令和三年東京都議会会議録第二十一号

令和三年十一月三十日(火曜日)
 出席議員 百二十六名
一番北口つよし君
二番かまた悦子君
三番石島 秀起君
四番吉住はるお君
五番森澤 恭子君
六番松田りゅうすけ君
八番上田 令子君
九番漢人あきこ君
十番岩永やす代君
十一番成清梨沙子君
十二番おじま紘平君
十三番もり  愛君
十四番関口健太郎君
十五番清水とし子君
十六番玉川ひでとし君
十七番竹平ちはる君
十八番かつまたさとし君
十九番たかく則男君
二十番鈴木  純君
二十一番土屋 みわ君
二十二番平田みつよし君
二十三番西山  賢君
二十四番星  大輔君
二十五番磯山  亮君
二十六番龍円あいり君
二十七番あかねがくぼかよ子君
二十八番保坂まさひろ君
二十九番米川大二郎君
三十番清水やすこ君
三十一番中田たかし君
三十二番斉藤 りえ君
三十三番アオヤギ有希子君
三十四番原  純子君
三十五番福手ゆう子君
三十六番古城まさお君
三十七番慶野 信一君
三十八番細田いさむ君
三十九番うすい浩一君
四十番浜中のりかた君
四十一番本橋たくみ君
四十二番渋谷のぶゆき君
四十三番林あきひろ君
四十四番伊藤しょうこう君
四十五番田村 利光君
四十六番菅野 弘一君
四十七番白戸 太朗君
四十八番たきぐち学君
四十九番田の上いくこ君
五十番関野たかなり君
五十一番後藤 なみ君
五十二番五十嵐えり君
五十三番西崎つばさ君
五十四番須山たかし君
五十五番原 のり子君
五十六番斉藤まりこ君
五十七番藤田りょうこ君
五十八番原田あきら君
五十九番小林 健二君
六十番加藤 雅之君
六十一番斉藤やすひろ君
六十二番大松あきら君
六十三番伊藤こういち君
六十四番川松真一朗君
六十五番清水 孝治君
六十六番三宅 正彦君
六十七番やまだ加奈子君
六十八番早坂 義弘君
六十九番山加 朱美君
七十番菅原 直志君
七十一番平けいしょう君
七十二番内山 真吾君
七十三番森口つかさ君
七十四番福島りえこ君
七十五番藤井あきら君
七十六番風間ゆたか君
七十七番竹井ようこ君
七十八番阿部祐美子君
七十九番曽根はじめ君
八十番とくとめ道信君
八十一番池川 友一君
八十二番米倉 春奈君
八十三番まつば多美子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番長橋 桂一君
八十七番鈴木あきまさ君
八十八番こいそ 明君
八十九番鈴木 錦治君
九十番ほっち易隆君
九十一番松田 康将君
九十二番山崎 一輝君
九十三番森村 隆行君
九十四番村松 一希君
九十五番入江のぶこ君
九十六番桐山ひとみ君
九十七番本橋ひろたか君
九十八番石川 良一君
九十九番宮瀬 英治君
百番藤井とものり君
百一番山口  拓君
百二番とや英津子君
百三番尾崎あや子君
百四番里吉 ゆみ君
百五番あぜ上三和子君
百六番小磯 善彦君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番宇田川聡史君
百十一番柴崎 幹男君
百十二番小松 大祐君
百十三番小宮あんり君
百十四番三宅しげき君
百十五番高島なおき君
百十六番山田ひろし君
百十七番伊藤 ゆう君
百十八番荒木ちはる君
百十九番小山くにひこ君
百二十番増子ひろき君
百二十一番尾崎 大介君
百二十二番酒井 大史君
百二十三番西沢けいた君
百二十四番中村ひろし君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 なし
 欠員
    七番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事武市  敬君
副知事黒沼  靖君
副知事潮田  勉君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務上野 雄一君
政策企画局長野間 達也君
総務局長村松 明典君
財務局長吉村 憲彦君
警視総監大石 吉彦君
政策企画局国際金融都市戦略担当局長児玉英一郎君
デジタルサービス局長寺崎 久明君
主税局長砥出 欣典君
生活文化局長武市 玲子君
オリンピック・パラリンピック準備局長延與  桂君
環境局長栗岡 祥一君
福祉保健局長中村 倫治君
福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤 智秀君
産業労働局長坂本 雅彦君
消防総監清水 洋文君
建設局長中島 高志君
港湾局長古谷ひろみ君
会計管理局長堤  雅史君
交通局長内藤  淳君
水道局長浜 佳葉子君
下水道局長神山  守君
都民安全推進本部長小西 康弘君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長西山 智之君
中央卸売市場長河内  豊君
選挙管理委員会事務局長桃原慎一郎君
人事委員会事務局長初宿 和夫君
監査事務局長岡安 雅人君
労働委員会事務局長鈴木  勝君
収用委員会事務局長後藤 啓志君

十一月三十日議事日程第一号
第一 第百九十五号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第二 第百九十六号議案
東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三 第百九十七号議案
東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
第四 第二百号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第五 第二百五号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第六 第百九十八号議案
職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第七 第百九十九号議案
職員の配偶者同行休業に関する条例の一部を改正する条例
第八 第二百一号議案
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第九 第二百二号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第十 第二百三号議案
東京都福祉住宅条例の一部を改正する条例
第十一 第二百四号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第十二 第二百六号議案
東京都給水条例の一部を改正する条例
第十三 第二百七号議案
東京都下水道条例の一部を改正する条例
第十四 第二百八号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第十五 第二百九号議案
東京都暴力団排除条例の一部を改正する条例
第十六 第二百十号議案
都立光明学園(三)南棟改築工事請負契約
第十七 第二百十一号議案
都営住宅三H─一〇九東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約
第十八 第二百十二号議案
都営住宅三H─一一二西(多摩市諏訪四丁目)工事請負契約
第十九 第二百十三号議案
都営住宅三H─一〇七西(世田谷区下馬二丁目)工事請負契約
第二十 第二百十四号議案
都営住宅三M─一〇一西及び三CM─一〇一西(杉並区天沼二丁目・杉並区施設)工事請負契約
第二十一 第二百十五号議案
東京都しごとセンター(三)改修給水衛生設備工事その二請負契約
第二十二 第二百十六号議案
志茂立体(仮称)(三)擁壁築造工事請負契約
第二十三 第二百十七号議案
街路築造工事(三 一整─補三百十四ほか四路線晴海)請負契約
第二十四 第二百十八号議案
当せん金付証票の発売について
第二十五 第二百十九号議案
杉並区学校教育職員の教育管理職(副校長)任用審査に係る事務の受託について
第二十六 第二百二十号議案
土地の信託の受益権の売払いについて
第二十七 第二百二十一号議案
東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について
第二十八 第二百二十二号議案
品川ふ頭外貿岸壁外四施設の指定管理者の指定について
第二十九 第二百二十三号議案
有明客船ターミナル外一施設の指定管理者の指定について
第三十 第二百二十四号議案
竹芝ふ頭船舶給水施設外七施設の指定管理者の指定について
第三十一 第二百二十五号議案
東京都立学校における柔道事故に伴う損害賠償の額の決定について
第三十二 第二百二十六号議案
令和三年度東京都一般会計補正予算(第十七号)

   午後一時開会・開議
○議長(三宅しげき君) ただいまから令和三年第四回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(三宅しげき君) まず、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   四番   吉住はるお君 及び
   六十六番 三宅 正彦君
を指名いたします。

○議長(三宅しげき君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(広瀬健二君) 令和三年十一月二十二日付東京都告示第千三百九十三号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案三十二件の送付がありました。
 次に、令和三年第三回定例会の会議において同意を得た副知事、公安委員会委員及び人事委員会委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、知事及び人事委員会委員長より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の変更及び説明員の委任の変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
 次に、人事委員会より、令和三年十月十五日付で都の一般職の職員の給与についての勧告等がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づき専決処分した訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告がありました。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、監査結果に基づき、知事等が講じた措置に関する報告がありました。
 次に、住民監査請求について、地方自治法第二百四十二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)

○議長(三宅しげき君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 第三回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(八ページ)に掲載〕

○議長(三宅しげき君) 次に、閉会中の議員の辞職について申し上げます。
 去る十一月二十二日付をもって、板橋区選出木下ふみこさんより、議員を辞職したい旨、届出がありました。
 本件は、地方自治法第百二十六条ただし書の規定により、議長において、同日付をもって辞職を許可いたしました。

○議長(三宅しげき君) 次に、先般、副知事に就任されました方々をご紹介いたします。
 副知事黒沼靖君。
〔副知事黒沼靖君登壇〕

○副知事(黒沼靖君) 先般の第三回都議会定例会におきまして、選任のご同意をいただき、副知事を拝命いたしました黒沼靖でございます。
 長きにわたるコロナ禍との闘い、そして新たな変異株の出現と予断を許さない状況の中、都民の命と財産を守る複合的な危機管理、保健医療提供体制のさらなる充実、社会経済活動の再生回復など、東京の持続的発展、サステーナブルリカバリーの実現に向け、小池知事の下、全力を尽くして取り組む所存でございます。
 都議会の皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

○議長(三宅しげき君) 副知事潮田勉君。
〔副知事潮田勉君登壇〕

○副知事(潮田勉君) 先般の第三回都議会定例会におきまして、選任のご同意をいただき、副知事を拝命いたしました潮田勉でございます。
 東京二〇二〇大会のレガシーを発展させ、多様性を尊重する共生社会を築きますとともに、都民生活のさらなる向上と東京の持続的な成長に向けまして、小池知事の下、全力を尽くして取り組む所存でございます。
 都議会の皆様のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

○議長(三宅しげき君) 以上をもって副知事の紹介は終わりました。

○議長(三宅しげき君) 次に、先般の人事異動に伴い異動のありました説明員の方々をご紹介いたします。
 政策企画局長野間達也君、総務局長村松明典君、財務局長吉村憲彦君、生活文化局長武市玲子さん、オリンピック・パラリンピック準備局長延與桂さん、福祉保健局長中村倫治君、福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君、産業労働局長坂本雅彦君、都民安全推進本部長小西康弘君、人事委員会事務局長初宿和夫君。
〔理事者挨拶〕

○議長(三宅しげき君) 以上をもって説明員の紹介は終わりました。

○議長(三宅しげき君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 去る十一月二十四日付をもって、こいそ明君より、環境・建設委員から公営企業委員へ、西山賢君より、公営企業委員から環境・建設委員へ、それぞれ常任委員の所属変更の申出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書の規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。

○議長(三宅しげき君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から十二月十五日までの十六日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、会期は十六日間と決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) この際、知事より発言の申出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和三年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を述べさせていただきます。
 コロナとの厳しい闘いが始まってから間もなく二年。未知なるウイルスの脅威にさらされてきた局面は大きくさま変わりをし、都内の感染状況は飛躍的に改善してきております。日本の総力を挙げて推し進め、今や世界でもトップクラスの接種率を誇るワクチン。マスクの着用や人流の抑制など多大なるご協力をいただいた都民、事業者の皆様、そして、都民の命を守り抜くべく尽力されました医療従事者の方々。まさに一人一人の力が今の状況をもたらしております。改めて深く感謝を申し上げます。
 しかし、油断は大敵です。思い出してみてください。ちょうど一年前の今頃、重症者は七十人、一週間平均の新規陽性者は四百十九人、その後、第三の波につながりました。寒い冬の季節であり、年末年始の行事の多い時期でもありました。年が明けて、ワクチン接種が本格的に始まったのが四月頃からです。様々な状況が改善されつつある中、第五波を経て、今に至っております。感染が抑えられているこの機を捉え、第六波への万全の備えを固めてまいります。
 これまでの闘いの中で培った知見や経験を最大限に活用し、今こそ、先手先手の対策により、都民の安全・安心を確保する。そして、社会経済活動との両立が図られた新しい日常を確たるものとし、我が国の屋台骨である東京の経済を再生、回復の軌道に乗せなければなりません。
 医療や経済面の取組に加え、昨今の原油価格高騰に対する事業者の支援、さらには脱炭素化を促進するべく、補正予算案を取りまとめまして、本定例会に提案をいたしました。
 経済の再生につきましては、東京の産業を支える中小企業の経営力に磨きをかけ、稼ぐ力を高めることこそ、その道筋をより確かなものにします。販路開拓や業態転換を促進するとともに、人手不足の業界への人材確保を支援する。国のGO TOトラベルと合わせて、旅行助成のための予算を確保、観光産業の回復を後押しいたします。
 また、健康上の理由等でワクチンを接種できない方などへの必要な検査を無料化いたしまして、感染防止対策と社会経済活動の両立につなげてまいります。
 そして、忘れてはなりませんのが、コロナ禍であらわとなった我が国の構造的な課題であります。中でも、世界から周回遅れにあるデジタル対応の惨状は、最新の世界デジタル競争力ランキングで過去最低を更新し、同じアジアの国や地域にも水をあけられた順位に、はっきりと表れております。
 今や失われた三十年ともいわれますが、この上さらに時代の潮流ともいえる脱炭素化やデジタル化の波にも乗り遅れ、世界から取り残されるわけにはまいりません。危機感を原動力に、この現状を打ち破り、東京をその先の高みに導いていく。必要なのは、議論や掛け声ばかりに終始することなく、また、実証実験の繰り返しに明け暮れるのではなく、具体の行動を起こすことであります。デジタルやグリーンなど、未来への投資を果敢に推し進める。東京二〇二〇大会のレガシーを礎に、多様性を高め、次々とイノベーションを創り出す。そして何よりも、この成長を生むための全ての源たる人を育て上げていく。
 未曽有の危機の中、大会を成し遂げた我々の底力をもって、世界における東京の国際競争力を押し上げ、豊かな都民生活の実現に結びつける。私は、その先頭に立ちまして邁進する決意であります。
 そうした都政の大前提となるのが、危機管理の徹底であります。都民の基本的な営みを支える安全・安心の土台が揺らいでしまえば、東京、ひいては日本の成長も望めません。今、落ち着きを見せている新型コロナも、いつ再拡大を招くとも限らない。先月には、都内で震度五強の地震も発生をし、また、気候危機の影響は、毎年のように猛威を振るう台風や豪雨となって顕在化しております。いついかなるときも、これらの危機が同時に、複合的に襲いかかることも想定し、万全の備えを固めていく。都民が不安や恐怖にさいなまれることなく、生き生きと生活できる強靭なまちを築き上げるべく、取組を着実に前へと進めてまいります。
 まず目前にある危機、コロナです。世界では、新たな変異株であるオミクロン株の感染が急拡大しております。十分な警戒が必要であり、昨日、政府に対しまして、迅速な水際対策を要望いたしました。医療逼迫状況に重点を置いた新たなレベル分類の下、感染再拡大の兆候を捉えた際は先手を打って対策を講じ、都の総力を挙げ、早期の終息を図ります。
 年末年始や感染再拡大時にも揺るがない医療提供体制を確保する。そのために、確保病床数のさらなる上乗せを図ります。宿泊療養施設の確保部屋数を大幅に引上げ、往診時の抗体カクテル療法を促進する。さらには、看護師等の復職や人材育成を進め、健康観察のためのウエアラブル端末の導入といったデジタルも活用するなど、東京の医療の力を最大限に引き出してまいります。
 最大の武器であるワクチン。TOKYOワクションアプリを活用し、一人でも多くの方の接種につなげます。また、東京都医学総合研究所の調査では、ワクチン接種後七か月程度経過すると、感染防止効果が期待できる抗体価が大きく低下することが明らかとなりました。今後の感染拡大を防ぐためには、三回目の接種を着実に進めていくことは極めて重要であります。来月より、大規模会場で医療従事者等への追加接種を開始するとともに、区市町村等と連携した円滑な実施体制を整備し、感染終息の流れを確実なものにいたします。
 次に、地震です。首都直下地震、南海トラフ地震の被害想定を策定してから約十年。都民の安全・安心を支えるべく、まちの耐震化、不燃化など、あらゆる対策を進めてきました。この間、全国各地で発生した震災から得た教訓、さらには、南海トラフ地震の切迫性の高まりなども踏まえて、先般、被害想定の見直しに向けた検討に着手したところであります。来年春を目途に取りまとめ、その成果を地域防災計画にも反映をいたします。
 次に、水害です。脅威を増す大規模な水害が発生すれば、深刻な被害が想定される東部低地帯の備えは喫緊の課題であります。小名木川などの河川施設で耐震、耐水整備を完了させるとともに、年内には次期整備計画を策定いたしまして、対象エリアを拡大してまいります。あわせて、気候変動に伴う海面上昇などを見据え、東京港の海岸保全施設の一層の機能強化を図るべく、現行計画の改定に向けた検討を進めます。
 上層階に避難スペースなどを確保した建物群を創出するなど、高台まちづくりも加速しなければなりません。そのモデルの一つである江戸川区の船堀地区では、国の支援スキームを全国で初めて活用したまちづくりの検討に着手するなど、地元区などと連携しながら取組を推進いたします。
 さらには、広域避難先の確保を精力的に進めるとともに、区市町村との協力体制を一段と強化し、都民一人一人のリスクに応じた分散避難を促していく。まさに東京一丸となって災害対策に取組みます。
 最後に、無電柱化であります。一昨年の台風十五号で甚大な被害が生じた大島では、差木地及び波浮港地区での整備をいち早く完了させました。年明けには、島しょ地域の無電柱化整備計画を新たに策定をしまして、島ごとに集中的な整備を進めるなど、島しょ地域の取組を加速いたします。
 東京の経済の立て直しに向けて目指すのは、コロナ前の姿にただ戻ることではありません。世界の潮流である脱炭素化、爆速で進めるべきDX。社会を取り巻く構造変化に機敏に対応するだけでなく、持続的な成長の原動力へと変えていきます。サステーナブルリカバリーを果たすための取組を力強く推し進め、世界から選ばれる東京へと進化させます。
 次なるステージへと導くための未来への投資。その象徴の一つとなるのが、東京ベイeSGプロジェクトです。東京の発展に欠かすことのできない水と緑、危機への備え、デジタル、イノベーション、多様なモビリティー。人々の幸せにつながるこれらの要素が自然に溶け込み合う、サステーナブルな次世代都市を世界に先駆けて創り上げる、その具現化に向けまして、先週、二〇四〇年代のベイエリアの姿を描いた、まちづくり戦略のドラフトを公表いたしました。様々な主体との連携を深めながら、民間開発を誘導し、世界のモデルとなる未来の都市づくりを推進してまいります。あわせて、この戦略とも連携し、築地まちづくりの実施方針を策定いたします。都心の広大な敷地を舞台に、その歴史や食文化等のポテンシャルを生かし、訪れる人を引きつけてやまない東京の魅力を大いに高めます。
 COP26が先日幕を閉じました。かつて私は、環境大臣としてCOP9から11まで三度にわたり出席いたしましたが、当時の日本には、まさに環境先進国として、世界からその知見を学びたいとの声が寄せられていたことを覚えております。脱炭素化に向けた国際ルールづくりの主導権争いが過熱する中、世界有数の大都市である東京は、その先頭に立ち、我が国、そして再び世界をリードしていかなければなりません。
 都の再エネ、省エネ対策の進化を図り、我が国が向かう脱炭素化の流れに先鞭をつけていく。さきの定例会で表明した住宅等への太陽光発電の設置義務化に加えまして、各国から高い関心を集めるキャップ・アンド・トレード制度などの強化拡充を図るため、環境確保条例の改正を審議会へ諮問いたしました。
 さらには、産業界や家庭など、それぞれの主体が果たすべき役割と責任を一層明確化すべく、二〇三〇年のカーボンハーフに向け、部門別のCO2やエネルギー削減の新たな目標水準を示し、その実現のための施策の基本フレームを明らかにしたところであります。この十年間の行動が私たちの未来を形づくるんです。都民や事業者の共感と協働の下、東京の総力を結集し、この気候危機に立ち向かってまいります。
 グリーンに貢献する産業の活性化も図ります。ゼロエミの技術革新に取り組むベンチャー企業等への補助や、都立産業技術研究センターによる開発支援などによってイノベーションを促進します。また、環境負荷の少ないEVバイクなどの普及は、世界を牽引する国内メーカーの競争力強化にもつながります。警視庁、消防庁はじめ、都の組織で率先導入するほか、今週末には試乗体験など都民が親しめるイベントを開催しまして、その魅力を余すことなく伝えてまいります。
 温暖化対策に資する新たな技術の開発、導入が持続的な成長を生み出し、国際競争力を高めていく。こうした環境と経済の好循環を確立するためには、金融の力が欠かせません。先般公表いたしました国際金融都市東京構想二・〇を基に、グリーンの取組を促進する資金の流れを確かなものにいたします。さらには、都立大の研究力を結集し、グリーンファイナンスの活性化をはじめ、様々な都政課題を学術面からサポートするTMUサステナブル研究推進機構を立ち上げ、持続可能な社会の実現につなげてまいります。
 DX推進の基盤となるのが、超高速モバイルインターネット網、電波の道です。5G基地局の設置拡大に向け、一万五千の都有施設等の開放に加え、先週より民間企業からアセット情報を提供していただく新たな取組を開始いたしました。さらに、来年一月に開催するTOKYO Data Highwayサミットにおきまして、通信キャリアとの連携を一層深めるなど、官民一体となってスマート東京の実現に向けた取組を力強く推し進めます。
 昨年、グッドデザイン賞にも選ばれました都の新型コロナウイルス感染症対策サイト、こちらは、ソースコードを公開いたしまして、市民参加による継続的な改善を重ねております。こうしたシビックテックの先進的な取組を促進し、行政課題の解決につなげるべく、来月、都のオープンデータを活用したデジタルサービスの開発を競い合うハッカソンを開催いたします。この大会を通じて、シビックテックと行政との協働が今までにないサービスを生み出す新たな仕組みを創り上げてまいります。
 時代のニーズを機敏に捉え、次々と形にしていくのがスタートアップの魅力であります。新進気鋭の起業家たちによるDXを加速させる斬新な製品やサービスを、大企業等での活用につなげ、社会実装を促していく。この橋渡しとなるピッチイベントを年明けから集中的に開催いたしまして、専門家によるきめ細かなサポートで円滑なマッチングを図ります。スタートアップの挑戦をしっかりと支え、この革新の萌芽を東京のさらなる進化に結びつけます。
 誰一人取り残さない、全ての子供が将来への希望を持って、自ら学び育つ環境を整備する。そのためにも教育におけるDXの推進は極めて重要であります。
 さきの定例会の所信表明におきまして、来年度からの都立高校における一人一台端末の導入に向け、具体化の検討を進める旨申し上げました。授業に不可欠なツールとして全ての生徒が所有できるよう、今般、端末購入における保護者負担を三万円の定額負担とする、全世帯を対象とした補助制度を創設いたします。また、三人以上の多子世帯につきましては、さらにその二分の一を軽減することとし、都立高校における一人一台端末の整備を確実に実現をしてまいります。
 東京の産業基盤を支える人材を育成してきた工業高校は、DX人材を輩出する新時代の学校へと生まれ変わります。Next Kogyo START Project、まさに次なる道へと歩み出すこの改革プランにつきまして、先週、中間まとめを公表いたしました。そのイメージにふさわしい学校名称の変更も検討しており、都民の皆様のご意見や都議会での議論を踏まえ、年度内に戦略を取りまとめてまいります。
 多様性と調和を掲げた東京二〇二〇大会のレガシーが息づき、あらゆるバリアが取り除かれた段差のない社会の実現。一人一人が違いを認め支え合うことで、無限の可能性を持つ人の力が一段と引き出されるのであります。これからの時代を生きる子供たち、女性も男性も、障害のある方もない方も、全ての人々が持てる力を存分に発揮できる東京を創り上げます。
 東京の未来に思いをはせるとき、私の目にまず浮かぶのは、このまちの至るところで笑顔を輝かせる子供たちの素顔です。現在、開設準備を進めるこどもホームページは、作成過程に子供が参加をし、その自由な発想やアイデアを取り入れるなど、子供との対話を通じた象徴的な取組の一つとなります。こうした子供の目線を大切にしたチルドレンファーストの社会を創るべく、こどもスマイルムーブメントが来月キックオフとなります。区市町村や企業、学校など、一体となって子供の笑顔につながる様々なアクションを展開いたします。
 先月、男女平等参画審議会より、計画改定に向けた答申の中間まとめが公表されました。大企業での女性役員の登用を三割に、あるいは男性の育休取得率を五割に引き上げるなど意欲的な数値目標に加え、無意識の思い込みに気づかせる教育など、幅広い観点からの取組が盛り込まれております。この審議会での議論を踏まえ、一人一人のさらなる意識改革や、企業の主体的な行動を促す支援策などについて検討を深め、女性の活躍を社会のあらゆる分野に広げてまいります。
 支え合いを大切にする社会づくりの取組も進めます。誰かの役に立ちたい、その志を幅広い分野の活躍に結びつける東京ボランティアレガシーネットワークの運営を開始いたしました。東京二〇二〇大会を契機に育まれた機運を社会全体に根づかせます。
 ひきこもりやヤングケアラーなど、孤立や孤独を抱える方々の声なきSOSを見落としてはならない。支援が必要な人々を地域の力で支える社会を築くべく、次期地域福祉支援計画の策定を進めています。複雑化、多様化する課題に対応し、共生社会の実現につなげてまいります。
 障害のある方々が職場や訓練施設で磨き上げた技能を競うアビリンピック。若者たちがものづくりなどでその技を競い合う技能五輪。この二つの全国大会が、来月、東京で合同で開催されます。出場者の皆様に心からのエールをお送りするとともに、優れた技の競演をぜひ多くの方にお楽しみいただきたい。誰もが輝ける社会に向けて、障害者雇用の促進や、未来を担う若者の育成につなげます。
 世代や国籍、障害の有無を超え、三千九百万人が紡いだ文化プログラム。東京二〇二〇大会に向け、東京の魅力を発信し続けた十六万件もの色とりどりの文化の灯は、コロナ禍に覆われた世界を明るく照らし、人々の心を支えました。この灯を絶やすことなく、未来へと引き継いでいく。年度内に新たな文化戦略を策定し、芸術文化で躍動する東京を創り上げます。
 バリアフリーのまちづくりや、最先端テクノロジーの活用をはじめ、東京二〇二〇大会に向け進めてきた数々の取組。そして、未曽有の難局の中で成功へと導いた経験。私たちは、このかけがえのない財産を次の世代へと確実に継承し、東京の輝かしい未来への歩みを力強く進めなければなりません。その道のりを照らし、大会のレガシーを都市の発展へとつなげるべく、年度内に未来の東京戦略のバージョンアップを図ります。さらには、様々な災害にも機動的に対応できる危機管理体制を構築します。また、子供施策の総合的な推進など、戦略的に政策を展開するための組織再編を来年度早期に行うべく取り組んでまいります。
 かつて、この国の先人たちは、数々の困難に見舞われながらも、そのたびに力強く立ち上がり、時代を切り開いてきました。その一人である第七代東京市長後藤新平は、生涯、人を育てることに尽力をし、人の力を生かす都市づくりで、東京の発展の礎を築いてまいりました。我々は、その精神を受け継ぎ、次なる一歩を踏み出さなければなりません。
 私たちの生活や価値観を大きく変え、社会構造の変革をも迫るコロナと気候危機。この試練を乗り越えた先には、大いなる可能性にあふれた未来が待っている。それをつかみ、形づくるのは紛れもなく人の力なのであります。
 一に人、二に人、三に人、後藤の残した言葉を改めて胸に刻みながら、この先の未来を担う人を大切に育て上げ、様々な違いを認め合い、誰もが生き生きと活躍する社会を創る。まさに持続可能な都市を実現するサステーナブルリカバリーを成し遂げ、明日への希望に満ちた東京を築き上げる決意であります。都民の皆様、都議会の皆様のご理解、ご協力、よろしくお願いを申し上げます。
 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含めまして、予算案一件、条例案十五件など、合わせて三十二件の議案を提案いたしております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして私の所信表明を終わります。
 ご清聴誠にありがとうございました。

○議長(三宅しげき君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○六十七番(やまだ加奈子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入られることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入ることに決定いたしました。

○議長(三宅しげき君) 日程第一から第五まで、第百九十五号議案、職員の給与に関する条例の一部を改正する条例外議案四件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事武市敬君。
〔副知事武市敬君登壇〕

○副知事(武市敬君) ただいま上程になりました五議案についてご説明申し上げます。
 いずれも条例案でございまして、まず、第百九十五号議案から第二百号議案までの四議案は、東京都人事委員会勧告等を踏まえ、職員の給与等に関して所要の改正を行うものでございます。
 第二百五号議案は、関係省令の一部改正に伴い、東京都における公共用水域に排出する汚水の規制基準に係る暫定基準を改めるものでございます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

○議長(三宅しげき君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

○議事部長(広瀬健二君) 人事委員会の回答は、第百九十五号議案から第百九十七号議案及び第二百号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。

三人委任第一二二号
令和三年十一月二十五日
東京都人事委員会委員長 青山  やすし
(公印省略)
 東京都議会議長 三宅しげき殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 令和三年十一月二十四日付三議事第三四一号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第百九十五号議案
職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
二 第百九十六号議案
東京都の一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
三 第百九十七号議案
東京都の一般職の任期付研究員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例
四 第二百号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

○六十七番(やまだ加奈子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております第百九十五号議案外四議案については、委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、第百九十五号議案外四議案は、原案のとおり可決されました。

○六十七番(やまだ加奈子君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明十二月一日から六日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(三宅しげき君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(三宅しげき君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明十二月一日から六日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、十二月七日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時三十八分散会


文書質問趣意書及び答弁書

3財主議第434号
令和3年11月19日
東京都議会議長
 三宅しげき殿
東京都知事
小池百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 令和3年第三回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

森澤恭子議員
松田りゅうすけ議員
上田令子議員
漢人あきこ議員
岩永やす代議員
関口健太郎議員
中田たかし議員
アオヤギ有希子議員
福手ゆう子議員
原のり子議員
竹井ようこ議員
阿部祐美子議員
池川友一議員
宮瀬英治議員
尾崎あや子議員
中村ひろし議員

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 森澤恭子
質問事項
一 感染拡大防止と経済活動の両立について
二 オンライン授業の「出席」扱いについて
三 いじめ対策について
一 感染拡大防止と経済活動の両立について
10月に始まった政府が実施する行動制限を緩和する実証実験は、ワクチン接種証明などの活用方法や感染防止の新たな技術を検証するなど、感染リスクを抑えながら、経済活動を正常化させるためのしくみを検証するものである。都もこういった実証実験の機会を活用し、ウイズコロナのイベントやエンターテインメント、飲食や観光のあり方について、様々な知見を集めるべきであると考えるが、今後、感染拡大防止とこういった経済活動の正常化の両立に向けてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

二 オンライン授業の「出席」扱いについて
新型コロナウイルス感染症の第5波においては、若年層への感染拡大もみられ、家族や本人の健康不安などを理由として、オンライン授業を選択する児童生徒もいました。一方で、オンライン授業を受けた際の取り扱いについて、文部科学省では、基本的には出席や欠席ではなく「出席停止・忌引き等」となるとしています。
一方で、都内には、オンライン授業を「出席」扱いとする独自の対応をしている自治体もあります。今後の教育のデジタル化やコロナ第6波の備えを考えれば、オンライン授業を受けた際に出席とするかどうかといった取り扱いについて、全都的に要件や基準を定めるべきと考えますが、見解を伺います。

三 いじめ対策について
1 町田市でいじめを受けていた児童が自死に至る事件が起きました。ICT機器の適切な使い方やセキュリティ、パスワードなどの問題も重要ですが、それ以上に大切なのは、なぜいじめをふせぐことができなかったのか、いじめが発覚した後も解消することができなかったのか、さらには、隠ぺいともとられかねない対応によって真実が覆い隠され、今なおご遺族や同級生、学校関係者を苦しめ続けているということです。
「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」によると、『学校は、重大事態が発生した場合、あるいは、いじめにより重大な被害が生じた疑いがあると認めるときは、速やかに学校の設置者を通じて、地方公共団体の長等まで重大事態が発生した旨を報告する義務が法律上定められており、必要に応じて、公立学校の場合、市町村教育委員会から都道府県教育委員会に対して、重大事態の対処について相談を行い、支援を依頼すること』とされています。そこで、東京都教育委員会は、本件を町田市教育委員会から報告を受けたのはいつか、また、報告後、どのような支援を行ったのか伺います。
2 「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、小学校では57,427件のいじめを認知し、その内48,249件が「解消した」とし、中学校では、6,968件のいじめを認知し、5,881件が「解消した」とされていますが、本件も「いじめは解消された」と報告していた事案であり、氷山の一角ではないかと考えるところです。改めて、これまでに解消されたとされるいじめ事案も含めて、不安を感じている児童生徒に寄り添う対応をすべきと考えますが、見解を伺います。
3 イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドン精神科の研究チームの調査によると、被害者の35%だけでなく、加害者の29.2%にもPTSD(心的外傷後ストレス障害)が発症しているとの調査もあります。
問題をうやむやにすることなく、いじめがあったという事実を受け止め、真摯に反省して行動していく上でも、加害者にも適切な指導と支援が必要になると考えますが、見解を伺います。

令和3年第三回都議会定例会
森澤恭子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 感染拡大防止と経済活動の両立について
10月に始まった政府が実施する行動制限を緩和する実証実験について、都もこういった機会を活用し、様々な知見を集めるべきだが、今後、感染拡大防止と経済活動の正常化の両立に向けてどのように取り組むのか、見解を伺う。

回答
ワクチン接種が進捗し、医療提供体制が強化される中、感染が再拡大した場合に備え、感染対策と社会経済活動の両立に向けて検討していくことは重要です。
国は、「ワクチン・検査パッケージ」等を活用した行動制限の緩和の方策を示し、現在、飲食店やライブハウス、イベント等における技術実証に取り組んでいます。
都においては、大規模イベントについて、基本的な感染対策やオペレーションの実効性等の内容を確認の上、国の技術実証に同意することとしたところです。
また、飲食店等における技術実証については、「ワクチン・検査パッケージ」の活用や定着に様々な課題があることから、国等の動向を注視しています。
今後、こうした技術実証の結果から得られる知見等も踏まえ、国等と意見交換を行っていきます。

質問事項
二 オンライン授業の「出席」扱いについて
今後の教育のデジタル化やコロナ第6波の備えを考えれば、オンライン授業を受けた際に出席とするかどうかといった取扱いについて、全都的に要件や基準を定めるべきだが、見解を伺う。

回答
文部科学省の通知によれば、学校教育は教師と児童・生徒との関わり合いや児童・生徒同士の関わり合い等を通じて行われるものであることを踏まえ、オンラインを活用した特例の授業は、非常時のやむを得ない場合の対応であるとされています。
文部科学省では、保護者から感染が不安で休ませたいと相談のあった児童・生徒に対し、同時双方向型のオンラインを活用した学習指導等を実施したと校長が認める場合には、特例の授業として扱い、指導要録上、出席にも欠席にもならないとしています。また、この特例の授業については、指導に関する記録として記載するものとしています。
都教育委員会としては、区市町村教育委員会及び都立学校にこうした内容について趣旨の徹底を図っています。

質問事項
三 いじめ対策について
1 町田市でいじめを受けた児童が自死に至る事件が起きた。東京都教育委員会は、本件を町田市教育委員会から報告を受けたのはいつか、また報告後、どのような支援を行ったのか伺う。

回答
いじめ問題への対応やその解決については、学校の設置者である区市町村教育委員会の責任と権限で進めていくものです。都教育委員会は、区市町村教育委員会に対し、必要な助言や支援を行っています。
本件につきまして、都教育委員会は、令和2年11月30日、町田市教育委員会から事故発生の報告を受けました。その後、町田市教育委員会から要請のあった心理職の派遣などの支援を行ってきました。
都教育委員会として、文部科学省とも連携をとり、町田市に必要な助言や支援を行っています。

質問事項
三の2 本件も「いじめは解消された」と報告されていた事案であり、改めて、これまでに解消されたとされるいじめ事案も含めて、不安を感じている児童生徒に寄り添う対応をすべきだが、見解を伺う。

回答
学校におけるいじめの認知や、解消の確認に当たっては、いじめ防止対策推進法に規定されたいじめの定義に基づき、いじめを受けた子供が心身の苦痛を感じているかどうかを鑑み、適切に対応することが重要です。
そのため、都教育委員会は、教員が表面的かつ安易な判断により、いじめが解消したとして、いじめを受けた子供への対応を終えてしまうこと等がないよう、学校が適切かつ組織的に対応するための具体的な取組例等を示した、学校のいじめ対応マニュアルである「いじめ総合対策」を都内公立学校の全教員に配布し、徹底を図ってきました。
また、都内全公立学校では、児童・生徒を対象とした年3回以上のアンケートや、学級担任やスクールカウンセラー等による面接等を必ず実施するなど、子供の不安や悩みに対して、全ての教職員がいつでも相談に応じ、寄り添った対応ができるようにしています。

質問事項
三の3 イギリスの研究チームの調査によると、被害者だけでなく加害者にもPTSDが発症している。いじめがあったという事実を受け止め、真摯に反省し行動していく上で、加害者にも適切な指導と支援をすべきだが、見解を伺う。

回答
いじめを行った子供が、自分の行為を心から反省し、より良い人間関係を築くことができるよう、学校は、保護者との連携の下、毅然とした指導に加え、その行為の背景を踏まえた共感的な支援を行う必要があります。
そのため都教育委員会は、いじめの行為の重大性に応じた相談室等での個別指導や関係機関と連携した対応、子供が抱える課題の改善に向けたスクールカウンセラーによる子供や保護者への助言等、いじめを行った子供への指導や支援の効果的な事例を学校に周知するなどしてきました。
今後とも、こうした取組を通して、子供同士の関係が改善され、安心して生活できるよう、学校におけるいじめ対策の推進を図っていきます。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 松田りゅうすけ
質問事項
一 補正予算について
二 新型コロナウイルス対策について
三 東京オリンピック・パラリンピックについて
四 都立病院の独立行政法人化について
五 住居等の新築建造物への太陽光発電の導入義務化について
六 都営地下鉄と東京メトロの一元化について
七 統合型リゾート(IR)について
八 コロナ禍での東京都立大学の運営について

一 補正予算について
1 患者受入に向けた空床確保料の補助
入院治療を必要とする患者を確実に受け入れられるよう、医療機関に対して空床確保料の補助が実施されていますが、確保料をもらっているが実際には入院患者の受け入れができない病院があると聞きます。入院患者の受入ができていない場合は従前に支払っている確保料は、どの様な措置が取られるのか、伺います。
2 宿泊施設活用事業
早期隔離がコロナの家庭内での感染拡大防止に寄与していると言われており、軽症者の宿泊施設での隔離はコロナ対策の一つの柱だと認識しています。ただ、第5波では宿泊医療施設で死亡事例が発生しました。再発防止策を伺います。
3 保健所支援体制の強化
コロナ禍で地域の保健所業務がひっ迫している状況が続いています。今回の補正予算では保健所業務の強化として16億円が組まれておりますが、保健所支援としてどの様な施策を予定しているのか、伺います。
4 中小企業人材確保のための奨学金返済支援事業
奨学金の返済は就職後も大きな負担となっており、奨学金返済をサポートする制度の設立はコロナ禍で奨学金の返済を抱えている方にとっては大きな助けとなると予想されます。今回は、若手技術者が対象となっていますが、具体的にどの様な企業を想定しているか、伺います。

二 新型コロナウイルス対策について
1 ワクチンの3回目の接種
現在海外では3度目のワクチン接種が開始された事例があります。国としても12月から3度目の接種を開始するとの発言がワクチン接種担当大臣からもありました。ワクチン接種体制を、これまでの反省を踏まえて、都と市区町村との役割分担を想定しているか、都の見解を伺います。
2 東京都出産応援事業について
コロナ禍で経済的な負担が増え、出産・子育てを敬遠する都内の家庭も多いと聞くが、都が今年度から独自に実施している東京都出産応援事業の実績を伺います。
3 体育祭・修学旅行等の学校行事
コロナ禍で多くの学校行事が、中止・縮小となっていますが、リバウンド防止期間はどの様な方針をとっているのか、伺います。
4 コロナ禍での学生支援
コロナ禍で都内の大学生等の経済的な負担が増えています。高等教育の修学支援新制度における、東京都立大学と都内私立専門学校に通う学生の授業料・入学金の減免についての支援実績と、東京都として、どの様な課題があると認識しているか、見解を伺います。
5 ワクチン接種促進キャンペーン
ワクチン接種促進キャンペーンについて、今後の予定されているスケジュールを伺います。
6 ワクチンパスポートの活用
政府は、11月頃をめどにワクチン接種などを条件に行動制限を緩和する方針を示しています。ワクチンパスポートが国でも検討されておりますが、都としてワクチン促進キャンペーンと連携させていくのか、それともワクチン促進キャンペーンは全く別の施策として実行していくのか伺います。
7 フリーランスへの支援策
音楽家の方は多くの方がフリーランスとして生計を立てており、緊急事態宣言で演奏会が開催できず、コロナ禍前と比べると収入が半分以下になった方もいると伺っています。東京都としては、個人事業主向けの月次支援金や、「アートにエールを!東京プロジェクト」も断続的に予定されていますが、現状それ以外にフリーランスの音楽家の活動を支援する施策を伺います。
8 都立施設の施設利用制限
現在都の施設では21時以降の利用は中止されていますが、感染対策の有無によって緩和していくなど検討されているか、伺います。

三 東京オリンピック・パラリンピックについて
1 大会経費の精査
今後、大会経費の精査・検証は東京都として、どのように実施していくのか、伺います。
2 学校連携観戦プログラム
パラリンピックの学校連携観戦プログラムの公立学校の実施結果を伺います。また、中止された自治体・学校はどの様な理由で中止になったか伺います。
3 有明レガシーエリアの今後の活用
令和3年2月に有明アーバンスポーツパーク(仮称)整備運営事業に関するヒアリングを実施しているが、今後のスケジュールを伺います。

四 都立病院の独立行政法人化について
都立病院をコロナ禍で独立行政法人化を進めることの意義を伺います。また、独立行政法人化を進めることで感染症医療はどのように強化されていくのか、都の見解を伺います。

五 住居等の新築建造物への太陽光発電の導入義務化について
都知事の第3回定例会で住居等の新築建造物への太陽光発電の導入義務化について発言がありましたが、義務化となれば建築コストが上昇し、都民の負担が大きくなります。都としてどの様な支援策を検討しているか、伺います。

