令和二年東京都議会会議録第四号

○議長(石川良一君) 九十五番鈴木邦和君。
〔九十五番鈴木邦和君登壇〕

○九十五番(鈴木邦和君) データとテクノロジーを活用して東京の将来課題を解決していくことが、昨年の一般質問から続く私のテーマです。
 スマートシティーの先進的な取り組みが注目される会津若松市では、省エネルギーを推進するために、各家庭の同意を得た上でセンサーを取りつけ、エネルギー消費量を把握しています。その消費データをAIが分析し、省エネのためのアドバイスを各家庭に提供することで、最大で二七%のエネルギー消費の削減を実現しました。
 また、米国ニューヨーク州では、ブロックチェーンを用いて家庭用太陽光発電などで余った電力を個人間で自由に売り買いできるようにしています。データやAIを活用して、消費電力を削減するとともに、余剰電力の個人間取引を促すことができれば、都市全体のエネルギー効率は飛躍的に高まります。
 そこで、来年度、都内にスマートメーターが全家庭、企業に普及することを見据えて、電力の個人間取引や電力データの活用方法について検討すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 先日発表されたバーチャル空間に、都市全体を三Dモデルとして再現する都市のデジタルツイン構想は、ヒートアイランド対策にも有効です。
 例えば、暑さ指数の数値データやサーモグラフィーの画像データと都市の三Dモデルを組み合わせることで、建物の間でどんな風がどのように吹いて、その中で温度を持った空気や水蒸気がどのように流れるのかといった都市の暑熱環境を詳細にシミュレーションすることができます。そうすると、遮熱性舗装や壁面緑化をどのエリアに施すのがヒートアイランド対策として最も効果的なのかを検証することも可能であり、今後百年間で三度以上の気温上昇が見込まれる東京にとって重要なデータ基盤となるはずです。
 そこで、都市のデジタルツインの構築を見据えて、暑さ指数の数値データやサーモグラフィーの画像データなど、ヒートアイランド対策に有効なデータの収集、活用について検討していくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 東京にとって、超高齢化と社会保障費の増大は重要な課題ですが、その解決には医療データとスタートアップの活用こそが鍵です。
 例えば、これまで合計一万円近い費用がかかった乳がんの検診に対して、POCメディカルが開発したモバイル検査キットならば、わずか三百円で乳がんのリスクを検査することができます。また、二〇一七年に創業したライトタッチテクノロジーというスタートアップは、高輝度のレーザーを用いて、五秒手をかざすだけで採血せずに血糖値を測定できる技術を世界で初めて開発しました。こうしたテクノロジーは、従来の医療コストを大きく下げ、業界の人手不足をも解消できるポテンシャルを秘めており、その有効性を医療データに基づいて検証し、いち早く社会に実装していくことが今後の超高齢化社会において重要だと考えます。
 そこで、民間のスタートアップが、高齢化に備え、新たなウエルネスソリューションを創出することを後押しするため、健診データやレセプトデータなどウエルネス分野のデータの利活用を促進していくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 鉄道分野では、自動改札機のシステムから得られる各駅の入出データと携帯電話のGPS情報、そして車両の重量センサーから得られるデータを組み合わせると、首都圏の各路線の混雑率を高い精度でリアルタイムに取得、分析することができます。
 私は、こうしたデータの分析をもとに、時間差料金制の導入や先端技術を用いた運行システムの改良を進めるべきだと主張してきました。
 このような考えに呼応する形で、都は、今年度から鉄道事業者との研究会を立ち上げ、先端技術を活用した車両や運行システムの改良など、中長期的に実現可能な施策の検討を行っています。
 例えば、今、東京の鉄道は、朝のラッシュ時に一時間当たり二十五本程度走っていますが、専門家が指摘するように、信号システムの技術的改良によって、一時間当たり三十本程度まで本数をふやすことができれば、ラッシュ時の混雑率は二〇%以上改善すると見込まれます。
 今後、先端技術の活用も視野に入れて、鉄道混雑の緩和に向けた取り組みを一層進めるべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 先日、水道局は、二〇三〇年度をめどに、都内全戸にスマートメーターを導入する構想案を発表しました。水道スマートメーターが導入されると、水道管内の水量、水圧、流向を詳細に把握することができ、配水管の口径の見直しや漏水の迅速な把握が可能となるなど、水道事業にも大きな効果が期待できます。
 また、地域別あるいは個人別の水道の使用状況というビッグデータは、宅配サービスの効率化や高齢者の見守りサービスに貢献するなど、今後の労働人口の不足や長寿社会において非常に重要です。
 そこで、スマートメーターの導入を進めるに当たっては、導入のメリットやコスト削減策に加えて、得られるビッグデータを水道事業のみならず、いかにして都政のために広く活用していくかという点について明確なビジョンを持ち、時期のターゲットを明確にして取り組みを実施すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 また、水道局は、二〇二五年までに、都内に十万戸の水道スマートメーターを導入するトライアルプロジェクトを既に発表しています。データを活用した都市運営という観点では、水道局の構想は、先進的で具体的な段階に入っており、他局のモデルケースになると私は考えています。
