令和三年東京都議会会議録第一号

令和三年二月十七日(水曜日)
 出席議員 百二十四名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番内山 真吾君
四番龍円あいり君
五番保坂まさひろ君
六番関野たかなり君
七番西郷あゆ美君
八番森澤 恭子君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番やまだ加奈子君
十二番西野 正人君
十三番林あきひろ君
十四番藤井とものり君
十五番原田あきら君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番福島りえこ君
二十一番米川大二郎君
二十二番菅原 直志君
二十三番清水やすこ君
二十四番白戸 太朗君
二十五番木下ふみこ君
二十六番斉藤れいな君
二十七番伊藤しょうこう君
二十八番田村 利光君
二十九番柴崎 幹男君
三十番舟坂ちかお君
三十一番清水 孝治君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番米倉 春奈君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番増田 一郎君
四十一番本橋ひろたか君
四十二番馬場 信男君
四十三番佐野いくお君
四十四番細谷しょうこ君
四十五番栗下 善行君
四十六番中山ひろゆき君
四十七番たきぐち学君
四十八番奥澤 高広君
四十九番大場やすのぶ君
五十番小宮あんり君
五十一番神林  茂君
五十二番早坂 義弘君
五十三番高橋 信博君
五十四番西沢けいた君
五十五番河野ゆりえ君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とくとめ道信君
六十番上野 和彦君
六十一番のがみ純子君
六十二番まつば多美子君
六十三番田の上いくこ君
六十四番両角みのる君
六十五番森口つかさ君
六十六番鳥居こうすけ君
六十七番村松 一希君
六十九番つじの栄作君
七十番後藤 なみ君
七十一番岡本こうき君
七十二番桐山ひとみ君
七十三番石川 良一君
七十四番川松真一朗君
七十五番小松 大祐君
七十六番中屋 文孝君
七十七番鈴木あきまさ君
七十八番山口  拓君
七十九番曽根はじめ君
八十番清水ひで子君
八十一番とや英津子君
八十二番池川 友一君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番おじま紘平君
八十九番あかねがくぼかよ子君
九十番もり  愛君
九十一番平  慶翔君
九十二番成清梨沙子君
九十三番藤井あきら君
九十四番鈴木 邦和君
九十五番滝田やすひこ君
九十六番森村 隆行君
九十七番入江のぶこ君
九十八番菅野 弘一君
九十九番鈴木 章浩君
百番宇田川聡史君
百一番吉原  修君
百二番中村ひろし君
百三番里吉 ゆみ君
百四番尾崎あや子君
百五番あぜ上三和子君
百六番橘  正剛君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番山田ひろし君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番秋田 一郎君
百二十一番三宅 正彦君
百二十二番山崎 一輝君
百二十三番三宅しげき君
百二十四番高島なおき君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 二名
  三十四番 斉藤まりこ君
  五十九番 遠藤  守君
 欠員
    六十八番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事武市  敬君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務上野 雄一君
政策企画局長中嶋 正宏君
総務局長山手  斉君
財務局長潮田  勉君
警視総監斉藤  実君
主税局長砥出 欣典君
生活文化局長野間 達也君
オリンピック・パラリンピック準備局長中村 倫治君
環境局長栗岡 祥一君
福祉保健局長吉村 憲彦君
福祉保健局健康危機管理担当局長初宿 和夫君
産業労働局長村松 明典君
建設局長中島 高志君
港湾局長古谷ひろみ君
消防総監安藤 俊雄君
会計管理局長佐藤  敦君
交通局長内藤  淳君
水道局長浜 佳葉子君
下水道局長和賀井克夫君
都民安全推進本部長國枝 治男君
戦略政策情報推進本部長寺崎 久明君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長黒沼  靖君
選挙管理委員会事務局長桃原慎一郎君
人事委員会事務局長武市 玲子君
監査事務局長河内  豊君
労働委員会事務局長松山 英幸君
収用委員会事務局長斎藤 真人君
包括外部監査人青山 伸一君

二月十七日議事日程第一号
第一 第一号議案
令和三年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
令和三年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
令和三年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
令和三年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
令和三年度東京都国民健康保険事業会計予算
第六 第六号議案
令和三年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第七 第七号議案
令和三年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第八 第八号議案
令和三年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第九 第九号議案
令和三年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
令和三年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
令和三年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
令和三年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
令和三年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
令和三年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
令和三年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
令和三年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
令和三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十八 第十八号議案
令和三年度東京都病院会計予算
第十九 第十九号議案
令和三年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十 第二十号議案
令和三年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
令和三年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
令和三年度東京都港湾事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
令和三年度東京都交通事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
令和三年度東京都高速電車事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
令和三年度東京都電気事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
令和三年度東京都水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
令和三年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
令和三年度東京都下水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例
第三十 第三十号議案
東京都組織条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
東京都学校経営支援センター設置条例の一部を改正する条例
第三十九 第三十九号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十一号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
東京都立学校の授業料等徴収条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十四号議案
高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
東京都市計画事業新宿駅直近地区土地区画整理事業施行規程
第四十六 第四十六号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
東京都福祉・健康安心基金条例を廃止する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
東京都指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
東京都介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第六十 第六十号議案
東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例及び東京都指定障害児入所施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例及び東京都指定障害者支援施設の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
東京都障害者支援施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
東京都地域活動支援センターの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十七号議案
東京都福祉ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都営空港条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
東京都立公園条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
特別区の消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
都立日野高等学校(二)改築工事請負契約
第七十八 第七十八号議案
都立町田の丘学園(二)西校舎棟ほか改築工事請負契約
第七十九 第七十九号議案
都営住宅二H─一一九西(世田谷区八幡山三丁目第二)工事請負契約
第八十 第八十号議案
都営住宅二H─一〇八西(村山)工事請負契約
第八十一 第八十一号議案
都営住宅二H─一一八西(世田谷区八幡山三丁目第二)工事請負契約
第八十二 第八十二号議案
都営住宅二H─一〇二東(墨田区堤通一丁目第二)工事請負契約
第八十三 第八十三号議案
都営住宅二H─一三一東(豊島区西巣鴨二丁目)工事請負契約
第八十四 第八十四号議案
東京都島しょ農林水産総合センター大島事業所(二)改築工事請負契約
第八十五 第八十五号議案
東京消防庁赤羽消防署志茂出張所庁舎(仮称)(二)改築工事請負契約
第八十六 第八十六号議案
東京都足立児童相談所(二)改築工事請負契約
第八十七 第八十七号議案
野伏漁港船客待合所(二)新築工事その二請負契約
第八十八 第八十八号議案
包括外部監査契約の締結について
第八十九 第八十九号議案
有明アリーナの公共施設等運営権の設定について
第九十 第九十号議案
港区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十一 第九十一号議案
令和三年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第九十二 第九十二号議案
令和二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区の負担の変更について
第九十三 第九十三号議案
多摩川流域下水道野川処理区、北多摩一号処理区、北多摩二号処理区、多摩川上流処理区、南多摩処理区、浅川処理区及び秋川処理区並びに荒川右岸東京流域下水道荒川右岸処理区の改良に要する費用の関係市町村の負担について
第九十四 第九十四号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第十七号)
第九十五 第九十五号議案
令和二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第二号)
第九十六 第九十六号議案
令和二年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第九十七 第九十七号議案
令和二年度東京都病院会計補正予算(第五号)
第九十八 第九十八号議案
神田川整備工事(その二百七)の施行に伴う家屋等の損傷事故に係る損害賠償の額の決定について
第九十九 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十五号)の報告及び承認について
第百 地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した令和二年度東京都一般会計補正予算(第十六号)の報告及び承認について

   午後一時開会・開議
○議長(石川良一君) ただいまから令和三年第一回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(石川良一君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

○議長(石川良一君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十二番  西野 正人君 及び
   七十四番 川松真一朗君
を指名いたします。

○議長(石川良一君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(広瀬健二君) 令和三年二月十日付東京都告示第百六号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案九十八件の送付並びに地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づく専決処分二件の報告及び承認についての依頼がありました。
 次に、知事及び教育委員会教育長並びに監査委員外五行政委員会より、令和三年中における東京都議会説明員及び説明員の委任について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
 次に、人事委員会より、令和二年十二月十八日付で、都の一般職の職員の給与について報告等がありました。
 次に、包括外部監査人より、令和三年二月十日付で、令和二年度包括外部監査報告書の提出がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について、報告が二件ありました。
 内容は、訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告について並びに東京都高等学校・大学等進学奨励事業に係る貸付金の償還免除に関する報告についてであります。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、令和二年定例監査及び令和二年工事監査の結果について、それぞれ報告がありました。
 次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について、提出がありました。
 次に、住民監査請求について、地方自治法第二百四十二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)

○議長(石川良一君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 令和二年第四回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付しておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一六ページ)に掲載〕

○議長(石川良一君) 次に、閉会中の議員の退職について申し上げます。
 去る一月二十四日、千代田区選出ひぐちたかあき君は、公職選挙法第九十条の規定により、退職となりました。

○議長(石川良一君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ常任委員の所属変更の申し出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
〔常任委員所属変更名簿は本号末尾(一三〇ページ)に掲載〕

○議長(石川良一君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る二月八日付をもって、奥澤高広君より辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって森澤恭子さんを指名いたしました。

○議長(石川良一君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から三月二十六日までの三十八日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、会期は三十八日間と決定いたしました。

○六十七番(村松一希君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 令和二年度包括外部監査結果の報告について、地方自治法第二百五十二条の三十四第一項の規定に基づき、包括外部監査人の説明を求めることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、令和二年度包括外部監査結果の報告について、包括外部監査人の説明を求めることに決定いたしました。
 ここで、青山伸一包括外部監査人の出席を求めます。
〔包括外部監査人青山伸一君入場、着席〕

○議長(石川良一君) ただいまご出席いただきました包括外部監査人をご紹介いたします。
 青山伸一さんでございます。
〔包括外部監査人挨拶〕

○議長(石川良一君) 本日は、ご多忙のところ、監査結果報告の説明のためご出席をいただき、まことにありがとうございます。

○議長(石川良一君) この際、知事より、令和三年度施政方針について発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和三年第一回都議会定例会の開会に当たりまして、都政の施政方針を述べさせていただきます。
 まずは、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。
 緊急事態宣言のただ中にあって、対策の徹底にご協力をいただいている都民、事業者の皆様、そして感染症と日夜闘っていただいている医療従事者を初めとする皆様に、改めて深く感謝を申し上げます。
 皆様の多大なるご尽力により、新規陽性者数は減少傾向にある一方、いまだ入院患者数は非常に高い水準で推移いたしておりまして、医療提供体制の逼迫は長期化しております。年代を問わず、後遺症に悩まされる例も多く報告されており、みずからの、そして大切な人の命と健康を守るため、改めて、感染しない、させないことの重要性を都民の皆様一人一人と共有したいと思います。
 まだまだ、気を緩められる状況ではありません。ここは正念場であります。これまでの努力を水泡に帰さないためにも、引き続き、基本的な対策へのご協力、心からお願いを申し上げます。
 ワクチン接種につきましては、本日、医療従事者に対する先行接種が開始となりました。都といたしましても、円滑な実施に向け、区市町村や医師会等と一丸となって準備を進めたところでありまして、都民、事業者の皆様に安心と希望を感じていただきながら、引き続き、見えざる敵との闘いにともに邁進したいと思います。
 感染症対策の中核となる東京iCDCにおきましては、新型コロナウイルス感染症に関連するデータを一元化、可視化する情報基盤を整備いたし、より高度な分析を実施いたします。専門家ボードでは、エビデンスに基づく対策をさらに推進するための調査研究を行い、未知のウイルスに打ちかつための効果的な取り組みへとつなげてまいります。
 人の流れを抑制する上で、往来の多い東京、埼玉、千葉、神奈川、この一都三県が一体的な取り組みを行うことは、大きな効果を生み出します。現在、営業時間短縮の要請、世代の行動特性を踏まえた呼びかけ、出勤者数七割削減に向けたテレワークの集中実施など、幅広い対策を講じておりまして、引き続き緊密な連携のもと、実効性ある施策を推進してまいります。
 官民を挙げてテレワークの一層の浸透を目指す東京ルールにつきましては、これまでに六百社を超える企業の皆様に実践宣言を行っていただきました。半日、時間単位で柔軟に実践するテレハーフも推奨しております。来年度は、ワンストップのオンライン相談窓口の設置や専門家の派遣など、よりきめ細かな支援を展開し、テレワーク実施率のさらなる向上へとつなげてまいります。
 都民の命を守るためには、雇用の確保も重要な課題であります。コロナ禍で困難に直面している方々に寄り添い、大胆な雇用対策を推進してまいります。採用意欲の高い企業でのトライアル就労、ITや医療、介護等の分野における都独自の職業訓練などの取り組みを、かつて世界恐慌に立ち向かったアメリカのニューディール政策になぞらえまして、東京版ニューディールと位置づけ、二万人を超える雇用創出を目指して果敢に進めてまいります。
 なお、現在、感染拡大を阻止する対策や、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットの強化充実などを盛り込んで、追加の補正予算案を編成しております。近々、本定例会に提案をいたしまして、ご審議をいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
 誰もが希望と活力を持って安心して生活し、日本の成長のエンジンとして世界の中でも輝き続けるサステーナブル、持続可能な首都東京をつくり上げる。これは五年前の知事就任後、初となる所信表明において述べた決意であります。迫りくる人口減少社会、熾烈な世界の都市間競争、深刻化する気候危機、こうした内外の厳しい情勢の中にありましても、なお持続的に発展する東京を築いていく。揺るぎなき東京大改革の信念を掲げながら、これまで、セーフシティー、ダイバーシティー、スマートシティーの実現を初め、多摩・島しょ地域の振興、全国との共存共栄、デジタルトランスフォーメーションの推進などに力を入れてまいりました。
 この間、一貫して重視してまいりましたのは、東京の大いなる活力源である人の輝きを最大限に引き出すという観点であります。人と人がつながり、新たな価値を創造することで発展を続けてきた東京の持続可能性の鍵は、一人一人の人にあります。こうした確信から、年齢も性別も国籍も障害の有無も関係なく、誰もが輝き、多様性あふれる都市を築くための幅広い施策を講じてまいりました。
 今、サステーナブルな東京を図る上で、私たちの前に立ちはだかる二つの危機。それは、新型コロナウイルス感染症と気候危機であります。未知のウイルスへの感染拡大を食いとめるべく、人と人の接触を徹底的に抑制することが求められる中にありまして、人のつながりが生み出してきた東京の持続可能性をいかに確保していくか。そして、まさしく都市の持続可能性を脅かす気候危機をどう乗り越えていくのか。コロナと気候危機という二つの危機の克服は、真にサステーナブルな都市をつくり上げるために私たちに突きつけられている命題でありまして、今こそ、そのための戦略を再構築しなければなりません。
 世界におくれをとるデジタル化など、見えざる敵がいや応なく見せつけた我が国の課題を直視して、構造的な改革を推し進める。都民、企業、行政が一体となって、脱炭素化のための実効性ある行動を加速する。コロナ禍から、ただもとに戻るのではなく、持続可能な回復を実現するサステーナブルリカバリーによって、誰もがいつまでも安心して幸せに暮らすことのできる都市へと進化していくことこそ、今の東京を生きる私たちが果たすべき未来への責任なのであります。
 二〇二一年、命と健康を守ることを最優先としながら、未来への行動を加速するサステーナブルリカバリー元年と位置づけまして、新たな東京大改革二・〇の旗のもと、都議会の皆様、都民の皆様とともに力強く歩みを進めてまいります。
 その羅針盤として、先週、未来の東京戦略の案を公表いたしました。危機を乗り越え、成長と成熟が両立した明るい未来の東京を切り開く。そのために、感染症に打ちかつ戦略を加えました二十プラスワンの戦略と、Community、Children、Choju、この三つのCの取り組みを初め、水素社会の実現、国際金融都市の推進など、百二十二の意欲的なプロジェクトを盛り込んでおります。
 百五十年を超える歴史の中、東京は幾度かの大きな危機を克服して、その姿を進化させながら持続的な発展を遂げてまいりました。その礎は、先人たちの英知であります。例えば、関東大震災後、百年先を見通して東京の成長の骨格を築いた後藤新平。そして、後藤から復興への協力を求められ、物質の復興のみならず、精神の復興を図ることで、誰もが安心して暮らせる徳のある社会を目指した渋沢栄一。こうした鋭い先見性を発揮した先人に学び、温故創新の思想で、五十年先、百年先を見据えながら新たな時代をつくり上げるプロジェクトを果敢に推進してまいります。
 その一つの核となるのが、大いなるポテンシャルを有するべイエリアにおきまして、持続可能な都市の範となる都市モデルを実現する東京べイeSGプロジェクトであります。環境と調和しながら最先端のテクノロジーを徹底的に活用するなど、有識者からの提言を踏まえた社会の構造改革を推し進めるその先に、自然と便利が融合する持続可能な都市をつくり上げる。プロジェクト名に渋沢と後藤のイニシャルを盛り込み、鳥の目で未来を俯瞰する精神を受け継ぎながら、ベイエリアを舞台に具体の検討を進めてまいります。
 都政は今、危機を乗り越える突破力と目指すべき未来を築き上げる創造力を高めるべく、大胆に変わっていくことが求められております。先般、シン・トセイ都政の構造改革QOSアップグレード戦略の案を公表いたしまして、そのための道筋を明らかにいたしました。シン・トセイの名に込めました新たな都政をつくっていくとの決意のもと、改革の突破口となる七つのコアプロジェクトと、都民サービスの提供のあり方や仕事そのものを構造的に改革していく各局リーディングプロジェクトをあわせて展開してまいります。
 変革の鍵は、デジタルトランスフォーメーション、DXであります。本定例会に条例案を提案いたしまして、四月の設置を目指すデジタルサービス局は、DX推進の旗振り役として、各局及び区市町村を技術面からサポートするとともに、職員全体のデジタルスキルの向上を担うなど、改革を先導してまいります。
 各局におきましても、5Gを活用したサービスの早期実現、税務手続や都営住宅入居申し込みのオンライン化など、先端技術の社会実装及び都民の利便性向上を図ってまいります。
 こうした実践の中で、五つのキーワード、スピード、オープン、デザイン思考、アジャイル、見える化、これらを都政の新たなスタンダードとして職員一人一人に浸透させながら、都政の構造改革、そして東京のDXを強力に推し進めてまいる。その先に、都政のQOS、クオリティー・オブ・サービスを高めて、都民のQOL、クオリティー・オブ・ライフを向上させることで、誰もが住んでよかったと幸せを実感できる東京をつくり上げてまいります。
 目指すべき未来への第一歩を踏み出すための令和三年度予算案におきましては、成長し続ける都市東京の実現に向けた戦略的な取り組みを果敢に進める、その観点から、未来の東京戦略で掲げる政策に重点的に予算を配分いたしました。加えて、コロナ禍により影響を受けた社会経済の早期回復に向けた対策を推進するべく、一般会計の当初予算規模は七兆四千二百五十億円といたしております。
 厳しい財政環境の中にありましても、事業の不断の見直しによりまして積み立ててきた基金や、発行余力を培ってきた都債を積極的に活用することで、都民の命を守り、その先の東京の未来をつくる取り組みを着実に推し進めてまいります。
 また、環境施策の強力な推進を図るべく、全国の自治体に先駆けて発行し、年々需要が高まっております東京グリーンボンドにつきましては、来年度、その発行額を四百億円へと拡大をいたします。
 加えまして、コロナ禍において支援が必要な都民や事業者を社会全体で支えていくため、六百億円程度のソーシャルボンドの発行を目指すなど、国内におけるESG投資のさらなる促進を図ってまいります。
 これより、主要な政策について申し述べてまいります。
 まずは、環境、金融、産業など、東京が世界から選ばれる都市へと飛躍するための取り組みについてであります。
 災害級の猛暑や激甚化する豪雨など、まさに人類にとっての脅威にほかならない気候危機。ここに正面から立ち向かうべく、私は、気候非常事態を超えて行動を加速する宣言を表明いたしまして、今こそ行動を起こすこと、タイム・ツー・アクトを世界に呼びかけました。そして先月には、世界経済フォーラムのダボス・アジェンダに出席をいたしまして、二〇三〇年までに都内の温室効果ガス排出量を二〇〇〇年比で五〇%削減する目標、カーボンハーフを世界に表明したところであります。
 私が副議長を務めるC40など国際的なネットワークとも連携をいたしながら、気候危機への行動で世界をリードし、東京発の世界的ムーブメントを展開してまいります。
 ここ数カ月、イギリスや中国など、自動車のゼロエミッション化に向けた世界の動きは極めて速く、これからの自動車産業の行く末を決める熾烈な覇権争いの様相を呈しております。東京はこうした世界の潮流に遅れることなく、環境先進都市としてのプレゼンスを発揮するとともに、すぐれた環境技術を我が国経済の持続可能な成長へとつなげていかなければなりません。
 こうした決意のもと、先般、都内で新車として販売される乗用車を二〇三〇年までに、二輪車を二〇三五年までに、それぞれ一〇〇%非ガソリン化することを目指す意欲的な目標を打ち出しました。
 来年度、早速その達成に向けました確かな行動に踏み出してまいります。ZEVの普及を一気呵成に拡大すべく、環境省と連携した補助の拡充、減税措置の延長等によりまして、導入に係る実質負担を、最大でガソリン車を下回る水準まで軽減をいたしてまいります。
 急速充電器につきましても、整備、管理に対する補助を新たに創設をいたします。さらに、EVバイクの利便性向上のためのバッテリーシェアの推進や、メーカーにZEV開発を促す新たな仕組みの検討など、多面的な施策を講じてまいります。
 脱炭素化の柱となる水素の活用につきましても、ヨーロッパを初め世界で取り組みが加速する中、さらに前へと進めてまいります。昨年末には、水素ビジネスのリーディング企業が一堂に会する東京水素イニシアティブを開催いたしまして、未来を切り開く水素エネルギーの利用拡大に向けまして、官民が強固に連携することを確認いたしました。水素ステーションの拡大や燃料電池商用車両の普及など、手を緩めることなく施策を展開してまいります。
 そして、多様な主体が総力を結集して気候危機に立ち向かう行動の大きな呼び水となるのが、環境と金融を組み合わせたグリーンファイナンスであります。環境改善に資する取り組みが市場で適正に評価され、それが投資を呼び込み、さらに取り組みを加速させる。この好循環こそ、まさにサステーナブルリカバリーを体現するものであります。
 私はかねてより、東京を世界に冠たる国際金融都市とすべく取り組みを進めてまいりました。四月からは新たに国際金融都市戦略担当局長を設置いたしまして、秋には国際金融都市東京構想を改定し、そのさらなる加速化を図ってまいります。
 構想改定のための有識者懇談会におきましても、グリーンファイナンス市場の拡大が最優先分野の一つとされておりまして、人々の共感に根差した志高い投資を世界中から呼び込む新たな市場をこの東京に成熟させたいと思います。
 先般、Tokyo Green Finance Marketの創設に向けまして準備会合を開催したところであり、今後、具体の検討を深めてまいります。
 感染症との闘いの中で傷ついた経済を再び成長軌道に乗せ、さらなる飛躍へと導いていく。その一つの鍵は、コロナ禍において生まれた新たなニーズに対応し、新しい成長へとつなげていくことであります。そのために欠かせないDXを強力に推し進め、東京の稼ぐ力に一層の磨きをかけるべく、中小企業における先端技術の導入から活用まで専任アドバイザーが徹底してサポートする事業を開始いたします。
 また、デジタルにより新たな製品、サービスの開発に果敢に挑戦する中小企業に対しては、最新設備の導入経費を助成いたしてまいります。
 DXをきめ細かく後押しをするとともに、引き続き販路開拓や事業承継など、中小企業への多面的な支援を推進することで、東京の産業力の底上げを図ってまいります。
 さらに、独創的なアイデアや機動力を持つスタートアップの力を爆速で進めるべきDXの追い風としていきたいと存じます。大企業等とのマッチング機会を創出し、DX推進に資する製品やサービスの普及を促すことで、先端技術の社会実装へとつなげてまいります。
 都市農業の稼ぐ力の向上におきましても、デジタルの力を生かします。先端技術の開発、活用を進める東京型スマート農業を推進するとともに、東京農業アカデミーにおきましてデジタルを活用できる人材を育成するなど、農業が成長産業の一つとして確固たる地位を築いて、東京の稼ぐ力を支える一つの柱となるように取り組んでまいります。
 加えまして、新鮮な野菜、水産物など、東京産食材の戦略的なブランド力向上、全国と連携した国産木材の活用促進、林業、水産業における新たな人材育成拠点の開設など、幅広い取り組みによりまして、東京の多彩な魅力を生み出す農林水産業の持続可能な発展を図ってまいります。
 誰もが輝く多様性こそ、東京の活力と発展の源泉であります。引き続き東京大改革二・〇の要諦として、人に焦点を当てた施策に力を入れてまいります。
 コロナ禍にありまして、不安を抱えて出産、育児に臨む方々を社会全体で後押しをする。こうした観点から、新たに開始する出産応援事業では、子供一人当たり十万円分の子育て支援サービスや育児用品等の提供を通じまして、経済的負担の軽減を図ります。あわせて、各家庭の子育てニーズを把握して、今後の効果的な施策展開へとつなげてまいります。
 育児休業の取得を誰にとっても当たり前のものとして定着させるべく、来年度、働くパパママ育休取得応援事業を大幅に拡充いたしまして、企業に対し、男性の育休取得率の向上、そして取得期間の長期化を強力に促す。特に出産直後の女性のサポートを後押ししてまいります。
 在宅勤務や時差出勤など、多様で柔軟な働き方が浸透しつつある今、男性の家事、育児参画の気運をさらに高めたいと思います。来年度、インフルエンサーの発信力も生かしながら、家事、育児の魅力を広く伝えるキャンペーンを展開し、女性、男性、誰もが仕事や家庭で活躍できる社会の実現を図ってまいります。
 子育ての楽しさや幸せを何よりも実感させてくれるのは、子供の笑顔にほかなりません。未来の東京戦略におきましても、子供の笑顔のための戦略を第一に掲げまして、チルドレンファーストの社会を実現するとの決意を明らかにしております。子供や子育て世帯に寄り添ったきめ細かな政策を推進する。同時に、幅広い主体とともに、子供の笑顔につながる多彩な取り組みを展開して、社会全体で子供を育むムーブメントをつくり上げる。その先に、子供が笑顔で子育てが楽しいと思える社会を築いていきたいと思います。
 人を育む教育のあり方も従来の発想からの転換が求められております。誰ひとり取り残さず、すべての子供が将来への希望を持って、自ら伸び、育つ教育。この目指すべき教育の実現に向けまして、新たな東京型教育モデルを展開いたします。
 子供の意欲を引き出す。主体的に学び続ける力を育む。ICTの活用によりまして一人一人の力を最大限に伸ばす。この三つの学びを、子供の目線に立って東京の強みを生かしながら日々実践、改善していくことで、理想の教育を追求する。こうした全体の姿をこれからの教育モデルと位置づけまして、子供たちの成長を社会全体で支えてまいります。
 来月には、新たな教育のあり方を盛り込みました次期教育施策大綱を策定いたしまして、持続可能な都市東京を担う子供たちを力強く育んでまいります。
 人生百年時代、高齢の方々が心豊かに過ごせる地域づくりを推進するとともに、新しい日常に即した暮らしの支援を進めてまいります。
 来月末、第八期となる高齢者保健福祉計画を策定いたします。介護、フレイル予防及び社会参加の促進や認知症施策の総合的な推進などを重点分野に位置づけるとともに、新型コロナウイルス感染症への対応を各分野に盛り込みます。高齢者人口がますます増加する二〇四〇年を見据えまして、今取り組むべき施策を示してまいります。
 介護の現場では、人手不足が深刻化する中、いかに質の高いサービスを提供できるかが重要な課題であります。来年度、介護現場の改革をさらに充実させ、事業者によるデジタル機器や次世代介護機器の導入を強力に支援するほか、人材育成に向けたセミナーを開催しまして、介護職員の定着へとつなげてまいります。今後の介護需要の増加を見据えまして、先端技術の活用や人材の確保を図りながら、現場の支援を推進してまいります。
 このほか、高齢者を初めデジタル機器にふなれな方々に対する支援も進めます。通信事業者と連携したスマートフォン利用の普及啓発のほか、区市町村や町会、自治会による取り組みを後押しするなど、多様な主体とともにデジタルデバイドの解消に向けた対策を推進し、デジタル化がもたらす利便性を誰もが享受できる社会を実現してまいります。
 コロナ禍は、人々の暮らしの基盤である住まいのあり方や取り巻く環境にも大きな変化をもたらしています。テレワークの急速な普及は新たなワークスペースの需要を生み、高齢の方々には、新しい日常に対応した居場所づくりや見守り機能が求められております。こうした変化を的確に捉えまして、誰もが地域のコミュニティの中で安心して豊かに暮らせる住環境をつくり上げていくべく、住宅戦略のバージョンアップを図ってまいります。
 空き家を活用したコワーキングスペースの整備、居場所づくりに向けた新たなモデルの構築、先端技術を活用した高齢者の見守り支援の強化など、区市町村や民間との連携のもと、都市の総合力を駆使した住宅戦略を展開してまいります。
 次に、ソーシャルインクルージョンに根差した施策についてであります。
 条例制定以降、創設を目指し取り組みを進めてまいりました都の認証ソーシャルファームが来月いよいよ産声を上げます。コロナ禍において、障害のある方やひとり親の方など、就労に困難を抱える方々の雇用に深刻な影響が生じている今、引き続き、ソーシャルファームの創設やその活動を支援し、就労困難者の雇用の場の拡大を図ってまいります。
 都はこれまで、都内の公立小中学校におきまして、発達障害等のある児童生徒が通常の学級で過ごしながら、個々の状況に応じて特別な指導を受けられる仕組みを整えてまいりました。来年度は、高校段階におきましても同様の体制を構築いたします。外部人材を積極的に活用して生徒一人一人に合わせたサポートを行うことによって、誰もがどの都立高校に進学しても必要な教育を受けられる、まさにインクルーシブな教育を実現してまいります。
 人の心に潤いをもたらし、生き生きと輝くための活力を与えてくれる芸術文化は、私たちの生活に欠くことができません。
 コロナ禍で厳しい状況にある若手アーティストに対しまして、創作活動の後押しや活躍の場の提供など、幅広い支援を実施してまいります。また、都立文化施設の収蔵品等をオンラインで公開しまして、芸術文化の新たな体験を広く提供するなど、コロナ禍にありましても文化のともしびを絶やすことなく、都市の活力へとつなげる取り組みを推進してまいります。
 未来に向けたまちづくりにおきましても、その中心に据えるべき視点は人であります。高度な都市機能を維持しながら、人の目線に立ち、人が集い、憩う、そんなまちづくりを進めてまいります。
 世界一の乗降客数を誇る新宿駅の周辺におきまして、来年度、誰もが利用しやすい機能的なターミナルへの再編に向けた土地区画整理事業に着手いたします。東西の駅前広場は、現在の車中心の空間構成から人に配慮したゆとりのある空間へと姿を変え、回遊性が飛躍的に高まる。そのための第一歩を踏み出します。加えまして、西新宿地区におきましても、車から人への理念のもと、再整備方針の検討を開始いたします。5G環境の整備や次世代交通の導入なども見据えまして、道路空間のあり方などを広く検討してまいります。
 人の移動の円滑化に資する鉄道ネットワークの充実に向けましては、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面への延伸について、今年度より基本設計に着手をいたしました。引き続き事業化に向けた取り組みを推し進め、地域の利便性向上を図ります。
 また、先月には、国におきまして東京圏の地下鉄ネットワークのあり方等について検討が始まる機会を捉えまして、国土交通大臣に対して、地下鉄八号線の延伸や臨海地域地下鉄構想の実現等に関する要望を行いました。
 羽田空港アクセス線につきましても、先月、国が事業許可を行ったところであり、今後とも鉄道事業者を初め関係機関と連携し、誰もが快適に移動できる鉄道ネットワークの充実を推進してまいります。
 人中心の都市構造への転換に向けまして、自転車の活用もさらに推進したいと思います。コロナ禍による利用の増加など直近の動向も踏まえながら、誰もが快適に安心して自転車を利用できる環境を整備いたします。
 来年度早々、計画を改定して、新たに定める自転車活用推進重点地区を中心に、連続した通行空間の整備、自転車シェアリングの広域利用、交通安全対策の強化などの取り組みを集中的に進めてまいります。
 感染症の拡大を契機に、身近な憩いの場としてその重要性が再認識されている都立公園の魅力をさらに引き出します。明治公園及び代々木公園におきましては、都立公園で初めて民間のアイデアと資金を生かすパークPFI制度を活用して、都心の緑豊かな空間の中で多様なアクティビティーが楽しめる場の整備を進めてまいります。
 また、近代的洋風公園の先駆けである日比谷公園につきましては、来年度、再生整備計画を策定しまして、回遊性の向上や交流広場の創出など、世界に誇る公園としての新たな姿を示してまいります。
 開園から約三十年、多くの方々に愛され続ける葛西臨海水族園は、老朽化に伴いまして、令和八年度を目途に新たな施設へとその機能を移転いたします。現在の施設につきましては、新たな水族園とも有機的に連携しながら、周辺一帯の魅力を向上させる利活用策について検討を行っておりまして、今後広くご意見を伺いながら、基本的な考え方を取りまとめてまいります。
 先ほど申し上げましたソーシャルインクルージョンの理念を公園にも取り入れます。来年度、都立府中の森公園におきまして、ユニバーサルデザインに配慮した誰もが楽しめる遊具広場を開設するとともに、区市町村の取り組みを後押しするべく、新たな補助制度を創設いたします。障害の有無にかかわらず、全ての子供たちがともに楽しく遊べる公園の整備を、区市町村と手を携え拡大してまいります。
 これまで、人が輝く東京を実現するための施策について申し述べてまいりました。女性が大いに輝き、子供たちの笑顔があふれ、高齢の方も障害のある方も、誰もが生き生きと活躍する。こうした多様性をベースに、これまで以上に活気にあふれ、未来に向けて力強く成長していく東京をつくり上げる決意であります。
 私はこれまで、待機児童対策を初め、女性起業家の支援、女性の首長や経営者と連携した新たな会議の立ち上げなど、女性が輝くための取り組みに力を入れてまいりました。都の審議会等につきましても女性委員の任用を積極的に推進をして、その割合は飛躍的に向上して、既に三二・九%まで達しております。
 今後、意思決定の場への女性参画をさらに加速させまして、まずは令和四年度末までに女性任用率を四〇%以上に高めてまいります。
 未来の東京戦略では、女性の活躍推進戦略として、女性の希望に応じた生き方、働き方のサポートや、女性活躍に向けた戦略的な普及啓発などのプロジェクトを掲げております。また、昨年十月に設立した、つながり創生財団を中心に、外国人が安心して暮らせる多文化共生社会づくりに向けた取り組みも進めております。引き続き幅広い施策によりまして、東京の多様性をもっと圧倒的に高めることで、多彩な価値観や発想をサステーナブルリカバリーへとつなげていきたい。
 次に、都民の安全・安心を守る取り組みについて申し上げます。
 多くの尊い命が奪われ、失われ、我が国にさまざまな形で凄惨な爪跡を残した東日本大震災から間もなく十年。先日、東北地方を中心に、その余震と見られる強い揺れが発生したところであり、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 過去の震災の記憶は決して風化させてはなりません。風水害を含め、大規模災害がいつ東京に発生してもおかしくない中、コロナ禍との複合災害に備える観点も踏まえまして、防災対策の強化に全力で取り組んでまいります。
 災害への備えを真に万全なものとするためには、都民一人一人の理解と共感が欠かせないところであります。都民目線で災害対策をわかりやすくまとめ、取り組みの進捗を毎年公表しております東京防災プランにつきまして、来月末に改定を行います。
 感染症と自然災害との複合災害への備えとして、ホテルや大型商業施設などの新たな避難先を確保いたしまして、避難者の分散を図るほか、感染拡大防止に有効な物資の備蓄を充実させるなど、対策を強化いたします。このほか、DXによる防災対策のアップグレードなど、今なすべき対策を取り入れながら、自助、共助、公助の進展による防災事業のさらなる進化を図ってまいります。
 倒れないまちの実現に向けまして、先般公表いたしました無電柱化加速化戦略には、無電柱化の行く手を阻むあらゆる課題を乗り越えて、地震や台風への備えを一段と高めるべく、七つの戦略を掲げております。都道、臨港道路での年間整備規模の倍増、区市町村道への支援強化、民間宅地開発における取り組み促進などの施策を一体となって推し進め、都内全域の無電柱化を加速してまいります。
 また、耐震改修促進計画の改定案には、老朽化が進んだ戸建住宅の除去の促進や、マンションの管理状況届け出制度を活用した効果的な支援等を盛り込みました。病院や学校など公共性の高い建物や不特定多数が利用する大規模建築物につきましても、所有者への働きかけを強化するなど、耐震化の徹底を図ってまいります。
 延焼からまちを守る特定整備路線につきましては、来月、第一号となる補助第一三六号線の足立区関原─梅田地区間が開通いたします。引き続き、防災都市づくり推進計画の新たな整備プログラムのもと、他の路線につきましても着実に整備を進めてまいります。あわせまして、不燃化特区におきまして、建築物の建て替え、除去への助成、固定資産税、都市計画税の減免など踏み込んだ支援を継続するとともに、無接道敷地の解消に向けた支援策を拡充するなど、燃え広がらないまちづくりを推し進めてまいります。
 激甚化する風水害への備えも固めてまいります。昨年も記録的な豪雨による災害が全国的に発生いたしまして、迅速な避難行動を促す情報発信の重要性、改めて広く認識されたところであります。現在、河川監視カメラの設置拡大を順次進めておりまして、来年度は水防災総合情報システムにつきまして、河川の状況などをリアルタイムに伝えるためのリニューアルを行います。あわせて、新たに高潮防災総合情報システムを稼働させまして、このうち、高潮リスクをピンポイントで検索できるサービスにつきましては、今年度中に運用を始めるなど、防災情報を都民にわかりやすく伝える体制を早期に整えてまいります。
 調節池の整備につきましては、来年度、善福寺川上流及び第二期となる城北中央公園におきまして、新たに事業化に着手をいたします。これらを含めまして、二〇三〇年度までに約百五十万立方メートルのさらなる事業化を図るべく、引き続き着実に取り組みを進めてまいります。
 江東五区などの東部低地帯におきましては、高台づくりの推進、道路高架部を活用した垂直避難の実施など、水害から命を守る方策につきまして、あらゆる選択肢を洗い出して、国や関係自治体とともに検討を進めてまいります。あわせまして、防潮堤や水門などの施設につきましても、来年度、次期整備計画を策定して、耐震、耐水対策を一層推進するとともに、最新技術の活用を検討するなど、防災力のさらなる強化を図ってまいります。
 安全・安心で快適な暮らしを支える事業の基盤強化にも取り組んでまいります。
 水道事業におきましては、予防保全管理による施設の長寿命化など、強靱な水道システムの再構築や、スマートメーターを初め先端技術を活用したお客様サービスの向上を図ってまいります。
 下水道事業におきましては、激甚化する豪雨を踏まえた浸水対策の強化や、AIによる雨水ポンプの運転支援に向けました技術開発を進めるほか、今後、落合及び清瀬水再生センターの運営に民間の知恵や工夫を取り入れる包括委託を導入いたしてまいります。
 来月には、水道局及び下水道局におきまして新たな五カ年の経営計画を策定し、計画的かつ効率的に事業を推進してまいります。また、コロナ禍において厳しい経営状況が続く見通しの交通局におきましても、将来にわたり都営交通としての責任と役割を果たす観点から、来年度、次期経営計画の策定を進めてまいります。
 生鮮品流通の基盤である中央卸売市場の活性化も欠かせません。将来の市場の姿を展望し、加速度的に進むデジタル化や物流の変化にも適応できるよう、先月、市場経営の羅針盤となる経営指針の案を公表いたしました。市場関係者や都民の皆様のご意見も踏まえながら、年度内に取りまとめ、戦略的な市場経営を推進してまいります。
 次に、活気あふれる東京の実現に欠かせない多摩・島しょ地域の振興について申し上げます。
 多摩地域には、高い技術を誇る企業や大学、研究機関等が集積をしております。そのポテンシャルを大いに引き出し、イノベーションを生み出していく。そのために、来年秋に開業予定の多摩産業交流センターなど、都の産業拠点を核として、多様な主体の連携を促進いたします。世界有数のイノベーション先進エリアとしての地位を確立すべく、関係機関とともに実行委員会を設立いたしまして、来年度は基本指針を策定するなど、取り組みを加速してまいります。
 多摩地域から東京の成長を生み出す取り組みの一環として、英語を学ぶ環境の充実を図ってまいります。江東区に設置し都内外から多くの利用をいただいております体験型英語学習施設につきましては、多摩地域におきましても同様の施設を令和四年度中に整備をいたします。都内全域の児童生徒の英語力向上を力強く後押しをし、その可能性を大きく伸ばしていきたいと存じます。
 自然豊かな多摩地域で、職住近接で働き、暮らすことのできる環境を整えてまいります。サテライトオフィスにつきまして、市町村や民間による整備、運営を支援するほか、商店街の空き店舗などを活用した小規模なオフィスの運営によりまして、地域の活性化を図るモデル事業を実施するなど、新しい日常にふさわしい多様な働き方を多摩地域から発信してまいります。
 このように、新たな可能性にあふれ、その価値に改めて焦点を当てるべき多摩地域の魅力をさらに高めていくべく、来年度、新たな多摩振興プランを策定いたします。社会情勢の変化や、それぞれの地域の特性、課題の分析などを踏まえまして、市町村や有識者の声も十分に取り入れながら、五月を目途に素案を公表してまいります。
 島しょ地域におきましては、強大化する台風による電柱倒壊の危険性をいち早く低減しなければなりません。簡易な構造による整備手法を可能な限り採用し、コスト縮減や工期短縮を図りながら、早期の無電柱化を目指すところであります。来年度は、一昨年の台風で被災した大島町の差木地及び波浮港地区の都道におきまして無電柱化を完了させるとともに、各町村の意向を踏まえました整備計画を策定して、島民の方々への安全・安心へとつなげてまいります。
 島々の魅力向上、発信に向けましては、引き続き人を引きつけるブランド力向上のための各島の取り組みを支援するほか、観光客の長期滞在を促す新たな事業を展開するなど、個性を磨き、魅力あふれる地域をつくり上げる施策を進めてまいります。
 また、国益に直結する国境離島である沖ノ鳥島及び南鳥島の維持保全に向けましては、基礎調査を行って方向性を検討するとともに、両島の重要性を広く発信するなど、国とも連携しながら取り組みを強化してまいります。
 オリンピック・パラリンピックにつきまして、東京は開催都市としての責務を果たすべく、安全・安心な大会を実現する準備に邁進をしてまいります。今月には、そのための具体的な取り組みが盛り込まれましたプレイブックの初版が公表されました。引き続き、組織委員会、国、IOC、IPCを初め関係機関と連携して、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、ハード、ソフトの両面にわたる取り組みを都民の豊かな生活へとつなげていくなど、綿密な仕事を積み重ねてまいります。
 東京二〇二〇大会は、多様性と調和を大きなビジョンとしております。これまで、オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例の制定など、人権意識の醸成に取り組んでまいりましたこの東京が、このビジョンを大会の中でいかに具現化し、世界へと発信していくのか。まさに今、世界が注目をいたしております。大会を契機に、多様性と人権尊重の理念を社会に一層根づかせ、それをレガシーとして、よりよい未来をつくり上げていきたいと思います。
 そして同じく、東京から世界へと発信していくべき気候危機行動ムーブメント、タイム・ツー・アクトにつきまして、本日夜、オンラインにてキックオフ会議を開催いたします。
 脱炭素社会の実現に向けまして、建物のゼロエミッション化や再生可能エネルギー由来のCO2フリー水素の活用につきまして、都の経験と知見を発信して、世界における対策の推進に貢献してまいります。
 また、C40議長であるロサンゼルス市長を初め、パリ市長や気候変動に先進的に取り組む有識者にご登壇いただいて、それぞれの気候危機行動について発表いただく、そのことで、今こそ起こすべき行動を、ここ東京から世界へと呼びかけてまいります。
 私たちが学ぶべき先人、渋沢栄一は、約六百もの社会事業に尽力をされ、誰ひとり取り残さないSDGsの理念を当時から体現したともいえます。多様性を重んじた人物でありました。困窮者や孤児等の保護施設であった旧東京市養育院の院長を半世紀にわたり務めたことは、その象徴といえましょう。女子教育にも力を注ぎ、女子高等教育機関の先駆けの一つであります日本女子大学校の設立に深くかかわった後、同校の第三代校長に就任するなど、生涯を通じて精力的に行動したことでも知られています。
 常に時代の先を読み、動き続けた渋沢の姿勢を心に刻みながら、コロナと気候危機という二つの危機を乗り越え、大いなる多様性を基盤とした真にサステーナブルな東京を実現するべく、果敢に行動してまいります。
 行動こそが希望への道であります。都議会の皆様、都民の皆様、ご理解、ご協力をよろしくお願いを申し上げます。
 なお、本定例会におきましては、これまで申し上げましたものを含めまして、予算案三十二件、条例案四十八件など、合わせまして百件の議案を提案いたしております。よろしくご審議をお願いいたします。
 以上をもちまして私の施政方針表明を終わります。
 ご清聴まことにありがとうございました。

