令和四年東京都議会会議録第十二号

令和四年九月二十日(火曜日)
 出席議員 百二十三名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
三番石島 秀起君
四番吉住はるお君
六番松田りゅうすけ君
八番上田 令子君
九番漢人あきこ君
十番岩永やす代君
十一番おじま紘平君
十二番山田ひろし君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番鈴木  純君
二十一番土屋 みわ君
二十二番平田みつよし君
二十四番星  大輔君
二十五番磯山  亮君
二十六番もり  愛君
二十七番龍円あいり君
二十八番あかねがくぼかよ子君
二十九番保坂まさひろ君
三十番桐山ひとみ君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十番浜中のりかた君
四十一番渋谷のぶゆき君
四十二番やまだ加奈子君
四十三番林あきひろ君
四十四番松田 康将君
四十五番ほっち易隆君
四十六番鈴木 錦治君
四十七番米川大二郎君
四十八番清水やすこ君
四十九番白戸 太朗君
五十番入江のぶこ君
五十一番田の上いくこ君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十八番原田あきら君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番小松 大祐君
六十五番柴崎 幹男君
六十六番早坂 義弘君
六十七番本橋たくみ君
六十八番山加 朱美君
六十九番鈴木あきまさ君
七十番関野たかなり君
七十一番菅原 直志君
七十二番平けいしょう君
七十三番森口つかさ君
七十四番成清梨沙子君
七十五番福島りえこ君
七十六番風間ゆたか君
七十七番竹井ようこ君
七十八番阿部祐美子君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番こいそ 明君
八十八番小宮あんり君
八十九番田村 利光君
九十番伊藤しょうこう君
九十一番川松真一朗君
九十二番山崎 一輝君
九十三番藤井あきら君
九十四番森村 隆行君
九十五番内山 真吾君
九十六番石川 良一君
九十七番伊藤 ゆう君
九十八番本橋ひろたか君
九十九番宮瀬 英治君
百番藤井とものり君
百一番山口  拓君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百五番あぜ上三和子君
百六番高倉 良生君
百七番まつば多美子君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番清水 孝治君
百十二番菅野 弘一君
百十三番三宅 正彦君
百十四番三宅しげき君
百十五番高島なおき君
百十六番尾崎 大介君
百十七番村松 一希君
百十八番後藤 なみ君
百十九番たきぐち学君
百二十番小山くにひこ君
百二十一番増子ひろき君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 なし
 欠員
    五番 七番 十三番
    二十三番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事武市  敬君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事宮坂  学君
教育長浜 佳葉子君
東京都技監建設局長兼務中島 高志君
政策企画局長中村 倫治君
総務局長野間 達也君
財務局長吉村 憲彦君
警視総監大石 吉彦君
政策企画局スタートアップ戦略担当局長吉村 恵一君
政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君
子供政策連携室長山下  聡君
デジタルサービス局長久我 英男君
主税局長小池  潔君
生活文化スポーツ局長横山 英樹君
生活文化スポーツ局生活安全担当局長小西 康弘君
都市整備局長福田  至君
環境局長栗岡 祥一君
消防総監清水 洋文君
福祉保健局長西山 智之君
福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
産業労働局長坂本 雅彦君
港湾局長矢岡 俊樹君
会計管理局長須藤  栄君
交通局長武市 玲子君
水道局長古谷ひろみ君
下水道局長奥山 宏二君
住宅政策本部長山口  真君
中央卸売市場長河内  豊君
選挙管理委員会事務局長松永 竜太君
人事委員会事務局長初宿 和夫君
監査事務局長小室 一人君
労働委員会事務局長桜井 政人君
収用委員会事務局長杉崎智恵子君

九月二十日議事日程第一号
第一 第百七十八号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百八十五号議案
  東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第三 第百七十三号議案
  令和四年度東京都一般会計補正予算(第三号)
第四 第百七十四号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百七十五号議案
  職員の旅費に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百七十六号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百七十七号議案
  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百七十九号議案
  特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百八十号議案
  市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百八十一号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百八十二号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百八十三号議案
  東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第十三 第百八十四号議案
  学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百八十六号議案
  東京都民生委員定数条例の一部を改正する条例
第十五 第百八十七号議案
  東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第十六 第百八十八号議案
  東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第十七 第百八十九号議案
  東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第十八 第百九十号議案
  東京都瑞江葬儀所(四)改築工事請負契約
第十九 第百九十一号議案
  都営住宅四H—一二九東(足立区鹿浜五丁目)工事請負契約
第二十 第百九十二号議案
  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標について
第二十一 第百九十三号議案
  豊島区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第二十二 第百九十四号議案
  土地の買入れについて
第二十三 第百九十五号議案
  首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第二十四 第百九十六号議案
  特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十五 第百九十七号議案
  特種用途自動車(普通ポンプ車)の買入れ(その二)について
第二十六 第百九十八号議案
  特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十七 第百九十九号議案
  特種用途自動車(水槽付ポンプ車)の買入れ(その二)について
第二十八 第二百号議案
  特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れ(その一)について
第二十九 第二百一号議案
  特種用途自動車(小型ポンプ車)の買入れ(その二)について
第三十 第二百二号議案
  特種用途自動車(はしご車)の買入れについて
第三十一 第二百三号議案
  特種用途自動車(化学車)の買入れについて
第三十二 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した地方独立行政法人東京都立病院機構中期計画の認可の報告及び承認について
議事日程第一号追加の一
第一 東京都名誉都民の選定の同意について(四財主議第三〇一号)
第二 東京都名誉都民の選定の同意について(四財主議第三〇二号)
第三 東京都名誉都民の選定の同意について(四財主議第三〇三号)

   午後一時開会・開議

○議長(三宅しげき君) ただいまから令和四年第三回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(三宅しげき君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

○議長(三宅しげき君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   八番   上田 令子さん 及び
   六十四番 小松 大祐君
を指名いたします。

○議長(三宅しげき君) 謹んでご報告申し上げます。
 八王子市選出、西山賢議員は、去る八月十八日、逝去されました。誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。
 ここで、故西山賢君に弔意を表するため、伊藤しょうこう君より発言の申出がありますので、これを許します。
 九十番伊藤しょうこう君。
   〔九十番伊藤しょうこう君登壇〕

○九十番(伊藤しょうこう君) 追悼の辞。
 ただいま議長からご報告のありましたとおり、八王子市選出、西山賢議員におかれましては、去る八月十八日、完治に向けた本人の努力と、ご家族の懸命な看護と願いもむなしく、ご逝去されました。
 享年四十五歳、その早過ぎるご逝去は、幾ら惜しんでも余りあるものであります。政治家としてまさにこれからというときの突然の悲報に接し、私ども議員一同、痛惜の念に堪えません。
 ここに私は、皆様のご同意によりまして、東京都議会を代表し、謹んで西山賢議員への哀惜の言葉を述べさせていただきます。
 西山議員は、真面目で誠実な人柄で、とても親しみやすく、また、大変勉強熱心で、都政や地域の課題を真剣に考え、着実に行動に移される方でした。
 本日、この議場に、その西山議員の姿が見られないことは、議員一同、惜別の情を禁じ得ません。
 顧みますと、西山議員は、八王子市で生まれ育ち、中学、高校ではハンドボール部に所属し、スポーツマンとしても、お仲間や後輩たちから信頼の厚い存在でした。大学卒業後は、民間企業や会計事務所での勤務を経ながら、大学時代に恩師からかけられた、議員に向いているという言葉を種火とし、地元に貢献したいという熱い思いを力にして、平成二十七年に八王子市議会議員に立候補し、見事当選されました。
 その後、市議を六年務め、市民の皆様の多様な声に真摯に向き合う中で、都政への挑戦を決断され、地元の方々の強い期待、そして温かい応援に支えられながら、昨年、東京都議会議員に当選されました。
 昨年の第四回定例会では一般質問に立たれましたが、落ち着いて堂々と質問する姿は、都議会本会議での初めての質問とは思えず、強く印象に残っております。
 所属した公営企業委員会、環境・建設委員会では、下水道事業における東京都と市町村との連携や省エネルギー対策を訴えられ、都政の抱える課題に真正面から取り組んでおりました。
 地域では、持ち前の行動力と実直な姿勢で様々な場所に出向いていき、困っている人の力になろうと親身に問題の解決に尽力されていました。特に中小企業の支援については、会計事務所に勤めていた経験から、並々ならぬ思いを抱いていました。
 また、積極的にソーシャルメディアを活用し、都政の情報や自身の活動を分かりやすく都民、市民の皆様に伝えようといそしんでいました。
 まさに令和の時代の都議会議員として将来を嘱望される人材であり、得難い同志を失ったことは、都議会にとっても、また、地元八王子市にとっても、大きな損失といわざるを得ません。
 西山議員は、未来を担う子供たちのために、安心・安全な暮らしを守ること、そして、誰もが幸せに過ごせる、活気あふれるまちをつくることに力強く邁進していました。
 病気が分かってからも、病魔と闘いながら、都議会議員としての責務を懸命に果たされていました。必ず復帰するんだと強い気持ちで治療に臨み、亡くなる直前までこの第三回定例会のことを気にかけていました。道半ばで倒れ、どんなに無念だったことでしょう。
 西山議員、本当によく頑張られました。感謝の思いでいっぱいです。どうか安らかにお眠りください。
 西山議員の遺志を継いで、私たち都議会議員一同、首都東京の発展に一層邁進していくことで、そのご遺徳にお応えをしたいと思います。
 最後になりましたが、ご遺族の方々がこの悲しみを乗り越えて力強く歩まれていかれますようお願い申し上げ、西山議員のご冥福を心からお祈り申し上げまして、追悼の言葉とさせていただきます。
  令和四年九月二十日
東京都議会議員 伊藤しょうこう

○議長(三宅しげき君) 以上をもって伊藤しょうこう君の発言は終わりました。

○議長(三宅しげき君) 謹んでご報告申し上げます。
 名誉都民三宅一生氏は、去る八月五日、名誉都民森英恵氏は、八月十一日、また、名誉都民笹本恒子氏は、八月十五日、逝去されました。誠に哀悼痛惜の念に堪えません。
 ここに生前のご功績をたたえるとともに、故人のご冥福をお祈りし、議会として深甚なる弔意を表します。

○議長(三宅しげき君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。
   〔議長退席、副議長着席〕

○議事部長(古賀元浩君) 令和四年九月十三日付東京都告示第千二百三十七号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案三十一件の送付並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく専決処分一件の報告及び承認についての依頼がありました。
 次に、選挙管理委員会委員長より、令和四年六月八日付で選挙管理委員の就退任について通知がありました。
 次に、知事より、令和四年第二回定例会の会議において同意を得た人事委員会委員、収用委員会委員、収用委員会予備委員、海区漁業調整委員会委員及び固定資産評価審査委員会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 また、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。
 次に、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定により、健全化判断比率及び資金不足比率について、それぞれ報告がありました。
 次に、東京都債権管理条例に基づく私債権放棄について報告がありました。
 次に、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、教育委員会教育長より、令和四年度東京都教育委員会の権限に属する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価、令和三年度分について報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、令和四年定例監査、令和三年度執行分の結果について報告がありました。
 次に、住民監査請求について、地方自治法第二百四十二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)

○副議長(本橋ひろたか君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第二回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一二ページ)に掲載〕

○副議長(本橋ひろたか君) 次に、閉会中の議員の退職及び辞職について申し上げます。
 去る六月二十二日、中野区選出荒木ちはるさんは、公職選挙法第九十条の規定により、退職となりました。
 また、去る九月五日付をもって、品川区選出森澤恭子さんより、議員を辞職したい旨、届出がありました。
 本件は、地方自治法第百二十六条ただし書の規定により、議長において、同日付をもって辞職を許可いたしました。

○副議長(本橋ひろたか君) 次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。
 政策企画局長中村倫治君、総務局長野間達也君、政策企画局スタートアップ戦略担当局長吉村恵一君、福祉保健局長西山智之君。
   〔理事者挨拶〕

○副議長(本橋ひろたか君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○副議長(本橋ひろたか君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 お手元ご配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ常任委員の所属変更の申出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書の規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
   〔常任委員所属変更名簿は本号末尾(一三八ページ)に掲載〕

○副議長(本橋ひろたか君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
 お手元ご配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書の規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、お手元ご配布の名簿のとおり指名をいたしました。
   〔議会運営委員辞任・選任名簿は本号末尾(一三九ページ)に掲載〕

○副議長(本橋ひろたか君) 次に、閉会中の新型コロナウイルス感染症対策特別委員の辞任及び選任について申し上げます。
 お手元ご配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書の規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、お手元ご配布の名簿のとおり指名いたしました。
   〔新型コロナウイルス感染症対策特別委員辞任・選任名簿は本号末尾(一三九ページ)に掲載〕

○副議長(本橋ひろたか君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都名誉都民の選定の同意について三件が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

○副議長(本橋ひろたか君) この際、永年在職議員の表彰についてお諮りいたします。
 百十四番三宅しげき君は、東京都議会議員として多年にわたり地方自治の確立と都政の進展のために貢献せられ、その功績は誠に顕著であります。
 本議会は、その功労を多とし、表彰することにいたしたいと存じますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(本橋ひろたか君) ご異議なしと認めます。よって、本議会は、三宅しげき君を表彰することに決定いたしました。
 お諮りいたします。
 表彰文は議長に一任せられたいと存じますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○副議長(本橋ひろたか君) ご異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 これより、議長において起草いたしました表彰文により表彰いたします。
    表彰状
             三宅しげき殿 
 あなたは東京都議会議員として
 在職二十五年以上に及び
 都政の発展に努力された功績は
 誠に顕著であります。
 ここに永年の功労を多とし表彰します。
   令和四年九月二十日
               東京都議会
 なお、表彰状の贈呈につきましては、議長において取り計らいたいと存じますので、ご了承願います。
 ただいま表彰を受けられました三宅しげき君よりご挨拶がございます。
 百十四番三宅しげき君。
   〔百十四番三宅しげき君登壇〕

○百十四番(三宅しげき君) ただいまの議決をもちまして、永年在職議員の表彰を賜り、身に余る光栄でございます。
 これまで、ご指導、ご鞭撻を賜りました先輩議員の皆様、共に都政の諸課題に取り組んできた同僚議員の皆様、数々の論議を重ねた執行機関の皆様、そして何より、二十五年余りにわたりご支援を賜ってきました地元世田谷の皆様をはじめとした都民の皆様に深く感謝申し上げます。
 私は、平成九年の初当選以来、東京の活力を支える中小企業の活性化を最大の政治テーマとし、私自身も中小企業診断士として、経営者の悩みや相談に携わりながら、その経験を都政に生かして、中小企業の創業や資金繰りなどの支援に取り組んでまいりました。
 また、まちのにぎわいを創出して、人々が交流する地域コミュニティの中心である商店街の振興をはじめ、町会、自治会の活性化、地域医療の充実など、地域住民の方々はもちろん、政治や行政の現場の多くの関係者と手を携え、地域に密着した様々な施策を実現してまいりました。
 そして、昨年七月には七期目の当選を果たし、都議会の皆様のご推挙をいただき、第五十代議長の大任を仰せつかりました。
 就任初日は、東京二〇二〇大会の開会式が行われ、開催都市の議長として参列したことは非常に感慨深く、同時に、議会運営に対する責任の重さを実感したことを記憶しております。
 今後も議長として、公正かつ円滑な議会運営に努めるとともに、都議会議員として、地域密着、身近な都政を常に実践し、東京の経済の発展や防災危機管理対策など、都政の様々な課題に全力を尽くすことをお誓い申し上げまして、御礼の挨拶とさせていただきます。
 本日は誠にありがとうございました。(拍手)

○副議長(本橋ひろたか君) 以上をもって挨拶は終わりました。
   〔副議長退席、議長着席〕

○議長(三宅しげき君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十月七日までの十八日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十八日間と決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) この際、知事より発言の申出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和四年第三回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を述べさせていただきます。
 名誉都民である三宅一生さんが八月五日に、同じく森英恵さんが八月十一日に、同じく笹本恒子さんが八月十五日に逝去されました。
 都議会議員である西山賢さんが八月十八日に逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心より皆様のご冥福をお祈り申し上げます。
 さて、このたび、三宅しげき議員は、栄えある永年在職議員表彰をお受けになりました。都政の発展に尽くされました二十五年間のご功績に対しまして、深く敬意を表しますとともに、心からお喜び申し上げます。
 来週、安倍晋三元総理の国葬が執り行われます。世界からも深く慕われる希有な政治家が、民主主義の根幹をなす選挙の最中に凶弾に倒れるなど断じて許せません。我が国は、テロには屈しないことを世界へ伝える必要があります。改めて追悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
 先人たちのたゆまぬ努力により築かれたこの平和で豊かな社会を次世代へと引き継いでいく、それが今を生きる私たちの責任です。ところが、世界を見渡せば、片や記録的な干ばつに襲われ、片や未曽有の大洪水に見舞われています。この異常ともいえる事態は、地球温暖化に歯止めをかけられない人間社会に対する警告ともいえるでしょう。さらには、出口の見えないウクライナ情勢が国際的な資源の獲得競争を招き、脱炭素化への歩みも停滞を余儀なくされています。
 気候変動をはじめ、地球的問題に国境などありません。だからこそ、世界を俯瞰する目を持ち、持続可能性を追求する国際社会が連帯を深めることが不可欠であります。
 先日、ジャカルタやクアラルンプール、ニューヨークを訪問し、互いの知恵や経験を持ち寄り、共通の危機に立ち向かうことがサステーナブル、持続可能な未来を手にする近道であると確信をいたしました。
 都は、自らイニシアチブを取り、新たな国際ネットワーク、G-NETSを築くとともに、来年二月には世界の主要都市トップを東京にお招きする予定であります。国際情勢が緊迫する今こそ、都市と都市が連携を深め、その力を十二分に発揮していかなければならないのであります。
 もとより我が国は、資源の多くを海外に依存するがゆえに、これまでも国際社会の動向に翻弄され続けてまいりました。足元がぐらついたままでは、未来は不透明だといわざるを得ません。
 加えて、世界から後れを取るデジタル化やジェンダーギャップ、深刻化する少子高齢社会への対応など、積年の課題も重くのしかかっています。この現状を打破するためにも、その影響が先鋭的に表れる首都東京の行動が鍵を握るのです。
 立ちはだかる壁を突き破り、新たな価値を生み出すイノベーション。多彩な主体から生まれる革新的な技術やアイデアが混ざり合うとき、東京の課題解決力は格段に高まります。このイノベーションの発想を都政運営に大胆に取り込み、持続可能な都市の実現に向けて突破口を切り開いてまいります。
 この夏、激しい大雨が日本各地を襲い、連日の記録的な暑さで熱中症被害も相次ぎました。その厳しさに拍車をかけたのが、電力の需給逼迫であります。皆様の多大なるご協力の下、深刻な事態を回避することができましたが、この先に待つ冬も予断を許しません。節電に向けた企業や家庭の取組をさらに後押しし、都庁の率先行動も加速するなど、この間に実践してきたHTT、減らす、つくる、ためる、これを磨き上げ、都民、事業者と一体となって、来るべき冬への備えを固めます。
 長期化する燃料費高騰などへの対策も急務です。今月には、円相場が二十四年ぶりに一ドル百四十円の大台を突破するなど、歴史的な円安が与える物価高の影響がさらなるおもしとなっています。都民の暮らしを守り、経済の回復を力強く後押ししなければなりません。価格転嫁が困難な医療、保育、介護など、社会の基礎的機能を止めないために財政支援を行います。中小企業の販路開拓に加え、生産性の向上と賃上げが両立する働きがいのある職場づくりも促進します。同じくコスト増に直面する農林水産業の経営基盤を支えるほか、米や米粉を活用した商品のPRも推進するなど、幅広い手だてを講じてまいります。
 化石燃料の多くを海外に依存する我が国において、脱炭素化の追求こそがエネルギー安全保障を支える要諦であります。その命運は、大消費地東京の行動にかかっています。だからこそ、HTTの観点から都の政策を抜本的に強化、徹底するべく、環境確保条例の見直しを図ります。
 産業部門、運輸部門に比してエネルギー消費量が膨らむ家庭部門の対策が重要です。そこで、住宅等の新築中小建物に対する太陽光発電の整備等を大手住宅供給事業者などに義務づける全国初の制度の創設を掲げました。この制度は、住宅供給事業者と住宅の施主や購入者等とが共に建物の環境性能の向上を進めるものであります。新築住宅への義務化の動きは、カリフォルニア、ベルリンなどでも拡大しており、国際社会の潮流です。これに乗り遅れることなく、人にも地球にも優しい未来に誇れるまちを残してまいります。
 この制度の導入に当たっては、都民、事業者の理解と共感の下、共に力を合わせながら進めなければなりません。様々な問合せにお答えする相談窓口の充実や、住宅関係団体と連携した普及啓発など、きめ細かく対応していきます。
 今後、初期費用や附帯設備の更新費用の軽減に加え、パネル設置後のアフターフォローやリサイクルの促進などについても検討を深めます。さらには、円滑な制度施行に向け、ハウスメーカーなどの率先的な取組を促し、実効性を高めてまいります。
 太陽光だけにとどまりません。水素、地中熱など、次世代の多彩なエネルギーの可能性を伸ばし、まさに総力戦で立ち向かいます。
 製造段階でCO2を排出しないグリーン水素の活用は、脱炭素化への貢献はもとより、国際競争力を高める好機であります。先月初開催した東京グリーン水素ラウンドテーブルでは、業界トップランナーである企業と意見交換を行ったところであり、今後、官民を挙げて水素の普及に向けた具体の検討を深めていきます。
 我が国の産業界では、バイクの完全EV化を目指す動きも出てきました。世界各国で環境規制が厳格化する中、ZEVへのシフトをさらに急がなければなりません。その起爆剤ともなり得る世界最高峰の電気自動車レース、フォーミュラEの二〇二四年の開催を目指し、関係者と協議を進めてまいります。
 今、世界では、化石燃料中心からクリーンエネルギー中心の社会へと転換し、経済成長との両立を図るGX、グリーントランスフォーメーションが広がりを見せています。これまで述べてきたHTTはもとより、都が実現を目指すサステーナブルリカバリーに向けた取組こそ、GXの推進と軌を一にするものであります。現下のエネルギー危機を転機として、東京の経済を支える中小零細企業を含め、よりよい未来への取組を加速してまいります。
 安全・安心な都市の実現、それは東京の持続的発展の根幹をなす命題であり、備えを高める取組を不断に講じていかなければなりません。
 まずは、新型コロナウイルス対策についてであります。先日、コロナとの共存に向けた方針を決定いたしました。都が築き上げてきた保健、医療提供体制の枠組みを生かしながら、さらに工夫を重ねて、都民の命と健康を守る体制を充実させる。そして、この見えざる敵に的確に対応し、感染拡大防止と社会経済活動の回復との両立を推進する。こうした二つの方針の下、保健、医療提供体制の充実、ワクチン接種の促進、感染防止対策の徹底、この三本柱で新たなステージへと進めてまいります。
 全国一律で適用される発生届の全数見直しにつきましては、かねて要望しておりましたMy HER—SYSによる健康観察や経口薬の利用が可能となったことなどを踏まえ、都も来週二十六日から実施することといたしました。発生届の対象外となる方々が不安を感じないよう、希望すれば健康観察サービスを受けられる体制を整えます。うちさぽ東京やフォローアップセンターの機能を最大限発揮し、体調急変時にも迅速に対応していきます。
 加えて、命を守る上で重要なことは、重症化を防ぐことであります。リスクが大きい高齢者への対策を強化するべく、介護度の高い方も受入れ可能な医療施設を青山に開設をし、医療と介護の一体的実施を図りながら、救急要請にも対応いたします。
 重症化を防ぎ、感染の連鎖を断ち切るワクチン接種も進めます。オミクロン株対応ワクチンについて、現行の四回目接種の対象である高齢者や医療従事者などから開始します。今週から都の大規模接種会場では、警察、消防などのエッセンシャルワーカーにも対象を広げるとともに、来月以降、全ての三回目、四回目接種対象者へと拡大をしてまいります。
 コロナと共存する生活も定着させていく。ワクチン、換気、マスク、この感染防止対策の徹底が社会経済活動との両立に不可欠です。引き続き、都民、事業者の皆様のご協力をお願いいたします。
 そして、コロナはもとより、次なる感染症危機への備えの在り方は、国全体として対応するべき問題であります。国と自治体が一体となって実効性ある対策を講じていくためにも、感染症法等の見直しに当たっては、都がこれまで築き上げてきた東京モデルなどを踏まえたものとなるよう、今後も国に強く働きかけてまいります。
 災害にも負けない強靱な都市づくりも進めてまいります。いつ起きてもおかしくない巨大地震を見据えた新たな被害想定の下、帰宅困難者対策の実施計画の見直しに着手いたしました。地域防災計画の修正と併せ、今年度末を目途に取りまとめます。
 無電柱化については、木密地域の私道での取組を早期に進めるほか、利島、御蔵島では、島内完全無電柱化を具体化する新たな整備計画を策定いたしました。島しょ地域の特性に応じて整備手法を工夫するなど、着実に推進します。また、大規模風水害の発生時には、国や区市町村との緊密な連携が不可欠です。先般、広域避難先の施設運営や適切な情報発信の在り方などについて、中間のまとめを公表いたしました。議論を一層深め、避難対策の充実強化につなげます。
 さらに、猛威を振るう自然災害、手ごわい感染症への対策など、都民を脅かすリスクの高まりを踏まえ、防災施策のレベルアップに向けた方向性を取りまとめました。都民、事業者、有識者などと共通の目線に立って知恵を寄せ合い、年度内を目途に都市強靱化プロジェクトを策定してまいります。
 東京が直面する様々な困難を克服するためにも、都庁は変わり続けます。行政の世界では得難い知恵や技術、マインド、こうした新鮮な外部の空気を取り込むことで新たなサービスを生み出す、いわゆるオープンイノベーションこそ、未来を切り開く鍵となります。
 その重要な役割を担うのがスタートアップです。共に新しいステージへと駆け上がる、そのキックオフを先月、経団連副会長と迎えたところであります。
 都庁は西新宿を飛び出し、虎ノ門のシェアオフィスに出島を構えました。顔の見える空間で同じ空気を吸い、マインドを共有する。都庁各局の精鋭たちが常駐し、密度の濃いサポートをワンストップで提供します。新たに担当局長を設置し、十一月にはスタートアップ協働戦略もバージョンアップして、都庁一丸、ワンチームとなって革新の萌芽を育て上げます。
 さらに、来年二月には、国内外の企業や投資家などが一堂に会し、スタートアップの挑戦を後押しする国際イベントを開催いたします。東京都も自らの都市課題を乗り越えるための多彩なアイデア、テクノロジーなどをSustainable High City-Tech.Tokyo、その頭文字を取ってSusHi Tech Tokyoをコンセプトとして、世界に戦略的に発信してまいります。
 都政の構造改革も、オープンイノベーションにより爆速で前に進めます。デジタル技術をてこに、都はユーザー目線のサービスに磨きをかけてきました。この先、DXの恩恵を最大限発揮し、激増するデジタルニーズにスピード感を持って、質、量ともに対応していくためには、東京のDXを次なるステージへと引き上げる新たな仕掛けが欠かせません。
 区市町村を含めたオール東京でのサービス向上を目指し、高度な専門性を生かして共に施策を推進する新団体、GovTech東京を設立する構想を打ち出しました。来年の立ち上げに向けて着実に準備を進め、都庁の内部と外部、二つの力の結合で政策のイノベーションを生み出してまいります。
 続いて、世界を魅了する、未来を見据えたまちづくりについてであります。
 ベイエリアでは、ポテンシャルを大いに引き出す取組を展開します。環状第二号線は、十二月、全線開通し、臨海部と都心部を結ぶ大動脈が完成します。アクセス性の向上はもとより、個性あふれる東京のまちを一筆につなげ、都市の魅力を格段に引き上げます。
 それぞれの地区でも将来への種まきが進んでいます。例えば、晴海の選手村跡地では、実用段階で日本初となるパイプラインを通じた水素の街区供給を目指し、水素ステーションの整備に着手します。築地市場跡地の開発に向けては、都心部の広大な土地を生かし、世界を引きつける魅力的なまちづくりを推進します。既に策定した実施方針の下、年内に事業者の募集要項を公表します。
 そして、二〇二四年春には、東京ベイeSGプロジェクトの一環として、持続可能な都市像を世界へと発信する大規模なショーケースイベントを開催します。実装が加速する先端テクノロジーやフードテックの活用をはじめとした食の新たなスタイルなど、臨海部を舞台に世界に開かれた東京の未来を映し出してまいります。
 かの渋沢栄一翁らが尽力し、国民からの献金、献木によって創建された神宮外苑。その再整備に向けた都民の皆様の声、それを踏まえた都の要請に対し、事業者からは、きめ細かな情報発信や関係者一体となった樹木の保全などに加え、献木により植樹を行う新たな構想が示されました。創建時の先人たちの思いを大切に引き継ぎ、百年先の未来につなげるまちづくりに取り組んでほしいと思います。
 子育てしやすい環境が整い自然の豊かな多摩地域は、新たな成長のポテンシャルにあふれています。にぎわいと活力に満ちた多摩の明るい未来の実現に向け、さらなる魅力向上に取り組みます。
 八王子では、MICE開催も可能な多摩エリア最大規模の展示会場を備える東京たま未来メッセが来月いよいよ開業します。大学、研究機関等の集積を最大限活用し、広域的な産業交流の中核機能を担うとともに、新たなイノベーションの発信拠点として、産業のさらなる活性化を図ってまいります。
 また、立川では、東京しごとセンター多摩と労働相談情報センターの機能を集約した雇用就業の支援拠点を開設します。ハローワークと一体となったワンストップ支援に加え、障害者のための専用窓口を設置するなど、一人一人に寄り添ったきめ細かなサポートを展開してまいります。
 さらに、南大沢では、検討を進める駅周辺のまちづくりについて、先般のパブリックコメントを踏まえ、年度内に方針を策定します。多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸に向けましては、来月、都市計画等の手続を開始し、沿線自治体の住民向け説明会を開催してまいります。
 この夏、官民様々な主体が知恵を出し合い、子供の笑顔をつくる二百を超えるイベントが企画されました。子供の笑顔は、守るべき社会の財産です。これをしっかりと育んでいかなければなりません。
 望む人誰もが子供を産み育てやすい社会へ。不妊治療費の負担軽減に向け、これまで都は、国の補助制度の枠を超え、独自の施策を率先して講じてきました。
 こうした中、国は、この四月から不妊治療の保険適用化へと大きくかじを切ることとなりましたが、先進医療の費用については適用外となっています。今年度、その一部を助成する都独自の制度を創設し、引き続き、子供を授かりたいという都民の切なる願いにしっかりと応えてまいります。
 また、東京都は、育休という言葉に代わり、育業の愛称を使っていくことといたしました。家事、育児のワンポイントアドバイスや無意識の思い込みに気づきを与えるエピソードなど、様々な情報を発信しながら、育業を活用するパパ、ママに全力でエールを送ります。育業を促す奨励金の拡充やイメージ向上に結びつく登録制度の開始など、育業の経験が人や企業に成長の機会を与える好循環にもつなげてまいります。
 今月、静岡県で三歳の園児が送迎バスに取り残され亡くなるという痛ましい事故が起こりました。都におきましても、直ちに全ての保育所や幼稚園などに対する緊急点検を開始しました。今後、ヒアリング等の実施、講習会の開催、各施設の実施する取組への財政支援、これらを組み合わせまして、実効性の高い方策を講じてまいります。
 チルドレンファーストの社会の実現には、子供たちの目線に立ち、なすべきことは何かを考えていくことが肝要です。一人一人の悩みに応えられているか。最適なサービスが提供できているか。都庁横断のプロジェクトチームの下で、ヤングケアラーなど今日的な課題や、乳幼児期の集団生活といった子供の伸びる、育つをサポートする取組等にもチャレンジします。新しい子供政策をつくり上げるべく、精力的に検討を進め、子供の笑顔あふれる東京への歩みを加速してまいります。
 世界の動きは極めて速く、技術の進化も日進月歩です。目まぐるしく変化する環境の中にあっても、子供たちには思うままに未来を描き、自らそれを切り開く力を身につけてほしいと思います。
 日本語の高い壁に守られた日本。東京は世界から見て鎖国状態と見られています。グローバルな素養を磨くことは、視野を広げ、将来の可能性を伸ばすことにもつながります。
 都立高校では、これまでの北米やオセアニアなどに加え、中東のUAEとの国際交流の道を開くほか、新たに専門学科高校生の海外派遣もスタートします。さらに、体験型の英語学習施設、TOKYO GLOBAL GATEWAYも拡大します。来年一月の立川での開設に向け、着実に準備を進めるとともに、島しょ地域では、学校にいながら実践的な英語を身につけられるバーチャルプログラムを一足早く開始しました。来月開催する総合教育会議で教育委員の皆様とも議論を深めながら、国際都市東京から羽ばたくグローバル人材の育成を推し進めてまいります。
 また、都立大学では、世界トップの大学で教鞭を執るなど著名な講師たちによる特別講座を開講しています。これに加え、令和六年度から秋入学制度を導入し、世界に開かれた大学へと一歩を踏み出します。海を越えて学生たちが集い、共に学び合うことで、これからの日本を支える人材を育ててまいります。
 亡くなられた森英恵さん、三宅一生さん。東京を欧米と並ぶファッション都市へと押し上げた功績はあまりにも大きいものがあります。希代のファッションデザイナーに続けとばかりに、来年の三月、学生を対象としたファッションコンクールを開催します。現在、参加者を募集中であり、世界で活躍する若き才能の芽を育て上げてまいります。
 この夏、各地で開催した東京二〇二〇大会の一周年を記念したイベントには、数多くの観客の姿がありました。一年前にかなわなかった景色を前にして、TOKYO FORWARD、この言葉に込めた思いを改めて胸に刻んだところであります。かけがえのない経験とレガシーを都市発展の力に変え、東京をさらなる高みへと導いてまいります。
 カヌー・スラロームセンターでは、一般利用が始まり、誰もが水上スポーツを楽しむことができるようになりました。また、パラリンピック一周年記念イベントの会場となった有明アリーナも開業し、ライブコンサートの開催など新たなにぎわいを生み出しています。そして、来月十六日には、パラリンピックのマラソンコースを活用した東京レガシーハーフマラソンが開催されます。ボランティアの皆様による協力の下、する、見る、支える、この東京二〇二〇大会が紡いだスポーツの喜びを大いに分かち合っていきたいと思います。
 健康にも環境にも優しい自転車をもっと身近にしてまいります。十一月に開催するレインボーブリッジのファンライドに続き、来年秋には、多摩地域のレガシーコースを活用したロードレースを開催します。たくさんの方々に楽しんでいただき、その魅力を一層広めてまいります。
 さらには、二〇二五年、世界最高峰のアスリートが集う世界陸上、デフアスリートのための総合的な国際大会であるデフリンピックが、この東京で開催されることとなりました。躍動するアスリートの姿が、次代を担う子供たちにスポーツの価値、感動や勇気を届けるまたとない機会となります。デジタル技術も活用してスムーズなコミュニケーションを図るなど、誰もがスポーツを楽しむことを通じて、共生社会の実現に弾みをつけてまいります。
 あらゆるバリアが取り除かれた段差のない社会に向け、多様性と調和の理念をまちの隅々まで浸透させていきます。
 大会を機に、全国で初めて一般客室の整備基準を条例に定めた宿泊施設のバリアフリー化は、その象徴となる取組です。先月視察に訪れたパーソンズIPC会長からも高い評価をいただきました。今後、電動車椅子を含む全ての車椅子利用者がより快適に過ごせるよう、都民や関係団体等のご意見を伺いながら、基準の見直しを図ってまいります。
 さきの定例会で議員の皆様からのご提案により成立した手話言語条例が今月施行されました。東京を一人一人が輝く都市にしていく。障害のある方への情報保障を確立し、誰もが自然に手を差し伸べられる社会を根づかせていきます。
 また、いわゆる人権尊重条例に基づく性自認及び性的指向に関する基本計画の次期改定に向けました検討に着手いたしました。十一月より開始するパートナーシップ宣誓制度の実効性を高めるとともに、多様な性に関する社会の理解が促進されるよう、当事者に寄り添った施策を盛り込んでまいります。
 このたび、名誉都民の候補者として、石井ふく子さん、早田卓次さん、本多一夫さんの三名の方々を選定させていただきました。
 石井ふく子さんは、テレビプロデューサーや舞台演出家として、心を伝える作品を多数世に送り出し、今なお第一線で活躍されておられます。
 また、早田卓次さんは、一九六四年オリンピック東京大会の体操金メダルの獲得をはじめとして、日本のスポーツ界に多大な貢献を果たされました。
 本多一夫さんは、下北沢を中心に個人劇場を数多く経営し、四十年以上にわたり演劇人の夢を支援し続け、演劇界の発展に寄与されてきました。
 お三方につきまして、都議会の皆様のご同意をいただき、来月、名誉都民として顕彰したいと考えております。よろしくお願いいたします。
 さて、一人一人の心にともる明るい光、すなわち夢や希望こそ、人々の背中を押す力となる、私はそう信じています。およそ百年前、関東大震災からの復興を成し遂げたのは、後藤新平の描く壮大な未来図が人々の心をまだ見ぬ将来へとかき立てたからであります。また、戦後日本がたどる経済大国への歩みも、豊かな国家を夢見た先人たちの努力そのものであります。
 大きな危機に直面している今だからこそ、人々のうつむきがちな視線を前へと向ける転換点にしていきたい。東京を成長軌道に乗せる政策をスピード感を持って展開することで、東京はこれからもっとよくなる、日本ももっとよくなる、そうした希望を一人一人の胸に育んでまいりましょう。
 私たちは、今まさに、明るい未来の入り口に立っています。主役は、ここにいる私たち、そして都民の皆様一人一人であります。東京大改革、この都政のイノベーションともいうべき変革を共に前へと推し進め、新たな時代へ切り開いてまいりましょう。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含めまして、予算案一件、条例案十六件など、合わせて三十二件の議案を提案いたしております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。
 ご清聴誠にありがとうございました。

