令和三年東京都議会会議録第四号

○副議長(橘正剛君) 十番山内れい子さん。
〔十番山内れい子君登壇〕

○十番(山内れい子君) 都議会生活者ネットワークです。
 この一年、都は、試行錯誤しながらコロナ対策に取り組んできました。マスクや消毒用アルコールなど衛生用品の配布、PCR検査費用の補助などについて、医療従事者や高齢者、障害者施設を対象に行ってきましたが、地域の在宅介護を支える訪問介護従事者への支援がいつも後回しになっています。施設などと同様に、実際に在宅での生活を支えている訪問介護従事者に対しても支援を行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 最近、コロナが治った後の後遺症に苦しむ人たちについて報道されています。今回提案されている補正予算には、コロナコールセンターや発熱相談センター、ワクチン相談センターが相談体制の確保として提案されています。しかし、後遺症の相談を受ける機関はなく、これから始まるワクチン接種についても、副反応が接種直後に出てくるとは限らず、一年、二年と長期間経た後に発症することもあり得ます。
 こうした問題について相談できる窓口が必要と考えますが、見解を伺います。
 東京・生活者ネットワークはこれまでも、男女平等参画についてさまざまな調査を行ってきました。
 二〇一八年から実施した自治体施策の調査から明らかになったのは、男女平等参画を推進すると掲げながら、ジェンダー平等施策が不十分なことです。東京都は、二〇二一年度までに、審議会等における女性委員の任用率三五%以上を目標に設定しましたが、三二・九%と未達成です。知事は、施政方針で、女性参画を加速させ、二〇二二年度末までに女性任用率を四〇%以上に高めていくとしました。
 これまで、専門性や知識のないことが女性の任用が少ない理由として挙げられてきました。専門性や知識がないことが、むしろ、多様性を推進する新たな価値として世の中を改革する原動力になっていることを、世界の女性リーダーが証明しています。
 小池知事は、森会長の発言を受け、日本全体の問題ではないかと感想を述べ、都の審議会の女性任用率についても言及しました。改めて、知事の女性任用が広がることへの期待について伺います。
 政策、方針の決定過程の男女平等参画を実現するため、クオーター制を設けるなど個別具体的かつ戦略的な施策が必要です。
 二〇二二年度末までに審議会の女性任用率四〇%以上を達成するために、都は、どのように進めていくのか伺います。
 多様な意見や価値観を持つ女性や、当事者である市民が参画し、活発な議論で政策決定等をしていくには、公募市民を大幅に増やすなど委員構成を大胆かつ戦略的に選任することも重要です。法律の規定がなければ、自治体の裁量で委員選任を決めることができます。東京都における審議会には、都議会議員の委員兼務が多く見受けられますが、市民参加の妨げになっています。多摩地域では、議員枠をなくした自治体もあり、議員の兼務は時代遅れです。
 附属機関等の運営の基本事項を定める要綱においては、附属機関等の委員の職を二つ以上兼ねている者は、特に必要がある場合を除き、委員に充てないこととしていますが、東京都の行政附属機関における議員の委員兼務状況についてお伺いいたします。
 二〇〇三年の都立七生養護学校の心と体の学習や二〇一八年の足立区教育委員会に対する指導という東京都教育委員会の介入は、性教育の現場を萎縮させました。日本の性教育は後進国だと世界から指摘されています。そのため、子供、若者は、インターネット等の誤った情報や性差別的、暴力的な性描写、デートDV前提の恋愛モデルなどに影響され、性について学ぶ権利が侵害されていることを大いに反省しなければなりません。
 現在、世界的に人権尊重、性的指向、性自認を含めたジェンダー平等、多様性、安全、健康など、肯定的な価値観や関係性を構築し、性的自己決定能力を培う幼児から発達段階に応じた国際基準の包括的性教育が求められています。
 都教育委員会は、性教育の手引改定後、人権尊重、男女平等、多様性、リプロダクティブ・ヘルス・ライツに基づいた性教育をどのように進めているのか。都教育委員会の取り組みを伺います。
 障害のあるなしにかかわらず性教育は必要です。特別支援学校における性教育は、子供たちの実態把握と補助教材等含めた検討が重要です。都教育委員会の見解を伺います。
 二〇二〇年に自殺した児童生徒の数が、前年比で約四割増の四百七十九人に上り、過去最多だったと文科省が発表しました。専門家は、コロナ禍で社会不安が広がり、新しい生活様式によって孤立化が進んでいる。長期間の休校とそれに伴う学習の遅れや家庭などに問題を抱えている子には負担が大きい。これまで以上に自殺リスクが続く可能性が高い。子供たちのSOSを受けとめる体制を社会全体でつくっていく必要があると指摘しています。さらなる対策の強化を求めるものです。
