令和三年東京都議会会議録第六号

○議長(石川良一君) 八十五番長橋桂一君。
〔八十五番長橋桂一君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○八十五番(長橋桂一君) 三月五日、国は、三月七日までとした緊急事態宣言をさらに二週間延長をし、三月二十一日までとすることを決定しました。また、東京都は、緊急事態宣言が解除された三月二十二日以降三十一日までの十日間を段階的緩和措置期間として、都内の飲食店等の営業時間を午後九時までとする短縮要請を行うことを決定いたしました。
 そして、都は、大変な中、協力をしてくださる飲食店等に対して、緊急事態宣言下においては一日六万円、段階的緩和措置期間においては一日四万円を、三月八日から三十一日まで通して営業時間の短縮要請に協力した飲食店等にのみ一律百二十四万円を支給する補正予算案を提出いたしました。
 そこで、何点か質問をいたします。
 この緊急事態宣言は、一月八日に発出された宣言の再延長であります。一月八日の緊急事態宣言については、一都三県の知事が足並みをそろえて、西村担当大臣に緊急事態宣言の発出を要望し、これを受けて、菅総理が、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の意見を踏まえて決断されたものです。
 しかし、今回の緊急事態宣言の再延長については、一都三県の足並みがそろわなかったため、菅総理が、関係閣僚との意見交換を踏まえ、記者会見で方向性を示し、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の意見を踏まえ、決断されたものであります。
 そこでまず、今回の緊急事態宣言について、二週間延長することに対し、どう評価されているのか、知事に見解を求めます。
 また、今回、緊急事態宣言の再延長期間である二週間が解除された後について、都は、三月二十二日以降三十一日までの十日間を段階的緩和措置期間として、法による強制力を持たない協力要請を飲食店等に求めています。
 しかしながら、三月五日の政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長の記者会見では、一都三県で緊急事態宣言解除後には、特措法改正により新設した法的強制力を伴い、緊急事態宣言に準ずる蔓延防止等重点措置を求めていました。
 新型コロナウイルス感染症のリバウンドを起こさないためにも、緊急事態宣言後には、尾身会長のいう法的強制力を伴う蔓延防止等重点措置に移行すべきではと考えますが、なぜ都は、強制力を持たない段階的緩和措置としたのか、知事に見解を求めます。
 この間、都内飲食店やカラオケ店の方々は、一日も早い感染状況の終息を信じ、大変な思いをし、さまざまな努力をして営業時間の短縮に協力をしてくださっています。東京都によると、都内繁華街三十七カ所における都の職員による目視での調査で、九六%の飲食店等が営業時間の短縮について協力をしてくださっているとのことであります。
 しかし、今週の新規感染者の増加比率は、先週の約八三%から約九四%へと上昇して、二百七十二人となるなど、新規陽性者数の減少傾向が鈍化しています。
 知事は、緊急事態宣言の延長に際し、二月二日の臨時記者会見で、今後、毎日の新規陽性者数が一週間前の七割で推移していった場合は、三月初旬には一日当たりの新規陽性者数が百四十人以下、つまり、都民十万人当たり一人以下になるわけでありますと述べられました。
 今回、なぜ百四十人以下にならなかったのか、都の分析について見解を求めます。
 二月二日、知事が記者会見でおっしゃった、三月初旬には一日当たりの新規陽性者数が百四十人以下、都民十万人当たり一人以下、この数字が都民の中に浸透をし、ここまで減少すれば緊急事態宣言が解除されると信じている都民の方が大勢いらっしゃいます。
 そこで、この新規陽性者数が百四十人以下、都民十万人当たり一人以下の数字の意味するところをわかりやすく都民の方に説明していただきたいと思います。知事の見解を求めます。
 まさに、これからの二週間が大事な二週間となります。現在、都は、先ほど述べたように、都内繁華街三十七カ所において、職員による目視で飲食店等の営業時間の短縮が守られているかを調査しているとのことであります。
