令和二年東京都議会会議録第一号

令和二年二月十九日(水曜日)
 出席議員 百二十四名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番平  慶翔君
五番後藤 なみ君
六番藤井あきら君
七番内山 真吾君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番伊藤しょうこう君
十二番田村 利光君
十三番菅野 弘一君
十四番藤井とものり君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番龍円あいり君
二十一番あかねがくぼかよ子君
二十二番保坂まさひろ君
二十三番鳥居こうすけ君
二十四番菅原 直志君
二十五番清水やすこ君
二十六番森澤 恭子君
二十七番斉藤れいな君
二十八番川松真一朗君
二十九番小松 大祐君
三十番舟坂ちかお君
三十一番三宅 正彦君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番白戸 太朗君
四十一番本橋ひろたか君
四十二番馬場 信男君
四十三番佐野いくお君
四十四番細谷しょうこ君
四十五番栗下 善行君
四十六番中山ひろゆき君
四十七番たきぐち学君
四十八番奥澤 高広君
五十番山崎 一輝君
五十一番神林  茂君
五十二番早坂 義弘君
五十三番高橋 信博君
五十四番西沢けいた君
五十五番米倉 春奈君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とくとめ道信君
五十九番遠藤  守君
六十番上野 和彦君
六十一番のがみ純子君
六十二番まつば多美子君
六十三番田の上いくこ君
六十四番両角みのる君
六十五番西郷あゆ美君
六十六番もり  愛君
六十七番岡本こうき君
六十八番米川大二郎君
六十九番森口つかさ君
七十番つじの栄作君
七十一番関野たかなり君
七十二番桐山ひとみ君
七十三番石川 良一君
七十四番中屋 文孝君
七十五番古賀 俊昭君
七十六番秋田 一郎君
七十七番吉原  修君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番清水ひで子君
八十一番とや英津子君
八十二番池川 友一君
八十三番中山 信行君
八十四番谷村 孝彦君
八十五番長橋 桂一君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番増田 一郎君
八十九番滝田やすひこ君
九十番おじま紘平君
九十一番木下ふみこ君
九十二番村松 一希君
九十三番福島りえこ君
九十四番ひぐちたかあき君
九十五番鈴木 邦和君
九十六番森村 隆行君
九十七番入江のぶこ君
九十八番柴崎 幹男君
九十九番清水 孝治君
百番大場やすのぶ君
百一番三宅しげき君
百二番中村ひろし君
百三番里吉 ゆみ君
百四番尾崎あや子君
百五番曽根はじめ君
百六番橘  正剛君
百七番高倉 良生君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番山田ひろし君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番宇田川聡史君
百二十一番小宮あんり君
百二十二番鈴木 章浩君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番白石たみお君
百二十六番大山とも子君
百二十七番和泉なおみ君

 欠席議員 なし
 欠員
    八番 十五番 四十九番

 出席説明員
知事小池百合子君
副知事長谷川 明君
副知事多羅尾光睦君
副知事梶原  洋君
副知事宮坂  学君
教育長藤田 裕司君
東京都技監都市整備局長兼務佐藤 伸朗君
政策企画局長山手  斉君
総務局長遠藤 雅彦君
財務局長武市  敬君
警視総監斉藤  実君
主税局長塩見 清仁君
生活文化局長浜 佳葉子君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
環境局長吉村 憲彦君
福祉保健局長内藤  淳君
産業労働局長村松 明典君
建設局長三浦  隆君
港湾局長古谷ひろみ君
会計管理局長佐藤  敦君
消防総監安藤 俊雄君
交通局長土渕  裕君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長和賀井克夫君
都民安全推進本部長國枝 治男君
戦略政策情報推進本部長松下 隆弘君
住宅政策本部長榎本 雅人君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長黒沼  靖君
選挙管理委員会事務局長黒田 祥之君
人事委員会事務局長小泉  健君
監査事務局長岡崎 義隆君
労働委員会事務局長松山 英幸君
収用委員会事務局長斎藤 真人君
包括外部監査人久保 直生君

二月十九日議事日程第一号
第一 第一号議案
令和二年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
令和二年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
令和二年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
令和二年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
令和二年度東京都国民健康保険事業会計予算
第六 第六号議案
令和二年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第七 第七号議案
令和二年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第八 第八号議案
令和二年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第九 第九号議案
令和二年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
令和二年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
令和二年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
令和二年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
令和二年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
令和二年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
令和二年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
令和二年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
令和二年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十八 第十八号議案
令和二年度東京都病院会計予算
第十九 第十九号議案
令和二年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十 第二十号議案
令和二年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
令和二年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
令和二年度東京都港湾事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
令和二年度東京都交通事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
令和二年度東京都高速電車事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
令和二年度東京都電気事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
令和二年度東京都水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
令和二年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
令和二年度東京都下水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
スマート東京推進基金条例
第三十 第三十号議案
公立大学法人首都大学東京に係る地方独立行政法人法に規定する重要な財産を定める条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
東京都が設立する地方独立行政法人に係る地方独立行政法人法第十九条の二第四項に規定する条例で定める額を定める条例
第三十二 第三十二号議案
東京都知事等の損害賠償責任の一部免責に関する条例
第三十三 第三十三号議案
職員の服務の宣誓に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
都及び特別区並びに特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
令和元年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京都犯罪被害者等支援条例
第四十一 第四十一号議案
東京都監査委員条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
東京都庭園美術館条例
第四十四 第四十四号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
学校職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十六号議案
学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
緑あふれる東京基金条例
第五十一 第五十一号議案
東京都営住宅条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
第五十八 第五十八号議案
東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
東京都イノベーション創出基金条例を廃止する条例
第六十 第六十号議案
東京都産業労働局関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
東京都家畜保健衛生所条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都港湾管理条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
ゼロエミッション東京推進基金条例
第六十六 第六十六号議案
東京都水素社会・スマートエネルギー都市づくり推進基金条例を廃止する条例
第六十七 第六十七号議案
高圧ガス保安法関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都葬儀所条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
警視庁関係手数料条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十八号議案
都営住宅三十一H─一一四東(大田区東糀谷六丁目)工事請負契約
第七十九 第七十九号議案
都営住宅三十一H─一二八東(板橋区双葉町)工事請負契約
第八十 第八十号議案
都営住宅三十一H─一二二東(足立区江北七丁目)工事請負契約
第八十一 第八十一号議案
都立神代高等学校(三十一)体育館ほか改築及び改修工事請負契約
第八十二 第八十二号議案
東京都八重洲駐車場(三十一)改修工事請負契約
第八十三 第八十三号議案
警視庁本部庁舎(三十一)大規模改修空調設備工事その二請負契約
第八十四 第八十四号議案
環二築地虎ノ門トンネル(三十一)換気設備工事その二請負契約
第八十五 第八十五号議案
中川護岸耐震補強工事(その四十六)請負契約
第八十六 第八十六号議案
妙正寺川整備工事(その十六)請負契約
第八十七 第八十七号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百五十六)請負契約
第八十八 第八十八号議案
小名木川護岸耐震補強工事(その五)請負契約
第八十九 第八十九号議案
綾瀬川護岸耐震補強工事(その二百六)請負契約
第九十 第九十号議案
包括外部監査契約の締結について
第九十一 第九十一号議案
東京都と神奈川県との境界にわたる町田市と相模原市との境界変更について
第九十二 第九十二号議案
境界変更に伴う財産処分に関する協議について
第九十三 第九十三号議案
世田谷区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十四 第九十四号議案
荒川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十五 第九十五号議案
江戸川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
第九十六 第九十六号議案
東京国際クルーズふ頭桟橋外一施設の指定管理者の指定について
第九十七 第九十七号議案
首都高速道路株式会社が行う高速道路事業の変更に対する同意について
第九十八 第九十八号議案
令和二年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第九十九 第九十九号議案
令和元年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第百 第百号議案
令和元年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百一 第百一号議案
令和元年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第百二 第百二号議案
令和元年度東京都用地会計補正予算(第一号)
第百三 第百三号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第一号)
第百四 第百四号議案
令和二年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第百五 第百五号議案
令和元年度東京都一般会計補正予算(第三号)
第百六 第百六号議案
令和元年度東京都病院会計補正予算(第二号)
第百七 第百七号議案
令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)
第百八 第百八号議案
令和二年度東京都病院会計補正予算(第一号)
第百九 諮問第一号 地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
二月十九日議事日程第一号追加の一
第一 議員提出議案第一号
東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例

   午後一時開会・開議

○議長(石川良一君) ただいまから令和二年第一回東京都議会定例会を開会いたします。
 これより本日の会議を開きます。

○議長(石川良一君) まず、議席の変更を行います。
 議席変更の申し出がありますので、会議規則第二条第三項の規定により、お手元配布の議席変更表のとおり、議席の一部を変更いたします。
(別冊参照)

○議長(石川良一君) 次に、会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、会議規則第百二十四条の規定により、議長において
   十一番  伊藤しょうこう君 及び
   六十八番 米川大二郎君
を指名いたします。

○議長(石川良一君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。

○議事部長(櫻井和博君) 令和二年二月十二日付東京都告示第百四十六号をもって、知事より、本定例会を招集したとの通知がありました。
 また、本定例会に提出するため、議案百九件の送付がありました。
 次に、知事及び教育委員会教育長並びに監査委員外五行政委員会より、令和二年中における東京都議会説明員及び説明員の委任について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき、それぞれ通知がありました。
 次に、選挙管理委員会委員長より、令和元年第四回定例会の会議において選挙された選挙管理委員は、令和元年十二月二十三日をもって就任したとの通知がありました。
 次に、知事より、令和元年第四回定例会の会議において同意を得た教育委員会委員及び監査委員の任命について、発令したとの通知がありました。
 次に、公安委員会委員長より、先般の人事異動に伴う東京都議会説明員の委任変更について、地方自治法第百二十一条及び会議規則第四十二条の規定に基づき通知がありました。
 次に、包括外部監査人より、令和二年二月十二日付で、令和元年度包括外部監査報告書の提出がありました。
 次に、知事より、地方自治法第百八十条第一項の規定による議会の指定議決に基づく専決処分について、報告が二件ありました。
 内容は、訴えの提起、損害賠償額の決定及び和解に関する報告について並びに東京都高等学校・大学等進学奨励事業に係る貸付金の償還免除に関する報告についてであります。
 次に、監査委員より、例月出納検査の結果について報告がありました。
 また、令和元年工事監査、令和元年財政援助団体等監査及び令和元年行政監査の結果について、それぞれ報告がありました。
 次に、包括外部監査の結果に基づき知事が講じた措置の通知内容について、提出がありました。
 次に、住民監査請求について、地方自治法等の一部を改正する法律附則第二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)

○議長(石川良一君) 次に、文書質問に対する答弁書について申し上げます。
 令和元年第四回定例会に提出されました文書質問に対する答弁書は、質問趣意書とともに送付いたしておきました。ご了承願います。
文書質問趣意書及び答弁書は本号末尾(一八ページ)に掲載〕

○議長(石川良一君) 次に、警視総監三浦正充君の退任に伴い、新たに斉藤実君が警視総監に就任いたしましたので、ご紹介いたします。
 警視総監斉藤実君。
〔警視総監斉藤実君登壇〕

○警視総監(斉藤実君) 去る一月十七日付で警視総監に就任をいたしました斉藤でございます。
 東京都議会の皆様方には、平素から警視庁の運営につきまして格別のご理解、ご高配を賜っており、厚く御礼を申し上げます。
 さて、都内の治安情勢でありますが、目前に迫る東京二〇二〇大会に向けた諸対策が正念場を迎えていることに加え、手口が多様化する特殊詐欺への対策、児童虐待を含む人身安全関連事案への対応のほか、子供の安全を守るための取り組み、サイバー空間の脅威への対処など、取り組むべき重要課題が山積をしております。
 警視庁といたしましては、こうしたさまざまな課題に的確に対応をし、関係機関との連携を図りながら、世界一安全な都市東京の実現に向けて、各種対策を力強く推進をしてまいります。
 東京都議会の皆様方におかれましては、今後とも一層のご指導、ご支援を賜りますようお願いを申し上げ、私のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○議長(石川良一君) 以上をもって紹介は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、閉会中の常任委員の所属変更について申し上げます。
 お手元配布の名簿のとおり、各委員よりそれぞれ常任委員の所属変更の申し出がありましたので、委員会条例第五条第三項ただし書きの規定により、議長において、それぞれこれを許可いたしました。
〔常任委員所属変更名簿は本号末尾(一二七ページ)に掲載〕

○議長(石川良一君) 次に、閉会中の議会運営委員の辞任及び選任について申し上げます。
 去る一月二十二日付をもって、清水ひで子さん及び大山とも子さんより、それぞれ辞任願が提出されましたので、委員会条例第十一条第一項ただし書きの規定により、議長において、それぞれ同日付をもってこれを許可いたしました。
 なお、委員の欠員を補充するため、委員会条例第五条第四項の規定により、議長において、同日付をもって里吉ゆみさん及びあぜ上三和子さんを指名いたしました。

○議長(石川良一君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例が提出されました。
 これを本日の日程に追加いたします。

○議長(石川良一君) 会期についてお諮りいたします。
 今回の定例会の会期は、本日から三月二十七日までの三十八日間といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、会期は三十八日間と決定いたしました。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 令和元年度包括外部監査結果の報告について、地方自治法第二百五十二条の三十四第一項の規定に基づき、包括外部監査人の説明を求めることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、令和元年度包括外部監査結果の報告について、包括外部監査人の説明を求めることに決定いたしました。
 ここで、久保直生包括外部監査人の出席を求めます。
〔包括外部監査人久保直生君入場、着席〕

○議長(石川良一君) ただいまご出席いただきました包括外部監査人をご紹介いたします。
 久保直生さんでございます。
〔包括外部監査人挨拶〕

○議長(石川良一君) 本日は、ご多忙のところ、監査結果報告の説明のためご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。

