令和四年東京都議会会議録第四号

○議長(三宅しげき君) 二十一番土屋みわさん。
   〔二十一番土屋みわ君登壇〕

○二十一番(土屋みわ君) 初めに、サーキュラーエコノミーはSDGs達成のための重要なアプローチとして注目されています。日本においては、3Rを主軸とする環境活動が推進されてきましたが、経済活動としての限界を迎えつつあります。
 既に、EUや北米、主要アジアの都市、企業は、サーキュラーエコノミーに関する取組、施策、法整備などが進んでいます。日本国内の情勢に合わせ、どのようなスタイルの循環経済が順応し定着していくのかを見極め、企業単位や地域で取り組みやすい形へと落とし込んでいく必要があります。
 リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ、世界の産業、消費、そして、経済は大きな変革期を迎えています。
 加えて、環境省によりますと、ごみ最終処分場の残余年数は全国平均であと二十一年、東京は五十年以上といわれています。人口減少やリサイクル法をはじめとする法整備、そして、ごみ処理の技術向上により埋立地の寿命も少しずつ延命されていると聞きますが、あと五十年という時間は決して長くはありません。
 こういったごみ最終処分場問題も含め、環境問題、社会問題の解決と経済成長を両立させるサーキュラーエコノミーへの転換は急務であると考えます。
 今後、都がどのように指導して取組を進めていくのか、知事に伺います。
 バブル期には、世界第二位のGDPとニューヨークを上回る東京株式市場の時価総額を背景に、当時の大蔵省のサポートにより、一九八六年に東京のユーロドル市場が設立されました。三十年を経て、小池都知事がいま一度、東京国際金融センター構想を支持されたわけですが、現在、当時とは状況は一変しています。
 都は、国際金融都市構想を二〇一七年に打ち出しましたが、二〇二〇年に一旦世界三位となったものの、その後は、国際金融センターランキングで、東京は、香港、シンガポール、サンフランシスコ、上海に抜かれました。
 実経済は、バブル期の世界第二位のGDPシェアから三位と、当時の三分の一の五%に下がっており、かつてはニューヨーク市場を凌駕した東京株式市場の時価総額も、今や上海に抜かれ、状況は昨今さらに悪化。一人当たりGDPは二十四位、世界競争力ランキングでは日本は三十一位です。
 このような状況下、実経済バック型の国際金融都市を目指すというのは、個人的にはなかなか難しいのではないかと感じていますが、我が会派がこれまでも主張してきたとおり、東京を持続的な成長に導いていくためには、国と連携をして金融の活性化に取り組んでいく必要があります。
 数ある課題の中、まずは国内プレーヤーの課題解決を図り、彼らが発展するための投資循環の活性化が必要不可欠です。しかしながら、都が構想を打ち出してから五年、それぞれのプレーヤーの課題解決には至っていません。
 今回の構想を策定するに当たり、これまでの取組の検証を通じて、何が課題であると捉え、今後どのような方向性で取り組んでいくのか、都の見解を伺います。
 今年に入りオミクロン株による感染が広がり、自宅療養者も九万人を超えるまでに急増しました。
 都には土砂災害警戒区域が一万五千か所以上ある中、大雨などによる災害が想定される地域などにいる自宅療養者も、いざというときには自らの命を守るため、安全な場所に避難する必要があります。
 都では、避難所におけるコロナウイルス感染症対策ガイドラインを策定し、避難所運営について区市町村に周知しているのは承知していますが、このガイドラインでは、発熱などの症状がある方とない方の避難スペースを分けることなどが示されていますが、既に感染している方については、原則として一般の避難所に滞在することは適当でないとしています。
 すなわち、自宅療養者は一般の避難所には入れないことになりますが、では、どこに避難すればよいのでしょうか。感染爆発時には宿泊療養施設の病床はほぼ満床となっている可能性もあり、避難者を受け入れる余地がない可能性もあります。
 いつ起こるとも知れない災害、そして第七波。自宅療養者が安全に避難できる場所の確保も含め、その災害時に備えた避難対応を今後どのように進めていくのか、都の見解を伺います。
 次に、日本や東京にやってくる外国人たちの強みは、彼らが持つ様々な背景に根差した多様性です。それら多様性は、課題だけではなく、イノベーションや新しい価値の創出につながります。共に暮らす都民として、住民同士が互いに信頼関係を築くには、地域の中で外国人を孤立させないことも大事です。そのためには、日頃からのコミュニケーションなどに加え、災害時の対応が重要です。
