令和二年東京都議会会議録第二号

   午後六時二十分開議

○議長(石川良一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百二十二番鈴木章浩君。
〔百二十二番鈴木章浩君登壇〕

○百二十二番(鈴木章浩君) 令和二年第一回定例会に当たり、東京都議会自由民主党を代表して質問をいたします。
 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について申し上げます。
 現在、新型コロナウイルス感染の拡大が世界的に懸念されております。罹患されました方々とご家族に心からお見舞いを申し上げます。
 そして、この間、関係機関と連携して、治療や感染拡大の阻止、都民生活の安定に懸命に努められております都庁職員、全ての関係者に衷心より敬意を表します。
 私たち都議会自民党は、都民の皆様の不安を受けとめ、これまで五回にわたり、きめ細かい対策の実施を小池知事に要望してまいりました。これからも、より一層の危機感を持って都民生活に配慮し、国や区市町村、関係機関と連携して、事態収束に向けて全力で取り組んでいくことをお誓いし、質問に入らせていただきます。
 小池都政の任期最後の来年度予算は、知事選挙を控え、区市町村や各団体へのヒアリングを通し、四方八方の要望に政治的に応えた大盤振る舞いの予算になりました。
 その中には、全く実態に即さない、政策として根拠不明な予算も散見され、思いつきによる思慮を欠いた投資や将来的に減額調整しづらい予算は、今後、禍根を残すものといえます。
 これまでも、知事の思い込みから事態を混乱させ移転延期となった豊洲市場においては、結果として、市場業者への補償費用や築地、豊洲両市場の維持管理などを合わせ、二百億円もの新たな費用負担が生じました。
 その上、かつての築地市場のように、にぎわいを創出するはずであった千客万来施設の開業が大幅におくれていることによる影響もはかり知れません。
 さらに、東京二〇二〇大会の輸送計画において重要な環状二号線が予定どおり完成できなくなるなど、いまだに大きな混乱が生じております。
 また、短慮から、一旦白紙撤回をしておきながら、三年後に再び購入を決めた旧こどもの城は、いまだ中途半端な計画であり、十分な説明もないまま、当時より百五十五億円も高い五百二十五億円で購入した上、今般、最短で令和十一年に取り壊すことも想定される条件つきの改修予算百三十六億円が来年度予算に計上されております。
 さらに、五千四百二十三億円を投じた築地市場跡地を、築地は守ると公約したにもかかわらず、結果として、食文化などの制約を課して、七十年以上にわたり民間に貸し付け、開発させるという先の見えない無責任なまちづくりが始まろうとしております。
 そのほか、来年度から、スマート東京の名のもとで、詳細が不明な百五十八億円規模の事業を展開するとしています。
 こうした余りにもパフォーマンス優先で無責任な都政運営が可能なのは、小池知事就任以前の血のにじむような行財政改革と、堅調な都税収入によるものであります。
 しかしながら、改めて触れるまでもなく、都税収入は景気変動の影響を受けやすく、過去には一年で一兆円の大幅な減収に見舞われるなど、不安定な形で増減を繰り返しており、丁寧な議論、実効性のある執行体制の構築など、周到な準備をした上で必要な予算を計画的に投入していく姿勢が不可欠です。
 内閣府が二月十七日に発表した二〇一九年十月から十二月期のGDP速報値は、消費増税前の駆け込み需要の反動減や台風の影響、暖冬による消費の伸び悩みにより、物価変動の影響を除く実質で前期比一・六%減、年率換算で六・三%減と、五四半期ぶりのマイナス成長に転じ、日銀の短観でも大企業製造業の景況感はゼロとなり、平成二十五年三月の調査以来の低水準となりました。
 そして今、世界中が対策に追われている新型コロナウイルス感染症による、日々の生活はもとより、経済活動への影響が各方面に拡大しております。
 今後は、日本経済の動向、新型コロナウイルス感染症への影響も勘案し、都財政のたがを緩めるのではなく、先を見通した堅実で真のワイズスペンディングが求められます。
 今後の都財政について、知事の見解をお伺いします。
 都政の発展を支える計画的な財政運営についてお伺いいたします。
 都財政を取り巻く環境の先行き不透明さが増す中で、今後、中長期的な都財政の見通しをより具体的に踏まえながら、都債と基金を活用するなど計画的で戦略的な財政運営が必要です。
 その中で、都債には、世代間の負担均衡という役割がある一方、償還、つまり借金の返済が長期的にわたることから、極力都も発行額の抑制に努めてきました。
 知事は、ことしの知事査定の初日、機関投資家向けグリーンボンド発行額を二倍の二百億円に増額したと発表し、この都債が倍増したことを発行額の拡大だとして予算案の中で強調しておりました。
 確かにグリーンボンドの市場規模は、ESG投資に関心の高い投資家により年々拡大し、二〇一八年の世界での発行額は約十八兆円に上っております。国内でも前年比二・四倍の約三千五百億円に急増しており、発行する企業だけでなく投資家にとってもメリットがあり、大変注目されております。
 しかし、グリーンボンドは法律で定義されているわけでなく、環境分野に投資されているか定期的に見きわめる必要があり、都民への十分な説明が不可欠です。
 特に、投資した事業者が環境事業に取り組んでいたかのような見せかけで批判を浴びた事例や、かつて国内でも巨大な太陽光発電事業が、エリアの電力供給を不安定にした事例など、慎重に見きわめていくことが必要です。大切なことは、定期的に民間事業者への投資の実績と多額の都債を発行してどのような結果が得られているのか、都民に適切に報告することです。
 こうしたことから、現在の財政運営、将来見通しを踏まえると、来年、機関投資家向けのグリーンボンドの発行額を二倍にする、つまり都債を倍増する必要性が不明といえます。
 また、多くの懸念もある中で、今年度の最終補正予算に、財政需要に備えるという漠然とした理由で三つの基金を新設しました。その一つが、スマート東京推進基金五百億円で、実施戦略の中にも明記されております。
 ところが実際は、都内中小企業のイノベーション創出事業に運用されてきた基金百九十二億円を取り崩して、その上に約三百億円を積んだということです。それを五百億円の基金を新設したと発表しているのです。
 イノベーションの創出のため、生産性向上のため、新たな通信技術を一番必要としているのは中小企業であり、その中小企業を所管する産業労働局から予算を取り上げ、財務局が所管する新たな基金に統合する意味はどこにあるのでしょうか。
 小池知事は、都債発行額を懸命に抑えている最中に、グリーンボンド発行額、つまり都民の将来負担を倍増させたことを賢い環境対策として強調し、その一方で、貯金、つまり基金の新設を実際よりも膨らまして説明しています。
 いうまでもなく、都債も基金も東京の将来の財政運営にとって大切な活用手段です。特に、景気の先行きが不安になってきた今こそ、その取り扱いは慎重に、そして都民に対して正直に、わかりやすく的確な発信を行いながら進めるべきであります。誤解を与えるパフォーマンスのような取り組みは、厳に慎むべきです。
 財政運営にとって一番大切なのは、都民の信頼を得ることです。知事の見解をお伺いします。
 知事は、人口減少、少子高齢化への対応や大規模災害への備えなど課題が山積した都政において、未来の東京戦略ビジョンに掲げる二〇四〇年代の東京の姿を目指し、未来への投資を積極的に行うことにより、成長が財源を生み、さらなる政策へとつながる好循環を生み出していくことが重要であると予算等の概要の中で述べております。
 しかし、都が発表した未来の東京戦略ビジョンは、財政的な裏づけがないため、イメージばかりが羅列され、抽象的な印象を拭えません。
 一方で、同時期に公表された東京都の財政収支の長期推計は、過去の決算ベースで推計が行われ、戦略ビジョンに基づき今後具体化される新たな事業費は織り込まれていません。
 そこで、未来の東京戦略ビジョン作成に当たり、財務局は財政運営の視点からどのように関与してきたのか、また、今後の戦略ビジョン事業の具体化を財政運営においてどう担保するのか、あわせてお伺いいたします。
 都が昨年五百二十五億円で購入した旧こどもの城の中期的な活用について、二回のパブリックコメントを経て、今月、都は都民の城改修基本計画を示しました。
 パブリックコメントは三百八十九件の意見が寄せられ、そのうち七割近くを占めるのが、舞台芸術の創造、発信地としての青山劇場を復活してほしい、残してほしいというものだったのですが、都は、舞台設備の全面復旧にはさらに四十四億円の追加費用を要することから、多目的ホールにするとして、寄せられた大多数の意見を退けています。
 また、あくまでも、とはいいながらも、最短で令和十一年までの中期利用のために、百三十六億円もかけて改修することを疑問視する声さえ上がっております。
 三十年にわたり、ミュージカル、アニーや演劇、バレエなどで親しまれてきた劇場を残してほしいという都民の声に対して、残すには四十四億円追加でかかるからと却下しておきながら、結果として都が示したのは、計画は、具体的な期間も示せないような中期利用のための改修に百三十六億もの多額の費用をかけるという内容です。これがワイズスペンディングといえるのでしょうか。都民ファーストといえるのでしょうか。知事の見解をお伺いします。
 都区制度に関してお伺いします。
 都と特別区は、児童相談所の設置に向け、都区間の協議を続けてきました。
 昨年度の時点では、都の主張は一貫して、一括して移管することを都区合意した清掃事業、保健所の区移管と同様のものと考えておらず、配分割合を変更する理由には当たらない、財源配分はおろか、財調算定すること自体検討する状況にないと主張してきたと理解しておりますが、間違いないか、まずお伺いいたします。
 今回、まさに急転直下で方針を覆したのですが、都は、特別区への配分を〇・一%ふやすとの提案を、いつ、誰が、どのような理由、経緯で行ったのか、具体的に説明をお伺いいたします。
 最終的に、都区間の協議で決める事項であることは承知しております。しかし、都区間の配分変更は、都の財政運営に直接影響するものであり、特別区との協議の前に、都内部の関係局の議論はもとより、都議会とも慎重に協議検討した上で判断すべき事項だと考えております。
 そこで、三点確認させていただきます。
 一つ、財源配分の変更を特別区に提案するに当たり、総務局は都財政を所管する財務局に対して、いつ、どのような説明、調整を行ったのか、お伺いいたします。
 二つ、今回の争点である児童相談所を所管する福祉保健局に対して、総務局は、いつ、どのような説明、調整を行ったのか、お伺いいたします。
 三つ、今回の財源配分の変更は、多羅尾副知事がみずから発言したとおり、内訳が示されておりません。これはほかにない極めてイレギュラーな判断であります。これでは合理的な説明がつかず、将来に禍根を残しかねません。今後の都の収入を削り、財政運営にも大きな影響を及ぼす方針変更ですが、財務局は納得ができているのか、また、今回に限った対応と考えているのか、財務局長にお伺いいたします。
 今回の都区間配分の変更は、都区財政調整制度の運用に当たり、丁寧に歴史を積み重ねてきた都行政、都議会の先人たちの努力を無にし、都区財調制度の根幹を破壊する暴挙としかいいようがありません。このことを改めて指摘しておきます。
 東京、さらには我が国全体の発展を促進するためには、東京の活力の増進が必要不可決であり、東京の重要施策の実現に対する国の協力が重要であることはいうまでもありません。
 こうした観点から、我が党は国に対し、東京の重要施策を着実に推進する仕組みづくりを要望し、その結果、一昨年十二月に国との協議の場、実務者協議会が設定されました。
 昨年一月に開催された第一回の協議会において、外環の整備促進や鉄道新線の整備など都の重要施策八項目について、国が協力していくことが確認され、その後の各施策の進展を大いに期待したところであります。
 そのため、我が党は一年前の代表質問において、都の本気度を示すにはスタートダッシュが肝心であり、勝負はこの一年であるため、今後どのような戦略を持って協議を進めていくのかと質問をいたしました。
 それに対し、実務者協議会のトップである長谷川副知事からは、戦略的に協議を進め、実質的な成果が得られるよう私自身が先頭に立って協議を進めていくとの答弁がありました。
 それでは、実際に一年以上たった現在、どこまで協議は進んだのでしょうか。
 昨年七月に第二回が開催されましたが、都は来年度の予算要求への反映などを国へ要望しただけであり、その後半年以上たちますが、一度も開催されず、具体的な成果も全く見えていないのが現状であります。