○議長(石川良一君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、警視総監より、都内の治安状況について発言の申し出がありますので、これを許します。
 警視総監斉藤実君。
〔警視総監斉藤実君登壇〕

○警視総監(斉藤実君) 都内の治安状況についてご報告いたします。
 昨年は、世界中で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、今もなお、さまざまな分野に大きな影響を及ぼし続けております。
 このような中、警視庁では、コロナ禍に乗じた犯罪の取り締まりや繁華街等におけるパトロールを強化するなど、都民の皆様の安全・安心の確保に向けた警察活動を展開してまいりました。
 以下、こうした取り組みを含めた治安の現状と対策についてご説明をいたします。
 第一は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた諸対策の完遂についてであります。
 当庁では、大会の開催に当たり、東京を訪れる全ての方々に世界一安全な都市東京を体感、実感していただくため、テロ対策や交通対策、サイバー攻撃への備えや盛り場の環境浄化対策等のさまざまな取り組みを都民や事業者の方々とともに推進をしてまいりました。
 本年は、大会の成功を最重要課題と位置づけ、これまで積み上げてきた各種対策に感染症対策を加えブラッシュアップを図るなど、諸対策のさらなる強化を図っているところであります。
 当庁といたしましては、大会まで残された期間、組織の総力を挙げて、安全かつ円滑な大会の実現に万全を期してまいります。
 第二は、新しい生活様式等に即した警察活動の推進についてであります。
 我が国において感染拡大の兆しが把握されて以降、当庁においては、試行錯誤や創意工夫をしながら、警察活動の現場における感染防止に努めているほか、感染症対策に関するガイドラインを策定するなど、組織を挙げて感染リスクの低減を図ってまいりました。
 また、コロナ禍によって新しい生活様式の実践やデジタル化へのさらなる加速など、社会全体は大きく変容しつつあります。
 当庁といたしましては、こうした社会情勢にも柔軟に対応するため、昨年末に公表した新常態時代を切り拓く警視庁の展望に沿って、引き続き、新しい時代に対応した警察活動のあり方を追求し、誰もが安全で安心して暮らせる世界一安全な都市東京の実現を目指してまいります。
 第三は、犯罪抑止総合対策の推進状況についてであります。
 昨年の都内における刑法犯認知件数は八万二千七百六十六件で、本対策を開始して以降、十八年連続で減少し、戦後最少を更新いたしました。
 以下、主な対策の推進状況等について三点申し上げます。
 その一は、特殊詐欺対策の推進状況についてであります。
 昨年の特殊詐欺の被害状況は、認知件数が二千八百九十六件、被害額が約六十三億四千万円となっており、前年に比べ、認知件数及び被害額は減少しているものの、いまだ莫大な被害が発生しております。
 特に、警察官等を装った受け子が被害者の面前でキャッシュカードに切れ込みを入れてだまし取る、いわゆる切れ込み事案が増加傾向にあるほか、最近では、新型コロナに関するワクチン接種の予約金等を口実とする手口が新たに確認されるなど、依然として予断を許さない情勢にあります。
 こうした中、当庁では、犯行グループの壊滅に向けた突き上げ捜査を徹底し、昨年は統計をとり始めて以降最多となる二千二百七十四件の事件を検挙したほか、被害防止対策として特に効果的である犯人からの電話に出ないための対策を初め、最新の犯行手口についても広く周知を図るなどの対策を強力に推進をしております。
 今後も、検挙と防犯の両面から各種対策を一層推進してまいります。
 その二は、重要特異事件の検挙状況についてであります。
 昨年、特別捜査本部を開設した港区東新橋一丁目区立公園内嬰児殺人、死体遺棄事件、栃木県那須郡別荘地内女性強盗強制性交等殺人、死体遺棄事件の二つの事件のほか、闇バイト集団による点検業者を装った連続屋内緊縛強盗事件、コロナ禍における持続化給付金の不正受給詐欺事件など、社会的反響の大きい事件についても被疑者を検挙いたしました。
 今後も、上祖師谷三丁目一家四人強盗殺人事件を初め、いまだ犯人検挙に至っていない事件の解決に向け、捜査を尽くしてまいります。
 その三は、少年少女を犯罪被害から守るための取り組みの推進状況についてであります。
 少年少女がSNS等を介して福祉犯や性犯罪の被害に遭う事案がいまだ後を絶ちません。
 当庁では、これらの犯罪から少年少女を守るため、福祉犯等の徹底した取り締まりのほか、性被害につながるおそれのあるSNS上の不適切な書き込みに対し、個別に注意喚起文を書き込む対策を実施しており、引き続き、学校を初め関係機関と連携して、少年少女の犯罪被害防止に努めてまいります。
 第四は、サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進状況についてであります。
 昨年は、新しい生活様式の実践に伴い、サイバー空間と実空間との一体化が急速に進展する中、テレワーク環境の脆弱性を狙ったと見られる事例や電子決済サービスを悪用した不正な預金引き出し被害が発生するなど、サイバー空間の脅威は引き続き深刻な情勢が続いております。
 当庁では、こうしたサイバー関連事案の検挙はもとより、高度な専門的知識を有する捜査員を育成するプログラムの導入のほか、テレワーク時のセキュリティー対策に関する啓発活動等の取り組みを推進しております。
 今後も、サイバー空間の安全・安心の確保に万全を期してまいります。
 第五は、人身安全関連事案総合対策の推進状況についてであります。
 人身安全関連事案に係る相談等の件数は、依然として高水準で推移しており、とりわけ昨年は、児童虐待に関する児童相談所への通告人数がコロナ禍によって外出自粛やテレワークが求められた春ごろから急増し、過去最多となるなど、厳しい情勢が続いております。
 当庁では、人身安全関連事案に際しては、重大事件に発展するおそれが極めて高いことを念頭に置き、被害者の避難措置や事件化による加害者の検挙を徹底しております。
 特に、児童虐待が疑われる事案については、児童相談所への迅速な照会を徹底するとともに、専門の警察官が児童の身の安全を直接目で見て確認するなど、とり得る最大限の措置を講じております。
 今後も、被害者や児童等の安全確保を最優先とした、迅速かつ的確な人身安全関連事案への対応を図ってまいります。
 第六は、交通事故防止対策の推進状況についてであります。
 昨年は、世界一の交通安全都市東京を目指してのスローガンのもと、歩行者を守るための対策や悪質、危険な交通違反の指導取り締まりなどの各種対策を推進した結果、交通事故の発生件数及び負傷者数は前年より減少をいたしました。
 しかしながら、交通事故死者数については百五十五人と前年を上回ったほか、本年に入っても小学生が犠牲となる痛ましい事故が発生するなど、交通情勢は極めて厳しい状況にあります。
 昨年発生した死亡事故の特徴としては、歩行中と二輪車乗車中が全体の七割を占めているほか、亡くなられた歩行者の六割が信号無視等の交通違反をしていたことが挙げられます。
 当庁では、悲惨な交通事故を一件でも減らすため、現下の交通情勢を踏まえた交通指導取り締まりや交通安全指導など、交通事故防止対策を強力に推進をしてまいります。
 第七は、総合的な組織犯罪対策の推進状況についてであります。
 暴力団は、社会経済状況の変化に応じて、特殊詐欺への関与はもとより、コロナ禍における給付金の不正受給など、資金獲得のために多種多様な犯罪を敢行しております。
 また、在留カードの偽造事犯や大麻事犯における若年層の占める割合が増加傾向にあるなど、組織的な外国人犯罪や薬物犯罪についても厳しい情勢が続いております。
 こうした違法行為を敢行している犯罪組織は、互いに関与、利用しながら共生を図っており、社会にとって大きな脅威となっていることから、今後も関係機関と連携しながら、総合的な組織犯罪対策を推進してまいります。
 第八は、テロ等不法事案の防圧検挙状況についてであります。
 昨年も、国外では車両や刃物等を使用したテロ事件が発生しており、国内においてもその発生は否定ができないことから、当庁では、さまざまな不法事案にも的確に対処するための対策や地域住民、各種事業者と連携したテロ対処訓練等を推進しております。
 このほか、昨年は、不正取得した運転免許証を使用し、特別定額給付金の支給を申請した中核派非公然活動家など、極左暴力集団の活動家二人のほか、右翼団体構成員四十四人を検挙いたしました。
 引き続き、テロ等不法事案の防圧検挙に万全を期してまいります。
 第九は、災害警備諸対策の推進状況についてであります。
 本年は、東日本大震災から十年という節目の年であります。
 先日も、東北地方を中心とする最大震度六強の地震が発生し、当庁では、直ちに災害警備連絡室を設置するとともに、ヘリコプターを現地に派遣したところであります。
 当庁といたしましては、十年前、あの未曽有の大災害から得た多くの経験や教訓を踏まえながら、いかなる大規模災害発生時にも迅速かつ的確に対応できるよう、今後も実践的な訓練を継続するとともに、先端技術を活用した装備資器材の導入も進めるなど、災害対策の万全を期してまいります。
 以上、都内の治安状況について申し上げましたが、当庁では、今後も複雑多様化する治安事象に的確に対処する警察力を確保するため、引き続き警察基盤の強化を図り、世界一安全な都市東京の実現に努めてまいります。
 東京都議会の皆様には、今後とも一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、治安状況報告を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。

○議長(石川良一君) 以上をもって警視総監の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、監査委員より、監査結果の報告について発言の申し出がありますので、これを許します。
 監査委員山内晃君。
〔百十番山内晃君登壇〕

○百十番(山内晃君) 監査委員を代表いたしまして、令和二年一月から十二月までの一年間に実施した監査の結果についてご報告申し上げます。
 監査委員の責務は、都の行財政が公正かつ効率的に運営されるよう、各局の事務事業を監査し、都民の信頼を確保していくことです。
 令和二年監査は、新型コロナウイルス感染症の影響により、財政援助団体等監査及び行政監査については実施を見送るなど、当初計画から期間の変更や実施規模の一部縮小等を行いましたが、本庁や事業所など四百十一カ所で実施し、百三十一件の指摘及び意見、要望を行いました。
 また、会計処理などについて指摘を行った総指摘金額は約二百八十八億八百万円で、このうち、経費削減が可能なものや収入漏れなどは約一億三千万円でした。
 第一に、定例監査について申し上げます。
 定例監査は、都の行財政全般を対象とした最も基本的な監査です。令和二年は、東京都政策連携団体に対するガバナンスを全庁重点監査事項として、各局における政策連携団体に対する指導監督状況について検証をいたしました。また、局ごとにリスクを捉え、重要と考えられるテーマを局別重点監査事項として設定し、監査を行いました。
 その結果、全庁重点監査事項に関しては、局が協定により政策連携団体に委託している業務について、局の事前承認がないまま、団体が第三者に業務の一部を再委託している状況が見受けられたため、適切に対処するよう求めたもの、局別重点監査事項に関しては、水道の維持補修等を目的とした緊急工事について、その必要性が不明確な案件などが認められたため、緊急工事に係る事務を適正に行うよう求めたものがありました。
 そのほか、都営地下鉄駅構内の防災設備について、定期点検で繰り返し不具合があり、安全性に問題があると指摘されているにもかかわらず、修繕などの対応を行っていない状況であったため、直ちに修繕を求めたものなど合計七十六件の指摘及び意見、要望を行いました。
 第二に、工事監査について申し上げます。
 工事監査は、都が実施した工事等について、技術面から検証する監査です。令和二年は、工事の各段階において包括的に確認、指導監督を行う体制である監理体制を重点監査事項として設定し、監査を行いました。
 その結果、マンホールの設置工事において、設計上、鉄筋量が不足しており、地震に対する安全性が確保されていない設計となっていたため、設計を適正に行うよう求めたものや、誰でもトイレ設置工事において、入り口に車椅子利用者が容易に通行できるための水平面を設けていない設計となっていたため、東京都福祉のまちづくり条例に適合した整備を行うよう求めたものなど二十五件の指摘及び意見、要望を行いました。
 第三に、決算審査等について申し上げます。
 令和元年度の決算について、数値の正確性や予算執行の適正性などを審査した結果、会計処理及び財産に関する調書の計数の一部誤りや決算書類の作成について是正、改善を要する事項など三十件の指摘を行いました。
 また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づいて算定、公表が義務づけられている健全化判断比率及び公営企業など十二会計の資金不足比率の審査も行いました。
 その結果、実質赤字比率などに問題はなく、資金不足についても生じていないことが認められました。
 ここで、監査結果に対する措置状況について申し上げます。
 監査は、指摘した問題点が改善されて初めて効果を発揮いたします。そこで、監査の実効性を担保するため、年二回、知事等関係機関から指摘や意見、要望の改善状況の通知を受け、その内容を確認しております。
 過去三年間に行った指摘や意見、要望については、九六・四%の案件が改善済みとなり、昨年の改善率に比べ四・二ポイント増加をいたしました。改善に至っていない案件についても、その理由や進捗状況の確認を行うなど早期の改善を促しております。
 主な改善事例ですが、海底トンネルで道路の舗装表面に穴が頻繁に発生し、補修を繰り返し行っているにもかかわらず、発生原因の調査等が行われていなかった事例では、監査結果を踏まえ、現場調査を実施し原因を特定したことで、今後は同様の事象が生じないよう対策を行うこととしたものがありました。
 また、令和元年の行政監査において、都の業務改革及び都民サービスの向上に資するデジタルトランスフォーメーションのさらなる推進に取り組むよう求めた意見、要望を行いましたが、現在では、行政手続のワンスオンリーモデル事業等の実施に向けて検討が進められており、また、民間等から登用したデジタル人材を活用しながら、東京都ICT戦略の着実な実施に向けて取り組んでいくこととしています。
 このほか、都民から十一件の住民監査請求があり、このうち、法が定める要件を満たした請求一件について、都が政策連携団体に支出をした出捐金の管理に関して、出捐目的に適合するよう適正に行われていたか監査を実施いたしました。
 その結果、出捐金の管理を怠る事実は認められなかったものの、当該事業は広義の都施策といえることから、都は今後、一層適切な関与をしていくよう意見を付したところであります。
 以上、この一年間に実施した監査等について述べてまいりましたが、財産管理の不備、契約履行の確認不足、積算の誤りなどは、複数の局で繰り返し発生をしております。
 各局長及び管理者においては、組織の責任者として先頭に立ち、自局の指摘事項の改善のみならず、他局に対する監査結果なども参考にし、誤りの根本原因の解消や仕事の進め方の見直しなど再発防止に取り組み、都民サービスのさらなる向上に努められるよう望みます。
 令和三年は、定例監査や行政監査など各種監査を有機的に連携させ、新型コロナ感染症対策関連の事業や、感染症が各局事業に与えた影響などの検証を重点的に行ってまいります。
 また、財政援助団体等監査においては、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会及び東京二〇二〇大会関連団体の監査を実施してまいります。
 さらに、令和二年四月に改正地方自治法が施行され、知事部局において内部統制の整備、運用が始まっております。令和三年からは、知事が作成した内部統制評価報告書について、これまでの監査で得られた知見に基づき、内部統制の評価手続及び重大な不備に当たるかどうかの判断が適切に行われているか審査を行ってまいります。
 今後とも、都政の公正かつ効率的な運営のため、監査委員の使命を全力で果たし、都民の信頼と期待に応えていく決意であることを申し上げまして、報告を終わります。

○議長(石川良一君) 以上をもって監査委員の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、包括外部監査人より、令和二年度包括外部監査結果の報告について説明を求めます。
 包括外部監査人青山伸一さん。
〔包括外部監査人青山伸一君登壇〕

○包括外部監査人(青山伸一君) 令和二年度包括外部監査人の青山伸一でございます。このたび、令和二年度の監査が終了いたしましたので、その結果について説明をさせていただきます。
 今年度は、住宅政策本部の事業に関する事務の執行及び東京都住宅供給公社の経営管理についてを監査テーマとして、監査を実施しております。
 都は、良質な住宅のストックと良好な住環境の形成促進、都民が適切に住宅を選択できる市場環境の整備、住宅に困窮する都民の居住の安定の確保等、さまざまな住宅政策を実施しております。
 都民にとって住宅は、単なる私的な生活の場であるだけでなく、東京の未来を担う子供を育てる環境づくりの基礎として、また、災害時における安心・安全を確保し、豊かな地域社会を構成する重要な要素として、さらに、活力、魅力のある地域づくりの基礎として位置づけられるものであり、都が実施する住宅政策は、都民にとって重要な関心事であるとともに、居住環境が著しく変化する現在において、その重要性はますます高まっております。
 都は、このような住宅を取り巻く環境のもと、総合的かつ計画的に住宅政策を推進するため、平成二十九年三月に、豊かな住生活の実現と持続に向けて、第六次東京都住宅マスタープランを策定し、平成二十八年度から令和七年度までの十年間の施策の展開の方向性として、社会情勢の変化や人口減少による地域の衰退などが懸念される中、居住の安定確保のための基礎を強化するなど、都民の住生活をより安定させ、生涯にわたる都民の豊かな住生活の実現と、まちの活力、住環境の向上と持続を目指していく必要があるとしています。
 東京都住宅マスタープランは、おおむね五年ごとに見直すこととされていますが、令和二年度は十年計画のちょうど五年目に当たることから、現在見直しの時期に差しかかっております。
 また、平成三十一年四月一日には、都の住宅政策を一層加速し、機動的に展開していくため、局相当の組織である住宅政策本部を設置するとともに、令和元年十二月に策定した都の基本計画である未来の東京戦略ビジョンにおいても、二〇三〇年に向けた戦略として、住まいと地域を大切にする戦略を掲げ、さまざまな形での居場所の創出を都の重要な戦略の一つと位置づけています。
 以上を踏まえると、住宅政策が関係法令にのっとり適切に実施され、かつ時代のニーズに反映し、経済性、有効性、効率性を十分に考慮した上で執行されているか、さらには、都営住宅等が適切に管理されているかなどについてチェックすることは意義があるものと考え、対象事件、つまりテーマとして選定いたした次第です。
 また、都では、約二十六万戸の都営住宅等について、東京都政策連携団体である東京都住宅供給公社に管理業務委託または指定管理業務として管理させています。東京都住宅供給公社は、このほか、みずからも賃貸住宅を供給するなど、都の住宅政策にとって重要な役割を担っており、その経営が関係法令にのっとり適切に運営され、また、受託管理業務または指定管理業務といった業務が、これも経済性、有効性、効率性を十分に考慮した上で執行されているかどうかについてチェックすることは意義があるものと考え、あわせて監査対象といたしております。
 監査は、監査人である私と補助者十八名で実施し、指摘事項七件、意見九十八件の計百五件について監査報告書に記載しております。本日は、これらのうち、意見六件について簡単にご説明申し上げます。
 まず一点目ですが、マンション施策の推進に関するマンション耐震化における区市町村との連携強化についてです。
 マンションの耐震化については、基本的に区市町村が事業の窓口となっており、都は、市区町村の耐震化に係る助成事業等の取り組みを財政的に支援をしております。例えば、耐震アドバイザー派遣事業を実施する区市町村に対し、事業費の一部を補助しております。一方、マンションに専門家を継続的に派遣するマンション耐震化サポーター派遣事業については、区市町村ではなく、都が公益財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターに委託して実施しております。
 マンション耐震化サポーター派遣事業は、過去に耐震アドバイザー派遣を受けたり、耐震診断を実施するなど、耐震化に取り組んだことのあるマンションを対象としていることから、派遣実績を向上させるためには、市区町村との連携が重要となっております。
 都では、マンション耐震化サポーター派遣対象マンションを選定する際に、派遣対象として適切か否か等について区市町村に照会したり、初回派遣時に区市町村の担当者へ同行依頼を行ったりするなど、区市町村との連携に努めているとのことですが、派遣実績を向上させるためには、市区町村とのより一層の連携強化について検討されたいという意見を記載しております。
 二点目ですが、空き家活用等の推進に関する新規事業等の実施根拠についてです。
 都は、平成二十七年度以降、空き家活用等の推進に係る事業を拡大してきていますが、この上位計画としてマスタープランがあり、空き家対策の推進に関する取り組みや施策が示されるとともに、空き家等対策計画を策定した区市町村数の割合を令和六年度末に八〇%以上とすることが政策指標として掲げられています。
 また、未来の東京戦略ビジョンでは、二〇二五年度のその他空き家の住宅総数に占める割合を二・三一%以下、平成三十年度からは増やさないことが政策目標とされています。
 ただし、これらの上位計画は、空き家対策等の推進に係る事業の目標や方向性を示しているものの、最近新たに開始された各事業について直接規定しているわけではなく、具体的な内容や予算規模、実施年度などを説明する根拠としては不十分であると考えます。
 都によると、上位計画で示した目標や方針等を踏まえながら、具体的な施策展開に当たっては、基礎的な調査やデータ分析等の結果、計画策定後の社会状況の変化、都議会、区市町村、各種団体等からの意見等も踏まえて、実施すべき事業内容や事業規模、スケジュールなどの検討を行っているとのことですが、新規事業等の実施根拠を説明した中長期の実施計画やロードマップなどは作成されておりません。
 都は、新たな事業の開始や既存事業の拡大に際して、その必要性や実施内容、実施規模、実施時期等の妥当性について、中長期の計画的な取り組みの視点から根拠を説明できるようにされたいという意見を記載しております。
 三点目は、住宅確保に配慮を要する都民の居住の安定に関する区市の居住支援協議会の活動状況の把握についてでございます。
 東京都居住支援協議会では、居住支援協議会を設置済みの区市については、毎年四月に活動状況調査を行い、その業務内容や課題などを把握し、その結果をまとめたものをホームページで公表しております。令和二年五月時点の都内居住支援協議会の状況一覧によると、多くの区市の居住支援協議会では、セミナーや講演会の実施、パンフレットの作成、配布といった関係者に対する普及や啓発のための活動が中心となっております。
 このような活動ももちろん重要ですが、区市町村の居住支援協議会に期待される役割は、住宅確保要配慮者の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進をきめ細かに支援することですから、例えば、住宅確保要配慮者が住まい探しの相談ができる地域の協力不動産店の所在や数といった、住宅確保要配慮者の直接的な支援につながる取り組みの情報を把握し提供するなど、取り組みが遅れている区市の協議会への支援策を具体的に検討されたいという意見を述べております。
 四点目は、都営住宅等の運営に関してです。具体的には、駐車場の空き区画の有効活用についてです。
 都営住宅の駐車場は、令和二年三月末において、八百三十九団地、四万八千百六十三区画に対して、契約区画数が三万一千百九十区画、空き区画が一万六千九百七十三区画となっており、契約率は六四%、一方、空車率が三五・二%となっております。
 都営住宅においては、恒常的に空きが生じている場合には、地域開放型の駐車場やコインパーキングの設置の拡大を進めていますが、現状の空き区画数と比較しても、まだその一割にも及んでおりません。
 都営住宅は入居者が居住する空間であり、その敷地の一部である駐車場の空き区画を外部へ貸すに当たっては、入居者の生活環境の保全や苦情等への対応が必要であることは当然です。一方で、入居者、都営住宅来訪者、都営住宅周辺施設利用者等及び地域の利便性を高めることもあわせて必要です。
 都営住宅の入居者の高齢化等により、駐車場の契約率は中長期的にも伸びは期待できないと予想されるため、入居者の利便性を直接、間接的に高める方法として、今後も地域開放やコインパーキングのほか、カーシェアリングなどのさまざまな外部利用の施策を検討されたいという意見を記載しております。
 五点目は、同じく都営住宅の運営に関する連帯保証人から連絡先への変更についてでございます。
 令和元年九月の東京都営住宅条例等の改正に伴い、都営住宅への新規入居時に、連帯保証人にかわり連絡先を届けることとなりました。改正条例施行前の既存の入居者の連帯保証人から連絡先への変更については、都営住宅の居住者へ配布されます「すまいのひろば」の令和元年十月号に周知を行っておりますが、変更件数は、令和二年八月現在で五千六十九世帯にとどまっております。
 都営住宅の改正条例施行前の既存入居者の連帯保証人については、使用料の収入率が高水準にある現状では、実質的に機能を失っており、むしろその地位を維持したままにすることにより、既存入居者が新規入居者と比較して公平性を損なっているともいえます。
 このため、既存入居者についても連絡先への切りかえを行うことが必要であり、入居者の自主的な連絡先の変更届の提出のみならず、例えば収入報告書の提出などの機会や「すまいのひろば」などにより、連帯保証人から連絡先への変更を促すなどの取り組みを別途行われたいという意見を記載しております。
 最後、六点目でございますが、東京都住宅供給公社の運営ガバナンスに関するガバナンスの強化についてでございます。
 住宅供給公社は、他の自治体の公社と比べても規模が大きく、また、社会的責任も大きい組織でございます。このことから、強靱なガバナンス体制の構築により、社会貢献機能のさらなる向上と安定的な財政基盤の確保が必要となります。そして、このことにより、住宅供給公社が真に社会からの信頼と理解が得られるものと考えられます。
 現在、民間企業では、企業の社会的な信頼を得るために、コーポレートガバナンスコードへの対応が求められています。また、一部の公的組織においても類似のガバナンスコードを策定しております。
 住宅供給公社には既に、環境配慮行動の推進体制に関する要綱や東京都住宅供給公社情報公開要綱など、経営を律する規範がありますが、住宅供給公社は、都営住宅等の運営において公平性が高い事業を行っています。
 さらに、住宅供給公社には多くの利害関係者がおり、ガバナンス体制を構築した上で公表する意義は大きいと考えます。ガバナンスコードは、決して民間企業だけのために定められたものではないのであり、今後、民間企業や公的な法人のガバナンスコードの事例を参考として、さらなるガバナンスの強化に取り組まれたいという意見を記載しております。
 以上をもちまして、令和二年度の包括外部監査結果の説明といたします。
 ご清聴ありがとうございました。

○議長(石川良一君) 以上をもって包括外部監査人の説明は終わりました。

○六十七番(村松一希君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明十八日から二十三日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明十八日から二十三日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、二月二十四日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時三十一分散会


文書質問趣意書及び答弁書

2財主議第535号
令和3年2月9日
東京都議会議長
 石川 良一 殿
東京都知事
小池百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 令和2年第四回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

上田令子議員
山内れい子議員
斉藤れいな議員
宮瀬英治議員
原のり子議員
とや英津子議員
中村ひろし議員
尾崎あや子議員
あぜ上三和子議員
和泉なおみ議員

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 上田令子
質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策について
二 福祉政策について
三 教育政策について
四 国勢調査について
五 小池知事のガバナンス・トップマネジメントについて