 都は、避難所などで言語対応を行うため防災語学ボランティア制度を運用していますが、このようなボランティアが活躍することで、外国人が避難所で孤立する存在ではなく、避難所運営に協力してくれる存在にもなり得ると考えます。
 そのためには、やる気のある防災語学ボランティアの皆さんが迅速に活躍できる仕組みが必要であると考えますが、都はどのように取り組んでいくのか伺います。
 がん教育が今年度から小中学校、来年度からは高校の学習指導要領に組み込まれました。
 丁寧に作り込まれた教材が用意されていますが、それらが提示する望ましい生活習慣や検診、早期発見、早期治療だけが人生の正解ではありません。医療者やがんサバイバーの存在、そして彼らの経験から紡ぎ出される言葉から、子供たちは様々な人生を認識し、子供一人一人がそれぞれの感性の下、個性的で個別的な学びをし得ります。
 文部科学省が提示するがん教育ガイドラインには、学校外の人材を積極的に活用することが重要であると記載されています。外部講師として多様な人材が参画し、それぞれの専門性やこれまでの経験を十分生かせるような指導工夫を行うことにより、がん教育がより実践的で効果的なものになることが期待されます。
 都は、がん教育推進協議会の提言の中で、令和四年度末までに、全ての都内の公立中学校、高等学校において、外部講師を活用したがん教育を実施するという目標を示しています。
 そこで、外部講師活用の現状とその達成見込み、また、都の今後の取組を伺います。
 そして、提言の中で、外部講師活用の調整窓口が示されていますが、この仕組みが十分機能していないのではないかと考えます。
 がん教育を進めるためにも、この仕組みをより機能させることが必要であると考えますが、都の見解を伺います。
 次に、岸田総理は、先月の施政方針演説の中で、教育や保育の現場で性犯罪歴の証明を求める日本版DBSを進めると表明しました。教員やベビーシッターらによるわいせつ事案が相次いでおり、保護者からもこうした制度への期待の声が高まっています。
 わいせつ行為などを理由に懲戒処分や訓戒を受けた公立学校の教員は、昨年度二百人に上ります。都立学校でも、毎年十数名の教員が処分を受けています。これも氷山の一角かもしれません。
 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が今年四月に施行されます。施行に際し、教育庁の取組について伺います。
 また、保護者からすれば、国立や私立学校、ほかの道府県などで処分を受けた者が、都内公立学校の教員として教育現場に戻るケースは発生しないのかなど大変危惧しています。
 教員の採用に当たっては、わいせつの事案に限らず、こうした教員をしっかり把握するよう対応すべきと考えますが、取組について伺います。
 厚生労働省が特別養子縁組を五年間で千件に倍増させる数値目標を掲げ、今年がその五年目になります。この数値目標設定の最大の意義は、子供にパーマネンシー、つまり、特別養子縁組を重要な手段、選択肢として位置づけたことであります。
 二〇二一年の年間成立数はおよそ七百件となる見込みで、今年中に千件成立の目標達成は難しい中、子供たちが安定した状態で家庭的な雰囲気で暮らせる特別養子縁組の取組をより一層推進していく必要があると思いますが、都の見解を伺います。
 また、今年四月から不妊治療が公的医療保険の対象になりますが、治療をしても必ずしも出産に結びつかない実態から、厚生労働省は、不妊治療を行う夫婦に治療開始前に子供を育てるほかの方法、別の選択肢として、特別養子縁組、里親制度の情報提供を強化する方針です。
 公的医療保険の対象になるとはいえ、不妊治療にはお金がかかります。治療開始前から養子を育てるという選択肢もあれば、不妊治療後のビジョンも描きやすくなります。
 アメリカでは、不妊治療の現場で経済的側面からライフプランをアドバイスしてくれますが、日本でもそこまできめ細かくサポートできるようになれば、親になりたいと願う夫婦と、そして、親の庇護を必要としている子供が家族になれる可能性が高まるのではないかと期待するところですが、国のこの方針に伴い、都としての取組を伺います。
 次に、都はこれまで、マンション管理条例を制定し、管理不全の予防、改善を図ってきましたが、良好な管理体制や管理上の取組がマンションの資産価値に好影響をもたらすことも重要な視点であります。
