令和二年東京都議会会議録第二十三号

○議長(石川良一君) 九十八番菅野弘一君。
〔九十八番菅野弘一君登壇〕

○九十八番(菅野弘一君) 東京都議会自由民主党を代表して質問いたします。
 本定例会に急遽提案された令和二年第四回定例会補正予算案、追加分に関する質疑の前に、コロナ対策に関する知事の政策決定手続について一言申し上げます。
 コロナ感染が拡大し、国が緊急事態宣言を行い、宣言解除後は一旦鎮静化したかに見えた感染状況が再び拡大に向かっています。こうした感染状況の変化に応じて、臨機応変に迅速に対策を講じることは非常に重要です。
 小池知事は、この間、新たな条例を制定し、感染拡大防止の新規事業や補正予算を発表するときに、都民を代表する都議会への説明は後回しにして、知事記者会見でのマスコミ発表を最優先してきました。そして、そのたびごとにフリップを掲げて、新たなキャッチコピーを読み上げるのが恒例になっています。
 そして、コロナ条例の制定、改正や補正予算の多くは、議会に諮らず、小池知事が専決処分で執行してきましたが、中には、都議会で審議すべきタイミングでも専決処分されたことも多々ありました。
 ところが、今回については、年末年始を控え、東京のみならず全国各地で感染が拡大し、一刻の猶予もなく、まさに間髪を入れず知事の専決処分で対応するのにふさわしい場面で、知事は突然、議会に補正予算を提案されました。
 コロナの感染防止策は迅速に進めなければなりませんが、改めてコロナ対策に関する政策決定手続について強い問題意識を持っていることを指摘して、質疑に入ります。
 小池知事は、令和二年十二月十三日付で、菅義偉内閣総理大臣に対し、東京における新型コロナウイルス感染症対策に係る今後の取り組みに関する要請を行いました。
 まずは、この要請内容について確認いたします。
 この中で、知事は、営業時間の短縮要請に係る協力金について、国による十分な財政支援を行うよう求めました。
 そこで、今回追加提案された感染防止協力金は一律に百万円が支給されるものですが、国と都での負担割合はどのようになっているのか、また、その根拠や考え方についてお伺いします。
 今回、四十万円から百万円へと大幅に単価を引き上げて、六度目の協力金を支給することとしたわけですが、今回の時短要請を行うに当たっての協力金の考え方と見込む効果について、知事の見解をお伺いします。
 都はこれまで、酒類を提供する飲食店などに対して、営業時間短縮を再三にわたり要請してきていますが、こうした対策は、都民生活や都内経済活動にとって大きな負担になるのも事実です。
 実際、今回の年末年始期間を対象にした営業時間短縮要請には、既に極めて厳しい経営環境にある中小事業者の方々からは、さすがに今回の要請に従うのは苦しいという声すら上がっています。
 知事ご自身も、たび重なるご協力をいただき、事業者には心苦しい思いでいっぱいだと発言をされています。
 都は、現在実施している営業時間の自粛要請に関して、都内の主な繁華街で各店舗の対応状況を調査されているようですが、私たちの調査では、特に都内中心部の繁華街では、協力金の額などが非現実的だとして、営業時間の短縮はされておらず、思ったほどに人の流れはとまっていないようです。知事は、このような現場の声に耳を傾けて方向性を決めてこられたのでしょうか。
 四百七十億円に及ぶ今回の補正予算が実効性あるものになるよう、事業実施に向けたさらなる取り組みが必要ではないでしょうか。
 そこで、今後、どのように施策として実現していくのか、何点か伺います。
 我が党は、十二月七日に知事に対し、コロナ禍における緊急経済対策と協力金の早期支給について要望をいたしました。同時に、さきの代表質問でも確認、要請したところであります。
 これは、厳しい経営状態を背景に、多くの中小零細事業者から、このままでは年を越せないとの切実な声が寄せられたからです。事業者にとって資金繰りが最も厳しくなる年末を迎えます。感染拡大防止協力金が少しでも多くの事業者の手元に、少しでも早く届くように取り組みを進めるよう要望したものです。
 これに対し、知事は、現場の声を聞きながら、早急に対応してまいりますと答弁いただきました。
 そこで、現在の対応状況と今後の見通しについて伺います。
