令和三年東京都議会会議録第二十三号

○議長(三宅しげき君) 十三番もり愛さん。
〔十三番もり愛君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○十三番(もり愛君) 政治は子供たちの未来を守るためにある。未来を担う子供たちに持続可能な東京づくりに願いを込め、質問させていただきます。
 まず、気候変動問題に対する東京都の取組について伺います。
 今年、グラスゴーでCOP26が開催されました。直近のIPCC報告書によれば、気温上昇を一・五度に抑えたとしても、過去、前例のない異常気象が頻発すると警鐘を鳴らしています。まさに気候危機であり、都は、ゼロエミッション東京戦略において、いち早く気候危機行動宣言を行い、二〇五〇年までにゼロエミッション東京を実現し、世界のCO2排出実質ゼロに貢献していくことを明言しています。実現に向け具体的な行動が問われています。
 日本の目標は、二〇三〇年、四六%削減ですが、COP26では、現状では一・五度目標に遠く届かないため、二〇二二年度までに目標の見直しを要請されており、取組をさらに強化することが求められます。
 東日本大震災と福島原発事故を経験し、気候変動による自然災害が激甚化、頻発化している日本は、原発によるCO2削減を考えるのではなく、エネルギー大消費地である東京から、再エネの導入拡大に向けた全国的送電網の整備を国に働きかけることが有効です。見解をお伺いいたします。
 再生可能エネルギーを一層推進していくために、再生可能エネルギー由来の水素は、エネルギーの貯蔵、輸送や需給の最適化の面で重要な役割を担います。
 ベイエリアでの取組や南大沢の再エネシェアリングの取組、民間の投資も促し、再エネ由来水素の社会実装に向けた取組を加速していくべきと考えます。知事の見解をお伺いいたします。
 COP26では、ゼロエミッション自動車COP26宣言のほか、様々な議論に各自治体も参加しています。これまで東京は、カーボンプライシングの導入等、国に先駆けた取組を推進してきました。来年はエジプトで開催とのことですので、ぜひ、COP27に向け、国際的なリーダーシップを発揮し、積極的な発信を行っていただきたいと要望いたします。
 次に、食の安全と学校給食改革について伺います。
 国の法改正の動きを見てみますと、二〇一九年、水道民営化法とも呼ばれる改正水道法、また、農業分野では、水と同じく、食のライフラインとして戦後の食料の安定供給を支えてきた主要農作物種子法が二〇一八年に廃止されました。全国一律の制度はなくなり、今後は、各地方自治体が必要に応じて制度をつくり、守ることが求められます。
 以前、議会で確認した際、都として、世界に誇る高品質な東京水道を守っていくこと、また、小池知事より、都の伝統野菜である江戸東京野菜を守り、振興していくとのご答弁をいただきました。
 食の安全は、命に直結するとても重要な課題です。ところが、近年、国の残留農薬の基準値が大きく緩和され、世界の流れと大きく逆行していることを危惧しています。
 二〇一八年、農民連食品分析センターが行った小麦粉のグリホサート残留検査では、輸入小麦粉の食パンのほとんどに残留が見られ、グリホサートは、二〇一五年、WHOの下部組織である国際がん研究機関が発がん性があると指摘し、EUでは使用禁止の一方で、日本では、二〇一七年に、残留基準値が最大で四百倍と大幅に緩和され、使用されています。
 東京都内の学校給食で提供されている輸入小麦を使用したパンや麺などに残留農薬は含まれているかどうか、検査をする必要があると考えます。
 コロナ禍の子供の貧困等、給食が最後のとりでとなっている子供もいます。近年増加している生活習慣病予備軍の子供、またアレルギーの児童等、給食の重要性は高まっています。
 韓国では、既に国策として給食の有機農産物化を進めており、フランスでも、マクロン大統領の公約として、二〇二二年までに食材のオーガニック比率五〇%に向け、法整備が進んでいます。
 地元大田区の森の保育園では、十年以上、有機食材のビーガン給食に取り組んでいらっしゃり、自然の中に設置したフリースクールでは、不登校や発達障害、自閉症等のお子さんが食事を変えることで、子供の行動や学力向上等、驚くほどの変化が見られたと伺ってまいりました。
 残留農薬については基準値が定められておりますが、ネオニコチノイドも国内で使用されており、東京都としては、児童生徒の健康のため、残留農薬のある食品や遺伝子組換え食品を選択するのではなく、より安全な食品を選択し、提供すべきであり、必要に応じて都の補助制度を創設し、推進していくべきと考えます。