一 新型コロナウイルス感染症対策について
1 財政見通しについて
ア 本年11月に新型コロナウイルス対応を目的とした都債の発行を公表しました。条件などを決定し調達した資金は全額を中小企業への融資の預託金に充てる方針とし、資金使途をコロナ対応に限ったいわゆる「コロナ債」を地方自治体として初めて発行するということが報道先行で周知されました。
a まず、詳細について内容は勿論のこと、どのような需要から策定したのか及び起案から決定までを含め時系列で丁寧にご説明下さい。
b なぜ報道先行となり、議会への丁寧な説明がなかったのか伺います。
イ 補正予算等でこれまでコロナ対策に支出してきたが、都債、基金取り崩し等どう対策費を担保してきたのか発生時から今日までの経緯と金額と項目を具体的にお示し下さい。
ウ また、今後予想される厳しい財政状況において、都債発行の余力がどれだけあるのか具体的にお示し下さい。
エ 今後どう、対策費をねん出し、財政収支及び均衡を保っていくのか具体的にご説明下さい。
2 医療対策について
ア 重症者について、東京都は「新型コロナウイルス感染症の重症患者数を日々公表しておりますが、都の重症患者の定義である「入院患者数のうち、人工呼吸器管理(ECMOを含む)が必要な患者数」を公表しています。一方で、国では、患者の状況ではなく、どういう病床で治療が行われているかという観点も含め重症患者を定義しています。このため、都で定義する重症患者に加え、集中治療室(ICU)やハイケアユニット(HCU)などの病床で治療されている患者数を加え重症患者数として集計し公表しています。」としていますが、首都東京としては、全国基準にならって都民に混乱をきたさないことが肝要と思料します。なぜ、今もって別々の基準なのか、重症者数を国基準で集計した場合どのような変化が週平均でおきるのか数値をお示しの上、所見を伺います。
イ 感染患者に対して3,000病床確保は承知しているが、人員体制を加味し実際使えるのかどうか実質稼働室は何室か確認させて下さい。
ウ 新型コロナウイルス感染症対応病院もさることながら、対策を担当していない地域医療の担い手、すなわち開業医や中小規模の病院は、「診療抑制」によって深刻な経営危機にあります。地域医療の経済的医療崩壊を食い止めるための東京都の見解と対応、対策を伺います。
エ 経営危機で解雇となった医療従事者を人員不足のコロナ対応病院へ充足する等対応しているか。解雇された医療従事者対策も伺います。
オ また、医療従事者に直接届く支援策、現状の慰労金支給に加え例えば、コロナ対応協力ボーナスなどの給付金事業を実施すべきと考えるが、如何か。
カ コロナ禍にあって出産抑制も、少子高齢化が世界最速で進む日本の首都東京として懸念するものです。東京都の現状(直近3年の妊娠届け出)を伺います。
キ 超過死亡についてのその後の把握状況について確認いたします。
ク インフルエンザ患者数の過去三年と今年の年代別推移および、コロナ患者との相関関係を伺います。
ケ これまでも確認させていただいていますが宿泊療養施設の確保数と稼働状況等現状と課題及び、療養施設に派遣される等コロナ対策に従事する福祉保健局及び所管外部署に勤務する職員全ての兼任・応援・支援・派遣されている全容について業務内容、職務権限、当該業務にあたる時間数と、本来業務との調整及び影響や時間外勤務の状況についてご報告下さい。
コ 自費でPCR検査を受け、陽性の場合は、保健所等へ速やかに報告することが厚労省で推奨されているが、この対応の流れのご説明と、保健所への通知を拒否された場合の対応・対策を伺います。
3 生活支援について
ア 特例貸付等、生活支援策の需要と現状、課題について伺います。
イ 生活困窮者にかかる速やかな支援につながっているか懸念するものです。生活保護もその一環でありますが不正受給を排除しながらも真に必要とする方が申請できているのか、生活保護者の増加状況、と課題につき昨年の数値と対比してご説明下さい。
4 豊洲市場における集団感染の疑いについて
新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、感染者が急増している豊洲市場では、11月20日、新たに30人の感染が報告され、11月だけで101人となり8月からの累計は114人、12月に入っても感染者は散発しており、豊洲市場における自主検査の結果、陽性者は12月7日時点で71名であることが判明。12月10日までに計161人が感染したことが明らかになっています。高齢者の家族経営されている仲卸も多く「感染拡大防止協力金」対象外である等経済支援策が講じられておらず「全員が陽性になったら、どうしたらいいか」という思いの中、検査されることは、さぞかし勇気が必要だったことと思料いたします。一方、東京都としては豊洲市場で、延べ160名の感染者が出ていながら「集団感染(クラスター)」ではないと定義していますが、都内繁華街「夜街」は早々にクラスター扱いし、目の敵にし江戸川区内で都知事鳴り物入りの「感染症防止徹底宣言」に協力し、対策を講じステッカーも貼っていたのに感染者が発生したら「貼っているだけの店もある」と切り捨てた知事発言が地元では風評被害にさらされるという事態に陥ったこともありました。何が「クラスター」であるのか、矛盾を感じざるを得ません。そこで伺います。
ア 東京都における「クラスター」の定義、及び東京都施設内におけるクラスターの定義とその対策についてご説明下さい。
イ 都のクラスターの定義に、豊洲市場の今般の感染状況があてはまらないとした理由をご説明下さい。
ウ 豊洲市場におけるこれまでの感染状況と講じてきた対策、自主検査に至った経緯も含めて、時系列で詳細を伺います。
エ 発生個所が集中していたということですが、この点の施設面と仲卸業者においてのコロナ感染症対策の取組の課題はなかったのか、ご説明下さい。
オ 仲卸の経営状況につきビフォアコロナ、アフターコロナの観点から伺います。
カ 都のコロナ対策においては飲食店には休業補償が出たのに、得意先を失った仲卸には補償はなく矛盾を感じております。今回の飲食店時短協力要請は感染拡大防止のためやむを得ないことは理解できますが、当然その影響を受け仲卸の売り上げは激減していると思料いたします。飲食店には、協力金の補償が都度講じられてきたものの、仲卸は対象外となっています。確かに、仲卸が対象とする得意先は、スーパーもあれば、飲食店もあり、得意先によって扱う品物もことなり、すみわけができていますが、この飲食店を対象とするいわゆる「特種物」を扱う仲卸は真っ先に打撃を受けるわけです。豊洲市場は、さまざまな職種(スーパー、魚屋、給食センター、飲食店)のニーズにあわせてさまざまなタイプの店があることで成立しています。これが豊洲市場の大きな特徴であり、だからこそ「食のテーマパーク」なのではないでしょうか。築地・豊洲移転問題で長きにわたり翻弄されてきた市場の方々に対して、これらの現状を度外視し、具体的な支援策が見えないことにつき問題視しております。行政として飲食関係を得意先に持っている店だけを取り上げて、個別補償を講じることは困難であったとしても何らかの支援は不可欠です。いみじくもこれまで小池知事が「築地は残す。豊洲はいかす」とし、「食のテーマパーク」と喧伝した豊洲の顔となる店が、倒産してしまうことを懸念するものです。コロナ禍、多数の感染者が出ている豊洲市場における、個別の補償等も含めた支援対策を伺います。
キ 豊洲市場における、PCR等検査の費用負担についてどうなっているのか現状を伺います。
ク 東京都が把握した感染者及び自主検査にて判明した陽性者、陽性者が発生した店舗において、現状どのように対応しているか、今後どうしていくのかご説明下さい。
5 コロナかるた等啓発対策経費について
ア これまで作成してきた「コロナ対策 東京かるた」「ウィズコロナ東京かるた」の起案から作成までのつまびらかな経緯、入札、費用、発注先を伺う。
イ 小池知事記者会見時に使用されるフリップ、ボード類の作成、スローガンやキャッチコピーの作成について、外部に委託しているのか。委託しているなら、今年2月以降にかかったコストをそれぞれ項目ごとに明細を踏まえた総額を伺います。委託していなかったとしても、都庁内部でどの部署や職員が関わり庁内費用はどこから支出されているかについてもお示し下さい。

二 福祉政策について
1 児童福祉
ア ヤングケアラーについて
第四回定例会にて東京都が、通学や仕事をしながら家族の介護や世話をする18歳未満の子供「ヤングケアラー」の状況を把握するため、都内の学校などにヒアリング調査を行うことが明らかになりました。今年度中に実施予定で、調査結果を踏まえて今後の支援のあり方を検討とのことです。地域政党自由を守る会はかねてよりヤングケアラー支援に取り組んでおり、埼玉県にて調査がおこなわれていたこともあり、東京都初の試みということで大いに期待し、以下確認いたします。
a 都のヤングケアラー実態調査(ヒアリング)の対象は都内の子ども家庭支援センターや学校などとしていますが、その調査手法(誰に対してヒアリングを行うのか)、また調査対象となる学校以外の機関についてもお示し下さい。
b 区市町村のどの部署と連携をし調査を実施していくのか、所管部署名はどこを想定しているのか伺います。
c 都は実態調査とは別に、具体的な事例や対応方法を学校など関係機関に周知しヤングケアラーへの理解促進を図っていくとのことですが、どの様な媒体を使用してどういった手法で周知を行うのか現時点の所見を伺います。
d 子ども達へのヤングケアラーに関する啓発はどの様に行われるのか所見を伺います。
e ヤングケアラーの相談窓口はどちらを想定しているのかお示し下さい。
イ 発達障がいについて
発達障がいについて3歳児健診以降、幼稚園・小学校入学前に子どもの発育に関して医師への相談や所見を伺える場が限られ、何らかの発達障害が疑われる場合であっても、定型発達児童と同じ日程で3歳児健診を受けているのが区市町村の現状です。じっと座る事ができない、思わぬ際に大きな声を出してしまう児童を持つ保護者は、常に周囲に配慮しなければならず、かつその場で看護師や心理士から心許ない発言を受ける事もあり精神的にも大きな負担となっています。
また、3歳児健診の場で発達障害が疑われた際であっても、その後支援に繋げられるのではなく、保護者が自力で支援先等を見つけなければならず、孤立しがちな保護者の負担が大きく課題があります。
保護者同士の繋がりや、専門家による診断、発達外来との連携を見据えて、児童と保護者が望む場合に限り3歳児健診において専用の別日を設けて欲しいという声も上田の元に届いております。以下伺います。
a 発達障がいのある児童が学校など受入先の状況に関わらず、必要な支援が受けられることは重要である。保育、学校教育等における現時点の取り組みを伺います。
b 発達障がいが疑われる乳幼児健康診査および、その後の支援体制について現時点の取り組み及び健診未受診者への対応をお示し下さい。
c 入学前相談、就学前健診における、小学校入学後の最適な教育環境の担保について。幼保施設と学校の連携は本当にできているか懸念するものです。見解を伺います。
ウ 要保護児童について
a 一時保護所や、児童養護施設内における性的虐待、性被害が起こった場合の対応を伺います。
b 一時保護児童が措置入院、医療保護入院する場合の基準と運用、手続きについて伺います。
c 医療機関に一時保護委託中の児童の安全管理と、児童のSOSをうけとめる体制について確認させてください。
d 一時保護児童が入院した場合の保護者とのコミュニケーション、連絡体制はどうなっているのか伺います。
2 都立病院における精神科病棟での安全体制について
ア 精神科病院の閉鎖、隔離病棟において、患者同士のトラブル、性的暴力・被害を防ぐための現在の運用を伺う。男女別であるのは承知していますが同性間性暴力・被害の対策について伺います。
イ 夜間に被害に遭わないためにどのような取り組みをしているのかお示し下さい。
3 視覚障がい者転落事故防止にむけて
11月29日東京メトロ東西線東陽町駅で、視覚障碍者が転落し、中野発西船橋行きの電車にはねられ死亡するという痛ましい事故が発生しました。東京都が主体となって実施を予定している駅ホーム転落事故の再発防止としての具体的な対策について伺います。
4 DV・ストーカー・シェルター対策について
ア コロナ禍にあり、自宅にいることが多くなり虐待同様DV被害も増加していると思料します。コロナ禍前後と状況は悪化しているのか現状と対策を伺います。
イ 杉並・三鷹、小金井という、あってはならない行政の連携ミスにより被害が甚大化、深刻化した都のストーカー対策。今般、目黒区ではDV夫へ妻の転居先情報を漏洩するという信じがたい事案も報道されていることから、油断なく常に危機感をもって対応することが求められることから確認いたします。
a 現状の警視庁におけるストーカー対策、と支援策を確認いたします。
b DV・ストーカー被害者の情報漏洩防止のための情報管理にかかる東京都の対策と区市町村等との連携体制を伺います。

三 教育政策について
1 わいせつ教員について
私は前回文書質問にて性犯罪をはじめとする非違行為により教員免許を失効・取上げとなった者(他道府県を含む)が再び教壇に立ち、教育現場に関わることがないのか、教育委員会の対応状況・実績を伺ったところ「都教育委員会では、この法の規定に基づき官報に掲載するとともに、他道府県教育委員会で掲載した失効等の情報についても、最新のものを収集しており、教育職員免許状を失効又は取上げとなっている者については採用していません。引き続き、教員の適切な任用に努めていきます。」との都の答弁を頂いていますが、所謂「官報主義」に陥って見落とさないか懸念していたところ、文科省より10月30日に「教育庁官報情報検索ツールの改善及び適切な活用について」の依頼が通知されました。これを受けての対応を確認します。
ア 文科省依頼を受けて、「わいせつ教員」の都情報のアウトプット、全国の情報のインプットについてどのように運用がかわるかお示し下さい。
イ 東京都教育委員会の教員懲戒にかかる情報は半年で削除されている運用を、世論と政府の動きを踏まえて40年とはいかないが長期間に変更する予定や意識はないのかうかがいます。
2 かねてより上田が指摘してきました「教員によるいじめ」ですが、現在も教員による、暴言や人格侵害にかかる明らかな体罰ガイドライン違反の言動の相談が後を絶ちません。そのために不登校となったり、心に傷を負い精神的に障がいをかかえる遠因となっている事例に多く接しております。「教員によるいじめ」をいつまでも「不適切指導」と片付けずに、明確に教員から児童・生徒へのいじめがあることを自覚し、対応すべきと強く求めるものですが、現時点の所見を伺います。
3 女子児童、生徒が半裸になって行う健康診断のありかたについて
署名運動などもおこり全国的に問題意識がたかまり、私のところにも相談が寄せられております。また、現状は各学校と学校医及び医師会等との調整に任せており、学校によって配慮の違いがあり、一律対応ではないことを確認させていただいています。日本の教育法学の第一人者喜多明人教授にも確認しましたところ、「本人が苦痛を感じている以上、スクールセクハラの一種と考えていいと思います。」とのご意見を賜っていますことからも児童・生徒の人権や心が傷つけられない健診体制を望み伺います。
ア 現状の健康診断の体制やマニュアルがどうなっているのか、学校医の身分と選定がどうなっているのか伺います。
イ 健康診断時、男性医師によりわいせつおよび不快な言葉をかけられないための配慮が必要です。児童・生徒と一対一にならないなどどのような配慮がなされているか伺います。
ウ 区市町村教育委員会から各学校や地元医師会等医療関係機関へ注意喚起を促し、今後最善策を講じていく必要があると考えます。都の所見を伺います。
エ LGBT児童・生徒の健康診断についての配慮について現時点どうなっているのか?所見を伺います。

四 国勢調査について
本年10月には、5年に一度の国の基本的な統計調査である国勢調査が実施されました。
1 調査員・指導員の人数と定数充足の状況をご説明ください。
2 平成27年の国勢調査での調査員・指導員からの犯罪や虐待についての告発や通報はゼロとのことでした。本年の状況につき、ご報告ください。
3 特別職公務員である調査員・指導員への告発・通報義務についての周知と運用についてどのように行われたのか、ご説明ください。
4 調査員・指導員からの告発や通報についての相談が、都や区市町村に寄せられているか、把握の状況をご説明ください。
5 調査員・指導員が犯罪に巻き込まれた事例、件数、対処の状況につき、ご報告ください。
6 刑事訴訟法第239条第2項の公務員の告発義務や虐待通報義務等の法令遵守への取組みについて、全庁職員への周知の状況についてもお示しください。
7 国勢調査の今後の課題認識につき、都のご所見をお示しください。

五 小池知事のガバナンス・トップマネジメントについて
1 政策連携団体の人事について
本年4月、都の政策連携団体である東京水道サービス株式会社と株式会社PUCが合併し、東京水道株式会社が発足し、代表取締役社長に野田数氏が就任いたしました。
ア 合併前の両社の社長には長年、都水道局出身者が就いてきましたが、その理由をご説明ください。
イ 改めまして、野田氏の人選の理由をお示しください。
ウ 同氏については、一部週刊誌で、業務上横領等の非違行為が報じられています。この点につき、知事は承知しておられるでしょうか。
エ 本年6月3日の本会議一般質問で、私は「野田数氏は、特別秘書の立場にありながら、知事当選直後の八月四日に私へ一般質問の原稿の提出を求めたり、都議選直前の四月に公認取り消しをちらつかせて自由を守る会解党を強要する等、非違行為を重ねてきたことは知事は知っていたはずです。これが野田氏の行動力でしょうか。都議への特別秘書による非違行為をわかった上で、知事が血税を使う都の外郭団体に推挙した理由をご説明ください。」と指摘いたしましたが、ご答弁はいただけませんでした。
a 知事は就任以来、答弁調整の改善について各局に指示してきましたが、当時の野田特別秘書の行為はこれに反するばかりか、二元代表制にも反するものではないでしょうか。知事のご所見をお示しください。また、よもや知事の指示によるものとは無いと考えますが、この点についても、ご説明ください。
b 地域政党であり、知事の一期目の選挙を支援した「自由を守る会」の解党強要は、二元代表制に反するばかりか、結社の自由、政治活動の自由を侵し、刑法の強要罪の構成要件にも該当するものです。さらに、私を含めて、各党員は著しく精神的苦痛を受けました。この点につき、知事のご所見をお示しください。また、よもや知事の指示によるものとは無いと考えますが、この点についても、ご説明ください。
オ 政策連携団体の役員が過去に非違行為を起こしていた場合、どのように対処するのか、一般職員のように、欠格事由には当たらないのか、根拠を示してご説明ください。
2 知事による再議権行使について
地方自治法第176条以下では、二元代表制の下の首長と議会との関係について、規定しています。この中で、解散権、専決処分権と並び知事の権限として大きなものとして、再議権(拒否権発動)があります。
ア 2012年の法改正を踏まえて、ご説明ください。
イ 都における再議権行使の前例につき、ご説明ください。
ウ 小池知事の再議権行使の考え方を述べてください。
3 都立大学のハラスメント対策について
本年第三回定例会に私が提出した文書質問への回答によれば、東京都公立大学法人ハラスメント防止委員会の申立件数と認定件数につき、非公開としていますが、これでは同委員会が機能しているか、把握することは困難です。
ア 申立件数または有無につき、ご報告ください。
イ 認定件数または有無につき、ご報告ください。
ウ 同委員会の活動につき、どのような記録がなされ、申立人や所属長にどのような通知がなされるのか、手順を追って、具体的にご説明ください。
エ 同委員会の調査権限が及ぶ範囲について、根拠規定等を示してご説明ください。また、被申立人や関係者となった教職員、学生それぞれが調査に応じなかったときの対処につき、具体的にご説明ください。
オ 東京都公立大学法人におけるハラスメント事案が公益通報に至った場合の対応について、手順を追って、具体的にご説明ください。
4 子どもを守る都独自条例について
ア 一昨年4月に施行された「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」の運用状況、啓発の取り組み、成果と課題につき、ご説明ください。
イ 昨年4月に施行された「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」の運用状況、啓発の取り組み状況につき、ご説明ください。
ウ これらの条例につき、学校等、教育現場での対応状況につき、ご報告ください。
5 不要不急の都政事業について
令和2年度で上田は、コロナ禍を予見するかのように、緊縮財政を求めておりました。残念なことに想定以上に深刻な事態が発生しております。来年間違いなく法人二税は激減することから、どのように税収激減に備えているのか大きな懸念を抱いております。
ア 令和3年度予算において、不要不急の新規事業は抑制・凍結すべきと考えますが所見を伺います。
イ 不要不急のハコモノは凍結をすべきと考えます。子どもの城における費用対効果を明らかにされたうえで不要不急の新設施設に対する考え方をお示し下さい。
ウ デジタル局よりも都民生活が重要と考えます。しばらく、「国際金融都市」「フィンテック」「外資系企業誘致」など先進都市政策は据え置き「いったん立ち止まり」生活に困窮する都民によりそうべきと考えますが、所見を伺います。
6 オリンピック・パラリンピックについて
ア 新たな費用負担について、経緯から決定まで都民及び議会への報告は未だにありません。ご説明をお願いいたします。
イ 新型コロナウイルス感染症の状況がどのようになれば開催できるのか、基準や考え方はあるのか現時点の見解を伺う。
7 広告費について
これまで上田が確認してきた、コロナ対策にかかる知事が登場するTVCMを含め、あらゆる啓発にかかる備品やツールを含めたこれまでの広告費の内訳とその費用対効果の評価を伺います。
8 本庁舎職員組合事務所について
5年前と現在の職員組合事務所の配置と面積について確認させて頂きます。
9 東京都知事退職金について
ア 知事退職金について、1期四年3,500万円という制度が妥当なのか?知事給与は半額にしたのに、何故満額換算としたのか?2期目選挙公報では全国の知事で「全国最低給与」とあるが、退職金を含めても全国最低給与となるのか、退職金についてはなぜ公約、選挙時に触れなかったのか、知事に伺います。
イ 今後、一期四年で3,500万円が支払われる都知事の退職金制度について「東京大改革」を進めないか、あるいは小池知事個人として2期目の退職金をどう考えるかお示し下さい。
10 条例による罰則について
地方自治法14条第3項は「普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の懲役若しくは禁錮、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。」と定めています。
ア 都条例において罰則規定を置くものはどのようなものがあるか、概要をご説明ください。適用件数についても、近年のものを行政刑罰・秩序罰の別にお示しください。
イ 都民の自由や財産を奪う根拠となる罰則規定は慎重に制定運用されるべきだが、都独自の罰則規定は、いかなる考え方により制定されるのか、罪刑法定主義の観点を踏まえて、ご説明ください。
ウ 刑事手続きの根拠となる罰則規定には、どのような要素が盛り込まれなければならないのか、ご説明ください。
エ 罰則規定と上位法との関係性につき、ご説明ください。
オ 条例による罰則規定が違憲・違法とされた例につき、ご説明ください。
カ 実際の取り締まりは、検察・警察により行われなければなりませんが、都が条例に罰則を盛り込む際には、取り締まり当局との連携・協力・協議はどのようになされるのか、期間はどの程度要しているのか、具体的に手順を踏まえて、ご説明ください。
キ 先に都民ファーストの会東京都議団が公表した、東京都新型コロナウイルス感染症対策強化に関する特別措置条例(案)と東京都新型コロナウイルス感染症対策条例改正案につき、都のご所見をお示しください。
11 豊洲市場の責任問題について
言葉は政治家の命です。自ら発した言葉を粗末に扱い責任から逃げようとする者は政治家の名に値しません。翻って小池知事は、1期目最大の課題であった築地市場の豊洲市場への移転問題に際して様々な発言をされてきましたが、今、胸に手を当てて政治家の良心に恥じるところはないのかと考えるものです。
都議選の告示を直前に控えた2017年6月20日、知事は記者会見を開き、その際に発表した基本方針で「築地は守る」と明言されました。前月の5月、神田明神のお祭りの際には、築地女将さん会の方々に「任せておいて」と声を掛けられました。ところが、築地市場は今や跡形もなく更地になっています。いったい、これはどういうことでしょうか。
3年半前の都議選で都民ファーストの会が圧勝して以降、知事はこうした発言がまるで存在しなかったかのように、豊洲移転に大きく舵を切りました。当然、市場移転問題に関しては賛成・反対様々な意見があったわけですが、小池知事の一連の発言を受けて、少なくとも反対派の方々は誰もが小池知事の言葉を信じ自分たちの願いを知事に託したのではないですか。それを何の断りも謝罪もなく反故にしてしまったのです。詐欺だと言われても抗弁できないのではないでしょうか。
現在、開場2年が経過した豊洲市場は、コロナ禍で業績が悪化しています。現在のべ感染者は160名と、数字をみればクラスター状況となっております。しかしながら、都はクラスターではないという詭弁を弄し、知事におかれましては全く関心がないように思い受けします。飲食業が大打撃を受けている惨状から推察すれば、容易にわかることです。そうした事態に追い打ちを掛けるようにコロナ感染が場内で拡大するなど、未曾有の苦境にあえいでいるのです。そうしたなか、ある仲卸の業者の方はこんなことをおっしゃっていました。「自分に都合の良いときだけ我々をさんざん利用しておいて、用がなくなったら何のためらいもなく裏切った。小池知事の頭には市場のことなどこれっぽっちもないのだろう」関係者の大半がそう感じているに違いありません。
築地は日本の食文化だと誇らしげに語っていた知事、更地になった築地市場跡地と豊洲市場の現状をどう受け止めているのか伺います。そして何よりも、築地は守ると明言した政治家の言葉に対して、知事は市場関係者に対し今後どう責任を取るおつもりなのかについて以下伺います。
ア 集団感染問題をどう収束させていくのか、経済支援策をどうするのか、築地市場跡地はどうされるのか、所見を伺います。
イ 自分ファーストな言葉を乱発され結果的に罪のない関係者を深く傷つけたことは、私個人として許しがたい思いでおります。「今後進められる築地市場跡地の再開発の中に食文化の要素も取り入れる」といった詭弁はもはや通用しない厳しい現実が今ここにあります。基本方針には、「築地でセリを行う」と明記されていますが、この点に関して都民に虚偽と思われないためにも、現時点のご説明をお願いします。
ウ 知事は「当該書籍は読んでおりません」と答弁されていますが、市場関係者への贖罪の思いを込め改めて『築地と豊洲』を読まれるべきではないかと考えますがご所見を伺います。

令和2年第四回都議会定例会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策について
1 財政見通しについて
ア 都債の発行について
a 詳細について内容は勿論のこと、どのような需要から策定したのか及び起案から決定までを含め時系列で伺う。 

回答
御指摘の都債は、新型コロナウイルス感染症対策として実施する中小企業制度融資の預託金に全額充当することを明示して発行したものであり、発行額は600億円になります。
第三回定例会において、中小企業制度融資の拡充を含む新型コロナウイルス感染症対策を目的とした補正予算案が提出され、財源の一部として都債の発行が議決されました。
これを受け、財務局において11月9日に本都債の発行を引き受ける主幹事会社を選定し、市場動向を踏まえつつ同月27日に利率及び発行額を決定の上、12月8日に発行しました。

質問事項
一の1のアのb なぜ報道先行となり、議会への丁寧な説明がなかったのか伺う。

回答
本都債は、東京都公募公債(5年)33回として、機関投資家向けに通常の債券と同様の手続により発行したものです。
都債を中小企業制度融資の預託金に充当することは、第三回定例会の補正予算案提出時に明確にしており、このことについて議会やメディアに対して説明を行っています。

質問事項
一の1のイ 補正予算等でこれまでコロナ対策に支出してきたが、都債、基金取り崩し等どう対策費を担保してきたのか発生時から今日までの経緯と金額と項目を具体的に伺う。

回答
都は、令和2年2月からこれまでの間、令和元年度に2回、令和2年度は13回にわたり補正予算を編成してきたことに加え、予備費を有効に活用するなど、総額1兆9,336億円に上る予算を迅速に措置し、切れ目なく新型コロナウイルス感染症対策に取り組んできました。
その主な財源としては、財政調整基金が8,792億円、国庫支出金が7,714億円、都債が1,817億円、特定目的基金が731億円、その他収入等が282億円となっています。
なお、令和2年四定補正予算を反映した令和2年度末の基金残高見込みは、財政調整基金が1,552億円、特定目的基金が8,885億円となっています。

質問事項
一の1のウ 今後予想される厳しい財政状況において、都債発行の余力がどれだけあるのか具体的に伺う。

回答
令和元年度決算において、主に都債の発行額と償還額の現金収支を示す、キャッシュフロー計算書における財務活動収支差額はマイナス2,081億円で、8年連続のマイナスとなっており、順調に都債の償還が進んでいます。
次に、その年度の一般財源全体の中でどの程度の割合が地方債の償還に充当されているかを示す公債費負担比率は、都道府県平均では近年約19パーセントと、税収等の約2割を地方債の償還に充てていますが、都は、令和元年度決算時点で5.6パーセントであり、他の道府県と比べても健全な財政状況を堅持しています。
また、ストックの状況を見ると、貸借対照表における負債合計は、前年度と比較して2,258億円の減と、7年連続の減となっており、都債残高などの負債は着実に減少しています。都債残高がピークであった平成13年度と比較すると都債残高は約4割減少、都民一人当たりの残高は63万円から34万円へと約5割減少しています。
このように、都債の発行抑制基調を継続してきたこの間の財政運営を通じて、都債を追加発行する余力が着実に培われてきたものと考えています。

質問事項
一の1のエ 今後どう、対策費をねん出し、財政収支及び均衡を保っていくのか具体的に伺う。

回答
今後とも、国に対し、都の実情を踏まえた確実な財政支援を求めていくとともに、歳出の精査を徹底し、事業評価の取組を一層強化するなど、財源の確保に努めていきます。
その上で、基金や都債の活用など、これまで着実に培ってきた都財政の対応力を最大限発揮するなど、持続可能な財政運営を行いながら、新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでいきます。

質問事項
一の2 医療対策について
ア 重症者について、都は都の重症患者の定義である「入院患者数のうち、人工呼吸器管理(ECMOを含む)が必要な患者数」を公表している。一方で、国は、どういう病床で治療が行われているかという観点も含め重症患者を定義している。なぜ、今も別々の基準なのか、重症者数を国基準で集計した場合の週平均の数値と、所見を伺う。

回答
都では、集中治療室に入室している患者の全てが必ずしも重症ではないこと、人工呼吸管理下の重症患者が必ずしも集中治療室に入室していないこと、人工呼吸器やECMOの導入は、判断の差が出にくく基準が明確であり、現場の実態に即していることなどから、専門家の意見も踏まえ、人工呼吸器及びECMOによる管理が必要な患者の数を重症患者数として定義し、モニタリング指標として定め、毎日公表しています。
なお、国の基準に基づく重症者数についても毎週公表しており、1月27日時点の重症患者数は、都基準で159人、国基準では565人となっています。

質問事項
一の2のイ 感染患者に対して3,000病床確保は承知しているが、人員体制を加味し実際使えるのかどうか実質稼働室は何室か伺う。

回答
都は、入院が必要な陽性患者が確実に入院できるよう病床の確保を医療機関に要請しており、令和3年2月1日時点で、陽性患者の受入要請に対応できる人員体制を整えた病床を4,900床確保しています。

質問事項
一の2のウ 新型コロナウイルス感染症対策を担当していない開業医や中小規模の病院は、「診療抑制」によって深刻な経営危機にある。地域医療の経済的医療崩壊を食い止めるための見解と対応、対策を伺う。

回答
通常診療を担う医療機関では、新型コロナウイルス感染症が疑われる患者が受診する可能性があることから、慎重な対応が必要となり、一日当たりの患者数を制限することがあるものと考えます。
都は、通常診療を含め、地域の医療提供体制が確実に維持されるよう、令和2年7月4日に厚生労働大臣及び経済再生担当大臣に対し行った要望で、医療機関の実態を踏まえた支援の拡充を求めています。
また、令和2年11月に行った「令和3年度国の予算編成に対する東京都の提案要求」でも、通常診療を行う医療機関の実情を踏まえた財政支援を行うよう求めています。

質問事項
一の2のエ 経営危機で解雇となった医療従事者を人員不足のコロナ対応病院へ充足する等対応しているか。解雇された医療従事者対策も伺う。

回答
都は、公益財団法人東京都看護協会に委託して、看護職の確保・定着に関する各種事業を行う東京都ナースプラザを運営し、看護職の就業促進を行うナースバンク事業として、潜在看護師を復職につなげるための無料職業紹介事業を行っています。
新型コロナウイルス感染症への対応としては、看護職の確保が必要となった医療機関を支援するため、新型コロナウイルス感染症対策に関連する業務に従事する意思をお持ちの方の登録や登録者への情報提供、関連する求人情報のeナースセンターやナースプラザのホームページへの掲載など、求職者への求人情報の周知、紹介等を行っています。

質問事項
一の2のオ 現状の慰労金支給に加え例えば、コロナ対応協力ボーナスなどの給付金事業を実施すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症患者の発生以降6月30日までの間に、重症化するリスクが高い患者との接触を伴うなど、相当程度心身に負担がかかる業務に従事している医療従事者等に対し、「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金」を給付しています。
また、新型コロナウイルス感染症患者等の診察や治療に携わる医療従事者等に特殊勤務手当を支給する医療機関に対し、「東京都新型コロナウイルス感染症医療提供体制緊急整備事業」の「医療従事者特殊勤務手当支援事業」により補助金を交付するなど、医療従事者等の待遇の向上を図っています。

質問事項
一の2のカ コロナ禍の出産抑制を懸念する。都の現状(直近3年の妊娠届け出数推移)を伺う。

回答
直近3年間の4月から10月までの妊娠届出数は、平成30年は67,956件、令和元年は66,539件、令和2年は60,466件です。

質問事項
一の2のキ 超過死亡についてのその後の把握状況について伺う。

回答
都では、新型コロナウイルス感染症の超過死亡に関する資料は保有していません。なお、厚生労働省の研究班が令和2年11月30日に「我が国における超過死亡の推定」として取りまとめた分析結果を公表しています。この分析では、令和2年1月から同年8月までの全ての死因を含む超過死亡を都道府県別に二つの分析手法で分析した結果、東京都については、一つの分析手法(Farringtonアルゴリズム)では295人から841人、もう一つの分析手法(EuroMOMOアルゴリズム)では347人から1,296人の超過死亡があったと推計されています。

質問事項
一の2のク インフルエンザ患者数の過去三年と今年の年代別推移および、コロナ患者との相関関係を伺う。

回答
都内約400か所の定点医療機関からのインフルエンザ患者報告数は、平成29年が129,813人、平成30年が137,262人、令和元年が148,861人となっています。
令和2年は、第1週(令和元年12月30日)から第50週(令和2年12月13日)までの患者報告数は33,418人ですが、インフルエンザの流行時期とされている第36週(令和2年8月31日)から第50週(令和2年12月13日)までの15週間における報告数は30人と、例年になく少ない状況となっています。
また、第1週から第50週までの報告数を年齢階級別にみると、10歳未満が16,213人、10歳から20歳未満が6,858人、20歳から60歳未満が8,987人、60歳以上が1,360人となっています。

質問事項
一の2のケ 宿泊療養施設の確保数と稼働状況等現状と課題及び、療養施設に派遣される等コロナ対策に従事する福祉保健局及び所管外部署に勤務する職員全ての兼任・応援・支援・派遣されている全容について業務内容、職務権限、当該業務にあたる時間数と、本来業務との調整及び影響や時間外勤務の状況について伺う。

回答
都は、陽性者数の増加等に的確に対応するため、令和3年2月1日時点で、都内に宿泊療養施設を12施設で4,947室を借り上げており、施設の運用を考慮した受入可能数は、2,800室となっています。同日時点の入所者数は650人で、受入可能数に占める割合は約23パーセントとなっています。
また、新型コロナウイルス感染症対策として、全庁的な応援体制を構築しており、令和3年2月1日現在、福祉保健局感染症対策部には、各局からの応援による兼務・併任職員が、宿泊療養施設に勤務する者を含め、管理職42名、一般職員110名、計152名在籍しています。
兼務・併任職員は各課に配属され、各課長等の指示の下、部の庶務事務、防疫業務、保健所支援業務、検査関連業務、医療機関との調整業務、宿泊療養施設の運営業務などの各種業務に従事しています。配属の状況は別紙のとおりです。
兼務等の期間中は、兼務・併任元と感染症対策部の双方の業務に従事する場合と、感染症対策部の業務に専任で従事する場合がありますが、双方の業務に従事する時間数は職員や時期によって様々であることから、一律には把握していません。
一般職員の兼務・併任職員の超過勤務時間は、令和2年9月実績では、1人平均24.1時間となっています。

感染症対策部(宿泊療養施設勤務を含む)に係る他局兼務・併任職員数(管理職及び一般職員)
令和3年2月1日時点
事項 計 管理職 一般職員 備考
計画課部の庶務事務
東京感染症対策センター業務 9 3 6 (管理職)政企3
(一般職員)政企1、主税2、水道2、下水1
防疫・情報管理課患者情報管理、モニタリング等防疫業務
保健所支援業務
保健所支援拠点業務 27 3 24 (管理職)戦略1、環境1、生文1
(一般職員)主税6、生文5、オリ2、都整2、住政1、環境2、建設1、会計3、水道1、下水1
事業推進課検査関連業務
医療機関との調整業務
宿泊療養施設の開設・運営支援
宿泊療養の調整業務 73 3 70 (管理職)下水1、病本1、交通1
(一般職員)総務3、財務2、主税12、都整1、住政8、市場3、建設4、港湾1、交通10、水道7、下水15、労委1、選管1、監査1、議会1
宿泊療養施設運営 43 33 10 The b 池袋 3 3 0 (管理職)港湾3
デイナイスホテル東京 4 4 0 (管理職)総務4
イーストタワー(品川プリンスホテル) 12 6 6 (管理職)オリ6
(一般職員)オリ6
東横INN新宿歌舞伎町 3 3 0 (管理職)水道3
東横INN東京駅大橋前 2 2 0 (管理職)建設2
アパホテル<浅草 田原町駅前> 2 2 0 (管理職)主税2
日本財団災害危機サポートセンター 2 2 0 (管理職)交通2
東横INN府中南武線南多摩駅前 7 3 4 (管理職)都整3
(一般職員)都整4
アパホテル&リゾート西新宿5丁目駅タワー 3 3 0 (管理職)教育3
アパホテル山手大塚駅タワー 0 0 0 注釈 東横INN東京駅大橋前の(管理職)建設2が対応
東横INN池袋北口Ⅱ 5 5 0 (管理職)総務5
計 152 42 110注釈 職種は、事務職、土木職、建築職など
質問事項
一の2のコ 自費でPCR検査を受け、陽性の場合は、保健所等へ速やかに報告することが厚労省で推奨されているが、この対応の流れと、保健所への通知を拒否された場合の対応・対策を伺う。

回答
感染症法第12条では、医師が同法で定める感染症の患者を診断したときは、患者の氏名、年齢、性別等を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出ることを義務付けるとともに、同法第77条では、当該届出をしなかった医師には、50万円以下の罰金を科すことが規定されています。
また、令和2年11月24日の国の通知では、自費検査など医師による診断を伴わない検査を行う検査機関では、あらかじめ提携医療機関を決めておき、検査結果が陽性の場合は、本人の同意を得た上で提携医療機関に連絡するとともに、検査を受けた本人に対して受診を推奨し、新型コロナウイルス感染症の診断を行った医師から感染症法に基づく届出につなげるよう求めています。