 このままでは、この協議会が形骸化し、国の協力が得られず、都の重要施策が暗礁に乗り上げてしまうのではないかと大変危惧をいたしております。
 そこで、協議開始から一年がたった今、現時点の到達点と今後どのように戦略的に取り組んでいくのかについて、改めて長谷川副知事の所見をお伺いいたします。
 新型コロナウイルス感染症の終息に向けた対策は、今、首都東京が直面する喫緊の課題であり、まさに国難への挑戦です。産業面においても危機管理上の問題として認識しなければなりません。
 日本経済の代表的な指標であるGDP成長率は、一月から三月期についてもマイナスになる公算が高く、仮にそうなったとすれば、半年間マイナス成長が続くことになります。
 現下の、そして今後の日本経済への影響は深刻に受けとめざるを得ません。
 日本経済に占める中国経済のシェアが大きいがゆえに、中国の経済の行方が混沌とする中で、新型コロナウイルス感染症が東京の経済にどの程度、いつまで影響するのか、極めて不透明であります。
 特に観光産業に係る産業、例えばホテル、旅館、タクシー、ハイヤー、イベント関連業、屋形船といった分野では、既に甚大な影響が生じており、とりわけ中小零細企業への影響が大きくなっております。
 先日、都は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、中小企業者等特別相談窓口を設置したところですが、これだけでは十分ではありません。今や、まさに基金を取り崩すぐらいの大きな決断が必要な状況にあるといっても過言ではありません。
 こうした強い危機感から、我が党は昨日、二階幹事長、岸田政務調査会長に対して、新型コロナウイルス感染に対する緊急経済対策に関する要望を行ったところであります。
 そこで、今こそ大型の緊急対策をとるべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 今後、感染が拡大した場合には、新型コロナウイルス感染症患者を診療する体制の整っていない一般の医療機関も含めた体制整備が必要であるとの専門家からの指摘があります。
 また、容体が変化した場合には、転院搬送を行えるようにすることが重要と考えます。患者に適切な医療を提供するため、必要に応じて転院できるよう、患者の搬送体制への支援が必要と考えますが、都の取り組みをお伺いいたします。
 今回のコロナウイルスは新たな感染症であるため、不明な点が少なくありません。わからないがゆえに、多くの都民が不安を感じております。正しい情報を周知し、知らないことによる不安を払拭することが重要と考えますが、都民への情報提供についての都の考え方をお伺いいたします。
 今回の感染症の発生に伴い、東京を訪れる外国人旅行客の減少など、観光関連産業を初めとしてさまざまな影響があらわれており、今後は、中国との取引関係のある産業などに影響が広がってくることも心配されます。
 我が党は先日、都に対して、事業活動に多大な影響を受ける中小零細企業に対する資金繰り支援について要望を行い、都は新年度を待たず補正予算により緊急融資を実施する方針を示しました。
 緊急融資をできる限り早期に開始することはもとより、その実施に当たっては、経営への影響を受けている中小零細企業に着実に支援が行き届くような体制を整える必要があります。
 そこで、緊急融資の利用要件の考え方と融資相談の体制について、都の見解をお伺いいたします。
 各種イベントが休止する中、東京マラソン財団は、本年三月一日に開催予定だった東京マラソン二〇二〇について、一般ランナーの参加を取りやめ、参加料は返還できないが、来年出走する権利を与えると発表しました。
 感染拡大を防止し、都民生活を守る必要があることなどからも、こうした判断に至ったことは理解できます。
 我が党は、規約上、参加料は返還できないことは理解しておりますが、東京マラソンを楽しみにしてきた多くの一般ランナーへのさらなる配慮について、マラソン財団とも協力して早期に具体策を策定すること、そして、感染防止のために、ランナーに配布予定であったマスクを都内の感染防止に有効に活用するなど、マラソン財団が感染防止のためにストックしている資源を都内の感染拡大防止や安全・安心なスポーツ環境整備のために有効活用することを都に要望いたしました。現在の都の取り組み状況をお伺いいたします。
 昨日、コロナウイルスの感染の広がりを受けて、文科省が対応方針の基準を示しました。そして、本日の午前十時三十分に開催された東京都の対策本部会議においても、学校等における対策の強化として、都立学校における対応が示されました。
 その中でも触れられていますが、現在、学校現場が悩んでいるのは、感染者を出さないための具体的な指針です。校外学習などの教育活動や三月の卒業式や謝恩会、四月の入学式などの対応をどうすべきか、児童生徒の皆さんや保護者の方々にも困惑が生じております。
 都内区市町村立学校に関して、都は、都立学校の方針の共有と連絡体制強化を図り、取り組みを支援するとしております。
 学校での感染防止対策を徹底し、区市町村立学校も含め、都内各校の対応の混乱を未然に防止するには、平常時の教育行政の枠を超えて、知事からより明確なメッセージを発信し、感染拡大防止に万全を期す知事の強い意思を示すべきであります。
 ちなみに、北海道知事は、先ほど、あすから一週間、小中学校の休校を各市町村に要請いたしました。あわせて、一部の地域で起きている小規模な集団感染クラスターの発生をいち早く見つける専門家チームの派遣を国に要望いたしました。知事の取り組みに対する見解をお伺いいたします。
 今回、いよいよ東京でオリンピック・パラリンピック大会が開催されます。スポーツの祭典であることはもちろんですが、東京が世界にさまざまなメッセージを発信する絶好の機会でもあります。
 我が党は、世界五大マラソンが、がん撲滅などのテーマをもって開催されている現状を踏まえ、東京マラソンにもテーマを与えるべきと提言し、地球環境を掲げて開催した時期がかつてありました。
 地球温暖化はいよいよ進行し、国内各所で大水害が発生し、大きな爪跡を残しております。温暖化は、まさに地球規模で全世界に影響を及ぼし、各国、各地域で取り組みの加速が叫ばれており、都としても、地球温暖化対策は喫緊かつ最重要課題の一つであります。
 ことしのオリンピックにおいても、暑さ対策の一環としてマラソン競技の札幌移転が決定され、国内では地球温暖化問題が再確認されました。
 猛暑が危惧される現状を鑑み、東京大会において、地球温暖化対策の促進を世界に対して発信する絶好の機会と考えます。知事の認識と見解をお伺いいたします。
 環境問題として、プラスチック廃棄物がクローズアップされております。プラスチックは、さまざまな商品に使用されておりますが、その反面、ごみとして大量に廃棄されております。
 二十三区では、ごみの埋立処分量の削減に向け、廃プラスチックを清掃工場で焼却し、熱回収を行うサーマルリサイクルで対応するとの方針が示されております。
 しかし、プラスチックの主原料は化石燃料であることから、焼却時に大量の温室効果ガスが発生いたします。
 都内では、ほとんどの廃プラスチックを焼却処理する自治体がある一方、プラスチック製容器包装のリサイクルを導入して焼却量の削減に取り組む自治体もあり、自治体間でリサイクル方針に大きな隔たりがあります。
 都全域で廃プラスチックのリサイクルを進めていくためには、都がリサイクルとCO2削減効果の関係性を調査し、廃プラスチックのリサイクルの考え方を区市町村や都民に丁寧に説明して理解を求めていく必要があります。都の見解をお伺いいたします。
 同時に、現実的なリデュース、ごみ削減の取り組みを具体的に示す必要があります。そのための施策についても、あわせてお伺いいたします。
 イギリスで、ガソリン車等の販売禁止の二〇三五年への前倒しが発表されるなど、世界中で脱炭素化の動きが加速する中、東京においても実効性ある取り組みにより世界をリードすることが求められます。
 その切り札となるのが水素であり、まずは官民挙げて初期需要の創出に努め、価格低下や技術革新を促していく必要があります。
 そのために不可欠な水素の供給インフラとなる水素ステーションに対しては、これまで国や都によるさまざまな支援策が講じられるとともに、整備、運営コストの削減につながる規制緩和も徐々に進められてまいりました。
 しかし、都内では、現在わずか十六カ所と、一層の努力が必要な状況であります。今後の水素ステーションの整備促進に向けた課題について、どのように認識しているのか、都の見解をお伺いいたします。
 東京二〇二〇大会の開催まで、あと五カ月を切りました。大会の招致を進めていた当時、日本は混沌と閉塞感に覆われておりました。その時代を乗り越え、東京だけでなく日本全体に明るい光をもたらすべく、我々都議会自民党は、これまでオリンピック・パラリンピックの招致と準備に取り組んできたのです。
 招致活動は、福岡との国内選考から始まり、その後はまさにオールジャパン、総力戦でありました。二〇一一年には東日本大震災に見舞われましたが、被災地にも勇気を持っていただくためにも、大会を通じて、大震災から復興した姿を披瀝することで、世界への返礼としていく決意を示しました。
 二〇一三年にはスポーツ祭東京を成功させ、スポーツ都市東京の魅力を広く発信するとともに、二〇一九年にはアジア初となるラグビーワールドカップの開催を、二〇二〇年大会と一体のものとして成功させるべく取り組んでまいりました。
 東京開催決定後も、初めて発生する数多くの課題を乗り越えてまいりました。競技会場の見直しや経費の適正化、大会輸送と都民生活との両立、暑さ対策など、知事が三人もかわる中で、さまざまな課題に正面から向き合ってまいりました。
 昨今、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、大会への影響を懸念する声も聞こえております。困難な課題ではありますが、国や組織委員会を初め、関係機関と十分に連携し、乗り越えていかなくてはなりません。
 今、大会は目の前に迫りました。来月二十日には、アテネからオリンピックの聖火が運ばれてまいります。改めて、何のために東京はオリンピック・パラリンピックを行うのか。二〇二〇年はゴールではありません。二〇二〇年大会の成功を跳躍台として、長期的な視点に立って、東京というまちをどのように変革していくのかが重要であります。
 都市基盤整備の充実や経済の活性化、障害者、高齢者、子育て家庭など誰にでも優しいバリアフリー都市の実現など、大会のレガシーを生かし、東京を世界で一番の都市にしていくことが重要であると考えます。
 大会まで残された期間はわずかとなりました。万難を排し、大会を成功させるとともに、その成果をレガシーとして東京の魅力と活力の向上にどのようにつなげていくのか、知事の決意をお伺いいたします。
 オリンピック憲章にも示されているように、オリンピックはスポーツと文化の祭典であります。かねてから東京大会の成功要素として、パラリンピック成功のみならず、文化プログラムの盛り上がりが必要不可欠であるとし、都はTTFとして、伝承のたまてばこやサラダ音楽祭といった文化プログラムを展開しております。
 これまでに八百二十六事業、一千六百万人もの方が参加されたそうでありますが、東京大会と異なるエンブレムを使用しているTTFは、いまだにオリンピック・パラリンピックの文化プログラムと結びついていないように思われてなりません。
 また、定例会初日に行われた施政方針表明では、知事はパラリンピックに対しては熱く語られておりましたが、それに比べて文化プログラムに対する言及は少なかったように思えてなりません。
 東京大会開幕まで百五十日を切りました。これから行われる文化プログラムを真に東京大会成功につなげるため、知事みずからTTFの取り組みを発信し、拡充に努められるべきと思いますが、見解をお伺いいたします。
 目の前に迫った大会の成功に向けて、今、都議会が一番注力すべきことは、輸送対策であります。
 これまで都は、大会の成功は輸送が鍵であり、TDMの実施には、何よりも企業や都民の理解と協力が必要としてまいりました。
 しかし、今なおTDMは十分理解されたとはいいがたい状況であります。我が党は、特に中小企業や商店街などの取り組みがおくれていると指摘をし、その結果、ようやく昨年末に補正予算をつけ、対策が進められようとしております。
 今、一番課題である輸送対策について、どのように取り組みを進めるのか、知事に改めてお伺いいたします。
 先月行われたアンケートによると、大会期間中の大規模な交通規制の可能性について、聞いたことがない、よく知らないと回答した方がまだ七割にも及んでおります。企業や都民に大会時のみずからの行動をイメージしてもらうためには、情報発信とあわせて、交通規制の内容を詳細に示していく必要があります。