六 都営地下鉄と東京メトロの一元化について
国と合わせて東京メトロ株の一部売却に向けた答申が7月に発表されました。東京地下鉄株式会社法では、「できる限り速やかに株式を売却する」よう明記されていますが、今回の一部売却に向けた答申をどの様に受け止めたのか、都の見解を伺います。
また、現在都では都営地下鉄と東京メトロの一元化についてはこれまでのどの様な検討をされてきたのか、伺います。

七 統合型リゾート(IR)について
横浜市が正式にIRの誘致の撤回を宣言しましたが、東京都としてIR誘致についてこれまでの検討状況と、今後の方針を伺います。

八 コロナ禍での東京都立大学の運営について
コロナ禍での東京都立大学の対面授業とオンライン授業のこれまでの実績を伺います。また、コロナ禍において学校に行かずに履修できる東京都立大学の通信課程が欲しいとの声を都民から聞きましたが、東京都立大学の通信課程について、これまで検討されたことがあるか、伺います。

令和3年第三回都議会定例会
松田りゅうすけ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 補正予算について
1 空床確保料をもらっているが実際には入院患者の受け入れができない病院があると聞く。入院患者の受入ができていない場合は従前に支払っている確保料は、どの様な措置が取られるのか伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症の患者等を受け入れる病院を対象に病床確保料を補助しており、令和3年4月分から7月分までは実績による、同年8月分及び9月分は見込みによる、各病院からの申請内容を審査するとともに、受入実績や病床利用率が低い医療機関には個別にヒアリングした上で、同年9月末に概算払いしました。
都内の入院患者数が多数であった同年8月分及び9月分までの実績は、同年11月に提出される報告書により、確保病床数と入院患者数との差を精査するとともに、受入実績や病床利用率が低い医療機関には書面で理由を確認し、必要に応じて同年4月から9月分までの変更交付申請を行っていただきます。
同年10月分から令和4年2月分までの補助金の概算払時や同年5月に行う年間の確定払時に、補助金の追加交付又は返還等の精算を行うなど、補助金に係る業務を適切に執行していきます。

質問事項
一の2 早期隔離がコロナの家庭内での感染拡大防止に寄与していると言われており、軽症者の宿泊施設での隔離はコロナ対策の一つの柱だと認識している。ただ、第5波では宿泊医療施設で死亡事例が発生したが、再発防止策を伺う。

回答
都は、宿泊療養施設を運営するに当たり、看護師が毎日入所者に問診を行うとともに、酸素飽和度が低く、症状が悪化した方などは、直ちに病院へ緊急搬送するなど、入所者の安全を最優先してきました。
現在、更なる安全管理体制の充実に向け、入所者の体調急変を迅速に把握できるよう、ウェアラブル機器の導入も含め検討しており、今後、その結果等も踏まえ、入所者の容体急変に適切に対応する仕組みの強化を図っていきます。

質問事項
一の3 コロナ禍で地域の保健所業務がひっ迫している状況が続いている。今回の補正予算では保健所業務の強化として16億円が組まれているが、保健所支援としてどの様な施策を予定しているのか、伺う。

回答
都は、積極的疫学調査等を担う保健師や看護師等をトレーサーとして採用し、都保健所等に配置することで、保健所業務を支援するとともに、夜間の入院先医療機関の調整業務を民間委託することで、迅速な患者搬送体制の確保及び夜間の保健所業務の負担軽減を図っています。
また、都と保健所で患者情報の共有が可能な「東京都新型コロナ感染者情報システム」を活用することで、迅速かつ円滑に入院調整や宿泊療養施設への入所調整を実施しています。
さらに、保健所が外国人に積極的疫学調査等を行う際に、健康状態や病状、接触者の行動歴等を正確に把握できるよう、民間会社を活用し、11種類の外国語に対応した通訳支援サービスを実施しています。
このほか、健康安全研究センターへの検体搬入の負担が大きい保健所などの検体の一部を民間検査委託することなどで、確実な検査体制を確保しています。

質問事項
一の4 奨学金の返済は就職後も大きな負担となっており、奨学金返済をサポートする制度の設立はコロナ禍で奨学金の返済を抱えている方にとっては大きな助けとなると予想される。今回は、若手技術者が対象となっているが、具体的にどの様な企業を想定しているか、伺う。

回答
本事業は、中小企業が将来的に企業の中核となる人材を確保することを目的に実施します。
対象の企業は、建設、IT、ものづくりの3分野の中小企業を想定しております。

質問事項
二 新型コロナウイルス対策について
1 海外では3度目のワクチン接種が開始された事例があり、国としても12月から3度目の接種を開始するとの発言がワクチン接種担当大臣からもあった。ワクチン接種体制を、これまでの反省を踏まえて、都と市区町村との役割分担を想定しているか、見解を伺う。

回答
国は、追加接種の対象者を、2回目の接種終了後、おおむね8か月以上経過した方との考えを示しており、令和3年12月の接種開始に向け、区市町村は、住民が住所地で接種を受けられるよう体制を確保し、都道府県は、区市町村を支援しながら進捗管理を行うとの役割分担案を示しています。
都は今後、この国の考え方を基本としつつ、2回目までの接種で得た経験やノウハウを活用し、安定的かつ効率的に接種が進められる体制の構築に向けて、区市町村や関係機関と調整していきます。

質問事項
二の2 コロナ禍で経済的な負担が増え、出産・子育てを敬遠する都内の家庭も多いと聞くが、都が今年度から独自に実施している東京都出産応援事業の実績を伺う。

回答
都は令和3年度から、コロナ禍において、不安を抱えながら出産・育児に臨む方々を社会全体で後押しするため、令和3年1月1日以降に子供が生まれた家庭を対象に、子供1人当たり10万円分の子育て支援サービスや育児用品等を提供する、東京都出産応援事業を実施しています。
都内全区市町村の協力を得て、同年10月末時点で約72,400世帯にIDカードを配付しており、対象家庭がこのIDで専用WEBサイトにアクセスし、希望するサービスや用品を申し込む仕組みとなっています。

質問事項
二の3 コロナ禍で多くの学校行事が、中止・縮小となっているが、リバウンド防止期間はどの様な方針をとっているのか、伺う。

回答
都教育委員会は、令和3年9月28日、緊急事態宣言の解除に伴う都立学校の対応について通知しており、同年10月1日からのリバウンド防止措置期間中は、学校行事について、都内の校外活動は可能とし、都外の校外活動は延期することとしました。
また、校外での活動の実施に当たっては、参加人数や移動手段、活動内容等について、感染症対策を踏まえた工夫を行うこととしています。
さらに、修学旅行等の宿泊を伴う行事については、集団で旅行することに伴う感染リスク等を踏まえ延期とし、宿泊を伴わない都内での代替活動を検討することとしています。

質問事項
二の4 コロナ禍で都内の大学生等の経済的な負担が増えているが、高等教育の修学支援新制度における、東京都立大学と都内私立専門学校に通う学生の授業料・入学金の減免についての支援実績と、都として、どの様な課題があると認識しているか、見解を伺う。

回答
高等教育の修学支援新制度においては、新型コロナウイルスの影響で家計が急変した学生も対象として授業料等の負担軽減を実施しています。
この制度の下、令和2年度においては、都内私立専門学校では授業料減免を約8,200人、入学金減免を約4,400人が受けており、また、東京都立大学では授業料減免を約300人、入学金減免を約100人が受けています。
なお、都内の私立専門学校については、まだこの制度を活用していない学校があるため、制度の活用に関する更なる働きかけを行っていく予定です。

質問事項
二の5 ワクチン接種促進キャンペーンについて、今後の予定されているスケジュールを伺う。

回答
都は、令和3年10月15日に開設した新型コロナウイルスワクチン接種促進キャンペーン特設サイト等で、ワクチンの安全性等に関する正しい知識を提供するなど、接種促進のための効果的な普及啓発を実施しています。
また、同年11月1日から、スマートフォンアプリに接種記録を登録する機能を導入し、キャンペーンの趣旨に賛同した事業者等が接種者に特典を付与することなどに活用する事業を実施しています。
これらの事業は、令和4年3月31日まで実施します。

質問事項
二の6 政府は、11月頃をめどにワクチン接種などを条件に行動制限を緩和する方針を示している。ワクチンパスポートが国でも検討されているが、都としてワクチン促進キャンペーンと連携させていくのか、それともワクチン促進キャンペーンは全く別の施策として実行していくのか伺う。

回答
国は、社会経済活動の正常化に向けた取組として、ワクチン接種証明書をイベント参加の要件緩和などに活用することとしており、年内を目途に、ワクチン接種記録システムとマイナンバーカードの情報を紐づけ、証明書のデジタル化を目指すとしています。
都は、新型コロナウイルスワクチン接種促進キャンペーン事業において、ワクチンの接種促進を目的として、令和3年11月1日にスマートフォンアプリに接種記録を登録する機能を導入し、登録した接種記録は、キャンペーンの趣旨に賛同した事業者等による接種者への特典の付与などに活用しています。

質問事項
二の7 都としては、個人事業主向けの月次支援金や、「アートにエールを!東京プロジェクト」も断続的に予定されているが、現状それ以外にフリーランスの音楽家の活動を支援する施策を伺う。

回答
都では、フリーランスなど個人で活動する芸術家も対象とした助成制度として、芸術文化の多様な創造活動を支援する「東京芸術文化創造発信助成」や新進の芸術家等の新たな創作活動を支援する「スタートアップ助成」を実施しています。

質問事項
二の8 現在都の施設では21時以降の利用は中止されているが、感染対策の有無によって緩和していくなど検討されているか、伺う。

回答
都はこれまで、国の基本的対処方針や緊急事態措置等に基づき、劇場や美術館など都内事業者に対して営業時間短縮等の要請や協力依頼を実施してきました。
都立施設についても、徹底した人流抑制を図るため、都内事業者への要請内容に準じて施設の休館や営業時間の短縮、感染防止対策の徹底等を実施してきました。
令和3年10月25日以降、都立施設の営業時間短縮については、民間施設と同様の対応を行っています。

質問事項
三 東京オリンピック・パラリンピックについて
1 今後、大会経費の精査・検証は都として、どのように実施していくのか、伺う。

回答
大会経費については、現在、組織委員会において、収入及び支出両面における精査を進めているところであり、今後とも、都民・国民の理解が得られるよう、取り組んでいきます。

質問事項
三の2 パラリンピックの学校連携観戦プログラムの公立学校の実施結果を伺う。また、中止された自治体・学校はどの様な理由で中止になったか伺う。

回答
都教育委員会は、競技観戦向け感染症対策ガイドラインに基づき、マスク着用や健康観察等を徹底するとともに、関係機関と連携して往復の移動管理や会場での座席間隔の確保など、児童・生徒が安心して競技観戦できるよう、安全対策に万全を期して実施しました。
学校連携観戦に参加した公立学校の幼児・児童・生徒数は、9,568人で、参加した児童・生徒の感想には「コーチやボランティアの方々などが選手を支えている姿を見て、支え合うことの大切さを感じました。」などがありました。
また、競技観戦を中止した自治体・学校は、それぞれの状況等を踏まえ判断したものと考えています。

質問事項
三の3 令和3年2月に有明アーバンスポーツパーク(仮称)整備運営事業に関するヒアリングを実施しているが、今後のスケジュールを伺う。

回答
令和3年3月に発表した「未来の東京」戦略においては、有明地区に、大会時の仮設施設を活用して、若者に人気のある都市型スポーツの場を整備することとしており、その検討の一環として、事業者からのヒアリングも実施しています。
現在、大会時の仮設施設の活用方法や、効率的な運営について総合的に検討を進めており、今後、具体的な方針を取りまとめていきます。

質問事項
四 都立病院の独立行政法人化について
都立病院をコロナ禍で独立行政法人化を進めることの意義を伺う。また、独立行政法人化を進めることで感染症医療はどのように強化されていくのか、見解を伺う。

回答
都立・公社病院は、専用医療施設の開設等により、感染状況に合わせて確保病床を順次拡大し、他の医療機関で対応が困難な患者等の受入れに率先して取り組んでいます。
一方、地方公務員法など現行制度の下では、兼業や、給与設定等に制約があり、迅速・柔軟な人材確保などにおいて、課題が改めて明らかになりました。
独法化は、こうした現在の制度を改革し柔軟な病院運営を可能とするための取組であり、法人独自の勤務制度等を構築することで、機動的な人材の確保・活用を進めることができます。
今後、新型コロナウイルス感染症への対応や新たな感染症の発生に備えるために、感染症医療提供体制を一層強化する必要があります。また、超高齢社会が本格化する中、医療環境の変化に迅速に対応できる体制を早期に整備する必要があります。このため、独法化の準備を進め、感染症対応をはじめ、都民に必要な医療を着実に提供していきます。
感染症医療をはじめとした行政的医療を担う役割は、独法化後も変わるものではありません。このため、感染症発生時には、柔軟な人材確保等が可能となる独法化のメリットや14病院のスケールメリットを生かし、患者の受入体制を強化するなど、都の対応方針の下で、一層機動的に対応していきます。

質問事項
五 住居等の新築建造物への太陽光発電の導入義務化について
都知事の第3回定例会で住居等の新築建造物への太陽光発電の導入義務化について発言があったが、義務化となれば建築コストが上昇し、都民の負担が大きくなる。都としてどの様な支援策を検討しているか、伺う。

回答
近年、太陽光発電設備の設置費用は年々低下するとともに、住宅等へ設置することで、電気代削減や売電収入が得られ、停電時にも電気を使用できるメリットがあるなど、導入の機は熟していると考えています。
住宅等の一定の新築建築物への太陽光発電設備の設置義務化の検討については、今後、環境審議会において、専門家等による審議を重ねていきます。
また、関係団体等、多様な立場の方々からの御意見等を伺いながら、円滑な導入に向けた支援等の在り方など、様々な課題も含め、幅広く議論を進めていきます。

質問事項
六 都営地下鉄と東京メトロの一元化について
国と合わせて東京メトロ株の一部売却に向けた答申が7月に発表され、東京地下鉄株式会社法では、「できる限り速やかに株式を売却する」よう明記されているが、今回の一部売却に向けた答申をどの様に受け止めたのか、見解を伺う。
また、都では都営地下鉄と東京メトロの一元化についてはこれまでのどの様な検討をされてきたのか、伺う。

回答
令和3年7月、国の審議会から、東京メトロが果たすべき役割を踏まえ、国と都は、その保有する株式を段階的に売却していくべきと答申されました。
この答申を踏まえ、地下鉄ネットワークの更なる充実や利用者サービスの向上を図る観点から、保有割合を都と国で2分の1まで売却するための準備について、新線整備の進捗状況等を踏まえながら進めていくこととしました。
地下鉄の一元化については、平成22年度に、都が国や東京メトロとともに設置した東京の地下鉄の一元化等に関する協議会において検討を行いました。
平成23年2月に今後の取組を整理し、地下鉄の経営一元化は、東京の地下鉄のサービス改善、一体化を進める上で有効な方策であるものの、財務状況や組織形態など様々な課題があるとされました。
こうしたことから、東京2020大会の開催に向け、まずは都民や外国人観光客の利便性向上に直結するサービス改善、一体化を進めてきました。

質問事項
七 統合型リゾート(IR)について
横浜市が正式にIRの誘致の撤回を宣言したが、東京都としてIR誘致についてこれまでの検討状況と、今後の方針を伺う。

回答
IRについては、日本の経済成長や国際競争力を高める観光拠点として期待される一方で、ギャンブル依存症等の懸念の声もあると認識しています。
都はこれまで、IRについて、メリット・デメリットの両面から総合的に検討してきたところであり、このスタンスに変わりはありません。

質問事項
八 コロナ禍での東京都立大学の運営について
コロナ禍での東京都立大学の対面授業とオンライン授業のこれまでの実績を伺う。また、コロナ禍において学校に行かずに履修できる東京都立大学の通信課程が欲しいとの声を聞いたが、東京都立大学の通信課程について、これまで検討されたことがあるか、伺う。

回答
東京都立大学における講座は、全ての授業を対面で行うものや、全部又は一部の授業をオンラインで実施するものがあります。
このうち全授業を対面で実施した講座の割合は、令和2年度の通期の実績で約1割、令和3年度前期の実績で約4割となっています。この中には、対面授業をオンラインでも配信した講座が含まれています。
また、東京都立大学では、通信課程の設置を検討したことはありません。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 上田令子
質問事項
一 教育政策について
二 新型コロナウイルス感染症対策について
三 知事のトップマネジメント・ガバナンスについて

一 教育政策について
1 PTAについて
10月に入りSNS上では、来年のPTA役員選出について、多くの保護者が投稿をし、中でも、PTA役員推薦用紙の画像を挙げたツイートが拡散され、注目を集めニュースにも取り上げられていました。内容は、「私はPTA本部役員を引き受けます」「候補者が誰もいない場合引き受けてもいいです」「以下の方を推薦します」という項目が並び、どれを答えても逃げようのない選択肢に、ツイートを見た人からは「地獄の3択だ」といった声が相次いで寄せられていました。私自身もPTA経験者として全く同様の経験をしており、令和の時代になっても旧態然とした組織体質が変わっていないことに驚いております。
PTAとは、「子どもの幸せの実現のために健全な育成を図る」ことを目的に本来保護者と教職員が自発的に結成するものとされていますが、長年の慣習の踏襲で本来機能が損なわれ、情報化社会の昨今問題点があぶりだされてきたと思料いたします。つきましては、東京都の公立学校におけるPTA活動の現状について、健全化を推進する観点から以下伺います。
ア PTAの意義・目的について
法的根拠や歴史的経緯を踏まえてご説明ください。
イ 加入状況について
a 大前提として「任意加入」であると認識していますが、先に挙げた報道にあるように、事実上強制的な運用が散見され、任意加入であることすら周知されてない実態があります。その点について、任意性の根拠を明示したうえで、現状についてご説明ください。
b 多くの保護者が、PTAが任意加入であることを知らされていない実態があります。文書等による意思確認を行わず、多くのPTAが自動入会となっている実態を踏まえると、東京都教育委員会としてPTAが任意加入である旨を再度改めて周知する必要があると考えます。「入会届」の整備を促す必要があると思料しますが、東京都教育委員会の法的根拠を踏まえて所見を伺います。
c bを踏まえ、都立校の授業料とPTA会費が、合算されて引き落とされている事例はないか?PTAが一般会計以外に特別会計口座(周年事業、卒業対策、同窓会)を保持していることがないか確認いたします。
d 「義務教育における私費負担の解消について」昭和42年3月13日 教総庶発第148号(昭和42年3月13日施行)通知の運用状況と各学校への周知の状況をご説明ください。
e また、地方財政法上では「本来公費で負担すべきお金を私費(保護者負担金)やPTA会費で負担することは違反」と解されています。b、cを踏まえ、任意加入の意思確認がなされぬ状態で保護者からPTAに収められた会費を使用して学校へ寄付行為を行うことは地方財政法上の違反にあたるのではないかという指摘に対する東京都教育委員会の所見を伺います。
f 就学援助の算定にあたっては、PTA会費は含まれているのか現状をご説明下さい。
g 各PTAから式典で拠出されるお祝い金(ご祝儀)は支出に記載されても収入に記載されず、学校管理職管理下となっている実態はあるか伺います。
h 学校備品として使用される物品(式典テントなど)を、名目上PTAの備品として購入していないか確認します。
i 保護者個人情報・口座情報等を、本人の許可なく学校がPTAと共有していることについては、個人情報保護法及び都・区市町村条例に抵触すると思料いたします。目的外利用・外部提供をしている実態があるのか、都は把握しているのか、そのような利用があった場合どのように適正化しているのか伺います。
j いじめ、児童虐待、教職員による暴力やハラスメントにかかり、本来、PTAは当事者である子どもとその保護者の救済機関としての機能をもってしかるべしと考えますが、そのような事例はあるのかないのか、現状についてどのように把握しているか伺います。
2 いじめ対策について
ア 「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(平成29年3月文部科学省)では、
「・重大事態は、事実関係が確定した段階で重大事態としての対応を開始するのではなく、「疑い」が生じた段階で調査を開始しなければならないこと。
・被害児童生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立があったときは、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たること。」
 とあります。東京都教育委員会いじめ問題対策委員会及び東京都いじめ問題調査委員会の法及び条例制定から今日に至る活動状況について、個別の重大いじめ・自殺事案の関与・対応状況も含めご報告ください。
イ 東京都町田市で昨年11月、市立小学校6年の女子児童がいじめを訴える遺書を残して自殺するというあってはならない、痛ましい事案が発生しました。学校対応に疑義をもった保護者が異例の記者会見に至る事態となり、女子児童の遺族側が入手した資料の中に、学校配布のタブレット端末を使った具体的な悪口の書き込み方法などに関する児童らの証言が記されていたことが明らかになりました。遺族がここまで追いつめられるには当然のことながら、学校及び、教育委員会の対応に問題があることは明らかです。子どもの命が絶たれるということは、成長・発達の権利を定めた子どもの権利条約第6条の基本原則及び、東京都子ども基本条例の理念に著しく反することから以下確認します。
a この、町田市小学校6年女子児童いじめ自殺事案にかかる東京都知事の所見を伺います。
b 東京都教育委員会において、いつ事故発生を把握して、どのような支援や連絡を町田市教育委員会に行ったか、現状の把握の状況と、それに対する対応状況を時系列でご報告ください。
c 東京都教育委員会が町田市教育委員会に確認したところ、保護者からの調査依頼については「亡くなったことをあかさないで調査してほしい」との意向に寄り添い、本件発生後その限度の範囲内で、学校は様々な対応をし、調査していたということであったが、その後以下のような全く逆の事実が保護者と当時の校長とのやりとりが肉声とともに報じられています。
「「昨年末から校長先生には、娘が亡くなったことをみんなに早く伝えてほしいと言ってきました」(母)
ところが今年一月に行われた臨時保護者会で、校長は次のように説明した。
「ご家族の意向で、亡くなったことを伏せてきた。なぜ亡くなったのかも、ご遺族の意向で伝えられない」
両親の話とは真逆の説明をしていたのだ。さらに両親に対し、保護者会への参加を拒否。その理由について、「後追い自殺が怖い」「混乱を招くから絶対に来ないで」と説明したという。」
この点に関し、何が正しい事実なのかご説明下さい。
d さらに「校長は3月11日の保護者会まで、いじめと自殺に因果関係はないとの説明を繰り返し、いじめは「昨年9月に解決済みだ」という認識まで示していた。」と報じられています。当該児童の保護者は調査依頼を学校・町田市教育委員会にいつしたのか、また保護者へ解決済みと報告した根拠と事実関係と、それにまつわる対応経過を時系列でご報告下さい。
e 当該事案におけるいじめ調査委員の人選の経緯と選考基準とメンバーについて、遺族に具体的な説明をしたのか、しなかったかも含めご説明下さい。また、一般的に、いじめ自殺が発生し、東京都いじめ問題調査委員会等が設置された場合、調査委員の選定からメンバー決定を含む詳細について遺族・保護者にはどのような説明をされるのか、発生時から設置、調査開始に至るまでの時系列の具体的な詳細を伺います。
f いじめ自殺調査委員の人選において、他自治体では、遺族の意向や推薦を受け入れた委員選定をしている事例があります。都の対応状況と所見を伺います。
g 当該小学校は、コロナ禍以前からICT先進校として取りくんでいた学校とのことです。学校長含めて、ICTに理解と関心が高いはずだったのに、なぜパスワードを全員同じにするというような、個人情報保護とプライバシー・情報リテラシーに対する意識が欠如していたのか、信じられない思いです。そもそも、教員側にICT教育以前の人権意識が希薄であったと断じざるを得ません。東京都教育委員会は「人権教育プログラム」を策定し教員の研修で、周知を図り実際に「人権課題「インターネットによる人権侵害」」といった実践事例もありました。にも関わらず、当該校では徹底がなされてなかったわけです。ついては、今回の反省を含めての所見と、「人権教育プログラム」もある、ICT教育にかかり個人情報保護の配慮は当然であったにも関わらず、なぜこのような初歩的な重大なミスを犯したのか説明を求めます。
h 当該校の当時の校長は、特別区教育長に就任しているようですが、子どもの命が絶たれたにも関わらず、事件の真相も明らかにもなっておらず、調査結果も出る前に、なぜ「栄転」人事を強行したのか、説明を求めます。
i パスワード設定にかかる初歩的なミスを犯し、子どもの命が絶たれた事実をふまえれば、当該教員及び管理職・学校長等の責任は重大です。服務監察、懲戒処分、研修についてどのようにするのか所見と対応状況を伺います。
j いじめ自殺事件では往々にして学校現場から証拠が散逸する事案が後を絶たず、私も事件を知ってすぐの令和3年9月14日に、東京都教育委員会に端末情報の消去や初期化をしていないか確認をしていたところ、令和3年9月30日に学習端末の中傷を何者かが削除し操作者特定は困難になっていたことが肉声とともに以下、報道されました。
「学校の調査は、遅々として進まなかった。例えば12月25日、校長は両親に対して、「AとBへの聞き取り調査を行ったが、チャットへの書き込みは消えていた」などと説明している。同日の両親と校長の電話の音声データには、両親の問いに対して、答えをはぐらかす様子が記録されていた。母親「娘のチャットは全て閲覧できたのに、なんで(加害者AとB)二人のチャットは消えちゃってるんですか」
校長「私たちもそこがすごく疑問に思ったんですよ」
加害児童が消したのではないかと追及する両親に対し、「すごく不可解」「おかしいですね」とひたすら噛み合わない返答をし続ける校長。さらに悪口が消えた理由については、こんな弁明をしている。
校長「何かですね、あの、その友達の中に入り込むみたいな動きがちょっとあったんですよ」
父親「入り込む?」
校長「つまりですねハッキングっていうんですか。つまり何かお助け隊じゃないんですけども、誰かの中に入り込むような」
証拠が消えてしまった理由を、ハッキングのせいにするという“仰天言い訳”。ICT教育のけん引役とは思えぬほど、音声テープに残されていた校長の説明は終始、要領を得なかった。」
いじめ問題対策委員会で調査中のため答えることはできないとのことでしたが、この事実が明らかになったことに関しての、証拠物の取り扱いが適切だったのか、不適切だったのか東京都教育委員会の見解を求めます。
k いじめを早期発見・防止をする調査として当該校では「心のアンケート」として毎月1回、町田市立の全ての小・中学校等で同一のアンケートを実施していたとのことです。「児童の自由記述の欄もあった、問題なく行っていた」と私へ回答がありましたが、その後当該児童はSOSを発していたにも関わらず、見逃されていたことも以下報道で明らかになっています。
「両親は誰が悪口を書き、どんな書き込みがされていたのか、学校が真剣に調査してくれるものだと信じていた。ところが――。
両親の期待は大きく裏切られる。それどころか、学校側の遺族に対する不誠実な対応に、日を追うごとに不信感を募らせていく。
実は当該児童は、亡くなる約二カ月半前、学校でSOSのサインを出している。
小学校が児童に対して定期的に行っている「心のアンケート」。九月の調査で、当該児童は友人関係に悩んでいることを記していた。
だが学校は、校長室を訪れた両親にこの事実を伏せていた。翌月、アンケートの内容を遠目に見せられた両親は、「それをください」と伝えるも、市役所で開示請求をするように言われたのだ。年明け、ようやくアンケートを手にした両親は、内容に驚きを隠せなかった。
〈エスカレートするから話し合うのは嫌〉
用紙の隅に、手書きのメモが記されていた。担任は当該児童に、A、Bと話し合うことを提案したが、当該児童は担任の提案を拒否したのだろう。ところが用紙の下部には、こんな走り書きもあったのだ。
〈当事者で話し合って解決したようではあるが引き続き指導していく〉
「先生は嫌がっているのに当事者同士で話し合わせたんです。そんなことをしたら、余計にいじめはエスカレートするだけでしょう。それも開示請求をして、初めて知りました。娘が友人関係で悩んでいると書いているなら、親に伝えてもらえれば、私たちも何らかのアクションができたはず」当該児童の父は、そう悔しさを滲ませた。」
私への報告とは真逆の事実が明らかになりました。児童が求めないいじめ対応を教員がし、自殺に至らしめた場合、当該教員及び管理職・学校長等の責任は重大であり、服務監察、懲戒処分に相当するのではないでしょうか。所見を求めます。
l 野田市小4女児虐待死事件では、保護者が加害者とわかりながら、子どもの虐待SOSを父親に易々と開示し、虐待がエスカレートして死に至らしめました。一方で今回は、いじめ自殺をした当該児童の保護者へは開示請求を求めました。一体教育委員会なるものの、子どもの人権を最優先にされるはずの情報公開・個人情報保護の基準はどうなっているでしょうか?首をかしげざるをえませんことから、一般的に、いじめ自殺した子どもの保護者が「心のアンケート」等、子どもに関する情報を知りたいとした場合、開示請求をしなければ見せることができないのか等、制度の運用の在り方につき、子どもの権利条約、法、条例根拠をふまえた所見を伺います。
m 今後の対応と再発防止策、取り組みについてお示しください。
3 学校健診について
ア 令和3年3月26日、文科省から児童生徒へのプライバシー配慮を求める通知「児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点について」が全国の学校設置者へ発出されていますが、これを受けて東京都としてはどのような対応をしたか伺います。
イ 昨今、女子児童・生徒が上半身脱衣する男性医師等による学校健診に関して「恥ずかしい」「娘が嫌がっている」などの問題が明らかになってきており、私も江戸川区民から寄せられた声により江戸川区教育委員会は配慮いただくよう改善策を講じました。個別事案ごとに対応する問題ではなくオール東京でぜひ取り組むべきではないでしょうか?
つきましては、これまで、学校健診にかかる苦情や相談を都はどう把握し、児童・生徒や保護者の意見を学校健診に取り入れる仕組みがあるのか、どのような対策を講じ、どのような成果があったのかなかったのか、区市町村、医師会との連携も含めて伺います。
ウ 京都府では医師会による調査が行われていますが、東京都では学校健診における上半身脱衣の状況について実態調査をしているのか、把握する予定はないか伺います。
エ 東京都では学校健診における内科検診にて女子に上半身裸(前向きに医師の方を向く)を求める学校が存在しているのか。それに従えなければ自費で外部の診察を受け診断書を提出する必要があるのか伺います。
オ 学校健診における内科検診にて上半身裸(前向きに医師の方を向く)を求められたことに対して「安心できる学校健診を考える会」へ「50歳を過ぎても忘れられない」「大人になった今も悔しい気持ちでいっぱい」「今でも思い出し気分が悪くなる」などの深刻な心の傷を負った女性達の声が寄せられています。当時の光景を夢に見て汗だくで目覚める、体調が悪くても医師の所へ行けなくなったなど深刻な後遺症に苦しんでいる方もいるとのことです。東京都ではこのような長期間に渡る深刻なトラウマの実情を把握しているのか、対応の必要性と問題意識を持っていたのか伺います。
カ そもそも学校健診における内科検診にて、医師が裸の状態の胸を直視する必要があるのでしょうか。胸郭異常の発生率は0.1%から0.2%であり、2015年度に「医学的・疫学的に学校で寄生虫卵の検査をする意義は乏しいと」の理由で廃止されたぎょう虫検査と同レベルの発生率をふまえて、上半身脱衣で確認する医学的根拠はあるのか、確認します。
キ 公益財団法人「日本学校保健会」の児童生徒等の健康診断マニュアル映像編では、「胸や臀部を見せたがらない児童・生徒は、保健調査票や問診で異常の有無を確認します」と言及しており、児童・生徒の意思に反してまで脱衣を求めることを推奨してはおらず、保健調査票や問診による柔軟な対応を行うことを推奨しています。都の、この点にかかる見解と対応を伺います。
ク かようなことをふまえ、学校健診では、女性医師に積極的に参画して頂くことが肝要ですが、現時点そのような取り組みをされているのか、伺います。
ケ 子どもが「いやだ」「不快だ」と感じればそれは「セクシャル・ハラスメント」にあたります。学校の場合は特に「スクール・セクハラ」に該当します。子どもの権利条約第34条では、性的な搾取や虐待から子どもを守ることが保障されています。教師、医師という「先生」の立場を利用して子どもを性的に利用することは決して許されないものですが、現行の学校健診に、ハラスメント要素があるという認識の有無について都の見解をお示し下さい。
コ 学校保健安全法には、「毎学期定期の健康診断」(同法13条1項)のほか、「学校においては、必要があるときは、臨時に、児童生徒等の健康診断を行うものとする。」(同法13条2項)と定められています。この13条2項を受けて、同法施行規則10条では、臨時の健康診断は「次に掲げるような場合で必要があるときに、必要な検査の項目について行うものとする。一 感染症又は食中毒の発生したとき 二 以下略」とあります。今回、新型コロナウイルスによる感染症の恐れがある場合には、学校設置者の判断により、所管内の学校すべての子どもたち及び不登校の子どもたちにPCR検査を含む臨時の健康診断を実施すべきであると考えますが、検査結果にかかる差別の問題とは切り分け、子どもの命と健康を守る観点からの都の見解を伺います。
サ パラリンピック観戦にあたって、当初は意欲的であった江東区が、都が参加児童・生徒の悉皆PCR検査を明らかにしたことで、陽性となると欠席せざるをえず、誰が陽性か特定されてしまうことから「差別を誘発する」と辞退する事態に発展しました。江東区としてはもっともな危惧であったと思いますので、この点に関して、人物特定とそれに伴う差別への配慮はどう想定しての実施だったのか、検討経過も含めてご報告下さい。
4 校外学習について
ア 五輪・パラリンピック開催中、東京は第5波のコロナ禍にみまわれ、子どもたちは学校生活でも我慢を強いられ、「ホストシティ」である都民の命が奪われ、入院できない都民は「医療難民」となり、自宅療養で亡くなる方が8月から48名にも上りました。都民と子どもたちを健康被害、苦痛と不安に陥れたことはソーシャル・インクルージョンの理念及び五輪憲章の意義に大きく反するものです。当然のことながらパラリンピックの学校連携観戦について、各自治体の判断が大きく揺らぎ、分かれました。ホストシティの「ガバナー」たる東京都知事としての総括を求めます。
イ 10月1日より緊急事態宣言が失効いたしました。小池知事の鶴の一声で、都立学校の春の大会関係行事はすべて中止となり、修学旅行や林間学校等も中止見送りとなり、生涯一度の機会を奪われた児童・生徒、保護者から悲痛な叫びにも似た声が私のもとにも多数届いております。可能な限り中止は撤回し、予定していたすべての校外学習を実現すべきですが、都として何ができるのか、しているのか、対策・予定はあるのか、検討はされたのか時系列で具体的にご報告下さい。

二 新型コロナウイルス感染症対策について
1 飲食店への点検・サポートについて
ア 都では「徹底点検TOKYOサポート」等を実施し、小池知事の一時は自ら店舗に赴き指差し点検をする様子をマスコミに積極的にアピールされていました。こういった飲食店の点検・サポートをしている一方、都からの要請を守らなかった事業者を何者確認しどのように改善に結びつけたか、時短協力金をもらいながらも営業をしていた店舗をどの程度確認し返金等適切な対応に結び付けられたか等、開始から現状にいたる成果と課題につき具体的にご報告下さい。
イ 感染拡大防止時間短縮協力金のネット申請と協力金の遅配について、毎回私のところへ、「申請ができない」「エラーが発生している」「現時点の経過が不明」「ステータスが未だに受理のまま。二週間も経過してるのにおかしいではないか」「資金繰りを考えなくてはならない月末なのに支払い目途の報告すらない」「電話がつながらない」「窓口対応が悪くナビダイアルのまま待たされて電話料金が発生しこちらが負担するのは理不尽」「オペレーターでいうことが変わる」との苦情や相談が寄せられ個別には対応させていただいておりますが、これでは、公金を使ってすべての事業者を支える事業とは到底言えないのではないでしょうか? これらのオペレーションは博報堂が担い時短協力金対応業務委託金として令和2年度では約100億円もの税金を支払っております。巨額を投じて一向にトラブルが解決せず繰り返されていることに対して、各トラブル対応へ都としては同社に原因解明と再発防止をどう求めたのか、それに対しての同社の対策はどうであったのか、他の事業者に変更や振り分けをする等の民間では当たり前の検討はなされなかったのか具体的にご説明下さい。同時に、同社へ責任を都として問うべきと考えますが所見を伺います。
ウ 若年層向け「新型コロナウイルスワクチン接種推進キャンペーン事業」約10億円の執行・進捗状況について、小池知事CMを実施するかどうかも含め具体的にご報告下さい。
エ 小池知事の鶴の一声で突如、渋谷にて予約なしでのワクチン接種は、猛暑の中若者が殺到し、隣の駅まで長蛇の列となり「三密」となり熱中症の危険にさらし大失敗であったと断じさせていただきます。にも関わらず、小池知事は「工夫してほしいですね、現場で」と部下に責任をなすりつけました。これらが示すものは、若年層にはワクチンを打ちたい明確な意思があったにもかかわらず、ニーズを過小評価し行政対応が追い付いていなかったということの証です。つきましては、若年層への啓発の必要性について以下確認します。
a 渋谷での予約なしのワクチン接種事業について都庁内で検証は行われているのか、具体的に説明下さい。
b 現場へ責任をおしつけた小池知事の説明責任を明確にすべきであると考えますが、知事の所見を求めます。
c 区市町村と自衛隊の努力によって、若者を含めた全世代の接種も進んでおります。また、ニーズ調査マーケティングが広告代理店に血税を投じて依頼することもなく、この「長蛇事件」により若者のワクチン接種ニーズと意識の高さが判明しました。つまり、巨額の税金を投じてまで啓発する必要はない、ということです。ましてや小池知事が登場する等高額CMに使うなどはもってのほかです。つきましては、若年層向け「新型コロナウイルスワクチン接種推進キャンペーン事業」10億円は無用の長物、いったん立ちどまり、生活困窮する若年層支援策に転用すべきと考えますがこの予算の執行について、所見を伺います。
d 令和3年9月24日知事定例記者会見にて行動制限緩和の実証実験について聞かれ「私自身は存知あげません。名乗りをあげるとは聞いておりません。そのような報告は上がってきておりません」と答えていました。今後第6波に備え、政府とのコロナ対策の連携は必要不可欠なはずですし、令和3年第3回定例会10月5日の代表質問、翌一般質問においても政府との連携強化を知事は度々強調されていました。知事会見の時の判断と何が違い、現状はどのような連携強化が図られているのか、政府による実証実験の是非、今般補正予算で、3千万円計上したコロナワクチンにかかる抗体保有に関する東京都医学総合研究所による研究との連携も含めた東京都知事としての判断のプロセスを時系列で具体的にご説明下さい。

三 知事のトップマネジメント・ガバナンスについて
1 知事の長期欠勤について
都議選前日、都民ファーストの会特別顧問小池知事は、過度の疲労から突如復帰し、免停、無免許運転で自動車運転過失傷害を犯した木下ふみこ都議の応援に駆けつけました。
一般職員であれば欠勤理由や期間を報告しなければなりませんが、六月の長期欠勤につき、知事は明らかにしないのか、なぜ、令和3年8月19日の第2回臨時会で、知事本人が答えず総務局長に答えさせたのか小池知事の所見を伺います。
2 木下ふみこ都議への選挙応援について
同上臨時会にて私は、非違行為を犯した木下ふみこ都議の応援、抜てきをした政治責任と説明責任につき、知事の所見を確認したところ「お話の都議の事案についてでございますが、起こした本人がしかるべき対処すべきもの、このように考えます。」と、まったく都民への説明責任も果たさず、政治責任も放棄する無責任な答弁をされました。令和3年9月17日知事定例会見で記者に
「元都民ファーストの会のですね、木下ふみこ都議、本日、警視庁に書類送検されました。改めて伺うんですが、無免許事故、さらに救護義務違反、加えて今回5月とか6月にもですね、無免許運転していたということのようです。知事としてこういった行為をですね、どういうふうに改めてお考えになられるか。それから、こうした人物をですね、知事、今回の都議選の最終日に激励に行かれました。そういったことの悔いとかですね、反省とか、有権者への申し訳ないなっていうような気持ちありましたら、ちょっとお願いいたします。」と、木下都議が書類送検されたことについて問われたところ、「私自身は、そういった方を応援したっていうのは大変恥じるべきことだなと思っております。またやはりそういった、何ていうんでしょう、範を示すべき人が、そうでないこと、その逆をずっといくというのは、やっぱりこの世の中、厳しいの1点に尽きると思いますので、そのことをしっかり自身で受け止めて判断されることを期待しております。」と小池知事は答えました。
つきましては、何を「大変恥じるべきこと」なのか、小池知事ご自身が何を誰に対して恥じているのかお答えください。また、「そのことをしっかり自身で受け止めて判断されることを期待」と述べていますが、木下ふみこ都議が何を「しっかり自身で受け止めて」何を「判断」されるべきとお考えなのでしょうか。起訴相当の意見付きで現職都議が異例の書類送検をされ、確実に自動車運転致傷罪や道路交通法違反を犯しながら、議会を欠席し続けているにも関わらず、都民の血税から今日現在報酬約1,872,567円、政務活動費100万円、総額約287万円を得て、今後も報酬が発生しつづける木下ふみこ都議を都政に送り出し、応援した小池知事として具体的に政治責任をふまえてご説明下さい。

令和3年第三回都議会定例会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 教育政策について
1 PTAについて
ア 法的根拠や歴史的経緯を踏まえた、PTAの意義・目的について伺う。

回答
PTAについて、その組織運営や活動内容を規律する法令の定めはなく、国会の政府参考人答弁によると、社会教育法第10条に定める社会教育関係団体に該当するとされています。
また、昭和42年6月23日付けの国の社会教育審議会報告においては、その歴史的経緯を踏まえ、「父母と先生の会(PTA)は、児童生徒の健全な成長をはかることを目的とし、親と教師とが協力して、学校および家庭における教育に関し、理解を深め、その教育の振興につとめ、さらに、児童生徒の校外における生活の指導、地域における教育環境の改善、充実をはかるため会員相互の学習その他必要な活動を行う団体である。」と整理されています。

質問事項
一の1のイ 加入状況について
a PTAは「任意加入」であると認識しているが、事実上強制的な運用が散見され、任意加入である事すら周知されていない実態がある点について、任意性の根拠及び現状について伺う。

回答
各都立高校等のPTAの入会に当たっては、保護者からの同意書等により意思の確認をした上で、手続を行っていると聞いています。
区市町村立学校のPTAの入会に当たっては、各団体において適切に対応するものと認識しています。
なお、国会の政府参考人答弁によると、「PTAは、任意団体、自主的な団体及び社会教育法上の社会教育関係団体に該当する」とされており、加入を強制することはできないと認識しています。

