令和三年東京都議会会議録第四号

○議長(石川良一君) 一番古城まさお君。
〔一番古城まさお君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○一番(古城まさお君) 初めに、新型コロナの風評被害対策について質問します。
 コロナ禍は、私の地元新宿区に大きな影を落としました。昨年の五月下旬から、区内の新規感染者数が増大し、感染拡大、夜のまち、あるいはエピセンター、感染震源地などと酷評される状況が続いたからです。商売をされている方々からは、歌舞伎町は怖いまちだといわれ、客足が遠のいたままだ、店を閉じざるを得なくなったといった悲痛な声を何度も伺いました。
 こうした中で新宿区は、新宿区繁華街新型コロナ対策連絡会を組織して、行政と民間事業者の信頼関係の構築に努めてきました。その結果、積極的疫学調査に各店舗が協力するとともに、各店舗の営業形態に即した区独自の感染予防チェックリストを作成、配布し、さらに衛生管理に関する指導を徹底的に行うなど、行政と地域が一体となった感染拡大阻止の取り組みを継続しました。
 都も、この連絡会へオブザーバーとして参画し、同時に、過重な負担にさらされた新宿区保健所の業務を支援するため、いわゆる第二保健所を設置するなどの支援を行いました。
 これらの対策によって、繁華街における感染者数が減少へと転じ、昨年十月には、区内の新規感染者がゼロとなる日もあり、かすかではあっても、先行きに期待を持てる兆しがあらわれ始めました。
 しかし、区による繁華街での徹底した検査の結果が、依然として高いレベルの新規感染者数につながっているという事実が無視され、メディアなどで繰り返し、感染拡大の新宿、歌舞伎町と名指しでアナウンスされ、感染のまちとのイメージが根づいてしまいました。
 私は、新宿の風評被害を払拭したいとの思いから、有識者や民間事業者、地元関係者の皆様と意見交換を行い、今も続けています。
 厚生労働省のクラスター対策班としても活動された大学教授は、地方の県庁所在地の繁華街でもクラスターが発生していることから、新宿区の連絡会のような取り組みや、東京iCDCに設置された安心なまちづくり(歓楽街対策)タスクフォースなどの活動が重要であるとおっしゃっています。
 都は、新宿区の取り組みを継続して支援するとともに、新たな風評被害を生み出さないためにも、新宿の知見を共有し、対策に生かしていくべきです。見解を求めます。
 地域の魅力を高め、来訪者を増やそうとする動きが広がっています。例えば、歌舞伎町では、ウイズコロナ時代の歌舞伎町エンターテインメントをテーマに、感染予防を徹底した上で、安心して楽しめるまちをアピールする取り組みに動き出しています。
 行列や混雑を避け、少人数のグループで、まちに点在するエンタメコンテンツの回遊を促し、スマホをかざすだけの非接触型モバイルサービスを導入するものです。これらは、感染状況が落ちついた後に、旅行者の誘致にもつながると考えます。
 多くの方が、身近な観光も含めて、各地域を安心して訪れることができるよう取り組みを工夫していくべきです。見解を求めます。
 風評被害の払拭には、新宿から未来の東京を展望する情報発信も重要です。三密を避けるなど、新しい生活様式への適応が求められる今、社会的課題の解決と経済発展とを両立させるには、東京版ソサエティー五・〇であるスマート東京を進展させなければなりません。
 しかし、デジタルテクノロジーが何をもたらしてくれるのかをイメージしにくい都民の方々も多いのではないでしょうか。
 そこで、スマート東京先行実施エリアである西新宿では、日常生活の不安や不便、働く人々の課題などを解決するサービスが体感できる事業を実施すべきであり、コロナ禍に立ち向かう東京、新宿の魅力を発信していくべきです。見解を求めます。
 また、新宿駅周辺については、建て替え時期を迎える鉄道駅や駅ビルと駅前広場を一体的に再編する新宿グランドターミナルへの期待が高まっています。
 私は、誰もが安心して、心軽やかに移動できるよう、わかりやすく利用しやすい空間の整備を強く求めてきました。
 そこで、新宿駅直近地区土地区画整理事業の実施を迎えるに当たり、現在の取り組み状況と今後のスケジュールについて見解を求めます。
 次に、外堀の水質改善についてです。
 東京二〇二〇大会のパラリンピックマラソンのコース沿道ともなる外堀は、毎年五月ごろから九月ごろに発生するアオコが水面を覆い、悪臭を放つなどの課題を抱えています。