 昨年末に公表された輸送運営計画V2では、交通規制の内容がほぼ明らかにされましたが、詳細な期間は明らかにされておりません。そのために、大会時の具体的な対応を、いまだ検討できない状況にあります。先日の特別委員会では、二月末以降、調整のついたものから順次公表していくとの答弁がありましたが、期間を含め、交通規制の最終的な全体像も一日も早く確定し、その詳細を明らかにすべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 大会中の輸送対策に対しては、日本一のコンテナ取扱量を誇る東京港における取り組みも重要であります。トレーラーを初めとする日中の車両の通行量を削減させるためには、コンテナターミナルのゲートオープン時間を深夜にまで拡大するなど、港湾地域での物流を可能な限り夜間にシフトさせることが有効ではないでしょうか。ただし、夜間へのシフトの移行には、物流に関係する多くの方々に多大な負担を強いるものであります。
 都は、こうした取り組みを確実に進めるためにも、関係者の方々のご理解とご協力を得られるよう、ハード、ソフトの両面にわたる支援を十分に行うことを強く求めておきます。
 二〇二〇年大会の本番が近づいてまいりましたが、オリンピック競技団体に比べ、国内の障害者スポーツ競技団体は、健常者のスポーツ競技団体と異なり、運営が不安定な団体が少なくありません。
 その結果、練習環境や選手の強化費もままならない団体もあり、我が党は、こうした団体に対する事務局機能への支援の必要性も訴えてまいりました。
 それは、大会本番のパフォーマンスはもとより、障害者スポーツの未来のためであり、こうした団体の基盤の安定化なしに、障害者スポーツの振興は絵に描いた餅であると考えるからであります。
 日本財団が競技団体本部の事務所を提供するなどのサポートをしてくれることによって、大会本番を迎えることができますが、都団体に目を向けると、法人化ができていない団体も多いのが現状であります。
 大会後、都としてどのように障害者スポーツ競技団体の活動を支援していくのかの見解をお伺いいたします。
 東京大会後のレガシーの一つは、障害者自身が身近な地域で気軽にスポーツに参加できるよう、環境が構築されることにあります。そのための目標指針の一つこそが、障害者スポーツ実施率四〇%の達成であると考えます。
 この目標達成には、指導者、補助者の育成や、障害者が参加しやすいスポーツ教室や体験会をふやすといったソフトの面の拡充と、障害者でも利用しやすい施設を、区市町村といったより身近な生活環境にある施設にも整備していくなど、ハード面の拡充の双方が不可欠であります。
 加えて、企業や大学といった民間施設への働きかけも成果が出始めてきており、継続していただきたいと申し上げておきます。
 パラリンピックを通じて醸成される障害者スポーツの理解や盛り上がりを一過性のものとせず、その後も継続できる環境整備のために、都はどのように取り組んでいくのかの見解をお伺いいたします。
 ロンドン二〇一二大会では、パラリンピック大会の観客数とともに、ボランティアを初めとする運営スタッフとしても障害者が積極的に参加する機会をつくることにおいても成功いたしました。
 報告書によれば、都市ボランティア全体で五%は障害者が参加したようであります。東京大会では、シティキャスト応募のうち、障害等による配慮、支援を求める方は百四十名と聞いております。ロンドン大会と単純に比較はできませんが、もっと積極的に参加できるよう取り組むべきだったのではないでしょうか。
 大会が近づく中で、障害者の方からも、大会や機運醸成にもっと積極的にかかわりたいとの声がふえてきております。これまでにも呼びかけを行ってきたことは承知しておりますが、さらに積極的に参加する機会の創出、拡大に努力を講じるべきではないでしょうか。都としてどのように応えていくのか、見解をお伺いいたします。
 東京大会の開催決定後、都内の各教育現場でオリ・パラ教育を進めてきました。いよいよその集大成であります。都立特別支援学校の子供たちにとっても、オリンピック・パラリンピック大会の競技観戦は、何度も経験できない大変貴重な機会となることでしょう。
 しかしながら、実際には大変な観客数が見込まれる競技施設での観戦に向けては、さまざまな安全上の配慮が必要であることはいうまでもありません。移動時はもとより、さまざまな医療的配慮や支援が必要な児童生徒もおります。こうした児童生徒や保護者の方が安心して当日を迎え、観戦に臨めるよう、引率教員の増員など、介助体制、医療的ケアの体制についても万全の準備で事に当たらなければなりません。あわせて、組織委員会や競技施設を初め、関係各所との調整もあろうかと思います。
 そこで、現在までどのような取り組み、調整をされているのか、教育長にお伺いいたします。
 オリンピックを契機とした共生社会の実現に向けた都営交通の取り組みについてもお伺いいたします。
 共生社会を実現するためには、障害者を初め、誰もが円滑に移動できることが不可欠であり、公共交通機関の役割は重要であります。
 これまで都営交通では、さまざまなバリアフリー化に取り組んでまいりましたが、共生社会の実現に向けて、わかりやすい案内表示の設置など、さらに取り組みを進化させていくことが重要であります。
 また、都内では、いまだに駅構内のエスカレーターで、歩く人のために右側をあける習慣があります。所によっては、左側をあける地域や歩くことを容認する国もあるとお聞きいたしております。
 我が国では、単に輸送量の減少や安全性の問題のみならず、障害によっては右側にしか立ちどまれない方がいることを考慮すれば、エスカレーター利用のマナー啓発を促進することも必要であります。
 東京大会には、我が国の環境になれていない多くの外国人も訪れます。共生社会実現に向け、さらなるバリアフリー化や相互理解促進の取り組みを進めていく必要があると考えますが、都営交通の取り組みについての所見をお伺いいたします。
 大会終了後、東京の経済活動を一段と活性化させる取り組みも重要であります。日本では、未曽有の少子高齢化が進み、今後、内需の大幅な拡大が期待できない中、海外需要を積極的に取り込んでいくことが、持続的な経済成長を実現する上で不可避であります。
 観光産業は、外国人旅行者による宿泊、移動、さらには買い物などによる経済波及効果が高く、二十一世紀最大の産業といわれており、海外需要の取り込みを目指す上で、極めて重要な産業分野であります。
 都では、観光庁の設置より六年も早く観光セクションを立ち上げ、先人たちの努力により、約十年間で日本の国際順位は、二十八位から十一位にと大きく順位を押し上げ、日本もようやく観光先進国の仲間入りを果たしました。
 一方で、外国人旅行者受け入れ数トップであるフランスは八千九百万人であり、いまだ大きく水をあけられているのが現状であります。
 昨今、訪日旅行者が急増していますが、これは、中国やインドなどアジアの中間層の増加やビザの緩和、LCCの増便が要因と考えられます。
 今後は、東南アジアやアフリカの経済発展に伴う旅行者の増加が期待される中、潜在的な観光需要を東京にいかに取り込んでいくのかという視点が欠かせません。
 東京は、海外の他都市に比べ、単なる高層ビル群だけでなく、江戸から続く歴史や文化、ミシュランの星つきレストランが最も多いなど、食のポテンシャルも非常に高いのであります。また、我々にとっては思いもよらないものが、外国人から見ると観光スポットとしてSNS等で世界中に拡散されております。
 東京二〇二〇大会を目の前に控え、日本のゲートウエーである東京に世界の耳目が集まり、来年度は今後の観光産業の将来にとっての最大のチャンスであると同時に、これを逃せば最大のピンチにもなりかねません。
 今後の観光産業の将来を見据え、観光を東京の一大産業にすべく、より一層取り組みを強化すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 我が党はこれまで、首都直下地震から都民の生命と財産を守る上で、都内の木造住宅密集地域の不燃化を進め、災害が発生する前にハード面を整備することが重要であることを強く訴えてまいりました。都もこれに応えて整備を進めておりますが、いまだ道半ばであります。
 しかし、災害は待ったなしであります。都内には、道路が狭隘で消防車などの緊急車両等が通行できない地域や、消防活動の困難な地域がいまだに多数存在しております。こうした地域で災害が発生した場合の対策にも万全を期すことが重要であります。
 そこで、木造密集地域など消防隊の活動が困難となる地域における活動体制の強化についてどのように取り組むのか、お伺いをいたします。
 一昨年、中国地方に甚大な被害をもたらした西日本豪雨や昨年の台風十五号、十九号など、最近は風水害による被害が多く発生しております。このような状況の中、災害から都民を守るために、地域と深いつながりを持つ消防団の力は不可欠であります。
 そこで、消防団の装備資機材のさらなる充実を初め水防訓練の拡充など、頻発、激甚化する風水害による災害への備えを強化しておくことが重要と考えます。
 消防団の活動体制の強化についての見解をお伺いいたします。
 昨今、ドローン技術の進展は目覚ましいものがあり、宅配や農業など産業分野での活用とともに、災害対応での活用も期待されております。
 そのような中、東京消防庁では、今後ドローンを活用した災害対策を拡充していくと聞いておりますが、現在までの活用方法や活用事例、今後の活用方策についてお伺いをいたします。
 今月五日、神奈川県逗子市で崖崩れが発生し、女子高生一名が犠牲となりました。心からご冥福をお祈りいたします。
 この崖崩れが発生した場所は民有地の斜面であり、土砂災害警戒区域にも指定されておりました。都内でも、この土砂災害警戒区域は約一万五千カ所が存在しており、都民にとっては大変身近な危険となっております。
 昨今、気候変動により台風や集中豪雨による土砂災害が頻発、激甚化しており、いつ、どこで発生してもおかしくない状況にあります。土砂災害から都民の生命を守るためには、住民の防災意識を高め、みずから迅速な避難行動をとっていただくことが第一であります。
 同時に、土砂災害を防止するハード対策も計画的に進め、危険な場所を可能な限り少なくする努力も重要であります。
 都では、昨年九月末に土砂災害警戒区域の指定が都内全域で完了したところですが、今後さらに土砂災害対策を推進すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 知事は、スマート東京の実現に向けて、ITサービスの分野で活躍してきた宮坂副知事を登用し、都庁でもICT人材を専門職で新設するなど、積極的に活用していくなどの姿勢を示しておりますが、それだけでは不十分であることは当然承知していると思います。
 スマート東京で描かれた内容を実現するには、明確なマネジメントポリシーが必要であり、そこには国、自治体、民間との連携を進めることが肝要であります。
 知事が描く夢のようなビジョン全てを実現しようとするならば、当然補正予算案に計上された五百億円の基金どころで済むわけがありませんし、相当な期間を要することはいうまでもありません。
 国際競争力を高めるべく、スマート東京を実現しようという知事のアイデアを否定するものではありませんが、これまでの知事の都政運営への取り組み姿勢を知る者としては、また思いつきのパフォーマンスに終わってしまうのではないかと大変心もとないのが率直な思いであります。
 知事の政治的パフォーマンスで終わるだけでなく、都民にも将来にわたり負担を強いる可能性すらあります。長期的には、東京の都市としての魅力や国際競争力を失うことにもつながりかねないことを指摘しておきます。
 知事がスマート東京で描いた世界を本気で実現したいと思うのであれば、もっと地に足のついた実行計画を長期的かつ明瞭に描き、人も資金も大胆に投じ、愚直に施策を積み重ねていく覚悟が問われます。知事の覚悟をお伺いいたします。
 そして、都は、スマート東京を進めるためとして、イノベーション創出基金を廃止し、新たに五百億円のスマート東京推進基金を設置するとしております。
 廃止されるイノベーション創出基金は、東京のさらなる成長のためのイノベーション創出に向けた基金として設けられ、都内中小企業の成長と東京の産業基盤充実に資する事業に活用されてきた経緯があります。
 イノベーション創出基金は、全額スマート東京推進基金に充当されると聞いておりますが、スマート東京推進基金においても、引き続き中小企業の成長につながる事業に有効活用すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。
