令和四年東京都議会会議録第八号

令和四年六月一日(水曜日)
 出席議員 百二十四名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
三番石島 秀起君
四番吉住はるお君
五番森澤 恭子君
六番松田りゅうすけ君
八番上田 令子君
九番漢人あきこ君
十番岩永やす代君
十一番成清梨沙子君
十二番おじま紘平君
十三番もり  愛君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番鈴木  純君
二十一番土屋 みわ君
二十二番平田みつよし君
二十三番西山  賢君
二十四番星  大輔君
二十五番磯山  亮君
二十六番龍円あいり君
二十七番あかねがくぼかよ子君
二十八番保坂まさひろ君
二十九番米川大二郎君
三十番清水やすこ君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十番浜中のりかた君
四十一番本橋たくみ君
四十二番渋谷のぶゆき君
四十三番林あきひろ君
四十四番伊藤しょうこう君
四十五番田村 利光君
四十六番菅野 弘一君
四十七番白戸 太朗君
四十八番たきぐち学君
四十九番田の上いくこ君
五十一番後藤 なみ君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十八番原田あきら君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番川松真一朗君
六十五番清水 孝治君
六十六番三宅 正彦君
六十七番やまだ加奈子君
六十八番早坂 義弘君
六十九番山加 朱美君
七十一番平けいしょう君
七十二番内山 真吾君
七十三番森口つかさ君
七十四番福島りえこ君
七十五番藤井あきら君
七十六番風間ゆたか君
七十七番竹井ようこ君
七十八番阿部祐美子君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番まつば多美子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番長橋 桂一君
八十七番鈴木あきまさ君
八十八番こいそ 明君
八十九番鈴木 錦治君
九十番ほっち易隆君
九十一番松田 康将君
九十二番山崎 一輝君
九十三番森村 隆行君
九十四番村松 一希君
九十五番入江のぶこ君
九十六番桐山ひとみ君
九十七番本橋ひろたか君
九十八番石川 良一君
九十九番宮瀬 英治君
百番藤井とものり君
百一番山口  拓君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百五番あぜ上三和子君
百六番小磯 善彦君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番柴崎 幹男君
百十二番小松 大祐君
百十三番小宮あんり君
百十四番三宅しげき君
百十五番高島なおき君
百十六番山田ひろし君
百十七番伊藤 ゆう君
百十八番荒木ちはる君
百十九番小山くにひこ君
百二十番増子ひろき君
百二十一番尾崎 大介君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 二名
五十番  関野たかなり君
七十番  菅原 直志君
 欠員
    七番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事武市  敬君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事宮坂  学君
教育長浜 佳葉子君
東京都技監建設局長兼務中島 高志君
政策企画局長野間 達也君
総務局長村松 明典君
財務局長吉村 憲彦君
警視総監大石 吉彦君
政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君
子供政策連携室長山下  聡君
デジタルサービス局長久我 英男君
主税局長小池  潔君
生活文化スポーツ局長横山 英樹君
生活文化スポーツ局生活安全担当局長小西 康弘君
都市整備局長福田  至君
環境局長栗岡 祥一君
産業労働局長坂本 雅彦君
消防総監清水 洋文君
福祉保健局長中村 倫治君
福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
港湾局長矢岡 俊樹君
会計管理局長須藤  栄君
交通局長武市 玲子君
水道局長古谷ひろみ君
下水道局長奥山 宏二君
住宅政策本部長山口  真君
病院経営本部長西山 智之君
中央卸売市場長河内  豊君
選挙管理委員会事務局長松永 竜太君
人事委員会事務局長初宿 和夫君
監査事務局長小室 一人君
労働委員会事務局長桜井 政人君
収用委員会事務局長杉崎智恵子君

六月一日議事日程第一号
第一 第百十四号議案
  令和四年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第二 第百十五号議案
  東京都知事の給料等の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百十六号議案
  東京都職員の退職管理に関する条例の一部を改正する条例
第四 第百十七号議案
  職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五 第百十八号議案
  東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第六 第百十九号議案
  東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百二十号議案
  東京都人事行政の運営等の状況の公表に関する条例の一部を改正する条例
第八 第百二十一号議案
  公益的法人等への東京都職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例
第九 第百二十二号議案
  外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例
第十 第百二十三号議案
  職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第十一 第百二十四号議案
  職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第百二十五号議案
  非常勤職員の報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第十三 第百二十六号議案
  東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第十四 第百二十七号議案
  職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第十五 第百二十八号議案
  職員の懲戒に関する条例の一部を改正する条例
第十六 第百二十九号議案
  職員の分限に関する条例の一部を改正する条例
第十七 第百三十号議案
  職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
第十八 第百三十一号議案
  職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例の一部を改正する条例
第十九 第百三十二号議案
  東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第二十 第百三十三号議案
  職員の大学院派遣研修費用の償還に関する条例の一部を改正する条例
第二十一 第百三十四号議案
  東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の一部を改正する条例
第二十二 第百三十五号議案
  東京都議会議員及び東京都知事の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例
第二十三 第百三十六号議案
  東京都都税条例の一部を改正する条例
第二十四 第百三十七号議案
  東京都男女平等参画基本条例の一部を改正する条例
第二十五 第百三十八号議案
  学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第二十六 第百三十九号議案
  学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第二十七 第百四十号議案
  学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第二十八 第百四十一号議案
  義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例の一部を改正する条例
第二十九 第百四十二号議案
  都立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
第三十 第百四十三号議案
  東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第三十一 第百四十四号議案
  東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例
第三十二 第百四十五号議案
  東京都小笠原住宅条例の一部を改正する条例
第三十三 第百四十六号議案
  東京都地域特別賃貸住宅条例の一部を改正する条例
第三十四 第百四十七号議案
  東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
第三十五 第百四十八号議案
  東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
第三十六 第百四十九号議案
  墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第百五十号議案
  東京都労政会館設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第百五十一号議案
  東京都しごとセンター条例の一部を改正する条例
第三十九 第百五十二号議案
  都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第四十 第百五十三号議案
  東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第百五十四号議案
  公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例
第四十二 第百五十五号議案
  東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第四十三 第百五十六号議案
  都立府中高等学校(四)改築及び改修工事請負契約
第四十四 第百五十七号議案
  都立あきる野学園(四)増築及び改修工事請負契約
第四十五 第百五十八号議案
  都営住宅三H—一一五西(村山)工事その二請負契約
第四十六 第百五十九号議案
  都営住宅四H—一〇八西(多摩市諏訪四丁目)工事請負契約
第四十七 第百六十号議案
  新砂水門(再整備)(四)建設工事請負契約
第四十八 第百六十一号議案
  呑川防潮堤耐震補強工事(その二百八)請負契約
第四十九 第百六十二号議案
  綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百十一)その二請負契約
第五十 第百六十三号議案
  東京都公立大学法人中期目標について
第五十一 第百六十四号議案
  備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
第五十二 第百六十五号議案
  土地の買入れについて
第五十三 第百六十六号議案
  特種用途自動車(救急車)の買入れ(その一)について
第五十四 第百六十七号議案
  特種用途自動車(救急車)の買入れ(その二)について
第五十五 第百六十八号議案
  特種用途自動車(救急車)の買入れ(その三)について
第五十六 第百六十九号議案
  撮影機外三点の買入れについて
第五十七 第百七十号議案
  教育職員免許法関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十八 第百七十一号議案
  東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十九 第百七十二号議案
  東京都建築安全条例の一部を改正する条例
第六十 諮問第一号
  地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第六十一 諮問第二号
  地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第六十二 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した東京都都税条例の一部を改正する条例の報告及び承認について

   午後一時開会・開議
○議長(三宅しげき君) ただいまから令和四年第二回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(三宅しげき君) まず、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   六番   松田りゅうすけ君 及び
   六十八番 早坂 義弘君
を指名いたします。

○議長(三宅しげき君) 次に、議会局の局部長に異動がありましたので、紹介いたします。
 議会局長小山明子さん、管理部長鈴木一幸君、議事部長古賀元浩君、調査部長西坂啓之君。
   〔局部長挨拶〕

○議長(三宅しげき君) 以上で紹介を終わります。

○議長(三宅しげき君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(古賀元浩君) 令和四年五月二十五日付東京都告示第七百八十七号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案六十一件の送付並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく専決処分一件の報告及び承認についての依頼がありました。
 次に、令和四年第一回定例会の会議において同意を得た教育委員会教育長、固定資産評価員、固定資産評価審査委員会委員及び公害審査会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、知事及び監査委員外三行政委員会より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更及び説明員の委任の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
 次に、知事より、令和三年度東京都一般会計予算外三件の明許繰越について、令和三年度東京都一般会計予算外一件の事故繰越について及び令和三年度東京都病院会計予算外九件の繰越しについて、それぞれ報告がありました。
 また、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき知事等が講じた措置に関する報告がありました。
(別冊参照)

○議長(三宅しげき君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第一回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
   〔文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(九ページ)に掲載〕

○議長(三宅しげき君) 次に、先般、教育長に就任されました浜佳葉子さんをご紹介いたします。
 教育長浜佳葉子さん。
   〔教育長浜佳葉子君登壇〕

○教育長(浜佳葉子君) 令和四年第一回都議会定例会におきまして、教育長の任命にご同意をいただき、四月一日付で拝命いたしました浜佳葉子でございます。
 子供たち一人一人に応じたきめ細かな教育を推進することにより、未来の東京の担い手となる人材をしっかりと育成できるよう、全力で取り組む所存でございます。
 都議会の皆様方のご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○議長(三宅しげき君) 以上をもって教育長の紹介は終わりました。

○議長(三宅しげき君) 次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。
 東京都技監建設局長兼務中島高志君、子供政策連携室長山下聡君、デジタルサービス局長久我英男君、主税局長小池潔君、生活文化スポーツ局長横山英樹君、生活文化スポーツ局生活安全担当局長小西康弘君、都市整備局長福田至君、港湾局長矢岡俊樹君、会計管理局長須藤栄さん、交通局長武市玲子さん、水道局長古谷ひろみさん、下水道局長奥山宏二君、住宅政策本部長山口真君、選挙管理委員会事務局長松永竜太君、監査事務局長小室一人君、労働委員会事務局長桜井政人君、収用委員会事務局長杉崎智恵子さん。
   〔理事者挨拶〕

○議長(三宅しげき君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○議長(三宅しげき君) 次に、閉会中のオリンピック・パラリンピック特別委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る四月十九日付をもって、アオヤギ有希子さんより辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書の規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって池川友一君を指名いたしました。

○議長(三宅しげき君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から六月十五日までの十五日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十五日間と決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) この際、知事より発言の申出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和四年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を述べさせていただきます。
 二〇一九年十二月、初めて確認された原因不明の感染症は、その後たちまち世界中へと広がりました。人類と新型コロナウイルスとの長い闘いの始まりであります。攻めと守りの対策、何より都民、事業者の皆様一人一人の意識と行動を大きな力にして、私たちはこの未知なるウイルスへの対策を着実に進めてまいりました。感染を止める、社会は止めない。東京が一丸となり、ようやくその糸口をつかみかけた矢先に、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が、コロナ禍で苦境にあえぐ東京にも暗い影を落としております。
 資源大国ロシアの暴挙は、グローバルなサプライチェーンを瞬く間に混乱の渦に陥れました。特に、原油や天然ガスの供給不安は、化石燃料の多くを輸入に頼る日本、中でもエネルギーの大消費地東京の足元を揺るがす脅威そのものであります。いかにしてエネルギーを安定的に確保するか。この大きな課題は、さらなる成長と成熟へ踏み出そうとする私たちの重い足かせとなっています。
 光り輝く東京を確かなものとするために、今なすべきは、危機をチャンスに変える発想で、サステーナブルリカバリーを実現することにほかなりません。海の向こうの出来事が、すぐさま身近な暮らしに影響を及ぼすグローバルな時代です。そこで生まれる脅威は、幾重にも複雑な事象が絡み合い、一つの切り口では解を導くことができない難しいものばかりです。だからこそ、世界の知恵、都庁全体の知恵を結集して困難に立ち向かい、その先に、いかなる危機にも揺らぐことのない真に持続可能な都市を実現してまいります。
 三月に福島県沖で発生した地震は、電力需給逼迫警報というかつてない事態を引き起こしました。いまだ火力発電所は全面復旧に至っておらず、この夏や冬の電力需給も厳しい見通しが示されています。
 社会の様々な活動を支えるエネルギーが途絶えてしまいますと、この首都東京は活動停止に追いやられてしまう。先週には、私を本部長とするエネルギー等対策本部を立ち上げ、全庁で危機感を共有しました。都民の安全・安心のために何ができるか、それを常に考え、一歩踏み込んだ施策を講じていくよう指示を出しました。この本部を、都政を取り巻くあらゆる課題を洗い出し、総力を挙げて解決を加速させていく推進力としてまいります。また、気候変動対策と産業政策、この二つの視点から、国や大企業とも連携して取り組むため、今後、執行体制も強化し、施策を強力に推し進めてまいります。
 電力を減らす、つくる、ためる、それぞれの頭文字を取ってHTT、この三つの観点から政策を磨き上げ、社会を脱炭素型へとシフトさせていきます。まずは、例年以上に猛暑が予想されるこの夏の電力逼迫を乗り越えるため、エネルギー消費が高止まりしている家庭部門の省エネを加速させます。今ではオフィスで当たり前の光景となったクールビズ。これを家庭の省エネまで昇華させ、Tokyo Cool Home & Bizとして、行動変容につなげるムーブメントを起こします。省エネ家電への買換えを促す東京ゼロエミポイントの対象も拡充いたしまして、各家庭の減らす取組をさらに後押しします。
 一つ一つは小さな行動でも、みんなが一丸で取り組めば、未来を変える大きな力となります。この夏を何としても乗り切るため、皆様のご協力を改めてお願いいたします。
 そして、目下の電力逼迫もさることながら、エネルギー自給率を高め、国際情勢に左右されない都市の底力をつけなければなりません。二〇三〇年のカーボンハーフの実現。これを確かなものとするべく、二〇二六年を中間年とするロードマップを示し、新たに一定の新築建物を対象に、ZEVの充電設備の設置や国基準以上の断熱、省エネ性能の確保、太陽光パネルの設置を義務化する検討も深め、条例改正に向けた準備を加速いたします。都民、事業者の共感を得ながら、減らす、つくる、ためる、この三拍子そろった都市をつくり上げてまいります。
 また、電力危機は、東京だけにとどまる問題ではありません。東京電力管内での太陽光パネル等の設置を都が誘導し、生み出された環境価値は都民のために還元される仕組みといたします。他の自治体と力を合わせながら、解決策の選択肢を広げてまいります。
 脱炭素化の鍵を握る水素に世界の関心が一層高まっています。技術開発をめぐる主導権争いが熾烈さを増す中、エネルギー危機の克服、さらには国際競争力の強化のためにも水素普及を加速しなければなりません。まちづくりを通じた活用や再エネ由来のグリーン水素の実装も進めるなど、真の水素社会の実現に向けた基盤づくりを推進します。
 脱炭素化をコストからビジネスチャンスに変える発想の転換も必要です。ガソリン車からZEVへ、優れた技術を成長産業に振り向ける。脱炭素に配慮した企業経営をサポートし、サステーナビリティーに着目した資金調達も普及させていく。こうした取組を重ねながら、環境によりよい活動が市場で評価される土壌を築き上げ、中小企業のイノベーションを次々と生み出す力強い経済へと変えてまいります。さらには、税制も環境を基軸の一つに据えることが重要です。今年度の東京都税制調査会では、さらなるグリーン化に向けた議論を開始したところであります。あらゆる施策を総動員して、都民や事業者、様々な主体と力を合わせながら、脱炭素社会の実現に向けた取組を一層推進してまいります。
 そのためにも、現下の原材料価格の高騰に苦しむ企業を下支えし、成長の基盤をしっかりと固めなければなりません。制度融資を拡充するほか、経営の効率化、省エネ化に資する設備投資を強力に後押しするなど、資金面、経営面からサポートいたします。また、国際的な小麦需給の逼迫を踏まえ、米どころ新潟産の米粉など国産農作物を用いた商品開発を促進いたします。さらに、海外から都内、国内への資材調達の切替えや、輸出促進のための世界への発信強化など、円安のデメリットを抑え込み、チャンスに変えるための施策も講じます。
 コロナ禍から厳しい環境が続く都民生活も守り抜きます。孤独、孤立等に悩む方々の相談支援を強化するほか、障害者の就労機会の確保、都立学校における給食費の負担軽減など、多方面から支えてまいります。さらには、地域の元気をもっと引き出すため、デジタルの力も活用したキャッシュレスポイント還元など、区市町村の取組も支援し、一人一人の明日への活力へとつなげてまいります。
 都は、戦禍を逃れてきたウクライナの方々が、この東京で安心して暮らしていけるように、都営住宅での受入れや相談窓口の設置など、いち早く実施しております。一方で、避難生活も長期化し、様々なニーズや困り事も明らかになってきました。全庁横断のチームを立ち上げ、この先も地域の中で自立した生活を送れるよう、就労、子育て、教育など、様々な側面から一人一人に寄り添ったサポートをしてまいります。
 続いて、新型コロナウイルス対策について申し上げます。
 三月の重点措置の終了以降、病床使用率、重症者病床使用率は大幅に減少し、新規の陽性者数も下降傾向にあります。ゴールデンウイーク後の感染拡大も見られません。こうした状況を踏まえ、先月二十二日をもちましてリバウンド警戒期間を終了といたしました。今後は、水際対策にも留意しつつ、基本的な感染防止対策を徹底することで感染を抑えるステージに入っていきます。都民、事業者の皆様は、引き続き小まめな換気、三密回避、場面に応じたマスクの正しい着用など、常に心に置いた行動をお願いいたします。
 医療提供体制につきましては、通常医療との両立を図りながら、救急の逼迫状況などに応じて柔軟に運用を行います。ワクチンにつきましても、若い方々が接種を受けやすい大規模会場に再編し、あわせて、高齢者等を対象とする四回目接種も促進するなど、感染の連鎖を断ち切るための取組を推し進めます。
 そして、三回目の接種を受けた方などを対象として、今月中に、もっとTokyoをトライアル的に開始し、ワクチン接種の加速と都内観光の振興を両輪で進めてまいります。今後、国の動きや感染状況を踏まえながら、全国の観光振興と足並みをそろえてまいります。
 今なお続くコロナとの長い闘いの軌跡を振り返り、先日、これまで講じてきた取組の成果や課題などを取りまとめました。培った知見と経験を武器に、この先も柔軟かつ機敏な対策で立ち向かってまいります。
 先週、首都直下地震等の新たな被害想定を公表いたしました。倒れない、燃えない、燃え広がらない、これまで何年もかけて築き上げてきたハード、ソフト両面からの対策が実を結び、前回、十年前の想定から被害の想定が減少しております。一方で、人口構造や住環境等の変化に伴う課題も重みを増しており、引き続き、いつ起こるとも知れない巨大地震を相手に、不断に備えを講じていくのはいうまでもありません。新たに作成したインフラ、ライフライン等の時間軸ごとの被害様相なども生かしながら、自助、共助、公助の強化につなげてまいります。
 猛威を増す水害への対策も待ったなしです。今後の河川施設の在り方につきまして、今月末から有識者を交えた議論を開始いたします。気候変動を踏まえた目指すべき整備目標や地下河川を含めた整備方針等について検討を深め、方向性を取りまとめます。また、都のあらゆる豪雨対策をレベルアップするために、総合的な取組を推進する基本方針の改定も加速して、水害に負けない強靱な都市を築いてまいります。
 今季に入り、島しょ地域では既に台風の影響で一部地域に停電被害が発生しています。島民の安心に包まれた生活を守るため、急ぎ無電柱化を成し遂げなければなりません。今年初めに策定いたしました整備計画を基に、島内完全無電柱化を先行的に行う島として、利島と御蔵島を選定いたしました。今後も、島しょ地域の無電柱化に向けて、取組をさらに加速してまいります。
 こうした様々な災害リスクを想定し、大きく構えることが危機管理の要諦であります。長期的な視点で備えをアップグレードする都市強靱化プロジェクトを加速するため、副知事をトップに各局の連携を強化する推進会議を設置いたしました。客観的データに基づく様々な検証を行いながら、災害に強いあるべき都市の姿を明らかにしてまいります。
 また、確実な救助を推進し、都民の安全・安心を高めます。東京消防庁では、新たに安全推進部を新設し、ヒューマンエラーによる事故を徹底的に防止するための危機管理体制を強化いたしました。さらに、来月より、通報者からのスマホ映像を共有する映像通報システムLive一一九、これを多摩地域にも導入し、一分一秒を争う現場での的確な救助につなげてまいります。
 社会のデジタル化は、その利便性の裏側で、常にサイバー攻撃のリスクを抱えています。特に、中小企業が有する独自の技術や情報はイノベーションの源泉であり、これを守ることは東京の持続的な発展に不可欠であります。専門家派遣や機器類の導入に加え、新たにセキュリティ対策の中心となる人材育成を支援し、企業の自律的、継続的な対処能力の底上げを図ってまいります。
 不確実性が高まる社会にあって、都民に寄り添い、期待に応えていくためには、機動的で実行力ある都庁へと変革を遂げなければなりません。改革の実践を通じて都政を変える。このシン・トセイの理念を職員一人一人が共有し、構造改革を前へ前へと進めてまいります。
 最優先は、いかに素早く事業の効果を届けるか。早期着手に向けて、あらゆるプロセスをつぶさに検証し、手続の短縮化や年度単位に縛られない執行など、事業の前倒しを図るための標準モデルを構築いたします。これを全庁に徹底をし、施策展開のスピードをさらに加速させます。
 そして、改革の鍵を握るのは、高度な専門性を有するデジタル人材であります。先週からスタートした東京デジタルアカデミーでは、都庁のみならず、都内自治体職員のデジタルリテラシーの底上げも図ってまいります。さらには、世界の先進事例に学ぶなど、質、量ともに人材の充実を図り、区市町村も含めた東京全体のDX推進につなげてまいります。
 都が提供するサービスは、その情報を必要とする人に届いてこそ真価を発揮いたします。今、都民が何を知りたいかをキャッチし、正しい情報をタイムリーに伝えることが大切です。四月より、広報広聴機能を集約し、全庁の広報をマネジメントする体制を整えました。時機を捉えた戦略的なプロモーションや都民との双方向のコミュニケーション機能を強化するほか、海外にも東京の魅力を積極的に発信してまいります。真に必要とする情報をプッシュ型で届けるデジタルプラットフォームZEROなど新たな取組も始めております。伝える広報から伝わる広報へ、都の発信の在り方を見直して、都政への共感を育んでまいります。
 さらに、この夏、都の広報の司令塔として都庁全体をマネジメントし、都民をはじめ国内外の皆様に一層分かりやすく情報をお届けするべく、より戦略的に広報を展開する体制を強化してまいります。
 七月一日、都立、公社病院を一体的に地方独立行政法人化し、東京都立病院機構を設立いたします。新たな都立病院として、安定的かつ柔軟な人材確保など機動的な病院運営を行い、行政的医療を充実させてまいります。加えて、地域医療の充実にも着実に貢献し、将来にわたって都民の皆様の生命と健康を守り続けてまいります。
 さて、私が知事に就任した二〇一六年、八千四百六十六人を数えた待機児童も、本年四月時点で三百人程度に減少する見込みであります。子育て世帯の不安を取り除き、子供たちの健やかな成長に向け最優先で進めてきた取組が確実に実を結んでおります。子供の笑顔は未来への希望そのものであります。新たに、子供政策連携室を核とした強力な推進体制を整えました。縦、横、斜め、組織の垣根を飛び越え、ヤングケアラーなど今日的な課題やモデルとなるような新たな試みにも挑戦いたします。そして、チルドレンファーストの視点から、年度内を目途に、未来を切り開いていくための先進的な取組や横断的な取組を体系的に取りまとめ、施策を強力に推進してまいります。
 子供の声をしっかりと聞き、気持ちに寄り添うことは何よりも大切なことです。先般公開したこどもホームページには、子供たちから募った自由な発想があふれんばかりに詰め込まれています。都政の最初の入り口として親しみやすいポータルサイトとなるよう、バージョンアップを重ねてまいります。さらには、こども記者として番組制作を体験したり、易しい表現で取組を紹介する「広報東京都こども版」を発行するなど、都政への関心を育み、子供の柔軟な発想やみずみずしい感性を施策展開につなげてまいります。
 働くママ、パパには、何よりもいとしい我が子と一緒に過ごす時間を増やしてほしい。今月、企業のトップや著名人などが一堂に会するサミットを開催し、誰もが子供との時間を大切にできる社会の実現に向けまして、企業の取組を後押ししながら、機運を盛り上げてまいります。そもそも、休むことを連想させる育休という言葉自体を変えなければなりません。そこで、イメージを一新する愛称を皆様から募集いたしましたところ、八千八百件を超える大変大きな反響をいただきました。誠にありがとうございます。いただいたご意見を、そしてご提案を基に、今月中にネーミングを決定いたしまして、子供を育むための活動時間へと社会のマインドチェンジを促してまいります。
 子供の可能性を伸ばし、時代を切り開く力を育てていくことは、未来への投資そのものであります。この四月、立川では、都立高校で初となる理数科の新入生を迎えたほか、都立大でも、データサイエンスの履修コースが新たにスタートいたしました。
 とりわけ、若いうちから世界に目を開くことも大切です。先日の海外出張では、アラブ首長国連邦の高校生たちとの国際交流に向け、そのかけ橋を築きました。異なる社会、文化を実際に肌で感じることは、世界で活躍するために欠かせないグローバルな素養を育みます。今回生まれたつながりを、若者同士の具体の交流に結びつけていきたいと思います。
 誰一人取り残さないという信念の下、子供たちが抱える様々な悩みに寄り添い、その解決に全力で挑みます。この四月、都内で六番目となるチャレンジスクールを足立区に開校いたしました。多様な進路を描けるこの学校で、もう一度学ぶ楽しさを知ってもらいたいと思います。
 また、過去最多を更新する児童虐待から子供たちを守るための対策は急務であります。都立児童相談所の練馬区への設置に加え、多摩地域につきましても具体化に向けて検討を深めます。児童福祉司等の人材確保を進め、トレーニングセンターも新設してスキルアップを図るなど、大幅に体制も強化しました。子供を守る、その強い思いを胸に、困難に直面する子供たちに確実に支援を届けられるよう力を尽くしてまいります。
 グローバルな都市間競争は激しさを増すばかりです。宮坂副知事が視察を行ったUAEのドバイは、まるでSF映画の中に飛び込んだようなイノベーティブな環境が、意欲にあふれるチャレンジャーたちを世界中から引きつけています。世界のダイナミズムの渦に飛び込んでみる。さもなければ気づかぬうちにはるか後方に取り残されてしまうでしょう。強い危機感の下、海の向こうのライバルたちに学び、切磋琢磨しながら、東京を世界から選ばれる都市へと進化させてまいります。
 新たな価値を生み続ける魅力的なまちへと、東京のバージョンアップを推し進めてまいります。最先端の都市モデルを誕生させる東京ベイeSGプロジェクトは、この夏、新たな一歩を踏み出します。広大な中央防波堤エリアを最新テクノロジーの実装フィールドとして開放し、様々な都市課題の解決につなげてまいります。また、早期に5G環境を整備してきた西新宿では、多様な主体の連携を促すコンソーシアムを立ち上げ、これを基盤に、利便性の高いサービスを継続的に生み出す魅力的なエコシステムを構築いたします。
 かの渋沢栄一翁らの尽力により、国民の献金、献木により造営された神宮外苑。このたびの再整備に当たりましては、都民に開かれた庭として再生させることが、創建時に託された人々の思いを未来へと継承させることにつながるはずです。そこで、開発事業者には、幅広い都民参画の取組を検討するよう要請いたしました。多くの都民がスポーツに親しみ、にぎわいあふれる緑豊かなまちへと発展させてまいります。
 新たなカルチャーを生み出すまち渋谷におきまして、デジタルテクノロジーを融合させたアートとデザインの創作活動の拠点を整備いたします。子供たちが先端アートに出会う場、世界を魅了する次世代アーティストを育てる場とするなど、デジタルの力で人々の創造性をかき立て、東京のまちに新たな価値を創出してまいります。
 ファッションデザイナーを志す学生を対象としたコンクールの募集も来月から開始をいたします。ビジネス展開に向けた支援も提供するなど、若き才能が世界に羽ばたく後押しをして、東京で研ぎ澄まされた感性を国内外に発信してまいります。
 東京が誇る食の技と味わいで世界を堪能させたい。先月には春の食フェスティバルを開催いたしまして、バラエティーに富んだ数々の料理を多くの方々にお楽しみいただきました。この秋には、旬の食材をふんだんに取りそろえた味わいフェスタも予定をいたしておりまして、多彩な食の魅力を広くアピールしてまいります。
 また、最近では、若い世代を中心にバーチャル空間でライブイベントを行ったり、ユーザー同士の交流を楽しんだりする動きが広がり始めています。こうした時代の流れを捉え、デジタル空間を活用した魅力発信を展開して、国内外に東京のファンを増やしてまいります。
 世界中に勇気と感動を届けた東京二〇二〇大会。その総括となる最終報告が行われた先日のIOC総会では、コロナ禍におきまして世界との連帯を示し、史上最も準備が整った大会として、様々な点から高い評価をいただきました。あの熱い夏からちょうど一年となる節目を捉え、大会の記憶を呼び起こし、都民、国民の皆様に感謝をお伝えする。そのため、七月から十月を大会一周年記念期間として、国立競技場のセレモニーを皮切りに、パラスポーツのエキシビションや東京レガシーハーフマラソンなど、様々なイベントを開催いたします。障害者をはじめ来場が難しい方にも楽しんでいただけるよう、デジタル技術を活用するなど、誰もがスポーツに親しめる工夫も凝らします。
 また、大会を象徴する新競技の新たな拠点、有明アーバンスポーツパークにつきましては、今月、その事業の実施に係る方針を策定して、民間の活力を存分に生かした整備を進めます。十一月には、レインボーブリッジを駆け抜けるサイクルイベントを開催するほか、大会で実際にロードレース会場となった多摩地域での計画も進めるなど、レガシーを確実に未来へとつなげ、スポーツが日常に溶け込んだスポーツフィールド東京を実現してまいります。
 さらには、二〇二五年に開催が予定されている世界陸上とデフリンピック。先日、東京は世界陸上の開催地を調査するワールドアスレティックス評価パネルの訪問を受けまして、東京の開催能力と魅力を直接アピールいたしました。また、デフリンピックにつきましても、先月のブラジル大会に職員を派遣し、大会運営をつぶさに調査してまいりました。いずれも多くの選手たちが来日する極めて大規模な国際大会であります。東京で開催することになりますと、国の全面的な支援はもとより、幅広い関係者が共に力を合わせることが不可欠であります。都としても、それぞれの大会の招致主体たる団体を、国や関係者と密に連携しながら積極的に応援してまいります。
 多様性と調和。東京二〇二〇大会で掲げたこのビジョンを具現化する取組も着実に進め、さらなる成熟都市へと導きます。
 共生社会実現への象徴ともなるパートナーシップ宣誓制度の創設に向けて、今般、いわゆる人権尊重条例の改正案を提案いたしました。都道府県として初めて条例に根拠を持たせ、その実効性を担保するだけでなく、区市町村や民間とも連携しながら、当事者の心に寄り添ったきめ細かなサービスを展開いたします。まずは、宣誓された性的マイノリティーの方々が都営住宅等に新たに入居が可能となるよう規定を整えるほか、順次、他の事業にも広げてまいります。
 さらに、意思決定への女性参画を促進し、施策に多様な意見を反映するため、都の審議会等にもクオータ制を導入いたします。そのための条例改正案も本定例会に提案をいたしております。
 芸術文化も、多様性の輪を広げるための重要なチャネルです。今月二十八日から十日間にわたり、共生社会実現のための、アジア初となる総合国際カンファレンスを開催いたします。年代や性別、障害の有無など、あらゆる違いを受け入れる芸術文化の力で世界を一つにつなげ、ダイバーシティ、インクルージョンが根づいた都市に進化させてまいります。
 世界が営々と築き上げてきた国際秩序を一気に揺るがすロシアのウクライナ侵攻。力による一方的な現状変更を許せば、地球上のあらゆる地域がたちまち不安定化する、そうした危機感が国際社会に広がっています。中立を貫いてきた北欧二国がNATO加盟に乗り出し、また、アジア太平洋地域においても、日米豪印四か国によるQUADが本格的に動き始めるなど、国家の安全や経済連携をめぐり、世界の枠組みも大きく姿を変えようとしております。
 年々脅威を増す気候変動や道半ばの新型コロナウイルスとの闘い、そして、激変する国際情勢。我が国を取り巻く環境がさま変わりし、国防のみならず、エネルギーや食料、経済の安全保障など、国の根幹に関わる複合的な危機が一気に押し寄せています。戦後、平和と安定を享受してきた日本は今、最大の試練を迎えているといっても決して大げさではないでしょう。
 忘れてならないのは、これが首都東京の安全にも直結する私たち自身の問題でもあるということです。時代の大きな節目に立つ私たちの行動が、東京、そして日本の未来を決定づけます。かつて、オイルショックが省エネ技術の革新を促し社会を大きく飛躍させたように、直面する困難を乗り越え、東京をさらに強靱で豊かな都市へと進化させなければなりません。タイム・ツー・アクト、今こそ行動するときです。
 その鍵を握るのは人です。挑戦する意欲にあふれる人材、未来を切り開く夢を持つ人材、そうした多彩な人材の熱量が、都市の発展の強力なエンジンとなるのであります。これをフル回転させ、危機を乗り越えた先に、成長と成熟が両立した、人が輝く明るい未来を必ずや実現する。その決意の下、東京大改革を全速力で前へと進めてまいります。都議会の皆様、都民の皆様のご理解、ご協力、お願いをいたします。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含めまして、予算案一件、条例案四十四件など、合わせて六十二件の議案を提案いたしております。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。
 ご清聴誠にありがとうございました。
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○議長(三宅しげき君) 傍聴人はご静粛に願います。従わないときは退場を命じます。
 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(やまだ加奈子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二日から六日まで五日間、議案調査のため休会されることを望みます。
○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二日から六日まで五日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、六月七日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時四十三分散会


文書質問趣意書及び答弁書

4財主議第105号
令和4年5月24日
東京都議会議長
 三宅しげき 殿
東京都知事
小池百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 令和4年第一回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

松田りゅうすけ議員
漢人あきこ議員
中田たかし議員
福手ゆう子議員
五十嵐えり議員
原のり子議員
斉藤まりこ議員
阿部祐美子議員
とくとめ道信議員
池川友一議員
宮瀬英治議員
とや英津子議員
尾崎あや子議員
里吉ゆみ議員
あぜ上三和子議員
酒井大史議員
中村ひろし議員
和泉なおみ議員

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 松田りゅうすけ

質問事項
 一 令和4年度予算案について
 二 姉妹友好都市及び、交流・協力に関わる都市について
 三 東京都動物愛護相談センターの事業について
 四 青少年健全育成審議会について
 五 都内の電力供給について
 六 地域医療対策の推進について

一 令和4年度予算案について
令和4年度の一般会計の予算規模は、前年度に比べて3,760億増の7兆8,010億円で過去最大規模となりました。都税収入については、コロナ禍ではありましたが、企業収益の持ち直しによる法人二税の増加に伴い、前年度に比べて約5,858億増の5兆6,308億円となりました。財政調整基金についても1,944億円を積み立てられ、令和3年度末残高見込み額は3,521億円となっています。財政調整基金については、来年度以降の歳入減や、緊急的な財政出動にも対応できるよう、税収増の今だからこそ基金については更なる積み増しが必要と考えますが、都として見解を伺います。

二 姉妹友好都市及び、交流・協力に関わる都市について
東京都は世界12の都市と姉妹友好都市関係を締結し、スポーツ、環境、文化など幅広い交流を行っています。その中で、東京都は1991年からモスクワと姉妹友好都市関係にあり、2015年にトムスク州と観光振興などで交流・協力関係を結んでいます。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻に対し、令和4年3月3日には東京都議会として「ウクライナからのロシア軍の即時撤退と速やかな平和実現に関する決議」がされました。また、小池都知事も定例会見で、ウクライナに軍事侵攻したロシアの都市との交流を停止すると発言がありましたが、直近3年間でモスクワ市及び、トムスク州の関連経費の決算額はいくらあったのか、お伺いします。また、令和4年度予算ではいくら見込んでいたのかお伺いします。

