令和二年東京都議会会議録第十一号

○副議長(橘正剛君) 九十九番清水孝治君。
〔九十九番清水孝治君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○九十九番(清水孝治君) 初めに、都政が新型コロナウイルス感染症対策に追われている間、見過ごすことのできない事件、事故が発生いたしましたので、都の対応についてただしておきたいと思います。
 まずは、ベビーシッターによる強制わいせつ事件について伺います。
 本年四月二十四日、都のベビーシッター利用支援事業に参加している事業者に登録していた元ベビーシッターが、昨年十一月に保育中の男児にわいせつ行為を行ったとして、警視庁に逮捕されたという報道がありました。
 私は、過去にも決算特別委員会において、ベビーシッター利用支援事業の執行率の低さや安全性の確保について質疑をいたしましたが、今回、懸念していたことが現実のものになってしまいました。
 ベビーシッターの普及の要諦は、いかにして安心してベビーシッターに子供を預けられるか、信頼関係の構築であります。今回の事件は、まさにベビーシッター業界を震撼させる結果となりました。ベビーシッターへの信頼を確かなものにするためにも、都は、厳格な事業者の選定と、時には厳正なペナルティーを科すことも必要であると考えますが、見解を伺います。
 次に、都営バスの安全対策について伺います。
 都営バスの運行については、関係者のご努力があるにもかかわらず、残念ながら事故がなくなりません。本年四月には重大事故も発生してしまいました。
 どんな状況下においても、安全最優先の運行が求められる都営交通であります。しかし、今日の都営バスの運行は、都内特有の交通量、駐車車両の多さなど、走行環境の厳しさがあり、ワンマン運行には大変大きな負担となっております。
 これまでも都営バスでは、乗務員に対する育成や研修を行ってきたことと思いますが、同時に、安全をサポートする技術を導入するなど、万全を期していく必要があると考えます。
 そこで、今後どのように都営バスの安全対策を進めていくのか、見解をお伺いしたいと思います。
 次に、地元立川市のまちづくりについて伺います。
 本年は二〇二〇大会の年であったと同時に、いよいよ多摩地域に人口減少が訪れる年でもありました。今後、多摩地域が持続可能な都市を形成していくためには、都の多摩地域における都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に示されているように、面的な整備を行ってきたまちづくりを集約型の地域構造へ再編する必要がございます。
 立川市においては、集約型の拠点となる鉄道駅が市内に十三カ所ありますが、まちづくりに関しては、これまでJR立川駅南北を中心に進められてきたのが実情でございます。
 しかし、現在の立川市の市域は、JR立川駅周辺の旧立川市と基地闘争で名をはせました旧砂川町が昭和三十八年に合併した二つのまちの集合体であります。いまだに旧砂川町の方々は、立川に買い物に行ってくると口にするほど、根強い地域意識が残っているわけであります。
 これまでの延長線上のまちづくりでは、JR立川駅を中心とした旧立川市に偏ったものになってしまう懸念が拭い切れません。
 他方、旧砂川町である立川北部地域には西武線が引かれております。その主要駅である玉川上水駅の年間乗車人員数は既に九百九十万人を超え、年々増加傾向にあります。また、同駅北側に位置する上北台から多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面への延伸は、事業化に向けた設計等が開始されました。
 さらに、南側には東西に延びる都市計画道路、新五日市街道が優先整備路線として位置づけられており、将来に向けて玉川上水駅周辺のまちづくりには、大変大きな期待が寄せられております。
 そこでお伺いします。
 今後二十年先を見据えた観点から、立川北部地域の交通結節点である西武線玉川上水駅周辺を地域の拠点に位置づけて、立川のまちづくりを推進していく必要があると考えますが、都の見解をお伺いしたいと思います。
 次に、高速道路のスマートインターチェンジ設置について伺います。
 立川市が多摩地域の中心といわれるのは、JR中央線や南武線、青梅線、そして多摩都市モノレールなど、鉄道敷の結節点であるからにほかなりません。