質問事項
一の3 生活支援について
ア 特例貸付等、生活支援策の需要と現状、課題について伺う。

回答
国は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入が減少し、生活に困窮した方への支援として、生活福祉資金の特例貸付や生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金の対象者の拡大などを実施しています。
都では、生活福祉資金の特例貸付について、令和2年12月18日時点で、約32万件、約912億円を実施主体である東京都社会福祉協議会から申込者に送金しています。
また、住居確保給付金については、同年10月末現在、区市等の窓口で約3万7千件の申請を受け付けています。
今後とも、必要な支援が行われるよう、国の動向や利用状況を注視し、適切に対応していきます。

質問事項
一の3のイ 生活困窮者にかかる速やかな支援について、不正受給を排除しながらも真に必要とする方が申請できているのか、生活保護者の増加状況、と課題につき昨年の数値と対比して伺う。

回答
令和2年3月の国の通知では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う就労環境の変化等のため、生活に困窮し、生活保護による支援が必要な方に対して、生活保護制度の仕組みについて十分な説明を行い、可能な限り速やかに保護決定を行うよう努めることとされており、各福祉事務所は、この趣旨を踏まえ適切に保護を実施しているものと認識しています。
都内の生活保護世帯数及び生活保護人員数は、令和2年9月は231,421世帯、282,361人(前年同月は231,776世帯、285,357人)、令和2年10月は231,404世帯、282,240人(前年同月は232,005世帯、285,529人)、令和2年11月は231,256世帯、282,038人(前年同月は231,744世帯、285,036人)であり、前年と比較してほぼ同数で推移しています。

質問事項
一の4 豊洲市場における集団感染の疑いについて
ア 都における「クラスター」の定義、及び都施設内におけるクラスターの定義とその対策について伺う。

回答
国立感染症研究所の「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」では、「『患者クラスター(集団)』とは、連続的に集団発生を起こし(感染連鎖の継続)、大規模な集団発生(メガクラスター)につながりかねないと考えられる患者集団を指す」としています。
クラスターの対策については、各保健所において、同実施要領に基づき、適切に対応しています。

質問事項
一の4のイ 都のクラスターの定義に、豊洲市場の今般の感染状況があてはまらないとした理由を伺う。

回答
これまで豊洲市場を管轄する保健衛生当局からクラスター発生とは言われていません。

質問事項
一の4のウ 豊洲市場におけるこれまでの感染状況と講じてきた対策、自主検査に至った経緯も含めて、時系列で詳細を伺う。

回答
豊洲市場では、都と市場業者が連携して、都内で初めて新型コロナウイルス感染症の感染者が確認された令和2年1月下旬以降、都と市場関係者による感染者発生時の緊急連絡体制を構築するとともに、消毒液の設置などの衛生対策を講じ、感染症に関する幅広い情報を適宜提供してきました。その後も、市場事業者におけるセリ場や事務所等における感染拡大防止対策を実施するなど、感染症の拡大防止に向けた取組を順次行ってきました。
豊洲市場においては、令和2年8月に最初に新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されて以降、特に10月下旬から11月中旬にかけて、複数の事業者から散発的に感染が確認されました。
都としては、この事態を重く受け止め、保健所の助言等に基づき、市場業界とも連携し、感染拡大防止の強化に取り組んできました。
具体的には、場内を巡回指導し、来場者も含め市場関係者に対し、マスク着用などの感染防止対策の徹底を図るとともに、業界団体は、保健所の助言に基づき、感染者の多い水産仲卸業者の全事業者を対象に、11月2日から自主検査を実施し、感染者の早期発見・対処を行ってきました。この結果、12月初旬には感染者の確認数は大きく減少しています。

質問事項
一の4のエ 発生個所が集中していたことについて、施設面と仲卸業者においてのコロナ感染症対策の取組の課題はなかったのか、見解を伺う。

回答
豊洲市場における新型コロナウイルス感染症の感染者のうち、全体の9割弱が水産仲卸業者となっていますが、感染者については、複数の事業者から散発的に確認されており、その多くが感染経路不明とされています。
このため、水産仲卸業者の全事業者を対象としたPCR検査により、無症状者を含む新型コロナウイルス感染症の感染者を早期に発見・対処し、この結果、12月初旬には陽性者の確認数は大きく減少しています。
また、水産仲卸業者に対しては、場内の巡回指導を実施し来場者も含めマスク着用の徹底を図るとともに、体調不良時には入場しないなど、感染拡大を防止するための対策を徹底・継続しています。
施設面でも、売場の出入口などにおいて、消毒液の設置や24時間換気を行うなど感染拡大防止対策を講じています。

質問事項
一の4のオ 仲卸の経営状況につきビフォアコロナ、アフターコロナの観点から伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、豊洲市場の水産物の取引については、令和2年3月から影響が出始め、4月には前年同月比で取扱数量が9割を下回るとともに、取扱金額は7割を下回るなど、大きく減少しました。
その後、徐々に回復し、10月時点では数量・金額ともに前年並みに戻りましたが、新型コロナウイルス感染症の再拡大を受け、11月には再び9割程度に減少しました。
こうした取引状況から、豊洲市場の水産仲卸業者の経営について、新型コロナウイルス感染症による一定程度の影響があったものと認識しており、引き続きその経営に配慮した支援策を講じていきます。

質問事項
一の4のカ 飲食店には休業補償が出たが、仲卸には補償はない。協力金も仲卸は対象外となっている。これまで小池知事が「築地は残す。豊洲はいかす」とし、「食のテーマパーク」と喧伝した豊洲の顔となる店が、倒産してしまうことを懸念する。多数の感染者が出ている豊洲市場における、個別の補償等も含めた支援対策を伺う。

回答
都は、新型コロナウイルスの影響により売上が減少した市場業者に対し、都や国の支援メニューの分かりやすい周知や、使用料と光熱水費の支払猶予を行うとともに、社会保険労務士等の専門家を活用した経営相談や雇用調整助成金等の説明会を実施するなど丁寧にサポートしています。
また、中央卸売市場活性化支援事業の補助率拡充等により、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えようとする市場業者の意欲ある取組を後押ししています。

質問事項
一の4のキ 豊洲市場における、PCR等検査の費用負担について現状を伺う。

回答
豊洲市場における感染状況を踏まえ、市場関係者で構成する業界団体が「豊洲市場の事業継続に向けた新型コロナウイルス感染拡大防止対策事業」を実施しており、PCR検査や横断幕等による注意喚起、組合員による巡回指導の徹底などの取組を行っています。
都は、この取組が、市場全体の衛生管理強化につながり円滑な市場取引に資する取組であることから、中央卸売市場活性化支援事業により支援しています。

質問事項
一の4のク 都が把握した感染者及び自主検査にて判明した陽性者、陽性者が発生した店舗において、現状どのように対応しているか、今後どうしていくのか伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症の陽性者については、症状に応じて、医療機関への入院、宿泊療養、自宅療養など保健所の指導に従い、出勤しないよう業界に周知徹底しています。
また、陽性者が発生した店舗等勤務場所への保健所の調査に対し、都も立ち会うなど協力するとともに、消毒作業についても、事業者が店舗等の勤務場所を、都がトイレ等の共用スペースを対象として実施するなど、連携しながら感染拡大防止に努めています。
引き続き、市場業界と連携して、保健所の指導なども受けながら感染拡大防止に取り組んでいきます。

質問事項
一の5 コロナかるた等啓発対策経費について
ア これまで作成してきた「コロナ対策東京かるた」「ウィズコロナ東京かるた」の起案から作成までのつまびらかな経緯、入札、費用、発注先を伺う。

回答
「コロナ対策東京かるた」は、「STAY HOME週間」の取組の一環として、STAY HOME期間中の過ごし方などを都民に対してイラストなどを用いて分かりやすく伝えるために作成しました。
既存のコンテンツと一体的な事業展開をするため、「STAY HOME週間」のデザインを担当し、同一のデザインコンセプトで作成できる株式会社ティーフォックスと、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号に基づき、特命随意契約し、デザイン等の費用は2,402,928円です。
「ウィズコロナ東京かるた」は、感染拡大が続く中において、都民に対して改めて感染予防策を徹底していただくため、作成しました。
このかるたは、「コロナ対策東京かるた」のデザインを一部変更して作成したため、「コロナ対策東京かるた」のデザインを担当し、同一のデザインコンセプトで作成できる株式会社ティーフォックスと、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号に基づき、特命随意契約し、費用は996,600円です。 
印刷については、株式会社キタジマと、地方自治法施行令第167条の2第1項第1号に基づき、随意契約し、費用は499,752円です。このほかに見積りを依頼した株式会社アライ印刷については不参加となっています。
なお、予定価格の設定については、参考見積書の徴取や、同様の取引事例も参考にして設定しています。また、特命随意契約については、業者等選定委員会で審議の上、契約を締結しています。

質問事項
一の5のイ 小池知事記者会見時に使用されるフリップ、ボード類の作成、スローガンやキャッチコピーの作成について、外部に委託しているか。委託の場合、今年2月以降コストを項目ごとに明細を踏まえた総額を伺う。委託していなかったとしても、都庁内部でどの部署や職員が関わり庁内費用はどこから支出されてるか伺う。

回答
都では、新型コロナウイルス感染症対策に対する都民や事業者の理解と協力を得るため、記者会見で知事がフリップを掲示して呼び掛けるなど、様々な広報手法を用いた伝わりやすい情報発信に努めています。
フリップに掲載している「5つの小」、「特別な夏」などのいわゆるスローガンやキャッチコピーとそのデザインは、総務局の職員が発案、作成しており、知事に報告を行った上で、既存の資材に貼り付けて記者会見等で使用しています。
また、バックパネルの製作は外部に委託して3種類作成しており、総額は17万8,090円です。

質問事項
二 福祉政策について
1 児童福祉について
ア ヤングケアラーについて
a 都のヤングケアラー実態調査(ヒアリング)の対象は都内の子ども家庭支援センターや学校などとしているが、その調査手法(誰に対してヒアリングを行うのか)、また調査対象となる学校以外の機関についても伺う。

回答
ヤングケアラーの実態調査に係る調査手法や対象機関については、現在検討中です。

質問事項
二の1のアのb 区市町村のどの部署と連携をし調査を実施していくのか、所管部署名はどこを想定しているのか伺う。

回答
ヤングケアラーの実態調査の際に連携する区市町村の部署については、現在検討中です。

質問事項
二の1のアのc 都は実態調査とは別に、具体的な事例や対応方法を学校など関係機関に周知しヤングケアラーへの理解促進を図っていくとのことであるが、どの様な媒体を使用してどういった手法で周知を行うのか現時点の所見を伺う。

回答
ヤングケアラーに関する関係機関への周知の媒体や手法については、現在検討中です。

質問事項
二の1のアのd 子ども達へのヤングケアラーに関する啓発はどの様に行われるのか所見を伺う。

回答
ヤングケアラーに関する子供たちへの啓発の手法については、現在検討中です。

質問事項
二の1のアのe ヤングケアラーの相談窓口はどちらを想定しているのか伺う。

回答
子供自身や学校の教職員、近隣住民等がヤングケアラーについて相談する場合は、子供や子育て家庭のあらゆる相談の窓口である、子供家庭支援センターや児童相談所が対応しています。

質問事項
二の1のイ 発達障がいについて
a 発達障がいのある児童が学校など受入先の状況に関わらず、必要な支援が受けられることは重要である。保育、学校教育等における現時点の取り組みを伺う。

回答
都は、障害児に対する保育サービスを適切に提供するため、保育サービス推進事業や保育力強化事業に障害児加算を設け、障害児の受入れに取り組む保育所等を支援しています。
また、公立小中学校については、発達障害のある児童・生徒の学習上の困難等を改善するため、全校に特別支援教室を設置することとしました。小学校には平成30年度に設置が完了し、中学校には令和3年度完了予定です。特別支援教室の導入によって、学校全体で特別支援教育への取組が充実し、子供たちの障害による学習上や生活上の困難さの改善が図られています。令和3年度からは、生徒が進学した都立高校で、教員が専門人材と連携して特別な指導を行う仕組みを導入することとしました。
私立学校については、私立特別支援学校等経常費補助、私立幼稚園特別支援教育事業費補助等により、障害児の受入れに取り組む学校を支援しています。
さらに、保育所や学校等に通う障害児が集団生活に適応できるよう、児童発達支援センターの支援員等が保育所等を訪問し、専門的な支援を実施しています。

質問事項
二の1のイのb 発達障がいが疑われる乳幼児の健康診査および、その後の支援体制について現時点の取り組み及び健診未受診者への対応を伺う。

回答
発達障害者支援法では、区市町村は、乳幼児健康診査を行うに当たり、発達障害の早期発見に十分留意しなければならないとされています。
乳幼児に発達障害が疑われる場合、区市町村は継続的な健康診査や個別相談等を実施し、子供の状況に応じて心理相談や育児グループへの参加を案内するほか、医療機関・療育機関等との連携を図り、適切な援助が受けられるよう支援しています。
また、乳幼児健康診査を未受診の場合には、保護者に受診を勧奨するため、電話や書面に加え、状況に応じて家庭訪問も実施しています。

質問事項
二の1のイのc 入学前相談、就学前健診における、小学校入学後の最適な教育環境の担保について。幼保施設と学校の連携は本当にできているか。見解を伺う。

回答
すべての区市町村で、入学前の相談を実施するとともに全ての子供を対象に就学前健診を実施することで子供の状況を把握しています。
また、小学校においては、幼稚園や保育園等の就学前機関と、連絡会を持つなどして、入学を予定している子供たちの情報を把握しています。
発達障害のある子供たちについても、保護者との面談や就学前機関との連携により、子供の状況を把握しています。さらに、小学校入学後においても、子供の様子を観察し、障害による困難さを把握した上で、就学前機関からの情報、保護者の意見等も踏まえ、支援の方法について検討し、特別支援教室における指導等につなげています。

質問事項
二の1のウ 要保護児童について
a 一時保護所や、児童養護施設内における性的虐待、性被害が起こった場合の対応を伺う。

回答
施設の職員等が児童に虐待を行ったことが疑われた場合には、児童相談所の児童福祉司等が児童の安全を速やかに確認するとともに、都は、児童福祉法第33条の14に基づき児童や職員への聴き取りを行い、事実関係を確認し、その結果、虐待の事実が認められた場合は、施設等へ速やかな改善を指導しています。
施設等で児童間の事故が発生した場合には、施設等は、速やかに都の所管部署に報告するとともに、児童や職員への聴き取りを行い、事実関係を確認した上で、再発防止策を講じています。
被害を受けた児童に対し、児童相談所は、児童福祉司との面接のほか、児童心理司との心理面接や心理検査等を通じ、トラウマへのアセスメントや心理ケアを実施しています。
また、被害を受けた児童の保護者に対しては、施設等が児童相談所と連携し、事実関係等について説明しています。

質問事項
二の1のウのb 一時保護児童が措置入院、医療保護入院する場合の基準と運用、手続きについて伺う。

回答
措置入院は、2名以上の精神保健指定医が自傷他害のおそれがあると意見が一致した場合に、指定病院等に入院させることができるものです。
また、医療保護入院は、親権者等の同意があり、精神保健指定医による診察の結果、医療及び保護の必要性があると判断された場合に、入院させることができるものです。
一時保護中の児童について、措置入院や医療保護入院が必要であると精神保健指定医が判断した場合には、児童相談所は入院先医療機関に一時保護委託します。

質問事項
二の1のウのc 医療機関に一時保護委託中の児童の安全管理と、児童のSOSをうけとめる体制について伺う。

回答
医療機関に一時保護委託を行っている児童の院内における安全管理については、医療機関が適切に実施しています。
また、一時保護委託中は、児童相談所の児童福祉司等が適宜面会を行い、児童の状況を適切に把握しています。

質問事項
二の1のウのd 一時保護児童が入院した場合の保護者とのコミュニケーション、連絡体制について伺う。

回答
医療機関に一時保護委託を行っている児童の状況は、面会を行った児童相談所の児童福祉司等が、電話や家庭訪問等により適宜保護者に報告しています。

質問事項
二の2 都立病院における精神科病棟での安全体制について
ア 精神科病院の閉鎖、隔離病棟において、患者同士のトラブル、性的暴力・被害を防ぐための現在の運用を伺う。男女別であるのは承知しているが同性間性暴力・被害の対策について伺う。

回答
都立病院の精神科では、各病棟において、医師や看護師が患者の精神症状や患者間の人間関係の情報を共有し、患者の不穏な様子を早期に察知・介入することにより、患者間のトラブル防止に努めています。
また、関係が良好ではない患者同士については、離れた病室に入院させることで、当該患者同士が接触しないように配慮するなどの対策を講じています。
さらに、院内で発生した患者間のトラブルなどの情報は、リスクマネージャーの看護師長のもとに集約した上、医療安全担当の副院長をはじめとする病院職員により構成される医療安全対策推進委員会に報告し、病院全体で再発の防止に取り組んでいます。

質問事項
二の2のイ 夜間に被害に遭わないためにどのような取り組みをしているのか伺う。

回答
都立病院の精神科では、入院患者の暴力的な行動や言動などの記録を、日勤の看護師から夜勤の看護師へ確実に引き継ぐことにより、夜間においても、患者間の暴力行為の防止を図っています。
また、入院患者から他者に対する敵意が伺える行動や言動などが観察される場合には、夜間の見回りを強化するなどの対応を行っています。

質問事項
二の3 11月29日東京メトロ東西線東陽町駅で、視覚障碍者が転落し、電車にはねられ死亡するという痛ましい事故が発生した。都が主体となって実施を予定している駅ホーム転落事故の再発防止としての具体的な対策について伺う。

回答
都営地下鉄では、令和5年度末までのホームドア全駅整備完了を目指し、現在、残る浅草線での整備を進めています。ホームドアが整備されるまでの間は、早朝から深夜まで警備員を配置するとともに、駅係員による視覚障害者等への声かけを積極的に行っているほか、他の交通事業者等とともに「声かけ・サポート」運動強化キャンペーンを実施しています。
また、現在、全ての駅にサービス介助士の資格を持った駅係員を複数名配置しており、お客様の御要望等に応じた丁寧な誘導や御案内に努めています。
さらに、先般の事故を受け、東京メトロから事故時の状況等について情報収集しつつ、駅係員等への注意喚起を改めて行いました。
引き続き、全てのお客様に安心して御利用いただけるよう、ホーム上の安全対策に努めていきます。

質問事項
二の4 DV・ストーカー・シェルター対策について
ア コロナ禍にあり、虐待同様DV被害も増加していると思料する。コロナ禍前後と状況は悪化しているのか現状と対策を伺う。

回答
令和2年3月から同年11月までの、都の配偶者暴力相談支援センターである東京ウィメンズプラザと女性相談センターにおける、配偶者等からの暴力に関する相談件数は、5,684件です。前年同時期の相談件数は、6,078件です。 
相談内容の例としては、在宅勤務を理由に「家事ぐらいちゃんとやれ」と暴言を吐かれたなどの相談が寄せられています。
コロナ禍の状況等も念頭に置き、引き続き適切に被害者支援に取り組んでいきます。

質問事項
二の4のイ ストーカー対策について
a 現状の警視庁におけるストーカー対策と支援策を伺う。

回答
警視庁では、「人身安全関連事案等への迅速かつ的確な対応」を重点目標の一つに掲げ、職員に対し、その重要性の周知徹底を図っているほか、ストーカー事案に係る相談を受理した際は、人身安全関連事案総合対策本部事態対処チームへ速報し、情報を集約することで、認知の段階から被害者等の安全確保を最優先に、各部門が一体となって迅速かつ的確な対処が図れるよう体制を強化しています。
その上で、各種法令を適用して被疑者を検挙するとともに、事案の内容から被害者等に危険が及ぶ可能性等を考慮して、安全な場所へ速やかに避難させるなど、事態対処チームと警察署員が連携し、保護及び支援のためにあらゆる手段を駆使して対処しています。
また、支援策については、経済的その他の事情により一時避難や転居が困難な被害者等に対する公費による支援などを実施しています。

質問事項
二の4のイのb DV・ストーカー被害者の情報漏洩防止のための情報管理にかかる都の対策と区市町村等との連携体制を伺います。

回答
ドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為等の被害者の保護を図ることを目的とした、住民基本台帳事務における住民票の写しの交付制限等の支援措置は、被害者の申出により、区市町村長が行うものです。
国が定めている住民基本台帳事務処理要領において、当該支援措置が講じられている者であるとの情報については、区市町村内の関係部局に提供し、連携に努めることが必要であるとされており、情報管理の徹底も図られています。
都は、日頃から情報交換を行うなど区市町村と連携を図りながら、注意喚起や技術的助言を実施しているほか、国から支援措置に関する通知が発出された際には、区市町村への周知を適切に行っています。

質問事項
三 教育政策について
1 わいせつ教員について
ア 文科省より10月30日に「教育庁官報情報検索ツールの改善及び適切な活用について」の依頼が通知されたことを受けて、「わいせつ教員」の都情報のアウトプット、全国の情報のインプットについてどのように運用がかわるか伺う。

回答
非違行為等で教育職員免許状を失効・取上げとなった教員については、教育職員免許法の規定により、各都道府県教育委員会が官報に公告することになっています。国は、全国の官報情報を集約した「官報情報検索ツール」を各教育委員会等に提供し、検索できるようにしています。
このツールで提供する情報について、国は、これまでは免許状を再取得できない過去3年間としていましたが、教員志願者が懲戒免職処分歴を秘匿して採用されることを防ぐため、令和2年10月末からは過去5年間を確認できるようにし、令和3年2月からは過去40年間とする予定です。
都教育委員会は、非違行為等で免許状が失効等になった者について、確実に官報に公告することを通じて、国における同ツールの運用が適切になされるよう、取組を進めていきます。また、教員採用においては、全国の官報情報が集約され情報提供される期間の長くなった同ツールを積極的に活用し、懲戒免職処分歴等を把握していきます。

質問事項
三の1のイ 都教育委員会の教員懲戒にかかる情報は半年で削除されている運用を、長期間に変更する予定や意識はないのか伺う。

回答
都教育委員会は、教職員の懲戒処分を行った場合、被処分者の校種、職名、年齢、性別、処分の程度、処分理由等について報道機関へ情報提供を行うとともに、都教育委員会のホームページに掲載しています。
掲載期間については、今後も、懲戒処分を行った事実を都民に周知するのに適切な期間を設定していきます。

質問事項
三の2 教員による、暴言や人格侵害にかかる明らかな体罰ガイドライン違反の言動の相談が後を絶たない。「教員によるいじめ」をいつまでも「不適切指導」と片付けずに、明確に教員から児童・生徒へのいじめがあることを自覚し、対応すべきと強く求めるものであるが、現時点の所見を伺う。

回答
教員が体罰関連行為のガイドラインに違反する等の不適切な行為を行うことは、決して許されるものではありません。
不適切な行為が確認された場合には、引き続き厳正に対処していきます。

質問事項
三の3 女子児童、生徒が半裸になって行う健康診断のありかたについて
ア 現状の健康診断の体制やマニュアルがどうなっているのか、学校医の身分と選定がどうなっているのか伺う。

回答
学校における児童・生徒等の健康診断は、学校保健安全法第13条により実施が定められており、具体的には、文部科学省監修の「児童生徒等の健康診断マニュアル」などを参考にしつつ、学校と学校医等が連携して実施しています。
学校医は、同法第23条により学校に置くものとされており、地方公務員法第3条第3項第3号により、その身分は特別職とされています。都立学校においては、「東京都教育委員会学校医、学校歯科医及び学校薬剤師設置要綱」により東京都教育委員会が非常勤職員として任用しています。また、区市町村立学校においては各自治体が規定にのっとり、非常勤職員として任用しています。
学校医の具体的な選定については、各学校が学校所在地の医師会から推薦を受けるなどにより、学校と連携しやすい医師の紹介を受けたり、学校が直接地元の医師に依頼するなどにより、選定しています。

質問事項
三の3のイ 健康診断時、男性医師によりわいせつおよび不快な言葉をかけられないための配慮が必要である。児童・生徒と一対一にならないなどどのような配慮がなされているか伺う。

回答
都内公立学校では健康診断に当たって、学校医などと方法や手順、役割分担などについて、事前に十分な打合せを行い、実施しています。
都立学校で実施している健康診断においては、例えば女子生徒の心電図検査の際に、女性職員が行うことや、検査実施中は上半身をタオルなどで覆うなどの配慮を行うこと、男子生徒の場合でも裸になることに抵抗を感じる生徒には配慮することなどを定め、適切に行っています。区市町村立学校においても、男性の学校医が診察する場合は、女性の養護教諭が同席し健診を補助するなど配慮しています。
また東京都教育委員会は、東京都医師会、学校医会とともに、研修などの機会をとらえ、健康診断実施時における児童・生徒の服装やプライバシーへの配慮について、注意喚起をしています。

質問事項
三の3のウ 区市町村教育委員会から各学校や地元医師会等医療関係機関へ注意喚起を促し、今後最善策を講じていく必要があると考えます。都の所見を伺う。

回答
区市町村教育委員会や学校、健康診断に従事する養護教諭や学校医等は、文部科学省監修の「児童生徒等の健康診断マニュアル」等に基づき健康診断を実施しています。マニュアルでは男女差への配慮としてプライバシーの保護等に加え、診察や心電図検査等、衣服を脱いで実施するものは、全ての校種、学年で男女別に実施するなどの配慮を行うものとするとされています。このマニュアルを踏まえて、各学校では健康診断を実施する前には学校と学校医が、健康診断の判定基準、留意事項や検査時のプライバシー保護の工夫などの打合せを行います。また、区市町村教育委員会と地区医師会等医療関係機関とは密に連携を図っており、状況に応じて迅速に注意喚起等を行うなど、適切に健康診断を実施しています。

質問事項
三の3のエ LGBT児童・生徒の健康診断についての配慮について現時点どうなっているのか伺う。

回答
「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」(平成27年4月30日文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知)等に係るQ&Aにおいて、文部科学省は、「健康診断の実施に当たっては、どの様な配慮が考えられますか」の問いに対し、「学校においては、性同一性障害に係る児童生徒への配慮と、他の児童生徒への配慮との均衡を取りながら支援を進めることが重要であること」と回答しています。
健康診断に当たっても、本人等の意向を踏まえた上で、養護教諭は学校医と相談しつつ個別に実施するなどの対応をとることになります。

質問事項
四 国勢調査について
1 調査員・指導員の人数と定数充足の状況を伺う。

回答
令和2年11月27日現在、令和2年国勢調査における東京都の調査員数は定数78,371人に対し57,721人、指導員数は定数12,625人に対し9,375人で、定数に対する充足率はそれぞれ73.7パーセント、74.3パーセントです。

質問事項
四の2 平成27年の国勢調査での調査員・指導員からの犯罪や虐待についての告発や通報はゼロであった。本年の状況を伺う。

回答
調査員が調査活動中に世帯から、国勢調査であるかのような説明をして個人情報等を聞き出そうとする、いわゆる「かたり調査」の話を聞き、市に連絡し、市から管轄の警察署に通報した事案が1件ありました。

質問事項
四の3 特別職公務員である調査員・指導員への告発・通報義務についての周知と運用についてどのように行われたのか、伺う。

回答
調査員及び指導員への調査活動等に関する説明・指導は、国の事務要領に基づき、都が実施した事務打合せ会を受け、区市町村が調査員及び指導員の事務打合せ会で実施しています。
都は区市町村に対し、事務打合せ会において、調査員及び指導員の指導に際しては、国勢調査令、国家公務員法等各種法令に従った適切な対応をするよう説明しています。それに従い、区市町村から調査員及び指導員に対し周知をしています。

質問事項
四の4 調査員・指導員からの告発や通報についての相談が、都や区市町村に寄せられているか、把握の状況を伺う。

回答
都において調査員・指導員からの告発や通報についての相談は入っていません。また、区市町村から都に対してそのような相談に関する連絡は入っていません。

質問事項
四の5 調査員・指導員が犯罪に巻き込まれた事例、件数、対処の状況を伺う。

回答
区市町村から東京都に対して、調査員・指導員が犯罪に巻き込まれたとの連絡は入っていません。

質問事項
四の6 刑事訴訟法第239条第2項の公務員の告発義務や虐待通報義務等の法令遵守への取組みについて、全庁職員への周知の状況について伺う。

回答
地方公務員法第32条では、職員は、その職務を遂行するに当たって、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従わなければならないと定めています。
都では、採用直後の段階から、法令等に従う義務について研修を行うなど、その周知に努めています。

質問事項
四の7 国勢調査の今後の課題認職につき、都のご所見をお示しください。

回答
高齢化の進展等の状況変化に対応した調査員の確保や、厳しさを増す調査環境下におけるインターネット回答率の向上が課題と考えられます。
今後さらに、区市町村事後報告会等を通じて状況を十分に把握した上で、課題を整理していきます。

質問事項
五 小池知事のガバナンス・トップマネジメントについて
1 政策連携団体の人事について
ア 合併前の両社の社長には長年、都水道局出身者が就いてきたが、その理由を伺う。

回答
政策連携団体をはじめとした各団体の役員人事については、団体自らの経営判断により、決定すべきものであり、これまでも団体の自主的判断により役員を任用しています。
また、都職員の活用が求められている団体については、本人がこれまでに培ってきた経験等に応じて、適切な人材を推薦しているところです。
こうした仕組みにのっとり、水道局では、各団体の求めに応じ、必要な知識や経験等を持つ職員を推薦してきています。 

質問事項
五の1のイ 改めて、野田氏の人選の理由をお示しください。

回答
東京水道サービス株式会社は、平成31年2月に公表された特別監察の報告書の中で、内部統制やコンプライアンスの不備を指摘されました。
また、同社は、平成31年当時、株式会社PUCとの統合を控えており、社の抜本的な改革が急務な状況となっていました。
こうした状況の中、スピード感を持って改革を強力に推進していくためには、そのけん引役として、これまでとは異なる方面からの人材が必要であることから、行動力があり、東京大改革の流れにも精通している野田氏を東京水道サービス株式会社の代表取締役社長に、都として推薦しました。

質問事項
五の1のウ 同氏については、一部週刊誌で、業務上横領等の非違行為が報じられている。この点につき、知事は承知しているか伺う。

回答
私の関知するところではありません。

質問事項
五の1のエ 野田数氏について
a 知事は就任以来、答弁調整の改善について各局に指示してきたが、当時の野田特別秘書の行為はこれに反するばかりか、二元代表制にも反するものではないか。知事の所見を伺う。また、知事の指示では無いと考えるが、この点についても、伺う。

回答
私の関知するところではありません。

質問事項
五の1のエのb 「自由を守る会」の解党強要は、二元代表制に反するばかりか、結社の自由、政治活動の自由を侵し、刑法の強要罪の構成要件にも該当するものである。さらに、私を含め、各党員は著しく精神的苦痛を受けた。この点につき、知事の所見を伺う。また、知事の指示では無いと考えるが、この点についても伺う。

回答
私の関知するところではありません。

質問事項
五の1のオ 政策連携団体の役員が過去に非違行為を起こしていた場合、どのように対処するのか、一般職員のように、欠格事由には当たらないのか、根拠を示した説明を伺う。

回答
法人役員については、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律や会社法等、当該法人の設立根拠となる法律において、役員となることができない者について定められています。 
政策連携団体の役員についても、これらの法律にのっとって役員候補者を選出し、最終的に各団体の評議員会又は株主総会の決議を経て選任しています。

質問事項
五の2 知事による再議権行使について
ア 2012年の法改正を踏まえて、説明を伺う。

回答
再議とは、地方公共団体の長が、異議のある議決や越権・違法な議決等に対して、再度の議決を議会に求める制度のことをいい、議会の議決に異議がある場合の長の措置としての一般再議と、越権・違法な議決に対する長の措置としての特別再議とがあります。
平成24年の地方自治法の改正では、地方公共団体の議会及び長による適切な権限の行使を確保するとともに、住民自治の更なる充実を図る観点から、これまで、議会における条例の制定若しくは改廃に関する議決又は予算に関する議決事件に限られていた一般再議の対象が、これら以外の議決事件にも拡大されました。

質問事項
五の2のイ 都における再議権行使の前例を伺う。

回答
都における事例は、平成3年第一回東京都議会定例会の平成3年度東京都臨海副都心開発事業会計予算があります。

質問事項
五の2のウ 小池知事の再議権行使の考え方を伺う。

回答
議会の議決について異議があるときや、議会の議決がその権限を超え又は法令等に違反する客観的事実があると認めるときは、地方自治法第176条の規定に基づいて、再議に付すことになります。

質問事項
五の3 都立大学のハラスメント対策について
ア 都立大学ハラスメント防止委員会への申立件数または有無を伺う。

回答
東京都公立大学法人ハラスメント防止委員会では、これまでもハラスメントに対する苦情の申立てを受け付けていますが、各年度の申立ての有無や申立件数については、申立人及び被申立人等の関係者の名誉及びプライバシーなどの人格権保護の観点から、当該法人では公開していません。

質問事項
五の3のイ 認定件数または有無を伺う。

回答
東京都公立大学法人ハラスメント防止委員会では、これまでもハラスメントの認定を行っていますが、各年度の認定の有無や認定件数については、申立人及び被申立人等の関係者の名誉及びプライバシーなどの人格権保護の観点から、当該法人では公開していません。
 

質問事項
五の3のウ 同委員会の活動につき、どのような記録がなされ、申立人や所属長にどのような通知がなされるのか、手順を追って、具体的に伺う。

回答
東京都公立大学法人ハラスメント防止委員会に苦情の申立てがあった場合、当該法人が設置する学校ごとに置かれる分会において、調査チームを用いるなどして、事案の調査及び解決策の検討を行います。
調査チームは、申立人及び被申立人等への事情聴取や、関係部署への調査を行い、事実関係を明らかにした上で、調査結果や改善策等をまとめた調査報告書を作成し、分会長に提出します。
分会では、提出された調査報告書の内容が適切か審査した上で、必要に応じて懲戒処分を含む措置等の要望を付記した審査報告書を、事務局長、学長又は校長に提出します。その後、分会が申立人に対して文書により結果を通知することとしています。

質問事項
五の3のエ 同委員会の調査権限が及ぶ範囲について、根拠規定等を示した説明を伺う。また、被申立人や関係者となった教職員、学生それぞれが調査に応じなかったときの対処につき、具体的に伺う。

回答
東京都公立大学法人ハラスメント防止委員会の下に置かれる調査チームは、「調査チームに関する細則」第6条第1項及び第4項に基づき、申立人及び被申立人並びに必要に応じて関係者から事情を聴取するとともに、事実関係を明らかにするために必要な情報を持つ関係部署に対し、調査を行うことができます。
なお、被申立人や関係者となった教職員が、事情聴取に応じない場合は、就業規則に基づく業務命令として、事情聴取に応じるよう指示することができるとともに、学生に対しては、プライバシーの保護や守秘義務等について、丁寧に説明し理解を求め、協力を促すこととしています。

質問事項
五の3のオ 東京都公立大学法人におけるハラスメント事案が公益通報に至った場合の対応について、手順を追って、具体的に伺う。

回答
公益通報者保護法に基づく東京都公立大学法人の公益通報制度は、当該法人における不正行為等の早期発見と是正を図るとともに、通報者及び相談者を保護することを目的としており、教職員や派遣労働者、契約先等の労働者が利用できます。
当該法人が設置する通報窓口に通報があった場合、学長等は通報窓口責任者に予備調査を指示し、通報対象事実に該当する可能性等を検証させた上で、受理するか否かを決定します。
受理することとした場合、学長等は、調査委員会を設置し、関係者からの事情聴取等により事実関係の調査を行わせた上で、調査結果を報告させます。
報告の結果、不正行為等が明らかになった場合、学長等は、速やかに是正及び再発防止のための措置を講じるとともに、不正行為等に関与した教職員に対して、懲戒処分を含む必要な措置を講じることとなります。なお、通報者に対しては、調査結果及び是正結果を文書により通知します。
本制度は、犯罪行為又は最終的に刑罰につながる法令違反行為の事実を対象にしており、強制わいせつ罪などの犯罪行為に該当するハラスメントは通報対象となりますが、その他のハラスメントが通報された場合は、事案解決の組織として、ハラスメント防止委員会を案内することとしています。

質問事項
五の4 子どもを守る都独自条例について
ア 一昨年4月に施行された「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」の運用状況、啓発の取り組み、成果と課題を伺う。

回答
子供は受動喫煙による健康への影響が大きく、自らの意思で受動喫煙を避けることが困難であることから、都は、平成29年10月、東京都子どもを受動喫煙から守る条例を制定し、平成30年4月に施行しました。
本条例の施行に併せ、条例の趣旨や目的をはじめ、子供がいる室内や車内、公園、学校等の周辺の路上では喫煙しないことなど、保護者をはじめとする都民の責務を分かりやすく示したチラシやポスターを作成し、区市町村や学校等を通じ周知啓発を行っています。
平成30年6月に制定した東京都受動喫煙防止条例においても、子供を受動喫煙から守るため、幼稚園や保育所、小中高校等での敷地内禁煙を規定しており、引き続き、子供に受動喫煙をさせることのないよう、区市町村や学校と連携した啓発に取り組んでいきます。