 水と緑の回廊の創出に向けた玉川上水の活用策など、都議会公明党のさまざまな提言を受け、未来の東京戦略案に、外堀浄化プロジェクトが明記されましたが、外堀の水質改善には、現在、都が着手している事業を着実に進めていくことも重要です。
 そこで、私が昨年の予算特別委員会で、速やかに講じるべきと訴え、今年度に実施された暫定対策の進捗状況を明らかにするとともに、新年度も効果的な対策を実施すべきです。見解を求めます。
 次に、命を守る取り組みについてです。
 我が国の自殺者数は、昨年後半に増加傾向に転じており、若者の自殺が増えるとともに、特に十月の女性の自殺者数は前年同月比で約八九%も増加しています。
 夜回り先生として知られる水谷修氏は、みずからの経験上、若者からの相談は午前二時前後が多いと指摘しています。
 私は、令和元年第二回定例会で、二十二時までとなっているSNS相談の時間延長を訴え、福祉保健局長から、相談時間の延長も含め、相談体制について検討していくとの答弁がありました。
 SNS相談について、電話相談と同様に、深夜早朝の時間帯にも相談を受け付けるなど、命を守るために、対策の強化が急務であると考えます。知事の見解を求めます。
 また、SNS相談の質の向上とともに、相談員の感染防止策も含め、相談事業を行うNPOなど民間団体への支援の強化に取り組むべきです。見解を求めます。
 NPOが運営するLINE相談には、中高生から、親がずっと家にいて、ストレスのはけ口にされている、オンライン授業についていけず、学校をやめたいといった相談が日々寄せられており、コロナ禍で多くの児童生徒が問題を抱え込んでいる可能性があります。
 私は、潜在的なリスクを抱える児童生徒を教員が見過ごすことがないように支援する必要性を訴え、都教育委員会と意見交換してきました。
 最近、児童生徒が保健室や健康診断の際にタブレットで質問に答え、その回答を踏まえて、養護教諭が問診し、精神不調や自殺リスクを発見するITツール、RAMPSが注目されています。既に一部の都立高校などに導入され、複数のハイリスク児童生徒の存在に気づき、保護者や医療機関との連携による具体的な支援に寄与した事例が報告されています。
 そこで、こうしたIT技術を導入し、児童生徒の心をケアする体制を強化すべきです。都教育委員会の見解を求めます。
 また、都議会公明党の推進により、学校に配置されているスクールカウンセラーの体制を強化し、児童生徒に寄り添う教育相談の質の向上を図るとともに、来年度もSNS相談の受け付け時間を拡充すべきです。都教育委員会の見解を求めます。
 都議会公明党が一貫して推進してきた若者総合相談、若ナビαでは、幅広い分野にわたる若者の悩みを、電話やメール、来所、さらに今年度からは、SNSによって社会福祉士や臨床心理士などの専門家が丁寧に受けとめ、状況に応じて適切な支援機関につなぐ事業を行っています。
 コロナ禍の経験を踏まえて、今後は来所せずに、オンラインを活用して相談できるようにすべきと考えます。見解を求めます。
 次に、都営住宅についてです。
 私は、平成三十年第一回定例会の一般質問で、地元の戸山ハイツアパートのうち、併存店舗のある四棟の耐震改修が進まない現状を指摘し、耐震改修における併存店舗の買い取り制度を提案しました。
 これを受けて、都は、平成三十年度から、店舗権利者との合意形成を加速するため、買い取った一部店舗の内部を補強し、ほかの店舗の移転や一時休業などの負担を軽減する新たな手法を導入しています。
 昨年末には、都営住宅耐震化整備プログラムを改定し、令和七年度末までに耐震化一〇〇%との目標を掲げましたが、達成するためには、耐震化率が四七・七%にとどまる併存店舗つき住棟での進展が重要です。
 そこで、店舗権利者との交渉が困難なことも想定される中、目標達成には、建て替えも含めた実効性のある取り組みが不可欠であると考えます。戸山ハイツアパートにおける取り組み状況とあわせて見解を求めます。
 同じく、私の地元にある都営西大久保アパートは、建設から約五十年が経過し、エレベーターもなく、老朽化が進んでいます。同様に、老朽化した建築物の多い周辺では、東京メトロ副都心線西早稲田駅の開業以来、利便性が大きく向上しており、新たなまちづくりの動きが出ています。
 都営住宅の居住者は高齢者の割合が高く、こうした周辺の動きに不安を感じることがないよう配慮しながら、地域のまちづくりとあわせて、西大久保アパートの建て替えに取り組むべきです。見解を求めます。
 最後に、薬害HIV被害者の就労支援についてです。