 都が実施している子供の権利擁護専門相談事業は、子供の権利を擁護するための第三者機関として、子供からの電話相談、メッセージダイヤル、子供の権利擁護専門委員による権利侵害事例の調査・調整活動という三つの活動を継続しています。また、コロナ禍においては、LINEによる児童虐待相談は、子供がいつでも気軽に相談できるため、効果的な相談窓口と考えます。
 改めて、これらの相談事業について、今年度の相談件数等の状況についてお伺いいたします。
 東京都は、未来の東京戦略案の中で、子供の目線を大切にした東京をつくると掲げています。昨年九月から開催されているこども未来会議でも、子供自身の意見反映の重要性とその手法について議論されています。子供が子供時代を自分らしく生き、子供の育ちを応援するため、子供の権利を総合的に保障することが求められています。
 生活者ネットワークは、これまでもたびたび、子供の参加、子供の意見表明について質問してきましたが、こども未来会議のテーマとなっていることに大いに期待をしています。
 改めて、小池知事の子供政策についてお伺いをいたします。
 ヤングケアラーに関する報道はようやく増え始めています。家族を介護するために学校を休んだり、学業を続けられなくなることもあるにもかかわらず、自分がヤングケアラーであると認識できない場合が多く、本人や学校など周囲の人が気づき、支援につなげていくことが重要です。
 生活者ネットワークは、二〇一五年にいち早くこの問題を取り上げ、実態調査を求めてきました。二〇一九年には江戸川で市民が中心になって学習会や実態調査を実施しています。
 学校で子供や学校関係者の気づきを促すために、元ヤングケアラーや専門家による出前授業を実施することを提案しますが、いかがでしょうか。また、学習に関する支援体制をつくることと、家族支援のために福祉施策につなぐことが必要です。スクールソーシャルワーカーがその役割を担うことになると考えますが、見解を伺います。
 国は実態調査を始めており、昨年十二月議会では、都もヒアリング調査を実施するということでした。その後の取り組み、進捗状況について伺います。
 また、ヤングケアラーにとっては、相談する相手を見つけるのが難しい現状があります。近い世代の人と話し、悩みを共有できるようにしていくことが重要です。同様の経験を持つ元ヤングケアラーなどピアの交流の場をつくるべきと考えますが、見解を伺います。
 孤立し、困難を抱えているのはヤングケアラーだけではありません。高齢者や障害者を在宅で介護している家族など、ケアラーを支援することが求められています。
 介護サービスの充実はもちろん重要ですが、相談窓口や交流の場で悩みを話したり、情報を得ることで、ケアラーの負担を軽減する一助となります。地域によってはケアラーズカフェを設けているところもあります。広域自治体である都として、ケアラー支援への認識を広げ、各地域の支援体制を強化するためにケアラー支援条例が必要と考えます。
 現在、地域でのケアラー支援対策体制づくりに対して、都はどのように取り組んでいるのか伺います。
 東京都が気候危機行動宣言をし、ゼロエミッション東京戦略を策定して一年、国もようやく二〇五〇年、CO2ゼロや脱炭素に向けてかじを切り始めました。温暖化を食いとめるには、この十年が正念場といわれており、知事は一月二十七日、二〇三〇年までに温室効果ガス五〇%削減を表明しました。それを実現するには、あらゆる分野で取り組んでいくことが必要です。
 建物のZEB化、ZEH化の推進が求められています。公共施設のZEB化はもはや当然のことです。国分寺市にある公文書館は都の施設として初のZEBですが、その後の都有施設建設に当たっては全てZEB化するものと考えますが、見解を伺います。
 都営住宅については、ZEB化をすぐに実現するのは難しいとしても、建て替え時に断熱性を高めることが重要です。ドイツでは、所得の低い人向けに断熱性の高い公共住宅を建て、エネルギー効率がよいため貧困対策にもなっていると聞いています。
 例えば、省エネ・再エネ東京仕様と同等の断熱性能を都営住宅にも適用するなど、これまで以上に断熱性の高い住宅を建てるべきだと考えますが、見解を伺います。
 農業分野でも脱炭素の取り組みが進行しています。四パーミルイニシアチブ推進全国協議会が発足し、東京都からは農林総合研究センターが参加したとのことであり、環境保全型農業として農水省も推進しています。堆肥を増やすなどで土壌中の炭素が増加し、CO2削減とともに有機農業に近づけていくことにもなるので、CO2削減量の見える化もあわせて都として進めていただきたいと思います。
 環境に配慮した農業の取り組みについてお伺いをいたします。