○議長(石川良一君) この際、知事より、令和二年度施政方針について発言の申し出がありますので、これを許します。
 知事小池百合子さん。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 令和二年第一回都議会定例会の開会に当たりまして、都政の施政方針を述べさせていただきます。
 初めに、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。
 都はこの間、危機管理対策会議の開催や対策本部の立ち上げなどを通じまして、各局及び関係機関と緊密に連携をし、迅速な対応に当たってまいりました。武漢市からの帰国者の一部を都立病院、公社病院へ受け入れるとともに、都民の皆様に向けた相談窓口や医療提供体制をいち早く整えたほか、国内に住居のない帰国者への都営住宅の一時提供、中小企業者等特別相談窓口の開設など、対策を幅広く講じております。
 加えまして、国に対しましても、検査体制の強化やマスクなど必要な資材の安定供給等について緊急要望を行いましたほか、現地での対策を支援すべく、中国各機関からの要請を踏まえまして、医療用防護服を提供いたしました。
 そして、本定例会には、感染症対策を強化するとともに、経済活動への影響を最小限に抑える観点から、さらなる取り組みを推進するための補正予算案を提案したところでございます。本予算案を三月から来年度にかけて切れ目なく対策を行うための十三カ月予算とし、検査体制の強化、患者受け入れ体制の確保、感染防護具の追加備蓄、中小企業や観光産業へのきめ細かな支援など、迅速かつ広範に取り組みを進めたいと考えております。ご審議のほどよろしくお願いを申し上げます。
 また、東京二〇二〇大会に向けたテレワーク及び時差ビズの取り組みでありますが、ここは感染拡大の防止のためにも、大幅に前倒しをして進めてまいります。都におきましては、本庁職員の全員がテレワークまたはオフピーク通勤を実施し、隗より始めよで徹底していくとともに、企業等の皆様におかれましても、これを契機にさらに本格的に推進していただきますよう強くお願いを申し上げます。
 事態は新たな局面を迎え、予断を許さないものとなっております。今後とも、国や区市町村、近隣自治体、関係機関と連携をいたしまして、都議会の皆様と力を合わせて、都民の皆様の安全・安心を守る対策に全力を挙げて取り組んでまいります。
 さて、今から六十年前となります一九六〇年、リハビリテーションの研究のため、一人の若き日本人医師がロンドン郊外の病院を訪れました。彼がそこで目にしたのは、車椅子を使用する患者がバスケットボールに汗を流す姿でありました。その光景に感銘を受けて、我が国における障害者スポーツの普及に力を尽くしたのが、日本のパラリンピックの父といわれる医師、中村裕博士であります。
 障害者は療養すべきとの考え方が主流であった当時の社会におきまして、障害者とスポーツを結びつける取り組みは大いなる挑戦でございました。国内初の障害者スポーツ大会を開催し、国際大会にも日本人選手を初めて参加させた博士の情熱により、一九六四年、パラリンピックの名称が初めて使われた東京パラリンピックの開催が実現いたします。
 さらに博士は、この大会を機に障害者の社会進出を促進するべく、就労施設の設立や企業との連携等に取り組みました。経済成長へと突き進む時代のただ中にあって、障害の有無にかかわらず、誰もが個性や意欲に応じて生き生きと活躍し、心豊かに暮らせる社会へとつながる取り組みも、着実に進められていたのであります。
 東京二〇二〇大会を跳躍台とし、成長と成熟が両立した都市へと東京のさらなる進化を目指す私たちは、当時のこうした果敢な挑戦を改めて胸に刻まなければなりません。
 一九六四年のパラリンピックが、障害のある方々が輝く社会への第一歩であったとすれば、今回のパラリンピックは、ハード、ソフトの両面におけるバリアフリーの徹底や、誰もが支え合うソーシャルインクルージョンの推進など、共生社会に向けた取り組みを一層前進させるべき大会であります。
 さらに、先月開催をいたしましたパラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会におきまして、谷垣禎一名誉顧問は、どういう社会をつくっていくのか、大会が終わったらおしまいということにさせてはいけないと述べておられました。大会後も、よりよい社会を目指した取り組みを不断に続けていかなければ、真の成熟社会を実現することはかないません。
 そしてまた、今回の大会は、パラリンピックの価値をさらに高めるべき大会でもあります。パラリンピックは、一九六四年の東京大会からしばらくオリンピックと同じ都市で開催されることはありませんでした。再びオリンピックと同都市で開催され、世界の注目がより高まることとなったのは、わずか三十二年前、一九八八年のソウル大会以降のことであります。
 だからこそ、二度目の夏季パラリンピックを開催する初の都市である東京は、万全の準備を整え、アスリートと観客が一体となってかつてない興奮と感動を呼び起こす、世界に語り継がれるパラリンピックを実現しなければならない。そのような強い思いを抱いております。
 二〇二〇年、いよいよオリンピック・パラリンピックイヤーの到来であります。オリンピックはもとより、パラリンピックを大いなる成功へと導き、東京二〇二〇大会を真に世界に誇る大会とする。二〇一三年の招致決定以降、約七年にわたり、都は総力を挙げてそのための取り組みに邁進してまいりました。大会準備はまさに大詰めを迎えております。
 今月末、東京アクアティクスセンターの竣工によりまして、都が新たに整備する恒久施設は全て整うこととなります。大会経費の最終的な枠組みも公表されまして、都の負担額は、新たに百億円の緊急対応費を計上する一方で、競歩会場の変更やさらなる精査によりまして五千九百七十五億円とし、大会関連経費につきましても七千七百六十六億円に縮減をいたしました。引き続き、組織委員会及び関係機関と連携しながら、一層の効率化を進めてまいります。
 大会の安全・安心の確保に向けましては、先般、有明体操競技場などを会場として、災害対応訓練を実施いたしました。今後も、テロへの対応など、治安対策を加えました各種訓練を継続的に行って、検証を重ねてまいります。感染症対策やサイバーセキュリティーを含め、それぞれの分野における具体の対応を明確にした対処要領に基づいて、誰もが安心して楽しめる大会の実現に万全を期してまいります。
 大会期間中の交通混雑の緩和につきましては、物流における交通需要マネジメントを加速するため、関係機関や業界団体とともに、先月、実行協議会を立ち上げました。現場の実情に即した中小企業等への呼びかけや相談対応を通じまして、荷主から配送業者まで一体となった取り組みを促進いたします。先月、都民や企業等の皆様のご協力をいただいた冬のスムーズビズ実践期間の検証も踏まえまして、引き続き、混雑の緩和に着実に取り組んでまいります。
 大会を文化の面から盛り上げるべく、Tokyo Tokyo FESTIVALの取り組みも加速いたします。国内外の二千を超える応募の中から選び抜かれた十三の特別企画を中核に、都立文化施設におけます展覧会や公演、東京都メディアセンター及びライブサイトにおけます伝統文化の体験など、人々の記憶に残る多彩なプログラムを展開してまいります。
 パラリンピックの成功と共生社会の実現に向けましては、これまで百三十万人を超える方々にご登録いただいているチームビヨンドを初めとしたパラスポーツの普及、専門家の知見を踏まえたバリアフリーの推進、ソーシャルファームの創設を促進する条例の制定など、幅広い取り組みを重ねてまいりました。パラスポーツを間近で体感できるイベントには、毎回多くの参加をいただいておりまして、引き続き競技の魅力を広く発信してまいります。
 また、大会への関心を高めるパンフレットや、東京二〇二〇大会の最終日を飾るパラリンピックマラソンを東京を挙げて盛り上げるためのリーフレットを広く配布しております。チケット販売では、ロンドン大会の三倍以上となる三十九万人が申し込まれた第一次抽せんに続きまして、第二次抽せんにも二十四万人を超える申し込みがあり、確かな手応えを感じたところであります。
 ぜひとも満員の観客で沸くパラリンピックを実現し、そしてその盛り上がりを一時のもので終わらせることなく、成熟都市東京をさらなる高みへと導く取り組みを推し進めてまいります。
 来月にはいよいよ、オリンピックの聖火がギリシャで採火され、宮城県、岩手県、福島県におきまして、復興の火として展示された後、昨年、全面再開されました福島のJヴィレッジから全国をめぐるリレーへと出発いたします。オリンピックまで百五十六日、パラリンピックまで百八十八日。世界が待ちわびる開幕に向けまして、一日一日、大会準備の総仕上げに全力を尽くしてまいります。
 そして、二〇二〇年の東京が人々の記憶にいつまでも残り続ける史上最高の大会を、都議会の皆様、都民の皆様とともに、必ずや実現したいと思います。何とぞ皆様の一層のお力添えをお願い申し上げます。
 オリンピック・パラリンピックを成功へと導き、二〇二〇年のその先の明るい未来をつかみとる。そのための羅針盤として、昨年十二月、未来の東京戦略ビジョンを策定いたしました。時代を切り開く人が大いに輝ける社会を確立することこそが、東京が未来へと発展を続ける鍵であります。そうした確信のもと、人が輝く東京を初め、安全・安心、世界をリードする、美しい、楽しい、そしてオールジャパンで進む東京をつくり上げるため、目指すべき二〇四〇年代の二十の姿を描きました。
 誰もが自分らしく、生き生きと活躍する。世界一の高い生産性で世界経済を牽引する。全国各地との連携を深め、真の共存共栄を実現する。こうした目指すべき姿に向けまして、区市町村や民間企業、NPO等と積極的に連携、協働し、約百二十の推進プロジェクトを迅速かつ強力に展開をいたします。
 加えまして、東京二〇二〇大会のレガシーにつきましても、未来へと着実に結びつけていかなければなりません。これらの取り組みを来年度に策定する長期戦略へと結実させて、成長と成熟が両立した東京、日本の輝かしい未来を果敢に切り開いてまいります。
 都はこれまで、職員主体の二〇二〇改革を推し進め、情報公開の一層の進展や主要事業の分析、見直しなど、多くの成果を上げてまいりました。四月には、二つの政策連携団体を統合いたしまして、持続可能な東京水道の実現に向けました取り組みを加速するなど、引き続き、手を緩めることなく改革に邁進してまいります。
 この二〇二〇改革をさらに発展させ、明るい未来を支える都庁へと一段の飛躍を遂げるべく、先般、新たな都政改革ビジョンを公表いたしました。次なる改革で徹底していくのは、都政を取り巻く環境やニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応するアジャイルと、都民目線で課題を深く掘り下げ、政策やサービスを不断に練り上げるデザイン思考であります。今後、都民の皆様のご意見を踏まえまして、改革の具体策を実行方針として取りまとめてまいります。
 東京二〇二〇大会を確実な成功へと導き、次世代に継承するレガシーをつくり上げるとともに、戦略ビジョンで描きました未来への力強い一歩を踏み出す。そのための令和二年度当初予算案は、過去最大となった今年度に次ぐ七兆三千五百四十億円の規模で編成をいたしました。
 未来の東京をつくる取り組みに重点的に予算を配分する一方、徹底した事業評価によりまして一千三十億円の財源確保へつなげるなど、引き続き、めり張りのきいた予算編成を行ったところであります。
 今後、人口減少によります経済の縮小や超高齢化に伴います歳出増が見込まれる中にありましては、戦略ビジョンに基づく投資により持続的に成長を生み出すとともに、改革ビジョンを踏まえた事業評価の深化などによって、健全な財政運営を進めることが欠かせません。長期的な視点から、より強固で弾力的な財政基盤を確立して、明るい未来の実現を確かなものとしてまいります。
 これより主要な政策について申し述べてまいります。
 子供からお年寄りまで、また障害のある方も外国人の方も、誰もがみずからの意思で未来を切り開く、人が輝く東京。その実現に向け、三つのCを軸に、力強く施策を推進してまいります。
 まずは、次代を担う子供たちを育み、明るい未来をつないでいくChildrenの取り組みについてであります。
 戦略ビジョンにおきましては、目指すべき未来の姿の一つとして、合計特殊出生率二・〇七を掲げました。少子化が進み社会の活力が低下すれば、明るい未来を展望することはできません。子供を持ちたいという個々人の願いをかなえるとともに、人口減少に歯どめをかけるとの強い決意を胸に、子供たちの笑顔と希望にあふれるまちの実現に邁進してまいります。
 新たに始めますとうきょうママパパ応援事業では、ベビーシッター等の派遣によります産後の負担軽減や、一歳児のいる家庭への訪問などを通じました育児不安の解消を図ってまいります。あわせまして、双子や三つ子等を持つ家庭について、外出時の支援や移動経費の補助を行うなど、多胎児家庭ならではの困難を取り除いてまいります。
 就任時より精力的に取り組んでまいりました待機児童対策につきましては、空き定員を活用して一歳児を受け入れる保育所への支援を認証保育所にも拡大するほか、自然環境を生かした保育を促進するなど、量の確保と質の向上の両面から推進してまいります。
 昨年夏に導入いたしました都営大江戸線の子育て応援スペースにつきましては、今月より運行を七編成に拡大いたしまして、その一部を毎日同じ時刻に運行することで利便性を向上させました。引き続き、子育てのしやすい環境づくりを率先して進めるとともに、区市町村や企業、大学等と連携したチーム二・〇七ムーブメントを推進し、子供を大切にする社会をつくり上げていきたいと思います。
 子供たちの主体性を伸ばして、一人一人の個性や能力に向き合う新たな教育モデルの確立を目指してまいります。その鍵となる教育現場のICT化に向けまして、モバイル端末や高速通信網の整備などを進めるTOKYOスマート・スクール・プロジェクトを開始いたします。将来的には、AIやビッグデータといった先端技術を活用して、生徒一人一人に最適化された学びの提供など、誰ひとり取り残さない学校教育の実現を目指してまいります。
 私立高校授業料のいわゆる実質無償化につきましては、来年度より、年収約九百十万円未満の世帯にまで対象を拡大いたします。また、多子世帯に対しましても、高校授業料の負担軽減を図るべく新たな補助を行うなど、子供たち一人一人が安心して学び、大きく育つことができる環境を整えてまいります。
 次に、二つ目のCでありますChojuの取り組みについてであります。
 人生百年時代におきましても、誰もが幾つになっても安心して生き生きと輝ける長寿社会を実現し、Chojuの言葉を東京を象徴する世界の共通語としていきたいと思います。
 高齢者の就業を一層後押しするべく、労働者派遣制度を活用したマッチングや普及啓発イベントを初め、総合的な支援を展開するシニア就業応援プロジェクトを拡充いたします。セカンドキャリアに踏み出そうとするシニア予備軍を対象に新たな支援を開始するなど、意欲ある方々がみずからの希望や適性に応じて活躍できる社会を実現してまいります。
 生涯現役で学びを深める都立大学のプレミアム・カレッジには、来年度の受講生募集に対しましても、定員を大きく上回る応募をいただきました。この四月には、今年度受講された方々の二年目の学びとなる専攻科を開設するなど、一人一人の大いなる学習意欲に応え、充実した学生生活を後押ししてまいります。
 超高齢社会におきまして、認知症といかに向き合うかは極めて重要な課題であります。新たな取り組みとして、認知症サポーターが地域で活動するための仕組みの創設を進め、誰もが暮らしやすい共生社会づくりを推進してまいります。また、健康長寿医療センターが保有する膨大なビッグデータを活用し、AIによる画像診断システムを構築するなど、先端技術を駆使した認知症の早期診断を目指してまいります。
 誰もが住みなれた地域で快適に暮らせる社会を築くためには、移動支援も欠かせません。運行ダイヤや発着地を柔軟に運用するデマンド交通の導入につきまして、区市町村によります実証実験等への支援を開始いたします。地域におけます公共交通の今後のあり方を見据え、利便性の高いネットワークの形成を推進してまいります。
 三つ目のCは、Communityであります。
 人の活力は、人とつながることでより一層高まります。人に寄り添い、多様性や包摂性に富んだ活気あふれる成熟社会を実現してまいります。
 近年、急増かつ多国籍化している在住外国人との相互理解の促進や、大会のレガシーとしてのボランティア文化の定着など、東京のコミュニティの活性化を担う新たな財団を十月に設立をいたします。多言語によるワンストップ相談ナビや、易しい日本語の活用促進、ボランティアの希望者と受け入れ団体をつなぐネットワークの構築など、新財団を軸といたしまして、多様な文化が共生をし、誰もが助け合う社会づくりを加速してまいります。
 人が輝く東京をつくる観点から、日常生活の基盤であります住宅につきましても、新たな政策を進めます。都営住宅は、住宅のセーフティーネットであるとともに、地域がつながる拠点でもあります。ここに、居住者や近隣の方々が食事をしながら交流する、そんな居場所となる東京みんなでサロンを開設し、コミュニティの活性化や緩やかな見守りの実現につなげてまいります。
 また、四月には、老朽マンションの適正管理を図るため、都道府県初となります管理状況の届け出制度を開始するほか、新年度早々、これからの住宅政策のあり方につきまして、住宅政策審議会に諮問して、来年末を目途に新たな住宅マスタープランの策定を目指してまいります。
 三つのCに加えまして、誰もがみずからの個性や能力を発揮し、自分らしく輝ける社会に向けた取り組みを進めてまいります。
 出産や子育て等で離職した女性が、その持てる力を再び社会で発揮できるよう、現在、東京しごとセンターに設置しております女性しごと応援テラスを多摩地域にも拡大いたします。
 また、女性の多様な働き方の選択肢を提示し、みずからの可能性を発見していただく大規模なイベントを開催するなど、社会で輝きたいと思う女性をしっかりとサポートしてまいります。
 一方で、企業で働く女性管理職がさらに羽ばたくことができるよう、そのキャリア形成を支援するプログラムを実施いたします。修了者にはリーダーとして活躍することの魅力を広く発信してもらって、多くの女性のキャリアアップにつなげるなど、女性管理職を支えるとともに、新たに生み出すサイクルを確立してまいります。
 さきに可決いただきました条例に基づくソーシャルファームの創設の促進につきましては、現在、認証基準や支援策の具体化を進めております。就労に困難を抱える方々が活躍できるソーシャルファームの早期の認証に向けまして、スピード感を持って取り組んでまいります。
 ソーシャルインクルージョンの実現は、就労の世界にとどまりません。先週、総合教育会議におきまして、これからの特別支援教育のあり方をテーマに議論を交わしました。障害の有無にかかわらず、誰もが個々のニーズに応じた教育を受けられるよう検討を深めてまいります。
 また、都立公園では、全ての子供が楽しめるインクルーシブ公園の整備を進めておりまして、来月にはその第一号となる砧公園の遊具広場が完成をいたします。今後、区市町村と連携をしまして、身近な公園にも取り組みを拡大してまいります。
 これまで検討を重ねてまいりました犯罪被害者等支援条例につきましては、都民の皆様のご意見を丁寧に伺って、本定例会に条例案を提案いたしました。これを契機に、見舞金の給付や都道府県初となる転居費用の助成といった経済的支援を初め、外国人被害者への支援の拡充など、幅広く取り組みを展開いたします。被害に遭われた方やそのご家族が安心して生活できますよう、寄り添った支援を進めてまいります。
 次に、人が輝く大前提となります安全・安心を確保する取り組みについてであります。
 年々激甚化する豪雨災害に鑑み、安全・安心の取り組みを一層推進するべく、先月新たに豪雨対策アクションプランを策定いたしました。これに基づき、現在進めている環状七号線地下広域調節池等の整備を着実に推進するほか、河川への監視カメラ設置の拡大や樋門等の施設改良など、昨年の台風を踏まえました対応を図ってまいります。加えて、新たな調節池につきましても、二〇三〇年度までに約百五十万立米の容量の事業化を図るべく、来年度は石神井川と境川で事業に着手してまいります。
 また、東京消防庁におきましては、水害時に浸水地域に先行して迅速な救助活動を行う即応対処部隊の運用を開始いたします。陸上滑走が可能なエアボートを日本の消防機関として初めて導入するなど、毎年のように起こり得る豪雨災害に対しまして、着実に備えを固めてまいります。
 防災対策のさらなる進化に向けましては、停電時の電源確保が重要な課題であります。共助のかなめとなる地域コミュニティ拠点に対しまして、発電機などの配備を後押しするとともに、災害対策本部が設置される区市町村庁舎におけます非常用電源設置のため、経費の補助や専門家の派遣による支援を実施いたします。また、家庭の防災備蓄の促進に向けました新たなウエブサイトを立ち上げるなど、自助、共助、公助の観点から取り組みを幅広く進めてまいります。
 阪神・淡路大震災から二十五年。倒壊した電柱や建物が避難や救援、復旧の妨げとなり、火災が瞬く間に広がった光景を今も忘れることはできません。昨年の台風におきましても、災害対策としての重要性が改めて浮き彫りとなりました無電柱化につきまして、いわゆるセンター・コア・エリア内の都道における整備は、おおむね完了する見込みとなりました。島しょ地域におけます取り組みにも着手をいたしまして、区市町村道につきましても、防災に寄与する道路への補助の拡充等によりまして、施策の拡大を図っております。
 来年度は、新たに無電柱化加速化戦略を策定して、区市町村や民間との一層の連携や、整備コストの縮減に向けました技術開発の促進を図りながら、まちの無電柱化を面的に加速してまいります。
 燃え広がらないまちづくりをさらに推進すべく、来年度末を目途に、防災都市づくり推進計画を改定いたします。先月には、不燃化が進まない無接道建物につきましての柔軟な対応や、木密地域の魅力的なまち並みへの再生など、一歩踏み込んだ方向性を掲げた基本方針案をお示しいたしました。今後、地元自治体と連携をいたしまして、具体的な事業の検討を進めてまいります。
 また、震災時の救援、復旧を円滑に進めるためには、その生命線となる緊急輸送道路につきまして、沿道建築物の耐震性をさらに高めて、通行機能を確実に確保しなければなりません。特に倒壊の危険性が高い建築物の段階的な改修や、テナントビルの耐震化に向けた支援を拡充するなど、取り組みをより一層前進させてまいります。
 そして、防災まちづくりを強力に推進していくためには、国との連携も欠かせません。先月には、災害に強い都市の形成に向けまして、国と都の実務者会議を新たに設置いたしました。高台をふやすまちづくりや、木密地域の改善に向けましたさらなる展開など、民間を含めて知見や情報を幅広く共有し、実効性ある対策を講じてまいります。
 誰もが安心して質の高い医療を受けられる東京を実現するべく、新たな病院運営改革ビジョンを策定いたします。先般、その素案におきまして、都立病院及び公社病院につきまして、地方独立行政法人化の準備を開始するに至った考え方などをお示しいたしました。引き続き、都民及び関係者の皆様のご意見や都議会におけるご議論を踏まえまして、年度末には、病院の今後の運営の道筋を示す本ビジョンを公表いたします。将来にわたりまして都民の安全・安心を支える効率的かつ効果的な医療提供体制の構築に向けて、全力で取り組んでまいります。
 人の安全かつ自由な移動を支えて、東京の活力を引き出す交通ネットワークの充実に向けまして、さらなる取り組みを進めてまいります。
 快適通勤の実現や多摩地域の魅力向上などにつながる鉄道網の構築につきましては、今般、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面への延伸につきまして、事業化に向けた調査に着手することといたしました。また、地下鉄八号線などの各路線につきましても、戦略ビジョンにおいて取り組みの方向性を示したところでありまして、引き続き、国や地元自治体、鉄道事業者等との協議、調整を加速してまいります。
 道路ネットワークの充実に向けましては、東京二〇二〇大会におきまして、築地の車両基地と晴海の選手村を結ぶ環状第二号線の地上部道路が来月二十八日に開通することとなりました。
 さらに五月には、臨海部の交通需要の増加に対応する東京BRTが、虎ノ門から環状第二号線を経て晴海へと至るルートにおきまして、先行的に運行を開始いたします。引き続き、二〇二二年度の本線トンネル開通を目指しまして取り組みを進め、臨海部と都心部を結ぶ新たな道路ネットワークを形成するとともに、円滑な地域交通を確保してまいります。
 また、築地のまちづくりにつきましては、本格的な推進に先立って、船着き場周辺エリアを先行的に整備いたします。舟運の活性化を図り、築地場外市場とのつながりにも配慮しながら、具体の実施方針を年度内に公表いたしまして、民間の創意工夫を生かすことで、新たなにぎわいを早期に創出してまいります。
 東京、日本の国際競争力の向上や東京二〇二〇大会の円滑な実施に資するべく、国は来月下旬より、羽田空港におけます国際線の発着を年間約三万九千回増加をいたします。
 都といたしましては、運用開始後における関係自治体との情報連絡体制を新たに整備しまして、引き続き、国に対して丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。東京の未来にとりまして重要な羽田空港の機能強化に向けまして、都民の皆様の理解がさらに深まるよう取り組んでまいります。
 世界中から人、物、金、情報が集まり、次々と新たな産業が生まれる一方で、快適な環境や豊かな緑が人々にゆとりと潤いをもたらす。そのような世界に誇れる都市東京をつくり上げてまいります。
 新たな基幹インフラとなる電波の道、TOKYO Data Highwayを基盤に、デジタルの力で東京のポテンシャルを最大限に引き出すスマート東京。先般、その実現に向けました実施戦略を公表したところでありまして、今後、五つの先行実施エリアにおいて、5Gを初めとする高速モバイルネットワーク及び先端技術を活用したサービスを展開いたします。さらに、教育、防災、産業など幅広い分野におきまして、都市のデジタルシフトに向けた施策を推進し、テクノロジーによる都民生活の質の向上を図ってまいります。
 スマート東京を実現するためには、旗振り役である都庁自身もデジタル化を進めなければなりません。先端技術によりまして、業務の生産性、効率性を高めるとともに、都民目線に立った行政サービスを提供してまいります。
 その一環として、AIを活用し、納税者からの相談に二十四時間三百六十五日対応するサービスを実施するほか、恩賜上野動物園で実証実験中のQRコード決済を初め、多様なキャッシュレス決済について、多くの方々が来場する都有施設での導入を加速してまいります。
 世界経済を牽引する東京を目指し、引き続き、稼ぐ力を高める取り組みを進めます。
 スタートアップ企業が生み出す製品やサービスは、時代のニーズを機敏に捉え、社会的課題の克服にも寄与します。その力を最大限に生かすことで、企業の成長にもつなげるべく、都とスタートアップの交流拠点を開設し、都政課題の解決に向けた官民によるプロジェクトを促進してまいります。
 また、世界へ羽ばたくネクストユニコーンを東京から輩出するべく、シリコンバレーや深圳といった世界有数のエコシステムで開催される商談会や、海外企業を招いた交流会への参加を促して、スタートアップの海外進出を力強く後押ししてまいります。
 我が国の経済は、最新のGDP速報値におきまして、年率換算六・三%という大幅な落ち込みを示しました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の停滞も懸念されるところであります。加えまして、人口減少やICT技術の進展など、経営環境の急速な変化にも直面する中小企業につきましては、資金面での支えはもとより、その支援のあり方を大胆に見直すことも必要であります。
 来年度から新たに、明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業及び中小企業新戦略支援事業を展開いたしまして、技術、サービスの高度化により受注拡大を目指す企業や、市場開拓、ICT化などに取り組む業界への支援の充実を図ってまいります。さらに、円滑な事業承継の実現に向けまして、MアンドAを活用した第三者承継等を手がけるファンドを育成するほか、新たなイノベーションを創出する発展的な事業承継を促進するなど、中小企業の持続可能な発展のため、多様な支援を展開してまいります。
 また、地域の商業活動の拠点であり、コミュニティの核としても重要な商店街の魅力を広く発信するべく、秋ごろを目途に大東京商店街まつりを開催するなど、地域産業の活性化に向けました取り組みを幅広く進めてまいります。
 昨年九月以降、オーストラリアにおきまして発生した過去最大級の森林火災は、地球温暖化が一因とも指摘をされています。都といたしまして、甚大な被害が発生したことを踏まえて、姉妹友好都市であるニューサウスウェールズ州に対しまして、災害見舞金を贈呈することとしております。
 また、我が国におきましても、記録的な猛暑や豪雨に見舞われるなど、気候変動の影響は私たちの身近な生活領域まで及んで、今、地球環境を取り巻く問題は歴史的な転換点を迎えているといわざるを得ません。
 都民の生命と財産を守り、美しい水、緑、空気を将来へと引き継ぎながら、東京がさらなる発展を遂げていく。そのためのロードマップをまとめましたゼロエミッション東京戦略におきまして、私は、実効性のある対策を講じて、都民の皆様とともに気候危機に正面から立ち向かう行動を起こすことを宣言いたしました。気候変動の緩和策と適応策の総合的な展開を図って、都外におけますCO2削減への貢献や、省エネ、再エネの拡大など、あらゆる分野の取り組みを進化、加速させ、脱炭素社会を実現してまいります。
 国際的な輸入規制を受けまして、廃プラスチックの処理は喫緊に対処すべき課題であります。国内の新たな資源循環のルートの構築に向けました実証事業を行いますほか、産廃処理業者によります破砕設備等の導入を支援いたしまして、廃プラスチックの適正な処理を促進してまいります。
 緑豊かで美しい都市環境を形成する取り組みも進めてまいります。
 先週、緑施策の基本方針となります緑確保の総合的な方針及び都市計画公園・緑地の整備方針の改定案を公表いたしました。都民の皆様のご意見を踏まえまして、新年度早々に新たな方針を取りまとめまして、区市町村や民間との連携のもとで、あらゆる機会を通じて東京全体の緑の確保に取り組んでまいります。
 とりわけ、生産緑地の多くが指定期限を迎えます、いわゆる二〇二二年問題への対応は重要な課題でございます。生産緑地を買い取り、福祉農園等として活用する区市の取り組みを新たに支援しまして、緑の減少を食いとめてまいります。また、四月には、東京農業アカデミーを開設し、東京農業をしょって立つ人材の育成を通じまして農地の活用を促進するなど、緑の保全に向けまして幅広く取り組んでまいります。
 東京の夜に新たな楽しさとにぎわいをもたらすプロジェクションマッピングの活用を促進すべく、本定例会に屋外広告物条例の改正案を提案いたしました。地域ルールに基づく柔軟な実施方法の新設や、公益的なイベントにおけます手続の緩和等を柱といたしております。
 都みずからもプロジェクションマッピングを活用したイベントを開催いたしまして、その裾野の拡大につなげるとともに、ナイトライフイベントを初め新たな観光資源の開発を促進するなど、国内外の旅行者を引きつける、魅力あふれる東京をつくり上げてまいります。
 市町村との緊密な連携によりまして、各地の特色を生かしながら、多摩・島しょ地域のにぎわいと活力を創出してまいります。
 大学や研究機関、ハイテク企業等が集積する多摩地域の強みをさらに引き出すべく、六月を目途に、立川に新たな創業支援拠点を開設いたします。今後、昭島にある産業サポートスクエア・TAMAや、二〇二二年に八王子に開設予定となっております産業交流拠点との連携など、産学官の力を結集しながら、世界有数のイノベーション先進エリアの確立に向けた取り組みを進めてまいります。
 多摩地域におきまして、職住近接で働くことのできる環境を整備するため、都が民間施設を借り上げて、サテライトオフィスとして提供する新たな取り組みを進めてまいります。また、多摩・島しょ地域への観光、レジャーの傍ら、テレワークを行うワーケーションの普及に向けましたモデル事業を行うなど、多様な形でテレワークの一層の拡大を図るとともに、地域のさらなる活性化にもつなげてまいります。
 島しょ地域の魅力向上に向けましては、引き続き、十一の島の個性を磨き上げ、そのブランド化を図る東京宝島事業を展開いたします。また、東京二〇二〇大会を機に東京を訪れる旅行者が、気軽に島しょ地域を訪問できますよう、旅行事業者のツアー販売を支援するなど、東京の島々に多くのにぎわいをもたらしていきたいと思います。
 その他、臨海部におきまして好評を博しておりますTOKYO GLOBAL GATEWAYと同様の体験型英語学習施設を多摩地域に整備することを検討するなど、住む人にも訪れる人にも魅力的な地域の実現に向けまして、幅広く取り組みを推進してまいります。
 激化する国際競争に加えまして、このたびの新型コロナウイルス感染症の影響により、世界経済の先行きが不透明さを増す中で、我が国が確実な歩みを続けていくためには、オールジャパンでの連携が欠かせません。全国各地との関係をさらに進化させ、強固な信頼関係のもと、東京と各地、そして日本全体の成長、発展をなしていきたいと存じます。
 例えば、多くの道府県とともに進めております国産木材の活用に向けましては、引き続き、都が保有する建物への木材活用の検討や、木塀の設置等に取り組んでまいります。加えまして、民間の大規模な建物の木造化に対する助成や、多摩産材及び全国の地域材をPRする拠点の整備などを進めてまいります。
 また、海外からのインバウンド需要を着実に取り込むため、東京二〇二〇大会の期間におきまして、全国の特産品を集めた物産展を開催いたしまして、世界から訪れる旅行者に日本の多様な魅力を伝えてまいります。東京と日本各地を結んで、相互の周遊につながる観光ルートの開発も強化するなど、全国と連携しながら、多くの旅行者を魅了し続ける取り組みを推し進めてまいります。
 私利を追わず公益を図るとの信念のもと、旧東京市養育院の初代院長を務めるなど、約六百もの社会貢献活動に尽力し、ことし生誕百八十年を迎えました渋沢栄一翁はこう語ったといわれております。
 夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし、計画なき者は実行なし、実行なき者は成果なし、成果なき者は幸福なし、ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。
 夢がなくては幸福をつかむことはできないと説く夢七訓であります。
 我が国の経済の地位の低下や第四次産業革命のうねり、気候変動、人口減少など、東京、日本が歴史的な転換点にある今こそ、この言葉が示すとおり、大いなる夢や理想を掲げ、その実現に向けて英知を結集しなければ、明るい未来をつかむことはできません。
 約百二十年前、二十世紀の豫言として新聞に掲載されました未来の予測記事には、電話による海外との通話の実現や、暑さ寒さを調節する機械の発明など、当時としてはまさに夢物語であった姿が描かれました。しかし、それらの多くは先人たちの知恵と努力により、今日実現をしております。現実がやがて夢を超え得ることは、まさしく歴史が証明をしているのであります。
 戦略ビジョンに掲げました目指すべき未来の実現に向けまして、壁は高くとも、揺るぎない信念を持って、とるべき戦略を練り上げて、一つ一つ成果を上げていく。これまでの延長線にとらわれることなく、果敢な挑戦を積み重ねることこそ、私が掲げた東京大改革であり、なすべき改革に力強く邁進をしてまいります。
 なお、本定例会には、これまで申し上げましたものを含めまして、予算案三十八件、条例案四十九件など、合わせまして百九件の議案を提案いたしております。どうぞよろしくご審議をお願い申し上げます。
 最後に、いま一度申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症につきましては、先週、都内在住の患者が初めて確認されるなど、感染症拡大防止のための重要な局面を迎えております。都民の皆様の不安を受けとめ、正確な情報を発信しながら、積極果敢な対策をとることこそが、一人一人の安全・安心につながってまいります。より一層の危機感を持って、機動的かつ効果的に具体策を講じてまいります。
 また、感染の拡大を防ぐためには、都民の皆様一人一人の行動も極めて重要でございます。皆様方には、手洗いの励行やせきエチケットなど、基本的な感染症対策に努めていただくことを改めてお願いしたいと存じます。
 都議会の皆様、都民の皆様と一丸となって、何としても感染の拡大を食いとめるとの決意をここに改めて申し上げまして、私の施政方針表明を終わらせていただきます。
 ご清聴まことにありがとうございました。

○議長(石川良一君) 以上をもって知事の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、警視総監より、都内の治安状況について発言の申し出がありますので、これを許します。
 警視総監斉藤実君。
〔警視総監斉藤実君登壇〕