 薬害HIV感染は、被害者の健康被害だけでなく、医療不信や苛烈な偏見、差別による社会からの孤立、生きがいや希望の喪失など、さまざまな被害を生み出しました。国立国際医療研究センター病院エイズ治療・研究開発センターが新宿区に所在することもあり、被害者の多くが都内や近郊の在住といわれています。
 特に、一九八六年から八七年にかけて起きたエイズパニックの時期に、学齢期、思春期であった現在の四十代から五十代前半の被害者は、就職氷河期にも重なっており、新卒就労の機会を逃し、現在まで一度も就労したことがないという人も少なくありません。
 ある被害者の方から、年を重ねるにつれて、原疾患の血友病とHIVによる血管障害の合併から関節障害が悪化し、会社に通って仕事をすることが困難で、どの事業所でも気軽に利用できる状況にはないとの実情を伺いました。
 被害者の健康状態や社会特性に応じた就労支援には、自宅で仕事ができる在宅就労が適していると考えます。
 被害者が生きがいを取り戻し、社会の一員として生きている実感を得ることができるよう、都として、在宅就労に向けた支援を行うべきです。見解を求めて、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 古城まさお議員の一般質問にお答えいたします。
 自殺対策についてであります。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動や社会生活への影響から、自殺リスクの高まりが懸念されております。
 都は、コロナ禍におけます心理的不安に対応するため、昨年六月からSNS自殺相談と電話相談の体制を強化するとともに、昨年九月からは、SNS相談の受け付け時間を拡大いたしております。
 また、昨年十二月からは、都民の心と命を守る緊急対策として、悩みを抱える方を社会全体で支える取り組みや、相談事業の拡充、普及啓発の強化などの取り組みも進めております。
 さらに、普及啓発や相談事業等を重点的に実施する自殺防止東京キャンペーンを例年より期間を拡大いたしまして、今月から開始。苦しい思い、悲しみなどを一人で抱え込まず、ご相談いただきますよう、私もSNSで呼びかけております。
 来月は特別相談といたしまして、SNS相談を深夜、早朝時間帯まで延長いたします。
 今後とも、相談体制の充実を図り、区市町村や関係機関と一丸となりまして、都民のかけがえのない命を守る取り組みを推進してまいります。
 残余のご質問は、教育長、東京都技監及び関係局長からとさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、デジタルを活用した子供の心のケアについてでございますが、子供が抱えるさまざまな不安や悩み等から生じる心の不調に対応するためには、早い段階で子供が示す心身のサインを的確に把握することが重要であり、情報を蓄積し、瞬時に分析可視化するデジタルの強みを生かすことが有効でございます。
 都教育委員会は、来年度、都立高校生が日常生活の中での心身の状況をデジタル機器に手軽に、かつ継続的に入力して、学校がその変化を把握できる仕組みの検討に着手することといたしました。
 これにより得られた情報を契機に、生徒の状態が深刻になる前に、養護教諭や担任などとスクールカウンセラーが連携した生徒への支援や、医療等の専門機関への相談などの対応をとることが期待できます。
 これまでの生徒の見守りや相談体制にデジタルの活用も加え、子供たちへのさらなる支援の充実を図ってまいります。
 次に、教育相談の質の向上についてでございますが、コロナ禍において活動の制約等が続く中、多くの子供がさまざまな不安や悩みを抱えておりますことから、そうした状況を早期に捉え、心のケアを行うことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、今年度、学校の要請に応じて、スクールカウンセラーの派遣回数を増やすとともに、昨年十二月から本年三月までの間、都内に在住、在学する全ての中学生、高校生を対象にしたSNS教育相談の受け付け時間を延長するなどの取り組みを実施してまいりました。
 来年度は、都立高校のスクールカウンセラーに、困難な事案への対応等について助言を行いますシニアスクールカウンセラーを三人から六人に増員し、モデル事業として実施いたしますとともに、SNS教育相談の受け付け時間を通年で二時間延長するなど、子供たちに寄り添う体制を強化してまいります。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 新宿グランドターミナルへの再編についてのご質問にお答えをいたします。
