令和三年東京都議会会議録第四号

○副議長(橘正剛君) 七十番つじの栄作君。
〔七十番つじの栄作君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○七十番(つじの栄作君) 私は、今期初めて一般質問に登壇させていただいたときから、一貫して自己肯定感に関する公教育での取り組みについて質問してきました。毎回、資料等で確認すると、日本の子供たちの自己肯定感は諸外国に比較して低いままの状況です。そもそも、なぜ自己肯定感あるいは自尊感情を高める必要があるのかについては、例えば東京都の調査研究によると、それらが高い傾向にある子供は進路の目標が明確で、友人関係も良好であるとしています。
 また、自己肯定感、自尊感情を高めることは、自分の大切さとともに、他の人の大切さを認めること、すなわち人権尊重の理念にもつながる非常に重要な取り組みとなります。他者への思いやりを持ち、多様な人々がともに生きる社会の実現の礎となることと考えます。
 昨年来の日本を含む世界でのコロナ禍の今でこそ、将来に夢と希望を抱くためにも、若い世代の皆様の自分自身を大切に思う気持ち、自分自身を自分自身として肯定的に受け入れる態度が必要であり、自分の力で自分の人生を切り開いていく勇気を持つことが重要と考えます。
 そこで、自己肯定感、自尊感情の涵養の重要性について、知事にお伺いいたします。また、都教育委員会の今年度及び今後の取り組みについてお伺いします。
 昨年は、コロナ禍のもと、女性の自殺者数が増加し、総数も十一年ぶりに増加したとの警察庁の統計があります。中でも、小学生、中学生、高校生の自殺者数が著しく増加したことは、精神科医の立場としても胸が痛むところでございます。
 既に都教育委員会では、東京都いじめ相談ホットラインや相談ほっとLINE@東京など、心のケアに取り組んでいるところですが、コロナ禍のもと、学校において児童生徒のさらなる心のケアの充実が必要と考えますが、都教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。
 また、東京都における小学生、中学生、高校生なども対象とした若年者に対する自殺防止対策の支援が必要と考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。
 児童生徒に対する心のケアのみならず、核家族化が進んだ現在の東京で、子育てや子供の教育に関する疑問や悩みがあった場合、なかなか身近に相談相手がおらず、苦しい思いを解消できない保護者への支援も必要であり、これは大変重要なことと考えております。
 そこで、都教育委員会における子供を持つ親等に対する支援についてお伺いいたします。
 自殺対策基本法は、日本の年間の自殺者数が連続して三万人を超えて推移していた平成十八年に制定され、近年、自殺者数は減少の傾向にありました。
 しかし、昨年、令和二年の自殺者数は増加に転じています。その一因には、コロナ禍という特殊な状況があると推測はできますが、東京都としては、より重層的な対策が必要であると考えます。
 自殺に至る要因は複合的なものであるとの研究結果があります。複合的といわれる自殺に至る原因の中には、経済的困窮も多くの専門家が指摘するところでございます。経済的に困難を抱えている方々には、自殺を考えるほど思い悩み、絶望にさいなまれる状況にある方もいるかと存じます。
 そこで、経済的に困難を抱えている方々への自殺防止対策として、東京都の支援、取り組みについてお伺いいたします。
 私は、昨年、厚生委員会で自殺対策について福祉保健局に対して質疑しました。私は、精神科医の視点から、自殺対策にゲートキーパーの役割が極めて重要であることを指摘しました。
 新型コロナウイルスの影響で苦しい思いをされている方々に対して、さらなる支援が必要と考えますが、ゲートキーパーの役割など東京都の自殺防止対策への今後の取り組みの基本的考え方について、知事の見解をお伺いいたします。
 コロナ禍のもと、都民の皆様の生命と健康を守るため、第一線で対応している医療機関や医療従事者の皆様への支援が必要なのはいうまでもありません。
 マスクやアルコール消毒液等の感染症拡大防止のための医療物資は、昨年は医療機関においても入手困難な時期がありました。昨年六月には都内の医療機関を対象とし、東京都から直接のマスクの支給がありました。私は精神科医であり、医科診療所の管理者の一人でございますが、自院にもマスクが届き、驚きとともに深く感謝の気持ちを抱き、都の事業に深い感銘を受けました。