○警視総監(斉藤実君) 都内の治安状況についてご報告をいたします。
 警視庁では、昨年、犯罪抑止総合対策や重大交通事故防止対策などの治安課題に加え、皇位継承の儀式を初めとする皇室関連行事や、アメリカ合衆国大統領来日、さらにはラグビーワールドカップなど重要行事に伴う警備に組織の総力を挙げて取り組み、首都東京の治安維持に努めてまいりました。
 以下、昨今の状況と対策、今後の取り組みについてご説明をいたします。
 第一は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた諸対策の完遂についてであります。
 東京二〇二〇大会の開催がいよいよ目前に迫っております。当庁ではこれまで、本大会の安全かつ円滑な運営の確保に向けた各種対策に取り組んでまいりました。
 テロ対策については、選手村や競技会場が集中する臨海部における警戒力を強化するため、昨年五月に臨海部初動対応部隊を新設したほか、大会関連施設等の警戒も既に強化をいたしております。
 また、民間事業者や地域住民と連携した取り組みとして、テロ対策東京パートナーシップ活動を推進し、研修会や合同訓練のほか、鉄道事業者と連携した非常時映像伝送システムの拡充など、官民連携の取り組みを推進しております。
 交通対策については、昨年、都民、国民の皆様にご協力をいただき、大会本番を想定して実施した交通規制の試行において、一部、渋滞発生等の課題も確認されたことから、関係機関と連携して交通規制計画の見直しを行うとともに、交通総量抑制に関するさらなる情報発信にも努めてまいります。
 さらに、サイバーセキュリティー対策については、昨年の重要警備の際に試運用したサイバー事案対処センターを大会期間中に設置し、万全を期することとしております。
 このほか、多くの外国人や観光客が訪れることが予想される盛り場を中心に、悪質な客引きや違法風俗店等の取り締まりを徹底するとともに、自治体や地域住民と連携した環境浄化対策を推進しております。
 当庁では、東京二〇二〇大会の成功と、東京を訪れる全ての方々に世界一安全な都市東京を体感、実感していただけるよう、諸対策の完遂に向け、組織の総力を挙げて取り組んでまいります。
 第二は、犯罪抑止総合対策の推進状況についてであります。
 昨年の都内における刑法犯認知件数は十万四千六百六十四件で、本対策を開始した平成十五年以降、十七年連続で減少し、戦後最少を更新いたしました。
 しかしながら、特殊詐欺などはいまだ深刻な状況が続いており、これら喫緊に取り組むべき三点を申し上げます。
 その一は、特殊詐欺対策の推進状況についてであります。
 昨年の特殊詐欺の被害は、認知件数が三千八百十五件、被害額が約七十五億八千六百万円で、一昨年に比べ、それぞれ減少はしているものの、いまだ莫大な被害が発生をしております。
 特に昨年は、医療費の還付を装った詐欺のほか、被害者のすきを見てキャッシュカードを別のカードにすりかえて窃取する手口が大幅に増加したことから、今後も新たな手口による被害の発生が懸念をされます。
 当庁では、一昨年に設置した特殊詐欺対策プロジェクトを中心に、検挙対策を強力に推進した結果、昨年は、統計をとり始めて以降最多となる二千百二十三件の特殊詐欺事件を検挙いたしました。中でも、犯行グループ上層部への徹底した突き上げ捜査により、六代目山口組傘下組織の幹部や組員らを検挙するとともに、兵庫県下に所在する六代目山口組総本部事務所を捜索するなど、犯行グループを裏で操る暴力団の上層部まで捜査が及ぶことを明確に示したところであります。
 今後も、徹底した突き上げ捜査等により、犯行グループの壊滅を図るほか、背後にうごめく暴力団や準暴力団の実態を解明し、あらゆる法令を駆使した取り締まりを徹底してまいります。
 一方、被害防止対策については、いわゆるアポ電強盗事件の発生を受けて取り組みを一層強化した犯人からの電話に出ないための対策を初め、無人ATM対策、コンビニ対策の抑止三対策を重点に、関係機関と連携した各種被害防止活動に取り組んでおります。
 また、被害に遭いやすい高齢者の子や孫世代の方々に対しても、SNSや防犯アプリ、Digi Policeを活用し、幅広い広報啓発活動を推進しているところであります。
 当庁では、今後も、特殊詐欺対策は治安対策上の最重要課題と位置づけ、検挙と防犯の両面から各種対策に全力を尽くしてまいります。
 その二は、重要特異事件の検挙状況についてであります。
 昨年、特別捜査本部を開設したのは、青梅市成木四丁目一般住宅内強盗殺人事件など五つの事件で、それら全ての事件について被疑者を検挙いたしました。
 このほか、足立区教育委員会事務局主事らによる公共工事発注をめぐる贈収賄事件や、タイ王国内アジトを拠点とした有料サイト利用料金名下の架空請求詐欺事件など、社会的反響の大きい事件についても検挙、解決をしております。
 しかしながら、平成十二年に発生した上祖師谷三丁目一家四人強盗殺人事件を初めとする長期未解決事件については、いまだ犯人検挙に至っていないことから、被害者の無念を晴らし、地域社会の不安を取り除くため、引き続き、事件の解決に向けた捜査を尽くしてまいります。
 その三は、少年少女を犯罪被害から守るための取り組みの推進状況についてであります。
 近年、少年少女が、インターネットを介して、児童買春や児童ポルノ事犯などの福祉犯被害やJKビジネスに関連して性的被害に遭う事案が後を絶ちません。
 当庁では、少年少女をこうした犯罪被害から守るため、SNS等を活用した広報啓発活動や事業者との協働による情報モラル教育等を推進しているほか、JKビジネス店舗への立ち入りや各種法令を適用した取り締まりを実施しているところであります。
 引き続き、学校を初めとする関係機関と連携し、少年少女の犯罪被害防止に努めてまいります。
 第三は、人身安全関連事案総合対策の推進状況についてであります。
 ストーカー、DV等の人身安全関連事案に係る相談件数、児童虐待事案における児童相談所への通告人数はともに増加しており、人身安全関連事案を取り巻く情勢は依然として厳しい状況にあります。
 ストーカー、DV事案については、事態が急展開し、殺人などの重大事件に発展するおそれがあることを踏まえ、当庁では、前兆となる事案の段階からあらゆる法令を適用した事件化を図っており、昨年は九百八十五件を検挙いたしました。
 また、児童虐待については、常にその可能性を念頭に置いた各種警察活動を行うとともに、虐待が疑われる全ての事案について児童相談所に情報提供するなど、関係機関と情報共有の範囲を拡大し、緊密な連携を図っております。
 今後とも、相談者や児童等の安全確保を最優先とした、迅速かつ的確な人身安全関連事案への対応を図ってまいります。
 第四は、子供の安全を確保するための取り組み状況についてであります。
 昨年は、全国で登下校中の児童等が襲われる事件や、信号待ちをしていた園児等が犠牲となる交通事故が発生したほか、都内においても、散歩中の園児等が交通事故に巻き込まれるなど、子供の安全をいかにして確保するかが改めて地域社会の課題としてクローズアップをされました。
 当庁では、通学路等において、制服警察官によるパトロールを強化するなど、見せる警戒活動を継続的に実施しているほか、地域住民等と一体となった見守り活動や学校等との情報共有を徹底するなど、地域社会と連携した取り組みを推進しております。
 また、園児の散歩経路等の安全性を確認するため、道路管理者等と合同で約七千四百施設の幼稚園、保育所等を対象とした緊急点検を実施し、その結果に基づいて、横断歩道の補修や歩行者用信号機の時間延長等の必要な対策を進めてまいりました。
 引き続き、子供の安全を確保するため、関係機関や保護者等と一層の連携を図りながら諸対策を推進してまいります。
 第五は、交通事故防止対策の推進状況についてであります。
 昨年は、世界一の交通安全都市東京を目指してのスローガンのもと、歩行者対策を重点に掲げ、横断方法に関する交通安全教育や歩行者保護意識の周知徹底に努めたほか、いわゆる、あおり運転対策や悪質、危険な交通違反の指導取り締まり、高齢運転者対策、生活道路における交通環境の整備、官民一体となった広報啓発活動を行うなど、交通事故防止対策を推進いたしました。
 その結果、交通事故発生件数、死者数、負傷者数のいずれもが前年より減少し、とりわけ死者数については百三十三人と戦後最少になりました。
 本年は、第十次東京都交通安全計画の最終年度であり、その目標達成に向け、引き続き、歩行者対策や交通違反の指導取り締まり等を強力に推進するとともに、関係機関やボランティアの方々と連携した地域ぐるみの活動を展開するなど、総合的な交通事故防止対策を推進してまいります。
 第六は、テロ等不法事案の防圧検挙状況についてであります。
 昨年は、天皇陛下の御即位に伴う儀式等を初め、世界的にも注目を集めた多くの重要行事を滞りなく終えることができましたが、我が国におけるテロの情勢は依然として厳しく、世界各地において発生しているテロと同様の事案が国内でも発生する可能性があることを念頭に、対策を講じる必要があります。
 当庁では、車両突入や違法なドローンの飛行に対応する資器材の整備を図っているほか、関係機関と連携し、テロ対処訓練や研修会等を通じた事態対処能力の向上に努めております。
 このほか、テロ、ゲリラの実行部隊を有しながら暴力性を隠して組織の拡大をもくろむ極左暴力集団や、領土問題等に関して関係国や日本政府等に対する抗議活動を行う右翼などの危険性も見過ごすことはできません。
 こうした情勢の中、当庁では、昨年、革労協反主流派の非公然アジトを摘発するなど、極左暴力集団の活動家四人を検挙したほか、右翼団体構成員等を七十六人、さらには、インターネットを通じて爆薬の原料と製造方法を入手し、殺傷能力の高い爆薬を製造した者についても検挙をいたしました。
 本年も、東京二〇二〇大会の開催など、昨年同様に厳しい警備情勢が予想されることから、引き続き、的確な警戒警備等の実施により、テロ等不法事案の防圧検挙に万全を期してまいります。
 第七は、サイバー空間の脅威に対する総合対策の推進状況についてであります。
 昨年は、政府機関や企業から機密情報等を窃取するサイバーインテリジェンスやサイバーテロ等が世界的規模で発生したほか、クレジットカード情報等の不正利用や多額の暗号資産、いわゆる仮想通貨の流出事案が発生するなど、サイバー空間の脅威は深刻化をしております。
 当庁では、こうした脅威に対処するため、海外や国内企業における研修等を通じた人材育成に力を注ぐとともに、サイバー犯罪の取り締まりを強化し、昨年は、インターネット上において不正な手段により暗号資産を入手するなどした被疑者を検挙いたしました。
 また、官民連携による被害防止対策として、都内の重要インフラ事業者や東京二〇二〇大会関連事業者等を交えたサイバー攻撃対処訓練を実施しているほか、都内全ての区市町村及び商工会議所などとのサイバーセキュリティー協定を締結し、それぞれが連携してセミナー等の啓発活動を実施しております。
 今後も、人的基盤の強化、官民連携、広報啓発活動を推進し、サイバー空間の安全・安心の確保に万全を期してまいります。
 第八は、総合的な組織犯罪対策の推進状況についてであります。
 暴力団情勢については、分裂した山口組の対立と見られる銃器や刃物を使用した襲撃事件が全国で相次ぎ、六代目山口組と神戸山口組を両組織の拠点がある六府県の各公安委員会が特定抗争指定暴力団に指定したほか、都内においても、暴力団同士のトラブルに起因すると見られる建造物損壊事件が発生するなど、極めて緊迫した状況下にあります。
 また、暴力団は、みかじめ料の徴収や違法薬物の密売、特殊詐欺への関与など、時代の変化に応じて多種多様な資金獲得犯罪を敢行しております。当庁では、それら資金獲得犯罪の取り締まりのほか、東京都暴力団排除条例を改正し、用心棒料等の授受に係る規制を強化して、事業者との関係遮断を促進するなど、取り締まりと排除の両面から対策を推進することにより、昨年は、暴力団構成員等二千二百二十五人を検挙いたしました。
 外国人犯罪情勢については、不法残留や在留カードの偽造事犯が増加しているほか、一部の在留外国人らが既存の犯罪組織に影響され、不良集団化する事例も把握されております。当庁では、各種犯罪インフラ事犯や外国人が関与する特殊詐欺事件の検挙対策などを強力に推進し、昨年は、外国人被疑者四千二百四十一人を検挙いたしました。
 また、薬物情勢については、覚醒剤等薬物事犯の検挙人員が依然として高どまりしているほか、大麻事犯が若年層を中心として増加傾向にあるなど、深刻な状況が続いております。当庁では、末端乱用者の検挙はもとより、違法薬物の供給網を壊滅するための取り組みを推進し、昨年は、被疑者二千四百三十八人を検挙するとともに、違法薬物約九百十三キログラムを押収いたしました。
 今後も、関係機関と連携し、総合的な組織犯罪対策を推進してまいります。
 第九は、災害警備諸対策の推進状況についてであります。
 昨年は、台風十五号と十九号が相次いで上陸し、暴風や大雨により、各地に甚大な被害をもたらしました。
 都内においても、住宅浸水や道路崩落による集落孤立等の被害が発生したことから、管轄する警察署に加え、当庁の特殊救助隊や機動隊が救出救助、避難誘導等の活動に当たりました。
 また、大規模な浸水被害が発生した福島県には、当庁航空隊のヘリコプター二機を派遣して、救助活動や行方不明者の捜索に従事し、二十名の方を救助することができました。
 当庁では、風水害や首都直下地震を初めとする各種災害に対応するため、これまでに発生した災害の特性を踏まえた多種多様な訓練を実施しているほか、行方不明者の捜索にも活用できるドローンなど、各種装備資器材の整備にも努めております。
 今後も、災害対応力の向上と関係機関との連携を一層強化するとともに、災害対策に有用な情報発信を行うなど、災害に対する備えに万全を期してまいります。
 以上、都内の治安状況について申し上げましたが、警視庁では、複雑化するあらゆる事案に対処できる警察力を確保し、都民、国民の安全・安心を揺るぎないものとして確立するため、引き続き、警察基盤の強化を図り、世界一安全な都市東京の実現に努めてまいります。
 東京都議会の皆様には、今後とも一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、治安状況報告を終わらせていただきます。

○議長(石川良一君) 以上をもって警視総監の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、監査委員より、監査結果の報告について発言の申し出がありますので、これを許します。
 監査委員大津ひろ子さん。
〔百十八番大津ひろ子君登壇〕

○百十八番(大津ひろ子君) 監査委員を代表し、平成三十一年一月から令和元年十二月までの一年間に実施をした監査の結果についてご報告申し上げます。
 監査委員の責務は、都の行財政が公正かつ効率的に運営されるよう、各局の事務事業を監査し、都民の信頼を確保していくことです。
 令和元年は、リスクの重要度を踏まえ監査の重点化を図り、合規性はもとより、経済性、効率性及び有効性の観点から、本庁や事業所等の六百五十三カ所で監査を実施いたしました。
 その結果、百八十件の指摘及び意見、要望を行い、総指摘金額は約三億四千四百九十万円でした。
 第一に、定例監査について申し上げます。
 定例監査は、都の行財政全般を対象とした最も基本的な監査です。令和元年は、都における一般歳出予算の約三割を占める補助金を全庁重点監査事項として、交付事務の適正性だけでなく、補助事業が政策目的に沿って設計されているかについて、各局を横断的に検証しました。
 その結果、要綱や協定に補助要件などの重要な事項が記載されていなかったものなどがあり、是正、改善を求めました。
 補助金は、一旦制度を創設すると容易に廃止することができず、既得権化するおそれがあることから、適切な成果指標を設定した上で、成果が得られなかった場合には、廃止や縮小を含めた見直しを検討する必要もあります。
 執行率が低い補助金についても、安易に補助要件の緩和や補助率の改定を行うのではなく、制度周知の取り組みは十分か、政策目的を達成するための手段として本当に必要かを検討することも重要です。
 また、局別重点監査事項として、局ごとにリスクを捉え、重要と考えられるテーマを設定し、監査をいたしました。
 その結果、都立病院において、受託者による診療材料の在庫管理が適切に行われていない状況を病院が把握していなかった事業がありました。浸水被害を防止するための雨水の排水施設において、設備更新の時期や内容が定まっていなかった事業もありました。是正、改善を求めました。
 第二に、工事監査について申し上げます。
 工事監査は、都が実施した工事等について、技術面から検証する監査です。令和元年は、一昨年の大阪府北部の地震に伴うブロック塀の倒壊事故などを踏まえ、性能確保を重点監査事項として、監査を行いました。
 また、大規模工事については、最新の土木技術に精通する専門家を監査専門委員として活用し、監査の高度化を図りました。
 その結果、排水機場において、新たに設置した給気ファンが建物の基礎に固定されておらず、地震発生時に転倒し破損するおそれがあったもの、また、下水道工事において、設計時に関係者と調整を行わなかった結果、工期が延長となり、不必要な経費を要したものなどがあったため、是正、改善を求めました。
 各局におかれては、安全性の確保はもとより、効率的かつ効果的な事業の実施に向けて、主体的、体系的なチェック機能の充実強化、各職場における組織的な技術支援の拡充などの取り組みを求めます。
 第三に、財政援助団体等監査について申し上げます。
 財政援助団体等監査は、都が出資や補助金の交付等を行っている団体や公の施設の指定管理者を対象とする監査です。
 監査の結果、社会福祉法人などに交付している補助金について、算定の根拠となる人数の誤りなどが原因で過大に交付されていた事業、また、政策連携団体である会社が締結をした複数の委託契約について、履行確認に不備があるにもかかわらず支払いを行っており、契約事務にかかわる内部統制が不十分であった事業などが認められましたため、是正、改善を求めました。
 都は、特に都政との関連性が高く、全庁的に指導監督を行う必要がある団体を東京都政策連携団体と位置づけておりますが、先般、一部の政策連携団体において、受注者との不適切な関係や書類の改ざんなどが発覚をし、団体の内部統制に対する意識の低さと所管局の団体に対するガバナンスが不十分だったことが明らかとなりました。また、大半の業務が都からの受託事業であるにもかかわらず、多額の利益剰余金を計上している例も見られます。
 都は、団体に対するガバナンス強化の取り組みを一層推進するとともに、より低廉な価格水準で委託できるよう、政策連携団体の効率的な事業運営の確保を求めます。
 第四に、行政監査について申し上げます。
 行政監査は、特定の事務や事業を対象として行う監査です。令和元年は、三カ年のシステム監査の総仕上げとして、都の現状に対する監査にとどまらず、国や民間企業等の先駆的な事例を踏まえ、将来に向けて都が目指すべきシステム統制のあり方について検証しました。
 都においては、ICTに係る施策を機動的に遂行するため、強力な統制力を持つトップマネジメント直轄の組織を整え、高度な知見とキャリアを有する専門家を各局に派遣するなど、システム統制に向けた体制を整備することが有効と考えます。
 また、都民サービスのさらなる向上に向けては、局の垣根を超えた共通プラットホームを構築し、ワンストップで行政サービスを提供するとともに、最新の技術に対して積極的に投資が可能となる機動的な事業の進め方も有効であると考えます。
 そこで、都のICT中央管理部門が各局と連携して、ICTを活用した業務改革及び都民サービス向上に資する取り組みをより一層推進するよう意見、要望を行いました。
 第五に、決算審査等について申し上げます。
 平成三十年度の決算について、数値の正確性や予算執行の適正性、効率性などを審査した結果、会計処理及び財産に関する調書の計数の一部誤りについて指摘を行いました。
 また、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づいて算定、公表が義務づけられています健全化判断比率及び公営企業など、十二会計の資金不足比率の審査も行いました。
 その結果、実質赤字比率等は良好であり、資金不足も生じていないことが認められました。
 次に、監査結果に対する措置状況について申し上げます。
 監査は、指摘した問題点が改善されて初めて効果を発揮します。そこで、監査の実効性を担保するため、年二回、各局に指摘や意見、要望の改善状況の報告を求め、その内容を確認しています。
 主な改善事例ですが、劇場施設において、アクセスマップの作成や点字ブロックの追加設置が行われ、施設のバリアフリー化がより一層推進された事例や、動物園の擁壁の設置工事において、設計の誤りにより転倒のおそれがあったため、工事施工前に速やかに地盤改良等を行うことで安全性が確保された事例がありました。
 過去三年間の案件については速やかに対応がなされ、九〇%以上が改善済みとなりました。残りの案件についても早期の改善を促してまいります。
 このほかに、都民から二十九件の住民監査請求があり、審査を行いました。
 以上、この一年間に実施した監査について述べてまいりましたが、財産管理の不備、積算や補助金の算定誤りといった不適切事例の多くは、複数の局で毎年繰り返し発生しております。
 各局長及び管理者におかれましては、組織の責任者として先頭に立ち、誤りの根本原因の解消や仕事の進め方の見直しなど再発防止に取り組み、都民サービスのさらなる向上に努められるよう求めます。加えて、ICTの活用により、事務のチェック体制を万全にすることを望みます。
 私ども監査委員は、電子データを積極的に活用し、各局職員の事務負担の軽減と監査の効率化に取り組むとともに、データを多角的に分析して新たなリスクを識別し、監査品質を向上させてまいります。
 また、情報発信については、監査結果の庁内フィードバックを充実させ、再発防止の徹底や事務事業の改善を後押しするとともに、多様な媒体を通じて、社会動向や都民ニーズに応える効果的な発信に努めてまいります。
 この四月には、いよいよ改正地方自治法が施行となり、内部統制体制の整備、運用及び評価が義務づけられます。私ども五人の監査委員は、内部統制を推進する知事と認識の共有を図り、効果的な内部統制の整備、運用に寄与してまいります。内部統制が機能していることを前提に監査を行いますので、都の事務事業の本質的な改善に、より一層重点的に取り組んでまいります。
 今後とも、都政の公正かつ効率的な運営のため、監査委員の使命を全力で果たし、都民の信頼と期待に応えていく決意であることを申し上げ、報告を終わりにさせていただきます。

○議長(石川良一君) 以上をもって監査委員の発言は終わりました。

○議長(石川良一君) 次に、包括外部監査人より、令和元年度包括外部監査結果の報告について説明を求めます。
 包括外部監査人久保直生さん。
〔包括外部監査人久保直生君登壇〕

○包括外部監査人(久保直生君) 令和元年度包括外部監査人の久保直生でございます。
 今年度の監査は、産業労働局における中小企業対策事業及び観光産業対策事業に関する事務の執行並びに公益財団法人東京都中小企業振興公社及び地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの経営管理についてを監査テーマとして実施しております。
 東京都は、経営、技術支援、創業支援など、さまざまな商工施策を通して、中小企業の育成、発展を図るとともに、制度融資などの多様な金融支援により、中小企業の資金調達の円滑化を図っており、平成三十年一月に公表した三つのシティーの実現に向けた政策の強化、平成三十年度、二〇二〇年に向けた実行プランにおいても、本格的な少子高齢、人口減少社会の到来が見込まれる中、東京が持続的に成長していくために、中小企業の生産性向上に向けた取り組みを支援するとともに、都内中小企業等の事業承継、再生等に対する支援を二〇二〇年に向けた政策目標として掲げています。
 平成三十年度一般会計予算における中小企業支援対策予算は、金融支援を含め三千八百四億円と、産業労働局予算の八四%を占めており、都における重要な施策の一つであります。
 また、東京都は、旅行者にとって世界最高の観光都市となることを目指して、世界最高のPRIME観光都市・東京の実現に向け、消費拡大に向けた観光経営など六つの戦略に基づく観光施策を戦略的に展開しており、実行プランにおいても、世界に開かれた国際観光都市を目指し、東京二〇二〇大会に向け、従前からの政策目標を強化しています。
 平成三十年度予算は百六十六億円であり、特に外国人旅行者誘致のための新たな展開に対しては、前年度比二三・五%増の予算措置をするなど、東京都の重点施策の一つとして挙げられます。
 これらの事業は、東京の成長性に関連する事業として都民の関心も非常に高く、監査を合規性のみならず、経済性、効率性、有効性の観点から総合的に検証することは意義があるものと判断するとともに、実行プランにおける二〇二〇年に向けた目標に対する進捗状況を確認するという意味で、監査を行う時宜にもかなうと考えたことから、対象事件として選定しています。
 加えて、産業労働局の政策連携団体である公益財団法人東京都中小企業振興公社は、東京都における中小企業の総合的、中核的な支援機関として各種支援事業を提供し、産業労働局と一体として中小企業支援を行っており、また、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターについても、中小企業の技術力向上支援において重要な役割を果たしていることから、監査対象としています。
 監査は、補助者十一名とともに実施し、指摘事項九件、意見八十二件の計九十一件について監査報告書に記載しております。
 この指摘、意見を大きく区分しますと、産業労働局における中小企業対策事業に関する事務の執行についての意見は二十二件、観光産業対策事業に関する事務の執行についての意見は二十九件、両団体の経営管理についての指摘、意見は四十件となります。
 本日は、この指摘、意見のうち、七件についてご説明申し上げます。
 まず一点目は、中小企業対策事業に関する事務の執行について、都では、中小企業サイバーセキュリティー対策の普及促進のため、相談窓口の設置やポータルサイトの運用、サイバーセキュリティーガイドブックの配布や公開を行っており、専門的な知識を持たない人にもわかりやすく、サイバーセキュリティーについて伝えています。
 令和元年度においては、出張相談の回数をふやした結果、相談件数は増加傾向にあり、需要はあると推察されるため、今後、出張相談をふやすなど、サイバーセキュリティーに関する相談を受け付けていることを広く周知して、中小企業のニーズに適切に対応されたいとの意見を記載しております。
 また、相談窓口の設置、ポータルサイトの運用については、事業を実施する上で、どのような支援をどの程度行うか明確にし、目標に対する達成度合いをはかって事業の効果を検証し、その後の事業に生かされたいという意見を記載しております。
 二点目は、商店街空き店舗活用事業の活用について、都では、商店街の空き店舗の活用を促進するため、先進的な取り組みにより地域課題の解決やにぎわい創出を行う商店街を支援し、空き店舗活用のモデル的事例として広く波及させるため、補助率四分の三、補助限度額三千万円の補助事業を行っています。
 補助要件として、他の商店街のモデルとなり得る先進的な取り組みとして、事業の具体性や発展性、継続性等が求められることから、平成三十年度においては、申請件数が二件にとどまり、予算額一億六千二百万円に対して、決算額は一千六百万円、執行率九・九%と非常に低い状況にあります。
 商店街の空き店舗が長期化すると、商店街全体の雰囲気に悪影響を及ぼす可能性があるため、将来的な事業の発展、継続に結びつけられるようなアイデアの創出と具体化に寄与するための研修を活用するなど、有効な対応を実施の上、商店街空き店舗活用事業を広く活用されたいという意見を記載しております。
 三点目は、ファンドに係る情報提供について、都は、都内の中小企業振興に向けた多様な金融手法の一つとして、民間の事業者が運営するファンドを活用して中小企業に対する投資と経営支援を実施し、また、都の出資が民間からの出資を誘引して、都内の産業活動の活性化につながることも目指しています。
 産業労働局のホームページでは、ファンドの総額や運営事業者、ファンドの存続期間といった情報は公開していますが、都以外の出資者やその数といった情報は公開されていません。ファンドへの出資額の源泉は税金である以上、都民に対しての説明責任が生じることから、投資事業有限責任組合契約に基づく守秘義務を遵守する範囲内で、都民に対して積極的な情報開示を検討されたいとの意見を記載しております。
 また、投資の成功事例についても、中小企業の事業運営上の支障とならないよう配慮しつつ、積極的に情報提供することを検討されたいとの意見を記載しております。
 四点目として、観光産業対策事業に関する事務の執行について、東京都観光産業振興実行プランでは、二〇二〇年の訪都外国人旅行者数二千五百万人、訪都外国人消費額二兆七千億円などの目標を掲げていますが、この目標は、都内の観光産業の成長を踏まえながら、国が設定した訪日外国人旅行者数や訪日外国人旅行消費額の目標も念頭に置いて設定したものです。
 そもそも産業労働局の観光産業対策事業の役割を考えると、観光産業の振興であり、観光産業を活性化させるためには、外国人旅行者数の増大だけを目標にするのではなく、それを受け入れるために必要な観光産業自体の規模も検討し、旅行者の増大とともに成長させる必要があります。
 したがって、目標設定に当たり、まず、都が目指すべき観光産業の規模等を想定し、そのために必要な訪都外国人旅行者数、訪都外国人消費額を見積もり、一方で、その受け皿として、観光産業を担う旅行業、宿泊業、飲食業、運輸業、レジャー産業、会議施設、通訳、翻訳業等の振興に向けた取り組みを進められたいという意見を記載しております。
 五点目は、東京二〇二〇大会後の観光ボランティアの活用について、東京都観光産業振興実行プランでは、東京二〇二〇大会後の観光ボランティアについて、社会全体のボランティア文化の定着状況や地域の実情等を踏まえながら、今後のあり方について検討していくとの記載がされています。
 この点、産業労働局では、ボランティアへの参加機運が高まった令和二年度にどのような取り組みを行っていくかについて既に検討しており、現在はボランティア登録者を定期に入れかえる制度を整えて実施しています。
 東京二〇二〇大会において、三万人が都市ボランティアとして参加することが想定されており、最も活動意思が強いと考えられる大会終了直後にスムーズに活動を続けていくことが、ボランティア活動を定着させていくに当たり肝要と考えられます。
 希望する都市ボランティアを観光ボランティアとして受け入れられるよう、東京二〇二〇大会終了までに運営体制を整え、募集方法や募集時期を適時に都市ボランティアに対し告知するよう検討されたいとの意見を記載しております。
 六点目は、公益財団法人東京都中小企業振興公社の経営管理について、公社では、革新的サービスの事業化支援事業において、中小企業に対して経費の一部を助成しています。
 同事業は、公社から中小企業に対して助成金を直接支給するものであり、助成金の検査、確定に当たっては、助成対象事業の執行状況について十分に検証する必要があることから、事業の実績に関する帳票の現物確認が求められています。
 助成金の検査、確定については、革新的サービスの事業化支援事業助成金交付要綱に基づき実施されており、具体的には、完了検査マニュアルに基づき検査が実施されていますが、同検査マニュアルでは、提出された帳票類について一枚ずつ原本照合を行い、照合を行ったものについては、写しに原本照合印を押印する取り扱いとなっています。しかし、原本確認の証跡について、サンプルを選定し帳票類を閲覧したところ、一部の書類について原本確認の照合印が残されていないものが見られました。
 実質的な照合を行うことはもちろんのこと、照合証跡を残すことについても、適正に完了検査が実施されていることを検証するために重要であり、助成事業の適正な執行を行うため、助成事業ごとの検査方法について、検査マニュアルに従った運用を行われたいとの指摘を記載しております。
 最後に、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターの経営管理について、センターにおいては、中小企業が利用可能なさまざまな試験機器を用意し、有料で機器の利用提供及び依頼試験を実施していますが、機器利用及び依頼試験の料金算定方法を見ると、その積算の根拠である減価償却費の計算方法について、取得価格に〇・九を乗じた金額を利用者から回収すべく計算されています。
 これは、平成十九年度の税制改正前の定額法による計算方法であり、改正後の計算方法は、〇・九を乗じることなく、取得価格に償却率を乗じて計算することから、現在の計算方法によると過少に計算されている金額分、機器の投資金額が回収されないことになっているといえます。
 また、光熱水費については、前年度の実績単価に各機器の利用時想定使用量を乗じて計算しているところ、当該実績単価を算定するに当たって、一部の支所の光熱水費が含まれていないことがわかりました。機器利用及び依頼試験の料金算定方法について、あるべき金額の算定方法を見直し、適切に算定されたいとの意見を記載しております。
 以上をもちまして、令和元年度の包括外部監査結果のご説明といたします。