三 東京都動物愛護相談センターの事業について
有志の議連組織、「犬猫殺処分ゼロと動物関連の社会問題に取り組む地方議員連盟」では、令和4年3月11日に声明文を発出しました。
(前略)「犬猫殺処分ゼロと動物関連の社会問題に取り組む地方議員連盟」に所属する各議員は、日頃より地域における動物の保護活動や動物愛護啓発活動、地域の衛生環境に関する活動を通して人と動物が幸せに暮らす社会の実現を目指す立場から、(中略)、都道府県警察においても再発防止の徹底を求めるための具体的なアクションを起こしてまいります。
1 警視庁による都内での犬猫の保護は、令和元年は2,021頭(犬1,619頭、猫402頭)、令和2年は2,109頭(犬1,706頭、猫403頭)、令和3年は2,102頭(犬1,664頭、猫438頭)と年間2千頭以上の犬猫が保護を受けていますが、直近3年間で東京都動物愛護相談センターにおいて警視庁から引き取った犬猫の頭数を、それぞれお伺いします。
2 また、どの様な場合において東京都動物愛護相談センターは警視庁から、犬猫の引き取りを行うのかお伺いします。
3 東京都動物愛護相談センターでは警視庁以外では、どの様な場合に犬猫の引取りを行っているのかお伺いします。

四 青少年健全育成審議会について
1 青少年健全育成審議会の開催にあたり令和3年度の予算、また令和4年度の予算はいくら見通しているのかお伺いします。
2 青少年健全育成審議会を経て推奨が決定された場合1作品当たり、都内小・中・高等学校(約2千5百校)、区市町村等への周知を行っていますが、その際の令和元年度及び令和2年度における推奨件数及び周知にかかる経費の実績をお伺いします。
3 また、直近3年の推奨映画のうち、邦画と洋画の作品数をそれぞれお伺いします。
4 青少年健全育成審議会では不健全図書の指定に関する件で、都民からの申出があった図書が、審議会で諮問された事例はあるのかお伺いします。
5 また、都民からの申出があった図書が諮問されない理由として、「これまでの指定図書類と比較しまして、著しく性的感情を刺激するものであるとは言えないため、条例施行規則第15条第1項の指定基準に該当するものとまでは言えず、不健全図書類として諮問するには至らないという判断をしたところでございます。」と事務局から説明があるが、条例施行規則第15条第1項の指定基準に該当するか非該当かを議論すべきであり、これまでの指定図書と比較するのは不適切と考えるが、見解をお伺いします。
6 令和3年11月8日の青少年健全育成審議会では、事務局から「この29期の審議会が始まる初回で委員の皆さまにご議論いただきまして、およそ1カ月半で公開をするということで取り決めをしているところでございます。」と審議会の議事録は1カ月半で公開するとの発言がありました。第29期がはじまった令和2年10月以降からこれまでの議事録の公開までの日数をお伺いします。

五 都内の電力供給について
令和4年3月16日には福島県沖において発生した地震の影響で都内各地域で停電が発生しました。その影響で東京電力管内の火力発電所が一部止まり、3月22日には東京電力管内の電力需要が供給を超える見通しとなり、「電力需給ひっ迫警報」が発令されています。東京都として、都内の電力供給を確保する為にも、東京電力に対して原発の再稼働を求めていく責任が都にあると考えますが、見解を伺います。

六 地域医療対策の推進について
1 都内には現在三次救急の役割を担う救命救急センターが26施設ありますが、市区町村によっては救命救急センターが設置されていない自治体もあります。東京都として、三次救急を担う救命救急センターの今後の設置・運営方針についてお伺いします。
2 また、現在設置がされていない町田市において、町田市民病院が三次救急を担う対象になりうるかお伺いします。

令和4年第一回都議会定例会
松田りゅうすけ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 令和4年度予算案について
   都税収入については、前年度に比べて約5,858億増の5兆6,308億円となった。財政調整基金についても1,944億円を積み立てられ、令和3年度末残高見込み額は3,521億円となっている。財政調整基金については、来年度以降の歳入減や、緊急的な財政出動にも対応できるよう、税収増の今だからこそ更なる積み増しが必要だが、都として見解を伺う。

回答
  財政調整基金については、地方財政法において、決算剰余金の2分の1以上を積み立てておくことなどが規定されています。
これに加え都では、過去の景気変動や税収低迷に伴う基金残高の枯渇といった経験を踏まえ、独自の制度として、税収増が見込まれる場合に、その一部を基金に積み立てることを義務づける仕組みを条例で規定しています。
今後も、都独自の積立等を通じて、財政調整基金の残高を確保するとともに、無駄を無くす取組を徹底することなどにより、持続可能な財政運営に努めていきます。

質問事項
二 姉妹友好都市及び、交流・協力に関わる都市について
   都は1991年からモスクワと姉妹友好都市関係にあり、2015年にトムスク州と観光振興などで交流・協力関係を結んでいるが、直近3年間でモスクワ市及び、トムスク州の関連経費の決算額はいくらあったのか伺う。また、令和4年度予算ではいくら見込んでいたのか伺う。

回答
  都は、過去3年において、モスクワ市及びトムスク州を含む姉妹友好都市等、複数都市との間でパネル展やセミナーを開催するなど交流を行ってきましたが、モスクワ市及びトムスク州に限定した経費の支出はありません。
また、令和4年度予算においても、都市間交流に要する経費は計上していますが、現在ロシアの都市との交流は停止しており、モスクワ市及びトムスク州との交流事業の実施予定はありません。 

質問事項
三 東京都動物愛護相談センターの事業について
  1 警視庁による都内での犬猫の保護は、令和元年は2,021頭、令和2年は2,109頭、令和3年は2,102頭と年間2千頭以上の犬猫が保護を受けているが、直近3年間で東京都動物愛護相談センターにおいて警視庁から引き取った犬猫の頭数を、それぞれ伺う。

回答
  東京都動物愛護相談センターが警視庁から引取った犬と猫の頭数は、 令和元年度は225頭、令和2年度は138頭、令和3年度は120頭です。

質問事項
三の2 どの様な場合において東京都動物愛護相談センターは警視庁から、犬猫の引き取りを行うのか伺う。

回答
  東京都動物愛護相談センターは、法令等により、警察で一時的な預かりが行われた所有者の判明しない犬、自活できない猫及び負傷した犬と猫について、警察署長からの求めに応じ、引取りを行っています。

質問事項
三の3 東京都動物愛護相談センターでは警視庁以外では、どの様な場合に犬猫の引取りを行っているのか伺う。

回答
  東京都動物愛護相談センターは、法令等により、犬又は猫の所有者若しくは拾得者から引取りを求められた場合にやむを得ないと認めるときは、引取りを行っています。

質問事項
四 青少年健全育成審議会について
  1 青少年健全育成審議会の開催にあたり令和3年度の予算、また令和4年度の予算はいくら見通しているのか伺う。

回答
  青少年健全育成審議会の開催に係る経費の令和4年度予算額は622万円であり、令和3年度と同額です。

質問事項
四の2 青少年健全育成審議会を経て推奨が決定された場合1作品当たり、都内小・中・高等学校、区市町村等への周知を行っているが、その際の令和元年度及び令和2年度における推奨件数及び周知にかかる経費の実績を伺う。

回答
  令和元年度に優良映画として推奨された作品は11件、周知に要した経費の合計は計17万4千円です。
令和2年度に優良映画として推奨された作品は6件、周知に要した経費の合計は計11万8千円です。

質問事項
四の3 直近3年の推奨映画のうち、邦画と洋画の作品数をそれぞれ伺う。

回答
  令和元年度から令和3年度までで、邦画3作品、洋画17作品を推奨しています。

質問事項
四の4 青少年健全育成審議会では不健全図書の指定に関する件で、都民からの申出があった図書が、審議会で諮問された事例はあるのか伺う。

回答
  平成24年度から令和3年度までの過去10年で4作品あります。

質問事項
四の5 都民からの申出があった図書が諮問されない理由として、「これまでの指定図書類と比較しまして、著しく性的感情を刺激するものであるとは言えないため、条例施行規則第15条第1項の指定基準に該当するものとまでは言えず、不健全図書類として諮問するには至らないという判断をしたところでございます。」と事務局から説明があるが、規則第15条第1項の指定基準に該当するか非該当かを議論すべきであり、これまでの指定図書と比較するのは不適切だが、見解を伺う。

回答
  審議会に諮問する図書類については、東京都青少年の健全な育成に関する条例施行規則第15条の指定基準に照らして選定しています。
なお、当該図書類が著しく性的感情を刺激するものであるかなどについて、これまでの指定図書類との比較も参考にしています。

質問事項
四の6 令和3年11月8日の青少年健全育成審議会では、審議会の議事録は1か月半で公開するとの発言があった。第29期がはじまった令和2年10月以降からこれまでの議事録の公開までの日数を伺う。

回答
  東京都青少年健全育成審議会の議事録は、およそ1か月半後に公開することとしていますが、委員との確認などにより、時間を要する場合もあります。
令和2年10月以降の議事録の公開までの日数につきましては、以下のとおりです。
・第719回(令和2年10月12日開催) 52日
・第720回(令和2年11月9日開催) 43日
・第721回(令和2年12月14日開催) 53日
・第722回(令和3年2月8日開催) 70日
・第723回(令和3年3月8日開催) 59日
・第724回(令和3年4月12日開催) 53日
・第725回(令和3年6月14日開催) 46日
・第726回(令和3年7月12日開催) 60日
・第727回(令和3年8月2日開催) 59日
・第728回(令和3年9月13日開催) 53日
・第729回(令和3年10月11日開催) 44日
・第730回(令和3年11月8日開催) 38日
・第731回(令和3年12月13日開催) 42日
・第732回(令和4年1月11日開催) 41日
・第733回(令和4年2月14日開催) 44日

質問事項
五 都内の電力供給について
   令和4年3月16日には福島県沖において発生した地震の影響で東京電力管内の火力発電所が一部止まり、3月22日には東京電力管内の電力需要が供給を超える見通しとなり、「電力需給ひっ迫警報」が発令されている。都内の電力供給を確保する為にも、東京電力に対して原発の再稼働を求めていく責任が都にあると考えるが、見解を伺う。

回答
  原子力発電を含めた我が国のエネルギー政策については、国レベルで議論及び検討が行われるべきものです。
  都は、引き続き、省エネ対策の推進とともに再生可能エネルギーの地産地消などを推進していきます。

質問事項
六 地域医療対策の推進について
  1 都内には現在三次救急の役割を担う救命救急センターが26施設あるが、市区町村によっては救命救急センターが設置されていない自治体もある。都として、三次救急を担う救命救急センターの今後の設置・運営方針について伺う。

回答
  救命救急センターは、ICU等を備え、重篤な救急患者に高度な医療を総合的に提供する医療機関であり、都では都内全域を一つの圏域として整備を進めています。
  令和4年度に新たに2施設を救命救急センターに指定する予定であり、救命救急医療体制の拡充を図っていきます。

質問事項
六の2 現在救命救急センターの設置がされていない町田市において、町田市民病院が三次救急を担う対象になりうるか伺う。

回答
  都は、東京都救命救急センター設置運営要綱を定め、おおむね20床以上の専用病床を有すること、24時間体制で重症・重篤の救急患者に対する高度な診療機能を有すること、そのために必要な職員の配置、集中治療室や医療機器の整備をしていることなどを整備基準としています。
指定に当たっては、当該医療機関を実地調査し、重症患者の受入実績等を確認するとともに、東京都救急医療対策協議会の意見を踏まえた上で指定することとしています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 漢人あきこ

質問事項
一 都市計画道路小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線について
二 外環自動車道整備工事について
三 練馬城址公園の整備について
四 コロナ禍で浮き彫りになった生活・住宅支援の課題について
五 朝鮮学校への補助もしくは助成について
六 学校図書館における学校司書の配置について
七 都立高校入試における英語スピーキングテスト活用について
八 友好都市モスクワ市とトムスク州との平和のための自治体外交について

一 都市計画道路小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線について
1 第四次優先整備路線の選定理由における「地域の安全性(の向上)」について
  小金井3・4・11号線外の選定理由は、「自動車交通の円滑化の視点で選定しています。」と答弁されていますが、「地域の安全性」については、選定過程ではどのように評価されていましたか。
2 小金井3・4・11号線外と武蔵野公園の重複する都市計画決定について
ア 小金井3・4・11号線外は、その未施工区間の一定区間において都立武蔵野公園の都市計画と重複しており、武蔵野公園整備計画では「今後、公園と道路の整合を図っていく必要がある」とされています。優先整備路線の選定の際、「重複」についてはどのような判断をされたのですか。
イ 小金井3・4・11号線外については、すでに概略設計の段階に入っており、都は基本的な構造形式のイメージまで地域に提示する段階に至っています。今後、「重複」を解消するために「都市計画変更」が必要かどうかの判断はどのように行うのですか。また、都市計画変更をする場合の具体的なプロセスや方法について伺います。
ウ 都市計画の変更にあたっては、都市計画法18条1項において関係市町村の意見照会が義務付けられています。その趣旨を示してください。また、関係市町村の同意が得られない場合でも都市計画変更は可能なのですか。都の認識を伺います。
エ 「道路」と「公園」の都市計画が重複していたケースは他にもありますか。あれば例示してください。
オ 都市計画が重複している場合、過去のケースではどのように「整合」が図られてきたのですか。
3 小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線外と調布3・4・10号線との選定過程の取り扱いの違いについて
  第四次事業化計画では、都市計画道路としての必要性は確認されたものの、様々な事由により、計画幅員や構造など都市計画の内容について検討を要する28路線を「計画内容再検討路線」としています。その中で、調布3・4・10号線については「当該区間は、多摩地域と区部を結ぶ広域的な幹線道路であり、防災都市づくり推進計画(東京都平成28年3月)において、一般延焼遮断帯に位置付けられているなど、円滑な道路交通機能の確保のみならず、広域的なネットワークの形成や防災機能の向上の観点からも重要な路線です。一方、当該区間には、国分寺崖線が位置し、地形に高低差が生じるとともに、計画線の一部が国分寺崖線緑地保全地域(東京都指定)と重複するなど、道路と緑の共存や国分寺崖線の保全に配慮した検討が必要です。」とされています。
  また、第四次事業化計画の策定は2016年3月ですが、「野川第一・第二調節池地区自然再生事業」の全体構想は2005年に発表されています。「野川第一・第二調節池地区」は、国分寺崖線、湧水、野川、武蔵野公園に連続し、生物多様性豊かな自然環境の中にあり、東京都で唯一の自然再生推進法に基づく自然再生地域に指定され、保全と再生の対象となっています。都市近郊では奇跡ともいえる自然空間です。小金井市は「小金井市の宝」として位置づけ、まちづくりの中心に据えています。また、都心から奥多摩に至る東京都のグリーンベルトの核ともいわれています。第四次優先整備路線選定の際には当然、考慮すべき課題でした。
  小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線外は調布3・4・10号線と同様のことが言えます。加えて都内で唯一の自然再生事業の対象地域でもあります。それにもかかわらず「計画内容再検討路線」とならなかったのはなぜですか。
4 小金井市議会の意見書について
  小金井3・4・1号線及び3・4・11号線外の地元である小金井市議会は、第四次優先整備路線の選定が明らかになって以降、その見直し、中止を求める東京都への意見書を7年間で11本可決・送付してきました。
  直近では昨年12月の定例会で「国分寺崖線を分断する優先整備路線について、社会情勢を踏まえ抜本的に見直すことを求める意見書」を送付しました。
ア 「意見書」では、東京都が行った「環境概況調査」では保護上重要な野性生物種が確認されたにもかかわらず、「建設の是非を検討する意向は微塵もない」と厳しく指摘し、「道路建設ありきの環境調査は容認できない」と厳しく批判しています。
  そして、小金井市議会として「道路の必要性の見直し及び建設の是非についての意見交換の場」を求めています。これに応じるべきと思いますが、いかがですか。
イ 「意見書」は、身近な自然環境は、コロナ禍でかけがえのないものとなり、地球温暖化により、その価値は更に見直されるべきであり、「国分寺崖線を分断する優先整備路線について、社会情勢を踏まえ抜本的に見直すことを求める」としています。
  「環境概況調査」でも、2路線予定地は生物多様性、自然環境の観点から保全、再生の重要性は明らかとなっています。市民の中には、自然環境への懸念が一層高まっています。
  すでに第四次事業化計画が決定してから6年が過ぎました。事業化までの目途は10年とされており、その2026年まであと4年です。この2年間は東京都と市民との対話の場はまったくありませんでした。
  小金井市議会の意見書は、小金井市民の民意を表現しています。東京都は、ここで一旦立ち止まり、「道路の是非」について、第五次事業化計画の作成時にあらためて検討することが妥当な判断と思いますが、いかがですか。

二 外環自動車道整備工事について
本年2月28日、東京地方裁判所は、東京外環道の事業者である国、東日本高速道路(株)及び中日本高速道路(株)に対し、外環道本線トンネル工事の一部を差し止める旨の決定を行いました。外環工事のうち、東名立坑発進に係るトンネル掘削工事において、気泡シールド工法によるシールドトンネル掘削工事を行ってはならないというものであり、総事業費が2兆円を優に超える国家的な巨大公共事業が司法判断によって差し止められること自体、異例で深刻な事態です。この事態を踏まえて、以下、質問します。
1 差し止めの理由、ならびに差し止めという事態に立ち至ったことについて、都の認識を示してください。
  東京地裁の上記決定は、大深度法に基づいて進められてきた外環道事業の大前提が大いに揺らいでいることを示すものともなっています。
  大深度法は「大深度地下は、土地所有権が及ばないとは言えないが、公益性を有する事業による利用を土地所有権に優先させても私有財産権を侵害する程度が低い空間である」(臨時大深度地下利用調査会答申)という基本的な認識を前提にした法体系です。「大深度地下は、公益性を有する事業による利用を土地所有権に優先させても私有財産権を侵害する程度が低く、使用権の取得に関する補償は不要」(同答申)ということが大深度法の大前提でした。事業の公共性に比べて私有財産権を侵害する程度が低く、だから憲法上の財産権の侵害には当たらないとされてきました。しかし、少なくとも外環道事業についてはこの大前提が崩れ、地上部の権利者の個別的な私有財産権の侵害の恐れが事業の公共性を上回る事態になっていることを東京地裁の決定は認定したものと考えます。
  もちろん、東京地裁の決定は、再発防止対策が示されていない等の事情を踏まえたものであり、差し止めも限定的な性格を持ってはいますが、しかし工事区域のほぼ半分にわたって工事が差し止められたこと、差し止めを回避する最低限の安全対策、事故防止策すら事業者が示すことが出来なかったこと自体が事態の重大性を示しています。
2 東京地裁の決定を踏まえ、都としても、改めて大深度法の適用ならびに大深度地下の利用を前提とした都市計画決定と都市計画事業認可の是非について再検証すべきと考えますが、都の認識を伺います。
3 東京都は、外環道事業のいわゆる直轄部分について、定率の負担金を支払い続けています。この負担金について伺います。
ア これまでに支払われた負担金の総額を示してください。また、2022年度以降、支払うと想定される額を示してください。
イ 2022年度予算に計上されている負担金の額を示してください。また、この負担金は、どの部分の工事に関するものか、今回、東京地裁によって差し止められた部分はその中に含まれてはいないか、確認してください。
4 工事が長期化し、加えて今回の工事差し止めや陥没事故の補償・補修等の対応などで、工事期間はさらに延長することは必至です。見通しの立たない工事の長期化の中で、大きな改変を強いられつつあるジャンクション・インターチェンジ予定地域ではまちづくり上の課題も深刻になりつつあります。
  工事の今後の見通しと事業区域のまちづくり上の課題について伺います。
ア 先の事業再評価において、国は事業期間を10年と想定して再評価を行いましたが、この10年という期間は何を根拠に置かれたものですか。また、陥没事故とその後の経過を踏まえれば、10年という事業期間の想定はまったく現実性がないと考えますが、都の認識を伺います。
イ すでに買収され、国もしくは都が管理している土地の面積を、各ジャンクション・インターチェンジごとに示してください。また、事業期間が長期化することが必至という状況の中で、それら土地の今後の管理の考え方、暫定的な利活用のあり方について、事業者の考え方を確認してください。
5 青梅街道インターチェンジ予定地域では、訴訟にまで発展した反対運動の中で、いまだに用地買収率は面積ベースで4割に満たない状態です。予定地域周辺には、地域内の住民と一つのコミュニティを形成する町が広がっています。たくさんの住民が暮らし、コミュニティを維持し、日常の生活を送っているにもかかわらず、地域のそこここに虫食い状の空き地が生まれ、しかも簡易な舗装のみで放置されている状況に対して、住民からは治安への不安、景観や住環境への失望、貴重な土地が生かされていないことへの疑問と不満の声が聞こえてきます。
  青梅街道インターチェンジに関して以下、伺います。
ア 青梅街道インターチェンジと外環本線をつなぐ地中拡幅部については、前例のない難工事と言われる中で設計にすら着手できておらず、事業再評価の際に国が示した事業費中には同地中拡幅部の事業費はそもそも計上されていないと言われますが、これは事実ですか。
イ 国ならびにNEXCOにおいて、外環本線のシールド工事と青梅街道インターチェンジのシールド工事ならびに地中拡幅部の工事を切り離し、本線の供用を先行することを検討しているとも聞きます。小池知事はかつて「青梅街道インターチェンジは、本線トンネルとランプを大深度地下で接続するということで、コスト、そして交通規制の社会的影響などを考慮すれば、一体的に整備することが肝要」と答弁していますが(2017.3.16予算特別委員会)、この認識に変わりはありませんか。
ウ 今後もかなりの長期にわたって工事着手自体の見通しが立たないことが明らかな青梅街道インターチェンジ地域において、地域住民の生活と福祉の基盤を維持し地域コミュニティの破たんを避けるために、既買収用地の暫定的な利活用について地元自治体、町会等との協議を始める用意はないか、事業者の意向を確認してください。

三 練馬城址公園の整備について
練馬城址公園の整備が本格化しようとしています。前回の文書質問では東京都と西武鉄道の間で交わされた覚書や協定等、整備の枠組みについて問いましたが、今回は整備の具体的な進め方に関し、都の基本的な認識を伺います。
1 練馬城址公園の整備に関連し、2022年度予算において措置された主な事業と計上額を示してください。
2 練馬城址公園内には東西に石神井川が流れており、2023年の当初開園エリア、2029年の概成開園エリア(二期工事エリア)いずれにおいても、石神井川とその両岸をどのように整備するかは整理すべき重要な課題の一つです。
  『石神井川河川整備計画(2016年3月)』では、「計画の基本理念」として1洪水に対してより安全な河川の整備、に加え2公園などとの一体的整備による親水整備、3動植物の生息・生育・繁殖環境に配慮した河床整備による生物の多様性の創出、の3つを掲げ、「1時間あたり75ミリメートル規模の降雨に対処できるようにした上で、生物の多様な生息・成育環境を作り出し、適切な水質・水量を維持できるようにし、良好な河川景観・親水空間を創出するなど、河川環境の向上を図る」ことを行うとともに、「既に河道の拡幅工事が完了している区間についても、可能な箇所において河川環境の向上を図る」と記しています。
  この河川環境の向上を図る事業の一つが「親水性を確保するための拠点整備工事」です。
  「石神井川は、都市河川であるため、断面を拡幅して流下能力を確保することは、経済的にも用地取得の上でも困難な状況にあり、過去の整備においても河床の掘削を優先させた整備が実施されてきています。この結果、川底が深くなり水面が低下するなど、親水性に乏しい河川となり、河川への関心が低下している傾向にあります。
  したがって、河川空間の親水化を可能な限り行い、地域住民の憩いの場として河川環境への関心を高めることで、河川環境の改善、向上を図っていく。」(『石神井川河川整備計画』)
  そして、こうした拠点整備工事については「大規模な公園・緑地などとの一体的整備」を図ることとし、その候補地を列記していますが、その中に練馬城址公園も含まれています。
  治水上の課題に対応するために50ミリメートル改修を急いだ経緯は理解できるとしても、現在、当地の河道は3面貼りの護岸を基本とし、護岸自体も上流部に比べ大きく老朽化したままとなっています。生態系としても景観としても大きな限界を有していることは明らかであり、練馬城址公園の整備とあわせて親水性を確保する拠点として石神井川の整備が行われることは大いに期待します。
  以上の問題意識のうえで、石神井川改修の見通しについて伺います。
ア 練馬城址公園予定区域の石神井川の現状について、都市計画決定された区域の幅、現在の河道の幅と河道以外の部分の整備状況について示してください。
イ 認可された練馬城址公園整備事業に、石神井川の都市計画決定された区域の整備が含まれるのかどうかを確認してください。
ウ 石神井川河川整備計画において、練馬城址公園は「親水性を確保するための拠点整備工事」の候補地とされていましたが、この河川整備計画をふまえ、練馬城址公園の整備と合わせた石神井川整備についての基本的な考え方と見通しについて伺います。
エ 2017年に取りまとめられた練馬城址公園基本計画作成委託報告書では、河川部との協議を踏まえ、親水性の護岸整備の案が検討され、いくつかの具体的な「整備例」として図示もされています。基本計画の検討過程でこうした案が検討されることとなった経緯、またその後、それがどのように整理されてきたのかを示してください。
3 旧としまえんは、宅地化が急速に進んできた都内、練馬区内に残る貴重な自然環境の拠点でもあります。練馬城址公園の整備にあたっては、こうした自然環境の保全は最優先の課題の一つであり、その点で以下、伺います。
ア 旧としまえんが100年近い歴史の中で守り育んできた多様な緑や水環境、様々な生態系の意義、価値について、都の基本的な認識を伺います。
イ 当初開園エリア、二期工事エリアそれぞれに存在する樹木の本数、樹種等の状況を示してください。また、当初開園エリアの整備工事及び二期エリアの解体工事それぞれに伴って伐採・移植される樹木の本数、樹種、位置と整備後の緑化計画を示してください。
ウ 練馬城址公園整備計画の策定にあたって、都が参考とした公園予定地の植生、生態系、湧水・地下水等の水環境の現況に関する調査を紹介してください。また、今後、公園整備に先立って都として改めて自然環境に関する調査を行うべきと考えますが、いかがですか。
4 3月25、26の両日開催予定であった工事説明会と今後の施工管理に関して伺います。
ア 説明会資料を事前配布した範囲を示してください。
イ 事前配布した説明会資料において、工事車両の総数、日ごとの台数、工事車両の進入経路、伐採計画と緑化計画などが示されていないのは、説明としてはきわめて不十分であると考えますが、いかがですか。
ウ 東京都が行う公共工事における工事期間、工事時間の標準的な考え方があれば示してください。練馬城址公園の整備工事において、日曜のみを休業とし、土・祝や年末年始も工事を行うことが必要な理由は何ですか。静穏な周辺住環境に及ぼす影響は深刻なものがあると考えられますが、近隣住民の意向を踏まえて見直す用意はありますか。
エ 練馬城址公園が概成となる2029年まで、7年という長期にわたって続く工事です。近隣の生活環境、住環境ならびに自然環境への影響は甚大であり、施工管理には最大限の配慮が必要であり、とりわけ近隣の住民の理解を得るために最大限、努力していただきたいと考えますが、都の認識を示してください。

四 コロナ禍で浮き彫りになった生活・住宅支援の課題について
1 生活保護の広報について
  前回の文書質問において、以下の福祉保健局ホームページの「生活保護制度とは」のページに関して、2行目の「生活保護を受けることは国民の権利です」や、最後の3行の「ただし、扶養義務者による扶養の可否等が、保護の要否の判定に影響を及ぼすものではなく、「扶養義務の履行が期待できない」と判断される扶養義務者には、基本的には扶養義務者への直接の照会を行わない取扱いとされています」との部分を、大きめの文字、あるいは太字ないしは赤字などで分かりやすく強調するように求めました。例えば、足立区のホームページでは、「生活保護について」の欄に分かりやすく示されています。
 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/seikatsu/hogo/seiho.html
  現時点での進捗状況と見通しを示してください。
2 各区市の生活保護対応について
  生活保護に関して各区市の福祉事務所の間での対応の格差が大きいです。扶養照会についての対応やビジネスホテルの提供などについて、都として各区市の実態を正確に把握したうえで、必要な指導、助言を行うべきではないでしょうか。見解を伺います。
3 都営住宅の活用と入居要件緩和について
ア 東京都は都内在住のウクライナ人やその家族などを対象に、電話相談窓口を開設し、都内在住者が現地から家族を呼び寄せるケースなどを想定し、都営住宅を100戸確保しました。さらに、最大700戸まで増やせる態勢も整えたとのことです。
  こうした措置はウクライナ人に限らず、アフガニスタン人やミャンマー人などにも拡大すべきと考えますが、見解を伺います。
イ 今まで、都営住宅の入居要件を60歳未満の単身者などにも拡充するよう求める要望に対して、都はかたくなに拒否してきました。今回、都営住宅に余裕があることが明らかになりましたが、現時点で空いている入居可能な戸数はどのくらいあるのですか。
ウ 新型コロナ感染症のまん延防止措置が3月21日に解除され、それに伴い東京都によるビジネスホテルの提供事業も打ち切られました。しかし、新型コロナの感染状況は依然として高い水準にあり、コロナ禍による生活困窮も継続していると思われます。この機会に、空いている都営住宅をアパート転宅へのつなぎの一次住宅として活用すべきと考えますが、見解を伺います。
エ 神奈川県は条例を改正して、県営住宅の入居要件を60歳未満の単身者向けにも拡充しました。この機会に東京都も同様の条例改正を行い、コロナ禍で「住まいの貧困」に苦しむ若者に寄り添う姿勢を打ち出すべきと考えますがいかがですか。見解を伺います。

五 朝鮮学校への補助もしくは助成について
立川にある西東京朝鮮第一幼初中級学校は、エアコンが老朽化し買い換えの必要に迫られています。地球温暖化による猛暑が年々厳しくなり、さらにコロナ禍で換気も必要となるなか、子どもたちの命と健康を守るために、空調設備は学校現場には必須のものになっています。
また、東京都は朝鮮学校に対して「私立外国人学校運営費補助金」を交付してきましたが、2010年度に交付要綱の附則で朝鮮学校のみ「対象から除く」とし、現在も交付していません。補助金不支給は朝鮮学校の維持運営にダメージを与え、寄付など保護者の更なる負担によってしのいでいるのが現状です。
朝鮮学校の空調設備に対する東京都の補助制度、および「私立外国人学校運営費補助金」の朝鮮学校への不交付について伺います。
 1 朝鮮学校の空調設備に対する補助もしくは助成について
ア エアコンなど空調設備は子どもたちの命と健康を守るために必須であり、その設置への公的な補助はあって当然です。朝鮮学校の空調設備設置等に対する東京都の補助もしくは助成制度について示してください。
イ 地震に備えた耐震工事に対しては、朝鮮学校を含む各種学校も補助の対象となっています。その経緯と根拠を示してください。
ウ 小池都知事は2018年に「猛烈な暑さで子どもの健康がそこなわれることがないように、環境整備をしっかり進めたい」と猛暑対策として新たな補助制度をつくり、体育館を含む学校のエアコン整備を進めてきました。地球温暖化による猛暑に加えコロナ禍、この事態は災害といっても過言ではありません。耐震工事同様、災害対応の視点から、良好な教育環境を確保するため、朝鮮学校に対する空調設備設置のための補助制度をつくりませんか。
エ コロナ禍にあっては、空調設備は感染防止の点からも極めて重要とされています。
  学校法人も含む中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業が開始されています。朝鮮学校はこの事業の対象となりますか。
 2 「私立外国人学校運営費補助金」の朝鮮学校への不交付について
ア 東京都は「私立外国人学校運営費補助金交付要綱」の附則で、朝鮮学校のみ「対象から除く」として、2010年以降、補助金を交付していません。この制度の目的は、「教育条件の維持向上」「経済的負担の軽減」です。20数校の外国人学校のうち朝鮮学校10校のみを対象から除外した理由を示してください。
イ 不交付になって12年が経過しています。この間、国連からは2013年の社会権規約委員会および2014年の人種差別撤廃委員会において、朝鮮学校への補助金交付の再開が勧告されています。また、都は2018年に「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を制定し、「東京に集う多様な人々が、誰一人取り残されることなく尊重され、東京が、持続可能なより良い未来のために人権尊重の理念が実現した都市であり続けることは、都民すべての願いである」と謳っています。対象からの除外を見直し、再交付するべきだと思いますが、検討していますか。
ウ 2013年からホームページに公開されている「朝鮮学校調査報告書」は、朝鮮学校へのヘイト街宣などに悪用されています。朝鮮学校への差別・偏見を助長するもので、速やかに掲載を中止するべきです。12年前の調査結果を掲載し続ける理由を伺います。

六 学校図書館における学校司書の配置について
学校図書館法では、2014年の改正を受けて「学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童又は生徒及び教員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員(「学校司書」)を置くよう努めなければならない。」とされています。
この学校司書の身分等について、学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議が2016年に取りまとめた報告書『これからの学校図書館の整備充実について』は以下のように述べています。
「学校図書館法に規定されている学校司書として想定されている者は、学校設置者が雇用する職員である。学校図書館法では、学校に学校司書を置くよう努めなければならないとされているため、教育委員会は、学校司書として自ら雇用する職員を置くよう努める必要がある。」
同会議は学校司書を法定化した法改正を受け、「学校図書館の運営に係る基本的な視点や、学校司書資格・養成等の在り方に関して、関係者が共有するための一定の指針」いわゆる学校図書館ガイドラインをとりまとめるために設置されたものですが、この報告書、ガイドライン、さらには法改正時の国会質疑・決議等を踏まえれば、国は、委託(請負)により配置された人員は「学校司書」とは認められないという立場に立っていると思われます。
1 「学校図書館法に規定されている学校司書として想定されている者は、学校設置者が雇用する職員である」という国の見解が示された趣旨、ならびにそれに対する都の基本的な認識を伺います。
2 かつて都立高校の学校図書館には正規の学校司書が配置されていましたが、2012年度から民間委託が本格的に導入されてきました。まず、この経緯について伺います。
ア 都立高校に正規の学校司書が配置されるようになったのはいつからですか。正規の学校司書の資格要件、配置の基準はどのようなものでしたか。
イ 正規の学校司書の配置を見直し、業務委託による人的配置に転換した経緯、その目的・趣旨を伺います。
3 都は、いったんは業務委託の全般的な導入に転換したにもかかわらず、2021年度からは会計年度任用職員である学校図書館専門員(以下、「専門員」)の配置を新たに開始しました。現在、正規職員が配置され、あるいは業務委託が行われている学校についてはすべて専門員の配置に移行すると理解してよいですか。また、今後、専門員の配置を増やしていくスケジュールを示してください。
4 業務委託による学校図書館管理を見直し、直接雇用に戻すこととした経緯について伺います。
ア 業務委託を見直した理由は何ですか。学校司書を直接雇用に限るとした法解釈を踏まえたものですか。また、偽装請負などのコンプライアンスに係る課題に対応したものでもあると理解してよいですか。
イ 都立高校学校図書館の管理業務委託に関して、2015年7月、都知事は東京労働局長から労働者派遣法違反を指摘され是正指導を受けていますが、その際、法違反と認定されたのはどのような事実でしたか、また都としてどのような是正措置を講ずることとしましたか。
ウ 2021年6月にも、同様に東京労働局長より労働者派遣法違反が疑われる状況がある旨の指導を受けていますが、その際、都として点検及び確認のうえで問題があると認められた具体的な事実ならびに是正措置の内容について示してください。
5 業務委託(請負)ではなく、直接雇用の学校図書館専門員を配置し法に基づく学校司書の全校配置に踏み出したことは、学校図書館の在り方とその活用を考えるとき、大きな一歩であると評価しますが、他方、非正規雇用の一種でもある会計年度任用職員という身分の持つ課題、限界についても指摘せざるを得ません。
  会計年度任用職員の全校配置を踏まえつつ、今後の学校図書館の人的配置の方向性、考え方について、伺います。
ア 業務委託による学校図書館管理を見直すにあたって、正規の学校司書の配置再開ではなく、会計年度任用職員の配置という形をとった理由は何ですか。それは、「各地方公共団体における公務の運営においては、任期の定めのない常勤職員を中心とするという原則」に立って常勤・非常勤の適切な配置を求めた国のマニュアル等の考え方に沿ったものであるか、認識を伺います。
イ 現在の専門員の任用形態では、いくらかでも継続的で安定的な雇用が保証されているとは言えず、専門員の生活と権利という視点からだけでなく、学校図書館の適切で効果的な運営という点でも、大きな限界があると考えますが、いかがですか。
 6 都立特別支援学校の学校図書館における人的配置に関して伺います。
ア 都立の特別支援学校における学校図書館の設置状況、開館時間、蔵書数、管理にかかわる職員配置の状況を示してください。
イ 学校図書館法において学校司書の配置を求める規定は、特別支援学校も対象としています。
特別支援学校における学校図書館の活用について、都は「学校が外部の専門家から図書館運営について助言を得たり、民間団体ボランティアが図書の読み聞かせをしたりする場合など、児童生徒の読書活動の充実に向けた取り組みを支援」していると都議会でも答弁していますが、こうした外部人材やボランティアの活用にあたっても、司書教諭と連携しながら調整や企画・準備に当たる学校司書の果たすべき役割は大変大きいと考えられます。特別支援学校の学校図書館においても、計画的かつ速やかに学校司書を配置すべきと考えますが、学校司書配置の考え方及び今後の見通しを伺います。