 農業における持続可能性の観点からは、農薬や化学肥料に頼らない取り組みも重要です。東京都エコ農産物を学校給食に取り入れ、納入量に応じて補助することを提案するものです。
 東京都エコ農産物を増やしていくための今後の取り組みについて伺います。
 未来の東京戦略案には、世界一の美食都市実現プロジェクトで美食都市を標榜していますが、食にまつわる環境問題には触れられていません。今、飽食と飢餓が世界的な問題になっており、食品ロスやプラスチック容器、フードマイレージ、バーチャルウオーターなど食に関する多くの環境問題への対策が重要であり、環境都市東京を最優先にした美食都市でなければなりません。
 中でも食品ロスの削減は急務の課題です。都は、今月公表した東京都食品ロス削減推進計画案に基づき、消費者の食品ロス削減に向けて効果的な対策を講じるべきと考えますが、見解をお伺いいたしまして、都議会生活者ネットワークの質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山内れい子議員の一般質問にお答えいたします。
 女性任用が広がることへの期待についてでございます。
 都は、女性活躍推進を重要な課題と位置づけまして、さまざまな施策に取り組んでまいりました。
 意思決定過程への女性の参画を広げ、社会全体の意識改革につなげることは必要であります。このため、まず、都庁において、審議会等の女性委員の任用につきまして、令和四年度末までに男女それぞれが構成員の四〇%以上とし、目標を前倒しいたします。
 あらゆる分野で女性が活躍することは女性だけではありません、男性にも大きな影響を与え、男女が対等な立場で責任を分かち合う男女平等参画社会の形成につながるものと考えております。
 次に、子供政策についてであります。
 子供は、無限の可能性を秘めた未来を担う社会の宝であります。その宝を、社会全体で大切に育み、子供の笑顔であふれるまちを実現したい。
 こうした思いから、未来の東京戦略では、戦略の一、まさに一丁目一番地といたしまして、子供の笑顔のための戦略を掲げております。この戦略をてことしまして、子供の目線に立った政策を総合的に推進し、子供に寄り添い、多面的にサポートしていく。
 今年度新たに立ち上げたこども未来会議では、あらゆる場面で子供や子育てを支える社会を目指しまして、子供の笑顔や子供との対話の視点を重視しながら、従来の枠組みにとらわれない幅広い議論を行っております。
 こうしたこども未来会議におけます議論を踏まえました子供政策を推進することで、未来を担う子供たちを最優先として、子供の目線を大切にした東京をつくり上げてまいります。
 なお、その他のご質問につきましては、教育長及び関係局長から答弁をいたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、学校における性教育の推進についてでございますが、性教育は、児童生徒の人格の完成を目指す教育の一環でございまして、人間尊重の精神に基づいて進める必要がございます。
 そのため、都教育委員会は、性教育の手引に生命のとうとさや異性の尊重に関する指導事例等を掲載し、保健体育科主任の連絡会等で周知するとともに、平成三十年度から産婦人科医を講師としたモデル授業を実施してまいりました。
 今年度は、新型コロナの影響により講師の来校が難しかったことから、講話を収録した映像資料による授業を中学校十九校で実施をしております。
 今後とも、学校が学習指導要領に示された内容を確実に指導し、性に関する諸課題について適切に判断し行動する能力や態度を育むことができるよう、性教育の適切な実施を支援してまいります。
 次に、特別支援学校における性教育についてでございますが、障害のある児童生徒に対する性教育は、小中高校等における教科等の目標や指導内容等に準じるとともに、障害の種類や程度等に応じて行うことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、児童生徒の障害の特性や心身の発達段階等を十分考慮した上で、個別やグループで授業を実施するなど指導形態を工夫するよう、各学校に周知しております。また、補助教材等は内容が正確かつ偏りがないこと、学習の進度に即応していること、表現が正確かつ適切であること等の観点から選定するよう、各学校に助言しているところでございます。
 今後とも、特別支援学校において、学習指導要領及び性教育の手引等に基づき、児童生徒一人一人の実態等に応じて性教育が適切に実施されるよう支援してまいります。
 最後に、学校におけるヤングケアラーへの支援についてでございますが、これまで都教育委員会は、子供を取り巻くさまざまな状況を把握するためのアンケート例として、学校生活や友人関係に加え、家庭や家族等に関する質問項目を示し、学校が子供の変化に気づくよう促してまいりました。また、家庭への支援が必要な状況を把握した場合には、福祉等の関係機関と連携して対応するよう徹底を図ってまいりました。