 そして、この営業時間短縮の要請に応じない施設に対して、三月五日に、特措法第四十五条第二項に基づく施設の使用制限の要請を行いました。この取り組みについては評価をいたします。
 他方、本定例会において、総務局長は、都の感染防止徹底宣言ステッカーは、まさに新たな参照点である、この非常に明確でわかりやすい基準を都民に提示することにより、ステッカーの張ってあるお店にしか行かないという行動変容を促す試みであるとのご意見をいただきましたと有識者の言葉を引用して、都の取り組みを自画自賛しておりました。
 しかし、飲食店の中には、飛沫を防止するアクリル板も設置をしておらず、換気設備も取りつけていないにもかかわらず、この感染防止徹底宣言ステッカーだけ張っているお店があることを都民の方から何度も指摘を受けています。これでは本末転倒であります。
 都議会公明党は、機会あるごとにこのことを都に申してまいりました。政府分科会の尾身会長も、飲食店等での感染を防止するには、飛沫防止のためのアクリル板の設置と換気対策が重要であると何度も述べられています。
 知事は、緊急事態宣言の再延長と今回の補正予算を議会に説明した三月五日の東京都議会災害対策連絡調整本部会議において、冒頭、集中して徹底した対策を実施していくと述べられました。
 であるならば、もう一度徹底して飲食店等に対して、アクリル板の設置と換気対策を要請していくべきであります。知事の見解を求めます。
 また、三月五日の同会議において、都は、高齢者施設等における二月から三月にかけての集中的な検査について、現在、対象となっている特別養護老人ホームや介護老人保健施設等の約七百六十カ所に加えて、介護療養型医療施設、有料老人ホームや認知症高齢者グループホーム等、約千五百カ所を日本財団の協力を得て検査を実施することを発表しました。
 この検査は、日本財団の社会貢献活動で無料の検査が行われます。しかし、三月四日のモニタリング会議の専門家のコメントによると、新規陽性者の中で高齢者が占める割合が高くなってきたのは、入所施設だけではなく、通所介護施設も含めた感染割合が二九・七%から四〇・四%に上昇してきていることによると述べています。
 この通所介護施設のPCR検査については、区市町村の判断に任せて、都は財政支援を行っていますが、実施をしている区市町村とそうでない区市町村とで感染状況に大きな差が生じています。
 感染拡大を防止するためには、通所介護施設についても、都が主体者となって集中的にPCRの検査を実施すべきと考えますが、見解を求めます。
 今回、緊急事態宣言が再延長された最大の理由は、病床の逼迫が解消されないまま感染が再拡大する可能性があるということであります。三月四日の都のモニタリング会議の専門家も、入院患者数は減少傾向にあるものの、その速度は穏やかであり、一月初旬から依然として高い水準で推移し、医療提供体制の逼迫による通常医療への影響が長期間続いているとコメントをしております。
 都は現在、都立、公社病院の重点化や入院重点医療機関等の協力により、重症用病床約三百三十床、中等症等用病床約四千六百七十床、合計約五千床の病床を確保し、これに対するモニタリング項目の重症患者数は五十二人で一五・七%、入院患者数は千五百四十八人で三一・〇%であります。
 そこで、このモニタリング項目の重症患者数並びに入院患者数が何人になった場合、病床の逼迫が解消されるのか、知事の見解を求めます。
 他方、三月四日のモニタリング会議においては、専門家は、現在の医療提供体制の状況では、変異株による急速な感染拡大に対応できなくなる、感染拡大に備え、変異株の増加を念頭に置きながら、小児病床を含めた病床確保の戦略を早急に検討する必要があるとコメントしています。まさに変異株については、十代の若年者も感染をするという事例を捉えたコメントであると思われます。
 そこで、都は、この専門家のコメントに対してどう対応していくのか、見解を求めます。
 都はこれまで、新型コロナウイルス感染症の三つの大きな波を経験してきました。その中で得たさまざまな教訓を生かし、今後来るかもしれない第四波に備えなければなりません。
 そして、感染拡大が減少傾向にある今こそ、その対策を打っておく必要があります。政府分科会の尾身会長も、今このときにリバウンド対策を講じておく必要があると強調されていました。