七 都立高校入試における英語スピーキングテスト活用について
2022年度の都立高校の入学試験から英語スピーキングテスト(ESAT-J)の活用が予定されていることについては、保護者や教員、専門家からの疑問や不安の声が多く上がっています。導入を延期し見直すべきではないでしょうか。以下、質問します。
1 スピーキングを客観的に評価するには膨大な時間と手間がかかります。都内公立中学3年生約8万人のデータをフィリピンに送って、約1か月半で公正・公平に採点し、返送することが可能なのでしょうか。それはどのように担保されるのか伺います。
2 スピーキングテスト(ESAT-J)の評価は、100点満点の得点をAからFの6段階に分け、4点差ごとの20点満点の点数化をするとのことです。段階によって20点から30点の差があっても同点となるため、1点差が合否を分ける入学試験には向かず、受験生や保護者の納得を得られないのではないでしょうか。見解を伺います。
3 不受験者について
ア スピーキングテスト(ESAT-J)を受けていない都外や私立中学からの受験者などについては、学力検査の英語の得点から仮の「ESAT-Jの結果」を求めて総合得点に加算するとのことですが、実際のスピーキングテストによる受験者と、仮算出の受験者がいることは不公平ではないでしょうか。見解を伺います。
イ 学力検査が得意でスピーキングに自信がない受験生が、スピーキングテスト(ESAT-J)を欠席して英語の総合点を引き上げることも可能だと想定できます。そのような受験者が増えれば、このテストの導入意味はなくなると思いますがいかがですか。
4 第一次募集・前期募集では英語を含む5教科の学力検査の得点700点と調査書点300点に、スピーキングテスト(ESAT-J)の結果の20点を加算した1020点を満点とするとのことです。英語の普段の授業や定期テストに対するスピーキングテスト結果の比重が、さらに国語、数学、理科、社会の4教科に対する英語の得点の比重が過大すぎるのではないでしょうか。見解を伺います。
5 学力検査は得点表と答案の写しまで開示請求できるのに対して、スピーキングテスト(ESAT-J)は採点内容の詳細の記載のない成績票しか公開されないとのことです。それでは、自分の習熟度を詳しく知ることもできず、結果に疑問を持った受験生や保護者、教員の納得を得ることは難しいのではないでしょうか。見解を伺います。
6 都立高校志望予定者全員の名前、顔写真、「ESAT-J」の結果が実施事業者であるベネッセコーポレーションに渡ることになります。ベネッセコーポレーションでは2014年に業務委託先の従業員が約3,500万件の顧客情報を持ち出し名簿業者に売却する事件が発生していますが、情報管理の安全性はどのように担保されるのか伺います。
7 英語教育に関する教材を数多く出版し、通信教材を学校や塾に販売し、スピーキングの授業を実施している民間企業が公立高校入試に関わることによって、自社の利益誘導につなげることも危惧されます。実施事業者の利益相反をどのように防ぐのか伺います。
8 現在の公立中学校の英語の授業や環境では、それだけで十分なスピーキング力を習熟することは困難で、塾や英会話学校など学校外教育機関を利用できる生徒が有利になることは否めません。家庭の経済力による教育格差が拡大することになると思われますが、いかがですか。
9 2022年度に高校受験を迎える子どもたちは、コロナ禍の2年間でさまざまなストレスや困難の多い学校や家庭での生活を経てきたうえに、英語の授業でもスピーキングは十分に行われていないと聞いています。また、当事者である子どもたちにも保護者にも、このスピーキングテスト導入についてはまだほとんど周知されていません。このような状況で強行スタートすることは避けるべきです。2022年度の導入は延期し、制度の見直しをするべきではないでしょうか。見解を伺います。

八 友好都市モスクワ市とトムスク州との平和のための自治体外交について
都議会は「ウクライナからのロシア軍の即時撤退と速やかな平和の実現に関する決議」を全会一致で可決しました。決議では、ウクライナ国民と現地在住の日本はじめ各国の国民の安全確保を求めていますが、合わせて、ロシア国内で反戦の声をあげている市民の安全も願い、戦地に派遣されている兵士ひとり一人の命の重みにも思いをはせるものです。
東京都は世界12の都市と姉妹友好都市関係を締結しており、その一つがモスクワ市です。また、アジア大都市ネットワーク21として交流・協力をしている13都市の一つがトムスク州です。相互の訪問事業や大学間交流などが取り組まれてきました。コロナ禍においても昨秋には友好都市提携30周年を迎えるモスクワ市にちなんだランチフェアを都庁職員食堂で実施しています。
プーチン大統領に停戦を決意させるために必要なのは国際的な圧力だけでなく、なによりもロシアの人々の平和への思いと停戦世論の高まりです。
ロシア国内で反戦の声をあげ弾圧されている多くの市民や、不本意な従軍で命を失っている兵士たちがいることが伝えられています。友好都市としての交流を重ねてきた世界各地の自治体は独自に直接に市民とつながり、支えることができるルートを持っています。交流・協力事業の再開のために停戦・平和は必須です。市民の命と暮らしを守る自治体の立場でロシアの人々へのメッセージを届けること、平和に向けた自治体外交が大きな力を発揮できるのではないでしょうか。
小池都知事は、3月11日の記者会見で、ウクライナとの連帯を示す意味で、モスクワ市、トムスク州との交流を停止すると発表しました。しかし、むしろ、友好都市として培った関係性を活かして、停戦に向けた有効な取り組みを模索することこそが求められます。小池知事から両首長や各市民へのメッセージの発信や、交流事業の実施を通した両市民との平和の思いの共有などを検討しませんか。

令和4年第一回都議会定例会
漢人あきこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都市計画道路小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線について
 1 小金井3・4・11号線外の第四次優先整備路線選定理由は、「自動車交通の円滑化の視点で選定しています。」と答弁されているが、「地域の安全性」については、選定過程ではどのように評価されていたか伺う。

回答
  小金井3・4・11号線外については、「自動車交通の円滑化」の視点で選定しており、「地域の安全性の向上」の視点では選定していません。

質問事項
一の2 小金井3・4・11号線外と武蔵野公園の重複する都市計画決定について
   ア 小金井3・4・11号線外は、その未施工区間の一定区間において都立武蔵野公園の都市計画と重複しており、武蔵野公園整備計画では「今後、公園と道路の整合を図っていく必要がある」とされているが、優先整備路線の選定の際、「重複」についてはどのような判断をされたのか伺う。

回答
  小金井3・4・11号線外については、事業段階において、両計画の整合を図ることを前提に、優先整備路線として選定しています。

質問事項
一の2のイ 小金井3・4・11号線外については、すでに概略設計の段階に入っており、都は基本的な構造形式のイメージまで地域に提示する段階に至っているが、今後「重複」を解消するために「都市計画変更」が必要かどうかの判断はどのように行うのか伺う。また、都市計画変更をする場合の具体的なプロセスや方法について伺う。

回答
  小金井3・4・11号線外については、検討の深度化を図りながら、都市計画決定区域の見直しが必要となった場合は、都市計画の変更を行うこととなります。
なお、都市計画変更をする場合は、都市計画法に基づき手続を行うこととなります。

質問事項
一の2のウ 都市計画の変更にあたっては、都市計画法18条1項において関係市町村の意見照会が義務付けられているが、その趣旨を伺う。また、関係市町村の同意が得られない場合でも都市計画変更は可能なのか、都の認識を伺う。

回答
  都道府県が都市計画決定をするときは、市町村の立場を尊重するため、市町村との十分な連携・調整を図るべきであるとされています。
法の規定上は、意見を聴くことと同意を得ることとは異なり、市町村が同意する旨の回答をしない場合においても、都市計画を決定することは法律上、不可能ではないとされています。

質問事項
一の2のエ 「道路」と「公園」の都市計画が重複していたケースは他にもあるか伺う。

回答
  都市計画道路と都市計画公園が重複している事例としては、八王子3・4・63号線と清水公園、国分寺3・4・7号線とけやき公園などがあります。

質問事項
一の2のオ 都市計画が重複している場合、過去のケースではどのように「整合」が図られてきたのか伺う。

回答
  都市計画の整合については、道路の整備に伴い公園の区域を変更したケースや、区域は重複したまま構造的に両立させているケースなどがあります。

質問事項
一の3 第四次事業化計画では、都市計画道路としての必要性は確認されたものの、様々な事由により、計画幅員や構造など都市計画の内容について検討を要する28路線を「計画内容再検討路線」としている。調布3・4・10号線については「当該区間には、国分寺崖線が位置し、地形に高低差が生じるとともに、計画線の一部が国分寺崖線緑地保全地域と重複するなど、道路と緑の共存や国分寺崖線の保全に配慮した検討が必要です。」とされている。小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線外は調布3・4・10号線と同様のことが言え、加えて都内で唯一の自然再生事業の対象地域でもあるにもかかわらず「計画内容再検討路線」とならなかったのはなぜか伺う。

回答
  調布3・4・10号線については、計画線の一部が東京における自然の保護と回復に関する条例で指定されている国分寺崖線緑地保全地域と重複していることなどを踏まえ、計画内容再検討路線に選定しています。

質問事項
一の4 小金井市議会の意見書について
   ア 「意見書」では、都が行った「環境概況調査」では保護上重要な野生生物種が確認されたにもかかわらず、「建設の是非を検討する意向は微塵もない」と厳しく指摘し、「道路建設ありきの環境調査は容認できない」と厳しく批判し、小金井市議会として「道路の必要性の見直し及び建設の是非についての意見交換の場」を求めている。これに応じるべきだが、見解を伺う。

回答
  小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線外は、第四次事業化計画の策定に当たり、「将来都市計画道路ネットワークの検証」を実施し、その必要性が確認されており、重要性、緊急性を考慮した上で、優先整備路線に選定されています。
2路線は、広域避難場所へのアクセス向上や生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線です。
このうち、小金井3・4・11号線外は、現在、本区間の前後の道路が完成又は事業中であり、本区間のみが唯一未着手区間となっています。本区間周辺では、現在、「武蔵野公園生物多様性保全利用計画」の検討や「野川第一・第二調節池地区自然再生事業」が行われています。道路整備に当たっては、環境概況調査等の結果を適宜関係者間で共有するなど連携を図るとともに、必要な保全対策の検討を実施するなど、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めています。
また、環境概況調査等の結果については、「小金井3・4・11だより」等を活用し、その概要を広く市民に周知しています。
引き続き、オープンハウスを開催するなど、多くの方々の意見を聞きながら丁寧な対応と周知をしていきます。

質問事項
一の4のイ 「意見書」は、身近な自然環境は、コロナ禍でかけがえのないものとなり、地球温暖化により、その価値は更に見直されるべきであり、「国分寺崖線を分断する優先整備路線について、社会情勢を踏まえ抜本的に見直すことを求める」としている。小金井市議会の意見書は、小金井市民の民意を表現しており、都は、ここで一旦立ち止まり、「道路の是非」について、第五次事業化計画の作成時にあらためて検討することが妥当な判断だと思うが、見解を伺う。

回答
  都市計画道路は、交通及び物流機能の向上により、経済活動や日々の生活を支え、災害時には救急救援活動を担う重要な都市基盤であることから、着実に整備していくことが必要です。
2路線については、整備方針(第四次事業化計画)において、東京都と小金井市を含む区市などで、策定検討会議などを通して調査検討を進め、未着手の都市計画道路の必要性を検証し、必要性が確認された路線の中から、実現性なども踏まえ、優先整備路線に選定しました。

質問事項
二 外環自動車道整備工事について
 1 令和4年2月28日、東京地裁は、東京外環道の事業者である国、東日本高速道路(株)及び中日本高速道路(株)に対し、外環道本線トンネル工事の一部を差し止める旨の決定を行った。差し止めの理由、ならびに差し止めという事態に立ち至ったことについて、都の認識を伺う。

回答
  東名側から発進した2本のシールドについては令和4年2月28日に、工事差し止め仮処分が決定されましたが、事業者からは、決定の内容をよく確認し、関係機関と調整の上、適切に対応すると聞いています。
外環は、首都圏における交通、物流の根幹をなす極めて重要な道路でありまして、必要性を有していると認識しています。
都は、事業者に対して、再発防止対策等の確実な実施、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明及びきめ細やかな対応を要望しており、引き続き、丁寧に取り組んでいくよう求めていきます。

質問事項
二の2 東京地裁の決定を踏まえ、都としても、改めて大深度法の適用ならびに大深度地下の利用を前提とした都市計画決定と都市計画事業認可の是非について再検証すべきだが、認識を伺う。

回答
  都は、都市計画法に基づき、東京外かく環状道路(関越から東名まで)における都市計画決定や都市計画事業認可を適切に行っています。

質問事項
二の3 外環道事業のいわゆる直轄部分に係る負担金の支払いについて
   ア 都がこれまでに支払った負担金の総額を伺う。また、2022年度以降、支払うと想定される額を伺う。

回答
  東京外かく環状道路(関越から東名まで)における直轄事業負担金(東京都関連分)は、総額約1,600億円となっており、平成21年度から令和2年度分までで、約900億円を負担しています。

質問事項
二の3のイ 2022年度予算に計上されている負担金の額を伺う。また、この負担金はどの部分の工事に関するものか、今回、東京地裁によって差し止められた部分はその中に含まれてはいないか確認を求める。

回答
  東京外かく環状道路(関越から東名まで)における直轄事業負担金は、令和4年度予算で、50億円となっています。
令和4年2月に国土交通省関東地方整備局から東京都に通知された直轄事業の事業計画において、調査設計、用地買収、改良工などとなっています。

質問事項
二の4 工事の今後の見通しと事業区域のまちづくり上の課題について
   ア 先の事業再評価において、国は事業期間を10年と想定して再評価を行ったが、この10年という期間は何を根拠に置かれたものか伺う。また、陥没事故とその後の経過を踏まえれば、10年という事業期間の想定はまったく現実性がないが、認識を伺う。

回答
  事業の再評価は、通常5年毎に実施されるほか、社会経済情勢の急激な変化や技術革新等により実施の必要が生じた場合に実施されることとなっています。
令和2年7月に開催された国土交通省関東地方整備局事業評価監視委員会において、事業期間を含めた事業の必要性等について精査されたものと認識しています。
今後とも国は厳格な事業評価を行っていくと聞いています。

質問事項
二の4のイ すでに買収され、国もしくは都が管理している土地の面積を、各ジャンクション・インターチェンジごとに伺う。また、事業期間が長期化することが必至という状況の中で、それら土地の今後の管理の考え方、暫定的な利活用のあり方について、事業者の考え方の確認を求める。

回答
  事業者からは、ジャンクション・インターチェンジごとの用地買収部における面積ベースの用地進捗率は、令和4年1月末現在で、東名ジャンクションで99パーセント、中央ジャンクションで99パーセント、青梅街道インターチェンジで33パーセント、大泉ジャンクションで99パーセントと聞いています。
取得済の各ジャンクション・インターチェンジの事業用地は、事業者が施工ヤードとして一体的に管理しています。
各ジャンクションの環境施設帯や高架下などの整備に当たっては、地元の意見を踏まえ検討し、その維持管理は利用形態に合わせた適切な役割分担の下実施すると聞いています。

質問事項
二の5 青梅街道インターチェンジについて
   ア 青梅街道インターチェンジと外環本線をつなぐ地中拡幅部については、前例のない難工事と言われる中で設計にすら着手できておらず、事業再評価の際に国が示した事業費中には同地中拡幅部の事業費はそもそも計上されていないと言われるが、事実か伺う。

回答
  青梅街道インターチェンジの地中拡幅部は、外環道の本線シールドトンネルとランプトンネルを地下で非開削工事により接続する工事です。
この部分も含め、青梅街道インターチェンジに関わる費用は、現在公表されている外環の全体事業費に含まれていると聞いています。
地中拡幅部について、引き続き東京外環トンネル施工等検討委員会等で検討を進めていくと事業者から聞いています。

質問事項
二の5のイ 国ならびにNEXCOにおいて、外環本線のシールド工事と青梅街道インターチェンジのシールド工事ならびに地中拡幅部の工事を切り離し、本線の供用を先行することを検討しているとも聞く。小池知事はかつて「青梅街道インターチェンジは、本線トンネルとランプを大深度地下で接続するということで、コスト、そして交通規制の社会的影響などを考慮すれば、一体的に整備することが肝要」と答弁しているが、この認識に変わりはないか伺う。

回答
  都は、「青梅街道インターチェンジは、本線トンネルとランプを大深度地下で接続するということで、コスト、そして交通規制の社会的影響などを考慮すれば、一体的に整備することが肝要」と認識しています。

質問事項
二の5のウ 今後もかなりの長期にわたって工事着手自体の見通しが立たないことが明らかな青梅街道インターチェンジ地域において、地域住民の生活と福祉の基盤を維持し地域コミュニティの破たんを避けるために、既買収用地の暫定的な利活用について地元自治体、町会等との協議を始める用意はないか、事業者の意向の確認を求める。

回答
  青梅街道インターチェンジの取得済の事業用地は、事業者が施工ヤードとして一体的に管理しています。
青梅街道インターチェンジの整備に当たっては、地元の意見を踏まえ検討し、その維持管理は利用形態に合わせた適切な役割分担の下実施すると聞いています。

質問事項
三 練馬城址公園の整備について
 1 練馬城址公園の整備に関連し、2022年度予算において措置した主な事業と計上額を伺う。

回答
  練馬城址公園の整備に関する令和4年度予算については、用地補償、解体撤去等で130億円です。

質問事項
三の2 石神井川改修の見通しについて
   ア 練馬城址公園予定区域の石神井川の現状について、都市計画決定された区域の幅、現在の河道の幅と河道以外の部分の整備状況を伺う。

回答
  石神井川の都市計画区域の幅は、22.5メートルとなっています。
現在は、このうち幅14.5メートルの河道整備が完了しており、河道以外の部分については、未整備となっています。

質問事項
三の2のイ 認可された練馬城址公園整備事業に、石神井川の都市計画決定された区域の整備が含まれるのか伺う。

回答
  都市計画練馬城址公園の事業認可区域に、石神井川の都市計画決定された区域は含まれていません。

質問事項
三の2のウ 石神井川河川整備計画において、練馬城址公園は「親水性を確保するための拠点整備工事」の候補地とされていたが、この河川整備計画をふまえ、練馬城址公園の整備と合わせた石神井川整備についての基本的な考え方と見通しを伺う。

回答
  都市計画練馬城址公園の整備計画では、石神井川沿いについて、川の流れや川沿いの緑に親しむことができるエリアとしていることから、河川管理用通路について、公園事業に合わせて、一体的に整備することとしています。

質問事項
三の2のエ 2017年に取りまとめられた練馬城址公園基本計画作成委託報告書では、河川部との協議を踏まえ、親水性の護岸整備の案が検討され、いくつかの具体的な「整備例」として図示もされている。基本計画の検討過程でこうした案が検討されることとなった経緯、またその後、それがどのように整理されてきたのか伺う。

回答
  練馬城址公園は、荒川水系石神井川河川整備計画において、親水性を確保するための拠点整備候補地の一つとして記載されていることから、練馬城址公園基本計画作成委託において検討を行いました。この報告書も参考とし、都市計画練馬城址公園の整備計画を策定しました。

質問事項
三の3 旧としまえんについて
   ア 旧としまえんが100年近い歴史の中で守り育んできた多様な緑や水環境、様々な生態系の意義、価値について、都の基本的な認識を伺う。

回答
  練馬城址公園の整備計画では、都民に親しまれてきた土地の歴史・風土、緑豊かな自然を生かすこととしています。

質問事項
三の3のイ 当初開園エリア、二期工事エリアそれぞれに存在する樹木の本数、樹種等の状況を伺う。また、当初開園エリアの整備工事及び二期エリアの解体工事それぞれに伴って伐採・移植される樹木の本数、樹種、位置と整備後の緑化計画を伺う。

回答
  当初開園予定区域にはサクラ等の高木が約250本存在し、2期工事エリアには、トウネズミモチ等の高木が約890本存在しています。
工事の施工に当たっては、樹勢や樹形の不良や生態系被害防止外来種となる樹木、地盤面の高低差を合わせる造成等により残存できない樹木等について伐採を予定していますが、現状よりも樹木本数が多くなるよう新たに植栽します。
当初開園予定区域では、サクラ等の高木について約20本を移植するとともに約200本を伐採する予定ですが、新たに約400本の樹木を植栽します。2期工事エリアでは、トウネズミモチ等の高木を約190本伐採する予定ですが、将来の公園整備において樹木を新たに植栽する予定です。

質問事項
三の3のウ 練馬城址公園整備計画の策定にあたって、都が参考とした公園予定地の植生、生態系、湧水・地下水等の水環境の現況に関する調査を伺う。また、今後、公園整備に先立って都として改めて自然環境に関する調査を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  練馬区自然環境調査報告書や練馬区みどりの実態調査などを参考にし、石神井川沿いの自然林を保全するなどの計画としています。工事に伴って自然環境調査を実施する予定はありません。

質問事項
三の4 3月25、26両日開催の予定であった工事説明会と今後の施工管理について
   ア 説明会資料を事前配布した範囲を伺う。

回答
  都市計画練馬城址公園区域から約30メートルの範囲内の住宅等を対象としました。

質問事項
三の4のイ 事前配布した説明会資料において、工事車両の総数、日ごとの台数、工事車両の進入経路、伐採計画と緑化計画などが示されていないのは、説明としてはきわめて不十分だが、見解を伺う。

回答
  配布資料には、大型車の工事車両は1日あたり25台以内とすること、工事車両の出入口や伐採、植栽に関する内容について記載しています。説明会では更に詳しい内容について説明することとしていました。
また、近隣住民等からの工事に関する問合せについては、工事説明会や配布資料に記載した連絡窓口において対応しています。

質問事項
三の4のウ 都が行う公共工事における工事期間、工事時間の標準的な考え方があれば伺う。練馬城址公園の整備工事において、日曜のみを休業とし、土・祝や年末年始等も工事を行うことが必要な理由は何か伺う。静穏な周辺住環境に及ぼす影響は深刻なものがあるが、近隣住民の意向を踏まえて見直す用意はあるか伺う。

回答
  工期については、施工に必要となる日数に加えて、準備や後片付けの期間や降雨等による影響も踏まえて設定します。施工時間については、特に定められていない場合は昼間施工となります。
  工事の施工に当たっては、現場の状況等により休日に工事を施行する必要があると認められる場合は施工する場合があります。
なお、年末年始は休工とする予定です。

質問事項
三の4のエ 練馬城址公園が概成となる2029年まで、7年という長期にわたって続く工事である。近隣の生活環境、住環境ならびに自然環境への影響は甚大であり、施工管理には最大限の配慮が必要であり、とりわけ近隣の住民の理解を得るために最大限、努力していただきたいが、認識を伺う。

回答
  工事の施工に当たっては、低騒音型や排出ガス対策型の建設機械の使用や工事車両出入口への誘導員配置など、近隣住民等が受ける影響に配慮しながら取り組みます。
また、近隣住民等からの工事に関する問合せについては、連絡窓口などにおいて対応していきます。

質問事項
四 コロナ禍で浮き彫りになった生活・住宅支援の課題について
 1 前回の文書質問において、福祉保健局ホームページの「生活保護制度とは」のページに関して、「生活保護を受けることは国民の権利です」や「ただし、扶養義務者による扶養の可否等が、保護の要否の判定に影響を及ぼすものではなく、「扶養義務の履行が期待できない」と判断される扶養義務者には、基本的には扶養義務者への直接の照会を行わない取扱いとされています」との部分を分かりやすく強調するように求めた。現時点での進捗状況と見通しを伺う。

回答
  生活保護制度に関して、相談者が申請をためらうことのないよう、令和4年3月に国から改めて適切な対応を求められたこともあり、既に都のホームページをより分かりやすいものにしています。

質問事項
四の2 生活保護に関して各区市の福祉事務所の間での対応の格差が大きい。扶養照会についての対応やビジネスホテルの提供などについて、都として各区市の実態を正確に把握したうえで、必要な指導、助言を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、福祉事務所に対し、国の通知に基づき、扶養照会の取扱い及び一時的な居所が緊急的に必要な場合の支援について、適切に対応するよう通知しています。
また、福祉事務所の対応については、定期的に指導検査等を実施し、実態を把握しています。

質問事項
四の3 都営住宅の活用と入居要件緩和について
   ア 都は都内在住のウクライナ人やその家族などを対象に電話相談窓口を開設し、都営住宅を100戸確保し、最大700戸まで増やせる態勢も整えたとのことである。こうした措置はウクライナ人に限らず、アフガニスタン人やミャンマー人などにも拡大すべきだが、見解を伺う。

回答
  ウクライナから避難を余儀なくされた方々については、国が受入れを表明しており、国と連携し、都として都営住宅を提供するなど、避難民を支援していくこととしています。

質問事項
四の3のイ 今まで、都営住宅の入居要件を60歳未満の単身者などにも拡充するよう求める要望に対して、都はかたくなに拒否してきた。今回、都営住宅に余裕があることが明らかになったが、現時点で空いている入居可能な戸数はどのくらいあるのか伺う。

回答
  令和3年3月31日現在の募集用空き住戸は21,409戸ですが、これらの住戸は退去後の補修や次の入居者の手続などを行っている住戸です。
なお、ウクライナからの避難民に提供する都営住宅は、建替事業の移転先として確保している住戸のうち、移転先として当面、使用しない住戸を活用していきます。

質問事項
四の3のウ 新型コロナ感染症のまん延防止措置が3月21日に解除され、それに伴い都によるビジネスホテルの提供事業も打ち切られたが、新型コロナの感染状況は依然として高い水準にあり、コロナ禍による生活困窮も継続していると思われる。この機会に、空いている都営住宅をアパート転宅へのつなぎの一次住宅として活用すべきだが、見解を伺う。

回答
  コロナ禍を踏まえ、TOKYOチャレンジネット事業に提供している都営住宅の戸数を拡大し、住まいを失った方の一時利用住宅として活用しています。

質問事項
四の3のエ 神奈川県は条例を改正して、県営住宅の入居要件を60歳未満の単身者向けにも拡充した。都も同様の条例改正を行い、コロナ禍で「住まいの貧困」に苦しむ若者に寄り添う姿勢を打ち出すべきだが、見解を伺う。

回答
  都営住宅は、原則として、市場で適切な住宅を確保することが困難な同居親族のある世帯を入居対象としており、単身者は、特に居住の安定を図る必要のある高齢者世帯や障害者世帯等に限り入居の対象としています。
若い世代の単身者については、福祉施策や雇用就業施策による支援とともに、民間事業者等の多様な連携によって、市場において居住の確保が図られるべきと考えています。
なお、コロナ禍を踏まえ、TOKYOチャレンジネット事業に提供している都営住宅の戸数を拡大し、住まいを失った方の一時利用住宅として活用しています。

質問事項
五 朝鮮学校への補助もしくは助成について
 1 朝鮮学校の空調設備に対する補助もしくは助成について
   ア エアコンなど空調設備は子どもたちの命と健康を守るために必須であり、その設置への公的な補助はあって当然だが、朝鮮学校の空調設備設置等に対する都の補助もしくは助成制度について伺う。

回答
  都は、私立小学校、中学校、高等学校、特別支援学校及び高等専修学校が、体育館に空調設備を新設する場合、地域の避難所指定を受けるなど、地元自治体の防災業務等に協力していることを条件に、その費用の一部を補助しています。
朝鮮学校を含む各種学校については、補助対象ではありません。

質問事項
五の1のイ 地震に備えた耐震工事に対しては、朝鮮学校を含む各種学校も補助の対象となっている。その経緯と根拠を伺う。

回答
  平成18年1月に建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正され、学校が特定建築物として位置付けられ、その設置者に対して耐震化への努力義務が課せられました。
これを受けて、都は、平成18年度に耐震改修促進計画を策定し、私立学校の早期耐震化にも取り組むこととし、平成19年度から、耐震工事等への補助事業について、各種学校も含めた都内全ての私立学校に対象を拡大しました。

質問事項
五の1のウ 小池知事は2018年に猛暑対策として新たな補助制度をつくり、体育館を含む学校のエアコン整備を進めてきた。地球温暖化による猛暑に加えコロナ禍、この事態は災害といっても過言ではなく、耐震工事同様、災害対応の視点から、良好な教育環境を確保するため、朝鮮学校に対する空調設備設置のための補助制度をつくらないか、伺う。

回答
  朝鮮学校を含む各種学校は、法令上、教育の目的や水準に明確な定めがなく、学校により様々であることから、当該補助制度の対象としていません。

質問事項
五の1のエ 学校法人も含む中小規模事業所向け省エネ型換気・空調設備導入支援事業が開始されているが、朝鮮学校はこの事業の対象となるか伺う。

回答
  本事業においては、年間原油換算エネルギー使用量が1,500キロリットル未満の中小規模事業所に該当する学校法人は対象となります。

質問事項
五の2 「私立外国人学校運営費補助金」の朝鮮学校への不交付について
   ア 都は「私立外国人学校運営費補助金交付要綱」の附則で、朝鮮学校のみ「対象から除く」として、2010年以降、補助金を交付していない。この制度の目的は、「教育条件の維持向上」「経済的負担の軽減」であるが、20数校の外国人学校のうち朝鮮学校10校のみを対象から除外した理由を伺う。

回答
  朝鮮学校への補助金の支出については、教育内容や学校運営に対する様々な疑義が示されたことから、平成22年度以降、補助対象から除外しています。
その実態を確認するため、平成23年12月から平成25年10月にかけて調査を実施し、その結果や、その後の状況等を総合的に勘案して、運営費補助金を交付することは都民の理解が得られないと判断しています。

質問事項
五の2のイ 不交付になって12年が経過しているが、国連からは、朝鮮学校への補助金交付の再開が勧告されており、また、都は「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」を制定し、「東京に集う多様な人々が、誰一人取り残されることなく尊重され、東京が、持続可能なより良い未来のために人権尊重の理念が実現した都市であり続けることは、都民すべての願いである」 と謳っている。対象からの除外を見直し、再交付するべきだが、検討しているか伺う。

回答
  学校運営等の実態を確認するための調査結果等を総合的に勘案して、朝鮮学校に補助金を交付することは都民の理解が得られないと判断したものです。

質問事項
五の2のウ 2013年からホームページに公開されている「朝鮮学校調査報告書」は、朝鮮学校へのヘイト街宣などに悪用されている。朝鮮学校への差別・偏見を助長するもので、速やかに掲載を中止するべきだが、 l2年前の調査結果を掲載し続ける理由を伺う。

回答
  朝鮮学校にかかる調査については、報告書としてホームページに掲載しています。
  また、報告書に掲載されている施設の管理・運用の改善等の状況についても合わせてホームページに掲載しています。

質問事項
六 学校図書館における学校司書の配置について
  1 「学校図書館法に規定されている学校司書として想定されている者は、学校設置者が雇用する職員である」という国の見解が示された趣旨、ならびにそれに対する都の基本的な認識を伺う。

回答
  国は、平成28年10月、学校図書館の整備充実に関する調査研究協力者会議が取りまとめた「これからの学校図書館の整備充実について(報告)」において、学校図書館法に規定されている学校司書として想定されている者は、学校設置者が雇用する職員としています。

質問事項
六の2 都立高校の学校司書の民間委託について
   ア 都立高校に正規の学校司書が配置されるようになったのはいつからか伺う。正規の学校司書の資格要件、配置の基準はどのようなものか伺う。

回答
  都教育委員会では、昭和43年度から学校図書館の業務に従事する職員を都立高等学校に順次配置し、昭和48年度に全校への配置が完了しました。
現在、都立高等学校における学校司書の配置基準は、図書館管理業務委託の導入校及び会計年度任用職員の配置校を除き、1校につき一人となっており、図書館法が規定する司書資格を有する者を配置しています。

質問事項
六の2のイ 正規の学校司書の配置を見直し、業務委託による人的配置に転換した経緯、その目的・趣旨を伺う。

回答
  都教育委員会は、学校図書館の開館日数、開館時間の確保や、長期休業期間中の開館を可能とする等、利便性の向上を目指し、図書館管理に業務委託を導入しました。

質問事項
六の3 都は、2021年度からは会計年度任用職員である学校図書館専門員の配置を新たに開始した。現在、正規職員が配置され、あるいは業務委託が行われている学校についてはすべて専門員の配置に移行すると理解してよいか伺う。また、今後、専門員の配置を増やしていくスケジュールを伺う。

回答
  令和4年度から令和5年度にかけて、業務委託から学校図書館専門員の  配置に移行していく予定です。

質問事項
六の4 業務委託による学校図書館管理を直接雇用に戻すこととした経緯について
   ア 業務委託を見直した理由は何か、学校司書を直接雇用に限るとした法解釈を踏まえたものか伺う。また、偽装請負などのコンプライアンスに係る課題に対応したものでもあると理解してよいか伺う。

回答
  高等学校の新学習指導要領が令和4年度から年次進行で実施されることに伴い、各学校において、学校図書館の機能をより一層活用し、それぞれ特色ある教育活動に生かしていく必要があります。
そのため、主体的・対話的で深い学びの実現に向け、学校図書館専門員を配置し、授業等で活用できるよう、教員と連携する体制へ移行することとしました。

質問事項
六の4のイ 都立高校学校図書館の管理業務委託に関して、2015年7月、都知事は東京労働局長から労働者派遣法違反を指摘され是正指導を受けているが、その際、法違反と認定されたのはどのような事実か、また都としてどのような是正措置を講ずることとしたか伺う。

回答
  平成27年7月、東京労働局から一部の図書館管理業務委託契約に係る業務について、教諭が受託業務に従事している労働者に対し、業務の遂行に関する指示等を行っているとして是正指導を受けました。
そのため、所管事業所が都立学校に対し、その履行状況を確認し、必要に応じて是正指導等を行いました。

質問事項
六の4のウ 2021年6月にも、同様に東京労働局長より労働者派遣法違反が疑われる状況がある旨の指導を受けているが、その際、都として点検及び確認のうえで問題があると認められた具体的な事実ならびに是正措置の内容を伺う。

回答
  令和3年6月、東京労働局からの指導票の交付を受け、図書館管理業務委託校に対し、適正な委託運営について周知徹底を図るとともに、履行状況の点検を行いました。
その結果、一部、教員から受託者の労働者への直接指示が疑われる状況が認められましたが、学校が教職員に対し指導を行い、是正を行っています。

質問事項
六の5 今後の学校図書館の人的配置の方向性、考え方について
   ア 業務委託による学校図書館管理を見直すにあたって、正規の学校司書の配置再開ではなく、会計年度任用職員の配置という形をとった理由を伺う。それは「各地方公共団体における公務の運営においては、任期の定めのない常勤職員を中心とするという原則」に立って常勤・非常勤の適切な配置を求めた国のマニュアル等の考え方に沿ったものであるか、認識を伺う。

回答
  都教育委員会は、主体的・対話的で深い学びの実現などのニーズに応える効果的・効率的な行政サービスを提供していくため、学校図書館専門員を会計年度任用職員として配置することとしました。

質問事項
六の5のイ 現在の専門員の任用形態では、いくらかでも継続的で安定的な雇用が保証されているとは言えず、専門員の生活と権利という視点からだけでなく、学校図書館の適切で効果的な運営という点でも、大きな限界があるが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会では、主体的・対話的で深い学びの実現などに応える効果的・効率的な行政サービスを提供していくため、学校図書館専門員を会計年度任用職員として配置するとともに、適切な学校図書館運営に向けて、任用に当たり、司書又は司書補の資格を有することを要件としています。

質問事項
六の6 都立特別支援学校の学校図書館における人的配置について
   ア 都立の特別支援学校における学校図書館の設置状況、開館時間、蔵書数、管理にかかわる職員配置の状況を伺う。