 昨年末に都が発表した戦略ビジョンでは、二〇三〇年までにキャッシュレス決済比率を五〇%まで引き上げるとの政策目標を掲げております。
 国の大規模なポイント還元事業等により、キャッシュレス化が普及しつつある一方で、決済手続の多様化やさまざまな事業者が進出してきたことにより、導入のハードルを高く感じる中小企業、事業主が多いのが実態であります。地域の消費生活を支える中小企業、事業主にとって、痛みの少ないキャッシュレス化でなくてはなりません。
 機材等の導入コストの負担感や事業者にかかる手数料、現金化までのタイムラグといった三つの導入障壁を払拭するための施策こそ、実効性のあるきめ細かな導入支援といえます。都の見解をお伺いいたします。
 先日公表されたPISA二〇一八によれば、日本は学校の授業、国語、数学、理科におけるデジタル化機器の利用時間が短く、OECD加盟国中、最下位とのことであります。
 これからの社会経済を想像すると、教育では、未来のつくり手となる子供たちに必要な資質、能力を育成するべく、授業のさまざまな機会でICTを活用することは不可欠であると考えます。同時に、実効性のある質の高い取り組みが求められます。
 都教育委員会は、来年度からTOKYOスマート・スクール・プロジェクトを始めると聞いておりますが、都立学校における取り組みと実効性についてお伺いいたします。
 都は現在、東京都ひとり親家庭自立支援計画第四期の策定に取り組むなど、ひとり親支援の体制強化に改めて取り組んでおります。
 この計画の基本理念には、ひとり親家庭の自立を支援し、生活の安定と向上を図ることや、地域で安心して生活し、子供を健全に育むことができるよう、都が施策を通じて環境を整備することを掲げております。
 各種調査によれば、ひとり親、特に母子世帯において困窮の割合が高いという抜本的な問題があります。
 このため、都は、母子家庭の親の経済基盤を確立すべく、養育費を確保することや安定した就業ができるよう支援を行っております。
 しかし、現在の生活を何とか継続することが精いっぱいであり、将来への不安を払拭できていないのが実情との声も聞こえてまいります。
 そこで、こうした支援を継続するとともに、その後の自立に向けて、ひとり親自身のキャリア支援を行うことが重要と考えます。都の見解をお伺いいたします。
 都内の各保育所では、保育ニーズの多様化に伴い、障害児やアレルギー児の対応、延長保育など、多様な保育サービスの提供が求められております。
 また、保育士の確保、定着のため、処遇改善のためのキャリアアップの仕組みを導入するとともに、保育の質の向上に向けた研修等に取り組んでおります。こうした中、それに伴うさまざまな事務が発生し、大変ご苦労されているということを管理者の方々から伺います。
 また、昨年十月の幼児教育、保育の無償化のスタート後においては、給食費の徴収事務等が新たに発生し、事務負担が増大しているとの声が聞こえてまいります。
 そこで、都は、保育事業者の事務負担軽減に向けて、中長期的な視点で対応策を検討すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 東京の私立高校は、建学の精神と独自の教育理念に基づき、個性豊かな教育活動を展開し、東京の公教育において重要な役割を果たしております。
 その重要性に鑑み、都議会自民党は、学校運営に対する経常費補助の充実に力を尽くすとともに、保護者の経済的負担の軽減や学校の耐震化、グローバル人材の育成を目的とした補助など、私学振興に幅広くきめ細やかに取り組んでまいりました。
 そうした中、今般、私立高校の授業料負担を軽減する特別奨学金制度が拡充され、年収約九百十万円未満の世帯まで対象が拡大されましたが、まずはその理由についてお伺いいたします。
 こうした直接的に保護者負担の軽減を図る施策は必要であります。一方で、学校に対する助成も重要であります。国際化、情報化の進展に対応する先進的な教育など、私立高校の多様な教育活動を支えているのが学校に対する助成であります。
 また、学校に対する助成は、間接的に保護者負担の軽減を図ることを目的の一つとしており、所得にかかわらず、全ての世帯の保護者の負担軽減につながるものであります。
 しかしながら、私立高校の収入に占める補助金の割合は約三分の一にとどまっているため、学校現場からは毎年拡充してほしいという要望が出ております。
 私立学校への助成や保護者負担軽減などの制度は、学校や保護者を交えた長年の議論の上に総合的に構築してきたものであり、充実に当たっては、これまでの歴史や制度の積み重ねを踏まえ、総合的にバランスよく展開していくことが重要であると考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 公立小中学校においては、外部人材の活用など多様な取り組みの結果、いわゆる過労死ライン相当の教員の割合が減少するなど、一定の改善が見られております。
 しかしながら、国が定める時間外労働時間の上限である月四十五時間を超える教員は依然として存在しており、今後さらなる取り組みの強化が望まれます。近年の教員採用試験の倍率低下は、過重な勤務時間などのイメージも影響しているとも聞いております。
 働き方改革とは、単に勤務時間を短縮することが目的ではなく、この取り組みによって、生産性かつ効率的で健全な職場環境を再構築すべき機会と認識しております。そうした意味でも、教職員の現場にICTを積極的に導入することは理にかなったものであります。
 そこで、ICT化の推進をより一層積極的に図りながら、働き方改革に取り組むべきと考えますが、統合型校務支援システムの導入状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
 都内公立学校を多角的に支援する全国初の団体である一般財団法人東京学校支援機構が昨年七月に設立されました。今後、東京学校支援機構が学校運営をきめ細かくサポートし、東京の未来を担う子供たちを育む学校教育の質の向上に大きく貢献していくことを期待しております。
 機構では、令和二年度から人材バンク、学校法律相談デスクとともに、都立学校の緊急修繕などの学校施設修繕業務の受託といった事業を開始すると伺っております。学校施設は、子供たち一人一人の発達段階に応じ、教育活動が展開される大切な場所であります。
 こうした学校施設の緊急修繕等に係る業務について、新たに東京学校支援機構を活用することの意義をお伺いいたします。
 子供たちへの施策の充実はもちろんですが、今後の超高齢社会を見据えた高齢者対策の充実強化も重要な課題が山積しております。
 介護職員宿舎借り上げ支援事業についても、より人材の確保、定着に資するよう、また、高齢者施設が災害時に迅速に対応できるよう、補助要件等の見直しを行うべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
 都は、高齢者の社会参加や社会福祉向上に大きな役割を果たしているシルバーパスに関して、利用者実態調査を行いました。今後さらにふえ続ける高齢者に対して、都民の税金を適正に使い、持続可能で、より都民にとって使い勝手がよい制度として、シルバーパス制度をどのように見直していく考えなのか、これまで都としての見解は示されておりません。
 今回の調査結果を受けて、シルバーパス制度を都としてどのように見直していく考えなのかお伺いいたします。
 高齢化が進む中で、地域で暮らす障害者やその家族は、親亡き後などに不安を抱えております。
 グループホームや日中の活動の場の整備が進められておりますが、障害者が地域で安心して暮らしていくためには、家族や本人の心身の状況が変わった場合にも、地域の中ですぐに対応してくれる仕組みが必要であります。
 このため、国は、緊急時にすぐに相談でき、必要に応じて緊急的な対応が図られる体制として、地域生活支援拠点を区市町村ごとに整備することとしておりますが、多摩地区の自治体からは、具体的手法に関する情報提供、整備の財源などについて、都の支援を望む声が上がっております。
 地域生活拠点の整備をさらに進め、充実させるための都の支援が必要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 中小企業こそ、景気、経済の中心であります。ゆえに、我が党は常に実態に即した中小企業支援を提言してまいりました。
 今年度まで施行されてきた受注型中小企業競争力強化事業や団体向け課題解決プロジェクト支援事業は、中小企業支援の軸として高い評価を受けております。
 こうした地に足のついた支援をより拡充していくことこそが都として求められます。都の見解をお伺いいたします。
 東京都GAP認証制度についてお伺いいたします。
 本年開催されます東京大会では、アスリートの活躍を間近に見られるだけでなく、さまざまな経済効果も期待されております。
 例えば、選手村で提供される食材に東京産が使われることは、東京産の食材を世界にPRする絶好の機会だと考えます。
 しかし、東京大会の選手村で使用される食品は、GAP認証食材であることが義務づけられていることから、都は、農林水産省のGAPガイドラインに準拠し、都市農業の特徴を反映した独自の東京都GAP認証制度を設け、その認証取得を奨励してまいりました。
 本年一月時点では、四十六件の認証取得があったそうでありますが、肝心の東京大会の選手村への食材提供については、フードディフェンス、食品への意図的な異物の混入を防止する取り組みの観点から公表がなされませんでした。
 そこで、都は、大会終了後、レガシーとしての東京産食材のPRや生産性向上や食の安全に資する東京GAP取得の継続的な取り組みを推進すべきと考えますが、これまでの成果と今後の取り組みについて見解をお伺いいたします。
 次に、豊洲市場の物流機能についてお伺いいたします。
 豊洲市場では、現在、車両入退場ゲートの遮断機バーが開いたままであります。
 しかし、セキュリティーと円滑な物流の確保を目的に、各ゲートには高速道路のETCシステムに似た装置が設置され、車番を識別するカメラやICタグの発信で、バーを自動開閉し不審車両の侵入を防ぐとともに、貨物自動車を積みおろしする場所に安全に誘導する新システムが既に導入されております。
 二〇二〇年大会のセキュリティー確保に万全を期するためにも、豊洲市場の売りであった車両入退場管理システムと車両誘導システムの本格運用を直ちに開始すべきでありますが、都の所見をお伺いいたします。
 また、都営バスの増便がいまだ実現されないなど、交通アクセスの改善が滞る中、駐車場も、オフピーク時には余裕があるにもかかわらず、予想以上に買い出し人の足が遠のいております。
 買い回りの範囲も広がらず、このままでは仲卸の店頭の品ぞろえは徐々に減りかねません。
 しかし、都は、この問題解決を市場関係者の協議に任せ切りで、開設者としての役割を果たしておりません。
 都は、豊洲市場への公共交通アクセスを改善し、駐車場問題を実態に即して解決しつつ、市場本来のにぎわいの前提となる買い出し人の方々のいわゆる買い回りをより円滑化していくために、関係者の協力を得て全体的な仕組みの見直しを行うべきであります。都の見解をお伺いいたします。
 都の財政運営の大きな課題の一つに都心インフラの維持管理があります。
 都民の生命、財産を守るために、インフラの整備や更新により防災力を高め、東京の強靭化を推進する必要があります。
 昨年は台風により西多摩地域、島しょ地域において、インフラに大きな被害が発生いたしました。
 西多摩地域や島しょ地域などの山間部の道路は、地域間を結ぶ唯一のルートとして、避難、救援活動のための命の道となっていることが多く、災害の発生により道路が通行不能になると、集落の孤立化が発生してしまいます。
 これらの道路には、多くのトンネルがあり、適切な維持管理を行い常に安全に保つ必要があります。また、中には断面が狭小な山岳トンネルもあることから、予防保全型管理に合わせて更新を行い、円滑な通行を確保することも必要であります。
 そこで、予防保全型管理の取り組みと今後の進め方についてお伺いいたします。
 東京水道グループとして、水道局が水道事業全体を担ってまいりました。
 そうした中で、今まで複数の不祥事を起こしたことは、知事に水道局の文化といわしめたのであります。根本的な改善が必要であり、統合を機に徹底的に改革を進めるべきであります。
 今後、一新された組織として、東京水道グループを牽引する責任が水道局にあります。その責任をいかに果たしていくのかお伺いいたします。
 続いて、多摩地域の下水道浸水対策についてお伺いいたします。
 近年、集中豪雨の多発化や都市化の進展に伴い、短時間に大量の雨水が下水道施設に流入し、内水氾濫のリスクが増大しております。