 年末年始の書き入れどきに、営業の機会を奪われた事業者にとってみれば、いつ協力金を受け取ることができるのかということは死活問題であり、一刻も早く知らせてほしいと考えています。
 本定例会の経済・港湾委員会における我が党の質疑の中で、五回目の協力金の初回入金日が明らかになったところですが、この六回目の協力金についても、申請や支給の見通しを速やかに明らかにしていくことが重要であります。
 申請や支給のスケジュールとそれをどのように周知していくのか伺います。
 都は、営業時間短縮期間を延長するに際し、当初、十二月十八日から申請を受け付け、年内には支払いをスタートするものとしていました。
 今回の延長に伴い、申請や支払いが先延ばしになるのではといった心配の声も多く聞かれますが、具体的にどのような仕組みになるのかを伺います。
 また、飲食店への営業時間短縮による経営への影響は、飲食店そのものに限りません。納入業者や製造元となる農家など多岐にわたります。こうした事業者からも悲鳴の声が上がっており、このことは、四月の特別委員会で我が会派が指摘を繰り返してきました。
 こうした関係事業者にはどのような支援を考えているのか、見解を伺います。
 今回の時間短縮に関連して伺います。飲食店に対して深夜帯の営業時間短縮を再三にわたり要請していますが、この時間帯のタクシー、バスや地下鉄などの公共交通の運行や営業収入に与える影響についてどのように考えているのか、見解を伺います。
 また、飲食店などに対する営業時間短縮要請のほか、感染防止のための分散参拝なども呼びかけられていますが、年末年始の地下鉄、バスなどの都営交通の終電、終バスの繰り上げなどの方針について伺います。
 都の営業時間短縮要請を真に実効性あるものにするには、その対策がどのように感染防止策にとって有効なのかを都民に具体的に理解してもらうことが重要です。
 都はこれまで、六回にわたり感染拡大防止協力金を支給していますが、これまでの支給実績と、それによる感染抑制の効果や経済的損失をどのように評価しているのかを伺います。
 さらに、これまで飲食店、カラオケ店に限定した時短要請を行ってきていますが、他の業態についてはどのように評価、判断しているのか、検証結果の報告を受けたことがありません。これまでの取り組みをどのように検証し、今回の対策を講じることに至ったのか伺います。
 年末年始を控え、極めて厳しい経営環境にある事業者への協力金支給は待ったなしであり、迅速に支払うことが欠かせません。協力金の支払いのスピードをどう担保するのか伺います。
 さらに、感染抑制と経済との両立を考える上では、こうした営業時間の短縮要請については、地域ごとに異なる感染状況や営業の業態などを勘案することで、もっと絞るべきとの意見もありますが、こうした指摘についてはどのように考えるのか伺います。
 次に、今回の営業時間の短縮要請は、国のGo Toトラベル事業との整合を図ることを基準にしたと推察いたしますので、その関連で何点か伺います。
 都は、今般、Go Toトラベル事業の利用の一時停止や自粛の呼びかけについては、特別区だけでなく、多摩・島しょ地域も対象エリアに加えることを要請しました。
 しかし、都はこれまで、営業時間短縮要請については、島しょ地域を除いていました。知事は、Go Toトラベルの対象地域の拡大を国に要請する際、危機管理はできるだけ大きく構える、小出しにするのはよくないと発言されています。
 その上で、都の時短要請の対象地域は、大きく構えてもなお、島しょ地域が外されたのはどのような理由によるものなのでしょうか、伺います。
 とりわけ観光業や一次産業などに大きな影響が出ており、今後ますます厳しい状況になると考えられますが、島しょ地域の感染防止対策に対する認識と取り組みについて、あわせて見解を伺います。
 また、Go Toトラベル事業による感染への影響の相関関係について、福岡市は、高島市長が早急に分析を行い、先月半ばには見解を示しました。
 都は、Go Toトラベル事業によるコロナ感染の影響の是非についてどのように分析を行い、評価をされているのか伺います。
 知事は、国に対して、Go Toトラベル事業の利用の一時停止や利用の自粛呼びかけは、営業時間の短縮要請の期間に合わせて、一月十一日までとするよう要望しました。
 この点に関して、知事は、十一月二十八日、感染が拡大している地域への観光と、そうした地域からの旅行の両面を、行く場合と来る場合と、発着でとめる必要があるのではないかと発言をされています。