質問事項
五の4のイ 昨年4月に施行された「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」の運用状況、啓発の取り組み状況を伺う。

回答
東京都子供への虐待の防止等に関する条例において、都は虐待の防止に必要な体制整備等を行うとともに、区市町村が実施する虐待の防止に関する施策への支援、虐待の防止等に資する広報等を行うことを規定しています。
都は、児童相談所の児童福祉司や児童心理司等の増員、経験豊富な虐待対策ワーカーを子供家庭支援センターに配置する区市町村への支援、児童虐待防止に関する普及啓発のためのホームページや動画の作成など、様々な取組を実施しています。
また、本条例の普及啓発のためにポスター及びリーフレットを作成し、区市町村、警察、医療機関、学校等の関係機関に配布するとともに、子供向けのリーフレットも作成し、都内の小学校と中学校に配布しています。

質問事項
五の4のウ これらの条例につき、学校等、教育現場での対応状況を伺う。

回答
東京都子どもを受動喫煙から守る条例の制定を受け、関係部局が連携し、全公立・私立学校に対して、教職員、保護者、近隣住民等への条例内容の周知を依頼しました。なお、学校施設については、平成30年制定の東京都受動喫煙防止条例により、従前から敷地内全面禁煙となっています。
また、児童虐待の防止に関する法律や東京都子供への虐待の防止等に関する条例等の趣旨を踏まえ、都教育委員会は、全ての都内公立学校の校長等を対象に実施している研修会において、教員の理解を深めるために作成した児童虐待防止研修セット等についての周知や、児童虐待の現状や学校における対応の在り方等についての専門家による講義を行うことなどを通して、学校が児童虐待の早期発見・早期対応に向け、組織的に取り組めるようにしています。
私立学校に対しては、各学校に条例内容の周知を行うとともに、東京都私学財団が毎年度実施している私立学校の教職員を対象とした人権研修の中で、児童虐待防止について取り上げ、啓発を行っています。

質問事項
五の5 不要不急の都政事業について
ア 令和3年度予算において、不要不急の新規事業は抑制・凍結すべきと考えるが所見を伺う。

回答
現下の都政において、新型コロナウイルス感染症対策に加え、多岐に渡る都政の諸課題に的確に対応することも重要です。
このため、令和3年度予算編成においても、見直すべきものは見直しを行った上で、真に必要な取組を着実に実施するなど、効率的で実効性の高い施策を展開していきます。

質問事項
五の5のイ 不要不急のハコモノは凍結すべきと考える。子どもの城における費用対効果を明らかにしたうえで不要不急の新設施設に対する考え方を伺う。

回答
都の施設の新設については、今後とも質の高い行政サービスを継続的に提供するために、真に必要な取組は着実に進めていきます。
なお、都民の城(仮称)については、現在、改修工事基本設計委託の契約手続中であり、今後、当該基本設計委託を進める中で、工事費等について精査していきます。

質問事項
五の5のウ デジタル局よりも都民生活が重要と考える。しばらく、「国際金融都市」「フィンテック」「外資系企業誘致」など先進都市政策は据え置き「いったん立ち止まり」生活に困窮する都民によりそうべきと考えるが、所見を伺う。

回答
現下の都政において、新型コロナウイルス感染症対策に加え、東京が成長していくための多岐に渡る都政の諸課題に、限られた財源を有効に活用し、着実に取組を進めることが重要です。
今後とも、見直すべきものは見直しを行った上で、真に必要な取組を確実に実施するなど、効率的で実効性の高い施策を展開していきます。

質問事項
五の6 オリンピック・パラリンピックについて
ア 新たな費用負担について、経緯から決定まで都民及び議会への報告は未だにない。説明を求める。

回答
大会に係る様々な検討については、随時、オリンピック・パラリンピック推進対策特別委員会に報告するとともに、令和2年12月23日の同委員会において、大会経費V5について、以下のとおり、報告をしています。
大会経費については、令和2年4月に、IOCと日本側がサービスレベルの水準を最適化・合理化する施策を検討するとともに延期によるコスト削減を図るものとすることに合意しました。その後、大会の簡素化について、9月のIOC調整委員会で52項目の内容について合意し、10月のIOC理事会でおおよそ300億円の経費削減効果を報告しました。
また、大会における新型コロナウイルス感染症対策については、調整会議において議論を行い、12月2日に中間整理をとりまとめました。
そして、12月4日に、国、東京都、組織委員会の3者による会談を行い、大会の追加経費の負担について合意し、12月22日に、組織委員会が総額1兆6,440億円の大会経費V5を公表しました。

質問事項
五の6のイ 新型コロナウイルス感染症の状況がどのようになれば開催できるのか、基準や考え方はあるのか現時点の見解を伺う。

回答
国、都、組織委員会等で構成する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における新型コロナウイルス感染症対策調整会議において、幅広く議論された内容を、大会に向けた工程表を含め中間整理として取りまとめました。
引き続き、中間整理を踏まえ、関係者と連携し、安全・安心な大会に向けた準備を着実に進めているところです。

質問事項
五の7 これまで確認してきた、コロナ対策にかかる知事が登場するTVCMを含め、あらゆる啓発にかかる備品やツールを含めたこれまでの広告費の内訳とその費用対効果の評価を伺う。

回答
緊急事態宣言以降、テレビ・ラジオCMについては、令和2年4月9日から令和3年3月31日までの期間で9件、ウェブ広告については、令和2年4月15日から令和3年3月31日までの期間で5件の契約を締結しています。経費は、テレビCMの電波料7.6億円、ラジオCMの電波料0.8億円、ウェブ広告2.2億円です。これらの制作費は0.5億円です(令和2年12月23日時点)。
広報効果については、テレビCMにおいては、獲得視聴率、ウェブ広告においては、性別や年齢層などの広告表示回数やクリック率等により把握しており、それらのデータに基づき分析を進めています。
「感染防止徹底宣言ステッカー」がプリントされたTシャツは、ステッカーの普及啓発の取組で活用するため、50枚、160,600円で作製しました。
これまで、大相撲9月場所でのPRやFC東京と連携した取組などの際に活用しています。
新型コロナウイルス感染防止対策の普及啓発のための告知旗は、都で作製していないため、費用はかかっていません。
また、会食時の注意事項を記載した三角卓上POPは、職員が作成したため、費用はかかっていません。

質問事項
五の8 本庁舎職員組合事務所について、5年前と現在の職員組合事務所の配置と面積について伺う。

回答
職員団体に対して、平成27年4月1日時点においては、第一本庁舎では19階ほか7か所、第二本庁舎では10階ほか18か所の合計27か所の使用許可を行っていました。面積は合計で1,811.88平方メートルでした。
また、令和2年4月1日時点においては、第一本庁舎では23階ほか2か所、第二本庁舎では6階ほか6か所の合計10か所の使用許可を行っています。面積は合計で1,035.20平方メートルです。

質問事項
五の9 東京都知事退職金について
ア 知事退職金について、1期四年3,500万円という制度が妥当か。知事給与は半額にしたのに、何故満額換算としたのか。2期目選挙公報では全国の知事で「全国最低給与」とあるが、退職金を含めても全国最低給与となるのか、退職金についてはなぜ公約、選挙時に触れなかったのか、知事に伺う。

回答
都は、退職手当について、社会・経済情勢の推移、国や他の自治体の動向等を総合的に勘案しつつ、これまでも数次にわたり支給率を見直してきており、現在の支給水準は適正であるものと考えています。
給与月額については、知事自身の政治姿勢に基づき、都政改革に向けた決意と姿勢を明らかにするため、都議会に特例条例を提出し、内容を審議いただいた上で特例的に減額しています。
なお、選挙公報の記載は、令和2年4月現在、知事の減額後の給与月額が都道府県知事の中で最も低いことについてお示ししたものです。

質問事項
五の9のイ 今後、一期四年で3,500万円が支払われる都知事の退職金制度について「東京大改革」を進めないか、あるいは小池知事個人として2期目の退職金をどう考えるか伺う。

回答
都は、退職手当について、社会・経済情勢の推移、国や他の自治体の動向等を総合的に勘案しつつ、これまでも数次にわたり支給率を見直してきており、今後も適切に対応していきます。 

質問事項
五の10 条例による罰則について
ア 都条例において罰則規定を置くものはどのようなものがあるか、概要を伺う。適用件数についても、近年のものを行政刑罰・秩序罰の別に伺う。

回答
都条例において罰則規定を置くものの例として、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」における不当な客引行為等の禁止に違反した者に対して科される行政刑罰や、「東京都受動喫煙防止条例」における措置命令等に違反した場合などの行政上の秩序維持を目的に科される秩序罰があります。
令和元年の不当な客引行為等の禁止に係る検挙件数は459件、「東京都受動喫煙防止条例」における、令和2年4月に施行された措置命令等の違反に係る過料について、同年11月までの間に科された件数は0件です。

質問事項
五の10のイ 都民の自由や財産を奪う根拠となる罰則規定は慎重に制定運用されるべきだが、都独自の罰則規定は、いかなる考え方により制定されるのか、罪刑法定主義の観点を踏まえて、伺う。

回答
地方自治法第14条第3項では、普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、罰則を科する旨の規定を設けることができるとされています。
罰則を設けるに当たっては、処罰の対象となる行為の範囲が明確に規定されていなければならないとされています。

質問事項
五の10のウ 刑事手続きの根拠となる罰則規定には、どのような要素が盛り込まれなければならないのか、伺う。

回答
罰則を設けるに当たっては、処罰の対象となる行為の範囲が明確に規定されていなければならないとされています。

質問事項
五の10のエ 罰則規定と上位法との関係性を伺う。

回答
普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、当該地方公共団体の事務に関し、条例を制定することができ、また、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、罰則規定を設けることができるとされています。
判例によれば、ある条例が法令に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによって決しなければならないとされています。
特定の事項について規律する国の法令と条例が併存する場合であっても、条例が法令とは別の目的に基づく規律を意図しているものであり、その適用によって法令の規定の意図する目的と効果を何ら阻害することがないときは、当該条例は違法とはなりません。

質問事項
五の10のオ 条例による罰則規定が違憲・違法とされた例を伺う。

回答
条例による罰則規定が違憲・違法とされた判例は、把握していません。

質問事項
五の10のカ 都が条例に罰則を盛り込む際には、取り締まり当局との連携・協力・協議はどのようになされるのか、期間はどの程度要しているのか、具体的に手順を踏まえて、伺う。

回答
罰則の構成要件が不明確で検察官が公訴を提起できないような事態を回避する必要があるため、都では、条例の制定又は改正により懲役、罰金等の行政刑罰規定を設けるに当たっては、事前に東京地方検察庁と協議することとしています。

質問事項
五の10のキ 都民ファーストの会東京都議団が公表した、東京都新型コロナウイルス感染症対策強化に関する特別措置条例(案)と東京都新型コロナウイルス感染症対策条例改正案につき、都の見解を伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症との闘いが長期化する中、感染の拡大も見据え、対策の実効性をより高めるため、令和2年第三回定例会で東京都新型コロナウイルス感染症対策条例を改正し、患者等は入院や宿泊療養施設への入所等を行うこと、都民は必要な検査を受けることなどが努力義務であることを明記しました。
また、都の責務として、医療提供体制の確保、療養環境の整備、検査体制の整備などを定めました。
都議会各会派の提案等については、都議会で御審議いただくものと考えています。

質問事項
五の11 豊洲市場の責任問題について
ア 集団感染問題をどう収束させていくのか、経済支援策をどうするのか、築地市場跡地はどうされるのか、所見を伺う。

回答
豊洲市場における新型コロナウイルス感染症の陽性者については、10月下旬から11月中旬にかけて複数の陽性者が確認されましたが、場内の巡回指導によりマスク着用など感染防止対策の徹底を図ったことや、保健所の助言等に基づき、業界団体が自主検査などの感染拡大防止に取り組んできた結果、12月初旬には陽性者の確認数は大きく減少しています。
都は、引き続き保健所等とも連携しながら、市場関係者とともに感染拡大防止に向けて取り組み、また、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えようとする意欲ある市場業者の取組を中央卸売市場活性化支援事業により支援していきます。
築地市場跡地については、平成29年6月の基本方針公表後、市場移転に関する関係局長会議で築地の再開発に向けた検討を行うこととしました。有識者会議により提言された築地まちづくりの大きな視点を踏まえ、庁内で築地再開発の検討を進め、関係局長会議での議論を経て、平成31年3月に築地まちづくり方針を策定しました。
この方針に沿って、事業実施方針や事業者募集要項を作成、公表していきます。

質問事項
五の11のイ 「今後進められる築地市場跡地の再開発の中に食文化の要素も取り入れる」といった詭弁はもはや通用しない厳しい現実が今ここにある。基本方針には、「築地でセリを行う」と明記されているが、この点に関して都民に虚偽と思われないためにも、現時点の説明を求める。

回答
平成29年6月に基本方針で示したものは、豊洲と築地の両方を活かすということを趣旨とする大きな方向性であり、日本の中核市場としての可能性を持つ豊洲と、都心に近く様々なポテンシャルを有する築地の両方を活かすということで、東京全体の価値を高めていくというものです。
その中で、築地の食に根差した歴史やポテンシャルなどを踏まえ、貴重な都民の財産である築地市場の跡地は生かすべきということを述べたものであり、こうした基本方針、方向性については変わっていません。
この基本方針を都としての具体の取組につなげていくために、築地の再開発に向けた検討を行うこととし、有識者会議により提言された築地まちづくりの大きな視点を踏まえ、都として築地再開発の将来像や方向性などを示したものが平成31年3月に策定した築地まちづくり方針であり、食文化など歴史的、文化的ストックを十分に生かし、国際的な交流拠点の形成に必要となる機能を導入することとしています。
民間事業者からの提案も受けながら、まちづくりを具体化していく中で、食に関する機能についても、形態は様々なものがあり得ると考えられますが、築地まちづくり方針に沿って、具体的な機能が実現されると考えています。

質問事項
五の11のウ 知事は「当該書籍は読んでおりません」と答弁されているが、市場関係者への贖罪の思いを込め改めて『築地と豊洲』を読まれるべきではないかと考えるが、見解を伺う。

回答
第三回都議会定例会文書質問に回答したとおり、当該書籍は読んでおりません。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 山内れい子
質問事項
一 福祉施設のPCR検査について
二 有機フッ素化合物による水質汚染について
三 建設キャリアアップシステム(CCUS)について

一 福祉施設のPCR検査について
新型コロナウイルス感染症が広がり、重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある人たちへの感染を防ぐ必要があります。都議会生活者ネットワークは、医療従事者をはじめ福祉施設で働く人のPCR検査を進めるよう要望してきました。新たなウイルスへの対策は、手探りで始まり、その時点で明らかになったウイルスの特徴や市民からの要望を受けて、少しずつ変化してきました。PCR検査についても検査体制と対象者を広げてきています。しかし、国や都は次々と助成金や補助金を打ち出したため制度が複雑になり、補助金の対象範囲と時期やお金の出所など、自治体にとっても事業者にとっても非常にわかりにくくなっています。
1 高齢者、障がい者の入所、通所それぞれの施設が、介護従事者の自主的なPCR検査を実施する場合、どのような支援を行っているのか伺います。
2 訪問介護事業所の場合は、どうなのか伺います。
3 都が出したパンフレットやホームページでは、訪問介護事業所のPCR検査費用について明記されておらず、これらの補助金について、情報がきちんと届いているのか心配しています。各事業所への周知はどのように実施しているのか伺います。

二 有機フッ素化合物による水質汚染について
有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)が高濃度で検出された水道水源井戸の給水地域の住民の血液を調べたところ、PFOSが全国平均の1.5倍から2倍の濃度だったことが10月に報道されました。この報道を受け、給水地域にあたる国分寺市と府中市を中心に、多摩地域では不安が広がっています。有機フッ素化合物は、泡消火剤やフライパンの表面加工、撥水剤などに幅広く使われていますが、分解されにくく体内に蓄積されガンなどの発症リスクが指摘されています。日本ではこれまで何の対策も取られていませんでしたが、厚生労働省はようやく今年4月から、PFOS、PFOA合算で1リットルあたり50ナノグラムという暫定目標値を適用しています。また環境省でも5月に、河川や地下水の暫定目標値を1リットルあたり50ナノグラムと定めました。
1 水道水の検出状況については、ホームページで公表されるようになりました。今年4月からはくわしく検査しているようですが、検査のしかたについて昨年度までとの違いを伺います。
2 取水を停止した水源井戸について、浄水所別の本数を伺います。
3 取水停止井戸についても検査するとともに、汚染拡大防止のために揚水を継続、汚染除去と活用を図るべきと考えますが、見解を伺います。
4 福祉保健局では多摩地域の飲用井戸等について検査していると聞いています。これまでの検査結果および今後検査をどのように実施していくのか伺います。
5 環境省も暫定目標値を示したことから、河川や地下水、湧水の継続的な検査が必要だと考えます。環境局がこれまで実施してきた河川や地下水などの検査結果および今後検査をどのように実施していくのか伺います。
6 PFOSおよびPFOAについては製造や使用について規制が始まっており、それに伴い代替の有機フッ素化合物が使われています。最近増えているPFHxSについても検査すべきと考えますが、水道水、飲用井戸、河川等についてそれぞれ見解を伺います。
7 有機フッ素化合物による水質汚染について原因究明を行っていく必要があります。汚染源を特定するために、どのようなことを実施しているのか伺います。

三 建設キャリアアップシステム(CCUS)について
技能者一人ひとりの就業実績や資格を登録し、技能の公正な評価、工事の品質向上、現場の効率化を図り、建設労働者の処遇改善、産業界の魅力につながることを目的として、2019年4月1日から建設キャリアアップシステム(CCUS)が稼働しました。この事業は、国土交通省や厚生労働省、日建連、全建総連が官民一体、労使共同で取り組んでいるときいています。建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録状況は、2020年11月30日現在、技能者数が全国で421,075、東京都で44,673、事業者数が全国で80,263、東京都で10,429と、昨年の12月31日現在と比べて約2.5倍に増えています。
そこで、以下について伺います。
1 2020年4月以降、経営事項審査において、建設キャリアアップシステム(CCUS)登録事業者等への評価・加点が制度化されたと聞いています。現状について伺います。
2 総合評価方式等における建設キャリアアップシステム(CCUS)登録事業者等への評価・加点の検討状況について伺います。
3 都発注工事現場でCCUSのカードリーダーの設置計画の策定とその徹底をしてほしいと要望が寄せられていますが、都の見解を伺います。
4 CCUSの普及促進が進んでいないため、東京都からも重要性をアピールしてほしいと要望が寄せられていますが、都の見解を伺います。

令和2年第四回都議会定例会
山内れい子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 福祉施設のPCR検査について
1 高齢者、障がい者の入所、通所それぞれの施設が、介護従事者の自主的なPCR検査を実施する場合、どのような支援を行っているのか伺う。

回答
高齢者や障害者は新型コロナウイルス感染症にり患すると重症化するリスクが高いことから、都は、感染者が発生した場合に影響が大きい特別養護老人ホームや障害者支援施設等の広域的な入所施設を対象に、令和2年10月から、介護従事者や新規入所者等へのPCR検査費用など、感染症対策を徹底した上でサービスを提供するために必要な、平時には想定されない「かかり増し経費」を補助しています。
また、定員29名以下の小規模な特別養護老人ホームや重度障害者の通所施設等については、同月から、区市町村と共同で地域の感染拡大防止対策を推進する事業で必要な経費への支援を実施しています。

質問事項
一の2 訪問介護事業所の場合は、どうなのか伺う。

回答
都は、国の制度を活用して実施している新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業により、訪問介護を含む全ての介護サービス事業所・施設や障害福祉サービス事業所・施設を対象に、感染防止のための衛生用品の購入や人員の増配置に要する経費等、平時には想定されない「かかり増し経費」を支援しており、令和2年7月から交付申請を受け付けています。
本事業では、介護従事者や新規利用希望者等へのPCR検査費用も補助対象としています。

質問事項
一の3 都が出したパンフレットやホームページでは、訪問介護事業所のPCR検査費用について明記されておらず、これらの補助金について、情報がきちんと届いているのか心配している。各事業所への周知はどのように実施しているのか、伺う。

回答
都は、高齢者施設等へのPCR検査費用等の補助対象となる全ての施設等に、高齢者施設における新型コロナウイルス感染症対策強化事業等や新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の内容を記載したパンフレット等を送付するとともに、関係団体を通じた説明、メールやホームページでの周知を行っています。
また、令和2年10月に区市町村の実務担当者を対象とした説明会を開催し、区市町村との共同による感染拡大防止対策事業の概要、手続等の周知を図りました。
なお、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業については、専用のコールセンターも設置し、職員等へのPCR検査費用を補助対象とすることの可否や、詳細な申請方法など、様々な相談に丁寧に対応しています。

質問事項
二 有機フッ素化合物による水質汚染について
1 水道水の検出状況については、ホームページで公表されるようになった。今年4月からはくわしく検査しているようだが、検査のしかたについて昨年度までとの違いを伺う。

回答
有機フッ素化合物であるペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)については、令和元年度まで、配水量の多い10か所の浄水場や浄水所の原水や浄水などを対象として、おおむね年1回、その他の浄水所において1年から3年に1回実施していました。
令和2年4月、国の通知によりPFOS及びPFOAが水質管理目標設定項目となったことから、令和2年度は、都独自の検査方法から国の定める検査方法に変更するとともに、全ての浄水場等の原水や浄水などを対象として、年4回実施しており、さらに検査結果に応じて、頻度を高めて実施しています。
なお、水質管理の目標値は、令和元年度は、都独自に、その当時世界の国々の中で最も厳しい目標値であった米国の健康勧告値を参考に、1リットル当たり70ナノグラムとしていたのに対し、令和2年度は、国が設定した暫定目標値である1リットル当たり50ナノグラムとなっています。

質問事項
二の2 取水を停止した水源井戸について、浄水所別の本数を伺う。

回答
有機フッ素化合物の検出により取水を停止した水源井戸は、立川市の立川栄町浄水所の2本、府中市の府中武蔵台浄水所の4本、若松浄水所の3本、国分寺市の東恋ヶ窪浄水所の3本、北町第二浄水所の2本、国立市の国立中浄水所の1本、調布市の上石原浄水所の1本、小平市の小川浄水所の3本、合計19本です。

質問事項
二の3 取水停止井戸についても検査するとともに、汚染拡大防止のために揚水を継続、汚染除去と活用を図るべきと考えるが、見解を伺う。

回答
有機フッ素化合物の検出により取水を停止している水源井戸については、汚染物質除去の可否や除去設備の設置に要する費用対効果を検証し、井戸の取水再開や統廃合を検討していくこととしています。

質問事項
二の4 福祉保健局では多摩地域の飲用井戸等について検査していると聞いている。これまでの検査結果および今後検査をどのように実施していくのか伺う。

回答
PFOS及びPFOAについて、国は、令和2年4月から水質管理上留意すべき項目である「水質管理目標設定項目」に位置付け、2物質合わせて1リットル当たり50ナノグラムを暫定目標値として設定しました。都は、全ての飲用井戸等の設置者に対し、その趣旨を説明するとともに注意喚起を行っています。
水道法等の規制対象とならない飲用井戸等の水質検査は、井戸等の設置者の責任で行う必要がありますが、都は、多摩地域の飲用井戸等の水質を把握し、必要に応じ設置者への衛生管理上の助言を行うため、設置者の協力の下に水質検査を実施しています。
平成19年度から令和元年度までの間、暫定目標値とともに新たに示された分析方法とは異なる方法ですが、多摩地域の飲用井戸等の水に含まれるPFOS及びPFOAについて、延べ848検体の検査を実施しており、暫定目標値に照らした場合、延べ139検体が暫定目標値を超過していました。
また、令和2年4月以降、新たに示された分析方法により97検体を検査した結果、22検体が暫定目標値を超過していました。
飲用井戸等の設置者に対しては、検査結果を通知するとともに、暫定目標値を超えていた場合には、飲用を控えるよう助言等を行っています。
飲用井戸等の水質検査については、引き続き年間約80検体の検査を実施する予定です。

質問事項
二の5 環境省も暫定目標値を示したことから、河川や地下水、湧水の継続的な検査が必要だと考える。環境局がこれまで実施してきた河川や地下水などの検査結果および今後検査をどのように実施していくのか伺う。

回答
河川に関しては、平成17年度及び21年度に、東京都環境科学研究所が多摩川の日野橋など4地点で、PFOS及びPFOA等の測定を実施しました。その結果、日野橋ではPFOS及びPFOAの合算値が1リットル当たり135ナノグラムから15ナノグラムに減少しました。関戸橋及び多摩川原橋においても同様の傾向でした。永田橋では検出されませんでした。
地下水に関しては、平成22年度から25年度までにかけて、同研究所が島しょを除く都内の237地点で測定を実施しました。その結果、全ての区市で検出され、PFOS及びPFOAの合算値が1リットル当たり50ナノグラムを超過したのは28地点でした。また、その調査で合算値が70ナノグラムを超えていた地点のうち、採水可能な16地点で、令和元年度に国及び都が測定した結果、暫定目標値を超過した地点は15地点でした。
湧水に関しては、平成22年度から23年度までにかけて、同研究所が都内の43地点で測定した結果、合算値が50ナノグラムを超過したのは2地点でした。
今後は、PFOS及びPFOAが公共用水域や地下水に係る要監視項目となったことを踏まえ、河川や地下水の測定を計画的に実施する予定です。

質問事項
二の6 PFOSおよびPFOAについては製造や使用について規制が始まっており、それに伴い代替の有機フッ素化合物が使われている。最近増えているPFHxSについても検査すべきと考えるが、水道水、飲用井戸、河川等についてそれぞれ見解を伺う。

回答
水道水のペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)は、国の通知に基づく水質管理目標設定項目や、必要な情報収集等に努めていくべきとされる要検討項目に位置付けられていないため、引き続き、国の調査研究など国の動向を注視していきます。
飲用井戸等についても、今後の国の動向を注視し、各設置者に対し情報提供を行うとともに、必要に応じて助言を行っていきます。
河川等については、環境省は、令和2年5月にPFOS及びPFOAについて、要監視項目に新たに追加したことから、都はモニタリングを開始しました。PFHxSについては、現在、要監視項目等に位置付けられていないことから、国の動向を注視していきます。

質問事項
二の7 有機フッ素化合物による水質汚染について原因究明を行っていく必要がある。汚染源を特定するために、どのようなことを実施しているのか伺う。

回答
PFOS及びPFOAは、半導体製造や撥水加工の原料等、様々な用途で幅広く使用されてきました。また、都内では、全ての区市において地下水から検出されている状況であり、その原因を特定することは困難です。
PFOS及びPFOAは、令和2年5月に、現時点では直ちに環境基準健康項目とせず、引き続き知見の集積に努めるべきと判断される要監視項目に追加されました。これを踏まえ、都は、過去の調査結果等を参考にしながら、計画的に都内全域を対象とした、公共用水域である河川や、地下水の水質測定を実施していきます。

質問事項
三 建設キャリアアップシステム(CCUS)について
1 2020年4月以降、経営事項審査において、建設キャリアアップシステム登録事業者等への評価・加点が制度化されたと聞いている。現状について伺う。

回答
経営事項審査は、国が定めた審査基準に基づいて、各許可行政庁が評価を行うこととなっています。
経営事項審査の審査基準には、従前から、優れた技術職員を雇用する事業者を評価する項目が設定されていますが、令和2年4月1日に審査基準の一部改正が行われ、建設キャリアアップシステムレベル4技能者及び同レベル3技能者についても評点が付与されることとなりました。
都においては、この改正内容について周知を図るとともに、経営事項審査において確認をしています。

質問事項
三の2 総合評価方式等における建設キャリアアップシステム登録事業者等への評価・加点の検討状況について伺う。

回答
国や事業者団体等が進めている建設キャリアアップシステムは、普及率がいまだ低水準であり、契約制度での対応に当たっては、引き続き、状況等を注視していきます。

質問事項
三の3 都発注工事現場でCCUSのカードリーダーの設置計画の策定とその徹底をしてほしいと要望が寄せられているが、見解を伺う。

回答
現時点においては、建設キャリアアップシステムの運営等の課題について、関係者間での調整が継続されていることから、今後も事業者団体の声を聴きつつ、国の動向や都内建設事業者等の合意形成の進展などについて注視していきます。

質問事項
三の4 CCUSの普及促進が進んでいないため、都からも重要性をアピールしてほしいと要望が寄せられているが、見解を伺う。

回答
都では、令和2年3月に策定した「東京都建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する計画」に建設キャリアアップシステムの活用推進を位置付け、ホームページへの掲載やリーフレットの送付などにより周知に努めています。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 斉藤れいな
質問事項
一 DV被害者支援について
二 ひとり親支援について
三 はあとについて
四 LINEチャットボット「妊娠したかも相談@東京」開設について
五 児童虐待を防止するためのLINE相談について
六 アートにエールを!事業について

一 DV被害者支援について
外出自粛が推奨される中、家庭内などでDVを受ける人が多く増えていると言われており、電話をかけることが難しい状況でもLINEで相談ができる体制を東京都が試行実施したことは重要である。
1 東京都の行った配偶者やパートナーからの暴力被害に関するLINE相談、実績はどれほどあり、相談者の世代構成はどうだったか?
2 周知はどのように行ったか?また、今後は世代をさらに広げて周知を行うべきと考えるが、今後の方向性を伺う。
3 相談を実際に支援などにつなげられた例がどれほどあったか、本事業の成果を伺う。

二 ひとり親支援について
日本の子どもの貧困率は13.5%で、先進国の中でも大変高く、またこのうちの半数がひとり親家庭であると言われている。困窮するひとり親の状況はコロナ禍においてさらに長期化する恐れもあり、一時的な給付などのみならず、就労支援や生活支援など、必要な支援に継続的につないでいけるよう取り組む必要がある。
新型コロナ感染症の拡大により経済的に困窮するひとり親家庭の生活の安定を図るため行ったひとり親家庭支援事業について、食料品等の提供に加えて、さらにお困りごとなどを把握し今後様々な相談窓口や支援につなげてゆくことが必要と考えるが、取り組みを伺う。

三 はあとについて
東京都ひとり親家庭支援センターはあとで行っている面会交流支援について伺う。
面会交流支援について、対象が双方が面会交流に同意している方となっているが、同意が得られない方への支援を行うことについて、現在都として行っている取り組みを伺う。

四 LINEチャットボット「妊娠したかも相談@東京」開設について
コロナ禍において、望まない妊娠や、予期せぬ妊娠など性にまつわる悩み事の相談が増えていることや、特に10代の若年女性からの相談が増えているという報道がある。悩みを持つ当事者が相談窓口につながれるよう広く周知を行うことや、その手前の段階で適切な情報を紹介できる取り組みは重要と考える。
都は、LINEを活用し、チャットボット形式で相談に応じる「妊娠したかも相談@東京」を11月に開設した。
若い世代への活用を促すため、どのように周知しているのか伺う。

五 児童虐待を防止するためのLINE相談について
児童虐待の防止には、よりアクセスしやすい相談窓口を設置することが効果的であり、子供やその保護者にとって身近であるLINEを活用した相談は、効果的な手法の一つであると考える。
都では、平成30年度の試行実施を経て、令和元年度から、LINEを活用した児童虐待防止のための相談事業である「子ゴコロ・親ゴコロ相談@東京」を本格実施している。本来は児童本人からのSOSや相談がつながる窓口ともなれる仕組みとは思われるが、実際に児童本人からの相談が限定的である場合、児童が相談しやすい窓口のあり方を検討して行かねばならないと考える。そこで、
1 「児童虐待を防止するためのLINE相談」を活用して相談する方は、子供本人の他、保護者等が考えられるが、実際に相談している方について、子供との関係を伺う。
2 児童虐待は、家庭内で起きることから、発覚しにくく、潜在化しやすい傾向がある。児童虐待を顕在化するためにも、子供本人からの相談を増やす必要があると考えるが、「児童虐待を防止するためのLINE相談」について、子供に対する周知方法を伺う。

六 アートにエールを!事業について
アートにエールを!事業については様々なアーティストや関係者が支援につながることができた一方で、緊急支援という事業の性格上、申請者の実績の評価や動画作品の審査を厳格に行う仕組みにはなっておらず、文化支援としては課題もあったと認識している。今後はアートにエールを!事業と同様の支援を継続するのではなく、既存の文化支援事業を活用するなどして広く文化活動継続の支援を行っていくべきであると考えるが、見解を伺う。

令和2年第四回都議会定例会
斉藤れいな議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 DV被害者支援について
1 都の行った配偶者やパートナーからの暴力被害に関するLINE相談、実績はどれほどあり、相談者の世代構成はどうだったか伺う。

回答
都は、LINEを活用した配偶者等暴力相談を、令和2年8月18日から同年9月17日までの1か月間試行実施しました。
配偶者等暴力に関する相談は203件であり、相談者の年代は、30歳代が約54パーセントと最も多く、次いで40歳代、20歳代でした。

質問事項
一の2 周知はどのように行ったか。また、今後は世代をさらに広げて周知を行うべきと考えるが、今後の方向性を伺う。

回答
LINE相談の周知については、試行の対象としている10代から30代までの女性向けにターゲティング手法を活用したLINE広告を実施したほか、ホームページやツイッター、フェイスブックにより広く周知しました。
引き続き本格実施に向け検討していきます。

質問事項
一の3 相談を実際に支援などにつなげられた例がどれほどあったか、本事業の成果を伺う。

回答
LINE相談で受けた配偶者等暴力に関する相談については、相談者の意向や相談内容に応じて、東京ウィメンズプラザの電話相談等につなげ、具体的な支援を行いました。
試行実施後には、友だち登録者・相談者の傾向、相談件数や内容等について検証を行いました。
LINE相談により、これまで電話相談につながりにくかった若年層を取り込むことができました。

質問事項
二 ひとり親家庭支援事業について、食料品等の提供に加えて、さらに困りごとなどを把握し今後様々な相談窓口や支援につなげてゆくことが必要と考えるが、取り組みを伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への緊急対策の一環として、児童扶養手当を受給しているひとり親家庭等を対象に食料品など生活に必要な物品を入手できるようカタログを作成し、区市町村を通じて配布しています。
このカタログでは、ひとり親家庭等を状況に応じて必要な支援につなげるため、ひとり親家庭支援センターで行っている生活相談や就業相談、養育費相談等の事業を紹介しています。

質問事項
三 東京都ひとり親家庭支援センターはあとで行っている面会交流支援について、対象が双方が面会交流に同意している方となっているが、同意が得られない方への支援を行うことについて、取り組みを伺う。

回答
都は、子供が安心して親と円滑に交流できるよう、ひとり親家庭支援センターで、面会交流支援事業を実施しています。
お尋ねの面会交流の同意が得られていない方からの相談に対しては、離婚前後の法律相談において、家事事件に精通している弁護士が専門的な助言を行っています。
また、令和2年度からは、新たに開設したひとり親家庭向けのポータルサイトで、面会交流の重要性等について啓発を行っているほか、離婚前から面会交流の意義などについて学ぶ講習会も実施することとしています。

質問事項
四 都は、LINEを活用し、チャットボット形式で相談に応じる「妊娠したかも相談@東京」を11月に開設した。若い世代への活用を促すため、どのように周知しているのか伺う。

回答
都は、若い世代が気軽に妊娠や避妊に関する相談ができるよう、LINEを活用し、24時間365日、チャットボット形式で問合せに対応する「妊娠したかも相談@東京」を実施しています。
このLINE相談を広く周知するため、相談対応時間や利用する際の登録用QRコード等をホームページに掲載するとともに、PR用カードを作成し、保健所・保健センターや福祉事務所、医療機関に加え、都内の大学、ネットカフェ等に配布しています。

質問事項
五 児童虐待を防止するためのLINE相談について
1 「児童虐待を防止するためのLINE相談」を活用して相談する方は、子供本人の他、保護者等が考えられるが、実際に相談している方について、子供との関係を伺う。

回答
令和元年8月に開始した児童虐待防止のためのLINE相談の令和元年度の相談件数は4,878件でした。相談者の内訳は、保護者が3,155件、子供本人が882件、子供の親族が14件、近隣住民等その他の者が45件、子供との関係について不明の者が782件となっています。 

質問事項
五の2 児童虐待は、家庭内で起きることから、発覚しにくく、潜在化しやすい傾向がある。児童虐待を顕在化するためにも、子供本人からの相談を増やす必要があると考えるが、「児童虐待を防止するためのLINE相談」について、子供に対する周知方法を伺う。

回答
都は、児童虐待防止のためのLINE相談を広く周知するため、相談対応時間や利用する際の登録用QRコード等をホームページに掲載しています。
また、PR用カードを作成し、教育委員会や学校等の協力を得て、都内全ての小学4年生、中学1年生、高校1年生を対象に毎年配布するとともに、児童館や学童クラブなどにも配布しています。

質問事項
六 アートにエールを!事業については、申請者の実績の評価や動画作品の審査を厳格に行う仕組みにはなっておらず、文化支援としては課題もあったと認識している。今後は同様の支援を継続するのではなく、既存の文化支援事業を活用するなどして広く文化活動継続の支援を行っていくべきであると考えるが、見解を伺う。

