令和四年東京都議会会議録第四号

○副議長(本橋ひろたか君) 四十番浜中のりかた君。
   〔四十番浜中のりかた君登壇〕
   〔副議長退席、議長着席〕

○四十番(浜中のりかた君) 二月三日に発表された昨年の犯罪情勢統計の暫定値では、虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告された子供の数が十七年連続で過去最多を更新しました。虐待死やいじめによる自死事件を聞くたびに、政治家として、子を持つ親として、じくじたる思いを抱きます。
 社会全体で、児童虐待やいじめは悪であり、根絶をしなければならないと強い思いを共有する必要があります。
 昨年、東京都こども基本条例が可決、成立し、この条例には、全ての子供が誰一人取り残されることなく、将来への希望を持って、伸び伸びと健やかに育っていく環境を整備していかなければならないと、我々の子供に対する理念が掲げられています。どんなにすばらしい条例でも、多くの人に知っていただき、それを実行する手段を持たなければ、空念仏と同じになります。
 そこで、こども基本条例を、子供に限らず、全ての人に条例の理念と内容を分かりやすく伝えていくことが必要であると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、こども基本条例の理念を具体化する取組として、来年度、都は、子供の権利を守るために、普及啓発事業と併せて、子供家庭支援区市町村包括補助事業を予定しています。
 例えば、世田谷区や西東京市では、子供の相談窓口と専用電話ダイヤル、有識者による外部委員で構成される第三者機関を設置し、独自に子供の救済制度をつくっています。都にも子供の権利擁護専門相談事業はありますが、子供に最も近い市区町村のこうした先進的な取組を、都としても都内全域に展開するなど、推進していくべきであると考えます。
 そこで、市区町村においても、都の条例の趣旨を踏まえた取組が進むよう働きかけるべきであるかと考えますが、都の取組について伺います。
 我が会派の代表質問でも取り上げましたが、児童虐待を根絶するためには、児童相談所の体制強化が不可欠です。
 児童相談所の業務は、専門性が求められる一方で、多忙で困難を極めています。児童相談所業務において、デジタル化を積極的に推進することにより、業務負担を軽減し、職員が子供や親と丁寧に向き合う時間を増やす、こうした取組こそ、虐待のリスクを迅速かつ的確に判断できる体制につながるのではないかと考えます。
 来年度の児童相談所におけるデジタル化の取組について見解を伺います。
 昨年末、岸田内閣は、子供真ん中社会を目指し、既存の行政体系を超えて取組を進めるべく、内閣府に令和五年の早期にこども家庭庁を創設します。総理の下、こども政策担当大臣が、子供施策の責任者として推進に当たるとしています。
 今回、都では、子供政策連携室を設置し、福祉や教育にとどまらず、あらゆる政策を子供目線で捉え直し、総合的に推進する体制を構築するとのことです。これが機能すれば、大変有効であると考えられます。
 一方で、既に都には、教育庁をはじめ、知事部局の福祉保健局、政策企画局などがあり、局ごとの施策をベースとした連携を図ってきたことから、国のように責任の所在を明確にしなければ、屋上屋を重ねることになりかねないとも思われます。
 子供政策連携室が全庁に横串を刺して、どのように進めていくのか、知事の見解を伺います。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は予断を許さず、現在も第六波の中にあります。国の調査によれば、二月九日の時点で、都内公立小学校の三〇・一%、中学校の一三%が学級閉鎖もしくは学年閉鎖となり、学びの継続ができない状況にありました。
 一方、私の地元である西東京市においては、児童生徒の生命を守り、学びを止めないために、早い段階で市内小中学校の原則オンライン授業に切り替えました。コロナ禍におけるオンライン授業は非常に有益であり、奨励されるべきであると考えます。
 しかしながら、都内公立小中学校では、GIGAスクール構想で整備されたPC端末等の活用については学校ごとに大きな温度差があり、教育機会の観点からも憂慮しております。
 全ての学校で、個別最適化された学習のために端末等が活用され、いざというときにはすぐにでもオンライン授業に取り組めるようにするためには、都として、今後どのような改善を図るのか、見解を伺います。