質問事項
一の1のイのb 東京都教育委員会としてPTAが任意加入である旨を改めて周知し、「入会届」の整備を促す必要があるが、法的根拠を踏まえて見解を伺う。

回答
国会の政府参考人答弁では、PTAの法的位置付けとしては、任意団体、自主的な団体であり、社会教育法上の社会教育関係団体に該当するとし、PTAの運営の在り方や活動内容については、それぞれのPTAが地域の実情等に応じて協議して自主的に決めていく仕組みであるとしています。
社会教育法第10条では、社会教育関係団体を規定し、同法第12条において「国及び地方公共団体は、社会教育関係団体に対し、いかなる方法によっても、不当に統制的支配を及ぼし、又はその事業に干渉を加えてはならない。」と規定しています。
PTAへの加入についても、これと同様に取り扱われるべきものと認識しています。

質問事項
一の1のイのc 都立学校の授業料とPTA会費が合算されて引き落とされている事例はないか、PTAが一般会計以外に特別会計口座(周年事業、卒業対策、同窓会)を保持していないか伺う。

回答
授業料は公費であり、PTA会費は校長がPTAから委任を受けた範囲で徴収等を行う私費会計です。
それぞれ、事務処理が異なるため、授業料とPTA会費が合算されて引き落とされることはありません。
なお、各PTAの定めるところにより、総会の承認などの手続を経て、周年行事等に関する会計を処理するために、特別会計を設けるPTAもあると聞いています。

質問事項
一の1のイのd 「義務教育における私費負担の解消について」昭和42年3月13日 教総庶発第148号(昭和42年3月13日施行)通知の運用状況と各学校への周知状況について伺う。

回答
「義務教育における私費負担の解消について」は、義務教育の学校運営における私費負担の解消を目的に昭和42年に区市町村に通知しています。
本通知の運用や各学校への周知については、学校の設置者である区市町村において対応するものと考えています。

質問事項
一の1のイのe 地方財政法上では、「本来公費で負担すべきお金を私費(保護者負担金)やPTA会費で負担することは違反」と解されている。任意加入の意思確認がなされぬ状態でPTA会費を使用して学校へ寄付行為を行うことは、地方財政法上の違反にあたるのではないかという指摘について、見解を伺う。

回答
文部科学省通知(「学校関係団体が実施する事業に係る兼業兼職等の取扱い及び学校における会計処理の適正化についての留意事項等について」平成24年5月9日24文科初第187号)によれば、学校関係団体から学校に対して行われる寄附について、「地方公共団体が住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、寄附金を割り当てて強制的に徴収することは、地方財政法第4条の5の規定により禁止されていること」とされています。

質問事項
一の1のイのf 就学援助の算定にあたって、PTA会費は含まれているのか、現状について伺う。

回答
就学援助については、学校教育法第19条において、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、区市町村が必要な援助を与える旨定められており、区市町村にその実施が義務付けられています。
就学援助の対象となる費目は、要保護児童生徒援助費補助金及び特別支援教育就学奨励費補助金交付要綱に定められており、PTA会費も対象費目の一つとなりますが、就学援助の算定にPTA会費を含めるかについては、区市町村がその権限と責任において判断するものです。

質問事項
一の1のイのg 各PTAから式典で拠出されるお祝い金(ご祝儀)は、支出に記載されても収入に記載されず、学校管理職管理下となっている実態はあるか伺う。

回答
PTA会計からの支出は、規約や活動方針、予算書等に基づき、PTAが意思決定をしています。
PTAの活動に関しては、それぞれのPTAが地域の実情等に応じて協議をし、自主的に決めていくものであり、都教育委員会は関与する立場にありません。

質問事項
一の1のイのh 学校備品として使用される物品(式典テントなど)を、名目上PTAの備品として購入していないか伺う。

回答
都立学校で必要な備品等は公費により執行しています。
また、区市町村に対しては、義務教育の学校運営における私費負担の解消を目的に、「義務教育学校運営費標準の設定と公費で負担すべき経費の私費負担解消について」を昭和42年に通知しており、区市町村において、適切に対応されているものと考えています。

質問事項
一の1のイのi 保護者個人情報・口座情報等を、本人の許可なく学校がPTAと共有していることは、個人情報保護法及び都・区市町村条例に抵触するが、目的外利用・外部提供している実態があるか、都は把握しているのか、そのような利用があった場合どのように適正化するかについて伺う。

回答
個人情報の取扱いについては、「東京都個人情報の保護に関する条例」等を遵守し、適正に処理しています。
都立学校において、不適正な事例を把握した場合は、直ちに事務処理の適正化について指導します。
区市町村においては、各自治体が定める「個人情報の保護に関する条例」等に基づき、適正に処理されるべきものと認識しています。

質問事項
一の1のイのj いじめ、児童虐待、教職員による暴力やハラスメントについて、本来PTAは当事者である子どもとその保護者の救済機関としての機能をもってしかるべきだが、そのような事例があるか、また、現状についてどのように把握しているか伺う。

回答
PTAにおける、いじめ、児童虐待、教職員による暴力やハラスメントに関する救済機関としての機能を有する活動事例は、把握していません。

質問事項
一の2 いじめ対策について
ア 東京都教育委員会いじめ問題対策委員会及び東京都いじめ問題調査委員会の法及び条例制定から今日にいたる活動状況について、個別の重大いじめ・自殺事案の関与・対応状況を伺う。

回答
都教育委員会は、平成26年8月に、東京都いじめ防止対策推進条例(以下「条例」という。)の第11条に基づいて、「東京都教育委員会いじめ問題対策委員会」を設置しました。この委員会の所掌事項は、教育委員会の諮問に応じ、いじめ防止対策について調査審議し答申することや、都立学校において、いじめにより子供の生命等に重大な被害が生じた疑いがあると認めたときに調査を行うこと等です。これまで4期にわたり25回の委員会を開催し、「いじめ総合対策」に示された取組の推進状況の検証、評価、いじめ防止対策を一層推進するための方策について審議を行ってきました。
また、平成28年1月から平成29年9月までは、都立高校におけるいじめ防止対策推進法第28条1項に規定する重大事態の発生を受け、いじめに係る事実関係を明らかにする調査を行い、提言を行いました。
なお、東京都いじめ問題調査委員会は、条例第12条に基づいて、知事の附属機関として置くことができますが、現在まで設置実績はありません。

質問事項
一の2のイ 町田市小学校6年女子児童いじめ自殺事案について
a 東京都町田市で昨年11月に発生した、小学校6年女子児童いじめ自殺事案について、知事の見解を伺う。

回答
本件については、町田市において調査中の事案であり、引き続き文部科学省とも連携をとり、調査の結果によっては、東京都として適切に対応していきます。

質問事項
一の2のイのb 東京都教育委員会がいつ事故発生を把握し、どのような支援や連絡を町田市教育委員会に行ったか、現状把握の状況とそれに対する対応状況について、時系列順に伺う。

回答
本件につきまして、都教育委員会は、令和2年11月30日、町田市教育委員会から事故発生の報告を受けました。その後、町田市教育委員会から要請があり、都教育委員会は令和3年1月14日及び16日に心理職の派遣を行いました。
現在、町田市教育委員会いじめ問題対策委員会にて調査が行われたこと、今後市長部局による調査が行われる予定であることを把握しています。

質問事項
一の2のイのc 東京都教育委員会が町田市教育委員会に確認したところ、保護者からの意向に寄り添い、様々な対応をし、調査していたとのことだったが、臨時保護者会で、校長は両親の話とは真逆の説明をし、両親に対し、保護者会への参加を拒否していたと報じられている。このことについて、何が正しい事実なのか伺う。

回答
お尋ねの件につきましては、町田市による調査により、明らかになるものと考えています。

質問事項
一の2のイのd 当該児童の保護者は、調査依頼を学校及び町田市教育委員会にいつしたのか、また、保護者へ解決済みと報告した根拠と事実関係、それにまつわる対応経過を時系列順に伺う。

回答
町田市教育委員会からは、当該児童の保護者から調査依頼を受け、町田市による重大事態に係る調査を開始したと聞いております。
その他につきましては、町田市による調査により、明らかになるものと考えています。

質問事項
一の2のイのe 当該事案におけるいじめ調査委員の人選の経緯と選考基準及びメンバーについて、遺族に具体的な説明をしたのか、しなかったかも含め伺う。また、一般的に、いじめ自殺が発生し、東京都いじめ問題調査委員会等が設置された場合、調査委員の選定からメンバー決定を含む詳細について、遺族・保護者にどのような説明をするのか、発生時から設置、調査開始に至るまでの時系列の具体的な詳細を伺う。

回答
町田市教育委員会いじめ問題対策委員会は、町田市教育委員会の附属機関として常置されています。町田市教育委員会に確認したところ、いじめ問題対策委員会の委員及び選考基準については、代理人弁護士を通して、遺族へ説明をしているとのことです。
また、一般的に、いじめ防止対策推進法第28条第1項に規定する重大事態が発生した場合には、いじめ防止対策推進法、「いじめの防止等のための基本的な方針」、「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」にのっとり、調査実施前に、被害児童・生徒、保護者に対して調査組織の構成について説明することとなっています。
調査組織の人選については、職能団体からの推薦を受けて選出したものであることなど、公平性・中立性が担保されていることを説明すること、被害児童・生徒、保護者から構成員の職種や職能団体について要望があり、構成員の中立性・公平性・専門性の確保の観点から、必要と認められる場合には、学校の設置者及び学校は調整を行うこととされています。

質問事項
一の2のイのf いじめ自殺調査委員の人選について、他自治体では、遺族の意向や推薦を受け入れた委員選定をしている事例があるが、都における対応状況と見解を伺う。

回答
いじめ防止対策推進法第28条第1項に規定する重大事態に関する調査を行うに当たっての調査組織の人選については、同法や東京都いじめ防止対策推進条例等にのっとり、適切に対応することが必要です。
平成28年1月に、同法第28条第1項及び同条例第11条第4項の規定に基づき、東京都教育委員会いじめ問題対策委員会が調査を行った際には、同委員会委員長が調査部会部員8名を指名しました。調査部会は、同委員会規則に基づき、同委員会から4名、遺族推薦の専門調査員4名からなる合計8名により構成されました。

質問事項
一の2のイのg 当該校は、パスワードを全員同じにするといった、個人情報保護とプライバシー・情報リテラシーに対する意識が欠如していた。都教育委員会は「人権教育プログラム」を策定し、実際に「人権課題「インターネットによる人権侵害」」といった実践事例もあったにも関わらず、当該校では徹底されていなかった。今回の反省を含めた見解と、なぜこのような初歩的な重大なミスを犯したのか伺う。

回答
都教育委員会では、都内全公立学校の全教員に配布している「人権教育プログラム」に、人権課題「インターネットによる人権侵害」を取り上げた実践・指導事例や個人情報の管理に関わる教職員のチェックポイントを掲載し、人権教育に関わる研修会等において活用を促しています。
また、令和3年2月には、一人1台端末の本格運用に向けて、情報発信をする前に相手がどう感じるかを想像させることなど、指導上の留意点をまとめたリーフレットを学校に配布・配信しました。
さらに、同年9月以降、ネットを通じて子供の学びの状況を確実に把握するなどオンラインを活用した学習の留意点をまとめた資料を、メールマガジン形式で各学校に配信しました。
なお、同月には、他者から容易に推測されないパスワードを設定することや、他者に知られないよう管理することについて、指導の徹底を図るよう改めて通知しました。
お尋ねの件につきましては、町田市による調査により、明らかになるものと考えています。

質問事項
一の2のイのh 当該校の当時の校長は、特別区教育長に就任しているようだが、子どもの命が絶たれ、事件の真相も明らかになっておらず、調査結果も出る前に、なぜ「栄転」人事を強行したのか伺う。

回答
都教育委員会は、当該校長の特別区教育長への就任について関知していません。

質問事項
一の2のイのi パスワード設定にかかる初歩的なミスを犯し、子どもの命が絶たれた事実を踏まえれば、当該教員、管理職及び学校長の責任は重大である。服務監察、懲戒処分、研修についてどのように行うのか、見解及び対応状況を伺う。

回答
本件については、町田市において事実を調査中です。
調査の結果に応じて、都教育委員会として必要な対処を行っていきます。

質問事項
一の2のイのj いじめ自殺案件では、学校現場から証拠が散逸する事案が後を絶たず、当該事案においても、学習端末の中傷を何者かが削除し操作者特定が困難であることが報道された。証拠物の取扱いが適切だったのか、不適切だったのか、見解を伺う。

回答
本事案に関わる事柄については、町田市において調査中です。

質問事項
一の2のイのk 嫌がっているのに当事者同士で話し合わせるような、児童が求めないいじめ対応を教員が行い、自殺に至らしめた場合、当該教員、管理職及び学校長の責任は重大であり、服務監察及び懲戒処分に相当するのではないか。見解を伺う。

回答
児童・生徒のいじめ問題に対応する際には、いじめを行った子供がいじめを受けた子供に表面的に謝罪して解決を図らせるような一面的な対応をしないこと、いじめを受けた子供の不安が完全に解消され、安心して学校生活を送ることができるようになるまで徹底した支援を行うことが必要です。
本件については、町田市において事実を調査中です。
調査の結果に応じて、都教育委員会として必要な対処を行っていきます。

質問事項
一の2のイのl 一般的に、いじめ自殺した子どもの保護者が子どもに関する情報を知りたいとした場合、開示請求をしなければ見ることができないのか等、制度の運用の在り方について、子どもの権利条約、法、条例根拠を踏まえた見解を伺う。

回答
都教育委員会では、保有する個人情報の取扱い等について、東京都個人情報の保護に関する条例等に基づき対応しています。
一方、いじめ防止対策推進法第28条第1項に規定する重大事態に関する調査の実施に当たっては、同条第2項により、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとすると定められています。
これを受けて、いじめを受けた子供の保護者に調査結果に関する情報提供を行う際には、調査により明らかとなった事実関係について、適時・適切な方法で説明を行うことが必要です。

質問事項
一の2のイのm 今後の対応と再発防止策、取組について伺う。

回答
本事案については、町田市において調査中であり、調査の結果によっては、東京都教育委員会として適切に対応していきます。
なお、東京都教育委員会は、学校や区市町村教育委員会等と連携して、いじめ問題に取り組んでいます。

質問事項
一の3 学校健診について
ア 令和3年3月26日、文科省から児童生徒へのプライバシー配慮を求める通知「児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点について」が全国の学校設置者へ発出されているが、これを受けて都はどのように対応をしたか伺う。

回答
都は、令和3年3月26日、文部科学省通知「児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点について」を収受し、同日付で区市町村教育委員会に、同月31日付で都立学校に宛てて通知しました。この中で「脱衣を伴う検査における留意点」を踏まえるとともに、工夫例を参考にし、検査会場内では、待機する人数を最小限にするなど、プライバシーの保護に配慮した環境づくり等、適切な対応をするよう依頼しました。

質問事項
一の3のイ 女子児童・生徒が上半身脱衣する男性医師等による学校健診について、これまで苦情や相談をどう把握してきたのか、また、児童・生徒及び保護者の意見を学校健診に取り入れる仕組みがあるのか、どのような対策を講じ、どのような成果があったのか、区市町村、医師会との連携も含めて伺う。

回答
学校健診に係る苦情や相談については、各学校では、担任や養護教諭が受けております。都には、担当部署に直接寄せられる場合と局の広聴窓口等に寄せられる場合があり、いずれの場合も担当部署において内容を把握し適切に対応しています。
児童・生徒や保護者から苦情や相談、意見があった場合には、対象となった都立学校や区市町村教育委員会に伝達し、改善を依頼してきました。具体的には、脱衣を伴う検査に対する苦情があった場合に、プライバシーへの配慮を含む実施方法をとるようにするなど依頼しました。
学校における定期健康診断は、教育庁は東京都医師会と連携をしており、改善を図っております。区市町村教育委員会は地区医師会と連携をして、対応をしており、改善を図っております。

質問事項
一の3のウ 女子児童・生徒が上半身脱衣する男性医師等による学校健診について、京都府では医師会による調査が行われているが、都では実態調査をしているのか、把握する予定はないか伺う。

回答
学校健診は、文部科学省監修のもと、日本学校保健会が発行している「児童生徒等の健康診断マニュアル」や、令和3年3月26日文部科学省通知「児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点について」に基づき、各学校が実施しています。 
東京都では上半身脱衣の状況について、過去に実態調査は行っておりませんが、マニュアルや通知に基づき、各学校において適切に対応するものと考えております。

質問事項
一の3のエ 学校における内科検診にて女子に上半身裸(前向きに医師の方を向く)を求める学校が存在しているか、それに従えなければ自費で外部の診察を受け診断書を提出する必要があるか伺う。

回答
東京都の学校健診における内科検診では、診察や心電図検査等、衣服を脱いで実施するものは、全ての校種・学年で男女別に実施するなどの配慮のもと、実施しています。同性の間でも、意識する場合が想定されるため、本人等の意向を踏まえた上で、養護教諭は学校医と相談しつつ個別に実施するなどの対応をとっています。
児童生徒が衣服を脱ぐことが困難な場合には、診察に支障の出ない範囲で、着衣のまま実施しており、診察できなかった場合においては、自費で診断書を提出させることはありません。

質問事項
一の3のオ 学校における内科検診にて女子に上半身裸(前向きに医師の方を向く)を求められたことについて、長期間にわたる深刻なトラウマの実情を把握しているか、対応の必要性と問題意識を持っていたのか、伺う。

回答
都は、長期間にわたる深刻なトラウマの実情について把握しておりませんが、そのような状況を把握した場合は、速やかにそれぞれの学校において、個別に学校健診における配慮等を行う必要があるものと考えています。
また、従来から定期健康診断は、プライバシーの保護や男女差への配慮等について記載のある、文部科学省監修のもと日本学校保健会が発行した「児童生徒等の健康診断マニュアル」に基づき実施してきました。その後、令和3年3月26日文部科学省通知「児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点について」が発出され、都は各学校や区市町村教育委員会にこれらを通知し、学校健診が適切に実施されるよう促しています。

質問事項
一の3のカ 学校健診における内科検診にて、医師が裸の状態の胸を直視する必要があるのか、上半身脱衣で確認する医学的根拠があるのか、伺う。

回答
学校における児童・生徒等の健康診断は、学校保健安全法第13条により実施が定められており、具体的には、文部科学省監修のもと、日本学校保健会が発行した「児童生徒等の健康診断マニュアル」などを参考にしつつ、学校と学校医等が連携して実施しております。
このマニュアルにおいて、脊椎及び胸郭の疾病及び異常の有無並びに四肢の状態を検査する際の方法として、必要に応じて、肩の高さ・肩甲骨の高さや後方への出っ張り・ウェストラインの左右差の有無を確認することとされています。また、皮膚疾患の有無を検査する際の方法として、原則として全身を視診することとされており、これらの検査が実施できれば、上半身を必ずしも脱衣する必要はないと考えております。

質問事項
一の3のキ 公益財団法人「日本学校保健会」の児童生徒等の健康診断マニュアル映像編では、児童・生徒の意思に反して脱衣を求めることを推奨せず、保健調査票や問診による柔軟な対応を行うことを推奨しているが、見解と対応について伺う。

回答
令和3年3月26日付の文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課より発出された「児童生徒等の健康診断時の脱衣を伴う検査における留意点について」の通知に基づき、健康診断を実施するに当たっては、児童生徒等の心情への配慮と正確な検査・診察の実施を可能にするため、学校医と十分な連携の下、実施方法(脱衣を含む)について共通認識を持ち、必要に応じて事前に児童生徒等及び保護者の理解を得るなど、円滑な健康診断実施のための環境整備に努めています。
また、診察や検査等に支障のない範囲で、発達段階に合わせた児童生徒等のプライバシーの保護に十分な配慮が行われるべきものと考えています。

質問事項
一の3のク 学校健診では、女性医師に積極的に参画して頂くことが肝要だが、現時点でそのような取組をしているのか伺う。

回答
都内公立学校では健康診断に当たって、従事する医師の性別を指定して依頼することはありませんが、学校医などと方法や役割分担、物や人の配置、対応について、事前に十分な打合せを行い、実施しています。
例えば、都立学校で実施している健康診断においては、女子生徒の心電図検査の際に、女性職員が行うことや、検査実施中は上半身をタオルなどで覆うなどの配慮を行うこと、男子生徒の場合でも裸になることに抵抗を感じる生徒には配慮することなどを定め、適切に行っています。
区市町村立学校においても、男性の学校医が診察する場合は、女性の養護教諭が同席するなどの配慮をしています。

質問事項
一の3のケ 子どもが「いやだ」「不快だ」と感じればそれは「セクシャル・ハラスメント」にあたる。現行の学校健診に、ハラスメント要素があるという認識の有無について見解を伺う。

回答
都では、児童・生徒に対するセクシュアル・ハラスメント及びわいせつ行為に関わる服務事故を未然に防ぐことを目的として、「都立学校における児童・生徒等に関するセクシュアル・ハラスメントの防止に関する要綱」を制定しています。
この要綱では、職員がその勤務する学校(当該職員がその職務を遂行する全ての場所を含む。)において、児童・生徒等を不快にさせる性的な言動をセクシュアル・ハラスメントとしています。
ただし、学校健診における医療行為は、学校保健安全法及び医師法に基づき実施されるものであり、法令に基づく行為として適切に行われる範囲においては、セクシュアル・ハラスメントに該当しないと認識しています。また、学校健診を実施するにあたっては、必要に応じて事前に児童生徒等及び保護者の理解を得るなど、円滑な健康診断実施のための環境整備に努めています。

質問事項
一の3のコ 新型コロナウイルス感染症の恐れがある場合、学校設置者の判断により、所管内の学校すべての子どもたち及び不登校の子どもたちにPCR検査を含む臨時の健康診断を実施すべきだが、検査結果にかかる差別の問題とは切り分け、子どもの命と健康を守る観点からの見解を伺う。

回答
学校の児童・生徒及び教職員等の新型コロナウイルス感染が判明した際、感染症法に基づき、保健所による積極的疫学調査が行われ、新型コロナウイルス感染症のおそれがある場合、PCR検査を含む健康診断が実施されています。感染症法に基づくこの健康診断は、濃厚接触者が特定された場合、速やかに実施されることとなっています。
また、令和3年9月より、緊急事態宣言期間中で保健所の業務がひっ迫している場合などに、保健所による調査や濃厚接触者の特定等がなされるまでの間、学校設置者の判断により、感染者と感染可能期間中に接触していた者等にPCR検査を実施しています。
こうしたことから、学校保健安全法に基づく臨時の健康診断を実施することは想定していません。

質問事項
一の3のサ パラリンピック観戦にあたり、都が参加児童・生徒の悉皆PCR検査実施を明らかにしたことについて、陽性人物特定とそれに伴う差別への配慮はどう想定しての実施だったのか、検討経過も含めて伺う。

回答
四者協議において、パラリンピック競技大会の競技観戦については、学校連携観戦のみ実施する旨の決定がありました。競技観戦を行うに当たり、基本的な感染症対策に加え、貸し切りバス利用や競技会場で座席間隔を十分確保すること等を講じた上で、競技観戦の安全性を高め、児童・生徒や保護者の一層の安心に資するため、各学校及び学校設置者の希望により、事前のPCR検査も実施できるよう準備しました。
検査の実施に当たり、都教育委員会は、感染者等に対する差別や偏見を防止するため、区市町村教育委員会に、「新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドライン【都立学校】」を送付するなど、学校における指導の徹底を図りました。

質問事項
一の4 校外学習について
ア 五輪・パラリンピック開催中、東京が第5波のコロナ禍にみまわれ、都民と子どもたちが健康被害、苦痛と不安に陥れられたことは、五輪憲章の意義に大きく反するものであった。また、パラリンピックの学校連携観戦については、各自治体の判断も分かれたが、知事としての総括を伺う。

回答
コロナ禍という状況の中、安全、安心な大会を実現するため、国、組織委員会と一体となって、水際対策、入国後の移動、行動管理、健康管理など感染防止対策を徹底しました。また、都民の皆様には、テレワークやステイホームの呼び掛けに協力いただき、交通量や人流の減少、抑制を図りました。こうした様々な対策のもと、世界中から、多くのアスリートにお越しいただき、コロナによって分断された世界を、スポーツの力で一つにして、世界中の人々に勇気と感動を届けることができました。
都教育委員会は、学校連携観戦について、共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいことに鑑み、感染症対策など、安全対策を徹底した上で実施しました。
競技観戦を行った子供たちは、パラリンピアンの姿を目の当たりにし、また、競技観戦を実施しない学校においても、アスリートに応援メッセージ動画を届けたり、学習を深めてきた国の選手が出場する競技をテレビ観戦したりするなどの取組を行い、貴重な経験となりました。

質問事項
一の4のイ 10月1日より緊急事態宣言が失効したが、知事の鶴の一声で、都立学校の行事はすべて中止や見送りとなった。可能な限り中止を撤回し、予定していたすべての校外学習を実現すべきだが、対策・予定はあるのか、検討はされたのか、時系列順で具体的に伺う。

回答
都教育委員会は、感染症対策の徹底と学校運営の継続に取り組むよう通知してきました。令和3年4・5月及び7~9月の緊急事態宣言下では、一堂に集まって行う行事や校外活動、宿泊を伴う行事は延期又は中止、部活動は原則中止とし、同年5月28日以降は生徒の健康維持のため、都内の校外活動は実施できることとしました。同年4・6月のまん延防止等重点措置期間中は、都外の校外活動や宿泊を伴う行事は延期又は中止、部活動は生徒の安全を最優先して活動することとしました。大会等に参加する場合、14日前から健康観察を実施し、活動及び大会への出場ができることとしています。同年10月1日から同月24日までのリバウンド防止措置期間中は、都内の校外活動は可能とし、都外の活動や宿泊を伴う行事は延期することとしました。リバウンド防止措置期間終了後の学校行事及び部活動については、都外の校外活動や宿泊を伴う活動を含め、感染症防止対策を徹底した上で実施できることとしました。これらは、新型コロナウイルス感染症対策本部会議の方針を踏まえ、学校の実態に鑑み、都教育委員会が決定したものです。

質問事項
二 新型コロナウイルス感染症対策について
1 飲食店への点検・サポートについて
ア 「徹底点検TOKYOサポート」で飲食店の点検・サポートをしているが、一方で時短等の要請を守らなかった事業者を何者認識し、どのように改善に結びつけたか、時短協力金をもらいながらも営業していた店舗をどの程度確認し、返金等適切な対応に結び付けたか等、開始から現在までの成果と課題について伺う。

回答
都はこれまで、緊急事態宣言期間及びまん延防止等重点措置期間において、都内の飲食店等約12万店舗に対して営業時間の短縮等を要請するとともに、要請の遵守状況を調査しています。その結果、令和3年9月末時点では、約96%の飲食店等が要請に応じていることを確認しています。
要請に応じていない店舗に対しては、特措法に基づき、電話や直接訪問による働きかけ、文書による個別要請を行い、繰り返しの要請に応じない場合には、行政処分である命令を実施しています。令和3年2月から9月までの間、2,067件の個別要請、192件の命令を実施しました。
また、これらの情報を関係局で共有することで協力金の不正受給の防止を図っており、個別要請等を行った店舗のうち申請のあった5件については、不支給としています。

質問事項
二の1のイ 感染防止時間短縮協力金について、巨額を投じているにも関わらず遅配等のトラブルが解決していないが、都としては委託業者に原因解明と再発防止をどのように求めたのか、それに対する委託業者の対策はどうであったのか、他の事業者に変更や振り分けをする等の検討はしなかったのか具体的に伺う。同時に、委託業者へ責任を都として問うべきだが、見解を伺う。

回答
都は、支給の迅速化や申請者へのきめ細かな対応を図るため、民間の力を活用し取り組んできました。
具体的には、審査体制を2,300人規模に拡充し、審査のスピードアップを図ったことにより、現在、平均処理期間は一週間程度となっています。また、コールセンターの人員を約230人に拡充するとともに、判断が容易でない審査事例をまとめたデータベースを構築し、判断の基準を担当者で共有することで、審査の均質化を図っています。
申請や審査の過程で問題が発生した際は、都度、事業者から原因と解決策等を提出させ、迅速かつ適切に対応を行っています。
委託事業者については、令和2年4月の協力金制度の開始以降、円滑に業務を遂行するため、構築した体制やノウハウを活かせる同一事業者に委託してきましたが、10月1日から10月24日までのリバウンド防止措置期間における協力金については、より一層の支給迅速化を図るため、要請期間終了直後からの申請受付開始に対応できる事業者に委託しています。

質問事項
二の1のウ 若年層向け「新型コロナウイルスワクチン接種推進キャンペーン事業」約10億円の執行・進捗状況について、知事出演のCMを実施するかどうかも含め具体的に伺う。

回答
都は、新型コロナウイルスワクチン接種をためらっている若年層の接種を後押しする、ワクチン接種促進キャンペーン事業の企画・運営業務委託事業者を公募し、事業者選定審査会の審査を経て、株式会社博報堂と令和3年9月29日に契約締結しました。
なお、このうちの普及啓発事業については、ワクチンの接種状況等を考慮しながら、規模等を検討していきます。
同年10月15日にキャンペーン特設サイトを開設し、ワクチンの安全性等に関する正しい知識の提供など、接種促進のための効果的な普及啓発を実施しています。
また、同年11月1日から、スマートフォンアプリに接種記録を登録する機能を導入し、キャンペーンの趣旨に賛同した事業者等による接種者への特典の付与等に活用する事業を実施しています。
同月15日からは、若者が出演する動画広告を、SNS、検索サイト、動画サイトなどのインターネット上で展開しています。

質問事項
二の1のエ 若年層への啓発の必要性について
a 渋谷での予約なしでのワクチン接種事業について検証は行われているのか、具体的に伺う。

回答
都は、渋谷の若者ワクチン接種センターで、令和3年8月27日から同年10月7日までの計34日間にわたり、16歳から39歳までの方を対象とした接種事業を行い、延べ11,490人に接種しました。
この事業では、接種を希望する若者が予約なしで接種を受けられることとしましたが、想定を大きく上回る希望があったことから、直ちに実施方法を見直し、オンライン抽選に切り替え、当選した方のみが来場する方式へ変更しました。
なお、予約なしの接種については、同月9日からはNHK渋谷フレンドシップシアター及び行幸地下で実施しており、同月18日から21日までの期間と同年11月15日から同月18日までの期間に、東京ドームで実施しました。

質問事項
二の1のエのb 渋谷での予約なしでのワクチンの接種について、現場に責任をおしつけた知事の説明責任を明確にすべきだが、知事の見解を伺う。

回答
都は、若者にワクチン接種を普及・浸透させていくとともに、都全体の接種率の向上につなげていくことを目的に、モデル事業として、予約なしで接種を受けられる、若者ワクチン接種センターでの接種事業を実施しました。
また、令和3年10月15日から、接種をためらっている若者の接種を後押しするため、ワクチン接種促進キャンペーンを実施しており、今後とも若者のワクチン接種が進むよう働きかけていきます。

質問事項
二の1のエのc 若年層向け「新型コロナウイルスワクチン接種推進キャンペーン事業」10億円は、生活困窮する若年層支援策に転用すべきだが、この予算執行について、見解を伺う。

回答
都は、コロナ禍において、生活福祉資金の特例貸付や、住まいを失った方への一時的な宿泊場所の提供、自殺に関する相談窓口の拡充など、失業に伴う経済的な困窮や、心理的な不安の増大などの悩みや不安を抱える方々に寄り添った施策を幅広く展開しています。
新型コロナウイルスワクチン接種促進キャンペーン事業は、接種をためらっている若年層の接種を後押しすることを目的に、ワクチンに関する正しい知識等の普及啓発や、アプリを活用した接種促進策等を実施しています。

質問事項
二の1のエのd 政府による行動制限緩和の実証実験の是非、現状として政府とどのような連携強化が図られているか、補正予算で3千万円計上したコロナワクチンにかかる抗体保有に関する東京都医学総合研究所による研究との連携も含め、知事としての判断のプロセスを時系列順で具体的に伺う。

回答
国は、令和3年9月3日の政府分科会からの提言に基づき、同月9日に「ワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方」において、「ワクチン・検査パッケージ」等を活用した段階的な制限緩和についての方針を示しました。
その後、同月13日に、飲食店等における技術実証について、国から各自治体へ候補案件を提案するよう依頼がありました。
都としては、飲食店等における「ワクチン・検査パッケージ」の活用や定着には様々な課題があること、また、都内に多くの飲食店が集積するという大都市ならではの特性もあることから、当面、国への提案は行わないこととし、同月24日の定例記者会見での知事の発言は、こうした経緯に基づくものです。
一方で、大規模イベントにおける技術実証については、基本的な感染対策やオペレーションの実効性等の内容を確認の上、同年10月13日に国の技術実証に同意しました。

質問事項
三 知事のトップマネジメント・ガバナンスについて
1 一般職員であれば、欠勤理由や期間を報告する必要があるが、6月の長期欠勤について知事は明らかにしないのか。なぜ、令和3年8月19日の第二回臨時会で、知事本人が答えず総務局長に答えさせたのか、知事の見解を伺う。

回答
知事は、地方公務員法上の特別職であり、一般職のように、勤務時間その他の勤務条件に係る規定の適用はなく、勤怠管理を行う必要はありません。
また、実務的な内容を含む答弁であり、総務局長が答弁しました。

質問事項
三の2 令和3年9月17日の知事定例会見で、木下都議が書類送検されたことについて問われたところ、「大変恥じるべきこと」と知事は答えていたが、何を「大変恥じるべきこと」なのか、知事自身が何を誰に対して恥じているのか伺う。また、木下ふみこ都議が何を「しっかり自身で受け止めて」何を「判断」するべきか。木下ふみこ都議を都政に送り出し、応援した知事として、具体的に政治責任を踏まえた見解を伺う。

回答
このたびの都議の事案については、起こした本人がしかるべく対処すべきものであり、既に都議会や会見の場で申し上げております。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 漢人あきこ
質問事項
一 都市計画道路小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線について
二 ゼロエミッション東京戦略2020 Update & Reportについて
三 新型コロナウイルス感染症対策について
四 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の検証について
五 区市町村立小中学校出席簿の混合名簿の実施について
六 練馬城址公園整備について
七 西武新宿線(井荻駅から西武柳沢駅間)の連続立体交差事業について

一 都市計画道路小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線について
2016年3月に「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」が取りまとめられてから5年が経過しました。同方針の計画期間2025年度までの半ばを過ぎたことになります。この第四次事業化計画において優先整備路線に指定された小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線(以下「2路線」)は国分寺崖線(はけ)と野川を縦断及び横断する道路であり、小金井市のとても貴重で大切な自然環境を大きく損なうことになる計画です。
多くの市民にとって、この選定は寝耳に水の衝撃でした。選定にあたってのパブリックコメントでは、2,111件の意見が提出され、内2,041件97%が反対意見でした。
都はこの間、「意見交換会」「市民説明会」「オープンハウス」「環境概況調査」などを実施してきましたが、市民の理解は進んでいません。
2019年12月小金井市長選では、「市民の望まない都市計画道路は作らせない」を公約した西岡市長が大差で再選されました。「都市計画道路反対」を掲げた他候補とあわせると70%の得票率です。市長は就任以来、都知事あての2回の要望書および市議会答弁などにおいて、「3・4・1号線については見直しを求め、3・4・11号線については、環境への影響や地元理解の状況から現時点での事業化に同意できない」「地元の市長が了解していない事業化はできない」と表明しています。
2020年3月に市が実施した「市民アンケート」では、半数以上が計画を知らなかったと答え、知っている人の70%近くが環境への影響を危惧していました。現在、改定作業が行われている「都市計画マスタープラン」の今年3月の「中間報告案」へのパブリックコメントでも、2路線については最もたくさんの意見が寄せられ、その95%(242件)が2路線に対し中止、見直しでした。
市議会は、この5年間に計画の見直しを求める意見書を9本可決し都に提出しています。
そして7月都議選において、1人区の小金井市選挙区で、「“はけ”と野川を壊す都市計画道路はいらない」をメインに掲げた漢人あきこが過半数の市議会議員の支援も受けて、「2路線整備推進」の現職をダブルスコアーで破り、当選しました。
このような小金井の「民意」を重く受け止め、2路線の整備計画を見直すことを求めて、以下、質問します。
1 今後のスケジュール
ア 2路線について、それぞれの想定されている今後のスケジュールを示してください。特に3・4・11号線については環境概況調査の実施・結果の公開・検証に関するスケジュールも合わせてお示しください。
イ 都議会における建設局の答弁によると、3・4・1号線については引き続き意見交換を継続するとする一方で、3・4・11号線については「自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進める」とし、設計作業の精度・深度を上げていく意向を表明しています。2路線について異なる対応を取ることとなった根拠は何ですか。
ウ 小池知事は2016年都知事選で市民団体の公開アンケートへの回答のなかで、「知事に就任させていただきましたら、実際に巡視し、小金井市、小金井市議会、地域住民の皆様とも対話し、優先整備路線に位置付けることが不適切だと判断される場合には、必要に応じ、見直しを進めていきたいと考えております」などと述べています。いまだに実行されていない現地視察の今後の予定を含む、現時点でのこの回答内容についての認識を伺います。
2 第四次事業化計画・優先整備路線について
ア 指定された優先整備路線のうち、現時点までに事業認可となった23区と市部の路線数を示してください。また、この進捗状況についての評価を伺います。
イ 2020年5月の副知事4名連名による「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の都政の運営について(依命通達)」では、都市計画道路事業も含め、「直ちに取り組む優先度が低いと考えられる事業のうち、未着手、未発注、一時停止が可能な事業は原則延期または中止すること」としています。この検討は行われましたか。検討の結果、該当した優先整備路線はありますか。
3 2路線の優先整備路線の選定について
ア 選定の前に行われた東京都と小金井市との協議の経過と内容を示してください。
イ 選定にあたってのパブリックコメントで反対が多数であったにもかかわらず、選定見直しとならなかった理由と、どこでどのように検討が行われたかを示してください。
ウ 選定の理由について、都は次のように答弁しています。
「小金井3・4・1号線については、ハケの道など、周辺の生活道路に通過交通が侵入しており、地域の安全性の向上を図るため、優先整備路線に選定しました。また、小金井3・4・11号線については、小金井街道や新小金井街道等で渋滞が発生しているとともに、広域避難場所である武蔵野公園などへの避難路も十分に確保されていないことから、交通の分散による自動車交通の円滑化や広域避難場所へのアクセス向上を図るため、優先整備路線に選定しました」(2016.6上田令子議員文書質問)
a 3・4・1号線について、周辺の生活道路に通過交通車両が侵入している実態について調査検証は行われたのですか。いつ、だれが行ったのですか。
b 3・4・11号線の選定理由となった小金井街道・新小金井街道の渋滞状況について示してください。その渋滞は交通量自体が過大であることから生じたものか、あるいは交差点の構造等の局所課題が原因で発生しているものか、都の認識を示してください。
c 「広域避難場所である武蔵野公園などへの避難路も十分に確保されていない」とのことですが、3・4・11号線が開通することによる広域避難場所へのアクセス向上効果をどのように想定しているか示してください。
4 2路線と「国分寺崖線(はけ)」の保全
国分寺崖線は「東京における自然の保護と回復に関する条例」に基づく国分寺崖線緑地保全地域として指定され、東京都景観計画においては国分寺崖線景観基本軸として定められています。また、東京都では国の自然再生推進法に基づき、2006年からの10年間、野川第一・第二調節池地区自然再生事業として田んぼの整備などに取り組んでおり、市民参加の場にもなっています。さらに、今回の道路計画上には、東京都公園整備事業として土地を買い取り、公園用地として整備した場所も含まれています。小金井市でも、緑の基本計画で国分寺崖線を緑地保全地区としており、環境基本計画では地下水・湧水生態系の保全、並びに都市計画マスタープランや第4次小金井市基本構想・前期基本計画にも、野川やはけの保全・野川調節池周辺の自然再生事業の推進を明記しています。
都市計画決定がなされた60年前とは、この一帯の自然環境・景観の重要性は大きく変わっています。
ア 選定前に小金井市と、2路線による国分寺崖線と野川周辺の自然環境への影響についての協議は行われましたか。
イ 選定にあたって、環境局との事前協議は行われましたか。
ウ 東京都は2019年12月に「ゼロエミッション東京戦略」、今年3月には「ゼロエミッション東京戦略2020 Update & Report」を策定し、緑地保全、生物多様性の重要さも強調しています。国分寺崖線の保全の重要性は、第4次優先整備路線の選定時と比べてもさらに増しています。2路線による環境や生物多様性への影響を回避すべきではないですか。
5 3・4・11号線に関する「意見交換会」について
ア 公募市民による3回の意見交換会が行われましたが、小金井市長は「東京都と地元市民の方々とは、まだ具体的な意見交換会や説明会は、実態として全く行われておらず、まだ入口の段階でストップしている状況」(2019.9.24予算特別委員会)との認識を示しています。また、意見交換会は「環境や景観への配慮について、意見交換することが目的」とされています。意見交換会の評価とその目的の達成状況をどのようにお考えですか。
イ 意見交換会が中断してから2年7か月、オープンハウスから1年6か月、東京都と市民の意見交換は行われていません。これまで以上にていねいで内実が伴う意見交換の場が必要です。いつ、どのような形で行いますか。そのやり方も含め、市民と相談することを検討しませんか。
ウ 意見交換会では、選定の是非の協議のために都市整備局の出席が求められています。都市整備局も出席する意見交換会を開催しませんか。
6 3・4・11号線の「環境概況調査」と「道路概略検討」について
ア 環境概況調査等の全体像と結果の公開方法を示してください。
イ 環境概況調査等の結果の検証・評価はだれがどのように行うのですか。
ウ 小金井市長は市議会で次のように答弁しています。市による検証、分析にむけて環境概況調査等の結果のデータや資料の提供など全面的に協力しますか。
「環境への配慮についてでございますが、小金井市としても、今後、東京都から示される様々な技術的な方策などについては、市としてもそれを受け止めて、市としても検証していく必要はあろうかと考えております。小金井市の貴重な自然の豊かな場所であるということに鑑みれば、環境への配慮は、従来から私も申し上げてまいりましたように、地元への配慮の中の、非常に有力な住民の理解、合意と環境への配慮というのは大きな要素でございますので、この環境への配慮についての考え方は、市としてもしっかりと分析などしていく必要はあると考えております。」(2019.9.24予算特別委員会)
エ 「道路概略検討」では「橋梁案」「掘割案」「トンネル案」が検討され、「橋梁案」をベストとして報告されています。オープンハウスでも「橋梁案」の模型が展示されました。調査結果を受けて行うのは「橋梁案」の補正ですか。道路概略検討からの構造形式の再選考ですか。
7 小金井市「都市計画マスタープラン」の改定について
ア 今回の改定で、2路線の位置づけを変更することは、小金井市の判断で可能ですか。
イ 国分寺市の都市計画マスタープランでは、3・4・1号線の国分寺部分について、「武蔵国分寺跡等の歴史文化資源や崖線の緑が集積するエリアを通る都市計画道路については、まちづくり資源への影響を考慮し、廃止も含めたあり方を検討する必要があります」としていますが、これは東京都との協議を経たものですか。
8 地元市議会からの意見書について
小金井市議会は2016年の選定から今年3月の改選を挟んで現在までに、以下の9本の意見書を提出しています。これらをどのように受け止め、対応してきたのですか。具体的にお示しください。
・都市計画道路「小金井3・4・1号線」「小金井3・4・11号線外」の計画の見直しを求める意見書(2016.3.28)
・都市計画道路「小金井3・4・1号線」「小金井3・4・11号線外」の計画について見直しと誠意ある対応を求める意見書(2017.9.25)
・都市計画道路「小金井3・4・1号線」「小金井3・4・11号線外」の整備計画の見直しと意見交換会の在り方の改善を求める意見書(2017.12.20)
・都市計画道路「小金井3・4・1号線」及び「小金井3・4・11号線外」の計画見直し、並びに「小金井3・4・11号線外」の整備の是非について協議できる場の設定を求める意見書(2018.3.28)
・「小金井都市計画道路3・4・11号線」に関する意見交換会の継続を求める意見書(2019.3.4)
・小金井都市計画道路3・4・11号線外に関するオープンハウスでのアンケート及び意見交換の内容を全て公開し、道路整備の必要性について話し合う場の設定を求める意見書(2020.3.24)
・小金井都市計画道路3・4・11号線外の環境概況調査の中止と長期的視点で2路線の見直しを求める意見書(2020.9.25)
・小金井都市計画道路3・4・11号線外の地質調査の中止と長期的視点で2路線の見直しを求める意見書(2020.12.21)
・「小金井3・4・11だより」の問題点に関する意見書(2021.4.17)
9 地元首長の意向について
ア 小金井市長は市議会において次のように発言しています。地元首長の了解は事業化の前提であり、地元自治体との調整がつかない限り事業を進めることはないと理解してよいですか。
「肝心の、この3・4・11号線について私が申し上げたことに対する見解ですが、現時点では賛同できる状況ではないという認識をお伝えしていますが、やはり、地元の市長としてそういう認識があるならば、東京都は事業化はできないと私は信じています」「私としては、東京都と地元市との関係で申し上げれば、地元の市長としていろいろなものを判断して、東京都と調整がつかない状況については、強引に進めることはあり得ないし、それは許されないことではないかということを申し上げております」(2019.9.24予算特別委員会)
イ 小金井市長は2020年2月のオープンハウス後に行われた市の「市民アンケート」を受けて、2回目の都知事への要望書を提出しました。要望書では、「アンケート結果では(略)国分寺崖線、景観への影響に対する多くの市民の懸念等が示され」「2路線についても知らない市民が半数以上いることがわかりました」とし、あらためて「3・4・11号線につきましては、建設の是非も含め、市民の理解の進展が十分であるとは言えない状況であり、現時点では事業化に賛同しかねます」としています。この指摘への見解をお示しください。
ウ 小金井市長が都知事あての2回の要望書および市議会答弁などで示してきた意思表明を受けて伺います。
a 3・4・1号線の「一定区間での路線変更等」を検討する用意はありますか。
b 3・4・11号線について、配慮すべき環境上の課題としてどのようなものを想定していますか。

