令和四年東京都議会会議録第四号

○議長(三宅しげき君) 二十七番あかねがくぼかよ子さん。
   〔二十七番あかねがくぼかよ子君登壇〕
   〔議長退席、副議長着席〕

○二十七番(あかねがくぼかよ子君) 世界各国による軍事行動回避の呼びかけもむなしく、ロシアによるウクライナへの侵攻がついに現実のものとなり、本日も、現地での具体的な被害状況が次々と報道されています。
 都民ファーストの会は、昨日、ロシアのウクライナ侵攻に対し強く抗議するとともに、ウクライナの人々や在留邦人の安全を求める声明を発出しました。
 一段と悪化するウクライナ情勢を受け、為替への影響に加え、小麦や希少金属の調達、この間上昇が続いてきた原油価格のさらなる高騰も懸念されており、その動向によっては、都民生活、事業活動に一層の負担がかかる可能性が非常に高いと考えます。
 オミクロン株の感染拡大による社会経済活動の停滞も危惧される中、ロシア・リスクに端を発する今般の事態に迅速に対処できるかどうかは、今後の都内経済活動を大きく左右しかねず、都は喫緊の課題として確実に対応を進める必要があります。
 そこで、今般の情勢悪化を踏まえ、原油価格高騰をはじめとする影響から都民、事業者、東京の経済を守るため、都としてどのように対応していくのか、知事の見解を伺います。
 山積する都政課題、増大する財政需要に対して、より一層の賢い支出が求められます。金融の手法を活用することで、より少ない支出で大きな成果を生み出せる可能性が期待されています。民間投資を呼び込み、レバレッジを利かせ、社会課題解決のために資金の流れを生み出すといった方法で財源を確保することができれば、税として強制的に徴収するより、多くの都民の理解と共感が得られます。
 社会や環境に配慮する企業に単に投融資をするだけでなく、実際にどれだけのインパクトを生み出したのか測定し、可視化をするインパクト投資の活性化について、知事の施政方針にて言及がありました。
 社会的課題の解決に貢献をする金融市場の構築は、都が策定した新たな構想の中核をなす重要な取組に位置づけられています。サステーナブルファイナンスの活性化にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 福祉分野における財政需要は今後も高まる一方でありますが、サステーナブルであり、かつ都民一人一人が気持ちよく支え合える工夫が施策には必要です。
 ソーシャル・エンジェル・ファンドでは、ひとり親家庭の就労支援、社会的養護施設にいる若者の就学支援など、社会的意義の高い事業に対して資金が流れる仕組みになっています。
 市場原理では民間資金が活用されにくい分野に対して、金融の手法を活用することで、事業資金を生み出す方法が機能するのであれば、受益者、事業者、出資者、三方よしとなり、大いに期待されます。
 第二、第三のソーシャル・エンジェル・ファンドが立ち上がり、金融の力を最大限活用して、社会課題の解決に貢献をする資金の流れが生まれるよう取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。
 東京都認証ソーシャルファームとは、障害者、ひとり親、ひきこもり経験者など、就労に困難を抱える多様な方々の雇用が創出される、社会的に意義の高い取組です。
 我が会派の提案により、関連の条例を制定し、昨年度から認証制度を開始、これまでに十六の認証事業所が誕生したほか、今年度も新たに十二の事業所がソーシャルファーム創設に向けた取組を始めています。
 もう一つの特徴は、企業的な経営を目指し、いずれは独立採算で運営をしていくという点であり、従来の福祉事業所とは異なっています。
 しかし、事業の開始に当たっては、就労困難者を多数雇用し、必要なサポートを行いながら経営を軌道に乗せていくということは、多くの事業者にとって容易なことではありません。
 特に、就労困難者とのマッチングに苦労をしている経営者が多いことから、ひきこもりサポートネット、ひとり親家庭支援センター「はあと」など、都の他部門や国の機関とも連携をして、仕事と人材を結びつけていくことが重要と考えます。
 東京都認証ソーシャルファームの一層の促進に向けた今後の取組について、知事の見解を伺います。
 従来の常識では、障害者の職場はあくまでも福祉施設であり、経営努力により利益を向上し、工賃を上げるための取組まで求められていなかったと認識をしています。しかしながら、B型事業所で働く方からは、賃金などの処遇改善への要望を強くいただいています。