 例えば、スクールソーシャルワーカーが、幼児の世話を任された子供の学習の機会を保障するため、保護者に助言し生活環境の改善を図った事例や、ストレスで体調を崩した親を介護する子供の負担を軽減するため、自治体の職員と連携して保護者の生活を支えた事例などがございます。
 今後とも、こうした事例について生活指導担当教員等の連絡会で共有し、子供を支援する取り組みを推進してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、訪問介護事業所への支援についてでございますが、都は、介護施設、事業所等に対し、区市町村を通じてマスクや手袋など衛生用品の提供を行っております。
 また、利用者や職員に感染者や濃厚接触者が発生した場合でもサービスを継続できるよう、消毒用アルコールの購入や人材確保のための割増手当などに対する補助を行っており、来年度も実施してまいります。
 さらに、認知症グループホームや通所介護など地域に密着したサービスの利用者や職員に対して区市町村が実施する検査についても支援しており、来年度は、訪問介護事業所等も含め実施する予定でございます。
 こうした取り組みにより、今後とも、訪問介護事業所への支援を行ってまいります。
 次に、子供の権利擁護専門相談事業等についてでございますが、都は、子供の権利擁護専門相談事業で、子供本人からの悩み等を相談員がフリーダイヤルで直接受けるとともに、深刻な相談には弁護士などの専門員が対応しており、今年度の相談件数は一月末までで七百八十五件、そのうち子供本人からの相談は二百六十八件でございます。
 また、令和元年八月から、児童虐待防止のためのLINE相談を実施しており、今年度の相談件数は一月までで九千六百十八件でございます。そのうち子供本人からの相談は二千四十四件であり、一カ月当たりの平均相談件数は、昨年度に比べ約八五%増加しております。
 今後とも、子供の福祉の向上と権利擁護を図るため、相談事業を適切に実施してまいります。
 次に、ヤングケアラーに係る調査等についてでございますが、国は今年度、全国の要保護児童対策地域協議会や学校を対象にヤングケアラーに関する調査を行っており、都は、この調査における都内の回答を独自に集計することとしております。
 また、さらに詳細な実態を把握するため、要保護児童対策地域協議会の構成員である子供家庭支援センターや学校に対して、ヒアリング調査を来月から開始する予定であり、現在準備を進めております。
 こうした調査結果を庁内各局で構成する会議などで共有するとともに、ヤングケアラーに対する支援のあり方について検討してまいります。
 最後に、ケアラー支援についてでございますが、区市町村は、介護保険制度における地域支援事業として介護者同士の交流や介護教室の開催、障害者総合支援法における地域生活支援事業として日中一時支援など、さまざまな取り組みを実施することにより介護する家族の負担を軽減しております。
 これに加え、都は、医療機関と連携した認知症カフェや障害児者の家族等を対象とした講座の開催など、地域の実情に応じた区市町村の取り組みを財政面で支援しているほか、レスパイトに有効なショートステイなど、在宅介護を支えるサービス基盤の整備を進めております。
 今後とも、こうした取り組みを通じ、在宅で介護を行っている家族を支援してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 新型コロナの後遺症とワクチンの副反応に関するご質問にお答えをいたします。
 後遺症の原因や実態は、現段階では明確になっておらず、まずはその状況を把握するため、東京iCDCの専門家ボードにおいて後遺症の調査に着手したところであり、都は引き続き、調査結果も踏まえながら、後遺症に苦しむ方への対応策を検討してまいります。
 また、都は、新型コロナワクチンの接種を受けた方からの副反応に関する問い合わせに応じる電話相談センターを早期に開設いたしますとともに、必要に応じて専門的な医療機関で受診できる体制を確保してまいります。
 なお、新型コロナワクチンを含め、予防接種法に基づきますワクチン接種を受けたことにより健康被害が発生した場合には、救済給付を行うため区市町村が相談を受け付ける仕組みが整備されてございます。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕

○生活文化局長(野間達也君) 審議会等における女性委員任用率四〇%以上を達成するための方策についてでございますが、令和二年四月現在、都の審議会等の女性委員の任用率は三二・九%でございます。