 後日確認したところ、昨年のマスクの供給は、複数の局にまたがり、東京都独自にマスクを購入し、独自の運送網で都内の全ての医療機関を対象にしたと聞きました。地域医療に貢献する都内の医療機関に一律に公平な支援があることは、受益者となる都民の皆様の利益にもなり、東京都の役割、態度として極めて重要であると考えます。
 また、行政のあり方が縦割りと指摘されることもありますが、昨年のマスクの件では、複数の局の協力のもと、都民の皆様の健康と生命を最優先に考えた、大変有意義な東京都の事業であると高く評価いたします。
 現在、国において新型コロナウイルスのワクチンの医療従事者向け先行接種が行われております。その後、全国の医療従事者等への優先接種が始まります。都民の皆様の健康と生命を守るためには、医療提供体制の確保が極めて重要であり、その一環として希望する全ての医療従事者が円滑にワクチン接種できるよう、確実に準備を進めることが重要と考えます。
 そこで、昨年のマスク供給の例を踏まえ、ワクチン接種を希望する医療従事者に対する都の対応についてお伺いいたします。
 小金井三・四・一一号線についてお伺いします。
 昨年、地元の商店会の皆様にも強くご要望いただいていた東小金井駅西の南北を走る都道、通称東大通りの拡幅工事のため、長年をかけた用地買収がおおむね完了したとお聞きしました。
 そこで、現在、事業を行っているJR中央線付近から北大通りまでの区間における拡幅工事の目的と取り組み状況についてお伺いします。
 次に、小金井三・四・一一号線の唯一の未着手の区間についてお伺いします。
 東京都はこれまで、この路線を整備するため、三度にわたる地域住民の皆様との意見交換会、また、その後オープンハウス形式による地域の皆様の道路に関するご意見を伺う機会を設けました。三度目の意見交換会には、私も小金井市民の一人として出席させていただき、地域住民の皆様のご意見と、東京都当局の説明の場面に直接立ち会うことができました。
 私はこれまでに都市計画道路整備に関して、さまざまな方々からのご意見を伺いました。野川やはけの自然を守るべきであるとのご意見も多く、それらご意見を含め、多様な住民の皆様のご意見を拝聴することは極めて重要です。
 一方、コロナ禍のもと、感染症拡大防止対策で、なるべく人との接触を避けなければならない状況があり、例えば、ネット通販の需要が高まっているように円滑な物流の必要があり、また、人口増加が続く東京ですが、多摩地域は二〇二〇年をピークに、今後、人口減少が見込まれます。経済効率を図るため、道路交通網を整備する必要があると考えます。
 消防車両の運行、急病患者の救急搬送を考えれば、道は広くて真っすぐな方がよいとのご意見をいただいたこともございます。オープンハウス形式での説明では、この都道が整備されると、小金井市内から、近隣の心臓専門病院までの救急搬送の時間の短縮がなされると聞きました。疾患を抱える患者様にとっては、緊急時のことを想定すれば安心できるものと考えます。
 コロナ禍のもと、一層、防災意識、対策を練り上げる必要があります。大震災等発災時、防災公園である小金井公園と武蔵野公園、野川公園をつなぐ小金井三・四・一一号線は、まさに小金井市内外の都民の皆様の生命をつなぐ役割を果たす道路となります。防災の面からも、都民の皆様の生命、健康、財産を守る上で極めて重要な役割を果たすことと考えます。
 また、都市計画道路の整備は、都内の道路網の整備であるといいかえることができると存じます。道路の網であるので、その一部が不通のままだと、小平市、西東京市、府中市などとの車両での移動に滞りがあるものと考えます。
 そこで、小金井三・四・一一号線の未着手の区間の現状と今後の取り組みについてお伺いします。
 次に、小金井三・四・一号線の優先整備路線に位置づけられている区間について質問します。
 小金井市内を東西に通る連雀通りの拡幅の計画がない区間の狭小部分の安全性の問題は、多くの小金井市民の皆様から指摘をされました。私も現地を視察しましたが、道路の幅員が狭く、車両が通行する際に、それと思われる箇所も確認しました。
 連雀通りの拡幅の計画がない区間の安全性の確保については、東京都としても対策を施しているところですが、現状、道路の狭小部の鉄筋コンクリート等の建物を移設して、連雀通りの道幅を広げることは難しく、現実的ではないと考えられます。
 一方、今後、優先整備路線である小金井三・四・一号線が整備された暁には、結果的にはほぼ平行して走る連雀通りの交通量が減じて、多くの皆様がより安全に通行することが期待できると考えます。
 そこで、小金井三・四・一号線に関する今後の取り組みをお伺いします。
 コロナ禍のもと、新しい生活様式などうたわれていますが、大げさな表現かもしれませんが、コペルニクス的転回を強いられる負担もあれば、これを契機に、勢いを持って改善改革するよい機会と捉える視点を持つことも重要と考えます。
