令和二年東京都議会会議録第二十一号

○議長(石川良一君) 七十八番山口拓君。
〔七十八番山口拓君登壇〕

○七十八番(山口拓君) 私は、東京都議会立憲民主党を代表して、都政の諸課題について質問します。
 新型コロナによってあらわになったのは、社会のもろさです。医療や介護など、現場で働く人たちはますます疲弊し、苦しい人はますます苦しくなっています。私たちは、こうした現実を過度な自己責任論で追いやるのではなく、一人一人に手を差し伸べ、多様性を認め合い、ともに支え合う社会の実現が必要であると考えています。
 このような観点のもと、以下質問するものです。
 初めに、格差と貧困対策について伺います。
 この間、私たちは、小池知事の政策や施策には格差や貧困の視点が大きく欠けていると再三述べてきました。
 このような中、十月三十日の知事に手交されたポスト・コロナにおける東京の構造改革の提言では、格差の拡大など、コロナ禍の影響を踏まえ、社会のセーフティーネットを改めて強化すべきことが五つのキーメッセージの一つとして掲げられました。
 二〇一四年十二月のOECD調査にも、所得格差が拡大すると経済成長は低下すると記されているように、格差対策は経済対策でもあるのです。
 そこで、改めて格差や貧困について都の長期戦略に位置づけていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 十一月十七日、東京都税制調査会が、給付つき税額控除などを答申しました。
 答申では、新型コロナの影響による所得格差のさらなる拡大を懸念しつつも、平時からのセーフティーネットの構築が必要であるとの認識から、かつて同調査会が提言した社会保障給付と税額控除が一体化した給付つき税額控除について、導入に向けた検討を始めるべきだとしており、私も全くそのとおりだと思います。
 そこで、私は、国への働きかけなど、給付つき税額控除の導入に向け、都として積極的な取り組みを求めるものですが、知事の見解を伺います。
 立憲民主党は、格差是正に向けた取り組みとしてベーシックサービスの拡充を掲げており、国会では、介護や福祉の現場で働く全ての人の賃金を平均で月に一万円程度引き上げるための法案を提出しています。
 介護、福祉の現場では、従前から処遇改善が課題となっていましたが、新型コロナにより業務負担がふえ、緊張を強いられ、ますます処遇改善は急務となっています。
 そこで、都としても、介護、福祉現場で働き続けられる環境づくりに率先して取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、私は、昨年十二月の代表質問で、自治体発注の仕事によってワーキングプアや貧困を生じさせてはならないと述べ、公契約条例の制定を求めてきました。
 社会経済状況が大きく変容する中で、その必要性はますます高まっているものと考えますが、公契約条例の制定に向けて、改めて知事の見解を伺います。
 また、現状を把握するため、公契約における労働者の賃金実態を調査すべきです。
 さらに、建設業で働く人たちのキャリアが賃金上昇につながるよう、総合評価での導入を図るなど、建設キャリアアップシステムの活用を推進すべきと考えますが、あわせて見解を伺います。
 全国の自殺者の暫定値は、十月の一カ月で二千百五十八人、前年同月比で四割もふえており、極めて深刻です。
 私たち日本人は、相談が苦手で我慢する方が多いといわれています。悩みの九割は人に打ち明けるだけで解決するといわれますが、一人で抱え込まずに相談することが重要です。
 例えば、私は、九月と三月に実施している検索連動型広告の期間拡大や、相談のハードルを下げるための悩み事相談の創設、ターゲットごとにさまざまな媒体を活用した普及啓発の強化など、自殺防止対策をさらに強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、雇用、就職対策について伺います。
 厚生労働省の発表によると、新型コロナの影響で職を失った人は、十二月四日の集計分までで、見込みも含めて全国で七万五千三百四十一人、東京では一万八千百六十人にも上っており、実際の数字はさらに上回っています。
 一方で、東京が行っている雇用安定化就業支援事業などの事業規模は、現状にさえ追いついていません。