 令和三年度末までに任用率三五%を目標として女性の任用促進を図ってまいりましたが、新たな目標を掲げ、必要な専門知識や知見をお持ちの女性を広く公募するなどにより、その達成に向け取り組んでまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 附属機関等における委員の選任状況についてでございますが、附属機関等の運営においては、各審議会等の設置目的に応じて、専門性の確保を図りつつ、多様な委員構成となるよう要綱を定め各局に促してございます。
 令和二年四月一日現在、全審議会等で約四千名の委員を選任しておりますが、このうち都議会議員は百八名であり、また、委員の職を三つ以上兼ねている方は十二名でございます。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 都有建築物のZEB化の推進についてでございますが、ゼロエミッション東京の実現のためには、建築物の省エネ化や再生エネルギーの導入を推進することが重要でございます。
 このため、都は、省エネ・再エネ東京仕様を策定し、庁舎や学校などの都有建築物の整備において省エネの推進や再エネの導入に取り組んでまいりました。こうした中、東京都公文書館では、太陽光発電のエネルギー量などを見える化する取り組みも行っております。
 今後、ZEB化を目指すに当たりましては、東京都公文書館での運用実績等を検証するとともに、そこで得られた知見や省エネ機器の技術開発等の動向も踏まえながら、省エネ、再エネの取り組みをさらに進めてまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 都営住宅の断熱性能の向上についてでございますが、省エネ・再エネ東京仕様は、都が整備する庁舎、学校、病院等を対象としておりまして、都営住宅については国の公営住宅等整備基準に基づき整備しております。
 同整備基準におきましては、省エネに関する法律等の制定や改正を踏まえ、断熱性能を高める改定が適時行われてきており、その改定に合わせ、建て替え後の都営住宅の断熱性能も向上させてまいりました。
 平成二十七年度の建て替え事業からは、住宅の品質確保の促進等に関する法律に定める断熱等性能等級において、最上位に位置づけられる等級四の基準を満たす仕様での整備を行っております。
 今後とも、国の動向等も踏まえまして、都営住宅の断熱性能の向上につながる建て替えを計画的に進めてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、環境保全型農業についてですが、環境に配慮した農業を推進することは、地球温暖化の防止や生物多様性の保全に貢献する重要な取り組みでございます。
 このため、都は、温室効果ガスの削減に寄与する堆肥を使用した土づくりと、農薬や化学肥料の削減により生産された農産物を東京都エコ農産物として認証しているところでございます。
 さらに、東京都GAP認証制度におきましても、堆肥による土づくりを認証の基準とするなど、環境に配慮した農業の普及を進めてまいりました。
 今後とも、環境保全型農業を推進し、持続可能な東京農業の実現を図ってまいります。
 次に、東京都エコ農産物の消費拡大についてですが、環境保全型農業の推進には、農薬の削減等により生産された東京都エコ農産物の消費拡大が重要となっております。
 このため、都は、東京都エコ農産物の認証農家にPR用ポスター等を提供いたしまして、庭先直売所への掲示などにより消費拡大を図っているところでございます。
 また、生産者や販売場所等を紹介する冊子を都内飲食店等へ配布するなど、販路開拓を支援しております。
 こうした取り組みにより、東京都エコ農産物の消費拡大を図り、環境に配慮した農業の推進につなげてまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) 食品ロス対策についてでございますが、消費者の食品ロス削減に向けては、区市町村や関係団体等と連携しながら、創意工夫を凝らした取り組みを着実に推進していくことが重要でございます。
 都はこれまで、関係団体等で構成する食品ロス削減パートナーシップ会議などを通じまして、幅広い世代の都民の理解と具体的行動を促す取り組みを推進してまいりました。
 今年度は、コロナ禍において、オンラインにより、楽しみながら理解度を高めていくドリルつきの動画を配信したほか、区市町村と連携し食べ切り協力店やフードドライブ等の取り組み状況の発信に取り組んでございます。
 今後も、消費者一人一人が食品ロス対策を自分事と捉え実践していけるよう、業界団体を初め九都県市や区市町村とも連携し、効果的な普及啓発を進めてまいります。

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