○議長(石川良一君) 以上をもって包括外部監査人の説明は終わりました。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日は、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一を先議されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りをいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、質問に先立ち議事に入り、日程の順序を変更し、追加日程第一を先議することに決定いたしました。

○議長(石川良一君) 追加日程第一、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬等の特例に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 案文は、お手元に配布いたしてあります。
(議案の部参照)

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号については、趣旨説明並びに委員会付託を省略し、原案のとおり決定されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号は、原案のとおり可決されました。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会し、明二十日から二十五日まで六日間、議案調査のため休会されることを望みます。

○議長(石川良一君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(石川良一君) ご異議なしと認めます。よって、本日の会議はこれをもって散会し、明二十日から二十五日まで六日間、議案調査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、二月二十六日午後一時に開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後二時四十四分散会


文書質問趣意書及び答弁書

31財主議第580号
令和2年2月10日
東京都議会議長
石川 良一殿
東京都知事 小池百合子

文書質問に対する答弁書の送付について

 令和元年第四回東京都議会定例会における下記議員の文書質問に対する答弁書を別紙のとおり送付します。

上田令子議員
山内れい子議員
池川友一議員
宮瀬英治議員
奥澤高広議員
星見てい子議員
中村ひろし議員
尾崎あや子議員
和泉なおみ議員
大山とも子議員

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 上田令子

質問事項
一 教育政策について
二 児童相談所について
三 オリンピック・パラリンピック事業について
四 葛西臨海水族園本館について
五 知事のトップマネジメントについて

一 教育政策について
1 公立学校の経営について
ア 学校管理権の概念
a 公立学校における校長及び教育委員会(設置者)の学校管理権の概念につき、ご説明ください。
b 仮に都立学校の校長によるカリキュラム編成や学校管理に行き過ぎがあった場合、区市町村教育委員会(設置者)がどのように指導・是正できるのか、ご説明ください。
c 仮に公立学校の校長によるカリキュラム編成や学校管理に行き過ぎがあった場合、東京都教育委員会(設置者)がどのように指導・是正できるのか、ご説明ください。
d 地域政党「自由を守る会」の調査により、熱中症対策として生徒・児童が登校時に持参する水筒の様態や中身が各学校によりバラバラな制約を受けていることが明らかになりました。水筒を持ち込めるようになった経過とこのような制約の法的根拠、理由をご説明ください。
e 各学校には、校則をはじめ、いわゆる謎ルール、持ち物検査、服装検査、音読、宿題、意味もなく何度も漢字を書かせる、給食、運動会の内容やきまりなどがありますが、その根拠と学校管理権との関係をご説明ください。
f 仮に公立学校の校長によるカリキュラム編成や学校管理に行き過ぎがあった場合、各学校に設置される学校運営評議会等は意見などを述べることができるのか、校長はいかにその意見を尊重しているのか、ご説明ください。
イ オリパラ教育について
a 林間学校について
 オリパラ開催の影響を受け、来年度実施予定の宿泊学習(林間学校)の突然の中止に際し、多くの保護者の方々から宿泊型の事前学習(臨海・林間学校)を実施して欲しい旨の請願や要望・意見を多数、頂戴しております。その理由は以下の通りです。
 ・学校から中止決定以前に児童・保護者への相談・説明が無く、一方的に中止決定がされてしまったこと。
 ・江東区立小学校校長会・教育委員会・学校長の連名で、突然、決定事項のみが保護者あてに書面にて配付されたこと。
 ・代替措置についても、内容が明確ではなく、子ども達や保護者の間で混乱を招いていること。
 ・オリンピック・パラリンピック競技大会については、平成25年の招致決定から分かっていたことであり、6年間もの時間的猶予があったにも関わらず、事前の対策が講じられていないこと。
 ・学校側はバスの手配ができないことを理由にしているが、オリンピック・パラリンピック開催と重なる7月から8月(夏期休暇)にかけての宿泊行事をする理由が明確でないこと。
 ・子どもの教育や学習の機会を奪うことはオリンピック憲章:IOCの使命と役割(16.スポーツと文化および教育を融合させる活動を促し支援する事)やオリンピズムの根本原則の理念に反していること。
 ・憲法第26条(教育を受ける権利)の侵害であること。
 ・子どもの権利条約第28条(教育への権利)ならびに第31条(休息・余暇、遊び、文化的・芸術的生活への参加)の侵害であること。
 つきましては、以下について伺います。
Ⅰ オリンピック・パラリンピック競技大会を理由に、なぜ、江東区立小学校(全45校)において第5学年の宿泊行事を見合わせたのか、他の自治体でも同様のことがあるのか東京都教育委員会が把握している状況をご説明下さい。
Ⅱ Ⅰのような状況にあった場合、代替措置としての日帰り学習の実施ではなく、当初通りの宿泊学習を要望する、児童、保護者の声について、東京都教育委員会の見解を伺います。
Ⅲ 同区教委並びに校長会側はバスの手配ができないことを理由にしている為、東京都の管轄するバスの貸出等も視野に入れるなどの対策は検討できないのか伺います。
Ⅳ オリンピック・パラリンピックを理由に子ども達の学習や体験活動の機会が失われることについての都の見解を伺います。
b 児童生徒の観戦・ボランティアについて
Ⅰ オリパラ教育について
 オリパラ教育・推進事業のカリキュラム上の位置づけを、根拠法令を踏まえた上で、「学校連携観戦事業」についての取り組みを具体的にご説明して下さい。
Ⅱ 児童・生徒の観戦について
 12月10日「来夏の東京五輪・パラリンピックで子どもたちに割り当てられる観戦チケットについて、東京都内53区市町村のうち24自治体で割り当てを辞退する小学校があることがわかった。検討段階も含めると、今月4日時点で計307校に上る。昨年の時点ではほぼすべての学校が希望していたが、移動や観戦の際に熱中症になるリスクを考慮したことが主な理由。自治体からは「苦渋の決断」との声も出ている。」(朝日新聞)という報道があった。つきましては、特別支援学校も含めた「学校連携観戦事業」の参加状況・人数、辞退自治体等詳細、及び辞退が出ている実態にあたっての課題意識と、予算措置を踏まえた今後の方向性を伺います。
Ⅲ 特別支援学校の観戦について
 保護者から上田まで中止してほしい旨の声がよせられた。特別支援学校における「学校連携観戦事業」に関する取り組みと現状および、健常児よりも健康リスクが高い障がい児・生徒に対する対策と課題について伺います。
Ⅳ 事故発生時の責任の所在について
 公立小中学校、都立高校、特別支援学校、私立校の児童生徒が、移動中、観戦中に熱中症等事故が発生した場合の責任の所在はどこにあるのか具体的かつ明確に説明下さい。
Ⅴ 不参加者の不利益取り扱いの有無について
 観戦事業やボランティア体験への参加の有無により、特定の生徒・児童が優遇されたり、不利益を課されることはないのか、特に制裁を受けたり、成績評価が下げられるようなことはないか、ご所見をお示しください。また、かかる事態が発生したときの対応と救済について、具体的に手順を追ってご説明ください。
ウ 学校ハラスメントについて
a 教職員の懲戒処分について
 懲戒処分の事由別内訳と、免職者の事由別内訳、学校種別、過去三年についてご報告ください。
b 体罰について
 aにおいて、体罰ガイドライン実施以降のガイドラインに抵触したことによる処分実績と、実施前との傾向についてご説明下さい。
c 教員への暴力について
 児童・生徒から教員への暴力・暴言・ハラスメント発生時の事故への対処手順をご説明の上、実際に発生した事故の把握の状況、及び、そのうち、触法行為として刑事事案となった過去三年の学校種別の件数を伺う。
d 教職員による信頼失墜行為について
 都内公立中学校において、生徒が前の担任にむけて書いた手紙を、新担任が開封し、前の担任を思慕し、現クラスを嘆く内容であったことから、快く思わなかった新担任が書き直しを命じる事案が発生したとの相談が、保護者から上田にありました。「生徒が前の担任にむけて書いた手紙を、新担任が自分に失礼なことが書いてあると想像し、読まないと断言した上で回収し読み、昨年の方が良かったと書かれていると他の教員に公開。整合性を保つため他の教員が発見したと口裏を合わせ書き直しを命じ、従わないと没収された」とのことです。
 かかる行為が事実として、教育委員会としてどのような評価をするか、非違行為や地方公務員法上の信用失墜行為に該当し得るのか、具体的な適用を踏まえて、ご説明ください。
e dの対応について
 これらの行為により、生徒が不登校となっているにも関わらず、担任の報告により欠席理由が違うものにされ、解決への対策が取られて来なかったとのことです。まず、このような事案が発生した場合、本来どのような対応を行ったのか行うべきかの説明と、この件に関しての当該自治体教育委員会の対応と、それに関する東京都教育委員会の所見をご説明ください。
エ 教育現場における合理的配慮について
a 就学相談と就学前検診について
 本年は子どもの権利条約が採択されて30年、日本が批准して25年の節目です。また、国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、平成28年4月1日から施行されています。これにより、ことに学校・教育現場においては一層の「合理的配慮」が求められるものです。文科省においても「就学相談・就学先決定の在り方について」で、「子ども一人一人の教育的ニーズに応じた支援を保障するためには、乳幼児期を含め早期からの教育相談や就学相談を行うことにより、本人・保護者に十分な情報を提供するとともに、幼稚園等において、保護者を含め関係者が教育的ニーズと必要な支援について共通理解を深めることにより、保護者の障害受容につなげ、その後の円滑な支援にもつなげていくことが重要である。また、本人・保護者と市町村教育委員会、学校等が、教育的ニーズと必要な支援について合意形成を図っていくことが重要である。」としております。つきましては、保護者の意向はもとより子どもにとっての最善の選択肢を示しているのか?希望した子ども、保護者の意向を無視していないか。知的障がいを伴わない身体障がい児に、車椅子だから等の理由で、本来普通学級を希望していたのに、特別支援学校への進学を強要・誘導していないか?といった点を懸念するものです。この点を鑑み、現状の都の就学相談・就学先決定の在り方について伺います。
b 公立学校の合理的配慮について
 障害者差別解消法制定後、制定前と、合理的配慮がどこまで進んでいるのか確認します。制定前年から、制定後から平成30年度まで、普通学級に通っている障がい児童生徒の人数、希望をしたが支援学校等に行かざるを得なかったものも含め実績と現状と課題を伺います。
c 特別支援学校における大学進学指導について
 特別支援学校における、大学進学を希望する生徒へはどのような進学指導をしているのか、大学進学相談・進学先決定の在り方、現状の課題について伺います。併せて、全支援学校における大学進学の実績過去5年分につきご説明ください。

二 児童相談所について
1 再統合にむけた取組について
ア 措置の判断について
 対保護者という観点から、措置判断の審査基準や時系列の流れをどう説明し、納得頂いているのか対応状況を具体的にご説明下さい。
イ 保護者対応について
 職員の接遇トラブルで、深刻化し、結果ことに児童福祉司職員の仕事を増やすことになっているのではないかと懸念するものです。保護者が不満や不安を持つ理由として「再統合のスケジュールが見えない。」「本人がまだ納得していない措置を強要される。」「手続きを拒否すると子どもが帰ってこないのではという恐怖感に陥る。」「子どもが人質に取られているようで、言いたいことも言えない。」「不服申し立てをしたら不利な扱いをされた」等の声や、特定の同一担当者の人権意識に欠く不適切な対応の苦情が私のところに、多数寄せられています。子どもの安全は勿論最優先ではありますが、こうした不満を抱く保護者が後を絶たないことを鑑みますと、やはり、東京都児童相談所の接遇には課題があると思わざるを得ず、措置の如何に関わらず、保護者の不満になんらか対応すべき段階にきたのではないかと思料し、この点の問題を解消・解決すべきと考えます。結局、関係がこじれれば子どもにとって不利益になりかねないからです。これまでの取り組みはすでに伺い答弁も得て理解していることから、新たな課題解決へむけた所見を伺います。

三 オリンピック・パラリンピック事業について
1 都有資産の無償貸与について
ア 舛添知事時代に、オリンピック・パラリンピックに向け、国やJSC等に土地等、都有財産の無償貸与の方針が決まりました。その後の国やJSC等との協議の状況につき、ご説明ください。
イ 競技会場・関連施設の整備に当たり、都民の財産である都有財産の利活用、有償無償の貸与のあり方、都民への情報公開、毀損された場合の対応につき、現状の取組状況、課題をご説明ください。
2 恒久施設の大会後の維持経費について
ア オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、都が整備するとされている恒久施設の整備の進捗状況をご説明ください。
イ これらの施設の大会後の維持経費については、2年前は確定しておりませんでしたが、現在の積算の状況と確定しているのなら積算額と内訳、確定していないのならその見通しをご説明ください。
3 暑さ対策について
ア テストイベントの結果について
 東京2020大会における都の取組を実践的に準備するため、この夏テストイベントが実施されました。つきましては、その取り組みと検証結果、そこから得られた課題とその対応策につきご説明下さい。
イ シティキャストについて
 3万人近い、ボランティアの熱中症対策についてはかねてより懸念をしていたところです。テストイベント検証結果を得て、現状どのような熱中症対策を講じているかご説明下さい。
ウ 責任の所在について
 シティキャストにおいて、熱中症等事故が発生した場合の責任の所在はどこにあるのか具体的かつ明確に説明下さい。
4 選手村について
 「大会後の選手村は、人々が交流し、都市生活を楽しむことができる成熟したまちを目指し、多様なニーズに対応した幅広い住戸バリエーションを提供するとともに、保育施設等も整備予定です。選手村の街づくりは、現在、特定建築者制度を活用した市街地再開発事業により進めています。」とのことです。豊島区では、施設全体を「としまエコミューゼタウン」として計画し、「ブリリアタワー池袋」として1階から10階には豊島区新庁舎をはじめ商業施設や事務所が入り11階以上は住宅が一体となった複合大規模高層レジデンスを大成建設株式会社が施工、平成27年に完成し、東京建物により分譲販売されました。しかしながら、投資目的の購入が多く、街の活性化につながったのか疑問視される指摘がなされています。都有財産である敷地を投資した選手村が同じ轍を踏まないか危惧をするものです。つきましては、特定建築者制度による、マンション売却開始からこれまでの経緯と実績、現時点での登録申込数と、登録申込者の概要についてご説明ください。併せて、もし、投資目的による購入がされた場合、都民の資産を棄損したまちづくり事業とならないか、所見を確認します。
5 障害者対応について
 特にパラリンピック競技大会においては、障害者対応が国際的に注目されます。
ア 競技施設のうち、新規恒久施設におけるユニバーサルデザインの取組状況、課題とその対策につき、現状をご説明ください。
イ 大会関係者・ボランティア等へのユニバーサルデザインや合理的配慮についての啓発への取組状況、課題とその対策につき、現状をご説明ください。
ウ 本年11月12日、障害者団体「DPI日本会議」が車いすのまま乗れるユニバーサルデザイン(UD)タクシーの乗車拒否に関する調査結果を、明らかにしました。これによると、電動や手動の車いすを使う東京、大阪、愛知、福岡など21都道府県でのべ120人が参加。街中での流し、駅などのタクシー乗り場、電話・アプリによる配車予約の3通りで調べたところ、調査に参加した人の約4分の1が乗車を拒否されて乗れなかったとのことです。
a この調査については、事業者には事前に周知されていましたが、都としての把握の状況をご説明ください。
b 調査結果への都のご所見と対応をお示しください。
c 公共交通事業者としての都のユニバーサルデザインや合理的配慮についての意気込みをお示しください。

四 葛西臨海水族園本館について
 「葛西臨海水族園のあり方検討会」から、「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想」へ、そして現在「葛西臨海水族園事業計画検討会」と議論が続いております。本来は葛西臨海水族園をどう維持をし、ラムサール条約が制定された場でもある葛西臨海公園(海浜公園)において、地域に根差した生物多様性及び環境保全のサンクチュアリの実現、そのために都政事業の責務をどう果たして行くのか議論すべきであったはずが、いつの間にか、世界的“巨匠”と言われる建築家谷口吉生氏設計の本館から水族館機能を奪い、解体ありきとしか考えられないような議論が進んでおり、日本建築学会からも知事宛に疑義を問う要望書が届いているとのことです。つきましては以下につきお尋ねします。
1 これまでの経緯
 「葛西臨海水族園のあり方検討会」、「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想」、「葛西臨海水族園事業計画検討会」におけます、これまでの経緯と、それぞれの設置理由につきご説明下さい。
2 パブリックコメントの評価
 79件のパブリックコメントが寄せられました。全文目を通しましたが、本館を残して欲しいという意見が大多数であったにも関わらず、建設局ホームページでは、その点を過小評価するような表現となっておりました。公平性に欠くと思われますが、この点の見解および全文の結果を受けての評価を伺います。
3 委員の意見について
 各会議におけます議事録も全文目を通しましたが、本館について水族園機能の維持、本館の継続使用や近代建築文化財の重要性を唱える委員の意見が反映されずに事業検討会がなぜ進められたかご説明下さい。
4 長期保全計画について
 これまでどのような計画の元に実施をしていたか。それは実施されて来たのか、伺います。
5 老朽化について
 4を行いながらなぜ老朽化したのかについてご説明下さい。
6 これまでのバリアフリー対策について
 これまで、バリアフリー対策をなぜ行ってこなかったのかご説明下さい。
7 本館の今後について
 現段階の所見を伺います。
8 要望書の対応について
 知事は、9カ月間、日本建築学会の要望書に返事をしませんでしたが、突如11月8日に返答があったあとのことです、なぜ長期間放置し、何故突然返答をしたか伺います。

五 知事のトップマネジメントについて
1 札幌開催について
 マラソン競技の札幌開催をIOCが検討していることをいつどのような形で知事は把握されたのか具体的に時系列で説明下さい。
2 知事接遇について
 10月30日、IOC調整委員会出席にあたり、知事は、同時通訳があるのにわざわざ、パフォーマンス的に英語で語り、「ワンチーム」といいながら反発心を表すためなのかオリンピックバッジを外して臨まれました。オリパラバッチを手にできる都民は限りがあり、江戸川区においても、とても大切に皆様は扱い、帽子につけたりしています。また、11月14日に開催された地方議会、自治体向けオリパラシンポジウムでは、全国から誇らしげに地方議員、職員の皆様がオリパラバッチをつけて参加下さいました。IOC調整委員会でバッチを外すパフォーマンスはこうした方々への冒涜であり、国際都市東京において、国際マナーに反するあるまじきふるまいに他なりません。「都民を代表して」というなら尚更です。IOCの判断に異を唱えることとホストシティの「ガバナー」としての礼節を欠くのは別物です。つきましては、なぜ、バッチを外したのか、なぜ同時通訳がいるのにわざわざ英語で話されたのか、その意図をご説明下さい。また、バッチをつけてくれている都民、全国の自治体議員や職員に対して礼を欠くものではないか、認識があったかなかったかについても伺います。
3 外務長について
 外務長は私の質疑にて「外務省から外交の実務経験にたけた人材を迎えております」、「外務省において外交の実務経験を積んだ適切な人材を採用している」という答弁を頂いております。余人を持って代えがたい外務長がいながらなぜ、2のような国際マナーに反するプロトコールを看過したのか、外務長は助言をしないのか、しても採用されなかったのか伺います。
 併せて知事の外交プロトコールについて、職務として平時どのように寄与・貢献をされているかも伺います。
4 都立病院の独法化について
 先の代表質問で、病院経営本部長が、独法化について、直前に知ったというような答弁がありました。後に誤解を与えてしまったと訂正されていましたが、通常このようなことは知事と局長の間の意思疎通として考えられないガバナンスではないでしょうか。毎々、マスコミ報道が先んじ突如として重要都政事案があるときは所信表明、ある時は、記者会見で発表されます。豊洲もしかり、こどもの城もしかり、高齢者ドライバー対策もしかり、選手村の売却事案もしかり、突飛な条例制定もしかり、都民、議会軽視も甚だしいと思料します。今般の地方独立行政法人化の決定方針はいつ、どこで、誰が発案し、マスコミには誰が伝え明らかになったのか、すべての経緯につき、具体的に時系列にご説明ください。
5 都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例について
 都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例について、うかがいます。
ア 知事選挙における小池知事の公約における位置づけと検討経過につき、時系列でご説明ください。
イ 同条例がなぜ必要か、立法事実につき、ご説明ください。
ウ 同条例案の策定過程における当事者参加につき、ご説明ください。
エ 同条例案の策定過程における事業者の参加につき、ご説明ください。
オ 同条例には、「ソーシャルファーム」の定義規定が置かれていません。条例の中核概念であるとともに、対象者の範囲を規定する概念を明示しないでよいのか、法制執務の観点からご説明ください。
カ 条例の運用に当たり、都として「ソーシャルファーム」をいかに定義していくのか、内包と外延を明らかにして、ご説明ください。
キ 従前の雇用・就労支援政策と同条例による取組は重複することはないのか、ご説明ください。
ク 同条例案の策定に当たり、特定の事業者や法人を念頭に置いたり、影響を受けたようなことがあったか、ねらいを含めて、ご説明ください。
6 決算書・予算書のありかたについて
 再三再四にわたり、私は都の財政の実態を把握するために「節別」の決算・予算情報を公表すべきと質してまいりました。改めまして令和二年度予算におきまして都議会へはもとより、都民に対して「節別」の全ての情報公開を求めるものです。所見を伺います。
7 学歴問題について
 いよいよオリパラ7か月後に迫りました。世界の要人と会う機会も多く、海外では政治家の学歴詐称は日本よりもより、重罪な国も多く、政治家として最も忌むべき行為とみなされています。前回「カイロ大学が発行した卒業証書及び卒業証明書は、これまでも公にしており、改めて公開する予定はない。」という答弁を頂きましたが、東京都職員は当然提出する書類でありますし、国政政党公認者も必ず提出するものです。公務員トップにある行政の長として、政治家としていつまでも公表しないというのは、オリパラホストシティのガバナーとして疑惑を持たれ続けてしまうことになります。自身の身の潔白を晴らすことはもとよりいつも「都民の代表」を標榜しているわけですから、知事への疑いは都民および東京への疑いとなるものです。海外の要人は総じてエスタブリッシュメントに矜持をもっております。一刻も早く都民と東京への疑いを晴らして頂きたく、つきましては以下を伺います。
ア 卒業に必要な条件について
 「大学当局の指導の下、最終的には追試を経て、1976年10月、カイロ大学の卒業に必要な条件を満たし、卒業した。」と答弁頂いていますが、「必要な条件」につきまして具体的にご説明下さい。
イ 主席卒業について
 「カイロ大学の卒業時に、教授の一人から、成績はトップだと言われた。このまま大学院に進んだらどうかと言われ、そのことを著書に記したもの。」と答弁頂いておりますが、結局、成績はトップだったのか、なかったのか、トップでなかったとしたら虚偽を著書に掲載したのか、事実を伺います。
ウ 卒業証明書・証書について
a 公表先について
 「カイロ大学が発行した卒業証書及び卒業証明書は、これまでも公にしており、改めて公開する予定はない。」と答弁頂きましたが、いつどこで、誰に向けてどのような形で公表したのか伺います。
b 都民への説明責任について
 いつ卒業されたかの私の質問について「大学当局の指導の下、時期は明確に記憶していないが、追試を経て、1976年10月にカイロ大学を卒業した。卒業の時期は、卒業証書や卒業証明書が示すとおり。」と答弁頂きました。時期を明確に知るためには、卒業証書・証明書がないと知りえることができません。その書類を知事は一度も出そうとしません。証明書はいつでも今でも、カイロ大学から取り寄せられるものです。なぜ、いつでも取り寄せられ、一瞬で説明がつき、疑惑を払拭できるのに、証明書を明示されないのか理由をご説明下さい。