二 ゼロエミッション東京戦略 2020 Update & Reportについて
1 石炭火力の削減目標について
東京都のエネルギー消費は、2000年比で約25%(2019年)も減少しています。しかし残念ながら、温室効果ガス排出量は約0.2%の減少にとどまっています。事業概要では、その原因を「電力のCO2排出係数が大幅に増加したため」としています。つまり火力発電の増加、とりわけ石炭火力の増加が排出係数の悪化の最大の要因です。
国際社会は脱石炭を加速させています。国連は1.5℃目標のために、先進国に対して2030年の石炭火力廃止を求めています。ベルギー、スウェーデン、オーストリアなどではすでに廃止、フランスは2022年、イギリスは2024年、イタリアは2025年、カナダ、ニュージーランド、オランダ、フィンランド、ギリシャなども2030年の廃止を目標に掲げています。また、今年4月のG7では、「石炭火力が気温上昇の最大の原因」だと確認し、「2030年代の電力システムの脱炭素化にコミットする」、すなわち「責任をもって約束する」とコミュニケで合意しました。
しかし、政府は2030年の電源構成の19%を石炭火力とする方針です。しかも石炭火力の廃止の目標時期を打ち出さないだけでなく、カーボンニュートラルと言いつつ、2050年においても火力発電を維持する方針です。
また、東京電力の現在の電源構成は石炭火力が20%ですが、石炭火力削減の方針や目標もありません。東京電力と中部電力の合併会社であるJERAは、稼働すれば40年以上、つまり2060年以降まで使用できる新規石炭火力を横須賀に建設中です。
政府や東京電力の姿勢のままでは、排出係数の大幅な低下は見込めず、2030年にエネルギー消費を2000年比で半減しても、CO2排出量の半減は見込めないと危惧せざるをえません。エネルギー消費を削減させても、温室効果ガス排出量は減少しなかったという2000年から2020年の教訓から学ぶべきではないでしょうか。同じ過ちを繰り返してはなりません。
東京都は、「脱炭素社会の実現には国の役割が決定的に重要」とし、「2030年における電力の再生可能エネルギーの割合を飛躍的に高めていくことを改めて強く求めます」と表明しています。しかし、残念ながら石炭火力の早期廃止を求める表明はありません。
以上の現状把握を踏まえて、都の姿勢を伺います。
ア 東京都として、政府に石炭火力の早期廃止を求める意志はありますか。
イ 東京電力に対して、大口株主としての立場を発揮し、石炭火力の早期廃止の株主提案をする意志はありますか。
2 2030年の部門別の温室効果ガス削減目標について
東京都の環境基本計画では、2030年に温室効果ガスを2000年比で30%削減を目標とし、業務部門で20%、家庭部門で20%、運輸部門で60%削減の目標を掲げています。2019年には、運輸部門は約47%減、業務部門は約16%増、家庭部門は約26%増です。また代替フロンは2000年比で7倍に増え、運輸部門の約6割にも相当します。
ゼロエミッション東京戦略2020アップデート版では、2030年に温室効果ガスを2000年比で50%削減へと目標を大幅に引き上げました。それを踏まえるならば、各部門の削減目標も、さらに大幅に引き上げる必要があります。
以上の現状と今後の方向性を踏まえ、質問します。
ア 引き上げる目標値はいつまでに決める予定ですか。
イ 業務部門と家庭部門は、2019年比で50%以上の削減が求められると思いますが、いかがですか。
ウ 代替フロンは、2030年に2019年比で約60%の削減が求められると思いますが、いかがですか。
3 ZEVの2030年目標について
ゼロエミッション東京戦略では、2050年の100%ZEV化を掲げ、2030年に「乗用車の新車販売台数に占めるZEVの割合を50%」にする目標が設定されています。また、東京都環境白書2020では、2021年のZEVの新車販売比率の目標を15%以上とされていましたが、都内の乗用車のZEV販売比率は、2015年から2019年の平均は約1.7%、2019年は2.1%にすぎません。このままでは2030年の50%目標の実現可能性は極めて厳しいと言わざるをえません。
そのうえで以下について伺います。
ア 2020年の乗用車の新車販売台数に占めるZEVの割合は何%ですか。
イ ZEVの新車販売台数の比率引き上げが進まない理由はどこにあると考えていますか。

三 新型コロナウイルス感染症対策について
新型コロナウイルス感染症は、第5波の爆発的な感染拡大と深刻な医療崩壊の危機こそ何とか脱しつつあるものの、避けがたいとされる第6波への備えも含め、なお最大の注視と警戒心をもって臨むべき状況にあります。加えて、この2年近くにわたる困難と混乱を振り返るとき、東京の感染症医療と新型インフルエンザ等の感染症対策を中長期的な視点で検証、総括することが求められています。そうした問題意識に立って、以下、質問します。
1 新型コロナ感染者の入院・療養について
ア 宿泊療養施設の確保・利用状況、ならびにその運営に当たる看護職確保の実績を、派遣委託ならびに会計年度任用の別に示してください。
イ 都ならびに都内各自治体、医師会による自宅療養者に対する医療支援の取り組み状況を示してください。
2 医療計画上の位置づけと取り組みについて
ア 東京都は2013年、新型インフルエンザ等対策行動計画(以下、『行動計画』)を策定し、新型コロナ感染症に対する対策もこの『行動計画』をもとにして展開されてきたと承知しています。『行動計画』に示された医療提供体制について新型コロナ感染症への対応においても適切に実施されたか、お答えください。
イ 2013年に改定された前・東京都保健医療計画、2018年改定の現行の保健医療計画では、『行動計画』を受けてどのような対策が盛り込まれたか、示してください。
ウ 今年7月、東京都は保健医療計画の中間見直しを行いましたが、新型コロナ感染症の経験とそれを踏まえた対策という点での改定の趣旨と概要を示してください。
エ 保健医療計画は5疾病5事業を政策医療の柱としてきましたが、ここに感染症医療が盛り込まれなかった理由を示してください。また、重点的に取り組むべき課題とすべきだったと考えますが、いかがでしょうか。
3 感染症予防体制の要としての保健所について
ア 新型コロナウイルス感染症に対する保健所の体制強化にむけた都の支援が十分であったのか、自治体との連携という点も含め総括的な認識を示してください。
イ 2013年以降、都保健所の感染症対応に当たる保健師数の推移を示してください。
ウ 1975年の地方自治法改正を受けて23区では保健所がすべての区に移管される一方、多摩地域では17カ所あった保健所が12か所に統合再編され、さらにその後、2004年の再編で7か所(うち2か所は市設置)にまで減らされました。この転換は、主として「感染症医療を担う東京都と保健所ならびに保健所設置自治体の連携のあり方」「保健所非設置自治体における都保健所と各自治体との連携のあり方」という課題を生みましたが、新型コロナ感染症を経験した今、多摩地域の保健所設置のあり方について課題の認識を示してください。
エ 保健センターも含めれば、都における地域保健行政の基盤施設は数的には増大してきましたが、感染症対応はあくまで保健所の業務であり、保健所の再編・削減の結果、多摩部における感染症対策が施設、機能、地域との連携という面で後退してきたことを否定することはできません。保健所とその感染症対応機能の拡充が急務です。国の定める『地域保健対策の推進に関する基本的な指針』では、「人口二十万以上の市は、保健所政令市への移行を検討すること」を求めています。すでに府中、調布、西東京の3市は人口20万人を超えていますが、これらの市における保健所設置にたいする都の考え方を伺います。
オ 二次医療圏ごとに再編成するにあたって、都と多摩地域の市町村が共同で設置した「多摩地域保健サービス検討会」は、その最終報告で再編を是としつつも「都・市町村間の連携・支援策を構築する」ことを求めるとともに、例えば、「圏域の状況に応じて分室的機能を存置する」ことなど、地域特性を勘案した措置を講ずる必要があるとしています。直ちに保健所設置を検討することが困難な比較的小規模の自治体においても、感染症対応が可能な分室的機能の整備は十分に検討に値すると考えますがいかがですか。

四 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の検証について
1 組織委員会文書の保管・承継について
ア 東京都は2020年、オリパラ組織委員会の文書の保管・承継に関する条例を議員提案で制定し、「組織委に対し、文書の保管・承継に関して必要な指導・調整を行う」ことを都の責務と規定しています。この場合に都による「指導・調整」の対象となる文書とは具体的にどのような文書を指すのですか。
イ 上記の都条例において、文書の保管・承継に関して、組織委の責務が努力義務に、都の責務が指導・調整に留まることによって、承継される時点で組織委に都合の悪い文書は残らない可能性があるとの指摘がされています。かつて長野冬季五輪において、会計帳簿が焼却されるという事件が起きましたが、今回、重要な文書が組織委の独断で破棄されることはシステムとしてあり得ないと都として保証できますか。現状では不十分であり、至急、具体的な措置をとる必要があると考えますが、いかがですか。
2 支出の公開と検証について
各競技が原則無観客となりチケット収入(900億円)の大部分が消失したことによって、不足する財源をだれが穴埋めするかが今後の焦点となると言われています。オリパラ予算1兆6,440億円のうち、組織委が民間などから調達する資金7,210億円については、支出が適正かどうかについての検証は組織委に任されています。しかし、都民が負担を求められる可能性もあることを考慮すると、支出の詳細についても組織委に公開させ、都として開かれた検証を行うべきと考えますがいかがですか。
3 学校連携観戦について
ア 東京都はオリンピックの連携観戦の中止を決定しましたが、パラリンピックの連携観戦への参加の可否については区市町村の判断に委ね、中止を行いませんでした。それはなぜですか。
イ パラリンピックの連携観戦は「教育的価値が高い」と言われて実施されました。オリンピックと比較して「教育的価値が高い」と判断された理由はなんですか。
ウ 障がい者理解として考えた場合、パラリンピック観戦が特に教育的価値が高いとは言えません。逆に、がんばることのできない障がい者は捨て置かれる危険性が高く、一方的な障がい者理解を押し付けることにはなると思いますが、いかがですか。
エ 障がい者理解を進める教育とは、日常的に分け隔てすることではなく、日常的に共に生きるあり方を作っていくことで初めて大きな意味を持ってくるのではないでしょうか。いかがですか。
オ 最終的に新宿区、渋谷区、杉並区、八王子市の4区市が連携観戦を実施したと聞いています。実施した学校ではかなりの混乱が発生したと聞いています。具体的にどのような混乱があったのですか。
カ ほとんどの市区町村がとりやめ、かつ実施した区市でもかなりの混乱をきたしてまで連携観戦を強行したことは失敗として総括すべきと思いますが、いかがですか。
キ コロナ感染状況が改善されていないなかで連携観戦を強行したことは、子どもたちの生命を危険にさらしたことになり、その責任は大変大きいと考えます。その責任をどのように取るのか伺います。
4 交通規制の告知について
オリンピックのはるか前の6月から警察による交通規制が行われました。その理由は何ですか。また、交通規制の告知をネットや車を中心に実施し、歩行者へのチラシ配布やポスティング、地域交番等での告知をしなかった理由を示してください。
5 「テロ対策」について
「テロ対策」と称して、国立競技場駅のエレベーター・エスカレーターが長期間、使用停止状態にされました。なぜそれが「テロ対策」になるのか説明してください。この措置は「バリアフリー」の観点から間違っていたのではないでしょうか。所見を伺います。
6 警備に使用された技術・機材について
ア 警視庁がイスラエルの軍需技術を活用した生体認証能力のあるカメラを搭載したバルーンをオリパラ警備に使用しました。生体認証技術は今回、具体的に使用されたのですか。使用された場合、取得されたデータの取り扱いは今後どのようになるのですか。また、今回使用されなかった場合、今後の使用は検討されるのですか。
イ 上記に関して、東京都個人情報の保護に関する条例との関係はどのようになりますか。条例に抵触している可能性はないのですか。
ウ 顔認証を利用するには、顔データベースが必須ですが、このデータベースは具体的にどのようなものですか。
エ 当該機器の購入経費、入札か随意かの購入手続き、業者などについて具体的に示してください。
オ 今回のオリパラ警備に導入されたすべての監視機材・技術について、その詳細(経費、入札か随意かの購入手続き、業者など)を示してください。
7 警備費用について
バッハ会長をはじめとする、IOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)関係者の警備に要した経費を、内訳も含めて具体的に明らかにしてください。

五 区市町村立小中学校出席簿の混合名簿の実施について
ジェンダーギャップ指数世界156カ国120位、G7最下位という日本の現状を変えていくためには学校教育の場からのジェンダー平等意識の醸成は必須です。また、「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」では、多様な性の理解の推進が掲げられました。ジェンダー平等で多様な性自認を尊重する学校のために「混合名簿」の完全実施が急がれます。
この度、都内全区市町村立小中学校の出席簿の「混合名簿」実施に関する調査を行いました。
その結果、混合名簿を実施しているのは、小学校は全1,267校中1,183校(93.4%)、中学校は603校中372校(61.7%)でした。実施していない学校では、ほぼすべて「男子が先」の「男女別名簿」を使用しています。
混合名簿を使用していない理由としては、「男女別の授業や行事がある」「事務処理の効率化」などがあがっています。しかし、すでに9割の小学校、6割の中学校での使用実績もあり、いずれも混合名簿を使用しない積極的な理由にはなりません。
1985年のナイロビでの第3回世界女性会議で、学校で男女別名簿を使っているのは参加18カ国中、日本とインドのみと分かり、男女混合名簿導入の動きが始まりました。その後、1999年に男女共同参画社会基本法が制定され全国的に男女混合名簿への移行が進みました。東京都も2002年の男女平等参画のための東京都行動計画で「混合名簿の導入の推進」を定め、「男女混合名簿の実施率は年々上昇しており、2004年度では小学校が81.6%、中学校が42.9%」と報告されていました。ところが、同じく2004年、東京都教育委員会は「『男らしさ』や『女らしさ』をすべて否定するような誤った考え方としての『ジェンダーフリー』に基づく男女混合名簿を作成することはあってはならない」と、各区市町村教育委員会教育長等に通知し、その後の行動計画からも男女混合名簿は削除され、以後、実施状況の調査も行われていません。
今回の調査で、2015年以降、15自治体が新たに実施していることがわかりました。また、今後の予定について「来年度以降実施予定」「全校に実施を指導」「検討中」と回答した学校を含めると、実施校は小学校96.1%、中学校81.8%となります。
ジェンダー平等で多様な性自認を尊重する教育現場とするために、区市町村立小中学校の出席簿が速やかに混合名簿100%となることを求めて、以下、質問します。
1 学校での男女平等を実現するために
2002年の男女平等参画のための東京都行動計画では、「第3章 男女平等参画を推進する社会づくり」の「学校での男女平等」の事業として「混合名簿の導入の推進」をあげ、「出席簿において男女に順序をつけるような取扱いをしないため、都立学校において、混合名簿の全校実施を推進する/公立小・中学校については、区市町村教育委員会と連携の上、全校での導入に向け、理解を求めていく」と記載されていました。また、計画の進捗状況の指針として実施状況を「年々上昇」と評価しています。2004年時点の実施率は小学校81.6%、中学校42.9%でした。行動計画での掲載がなくなってからも各学校の判断で導入が図られ、今回の調査では小学校93.4%、中学校61.7%と上昇していますが、完全実施とはなっていません。同じ都内の区市町村立校に通いながら、「出席簿において男女に順序をつけるような取扱い」が改善されない環境に置かれてきた子どもたちが多くいるということです。
男女平等参画を推進するための学校での男女平等を実現するために、速やかな「全校での導入」に向けて取り組むべきだと思いますが、いかがですか。
2 性自認に関して困難を抱える児童・生徒の人権尊重のために
2018年10月制定の「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」に掲げる多様な性の理解の推進の観点からも、多様な性自認に配慮し尊重する「混合名簿」への転換が急がれるのではないでしょうか。
条例に基づいて定めた「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」では、「児童・生徒に対しては、(略)様々な機会・場面において、性自認及び性的指向に関して困難を抱える児童・生徒へ適切な配慮を行っています」「行政手続等における性別欄の記載のうち、特別な理由の無いものについては削除」などの記載もあります。
混合名簿は性自認に関して困難を抱える児童・生徒への適切な配慮として求められるものと考えますが、いかがですか。

六 練馬城址公園整備について
2020年6月12日、都知事は、西武鉄道株式会社、ワーナーブラザースジャパン合同会社などの責任者とともに『都市計画練馬城址公園の整備にかかる覚書』(以下、『覚書』)を交わしました。この『覚書』に基づいて、西武鉄道等の事業者は練馬城址公園計画地のほぼ北半分において、ハリー・ポッターの「スタジオツアー施設等」の整備に着手、現在も工事が続いています。他方、都立公園として整備することとなった区域に関しては、公園の設計整備などを西武鉄道に委ねる協定等が相次いで交わされてきています。この『覚書』ならびに協定等について、以下、質問します。
1 2020年6月の『覚書』について
ア 『覚書』に関する協議は、いつから、だれが、どのような場で進めてきたのですか。協議の経過と内容を知りうる立場にいた東京都の幹部職員はだれですか。また、スタジオツアー施設計画について、東京都が西武鉄道から最初に情報提供を受けたのはいつですか。以上3点、お答えください。
イ 東京都は2011年に策定した『都市計画公園・緑地の整備方針』において、旧としまえん全域を10年以内に事業化すべき優先整備区域に指定していたところ、公園整備区域自体を縮小し民間事業者による開発と長期の営業を認める方針に転じた理由は何でしょうか。それは、西武鉄道あるいは他の事業者からの要望、提案を受けたものか、あるいは都自身の発意と提案によるものでしょうか。
ウ 『覚書』の締結にあたって、都として旧としまえん区域の避難場所としての取り扱い、ならびに避難有効面積確保の見通しについての具体的な検討、確認は行われたのでしょうか。行われたとしたら、その内容をお示しください。
エ 『覚書』の締結にあたって、スタジオツアー施設が当該地の用途地域上、適法な用途に当たるかどうか、都としてどのような認識を持っていましたか。また、スタジオツアー施設の建築基準法上の用途を「博物館その他これに類するもの」とすることについて、都の建築主事は何らかの照会、相談を受けた事実はありますか。受けたとしたら、どのような対応をしたかもお示しください。
オ 『覚書』によれば、添付の図面によってスタジオツアー施設等の位置を「特定」するとされていますが、実際にはこの添付図上に表示されたエリアは境界があいまいであるだけでなく、実際にその後、スタジオツアー施設用地として設定された開発区域はこの添付図で図示された区域よりもはるかに広大なエリアを占有するものとなっています。『覚書』は実際の開発エリアを想定して交わされたものでしょうか。添付図の範囲を明らかに超えた開発行為は、『覚書』に反するものではないでしょうか。
カ 『覚書』の協議と並行して、都は『都市計画公園・緑地の整備方針』の改定作業を進めてきました。2月に示された同方針の「案」においては、旧としまえん全域が優先整備区域に指定されていましたが、その後、『覚書』によって旧としまえんの半分近いエリアで30年間にわたって公園の整備が行われないこととなりました。『都市計画公園・緑地の整備方針』は、パブリックコメントなどの手続きを経て、最終的には『覚書』締結後の7月に決定・公表されています。なぜ『覚書』の内容を優先整備区域の設定に反映させなかったのですか。『覚書』を交わしたにもかかわらず、旧としまえん全域を優先整備区域に残した理由をお答えください。
2 西武鉄道株式会社との協定等について
ア 2021年7月、東京都と西武鉄道は『練馬城址公園事業に関する施行協定書』等(以下、協定等)を取り交わし、この協定等に基づき、西武鉄道と土地の貸借契約を交わすとされています。この貸借契約は協定に定める公園整備工事区域以外も対象としたものでしょうか。また、この貸借は無償と考えてよいでしょうか。
イ 協定等に基づいて西武鉄道が解体・整備等を行うのは2022(令和4)年度までで、それ以降の公園整備は都が事業主体となって行うと理解してよいでしょうか。また、協定等に基づいて西武鉄道が実施する既存施設等の解体撤去は協定に定める公園整備工事区域以外も対象にしたものでしょうか。同様に、公園の設計・整備はどの範囲を対象にしたものかお示しください。
ウ 施行協定書では西武鉄道に解体・整備等を委託するとし、2か年にわたる委託費用の総額を定めることとしています。この総額をお示しください。
エ 西武鉄道を特命で委託事業の事業者として定めるこの施行協定書は、随意契約を制限した地方自治法・同施行令に反していないでしょうか。また、2か年にわたる支出を約束しているにもかかわらず、債務負担行為の設定もしていないようですが、これは地方自治法に基づく財政管理の原則にもとるものではないでしょうか。
オ 協定等によれば、売札所など一部の施設を除いて、旧としまえんの施設等は土地の貸借契約に伴って都の管理下に移り、都の責任において解体撤去されることとなっています。プールならびにいわゆる古城について、都としてはこれらも解体撤去する方針であるか、解体撤去することが必要と判断しているとしたらその根拠を示してください。
練馬城址公園の整備事業については、広域防災拠点としてのその重要性や旧としまえんの機能・魅力の継承といった点で、『覚書』とその締結に至る経緯に対して様々な疑問が出されてきました。都として、公正で透明性の高い事業執行を図るとともに、地元自治体や住民をはじめとした関係者に対し十分な説明と合意形成の努力を尽くすよう求めます。

七 西武新宿線(井荻駅から西武柳沢駅間)の連続立体交差事業について
西武新宿線(井荻駅から西武柳沢駅間)の連続立体交差事業については、この間、「高架」方式を前提として都市計画決定の手続きが進められてきました。しかし、連立事業の早期実現を求める点では、地元練馬区・練馬区議会ならびに関係する住民の間でもおおむね共通の認識がある一方で、「高架」方式については地域住民、とりわけ新たに都市計画の適用を受けることになる多数の権利者から強い疑問が出され、前期都議会においても権利者の署名多数を添えた陳情が出されたと承知しています。
当該陳情は都議会議員の任期満了に伴い廃案となりましたが、その後も「高架」方式に対して十分な理解と合意が得られたとはとても言えない状況があります。このまま「高架」方式を強行しようとすれば、地域に禍根を残すだけでなく連立事業の早期推進さえ危うくしかねないと危惧します。
以上のような問題意識の上で、当該連立事業の構造形式に関連して、以下、質問します。
1 上石神井車庫東側への拡張に関連して
新たに鉄道敷地に編入される車庫東側の住民からは、東側への拡張は連立事業に不可欠なのか、駅を西側に移動することで拡張を回避することはできないかという疑問が強く出されてきました。まず、これについてお聞きします。
ア 上石神井駅の位置を動かせない理由は外環の2・交通広場であると都は説明していますが、それ以外に駅位置の移動の支障となるものはありますか。また、地下方式を採った場合には駅位置の移動は可能であると考えてよいでしょうか。可能でないとしたらその理由もお示しください。
イ 片開き分岐器の使用を前提とした技術基準は、法定の基準か、それとも、鉄道事業者の任意の裁量による基準であるか、お答えください。また、今回の連立事業において、この新たな技術基準への移行が法的に不可欠であることの根拠を示してください。
ウ 比較設計協議時点の連立事業全体で新たに都市計画事業施行者が取得する鉄道用地の面積、都市計画事業施行者が取得した鉄道用地に対応して生じた残存土地の面積は概算でどのくらいになりますか。これらの土地に関する所有権、利活用の権利についての考え方を、事業費の負担区分との関連も含め、示してください。また、公共事業として更新を行うことで生ずる車庫南側の広大な空地はなぜ西武鉄道の所有地となるのか、またこの土地の開発利益はすべて西武鉄道に帰属するのか、お答えください。
エ 分岐方式の更新も含めた留置施設・機能等の充実のための経費、検車設備・車両洗浄設備等、連立事業後は必要とされていない既存施設の解体・除却などの経費、東側の用地補償等の経費、さらには鉄道用地から外れる南側の部分の除却・整地にかかる経費はすべて「鉄道側増強費(従前の施設面積を上回る施設を建設する費用)」及び「鉄道側増加費(従前の機能又は品質を上回る施設とするための費用等)」のいずれにも該当しないのでしょうか。都の認識をお答えください。
2 構造形式の検討経過について
当該連立事業の構造形式の検討に関して、お聞きします。
ア 構造形式の検討を行ったのは、『西武新宿線(井荻から東伏見駅付近)連続立体交差事業調査報告書』(2016年3月)においてであると理解してよいですか。
イ 同調査において、構造形式の検討の前提条件のなかで地下方式は「単線シールド」方式を採用するとしていますが、「複線」ではなく「単線」とした理由は何でしょうか。複線もしくは単線のどちらの工法を採用するかについて、別途、検討を行った経緯はありますか。あるとしたらその検討の経過と内容を示してください。
ウ 同調査においては用地取得にかかる期間を高架方式の場合に5年、地下方式の場合は4年と想定していますが、その根拠を示してください。比較対象とされたと言われる西武鉄道池袋線の立体交差事業(練馬高野台駅から大泉学園駅)では、68件3,800平方メートルの用地取得に4年から5年を要していますが、単純計算で面積にして10倍、件数で4倍近くになる本区間の用地取得をほぼ同期間で終えられると判断した根拠を明示してください。
エ 説明会質疑概要(令和2年10月)Q9.の「用地取得の対象となる件数」とは何ですか。都市計画区域に含まれる画地の数、区域にかかる建物の数等々、明確な定義を示してください。また、その数はいつの時点で、どのようにして算出されたのでしょうか。用地取得の対象となるとされる建物のうち、分譲された共同住宅は何棟、何室分あるか、あわせてお示しください。
オ 連続立体交差事業において「高架」方式か「地下」方式のいずれを採用するかは、本来なら東京都環境影響評価条例本則に定める計画段階環境影響評価の対象として比較検討されるべきものですが、都は、同条例附則において、都が民間事業者などと連携して行う事業については計画段階環境影響評価に関する規定は「適用しない」と定めていることを根拠に、連立事業における計画段階環境影響評価を拒み続けています。しかし、当該附則はあくまで条例制定時の経過措置として定められたものであり、すでに制定から20年近くが経過する中で附則をそのまま放置することは許されません。連立事業における環境影響評価の経過措置を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。
連続立体交差事業は、旧建設省と運輸省の時代からの長い歴史の中で、一貫して「道路事業」として位置づけられてきました。しかし、地域環境の改善、まちづくりへの貢献など、とりわけ都市部における連立事業はきわめて多岐にわたる意義と役割を持つものとなっており、それにふさわしい幅広い事業の評価と検証が求められる時代になっています。西武新宿線当該区間の立体交差事業についても、構造形式の選定にさかのぼっての再検討とていねいな住民合意の努力を強く求めます。

令和3年第三回都議会定例会
漢人あきこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都市計画道路小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線について
1 今後のスケジュールについて
ア 2路線について、それぞれの想定されている今後のスケジュールを伺う。特に3・4・11号線については環境概況調査の実施・結果の公開・検証に関するスケジュールも合わせて伺う。

回答
小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線は、広域避難場所へのアクセス向上や生活道路への通過交通抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線であり、小金井3・4・1号線の小金井3・4・11号線付近から新小金井街道までの区間と、小金井3・4・11号線の東八道路から連雀通りまでの区間は、第四次事業化計画の優先整備路線に位置付けられています。
小金井3・4・1号線の整備については、延長も長く、国分寺崖線を斜めに横断するなど、道路構造等の検討に当たって、課題も多いことから、今後、現地の地形の状況や自然環境等の調査などを行っていきます。
また、小金井3・4・11号線の整備については、今後、環境概況調査等の結果を取りまとめ、必要な保全対策の検討を実施するとともに、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めていきます。

質問事項
一の1のイ 都議会における建設局の答弁によると、3・4・1号線については引き続き意見交換を継続するとする一方で、3・4・11号線については「自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進める」とし、設計作業の精度・深度を上げていく意向を表明している。2路線について異なる対応を取ることとなった根拠について伺う。

回答
小金井3・4・1号線の整備については、延長も長く、国分寺崖線を斜めに横断するなど、道路構造等の検討に当たって、課題も多いことから、今後、現地の地形の状況や自然環境等の調査などを行っていきます。
また、小金井3・4・11号線の整備については、今後、環境概況調査等の結果を取りまとめ、必要な保全対策の検討を実施するとともに、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めていきます。

質問事項
一の1のウ 知事は2016年都知事選で市民団体の公開アンケートへの回答のなかで、「知事に就任させていただきましたら、実際に巡視し、小金井市、小金井市議会、地域住民の皆様とも対話し、優先整備路線に位置付けることが不適切だと判断される場合には、必要に応じ、見直しを進めていきたいと考えております」などと述べている。いまだに実行されていない現地視察の今後の予定を含む、現時点でのこの回答内容についての認識を伺う。

回答
小金井3・4・1号線及び小金井3・4・11号線は、広域避難場所へのアクセス向上や地域の安全性向上などに資する重要な路線です。
あわせて、環境に配慮することも重要であり、現地の地形状況や景観を踏まえた検討が必要です。
この道路整備に当たっては、様々な意見等が寄せられていることから、オープンハウスを開催するなど、多くの方々の意見を聞きながら丁寧な対応と周知をすることとしています。
また、知事の現場視察については、状況を踏まえて判断することとしています。

質問事項
一の2 第四次事業化計画・優先整備路線について
ア 指定された優先整備路線のうち、現時点までに事業認可となった23区と市部の路線数を伺う。また、この進捗状況についての評価を伺う。

回答
第四次事業化計画の優先整備路線のうち、令和3年9月末時点で事業認可された路線数は区部で52路線、市町部で35路線となっています。
各事業者において、適切に都市計画道路の整備が進められており、計画期間は令和7年度までとなっていることから、更に着手箇所が増えるものと考えられます。

質問事項
一の2のイ 2020年5月の副知事連名による「新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた当面の都政の運営について(依命通達)」では、都市計画道路事業も含め、「直ちに取り組む優先度が低いと考えられる事業のうち、未着手、未発注、一時停止が可能な事業は原則延期または中止すること」としているが、この検討は行われたのか。検討の結果、該当した優先整備路線はあるか伺う。

回答
優先整備路線は、東京が目指すべき将来像の実現に向け、都市の活力や防災性の強化、安全で快適な都市空間の創出などの観点から重要性、緊急性が高い路線として選定しています。
そのため、優先整備路線については、新型コロナウイルス感染症対策に対応できる体制を確保しつつ、関係機関と連携し、地域住民に丁寧な説明を行いながら取り組んでいます。

質問事項
一の3 2路線の優先整備路線の選定について
ア 選定の前に行われた東京都と小金井市との協議の経過と内容について伺う。

回答
「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」は、東京都と特別区及び26市2町で、策定検討会議などを通して調査検討を進め、共同で策定しています。
また、優先整備路線についても、策定検討会議の場などで、小金井市を含む区市町と意見交換を行いながら選定しています。

質問事項
一の3のイ 選定にあたってのパブリックコメントで反対が多数であったにもかかわらず、選定見直しとならなかった理由と、どこでどのように検討が行われたか、伺う。

回答
整備方針(案)に対するパブリックコメントでいただいた御意見等に対する考え方や対応については、平成28年3月にパブリックコメントの結果の概要として公表しています。
この中で2路線については、国分寺崖線や野川自然再生事業との関係など、自然環境や景観に対する影響を懸念する御意見などをいただいており、現地の地形や自然環境などを踏まえ、事業化に向けて適切に取り組んでいくとの考え方を示しています。
こうしたプロセスも含め、整備方針(第四次事業化計画)は、東京都と特別区及び地元小金井市を含む26市2町で、策定検討会議などを通して調査検討を進め、共同で策定しています。

質問事項
一の3のウ 選定の理由について
a 3・4・1号線について、周辺の生活道路に通過交通車両が侵入している実態について調査検証は行われたのか。いつ、だれが行ったのか伺う。

回答
連雀通りと東八道路との間では、東西方向の都市計画道路が十分整備されていないことから、連雀通りと小金井街道との交差点などで渋滞が発生しており、はけの道など、周辺の道路に交通が侵入することにより、地域を安心して歩くことができない状況となっています。
こうした状況認識も踏まえ、整備方針(第四次事業化計画)は、東京都と特別区及び地元小金井市を含む26市2町で、策定検討会議などを通して調査検討を進め、共同で策定しています。

質問事項
一の3のウのb 3・4・11号線の選定理由となった小金井街道・新小金井街道の渋滞状況について伺う。その渋滞は交通量自体が過大であることから生じたものか、あるいは交差点の構造等の局所課題が原因で発生しているものか、都の認職を伺う。

回答
都内の混雑時平均旅行速度は全国平均に比べ著しく低い状況で、特に渋滞の著しい箇所として、首都圏渋滞ボトルネック対策協議会により主要渋滞箇所が433か所指定されています。
このうち、小金井街道の前原交番前交差点から北側の小平市境に至る範囲では、3か所の交差点が主要渋滞箇所に指定されているとともに、交差点が連担するなどで、連続して速度低下が確認される区間となっています。
こうした渋滞を早期に解消していくため、主要渋滞箇所を含む区間について、その周辺の都市計画道路を整備することにより、渋滞緩和に寄与することが期待される路線の範囲を優先整備路線として選定しています。

質問事項
一の3のウのc 「広域避難場所である武蔵野公園などへの避難路も十分に確保されていない」とのことだが、3・4・11号線が開通することによる広域避難場所へのアクセス向上効果をどのように想定しているか伺う。

回答
各区市町では、広域避難場所のほかに一時避難場所や一定の期間、生活場所として利用する避難所の指定がなされており、小金井市では武蔵野公園が広域避難場所の一つに指定されています。
災害時には、こうした避難場所に速やかに安全に避難できることや、救援物資が確実に届けられることが重要であることから、避難場所にアクセスする道路を早急に整備していく必要があります。

質問事項
一の4 2路線と「国分寺崖線(はけ)」の保全
ア 国分寺崖線は「東京における自然の保護と回復に関する条例」に基づく国分寺崖線緑地保全地域として指定され、東京都景観計画においては国分寺崖線景観基本軸として定められているが、選定前に小金井市と、2路線による国分寺崖線と野川周辺の自然環境への影響についての協議は行われたか伺う。

回答
整備方針(第四次事業化計画)は、東京都と特別区及び26市2町で、策定検討会議などを通して調査検討を進め、共同で策定しています。
また、優先整備路線についても、策定検討会議の場などで、小金井市を含む区市町と意見交換を行いながら選定しています。
2路線については、事業段階において、周辺の自然環境などに配慮し、整備形態等について適切に対応していくことを前提に、優先整備路線として選定しています。

質問事項
一の4のイ 選定にあたって、環境局との事前協議は行われたか伺う。

回答
2路線については、事業段階において、周辺の自然環境などに配慮し、整備形態等について適切に対応していくことを前提に、優先整備路線として選定しています。
「東京における自然の保護と回復に関する条例」に係る所管部署との協議等については、事業段階において、必要に応じて適切に実施していくこととなります。

質問事項
一の4のウ 国分寺崖線の保全の重要性は、第4次優先整備路線の選定時と比べてもさらに増している。2路線による環境や生物多様性への影響を回避すべきではないか、伺う。

回答
都市計画道路は、交通、物流機能の向上により、経済活動や日々の生活を支え、災害時には救急救援活動を担う重要な都市基盤であることから、着実に整備していくことが必要であり、2路線については、事業段階において、周辺の自然環境などに配慮し、整備形態等について適切に対応していくことを前提に、優先整備路線として選定しています。

質問事項
一の5 3・4・11号線に関する「意見交換会」について
ア 公募市民による3回の意見交換会が行われたが、小金井市長は「東京都と地元市民の方々とは、まだ具体的な意見交換会や説明会は、実態として全く行われておらず、まだ入口の段階でストップしている状況」との認職を示している。また、意見交換会は「環境や景観への配慮について、意見交換することが目的」とされているが、意見交換会の評価とその目的の達成状況について伺う。

回答
小金井3・4・11号線の整備に当たり、平成29年度及び平成30年度に実施した意見交換会や説明会においては、直接、意見を伺うことができなかった参加者の方が多数いました。
また、「整備に当たって、環境等への配慮などについて、小金井市内にお住いの方々の意見を伺いながら検討を進める」ことを目的とした意見交換も実施できなかったと認識しています。
このため、令和元年度からは、より多くの方々から広く意見、質問等を伺うことができるオープンハウス形式に変更しています。

質問事項
一の5のイ 意見交換会が中断してから2年7か月、オープンハウスから1年6か月、東京都と市民の意見交換は行われていない。これまで以上にていねいで内実が伴う意見交換の場が必要だが、いつ、どのような形で行うのか。そのやり方も含め、市民と相談することを検討しないのか、伺う。

回答
小金井3・4・11号線の整備に当たっては、令和元年度から、より多くの方々から広く意見、質問等を伺うことができるオープンハウス形式に変更しています。
また、オープンハウスの一環として会場内に意見交換の場を設けるなど丁寧な対応に努めています。
本区間については、様々な意見等が寄せられていることから、引き続き、オープンハウスを開催するなど、多くの方々の意見を聞きながら丁寧な対応と周知をしていきます。

質問事項
一の5のウ 意見交換会では、選定の是非の協議のために都市整備局の出席が求められている。都市整備局も出席する意見交換会を開催しないのか伺う。

回答
小金井3・4・11号線の東八道路から連雀通りまでの区間については、第四次事業化計画の優先整備路線に位置付けられています。
優先整備路線である本区間の整備に当たっては、これまでの経緯を含め、建設局が対応することとしています。

質問事項
一の6 3・4・11号線の「環境概況調査」と「道路概略検討」について
ア 環境概況調査等の全体像と結果の公開方法について伺う。

回答
環境概況調査、地質調査及び地下水調査は、小金井3・4・11号線における動植物の生息・生育状況、地層及び地下水の現状を把握することを目的に実施する基礎的調査です。環境概況調査の内容は、植物調査として、植物相調査(早春・春・夏・秋季)及び植物群落調査(夏季)、動物調査として、哺乳類調査(春・秋季)、鳥類調査(春・夏・冬季)、両生類・爬虫類調査(春・夏季)、昆虫類調査(春・夏季)、魚類調査(夏季)及び底生動物調査(夏季)としています。また、調査時期は、秋季調査を令和2年11月、冬季調査を令和3年1月、早春季調査を同年3月、春季調査を同年4月から5月まで、夏季調査を同年7月から8月までとしています。
地質調査及び地下水調査の内容は、9か所における機械ボーリングによる地盤調査、観測井戸設置及び地下水位の観測としています。
また、調査時期は、地質調査が同年2月から3月まで及び同年9月から10月まで、地下水調査が同年11月から令和4年10月までとしています。
環境概況調査等の結果については、「小金井3・4・11だより」等を活用し、順次、その概要を広く市民に周知するなど、適切に対応していきます。

