。
 我が国でも、厚生労働省、大学、精神科の病院が連携して、若者向けの相談を三年間の期限つきで実施し成果を上げています。
 その後、この試みは地元区が後を引き継いで医療機関を支援しており、マスコミが注目し、取材や報道を重ねています。それが、私の地元足立区内で活動する若者向けワンストップ相談センターSODAの取組です。
 私は、昨年秋の厚生委員会でこの内容を紹介し、都による活用を求めたところです。
 十代、二十代の若者の利用が多く、アンケートでは、前向きになれた、心が軽くなった、外に出る楽しさを思い出したなどの声が寄せられ、相談して問題が解決に向かったかとの質問には、非常に思うが七〇・一%、どちらかといえばそう思うが二七・六%と大勢を占めています。
 強い不安感から人と接触できず、大学にも通えず、自宅でゲームをしながら引き籠もっていた若者がSODAに通って自信を取り戻し、新しい目標を見つけて学びを再開したりもしています。
 若者が気軽に相談できて、必要な場合には専門の医療機関による治療につなげ、就労支援まで一貫して取り組む事例は都内でもまだあまり見られておらず、ぜひ多くの区市町村で活用されていくべきです。令和五年度の取組について見解を求めます。
 次に、都営住宅について質問します。
 都営住宅本来の目的に沿った運用改善に向け、不断の見直しが必要です。
 間取りの改善もその一つです。長年住み続けた結果、単身となった人が多い団地で、そのまま建て替えを実施すると、新築後も単身高齢者しか住めない一人用の間取りが多い団地となります。私は、自治会活動もままならないと、都市整備委員会で建て替え時の間取りの改善を求めたところです。
 都営住宅では、令和五年度以降も建て替えが進む予定です。事業計画をこれから練る団地では、単身高齢者の介護ニーズなどへの対応はもとより、従来からの単身者向けの間取りだけでなく、一人でも二人でも住めるような新たな間取りを考案し、建て替え後の世帯構成の改善を図るべきです。見解を求めます。
 建て替え後の都営住宅は、五十年以上、長い期間使用されます。しかし、建て替え後に周辺のまち並みが変わり、入居希望者の年齢層や世帯構成が変化することも考えられます。
 例えば、隣り合う二つの単身用住戸の壁を後から取り除いて一つの子育て向け住戸につくり替えることができれば、建て替え後の子育て需要の高まりなどにも対応できます。
 今後の建て替えでは、耐震強度を確保しつつ、後から間取りをフレキシブルに変更できる構造とするべきです。見解を求めます。
 次に、都営住宅を活用した結婚予定者への支援について質問します。
 都は、結婚予定者を応援するべく、来年度から都営住宅を毎年二百五十戸、優先的に提供するとのことであり、評価します。
 その上で、本事業が効果を上げるためには、まずは結婚を考え始めたカップルが時期を逃さずに応募できるよう、当然のことではありますが、毎月募集とするべきです。
 その上で、入居後の出産に備え、現在の期限付入居制度と同様に、末のお子さんが十八歳世代に到達するまでは居住を可能とし、安心して子育てに取り組めるよう配慮すべきです。併せて見解を求めます。
 最後に、都営住宅での外国人居住者への対応について質問します。
 ウクライナから日本に避難されてきた方々を迎え入れた都営住宅には、都議会公明党の提案で、持ち運びできる通訳端末を配布し、好評をいただいております。
 同じように、そのほかの都営住宅の自治会でも、外国人居住者へのごみ出しなどの生活ルールの周知や生活習慣の違いから生ずるトラブルでご苦労が重なっております。
 外国人居住者が多く、都営団地の自治会が希望する場合には、ウクライナ避難民の場合に限らず、通訳端末を配布して自治会運営の円滑化を支援するべきと考えます。見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 中山信行議員の一般質問にお答えいたします。
 幼児教育、保育の充実についてのお尋ねがございました。
 時代の変化はますます激しく、不確実性が増す中、既存の価値観やロールモデルに頼るのではなく、新しい価値を創造していくことが求められております。
 AI化の進展などによって今後仕事の内容も大きく変化を遂げる中で、自己肯定感や社会性といった非認知能力をいかに育み、子供たちが自らの力で未来を切り開く力を伸ばしていくかが重要になってきております。
 お話の見守る保育のように、乳幼児期から子供同士が自然に交わることは、子供の主体性、共感性を高め、生涯にわたる人格形成の土台となっていきます。
 こうした思いから、乳幼児の非認知能力の醸成に資するプログラムを策定いたします。
 また、保護者の就労等の有無にかかわらず、幼稚園、保育所等で乳幼児を定期的に受け入れる仕組みを創出してまいります。
 これらの取組を展開していくことで、全ての乳幼児の伸びる、育つを応援してまいります。
 なお、その他の質問につきましては、東京都技監及び関係局長が答弁をいたします。
   〔東京都技監中島高志君登壇〕