回答
「アートにエールを!東京プロジェクト」の個人型においては、個人登録時にアーティストやスタッフの参加資格を確認したほか、外部の専門家を含む委員による企画の審査も実施するなど、事業の適正な運営の確保を図りました。
また、都はこれまでも、東京の芸術文化の魅力を世界に発信する創造活動を支援するため、発信力のある活動を行うアーティストや団体等に対する様々な助成事業を実施してきており、引き続きこうした支援を行っていきます。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 宮瀬英治
質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策について
二 行方不明の子どもについて
三 NPOの活動促進について
四 受動喫煙防止について
五 都立公園におけるスポーツ施設の貸出しについて
六 ひきこもり問題を抱えるご家族の支援について
七 東京大改革について
八 板橋区内の都の取組について

一 新型コロナウイルス感染症対策について
1 国が行うGo to トラベルと全国で最も多い都内コロナ感染状況についての因果関係を都はどのように認識しているのか伺う。さらには東京都版のGo to トラベルの現状を伺うとともに、費用検証と効果について伺う。その上で都内感染者が過去最大数を更新し続けていることから、Go to トラベルを一旦中止し、コロナ感染状況が終息するまで延期するよう国に強く要望すべきと考えるが都の見解を伺う。
2 厚労省は人工呼吸器装着、人工心肺装置(ECMO)の使用、集中治療室(ICU)などに入室のいずれかに当てはまる患者を「重症者」としてカウントするように指示をしているが、都が集中治療室に入室していない患者を都の重症者の定義から外している理由について伺う。また発表する際には都と国の基準による重症者数を同じ扱いで都民に明らかにすべきと考えるが見解を伺う。
3 豊洲新市場においてコロナ感染者が多く発生しているとの報道がなされているが、現状とその対策について伺うとともに、都がクラスターが発生したと認定していない理由およびクラスターの認定定義について伺う。
4 障がい者が通所施設に通うため毎日利用している通所バスがあるが、板橋区においてその中でクラスターが発生し多くの障がい者やその家族が感染した。保護者からは「医療的ケアが必要な障がい者も多くいることから、運転席にアクリル板を設置するなど対策を徹底してほしい」などの声が聞かれた。そのことから都として障がい者が利用するバスに対して早急な予算措置を行うとともに、対策の徹底を促すべきと考えるが見解を伺う。同時に都立特別支援学校においても多くの障がい児童がスクールバスを利用していることから、その感染防止対策は急務である。都立特別支援学校等のスクールバスにおける感染状況やアクリル板の設置率を伺うとともに、その対策をさらに強化すべきと考えるが見解を伺う。
5 これまでコロナの感染疑いのある人が正当な理由なくPCR検査を拒否した件数や現状、その対策について伺う。またそのような場合を想定し都はすでに条例によって努力義務を都民に課しているが、都が過料(罰則)を設けなかった理由について伺う。さらには事業者が一定人数以上の感染者を出したと証明することは可能か伺う。
6 コロナに打ち勝つためにはワクチンの存在が欠かせないが、都民の関心事は接種がいつから行われいつまでにいきわたるのか、希望する都民全てが接種できるのかということである。加えて副作用への懸念がぬぐえない。都の認識を伺うとともに国に対してどのような要求をしているのか伺う。また都の予算1億をかけたワクチン研究のための成果について伺う。
7 感染を心配する一部の都民は自由診療によって民間や医療機関が行うPCR検査を受けているが、その結果を都や保健所は正確に把握していないと報道がなされている。コロナ対策を行う上でも正確な状況把握は急務である。早急に改善すべきであるが、都の現状や取組について伺うとともに、改めて自由診療について都が補助をすべきと考えるが見解を伺う。
8 感染拡大防止徹底ステッカーを都は飲食店等に掲示するよう求めて、時短営業をお願いしている。それにともない協力金を支給しているが、現場における闇営業や感染防止対策はどのようなチェック体制になっているのか伺う。
9 コロナ禍において年末年始をどう凌ぐのかは生活困窮者にとって大きな問題である。NPO等によって都庁前において食料品を提供する活動が行われているが、貧困者に対するNPOの役割について都はどのように認識しているのか伺う。さらには現在、その提供場所にはカラーコーンが置かれているがその理由を伺う。

二 行方不明の子どもについて
1 行方不明となっている子どもの人数の推移と発見率、さらには最終的に見つからなかった子どもの人数はどれほどなのか合わせて警視庁に伺う。
2 平成31年3月28日付で「児童虐待が疑われる事案に係る緊急点検」が公表されたが、この調査により都内の子どもに対する虐待等が判明した総数について伺う。

三 NPOの活動促進について
現在、NPOの認定申請の審査に6ヶ月近くかかっているとの不満の声が聞かれる。現在、認定申請の審査期間および6か月間かかっている理由を伺うとともに、3ヶ月の法定期間である新設の認証と比べ時間がかかり過ぎていることから改善すべきと考えるが、見解を伺う。

四 受動喫煙防止について
受動喫煙防止条例が施行してから8か月が経とうとしているが、各所における受動喫煙による被害の相談が私宛に多く寄せられる。4月からの施行後どのようにその実効性を担保し、チェックを行っているのか伺うとともに、実際にこれまで罰則が科せられた件数について伺う。また公衆喫煙所の整備が欠かせないが状況について伺う。

五 都立公園におけるスポーツ施設の貸出しについて
現在都立公園では野球場など様々な屋外施設の貸出しを行っているが、休日などは申し込みが殺到し都民にとって大変人気のある取組である。しかし前日の雨等により当日グラウンドが使えないとの判断が前日なされる場合があるが、実際は翌日の午後は晴天等の理由によりグラウンド等が貸出し可能な場合もあるにもかかわらず貸出し中止となっている場合がある。現場での確認の有無などの方針を含め都としてどのような見解か伺う。

六 ひきこもり問題を抱えるご家族の支援について
都はこれまでひきこもり訪問相談の対象を義務教育終了後15歳からおおむね34歳までとしてきたが、令和元年度からはこのおおむね34歳までという制限をなくし訪問相談を受付けることになった。しかし令和2年度のパンフレットでは年齢制限をなくした記載がなく、とりわけ就労に関しては地域若者サポートステーションは「15歳から49歳くらいまでの若者の皆さんが就労に向かえるよう、多様なサービスで支援します」とあり就労については年齢制限があるのが実態である。見解を伺う。

七 東京大改革について
1 都職員OBが再就職をした際の届出義務は最初の1団体目の再就職に限るのか伺うとともに、届け出期間を退職後2年間とした根拠について伺う。
2 都知事に新たに就任した小池知事によって外部による公益通報制度が創設されたが、本制度に通報された件数の推移を旧制度の通報件数と合わせて伺う。また通報があった場合、弁護士事務所や総務局を経由するが、それぞれどのような役割を果たしているのか、また弁護士や総務局が調査をした実績や局による調査が不十分とした実績があるのか伺う。
3 小池知事は都職員が都議主催のパーティーに参加することを自粛するよう職員に対して通達したが、実際に参加した件数はゼロ件か、また副知事等が参加した実績があるのか合わせて伺う。
4 小池知事が実施した各種団体のヒアリングのうち、今年度予算をつけている団体はいくつあり、今年は全部でいくつの団体とヒアリングを行っているのか伺う。
5 東京都が行う全契約のうち特命随意契約の割合を占める件数及び金額割合の推移を過去5年分伺う。さらにはそのうち政策連携団体等の契約が占める割合を伺う。
6 東京大改革を都民に理解してもらうためには知事による記者会見は大変重要である。その際に知事と記者による質疑応答が行われているが、知事が質問者を指名した具体的な社名とその指名回数を一覧で伺う。

八 板橋区内の都の取組について
1 都営地下鉄三田線のトイレのグレードアップや洋式化の整備状況について伺う。また既に3年前から予算が組まれていた蓮根駅では工事が滞り、新板橋駅などはいまだ整備が進められていない。早急に進めるべきと考えるが、現状とともに見解を伺う。
2 都道高島通りを跨る高島平駅周辺の歩道橋は老朽化も著しい。歩道橋フェンスも低く歩行すると縦揺れを感じることから大変危険である。早急に対応すべきと考えるが見解を伺う。また西高島平駅側の歩道橋においても自転車が猛スピードで駆け下りてくることから住民からは対策を求める声が多い。国に対する要望含め早急に対策を講じるべきと考えるが見解を伺う。
3 例えば西高島平駅周辺は都市開発も行われず長年寂しい状況が続いており、地域の活性化が必要である。西高島平駅周辺も含めた高島平地域グランドデザインを踏まえ、区からの都への要望や都の取組など現状を伺う。
4 1月からコロナによる感染が広がり既に一年近くが経とうとしているが、いまだに板橋区の学校では一人一台端末が実現されていない。都として早急に区市町村に端末の整備を働き掛けるべきと考えるが、見解を伺う。
5 羽田飛行新ルートによる飛行開始に伴い、板橋区上空を飛行機が頻繁に飛んでいるが騒音や落下物への懸念がぬぐえない。その不安に都は真摯に応えるべきと考えるが見解を伺う。さらにはコロナによる影響で予定よりどの程度減便となったのか、また騒音等は実際にはどの程度なのか現状値について伺うとともに、結果によっては私は固定化回避および見直しを図るべきと考えるが都の見解を伺う。

令和2年第四回都議会定例会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策について
1 国が行うGo to トラベルと全国で最も多い都内コロナ感染状況についての因果関係を都はどのように認識しているのか伺う。さらには東京都版のGo to トラベルの現状を伺うとともに、費用検証と効果について伺う。その上で都内感染者が過去最大数を更新し続けていることから、Go to トラベルを一旦中止し、コロナ感染状況が終息するまで延期するよう国に強く要望すべきと考えるが見解を伺う。

回答
GoToトラベルについては、国の専門家の会議において、「GoToトラベル事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは現在のところ存在しない」との見解が示されています。
都内観光促進事業「もっとTokyo」は、令和2年10月23日から販売を開始し、11月28日から出発する旅行の新規予約及び12月18日から出発する予約済みの旅行の利用について、一時停止しています。販売状況等については、今後、登録事業者からの販売実績の報告を受けて把握していきます。
また、令和2年12月13日にGoToトラベル事業の利用の一時停止や利用の自粛の呼びかけについて、都内全域を対象にすることなどを国に要請しました。国はこうした都の要請等を踏まえ、全国一斉に本事業の適用の一時停止を決定しました。

質問事項
一の2 厚労省は人工呼吸器装着、人工心肺装置の使用、集中治療室などに入室のいずれかに当てはまる患者を「重症者」としてカウントするように指示をしているが、都が集中治療室に入室していない患者を都の重症者の定義から外している理由について伺う。また発表する際には都と国の基準による重症者数を同じ扱いで都民に明らかにすべきと考えるが見解を伺う。

回答
都では、集中治療室に入室している患者の全てが必ずしも重症ではないこと、人工呼吸管理下の重症患者が必ずしも集中治療室に入室していないこと、人工呼吸器やECMOの導入は、判断の差が出にくく基準が明確であり、現場の実態に即していることなどから、専門家の意見も踏まえ、人工呼吸器及びECMOによる管理が必要な患者の数を重症患者数として定義し、モニタリング指標として活用し、公表しています。
なお、国の基準に基づく重症者数についても、都の基準に基づく重症者数と併せて毎週公表しています。

質問事項
一の3 豊洲新市場においてコロナ感染者が多く発生しているとの報道がなされているが、現状とその対策について伺うとともに、都がクラスターが発生したと認定していない理由およびクラスターの認定定義について伺う。

回答
豊洲市場では、新型コロナウイルス感染症の感染者が令和2年8月に初めて確認されましたが、特に10月下旬から11月中旬にかけて、自主検査を除く業界からの申告等に基づく感染者が76名確認されました。
都としては、この事態を重く受け止め、巡回指導による感染防止対策の徹底と業界団体の自主検査による感染者の早期発見・対処を行ってきました。自主検査では3,111名の方が受検し、無症状者を含む陽性者が71名確認されましたが、12月初旬には感染者の確認数は大きく減少しています。
国立感染症研究所の「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」では、「患者クラスター(集団)」とは、連続的に集団発生を起こし(感染連鎖の継続)、大規模な集団発生(メガクラスター)につながりかねないと考えられる患者集団を指すとしています。
これまで豊洲市場を管轄する保健衛生当局からクラスター発生とは言われていません。

質問事項
一の4 障がい者が通所施設に通うため毎日利用している通所バスがあるが、その中でクラスターが発生し多くの障がい者やその家族が感染した。保護者からは運転席にアクリル板を設置するなど対策を徹底してほしいなどの声が聞かれた。障がい者が利用するバスに対して早急な予算措置を行うとともに、対策の徹底を促すべきと考えるが見解を伺う。同時に都立特別支援学校においても多くの障がい児童がスクールバスを利用していることから、その感染防止対策は急務である。都立特別支援学校のスクールバスにおける感染状況やアクリル板の設置率を伺うとともに、その対策をさらに強化すべきと考えるが見解を伺う。

回答
都は、国の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等を活用して、障害福祉サービス事業所等が感染症対策を徹底するための各種物品の購入経費等を補助しています。
また、事業所等での感染拡大防止のため、ホームページや事業者等へのメールで、送迎時の対応等の際の留意点を周知しており、今後も、事業所等が新型コロナウイルス感染症対策を徹底しながら、障害福祉サービスを継続して提供できるよう支援していきます。
都立特別支援学校のスクールバスは、学校の春季及び夏季休業期間中を除き、緊急事態宣言の発令に伴う都立学校の臨時休業期間も休まず運行していましたが、この間、保健所がスクールバス車内での感染を疑った例は1例のみです。また、運転席を仕切る防護スクリーンは、約2割のバスに設置しています。
スクールバスの感染防止策については、バス事業者に対し、乗務員の手洗い・咳エチケットの励行、バス車内の清掃と消毒、出発前及び到着後の換気を行う等、車両における感染症対策に係る取組を徹底するよう、従来から指導しています。
さらに、感染防止策を徹底する観点から、バスの形状に合わせた仕切りを座席の間に設置するなどの対策を行うこととしています。

質問事項
一の5 これまでコロナの感染疑いのある人が正当な理由なくPCR検査を拒否した件数や現状、その対策について伺う。またそのような場合を想定し都はすでに条例によって努力義務を都民に課しているが、都が過料を設けなかった理由について伺う。さらには事業者が一定人数以上の感染者を出したと証明することは可能か伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症に感染した疑いのある方が、保健所が実施するPCR検査を拒否した事例として、濃厚接触者として検査を受けるよう依頼したにもかかわらず、症状が無いことや、自宅待機・健康観察のみを行い様子を見ることを希望するなどの理由で、検査に応じない例があることは承知しています。検査が拒まれた事例の件数については、把握していません。
東京都新型コロナウイルス感染症対策条例第7条第1項では、都民は「知事又は特別区若しくは保健所設置市の長の求めに応じて、必要な検査を受けなければならない」と規定し、さらに、東京都感染症予防計画において、感染症発生時には、感染拡大の防止に協力することを都民の責務として定めており、都はこれらに基づき、対象者にまん延防止の必要性を説明し、検査への協力を求めています。
また、令和2年10月に行った同条例の改正においては、都が責任を持って対策に取り組む姿勢を明確化するとともに、対策の推進に不可欠な都民等の協力を改めて求めることで対策の実効性を高めることを目的としています。
一定人数以上の陽性者が出た場合の対応については、国立感染症研究所の「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」においてクラスター対策の考え方等が示されており同実施要領に基づき、保健所が適切に対応しています。

質問事項
一の6 コロナに打ち勝つためにはワクチンの存在が欠かせないが、都民の関心事は接種がいつから行われいつまでにいきわたるのか、希望する都民全てが接種できるのかということである。加えて副作用への懸念がぬぐえない。認織を伺うとともに国に対してどのような要求をしているのか伺う。また都の予算1億をかけたワクチン研究のための成果について伺う。

回答
国は、新型コロナウイルスワクチンについて、令和3年前半までに全国民に接種可能な分の数量の確保を図るため、企業との交渉や研究開発への支援を実施しており、これまでに合計3億1,400万回分の接種が可能なワクチンの供給について合意しています。
また、国は、ワクチンによる副反応を疑う事象について、医療機関又は製造販売業者からの報告などにより迅速に情報を把握し、当該情報に係る専門家による評価により、速やかに必要な安全対策を講ずることとしています。
都は、ワクチン接種の実施に向けた詳細について国の担当者との協議を重ねるとともに、国の動向を注視しながら、接種体制構築の準備を行っています。
また、都では、令和2年度から、公益財団法人東京都医学総合研究所において、新たなコロナウイルスによる感染症が発生した場合にも対応可能なワクチンの開発に着手しています。
最新の取組状況としては、マウスやカニクイザルなどの動物モデルに同研究所が試作した非臨床試験用組換えワクチンを投与し、免疫誘導効果及び新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する防御効果の検証を実施しています。
その結果、人に近い反応をするカニクイザルにおいて、本ワクチンの効果を確認しています。

質問事項
一の7 感染を心配する一部の都民は自由診療によって民間や医療機関が行うPCR検査を受けているが、その結果を都や保健所は正確に把握していないと報道されている。コロナ対策を行う上でも正確な状況把握は急務である。早急に改善すべきであるが、現状や取り組みについて伺うとともに、改めて自由診療について都が補助をすべきと考えるが見解を伺う。

回答
令和2年11月24日の国の通知では、医師による診断を伴わない検査を行う検査機関では、あらかじめ提携医療機関を決めておき、検査結果が陽性の場合は、本人の同意を得た上で提携医療機関に連絡するとともに、検査を受けた本人に対して受診を推奨し、新型コロナウイルス感染症の診断を行った医師から感染症法に基づく届出につなげるよう求めています。
都は、新型コロナウイルス感染症にり患すると重症化しやすい高齢者や障害者が入所する施設における感染防止対策を支援するため、特別養護老人ホームや障害者の入所施設などに対し、新規入所者や職員への定期的な検査の費用を補助しています。
また、区市町村が実施する認知症高齢者グループホームや障害者の通所施設など、地域に密着したサービスの利用者や従事職員を対象とした検査や、不特定多数の方が利用し、クラスターが発生するおそれがある接待を伴う飲食店の従業員を対象とした検査についても支援しています。

質問事項
一の8 感染拡大防止徹底ステッカーを都は飲食店等に掲示するよう求めて、時短営業をお願いしている。それにともない協力金を支給しているが、現場における闇営業や感染防止対策はどのようなチェック体制になっているのか伺う。

回答
営業時間やステッカーの掲示等の感染拡大防止協力金の申請内容について、不明な部分や疑問がある場合は、職員による現地確認や電話ヒアリング、文書による問合せなどにより、受給要件を満たしているか確認し、適正な支給に努めています。
また、事後的に不適切な事例が明らかになった際には、申請時に提出のあった誓約書に基づき、違約金の請求を行う等、厳正に対処していきます。

質問事項
一の9 コロナ禍において年末年始をどう凌ぐのかは生活困窮者にとって大きな問題である。NPO等によって都庁前において食料品を提供する活動が行われているが、貧困者に対するNPOの役割について都はどのように認識しているのか伺う。さらには現在、その提供場所にはカラーコーンが置かれているがその理由を伺う。

回答
都内には、ホームレスをはじめとする生活困窮者に対する支援を行うNPO等の団体が複数あり、食料品の配布や生活・医療相談会の開催などが行われています。
こうした団体は、食事に困窮する方への食料の提供のほか、支援を必要とする方を行政機関や医療機関につなぐなどの役割を果たしていると認識しています。
都では、庁内管理上、必要に応じてカラーコーンを設置していますが、御指摘の場所には、現在、設置していません。

質問事項
二 行方不明の子どもについて
1 行方不明となっている子どもの人数の推移と発見率、さらには最終的に見つからなかった子どもの人数はどれほどなのか合わせて警視庁に伺う。

回答
平成22年から令和元年までの少年の行方不明者届受理数及び行方不明者発見数についての統計は、次のとおりです。
なお、少年の行方不明者の発見率等についての統計は、取っていません。

行方不明者届受理数 行方不明者発見数
平成22年 1,241 1,466
平成23年 1,085 1,215
平成24年 1,040 1,189
平成25年 1,046 1,181
平成26年 882 1,112
平成27年 976 1,125
平成28年 1,269 1,254
平成29年 1,168 1,146
平成30年 1,176 1,113
令和元年 1,138 1,018
注 「行方不明者発見数」は、他府県警察が受理(手配)した行方不明者の数を含む。

質問事項
二の2 平成31年3月28日付で「児童虐待が疑われる事案に係る緊急点検」が公表されたが、調査により都内の子どもに対する虐待等が判明した総数について伺う。

回答
御指摘の調査は、平成31年2月に、内閣府・文部科学省・厚生労働省が、虐待のおそれがあるものとして通告した件数等について緊急に点検したものです。この調査において、都内に在学する幼児・児童・生徒等を対象に虐待のおそれがあるものとして児童相談所等に通告した件数は、134件であり、内訳は下記の表のとおりです。

校種等
在学者数

保育所等は平成30年4月1日現在(保育所等利用待機児童数調査及び認定こども園に関する状況調査より作成)
公立学校及び私立学校は平成30年5月1日現在(学校基本調査より作成)なお、高等専門学校は、東京都立産業技術高等専門学校の本科の第1から第3学年までの学生数(人) 調査対象数

平成31年2月14日現在において、2月1日以降一度も登園・登校していない幼児・児童・生徒数(人) 虐待の恐れがあるものとして通告した件数(件)
保育所等・認定こども園・児童発達支援事業所 281,807 969 111
幼稚園 154,068 146 1
小学校 605,878 2,195 6
中学校 297,380 5,085 10
義務教育学校 5,977 43 0
高等学校 321,690 6,539 6
中等教育学校 5,613 21 0
特別支援学校 12,951 204 0
高等専門学校 978 14 0
専修学校(高等課程) 2,819 18 0
計 1,689,161 15,234 134
注釈 国立は除く
注釈 調査結果の報告後に、虐待の恐れがあるものとして通告した件数を含む

質問事項
三 現在、NPOの認定申請の審査に6ヶ月近くかかっているとの不満の声が聞かれる。審査期間および6か月間かかっている理由を伺うとともに、3ヶ月の法定期間である新設の認証と比べ時間がかかり過ぎていることから改善すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
都は、運営組織及び事業活動が適正であって公益の増進に資するNPO法人を、寄附者が税制上の優遇を受けられる認定NPO法人として認定しています。
認定の審査においては、設立の認証基準とは違い、実績判定期間2年間における財務状況の確認や、任意性、対価性の要件を満たした寄附の件数基準などの審査基準が定められています。このため、書面審査だけでなく、現地に赴いての審査も行う必要があり、都の認定審査に係る標準処理期間は125日(土日祝日を除く。)と定めています。
なお、都においては申請書類の書き方や提出書類について事前相談の機会を設けるなど、認定審査が円滑に進むように努めています。

質問事項
四 受動喫煙防止条例が施行してから8か月が経とうとしているが、各所における受動喫煙による被害の相談が多く寄せられる。4月の施行後どのようにその実効性を担保し、チェックを行っているのか伺うとともに、実際にこれまで罰則が科せられた件数について伺う。また公衆喫煙所の整備が欠かせないが状況について伺う。

回答
都は、保健所による受動喫煙防止に関する啓発、指導の取組が進むよう、保健所設置区市及び都保健所の担当課長や担当者との定期的な連絡会で、事業者への啓発、指導や屋外での受動喫煙防止対策など、具体的な事例の共有や意見交換を実施しています。
健康増進法又は東京都受動喫煙防止条例に関する義務違反が疑われる事例の情報提供が都内の保健所に寄せられた場合、各保健所は、施設の管理権原者に対して改善に向けた啓発、指導等を実施していますが、令和3年1月末時点で、過料処分に至った事例はありません。
また、都は、平成30年度から地域の実情に応じて区市町村が行う公衆喫煙所の整備への補助を実施しており、令和元年度までに211か所の公衆喫煙所が整備されています。令和2年度は、140か所の公衆喫煙所の整備計画が区市町村から提出されています。

質問事項
五 都立公園では様々な屋外施設の貸出しを行っている。しかし前日の雨等により当日グラウンドが使えないとの判断が前日なされる場合があるが、実際は翌日の午後は晴天等の理由によりグラウンド等が貸出し可能にもかかわらず貸出し中止となっている場合がある。現場での確認の有無などの方針を含めどのような見解か伺う。

回答
都立公園の運動施設は、多くの都民が気軽にスポーツに親しめる身近な施設であり、安全で快適に利用できるようグラウンドの整地など日頃から維持管理を適切に行っています。
雨天後のグラウンドについては、当日朝に現場を確認し、ある程度水が引いた後に、滑らないように水抜きや砂入れなどを行い、安全に利用できるように管理しています。
利用当日の予報が雨天である場合に加えて、前日の降雨量等により当日に雨が上がっても水はけに時間がかかりグラウンドのぬかるみが改善されないと予想される場合には、前日の段階で使用中止を判断することがあります。
今後も、利用者が安全かつ快適に施設を利用できるように取り組みます。

質問事項
六 都はこれまでひきこもり訪問相談の対象を義務教育終了後15歳からおおむね34歳までとしてきたが、令和元年度からおおむね34歳までという制限をなくし訪問相談を受付けることになった。しかし令和2年度のパンフレットでは年齢制限をなくした記載がなく、とりわけ就労に関しては地域若者サポートステーションは「15歳から49歳くらいまでの若者の皆さんが就労に向かえるよう、多様なサービスで支援します」とあり就労については年齢制限があるのが実態である。見解を伺う。

回答
都は、ひきこもりの状態にある方やその家族に向けて、相談窓口を周知するためのパンフレットを作成しています。
令和元年度に作成したパンフレットでは、相談窓口であるひきこもりサポートネットの訪問相談の対象を35歳以上の方に拡大したことをお知らせするため、その表紙に「令和元年度からこの『おおむね34歳まで』という制限をなくし、訪問相談を受け付けます」と記載するとともに、相談の対象について「義務教育終了後の15歳以上」と記載しています。令和2年度に作成したパンフレットでは、訪問相談の対象について、引き続き「義務教育終了後の15歳以上」と記載しています。
国が設置している「地域若者サポートステーション」の対象年齢は、国が定めています。

質問事項
七 東京大改革について
1 都職員OBが再就職をした際の届出義務は最初の1団体目の再就職に限るのか伺うとともに、届け出期間を退職後2年間とした根拠について伺う。

回答
職員の再就職については、公正な都政の運営が損なわれることのないよう、適正な退職管理が必要です。
都においては、再就職状況の届出期間について、職業選択の自由や個人のプライバシーに十分に配慮しつつ公務の公正を確保するため、国家公務員と同様の2年間に設定しています。
また、再就職状況の届出義務は、退職後に初めて再就職する場合に限らず、退職後2年間にわたって、再就職する場合の届出を義務付けています。
なお、届出対象は、営利企業への再就職はもとより、政策連携団体、事業協力団体や公益団体等、営利企業以外の法人や団体への再就職で1年間の報酬が所得税非課税限度額を超える場合も含みます。
今後とも、都民の信頼を損なうことがないよう、退職管理の厳格な運用を図り、再就職の公正性、透明性を確保していきます。

質問事項
七の2 公益通報制度に通報された件数の推移を旧制度の通報件数と合わせて伺う。また通報があった場合、弁護士事務所や総務局を経由するが、それぞれどのような役割を果たしているのか、また弁護士や総務局が調査をした実績や局による調査が不十分とした実績があるのか伺う。

回答
都では、平成18年度から公益通報制度を運用しており、平成28年度中に制度改正を実施しました。旧制度で平成23年4月から平成28年10月までに公益通報として取り扱った件数は3件です。新制度で公益通報窓口に寄せられた件数は、公益通報制度についての相談、都に対する苦情や意見、他の機関に関するものや同一通報者から頻回にわたる同内容のメール着信などを含め、平成28年度は144件、平成29年度は473件、平成30年度は400件、令和元年度は549件です。
弁護士窓口は、通報のうち公益通報の要件を満たすものについて総務局に設置する全庁窓口へ報告するとともに、公益通報に該当しない通報であって全庁窓口に報告する必要があると認められる通報について情報提供するなどの役割を担っています。また、全庁窓口は、弁護士窓口分や各局窓口分を含め、通報が公益通報の要件を満たす場合、当該通報を受理するとともに、受理した公益通報について、所管局に対して必要な調査を実施するよう求めるなどの役割を担っています。
通報内容に関する調査は所管局が実施しています。所管局の報告に対し、調査結果を不十分とした実績はありません。

質問事項
七の3 小池知事は都職員が都議主催のパーティーに参加することを自粛するよう職員に対して通達したが、実際に参加した件数はゼロ件か、また副知事等が参加した実績があるのか合わせて伺う。

回答
都議主催のパーティーへの職員の参加状況については、把握しておりません。
また、副知事については、参加した事例がありました。

質問事項
七の4 小池知事が実施した各種団体のヒアリングのうち、今年度予算をつけている団体はいくつあり、今年は全部でいくつの団体とヒアリングを行っているのか伺う。

回答
予算編成における各種団体等とのヒアリングについては、都民の意見を募り、現場の声を丁寧に聞き取り、より良い予算作りに役立てるため、平成29年度予算編成から実施しています。
令和2年度予算編成においては、各種団体105団体に特別区長会、東京都市長会、東京都町村会の3団体を合わせ、合計108団体とのヒアリングを実施し、101団体に対して関連事業の予算額を回答しました。
令和3年度予算編成においては、合計107団体とのヒアリングを実施し、都政の課題解決に向けて必要な取組に対し、適切に予算を計上しています。

質問事項
七の5 都が行う全契約のうち特命随意契約の割合を占める件数及び金額割合の推移を過去5年分伺う。さらにはそのうち政策連携団体等の契約が占める割合を伺う。

回答
都の契約件数は、平成27年度から令和元年度まで順に、103,000件、103,000件、104,000件、102,000件、99,000件で、契約金額は同様に、1兆5,156億円、1兆5,058億円、1兆3,666億円、1兆4,404億円、1兆5,062億円です。
都の全契約のうち、特命随意契約の件数の割合は、平成27年度から令和元年度まで順に、8.4パーセント、8.3パーセント、8.2パーセント、8.0パーセント、9.0パーセントで、金額の割合は同様に、21.6パーセント、21.6パーセント、21.0パーセント、21.7パーセント、23.4パーセントです。
また、全契約における政策連携団体の特命随意契約の件数の割合は、平成27年度から令和元年度まで順に、0.5パーセント、0.4パーセント、0.4パーセント、0.5パーセント、0.5パーセントで、金額の割合は同様に、8.6パーセント、8.3パーセント、9.9パーセント、9.1パーセント、9.0パーセントです。

質問事項
七の6 東京大改革を都民に理解してもらうためには知事による記者会見は大変重要である。その際に知事と記者による質疑応答が行われているが、知事が質問者を指名した具体的な社名とその指名回数を一覧で伺う。

回答
令和2年1月から12月までの間に開催された知事の定例記者会見及び臨時記者会見において、知事が質問者を指名した社名とその回数は、別紙のとおりです。

知事の記者会見において知事が質問者を指名した社名と回数
(令和2年1月から12月まで)
社名 指名回数
(株)中日新聞社 47回
日本放送協会 39回
(株)フジテレビジョン 37回
(株)朝日新聞社 34回
(株)時事通信社 26回
日本テレビ放送網(株) 24回
東京メトロポリタンテレビジョン(株) 23回
(株)TBSテレビ 21回
(株)テレビ東京 21回
(株)日本経済新聞社 19回
(一社)共同通信社 18回
(株)読売新聞東京本社 17回
(株)テレビ朝日 14回
(株)新宿区新聞社 11回
(株)毎日新聞社 10回
(株)ドワンゴ 4回
(株)日刊スポーツ新聞社 3回
(株)ニッポン放送 3回
(株)産業経済新聞社 2回
(株)メディアジーン 2回
中島南事務所 2回
ヤフー(株) 2回
(株)エフエム東京 1回
(株)総合報道 1回
(株)報知新聞社 1回
The Interschool Journal 1回
ロイター・ニュース・アンド・メディア・ジャパン(株) 1回

質問事項
八 板橋区内の都の取組について
1 都営地下鉄三田線のトイレのグレードアップや洋式化の整備状況について伺う。また既に3年前から予算が組まれていた蓮根駅では工事が滞り、新板橋駅などはいまだ整備が進められていない。早急に進めるべきと考えるが、現状とともに見解を伺う。

回答
交通局では、地下鉄駅のトイレの洋式化を進めるとともに、老朽化したトイレの改修に合わせ、グレードアップを進めています。三田線では、令和元年度に日比谷駅、新高島平駅及び西高島平駅において洋式化を含むグレードアップを実施しました。
蓮根駅については、この間、トイレのグレードアップに向けて工事契約の入札を実施していますが、契約不調が続いており、発注時期の調整や工事規模を見直すなど不調対策に取り組んでいるものの、工事の着手に至っていません。このため、既存設計の修正を行った上で、令和3年度中のトイレのグレードアップ工事の再発注に向けて取り組んでいきます。
また、令和3年度末までに、大規模改良予定駅を除く全ての駅について、新板橋駅を含め、洋式化を完了する予定であり、今後とも、老朽化の状況等を踏まえながら、誰もが利用しやすいトイレの整備を計画的に進めていきます。

質問事項
八の2 都道高島通りを跨る高島平駅周辺の歩道橋は老朽化も著しい。早急に対応すべきと考えるが見解を伺う。また西高島平駅側の歩道橋においても自転車が猛スピードで駆け下りてくることから住民からは対策を求める声が多い。国に対する要望含め早急に対策を講じるべきと考えるが見解を伺う。

回答
都では、管理する横断歩道橋を常時良好な状態に保つため、日常点検や5年に一度の定期点検などにより、損傷や塗装の劣化等を早期に発見し、速やかに維持補修を実施しています。
都道高島通りをまたぐ高島平駅周辺の歩道橋のうち、高島平駅前西口歩道橋については、高欄の嵩上げを行い、安全を確保していく予定です。
なお、高島平駅周辺の歩道橋は、広幅員の道路をまたいでいることから、支間長が長いため、通行者が揺れを感じやすくなっていますが、安全上の問題はありません。
また、西高島平駅側にある高島歩道橋の安全対策については、歩行者、車椅子、自転車などの全ての利用者の安全確保に向けて、歩道橋を管理する国や交通管理者などと連携しながら検討を進めていきます。

質問事項
八の3 例えば西高島平駅周辺は地域の活性化が必要である。西高島平駅周辺も含めた高島平地域グランドデザインを踏まえ、区からの都への要望や都の取組など現状を伺う。

回答
区からは令和元年10月に、「高島平地域グランドデザイン」を踏まえた必要に応じた用途地域の変更や板橋区内のトラックターミナルの再開発などについて要望を受けています。
用途地域の変更については、都は、区における地区計画の策定などの動向に応じて、区からの相談に適切に対応していきます。
また、西高島平駅周辺における板橋トラックターミナルを含む西北部流通業務団地について、適切な更新を誘導していくため、流通業務団地の立地特性を踏まえた検討を引き続き区などと進めていきます。

質問事項
八の4 1月からコロナによる感染が広がり既に一年近くが経とうとしているが、いまだに板橋区の学校では一人一台端末が実現されていない。早急に区市町村に端末の整備を働き掛けるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
児童・生徒1人1台の端末と校内の通信環境を一体的に整備する国の「GIGAスクール構想」は、新型コロナウイルス感染症対策に伴い、当初、令和5年度までとしていた計画を大幅に前倒し、令和2年度末までに整備を完了することとされています。
現在、都内区市町村教育委員会では、小・中学校の1人1台端末の整備を進めています。令和2年11月末現在、11区市町村において整備が完了し、令和2年度末には、ほぼ全ての区市町村で完了する予定です。
なお、板橋区立小・中学校では、プログラミング教育推進校の小学校1校とICT推進校の中学校2校は令和2年10月末に整備が完了し、現在、活用方法のノウハウを蓄積しています。その他の学校は、令和3年2月に整備が完了し、同年3月から整備された端末を活用する計画とされており、整備完了までの間、学校配備の端末等を活用し、授業等での活用を進めていると聞いています。
都教育委員会は、引き続き、ICTを活用した学習の充実に向け区市町村教育委員会と連携し、取り組んでいきます。

質問事項
八の5 羽田飛行新ルートによる飛行開始に伴い、板橋区上空を飛行機が頻繁に飛んでいるが騒音や落下物への懸念がぬぐえない。その不安に都は真摯に応えるべきと考えるが見解を伺う。さらにはコロナによる影響で予定よりどの程度減便となったのか、また騒音等は実際にはどの程度なのか現状値について伺うとともに、結果によっては固定化回避および見直しを図るべきと考えるが見解を伺う。