 都内公立小中学校の子供のうち、発達障害による困難を改善するために指導を受けている子供は、令和三年度には、公立小中学校全体で二万九千四十八人となり、平成二十八年度比で約二・五倍と増加傾向にあります。これは全体の児童生徒の約三・五%になります。
 こうした子供への指導は、これまで子供が他校に通う、いわゆる他校通級で行われてきました。他校通級は、保護者負担はもちろん、子供自身が移動するため、移動中の時間は通常の授業を受けられないなどの課題がありました。
 こうした課題を解消するために、都は、平成二十八年度から、教員が巡回で指導を行う特別支援教室の導入を進め、現在では、全ての子供が自分の在籍校で指導を受けられるようになりました。
 令和四年度から、国は、特別支援教室の教員の配置基準を見直すとのことですが、都は、国基準を上回る独自の基準によって、子供を支えていくことといたしました。
 そこで、これまで実施してきた小中学校に在籍する発達障害のある子供に対する支援の取組について、今後の見解を伺います。
 また、発達障害のある子供の特性は、一人一人異なります。個別の障害の特性による困難の改善には、特別支援教室における指導の役割が重要です。
 特別支援教室での指導を担う教員の指導力の向上策について、今後の見解を伺います。
 都内公立小中学校に限らず、社会に出る直前の公教育といっても過言ではない都立高校にも発達障害のある生徒が数多く在籍しております。
 今後は、都立高校での発達障害教育をさらに充実させるべきであると考えますが、見解を伺います。
 筋力など、身体機能の低下は、口の機能の衰えから始まるといわれており、高齢期において、健康な状態をより長く維持するためには、オーラルフレイル対策が重要であります。市区町村が歯科医師会の皆さんと一緒に様々な取組を行っているかと思います。コロナ禍で外出が減り、高齢者の健康状態も心配される今だからこそ、オーラルフレイルが重要です。
 都のオーラルフレイル対策の取組について伺います。
 特殊詐欺は減少傾向にあるものの、卑劣な犯罪によりお金をだまし取られた高齢者の心中を察するに、必ず根絶しなければなりません。特殊詐欺対策に有効とされた固定電話の自動通話録音機の設置促進補助制度が今年度で終了すると聞いております。
 一方、特殊詐欺の被疑者の七割以上が十代、二十代の若者です。前途ある若者が受け子や出し子として利用されないよう、加害者対策についても強化する必要があると考えます。
 特殊詐欺について、被害、加害の両面から、今後の都の行う特殊詐欺対策について伺います。
 東京消防庁の消防公式アプリは、非常に優れた防災アプリケーションであり、災害情報や安否確認、小中学校の防災教育に活用されています。特にマップ機能はすばらしく、防火水槽や消火栓等の水利施設を表示することができます。
 こうしたデジタル技術を二十三区、多摩・島しょの消防団活動に積極的に活用していくべきであると考えますが、都の見解を伺います。
 また、多摩・島しょ地域は、市街地、森林、山間部、離島など、災害現場は多岐にわたります。先日、私の地元で火災があり、残念ながら二名の方がお亡くなりになりました。消火活動が続く中、ご遺体が搬出され、消防団の方も現場におりました。こうしたことから、技術的な支援に加え、精神的なケアも含めた団員への教育が重要です。
 多摩・島しょの消防団活動をより一層充実させるために、都として、団員への教育訓練をさらに推進していくべきであると考えますが、都の見解を伺います。
 日本各地で記録的な豪雨災害が多発しています。このような豪雨に対応するためには、護岸の整備を着実に推進するとともに、令和元年の台風十九号においても、浸水被害の防止に大きな効果を発揮した調節池等の整備を、地域の声を丁寧に聞きながら、早期に実現することが必要であります。
 昨年、私の地元の石神井川上流の調節池も事業化をしましたが、都内各地において、調節池の早期事業化を望む声は根強くあります。
 都における調節池の着実な整備について伺います。
 鉄道の連続立体交差化は地域の住民にとって悲願であります。
 例えば、三鷹駅から立川駅間の連続立体交差事業において、開かずの踏切として有名だった場所の踏切が除却され、交通渋滞の解消や大幅な利便性の向上を図ったことは論をまちません。多くの都民が自分の地元の連続立体交差を待っております。
 踏切対策基本方針において、私の地元の西東京市内の西武新宿線は、二区間が鉄道立体化の検討対象区間に位置づけられており、田無駅から花小金井駅付近についても、一日も早い実現をという地元の声があります。
 もう一方の西武新宿線の井荻から西武柳沢駅間については、昨年十一月に都市計画決定を行い、これから本格的に動き始めると考えますが、この区間の連続立体交差事業の取組について伺います。