 しかし、立川市の道路交通アクセスは大変不便であり、都心から立川駅周辺の中心地まで車で向かうには、中央自動車道国立府中インターチェンジをおりてから三十分は見なければなりません。そこに、首都圏で大規模災害が発生した際、都心部への輸送活動の拠点となる立川広域防災基地が位置するのであります。
 他方、我が国の高速道路のインターチェンジの間隔は、平均で約十キロメートルと欧米諸国に比べ約二倍と長く、近年は高速道路へのアクセス効率化、利便性の向上のためにスマートインターチェンジの設置が進められてまいりました。
 平成二十七年には、中央自動車道府中バス停を利用して、府中スマートインターチェンジが開通いたしました。国立府中インターチェンジから八王子インターチェンジの間には、スマートインターチェンジの設置の種地になる日野バス停がございます。
 そこで、立川のみならず、日野市や昭島市、福生市といった周辺地域の高速道路へのアクセス向上のためにも、同区間内にスマートインターチェンジを設置すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、来月の都知事選挙を控える中、小池知事の学歴に関して改めてお伺いをいたします。
 女帝小池百合子と題する本が、五月二十九日に文藝春秋社から出版されました。こちらでございます。私も平棚に置かれました最後の一冊を購入いたしました。売れ行きは大変よいようでございます。
 都知事選挙を控えたこの時期に、現職都知事のこれまでの言動に数多くの疑惑があるという本が出版されたのであります。
 三月九日の予算特別委員会で、小池知事は、名誉毀損云々については、政治家や権力者は抑制的であるべきと発言されています。しかし、小池知事の言動がうそだらけだとする四百四十ページにも及ぶ書物が出版されたのであります。目をつぶっていられるのでしょうか。現職の都知事として法的措置をとるお考えはないのでしょうか、お伺いしたいと思います。
 そして、この本で、知事はカイロ時代にある女性と長期間同居していたと記されており、その女性の発言がたびたび引用されております。例えば、四〇一ページでございますが、本当の自分をさらしても誰も喜ばない、そんな思いが百合子さんには小さなころからあったのかもしれない、もしかしたら百合子さんにはうそをついているという感覚もなかったのか、相手が期待することをいってあげた、相手の喜ぶことをいってあげた、それでどうして私が責められなきゃならないの、マスコミの責任も重いです、百合子さんにどんどんうそをつかせた、百合子さんは応え続けた、どうして誰もとめてあげなかったのか、今からでもおそくない、人生をやり直してほしい、本当の人生にしてほしい、このような思いを語られているのであります。
 若き日にカイロで知事と生活をともにした方の、知事を思うお気持ちが込められており、読んでいて、知事、私も思わず胸が熱くなってしまったわけでございます。
 そこでお伺いします。
 知事は、カイロ大学時代に女性と同居されていたことがあるというのは事実なのでしょうか、教えてください。
 最後に、これまでもお願いをしてまいりましたが、小池知事のカイロ大学の卒業証書と卒業証明書を、都民の前にはっきりとお示しくださいますようお願い申し上げます。
 知事は再三、これまでも見せてきたとおっしゃっておりますが、確かに知事は、これまで三回公表されております。
 しかし、公表したものは、その都度異なっており、同一のものは一つもありません。さらに、不完全な形のものばかりであります。その上、余りに短時間で、映像も極めて不鮮明で一体何なのか全くわからない、そうしたものばかりであります。
 こうしたことが、東京都知事の学歴疑惑の根源であり、四年の任期が終わろうとする今でもくすぶっている理由であるかと思うわけであります。
 知事は、ご自身の学歴にうそがないことははっきりと示し、都民の信頼を回復するために、カイロ大学の卒業証書、卒業証明書を公表すべきであります。
 知事のお考えをお伺いしまして、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 清水孝治議員の一般質問にお答えいたします。
 これほどこの本会議場で、ファーストネームで呼ばれたことは初めてでございます。
