令和三年東京都議会会議録第七号

○議長(石川良一君) 九番上田令子さん。
〔九番上田令子君登壇〕

○九番(上田令子君) 小池知事は、全国知事会は欠席したのに、緊急事態宣言下、都民ファーストの会推薦、樋口高顕千代田区長選へ応援に行き、都民には認識がない、原点に返るべしと、外出自粛を強く求めていました。この一貫性のなさについて、さきの補正で私が問うたところ、適時適正に判断と述べるにとどまり、知事答弁を求めても、ほとんどを局長に答弁させるという不誠実な対応に終始し、都民、時短協力に応じる事業者を愚弄するものでありました。改めて、誠意ある答弁を求めます。
 グローバルダイニングへの命令措置についてです。
 これまで都は、大手飲食チェーンを給付対象外としていたものの、世論に押され、急遽認める一方、要請に従わないとして、グローバルダイニングには時短命令を下し、同社は都を提訴いたしました。命令を出した三十二店舗のうち、二十六店舗が原告の店舗であり、狙い撃ち、一罰百戒、見せしめ、つるし上げのそしりも受けかねず、小池都政の独断専行であると、厳しく断じさせていただきます。
 なぜ、解除の方向が見えてきたタイミングで突如命令を下したのか、その理由と起案から決裁までの詳細を時系列でご説明ください。
 命令に当たり、措置に応じない旨を強く発信するなど、ほかの飲食店の二十時以降の営業継続を誘発するおそれがあるとした根拠についてお示しください。
 そもそも当該命令は、公権力の行使に当たるのか、処分性と権原及び特措法二十四条九項と四十五条における都の解釈も含め、ご説明ください。
 コロナ対策リーダー事業ですが、売り上げ減で疲弊し切っている飲食店に負担をかけ、効果性も薄い、正気の沙汰とは思えぬ都政史の汚点となる天下の愚策です。当該事業の感染拡大防止への科学的効果、エビデンスとリーダーの法的地位についてお示しください。
 店舗の負担につき配慮したのか、検討しなかったのなら、その理由を伺います。
 感染者数の集計ミスが頻発し、危惧しております。昨年突如、配属が変わった内藤淳局長以前と以降における福祉保健局長による各保健所長へのミス防止等注意喚起及び連携状況についてご説明ください。
 小池知事に伺います。
 独断専行の専決を乱発し、大手飲食チェーン支援は後手に回り、突如としてグローバルダイニングに命令を下すことには違和感しかありません。飲食店の支援、指導、命令に係る知事の判断基準、時期につき知事答弁を強く求め、再質問を留保いたします。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 上田令子議員の六点の質問にお答えします。
 命令措置についてでございますが、都は、時短要請への協力状況の調査で開店が確認された店舗につきまして、職員が個別に訪問して時短要請の協力依頼を行い、協力を得られていないことを確認した店舗を対象に、特措法第四十五条第二項に基づく要請を行ってまいりました。
 こうした手続を重ねた上で、なお要請に応じない店舗に対して、特措法第四十五条第三項に基づく命令を決定し、通知したものでございます。
 次に、命令措置の根拠についてでございますが、対象施設の対応は、さらなる新型コロナウイルス感染症の蔓延につながるおそれがあることから、蔓延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するために特に必要があると認め、命令を行ったものでございます。
 次に、特措法の解釈についてでございますが、特措法第二十四条第九項は、不特定の相手に対して協力の要請を行うものでございます。また、第四十五条第二項は、特定の相手に対して要請を行うもので、行政手続法の行政指導でございまして、第四十五条第三項に基づく命令は、行政手続法の不利益処分に該当いたします。
 次に、コロナ対策リーダー事業についてでございますが、本事業は、各店舗が選任するリーダーが中心となりまして、店舗の感染対策はもとより、利用客に感染防止マナーを促し、店舗と利用客双方による協力のもと、より安心なお店づくりを推進することを目的に実施するものでございます。
 なお、国の分科会では、リバウンド防止のためには、緊急事態宣言解除後の地域においては、当面の間の会食のあり方の周知や飲食店を利用する際の店舗から求められる感染防止策への協力、ステッカーなどを用いた独自の認証制度の実施または強化を行うことなどが必要と提言をされております。
 次に、コロナ対策リーダー事業の流れについてでございますが、飲食店等の事業者の方々には、店舗ごとにコロナ対策リーダーを選任、登録し、東京iCDC監修による研修を受講していただきます。研修を修了した店舗には、感染防止徹底宣言ステッカーに貼付することができる修了シールを発行する流れとなってございます。
 こうした取り組みは、原則オンラインとしたほか、研修動画を感染防止対策のポイントごとに短く区切るなど、事業者が簡便に手続を行えるような工夫を行ってございます。
 最後に、飲食店等への対応についてでございますが、都はこれまで、会食、飲食による感染拡大リスクを徹底的に抑えることが必要との国の提言を踏まえ、飲食店等に対して営業時間の短縮の要請を行い、協力金を支給してまいりました。
 また、たび重なる要請に応じず営業を続けている店舗のうち、営業を継続し、客の来店を促すことで飲食につながる人の流れを増大させ、市中の感染リスクを高めていることに加え、緊急事態措置に応じない旨を強く発信するなど、他の飲食店等の二十時以降の営業継続を誘発するおそれがある店舗に対して、特措法等に基づいた手続により命令を行いました。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 新型コロナウイルス感染症の陽性者数に関するご質問にお答えをいたします。
 都は以前、ファクシミリによって報告を受けてございましたが、昨年三月の陽性者の急増により、保健所と都の双方で情報の確認や共有が滞った状況を踏まえ、五月に改めて保健所に対し、発生届の提出徹底を依頼いたしました。
 昨年十月には、都内全保健所に新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム、HER─SYSを導入いたしました。
 その後、陽性者が爆発的に増加いたしました本年一月を中心に、複数の保健所で陽性者の未報告が発生しましたが、こうした事態が起きないよう、各保健所に対し、ウエブ会議等で入力の徹底を依頼しますとともに、未報告と思われる事例について適宜確認してございます。
〔九番上田令子君登壇〕

○九番(上田令子君) 知事の政治的判断を聞いたのに、なぜか一般職の総務局長が答弁されました。政治職にあるはずの知事ご自身がお答えください。
 命令対象店舗のほとんどは、グローバルダイニングでした。なぜ狙い撃ちするかのような命令をしたか、最終決裁者として小池百合子知事の所見を伺い、自由を守る会の再質問を終わります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 再質問にお答えをいたします。
 先ほどの特措法等に基づいた手続による命令でございますが、これは、都として感染状況等を踏まえ、適切に判断したものでございます。

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