令和三年東京都議会会議録第七号

   午後五時十分開議
○議長(石川良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。
 七十八番山口拓君。
〔七十八番山口拓君登壇〕

○七十八番(山口拓君) 私は、東京都議会立憲民主党を代表して質問いたします。
 都は、緊急事態宣言の解除を受け入れ、リバウンド防止と銘打ちました。もちろん、最悪の事態である急激な再拡大、リバウンドは、何としても避けねばなりません。
 しかし、予算特別委員会での私たちの質問に対し、知事が現状は非常に厳しいと答えたとおり、緊急事態宣言中に徹底的に抑え込むどころか、増加の状況で今日を迎えています。
 私たちは、医療提供体制やワクチン接種が飛躍的に進む見通しもない現状では、徹底的な抑え込みが必要との考えから、都に対応を強く求めましたが、知事から答弁はありませんでした。
 改めて、徹底的な抑え込みに向けた取り組みを求めますが、知事の見解を伺います。
 期間を四月二十一日までの三週間とした根拠もしっかり説明すべきです。また、増加傾向の中で、段階的緩和の期間が長いことに対し、状況変化に迅速に対応できるのか、懸念も生じます。すなわち、感染増加に歯どめがかからない場合には、どんな状況でどういう措置を発動するのか、あらかじめ数値基準とともに示し、政治的駆け引きに時間をかけることなく判断を示し、果敢に行動すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 四都県で足並みをそろえて始まりましたが、発表前から早期の時短要請解除の可能性に言及する知事もいる中で、今後の三週間、足並みをそろえられると考えているのか、知事の見解を伺います。
 私たちが再三求めてきた感染防止徹底宣言ステッカーの実効性を高める取り組みが新たに始まります。これは、感染防止リーダーの選任と研修を事業者にお願いするものですが、事業者からは、また負担かという驚きと嘆息、怒りの声が聞かれます。加えて、関係各所へのお知らせ、説明も不十分です。
 都としてしっかり説明し、感染防止対策の実効性を高め、あわせて見える化することで、完全個食など感染機会が極限まで低減をされたお店はオーケーとするなど、一律の時間短縮だけでない感染防止への転換に一歩踏み出し、前進できる取り組みをすべきと考えますが、見解を伺います。
 多くの飲食店は、日々努力し、ガイドラインを守っているのに、なぜ感染の場といわれてしまうのか、これ以上どうすればいいのかわからないとの声も数多く聞かれます。
 都は、陽性者から得たデータを大量に保有しており、分析やさらなる深掘りで盲点があるならば、情報や教訓として知らせるべきですが、見解を伺います。
 また、飲食店が努力しても、利用する客の側の協力なしでは感染は防げないともいわれます。
 営業時短が緩和され、飲食店の利用が増える中では、利用者にも、ガイドラインを守っている店で利用者のこんな行動で感染をしてしまった、これは絶対やらないでという具体例を示すなど、しっかりと働きかけるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 協力金一千六十八億円のために補正予算が組まれました。一方で、協力金の申請処理、振り込みがまたもや遅くなっています。八回目にもなるのに、DXを標榜する東京都で、なぜこんなに時間がかかり、協力している事業者を苦しめるのか、いい加減にしてというのが偽らざる心情であり、早急に改めるべきです。
 いまだに申請から支給までの処理に時間を要する理由を伺います。
 厳しい経営環境が一年も続いており、協力金を当てにして資金繰りを考えている事業者も本当に多くいます。私たちに寄せられているお叱りの声も日に日に増え、経営難が深まり、いら立ちが募っていることを肌で感じています。原則即日入金、最低でも、目標処理時間、日数を定め、実現に必要な体制を整備すべきですが、見解を伺います。
 あわせて、この間、私たちが求めてきた事業規模別の協力金について、国に対して見直しを求めたのか、見解を伺います。
 以上で東京都議会立憲民主党の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山口拓議員の質問にお答えいたします。
 今後三週間の取り組みについてのご質問であります。
 国の基本的対処方針におきましては、緊急事態宣言の解除後も、必要な対策は感染状況や医療提供体制が十分に改善されるまで続けるとされております。
 この方針を踏まえまして、都は、リバウンド防止期間として、当面四月二十一日までの間、引き続き一都三県で連携を確認したところであります。
 今後も、時短要請を初めとした感染防止対策を実施してまいります。
 残余のご質問は、関係局長からの答弁とさせていただきます。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 四点の質問にお答えいたします。