 ご質問にありました読み物につきましては、私自身は読んでおりません。コロナ対策など、都政に邁進をいたしておりまして、内容の一つ一つを確認しているわけではございません。
 そして、お尋ねにありました法的措置につきましては、以前も都議会の場でお答えをいたしました。法的措置云々につきましては、そもそも政治家は抑制的であるということを前回お答えもしたとおりでございます。一方で、必要であれば弁護士と相談をしてまいります。
 そして、幾つかご質問がございましたけれども、そもそも、その読み物を読んでおりませんので、お答えのしようがございません。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、玉川上水駅周辺のまちづくりについてでございます。
 玉川上水駅周辺は、多摩都市モノレールの延伸や都市計画道路の整備など、将来の交通ネットワークの拡充を見据え、今後、まちづくりの重要性が高まるものと認識しております。
 こうした観点から、都は、都市計画区域マスタープランの原案において、同駅周辺について従来の生活中心地から、新たに地域の拠点として位置づけました。これにより、身近な地域における生活を支える場から、今後は、にぎわいと魅力ある商業空間の創出など、交通結節機能を生かした都市機能の集積を図り、地域の拠点としての形成を目指していくといたしました。
 今後は、都と地元市が連携し、玉川上水駅周辺のまちづくりを推進してまいります。
 次に、スマートインターチェンジについてでございます。
 スマートインターチェンジは、高速道路の既存スペースなどを活用することにより、コンパクトかつ低コストで設置できるETC車両専用の施設でございます。
 お話の中央道の国立府中と八王子のインターチェンジ間については間隔が九キロメートルあり、スマートインターチェンジの設置により、周辺地域の活性化や立川広域防災基地へのアクセス向上等に資すると考えられます。
 設置の具体化に当たっては、接続先の道路管理者が主体となり、国や高速道路会社と連携して、まずは必要性の確認や安全性の確保などの検討を行う必要がございます。
 都としても、道路管理者の動向を注視しつつ、検討に際して必要な協力を行うなど、適切に対応してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) ベビーシッター利用支援事業に関するご質問にお答えいたします。
 都は、保育の質を確保するため、参画する事業者を独自の基準で認定するとともに、従事する全てのベビーシッターに都が実施する研修受講を義務づけているところでございます。
 お話の事件は、本事業とは異なる、個人間で契約するマッチングサイトで起きたものであり、かつ加害者は都の研修にも参加しておらず本事業の従事資格はありませんが、同様の事案が発生しないよう、全ての認定事業者に注意喚起をしたところでございます。
 認定事業者のベビーシッター派遣業務に重大な事故等が発生した場合は、サービス提供約款に基づき立入調査等を実施し、基準に適合しない場合は改善指導を行ってまいります。改善されない場合は、認定取り消しも含め厳正に対応いたします。
 今後とも、保護者が安心してベビーシッターを利用できるよう、保育の質の確保に取り組んでまいります。
〔交通局長職務代理者次長久我英男君登壇〕

○交通局長職務代理者次長(久我英男君) 都営バスの安全対策についてでございますが、安全運行を確保する上で、乗務員みずからが安全について考え、常に基本動作を徹底することが重要であり、ドライブレコーダーの画像を活用した研修や、乗務員同士が安全について考えるグループ討議など、安全教育の充実を図っております。
 加えて、都内の厳しい走行環境などを踏まえますと、乗務員を支援する車両の安全対策もあわせて進める必要があると考えております。
 このため、雨でも曇りづらい熱線式サイドミラーや、左折時に歩行者などにバスの接近を知らせる警報装置、発進時に障害物を検知するソナーセンサーなどの導入を進めているところでございます。
 今後とも、ソフト、ハード両面から安全対策に全力で取り組んでまいります。

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