 東京都は、二〇五〇年の脱炭素社会の実現に向けて、自動車のゼロエミッション化を進めるため、都内での新車販売される乗用車を二〇三〇年までに、二輪車は二〇三五年までに一〇〇%非ガソリン化に向けた取り組みを進める計画があります。主要国、地域では、英国と並び、東京都は、非ガソリン車化に向けて、世界の最先端を行くことになります。
 私は三年前の四月に手術をして完治しましたが、心臓弁膜症を患っていたころ、動けるうちに世界を見て回ろうと海外渡航を繰り返していました。香港から鉄道を利用し、深セン駅に向かうことが何度かあったのですが、そのうち、深セン駅周辺のタクシーや路線バスのエンジン音がしないことに気がつきました。
 日本にいたときのイメージで、車両を見ていてエンジン音がしないことには驚きを覚えましたが、近い将来の東京でもクリーンで騒音もない電気自動車が走行していることを想像すると、今後、まちの様子の急激な変化のときなのだと思うところでございます。
 東京都はこれまで、ゼロエミッションビークル、ZEV等導入促進事業、充電設備導入促進事業に取り組んできました。ZEVはその特性として、防災力向上に資する点があり、都は、この観点に立って、小金井市と友好都市盟約を結んでいる三宅村を含む島しょ地域で新たな取り組みを始めると聞いております。
 こうした取り組みや都の所有する車両のZEV化を含め、今後のZEV普及に関する東京都の考えと取り組みについてお伺いします。
 また、都営バスにおけるZEV化の取り組みについてお伺いいたします。
 以上、ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) つじの栄作議員の一般質問にお答えをいたします。
 精神科医でもあるつじの議員のご質問でございます自尊感情、そして自己肯定感の涵養についてであります。
 子供たちが、未来の担い手として、みずからの人生を豊かなものとし、生き生きと活躍していくためには、ありのままの自分を受け入れ、かけがえのない存在として捉えることは重要であります。
 こうした自尊感情や自己肯定感を育むためには、地域や社会と連携した学びの中で、子供たちが他者とかかわり合って、互いの違いを認め、自分のよさや可能性に気づく体験を重ねていくことは必要であります。
 激しく変化する社会の中で、コロナ禍で浮き彫りとなった新たな課題も乗り越えて、未来を切り開くのは人であります。子供たちが社会の変化を柔軟に受けとめて、みずからの意思で将来をつかみ取っていくことができますよう、その成長を社会全体で支えてまいります。
 今後、新たに策定いたします教育施策大綱にこうした考えを盛り込みまして、誰ひとり取り残さず、全ての子供が将来への希望を持って、みずから伸び、育つ、そんな東京を実現してまいります。
 次に、自殺対策についてであります。
 昨年の都内の自殺者数でありますが、特に女性や若者が大きく増えるなど、一昨年と比較して増加をいたしておりまして、私は非常に心を痛めております。
 自殺の背景、それにはさまざまな要因が複雑に絡み合っておりますことから、都は、福祉、医療、経済、教育などの関係機関や区市町村などから成ります自殺総合対策東京会議を設置いたしまして、施策を推進しており、コロナ禍における自殺防止策につきましても検討を重ねてまいりました。
 その結果も踏まえまして、地域や職場、学校など、さまざまな場で、悩みに気づき、声をかけ、話を聞き、必要な支援につなげ、見守るといったゲートキーパーの自殺防止に果たす重要な役割につきまして、新たにリーフレットやポスターを作成し、啓発をいたしております。
 また、普及啓発や相談事業等を重点的に実施いたします自殺防止東京キャンペーンを、例年より期間を拡大して今月から開始をいたしておりまして、来月には、ゲートキーパーの啓発動画も作成して、その役割を改めて広く都民に周知してまいります。
 今後も、悩みを抱える方を社会全体で支える取り組みなど、自殺対策の強化を図って、区市町村や関係機関と一丸となって、都民のかけがえのない命を守る取り組みを進めてまいります。
 その他のご質問につきましては、教育長及び関係局長からの答弁といたします。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、自尊感情、自己肯定感を高める取り組みについてでございますが、都教育委員会が実施した調査研究では、教員が子供を認め励ますことや友達同士で認め合うことが、自尊感情等を高めるために効果的なことが明らかになっております。
 各学校では、この研究で開発した自尊感情の傾向を把握する自己評価シートを活用し、授業や学校行事等の中で、自尊感情等を高める取り組みを継続して実践しているところでございます。