 そこで、B型事業所の経営力を高めるために、先行事例となるよう、KURUMIRUでもネット販売にも取り組むべきと、三年前、予算特別委員会にて私は提案をさせていただきました。
 このたび、来年度から、コロナの影響で、実店舗だけではなくネット通販も始めていくということで、販路拡大や工賃向上を図っていく上で非常に期待をしています。
 KURUMIRUでの取組を先行事例とし、都内全てのB型事業所でも工賃アップにつながるよう、都として広げていくべきと考えますが、見解を伺います。
 女性特有の生きづらさの一つとして、男性に比べてはるかに複雑なホルモン体系と初潮、妊娠、出産、閉経といったライフイベントにも伴って、その数値が激しく変化をする、そういった身体的な特徴が挙げられます。
 都は来年度、東京ユースケア推進事業を始めると発表し、世間から高い注目を浴びており、その中で思春期から更年期までの母性保健向上の取組を拡充していきます。
 女性の更年期は、本人がつらいだけでなく、社会的にも大きな損失になっているといわれています。都としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 コロナ禍で公衆衛生医療に従事する看護師の不足が顕在化しています。かねてより、民間の人材紹介を利用した際の紹介料が病院経営に過度の負担になっているという点、転職後の定着が芳しくない点が指摘をされています。
 都は、東京都看護協会へ委託し、看護職の求人や復職支援に取り組んでいますが、看護協会に登録をしていない看護職も多く、看護職の登録促進が今後の課題です。
 今年から新規事業で、東京都ナースプラザで再就職、定着に向けた奨励金の支給が始まったところです。民間による看護職のあっせんが過熱をしているということに鑑みると、民間とのギャップを埋めるための措置として有効であると考えます。
 都看護協会に登録をしてない看護職も含め、全ての看護職に対して東京都ナースプラザの存在が認識され、就業の仲介に際して民間より優先的に利用されるようにすべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 都は、潜在看護師の復職支援のための研修を充実させていますが、それでもなお、子育てなどで離職をしている人にとって、復職のハードルは高いものです。
 当事者の声を聞いてみますと、家庭と仕事の両立ができるのか判断ができない、復職した人の体験談をまず聞いてみたいなど、研修を受ける一歩手前でとどまっているということが見えてきます。
 潜在看護師の復職支援として、実践的な研修だけでなく、当事者の置かれている状況に寄り添い、復職に向けた課題解決ができるよう、先輩の体験談や相談支援なども取り入れ、より一層の工夫が求められると考えますが、見解を伺います。
 コロナ禍による外出自粛などで高齢者の活動量が低下し、フレイルの進行、要介護者が増加をするリスクが高まっています。
 介護予防には、元気な高齢者の何かしたいという意欲を後押ししていくことが第一です。しかし、高齢者の社会参加への意欲は高い割に、実際の活動には結びついていないことが課題です。
 また、コロナ禍の雇用情勢の悪化はシニア層にも及んでいますが、シニア世代の方の中には、就職活動から遠ざかっているために、その進め方が分からない方もいらっしゃいます。
 こうした状況を踏まえ、都は、都立大学プレミアム・カレッジ、百歳大学や、セカンドキャリア塾を通じて、高齢者のリカレント、再就職支援に力を入れてきました。
 人生百年時代において、シニア世代が元気に無理せず社会活動を継続できる機会を引き続き提供していけるよう、意欲あるシニア世代の就職を支援していくための都の取組について伺います。
 高齢者世帯は増加の一途ですが、民間賃貸住宅では入居を拒まれがちであり、対応が急務です。
 都は、地域包括ケアシステムの考え方に基づき、介護や生活支援サービス等が必要な高齢者には、サービス付高齢者向け住宅の供給を促進する取組を行っています。
 サービス付高齢者向け住宅では、介護の必要性のある方から自立した高齢者まで、様々なニーズに対応していく視点も重要です。
 医療、介護サービスの提供に加え、学生や子育て世代など多世代との交流や、離れて暮らす家族の不安の解消などが求められます。
 サービス付高齢者向け住宅については、そのような視点を踏まえて供給を進めていくべきですが、今後の都の取組について伺います。
 健康寿命を延ばし、最期まで尊厳のある生き方ができることは、誰もが望むところです。しかし、認知症は医学的研究が道半ばであり、予防方法は解明されていません。