 都が管理する約六百の横断歩道橋の多くは、高度経済成長期に建設されており、老朽化が懸念されています。必要な歩道橋は、安全を確保するために、しっかり維持管理を行う必要があります。
 一方で、地域の声を受けて、役割を終えた歩道橋は、早急に撤去していく必要があります。
 そこで、横断歩道橋の維持管理と撤去の取組について伺います。
 以上で私の質問を終了させていただきます。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 浜中のりかた議員の一般質問にお答えいたします。
 子供政策連携室についてお尋ねがございました。
 社会の宝である子供は、また社会の一員でもあり、あらゆる場面において権利の主体として尊重されなければなりません。
 子供に関わる施策は、まちづくりや環境、デジタルなど多岐にわたっておりまして、都政の政策全般につきまして、子供の目線に立った総合的な展開が必要であることから、子供政策連携室を新設することといたしました。
 福祉、教育といった従来の枠組みでは対応が難しい複合的な課題などにつきまして、執行権限を有する室長の下、新組織が総合調整機能を強力に発揮いたしまして、各局が有機的に連携することで、迅速に対策を講じてまいります。
 また、こども未来会議における専門的、多角的な議論も踏まえまして、子供政策をバージョンアップしてまいります。
 ハード、ソフトのあらゆる分野におきまして、子供目線に立った政策を展開し、全庁一丸で取り組んでまいります。
 その他の質問につきまして、教育長、関係局長から答弁をいたさせます。
   〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、コロナ禍のオンライン授業についてでございますが、学校において感染防止と学びの両立を図るには、各校において、全ての教員がオンライン授業に取り組んでいくことが必要でございます。
 そのため、都教育委員会は、校内で中核となる教員を育成する研修を全ての小中学校の教員を対象に複数回実施し、各校では、オンライン授業等の実践が進んでいるところでございます。
 また、学校に対して、オンラインを活用した授業の進め方や分散登校を組み合わせたハイブリッド授業等の実施のパターンを紹介し、各校における授業での活用を促しております。
 引き続き、コロナ禍においても子供たちの学びを継続できるよう、学校を支援してまいります。
 次に、小中学校での発達障害のある子供への支援についてでございますが、障害による子供の学習上や生活上の困難さを改善するためには、特別支援教室での適切な指導と学校で多くの時間を過ごす在籍学級での支援が重要でございます。
 そのため、都教育委員会では、特別支援教室の担当教員による指導が円滑に進むよう、教材準備等を行う職員を全校に配置するとともに、豊富な経験を持つ指導員を活用し、学校を巡回して、特別支援教室での指導内容への助言を行っているところでございます。
 また、区市町村による在籍学級への支援員の配置について、その経費の一部を補助しております。
 来年度は、支援員の配置促進に向けて補助の充実を図るなど、今後も発達障害のある子供たちを支援する取組を進めてまいります。
 次に、特別支援教室を担う教員の指導力の向上についてでございますが、発達障害のある子供の学習上や生活上の困難さを改善するためには、担当する教員が障害の特性に応じた適切な指導方法を選択し、実践できる力が必要でございます。
 そのため、都教育委員会は、子供一人一人の障害の特性の把握や目標の立て方、必要となる教材の選択や実践方法など、教員の専門性を高める研修を実施してまいりました。
 今後は、学校種別や経験等に応じた研修を設定し、内容の充実を図るとともに、指導の好事例をウェブサイトで区市町村に周知するなど、教員の指導の質の向上を図ってまいります。
 最後に、都立高校における発達障害教育の充実についてでございますが、都教育委員会は、高校に在籍する発達障害のある生徒を支援するため、今年度から、教員が外部の専門人材とともに、生徒の障害の特性に応じて、放課後の時間帯などに授業を行う通級指導を開始いたしました。
 今後は、一人一人の教員が発達障害に関する理解を深め、より効果的な生徒への支援を行えるようにしていく必要がございます。