令和元年第四回都議会定例会
上田令子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 教育政策について
1 公立学校の経営について
ア 学校管理権の概念
a 公立学校における校長及び教育委員会(設置者)の学校管理権の概念について伺う。

回答
 学校教育法第37条には、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」と示されており、具体的な校長の職務については、設置者による学校管理規則に規定しています。東京都立学校の管理運営に関する規則には、校長の職務として、学校教育の管理、所属職員の管理、学校施設の管理及び学校事務の管理に関することが示されています。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第21条には、「教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に掲げるものを管理し、及び執行する。」と示されており、具体的には、所管に属する学校の組織編成、教育課程、学習指導、生徒指導及び職業指導に関すること、など19項目が掲げられています。

質問事項
一の1のアのb 仮に公立学校の校長によるカリキュラム編成や学校管理に行き過ぎがあった場合、区市町村教育委員会(設置者)がどのように指導・是正できるのか伺う。

回答
 教育課程(カリキュラム)は学校の教育計画であることから、校長の責任の下、各学校において編成をします。その際、教育基本法、学校教育法をはじめ各種の法規、学習指導要領、更に教育委員会の基準、指導・助言に従う必要があります。
 設置者である区市町村の教育委員会は、所管する学校が届け出た教育課程を受理し、各学校の教育活動が適切に実施できるよう教育課程を管理するとともに、必要に応じて指導主事等を学校に派遣するなどして、指導・助言をしています。

質問事項
一の1のアのc 仮に公立学校の校長によるカリキュラム編成や学校管理に行き過ぎがあった場合、東京都教育委員会(設置者)がどのように指導・是正できるのか、伺う。

回答
 教育課程(カリキュラム)は学校の教育計画であることから、校長の責任の下、各学校において編成をします。その際、教育基本法、学校教育法をはじめ各種の法規、学習指導要領、更に教育委員会の基準、指導・助言に従う必要があります。
 設置者である東京都の教育委員会は、所管する学校が届け出た教育課程を受理し、各学校の教育活動が適切に実施できるよう教育課程を管理するとともに、必要に応じて指導主事等を学校に派遣するなどして、指導・助言をしています。

質問事項
一の1のアのd 地域政党「自由を守る会」の調査により、熱中症対策として生徒・児童が登校時に持参する水筒の様態や中身が各学校によりバラバラな制約を受けていることが明らかになった。水筒を持ち込めるようになった経過とこのような制約の法的根拠、理由を伺う。

回答
 これまで、各学校は、設置者である区市町村の教育委員会の指導の下、校長の責任において水筒の持ち込み等の対応を進めてきました。
 都教育委員会は、令和元年5月24日付元文科教第72号による文部科学省からの依頼を受け、同年5月27日、「熱中症事故の防止について(通知)」を区市町村教育委員会指導事務主管課長宛てに発出しました。
 通知文には、熱中症予防対策を徹底するとともに、水分・塩分の補給や休憩を励行し、適切に対策を講じることが記してあります。
 このことを受け、現在も各学校においては、設置者である区市町村の教育委員会の指導の下、校長の責任において適切に対応をしているものと考えます。

質問事項
一の1のアのe 各学校には、校則をはじめ、いわゆる謎ルール、持ち物検査、服装検査、音読、宿題、意味もなく何度も漢字を書かせる、給食、運動会の内容やきまりなどがあるが、その根拠と学校管理権との関係を伺う。

回答
 いわゆる校則とは、学校教育法施行規則第3条で示された学則とは異なり、生徒としての生活指針となる学習上・生活上心得るべき事項を定め、学校としての生徒指導の大綱となる原則を示した学校内規の一種です。
 いわゆる校則や音読、宿題など学習方法等に関する事項の具体的な内容・方法については、校長の判断に委ねられるものです。

質問事項
一の1のアのf 仮に公立学校の校長によるカリキュラム編成や学校管理に行き過ぎがあった場合、各学校に設置される学校運営評議会等は意見などを述べることができるのか、校長はいかにその意見を尊重しているのか、伺う。

回答
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の6には、「教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その所管に属する学校ごとに、当該学校の運営及び当該運営への必要な支援に関して協議する機関として、学校運営協議会を置くように努めなければならない。」と示されており、学校運営協議会は、対象学校の運営に関する事項について、教育委員会又は校長に対して、意見を述べることができます。
 都立学校においては、東京都立学校の管理運営に関する規則第12条の8に、「学校の管理運営に保護者、地域住民等の意向を的確に反映し、開かれた学校づくりを推進するため、学校に学校運営連絡協議会を置く。」と示されており、学校運営連絡協議会は、対象学校の運営に関する事項について、校長に対して、意見を述べることができます。
 学校運営協議会及び学校運営連絡協議会の位置付けを鑑み、校長は様々な意見を総合的に判断し、開かれた学校運営を行っていると考えます。

質問事項
一の1のイ オリパラ教育について
a 林間学校について
Ⅰ オリンピック・パラリンピック競技大会を理由に、なぜ、江東区立小学校(全45校)において第5学年の宿泊行事を見合わせたのか、他の自治体でも同様のことがあるのか東京都教育委員会が把握している状況を伺う。

回答
 区市町村立の学校においては、設置者である区市町村の教育委員会が、学校が編成した教育課程を管理しているため、宿泊行事を見合わせた理由を都教育委員会は把握していません。
 他の自治体に関しても、区市町村立の学校の教育課程は、設置者である区市町村の教育委員会が管理しているため、同様のことがあるかを都教育委員会は把握していません。

質問事項
一の1のイのaのⅡ Iのような状況にあった場合、代替措置としての日帰り学習の実施ではなく、当初通りの宿泊学習を要望する、児童、保護者の声について、東京都教育委員会の見解を伺う。

回答
 学校における日帰りの校外学習や宿泊行事等は、各学校で編成する教育課程に基づいて実施されています。その教育課程は校長の責任の下、各学校で編成をしています。
 設置者である区市町村の教育委員会は、所管する学校が届け出た教育課程を受理し、各学校の教育活動が適切に実施できるよう教育課程を管理するものと考えています。

質問事項
一の1のイのaのⅢ 同区教委並びに校長会側はバスの手配ができないことを理由にしている為、東京都の管轄するバスの貸出等も視野に入れるなどの対策は検討できないのか伺う。

回答
 都教育委員会は、林間・臨海学校、修学旅行や遠足などの教育関連旅行の時期の調整等が示された組織委員会からの依頼文書を、区市町村教育委員会宛てに情報提供しました。
 都バス等の手配については、各学校や設置者である教育委員会が判断するものです。
 各学校においては、設置者である教育委員会の指導の下、校長の責任において適切に判断し、対応をしているものと考えます。

質問事項
一の1のイのaのⅣ オリンピック・パラリンピックを理由に子ども達の学習や体験活動の機会が失われることについての都の見解を伺う。

回答
 各教科等の学習や特別活動等、各学校における教育活動は、適正に編成した教育課程を基に実施されていると考えます。
 オリンピック・パラリンピック教育についても、各教科等の学習や特別活動等と関連付けながら、各学校が教育課程に位置付け、適切に実施していると考えます。

質問事項
一の1のイのb 児童生徒の観戦・ボランティアについて
 I オリパラ教育・推進事業のカリキュラム上の位置づけを、根拠法令を踏まえた上、「学校連携観戦事業」についての取り組みを伺う。

回答
 都教育委員会では、都立学校に対して、学習指導要領に基づき、「学校連携観戦は、原則、特別活動の学校行事に位置付けて実施する。」よう、令和元年10月31日付31教指企第1267号「令和2年度オリンピック・パラリンピック教育の実施について」で通知するとともに、区市町村教育委員会に向けて、同通知における都立学校の教育課程上の位置付けの取扱いを参考にするよう依頼しました。各学校は、所管の教育委員会からの助言を踏まえ、競技観戦について教育課程上の扱いを定めていくことになります。

質問事項
一の1のイのbのⅡ 特別支援学校も含めた「学校連携観戦事業」の参加状況・人数、辞退自治体等詳細、及び辞退が出ている実態にあたっての課題意識と、予算措置を踏まえた今後の方向性を伺う。

回答
 令和元年8月30日現在の公立学校の観戦予定者数は、幼稚園が約4千4百人、小学校が約48万人、中学校が約23万人、高等学校が約8万2千人、特別支援学校が約8千人で、合計約81万人となっています。小学校低学年が参加しない自治体数は、22自治体(島しょ地域を除く。)となります。
 また、本事業の実施にあたり、各区市町村教育委員会及び各学校では、最終意向調査の通知や各学校の状況等を踏まえ、それらを基に判断し、最終意向調査における観戦希望者の人数を回答したものと認識しています。
 さらに、競技観戦に向けて万全を期すため補正予算を編成するとともに、関係機関と連携し、対応等について検討しています。

質問事項
一の1のイのbのⅢ 特別支援学校における「学校連携観戦事業」に関する取り組みと現状および、健常児よりも健康リスクが高い障がい児・生徒に対する対策と課題について伺う。

回答
 都教育委員会では、競技会場への移動を含め、より安全な競技観戦を実現するために、特別支援学校の児童・生徒に、優先的に屋内の競技会場を割り当てる配慮を行うとともに、引率教職員については、障害種別に応じて割当てを行っています。
 また、移動方法については、スクールバスの使用に向けて組織委員会と調整を行っています。
 さらに、特別支援学校の児童・生徒を引率する際に必要となる、医療機器の持込みについても組織委員会へ持込みの許諾を得るなど、安全に観戦できるよう準備を進めています。

質問事項
一の1のイのbのⅣ 公立小中学校、都立高校、特別支援学校、私立校の児童生徒が、移動中、観戦中に熱中症等事故が発生した場合の責任の所在はどこにあるのか伺う。

回答
 競技観戦及びボランティア体験については、学校が教育活動の一環として実施するものであり、学校には安全に教育活動を実施する責任があります。
 都は、児童・生徒を安全に引率するための「観戦の手引」を作成するとともに、緊急事態が発生した場合の対応を含め、子供たちの安全な競技観戦及びボランティア体験に向けて、引き続き関係機関と調整しています。
 なお、学校管理下における災害については、独立行政法人日本スポーツ振興センターの災害共済給付の対象となります。

質問事項
一の1のイのbのV 観戦事業やボランティアへの参加の有無により、特定の生徒・児童が優遇されたり、不利益を課されることはないのか、特に制裁を受けたり、成績評価が下げられるようなことはないか、伺う。また、かかる事態が発生したときの対応と救済について、具体的な手順について伺う。

回答
 競技観戦やボランティア体験の参加の有無により、児童・生徒が優遇されることや成績等において不利益を被ることはありません。

質問事項
一の1のウ 学校ハラスメントについて
a 懲戒処分の事由別内訳と、免職者の事由別内訳、学校種別、過去三年について伺う。

回答
 過去3か年の懲戒処分の件数と学校種別内訳は以下のとおりです。
  平成28年度 平成29年度 平成30年度
 小学校 75件 33件 48件
 中学校 43件 35件 22件
 義務教育学校 0件 0件 1件
 高等学校 24件 23件 24件
 中等教育学校 1件 1件 0件
 特別支援学校 8件 3件 6件
 合計 151件 95件 101件
 懲戒処分対象事故の主な内容とその件数は、平成28年度は体罰42件、わいせつ行為等25件、教科書発行業者との不適切な接触等22件、通勤手当の不正受給等14件、平成29年度は体罰20件、わいせつ行為等17件、個人情報の不適切な取扱い13件、通勤手当の不正受給9件、平成30年度はわいせつ行為等30件、体罰16件、個人情報の不適切な取扱い12件、通勤手当の不正受給13件でした。
 過去3か年の懲戒免職処分の件数と学校種別内訳は以下のとおりです。
  平成28年度 平成29年度 平成30年度
 小学校 14件 8件 13件
 中学校 3件 4件 9件
 義務教育学校 0件 0件 0件
 高等学校 1件 2件 7件
 中等教育学校 0件 0件 0件
 特別支援学校 2件 0件 0件
 合計 20件 14件 29件
 懲戒免職処分対象事故の主な内容とその件数は、平成28年度はわいせつ行為等16件、窃盗3件、平成29年度はわいせつ行為等9件、窃盗3件、平成30年度はわいせつ行為等21件、窃盗5件でした。

質問事項
一の1のウのb aにおいて、体罰ガイドライン実施以降のガイドラインに抵触したことによる処分実績と、実施前との傾向について伺う。

回答
 体罰を理由とする懲戒処分の件数は、ガイドライン制定以前の平成24年度は10件、制定した平成25年度は55件でした。直近3か年は、平成28年度42件、平成29年度20件、平成30年度16件と推移しています。
 体罰はあってはならないことであり、引き続き未然防止に取り組みます。

質問事項
一の1のウのc 児童・生徒から教員への暴力・暴言・ハラスメント発生時の事故への対処手順をご説明の上、実際に発生した事故の把握の状況、及び、そのうち、触法行為として刑事事案となった過去三年の学校種別の件数を伺う。

回答
 学校においては、児童・生徒による教員への暴力等の問題行動が発生した場合、当該教員や問題行動の状況を把握した教員は、管理職に状況を報告しています。その後、学級担任や生活指導を担当する教員等は、当該児童・生徒から把握した事実に基づき保護者への説明を行うとともに、当該児童・生徒に対して必要な指導を行います。また、当該校の管理職は所管の教育委員会に問題行動の発生後、直ちに報告するとともに、その後の対応についても適宜報告を行います。
 なお、当該校は問題行動の状況に応じて、関係機関と連携を図り指導の徹底を図っています。
 都内公立学校における学校管理下での児童・生徒から教員への暴力行為の発生状況については、平成27年度は小学校108件、中学校201件、高等学校1件です。平成28年度は小学校181件、中学校168件、高等学校0件です。平成29年度は小学校176件、中学校163件、高等学校3件です。
 このうち、過去3年間に刑事事案になった件数については、都立高校においては0件です。小中学校については把握していません。

質問事項
一の1のウのd 都内公立中学校において、生徒が前の担任にむけて書いた手紙を、新担任が開封し、前の担任を思慕し、現クラスを嘆く内容であったことから、快く思わなかった新担任が書き直しを命じる事案が発生したとの相談があった。かかる行為が事実として、教育委員会としてどのような評価をするか、非違行為や地方公務員法上の信用失墜行為に該当し得るのか、具体的な適用を踏まえて、伺う。

回答
 区市町村立学校の事例であれば、該当する区市町村教育委員会が調査を行い事実を認定した上で、都教育委員会がその認定された事実のうちどの行為が非違行為や信用失墜行為に該当するか、法令違反の有無や過去例に照らすなど様々な角度から検討し処分等の内容を決定しています。
 なお、個別の事例については、お答えできません。

質問事項
一の1のウのe このような事案が発生した場合、本来どのような対応を行ったのか行うべきかの説明と、この件に関しての当該自治体教育委員会の対応と、それに関する東京都教育委員会の所見を伺う。

回答
 区市町村立学校の事例であれば、該当する区市町村教育委員会において、案件の詳細を調査し、事実を認定しています。
 都教育委員会は、区市町村教育委員会の調査や事実認定を基礎としつつ、確認を要する場合には区市町村教育委員会へ指導・助言をしながら、手続を進めています。
 事実認定の結果、非違行為がないと判断した場合であっても、必要に応じて区市町村教育委員会や校長から該当教職員に対し、適切な対応方法等の助言を行っています。
 なお、個別の事例については、お答えできません。

質問事項
一の1のエ 教育現場における合理的配慮について
a 保護者の意向はもとより子どもにとっての最善の選択肢を示しているのか。希望した子ども、保護者の意向を無視していないか。知的障がいを伴わない身体障がい児に、車椅子だから等の理由で、本来普通学級を希望していたのに、特別支援学校への進学を強要・誘導していないか、といった点を懸念するものである。この点を鑑み、現状の都の就学相談・就学先決定の在り方について伺う。

回答
 公立小・中学校における就学相談及び就学先の決定は、学校教育法施行令等により、区市町村教育委員会が、当該区市町村の区域内に住所を有する学齢児及び学齢生徒について行うものであり、保護者への通知は、総合的な判断をした上で入学する年の2月までに行うこととなっています。
 都教育委員会は、区市町村教育委員会に対して、就学相談を実施する際には、保護者の心情に寄り添いながら、教育に対する意向、成長、発達の様子等を丁寧に聴き取り、子供の可能性をより伸長する教育環境や教育内容等について、保護者に十分に説明し理解を求めるように促しています。

質問事項
一の1のエのb 障害者差別解消法制定後、制定前と、合理的配慮がどこまで進んでいるのか確認する。制定前年から、制定後から平成30年度まで、普通学級に通っている障がい児童生徒の人数、希望をしたが支援学校等に行かざるを得なかったものも含め実績と現状と課題を伺う。

回答
 就学先の決定は、公立小・中学校の設置者である区市町村教育委員会の所掌であることから、都教育委員会では、小・中学校の通常の学級に通っている障害のある児童・生徒の人数は把握しておりません。
 就学相談では、本人・保護者の意見を可能な限り尊重した上で、本人の障害の有無及びその状態を踏まえて教育上必要な支援の内容を検討し、総合的な観点から就学先を決定しており、保護者等の意向に反して就学先を決定することはありません。

質問事項
一の1のエのc 特別支援学校における、大学進学を希望する生徒へはどのような進学指導をしているのか、大学進学相談・進学先決定の在り方、現状の課題について伺う。併せて、全支援学校における大学進学の実績過去5年分について伺う。

回答
 現在、全ての都立盲学校、ろう学校、肢体不自由特別支援学校において、進学を目指す生徒のための教育課程を編成しています。
 志望校の選定にあたっては、本人の希望や、大学等における学習や生活への支援など、様々な観点を踏まえ、本人・保護者と面談を行っています。
 また、大学等への進学を希望する生徒が少ない学校では、ICT機器を活用した遠隔教育を導入し、複数の学校をグループ化することで切磋琢磨できる環境の整備を進めています。
 なお、過去5年間の特別支援学校からの大学、短期大学への進学者数は、平成26年度卒業生1,781人中28人、27年度1,806人中39人、28年度1,884人中29人、29年度1,864人中37人、30年度1,926人中32人となっています。

質問事項
二 児童相談所について
1 再統合にむけた取組について
ア 対保護者という観点から、措置判断の審査基準や時系列の流れをどう説明し、納得頂いているのか対応状況を伺う。

回答
 児童相談所は、児童虐待の通告に基づき、速やかに緊急受理会議を開催し、緊急性の判断を行い、調査方針、調査対象機関等を決定するとともに、原則、虐待通告時から48時間以内に安全確認を実施しています。
 また、通告後48時間以内の安全確認ができなかった場合には、立入調査の実施を決定の上、警察への援助要請を行うこととしています。
 その後、子供の状況、家庭、地域状況等について十分把握し、専門的所見に基づいて問題解決に最も適切な対応について検討するため、児童福祉司等による社会診断や心理診断等を行っています。
 診断を行う際には、児童相談所での面接や家庭訪問等により、子供や保護者等にその必要性を説明し、同意を得た上で行っており、また、その結果についても保護者等と決めた面談日に丁寧に説明し、保護者等の意向を尊重した上で援助方針を決定しています。
 保護者等の意向が児童相談所の措置と一致しないときは、原則として、保護者等に対し説明した上で、児童福祉審議会に意見を求め、審議会から意見具申があったときは、その内容を保護者等に説明し、迅速かつ丁寧に対応しています。

質問事項
二の1のイ 東京都児童相談所の接遇には課題があると思わざるを得ず、措置の如何に関わらず、保護者の不満になんらか対応すべき段階にきたのではないかと思料し、この点の問題を解消・解決すべきと考える。これまでの取り組みはすでに伺い答弁も得て理解していることから、新たな課題解決へむけた所見を伺う。

回答
 家族再統合については、家庭引取り後の虐待の再発や新たな問題の発生を防止するため、子供や保護者、家庭、地域の状況、関係機関との調整等を総合的に検討して、児童相談所が判断しています。
 その際は、子供や保護者との面談等により意向を確認するとともに、家族再統合に向けた取組について繰り返し説明を行い、理解を得た上で、児童相談所の家庭復帰担当児童福祉司や家庭復帰支援員を交え、プログラムを作成し、子供や保護者の状況を十分確認しながら実施しています。
 また、各ケースの状況に応じて、児童相談センターの医師や心理及び福祉の職員によるグループ心理療法や各児童相談所における精神科医師等による保護者へのカウンセリング等も実施するなど、様々な専門職も活用しながら再統合を進めています。
 人材育成については、新任の児童福祉司に対して、4月に集中的に接遇を含めた基礎的知識を習得させるほか、OJTにより、児童福祉司として必要なアセスメント力や実践力の向上に取り組んでいます。経験を積んだ児童福祉司についても、保護者に適切に対応できるよう、経験年数に応じた演習型の研修等を行っています。

質問事項
三 オリンピック・パラリンピック事業について
1 都有資産の無償貸与について
ア 舛添知事時代に、オリンピック・パラリンピックに向け、国やJSC等に土地等、都有財産の無償貸与の方針が決まった。その後の国やJSC等との協議の状況につき、伺う。

回答
 都は、平成28年1月から、独立行政法人日本スポーツ振興センターに対し、国立競技場用地の一部に都有地を無償で貸し付けており、令和3年3月まで更新できることとしています。

質問事項
三の1のイ 競技会場・関連施設の整備に当たり、都民の財産である都有財産の利活用、有償無償の貸与のあり方、都民への情報公開、毀損された場合の対応につき、現状の取組状況、課題について伺う。

回答
 都は、IOCに立候補ファイルを提出した際、組織委員会に競技会場等を無償で使用させることを保証しており、開催都市の責務として、大会の円滑な準備及び運営のため、組織委員会等に対し、施設整備や大会の期間中、都有財産を無償で貸し付けることとしています。
 この取扱いについては、都議会で報告するとともに広くホームページで公表しています。
 なお、都有財産が毀損された場合、一般的な貸付契約と同様、必要に応じて自己負担による原状回復や都が受けた損害の賠償を求めるなど適切に対応していきます。

質問事項
三の2 恒久施設の大会後の維持経費について
ア オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、都が整備するとされている恒久施設の整備の進捗状況を伺う。

回答
 都が整備を進めている新規恒久施設については、令和2年2月末に竣工予定の東京アクアティクスセンターを除き、海の森水上競技場や有明アリーナなど、他施設は全て竣工しています。
 東京アクアティクスセンターについては、令和元年12月末時点で、約96パーセントの進捗となっています。

質問事項
三の2のイ これらの施設の大会後の維持経費については、2年前は確定していなかったが、現在の積算の状況と確定しているのなら積算額と内訳、確定していないのならその見通しについて伺う。

回答
 都は平成29年4月、「新規恒久施設の施設運営計画」の策定に当たり、類似施設の利用状況や競技団体の利用意向、知見を有する外部有識者の助言等をもとに、各施設の収支見込を試算しました。
 その後、大会前の早期に運営事業者を決定しており、大会後の施設運営に円滑に移行できるよう取り組んでいます。大会後の維持経費については現在精査を行っています。

質問事項
三の3 暑さ対策について
ア 東京二〇二〇大会における都の取組を実践的に準備するため、この夏テストイベントが実施された。ついては、その取り組みと検証結果、そこから得られた課題とその対応策について伺う。

回答
 都はこの夏のテストイベントを活用し、休憩所や救護所の設置、暑さ対策グッズの配布等の検証を行いました。
 その結果、テントによる日陰と送風機等を組み合わせた場合は暑さ指数の低減効果が高く、ネッククーラー等の体を冷やすグッズも好評でした。
 こうした検証結果も踏まえ、大会本番に向け、休憩所や日よけの増設、ネッククーラーの配布規模の拡大、飲料等の提供を行うほか、適切な救護体制の構築に向けた検討を進めるなど、更なる対策の強化を図ることとしています。

質問事項
三の3のイ 3万人近い、ボランティアの熱中症対策についてはかねてより懸念をしていたところである。テストイベント検証結果を得て、現状どのような熱中症対策を講じているか伺う。

回答
 都はこの夏のテストイベントにおいて、シティキャスト応募者に、会場最寄り駅等で観客案内を行っていただくなどの検証を行いました。
 検証結果も踏まえ、連続する活動時間に上限を設けることなどについて検討するとともに、暑さをしのげる休憩場所の確保や活動中の飲料水の提供、水分補給に関する注意喚起等を行うこととしています。