 そこで、さきの補正予算を含めて、解雇や雇いどめにより離職を余儀なくされた人に対する支援はどの程度の規模なのか。私は、今後想定される状況を見据え、支援策の事業規模を抜本的に拡充すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 厳しい雇用就労情勢が見込まれる中、ロスジェネや就職氷河期世代を再び発生させてはなりません。来年春の大学等卒業予定者の就職内定率は、十月一日時点で六九・八%、前年度と比べて七ポイント低下しており、高校生も同様に厳しい就職状況が懸念されます。
 また、二〇〇八年のリーマンショックの影響は、二年後に顕在化したとも指摘されています。そのため、高卒就職状況の悪化に備えるため、これまでの都立高校における中途退学の未然防止や在学中の就職決定を支援する取り組みにとどまらず、就職せずに卒業した生徒や、就職後、職を失った卒業生も含めた就職支援の取り組みを充実させることが必要です。
 そこで、私は、就労系のユースソーシャルワーカーの積極的活用を図るなど、都立高校生及び卒業生を支援する取り組みを強化すべきと考えますが、都教委の見解を伺います。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 私たちは、この間、新型コロナ対策の検証を繰り返し求めてきましたが、いまだに行われないまま、三たび感染拡大期を迎えてしまいました。
 第二回定例会、三回定例会の代表質問ほか、機会を捉えて訴えてきましたが、営業時間も違う中、レインボーマークを掲げ感染防止に努力している店も、それ以外も一律に時短を要請する根拠の説明、効果の検証が全く不十分です。
 二回の感染拡大で、時短要請を出すと都民が幅広く行動を抑制し、感染を抑えられる経験則を得たかもしれません。しかし、応じた事業者は協力金では到底賄い切れない大変な思いをしており、対象ではない事業者の売り上げも大きく落ち込んで苦しんでいます。
 さらにいえば、知事が専決した二百億円の予算に見合った効果が本当にあるのかという懐疑も深まっています。このまま検証もせず、第四波が来ても同じ手法をとっていくのでしょうか。検証がぜひとも必要ですが、知事はこれまで積極的な答弁をしていません。
 改めて、都がこれまで行ってきた施策をしっかりと検証することを強く求めるものですが、知事の見解を伺います。
 入院患者数は、十二月七日現在で千八百四十七人と大幅に増加し、医療機関への負担はさらにふえています。保健所から都に入院調整を依頼するケースもふえており、一番の懸念は、重症者や重症化リスクのある方が必要な医療を受けられずに亡くなることです。
 同様に、新型コロナへの対応で通常の救急医療が圧迫され、救える命を救えない事態となることも大きな懸念です。
 コロナ患者受け入れ病床の確保と軽症者のホテル療養体制の確保を急ぎ、通常医療との両立を図りながら対策に取り組むべきですが、見解を伺います。
 また、一日最大六万八千件へと拡大した検査能力を生かし、感染を早期に探知し、広がりを抑える取り組みを強化すべきです。過去のパンデミックでは検査法がなかったため感染を抑え切れませんでしたが、検査を活用して早く発見し、感染の拡大を抑え、医療崩壊を防ぐことが重要と考えます。
 私は、感染拡大をとどめるための戦略的な取り組みとして、感染者やその周辺への調査、重症化リスクの高い集団への検査など、集中的なPCR検査等を行い、感染の広がりを防ぐべきと考えますが、見解を伺います。
 さらに、いわゆる自主検査、自由診療によるPCR検査等もふえていますが、会社などで自主的に検査する場合は全額自費です。より多くの感染者を早期に見つけ、感染を広げないためには、陽性者もふえてきている自主検査を軽視してはなりません。
 また、新規陽性者を検査数で割り返して計算される陽性率は重要な指標ですが、この検査数には自主検査が入っていません。
 第二波では若者の活発な行動が感染を拡大させたといわれていましたが、現在の第三波については不明な点が多いといわれています。できるだけ多くの感染を探知し、拡大を抑えるために、自主検査への助成も行うべきと考えますが、見解を伺います。
 この間、都から応援が来てくれて大変助かっているという現場の声も伺いました。しかし、都から保健所に本格的に派遣したのが四月一日五十人、十月現在で約百五十人です。そのずっと前から、電話がつながらない、PCR検査まで何日も待つ、入院まで何日もかかる状態が続いていました。こんなことは二度と繰り返してはいけません。
 また、土日、休日の相談、検査体制の強化などの課題もあります。接触歴等不明者数は七日間平均で、十二月三日時点で約二百四十九人と高い水準が続いています。専門家によるモニタリング会議でも、保健所業務の激増と支援体制強化の必要が指摘されています。