 つまり、感染が拡大している地域では、Go Toトラベル事業の利用停止期間と、営業時間の短縮要請期間を同一にし、人の移動と営業自粛をセットにすべきという考えだと思います。
 このことは、東京都内についても当てはまるのではないでしょうか。都内には、感染が拡大している地域と比較的落ちついている地域とがあります。都でも、地域の実情に合った対応や地域を絞った対応を講じるべきとの考えもありますが、知事の所見を伺います。
 この間、知事は、Go Toトラベル事業に関して、国の事業です、国が決めることですと再三発言されています。
 国の事業であっても、その影響を受けるのは都民です。都民の思いや気持ちを知事として積極的に伝え、国と円滑な連携を図るためにも、より主体的に、このGo Toトラベル事業にかかわっていくことを求めておきます。
 今回、一月十一日までの延長となりましたが、短期集中対策では、感染抑制に対して十分な成果を出すことはできませんでした。ということは、最悪の場合、あってほしくはありませんが、その先についても、最悪な状況も想定し、十分な準備を進めておくことも必要です。再延長の可否について、いつ、誰が、どういった基準で判断をするのか、見解を伺います。
 都はこれまで、総額一・九兆円ものコロナ対策を講じてきましたが、現時点において、今後の終息への見通しは全く不透明です。
 こうした中、改めて補正予算の追加を行うわけですが、現時点の都財政の状況と今後の方針について伺います。
 知事は、感染対策短期集中を掲げ、不要不急の外出自粛を都民に求めました。都民の皆さんが、知事の要請を正しく理解し、積極的に協力していただくには、知事が考える不要不急の外出について都民に説明することが必要です。
 感染症の拡大を食いとめるためには、人と人との接触をできる限り抑制していくことが重要であり、都が飲食店に対する営業時間短縮要請の延長を打ち出したのも、そのための措置であると理解していますが、こうした観点から申し上げれば、特にこの時期、まちを彩るイルミネーションについても、あわせてそのあり方を検討していくべきと考えます。
 一言でイルミネーションイベントといっても、例えば、商業施設やターミナル駅などで大規模に行われるものから、身近な地域で道行く人を楽しませるものまで、大小さまざまなものが挙げられます。これらは、いずれも毎年多くの人々を引きつける冬の風物詩であります。
 しかし、都民の命、東京の経済、そして現場の最前線で頑張っていただいている医療従事者の皆様を守るため、今は人の集まる機会を可能な限り抑制し、一刻も早くこの難局を打破するべく、実効性ある取り組みを展開しなければなりません。
 そのためには、飲食店の皆様のみならず、幅広く都民、事業者の皆様のご協力をいただきながら、都が率先して、あらゆる手段を講じていくべきです。
 そこで、飲食店に対する時短要請と密接に関連する、こうしたイルミネーションイベントについても、主催者に対して、停止などの協力を働きかけていくことが実効性ある取り組みと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、これに関連して、クリスマスや年越し、初詣でなど、年末年始期間における都民生活や地域に根差した文化的要素のある行事について、休止や縮小の要請を行うことを考えているのかも伺います。
 コロナ禍の終息が見えず、さまざまな制約の中での生活や経済活動が続いています。目に見えない敵との闘いは、やり場のない不安を社会に生み出しています。
 こうしたときこそ、都民全員が、それぞれの立場で今できることを粘り強く取り組むことが大切です。そのためには、東京都は、現在の状況をどう受けとめ、これまでの対策をどのように分析、評価し、どのような事業効果を目指して対策を実施していくのかを都民にわかりやすく説明し、理解と納得をいただくことが必要不可欠です。
 記者会見でのわかりやすいコメントも必要なのかもしれませんが、コロナ禍がここまで長期化している今、都民が求めているのは、わかりやすい言葉だけではなく、その必要性が納得できる具体的な事業です。
 今回のGo Toトラベル一時停止、年末年始の営業時間短縮についても同様です。こうした対策をします、協力金を支給します、都民が求めているのは、そうした説明ではないと思います。