質問事項
三の3のウ シティキャストにおいて、熱中症等事故が発生した場合の責任の所在はどこにあるのか具体的かつ明確に説明を求める。

回答
 シティキャストへのこまめな休憩時間の確保や水分補給の徹底、ボランティア活動向け保険への加入など、都は運営主体として、シティキャストが安全に活動できる環境づくりに取り組んでいます。

質問事項
三の4 特定建築者制度による、マンション売却開始からこれまでの経緯と実績、現時点での登録申込数と、登録申込者の概要について説明を求める。併せて、もし、投資目的による購入がされた場合、都民の資産を棄損したまちづくり事業とならないか、所見を伺う。

回答
 特定建築者によるマンション販売については、令和元年7月に第一期として600戸を販売開始し、そのうち580戸に対して登録申込があり、申込者の主な内訳は会社員が58パーセント、会社経営者・役員が26パーセントとなっていると特定建築者から聞いています。続く11月には第一期二次として340戸を販売開始しており、12月16日時点は契約手続期間となっています。
 この地区では、都が決定した事業計画等を踏まえ、特定建築者はマンションの販売に当たって、住戸部分を住宅として使用し、他の用途に供してはならないこととしており、また、まち全体のコミュニティ形成を目指す組織を立ち上げることとしています。こうした内容を重要事項として説明し、購入者の同意を得ていると特定建築者から聞いています。
 こうしたこと等から、良好なコミュニティが形成され、多様な人々が集う活気あふれるまちの創出が十分期待できると認識しています。

質問事項
三の5 障害者対応について
ア 競技施設のうち、新規恒久施設におけるユニバーサルデザインの取組状況、課題とその対策につき、現状について伺う。

回答
 都が整備する新規恒久施設については、アクセシビリティ・ガイドラインの基準を踏まえるとともに、アクセシビリティ・ワークショップにおいて、障害のある方や学識経験者の意見を聴取し、例えば車椅子席のサイトラインの確保に配慮するなど、全ての人にとって利用しやすい施設となるよう整備を行っています。

質問事項
三の5のイ 大会関係者・ボランティア等へのユニバーサルデザインや合理的配慮についての啓発への取組状況、課題とその対策につき、現状を伺う。

回答
 東京2020大会では、全ての観客の方に不安なく大会を楽しんでいただけるよう、都と組織委員会は、ボランティアの研修等において、障害者をはじめとする多様性への理解を深めるとともに、障害特性に応じた対応を習得できるよう取り組んでいます。

質問事項
三の5のウ 障害者団体「DPI日本会議」の車いすのまま乗れるユニバーサルデザイン(UD)タクシーの乗車拒否に関する調査結果について
a この調査については、事業者には事前に周知されていたが、都としての把握の状況について伺う。

回答
 外部団体による調査であり、特段、情報提供を受けておりません。

質問事項
三の5のウのb 調査結果への都の所見と対応について伺う。

回答
 外部団体による調査であり、特段、情報提供を受けておりません。
 なお、UDタクシーを含むタクシー事業に関しては、道路運送法に基づき、国が許認可、指導、監督を行う権限を有しています。国からは、令和元年11月に「UDタクシーによる運送の適切な実施の徹底について」タクシー事業者に通知したと聞いています。
 また、都としては、国に対し、車椅子利用者をはじめ、誰もが快適にUDタクシーを利用できる環境整備を推進するよう、要望しています。

質問事項
三の5のウのc 公共交通事業者としての都のユニバーサルデザインや合理的配慮についての意気込みについて伺う。

回答
 都営交通では、誰もがより円滑に移動できるよう、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、バリアフリー化を推進しています。
 また、都営交通における、障害のある方への合理的配慮の提供については、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例(平成30年東京都条例第86号)の趣旨にのっとり、適切に対応しています。

質問事項
四 葛西臨海水族園本館について
1 「葛西臨海水族園のあり方検討会」、「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想」、「葛西臨海水族園事業計画検討会」における、これまでの経緯と、それぞれの設置理由について伺う。

回答
 「葛西臨海水族園のあり方検討会」(以下「あり方検討会」という。)は、開園後30年経過した葛西臨海水族園が、社会環境の変化や機械設備の老朽化等が進行する中、これからも多くの方々に親しまれる都立水族館として持続的に発展するためのあり方を、専門的見地から検討することを目的に設置したものです。平成29年12月から平成30年7月までに5回開催し10月10日に報告書を公表しました。
 「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想」(以下「基本構想」という。)は、このあり方検討会の報告書を受け、都として今後の取組の方向性を明確化するために策定したものです。
 「葛西臨海水族園事業計画検討会」は、基本構想に掲げる新たな水族園像の実現に求められる施設要件等を、ライフサイクルコスト、官民連携方法と合わせて専門的見地から検討するために設置したもので、平成31年1月から現在までに4回開催しています。

質問事項
四の2 79件のパブリックコメントが寄せられた。本館を残して欲しいという意見が大多数であったにも関わらず、建設局ホームページでは、その点を過小評価するような表現となっていた。公平性に欠くと思われるが、この点の見解および全文の結果を受けての評価を伺う。

回答
 「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想 素案」(以下「素案」という。)に対する意見募集は、平成30年11月7日から12月6日まで行い、79通166件の御意見を頂きました。
 集計方法は、他の意見募集と同様に、御意見と考えられる部分を件数としてカウントし、同様の趣旨と考えられるものをまとめ、素案の項目に合わせて整理しました。
 この166件のうち、「実現に向けた進め方」の項目に関する御意見は、79件あり、結果を公表する際に、既存施設の保全や継続利用といった御意見を紹介しました。
 この結果を踏まえ、基本構想では、既存施設の取壊しが前提との誤解を招かないよう、「既存施設とは別に建築する建物に水族園機能を移す」と表現するとともに、既存施設については、水族園機能を移設後、そのあり方について検討することを追記しました。

質問事項
四の3 各会議における議事録も全文目を通したが、本館について水族園機能の維持、本館の継続使用や近代建築文化財の重要性を唱える委員の意見が反映されずに事業検討会がなぜ進められたかについて伺う。

回答
 葛西臨海水族園事業計画検討会は、「葛西臨海水族園の更新に向けた基本構想」に基づき、新たな水族園の実現に必要な施設要件等を、ライフサイクルコスト、官民連携方法と合わせて専門的見地から検討を行うために設置したものです。
 検討会では、建築に加えて、水族館・博物館や、環境教育、現場の運営などに携わる各委員の様々な御意見を踏まえつつ、成果を取りまとめます。

質問事項
四の4 これまでどのような計画の元に実施をしていたか。それは実施されて来たのか、伺う。

回答
 都は、これまでも、日常点検の上で維持補修を行うほか、水処理設備や空調設備、給排水設備など、水族園の運営を維持するために必要となる修繕を行ってきました。
 平成23年度に機械設備に関する現況調査を、平成29年度に建築に関する劣化診断を実施し、長期保全計画を策定した上で、今日まで、計画的な修繕に取り組んでいます。

質問事項
四の5 4を行いながらなぜ老朽化したのかについて伺う。

回答
 長期保全は、故障などの事象が発生する前に計画的に修繕を行うことで、老朽化の速度を緩やかにし、長期的な耐用性のある施設づくりを目指すことを目的としています。
 なお、葛西臨海水族園においては、水槽と諸設備をつなぐ配管が密接に配置されるとともに、建築物と水槽が一体化しているため、水槽を取り壊さなければ交換できない配管があるなど、大規模な修繕を行うことが非常に困難な箇所があります。

質問事項
四の6 これまで、バリアフリー対策をなぜ行ってこなかったのか伺う。

回答
 葛西臨海水族園については、平成18年度に、バリアフリー対策のための設計を行い、その成果を踏まえ、車椅子利用者やベビーカー利用者が観覧できるよう、出入口の拡幅やスロープの設置など、改修に取り組んできました。これにより、現在は、車椅子利用者やベビーカー利用者のために、観覧経路を可能な限り確保しています。

質問事項
四の7 本館の今後について、現段階の所見を伺う。

回答
 現在の葛西臨海水族園は、施設及び設備の老朽化や、展示水槽のアクリルガラスの劣化等が進んでおり、老朽化した配管、設備等を取り換えるには、建築物の一部の内外壁及び水槽の大規模な解体等が必要です。加えて、バリアフリー等のアクセシビリティの改善も必要です。
 大規模工事期間中、約85,000点に及ぶ飼育動物の受入れ施設の手配または仮設施設の整備が必要ですが、クロマグロ等大型の魚類やフンボルトペンギン等の希少種など、移動や飼育が困難な飼育動物の受入れ施設の手配は現実的ではなく、また、仮設施設の整備には多額の費用が生じます。さらに、長期にわたる全面休園も避けられません。このため、新たに建築する建物に水族園機能を移すことを基本に検討を進めてきました。
 なお、既存施設については、水族園機能を移設後、施設の状態等を調査の上、そのあり方について検討することとしており、今後、葛西臨海公園にふさわしい形で施設を利活用できるか、可能性を検討します。

質問事項
四の8 知事は、9カ月間、日本建築学会の要望書に返事をしていなかったが、突如11月8日に返答があったあとのことである、なぜ長期間放置し、何故突然返答をしたか伺う。

回答
 都は、平成31年1月16日に公表した基本構想において、既存施設については、水族園敷地内に新たに建築する建物に水族園機能を移設後、施設の状態等を調査の上、そのあり方について検討することとしました。
 平成31年2月5日付で、日本建築学会から「葛西臨海水族園の保存活用に関する要望書」が提出された際に、この基本構想に沿って都の考え方を説明しました。
 その後、更に11月8日に葛西臨海水族園の更新に関する検討の経過等について、回答したところです。

質問事項
五 知事のトップマネジメントについて
1 マラソン競技の札幌開催をIOCが検討していることをいつどのような形で知事は把握されたのか具体的に時系列で説明を求める。

回答
 令和元年10月15日に、組織委員会の事務総長が都庁に来訪し、「ドーハで開催された世界陸上競技大会で、女子マラソンの棄権者が約4割にも達したことなどを受けて、IOCから組織委員会に対して、マラソンと競歩の会場を札幌に移したいという連絡があった」という説明を受けました。
 また、翌16日にジョン・コーツIOC調整委員会委員長との電話で、同様の趣旨の説明を受けました。

質問事項
五の2 IOC調整委員会出席にあたり、知事は、なぜ、バッチを外したのか、なぜ同時通訳がいるのにわざわざ英語で話されたのか、その意図を伺う。また、バッチをつけてくれている都民、全国の自治体議員や職員に対して礼を欠くものではないか、認識があったかなかったかについても伺う。

回答
 たまたまバッジを付けていないことが、礼を欠くことになるとは考えていません。
 また、あえて日本語・英語両方で意見を述べたのは、自らの思いを直接伝えるべきだと考えたからです。

質問事項
五の3 余人を持って代えがたい外務長がいながらなぜ、2のような国際マナーに反するプロトコールを看過したのか、外務長は助言をしないのか、しても採用されなかったのか伺う。併せて知事の外交プロトコールについて、職務として平時どのように寄与・貢献をされているかも伺う。

回答
 バッジをつけないことが国際マナーに反するプロトコールに当たるとは考えていません。
 外務長は、都が都市間交流を進めて行くに当たって専門的見地から知事を補佐しており、プロトコールについても必要に応じて助言等を行うものと考えています。

質問事項
五の4 今般の地方独立行政法人化の決定方針はいつ、どこで、誰が発案し、マスコミには誰が伝え明らかになったのか、すべての経緯につき、具体的に時系列に説明を求める。

回答
 都立病院の経営形態の在り方については長年の課題であり、様々な検討を行ってきました。
 この間、平成30年1月に外部有識者からなる都立病院経営委員会から「将来にわたって役割を果たすためには、現行の地方公営企業法の一部適用では限界があり、制度的に最も柔軟な一般地方独立行政法人への移行について検討すべき」との提言がありました。
 この提言を踏まえ、都は「都立病院新改革実行プラン2018」を平成30年3月に策定し、「地方独立行政法人への移行を含めた各経営形態における人事・給与、財務面等のメリット・デメリットなど、病院現場の運営実態を踏まえて検証を行い、経営形態の在り方を検討する」こととしました。
 そこで、まず、病院現場の運営実態を踏まえた現行の経営形態における課題検証を行い、平成30年11月には病院事業に関する見える化改革報告を行いました。
 また、公認会計士など専門家の知見を活用した、「都立病院の経営の在り方に関する調査及び支援業務委託」を行い、平成31年3月に、地方公営企業法の一部適用及び全部適用、地方独立行政法人、指定管理の各経営形態の比較検証、病院現場へのヒアリング結果等を踏まえて、課題解決に向けた方向性の提案等の報告がありました。
 さらに、都自らも、他団体の様々な先行事例調査等を行うとともに、都民ニーズを踏まえた医療機能強化について、各都立病院との意見交換なども行いました。
 公社病院についても、都立病院改革を進めるのに合わせて、都立病院との連携強化の在り方などについて、東京都保健医療公社とともに検討を進めてきました。
 令和元年8月、「『未来の東京』への論点」の中で、2040年代も見据え、医療課題が一層深刻化することを踏まえて「都立・公社病院の改革の推進」を課題として示しました。これを踏まえ、検討を更に深めるとともに、法人の出捐者である東京都医師会等と地域医療の充実などについて意見交換を行ってきました。
 令和元年9月の第三回都議会定例会では、このような状況を踏まえ、病院経営本部長が、代表質問において「長期戦略の策定に合わせて検討を深めて」いく旨の答弁を行いました。
 このように、経営形態の検討については、都として、丁寧・十分に検討を重ねてきました。
 こうした検討内容も踏まえた都立・公社病院の経営形態に関する病院経営本部の考え方について、病院経営本部長から11月8日に報告を受け内容を了承し、12月3日の所信で「都立病院及び東京都保健医療公社の病院合わせまして14病院を、一体的に地方独立行政法人へ移行すべく、準備を開始」することを表明しました。
 なお、報道機関への情報提供については承知していません。

質問事項
五の5 都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例について
ア 知事選挙における小池知事の公約における位置づけと検討経過につき、時系列で説明を求める。

回答
 公約には「高齢者・障がい者の働く場所を創出。ソーシャルファームの推進。」を掲げています。
 都は平成30年11月に「就労支援のあり方を考える有識者会議」を設置し、この会議での議論を踏まえ、令和元年8月には、「条例の基本的な考え方」を取りまとめ、パブリックコメントを実施しました。令和元年11月には、有識者会議から、最終的な報告書の提出を受け、これを踏まえて条例案を策定しました。

質問事項
五の5のイ 同条例がなぜ必要か、立法事実について伺う。

回答
 雇用情勢が改善されている中でも、働く意欲がありながら、仕事に就けない方も少なくありません。とりわけ、様々な事由により就労に困難を抱える方々にとって、雇用環境は依然として厳しい状況にあります。こうしたことから今回、就労支援の一層の充実やソーシャルファームの創設の促進を図るため、条例を制定することとしました。

質問事項
五の5のウ 同条例案の策定過程における当事者参加について伺う。

回答
 「就労支援のあり方を考える有識者会議」では、就労に困難を抱える方の支援を現場で実施されている方などからプレゼンテーションをいただきました。また、障害者の家族の団体やひきこもりの方を支援するNPO法人など、様々な関係団体を7団体訪問し、現状や意見を伺いました。さらに、令和元年8月26日から9月25日にかけてパブリックコメントを実施し、都民の方から157件のご意見をいただきました。

質問事項
五の5のエ 同条例案の策定過程における事業者の参加について伺う。

回答
 「就労支援のあり方を考える有識者会議」には、経営者団体や民間企業の方に委員として参加していただきました。また、障害者を雇用している事業者等を訪問し、現状や意見を伺ったほか、令和元年8月にはパブリックコメントを実施しました。

質問事項
五の5のオ 同条例には、「ソーシャルファーム」の定義規定が置かれていません。条例の中核概念であるとともに、対象者の範囲を規定する概念を明示しないでよいのか、法制執務の観点から説明を求める。

回答
 ソーシャルファームは、条例第10条で「事業からの収入を主たる財源として運営しながら、就労困難者と認められる者を相当数雇用し、その職場において、就労困難者と認められる者が他の従業員と共に働いている社会的企業」と規定しています。

質問事項
五の5のカ 条例の運用に当たり、都として「ソーシャルファーム」をいかに定義していくのか、内包と外延を明らかにして、説明を求める。

回答
 条例では「事業からの収入を主たる財源として運営しながら、就労困難者と認められる者を相当数雇用し、その職場において、就労困難者と認められる者が他の従業員と共に働いている社会的企業」をソーシャルファームとしています。
 今後、策定する指針等において、都の支援対象となるソーシャルファームの具体的な認証基準を定めることとしています。

質問事項
五の5のキ 従前の雇用・就労支援政策と同条例による取組は重複することはないのか、伺う。

回答
 条例は、ソーシャルファームの創設を促進する新たな施策を含めた、都が実施する就労支援施策全体について規定しています。

質問事項
五の5のク 同条例案の策定に当たり、特定の事業者や法人を念頭に置いたり、影響を受けたようなことがあったか、ねらいを含めて、説明を求める。

回答
 「就労支援のあり方を考える有識者会議」では、学識経験者や経営者団体の方、民間企業の方等に委員として参加いただき、議論を進めてきました。また、障害者の家族の団体やひきこもりの方を支援するNPO法人など、様々な関係団体を訪問し、現状や意見を伺いました。こうした議論や意見を踏まえて条例案を策定しており、特定の事業者等を想定したものではありません。

質問事項
五の6 再三再四にわたり、私は都の財政の実態を把握するために「節別」の決算・予算情報を公表すべきと質してきた。改めて令和二年度予算におきまして都議会へはもとより、都民に対して「節別」の全ての情報公開を求めるものである。所見を伺う。

回答
 東京都では、地方自治法に基づき、歳入歳出予算について、款・項・目の金額や目毎の節の金額を明らかにした「予算説明書」と、予算の執行結果を明らかにした「各会計歳入歳出決算書」を議会に提出・公表しています。
 また、都財政に関するアカウンタビリティを確保する観点から、予算案のポイントを整理した「予算案の概要」や、予算を体系的に整理した「予算概要」を作成するとともに、会計別・局別に主要事業の概要をまとめた「主要施策の成果」を作成し、予算と決算を対比して示すなど、事業の成果がより明確となるよう工夫しています。
 引き続き、都の財政状況について、分かりやすい説明に努めてまいります。

質問事項
五の7 学歴問題について
ア 「大学当局の指導の下、最終的には追試を経て、1976年10月、カイロ大学の卒業に必要な条件を満たし、卒業した。」と答弁頂いているが、「必要な条件」について具体的に説明を求める。

回答
 卒業に必要な条件は、大学が定めたものです。大学側も正式な卒業について認めているところです。

質問事項
五の7のイ 「カイロ大学の卒業時に、教授の一人から、成績はトップだと言われた。このまま大学院に進んだらどうかと言われ、そのことを著書に記したもの。」と答弁頂いているが、結局、成績はトップだったのか、なかったのか、トップでなかったとしたら虚偽を著書に掲載したのか、事実を伺う。

回答
 卒業時に、教授の一人から、成績はトップだと言われ、そのことを著書に記したものです。それ以上のことではありません。

質問事項
五の7のウ 卒業証明書・証書について
a 「カイロ大学が発行した卒業証書及び卒業証明書は、これまでも公にしており、改めて公開する予定はない。」と答弁頂いたが、いつどこで、誰に向けてどのような形で公表したのか伺う。

回答
 著書「振り袖、ピラミッドを登る」の表紙への掲載などにより、公表しています。

質問事項
五の7のウのb なぜ、いつでも取り寄せられ、一瞬で説明がつき、疑惑を払拭できるのに、証明書を明示されないのか理由を伺う。

回答
 既にお答えしているとおり、これまでも公にしており、改めて公開する予定はありません。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 山内れい子

質問事項
一 外国にルーツを持つ子どもの学ぶ権利について
二 UDタクシーについて

一 外国にルーツを持つ子どもの学ぶ権利について
 東京で暮らす外国人は57万人を越え(2019年11月現在)、国籍も多彩で、2040年には10人に1人になると言われています。言葉や文化、生活習慣が異なるなか、互いの人権を尊重し、ともに暮らす東京にしていく必要があります。今後、日本に暮らす外国人が増えるとともに、子どもも増えます。子どもの権利を保障し、学び育つ環境を積極的に整えていかなくてはなりません。
1 都内における外国人人口とその国籍・地域別の構成について、2008年、2013年、2018年の推移を伺います。
2 東京は全国でも外国人人口が多く、全国の外国人の約21%が暮らしています。子どもの人口も増えており、国際人権規約、子どもの権利条約などを踏まえ、外国にルーツをもつ子どもが教育を受ける権利を保障し、教育環境を整えていく必要があります。文部科学省は9月、住民基本台帳をもとに「外国人の子どもの就学状況等調査結果」を公表しました。都内における義務教育年齢相当の外国人の子どもの総数と、「義務教育諸学校」「外国人学校等」「不就学」「転居・出国(予定含む)」「就学状況確認できず」のそれぞれの人数について伺います。また、「就学状況確認できず」とはどのような状況か伺います。
3 東京都総務局は、学校基本調査を毎年実施しており、外国人児童・生徒数について調査しています。公立小中学校における2008年から2018年の児童・生徒総数と、外国人児童・生徒数、児童・生徒総数に占める割合について小学校、中学校別に伺います。
4 学校基本調査による区市町村別公立小中学校における外国人児童・生徒数について、2008年、2013年、2018年の推移を小学校、中学校別に伺います。
5 都内の外国人児童・生徒数は増加しています。その一方で、日本語指導を必要としている児童・生徒への取り組みは遅れているとの指摘があります。日本語指導を必要としているにもかかわらず適切な対応がなされないため、授業についていけないということがあってはなりません。日本語指導の充実のために実態を把握することが重要です。日本語指導が必要な児童・生徒の状況を把握するために、これまでどのような調査を行ってきたのか、また、調査から見えてきた課題について伺います。
6 公立小中学校における日本語指導が必要な児童・生徒数について、2008年、2013年、2018年の推移を伺います。
7 公立小中学校における日本語指導が必要な児童・生徒の母語別在籍状況について、2008年、2013年、2018年の推移を伺います。
8 文部科学省の「外国人の子どもの就学状況等調査」の外国人の子どもの総数や、総務局の学校基本調査による外国人児童・生徒数と比較して、東京都教育委員会の「日本語指導が必要な児童・生徒数」はかなり少なく、日本語指導が必要にもかかわらず、日本語指導を受けられていない子どもがいるのではないかと危惧しています。都の見解を伺います。
9 外国にルーツをもつ子どもの学ぶ権利の保障は、海外と比べて遅れていると指摘されています。学校生活に慣れるとともに、学習支援、教科指導もきめ細かに行わなくては、学習意欲を損ねさせ、さらには高校受験もままならなくさせてしまいます。日本語学級の拡充やNPO、大学生・留学生等を支援者とする登録制度などで支援を充実することが必要です。生活者ネットワークはこれまでも、海外の制度や取組みを検証し取り入れることを求めてきました。都は、日本語指導が必要な児童・生徒に対して、どのように取り組んでいるのでしょうか。まず、2013年度および2018年度における都内公立小中学校の日本語学級の設置校数等、日本語指導のための教員・加配等の人数、また、年度途中に教師の増員等を行っているのか、伺います。
10 また、日本語指導が必要な児童・生徒に対するJSL、児童・生徒一人ひとりに応じた日本語指導計画に基づく「特別の教育課程」の実施状況などについて伺います。
11 外国にルーツをもつ子どもの高校進学に関する実態調査をするよう、求められています。高校進学、特に都立高校進学への要望を踏まえ、ていねいな対応が必要です。外国人児童・生徒のための教育相談窓口における2018年度の実績と主な相談内容、対応言語、また相談への主な対応について、伺います。
12 公立中学校において、日本語指導が必要な生徒等からの進学相談にはどのように対応しているのか、伺います。
13 義務教育終了後、希望する高校に進学できるようにするには、公立中学校で学年に応じた学習指導、教科学習の学年別の実態把握をするよう要望があります。公立中学校における学年別、国籍別生徒数、在日数等について把握しているか、伺います。
14 都立高校における対応について伺います。入学後の日本語指導の充実も重要です。在京外国人枠における募集状況と応募倍率、入学後の日本語指導について。また、普通科、チャレンジスクール、定時制における日本語指導が必要な生徒数と入学後の対応について、伺います。
15 日本語指導が必要な生徒が進学した都立高校における在籍生徒数と中途退学した生徒数。入学者数に対して、卒業した生徒数と進路状況について伺います。
16 日本の中学校課程に相当する年齢を海外で過ごした、外国にルーツをもつ子どもに対する教育の機会について、伺います。
17 東京都多文化共生推進指針が2016年に策定され、多文化共生推進委員会が開催されています。外国にルーツをもつ子どもへの学習支援について、学校現場以外ではどのように取り組んでいるか、伺います。