 昨年も台風第十九号により甚大な浸水被害が発生しましたが、他方で、各自治体により作成された洪水ハザードマップの精度がすぐれていることがわかり、その重要性、必要性が改めて認識されました。
 洪水ハザードマップ作成のもとになる浸水予想区域図は、都が管理する全ての河川流域と一部の下水道処理区等について作成、公表しておりますが、流域下水道に属さない多摩地域の一部では、浸水予想区域図がなく、下水道による排水能力を超えた場合の浸水を想定した内水ハザードマップを作成できない区域が存在しております。
 多摩地域の下水道の浸水被害を軽減するには、ハード対策はもちろんのこと、こうしたソフト対策を含めた浸水対策事業の促進に向け、公共下水道事業を担う市町村に対するさらなる財政的支援が必要だと考えますが、都の見解をお伺いいたします。
 今定例会には、過去最高の件数の新規事業が打ち出されました。しかし、問題はその中身であります。
 これまで、小池都政では、予算が全く執行されなかったり、途中で事業内容の変更に追い込まれたり、予算化した後から事業計画をつくるという本末転倒な予算措置も目につきました。
 冒頭述べましたように、こうしたパフォーマンス優先で無責任な都政運営が可能だったのは、知事就任以前の血のにじむような行財政改革と、これまでの堅調な都税収入に都政が支えられていたからであり、さらに知事の全方位外交により批判をかわしてこられたからでありましょう。
 しかし、現実に、この四年間の都政は混迷を深め、先行きが大変心配されております。
 知事は、四年間の任期の最終年度にもかかわらず、数多くのビジョンや戦略を発表しております。
 しかし、どれも横文字をちりばめたバラ色のビジョンを並べるだけで、具体策に乏しく、大規模化する災害への備えや団塊ジュニア世代が高齢者となる二〇四〇年を見据えた人口減少、少子高齢化への対応など、シビアな現実を直視した姿勢が全く感じられません。
 また、先般、知事は、新たな都政改革ビジョンを公表いたしました。これは、職員主体で推し進めた二〇二〇改革を発展させたものといわれており、情報公開の進展などの成果が挙げられております。
 しかし、昨年末行われた職員のアンケートでは、七割近くの方々が小池都政を支持しておらず、その理由の一つが、情報公開に対して思いつきで政策プロセスが不透明なものが多いという理由でありました。また、合併して大きくなった東京水道サービスの社長にみずからの秘書を充てるなど、都政の私物化も挙げられておりました。
 パフォーマンス主体の小池都政の真実が、一番身近な職員アンケートにあらわれていると感じたのは私だけではないと思います。
 いよいよ本年は東京二〇二〇大会が開催されます。ここに来て、新型コロナウイルス感染症により、大会開催が不安視されております。
 しかし、これまで、招致に至るまでのさまざまな困難、東日本大震災による絶望感など、大きな大きな困難を、職員の皆様、都民の皆様と一緒に乗り越えてきたのであります。
 今、私たちに求められるのは、目の前の新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組み、多くの笑顔の中で東京二〇二〇大会を成功させ、大会のレガシーを通じて、東京を世界で一番の都市にしていくことであります。
 東京二〇二〇大会の直前の七月五日には都知事選挙が行われます。新年度予算に向けた小池知事の所信表明の中で、予算執行の決意となる出馬表明は行われませんでした。
 東京は、都政の担い手である職員と都民一人一人の活躍によって支えられております。そうした方々が活躍しやすい都政を築いていくことこそが私たちの使命であります。
 都議会自民党は、これからも都民の与党として、輝きのある東京の将来のために今何をなすべきか、その一点に傾注して取り組んでいくことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 鈴木章浩議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、今後の都財政についてのご質問でございました。
 令和二年度の予算編成におきましては、施策の新陳代謝を図る事業評価の取り組みをさらに深化をさせまして、過去最高となります一千三十億円の財源確保につなげるとともに、八百八十四件の見直し、再構築を行ったところでございます。
 知事就任以来、全ての事業に終期、終わりの期を設定するなど、毎年度その取り組みのさらなる充実を図っておりまして、創意工夫を凝らした結果、四カ年で約三千五百億円の財源を確保したところでございます。
 予算の執行段階におきましても、創意工夫を重ね、効率化や経費の縮減に努めるなど、歳出全般にわたる見直しを不断に実施しております。
 将来にわたります施策の展開を支える財政基盤をより強固なものとするためにも、今後とも、ワイズスペンディングの取り組みを一層推進してまいります。
 次に、財政運営につきまして、都は、景気変動の影響を受けやすい不安定な財政構造を有している、そして、将来を見据えた安定的な財政運営を行っていくためには、基金や都債を戦略的かつ計画的に活用することは不可欠でございます。
 こうした観点から、今回の予算案におきましては、将来の財政需要への備えといたしまして、既存の基金への積み立てを行うほか、未来の東京戦略ビジョンで描きます新たな政策の財源といたしまして、三つの基金を新設いたすところでございます。
 また、金融分野からのSDGsの実現を後押しするために、東京グリーンボンドの発行額を拡大する一方で、将来世代の負担を考慮し、都債全体の発行額を抑制、残高も継続して減少させるなど、将来の発行に向けましての余力を蓄えているところでございます。
 都はこれまでも、予算発表資料を初めとして、さまざまな機会を通じまして、財政情報を正確に発信しております。令和二年度の予算発表資料におきましても、基金と都債の状況を丁寧に説明いたしております。
 今後も、持続可能な財政運営を行うとともに、都財政に対します理解、そして信頼がより一層深まりますよう的確な情報発信に努めてまいります。
 仮称都民の城についてでございます。
 周辺の都有地と合わせますと四・五ヘクタールに上りますこの広大な土地は、長期的に見ますと、都のさまざまな政策の実現にも資する可能性を有しておりまして、これからの都政にとって大変重要な意味を持つものでございます。
 こうした将来的な周辺都有地との一体的な活用を見据える一方で、中期的には今ある建物を最大限有効活用するという視点も重要でございます。
 今般お示しをいたしました概算工事費でございますが、都民の城を皆様にご利用いただくために必要な経費ではございますが、具体的な改修内容の検討を進める中で、さらに徹底した精査を図ってまいります。
 都心に残された東京の成長を支える重要な土地でございます。長期的な活用に当たりましては、都民にとって、その価値を最大化できますように、あらゆる観点から議論を重ねて、将来の姿を描いてまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症に係る経済対策についてのご質問がございました。
 感染症の流行によって懸念されます観光客の減少やサプライチェーンの寸断等によります経済への影響を最小限に抑えるために、中小企業や観光産業への支援を迅速に展開する必要がございます。
 こうしたことから、中小零細企業の資金繰りを支援するために、融資目標額を一千億円といたします緊急融資制度を創設して、信用保証料も全額補助することで、事業継続に向けた支援を着実に実施いたします。
 また、感染の拡大に伴って、厳しい状況に直面している中小企業に対しましては、経営や法律の専門家を無料で派遣するとともに、国内外への販路の開拓支援も強化してまいります。
 さらに、事態の収束後、インバウンド需要を回復できますように、都として積極的なPR活動を展開するなど、観光関連事業者の後押しも行ってまいります。
 こうした支援を速やかに開始いたしまして、都内産業の活力維持にしっかりと取り組んでまいります。
 学校におけます新型コロナウイルスの感染拡大防止についてでございます。
 今般の新型コロナウイルス対策におきましては、私を本部長とする対策本部を速やかに立ち上げまして、全庁を挙げて取り組んでいるところであります。国、そして区市町村とも平時の連携体制を超えまして、緊密に連携をしながら取り組んでおります。
 現在、都内では患者数が増加しつつありまして、感染源が不明な患者や重症患者も発生をしているところでございます。
 そのため、今後三週間程度を重要な局面と捉えまして、本日午前中に開きました対策本部におきましても、各分野で集中的な取り組みを行うことといたしております。
 都立学校におきましては、卒業式の参列規模の縮小や春休みの前倒しなど、独自の対応を実施することといたしましたのはご承知のとおりかと存じます。
 この方針でございますが、都教育委員会を通じまして、区市町村教育委員会へと即刻通知をいたしまして、区市町村立の学校における対応を促すとともに、連携、即応体制をとっているところでございます。
 今後、刻々と変化する状況を見きわめまして、これまでの取り組みに加えて、保護者や学校、区市町村に対します最新の情報を発信するとともに、状況の変化がありました場合には、速やかに対策のさらなる強化を図るなど、子供たちの安全を全力で確保してまいります。
 東京二〇二〇大会におけます地球温暖化対策の発信についてでございます。
 巨大なハリケーンや山火事、相次ぐ水害など、気候変動によります影響の甚大さが改めて浮き彫りになっている今、地球温暖化対策を進めて、それを発信していくことは極めて重要でございます。
 都は、ゼロエミッション東京の実現に向けまして、そのビジョンや具体的な取り組み、ロードマップをまとめたゼロエミッション東京戦略を策定いたしまして、あわせまして気候危機行動宣言を行っております。
 今後、この戦略に基づいて、気候変動の緩和策と適応策の総合的な展開を図って、資源利用に伴います都内外におけますCO2削減への貢献、省エネ、再エネの導入拡大を進めるなど、あらゆる分野の取り組みを進化、加速させてまいります。
 開催まで残り五カ月を切った東京二〇二〇大会におきましても、都は、組織委員会などと連携をして、聖火台での水素エネルギーの活用のほか、大会に伴って排出されますCO2のオフセット、そして装飾物等を再利用するアップサイクルの推進、適応策としてのラストマイルなどにおけます暑さ対策などについても積極的に取り組んでまいります。
 また、大会は、国内外から多くの観客が訪れて、世界の注目が集まる絶好の機会でございます。私は、これらの取り組みを広く世界に発信するとともに、レガシーとして着実に継承いたしまして、脱炭素社会の実現に向け、先導的な役割を果たしてまいります。
 次に、大会の成功とレガシーについてのお尋ねでございます。
 東京二〇二〇大会を真に世界に誇る大会とするために、二〇一三年の開催決定以降、都は、総力を挙げてそのための準備に邁進をしてきたところでございます。
 さらに、大会を契機といたしまして、都民生活の質の向上、持続可能な成長を実現するレガシーを残すことは重要であります。
 世界で初めて二度目の夏季パラリンピックを開催する都市といたしまして、真の共生社会の実現に向けて、高齢者や障害者、外国人など、誰もが優しさを感じられるバリアフリーのまちづくりを進めてまいりました。
 また、スポーツを通じた健康づくりや世界をリードする環境先進都市の実現など、ハード、ソフトの両面で取り組みを推進してまいりました。
 そして、昨年十二月には、大会を成功へと導いて、二〇二〇年のその先の明るい未来をつかみ取るための羅針盤といたしまして、未来の東京戦略ビジョンを策定したところでございます。
 大会のレガシーにつきましても、未来へと着実に結びつけていくため具体的な検討を進めまして、今後策定する長期戦略へと結実させ、成長と成熟が両立した東京、日本の輝かしい未来を切り開いてまいります。
 Tokyo Tokyo FESTIVALの発信とさらなる拡充についてのご指摘でございます。
 東京二〇二〇大会を文化の面から盛り上げるためには、魅力的なプログラムを展開するとともに、Tokyo Tokyo FESTIVALへの参加を幅広く呼びかけていくことは重要でございます。
 昨年十月には、東京都交響楽団が四十七年ぶりに日比谷公園の野外音楽堂でポップスコンサートを開催いたしまして、家族連れなど多くの方が、オリンピックマーチやスター・ウォーズのテーマなど多彩な楽曲を楽しんでおられました。
 十一月に増上寺で行いましたアートとテクノロジーが融合したプロジェクトにおきましては、SNSで同時発信も行いまして、来場者だけでなく、国内外の多くの方々にご鑑賞いただいたところであります。
