令和三年東京都議会会議録第六号

○議長(石川良一君) 五番栗下善行君。
〔五番栗下善行君登壇〕

○五番(栗下善行君) 三月五日、緊急事態宣言の延長に伴う協力金のあり方が示されました。昨年より、都民から多くの不満が寄せられていた、そして都議会においても多くの会派が指摘をしてきた、一律の金額での支給が全く改善されなかったことは極めて残念であります。
 この間、都議会から相次ぐ要望や質問に対して、都は、国へ制度の改善が進むように要望しているとの答弁をしてきましたが、具体的には、いつから始め、どういった形で国へのアプローチを進めてきたのか、時系列で列挙いただけるようにお伺いをいたします。
 また、国においては、西村担当大臣が二月二十六日の記者会見や国会答弁の中で、協力金の給付金額については、知事の裁量で変更できるようにしていくと述べていますが、今回の協力金の制度設計で、この方針を踏まえ、具体的な検討が行われたのか否かについてお伺いをいたします。
 今回の緊急事態宣言下における人流抑制の効果は、日に日に薄まっています。五日にさらなる外出自粛をお願いした後も、むしろ人出は増加傾向にあるとの報道もありました。
 都民、国民は怠けているわけではありません。感染の終息はまだまだ先という有識者の発言等もある中で、では、一体どこまでいったら自粛が解除されるのか、見えないゴールにモチベーションを保つことが難しくなっていることが効力低下の大きな一因になっています。
 また、オリンピック・パラリンピックの開催を前提に、それに合わせた政治判断が解除動向に影響を与えているのではないかという懸念の声は少なくありません。
 都民、国民の繁栄のために東京大会を招致したのであり、大会の開催そのものが目的になるという逆転現象があってはならないということはいうまでもありませんが、客観的指標にのっとって恣意性を極力排除していくことは、こうした懸念を払拭し、大会への支持を集めていく上でも重要であります。
 埼玉県は、解除要請に向けた独自基準をつくる方向にかじを切りました。東京都にできないわけはありません。現状、そうした方向性にないことは、さきの答弁からも伝わってきますが、あえてやらない、解除の基準をつくることがふさわしくないというのであれば、その理由について、疑問を持つ多くの都民に対して、知事の口から丁寧に説明をすべきです。
 なぜ、宣言解除に向けた具体的な基準を検討しないのか、知事にお伺いをし、私の質問を終わります。(拍手)
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 栗下善行議員の質問にお答えいたします。
 まず、協力金の支給についてですが、事業の大きさに応じ支給額に差を設ける場合、その規模をあらわす指標を決めることが必要となります。こうした指標が自治体ごとに異なると、新たな不公平感を生むおそれがございます。
 このため、事業規模に応じた協力金制度の構築については、国において行うべきものと考えておりまして、一都三県で連携し、本年一月二十九日と二月五日、国に要望しているところでございます。
 次に、協力金の給付額についてですが、国は、感染拡大防止協力金について、その単価を、事業規模に応じ自治体が柔軟に設定できるとしておりますが、事業の規模をあらわす指標などはいまだ示しておりません。
 このため、事業規模に応じた協力金制度の構築と、それに係る財源の確保に関しまして、一都三県で連携し、引き続き国に要望を行ってまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 緊急事態宣言の解除についてでございますが、緊急事態宣言の解除は、感染状況及び医療提供体制等の逼迫状況について、国の分科会提言におけるステージスリー相当の対策が必要な地域になっているかなどを踏まえまして、専門家の意見を聞きながら、国が総合的に判断するものでございますが、都としては、当面ステージツーを目指してまいります。

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