 こうした対応をとることで、具体的にどのような感染防止効果が見込めると考えているのかという説明です。そうした説明を聞き、都民が納得することが、都のさまざまな対策の実効性につながっていくと考えます。
 都内の感染状況の改善に向けて、どのような見通しを持って都事業を展開していくのか、今後の取り組み全般に関する知事の見解をお伺いします。
 以上、政権与党の一翼を担うという自負から、我々都議会自民党は、本補正予算について質疑を行ってまいりました。本当にこの予算が、都内の感染拡大防止策と経済活動の回復に寄与するのかという視点が常に求められています。それをチェック、検証するのが議会に与えられた大きな権能であります。
 これまでも、国も各自治体も、緊急事態ということで突き進んできましたが、行政施策である以上、実施した取り組みの効果を冷静に検証した上で、実効性ある対策を次に掲げていく必要があります。
 迅速な対応も重要ですが、財源にも限りがあり、常に費用対効果は求められます。知事がいうワイズスペンディングは、今まさに求められているのではと思います。浮き足立つことなく、東京都だけが先行するのではなく、他府県や区市町村とともに対策を進めていくことも求めておきます。
 最後に、去る十月二十日、我が党は、加藤内閣官房長官、西村経済再生担当大臣、下村自民政務調査会長を訪問し、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正について要望しました。
 これは、国による緊急事態宣言以来、これまでに明らかになった特措法の課題を早急に整理し、特措法の改正や必要な法整備を行うよう要望したものです。
 具体的には、一、感染状況の正確な把握に向けた国と都道府県との連携強化、二、再拡大に備えた医療体制の整備と医療従事者への支援強化、三、水際対策の徹底と感染拡大防止に向けた国による広域対策、四、都道府県知事の権限強化等であります。
 ぜひ、小池知事においては、問題意識を共有していただいて、全国知事会等において、特措法改正に向けてさらに働きかけるよう要望して、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 菅野弘一議員の質問にお答えいたします。
 協力金の考え方と見込む効果についてのご質問でございます。
 協力金は、営業時間の短縮要請に全面的にご協力いただいた中小事業者に対して支給するものでございます。
 今回の要請は、年末から年始にかけての繁忙期に行うものでありまして、営業時間の短縮で事業者への影響が大きい、そのことを考慮の上で、国の交付金も活用して金額を百万円といたしました。
 協力金につきましては、これまでの四回にわたる支給においても、ほぼ想定した数の事業者の方々からご申請をいただいておりまして、感染拡大防止につながっていると考えております。
 営業時間の短縮要請の実効性を高める上で、協力金は効果のある施策であり、このたびの要請に際しましても、これまでと同様、支給を行うものといたしたところでございます。
 Go Toトラベル事業とコロナ感染の関係でございます。
 Go Toトラベル事業は、観光需要の回復を図るとともに、ウイズコロナの時代における安全で安心な新しい旅のスタイルを普及定着させることを目的に実施されているものと承知しております。
 国の専門家の会議では、当該事業が感染拡大の主要な要因であるとのエビデンスは、現在のところ存在しないとの見解が示されていると担当の局からは聞いております。
 Go Toトラベル事業についてでございますが、観光は、広範囲に人の移動を伴うものでございますことから、Go Toトラベル事業の取り扱いについては、国が全国的な視点から判断すべきとかねがね申し上げてまいりました。
 このため、都は国に対し、多摩・島しょ地域を含めて東京全体を考えてご判断いただきたいと要請したものでございます。
 国といたしましても、特例的かつ強力な予防的措置といたしまして、Go Toトラベル事業の全国一斉の一時停止などを決定されました。国と都の考え方は、まさに軌を一にするものでございまして、国と連携しながらこの国難を乗り越えてまいりたいと存じます。
 イルミネーションへの働きかけについてのご質問でございます。