○議長(三宅しげき君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(本橋たくみ君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入られることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入ることに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 日程第一及び第二、第百七十八号議案、職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例外議案一件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事武市敬君。
   〔副知事武市敬君登壇〕

○副知事(武市敬君) ただいま上程になりました二議案についてご説明申し上げます。
 いずれも条例案でございます。
 まず、第百七十八号議案は、地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正に伴い、再度の育児休業の取得に係る要件を改めるものなどでございます。
 第百八十五号議案は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の一部改正に伴い、長期優良住宅維持保全計画の認定の申請等に関する手数料に係る規定を設けるものでございます。
 上程になりました二議案の説明は以上でございますが、このほかに人事案を送付いたしております。
 東京都名誉都民でございます。
 石井ふく子氏、早田卓次氏、本多一夫氏を選定いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

○議長(三宅しげき君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

○議事部長(古賀元浩君) 人事委員会の回答は、第百七十八号議案について異議はないとの意見であります。

四人委任第一〇四号
令和四年九月十五日
東京都人事委員会委員長 青山  やすし
(公印省略)
 東京都議会議長 三宅しげき殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 令和四年九月十三日付四議事第一七〇号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第百七十八号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

○六十七番(本橋たくみ君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております第百七十八号議案及び第百八十五号議案については、委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、第百七十八号議案及び第百八十五号議案は、原案のとおり可決されました。

○六十七番(本橋たくみ君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 日程の順序を変更し、追加日程第一から第三までを先議されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、日程の順序を変更し、追加日程第一から第三までを先議することに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 追加日程第一から第三まで、東京都名誉都民の選定の同意について三件を一括して議題といたします。
   〔古賀議事部長朗読〕
一、東京都名誉都民の選定の同意について三件

四財主議第三〇一号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
   東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     石井ふく子

      略歴
現住所 東京都港区
石井ふく子
大正十五年九月一日生
大正十五年  東京府(現東京都)生まれ
昭和二十二年 新東宝のニューフェイスに合格、女優として活動
昭和二十五年 日本電建株式会社に入社、ラジオドラマの制作に関わる
昭和三十二年 株式会社ラジオ東京の嘱託として「東芝日曜劇場」のテレビドラマ制作に携わる
昭和三十三年 テレビドラマ「橋づくし」放送
昭和三十六年 正式に株式会社東京放送に入社
昭和四十年  テレビドラマ「女と味噌汁」放送開始
昭和四十三年 舞台「なつかしい顔—君は今どこにいるの—」上演
昭和四十五年 テレビドラマシリーズ「ありがとう」放送開始
昭和六十年  「テレビ番組最多プロデュース」でギネス世界記録
平成元年   紫綬褒章
平成二年   テレビドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」放送開始
平成二十六年 「世界最高齢の現役テレビプロデューサー」でギネス世界記録
平成二十七年 「最多舞台演出本数」でギネス世界記録

      事績
石井ふく子
大正十五年九月一日生
 大正十五年九月一日、東京府(現東京都)に生まれる。
 昭和二十二年、新東宝のニューフェイスに合格、女優として活動する。
 昭和二十五年、日本電建株式会社に入社し、宣伝部に勤務。スポンサーとしてラジオドラマの制作に関わる。
 昭和三十二年、株式会社ラジオ東京(現株式会社TBSホールディングス)からの誘いを受け、嘱託として「東芝日曜劇場」のテレビドラマ制作に携わる。
 昭和三十三年、初めてのプロデュース作品となったテレビドラマ「橋づくし」が放送される。以降、平成五年まで三十五年間にわたり「東芝日曜劇場」の作品を手掛ける。
 昭和三十六年、日本電建株式会社を退社し、正式に株式会社東京放送(現株式会社TBSホールディングス)に入社。連続ドラマもプロデュースするようになる。
 昭和四十年、後に全三十八話「東芝日曜劇場」最長寿作品となるテレビドラマ「女と味噌汁」の放送が開始される。
 昭和四十三年、父の勧めで初の演出を務めた舞台「なつかしい顔—君は今どこにいるの—」が上演される。
 昭和四十五年、最高視聴率五六・三%を記録した大ヒットテレビドラマシリーズ「ありがとう」の放送が開始される。
 昭和六十年、「テレビ番組最多プロデュース」としてギネス世界記録に認定される。
 平成元年、紫綬褒章を受章する。
 平成二年、約三十年にわたる国民的人気テレビドラマシリーズ「渡る世間は鬼ばかり」の放送が開始される。
 平成二十六年、「世界最高齢の現役テレビプロデューサー」としてギネス世界記録に認定される。
 平成二十七年、「最多舞台演出本数」としてギネス世界記録に認定される。 氏は、プロデューサーとして数々のホームドラマを世に送り出すとともに、演劇でも数多くの作品の演出を手掛けた。「心を伝える」ことを大切に、長きにわたり第一線で活躍を続けるその姿は、人々に希望や活力を与え、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

四財主議第三〇二号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
   東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     早田 卓次

      略歴
現住所 東京都世田谷区
早田 卓次
昭和十五年十月十日生
昭和十五年  和歌山県生まれ
昭和三十八年 日本大学文理学部体育学科卒業
昭和三十九年 第十八回オリンピック競技大会(東京)体操競技団体総合、種目別つり輪金メダル
昭和四十五年 第十七回世界体操競技選手権大会(リュブリアナ)団体総合優勝
昭和四十六年 現役引退、後進の指導に当たる
平成元年   日本大学文理学部教授
昭和十三年  財団法人日本体操協会副会長
同年     財団法人日本オリンピック委員会理事
平成十四年  紫綬褒章
平成十五年  日本オリンピアンズ協会理事長
平成二十四年 日本大学名誉教授
令和元年   旭日小綬章
令和三年   特定非営利活動法人日本オリンピアンズ協会副会長

      事績
早田 卓次
昭和十五年十月十日生
 昭和十五年十月十日、和歌山県に生まれる。中学生で体操を始め、頭角を現す。
 昭和三十八年、日本大学文理学部体育学科を卒業する。在学中にはアキレス腱断裂などの大けがを経験した。
 昭和三十九年、第十八回オリンピック競技大会(東京)体操競技団体総合及び種目別つり輪で金メダルを獲得する。
 昭和四十五年、第十七回世界体操競技選手権大会(リュブリアナ)団体総合で優勝する。
 昭和四十六年、現役を引退する。以後、日本大学で後進の指導に当たる。
 平成元年、日本大学文理学部教授に就任する。
 平成十三年、財団法人日本体操協会(現公益財団法人日本体操協会)の副会長に就任する。
 同年、財団法人日本オリンピック委員会(現公益財団法人日本オリンピック委員会)理事に就任する。
 平成十四年、紫綬褒章を受章する。
 平成十五年、日本オリンピアンズ協会(現特定非営利活動法人日本オリンピアンズ協会)理事長に就任し、オリンピック・パラリンピック競技大会の招致に尽力する。
 平成二十四年、日本大学名誉教授に就任する。
 令和元年、旭日小綬章を受章する。
 令和三年、特定非営利活動法人日本オリンピアンズ協会の副会長に就任する。
 氏は、第十八回オリンピック競技大会(東京)で金メダルを獲得し、日本体操界の発展に寄与した。引退後も後進の育成に尽力する傍ら、公益財団法人日本オリンピック委員会等の役職を歴任し、日本スポーツ界の振興に貢献している。選手としての功績はもとより、スポーツ界に多大な貢献を果たすその姿は、人々に希望や活力を与え、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

四財主議第三〇三号
令和四年九月二十日
東京都知事 小池百合子
 東京都議会議長 三宅しげき殿
   東京都名誉都民の選定の同意について
 このことについて、左記の者を東京都名誉都民に選定いたしたいので、東京都名誉都民条例第三条の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお取り計らい願います。
       記
     本多 一夫

      略歴
現住所 東京都世田谷区
本多 一夫
昭和九年七月十一日生
昭和九年   北海道生まれ
昭和二十八年 北海道札幌伏見高等学校卒業
同年     北海道放送株式会社の演劇研究所に入所
昭和三十年  新東宝のニューフェイスとして俳優デビュー
昭和三十四年 下北沢で飲食店経営を開始
昭和四十七年 「本多劇場」の建設を計画
昭和五十五年 俳優養成所「本多スタジオ」設立
昭和五十六年 「ザ・スズナリ」開場
昭和五十七年 「本多劇場」開場
平成九年   第十九回日本文化デザイン賞
平成十七年  平成十七年度文化庁長官表彰
平成十八年  俳優復帰
平成三十年  第五十二回吉川英治文化賞

      事績
本多 一夫
昭和九年七月十一日生
 昭和九年七月十一日、北海道に生まれる。
 昭和二十八年、北海道札幌伏見高等学校(現市立札幌啓北商業高等学校)を卒業する。在学中は演劇部に所属し、刑務所で慰問公演を行うなど精力的に活動した。
 同年、北海道放送株式会社の演劇研究所に入所、長光太氏の下で稽古に励む。
 昭和三十年、新東宝のニューフェイスとして俳優デビューを果たす。
 昭和三十四年、新東宝株式会社の経営状況の悪化をきっかけに、下北沢で飲食店経営を開始する。以後、多数の飲食店、ビル、マンション等を経営するなど、実業家に転身する。
 昭和四十七年、下北沢駅前の土地を購入、「本多劇場」の建設を計画する。以後、飲食店経営から手を引き、劇場経営へ注力する。
 昭和五十五年、俳優養成所「本多スタジオ」を設立する。
 昭和五十六年、「ザ・スズナリ」を開場し、劇場経営者としての第一歩を踏み出す。
 昭和五十七年、十年の準備期間を経て「本多劇場」を開場する。その後も次々と小劇場を開場する。
 平成九年、第十九回日本文化デザイン賞を受賞する。
 平成十七年、平成十七年度文化庁長官表彰を受ける。
 平成十八年、パラダイス一座のメンバーとして俳優に復帰する。
 平成三十年、第五十二回吉川英治文化賞を受賞する。
 氏は、全国でも例のない個人劇場を数多く運営し、演劇人の夢を支援し続けてきた。その活動は、演劇界の発展のみならず、下北沢を演劇の街として活性化させることにもつながっている。氏の功績は多大であり、高い志を持ち、積極的に前進し続けるその姿は、人々に希望や活力を与え、広く都民が敬愛し、誇りとするところである。

○議長(三宅しげき君) 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、いずれも知事の選定に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕

○議長(三宅しげき君) 起立多数と認めます。よって、本件は、いずれも知事の選定に同意することに決定いたしました。

○六十七番(本橋たくみ君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二十一日から二十七日まで七日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二十一日から二十七日まで七日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、九月二十八日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時三分散会


文書質問趣意書及び答弁書

4財主議第275号
令和4年9月12日
東京都議会議長
 三宅しげき 殿
東京都知事
小池百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 令和4年第二回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

上田令子議員
岩永やす代議員
清水とし子議員
中田たかし議員
アオヤギ有希子議員
原純子議員
五十嵐えり議員
原のり子議員
風間ゆたか議員
竹井ようこ議員
米倉春奈議員
とや英津子議員
尾崎あや子議員
中村ひろし議員
大山とも子議員
和泉なおみ議員

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 上田令子

質問事項
 一 知事のトップマネジメント・ガバナンスについて
 二 子ども・教育政策について
 三 障がい者政策・移動保障について

一 知事のトップマネジメント・ガバナンスについて
 1 太陽光パネル設置義務化について
   小池知事が新築物件の屋根に太陽光パネル・充電設備の設置を義務付ける条例の検討を指示したと報じられております。設定について、国も義務化を検討したものの、価格上昇を懸念し見送り慎重な検討をしている中、小池知事は政府との政策調整もせず、功名を急いて突如として強力に義務化を進めようとしております。
   自宅は一生一度の大きな買物で、失敗・瑕疵は許されません。パネルの償却は25年で、それまでに物件を手放す人がいないと考えれば、かなりの負担になります。あらかじめ都民にコストを負担させることは選択の自由を奪い、財産権の侵害で、憲法第29条違反です。
   まず、大手ハウスメーカーから対象を始めるとのことですが、中小零細企業の受注機会を奪うのではないかと懸念するものです。一方、都民における一生分の費用経費が幾ら増えるのか、そして、それは負担可能な金額なのか、イニシャルコスト、ランニングコスト、故障・破損時の負担、廃棄コストは誰がどのように負担するのでしょうか。
   「太陽光発電システムは、太陽電池により光エネルギーを電気エネルギーに変換しているため、外部から発電を遮断できないことから、火災の初期から残火確認等に至るまで、感電事故の可能性がある」等総務省消防庁からも指摘されており、密集住宅の多い東京都においては地震、火災、水害等災害時の太陽光パネルの取り扱いについて多くの都民から危惧の声が届いております。
   現行パネルの多くが寿命を迎える2030問題も指摘されており、今般義務化の先における、25年後についての明確な対策も示されていないなか、太陽光発電設備設置義務化の義務化条例制定は拙速と言わざるを得ません。
   上田は令和4年第一回定例会の一般質問で疑義を質しましたが、小池知事は政策判断の根拠を説明せずに答弁から逃げ、環境局長に答弁させるという極めて不誠実な態度に終始しました。
   つきましては、以下につき質問いたします。
  ア 小池知事が義務化検討を指示した時期、契機、根拠を時系列でご説明ください。
  イ 東京都民には設置の拒否権があるのかないのか、拒否権の有無についてどう周知するのか具体的にお示しください。
  ウ 設置コストは電気代削減や売電収入により、6年あるいは10年で初期投資が賄えるとしていますが、以下お尋ねいたします。
   a 客観的根拠を示して下さい。
   b その際、理想的な住宅だけではなく、手狭かつ日照が良いとは限らない、太陽光パネル設置に不向きな東京の住宅事情についての検討も合わせて示してください。
   c 太陽光発電は出力が不安定なため、発電した電気の経済的価値は発送電システムの回避可能原価に限られ、これは火力発電の燃料費分程度しかありません。電気代削減や売電収入との差額は全て一般都民の負担となりますが、この金額を示してください。
  エ 地震等などの災害時における、落下、引火等設置による危険性に対して消火活動等対策を伺います。
  オ 太陽光パネル火災について
   a 太陽光パネル設置による火災や家屋損傷など都民の私有財産である家屋に被害が発生した場合、及び故障や経年劣化により修理が必要となった場合の補償等責任につきお示し下さい。
   b これまでの火災で太陽光パネルや周辺機器が燃えて消火活動に支障をきたしたり、消防士が感電した等の事例・件数につき確認いたします。
  カ 設置された建物が空き家となった際、安全に維持管理できるのか、また事故発生時誰がどのように責任を取るのかお示し下さい。撤去する場合の費用についてもお示しください。
  キ 廃棄処分の方法や処分場所、太陽光パネルに含まれている有毒物質の処理方法についてお示し下さい。
  ク 設置後の受電体制は整っているのか、設置者すべてが売電できるのかインフラの状況を確認します。
  ケ 現在リサイクル業者は日本中でわずか30社しかありません。まず間近に迫った「2030年問題」のパネル機器の廃棄・リサイクルがこれらの受け皿で一台も取りこぼすことなく対応ができるのか、具体的対策と処分・リサイクル・再利用の行程をお示し下さい。
  コ 今後世界情勢や天災により、電気料金の高騰は避けられないことから、自家利用でもっと有利になるという小池知事の説明には多くの都民は納得しておりません。電気代削減や売電収入だけで計算をするから無理があるわけで、それに撤去・廃棄費用、故障・修繕・メンテナンス等の支出リスクを含めたトータルのコストの積算をお示し下さい。
  サ 天災による被害について
   a 令和4年6月3日に関東の広範囲で雹が降り、各地で被害が発生しました。年内に条例制定をめざしているわけですから当然、雹による太陽光パネル破損被害状況は把握されていると思いますのでご報告の上、義務化にかかる雹の対策についてお示し下さい。
   b 同じく、雷の多い東京にあり、太陽光パネルへの落雷による被害状況と義務化に係る対策についてお示し下さい。
   c 同じく、台風の多い東京にあり、太陽光パネルが強風等で破損する、吹き飛ばされ周辺にも被害が及んだ事例と義務化に係る対策についてお示し下さい。
   d 同じく、大規模な水害が想定されている東京にあり、被災地における無数の太陽光発電設備による感電死などの二次災害の危険および復旧作業への障害についてまとめ、対策についてお示しください。
  シ 今現在、東京都、知事あてに「都民の声」あるいは電話などに寄せられた太陽光パネル設置義務化に寄せられた意見はどのようなものがあり、賛否の割合はどうなのか内訳、件数も含めてお示し下さい。
  ス 「年内に条例制定をめざす」としていますが今後にわたり、条例提案の全面撤回・中止を求めるものですが、知事の見解・判断根拠をお示しください。
  セ 令和3年5月27日、横浜市西区の太陽光発電関連会社「株式会社テクノシステム」が2つの金融機関から融資金11億円超をだまし取ったとして、詐欺の疑いで社長同社役員3人を逮捕し、東京地検特捜部に詐欺の疑いで逮捕されたことが報道されました。
   a 小池百合子知事の初めての都知事選直前の平成28年7月7日午前、当時衆議院議員の小池知事から「保育園待機児童問題について上田さんの話しを聞きたい。あわせて保育現場の視察を」との連絡が入りました。江戸川区の待機児童は当時ワースト2位であったことから、大変ありがたく思い、即江戸川区内の小規模認可保育所『にっこりハウス』を案内しました。その様子が、一斉にテレビ・新聞報道となり、「小池候補の応援に、いの一番で手を挙げた都議会議員上田令子」という流れが生まれた日となりました。その際に、赤ちゃんと戯れていた小池知事は、「私の家にも同じくらいの甥の子がいるの。」と語られていました。この頃、小池知事の秘書と語られ、私とも連絡を取り合っていた水田昌宏氏と「同居されているのか」と思ったことをハッキリと私は記憶しております。各種報道によりますと、株式会社テクノシステムの社長は、水田昌宏氏とは不動産取引をされていたとのことです。この件について、知事は関与しているのか具体的にお答えください。
   b 小池知事は同社社長より個人献金を受けていたとのことです。現在太陽光パネル義務化をめぐり多くの都民から「利権が存在しているのではないか」という疑念の声が届いているなか、李下に冠を正さずという言葉のとおり、献金を受けた経緯、関係性、事件との関与について具体的にお答え下さい。
  ソ 現在、世界の太陽光パネルの8割は中国製であり、その内6割は新疆ウイグル自治区製であるところ、強制労働との関連の疑いから米国では輸入禁止措置をとっています。東京都として、新疆ウイグル自治区製の太陽光パネルの使用への対策についてお示しください。
 2 神宮外苑樹木伐採について
   「明治神宮外苑は、明治天皇とその皇后、昭憲皇太后のご遺徳を永く後世に伝えるために、全国国民からの寄付金と献木、青年団による勤労奉仕により、聖徳記念絵画館を中心に、体力の向上や心身の鍛錬の場、また文化芸術の普及の拠点として、憲法記念館(現明治記念館)などの記念建造物と、陸上競技場(現国立競技場)・神宮球場・相撲場などのスポーツ施設が旧青山練兵場跡に造成され、大正15年(1926)10月に明治神宮に奉献されました。創建から終戦までは、国の施設として管理され、その間の昭和6年には、水泳場(神宮プール)が開場しました。
   戦後、宗教法人明治神宮の外苑として国の管理をはなれ独自の事業収入により諸施設の管理運営を行い現在に至っております。」(明治神宮HP「外苑創建の趣旨」より)とのような歴史的経過があり、当時多くの国民が手づから樹木を植えた歴史ある神宮外苑地区再開発計画につき速やかに白紙に戻し改めて都民の要望とSDGsを尊重した計画への見直しを、元環境大臣であり昨年8月「サステナブル・リカバリー東京宣言」を高らかに発した小池知事へ以下の答弁ともども求めるものです。
  ア 神宮外苑のシンボルである4列の銀杏並木及び100年以上の樹齢を誇る樹木を始めとする神宮外苑の樹木の伐採、自然環境の破壊を回避し、国際社会に誇る『公共性・公益性の高い文化資産』である神宮外苑の現在の自然環境を保持すべきと考えます。関東大震災、東京大空襲を生き抜いてきた都民の艱難辛苦を見守り優しい木陰を作ってきた100歳の樹木という「生き物」を近代的な不要不急の高層ビルや一般都民が利用できない施設をつくるため伐採することを小池知事は今是認しようとしています。知事が折につけ発言されてきた「サステナブルリカバリー」「SDGs」「ダイバーシティ」等の概念と伐採行為との整合性につきお示し下さい。
  イ 日本イコモス国内委員会よりプレゼンテーションされた「樹木の伐採を回避し近代日本の名作・神宮外苑を再生する」提案を受け、伐採ありきではなく保存ありきで再検討すべきであると考えますが、この提案をどう受け止め、どのように活用するのか所見を伺います。
  ウ コロナ禍、物価高騰に苦しむ都民の憩い場として、軟式野球場、ゴルフ練習場、フットサルコート、バッティングセンターなど一般市民が利用できる公益性の高い施設が保持されるべきと考えますが、保持をするのか、これらを廃止することがどう都民益に叶うのか、伺います。
  エ 老朽化を理由にした野球場とラグビー場の建設ですが、互いの場所を入れ替えて建設する意味の不明確さ、特に明治神宮球場については、重要文化財聖徳記念絵画館と同じ設計者により竣工された、外苑における一連の歴史的建造物であると共に文化財としての価値を有しており貴重な文化財として「改修保存」「長寿命化」をはかることこそ「サステナブルリカバリー」「SDGs」「ダイバーシティ」と考えますが、CO2と廃材を多量に発生させ建築文化を壊すスクラップアンドビルドのどこにこれらに符合するのかご説明下さい。
  オ 当計画はコロナ禍パンデミック以前に構想されたものであり、リモートワークの定着によるオフィスの需要の低減などその後の多様な社会変化の充分な分析、科学的客観的経済学的検証を実施すべきと考えますが所見をうかがいます。
  カ 知事は「環境政策こそ成長戦略」と度々口にしていますが、神宮外苑における街路樹千本の樹木伐採による環境破壊は、都が掲げているSDGsやCO2の削減等ありとあらゆる「環境政策」に反するものと考えます。今後もこのような耳あたりのよい環境政策で都民を欺き、工事ありきの環境破壊政策に転じさせ東京の文化も建造物も木々も破壊し続ける愚策をお続けになるおつもりなのか、所見を伺います。
 3 国立競技場関係の都有地について
   平成28年、オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、国立競技場敷地周辺の都有地を無償貸与するということが明らかになり、都有財産管理が心配になりまして確認しましたところ、組織委員会に貸与する各公園などは行政財産であることから、東京都行政財産使用料条例第五条にて使用料免除となり、JSCへ貸与するのは、新国立競技場用地なので普通財産であることから、財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例第四条にて無償貸与になっているということを確認させていただいております。
   関係法令のどこを当たっても、都有財産は対象ではないことも明らかでした。積極的に都が国や組織委員会等無償貸与する法的義務はないことを確認させていただいた次第です。つまり、内閣判断で、国有財産を無償貸与する根拠法は制定されていますが、それは都に及ぶものではなくて、無償貸与は都が都条例により主体的判断で行ったということでありました。
   これらの都有財産につきまして、その後の動向、現在の権利関係、借地料等は発生しているか、返還の見込みはあるのか、都にその意思はあるのか、ご説明ください。
 4 知事・副知事の出張について
  ア 知事の中東出張について
    小池知事は令和4年5月14日から5月18日までアラブ首長国連邦(UAE)への出張に関し以下のような報道がなされました。
    「知事は現地との教育分野の交流に向けて「道筋はできた」と成果を強調しました。
    およそ3年ぶりとなった小池知事の海外訪問は当初、クウェートとUAE=アラブ首長国連邦のアブダビを訪問する予定でしたが、出発直前にUAEのハリファ大統領が亡くなったことを受け、アブダビのみの訪問となりました。
    小池知事はハリファ大統領の弔問をするとともにムハンマド新大統領らと面会し、訪問の目的の一つだった都立高校とアブダビとの国際交流に向けて意見を交換したということです。帰国した小池知事は「道筋はできたと思う。彼らはとてもスピード感が早いので、しっかり現場とかどこをどうするのか、教育庁など関係部署で準備していきたい」と話しました。また、ワクチン開発の協力関係を進める予定だったクウェート訪問については「どのようなタイミングがよいか模索していきたい」と述べ、改めて訪れる考えを示しました。」(5月18日MXテレビより)
   a 出張の目的、誰が発案したのか、起案から決定までの経緯について、時系列でご説明ください。
   b 出張の目的は、教育連携とのことですが、教育分野の交流に向けて知事が自ら赴く意義は何なのか、「道筋はできた」との感想を述べられましたが、具体的な目論見は何で、ロシアのウクライナ侵略を受け、国際情勢が不安定な中、我が国の外交に悪影響はないのか、ご所見をお示しください。
   c 面会した相手の氏名・役職と、何のために面会し、会談が持たれたのか、具体的にご説明ください。
   d この出張経費と随行人員・役職、日程をご説明ください。
  イ 宮坂副知事のドバイ出張について
    令和4年3月26日から4月3日まで宮坂学副知事がドバイに出張しました。「東京都が進める、海と緑の環境に調和したサステナブルな次世代都市の実現に向けて、デジタルと先端技術の実装、質の高い緑と魅力ある水辺空間の形成、にぎわい・交流・イノベーションを生むまちの実現などの観点から、海外都市の先進事例を視察するとともに、現地担当者と意見交換を行う。また、海外発信の最新事例を調査するため、世界各国のデジタル技術や次世代モビリティなど最先端テクノロジーが集結する「2020年ドバイ国際博覧会」などを視察するとともに、現地担当者と意見交換を行う。」とのことでしたが、以下、伺います。
   a 出張の目的、誰が発案したのか、起案から決定までの経緯について、時系列でご説明ください。
   b 宮坂副知事が出張する必要性について、目的に照らして、ご説明ください。
   c 面会した相手の担当・役職と、何のために面会し、会談が持たれたのか、具体的にご説明ください。
   d この出張経費と随行人員・役職、日程をご説明ください。
  ウ 令和4年2月25日の私の一般質問において、宮坂副知事が答弁しなかったことから改めて副知事に以下、回答を求めます。
   a コロナ対策サイトはコード・フォー・ジャパン。情報漏えい、システムエラーが昨年ゴールデンウィーク前に発生し多大なる迷惑をかけた医療者向けワクチン予約サイトはデジタルガレージ。当初、博報堂が受け、トラブルが出続けた時短協力金申請業務は、随意契約でトランス・コスモスが急遽受注しています。
     奇遇なことに、どの企業も宮坂副知事のヤフー時代に提携など深い関係があった企業なのですが、これらの事業者と副知事の就任以来も含めて何らかの利害関係があるのか、また、この三社において、ほかの都政事業における受注状況と実績、その評価を伺います。
   b 政策企画局職員が委託事業者に対して契約外の業務の実施を指示し、戦略政策情報推進本部職員がこの下請業者に予算額をあらかじめ示し、懲戒処分が下されましたが、副知事はこの職員と何らかの利害関係はあったのか、ご説明ください。
   c DX政策に不正や癒着が入り込まないよう危惧することから、関係職員の採用も含めた厳しい再発防止策を講じるべきですが、事件を受けての所見も含め、対応を伺います。
 5 グローバルダイニング社への「一社つるし上げ」の違法判断について
   令和3年3月26日、私は一般質問で以下を質しました。
   「グローバルダイニングへの命令措置についてです。これまで都は、大手飲食チェーンを給付対象外としていたものの、世論に押され、急遽認める一方、要請に従わないとして、グローバルダイニングには時短命令を下し、同社は都を提訴いたしました。命令を出した32店舗のうち、26店舗が原告の店舗であり、狙い撃ち、一罰百戒、見せしめ、つるし上げのそしりも受けかねず、小池都政の独断専行であると、厳しく断じさせていただきます。
   なぜ、解除の方向が見えてきたタイミングで突如命令を下したのか、その理由と起案から決裁までの詳細を時系列でご説明ください。
   命令に当たり、措置に応じない旨を強く発信するなど、ほかの飲食店の20時以降の営業継続を誘発するおそれがあるとした根拠についてお示しください。
   そもそも当該命令は、公権力の行使に当たるのか、処分性と権原及び特措法二十四条九項と四十五条における都の解釈も含め、ご説明ください。
   小池知事に伺います。
   独断専行の専決を乱発し、大手飲食チェーン支援は後手に回り、突如としてグローバルダイニングに命令を下すことには違和感しかありません。飲食店の支援、指導、命令に係る知事の判断基準、時期につき知事答弁を強く求め、再質問を留保いたします。」
   これに対し、小池知事は答弁から逃げ、総務局長が、「命令措置についてでございますが、都は、時短要請への協力状況の調査で開店が確認された店舗につきまして、職員が個別に訪問して時短要請の協力依頼を行い、協力を得られていないことを確認した店舗を対象に、特措法第四十五条第二項に基づく要請を行ってまいりました。
   こうした手続を重ねた上で、なお要請に応じない店舗に対して、特措法第四十五条第三項に基づく命令を決定し、通知したものでございます。
   次に、命令措置の根拠についてでございますが、対象施設の対応は、さらなる新型コロナウイルス感染症の蔓延につながるおそれがあることから、蔓延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するために特に必要があると認め、命令を行ったものでございます。」と答弁しました。これに関連して、以下、伺います。
  ア 「命令対象店舗のほとんどは、グローバルダイニングでした。なぜ狙い撃ちするかのような命令をしたか、最終決裁者として小池百合子知事の所見を伺います」と再質問しましたが、知事は答えませんでしたので、改めてなぜグローバルダイニングを一社つるし上げ、狙い撃ちにしたのか理由を伺います。
  イ 「命令措置の根拠についてでございますが、対象施設の対応は、さらなる新型コロナウイルス感染症の蔓延につながるおそれがあることから、蔓延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するために特に必要があると認め、命令を行った」と局長は答弁していますが、実際にクラスター及び新型コロナウイルス感染症の蔓延がグローバルダイニング社店舗で確認されていたのか、確認されていたのならその具体的内容について、伺います。
  ウ コロナ対策の改正特別措置法に基づき、グローバルダイニング社へ出した営業時間の短縮命令について、令和4年5月16日の東京地裁判決は、都側に過失や賠償責任はないと判断した一方で、命令を出したこと自体は違法だと認定いたしました。総務局長答弁では「命令は必要であった」と明確にお答えですが、司法判断とは大きく齟齬があるものです。改めて、命令の適法性と必要性につきまして根拠を示してご説明の上、この司法判断をどう東京都及び小池知事は受止め、一社つるし上げのような愚行を再発しないため取り組むのか具体的な対応を伺います。
 6 コロナ対策中の知事の行動について
   緊急事態宣言中に都民ファーストの会が推した樋口たかあき元都議で現千代田区長の応援に、さらにまん延防止等重点措置期間中、長期静養を突如切り上げて、免停・無免許・当て逃げ事故を犯した木下富美子元都議の応援に駆け付け、リバウンド防止期間中でありながら、グローバルダイニング社の判決が予定されていた期間に中東という国外出張するなど、都民に外出抑制や対策を強いておきながらまったく理解ができない行動をとってきました。行動の自由を制約するコロナ対策を都民・事業者に強いていた最中に自身が明らかにこれらに反する行動を度々されてきた件について、都民にご説明下さい。