回答
将来にわたって、東京が国際競争力をもって持続的な発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠です。
新飛行経路の導入に当たり、都は、国に対して丁寧な情報提供や騒音影響の軽減、安全管理の徹底を求めてきました。それを踏まえて国は、住民説明会の実施や、低騒音機の導入促進、落下物防止対策の義務付けなど、様々な対策を実施して運用を開始しました。さらに、運用開始後も新飛行経路下における航空機騒音の測定結果の公表や、落下物対策として機体チェックの体制強化等、様々な取組を実施しています。
新型コロナウイルス感染症の影響により、全国で運航便の減便が生じており、大手航空2社の発表によると、令和2年12月は、国内の空港を発着する国内線が約2割、国際線が約8割の減便となっています。
国は、新飛行経路下において航空機騒音の測定を行っており、板橋区内の赤塚第二中学校に設置した固定騒音測定局における測定結果において、令和2年10月の機体サイズ別の実測値の平均は、大型機が62.8デシベル、中型機が60.9デシベル、小型機が60.5デシベルであり、いずれも推計平均値以下又は推計平均値と同等であったとしています。また、同区内の常盤台小学校において、同年9月23日から同年10月6日まで短期的な騒音測定を実施しており、このうち、南風新飛行経路を運用した9月28日、10月2日及び10月4日の3日間における、実測値の平均は、大型機が64.7デシベル、中型機が64.4デシベル、小型機が64.2デシベルで、大型機及び小型機は推計平均値以下又は推計平均値と同等であり、中型機は推計平均値を0.4デシベル超えているとしています。
都としては、引き続き国に対し、都民の理解が更に深まるよう丁寧な情報提供や騒音・安全対策の着実な実施を求めていきます。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 原のり子
質問事項
一 地域公共交通の充実、移動支援について
二 子供シンポジウム ティーンズ・アクションTOKYO2020について
三 不登校の子どもたちの居場所について
四 障害のある成人・青年の余暇活動支援について
一 地域公共交通の充実、移動支援について
2020年第4回定例会の知事所信表明において、地域公共交通の役割や交通不便地域の解消について次のように述べられました。
「超高齢社会の到来や『新しい日常』への対応など、私たちの生活を取り巻く状況が大きく変わろうとする中、地域生活を支える公共交通もまた、その時代にふさわしい役割を果たしていかなければなりません。2040年代における地域公共交通の目指す姿を描くべく、先般、新たな検討会を立ち上げました。精力的な議論を重ね、高齢者や障がい者をはじめ誰もが移動しやすく利便性の高い、まさに『人』が輝く都市を実現するための基本方針を取りまとめてまいります。
また、交通不便地域の解消のため、利用者の希望に応じて柔軟に運行するデマンド交通の普及に向けては、東久留米市による取組を支援するなど、区市町村の導入を後押しします。さらに年明けには、民間と共に、デジタルの力で交通利便性を向上させるMaaSの実証実験を開始するなど、多彩な施策を展開し、円滑な移動が豊かな暮らしを支える、活力ある東京を作り上げてまいります。」
安心して地域で暮らしてゆくために、地域公共交通の充実、移動支援は欠かせません。所信表明で述べられた、「地域生活を支える公共交通」「高齢者や障がい者をはじめ誰もが移動しやすく利便性の高い」、ということがどのように進められるのか、うかがいます。
1 地域生活を支える公共交通もまた、その時代にふさわしい役割を果たしていかなければならない、と述べられていますが、「その時代にふさわしい役割」とはどういうことですか。
2 都が新たに立ち上げた、「地域公共交通の在り方検討会」の目的、役割、構成メンバー、スケジュールについてうかがいます。
3 議事概要だけではなく、議事録を公開すべきと考えますがいかがですか。
4 基本方針案ができてからのパブリックコメントだけではなく、あらかじめそれぞれの地域の状況や都民の声などの実態調査をすべきと考えますがいかがですか。
5 共産党都議団は、これまで、都が区市町村に対し、コミバスへの支援を強化することや、道路事情などでコミバスの導入が困難な場合に、デマンド交通や乗り合いタクシーなどを実施する際の支援も求めてきました。地域の実情はそれぞれであり、区市町村が地域公共交通の充実を図るときに、できるだけ柔軟な支援が必要だからです。このたび、デマンド交通への支援が実施されることは重要です。その支援内容はどういうものですか。
6 実証運行の補助について、東久留米市が対象となったことは重要ですが、なぜ、デマンド交通に限定したのですか。地域の実情に応じて、乗り合いタクシーなどの実証運行を実施する場合には対象にしないのですか。
7 また、なぜ、補助を実証運行の自治体に限っているのですか。すでに実施している自治体は対象にしないのですか。
8 都内の多くの区市がコミュニティバスを導入しています。現在、区部及び多摩地域における導入区市町村はいくつになりますか。また、路線バスと同じように、だれもが予約なく利用できるコミュニティバスが、地域で果たしている役割についてどのように評価していますか。
9 知事は、「人生100年時代を安心・元気に暮らせる都政と題した項目」で、地域公共交通の重要性を述べていますが、そうであれば、コミバスなどを地域で継続して運行できるように支援を強化すべきではないでしょうか。清瀬市でも、コミバスをより充実させてほしいとの市民要望は強くありますが、財政面がネックとなっています。運行経費の支援を、運行開始後3年間だけでなく、継続的な支援策とすべきと考えますがいかがですか。
10 あわせて、人生100年に対応するのであれば、シルバーパスをコミュニティバスでも活用できるようにすべきではないでしょうか。2018年第1回定例会の池川友一議員の文書質問への回答では、区市町村とバス事業者の協議が整った場合は活用できるとのことでしたが、東京都市長会からも、すべてシルバーパスの通用区間とすること、という要望が出されています。都として、都内のどの地域に住んでいても、コミバスでのシルバーパス活用ができるように改めて検討することを求めますがいかがですか。

二 子供シンポジウム ティーンズ・アクションTOKYO2020について
12月13日、子育て応援とうきょう会議主催の子育て協働フォーラムが開催され、この中でメイン企画として、中高生によるシンポジウムが行われました。公募によりコアメンバーが選ばれ、8月以降、5つのグループにわかれて調査・研究をおこない、その成果を発表するものでした。コロナ禍のもとでオンライン中心になり、様々苦労はあったと思いますが、そういう中でも子どもたちの発想はすばらしく、学ぶことがたくさんありました。
たとえば、家庭と仕事を両立できる社会についてをテーマにしたグループは、子育ての悩みを、親が相談機関に相談しにくい現状をアンケートから分析していました。そして、子ども自身が困っていること、悩んでいることを安心していつでも声をあげられる環境づくりが大事だと指摘。親だってわからないことがある、子どもが親に言わなければ解決できないのではなく、子ども自身が発信できることが大事、という意見はとても考えさせられました。
また、子どもたちの放課後改造計画をテーマにしたグループは、高学年になると学童クラブに行きづらくなった経験や、公園で遊んでいたら苦情があった経験などを交流しながら、放課後のキーワードは居場所だ、と考えアンケートを実施。そして、夢のある、誰もが行きたくなるような居場所の提案をしてくれました。そして、すぐにつくれなくても、今ある施設にコンセプトをもりこむことはできるのではないか、と現実的な意見まで添えていて、学ばされました。
こうした子どもたちの意見を都政にどう生かしていくのか、これからが大事です。
1 シンポジウムでの子どもたちの研究成果を、広く都民に公表すべきと考えますが、見解を伺います。
2 子どもたちの提案を受けての対応について、子どもたちに返していくことが重要です。ただ良い提案だった、ということで終わりにせず、行政として検討して応えられるもの、応えられないものをきちんと返すことによって、子どもたちは大人を信頼し、より関心をもって都政や地域のことに関わるようになってくれるはずです。提案にどのように対応する考えですか。
3 子どもたち自身から、子どもが声をあげる大事さが指摘され、改めて子どもの権利条約で位置づけている意見表明権の保障が重要であると実感しました。こうした子どもの意見を聞く場を継続して開催していくことが大事だと思いますが、どのように考えていますか。

三 不登校の子どもたちの居場所について
10月26日、決算特別委員会第二分科会の質疑で、不登校の子どもたちへの支援について質問しました。このなかで都教委は、「不登校は特定の子どもに特有の問題があることによっておこるのではなく、どの子どもにも起こりうることであり、その行為を問題行動として判断してはならないととらえて」いるとの認識を示し、支援については、「個々の状況に応じて行う必要があり、登校という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒がみずからの進路を主体的にとらえて、社会的に自立できるようにすることを目指して行われるべきと考えて」いると述べました。大事な視点です。
ただ、実際には、個々の状況に応じて、登校のみを目標としない支援が十分あるとはいえないのではないでしょうか。
小学生のお子さんが不登校の保護者の方は、自治体の教育相談室に行き、共働きなので日中一人になってしまうと相談したそうです。すると、公としては児童館や適応指導教室があるが、児童館の日中は乳幼児とお母さんが中心で居心地悪いかもしれない、適応指導教室も中学生が多いので居心地が悪いかもしれない、と話され、民間の居場所が紹介されたそうです。
ほかにも、地域に根差した民間の居場所はとても良心的だが、運営して下さっている方の善意で成り立っていて、ずっと居場所を続けてもらえるのか心配。また、ある居場所は運営が厳しくなり、利用者負担がふえ、1か月1万円以上になった、などの声があります。
不登校になっても、経済的な心配なく、誰もがふさわしい過ごし方ができるように支援を強める必要があるのではないでしょうか。
1 「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」第13条は、学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援を位置づけています。このことをふまえ、児童館や図書館などを不登校の子どもたちが安心して行ける場所として位置付ける、また公が居場所事業を行うことが求められているのではないでしょうか。見解をうかがいます。
2 学校復帰のみを目標にしない、というのであれば教育支援センターの在り方も、柔軟な活用ができるように検討すべきではないでしょうか。また、教育支援センターとは言わず、適応指導教室という呼び方がまだ残っているため、不登校児は、適応できなかった子どもという見られ方をして、悲しい、という声を多く聞きます。名称について、一日も早く改善することを求めますがいかがですか。
3 地域に根差し、子どもたちを受けとめている居場所は、かけがえのない存在です。しかし、その活動に対する公からの支援はありません。都教委は、私の質問に対し、東京都フリースクール等協議会の対象に、「不登校児童生徒の保護者による組織や不登校児童生徒の居場所としての機能を果たしている施設等も対象に含」んでいると答えています。そうした位置づけなのですから、事業を継続できるように支援をしていくことが必要ではないでしょうか。見解をうかがいます。

四 障害のある成人・青年の余暇活動支援について
学齢期は、放課後等デイサービスが広がり、保護者の就労保障も含めて対応されるようになりました。しかし、学齢期が終わると、日中活動後や休みの日に、安心して過ごせる場所がなくなります。東京都は、都民の世論と運動、議会論戦のなかで、補助を実施するようになりました。この補助の活用を広げること、あわせて、補助自体の拡充が求められています。
1 この間、補助の活用を広げるために、都としてどのようなことにとりくみ、現在は、いくつの自治体が補助を活用していますか。
2 市長会からの来年度予算要望では、次のように書かれました。青年・成人期の余暇活動に関する支援への補助の拡充として、「青年・成人期の余暇活動に関する支援については、包括補助事業の中で財政支援を受けているが、厳しい財政状況の中、二分の一の補助率では新規の事業を立ち上げるのが難しい。一方で、保護者が就労している時間帯、特に日中活動の終了後や休日に、障害者が定期的に活動できる場の拡充については、保護者の雇用を守るためにも、青年・成人期余暇活動に関して、都の10分の10補助制度を創設すること」と要望されています。
区市町村が財政力に左右されず、また、事業所の運営にしわ寄せをしないように事業を実施できるよう、都の10分の10補助制度を確立すべきではないでしょうか。いかがですか。
3 本来国として明確に位置づけるべき課題でもあり、都から国に補助制度の確立を要請することを求めますがいかがですか。

令和2年第四回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 地域公共交通の充実、移動支援について
1 2020年第4回定例会において、地域生活を支える公共交通もまた、その時代にふさわしい役割を果たしていかなければならない、と述べられたが、「その時代にふさわしい役割」とはどういうことか伺う。

回答
本格的な少子高齢・人口減少社会を迎える中で、高齢者をはじめ誰もが移動しやすく利便性の高い都市を実現するため、地域公共交通の在り方などについて検討しています。

質問事項
一の2 都が新たに立ち上げた、「地域公共交通の在り方検討会」の目的、役割、構成メンバー、スケジュールについてうかがう。

回答
「東京都における地域公共交通の在り方検討会」の目的は、地域の特性に即した地域公共交通ネットワークの形成を促進し、誰もが移動しやすい利便性の高い都市の実現に向けた必要な検討を行うことです。
検討会の役割は、「東京都における地域公共交通に関する基本方針」の策定に必要な検討を行うことです。
検討会の委員は、学識経験者、国、区市町村代表、庁内関係各局等で構成されています。
検討会は、令和2年10月から令和3年度末までの設置を予定しています。

質問事項
一の3 議事概要だけではなく、議事録を公開すべきと考えるが見解を伺う。

回答
検討会の議事録については、議論の要点を都民に分かりやすく発信するために、議事概要として取りまとめ、公開しています。

質問事項
一の4 基本方針案ができてからのパブリックコメントだけではなく、あらかじめそれぞれの地域の状況や都民の声などの実態調査をすべきと考えるが見解を伺う。

回答
検討に当たっては、既往の調査結果を活用するとともに、地域公共交通の現状や課題を熟知する区市町村と意見交換も行いながら進めています。
なお、都としての基本方針の取りまとめに当たっては、パブリックコメントを実施し、広く都民等の意見を伺う予定です。

質問事項
一の5 共産党都議団は、これまで、都が区市町村に対し、コミバスヘの支援を強化することや、道路事情などでコミバスの導入が困難な場合に、デマンド交通や乗り合いタクシーなどを実施する際の支援も求めてきた。このたび、デマンド交通への支援が実施されることは重要である。その支援内容はどういうものか伺う。

回答
都は、デマンド交通の導入促進に向け、導入調査や実証運行等を行う区市町村に対し財政支援を実施しています。

質問事項
一の6 実証運行の補助について、東久留米市が対象となったことは重要であるが、なぜ、デマンド交通に限定したのか。地域の実情に応じて、乗り合いタクシーなどの実証運行を実施する場合には対象にしないのか伺う。

回答
デマンド交通については、その導入促進に向け、実証運行等を行う区市町村に対し財政支援を実施しています。
乗合タクシーについては、既に事業の立上げ段階における運行経費などの一部を補助する仕組みがあります。

質問事項
一の7 また、なぜ、補助を実証運行の自治体に限っているのか。すでに実施している自治体は対象にしないのか伺う。

回答
地域の公共交通については、地域ごとのニーズに対してきめ細かく応える必要があることから、区市町村が公共交通事業者などの関係者と緊密な連携を図りながら、主体的に取り組むことが重要です。
都は、事業立ち上げの際に支援することにより事業運営の安定化を図るため、デマンド交通の導入に向けた取組を行う区市町村に対し支援することとしています。

質問事項
一の8 都内の多くの区市がコミュニティバスを導入している。現在、区部及び多摩地域における導入区市町村はいくつになるか。また、路線バスと同じように、だれもが予約なく利用できるコミュニティバスが、地域で果たしている役割についてどのように評価しているか伺う。

回答
区部及び多摩地域において区市町村が関与している、いわゆるコミュニティバスについては、令和2年12月現在、20区23市1町が導入しているものと承知しています。
コミュニティバスは、既存の路線バスや鉄道等では補えない交通需要に対応する地域の公共交通として、地域の高齢者等の社会参加を促進するための交通手段の一つであると認識しています。

質問事項
一の9 知事は、「人生100年時代を安心・元気に暮らせる都政と題した項目」で、地域公共交通の重要性を述べているが、そうであれば、コミバスなどを地域で継続して運行できるように支援を強化すべきではないか。清瀬市でも、コミバスをより充実させてほしいとの市民要望は強くあるが、財政面がネックとなっている。運行経費の支援を、運行開始後3年間だけでなく、継続的な支援策とすべきと考えるが見解を伺う。

回答
コミュニティバスの導入に際しては、自治体等による主体的・自立的な運営を前提として、交通需要や事業の持続可能性、財政負担の将来的な見通し等について、十分に検討することが必要であると考えています。
お話しの運行経費の支援は、事業立ち上げの際に支援することにより事業運営の安定化を図るため、導入時の調査検討経費や車両購入費のほか、運行開始後3年間の運行経費の一部を自治体に補助しています。

質問事項
一の10 あわせて、人生100年に対応するのであれば、シルバーパスをコミュニティバスでも活用できるようにすべきではないか。2018年第1回定例会の池川友一議員の文書質問への回答では、区市町村とバス事業者の協議が整った場合は活用できるとのことだが、東京都市長会からも、すべてシルバーパスの通用区間とすること、という要望が出されている。都として、都内のどの地域に住んでいても、コミバスでのシルバーパス活用ができるように改めて検討することを求めるが見解を伺う。

回答
コミュニティバスは、交通手段の少ない地域の解消や公共施設などへの移動手段を確保するため、区市町村とバス事業者が路線や運賃、運行経費の負担等について協定を締結し、運行されています。
シルバーパス事業は、東京都シルバーパス条例に基づき、実施主体である一般社団法人東京バス協会に対し、都が補助を行い、利用を希望する方に対してシルバーパスを発行しているもので、利用対象交通機関は、都営交通及び路線バスとなっています。
コミュニティバスのうち、一般のバス路線と同等の運賃を設定しているものについて区市町村とバス事業者の協議が整った場合は、シルバーパスで乗車できるようになっています。

質問事項
二 子供シンポジウムティーンズ・アクションTOKYO2020について
1 シンポジウムでの子どもたちの研究成果を、広く都民に公表すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
都は、令和2年12月13日に開催した子供シンポジウム「ティーンズ・アクション TOKYO 2020」の動画を、子育て世帯や子育て支援者向けのポータルサイトである「とうきょう子育てスイッチ」に掲載しています。

質問事項
二の2 子どもたちの提案を受けての対応について、子どもたちに返していくことが重要である。行政として検討して応えられるもの、応えられないものをきちんと返すことによって、子どもたちは大人を信頼し、より関心をもって都政や地域のことに関わるようになってくれるはずである。提案にどのように対応するか、見解を伺う。

回答
子供シンポジウムで発表された子供たちの意見は、東京都子供・子育て会議等で、庁内関係部署や関係機関に情報提供しており、その結果等は、参加した子供たちに報告します。

質問事項
二の3 子どもたち自身から、子どもが声をあげる大事さが指摘され、改めて子どもの権利条約で位置づけている意見表明権の保障が重要であると実感した。こうした子どもの意見を聞く場を継続して開催していくことが大事だと思うが、見解を伺う。

回答
都は、「子供を大切にする」視点から、子供の声に耳を傾け、子供目線に立った政策を展開することとしています。

質問事項
三 不登校の子どもたちの居場所について
1 児童館や図書館などを不登校の子どもたちが安心して行ける場所として位置付ける、また公が居場所事業を行うことが求められているのではないか。見解を伺う。

回答
不登校の児童・生徒に対しては、社会的な自立に向け、個々に応じた多様な学びの場における支援を実現することが求められます。
これまで、都教育委員会は、「教育支援センター機能強化モデル事業」を通して、教育支援センターにおける指導や相談体制の充実を図るとともに、分教室型の不登校特例校の仕組みを整備するなどして、区市町村が行う不登校児童・生徒の多様な学びの場を確保する取組を支援してきました。
なお、児童館や図書館等を、不登校児童・生徒の居場所として活用することについては、各施設の設置の目的、スペース、対象等を踏まえ、設置者が判断すべきものと考えます。

質問事項
三の2 学校復帰のみを目標にしない、というのであれば教育支援センターの在り方も、柔軟な活用ができるように検討すべきではないか。また、教育支援センターとは言わず、適応指導教室という呼び方がまだ残っているため、不登校児は、適応できなかった子どもという見られ方をして、悲しい、という声を多く聞く。名称について、一日も早く改善することを求めるが見解を伺う。

回答
都教育委員会は、平成28年9月及び令和元年10月の文部科学省の通知等を受け、不登校児童・生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立することを目指す必要があることについて、区市町村教育委員会に対して、繰り返し周知してきました。
また、これらの通知の趣旨を踏まえ、平成29年度から3年間、11のモデル地区に対して、教育支援センターにおける指導員の配置や、フリースクールを活用した体験活動等に係る経費を補助してきました。
なお、都教育委員会は、平成31年度以降、「教育支援センター」の名称を用いています。一方、区市町村が設置している当該施設の名称は、条例や規則で定められている例もあり、それぞれ異なっています。

質問事項
三の3 地域に根差し、子どもたちを受けとめている居場所は、かけがえのない存在である。しかし、その活動に対する公からの支援はない。都教委は、私の質問に対し、東京都フリースクール等協議会の対象に、「不登校児童生徒の保護者による組織や不登校児童生徒の居場所としての機能を果たしている施設等も対象に含」んでいると答えている。そうした位置づけなのだから、事業を継続できるように支援をしていくことが必要ではないか。見解を伺う。

回答
都教育委員会は、令和2年度新たに、「東京都学校・フリースクール等協議会」を設置し、これまで、学校や区市町村教育委員会とフリースクール等が効果的に連携している事例について、意見交換を行うなどしてきました。
今後とも、本協議会で、学校や教育委員会とフリースクール等の連携を強化するために必要な取組について協議を重ねることを通して、区市町村教育委員会における取組が充実するよう支援していきます。

質問事項
四 障害のある成人・青年の余暇活動支援について
1 都は、都民の世論と運動、議会論戦のなかで、補助を実施するようになった。この間、補助の活用を広げるために、都としてどのようなことにとりくみ、現在は、いくつの自治体が補助を活用しているか、伺う。

回答
都は、青年・成人期の障害者が日中活動や就労の後に、障害者相互や地域住民等の様々な人々と交流し活動等を行うことで、コミュニケーション能力などの向上を図れるよう、ダンスや料理など障害者の余暇活動の場を確保する区市町村の取組を包括補助で支援しています。
また、包括補助の説明会等で地域の実践事例を紹介するなど、区市町村の取組が進むよう働きかけており、令和元年度には8区市が補助を活用しています。

質問事項
四の2 区市町村が財政力に左右されず、また、事業所の運営にしわ寄せをしないように事業を実施できるよう、都の10分の10補助制度を確立すべきではないか。見解を伺う。

回答
都は、区市町村が地域の実情に応じて、創意工夫による取組を円滑に実施できるよう、事業に要する経費の一部を包括補助で支援しています。
青年・成人期の余暇活動等支援事業については、必要な経費の2分の1を補助しており、引き続き区市町村の取組を支援していきます。

質問事項
四の3 本来国として明確に位置づけるべき課題でもあり、都から国に補助制度の確立を要請することを求めるが見解を伺う。

回答
国は、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業として、日中一時支援や地域活動支援センターの機能強化に要する経費を補助していますが、事業実績に見合った財源が交付されておらず、区市町村に超過負担が生じています。
都は、こうした実態を踏まえて、地域生活支援事業について、十分な財源措置を講じるよう、国に対し提案要求を行っています。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 とや英津子
質問事項
一 としまえん「スタジオツアー施設」の建築用途の解釈について
一 としまえん「スタジオツアー施設」の建築用途の解釈について
豊島園跡地に予定されているスタジオツアー施設の敷地は用途地域が近隣商業地域と第二種住居地域を跨いでいますが、過半の規定により第二種住居地域の用途制限を受けると思われます。そして床面積が10,000平方メートルを超えることから確認申請の所轄は東京都になると思います。この2点を確認して頂いた上で建築基準法の用途の解釈について伺います。
建築確認申請はまだ提出されていませんが、事前の「練馬区まちづくり条例」「東京における自然の保護と回復に関する条例」による手続きは始まっています。これらの手続きで事業者は建築用途を「博物館その他これに類するもの」と記しています。これについて質問します。
1 都はスタジオツアー施設の利用・運営形態を具体的にどのように捉えていますか。それは建築基準法のどの用途に該当すると考えますか。
もし事業者と同じ考えである場合ですが、「博物館その他これに類するもの」の内容に二つの事が含まれると考えます。
〔イ〕博物館そのものである
〔ロ〕博物館ではないが類する他の用途である
2 東京都としてスタジオツアー施設は〔イ〕〔ロ〕のどちらと解釈していますか。もし〔ロ〕である場合は類する用途として他にどのような用途が挙げられますか。
3 住民説明会では事業者から単線の簡単なプランが提示され、展示スペース、売店、飲食とだけ室名が付けられ、博物館の表記はどこにもありません。このプランだけ見ると展示場のようにも思われます。都はこうした平面プランからどのようにして「博物館その他これに類するもの」であるとの解釈を引き出したのでしょうか、その根拠を示してください。
4 また事業者から説明を受けた結果であるのならばどのような説明を受けたのでしょうか。
5 その説明を受けた時期は何月なのでしょうか。
6 第二種住居地域に於いては、10,000平方メートルを超える店舗、飲食店、展示場、遊技場は建築できません。また劇場、映画館、演芸場、観覧場もできません。そこで、建築の全体としての用途を「博物館その他これに類するもの」とした場合においても、内部の各室の用途が前述の用途となるものは設けられないと解釈して宜しいでしょうか。

令和2年第四回都議会定例会
とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 としまえん「スタジオツアー施設」の建築用途の解釈について
1 都はスタジオツアー施設の利用・運営形態を具体的にどのように捉えているか。それは建築基準法のどの用途に該当すると考えるか。

回答
当該施設については、映画に関する資料の保管・展示などを行うものと受け止めており、運営については、営利法人である民間事業者により運営され、一般公衆の利用に供すると聞いています。
建築基準法上の建築物の用途については、「博物館その他これに類するもの」に該当するものと考えています。

質問事項
一の2 もし事業者と同じ考えである場合、「博物館その他これに類するもの」の内容に二つの事が含まれると考える。
〔イ〕博物館そのものである
〔ロ〕博物館ではないが類する他の用途である
都としてスタジオツアー施設は〔イ〕〔ロ〕のどちらと解釈しているか。もし〔ロ〕である場合は類する用途として他にどのような用途が挙げられるか。

回答
当該施設は、営利法人である民間事業者が設置することとされていることから、博物館法による博物館には該当しませんが、建築基準法上の建築物の用途としては、「その他これに類するもの」と考えています。

質問事項
一の3 住民説明会では事業者から単線の簡単なプランが提示され、展示スペース、売店、飲食とだけ室名が付けられ、博物館の表記はどこにもない。このプランだけ見ると展示場のようにも思われる。都はこうした平面プランからどのようにして「博物館その他これに類するもの」であるとの解釈を引き出したのか、その根拠を伺う。

回答
施設の内容等について事業者側から説明を受け、当該施設は、映画に関する資料の保管・展示などを行うことなどから、「博物館その他これに類するもの」と判断しました。

質問事項
一の4 事業者から説明を受けた結果であるならばどのような説明を受けたのか。

回答
当該施設については、映画に関する資料の保管・展示などを行うものであり、運営については、営利法人である民間事業者により運営され、一般公衆の利用に供すると聞いています。

質問事項
一の5 事業者から説明を受けた時期は何月か伺う。

回答
当該施設の内容等について、事業者側から説明を受けたのは、令和元年9月です。

質問事項
一の6 第二種住居地域に於いては、10,000平方メートルを超える店舗、飲食店、展示場、遊技場は建築できない。また劇場、映画館、演芸場、観覧場もできない。そこで、建築の全体としての用途を「博物館その他これに類するもの」とした場合においても、内部の各室の用途が前述の用途となるものは設けられないと解釈してよいか伺う。

回答
一般的に、施設内に設けられる主たる用途に付属する店舗等の部分については、もっぱら当該施設利用者の利用に限定して設けられており、当該施設と機能上分離し難いものである場合には、独立した用途とはみなしません。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし
質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策について

一 新型コロナウイルス感染症対策について
1 新型コロナウイルス感染症について、毎日、都全体の感染者数のほか、市区町村別に感染者数と退院者等数が公表されています。しかし、都民がそれを聞いて行動の変化につながっていません。「正しく恐れる」という観点からもう少し細かい情報がほしいとの声が聞こえます。これまでも繰り返し求めてきましたが、保健所を設置する市区によってはより詳細な情報を公表している自治体もあります。感染を恐れる方からは、感染者のうちのどのくらいの方が発症し、どのくらいの方が無症状なのかという情報もほしいとの声もあります。個人情報の保護は当然の前提としつつも、都民の行動変容につながる情報の公開について、都の見解を伺います。
2 新型コロナで景気の低迷が長引く中で、所得が大きく減少し、生活が困窮する世帯も多くなってきました。しかし、都の多くの制度では前年度所得が基準になる場合が多く、国の方では制度を見直し、ひとり親家庭への支援については改善されました。都としても、収入が減少し今まさに困窮している世帯について支援の枠を拡大すべきと考えます。そこで、都営住宅の使用料について現年度の収入減収によって減免することが必要と考えますが見解を伺います。
3 前問と同様に、私立高校の授業料負担軽減について、前年度所得が基準になっていますが、現年度の収入減収が反映されるように基準を見直すことが必要と考えますが見解を伺います。
4 前2問と同様に、保育園の利用料金について、前年度所得を基準として市区町村が設定していますが、現年度の収入減収に伴い利用料金を減免する自治体に対して都が支援することが必要と考えますが、見解を伺います。
5 都の保育園に対する保育サービス推進事業補助金について、実績加算のため、今年度の緊急事態宣言中の来園児の減少により、大幅な減額が見込まれます。大幅な減額とならないようにすることが必要ですが、見解を伺います。
6 現在、新型コロナウイルスへの対応が急務ですが、第三波がおさまったとしても、第四波、第五波の懸念、さらには未知なる感染症にも備えることが必要です。都として保健所だけではなく、すべての職員が応援体制に入る可能性もあることも想定して、職員に対する感染症に関する研修を日常的に行う必要があります。見解を伺います。
7 寒さや乾燥がより一層厳しさを増す中でさらなる感染の広がりが心配されます。すべての市区町村ごとに発熱外来が設置されるよう都が支援することが必要ですが、現状と取り組みについて伺います。
8 感染拡大についてマスクの重要性が言われています。しかし、職場などでいかにマスクをしていても、飲食店に入るとマスクをとり会話をしながら会食する状況を散見します。しかもお酒を伴うと対応がされていません。飲食の場であっても会食をする場合にはマスクを着用するような普及啓発がまだまだ不十分であり都がより一層取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。
9 自転車は健康にも環境にもよいため進められていますが、新型コロナウイルスで満員電車を避けるためより一層普及が進んでいます。しかし、公共施設をはじめ民間施設での駐輪場がなかったり、あっても屋根がなく雨が降ると合羽の着脱が不便になっています。傘差し運転を厳しく規制するのであれば屋根のある駐輪場の整備が必要です。そこで、公共施設や民間施設において、屋根のある駐輪場の設置を進めるため補助をしたり、建蔽率の計算から除外するなど対応が必要ですが、見解を伺います。
10 前問で屋根のある駐輪場の設置を求めましたが、都営住宅においては、高齢化もあり、駐車場は空いているにもかかわらず、駐輪場は一杯になっている状況を散見します。都営住宅の駐輪場の状況を調べ、増設する必要があると考えますが、見解を伺います。

令和2年第四回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 新型コロナウイルス感染症対策について
1 新型コロナウイルス感染症について、毎日、都全体の感染者数のほか、市区町村別に感染者数と退院者等数が公表されている。しかし、都民がそれを聞いて行動の変化につながっていない。個人情報の保護は当然の前提としつつも、都民の行動変容につながる情報の公開について、見解を伺う。

回答
都は、新規感染者数や重症者数などについて、毎日公表するとともに、新型コロナウイルス感染症対策サイトにおいて、陽性率、検査件数、発症日など様々なデータを公開しています。
また、毎週開催しているモニタリング会議において、新規陽性者における無症状者の割合や、推定される感染経路の割合などを分析し、これを基に感染拡大防止に資する情報を発信しています。
さらに、東京iCDC専門家ボードの感染制御チームにおいて、家庭などでできる具体的な感染予防方法等を盛り込んだ「新型コロナウイルス感染症都民向け感染予防ハンドブック」を作成し、都のホームページに掲載しています。
感染の予防や感染拡大防止に向けた都民の行動変容につながるよう、引き続き、分かりやすい情報発信に努めていきます。

質問事項
一の2 都の多くの制度では前年度所得が基準になる場合が多く、収入が減少し今まさに困窮している世帯について支援の枠を拡大すべきと考える。そこで、都営住宅の使用料について現年度の収入減収によって減免することが必要と考えるが見解を伺う。

回答
都営住宅の使用料は、公営住宅法等に基づき、入居者の収入及び都営住宅の立地条件、規模、建設時からの経過年数等に応じて定められる、応能応益家賃制度が適用されます。その際、入居者の収入については、過去1年間における所得金額によることとされています。
ただし、退職、転職等の場合には、入居者の申請に基づき最新の収入に応じた使用料に見直すとともに、その収入が一定基準以下の場合には、使用料を更に10パーセントから50パーセントまで減額することとしています。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う収入減少のため、住宅使用料等の支払が困難な方については、国の制度である住居確保給付金を利用することが可能です。
こうした支援制度については、全世帯に毎月配布する広報紙「すまいのひろば」などで、周知に努めています。

質問事項
一の3 私立高校の授業料負担軽減について、前年度所得が基準になっているが、現年度の収入減収が反映されるように基準を見直すことが必要と考えるが見解を伺う。

回答
私立高校の授業料負担軽減については、国の就学支援金と都の特別奨学金補助とを合わせて、都内私立高校の平均授業料額まで支援しており、国の就学支援金が前年の所得に基づく住民税額等を所得要件の審査基準としていることから、都の特別奨学金においても同様の基準としています。
なお、当年度の家計急変を理由とした授業料等の減免制度を持つ学校が減免を行った場合、私立学校経常費補助において減免額の一部に対し補助を行っていますが、令和2年度においては、新型コロナウイルス感染症による影響を踏まえて、減免額に対する補助率を5分の4から10分の10へ引き上げており、各学校に対して減免制度の整備や活用を働きかけています。

質問事項
一の4 保育園の利用料金について、前年度所得を基準として市区町村が設定しているが、現年度の収入減収に伴い利用料金を減免する自治体に対して都が支援することが必要と考えるが、見解を伺う。

回答
子ども・子育て支援法施行令第24条に基づき、保育所等を利用する保護者の収入が、事業又は業務の休廃止、事業における著しい損失、失業等により著しく減少した場合には、区市町村の判断により利用者負担額の減免を行っています。
利用者負担額を減免した分は、通常の施設型給付費等の負担割合により、都が4分の1を負担しています。

質問事項
一の5 都の保育園に対する保育サービス推進事業補助金について、実績加算のため、今年度の緊急事態宣言中の来園児の減少により、大幅な減額が見込まれる。大幅な減額とならないようにすることが必要ですが、見解を伺う。

回答
東京都保育サービス推進事業補助金における特別保育事業等推進加算のうち利用児童数に応じて算定する「延長保育事業」、「病児保育事業」、「一時預かり事業」、「定期利用保育事業」等については、国の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う子ども・子育て支援交付金の取扱いに準じて区市町村が通常提供しているサービスと同等のサービスを提供していると認めた場合等は、通常どおり補助することとしています。
また、地域子育て支援推進加算のうち「保育所体験」及び「出産を迎える親の体験学習」については、オンラインを活用して代替措置を採った場合等も補助することとしています。

質問事項
一の6 都として保健所だけではなく、すべての職員が応援体制に入る可能性もあることも想定して、職員に対する感染症に関する研修を日常的に行う必要がある。見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、応援業務に従事する職員が速やかに対応できる体制を整えていくことは重要です。
こうした考えの下、これまでも、応援業務に従事する職員に対して、事前の説明会や業務の引継ぎを着実に実施してきました。
感染症対策に適切に取り組んでいくため、全職員を対象に実施しているeラーニング研修の一環として、新型コロナウイルス感染症に関する基礎的な知識等を学べるよう引き続き取り組んでいきます。

質問事項
一の7 すべての市区町村ごとに発熱外来が設置されるよう都が支援することが必要であるが、現状と取り組みについて伺う。

回答
都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対応するため、感染が疑われる患者を診察する新型コロナ外来を設置する医療機関に対し、人件費等の支援を行うことで、施設数の増加や診療時間の拡充を図っており、令和3年2月現在125か所の新型コロナ外来を指定しています。
また、発熱患者が地域の医療機関で適切に診療・検査を受けられる体制を整備するため、診療体制確保や感染防止対策に係る国の補助制度を周知しながら、発熱患者等の診療又は検査を行う診療・検査医療機関を指定しており、令和3年2月現在3,500か所以上を指定しています。