 そこで、さまざまな活用が可能なビッグデータが得られる水道スマートメーターの導入について、よりスピード感を持って取り組んでいくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 都市の運営に当たっては、行政が保有するデータに加えて、民間が保有するデータをいかに収集、活用できるかが重要です。先ほど私が述べた家庭の消費電力のデータ、自動改札機のシステムのデータ、携帯電話のGPS情報などは全て行政ではなく、個人や企業が保有するデータです。オランダのアムステルダムでは、官民連携のデータプラットホームの運営組織をつくり、二百以上の官民共同プロジェクトを推進しています。特に、運営組織は、民間企業にとってもメリットのあるプロジェクトを設計し、民間データの収集、活用に努めているのが特徴です。
 そこで、先日都が構想を発表した官民連携データプラットホームの運営を円滑に進めていくためにも、個人や民間企業がデータを提供するインセンティブを設計すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
 都の来年度の予算案には、5Gに関する新規事業が多く盛り込まれています。今、東京都が5Gの活用に取り組む真の意義は、5Gの利点もさることながら、都政のあらゆる事業をネットワークにつなげていくことにあると私は考えています。その価値は、たとえ5Gの次の世代の通信システムが生まれたとしても、決して色あせないものです。
 そして、ネットワークを通じて得られる都市のあらゆるデータを統合し、分析やシミュレーションを実施した上で最適なモデルを導くことのできるオペレーションシステム、いわゆるコンピューターにとってのOSの構築こそが、データに基づく未来の都市運営には不可欠だと考えます。ヨーロッパで最もイノベーションが進んでいると評価をされるバルセロナでは、既に都市OSを構築し、世界中の都市から注目を集めています。
 そこで、都として官民連携データプラットホームの構築とあわせて、都市活動全体を最適化するためのオペレーションシステム、いわゆる都市OSの構築を目指すべきだと考えますが、宮坂副知事の見解を伺います。
 昨年、EBPMと呼ばれる証拠やデータに基づく政策立案の研究がノーベル経済学賞を受賞しました。受賞した研究チームは、途上国における教育支援策の受益者と非受益者の結果を幅広く分析、比較し、各施策の効果をデータに基づいて検証しました。
 その結果、漫然と教科書の提供や無料給食を実施しても効果が少ない一方、本当に手助けが必要な生徒に絞って集中的な支援をすると、全体の教育水準が大きく改善することを明らかにしました。
 今後、都市のデータ収集が進むと、こうした統計調査を実施するためのハードルは大きく下がります。そして、東京都でも、一つの政策目標に対してどの事業がどのぐらいの効果を上げているのか、データに基づいて検証した上で、本当に効果が出る事業に政策資源を投入していくという考え方が重要になるはずです。
 そこで、将来的な都政のEBPM導入を見据えて、官民連携データプラットホームにおいては、分野共通のシミュレーションや因果関係の分析を可能とする仕組みをあわせて構築すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 データやテクノロジーは、決して無機質な都市をつくるためのものではありません。むしろ、未来にわたって持続可能な都市を築くためのものであり、また、都民の声なき声に耳を傾け、その声を政策に反映させるためにも生かされるものだと私は考えています。
 三十五歳で台湾のデジタル大臣に就任した天才プログラマーのオードリー・タン氏は、QVと呼ばれる最新の投票理論を使った政策の意思決定システムをつくりました。台湾の全人口二千三百万人のうち、現在は一千万人が、政府サイトを利用して政府の意思決定に直接参加するなど、オープンガバメントの最新事例として注目を集めています。
 東京都でも、都民による事業提案制度を初め、これまで国内では画期的なオープンガバメントの取り組みを進めてきました。
 今後、ICTを活用して、よりわかりやすく迅速に都民に情報を届けるとともに、SNSなどの民間データを活用して都民の声を丁寧に分析していくなど、都民ファーストの視点に立ったオープンガバメントの取り組みをさらに進めるべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 ことし都が発表したスマート東京の構想は、確かにすぐ成果が出るものではないかもしれません。しかし、十年後あるいは二十年後の未来から振り返ったときに、この二〇二〇年にスマート東京の実現に向けて始めた取り組みの一つ一つが、必ず東京、そして未来の都民にとってかけがえのないものになると私は信じています。
 引き続き、議会から提言を続けていくことをお誓いし、私の質疑を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 鈴木邦和議員の一般質問にお答えいたします。