二 子ども・教育政策について
 1 熱中症対策について
   令和4年4月4日、多摩市教育委員会は、4月1日付け教育長メッセージにおいて、市内全小中学校におけるマスク自由化を発表しました。その中で、マスクをしない子、できない子がいることの理解を求めました。その上で、全小中学校において、いじめや差別に繋がらないよう注意を喚起しました。
   健康上の理由で「マスクをできない子」のみに差別・偏見を禁じる措置をとった基礎自治体は今までもありましたが、同市において、思想・良心の理由から「マスクをしない子」もそれに含めたことは、事実上のマスク自由化を認めたことになります。同市内全小中学校を対象として、教育委員会がマスク自由化を声明発表したことは、全国的に注目されました。
   また、各地の学校で熱中症による搬送が相次いでいるとして、文部科学省は先月、全国の教育委員会・学校設置者に対し、「学校生活における児童生徒等のマスクの着用について」を通知し、幼稚園や小中高校の体育の授業や運動部活動中は、コロナ対策のマスクを外すよう児童生徒に指導することを求めました。これまでは登下校時のみだったが、体育や部活でも指導することで「着用不要」を徹底させ、熱中症リスクを減らしたい考えだ。通知では、熱中症を「命に関わる重大な問題」と強調。体育と運動部活動、登下校の三つの場面では特にリスクが高いとし「熱中症対策を優先し、児童生徒に対してマスクを外すよう指導する」と明記しています。
  ア 上述の多摩市教育長のメッセージについて、都教育委員会のご所見を求めます。
  イ 上述の文部科学省通知について、都教育委員会のご所見を求めます。
  ウ 上述の文部科学省通知について、都内の公立学校への周知の取組状況について、ご報告ください。各学校からの反応や危惧点についても、ご報告ください。
  エ 上述の文部科学省通知について、都内の私立学校への周知の取組状況について、ご報告ください。各学校からの反応や危惧点についても、ご報告ください。
  オ 特別支援学校および特別支援学級における登下校中を含むマスク着用の指導の取組状況について、ご説明ください。
  カ 一昨年の新型コロナウイルス感染拡大以来、マスク着用に起因していると疑われる熱中症、その他体調不良の事案は発生していないか、都の把握の状況・内容をご説明ください。
  キ 熱中症対策として、各学校において水筒の持参が認められています。この取組状況と感染症・食中毒の対策について、現状をご説明ください。
 2 施設における子どもの権利保障について
  ア 社会的養護の子ども達は保護者がいないことからも、児童養護施設等におけるCDRこそ重要だと考えます。厚生委員会の予算調査での資料において、施設内で自殺した子どもの存在が確認できませんでしたが、確実に亡くなっていることを把握しております。まず、自殺が発生した場合の対応や原因究明、実態把握をどのようにしているのか伺います。
  イ 長期間にわたり施設に入所していて自殺に至った場合は、その前兆を把握できなかったのか、検証などしているのか、検証を今入所している子どもたちのために活かされているのかについても伺います。
  ウ 過去3年にわたり、一時保護所も含め児童養護施設において在籍中に亡くなった児童を年齢別、実数、死因別に明らかにして下さい。
  エ 保護者が何らかの理由でご遺体を引き取らなかった場合、子どもの検死から埋葬までのプロセスと、なんらか弔ってあげて欲しいと考えるが、これまでどのように対応してきたのか確認します。
  オ 施設内の子どもの意見表明権の保障について、子どもの権利ノートの利活用実績を踏まえて、成果と課題をご説明ください。
  カ 一時保護所・養護施設の職員の人権研修について、取組状況、成果と課題をご説明ください。
 3 スクールサポーター制度の活用状況について
  ア スクールサポーター制度の活用について、過去5年の実績をご報告ください。
  イ 同制度が有効に機能するには、各学校をはじめ関係機関が警察との連携・協力を進めていく必要があります。取組状況、成果と課題をご説明ください。
  ウ 同制度が機能し、自殺予防につながった事案につき、把握の状況をご説明ください。
 4 総合教育会議について
   私は令和4年2月25日の一般質問において、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の4第3項に基づき、総合教育会議の招集権者である小池百合子知事に、「コロナ禍の子供たちは、閉塞感に見舞われ、自殺も虐待も家庭内暴力も急増している深刻な状況ですが、知事が招集する総合教育会議が今年度一度も開かれておりません。
   所信表明でもチルドレンファーストを高らかに掲げている小池知事なのに、なぜ開催しなかったのか、理由を東京の子供たちに分かるように知事が説明してください。
   子供たちは、最も安全であるはずの学校で、暴力や健康被害にさらされ続けています。従前から、学校保健安全法二十六条の遵守を私は求めておりましたが、ありとあらゆる暴力と学校災害から子供を守る学校安全条例の制定をする節目と考えております。新設条例を数々手がけられた知事の所見をお聞かせください。」と質問いたしましたが、答弁拒否をされました。そこで、以下、伺います。
  ア 今年度におきましても、同会議は開催されず、招集の目途すら示されておりません。この間、教育長も交代しました。コロナ禍により教育現場には大きな影響、支障が生じております。課題が山積しているのに、なぜ1年以上も開催していないのか、同会議は必要ないとお考えなのか、唯一の招集権者である知事のご所見を伺います。
  イ 今後もなお、同会議を開くつもりはないのか、いつまで開かないのか、唯一の招集権者である知事のご所見を伺います。
  ウ 墨田工業高校におけるプール飛び込み事故をはじめ、都内においても、学校事故は後を絶ちません。先の一般質問において、私は「学校安全条例」の制定を求めました。同条例は、早稲田大学の喜多明人名誉教授をはじめ日本教育法学会が案文を公表し、学校事故の被害者や保護者たちも制定を求めております。同条例の制定の必要性につき、総合教育会議の唯一の招集権者である知事のご所見を伺います。
  エ 知事は都の教育政策について、どのようなお考え、ヴィジョンをお持ちなのでしょうか。教育交流を目的と掲げていたはずの中東訪問でも、示されておりません。総合教育会議の唯一の招集権者である知事のご所見を伺います。

三 障がい者政策・移動保障について
  都内の視覚障がい者の方から以下のご意見を頂きました。
   「ゆりかもめは、視覚障害で液晶パネルが見えない人にはお手上げでした。まず、新橋。以前、料金同じだからと子供切符で買った時、福祉切符を買ってください、子供切符はダメと言われました。今回福祉ボタンを押し、音声応答で、手帳を台に乗せてと言われた台がどこかわからない。手帳を下向き、上向きがわかりにくい説明。設定したから液晶をタッチしてと言われても見えない。自分でテンキーで買いたいので窓口駅員にお願いしたがわからない、もう一人助っ人駅員来てもわからず。音声案内の人もわからず結局、タッチしてもらいましたそうでないと買えないから、選択肢はなし。Suicaではいってもテレコムは無人だから割引はできないとのこと新橋で切符買う選択肢しかないでも自分で買えるようになってない。駅員も使いかた研修受けておらずわからず」
  過去に「先日、夫が突然車椅子生活になった女性から、外出で電車利用のとき、子供用ボタンで切符を買うことに大変驚いたという話を聞きました。障害者が介護者同伴で公共交通を利用する場合に運賃が半額になる制度は、窓口で障害者手帳を提示して切符を購入することになっています。その後、自動券売機で購入した子供用切符でも代用できるようになりましたが、大人の障害者が子供のボタンしか選択できないことは問題です。
  関西では、私鉄各社で券売機に障害者割引ボタンを設置しており、東京でも、りんかい線に設置されています。福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルの2000年版には、誘導基準に、券売機に障害者割引ボタンを設置するとありました。
  都は、2020年オリンピック・パラリンピック開催都市として、ユニバーサルデザインの視点に立ったまちづくりを充実させていく必要があります。
  障害者割引ボタンについては、国のバリアフリー法ガイドラインにも書かれており、現在見直しがされている福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルに入れるべきと考えます。見解を伺います。」との質疑がなされ「自動券売機への障害者割引ボタンの設置についてですが、現在、多くの鉄道事業者では、関係団体等からの要望を踏まえ、障害者割引の方法の一つとして、自動券売機で購入した小児乗車券を代用する方式を取り入れております。
  また、このほかにも、改札窓口で障害者手帳を提示して割引乗車券を購入する方法や、ICカードを利用して降車駅で精算する方法など、各鉄道事業者において障害者に配慮したさまざまな割引の方法がとられているところでございます。
  そのため、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルにおいて、障害者割引ボタンの設置を、一律に望ましい基準として示すことは考えておりません。」と当時の福祉保健局長が答弁しています。
  先の第2回定例会における一般質問でも聴覚障がい当事者でもある、斉藤りえ都議も都営交通機関での障がい者利便性向上を求めたところです。私も公営企業委員に就任し、常に障がい者への接遇とサービス介助士の取得状況を確認してきましたが、なかなか現場の運用が機能できてないことがわかりました。ついては以下につき確認いたします。
 1 無人駅での障がい者対応について現在どのような運用となっているのか、液晶画面が見えない、認識しにくい障がい者への対応、なぜかテンキーで出てこない福祉割引チケットを視覚障がい者がどのように購入するか、無人駅や無人時間帯の情報はどう障がい者は把握すればいいかも含めてお答えください。
 2 障がい者向けの券売機の操作について、職員がわかっておらず、たらいまわしになったり長時間待たされる事例が散見されていますが、どのような研修が行われているのでしょうか。
 3 小児用の半額切符で対応するなど弾力的な対応はできないものか確認します。
 4 都営交通の障がい者の接遇について、たとえば視覚障がい者は「このバスは〇〇〇駅行きか?」と尋ねても無音で頷かれては目が見えないのでわかりません。バスの案内テープを飛ばしてしまうと降りるところがわからなくなったり、なんらかの事情で、いつもより後方で降ろされてしまうとどこにいるのかわからなくなってしまいます。研修もマニュアルもあるのは承知しておりますが、日々の少しの気配り気遣いで障がい者が格段に交通機関を利用しやすくなると思料いたします。四角四面な指導・研修ではなく、それぞれの障がい属性にあわせた声がけや誘導などの合理的配慮が自ずと自然に全職員が対応できるようにするにはどうしたらいいのか、ぜひ考えて頂きたく所見を伺います。
 5 都営交通における平成18年施行の「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)への対応状況について、障がい当事者の声をどのように収集し、フィードバックしているか、実績と成果、課題をお示しください。

令和4年第二回都議会定例会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 知事のトップマネジメント・ガバナンスについて
  1 太陽光パネル設置義務化について
   ア 小池知事が義務化検討を指示した時期、契機、根拠を時系列で伺う。

回答
  令和3年1月27日、「ダボスアジェンダ」にて2030年カーボンハーフを表明し、同年3月、「ゼロエミッション東京戦略」のアップデート版を公表しました。都内CO2排出量の約7割は建物由来であり、2050年のゼロエミッション東京の実現に向けて、新築建物対策が重要であることから、様々な報告を受けながら以下のとおり検討を行いました。
・令和3年3月 都内住宅への太陽光パネル導入ポテンシャルについて
太陽光パネルの価格と技術動向について
太陽光パネルのリサイクル促進等について
・令和3年7月 カリフォルニア州の太陽光義務化制度について
・令和3年9月 太陽光発電の設置義務化のスキーム等について
こうした検討を重ね、令和3年第三回定例会の所信表明において、住宅等への太陽光パネル設置義務化の検討について表明し、同年10月に環境審議会に対して条例改正の在り方を諮問しました。

質問事項
 一の1のイ 東京都民には設置の拒否権があるのかないのか、拒否権の有無についてどう周知するのか具体的に伺う。

回答
  本制度において、住宅供給事業者が住宅購入者に対して、断熱・省エネ、再エネ等の環境性能に関する説明を行うことが求められています。住宅購入者は、事業者からの説明を聞き、環境性能についての理解を深め、環境負荷低減に努めるという観点から検討し、購入等について判断する仕組みになっています。

質問事項
 一の1のウ 設置コストは電気代削減や売電収入により、6年あるいは10年で初期投資が賄えるとのことについて
      a 客観的根拠について伺う。

回答
  令和3年の総務省の家計調査では、二人以上世帯の毎月の電気代は約1万円程度になります。太陽光発電設備を4キロワット設置した場合、自家消費や売電収入により、月々の実質的な電気代負担は約2,300円になり、約7,700円の削減につながります。年間では約9万2千円の削減になります。一方、太陽光発電設備の設置費用は、民間の調査結果では、約98万円であることから、固定価格買取の期間である10年程度で初期投資費用が回収できる見込みです。現在都が実施している4キロワットで40万円の支援制度を利用した場合、初期投資費用の回収期間が6年に短縮されます。

質問事項
一の1のウのb その際、理想的な住宅だけではなく、手狭かつ日照が良いとは限らない、太陽光パネル設置に不向きな東京の住宅事情についての検討も合わせて伺う。

回答
  都が現在検討している制度では、東京ソーラー屋根台帳等を活用し、日照条件の悪い地域を義務量算定から除外することや、日照条件に応じた、地域ごとの設置率を定めることを検討しています。

質問事項
一の1のウのc 太陽光発電は出力が不安定なため、発電した電気の経済的価値は発送電システムの回避可能原価に限られ、これは火力発電の燃料費分程度しかない。電気代削減や売電収入との差額は全て一般都民の負担となるが、この金額について伺う。

回答
  太陽光発電など、再生可能エネルギーの買取りに要する費用は、国の制度である再生可能エネルギー発電促進賦課金から賄われており、令和4年5月からの単価は、1キロワットアワー当たり、3.45円となっています。

質問事項
 一の1のエ 地震等などの災害時における、落下、引火等設置による危険性に対して消火活動等対策を伺う。

回答
  災害時における落下等の防止については、住宅等の屋根に設置される太陽光発電設備は建築設備として建築基準法令に基づき安全性が確保されることになります。
  また、太陽光発電設備が設置されている住宅等の火災においても、水による消火は可能であり、消火活動において直接水をかける場合は、活動隊員の安全確保の観点から、噴霧状の放水や放水距離を確保するほか、必要に応じて絶縁性の高い防護衣等を着用しています。
  さらに、鎮火後、必要に応じて太陽光発電モジュールを消防活動用の遮光シートで覆うことで、再出火防止を図っています。

質問事項
 一の1のオ 太陽光パネル火災について
      a 太陽光パネル設置による火災や家屋損傷など都民の私有財産である家屋に被害が発生した場合、及び故障や経年劣化により修理が必要となった場合の補償等責任について伺う。

回答
  一般的に太陽光パネルメーカーは、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどを対象に10年以上のメーカー保証を実施しています。そのため、保証期間中の故障等については、メーカー保証により修理等が可能となります。また火災や自然災害については、住宅所有者が通常加入している住宅用火災保険等により備えることができます。

質問事項
一の1のオのb これまでの火災で太陽光パネルや周辺機器が燃えて消火活動に支障をきたしたり、消防士が感電した等の事例・件数について伺う。

回答
  これまで東京消防庁管内で発生した火災で、太陽光パネルや周辺機器が燃えて消火活動に支障を来したり、消防士が感電した等の事例はありません。

質問事項
 一の1のカ 設置された建物が空き家となった際、安全に維持管理できるのか、また事故発生時誰がどのように責任を取るのか伺う。撤去する場合の費用についても伺う。

回答
  空き家となっている建物と同様、設置された太陽光発電設備の適切な維持管理は所有者の責務となります。
住宅用太陽光発電設備に関する撤去からリサイクルまでの費用は、発電設備の設置容量や、取外しの状況、処理施設への運搬効率など、個々のケースによって異なりますが、国や都の調査報告書に基づき試算すると、現時点では概ね30万円程度となります。

質問事項
 一の1のキ 廃棄処分の方法や処分場所、太陽光パネルに含まれている有毒物質の処理方法について伺う。

回答
  太陽光発電設備の処分の方法には、リユース、リサイクル、埋立処分があり、十分な発電性能が残存する場合には、リユース品となります。
  リユースされずに廃棄される場合には、法令に基づき、廃棄物処理施設において、ガラス、アルミ、太陽電池セル等の素材ごとに分離し、リサイクルされるほか、管理型最終処分場での埋立処分などが行われています。

質問事項
 一の1のク 設置後の受電体制は整っているのか、設置者すべてが売電できるのかインフラの状況について伺う。

回答 
  住宅用太陽光発電設備と考えられる10キロワット未満の固定価格買取制度電源については、当面の間、出力抑制及び出力抑制装置等の設置の対象外とされています。

質問事項
 一の1のケ 現在リサイクル業者は日本中でわずか30社しかない。まず間近に迫った「2030年問題」のパネル機器の廃棄・リサイクルがこれらの受け皿で一台も取りこぼすことなく対応ができるのか、具体的対策と処分・リサイクル・再利用の行程を伺う。

回答 
  現在、首都圏全体では、7つのリサイクル施設が稼働しており、このうち3施設は、ここ2年の間に新たに整備されたものです。
こうした施設は、現在、主に使用済みとなった事業用太陽光発電設備を処理していますが、今後は、排出量の増加が見込まれる住宅用太陽光発電設備についても、活用していくことが重要です。
都は、関係事業者と今年度立ち上げる協議会において、こうした排出量や施設に関する動向等の情報を共有して、リサイクルルートを確立するともに、事業者と連携してリサイクルを促進していきます。

質問事項
 一の1のコ 今後世界情勢や天災により、電気料金の高騰は避けられないことから、自家利用でもっと有利になるという小池知事の説明には多くの都民は納得していない。電気代削減や売電収入だけで計算するから無理があるため、それに撤去・廃棄費用、故障・修繕・メンテナンス等の支出リスクを含めたトータルのコストの積算を伺う。

回答
  太陽光パネルを4キロワット設置した場合、初期費用やパワーコンディショナー等の機器更新を含む30年間のコストは、121万円程度、現行の補助金を利用した場合には、81万円程度と試算しています。
これに対し、自家消費による電気代削減や売電収入の合計は240万円程度であり、補助金を利用しない場合には、収入がコストを119万円程度上回り、利用した場合には、その差額が159万円程度まで拡大します。
なお、30年目以降、リサイクルを行った場合には、約30万円の費用が別途発生しますが、太陽光発電の設置による経済性は確保されています。

質問事項
 一の1のサ 天災による被害について
      a 令和4年6月3日に関東の広範囲で雹が降り、各地で被害が発生した。年内に条例制定をめざしていることから当然、雹による太陽光パネル破損被害状況は把握していると思うが報告の上、義務化にかかる雹の対策について伺う。

回答
  太陽光パネルのガラス面は、降雹を想定し、最小値25ミリメートルの氷球を毎秒23.0メートルの速度で当て、これに耐えうることがJIS規格で定められています。
令和4年6月3日に関東地方で雹が降り、太陽光パネルに被害が発生した例があることについては、被災地へのヒアリングにより、一部で被害が発生しているとの回答を得ています。
こうした被害に対応するためには、住宅所有者が通常加入している住宅用火災保険等により備えることができます。

質問事項
 一の1のサのb 同じく、雷の多い東京にあり、太陽光パネルへの落雷による被害状況と義務化に係る対策について伺う。

回答
  太陽光発電協会によると、太陽光パネルが直接落雷を受けたという事例は極めて稀であり、一般住宅の屋外に設置されている他の電気機器と同様に太陽光発電パネルが落雷を受けやすいということはありません。

質問事項
 一の1のサのc 同じく、台風の多い東京にあり、太陽光パネルが強風等で破損する、吹き飛ばされ周辺にも被害が及んだ事例と義務化に係る対策について伺う。

回答
  太陽光パネルの耐風圧はJIS規格で定められており、風速に換算すると風速62メートルに耐えうる設計となっています。
  また、取り付け強度もJIS規格に基づき荷重を計算し、風などの荷重に耐えるように設計されています。適切な施工、定期的な点検を行っていれば、大きな被害等は発生しないと考えています。

質問事項
 一の1のサのd 同じく、大規模な水害が想定されている東京にあり、被災地における無数の太陽光発電設備による感電死などの二次災害の危険および復旧作業への障害についてまとめ、対策について伺う。

回答 
  太陽光発電協会によると、台風や大雨、局所豪雨の影響による大規模災害により太陽光発電システムが水没・浸水した場合には太陽光発電システムや電気設備に十分な知見を持つ専門家へ依頼することが必要です。なお、同協会からは、太陽光発電システムが水没・浸水した場合の感電による事故等事例はないと聞いています。

質問事項
 一の1のシ 今現在、東京都、知事あてに「都民の声」あるいは電話などに寄せられた太陽光パネル設置義務化に寄せられた意見はどのようなものがあり、賛否の割合はどうなのか内訳、件数も含めて伺う。

回答
  太陽光発電設備の設置義務化の検討について所信表明を行った令和3年9月以降、都民の声、電話等により、約2,400件の問合せをいただいています。主な内容としては、火災や災害、廃棄・リサイクル、コストなどについてであり、こうした問合せ等に対応するため、環境局ホームページに太陽光ポータルを新設し、太陽光パネルに係る様々な情報を提供しています。今後も丁寧で分かりやすい情報発信に努めていきます。

質問事項
 一の1のス 「年内に条例制定をめざす」としているが今後にわたり、条例提案の全面撤回・中止を求めるものだが、見解・判断根拠を伺う。

回答
  ロシアのウクライナ侵攻による原油、天然ガスなど供給不安は、我が国の海外へのエネルギー依存、化石エネルギーへの依存といった課題が浮き彫りになっています。
  また、気候危機は身近に迫っており、2030年カーボンハーフ及び2050年ゼロエミッションの実現に向け取組を加速していく必要があります。そのため、今後数十年にわたって使用される新築住宅のゼロエミッション化は急務です。既に、アメリカやドイツ等の海外の都市では太陽光発電設置義務化の流れが進んでいます。都においても、住宅に太陽光発電設備の設置が標準化されることを目指しています。これまで環境審議会において専門家や事業者等の意見を伺い制度検討を行い、令和4年5月に中間のまとめが提出され、パブリックコメントを実施し、8月に最終答申が提出されました。今後、答申を踏まえ制度構築を進めて行きます。

質問事項
 一の1のセ 太陽光発電関連会社「株式会社テクノシステム」社長同社役員の逮捕報道について
      a 小池知事の秘書と語られていた水田昌宏氏と株式会社テクノシステムの社長は、不動産取引をされていたとのことだが、この件について、知事は関与しているのか具体的に伺う。

回答 
  水田氏個人に関することであり、関知するところではありません。

質問事項
 一の1のセのb 小池知事は同社社長より個人献金を受けていたとのことだが、多くの都民から「利権が存在しているのではないか」という疑念の声が届いているなか、献金を受けた経緯、関係性、事件との関与について具体的に伺う。

回答
  政治資金規正法に則り適切に対応しています。
  なお、御質問のその他の件については、私の関知するところではありません。

質問事項
 一の1のソ 現在、世界の太陽光パネルの8割は中国製であり、その内6割は新彊ウイグル自治区製であるが、強制労働との関連の疑いから米国では輸入禁止措置をとっている。都として、新彊ウイグル自治区製の太陽光パネルの使用への対策について伺う。

回答
  住宅用太陽光パネルのシェアが多い国内メーカーに問い合わせたところ、当該地区での生産品の使用、製品の輸入を行っている事実は確認されていないとの回答を得ています。今後とも、太陽光パネルに係る様々な状況について、情報収集を行っていきます。
  また、国際通商に関わる事柄であることから、都としては政府の動向を注視しながら、適切に対応していきます。

質問事項
 一の2 神宮外苑樹木伐採について
   ア 100歳の樹木という「生き物」を近代的な高層ビルや一般都民が利用できない施設をつくるため伐採することを小池知事は是認しようとしている。「サステナブルリカバリー」「SDGs」「ダイバーシティ」等の概念と伐採行為との整合性について伺う。

回答
  事業者の計画では、神宮外苑地区の歴史と風格を継承するため、既存樹木については、4列のいちょう並木を保存するとともに、樹木の状態などを詳細に調査し、設計の工夫などにより、極力保存又は移植することとしています。
加えて、生物多様性等にも配慮しながら、質の高い新たな緑も創出し、従来よりも緑の量を増加させるとともに、それらを適切に維持管理しながら樹木を育成することで、地区全体でCO2の吸収能力の向上を図ることとしています。
さらに、バリアフリー化された安全で快適な歩行者空間を整備するとともに、誰もが様々なスポーツなどに親しめる機会を創出していくこととしており、例えば、中央広場では、子供や高齢者、障害者など、誰もが参加できるスポーツイベントの開催等を実施することとしています。
このように、本計画は、「サステナブル・リカバリー」、「SDGs」、「ダイバーシティ」等の考え方を踏まえたものとなっています。

質問事項
 一の2のイ 日本イコモス国内委員会より「樹木の伐採を回避し近代日本の名作・神宮外苑を再生する」との提案を受け、伐採ありきではなく保存ありきで再検討すべきだが、この提案をどう受け止め、どのように活用するか所見を伺う。

回答 
  神宮外苑地区の再開発は、都が定めたまちづくり指針等を踏まえ、民間地権者が提案し、競技の継続性に配慮したスポーツ施設の連鎖的な建替えや広場の創出、みどりの充実を図り、開かれた庭として再生していくものです。
一方で、イコモスの提案については、スポーツ施設の現地建替えを前提としており、競技の継続性の問題など、課題も多いと思われます。
なお、都は事業者に対し、既存樹木について、複数の樹木医の意見も聴きながら、樹木の状態などを詳細に調査し、設計の工夫などにより、極力保存又は移植するよう要請しています。

質問事項
 一の2のウ コロナ禍、物価高騰に苦しむ都民の憩い場として、軟式野球場など一般市民が利用できる公益性の高い施設が保持されるべきだが、保持をするのか、これらを廃止することがどう都民益に叶うのか、伺う。

回答
  神宮外苑地区の再開発では、バリアフリー化された安全で快適な歩行者空間を整備するとともに、地区全体で誰もが様々なスポーツなどに親しめる機会を創出していくこととしており、例えば、中央広場では、子供や高齢者、障害者など、誰もが参加できるスポーツイベントの開催等を実施することとしています。
  また、複合棟Bには、室内球技場を整備し、多様なスポーツ交流を図るとともに、ラグビー場は、全天候型の施設として、他の競技やイベントの開催など、多目的な利用を図ることとしています。

質問事項
 一の2のエ 特に明治神宮球場については、外苑における一連の歴史的建造物であると共に貴重な文化財として「改修保存」「長寿命化」をはかることこそ「サステナブルリカバリー」「SDGs」「ダイバーシティ」と考えるが、CO2と廃材を多量に発生させ建築文化を壊すスクラップアンドビルドのどこにこれらに符合するのか伺う。

回答
  明治神宮野球場は、年間約450試合が行われており、数多くの大会も実施されていますが、竣工後95年余りが経過し、老朽化が著しい上、競技環境・観戦環境ともに陳腐化が進んでおり、競技場としての魅力の面で課題があります。
このため、事業者は、競技の継続性に配慮し、ラグビー場と野球場を連鎖的に建て替え、競技空間の拡張、バリアフリー動線やゆとりある観客席の確保など、世界に誇れる水準の競技環境・観戦環境を備えた施設として更新することとしています。
また、その際には、質の高い緑空間の拡充に加え、建設リサイクルの推進など、環境負荷の低減に努めていくこととしています。

質問事項
 一の2のオ 当計画はコロナ禍パンデミック以前に構想されたものであり、リモートワークの定着によるオフィスの需要の低減などその後の多様な社会変化の充分な分析、科学的客観的経済学的検証を実施すべきだが所見を伺う。
      
回答
  今般のコロナ禍も踏まえて令和3年3月に改定した「都市計画区域マスタープラン」では、今後も国際競争力を高め、東京が持続的に発展していけるよう、都市全体の集積のメリットを生かしながら、三密を回避し、感染症の拡大防止と経済社会活動の両立を図る新しい日常にも対応する、サステナブル・リカバリーの考え方に立脚した強靭で持続可能な都市づくりを進めていくこととしています。
今回の神宮外苑地区の再開発の計画は、このマスタープランも踏まえ、民間事業者が将来のオフィス需要など様々な観点から検討し、提案したものであると認識しています。

質問事項
 一の2のカ 神宮外苑における街路樹千本の樹木伐採による環境破壊は、都が掲げているSDGsやCO2の削減等ありとあらゆる「環境政策」に反するものだが、今後もこのような耳あたりのよい環境政策で都民を欺き、工事ありきの環境破壊政策に転じさせ東京の文化も建造物も木々も破壊し続ける愚策を続けるのか、所見を伺う。

回答
  神宮外苑地区の再開発では、既存の樹木を極力保存又は移植するとともに、質の高い新たな緑も創出し、従来よりも緑の量を増加させるとともに、それらを適切に維持管理しながら樹木を育成することで、地区全体でCO2の吸収能力の向上を図ることとしています。
また、高水準の環境性能を備えた施設への機能更新を図るとともに、再生可能エネルギーの積極的な活用を行うなど、CO2排出量の抑制に取り組むこととしています。
さらに、当地区の歴史的・文化的価値を継承するため、絵画館や4列のいちょう並木を中心とした、緑豊かで風格ある都市景観を保全するほか、騒音、振動、日影、電波障害、風環境などについても、「東京都環境影響評価条例」に基づき調査・予測を実施し、適切に配慮することとしています。
今後とも、環境に配慮したまちづくりを推進していきます。

質問事項
 一の3 内閣判断で、国有財産を無償貸与する根拠法は制定されているが、それは都に及ぶものではなく、無償貸与は都が条例により主体的判断で行ったということである。これらの都有財産について、その後の動向、現在の権利関係、借地料等は発生しているか、返還の見込みはあるのか、都にその意思はあるのかについて伺う。

回答 
  国立競技場敷地内の都有地の大会後の取扱いについては、都と独立行政法人日本スポーツ振興センターとの間で、有償による「定期借地権設定契約」を締結しています。
  当該契約の期間は令和4年4月から令和66年11月まで、賃料は年額8億2,200万円です。

質問事項
 一の4 知事・副知事の出張について
    ア 知事の中東出張について
     a 出張の目的、誰が発案したのか、起案から決定までの経緯を時系列で伺う。

回答 
  都立高校とUAE(アラブ首長国連邦)の高校との相互交流に向けて、関係者との意見交換等を行うため、UAEのアブダビ首長国を訪問しました。
  令和4年4月28日に、クウェート国及びアブダビ首長国への出張の実施を決定しましたが、同年5月13日にUAEのハリーファ前大統領殿下が逝去され、現地が服喪期間に入るため、同月14日に出張の延期を決定しました。
その後、教育機関等への訪問が可能となったため、同月15日にアブダビ首長国への出張の実施を決定しました。

質問事項
 一の4のアのb 教育分野の交流に向けて知事が自ら赴く意義は何か、「道筋はできた」との感想を述べられたが、具体的な目論見は何で、ロシアのウクライナ侵略を受け、国際情勢が不安定な中、我が国の外交に悪影響はないか、所見を伺う。

回答
  教育を通じてお互いの文化や慣習を理解することは、多文化共生の一層の推進を図る上で重要です。
今回の訪問では、教育に熱意をもって取り組んでいる国の政府要人との面会等を通じて、都立高校生とアブダビの高校生との国際交流を、具体的に進めていくことで合意を得ました。

質問事項
 一の4のアのc 面会相手の氏名・役職と、何のために面会し、会談が持たれたか、具体的に伺う。

回答
  UAEのムハンマド大統領、ナヒヤーン寛容・共生大臣、ハーリドアブダビ執行局長等と、東京とアブダビの高校生の相互交流の実現に向けて連携を強化するために、面会しました。

質問事項
 一の4のアのd この出張経費と随行人員・役職、日程を伺う。

回答
 今回の出張に係る総経費は約7,055千円です。
知事は、令和4年5月15日から同月18日まで出張し、随行した職員は、政務担当特別秘書及び外務長です。
なお、このほか、政策企画局から3名が出張しました。

質問事項
 一の4のイ 宮坂副知事のドバイ出張について
      a 出張の目的、誰が発案したのか、起案から決定までの経緯を時系列で伺う。

回答 
  UAE(アラブ首長国連邦)への出張は、海と緑の環境に調和したサステナブルな次世代都市の実現に向けて、海外都市の先進事例や「2020年ドバイ国際博覧会」などの視察及び現地担当者との意見交換を行うことを目的に実施しました。
令和3年11月に公表した「東京ベイeSGまちづくり戦略(ドラフト)」の検討過程において、世界から人と投資を呼び込み発展を遂げているドバイ首長国の都市づくりについて、現地視察や関係者との意見交換を含めて調査を行うこととしました。
その後、令和4年3月の新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置の動向を注視しながら、現地視察に向け、必要な経費や日程等の検討を行い、政策企画局では同年3月16日に、都市整備局では同月23日に出張の実施を決定しています。

質問事項
 一の4のイのb 宮坂副知事が出張する必要性について、目的に照らして伺う。

回答 
  今回の出張は、デジタルと先端技術の実装などの先進事例や、世界各国の最先端テクノロジーが集結する「2020年ドバイ国際博覧会」などを視察するとともに、UAE政府AI担当大臣や現地担当者と意見交換を行うことを目的とし、実施したものです。

質問事項
 一の4のイのc 面会相手の担当・役職と、何のために面会し、会談が持たれたか、具体的に伺う。

回答
  UAE政府AI担当大臣との面会では、テクノロジーの活用及びスタートアップの集積について会談しました。
  また、在アラブ首長国連邦日本国大使館の特命全権大使との面会では、UAEの都市事情及び日本とUAEの関係性について、意見交換しました。
  加えて、ドバイ国際博覧会においては、2020年ドバイ国際博覧会日本政府代表と面会して、より効果の高い発信方法など、展示の基本コンセプトについて意見交換するとともに、持続可能をテーマとしたスウェーデンパビリオンの政府代表らと面会して環境に関する発信について意見交換しました。
  その他、ドバイの都市デザインなどに精通した民間企業の現地担当者と意見交換しました。

質問事項
一の4のイのd この出張経費と随行人員・役職、日程を伺う。

回答 
  出張に係る総経費は、約4,720千円です。
  日程は、令和4年3月26日に出発し、同月27日から同月30日にドバイ首長国、同月31日にアブダビ首長国、同年4月1日にシャルジャ首長国を視察し、同月3日に帰国しました。
  随行した職員は5名で、都市整備局からまちづくり調整担当部長をはじめ3名が、政策企画局から2名の職員が出張しました。

質問事項
 一の4のウ 令和4年2月25日一般質問で、宮坂副知事が答弁しなかったことについて
      a コロナ対策サイトはコード・フォー・ジャパン。医療者向けワクチン予約サイトはデジタルガレージ。時短協力金申請業務は、トランス・コスモスが受注しているが、どの企業も宮坂副知事のヤフー時代に深い関係があった企業である。これらの事業者と副知事の就任以来も含めて何らかの利害関係があるのか、また、この三社において、ほかの都政事業における受注状況と実績、その評価を伺う。