 そこで、東京都健康長寿医療センターでは、認知症研究を行う組織を令和二年に創設し、予防に役立てる研究を進めてきました。約一年前には、国の研究機関と東京大学との共同研究で、認知機能の低下した患者の顔を見分けることができるAIモデルの開発に成功しました。
 来年度からは、都は、スマートウオッチなどで高齢者の血圧、脈拍、身体活動量などのバイタルデータを自動的に集め、フレイル等の健康リスクとの関係性の解明を始めると、我が会派の代表質問に対して答弁をいただきました。
 このように、フレイル予防や認知症予防など、高齢社会に向けた研究や取組が東京都に関係している機関だけでも複数の主体で進められているところです。
 健康年齢の延伸という共通の目的に向かって、それぞれの取組から得られるデータについては、その実施主体だけの利用に限定するのではなく、できる限りオープンデータ化し、早期に実用化ができるよう連携を促進していくべきと考えますが、見解を伺います。
 最後に、都立公園について伺います。
 私の地元杉並区は、都心近くの住環境でありながら、豊かな自然環境に恵まれた地域です。一方で、幅員が四メーター未満の狭隘道路や木密地域も多いため、首都直下型地震への備えが不可欠であり、区を挙げて取り組んできているところです。
 豊かな自然環境の中心となっているのは、和田堀公園、善福寺公園、善福寺川緑地といった都立公園です。ここに、新たに、現在整備を進めている高井戸公園も加わるということで、杉並区民からは大きな喜びと期待の声をいただいています。
 例えば、子供からお年寄りまで過ごせる場所、ペットと共に楽しめる公園、本格的な球技などスポーツができる公園にしてほしいといったものがご要望です。
 高井戸公園の整備については、杉並区とも連携し、都民のニーズをできる限り実現していただきたいと考えますが、これまでの整備状況と今後の予定について所見をお伺いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) あかねがくぼかよ子議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、原油価格高騰への対策についてのお尋ねでございます。
 ロシアによるウクライナ侵攻は、国際秩序の根幹を揺るがすものであり、決して許されるものではありません。この事態を極めて憂慮しておりまして、国際社会として毅然とした対応が求められると考えております。
 我が国、東京にとりましても、対岸の火事などではなく、金利、株価、為替など金融市場の動揺、エネルギーや資材、さらには穀物価格の高騰などによって、実体経済や都民生活に大きな影響を及ぼすことになります。
 既に原油価格の高騰という影響が出ておりまして、中小企業に与えるダメージは計り知れないものがあります。価格上昇を考慮しつつも、合理的で適切な取引を行うよう、関係団体に要請をいたします。
 加えまして、業界団体と協力し、中小企業に出向いてその場で対応方法の提案を行う緊急サポートを開始いたします。
 また、省エネルギーなどの促進に向けまして、環境性能の高い車両の購入や住宅の断熱改修などの助成規模などを大幅に拡充しまして、支援策の積極的な活用を促してまいります。
 引き続き国際情勢を注視し、国に対して必要な対策を要請するとともに、他の自治体とも危機感を共有しながら、東京の経済と暮らしを守るための取組を臨機応変に講じてまいります。
 次に、サステーナブルファイナンスの推進についてのお尋ねがございました。
 経済の血液として成長を支える役割と、気候危機への対応、ジェンダー平等の推進など、都市の成熟を後押しする力、この双方を備えている金融でございますが、成長と成熟の両方を目指す東京にとりましては、まさに重要な成長戦略であります。
 特に、経済的利益と社会に対するポジティブなインパクトを共に生み出す取組は、グリーンファイナンスと並び、世界の潮流となっております。熾烈な都市間競争を勝ち抜くためには、こうした動きを的確に捉え、サステーナブルファイナンスを活性化していかなければなりません。
 そこで、来年度、都の十億円の出資を呼び水として百億円規模を目指すソーシャルインパクト投資ファンドを組成し、医療、介護、ヘルスケアなどウエルネス分野の企業への投資を進めることで、人々の健康で豊かな生活の実現に寄与してまいります。
 また、サステーナビリティーに関する目標を設定いたしまして、その達成度合いと融資条件が連動するローンの活用を促進するなど、地域の金融機関と連携をいたしまして、中小企業の持続可能性に配慮した経営への転換を支援してまいります。