 自ら努力する管理組合が報われるような仕組みが必要であると考えておりますが、国においては、この四月に管理計画認定制度が創設され開始されます。認定事務の主体は原則区市で、町村部においては都が実施するとされており、認定事務の実施は義務ではなく任意の取組とされています。
 四世帯に一世帯が居住し、多くのマンションストックがある都において、管理が良好なマンションが市場で評価されるよう、一つでも多くの区市が管理計画認定制度を開始し、制度を広く普及させることが重要だと考えますが、都の取組について伺います。
 コロナ禍において、多くの町会、自治会の活動が停滞し、地域の支え合い機能が低下しています。中でも、高齢者独居率が全国トップの都では、一人暮らしの高齢者は、家族や友人、地域社会とのつながりが希薄になりがちです。
 私の地元世田谷区でも、年齢が上がるにつれて、一人暮らしの方が増加しており、孤立化が心配されています。
 誰もが気軽に地域と関わり合いを持ち、新しいつながりを生み出すことが必要と考えますが、都の見解と取組を伺います。
 次に、現在、若年ホームレスの数が増えています。法的定義のホームレスとは、都市公園、河川、道路、その他の施設を故なく起居の場所として日常生活を営んでいる者でありますが、若年層では、友人宅、ネットカフェ、サウナ、終日営業のコンビニなどに滞在する傾向が増えており、時代によって少しずつホームレスの在り方が多様化しています。
 若者のホームレスの特徴の一つとして、幼少期からの恵まれない生育環境などの影響から、精神的課題を抱えていることも少なくありません。就労や生活の支援という自立支援も大切ですが、心と体のケアも重要です。居住先がない生活をしている中で、鬱状態などの心の不調、体の不調などを感じた際のアクセスを整備する必要があります。
 ホームレス支援策の幅がさらに広がっていくことで、日本の風潮としてある失敗したら終わりではなく、誰もが何度でもやり直せる社会こそが、誰もが活躍でき、優しさを感じられるまちになるのではないでしょうか。
 見えないホームレスとして可視化された若年ホームレスたちへの対応を、都はどのように行っていくのかを伺い、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 土屋みわ議員の一般質問にお答えいたします。
 サーキュラーエコノミーへの取組についてのお尋ねがございました。
 私たちの生活に根差す大量生産、大量消費は、地球環境に危機を引き起こす主要な要因の一つであり、大量の資源を使い捨てる一方通行型の経済を循環型に切り替えていくことが求められております。
 このため、革新的ビジネスモデルの構築と技術開発を同時に進めるサーキュラーイノベーションを生み出し、社会経済活動に定着させていくことが重要であります。
 都は、こうした取組を推進する事業者を支援しており、シャンプーボトルなど商品販売用のリユース容器を提供するビジネスなどが実社会に普及し始めております。
 加えまして、令和四年度は、情報発信、連携拠点としてサーキュラーエコノミー推進センターを立ち上げまして、技術開発や新ビジネスの創出を目指す企業の連携、共創を促進いたしてまいります。
 また、都民等からの相談をワンストップで受け付け、ニーズに応じたリユース、リサイクルの取組を提案、コーディネートしてまいります。
 こうした取組により、もののつくり方、売り方、使い方の変革を図り、サーキュラーエコノミーの構築に取り組んでまいります。
 残余の質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁をいたします。
   〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 四点のご質問にお答えいたします。
 初めに、外部講師を活用したがん教育についてでございますが、がん教育において、科学的根拠に基づく理解、健康や命の大切さを狙いとした授業では、医療従事者やがん経験者などの外部講師を活用することが効果的でございます。
 都教育委員会は、児童生徒向けのがんを学ぶリーフレットを作成し、授業での活用を促すとともに、外部講師を紹介する取組等を行っております。外部講師の活用状況でございますが、教員に医療従事者等と連携した授業手法が十分に定着していないなどの理由によりまして、都内公立学校で今年度末に約五割、令和四年度末には約七割となる見込みではございます。
 今後は、より柔軟に対応できるオンラインでの授業手法の紹介や、教員と外部講師との連携の手引を作成し、教員への理解を深め、外部講師を活用したがん教育をより一層推進してまいります。