回答
  受注事業者3社と宮坂副知事との間に利害関係はありません。
  また、令和4年度、この3社の現時点の他の事業の受注については、電子調達システムによると、トランス・コスモス株式会社が1件契約しており、適切に履行されています。

質問事項
 一の4のウのb 政策企画局職員が委託事業者に対して契約外の業務の実施を指示し、戦略政策情報推進本部職員がこの下請業者に予算額をあらかじめ示し、懲戒処分が下されたが、宮坂副知事はこの職員と何らかの利害関係はあったのか伺う。

回答
  副知事と職員との間に利害関係は存在しません。

質問事項
 一の4のウのc DX政策に不正や癒着が入り込まないよう危倶することから、関係職員の採用も含め厳しい再発防止策を講じるべきだが、事件を受けての所見も含め、対応を伺う。

回答 
  一昨年度の事故を受けて、職員を対象に、服務規律の遵守について周知徹底を図るほか、コンプライアンスに関する研修を実施するなど、再発防止のための取組を行っています。
  引き続き、法令遵守など、全体の奉仕者としての意識を徹底していきます。

質問事項
 一の5 グローバルダイニング社への「一社つるし上げ」の違法判断について
   ア なぜグローバルダイニングを一社つるし上げ、狙い撃ちにしたのか理由を伺う。

回答 
  都は、昨年1月からの緊急事態措置において、飲食店等に対し、営業時間を20時までにするよう要請しました。その遵守状況を調査した上で、開店が確認された店舗について、職員による個別の働きかけを行い、要請に応じないことを確認し、文書による個別要請を繰り返し実施しました。
こうした手続きを重ねた上で、なお要請に応じない店舗のうち、営業を継続し、客の来店を促すことで、飲食につながる人の流れを増大させ、市中の感染リスクを高めていることに加え、緊急事態措置に応じない旨を強く発信するなど、他の飲食店等の20時以降の営業継続を誘発するおそれがあることを確認した32店舗に対して、特措法第45条第3項に基づく命令を行ったものです。

質問事項
 一の5のイ 実際にクラスター及び新型コロナウイルス感染症の蔓延がグローバルダイニング社店舗で確認されていたのか、確認されていたのならその具体的内容について、伺う。

回答
  国の通知によれば、命令の発出に当たり、必ずしも現に対象となる個別の施設においてクラスターが発生している必要はないとされています。
  都は、繰り返しの要請に応じず、営業を継続し、客の来店を促すことで、飲食につながる人の流れを増大させ、市中の感染リスクを高めていることに加え、緊急事態措置に応じない旨を強く発信するなど、他の飲食店等の20時以降の営業継続を誘発するおそれがあることを確認した店舗に対して、命令を行ったものです。
  なお、命令を行うに当たっては、現地を確認し、20時以降に営業している事実を確認しております。

質問事項
 一の5のウ 命令の適法性と必要性について根拠を示してご説明の上、この司法判断をどう東京都及び小池知事は受止め、一社つるし上げのような愚行を再発しないため取り組むのか具体的な対応を伺う。

回答
  都は、繰り返しの要請に応じず、営業を継続し、客の来店を促すことで、飲食につながる人の流れを増大させ、市中の感染リスクを高めていることに加え、緊急事態措置に応じない旨を強く発信するなど、他の飲食店等の20時以降の営業継続を誘発するおそれがあることを確認した店舗に対して、命令を行いました。
  この命令は、医療や経済、法律などの専門家から妥当であるとの意見を得るとともに、国とも情報を共有しつつ、発出したものであります。都としては、必要かつ適正な対応と認識しております。

質問事項
 一の6 行動の自由を制約するコロナ対策を都民・事業者に強いていた最中に自身が明らかにこれらに反する行動を度々されてきた件について、都民への説明を伺う。

回答
  いずれの点についても、その時の状況を勘案しながら、適時適切に判断したものです。

質問事項
 二 子ども・教育政策について
  1 熱中症対策について
   ア 市内全小中学校におけるマスク自由化を発表した多摩市教育長のメッセージについて、都教育委員会の所見を伺う。

回答
  多摩市教育長のメッセージは、文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」に基づいた内容です。
  都教育委員会は、多摩市教育委員会が設置者として、市内全小中学校の保護者や地域の方へ周知したものと認識しています。

質問事項
 二の1のイ 「学校生活における児童生徒等のマスクの着用について」の文部科学省通知について、都教育委員会の所見を伺う。

回答
  都教育委員会は、「新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドライン(都立学校) 学校の「新しい日常」の定着に向けて 」に基づき、学校における基本的な感染防止対策を徹底するとともに、令和4年5月24日付けの文部科学省通知「学校生活における児童生徒等のマスクの着用について」を踏まえ、児童生徒等がマスクを着用することで、熱中症のリスクが高まることのないよう、周知を図っています。

質問事項
 二の1のウ 「学校生活における児童生徒等のマスクの着用について」の文部科学省通知について、都内の公立学校への周知の取組状況について伺う。また、各学校からの反応や危惧点についても伺う。

回答 
  都教育委員会は、都立学校及び区市町村教育委員会に対し、通知の内容を周知しました。
  各学校では、ガイドラインに基づき感染防止対策を徹底するとともに、本通知も踏まえて、マスクの着用について適切に対応しています。

質問事項
 二の1のエ 「学校生活における児童生徒等のマスクの着用について」の文部科学省通知について、都内の私立学校への周知の取組状況について伺う。また、各学校からの反応や危惧点についても伺う。

回答
  都は、マスクの着用に係る文部科学省通知について、都内の私立学校に対する周知を実施しています。
  なお、相談や問合せに対しては、生活文化スポーツ局私学部において、通知内容を踏まえた助言等を行っています。

質問事項
 二の1のオ 特別支援学校および特別支援学級における登下校中を含むマスク着用の指導の取組状況について伺う。

回答
  都立特別支援学校においては、他の都立学校と同様に、国及び都の方針に基づき、健康管理の視点から、スクールバスや公共交通機関を利用する場合を含め、マスクの着用について適切に対応しています。
  また、特別支援学級を含む小・中学校に対し、区市町村教育委員会を通じてマスクの着用に関する留意事項を周知しています。

質問事項
 二の1のカ 一昨年の新型コロナウイルス感染拡大以来、マスク着用に起因していると疑われる熱中症、その他体調不良事案は発生していないか、都の把握の状況・内容を伺う。

回答
  都教育委員会が策定した、事故発生報告等の指針に基づき、都内公立学校において、重篤な症状の熱中症等の事案が発生した場合、都教育委員会に報告するよう定めており、報告を受けるに当たっては、マスクの着用などを含む状況について確認しています。
  なお、報告を受けた事案において、熱中症の発生が、マスクの着用に起因しているかどうかは不明です。

質問事項
 二の1のキ 熱中症対策として、各学校において水筒の持参が認められている。この取組状況と感染症・食中毒の対策について、現状を伺う。

回答 
  これまで各学校は、設置者である教育委員会の指導の下、校長の責任において水筒の持込み等の対応を進めてきました。
  都教育委員会は、毎年、文部科学省の通知を受け「熱中症事故の防止について(通知)」を都立学校及び区市町村教育委員会に発出しています。
  各学校においては、教育委員会の指導の下、校長の責任において適切に対応しています。

質問事項
 二の2 施設における子どもの権利保障について
    ア 社会的養護の子ども達は保護者がいないことからも、児童養護施設等におけるCDRこそ重要だと考えるが、まず、自殺が発生した場合の対応や原因究明、実態把握をどのようにしているのか伺う。

回答
  児童養護施設等で入所児童の死亡事故が発生した場合、施設は、救急や警察に通報するとともに、都にも報告します。
  都は、現地を確認するほか、事故発生前の児童の生活状況などについて、施設職員からの聴き取りを行うなど、状況把握を行います。
  仮に施設内での不適切な対応等が疑われる場合には、別途調査を行います。
 

質問事項
 二の2のイ 長期間にわたり施設に入所していて自殺に至った場合は、その前兆を把握できなかったのか、検証などしているのか、検証を今入所している子どもたちのために活かされているのかについても伺う。

回答 
  児童養護施設では、入所児童に対し、日頃から、複数の職員が協力して生活支援を行うとともに、心理担当職員を配置し、必要に応じて、心理面接やプレイセラピーなどのメンタルケアを行っています。
  死亡事故が発生した場合には、施設において、第三者による検証委員会などで事故に至った原因等を検証し、その結果を踏まえ、再発防止策を講じるなど、入所児童の支援に生かしています。

質問事項
 二の2のウ 過去3年にわたり、一時保護所も含め児童養護施設において在籍中に亡くなった児童を年齢別、実数、死因別に伺う。

回答 
  令和元年度から令和3年度までに児童養護施設で在籍中に亡くなった児童は、17歳と18歳が1名ずつです。死因については公表していません。

質問事項
二の2のエ 保護者が何らかの理由でご遺体を引き取らなかった場合、子どもの検死から埋葬までのプロセスと、なんらか弔ってあげて欲しいと考えるが、これまでどのように対応してきたのか伺う。

回答 
  児童養護施設の入所中又は一時保護中に子供が亡くなり、医師が異状を認める場合は所轄警察署に届出を行い、捜査機関による検視等が行われ、その結果を踏まえ、医師が検案を行います。
検視及び検案の結果、死因が特定できないなど、警察又は医師が必要と判断した場合は、解剖を実施します。
子供の遺体の引取者がいない場合は、施設又は児童相談所が引き取り、葬儀を行い、火葬の上、小平霊園ほか施設近隣の墓地等に納骨します。

質問事項
二の2のオ 施設内の子どもの意見表明権の保障について、子どもの権利ノートの利活用実績を踏まえて、成果と課題を伺う。

回答
  都は、児童養護施設等の入所児童向けに子供の権利ノートを小学生用と中高生用に作成しており、担当の児童福祉司が、児童の入所時に直接渡して説明するほか、中学校進学時にも中高生用を渡して改めて説明しています。
  また、権利ノートには、子供の権利擁護専門員への相談はがきを挿し込んでおり、令和3年度は19件が投函され、専門員等が相談に対応しています。
  なお、児童福祉法の改正を踏まえ、都における子供の権利擁護の取組を推進する方策を東京都児童福祉審議会専門部会で議論しており、その中で権利ノートを含む既存の取組の有効性を高める方策についても検討しています。

質問事項
 二の2のカ 一時保護所・養護施設職員の人権研修について、取組状況、成果と課題を伺う。

回答
  都の一時保護所では、全職員が定期的に受講する人権研修に加え、新任職員に対して子供の権利擁護に関する研修を実施しており、都立児童養護施設では、全職員を対象に権利擁護に関する研修を実施しています。
  民間児童養護施設では、各施設において権利擁護研修を実施しています。
  また、都や東京都社会福祉協議会児童部会が施設の職員向けに研修を実施しており、令和3年度は延べ279名が受講しています。
  こうした取組を通じて、一時保護所や児童養護施設の職員の権利擁護への意識を醸成しています。

質問事項
 二の3 スクールサポーター制度の活用状況について
    ア スクールサポーター制度の活用について、過去5年の実績を伺う。

回答
  児童・生徒の非行や暴力行為等について、学校は、警察職員であるスクールサポーターに対し、事案の解決に向けた助言や、必要に応じて児童・生徒への指導を依頼するなどしています。

質問事項
 二の3のイ 同制度が有効に機能するには、各学校をはじめ関係機関が警察との連携・協力を進めていく必要があるが、取組状況、成果と課題を伺う。

回答 
  都教育委員会と警視庁は、毎年度、連絡会議を開催し、児童・生徒の非行や犯罪被害の防止、いじめ問題をはじめとする健全育成上の課題の解決等に向けた連携の在り方について協議を行っています。
  また、都内の学校と各所轄警察署による連絡協議会を実施し、地域の実情を踏まえた児童・生徒の問題等に、迅速かつ的確に対処できるようにしています。

質問事項
 二の3のウ 同制度が機能し、自殺予防につながった事案につき、把握の状況を伺う。

回答
  例えば、スクールサポーターがいじめを行っている生徒に説諭したことで、問題が解決された事例等が、学校から報告されています。

質問事項
 二の4 総合教育会議について
    ア 今年度も同会議は開催されず、招集の目途すら示されず、この間、教育長も交代した。コロナ禍により教育現場には大きな影響、支障が生じている。課題が山積しているのに、なぜ1年以上も開催していないのか、同会議は必要ないのか、所見を伺う。

回答
  総合教育会議は、知事と教育委員会が教育政策の方向性や重点的な施策等について協議する会議であり、今後も必要に応じて開催します。
  この間、学校における新型コロナウイルス感染症対策については、東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議及び臨時教育委員会等において、機動的に対応しています。

質問事項
 二の4のイ 今後もなお同会議を開くつもりはないのか、いつまで開かないのか所見を伺う。

回答
  総合教育会議の開催については、必要に応じて検討します。

質問事項
 二の4のウ 「学校安全条例」は、早稲田大学の喜多明人名誉教授をはじめ日本教育法学会が案文を公表し、学校事故の被害者や保護者たちも制定を求めている。同条例の制定の必要性について所見を伺う。

回答
  学校における児童・生徒の安全の確保については、学校教育法や学校保健安全法等に基づき適切に対応しています。

質問事項
 二の4のエ 知事は都の教育政策について、どのようなお考え、ヴィジョンを持っているか。教育交流を目的と掲げていたはずの中東訪問でも示されていないが、所見を伺う。

回答
  知事は、総合教育会議における教育委員会との議論を踏まえて策定した東京都教育施策大綱において、東京の目指す教育として「誰一人取り残さず、すべての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育」の実現を掲げています。
  都立高校生と海外の学校との交流についても、この考えに基づいて進めています。

質問事項
 三 障がい者政策・移動保障について
  1 無人駅での障がい者対応について現在どのような運用となっているか、液晶画面が見えない、認識しにくい障がい者への対応、なぜかテンキーで出てこない福祉割引チケットを視覚障がい者がどのように購入するか、無人駅や無人時間帯の情報はどう障がい者は把握すればいいかも含めて伺う。

回答 
  ゆりかもめでは、無人駅での障害者対応については、お客様からのカメラ付インターホン呼出しにより、障害者手帳等を確認の上で、お客様センターからの遠隔対応を基本運用としています。液晶画面が見えない又は認識しにくい視覚障害者の方など、遠隔対応が困難な場合については、最寄り駅等から係員が急行し御案内をしていますが、テンキー機能により福祉割引運賃と同額の小児券を購入していただく御案内もしています。
  なお、新橋駅・有明駅・豊洲駅以外の駅は原則無人駅となっています。
  日暮里・舎人ライナーの無人駅での障害者対応については、カメラ付インターホンによる旅客指令からの遠隔対応を基本運用としています。遠隔対応が困難な場合は、巡回中の係員が急行し御案内をしています。
  都営交通無料乗車券をお持ちでない方が割引乗車券をお求めの場合には、インターホンなどを通じて障害者手帳等を確認の上、発売しています。
  多摩都市モノレールにおいて障害者割引制度を利用する際は、介護者が同行し、改札窓口又は券売機付近のインターホンで係員を呼び出し、係員への身体障害者手帳等の提示が必要です。
  無人駅などで係員が不在の場合は、券売機付近のインターホンで有人駅の係員を呼び出していただき、係員の遠隔操作で対応しています。
  視覚障害等で液晶画面の視認が困難な場合には、本人に代わり、介護者に御購入いただくことになります。

質問事項
 三の2 障がい者向けの券売機の操作について、職員がわかっておらず、たらいまわしや長時間待たされる事例が散見されるが、どのような研修が行われているか伺う。

回答
  ゆりかもめでは、係員及び関係協力会社のスタッフを対象に障害者への対応に関する研修を定期的に実施し、関係機器等の取扱いに関する講習を行っています。また、係員によるサービス介助士の資格取得を計画的に進めています。
  日暮里・舎人ライナーでは、係員を対象に、障害者への対応や関係機器等の取扱いに関する研修を行っています。また、係員のサービス介助士の資格取得を計画的に進めています。
  多摩都市モノレールでは、係員向けのマニュアルに障害者割引制度について記載し、OJTを通じた指導・研修を行っています。また、バリアフリー対応に関する研修を毎年実施するなど、必要な研修を行っています。

質問事項
 三の3 小児用の半額切符で対応するなど弾力的な対応はできないか伺う。

回答
  ゆりかもめでは、インターホンでお問合せのあった際は、原則として福祉割引乗車券を御案内していますが、社内規程に基づき、小児券での対応も行っています。
  交通局では、身体障害者等を対象に、都営交通無料乗車券を発行しています。日暮里・舎人ライナーで割引乗車券をお求めの場合には、インターホンなどを通じて障害者手帳等を確認の上で発売しています。
  多摩都市モノレールにおいて障害者割引制度を利用する際は、介護者が同行し、改札窓口又は券売機付近のインターホンで係員を呼び出し、係員への身体障害者手帳等の提示が必要です。
  なお、例外的な対応としてですが、係員にお申し出いただく前に小児用切符を購入された場合においては、係員が障害者手帳を確認した上で、小児用切符のまま改札を通過していただいています。

質問事項
 三の4 日々の少しの気配り気遣いで障がい者が格段に交通機関を利用しやすくなると思料することから、四角四面な指導・研修ではなく、それぞれの障がい属性にあわせた声がけや誘導などの合理的配慮が自ずと自然に全職員が対応できるようにするにはどうしたらいいか、所見を伺う。

回答 
  交通局では、障害のある方を含め誰もが安心して快適に都営交通を御利用いただけるよう、職員の接遇の向上に向けた研修などを定期的に実施しています。
  この中で、体の動きや視界の制約を疑似体験できる器具などを用いて、多様な障害に対する理解を深めるとともに、車いすを使用した乗降支援やマイクによる案内、お困りの際の声掛けなど、障害特性に合わせた介助方法の習得を図っています。
  また、障害のある方々をお招きし、日頃交通機関を利用する際にお困りになっていることや御要望などを伺い、対応力の向上に活かしています。

質問事項
 三の5 都営交通における「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法) への対応状況について、障がい当事者の声をどのように収集し、フィードバックしているか、実績と成果、課題を伺う。

回答
  交通局では、駅やバス営業所、お客様センターなどに寄せられる、障害のある方を含むお客様の様々な声を職員の接遇や事業運営の改善等に活かしています。
  具体的には、こうした声を担当部署に速やかに通知し、必要に応じて改善を図るとともに、各事業所に周知しています。模範となる事例等は、局内ポータルサイトに掲載し、接遇の向上に繋げるほか、寄せられた声は、障害者への対応に関する研修などにも活用しています。
  また、お客様センターでの受付時に回答を希望された場合、対応結果等をお伝えすることとしています。
  こうした取組を通じて、引き続きお客様に寄り添ったサービスの提供に努めていきます。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 岩永やす代

質問事項
 一 神宮外苑の再開発について
 二 「困難女性支援法」の成立を受けた都の対応について
 三 ゲノム編集食品について
 四 高次脳機能障がい者への支援について
 五 補装具判定について
 六 水道管の不適切塗料問題について

一 神宮外苑の再開発について
  神宮外苑は、1926年(大正15年)に指定された東京の風致地区第1号です。風致地区制度の目的は、都市に残された貴重な緑など自然的景観を維持することです。ところが、現在進められようとしている再開発によって1,000本もの木が伐採され、これまで100年にわたって育まれてきた神宮外苑の豊かな緑の環境が破壊されてしまうと、多くの市民が声を上げているのは当然のことです。
  この地域は、オリンピック・パラリンピック開催を念頭にスポーツクラスター構想が示され、2013年6月、神宮外苑地区地区計画が決定しました。それまでの風致地区条例の基準を緩和し、建ぺい率40%を70%に、高さ15メートルを75メートル・80メートルまでとし、また地区計画により容積率200%を250%に、300%を600%に緩和しました。その後も、オリンピックを名目に、風致地区を無視した緩和がさらに進み、今年3月の変更では、スタジアム通り沿道で、高さを185メートルに、容積率は200%・600%を900%に緩和しました。また、青山通り沿道では、高さを190メートルに、容積率は600%・700%を1,150%に緩和しています。
 1 2022年3月に地区計画が変更され高さや容積率が緩和されていますが、どのような考え方に基づき変更を行っているのか伺います。
 2 5月26日開催された環境影響評価審議会の部会では、樹木について情報が足りないという指摘があり、新たに毎木調査等のデータを示すことを求め、さらに審議することになりました。都条例の環境アセスメントの評価項目には、生物・生態系や水循環、景観、自然との触れ合い活動の場がありますが、これらの項目でどのような議論が行われているのか伺います。
 3 この再開発事業におけるCO2排出量を計算するためには、完成時の排出量だけでなく、建物のライフサイクルアセスメントが必要です。この地域は新国立競技場ができるまで実際の高さは約30メートルまででしたが、今回の計画では190メートルのビルが2棟、高さだけでなく延べ床面積など全体の建物のボリュームが大きく増すことになっています。しかも、現在ある建物を壊して建て替えるものです。環境アセスメントで、温室効果ガスの評価はどのように行っているのか伺います。
 4 今世界中で始まっているのがサーキュラーエコノミーであり、廃棄物を出さないしくみをつくるビジネスが展開されています。建築分野においても、もはやスクラップ&ビルドの時代ではありません。今ある建築物にメンテナンスや用途に合わせたリフォームなどをていねいに実施し、建物を長く使っていくことが重要です。
   都としてもゼロエミッションを掲げ、いろいろな分野でCO2削減に取り組んでいますが、この神宮外苑に限らず都内各所で大規模な建て替えが計画・進行しています。ゼロカーボン都市実現のためには、スクラップ&ビルドからの転換が欠かせません。サーキュラーエコノミーについて、どのように考えているのか。なかでも建築分野においてどのように取り組んでいるのか伺います。

二 「困難女性支援法」の成立を受けた都の対応について
  かねてから課題が多いとされていた売春防止法が抜本改正され、困難女性支援法(困難な問題を抱える女性への支援に関する法律)が、5月19日に国会で成立しました。売春防止法は、差別的と指摘されていただけでなく、DV被害者保護等の女性支援がこの法律を根拠として実施することでの弊害も多く、支援法成立により政策の充実が期待されるところです。
  国は2024年4月施行に向けて準備を進めていきますが、都としてもすぐに準備を開始すべきと考えます。
 1 基本計画を策定することになっていますが、策定スケジュールや策定方法について伺います。
 2 都にはDV防止法に基づく相談機能を持つウィメンズプラザがありますが、例えばDVから逃れて駆け込んでも、そこから保護施設などに行くことができないなど、ワンストップで救済・支援に結びつかないことが課題です。新法の制定をきっかけに、ウィメンズプラザの機能を充実させることが必要と考えますが、見解を伺います。
 3 「婦人相談所」が「女性相談支援センター」に、「婦人保護施設」が「女性自立支援施設」に改称されます。内容も早急に変更すべきであり、とりわけ「婦人保護施設」における一時保護ではスマホ・携帯電話を使えないなどの制限が多く利用したくないという声に耳を傾け、改善する必要がありますが、見解を伺います。
 4 DV被害者は、民間が運営しているシェルターに身を寄せ、安全を確保したうえでステップハウスで自立をめざします。ところが、このような民間団体の運営は厳しく、活動を取りやめる団体も出ています。こうした支援団体への財政支援は急務であり、すぐにでも実施していただきたいと考えますが、見解を伺います。

三 ゲノム編集食品について
  日本でゲノム編集技術応用食品の流通が始まりました。高ギャバトマトと太ったマダイ、成長の早いトラフグの3種類です。ゲノム編集技術は、生物の遺伝情報を改変するものです。野菜や魚、家畜などのゲノムの一部を壊すなど操作しねらった性質を引き出します。厚生労働省は、別の遺伝子を挿入するわけではなく、従来の品種改良を効率的に行うものであるとしています。しかし、標的外の遺伝子も壊してしまう「オフターゲット」や染色体破砕など、安全性への懸念は払しょくできていません。そこで多くの市民が、その食品がゲノム編集されたものかどうかを選択できるように、表示の義務づけを国に対して求めてきましたが、国は、遺伝子組み換えとは違うとして表示をルール化していません。表示なしにゲノム編集食品が市場に出回っていくことになります。
  いっぽうで消費者庁は、根拠書類があれば「ゲノム編集でない」ことを表示することは可能としています。種にそれを表示するマークを貼れば、その農産物や加工品にも貼ることができます。市民団体が「OKシードマーク」をつくり、申請・登録を呼びかけています。今後ゲノム編集された農産物が広がる前に、農業団体や食品業界に対してこのようなマークの情報を提供することが重要と考えています。
 1 都は、ゲノム編集技術応用食品について、都民への情報提供をどのように実施しているのか伺います。
 2 ゲノム編集トマトの取り扱い事業者が、介護福祉施設や小学校にゲノムトマトの苗を無償提供することを予定しており、各自治体では、市民団体が苗を受け取らないよう働きかけているところです。
   小学生が生活科などで鉢植えのアサガオやミニトマトなどを育てる実習を行っていますが、品種の決定およびその調達は、どのように実施されるのか伺います。
 3 農業生産者が種を購入する際に、ゲノム編集作物であるかどうかがわかるような情報提供を以前求めました。ゲノム編集トマトの流通開始を受け、情報提供は実際にどのようになっているのか伺います。

四 高次脳機能障がい者への支援について
  福祉サービスは基本的には市区町村を単位に提供されることから、高次脳機能障がい者が身近な地域で支援を受けられることを目指して、市区町村ごとの支援員の配置や関係機関のネットワークづくりを推進しています。さらに、医療機関との連携については、二次保健医療圏ごとに東京都が指定する地域リハビリテーション支援センター等、リハビリの中核医療機関を中心とした「専門的リハビリテーションの充実事業」を実施し、医療・保健・福祉等の連携体制の構築を進めています。このように少しずつ支援体制も進んできていますが、当事者にとってはまだ課題があるため、より使いやすいしくみとなることが重要です。東京都と市区町村での支援の充実にむけて、以下伺います。
 1 高次脳機能障がい者の支援拠点機関として高次脳機能障がいのある人への相談・支援を行う東京都心身障害者福祉センターでは、高次脳機能障がい者の社会参加のための「就労準備支援プログラム」と「社会生活評価プログラム」が行われています。継続したリハビリや訓練を必要とする高次脳機能障がい者にとって大変有効なプログラムであると利用者からも評価されており、多摩地域からの利用も多いです。現在は飯田橋にある本所のみでの開催となっているため、自力通所が原則となっていることもあり、プログラムを利用したいが、多摩地域から飯田橋までは遠くて通えず利用をあきらめているという声も聞いています。そこで国立市にある多摩支所や多摩地域の都有施設を活用して「就労準備支援プログラム」と「社会生活評価プログラム」の開催を要望します。見解を伺います。
 2 「区市町村高次脳機能障害者支援促進事業」では、例えば国分寺市では広く市民に周知するための講演会や当事者・家族への相談支援をはじめ、北多摩北部医療圏の6市(国分寺、国立、昭島、立川、東大和、武蔵村山)の関係事業者連絡会で専門職や関係機関による事例検討など、高次脳機能障がい者の地域での暮らしを支える体制づくりにむけた重要な取り組みが行われています。都内全自治体で実施が必要と考えますが、残念ながら2020年度現在、42市区町での実施にとどまっており、全自治体で行われておりません。そこで、促進のための今後の都の取り組みを伺います。
 3 高次脳機能障がいは継続的な支援が必要なため相談期間も長期に渡りますが、相談にあたる人が少なく、体制が十分とはいえません。人員配置も含めた相談体制の更なる充実や、地域での取り組みを支援するため事業費補助の拡充を求めます。見解を伺います。
 4 「区市町村高次脳機能障害者支援促進事業」では関係事業者連絡会が行われ、事例検討など研修の場でもありますが、実施回数は1回から3回程度となっています。相談体制を充実させるためには、高次脳機能障がい者や家族の相談を受ける専門職がきちんと相談に向かいあえるよう、専門職への研修は大変重要であり、技術支援など都のバックアップは欠かせません。サービス等利用計画や、計画相談のスキルアップも含めて直接支援につながるような研修の実施について、事業者からも要望を受けています。専門職への研修の拡充を求めますが見解を伺います。

五 補装具判定について
 1 補装具は、障がい者等の失われた身体機能を補完または代替するための用具であり、個々に応じた丁寧な対応が欠かせません。申請窓口となっている自治体職員が相談から申請にスムーズにつなげるための支援が重要です。補装具判定について自治体職員への研修はどのように行われているか伺います。
 2 判定にあたっては、障がい当事者の意思が反映されるよう意思疎通支援が重要と考えますが、同伴者に関する規定があるのか、また申請者への周知も含めてどのように対応しているのか伺います。

六 水道管の不適切塗料問題について
  水道管のダクタイル製品の塗料に係る不適切行為について、第1回定例会公営企業委員会で質問しましたが、その後、5月20日に再度新たな不適切行為について報告がありました。たび重なる塗料メーカーの不適切行為に、飲み水の安全性を心配する都民から問い合わせも来ています。
 1 今回の不適切行為は、試験結果を改ざんしたというものですが、この塗料を使用した水道管が、都の水道工事でいつどれくらい使われていたのか伺います。
 2 1月に発覚した不適切行為では、本来指定されている以外の原料が使用されているとのことですが、その原料は何か伺います。
 3 5月20日の報告では、今回対象の塗料について第三者試験機関で浸出試験を実施したということですが、1月発覚の塗料についても同様に実施しているのか伺います。
 4 浸出試験の結果「水道施設の技術的基準を定める省令」の基準に適合しており、衛生性の要件を満たしているという報告でした。省令に示された基準は45項目あり、多くの基準値が水質基準より10倍厳しくなっていることがわかりました。しかし、試験結果のデータは示されていません。水道管を使用する都が水道協会からデータを入手し確認できるようすべきと考えますが、見解を伺います。
 5 そもそも塗料メーカーがこうした不適切行為を実施する理由が不明です。「衛生性」「物性」どちらも基準に適合しているのに、なぜ不適切行為が行われたのか、メーカーはどのように説明しているのか伺います。
 6 第1回定例会の公営企業委員会での質疑の答弁で「再発防止対策を認証審査委員会及び認証制度運営委員会において検討を行うとあるが、それぞれの日本水道協会は、学識経験者や、当局を含む水道事業体等で構成される認証審査委員会において、再発防止に向けた検討を実施することを公表し、認証審査委員会における審議を経て2022年5月には再発防止策を決定し、日本水道協会において認証取得者への通知や内部関係者への周知及び審査員の研修等を行う予定」との答弁がありました。認証審査委員会の開催スケジュール、メンバーを伺います。また、認証審査委員会の議事録は公表されるのかについても伺います。

令和4年第二回都議会定例会
岩永やす代議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 神宮外苑の再開発について
  1 2022年3月に地区計画が変更され高さや容積率が緩和されているが、どのような考え方に基づき変更を行っているのか伺う。

回答
  神宮外苑地区は、大規模スポーツ施設等に多くの人々が訪れる一方、来訪者が気軽にスポーツ等を楽しんだり、緑に親しめる空間や機能が不足するなど、地区全体での日常的なにぎわいや憩いの創出に課題があります。
  このため、都が定めたまちづくり指針では、絵画館やいちょう並木の眺望景観や風致を保全しつつ、地区の中心となるまとまった広場空間の確保や、青山通り沿道等の特性に応じた土地の高度利用とにぎわい創出を図ることなどを誘導方針として示しています。
  この指針等に基づく民間提案を踏まえ、都は、令和4年3月に地区計画を変更し、都の運用基準に基づき容積の適正配分の特例を適用するとともに、高さの最高限度を定めました。
  また、区は、地区計画に基づき風致地区条例の地域区分を変更し、高さの基準を緩和しました。
  これにより、広場空間の創出と一体となったスポーツ施設の再編・更新、地区特性に応じた景観形成や機能導入、建築物の高さ・規模の誘導等が図られ、本地区の望ましい将来像が実現するものと考えます。

質問事項
 一の2 5月26日の環境影響評価審議会の部会で、樹木の情報が足りないと指摘があり、新たに毎木調査等のデータを示すことを求め、さらに審議することになった。都条例の環境アセスメントの評価項目には、生物・生態系や水循環、景観、自然との触れ合い活動の場があるが、これらの項目でどのような議論が行われているか伺う。

回答 
  東京都環境影響評価審議会部会では、(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業の環境影響評価書案を令和4年2月から審議しています。
  審議会では、生物・生態系に関しては既存樹木の保存などについて、水循環に関しては雨水流出抑制対策などについて、景観に関してはいちょう並木の眺望などについて、自然との触れ合い活動の場に関しては緑地の利用などについて、それぞれ議論しています。

質問事項
 一の3 計画では190メートルのビルが2棟、高さだけでなく延べ床面積など全体の建物のボリュームが大きく増すことになっている。しかも、現在の建物を壊して建て替えるものである。環境アセスメントで、温室効果ガスの評価はどのように行っているか伺う。

回答
  (仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業の環境影響評価書案において、温室効果ガスについては、施設の供用に伴う温室効果ガス排出量は1年間あたり約46,545トン-CO2、削減量は1年間あたり約11,636トン-CO2、削減率は約20.0パーセントと評価しています。

質問事項
 一の4 都としてゼロエミッションを掲げ、いろいろな分野でCO2削減に取り組んでいるが、この神宮外苑に限らず都内各所で大規模な建て替えが計画進行している。ゼロカーボン都市実現には、スクラップ&ビルドからの転換が欠かせない。サーキュラーエコノミーについて、どのように考えているのか。なかでも建築分野においてどのように取り組んでいるのか、伺う。

回答
  ゼロエミッション東京の実現に向けて、従来からの3Rにリペアやシェアリングなどの取組を加え、物や資源を大切に長く使う経済システムであるサーキュラーエコノミーへの転換を図ることが重要です。
  建築分野を含めた建設資源循環については、都はこれまで関係局が連携して「東京都建設リサイクル推進計画」を策定し、実務者向けのガイドラインを定めて、建設副産物のリサイクルを推進しています。
  さらに、住宅の長寿命化に向けて、長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備について講じられた長期優良住宅の普及促進に取り組んでいます。

質問事項
 二 「困難女性支援法」の成立を受けた都の対応について
  1 基本計画を策定することになっているが、策定スケジュールや策定方法について伺う。

回答
  困難な問題を抱える女性への支援に関する法律では、国は、困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針を定めることとされており、都道府県は、この方針に即して困難な問題を抱える女性への支援のための施策の実施に関する基本的な計画を定めることとされています。
  現在、国の方針が示されていないため、都は、引き続き、国の動向を注視していきます。

質問事項
 二の2 都にはDV防止法に基づく相談機能を持つウィメンズプラザがあるが、ワンストップで救済・支援に結びつかないことが課題である。新法の制定をきっかけに、ウィメンズプラザの機能を充実させることが必要と考えるが、見解を伺う。