 初めに、リバウンド防止の取り組みについてでございますが、これまで、都民、事業者、行政が一体となって感染防止対策に取り組んでまいりました。
 しかしながら、都内の新規陽性者数は下げどまりが継続し、現状は依然として非常に厳しくございます。
 引き続き、新規陽性者数をしっかり減少させ、感染を徹底的に抑え込み、再拡大を招かないよう、時短要請を初め、実効性のある取り組みを着実に実施してまいります。
 次に、今後の見通しについてでございますが、国は、緊急事態宣言の解除後の対策の緩和については段階的に行い、必要な対策はステージツー相当以下に下がるまで続けることとしております。
 このため、都は、感染の再拡大を防ぎ、感染を徹底的に抑え込むため、当面四月二十一日までの間、飲食店等への営業時間の短縮要請を初めとした感染防止対策を実施してまいります。
 今後とも、都内の感染状況等を踏まえ、国や一都三県と連携し、専門家の意見も聞きながら、適宜適切に対応をしてまいります。
 次に、感染防止対策の実効性の向上についてでございますが、感染拡大防止と経済社会活動の両立を図るためには、飲食店等の各事業者におきまして、業種別のガイドラインに基づき、適切な感染防止対策を実施することが重要でございます。
 都はこれまで、職員によるステッカー掲示店舗の確認の際に、アクリル板などの遮蔽物の設置や換気の有効性を説明し、これらの対策をさらに徹底するよう促しております。
 あわせて、感染症防止ガイドラインに基づく取り組みへの助成制度などをリーフレットを配布して案内し、制度を活用して対策を実施するよう、事業者に働きかけてございます。
 都としては、こうした取り組みを通じまして、引き続き、ガイドラインの遵守を呼びかけてまいります。
 最後に、利用客への働きかけについてでございますが、感染拡大を防止するためには、店舗において、事業者及び利用客双方が協力して感染防止対策を徹底していくことが重要でございます。
 都はこれまで、事業者に対しては、ガイドラインに沿った感染防止策の徹底を呼びかけ、利用客に対しては、会食時の注意事項である五つの小や会食時のマナーをわかりやすく図解したポスターにより、感染防止策への協力を呼びかけてまいりました。
 今後も引き続き、利用客に対して感染防止マナーを促す取り組みを実施してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 新型コロナウイルス感染症の情報発信に関するご質問にお答えいたします。
 都は、新規陽性者数などを毎日公表いたしますとともに、新型コロナウイルス感染症対策サイトで、陽性率、検査件数などさまざまなデータを公表してございます。
 また、毎週開催しておりますモニタリング会議で、新規陽性者における無症状者の割合や、推定される感染経路の割合などの分析結果の報告を受け、これを踏まえた都の取り組みを発信してございます。
 さらに、東京iCDC専門家ボードで、都民向けに具体的な感染予防策等を盛り込んだハンドブックを作成し、ホームページに掲載するほか、SNSを通じて入院患者データによる重症化リスクの解析結果を公表するなど、さまざまな情報発信を行っております。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、協力金の支給に要する期間についてでございますが、協力金の審査に当たっては、申請書類に基づき、営業時間の短縮要請に応じていること、また、営業実態があることなどを確認いたしまして、適正な支給につなげているところでございます。
 提出書類に不明な部分がある場合は、電話等により確認を行うなどの時間が必要となっているところでございます。
 次に、協力金の審査の体制についてですが、都は、協力金の申請に関して、オンラインによる受け付けや情報発信を行う専用のポータルサイトを構築するなど利便性の向上に努めてまいりました。
 また、ポータルサイトについて、申請者からの提案を受け付ける仕組みを設け、使い勝手のよいサイトとなるよう改善に取り組んできたところでございます。
 さらに、適正な審査を確保しつつ、協力金を速やかに支給するため、担当職員を増やすほか、支給事務の一部を民間に委託し、業務の効率化も図っているところでございます。
 これらにより、協力金の迅速な支給につなげてまいります。
 最後に、事業規模に応じた協力金の支給についてですが、仮に事業規模に応じて協力金の支給に差を設ける場合、その規模をあらわす指標を決めることが必要となりますが、こうした指標が自治体ごとに異なると、新たな不公平感を生むおそれがございます。
 このため、事業規模に応じた協力金制度の構築につきましては、国において行うべきものと考えており、一都三県で連携し、本年一月二十九日、二月五日、三月八日、三月十八日と繰り返し国に要望しているところでございます。

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