 都は、年末年始を中心といたしまして、新型コロナウイルス感染症対策について総合的に集中した取り組みを行うことといたしております。
 都民に不要不急の外出の自粛を要請するとともに、飲食店等に対しましては、営業時間短縮期間の延長を要請いたしております。
 都内各地におきましては、地域のエリアマネジメント団体が年末年始の期間において、冬の夜を彩るイルミネーションイベントを行っておられます。感染拡大防止対策の効果をさらに高めるため、関係団体に対しまして、イルミネーションイベントにおけるライトアップの停止等を求めてまいります。
 あわせまして、イベントにつきましても、引き続きガイドラインを遵守した適切な対応を要請してまいります。
 今後の取り組みについてでございますが、新型コロナウイルス感染症対策を進めるに当たりましては、危機管理の要諦として初めに大きく構え、総合的に集中した取り組みを行うことが重要でございます。
 この間、都内の感染拡大の防止に向けましては、感染症対策本部を中心に、外出の自粛や営業時間の短縮などの要請、検査、医療体制の確保、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットなどにつきまして、各局におきまして施策の充実強化を図ってまいりました。
 医療提供体制を確保して都民の命を守り抜く、そのためには、年末年始にかけまして、これ以上の感染拡大を食いとめ、医療機関などの負担を軽減することが肝要でございます。
 引き続き、死亡者を出さない、重症者を出さない、医療提供体制の崩壊を防ぐ、この三つを柱に、都民、事業者と一体となって感染拡大を食いとめてまいります。
 残余のご質問は、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監上野雄一君登壇〕

○東京都技監(上野雄一君) 時短要請による公共交通への影響についてでございます。
 新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言下の期間におきまして、鉄道などの公共交通の利用状況は約七割減まで落ち込みまして、現在は約二割から三割減で推移しております。各事業者におけます今年度上半期の決算におきましては、運輸収入等の大幅な減収が生じております。
 これらにつきましては、感染症の拡大を踏まえた時短要請の影響もあり得ると思われますけれども、新型コロナウイルス危機を契機といたしましたテレワークの進展や大学のオンライン授業の継続など、複合的な要因があると考えられます。
 都民の生活や事業活動を支える重要な役割を担う公共交通をめぐる動向につきまして、引き続き注視してまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、感染拡大防止協力金の負担割合についてでございますが、営業時間の短縮要請に伴う協力金につきましては、先月、国から、地方創生臨時交付金を活用し、一日当たり最大二万円、一カ月当たり最大六十万円を上限として、その八割を負担することとされておりました。これに対し、十二月十三日に財政支援のさらなる充実を要請しましたところ、十四日に開催されました国の新型コロナウイルス感染症対策本部におきまして、年末年始の期間については、国の支援額の単価を倍増するとの方針が新たに示されたところでございます。
 そのため、今回追加提案した協力金につきましては、国の地方創生臨時交付金を最大限活用することとしまして、単価百万円のうち、その八割となる八十万円を財源として見込むことといたしております。
 次に、都財政の状況と今後の方針についてでございます。
 都財政を取り巻く環境が今後厳しさを増すことが想定される中で、持続可能な財政運営に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症対策を初め、多岐にわたる都政の諸課題に積極的に対応することが重要でございます。
 このため、限られた財源を最大限有効に活用する観点から、事業の成果や決算の状況等を踏まえ必要な見直しを確実に行うなど、事業評価の取り組みを一層強化するとともに、今年度予算の執行についても、来年度予算と一体的に精査を図り、無駄をなくす取り組みを徹底してまいります。