質問事項
一の6のイ 環境概況調査等の結果の検証・評価はだれがどのように行うのか伺う。

回答
環境概況調査、地質調査及び地下水調査は、小金井3・4・11号線における動植物の生息・生育状況、地層及び地下水の現状を把握することを目的に実施する基礎的調査です。
今後、環境概況調査等の結果を取りまとめ、必要な保全対策の検討を実施するとともに、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めていきます。

質問事項
一の6のウ 小金井市による検証、分析にむけて環境概況調査等の結果のデータや資料の提供など全面的に協力するか伺う。

回答
環境概況調査等の結果については、「小金井3・4・11だより」等を活用し、順次、その概要を広く市民に周知するなど、適切に対応していきます。

質問事項
一の6のエ 「道路概略検討」では「橋梁案」「掘割案」「トンネル案」が検討され、「橋梁案」をベストとして報告されている。オープンハウスでも「橋梁案」の模型が展示された。調査結果を受けて行うのは「橋梁案」の補正なのか。道路概略検討からの構造形式の再選考なのか伺う。

回答
道路概略検討は、今後、事業化に向けて、可能と思われる平面線形、縦横断線形、主要構造物の検討を行ったものです。
今後、道路概略検討の成果も踏まえ、環境概況調査等の結果を基に、必要な保全対策の検討を実施するとともに、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めていきます。

質問事項
一の7 小金井市「都市計画マスタープラン」の改定について
ア 今回の改定で、2路線の位置づけを変更することは、小金井市の判断で可能なのか伺う。

回答
市町村が当該市町村の都市計画マスタープランを定める際は、都市計画法に基づき、都市計画区域マスタープラン等に即して定めるものとされており、小金井市都市計画マスタープランについても、同市において関係法令等に基づき適切に策定されるものと考えます。
なお、東京都の策定した多摩部19都市計画の都市計画区域マスタープランでは、優先整備路線を表示した都市計画道路ネットワーク図を示すとともに、「高速道路、骨格幹線道路及び補助幹線道路の整備を進め、経路選択の自由度の高い道路ネットワークを形成することで、平時・災害時共に移動の円滑化を図る。」ことなどを方針として定めています。

質問事項
一の7のイ 国分寺市の都市計画マスタープランでは、3・4・1号線の国分寺部分について、「武蔵国分寺跡等の歴史文化資源や崖線の緑が集積するエリアを通る都市計画道路については、まちづくり資源への影響を考慮し、廃止も含めたあり方を検討する必要があります」としているが、これは都との協議を経たものか伺う。

回答
平成28年に「国分寺市都市計画マスタープラン」を改定する際、国分寺市が都と協議を行っています。

質問事項
一の8 小金井市議会は2016年の選定から今年3月の改選を挟んで現在までに、9本の意見書を提出しているが、これらをどのように受け止め、対応してきたのか。具体的に伺う。

回答
小金井3・4・11号線については、平成29年11月、平成30年1月及び平成31年2月に、整備に当たっての環境や景観への配慮などについて、意見を伺うことを目的に、沿道の自治会の代表者や公募による市民の皆様と意見交換会を開催し、さらに平成30年3月には、意見交換会の内容を地域の皆様に情報提供することなどを目的に説明会を開催しました。また、令和2年2月には、パネルや模型を展示したオープンハウスを開催し、多くの方々から個別に意見を伺うとともに、会場内において計4回の意見交換の場を設けました。意見交換会及び説明会の議事録や資料、オープンハウスでいただいた意見やそれらに対する東京都の見解などは、ホームページで公開しています。
さらに、現地の状況を把握するための調査を進めるとともに、事業の目的や整備効果等を広く周知するため、令和3年4月には、「小金井3・4・11だより」を小金井市内の全戸に配布しました。
これらの取組は、小金井市からの意見書等も踏まえ実施しており、引き続き、オープンハウスを開催するなど、丁寧な対応と周知をしていきます。

質問事項
一の9 地元首長の意向について
ア 地元首長の了解は事業化の前提であり、地元自治体との調整がつかない限り事業を進めることはないか伺う。

回答
本事業は都市計画法に基づき、東京都が国土交通大臣から認可を受けて施行することとなっています。
事業化に向けては、引き続き、オープンハウスを開催するなど、多くの方々の意見を聞きながら丁寧な対応と周知をしていきます。

質問事項
一の9のイ 小金井市長は2020年2月のオープンハウス後に行われた市の「市民アンケート」を受けて、2回目の都知事への要望書を提出し、「アンケート結果では国分寺崖線、景観への影響に対する多くの市民の懸念等が示され」「2路線についても知らない市民が半数以上いることがわかりました」とし、あらためて「3・4・11号線につきましては、建設の是非も含め、市民の理解の進展が十分であるとは言えない状況であり、現時点では事業化に賛同しかねます」としている。この指摘への見解を伺う。

回答
東京都では、小金井市長からの要望書も踏まえ、事業の目的や整備効果等を広く周知するため、令和3年4月に「小金井3・4・11だより」を小金井市内の全戸に配布しました。
引き続き、オープンハウスを開催するなど、多くの方々の意見を聞きながら丁寧な対応と周知をしていきます。

質問事項
一の9のウ 小金井市長の意思表明を受けて
a 3・4・1号線の「一定区間での路線変更等」を検討する用意はあるか伺う。

回答
小金井3・4・1号線は、第四次事業化計画の策定に当たり、「将来都市計画道路ネットワークの検証」を実施し、その必要性が確認されており、重要性、緊急性を考慮した上で、優先整備路線に選定されています。
小金井3・4・1号線の整備については、延長も長く、国分寺崖線を斜めに横断するなど、道路構造等の検討に当たって、課題も多いことから、今後、現地の地形の状況や自然環境等の調査などを行っていきます。

質問事項
一の9のウのb 3・4・11号線について、配慮すべき環境上の課題としてどのようなものを想定しているか伺う。

回答
小金井3・4・11号線の東八道路から連雀通りまでの区間の整備に当たっては、現地の地形状況や景観を踏まえた検討が必要と考えています。
本区間は自然が多く残っている地域を通過することから、現地の状況を把握するため、東京都は、これまで環境概況調査や地質調査を実施しており、現在、地下水調査を実施しています。
今後、それらの結果を取りまとめ、必要な保全対策の検討を実施するとともに、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めていきます。

質問事項
二 ゼロエミッション東京戦略2020 Update & Reportについて
1 石炭火力の削減目標について
ア 都として、政府に石炭火力の早期廃止を求める意志はあるか伺う。

回答
電源構成などのエネルギー政策の在り方については、国レベルで議論、検討されるべきものです。
ゼロエミッション東京の実現に向けては、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化が必要です。都は、都内の再エネ利用拡大を図っていきます。

質問事項
二の1のイ 東京電力に対して、大口株主としての立場を発揮し、石炭火力の早期廃止の株主提案をする意志はあるか伺う。

回答
電源構成などのエネルギー政策の在り方については、国レベルで議論、検討されるべきものです。

質問事項
二の2 2030年の部門別の温室効果ガス削減目標について
ア 都の環境基本計画では、2030年に温室効果ガスを2000年比で30%削減を目標とし、業務部門で20%、家庭部門で20%、運輸部門で60%削減の目標を掲げている。ゼロエミッション東京戦略2020アップデート版では、2030年に温室効果ガスを2000年比で50%削減へと目標を大幅に引き上げた。それを踏まえるならば、各部門の削減目標も、さらに大幅に引き上げる必要があるが、引き上げる目標値はいつまでに決める予定か伺う。

回答
都は、環境基本計画改定に向け、業務、家庭等各部門のCO2削減策の在り方等について、環境審議会で議論しています。

質問事項
二の2のイ 業務部門と家庭部門は、2019年比で50%以上の削減が求められるが、見解を伺う。

回答
都は、環境基本計画改定に向け、業務、家庭等各部門のCO2削減策の在り方等について、環境審議会で議論しています。
今後、部門別の具体的施策の方向性を明示し、あらゆる主体の抜本的な取組強化策を結集し、ゼロエミッション東京を実現していきます。

質問事項
二の2のウ 代替フロンは、2030年に2019年比で約60%の削減が求められるが、見解を伺う。

回答
都は、環境基本計画改定に向け、業務、家庭等各部門のCO2削減策の在り方等について、環境審議会で議論しています。
今後、部門別の具体的施策の方向性を明示し、あらゆる主体の抜本的な取組強化策を結集し、ゼロエミッション東京を実現していきます。

質問事項
二の3 ZEVの2030年目標について
ア 2020年の乗用車の新車販売台数に占めるZEVの割合は何%か伺う。

回答
2020年度の都内における乗用車の新車販売台数に占めるZEVの割合は2.3パーセントです。

質問事項
二の3のイ ZEVの新車販売台数の比率引き上げが進まない理由はどこにあるか、見解を伺う。

回答
都内乗用車新車販売に占めるZEVの比率は、5年前の1.3パーセントから伸びている一方、2030年の目標実現に向けては伸びを加速させる必要があります。
ZEVはガソリン車と比べて購入価格が高く、また、充電充填インフラの整備も十分ではないことが普及に当たっての課題です。
都は、ZEV購入に係る負担軽減や充電設備の整備費補助など、ZEV普及に向けた取組を進めています。

質問事項
三 新型コロナウイルス感染症対策について
1 新型コロナ感染者の入院・療養について
ア 宿泊療養施設の確保・利用状況、ならびにその運営に当たる看護職確保の実績を、派遣委託ならびに会計年度任用の別に伺う。

回答
宿泊療養施設については、入所者数がこれまでの最多であった令和3年9月2日時点で、区部及び多摩地域に17施設、6,546室を借り上げ、施設の運用を考慮した受入可能室数は3,370室となっています。 
同日の入所者数は2,197人であり、受入可能室数に占める割合は約65パーセントとなっています。
運営に当たる看護職員は、同日時点で、日勤は会計年度任用職員が14人、人材派遣委託が137人であり、夜勤は会計年度任用職員が4人、人材派遣委託が56人となっています。

質問事項
三の1のイ 都ならびに都内各自治体、医師会による自宅療養者に対する医療支援の取組状況を伺う。

回答
都は、令和3年4月から、東京都医師会や地区医師会、夜間、休日に往診等を行っている事業者と連携し、地域の実情に応じた自宅療養者への医療支援体制の構築を進めており、同年10月1日時点で、33の地区医師会において、体調が悪化した自宅療養者に電話・オンライン診療や往診を実施しています。
さらに、同年8月から、広域的に在宅医療を実施している医療機関が地区医師会による取組に参画するとともに、東京都訪問看護ステーション協会と連携し、地域の訪問看護師による自宅療養者の健康観察を実施しています。

質問事項
三の2 医療計画上の位置づけと取り組みについて
ア 新型インフルエンザ等対策行動計画に示された医療提供体制について新型コロナ感染症への対応においても適切に実施されたか、見解を伺う。

回答
東京都新型インフルエンザ等対策行動計画では、発生段階ごとに医療提供体制を整備することとしています。
海外発生期から都内発生早期までは、感染拡大を抑制する段階で、り患が疑われる患者には、新型インフルエンザ相談センターで専門外来の受診を案内し、診察の結果、陽性であれば、感染症指定医療機関で入院治療を行います。
都内感染期には、新型インフルエンザ等の診療を内科や小児科など通常の感染症診療を行う医療機関等で担うこととしており、新型インフルエンザ相談センターを介さずに受診することとなります。入院が必要と判断された患者も、通常の感染症診療を行う医療機関が受け入れます。
一方、新型コロナウイルス感染症については、国内発生以降の経緯や国の基本的対処方針等を踏まえ、新型インフルエンザ等感染症における海外発生期から都内発生早期までの医療提供体制の考え方に沿った体制で対応しています。
具体的には、発熱相談センターで電話相談を行い、感染の疑いがある場合は診療・検査医療機関での受診を案内し、検査の結果、陽性であれば、症状に応じて感染症指定医療機関をはじめとする患者受入れが可能な医療機関への入院又は宿泊療養施設への入所、自宅療養等を行っていただくこととしています。
なお、都においては、発熱等の症状がある方が地域の医療機関で適切に診療や検査を受けられるよう、感染症診療協力医療機関のほか、診療・検査医療機関を令和3年10月15日時点で約4,000か所指定し、診療・検査体制を確保しています。
また、患者を受け入れる病床を最大時には約6,600床確保し、入院重点医療機関を指定するとともに、緊急対応として、入院待機ステーションや軽症・中等症患者を受け入れる酸素・医療提供ステーションを設置するなど、医療提供体制を整備しています。

質問事項
三の2のイ 2013年に改定された前・東京都保健医療計画、2018年改定の現行の保健医療計画では、「行動計画」を受けてどのような対策が盛り込まれたか伺う。

回答
東京都保健医療計画(平成25年3月改定)では、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号。以下「特措法」という。)及び東京都新型インフルエンザ等対策行動計画(以下「都行動計画」という。)を踏まえ、都内発生早期及び都内流行期の地域保健医療体制の強化、事業継続計画(BCP)の策定支援、抗インフルエンザウイルス薬や防護服等必要な医療資器材の備蓄などの対策を盛り込みました。
また、東京都保健医療計画(平成30年3月改定)では、感染症の脅威から都民の生命や健康を守るため、特措法及び都行動計画を踏まえた地域保健医療体制の強化や、感染症の予防及びまん延防止等の一層の推進、国内外の関係機関等との連携体制の強化などに引き続き取り組むこととしました。

質問事項
三の2のウ 今年7月、東京都は保健医療計画の中間見直しを行ったが、新型コロナ感染症の経験とそれを踏まえた対策という点での改定の趣旨と概要を伺う。

回答
令和3年7月に行った東京都保健医療計画の中間見直しでは、新型コロナウイルス感染症の流行が継続する中、引き続き、相談、受診、検査体制の整備や保健所との連携、患者の病態に応じた医療提供体制の確保などの取組を強化するとともに、発生状況の早期把握や情報発信等の強化、組織対応力の強化などに取り組むこととしました。
また、新型コロナウイルス感染症に関して、救急受入体制の強化、災害時の緊急医療救護所における感染症対策、リスクに応じた妊産婦・新生児への対応、小児救急医療体制の充実、精神障害者の入院受入れ及び精神科病院における院内感染防止対策への支援、地域の高齢者を支える体制の整備などを盛り込んでいます。

質問事項
三の2のエ 保健医療計画は5疾病5事業を政策医療の柱としてきたが、ここに感染症医療が盛り込まれなかった理由を伺う。また、重点的に取り組むべき課題とすべきだったが、見解を伺う。

回答
東京都保健医療計画では、これまでも「健康危機管理体制の充実」において、感染症医療体制の強化や、発生状況の早期把握と迅速な対応体制など、感染症対策における課題と取組の方向性を示しています。
なお、令和3年5月に「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第49号)が公布され、都道府県が医療計画に定める事項として、「そのまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症がまん延し、又はそのおそれがあるときにおける医療の確保に必要な事業に関する事項」が追加され、令和6年4月1日から施行される予定となっています。

質問事項
三の3 感染症予防体制の要としての保健所について
ア 新型コロナウイルス感染症に対する保健所の体制強化にむけた都の支援が十分であったのか、自治体との連携という点も含め総括的な認識を伺う。

回答
都は、これまで、庁内からの応援職員やトレーサーの配置、自宅療養者の健康観察等を支援するフォローアップセンターや、夜間に患者の容体が変化した場合に入院先を調整する窓口を設置するなど、保健所と連携して新型コロナウイルス感染症対策の体制強化に取り組んできました。
しかし、今夏の感染拡大時には、災害級ともいえる危機的状況となったため、令和3年8月に保健所に対し、積極的疫学調査について、患者の病状や重症化リスクを把握し、速やかに適切な医療につなげることに重点を置き、調査対象の優先度を考慮して、効果的かつ効率的に実施するよう通知しました。
あわせて、医師会や診療・検査医療機関等に、濃厚接触者への行政検査や健康観察を医師の判断により実施するよう依頼するなど、保健所業務を地域の関係者と連携して実施する体制を構築しています。
同年9月から、都保健所管内の市町村に自宅療養者の情報を提供し、見守りや声掛けなど地域に密着した支援を推進する取組を開始しています。
今後も、感染拡大時における保健所の状況を踏まえつつ、区市町村や関係機関と連携しながら適切に対応していきます。

質問事項
三の3のイ 2013年以降、都保健所の感染症対応に当たる保健師数の推移を伺う。

回答
都保健所において感染症対策業務に従事する保健師の定数は、6所合計で、平成25年度から令和2年度までは各年度33人であり、令和3年度は11人増員し44人となっています。

質問事項
三の3のウ 1975年の地方自治法改正を受けて23区では保健所がすべての区に移管される一方、多摩地域では17カ所あった保健所が7か所(うち2か所は市設置)にまで減らされた。この転換は、主として「感染症医療を担う東京都と保健所ならびに保健所設置自治体の連携のあり方」「保健所非設置自治体における都保健所と各自治体との連携のあり方」という課題を生んだが、新型コロナ感染症を経験した今、多摩地域の保健所設置のあり方について課題の認職を伺う。

回答
多摩地域の都保健所は、住民に身近な保健サービスは市町村が行い、より専門的なサービスは保健所が実施するという地域保健法の考え方に基づき、二次保健医療圏に一か所としており、広域的・専門的・技術的拠点として、地域の感染症対策の重要な役割を担っています。
新型コロナウイルス感染症への対応では、保健所内や庁内からの応援体制の構築、会計年度任用職員等の配置、業務の委託化など、体制強化や負担軽減に取り組んでいます。
今後、新興感染症等の感染拡大時に、機動的に対策が講じられるよう、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大から収束に至るまでの都保健所の取組を検証した上で、改めてその在り方を検討することとしており、令和3年度は、必要な情報を収集するため、保健所の感染症対策業務に関する調査・分析を実施します。
この中で、都保健所の平時及び有事における体制強化や市町村等との連携等に関する課題の把握、その要因の分析などを行う予定です。

質問事項
三の3のエ 保健所とその感染症対応機能の拡充が急務である。国の定める「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」では、「人口二十万以上の市は、保健所政令市への移行を検討すること」を求めており、府中、調布、西東京の3市は人口20万人を超えているが、これらの市における保健所設置に対する都の見解を伺う。

回答
地域保健法に基づく国の「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」では、保健所の設置及び運営を円滑に遂行できる人口規模を備えた市が保健サービスを一元的に実施することは望ましいことから、人口20万以上の市は保健所政令市への移行を検討すること、とされています。
国の通知では、新たに保健所を設置する市は、都道府県が設置する保健所で従来から提供されている保健サービスの水準が引き続き確保されるよう、組織体制、施設、設備等に配慮する必要がある、とされています。
また、都道府県と新たに保健所を設置する市は、保健所政令市移行に向けた十分な協議を行った上で、国への政令指定手続を行うこと、とされています。
保健所政令市への移行を検討するか否かについては、当該自治体が判断するものと認識しています。

質問事項
三の3のオ 直ちに保健所設置を検討することが困難な比較的小規模の自治体においても、感染症対応が可能な分室的機能の整備は十分に検討に値するが、見解を伺う。

回答
都は、平成16年の多摩地域の保健所再編に当たり、西多摩保健医療圏では、面積要件、交通要件等の地域特性を勘案して西多摩保健所秋川地域センターを、北多摩南部保健医療圏では、人口要件、交通要件等を勘案して多摩府中保健所武蔵野三鷹地域センターを設置しました。
今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大から収束に至るまでの都保健所の取組を検証した上で、改めてその在り方を検討していくこととしており、令和3年度は、保健所の感染症対策業務に関する調査・分析を実施します。
この中で、都保健所の体制強化や市町村等との連携等に関する課題の把握、その要因の分析などを行う予定です。

質問事項
四 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の検証について
1 組織委員会文書の保管・承継について
ア 都は2020年、オリパラ組織委員会の文書の保管・承継に関する条例を議員提案で制定し、「組織委に対し、文書の保管・承継に関して必要な指導・調整を行う」ことを都の責務と規定している。この場合に都による「指導・調整」の対象となる文書とは具体的にどのような文書を指すのか、見解を伺う。

回答
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に係る文書等の保管及び承継に関する条例第2条には、「文書等」について定義されており、「組織委員会の職員が組織的に用いるものとして、組織委員会が保有しているものをいう」とされています。

質問事項
四の1のイ 都条例において、文書の保管・承継に関して、組織委の責務が努力義務に、都の責務が指導・調整に留まることによって、承継される時点で組織委に都合の悪い文書は残らない可能性があるとの指摘がされているが、今回、重要な文書が組織委の独断で破棄されることはシステムとしてあり得ないと都として保証できるか。現状では不十分であり、至急、具体的な措置をとる必要があるが、見解を伺う。

回答
組織委員会が作成した文書については、条例の趣旨も踏まえ、散逸しないよう、組織委員会において、段階的に集約、取りまとめを行っているところです。都においても、条例に定められた文書について、適切な保管・管理を行うよう、今後とも積極的に働きかけていきます。

質問事項
四の2 オリパラ予算1兆6440億円のうち、組織委が民間などから調達する資金7,210億円については、支出が適正かどうかについての検証は組織委に任されている。しかし、都民が負担を求められる可能性もあることを考慮すると、支出の詳細についても組織委に公開させ、都として開かれた検証を行うべきだが、見解を伺う。

回答
大会経費については、現在、組織委員会において、収入及び支出両面における精査を進めているところであり、今後とも、都民・国民の理解が得られるよう、取り組んでいきます。

質問事項
四の3 学校連携観戦について
ア 都はオリンピックの連携観戦の中止を決定したが、パラリンピックの連携観戦への参加の可否については区市町村の判断に委ね、中止を行わなかったが、その理由を伺う。

回答
オリンピックは、五者協議において、学校連携観戦を含め完全無観客とされました。一方、パラリンピックは、四者協議において、共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいことに鑑み、保護者等の意向を踏まえて自治体や学校設置者が希望する場合には、安全対策を講じた上で実施できるようにすることとされました。
これを踏まえ、都教育委員会は、競技観戦を強く希望する学校や自治体があることから、その機会を提供することとしました。

質問事項
四の3のイ パラリンピックの連携観戦は「教育的価値が高い」と言われて実施されたが、オリンピックと比較して「教育的価値が高い」と判断された理由を伺う。

回答
都教育委員会では、平成28年度から都内の全公立学校において、子供たちに、「ボランティアマインド」、「障害者理解」、「スポーツ志向」、「日本人の自覚と誇り」、「豊かな国際感覚」の5つの資質の育成を目的として、東京都オリンピック・パラリンピック教育を展開しています。
学校連携観戦は、世界最高峰の競技を直に感じられる、貴重な経験であり、そうした機会を提供できるよう取り組んだものです。

質問事項
四の3のウ 障がい者理解として考えた場合、パラリンピック観戦が特に教育的価値が高いとは言えず、逆に、がんばることのできない障がい者は捨て置かれる危険性が高く、一方的な障がい者理解を押し付けることにはなるが、見解を伺う。

回答
東京都オリンピック・パラリンピック教育では、年齢、国籍、文化の違いや障害の有無などにかかわらず、あらゆる人々が互いの人権を尊重し合い、共に力を合わせて生活する共生社会を実現していくことを目指しています。
学校連携観戦は、子供たちにとって貴重な学習の機会となることから、希望する自治体や学校に対して提供したものです。

質問事項
四の3のエ 障がい者理解を進める教育とは、日常的に分け隔てすることではなく、日常的に共に生きるあり方を作っていくことで初めて大きな意味を持ってくるのではないか。見解を伺う。

回答
都教育委員会では、オリンピック・パラリンピック教育を通じて、多様な文化を受け入れ、あらゆる人々が互いの人権を尊重し合い、共に力を合わせて生活する共生社会の実現を目指しています。
こうしたことから、学校では、年間指導計画に基づき、障害者スポーツについて理解を深める学習や特別支援学校との継続的な交流による体験型学習等を通して、障害者理解を進める教育を実施しています。

質問事項
四の3のオ 最終的に新宿区、渋谷区、杉並区、八王子市の4区市が連携観戦を実施し、実施した学校ではかなりの混乱が発生したと聞いている。具体的にどのような混乱があったのか伺う。

回答
学校連携観戦の実施に当たっては、貸切バスによる安全な乗降場所の確保や案内誘導員の配置、会場での座席間隔の確保、飲料水の配布、健康観察の徹底など、区市町村教育委員会及び関係機関と緊密に連携を図ることにより、安全かつ安心な競技観戦を実現しました。

質問事項
四の3のカ ほとんどの市区町村がとりやめ、かつ実施した区市でもかなりの混乱をきたしてまで連携観戦を強行したことは失敗として総括すべきだが、見解を伺う。

回答
学校連携観戦については、共生社会の実現に向けた教育的要素が大きいことに鑑み、感染症対策など、安全対策を徹底した上で実施しました。
競技観戦を行った子供たちは、パラリンピアンの姿を目の当たりにし、貴重な経験となりました。

質問事項
四の3のキ コロナ感染状況が改善されていないなかで連携観戦を強行したことは、子どもたちの生命を危険にさらしたことになり、その責任は大変大きいが、その責任をどのように取るのか伺う。

回答
都教育委員会は、学校連携観戦をオリンピック・パラリンピック教育における、貴重な学習と捉え、保護者等の意向を踏まえて自治体や学校が希望する場合に、競技観戦の機会を提供することとし、感染症対策など、安全対策を徹底した上で、実施しました。
なお、学校連携観戦に参加したことで、新型コロナウイルスに感染したといった報告は受けていません。

質問事項
四の4 オリンピックのはるか前の6月から警察による交通規制が行われたが、その理由を伺う。また、交通規制の告知をネットや車を中心に実施し、歩行者へのチラシ配布やポスティング、地域交番等での告知をしなかった理由を伺う。

回答
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に伴う交通規制の期間・場所・内容等については、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会等の関係機関との協議を経て決定したものであり、セキュリティフェンス設置等の大会関連工事を含んでいる箇所では、大会期間の前に交通規制を実施しました。
その周知は、組織委員会等の関係機関が連携して行いましたが、警視庁では、チラシ等を警視庁ホームページに掲載したほか、各警察署・交番等で配布するなど、歩行者を含め広く周知しました。

質問事項
四の5 「テロ対策」と称して、国立競技場駅のエレベーター・エスカレーターが長期間、使用停止状態にされたが、なぜそれが「テロ対策」になるのか伺う。この措置は「バリアフリー」の観点から間違っていたのではないか、見解を伺う。

回答
東京2020大会の開催に伴い、組織委員会がオリンピックスタジアムのセキュリティエリアを設定したことにより、大会期間とその前後の期間、セキュリティエリア内にある都営地下鉄大江戸線国立競技場駅のA2・A3出入口については利用制限を行いました。
バリアフリールートであるA2出入口については、当該期間中、スタッフを配置し、エレベーターの利用を希望する方がこれを使用できるよう対応しました。

質問事項
四の6 警備に使用された技術・機材について
ア 警視庁がイスラエルの軍需技術を活用した生体認証能力のあるカメラを搭載したバルーンをオリパラ警備に使用したが、生体認証技術は今回、具体的に使用したのか伺う。使用された場合、取得されたデータの取扱いは今後どのようになるのか、また、今回使用されなかった場合、今後の使用は検討するのか伺う。

回答
東京2020大会を安全かつ安心に開催するため、競技会場等関連施設が集まるお台場地区における警戒警備の徹底を目的として、バルーンカメラを運用しましたが、その詳細については警備手法に関わるため、御指摘のカメラであるかどうかを含めて、お答えを差し控えさせていただきます。

質問事項
四の6のイ アに関して、東京都個人情報の保護に関する条例との関係はどのようになるか。条例に抵触している可能性はないのか。見解を伺う。

回答
バルーンカメラは、不特定多数の人が集まる公共空間における、犯罪の予防と雑踏事故の未然防止等を目的として、東京2020大会の開催期間に限定して運用したものであり、個人のプライバシーを不当に侵害しないよう配慮しました。
詳細については、警備手法に関わるため、お答えを差し控えさせていただきますが、東京都個人情報の保護に関する条例に抵触するものではありません。

質問事項
四の6のウ 顔認証を利用するには、顔データベースが必須だが、このデータベースは具体的にどのようなものか伺う。

回答
バルーンカメラの詳細については、警備手法に関わるため、御指摘のカメラであるかどうかを含めて、お答えを差し控えさせていただきます。

質問事項
四の6のエ 当該機器の購入経費、入札か随意かの購入手続き、業者などについて具体的に伺う。

回答
国により調達された機材のため、お答えする立場にありません。

質問事項
四の6のオ 今回のオリパラ警備に導入されたすべての監視機材・技術について、その詳細(経費、入札か随意かの購入手続き、業者など)を伺う。

回答
詳細については、警備手法に関わるため、お答えを差し控えさせていただきます。

質問事項
四の7 バッハ会長をはじめとする、IOC、IPC関係者の警備に要した経費を、内訳も含めて具体的に伺う。

回答
東京オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村や競技会場等において、大会運営を担う組織委員会が行ったIOC、IPCなど大会関係者の警備を含め、大会全体のセキュリティに要する経費は、組織委員会が令和2年末に公表したV5予算ベースでは、総額約920億円となっています。

質問事項
五 区市町村立小中学校出席簿の混合名簿の実施について
1 2002年の男女平等参画のための東京都行動計画では、「学校での男女平等」の事業として「混合名簿の導入の推進」をあげ、「出席簿において男女に順序をつけるような取扱いをしないため、都立学校において、混合名簿の全校実施を推進する/公立小・中学校については、区市町村教育委員会と連携の上、全校での導入に向け、理解を求めていく」と記載されていた。学校での男女平等を実現するために、速やかな「全校での導入」に向けて取り組むべきだが、見解を伺う。

回答
都教育委員会では、男女共同参画社会基本法等に基づいて、男女平等教育を推進してきました。この方針や教育基本法が掲げる男女の平等を重んずる態度を養うという教育の目標を踏まえ、各学校の校長がその権限と責任において出席簿等の名簿を作成すべきものであると考えています。
そのため、学校管理職等を対象とした研修会を毎年実施し、固定的な性別役割分担意識に気付くことができる研修プログラムを紹介し、活用を促しています。

質問事項
五の2 「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」に掲げる多様な性の理解の推進の観点からも、多様な性自認に配慮し尊重する「混合名簿」への転換が急がれるのではないか。混合名簿は性自認に関して困難を抱える児童・生徒への適切な配慮として求められるものだが、見解を伺う。

回答
性自認等に悩む児童・生徒については、学校生活を送る上で個々の状況に応じた支援が大切であることから、都教育委員会では、性の多様な在り方などを講演テーマとした研修会等を実施し、学校における適切な対応を支援しています。
性自認等に悩む児童・生徒への配慮としての出席簿等の名簿についても、当該児童・生徒の心情等に十分配慮し、校長がその権限と責任において作成すべきものであると考えています。

質問事項
六 練馬城址公園整備について
1 2020年6月の「覚書」について
ア 「覚書」に関する協議は、いつから、だれが、どのような場で進めてきたのか。協議の経過と内容を知りうる立場にいた都の幹部職員はだれか。また、スタジオツアー施設計画について、都が西武鉄道から最初に情報提供を受けたのはいつか。以上3点について伺う。

回答
建設局は、練馬城址公園の事業化に向けて、優先整備区域内における土地所有者及び地元区と情報交換や意見交換を行ってきました。その過程で、令和2年1月に西武鉄道株式会社から、新たな事業展開を検討していきたいとの意向が伝えられました。
その後、練馬城址公園の整備を推進するため、同年6月に、緑と水、広域防災拠点、にぎわいの3つの基本目標の実現に向けた公園整備を、連携、協力して進めることについて、都として、地元区及び西武鉄道など関係事業者と覚書を締結しました。

質問事項
六の1のイ 都は2011年に策定した「都市計画公園・緑地の整備方針」において、旧としまえん全域を10年以内に事業化すべき優先整備区域に指定していたところ、公園整備区域自体を縮小し民間事業者による開発と長期の営業を認める方針に転じた理由は何か。西武鉄道あるいは他の事業者からの要望、提案を受けたものか、あるいは都自身の発意と提案によるものか、伺う。

回答
都は、練馬城址公園の事業化に向けて、優先整備区域内における土地所有者及び地元区と情報交換や意見交換を行ってきました。その過程で、令和2年1月に西武鉄道株式会社から新たな事業展開を検討していきたいとの意向が伝えられました。都としては、練馬城址公園の整備を推進するため、同年6月に、緑と水、広域防災拠点、にぎわいの3つの基本目標の実現に向けた公園整備を、連携、協力して進めることについて、地元区及び西武鉄道など関係事業者と覚書を締結しました。

質問事項
六の1のウ 「覚書」の締結にあたって、都として旧としまえん区域の避難場所としての取り扱い、ならびに避難有効面積確保の見通しについての具体的な検討、確認は行われたのか。行われたとしたら、その内容を伺う。

回答
旧としまえん区域が従来から避難場所に指定されていることなどを踏まえて、覚書においては、練馬城址公園に求められる機能として広域防災拠点を設定しており、地元区及び西武鉄道など関係事業者と連携、協力し、災害発生時に避難場所等となる広場と防災施設を確保することとしています。

質問事項
六の1のエ 「覚書」の締結にあたって、スタジオツアー施設が当該地の用途地域上、適法な用途に当たるかどうか、都としてどのような認識を持っていたのか伺う。また、スタジオツアー施設の建築基準法上の用途を「博物館その他これに類するもの」とすることについて、都の建築主事は何らかの照会、相談を受けた事実はあるか伺う。受けたとしたら、どのような対応をしたかも伺う。

回答
スタジオツアー施設は民間事業者による取組であり、事業者が関係法令に基づいて必要な手続を進めていくものです。
建築基準法上の用途については、施設の内容等について事業者側から説明を受け、当該施設は、映画に関する資料の保管・展示などを行うことなどから、「博物館その他これに類するもの」と判断しました。

質問事項
六の1のオ 「覚書」によれば、添付の図面によってスタジオツアー施設等の位置を「特定」するとされているが、実際には添付図上に表示されたエリアは境界があいまいであるだけでなく、スタジオツアー施設用地として設定された開発区域は添付図で図示された区域よりもはるかに広大なエリアを占有するものとなっている。「覚書」は実際の開発エリアを想定して交わされたものか。添付図の範囲を明らかに超えた開発行為は、「覚書」に反するものではないか。見解を伺う。

回答
覚書では、スタジオツアー施設等の計画位置を示しており、現在、スタジオツアー施設は覚書に沿って整備されています。

質問事項
六の1のカ 「覚書」の協議と並行して、都は都市計画公園・緑地の整備方針の改定作業を進め、パブリックコメントなどの手続きを経て、最終的には「覚書」締結後に決定・公表されているが、なぜ「覚書」の内容を優先整備区域の設定に反映させなかったのか。「覚書」を交わしたにもかかわらず、旧としまえん全域を優先整備区域に残した理由を伺う。

回答
スタジオツアー施設は、段階的な公園整備のプロセスにおいて民間事業者が行う取組であり、覚書により、練馬城址公園に求められる機能の実現の一翼を担うことに配慮することとなっています。運営終了後は都立公園として整備することとしています。

質問事項
六の2 西武鉄道株式会社との協定等について
ア 都と西武鉄道は「練馬城址公園事業に関する施行協定書」等を取り交わし、この協定等に基づき、西武鉄道と土地の貸借契約を交わすとされているが、この貸借契約は協定に定める公園整備工事区域以外も対象としたものか。また、この貸借は無償か伺う。

回答
土地貸借の内容については、土地所有者である西武鉄道株式会社と協議中です。

質問事項
六の2のイ 協定等に基づいて西武鉄道が解体・整備等を行うのは2022(令和4)年度までで、それ以降の公園整備は都が事業主体となって行うのか。また、協定等に基づいて西武鉄道が実施する既存施設等の解体撤去は協定に定める公園整備工事区域以外も対象にしたものか。同様に、公園の設計・整備はどの範囲を対象にしたものか、伺う。

回答
協定に基づく既存施設の解体撤去の範囲については、公園整備工事区域にかかわらず、協定の事業範囲全域となります。
また、協定に基づく公園の設計や整備の範囲については、令和5年度に開園を予定する区域を対象としています。
協定により西武鉄道株式会社が解体・整備等を行うのは令和4年度までです。

質問事項
六の2のウ 施行協定書では西武鉄道に解体・整備等を委託するとし、2か年にわたる委託費用の総額を定めることとしているが、この総額を伺う。

回答
練馬城址公園の都市計画事業認可申請書において、協定期間である令和3年度から令和4年度までの築造費は、約46億円を想定しています。

質問事項
六の2のエ 西武鉄道を特命で委託事業者として定める施行協定書は、随意契約を制限した地方自治法・同施行令に反していないか。また、2か年にわたる支出を約束しているにもかかわらず、債務負担行為の設定もしていないようだが、これは地方自治法に基づく財政管理の原則にもとるものではないか。見解を伺う。

回答
遊園地等の特殊な施設や設備の撤去が必要なことや、公園整備と施設撤去が輻輳することから、安全、円滑かつ早期の公園整備を推進するため、既存施設や現場の状況等に精通した土地所有者と協定を締結したものであり、地方自治法に反するものではありません。
また、施行協定に基づき、各年度で定められた予算の範囲内で費用負担等に係る協定を締結することとしています。

質問事項
六の2のオ 協定等によれば、売札所など一部の施設を除いて、旧としまえんの施設等は土地の貸借契約に伴って都の管理下に移り、都の責任において解体撤去されることとなっている。プールならびにいわゆる古城について、都としてはこれらも解体撤去する方針であるか、解体撤去することが必要と判断しているとしたらその根拠を伺う。

回答
令和3年5月に策定した整備計画では、既存プールは撤去し、広場等を整備する予定ですが、子どもが水遊びを満喫することができる流れや浅瀬等の水遊び場を計画しています。また、古城については、古い建物の保存活用には調査が必要であること等、課題が多いと考えています。

質問事項
七 西武新宿線(井荻駅から西武柳沢駅間)の連続立体交差事業について
1 上石神井車庫東側への拡張に関連して
ア 上石神井駅の位置を動かせない理由は外環の2・交通広場であると説明しているが、それ以外に駅位置の移動の支障となるものはあるか伺う。また、地下方式を採った場合には駅位置の移動は可能であると考えてよいか、可能でないとしたらその理由も伺う。

回答
西武新宿線井荻駅から西武柳沢駅間の連続立体交差化計画については、平成20年3月に練馬区において上石神井駅周辺地区まちづくり構想が策定され、平成26年11月に外環の2の変更に合わせて交通広場の都市計画が決定されたことを踏まえ、現在の上石神井駅の位置を大きく変えない計画としています。また、本区間の構造形式については、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費や事業期間などの事業的条件、これら3つの条件を総合的に判断し、高架方式を選定しています。
なお、車庫位置については、車庫を縮小することを前提として、既に都市計画決定されている補助第132号線、補助第229号線の都市計画の範囲と整合を図ることのほか、安全運行に資する現在の西武鉄道の技術基準に適合した計画としています。これらの結果、車両留置線が現況に比べ東側へ延びることになっています。

質問事項
七の1のイ 片開き分岐器の使用を前提とした技術基準は、法定の基準か、それとも、鉄道事業者の任意の裁量による基準であるか伺う。また、今回の連立事業において、この新たな技術基準への移行が法的に不可欠であることの根拠を伺う。

回答
鉄道の技術基準については、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」に基づき、鉄道事業者が定めています。本省令第3条において、鉄道事業者は実施基準を定め、地方運輸局長に届け出なければならないと規定され、この基準を遵守しなければならないこととなっています。
また、連続立体交差化に関する構造については、国土交通省が定める「都市における道路と鉄道との連続立体交差化に関する要綱」第5条において、「道路構造令、技術基準省令、軌道建設規定及びこれらに準ずる諸基準によるものとする。この場合において、連続立体交差化後の鉄道又は交差道路の取付勾配及び曲線は、当該鉄道又は交差道路の従前の機能を阻害しない範囲のものとする。」ことが規定されています。

質問事項
七の1のウ 比較設計協議時点の連立事業全体で新たに都市計画事業施行者が取得する鉄道用地の面積、都市計画事業施行者が取得する鉄道用地に対応して生じた残存土地の面積は概算でどのくらいになるか。これらの土地に関する所有権、利活用の権利について、事業費の負担区分との関連も含め、見解を伺う。また、公共事業として更新を行うことで生ずる車庫南側の広大な空地はなぜ西武鉄道の所有地となるのか、またこの土地の開発利益はすべて西武鉄道に帰属するのか伺う。

回答
本連続立体交差化によって生じる土地の範囲については、今後、測量等の実施により確定していくことになります。
新たに都市計画事業施行者が取得する鉄道用地の面積は、比較設計協議時点で高架方式における車庫部を含め約6,300平方メートルと試算しています。
残存土地については、都市計画事業認可の取得後に締結する施行協定において、要綱第8条に基づき、都市計画事業施行者と鉄道事業者の土地及び施設の帰属を定めることとなります。
また、現在の車庫用地一帯は、令和3年6月に改定された練馬区のまちづくり構想において、鉄道施設・拠点機能創出ゾーンとなっています。

質問事項
七の1のエ 分岐方式の更新も含めた留置施設・機能等の充実のための経費、検車設備・車両洗浄設備等、連立事業後は必要とされていない既存施設の解体・除却などの経費、東側の用地補償等の経費、さらには鉄道用地から外れる南側の部分の除却・整地にかかる経費はすべて「鉄道側増強費」及び「鉄道側増加費」のいずれにも該当しないのか。認織を伺う。

回答
本事業は、要綱第2条における鉄道路線の増設を同時に行わない単純連続立体交差化に該当し、都市計画事業施行者と鉄道事業者との費用負担については、要綱第6条及び第7条に基づき、両事業者間で協議の上、都市計画事業認可の取得後に締結する施行協定において定めることとなります。

質問事項
七の2 構造形式の検討経過について
ア 構造形式の検討を行ったのは、「西武新宿線(井荻~東伏見駅付近)連続立体交差事業調査報告書」(2016年3月)においてであるか、伺う。

回答
「西武新宿線(井荻から東伏見駅付近)連続立体交差事業調査報告書」において、構造形式の検討を行っています。

質問事項
七の2のイ 同調査において、構造形式の検討の前提条件のなかで地下方式は「単線シールド」方式を採用するとしているが、「複線」ではなく「単線」とした理由は何か。どちらの工法を採用するかについて、別途、検討を行った経緯はあるか。あるとしたらその検討の経過と内容を伺う。

