令和三年東京都議会会議録第七号

○議長(石川良一君) 十番山内れい子さん。
〔十番山内れい子君登壇〕

○十番(山内れい子君) 都議会生活者ネットワークです。
 約一年、外出自粛が続いています。外出自粛は、孤独や孤立を深刻化させ、早急な対応が求められています。
 都は昨年十二月、都内での変異株の発生状況を把握するため、新型コロナウイルスのゲノム解析に関する検討チームを立ち上げ、都内における遺伝子変異の有無のスクリーニングを進めているとのことです。
 都内における変異株スクリーニングでの陽性確認件数は、三月二十五日時点で二十一例、スクリーニングを経ていない国が公表したゲノム解析による確定十二例を加えると、都内の変異株は三十三例となっています。
 現在、陽性のうち一〇%程度を変異株PCR検査をしているとのことですが、新型コロナウイルスの感染を根絶するには変異株の検査を増やすことが重要です。民間検査機関と連携し、新規陽性者全ての検体を変異株PCR検査する必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
 生活者ネットワークは、濃厚接触者に限らず、幅広く検査を実施することの重要性についてかねてから主張しており、今回の本会議でも、都は、感染拡大を防止する必要がある場合は、地域の関係者に対し幅広く検査を実施することが可能と答弁しています。
 感染拡大を未然に防ぐため、無症状者も含めた検査をどのように進めていくのかお伺いいたします。
 昨年、文書質問で、家族に感染者が発生した場合の家族支援について取り上げました。親が感染し子供が感染していない場合、都は親子で入院したり、子供を別の施設で一時保護できるようにしました。このような養育が困難となった子供の受け入れについて、対応した実績を伺います。
 昨年の緊急事態宣言以来、コロナの影響で失業するなどして住まいを失った人に、都はビジネスホテルを確保し、一時宿泊場所を提供しています。年末年始や二度目の緊急事態宣言を受け、一時宿泊場所の提供期間を延長してきましたが、利用実態及び今後の予定についてお伺いいたします。
 緊急事態宣言の解除に伴い、飲食店の時短営業が午後九時までとなりました。そして、四月からはようやく通常営業ができると飲食店は準備を進めていましたが、都は、三月二十四日になって時短営業をさらに延長すると発表しました。準備を進めていた店にとっては、従業員の手配などの変更が必要になり、対応が難しいと聞いています。
 こうした混乱を避けるためには、見通しを持てるようにしなくてはなりません。感染状況がどうなれば通常営業が可能なのか目安を示す必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
 以上、都議会生活者ネットワークの質問といたします。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山内れい子議員の質問にお答えいたします。
 新型コロナウイルスの変異株についてのお尋ねでございました。
 昨年十二月、東京iCDCでゲノム解析検討チームを立ち上げまして、変異株の有無を確認する検査を開始したところでございます。これまでに三千二百件を超える検査を行いまして、二十一例の変異株が確認されたとの報告を受けております。
 都におきましては、変異株の早期探知に向けまして、新規陽性者に対しましてのスクリーニング検査の割合を、まずは四月上旬を目途に約二五%まで引き上げまして、その後、四〇%を目指しまして、早期に拡大をしてまいります。
 残余のご質問は、関係局長からの答弁とさせていただきます。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 新型コロナウイルス感染症の検査に関するご質問にお答えをいたします。
 先月二十六日に変更されました国の基本的対処方針では、感染拡大の予兆や感染源を早期に探知するため、感染リスクの高い場所を中心に、無症状者に焦点を当てた幅広いPCR検査等を実施することを重要事項の一つとしてございます。
 これを踏まえまして、都は、特別養護老人ホーム等を対象に集中的なPCR検査を実施しており、今月から有料老人ホーム等での検査も支援し、今後は通所サービス等にも支援対象を拡大いたします。
 また、保健所と連携して医療機関の職員や特定エリアの飲食店を対象とした検査を行うほか、今月からは、国と協力して、交通要所でのモニタリング検査も実施するなど、戦略的に検査を進めてまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、保護者の感染により養育が困難となった児童の受け入れについてでございますが、保護者が新型コロナウイルスに感染し、家庭での養育が困難となった児童は濃厚接触者となることから、児童相談所は、保健所と連携しながら医療機関に一時保護委託を依頼しており、その件数は、各児童相談所への調査を取りまとめた三月八日時点で百件でございました。
 また、都は、宿泊施設を確保し、児童を一時的に受け入れる体制を整備する区市町村を財政面で支援しており、今年度は八区市で実施されております。
 次に、住まいを失った方への支援についてでございますが、都は、年末年始及び引き続く緊急事態宣言期間中、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により住まいを失った方等に対し、区市と連携し、一時的な宿泊場所としてビジネスホテルを提供してまいりました。
 昨年十二月二十一日から本年三月二十一日までの間に延べ六百六十三人の方が利用しており、今後も利用実績や感染状況等を踏まえて対応してまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 今後の見通しについてでございますが、国は、緊急事態宣言の解除後の対策の緩和については段階的に行い、必要な対策は、ステージツー相当以下に下がるまで続けることとしてございます。
 このため、都は、感染の再拡大を防ぎ、感染を徹底的に抑え込むため、当面四月二十一日までの間、飲食店等への営業時間の短縮要請を初めとした感染防止対策を実施してまいります。
 今後とも、都内の感染状況等を踏まえ、国や一都三県と連携し、専門家の意見も聞きながら、適宜適切に対応してまいります。

○議長(石川良一君) 以上をもって質疑は終わりました。

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