 官民連携データプラットホームについてのお尋ねでございます。
 世界的な潮流として、現在、二十一世紀の石油ともいわれますデータを活用した社会的課題の解決やビジネスが活発に展開をされており、データの重要性がますます高まっていることは鈴木議員ご指摘のとおりでございます。
 そこで、都は、このデータを人や物の移動、キャッシュレスの推進、ウエルネスなどさまざまなサービスの分野で活用して、稼ぐ力と都民のQOL、生活の質の向上につなげるために、官民連携データプラットホームの構築を行うことといたしました。
 こうした取り組みの成功の鍵を握るのは、都の行政データの積極的な公開はもとより、ご指摘のとおり、個人や民間企業からいかにデータを提供してもらえるかにかかっております。
 そこで、先般策定いたしましたデータプラットホーム構築の基本方針におきましては、プラットホームの目指す姿を明確にするとともに、個人情報の保護とデータの利活用促進との両立を図るためのポリシーを作成することといたしております。
 また、サービス分野ごとに産学官の協議の場を設けまして、さまざまなデータの掛け合わせによる具体的な活用事例の創出などを行って、データ利活用のメリットを示すことといたしております。こうした取り組みを通じまして、個人や民間企業がデータを提供しやすい環境をつくってまいります。
 今後は、官民連携データプラットホームを通じた先駆的で質の高い多様なサービスの社会実装に取り組みまして、都民のQOL、生活の質の向上、そして都民ファーストで豊かな社会の実現を目指してまいります。
 残余のご質問につきましては、副知事、東京都技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔副知事宮坂学君登壇〕

○副知事(宮坂学君) 都市OSについてでございますが、都市とそこで活動する人を深く知ることは、よりよい行政サービスの提供に欠かせません。
 私たちは、さまざまな情報システムを構築し、データを保有、集約することで、その知る仕組みをつくってまいりました。
 しかしながら、これらの情報システムは、分野ごと、組織ごとに独立して整備をされ、データの利活用も、その分野ごと、組織ごとにとどまってまいりました。それでは木を見て森を見ずに陥りかねず、都市全体を理解することが困難になります。
 都市全体を今よりも俯瞰的に理解するためには、横串を刺した情報システム、すなわち都市OSを構築し、横断的に情報を集約する必要があります。
 海外を見渡せば、バルセロナ、シンガポールなどでは、都市OSを構築し、スマートシティーの先行的な取り組みを行っております。そして、東京でも、組織を超えたデータ利活用の仕組みづくりが始まっております。
 例えば、公共交通オープンデータ協議会では、世界一複雑といわれる東京の公共交通のスムーズ化を目指し、鉄道、バス、航空など、民と官、組織の壁を超えた公共交通データの横断的なオープン化に取り組んでおります。
 スマート東京の実現に向けては、独立したシステムを横に連携させてデータ利活用の仕組みをつくるとともに、産学官のあらゆる主体が自由に参加できるようなオープンな都市OSが重要になります。
 今後、都では、国のデータ収集にかかわる基盤整備の動向等も注視をしながら、東京における都市OSのあり方について検討を進め、整備を促進してまいります。
 東京を、より深く、より早く知ることで、分野や組織を超えたデータの共有とサービスを連携することを実現し、都市活動全体の最適化を目指していきたいと考えております。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 鉄道の混雑緩和に向けた取り組みについてでございます。
 都では、スムーズビズに取り組み、オフピーク通勤などを促進しておりますが、これに加えまして、輸送力強化の観点などから、鉄道事業者による運行システムの改良などさまざまな対策を進め、混雑をさらに緩和していくことが重要でございます。
 都は今年度、有識者や鉄道事業者とともに研究会を立ち上げ、輸送力強化等の観点から中長期的に実現可能な施策の検討を開始いたしました。
 この中で、例えば列車の運行間隔をより柔軟に調整することが可能な次世代の列車制御システムなど、先端技術を活用した対策とその課題、実現可能性について検討を進めております。
 こうした場も活用し、引き続き、鉄道事業者と連携を密にしながら、混雑緩和の対策を促進してまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) 四点のご質問がございました。
 まず、電力データの活用等についてでございますが、電力の使用データや電力取引で得られるデータは、いわゆる省エネの推進に有用であることは間違いないんですが、例えば、エネルギー使用から見えてきます個人の生活スタイル、これを保険料などに反映させることができないか、そういった可能性もあるため、金融業界等の他業種からも注目されているところでございます。
 このため、都は来年度から、新たなプラットホームビジネスとして注目されております個人間電力取引、いわゆるピア・ツー・ピア電力取引の実証実験を通じまして、電力データを収集し、活用方法を検証することで、電力データの二次利用を後押ししてまいりたいと考えております。
 これらの取り組みによりまして、プラットホームビジネスの活性化を図るとともに、電力データの活用モデルを構築してまいります。