 そのため、高い専門性を有する特別支援学校の教員が高校での指導に関する講習等を実施するとともに、各特別支援学校が日常的に、近隣の高校に対し個別の事例について助言を行うなど、発達障害のある生徒を支援するための取組を推進してまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京都こども基本条例の普及啓発についてであります。
 子供があらゆる場面で社会の一員として尊重され、健やかに育つ環境を整備するためには、子供の権利に関する都民の理解を醸成することが重要であります。
 都はこれまで、体罰等によらない子育てを推進するハンドブックの作成など、子供の権利擁護に関して普及啓発をしてまいりました。
 来年度は、子供や周囲の大人向けに、子供を権利の主体として尊重するこども基本条例の内容を分かりやすく伝えるリーフレットを作成いたします。
 作成に当たっては、学識経験者や効果的な広報に関して知見を持つ有識者が参加する編集検討委員会を設置し、内容構成やデザイン等を検討するとともに、子供の意見を取り入れてまいります。
 次に、条例の趣旨を踏まえた区市町村の取組についてであります。
 こども基本条例の趣旨を踏まえ、社会全体で子供を育み、子供に優しい東京を実現するためには、身近な区市町村での取組を促進することも重要であります。
 都はこれまで、子供の意見表明や参加の仕組みづくり、子供の権利を守る子供相談室の運営など、権利擁護に主体的に取り組む区市町村を包括補助で支援してまいりました。
 来年度は、条例の趣旨を踏まえた取組を一層進めるため、区市町村が地域の実情に応じて子供の権利擁護に取り組めるよう、補助を充実いたします。
 次に、児童相談所業務のデジタル化についてであります。
 都は、児童相談所業務の効率化、省力化を図るため、虐待リスクを評価するアプリを導入するほか、オンラインを活用した保護者等との面接や、会議資料の電子化に取り組んでおります。
 来年度は、新たにAIを活用して、電話での相談内容をリアルタイムでテキスト化するシステムを導入し、記録作成の負担軽減を図るとともに、指導役の職員がそのテキストを閲覧し、その場で助言するなど、人材育成にも生かしてまいります。
 職員が効率的かつ効果的に業務を進め、増え続ける児童虐待に適切に対応できるよう、今後とも児童相談所業務のデジタル化を一層推進してまいります。
 最後に、いわゆるオーラルフレイルの対策についてであります。
 都は、介護予防、フレイル予防に関するホームページで、口腔をフレイル予防の大切なポイントの一つに位置づけ、予防と対策について広く周知しております。
 毎年地域の歯科医師会の協力を得て、在宅歯科医療を行う歯科医療従事者及び介護職員を対象に実施している研修会で、食べこぼしなどの口腔機能の低下に気づき、対応できるよう、具体的な老化に伴う口腔状態の変化などを講義しております。
 また、コロナ禍の影響で、自宅にいる時間が長くなることによる身体機能の低下を予防するためには、その初期段階に現れるオーラルフレイル対策が重要であり、都民向け講演会等で普及啓発を行う区市町村を包括補助で支援するなど、引き続き取組を推進してまいります。
   〔都民安全推進本部長小西康弘君登壇〕

○都民安全推進本部長(小西康弘君) 特殊詐欺対策についてお答えいたします。
 特殊詐欺の手口は年々巧妙化しており、依然、高齢者を中心に被害が多発するなど、対策を強化する必要がございます。
 都はこれまで、累計約十四万台の自動通話録音機設置補助を実施するなど、被害防止対策を中心に取り組んでまいりました。
 来年度は、新たに市区町村や警視庁と連携し、特殊詐欺の手口を模した電話や、ショートメッセージサービスによる体験型啓発事業を開始するなど、被害防止対策を一層推進いたします。
 加えて、若者の受け子等の犯罪への加担を防ぐため、いわゆるヤミバイト等の検索者に対するウェブ上での警告の実施や、AIチャットボットを活用した相談窓口の開設など、加害防止対策も強化してまいります。
 今後とも、被害、加害の両面から対策を講じ、特殊詐欺の根絶に向け取り組んでまいります。
   〔消防総監清水洋文君登壇〕

○消防総監(清水洋文君) 消防団活動へのデジタル技術の活用についてでございますが、東京消防庁では、特別区消防団の情報共有体制の強化を図るため、昨年九月に、全ての団本部と分団本部に携帯型端末等を配置し、効果的な指揮及び現場活動ができる体制を整備いたしました。
 各消防団では、この携帯型端末を災害や訓練をはじめ、オンライン会議にも積極的に活用し、機器の取扱いについて習熟を図っております。
 また、昨年十月に都内で震度五強を観測した地震では、これまでの無線による報告に加え、地域の状況を映像等によりリアルタイムで情報共有することで、団本部の的確な指揮に役立つなどの効果的な取組事例もございました。