 東京都が三回にわたる感染拡大の中で特に課題となったのが、自宅療養者が最大で一月十八日に九千四百四十二名まで膨れ上がったことであります。このときの宿泊療養者は八百四十三名でした。自宅療養のリスクは、本人が容体急変したときの対応が大変であるとともに、家族等に感染を拡大させる可能性があるということであります。
 厚生労働省も三月二日に、今後、感染拡大に備える観点から体制を整備しておく必要がありますが、その際、症状急変時の適時適切な対応を図る必要があることから、宿泊療養を基本として対応していただくよう、改めてお願いしますという事務連絡を都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部に発出しています。
 都は現在、宿泊療養施設を十四カ所、六千十室確保しております。そこで、新型コロナウイルス感染者のうち、軽症者、無症状者については、宿泊療養を原則とする方針に、保健所設置市や特別区と連携をして改めていくべきであります。都の見解を求めます。
 次に、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金について質問します。
 この協力金は、緊急事態措置期間及び段階的緩和措置期間中の三月八日から三月三十一日まで営業時間の短縮を通して実施し、かつ、感染防止ガイドラインを遵守し、感染防止徹底宣言ステッカーを掲示する事業者の店舗に対して一律百二十四万円支給されます。
 しかしながら、段階的緩和措置期間において決まっているのは、飲食店等の時短営業を二十一時までとし、協力金は一日一律四万円であるということのみで、対象地域も決まっておらず、酒類を提供する時間帯も決まっていません。また、この期間中、飲食店等以外の具体策はどうするのかも明らかになっていません。まさに見切り発車といわれても仕方がありません。
 この段階的緩和措置期間の対象地域や酒類を提供する時間帯、さらにこの期間中の飲食店等以外の具体策はどのタイミングで明らかにするのか、都の見解を求めます。
 また、三月五日の東京都議会災害対策連絡調整本部会議において、産業労働局長は、今回の協力金については、三月八日から三月三十一日まで営業時間の短縮を通して実施した事業者にのみ支給を行い、途中から協力した事業者への支給はないと述べていました。
 しかしながら、都は、一月八日から緊急事態宣言期間中に突如、従来の協力金は中小企業のみであったのが、一月二十二日からは大企業も対象とするという発表をしました。さらに、中小企業も、当初は一月八日または一月十二日から二月七日まで通して時短営業に協力をしてくれる店舗でなければ協力金を支給しないといっていましたが、一月二十二日から時短営業に協力してくれる店舗にも支給すると発表しました。
 当初、いっていることがころころ変わるため、私たち議会も、事業者の皆さんも、一体何を信じればよいのか疑心暗鬼になっています。まさに、都は、場当たり的な施策をやっているといわれても仕方がありません。
 そこで確認をしますが、今回、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金については、途中から協力した事業者には一切支給を認めないのか、都の見解を求めます。
 我が党は、知事への申し入れや代表質問を通して、一貫して、感染拡大防止協力金については、ある程度の売上高や従業員数等の事業規模に応じて支給すべきであると主張してきました。
 しかし、一向に改善される気配はありません。特に、新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正された現在、強制力を持つ制限に対して、本来は補償を行うべきですが、それができないのであれば、少しでも事業者の実態に即した支援を行い、寄り添うのが行政の役目であると考えます。
 事業者から、一律六万円ではこれ以上事業を継続していくことはできないという声がある一方、この二カ月で二百万円ほどの貯蓄ができたという事業者もあります。都民の間からも、このままでは不公平であるとの声が上がっています。
 そこで、独立性と客観性、公正性を保持し、都民の税金について適正な支出となっているかチェックを行っている監査委員に、現在の都の感染拡大防止協力金の一律支給は適正な支出であるのか、見解を求めます。
