令和三年東京都議会会議録第六号

○議長(石川良一君) 十四番藤井とものり君。
〔十四番藤井とものり君登壇〕

○十四番(藤井とものり君) 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、追加で提出された二年度最終補正予算案について質疑を行わせていただきます。
 緊急事態宣言が三月の二十一日まで再度延長になったことについて、知事としてどのように責任を感じておられるのでしょうか。現在でも多くの都民からは、十分なご理解とご協力をいただいているものと考えております。
 知事は、三月五日の記者会見の中で、都民の自覚の不足を指摘し、都民に対する責任転嫁ともとられかねないご発言をされましたけれども、本来、責任を感ずるべきは、都民、国民の側ではなく、我々政治の側にあるのではないでしょうか。
 また、菅総理は、どうなれば宣言を解除できるのか、新規感染者数の目標、病床の状況について、一定以上の余裕のある数字と述べるだけで、明言はされませんでした。
 知事は、みずから緊急事態宣言の延長を要請する方針であったとも伝えられております。私どもの代表質問に対し答えておられませんが、延長を要請するなら、当然いつまで、いかなる状態になるまで継続すべきかという点について、見通しがあるべきでございます。
 都として、宣言解除に必要な数値目標を明言すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、知事が解除の目安としていた新規感染者数百四十人以下という目標はなくなったのかについても、あわせて見解を伺います。
 病床使用率二〇%以下を目指すのであれば、分母である病床を確保していくことも必要なことであります。三月二十一日までに何床の病床を確保する見通しであるのか、見解を伺います。
 英国型変異株の出現で、感染の疑いがある人らの隔離期間を十四日間から二十一日間に延長している国や地域も見受けられます。
 このような中で、緊急事態宣言の延長を二週間、段階的緩和措置十日間の根拠は何なのか、また、この期間内で十分に感染を抑え込めると考えておられるのか、二週間とした政府の判断について、知事として納得をされておられるのか、見解を伺います。
 延長した二週間において、徹底的な抑え込みが必要であります。しかし、二週間の延長を受けた都の緊急事態措置には、徹底的な抑え込みといえるような、ギアを上げたもう一段の対策は見受けられませんでした。
 国の尾身会長は、積極的疫学調査の深掘りに言及しておりますが、徹底的な抑え込みには、積極的疫学調査、医療提供体制の拡充、経済的打撃を受ける事業者への支援強化の三つが必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 また、かねてより私たちが求めているとおり、PCR検査体制を大幅に拡充し、攻めのPCR検査を展開することで、隠れたクラスターをあぶり出し、感染の連鎖を断ち、徹底して感染の早期発見、早期治療に取り組むべきと考えますが、無症状者に対するモニタリング調査の必要性も含め、見解を伺います。
 変異株への感染が拡大しており、変異株による第四波を警戒する声も上がってございます。都として、変異株への対応を強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 私たちは、協力金は一律ではなく事業の規模や売り上げを考慮した給付金額にすべきと主張してまいりました。
 これに対し、知事は国に対して要望を行っていくと答弁されておられますが、都が単独で始めた協力金であり、必要な改善を国に求め、国がやらないのであれば、都が率先して事業規模や売り上げをも考慮した協力金に改めるべきであります。
 今回の補正予算案では一律額の協力金となっていますが、事業規模等に応じた協力金について、国に対して制度構築を求めたのか、なぜ都として率先して改善しないのか、改めて知事の見解を伺います。
 私ども会派のもとにも事業者の方々から協力金の支給に時間がかかっている、どうなっているのか、早くしてほしいとの問い合わせをいただくケースが増えてまいりました。長引く外出自粛要請、時短要請により一段と厳しくなった経営環境に鑑み、速やかに申請者の手元に届くよう求めるものでありますが、見解を伺います。
 私たちは代表質問でも、知事に対し真摯な説明を尽くすことを求めてまいりました。しかし、三月五日の記者会見では、記者からの質問を早々に打ち切るなど不誠実とも映る対応が見られました。
 小池知事より三十分前に記者会見を始めていた菅総理は、知事が会見を終えた時間になっても質疑応答を続けていました。
 知事においても、質問がなくなるまで答える、また、科学的根拠に基づく真摯な説明を尽くすなど、これまでの対応を改めるよう求めますが、知事の見解を伺います。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての質疑を終えます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 藤井とものり議員の質問にお答えいたします。
 まず、新規陽性者についてのお尋ねがございました。
 先月の緊急事態宣言の延長時、その際、新規陽性者数の減少の目安といたしまして、七日間平均を前週比で七割以下とすることを掲げたものでございます。
 これを継続できましたならば、三月初旬には一日当たり百四十人、都民十万人当たり一人以下となる、そのような試算をお示ししたものでございます。
 新型コロナウイルス感染症の抑え込みについてのご質問でございます。
 都民、そして事業者の皆様のご協力のおかげで、新規感染者数、こちらは減少傾向にございますものの、一方で従来株より感染力が高いとされます変異株による感染の拡大リスクは生じております。
 今後、感染を徹底して抑え込むためには新規感染者数をさらに減少させていく必要がございます。