 給食の有機農産物化を進めることで、子供たちの健康と安全が守られると考えます。
 学校給食における有機農産物の利用について、都の見解を伺います。
 ぜひ小池知事に強いリーダーシップで、東京の給食改革に取り組んでいただきたいと願い、要望いたします。
 農林水産省は、みどりの食料システム戦略を令和三年五月に策定しました。
 持続的生産強化対策事業の中で、有機農業を推進し、有機農産物の安定供給に向けて、学校給食等を含む販路確保を支援しています。令和二年度の国のモデル事業に東京都が入っていないことは大変残念です。学校給食に東京の有機農産物を提供し、地産地消と子供たちの健康を守る取組を進めるべきと考えます。
 一方で、都内では、農薬等を全く使用しない有機農業に取り組む農家はまだまだ少ない現状があり、有機農業の推進に向けて、まずは化学合成農薬や化学肥料を削減した、環境に優しい農業に取り組む農業者を支援していくことが重要です。
 安全・安心な農産物は、東京の農業の付加価値向上にもつながります。
 そこで、農薬等を削減し、環境に配慮した農業に取り組む農業者を増やすため、支援を進めていくべきと考えます。都の取組について伺います。
 教育活動を安心して行うためには、徹底した感染対策を講じることが必要です。小中学校の教育活動におけるPCR検査について伺います。
 第三回定例会で我が会派は、学校が教育活動を展開するに当たり、PCR検査を活用した安全確保対策を講じるべきと主張し、それに応えて、都は十一月から、小中学校の教育活動におけるPCR検査事業を始めております。
 子供たちにとって一生に一度のかけがえのない野外教室や修学旅行を止めないでほしい、切実な声が寄せられる中、課外学習も再開され、年度末までの春休みの間までに様々な学校で行事が予定されています。
 こうした学校行事を安全に実施するためには、PCR検査事業は重要です。検査の実施期間を年度末まで延長すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 次に、屋敷林など、都市に残る貴重な緑を保全し、未来を担う子供たちに緑豊かな東京を守り育む、東京の緑のまちづくりについてお伺いします。
 東京の緑は、公園、緑地の整備等、緑の創出に取り組んでいますが、樹林地や地域の屋敷林等、東京の緑全体としては減少を続けています。
 私の地元大田区でも、相続により、長年地域で親しまれてきた貴重な社寺林や屋敷林が次々失われていることに大きな危機感を持っています。
 大田区では、令和二年度、特別緑地保全地区を新たに二か所指定する等、地域の人々と共に、屋敷林など緑の保全を進めています。
 都では、令和二年に創設した緑あふれる東京基金を活用し、緑を保全、創出する区市町村の取組を支援しています。
 そこで、都は、屋敷林など地域に残る貴重な緑の保全に取り組んでいる区市町村を積極的に支援すべきと考えます。見解をお伺いいたします。
 東京ベイeSGまちづくり戦略を基に、デジタルやグリーンを高度に組み合わせた新たなまちづくりを臨海部から牽引していくべきと考えます。
 都市計画による誘導も活用し、立体的な緑の創出など、新たな取組に制度充実も含めて挑戦していくべきですが、知事の見解をお伺いいたします。
 今年三月、東京都こども基本条例が議員提案により成立し、あらゆる場面において子供を権利の主体として尊重し、擁護するための施策を推進していくことが示されています。
 しかし、依然として、児童虐待など、子供の権利が脅かされている深刻な状況が発生しています。子供の権利を守るためには、権利の主体である子供自身が、子供の権利について理解することが欠かせません。
 そこで、学校現場において、子供自身が子供の権利について学び、児童虐待の小さなSOSを見逃さないよう、教員が早期発見に努める必要があると考えます。見解をお伺いいたします。
 こども基本条例第十条、子供の意見表明権と施策への反映、第十一条に子供の参加の促進が盛り込まれました。都政の意思決定の場に、子供の意見を反映する体制整備が求められ、都の審議会等、子供の参加と意見を施策に取り入れることが求められます。
 こども基本条例を踏まえ、子供の意見を都政に反映させるための取組についてお伺いします。
 児童虐待は、子供の心に深い傷が残り、フラッシュバックやトラウマに長い間苦しんでいる方も少なくありません。
 虐待の連鎖を断ち切るためにも早期の心のケアを行う必要があります。また、虐待をしてしまった親に対しても、虐待を繰り返さないよう、都として、子供の心のケア、そして、再発を防止するための親の更生プログラムなど、都の取組をお伺いします。