二 UDタクシーについて
 車いすのまま乗ることができるスロープ付きのユニバーサルデザイン(UD)タクシーの普及が望まれています。障がい者、高齢者が外出しやすくなるだけでなく、ベビーカーや小さい子ども連れ、大きな荷物を持った旅行者などにも使いやすいタクシーとして、国や東京都が補助制度を設けています。
 都の補助事業は、UDタクシーのうち環境性能の高いハイブリッド車で、車種はトヨタのジャパンタクシーと日産のセレナが対象となっています。国補助と併せると1台への補助額が100万円になります。都内でセレナはほとんど採用されていないとのことです。また、日産のNV200はガソリン車で都の補助はありませんが、セレナとNV200は後ろから乗り込むタイプ、ジャパンタクシーは横から乗り込むタイプです。
 UDタクシーを実際に使う車いす利用者からは、使い勝手の悪さや乗車を拒否されたという声が出され問題になっています。
1 都の補助事業は、環境局が2016年度から始めましたが、導入した経緯と導入後の推移について伺います。
2 来年度も予算化の予定になっていますが、これまでの目標台数と来年度の予定台数について伺います。
3 都内のUDタクシーの車種は、圧倒的にジャパンタクシーが多いのが現状です。しかし、スロープを設置するには、多くの作業工程があり時間がかかります。乗車拒否が起こっているのはこのためだと言われています。障がい者団体の要望を受け、11月19日、国土交通省は不当な乗車拒否に対して厳正に対処する旨通知しました。これまでの乗車拒否への対策について伺います。
4 ドライバー研修の現状および成果について伺います。
5 乗り降りする施設の側で、取り付けが簡単なジャパンタクシー専用スロープを備えているところがありますが、その現状と課題、今後の展望について伺います。
6 後ろドアから乗り込むタイプの車種はスロープの取り付けが簡単なだけでなく、雨よけにもなり、住宅地などの狭い道でも駐車できれば乗り降りできますが、ジャパンタクシーはスロープを取り付けるドアが横のため、車体の幅とスロープ分が必要になり、道が狭いと利用できないという声を聞いています。後ろドアにするなどの解決が必要です。
 また、2020東京大会に向けて、都では施設のバリアフリー化、UD化を進めており、移動手段についても電車やバスはスロープが当たり前になっています。大会には多くの外国人が訪れますが、外国の電動車いすは大型で重いため、現在のUDタクシーでは乗車が難しいと指摘されています。
 こうした問題の解決に向けて、都としても国やメーカーへの働きかけが必要と考えますが、見解を伺います。

  

令和元年第四回都議会定例会
山内れい子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 外国にルーツを持つ子どもの学ぶ権利について
1 今後、日本に暮らす外国人が増えるとともに、子どもも増える。子どもの権利を保障し、学び育つ環境を積極的に整えていかなくてはならない。都内における外国人人口とその国籍・地域別の構成について、2008年、2013年、2018年の推移を伺う。

回答
 外国人人口とその国籍・地域別の構成の推移については、次のとおりです。
  平成20(2008)年 平成25(2013)年 平成30(2018)年
 総数 395,169 385,195 522,897
 内訳
  中国 137,189 中国 157,650 中国 199,014
  韓国・朝鮮 116,298 韓国・朝鮮 97,782 韓国 90,985
  フィリピン 31,888 フィリピン 27,919 ベトナム 32,427
  米国 19,133 米国 15,753 フィリピン 32,312
  インド 8,827 ネパール 8,928 ネパール 26,570
  英国 7,589 インド 8,031 台湾 18,572
  タイ 6,744 タイ 6,840 米国 18,093
  フランス 5,693 英国 5,387 インド 11,273
  ブラジル 4,419 ミャンマー 4,799 ミャンマー 9,866
  オーストラリア 4,048 ベトナム 5,177 タイ 7,985
  その他 53,341 その他 46,929 その他 75,800
 注1 平成24年7月までは外国人登録者数、平成24年10月からは住民基本台帳上の登録者数。
 注2 国籍・地域の名称について、平成29年1月以降は、法務省「在留外国人統計」の国籍・地域の名称に準じている。それ以前は外国人登録制度における登録者の国籍。
 注3 平成28年10月までの「中国」には「台湾」を含んでいる。
 注4 各年4月1日現在。ただし、国籍・地域は各年1月1日現在の上位10か国・地域。

質問事項
一の2 都内における義務教育年齢相当の外国人の子どもの総数と、「義務教育諸学校」「外国人学校等」「不就学」「転居・出国(予定含む)」「就学状況確認できず」のそれぞれの人数について伺う。また、「就学状況確認できず」とはどのような状況か伺う。

回答
 文部科学省が令和元年9月27日に公表した「外国人の子供の就学状況等調査結果(速報)」によると、東京都における学齢相当の外国人の子供の住民基本台帳上の人数は、25,271人となっています。
 このうち「義務教育諸学校」に在籍している児童・生徒数は15,475人、「外国人学校等」に在籍している児童・生徒は1,506人となっています。
 また、義務教育諸学校、外国人学校等のいずれにも就学していないことが確認できた子供の数「不就学」は250人、住民基本台帳に記載が残っているが、実態としては既に転居・出国していること等が確認できた子供の数「転居・出国(予定含む)」は392人となっており、就学案内の送付、家庭訪問、電話等により就学状況の確認を試みたが、不在や連絡不通により就学状況の確認ができなかった子供の数の「就学状況確認できず」は4,007人となっています。

質問事項
一の3 東京都総務局は学校基本調査を毎年実施しており、外国人児童・生徒数について調査している。公立小中学校における2008年から2018年の児童・生徒総数と、外国人児童・生徒数、児童・生徒総数に占める割合について小学校、中学校別に伺う。

回答
 公立小中学校における2008年から2018年の児童・生徒総数と外国人児童・生徒数、児童・生徒総数に占める割合は次のとおりです。
 【小学校】
 年度 H20
 (2008) H21
 (2009) H22
 (2010) H23
 (2011) H24
 (2012) H25
 (2013) H26
 (2014) H27
 (2015) H28
 (2016) H29
 (2017) H30
 (2018)
 児童総数(人) 561,302 562,886 564,426 561,329 555,980 555,445 558,337 562,969 565,145 572,625 580,786
 外国人児童数(人) 4,986 5,460 5,480 5,304 5,015 5,259 5,871 6,554 7,521 8,692 9,793
 児童総数に占める割合(%)
 0.89
 0.97
 0.97
 0.94
 0.90
 0.95
 1.05
 1.16
 1.33
 1.52
 1.69
 【中学校】
 年度 H20
 (2008) H21
 (2009) H22
 (2010) H23
 (2011) H24
 (2012) H25
 (2013) H26
 (2014) H27
 (2015) H28
 (2016) H29
 (2017) H30
 (2018)
 生徒総数(人) 222,919 225,885 225,365 229,483 231,211 233,384 233,931 233,762 229,731 227,218 222,876
 外国人生徒数(人) 2,505 2,844 2,870 2,834 2,632 2,564 2,613 2,770 2,743 3,001 3,131
 生徒総数に占める割合(%)
 1.12
 1.26
 1.27
 1.23
 1.14
 1.10
 1.12
 1.18
 1.19
 1.32
 1.40
 注 「外国人児童・生徒」とは日本国籍を持たない者をいう。
 ただし、日本と外国の両方に国籍を有する者は日本人とする。

質問事項
一の4 学校基本調査による区市町村別公立小中学校における外国人児童・生徒数について、2008年、2013年、2018年の推移を小学校、中学校別に伺う。

回答
 区市町村別公立小中学校における外国人児童・生徒数の推移については、次のとおりです。
 【小学校】          【中学校】
 区市町村 外国人児童数(人) 区市町村 外国人生徒数(人)
  平成20年度
 2008 平成25年度
 2013 平成30年度
 2018 平成20年度
 2008 平成25年度
 2013 平成30年度
 2018
 総数 4,986 5,259 9,793 総数 2,505 2,564 3,131
 千代田区 13 25 42 千代田区 8 14 11
 中央区 28 46 119 中央区 8 21 20
 港区 169 174 322 港区 45 54 100
 新宿区 317 318 462 新宿区 117 158 154
 文京区 72 80 143 文京区 40 30 25
 台東区 110 117 200 台東区 87 67 86
 墨田区 83 118 247 墨田区 37 36 97
 江東区 300 384 811 江東区 143 142 185
 品川区 169 147 153 品川区 69 60 32
 目黒区 76 69 97 目黒区 27 37 38
 大田区 269 264 474 大田区 160 168 211
 世田谷区 131 134 225 世田谷区 110 90 62
 渋谷区 71 46 86 渋谷区 45 18 32
 中野区 32 21 31 中野区 4 12 15
 杉並区 90 76 140 杉並区 49 42 38
 豊島区 105 112 266 豊島区 71 49 98
 北区 105 216 392 北区 41 74 121
 荒川区 206 190 396 荒川区 87 94 138
 板橋区 273 224 526 板橋区 116 123 140
 練馬区 236 215 322 練馬区 72 87 123
 足立区 506 534 1,127 足立区 276 323 352
 葛飾区 214 288 605 葛飾区 150 137 204
 江戸川区 355 389 872 江戸川区 228 231 237
 八王子市 84 63 275 八王子市 56 25 106
 立川市 77 59 88 立川市 32 37 38
 武蔵野市 20 14 29 武蔵野市 16 7 9
 三鷹市 47 22 39 三鷹市 15 16 10
 青梅市 42 42 48 青梅市 20 19 23
 府中市 82 62 89 府中市 37 31 31
 昭島市 58 54 61 昭島市 26 31 27
 調布市 38 54 79 調布市 21 14 25
 町田市 111 102 137 町田市 38 49 46
 小金井市 4 19 49 小金井市 11 11 6
 小平市 38 47 76 小平市 19 20 16
 日野市 43 56 59 日野市 24 23 24
 東村山市 24 41 67 東村山市 17 25 22
 国分寺市 19 18 35 国分寺市 7 14 10
 国立市 34 30 44 国立市 15 13 15
 福生市 68 49 72 福生市 31 26 23
 狛江市 ― 12 8 狛江市 2 ― ―
 東大和市 17 17 30 東大和市 8 11 9
 清瀬市 21 23 38 清瀬市 9 13 14
 東久留米市 8 40 49 東久留米市 ― 8 27
 武蔵村山市 28 44 77 武蔵村山市 3 14 37
 多摩市 54 40 54 多摩市 20 20 14
 稲城市 18 24 42 稲城市 8 7 8
 羽村市 40 54 47 羽村市 39 17 27
 あきる野市 15 18 10 あきる野市 8 12 6
 西東京市 56 52 102 西東京市 25 27 25
 瑞穂町 9 16 31 瑞穂町 6 6 14
 日の出町 ― ― ― 日の出町 ― ― ―
 檜原村 ― ― ― 檜原村 ― ― ―
 奥多摩町 ― ― ― 奥多摩町 ― 1 ―
 大島町 ― ― ― 大島町 ― ― ―
 利島村 ― ― ― 利島村 ― ― ―
 新島村 ― ― ― 新島村 ― ― ―
 神津島村 ― ― ― 神津島村 ― ― ―
 三宅村 ― ― ― 三宅村 ― ― ―
 御蔵島村 ― ― ― 御蔵島村 ― ― ―
 八丈町 1 ― ― 八丈町 2 ― ―
 青ヶ島村 ― ― ― 青ヶ島村 ― ― ―
 小笠原村 ― ― ― 小笠原村 ― ― ―
 注 「外国人児童・生徒」とは日本国籍を持たない者をいう。
 ただし、日本と外国の両方に国籍を有する者は日本人とする。

質問事項
一の5 都内の外国人児童・生徒数は増加しているが、日本語指導を必要としている児童・生徒への取り組みは遅れているとの指摘がある。日本語指導が必要な児童・生徒の状況を把握するために、どのような調査を行ってきたのか、また、調査から見えてきた課題について伺う。

回答
 文部科学省では、「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」を隔年で行っており、都教育委員会は、文部科学省の調査が行われない年度に同様の調査を行っています。
 主な調査項目は次のとおりです。
1 日本語指導が必要な児童・生徒の状況
ア 学校種別在籍状況
イ 母語別(外国籍の児童・生徒)・言語別(日本国籍の児童・生徒)在籍状況
ウ 在籍人数別状況
2 日本語指導が必要な児童・生徒に対する施策の実施状況
3 日本語指導が必要な高校生等の中退・進路状況
 この調査の結果を踏まえ、引き続き、児童・生徒一人一人の日本語の習熟に応じた指導の充実を図る必要があると捉えています。

質問事項
一の6 公立小中学校における日本語指導が必要な児童・生徒数について、2008年、2013年、2018年の推移を伺う。

回答
 文部科学省及び東京都の調査における、日本語指導が必要な公立小・中学校の児童・生徒数の推移については、次のとおりです。
1 日本語指導が必要な児童・生徒数【外国籍】(単位:人)
 校種  平成20年度 平成25年度 平成30年度
 小学校 1,216 1,100 1,857
 中学校 798 602 1,027
 合計 2,014 1,702 2,884
2 日本語指導が必要な児童・生徒数【日本国籍】(単位:人)
 校種  平成20年度 平成25年度 平成30年度
 小学校 497 530 687
 中学校 207 177 205
 合計 704 707 892
 ※平成20年度・平成30年度は文部科学省の調査、平成25年度は東京都教育委員会の調査による。
 ※平成20年度は9月1日時点、平成25年度・平成30年度は5月1日時点の人数である。

質問事項
一の7 公立小中学校における日本語指導が必要な児童・生徒の母語別在籍状況について、2008年、2013年、2018年の推移を伺う。

回答
 公立小・中学校における、日本語指導が必要な外国籍の児童・生徒の母語別在籍状況の推移は次のとおりです。
 (単位:人)
 年度 校種 英語 韓国・朝鮮語 スペイン語 中国語 フィリピノ語 ベトナム語 ポルトガル語 その他 合計
 平成
 20年度 小学校 83 143 51 445 286 11 30 167 1,216
  中学校 22 55 29 488 123 16 8 57 798
  合計 105 198 80 933 409 27 38 224 2,014
 平成
 25年度 小学校 115 88 36 398 215 19 18 211 1,100
  中学校 16 28 13 354 126 7 1 57 602
  合計 131 116 49 752 341 26 19 268 1,702
 平成
 30年度 小学校 140 78 35 992 254 55 23 280 1,857
  中学校 36 25 15 529 127 15 2 278 1,027
  合計 176 103 50 1,521 381 70 25 558 2,884

質問事項
一の8 文部科学省の「外国人の子どもの就学状況等調査」の外国人の子どもの総数や、総務局の学校基本調査による外国人児童・生徒数と比較して、東京都教育委員会の「日本語指導が必要な児童・生徒数」はかなり少なく、日本語指導が必要にもかかわらず、日本語指導を受けられていない子どもがいるのではないかと危惧している。見解を伺う。

回答
 日本語指導が必要な児童・生徒とは、「日本語で日常会話が十分にできない児童・生徒」及び「日常会話ができても、学年相当の学習言語能力が不足し、学習活動への参加に支障が生じている児童・生徒」を指しており、各学校においては、児童・生徒の学校生活や学習の様子などから該当する児童・生徒を把握しています。
 学校基本調査における外国人児童・生徒の中には、幼少時から日本語で生活している児童・生徒や、日本語指導を受けたことにより、現在では日本語指導を必要としない児童・生徒が含まれていると捉えています。
 日本語指導が必要な児童・生徒が、十分な指導を受けることができるよう、引き続き、一人一人の日本語の習熟に応じた指導の充実を図ってまいります。

質問事項
一の9 都は、日本語指導が必要な児童・生徒に対して、どのように取り組んでいるのか。まず、2013年度および2018年度における都内公立小中学校の日本語学級の設置校数等、日本語指導のための教員・加配等の人数、また、年度途中に教師の増員等を行っているのか、伺う。

回答
 日本語能力が不十分な児童・生徒が、公立小・中学校の通常の学級に在籍しながら、一部の授業の時間帯に通級する日本語学級は、20人で1学級編制としており、区市町村教育委員会が設置する日本語学級を都が認証しています。平成25年度は小・中学校で32校51学級、平成30年度は39校77学級を設置しており、このうち、中学校の夜間学級に設置している日本語学級は平成25年度及び平成30年度は5校11学級です。
 日本語指導のための教員については、日本語学級には平成25年度に83人、平成30年度は116人を配置しており、このうち、中学校夜間学級の日本語学級に配置した教員は、平成25年度及び平成30年度は16人です。また、指導が必要な児童・生徒が5人以上いる小・中学校からの申請を踏まえ、平成25年度及び平成30年度は70人の教員を加配しています。
 なお、年度途中に児童・生徒数の増加、減少があった場合でも、教員の増又は減は行っていません。

質問事項
一の10 また、日本語指導が必要な児童・生徒に対するJSL、児童・生徒一人ひとりに応じた日本語指導計画に基づく「特別の教育課程」の実施状況などについて伺う。

回答
 文部科学省の調査では、平成30年度に、日本語指導が必要な児童・生徒に対して、「日本語と教科の統合学習」(JSLカリキュラム)による指導を行った学校は197校です。
 また、平成30年度に、「特別の教育課程」により指導を受けた児童・生徒数及び指導を行った学校数は、次のとおりです。
  児童・生徒数(人) 学校数(校)
 外国籍 小・中学校段階の日本語指導が必要な児童・生徒数及び在籍する学校数 2,917 890
  「特別の教育課程」による指導を受けた児童・生徒数及び指導を行った学校数 808 218
 日本国籍 小・中学校段階の日本語指導が必要な児童・生徒数及び在籍する学校数 894 395
  「特別の教育課程」による指導を受けた児童・生徒数及び指導を行った学校数 219 94
 なお、この「特別の教育課程」とは別に、多くの学校で、一人一人の日本語の習熟に応じた指導計画を作成して指導を行っています。

質問事項
一の11 外国にルーツをもつ子どもの高校進学に関する実態調査をするよう、求められている。外国人児童・生徒のための教育相談窓口における2018年度の実績と主な相談内容、対応言語、また相談への主な対応について、伺う。

回答
 都教育相談センターが平成30年度に外国人児童・生徒相談で対応した実績は、電話相談が435回、来所相談が70件である。
 主な相談内容の内訳は、電話相談が高校入学165回、高校転編入59回であり、来所相談が高校入学49件、高校転編入20件である。
 相談者の国は、多い順に、電話相談が中国、フィリピン、韓国・北朝鮮、来所相談が中国、フィリピン、ネパールとなっている。
 電話相談、来所相談のいずれも英語、中国語、韓国・朝鮮語で対応しており、高校入学に関する問合せについては、英語、中国語、韓国・朝鮮語版のパンフレットを用いた説明や所管する部署の紹介などを行っている。
 また、高校転編入に関する問合せについては、在籍校、居住地等を確認し、希望するタイプの学校を紹介している。

質問事項
一の12 公立中学校において、日本語指導が必要な生徒等からの進学相談にはどのように対応しているのか、伺う。

回答
 都教育委員会では、都立高校入試相談コーナー等において、都立高校への入学に関することについて、生徒や保護者等からの問合せに対応しており、都立高校の入学者選抜の仕組みや、在京外国人生徒対象募集枠の設置されている学校について紹介するなど、生徒の状況に応じた相談を行っています。
 また、都内公立中学校に在籍する日本語を母語としない生徒等を対象として、都教育委員会の後援のもと、NPO等が主体となって、「日本語を母語としない親子のための多言語進学ガイダンス」を開催しています。そのガイダンスでは、多言語の通訳がつき、高校の種類や、入学者選抜の内容、高校でかかる費用、日本の教育システム等について説明するとともに、個別の教育相談にも応じています。
 なお、これらの取組については、区市町村教育委員会を通じて、公立中学校への周知を依頼しています。

質問事項
一の13 義務教育終了後、希望する高校に進学できるようにするには、公立中学校で学年に応じた学習指導、教科学習の学年別の実態把握をするよう要望がある。公立中学校における学年別、国籍別生徒数、在日数等について把握しているか、伺う。

回答
 毎年度、東京都中学校長会進路対策委員会が、都内公立中学校に在籍する卒業予定者に対し、都立高校等への進学志望状況を調査しており、その中で、都立高校の在京外国人生徒対象募集枠設置校における志望予定者数を調査しています。

質問事項
一の14 都立高校における対応について伺う。在京外国人枠における募集状況と応募倍率、入学後の日本語指導について。また、普通科、チャレンジスクール、定時制における日本語指導が必要な生徒数と入学後の対応について、伺う。

回答
 在京外国人生徒対象募集枠における4月募集の定員及び応募倍率は、平成29年度入学者選抜では6校合計で110名、1.96倍、平成30年度入学者選抜では7校合計で120名、2.06倍、平成31年度入学者選抜では7校合計で130名、1.75倍となっています。入学後は、生徒の状況等に応じて、授業中に、教員が別室で、授業内容の理解を深めるための指導を実施するなどしています。
 また、授業中や放課後等に、日本語や授業内容の理解を促す個別の支援等については、平成28年度に140名、平成29年度に151名、平成30年度に181名の外部人材を都立高校に派遣しています。
 なお、日本語指導が必要な生徒の入学者数については把握していませんが、高校における日本語指導が必要な在籍生徒数は、平成30年5月1日時点で768名です。

質問事項
一の15 日本語指導が必要な生徒が進学した都立高校における在籍生徒数と中途退学した生徒数。入学者数に対して、卒業した生徒数と進路状況について伺う。

回答
 平成29年度中の日本語指導が必要な高校生等(特別支援学校の高等部は除く。)の在籍生徒数は597人で、中途退学した生徒数は66人です。
 また、入学者数は把握していませんが、平成29年度に卒業した生徒数は91人です。これらの生徒のうち、大学等に進学した者が42人、非正規等を含めて就職した者が16人、帰国を除いて進学も就職もしていない者が21人などとなっています。

質問事項
一の16 日本の中学校課程に相当する年齢を海外で過ごした、外国にルーツをもつ子どもに対する教育の機会について、伺う。

回答
 外国籍の子供が就学を希望する場合には、区市町村で相談に応じ、手続等の案内を行っており、子供が学齢期以外で高校の受験資格を有していない場合には、中学校夜間学級を紹介するほか、中学校卒業程度認定試験を案内することもあります。
 また、文部科学省通知では、学齢を経過した外国人への配慮として、外国又は我が国において様々な事情から義務教育を修了しないまま学齢を経過した者については、各教育委員会の判断により、本人の学習歴や希望等を踏まえつつ、学校の収容能力や他の学齢の生徒との関係等必要な配慮をした上で、公立の中学校での受入れが可能であり、夜間中学を設置している自治体においては、夜間中学への入学が可能であることを案内することとされています。

質問事項
一の17 東京都多文化共生推進指針が2016年に策定され、多文化共生推進委員会が開催されている。外国にルーツをもつ子どもへの学習支援について、学校現場以外ではどのように取り組んでいるか、伺う。

回答
 都では、日本語等の習得が不十分で、希望しても就学や進学が困難な外国にルーツを持つ子供に対し、日本語や教科の学習、高校進学指導等を行っているNPOなど民間団体の事業への助成を行っています。
 引き続き、外国にルーツを持つ子供への学習支援に関する取組を行っていきます。

質問事項
二 UDタクシーについて
1 車いすのまま乗ることができるスロープ付きのユニバーサルデザイン(UD)タクシーの普及が望まれている。UDタクシーを実際に使う車いす利用者からは、使い勝手の悪さや乗車を拒否されたという声が出され問題になっている。都の補助事業は、環境局が2016年度から始めたが、導入した経緯と導入後の推移について伺う。

回答
 都内で排出されるCO2のうち、自動車からの排出が約2割を占めており、中でもタクシーは、一日の走行距離が約250キロメートルと長いため、燃費性能の優れた車両へ転換することがCO2削減に向けて重要です。
 都は、2020年の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に合わせ、環境性能が高く、誰もが利用しやすいユニバーサルデザインタクシーの普及促進を図るため、平成28年度に補助制度を創設しました。
 令和元年11月末現在の補助金の申請受付は累計で約8,600台となっており、順調に普及が進んでいます。

質問事項
二の2 来年度も予算化の予定になっているが、これまでの目標台数と来年度の予定台数について伺う。

回答
 都は、平成28年度に策定した「2020年に向けた実行プラン」において、環境性能の高いユニバーサルデザインタクシーを平成28年度から令和2年度までの5年間で1万台導入することを目標としています。
 令和元年度中に補助金の申請受付台数が1万台を超える見込みであり、令和2年度予算案に、6,000台分の補助金原資を追加で計上しています。

質問事項
二の3 障がい者団体の要望を受け、11月19日、国土交通省は不当な乗車拒否に対して厳正に対処する旨通知した。これまでの乗車拒否への対策について伺う。

回答
 都は、車椅子利用者に対する乗車拒否問題を受けて、タクシー乗務員が車椅子の方の乗車に適切に対応できるよう、今年度の補助申請受付より、ユニバーサルドライバー研修の受講を義務付ける等の補助条件の改正を行っています。

質問事項
二の4 ドライバー研修の現状および成果について伺う。

回答
 ユニバーサルドライバー研修推進実行委員会の事務局である一般財団法人全国福祉輸送サービス協会によれば、ユニバーサルドライバー研修は平成23年10月から実施しており、都内では、令和元年度は、11月末までに約7,300人が受講しているとのことです。

質問事項
二の5 乗り降りする施設の側で、取り付けが簡単なジャパンタクシー専用スロープを備えているところがあるが、その現状と課題、今後の展望について伺う。

回答
 ジャパンタクシーは、車椅子のまま乗車可能なユニバーサルデザインタクシーとして普及しています。
 発売当初の仕様では、乗降の際に使用するスロープの組み立てに時間を要するなど課題があったことから、都は、円滑に乗降できるようスロープ構造を見直した利便性の高い外付けスロープを試行的に、ホテル、病院等へ配置しています。
 平成31年3月からはこのタイプのスロープを備えた車両が販売されるとともに、当初に発売された車両においても、改善された組立部品への交換等が行われていると聞いています。
 このように、スロープに係る課題に対する様々な取組が進められています。

質問事項
二の6 ジャパンタクシーはスロープを取り付けるドアが横のため、道が狭いと利用できない、外国の電動車いすは大型で重いため、現在のUDタクシーでは乗車が難しい、といった問題の解決に向けて、都としても国やメーカーへの働きかけが必要と考えるが、見解を伺う。

回答
 都として国に対し、民間事業者への働きかけなどを通じ、車椅子利用者をはじめ、誰もが快適にUDタクシーを利用できる環境整備を推進するよう、要望しています。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 池川友一