回答
単線シールド工法は断面積が小さく、合理的であるため、支障物との離隔確保や縦断的に狭い空間を通過する場合に有利です。本区間では、石神井川や水道幹線などがあり、離隔の確保や限られた空間での施工が必要となっています。このため、本区間のシールド工法は単線シールド工法で検討しています。

質問事項
七の2のウ 同調査においては用地取得にかかる期間を高架方式の場合に5年、地下方式の場合は4年と想定しているが、その根拠を伺う。西武鉄道池袋線の立体交差事業(練馬高野台駅から大泉学園駅)では用地取得に4年から5年を要しているが、面積にして10倍、件数で4倍近くになる本区間の用地取得をほぼ同期間で終えられると判断した根拠を伺う。

回答
用地取得の期間については、事業箇所により状況が異なるため、これまでの連続立体交差事業の用地取得の実績を踏まえつつ、一定の想定の下、取得件数を基に試算しています。

質問事項
七の2のエ 説明会質疑概要(令和2年10月)Q9.の「用地取得の対象となる件数」とは何か。都市計画区域に含まれる画地の数、区域にかかる建物の数等々、明確な定義を伺う。また、その数はいつの時点で、どのようにして算出されたのか。用地取得の対象となるとされる建物のうち、分譲された共同住宅は何棟、何室分あるか、あわせて伺う。

回答
高架方式の用地取得の対象となる件数は、本連続立体交差化計画及び本計画に併せて一体的に整備する鉄道付属街路等の都市計画案としてお示しした都市計画区域内にある建物の数であり、令和2年10月の都市計画案及び環境影響評価書案説明会の開催に当たり、これまでの調査や資料作成時点で東京都が管理する最新の地形図等を基に試算をしています。
なお、事業に必要な用地や補償対象となる建築物等については、都市計画の決定後、測量等の実施により確定していきます。

質問事項
七の2のオ 都は、東京都環境影響評価条例附則において、都が民間事業者などと連携して行う事業については計画段階環境影響評価に関する規定は「適用しない」と定めていることを根拠に、連立事業における計画段階環境影響評価を拒み続けているが、当該附則はあくまで条例制定時の経過措置として定められたものであり、そのまま放置することは許されない。連立事業における環境影響評価の経過措置を見直すべきだが、見解を伺う。

回答
計画段階環境影響評価については、東京都の事業計画を対象として制度を運用し、実績を積み重ねています。
今後も、附則の取扱いを含めた、東京都環境影響評価制度を取り巻く状況の変化を注視しつつ、適正かつ円滑に運用していきます。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 岩永やす代
質問事項
一 特別支援教育について
二 若者の消費者教育について
三 連光寺・若葉台里山保全地域について
四 霞ケ浦導水事業について

一 特別支援教育について
共生社会の実現には、子どもの頃から日常生活の場で、共に学び育つ環境が必要です。生活者ネットワークは、障がいのある無しに関わらず、同じ教室で共に学べるインクルーシブ教育を長年求めてきました。都が発達障がいのある子どもへの支援を通級指導から特別支援教室に変え、在籍校で指導を受けるようにしたことは、インクルーシブ教育の実現に向けた一歩と期待を寄せていたものです。
2022年度から都は、小中学校の特別支援教室の教員配置基準を、児童生徒10人に1人から12人に1人の割合に変更する予定です。また、今年度より、通常の学級での支援を行う発達障害教育支援員の配置が行われるなど、特別支援教室のあり方が大きく変わります。
1 「特別支援教室の入退室等検討委員会報告書」(2020年12月)では、「小学校では3年以上特別支援教室で指導を受けている児童は全体の5割以上いる現状がある」、「特別支援教育に関する指導経験が浅い教員も特別支援教室の指導を担当している現状があるため、特別支援教室の目的をふまえた指導の質の確保・向上が課題となっている」と述べられています。こうした報告にもかかわらず、教員配置を減らすことは、現在の課題の解決に向けた取り組みに逆行すると考えます。指導の質の確保・向上のためには、逆に教員を増やすことが必要と考えますが、見解を伺います。
2 特別支援教室だけでなく、在籍学級においても、発達障がいのある子ども一人ひとりに応じたサポートをしていくことが非常に重要です。都教育委員会は、2021年度から発達障害教育支援員配置促進事業を開始していますが、この事業の目的について伺います。
3 今年度から始まった発達障害教育支援員を配置する場合に、都が人件費の2分の1を補助しています。ところがこの補助金は1校につき1人と限定されており、しかも、補助金交付要綱では、特別支援教室からの退室率が減ると支援員の人件費補助金が4分の1に減らされます。
義務教育時における支援教育は、その後の子どもの人生にも大きくかかわるものであり、教育現場に効率性はなじまないと考えます。「退室率」という評価指標で補助金額を決定するのではなく、一人ひとりの子どもの育ちや学びに応じて必要な支援員を配置できる補助金を保証すべきと考えますが、見解を伺います。
4 来年度から教員配置が減ることから、支援の充実を図るためには、さらなる対策が必要であり教員の指導力がこれまで以上に求められます。特別支援教室の教員も通常学級の教員も、どちらもスキルを高めるための取り組みとして、OJTだけでは不十分と考えます。研修や人材育成はどのように行われるのでしょうか。
5 専門家としては、臨床発達心理士の助言のみならず、作業療法士の視点からの環境づくりが有効です。特別支援教室・通常学級、それぞれ現場での支援をすすめるために、学習環境の改善という視点から学校での作業療法士の導入を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
6 多摩市などいくつかの自治体では、全校を拠点校として運用しています。どの学校にも教員が常駐するため、例えば、朝短時間利用で子どもが落ち着き通常学級に入ることができるなど、巡回ではできない支援を行い、効果を上げていると評価しているところです。ところが、都の意向を受けて、来年度から拠点校を絞り巡回指導に変えることになったと聞きました。全校拠点校は、特別支援教室を充実させる方法として有効であると考えますが、なぜ都は巡回指導方式を進めるのか伺います。
7 特別支援教室の取り組みを進める一方で、自閉症・情緒障がい特別支援学級(固定学級)の設置も進んでおり、小学校では2016年度57学級、在籍360人でしたが、2020年度には100学級659人になりました。固定学級は1学級8人で教員配置は学級数+1人であり、保護者からの設置要望も出されていると聞いています。
本来は、通常学級での学習環境を整えることこそが重要であり、スキルのある教員の加配や個別支援などが求められると考えますが、まずは特別支援教室を充実することで、在籍する通常学級での生活の困難を解消するべきです。特別支援学級が増えている状況について、都教育委員会としてどのように認識しているのか伺います。

二 若者の消費者教育について
民法改正により、2022年4月より成人年齢が18歳に引き下げられます。現在は、未成年である18歳・19歳は、保護者の同意があれば契約の取り消しができますが、今後は保護者の取り消しの権限が及ばなくなることから、若者の消費者被害が増えることが懸念されています。スマートフォン等でのネット通販などのオンライン契約も含めて、近年増加傾向にあるトラブルや被害の未然防止のために、若者への消費者教育が重要です。
若者の消費者被害は、社会経験や知識の乏しさ、判断力・交渉力が乏しいことが原因となることが多く、特徴的なものとして、マルチ商法、キャッチセールス、エステ、インターネット取引などがあります。
このような状況の中、若者の消費者被害を防止救済するためには、まずは若者が契約の意味や責任を十分に理解するとともに、被害にあったら消費者センターに相談することを知らせる必要があります。
1 この3年間、2018年度、2019年度、2020年度の若者(18歳、19歳含む)の消費者被害の相談件数の推移と内訳について伺います。
2 クレジットカードや急速に進むデジタル化社会への対応など、様々な視点からの消費者教育が必要ですが、特に18歳を迎える高校をはじめ、教育現場の役割は重要です。
高校における教育現場での子どもへの対応、教員研修、保護者への説明について、都の消費者教育の現状と今後の取り組みを伺います。また、中学生を対象にした取り組みについても伺います。
3 都立高校に通う外国人で日本語がわからない子どもや保護者に対して、多言語や「やさしい日本語」での対応が求められます。消費者教育の現状と今後の取り組みを伺います。
4 特別支援学校における消費者教育では、障がい特性に応じた、わかりやすい説明と丁寧な相談対応が重要です。例えば、鬼滅の刃など子どもたちになじみのあるはやりのキャラクターで「やさしい日本語」を使ったマンガやアニメを教材にしたり、相談する連絡先を入れた携帯できるカードなど、グッズづくりの努力も必要と考えます。取り組みはどのようになっているのか、教材の改善についても伺います。
5 外国人への対応について伺います。
消費者被害や相談については消費者生活総合センターに相談窓口がありますが、日本語での相談が困難な外国人からの消費者トラブルに関する相談状況を伺います。併せて、多言語対応の現状について伺います。

三 連光寺・若葉台里山保全地域について
連光寺・若葉台里山保全地域は、2014年に指定、2020年区域を変更しました。この保全地域は、キバサナギガイなどの希少な動植物が残存する谷戸の湿地を中心に、樹林地や農地など里山環境の保全が図られることになっており、都が取得する土地だけでなく、市が取得予定の土地や現在民有地もあります。保全計画書には、耕作地については、民有地も公有地も、環境学習又は体験活動の場として活用したり、公有地は都民ボランティア、福祉団体、近隣の住民団体その他の多様な主体との協働により農作業の場として活用するとしています。
このように当該地域を里山保全地域に指定した目的は、希少な動植物を保全するために、それらの生息環境としての湿地や農地を、多様な主体と協働で良好な状態に維持管理していくことにあるはずです。
ところが、地域内にある都が取得した農地は、湿地の水源域であるにもかかわらず、インキュベーション農園として雨水浸透の少ないハウス施設が設置されています。
今後多摩市が整備していく農園については、地域内にトイレや休憩場所、倉庫、さらには駐車場などの設置も計画されていると聞いており、保全活動に携わってきた市民団体からは心配の声が上がっています。湿地環境の水源域に施設設置やコンクリート被覆がされると、雨水浸透が妨げられ湿地環境に重大な影響を及ぼすのではないか、保全地域としてきちんと管理されていくのか、と心配しているところです。
1 保全地域内の施設設置による水源涵養への影響をどのように評価しているのか、また、影響を最小限にするための対策について伺います。
2 保全地域全体の環境を守るために、耕作地においては環境保全型農業を行ってほしいと考えますが、どのような規制を実施するのか伺います。

四 霞ケ浦導水事業について
1985年に開始された霞ケ浦導水事業のうち、利根導水路は1994年に完成しましたが、那珂川と霞ケ浦を結ぶ導水路の建設は現在も進められています。この事業に利水で参画しているのは、水道が茨城県、東京都、埼玉県、九十九里地域広域水道企業団、印旛郡市広域市町村圏事務組合、工業用水が茨城県と千葉県です。ところが、水需要が減少し、人口減少に伴い今後さらなる減少が予測されるなか、昨年、この事業の工期が2023年度から2030年度へ7年延長、事業費が1,900億円から2,395億円に495億円増額されました。東京都の負担額は、99億円から129億円に増額されています。
1 この計画変更に対する東京都の対応について、検討および結果を伺います。
2 この事業にかかる負担金について、これまでに支出した金額および完成後の維持負担金について伺います。
3 計画変更に伴って、埼玉県水道と九十九里地域広域水道企業団は撤退し、印旛郡市広域市町村圏事務組合と千葉県工業用水道が参画水量を減らしました。埼玉県の撤退理由は、2020年4月から八ッ場ダムの運用が始まり、埼玉県の水利権がすべて安定化し日常生活に必要な水を確保されたため、霞ケ浦導水事業の必要性が薄くなった、さらに水需要が減少傾向にあることから、今後も必要性が高まる可能性は低いということです。撤退するための手続きはどのようになっているのか伺います。
4 都も多くの水源を抱えて水余りの状態であり、この事業から撤退すべきと考えますが、見解を伺います。

令和3年第三回都議会定例会
岩永やす代議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 特別支援教育について
1 「特別支援教室の入退室等検討委員会報告書」では、「特別支援教育に関する指導経験が浅い教員も特別支援教室の指導を担当している現状があるため、特別支援教室の目的をふまえた指導の質の確保・向上が課題となっている」などと述べられているにもかかわらず、教員配置を減らすことは、現在の課題の解決に向けた取組に逆行する。指導の質の確保・向上のためには、逆に教員を増やすことが必要だが、見解を伺う。

回答
特別支援教室の教員配置について、都教育委員会では都独自の制度導入を円滑に進めるため、平成28年度から暫定的な基準を適用し、特別支援教室の導入完了後に見直すこととしてきました。
今後は、指導の質を維持しつつ、新たな基準を適用していきます。
なお、国は、いわゆる標準法を改正し、平成29年度から通級による指導を担当する教員数の標準について、指導を受ける子供13人に対し教員1人としています。

質問事項
一の2 特別支援教室だけではなく、在籍学級においても、発達障害のある子ども一人ひとりに応じたサポートをしていくことが非常に重要である。都教育委員会は、令和3年度から、発達障害教育支援員配置促進事業を開始しているが、この事業の目的について伺う。

回答
発達障害のある児童・生徒が在籍学級でも安心して学習に取り組めるよう、都教育委員会では、区市町村による在籍学級でのサポート人材の配置を促進することを目的に、その配置に係る費用の一部を補助する発達障害教育支援員配置促進事業を令和3年度から開始しています。

質問事項
一の3 今年度から始まった発達障害教育支援員を配置する場合に、都が人件費の2分の1を補助しているが、この補助金は1校につき1人と限定されており、しかも、特別支援教室からの退室率が減ると支援員の人件費補助金が4分の1に減らされる。「退室率」という評価指標で補助金額を決定するのではなく、一人ひとりの子どもの育ちや学びに応じて必要な支援員を配置できる補助金を保証すべきだが、見解を伺う。

回答
特別支援教室の目的は、発達障害のある児童・生徒が、学習上又は生活上の困難を改善・克服し、在籍学級で他の児童・生徒と共に有意義な学校生活を送ることができるようになることです。
都教育委員会では、特別支援教室での指導が終了した後、児童・生徒が特別支援教室で学んだ成果を在籍学級で発揮できるよう、指導目標の達成状況を考慮した支援を実施しています。
具体的には、区市町村が、在籍学級でのサポート人材を配置する場合に、都の規定に基づき、配置に係る費用の4分の1を補助しています。さらに、一定程度、児童・生徒の困難さの改善が図られた場合には、4分の1を上乗せしています。

質問事項
一の4 来年度から教員配置が減ることから、支援の充実を図るためには、さらなる対策が必要であり教員の指導力がこれまで以上に求められる。特別支援教室の教員も通常学級の教員も、どちらもスキルを高めるための取組として、OJTだけでは不十分だが、研修や人材育成はどのように行われるか伺う。

回答
都教育委員会は、法令により受講が義務付けられている初任者研修や、教員経験が10年前後の中堅教員等を対象とした研修において特別支援教育について学ぶ機会を設定しています。
また、受講を希望する教員や、校長により受講を勧められた教員等を対象に実施している専門性向上研修では、特別支援教育について、障害の種別や指導経験等に応じて選択できる、多様な研修を設定しています。
さらに、各学校で特別支援教育コーディネーターに指名されている教員を対象とした、「リーダー養成研修」を実施しています。

質問事項
一の5 専門家としては、臨床発達心理士の助言のみならず、作業療法士の視点からの環境づくりが有効である。特別支援教室・通常学級、それぞれ現場での支援をすすめるために、学習環境の改善という視点から学校での作業療法士の導入を検討すべきだが、見解を伺う。

回答
都教育委員会では、特別支援学校の教員の専門性の向上を図るため、平成28年度から、全ての都立知的障害特別支援学校に、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士や臨床発達心理士等の専門家を招へいする取組を実施しています。
こうした取組により専門性を高めた教員は、都内公立小・中学校からの要請に基づき、各特別支援学校のセンター的機能を発揮して、小・中学校への支援を実施しています。
都内公立小・中学校に対しては、引き続き、特別支援学校の教員の専門性を生かし、適切に支援していきます。

質問事項
一の6 多摩市などいくつかの自治体では、全校を拠点校として運用している。どの学校にも教員が常駐するため、巡回ではできない支援を行い、効果を上げていると評価しているところである。ところが、都の意向を受けて、来年度から拠点校を絞り巡回指導に変えることになったと聞いた。全校拠点校は、特別支援教室を充実させる方法として有効だが、なぜ都は巡回指導方式を進めるのか伺う。

回答
特別支援教室では、児童・生徒の障害の状態に応じて指導内容が個別に異なっており、特別支援教室を担当する教員一人一人の指導の質を向上させていくことが重要です。
そのため、複数校の児童・生徒の指導に関わる担当教員同士が、指導の方法や教材などの多様な事例を日常的に共有・蓄積し合うことや、経験豊富で専門性の高い教員が経験の浅い教員を育成することができる体制が必要です。
こうしたことから、指導を担当する教員を集中的に配置する拠点校を定めた上で、教員がグループ内の学校を巡回して指導する特別支援教室の導入を、平成28年度から進めてきました。
令和3年3月に作成した「特別支援教室の運営ガイドライン」において、改めて、こうした体制について明記しています。

質問事項
一の7 特別支援教室の取組を進める一方で、自閉症・情緒障がい特別支援学級(固定学級)の設置も進んでいる。特別支援教室を充実することで、在籍する通常学級での生活の困難を解消するべきだが、特別支援学級が増えている状況について、都教育委員会としてどのように認識しているのか、伺う。

回答
区市町村立小学校・中学校の特別支援学級は、設置者である区市町村教育委員会が、地域の実情を踏まえて主体的に学級を編制し設置しています。
発達障害教育は、児童・生徒の障害の状態に応じて、通常の学級や特別支援教室、特別支援学級といった多様な学びの場で適切な教育的支援が行われており、自閉症・情緒障害特別支援学級については、区市町村教育委員会において、自閉症・情緒障害のある児童・生徒の障害の状態や人数の変化などを考慮し、設置しているものです。
また、都教育委員会では、平成28年度から特別支援教室の導入を進め、令和3年4月には、全ての区市町村立小学校・中学校に特別支援教室が設置されています。さらに、令和3年度からは、在籍する学級におけるサポート人材の配置を促進する事業も開始しています。
こうした取組により、引き続き発達障害のある児童・生徒を支援していきます。

質問事項
二 若者の消費者教育について
1 この3年間、2018年度、2019年度、2020年度の若者(18歳、19歳含む)の消費者被害の相談件数の推移と内訳について伺う。

回答
都及び都内区市町村に寄せられた、契約当事者が29歳以下の若者の相談件数は、平成30年度は13,240件、令和元年度は15,630件、令和2年度は17,582件でした。内訳において最も多い相談分類は、各年度とも、オンラインゲームや情報商材などの「放送・コンテンツ等」で、平成30年度は2,214件、令和元年度は2,054件、令和2年度は2,553件でした。
また、二番目に多い相談分類は、各年度とも、賃貸アパートなど「レンタル・リース・賃借」で、平成30年度は1,346件、令和元年度は1,440件、令和2年度は1,610件でした。

質問事項
二の2 クレジットカードや急速に進むデジタル化社会への対応など、様々な視点からの消費者教育が必要だが、特に18歳を迎える高校をはじめ、教育現場の役割は重要である。高校における教育現場での子どもへの対応、教員研修、保護者への説明について、都の消費者教育の現状と今後の取組を伺う。また、中学生を対象にした取組についても伺う。

回答
東京都消費生活総合センターでは、成年年齢が18歳に引き下げられることに伴う若者の消費者トラブルの防止を図るため、都内の国公立及び私立の高校2年生全員に対し、悪質商法の手口や相談窓口の紹介など消費生活に関連した情報を幅広く掲載した啓発ノートを配布しました。あわせて、家庭においても啓発を図るため、保護者向けのリーフレットも配布しました。
また、インターネットトラブルについて学べる中学生向けのWEB教材を作成したほか、高校や中学校などの教員を対象に、教員講座も実施しました。
さらに、令和2年度からは消費者教育コーディネーターを配置し、出前講座等を活用した授業等を学校に対し提案しています。
引き続き、学校における消費者教育の推進に取り組んでいきます。
中学校の消費者教育においては、学習指導要領に基づき、社会科、技術・家庭科〔家庭分野〕等で、消費者の保護、売買契約の仕組みなど、基本的な内容を学習しています。
高等学校においては、学習指導要領に基づき、公民科や家庭科等で、市場経済の機能と限界、消費者問題と消費者の権利、キャッシュレス社会とその課題など、社会における自立した消費者としての実践力を身に付ける学習を行っています。
今後とも、都教育委員会は、区市町村教育委員会向けの事業説明会において、国や都が実施している消費者教育に関わる事業や取組等を周知していきます。
また、中学校及び高等学校等の教員対象の研修会や都立高等学校の校長連絡会等を通じて、指導内容や方法、家庭や地域との連携の推進等について周知し、各学校における消費者教育の充実を図っていきます。

質問事項
二の3 都立高校に通う外国人で日本語がわからない子どもや保護者に対して、多言語や「やさしい日本語」での対応が求められる。消費者教育の現状と今後の取組を伺う。

回答
都立高等学校において、在京外国人が多く在籍する学校では、日本語指導が必要な生徒に対して、家庭科や公民科の授業等で、その実態に応じて、英語版やルビ振り資料を用いて消費者教育を行っています。
今後とも、校長連絡会等において、こうした事例や学校と家庭や地域が連携した取組について紹介するなど、日本語指導が必要な生徒に対する消費者教育の充実を図っていきます。

質問事項
二の4 特別支援学校における消費者教育では、障がい特性に応じた、わかりやすい説明と丁寧な相談対応が重要である。例えば、子どもたちになじみのあるはやりのキャラクターで「やさしい日本語」を使ったマンガやアニメを教材にしたりなど、グッズづくりの努力も必要だが、取組はどのようになっているのか、教材の改善についても伺う。

回答
都立特別支援学校の消費者教育においては、金銭の管理や売買契約の仕組みなどを理解させるとともに、自身が消費者トラブルにあっていることを認識したときには、家族等や身の回りの支援者に直ちに相談するよう伝えるなど、具体的な対応方法を身に付けられるよう指導しています。
都教育委員会は指導の充実に向けて、令和2年2月、都立特別支援学校高等部生徒及びその保護者を対象として、イラストや振り仮名を用いた消費者教育に係るリーフレットを発行したところです。
リーフレットの活用に当たっては、生徒一人一人の障害の状態等に応じて、分かりやすい説明を工夫するなど、各学校の丁寧な取組をより一層促していきます。

質問事項
二の5 消費者被害や相談については消費者生活総合センターに相談窓口があるが、日本語での相談が困難な外国人からの消費者トラブルに関する相談状況を伺う。併せて、多言語対応の現状について伺う。

回答
東京都消費生活総合センターでは、消費生活相談員を介して通訳オペレーターに電話をつなぐ方法で、英語・中国語・韓国語の三か国語での相談を行っています。
令和2年度の相談件数は、118件(英語55件、中国語61件、韓国語2件)となっており、賃貸アパート等の退去時におけるトラブルなどの相談が多く寄せられています。
また、都の消費生活情報のホームページにおいて、よくある消費生活相談と回答をまとめたFAQを、英語・中国語・韓国語の三か国語で掲載しています。

質問事項
三 連光寺・若葉台里山保全地域について
1 保全地域内の施設設置による水源涵養への影響をどのように評価しているのか、また、影響を最小限にするための対策について伺う。

回答
保全地域内の集水域に地方公共団体等が施設を設置する場合には、湿地への水源涵養機能等の保全を図るため、自然保護条例第32条第1項に基づき当該施設設置者と協議することとなっています。
インキュベーション農園施設においても協議を行い、水源涵養への影響がないようにするため、開発前の雨水浸透量と同レベルになるよう浸透トレンチを設置し、地下浸透させることとしています。

質問事項
三の2 保全地域全体の環境を守るために、耕作地においては環境保全型農業を行ってほしいが、どのような規制を実施するのか伺う。

回答
保全地域においては、自然の保護と回復のための方針、規制等に関する計画として保全計画書を定めることとなっています。
連光寺・若葉台里山保全地域においては、里山環境保全の視点から、農薬等の使用をできる限り控えることとしています。

質問事項
四 霞ケ浦導水事業について
1 1985年に開始された霞ケ浦導水事業のうち、那珂川と霞ケ浦を結ぶ導水路の建設は現在も進められている。昨年、この事業の工期が2023年度から2030年度へ7年延長、事業費が1,900億円から2,395億円に495億円増額され、都の負担額は、99億円から129億円に増額されている。この計画変更に対する都の対応について、検討および結果を伺う。

回答
今回の計画変更に当たっては、国から示された事業計画変更案について、妥当性を調査・検証しました。その結果、当初国から示されていた510億円の増額が、495億円まで圧縮されました。
また、国においては、学識経験者で構成される関東地方整備局評価監視委員会が開催され、増額内容も含めた説明・質疑が行われた結果、継続との方針が了承されています。
以上のことを踏まえるとともに、都は、霞ヶ浦導水を、昭和60年から今日まで保有水源として活用していることや、増額を考慮した事業の費用対効果の試算結果から、事業計画変更については、妥当なものと判断し、「一日も早く事業を完了させるとともに、徹底したコスト縮減を図り、事業費の圧縮に努めること」との意見を付して、やむを得ないものとして同意しました。

質問事項
四の2 この事業にかかる負担金について、これまでに支出した金額および完成後の維持負担金について伺う。

回答
これまで都は、霞ヶ浦導水事業に、国庫補助金28億円を含む85億円を支払っています。また、事業完成後の維持管理費については、現時点において、国から提示がされていないため不明です。

質問事項
四の3 計画変更に伴って、埼玉県水道と九十九里地域広域水道企業団は撤退し、印旛郡市広域市町村圏事務組合と千葉県工業用水道が参画水量を減らした。埼玉県の撤退理由は、八ッ場ダムの運用が始まり、県の水利権がすべて安定化し日常生活に必要な水を確保されたため、霞ケ浦導水事業の必要性が薄くなった、さらに水需要が減少傾向にあることから、今後も必要性が高まる可能性は低いということである。撤退するための手続きはどのようになっているのか伺う。

回答
撤退する場合に必要となる手続については、河川法第70条の2(特別水利使用者負担金)及び河川法施行令第38条の3(法第70条の2第2項の協議等の内容等)に基づくことになります。
これによると、霞ヶ浦導水事業の事業者である国土交通省は、本事業からの撤退など特別水利使用者に関する事項等を変更しようとするときは、あらかじめ、厚生労働省など関係行政機関の長に協議し、関係自治体の長の意見を聞くとともに、他の水道事業体などの特別水利使用者の同意を得なければならないこととなります。

質問事項
四の4 都も多くの水源を抱えて水余りの状態であり、この事業から撤退すべきだが、見解を伺う。

回答
都の主要な水源である利根川・荒川水系の水資源開発は、首都圏の人口や都市活動の集中により急増する水需要を賄うため、全国の主要な水系と比べ、渇水に対する安全度が低い計画となっており、現に、利根川水系では、近年、3年に1回程度の割合で渇水が発生し取水制限が実施されています。
また、国の報告書等によると、降雪量の大幅な減少や無降水日数の増加が予想されており、将来、気候変動の進行により、河川やダム等からの供給能力が低下し、厳しい渇水のリスク増大が懸念されています。
以上のことから、都は令和3年3月に取りまとめた「東京水道施設整備マスタープラン」に「確保した水源は、水道需要への対応はもとより、将来の気候変動による影響も踏まえ、安定化を図るとともに、最大限活用していく」との方針を示しており、貴重な他系統水源である霞ヶ浦導水は、都にとって、必要不可欠な水源であります。
なお、都が、令和2年度に開催した東京都水道事業運営戦略検討会議では、こうした水源確保の考え方について了承されており、緊急時に備えて、様々な水系の水源は保有しておくべきとの専門家の意見を得ています。
都は、昭和60年から水利権を暫定的に取得し、保有水源として活用していること、また、これまで、建設負担金85億円(国庫補助金28億円含む)を支払っており、残事業費として44億円(国庫補助金15億円含む)を支払うことで安定水源となることから、事業の撤退は、考えていません。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 関口健太郎
質問事項
一 都立高井戸公園について

一 都立高井戸公園について
1 都立高井戸公園は1957年に都市計画決定された。事業着手から現在の開園までの取り組みと経過を伺う。
2 計画地の大部分には王子製紙富士見ヶ丘グラウンド、国立印刷局久我山運動場、NHK富士見ヶ丘運動場の3つが所在していたが、長年着手されていなかったことから計画地の南西部には住宅街が形成されている。都立高井戸公園の早期の完成が望まれる声が多くあるものの、事業を進めるに当たって、立ち退きなどの予定を心配する住民もいる。こうした住民に対して、十分な情報提供を行うべきと考えるが都の見解は。
3 杉並区や近隣の区市では、都立高井戸公園にドッグランを求める署名活動をされ、東京都に提出されている。杉並区近隣では、ドッグランなどの犬がのびのびと走ることのできる環境が極めて少ないことがかつてから指摘されている。高井戸公園でこのような環境づくりをしてほしいと考えるが都としての見解を伺う。

令和3年第三回都議会定例会
関口健太郎議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都立高井戸公園について
1 都立高井戸公園は1957年に都市計画決定された。事業着手から現在の開園までの取組と経過を伺う。

回答
高井戸公園は、平成24年度に事業認可を取得し、平成26年度までに、国や企業の所有するグラウンド用地約10.9ヘクタールを取得しました。
平成30年度から芝生広場や遊具広場等の整備に着手し、令和2年6月に83番目の都立公園として開園しました。引き続き、拡張整備を進めており、これまでに約5.9ヘクタールを開園しています。

質問事項
一の2 計画地の大部分には王子製紙富士見ヶ丘グラウンド、国立印刷局久我山運動場、NHK富士見ケ丘運動場の3つが所在していたが、長年着手されていなかったことから計画地の南西部には住宅街が形成されている。都立高井戸公園の早期の完成が望まれる声が多くあるものの、事業を進めるに当たって、立ち退きなどの予定を心配する住民もいる。こうした住民に対して、十分な情報提供を行うべきと考えるが見解を伺う。

回答
計画地の南西部は、令和2年7月に改定した「都市計画公園・緑地の整備方針」において、令和11年度までに優先的に事業を進める予定の優先整備区域に設定しています。
今後、事業化する際には説明会を開催するとともに、関係住民への丁寧な情報提供を行っていきます。

質問事項
一の3 杉並区や近隣の区市では、都立高井戸公園にドッグランを求める署名活動をされ、都に提出されている。杉並区近隣では、ドッグランなどの犬がのびのびと走ることのできる環境が極めて少ないことがかつてから指摘されている。高井戸公園でこのような環境づくりをしてほしいと考えるが都としての見解を伺う。

回答
都立公園のドッグラン設置に当たっては、設置可能な場所の確保、駐車場の確保、ボランティア団体等の協力、近隣住民の理解の4つを全て満たすことを条件とし、計画した12公園全ての設置が完了しています。
なお、事前に占用許可等の手続を行うことで、犬のしつけ教室や飼い主のマナー向上を図る等、犬と飼い主が参加し交流するイベントを都立公園で実施することは可能です。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中田たかし
質問事項
一 青山病院跡地の利用について
二 渋谷二丁目西地区都市計画について
三 補助第26号線(東北沢)の進捗について

一 青山病院跡地の利用について
渋谷区から青山病院跡地を学校建替え等の仮校舎用地として利用したいと、東京都へ都有地借用要望書が提出されました。渋谷区の要望は、都有地である青山病院跡地の約1万平方メートルを、借用期間令和4年度から令和11年度9月頃まで利用したいとの要望であります。これまでこの都有地は、平成21年に共済青山病院が廃止されたあと、平成24年から令和2年まで住宅展示場として一時貸付が行われ、令和3年4月からは、東京2020大会のため公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に一時貸付が行われてきました。渋谷区への土地提供の対応について、そして、この都有地や都民の城を含めたこの地域一体での再開発をどのように行っていくのか、東京都の見解を伺います。

二 渋谷二丁目西地区都市計画について
渋谷区2丁目12番、13番、14番、16番内の六本木通りを挟んだ宮益坂上の再開発が行われます。この都市再生特別地区(渋谷二丁目西地区)の都市計画案では、渋谷の広域交通機能を強化するため再開発ビル内に高速バスのターミナルの整備を行うとなっています。しかし、そのバスの交通経路が区道929号から六本木通りに出て、渋谷2丁目交差点をUターンして首都高速の渋谷入口を活用するとされており、この交通経路では、高速バスが合流する地点に首都高速の渋谷出口もあり、交通渋滞、さらには重大な交通事故につながりかねないとの地域の声があります。この地域の懸念について、どのように対策を行っていくのか、伺います。

三 補助第26号線(東北沢)の進捗について
東京都では、特定整備路線の整備で、市街地の延焼を遮断し、避難や救援活動の空間ともなる防災上効果の高い主要都市計画道路の整備を推進する「木密地域10年プロジェクト」を行っています。その中の補助第26号線(東北沢)は、目黒区駒場四丁目から渋谷区大山町までの延長550メートルの東北沢駅前を通る区間で、平成18年12月に事業認可を取得し、平成19年度から用地取得に着手して、令和2年度末で約96%の用地を取得済みです。地域からは早期にこの補助第26号線(東北沢)の完成を望む声が上がっておりますが、補助第26号線(東北沢)の今後の進捗について、東京都の見解を伺います。

令和3年第三回都議会定例会
中田たかし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 青山病院跡地の利用について
渋谷区から青山病院跡地を学校建替え等の仮校舎用地として利用したいと、都へ都有地借用要望書が提出された。渋谷区への土地提供の対応について、そして、この都有地や都民の城を含めたこの地域一体での再開発をどのように行っていくのか、見解を伺う。

回答
本件地については、令和3年9月30日、渋谷区から渋谷区立学校施設の仮校舎整備を目的とした都有地借用要望がありました。
今後、要望の内容について精査しつつ、区とも協議していきます。
また、本件地を含めた周辺都有地の将来的な一体活用については、今後検討していきます。

質問事項
二 渋谷二丁目西地区都市計画について
六本木通りを挟んだ宮益坂上の再開発が行われる。この都市計画案では、再開発ビル内に高速バスのターミナルの整備を行うとなっているが、そのバスの交通経路では、交通渋滞、さらには重大な交通事故につながりかねないとの地域の声がある。この地域の懸念について、どのように対策を行っていくのか伺う。

回答
都市再生特別地区渋谷二丁目西地区におけるバスターミナルの整備等に伴う周辺交通への影響については、事業者が将来交通量を予測し、交通管理者等と協議した上で検証を行い、渋谷二丁目交差点の青信号時間の調整等により、交通処理上問題ないことを確認しています。
なお、六本木通りのバスの進入部から渋谷二丁目交差点間での車線変更等の影響についても、交通処理上問題ないと事業者から聞いています。

質問事項
三 補助第26号線(東北沢)の進捗について
地域からは早期に補助第26号線(東北沢)の完成を望む声が上がっているが、補助第26号線(東北沢)の今後の進捗について、見解を伺う。

回答
補助第26号線(東北沢)の目黒区駒場四丁目から渋谷区大山町までの延長約550メートルの区間は、市街地の延焼を遮断し、避難路や緊急車両の通行路となるなど、地域の防災性を向上させる特定整備路線として現在事業中であり、現況の幅員7メートルから20メートルから33メートルへの道路の拡幅や無電柱化に取り組んでいます。
これまでに、96パーセントの用地を取得しており、用地が取得できた東側(渋谷区側)において、排水管や電線共同溝の設置工事を実施しました。
令和3年度中に、車道部及び東側(渋谷区側)歩道部等の街路築造工事に着手します。
引き続き、地元の理解と協力を得ながら、残る用地の取得に努めるとともに、早期完成に向け、着実に整備を推進していきます。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 アオヤギ有希子
質問事項
一 都内の残土・盛土の状況について

一 都内の残土・盛土の状況について
7月3日に発生し、26人が亡くなった熱海市伊豆山の土石流被害は、崩落した土砂の大部分が他所から搬入された盛土でした。
同様の事故が起こる危険は、東京も例外ではありません。2017年には八王子市の戸沢峠の残土処分場で崩落事故が発生しました。八王子市内では都が自然保護条例に基づいて把握しているものだけで20箇所の残土置き場があり、そのうち7か所は未完了の状態です。同市内ではさらに二つ、大規模な盛土工事を伴う建設事業が申請されています。日の出町は、都の自然保護条例を根拠に、4つの残土処分場について排水設備の未設置などの問題があると明らかにしています。
また近年、日野市や日の出町の宅地造成地で土砂崩れが起こっており、稲城市南山の開発ではこれからさらに大規模な盛土工事が予定されています。
こうした箇所の全面的な点検と対策が急務です。
1 都内の残土処分場や盛土造成地のいっせい調査を関係局横断で、また区市町村の協力も得て早急に行うことが必要ですが、いかがですか。
問題の根本的解決のためには、開発による残土の発生から最終処分までの全体を通じた本格的な規制強化が必要です。その点で東京都に、残土規制のための条例や、残土問題全般を専管する部署がないのは問題です。国の法整備を求めると同時に、都として残土規制条例を制定し、専管する部署の設置が必要です。
2 東京都として、残土を規制していくためのより踏み込んだ手立てを、早急に検討すべきではありませんか。

令和3年第三回都議会定例会
アオヤギ有希子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都内の残土・盛土の状況について
1 都内の残土処分場や盛土造成地のいっせい調査を関係局横断で、また区市町村の協力も得て早急に行うことが必要だが、見解を伺う。

回答
都は現在、土地利用の規制等に関する法律や条例を所管する4局が連携して盛土による災害防止に向けた総点検を実施しています。
具体的には、土砂災害警戒区域や山地災害危険地区の上流域、大規模盛土造成地等にある盛土約1,600か所を対象とし、区市町村などの関係機関と連携し点検を行っています。
今後、年内を目途に点検結果の暫定的な取りまとめを実施する予定です。

質問事項
一の2 都として残土を規制していくためのより踏み込んだ手立てを、早急に検討すべきではないか。見解を伺う。

回答
熱海市における土石流災害を受け、国は各省のはざまになっている部分の総点検も必要とし、盛土による災害防止のための関係府省連絡会議を設け、災害防止のための対応方策などに関して推進することとしました。
都としては、国の検討状況を見ながら、関係局が連携し、国や区市町村との役割分担も勘案しつつ、課題整理の上、対応の在り方などについて検討していくこととしています。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 福手ゆう子
質問事項
一 災害時の聴覚障害者への情報提供の在り方と手話通訳者の労働と健康について

一 災害時の聴覚障害者への情報提供の在り方と手話通訳者の労働と健康について
近年、風水害は頻発化・激甚化しており、災害に対する備えはいっそう重要となっています。都民は災害時に、防災気象情報を得るなどして、適切な行動をとることが求められています。こうした備えをする際の聴覚障害者への情報提供のあり方と、聴覚障害者と社会にとって大切な存在である手話通訳者の労働と健康が守られるように、以下質問をいたします。
1 ある聴覚障害の方は台風の時、大雨の音が聞こえず、気づいたら安全な避難が難しい状況になっていたそうです。現在気象庁が手話通訳をつけて記者会見を行うのは、警戒レベル5の特別警報時に限られています。障害者の方々からは、せめて警戒レベル3段階から手話など様々な方法で情報提供を求める声が上がっています。
聴覚障害の方に対する災害や避難に関する情報提供の重要性について、都の認識を伺います。
コミュニケーションを取るうえで、聴覚障害者の情報を保障するには、手話通訳だけでなく要約筆記などが必要です。
普段から手話を使っている方も、手話が第一言語ではない聞こえない方も、聞こえる方も情報を共有することが重要です。
災害時のような場合に、命に関わる大切な情報提供は、情報の受け手がどんな状況であっても、迅速に正確に伝えるために、手話を第一言語としている方にとっては、手話による情報提供が必要です。
2 東京都総合防災部は、防災対策に関する情報を多言語で対応し、より多くの方に発信する方針を持っていますが、そこには手話が含まれていません。言語である手話を含めるべきですが、伺います。
3 手話言語条例を制定している鳥取県では、県が開設する動画サイトに手話動画専用ページ「手話チャンネル」を持ち、その中では手話とジェスチャーを組み合わせた「防災サイン」を普及する動画などが掲載されています。
総務局総合防災部も動画サイト「東京都総務局総合防災部チャンネル」があり、事前の備えや防災訓練の様子などを発信しています。こうしたチャンネルで日頃から、手話や文字を付けた災害の備えや、風水害が予想される時には、手話や文字を付けた情報発信を行うべきと考えますが、いかがですか。
4 文京区では聴覚障害者に対して、防災アプリをダウンロードしたスマートフォンを貸与し、防災情報を通知するよう、情報提供の対策が取られています。すでに市区町村では、聴覚障害者に対する情報提供で、工夫した取り組みを行っている自治体がありますが、都としてこうした取り組みを応援・促進するために財政支援するべきと考えますが、いかがですか。
5 庁内には現在、災害情報や避難情報などを手話で伝えることができる職員はいますか。
6 総合防災部に手話ができる職員を配置するべきと思いますが、検討していただけますか。
次に手話通訳者の労働と健康について質問します。
手話通訳派遣事業は、障害者総合支援法に基づく市区町村及び都道府県が実施する地域生活支援事業に位置付けられ、聴覚障害者に派遣されています。
手話通訳者の働き方は大半が「登録型」で、自治体から派遣業務を受けた事業体などに登録しています。あくまで登録しているだけで、労働契約を結んでおらず雇用関係がなく、時々の仕事を個人請負する個人事業主であり、身分は不安定です。そのために、職業病である頚肩腕症候群が労災と認められない等の問題がおきています。
また、団体や自治体などに雇用されている手話通訳者の場合も、多くが「非正規雇用」です。手話通訳者は、地域の聴覚障害者の実情や福祉制度に通じた専門性が高い職業です。
7 専門職にふさわしい手話通訳者の待遇や身分を保障するよう、都として国に求めるべきと思いますが、いかがですか。
8 手話通訳者は頚肩腕症候群という職業病があります。職業病を予防するために、手話通訳者の健康診断を、行政として支援することは重要と考えますが、認識を伺います。
9 都の聴覚障害者意思疎通支援事業に携わる手話通訳者に対して、職業病予防のための健康診断費用を都として支給するべきと考えますが、伺います。
10 都は障害者差別解消条例に手話を言語であると位置づけています。これを具体化するためにも手話言語条例を制定し、あらゆる施策に結び付けていくことが重要です。見解を伺います。