回答
  都教育委員会は、全ての都立特別支援学校に司書教諭を配置しており、各学校で図書室や図書コーナー等を設置し、学校図書館として活用しています。
学校では、授業等における学習場面で教員とともに利用する場合や、昼休みや放課後に開館し生徒が利用する場合など、それぞれの実情に応じて開館時間を設定しています。こうした教育活動に必要な図書については、毎年度計画的に購入し更新しています。

質問事項
六の6のイ 学校図書館法において学校司書の配置を求める規定は、特別支援学校も対象としている。特別支援学校における学校図書館の活用について、都は「学校が外部の専門家から図書館運営について助言を得たり、民間団体ボランティアが図書の読み聞かせをしたりする場合など、児童生徒の読書活動の充実に向けた取り組みを支援」していると都議会でも答弁しているが、こうした外部人材やボランティアの活用にあたっても、司書教諭と連携しながら調整や企画・準備に当たる学校司書の果たすべき役割は大変大きいと考えられる。特別支援学校の学校図書館においても、計画的かつ速やかに学校司書を配置すべきと考えるが、学校司書配置の考え方及び今後の見通しを伺う。

回答
  都教育委員会は、全ての都立特別支援学校に司書教諭を配置し、他の教職員との協力体制の下で学校図書館の活用等に取り組んでおり、学校司書は配置していません。
都教育委員会は、特別支援学校における読書活動の一層の充実を図るため、今後、学校図書館の運営や活用状況について調査を行う予定です。

質問事項
七 都立高校入試における英語スピーキングテスト活用について
 1 スピーキングを客観的に評価するには膨大な時間と手間がかかります。都内公立中学3年生約8万人のデータをフィリピンに送って、約1か月半で公正・公平に採点し、返送することが可能なのか、それはどのように担保されるのか伺う。

回答
  都教育委員会が監修した基準に従い、複数の者による採点・審査を経て結果を確定しています。
また、令和3年度に都内全公立中学校3年生を対象に実施したプレテストにおいても、所定の期間内で公平・公正に採点を完了できることを確認しています。

質問事項
七の2 スピーキングテスト(ESAT-J)の評価は、100点満点の得点をAからFの6段階に分け、4点差ごとの20点満点の点数化をするとのことだが、段階によって20点から30点の差があっても同点となるため、1点差が合否を分ける入学試験には向かず、受験生や保護者の納得を得られないのではないか、見解を伺う。

回答
 ESAT-Jは、中学校における英語「話すこと」の学習の達成度を客観的に測るテストです。
本テストにおける評価は、「自分のことについて質問に答えたり、話したりすることができる。」、「身近な話題について相手と意見交換ができる。」など、英語を使って何ができるかを示した基準に従い、総括的にAからFまでの6段階で表します。
入学者選抜では、学力検査とは別に、本テストの結果を、日頃の学習の成果として適切に活用します。

質問事項
七の3 不受験者について
   ア スピーキングテストを受けていない都外や私立中学からの受験者などについては、学力検査の英語の得点から仮の「ESAT-Jの結果」を求めて総合得点に加算するとのことだが、実際のスピーキングテストによる受験者と、仮算出の受験者がいることは不公平ではないか。見解を伺う。

回答
  スピーキングテストの不受験者について、都立高校を受験する際に不利にならないように取り扱うこととしています。

質問事項
七の3のイ 学力検査が得意でスピーキングに自信がない受験生が、スピーキングテストを欠席して英語の総合点を引き上げることも可能だと想定できる。そのような受験者が増えれば、このテストの導入意味はなくなると思うが、見解を伺う。

回答
  スピーキングテストは、中学校における学習により身に付けた「話すこと」の力を客観的に評価し、中学校と高校における英語指導の充実を図るとともに、全ての中学生が、英語を学習することの意義や価値を実感し、生涯にわたり学び続ける意欲を高めることができるよう実施します。
こうしたことから、本テストは、都内公立中学校第3学年生徒全員を対象としています。

質問事項
七の4 第一次募集・前期募集では英語を含む5教科の学力検査の得点700点と調査書点300点に、スピーキングテストの結果の20点を加算した1020点を満点とするとのことである。英語の普段の授業や定期テストに対するスピーキングテスト結果の比重が、さらに国語、数学、理科、社会の4教科に対する英語の得点の比重が過大すぎるのではないか。見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、小・中・高校における一貫した英語教育の推進による「使える英語力」の育成を目指しています。
スピーキングテストは、学校の授業で学んだ内容を適切に評価するものであり、入学者選抜では、本テストの結果を活用するものです。

質問事項
七の5 学力検査は得点表と答案の写しまで開示請求できるのに対して、スピーキングテストは採点内容の詳細の記載のない成績票しか公開されないとのことだが、それでは、自分の習熟度を詳しく知ることもできず、結果に疑問を持った受験生や保護者、教員の納得を得ることは難しいのではないか。見解を伺う。

回答
  テスト終了後には、スコアや到達度及び個々の解答状況に応じた学習アドバイスが記載されたスコアレポートを、受験した生徒一人一人に返却しています。
また、生徒が採点結果の妥当性を確認できるよう、採点基準や複数の解答例を公表しています。

質問事項
七の6 都立高校志望予定者全員の名前、顔写真、「ESAT-J」の結果が実施事業者であるベネッセコーポレーションに渡ることになる。ベネッセコーポレーションでは2014年に業務委託先の従業員が約3,500万件の顧客情報を持ち出し名簿業者に売却する事件が発生しているが、情報管理の安全性はどのように担保されるのか伺う。

回答
  生徒が入力した個人情報は、基本協定に基づき、スピーキングテストの実施に必要な目的のみに使用され、テスト終了後は法令等に従い、適切に削除します。

質問事項
七の7 英語教育に関する教材を数多く出版し、通信教材を学校や塾に販売し、スピーキングの授業を実施している民間企業が公立高校入試に関わることによって、自社の利益誘導につなげることも危倶されるが、実施事業者の利益相反をどのように防ぐのか伺う。

回答
  事業者と締結している基本協定及び覚書において、事業者がスピーキングテストに関する模擬試験や関連教材の作成、販売をしたり、本テストの申込みのページや教員向けのウェブサイトにおいて、教材の購買を誘導する表記を行ったりするなど、具体的な禁止事項を明記し、利益相反行為を禁止しています。

質問事項
七の8 現在の公立中学校の英語の授業や環境では、それだけで十分なスピーキング力を習熟することは困難で、塾や英会話学校など学校外教育機関を利用できる生徒が有利になることは否めない。家庭の経済力による教育格差が拡大することになるが、見解を伺う。

回答
  授業では、生徒が事実や自分の考え、意見を英語で伝え合う活動に取り組んでいます。スピーキングテストは、こうした中学校での学習内容から出題し、その成果を測るものであり、中学校における通常の授業により、十分に対応できます。

質問事項
七の9 2022年度に高校受験を迎える子どもたちは、コロナ禍の2年間でさまざまなストレスや困難の多い学校や家庭での生活を経てきたうえに、英語の授業でもスピーキングは十分に行われていないと聞いており、当事者である子どもたちにも保護者にも、このスピーキングテスト導入についてはまだほとんど周知されていない。2022年度の導入は延期し、制度の見直しをするべきではないか。見解を伺う。

回答
  都内公立中学校の授業では、生徒が事実や自分の考え、意見を英語で伝え合う活動に取り組んでおり、都の中学生の英語力は国の目標値を上回るなどの成果が現れています。
本事業では、段階的に規模を拡大しながらプレテストを行っており、令和3年度においては、都内全公立中学校で実施しました。
また、生徒・保護者向けに、テストの概要や高校入試での活用について広報誌に掲載するとともに、テストの目的や過去問題等をウェブサイトに公開するなど、導入までのスケジュールの周知を図っています。
令和4年度の本実施に当たり、引き続き、ウェブサイトや都内公立中学校全生徒に配布するリーフレット等により周知することとしており、スピーキングテストを着実に実施していきます。

質問事項
八 友好都市モスクワ市とトムスク州との平和のための自治体外交について
小池知事は、ウクライナとの連帯を示す意味で、モスクワ市、トムスク州との交流を停止すると発表したが、むしろ、友好都市として培った関係性を活かして、停戦に向けた有効な取り組みを模索することこそが求められる。小池知事から両首長や各市民へのメッセージの発信や、交流事業の実施を通した両市民との平和の思いの共有などを検討しないか。見解を伺う。

回答
  都は、現下の国際情勢に鑑み、モスクワ市、トムスク州を含むロシアの都市との交流を停止しています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中田たかし

質問事項
一 児童相談所について
二 羽田新飛行ルートについて
三 都市再生ステップアッププロジェクト渋谷一丁目地区共同開発事業について
四 アーバンスポーツについて
五 消防団分団施設の整備について

一 児童相談所について
児童相談所の体制強化で、新たに渋谷区の子ども家庭支援センター内に都のサテライトオフィスを開設するが、このサテライトオフィスの機能、役割について伺う。

二 羽田新飛行ルートについて
羽田新飛行ルートに伴って、都心低空飛行を行っている飛行機から渋谷区内に氷塊が落下した疑いがある。しかしながら、国は飛行機からの落下であると断定出来ないと認めておらず、新飛行ルートの運用を継続するとしている。都として国へ原因究明の調査を働きかけること、そして都民の暮らしの安全、安心を守るため、飛行ルートの撤回を国に求めるべきかと考えるが、見解を伺う。

三 都市再生ステップアッププロジェクト渋谷一丁目地区共同開発事業について
東京都児童会館跡地と隣接する渋谷区役所旧第二美竹分庁舎及び渋谷区立美竹公園を一体的に共同開発する、都市再生ステップアッププロジェクト渋谷一丁目地区共同開発事業の進捗、またこの開発の意義について伺う。

四 アーバンスポーツについて
東京2020オリンピック競技大会を契機にスケートボードの人気が高まり、アーバンスポーツが注目されるようになった。それに伴い、都は都立公園にアーバンスポーツパークの整備を予定しており、スケートボードを楽しめる環境づくりを行っている。
渋谷区においても、都は代々木公園の現在の開園区域から国立代々木競技場を挟んだ南東側のエリア、岸記念体育会館跡地、都水道局ポンプ所跡地に新たに公園整備し、その中にアーバンスポーツパークの整備を予定している。
渋谷区内では公道や公園、商店街などでは備品等の破損が見受けられることもある。今後の懸念として重大な交通事故の発生も考えられる。スケートボードを使用する人々に対する交通指導、更には取締りが必要と考えるが、警視庁としての対応、対策を伺う。

五 消防団分団施設の整備について
渋谷区内では、老朽化、また延べ面積約80平米の標準規模を満たしていない分団施設が見受けられるが、今後の消防団分団施設の整備について伺う。

令和4年第一回都議会定例会
中田たかし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 児童相談所について
 児童相談所の体制強化で、新たに渋谷区の子ども家庭支援センター内に
都のサテライトオフィスを開設するが、このサテライトオフィスの機能、
役割について伺う。

回答
  サテライトオフィスでは、児童相談所の職員が虐待相談に対応するほか、都と区の連携拠点として、日常的に打合せ及び情報共有を行うとともに、合同調査や個別ケース検討会議などを実施しており、引き続き、都と区が連携して子供たちの安全・安心を確保していきます。

質問事項
二 羽田新飛行ルートについて
羽田新飛行ルートに伴って、都心低空飛行を行っている飛行機から渋谷区内に氷塊が落下した疑いがあるが、国は飛行機からの落下であると断定出来ないと認めておらず、新飛行ルートの運用を継続するとしている。都として国へ原因究明の調査を働きかけること、そして都民の暮らしの安全、安心を守るため、飛行ルートの撤回を国に求めるべきだが、見解を伺う。

回答
  氷塊の落下について、国からは、「氷塊が見つかった時間の前後に付近を飛行していた航空機に氷塊の付着や水漏れの痕跡等の不具合は確認されなかった。氷塊が発見された場所を確認したが、新飛行経路の直下ではなく、水平距離で東へ約350メートル離れている。これらのことから、氷塊が航空機由来の可能性は極めて低く、航空機由来のものとは断定できない。
また、新飛行経路を飛行した航空機に、水漏れ等の不具合がなかったことに加え、落下した氷塊そのものが残存せず、組成分析を行うこともできないことから、これ以上の調査は困難であると判断した。」と聞いています。
  国では、世界に類を見ない落下物防止対策基準を策定し、日本の航空会社や日本に乗り入れている外国航空会社に落下物防止対策を義務付け、落下物ゼロを目指して最大限取り組むとしています。
羽田空港の新飛行経路については、国の責任と判断で決めるものです。都は、引き続き国に対し、安全対策の着実な実施を求めていきます。

質問事項
三 都市再生ステップアッププロジェクト渋谷一丁目地区共同開発事業について
  東京都児童会館跡地と隣接する渋谷区役所旧第二美竹分庁舎及び渋谷区立美竹公園を一体的に共同開発する、都市再生ステップアッププロジェクト渋谷一丁目地区共同開発事業の進捗、またこの開発の意義について伺う。

回答
  都市再生ステップアップ・プロジェクト(渋谷地区)渋谷一丁目地区共同開発事業は、令和3年8月12日に事業者の募集を開始し、令和4年3月29日に事業予定者を公表しました。今後は、令和5年度の建設工事の着工及び令和8年度の建設工事の完了に向け、事業予定者と基本協定を締結するなどの取組を進めていきます。
  この開発の意義は、東京都児童会館跡地と、隣接する渋谷区役所旧第二美竹分庁舎及び渋谷区立美竹公園を一体的に共同開発し、児童会館跡地の歴史を踏まえ、子供の創造性を育む施設の整備や、多世代が交流できる空間の創出などを通じて、出会いと成長の拠点を形成するものです。

質問事項
四 アーバンスポーツについて
  都は都立公園にアーバンスポーツパークの整備を予定しており、スケートボードを楽しめる環境づくりを行っており、渋谷区においても、アーバンスポーツパークの整備を予定している。渋谷区内では公道や公園、商店街などでは備品等の破損が見受けられることもあり、今後の懸念として重大な交通事故の発生も考えられる。スケートボードを使用する人々に対する交通指導、更には取締りが必要だが、警視庁としての対応、対策を伺う。

回答
  道路交通法上、交通の頻繁な道路でスケートボードをすることは禁止されています。
警視庁では、個々の道路状況等に応じて、法律に違反する利用者に対して指導警告を行うほか、悪質危険な違反者に対しては取締りを行っています。

質問事項
五 消防団分団施設の整備について
  渋谷区内では、老朽化、また延べ面積約80平米の標準規模を満たしていない分団施設が見受けられるが、今後の消防団分団施設の整備について伺う。

回答
  特別区消防団における分団本部施設の整備は、都有地をはじめ各区等とも連携し建設用地の確保に努めており、分団本部施設の規模、機能及び設備が十分でない分団並びに老朽化の著しい施設を優先して整備に取り組んでいます。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 福手ゆう子

質問事項
一 精神障害者保健福祉手帳について

一 精神障害者保健福祉手帳について
精神障害者保健福祉手帳を申請してから交付されるまで3か月ほどかかり、申請者の就職のタイミングに間に合うかどうかという不安や、手帳交付によって受けられる支援サービスを受けられない状態が長期間続くことに、改善を求める声があります。
そもそも、長期にわたり精神障害の状態にあり、日常生活や社会生活に支障が出た方が対象になる制度です。交付までにかかる期間を短縮し早く支援が受けられるように改善することが必要です。自治体からも要望が伝えられていると聞いています。
手帳交付件数は年々増加し続けており、それらの審査を行う精神保健福祉センターの体制強化が必要ではないでしょうか。手帳交付までの期間の短縮を求めて、以下質問いたします。
1 精神障害者保健福祉手帳の申請書類が東京都立中部総合精神保健福祉センターに到着してから手帳を交付するまで、どういう人が関わり、どのような手順があるのか、具体的にお答えください。
2 手帳の発行件数と、申請があったものの不承認となった件数について伺います。
3 私の周囲でも精神を患う方が増え、手帳申請も増えているように感じますが、10年前と比べて手帳発行件数がどう変化しているか伺います。
4 国の「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」では「都道府県知事は、市町村長が申請書を受理したときは、交付の可否の決定を、申請書を受理した日から概ね1か月以内に行うことが望ましい」とされています。具体化に向けた取り組みが必要ですが、いかがですか。
5 この10年間で精神障害者保健福祉手帳の発行に関わる事務職員は増やしてきましたか。
6 部会で審査するための準備にかかる事務処理は、1件当たり概ねどれくらいの時間がかかりますか。
7 交付までの期間を短縮するためには、件数も多く複雑な事務処理を行う事務職員を増やすことが必要と思いますがいかがですか。
8 審査が行われる部会は全部でいくつありますか。各部会の役割の違いとそれぞれの開催頻度をうかがいます。
9 一つの部会の審査で概ね何件の審査が行われますか。
10 審査件数が多くて処理できず、次の部会に持ち越されることはありますか。
11 カード形式の障害者手帳を希望する方は、交付にさらに2週間かかるとありますが、改善を求めますがいかがですか。

令和4年第一回都議会定例会
福手ゆう子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 精神障害者保健福祉手帳について
1 精神障害者保健福祉手帳の申請書類が東京都立中部総合精神保健福祉センターに到着してから手帳を交付するまで、どういう人が関わり、どのような手順があるのか、具体的に伺う。

回答
  区市町村が精神障害者保健福祉手帳の申請を受け付け、申請書、添付書類の診断書、年金証書の写し等を確認の上、東京都立中部総合精神保健福祉センターへ送付します。
センターは、委託事業者が書類の記入漏れ、審査基準への適合等を確認し、診断書による申請の場合は、都職員が医療機関への診断書内容の確認、関係機関との調整等を行った上で、医師により構成された東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会の審査を経て、手帳の交付の可否及び障害等級の判定を行っています。
判定後は、委託事業者が手帳の作成やデータ処理等を行い、区市町村を通じて申請者に交付しています。

質問事項
一の2 手帳の発行件数と、申請があったものの不承認となった件数について伺う。

回答
  令和2年度において、精神障害者保健福祉手帳の発行件数は63,929件であり、不承認とした件数は523件です。

質問事項
一の3 10年前と比べて手帳発行件数がどう変化しているか伺う。

回答
  精神障害者保健福祉手帳の令和2年度の発行件数は63,929件であり、平成22年度の32,413件と比べて約2倍となっています。

質問事項
一の4 国の「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について」では「都道府県知事は、市町村長が申請書を受理したときは、交付の可否の決定を、申請書を受理した日から概ね1か月以内に行うことが望ましい」とされており、具体化に向けて取り組むべきだが、見解を伺う。

回答
  国の精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準についてでは、判定に際しては状態について十分な審査を行い対応することとされています。
その上で都は、審査を円滑に行うため、審査会の開催頻度を増やすほか、区市町村向けの事務マニュアルを作成するなどの取組を行っています。

質問事項
一の5 この10年間で精神障害者保健福祉手帳の発行に関わる事務職員は増やしてきたのか伺う。

回答
  精神障害者保健福祉手帳の発行を担当する令和2年度の都の事務職員数は4名であり、平成22年度と同数です。
なお、事務作業は委託を活用しています。

質問事項
一の6 部会で審査するための準備にかかる事務処理は、1件当たり概ねどれくらいの時間がかかるか伺う。

回答
  東京都立中部総合精神保健福祉センターが区市町村から精神障害者保健福祉手帳の申請書を受理した後、書類の記入漏れ及び審査基準への適合の確認、医療機関への診断書内容の確認等を行っており、その期間はケースによって異なりますが、標準処理期間を5日としています。

質問事項
一の7 交付までの期間を短縮するためには、件数も多く複雑な事務処理を行う事務職員を増やすべきだが見解を伺う。

回答
  精神障害者保健福祉手帳の交付事務について、引き続き、委託の活用などにより円滑に行っていきます。

質問事項
一の8 審査が行われる部会は全部でいくつあるか。各部会の役割の違いとそれぞれの開催頻度を伺う。

回答
  東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会は、手帳の審査を円滑に行うため、医師4名の委員で構成する部会を4つ設けており、各部会が月1回担当することで毎月4回開催しています。

質問事項
一の9 一つの部会の審査で概ね何件の審査が行われるか伺う。

回答
  東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会設置要綱に基づき手帳を審査しており、合議を要しないと部会の各委員が判断した案件は、その委員の判定をもって部会の議決とみなし、審査会の議決としています。
審査会は令和2年度に部会を48回開催し、合議による審査件数が1,868件、合議を不要とした件数が45,168件であり、1回当たりの平均はそれぞれ39件、941件となっています。

質問事項
一の10 審査件数が多くて処理できず、次の部会に持ち越されることはあるか伺う。

回答
  東京都精神障害者保健福祉手帳等審査会に付議した案件は、当該審査会で判定等を行っています。

質問事項
一の11 カード形式の障害者手帳を希望する方は、交付にさらに2週間かかるとあるが、改善を求めるが見解を伺う。

回答
  精神障害者保健福祉手帳のカード形式での発行は、偽造防止の処理等のため、2週間程度の期間を必要としています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 五十嵐えり

質問事項
 一 パートナーシップ宣誓制度の「宣誓」の憲法違反について
 二 都営住宅に入居できない人たちへの支援について
 三 組織委員会の保有する文書等を東京都が公開すべきことについて
 四 東京都の第5波におけるコロナ感染症対策に対する再質問について

一 パートナーシップ宣誓制度の「宣誓」の憲法違反について
東京都は令和4年2月14日、東京都パートナーシップ宣誓制度(以下「本件制度」という。)の素案を総務委員会に提示した。
1 素案によると、同性カップルは都知事に対して、本件制度の利用条件の宣誓内容として、「互いを人生のパートナーとして、相互の人権を尊重し、継続的に協力し合うことを約した二者である」ことの宣誓を求めている。こうした宣誓内容は、他の自治体の制度を参考にしたものか。参考にした自治体がある場合、どの自治体か示されたい。
2 問1について、参考にした自治体がない場合、上記の宣誓内容は東京都独自に発案したものか、由来があるのか示されたい。
3 世田谷区や横浜市のパートナーシップ宣誓制度の宣誓内容をみると、それぞれ同性カップルは、「互いをその人生のパートナーとすることを誓約し」、「互いが人生のパートナーであることを宣誓し」とあり、相互の人権を尊重することまでの宣誓は求められていない。同性カップルに相互の人権を尊重させることを宣誓させる本件制度は、こうした他の自治体の制度と比較して、どのような意味があるのか、世田谷区や横浜市との宣誓内容の違いを示した上で、東京都の意図について明確に示されたい。
4 本件制度は、同性カップルの本件制度を利用したいという意思以上に、「相互に人権を尊重すること」を誓約させるものであり、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と定める憲法24条に違反するのではないか。東京都の見解を伺う。
5 本件制度は、異性カップルが婚姻の意思のみで婚姻できることに比し、「相互に人権を尊重することを宣誓」させるもので、本件制度の利用に際して異性カップルよりも重い要請を行うものであることから、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するのではないか。東京都の見解を伺う。
6 本件制度は、本件制度を利用する同性カップルについて、「相互に人権を尊重することを宣誓」させることを要請するもので、人の内心における思考ないし信念を表明させることを事実上強制するものであり、思想及び良心の自由はこれを侵してはならないとする憲法19条に違反するのではないか。東京都の見解を伺う。
7 上述の通り、本件制度のうち、互いを人生のパートナーとして、「相互の人権を尊重し」、継続的に協力し合うことを約した二者であると宣誓したことを同性カップルに求めることは、憲法違反の疑いが極めて強いものであり、「相互の人権を尊重し」の部分については、削除すべきと考えるが、東京都の見解を伺う。
8 人権を保障すべきは公務員である東京都知事及び職員らであるところ(憲法99条)、東京都は本件制度を利用した同性カップルの人権を尊重するという認識はあるか。東京都の見解を伺う。
9 本件制度は、既存の東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を改正する形で導入予定であるが、なぜ単独での立法ではなく、同条例を改正する形で導入することとしたか、理由を述べられたい。
10 東京都は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例において規定される、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別の解消について、これらの理念が日本国憲法のどの人権に基づくものと理解しているか。具体的な憲法の条文を挙げた上で示されたい。
11 東京都は、本件制度は、オリンピック憲章だけではなく、問10で答弁した同性カップルの人権尊重の理念に基づく制度であると認識しているか。

二 都営住宅に入居できない人たちへの支援について
都知事は令和4年3月11日の記者会見で、ロシアの侵攻を受けたウクライナからの避難民を受け入れるため、避難民には入国後約2週間、都内のホテルに滞在してもらい、生活上の要望を都が聞き取り、希望者には当面、都営住宅100戸を提供する、衣類など生活物資も都が提供する、また、都内に在住する約500人のウクライナ人らを対象に、日、英、ロ、ウクライナ4カ国語に対応した電話相談窓口を開設する等の支援を行うことを公表した。
1 出入国管理及び難民認定法に基づく措置(仮放免等難民認定申請中の措置等含む)により東京都に在住する人たちの人種と人数の内訳を示されたい。
2 現時点で最新のデータである令和2年度における都営住宅の募集戸数と申込者数について示されたい。
3 問1における人たちに対して、東京都はウクライナからの避難民と同じような支援を行っているか。行っていない場合、東京都は、早急に住宅支援をはじめとする同様の支援を行うべきではないか。東京都の見解を伺う。

三 組織委員会の保有する文書等を東京都が公開すべきことについて
東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例は、組織委員会が保有する全ての文書等の適切な保管及び承継に必要な措置を講じ、もって大会に対する都民の信頼の向上を図ることを目的として成立した。
1 条例3条で東京都は「組織委員会に対し、文書等の保管及び承継に関して必要な指導及び調整を行うものとする」と定めているが、東京都は組織委員会に対していかなる指導及び調整を行ったか。
2 条例5条で東京都は、「文書等の適切な保管及び承継のための仕組みを整えられるよう、公益財団法人日本オリンピック委員会その他の関係機関に対して、必要な協力を要請するものとする」と定めているが、東京都はいかなる要請を行ったか。
3 東京都は、これらの規定に基づく保管や承継の対象は、「組織委員会が保有する全ての文書等」という認識でよいか。
4 組織委員会はオリパラが極めて公共性の高いものであることから、自発的に理事会の議事録や関連事業の発注書などをホームページ上で公表してきているが、東京都は、これらの「組織委員会が保有する全ての文書等」を承継したのちに、順次公表していく考えはあるか。
5 東京都は「組織委員会が保有する全ての文書等」について、都民から法に基づかない情報公開の求めがあった場合、積極的に自発的に開示・公開していくべきと考えるが、東京都の見解を伺う。

四 東京都の第5波におけるコロナ感染症対策に対する再質問について
東京都は、令和3年第四回都議会定例会での私からの文書質問趣意書において、質問に回答していないと考えられるため、以下再質問する。
1 質問事項一の3の感染症法に基づく医療機関などへの協力要請の時期がなぜ令和3年8月23日だったのかという質問に対し、東京都は「昨夏の感染状況は、変異株の影響により過去最大のものとなり、まさしく災害レベルであったことから、国と協議を重ね、令和3年8月23日、全国で初めて、国との連名による感染症法に基づく協力要請を実施し、更なる病床確保を行いました。」等と答弁しているが、なぜ国と連名で、協力要請を行うことになったのか、その理由を伺う。
2 質問事項一の4について、第5波中にコロナに感染し本来必要な医療や健康観察等を受けられないまま自宅で死亡した人の家族が遺族会を発足させる中、東京都はこうした遺族に対して損害賠償や見舞金等なんらかの支援が必要と考えるが都はどのように向き合っていくのかとの質問に対し、東京都は「パルスオキシメーターを貸与してきました」「酸素濃縮装置を確保してきました」「今後も自宅療養をされている方の命を守り、死者を出さないことを最優先に、こうした取組を着実に実施していきます」等と答弁しているが、遺族とどう向き合っていくかについて全く答えていない。改めて東京都はこうした遺族に対し、損害賠償や見舞金等なんらかの支援が必要と考えるが都はどのように向き合っていくのか、見解を伺う。

令和4年第一回都議会定例会
五十嵐えり議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 パートナーシップ宣誓制度の「宣誓」の憲法違反について
1 素案によると、同性カップルは知事に対して、本件制度の利用条件の宣誓内容として、「互いを人生のパートナーとして、相互の人権を尊重し、継続的に協力し合うことを約した二者である」ことの宣誓を求めている。こうした宣誓内容は、他の自治体の制度を参考にしたものか。参考にした自治体がある場合、どの自治体か伺う。

回答
  パートナーシップ宣誓制度の素案の策定に当たっては、有識者等からの意見聴取の内容、都民等アンケート調査結果及び先行する都内外の自治体の制度等を参考にし、様々な観点から検討しました。

質問事項
一の2 問1について、参考にした自治体がない場合、上記の宣誓内容は都独自に発案したものか、由来があるのか伺う。

回答
  パートナーシップ宣誓制度の素案の策定に当たっては、有識者等からの意見聴取の内容、都民等アンケート調査結果及び先行する都内外の自治体の制度等を参考にし、様々な観点から検討しました。

質問事項
一の3 世田谷区や横浜市のパートナーシップ宣誓制度の宣誓内容では、それぞれ同性カップルは、「互いをその人生のパートナーとすることを誓約し」、「互いが人生のパートナーであることを宣誓し」とあり、相互の人権を尊重することまでの宣誓は求められていない。同性カップルに相互の人権を尊重させることを宣誓させる都の制度は、こうした他の自治体の制度と比較して、どのような意味があるのか、世田谷区や横浜市との宣誓内容の違いを示した上で、都の意図を伺う。

回答
  社会における性的マイノリティ当事者の方々の人権尊重の観点から、制度素案では、パートナーである二人が対等な立場で互いの人権を尊重することを前提に、対象者を定義したものです。
  他自治体の宣誓内容については、各自治体の判断に基づくものと考えます。

質問事項
一の4 本制度は、同性カップルの本件制度を利用したいという意思以上に、「相互に人権を尊重すること」を誓約させるものであり、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と定める憲法24条に違反するのではないか、見解を伺う。

回答
  制度素案では、婚姻制度とは別のものとして、パートナーシップ宣誓制度を構築することとしています。

質問事項
一の5 本制度は、異性カップルが婚姻の意思のみで婚姻できることに比し、「相互に人権を尊重することを宣誓」させるもので、制度の利用に際して異性カップルよりも重い要請を行うものであることから、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するのではないか、見解を伺う。

回答
  制度素案では、婚姻制度とは別のものとして、パートナーシップ宣誓制度を構築することとしています。

質問事項
一の6 本制度は、制度を利用する同性カップルについて、「相互に人権を尊重することを宣誓」させることを要請するもので、人の内心における思考ないし信念を表明させることを事実上強制するものであり、思想及び良心の自由はこれを侵してはならないとする憲法19条に違反するのではないか、見解を伺う。

回答
  制度素案では、性的マイノリティ当事者の生活上の困りごとを軽減し、暮らしやすい環境づくりにつなげることが制度の目的の一つであり、都が発行する受理証明書を様々な場面で活用できるように制度を構築することとしています。
  そのため、都では、受理証明書の発行に当たり、パートナー関係にある二人の自主的な意思を宣誓という形で行政として確認することとしています。

質問事項
一の7 本制度のうち、互いを人生のパートナーとして、「相互の人権を尊重し」、継続的に協力し合うことを約した二者であると宣誓したことを同性カップルに求めることは、憲法違反の疑いが極めて強いものであり、「相互の人権を尊重し」の部分については、削除すべきだが、見解を伺う。

回答
  都はこれまで、都民等へのアンケート調査、有識者ヒアリングなどを通じて、都民や当事者の意見を伺い、庁内での検討を重ね、令和4年第一回都議会定例会において制度素案を報告しました。
今後、都議会での議論や意見、パブリックコメント等を踏まえ、当事者にとってより良い制度となるよう、取り組んでいきます。

質問事項
一の8 人権を保障すべきは公務員である知事及び職員らであるが(憲法99条)、都は制度を利用した同性カップルの人権を尊重するという認識があるか、見解を伺う。

回答
  人権尊重条例前文では、都は、人権尊重に関して日本国憲法その他の法令等を遵守し、総合的に施策を実施することとしています。
  さらに、本条例では、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いの解消並びに啓発等の推進を図るものとしています。
  都は、本条例に基づいて基本計画を策定し、啓発教育の推進や相談支援体制の充実とともに、職員の理解推進などにも取り組んでいます。

質問事項
一の9 本制度は、既存の東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を改正する形で導入予定であるが、なぜ単独での立法ではなく、同条例を改正する形で導入することとしたか、理由を伺う。

回答
  人権尊重条例では、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別の解消並びに啓発等の推進を図るものとしています。
  パートナーシップ宣誓制度は、その施策の一環として取り組むものであることから、本条例を改正するものです。

質問事項
一の10 都は、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例において規定される、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別の解消について、これらの理念が日本国憲法のどの人権に基づくものと理解しているか。具体的な憲法の条文を挙げた上での見解を伺う。

回答
  人権尊重条例前文では、都は、人権尊重に関して日本国憲法その他の法令等を遵守し、総合的に施策を実施することとしています。
  さらに、本条例では、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いの解消並びに啓発等の推進を図るものとしています。

質問事項
一の11 本制度は、オリンピック憲章だけではなく、問10で答弁した同性カップルの人権尊重の理念に基づく制度であると認職しているか、見解を伺う。

回答
  人権尊重条例前文では、都は、人権尊重に関して日本国憲法その他の法令等を遵守し、総合的に施策を実施することとしています。
  さらに、本条例では、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別的取扱いの解消並びに啓発等の推進を図るものとしています。
  パートナーシップ宣誓制度は、その施策の一環として取り組むものです。

質問事項
二 都営住宅に入居できない人たちへの支援について
1 出入国管理及び難民認定法に基づく措置(仮放免等難民認定申請中の措置等含む)により都に在住する人たちの人種と人数の内訳を伺う。

回答
  難民認定や在留資格の付与等については国の役割となっています。


質問事項
二の2 現時点で最新のデータである令和2年度における都営住宅の募集戸数と申込者数について伺う。

回答
  令和2年度における都営住宅の募集戸数は合計1万2,005戸、申込者数は延べ約13万人です。

質問事項
二の3 問1における人たちに対して、都はウクライナからの避難民と同じような支援を行っているか。行っていない場合、早急に住宅支援をはじめとする同様の支援を行うべきだが、見解を伺う。

回答
  在留資格があり、住民となった方については、区市町村と連携し、必要な生活支援等を行っています。
  また、難民認定や在留資格の付与等については国の役割となっています。

質問事項
三 組織委員会の保有する文書等を東京都が公開すべきことについて
1 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例3条で「組織委員会に対し、文書等の保管及び承継に関して必要な指導及び調整を行うものとする」と定めているが、都は組織委員会に対していかなる指導及び調整を行ったか、伺う。

回答
  都は、解散後も組織委員会の文書が適切に保管・承継されるよう、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の終了を受け、組織委員会に対して、文書等の保管及び承継に関する条例の趣旨を踏まえた協力依頼文書を発出しました。

質問事項
三の2 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例5条で、「文書等の適切な保管及び承継のための仕組みを整えられるよう、公益財団法人日本オリンピック委員会その他の関係機関に対して、必要な協力を要請するものとする」と定めているが、いかなる要請を行ったか伺う。

回答
  組織委員会が解散後に保存・承継する文書は、法令等に基づき清算人が保存する文書等と開催都市契約等に基づきアーカイブ組織に承継するアーカイブ文書があります。
 都は、組織委員会に対して、文書等の保管及び承継に関する条例の趣旨を踏まえた協力依頼文書を発出するとともに、アーカイブ文書を確実に保存・活用する枠組みを定めるため、公益財団法人日本オリンピック委員会、日本パラリンピック委員会及び組織委員会と条例の趣旨を踏まえた調整を行い、日本オリンピック委員会をアーカイブ資産の管理者であるアーカイブ組織とするアーカイブ協定を締結しました。

質問事項
三の3 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例の規定に基づく保管や承継の対象は、「組織委員会が保有する全ての文書等」という認識でよいか伺う。

回答
  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例第2条には、「文書等」について定義されており、「組織委員会の職員が組織的に用いるものとして、組織委員会が保有しているものをいう」とされています。

質問事項
三の4 組織委員会はオリパラが極めて公共性の高いものであることから、自発的に理事会の議事録や関連事業の発注書などをホームページ上で公表してきているが、都は、これらの「組織委員会が保有する全ての文書等」を承継したのちに、順次公表していく考えはあるか、伺う。

回答
  組織委員会が解散後に保存・承継する文書は、開催都市契約等に基づき  アーカイブ組織に承継する文書と法令等に基づき清算人が保存する文書等があります。アーカイブ組織に承継する文書については、アーカイブ協定1.2等の規定に基づき、利活用することが可能となっています。
また、過去の判例によると、清算人が保存する文書については、裁判所の許可により閲覧可能とされています。