○東京都技監(中島高志君) 舎人公園のプレイグラウンドについてでございますが、本施設は、少年サッカーをはじめ、フットサルやグラウンドゴルフ等、多くの都民に利用されております。
 現在、グラウンドの表層の全面改修や排水施設の増設、老朽化したフェンスの張り替えを進めており、加えて、少年サッカーの公式試合の基準に適合するよう施設を拡張し、今年の夏頃に整備が完了いたします。
 これにより、水はけが改善されるとともに、少年サッカーの公式試合が開催可能となるなど、より利便性が向上いたします。
 引き続き、多くの都民が身近にスポーツに親しめる環境の整備に取り組んでまいります。
   〔福祉保健局長西山智之君登壇〕

○福祉保健局長(西山智之君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、乳幼児の多様な他者との関わりについてでございますが、子供たちが他者との関わりの中で非認知能力の向上など健やかな成長を図られるよう、都は来年度から、保護者の就労等の有無にかかわらず、保育所等で児童を預かる取組を開始いたします。
 本事業では、保育所等が空き定員だけでなく、余裕スペースも活用し児童を受け入れられるよう改修費等も補助するほか、先進的な実践事例を分かりやすく具体的に紹介するなど、より効果的な取組に向け支援を行います。
 今後、保育所等がそれぞれの状況に応じて、できるだけ多くの子供に他者と関わる機会を提供できるよう、区市町村と連携して事業を推進してまいります。
 次に、発達障害児に関わる教職員への支援についてでございますが、発達障害は自閉症や学習障害など障害特性が様々であるため、支援に関わる者が発達障害に関する知識や障害特性に応じた支援方法を身につけることが重要でございます。
 都は、発達障害者支援センター等で、保健、医療、福祉の各分野の職員や教職員を対象に、発達障害に関する基礎知識の習得研修や、現場で中核を担う専門人材の養成研修を実施しております。
 今後、区市町村の教育部門の会議において、研修内容やスケジュール等を直接説明し、周知することで、発達障害児に関わる教職員のさらなる受講を促すなど、教育現場における取組を支援してまいります。
 最後に、若年者の精神相談についてでございますが、精神疾患を最も発症しやすいのは十代から二十代の若年者とされており、症状が軽く済み早期に回復するには、できるだけ早く精神的な不調に気づき、新しい対処や治療を受けることが有効でございます。
 このため、都は、相談支援体制の整備や早期発見、早期支援に向けた仕組みづくりを行う区市町村を支援してございます。
 都内では、専門窓口の設置により、若年者の心の悩みに関する様々な相談に、精神科医や精神保健福祉士などの専門家が身近な地域で対応する独自の取組が行われてございます。
 今後、こうした取組を包括補助で支援をするとともに、他の区市町村にも広がるよう、効果的な周知方法について検討してまいります。
   〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕

○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、デフアスリートの支援についてでございますが、聴覚障害者のスポーツを含め、パラスポーツの裾野拡大と関心向上のためには、アスリートが国際大会で活躍できるよう、競技力を向上させることが重要でございます。
 都はこれまで、国際大会に出場が期待される東京ゆかりのパラリンピック競技のアスリートに対し、海外遠征費や競技用具の購入費等、競技活動の支援を実施しており、今年度からデフリンピック競技等のアスリートも対象に加えました。来年度は、支援するデフアスリートの規模を拡大するほか、支えるスタッフへの支援も充実してまいります。
 こうした取組を通じ、引き続き、競技力向上を含め、デフスポーツの振興を図ってまいります。
 次に、働き盛り世代等の健康に関する情報の収集と施策への活用についてでございます。
 これらの世代に向けた施策の展開に当たりましては、運動傾向や体力等の現状を把握し、正確なデータの蓄積を図っていくことが重要でございます。
 また、都民一人一人にとっても、自身の体力等を測定し、自分に合った運動方法などを知ることは、健康への関心を高め、スポーツに親しむきっかけづくりとなります。
 こうしたことから、都が主催するスポーツイベント等において、都民が身近なところで体力測定を行う機会を提供するとともに、地域のスポーツ資源であるフィットネスクラブ等との連携も図りながら、蓄積されたデータを分析し、今後の施策に反映してまいります。
 最後に、アーバン・フィットネス事業の拡充についてでございますが、都は、令和三年度から、主に働き盛り世代の継続的な運動実施につなげることを目的として、オフィス街等でフィットネスマシンの体験や健康状態の測定等を行うアーバン・フィットネス推進事業を開始いたしました。
 今年度は、開催場所の拡充に加え、体験メニューを増やすなど内容を充実させ、多くの都民にご参加をいただきました。
 今後は、さらに多くの都民がより身近な地域でも参加できるよう、区市町村に対して、都がこれまで蓄積したノウハウを提供するとともに、補助制度による支援などを通じて、区市町村の取組を後押ししてまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、中小企業の人材育成に向けた支援についてでございますが、中小企業が事業の継続と発展を図る上で、非正規雇用を含めた従業員の能力を高めるリスキリングを進めることは重要でございます。
 これまで都は、中小企業が民間の教育機関を活用して従業員のスキルアップに取り組む場合の経費の一部を助成しております。
 都は来年度、中小企業が従業員に対して、より高度な内容の研修を民間の教育機関に派遣して行うことができるよう、助成の充実を図ります。
 また、民間が提供するカリキュラムを受講する従業員のうち、非正規雇用の割合を増やす場合には、助成金に上乗せを行います。
 これらによりまして、中小企業における人材育成を後押ししてまいります。
 次に、奨学金返還の負担軽減に向けた取組についてでございますが、中小の建設、IT、ものづくり分野の企業が、学生を将来の技術面の中核人材として採用し定着を図るため、奨学金の返還の負担を減らす支援は重要でございます。
 これまで都は、このサポートを利用する会社の魅力を紹介し、支援内容に関し新聞やSNS等の媒体でPRを行うとともに、業界団体などを通じ情報提供を実施いたしました。
 また、大学のキャリアセンターやハローワークと連携し、こうした中小企業への就職を目指す学生や卒業生の若者を増やす周知活動を行っております。これにより、現在二十名を超える方の就職の内定を実現しているところでございます。
 今後、こうした支援により就職を実現した方の紹介を行うなど、事業を利用する学生を増やす工夫を進めてまいります。
   〔住宅政策本部長山口真君登壇〕

○住宅政策本部長(山口真君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、都営住宅の間取りの見直しについてでございますが、都営住宅の建て替えに当たりましては、居住者の高齢化や単身化に伴うニーズのほか、様々な世帯構成の入居希望者にも的確に対応できる住戸の供給が重要でございます。
 これまで都は、段差解消やエレベーター設置等のバリアフリー化や、あっせん基準の緩和等に取り組んでまいりました。
 今後は、高齢単身居住者の介護のために来訪した親族等が滞在できるスペースを備え、二人世帯でも入居可能な間取りや広さを有する単身者向け住戸の導入を検討いたします。
 こうした検討を建設コストも勘案しながら進めまして、新たに建て替え計画を策定する団地での試行を目指してまいります。
 次に、都営住宅の建て替え時の工夫についてでございますが、都営住宅は建て替え後、長期にわたり管理運営していくことから、将来の周辺環境の変化などにも対応できるよう、柔軟に間取りを変更できる住戸の供給が重要でございます。
 現在建設している住戸は、一人世帯向けの一DKや二人世帯向けの二DKについて、隣接する二戸の間の壁を撤去し、一つの住戸として使用できるよう改修が可能な構造としております。
 今後、新たに導入を目指す単身者向け住戸につきましても、同様に隣接の住戸と合わせて三DKなどに改修可能な構造としてまいります。
 次に、結婚予定者への都営住宅の提供についてでございますが、結婚される方々が、将来の出産、子育ても見据え、安心して居住できる環境を整備していくことは重要でございます。
 都はこれまで、結婚予定者を含めた若年夫婦等が都営住宅に優先的に入居申込みができる取組を進めてまいりました。
 本年四月からは、結婚予定者のみを対象に優先申込枠を新設しまして、交通利便性の高い住宅を年間二百五十戸、毎月募集いたします。十年間の定期使用住宅として提供しまして、子供を安心して産み育てられるよう、末子の高校修了期まで入居期間を確保いたします。
 これにより、結婚の時期に合わせた申込みを可能とするとともに、子育て中も安定的に住まいを提供することで、結婚される方々の居住を支援してまいります。
 最後に、都営住宅の自治会支援の拡充についてでございますが、都営住宅では、外国人を含めまして、居住者が住まい方のルールなどを守り、自治会等に協力しながらコミュニティの維持を図っていくことが必要でございます。
 これまで都では、東京都住宅供給公社を通じまして、住まい方のルールを周知するチラシを配布するほか、全ての窓口センターに通訳端末を配備し、外国人居住者からの相談に対応してまいりました。
 現在、ウクライナ避難民の方が居住する団地の自治会に貸与している通訳端末は好評を得ておりまして、自治会が外国人居住者に対応する際、通訳端末は有効と考えられます。
 今後、自治会の意向を確認しまして、貸与を検討いたします。

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