回答
  東京ウィメンズプラザは、庁内を始め、区市町村、警視庁などの行政機関、裁判所、医療機関、民間団体など、幅広い機関と協働して取り組むことで、配偶者等からの暴力に対する被害者一人一人の状況に応じた支援を行っています。
  引き続き、関係機関と連携し、適切に対応していきます。

質問事項
 二の3 「婦人相談所」が「女性相談支援センター」に、「婦人保護施設」が「女性自立支援施設」に改称される。内容も早急に変更すべきであり、とりわけ「婦人保護施設」における一時保護ではスマホ・携帯電話を使えないなどの制限が多く利用したくないという声に耳を傾け、改善する必要があるが、見解を伺う。

回答
  一時保護委託先である婦人保護施設でのスマートフォンや携帯電話の使用については、安全性を確認するアセスメントシートを活用し、個別に使用の可否を判断しています。

質問事項
 二の4 DV被害者は、民間が運営するシェルターに身を寄せ、安全を確保したうえでステップハウスで自立をめざすが、このような民間団体の運営は厳しく、活動を取りやめる団体も出ている。こうした支援団体への財政支援は急務であり、すぐにでも実施すべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、同行支援やシェルターの安全対策など民間団体が行う配偶者等暴力被害者に対する自主的な活動に助成等を行っています。

質問事項
 三 ゲノム編集食品について
  1 都は、ゲノム編集技術応用食品について、都民への情報提供をどのように実施しているのか伺う。

回答
  都は令和3年度、ゲノム編集技術応用食品について都民に情報提供するため、動画配信によるフォーラムを開催しました。
  フォーラムでは、厚生労働省や消費者庁の担当者が、食品衛生上の取扱いや食品表示の考え方について講演するとともに、ゲノム編集技術を用いたトマトの開発に携わった技術者が、ゲノム編集技術について説明しました。
  また、事前に都民から質問を募集した上で、パネルディスカッションによる意見交換を実施しました。

質問事項
 三の2 小学生が生活科などで鉢植えのアサガオやミニトマトなどを育てる実習を行っているが、品種の決定およびその調達は、どのように実施されるのか伺う。

回答
  各小学校では、栽培する植物の選定等に当たり、年間指導計画に基づき、地域や学校の環境等に応じて、校長が判断しています。

質問事項
 三の3 農業生産者が種を購入する際に、ゲノム編集作物であるかどうかがわかるような情報提供を以前求めたが、ゲノム編集トマトの流通開始を受け、情報提供は実際にどのようになっているのか伺う。

回答
  ゲノム編集技術を使った農産物等であって「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に規定された「遺伝子組換え生物等」に該当しない農産物等の情報については、農林水産省のウェブサイトで公表されています。

質問事項
 四 高次脳機能障がい者への支援について
  1 東京都心身障害者福祉センターにおける、高次脳機能障がい者の社会参加のための「就労準備支援プログラム」と「社会生活評価プログラム」は大変有効なプログラムであると利用者から評価されており、多摩地域からの利用も多い。現在は飯田橋にある本所のみの開催のため、多摩地域から飯田橋まで遠くて通えず利用をあきらめているという声もある。そこで国立市の多摩支所や多摩地域の都有施設を活用して「就労準備支援プログラム」と「社会生活評価プログラム」の開催を要望するが見解を伺う。

回答
  東京都心身障害者福祉センターは、高次脳機能障害者の支援拠点機関として、区市町村等からの依頼に基づき、地域での対応が困難なケースに対する専門的支援を行っています。
  就労準備支援プログラムは、職業適性検査や就労に向けた各種トレーニングなどを6か月間、社会生活評価プログラムは、作業能力や生活管理面などの評価やグループワークなどを4か月間、それぞれ行うもので、センターの実施体制や地域のニーズ等を踏まえ、センターの本所で実施しています。
  なお、地域における高次脳機能障害者支援の充実を図るため、センター主催の区市町村相談支援員との連絡会で、プログラムの内容やポイントなどを動画も活用しながら周知しています。

質問事項
 四の2 「区市町村高次脳機能障害者支援促進事業」では、高次脳機能障がい者の地域での暮らしを支える体制づくりにむけた重要な取組みが行われている。都内全自治体で実施が必要と考えるが、2020年度現在、42市区町での実施にとどまっており、全自治体で行われていない。そこで、促進のための今後の都の取組を伺う。

回答
  区市町村高次脳機能障害者支援促進事業は、事業を開始した平成19年度は2区、令和3年度は43区市町で実施しており、引き続き、区市町村向けの説明会や個別の意見交換などを通じ、未実施自治体への働きかけを行っていきます。

質問事項
 四の3 高次脳機能障がいは継続的な支援が必要なため相談期間も長期に渡るが、相談にあたる人が少なく、体制が十分とはいえない。人員配置も含めた相談体制の更なる充実や、地域での取組を支援するため事業費補助の拡充を求めるが、見解を伺う。

回答
  高次脳機能障害者の支援は、福祉、介護、医療、保健などの関係機関が連携して対応しており、区市町村高次脳機能障害者支援促進事業では、本人や家族からの相談対応や、地域での連携体制の構築などを支援しています。

質問事項
 四の4 「区市町村高次脳機能障害者支援促進事業」における相談体制を充実させるためには、専門職への研修は大変重要であり、技術支援など都のバックアップは欠かせない。サービス等利用計画や、計画相談のスキルアップも含めて直接支援につながるような研修の実施について、事業者からも要望を受けている。専門職への研修の拡充を求めるが見解を伺う。

回答
  東京都心身障害者福祉センターは、区市町村における高次脳機能障害者への相談支援体制の充実を図るため、平成18年度に相談支援の基本的事項をまとめたハンドブックを作成、配布しており、その後、法改正などに伴う必要な改訂を適宜行い、区市町村職員の理解促進に取り組んでいます。
  また、毎年度、区市町村等の相談支援員向けの研修を実施し、令和3年度からは、オンラインによることで受講者数を増やしており、その内容は、区市町村を通じて障害福祉サービス事業所等へも周知しています。

質問事項
 五 補装具判定について
  1 補装具は、障がい者等の失われた身体機能を補完または代替するための用具であり、個々に応じた丁寧な対応が欠かせない。申請窓口となっている自治体職員が相談から申請にスムーズにつなげるための支援が重要だが、補装具判定について自治体職員への研修はどのように行われているか伺う。

回答
  補装具は、障害者総合支援法に基づき区市町村が支給しており、支給事務を適切に行えるよう、補装具の種目、名称、形式及び基本構造等を十分に把握することが求められています。
  このため、東京都心身障害者福祉センターでは、毎年度、区市町村職員に医師や作業療法士などの専門職による講義を実施し、補装具に関する知識の向上を図るほか、依頼のあった区市町村に直接出向き、個別事例に関する情報交換や技術的助言などを行っています。

質問事項
 五の2 判定にあたっては、障がい当事者の意思が反映されるよう意思疎通支援が重要と考えるが、同伴者に関する規定があるのか、また申請者への周知も含めてどのように対応しているのか伺う。

回答
  東京都心身障害者福祉センターは、区市町村からの依頼に基づき補装具の専門的な判定を行っており、障害者本人の来所や自宅等への訪問により実施しています。
  判定時における同伴者に関する定めはありませんが、申請者である障害者本人との意思疎通が難しい場合などには、障害の状況を詳しく把握している家族や区市町村の担当職員などに同席していただくことを本人等に説明し、了解を得た上で判定しています。

質問事項
 六 水道管の不適切塗料問題について
  1 今回の不適切行為は、試験結果を改ざんしたというものだが、この塗料を使用した水道管が、都の水道工事でいつどれくらい使われていたのか伺う。

回答
  塗料メーカーは、納入先等の詳細を明らかにしていないため、都では、既に埋設されている水道管を把握できません。
  一方、都では、給水区域全域を対象に定期的な水質検査を行い、国が定める水質基準等への適合を、従前から確認しています。
  そのため、都が供給する水道水の安全性に問題はありません。

質問事項
 六の2 1月に発覚した不適切行為では、本来指定されている以外の原料が使用されているとのことだが、その原料は何か伺う。

回答
  塗料メーカー及び塗料の認証を行っている公益社団法人日本水道協会(以下「日本水道協会」という。)のいずれからも、原料名は公表されていません。
  なお、日本水道協会によると、塗料メーカーとの間で締結している「品質認証マーク使用許諾等に係る認証基本契約書」上、日本水道協会に守秘義務が課せられていることから、原料名の公表はできないとのことです。

質問事項
 六の3 5月20日の報告では、今回対象の塗料について第三者試験機関で浸出試験を実施したということだが、1月発覚の塗料についても同様に実施しているのか伺う。

回答
  日本水道協会によると、令和4年1月に判明した不適切行為についても、第三者試験機関による浸出試験により、「水道施設の技術的基準を定める省令」で定める基準に適合していることを確認したとのことです。

質問事項
 六の4 浸出試験の結果「水道施設の技術的基準を定める省令」の基準に適合しており、衛生性の要件を満たしているという報告だが、試験結果のデータは示されていない。水道管を使用する都が水道協会からデータを入手し確認できるようすべきだが、見解を伺う。

回答
  日本水道協会によると、塗料メーカーとの間で締結している「品質認証マーク使用許諾等に係る認証基本契約書」上、日本水道協会に守秘義務が課せられており、試験結果データの公表はできないとのことです。
  なお、都では、給水区域全域を対象に定期的な水質検査を行い、国が定める水質基準等への適合を、従前から確認しています。

質問事項
 六の5 そもそも塗料メーカーがこうした不適切行為を実施する理由が不明である。「衛生性」「物性」どちらも基準に適合しているが、なぜ不適切行為が行われたのか、メーカーはどのように説明しているのか伺う。

回答
  塗料メーカーの報告書によると、「顧客から受注を獲得するために顧客との納入仕様書上厳しい検査頻度若しくは規格値で合意し、又は顧客の要望に従って厳しい納期で受注した結果、実際に当該製品を出荷する際に、顧客仕様を満たすことが困難となった」ことなどから、不適切行為を行ったとのことです。

質問事項
 六の6 認証審査委員会の開催スケジュール、メンバーを伺う。また、認証審査委員会の議事録は公表されるのかについても伺う。

回答 
  日本水道協会によると、認証審査委員会は、令和4年1月の不適切行為判明以降、2月18日、3月25日及び4月26日に開催しました。また、5月20日の新たな不適切行為の公表を受けて、6月21日に開催しました。
  認証審査委員会のメンバーは、信州大学、北海道大学、摂南大学、東京都水道局、札幌市水道局、仙台市水道局、横浜市水道局、名古屋市上下水道局、大阪市水道局、広島市水道局、福岡市水道局、全国管工事業協同組合連合会、給水システム協会、ステンレス協会、日本水道鋼管協会、一般社団法人日本水道工業団体連合会、一般社団法人日本ダクタイル鉄管協会、日本暖房機器工業会、一般社団法人日本バルブ工業会及び日本無機薬品協会によって構成されています。
  認証審査委員会の議事録は、認証取得者との間で締結している「品質認証マーク使用許諾等に係る認証基本契約書」上、日本水道協会に守秘義務が課せられていることから、公表は行っていないとのことです。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 清水とし子

質問事項
 一 日野市三沢三丁目の斜面地の問題について

一 日野市三沢三丁目の斜面地の問題について
  昨年6月ごろより日野市三沢三丁目13番4及び13番43の斜面地で、土地所有者による特殊防空壕調査が行われています。
  この地域は、土砂災害特別警戒区域に指定される斜面地であり、特殊地下壕が想定されています。当該調査のなかで、既存の樹木がことごとく伐採され、地下水の湧出が大量に増えました。
  近隣住民からは、事業者が行っている調査が順法なものなのかといった疑問の声や、崖崩れなどの不安が寄せられています。
 都として事業者に対してただちに必要な安全対策を講じるよう要請することを求めます。
 1 「東京における自然の保護と回復に関する条例」の対象となる開発行為について、開発申請前の調査などの行為に対して、どのような注意事項を設けていますか。
 2 都は事業者に対して「調査等を行うため樹木の伐採等が必要となる場合には、必要な限度に留めるよう求めている」とのことですが、当該地の樹木はほとんど伐採、伐根されています。これは「必要な限度」を超えているのではありませんか。
 3 今後、開発申請が提出されるような場合、宅地の安全性などについて、一般的にどのような観点から審査されるのですか。
 

 

令和4年第二回都議会定例会
清水とし子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 日野市三沢三丁目の斜面地の問題について
  1 「東京における自然の保護と回復に関する条例」の対象となる開発行為について、開発申請前の調査などの行為に対して、どのような注意事項を設けているか伺う。

回答
  都は、自然保護条例に基づき、自然の保護と回復を図るため、自然地において行う一定規模以上の土地の形質変更に対し、あらかじめ、開発許可等を求める制度を運用しています。
  開発許可申請の前に、地質調査、文化財調査等を行うため樹木の伐採等が必要となる場合には、必要な限度に留めるよう求めています。

質問事項
 一の2 都は事業者に対して「調査等を行うため樹木の伐採等が必要となる場合には、必要な限度に留めるよう求めている」とのことだが、当該地の樹木はほとんど伐採、伐根されている。これは「必要な限度」を超えているのではないか、見解を伺う。

回答
  当該地について事業者から事前に相談があり、調査を行うに当たっては、樹木の伐採等を必要な限度に留めるよう求めています。

質問事項
 一の3 今後、開発申請が提出されるような場合、宅地の安全性などについて、一般的にどのような観点から審査されるか伺う。

回答 
  都市計画法(以下「都計法」という。)第29条に基づく開発許可の申請受付後は、申請書類を都計法に基づき審査し、許可処分等を行うこととなります。
  宅地の安全性については、地盤の沈下、崖崩れ、出水その他による災害を防止する観点から、地盤の改良、擁壁又は排水施設の設置その他安全上必要な措置について、事業者から提出された図面や計算書等の資料により審査します。
  なお、当該地域は、土砂災害特別警戒区域に指定されていることから、都計法の申請と併せて土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律第10条に定める特定開発許可の申請も必要な場合があります。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中田たかし

質問事項
 一 神宮前五丁目まちづくりについて
 二 酸素・医療提供ステーションについて

一 神宮前五丁目まちづくりについて
  神宮前五丁目地区まちづくりに向けた有識者会議において、旧こどもの城は、都民の城(仮称)として、改修するのではなく、周辺の都有地を合わせた4つの敷地を一体として、活用することが提言された。
  現在は、酸素・医療提供ステーションとして活用されているが、この酸素・医療提供ステーションも仮設の施設であり、4つの敷地の一体活用も最短で令和11年からとなっていることから、この都民の城(仮称)の土地をそれまでの間、どのように活用していくのか都の見解を伺う。

二 酸素・医療提供ステーションについて
  酸素・医療提供ステーションのこれまでの入所実績、人員配置、さらに稼働にかかる経費を伺う。

令和4年第二回都議会定例会
中田たかし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 神宮前五丁目まちづくりについて
  有識者会議において、旧こどもの城は、都民の城(仮称)として、改修するのではなく、周辺の都有地を合わせた4つの敷地を一体として、活用することが提言された。現在は、酸素・医療提供ステーションとして活用されているが、仮設の施設であり、4つの敷地の一体活用も最短で令和11年からとなっているため、この都民の城(仮称)の土地をそれまでの間、どのように活用していくのか見解を伺う。

回答
  新型コロナウイルス感染症の流行により、都民の生活意識や行動、求められる行政ニーズに変化が見受けられるなど、都民の城(仮称)改修基本計画策定当時からの状況変化などを踏まえ、基本計画の実施を見送り、都有地の一体的な活用に向けて取り組むこととしました。
  現在、旧こどもの城については、新型コロナウイルス感染症対策として酸素・医療提供ステーションで活用しています。
  今後とも、状況に応じながら、適切に対応していきます。

質問事項
 二 酸素・医療提供ステーションについて
  酸素・医療提供ステーションのこれまでの入所実績、人員配置、さらに稼働にかかる経費を伺う。

回答
  都は、令和3年8月に「都民の城」の施設内に、同年9月には東京2020大会の関連施設を活用して調布(令和4年6月に立川の施設に機能移転)と築地に、また、練馬区と連携して閉校後の区立小学校を活用するほか、同年12月には旧病院施設を活用して赤羽において、酸素・医療提供ステーションを設置し、軽症患者等を受け入れてきました。
  各施設の令和4年7月末日まで(赤羽は令和4年5月8日まで)の受入実績は、都民の城が2,227人、調布が1,194人、築地が1,844人、練馬区が867人、赤羽が629人、立川が387人です。
  人員については、基本的に医師は1名以上、看護師は複数名を各施設に常時配置することとし、感染状況や運用規模に応じて柔軟に配置しています。
  施設の設置運営に係る予算額は、令和3年度で約138億円、令和4年度で約184億円(令和4年第二回定例会までに議決された予算額)計上しています。
 

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 アオヤギ有希子

質問事項
 一 中学校英語スピーキングテストを、都立高校入試に導入する検討過程について

一 中学校英語スピーキングテストを、都立高校入試に導入する検討過程について
  株式会社ベネッセコーポレーションが実施する中学校英語スピーキングテストが、来年度の都立高校入試から導入されようとしています。保護者や英語教育の専門家、都民から、批判や疑問、中止を求める声が大きくなっています。都立高校入試でスピーキングテストを実施することについて、初めて言及されたのは都教委が設置した「東京都英語教育戦略会議」でした。
 1 2013年から2016年まで行われた、東京都英語教育戦略会議の設置目的と検討する内容についてどのように決めたのですか。
 2 この会議のメンバーに英検とベネッセが入っているのはなぜですか。
 3 2014年1月28日に開かれた第4回英語教育戦略会議専門部会で株式会社ベネッセコーポレーションの英語力判定統一試験(GTEC for STUDENTS)の検討を始めたのはなぜですか。開示請求し開示した議事録からは、経緯が読み取れません。その経緯をお示しください。
 4 総務局は教育長に対して各局に出した通知と同様の「附属機関等設置運営要綱の取扱いについて」を通知しています。そこには「懇談会等は、合議制機関として機関意思を表明する附属機関と異なり、あくまで出席者の意見の表明又は意見の交換の場であるといった基本的性格に鑑み、次の事項に十分留意すること」「委員の意見のとりまとめについては、個々の委員の意見表明の形をとり、機関意思の表明と紛らわしい諮問・答申の形をとらないこと」としています。これは、地方自治法が定める、附属機関の役割と明確に分けるため通知されたものです。
   しかし、東京都英語教育戦略会議は、意見表明にとどめず、「東京都英語教育戦略会議報告書」をまとめ、「都立高校入試においても、スピーキングテストを加え、4技能を測る入試問題の実施方法の工夫について検討していくべきである」とはっきり書いてあります。開示された議事録では、一部の委員が都立高校の入試で4技能を測るべきと述べていますが、他の委員からは、「岩手では入試にスピーキングを実施した、評価にぶれがあり、中止した」など否定的な意見もあったにもかかわらず、報告書では一方の意見−「都立高校入試でスピーキングテストを加え」と書かれているのは、なぜでしょうか。
 5 附属機関ではない英語教育戦略会議が、総務局が通知をした「意見表明にとどめる」ことから逸脱し、意見をまとめ、報告書を作ったことは、地方自治法を逸脱しているのではないでしょうか。
 6 英語教育戦略会議報告書について広く都民から、パブリックコメントなど意見を聴取したのでしょうか。
 7 条例に定めのある附属機関ではない「英語教育戦略会議」の報告書をそのまま、他の検討をしないでその内容を執行するのも、総務局は、しないように各局に求めています。しかし都教委は、「英語教育戦略会議」の提言をそのまま実現するための計画「東京グローバル人材育成計画 '20(Tokyo Global STAGE'20)」を策定し、その中では提言項目別の進捗状況の表まで作成するなど、審議会答申以上の扱いをしています。問題があるのではありませんか。
 8 「英語教育戦略会議」で出た「報告書」の「都立高校入試においても、スピーキングテストを加え、4技能を測る入試問題の実施方法の工夫について検討していくべきである」ということを、広い都民の意見を入れずにそのまま「都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」に反映させ、執行したのではないですか。
 9 「東京都英語教育戦略会議 報告書」をもとに「都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」を開き、「報告書」をまとめそれをもとに「英語『話すこと』の評価に関する検討委員会」が開かれ、それぞれ、具体的にスピーキングテストの検討をしています。「都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」の冒頭では、「東京都英語教育戦略会議 報告書」について、委員長が「答申」だと述べ、また「英語『話すこと』の評価に関する検討委員会」の報告書(7頁)では「都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」の内容を「提言する」と述べています。知事の附属機関ではないこれらの検討会は「意見表明」にとどめるべきものですが、「答申」「提言」としているのは、なぜですか。
 10 東京都英語教育戦略会議でGTECが検討され、「第3回都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」20頁では「A面接方式」「Bタブレット方式」が検討され、「Aは人為的なミスが起こっている」「タブレットの方が採点のブレが少ない」とされ、タブレットで行う試験方法−GTECありきで進められたのではないですか。GTECを制作し販売している株式会社ベネッセコーポレーションは、入札で有利だったのではないですか。

令和4年第二回都議会定例会
アオヤギ有希子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 中学校英語スピーキングテストを、都立高校入試に導入する検討過程について
  1 2013年から2016年まで行われた、東京都英語教育戦略会議の設置目的と検討する内容についてどのように決めたか伺う。

回答
  都教育委員会は、都内公立学校の英語教育に関する方向性と施策について検討するため、平成25年に「東京都英語教育戦略会議設置要項」を策定し、設置目的と検討内容を決定しました。

質問事項
 一の2 この会議のメンバーに英検とべネッセが入っているのはなぜか伺う。

回答
  「東京都英語教育戦略会議設置要項」に基づき、英語教育専門家をはじめとする外部の有識者に委員を委嘱しました。

質問事項
 一の3 2014年1月28日に開かれた第4回英語教育戦略会議専門部会で株式会社べネッセコーポレーションの英語力判定統一試験(GTEC for STUDENTS)の検討を始めたのはなぜか。開示請求し開示した議事録からは、経緯が読み取れないが経緯を伺う。

回答
  都教育委員会は、平成25年に、都立高校生の英語力の現状を把握するため、英語4技能を測る試験を一部の都立高校で実施し、分析を行いました。
  この試験の業務委託先は、入札により株式会社ベネッセコーポレーションに決定しました。

質問事項
 一の4 開示された議事録では、一部の委員が都立高校の入試で4技能を測るべきと述べているが、他の委員から、「岩手では入試にスピーキングを実施した、評価にぶれがあり、中止した」など否定的な意見もあったにもかかわらず、報告書では一方の意見−「都立高校入試でスピーキングテストを加え」と書かれているのはなぜか伺う。

回答
  東京都英語教育戦略会議において、外部有識者、学校関係者などから様々な角度からの意見を集約し、全ての委員の了解を得た上で報告書としてまとめました。

質問事項
 一の5 附属機関ではない英語教育戦略会議が、総務局が通知をした「意見表明にとどめる」ことから逸脱し、意見をまとめ、報告書を作ったことは、地方自治法を逸脱しているのではないか、見解を伺う。

回答
  東京都英語教育戦略会議は、同会議の設置要項における設置目的に基づき、東京都独自の英語教育を推進するための中長期的方向性と施策について議論した結果をまとめ、都教育委員会に報告したものです。

質問事項
 一の6 英語教育戦略会議報告書について広く都民から、パブリックコメントなど意見を聴取したのか伺う。

回答
  東京都英語教育戦略会議報告書は、委員である外部有識者や学校関係者などの意見を集約し、様々な角度から幅広く議論し、取りまとめ、都教育委員会に報告したものです。

質問事項
 一の7 都教委は、「英語教育戦略会議」の提言をそのまま実現するための計画「東京グローバル人材育成計画'20(Tokyo Global STAGE'20)」を策定し、その中では提言項目別の進捗状況の表まで作成するなど、審議会答申以上の扱いをしており、問題があるのではないか、見解を伺う。
 
回答
  都教育委員会は、東京都英語教育戦略会議における提言のほか、学習指導要領の改訂や、「2020年に向けた実行プラン」の内容などを踏まえ、「東京グローバル人材育成計画'20(Tokyo Global STAGE'20)」としてまとめ、具体的な計画として示しました。

質問事項
 一の8 「英語教育戦略会議」で出た「報告書」の「都立高校入試においても、スピーキングテストを加え、4技能を測る入試問題の実施方法の工夫について検討していくべきである」ということを、広い都民の意見を入れずに「都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」に反映させ、執行したのではないか伺う。
 
回答
  都教育委員会は、入学者選抜における「話すこと」の評価の在り方や今後の具体的な方向性について、幅広い観点からの検討を行うため、平成29年度に設置した東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会において、外部有識者、区市町村教育委員会及び学校関係者からの多様な意見を求め、議論を行いました。

質問事項
 一の9 「都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」の冒頭では、「東京都英語教育戦略会議報告書」について、委員長が「答申」だと述べ、また「英語『話すこと』の評価に関する検討委員会」の報告書(7頁)では「都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」の内容を「提言する」と述べている。これらの検討会は「意見表明」にとどめるべきだが、「答申」「提言」としているのはなぜか伺う。
 
回答
  東京都英語教育戦略会議報告書、東京都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会報告書及び英語「話すこと」の評価に関する検討委員会報告書は、いずれも、多様な意見を基に幅広く議論した結果をまとめたものです。

質問事項
 一の10 「第3回都立高等学校入学者選抜英語検査改善検討委員会」20頁では「A面接方式」「Bタブレット方式」が検討され、「Aは人為的なミスが起こっている」「タブレットの方が採点のブレが少ない」とされ、タブレットで行う試験方法−GTECありきで進められたのではないか。GTECを制作し販売している株式会社ベネッセコーポレーションは、入札で有利だったのではないか伺う。

回答
  民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業技術審査委員会において、4件の提案から総合評価方式により審査を行い、令和元年5月に最優秀事業者を決定しました。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原純子

質問事項
 一 都立篠崎公園高台化事業における住民と利用者への情報提供と説明責任について

一 都立篠崎公園高台化事業における住民と利用者への情報提供と説明責任について
  都立篠崎公園A地区は、都の公園高台化事業の他、国の篠崎公園地区高規格堤防(スーパー堤防)整備事業、区の上篠崎一丁目北部土地区画整理事業・東京都市計画道路事業幹線街路補助線街路第288号線・東京都市計画緑地事業第13号江戸川緑地を併せて実施する計画として進められています。すでに2016年に国・都・区による基本協定書が締結されています。
  一方で、現在の公園は、江戸川区最大のイベントである「江戸川区花火大会」「江戸川区民まつり」をはじめ、桜並木での花見、近隣の小学校や保育園の学習、遠足、バーベキュー広場利用等、広く区民が多目的に利用する場所です。テニスコートやバスケットゴールなどのスポーツ利用者も多く、近隣住民の散歩やジョギングする姿も多い地域の大事な公園です。
  工事による影響は、広範囲に及ぶことが想定されるため、工事計画の周知、説明について、広く住民や利用者を対象とし行うこと、その際、事業の全体像を丁寧に説明すること、充分な理解を得る努力をすることを、私どもは求めてきたところです。
  そして、国・東京都・江戸川区は、ようやく5月27日と28日、合同での説明会を実施しました。しかし、質問時間が30分と限定され、出された質問に十分答えを得ないうちに終了となってしまい、参加者の不満と疑問が多々残りました。
  続けて6月10日と11日には、東京都による公園内仮設道路工事(園路改修工事)の説明会が行われましたが、ここでは、「道一つ挟んだ知人には何の通知もない」との意見が出され、説明会のお知らせ配布範囲が狭すぎたこと、また「学校からのお知らせもなく、公園で遊ぶ子どもたちは何も知らされないまま」との質問(10日)に対する都の回答は、「学校から依頼されたお知らせは、今作成中」と、周知が後手後手になっていることが明らかになりました。
  そして仮設道路工事開始が6月13日と、説明会の3日後であることが、その時初めて説明されるなど、「説明が遅すぎる」「都の住民軽視がひどすぎる」との声が、私のところにも寄せられたところです。これでは工事についての都の説明責任が果たせているとは到底言えません。
 1 住民・利用者への説明責任について、以下質問します。
  ア 本事業の全体計画や当面の園路改修工事について、住民への十分な情報提供と理解を得るという説明責任を負う東京都として、5月と6月に行った2回の説明会では全く不十分であり、住民の疑問に答えられていないという認識はありますか。
  イ 住民説明会で答えきれなかった質問への対応や今後の説明責任を果たしていくためにどのように考えていますか?
  ウ 仮設道路の工事開始日が6月13日で、説明会が3日前と、きわめて短期間です。これまでの都立公園などの工事で、これだけの短期間であった前例はありますか?
  エ 公園を日常的に子どもたちが使っているのに、近隣の小学校、幼稚園などを通じて保護者や児童へのお知らせがされないまま、工事を開始することは許されません。お知らせはいつ配布されるのですか?
  オ スポーツ施設など公園利用者は、今回説明会の開催すら知ることができなかったことは、問題です。利用者に対してはどのように周知と説明をされる予定ですか。
  カ 今回の説明会で出された資料は、ホームページへ掲載していますか?当然ですが、閲覧できるようにしてください。あわせて、説明会会場で出された疑問をQ&A形式で、ホームページに掲載すべきと思いますが、いかがですか?
  キ 事業に関する説明資料や工事日程などの情報は、公園管理事務所でいつでも入手できるようにすべきと思いますが、いかがですか?
 2 篠崎公園高台化事業について、お聞きします。
  ア 仮設道路及び隣接する園路の工事期間中および供用開始にともなう安全確保について、どのような対策をしていますか?仮設道路は公道(区道)となる為、公園内とはいえ安全確保の徹底が不可欠です。設置される横断防止柵は、子どもや散歩等の高齢者のくぐり抜けを防ぐ形状となっていますか?
  イ 既設の公園駐車場の廃止と新設の駐車場の使用開始の間に空白期間ができないように要望してきたところですが、どうなりますか?
  ウ バーベキュー広場、テニスコート等の利用休止期間中の代替施設は確保されていますか?
  エ 本事業にともない、伐採される公園内の樹木は800本と聞いていますが、新設駐車場の敷地分は含まれていないのではないですか?その範囲では、何本の樹木の伐採または移植を予定しているのですか?
  オ 江戸川区東部地域においても本公園の樹木は貴重な存在ですが、伐採による環境への影響について、調査はされたのでしょうか?調査したのであれば、結果の詳細をお示しください。
  カ 第1工区の敷地内にある3か所の地盤沈下観測所は、経年に渡る地盤沈下を測定する重要な施設ですが、維持されるのでしょうか?
  キ B地区の篠崎町八丁目において2017年3月に実施された試験盛土の観測結果はどうなっていますか?
 3 本事業について、住民と利用者への情報提供と説明責任が全く不十分な現状において、公園高台化工事を開始すべきではないと考えます。工事を中止させるべきではありませんか?