質問事項
三の5 都は「組織委員会が保有する全ての文書等」について、都民から法に基づかない情報公開の求めがあった場合、積極的に自発的に開示・公開していくべきだが、見解を伺う。

回答
  組織委員会が解散後に保存・承継する文書のうち、アーカイブ組織に承継する文書については、アーカイブ協定1.2等の規定に基づき、利活用することが可能となっています。
また、過去の判例によると、清算人が保存する文書については、裁判所の許可により閲覧可能とされています。

質問事項
四 東京都の第5波におけるコロナ感染症対策に対する再質問について
1 令和3年第四回都議会定例会での文書質問趣意書における、質問事項一の3の「感染症法に基づく医療機関などへの協力要請の時期がなぜ令和3年8月23日だったのか」という質問に対し、都は「昨夏の感染状況は、変異株の影響により過去最大のものとなり、まさしく災害レベルであったことから、国と協議を重ね、令和3年8月23日、全国で初めて、国との連名による感染症法に基づく協力要請を実施し、更なる病床確保を行いました。」等と答弁しているが、なぜ、国と都の連名で、協力要請を行うことになったのか、その理由を伺う。

回答
  国と都は、これまでも感染状況や医療提供体制等について、情報共有及び協議を行ってきました。
令和3年8月に行った感染症法に基づく医療機関等への協力要請は、東京を中心に首都圏の感染状況が厳しく、東京の医療体制がひっ迫した場合の影響が首都圏に広範囲に及ぶ恐れがあることや、都内に国が管轄する医療機関、大学病院が数多くあることなどから、国と都の連名としました。

質問事項
四の2 令和3年第四回都議会定例会での文書質問趣意書における、質問事項一の4の「第5波中にコロナに感染し本来必要な医療や健康観察等を受けられないまま自宅で死亡した人の家族が遺族会を発足させる中、都はこうした遺族に対して損害賠償や見舞金等なんらかの支援が必要と考えるが都はどのように向き合っていくのか」との質問に対し、都は「パルスオキシメーターを貸与してきました」「酸素濃縮装置を確保してきました」「今後も自宅療養をされている方の命を守り、死者を出さないことを最優先に、こうした取組を着実に実施していきます」等と答弁しているが、遺族とどう向き合っていくかについて全く答えていない。改めてこうした遺族に対し、損害賠償や見舞金等なんらかの支援が必要だが、どのように向き合っていくのか、見解を伺う。

回答
  都は、第5波の経験を踏まえ、自宅療養者への健康観察を速やかに実施できるよう、診療や検査を行った医療機関による健康観察を支援するとともに、感染拡大時に往診を広域的に行う医療機関との連携を強化しています。
また、オミクロン株による第6波の感染拡大を受け、保健所やフォローアップセンターの体制を強化するとともに、自宅療養サポートセンター「うちさぽ東京」を開設し、患者の重症度に応じたフォローアップ体制を拡充しています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 原のり子

質問事項
 一 保育行政について
 二 都立病院での保育士の役割について
 三 東京都こども基本条例に関する理解促進事業について

一 保育行政について
予算特別委員会において、公立保育園の役割と存在意義について質疑を行いました。その中で、公設公営園は保育士の離職率が低いこと、また、都内の公設公営保育園保育士の勤続年数については、共産党都議団で実施した調査の結果、平均約19年だということがわかりました。各地で公立保育園の廃止や民営化が進められていますが、経験のある職員がそろっていて、重要な役割を果たしている公立保育園をなくしてしまうのは、地域にとって大きな損失であることを指摘しました。
実は、ハードの面でも、公立保育園の存在が大きいのです。園庭のない保育園がふえていて、近くの公園が満杯状態になるという現象が各地域でおきています。そうしたなか、園庭がある公立保育園に、園庭のない保育園の子どもたちが遊びに行く、運動会のときに借りる、という状況が広がっています。夏には、「もらいプール」といって、プールのある公立保育園に遠くから歩いて子どもたちが来るという状況もあります。東京都として、どの子どもも健康に発達できるように、保育園のハード面の整備がされているか把握しているでしょうか。
1 都内の認可保育園の園庭・園児が集まれる室内のホール・もぐったり泳いだりできるプールについて、保育園での設置状況をうかがいます。
2 保育所保育指針では、子どもたちの育つ環境整備について、どのように位置付けていますか。
3 保育の実施は区市町村の責任ですが、児童福祉法では、都道府県が市町村に対する必要な助言及び適切な援助を行うなど、都道府県の役割も位置付けています。都内のどこに住んでいても、子どもたちが適切な環境のなかで育つよう、東京都としても保育園の環境整備について把握すべきだと考えます。見解をうかがいます。

二 都立病院での保育士の役割について
都立小児総合医療センターには、保育士が配置され、医師や看護師などと連携しながら、闘病する子どもたちを支えるかけがえのない役割を果たしています。保育士の方にお話しをうかがいました。「身動きできない状態であっても、子どもには遊びが必要」「思春期の子が過ごせる場をつくることは大事」「その子の人生をその子らしく生きられるように、医療スタッフ、家族と相談しながら最後までサポートする。」「ある子はどうしてもやりたいこととして、『運動会』と話した。体調を整えながら、病院内の特別支援学校分教室で、そこの先生たちにも協力してもらって実現した」など、その実践は高い専門性に裏付けられ、子どもたちの成長を支えるもので、胸を揺さぶられました。これからも、ますますその役割は重要です。そこでうかがいます。
1 現在、都立病院に配置されている保育士は何人ですか。病院別、正規・非正規別に教えてください。
2 東京都としては、病院の保育士の役割についてどのようにとらえていますか。
3 保育士の研修はどのような内容で、どのぐらいの頻度で実施していますか。
4 今後、保育士の配置をふやしていく考えはありますか。また、公社病院に配置していく考えはありますか。

三 東京都こども基本条例に関する理解促進事業について
2021年4月に施行した東京都こども基本条例は、こどもを権利の主体として尊重し、意見を表明でき、その意見が施策に適切に反映されるよう環境整備を図るものになっています。これにもとづき、来年度予算案では、「理解促進事業」を行うこととしています。
1 この事業の目的と概要はどういうことですか。
2 このなかの、区市町村支援(子ども家庭支援区市町村包括補助事業)では、子どもの意見表明・参加を促進する取り組みと、子どもの権利擁護を促進する取り組みに対し、10分の10で補助するとなっています。先駆的事業、となっている意味はどういうことですか。
3 意見表明・参加を促進する取り組みには、たとえば、子ども議会や子どもシンポジウムなども対象になりますか。そのほか、理解促進事業では、どういう取り組みを想定していますか。
4 今後、区市町村にはどのように知らせていきますか。その際、こども基本条例の趣旨も含め、取り組みが進むようきちんと説明することを求めますが、いかがですか。

令和4年第一回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 保育行政について
1 都内の認可保育園の園庭・園児が集まれる室内のホール・もぐったり泳いだりできるプールについて、保育園での設置状況を伺う。

回答
  都が令和2年度に認可した保育所、154施設のうち、敷地内に基準を満たす屋外遊戯場を設けている施設は35か所、設置率は22.7パーセントとなっています。
なお、ホール及びプールの設置については、設置基準の定めがなく、把握していません。

質問事項
一の2 保育所保育指針では、子どもたちの育つ環境整備について、どのように位置付けているか伺う。

回答
  保育所保育指針では、保育の環境について、
「保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が相互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。
ア 子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいくことができるよう配慮すること。
イ 子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること。
ウ 保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動できる場となるように配慮すること。
エ 子どもが人と関わる力を育てていくため、子ども自らが周囲の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整えること。」
と規定しています。

質問事項
一の3 保育の実施は区市町村の責任だが、児童福祉法では、都道府県が市町村に対する必要な助言及び適切な援助を行うなど、都道府県の役割も位置付けている。都内のどこに住んでいても、子どもたちが適切な環境のなかで育つよう、都としても保育園の環境整備について把握すべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、事業者から区市町村を経由して保育所の認可申請を受けた場合、東京都児童福祉審議会に付議し、認可基準に基づき、構造設備、避難経路、児童の安全確保、適切な保育の実施、財務状況等について確認しています。

質問事項
二 都立病院での保育士の役割について
1 現在、都立病院に配置されている保育士は何人か。病院別、正規・非正規別に伺う。

回答
  令和4年3月1日現在、大塚病院は常勤職員1人、会計年度任用職員1人、小児総合医療センターは常勤職員22人、会計年度任用職員13人です。

質問事項
二の2 都として、病院の保育士の役割についてどのようにとらえているか伺う。

回答
  病院の役割や機能に応じて、他職種と連携しながら、子どもの成長発達を促し、生活の質を高めていく役割を担っています。

質問事項
二の3 保育士の研修はどのような内容で、どのぐらいの頻度で実施しているか伺う。

回答
  小児総合医療センターでは、外部講師による研修会を年2回実施するほか、月1回勉強会を開催し、活動内容の共有や改善点の検討等を行っています。
このほか、外部機関が実施する研修や学会に参加する場合の費用を支援しています。
 

質問事項
二の4 今後、保育士の配置をふやしていく考えはあるか、また、公社病院に配置していく考えはあるか伺う。

回答
  各病院の役割や機能に応じて、適切に人員を配置していきます。

質問事項
三 東京都こども基本条例に関する理解促進事業について
1 東京都こども基本条例に関する理解促進事業の目的と概要を伺う。

回答
  東京都こども基本条例の趣旨の実現に向け、子供の権利に関する広報、子供の意見表明及び参加の促進などを進めることが必要です。
都は、令和4年度、子供及び周囲の大人向けに、条例の内容を分かりやすく伝えるリーフレットを作成します。
また、子供の意見表明及び参加の促進並びに権利擁護の充実に取り組む区市町村を支援します。

質問事項
三の2 東京都こども基本条例に関する理解促進事業の、区市町村支援(子ども家庭支援区市町村包括補助事業)では、子どもの意見表明・参加を促進する取組と、子どもの権利擁護を促進する取組に対し、10分の10で補助するとなっているが、先駆的事業、となっている意味はどういうことか伺う。

回答
  子供家庭支援区市町村包括補助事業では、新たな課題に取り組む試行的事業を先駆的事業に位置付け、区市町村の取組を促進するため、補助率を10分の10としています。
 区市町村において東京都こども基本条例の趣旨を踏まえた取組が進むよう、子供の意見表明及び参加の促進並びに権利擁護の充実に向けた取組を、先駆的事業に位置付けています。

質問事項
三の3 意見表明・参加を促進する取組には、たとえば、子ども議会や子どもシンポジウムなども対象になるのか。そのほか、理解促進事業では、どういう取組を想定しているか伺う。

回答
  子供の意見を聴き、施策に取り入れるための機会の創出、子供の権利に関する普及啓発・相談対応の充実など、東京都こども基本条例の趣旨を踏まえた取組を幅広く支援の対象とする予定です。

質問事項
三の4 今後、区市町村にはどのように知らせていくのか。その際、こども基本条例の趣旨も含め、取り組みが進むようきちんと説明するべきだが、見解を伺う。

回答
  区市町村の取組が進むよう、担当者会等で具体的な事例を提示するなど、丁寧に説明しています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 斉藤まりこ

質問事項
 一 生活保護の運用について
 二 女性職員の登用について
 三 痴漢・盗撮対策について

一 生活保護の運用について
長引くコロナ禍で、都民の暮らしは厳しさを増しています。都内の食料支援などの現場では昨年よりも多くの利用者が並び、生活や医療に関する相談も増えています。私自身も多くの生活相談を受けてきましたが、そのなかで、生活保護の申請を嫌がる方は少なくありません。一度、受けたことがある方々からは、プライバシーが守られない施設での生活に戻りたくない、また、生活の細かいことまでチェックされることが苦痛だという声もありました。受けたことがない方でも、窓口の対応で傷ついたという方や、扶養照会を絶対にしてほしくない、という方もいました。
1 都は生活保護を受けることは国民の権利であることを認め、都のホームページにも掲載しています。この認識を踏まえれば、生活保護を必要とする方々が行政の対応で傷つけられることがあってはならないと思いますが、いかがですか。
2 杉並区で昨年7月に、生活保護の申請をした50代の男性が扶養照会をしないように求める書面を出そうとしたにもかかわらず、区が書面の受け取りを拒否し、扶養照会を強行したということが明らかになっています。書面を受け取ってもらえず、申請の対応をしてもらえなかった男性は、やむなく書面の提出を取り下げましたが、その後も口頭で扶養照会をしてほしくないことを伝えていました。この男性の両親は80代で持病を抱えており、きょうだいからも援助の見込みはなく、心配をかけたくないという思いから、扶養照会をしてほしくないと訴えていました。しかし、扶養照会は強行され、両親のもとに照会の郵便が届けられ、両親は白紙のまま通知を福祉事務所に返したということです。
  都は2月4日に通知「生活保護に係る扶養能力調査における留意事項について」を各福祉事務所宛てに発出し、「要保護者が扶養照会を拒否する場合は、理由を確認し、照会を一旦保留」することを通知しています。扶養照会を拒否する本人の意思を受け止めず、書面の提出をあきらめなければ申請に応じないとした杉並区のような対応は、都の通知の内容に反するものだと思いますが、いかがですか。
  コロナの感染拡大の第5波と第6波のなかで、住まいを失い、所持金もない方々が発熱や症状を発したときに、医療機関で診察をしてもらえなかったり、陽性とわかっても、入院や宿泊施設に入ることができずに適切な場所で療養できないというケースが相次いでいます。予算特別委員会において、わが党のとや英津子都議の質問に、都は「住まいを失った方についても、医療機関や保健所等と連携を図り、医療や療養につなげることが必要である」という認識を示したことは重要です。
3 2月には、住まいを失った71歳の方が陽性とわかっても、近くの病院には空きがなく、都の宿泊療養施設にも断られ、行き場を失いました。都の宿泊療養施設や感染拡大時宿泊療養施設は65歳までとされ、高齢でリスクの高い人ほど、ひっ迫する状況の中では放置されてしまう状態です。誰もが適切な治療や療養ができるように、高齢で住宅を喪失した方が陽性となった場合に保護できる施設を確保する必要がありますが、いかがですか。
4 所持金や保険証のない方々が発熱したり、症状を有する場合の医療機関での受診について、都は予算特別委員会において、「新型コロナウイルス感染症を含め、急病等により緊急的に診療を受けた場合には、その時点で生活保護を受給していなくても、福祉事務所の判断により、医療扶助を遡及して適用することが可能」と答弁しました。新型コロナウイルス感染症で実際に適用された事例は都内でいくつありますか。
5 その運用が発熱外来でも実際に適用されるよう、医療機関と福祉事務所に通知、徹底することが必要ですが、いかがですか。

二 女性職員の登用について
1 女性の職員を増やし、登用していくことは、東京都のジェンダー平等に資する政策立案、政策実行においても重要な力になります。予算特別委員会の資料によると、2021年度における都の行政系職員の新規採用者の男女比率は、男性54.0%、女性46.0%となっています。都の行政系職員全体の男女の比率は現在どうなっていますか。
2 都職員の平均勤続年数を男女別に示してください。
3 会計年度任用職員の男女別の人数を示してください。
4 都の行政系職員のうち、課長代理級の女性比率は33.3%、課長級以上の管理職になると20.2%になります。課長級以上となると女性比率が減る要因について、都の認識を伺います。
5 都の管理職、幹部職員での女性の比率を上げるため、どのような取り組み、施策を行っているのか伺います。

三 痴漢・盗撮対策について
わが党は痴漢・盗撮の被害の実態を明らかにし、とくに被害が多い駅や鉄道での対策の強化が待ったなしだと求めてきました。対策の充実のためにも女性の視点が欠かせません。
1 ところが、交通局の女性職員の割合は駅係員や運転手などの運輸系職員を含めて今年度3.6%で、過去5年間ずっと3%台と、極めて低い状況です。交通局の行政系の女性職員の割合はいくつか事務系と技術系の内訳とともに伺います。
2 交通局において、行政系の女性職員を増やしていくことの重要性について、どのように認識していますか。また、抜本的に増やしていくべきですが、いかがですか。
3 都は都営地下鉄での女性専用車両の導入拡大について検討するとしています。今年の5月から6両から8両編成になる三田線については、相互乗り入れする鉄道事業者と早期に調整を行い、導入を進めるべきですが、いかがですか。
4 相互乗り入れのない大江戸線については早急に導入するべきですが、いかがですか。
5 女性専用車両の導入にあたっては子どもや学生、女性の声をよく聞いて、取り組みを進めることが重要です。わが党の調査では、朝のラッシュ時間帯だけでなく、日中や夜間にも痴漢行為があるという声が寄せられ、夜間をはじめ終日の導入を求める声が女性専用車両に関する要望の中で一番多くありました。都として、女性専用車両の導入にあたって、都営地下鉄における痴漢・盗撮の被害の実態や加害や被害をなくすための要望を調査する必要があると考えますが、いかがですか。

令和4年第一回都議会定例会
斉藤まりこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 生活保護の運用について
1 都は生活保護を受けることは国民の権利であることを認め、都のホームページにも掲載している。この認識を踏まえれば、生活保護を必要とする方々が行政の対応で傷つけられることがあってはならないが、見解を伺う。

回答
  都は、福祉事務所に対し、「生活保護は申請に基づき開始することを原則としており、保護の相談に当たっては、相談者の申請権を侵害しないことはもとより、申請権を侵害していると疑われるような行為も厳に慎むこと。」との国の通知を周知しています。

質問事項
一の2 杉並区で昨年7月に、生活保護の申請をした50代の男性が扶養照会をしないように求める書面を出そうとしたが、区が書面の受取を拒否し、扶養照会を強行したということが明らかになった。都は2月4日に通知「生活保護に係る扶養能力調査における留意事項について」を各福祉事務所宛てに発出し、「要保護者が扶養照会を拒否する場合は、理由を確認し、照会を一旦保留」することを通知している。扶養照会を拒否する本人の意思を受け止めず、書面の提出をあきらめなければ申請に応じないとした杉並区の対応は、都の通知内容に反するものだが、見解を伺う。

回答
  要保護者が書面や口頭等の形式にかかわらず扶養照会を拒否する意向を示した場合は、理由を確認した上で照会を一旦保留し、照会が必要となる際は理解を得るよう努める旨を、都は福祉事務所に通知しており、この通知等に基づき福祉事務所において適切に対応されるべきものと認識しています。

質問事項
一の3 都の宿泊療養施設や感染拡大時宿泊療養施設は65歳までとされ、高齢でリスクの高い人ほど、ひっ迫する状況の中では放置されてしまう状態である。誰もが適切な治療や療養ができるように、高齢で住宅を喪失した方が陽性となった場合に保護できる施設を確保するべきだが、見解を伺う。

回答
  住まいを失った方が陽性になった場合、医療や療養につなぐ必要があることから、都は、福祉事務所において、個々の状況に応じて医療機関や保健所等と連携を図り、適切に対応するよう周知しています。

質問事項
一の4 所持金や保険証のない方々が発熱したり、症状を有する場合の医療機関での受診について、都は予算特別委員会において、「新型コロナウイルス感染症を含め、急病等により緊急的に診療を受けた場合には、その時点で生活保護を受給していなくても、福祉事務所の判断により、医療扶助を遡及して適用することが可能」と答弁したが、新型コロナウイルス感染症で実際に適用された事例は都内でいくつあるか伺う。

回答
  医療扶助は、都内で令和2年度に月平均約20万世帯に適用されていますが、遡及適用した件数について、福祉事務所から都に報告の義務はありません。

質問事項
一の5 上記の運用が、発熱外来でも実際に適用されるよう、医療機関と福祉事務所に通知・徹底するべきだが、見解を伺う。

回答
  生活保護においては、新型コロナウイルス感染症を含め、急病等により緊急的に診療を受けた場合、その時点で生活保護を受給していなくても、福祉事務所の判断により医療扶助を遡及して適用することが可能であり、福祉事務所が、個々の状況に応じて医療機関や保健所等と連携を図り、適切に対応すべきものと認識しています。

質問事項
二 女性職員の登用について
1 女性の職員を増やし、登用していくことは、都のジェンダー平等に資する政策立案、政策実行においても重要な力になる。予算特別委員会の資料によると、2021年度における都の行政系職員の新規採用者の男女比率は、男性54.0%、女性46.0%となっているが、現在の都の行政系職員全体の男女の比率について伺う。

回答
  令和3年4月1日現在、行政系職員に占める男性職員の割合は59.9パーセント、女性職員の割合は40.1パーセントです。

質問事項
二の2 都職員の平均勤続年数を男女別に伺う。

回答
  令和3年4月1日現在、警視庁及び東京消防庁を除き在職中の行政系職員の平均勤続年数は、男性職員が17.5年、女性職員が15.8年です。

質問事項
二の3 会計年度任用職員の男女別の人数を伺う。

回答
  令和3年8月1日現在、知事部局における会計年度任用職員は9,894名であり、このうち、5,470名が女性です。

質問事項
二の4 都の行政系職員のうち、課長代理級の女性比率は33.3%、課長級以上の管理職になると20.2%になる。課長級以上となると女性比率が減る要因について、認識を伺う。

回答
  女性職員が管理職選考への申込みをためらう理由として、家庭との両立等の不安や、現在の仕事の継続を希望する声が挙げられており、こうした個々の事情等によるものと認識しています。

質問事項
二の5 都の管理職、幹部職員での女性の比率を上げるため、どのような取組、施策を行っているのか伺う。

回答
  行政系管理職に占める女性割合の引上げに向けては、職員個々の事情へのきめ細かな対応が必要であるため、都では、SNS等で先輩管理職等に相談できるキャリア・メンター制度を、令和2年度、全庁へ展開しました。こうした取組により、今後も女性職員の活躍推進に努めていくこととしています。

質問事項
三 痴漢、盗撮対策について
1 痴漢・盗撮対策の充実のためにも女性の視点が欠かせないが、交通局の女性職員の割合は運輸系職員を含めて今年度3.6%で、過去5年間ずっと3%台と、極めて低い状況である。交通局の行政系の女性職員の割合はいくつか事務系と技術系の内訳とともに伺う。

回答
  令和3年4月1日時点における交通局の行政系女性職員の割合は14.0パーセントであり、事務系は29.1パーセント、一般技術系は4.7パーセントです。

質問事項
三の2 交通局において、行政系の女性職員を増やしていくことの重要性について、どのように認識しているか。また、抜本的に増やしていくべきだが、見解を伺う。

回答
  交通局では、行政系、運輸系に関わらず、女性職員の活躍推進は重要と考えており、女性専用のシャワー室や仮泊室等の設置など、女性職員が働きやすい職場環境の整備を進めています。
行政系職員の採用については都全体で行われていますが、交通局においても配属希望者が増えるよう職場の魅力をアピールするなど、総務局とも連携し、女性活躍の更なる推進に努めていきます。

質問事項
三の3 都は都営地下鉄での女性専用車両の導入拡大について検討するとしている。今年の5月から6両から8両編成になる三田線については、相互乗り入れする鉄道事業者と早期に調整を行ない、導入を進めるべきだが、見解を伺う。

回答
  交通局では、お客様により安心して御利用いただけるよう、平成17年から新宿線で朝のラッシュ時間帯に女性専用車両を導入しています。
他の路線については、相互直通運転を行っている事業者で対応が異なっていることや、導入により他の車両が混雑する等の課題があります。
一方、経営計画2022では、都営地下鉄の乗客数はコロナ禍前と比べて15パーセント程度の減少が続き、旅客動向の変化が生じるものと見込んでおり、女性専用車両の導入拡大に伴う他の車両への影響は、比較的小さくなると想定されます。
女性専用車両の導入拡大に向けて、まずは利用者の規模が最も大きく、痴漢通報件数も相対的に多い大江戸線を対象に、朝ラッシュ時間帯の詳細な利用実態や新宿線への導入で得られた知見・ノウハウ等を踏まえながら検討を進めていきます。

質問事項
三の4 相互乗り入れのない大江戸線については、女性専用車両を早急に導入するべきだが、見解を伺う。

回答
  女性専用車両の導入拡大に向けて、まずは利用者の規模が最も大きく、痴漢通報件数も相対的に多い大江戸線を対象に、朝ラッシュ時間帯の詳細な利用実態や新宿線への導入で得られた知見・ノウハウ等を踏まえながら検討を進めていきます。

質問事項
三の5 女性専用車両の導入にあたっては子どもや学生、女性の声をよく聞いて、取組を進めることが重要である。女性専用車両の導入にあたって、都営地下鉄における痴漢・盗撮の被害の実態や加害や被害をなくすための要望を調査するべきだが、見解を伺う。

回答
  都営地下鉄では、痴漢撲滅キャンペーンなどを通じて、痴漢被害に遭われたお客様や周囲のお客様に対し、痴漢被害に遭ったことを駅係員などにお知らせいただきたい旨の呼びかけを行っており、お客様からの申出を受け警察へ通報した場合は、速やかに本局に情報を集約しています。
また、痴漢被害等に係る情報がお客様センターに寄せられた際には、発生場所や時間等を関係する駅に通知し、朝の点呼等において、係員一人一人に共有するなど、日頃から、業務を通じた痴漢等発生状況の把握に努めています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 阿部祐美子

質問事項
 一 ユニバーサルフォント等の使用について
 二 労働者協同組合法施行への対応について
 三 東京都出産応援事業の未登録者の状況把握について

一 ユニバーサルフォント等の使用について
東京都の広報紙においては、多様な読者が読みやすい文字としてユニバーサルフォントが使用されているが、広報紙や障害者関連以外の各種書類ではほとんどこのような配慮がなされていない。ユニバーサルフォントは視覚障害の有無にかかわらず、より判別しやすく伝わりやすい特性を持っており、庁外向けはもとより、庁内文書も含めて原則としてユニバーサルフォントに統一すべきと考えるが、見解を問う。

二 労働者協同組合法施行への対応について
労働者協同組合法が2020年12月に制定され、今年10月に施行される。本年の予算委員会においても、労働者協同組合の活動に対する知事の前向きな答弁があったところである。一方で、労働者協同組合の名称や概念は都民一般にも、また都庁内においても周知されているとは言い難いのが現状である。
1 労働者協同組合の概要につき、関係する各部局で横断的な学習会を開くべきと考えるが、見解を問う。
2 都庁には生活文化局内に生活協同組合の担当が置かれているのと同様に、労働者協同組合についても関連する課内に担当を置くことを検討すべきと考えるが、見解を問う。

三 東京都出産応援事業の未登録者の状況把握について
東京都出産応援事業は、令和3年1月1日から同5年3月31日までに出生した都民に対し新生児1人あたり10万円相当の商品を贈る事業であり、対象家庭にとっては価値の高い施策として喜ばれている。しかしながら、約10万5,000世帯の対象世帯のうち登録があったのは約8万5,000世帯であり、約2万世帯の差がある。この中には、今後登録する世帯や意図的に登録しない世帯も含まれていることも考えられるが、QRコードからのWEB申し込みという手段が必要なことから、経済的問題あるいは障害や疾患等があり適切な支援が受けられないために申し込みに至らないケースも少なくないであろうことが強く想定される。つまり、より支援が必要な世帯にこそ、同事業の「応援」が届いていない可能性がある。
1 都は同事業の未登録者の状況をどのように把握、分析しているのか。また、WEB申し込みができない方への対応をどのようにしているのか伺う。
2 同事業の未登録者について、各自治体の家庭支援関係部署等と情報交換や連携はおこなっているのか。

令和4年第一回都議会定例会
阿部祐美子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 ユニバーサルフォント等の使用について
  都の広報紙においては、多様な読者が読みやすい文字としてユニバーサルフォントが使用されているが、広報紙や障害者関連以外の各種書類ではほとんどこのような配慮がなされていない。庁外向けはもとより、庁内文書も含めて原則としてユニバーサルフォントに統一すべきだが、見解を伺う。

回答
  公文書を作成するに当たっては、その内容・性質等に応じ、文字の大きさやフォントを分かりやすく、読みやすいものとする必要があります。
一方、公文書が電子文書である場合には、使用するフォントが、受け取る相手側の情報機器の環境で再現されるか否かにも配慮する必要があります。
これらのことを踏まえて、読みやすい公文書の作成に努めてまいります。

質問事項
二 労働者協同組合法施行への対応について
1 労働者協同組合の概要につき、関係する各部局で横断的な学習会を開くべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、労働者協同組合と連携して地域課題を解決できるよう、庁内に制度内容等を周知し、共有を図ることとしています。

質問事項
二の2 都庁には生活文化局内に生活協同組合の担当が置かれているのと同様に、労働者協同組合についても関連する課内に担当を置くことを検討すべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、令和4年度から、労働者協同組合に係る業務の担当を設置しています。

質問事項
三 東京都出産応援事業の未登録者の把握について
1 都は東京都出産応援事業の未登録者の状況をどのように把握、分析しているのか。また、WEB申し込みができない方への対応をどのようにしているのか伺う。

回答
  東京都出産応援事業では、都内全区市町村の協力を得て、専用サイトへアクセス可能なIDカードを対象家庭に配付し、対象家庭は専用サイトで令和5年10月1日までに利用者登録を行うこととしています。
  令和4年2月末までに、IDカードを約105,000世帯に配付しており、約85,000世帯が登録しています。
  なお、専用サイトでの登録が困難な家庭には、求めに応じて紙のカタログ冊子を送付しています。

質問事項
三の2 同事業の未登録者について、各自治体の家庭支援関係部署等と情報交換や連携は行っているのか伺う。

回答
  都は、区市町村と連携し、東京都出産応援事業の登録に係る課題も含めて対応するとともに、コールセンターを設置し、登録方法を案内するなど問合せを頂いた方の状況に応じて個別に支援しています。
未登録者に対しては、区市町村の協力を得て、早期の登録を促す通知を順次送付しており、専用サイトへのアクセスが困難な場合は、コールセンターに問合せいただきたい旨も通知に記載しています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 とくとめ道信

質問事項
 一 都内の安心安全の自転車通行空間の環境改善、整備強化について

一 都内の安心安全の自転車通行空間の環境改善、整備強化について
第一回都議会定例会での警視総監による「治安状況報告」の中で「世界一の交通安全都市TOKYO目指して」のスローガンのもとに昨年は、総合的な交通事故防止対策を推進した結果、交通事故死者数は、前年より22人減少して133人となり、令和元年と同じく戦後最小となったことが報告された。
引き続き歩行者の保護や自転車の交通ルール遵守など、「総合的な交通安全対策」を強化していくことが強調された。
「総合的な交通安全対策」の具体的な課題についての提起があり、その後の警察・消防委員会での質疑や、警視庁予算案の増額の事業内容についての討論を通じて、警視庁とともに関係各局が連携・協力することによって、事業推進の取り組みが、始まろうとしている。
こうした警視庁を中心とした動きとともに、連携・協力する関係各局の事業計画の具体化状況について、伺いたい。
第一回都議会定例会において、警視総監の「治安状況報告」の中で、「交通事故対策の進捗状況」について触れ、都内の交通事故防止、都民の命と安全を守るうえで交通安全にむけて環境改善の重要性と、具体的な対策についての報告があった。
警視庁としては、交通事故死者に占める歩行者の割合が、高いという交通事故の実態を踏まえ、横断歩行者妨害の悪質・危険な交通違反の指導取締りや、歩行者に対する、交通安全指導の強化、基本的な交通ルール・マナーの周知にむけて、広報・啓発・普及を強化することの強調があった。
こうした中で警視庁は、今後とも交通情勢の変化に対応しながら、「総合的な交通安全対策」を推進強化するとともに、「自転車総合対策」は、来年度予算案で増額があった。
警察・消防委員会の質疑の中では、「建設局」「生活文化スポーツ局」「港湾局」「臨海地域開発事業会計に計上」など、警視庁以外の関係各局と連携・協力して、ハード、ソフトの両面から、交通安全対策事業に取り組むことになっている。
警視庁の来年度予算の増額された事業概要には、「自転車総合対策」「良好な自転車通行環境の確立」「自転車通行空間の整備(再掲)」「自転車ナビマークの更新」「安全運転教育・普及啓発・自転車交通ルール普及促進事業等」などが盛り込まれている。
警視庁では、交通事故死者に占める歩行者の割合が、高いという交通事故の実態を踏まえ、横断歩行者妨害の悪質・危険な交通違反の指導取締りや、歩行者に対する、交通安全指導を強化している。
また、自転車の交通事故が、多発しているほか、新たに電動キックボードの事故や、違反がみられることから、その安全な利用を図るため、交通街頭活動をはじめ、業者等への働きかけや、広報・啓発活動を強化することで、基本的な交通ルールの周知に努める。
交通安全対策の徹底、交通環境の改善の事業促進にとって、来年度予算増額の事業内容からみても、関係他局との連携・協力が不可欠になっている。
その中でも、警視庁の役割がカギを握っており、先日の警察・消防委員会での質疑への答弁でも、「安全で快適な交通社会の実現のためには、これらの取り組みが重要であり、引き続き、様々な対策を進めていく」と答弁があった。
警視庁の独自の交通安全事業として、重要な道路の左側を自転車が通行するよう案内する白い路面標示の「ナビマーク」が、自動車の通行で削られ、目立たなくなっており、現状の更新とともに抜本的改善をおこなうことになった。
昨年の5倍の「ナビマーク」16,000個(セット)の配備があり、路面標示が拡充されることになる。
そこで、警察・消防委員会の質疑では、質問できず確認できなかった連携・協力する関係各局の事業計画の具体的な内容について、質問します。
1 建設局に質問します。ブルーの路面標示の「ナビライン」は、道路管理者の建設局と警視庁との連携によって、幅も広く安全走行の路面標示の重要な役割を果たしています。
  来年度のナビラインを含めた自転車通行空間の「整備延長距離」はどのような予定になっているのか教えてください。
  さらにブルーの「ナビライン」と白の「ナビマーク」をセットにして、拡幅した走行ラインにすることを、ぜひ検討してほしいと思います。
2 交通安全通行、自転車の安全・安心走行など環境改善の問題では、その関係局である「生活文化スポーツ局」などは、安全走行の普及・啓発・宣伝などのソフト分野での役割が重要ですが、来年度予算では、どのような計画が具体化されているのですか。
3 「港湾局」関係で「自転車総合対策」等の具体的な計画は、どのようになっていますか。
4 「臨海地域開発事業会計に計上の事業」関係では、「自転車総合計画」などの来年度の事業計画の具体化は、どのようになっていますか。

令和4年第一回都議会定例会
とくとめ道信議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都内の安心安全の自転車通行空間の環境改善、整備強化について
1 ブルーの路面標示の「ナビライン」は、道路管理者の建設局と警視庁との連携によって、幅も広く安全走行の路面標示の重要な役割を果たしている。来年度のナビラインを含めた自転車通行空間の「整備延長距離」はどのような予定になっているのか伺う。

回答
  都は、東京都自転車通行空間整備推進計画に基づき整備を進めており、令和4年度の自転車通行空間の整備延長は、約26キロメートルを予定しています。

質問事項
一の2 交通安全通行、自転車の安全・安心走行など環境改善の問題では、その関係局である「生活文化スポーツ局」などは、安全走行の普及・啓発・宣伝などのソフト分野での役割が重要である。来年度予算では、どのような計画が具体化されているか伺う。

回答
  都はこれまで、自転車シミュレータを用いた交通安全教室など、学校や区市町村等と連携して、自転車安全利用教育を実施してきました。交通ルール・マナーを学習できるアプリを制作するなど、令和4年度も引き続き取り組んでいきます。

質問事項
一の3 港湾局関係で「自転車総合対策」等の具体的な計画はどのようになっているか伺う。

回答
  港湾局が管理する道路における自転車通行空間の整備を進めるため、「港湾局自転車通行空間整備計画」を定めています。
  本計画に基づき、これまでに東京2020大会開催までに整備すべき約32キロメートル全ての整備が完了しており、今後は残る約13キロメートルの整備を進めていきます。

質問事項
一の4 「臨海地域開発事業会計に計上の事業」関係では、「自転車総合計画」などの来年度の事業計画の具体化はどのようになっているか伺う。

回答
  令和4年度については、「港湾局自転車通行空間整備計画」に基づき、青海地区で約4キロメートルの自転車通行空間の整備に着手する予定です。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 池川友一