質問事項
一の8 感染拡大についてマスクの重要性が言われている。飲食の場であっても会食をする場合にはマスクを着用するような普及啓発がまだまだ不十分であり都がより一層取り組む必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
都は、暮らしや働く場での感染拡大を防止するため、手洗いの徹底やマスクの着用などの「新しい日常」の実践を呼び掛けてきました。
また、最大の感染経路は家庭内であることを踏まえ、家庭内にウイルスを持ち込まないため、会食時の注意事項として、会話をするときはこまめにマスクの着用をするなどの「5つの小(こ)」などを呼び掛けています。
さらに、食事中以外はマスクの着用を徹底するよう呼び掛けるポスターを作成し、ホームページに掲載するとともに、職員が直接店舗を訪問し、当該ポスターを配布し、マスク着用の重要性について普及啓発を行っています。

質問事項
一の9 自転車は新型コロナウイルスで満員電車を避けるためより一層普及が進んでいる。しかし、公共施設をはじめ民間施設での駐輪場がなかったり、あっても屋根がなく不便になっている。そこで、公共施設や民間施設において、屋根のある駐輪場の設置を進めるため補助をしたり、建蔽率の計算から除外するなど対応が必要であるが、見解を伺う。

回答
駐輪場については、地区の特性等を考慮し、道路の附属物や都市計画事業として整備する等、一定の要件の下で国等の補助を活用しながら区市町村が整備を進めています。
なお、駐輪場の建築面積については、建築基準法に基づき算出されることとなります。

質問事項
一の10 都営住宅においては、高齢化もあり、駐車場は空いているにもかかわらず、駐輪場は一杯になっている状況を散見する。都営住宅の駐輪場の状況を調べ、増設する必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
都営住宅の建替えに当たっては、住宅の戸数に一定の係数を乗じて得た台数を上限として、入居予定者の世帯構成等を考慮し、自転車置場を整備しています。
一方、既存の都営住宅の中には、若年ファミリー世帯の入居等により、自転車の保有台数が増加している場合もあることから、団地自治会からの要望があった際には、実態調査を行い、簡易な舗装などにより、必要なスペースを確保しています。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 尾崎あや子
質問事項
一 特別支援教室について
二 新型コロナウイルス感染症対策について

一 特別支援教室について
発達障害の児童・生徒が増えているといわれています。東京都は、2016年2月に発達障害教育推進計画を策定し、都内公立小・中学校での指導を、在籍校で受けられるようになりました。
2019年度に「特別支援教室に関する確認書」が導入されましたが、保護者の方から「特別支援教室に関する確認書が導入されたことで、教職員による特別支援教室への入級回避行動や退級圧力が以前よりも多くみられるようになった」との声が寄せられています。
都教育委員会作成のリーフレット「東京都の発達障害教育」、学級編制事務説明会の配布資料「令和2年度学級編制調査の特別支援教室に係る変更点等について」、「令和3年度公立小中学校の特別支援学級等及び区立特別支援学校における学級編制等調査について(通知)」などを基に、いくつか質問します。
1 2019年10月31日に「令和2年度(2020年度)区市町村立小・中・義務教育学校、中等教育学校前期課程及び区立特別支援学校の学級編制に関する事務説明会」が開催されました。説明会の資料「令和2年度学級編制調査の特別支援教室に係る変更点等について」の中で、「特別支援教室に関する確認書」及びその例が示されて、保護者に署名・押印を求める同確認書が導入されました。
「確認書」の導入目的は何か、保護者の署名・押印の必要性も含めて都の認識を伺います。
2 説明会の資料には「特別支援教室の目的」の「確認の観点」での文章や、確認書の例の「特別支援教室の目的」の文章の中に「長期間籍を置く場所ではなく」との一文があるため、特別支援教室での支援が必要な児童や生徒に対しても教職員による退級圧力が児童や生徒及びその保護者にかかり、さらに教職員による入級回避と受け止めざるを得ない行動が以前より多く見られるようになったとの声が寄せられています。
これは教育基本法第4条(教育の機会均等等)第2項「国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状況に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない」、引いては憲法第26条第1項「すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」を侵害しかねない行為であり、「確認書」の文言がその状況を創出したとも考えられますが、都の認識を伺います。
3 区市町村教育委員会学務担当部長宛で通知された2020年11月4日付2教学特第1471号の別紙2の2(2)の「確認書」に関する箇所において、「特別支援教室の目的」の「確認の観点」欄は、2019年10月31日付学級編制説明会資料同様に記載されています。
「原則、長期間利用する場所ではなく」について、教職員向けの文書には、補足説明で「継続した指導が行われることを否定するものではありません。」と記載していますが、確認書の例によれば、保護者が実際に見ることができる「確認書」には、その補足説明の記載がないにもかかわらず、保護者に署名を要求することについて、都の認識を伺います。
4 2教学特第1471号通知の「確認書」に関する箇所において、「確認書」とともに「都教育委員会作成のリーフレット『東京都の発達障害教育』」を保護者に説明・配布するように記載されています。
しかし、リーフレットにある「特別支援教室の目的」では「児童・生徒の学習上又は生活上の困難を改善・克服し、障害の状況に応じて可能な限り多くの時間、在籍学級で他の児童・生徒と共に有意義な学校生活を送ることができるようになること」と記載されているのに対して、確認書の例では、「特別支援教室の目的は、最終的には指導開始時に設定した目標を達成し、全ての期間、在籍学級で授業を受けることができるようになること」とし、「そのため、特別支援教室は、原則、長期間利用する場所ではなく、一定の期間の一部の時間に特別な指導を受ける教室」と表現され、本来の目的である学習上又は生活上の困難を改善・克服することは特別支援教室の指導として表現されています。
また、2教学特第1471号の別紙2の2(2)の「確認書」に関する箇所において、「特別支援教室の目的」の「確認の観点」欄の中に「原則、長期間利用する場所ではなく、指導開始時の目標を達成し、可能な限り在籍学級で過ごすこと。」とされ、本来の目的である学習上又は生活上の困難を改善・克服は記載されておりません。
このように確認書の例や通知では、本来の特別支援教室の目的である学習上又は生活上の困難を改善・克服を目的として記載せず、特別支援教室の退級を促す表現が強調されるあまり、特別支援教室での支援が必要な児童や生徒に対しても教職員による退級圧力や入級回避行動が助長せざるを得ない可能性があります。保護者が署名を求められる「確認書」のみに気を取られてリーフレットをよく確認せずに誤解したまま安易に退級等へ誘導させられてしまう可能性があることから、結果として、教育基本法第4条第2項、引いては憲法第26条第1項を侵害しかねない恐れがあると考えられます。教職員、児童・生徒、保護者が誤解しないよう工夫が必要だと思いますが、都の認識を伺います。
5 特別支援教室などの実態がどうなっているのか、校内委員会・コーディネーター・支援員等の仕組みがどのように機能しているのかなど都として調査を行う必要があると思いますが、どうですか。
都は、実態についてどのような調査を行っていますか。
6 特別支援教室に入りたいと希望する児童・生徒が増えています。今後も増えるだろうといわれています。特別支援教室の教職員の配置を増やすべきですが、都の認識を伺います。
7 特別支援教室に通級している児童・生徒数の推移と、教職員の配置人数の推移はどうなっていますか。小学校は平成30年度から令和2年度まで、中学校は令和元年度及び令和2年度の推移はどうなっているのか、小中学校別に伺う。
8 特別支援教育にかかわる教職員の育成が求められていますが、どうですか。

二 新型コロナウイルス感染症対策について
小池都知事は11月25日、新型コロナウイルスの新規陽性者が増え重症者が50人を超えたことなどを明らかにし、酒類提供の飲食店・カラオケ店の営業時間の自粛要請を11月28日から12月17日まで行うことを記者会見しました。
同時に中小企業の取組に対する助成「ガイドラインに基づく取組への助成を拡充」すると述べました。
また、都の「もっとTOKYO」(都内観光推進事業)について、11月28日から12月17日まで、旅行の新規販売を停止することを決めました。
そこで、いくつか質問します。
1 ガイドラインに基づく取組への助成について、この間の実績について伺います。
2 今回の「ガイドラインに基づく取組への助成を拡充」する内容については、換気設備工事費を含む場合の助成限度額を引き上げ、これまでは1事業者あたり100万円を、1店舗あたり200万円に拡充することを決めたことは重要です。充分な財源は残っているのですか。
3 これまで、1事業者として助成を受けた事業者でも店舗が複数あれば、申請できるということにもなります。活用したいという事業者に知らせることが大事になります。事業者への周知はどのように行うのですか。
4 申請期間は6月18日から12月28日まででしたが、今回、2月26日までと延期されたことは重要です。申請期間を3月末までにさらに延期すべきですが、いかがですか。
5 都は、「もっとTOKYO」の新規販売を停止すると決めた根拠について伺います。
6 11月28日から12月17日までを新規販売を停止する期間に予約をしていた人で「65歳以上」「基礎疾患のある方」に該当しない都民がキャンセルをした場合にはどうなりますか。小池知事は「できれば、できるだけ外出は控えて」と「外出自粛のお願い」も同時に呼び掛けているわけですから、キャンセル料については都の責任で行うべきだと思いますが、いかがですか。

令和2年第四回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 特別支援教室について
1 2019年10月31日に開催された「令和2年度区市町村立小・中・義務教育学校、中等教育学校前期課程及び区立特別支援学校の学級編制に関する事務説明会」の資料「令和2年度学級編制調査の特別支援教室に係る変更点等について」の中で、「特別支援教室に関する確認書」及びその例が示されて、保護者に署名・押印を求める同確認書が導入された。「確認書」の導入目的は何か、保護者の署名・押印の必要性も含めて認識を伺う。

回答
特別支援教室を利用する児童・生徒の障害による困難さの改善・克服に向け、指導の効果を高めるためには、保護者が、特別支援教室の目的や指導内容等について理解することが重要です。
そのため、指導を開始するに当たって、対象児童・生徒の保護者が、学校から特別支援教室の制度について適切に説明を受けたこと、また、子供が特別支援教室での指導を受けることを了解したことが明確になるよう、保護者に書面による確認と署名を求めることとしました。
なお、令和2年度については、政府の方針等を踏まえ、押印の欄は削除しました。

質問事項
一の2 説明会の資料には「特別支援教室の目的」の「確認の観点」での文章や、確認書の例の「特別支援教室の目的の文章の中に「長期間籍を置く場所ではなく」との一文があるため、特別支援教室での支援が必要な児童や生徒に対しても教職員による退級圧力が児童や生徒及びその保護者にかかり、さらに教職員による入級回避と受け止めざるを得ない行動が以前より多く見られるようになったとの声が寄せられている。これは教育基本法第4条第2項、引いては憲法第26条第1項を侵害しかねない行為であり、「確認書」の文言がその状況を創出したとも考えられるが、認識を伺う。

回答
特別支援教室は、原則、長期間利用する場所ではなく、一定期間の一部の時間に特別な指導を受けることにより、障害による困難さへの対処方法等を習得し、最終的には、指導開始時に設定した目標を達成し、全ての期間、在籍学級で授業を受けることができるようにすることを目的としています。
そのため、特別支援教室での指導開始に当たっては、その必要性について、児童・生徒一人一人の障害の状態を適切に把握し、通常の授業を一部受けられなくなること等も考慮し、慎重に検討することが重要です。
また、指導開始後は、適切な目標を設定し、障害による困難さを改善・克服し、その目標を達成した場合には退室することになります。

質問事項
一の3 区市町村教育委員会学務担当部長宛で通知された2020年11月4日付2教学特第1471号の別紙2の2(2)の「確認書」に関する箇所において、「特別支援教室の目的」の「確認の観点」欄は、2019年10月31日付学級編制説明会資料同様に記載されている。「原則、長期間利用する場所ではなく」について、教職員向けの文書には、補足説明で「継続した指導が行われることを否定するものではありません。」と記載しているが、確認書の例によれば、保護者が実際に見ることができる「確認書」には、その補足説明の記載がないにもかかわらず、保護者に署名を要求することについて、認識を伺う。

回答
保護者の署名の必要性については、質問1の回答のとおりです。
特別支援教室の指導を受ける児童・生徒を決定した後、個々の児童・生徒の障害による困難さに応じて適切な指導目標を立て、指導開始後は、定期的に評価を行い、設定した目標を達成した場合には退室し、通常の学級において学習できるようにしていくことが必要です。
ただし、教員が指導を行うに当たっては、障害の状態等によって継続した指導が必要な児童・生徒がいることについて留意する必要があるため、御指摘の通知文に記載し周知しています。

質問事項
一の4 確認書の例や通知では、本来の特別支援教室の目的である学習上又は生活上の困難を改善・克服を目的として記載せず、特別支援教室の退級を促す表現が強調されるあまり、特別支援教室での支援が必要な児童や生徒に対しても教職員による退級圧力や入級回避行動が助長せざるを得ない可能性がある。保護者が署名を求められる「確認書」のみに気を取られてリーフレットをよく確認せずに誤解したまま安易に退級等へ誘導させられてしまう可能性があることから、結果として、教育基本法第4条第2項、引いては憲法第26条第1項を侵害しかねない恐れがあると考えられる。教職員、児童・生徒、保護者が誤解しないよう工夫が必要だと思うが、認識を伺う。

回答
御指摘のあった通知文の「指導開始時の目標」及び参考資料(確認書の例)の「指導開始時に設定した目標」という部分は、リーフレットに記載されている特別支援教室の目的である「学習上又は生活上の困難を改善・克服すること」と同義となることから、両者の趣旨が異なるものではありません。
なお、都は、これまでも、特別支援教室の目的については、リーフレットをはじめ、ホームページ、特別支援教室の導入ガイドライン等により、広く周知しています。また、各学校に対しては、入室の際、保護者に対し、リーフレットを用いて適切に説明し、共通理解が得られるよう指導しています。

質問事項
一の5 特別支援教室などの実態がどうなっているのか、校内委員会・コーディネーター・支援員等の仕組みがどのように機能しているのかなど都として調査を行う必要があると思うが、見解を伺う。都は、実態についてどのような調査を行っているか伺う。

回答
令和元年度、区市町村教育委員会へのヒアリングや学校訪問を通じて、特別支援教室の実態を把握しました。
また、令和2年度から、元校長等、特別支援教室の指導に関して知識やノウハウのある特別支援教室巡回運営指導員を設置しました。巡回運営指導員が各小・中学校を訪問し、授業観察、指導記録の確認、ヒアリング等を行うことによって、特別支援教室の運営実態を把握しています。

質問事項
一の6 特別支援教室に入りたいと希望する児童・生徒が増えている。今後も増えるだろうといわれている。特別支援教室の教職員の配置を増やすべきであるが、認識を伺う。

回答
特別支援教室の対象は、通常の学級に在籍し、知的障害はないが、自閉症、情緒障害、学習障害、注意欠陥多動性障害があって、通常の学級での学習におおむね参加できるものの、一部特別な指導が必要な児童・生徒です。
特別支援教室の指導開始に当たっては、障害のある当該児童・生徒にとって、特別支援教室における指導が必要であるか否かについて、在籍学級での指導の工夫による効果や、一人一人の子供たちの状態を専門家も交えながら適切に把握し、通常の授業を一部受けられなくなることも考慮しながら、慎重に検討し、決定します。
なお、都教育委員会は、特別支援教室における指導児童・生徒数に基づき、区市町村ごとに必要な教員を配置しています。

質問事項
一の7 特別支援教室に通級している児童・生徒数の推移と、教職員の配置人数の推移はどうなっているか。小学校は平成30年度から令和2年度まで、中学校は令和元年度及び令和2年度の推移はどうなっているのか、小中学校別に伺う。

回答
小学校の特別支援教室における各年度の指導児童数は、平成30年度16,935人、令和元年度19,539人、令和2年度21,835人です。教職員配置数は、平成30年度1,744人、令和元年度1,982人、令和2年度2,204人です。
中学校の特別支援教室における各年度の指導生徒数は、令和元年度3,368人、令和2年度4,489人です。教職員配置数は、令和元年度473人、令和2年度531人です。

質問事項
一の8 特別支援教育にかかわる教職員の育成が求められているが、見解を伺う。

回答
特別支援教育は、発達障害も含めて、特別な支援を必要とする幼児・児童・生徒が在籍する全ての学校で実施されており、全ての教員には、障害の特性等に関する理解や、特別支援教育に関する基礎的な知識が必要です。
都教育委員会では、都内公立学校の教員が、悉皆で受講する初任者研修や中堅教諭等資質向上研修において、特別支援教育に関する内容を設定しています。また、希望者が受講することのできる専門性向上研修においても、特別支援教育に関する内容を設定し、教職員の特別支援教育における専門性の向上を図っています。

質問事項
二 新型コロナウイルス感染症対策について
1 都は11月25日、飲食店・カラオケ店の営業時間の自粛要請を11月28日から12月17日まで行うことを記者会見した。同時に中小企業の取組に対する助成「ガイドラインに基づく取組への助成を拡充」すると述べた。また、都の「もっとTOKYO」について、11月28日から12月17日まで、旅行の新規販売を停止することを決めた。ガイドラインに基づく取組への助成について、この間の実績について伺う。

回答
本助成事業は、令和2年12月末までの交付決定件数が4,266件、交付決定額が約19億円となっています。

質問事項
二の2 今回の「ガイドラインに基づく取組への助成を拡充」する内容については、換気設備工事費を含む場合の助成限度額を引き上げ、これまでは1事業者あたり100万円を、1店舗あたり200万円に拡充することを決めたことは重要である。充分な財源は残っているのか、伺う。

回答
本助成事業については、令和2年第二回定例会及び第三回定例会の補正予算により必要額を措置しており、これらにより適切に支援を実施していきます。

質問事項
二の3 これまで、1事業者として助成を受けた事業者でも店舗が複数あれば、申請できるということにもなる。活用したいという事業者に知らせることが大事になる。事業者への周知はどのように行うのか伺う。

回答
本助成事業を多くの中小企業等に活用いただくため、商工団体や金融機関等を通じた事業周知を図るとともに、中小企業振興公社に設置しているコールセンターで丁寧な説明を行っています。

質問事項
二の4 申請期間は6月18日から12月28日までだったが、今回、2月26日までと延期されたことは重要である。申請期間を3月末までにさらに延期すべきであるが、見解を伺う。

回答
本助成事業については、新型コロナウイルス感染症による影響が続いている状況を踏まえ、申請受付期間を令和3年2月26日まで、助成対象期間を同年4月30日まで、それぞれ2か月延長することとしました。

質問事項
二の5 都は、「もっとTOKYO」の新規販売を停止すると決めた根拠について伺う。

回答
令和2年11月下旬における新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、対策の強化を行うこととしました。都民に対し、できるだけ不要不急の外出を控えるようお願いするとともに、酒類の提供を行う飲食店等に対し、営業時間の短縮を要請しました。あわせて、「もっとTokyo」について、旅行の新規販売を停止しました。

質問事項
二の6 11月28日から12月17日までを新規販売を停止する期間に予約をしていた人で「65歳以上」「基礎疾患のある方」に該当しない都民がキャンセルをした場合にはどうなるか伺う。「外出自粛のお願い」も同時に呼び掛けているわけであるから、キャンセル料については都の責任で行うべきだと思うが、見解を伺う。

回答
「もっとTokyo」については、令和2年11月28日から出発する旅行の新規販売を停止するとともに、「65歳以上」「基礎疾患のある方」に該当する都民に対しては、令和2年12月1日午後6時から同月17日までに出発する旅行の利用の自粛を呼びかけました。呼び掛けに応じ、旅行のキャンセルを申し出た人に対し、キャンセル料を無料としました。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 あぜ上三和子
質問事項
一 特別支援学校のスクールバスの運転手並びに添乗員の新型コロナ感染リスク対策等について
二 地域猫ボランティアの活動支援等について

一 特別支援学校のスクールバスの運転手並びに添乗員の新型コロナ感染リスク対策等について
特別支援学校は、緊急事態宣言時は休校となりましたが、子どもたちが学校で過ごすことを認め、スクールバスは通常の運行となりました。スクールバスは、緊急事態宣言下においても休むことなく子ども達の通学保障を担ってきました。特別支援学校の児童・生徒のなかには、自宅にいることによりストレスをため自傷行為や多動行動が激しくなってしまう子どもにとっても保護者にとっても休校中の自主登校は非常に大きな役割を果たしました。
教員をはじめとした学校教職員、スクールバスの運転手並びに添乗員は、社会的PCR検査も実施されることはなく、感染リスクを抱えながら、まさに不安を抱えながら仕事を続けてこられました。にもかかわらず、デイサービスや通所訓練の事業所などの従事者には支給された慰労金は、支給されませんでした。その理由は、厚労省所管ではないからというものですが、緊急事態宣言下も使命感をもって業務に従事されてこられたことは同じです。そして、現在も緊張感の中で、仕事を続けられています。
1 特別支援学校の教員をはじめとした教職員、スクールバスの運転手並びに添乗員等に対し、都教育委員会として慰労金を支給すべきだと考えます。いかがですか。
2 また国に対し、これらの方々に慰労金を支給するよう求めるべきです。
今、さらに感染リスクは高まっています。スクールバスの運転をされている皆さんや保護者の皆さんからは、「スクールバスは、2人がけの座席には2人座る状態で、ソーシャルディスタンスを保つ余裕がない」「マスクも取ってしまう生徒もいて感染リスクが非常に高いので心配」「介助で密接にならざるを得ないことも多く、自分が無症状のまま感染させていないかなど神経がすり減る」「せめて運転手や添乗員のPCR検査を実施してほしい」と要望が寄せられています。
3 PCR検査を特別支援学校の教職員とスクールバスの運転手並びに添乗員には定期的に実施すべきではありませんか。
4 厚労省は、4月28日、医師や看護師、介護従事者等が新型コロナに感染した場合、ご本人が申請すれば「労災保険給付の対象となる」という通知を出しました。市中感染が広がるなか、スクールバスの運転手並びに添乗員の場合も当然適応されなければなりません。都教育委員会としての認識を伺います。また、「労災保険給付の対象となること」を各学校や事業者に対し周知徹底する必要があると考えますが、いかがですか。
5 文部科学省は、3密状態にならないようスクールバスを増便した場合、所要経費の2分の1を補助するとしています。こうした制度も活用し、スクールバスの密を避ける対策をとることを求めます。

二 地域猫ボランティアの活動支援等について
都は「2020年に向けた実行プラン」において、動物の殺処分ゼロにする目標を掲げてきましたが、現在、都が集計する殺処分はゼロを更新しているという状況ですが、そのかげに動物愛護推進員の方をはじめボランティアの方々の並々ならないご苦労があることを忘れてはなりません。私は、地元の飼い主のいない猫の譲渡に取り組んでいらっしゃる方々にお話を伺い、譲渡会も視察させていただきました。動物の命も大切にされる共生社会の推進に都として取り組みを拡充するよう求め、以下、具体的に提案し伺います。
1 都は、健康上の理由等で飼い主が飼養を継続することが困難となった場合などに、身近な地域で相談や支援が受けられる体制づくりに取り組む区市町村に対し補助をする「地域における相談支援体制整備事業」ですが、今年度から3年間の時限事業です。しかし、最近では、「高齢者の方が特養に入所するので猫を引き取ってもらえないか」「亡くなられた方の飼い猫を何とかしてほしい」とボランティアに直接、地域包括支援センターから相談や依頼が寄せられるなど、地域猫ボランティアの方々に負担がかかってきています。本事業を各区市町村で実施することができるよう本事業の意義を区市町村に周知徹底を行うとともに、本事業を検証し、継続して実施することを求めます。
2 殺処分ゼロを持続させていくには、動物教室などの取組をいっそう促進することが重要です。川崎市では、ANIMAMALL・動物愛護センターを2019年2月に移転開設していますが、「動物を通じて、誰もが集い、憩い、学べる交流施設」として、動物に係る個人・団体等と連携・協働し、「いのちを学ぶ場」「いのちをつなぐ場」「いのちを守る場」としての役割が発揮できるよう整備されたと伺いました。このセンターでは譲渡会も開催されています。都の動物愛護相談センターについては、今後、審議会答申を受けて具体化されていくものと思いますが、是非、他都市の先進事例に学び、動物たちにより良い生活環境を提供し、譲渡をさらに推進し、命を守り、命を学ぶ場として、より充実した動物愛護相談センターを整備するよう求めます。
3 また、譲渡会を開催しているボランティアの方からは、都庁の都民広場など都施設を活用し、動物愛護週間などに譲渡会を開催することを求める声が出されており、実施を求めます。

令和2年第四回都議会定例会
あぜ上三和子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 特別支援学校のスクールバスの運転手並びに添乗員の新型コロナ感染リスク対策等について
1 特別支援学校の教員をはじめとした教職員、スクールバスの運転手並びに添乗員等に対し、都教育委員会として慰労金を支給すべきだと考えるが、見解を伺う。

回答
都立特別支援学校では、都教育委員会のガイドラインに基づき、手指の消毒やマスクの着用、健康状態の把握などの児童・生徒への感染症対策を、外部事業者と連携しながら取り組んでいます。
なお、国の制度では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の慰労金について特別支援学校を支給対象としておらず、都教育委員会としても、慰労金を支給する考えはありません。
 

質問事項
一の2 また国に対し、これらの方々に慰労金を支給するよう求めるべきであるが見解を伺う。

回答
国の制度では、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の慰労金について特別支援学校を支給対象としていません。
都教育委員会としても、特別支援学校のスクールバスの運転手及び添乗員を、国の当該制度の慰労金の支給対象とするよう国に対して要望する考えはありません。

質問事項
一の3 PCR検査を特別支援学校の教職員とスクールバスの運転手並びに添乗員には定期的に実施すべきではないか、見解を伺う。

回答
都立特別支援学校では、都教育委員会のガイドラインに基づき、手指の消毒やマスクの着用、教室等の換気、健康状態の把握などの児童・生徒への感染症対策を、保護者等と緊密に連携しながら、教職員中心に徹底して取り組んでいます。
また、陽性者が判明した場合には、学校において特別支援学校の特性を踏まえ、接触者情報を詳細に収集し保健所に提供しており、感染の可能性がある対象者に、保健所等によるPCR検査が実施されています。
今後も、保健所や福祉保健局等との連携を図りながら、適切に対応していきます。

質問事項
一の4 厚労省は、4月28日、医師や看護師、介護従事者等が新型コロナに感染した場合、ご本人が申請すれば「労災保険給付の対象となる」という通知を出した。市中感染が広がるなか、スクールバスの運転手並びに添乗員の場合も当然適応されなければならない。都教育委員会としての認識を伺う。また、「労災保険給付の対象となること」を各学校や事業者に対し周知徹底する必要があると考えますが、見解を伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症に係る労災補償に関する取扱いについては、厚生労働省労働基準局通知に基づき、労働基準監督署が判断するものです。
労災補償に関する周知については、制度を所管する厚生労働省及びスクールバス乗務員と直接雇用関係にあるバス事業者において行うべきものであると考えます。

質問事項
一の5 文部科学省は、3密状態にならないようスクールバスを増便した場合、所要経費の2分の1を補助するとしている。こうした制度も活用し、スクールバスの密を避ける対策をとることを求めるが、見解を伺う。

回答
都教育委員会は、バス事業者に対し、乗務員の手洗い・咳エチケットの励行、バス車内の清掃と消毒、出発前及び到着後の換気を行う等、車両における感染症対策に係る取組を徹底するよう、従来から指導しています。
また、感染防止策を徹底する観点から、バスの形状に合わせた仕切りを座席の間に設置するなどの対策を行うこととしています。

質問事項
二 地域猫ボランティアの活動支援等について
1 「地域における相談支援体制整備事業」について、最近では、ボランティアに直接、地域包括支援センターから相談や依頼が寄せられるなど、地域猫ボランティアの方々に負担がかかってきている。本事業を各区市町村で実施することができるよう本事業の意義を区市町村に周知徹底を行うとともに、本事業を検証し、継続して実施することを求めるが、見解を伺う。

回答
都では、動物の飼い主等が身近な地域で飼養等に関する相談ができ、支援を受けられる体制の整備に取り組む区市町村を医療保健政策区市町村包括補助で支援する「地域における動物の相談支援体制整備事業」を、令和2年度から実施しています。
事業の周知に当たっては、事業の目的や区市町村が実施する取組の例等について記載したリーフレットを作成するほか、包括補助に係る説明会や区市町村の動物愛護管理担当者の会議等の場で情報提供しています。
今後、事業の実施状況を検証しながら、引き続き、各区市町村がボランティア団体と連携し、地域における相談支援体制づくりを進めていけるよう支援していきます。

質問事項
二の2 川崎市ではANIMAMALL・動物愛護センターを2019年2月に移転開設しているが、動物に係る個人・団体等と連携・協働し、「いのちを学ぶ場」「いのちをつなぐ場」「いのちを守る場」としての役割が発揮できるよう整備されたと伺った。都の動物愛護相談センターについては、他都市の先進事例に学び、動物たちにより良い生活環境を提供し、譲渡をさらに推進し、命を守り、命を学ぶ場として、より充実した動物愛護相談センターを整備するよう求めるが、見解を伺う。

回答
都は平成29年3月、動物愛護相談センター整備基本構想を策定し、これからのセンターで重点的な取組が必要な事項を、適正飼養の普及啓発や保護された動物の譲渡の推進、事業者等の指導・監督、動物に関する危機管理対応と整理しました。
また、令和2年12月に、東京都動物愛護管理審議会から「今後の動物愛護管理施策の方向性について」の答申を頂いており、その中で、施策の中核を担うセンターの在り方についても御意見を頂いています。
センターの整備に当たっては、審議会からの答申等も踏まえ、必要な機能の確保や利便性、業務の効率性等を勘案しながら検討を進めていきます。

質問事項
二の3 譲渡会を開催しているボランティアの方からは、都庁の都民広場など都施設を活用し、動物愛護週間などに譲渡会を開催することを求める声が出されており、実施を求めるが、見解を伺う。

回答
都では、動物の飼養等に関する知識や適正飼養等に係る普及啓発活動の経験を有し、都の譲渡事業に協力いただく約50のボランティア団体等を登録し、これらの団体等と連携して、動物愛護相談センターが保護した犬や猫の譲渡を進めています。
また、東京都動物情報サイト「ワンニャンとうきょう」では、動物愛護相談センターや都の登録を受けたボランティア団体等から、保護された犬や猫を譲り受ける方法や譲渡会の情報などを広く都民に発信しています。
さらに、譲渡事業の認知度向上のため、都独自に11月を譲渡促進月間に定めるとともに、都立公園等を活用した譲渡事業のPRイベントを開催するなど、動物譲渡の拡大に向けた様々な取組を行っています。

令和2年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 和泉なおみ
質問事項
一 葛飾区東金町8丁目の加用水と水元公園との一体的整備について

一 葛飾区東金町8丁目の加用水と水元公園との一体的整備について
東金町8丁目は東京都立水元公園拡張計画のもとで、「都立公園区市町村立施設の設置許可の基準」第5の「三分の一条項」に基づき、区も用地取得に努め、平成9年に葛飾区から東京都に東金町運動場4,000平方メートルが無償譲渡されたことに伴って、12,000平方メートルの設置許可を得ました。そこに、多目的運動場、少年野球場、テニスコート、それに加えてスーパー堤防等が整備されています。
この公園整備と合わせて、その隣を走る加用水の対策が問われてきました。
加用水には、三郷市からの水路が接続されていましたが、平成13年6月に排水が下水への流入に切り替えられています。また、国道298号線の雨水排水もすでに下水に切り替えられており、ともに現在流入がありません。水元公園は、加用水を利用していないため、残っているのは都道松戸・草加線の雨水排水のみとなっています。
加用水は、長い間の雑排水等が流れていたためヘドロが堆積し、悪臭を放つ一因となっています。堆積したヘドロには雑草が生い茂るなど環境的にも衛生的にも好ましいものではなく、水路管理者として葛飾区が悪臭の防止や草刈り、ゴミの取り除きなどの対策を行ってきましたが、いまなお年に1、2度除草などが続いています。また、加用水の周囲は錆びついた柵に覆われ、その安全対策として施された汚れた工事用フェンスが貼られています。景観としても、極めて荒んだ印象を与えます。
加用水は水路そのものが都市計画公園区域内であり、水元公園との一体的計画として整備されることになっており、早期実施が住民からも強く求められています。
とりわけ、2020オリンピック・パラリンピックにむけ、この東金町8丁目水元公園拡張部分には、葛飾区が東京都の支援も受けて「東金町スポーツクライミングセンター」を整備し、IFSC(国際スポーツクライミング連盟)や公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会などによる大会などの開催や、多くの近隣住民等に利用されています。ところが、公共交通機関や車での来場者は、この施設のある公園と並行して存在する加用水を目にしながら通行し、来場することになるのです。最近では、あまりにも見た目が悪いということで、グリーンのフェンスを施設入口付近にだけ設置しています。
この問題を解決する一番の近道は、当初からの計画である水元公園拡張と一体の加用水の整備です。
そこで、以下質問します。
1 都道松戸・草加線の雨水排水は、いつまでに止めることとなっているのでしょうか。
2 雨水排水の流入を止めた後、速やかに整備に入れるよう、早期に地元区である葛飾区との調整を行い、整備するべきだと考えますが、都の見解を伺います。
3 整備に当たっては、地域住民の要望を丁寧に把握し、要望に沿って整備することが重要ですが、都の認識を伺います。
4 加用水の整備とともに、南側道路も含めて一体的整備を行うことを求めますが、いかがですか。また、東金町8丁目内における「東金町ポンプ場」の区域に整備計画があるのか、伺います。
5 東金町8丁目公園拡張部分において、最後に東京都が取得した土地周辺の整備が行われず、フェンスで囲われただけの状態となっています。早期に整備することを求めますが、いかがですか。
6 東金町5丁目と8丁目の間が、都道地方主要道松戸草加線で公園が分断されています。バリアフリーに配慮した橋梁などの設置が必要と考えますが、いかがですか。東京外かく環状自動車道により、せっかくできた公園が分断されています。以前示されていた北側に公園連絡橋を設置するとともに、南側には高架下を横断する緑道の整備によって一体感を生み出すことも必要と考えますが、いかがですか。
7 東京外かく環状自動車道の整備運用のもとで、東金町8丁目の大気汚染等が懸念されます。現状はどうなっているのでしょうか。あわせて測定局を設けるべきと考えますが、都の見解を伺います。

令和2年第四回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 葛飾区東金町8丁目の加用水と水元公園との一体的整備について
1 都道松戸・草加線の雨水排水は、いつまでに止めることとなっているのか。

回答
都では、以前から当該箇所の排水系統の見直しについて、調査・検討を進めています。
現在、排水系統の見直しに向けた設計は、令和3年度末を目途に進めています。設計などの完了後に工事着手を目指し、加用水への雨水排水の排出を止める予定です。

質問事項
一の2 雨水排水の流入を止めた後、速やかに整備に入れるよう、早期に地元区である葛飾区との調整を行い、整備するべきだと考えるが、見解を伺う。

回答
加用水や区道部分の整備については、地元区や関係機関等と調整を図りながら、検討しています。

質問事項
一の3 整備に当たっては、地域住民の要望を丁寧に把握し、要望に沿って整備することが重要であるが、認識を伺う。

回答
整備に当たっては、必要に応じて地元区との調整や工事説明会等を実施することとしています。

質問事項
一の4 加用水の整備とともに、南側道路も含めて一体的整備を行うことを求めるが、見解を伺う。また、東金町8丁目内における「東金町ポンプ場」の区域に整備計画があるのか、伺う。

回答
加用水及び区道部分の整備については、地元区や関係機関等とも調整を図りながら、検討しています。また、東金町ポンプ場区域については、当面整備の予定はありません。 
 

質問事項
一の5 東金町8丁目公園拡張部分において、最後に東京都が取得した土地周辺の整備が行われず、フェンスで囲われただけの状態となっている。早期に整備することを求めるが、見解を伺う。

回答
当該土地については、これまで環境確保条例等に基づく調査等を実施しており、整備に向けた調整を行っています。

質問事項
一の6 東金町5丁目と8丁目の間が、都道地方主要道松戸草加線で公園が分断されている。バリアフリーに配慮した橋梁などの設置が必要と考えるが、見解を伺う。東京外かく環状自動車道により、せっかくできた公園が分断されている。以前示されていた北側に公園連絡橋を設置するとともに、南側には高架下を横断する緑道の整備によって一体感を生み出すことも必要と考えるが、見解を伺う。

回答
東金町五丁目と東金町八丁目との間については、都道に横断歩道が2か所設置されています。また、都市計画上、東京外かく環状自動車道と公園が重複する区域のうち、加用水及び区道部分の整備については、地元区や関係機関等と調整を図りながら、検討しています。

質問事項
一の7 東京外かく環状自動車道の整備運用のもとで、東金町8丁目の大気汚染等が懸念される。現状はどうなっているのか伺う。あわせて測定局を設けるべきと考えるが、見解を伺う。

回答
都は現在、大気汚染の状況を把握するため、都内80か所で大気汚染物質の濃度を測定しており、葛飾区東金町付近では、水元公園内において一般環境大気測定局を設置し、常時測定を行っています。
過去5年間に当該測定局で測定した大気汚染物質は環境基準に適合しており、東京外かく環状道路の三郷南インターチェンジから高谷ジャンクションまでの間が開通した平成30年度以降も汚染物質濃度は減少傾向にあります。
なお、東金町付近に新たな測定局を設置する予定はありません。

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