令和4年第二回都議会定例会
原純子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 都立篠崎公園高台化事業における住民と利用者への情報提供と説明責任について
  1 住民・利用者への説明責任について
   ア 本事業の全体計画や当面の園路改修工事について、住民への十分な情報提供と理解を得るという説明責任を負う都として、5月と6月に行った2回の説明会では全く不十分であり、住民の疑問に答えられていないという認識があるか伺う。

回答
  都は、篠崎公園地区まちづくり工事実施に向けた事業説明会については、国及び区と共同で令和4年5月に2回開催し、篠崎公園園路改修工事説明会については、同年6月に2回開催しました。各説明会において、事業や工事の内容について説明を行うとともに、住民等から寄せられた質疑への回答を行っています。

質問事項
 一の1のイ 住民説明会で答えきれなかった質問への対応や、今後の説明責任を果たしていくためにどのように考えているか伺う。

回答
  住民説明会の質問のうち、確認を要するものについては後日対応しております。また、今回の事業や工事に関して問合せができるよう、都をはじめ各事業者の連絡先をお知らせしています。
  今後も、各事業者が工事に着手する際に、工事内容について周辺住民や利用者に周知を図っていきます。

質問事項
 一の1のウ 仮設道路の工事開始日が6月13日で、説明会が3日前と、きわめて短期間であるが、これまでの都立公園などの工事で、これだけの短期間であった前例があるか伺う。

回答
  説明会については、内容や規模等を踏まえて開催しており、その場合、工事に着手するまでに開催することとしています。

質問事項
 一の1のエ 公園を日常的に子どもたちが使っているのに、近隣の小学校、幼稚園などを通じて保護者や児童へのお知らせがされないまま、工事を開始することは許されないが、お知らせはいつ配布されるのか伺う。

回答
  近隣の小学校等へは事前に説明した上で、工事のお知らせを令和4年6月14日から同月16日までの間に配布しました。

質問事項
 一の1のオ スポーツ施設など公園利用者は、今回説明会の開催すら知ることができなかったことは問題だが、利用者に対してはどのように周知と説明をする予定か伺う。

回答
  工事に伴うスポーツ施設等の使用中止については、あらかじめ公園のホームページや園内掲示でお知らせしています。

質問事項
 一の1のカ 今回の説明会で出された資料は、ホームページヘ掲載しているのか。当然だが、閲覧できるよう求める。あわせて、説明会会場で出された疑問をQ&A形式で、ホームページに掲載すべきだが、見解を伺う。

回答 
  説明会資料等については、都のホームページに掲載しています。

質問事項
 一の1のキ 事業に関する説明資料や工事日程などの情報は、公園管理事務所でいつでも入手できるようにすべきだが、見解を伺う。

回答 
  事業内容や工事日程等については、引き続き公園管理事務所等への掲示により、周知を図っていきます。

質問事項
 一の2 篠崎公園高台化事業について
    ア 仮設道路及び隣接する園路の工事期間中および供用開始にともなう安全確保について、どのような対策をしているか。仮設道路は公道(区道)となる為、公園内とはいえ安全確保の徹底が不可欠だが、設置される横断防止柵は、子どもや散歩等の高齢者のくぐり抜けを防ぐ形状となっているか伺う。

回答 
  工事期間中においては、工事場所を常に囲い、利用者が立ち入らないようにするとともに、作業中はガードマンを配置し、安全確保を図っています。
  また、供用開始後も、警察や江戸川区と協議し、必要な安全対策を行っていきます。
  なお、横断防止柵は、東京都の道路工事設計基準に合わせた構造のものを設置します。

質問事項
 一の2のイ 既設の公園駐車場の廃止と新設の駐車場の使用開始の間に空白期間ができないように要望してきたところだが、どうなるか伺う。

回答
  新設の駐車場が供用開始されるまでの間、既設駐車場の一部の利用を継続する予定です。

質問事項
 一の2のウ バーベキュー広場、テニスコート等の利用休止期間中の代替施設は確保されているか伺う。

回答 
  利用休止期間中のバーベキュー広場の代替施設は予定していません。
  また、テニスコートは当面の間、現状の8面を2面に縮小して運用することとしています。

質問事項
 一の2のエ 本事業にともない、伐採される公園内の樹木は800本と聞いているが、新設駐車場の敷地分は含まれていないのではないか。その範囲では、何本の樹木の伐採または移植を予定しているのか伺う。

回答
  新設駐車場の敷地は、高台化事業の範囲外であり、新設駐車場の工事に伴い、高木については、8本を移植、28本を伐採する予定です。

質問事項
 一の2のオ 江戸川区東部地域においても本公園の樹木は貴重な存在だが、伐採による環境への影響について、調査はしたのか。調査したのであれば、結果の詳細について伺う。

回答
  既存の樹木の取扱いについては、今後調査を行うこととしています。

質問事項
 一の2のカ 第1工区の敷地内にある3か所の地盤沈下観測所は、経年に渡る地盤沈下を測定する重要な施設だが、維持されるのか伺う。

回答 
  都が設置している3か所の地盤沈下観測所は、高台化後も維持します。

質問事項
 一の2のキ B地区の篠崎町八丁目において2017年3月に実施された試験盛土の観測結果はどうなっているか伺う。

回答 
  平成29年4月から平成30年2月までの試験盛土に伴う地盤の沈下量は、盛土中央部において0.6センチメートルです。

質問事項
 一の3 本事業について、住民と利用者への情報提供と説明責任が全く不十分な現状において、公園高台化工事を開始すべきではないと考える。工事を中止させるべきだが、見解を伺う。

回答
  篠崎公園では、水害時にも対応する広場の高台化や江戸川堤防への避難
 動線の確保に取り組むこととしています。今後とも、事業の内容について、適切に周辺住民や公園利用者への周知を図りながら、工事を進めて行きます。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 五十嵐えり

質問事項
 一 パートナーシップ宣誓制度の「宣誓」の憲法違反についての再質問について
 二 高齢者を狙った犯罪対策について
 三 病床確保支援事業について
 四 選管における通称名使用の対応について
 五 ウクライナ避難民に対する支援状況について
 六 駅前での募金活動等に対する対応について
 七 高等学校卒業程度認定試験について
 八 気候変動対策について
 九 災害時の住民の把握について
 十 東日本大震災からの避難者に対する支援等について

一 パートナーシップ宣誓制度の「宣誓」の憲法違反についての再質問について
  東京都は令和4年5月10日、東京都パートナーシップ宣誓制度(以下「本件制度」という。)の成案を公表した。成案によると、依然として、東京都は同性カップルが都知事に対して、「互いを人生のパートナーとして、相互の人権を尊重し、継続的に協力し合う」ことを宣誓させることを求めるようである。これについては、私が前回の文書質問について憲法上の疑念を質問したところであるが、正面からの回答はなかった。東京都はなぜこうした他の自治体には見られない宣誓内容について、これほどこだわるのか不明だが、この点について、東京都は都民の質問にも答えていない。具体的には、パブリックコメントにおいて、都民からの「『性的マイノリティであることの宣誓』や『相互の人権の尊重』、『継続的に協力し合うことを約束』しないと制度を利用できないということだが、個人の心や感覚の内側にあるものを制度上の要件とすることに違和感がある。婚姻同様、『両者の合意のみに基いて成立』と簡潔にまとめてほしい。」とのコメントに対し、東京都は、「対象者の要件については、様々な御意見を踏まえ、『双方又はいずれか一方が性的マイノリティであり、互いを人生のパートナーとして、相互の人権を尊重し、日常の生活において継続的に協力し合うことを約した二者である』と宣誓したこととしました。なお、本制度は婚姻制度とは別のものです。」と回答しているが、全く回答になっていない。なお、私の前回の文書質問に対し、都は「今後、都議会での議論や意見、パブリックコメント等を踏まえ、当事者にとってより良い制度となるよう、取り組んでいきます。」と答弁していた。
  そこで、改めて、なぜ本件制度では、同性カップルは、都知事に対し、互いを人生のパートナーとして、「相互の人権を尊重し」、継続的に協力し合うことを誓約しなければならないのか、本件制度において異性カップルには想定し得ない「相互の人権を尊重」すると宣誓させるという過剰とも思われる宣誓内容を要する理由について、丁寧に述べられたい。「本制度は婚姻制度とは別のもの」と強調することとの関連についても、伺う。

二 高齢者を狙った犯罪対策について
  東京都で発生した高齢者(65歳以上)を狙った犯罪について、過去5年間の都内における特殊詐欺のうち総件数、被害額及び警視庁としての対策を伺う。さらに、地域ごとの特徴についても併せて伺う。

三 病床確保支援事業について
 1 東京都は、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れるため、医療機関に対して病床確保料および患者退院後の消毒経費等を補助している(病床確保支援事業)が、コロナ禍において、東京都が病院等に対し、当該補助として、支払った総額、病院別の補助額及び補助金執行にあたっての取組状況について伺う。
 2 新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるために確保した病床数と入院患者数について、病院別の実績を伺う。

四 選管における通称名使用の対応について
 1 東京都選管として、視覚障がい者が投票する権利を全うできるようにどのような対策をとっているのか伺う。
 2 同様に、高齢や病気のため投票所まで行くことが難しい方々への対策について伺う。
 3 昨年の東京都議会議員選挙の際、選管が開催した立候補予定者説明会において、立候補予定者が日頃政治活動を行っている通称名で受付をしようとしたところ、選管に通称名での受付を断られ、やむなく戸籍名で受付したところ、当人がそれまで公表していなかったその戸籍名が報道されてしまったということがあった。現在の、立候補予定者に対する通称名での選管の受付状況及びその他の通称使用の整備状況を伺う。

五 ウクライナ避難民に対する支援状況について
  ウクライナから避難してきた人の、現時点の人数を伺う。また、その方たちに対する都の支援内容及び状況を伺う。

六 駅前での募金活動等に対する対応について
  都内の駅前で募金活動を行う上で、必要な手続きについて伺う。

七 高等学校卒業程度認定試験について
 1 東京都は、高等学校卒業程度認定試験について、どのような事務を行っているか。
 2 同制度は、「大学受験や就職の際の扱いは高等学校卒業程度認定試験の合格者と同じ」(文部科学省)としているが、東京都における就職の際の扱いとして、いかなる取り扱いを行っているか、見解を伺う。また、東京都は民間企業に対してはいかなる通知等を行っているか。
 3 同制度を活用しようとしている者(中学校卒業者や高校中退者等)に対する周知や支援等があるか、伺う。

八 気候変動対策について
  東京都は、気候変動対策について、都民の声をどのように聞き、どのように政策に反映していくのか、見解を伺う。また、現在の取り組み状況も伺う。

九 災害時の住民の把握について
  東京都は、災害時における、住民相互の安否確認が円滑に進むよう支援していくべきと考えるが、現在の取り組み状況を伺う。

十 東日本大震災からの避難者に対する支援等について
  東京都は、平成23年3月11日の東日本大震災での原発事故における都内への避難者に対し、いかなる支援を行っているか伺う。特に、住宅環境についての現状を伺う。

令和4年第二回都議会定例会
五十嵐えり議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 パートナーシップ宣誓制度の「宣誓」の憲法違反についての再質問について
   改めて、なぜ本件制度では、同性カップルは、都知事に対し、互いを人生のパートナーとして、「相互の人権を尊重し」、継続的に協力し合うことを誓約しなければならないのか、本件制度において異性カップルには想定し得ない「相互の人権を尊重」すると宣誓させるという過剰とも思われる宣誓内容を要する理由について、伺う。「本制度は婚姻制度とは別のもの」と強調することとの関連についても、伺う。

回答
  都は、人権尊重条例に基づき、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別の解消並びに啓発等の推進を図るものとしており、パートナーシップ宣誓制度は、その施策の一環として取り組むものです。
  人権尊重条例では、東京に集う多様な人々の人権が誰一人取り残されることなく尊重されるとしており、性的マイノリティ当事者の方々も含め、都民の誰もが認め合う共生社会を実現することとしています。
  こうした理念を明確にするため、本制度では、性的マイノリティ当事者の方々の人権尊重の観点から、パートナーシップ関係にある二人が対等な立場で互いの人権を尊重することを前提に、対象者を定義したものです。
  また、本制度は、パートナーシップ関係にある二人の宣誓、届出を受理証明する制度であり、関係法令との整合性を踏まえ、婚姻制度とは異なるものとして構築していることから、そのことを明確にするため、「婚姻制度とは別のもの」と表記しています。

質問事項
 二 高齢者を狙った犯罪対策について
   高齢者(65歳以上)を狙った犯罪について、過去5年間の都内における特殊詐欺のうち総件数、被害額及び警視庁としての対策を伺う。さらに、地域ごとの特徴についても併せて伺う。

回答 
  1 過去5年間の都内における特殊詐欺の認知件数等
平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年
認知件数 3,510件 4,185件 3,815件 2,896件 3,319件
うち、高齢者 2,920件 3,588件 3,299件 2,620件 3,109件
被害金額 約79億
8,000万円 約88億
7,000万円 約75億
9,000万円 約63億
4,000万円 約66億
2,000万円
うち、高齢者 約72億
6,000万円 約79億
1,000万円 約66億
5,000万円 約56億
5,000万円 約60億
1,000万円
平成30年から「キャッシュカード詐欺盗」を計上
  2 警視庁における特殊詐欺対策
    検挙対策としては、受け子や出し子といった末端被疑者の検挙はもとより、犯行グループの主要被疑者と認められる暴力団幹部の検挙等に向けた突き上げ捜査を実施しています。
    被害防止対策としては、金融機関、防犯ボランティア団体等と連携し、「ATMコーナーでは携帯電話の通話をしない、させない」ことを社会のルールとして定着させる「ストップ!ATMでの携帯電話」運動、多くの高齢者やその子・孫世代が訪れるワクチン接種会場などにおける広報啓発活動、AIを活用した被害防止機器の設置促進等を実施しています。
  3 特殊詐欺における地域別の特徴(令和4年5月末現在)
    多摩地域で発生した被害の9割は、現金、キャッシュカード等を犯人が被害者から手渡しでだまし取る「手交型」によるものでした。 
    一方、特別区においては、こうした「手交型」による被害は6割強であり、「手交型」以外の被害については、被害者をATMに誘導し、携帯電話越しにATMを操作させて、実際は犯人の口座に振り込ませる「還付金詐欺」が3割でした。
    警視庁では、引き続き、各警察署管内の被害発生状況を分析し、その実態に即した諸対策を、強力に推進していきます。

質問事項
 三 病床確保支援事業について
  1 都は、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れるため、医療機関に対して病床確保料および患者退院後の消毒経費等を補助している(病床確保支援事業)が、コロナ禍において、東京都が病院等に対し、当該補助として、支払った総額、病院別の補助額及び補助金執行にあたっての取組状況について伺う。

回答
  都は、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れる医療機関を対象に病床確保支援事業を実施しており、補助額は、令和2年度は約1,362億円、令和3年度は約1,937億円です。
  補助金の執行に当たっては、病床使用率が低い医療機関にヒアリングや書面調査を行い、その理由を確認するなど、適切に対応しています。
  なお、病床確保支援事業の病院別の補助額は、法人に関する情報であり、法人の事業運営に支障が生じるおそれがあるため、公表していません。

質問事項
 三の2 新型コロナ感染症患者を受け入れるために確保した病床数と入院患者数について、病院別の実績を伺う。

回答
  新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関での確保病床数や入院中患者数等については、医療機関等情報支援システム(G-MIS)により医療機関から厚生労働省に報告されており、厚生労働省のホームページに令和3年12月1日以降の実績日時点の医療機関別情報が公表されています。

質問事項
 四 選管における通称名使用の対応について
  1 視覚障がい者が投票する権利を全うできるようにどのような対策をとっているのか伺う。

回答
  視覚障害を持つ有権者への配慮として、点字による候補者一覧を作成し各投票所に配備しているほか、複数枚の投票用紙を使用する選挙の場合には、それぞれの投票用紙に点字で選挙の種類を表示し、投票箱の上部にも選挙の種類を表示した点字シールを貼付して有権者に分かりやすくしています。この他、選挙公報の音声データをホームページで公開し、選挙公報の点字版の作成配布なども行っています。
  投票所では、投票所の出入口などの段差解消のためのスロープの設置や点字器具の配備を行った区市町村への財政的支援も行っています。
  また、投票所を管理する区市町村選挙管理委員会の職員を対象に実施している研修に、都立心身障害者福祉センターから講師を招き、投票所における障害者への接遇についての講義を行っています。

質問事項
 四の2 高齢や病気のため投票所まで行くことが難しい方々への対策について伺う。

回答
  身体の障害などにより自ら投票所に行けない有権者が投票を行う方法として、現行制度では、不在者投票指定施設における投票と郵便等投票があります。
  不在者投票指定施設における投票は、都道府県選挙管理委員会から指定された病院や老人ホームなどに入院・入所中の有権者が、その施設内で投票を行うものです。
  また、郵便等投票は、身体の障害の程度や介護保険法の要介護度において一定の要件に該当する有権者が、自宅などで投票用紙に記載し、それを郵便等で送付することにより投票を行う制度です。
  なお、宿泊療養や自宅療養をしているコロナ陽性患者等については、令和3年6月に創設された特例的な郵便等投票制度により、郵便等投票を行うことができます。

質問事項
 四の3 昨年の東京都議会議員選挙の際、選管が開催した立候補予定者説明会において、立候補予定者が日頃政治活動を行っている通称名で受付をしようとしたところ、選管に通称名での受付を断られ、やむなく戸籍名で受付したところ、当人がそれまで公表していなかったその戸籍名が報道されてしまったということがあった。現在の、立候補予定者に対する通称名での受付状況及びその他の通称使用の整備状況を伺う。

回答
  立候補予定者説明会の受付時又は立候補予定者への書類配付時の氏名の公表については、法令上の規定はありませんが、立候補予定者からの御意見・御要望等を踏まえ、令和3年10月執行の衆議院議員選挙以降の都選管の管理する選挙において、通称名のうち旧姓での受付及び公表を可能としております。

質問事項
 五 ウクライナ避難民に対する支援状況について
   ウクライナから避難してきた人の、現時点の人数を伺う。また、その方たちに対する都の支援内容及び状況を伺う。

回答
  出入国在留管理庁は、都道府県別ウクライナ避難民在留者数を定期的に公表しており、東京都を住居地として届け出た避難民は、令和4年8月28日現在、385人います。
  都は、相談窓口を設置し、都営住宅等での受入れを行っており、令和4年8月28日現在、138組243名が入居しています。
  また、避難生活が長期化する中、東京で安心して生活していただくため、各種支援団体とのマッチングや就労の後押し等の多岐にわたる支援を行っています。

質問事項
 六 駅前での募金活動等に対する対応について
   都内の駅前で募金活動を行う上で、必要な手続きについて伺う。

回答
  募金活動を道路において行うことによって、道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような場合には、道路使用許可が必要となるときがあります。

質問事項
 七 高等学校卒業程度認定試験について
  1 都は、高等学校卒業程度認定試験について、どのような事務を行っているか伺う。

回答
  高等学校卒業程度認定試験は、国が実施する事業であり、都教育委員会は、その依頼に基づき、試験の周知や試験日における運営協力等を行っています。

質問事項
 七の2 同制度は、「大学受験や就職の際の扱いは高等学校卒業程度認定試験の合格者と同じ」(文部科学省)としているが、都における就職の際の扱いとして、いかなる取り扱いを行っているか、見解を伺う。また、都は民間企業に対してはいかなる通知等を行っているか伺う。

回答
  令和4年度東京都職員III類採用試験の例では、「平成13年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人」としており、高等学校の卒業を受験資格としていません。
  国において、ハローワークや商工会議所等に対し、パンフレットを配布し、企業に対して制度の周知を図っていると聞いています。

質問事項
 七の3 同制度を活用しようとしている者(中学校卒業者や高校中退者等)に対する周知や支援等があるか、伺う。

回答
  都教育委員会は、受験案内を都立高等学校及び都立中等教育学校に送付し、生徒へ周知するほか、ホームページや広報東京都に試験に関する情報を掲載するなど、幅広く周知を図っています。
  また、各学校においては、受験を検討している生徒に対して、情報提供を行うなどしています。

質問事項
 八 気候変動対策について
   気候変動対策について、都民の声をどのように聞き、どのように政策に反映していくのか、見解を伺う。また、現在の取り組み状況も伺う。

回答
  気候変動対策の推進には、都民一人一人の行動が不可欠であり、都はこれまでも、自治体や環境団体等が実施する市民参加型のシンポジウムや勉強会等に参加することで、都民の生の声を聞きながら、都の取組についても発信し、共感と協働を呼びかけてきました。
  また、都が立ち上げた「チームもったいない」には、約1,100の都民や企業が参加しており、その取組や声をウェブ上で配信するとともに、協働してシンポジウムの開催や、先進事例の共有等を行っています。
  環境審議会での議論においても、未来を担う若者等からのヒアリングなどを実施したほか、環境基本計画の中間のまとめについてパブリックコメントを募集し、広く都民、事業者、団体等の意見を求めています。
  引き続き、様々な場で多くの主体の参画を得て、カーボンハーフを実現していきます。

質問事項
 九 災害時の住民の把握について
   災害時における、住民相互の安否確認が円滑に進むよう支援していくべきと考えるが、現在の取り組み状況を伺う。

回答
  発災時において、地域住民が適切な防災行動を実施するためには、相互に安否確認が取れる環境を整えるとともに、事前にその方法を周知しておくことが重要です。
  このため都は、安否確認ハンドブックや防災アプリなどを通じ、災害用伝言ダイヤルやSNSによる安否確認方法をあらかじめ家族と相談し決めておくことなどを、都民に対し広く呼びかけています。
  また、町会・自治会向けの「東京防災学習セミナー」などにおいて、安否確認の必要性を伝えるとともに、安否確認のルール及び訓練を紹介するなど、地域における取組を促しております。

質問事項
 十 東日本大震災からの避難者に対する支援等について
   平成23年3月11日の東日本大震災での原発事故における都内への避難者に対し、いかなる支援を行っているか伺う。特に、住宅環境についての現状を伺う。

回答
  東日本大震災により都内へ避難されている方に対しては、関係各局が連携し、被災県、区市町村、福祉関係機関等とも協力して、避難者の生活全般にわたる支援を実施しています。
  具体的には、水道・下水道料金の減免、就労支援、戸別訪問や交流サロン開催などの避難者の孤立化防止事業、電話相談窓口の運営などを行っています。また、月に一度、避難者世帯に対し、支援に関する情報をまとめた「定期便」を送付しています。
  住宅については、被災県からの要請に基づき、現在、福島県大熊町及び双葉町からの避難者に対し、都営住宅等を災害救助法に基づく応急仮設住宅として提供しています。また、都の応急仮設住宅の供与終了に合わせ、被災県の要請を受け、都営住宅の避難者専用枠での募集や入居基準の緩和などにより、住宅確保を支援しています。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原のり子

質問事項
 一 PCR等検査無料化事業の拡充について
 二 多摩地域の消防団装備に対する支援について

一 PCR等検査無料化事業の拡充について
  新型コロナウイルス感染症は、まだまだ予断を許さない状況です。感染拡大の第7波に備えた対策が重要であり、そのためには、検査体制のさらなる強化が必要です。ところが、知事は、今議会の所信表明において、検査について一言も触れませんでした。ワクチン接種だけでは収束できないことは明らかであり、いつでもだれでも必要なときには検査ができ、その結果を確認しながら社会活動をすることを定着させることが大切です。そのことによって、感染を拡大させない、陽性の場合も早期発見してすぐに対応することで重症化させない、ということが可能になります。
  リバウンド警戒期間が終了し、行動制限も緩められ、海外からの観光客の受け入れも再開するなど、人の動きが活発化しています。しかし、モニタリング会議では、「感染状況は拡大傾向にないが、警戒が必要である」としています。6月11日の新規陽性者は1,526人です。PCR等検査無料化事業は、ますます拡充が必要であると考えます。
  現在、いつでもだれもが検査できるという状況になっているかというと、地域によって差があります。
  清瀬・東久留米地域では、11か所の検査場所がありますが、その内、PCR検査を実施しているのは8か所。予約なしで受け付けているのは3か所ですが、その内2か所は平日の3時間だけです。一日に受けられる人数の枠も少なく、「行ったけれど受けられなかった」という声が聞かれます。そして、スマートフォンかタブレットでの対応になっていて、メールアドレスは必須です。また、日曜日に対応する検査場所はありません。そのため、「家族で立川まで行って検査した」という方もいます。
  北多摩北部地域をはじめ、中央線エリアから離れた地域にも、利便性の高い検査場所をつくってほしいとの声に応えていただきたく、以下質問します。
 1 東京都全体のPCR等検査無料化事業の実施箇所数、および、その内、PCR検査を実施しているのは何か所ですか。
 2 PCR検査を実施している検査場所についてうかがいます。1予約なしで受け付ける、2スマートフォン・タブレットが無くても対応する、3メールアドレスが無くても対応する、4日曜日も実施している、51から4まですべてあてはまる、それぞれ検査場所はいくつありますか。
 3 PCR等検査無料化事業を、地域の偏りなく実施していくべきと考えますが、見解をうかがいます。
 4 誰もが利用できるように、スマートフォンなどを持っていない、またメールアドレスがない、という場合でも対応できるように働きかけをしていただきたいと思いますが、いかがですか。
 5 PCR等検査無料化事業は、コロナ収束まで継続すべきと考えますが、いかがですか。

二 多摩地域の消防団装備に対する支援について
  多摩地域の消防団は、ポンプ自動車で真っ先に火災現場へ駆けつけ、消火活動をおこなっています。地域にとって、消防団はなくてはならない、頼りになる存在です。
  ある市では、老朽化したポンプ自動車を買い換えるため、市町村総合交付金の政策連携枠の活用を検討しました。しかし、政策連携枠では、消防団装備について、「23区基準」にするということになっており、23区ではポンプ車ではなく可搬ポンプのため認められません。
  23区並みにするということは、23区とは違う特徴をもっているものを引き下げたり、無理に合わせるということではないはずです。ポンプ車の更新にも、交付金が適用されるべきと考え、以下質問します。
 1 そもそも、市町村総合交付金の目的はどのように規定されていますか。
 2 市町村総合交付金の政策連携枠の目的と、それぞれの項目の基準を示してください。
 3 消防団装備について、23区基準のため認めなかった事例はどういうものがあるか、示してください。
 4 政策連携枠の消防団装備のなかで、ポンプ車の更新を認めるべきと考えますが、見解をうかがいます。
 5 市町村総合交付金について、とりわけ、政策連携枠を実施してきての検証が必要です。来年度からの改善に向けて、市町村へのヒアリングをおこなうことを提案しますが、いかがですか。

令和4年第二回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 PCR等検査無料化事業の拡充について
  1 東京都全体のPCR等検査無料化事業の実施箇所数、および、その内、PCR検査を実施しているのは何か所か伺う。

回答
  令和4年8月1日現在、PCR等検査無料化事業の検査実施施設は1,234か所であり、そのうちPCR検査を実施する施設は843か所です。

質問事項
 一の2 PCR検査を実施している検査場所について、1予約なしで受け付ける、2スマートフォン・タブレットが無くても対応する、3メールアドレスが無くても対応する、4日曜日も実施している、51から4まですべてあてはまる、それぞれ検査場所はいくつあるか伺う。

回答
  令和4年8月1日現在、PCR等検査無料化事業でPCR検査を日曜日に実施している施設は338か所です。
  検査を受ける際に、予約やスマートフォン、タブレット、メールアドレスを必要としない施設の数については把握していません。

質問事項
 一の3 PCR等検査無料化事業を、地域の偏りなく実施していくべきだが、見解を伺う。

回答
  令和4年8月1日現在、多摩・島しょ地域の一部を除き、都内1,234か所の施設で無料検査を受けることが可能となっています。

質問事項
 一の4 誰もが利用できるように、スマートフォンなどを持っていない、またメールアドレスがない、という場合でも対応できるように働きかけをしていただきたいが、見解を伺う。

回答
  都は、PCR等検査無料化事業において、実施事業者に対し、スマートフォン等やメールアドレスがなくても検査を受けられるようにすること、その場で迅速に結果が判明する抗原定性検査キットを状況に応じて活用することなど、柔軟な対応を求めています。

質問事項
 一の5 PCR等検査無料化事業は、コロナ収束まで継続すべきだが、見解を伺う。

回答 
  PCR等検査無料化事業については、国の方針や感染状況などを踏まえて対応することとしています。

質問事項
 二 多摩地域の消防団装備に対する支援について
  1 市町村総合交付金の目的はどのように規定されているか伺う。

回答
  市町村総合交付金は、市町村が実施する各種施策に要する経費の財源補完を通じて、市町村の経営努力を促進し、自主性・自立性の向上に資するとともに、地域の振興を図り、もって市町村の行政水準の向上と住民福祉の増進を図ることを目的としています。

質問事項
 二の2 市町村総合交付金の政策連携枠の目的と、それぞれの項目の基準について伺う。

回答
  政策連携枠は、東京が抱える喫緊の行政課題を市町村と連携して解決していくため、市町村が取り組む各種施策に要する一般財源を補完することを目的として導入したものです。
  令和4年度は、以下の5つの柱で実施します。
  「待機児童対策」では、保育所や学童クラブの待機児童対策を支援していきます。
  「ゼロエミッションの推進」では、電気自動車の導入に加え、庁舎や公共施設への太陽光発電の導入等を支援していきます。
  「消防団活動の充実」では、特別区の配備基準に基づく装備品や資機材の新たな購入及び更新を支援していきます。
  「行政のデジタル化」では、公共施設や住民サービスのデジタルシフトなどの取組を支援していきます。
  「働き方改革による地域振興」では、テレワークや職住近接の環境を整備することによる移住定住の促進などを支援していきます。

質問事項
 二の3 消防団装備について、23区基準のため認めなかった事例はどういうものがあるか伺う。

回答
  多摩地域の消防団は、消防組織法の規定に基づき、各市町村が管理運営を担っていますが、都は、特別区の配備基準に対して不足する装備品や資機材の購入を支援しており、基準にない品目や基準数を超えた部分については、政策連携枠の支援の対象外としています。

質問事項
 二の4 政策連携枠の消防団装備のなかで、ポンプ車の更新を認めるべきだが、見解を伺う。

回答
  ポンプ車については、政策連携枠の対象とはなりませんが、地域防災に果たす役割の大きさに鑑み、従来から、消防団施設として所要経費に係る一般財源を市町村総合交付金で補完しています。

質問事項
 二の5 市町村総合交付金について、とりわけ、政策連携枠を実施してきての検証が必要である。来年度からの改善に向けて、市町村へのヒアリングをおこなうことを提案するが、見解を伺う。

回答
  市町村総合交付金については、毎年度、市町村から交付金を活用した取組の実施状況を伺っています。政策連携枠においては、保育所の待機児童対策や消防団活動の充実に多くの市町村が取り組んでおり、待機児童数の減少や消防団装備品の充足率の向上につながるなど、その効果は着実に表れているものと考えています。
  また、政策連携枠の見直しに当たっては、市町村と意見交換を行い、いただいた意見を反映させて、使い勝手の良いものとなるよう制度の充実を図っています。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 風間ゆたか

質問事項
 一 水の事故教育について
 二 着衣水泳訓練について

一 水の事故教育について
  夏期学校休業期間、児童が生活する上で様々なリスクが伴う。特に河川や海でのレジャーの際に発生する児童死亡事故は毎年のように発生していることから、都は児童自身が水の事故事例を学び、その怖さを知るためにも海や河川の危険性を伝える教育を行う必要があると考えるが見解を伺う。

二 着衣水泳訓練について
  都は現在、小学校高学年に対して着衣水泳指導を行っている。子どもの水難事故の実状を鑑みれば小学校低学年から着衣水泳指導を行う必要があると考えるが都の見解を問う。

令和4年第二回都議会定例会
風間ゆたか議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 水の事故教育について
   夏期学校休業期間、児童が生活する上で様々なリスクが伴う。特に河川や海でのレジャーの際に発生する児童死亡事故は毎年のように発生しているため、児童自身が水の事故事例を学び、その怖さを知るためにも海や河川の危険性を伝える教育を行うべきだが見解を伺う。

回答 
  子供が、野外で安全に活動できるようにするために、都教育委員会は、全教員に配布する指導資料「安全教育プログラム」に、指導事例として、海や川には保護者や水泳の熟練者と一緒に行くことなどを示し、学校で繰り返し指導を行うよう促してきました。また、令和4年4月には、急な増水や川底の深みに注意することなどについて指導するよう、都内公立学校に通知しました。
  今後とも、「安全教育プログラム」の各学校での活用について、区市町村教育委員会の連絡会で周知するなど、河川水難事故の防止に取り組んでいきます。

質問事項
 二 着衣水泳訓練について
   都は現在、小学校高学年に対して着衣水泳指導を行っている。子どもの水難事故の実状を鑑みれば小学校低学年から着衣水泳指導を行う必要があるが、見解を伺う。

回答
  着衣泳は、プール等における水着での泳ぎと異なる泳ぎの難しさを体験させ、事故にあった際の対応の仕方を学ばせるものです。
  都教育委員会は、これまで区市町村教育委員会や小学校の水泳指導担当者を対象とした講習会等において、小学校高学年の児童に着衣泳を指導する際の留意点を示すとともに、令和3年度から、低学年の児童に対しても、地域や児童の実態に応じ指導するよう周知してきました。
  引き続き、区市町村教育委員会に対し、低学年においても必要に応じ指導するよう周知し、水の事故の未然防止に取り組んでいきます。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 竹井ようこ

質問事項
 一 柳瀬川の河畔林について
 二 都立高校入試における追加合格について

一 柳瀬川の河畔林について
  「柳瀬川流域河川整備計画(平成18年3月)」にあるとおり、柳瀬川流域では昭和30年代頃から大規模な宅地開発が行われるなど市街化が急激に進展し、これまで地中に浸透していた雨水が河川へ流入することで、浸水被害が多発するようになりました。
  柳瀬川に架かる秋津橋のたもとの河畔林である「いっぽんばし緑地」(東京都東村山市秋津町三丁目28番5)周辺は、所沢方面(北側)よりも低い土地であり、豪雨の際は下り坂を流れてくる雨水と増水した柳瀬川に挟まれます。
  東村山市が作成しているハザードマップのとおり、当該緑地周辺は柳瀬橋から秋津橋間以上の高い浸水が予想されています。実際、当該緑地に隣接している住宅では逆流した下水がトイレから吹き上げる被害等が発生しております。
  今般、この緑地が宅地開発されることとなりましたが、周辺の住民から防災上の不安の声が寄せられていますので以下質問致します。
 1 河川整備について
  ア 最近、1時間あたり50ミリメートルを超える豪雨が増加し、水害が頻繁に発生、激甚化すると予想され、住民からは、いっぽんばし緑地付近は何ミリメートルの降雨に耐えうるのかと不安の声があがっているなか、昭和60年に策定した柳瀬川改良工事全体計画に基づく「時間あたり50ミリメートル規模の降雨」の治水水準は早急な見直しが必要かと思われますが、見解をお示しください。
  イ 市民は、「下流から整備を進めており、いっぽんばし緑地周辺はいつになるかわからない」との情報を得ていますが、整備時期の目途についてお示しください。
 2 宅地開発について
  ア 一般的に宅地開発の許可が申請された場合、申請受理後の許可までの流れ、判断の根拠をご教示ください。
 イ 宅地開発事業者はどのような場合に浸透施設を設置する必要がありますか。浸透施設を設置する場合、都は、設置基準を満たしていることの確認をどのように行いますか。
 3 流域治水について
   当該緑地は、これまで幾度も柳瀬川増水時のあふれた水を受け止め、「流域治水の要」となっています。総合的に考えて、当該緑地は宅地には不適当な土地であり、今後も「流域治水の要」として民ではなく公で管理するのが望ましいとの声が市民から上がっています。
   想定を超える豪雨災害が相次ぐ中、主に川沿いの堤防や上流のダムを利用した「水をあふれさせない治水」の限界が明らかになっています。国の方針も「河川の流域のあらゆる関係者が、協働して流域全体で行う治水対策」=「流域治水」にシフトしています。
   今後の治水対策において、都としても、河川整備だけでなく貯留機能の確保を促進していくべきと考えますが、見解をお示しください。

二 都立高校入試における追加合格について
  本年3月に合格発表が行われた都立高校入試において、本来合格であるべき3人の生徒を不合格としていた件で、教育庁が謝罪をし、3人を追加合格としたという報道がありました。
  このことについて以下伺います。
 1 3人が追加合格となった都立高校に入学した場合、他校で支払った入学金や制服代等の一切の費用の弁償は行われたのでしょうか。
 2 今回の件を受けて、他校においても全件見直しは行われたのか、また再発防止に向けた措置についてお示しください。
 

令和4年第二回都議会定例会
竹井ようこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 柳瀬川の河畔林について
  1 河川整備について
   ア 最近、1時間あたり50ミリメートルを超える豪雨が増加し、水害が頻繁に発生、激甚化すると予想され、住民からは、いっぽんばし緑地付近は何ミリメートルの降雨に耐えうるのかと不安の声があがっているなか、昭和60年に策定した柳瀬川改良工事全体計画に基づく「時間あたり50ミリメートル規模の降雨」の治水水準は早急な見直しが必要だが、見解を伺う。

回答
  柳瀬川流域については、令和3年4月に豪雨対策基本方針に基づく対策強化流域に位置付け、豪雨対策の目標を時間65ミリ降雨としています。

質問事項
 一の1のイ 市民は、「下流から整備を進めており、いっぽんばし緑地周辺はいつになるかわからない」との情報を得ているが、整備時期の目途について伺う。

回答
  いっぽんばし緑地付近の柳瀬川の東京都施行区間の整備時期については、下流側の埼玉県施行区間の進捗に合わせて、今後整備を進めていきます。

質問事項
 一の2 宅地開発について
    ア 一般的に宅地開発の許可が申請された場合、申請受理後の許可までの流れ、判断の根拠を伺う。

回答
  都市計画法(以下「都計法」という。)第29条に基づく開発許可の申請受付後は、申請書類を都計法に基づき審査し、許可処分等を行うこととなります。
  開発行為が都計法第33条に定める技術的基準に適合し、申請手続が都計法に違反していないと認めるときは、開発許可をしなければならないと定められています。

質問事項
 一の2のイ 宅地開発事業者はどのような場合に浸透施設を設置する必要があるか。その場合、都は、設置基準を満たしているかの確認をどのように行うか伺う。

回答
  都市計画法第33条に定める技術的基準のうち、雨水排水施設に関する基準では、土地利用計画や周辺の状況等を勘案し、開発区域内の排水施設が、その排出によって開発区域及びその周辺の地域にいっ水等による被害が生じないような構造及び能力で適当に配置する設計が定められていることなどとされています。
  排出先の河川や下水道の管理者との協議において、全ての雨水を排出できない場合は、開発区域内に浸透施設等を設置することが出来るとされています。その際は、事業者から提出された施設の規模の計算書等の資料により審査します。

