令和三年東京都議会会議録第六号

○議長(石川良一君) 九番上田令子さん。
〔九番上田令子君登壇〕

○九番(上田令子君) 一月二日、東京、千葉、神奈川、埼玉四知事が政府要望し、緊急事態宣言が発出、今日に至ります。改めまして都民には、感染拡大防止へのご理解、ご協力に感謝申し上げるとともに、後手に回った都の対策に遺憾を表明いたします。
 さて、緊急事態措置について、他県は臨時会を開き、感染拡大防止時短協力金は、大手チェーン店も対象としていました。
 小池知事は、説明もなく大手を除外のまま専決処分を乱発したことは、議会軽視であり民意をないがしろにする大問題です。政局と自己PRの許されざる独断無策について改めて確認させていただきます。
 まず、時短要請及び協力金と、ステッカー掲示店のクラスター責任もあることから、実施状況をお示しください。
 そもそも、当初から大手チェーン店をなぜ対象にしなかったのか、つまびらかにしてください。
 逼迫する都の財政状況を懸念しております。今回、国の負担を前提としていますが、今後の財政見通し、コロナ対策への都負担について対応を伺います。
 次に、都の貯金、財政調整基金が大幅に切り崩されていますが、増減の状況とその対応、今後どう回復していくのか、所見を伺います。
 小池知事に伺います。
 今年度、専決による補正予算が相次ぎましたが、なぜ臨時会を招集しなかったのでしょうか。
 一月の緊急事態宣言要請につき、上田独自調査では、小池知事が福祉保健局、保健所、区市町村に事前調整していなかったことが明らかになっています。これら関係各機関と情報提供や連携をしていたのか、いなかったのか、ご説明ください。
 さて、聖火リレー中止を表明している丸山達也島根県知事により、小池知事が全国知事会新型コロナウイルス緊急対策会議を五回も欠席していたことが世に知れ渡りました。この件についての経過と欠席理由をご説明ください。
 最後に、小池知事は、知事選中、コロナ禍を理由に街宣しなかったのに、あろうことか緊急事態宣言中、都民ファースト推薦、樋口高顕千代田区長の応援には嬉々として参戦。一方、都民へは、感謝の言葉もなく、認識不足、原点へ帰れと仰せになっていますが、コロナ対応を知事自身がころころと変えていては、都民に自粛要請をする資格はありません。
 この点に関し、小池知事が判断根拠を明確にした答弁を強く求め、再質問を留保いたします。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 上田令子議員の質問にお答えいたします。
 ご質問は、千代田区長選などへの対応についてでございました。
 そのときの状況を勘案しながら、適時適切に判断をしたものでございます。
 残余のご質問については、関係局長からの答弁といたします。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 二点の質問にお答えいたします。
 営業時間短縮要請等の実施状況についてでございますが、都は現在、飲食店等に対する営業時間の短縮要請を行っており、職員等による協力状況の確認によると、約九七%の店舗にご協力をいただいております。
 感染拡大防止協力金につきましては、昨年の四月二十二日に申請受け付けを開始した第一回目の実施から、現在受け付けを終了している第六回目の実施分までを含め、令和三年三月五日時点で、延べ約四十四万件の申請をいただいております。
 感染防止徹底宣言ステッカーの申請件数は、令和三年三月五日時点で、約二十四万九千件となってございます。
 次に、一月二日の国に対する緊急事態宣言の要請についてでございますが、都は、総務局や福祉保健局を初めとする関係各局が連携の上、都内の感染状況や医療提供体制、保健所の体制等を踏まえ、一都三県で連携し、国に対し、緊急事態宣言の発出を速やかに検討することを要望いたしました。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 大企業が運営する飲食店への協力金についてですが、協力金は感染拡大を防止するため、中小事業者の方々が、厳しい経営環境の中にあっても、都の時短要請に応じていただいたことに対し支給してきたところでございます。
 しかしながら、一月の緊急事態宣言発令以降も、新規陽性者数が高どまりしていた状況などを踏まえますと、飲食事業者の方々にさらなる協力をいただく必要があったことから、大企業も含めて協力金の支給対象としたところでございます。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、今後の財政運営についてでございます。
 都財政を取り巻く厳しい環境が続く中にありましても、限られた財源を有効に活用する観点から、予算執行に当たっては、創意工夫を凝らし、不断の見直しを行いながら取り組んでいく必要がございます。
 その上で、基金や都債など、これまで培ってきた都財政の対応力を最大限発揮することで、都がなすべき役割を確実に果たしてまいります。
 次に、財政調整基金についてでございます。
 都はこれまで、堅実な財政運営に努めることで着実に基金を積み立て、令和元年度末時点で約九千三百億円確保していた財政調整基金などを活用しまして、切れ目のない感染症対策を、迅速かつ的確に講じてまいりました。
 一方で、将来に備え、決算剰余金を速やかに積み立てたほか、国庫支出金などの財源確保に努めた結果、令和三年度末時点の残高は約二千億円となる見込みでございます。
 今後も、事業評価の取り組み強化や歳出精査の徹底など、持続可能な財政運営に努めてまいります。
 最後に、補正予算の専決処分についてでございます。
 都はこれまで、本定例会に提案中のものも含めまして、合計二十一回に及ぶ補正予算を編成し、感染拡大を阻止する対策や、都民生活等を支えるセーフティーネット対策などを迅速かつ的確に講じてまいりました。
 そのうち、議会の閉会中に新規感染者が増加する局面などにおきましては、直ちに対策を講じる必要があり、議会を招集する時間的余裕がなかったことから、専決処分による予算措置を行ったところでございます。
〔政策企画局長中嶋正宏君登壇〕

○政策企画局長(中嶋正宏君) 全国知事会における会議への出席についてでございますが、新型コロナウイルス緊急対策本部の会議は、国への緊急提言などを議題として、不定期に開催されております。
 都といたしましては、議題に対して、現場の実態を踏まえた必要な意見を毎回提出し、提言等に反映させるとともに、必要に応じて知事が出席して意見を述べております。
〔九番上田令子君登壇〕

○九番(上田令子君) 今般、黒岩知事も小池知事と事前調整がなされていなかったことが報道されています。確実に小池知事は、福祉保健局、区市町村、保健所とも調整をしていませんでした。エビデンスもあります。
 現場を顧みず、ご自身のご都合主義のコロナ対応、政治的パフォーマンスに終始し、都民に迷惑をかけ、現場に混乱を来した説明責任を知事ご自身が果たしてください。政治家としての矜持が、もしあなたにあるのなら、小池知事、あなたがお答えください。
 以上申しまして、私の質問を終わります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 再質問にお答えいたします。
 一月二日の国に対する緊急事態宣言の要請についてでございますが、都は、総務局や福祉保健局を初めとする関係各局が十分に連携をいたしまして、都内の感染状況や医療提供体制、保健所の体制等を踏まえまして、一都三県で連携し、国に対し、緊急事態宣言の発出を速やかに検討することを要望いたしました。

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