 今後のさらなる感染拡大を見越した応援体制の強化が必要です。業務の停滞なく、過重労働を避けられるよう体制を強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、複合災害についてです。
 コロナ禍においては、災害が起きた時点で、もはや複合災害です。避難所運営や復興もこれまでとは大きく変化していかなければなりません。都は、避難所における新型コロナ感染症対策ガイドライン策定、地域防災計画の改定など、取り組みを進めています。現実問題として感染防止対策の徹底にはかなりの予算がかかり、さらには避難所の収容可能人員も大きく制限されることとなります。都として早急な対応が必要と考えますが、見解を伺います。
 最後に、非核、平和について伺います。
 被爆地長崎で生まれた私にとって、昨年十一月、核廃絶を訴えたローマ教皇の姿は忘れられません。しかし、ことし二月の私たちの代表質問に対する小池知事の答弁は、都として非核都市宣言を行う考えは持ち合わせておりません、国にしっかりと対応していただきたいと極めて冷淡なものでした。
 来年一月、核兵器禁止条約が発効します。七月には平和の祭典である東京二〇二〇大会が開催の予定です。主催都市である東京から何らメッセージが発せられないことは、残念でなりません。
 私は、私たち一人一人の行動が国を動かし、やがては世界を動かすものだと考えていますが、核兵器のない社会の実現に向け、改めて知事の見解を伺います。
 以上で東京都議会立憲民主党を代表しての質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山口拓議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、長期戦略についてであります。
 東京の持続的な発展を支えるのは、何よりも人であります。私はこれまでも、人が輝く東京の実現を目指した施策の推進に邁進をしてまいりました。
 昨年策定いたしました未来の東京戦略ビジョンにも、子供の貧困対策やひとり親家庭への支援、非正規雇用対策、さまざまな相談体制の充実など、不安を抱える方に寄り添った政策を盛り込んでおります。
 現在直面しておりますコロナ禍におきましては、例えばひとり親家庭の収入の減少が多く見られるなど、子供、高齢者、障害者、外国人など、東京に暮らす人々の生活にさまざまな影響が及んでおります。
 また、解雇や雇いどめによりまして離職を余儀なくされるなど、生活に困窮する人も増加しております。
 こうした状況を踏まえまして、休業等の影響を受けました世帯への生活資金の貸し付けや、離職者に対する再就職支援など、スピード感を持って対策を講じてきております。
 長期戦略の策定に向けまして、八月に示した方針におきましては、人々の安心を支えるセーフティーネットの充実を戦略のバージョンアップの視点として掲げております。
 先般の有識者からのご提言も踏まえまして、さまざまな境遇にある人々に寄り添った政策を練り上げ、誰もが安心して暮らすことができる東京の姿を描いてまいります。
 給付つき税額控除についてであります。
 この仕組みは、課税最低限を下回る所得層の方にも税額控除の効果が給付として及ぶことから、税制の観点から考えられるセーフティーネットの一つの方策として受けとめております。
 一方で、既存の社会保障制度との役割分担の明確化や、所得情報の正確な捕捉と管理、不正受給の防止等、実現には課題も少なくないと認識しております。
 こうしたことを踏まえまして、都といたしまして引き続き、東京都税制調査会を活用して議論を深めてまいります。
 介護現場での働き続けられる環境づくりでございますが、今後、高齢化が進展をいたしまして、介護ニーズの増大が見込まれる中で、介護サービスを担う人材の確保、定着、育成は重要な課題であります。
 そのため、都は、国のキャリア段位制度を活用したキャリアパスの導入や、介護職員の宿舎借り上げに取り組みます事業者を支援いたしております。
 また、事業者が介護人材の確保、定着、育成を図って、健全な事業運営を行うことができる介護報酬とするように、国に繰り返し提案要求をいたしております。
 介護サービスは高齢者の生活を支える上で必要不可欠なものであります。また、今後ともこうした取り組みによりまして、職員が働き続けられる環境づくりを進めてまいります。
 公契約条例の制定についてでございます。
 公契約条例は、一般的に自治体が発注する案件におきまして、相当程度以上の賃金を労働者に支払うよう事業者に義務づけるものであります。
 賃金は、労働関係法令の下支えのもとで、各企業において対等な労使間での協議によって自主的に決定されるべきものと認識をいたしております。