 今年度、こうした実践の効果を確認するため、改めて実態調査を行いました結果、いずれの学年においても、自分のよさを実感し、自分を肯定的に受けとめる傾向が、前回の調査研究時に比べて高まっていることがわかりました。
 今後、調査結果の詳細な分析を踏まえて、さまざまな授業モデルを開発、実践、検証し、研究成果の普及を図ることで、子供の自尊感情や自己肯定感を一層高めてまいります。
 次に、学校における心のケアの充実についてでございますが、これまでの日常とは異なるコロナ禍において、多くの子供たちが不安や戸惑いを抱えておりますことから、小さな変化を見逃さずケアを行いますとともに、子供たちが、いつでも、どんなことでも安心して相談できる環境を整える必要がございます。
 そのため、都教育委員会は、学校に対しアンケートの例を示し、定期的に子供たちの不安や悩みを聞き取り、丁寧に声がけするよう徹底を図るとともに、気になる様子が見られる子供がいる場合等に、学校の要請に応じてスクールカウンセラーの派遣回数を増やすなど対応してまいりました。
 今後、校長を対象とする連絡会等におきまして、教員が子供のSOSを確実に受けとめ、適切に支援する力を高めるために新たに開発した研修プログラムを示し、その活用を通して、学校における対応力のさらなる向上を図ってまいります。
 最後に、保護者の悩み等に対する支援についてでございますが、子育てや子供の教育に関する悩み等に寄り添い、支えるためには、保護者が心理や教育等の専門家から適切な助言を得られ、必要に応じ、福祉等の関係機関から支援を受けられるようにすることが必要でございます。
 そのため、都教育委員会は、都教育相談センターにおいて、面談や電話等で保護者の相談に対応し、例えば、心理職と教員経験者が、家庭での子供へのかかわり方や子供同士のトラブルの解決方法などを助言しております。
 また、福祉等の関係機関と連携した対応が必要な場合には、区市町村教育委員会や都立学校がスクールソーシャルワーカーを活用できるよう支援をしております。
 今後とも、こうした取り組みを通して、子供の健やかな成長に向け、保護者へのサポートの充実を図ってまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、若年層の自殺対策についてですが、東京では、三十代以下の自殺者が全体の三分の一を占めております。
 都は、若年層対策として、平成三十年から実施しているLINEを活用したSNS自殺相談など、自殺予防に関する情報を掲載したポケットサイズのメモを作成し、私立学校を含め、都内の学校を通じて児童生徒に配布しております。
 さらに、毎年三月に、インターネットのキーワード連動広告を用いて、若年層を相談窓口等の情報に誘導する取り組みを実施しており、本年は期間を拡大して一月から実施しております。
 引き続き、学校や関係機関と連携し、若年層に対する自殺対策を推進してまいります。
 次に、経済問題を背景とする自殺についてでございますが、自殺の背景には、多重債務、失業、生活困窮などの経済問題を初め、さまざまな要因が複雑に絡み合っております。
 都は、福祉事務所などの関係機関が相談者の悩みに応じた支援窓口を案内できるよう、生きづらさを感じたときなどの相談先の情報を提供しております。
 また、雇用情勢の悪化等による自殺リスクの高まりが懸念されることから、今月から、心のセルフケアの手法や心と体の健康、生活の困り事に関する相談窓口の情報などを掲載したリーフレットを新たに作成し、ハローワークや区市町村などを通じて離職者などに配布しております。
 引き続き、悩みを抱える方を必要な支援につなげ、自殺予防の取り組みを推進してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 医療従事者等への新型コロナワクチンの接種に関するご質問にお答えをいたします。
 医療従事者等への接種に当たりましては、接種を行います医療機関及び医療関係団体に対して接種希望者の取りまとめを依頼するとともに、団体に属さない診療所等にも都から個別にご案内を送付し、新たに設けた特設サイトへの接種希望の登録をお願いしております。
 また、接種開始に向けまして、医療従事者等がネットで予約できるようシステムを整備するとともに、電話での予約にも対応してまいります。
 さらに、接種後の副反応に関する問い合わせに対応する電話相談センターを早期に開設してまいります。
 こうした取り組みにより、希望する全ての医療従事者等が円滑に接種を受けられるよう着実に準備を進めてまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕

○建設局長(中島高志君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、小金井三・四・一一号線の整備についてでございますが、本路線は多摩地域における南北方向のネットワークを形成し、広域避難場所へのアクセスの強化や地域の安全性向上などに資する重要な路線でございます。
 現在、JR中央線付近から北大通りまでの四百二十メートルの区間で事業を実施しておりまして、交通の円滑化、快適で安全な歩行空間の形成や防災性の向上などを目的として、道路の拡幅や無電柱化に取り組んでおります。
 これまでに九九%の用地を取得しておりまして、JR中央線付近におきましては拡幅工事が完了しております。
 今後は、その北側の区間のうち用地取得が完了している箇所におきまして街路築造工事を実施するなど、地元の理解と協力を得ながら着実に整備を推進してまいります。
 次に、小金井三・四・一一号線の未着手区間についてでございますが、この区間の整備により、東八道路と連雀通りが結ばれ、周辺道路の渋滞緩和に寄与することなどから、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております。
 本区間は、貴重な自然が残る国分寺崖線や野川と交差しており、整備に向けまして、昨年二月にはパネルや模型を展示したオープンハウスを開催し、多くの方々から意見を個別に伺うなど、きめ細やかに対応いたしました。
 現在、動植物調査や地質調査を行っておりまして、今後、地下水等の環境調査を実施してまいります。その結果を踏まえまして、自然環境や景観に配慮しながら道路構造等の検討を進めるなど、引き続き丁寧に対応してまいります。
 最後に、小金井三・四・一号線についてでございますが、本路線は、地域間の連携強化や生活道路への通過交通の抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線でございます。
 このうち、小金井三・四・一一号線付近から新小金井街道までの延長約二・一キロメートルの区間は、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけられております。
 この区間は、貴重な自然が残る国分寺崖線や野川と交差することから、道路整備に向けましては、自然環境や景観への配慮について、さまざまな意見をいただいております。
 今後、現地の地形の状況や自然環境等の調査などを行うとともに、道路の果たす役割や機能、環境への配慮について、市民との意見交換を行うなど、丁寧に対応してまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕

○環境局長(栗岡祥一君) ZEV普及に関する取り組み等についてでございますが、ZEVは走行時にCO2を排出しないことに加え、静穏性にすぐれ、災害時にも活用可能であることなど、多くの利点を有してございまして、その普及促進は重要でございます。
 このため、都は来年度、ZEV車両購入や急速充電設備導入に係る支援を拡充するなど取り組みを強化してまいります。
 また、島しょ地域では、塩害の生じやすい利用環境も勘案し、災害時の給電の協力を条件とした事業者のZEV中古車の導入支援を新たに開始いたします。
 あわせて、都の率先行動として、現場への移動等に利用する庁有車について、原則更新時にZEV化し、二〇二四年度末までに全ての乗用車の非ガソリン化を目指してまいります。
 こうした取り組みを通じまして、今後、防災力向上にも資するZEVのさらなる普及を促進してまいります。
〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) 都営バスにおけるZEV化の取り組みに関するご質問にお答えいたします。
 交通局では、平成二十八年度から燃料電池バスを先導的に導入しており、現在、全国のバス事業者で最大の七十両を運用してございます。
 この間の営業運行を通じまして、さらなる普及拡大には、水素ステーションの広域的な整備や、より安定的な供給体制の構築が不可欠であることなどが明らかとなっており、それらの改善に向けて関係者に働きかけてございます。
 また、蓄積した車両整備などの知見につきましては、導入を検討している他事業者にも提供しております。
 EVバスにつきましては、充電設備の整備や運用に関する調査を進めており、あわせて国内メーカーによる大型路線バスの開発を支援するよう、関係局とともに国に要望しているところでございます。
 今後とも、環境負荷の低減に資するよう、ZEV化の推進に取り組んでまいります。

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