 次に、ウエルネス分野のデータ利活用についてでございますが、新たなウエルネスソリューションを創出するためには、データに基づき有効性のエビデンスを取得することが重要でございます。
 このため、都は来年度から、スタートアップ、企業、大学、区市町村等の連携を促すネットワーキング、あるいはモデルプロジェクトの支援等を行うこととしております。
 これらの主体が連携することにより、例えば、区市町村が住民の同意をとった上で提供する健診データ等を活用する、次に、企業が生活習慣病等を予防するサービスを展開する、さらに、大学がエビデンスの取得についてアドバイスを行う、こういったことが可能になると考えております。
 本事業を通じまして、社会的、経済的にインパクトのあるウエルネス分野のデータ利活用を促進してまいります。
 次に、EBPMについてでございますが、証拠に基づく政策立案、いわゆるEBPMは、政策目的の明確化とその最適化を目指すものでございまして、統計等のデータ活用が不可欠なものでございます。
 都では、EBPMにも資する官民連携データプラットホームを構築いたしまして、さらに、デジタルツインの実現を目指しているところでございます。
 デジタルツインにおきましては、現実空間でリアルタイムなデータを取得後、それらを仮想空間でさらに分析、シミュレーションいたしまして、その結果を現実空間にフィードバックすると、そういったことを目指してまいります。
 そして、このデジタルツインを、ご指摘の分野共通のシミュレーション、あるいは因果関係の分析などさまざまな分野で活用するよう検討してまいります。
 最後でございますが、オープンガバメントの推進についてでございます。
 都の施策を都民にわかりやすく届けていくとともに、都民の行政に対するニーズや各施策への評価を施策に反映していくこと、これは非常に重要なことでございます。
 都ではこれまでも、SNSなどを活用いたしまして、積極的に情報を発信しております。昨年は、都政情報をよりわかりやすく提供するダッシュボードを構築したところでございます。
 来年度、新たに、オンライン調査やSNS分析など民間企業のICTサービスを活用いたしまして、より迅速に都民ニーズや社会情勢の把握を行いまして、施策の検討、実施につなげる取り組みを開始いたします。
 今後、こうした取り組みを通じて、これまで捉え切れなかった都民の声も含めたより広範な都民ニーズ等の把握に努め、オープンガバメントを推進してまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) ヒートアイランド対策に関するデータの収集、活用についてでございますが、近年、東京では猛暑日や熱帯夜が増加しており、都民の生活環境の改善という観点から、ヒートアイランドの対策を進めていくことは重要でございます。
 そこで、都は、遮熱性舗装等の整備や緑化、ミスト設置費用の補助等の暑さ対策を推進してまいりました。
 また、東京都環境科学研究所において、ヒートアイランド現象の実態調査を実施してまいりました。
 来年度は、こうした対策に加えまして、新たにICT技術を利用した暑さに関するデータ収集を行っていく際の場所や時間帯などの条件を整理いたしまして、その活用に向けた課題等を検討する調査を実施いたします。
 今後、こうしたさまざまな取り組み等を着実に進めながら、ヒートアイランド対策を促進してまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、水道スマートメーターの今後の取り組み方針についてでございますが、スマートメーターの導入により、水道水の流れを詳細に把握することができるため、その都内全域への展開は、施設の効率的な維持管理やお客様サービスの向上に加え、さらには見守りサービスやビッグデータの活用等、水道事業以外の都政への貢献が広く期待できます。
 そのため、二〇二二年度から、選手村跡地に整備されます住居約六千戸への導入を皮切りに、都内十万個規模の実証実験を開始いたします。
 実験では、西新宿などのスマート東京先行実施エリア等への設置も予定しており、実験の全体像やデータの活用方法等につきまして、年度末までにプランとしてまとめてまいります。
 こうした都の率先した取り組みの発信や、他の大都市と連携した市場拡大など、実用化に向けた取り組みを着実に進め、二〇三〇年代の全戸導入につなげてまいります。
 次に、水道スマートメーターの導入の進め方についてでございますが、実証実験では、将来の全戸導入を視野に入れた機器の開発や、データを集約して運用するデータセンターの構築を経まして、当初予定を一年前倒しし、二〇二四年度までに都内のさまざまな場所に十万個規模のスマートメーターを設置いたします。
 また、実験のスタートとなります選手村跡地の住居への導入後、速やかに晴海地区全体に導入を広げて、そこを先行モデル地域といたしまして、水運用の効率化や水道管などの施設規模の最適化、きめ細かなお客様サービスの実現など、都内各地域での本格運用等を想定した効果検証をいち早く実施いたします。
 今後、これらの実証実験に加え、進展著しいICTの動向や市場拡大によるコスト縮減効果などを踏まえつつ、スマートメーターの全戸導入に向けた取り組みをスピード感を持って着実に進めてまいります。

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