 公契約条例の制定につきましては、こうした考えに加えまして、労働法制との整合性、入札契約制度の前提である公正性、競争性の確保の観点などから、多くの課題があるものと考えております。
 コロナ禍の雇用対策についてのお尋ねでございます。
 感染症の影響が長期化する中で、雇用情勢の悪化には歯どめがかからず、解雇や雇いどめで離職を余儀なくされた方々に対しましての再就職支援は喫緊の課題となっております。
 このため、都は、しごとセンターにおきまして、緊急就職相談窓口を開設いたしましたほか、オンラインによります就職支援セミナーや企業説明会を実施するなど、多様な就職支援サービスを提供しております。
 また、職業能力開発センターなどにおきましては、業界の人材ニーズを踏まえたさまざまな職業訓練も行っております。
 さらに、雇用環境の悪化を踏まえまして、この間、補正予算の編成を通じて、トライアル就労の拡充や緊急就職面接会の開催、職業訓練の充実などの雇用対策を打ち出しまして、約二千人の求職者の方に対して再就職支援を実施しているところでございます。
 今後も雇用情勢を的確に捉えまして、求職者のニーズに応じたさまざまな対策を一体的に展開をしてまいります。
 新型コロナウイルス感染症に係りますこれまでの施策の検証についてでありますが、都内の感染状況は依然として非常に厳しく、重症者数も高い水準で推移するなど、予断を許さない状況にございます。
 今般の営業時間の短縮の要請につきましては、最大の感染経路であります家庭内にウイルスを持ち込ませないために、長時間の飲酒、飲食につながります酒類の提供を行う飲食店等を対象といたしました。
 この間、感染症対策を展開するに当たりましては、感染症対策本部を中心としまして、検査、医療体制を初め、経済活動と都民生活を支えるセーフティーネットなどにつきまして、各局においてその課題を検証しながら、施策の充実強化を図ってまいりました。
 今後とも、感染状況や社会経済状況等も勘案いたしまして、これまでの対策の課題の検証を行いながら、対策に万全を期してまいります。
 保健所の支援体制強化についてのお尋ねがございました。
 新型コロナウイルス感染症への対策を確実に実施していくためには、最前線を担う保健所がその機能を十分に発揮することが必要であります。
 これまで都は、各保健所へ職員を派遣いたしまして業務支援を行うほか、発熱等の症状のある方を対象とした相談窓口や保健所支援拠点の設置など、保健所の体制強化に取り組んできたところでございます。
 さらに、積極的疫学調査等の業務を担う保健師や看護師等をトレーサーとして採用いたしまして、都保健所や保健所支援拠点に配置するほか、看護師の雇い上げなどの経費を支援してまいります。
 こうした取り組みを通じまして、保健所の一層の体制強化に取り組んでまいります。
 核兵器のない社会の実現についてのお尋ねでございます。
 以前も申し上げましたとおり、核廃絶に向けた取り組みは、国の安全保障にかかわる問題であります。
 我が国は、一九九四年以降、毎年、核兵器のない世界に向けた決議案を国連に提出するなど、国際社会において核廃絶に向けた取り組みを続けております。
 こうした中で、核の脅威に対する都民、国民の不安を踏まえ、国にしっかりと対応していただきたい、このように考えているところでございます。
 残余のご質問は、教育長及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 都立高校生等の就職支援についてでございますが、生徒等が将来への希望を持って社会的、職業的に自立できるよう、進路決定への支援を行うことは重要でございます。
 都教育委員会は、都立高校にユースソーシャルワーカーを派遣し、学校の進路指導と連携しながら生徒等への支援を行っております。
 具体的には、ユースソーシャルワーカーとの個別面談を通じ、不安等を解消しながら意欲を引き出し、雇用、就労、福祉等の関係機関と連携し、就職につなげているところでございます。この取り組みは、中途退学者や進路未決定のまま卒業した生徒も対象として実施しているところでございます。
 今後、経済や雇用の状況を踏まえつつ、ユースソーシャルワーカーが関係機関とのネットワークを活用しながら、生徒等個々の状況に応じたきめ細かな対応を行うことを通じて、都立高校生等の就職を着実に支援してまいります。
〔財務局長潮田勉君登壇〕

○財務局長(潮田勉君) 公契約における賃金実態調査と建設キャリアアップシステムについてでございます。