質問事項
 一の3 都としても河川整備だけでなく、貯留機能の確保を促進していくべきだが、見解を伺う。

回答
  河川の流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う流域治水の取組は重要です。激甚化・頻発化する豪雨に対応するためには、河川や下水道の整備に加え、流域対策等の取組を併せて行うことが効果的です。そこで、都が策定している東京都豪雨対策基本方針においても、貯留浸透施設の設置等の流域対策の取組を定めています。
  都は、今後とも地元自治体と連携しながら、貯留浸透施設に係る既存の補助制度により支援するなど、流域対策を促進していきます。

質問事項
 二 都立高校入試における追加合格について
  1 3人が追加合格となった都立高校に入学した場合、他校で支払った入学金や制服代等の一切の費用の弁償は行われたのか伺う。

回答
  都立高校の入学者選抜において、合否判定を誤ったことにより、本来合格者とすべき生徒を不合格としたことに関して、都は、入学金や制服代など、別の高校に入学することになったことに伴い発生した経費等に対する賠償を行う予定です。

質問事項
 二の2 今回の件を受けて、他校においても全件見直しは行われたのか、また再発防止に向けた措置について伺う。

回答
  本件の発覚を受け、同様の誤りがないか、点検を実施し、他に誤りがないことを確認しています。
  再発防止に向けては、入学者選抜に関わる教職員に対する研修を強化するとともに、合否判定資料を作成するシステムの改善を行います。また、合否判定における点検箇所を明示したチェックリストを作成し、選考委員会において、これを活用した審議を行うなど、審査の実効性の確保を図ります。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 米倉春奈

質問事項
 一 関係機関が連携した痴漢ゼロ対策の具体化について

一 関係機関が連携した痴漢ゼロ対策の具体化について
  痴漢対策について伺います。
  国は、6月に公表した「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」で、痴漢被害ゼロを目指して今年度中に「痴漢撲滅パッケージ策定」を掲げました。関係省庁が連携した取り組みを抜本的に強化するための政策であり、重要です。
  都も、痴漢対策について関係機関と連携し、幅広く取り組んでいくと答弁をしたことも大切です。
  そこで取り組みの具体化について伺います。
 1 都は、痴漢対策を強化するために、どのように関係機関と連携していくのですか。都庁内についても、痴漢ゼロ対策会議(仮称)など、局横断の体制を作ることを求めますが、いかがですか。
  東京では、公共交通機関での痴漢被害が多いと指摘されています。コロナ禍で被害が減っていると言われるものの、都内のある私立高校の調査では女子生徒の4人に1人が被害にあっています。
 2 警視庁が把握している、迷惑防止条例違反(第5条第1項(痴漢・盗撮等))の年間の検挙件数および、検挙の中で電車内・駅構内に関係する件数と全体に占める割合を過去5年間お示しください。
  東京における痴漢対策を進める上で、都内に路線を持つ、民間鉄道会社との連携は重要です。今後の具体化を求めます。
  都営地下鉄についてです。
 3 女性専用車両の拡充を検討することは重要です。検討に当たって、痴漢被害者の多くを占める女性や子どもなどの声をアンケートの実施などにより把握すべきですが、どう取り組みますか。
 4 日本共産党都議団が行ったアンケート調査では、女性専用車両に対する要望として、女性専用車両の導入路線を拡大することだけでなく、導入する時間帯を朝のラッシュ時に限定しないこと、終日の導入や、少なくとも夕方以降の時間への導入を求める声が多く寄せられました。また、車両数を増やしてほしいという声も出されました。
   女性専用車両の導入拡大に当たっては、導入時間や女性専用車両の設置位置などについて、当事者の声を踏まえた検討をすべきです。いかがですか。
 5 本来、女性専用車両はシェルターとして設置されているはずですが、わが党のアンケートで、女性専用車両で嫌がらせする人への対応を望む声が多かったことは、深刻な事態です。「嫌がらせの男性が乗ってきた時にすぐに駅員に連絡できる方法が欲しい」という声は63人にものぼりました。「『男性差別だ』などと主張する人に対し、鉄道会社が詳しく女性専用車両の趣旨や意義を説明することに責任を持ってほしいです。痴漢の加害者ではなく、被害者や被害を恐れる人に非難の矛先が向くのはあまりに理不尽ですし、利用したくても足が重く感じてしまいます」という声もありました。
   交通局として、女性専用車両がある理由の意味を、丁寧に周知すべきではありませんか。
 6 痴漢の加害防止の取り組みは、強化が必要です。都は、昨年から都営地下鉄においてアナウンスを強化しました。また毎年6月に鉄道各社、警視庁とともにキャンペーンに取り組んでいます。更なる強化が求められますが、どう取り組んでいくか伺います。
 7 痴漢加害の防止のために、周知を強化するにあたっては、特に新年度の4月が大事な時期ですが、どう取り組むのですか。
 8 痴漢加害の防止や、周囲の人の対応の力となる周知のあり方として、ポスターなど宣伝物の内容は、専門家や当事者となる女性や子ども、若者などの声を踏まえた内容となることが重要だと、わが党は求めてきました。どう具体化をするのですか。
  子どもの痴漢被害の実態把握も重要です。
 9 都教委は、痴漢被害の実態把握について、都教育委員会が策定した指針に基づき、痴漢被害を含め、子どもの身体などに危害が加えられるなどの事案を把握すると、わが党の質問に答弁しました。痴漢被害について、今年に入り、何件報告が寄せられていますか。
 10 子どもの痴漢被害の実態把握について、強化すべきではありませんか。

令和4年第二回都議会定例会
米倉春奈議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 関係機関で連携した痴漢ゼロ対策の具体化について
  1 都は、痴漢対策を強化するために、どのように関係機関と連携していくのか。都庁内についても、痴漢ゼロ対策会議(仮称)など、局横断の体制を作ることを求めるが、見解を伺う。

回答
  都は、男女平等参画推進総合計画において、男女平等参画を阻害する様々な暴力への対策として、関係機関と連携して取組を進めています。
  引き続き、相談や普及啓発、被害者支援等に幅広く取り組んでいきます。

質問事項
 一の2 警視庁が把握している、迷惑防止条例違反(第5条第1項(痴漢・盗撮等))の年間の検挙件数および、検挙の中で電車内・駅構内に関係する件数と全体に占める割合を過去5年間について伺う。

回答
  平成29年から令和3年までの迷惑防止条例違反(第5条第1項)の検挙件数並びにそのうち電車内・駅構内に関係する件数及び全体に占める割合は、次表のとおりです。

 迷惑防止条例違反(第5条第1項)の検挙件数
平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年
合計 1,771件 1,815件 1,787件 1,305件 1,409件
A 電車内 908件 837件 800件 332件 308件
B 駅構内 355件 417件 346件 343件 397件
A+B 1,263件 1,254件 1,146件 675件 705件
A+Bの割合 約71% 約69% 約64% 約52% 約50%

質問事項
 一の3 女性専用車両の拡充を検討することは重要である。検討に当たって、痴漢被害者の多くを占める女性や子どもなどの声をアンケートの実施などにより把握すべきだが、どう取り組むか伺う。
    
回答 
  都営地下鉄では、痴漢撲滅キャンペーンなどを通じて、痴漢被害に遭われたお客様や周囲のお客様に対し、痴漢被害について駅係員などにお知らせいただきたい旨の呼びかけを行っており、お客様からの申し出を受け警察へ通報した場合は、速やかに本局に情報を集約しています。
  また、痴漢被害等に係る情報がお客様センターに寄せられた際には、発生場所や時間等を関係する駅に通知し、朝の点呼等において、係員一人一人に共有するなど、日頃から、業務を通じた痴漢等発生状況の把握に努めています。

質問事項
 一の4 女性専用車両の導入拡大に当たっては、導入時間や女性専用車両の設置位置などについて、当事者の声を踏まえた検討をすべきだが、見解を伺う。

回答
  女性専用車両の導入拡大に向けて、現在、大江戸線を対象に、朝ラッシュ時間帯の詳細な利用実態や新宿線への導入で得られた知見・ノウハウ等を踏まえながら検討を進めています。

質問事項
 一の5 本来、女性専用車両はシェルターとして設置されているはずだが、女性専用車両で嫌がらせする人への対応を望む声が多かったことは深刻な事態である。交通局として、女性専用車両がある理由の意味を、丁寧に周知すべきだが見解を伺う。

回答
  女性専用車両の趣旨や意義については、女性専用車両の窓ガラス及びホームの乗車位置付近に案内ステッカーを貼付するとともに、ホームページに掲載し、周知を図っています。
  また、車内及び駅構内放送においては、お客様に女性専用車両に対する御理解・御協力を呼びかけています。

質問事項
 一の6 痴漢の加害防止の取り組みは、強化が必要である。都は、昨年から都営地下鉄においてアナウンスを強化し、毎年6月に鉄道各社、警視庁とともにキャンペーンに取り組んでいる。更なる強化が求められるが、どう取り組んでいくか伺う。

回答
  交通局では、痴漢行為を防止するため、車内防犯カメラの設置や鉄道事業者等と共同での痴漢撲滅キャンペーンの実施、駅係員等による巡回などに継続的に取り組んでいます。
  また、令和4年度、重点的に呼びかけを行う独自の対策強化期間を新たに設けるとともに、警視庁防犯アプリの活用をホームページやSNS等で促すなど、誰もが安心して利用できる都営交通の実現に向けて、取組を進めています。

質問事項
 一の7 痴漢加害の防止のために、周知を強化するにあたっては、特に新年度の4月が大事な時期だが、どう取り組むのか伺う。

回答
  交通局では、痴漢行為を防止するため、鉄道事業者等と共同で痴漢撲滅キャンペーンを実施するほか、令和4年度、独自の対策強化期間を設定し、取組を進めています。

質問事項
 一の8 痴漢加害の防止や、周囲の人の対応の力となる周知のあり方として、ポスターなど宣伝物の内容は、専門家や当事者となる女性や子ども、若者などの声を踏まえた内容となることが重要だが、どう具体化をするのか伺う。

回答
  交通局では、痴漢等の防止に向けて、有識者の意見も聴きながら効果的なポスターを作成することとしています。

質問事項
 一の9 子どもの痴漢被害の実態把握も重要である。痴漢被害について、都教育委員会に、今年に入り、何件報告が寄せられているか伺う。

回答
  令和4年は1月から7月末までで、学校や区市町村教育委員会から都教育委員会に対し、「東京都教育庁事故発生報告等事務処理要綱」の運用指針に基づいた痴漢による児童・生徒被害の報告はありません。

質問事項
 一の10 子どもの痴漢被害の実態把握について、強化すべきだが見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、痴漢被害を含め、子供の身体等に危害が加えられるなどの事案について、学校や区市町村教育委員会からの報告により把握していきます。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 とや英津子

質問事項
 一 学齢期の子どもの日本語教育の充実について

一 学齢期の子どもの日本語教育の充実について
  都内には2022年1月現在で約52万人の外国人が住んでいます。国際化の進展により10年前と比べても10万人以上増え、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが収束すれば、今後も増加することが予想されます。家族の仕事や国際結婚などにより外国から日本に来る子どもたちも多く、日本語教育の充実が求められています。
 1 東京都が4月28日に「子供政策総合推進本部会議」を開催し、「日本語を母語としない児童チーム」をつくり、各局横断的な課題について施策を具体化・実践すると発表したことは重要です。
   都としては、日本語を母語としない子どもたちについてどのような課題があり、どのような点で関係局の連携が必要だと考えていますか。
 2 同チームは、できるだけ早く活動を開始し、可能なものから来年度予算に反映させていく必要があると思います。どの局が参加し、どのようなスケジュールで進めていく予定なのか伺います。
  都では「東京都地域日本語教育実態調査報告書」をまとめ、この3月、「多文化共生社会に向けた地域における日本語教育推進の考え方」を発表しました。東京に暮らす外国人がコミュニティの一員として円滑に生活するための日本語教育を対象としたもので、課題の解決や施策の充実につながるものとして期待されますが、学校などで行われる幼児、児童、生徒等に対する日本語教育は含まれていません。
 3 今後、学齢期の子どもたちへの学校も含めた日本語教育の充実の方向性も示していくことも必要だと考えますが、いかがですか。
 4 都教育委員会の資料によれば、日本語指導が必要な外国籍の児童・生徒は、2020年5月1日現在で、小中高特別支援学校合わせて3,796人、日本国籍の児童・生徒は951人、合計4,747人になります。
   これらの子どもたち全員が、どこに住んでいても、授業が理解でき、進学をはじめ希望する進路に対応できるだけの日本語を身に着けられるよう、指導を充実していく必要があります。見解を伺います。
 5 都議会では、2007年第2回定例会で「外国人の子どもの教育条件の改善に関する請願」が趣旨採択となっていますが、その要望項目の第2「都教育委員会に外国人の子どもの教育の専門部署を設置すること」は、いまだ実現していません。すでに15年が経過していますが、実現にむけどのような検討をしてきたのか、その経過についてお答えください。
 6 私たちの調査では、全国で14の道府県で、学校教育における日本語教育を総合的・専門的に担当・推進する部署や担当者を置いていました。ある県では、日本語教育の担当者をおいたことをきっかけに、県内の日本語指導を必要とする子どもたちの現状把握が図られ、県内のどこに住んでいても日本語教育を受けられるようにするためのとりくみが進んでいったそうです。
   都教育委員会でも、総合的に担当する部署や担当者をはっきりさせ、推進体制を設けることを求めます。
 7 日本語指導の必要な子どもたちが、どんな指導を受け、学校で何に困っているのか、人数把握にとどまらない実態調査を行い、公表することを求めます。いかがですか。
  少なくない県教育委員会が、市町村教育委員会や学校の担当者、大学、子どもたちに学習や生活の支援をしている国際交流協会やNPOなどと協議会をもち、各地区の現状や課題を出し合い共有したり、受け入れ体制を整備したり、指導の充実を図るなどの取り組みを進めています。
  私は、都民団体のみなさんが開催する、外国につながる子どもたちの学びへの支援を考えるつどいに、毎年のように参加してきました。支援に取り組む都民団体やNPO、日本語教育学科のある大学、当事者などが参加し、子どもたちが何に困っていて、どのような支援が必要なのか、学校や行政に求める方策や連携の必要性などについて、先行する事例や当事者の声などが交流される貴重な機会になっています。その場に都教委が参加していないことを、大変残念に思いました。
 8 支援団体や大学、区市町村教育委員会や学校などが参加する連絡協議会を都教委が開催し、関係者と連携しながら学齢期の子どもたちへの日本語教育を充実させていただきたいと思いますが、いかがですか。
 9 日本語指導が必要な小学生は2,763人、中学生は1,123人いますが、日本語学級で通級指導を受けているのはそれぞれ624人、345人だけです(2020年度)。
   日本語学級があるのは小学校で15区市、中学校は10区市ですが、学級の設置条件である10人以上の児童・生徒がいる区市は、小学生で36区市、中学生で23区市にのぼります。また、設置されていても必要な児童・生徒の1割から2割程度しか通えていない区市もあります。
   日本語学級を設置する区市町村数や学校数を増やすために、東京都が積極的な役割を果たすべきではありませんか。
 10 都教委は日本語指導に関する研修を実施していますが、正規教員しか参加することができません。実際には、区市町村教委が雇用する会計年度職員や有償ボランティア、学校の報償費による講師なども児童・生徒に日本語指導をしています。これらの方々にも研修の機会を設けていくことを求めます。
 11 都教委として、小中学校や高校、特別支援学校で求められる日本語指導の水準や内容の目安を示した教育指針をつくることも求められていますが、いかがですか。

令和4年第二回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 学齢期の子どもの日本語教育の充実について
  1 都が4月28日に「子供政策総合推進本部会議」を開催し、「日本語を母語としない児童チーム」をつくり、各局横断的な課題について施策を具体化・実践すると発表したことは重要である。都として、日本語を母語としない子どもたちについてどのような課題があり、どのような点で関係局の連携が必要だと考えているか伺う。

回答 
  日本語指導が必要な児童生徒が増加する中、不就学や学校への適応、地域での居場所の確保、進路・就労といった様々な問題への早急な対応が不可欠であります。
  こうした各局横断的、分野横断的な課題に対して、子供政策連携室が核となり、関係局と連携し、施策を具体化・実践していきます。

質問事項
 一の2 同チームは、できるだけ早く活動を開始し、可能なものから来年度予算に反映させていく必要があるが、どの局が参加し、どのようなスケジュールで進めていく予定なのか伺う。

回答
  「日本語を母語としない子供チーム」には、子供政策連携室のほか、教育庁、生活文化スポーツ局、産業労働局、福祉保健局などが参加し、現在の取組の共有や、子供を取り巻く課題の洗い出しを開始しています。
  今後、NPO団体や有識者等との意見交換・視察を行い、日本語を母語としない子供への支援を幅広く検討し、施策を具体化・実践していきます。

質問事項
 一の3 都では、「東京都地域日本語教育実態調査報告書」をまとめ、この3月、「多文化共生社会に向けた地域における日本語教育推進の考え方」を発表したが、学校などで行われる幼児、児童、生徒等に対する日本語教育は含まれていない。今後、学齢期の子どもたちへの学校も含めた日本語教育の充実の方向性も示していくべきだが、見解を伺う。

回答 
  学校における日本語指導の充実については、引き続き関係各所と連携し、取り組んでいきます。
  なお、「多文化共生社会に向けた地域における日本語教育推進の考え方」においては、「地域における日本語教育」を対象としています。

質問事項
 一の4 都教育委員会の資料によれば、日本語指導が必要な外国籍の児童・生徒は、2020年5月1日現在で、小中高特別支援学校合わせて3,796人、日本国籍の児童・生徒は951人、合計4,747人になる。これらの子どもたち全員が、どこに住んでいても、授業が理解でき、進学をはじめ希望する進路に対応できるだけの日本語を身に着けられるよう、指導を充実していくべきだが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、基礎的な日本語を学ぶための日本語指導テキストや、日本の学校生活について視覚的に理解できるようにするための映像教材を作成し活用を促すなど、各学校における日本語指導の充実を図っています。

質問事項
一の5 都議会では、2007年第2回定例会で「外国人の子どもの教育条件の改善に関する請願」が趣旨採択となっているが、その要望項目の第2「都教育委員会に外国人の子どもの教育の専門部署を設置すること」は、いまだ実現していない。すでに15年が経過しているが、実現にむけどのような検討をしてきたのか、その経過について伺う。

回答 
  学齢期の子どもの日本語教育の充実については、関係部署がそれぞれ機能を果たし、適切に対応してきました。

質問事項
一の6 都教育委員会でも、学校教育における日本語教育を総合的に担当する部署や担当者をはっきりさせ、推進体制を設けることを求めるが、見解を伺う。

回答 
  学齢期の子どもの日本語教育の充実については、関係部署がそれぞれ機能を果たし、適切に対応してきました。

質問事項
一の7 日本語指導の必要な子どもたちが、どんな指導を受け、学校で何に困っているのか、人数把握にとどまらない実態調査を行い、公表することを求めるが見解を伺う。
 
回答
  都教育委員会は、毎年度、都内公立学校に在籍する日本語指導が必要な児童・生徒の人数及び主に使用している言語について調査しており、その結果を、都立学校全体及び区市町村別に、ホームページで公表しています。

質問事項
 一の8 支援団体や大学、区市町村教育委員会や学校などが参加する連絡協議会を都教委が開催し、関係者と連携しながら学齢期の子どもたちへの日本語教育を充実させていくべきだが、見解を伺う。
 
回答
  都教育委員会は、日本語教育の充実に向け、区市町村教育委員会やNPO、専門家等と連携し、引き続き対応していきます。

質問事項
 一の9 日本語学級を設置する区市町村数や学校数を増やすために、都が積極的な役割を果たすべきだが、見解を伺う。
 
回答 
  都教育委員会は、区市町村教育委員会が小中学校等に日本語学級を設置しようとする場合、「公立小学校・中学校・義務教育学校日本語学級設置要綱」の基準に基づき認証し、教員を配置しています。
  区市町村教育委員会に対しては、毎年度、日本語学級の設置に関する手続等について周知を図っています。

質問事項
 一の10 都教委は日本語指導に関する研修を実施しているが、正規教員しか参加することができない。実際には、区市町村教委が雇用する会計年度職員や有償ボランティア、学校の報償費による講師なども児童・生徒に日本語指導をしており、これらの方々にも研修の機会を設けていくことを求めるが、見解を伺う。

回答
  都採用による臨時的任用教員や会計年度任用職員については、都教職員研修センターにおける研修の受講対象者としています。
  区市町村教育委員会の職員等については、区市町村教育委員会が対応しています。

質問事項
 一の11 都教委として、小中学校や高校、特別支援学校で求められる日本語指導の水準や内容の目安を示した教育指針をつくることも求められているが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、指導者用テキストに、子供の日本語の習得状況に応じた指導目標、基本的な指導方法、指導時数例などを示し、各学校に配布するとともに、ホームページにも掲載しています。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 尾崎あや子

質問事項
 一 警視庁八坂住宅の解体工事について
 二 東京ベイeSGプロジェクトについて
 三 都営住宅の省エネ・再エネについて

一 警視庁八坂住宅の解体工事について
  私の活動地域である東村山市富士見町2丁目には、警視庁の八坂住宅があります。現在、八坂住宅の入居者の方がいなくなり、解体工事が始まることについて、地元住民の方からは「住民に説明がなく、今後どうなるのか不安」「八坂住宅の解体工事で騒音などが心配」など不安や心配の声が届いています。そこで、いくつか質問いたします。
 1 八坂住宅の土地は、現在どのような状況ですか。土地の所管はどこになるのですか。
 2 建物を解体した後は、どのようになるのですか。
 3 建物の解体に係る費用について、今年度予算額と内訳及び予算規模はどのくらいになるのか伺います。
 4 建物の解体など、今後のスケジュールについて伺います。また、住民への説明会は、どの場面でいつ頃行う予定ですか。
 5 八坂住宅の周辺には、日体大桜華高校や明法中・高、明治学院東村山中・高などの学校、保育園や特養老人ホームなどがあり、建物の解体工事の騒音や振動を心配する声がありますが、騒音や振動などの対策はどのように行うのですか。
 6 周辺の住宅・建物などへの影響が心配されます。工事前と工事後の住宅への影響調査を求めますが、いかがですか。
 7 八坂住宅周辺の道路は通学路にもなっていますが、道幅も狭く大きなトラックや重機などの往来に不安の声もありますが、安全対策などはどのように考えているのですか。

二 東京ベイeSGプロジェクトについて
  日本共産党都議団は、この間の臨海開発の総括もなく、東京五輪終了後、臨海副都心の50年、100年先をバラ色に描く再開発に厳しく批判しました。
  政策企画局の今年度予算には、東京ベイeSGプロジェクトに4億円が計上されています。
  都議会開会日(6月1日)の小池知事所信表明では、「最先端の都市モデルを誕生させる『東京ベイeSGプロジェクト』は、この夏、新たな一歩を踏み出します。広大な中央防波堤エリアを最新テクノロジーの実装フィールドとして開放し、様々な都市課題の解決に繋げていきます」と述べました。
そこで、今年度、どのような取り組みを行うのか、いくつか質問します。
 1 政策企画局の東京ベイeSGプロジェクトの4億円の予算の内訳について伺います。今年度の具体的な取り組みについて伺います。
 2 「先行プロジェクト」に着手するとありますが、「先行プロジェクト」はどこで決めたのですか。また、プロジェクトの体制はどうなっていますか。
 3 先行プロジェクトは、公募テーマを「A:次世代モビリティ」「B:最先端再生可能エネルギー」「C:環境改善・資源循環」の3テーマとしましたが、3テーマに決めた経過、議論はどのように行われたのですか。
 4 「次世代モビリティ」「最先端再生可能エネルギー」「環境改善・資源循環」の3つのテーマにつき、2件程度、合計6件程度のプロジェクトを採択する予定だということですが、最終的な採択件数については、事業プロモーターが調整することが4月に出された実施方針に記載されています。事業プロモーターは、どんな人が担うのですか。また、どのように決められたのか、伺います。また、今回の補正予算で増額する理由について伺います。
 5 「採択事業者は、事業プロモーター等と調整の上、本プロジェクトの実施期間において当該エリアを無償で使用することができます」とあるが、無償にする根拠について伺います。また、「プロジェクトの実施は、最長3年(2025年3月末まで)を予定しています」とあるが、実施期間や無償にすることなどについては、どこで決めたのですか。
 6 「東京ベイeSGまちづくり戦略」では、空飛ぶ車を描き、現在車道になっているところを人が歩く歩道と描く一方で、「第二湾岸道路」を描いています。「第二湾岸道路」について、国土交通省や関係する千葉県などとの話し合いなどは行っているのですか。
 7 宮坂副知事は、3月26日から4月3日までUAE(アラブ首長国連邦)に出張しましたが、出張の目的、経費、視察などの具体的な行動と場所・日程はどうなっていましたか。また、同行者はどこの部署の方で何人でしたか。
 8 今回の宮坂副知事の出張に係る「報告書」などは、どうなっていますか。
 9 宮坂副知事の海外出張で、「東京ベイeSGプロジェクト」にかかわるものはありますか。今後に生かすべき成果などについて、伺います。
 10 小池都知事の所信表明で「様々な都市課題の解決に繋げていきます」と述べていますが、都市課題とは具体的にどのようなことですか。

三 都営住宅の省エネ・再エネについて
  第1回定例会の財政委員会で、日本共産党都議団の質問に「都有施設の省エネ・再エネの推進について、今後の改築・改修の中でZEB化(省エネと再エネで消費エネルギーゼロをめざす)建築物を目指す」と重要な答弁をしています。都有施設である都営住宅でこそ、断熱・窓・LEDなどの省エネ性能、太陽光パネル設置を増やすなどの再エネの推進が早急に求められます。
  国は今年4月1日、「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」を行いました。
  そこで、いくつか質問します。
 1 国土交通省の「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」では断熱性能がどのように改正されたのですか。
 2 国の「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」を受けて、都営住宅への対応はどのようになりますか。現在の都営住宅の建替え工事によって、断熱性能等級は4ですが、改正された整備基準を準拠して実施することで、どのように変わりますか。
 3 建替えの基準設計はいつから変更されますか。また、その設計に基づく建設工事の発注はいつ頃実施になりますか。おおまかなスケジュールを示してください。
 4 また、既存の都営住宅での断熱性能について、どのように考えているのか、伺います。

令和4年第二回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 警視庁八坂住宅の解体工事について
  1 八坂住宅の土地は、現在どのような状況か。土地の所管はどこになるのか伺う。

回答 
  現在は、既存住宅が建っていますが、解体工事に向け、居住者は全員転居しており、閉鎖した上で管理をしています。
  土地は、警視庁が所管しています。

 
質問事項
 一の2 建物を解体した後は、どのようになるのか見解を伺う。

回答
  解体工事後の予定については、未定です。

質問事項
 一の3 建物の解体に係る費用について、今年度予算額と内訳及び予算規模はどのくらいになるのか伺う。

回答
  建物の解体に係る令和4年度の予算額は、1億1,898万8,000円です。
  内訳は、
   設計委託費   958万8,000円
   工事監理委託費    220万円
   工事費      1億720万円
 です。
  また、予算規模は、総額約5億円を見込んでいます。

質問事項
 一の4 建物の解体など、今後のスケジュールについて伺う。また、住民への説明会は、どの場面でいつ頃行う予定か伺う。

回答
  解体工事のスケジュールは、令和4年度中に工事契約を締結し、令和6年度中に工事を完了する予定です。
  また、住民説明会は、現時点で工事業者が決定していないため、開催の有無を含めて未定です。

質問事項
 一の5 八坂住宅の周辺には、日体大桜華高校や明法中・高、明治学院東村山中・高などの学校、保育園や特養老人ホームなどがあり、建物の解体工事の騒音や振動を心配する声があるが、騒音や振動などの対策はどのように行うのか伺う。

回答
  決定した工事業者において、関係法令に基づき、住民に配慮した施工を行うなど、適切な対策をするものと承知しています。

質問事項
 一の6 周辺の住宅・建物などへの影響が心配される。工事前と工事後の住宅への影響調査を求めるが、見解を伺う。

回答
  決定した工事業者において、適切に家屋調査を行うものと承知しています。

質問事項
 一の7 八坂住宅周辺の道路は通学路にもなっているが、道幅も狭く大きなトラックや重機などの往来に不安の声もあるが、安全対策などはどのように考えているか伺う。

回答
  通学時間帯における工事車両の通行を含め、安全を最優先とした施工計画が立案、実行されることが重要であると考えています。

質問事項
 二 東京ベイeSGプロジェクトについて
  1 東京べイeSGプロジェクトの4億円の予算の内訳について伺う。今年度の具体的な取り組みについて伺う。

回答
  令和4年度は、先行プロジェクトの事業者公募・選定、事業者の事業実施に向けたインフラ整備を行います。また、官民連携の促進に向け、庁外にプロジェクトの推進拠点設置等を行います。令和4年度予算は、これらの事業実施のために用いるものです。

質問事項
 二の2 「先行プロジェクト」に着手するとあるが、「先行プロジェクト」はどこで決めたのか。また、プロジェクトの体制はどうなっているのか伺う。

回答 
  庁内関係局から成る社会の構造改革の実装に向けたタスクフォースで検討の上、決定しました。
  また、先行プロジェクトは政策企画局が中心となり、関係局と連携しながら実施します。

質問事項
 二の3 先行プロジェクトは、公募テーマを「A:次世代モビリティ」「B:最先端再生可能エネルギー」「C:環境改善・資源循環」の3テーマとしたが、3テーマに決めた経過、議論はどのように行われたのか伺う。

回答 
 先行プロジェクトのテーマは、令和3年度策定した「東京ベイeSGプロジェクト(Version1.0)」で示した将来像の実現に向け、庁内関係局から成るタスクフォースで検討の上、決定しました。

質問事項
 二の4 最終的な採択件数については、事業プロモーターが調整することが4月に出された実施方針に記載されている。事業プロモーターは、どんな人が担うのか。また、どのように決められたのか、伺う。また、今回の補正予算で増額する理由について伺う。

回答
  専門的見地に基づいて、事業の公募や進捗管理を行い、事業効果を最大限発揮するためにプロモーター方式を採用しており、事業プロモーターは、最先端再生可能エネルギーや次世代モビリティなど、幅広い技術分野を総合的に取りまとめるとともに、これら最先端テクノロジーの実装まで支援できる事業者を想定しています。
  また、事業プロモーターは、総合評価方式での指名競争入札により決定しております。
  補正予算での増額は、今般のウクライナ情勢を契機としたエネルギー危機に対応する観点から、最先端再生可能エネルギーについて拡充を行うために行います。

質問事項
 二の5 「採択事業者は、事業プロモーター等と調整の上、本プロジェクトの実施期間において当該エリアを無償で使用することができます」とあるが、無償にする根拠について伺う。また、「プロジェクトの実施は、最長3年(2025年3月末まで)を予定しています」とあるが、実施期間や無償にすることなどについては、どこで決めたのか伺う。

回答 
  官民が協働して社会構造改革に取り組む観点から、先行プロジェクトの実施期間や進め方は、庁内関係局から成る社会の構造改革の実装に向けたタスクフォースで検討の上、実施方針を決定しました。

質問事項
 二の6 「東京ベイeSGまちづくり戦略」では、空飛ぶ車を描き、現在車道になっているところを人が歩く歩道と描く一方で、「第二湾岸道路」を描いている。「第二湾岸道路」について、国土交通省や関係する千葉県などとの話し合いなどは行っているのか伺う。

回答
  第二東京湾岸道路は、三環状道路などと一体的な道路ネットワークを形成し、都県間の広域的な交流・連携を促進するとともに、湾岸エリアの交通混雑を緩和する路線であり、「東京ベイeSGまちづくり戦略」にも位置付けています。
  都としては、国への提案要求や九都県市首脳会議の要望などを通じて、本路線の計画の具体化などについて、国に働きかけています。

質問事項
 二の7 宮坂副知事は、3月26日から4月3日までUAE(アラブ首長国連邦)に出張したが、出張の目的、経費、視察などの具体的な行動と場所・日程はどうなっていたか。また、同行者はどこの部署の人で何人だったか伺う。

回答
  UAE(アラブ首長国連邦)への出張は、海と緑の環境に調和したサステナブルな次世代都市の実現に向けて、海外都市の先進事例や「2020年ドバイ国際博覧会」などの視察及び現地担当者との意見交換を行うことを目的に実施しました。
  出張に係る総経費は、約4,720千円です。
  随行した職員は5名で、都市整備局からまちづくり調整担当部長をはじめ3名が、政策企画局から2名の職員が出張しました。
  日程は、令和4年3月26日に出発し、同月27日から同月30日にドバイ首長国、同月31日にアブダビ首長国、同年4月1日にシャルジャ首長国を視察し同月3日に帰国しました。

質問事項
 二の8 今回の宮坂副知事の出張に係る「報告書」などは、どうなっているか伺う。

回答
  都市整備局及び政策企画局の両局で出張復命書を作成し、視察内容や成果を報告しています。

質問事項
 二の9 宮坂副知事の海外出張で、「東京ベイeSGプロジェクト」にかかわるものはあるか。今後に生かすべき成果などについて、伺う。

回答
  東京ベイeSGプロジェクトは、「自然」と「便利」が融合する持続可能な都市の実現に向けて、ベイエリアから世界最先端の取組を展開・実装することを目指しています。
  今回の出張では、デジタルと先端技術の実装などの先進事例を調査するとともに、UAE政府AI担当大臣や現地担当者と意見交換などを行いました。こうした調査結果を、東京ベイeSGプロジェクトが目指す持続可能な都市づくりに活かしていきます。

質問事項
 二の10 小池都知事の所信表明で「様々な都市課題の解決に繋げていきます」と述べているが、都市課題とは具体的にどのようなことか伺う。

回答
  ゼロエミッションの実現や、水と緑溢れる都市づくりなどといった課題の解決に繋げていきます。

質問事項
 三 都営住宅の省エネ・再エネについて
  1 国土交通省の「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」では断熱性能がどのように改正されたのか伺う。

回答
  新たに建設する公営住宅の断熱性能については、これまでの「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく断熱等性能等級の等級4から、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づく建築物エネルギー消費性能誘導基準を満たすことに改正され、いわゆるZEH水準に準拠して公営住宅を整備することが必要となります。

質問事項
 三の2 国の「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」を受けて、都営住宅への対応はどのようになるか。現在の都営住宅の建替え工事によって、断熱性能等級は4だが、改正された整備基準を準拠して実施することで、どのように変わるか伺う。

回答
  「公営住宅等整備基準について(技術的助言)の一部改正」を踏まえ、今後、都営住宅の基準設計を見直し、複層ガラスの窓の採用や断熱材の増強などにより、断熱性能をZEH水準に引き上げていきます。