 十八歳以上の虐待を受けた方が行政から見放された状況にあり、十八歳以上の方へ、伴走型で公的なカウンセリングが必要だと考えますので、要望いたします。
 社会的養護の施設を出た後のお子さんの実態調査を求めてまいりました。今年度は五年ごとの追跡調査が行われ、現在集計中とのことです。
 しかし、アンケートが二割しか返ってこなかったこと、八割の方から連絡がないことを重く受け止めて、連絡の取れなかった方への再調査を行うなど、引き続き、社会的養護を出た後のお子さんに寄り添う伴走型の支援を要望いたします。
 乳幼児に対する虐待を防止し、体罰によらない育児を推進するために、母子手帳とともに、これからパパやママになる人が知っておくべき妊娠、出産、育児の情報を伝える父子手帳や親子手帳が各自治体で発行されており、都でも取組を支援すべきと考えます。
 都では、父親ハンドブックの電子版が公開をされています。子供を授かった時点で虐待を未然に防ぐため、親としての心構えや子供の権利について、啓発が必要だと考えます。
 大田区では父子手帳を発行し、独自に工夫している自治体もあります。都としても、区市町村と連携し、子供の権利、体罰によらない子育ての普及啓発が重要と考えます。都の取組をお伺いします。
 最後に、アニマルウェルフエアの推進について質問をいたします。
 動物愛護管理法では、飼い主の責任と動物取扱業者の規制が両輪となっています。フランスでは、今年十一月、店頭販売禁止法が成立し、二〇二四年からペットショップなどで犬や猫の販売が禁止をされ、ブリーダーから直接購入か、保護団体からの譲渡に限られることとなり、飼い主等の責任として、購入者への飼育に関する知識を証明する書類への署名が義務づけられるとのことです。
 今年三月、東京都動物愛護管理推進計画、ハルスプランが策定されました。普及啓発事業を効果的に実施するためには、飼い主責任に関する専門知識が必要であり、例えば民間の支援団体では、動物の生態から、家庭での臨床獣医学、予防獣医学といった知識まで、動物を家族として、猫と共に暮らすための二日間の専門的プログラムを構築し、好評を得ており、そうした団体とも連携し、体系的かつ計画的に飼い主を養成するプログラムが有効です。
 これは都立大学の公開講座ともぜひ連携をしていただきたいと思っているんですけれども、啓発パンフレットを製作し、配布して終わりではなく、必要とする方に届いたか、理解されたかという都民の視点で施策を講じねばならないと感じます。普及啓発のみならず、理解促進のための効果を上げていくことが求められます。
 都民が新たにペットを飼う際、飼い主の終生飼育の意思を確認するなど、動物の適正飼育についての啓発が求められます。都の取組をお伺いし、全ての質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) もり愛議員の一般質問にお答えいたします。二問であります。
 再生可能エネルギー由来水素の社会実装についてのご質問でした。
 水素は、様々な資源から製造ができる、そのため、エネルギーセキュリティに有用なほか、大規模、長期間の貯蔵が可能でございますので、再エネの調整力として期待されているところです。
 こうした大きな将来性を持つ水素エネルギーを普及させる、そのためには、水素需要の創出と技術革新によるコスト低減、そして、再エネ由来水素活用の基盤づくりを並行して推進することが重要となってまいります。
 東京二〇二〇大会では、聖火台や聖火リレートーチのほか、選手村において、福島県で製造された水素を一部活用したところであります。
 今後、都は、このレガシーを生かしまして、企業の積極的な再エネ由来水素の導入を促進するほか、南大沢での再エネシェアリングのモデル事業におきまして、年度内に設備を設置、そして、来年度より運用を開始いたします。
 また、東京ベイeSGプロジェクトで掲げます持続可能な都市の創造に向けまして、再エネの活用や商用燃料電池車両の社会実装化などを推進してまいります。
 こうした取組で水素関連市場の活性化を促し、都内の様々なエリアでの活用を推進しながら、再エネ由来水素の社会実装に向けましての施策を強力に推し進め、ゼロエミッション東京の実現を目指してまいります。
 次に、東京ベイeSGまちづくり戦略についてのお尋ねであります。
 東京ベイeSGまちづくり戦略は、eSGプロジェクトの具現化を下支えするために、行政の取組や民間誘導の方策を示す実行戦略として策定をするものであります。
 先般公表いたしましたドラフトでは、立体的な緑空間の充実や、都市再生プロジェクトにおけます一〇〇%脱炭素化など、大胆な取組の方向性をお示しいたしております。
