令和二年東京都議会会議録第二十三号

○議長(石川良一君) 九番上田令子さん。
〔九番上田令子君登壇〕

○九番(上田令子君) 今般、六度目となりますが、事業者は都度経営判断に迫られ、期待しては落胆することを繰り返し、焼け石に水と応募しない店舗もある中、果たして感染拡大の防止について効果があるのか、支給金額は妥当なのか、どのような経営支援を想定しているのか、所見を伺います。
 これまで、申請給付手続が滞り、いつ振り込まれるかわからないなど、苦情が殺到、これら反省点をどう解消したのか、手続委託業者に、幾らでどこに委託するかも含め、詳細をお聞かせください。
 小池知事は、議会にも諮らず、専決処分で感染防止徹底宣言ステッカー掲示にかかわる条例改正を強行。会見では、上機嫌でTシャツをご披露していましたが、その数日後、江戸川区内の店舗でクラスターが発生、同店も保健所も対策はとられていたと認識していましたが、この件を受け、知事は、中には実践もせずただ張ってつけておけばいいやみたいな業者がいないとは限らない、そして、現実に今回起こったと断じました。勝手に決めつけて制裁することを禁じた行政手続条例十四条に反しかねない発言です。
 これまで血税を注いできましたが、都内の事業者は七十万にも及びます。東京を虹ステッカーで埋め尽くすとし、予算をつけてきた一連の取り組みは成功したのか、対策をとってステッカー掲示をしているにもかかわらずクラスターが発生してしまった店舗への責任についてはどうとるか、知事の所見を伺います。
 議案につき、これまでもメディア報道が先行、知事は、あたかも自身の手柄のように語られていますが、都議会へ報告し、都公式サイトで都民に真っ先に公表すべきではないでしょうか。
 都政も、税金も、自己PRの道具ではありません。あらゆる提案について、知事は、誰のために、何を最優先に、何を実現しようとしてきたのでしょうか。説明責任とし都政運営の最高責任者たる姿勢を問います。
 私は、あふれんばかりのぜい肉をつけた今年度十五兆予算につき、コロナ禍を予見するかのように、不要不急の新規事業の凍結を求めていました。結果は、そして現実に今回起こったわけです。
 歴代都知事らが紆余曲折を経て堅実に積み上げてきた財政調整基金一兆円が、ことしに入って激減、残高約一千五百億円となっております。もはや、今後都債の乱発依存、将来世代負担はあってはなりません。
 今後、基金残高をいかに回復し、都と国の負担と、財源の責任分界点を明らかにしたコロナ対策を講じていくか伺います。
 今回、飲食とカラオケに限定されていますが、豊洲の仲卸のような食材業者には協力金は支給されず、対象外事業者から不公平の声が上がっており、同様の支援を求める声が相次いでいます。
 都として、関連業種支援の必要性を感じているのか、対策についても伺います。
 再質問を留保します。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 上田令子議員の質問にお答えいたします。
 補正予算の質問、提案についてのご質問がございました。
 都議会の皆様に対しましては、報道発表に先立ちまして、東京都議会災害対策連絡調整本部などの場におきまして、提案する補正予算案について、事前にご説明申し上げているところでございます。
 また、都民の皆様方に対しましては、私みずから、臨時の記者会見などを通じまして、ご説明を申し上げているところでございます。
 今後とも、新型コロナウイルス感染症対策に関しまして適切な情報発信に努めてまいります。
 残余のご質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、協力金の効果や支給額の妥当性等についてですが、協力金は、これまでの四回にわたる支給において、毎回ほぼ想定した数の事業者の方から申請をいただいております。
 こうした取り組みもあり、これまでの休業等の要請は、感染者の増加抑制に一定の効果があったものと考えております。
 今回の要請は、年末から年始にかけての繁忙期に行うものでございまして、営業時間短縮による事業者への影響が大きいことを考慮の上、国の交付金も活用し、金額を百万円といたしました。
 今後とも、都内の経済情勢や事業者の経営環境を的確に把握しながら、感染拡大防止と経済活動の両立に向けて必要な施策を講じてまいります。
 次に、協力金の支給についてですが、都は、協力金を迅速に支給するため、利用者が申請手続を円滑に行うとともに、その審査を速やかに進める仕組みをつくり上げてきたところでございます。
 今月十八日から来月十一日までの営業時間の短縮要請の協力金につきまして、事務処理に係る予算二十億円により民間の力を生かし、審査や支給を効率的に実施していく予定でございます。
 最後に、飲食店に関連する事業者への対策ですが、感染拡大による影響を受け、厳しい経営状況が続くさまざまな中小企業に対しまして、資金繰りを支える融資制度のほか、家賃支援や経営相談の実施など、多様なサポートを今後とも行ってまいります。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 感染防止徹底宣言ステッカーについてでございますが、都は、ガイドラインを遵守している事業者へのステッカーの普及拡大を進め、各店舗等における自主的な感染防止対策の取り組みを効果的に推進してまいりました。
 ステッカーを掲示する店舗で発生したクラスターについては、今後も保健所と連携し、感染拡大防止策の徹底に努めてまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 新型コロナ対策の財源についてでございますが、都は、財政再建以降、事業評価による不断の見直しを推進して生み出してきた財源を、これまで計画的に基金へ積み立て、特に財政調整基金は、令和元年度末までの四年間で約三千億円を積み増したところでございます。
 また、都債の発行を抑制することにより発行余力を培うなど、都財政の対応力を着実に強化しておりまして、これらの取り組みにより、この間の新型コロナウイルス感染症に打ちかつための必要な対策を切れ目なく講じてきたところでございます。
 今後とも、事業評価の徹底などにより、基金残高の確保を図るとともに、国の財政支援も積極的に活用しながら、新型コロナウイルス感染症対策を着実に進めてまいります。
〔九番上田令子君登壇〕

○九番(上田令子君) 施策情報ですけれども、間違いなくメディア先行だったと思います。
 また、本日、過去最多の感染者となりました。虹ステッカー一連の事業につきましては、局長答弁ではなく、知事の責任を問うております。
 みずからの言葉で、ガバナンスのトップといたしまして、ご説明を知事にお願いいたします。(拍手)
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 再質問にお答えいたします。
 感染防止徹底宣言ステッカーについてでございますが、都は、ガイドライン遵守事業者へのステッカーの普及拡大を進め、各店舗等で自主的な感染防止対策の取り組みを効果的に推進してまいりました。
 ステッカー掲示店舗で発生したクラスターについては、今後も保健所と連携し、感染拡大防止対策の徹底に努めてまいります。

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