 このため、保健所の調査機能を最大限発揮をいたして、リバウンドのきっかけとなるクラスターの芽を早期に摘み取るとともに、都内での変異株の発生状況を把握するため、健康安全研究センターでのスクリーニング検査に加えまして、民間検査機関も活用して、国とも連携し、監視体制を強化してまいります。
 また、都は、確保しております五千床の新型コロナ病床を効果的に活用するために、新型コロナウイルス感染症から回復した患者で、引き続き入院が必要な方の転院を受け入れる病院への支援を行うなど、医療提供体制の確保を図っております。
 さらに、都民に対しましては、不要不急の外出、基本的感染対策の徹底などを呼びかけております。
 事業者に対しましては、資金繰りの改善や家賃負担の軽減を図るための下支えとなる支援を行うとともに、感染防止対策や業態転換など、コロナ禍におけます事業継続に向けた取り組みへのサポートも実施をいたしております。
 この間、都民、そして事業者の皆様方には大変なご負担をおかけしてまいりました。これまでの皆様の努力に報いるためにも、感染の抑え込みに全力で取り組んでまいります。
 そして、都民に対する発信についてでございます。
 新型コロナウイルス感染症への対策、そして都民への呼びかけを行うに当たりましては、専門家等の意見も踏まえまして、都民や事業者が適切な感染防止対策をとれますように、世代、そして活動の場面などに応じまして、具体例を示しながらわかりやすい言葉で丁寧に発信をしてまいりました。
 今回の緊急事態宣言の延長に当たりましても、リバウンドへの危機感などを都民と共有して、二週間で集中して徹底的に感染を抑え込めますよう、明確なメッセージを発信してまいります。
 残余のご質問は、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 二点のご質問にお答えいたします。
 緊急事態宣言の解除についてでございますが、緊急事態宣言の解除は、感染状況及び医療提供体制等の逼迫状況につきまして、国の分科会提言におけるステージスリー相当の対策が必要な地域になっているか等を踏まえ、専門家の意見も聞きながら、国が総合的に判断するものでございますが、都としては、当面ステージツーを目指してまいります。
 次に、緊急事態宣言等の期間についてでございますが、現在の都内の新規陽性者数は下げどまりが継続し、現状は依然として非常に厳しく、緊急事態宣言が延長されたことは大変重く受けとめてございます。
 また、延長の期間については、国が、感染状況及び医療提供体制等を踏まえ、専門家の意見も聞きながら適切に判断したものと考えてございます。
 解除後も、感染の再拡大を防ぎ、感染を徹底的に抑え込むため、国の基本的対処方針を踏まえまして、三月末まで段階的緩和期間を設け、営業時間短縮要請などの感染防止対策を実施してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、新型コロナ患者を受け入れる病床についてでございます。
 病床の確保におきましては、通常医療との両立を図りながら、新型コロナ患者を確実に受け入れられるよう体制整備を図ることが重要でございます。
 そのため、現在、重症者用の病床三百三十床を含め五千床の病床を確保しており、今後の変異株による感染拡大のリスクも踏まえ、引き続き、必要な病床数の確保を図ってまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症の検査についてでございます。
 先月二十六日に変更されました国の新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針では、感染拡大の予兆や感染源を早期に探知するため、感染リスクの高い場所を中心に、無症状者に焦点を当てた幅広いPCR検査等を実施することを重要事項の一つとして掲げてございます。
 東京iCDCでは、感染拡大の予兆を探知する方策を検討しており、その議論を踏まえ、検査に関する対応策を検討してまいります。
 最後に、新型コロナウイルスの変異株についてでございます。
 都は、変異株の感染状況を把握するため、東京iCDCに検討チームを立ち上げ、昨年十二月から健康安全研究センターで変異株の有無を確認するスクリーニング検査を開始いたしました。本年二月からは民間検査機関でも検査を実施し、これまでに合わせて二千五百件を超える検査を行い、二例の変異株が確認されております。
 都は、監視体制のさらなる強化のため、スクリーニング検査を実施していない民間検査機関に働きかけ、規模の拡大を図ってまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、事業規模に応じた協力金についてですが、感染拡大防止協力金は、飲食業等の店舗に対する営業時間の短縮要請の実効性の確保を図るために支給を行うこととしております。
 この協力金に関し、事業の大きさに応じ支給額に差を設ける場合、その規模をあらわす指標を決めることが必要となります。こうした指標が自治体ごとに異なりますと、新たな不公平感を生むおそれがあり、一都三県の間でも懸念が出ております。
 このため、事業規模に応じた協力金制度の構築につきまして、一都三県とも連携し、引き続き国に要望を行ってまいります。
 次に、協力金の支給についてですが、昨年の十二月十八日からことしの一月七日までの間に要請した営業時間短縮に係る協力金につきましては、先月二十六日に申請受け付けを終了いたしまして、現在、五割を超える支給を行っております。
 また、店舗ごとの支給となりました一月八日から二月七日までの要請に係る協力金は、先月二十二日から申請の受け付けを開始し、今月四日から千件を超える支給を行っております。
 適正な審査を確保しつつ協力金を速やかに支給するため、民間の力も活用した審査体制の拡充や支給事務の一部を金融機関に委託するなど、業務の効率化も図っているところでございます。
 こうした取り組みによりまして、引き続き、迅速で円滑な支給を行ってまいります。

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