 最後に、緊急事態宣言の再延長に伴う都の施策について質問します。
 知事は、三月五日の記者会見において、一、都民へのお願い、二、事業者へのお願い、三、都の対応の三本の柱と称して、緊急事態宣言の再延長に伴う都の施策を発表いたしました。正直に申し上げて、高齢者施設等への検査の拡大ということを除き、今までの施策とほとんど変わらないというのが私の実感であります。
 昨日及び一昨日の土曜日、日曜日に、何人かの都民の方とオンラインで知事の記者会見の内容について意見交換をいたしました。都民の方の声も、あと二週間で解除するという強い思いが伝わってこなかった、今までの対策とかわりばえしないので危機感が伝わらなかった、解除の具体的な基準を示してほしかったなどの声がありました。そのせいか、通信事業者のデータによると、この土日の繁華街の人流は、どの地域においても大幅に増加しているのであります。
 そこで、何としてもこの二週間で新型コロナの感染状況を抑え込んでいくという強い決意のもと、踏み込んだ対策と解除の具体的な基準を都民にわかりやすく発信していくべきと考えます。知事の見解を求めます。
 以上で都議会公明党の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 長橋桂一議員の質問にお答えいたします。
 まず、緊急事態宣言の延長についてでございます。
 一都三県に対する緊急事態宣言が三月二十一日まで延長されました。新規陽性者数は下げどまりが継続しております。現状は依然として非常に厳しく、今回の延長を大変重く受けとめております。これまでの都民、事業者の皆様のご協力に感謝を申し上げるとともに、改めて、感染防止へのご協力をぜひともお願いをしたく存じます。
 感染の早期終息に向けまして、残り二週間です。集中して対策を徹底的にやり切る思いであります。
 緊急事態宣言後の措置についてであります。
 国の基本的対処方針によりますと、蔓延防止等重点措置の実施は、感染が都道府県の一部の区域から全域に拡大するおそれがあるなどの事態が発生していることを踏まえまして、国が総合的に判断するものでございます。
 都におきましては、現在の感染状況や専門家の意見等も踏まえまして、緊急事態宣言下のこの二週間、集中して都内全域の感染を徹底的に抑え込む。そして、解除後も感染の再拡大を防ぐために、三月末までの段階的緩和期間を設けまして、時短要請を初めとした感染防止対策を実施してまいります。
 今後は、国や一都三県で連携を図りながら、早期の感染終息に向けまして、万全の対策を講じてまいります。
 新規の陽性者数についてでございます。
 先月の緊急事態宣言の延長時におきましては、新規陽性者数の減少の目安として、七日間平均を前週比の七割以下とすることを掲げております。これを継続できましたならば、三月初旬には一日当たり百四十人、都民十万人当たり一人以下となることから、医療現場の皆様の相当な負担軽減にもつながるものと考えておりましたが、現状では、減少傾向が下げどまっておらず、七割とならない日が続いております。
 今、最も大切なこと、それは長期化している医療現場への負荷を軽減することでありまして、緊急事態宣言の解除に向けて、この二週間でまずは医療提供体制の指標を国基準のステージツーまで改善していかなければならない。
 そのためには、東京の総力を結集いたしまして感染対策に取り組むことが必要であって、改めて、都民の皆様一人一人にご協力をお願いしたいと存じます。
 飲食店等の感染防止対策についてのお尋ねがございました。
 都はこれまで、飲食店等の事業者に対しまして、換気を初めとした基本的な感染防止対策の実施、そしてガイドラインの遵守、ステッカー掲示の徹底を繰り返し促してまいりました。
 国の分科会におきましては、飲食店等の感染防止対策として、感染リスクが高い場所、場面でのアクリル板の設置や適切な換気が有効としています。
 事業者の感染防止の取り組みを支援するため、都は、中小企業によります感染症防止ガイドラインに基づく取り組みへの助成を行っておりまして、今後は、飲食店の業界団体が傘下の事業者が使用するアクリル板等の消耗品を共同購入する場合に助成率の充実を図ってまいります。