 今後とも、消防団員の意見を踏まえつつ、デジタル技術の活用により、効果的かつ効率的な消防団活動体制の構築に努めてまいります。
   〔総務局長村松明典君登壇〕

○総務局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、多摩・島しょ地域の消防団活動についてですが、近年、自然災害が頻発する中、地域の安全・安心を守るためには、デジタル技術を積極的に導入し、消防団活動をより一層迅速化、効率化させることが重要でございます。
 このため、都は、今年度新たに消防団への携帯型端末等の配備を市町村総合交付金で支援し、市町村と消防団との情報共有など、消防団活動の充実強化を図っているところでございます。
 現在、全ての市町村とのオンラインによる意見交換を通じて、現場の消防団のニーズや端末等の配備計画を共有し、導入を促進するための助言を行っております。
 こうしたきめ細かなサポートにより、消防団の活動環境をより一層充実させることで、東京全体の防災力向上につなげてまいります。
 次に、多摩・島しょ地域の消防団への教育訓練についてですが、地域の防災力の要となる消防団の災害対応力を高めていくためには、団員への教育訓練を拡充することが重要でございます。
 そのため、都は、東京都消防訓練所において、多摩・島しょ地域の消防団員への教育訓練を実施するとともに、訓練所の教官を、島しょ地域を含む市町村に派遣いたしまして、現地での教育訓練も実施しているところでございます。
 来年度は、立川地域防災センターにおいて、災害現場で被るストレスへの対策研修や、ドローン操作研修を新たに実施するなど、訓練内容の充実を図ってまいります。
 これらの取組により、多摩・島しょ地域の消防団活動の充実強化が図られますよう、積極的に支援してまいります。
   〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、調節池の整備についてでございますが、激甚化、頻発化する豪雨から都民の命と暮らしを守るためには、護岸の整備と併せて、豪雨に対して大きな効果を発揮する調節池の整備を推進することが重要でございます。
 都は現在、環状七号線地下広域調節池等八か所、総容量約百十万立方メートル分の整備を進めておりまして、令和四年度は、境川金森調節池において、躯体構築を開始いたします。
 さらに、昨年度事業化いたしました、仮称石神井川上流第一調節池において、立て坑やトンネル等の詳細設計を実施するとともに、引き続き、神田川など九河川で事業化に向けた検討を進めてまいります。
 今後とも、水害に強い都市東京の実現に向け、調整池等の整備を一層推進してまいります。
 次に、西武新宿線の井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差事業の取組状況についてでございますが、連続立体交差事業は、道路整備の一環として実施しており、数多くの踏切を同時に除去することで交通渋滞を解消し、地域の活性化や防災性の向上にも資する極めて効果の高い事業でございます。
 本区間には開かずの踏切が十二か所あるほか、外環ノ2など都市計画道路が五か所で交差することになり、連続立体交差化による踏切の解消が必要でございます。
 このため、都は、昨年十一月に都市計画を決定し、現在、来年度に開催予定の用地測量等説明会や、今後の国との詳細設計協議に向けた準備を進めているところでございます。
 引き続き、地元区市や鉄道事業者と連携し、早期事業化に向けて積極的に取り組んでまいります。
 最後に、横断歩道橋の維持管理と撤去についてでございますが、歩道橋は、昭和四十年代に集中的に整備され、歩行者の安全と道路交通の円滑化に寄与しております。
 都は、管理する約六百橋の歩道橋につきまして、日常点検により、適切に維持補修を行っております。さらに、五年に一度の定期点検の結果を踏まえて、横断歩道橋個別施設計画を策定し、損傷や塗装劣化への対策を実施しております。
 一方、近傍に横断歩道があり、利用者が少なく、通学路の指定がないなどの条件を満たした歩道橋につきましては、都は交通管理者と調整の上、地元合意が図られたものを撤去しております。
 今後とも、歩道橋を健全に維持管理していくとともに、撤去についても関係者と調整の上、適切に対応してまいります。

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