 次に、外部講師の活用促進についてでございますが、都教育委員会は、東京都医師会、がん診療病院及び患者団体と連携し、区市町村立学校や都立学校に対して、外部講師を派遣する仕組みを整えております。
 こうした仕組みをより機能させていくためには、その周知とともに、有効な利用方法についての理解を促進することが必要でございます。
 今後は、教員が外部講師を積極的に活用できるよう、がん教育を主に担う保健体育の教員を対象にした協議会等を通じ、申請手続や、外部講師との連携や調整の仕方について十分な理解を図ってまいります。
 次に、児童生徒性暴力防止法施行に当たっての取組についてでございますが、子供を守り育てるべき立場にある教員が、子供へ不適切な行為を行うことは断じてあってはならず、一人一人の子供の安全・安心な環境での学びを確保していかなければなりません。
 都教育委員会では、子供や保護者に啓発を図るとともに、被害の早期発見や未然防止のため、子供への定期的なアンケート調査を行うほか、悩みを抱える子供が学校以外にも相談できる第三者窓口を設置いたします。
 また、不適切な行為の報告を受けたときは、専門家の協力を得て、被害を受けた子供への適切な配慮を確保した上で、関係者に事実を確認し、厳正に対処いたします。
 都教育委員会は、子供の被害の根絶に向けて、これらの取組を確実に実施してまいります。
 最後に、教員採用に係る過去の処分歴等の把握についてでございますが、都教育委員会は、採用選考の実施に際し、処分歴等の確認を徹底して行っているところでございます。
 懲戒免職処分を受け免許状が失効等となった教員については、文部科学省より過去四十年分の情報が提供されており、これを活用して処分歴を確実に把握をしております。
 さらに、処分歴等を秘匿して採用されることを防ぐため、今年度からは、選考の際に、処分以降の氏名変更についても報告させるとともに、処分歴等の虚偽記載が判明した際には、採用を取り消すことといたしました。
 都教育委員会は、これらの対応を確実に行い、教員としての適格性を確保してまいります。
   〔政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君登壇〕

○政策企画局国際金融都市戦略担当局長(児玉英一郎君) 「国際金融都市・東京」構想についてでございますが、前回の構想策定以降、SDGsへの関心の高まりやデジタルシフトの流れなど、国際金融を取り巻く環境は大きく変動しています。こうした変化に対応すべく、有識者会議において、東京のプレゼンス向上に向けた課題の整理を行い、これまで重点的に取り組んできた海外金融系企業の誘致に加え、グリーンとデジタルを基軸として構想を改定しました。
 この構想に基づき、サステーナブルファイナンスの活性化や、フィンテック企業の育成等を通じた金融のデジタライゼーションを推進し、東京の経済を背景とする成長分野に円滑に資金を供給するインベストメントチェーンの構築に向け、国とも連携して取り組んでまいります。
   〔福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 自宅療養者への避難対応に関するご質問にお答え申し上げます。
 都は、令和二年六月、避難所で新型コロナウイルス感染症の自宅療養者を受け入れる場合に、専用のスペースを設置して受け入れることなどを示しました避難所における新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインを国の通知に基づき作成し、区市町村に周知をしております。
 令和三年四月時点で、四十七の自治体がこの内容を避難所管理運営マニュアルに反映をさせております。
 今般の感染拡大によりまして、多くの方がご自宅で療養されている状況などを踏まえまして、国に通知の内容の見直しを働きかけるとともに、関係局や区市町村、福祉保健の主管部署、防災の主管部署と意見交換をいたしまして、現在の対応状況や課題を把握してまいります。
   〔生活文化局長武市玲子君登壇〕

○生活文化局長(武市玲子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、防災語学ボランティアについてでございます。
 このボランティアは、災害時に区市町村の避難所等で、翻訳や被災外国人の通訳支援を行うものでございまして、現在、十七言語、約七百人の方に登録をいただいております。
 今年度は、より迅速かつ効果的な活動につながるよう、防災語学ボランティアシステムを構築しているところでございます。