質問事項
一 都立高校の校則について

一 都立高校の校則について
日本共産党都議団は、子どもの権利の視点から理不尽な校則を見直し、子どもたちの意見表明を大切にして、校則を変えていくことをくり返し提起してきました。
昨年2月の第1回都議会定例会での私の質問に、教育長は「子どもは、あらゆる場面で権利の主体として尊重される必要があり、子どもの年齢及び発達の程度に応じてその意見を尊重するとともに、子どもの最善の利益を実現することは、学校教育においても同様に重要」と答弁しました。こうした立場で学校現場で校則の見直しが行うことが極めて重要です。また、昨年4月に施行された、東京都こども基本条例を学校現場でも全面的に実践していくことが必要です。
こうした中で、昨年4月27日に東京都教育委員会は、「校則等の自己点検及び見直しの実施について(通知)」を出し、12月までに校則に関する自己点検及び見直しを実施するよう、都立高校等に依頼しました。
3月10日の東京都教育委員会第4回定例会で、「都立高等学校等における校則等に関する取組状況について」が報告され、この自己点検及び見直しの内容が明らかになりました。
点検を求めた項目のうち、ツーブロック禁止は24課程からゼロに、「生来の髪を一律に黒色に染色」も7課程からゼロに、下着の色の指定も13課程からゼロに、「高校生らしい」などあいまいな表現も95課程からゼロになったと報告がありました。
以下、質問します。
1 昨年4月に通知を出すに至った経過について、改めて伺います。
2 「都立高校等における校則等の自己点検及び見直しの実施に係る調査票」では、「社会通念上合理的でない『ツーブロック』を禁止する指導(校則等への記載)」について、点検・見直しを求めています。「ツーブロック」禁止が、社会通念上合理的でないと都教委が判断したのはいつですか。また、判断した理由も伺います。
3 調査票では、「『高校生らしい』等、表現があいまいで誤解を招く指導」についても、点検・見直しを求めています。表現があいまいで誤解を招くと都教委が判断したのはいつですか。また、判断した理由も伺います。
4 「都立高等学校等における校則等に関する取組状況について」を報告した、東京都教育委員会定例会では、教育委員から「大きな一歩」など歓迎する発言とともに、ここまで時間がかかったのは残念、放置されていたのは遺憾なことなどという発言も出されました。こうした教育委員からの指摘について、真摯に受け止める必要があると思いますが、いかがですか。
5 生徒が校則を「変えられないもの」ではなく、「変えていけるもの」と捉えられるようにすることは、主権者教育としても重要です。生徒の参加、意見表明の機会を保障していくためにどのような取り組みをするのですか。
6 2019年第2回都議会定例会で、校則のホームページ公開を求めましたが、その後どのような検討を行ってきたのですか。全校で、校則をホームページに公開することを決めたのは、いつですか。また、ホームページに公開する理由を伺います。
7 高校生からは、校則など学校のルールについての疑問を投げかけても「決まっているから」「ルールだから」と言われるという事例が寄せられています。同時に、説明が求められる教員も、説明することが困難という話も寄せられています。2021年第1回都議会定例会で、教育長は「校則に関する説明責任を果たせるよう指導助言を行ってまいります」と答弁しました。その後、校則をはじめ学校のルールについての説明責任について、都教委はどう対応してきたのですか。

令和4年第一回都議会定例会
池川友一議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都立高校の校則について
1 昨年4月に東京都教育委員会が「校則等の自己点検及び見直しの実施について(通知)」を出すに至った経緯について、伺う。

回答
  都教育委員会は、これまでも、学校の教育目標の実現に向け、学校の実情や生徒の意見、保護者の意識、社会の状況等を踏まえながら、適宜、校則等の見直しを行うよう都立高等学校等に周知しています。

質問事項
一の2 「都立高校等における校則等の自己点検及び見直しの実施に係る調査票」では、「社会通念上合理的でない『ツーブロック』を禁止する指導(校則等への記載)」について、点検・見直しを求めているが、「ツーブロック」禁止が、社会通念上合理的でないと都教委が判断したのはいつか、また判断した理由も伺う。

回答
  都教育委員会は、令和3年4月に発出した校則等に関する通知において、「高校生らしい」、「ツーブロック」等、表現があいまいで誤解を招く表記は見直すよう例示しています。

質問事項
一の3 上記の調査票では、「『高校生らしい』等、表現があいまいで誤解を招く指導」についても、点検・見直しを求めている。表現があいまいで誤解を招くと都教委が判断したのはいつか。また、判断した理由も伺う。

回答
  都教育委員会は、令和3年4月に発出した校則等に関する通知において、「高校生らしい」、「ツーブロック」等、表現があいまいで誤解を招く表記は見直すよう例示しています。

質問事項
一の4 「都立高等学校等における校則等に関する取組状況について」を報告した、東京都教育委員会定例会では、教育委員から「大きな一歩」など歓迎する発言とともに、ここまで時間がかかったのは残念、放置されていたのは遺憾なことなどという発言も出された。こうした教育委員からの指摘について、真摯に受け止めるべきだが、見解を伺う。

回答
  都教育委員会は、今後とも、学校の教育目標の実現に向け、学校の実情や生徒の意見、保護者の意識、社会の状況等を踏まえ、適宜、校則等の見直しを行うよう都立高等学校等に周知していきます。

質問事項
一の5 生徒が校則を「変えられないもの」ではなく、「変えていけるもの」と捉えられるようにすることは、主権者教育としても重要である。生徒の参加、意見表明の機会を保障していくためにどのような取組を行うか伺う。

回答
  都教育委員会は、校則等について、生徒が自分たちのものとして守っていこうとする意識や姿勢を育むため、生徒会やホームルーム等において、話し合う機会をもつよう、都立高等学校等に引き続き促していきます。

質問事項
一の6 2019年第二回都議会定例会で、校則のホームページ公開を求めたが、その後どのような検討を行ってきたのか。全校で、校則をホームページに公開することを決めたのは、いつか。また、ホームページに公開する理由を伺う。

回答
  都教育委員会は、これまで、中学生が学校を選択する際の参考となる情報を発信するよう指導・助言しており、令和3年4月に発出した通知において、各学校が説明責任を果たせるよう、校則等のホームページへの公開について、全都立高等学校等に周知しました。

質問事項
一の7 2021年第一回都議会定例会で、教育長は「校則に関する説明責任を果たせるよう指導助言を行ってまいります」と答弁したが、その後、校則をはじめ学校のルールについての説明責任について、都教委はどう対応してきたのか伺う。

回答
  都教育委員会は、これまでも、学校の教育目標の実現に向け、学校の実情や生徒の意見、保護者の意識、社会の状況等を踏まえながら、適宜、校則等の見直しを行うよう都立高等学校等に周知しています。
また、令和3年4月、通知を発出し、各学校が説明責任を果たせるよう、校則等の自己点検及び見直しについて、都立高等学校等に指導・助言してきました。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 宮瀬英治

質問事項
 一 合計特殊出生率について
 二 子どもの死因について
 三 義務教育について
 四 東京都住宅供給公社の防災に対する取り組みについて
 五 都の危機管理について
 六 コロナ禍における都の認証NPOについて
 七 職員の不祥事について
 八 都営地下鉄における乗客の忘れ物の取扱いについて
 九 港湾局所管のクルーズ事業について
 十 三田線の女性専用車両について
 十一 大規模団地について
 十二 都施策のアウトリーチについて
 十三 警視庁におけるデータの活用について
 十四 特例郵便等投票制度について

一 合計特殊出生率について
長期戦略ビジョンでは、2030年に向けた目標と、それを実現するためのおよそ120の政策が示されたが、このうち、合計特殊出生率を「2.07」にするという目標を掲げた。取り組み状況の進捗と過去10年の出生率を伺う。

二 子どもの死因について
1 子どもがいつまでも健やかに育ってほしいと思うのが親である。しかし子どもが命を落とすケースが後を絶たない。死因とその割合について伺う。
2 マンションが乱立する東京においてマンション等から転落し、救急搬送された件数の推移について伺う。またベランダにおける柵や壁などの高さはどれほどなのか伺う。

三 義務教育について
1 日本国憲法第26条は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」と定めている。しかし義務教育における小中学校では実際には無償とはならず様々な経費を保護者が負担している。小学校、中学校共にそれぞれどのような経費が掛かっているのか、内訳を伺うとともにその平均金額を伺う。またその金額推移も10年間伺う。
2 とりわけ受益者負担である給食費の推移について区部、市町村部それぞれ伺う。
3 東京都学校給食会の組織の概要および都職員の再就職状況について伺う。
4 また都からの補助金の有無および発注企業先からの職員等の受け入れがあるのか伺う。合わせて主な食材の仕入れ方法や卸価格等について伺う。

四 東京都住宅供給公社の防災に対する取り組みについて
1 公社は今、自主防災組織の立ち上げや設立に力を入れている。地震や水害など防災に向けてどのような取り組みがあるのか伺う。
2 また住宅にお住まいする住民が代表としてやる自主防災組織に対して公社からお礼や感謝込めた形として公社理事長から感謝申し上げる感謝状のような仕組みを作るべきとの声が私のところにも届いている。防災に一生懸命取り組む住民に対してそれに報いるべきと考えるが見解を伺う。
3 他、防災力向上に向けた取り組みをさらに強化すべきと考えるが見解を問う。

五 都の危機管理について
1 ロシアや北朝鮮始めミサイルの脅威がかつてないほど高まっている。有事の際の避難方法含め都知事はじめ都の幹部職員の対応について伺う。
2 知事が不在の場合の職務の代行順位について伺う。

六 コロナ禍における都の認証NPOについて
長引くコロナ禍においてNPOにとっても厳しい活動状況が続いている。そこでNPOの総数と解散の件数について過去5年間の推移を伺う。また都として何か支援をしているのか伺う。

七 職員の不祥事について
1 近年、都職員や都教員などとの関係者の不祥事のニュースや逮捕など目に余るものがある。知事部局の職員及び学校に勤務する教職員において、懲戒処分を受けた種類別人数について過去5年間分を伺う。
2 またそのうち都が氏名を公表した人数について伺う。

八 都営地下鉄における乗客の忘れ物の取扱いについて
1 都営地下鉄における令和2年度の忘れ物件数について伺う。
2 忘れ物のその後の対応について伺うとともに、そのうち実際に持ち主に返された数について伺う。
3 PASMOや財布など所有者がわかる場合の対応と見解について伺う。
4 駅で落とし物が見つからず、後日駅に届けられる等で見つかった場合の対応について伺う。

九 港湾局所管のクルーズ事業について
東京国際クルーズターミナルについて、開業以降のクルーズ船寄港実績と、ターミナル施設の活用状況について伺う。

十 三田線の女性専用車両について
私は平成28年第3回定例会に提出した文書質問より都営地下鉄三田線において女性専用車両導入を訴えてきた。8両編成化も実現見込みとされることや、コロナの影響により以前のような乗車率が今後見込めないことから、今後改めて女性専用車両の導入を検討すべきと考えるが見解を伺う。

十一 大規模団地について
都内には高度成長期に建設された大規模な団地が多数ありその多くは建物の老朽化が著しいことや入居者の高齢化の進展など様々な課題を抱えており地域活力の低下などが懸念される。そこで以下伺う。
1 今後大規模団地の建て替えに合わせて魅力ある街に再生していくために都において地域にふさわしい土地活用の誘導を支援していくことが必要と考えるが見解を伺う。
2 私の地元である板橋区の高島平地域では老朽化した大規模団地や公共施設の段階的な機能更新、これにあわせた賑わいの創出や防災力の向上、ミクストコミュニティの実現が課題となっている。板橋区はこうした課題を解決するために平成27年に「高島平地域グランドデザイン」において地域の将来像を示しその将来像を実現するための具体的な街づくりの指針となる「高島平地域都市再生実施計画」を令和4年2月に策定した。まずは高島平地域におけるまちづくり上の規制や都の役割などを伺う。
3 また都としても区と連携しながら高島平の街づくりを積極的に支援していくべきと考えるが具体的な取組について伺う。
4 再開発は時間を要するが、高島平4丁目、5丁目においては商店がなく買い物難民が生じていることが喫緊の課題である。どのような規制があるのか、またその解消のためには何が必要なのか伺う。

十二 都施策のアウトリーチについて
区市町村と比べ都政は都民にとって身近なものとは言えず、また国政と比べてメディアでの露出も少ない。そのこともあり都民にとって有益な情報が必要な都民に届いていない、また相談できる、意見を述べるといった機会に乏しいのが実態である。都は広く一般都民から声を直接聞く機会や取り組みを伝える機会などアウトリーチして都民と接する機会があるのか伺う。

十三 警視庁におけるデータの活用について
1 警視庁は都民の安心安全のための膨大なデータを保有している。最新のDXやビックデータ活用の取り組みについて伺う。
2 取引先が反社会的勢力か確認したいという都内事業者からの相談件数、それを受けて実際に情報提供をした件数について、それぞれ5か年の件数を伺う。また情報提供をした事業者の業種別にご教示願いたい。
3 警視庁は、暴力団情報の照会を受けた場合、どのような手順で情報提供をしているのかを伺う。
4 自動車安全運転センターが発行しているSDカードの認知度および発行件数について過去5年分伺う。

十四 特例郵便等投票制度について
町田市議会議員選挙において立候補者がコロナ陽性患者となり選挙期間中に自身に投票することができなかった事例があると聞いた。特例郵便等投票制度を活用するにも活用できなかったと聞くが、棄権することなく投票するためにはどのようにすればよいか伺う。

令和4年第一回都議会定例会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 合計特殊出生率について
  長期戦略ビジョンでは、2030年に向けた目標と、それを実現するためのおよそ120の政策が示されたが、このうち、合計特殊出生率を「2.07」にするという目標を掲げた。取組状況の進捗と過去10年の出生率を伺う。

回答
「未来の東京」戦略では、2040年代に向けて目指す姿として、合計特殊出生率が2.07となり、少子化から脱却に成功していることを掲げ、戦略1子供の笑顔のための戦略に基づき、待機児童解消に向けた保育サービスの拡充や、妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援など、多面的な取組を精力的に推進しています。保育所の待機児童数は、令和3年4月時点で969人と5年前に比べ約9割減少しています。
また、今回の政策のバージョンアップでは、総合的な子供政策の推進を掲げ、子供や子育て家庭に寄り添った様々な政策を全庁を挙げて進めていくこととしています。
  なお、東京都の過去10年の合計特殊出生率は、以下の通りです。
2011年:1.06、2012年:1.09、2013年:1.13、2014年:1.15、2015年:1.24、2016年:1.24、2017年:1.21、2018年:1.20、2019年:1.15、2020年:1.12

質問事項
二 子どもの死因について
1 子どもが命を落とすケースが後を絶たない。死因とその割合について伺う。

回答
  令和2年の人口動態統計によると、0歳、1歳から4歳まで、5歳から9歳まで、10歳から14歳まで及び15歳から19歳までの各年齢区分の死因とその割合は、別紙のとおりとなっています。

年齢 死亡数 第1位 第2位 第3位 第4位 第5位
死因 死亡数 死因 死亡数 死因 死亡数 死因 死亡数 死因 死亡数
割合 割合 割合 割合 割合
0歳 135 先天奇形、変形及び染色体異常 43
周産期に特異的な呼吸障害及び心血管障害 19 妊娠期間及び胎児発育に関連する障害 5 心疾患(高血圧性を除く) 4 敗血症 3
31.9 14.1 周産期に特異的な感染症 3.7 3.0 不慮の事故 2.2
胎児及び新生児の出血性障害及び血液障害 乳幼児突然死症候群1歳から4歳 54 先天奇形、変形及び染色体異常 8 悪性新生物(腫瘍) 7 不慮の事故 4 周産期に発生した病態 3 心疾患(高血圧性を除く) 2
14.8 13.0 7.4 5.6 インフルエンザ 3.7
肺炎5歳から9歳 29 悪性新生物(腫瘍) 9 不慮の事故 4 心疾患(高血圧性を除く) 2 その他の新生物(腫瘍) 1 31.0 13.8 先天奇形、変形及び染色体異常 6.9 インフルエンザ 3.4
肺炎 周産期に発生した病態10歳から14歳 47

自殺 12 悪性新生物(腫瘍) 8 先天奇形、変形及び染色体異常 4 心疾患(高血圧性を除く) 3 脳血管疾患 2
25.5 17.0 不慮の事故 8.5 6.4 インフルエンザ 4.3
15歳から19歳 110 自殺 66 不慮の事故 11 悪性新生物(腫瘍) 9 心疾患(高血圧性を除く) 3 大動脈瘤及び解離 2
60.0 10.0 8.2 2.7 先天奇形、変形及び染色体異常 1.8
(別紙) 死亡数、年齢階級・死因別(令和2年)
出典:人口動態統計 令和2年(福祉保健局)
注1:死因は、第5位までを記載した。
注2:死亡割合(%)は、それぞれの年齢階級別死亡数(人)に対する百分率である。
注3:死亡数同数の場合は同一順位に死因名を列記した。
注4:乳児(0歳)の死因については、乳児死因順位に用いる分類を使用した。

質問事項
二の2 マンションが乱立する東京においてマンション等から転落し、救急搬送された件数の推移について伺う。またベランダにおける柵や壁などの高さはどれほどか伺う。

回答
  東京消防庁管内で12歳以下の子供がマンション等から転落し、救急搬送された件数は、平成30年21件、令和元年15件、令和2年27件です。
また、柵等の高さについて、建築基準法施行令では、2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1メートル以上の手すり壁、柵又は金網を設けなければならないとされています。
さらに、子育て世帯に適した住まいを整備する際に考慮すべき事項を都が取りまとめた「子育てに配慮した住宅のガイドライン」において、子供の転落防止のための対策として、1.2メートル以上を手すりの高さの推奨値として掲載しています。

質問事項
三 義務教育について
1 日本国憲法第26条は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」と定めているが、義務教育における小中学校では実際には無償とはならず様々な経費を保護者が負担している。小学校、中学校共にそれぞれの経費の内訳と平均金額を伺う。また10年間の金額推移について伺う。

回答
  都が実施する「保護者が負担する教育費調査」においては、保護者が学校等を通じて支出した教育費を調査しており、そのうち児童生徒一人当たりの受益者負担額(教材、クラブ活動、遠足・修学旅行、学校給食費等の児童生徒に直接還元される性質の経費)の推移は、別紙1のとおりです。保護者が負担(支出)した入学金、授業料、制服代、習い事の月謝等については調査していません。
 なお、国が実施する「子供の学習費調査」においては、保護者が子供の学校教育のために支出した経費(授業料、学用品費、教科外活動費、通学費、制服代等)及び学校外活動のために支出した経費(家庭内学習費、学習塾代、教養その他経費等)を調査しており、そのうち児童生徒一人当たりの学校納付金以外の学校教育費の推移は、別紙2のとおりです。

(別紙1)児童生徒一人当たりの受益者負担額等の内訳及び推移(平成23年度から令和2年度まで)
1 小学校                      (単位:円)
項目 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2
教科活動費 6,983 7,174 7,030 7,212 7,612 7,696 7,832 8,108 9,674
クラブ活動 3 6 9 4 2 3 3 4 2
儀式 1,973 2,007 1,952 2,001 2,033 1,982 1,824 1,825 2,290
学校行事 576 596 549 564 577 578 609 600 303
遠足・移動教室 3,554 3,630 3,479 3,667 3,757 3,768 3,758 3,867 873
学校給食 36,727 36,808 36,915 37,954 39,518 39,241 39,989 41,071 41,353
生活・進路指導 11 14 14 14 17 22 38 35 78
学級会・生徒会活動 6 8 12 15 13 10 12 13 5
保健・衛生・安全 3 7 7 5 5 4 4 5 12
校舎内施設消耗品費 - 0 0 0 - - - - -
校舎内施設備品費 1 - - - - - - - -
校舎内施設修繕費 0 0 - - - - - - -
校舎外施設諸経費 0 0 - - - - - - -
学校図書館 1 2 - 0 1 0 - - -
渉外関係 0 0 - 0 - - - - -
学校事務費 0 0 1 4 5 2 2 1 1
合計 49,839 50,255 49,969 51,441 53,540 53,306 54,071 55,527 54,590
2 中学校                      (単位:円)
項目 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 R1 R2
教科活動費 11,287 11,503 11,048 11,346 11,845 12,016 12,157 12,573 15,961
クラブ活動 342 457 427 433 451 427 415 384 227
儀式 3,039 2,943 3,011 2,950 3,072 3,048 3,107 3,111 3,618
学校行事 660 640 627 745 731 711 748 681 352
遠足・移動教室 6,645 6,821 6,704 6,909 6,979 7,117 7,046 6,976 1,257
修学旅行 12,684 12,346 12,159 11,988 11,974 11,862 11,617 11,547 2,150
学校給食 33,398 34,324 34,384 35,530 36,722 36,941 38,584 39,308 44,350
生活・進路指導 1,169 1,217 1,363 1,467 1,490 1,591 1,668 1,700 2,078
学級会・生徒会活動 205 173 220 226 234 241 236 219 167
保健・衛生・安全 10 13 7 15 15 15 16 17 34
校舎内施設消耗品費 0 0 - - - - - - -
校舎内施設備品費 2 2 - 4 - - - - -
校舎内施設修繕費 - 0 - - 0 - - - -
校舎外施設諸経費 1 0 - - - - - - -
学校図書館 2 2 1 0 0 0 - - -
渉外関係 1 0 - 1 0 - - - -
所定支払金 - 0 - - - - - - -
学校事務費 11 16 17 17 18 18 18 19 19
合計 69,457 70,457 69,968 71,632 73,530 73,986 75,611 76,534 70,213
 「保護者が負担する教育費調査報告書−学校納付金調査−」(東京都)による。
 令和元年度は調査を実施していない。
 令和2年度は、従前は調査対象外であった学校外納入金及び公的補助金を調査対象経費としている。
 一人当たりの金額は小数点以下第1位を四捨五入しているため、各数値と合計が一致しない場合がある。
 「−」は計数がない(全学校において計上がない)場合、「0」は計数が1円未満であった(一部学校において計上はあったが、一人当たり金額は1円未満であった)場合、「」は調査対象とならなかった場合を指す。
 平成25会計年度以前において、「保健・衛生・安全」は「保健衛生その他の経費」、「学校事務費」は「その他、教職員謝礼・旅費」という名称で集計されている。
 調査対象経費は、保護者が学校等を通じて支出した教育費である。
  そのため、保護者が負担した教育費のうち、制服代など学校等を通じていない支出は調査対象外である。

(別紙2)児童生徒一人当たりの学校納付金以外の学校教育費の内訳及び推移(平成22年度から平成30年度まで)
(単位:円)
項目 小学校 中学校
H22 H24 H26 H28 H30 H22 H24 H26 H28 H30
教科書費・教科書以外の図書費 1,939 1,693 2,586 2,049 2,546 5,981 5,191 4,536 4,262 5,855
学用品・実験実習材料費 16,272 16,264 16,898 17,000 17,127 19,961 20,569 20,109 19,577 19,558
教科外活動費 2,593 1,763 2,544 2,714 2,041 27,717 27,916 32,468 31,319 29,308
通学費 1,346 1,523 1,477 1,197 1,391 7,795 8,282 7,121 7,365 8,411
制服 2,837 3,365 3,436 2,724 2,554 17,842 18,511 17,151 18,245 19,023
通学用品費 11,241 12,090 13,187 13,653 14,087 9,098 9,189 8,822 10,304 10,232
その他 3,336 3,326 4,093 3,833 4,170 3,656 3,692 3,784 3,536 3,599
合計 39,564 40,024 44,221 43,170 43,916 92,050 93,350 93,991 94,608 95,986
 「子供の学習費調査」(文部科学省)による。
 本調査は隔年調査である。
 上記数値は、子供に学校教育を受けさせるために支出した経費(一人当たり年間平均額)について、都道府県ごとに抽出された各学校の保護者から得られた回答を基に推計した数値である。(ただし学校等に納付した経費は除く。)
 各項目の具体例は下記のとおりである。
   教科書費・教科書以外の図書費:学校から指定され購入した図書費
(副読本、ワークブックなど)
   学用品・実験実習材料費:筆記用具、文房具、体育用品(運動靴・体操着等)、楽器、実験実習費(技術・裁縫用具)等
   教科外活動費:クラブ活動、修学旅行等のため個人的に要した経費(学校が全員から一律徴収した経費は除く。)
   通学費:電車・バスなどの定期券、スクールバス代、駐輪場利用料、通学自転車の購入・修理費等
制服:制服、学校指定の標準服(靴の購入費は通学用品費に含む。)
   通学用品費:ランドセル・かばん、上履き入れ、学校が指定した靴等(上履きはその他に含む。)
   その他:学校の徽章・バッジ、上履き、卒業記念写真・アルバム等

質問事項
三の2 とりわけ受益者負担である給食費の推移について区部、市町村部それぞれ伺う。

回答
  都内公立小・中学校の、保護者が負担する給食費(月額平均)の5年間の推移は次のとおりです(小学校は「小」、中学校は「中」と記載します)。
・平成29年度 (区部) 小4,535円、中5,494円
(市部) 小4,258円、中5,004円
(町村部)小4,281円、中5,085円
・平成30年度 (区部) 小4,532円、中5,485円
 (市部) 小4,262円、中4,967円
(町村部)小4,211円、中5,026円
・平成31年度 (区部) 小4,512円、中5,456円
(市部) 小4,249円、中4,932円
(町村部)小4,177円、中5,033円
・令和2年度 (区部) 小4,606円、中5,543円
(市部) 小4,297円、中5,055円
(町村部)小4,375円、中5,263円
・令和3年度 (区部) 小4,595円、中5,535円
(市部) 小4,309円、中5,051円
(町村部)小4,304円、中5,170円

質問事項
三の3 東京都学校給食会の組織の概要および都職員の再就職状況について伺う。

回答
  公益財団法人東京都学校給食会は、学校給食の円滑な実施及びその充実発展に努めるとともに、食育を支援することにより、児童生徒の心身の健全な発達及び都民の健全な食生活を実現するため、学校給食物資の安定供給事業及び食育支援事業を実施しています。
執行機関として理事会があり、事務局は総務課と業務課で構成されています。職員は令和4年3月31日時点で、理事長含め17名です。
なお、令和3年度において、東京都から再就職した者は理事長1名のみであると聞いています。

質問事項
三の4 東京都学校給食会への都からの補助金の有無および発注企業先からの職員等の受け入れがあるのか伺う。合わせて主な食材の仕入れ方法や卸価格等について伺う。

回答
  公益財団法人東京都学校給食会に対する東京都の補助金はありません。
また、発注企業先からの職員受け入れは把握しておりません。
同会が各学校へ供給している主な物資はパンと麺です。
その材料である小麦の仕入れ方法については、「輸入小麦の政府売渡価格」により製粉工場から買い入れて加工委託工場に預け、学校からの注文により製品を作り、供給しています。
学校への供給価格については、小麦粉、副資材(砂糖、塩、マーガリン、ミルク、かんすい等)、加工賃(配送料含む)の積算であり、「学校給食用物資供給価格表」により、毎年度、各学校に通知しています。

質問事項
四 東京都住宅供給公社の防災に対する取組について
1 東京都住宅供給公社は今、自主防災組織の立ち上げや設立に力を入れている。地震や水害など防災に向けてどのような取組があるのか伺う。

回答
  東京都住宅供給公社では、地震や水害などの災害に備えて自主防災活動を実施する公社住宅の自治会等に対し、発電機など防災資機材の提供のほか、AEDの導入及び救命講習に係る費用を助成しています。あわせて、自主防災活動を実施していない自治会等に対しては、活動に関する支援内容を周知するなど、防災組織の設立に向けた啓発等を行っています。

質問事項
四の2 住民が代表としてやる自主防災組織に対して公社から感謝状のようなものを贈る等、防災に一生懸命取り組む住民に対して報いるべきだが、見解を伺う。

回答
  自主防災活動は、災害時における居住者間の重要な共助の取組であることから、公社では、団地の防災力向上に取り組む自治会等の活動状況や他団地にも参考となる取組事例などを居住者向けの広報誌に掲載することにより、広く紹介しています。
  今後も、取組事例を定期的かつ分かりやすく紹介することで、居住者の防災意識を高めていくとともに、熱心に防災活動に取り組む居住者の意欲に応えていきます。

質問事項
四の3 防災力向上に向けた取組をさらに強化すべきだが、見解を伺う。

回答
  公社では、防災力向上に向け、各団地において自衛消防訓練を着実に実  施するとともに、居住者の状況や地域の特性に応じて周辺の町会等とも連携した防災訓練の実施を働きかけています。
  今後も、防災力を一層高めるため、積極的に各団地における活動を支援するとともに、周辺の町会等との連携を促進していきます。

質問事項
五 都の危機管理について
1 ロシアや北朝鮮始めミサイルの脅威がかつてないほど高まっている。有事の際の避難方法含め知事はじめ幹部職員の対応について伺う。

回答
  都は、武力攻撃事態や大規模テロ等が起こった場合、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律に基づき策定した東京都国民保護計画により、都民等の生命、身体及び財産を保護し、都民生活や都民経済への影響が最小となるよう、国民保護措置を的確かつ迅速に実施することとしています。
具体的には、内閣総理大臣の設置指定に基づき、知事を本部長、各局長等を本部員とする東京都国民保護対策本部を設置し、それぞれの局等の分掌事務に応じて、関係機関と連携協力し、住民への避難指示、医療の提供、交通規制などを実施します。
また、知事はじめ都の職員等の避難行動としては、ミサイル発射情報が伝達された際、屋外にいる場合は、爆風や破片による被害を避けるために、建物の中又は地下に避難するなどの対応を図ることとしています。
一方で、都庁舎など建物の内部にいる場合は、爆風で壊れた窓ガラスなどで被害を受けないよう、窓のない部屋に移動するなどの行動をとることとしています。

質問事項
五の2 知事が不在の場合の職務の代行順位について伺う。

回答
  知事の職務代理順序は、「東京都知事の職務代理順序に関する規則」において、以下のとおり定められています。
第一順位 副知事 武市敬
第二順位 副知事 黒沼靖
第三順位 副知事 潮田勉
第四順位 副知事 宮坂学

質問事項
六 コロナ禍における都の認証NPOについて
  長引くコロナ禍においてNPOにとっても厳しい活動状況が続いている。そこでNPOの総数と解散の件数について過去5年間の推移を伺う。また都として何か支援をしているのか伺う。

回答
  都内の認証NPO法人の過去5年間の推移は、以下のとおりです。
・平成29年度末 9,452法人
・平成30年度末 9,381法人
・令和元年度末 9,286法人
・令和2年度末 9,147法人
・令和3年度末 9,095法人
過去5年間の解散届出件数については、以下のとおりです。
・平成29年度 247法人
・平成30年度 246法人
・令和元年度 241法人
・令和2年度 255法人
・令和3年度 238法人
都は、コロナ禍におけるNPO法人への対応として、事業報告書の提出期限の延長や、総会や理事会などをリモートで開催するための手続などの法人運営に関するアドバイスを行うとともに、オンラインでの活動のヒントなどをボランティアポータルサイトに掲載し、提供しています。
また、東京ボランティア・市民活動センターでは、専門相談員がコロナ禍での組織の継続や運営の参考となる支援情報などを発信するとともに、活動のきっかけとなるように、リモートでもできるボランティアプログラムをNPO法人などと企画、実施しています。

質問事項
七 職員の不祥事について
1 知事部局の職員及び学校に勤務する教職員において懲戒処分を受けた種類別人数について、過去5年分を伺う。

回答
(単位:人)
区分 平成28年度 平成29年度 平成30年度 令和元年度 令和2年度
知事部局職員 免職 2 2 4 5 0
停職 14 11 15 15 16
減給 18 4 10 8 3
戒告 4 9 11 6 3
合計 38 26 40 34 22
  知事部局の職員及び学校に勤務する教職員における、懲戒処分を受けた過去5年間の種類別人数は、次のとおりです。

教職員 免職 23 14 31 14 14
停職 21 24 17 16 16
減給 37 31 29 27 19
戒告 75 34 30 22 21
合計 156 103 107 79 70

質問事項
七の2 上記案件の内、都が氏名を公表した人数について伺う。

回答
  都では、懲戒処分の指針等において、懲戒処分の公表基準や公表する内容等を規定しています。
 知事部局の職員において、過去5年間に懲戒処分を行った事案のうち、氏名を公表した人数は、全て免職であり、平成28年度は2人、平成29年度は2人、平成30年度は4人、令和元年度は5人、令和2年度は0人となります。
  学校に勤務する教職員において、過去5年間に懲戒処分を行った事案のうち、氏名を公表した人数は、全て免職であり、平成28年度は12人、平成29年度は11人、平成30年度は19人、令和元年度は4人、令和2年度は7人となります。

質問事項
八 都営地下鉄における乗客の忘れ物の取扱いについて
1 都営地下鉄における令和2年度の忘れ物件数について伺う。

回答
  都営地下鉄における令和2年度の遺失物件数は、99,832件です。

質問事項
八の2 忘れ物のその後の対応について伺うとともに、そのうち実際に持ち主に返された数について伺う。

回答
  交通局では、拾得の届け出のあった事業所で、遺失物管理システムに遺失物情報を登録し、一時保管した後、交通局のお忘れ物センターに移送し、  さらに、拾得の日から7日以内に警視庁の遺失物センターに移送しています。
 都営地下鉄における令和2年度の遺失物のうち、警視庁に移送するまでに返還した件数は駅で31,460件、お忘れ物センターで2,041件であり、あわせて33,501件です。

質問事項
八の3 PASMOや財布など所有者がわかる場合の対応と見解について伺う。

回答
  遺失物について、遺失者の連絡先が判明した場合には、速やかにお知らせすることとしています。


質問事項
八の4 駅で落とし物が見つからず、後日駅に届けられる等で見つかった場合の対応について伺う。

回答
  遺失物について、遺失者の連絡先が判明した場合には、速やかにお知らせすることとしています。
  なお、遺失者からの問合せに対応できるよう、遺失物が届けられた時点で、遺失物管理システムに遺失物情報を登録しています。

質問事項
九 港湾局所管のクルーズ事業について
  東京国際クルーズターミナルについて、開業以降のクルーズ船寄港実績と、ターミナル施設の活用状況について伺う。

回答
  寄港実績については、令和2年9月に開業した東京国際クルーズターミナルには数多くの寄港予約が入っていたものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によりその多くがキャンセルとなり、開業以降、令和3年度までのクルーズ客船の寄港数は7回で、いずれも東京発着の国内クルーズでした。
  ターミナル施設の活用状況については、緊急事態宣言の発令等に伴い、外出の自粛が求められる中、当施設を利用したイベントの開催が困難な状況もありましたが、MICE等の利用を念頭に東京ユニークベニューに登録するとともに、感染対策を徹底しながら、空港等を舞台に世界に日本文化の魅力を発信する文化庁主催のイベント、雑誌、CM、映画等の撮影に御利用いただきました。イベント等の実施件数は、令和2年度は14件、令和3年度は63件となっています。

質問事項
十 三田線の女性専用車両について
  8両編成化も実現見込みとされることや、コロナの影響により以前のような乗車率が今後見込めないことから、今後改めて女性専用車両の導入を検討すべきだが見解を伺う。

回答
  交通局では、お客様により安心して御利用いただけるよう、平成17年から新宿線で朝のラッシュ時間帯に女性専用車両を導入しています。
他の路線については、相互直通運転を行っている事業者で対応が異なっていることや、導入により他の車両が混雑する等の課題があります。
一方、経営計画2022では、都営地下鉄の乗客数はコロナ禍前と比べて15パーセント程度の減少が続き、旅客動向の変化が生じるものと見込んでおり、女性専用車両の導入拡大に伴う他の車両への影響は、比較的小さくなると想定されます。
女性専用車両の導入拡大に向けて、まずは利用者の規模が最も大きく、痴漢通報件数も相対的に多い大江戸線を対象に、朝ラッシュ時間帯の詳細な利用実態や新宿線への導入で得られた知見・ノウハウ等を踏まえながら検討を進めていきます。

質問事項
十一 大規模団地について
1 今後大規模団地の建替に合わせて魅力ある街に再生していくために都において地域にふさわしい土地活用の誘導を支援していくべきだが見解を伺う。

回答
  都が策定した都市づくりのグランドデザインでは、「大規模団地について、地域特性や老朽化の度合いなどを考慮しながら計画的に更新を進めていく必要があり、今後、都市機能の集約や多様なコミュニティの創出に向け、都市づくりと一体となった高経年マンションや団地の再生、公的住宅の建替えによる創出用地の活用などにより、住宅市街地の魅力を向上していく」こととしています。
 都は、このグランドデザイン等を踏まえ、地域の将来像の実現に向けた地元自治体等によるまちづくりの取組を支援していく必要があると考えます。