令和3年第三回都議会定例会
福手ゆう子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 災害時の聴覚障害者への情報提供の在り方と手話通訳者の労働と健康について
1 現在気象庁が手話通訳をつけて記者会見を行うのは、警戒レべル5の特別警報時に限られている。障害者の方々からは、せめて警戒レべル3段階から手話など様々な方法で情報提供を求める声が上がっているが、聴覚障害の方に対する災害や避難に関する情報提供の重要性について、認識を伺う。

回答
災害時にいち早く避難し、自らの安全を確保するためには、聴覚障害のある方をはじめ、全ての人が警報や被害状況、避難場所等の防災情報を容易に入手し、利用できることが重要であると認識しています。

質問事項
一の2 総合防災部は、防災対策に関する情報を多言語で対応し、より多くの方に発信する方針を持っているが、そこには手話が含まれていない。言語である手話を含めるべきだが、見解を伺う。

回答
災害時に全ての人に対して、警報や被害状況、避難場所等の防災情報を速やかにお伝えすることは重要であると認識しています。
このため、都は、総務局総合防災部で所管するホームページ、防災マップ、ツイッター、アプリに加え、防災情報をマスコミ各社に提供する仕組みであるLアラートを通じた配信など、様々な媒体から防災情報を文字情報として発信するとともに、知事記者会見では手話による発信も行っています。
また、多言語や音声読み上げ機能による発信も行っています。
今後も全ての方々が、防災情報を容易に入手し、迅速な行動につなげられるよう、適時適切な手段を用いて発信してまいります。

質問事項
一の3 動画サイト「東京都総務局総合防災部チャンネル」があり、防災訓練の様子などを発信している。こうしたチャンネルで日頃から、手話や文字を付けた災害の備えや、風水害が予想される時には、手話や文字を付けた情報発信を行うべきだが、見解を伺う。

回答
防災に関する普及啓発や周知は、全ての人にとって情報を分かりやすく、また正確に伝えることが重要です。
このため、防災に関する普及啓発の動画や印刷物は、アニメーションやイラスト、テロップ等を効果的に用いるなど、啓発内容が分かりやすく伝わるよう作成しています。
また、総務局総合防災部で所管するホームページ、防災マップ、ツイッター、アプリに加え、防災情報をマスコミ各社に提供する仕組みであるLアラートを通じた配信など、様々な媒体から防災情報を文字情報として発信するとともに、知事記者会見では手話による発信も行っています。
さらに、多言語や音声読み上げ機能による発信も行っています。

質問事項
一の4 文京区では聴覚障害者に対して、防災アプリをダウンロードしたスマートフォンを貸与し、防災情報を通知するよう、情報提供の対策が取られている。聴覚障害者に対する情報提供で、工夫した取組を行っている自治体があるが、都としてこうした取組を応援・促進するために財政支援するべきだが、見解を伺う。

回答
都は、区市町村の情報発信を支援するため、避難指示や避難所開設情報などを区市町村がマスコミ各社へ迅速に提供できるよう、災害情報を共有する災害情報システム専用の端末を各区市町村に配置しています。
また、区市町村に警報などが発令された際のプッシュ通知や、避難場所等のマップ、防災関連リンク集などが搭載された東京都防災アプリを作成し、都民に対しその利用を促すことで、区市町村の取組を支援しています。

質問事項
一の5 庁内には現在、災害情報や避難情報などを手話で伝えることができる職員はいるか伺う。

回答
全庁の防災対策を所管する総務局総合防災部では、聴覚障害者が防災情報を容易に入手し、迅速な行動につながるよう、適時適切な手段を用いて情報発信しています。
また、知事記者会見では手話による発信も行っています。

質問事項
一の6 総合防災部に手話ができる職員を配置するべきだが、見解を伺う。

回答
防災に関する情報は、総務局総合防災部で所管するホームページ、防災マップ、ツイッター、アプリに加え、防災情報をマスコミ各社に提供する仕組みであるLアラートを通じた配信など、様々な媒体から防災情報を文字情報として発信するとともに、知事記者会見では手話による発信も行っています。
さらに、多言語や音声読み上げ機能による発信も行っています。
今後も聴覚障害者が防災情報を容易に入手し、迅速な行動につながるよう、適時適切な手段を用いて情報発信していきます。

質問事項
一の7 専門職にふさわしい手話通訳者の待遇や身分を保障するよう、都として国に求めるべきだが、見解を伺う。

回答
国は、より良い手話通訳制度実現のための課題を明らかにするため、令和2年度に「雇用された手話通訳者の労働と健康についての実態に関する調査研究」を実施しており、都は、この調査結果を踏まえた国の動向を注視していきます。

質問事項
一の8 手話通訳者は、頚肩腕症候群という職業病がある。職業病を予防するため、手話通訳者の健康診断を、行政として支援することは重要と考えるが、認識を伺う。

回答
手話通訳者などの派遣は、障害者総合支援法の地域生活支援事業における区市町村の必須事業に位置付けられており、国の要綱で、必要に応じて、業務の特殊性により発症が危惧されるけい肩腕障害などに関する健康診断を実施することとされています。

質問事項
一の9 都の聴覚障害者意思疎通支援事業に携わる手話通訳者に対して、職業病予防のための健康診断費用を都として支給するべきと考えるが、見解を伺う。

回答
広域型行事などへの派遣のために都の聴覚障害者意思疎通支援事業に登録している手話通訳者は、区市町村の登録手話通訳者などを兼ねている場合が多く、それぞれの実施主体等が必要に応じて健康診断を実施していると認識しています。

質問事項
一の10 都は障害者差別解消条例に手話を言語であると位置づけている。これを具体化するためにも手話言語条例を制定し、あらゆる施策に結び付けていくことが重要だが、見解を伺う。

回答
都は、平成30年に「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」を制定し、共生社会実現のための基本的な施策として、言語としての手話の普及を位置付けています。
条例の制定に当たっては、障害者はもとより、事業者、学識経験者等から成る検討部会を設置したほか、障害者団体、交通、ホテル、飲食業等の事業者団体からヒアリングを実施しました。
こうした検討や多様な意見を踏まえ、条例では、手話は一つの言語であるとの認識に基づき、その利用が進むよう必要な施策を講じることを定めており、手話普及啓発リーフレットの作成・配布や大学生向けの手話普及啓発イベントの開催、手話通訳者等の養成に取り組んでいます。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 原のり子
質問事項
一 障害児の「保育の必要性」認定について
二 コロナ禍のもとで、障害者の工賃が大幅に低下している問題について
三 黒目川の河川河床50ミリ対応工事について
一 障害児の「保育の必要性」認定について
発達に遅れやつまずきがある乳幼児が、できるだけ早期から、適切な療育を受けられることは、今後の人生の土台をつくるうえで重要です。その際、一人ひとりの発達課題をとらえ、それぞれの発達段階に応じたきめ細やかな支援が必要です。しかし、現実には困難があります。
双子の幼児(自閉症で衝動性が強めで過食傾向がある幼児とダウン症の幼児)を育てている保護者の方から、切実なお話しをうかがいました。
「二人は、毎日、10時から2時の間、児童発達支援センターに通所している。二人の体力が全く違うため、放課後、二人同時に連れ出して散歩することも難しく、家にこもりがちになってしまう。運動量が足りない自閉症の子は食べ物に執着して毎日冷蔵庫をあさってしまい、肥満になってしまった。子どもと出かけるときのサポートをしてもらおうと、ファミリーサポートや養育ヘルパーも試したが、費用面で毎日の利用は難しい。また、ヘルパーの方が自閉症の子の動きについていけない状況だった。療育面では、児童発達支援センターはあっているので行かせたい。でも、その時間は4時間で、残り20時間を母一人で二人の面倒をみるのは限界。児童発達支援センターのあと、自閉症の子に付き添えるようにしたい。そのため、介護等で保育の必要性を認めてもらい、ダウン症の子も集団保育の経験は大事なので、保育園に行けるようにできないか。」
しかし、児童発達支援センターは母子分離での通所のため、介護・看護の要件では認められないと言われたそうです。
この方のケースに限らず、児童発達支援センターに通う子のきょうだいが、保育園入園を認められない、という悩みは多く聞かれます。そこで以下うかがいます。
1 児童発達支援センターに通所しているきょうだいがいる児童の場合、その児童が保育園に入園することは可能ですか。その場合、保育の必要性はどのような要件で認定されますか。
2 区市町村によって、認定にばらつきがあるようですが、東京都として区市町村の状況を把握していますか。していれば、内容をお聞かせください。
3 障害のある子のきょうだいが保育園に入園できないということは、合理的配慮に欠く状態だと考えます。障害がある子のきょうだいが、入園できるようにする必要はありませんか。
4 都内のどこに住んでいても、障害のある子も、そのきょうだいも、発達が保障される権利をもっていますが、都の認識をうかがいます。あわせて、都として保育園を利用できる権利が守られるための環境整備をどのように進めていく考えですか。
都として、保育を必要とする要件に、保護者の状況にかかわらず、利用を希望する児童に障害があることも位置づけるよう、区市町村に働きかけるべきではないでしょうか。いかがですか。

二 コロナ禍のもとで、障害者の工賃が大幅に低下している問題について
コロナ禍のもと、福祉作業所等で働く障害者の方たちの工賃が大幅に低下しています。ある作業所では、コロナ以前は、(月)1万数千円だった工賃が、もっとも少ないときで、わずか3,500円程度にまで落ち込む事態となっています。「1,000円だけになってしまった」という事業所のお話しも聞きました。「おまつりやイベントが中心になり、クッキーや作品を販売できる機会がなくなってしまった」という声も多く聞かれます。また、自分の工賃で毎月の眼科への通院をしていた人が、その費用は出せなくなってしまった、という状況も生まれています。一人ひとりの働く権利、生きる権利に照らして、見過ごすことのできない問題です。
1 東京都における平均工賃が、コロナ前とコロナ後でどのように変わったか、お示しください。
静岡県では、昨年の4月から6月の間の工賃が、前年同月の工賃と平均工賃を比べて、低い方の額と比較して下回った場合、その差額を補助する、「就労継続支援B型事業所利用者生活安定給付金」という県単独の事業が実施されました。工賃そのものを直接支援する点で、画期的でした。コロナの状況は、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、今後、第6波の心配もあり予断を許しません。暮らしへの打撃が長期間にわたって続いていて、終わりがみえない事態です。
2 そういう状況のなか、都としても、障害者がコロナの中でも働きがいを失わず、希望をもって生活できるように、工賃への補助事業を実施すべきと考えますが、見解をうかがいます。

三 黒目川の河川河床50ミリ対応工事について
東久留米市の白山公園は、市民の憩いの場として、また、市内には数少ない、ボールを使える公園(野球等)として、市民に親しまれています。しかし、ひとたび雨が降ると、野球場は長期間にわたり使えなくなるなどのことから、東久留米市として整備案が検討されてきています。
一方、白山公園がある滝山団地の周辺の雨水排水については、流域下水道出水川雨水幹線を経由し、流域下水道黒目川雨水幹線へ接続しており、この幹線の流末は黒目川になっています。2002年度(平成14年度)には白山公園周辺の雨水整備が完了し、白山公園内に4か所あった雨水放流口をふさいでいます。しかし、黒目川の50ミリ対応とした河川改修が終わるまでは、出水川雨水幹線接続部において市の雨水管が30ミリ対応と流出抑制がされていることから、異常気象によるゲリラ豪雨等に対応するには白山公園から調整池機能を取り去ることはできない、と市議会で担当部は答弁しています。
黒目川は、都が管理する一級河川です。上流端の一部を除いて護岸整備を終えています。また、黒目橋調節池については、2017年(平成29年)7月に施設工事は完了しています。今後は50ミリ対応の河川断面の確保のため、河川河床の掘削を進めていくとのことです。
そこでうかがいますが、
1 工事の進捗と具体的なスケジュールはどうなっていますか。
2 東京都に対し、市から要望が行われていると聞いていますが、どのように受け止め、市に情報提供していますか。
3 同時に、黒目川は自然豊かで市民が大事にしている川です。工事については、市民に対して十分な説明を行うことを求めますが、いかがですか。

令和3年第三回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 障害児の「保育の必要性」認定について
1 児童発達支援センターに通所しているきょうだいがいる児童の場合、その児童が保育園に入園することは可能か。その場合、保育の必要性はどのような要件で認定されるか伺う。

回答
子ども・子育て支援新制度では、保護者が保育所の利用を希望する場合、保育の実施主体である区市町村から、法令等で定める基準に基づき、保育の必要性の認定を受けることが必要です。
保育の必要性に係る主な事由は、保護者の就労、妊娠・出産、疾病・障害、災害復旧、求職活動、就学及び同居又は長期入院等している親族の介護・看護等となっており、一般的には、当該児童の兄弟姉妹が、障害や疾病等により、保護者による常時介護又は看護を必要とする場合などは、この事由に該当すると考えられます。

質問事項
一の2 区市町村によって、認定にばらつきがあるようだが、都として区市町村の状況を把握しているか。していれば、内容について伺う。

回答
保育の必要性は、保護者の居住する区市町村が、子ども・子育て支援法第20条第2項に基づき、区市町村ごとに要件を定めた上で認定します。
都は、個別の事例について把握していません。

質問事項
一の3 障害のある子のきょうだいが保育園に入園できないということは、合理的配慮に欠く状態だと考える。障害のある子のきょうだいが、入園できるようにする必要はないか、見解を伺う。

回答
保育所の入所に要する保育の必要性は、区市町村が保護者の申請を受け、法令等で定める基準に基づき、それぞれの家庭の状況も踏まえて認定しています。

質問事項
一の4 都内のどこに住んでいても、障害のある子も、そのきょうだいも、発達が保障される権利をもっているが、認識を伺う。あわせて、都として保育園を利用できる権利が守られるための環境整備をどのように進めていくか伺う。都として、保育を必要とする要件に、保護者の状況に関わらず、利用を希望する児童に障害があることも位置づけるよう、区市町村に働きかけるべきではないか。見解を伺う。

回答
東京都子供・子育て支援総合計画では、全ての子供たちが個性や創造力を伸ばし、社会の一員として自立する環境を整備・充実することを理念としています。
都は、保育所等の整備促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱として、保育サービスを拡充しています。
また、障害児に対する保育サービスが適切に提供されるよう、施設の改修経費への補助や、障害児を受け入れる事業者への支援を行っています。
なお、保育の必要性の認定は、区市町村が法令等で定める基準に基づき、地域の状況に応じて、区市町村ごとに要件を定めた上で行っています。

質問事項
二 コロナ禍のもとで、障害者の工賃が大幅に低下している問題について
1 都における平均工賃が、コロナ前とコロナ後でどのように変わったか伺う。

回答
都内の就労継続支援B型事業所における一月当たり平均工賃は、新型コロナウイルス感染症発生前の平成30年度が16,078円、発生後の令和2年度は14,777円となっています。

質問事項
二の2 コロナの状況は、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、今後、第6波の心配もあり予断を許さない。暮らしへの打撃が長期間にわたって続いていて、終わりがみえない事態である。そういう状況のなか、障害者がコロナの中でも働きがいを失わず、希望をもって生活できるように、工賃への補助事業を実施すべきだが、見解を伺う。

回答
就労継続支援B型事業所は、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者に対し、就労の機会を提供するとともに、必要な訓練等を実施しており、都は、利用者が働くことの喜びや達成感を得ながら、地域で自立した生活を実現できるよう、事業所における生産性向上や販路拡大など、工賃向上に向けた取組を支援しています。
また、国は、新型コロナウイルス感染症への対応として、事業所に支払われる自立支援給付費について、職員の処遇が悪化しない範囲で工賃に充てることが可能としており、都はこの取扱いを区市町村や事業所に周知しています。

質問事項
三 黒目川の河川河床50ミリ対応工事について
1 工事の進捗と具体的なスケジュールはどうなっているのか伺う。

回答
黒目川の整備については、令和2年度末時点の護岸整備率が99パーセントとなっており、平成30年度に黒目橋調節池が完成しています。
今後、黒目橋調節池の下流に位置する神宝大橋から上流に向かって、河床掘削を実施することとしており、工事に当たっては、近接して整備する落合川の下谷橋調節池と工事用車両の搬出入路が競合することなどから、調節池工事と合わせ、現在、施工計画を検討しています。

質問事項
三の2 都に対し、市から要望が行われていると聞いているが、どのように受け止め、市に情報提供しているか伺う。

回答
東久留米市からは、黒目川の治水対策及び水辺環境整備の促進などの要望を受けています。
市へは、河川の整備状況などの情報提供を実施しています。 

質問事項
三の3 黒目川は自然豊かで市民が大事にしている川である。工事については、市民に対して十分な説明を行うことを求めるが、見解を伺う。

回答
河床掘削工事の実施に当たっては、地元へ整備内容の説明を行っていくこととしています。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 竹井ようこ
質問事項
一 小平市における道路等の課題について
二 東村山市における洪水ハザードマップについて

一 小平市における道路等の課題について
市民から要望も多い小平市内における都道の課題について以下質問します。
1 国分寺街道(都道133号)と五日市街道(都道7号)が交差する地点、玉川上水に掛けられた喜平橋の東側の歩道の幅員は11メートルあり、歩行可能な幅員は3.5メートルあります。しかし、西側の歩道は幅員1メートルしかないので自転車同士のすれ違いは困難、歩行者同士であっても危険を感じます。また、段差が20センチ以上あり、すれ違う際に転倒すれば、大事故につながりかねません。(当該道路はバスやトラックも頻繁に通行します)
「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)及び道路移動等円滑化基準の施行を受けて作成された「道路の移動等円滑化整備ガイドライン」では歩道の有効幅員は最低2メートル確保することと記載されています。喜平橋は平成3年に改修されたとのことですが、当該歩道は1メートルの幅員のまま、30年ほどが過ぎています。当該歩道の改修が行われるべきと考えます。
また、東京都は喜平橋交差点南側の交差点改良を目的として「交差点すいすいプラン」を進めていると認識していますが、その交差点部分の工事の際に、前述の橋梁部における改修も同時に行われる予定であるのかどうか、同時に行われない場合は、いつ改修されるのか伺います。併せて「交差点すいすいプラン」についても進捗状況を伺います。
2 五日市街道(都道7号)の喜平橋交差点から上水本町4丁目あたりまで、一部を除いて歩道がなく、歩行者や自転車運転者は常に危険を感じながら通行している状況です。玉川上水側については草木もあり、現状、歩行や自転車での通行は難しい状況です。
当該地の現状と、拡幅計画について伺います。

二 東村山市における洪水ハザードマップについて
近年、集中豪雨等による水害が多く発生し、短時間で河川が増水し甚大な被害が発生する事例が増えています。各市区町村で作成する「洪水ハザードマップ」は市民の皆さんに水害リスクを理解していただき、洪水時の被害を最小限にするために有効なツールです。
東村山市では、令和2年5月に洪水ハザードマップ(以下「令和2年版」といいます)が更新されました。
それ以前に公開されていたハザードマップは平成28年3月版(以下「平成28年版」といいます)です。いずれも東京都の「黒目川・落合川流域及び柳瀬川・空堀川・奈良橋川流域浸水予想区域図」「石神井川及び白子川流域浸水予想区域図」を基に作成しているものと思料しますので、ハザードマップの改訂については、それら浸水予想区域図の改訂が根拠となっていると思われるため、以下、4年間における更新箇所について質問します。
平成28年版においては、久米川町、秋津町、青葉町の浸水域において5メートル以上の浸水が予想されています。降雨量は東海豪雨(114ミリメートルパーアワー)なみで想定されています。
令和2年版では浸水予想は大きく下がり、0.1メートルから0.5メートル、0.5メートルから1.0メートル、そして1.0メートルから2.0メートルとなっています。
ただし降雨量の想定は平成28年度版より大幅に増え、156ミリメートルパーアワーです。
なぜ、降雨量の想定は増えているのに、浸水予想は下がったのか、この改定の根拠をご説明ください。

令和3年第三回都議会定例会
竹井ようこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 小平市における道路等の課題について
1 都は喜平橋交差点南側の交差点改良を目的として「交差点すいすいプラン」を進めているが、その交差点部分の工事の際に、橋梁部における改修も同時に行われる予定であるか、同時に行われない場合は、いつ改修されるのか伺う。併せて「交差点すいすいプラン」についても進捗状況を伺う。

回答
国分寺街道と五日市街道が交差する喜平橋交差点は、第3次交差点すいすいプランに位置付けられています。現在、交差点改良事業により、西側の五日市街道から国分寺街道へ右折する車線の設置を進めています。
これにあわせて、歩行者の安全を確保するため、用地取得が完了した箇所から歩道の整備を進めています。
喜平橋橋梁部の歩道の改修は、交差点すいすいプランによる交差点改良の事業範囲に含まれていません。

質問事項
一の2 五日市街道(都道7号)の喜平橋交差点から上水本町4丁目あたりまで、一部を除いて歩道がなく、歩行者や自転車運転者は常に危険を感じながら通行している。玉川上水側については草木もあり、現状、歩行や自転車での通行は難しい。当該地の現状と、拡幅計画について伺う。

回答
五日市街道の喜平橋交差点から上水本町四丁目付近までは、一部を除いて現況幅員が7.9メートルから8.2メートルの片側1車線で、歩道がない道路となっています。
このうち、喜平橋交差点から西側約200メートルの区間は、交差点すいすいプランによる交差点改良事業として歩道の整備を進めています。
なお、喜平橋交差点から上水本町四丁目付近までの区間は、道路の都市計画決定がされています。

質問事項
二 東村山市における洪水ハザードマップについて
東村山市では、令和2年5月に洪水ハザードマップが更新された。平成28年版においては、久米川町、秋津町、青葉町の浸水域において5メートル以上の浸水が予想され、降雨量は東海豪雨並みで想定されている。令和2年版では浸水予想は大きく下がっているが、降雨量の想定は平成28年度版より大幅に増えている。なぜ、降雨量の想定は増えているのに、浸水予想は下がったのか、この改定の根拠を伺う。

回答
令和元年の「黒目川、落合川、柳瀬川、空堀川及び奈良橋川流域浸水予想区域図」改定の際には、流域内をより細かく分割し、現況地盤の起伏を詳細に示して、水の流れを精度良く表現するなど、より精密なシミュレーションを実施しています。
御指摘の箇所は、従前の浸水予想区域図においては、川沿いの低い箇所に雨水が集中するため、浸水深が深くなっていました。改定時のシミュレーションにおいては、川沿いだけでなく、これまで表現できなかった周辺部の谷地形などへも分散する水の流れが的確に再現できました。
このことにより、場所によっては浸水深が浅くなる箇所が発生したと推測されます。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 阿部祐美子
質問事項
一 学校における発声障害への理解促進について

一 学校における発声障害への理解促進について
声を出そうとする際、自分の意思と無関係に喉の筋肉がけいれんし、声が出なかったり、声が詰まる、ふるえる、途切れるなどうまく話せなくなる「痙攣性発声障害」という病気があります。常に症状が一定と言うわけではなく、挨拶・発表・自己紹介・電話などで特に症状が強く出たり、特定の場面でのみ症状が出るケースもあります。症状が出ているとき以外は話せるため、病気であることが周囲に理解されにくく、本人さえも正しい診断にたどり着くまでに困難を抱えています。
また、この病気の発症は10代後半から20代前半での発症が90%近くに上るとみられており、学校での人間関係や進学・就職などに多くの支障をきたしています。
学校では、同級生や教師から呼ばれても返事ができないことが多いため、トラブルになったり叱責されることが少なくない、新学期の自己紹介が怖い、授業中に音読ができず叱られた等々のことが起こりがちです。特に教師の無理解による「自信をもって話しなさい」などの指導・叱責は影響が深刻で、不登校に至る生徒もいます。また、大学受験や資格試験、就職試験なども面接が困難なために受験そのものを断念する生徒もいます。一方、養護教諭の理解が学校生活のよりどころになったとの声もあり、学校での理解と対応は極めて重要です。
また、職場においても適切なタイミングで話ができない、電話をとっても声が出ないなどの状況が生まれやすく、アルバイト先や就職先でも困難をきたし、離職に至ることもあります。一方で発声障害は、2018年から一部の手術や注射が保険適用となるなど近年、症状を緩和するための治療も出てきています。
発声障害に詳しい新宿ボイスクリニックの渡嘉敷亮二院長は、「発声障害はコミュニケーション障害であり、患者の日常生活や将来に重大な支障をもたらす疾患でありながら、視覚障害や聴覚障害に比べ厚労省・文科省とも取り組みが不十分で、社会からの認知度が低い状態。啓発活動と研究への速やかな資源投入が求められている分野である」と指摘しています。
学校現場における発声障害をめぐる上記諸課題につき、東京都教委の認識と今後の見解を問う。

令和3年第三回都議会定例会
阿部祐美子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 学校における発声障害への理解促進について
学校現場における発声障害をめぐる諸課題について、東京都教委の認識と今後の見解を伺う。

回答
現在、児童生徒の健康課題が多様化、深刻化している中、学校には、個々の児童生徒の多様な実態を踏まえ、適切にこれらの課題に対応することが求められています。
各学校においては、養護教諭と他の教員が相互に連携して、健康相談や児童生徒の健康状態の日常的な観察により、健康上の課題があると認めるときは、速やかに当該児童生徒に対して必要な指導を行っています。
また、必要に応じ、保護者に対して助言を行っています。
今後、発声障害をめぐる諸課題についても、疾病に対して教職員の理解を深めるため、小学校、中学校及び高等学校等の養護教諭が参加する研修会等で、けいれん性発声障害について掲載された啓発資料を情報提供します。
また、そのような児童生徒については、医療機関と連携し、適切な診断が必要なことについても周知していきます。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 池川友一
質問事項
一 学校における一人一台端末について
二 都職員の休暇制度について

一 学校における一人一台端末について
2020年11月。東京都町田市立の小学校で、当時小学校6年生の児童がいじめを理由に自死したと報道されました。私自身も子どもを育てるひとりの親として、他人事とは思えません。現在、調査が行われておりますが、ひとりの子どもの命が失われたという重すぎる事実に向き合うことが必要です。
学校および町田市教育委員会は、徹底的に遺族に寄り添い、真相解明を行うことを求めるものです。また、東京都教育委員会として、必要な指導・助言を行うことを求めます。
1 いじめ自死は、あってはならないことだと考えますが、東京都教育委員会の認識を伺います。
今回のいじめに関わって、タブレットを介して、チャットへの書き込みでの悪口などが行われていたこと、なりすましの被害を訴える複数の証言があったことなどが報道されています。文部科学大臣は、14日の記者会見で「児童のいじめの一部が端末のチャット機能を使って行われていた」「現実として学校現場での、こういったパソコン、タブレット通じていじめが起きていたことはきわめて残念な事実」だと発言しています。
9月14日に文部科学省で行われた会議では、文部科学省、町田市教育委員会とともに、東京都教育委員会からも出席したと、町田市議会への行政報告資料に記載されています。
行政報告資料では、文部科学省からは、ア)これまでの対応が、いじめ防止対策推進法に基づいて行われたか、改めて確認すること。イ)遺族に寄り添った対応をすること。ウ)一人一台タブレット端末のパスワードの管理について適正に行うこと。の3点について、町田市教育委員会に対して、指導・助言があったとされました。
2 東京都教育委員会は、今回の町田市立小学校で起きたいじめ自死について、これまでどのように対応してきましたか。また、今後どのように対応していくのですか。
なりすましやチャットでの書き込みがあった背景には、パスワードが全員共通で「123456789」だったことが指摘されています。ずさんなセキュリティ管理であり、極めて問題が多いと考えます。パスワードを共通にしてはならないということは、基本のきです。
同時に、小学校低学年などでは、IDやパスワードについて、児童だけで管理することに課題があることは、現場教員からもすでに指摘されています。
3 東京都教育委員会は、一人一台端末におけるパスワードの管理方法について、これまでどのように対応してきましたか。また、今後どのように対応していくのですか。
GIGAスクール構想による一人一台端末については、現場の理解が追いつかないままに、拙速に導入されたのではないかという指摘もあります。教員の新たな負担とならないようにすることも強く求められています。
東京都小学校副校長会からは、「一人1台配布したことがゴールではなく、学習に支障無く使用できる環境が必要」だという意見も寄せられています。以下、現場から寄せられている声をもとに質問します。
4 ICT支援員について、全校での配置、週に複数日の配置など、さらに充実させていく必要がありますが、いかがですか。また、都立特別支援学校のICT支援員の障害児教育に対する認識や理解を深めるためにどのようにとりくむのですか。
5 故障やトラブルに対応するため、予備機の拡充や円滑な運営のためのネット環境等への改善への支援が必要ですがいかがですか。
6 ICT環境の整備については自治体間の格差が指摘されています。学校とともに、各家庭による状況が大きく異なっており、支援が必要だと考えますが、見解を伺います。
7 東京都中学校長会のアンケートでは、「管理やセキュリティの関係で、教育上必要なやりとりが十分にできないことがある」との回答が、59.5%にものぼっています。学校におけるICT活用上の管理およびセキュリティ環境の整備をすすめる上で、都はどうとりくむのですか。また、区市町村に対してさらなる支援が必要ですがいかがですか。
8 都立特別支援学校において、障害特性に合わせた対応が必要です。障害に対応した入出力支援装置を含めた端末、タブレット操作をする上で必要な付属機器やデスクトップパソコン(アーム式)の増設などの導入が求められていますが、どうとりくむのですか。
9 公私間格差を解消するためにも、私立学校におけるICT環境整備に対する補助を拡充することが必要ですがいかがですか。
一方で、ICT機器の使用については、実際に懸念する声もあります。
10 教室での授業の様子を動画配信する場合に、情報の適切な保護と管理のあり方を、学校現場の懸念も踏まえながら、具体的に検討することが必要ですが、いかがですか。
11 連続して長い時間、ICT機器を使うことによる影響についてはどう考えていますか。

二 都職員の休暇制度について
ジェンダー平等を東京から進めていくことが必要です。生理の貧困をめぐる運動は、女性に対する経済的支援にとどまらず、これまで公に語ること自体がタブー視されてきた「女性の『性』にかかわる健康と権利の尊重」を求めるムーブメントとして大きな意義をもつと考えます。リプロダクティブ・ヘルス&ライツという視点から、生理休暇について質問します。
東京都職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例では、特別休暇の中に生理休暇が位置付けられています。
1 東京都職員(学校、警察、消防を含む)の生理休暇取得状況はどうなっていますか。
2 生理休暇を取得しやすくするために、どのようなとりくみを行なっていますか。また、特に男性管理職に対する理解促進のとりくみを伺います。
3 「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例及び同条例施行規則の全部改正並びに関連規程の改正について」の中では、「生理休暇は、職員が請求した日数を与えるものとする。ただし、給与が支払われる期間は、一回の生理について引き続く二日までである。」という規定があります。有給休暇について、一回の生理について引き続く二日までとした根拠を伺います。
4 会計年度任用職員も有給で生理休暇を取得できるようにすることが必要ではありませんか。

令和3年第三回都議会定例会
池川友一議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 学校における一人一台端末について
1 いじめ自死は、あってはならないことだが、東京都教育委員会の認識を伺う。

回答
いかなる理由であれ、子供の健全な育成を目的とする学校教育にとって、子供が自らの命を絶つことは、憂慮すべきことであり、あってはならないことです。
また、いじめは、子供の生命や心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を及ぼすものであり、絶対に許されない行為です。
学校は、子供が自殺に追い込まれることのないようにするため、教職員と保護者、地域、関係機関等との連携により、子供が抱える不安や悩みの解消に向けて組織的に支援するとともに、信頼できる大人に助けを求められるようにするための教育を推進する必要があります。

質問事項
一の2 東京都教育委員会は、今回の町田市立小学校で起きたいじめ自死について、これまでどのように対応してきたか。また、今後どのように対応していくのか伺う。

回答
本件について、都教育委員会は、令和2年11月30日、町田市教育委員会から事故発生の報告を受けました。その後、町田市教育委員会から要請のあった心理職の派遣などの支援を行ってきました。
都教育委員会は、文部科学省とも連携をとり、町田市に必要な助言や支援を行うよう努めております。

質問事項
一の3 東京都教育委員会は、一人一台端末におけるパスワードの管理方法について、これまでどのように対応してきたか。また、今後どのように対応していくのか伺う。

回答
都教育委員会は、これまで「SNS東京ルール」の中で、端末にパスワードを設定して使うことを示してきました。
また、令和3年2月に、一人1台端末の本格運用に向けて、パスワードの管理等、指導上の留意点をまとめたリーフレットを学校に配布・配信しました。さらに、同年9月に、他者から容易に推測されないパスワードを設定することや、他者に知られないよう管理することについて、指導の徹底を図るよう改めて通知しました。
今後、学校のパスワードの管理状況を各教育委員会が確実に把握するためのチェックリストを作成し、区市町村向けの連絡会等で活用を促していきます。

質問事項
一の4 ICT支援員について、全校での配置、週に複数日の配置など、さらに充実させていくべきだが、見解を伺う。また、都立特別支援学校のICT支援員の障害児教育に対する認識や理解を深めるためにどのように取り組むのか伺う。

回答
都内全区市町村立学校では、一人1台端末が整備され、これまでの授業にデジタルを組み込み、学習活動を一層充実させていくことが必要となっています。
このため都教育委員会は、昨年度から実施している一校1名の支援員の配置を可能とする補助制度を今年度も継続し、各学校の端末導入後の円滑な活用を支援しています。これまで46の区市町村がこの制度を活用し、各学校の支援員は、端末の設定や校内での教員研修の実施とともに、授業等で教員と連携し、端末活用の促進を図っています。
また、都立特別支援学校では、今年度から全校にデジタルサポーター(支援員)を常駐配置し、教員と協力して、障害による学習上の困難さを軽減する授業実践を積み重ねながら、デジタル機器活用上の課題を解決し、授業改善につなげています。今後も、それらの実践の中から、障害の種類ごとの好事例等を発信し、全ての特別支援学校で共有し、児童生徒の障害の状態に応じた、教育の充実に努めていきます。

質問事項
一の5 故障やトラブルに対応するため、予備機の拡充や円滑な運営のためのネット環境等への改善への支援が必要だが、見解を伺う。

回答
都内区市町村立学校では、国のGIGAスクール構想に基づき、令和2年度末までに一人1台の端末及び校内の通信環境が整備され、校内での端末を活用した教育活動に取り組んでいます。
一人1台の端末を効果的に活用し、オンラインによる学習を円滑に進めていくためには、端末や通信環境等について、児童生徒の人数や活用の頻度とともに、使用する学習ソフト、デジタル教材等、各学校のオンライン学習の取組に必要な整備を行っていく必要があります。
このため、都教育委員会は区市町村教育委員会に対し、引き続き、通信環境を含めたデジタルの活用状況を定期的に調査し、課題の把握を行うとともに、国に対し、端末の予備機等を補助対象に加えること、ネットワーク環境改善に必要な経費の財政支援等、必要となる対応を求めるなど、教育活動の充実に努めていきます。

質問事項
一の6 ICT環境の整備については自治体間の格差が指摘されているが、学校とともに、各家庭による状況が大きく異なっており、支援が必要だが、見解を伺う。

回答
都内全区市町村立学校では、一人1台の端末及び校内の通信環境が整備され、校内での端末を活用した教育活動とともに、持ち帰りによる家庭学習にも取り組んでいます。
都教育委員会は、家庭において通信環境が不足する場合の対応について、生活保護世帯対象の通信費を教材代として支給する国の制度の活用を働き掛けるとともに、児童・生徒に対しては、放課後、教室を開放し学習を行えるようにする等、区市町村教育委員会に学習機会の確保に向けた取組を依頼しています。

質問事項
一の7 東京都中学校長会のアンケートでは、「管理やセキュリティの関係で、教育上必要なやりとりが十分にできないことがある」との回答が、59.5%にものぼる。学校におけるICT活用上の管理およびセキュリティ環境の整備をすすめる上で、都はどう取り組むのか。また、区市町村に対してさらなる支援が必要だが、見解を伺う。

回答
都教育委員会は、令和3年11月に区市町村教育委員会の担当指導主事連絡会を開催し、フィルタリング等セキュリティ環境の設定例、チャット等の管理方法、各教育委員会が行った問題発生時の対応事例などについて情報を共有しました。例年実施している同連絡会において最新の情報を提供していきます。

質問事項
一の8 都立特別支援学校において、障害特性に合わせた対応が必要であり、障害に対応した入出力支援装置を含めた端末、タブレット操作をする上で必要な付属機器やデスクトップパソコン(アーム式)の増設などの導入が求められているが、どう取り組むのか伺う。

回答
障害のある子供たちが、デジタルを活用して学習していくためには、端末と併せ、学習上の困難さを軽減する支援機器等を効果的に組み合わせて活用することが有効です。 
そのため、特別支援学校の小学部、中学部においては、昨年度、一人1台の学習者用端末を学校に配備するとともに、音声読み上げソフトや視線による入力を可能とする支援機器等の整備を行っています。高等部においては、今後、障害の特性に合わせた生徒所有の一人1台端末に加え、支援機器等を整備していきます。こうした機器の整備に当たっては、保護者負担の在り方についても検討していきます。

質問事項
一の9 公私間格差を解消するためにも、私立学校におけるICT環境整備に対する補助を拡充すべきだが、見解を伺う。

回答
都は、私立学校デジタル教育環境整備費補助により、タブレット等の教育用端末に加え、無線LANや大型掲示装置等も対象に補助を行っています。
引き続き、私立学校におけるICT教育環境整備に向けて取り組んでいきます。

質問事項
一の10 教室での授業の様子を動画配信する場合に、情報の適切な保護と管理のあり方を、学校現場の懸念も踏まえながら、具体的に検討すべきだが、見解を伺う。

回答
学校の教育活動をオンラインで配信する際には、教員が情報の扱い方や端末とインターネットの特性を正しく理解することが必要であり、端末の配備に合わせ、都教育委員会は、これらの留意点をまとめた資料を学校に配信しています。
端末の活用が進む中で明らかになる問題も踏まえながら、情報教育ポータルサイト等において、情報の保護と管理の配慮事項を示したオンライン学習の実践事例を公開するなどしています。

質問事項
一の11 連続して長い時間、ICT機器を使うことによる影響について、見解を伺う。

回答
子供たちが一人1台端末を活用する上で、長時間使用により、健康を害さないよう学校や家庭が配慮することは大切です。
都教育委員会は、令和3年2月に作成・配信した指導資料の中で、長時間にわたり動画等を視聴しないことや、30分に1回程度、20秒ほど画面から目を離して目を休めることなどを掲載し、健康への留意事項を周知しています。
また、同年3月には、文部科学省が制作した健康面の配慮事項も含めた端末運用時のチェックリストを、同年4月には、文部科学省が制作した健康への配慮等に関する子供及び保護者向けの啓発リーフレットを、学校に配布しました。
端末による健康への影響については、科学的に解明されていない事項もあるため、最新の情報を随時学校に提供しています。

質問事項
二 都職員の休暇制度について
1 東京都職員(学校、警察、消防を含む)の生理休暇取得状況について伺う。

回答
都立学校、区市町村立学校、警視庁及び東京消防庁を含む都職員における生理休暇の取得人数は、令和2年は2,575人です。

質問事項
二の2 生理休暇を取得しやすくするために、どのような取組を行っているか伺う。また、特に男性管理職に対する理解促進の取組を伺う。

回答
都職員の休暇制度については、その意義や具体的内容、質疑応答等を盛り込んだ「勤務時間の手引き」を作成し、全庁ポータルサイトへの掲載により周知を図るなどの取組を行っています。
また、管理職候補者に対する研修において、休暇制度に関する知識を習得させるなど、理解を促進しています。

質問事項
二の3 「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例及び同条例施行規則の全部改正並びに関連規程の改正について」の中では、「生理休暇は、職員が請求した日数を与えるものとする。ただし、給与が支払われる期間は、一回の生理について引き続く二日までである。」という規定があるが、有給休暇について、一回の生理について引き続く二日までとした根拠を伺う。

回答
生理休暇の有給期間については、地方公務員法に定める国や他団体との均衡の原則に基づき、休暇制度の運用状況等を踏まえた上で、労使交渉を経て適切に設定しています。

質問事項
二の4 会計年度任用職員も有給で生理休暇を取得できるようにすべきだが、見解を伺う。

回答
会計年度任用職員の休暇制度における報酬の取扱いについては、報酬が職務に対する反対給付であることや国の非常勤職員の報酬の取扱いなどを踏まえた上で、労使交渉を経て適切に設定しています。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 宮瀬英治
質問事項
一 コロナ対策について
二 交通安全について
三 木下ふみ子都議の不祥事について
四 東武東上線大山駅前の再開発について
五 PTAについて

一 コロナ対策について
1 ワクチン接種を1回目受け2回目は体調不良や多忙などを理由にワクチン接種ができない方々からの相談が多い。各自治体において共通の課題であると考えるが都の見解について伺う。
2 東京都健康長寿医療センターに対し都は何かしらの協力を求めた実績があるのか伺う。
3 手洗いやうがいをコロナ対策として推奨しているが、水道使用量や利用料未払い等の実績について伺う。
4 水道局が行う困窮者に対する支援は、支払い延期以外にあるのか伺う。
5 東京のPCR検査数の発表が土日されず新規陽性者の人数のみ発表されています。
大阪府は検査数も発表しているのでやり方はあるはずであるが、一年以上経っても何故数字が出るのが遅い理由について伺う。
6 都が開設するワクチン大規模接種会場の開設にあたりモデルナ申請が遅れ保留になった事実の有無とその際に自治体分のファイザー製を使用したか否かについて伺う。
7 第5波の時に酸素ステーションを慌てて整備されたが、活用状況について伺う。
8 在宅療養という名の放置が再び起きないよう、どのような対策をとっていくのか伺う。
9 都は、旧都立府中療育センターを都立多摩総合医療センターの病棟に位置づけ、新型コロナウイルス感染症専用医療施設として運営しているが、当該施設の第5波における最大の入院患者数と10月13日時点の入院患者数について伺う。
10 第5波の際感染爆発で保健所は濃厚接触者を追うことが困難になったと聞いているが、その際の都の対応と、現在どのような状況であるのか数字をもとにうかがう。

二 交通安全について
1 歩きスマホや自転車に乗りながらのスマートフォン操作が大変危険視されている。事故件数等現状について伺う。
2 これらの状況に対し都および警視庁はどのような対応をとっているのか、その効果について数字をもとに伺う。
3 東武練馬駅前の交通規制に対して、先の一般質問では規制を検討する旨の答弁を警視総監が述べていたが、一向に進んでいる状況が見えない。現在、何がネックとなって進んでいないのか見解を伺う。