 これらのイベントはもとより、都内各地で行われております民間の文化事業にも、私自身もできるだけ足を運びまして、Tokyo Tokyo FESTIVALの魅力を発信しているところでございます。
 四月以降でございますが、大会開催の年だからこそできる十三のプログラム、スペシャルサーティーンが本格化いたします。
 また、都立文化施設におきましては、オリンピック・パラリンピックにちなみました展覧会や浮世絵の展示等を行いますほか、ライブサイトにおきましては、競技観戦だけではなくて、伝統文化を体験できる場を提供いたしてまいります。
 今後もさまざまな機会を捉えまして、こうしたプログラムや東京の文化の魅力を紹介して、二〇二〇年を文化の面からも盛り上げて、大会の成功に結びつけてまいりたいと考えております。
 大会時の輸送対策でございます。
 円滑な大会輸送の実現、経済活動の維持、この両立を図ることが大会成功の鍵の一つでございます。
 都はこれまでも、大会時の交通混雑の緩和に向けまして交通需要マネジメント、いわゆるTDMや時差ビズ、テレワークなどをスムーズビズといたしまして、一体的に進めております。新たなワークスタイルや企業活動の東京モデルを確立して、社会に根づかせてまいります。
 こうした取り組みは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のためにも有効でございます。前倒しで取り組んでいただくよう、企業等の皆様方に広く呼びかけるとともに、隗より始めよといたしまして、この都におきましても、テレワーク等の取り組みを推進してまいります。
 また、物流対策につきましては、中小企業や商店街の方々の取り組みを促進するために、先月、私も出席をいたしまして物流TDM実行協議会を立ち上げております。商店街の連合会などさまざまなネットワークを活用しまして、現場の実情に即した取り組みをお願いしてまいります。
 今後、大会の百日前を契機として一般向け広報を開始し、都民にも協力を求めるなど、スムーズビズの取り組みを一層拡大いたしまして、大会を成功に導いてまいります。
 東京大会後の観光産業の振興についてのお尋ねでございます。
 海外から東京を訪れる旅行者の消費活動は、大きな経済波及効果を生み出すものでございます。それを支える観光産業は、東京がさらなる成長を遂げていく上で極めて重要でございます。
 そのため、大会開催を契機として、多言語対応や宿泊施設のバリアフリー化などの受け入れ環境の整備を着実に推進をして、大会後の旅行者の持続的な受け入れにつなげてまいります。
 また、地域が主体的に行います観光資源の開発を支援いたしまして、大会後の都内各地域での一層のにぎわいの創出を実現してまいりたいと考えます。
 さらに、大会のレガシーを活用した観光PRなどを集中的に展開することによりまして、東京のブランドの浸透を図ってまいります。
 こうした取り組みを推進することで、大会後の観光産業のさらなる飛躍を目指してまいりたい考えであります。
 スマート東京の実現に向けた取り組みに関してのご質問でございます。
 東京が世界の都市間競争に打ち勝って、成長と成熟が両立した魅力的な都市へ進化していくためには、TOKYO Data Highwayを基盤として、先端技術を活用し、経済発展と社会的な課題の解決を両立させることは必要でございます。
 今月策定いたしましたスマート東京実施戦略におきましては、取り組みを具現化、加速化させるべく、令和二年度をスマート東京元年と位置づけたところであります。
 まずは、その実現を着実なものとするために、スマート東京推進基金を創設いたしまして、計画的、効率的な事業執行に努めるとともに、専門職でありますICT職種の新設など、都庁内の人材確保に向けた取り組みを強化したところでございます。
 また、具体的な施策を進めていくために、都と民間で設置したTOKYO Data Highwayサミットなどを活用いたしまして、強固なスクラムを組んで、区市町村や国との連携を一層強化してまいります。
 さらに、このような取り組みを全国で広く共有する仕組みを構築いたしまして、相互の強みや個性を生かすことで、全国の共存共栄、日本の持続的な成長につなげてまいります。
 今後、都民のQOL、すなわち生活の質の向上に向けまして、東京を誰もが快適な生活を送ることができる活力に満ちたスマート東京へと進化させるべく、さまざまな取り組みを全力で進めてまいります。
 最後に、スマート東京推進基金についてでございます。
 最先端技術によりますサービスの高度化、イノベーションの創出、これは東京の稼ぐ力を高めて、都民のQOL、生活の質の向上を実現する上で必要不可欠でございます。
 このため、都は、都民生活に広く最先端技術が浸透し、世界で最も便利で生活満足度の高い都市を実現するために、未来の東京戦略ビジョンにおきまして、スマート東京・TOKYO Data Highway戦略を掲げております。
 スマート東京推進基金でございますが、将来の財政需要に備えまして、この戦略を着実に実行していくために新たに設置するものでございます。
 この基金は、データと最先端技術を駆使して、社会におけるサービスの高度化や、スタートアップ企業や中小企業等によりますイノベーションの創出を推進することを目的といたしております。
 来年度の予算におきましては、中小企業の5G・IoT・ロボット普及促進事業など十の事業について充当いたしておりまして、令和三年度以降の具体的な充当事業につきましては、各年度の予算編成の中で検討してまいります。
 今後、基金を有効活用することで、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出して、都民が質の高い生活を送る、すなわちスマート東京を実現してまいります。
 なお、残余のご質問につきましては、副知事、教育長、東京都技監、そして関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔副知事長谷川明君登壇〕

○副知事(長谷川明君) 国と東京都の実務者協議会についてでございますが、昨年一月の第一回協議会以降、協議事項につきまして、おのおのの省庁と実務的な協議を進め、七月には第二回会議を開催し、概算要求に向けて課題を整理いたしますとともに、十一月には私自身が先頭に立って要請活動を行うなど、協議事項八項目二十施策の実現に向けて、全庁連携して積極的に取り組んでまいりました。
 その結果、令和二年度政府予算案におきまして、おおむね協議事項の全体像が確認できておりますが、今はその具体的な配分等に向けて一層の働きかけを行っているところでございます。
 今後は、新年度予算の詳細が明らかになる四月ごろを目途に、各協議事項の達成状況を改めて検証いたしますとともに、将来的な方向性について整理を行い、協議内容にきめ細かに反映をさせてまいります。その上で、早期にこれらを国と共有するべく、次回会議は夏前の実施を目指してまいります。
 本協議会を通じて、重要施策の実現に向け、都議会自民党のお力添えもいただきながら、全庁一丸となって積極的に取り組んでまいります。
〔教育長藤田裕司君登壇〕

○教育長(藤田裕司君) 四点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、特別支援学校に通う子供の競技観戦についてでございますが、障害のある子供は日常的に体調管理を必要とすることが多く、特に暑い時期の観戦につきましては、安全の確保に、より一層の配慮を要するところでございます。
 そのため、都教育委員会は、特別支援学校に通う約八千人の子供の観戦について、原則として、暑さの和らぐパラリンピック期間の空調設備がある屋内の競技を割り当てるとともに、障害の状態や個々の状況に応じたきめ細かい対応を図るため、引率教職員を増員しているところでございます。
 また、会場への往復にはスクールバスを使用することとし、そのための乗降場所の確保や会場への医療機器の持ち込み等について、関係機関と調整を行っているところでございます。
 今後、こうした取り組みを着実に進め、安全を確保することで、子供たちの心に残る競技観戦としてまいります。
 次に、スマートスクールプロジェクトについてでございますが、ソサエティー五・〇時代を子供たちが生き抜いていくためには、さまざまな課題に主体的に取り組み、共同して解決する力などを身につけることが重要でございます。
 そのため、スマートスクールプロジェクトでは、これまでのICTパイロット校やBYOD研究校でのICTを活用した授業改善等の成果を発展させてまいります。
 具体的には、都立学校の全教室に無線LAN環境を計画的に整え、端末一人一台の学習環境の実現を図るとともに、新たに研究校を指定し、最新の学び方、教え方の研究開発を行ってまいります。
 さらに、各校へのICT支援員の配置や研究校による成果報告会の開催のほか、管理職を含めた研修を実施し、校長のリーダーシップのもと、学校のICT活用能力を着実に引き上げ、質の高い教育を実現してまいります。
 次に、小中学校における統合型校務支援システムの導入についてでございますが、教員の広範にわたる業務負担を軽減するためには、ICTを活用して校務を効率化することなどが有効でございます。
 統合型校務支援システムは、児童生徒の名簿管理や成績処理、通知表の作成等の情報を一元的に管理するシステムであり、教職員全体の業務負担の軽減を可能とするものでございます。
 都教育委員会は平成三十年度から、新たにシステムを導入する区市町村教育委員会に対し、その経費を補助してまいりました。令和元年度末時点では、約七割の地区で導入済みとなる見込みであり、二年度の導入予定地区を合わせますと、八割を上回る見込みでございます。
 今後とも、区市町村教育委員会の働き方改革への取り組みを支援してまいります。
 最後に、都立学校の緊急修繕等に係る業務についてでございますが、学校施設の修繕を行う際には、施工時期や学校特有の施設である実習室、体育館等の修繕方法に関し、教育活動への影響を最小にすることが求められているところでございます。
 都教育委員会は昨年七月、教職員の負担軽減と教育の質の向上を図るため、一般財団法人東京学校支援機構を設立いたしました。機構が学校支援に特化した団体であることを生かし、修繕の内容に応じて、緊急対応が可能な近隣の施工事業者を調整するなどの業務について、他の政策連携団体から機構への切りかえを予定しております。
 都教育委員会は、機構に対し、学校の施設設備に応じたきめ細かな対応が円滑にできるよう、公募による施工事業者の追加やノウハウの蓄積等による業務運営体制の充実を求め、質の高い教育環境の整備に取り組んでまいります。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) 多摩部の下水道の浸水対策についてでございますが、都はこれまで、内水氾濫による浸水被害軽減に向けた市町村施行の雨水管や雨水貯留施設の整備に対して、財政的な支援を行ってきております。
 また、浸水予想区域図については、多摩部の約九割を超える区域、具体的には、都が管理する河川流域と流域下水道幹線等の対象区域内において、作成、公表を行っております。
 一方で、施設管理者である地元自治体により浸水予想区域図が作成されていない区域があり、そうした区域においても作成が進むよう、地元自治体への技術的な支援など適切に対応してまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、未来の東京戦略ビジョンの実現に向けた財政運営についてでありますが、戦略ビジョンでは、二〇三〇年に向けた二十の戦略の一つとして、新たな都政改革戦略を掲げ、戦略的な政策展開を可能とする持続可能な財政力を堅持することとしております。
 都は、景気の荒波に翻弄されやすい不安定な財政構造を有しており、少子高齢化への対応など膨大な財政需要を抱える中、将来を見据えた財政運営を行っていくことが重要であります。
 戦略ビジョン事業の着実な施策展開を財政面から支えていくため、無駄の排除を徹底するとともに、中長期的な視点に立って基金の積み立てや都債の発行余力を培うなど、引き続き、堅実な財政運営に努めてまいります。
 次いで、都区財政調整における都区の配分割合の変更についてでありますが、今回の変更は、児童相談所の運営に関し、都区の連携協力を一層推進していく必要がある中、特別区の割合を〇・一ポイントふやすことで合意に至ったものでございます。