質問事項
十一の2 板橋区の高島平地域では老朽化した大規模団地や公共施設の段階的な機能更新、これにあわせた賑わいの創出や防災力の向上、ミクストコミュニティの実現が課題となっている。区はこうした課題を解決するため平成27年に「高島平地域グランドデザイン」を、令和4年2月に「高島平地域都市再生実施計画」を策定した。高島平地域におけるまちづくり上の規制や都の役割などを伺う。

回答
  板橋区の計画では、高島平駅周辺地区において、にぎわいと生活を支える多様な都市機能の集積を図る交流核を形成するとともに、低層住宅地である高島平四丁目・五丁目地区において、日常的な買い物など生活利便性の向上を図ることとしていますが、現在は、駅前の商業地域が指定されている区域を除き、両地区には、良好な住居の環境の保護を目的とする用途地域が指定されており、区の計画に示された土地利用を図るには、用途制限等が課題になることが想定されます。
都としては、板橋区と連携して、地域の将来像の実現に向けた土地利用規制の見直しの検討を行うなど、区が進めるまちづくりを支援していきます。

質問事項
十一の3 都としても区と連携しながら高島平の街づくりを積極的に支援していくべきだが具体的な取組について伺う。

回答
  都は、これまでも、区によるグランドデザインや実施計画の策定などを技術的に支援してきました。
今後は、これらの計画に基づく高島平駅周辺における交流核の形成などに向け、地区計画の検討などを行う区への技術的支援を行うとともに、都として、地区計画の策定に合わせた用途地域の見直しについて検討を行うなど、区と連携して、高島平地域の課題解決や将来像の実現に向けて取り組んでいきます。

質問事項
十一の4 再開発は時間を要するが、高島平4丁目、5丁目においては商店がなく買い物難民が生じていることが喫緊の課題である。どのような規制があるのか、またその解消のためには何が必要なのか伺う。

回答
  高島平四丁目・五丁目地区は、大半が第一種低層住居専用地域に指定されており、建築が可能な店舗は、住宅と兼用で、店舗部分の床面積が50平方メートル以下かつ建築物の延べ面積の2分の1以下の日用品販売店舗等に制限されています。
この制限を超えた店舗の建築を可能とするためには、板橋区において、区の計画や地域の実情・ニーズ、周辺環境への影響なども踏まえつつ、建築基準法に基づく用途制限の特例許可制度を適用することなどが考えられます。

質問事項
十二 都施策のアウトリーチについて
  広く一般都民から声を直接聞く機会や都としての取組を伝える機会など、都としてアウトリーチして都民と接する機会があるのか伺う。

回答
  都では、都民の声総合窓口と各局の都民の声窓口において、手紙やファクスのほか、インターネット、電話及び来所によって都への提言・要望等を、受け付けており、令和2年度の受付件数は、約31万5千件になります。さらに、世論調査やインターネットによる都政モニターアンケート等を実施して、都民の意向を把握しています。
  また、「広報東京都」を都内全域に新聞折込(日刊紙6紙)等で各戸配布するほか、ホームページやSNSなど多様な媒体を活用して、都政に関する情報を都民に届けています。

質問事項
十三 警視庁におけるデータの活用について
1 警視庁は都民の安心安全のための膨大なデータを保有している。最新のDXやビッグデータ活用の取組について伺う。

回答
  警視庁では、都民の利便性や職員の業務効率向上のため、令和3年11月から一部の行政手続についてインターネットを利用して受付を行う「警視庁行政手続オンライン」を運用しており、現在は遺失届出等23の手続について受付を行っています。
また、令和3年7月からは警察署や運転免許試験場などの窓口に、キャッシュレス決済端末等を設置し、手数料の徴収方法にキャッシュレスを導入しています。
さらに、デジタル技術を活用した庁内ネットワークにおけるオンライン会議システムやサテライトオフィスの順次増設によるテレワーク環境の充実を図るなど、庁内におけるデジタル化にも取り組んでいます。

質問事項
十三の2 取引先が反社会的勢力か確認したいという都内事業者からの相談件数、それを受けて実際に情報提供をした件数について、それぞれ5か年の件数を伺う。また情報提供をした事業者についても業種別に伺う。

回答
  暴力団情報の提供依頼に係る相談件数は、統計を取っていないためお答えできません。
また、事業者等からの相談に対して暴力団情報を提供した件数は、次のとおりです。
  平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年 合計
情報提供件数 1,847 1,689 1,531 1,187 1,112 7,366
なお、暴力団情報の提供を行った事業者は、建設業者、不動産業者、金融業者など様々な業種にわたっています。

質問事項
十三の3 警視庁は、暴力団情報の照会を受けた場合、どのような手順で情報提供をしているのかを伺う。

回答
  警視庁では、事業者等から、取引関係者が暴力団関係者であることが疑われるとして照会を受けた場合は、取引関係を裏付ける資料や照会結果を暴力団排除以外の目的に使用しない旨の誓約書などの提出を求め、提供の必要性を個別に検討した上で、回答しています。

質問事項
十三の4 自動車安全運転センターが発行しているSDカードの認知度および発行件数について過去5年分伺う。

回答
  自動車安全運転センターは、国家公安委員会が所管する特別民間法人であり、同センターが発行しているSDカードは、「無事故・無違反証明書」又は「運転記録証明書」を申請された方で、1年以上交通事故・交通違反等の記録のない方に、その年数を表示したSDカードを上記証明書に添えて発行しているものと承知しています。
お尋ねの件につきましては、警視庁としては承知していませんので、お答えすることができません。

質問事項
十四 特例郵便等投票制度について
  町田市議会議員選挙において立候補者がコロナ陽性患者となり選挙期間中に自身に投票することができなかった事例があると聞いた。特例郵便等投票制度を活用するにも活用できなかったと聞くが、棄権することなく投票するためにはどのようにすればよいか伺う。

回答
  特例郵便等投票制度は、宿泊療養や自宅療養をしているコロナ陽性患者等が、外出自粛要請等を受けているために投票所に足を運ぶことが困難であることから、令和3年6月に創設された特例的な郵便等投票制度です。
  投票の手続きを規定する政令によると、選挙期日の4日前までに区市町村の選挙管理委員会に対し投票用紙等を請求することとされています。
  貴重な一票を投じていただけるよう、都選管としては、区市町村選管とともに、新型コロナウイルス感染症が流行している状況を踏まえ、早めの期日前投票の呼びかけや、特例郵便等投票の周知を行っています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 とや英津子

質問事項
 一 児童相談所について

一 児童相談所について
児童相談所は、市町村と適切な協働・連携・役割分担をはかりつつ、子どもに関する家庭その他からの相談に応じ、子どもが有する問題または子どもの真のニーズ、子どもの置かれた環境の状況等を的確に捉え、個々の子どもや家庭に適切な援助を行い、もって子どもの福祉を図るとともに、その権利を擁護することを主たる目的として設置される行政機関である。
また、児童相談所における相談援助活動は、すべての子どもが心身ともに健やかに育ち、その持てる力を最大限に発揮することができるよう子ども及び、その家庭等を援助することを目的とし、児童福祉の理念及び児童育成の責任の原理に基づき行われる。このため、常に子どもの最善の利益を考慮し、援助活動を展開していくことが必要である。
厚労省は、児童相談所の任務や役割を上記のように規定しています。児童相談所の「運営指針」によれば、その機能は、1市町村援助機能、2相談機能、3一時保護機能、4保護機能の四つに分けられます。
一方、児童虐待相談件数等が前年を下回る年はなく、児童相談所の業務はますます増加してきました。東京都は相談や虐待通告の増加に合わせた児童相談所の増設をはかるべきでしたが、必要なだけの増設はされてきませんでした。
さまざまな役割を担ってきた児童相談所ですが、虐待件数や通告の増加などにより、職員の過重負担や一時保護所でのこどもの処遇にも影響を与えてきたのではないでしょうか。
この間、コロナ感染の広がりで、学校の一斉休校や不要不急の外出制限によって子どもを見守る目がこれまでにも増して届きにくくなりました。また、制約をともなう生活や経済的に不安定な家庭が増加したことで、先の見えない不安からストレスがたまり、DVや児童虐待の発生の可能性も高めたといえます。
子どもは社会の宝であり、健やかに育つ権利を持つ主体です。虐待や貧困などでその権利が奪われてはなりません。そのために、児童相談所の機能強化、市区町村との連携や支援など国や東京都に求められている役割は極めて重いと考えます。
東京都の児童相談所に加え、児童福祉法改正により東京23区にも児童相談所が設置できるようになりましたが、子どもの命と健やかな成長を保障する機関として充実を求める立場から以下質問します。
まず、都立児童相談所についてです。
虐待を受けた子どもの成長に与える影響は大きく、その後の人生で精神疾患になったり、自殺や学力低下につながったり、少年院在院者の7割以上が被虐待児であるとの研究報告もあると聞いています。それだけに子どもの未来に鍵を握る児童相談所の職員の責任は重く、過重負担の現状も度々指摘されてきました。
少ない人手で虐待や通告をうけ、昼夜分かたず対応に追われ、保護者との関係にも神経をすり減らしているのが児童相談所の職員のみなさんです。都立児童相談所の児童福祉司など専門職の配置の拡充はまったなしです。
1 児童福祉司の一人あたりの平均受け持ち件数は、21年度は総相談件数で98.4人、虐待相談件数では60.6人となっていますが、一番多い件数を持っている職員の相談件数は何件か。それぞれお答え下さい。
2 昨年の厚生委員会の質疑では、児童福祉司及び児童心理司について21年度は59名増員する予定との答弁がありましたが、21年度の福祉職及び心理職の新規採用者数とそのうち何人が児童相談所に配置されたのか。また22年度についてもうかがいます。
3 22年度の増員は何人か。その結果、国の配置基準に照らした不足人数も合わせてお答え下さい。
 都内の児童相談所は区市町村の支援も重要な役割のひとつです。
4 現在都の児童相談所では、区市町村にどのような援助を行っているのか。各区市から職員は何人研修にきているのか、お答えください。
5 23区では、自区内に児童相談所の設置が可能になりましたが、先行して設置した世田谷区、江戸川区、荒川区、および港区、中野区にはどのような支援をおこなっていますか。また、現在の連携状況についてお答えください。
今後の都立児童相談所の再編についてもうかがいます。
児童相談所の役割の重要性が増すもとで、今後どのように都立児童相談所を機能させていくのかが問われています。
6 世田谷区には区立児童相談所が設置されましたが、それまでの都立世田谷児童相談所が廃止され、管轄地域であった狛江市は多摩児童相談所の管轄となりました。今後、中野区立児童相談所が設置されたことで、都立杉並児童相談所は、杉並区一区と武蔵野市、三鷹市を管轄していますが、杉並区に区立児童相談所が設置された場合、都立はどうなるのか。また、仮に22区すべてに区立児相が設置された場合、練馬区をのぞく児童相談所はどうなるのか。都立児童相談所再編の考え方についてもお答えください。
一時保護所についてもうかがいます。
7 保護所内における子どもの権利擁護、虐待防止のために、職員数の拡充とスキル向上は必須です。22年度のそれぞれの一時保育所の増員人数を職種ごとにお示しください。また研修はどのように行っているのでしょうか。
8 一時保護所の入所定員の拡充は検討していますか。
2020年12月に東京都児童福祉審議会が「新たな児童相談のあり方について」提言を発表しました。
9 この中には、児童相談所がより重篤な虐待対応や専門的知見を活かした相談援助等に注力できるよう、泣き声通告等で比較的軽度と判断できる案件については、家庭訪問等に民間機関等の活用も検討。また、将来的には在宅指導や家族再統合の業務においても民間機関を活用することも検討すべきであるとの意見が示されています。都の見解をうかがいます。
つぎに練馬区に設置予定の都立児童相談所についてです。
22年度予算には、練馬区子ども家庭支援センターと同一建物内に都立練馬児童相談所を設置するための工事設計にかかる経費が盛り込まれました。
10 練馬区では、現在もサテライトオフィスが設置されていますが、この拠点の継続ではなく、児童相談所を練馬に設置することとした経緯、練馬区とこの間どのような話し合いを行ってきたのかをお答えください。
11 練馬区の都立児童相談所は、将来的に区立児童相談所にする話し合いは行われているのか。今後おこなう予定はあるのか。
12 練馬区におけるサテライトオフィスの成果についてお答えください。
13 練馬区に児童相談所を設置した場合、その地域を所管する一時保護所は設置するのでしょうか。しない場合はどのような対応をするのでしょうか。

令和4年第一回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 児童相談所について
1 児童福祉司の一人あたりの平均受け持ち件数は、21年度は総相談件数で98.4人、虐待相談件数では60.6人となっているが、一番多い件数を持っている職員の相談件数は何件か、それぞれ伺う。

回答
  都では、特定の地域を複数の児童福祉司が担当するチーム制を導入しており、チーム内で情報共有し、協議しながらケースに対応しています。
また、初期対応を行う虐待対策班、家庭復帰及び里親制度を担当する児童福祉司など、様々な役割を担う複数の職員が各ケースに協働して対応しており、1ケース1担当として数を示すことは実態を反映したものにはなりません。

質問事項
一の2 昨年の厚生委員会の質疑では、児童福祉司及び児童心理司について21年度は59名増員する予定との答弁があったが、21年度の福祉職及び心理職の新規採用者数とそのうち何人が児童相談所に配置されたのか。また、22年度についても伺う。

回答
  令和3年度の都福祉保健局の新規採用者のうち、福祉職は96人、心理職は27人であり、そのうち42人を児童福祉司、24人を児童心理司として児童相談所に配置しました。
  また、同じく令和4年度の新規採用者のうち、福祉職は102人、心理職は30人であり、そのうち61人を児童福祉司、28人を児童心理司として児童相談所に配置しています。

質問事項
一の3 22年度の増員は何人か。その結果、国の配置基準に照らした不足人数も合わせて伺う。

回答
  令和4年度の都職員定数について、児童福祉司は36人、児童心理司は21人増員しました。
また、国の配置基準により必要な都職員数を試算すると、令和4年度で児童福祉司は569人、児童心理司は286人となり、児童福祉司は422人の定数で147人の不足、児童心理司は208人の定数で78人の不足となります。

質問事項
一の4 現在都の児童相談所では、区市町村にどのような援助を行っているのか。各区市から職員は何人研修にきているのか、伺う。

回答
  都の児童相談所では、区市町村職員の専門性向上のため、長期の派遣研修を受け入れるほか、子供家庭支援センター職員を対象に、短期実習、合同研修及び子供との関わり方を保護者へ指導する技法の研修を実施しています。
  また、子供家庭支援センターの心理専門支援員及び都の児童相談所の児童心理司との定期的な連絡会を開催しています。
なお、長期の派遣研修受入人数は、令和3年度で105人となっています。

質問事項
一の5 23区では、自区内に児童相談所の設置が可能になったが、先行して設置した世田谷区、江戸川区、荒川区、および港区、中野区にはどのような支援をおこなっているのか伺う。また、現在の連携状況を伺う。

回答
  都は、区からの求めに応じて、区の職員を派遣研修として都の児童相談所に受け入れています。
  区が児童相談所を開設した後は、広域的観点から、一時保護所、児童養護施設等を都区で共同利用するほか、専門的観点から必要に応じて、区の児童相談所が担当する家庭を児童相談センターの医師、心理職等が支援するなど、都と区が連携して取り組んでいます。

質問事項
一の6 今後、中野区立児童相談所が設置されたことで、都立杉並児童相談所は、杉並区一区と武蔵野市、三鷹市を管轄しているが、杉並区に区立児童相談所が設置された場合、都立はどうなるのか伺う。また、仮に22区すべてに区立児相が設置された場合、練馬区をのぞく児童相談所はどうなるのか伺う。都立児童相談所再編の考え方についても伺う。

回答
  児童相談所の管轄区域の見直しは、改正児童福祉法施行令等を踏まえ、人口や地理的条件、交通事情などを考慮した上で、区の設置計画も確認しながら、検討することとしています。
区が児童相談所を設置した場合は、法令等に基づき、その区域は都の児童相談所の管轄から外れることになります。

質問事項
一の7 保護所内における子どもの権利擁護、虐待防止のために、職員数の拡充とスキル向上は必須だが、22年度のそれぞれの一時保護所の増員人数を職種ごとに伺う。また研修はどのように行っているのか伺う。

回答
  令和4年度の都一時保護所の職員定数について、福祉職4名、補助業務を行う非常勤職員3名を増員しています。
職員の研修は、毎年度策定する研修計画に基づき、経験年数等に応じて実施するほか、全職員を対象に権利擁護などのテーマ別にも実施しています。

質問事項
一の8 一時保護所の入所定員の拡充は検討しているか伺う。

回答
  都は、一時保護需要等を踏まえて、一時保護所に必要な定員を確保しています。
令和3年度は、児童相談センターの一時保護所の拡張及び新宿区が所有する施設の借上げを行っており、令和4年度は、令和2年度まで使用していた立川児童相談所の一時保護所の改築に向け、設計に着手する予定です。

質問事項
一の9 2020年12月に東京都児童福祉審議会が発表した「新たな児童相談のあり方について」提言には、児童相談所がより重篤な虐待対応や専門的知見を活かした相談援助等に注力できるよう、泣き声通告等で比較的軽度と判断できる案件については、家庭訪問等に民間機関等の活用も検討。また、将来的には在宅指導や家族再統合の業務においても民間機関を活用することも検討すべきであるとの意見が示されているが、都の見解を伺う。

回答
  都は、里親支援、児童相談所虐待対応ダイヤル等において民間機関等を活用しており、今後とも、必要に応じて民間機関等を活用していきます。

質問事項
一の10 練馬区では、現在もサテライトオフィスが設置されているが、この拠点の継続ではなく、児童相談所を練馬に設置することとした経緯、練馬区とこの間どのような話し合いを行ってきたのか伺う。

回答
  令和3年7月に公布された改正児童福祉法施行令等により、児童相談所の設置基準が新たに設定され、管轄人口が100万人を超える児童相談所は新設等による管轄区域の見直しが求められています。
都は、児童相談センターの管轄人口が200万人を超えており、管轄内で練馬区の人口が約74万人と最も多いことに加え、地理的条件、交通事情などを総合的に勘案して、同区内に児童相談所を設置することとしました。
令和3年7月以降に、設置場所、設置時期等について練馬区と意見交換しています。

質問事項
一の11 練馬区の都立児童相談所は、将来的に区立児童相談所にする話し合いは行われているのか伺う。今後おこなう予定はあるのか伺う。

回答
  都はこれまで、都立児童相談所の設置に向けて、練馬区と意見交換してきました。

質問事項
一の12 練馬区におけるサテライトオフィスの成果について伺う。

回答
  都は令和2年7月、練馬区の子供家庭支援センター内に児童相談所のサテライトオフィスを設置し、児童相談所職員が虐待相談に対応するほか、区と連携して、合同調査、対応方針の検討会議等を実施しています。
こうした取組により、子供家庭支援センターと児童相談所の間で情報共有や協議の機会が増え、迅速な一時保護及びケースの円滑な引継ぎにつながっています。

質問事項
一の13 練馬区に児童相談所を設置した場合、その地域を所管する一時保護所は設置するのか伺う。しない場合はどのような対応をするのか伺う。

回答
  都は、一時保護需要等を踏まえて、一時保護所に必要な定員を確保しています。
練馬区に設置予定の児童相談所は、練馬区の子供家庭支援センターと同一の建物内に設置する予定です。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 尾崎あや子

質問事項
一 予防のための子どもの死亡検証(CDR)について
二 コロナ禍での小児精神科医の役割は重要であり、医師の拡充について
三 国民健康保険料・税の減免について

一 予防のための子どもの死亡検証(CDR)について
2018年に成育基本法が成立し、予防のための子どもの死亡検証制度を地方公共団体が中心に実施するように記され、2020年度から厚労省のモデル事業として7府県で開始されています。
私は、2021年10月の決算特別委員会で、東京都がまだ実施していないことについて質問し、都として「予防のための子どもの死亡検証」の実施を求めました。
1 都は2022年度予算案に、子どもの死亡事例について、福祉、保健、教育等の関係機関と連携しながら、社会的背景や環境要因等の分析等を行い、効果的な予防対策を提言することで、将来に向けた予防につなげる「予防のための子供の死亡検証(CDR)」が、2千万円計上されたことは重要です。2022年度は、どのように進めるのですか。
2 「予防のための子供の死亡検証」を進めるためには、会議体をつくる前に、医師会や小児科医など関係する都署との懇談・意見交換が重要だと思いますが、いかがですか。
3 すでに、関係する方々との意見交換は行っているのですか。また、モデル事業を行っている自治体からの聞き取りなどの調査は行っているのですか。
4 滋賀県では、県内の主要病院の小児科医師、医師会の理事、県警の検察官室長、地検検事、子ども家庭相談センターの所長、県の健康医療福祉部の幹部などで検証委員会を設置しています。都も検証委員会を設置するのですか。メンバーについては、どのように考えていますか。

二 コロナ禍での小児精神科医の役割は重要であり、医師の拡充について
長引くコロナ禍で、子どもたちの不安は深刻になっています。先日、公社病院多摩北部医療センターの取り組みで、「睡眠障害」の治療や「不登校」の相談にも乗っていることを聞きました。大変、重要な取り組みだと思います。同時に、ますます必要な分野だと痛感しています。そこで、いくつか質問します。
1 公社病院多摩北部医療センターの「睡眠障害」の治療は、どのように行われているのですか。この間の実績について伺います。
2 都立病院、公社病院のなかで、児童の「睡眠障害」を扱っている病院はいくつありますか。その病院名についても伺います。
3 「睡眠障害」の治療には、小児精神科医があたると聞きましたが、都立病院、公社病院には、小児精神科医師は何人いるのですか。
4 都立病院、公社病院の小児精神科の拡充が必要ですが、都の認識を伺います。

三 国民健康保険料・税の減免について
新型コロナ感染症の拡大は、中小業者に大きな影響を与え、とりわけ飲食店の方々は、昨年・2021年の1年間で「緊急事態宣言」や「まんえん防止等重点措置」、「リバウンド防止措置」の期間は290日間。1年365日のうち通常通りの営業ができた日数は、わずか75日間だけでした。
飲食店の方々は毎日、どんな気持ちで過ごしていたでしょうか。考えるだけで絶望的になってしまいます。「先がみえない」「仕事ができない状況でうつ状態になった」「生きる展望が持てない」などの声が、私たちのところにも寄せられる深刻な事態となっています。
私は、経済港湾委員会や文書質問で「協力金や給付金は、事業や益金、事業の対価に該当するものではなく、課税の対象にはならない。緊急事態宣言などによる経済的ダメージをやわらげ、中小業者が事業の経営を継続させるための、生存権を保障するためのものであり、いわゆる見舞金のようなものだ」と主張しました。産労局は「新型コロナ関連の補助金や助成金等について、事業効果を損なわぬよう、税務上においても特例的な取り扱いを講じていただきたい旨、国に要望をおこなっている」と答弁しています。大事な答弁だと思っています。
しかし、実際には、国税庁の見解に基づき、協力金などは課税の対象になっています。その結果、国民健康保険料・税が大幅に増額になってしまうのではないかと不安の声が上がっています。
中小業者の団体でつくっている「全国中小業者団体連絡会」が、今年2月4日に政府交渉を行いました。その中で、令和2年(2020年)5月7日の事務連絡で「中小・小規模事業者に対する『持続化給付金』の生活保護制度上の取り扱いについて」にあるように、市町村が、国保料・国保税の算定する際に「給付金等を所得に算入しない」という扱いはできるのかと尋ねると、厚労省は「当初から、所得に算入しないという扱いは難しいが、給付金等を含めて賦課した後で、給付金等に相当する部分を減免することは可能である」と答弁しました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、収入が減少した際の国保料・税の減免はどのように取り扱うのか伺います。

令和4年第一回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 予防のための子どもの死亡検証(CDR)について
1 都は2022年度予算案に、将来に向けた予防につなげる「予防のための子供の死亡検証(CDR)」が、2千万円計上されたことは重要だが、2022年度は、どのように進めるのか見解を伺う。

回答
  都は令和4年度、チャイルド・デス・レビューの実施に向け、国のモデル事業に取り組んでいる自治体の実施体制等について調査するとともに、有識者から意見を聴取することとしています。
  また、医療機関、保健所、警察等と情報共有の可能性、手法等について意見交換を行い、これらを踏まえ、都における実施手法等を検討することとしています。

質問事項
一の2 「予防のための子供の死亡検証」を進めるためには、会議体をつくる前に、医師会や小児科医など関係する部署との懇談・意見交換が重要だが、見解を伺う。

回答
  都は令和4年度、チャイルド・デス・レビューの実施に向け、医療機関、医師会等と意見交換することとしています。

質問事項
一の3 すでに、関係する方々との意見交換は行っているのか。また、モデル事業を行っている自治体からの聞き取りなどの調査は行っているのか伺う。

回答
  都は、これまで、チャイルド・デス・レビューの国のモデル事業に関する説明会に参加しており、令和4年度は、このモデル事業に取り組んでいる自治体の実施体制等について調査するとともに、医療機関、保健所、警察など関係機関と意見交換することとしています。

質問事項
一の4 滋賀県では、県内の主要病院の小児科医師、医師会の理事、県警の検察官室長、地検検事、子ども家庭相談センターの所長、県の健康医療福祉部の幹部などで検証委員会を設置している。都も検証委員会を設置するのか伺う。メンバーについては、どのように考えているのか伺う。

回答
  都は令和4年度、チャイルド・デス・レビューの国のモデル事業に取り組んでいる自治体の実施体制等の調査、関係機関との意見交換等を行い、これらを踏まえ、実施手法等を検討することとしています。

質問事項
二 コロナ禍での小児精神科医の役割は重要であり、医師の拡充について
1 公社病院多摩北部医療センターの「睡眠障害」の治療は、どのように行われているのか伺う。また、この間の実績について伺う。

回答
  多摩北部医療センターでは、睡眠障害を抱える小児に対し、センサーをつけて一日の活動状況を調べるなどの検査を行い、症状に応じて適切な生活指導や入院治療等を実施しています。
令和2年度の実績は延べ155人で、令和3年度の実績は4月から1月までで延べ226人です。

質問事項
二の2 都立病院、公社病院のなかで、児童の「睡眠障害」を扱っている病院はいくつあるか。その病院名についても伺う。

回答
  都立病院、公社病院で児童の睡眠障害に対応することのできる病院は3病院で、小児総合医療センター、大塚病院及び多摩北部医療センターです。

質問事項
二の3 「睡眠障害」の治療には、小児精神科医があたると聞いたが、都立病院、公社病院には、小児精神医師は何人いるのか伺う。

回答
令和4年3月1日現在、都立病院は常勤職員が14名、会計年度任用職員が16名です。
なお、公社病院の多摩北部医療センターでは、小児科の医師が診療に当たっています。

質問事項
二の4 都立病院、公社病院の小児精神科の拡充が必要だが、認識を伺う。

回答
小児精神科医師は全国的に見ても人材が限られており、医療の質を確保しながら患者の多様な症状に適切に対応していくためには、医療機能の集約化などが重要と認識しています。
このため、小児総合医療センター等に小児精神科の専門医療などを集約化させています。

質問事項
三 国民健康保険料・税の減免について
  新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した際の国保料・税の減免はどのように取り扱うのか伺う。

回答
  国は、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る国民健康保険の保険料・税の減免の取扱いについて、「国や都道府県から支給される各種給付金については、事業収入等の計算に含めないこととする。」としており、都はこの内容を区市町村に周知しています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 里吉ゆみ

質問事項
一 東京外かく環状道路(関越から東名まで)について

一 東京外かく環状道路(関越から東名まで)について
東京外かく環状道路(関越から東名まで)16キロメートルをめぐっては、調布陥没事故現場付近はじめ周辺住民が起こした裁判で9キロメートル部分の工事差し止めの仮処分決定が下されました。陥没事故の再発防止策を事業者が示すことができない以上、当然であり、16キロメートル全ての事業区間の中止を求める声が多くの都民からあがっています。
ところが国もネクスコも大泉JCTから中央JCTまでについては住民の反対を押し切って掘進を再開しました。
このまま工事を進めることは、陥没地域周辺住民には圧力と不安、恐怖を与えることになり、断じて許されることではありません。さらに、16キロメートルがつながる見通しもなく無駄に税金を使うだけではないでしょうか。
東京都はこうした国と事業者に対し、丁寧な対応、細やかな対応を求めるのみで、実際には丁寧どころか、強引なやり方が進められてきたのが実情です。
そもそも国も事業者も住民に納得のいく説明をしてきませんでした。
工事に関連し、以下うかがいます。
国とネクスコがこの間、住民に対して行った説明や報告は、もっぱらトンネル直上の陥没・空洞の推定メカニズムの調査結果に限られたものでした。
そこでお聞きします。
1 調布陥没事故で起きた家屋・地盤損傷がなぜ起きたのか。メカニズムについてお答えください。
この間の建設委員会などでの質疑では、陥没事故で補償対象とされた地域以外でも家屋損害があることが報告されていますが、個別対応すると答えるのみで、何件と交渉しているのか明らかになっていません。
2 補償対象地域外の家屋損傷について、補償を約束した家屋はあるか。また、調査中の家屋はあるか。
もともと外環自動車道の事業期間は2021年3月まででした。時代が変わってきていると思います。
3 外環自動車道を整備する目的の一つに、首都圏道路の渋滞緩和とあるが、どの道路の渋滞が緩和するのでしょうか。
大深度法そのものも問われています。
4 大深度法では事業区域に事業者の「使用権」が設定されています。しかし、土地の所有者の「補償」については規定がありません。これは、土地の所有者に損失を与えないことを前提としているからです。そのため、所有者の承諾を必要としていません。
ところが調布の事故が起き、その前提が崩れたのではないか。
5 すでに練馬の大泉JCTと中央JCTから掘進が再開されているが、3D点群データはいつからどのように計測しているか、うかがう。

令和4年第一回都議会定例会
里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 東京外かく環状道路(関越から東名まで)について
1 調布陥没事故で起きた家屋・地盤損傷がなぜ起きたのか。メカニズムを伺う。

回答
  外環事業は国及び高速道路会社により事業が進められています。
令和2年に調布で発生した陥没・空洞事故は、特殊な地盤条件下において、シールドカッターが回転不能になる閉塞を解除するために行った特別な作業に起因するシールドトンネルの施工が要因と推定され、施工に課題があったことが、有識者委員会で確認されました。
当該作業を行う過程で、土圧の不均衡が生じて地山から土砂がチャンバー内に流入し、結果として地山に緩みが発生したことにより、緩み領域がトンネル直上で煙突状に進展したと推定されています。
事業者がホームページにおいて、説明会で頂いた質問等への回答として、「家屋損傷については、陥没・空洞箇所周辺で、トンネル通過前後の家屋調査の比較において、損傷の拡大及び新たな損傷が確認されており、トンネル掘進による地表面変位や振動の影響により生じたものであることの否定は難しい」と掲載しています。

質問事項
一の2 補償対象地域外の家屋損傷について、補償を約束した家屋はあるか。また、調査中の家屋はあるか伺う。

回答
  事業者は補償対象地域以外からのお問合せについて、個別に状況を確認の上、対応することとしており、これまで数件の問合せがあったと聞いています。

質問事項
一の3 外環自動車道を整備する目的の一つに、首都圏道路の渋滞緩和とあるが、どの道路の渋滞が緩和するのか伺う。

回答
  首都高や圏央道等の高速道路や、環状8号線や国道20号等の幹線道路などの渋滞緩和が見込まれています。

質問事項
一の4 大深度法では事業区域に事業者の「使用権」が設定されているが、土地の所有者の「補償」については規定がない。これは、土地の所有者に損失を与えないことを前提としているからであり、所有者の承諾を必要としていない。ところが調布の事故が起き、その前提が崩れたのではないか、見解を伺う。

回答
  大深度法に関することについては、所管する国において判断されるものと考えます。

質問事項
一の5 すでに練馬の大泉JCTと中央JCTから掘進が再開されているが、3D点群データはいつからどのように計測しているか、伺う。

回答
  事業者は、令和3年12月に大泉及び中央側の「再発防止対策及び地域の安全・安心を高める取り組み」をとりまとめ、地表面変状の把握に当たって、これまで行ってきた水準測量や衛星データの活用に加え、新たに3次元点群データを計測するとしています。
事業者からは、大泉ジャンクション側で令和4年2月から、中央ジャンクション側で同年3月から、モービルマッピングシステムにて計測を実施していると聞いています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 あぜ上三和子

質問事項
 一 都営辰巳一丁目団地建替事業について
 二 都の相談事業及び問い合わせ電話について

一 都営辰巳一丁目団地建替事業について
都営辰巳一丁目団地は、87棟3,326戸の大規模な団地ですが、現在、建替工事が進められています。建替工事が始まって既に9年がたとうとしていますが、4期14年で2027年には完成予定が、現時点で予定より3年遅れています。
建替期間中は新規の入居募集は停止されているため、空き住戸も増えているのが実態です。また、階段の昇降が困難な高齢者も増えています。
都営辰巳一丁目団地にお住まいの方々からは、「早く建替を進めてほしい」「果たして自分が生きている間に新しい住まいに引っ越せるのか、見通しを示してほしい」「これ以上延びるのであれば、エレベーターのある棟か1階に引っ越せるようにしてほしい」と切実な声が寄せられています。
現在、第3−1期の解体工事が5月末までに完了し、今後建替工事に入りますが、その後の工事完了の見通しや、3−2建替計画、第4期建替計画の見通しは明らかになっておらず、住民の皆さんは不安を抱えています。
1 工事の進捗状況を明らかにしてください。また、工事が遅れている原因と、今後の見通しをお示しください。
また、エレベーターのない棟に住む高齢者の方は、階段の昇降が困難になっていて住戸を変更しなければ生活に支障をきたす状況ですが、住宅変更を申請すると、団地内は認められず住み慣れた団地を離れなければなりません。団地ができた当時から入居しているある高齢者の方は「50年近くも辰巳団地に住み、ご近所の方々とも交流があったからこそ安心して住み続けられた。高齢になって別の団地に行き、また新しいコミュニティを築くなどとてもできない」と、将来の不安の声を上げています。
都営住宅条例第二十三条二号では、特別の事情があるときは住宅の変更が認められています。また、条例施行規則にも同じ団地内の移動はできない旨の記載はありません。
2 辰巳団地の場合は、建替対象となっていないエレベーター付き住宅(2街区9号棟)がありますが、その住宅での空き住戸は何戸ありますか。また、階段の昇降が困難で住み替えを急いでいる方が、希望すれば、その住宅に本入居できるようにするべきではありませんか。
3 都営辰巳一丁目団地の中には、建替対象外とならざるを得ない棟も残っていますが、耐震補強工事が行われていないため、住民の早急な移転が必要です。どのように対応されるのか伺います。
4 建替計画の遅れの中で、建替対象の住棟では排水管の老朽化も深刻で、各住棟ごとに毎年排水管の清掃を行っていますが、空き住戸も多くあることから清掃をしても空家の住戸の清掃が実施されずに排水管が詰まる等のトラブルが絶えない状態です。都が管理者の責任として、こうした都営住宅の排水管の清掃は行うべきです。いかがですか。
5 本建替工事計画では、高齢者施設用地が確保されています。身近で相談できる地域包括支援センターや、家族がすぐに会いに行ける特養ホーム、グループホームなど地元江東区とも協議し、地域住民の要望に応えた高齢者施設整備を求めますが、いかがですか。また、区とどのような協議を進めていますか。現在の進捗状況も含めお答えください。
6 住民からは「建替えによって郵便局、医療機関がなくなってしまうのではないか」「様々な年代がいる多様性のある活気ある団地にしてほしい」など声が寄せられています。住民の要望をよく聞き、住民が不安にならないよう建替事業をすすめるよう求めますが、認識を伺います。

二 都の相談事業及び問い合わせ電話について
以前から、私はコロナ禍の飲食店等における協力金の申請手続きの電話相談窓口を無料にすべきだと求めてまいりました。ある方は、協力金の相談窓口に電話したところ「お待ちください」と言われ、30分以上電話を待たされることが度々あったと言います。ある月の電話代は5万8千円で今まで請求されたことのない金額になっていたそうです。現在の感染拡大防止協力金等コールセンターは、今もなおナビダイヤルです。
また、自殺対策としての「こころといのちのホットライン」では生きているのがつらいという深刻な悩みを相談する窓口であるにもかかわらず、ナビダイヤル対応となっており、「コロナで生活が苦しくなって悩んだ末に電話したのに多額の電話代の請求に愕然とした」との声が寄せられました。さらに都営住宅の減免申請のお客様センター窓口もナビダイヤルの対応です。
あらためて、都の様々な相談窓口の電話について調べたところ、同じ局内でもナビダイヤルを使用しているところ、都の直接窓口を利用しているところ、フリーダイヤルを使用しているところと様々ありました。そこで伺います。
1 都としてナビダイヤルにする統一した判断基準があるのですか。
2 現在、相談窓口・問い合わせをナビダイヤルで対応しているところは具体的にどこですか。
3 行政としての相談を受ける窓口は都の直接窓口かフリーダイヤルにすべきではありませんか。