 その上で、基金や都債など都財政の対応力を最大限活用することで、コロナ禍にある都民や中小事業者に対するセーフティーネット対策など、都がなすべき役割を確実に果たしてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、感染拡大防止協力金についてですが、先月二十八日から今月十七日までの営業時間の短縮要請は、事業者への影響が大きい年末の繁忙期に行うものであることから、金融機関が営業しております年末三十日までに、できる限り多くの事業者の方に速やかに協力金を支給することは重要と考えております。
 このため、今月十八日の受け付け開始後速やかに審査を進め、一週間後の二十五日には初回の入金を行えるよう必要な調整を図るとともに、既に昨日、協力金の専用ポータルサイトにおいて支給開始日を公表いたしました。
 年内におきましても可能な限り審査を行う体制を構築し、迅速な支給に向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、協力金の支給のスケジュールについてですが、今月十八日から来月十一日までの営業時間短縮要請に係る協力金のスケジュールにつきましては、先月二十八日から今月十七日までの要請に係る協力金とは別途申請を受け付けることとし、年内に公表する実施概要において受け付け開始日や支給開始日をご案内してまいります。
 今後とも、迅速な支給に向けて全力を挙げて対応してまいります。
 次に、協力金の申請や支給についてですが、年末年始で厳しい経営状況が続く中でも、都の要請に応じていただいた事業者に対しては、早期に協力金を支給していくことが重要と認識しております。
 このため、先月二十八日から今月十七日までの要請に係る協力金のスケジュールにつきましては、今月十八日の受け付け開始後速やかに審査を進め、年内に支給を開始いたします。
 また、今月十八日から来月十一日までの要請に係る協力金につきましては、別途申請を受け付け、そのスケジュールは年内に公表する実施概要においてご案内してまいります。
 次に、事業者への支援についてですが、都はこれまで、感染症による影響を受ける事業者を幅広く支援するため、三月に制度融資に新たなメニューを創設し、五月には実質無利子融資を開始し、順次融資目標額を拡大してまいりました。
 また、早急な事業の再生が必要となる中小企業に対して専門家を派遣する支援や、業界団体等による販路開拓の取り組みへの助成を行ってきたところでございます。
 さらに、年末に向け、中小企業への支援を一層強化するため、今回の補正予算により、融資目標額を二千億円追加することとしております。これに加え、中小企業の資金繰りや経営の課題を解決するため、夜間や休日にも相談対応を行う予定としております。
 今後とも、感染状況や経済情勢を踏まえ、中小企業への的確な支援策を講じてまいります。
 次に、協力金の支給実績とその効果についてですが、これまで実施してきた営業時間の短縮要請に係る協力金につきましては、八月の営業時間の短縮要請に係る協力金については、想定規模約四万件に対し、申請数はそれを上回る約四万六千件となり、九月の要請実施分については、想定規模どおりの約三万六千件の申請をいただいております。
 こうした取り組みもあり、この間の時短要請は、感染者の増加抑制に一定の効果があったと考えております。
 また、売り上げが減少するなど厳しい経営状況が続くさまざまな中小企業に対しまして、資金繰りを支える融資制度のほか、家賃支援や経営相談の実施など、多様な支援策を今後とも的確に行ってまいります。
 最後に、協力金の支給のスピードについてですが、年内におきましては、金融機関が営業している今月三十日までの間、支給を行う体制を構築いたします。また、年明け以降も迅速に支給を行えますよう、十二月中は審査業務を可能な限り実施してまいります。
 厳しい経営環境にある中小の事業者が年末年始を乗り越えられますよう、さまざまな可能となる手段を講じて対応してまいります。
〔交通局長内藤淳君登壇〕

○交通局長(内藤淳君) 都営交通における年末年始の運行ダイヤに関するご質問にお答えいたします。
 地下鉄、バスなどの都営交通では、例年、年末年始は土休日ダイヤなどで運行しております。