 また、職員によりますステッカー掲示店舗の確認の際には、アクリル板の設置や換気のチェックなどをさらに徹底してまいりますとともに、この助成制度を積極的に利用して対策を実施するよう、事業者に強力に促してまいります。
 ここで何としても感染を抑え込む決意で、万全の対策を講じてまいります。
 モニタリング会議によります医療提供体制の評価についてでございます。
 都は、新型コロナウイルス感染症につきまして、七つのモニタリング項目を設定いたしまして、専門家による分析結果をもとに、都内の感染状況及び医療提供体制の評価を行っております。
 これらの分析に当たりましては、数値による目安を設けるのではなく、地域別の状況など、モニタリング項目以外の状況も踏まえて総合的に分析する仕組みとしております。
 現在、専門家からは、新規陽性者数の減少傾向が鈍化していること、感染再拡大の危険性があること、今後、感染力が強い変異株による感染拡大のスピードが増すリスクがある状況にあること、病床の逼迫が解消されないまま感染が再拡大する可能性がある、これらのコメントをいただいております。
 病床の逼迫の解消のためには、新規感染者数そのものを減らし、医療体制の負荷を軽減していくことが、まずもって重要でございます。昨日時点で千四百十八人でありました入院患者数を、ステージツーの水準である千二百五十人まで下げることを目指して、都は、総合的な対策を講じてまいります。
 踏み込んだ対策等の発信についてのお尋ねがございました。
 先日、東京iCDCの専門家からは、新規陽性者数の減少の鈍化、変異株の広がり、ワクチン接種時期が不透明との三つの懸念が示されております。
 今、我々が全力で取り組むべきこと、それは新規陽性者数をしっかりと減少させて、感染を徹底的に抑え込み、再拡大を招かないことであります。
 この二週間、都民に対しましては、不要不急の外出、会食の自粛、基本的な感染防止対策の徹底、事業者に対しましては、営業時間の短縮、テレワークの徹底、これらを呼びかけていくとともに、変異株の監視体制の強化、ワクチン接種の都民向け相談センターの整備、高齢者施設等におけます検査拡大など、全庁を挙げまして、集中的に取り組んでまいります。
 緊急事態宣言の解除につきましては、専門家の意見も聞きながら、国が総合的に判断するものでございますが、都といたしましては、療養者数人口十万人当たり十五人未満、入院患者数千二百五十人未満などの国のステージツーの水準を目指すことをわかりやすく発信をいたしまして、都民と意識を共有することが重要と考えております。今後、継続的に情報提供を行ってまいります。
 残余のご質問につきましては、関係局長からの答弁とさせていただきます。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、新規陽性者数についてでございます。
 東京iCDCの専門家によると、都内の主要繁華街滞留人口は、夜間は一定程度抑えられていたものの、本年二月中旬に一時期増加する場面があり、昼の間は一月の緊急事態宣言以降、増加傾向が続き、抑制できない状況にあると分析されております。
 さらに、三月四日に開催されましたモニタリング会議では、専門家から、病院や高齢者施設で数十人規模のクラスターが複数発生していることや、同居する人からの感染などにより、高齢者層への感染が続いていることのコメントがございました。
 これらのことから、総合的に新規陽性者数減少の鈍化につながったものと考えております。
 次に、小児病床を含めました病床の確保についてでございます。
 都は現在、入院が必要な新型コロナ患者を受け入れる病床を五千床確保しており、小児の患者につきましては、都立小児総合医療センターを初めとする東京都こども救命センターの指定施設等で病床を確保してございます。
 変異株については、これまで以上に感染力が強いとされ、急速な感染拡大も懸念されることから、十代以下の若者を含め、感染状況を継続的に把握しつつ、専門家のご意見も踏まえ、小児病床を含めた病床確保について検討してまいります。
 最後に、宿泊療養についてでございます。
 家族内感染の防止等のため、無症状者等は宿泊施設での療養が望ましいが、実態として自宅療養を希望する方は多い状況でございます。
 先月、都は国に対し、宿泊療養を原則とするように求め、その結果発出された通知を保健所等に周知するとともに、宿泊療養への都民への理解を求めるため、ホームページ等にわかりやすい情報を掲載いたしました。