 こうした取組を通じまして、環境問題のみならず、様々な社会課題の解決に資する資金の流れを生み出し、コロナ禍からのサステーナブルリカバリーの実現につなげてまいります。
 次に、ソーシャルファームの創設の促進につきましてであります。
 就労に困難を抱える方々が社会の担い手として働き、活躍する場を提供するソーシャルファームは、都民からの期待も大きく、その創設に弾みをつけていきたいと考えております。
 そのためには、ソーシャルファームの設立に意欲のある事業者に対しまして、就労困難者を従業員として確保し、自律的な経営の基盤をつくり上げるサポートを行うことが重要であります。
 このため、都は、ソーシャルファームの創設を目指す事業者に、認証事業所と交流する場を設け、就労困難者の雇用ノウハウを提供いたします。
 また、都の関係機関をはじめ、国や民間の就労支援団体等と連携をいたしまして、ひきこもり経験者、ひとり親、障害者など、就労に困難を抱える多様な方々とのマッチング支援を新たに実施をしてまいります。
 さらに、経済団体に対しまして、ソーシャルファームとの取引促進に向けた働きかけを行うとともに、その製品やサービスをウェブサイトで紹介するなど、販路の開拓に結びつく後押しをしてまいります。
 こうした取組によりまして、ソーシャルファームの創設の促進を図り、ソーシャルインクルージョンの輪を広げてまいります。
 その他のご質問につきましては、関係局長から答弁をさせていただきます。
   〔政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君登壇〕

○政策企画局国際金融都市戦略担当局長(児玉英一郎君) 金融による社会的課題の解決についてでございますが、ソーシャル・エンジェル・ファンドは社会的課題の解決に資する一方で、必要な資金を集めることが困難な事業に対して金融的な手法を用いて支援するものです。
 具体的には、東京版ESGファンドの管理報酬から寄附を受けたソーシャル・エンジェル・ファンドの運営事業者が、ひとり親世帯の就労支援等を行っております。
 今年度の東京金融賞では、植樹活動を行う団体へ信託報酬の一部を寄附するファンド運営事業者を、新設したグリーンファイナンス知事特別賞に選定いたしました。
 今後とも、こうした優れた取組を発信することなどにより、社会的課題の解決と経済的利益の両立を図る投資の機運を高め、ESG投資の一層の拡大につなげてまいります。
   〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、就労継続支援B型事業所についてであります。
 都は、これまで、企業等で働くことが困難な障害者が通うB型事業所の工賃向上を図るため、障害者の特性を踏まえた作業工程の工夫や商品開発、改良の進め方を学ぶセミナーを開催しておりまして、今年度からはネット通販についても研修内容に加えているところでございます。
 また、福祉・トライアルショップKURUMIRUでは、都内のB型事業所で作られた自主製品のさらなる販路拡大や魅力発信のため、来年度、実店舗での販売に加えてネット通販を開始いたします。
 今後、このネット通販で得られた知見をセミナー等で広くB型事業所と共有し、各事業所のさらなる販路拡大や工賃向上に向けた取組を支援してまいります。
 次に、女性の更年期における健康支援についてであります。
 都は、思春期から更年期に至る女性の心身の健康に関する悩みに、女性のための健康ホットラインで電話やメールにより対応しております。
 また、更年期特有の症状や婦人科の病気などに関する相談支援、健康教育、普及啓発などに取り組む区市町村を支援しております。
 来年度は、区市町村の取組が一層進むよう、相談支援を実施する場合の補助率を従来の二分の一から十分の十に拡充することとしておりまして、思春期から更年期までの健康上の悩みを抱える方への支援を充実してまいります。
 次に、東京都ナースプラザの利用についてであります。
 都は、看護職がライフイベントに応じて多様な職場でキャリアを継続できるよう、東京都看護協会に運営を委託する東京都ナースプラザにおいて、いわゆる潜在看護師を復職につなげるための無料職業紹介事業を実施しております。
 また、看護管理者連絡会議等の機会を活用いたしまして、東京都ナースプラザの事業内容や機能、利用方法などを広く情報提供しております。
 本年一月からは、東京都ナースプラザの職業紹介機能を充実しまして、短時間、非常勤勤務が可能な施設の情報を収集するなど、多様な就業機会を確保しております。