 コロナ禍におきましても、エッセンシャルワーカーの方など、夜間の時間帯に移動せざるを得ない方々のご利用が一定程度見込まれることから、今年度の年末年始も基本的には例年どおりのダイヤで運行する予定でございます。
 一方、現下の感染状況を踏まえ、大みそかに実施しております都営地下鉄の終夜運転につきましては、その取り扱いを、現在、相互直通各社などと調整しているところでございます。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) 五点の質問にお答えいたします。
 営業時間の短縮要請の効果についてでございますが、本年八月及び九月には、他の業態に比べて、会食などによる感染のリスクが高い酒類を提供する飲食店等に対して、営業時間の短縮要請を行いました。
 その結果、繁華街における人出が減少し、新規陽性者数に減少傾向が見られたほか、会食や夜のまち関連における新規陽性者数も大幅に減少いたしました。また、先月二十八日以降の営業時間の短縮要請につきましても、急激な感染者の増加は抑えられているものと認識してございます。
 こうした点から、これまでの営業時間の短縮要請は、感染者の増加の抑制に一定の効果があったと考えておりますが、現在の厳しい感染状況の中で医療提供体制を確保するためにも、改めて短縮要請を実施することといたしました。
 次に、営業時間短縮要請の対象地域についてでございますが、都内の感染状況は、重症者数も高い水準で推移するなど、依然として非常に厳しく、予断を許さない状況でございます。
 こうした状況を踏まえ、医療提供体制を確保し都民の命を守り抜くには、年末年始にかけて、これ以上の感染拡大を食いとめ、医療機関等の負担を軽減することが重要でございます。
 対象地域については、地域ごとの感染状況を踏まえ、感染が拡大しております区部に加え、多摩地域についても感染拡大が広がりつつあり、区部と連担し、交通網による移動が容易であることから、要請の対象といたしました。
 次に、営業時間の短縮要請の対象地域から島しょ地域を除外したことなどについてでございますが、島しょ地域は、区部、多摩地域と比較しても感染者数の少ない状況が続いているため、感染防止と経済社会活動との両立を図る観点から、引き続き、営業時間短縮要請を行わないことといたしました。
 一方で、島しょ地域は、医療提供体制も脆弱であり、患者の搬送も困難であることから、区部、多摩地域と同様、感染拡大防止に最大限の注意をしていただく必要がございます。
 このため、都では、都内全域を対象として、あらゆる場における一人一人の感染しない、させない行動の徹底などを都民に呼びかけております。
 都としても、引き続き、水際対策など島しょ地域の感染防止対策に万全を期してまいります。
 次に、営業時間短縮要請の再延長の判断についてでございますが、都はこれまで、毎週、モニタリング会議を開催し、都内の感染状況や医療提供体制について専門家に分析していただき、それを踏まえ、必要な対策を適時適切に講じてまいりました。
 営業時間の短縮要請につきましては、事業者への影響が非常に大きく、感染拡大防止の観点と社会経済活動の両立を図るためにも、慎重に判断をしていく必要がございます。
 このため、さらなる要請については、新規陽性者数、重症者数の動向等に加え、東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議における専門家の意見等も踏まえ、国と緊密に連携しつつ、感染防止と経済社会活動との両立を図る観点から総合的に判断をしてまいります。
 最後に、年末年始の行事についてでございますが、現在の都内の感染状況は、急激な感染者の増加は抑えられておりますが、いまだ高どまりの状況であり、医療提供体制を確保し都民の命を守り抜くためには、この年末年始の取り組みが重要でございます。
 都は、年末年始に向けて、より一層の感染防止対策を徹底するため、都民に対して、不要不急の外出や混雑する日時を避けるよう呼びかけるとともに、行事の主催者に対しては、事業者ごとのガイドラインに基づき、適切な感染防止策を実施するよう協力を呼びかけてまいります。

○議長(石川良一君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時五十一分休憩

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