 賃金は、最低賃金法や労働基準法等のもとで、対等な労使間での協議によることが前提でございます。工事等においては、国の公共事業労務費調査などを通じて、今後も賃金動向の把握に努めてまいります。
 また、国や事業者団体等が進めております建設キャリアアップシステムについては、普及率がいまだに低水準であり、契約制度での対応に当たり、状況等の注視を行うとともに、都は引き続き、普及啓発を支援してまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕

○福祉保健局長(吉村憲彦君) 自殺対策に関するご質問にお答えいたします。
 都内の自殺者数は、本年六月以降、前年と比べ増加傾向にあり、今後も新型コロナウイルス感染症の影響による自殺リスクの高まりが懸念されます。
 都は、自殺総合対策東京会議で、コロナ禍における自殺の未然防止策を検討し、その結果を踏まえ、SNS相談と電話相談の体制を強化するとともに、都民への普及啓発、人材の育成等を進めております。
 引き続き、悩みを抱える方を社会全体で支える取り組みや相談事業の拡充、普及啓発の強化などの検討を進め、区市町村や関係機関と連携した施策の強化を図ってまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕

○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、通常医療と新型コロナ患者の治療の両立についてでございますが、医療機関の逼迫を防ぎ、通常の医療との両立を図るためには、重症度に応じた適切な施設で療養していただくことが重要であり、都は、東京iCDCで作成いたしました宿泊療養と入院判断のフローを活用して療養先を決定しております。
 宿泊療養施設は現在、九施設の約三千室を確保してございますが、感染拡大を見据え、今月中に新たな施設を開設し、約四千室とする予定でございます。また、入院が必要な患者を確実に受け入れるため、重症者用の二百床を含む三千床の確保を医療機関に要請しております。
 引き続き、感染動向を注視しながら、宿泊療養施設の運用と受け入れ病床の確保を図ってまいります。
 次に、感染拡大を抑えるための集中的な検査についてです。
 感染拡大を防ぐためには、無症状の方を含め、濃厚接触者等に迅速に検査を実施することは有効です。
 本年九月十五日の国の通知では、クラスターの発生など、地域における感染状況を踏まえ、感染拡大を防止する必要がある場合は、現に感染が発生した施設等に限らず、地域の関係者に対し幅広く検査することが可能となっております。
 また、十一月二十日の国の通知では、高齢者施設や医療機関など重症化のリスクが高い方が多数いる集団や、接待を伴う飲食店など感染が生じやすく、感染があった場合に拡大しやすい場所を優先し、積極的に検査する方針を示しており、都は、こうした国の考えに基づいて対応しております。
 最後に、検査への助成についてでございます。
 高齢者や障害者は、新型コロナウイルス感染症に感染した場合に重症化リスクが高いことから、都は、特別養護老人ホームや障害者の入所施設などを対象として、入所者や職員が定期的に検査を受けるための費用を補助してございます。
 また、認知症グループホームや通所介護、障害者の通所施設など、地域に密着したサービスの利用者や従事職員、不特定多数の方が利用し、クラスターが発生するおそれがある接待を伴う飲食店の従業員を対象として、区市町村が実施する検査についても支援をしております。
〔総務局長山手斉君登壇〕

○総務局長(山手斉君) コロナ禍における災害対応についてでございますが、コロナ禍において自然災害が発生した際には、避難生活を過ごす住民の安全確保と適切な支援を確実に進めていくことが必要でございます。
 このため、都は、避難所が過密にならないよう、在宅避難や縁故避難等の分散避難について広く周知を図るとともに、ホテルや旅館、商業施設等の業界団体との協定締結により、より多くの避難先確保に取り組む区市町村を支援してまいりました。
 今後、ご自宅や知人宅など、避難所以外で避難生活をされる住民の方々に必要な支援が届くよう、行政からの情報発信のあり方等について、区市町村と連携して検討してまいります。
 こうした取り組みを通じて、感染症との複合災害への備えを強化してまいります。

○六十七番(村松一希君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時四十一分散会

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