 都は、人中心のまちの実現に向け、新宿駅とその周辺につきまして、駅前広場と駅や駅ビルなどが有機的に一体化した新宿グランドターミナルへと再編することとしております。
 再編に当たりましては、土地区画整理事業により、線路上空の東西デッキや歩行者優先の駅前広場などを整備いたします。
 その際、区域内の民間開発と連携いたしまして、駅の改札につながる交通広場と駅前広場とを連続させるなど、駅とまちなどをつなぐ歩行者ネットワークを構築してまいります。
 現在、駅前広場の設計を進めておりまして、来年度に事業に着手をいたします。
 今後、順次開発されます複数の駅ビルの機能更新とあわせまして、歩行者空間の段階的な拡充を図ってまいります。二〇三五年度の駅前広場とデッキの概成を目指しまして、誰もが利用しやすい機能的なターミナルへの再編に取り組んでまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 新型コロナ対策に係る新宿区の取り組みに関するご質問にお答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るには、地域の実情に応じた対策が重要です。
 このため、都は、区市町村と課題を共有しながら、地域に密着した感染症対策を財政面等で支援してまいりました。
 新宿区の取り組みは、行政と事業者等が信頼関係を構築し、地域ぐるみで対策を効果的に進めたものと認識しており、今後とも、都は、地域の実情をきめ細かく把握している区市町村の取り組みへの支援を継続してまいります。
 また、こうした効果的な取り組み事例につきましては、東京iCDCの専門家の意見も踏まえながら、さまざまな機会を捉え、広く共有することも検討してまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 観光による地域への誘客についてですが、感染症の影響から地域が活気を取り戻すためには、安全・安心な観光を可能とする環境の整備を図ると同時に、各エリアの魅力を的確に発信することが効果的でございます。
 そのため、都は、各地域の飲食店や宿泊施設等による感染防止対策を支援するとともに、すぐれた取り組みをウエブサイトにより、他の事業者に紹介しているところでございます。また、地域の魅力の発信に向けて、観光協会によるまち歩きマップの製作やホームページへの掲載等を支援しております。
 今後は、区市町村が運営する観光施設の感染症対策に助成するほか、国内からの誘客に向け、各地域の最新の観光情報や安全・安心の取り組みを発信してまいります。
 こうした取り組みにより、訪都意欲を喚起し、地域への誘客を着実に図ってまいります。
〔戦略政策情報推進本部長寺崎久明君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(寺崎久明君) 西新宿のスマートシティーの取り組みについてでございますが、都は、デジタル技術を活用して、魅力の向上など、地域の課題を解決するため、昨年五月、新宿区、地域の企業団体及び通信事業者と、西新宿スマートシティ協議会を設立いたしました。
 本協議会では、エリア内の回遊性向上に向け、ARを活用したまち歩きアプリの導入等に取り組んできたところでございます。
 来年度は、三密を回避する屋外での新しい働き方の実証や、5GやXRを活用した新しいサービスを体感できるイベントなど、多様な先駆的な取り組みを行いますとともに、これらをSNSやホームページにより発信してまいります。
 こうした取り組みを通じ、この地域で働き、暮らす方々等の理解と共感を得ながら、スマートシティーの西新宿モデルを早期に構築し、ほかのエリアへの展開を目指してまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 外堀の水質改善についてでございますが、外堀につきましては、東京二〇二〇大会の開催に向け水質改善を進め、国の指定史跡にふさわしい良好な環境としていくことが重要でございます。
 このため、庁内関係五局による検討会での方針に基づき、水質改善処理剤による暫定対策を実施しております。
 今年度、複数の処理剤による比較を行い、室内試験におきまして、アオコの濃度を最大三分の一まで低下させることができ、また、現地においても、発生抑制の効果を確認いたしました。
 この成果を受けまして、外堀に適した実施手法等について、学識経験者の意見も踏まえて取りまとめ、大会前から期間中にかけて対策を実施いたします。