 また、個人向けの事業案内を作成、配布することとしておりまして、引き続き情報の周知、紹介等を推進し、東京都ナースプラザの利用を促進してまいります。
 次に、潜在看護師の復職支援についてであります。
 東京都ナースプラザでは、離職中の看護師等に対し、個別に相談員によるアドバイスや情報提供等の支援を実施しております。
 具体的には、都内二か所に設置している窓口や就職相談会などの場で気軽に相談できる機会を設け、経験豊富な看護職の相談員が、離職前の勤務状況を踏まえ、キャリアプランに応じたアドバイスを行っております。
 また、復職に向けた不安を解消できるよう、基礎的な看護学や手技の復習、認知症患者とのコミュニケーション手法や医療現場のトピックスなどを盛り込んだ研修を実施しており、引き続き、潜在看護師の復職支援を推進してまいります。
 最後に、健康寿命の延伸に向けた研究についてであります。
 東京都健康長寿医療センターでは、フレイルや認知症などの老年症候群の予防に向けた研究を進めており、昨年度は、国の研究機関や大学との共同研究により、AIを活用した認知症のスクリーニング手法を開発するなどの成果を上げております。
 今後は、データベース化したセンターの診療情報や生体試料、画像データ等の一層の充実を図るとともに、運用ルールを定めた上で大学や研究機関、企業に公開し、認知症の新薬や新たな診断、治療の開発につなげる取組を推進していくこととしております。
 また、来年度からは、民間企業等と連携し、高齢者にデジタル機器を装着いただき、健康管理を支援する取組を開始するなど、研究成果の実用化を図ってまいります。
   〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) シニア世代の再就職支援についてですが、シニア世代が豊富な経験やスキルを活用し、職場で活躍できるよう、その就業を後押しすることは、東京の持続的な成長を図る上で重要でございます。
 このため、都は、シニア世代の方の再就職に向け、これまで培ったスキルの強みを見いだす方法や、職場での高齢者の活躍事例などを学ぶ講座を開催しており、来年度はこの規模の拡充を図ることといたします。
 また、高齢者の就職活動に役立つノウハウを提供するセミナーから、自己PRを効果的に行うためのカウンセリングや、就職面接会までを一貫して行うプログラムを開始いたします。
 これらの取組によりまして、シニア世代の早期の再就職をサポートしてまいります。
   〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) サービス付高齢者向け住宅の供給促進に向けた取組についてでございますが、高齢者が生活や介護、医療等の支援を受けながら、住み慣れた地域などで住まいを確保することは重要でございます。
 このため、都は、サービス付高齢者向け住宅等について、令和七年度末までの供給目標を二万八千戸とし、普及啓発や補助制度などを通じまして、昨年度末までに約二万三千戸を供給してまいりました。
 今後は、入居者の幅広いニーズに応じ、NPOなど多様な主体と連携した地域との交流の活性化や、IoTを活用した効率的、効果的な見守りサービスの提供など、居住環境の充実を事業者に促しながら、サービス付高齢者向け住宅の一層の供給促進に取り組んでまいります。
   〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 高井戸公園の整備についてでございますが、高井戸公園は、神田川や玉川上水と連続した水と緑のネットワークを形成する拠点であるとともに、災害時の避難場所にも指定されている防災上重要な公園でございます。
 都は、事業面積十・九ヘクタールの区域につきまして順次整備を進めており、北側エリア五・九ヘクタールでは、遊具や芝生広場のほか、防災トイレなどを整備し、令和三年度までに開園いたしました。このエリアでは、杉並区が五年度に、隣接する小中学校の校庭機能を兼ねた多目的広場を設置する予定でございます。
 南側エリア五ヘクタールでは、昨年度から野球場の整備を進めておりまして、今年度から、サッカー・ラグビー場、駐車場、管理棟などの整備に着手いたします。
 令和六年度の南側エリアの完成に向けまして、地元区と連携しながら、高井戸公園の整備に着実に取り組んでまいります。

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