 今後、民間による都市開発の誘導に当たりまして、シドニーなど海外の諸都市の先進事例を学びながら、立体的な緑やカーボンニュートラルなど都市開発制度の中で評価することで、開発のインセンティブとしてまいります。
 こうした取組を通じまして、東京の次なるステージの都市づくりをリードしていくベイエリアを、質の高い緑と魅力的な水辺空間に囲まれ、自然を感じてゆとりと潤いのある都市へと進化をさせてまいります。
 残余のご質問には、教育長、東京都技監及び関係局長からご答弁いたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、学校給食における有機農産物の利用についてでございますが、有機農産物とは、化学肥料や化学合成農薬を使用しないなど、環境への負荷を低減した農産物であり、都内公立小中学校においては、環境問題への理解に加え、食の安全・安心の確保の観点などから、それぞれの学校の判断により、給食の食材として利用しているところでございます。
 学校給食においてこのような有機農産物を取り入れ、食育を進める中で、児童生徒が食材の生産過程について学びを深めていくことは重要でございます。
 都教育委員会は、今後、学校栄養職員への研修等において、有機農産物を利用している区市町村の取組や、生産者を講師とした食育の事例などを紹介してまいります。こうした取組により、有機農産物に対する理解を図り、利用を推進してまいります。
 次に、小中学校の学校行事におけるPCR検査事業についてでございますが、継続した学びの環境を確保するためには、学校における感染拡大防止対策を徹底することが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、正しい手洗いやマスクの着用などのチェックリストを作成し、学校運営上の日常的な感染症対策について周知し、その徹底を図っているところでございます。
 また、全国大会等への参加や校外学習に当たり、訪問先から求められた際には、教職員や、保護者の同意を得た児童生徒を対象として、PCR検査を実施する体制を整備しております。
 本事業の実施期間につきましては、本年度中の学校行事が安全に実施できるよう、令和四年三月三十一日まで延長することといたしてまいります。
 最後に、児童虐待の早期発見に向けた取組についてでございますが、児童虐待は子供の権利を侵害する重大な人権問題であり、教員は日常的に児童生徒と接していることから、虐待の兆候に早期に気づき、関係機関と連携し、対応を行っていく必要がございます。
 そのため、都教育委員会は学校に対し、虐待の早期発見に向けたチェックリスト等の活用を促しているところでございます。学校では、教員が児童生徒の発達の段階に応じ、一人一人が大切な存在であることについて、あらゆる教育場面を通じて伝えております。
 また、教員は、子供が相談しやすい信頼関係を築いていくとともに、児童生徒の小さな変化を見逃さず、虐待の疑いのある場合は児童相談所等と連携し、子供への具体的支援につなげております。
 今後とも、子供たちが健やかに成長できるよう、安心・安全な環境を整えてまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 緑豊かな東京のまちづくりについてでございます。
 丘陵地や崖線、屋敷林等の緑を保全し、ゆとりと潤いのある都市を実現していくことは重要でございます。
 都は、これまでも区市町村とともに、丘陵地や崖線の保全を目的といたしまして特別緑地保全地区制度を活用するとともに、身近な緑である屋敷林等を保全するため、都独自の制度である農の風景育成地区の指定などを進めてまいりました。
 また、今年度新たに、緑あふれる東京基金を活用いたしまして、屋敷林等の保全や身近な公園の充実などに取り組む区市町村を支援する補助制度を開始いたしまして、大田区、武蔵野市等におきまして支援を予定しております。
 本基金も活用しながら区市町村の取組を強力に後押しし、屋敷林や地域に残る貴重な緑を保全するなど、さらに緑あふれる東京を実現してまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 再生可能エネルギーの導入拡大に向けた全国的送電網の整備についてでございますが、再エネの導入拡大を図るためには、太陽光発電など、全国の再エネ電力が制限されることなく送配電網に供給されることが重要でございます。
 このため、都は、送配電網の容量制限など、再エネ接続の制約の解消に向けて、国に対し、既存送配電網の最大限の活用、広域的な電力融通の実現、送配電網設備の整備について提案要求してございます。