 このシステムでは、区市町村が入力した避難所等におけるニーズを集約し、活動可能なボランティアとのマッチングを即時に行うことができるようになります。また、平時には、研修や活動時のノウハウなど、ボランティア活動に役立つ情報の提供も行います。
 来年度当初から、このシステムの運用を開始いたしまして、ボランティアの活動意欲の維持を図るとともに、一層活躍できる環境を整備してまいります。
 次に、町会、自治会支援についてでございます。
 町会、自治会は、住民を結ぶ共助の中核を担っていますが、コロナ禍においては、人と人とが接する高齢者サロンや子供会等の活動が困難になってしまいました。
 このため、来年度、対面で集まらなくても、高齢者や子育て世代が交流したり、地域に必要な情報の提供ができるアプリを町会、自治会が導入する際に支援を行います。
 事業の実施に当たりましては、スマートフォンが苦手な方でも気軽に使えるよう、説明会の開催や訪問対応等のサポートをきめ細かく行っていくこととしております。
 このような取組を通じて、町会、自治会活動の活発化を図り、地域のつながりを強めてまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、特別養子縁組に関する取組についてであります。
 都は、家庭的環境での養育を進めるため、乳児院と児童相談所に専任の職員を配置し、養子縁組が最善と判断した場合には、新生児のうちに委託につなげております。
 来年度は縁組成立後の養親が児童に対して早期に出自を告知できるよう、個々の状況に応じた支援プログラムを新たに実施いたします。
 また、民間のあっせん事業者に対し、養親希望者等へのきめ細かな相談支援や、アフターフォロー等の費用を補助するとともに、養親希望者には手数料負担を軽減する取組も実施しており、今後とも、特別養子縁組を推進してまいります。
 次に、特別養子縁組制度等の普及啓発についてであります。
 都は、不妊治療患者向けの雑誌に特別養子縁組を行った里親の体験談を掲載しているほか、子供を持つことに関する知識の普及啓発の一環として、二十代を対象としたウェブサイトで里親制度を紹介しております。
 平成三十年度からは、不妊治療を行う都内医療機関に特別養子縁組制度等に関するリーフレットを送付するとともに、スタッフ向けの出張講座も実施しております。
 また、国の調査研究に協力して、不妊治療を開始する前の患者を対象とした特別養子縁組制度等の説明会を開催したほか、医療機関向けのガイドラインの作成などにも取り組んでおります。
 今後とも、不妊治療を行う患者に対する特別養子縁組制度等の普及啓発を進めてまいります。
 最後に、住まいを失い不安定な生活をしている方への支援についてであります。
 都は、住居を失い、ネットカフェ等に寝泊まりしながら不安定な就労をしている方を対象に、TOKYOチャレンジネットにおいて、生活、居住、就労等に関する相談支援や一時利用住宅の提供、資格取得支援などを総合的に行っております。令和二年度の利用登録者約千六百人のうち、約四割が二十代と三十代になっており、就労や住居確保などで生活の改善が図られております。
 また、強い不安や悩みなど、精神的な課題を抱えている方には、チャレンジネットから必要な福祉サービスや医療につなげるなどの対応をしているところでございます。
 引き続き、若い世代も含め、住まいを失い、生活に困窮した方々の状況に応じた支援を行ってまいります。
   〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) マンションの管理計画認定制度の普及に向けた取組についてでございますが、管理が良好なマンションが市場で適正に評価されるよう、認定制度を広く普及させることは重要でございます。
 このため、都は、実施主体となる区市を個別に訪問し、認定制度を速やかに導入するよう働きかけるとともに、実務的な意見交換の場を通じまして、制度の運用に必要な要綱等の案を提示するなど、技術的な支援を行っております。
 今後、制度導入を引き続き区市に促すとともに、導入に向けた課題をヒアリングし、認定を取得するインセンティブの強化など、制度の魅力向上を国に働きかけてまいります。
 また、マンションポータルサイトにおきまして、認定を取得したマンションを広く紹介するなど、制度の普及に向けた都独自の取組も進め、良好に管理されているマンションが適正に評価される市場の形成を図ってまいります。

○議長(三宅しげき君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後五時一分休憩

ページ先頭に戻る