 今回は特例的な対応であると認識をしておりまして、財務局としても了解しているものでございます。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、都区財政調整協議についてでございますが、昨年度の協議の時点では、特別区の児童相談所設置について政令指定の要請もなされておらず、ご質問のように、発生していない将来需要の算定について検討できる状況にはないとして、引き続き、財調協議の場で議論することとしておりました。
 その後、昨年八月に、世田谷区、江戸川区、荒川区の三区が、政令により児童相談所設置市として指定され、来年度から区立児童相談所が設置されることとなりました。
 そのため、今年度の協議で財調算定について都区が議論し、昨年十二月下旬に、地方交付税における取り扱いと同様、児童相談所運営経費を都区財政調整の基準財政需要額として算定する方向となったものでございます。
 次に、都区の配分割合についてでございますが、来年度から設置される区立児童相談所に関し、一区設置ごとに都区の配分を変更すべきとの区の主張と、都の、設置予定半数の十一区の実績を見て議論すべきとの主張が対立し、事務方の協議は平行線となりました。
 しかし、初の区立の児童相談所の設置を控え、その運営に関し、都区の連携協力を一層推進していく必要がある中、協議がまとまらないことは避けるべきとの考えから、一月十四日の区長会役員から都への要請や、多羅尾副知事と区長会会長との調整により、最終的には都区双方が歩み寄り、特例的対応として特別区の割合を〇・一ポイントふやし、令和四年度に配分割合のあり方について改めて協議していくことを一月二十八日の都区協議会で合意をいたしました。
 次に、財調協議に関する財務局との調整についてでございますが、都区財政調整は、東京都の予算編成と連動するため、従前より、総務局と財務局とで必要な情報を共有しながら協議を進めております。
 今年度の協議につきましても、毎回の協議の際に、協議方針を初め協議資料や協議での都区双方の発言など協議全般について、常に情報を共有しながら進めてまいりました。
 最後に、財調協議に関する福祉保健局との調整についてでございますが、今回、財調協議において児童相談所の取り扱いを協議するに当たり、都の児童相談所の運営実績などについて、福祉保健局から事前に情報提供を受けております。
 また、都区協議の状況については、総務局から事務的に連絡を行ってきているところでございます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症患者の搬送についてでありますが、感染症法に基づき、入院勧告を行った患者を感染症指定医療機関等に移送するのは保健所の役割であり、結核など二類感染症患者の移送の際には、民間救急事業者を活用しております。
 都は、新型コロナウイルス感染症の患者移送に際して、各保健所が患者を円滑に移送できるよう、関係団体の協力を得て、事業者手配のための専用電話を新たに設置いたしました。
 また、患者の容体等により事業者による移送が困難な場合には、都がエボラ出血熱などの一類感染症等の患者移送のために整備している感染症患者移送専用車両を用いて、移送を行うこととしております。
 今後とも、各保健所等関係機関への周知を徹底し、必要なときに円滑に患者移送を行えるよう環境整備を進めてまいります。
 次に、新型コロナウイルス感染症の情報提供についてでありますが、都は、都民の不安解消や感染の拡大防止のため、ホームページに専用サイトを設け、最新の情報や問い合わせの多い事項をQアンドA形式で掲載するなど、正確な情報を広く発信し、随時更新しております。
 また、専用のコールセンターを設置して、都民からの感染予防などの相談に応えるとともに、感染の可能性がある方には専門の相談窓口を案内してございます。
 今後は、このコールセンターにおいて、多言語による対応や聴覚に障害のある方への対応を行う体制を整えるとともに、新たな知見等が明らかになった場合には速やかに情報提供を行うなど、都民の不安解消に努めてまいります。
 次に、ひとり親家庭への支援についてでありますが、都は、ひとり親家庭支援センターにおいて生活相談や就業相談、職業紹介を行うほか、養育費相談や離婚前後の法律相談など専門的な相談にも対応しております。
 来年度からは、子供の進学など将来を見据えて必要となる収入の確保に向けて、人生設計を学ぶセミナーの実施や、専門家による助言、個別支援プログラムの作成など、個々の状況に応じたキャリアアップ支援を開始することとしております。
 また、ひとり親家庭が元配偶者等からの養育費が不払いになった場合に備え、民間保証会社と連携し、養育費の立てかえ保証を行う区市町村への補助を実施することとしており、ひとり親家庭が安定した就労や生活のもと、子供を健全に育むことができるよう支援してまいります。
 次に、保育事業者の事務負担軽減についてでありますが、保育事業者から、多様な保育サービスの提供や保護者へのきめ細かな対応などに加え、昨年十月から開始された幼児教育、保育の無償化に伴う給食費の徴収などにより、事務量が増加しているとの声も寄せられております。
 都は、保育士が保育に専念できる環境を整備し、その確保、定着を図るため、日誌の作成や事務処理などを行う保育補助者の雇用や、書類作成の業務等を支援するシステムの導入に取り組む事業者を支援しております。
 来年度は、具体的な事務内容やICTの活用の実態、各自治体が定める補助金などの申請書類、業務効率化への先進的な取り組み事例等について調査を行い、保育事業者の事務負担軽減に向けた有効な方策について検討してまいります。
 次に、介護職員宿舎借り上げ支援事業についてでありますが、都は、住宅費負担の軽減による働きやすい職場環境の確保と、災害時における福祉避難所の運営体制の強化を目的として、介護職員宿舎借り上げ支援事業を実施しております。
 近年の大規模災害では、都にも大きな被害がもたらされており、この災害対応職員用の宿舎を確保する事業者への支援を強化することといたしました。
 具体的には、来年度から、一事業所当たりの補助の上限戸数を現行の四戸から利用定員に応じて最大二十戸まで広げ、新規受け付けの期間も三年間延長することとしており、介護人材の確保、定着を図るとともに、災害時に備えた事業者の取り組みを支援してまいります。
 次に、シルバーパス制度についてでありますが、都が二十歳以上の都民及びパスの利用者を対象に行ったシルバーパス制度に関する二つの調査では、パスの対象とならない世代においても制度の認知度が九割に上るなど、都民の制度に対する意識や考え方、利用状況等について、概要を把握することができました。
 現在のシルバーパス制度は、開始から約二十年経過し、高齢者の生活環境や健康状況は大きく変化しており、今回の調査への回答の背景にある高齢者を取り巻く環境や地域の状況などについて、さらなる調査が必要と考えております。
 今後、区市町村における高齢者の社会参加促進のための取り組みとその課題、地域交通事情や都民の移動の実態の変化などについて、把握を進めてまいります。
 最後に、地域生活支援拠点の整備についてでありますが、都は、障害者・障害児施策推進計画で、障害者や家族からの相談や緊急時の対応等の機能を備えた地域生活支援拠点について、令和二年度末までに各区市町村に少なくとも一つ以上整備することを目標としております。
 この目標達成に向け、区市町村の担当者が参加する会議で、都内及び全国の好事例や対応方策等を共有するほか、拠点として位置づける通所施設などを整備する場合に、特別助成により設置者負担を軽減しており、平成三十年度末現在の都内自治体の整備状況は、整備済みが十団体、整備予定が三十九団体となっております。
 来年度、新たな計画を策定する予定であり、障害者団体や区市町村等で構成する協議会におきまして、さらなる整備促進に向けて幅広く検討してまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕

○産業労働局長(村松明典君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、緊急融資の利用要件と相談体制についてですが、今般の新型コロナウイルス感染症により、観光客の減少やサプライチェーンの寸断など、中小企業の経営への広範な影響が懸念されております。
 そのため、本融資では、こうした状況を踏まえ、一定の売り上げ減少などがある幅広い中小企業が利用できる仕組みとし、運転資金や設備投資などの使途に活用可能といたします。
 また、本融資の取り扱い開始後は、現在設置しております都の特別相談窓口において、金融の実務経験が豊富な専門相談員が融資内容を丁寧に説明するとともに、信用保証協会や取扱金融機関を通じ周知も図ってまいります。これにより、都内中小企業の円滑な資金調達を着実に支援してまいります。
 次に、中小企業のキャッシュレス化についてですが、現在、国において、中小企業が導入しやすいよう端末導入の無料化や決済手数料の引き下げなどを行っており、都は、こうした支援内容をリーフレットに掲載するなど広く周知するとともに、国に対し、事業の継続を要望してまいりました。
 また、中小企業に対して、現金化までの期間短縮などの民間サービスの動向を丁寧に説明することを通じて、キャッシュレス化の普及にも努めてきたところでございます。
 あわせて、地域の消費生活を支える商店街におけるキャッシュレス化の取り組みを他の商店街へも広く周知することで、意欲ある商店街の主体的な活動を促してまいります。
 次に、中小企業への支援についてですが、東京の経済を支える中小企業が、経営環境の急速な変化に直面する中で持続的に発展していくためには、その支援のさらなる充実が必要でございます。
 そのため、都では来年度、中小企業が行う技術、サービスの高度化、高付加価値化に向けた技術開発などに対する支援を強化することといたしました。
 また、中小企業団体等が進めるICT化など業界の共通課題への取り組みに対する支援を行うとともに、戦略的な販路開拓モデルの構築も後押ししてまいります。
 こうした取り組みを進めることで、中小企業のさらなる活性化につなげてまいります。
 最後に、東京都GAP認証についてですが、GAPは、適切な工程管理により生産性の向上や食の安全を実現する農業経営にとって有意義な取り組みでございます。
 このため、都は、農業者の認証取得を支援するとともに、都民や流通事業者向けのシンポジウムを開催し、制度の普及を図ってまいりました。その結果、現時点で四十六件の農業者が認証を取得し、今年度末には新たに約三十件の取得が見込まれているところでございます。
 来年度は、東京二〇二〇大会への認証農産物の供給に取り組むとともに、大会での食材供給がGAPのさらなる普及拡大につながりますよう、イベントを通じたPRを実施してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京マラソンに関する取り組み状況についてでございますが、東京マラソン財団では、東京マラソン二〇二〇に出走できなくなった全ての一般ランナーを対象に、来年の二〇二一大会に出走可能となる特別措置を行っております。
 加えて、ランナーローブなど二〇二〇大会の各種記念品も配布することとしております。
 今後、財団において、大会終了後に収支を精査すると聞いておりまして、収支状況を踏まえた上で、ランナーの皆様に対してどのようなことができるか、公表方法も含め、財団とよく相談しながら実務的に検討してまいります。
 なお、ストックしているマスク等の有効活用のご提案については、財団にお伝えをしております。
 次に、会場周辺交通対策についてでございます。
 これまで、組織委員会とともに、区市や関係機関と調整を行いまして、規制内容や期間等の検討を進めてまいりました。
 昨年六月に素案を公表した会場周辺交通対策について、地元町会や事業者等に説明を行い、さまざまな意見を伺い更新し、十二月に輸送運営計画バージョンツーの中で公表しております。
 また、今月中に、対象道路や規制内容など検討中であった会場の一部について、更新し、公表いたします。
 規制期間についても、関係者等と調整の整ったものから順次ホームページを更新するとともに、来年度早期にチラシを作成し、都内では二十七の競技会場等の周辺へ配布するなど、丁寧な周知に努めてまいります。
 引き続き、皆様のご協力をいただき、円滑な大会輸送と会場周辺の交通混雑緩和に向け、取り組んでまいります。
 次に、障害者スポーツ競技団体への支援についてでございます。
 障害者スポーツ振興における競技団体の果たす役割は大きく、その体制整備や基盤強化は重要であります。
 そのため、都内を統括する競技団体に対して、ガバナンス強化に向けた研修の実施や、プロボノを活用した団体の運営支援などに取り組んでまいりました。
 来年度は、資金調達の手法をテーマにした研修会の開催や、会計処理の方法等に関する専門家による相談機会の提供、法人格の取得に向けた助言などの支援も行ってまいります。