 国は、第六次エネルギー基本計画におきまして、基幹送配電網の増強、再エネが優先的に基幹送配電網を利用できるようにするルールの見直しなどを進めることとしてございます。
 今後とも、国に対しまして、再エネの導入拡大に関する課題の解決に向けた提案を重ねて行ってまいります。
〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕

○産業労働局長(坂本雅彦君) 環境に配慮した農業の推進についてですが、農薬などの使用を減らした農業の推進は、環境負荷を軽減し、消費者からの信頼を高める重要な取組でございます。
 このため、都は、化学的に合成した農薬や肥料を削減して生産した農作物を東京都エコ農産物として認証しており、農薬等を全く使用しない場合には、東京エコ一〇〇としてPRを行っているところでございます。
 こうした認証制度を普及させるため、生産者に対して、その意義やメリットを周知するほか、農薬を減らして栽培する技術や堆肥による土づくりなどに係るアドバイスを行っております。
 また、認証を受けた生産者や販売場所を紹介する冊子を飲食店へ配布するなど、販路開拓を支援しているところでございます。
 今後とも、環境に十分配慮した農業を推進することで、食の安全・安心の確保につなげてまいります。
〔福祉保健局長中村倫治君登壇〕

○福祉保健局長(中村倫治君) 三点のご質問にお答えします。
 まず、こども基本条例についてであります。
 都は、関係局が連携して子供施策を推進するため、子供・子育て施策推進本部の下に二十二局から成る部会を本年四月に設置しております。この部会において、子供を対象とする各局の広報広聴等の取組状況や、有識者から伺った子供の意見表明のための手法などを共有しております。
 先月には、子供、子育て支援策や放課後の居場所づくりなどについて中高生がグループ研究の成果を発表する、こどもシンポジウムを開催しておりまして、引き続き、子供の意見を施策に反映する環境の整備を進めてまいります。
 次に、子供と保護者への支援についてであります。
 都は、虐待を受けた子供に対し、児童心理司との面接や心理検査等による心理診断を行い、様々なケアを実施しております。
 具体的には、児童相談所においてプレーセラピーや心理教育、トラウマを治療する認知行動療法を行うほか、医療機関への通院につなげるなど、子供の年齢や状態等に応じて適切に支援しております。
 また、保護者に対しましては、家族機能の回復を図るため、児童福祉司、児童心理司による家庭訪問や面接指導、精神科医によるカウンセリングのほか、同様の課題を抱える親子が参加するグループ心理療法などを行っております。
 今後とも、様々な援助プログラムを活用しながら、子供と保護者を支援してまいります。
 最後に、体罰等によらない子育てについてであります。
 都は、平成三十一年四月に施行した東京都子供への虐待の防止等に関する条例に、保護者による体罰等の禁止を明記いたしまして、体罰等によらない子育ての啓発を進めております。
 具体的には、体罰が及ぼす影響や子供への接し方のポイントを伝えるハンドブックを作成し、区市町村を通じて子育て家庭や出産前の家庭に配布しております。
 また、母子健康手帳を充実いたしました子供手帳モデルに、子供の気持ちに耳を傾けるなど、子育てのポイントや父親の役割を盛り込み、区市町村へ活用を促しているところでございます。
 さらに、都の児童虐待防止のサイトに育児に関するアドバイスや各自治体の様々な取組も掲載しております。
 今後とも、区市町村と連携いたしまして、体罰等によらない子育ての普及啓発を積極的に進めてまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 動物の適正飼養の啓発に関するご質問にお答えいたします。
 命ある動物を飼うことは責任と負担を伴うものでございます。動物の安易な飼養を防ぐには、飼い始める前から適正飼養について理解をすることが大変重要でございます。
 ペットショップ等の動物販売業者は、動物の愛護及び管理に関する法律によりまして、犬猫等の販売に際し、書面等を用いた適正飼養や遺棄の禁止等の説明が義務づけられております。
 都は、これに加えまして、最後まで愛情と責任を持って飼うことができるかなど、動物を飼う前に確認すべき十項目を記載したチェックシートを作成し、動物取扱責任者研修で活用を促すなど、ペットショップ等で飼い主に適正飼養や終生飼養の責務等を説明していただくよう取り組んでまいります。

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