令和4年第一回都議会定例会
あぜ上三和子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都営辰巳一丁目団地建替事業について
1 工事の進捗状況を伺う。また、工事が遅れている原因と、今後の見通しを伺う。

回答
  都営辰巳一丁目団地建替事業は、4期に分けて実施することとしており、平成25年度から第1期事業を開始しました。
平成29年度に着手した第2期事業は、入札不調による工事着手の遅延及び新型コロナウイルス感染症の影響による工事の一時中止などがありましたが、令和4年度中の完了を目指しています。
  引き続き、第3期事業は令和5年度に、第4期事業は令和9年度以降に着手することを予定しています。

質問事項
一の2 辰巳団地の場合は、建替対象となっていないエレベーター付き住宅(2街区9号棟)があるが、その住宅での空き住戸は何戸あるか伺う。また、階段の昇降が困難で住み替えを急いでいる方が、希望すれば、その住宅に本入居できるようにするべきではないか、見解を伺う。

回答
  都営辰巳一丁目アパート9号棟は、現在、建替計画の対象とはしていませんが、昭和40年代に建設された住棟であり、住戸内の老朽化も進んでいることから、居住者から返還された住戸については、公募停止としています。
空き住戸の数は、こうした公募停止住戸も含め51戸となっています。
 今後、移転対象となる住棟の居住者の方には、建替えを行った住棟に移転していただくことになります。

質問事項
一の3 都営辰巳一丁目団地の中には、建替対象外とならざるを得ない棟も残っているが、耐震補強工事が行われていないため、住民の早急な移転が必要だが、どのように対応されるのか伺う。

回答
  都営住宅耐震化整備プログラムにおいて、令和7年度末までに都営住宅の耐震化率100パーセントとする目標を設定しています。
そのため、都営辰巳一丁目団地の耐震性が不足する住棟については、令和7年度末までに居住者の移転を完了するように進めていきます。

質問事項
一の4 建替計画の遅れの中で、建替対象の住棟では排水管の老朽化も深刻で、各住棟ごとに毎年排水管の清掃を行っているが、空き住戸も多くあることから清掃をしても空き家の住戸の清掃が実施されずに排水管が詰まる等のトラブルが絶えない状態である。都が管理者の責任として、こうした都営住宅の排水管の清掃は行うべきだが、見解を伺う。

回答
  都営住宅における排水管の清掃については、東京都営住宅条例第16条に基づき居住者のみなさまが費用を負担することとなっており、都では清掃作業における注意事項や相談窓口について、居住者向け広報誌の「すまいのひろば」にて周知しています。
なお、団地の自治会から都に対して清掃の依頼があった場合には、都が居住者のみなさまから必要な費用を共益費として徴収し、排水管清掃を実施しています。

質問事項
一の5 本建替工事計画では、高齢者施設用地が確保されている。身近で相談できる地域包括支援センターや、家族がすぐに会いに行ける特養ホーム、グループホームなど江東区とも協議し、地域住民の要望に応えた高齢者施設整備を求めるが、見解を伺う。また、区とどのような協議を進めているのか、現在の進捗状況も含め見解を伺う。

回答
  都営辰巳一丁目団地建替事業について、都では、江東区と協議を行いながら実施しており、高齢者施設等についても、建替事業の進捗を踏まえ、団地の中央部に約3,000平方メートルの整備用地を計画しています。
詳細については、引き続き区と協議していきます。

質問事項
一の6 住民の要望をよく聞き、住民が不安にならないよう建替事業をすすめるよう求めるが、認識を伺う。

回答
  都営辰巳一丁目団地では、老朽化した住棟の更新にあわせて、公園、子育て支援施設及び高齢者施設等の整備による地域コミュニティの活性化を図るなど、計画的に建替えを実施しています。
さらに、団地南側のエリアで、今後、建替事業により創出される用地については、区のまちづくりと連携した活用を図ることとしています。
引き続き区と協議を行うとともに、計画説明会などを通じて、自治会や居住者等に丁寧に説明を行いながら、建替事業等を進めていきます。

質問事項
二 都の相談事業及び問い合わせ電話について
1 都としてナビダイヤルにする統一した判断基準があるのか、伺う。

回答
  相談窓口の電話をナビダイヤルにするかどうか等については、各局部署において、事業の実態等を踏まえて判断しています。

質問事項
二の2 現在、相談窓口・問い合わせをナビダイヤルで対応しているところは具体的にどこか伺う。 

回答
  各局部署において、事業の実態等を踏まえて対応しています。

質問事項
二の3 行政としての相談を受ける窓口は都の直接窓口かフリーダイヤルにすべきだが、見解を伺う。 

回答
  各局部署において、事業の実態等を踏まえて適切に対応しています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 酒井大史

質問事項
一 JR立川駅等へのホームドア設置について
 二 障がい者歯科診療について

一 JR立川駅等へのホームドア設置について
都は令和4年度予算において、誰もが安心して快適に移動できる環境整備に向けて、ホームドアの整備促進に41億円を計上している。
国におけるホームドア整備における法令等の位置づけとしては、バリアフリー法第8条及び移動等円滑化基準第20条に示されている。
令和3年3月時点において、地下鉄駅は84%整備されているものの、JR及び私鉄駅に関しては33%と整備が遅れていることから、今回の予算処置がされているものと思う。
都は「鉄道駅バリアフリーに関する優先整備の考え方」等に基づきホームドア設置に補助を実施するとしているが、この中で乗車と降車をあわせた利用者10万人以上の駅については全駅整備に向け着実に取り組みを進める。新たな取組として、利用者10万人未満の駅についても鉄道事業者がそれぞれの駅の状況に応じた整備計画を立案するとしている。
JR東日本の資料によると、2020年度における各駅の乗車人数(一日平均)は約477千人の新宿駅を筆頭に上位10位のうち7駅が都内の駅である。
多摩地域の交通の要衝ともいえる立川駅は、上野駅よりも多く、乗車人数約122千人と第13位であり、優先して設置すべきと考えます。
そこで、以下質問します。
1 令和4年度の取り組みとして、JR立川駅へのホームドア設置の位置づけ及び予定について伺います。
2 JR立川駅は、中央線、青梅線、南武線が乗り入れている。一般的に特急等、車両のドア位置が異なる車両が停車するホームに関しては技術的な課題もあると思うが、立川駅にホームドアを設置する場合の課題について、どのように認識しているのか。また鉄道事業者との検討状況について伺う。
3 多摩地域から都心へ向かう大動脈ともいえるJR中央快速線のホームドア設置は、利用者の安全確保のため必要不可欠であると考える。中央快速線沿線駅では利用者が10万人を超える駅として、立川駅の他、東京駅、新宿駅、中野駅、吉祥寺駅、そして国分寺駅などが並んでいる。
  そこで、JR中央快速線における、整備に向けての方針及び検討状況について伺う。

二 障がい者歯科診療について
口腔ケアの必要性は、8020運動にみられるよう、これまで特に高齢者に対するQOL向上を目指し、嚥下障害や誤嚥性肺炎の予防の観点からも注目されてきた。
その一方、障害を持たれている方の歯科治療に関しては、当事者と治療にあたる一部の歯科医師における課題として、広く注目されることは無かったのではないかと推察される。障がい者の歯科治療は身体、知的、精神など、それぞれの障害種別によって対応の困難さに違いがあり、より専門性が必要とされる分野である。
都では、東京都立心身障害者口腔保健センターや療育センターなどで歯科治療にあたり、都内自治体に対しても包括補助等にて支援をしている。
そこで以下質問する。
1 まず、都の障がい者歯科診療における現状と課題をどのように認識され、検討しているのか伺う。
2 障がい者歯科診療に関しては、より専門性が求められ、治療にあたっていただく歯科医師の理解と技術力の向上、さらには設備投資も必要と考えます。
  都は、市町村及び地域歯科医師会などと連携して、障がい者歯科診療の課題を共有し、さらなる支援を行うとともに、都としても多摩地域における拠点のあり方を検討すべきと考えるが所見を伺う。

令和4年第一回都議会定例会
酒井大史議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 JR立川駅等へのホームドア設置について
1 令和4年度の取組として、JR立川駅へのホームドア設置の位置づけ及び予定について伺う。

回答
  JR東日本によれば、立川駅では南武線ホームにおいて、令和4年度にホームドア設置工事に着手し、同年度内に供用開始予定と聞いています。

質問事項
一の2 JR立川駅は、中央線、青梅線、南武線が乗り入れている。一般的に特急等、車両のドア位置が異なる車両が停車するホームに関しては技術的な課題もあると思うが、立川駅にホームドアを設置する場合の課題について、どのように認識しているのか。また鉄道事業者との検討状況について伺う。

回答
  JR立川駅について、中央線及び青梅線は、扉位置の異なる列車への対応などの技術的な課題があると認識しています。
令和3年度、都は、鉄道事業者と「東京都におけるホームドア整備に関する検討会」を設置し、こうした課題の解決に向けて扉位置の異なる列車への各社の対応など、取組事例の研究及び共有化を図っています。

質問事項
一の3 中央快速線では利用者が10万人を超える駅として、立川駅の他、東京駅、新宿駅、中野駅、吉祥寺駅、そして国分寺駅などが並んでいるが、JR中央快速線における、整備に向けての方針及び検討状況について伺う。

回答
  ホームドアの整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取組が不可欠です。
都は令和元年に取りまとめた優先整備の考え方も踏まえ、事業者に整備計画の策定を求めるとともに、令和2年度から利用者10万人未満の駅へ補助対象を拡大するなど、支援策を拡充しました。
JR東日本によれば、JR中央快速線におけるホームドアの整備については、現在行っているグリーン車導入に伴う駅改良工事の後の工事となることや、扉位置の異なる列車が混在する等の課題への対応が必要なため、令和13(2031)年度末頃までに整備される予定と聞いています。

質問事項
二 障がい者歯科診療について
1 都の障がい者歯科診療における現状と課題をどのように認識され、検討しているのか伺う。

回答
  障害のある方は、自身で歯磨きなどの口腔ケアが困難なことがあり、薬の副作用により虫歯、歯周病等のリスクが増加することがあるため、定期的、継続的に保健指導、歯科健診、予防処置等を受けることができる環境を整えることが重要です。
このため都は、障害のある方が身近な医療機関で定期的に口腔ケアや歯科健診を受けられるよう、東京都歯科保健対策推進協議会の下に設置した障害者歯科保健医療推進ワーキンググループで、地域の歯科診療所と専門的な歯科医療機関との連携に必要な情報共有の在り方や、地域の歯科診療所に対する支援策等を検討し、障害者歯科保健医療の取組を進めています。

質問事項
二の2 都は、市町村及び地域歯科医師会などと連携して、障がい者歯科診療の課題を共有し、さらなる支援を行うとともに、都としても多摩地域における拠点のあり方を検討すべきだが見解を伺う。

回答
  都は、障害のある方が身近な医療機関で定期的に口腔ケアや歯科健診を受けられるよう、東京都立心身障害者口腔保健センターで、歯科医師や歯科衛生士を対象に、障害の特性、障害者への対応方法等を学ぶ基礎的な研修や臨床実習を実施するとともに、障害者歯科医療体制を構築し、地域の実情に応じて取り組む区市町村を包括補助で支援しています。
 また、学識経験者、区市町村、歯科医師会等関係団体の代表などで構成する東京都歯科保健対

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 中村ひろし

質問事項
一 高齢者施策について
 二 新型コロナウイルス対策について
 三 下水道事業について
 四 中国残留邦人への支援について

一 高齢者施策について
1 高齢者施策は都政における最大の課題の一つであり、とりわけ介護の課題については深刻で、新型コロナウイルス感染症により深刻さは増している。本来であれば長寿化は喜ばしいことであり、そのためにも地域で暮らし続けることができる施策が必要になる。
  そうした中で、老老介護が問題だと言われて久しい。60代、70代の高齢者が、90代、100歳以上の高齢者の介護をする事例も多い。家族で介護をすると、家族がいない場合に比べ施設への入所の優先順位が下がり、入るのが困難にもなる。高齢者の介護疲れも深刻になっている。都は、老老介護の現状をどのように把握しているか。また、必要な支援につながっていない場合もあるが対策を伺う。
2 新型コロナウイルスにより、高齢者の外出控えが進み身体能力の低下が懸念される。また、人と接する機会が減ることで認知症が進むことも危惧される。新型コロナの感染が高齢者に与えた影響と対策について伺う。
3 雇用情勢が厳しい昨今でも介護の仕事への求人は多く人手不足が深刻さを増している。処遇改善に取り組んでいるが、実際に働く人の給料に反映されていないこともあるという。介護事業としても介護職以外の事務職員等の待遇も考慮し、直接介護人材に処遇改善が行き届いていないことも一因と言われる。介護人材の処遇改善に対して、将来への不安なく働き続けることができるよう、実際に働く人の処遇が改善されるような仕組みが必要だが見解を伺う。
4 介護人材不足への対応として若い世代への介護職への関心を高める必要がある。福祉系の学校を卒業しても、介護職に就かない人もいるなど問題は深刻になっている。介護職についてはむしろマイナスのイメージが強い中、やりがいをもって働ける職場になるよう改善をし、若い世代の関心が高まるよう取り組むことが必要だが見解を伺う。
5 住み慣れた地域で住み続けることが理想だが、施設整備も一定必要になる。高齢者によって、要介護度、家族の構成、経済状況など様々なニーズがあるがゆえに、本来必要な支援ができていないこともある。高額の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の建築が進む一方で、特別養護老人ホームの待機者は多く存在する。特別養護老人ホームは原則、要介護度3以上しか入れなくなったが、認知症の場合には介護度が低く出ることで、家族が困っていても入所できない例もある。都は施設介護に対する様々なニーズに応え、必要な人が入所できるようにする必要があるが、都の取り組みを伺う。
6 都は福祉保健計画を改定したが、施設の整備の目標年次を、従前は平成37年(=2025年、令和7年)としていたが、今回は令和12年、2030年度末に繰り下げることで、大幅に下方修正している。なぜ下方修正したのか理由を伺う。
7 高齢者施設の整備については、むしろ早急な整備が必要になる。入所の待機者はどのくらいいるか伺う。また、計画を前倒しし、整備を急ぐ必要があるが、取り組みを伺う。
8 急速に進む高齢社会において、介護サービスを受けるには、市区町村での介護認定が必要になる。しかし、介護認定に時間がかかるため、急病や転倒などにより、緊急で介護が必要になる場合に対応できない。介護認定の体制強化が必要であり、都として市区町村を支援する必要があるが見解を伺う。
9 高齢者が健康を保つため、散歩など適度な運動が必要になる。外出した際にはトイレが必要になるが、コンビニエンスストアなど民間施設を借りる場合も多い。公共トイレの整備について、都として市区町村と協力して一定範囲に一定数の車いす使用者対応トイレを整備するよう、計画的に取り組む必要があるが見解を伺う。
10 高齢化が深刻化する中で、少子高齢化問題とも言われるが、長期的に見て解決を図るには、少子化対策が必要となる。このままの人口構成が推移すると高齢者を支える若年層にとっての負担増は深刻になる。高齢者施策の対策として若年人口の増加が必要になるが見解を伺う。

二 新型コロナウイルス対策について
1 オミクロン株によるいわゆる第6波としての、まん延防止等緊急措置期間は3月21日に終了した。しかし、今後、第7波、第8波が来る可能性もある。デルタ株の強毒性とオミクロン株の感染力の両方の特徴を備えたようなウイルスが出てくれば、大変な事態になる。危機に対し最悪の事態を想定して対策することだが、そうした場合に備えて、病床の確保をする必要があるが、見解を伺う。
2 新型コロナウイルスに関して、精神疾患のある方の入院について不安の声がある。もとより、身体合併症などの場合に入院が困難であったが、コロナの場合はさらに困難であり、また、そのことが不安を増幅させている。都として新型コロナにおける精神疾患の方の入院枠の拡大に取り組むべきと考えるが見解を伺う。

三 下水道事業について
1 包括外部監査で、三鷹市単独処理区の流域下水道への編入について取り上げられた。監査人として、事業効果は高いとし、編入は行われるべきであるが、あまり進んでいないように見受けられる旨の意見があった。これまでもたびたび都議会で取り上げてきたが、あらためて、現状について伺うとともに、計画通りに進んでいない原因を伺う。
2 監査人の判断として計画の実行があるが、一方では、計画時からの状況の変化などにより、他の処理場への編入の可能性も検討する必要がある。現在、三鷹市単独での処理施設は老朽化しており、早期の対応が求められる。そのための最善の方法を模索すべきであり、さまざまな検討が必要だが、見解を伺う。

四 中国残留邦人への支援について
1 中国残留孤児や中国残留婦人及びその家族について、帰国後の支援についてたびたび質問したが、戦後77年近くが経ち、当事者のみならず、いわゆる2世と言われる、子どもの世代も高齢化を迎えつつある。現在の支援法では2世については本人の帰国の際の同伴家族のみが支援の対象となっており、呼び寄せ家族は対象となっていない。自治体の現場での相談などについては2世まで拡大して行われている事例も多く、自治体での取り組みは評価する。しかし、根本的には国の責任であるため、国による支援対象の拡大が必要である。現在、2世については何名居住しているのかの実態すらわかっていない。都として2世の実態をどのように把握しているか認識を伺う。
2 都として高齢化しつつある2世の課題への取り組みについて、国に支援対象の拡大を求めるべきだが見解を伺う。
3 2世の住宅問題への対応として、都営住宅の入居がある。国が支援の対象を拡大することで2世本人が優先入居の対象になることが本来ではあるが、それまでの間、使用承継を認めて、1世が亡くなっても住み続けられることが必要である。残留邦人の援護の所管は厚生労働省だが、公営住宅を所管する国土交通省の判断では、自治体が入居要件を決められるとしている。本来、厚生労働省が対象を拡大すべきだが、それまでの間、2世について、都営住宅の優先入居を認めたり、使用承継を認めるべきと考えるが見解を伺う。

令和4年第一回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 高齢者施策について
1 都は、老老介護の現状をどのように把握しているか。また、必要な支援につながっていない場合もあるが対策を伺う。

回答
  国が令和元年度に実施した国民生活基礎調査によれば、同居している要介護者等とその主たる介護者の組合せのうち、両者が共に65歳以上であるいわゆる老老介護は、全国で59.7パーセントとなっています。
また、都が令和2年度に実施した高齢者の生活実態に関する調査では、65歳以上の高齢者のうち、家族・親族等の介護・世話等をしている方の割合は14.3パーセントとなっています。
高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして、必要な施設サービス及び在宅サービスを総合的・一体的に提供する介護保険制度が運営されており、都は、制度が円滑に運営されるよう、介護サービス基盤の整備、介護人材の確保等に取り組んでいます。
また、地域での見守り、家族介護者への支援など様々な取組も実施しており、地域で支え合いながら、高齢者がいきいきと心豊かに、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、引き続きこうした取組を着実に推進していきます。

質問事項
一の2 新型コロナの感染が高齢者に与えた影響と対策について伺う。

回答
  都が区市町村を対象に実施した介護予防に関する調査では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛等の影響による高齢者の心身機能の低下、交流機会の減少などの事例が確認されています。
  都は、令和2年度に、高齢者が感染リスクに注意しながらの外出や適度な運動、十分な栄養摂取を行えるよう、動画やリーフレットによる普及啓発を行うとともに、令和3年度からは、オンラインで友人等と一緒に体操、趣味活動などを行う取組を支援する区市町村に補助しています。

質問事項
一の3 介護人材の処遇改善に対して、将来への不安なく働き続けることができるよう、実際に働く人の処遇が改善されるような仕組みが必要だが見解を伺う。

回答
  介護サービス事業は、介護報酬等により運営されることが基本であり、都は、国に対し、事業者が人材の確保、育成、定着を図り、事業運営を安定的に行うことができるよう、大都市の実情を踏まえた介護報酬とすることを提案要求しています。
介護報酬の介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算は、加算額の全額を介護職員等の賃金改善に充てることとされています。
都は、令和4年2月から、国の新たな経済対策に基づき、介護職員の収入を3パーセント程度(月額9千円)引き上げるための措置を実施しています。

質問事項
一の4 介護職についてはむしろマイナスのイメージが強い中、やりがいをもって働ける職場になるよう改善をし、若い世代の関心が高まるよう取り組むことが必要だが見解を伺う。

回答
  都は、若年層向けにSNS広告等を活用して福祉の仕事の魅力を発信し、福祉の仕事への興味・関心を高めるとともに、福祉業界全体のイメージアップを図り、福祉人材の確保に努めています。
また、働きやすい職場環境の整備に取り組む事業所をTOKYO働きやすい福祉の職場宣言事業所として公表するほか、介護事業所を対象に、人材育成の仕組みづくり及び働きやすい職場づくりに向けたセミナーを開催するなど、福祉事業所の職場環境の向上を支援しています。

質問事項
一の5 高額の有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の建築が進む一方で、特別養護老人ホームの待機者は多く出ている。特別養護老人ホームは原則、要介護度3以上しか入れなくなったが、認知症の場合には介護度が低く出ることで、家族が困っていても入所できない例もある。都は施設介護に対する様々なニーズに応え、必要な人が入所できるようにする必要があるが、都の取組を伺う。

回答
  特別養護老人ホームの入所対象は、原則として要介護3以上であるが、国が技術的助言として示している指針では、要介護1又は2であっても、認知症で日常生活に支障を来すような症状等が頻繁に見られるなど、やむを得ない事情により特別養護老人ホーム以外での生活が困難な方については、特例的に入所が認められることとなっており、都は、この内容を区市町村及び施設に周知しています。
また、高齢者が住み慣れた地域で希望する施設等に入所できるよう、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホームなどの計画的な整備に努めています。

質問事項
一の6 都は福祉保健計画を改定したが、施設の整備の目標年次を、従前は平成37年(2025年、令和7年)としていたが、今回は令和12年、2030年度末に繰り下げることで、大幅に下方修正している。なぜ下方修正したのか理由を伺う。

回答
  東京都高齢者保健福祉計画における特別養護老人ホーム等の整備目標は、高齢者人口の将来推計、区市町村のサービス見込量等を踏まえ、中長期的な目標として設定しています。
令和3年3月に策定した第8期の計画では、同時期に策定した東京都の総合計画である「未来の東京」戦略との整合を図り、目標年次を令和12年度とした上で、計画策定時点の整備状況等を踏まえ、特別養護老人ホームを6万4千人分、介護老人保健施設を3万人分、認知症高齢者グループホームを2万人分確保することを目標としています。

質問事項
一の7 高齢者施設の整備については、むしろ早急な整備が必要になる。入所の待機者はどのくらいいるか伺う。また、計画を前倒しし、整備を急ぐ必要があるが、取組を伺う。

回答
  都が実施している都内の特別養護老人ホームへの入所申込者等に関する調査では、平成31年4月1日時点の入所申込者数は29,126人、このうち、入所の必要性が高いと区市町村が判断した方は3,820人となっています。
都は、高齢者保健福祉計画で特別養護老人ホーム等の整備目標を定め、都有地の減額貸付け、土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域への補助単価加算、建築価格高騰に対応する補助加算など、様々な取組を実施しており、令和3年度からは、整備率が低い地域への補助単価の加算を拡大するなど、整備を促進しています。

質問事項
一の8 介護サービスを受けるには、市区町村での介護認定が必要になる。しかし、介護認定に時間がかかるため、急病や転倒などにより、緊急で介護が必要になる場合に対応できない。介護認定の体制強化が必要であり、都として市区町村を支援する必要があるが見解を伺う。

回答
  新規に要介護認定を申請し、認定結果が出るまでの間も、保険者が必要であると認めた場合には、暫定ケアプランを作成して介護サービスを利用でき、認定結果が出た時点で、申請日に遡って介護給付の対象となります。
都は、要介護・要支援認定に関わる認定調査員、主治医、認定審査会委員及び区市町村職員を対象に、必要な知識及び技能を修得並びに向上させるための研修を実施するほか、区市町村に対し、疑義照会への対応、情報提供、訪問等による助言を行うなど、要介護・要支援認定を公平・公正かつ適切に実施できるよう支援しています。

質問事項
一の9 公共トイレの整備について、都として市区町村と協力して一定範囲に一定数の車いす使用者対応トイレを整備するよう、計画的に取り組む必要があるが見解を伺う。

回答
  東京都福祉のまちづくり条例の整備基準では、施設を新設又は改修する際は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用するトイレのうち、1以上は車椅子使用者に対応するトイレを設けることとしています。
また、都は、トイレのバリアフリー化及びトイレの情報等を含むバリアフリー情報の発信に取り組む区市町村に補助しています。

質問事項
一の10 このままの人口構成が推移すると高齢者を支える若年層にとっての負担増は深刻になる。高齢者施策の対策として若年人口の増加が必要になるが見解を伺う。

回答
  高齢化の更なる進展とともに少子化が続く人口減少社会では、担い手の不足や社会活力の低下、社会保障費の増大など、様々な面で大きな影響を及ぼします。
そのため、「未来の東京」戦略では、2040年代に向けて目指す姿として、合計特殊出生率が2.07となり、少子化からの脱却に成功していることを掲げ、戦略1子供の笑顔のための戦略に基づき、待機児童解消に向けた保育サービスの拡充や、妊娠・出産・子育ての切れ目ない支援など、多面的な取組を精力的に推進しています。
また、今回の政策のバージョンアップでは、総合的な子供政策の推進を掲げたところであり、子供や子育て家庭に寄り添った様々な政策を全庁を挙げて進めていくこととしています。

質問事項
二 新型コロナウイルス対策について
1 今後、第7波、第8波が来る可能性もある。デルタ株の強毒性とオミクロン株の感染力の両方の特徴を備えたようなウイルスが出てくれば、大変な事態になる。危機に対し最悪の事態を想定して対策することだが、そうした場合に備えて、病床の確保をするべきだが、見解を伺う。

回答
  都は、オミクロン株による第6波の感染が急拡大する中、先手先手で病床確保レベルを引き上げたほか、重症化リスクの高い高齢者の方を受け入れる臨時の医療施設などを開設してきました。
  今後とも、感染状況及びウイルスの特性に応じ、医療提供体制を確保していきます。

質問事項
二の2 都として新型コロナにおける精神疾患の方の入院枠の拡大に取り組むべきだが見解を伺う。

回答
  都は、精神疾患を有する新型コロナウイルス感染症の患者が円滑に入院できるよう、専用の病床を確保しています。
なお、入院先の調整に当たっては、精神疾患の程度、その他の疾患の有無など、個別の状況に応じた配慮すべき点等を把握し、かかりつけ医の意見も参考にしながら、一般病床への入院も含めて適切に対応しています。

質問事項
三 下水道事業について
1 包括外部監査で、三鷹市単独処理区の流域下水道への編入について取り上げられた。監査人として、事業効果は高いとし、編入は行われるべきだが、あまり進んでいないように見受けられる旨の意見があった。これまでもたびたび都議会で取り上げてきたが、あらためて、現状について伺うとともに、計画通りに進んでいない原因を伺う。

回答
  三鷹市単独処理区を流域下水道の野川処理区に編入することについては、多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画において定められています。
編入に必要となる野川水再生センター(仮称)を建設するには、都市計画法や下水道法などに基づき関係市の同意を得るなど、定められた手続を進める必要があります。
この編入には、6市という多くの市が関係しており、編入に関する課題や野川水再生センター(仮称)の施設計画等について、公共下水道の単独処理場である東部処理場を有する三鷹市と関係市の間で課題整理が必要であることから、現在、流域下水道本部と関係市により意見交換を行っています。

質問事項
三の2 監査人の判断として計画の実行があるが、一方では、計画時からの状況の変化などにより、他の処理場への編入の可能性も検討する必要がある。現在、三鷹市単独での処理施設は老朽化しており、早期の対応が求められる。そのための最善の方法を模索すべきであり、さまざまな検討が必要だが、見解を伺う。

回答
  三鷹市は、ストックマネジメント計画に基づき東部処理場の老朽化対策を行い、延命化を図っており、当局のノウハウを踏まえた必要な技術支援を実施していきます。
三鷹市単独処理区を流域下水道の野川処理区に編入することについては、多摩川・荒川等流域別下水道整備総合計画(流総計画)において定められており、当局はその計画に基づき、関係市と意見交換を行っています。
現在、流総計画の基本方針となる東京湾流域別下水道整備総合計画について、国が見直しを行っており、その動向や内容なども注視していきます。

質問事項
四 中国残留邦人への支援について
1 中国残留孤児や中国残留婦人及びその家族について、いわゆる2世と言われる世代も高齢化を迎えつつある。自治体の現場での相談などについては2世まで拡大して行われている事例も多く、取組は評価するが、根本的には国の責任であるため、国による支援対象の拡大が必要であり、現在、2世についてはどのくらいいるのかの実態すらわかっていない。都として2世の実態をどのように把握しているか認識を伺う。

回答
  中国帰国者等の世帯状況等は、国が必要に応じて実態調査を実施しており、その結果が公表されています。
  都は、独自に相談窓口の設置、生活相談員の区市町村への派遣などを実施しています。

質問事項
四の2 都として高齢化しつつある2世の課題への取組について、国に支援対象の拡大を求めるべきだが見解を伺う。

回答
  毎年、二十二都道府県中国帰国者対策協議会が中国帰国者等への支援について国に提案しており、令和4年2月には、援護対象外である2世も高齢化が進んでいるため、十分な介護と医療が受けられるよう措置を講じることなどを提案しています。

質問事項
四の3 2世の住宅問題への対応として、都営住宅の入居がある。国が支援の対象を拡大することで2世本人が優先入居の対象になることが本来ではあるが、それまでの間、使用承継を認めて、1世が亡くなっても住み続けられることが必要である。残留邦人の援護の所管は厚生労働省だが、公営住宅を所管する国土交通省は、自治体が入居要件を決められるとしている。厚生労働省が対象を拡大するまでの間、2世について、都営住宅の優先入居、使用承継を認めるべきだが、見解を伺う。

回答
  都営住宅は公営住宅法に基づき、真に住宅に困窮する低所得者に的確に提供していくこととしています。国の通知に基づき、高齢者世帯や心身障害者世帯、ひとり親世帯などは、特に居住の安定確保が必要な者として優先入居の対象としています。お尋ねのいわゆる2世の方についても、高齢者世帯等の資格基準を満たす方については、優先入居の対象としています。
また、使用承継の範囲は原則配偶者としていますが、特に居住の安定に配慮すべき者として、高齢者、障害者及び病弱者には使用承継を認めることとしています。2世の方についても、高齢者等に該当する方については、使用継承の対象としています。

令和4年第一回都議会定例会
文書質問趣意書

   提出者 和泉なおみ

質問事項
一 都市高速鉄道京成電鉄押上線(四ツ木駅から青砥駅間)連続立体交差事業の高架下利用等について

一 都市高速鉄道京成電鉄押上線(四ツ木駅から青砥駅間)連続立体交差事業の高架下利用等について
現在工事が始まっている京成電鉄押上線連続立体交差事業は、2022年度末までの事業計画となっています。工事の進捗状況をみても更なる計画の延長が必要になると思われます。
地域の住民にとって、長年の懸案であった平和橋通りの渋滞の解消への期待と共に、この事業完了後にできる高架下をどのように活用できるのかということは、大きな関心事です。
京成立石駅を利用する方たちからは、高架下の利用について多様な要望が寄せられています。地域の住民の要望・意見を反映させることについて、平成30年に行った文書質問に対し都は、「高架下空間は、貴重な都市空間であり、地域のまちづくりの視点から有効に活用することが重要」と答弁し、地元要望等を踏まえ、高架下利用計画を策定すると答弁しました。また、事業の進捗に応じて都が地元区市及び鉄道事業者と高架下利用検討会を設置し調整を行うことも明確にしています。
その後の進捗を踏まえ、連続立体交差事業によって、どのような駅になるのか、高架下利用はどうなるのかについて、あらためて伺います。
1 連続立体交差事業の完了時期について、見通しをお答えください。
2 京成立石駅では、2019年10月に視覚障害者の方の死亡事故があり、その後京成電鉄は、当初予定していなかったホームドアを設置する整備計画を作成しました。ホームのバリアフリーが進むことは重要です。同時に、連続立体交差事業でホームが高架化される機会をとらえ、駅施設だけではなく、駅へ向かう動線にかかるバリアフリーも整備が必要です。
  地域の住民から、連続立体交差事業で整備される駅には、現在上り線側にしかないエレベーターを下り線側にも設置することや、加えてエスカレーターを設置すること、また、駅へ出入りできる個所がどこになるのかといった、駅の動線に関することなどの、利便性向上について高い関心が寄せられています。
  住民のこれらの疑問に応え、意見を反映させることは都の重要な役割です。高架化される駅の構造について説明会を開き、住民の要求を聞いて可能な限り反映するべきだと思いますが、都の見解を伺います。
3 事業によって創出される高架化空間のうち、新たに活用できる空間は、何平米になるのでしょうか。また、鉄道の線形改良により高架化後は鉄道跡地となる空間はどのように活用するのか、それぞれ伺います。
4 高架下利用計画検討会は、どのような準備を経て、どのような時期に設置するのでしょうか。設置に向けて区・鉄道事業者との協議はどの程度進んでいるのでしょうか。
5 区が高架下の利用について住民に行ったアンケートには563名が回答しました。一方で、「立石駅高架下利用を考える会」が、地域住民に行ったアンケートには、1,024名の方たちが回答しています。そのうち、768名の方がアンケートや説明会など住民の意見・要望を聞く機会をつくるべきと答えています。
  都は、高架下利用計画検討会の設置に向け、区や鉄道事業者と連携し、高架下利用についても住民への説明会、意見公聴会などを開くべきではありませんか。見解を伺います。

令和4年第一回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都市高速鉄道京成電鉄押上線(四ツ木駅から青砥駅間)連続立体交差事業の高架下利用等について
1 連続立体交差事業の完了時期について、見通しを伺う。

回答
  本事業の事業施行期間は令和12年度末までとなっています。

質問事項
一の2 高架化される駅の構造について説明会を開き、住民の要求を聞いて可能な限り反映するべきだが、見解を伺う。

回答
  本事業により高架化される京成立石駅の構造については、「東京都福祉のまちづくり条例」等の定めを踏まえ、利用者誰もが快適に使えるよう、今後、鉄道事業者と連携し、詳細な設計を進めていきます。

質問事項
一の3 事業によって創出される高架下空間のうち、新たに活用できる空間は、何平米になるのか伺う。また、鉄道の線形改良により高架化後は鉄道跡地となる空間はどのように活用するのか、それぞれ伺う。

回答
  本事業で創出される高架下空間のうち、鉄道の運行に必要な施設を収容する用地や交差道路等を除いた、高架下使用可能面積は、約12,000平方メートルです。
また、京成立石駅から青砥駅間における鉄道の線形改良により鉄道跡地となる空間については、大部分が地元区が整備する鉄道附属街路第6号線の道路用地として活用されます。

質問事項
一の4 高架下利用計画検討会は、どのような準備を経て、どのような時期に設置するのか伺う。設置に向けて区・鉄道事業者との協議はどの程度進んでいるのか伺う。

回答
  高架下利用検討会については、一般的に高架化の時期を見据え、都が地元区市及び鉄道事業者と設置します。
この検討会では、地元区市が把握した地域住民の要望を踏まえ、まちづくりとの整合性を勘案し、都が中心となって高架下利用計画を策定していきます。
本事業の高架下利用に関する具体的な検討は始まっていませんが、今後、全線高架化の時期を見据え、地元区・鉄道事業者と協議を進めていくこととしています。

質問事項
一の5 都は、高架下利用計画検討会の設置に向け、区や鉄道事業者と連携し、高架下利用についても住民への説明会、意見公聴会などを開くべきではないか、見解を伺う。

回答
  連続立体交差事業により新たに創出される高架下空間は、貴重な都市空間であり、地域のまちづくりの視点から、有効に活用することが重要です。
都はこれまでも、連続立体交差事業の実施に当たり、地元区市が把握した地域住民の要望などを踏まえ、地域のまちづくりに資する高架下利用計画を策定してきました。
本事業の高架下利用についても、都は、事業主体として、地元区・鉄道事業者とともに高架下利用検討会を設置し、地元要望などを踏まえ高架下利用計画を策定していきます。

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