 引き続き、関係機関と連携し、外堀の浄化対策に取り組んでまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、自殺対策についてでございますが、都は平成三十年から、LINEを活用したSNS自殺相談を実施しており、昨年六月から、相談の質の向上を図るため、相談直後に利用者の相談理由や心の変化等を尋ねるアンケートシステムを導入しております。
 来月からは、SNS相談において、継続して支援が必要な相談者に対して、相談が途切れないよう相談員からも連絡できる機能を追加するとともに、来年度からは、SNS相談から電話相談に円滑に引き継ぐことができるよう、同一の業務スペースで一体的に実施いたします。
 また、コロナ禍の影響を踏まえ、相談事業を拡充する民間団体に対して、感染防止対策に関する経費を含め、今年度と同様に補助率十分の十で支援することとしており、こうした取り組みにより、相談事業のさらなる充実を図ってまいります。
 次に、薬害HIV被害者の就労支援についてでございますが、障害者が支援を受けながら就労できる環境を整えることは重要であり、都は、生活と就労の支援を一体的に行う障害者就労支援センターを設置する区市町村を支援しております。
 センターでは、薬害HIV被害者を含めた就労を希望する障害者の障害の状況や特性に応じて、職業相談や求職活動等を支援しております。
 また、就労に必要な訓練等を行う就労移行支援事業では、効果があると区市町村が判断した場合には、希望により在宅で訓練を受けることが可能となっております。
 就労を希望する障害者が抱える課題はさまざまであり、在宅での訓練等も活用しながら、個々の事情に応じたきめ細かな支援を行うことにより、就労につなげてまいります。
〔都民安全推進本部長國枝治男君登壇〕

○都民安全推進本部長(國枝治男君) 東京都若者総合相談センター、若ナビαでのオンラインを活用した面接相談の実施についてでございますが、悩みを抱えた若者を支えていくためには、相談しやすい環境整備が重要であり、これまでLINEを使った相談を実施するなど、若者になじみのあるツールも活用し、事業を推進してまいりました。
 現在、電話やメール、LINEによる相談の後に、本人等の申し出や相談員の判断により、来所の面接相談を実施しております。
 面接相談を受けることへの若者の心理的、時間的ハードルを下げ、より気軽に利用してもらえるよう、これまで来所で実施してきた面接相談に、来年度より新たにオンラインを取り入れてまいります。
 若者が利用しやすい環境整備を進め、より多くの若者と面接相談を実施し、適切な支援につなげることで、若者の社会的自立の後押しを促進してまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、都営住宅の併存店舗つき住棟の耐震化についてでございますが、都営住宅の耐震化の目標達成に向け、併存店舗つき住棟の耐震改修に重点的に取り組んでいくこととしております。
 具体的には、転出希望の店舗権利者から店舗を買い取った上で、営業継続を希望する権利者に対しまして、工事内容や費用負担について説明を行い、合意形成を図ってまいります。
 また、権利者との折衝状況等を踏まえ、必要に応じて、耐震改修から建て替えや撤去に耐震化手法を見直してまいります。
 戸山ハイツアパートにつきましては、対象の四棟のうち、先行して買い取りに着手した二棟において、耐震改修に必要な区画数の買い取りを完了しておりまして、今後は、営業継続を希望する権利者へ補強案を示し、合意形成を進めてまいります。
 次に、都営西大久保アパートの建て替えについてでございますが、本団地は、昭和四十年代初期に建設された住棟が多く、建物の老朽化も進んでおり、エレベーターも設置されていないなど、バリアフリー上の課題もございます。
 本団地を含む西早稲田駅周辺地区では、地下鉄駅が開業いたしましたが、歩行空間が少なく、周辺建築物の老朽化も進み、地元におけるまちづくりの機運が高まりつつあります。
 団地の建て替えに当たりましては、周辺建築物の更新とあわせ、安全で快適な歩行空間や緑地等を一体的に整備するなど、まちの再生にも貢献していくこととしております。
 本地区では、来年度を目途に、まちづくりのための検討組織を立ち上げる動きがございまして、今後、都営住宅の居住者に対して、まちづくりの検討状況や建て替え計画等について、進捗に応じて丁寧に説明してまいります。

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