質問事項
 三の3 建替えの基準設計はいつから変更されるか。また、その設計に基づく建設工事の発注はいつ頃実施になるか。おおまかなスケジュールを伺う。

回答
  都営住宅の基準設計については、今後、「建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令」の改正を踏まえ、図面や仕様書として取りまとめ、東京都営住宅条例に基づく都営住宅の整備基準として決定することとしています。
  このため、新たな整備基準に基づく建替え工事の発注開始時期については、未定です。

質問事項
 三の4 既存の都営住宅での断熱性能について、どのように考えているのか、伺う。

回答
  既存の都営住宅については、今後とも、耐用年数や屋根の断熱材の仕様等を勘案して、屋上防水の改修工事に併せて、断熱性能の向上を図っていきます。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中村ひろし

質問事項
 一 新型コロナ対策について
 二 都営住宅について
 三 フードバンクへの支援について
 四 生活困窮者に対する食品の提供等について
 五 商店街の支援について
 六 アスベスト対策について

一 新型コロナ対策について
 1 新型コロナ対策については、感染者が減少傾向にはありますが、急激に減少するには至らず、引き続きの注意が必要になります。今後の流行に備えて、こうした時期に体制の強化を図る必要があります。国では体制の一元化のために内閣感染症危機管理庁の設置が検討されています。都でも総務局や福祉保健局など複数の局に担当がまたがっています。あらためて体制の強化が必要と考えますが見解を伺います。
 2 長引くコロナ禍において、未知なる感染症だったとはいえ、特定の産業を名指しで指摘したり、対応が後手に回ることもあったり、組織の縦割りの弊害があったりと、多くの課題があったと思います。あらためて、都のこれまでの取り組みを振り返り、検証し、誤りがあれば認めて改めることが必要です。短期的には今後のコロナ対策の改善につながりますし、後世に対する責任として、どのようにコロナ対策に取り組んだか検証し記録を残すべきです。見解を伺います。

二 都営住宅について
 1 都営住宅は倍率が高く、生活に困窮して入居を希望する多くの方々が待っている状況です。しかし、都営住宅を訪ねると、常に一定の割合の空き住戸が見受けられます。現在、全戸数のうち、空き住戸数がどのくらいあるのか伺います。あわせて、前の入居者が退去してから次の入居者が入居するのにかかる期間とそれだけの期間かかる理由について伺います。
 2 空き住戸の期間をできるだけ短期間にして困窮した方々が早期に入居できるように改善すべきと考えます。各戸の入居状況について情報のデジタル化等により、退去日を把握し、募集方法を工夫するなど空き住戸の期間を短縮すべきと考えますが、見解を伺います。

三 フードバンクへの支援について
  食品ロスの削減に貢献しているフードバンクの活動は、各地で多くの市民団体が取り組み、家庭や事業所で余っている未利用食品の有効利用を進めています。これらの団体では、食品を預かる保管場所が必要になり、継続的な費用の発生が課題です。都は、市区町村が食品ロス削減を進める団体と連携した事業に、補助期間を3年度以内に設定して、補助金を交付しています。しかし、利益を出すことが目的ではない団体では、3年を経過しても状況は変わらず、事業の継続を断念せざるを得なくなり、未利用食品が有効利用できずに廃棄されることが懸念されます。都として、市区町村とフードバンクが連携した食品ロス削減事業に対して、継続的な支援を検討すべきと考えますが見解を伺います。

四 生活困窮者に対する食品の提供等について
  生活困窮者に対する食品の提供等については、民間団体に任せている部分が多いとも言えます。都としても市区町村と連携して、自治体としても生活困窮者への食品の提供等を行う必要がありますが見解を伺います。

五 商店街の支援について
 1 商店街への支援については、商店街チャレンジ戦略支援事業等がありますが、書類が煩雑で商店街の負担が重いとの意見をたびたび聞きます。公金を使っての事業なので不正はあってはならないのですが、あまりに煩雑のため消極的な姿勢になってしまうとも言われています。手続きの見直しについて見解を伺います。
 2 書類が煩雑になる要因の一つとして、現場から遠い都が担当するため、書類で判断せざるを得ないことが考えられます。都から市区町村に対して、より包括的な支援の枠組みとして見直し、市区町村の裁量の部分を増やすことで、より使いやすく、書類の煩雑さも減らせると考えられますが、見解を伺います。

六 アスベスト対策について
 1 肺がん等の原因となるアスベストについて、大気汚染防止法の改正により、本年4月より解体・改修工事での事業者によるアスベストの事前調査結果の報告が義務となりました。また、令和5年10月からは有資格者による事前調査が義務化されるため、資格取得講習の受講など負担が重くなっています。都として法改正の内容の周知と、資格取得のための費用の助成をすべきと考えますが見解を伺います。
 2 アスベストは国が積極的に使用を進めてきたものであり、そのために建築物の所有者や事業者等に負担を負わせるのは問題があります。都からも国が責任をもって対応するよう求める必要がありますが、見解を求めます。

令和4年第二回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 新型コロナ対策について
  1 感染者が減少傾向にはあるが、引き続きの注意が必要である。今後の流行に備えて、体制の強化を図る必要がある。国では体制の一元化のために内閣感染症危機管理庁の設置が検討されている。都でも総務局や福祉保健局など複数の局に担当がまたがっており、あらためて体制の強化をすべきだが、見解を伺う。

回答
  都はこれまで、新型コロナウイルス感染症対策本部のもとで、全庁を挙げた職員の応援体制を構築するとともに、健康危機管理担当局長や感染症対策部を設置するほか、関連部門の執行体制も大幅に強化してきました。
  引き続き、万全の体制のもと、感染症対策等に機動的かつ柔軟に対応していきます。

質問事項
 一の2 長引くコロナ禍において、未知なる感染症だったとはいえ、特定の産業を名指しで指摘したり、対応が後手に回ることもあったり、組織の縦割りの弊害があったりと、多くの課題があった。あらためて、都のこれまでの取り組みを振り返り、検証し、誤りがあれば認めて改めることが必要である。短期的には今後のコロナ対策の改善につながり、後世に対する責任として、どのようにコロナ対策に取り組んだか検証し記録を残すべきだが、見解を伺う。

回答 
  都は、これまで、総力を挙げて感染拡大防止対策や医療提供体制の充実に取り組み、そこで得られた知見や経験を次の対策に活かしてきました。
  具体的には、モニタリング会議や東京iCDCを設置し、感染状況等を的確に把握したうえで、飲食店等への時短要請など効果的な感染症対策を実施してきました。また、第6波では、これまでの経験を踏まえ、更なる病床の確保や宿泊療養、自宅療養を含めた医療提供体制の強化に先手先手で取り組んできました。
  5月末には、今なお続くコロナとの闘いの軌跡を振り返り、改めてこれまで講じてきた取組の成果と課題を取りまとめました。

質問事項
 二 都営住宅について
  1 都営住宅は倍率が高く、生活に困窮して入居を希望する多くの方々が待っている状況であるが、都営住宅を訪ねると、常に一定の割合の空き住戸が見受けられる。現在、全戸数のうち、空き住戸数がどのくらいあるのか伺う。あわせて、前の入居者が退去してから次の入居者が入居するのにかかる期間とそれだけの期間かかる理由について伺う。

回答 
  都営住宅における空き住戸数は、令和3年度末時点で公募用住戸と事業用住戸を合わせて、30,153戸です。
  また、退去後の公募用住戸については、原状回復を行い、準備ができ次第、年4回の定期募集の対象とします。
  申込み受付後、当せん者等の資格審査を行い、入居説明会等を経て入居となります。都は、真に住宅に困窮する低額所得者に都営住宅を的確に提供できるよう、入居収入基準や住宅困窮度などの資格審査を行っており、公正かつ厳正に審査するため、一定期間を要しています。
  そのため、退去から入居まで、最短で10か月程度かかっています。
 
 
質問事項
 二の2 空き住戸の期間をできるだけ短期間にして困窮した方々が早期に入居できるように改善すべきである。各戸の入居状況について情報のデジタル化等により、退去日を把握し、募集方法を工夫するなど空き住戸の期間を短縮すべきだが、見解を伺う。

回答
  都営住宅の入居者情報等はシステムにより一元管理しており、居住者から住宅返還届が出された際は、退去日等の情報をシステムに速やかに登録し、原状回復に着手しています。
  また、申込みから入居までの期間短縮のため、募集のオンライン化を進め、資格審査や入居説明等における資料の郵送対応の原則化、審査書類の削減、簡素化に取り組んでいます。
  今後も、退去から入居までの期間短縮に努めていきます。

質問事項
 三 フードバンクヘの支援について
   都は、市区町村が食品ロス削減を進める団体と連携した事業に対して補助期間を3年度以内に設定をして、補助金を交付しているが、利益を出すことが目的ではない団体では、3年経っても状況は変わらず、事業の継続を断念せざるを得なくなり、未利用食品が有効利用できずに廃棄されることが懸念される。都として本事業への継続的な支援を検討すべきだが、見解を伺う。

回答
  食品ロスの削減には、都民、市民団体、事業者、行政等のあらゆる主体が連携し、家庭や事業所の未利用食品を有効利用していくことが効果的です。
  このため、都は、市区町村の保有する防災備蓄食品について、フードバンクの需要とマッチングするシステムの運用や、地元のフードバンクと小売店とが連携した優良事例の発信等、食品ロス削減に向けた取組を推進しています。
  また、地域環境力活性化事業では、市区町村に対し、3年以内の補助期間を設定して、市区町村とNPO等の団体とが連携した食品ロス削減事業の定着化を図るための財政的な支援を実施しています。
  都は今後も、市区町村と緊密な連携を図りながら、食品ロス削減の取組を着実に推進していきます。

質問事項
 四 生活困窮者に対する食品の提供等について
   生活困窮者に対する食品の提供等については、民間団体に任せている部分が多いとも言える。都としても市区町村と連携して、自治体としても生活困窮者への食品の提供等を行うべきだが見解を伺う。

回答 
  都は、生活困窮者等に食料を提供するとともに、適切な支援につなげる地域の拠点となるフードパントリーの設置に取り組む区市町村を包括補助により支援しています。
  令和4年度は、これに加え、ウクライナ危機により原油や食料等の価格が上昇する中、緊急的な支援として、フードパントリーを運営する区市町村社会福祉協議会や区市町村と連携して事業を行う民間団体等を対象に、食料調達や輸送などにかかる運営費等を補助しています。

質問事項
 五 商店街の支援について
  1 商店街への支援については、商店街チャレンジ戦略支援事業等があるが、書類が煩雑で商店街の負担が重いとの意見をたびたび聞く。公金を使っての事業なので不正はあってはならないが、あまりに煩雑のため消極的な姿勢になってしまうとも言われている。手続きの見直しについて見解を伺う。

回答 
  商店街チャレンジ戦略支援事業における申請書類につきましては、都は簡素化の観点から、これまでも必要最小限の資料の提出を求めているところでございます。

質問事項
 五の2 書類が煩雑になる要因の一つとして、現場から遠い都が担当するため、書類で判断せざるを得ないことが考えられる。都から市区町村に対して、より包括的な支援の枠組みとして見直し、市区町村の裁量の部分を増やすことで、より使いやすく、書類の煩雑さも減らせるが、見解を伺う。

回答 
  商店街チャレンジ戦略支援事業は、都と区市町村で連携して、地域の実情に応じた商店街の取組を支援しており、その申請書類につきましては、都は簡素化の観点から、これまでも必要最小限の資料の提出を求めているところでございます。

質問事項
 六 アスベスト対策について
  1 肺がん等の原因となるアスベストについて、大気汚染防止法の改正により、本年4月より解体・改修工事での事業者によるアスベストの事前調査結果の報告が義務となった。また、令和5年10月からは有資格者による事前調査が義務化されるため、資格取得講習の受講など負担が重くなっている。都として法改正の内容の周知と、資格取得のための費用の助成をすべきだが見解を伺う。

回答 
  建築物の解体・改修工事におけるアスベストの飛散防止を徹底させるためには、解体業者等に改正大気汚染防止法に基づく新たな規制内容を周知することが重要です。
  都は、建設業界の団体をはじめ、個々の建設会社などに職員を派遣して講習を行ったほか、一般紙や業界紙への広告掲載、チラシの配布、改正法の解説動画の配信など、改正法に係る様々な周知活動を行っています。
  また、この活動の中で、業界団体から事前調査を実施する有資格者の確保について心配の声をいただいており、都は、有資格者による事前調査が適切かつ確実に実施されるよう、有資格者を育成する体制を整備することについて国に要望しています。

質問事項
 六の2 アスベストは国が積極的に使用を進めてきたものであり、そのために建築物の所有者や事業者等に負担を負わせるのは問題がある。都からも国が責任をもって対応するよう求めるべきだが、見解を伺う。

回答
  平成18年に建築基準法が改正され、吹付けアスベスト及びアスベスト含有吹付けロックウール(含有率が0.1パーセントを超えるもの)が規制対象となり、新たに建築する建築物への使用が禁止となりました。
  都では、吹付けアスベスト等が施工されている民間の建築物を対象に、所有者等の負担軽減が図れるよう、除去等工事について国土交通省の住宅・建築物安全ストック形成事業を活用して補助を行う区市町村に対し、都費による支援を行っています。
  アスベスト対策については、関係省庁間の連携をより一層強化し、国の責任において実効性のある対策を進めるよう、アスベストの新たな規制の円滑な運用や、アスベスト調査の適切な実施を確保する体制の整備などについて国に要望しています。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 大山とも子

質問事項
 一 保育園の空き定員について
 二 保育の質の確保と公立保育園の役割について

一 保育園の空き定員について
 1 昨年第3回定例会で、保育園に空き定員がある場合について、「都は、定員まで児童を受け入れられるよう、定員に基づく職員配置を求めております。」と答弁しています。この答弁は、保育を必要とする乳幼児を保育園において保育しなければならないと定めている児童福祉法第24条からすれば、年度途中含めていつでも受け入れて保育しなければならないのですから、保育士を児童定員に合わせて配置しておくことは当然だとの認識があるからということでよいですね。
 2 日本共産党都議団の調査では、2021年の充足状況について、例えば0歳児の場合、区部と多摩の認可保育園で4月1日では3,727人空きがありましたが、10月1日には546人になりました。これは、近年はほとんどできなかった年度途中の入園が可能だったことを示しています。つまり、必要な児童定員であるということだと考えますが、どう認識していますか。
 3 保育士が児童定員通り配置できるようにするための人件費を保障することは不可欠ですが、どう認識していますか。
 4 現在、保育園の、主には人件費である公定価格は、入所している乳幼児数で算出することになっているため、たとえ保育士が定員通りに配置されていても定員通りの公定価格にはなりません。
   都議団の調査では都内15区16市町村で、定員に空きが生じた保育施設へ何らかの補助があります。ところが、8区14市町では補助がありません。
   人件費ですから、額が大きいだけにそれぞれの保育園では大きな問題です。同様に補助の無い自治体の家庭的保育室の方々も深刻です。「待機児解消のために自治体に協力してきたが、子どもが入らず見通しが立たない。定員に満たない部分を補填してほしい。」「自分たちは使い捨てなのか」という悲痛な声が寄せられています。
   東京のどこの自治体にある保育施設でも定員通りに保育士が配置できるよう、東京都が人件費の補助を行うことが求められますが、いかがですか。

二 保育の質の確保と公立保育園の役割について
 1 東京都こども基本条例は、その第四条で、「都は、こどもの権利条約を踏まえ、こどもの生きる権利、育つ権利、守られる権利及び参加する権利をはじめとした、こどもの権利を尊重し、擁護するための施策を推進するものとする。」と定めています。この条例を生かすためには、保育の質的充実を進めることが必要ですが、どう認識していますか。
 2 国際的にも日本でも、保育の質研究においては、保育の場における人と人との相互的やりとり、とりわけ保育者と子どものやり取りが、子どもの学びや発達にとって、重要な意味を持っているとされています。
   それを支えるのが物的環境、つまり園舎や園庭、設備・備品、遊具・教材・素材と人的環境である保育士などの配置人数、クラス・グループの規模、資格、養成・訓練、労働環境などです。
   東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例でも「知事は、最低基準を常に向上させるよう努める」とあるように、これらを向上させていくことが、行政の役割ですが、どう認識していますか。
  言葉かけの数は、人間の脳の発達に直接影響し、周囲の大人からかけられた言葉の数と質が多いほど、将来の学力だけでなく、人間としての力(非認知スキル)も高いことが明確になっています。
  新潟県私立保育園・認定こども園連盟が「1歳児の保育士配置の検討」という研究報告をしています。
  1歳児クラスの昼食時間中、同じ保育士が「子ども3人グループ対保育士1人」「子ども4人グループ対保育士1人」「子ども6人グループ対保育士1人」でそれぞれ介助する状況を比較・分析しています。その実験結果では、同じ保育士が子ども一人にかける言葉がけ数は、子どもが6人の時は4人の時に比べて統計学的に有意に少ない。子ども4人と3人の時を比べても4人の時のほうが有意に少なく、同じグループの中で最も多く声をかけられる子どもと最も少なく声をかけられる子どもでは、6人の時の差の方が、4人の差に比べて統計学的有意に大きいことが明らかになりました。とりわけ、6対1の場合、同じグループの中で最も声をかけられた子どもと、最も声をかけられなかった子どもの言葉かけ数は、2019年、2020年とも最大で10倍をゆうに超えました。4対1では差が最大のグループでも5.8倍、3対1では最大で4.6倍でした。
  研究報告書の中で、「言葉かけに置いては、量だけでなく、もちろん質も重要である。これまでの欧米の研究から、命令や指示の言葉、否定的な言葉は脳を育てず、逆に、子どもの脳をストレス下に置き、発達を阻害するリスクも高いことがわかっている。脳を十分に育てるためには、生後直後からあたたかく、共感のこもった話し方で、周囲のおとなが子どもの動き一つひとつを言葉にし、子どもが発する声(言葉)を子どもに返し、まだ言葉にならない言葉を子どもに合わせてくり返し、言い換え、増やしていくという過程が必須である。」と述べています。
 3 子どものグループの人数と保育士の配置数が、保育の質に大きな影響があることは明確です。どう認識していますか。
 4 本来なら、待機児解消と「質的充実」は同時に進めてこなければならないことでしたが、国基準は75年間ほとんど改善せず、むしろ規制緩和してしまった部分まであります。東京都は国基準を上回る都基準を作っていたにも関わらずほぼ国基準に下げてしまったという情けない状況です。
   現在、待機児童は減少傾向ではあるものの、引き続きの取組が必要です。同時に、今こそ「質的充実」を思い切ってすすめるときです。それがこども基本条例を活かす道です。
   とりわけ急がれるのは、大きすぎる幼児の集団規模を小さくすること、保育士に対する子どもの人数を減らすことによって保育士の人数を増やすことですが、いかがですか。
 5 公立保育園の役割について、予算特別委員会の質疑で、公立保育園が医療的ケア児や障害児を積極的に受け入れ保育実践を積んできたことも明らかになりました。公立保育園での障害児保育の実践は50年以上にもなり、それらが公立園共通のスキルとなっています。同時に、公立保育園は地域の標準的な保育となります。公立保育園が核になることで、新設の私立保育園も含めて交流が進み、地域の保育水準の向上を図っています。
   私立保育園の保育士は、公立園が行っている保育が基準であり、指針になる。保育をリードしてほしい。保育に関することを公立園に相談させてもらったことがある。見学させてもらえてよかったなどと述べています。港区は、区立認可保育園の職員のノウハウや保育スキルをこれまで以上に区全体の保育の質の向上のために活用するという方向性を示しています。
   このような公立保育園が果たしている役割をどう認識していますか。

令和4年第二回都議会定例会
大山とも子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 保育園の空き定員について
  1 昨年第3回定例会で、保育園に空き定員がある場合について、「都は、定員まで児童を受け入れられるよう、定員に基づく職員配置を求めております。」と答弁している。この答弁は、保育を必要とする乳幼児を保育園において保育しなければならないと定めている児童福祉法第24条からすれば、年度途中含めていつでも受け入れて保育しなければならないため、保育士を児童定員に合わせて配置しておくことは当然だとの認識があるということでよいか伺う。

回答 
  都は、定員まで児童を受け入れられるよう、定員に基づく職員配置を求めています。

質問事項
 一の2 日本共産党都議団の調査では、2021年の充足状況について、例えば0歳児の場合、区部と多摩の認可保育園で4月1日では3,727人空きがあったが、10月1日には546人になった。これは、近年はほとんどできなかった年度途中の入園が可能だったことを示しており、必要な児童定員であると考えるが、認識を伺う。

回答 
  保育所の定員には、年齢構成や地域の状況により、一定程度空きが生じることもあり、区市町村は、こうした空き定員も活用して、定期的に入所調整し、年度途中においても、保育が必要な児童を受け入れていると認識しています。

質問事項
 一の3 保育士が児童定員通り配置できるようにするための人件費を保障することは不可欠だが、認識を伺う。

回答
  保育サービスは、国が定める公定価格により運営されることが基本であり、公定価格には、人件費、管理費及び事業費が含まれています。
  都はこれまで国に対し、恒久的、安定的財源を十分に確保するとともに、公定価格の単価などについて大都市の実情に応じたものとするよう、繰り返し提案要求しています。

質問事項
 一の4 現在、保育園の、主には人件費である公定価格は、入所している乳幼児数で算出することになっているため、たとえ保育士が定員通りに配置されていても定員通りの公定価格にはならない。東京のどこの自治体にある保育施設でも定員通りに保育士が配置できるよう、都が人件費の補助を行うことが求められるが、見解を伺う。

回答 
  子ども・子育て支援新制度における施設型給付費は、児童一人当たりの単価を設定し、在籍児童数等の実績に応じて支払うものとされています。
  児童一人当たりの単価については、定期的に見直されています。
  保育の実施主体である区市町村は、自らの判断で、それぞれの地域の実情に応じて、保育サービスの充実に取り組んでいるものと認識しています。

質問事項
 二 保育の質の確保と公立保育園の役割について
  1 東京都こども基本条例は、その第四条で、「都は、こどもの権利条約を踏まえ、こどもの生きる権利、育つ権利、守られる権利及び参加する権利をはじめとした、こどもの権利を尊重し、擁護するための施策を推進するものとする。」と定めている。この条例を生かすためには、保育の質的充実を進めるべきだが、認識を伺う。

回答 
  保育所保育指針では、「保育所は、質の高い保育を展開するため、絶えず、一人一人の職員についての資質向上及び職員全体の専門性の向上を図るよう努めなければならない。」と規定しています。
  都は、キャリアアップ研修の受講機会の確保や、施設間交流などにより、保育所職員の資質や専門性の向上、施設長のマネジメント力向上に取り組む区市町村を支援しています。

質問事項
 二の2 保育の質研究においては、保育の場における人と人との相互的やりとりが重要な意味を持っているとされている。それを支えるのが物的環境と人的環境である。東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例でも「知事は、最低基準を常に向上させるよう努める」とあるように、これらを向上させていくことが、行政の役割だが、認識を伺う。

回答
  東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例第四条第一項では、「知事は、最低基準を常に向上させるよう努めるとともに、その監督に属する児童福祉施設に対し、東京都児童福祉審議会の意見を聴いた上で、最低基準を超えて、設備及び運営を向上させるように勧告することができる。」と規定しています。
  都は、保育の実施主体である区市町村が、地域の実情に応じて保育サービスの向上に取り組めるよう、保育サービス推進事業により支援しています。

質問事項
 二の3 子どものグループの人数と保育士の配置数が、保育の質に大きな影響があることは明確だが、認識を伺う。

回答 
  職員配置基準は、国が省令等で定め、都と区市町村はそれらを踏まえ、それぞれの議会等の審議を経て、条例等で定めています。
  また、保育所保育指針では、「保育所は、質の高い保育を展開するため、絶えず、一人一人の職員についての資質向上及び職員全体の専門性の向上を図るよう努めなければならない。」と規定しており、都は、保育士の資質や専門性の向上を図る区市町村を支援しています。

質問事項
 二の4 待機児解消と「質的充実」は同時に進めるべきだが、国基準は75年間ほとんど改善せず、むしろ規制緩和してしまった部分まである。都は国基準を上回る都基準を作っていたにも関わらずほぼ国基準に下げてしまった。現在、待機児童は減少傾向ではあるものの、引き続きの取組が必要であり、とりわけ急がれるのは、大きすぎる幼児の集団規模を小さくすること、保育士に対する子どもの人数を減らすことによって保育士の人数を増やすことだが、見解を伺う。

回答 
  都は、障害児への対応やチーム保育体制の整備など、施設の保育実態に応じた増配置に対する給付や保育補助者の雇上げに係る補助を実施するほか、保育サービス推進事業により、地域の実情に応じて保育サービスの向上に取り組む区市町村を独自に支援しています。

質問事項
 二の5 公立保育園の役割について、予算特別委員会の質疑で、公立保育園が医療的ケア児や障害児を積極的に受け入れ保育実践を積んできたことも明らかになった。公立保育園が果たしている役割をどう認識しているか、伺う。

回答 
  保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、公立・私立の認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、地域の様々な保育資源を活用して実施しているものと認識しています。

令和4年第二回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 和泉なおみ

質問事項
 一 公有地の計画的な拡大によるまちづくりの重要性と、公拡法のはたす役割について

一 公有地の計画的な拡大によるまちづくりの重要性と、公拡法のはたす役割について
  葛飾区奥戸にあった森永乳業東京工場は、2021年3月をもって工場を閉鎖し、64年の歴史を閉じました。6.6ヘクタールに及ぶ工場の敷地には、64年の歴史に育てられた大量の樹木があり、地域の方たちからは樹木を残してほしいという希望と共に、跡地がどのようになるのか強い関心が寄せられていました。
  葛飾区も工場跡地の活用をめざし、森永乳業と用地取得の交渉に臨んできました。
  私は、2018年第4回定例会において、森永乳業東京工場跡地の活用について文書質問を行いました。その際、都は、「規制市街地における大規模な工場跡地等は地域のまちづくりを適切に進める上で貴重な土地となりうる」として、「葛飾区から具体的な相談があれば、その内容に応じて適切に対応していきます」と答弁しています。
  公有地拡大の推進に関する法律(以下、「公拡法」という)は第4条で、一定の要件を満たす土地を譲り渡そうとする土地所有者に、自治体への届け出を義務付けています。森永乳業の土地は、この届け出義務の要件に該当します。そして、第5条で、このような土地を地方公共団体等に買い取ってほしいと希望する所有者は、買取希望の申し出をすることができます。第4条による届け出、または第5条による申し出をうけて、買取る意思のある地方公共団体等が協議を行う旨を通知したら、土地の所有者は協議を行うことを拒否できません。
  森永乳業は、2021年12月24日、公拡法第5条1項に基づき、葛飾区に買取希望の申し出を行いました。
  これを受け、葛飾区は2022年1月12日、協議開始の通知を森永乳業に行うとともに、地価公示法に定める公示価格を基準に250億円の買取希望価格を示しました。しかし、森永乳業からは700億円の買取希望価格が提示され、協議は整いませんでした。両者における買取希望価格の大きな差は、何によるものなのでしょうか。
  奥戸地域の2022年の公示価格(1平米あたり26.1万円)で計算すると、172億余円になります。葛飾区は、売買のために鑑定をした場合に想定される金額として、相当額を加算し250億円の買取希望価格を提示し、区として取得への積極的な姿勢を示しました。しかし、葛飾区の一般会計予算の3分の1に及ぶ700億円という、森永乳業の買取希望価格に、葛飾区は取得を断念せざるを得ず、協議は不調に終わりました。
  森永乳業はその直後に、CBREインベストメントマネジメント・ジャパン株式会社(以下、CBREと省略)との間で、工場跡地に土地信託を設定したうえで、CBREが当該土地において賃貸用物流施設を開発・運用するために設立する葛飾特定目的会社に信託受益権を売却しました。その売却益は650億円であると森永乳業が公表しています。
  公拡法に基づく買取協議の際に森永乳業が葛飾区に提示した700億円という金額は、信託受益権の売却価格を念頭に算出されたものではないでしょうか。
  数十年にわたる土地信託契約の運用益を基準に、公示価格の数倍にもなる売却価格が提示されれば、地方公共団体が公有地を取得するのは、事実上できなくなります。
  過去を紐解けば、東京は戦後高度経済成長期と列島改造ブーム期、バブル経済期と土地価格の大きな変動を繰り返してきました。そのたびに土地投機による狂乱的な地価の暴騰を招き、公拡法はその教訓から成立、改定が行われてきたのです。
  公有地の先買い権を法定することで、無計画な土地投機に規制をかけ、都市計画法の目的の実現を目指そうとした公拡法は、今、土地信託受益権の売却による土地価格のつり上げという、法制定当時に想定していなかった土地投機の手法によって、形骸化の危機に直面しているのではないでしょうか。
  良好な都市環境と、住民本位の健全なまちづくりの観点から、以下伺います。
 1 都市計画法は第一条に、「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする」とし、第二条では、「健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定める」としています。
   住民の健康で文化的な都市生活を支え、公共の福祉の増進に寄与するために、適正な制限のもとに土地の合理的な利用を図るうえで、公有地の果たす役割は、大きいと考えます。都の認識を伺います。
 2 「公有地の拡大の推進に関する法律」の制定に向け、当時の国務大臣は「都市化の発展が、住宅用地をはじめ、道路、公園、緑地その他の公共用地の取得難を招き、良好な都市環境の計画的な整備を阻害する要因になっている」と指摘したうえで、「公有地の拡大の計画的な推進を図り、もって地域の秩序ある整備と公共の福祉の増進に資」する、と法案の提出理由を述べています。
   現在に至るも未だ、公有地の拡大の推進の法律の目的である、公有地の拡大の計画的な推進は、重要な意義を持っていると考えますが、都の見解を伺います。
 3 跡地に物流倉庫が建設されることに、住民から「全然知らなかった」「すぐ真ん前に小学校があるのに心配」「今までもトラックが通るたびに振動が起こった。もっとひどくなるのでは」という、驚きや不安、怒りの声が寄せられています。また、「地域防災公園を造ってほしいと区に要望していた」という声もありました。森永乳業東京工場跡地のような大規模な土地が売り出される際の、街づくり、地域の環境に与える影響と住民合意について、都はどのような認識を持っていますか。
 4 跡地には、多くの樹木が生い茂っており、住民から「あの樹木を切らずに残してほしい」という声も多く聞かれます。環境の点からも気候危機対策としても樹齢を重ねた樹木は守る必要があると思いますが、認識を伺います。
 5 公拡法では、信託受益権も地方公共団体の先買い権の対象となるのでしょうか。また、信託受益権の売却価格を積算根拠とした売り渡し価格は、公拡法における正当な売買価格とは言えないと考えますが、いかがですか。
 6 公拡法の適用を受ける土地を売却しようとする土地所有者が、信託受益権の売却価格を算出の根拠にして売却価格を吊り上げるようなことになれば、地方公共団体は公拡法に基づいて公有地を取得することは、極めて困難であり、このような手法によって公拡法の適用を回避することは、公拡法の形骸化につながります。何らかの規制が必要ではありませんか。
 7 全都でこのような手法による土地の投機が進めば、「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的」とした都市計画法の根幹をゆるがすことにもなりかねません。国に対して、何らかの規制を求めるべきではありませんか。

令和4年第二回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
 一 公有地の計画的な拡大によるまちづくりの重要性と、公拡法のはたす役割について
  1 住民の健康で文化的な都市生活を支え、公共の福祉の増進に寄与するために、適正な制限のもとに土地の合理的な利用を図るうえで、公有地の果たす役割は、大きいが認識を伺う。

回答
  都市計画マスタープランなどの上位計画に基づき、道路、公園などを計画的に整備するために必要な土地として確保した公有地は、都市の健全な発展と秩序ある整備の促進に資するものと考えます。

質問事項
 一の2 公有地の拡大の推進の法律の目的である、公有地の拡大の計画的な推進は、重要な意義を持っているが、見解を伺う。

回答
  都市計画マスタープランなどの上位計画に基づき、道路、公園などを計画的に整備するために必要な土地を確保することは、都市の健全な発展と秩序ある整備の促進に資するものと考えます。

 
質問事項
 一の3 森永乳業東京工場跡地のような大規模な土地が売り出される際の、街づくり、地域の環境に与える影響と住民合意について、どのような認識を持っているか伺う。

回答
  既成市街地における大規模な工場跡地等は、地域のまちづくりを進める上で貴重な土地となり得るものであり、その売却等に当たっては、土地所有者等において、関係法令に基づき適切な対応がなされるべきものと考えます。

質問事項
 一の4 跡地には、多くの樹木が生い茂っており、住民から「あの樹木を切らずに残してほしい」という声も多く聞かれる。環境の点からも気候危機対策としても樹齢を重ねた樹木は守る必要があるが、認識を伺う。

回答 
  当該土地における施設の開発に当たっては、上位計画や関係法令等に基づき、樹木の取扱いも含め、事業者において適切に対応すべきものと考えます。

質問事項
 一の5 公拡法では、信託受益権も地方公共団体の先買い権の対象となるのか。また、信託受益権の売却価格を積算根拠とした売り渡し価格は、公拡法における正当な売買価格とは言えないが、見解を伺う。

回答
  公拡法に規定する土地の先買い制度は、地方公共団体等に対して土地の買取りのための第一次的な交渉権を与えるものです。
  同法では、土地所有者が土地を有償で譲渡しようとする場合の届出義務と、地方公共団体等に対する土地の買取り希望の申出について規定されています。
  信託受益権の譲渡については、信託契約の解除や終了により不動産所有権が受益者に移転する定めがある場合は届出義務の対象となりますが、買取り希望の申出の対象とはなりません。
  また、協議において、土地の所有者が提示する価格についての規定はありません。

質問事項
 一の6 土地所有者が、信託受益権の売却価格を算出の根拠にして売却価格を吊り上げるようなことになれば、地方公共団体は公拡法に基づいて公有地を取得することは、極めて困難であり、このような手法によって公拡法の適用を回避することは、公拡法の形骸化につながる。何らかの規制が必要であるが、見解を伺う。

回答 
  公拡法に規定する土地の先買い制度は、地方公共団体等に対して土地の買取りのための第一次的な交渉権を与えるものであり、土地所有者が提示する価格については規定されていません。
  なお、都市計画事業としての用地取得等、土地収用法が適用される場合は、近傍の類似した土地の取引価格等を考慮して算定した価格で土地を取得することとされています。

質問事項
 一の7 全都でこのような手法による土地の投機が進めば、「都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的」とした都市計画法の根幹をゆるがすことにもなりかねない。国に対して、何らかの規制を求めるべきだが、見解を伺う。

回答
  公拡法では、公有地の拡大の計画的な推進を図るため、土地を有償で譲渡しようとする場合の届出の義務化や一定期間の譲渡制限など、一定の制限等を課しています。

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