 また、対象者への注意事項の説明や入所決定の連絡などの保健所の業務を、都がかわりに対応する取り組みも開始いたしました。
 このほか、退室後の居室の消毒等を速やかに行うため、入所期間が長い方には居室の階を移動いただくなど、効率的な運営にも取り組んでおり、今後とも、保健所等と連携し、宿泊療養の利用促進に取り組んでまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 高齢者施設等に対する検査に関するご質問にお答えいたします。
 都はこれまで、特別養護老人ホームなどの入所者や職員の検査を支援するほか、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業により、通所施設等の検査の実施を支援してまいりました。
 来年度も、この区市町村との取り組みを推進するため、四月から六月までの期間を対象に、約二十五億円の予算案を計上しており、区市町村実務者連絡会などを通じ、積極的な活用を働きかけてまいります。
 また、先月二十四日から高齢者施設の職員向けにPCR検査事業を開始した公益財団法人日本財団から、検査対象となる施設種別の拡大に関する協力が得られました。
 今後、日本財団の検査能力の増強に合わせて、対象のさらなる拡大を要請する予定でございまして、こうした取り組みにより、通所施設での検査実施を支援してまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 段階的緩和期間の対策についてでございますが、緊急事態宣言の解除後については、国は、必要な対策はステージツー相当以下に下がるまで続けるとしておりまして、都は、三月二十一日に宣言が解除された場合には、その後、段階的緩和期間として、三月三十一日までの間、飲食店等に対して営業時間の短縮を要請する予定でございます。
 この段階的緩和期間における対策につきましては、今後、時短要請に係る対象地域、酒類を提供する時間帯に加えまして、飲食店等以外の施設への協力依頼、外出自粛の要請、イベントの開催などを検討する必要があり、都としては、国の方針や都内の感染状況等を踏まえ、一都三県で連携し、専門家の意見を聞きながら決定をしてまいります。
 この決定のタイミングは、宣言解除の国の方針が示された後、速やかに行う予定でございます。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 協力金の支給対象となる期間についてですが、一月八日から営業時間短縮を要請している中、新規陽性者数が高どまりし、見回りにより個別店舗への協力依頼を行うなど、対策を強化する必要があったことから、中小事業者のみならず、大企業も含め、営業時間短縮について一段のお願いをいたしまして、一月二十二日からの協力も支給対象としたところでございます。
 今回の協力金につきましては、緊急事態措置期間から段階的緩和期間にかけて、飲食店等に営業時間の短縮を要請することをあらかじめお示しし、要請の実効性を確保するため、この間を合わせた全ての期間にご協力いただいた場合に協力金を支給することとしております。
〔監査事務局長河内豊君登壇〕

○監査事務局長(河内豊君) 感染拡大防止協力金の一律支給についてでございますが、監査委員監査は、地方自治法等の法令の規定に基づき、自治体の財務に関する事務の執行などに対して事後的に検証を行うものでございます。
 都におきましては、毎年年末に監査計画を定め、翌年に定例監査、行政監査などを実施しております。
 監査に当たりましては、法令や要綱等に従い、適切に執行されているかという合規性を中心に、書類の検証、各局ヒアリングなどを丁寧に実施しております。
 令和三年は、定例監査や行政監査など各種監査を有機的に連携させ、新型コロナウイルス感染症対策関連の事業や感染症が各局事業に与えた影響などを重点的に検証することとしており、協力金につきましても、今後、この中で監査してまいります。

○副議長(橘正剛君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二十四分休憩

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