三 木下ふみ子都議の不祥事について
同じ板橋区選出の都議として区民からは多くの不満や苦情を受けており私自身も看過することができない。そこで以下確認する。
1 通常、交通事故を起こした場合の被疑者氏名の公表とそのタイミング、逮捕の有無などのルールや基準はあるのか伺う。
2 また都職員および教員が不祥事(逮捕や懲戒免職)を起こした際の氏名の公表の基準について伺う。
3 警視庁は木下都議の無免許運転行為や事故をいつ把握したのか。また公表したのはいつか。さらにはその事実を小池知事および都に情報を提供したのはいつか。
4 小池知事自身が事故の報告を受けたのはいつ誰からか。
5 小池知事は事故翌日、板橋区を訪れ木下都議への投票依頼を行った。任命責任を感じていないのか。説明責任はないのか。また謝罪の言葉がないが知事は謝罪すべきではないかそれぞれ見解を伺う。

四 東武東上線大山駅前の再開発について
1 補助26号線の用地買収の最新の状況について伺う。また買収完了はいつなのか伺う。
2 地元商店街にはアーケードがあるが、アーケードについて都が関係各所と交わした覚書や念書についてその有無と内容についてすべて伺う。
3 近隣の都有地(ピッコロ広場)をどのように活用していくのか、権利関係含め最新の状況及び都の見解を伺う。

五 PTAについて
1 都としてPTA活動をどうとらえているのか。
2 また強制ととらえられかねない加入状況が起きていることについてどう認識しているのか伺う。

令和3年第三回都議会定例会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 コロナ対策について
1 ワクチン接種を1回目受け2回目は体調不良や多忙などを理由にワクチン接種ができない方々からの相談が多い。各自治体において共通の課題だが、見解を伺う。

回答
国の「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」では、新型コロナワクチン接種に関する住民からの相談への対応は区市町村の役割とされており、体調不良などの理由により2回目の接種を受けられていない方々からの様々な相談も区市町村が対応しています。
なお、令和3年10月中旬時点で、全ての区市町村において接種の予約が可能な状態となっており、接種希望者の予定に合わせることが比較的容易な状況となっています。

質問事項
一の2 東京都健康長寿医療センターに対し都は何かしらの協力を求めた実績があるのか伺う。

回答
都は、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(以下「センター」という。)に対し、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れる専用病床の確保や、宿泊療養施設及び酸素・医療提供ステーションへの看護師の派遣、都のワクチン大規模接種会場への看護師、薬剤師の派遣などを要請しており、センターは、定款第19条に基づき、都の要請に応じています。
具体的には、病床を最大58床確保して患者を受け入れているほか、宿泊療養施設には令和2年4月から、酸素・医療提供ステーションには令和3年8月から、大規模接種会場には同年5月から、看護師等の医療従事者を派遣し、患者等への対応や運営支援に当たっています。
なお、酸素・医療提供ステーション及び大規模接種会場については、開設当初の支援であったため、現在は派遣を終了しています。

質問事項
一の3 手洗いやうがいをコロナ対策として推奨しているが、水道使用量や利用料未払い等の実績について伺う。

回答
料金算定の基礎となる調定水量の令和2年度の実績は、約14億7千万立方メートルであり、元年度と比較して約0.3パーセント減少しています。
また、令和2年度に発生した水道料金の未納件数は約58万2千件であり、金額は約26億4千万円となっており、元年度と比較して件数は約11.1パーセント、金額は約17.2パーセント増加しています。
(参考)
平成30年度 令和元年度 令和2年度
調


量 特大口径 85 83 62
大口径 109 108 84
中口径 90 88 71
小口径 1,194 1,196 1,253
(百万立方メートル) 計 1,478 1,475 1,470
未納発生件数(件) 529,123 524,161 582,296
未納発生金額(千円) 2,299,018 2,254,452 2,643,052
給水停止件数(件) 104,226 103,810 85,609

質問事項
一の4 水道局が行う困窮者に対する支援は、支払い延期以外にあるのか伺う。

回答
水道局では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、一時的に水道料金の支払が困難になったお客さまに対し、申出のあった日から最長1年間支払を猶予しています。
また、猶予期間終了後も、1年以内の分割支払のほか、お客さまの状況等を踏まえた個別の相談に応じるなど、きめ細やかな対応を実施しています。
なお、生活保護法により生活扶助の認定を受けている方や、児童扶養手当法により児童扶養手当を受給されている方などに対しては、水道料金の基本料金と、1か月当たり10立方メートルまでの従量料金の合計額の減免を実施しています。

質問事項
一の5 東京のPCR検査数の発表が土日にされず、新規陽性者の人数のみ発表されている。大阪府は検査数も発表しているのでやり方はあるはずだが、一年以上経っても何故数字が出るのが遅いのか、理由を伺う。

回答
都は、行政検査を実施している医療機関等に対し、検査実施日の翌日の午後2時までに、都の検査報告システムに入力するよう依頼し、その件数を公表しています。
公表日は、日曜日は休診の医療機関が多く、土曜日分が月曜日に入力される場合が相当数あるため、月曜日から土曜日としています。
なお、大阪府では、都が独自検査として週ごとに実施している高齢者施設等の職員を対象とした定期的検査についても、保健所を介した行政検査として取り扱い、それらを含めた検査件数を日曜日にも公表しています。

質問事項
一の6 都が開設するワクチン大規模接種の開設にあたりモデルナ申請が遅れ保留になった事実の有無とその際に自治体分のファイザー製を使用したか否かを伺う。

回答
都は、国が設定した期日までに遅滞なくモデルナ社製ワクチンを申請しており、これにより国からの供給が保留になったことはありません。
また、都内区市町村分のファイザー社製ワクチンを都の大規模接種用として使用したこともありません。

質問事項
一の7 第5波の時に酸素ステーションを慌てて整備されたが、活用状況について伺う。

回答
酸素・医療提供ステーションは、自宅療養者が病状の悪化を訴えた際の救急搬送を受け入れるなど療養者の急変時の対応や、軽症者の経過観察など、医療機関を補完する施設としての役割を担うとともに、軽症者等の重症化を未然に防ぐため、抗体カクテル療法を実施しています。
都は、令和3年8月に「都民の城」の施設内に、同年9月に東京2020大会の関連施設を活用して調布と築地に、また、練馬区と連携して閉校後の区立小学校を活用した酸素・医療提供ステーションを開設しており、これまでに400人を超える患者を受け入れています。

質問事項
一の8 在宅療養という名の放置が再び起きないよう、どのような対策をとっていくのか伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、自宅療養者数は令和3年8月21日に26,409人、宿泊療養者数は同年9月2日に2,197人と、過去最多になりました。
都は、今後、感染が再拡大した場合にも、自宅療養者の健康観察や医療相談が適切に行えるよう、自宅療養者フォローアップセンターの電話回線数を最大216回線まで増強が可能な体制としています。
また、緊急時に自宅で酸素投与できるよう、酸素濃縮装置を1,000台を目途に確保していきます。
さらに、自宅で療養される妊産婦がより安心して療養できるよう、東京都助産師会と連携し、地域の助産師による電話や訪問等の健康観察を新たに実施していきます。
加えて、平日夜間及び土曜休日に電話・オンライン診療等を受診し、薬を処方された自宅療養者に調剤や薬剤の配送、服薬指導を行う薬局を新たに支援するなど、自宅療養者に対する医療支援体制を強化していきます。

質問事項
一の9 都は、旧都立府中療育センターを都立多摩総合センターの病棟に位置づけ、新型コロナウイルス感染症専用医療施設として運営しているが、当該施設の第5波における最大の入院患者数と10月13日時点の入院患者数について伺う。

回答
都立多摩総合医療センターの病棟の一つである新型コロナウイルス感染症専用医療施設は、病床100床を確保しています。
入院患者数は、第5波における最多の令和3年8月31日で99人、同年10月13日は5人となっています。

質問事項
一の10 第5波の際、感染爆発で保健所は濃厚接触者を追うことが困難になったと聞いているが、その際の都の対応と、現在どのような状況であるのか数字をもとに伺う。

回答
今夏の感染拡大時には、災害級ともいえる危機的状況となったため、都は、令和3年8月に保健所に対し、陽性者が急増している段階での積極的疫学調査について、患者の病状や重症化リスクを把握し、速やかに適切な医療につなげることに重点を置き、調査対象の優先度を考慮して、効果的かつ効率的に実施するよう通知しました。
その後、緊急事態宣言の解除を受け、同年10月に保健所に対し、感染再拡大の防止に向け、保健所の調査機能を最大限発揮し、再燃のきっかけとなるクラスター等の早期探知を目的とした積極的疫学調査を実施するよう通知しています。
なお、新規陽性者に占める無症状者の割合は、新規陽性者数が最多の同年8月17日から23日までの期間は12.9パーセント、新規陽性者数が最多時より大きく減少した同年11月2日から同月8日までの期間は24.3パーセントとなっています。

質問事項
二 交通安全について
1 歩きスマホや自転車に乗りながらのスマートフォン操作が大変危険視されているが、事故件数等現状について伺う。

回答
歩行者及び自転車の携帯電話等の使用等に係る交通事故発生件数については、次のとおりです。
平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 令和2年 令和3年
9月末 合計
歩行者59 76 61 57 41 294
自転車 25 29 31 48 43 37 213
注1 件数は、歩行者又は自転車が第1又は第2当事者となった事故件数。
注2 歩行者は、平成29年から調査項目に追加。

質問事項
二の2 これらの状況に対し都および警視庁はどのような対応をとっているのか、その効果について数字をもとに伺う。

回答
スマートフォンを見ながらの歩行や自転車の運転等、いわゆる「ながらスマホ」は、重大事故につながる危険な行為であり、警視庁及び都では、各種街頭活動や交通安全キャンペーン等において、広報啓発や安全指導を行うとともに、スタントマンによる交通事故の再現を活用した交通安全講習会を開催するなど様々な機会を通じて「ながらスマホ」の危険性について周知を図っています。
また、ルール・マナーを守らない自転車利用者に対し、積極的な指導警告を行うとともに、悪質性・危険性の高い違反や警察官の指導警告に従わない者に対しては、交通切符による取締りを行っています。
令和2年中における自転車による交通違反の取締り件数は約3,000件で、前年と比べ約1,000件の増加となっています。
引き続き、指導取締りを徹底するとともに、自転車の安全利用に向けた安全教育や広報啓発活動を推進していきます。

質問事項
二の3 東武練馬駅前の交通規制に対して、先の一般質問では規制を検討する旨の答弁を警視総監が述べていたが、一向に進んでいる状況が見えない。現在、何がネックとなって進んでいないのか見解を伺う。

回答
東武練馬駅前の交通規制については、現在、板橋区が主体となって、一部の地域住民との意見調整を行っているものと承知しています。

質問事項
三 木下ふみ子都議の不祥事について
1 通常、交通事故を起こした場合の被疑者氏名の公表とそのタイミング、逮捕の有無などのルールや基準はあるのか伺う。

回答
被疑者氏名を含め、事件・事故の報道発表は、公表することによって得られる公益、関係者のプライバシー等の権利利益及び公表が捜査に与える影響などを個別の事案ごとに総合的に勘案し、発表の適否やその内容について決定しています。
また、逮捕については、刑事訴訟法に規定する逮捕要件や、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるなどの逮捕の必要性について、個別に判断しています。

質問事項
三の2 都職員および教員が不祥事(逮捕や懲戒免職)を起こした際の氏名の公表の基準について伺う。

回答
都では、懲戒処分の指針等において、職員及び教員の懲戒処分の公表基準や公表する内容等を規定しており、免職の事案や、争議行為等により都民の社会経済活動や学校運営に重大な影響を及ぼす事案については、氏名、所属等を公表する場合がある旨、定めています。

質問事項
三の3 警視庁は木下都議の無免許運転行為や事故をいつ把握したのか。また公表したのはいつか。さらに、その事実を小池知事および都に情報を提供したのはいつか、伺う。

回答
本件事故については、事故直後に関係者からの110番通報により認知しました。
本件については、前述の質問事項三1の回答のとおり、諸要素を総合的に勘案し、発表していません。
また、知事及び東京都に対する情報提供は行っていません。

質問事項
三の4 知事自身が事故の報告を受けたのはいつ、誰からか、伺う。

回答
事故後の報道により、知ったところです。

質問事項
三の5 知事は事故翌日、板橋区を訪れ木下都議への投票依頼を行ったが、任命責任を感じていないのか、説明責任はないのか、知事は謝罪すべきではないか、それぞれ見解を伺う。

回答
これらに係る都議の事案については、言語道断であり、起こした本人が厳しく受け止め、対処すべきであると考えております。

質問事項
四 東武東上線大山駅前の再開発について
1 補助26号線の用地買収の最新の状況について伺う。また、買収完了はいつなのか伺う。

回答
補助第26号線大山区間について、令和3年3月末時点の用地取得率は約42パーセントです。
引き続き、関係権利者の方々に丁寧に説明し、理解と協力を得ながら、令和7年度までの整備完了に向けて、用地取得に取り組んでいきます。

質問事項
四の2 地元商店街にはアーケードがあるが、アーケードについて都が関係各所と交わした覚書や念書についてその有無と内容についてすべて伺う。

回答
アーケードについて都が関係各所と交わした覚書や念書は、現在、存在しません。

質問事項
四の3 近隣の都有地(ピッコロ広場)をどのように活用していくのか、権利関係を含め最新の状況及び都の見解を伺う。

回答
大山町ピッコロ・スクエア周辺地区内にある都有地は、平成21年度から都市整備局が所管しています。
その一部について、現在、地元区と一時使用のための土地賃貸借契約を締結し、地元区が地域への開放を行っています。
今後の活用については未定です。

質問事項
五 PTAについて
1 都としてPTA活動をどうとらえているのか、見解を伺う。

回答
保護者と教員から組織され、子供たちの健全な育成を支援する任意団体であるPTAは、国会の政府参考人答弁によると社会教育法第10条に定める社会教育関係団体に該当するとされており、社会教育関係団体として、各地域の実情に応じて多様な活動が行われていると考えます。

質問事項
五の2 強制ととらえられかねない加入状況が起きていることについてどう認識しているのか伺う。

回答
各都立高校等のPTAの入会に当たっては、保護者からの同意書等により意思の確認をした上で、手続を行っていると聞いています。
なお、国会の政府参考人答弁によると、「PTAは、任意団体、自主的な団体及び社会教育法上の社会教育関係団体に該当する」とされており、加入を強制することはできないと認識しています。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 尾崎あや子
質問事項
一 柳瀬川の護岸整備について
二 特別養護老人ホームでのパワハラ防止について

一 柳瀬川の護岸整備について
東村山市内を流れる柳瀬川は、5年前の台風で床上浸水がおこるなど大きな被害となりました。住民のみなさんからは、台風の時期になると「計画はあるのに、護岸整備はなかなか進まない。どうなっているのか」との声が寄せられます。
1 柳瀬川の護岸整備の計画はどのようなものですか。
2 柳瀬川の護岸整備について、進捗状況を伺います。
3 埼玉県との河川連絡調整会議等は、この間、何回開催されましたか。どのような話し合いがされているのですか。
4 柳瀬川による浸水被害を防ぐためには、護岸の整備は待ったなしです。今後のスケジュールは、どうなっていますか。
5 浸水被害を防ぐためには、柳瀬川付近の緑地の保全も重要になります。東村山市は柳瀬川付近の民有地である緑地(秋津町3丁目地内)を、「緑地保護区域」にしています。しかし、民有地であるため、草刈りや保全のための手立てが困難であり、相続が発生するような事態になれば緑地・雑木林の保全は困難になります。住民の方からは「もし、相続などにより民間企業に販売し住宅が複数建てられたら、浸水被害はこれまで以上に深刻な事態となるのではないか」との声が上がっています。
浸水被害防止の観点から、東村山市が「緑地保護区域」にしている緑地に対しても、都の支援が求められますが、いかがですか。

二 特別養護老人ホームでのパワハラ防止について
長引くコロナ禍の影響もあり、働く職場での人間関係に影響が出ています。特に特別養護老人ホームなどの施設のなかで、「上司からの暴言で、傷ついた。仕事を辞めたいと思っている」「こんな職場では働き続けることができない」などの相談があります。
コロナ禍でもテレワークが困難な職場であり、高齢者の心のケアも含めて、これまで以上に重要な仕事となります。働きやすい環境を作るうえで、パワーハラスメントを防止する手立てが必要です。
1 東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の第9条第4項に「特別養護老人ホームは、適切なサービスの提供を確保する観点から、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの又は性的な言動により職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない」となっています。都は特別養護老人ホームでのパワーハラスメント防止のためにどのような取り組みを行っていますか。
2 施設で働く方からパワーハラスメントに対する「告発」などがあった場合には、都として具体的な対策を講じるべきですが、いかがですか。事実確認の調査やパワーハラスメントをなくすために手立てが必要ですが、いかがですか。
3 障害者雇用枠で採用したにも関わらず、知的障害のある職員に対し、「なぜ、できない」と怒鳴り、謝ることを強要し、保護者も呼び出すなど異常な対応に、職員の中からも「おかしい」との声が上がっています。障害のある職員へのこのような対応は、都として指導すべきですが、いかがですか。
4 特別養護老人ホームなどでのパワーハラスメントの実態調査が必要ですが、いかがですか。
5 相談窓口の拡充が求められますが、いかがですか。メールでの相談受付も必要だと思いますが、いかがですか。

令和3年第三回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 柳瀬川の護岸整備について
1 柳瀬川の護岸整備の計画はどのようなものか、伺う。

回答
時間50ミリの降雨に対処する河川断面の確保を目標に護岸整備を実施することとしています。

質問事項
一の2 柳瀬川の護岸整備について、進捗状況を伺う。

回答
柳瀬川は、東京都と埼玉県で協定を締結して整備を進めており、東京都施行区間は関越自動車道から空堀川合流点間及び東村山市秋津町のよもぎ橋から西武新宿線下流間の二区間総延長5.6キロメートルとなっています。
令和2年度末で、約2.4キロメートルの護岸整備が完了しており、護岸整備率は43パーセントとなっています。

質問事項
一の3 埼玉県との河川連絡調整会議等は、この間、何回開催されたか。また、どのような話し合いがされているのか、伺う。

回答
埼玉県との河川連絡調整会議について、河川整備計画を策定した平成18年以降、これまでに14回開催し、令和3年は11月下旬に開催を予定しています。
連絡調整会議において、都県における河川整備の状況などについて情報交換をしています。

質問事項
一の4 柳瀬川による浸水被害を防ぐためには、護岸の整備は待ったなしである。今後のスケジュールは、どうなっているのか、伺う。

回答
金山調節池から空堀川合流点付近の区間は、調節池の効果を担保に護岸整備を実施し、既に護岸整備が完了していますが、それ以外の区間については、下流側の埼玉県施行区間の進捗に合わせて、今後整備を進めていきます。

質問事項
一の5 東村山市は柳瀬川付近の民有地である緑地(秋津町3丁目地内)を、「緑地保護区域」にしているが、民有地であるため、草刈りや保全のための手立てが困難で、相続が発生する事態になれば緑地・雑木林の保全は困難になる。浸水被害防止の観点から、東村山市が「緑地保護区域」にしている緑地に対しても、都の支援が求められるが、見解を伺う。

回答
東村山市は、緑の自然環境が市民の生活にとって欠くことができないものであることから、東村山市緑の保護と育成に関する条例を制定し、緑地保護区域を指定しています。本緑地は、当該区域に指定されており、固定資産税の減免措置など、市において必要な対応がなされていると認識しています。

質問事項
二 特別養護老人ホームでのパワハラ防止について
1 東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例第9条第4項に「特別養護老人ホームは、適切なサービスの提供を確保する観点から、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの又は性的な言動により職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない」となっているが、都は特別養護老人ホームでのパワーハラスメント防止のためにどのような取組を行っているのか、伺う。

回答
都は、特別養護老人ホームに対し、東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例に基づき適切なサービスが提供されるよう、助言・指導しており、パワーハラスメントの防止についても必要な措置を講じるよう指導しています。

質問事項
二の2 施設で働く方からパワーハラスメントに対する「告発」などがあった場合には、都として具体的な対策を講じるべきだが、見解を伺う。また、事実確認の調査やパワーハラスメントをなくすために手立てが必要だが、見解を伺う。

回答
都は、施設職員から情報が提供された場合を含め、施設がパワーハラスメントを防止するための措置を講じていないなど、基準に適合していないおそれがあると認めたときは、事実確認の上、必要な助言・指導を行っています。
また、施設管理者を対象としたパワーハラスメント防止研修を実施するほか、施設職員等を対象とした人権研修でパワーハラスメントの防止も啓発しています。

質問事項
二の3 障害者雇用枠で採用したにも関わらず、知的障害のある職員に対し、怒鳴り、謝ることを強要し、保護者も呼び出すなど異常な対応に、職員の中からも「おかしい」との声が上がっている。このような対応は、都として指導すべきだが、見解を伺う。

回答
都は、特別養護老人ホーム等がパワーハラスメントを防止するための措置を講じていないなど、基準に適合していないと認めたときは、必要な助言・指導を行っています。
なお、使用者による障害者虐待が疑われる場合は、障害者虐待防止法に基づき東京労働局に報告することとなり、東京労働局が事実確認の上、必要に応じて労働条件や雇用管理の面から指導します。

質問事項
二の4 特別養護老人ホームなどでのパワーハラスメントの実態調査が必要だが、見解を伺う。

回答
都は、特別養護老人ホーム等に対する運営指導等を通じて、パワーハラスメントを防止するための措置を含めた施設の運営状況を把握しています。

質問事項
二の5 相談窓口の拡充が求められるが、見解を伺う。また、メールでの相談受付もすべきだが、見解を伺う。

回答
都は、福祉・介護職員等を対象とする相談窓口として、「福祉のしごとなんでも相談」を設置しており、パワーハラスメントに関することも含め、来所や電話で相談を受け付けています。

令和3年第三回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし
質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策について
二 子どもの交通安全対策について

一 新型コロナウイルス感染症対策について
1 新型コロナウイルス感染症について、第5波はようやく収まりつつありますが、第6波への備えは欠かせません。都政にとって最も重要なのは都民の命を守ることであり、第5波においては医療崩壊とも言われ、感染しても入院できず在宅で必要な医療を受けることなく亡くなる方が続出したことは大きな問題となっていました。都はこの状況の原因と責任をどこにあると考えているか見解を伺います。
2 第5波が収まり確保する病床を減らすことは理解しますが、それだけでは、第6波が来た時と同じ繰り返しになります。次の感染拡大の際には、既存の病院へのこれまで以上の協力の要請と臨時大規模施設の設置の準備を並行して進め、これまで以上の病床数の確保をしなければなりません。今後の病床の確保の目標とそのための施策を伺います。
3 第5波において感染者が急速に拡大する中、これまでの経験で入院者や重傷者は感染者より遅れて拡大することが分かっていながら、知事はまだ病床に余裕があるとして初動が遅れました。今後は対応が後手にまわることがないように、第6波が来る際に、その兆しを早くとらえ対応を強化する必要がありますが見解を伺います。
4 新型コロナウイルス感染症については、東京都新型インフルエンザ等対策行動計画に基づいて対応することになっていたのです。コロナへの対応について、行動計画に即して活動できたのか、課題はなかったのか伺います。また、コロナの対応を経て、今後計画を見直すのか伺います。
5 新型コロナへの対応として、現場での意見をより把握することが必要です。都内31か所ある保健所の所長会を開き、現場での意見が都の施策に反映することが必要ですが見解を伺います。
6 第6波への備えとして、都と保健所が設置されていない市町村との連携をさらに強化する必要もありますが見解を伺います。
7 都のモニタリング会議には医師会など感染症・医療の専門家である医師は委員になっていますが、公衆衛生の専門家が委員になっていません。入れるべきですが、見解を伺います。
8 新型コロナのため自粛が求められ、学生はオンライン授業で人との接触が減りました。とりわけ、他道府県から東京都に単身引っ越してきた大学生は孤独や孤立により精神的に追い詰められ、うつ病などメンタルの問題が発生しています。また、そのことにより若者の自殺者も増えています。都としてどのように状況を把握しているか伺います。
9 新型コロナについて感染症の医療の逼迫が問題になりましたが、コロナに伴うメンタルヘルスケアへの対応も重要性が増しています。メンタルヘルスケアについての体制強化も必要ですが見解を伺います。
10 新型コロナでより一層顕著になったのは、都市部における孤独・孤立の課題です。国でも担当の大臣を設置するなど、対応が注目されています。都にも孤独・孤立への対策についての部門の設置の検討も必要になります。都は、孤独・孤立への対策を行う必要があると考えますが見解を伺います。
11 第5波でも保健所の業務が逼迫し、同居家族以外の濃厚接触者の特定がされなくなりました。そのため、仮に感染していてもそれがわからず、症状がなければ感染を広げることにつながってしまいます。濃厚接触者に限定せず感染者の周辺にいた方もPCR検査が受けられるような仕組みが必要ですが、見解を伺います。
12 急激な緩和は感染の急増をもたらしてしまいかねません。依然として、マスクをしているからとしてそのまま大きなせきやくしゃみをする人もいますが、袖などで口や鼻を抑えるなど簡単なことがされていません。また、ウレタンマスクよりも不織布マスクがよかったり、会食の際にも食べたり飲んだりする際以外はマスクをするなど、基本的でもあり簡単なことができていません。こうしたことを地道に呼びかけることが感染拡大を防ぐことにつながりますが、見解を伺います。
13 新型コロナによって生活が厳しくなった方々は多くいます。低所得者層だけではなく、中間所得層でも賃金の低下や賞与のカットなどにより年収が下がった場合もあると聞きます。そこで、国民生活を支え経済の活性化のためにも、昨年国が行った10万円以上の定額給付金を再度実施することが必要であり、都から国に求めることが必要ですが見解を伺います。
14 新型コロナによる厳しい状況で低所得者にとっては厳しい状況にあります。生活福祉資金の特例貸付は、給付ではなく東京都社会福祉協議会を通じての貸し付けであり、今後、返済が厳しくなることも予想されます。状況によっては返済の免除、減免、猶予も検討する必要がありますが見解を伺います。

二 子どもの交通安全対策について
1 今年6月、千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込み児童5人が死傷する痛ましい事故が発生しました。事故を受け、国は危険な箇所を抽出し安全対策を講じるため、全国の通学路の点検を行うことを決めました。直接は市区町村の教育委員会が公立小学校の通学路を点検しますが、都道にも危険な箇所は多くあります。もちろん通学路でない箇所でも安全対策がおろそかになってもいけません。都道について歩行空間が狭くガードレールの設置を求めても設置できない箇所が多くあります。安全と同時にバリアフリーも求められるため車いすが通れなくなるとしてガードレールが設置できない箇所も多くあります。しかし安全対策は必要であり、バリアフリーも重要ですが両立させなければなりません。歩行空間が狭い都道における安全対策について見解を伺います。
2 新型コロナの感染が拡大して電車に乗るのを避けるため、自転車通勤を選択したり、最初から自転車で通うつもりで学校を選ぶ高校生もいるとのことです。その際、自転車の安全対策は様々ありますが、自転車にかごを付けないタイプに乗り、傘や部活動の道具などを手で持ったりハンドルにかけたりすることで、前輪に巻き込んでロックされ頭を地面にぶつけて大けがする事故が散見されます。都立高校に対して指導をする必要がありますが見解を伺います。
3 登下校時の子どもの安全のため地域の協力が必要ですが、PTAだけでは限界があります。シルバー人材センターなど地域の資源を活用して子どもの安全を見守る必要がありますが、見解を伺います。

令和3年第三回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策について
1 新型コロナウイルス感染症について、都政にとって最も重要なのは都民の命を守ることであり、第5波においては医療崩壊とも言われ、感染しても入院できず在宅で必要な医療を受けることなく亡くなる方が続出したことは大きな問題である。都はこの状況の原因と責任をどこにあると考えているか見解を伺う。

回答
令和3年8月に新規陽性者数の急増に伴い自宅療養者数が増大する中で、療養中に容体が急変し、自宅や救急搬送後に亡くなられた方が増加しました。
都は、自宅で安心して療養できるよう、保健所の取組に加え、自宅療養者フォローアップセンターを設置して健康観察や医療相談を実施するほか、酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターを配布しています。
また、東京都医師会や地区医師会、東京都訪問看護ステーション協会等と連携し、体調が悪化した自宅療養者に往診等を実施するほか、緊急時に自宅で酸素を投与できるよう、酸素濃縮装置を確保しています。
今後の感染拡大に備え、これまでの取組状況を踏まえながら、必要な対策の強化を図っていきます。

質問事項
一の2 次の感染拡大の際には、既存の病院へのこれまで以上の協力要請と臨時大規模施設の設置準備を並行して進め、これまで以上の病床数の確保をすべきだが、今後の病床の確保の目標とそのための施策を伺う。

回答
今後の感染拡大に備えるには、病床の確保に加え、これを補完する臨時の医療施設も着実に整備し、都民が安心して療養できる環境を整えることが重要です。
都は、感染拡大期において、患者を受け入れる病床約6,600床に加え、緊急対応としての入院待機ステーションや、軽症・中等症患者を受け入れる酸素・医療提供ステーション等の増床、新たな臨時の医療施設の設置などにより、約9,200床を確保することとしています。
今後も、保健所や医療機関、医師会等の関係機関と緊密に連携し、医療提供体制の充実に取り組んでいきます。

質問事項
一の3 第5波において感染者が急速に拡大する中、これまでの経験で入院者や重症者は感染者より遅れて拡大することが分かっていながら、知事はまだ病床に余裕があるとして初動が遅れた。今後は対応が後手にまわることがないよう、第6波が来る際に、その兆しを早くとらえ対応を強化するべきだが見解を伺う。

回答
国が令和3年3月に都道府県に対し、第3波における一日当たり最大新規陽性者数の2倍程度になる場合などを想定し、医療提供体制を整備するよう求めたことを受け、都は、最大新規陽性者数3,722人、最大療養者数23,406人を前提に、最大確保病床数を6,044床として医療提供体制を整備しました。
第5波では、感染力の強い変異株の流行により、これまでの想定を上回る規模・スピードで感染が拡大したことを踏まえ、国は同年10月に都道府県に対し、今後も感染拡大が中長期的に反復する可能性があることを前提に、病床や宿泊療養施設を中心とした医療提供体制の確保だけでなく、保健所等による療養調整を含めた総合的な保健・医療提供体制を構築することが必要との考えを示しました。
具体的には、この夏の感染拡大時の対応を振り返った上で、「想定する感染規模」「確保すべき病床数」「臨時の医療施設の必要量」「保健所・地域の医療機関の体制」等を盛り込んだ今後の保健・医療提供体制の構築方針を作成し、同年11月末までに保健・医療提供体制確保計画として取りまとめることを求めています。
都は、この国の考え方も踏まえ、感染拡大時における総合的な保健・医療提供体制の構築を進めていきます。

質問事項
一の4 新型コロナウイルス感染症については、東京都新型インフルエンザ等対策行動計画に基づいて対応することになっていた。コロナへの対応について、行動計画に即して活動できたのか、課題はなかったのか伺う。また、コロナの対応を経て、今後計画を見直すのか伺う。

回答
都は、東京都新型インフルエンザ等対策行動計画(以下「行動計画」という。)を踏まえ、新型コロナウイルス感染症の発生段階に応じて対策を実施してきました。
具体的には、国内での感染者が確認された令和2年1月に危機管理対策会議を開催し、庁内及び区市町村などの関係機関と情報共有を行いました。都内で感染が拡大した同年3月には、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」という。)に基づき東京都新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、都民へ不要不急の外出を控えるなどの行動自粛の呼びかけなどを行いました。その後、緊急事態宣言が発出された際などには、特措法に基づく都の措置等として、施設の使用制限や都民への行動制限の要請を行うとともに、医療提供体制の拡充にも取り組んできました。
この間得られた知見や経験については、その都度次の取組に生かしているところであり、今後、行動計画を改定する場合には、改めて課題を検証し、その結果を反映させていきます。

質問事項
一の5 新型コロナへの対応として、現場での意見をより把握することが必要である。都内31か所ある保健所の所長会を開き、現場での意見が都の施策に反映すべきだが見解を伺う。

回答
都は、感染症対策を最前線で担う保健所の取組事例の共有や情報交換を目的として、令和2年11月、令和3年1月及び同年4月に「知事と保健所長との情報交換会」を開催しています。
また、定期的に開催されている特別区保健衛生主管部長会等でも、保健所長等と感染症対策に関する意見交換を実施しています。
さらに、令和2年度に設置した「新型コロナウイルス感染症対策都区市町村協議会」の実務者連絡会を、令和3年度は4月及び6月に開催し、区市町村が実施する感染拡大防止対策等について情報共有しています。

質問事項
一の6 第6波への備えとして、都と保健所が設置されていない市区町村との連携をさらに強化するべきだが見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症の患者とその家族にきめ細かな支援を行うには、地域に密着した支援が可能な市町村と連携して取り組んでいくことが重要です。
都は、急増した自宅療養者への支援を強化するため、令和3年9月から、都保健所管内で申請のあった市町村に、利用目的を明確にした上で自宅療養者の情報を提供し、食料品や日用品の支援などの生活面や、見守りや声掛けなどの健康面の支援について連携を強化しています。
今後、療養中の方の家族のサポートなど、地域の実情に応じた多様な支援が可能となるよう、情報提供の対象範囲の拡大について、情報公開・個人情報保護審議会の意見を聴きながら検討するなど、第6波の発生に備え、市町村との連携を更に強化していきます。

質問事項
一の7 都のモニタリング会議には医師会など感染症・医療の専門家である医師は委員になっているが公衆衛生の専門家が委員になっていない。入れるべきだが、見解を伺う。

回答
都は、医師をはじめとする感染症、疫学等の専門家から、都内の感染状況や医療提供体制に関する7つのモニタリング項目について分析・評価した内容を、東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で報告いただいています。
引き続き専門家に参加いただき、必要な分析・評価を実施していきます。

質問事項
一の8 新型コロナのため自粛が求められ、学生はオンライン授業で人との接触が減り、とりわけ、東京都に単身引っ越してきた大学生は孤独や孤立により精神的に追い詰められ、うつ病などメンタルの問題が発生している。また、そのことにより若者の自殺者も増えている。都としてどのように状況を把握しているか伺う。

回答
都内3か所の精神保健福祉センターでは、新型コロナウイルス感染症に起因するストレスなど、心のケアに関する専門の電話相談を実施しており、令和2年度の件数は2,165件でした。
相談者の年代が把握できなかったものを除く1,517件のうち、20代以下の方からの件数は32件であり、主な内容は新型コロナウイルス感染症に対する不安や環境の変化、仕事への影響などとなっています。

質問事項
一の9 新型コロナについて感染症の医療の逼迫が問題になったが、コロナに伴うメンタルヘルスケアへの対応も重要性が増している。メンタルヘルスケアについての体制強化も必要だが見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症に関する心のケアについて、精神保健福祉センターで電話による相談を実施しており、都のホームページ等で広く周知するほか、宿泊療養施設に滞在中の方や自宅療養中の方には個別に案内しています。
また、新型コロナウイルス感染症がもたらすメンタルヘルスへの課題を都民が正しく理解できるよう、定期刊行物やリーフレットなどにより、生活習慣の変化によるこころの健康への影響や対処方法、職場におけるメンタルヘルスのポイントなど、様々な情報を発信しています。
さらに、地域で精神保健福祉に携わる保健所の職員等に対して、メンタルヘルスに関する必要な情報を提供するとともに、産業医等に対しては、リワークの際に必要となる知識等を伝えるフォーラムを開催しており、今後ともこうした対策を進めることで、新型コロナウイルス感染症に伴うメンタルヘルスケアに取り組んでいきます。

質問事項
一の10 新型コロナでより一層顕著になったのは、都市部における孤独・孤立の課題である。国でも担当の大臣を設置するなど、対応が注目されており、都にも部門の設置の検討、孤独・孤立への対策を行う必要があるが、見解を伺う。

回答
コロナ禍では、失業に伴う経済的困窮や心理的不安の増大など、多くの方が様々な影響を受けています。
都は、引き続き、生活福祉資金の特例貸付やひとり親世帯に対する臨時給付金の支給のほか、社会不安に伴う児童虐待や配偶者からの暴力、自殺に関する相談体制の強化など、都民の暮らしを守る様々な取組を進めるとともに、総合的な孤独・孤立対策の構築に向け、組織横断で検討していきます。

質問事項
一の11 第5波でも保健所の業務が逼迫し、同居家族以外の濃厚接触者の特定がされなくなった。そのため、仮に感染していても、症状がなければ感染を広げることにつながる。濃厚接触者に限定せず感染者の周辺にいた方もPCR検査が受けられるような仕組みが必要だが、見解を伺う。

回答
国の通知では、特定の地域や集団、組織等において、関連性が明らかでない患者が少なくとも複数発生し、クラスター連鎖が生じやすいと考えられる状況にあると認められる場合は、濃厚接触者に当たらない場合であっても行政検査の対象にすることができるとしています。
また、地域における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合、現に感染が発生した施設等に限らず、地域の関係者に幅広く検査することを可能としています。
都は、この国の考えに基づき、適切に対応しています。

質問事項
一の12 依然として、マスクをしているからとそのまま大きなせきやくしゃみをする人がおり、袖などで口や鼻を抑えるなど簡単なことがされていない。また、ウレタンマスクよりも不織布マスクがよかったり、会食の際に飲食時以外はマスクをするなど、基本的でもあり簡単なことができていない。こうしたことを地道に呼びかけることが感染拡大を防ぐことにつながるが、見解を伺う。

回答
都は、「リバウンド防止措置期間」終了後も、「基本的対策徹底期間」として、3つの密の回避、マスクの正しい着用、手指衛生など基本的な感染防止策の徹底等について、ホームページや動画サイト、SNS等を活用して都民への呼びかけを行っています。
また、飲食店等においては、お客様同士の間隔を1メートル以上空けることや、食事中以外のマスク着用など、具体的な感染防止マナーについて周知するポスターを配布するほか、各店舗にコロナ対策リーダーを配置し、声がけの心得集である「リーダー必携」などの効果的な発信ツールを提供することで、感染防止マナーの働きかけをサポートする取組等を実施しています。
今後も、基本的な感染防止策の徹底について、感染状況に応じた適切な対応を行っていきます。

質問事項
一の13 新型コロナによって生活が厳しくなった方々は多くいるが、低所得者層だけではなく、中間所得層でも賃金低下や賞与カットなどにより年収が下がった場合もあると聞く。そこで、国民生活を支え経済の活性化のためにも、昨年国が行った10万円以上の定額給付金を再度実施すべきで、都から国に求めるべきだが見解を伺う。

回答
国民生活を支え、経済を活性化することを目的とした国民への一律の給付金実施の有無については、国会での議論を踏まえ、国において適切に判断すべきものと認識しています。
都は今年度、新しい日常における都民の生活応援を図るとともに、デジタルの力を活用した地域経済の活性化に向け、キャッシュレスによるポイント還元などの取組を行う区市町村を支援しています。
こうした取組を着実に推進し、引き続き、都民生活の下支えを図るとともに、国における検討状況についても把握に努めていきます。

質問事項
一の14 新型コロナによる厳しい状況で低所得者にとっては厳しい状況にある。生活福祉資金の特例貸付は、給付ではなく東京都社会福祉協議会を通じての貸し付けであり、今後、返済が厳しくなることも予想され、状況によっては返済の免除、減免、猶予も検討すべきだが見解を伺う。

回答
国は、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し、生活に困窮した方への支援として、令和2年3月から生活福祉資金の特例貸付を実施しています。
この特例貸付では、償還開始までの据置期間や償還期限の延長措置が図られているほか、償還時に、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯には、償還を免除することができるとされています。
都は、国に対し、償還免除の適格要件を住民税非課税世帯に限定しないなどの更なる検討を行い、その内容を早急に示すよう、提案要求しています。

質問事項
二 子どもの交通安全対策について
1 都道について歩行空間が狭くガードレールの設置を求めても設置できない箇所が多くあり、安全と同時にバリアフリーも求められるため車いすが通れなくなるとして設置できない箇所も多くある。しかし安全対策は必要であり、バリアフリーも重要だが両立させなければならない。歩行空間が狭い都道における安全対策について見解を伺う。

回答
歩行空間が狭い都道においては、現地の状況を勘案し、防護柵の設置による歩車道の分離やカラー舗装による歩行部分の明示を行うなど、歩行者の安全確保に努めています。

質問事項
二の2 新型コロナの感染が拡大して電車に乗るのを避けるため、自転車で通うつもりで学校を選ぶ高校生もいるとのことだが、自転車にかごを付けないタイプに乗り、傘や部活動の道具などを手で持ったりハンドルにかけたりすることで、前輪に巻き込んでロックされ頭を地面にぶつけて大けがする事故が散見される。都立高校に対して指導をすべきだが見解を伺う。

回答
都教育委員会は、学校における安全教育の中で、必ず指導する基本的事項の一つに、自転車の安全な利用を位置付け、全ての都内公立学校において、児童・生徒への指導を徹底するよう求めています。
具体的には、毎年度作成している「安全教育プログラム」に、自転車走行の五つの基本ルールである「自転車安全利用五則」に加え、傘を差したり携帯電話を使用したり荷物を手やハンドルにかけたりして運転することの危険性やヘルメット着用の重要性を児童・生徒に理解させる指導事例等を掲載し、都内公立学校の全ての教員に配布しています。
今後とも、「安全教育プログラム」に、自転車事故に関する最新の情報や指導のポイントを掲載し、安全教育の推進に取り組んでいきます。

質問事項
二の3 登下校時の子どもの安全のため地域の協力が必要だが、PTAだけでは限界がある。シルバー人材センターなど地域の資源を活用して子どもの安全を見守るべきだが、見解を伺う。

回答
登下校時の児童生徒の安全対策は、学校、家庭及び地域が連携して、交通安全、防犯及び災害対策の各観点から総合的に実施されることが重要です。
都教育委員会は、学校が、家庭、地域とともに取り組む安全対策の経費の一部を補助する「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」を行っています。
区市町村教育委員会ではこの事業を活用し、地域の警察官OBなど防犯や交通安全の知識を有する方をスクールガード・リーダーとして委嘱し、学校への巡回指導や、学校安全ボランティア養成講習会などを実施しています。
都教育委員会は、引き続き、地域の人材を活用した子供の見守り活動に取り組む区市町村を支援してまいります。

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