 今後とも、競技団体が障害者スポーツ振興において主体的な役割を果たせるよう支援してまいります。
 次に、障害者のスポーツ環境の整備についてでありますが、大会後のレガシーとして障害者スポーツを社会に根づかせていくためには、身近な地域においてスポーツに親しめる環境を整備することが重要であります。
 そのため、都は、区市町村のスポーツ施設のバリアフリー化や地域におけるスポーツ教室などの企画相談等の支援を行ってまいりました。
 また、特別支援学校の体育施設の活用により、障害者団体等への貸し出しや体験教室の実施など、障害者スポーツの場の拡大を図るとともに、企業等のスポーツ施設の貸し出しに向けた働きかけも行ってまいりました。
 今後とも、こうした取り組みにより、障害のある方がスポーツに親しめる環境を整備してまいります。
 最後に、障害者のボランティア参加についてでございます。
 都は、シティキャストについて、介助者と一緒に活動できる仕組みとし、募集説明会等において、障害者のボランティア体験とあわせてお伝えをしてまいりました。
 応募時に配慮をお求めの百四十名に加え、その後の都職員による面談において、さらに二百名を超える方々から、活動に当たり配慮が必要であるというふうに伺っております。これらの方々が安心して活動いただけますよう、活動場所や内容、十分な休憩など、シティキャストの運営においてきめ細かな配慮を行ってまいります。
 大会ではほかにも、地域の観光案内やイベント運営など、さまざまなボランティアが活動をいたします。
 引き続き、区市町村等と連携し、障害者の活躍機会の拡大に向け、情報発信に取り組んでまいります。
〔環境局長吉村憲彦君登壇〕

○環境局長(吉村憲彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、廃プラスチック対策についてでございますが、環境に優しい資源利用の促進を図るためには、ごみのリデュース、リサイクルなど3R施策を一層推進する必要がございます。
 このため、都は、大学やオフィスビルなどと連携し、売店等の容器包装の削減やマイボトルの利用を促進する事業を初め、こうした大規模施設に専門家を派遣し、施設の実態に応じたプラスチックごみの削減方法や分別方法等を助言する試行事業を新たに開始いたします。
 また、プラスチック製容器包装のリサイクルによるCO2削減効果を自治体や都民にわかりやすく説明するとともに、容器包装リサイクルの対象品目の拡大や、リサイクル実績の向上に取り組む自治体に財政支援を行います。
 こうした3R施策を通じて、都民、事業者、自治体との連携を深め、廃プラスチック対策に取り組んでまいります。
 次に、水素ステーションの整備拡大に向けた課題についてでございますが、水素エネルギーの普及拡大には、燃料電池自動車等への水素の供給インフラとなる水素ステーションの整備拡大が不可欠でございます。
 水素ステーションでは、安全を確保しながら水素を超高圧に圧縮して充填するため、現状では、整備や維持管理に多額の費用を要するとともに、比較的大規模な用地を必要とし、都内ではその確保が難しい状況にございます。また、水素需要を創出する燃料電池自動車や燃料電池バスについても、一層の普及が必要でございます。
 これらの課題を解決し、民間事業者、とりわけ中小事業者による水素ステーションの積極的な整備を促していくことが重要と認識しております。
〔交通局長土渕裕君登壇〕

○交通局長(土渕裕君) 共生社会の実現に向けた都営交通の取り組みについてでございますが、交通局では、障害者や外国人など誰もが安心して移動できるようハード、ソフト両面から環境づくりを進めております。
 具体的には、エレベーターやホームドアの整備、車両のバリアフリー化のほか、ホームと車両との段差すき間対策などを進めております。また、ピクトグラムや多言語表記等を活用し、わかりやすい案内表示に努めております。
 エスカレーターの利用マナーにつきましても、他の事業者や自治体等との共同キャンペーンを行うとともに、東京二〇二〇大会の機を捉えまして、開催都市の公営交通事業者として、国内外から訪れる多くのお客様に、手すりにつかまり、歩かずに立ちどまる安全な利用方法を発信してまいります。
 こうした取り組みを通じて、共生社会の実現に貢献してまいります。
〔消防総監安藤俊雄君登壇〕

○消防総監(安藤俊雄君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、木造密集地域など、消防隊の活動が困難な地域での活動体制の強化についてでございます。
 東京消防庁では、このような地域に対して、狭あいな道路でも進入可能な小型の消防ポンプ車や、可搬式の大量放水器具を配置するとともに、消防隊の活動計画を事前に作成するなど、即応体制の確保に努めてまいりました。
 また、小型ポンプ車でも走行が困難な地域における活動体制を強化するため、より機動性が高い電動車両を活用したファーストエイドチームを本年一月に千住消防署に配置いたしました。
 さらに、四月に葛飾区奥戸において運用を開始する即応対処部隊にもファーストエイドチームを配置するなど、今後も地域特性を踏まえた活動体制の強化に努めてまいります。
 次に、水災時における特別区消防団の活動体制の強化についてでございますが、特別区消防団は、令和元年東日本台風において活動が困難な夜間を中心に、住民の避難誘導や土のうを活用した浸水防止活動並びに排水活動を実施いたしました。
 東京消防庁では、これらの活動をさらに効果的で安全なものとするため、既に整備している救命胴衣に加え、今年度は、水面で避難誘導の目印になるフロートロープを初め、強力ライトや水面に浮かび堆積物の影響を受けない吸水器具を整備する予定でございます。
 また、これらの配置資機材等を効果的に活用するため、来年度の水防訓練では、消防署隊と連携し、実戦的な教育訓練を推進することとしております。
 引き続き、特別区消防団の活動体制の強化に努めてまいります。
 最後に、ドローンの活用方策についてでございます。
 ドローンは、災害の現場を上空から俯瞰した映像を撮影することができ、情報収集手段として極めて有効でございます。
 このため、東京消防庁では、平成三十年の北海道胆振東部地震における要救助者の捜索を初め、昨年五月の檜原村で発生した林野火災における延焼範囲の特定や、昨年十月の隅田川で発生した水難事故における捜索などに活用しております。
 今年度は、屋内での要救助者の捜索などに有効な小型のドローンを十機配置するとともに、来年度は、荒天時でも飛行可能な全天候型ドローンを二機導入する予定でございます。
 今後とも、水難事故における捜索救助や、積載したスピーカーによる要救助者への呼びかけなど、災害活動に幅広く活用してまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、土砂災害対策についてでございますが、土砂災害から都民の命と暮らしを守るためには、ソフト、ハード両面から対策を進めることが重要でございます。
 ソフト対策といたしましては、避難の重要性を伝える出前講座の開催など、住民の防災意識を高める取り組みを実施しております。
 ハード対策につきましては、避難所の有無等、優先度をつけて計画的に砂防堰堤等を整備することとしており、来年度、青梅市成木地区など六カ所で基本設計を実施いたします。また、土砂災害警戒区域内の斜面につきまして、所有者による対策が困難な場合には、区市町村からの要望を受け、急傾斜地法に基づき、崖崩れ対策を実施しております。
 今後とも土砂災害対策を着実に推進してまいります。
 次に、トンネルの予防保全型管理についてでございますが、都は、平成二十七年に策定したトンネル予防保全計画に基づき、劣化や損傷が進んでいる二十六本のトンネルの対策を十年間で優先的に実施しております。
 また、断面が狭小な山岳トンネルにつきましては、必要に応じてバス等の大型車の円滑な通行を確保するため、断面拡幅などをあわせて検討することとしております。令和元年度までに十二本のトンネルの長寿命化事業を進め、現在八本が完了いたしました。
 令和二年度は、鳩の巣トンネルなど二本に着手し、継続事業とあわせて六本の長寿命化を実施してまいります。
 引き続き、都民の安全を確保するため、予防保全型管理を着実に推進してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、特別奨学金制度の拡充についてでございますが、家庭の経済状況にかかわらず、誰もが希望する教育を受けられる環境を整えていくことは重要でございます。
 都は、平成二十九年度に特別奨学金を拡充し、年収約七百六十万円未満世帯を対象に、国の就学支援金とあわせて都内私立高校の平均授業料額まで補助をしております。
 一方、既に都立高校においては、国の就学支援金により、年収約九百十万円未満世帯が授業料無償化の対象となっております。
 そこで、このたび、国の就学支援金制度の拡充に合わせて、特別奨学金の対象を年収約九百十万円未満世帯まで拡大することといたしました。
 次に、私立学校の振興についてでございますが、個性豊かな教育により、多彩な人材を育成している私学の振興は重要でございます。
 これまでも都は、私立学校が経営の健全性を確保しながら、子供たちの個性や能力に応じた質の高い教育を実践するとともに、保護者負担に対する公私間格差の是正を図るため、さまざまな施策の充実に努めてまいりました。
 具体的には、基幹的補助である経常費補助を初め、グローバル人材の育成や施設の安全対策等の取り組みを支援する学校への助成を行うとともに、特別奨学金制度等により教育費負担の軽減に取り組んでまいりました。
 今後とも、こうした施策を総合的に推進し、公教育の一翼を担う私立学校の振興に取り組んでまいります。
〔中央卸売市場長黒沼靖君登壇〕

○中央卸売市場長(黒沼靖君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、豊洲市場の車両の入退場管理等についてでございます。
 豊洲市場では、場内に入場する車両を管理誘導する設備を整備しておりまして、現在、ナンバープレートの自動認証による車両の特定や通行台数の把握等を行い、車両管理に必要な情報を収集し、活用してございます。
 入退場ゲートや車両誘導設備の運用につきましては、未登録車両や業界内における運用上の課題などがある中で稼働いたしますと、ゲートやバース付近での渋滞を招き、周辺交通に影響を与えるおそれがございますため、まずは車両登録手続を進めてまいりました。
 来月には、車両登録手続の進捗を踏まえまして、五街区で入退場ゲートの試験運用を行うこととするなど、設備全体の活用に向けまして、今後も業界と必要な調整を進めてまいります。
 次に、豊洲市場の使い勝手についてでございますが、都はこれまで、業界団体等からの意見を踏まえまして、交通アクセスの改善や駐車場の確保、買い回り支援など、豊洲市場の利便性向上に取り組んでまいりました。
 とりわけ駐車場につきましては、現在、千客万来施設事業用地を買い出し人等の駐停車スペースとして活用してございまして、準備工事に着手をいたします本年五月以降の対応に関しまして、関係者と調整を進めてございます。また、場内駐車場の効率的運用に向けまして、駐車場を管理している街区協議会におきまして協議を行ってございます。
 今後とも、豊洲市場のさらなる活性化を図るため、使い勝手の向上に必要な見直しを、業界団体と調整しながら進めてまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 東京水道グループの事業運営についてでございますが、今回の団体統合を契機に、最終的な責任を持つ水道局が、団体の業務運営に対する指導監督をさらに徹底するとともに、株式会社としての経営の自主性を向上させてまいります。
 また、団体への発注方式に性能発注による包括委託を導入することなどにより、団体の責任と創意工夫のもと、効率的かつ効果的な業務運営体制を構築していくこととしております。
 さらに、現場業務を担う固有社員の採用を強化するとともに、局が培ってまいりました技術力を継承し、人材育成に努めることで、団体の業務遂行能力を向上させてまいります。
 こうした改革を進め、東京水道グループのガバナンスとコンプライアンス、そして経営基盤の強化を図りまして、都の広域水道としての一体性と責任を確保し、将来にわたり安定給水を継続してまいります。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時二十七分散会

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