質問事項
一 土砂災害対策について

一 土砂災害対策について
 台風19号は都内でも、全国各地でも大きな被害をもたらしました。地元町田市でも、都道鎌倉街道でのり面が崩落したり、相原町の土砂崩落をはじめ、複数の箇所での土砂災害がありました。条件が少し変わるだけで、被害の状況も大きく変わると感じています。
 都は2016年8月に「土砂災害対策の考え方」を公表し、今後はこの考え方に基づいて、対策が進められていくのだと思います。この中には、土砂災害のおそれのある箇所に存在する避難所の課題という項目があります。具体的に、土砂災害警戒区域内の避難所や要配慮者施設への対応方針について記しています。
1 この「土砂災害対策の考え方」で示されている、土砂災害の恐れのある箇所に存在する「避難所」「要配慮者利用施設」の箇所数は、誰がいつどのように確認したのですか。また、避難所、24時間滞在型要配慮者利用施設の箇所数を、土石流、地滑り、急傾斜地ごとにお示しください。
2 土砂災害の恐れがある箇所に存在する避難所、要配慮者利用施設について、対応方針をそれぞれお答えください。
 知事は決算特別委員会の質疑でも、豪雨災害がより激甚化、頻発化する可能性が高いという認識を示しています。これまでの取り組みでは、ハード対策を優先的に実施するとしていますが、これからその箇所は増えていくことになります。また、きちんと対策が行われたのかについて、都としてチェックしていく責任があります。だからこそ、「土砂災害対策の考え方」にも、24時間滞在型の要配慮者利用施設については、優先的ハード対策を行うと記されていると考えます。
3 近年の豪雨の増加のもと、都として避難所、要配慮者施設、特に24時間滞在型施設のハード対策について、都として責任を持って、速度と規模をあげて進めることが求められていると考えますがいかがですか。
 また、「土砂災害対策の考え方」では人工の斜面についてもふれています。
4 「多摩部では、住民の危機意識が高まりハード対策の要望が増加」「自然ではなく人工の斜面では、所有者自身で斜面を保全しなければならないので、自助努力への支援を検討することが重要」という認識を示しています。台風19号を受けて、この認識に変化はありますか。
 また、「土砂災害対策の考え方」で「区市町村からも、補助率が低く市民負担が大きい、予算の確保が困難だなどの意見が出ている」という認識を示しています。
5 都としても区市町村が行う人工斜面の補助事業等についても、支援のスキームについて検討する必要があると考えますが、いかがですか。

令和元年第四回都議会定例会
池川友一議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 土砂災害対策について
1 都は2016年8月に「土砂災害対策の考え方」を公表した。この「土砂災害対策の考え方」で示されている、土砂災害の恐れのある箇所に存在する「避難所」「要配慮者利用施設」の箇所数は、誰がいつどのように確認したのか。また、避難所、24時間滞在型要配慮者利用施設の箇所数を、土石流、地滑り、急傾斜地ごとに伺う。

回答
 都は、砂防事業の優先度をつけるため、平成29年3月までに土砂災害警戒区域等の指定が完了した区部・多摩の約10,000か所において、警戒区域内に存在する避難所や要配慮者利用施設の有無について、各区市町村にそれらの所在地を照会し、確認しました。
 その結果、避難所については、土石流約70施設、地滑り2施設、急傾斜地の崩壊約160施設、24時間滞在型要配慮者利用施設については、土石流約10施設、地滑り1施設、急傾斜地の崩壊約50施設を確認しました。

質問事項
一の2 土砂災害の恐れがある箇所に存在する避難所、要配慮者利用施設について、対応方針をそれぞれ伺う。

回答
 平成28年8月に作成した「土砂災害対策の考え方」において、地域防災計画に記載された避難所については、区市町村が警戒避難体制を検討した上で、山間部などで代替施設がない箇所を優先的にハード対策を実施することとしています。
 また、要配慮者利用施設については、24時間滞在型の施設を優先的に実施することとしています。

質問事項
一の3 近年の豪雨の増加のもと、都として避難所、要配慮者施設、特に24時間滞在型施設のハード対策について、都として責任を持って、速度と規模をあげて進めることが求められていると考えるが、見解を伺う。

回答
 砂防事業については、区部・多摩の土砂災害警戒区域等の指定が完了した箇所ごとに避難所や24時間滞在型の要配慮者利用施設の有無などを調査し、優先度をつけて計画的に実施しています。
 急傾斜地崩壊対策事業については、区市町村の要望を受け、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき実施しています。

質問事項
一の4 「土砂災害対策の考え方」では、「多摩部では、住民の危機意識が高まりハード対策の要望が増加」「自然ではなく人工の斜面では、所有者自身で斜面を保全しなければならないので、自助努力への支援を検討することが重要」という認識を示している。台風19号を受けて、この認識に変化はあるか、伺う。

回答
 土砂災害対策については、「土砂災害対策の考え方」に基づき、ソフト・ハード両面から対策を引き続き進めていきます。
 なお、土砂災害警戒区域等内に斜面を所有する住民などから斜面対策について問合せがあった際には、斜面対策事例の紹介など助言しています。

質問事項
一の5 都としても区市町村が行う人工斜面の補助事業等についても、支援のスキームについて検討する必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
 斜面地については、自然斜面や人工斜面問わず、所有者等が対策を実施することを基本としています。
 なお、都は、土砂災害のおそれのある自然斜面において、所有者等による対策が困難な場合に、区市町村の要望を受け、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき、急傾斜地崩壊対策事業を実施しています。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 宮瀬英治

質問事項
一 水道局の不祥事について
二 AEDについて
三 台風15号および19号等における対応について
四 少子化対策について
五 都営地下鉄のバリアフリー対応について
六 東武東上線大山駅周辺の再開発について
七 健康診断について
八 都立公園について

一 水道局の不祥事について
 この度の水道局職員による情報漏えい事件が問題となっていますが、10年で3回目の不祥事となっており、1回目、2回目の反省が生かされず、4回目もあるのでは?と邪推されても仕方ないと思います。以下、伺います。
1 今回の当事者の5名は一人も免職になっていません。その根拠は何か?停職ではなく免職にすべきと考えますが、どのような根拠で停職処分になったのか?その根拠や区分について概要とともに伺います。また、処分を決めた場はどこで、都庁の職員以外のメンバーはいたのか伺う。
2 関連した企業に対してはどのような対応を都としてとるのか伺います。また職員に対しても訴訟や賠償請求するのか、その額はいくらなのかお伺いいたします。
3 今回不祥事を起こした職員の名前を公表することが戒めとなり再発防止に寄与すると考えますが、見解を伺います。
4 民間企業では社員が逮捕等の時点で氏名がマスコミ等で公表されているが、公務員の場合は懲戒免職以外では公表されていない。民間の場合は氏名が公表され、公務員の場合は匿名となっているのはどうしてなのか警視庁の見解を伺う。

二 AEDについて
 助けられる命は助けなければなりません。平成28年に心停止で搬送された方は都内約1.2万人です。
 しかし都の過去10ヵ年における1ヵ月後生存率は僅か9%、全都道府県で42位です。
 心停止から10分を経過すると心肺蘇生法をしてもほぼ助かりませんが、平成28年の救急車の平均到着時間は入電からの時間を含めると“10分49秒”とワースト1でした。そこで以下伺います。
1 平成30年など近年における心停止で搬送された方の人数、1ヶ月後生存率を伺います。
2 平成30年など近年における救急車の到着時間を伺います。
3 平成30年など近年におけるパトカーの到着時間を伺います。
4 警察官は負傷者に対しどのような対応をすることになっているのか伺います。
5 心停止は夜間から早朝にかけて一番多く発生していることから、24時間営業の都内「全」コンビニにAEDを置くことを提案していますが、進捗をうかがいます。
6 東京消防庁による防災訓練で、担当がAEDの使い方は教えてもAEDがどこにあるのかを伝えない状況が続いている。区市町村等と連携しAEDの場所についても確実に都民に伝えるべきと考えますが見解を伺います。

三 台風15号および19号等における対応について
 甚大な被害をもたらしたこの度の教訓を生かすことは重要と考えます。以下、伺います。
1 総務局において都民アンケート調査を迅速に実施したことを大変評価しています。一方で分析を深めることによって各区市町村にも役に立つ情報になると考えます。クロス集計等を行い区市町村に提供すべきと考えますが見解を伺います。
2 かねてより公立学校における水害に備えた訓練実施を訴えてきたが進捗について伺います。
3 東京消防庁についての総括について伺います。
4 消防団についての総括はなされたのか、なされた場合の総括内容はどのようなものか伺います。
5 非常用発電は稼働しなければ意味がないが、都内の自家発電設備における負荷運転による点検実施率について伺います。

四 少子化対策について
 都では子どもが欲しくても子どもがなかなかできない方々に対し不妊治療補助を行っています。そこで以下伺います。
1 事業の概要と実績推移について伺います。
2 補助要件では夫婦のみを対象とはしていないが、実際の不妊治療を行うクリニックや病院では夫婦であることが治療開始の条件となっています。補助申請された方々の中に夫婦以外の申請が何件あったのか伺います。また都として夫婦以外においても不妊治療が進むよう関係各所呼びかけるべきと考えますが見解を伺います。

五 都営地下鉄のバリアフリー対応について
 小田急線などの私鉄における誰でもトイレの中には、ユニバーサルベッドいわゆる大型ベッドが設置されています。都営101ある駅の中で15駅設置されているが、三田線の駅の一部などでは設置されていません。今後はオリパラ大会を控え改修等の機会をとらえるなど順次設置していくべきと考えますが見解を伺います。

六 東武東上線大山駅周辺の再開発について
1 この地域においては暗渠があると聞いていますが概要および暗渠がどのように流れているかについて伺います。
2 暗渠について国への協議等が必要になるのか、また国に協議等を行っているのであればどのような内容を協議しているのか伺う。
3 補助第26号線の昭和21年当時の計画書類等は存在していないという認識で良いのか伺います。さらに国および都はその後昭和41年、平成15年に“都市計画を変更”して、その変更に基づきこのたび事業認可を行ったと伺っています。さて元となる昭和21年当時の都市計画がなければ、何をどう変更したのか分からないし、その変更が合理的なものかどうか確認する術がない。しかし元となる計画がないといっている。どうやって都市計画を変更し、それが今も事業認可を認める合理性があるとどう判断したのか伺います。
4 補助第26号線の用地買収の期限及び進捗数値について伺います。
5 ハッピーロード商店街に対し都が過去補助金等で支援してきた概要および金額についてすべて伺います。
6 今後、都は商店街に対し支援を行うべきと訴えてきましたが、取組状況について伺います。

七 健康診断について
 医療発展のために、都職員に向けた定例健康診断を活用し、臨床研究に協力した事例があるのかどうか実績および概要を伺います。また当該事例について、新検査などの有効性が確認できた場合、都が職員に対する健康診断に導入した実績があるのか、さらに、新検査に対して、都が補助金を出すなど支援した実績があるのか伺います。

八 都立公園について
 子供たちの遊び場が失われており、とりわけボール遊びに対する規制が強化されています。板橋区議会において子どもたち自身が区立公園でのボール遊びに対する陳情を提出する事態までになっています。また都立公園におけるボール遊びに対する見解を伺います。しっかりと周囲に迷惑をかけないようにしたうえでボール遊びを認めていくべきと考えますが、見解を求めます。さらには赤塚公園の沖山地区などにおけるボール遊びについての見解を伺う。

令和元年第四回都議会定例会
宮瀬英治議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 水道局の不祥事について
1 水道局職員による情報漏えい事件が問題となっているが、今回の当事者の5名は一人も免職になっていない。その根拠は何か。停職ではなく免職にすべきと考えるが、どのような根拠で停職処分になったのか。その根拠や区分について概要とともに伺う。また、処分を決めた場はどこで、都庁の職員以外のメンバーはいたのか伺う。

回答
 水道局が定めている「懲戒処分の指針」においては、非違行為に対する標準的な処分の程度を示しており、「入札談合等に関与する行為」及び「秘密漏えい」については、「免職又は停職とする。」としています。
 職員による不適切な行為が発覚した場合、本人への事情聴取など、事実確認を行い、過去の処分の程度や他団体における事例を参考にしつつ、非違行為の具体的な内容、被害や過失の大きさ、職場への影響等を総合的に勘案した上で、水道局長が、処分の程度を決定しています。
 本件では、こうしたことに加え、過去の不祥事を受けた再発防止に取り組んでいる中で発生したことも含めて総合的に勘案し、免職に次ぐ重さである停職6月を筆頭に重い責任を問うこととしました。
 また、処分の決定に当たっては、処分実施の適正を期するために設置している東京都水道局職員懲戒分限審査委員会が、水道局長の諮問に応じ、処分について審査、答申を行っています。
 なお、審査委員会は、委員長には、次長又は技監の職にある者のうち、局長が指名する者をもって充て、また、委員には、総務部長、職員部長、サービス推進部長、浄水部長、給水部長、建設部長及び多摩水道改革推進本部長の職にある者をもって充てるため、都庁の職員以外の委員はいません。

質問事項
一の2 関連した企業に対してはどのような対応を都としてとるのか伺う。また職員に対しても訴訟や賠償請求するのか、その額はいくらなのか伺う。

回答
 都は、令和元年7月30日、浄水場の排水処理作業委託に関して、談合の事実が認められた4事業者及びその関連会社1社に対して、都の契約手続への参加を認めない7か月の指名停止措置を行いました。
 また、水道局は、令和元年12月9日、談合により都が被った損害を回復するため、事業者、職員及び元職員に対して損害賠償請求等を行いました。具体的には、金町浄水場以外の6浄水場の契約については、単価契約に用いる業務委託契約書契約約款第22条に基づき、受託者2社に対して計約3億2千万円の違約金を請求しました。
 また、金町浄水場の契約については、民法上の共同不法行為に基づく損害賠償請求を行い、談合を行った4事業者に対しては、談合により発生した損害額である約1億5千万円を、談合に関わった職員及び元職員に対しては、そのうち、関わった契約に関する損害額である計約8千万円を、それぞれ連帯債務として請求しました。
 この結果、違約金を請求した2社と、損害賠償については当該契約の受託者1社から、令和元年12月中に、それぞれ全額が支払われたため、都に発生した損害は全て回復しました。

質問事項
一の3 今回不祥事を起こした職員の名前を公表することが戒めとなり再発防止に寄与すると考えるが、見解を伺う。

回答
 水道局が定めている「懲戒処分の指針」においては、職員の懲戒処分の公表基準や公表する内容等を示しており、免職、又は社会に及ぼす影響が大きい事案については、所属、職名及び氏名を公表する場合があると規定しています。
 社会に及ぼす影響が大きい事案とは、大多数の都民の社会経済活動に重大な影響を及ぼす行為であり、争議行為等が該当するものと認識しています。
 氏名の公表については、今回事故を起こした職員であっても、処分を受けた後には、全力で職務を遂行していかなければならないことから、将来にわたって、職場において円滑な公務運営の妨げにならないよう、慎重に行わなければならないと認識しています。

質問事項
一の4 民間企業では社員が逮捕等の時点で氏名がマスコミ等で公表されているが、公務員の場合は懲戒免職以外では公表されていない。民間の場合は氏名が公表され、公務員の場合は匿名となっているのはどうしてなのか警視庁の見解を伺う。

回答
 被疑者氏名の報道発表については、関係者のプライバシー等の権利や利益、公表することによって得られる公益及び公表が捜査に与える影響等を個別具体の事案ごとに総合的に勘案して、その適否や内容等を判断し、決定しています。

質問事項
二 AEDについて
1 心停止から10分を経過すると心肺蘇生法をしてもほぼ助からないが、平成28年の救急車の平均到着時間は入電からの時間を含めると10分49秒とワースト1であった。平成30年など近年における心停止で搬送された方の人数、1ヶ月後生存率を伺う。

回答
 近年の東京消防庁管内における、心肺停止搬送者数の総数は、平成28年は12,350人、平成29年は12,521人、平成30年は12,574人です。
 その中で、一般市民により心肺機能停止の時点が目撃された心原性の心肺機能停止傷病者の搬送者数及び1か月後生存率は、平成28年は3,042人、11.6パーセント、平成29年は2,975人、11.7パーセント、平成30年は2,991人、11.6パーセントです。

質問事項
二の2 平成30年など近年における救急車の到着時間を伺う。

回答
 近年の東京消防庁管内における、119番入電から救急車が現場到着するまでの平均時間は、平成28年は10.8分、平成29年は10.7分、平成30年は10.9分です。

質問事項
二の3 平成30年など近年におけるパトカーの到着時間を伺う。

回答
 平成30年におけるパトカーの110番通報から現場到着までの平均時間は、
 ・23区内で、5分49秒
 ・多摩地区で、8分06秒
 ・島部で、8分52秒
 ・警視庁全体で、6分29秒
 です。

質問事項
二の4 警察官は負傷者に対しどのような対応をすることになっているのか伺う。

回答
 警視庁では、警察署をはじめとする各所属において、AEDの使用法を含めた救急法訓練を適宜実施しており、110番通報等により警察官が負傷者のいる事件・事故現場に臨場した場合は、負傷者の救護等の応急措置を講じています。
 今後も、救急法に関する警察職員の知識及び技能の修得を推進し、事件・事故等への適切な対応を図っていきます。

質問事項
二の5 心停止は夜間から早朝にかけて一番多く発生していることから、24時間営業の都内「全」コンビニにAEDを置くことを提案しているが、進捗を伺う。

回答
 都は、24時間誰でも使用可能なAEDの設置に取り組む区市町村を包括補助で支援しています。
 また、今年度、コンビニエンスストア等のフランチャイズチェーンの業界団体や、コンビニエンスストアへのAED設置に取り組んでいる都内及び近隣県の自治体に対して、実施方法や役割分担、住民への周知等についてヒアリングを実施しました。
 今後、こうした取組事例等を区市町村の説明会等において紹介し、地域の実情に応じた区市町村の取組を支援していきます。

質問事項
二の6 東京消防庁による防災訓練で、担当がAEDの使い方は教えてもAEDがどこにあるのかを伝えない状況が続いている。区市町村等と連携しAEDの場所についても確実に都民に伝えるべきと考えるが見解を伺う。

回答
 都民がAEDの取扱を学ぶことや設置場所の確認をすることは重要です。
 現在、AEDの設置場所についてはAEDの設置場所が確認できるURLを救命講習テキストに掲載しております。
 今後、当該URLを用いたAEDの設置場所の周知とともに、訓練会場及び付近におけるAEDの設置場所の確認を都民に促していきます。

質問事項
三 台風15号および19号等における対応について
1 総務局において都民アンケート調査を迅速に実施したことを大変評価している。一方で分析を深めることによって各区市町村にも役に立つ情報になると考える。クロス集計等を行い区市町村に提供すべきと考えるが見解を伺う。

回答
 今回の調査は、台風第15号及び台風第19号等に伴う防災対策の検証の一環として都民約800名を対象として行ったインターネットアンケート調査であり、現在、地域ごとの比較やクロス集計などの分析を行っているところです。
 その結果については、要望のあった区市町村に対し提供する予定です。

質問事項
三の2 かねてより公立学校における水害に備えた訓練実施を訴えてきたが進捗について伺う。

回答
 都教育委員会は、これまで公立学校に対し、学校の種別や地域の実情に即して、多様な場面や状況を想定した避難訓練を実施するよう指導してきました。
 令和元年度は、公立学校の全教員に配布している「安全教育プログラム」に、新たに水害を想定した避難訓練の実践事例を掲載し、活用を促すとともに、水防法に基づき、区市町村から指定された学校においては、台風、集中豪雨、大雨を想定した訓練を確実に行うよう求めました。
 なお、風水害を想定した避難訓練の実施率は、都立学校において、平成29年度は27校で約11パーセント、平成30年度は42校で約17パーセントであり、公立小・中学校等において、平成30年度は、1,190校で約63パーセントでした。

質問事項
三の3 東京消防庁についての総括について伺う。

回答
 都では、令和元年台風第15号及び台風第19号により、都内で大きな被害が発生したことを踏まえ、「令和元年度 大規模風水害検証会議」を設置し、今回の大規模風水害によって明らかとなった課題を検証し、防災対策の充実を図ることとしました。
 東京消防庁では、区市町村をはじめとする他機関との連携強化等を本会議の課題として挙げ、他機関の災害対策本部との情報連絡体制の強化方法について検討していきます。
 また、地域の防災拠点の要である消防庁舎の風水害による被害を低減するため、東京消防庁施設や都内公共施設の被害状況を踏まえ庁舎の浸水対策・強風対策を行っていきます。

質問事項
三の4 消防団についての総括はなされたのか、なされた場合の総括内容はどのようなものか伺う。

回答
 特別区消防団では、台風第15号及び台風第19号の接近、通過に伴い、巡回による河川の監視警戒活動、浸水した建物での排水活動、浸水地内における避難誘導活動などを実施しています。
 浸水地内での避難誘導活動等の消防団活動における安全面及び衛生面を踏まえた資機材整備の必要性などが課題として確認できました。
 今後、台風等の風水害における消防団活動の態勢強化について検討していきます。

質問事項
三の5 非常用発電は稼働しなければ意味がないが、都内の自家発電設備における負荷運転による点検実施率について伺う。

回答
 消防法では、火災が発生した場合に、スプリンクラー設備や自動火災報知設備などの消防用設備等の機能を確保するため、これらの設備に非常電源を附置するよう規定されており、定期的な点検が義務付けられています。
 点検方法は平成30年6月1日の消防庁告示の改正により、消防用設備等の非常電源が自家発電設備である場合、負荷運転の他に内部観察等による点検方法も新たに加わりました。
 従前は、負荷運転を原則1年に1回実施する必要がありましたが、この改正により予防的な保全策を講じている場合は、6年に1回とすることができることとなりました。
 同改正日から令和元年10月31日の間に点検結果報告が行われた自家発電設備についての点検時の負荷運転実施率は、15.5パーセントです。
 なお、消防用設備等の非常電源以外の目的で設置されている自家発電設備については、「電気事業法」及び「建築基準法」等に基づき点検が行われているため負荷運転の点検実施状況は把握していません。

質問事項
四 少子化対策について
1 都では子どもが欲しくても子どもがなかなかできない方々に対し不妊治療補助を行っている。事業の概要と実績推移について伺う。

回答
 都では、不妊検査及び一般不妊治療に係る費用を助成する不妊検査等助成事業を実施しており、夫婦1組につき1回5万円を上限に助成しています。
 その実績は、事業開始年度である平成29年度が2,000件、95,073千円、平成30年度が5,190件、248,422千円となっています。
 また、保険適用とならない体外受精や顕微授精などの特定不妊治療に係る費用について、国基準に上乗せして助成する特定不妊治療費助成事業を実施しており、令和元年度からは、所得制限の額を夫婦合算で730万円未満から905万円未満に緩和しました。
 その実績は、平成28年度が13,492組、延べ18,474件で3,714,742千円、平成29年度が10,249組、延べ17,431件で3,606,080千円、平成30年度が9,959組、延べ16,651件で3,426,890千円となっています。

質問事項
四の2 補助要件では夫婦のみを対象とはしていないが、実際の不妊治療を行うクリニックや病院では夫婦であることが治療開始の条件となっている。補助申請された方々の中に夫婦以外の申請が何件あったのか伺う。また都として夫婦以外においても不妊治療が進むよう関係各所呼びかけるべきと考えるが見解を伺う。

回答
 都では平成30年度から、独自に事実婚の方を不妊検査等助成事業及び特定不妊治療費助成事業の対象に加えています。
 平成30年度の事実婚の方への助成実績は、不妊検査等助成事業は3件、特定不妊治療費助成事業は8組、延べ9件でした。
 また、毎年、東京都医師会、区市町村及び医療機関宛てに事業の案内冊子、ポスター及び要綱等を送付するとともに、ホームページで周知を行っており、今後は、ツイッターも活用した更なる情報発信に取り組んでいきます。

質問事項
五 都営地下鉄のバリアフリー対応について
 私鉄における誰でもトイレの中には、ユニバーサルベッドいわゆる大型ベッドが設置されている。都営101ある駅の中で15駅設置されているが、三田線の駅の一部などでは設置されていない。今後はオリパラ大会を控え改修等の機会をとらえるなど順次設置していくべきと考えるが見解を伺う。

回答
 都営地下鉄では、三田線神保町駅、日比谷駅など15駅のだれでもトイレ内に計17基の大型ベッドを設置しています。
 地下鉄駅は、一般的に駅構内が狭く、トイレの面積が限られており、大型ベッドを新たに設置するには、駅レイアウトの大幅な変更が必要となります。
 このため、都営地下鉄では、駅の大規模改修等の機会を捉え、だれでもトイレ内に十分なスペースを確保できる場合に大型ベッドを設置しており、今後も、活用可能なスペース等を勘案しながら、設置を検討していきます。

質問事項
六 東武東上線大山駅周辺の再開発について
1 この地域においては暗渠があると聞いているが概要および暗渠がどのように流れているかについて伺う。

回答
 補助第26号線の事業区域及び大山町クロスポイント周辺地区の再開発施行地区においては、千川上水が東西に暗きょとして存在しています。
 千川上水は、河川法の適用のない法定外公共物であり、当該地区の暗きょ区間は、国から地元区への移管が整うまでの間、都が維持管理などを実施しています。
 なお、通水については現在停止しています。

質問事項
六の2 暗渠について国への協議等が必要になるのか、また国に協議等を行っているのであればどのような内容を協議しているのか伺う。

回答
 法定外公共物である千川上水の維持管理は、国有財産法に基づき、都が法定受託事務として実施しており、国への協議等は行っていません。

質問事項
六の3 補助第26号線の昭和21年当時の計画書類等は存在していないという認識で良いのか伺う。さらに国および都はその後昭和41年、平成15年に都市計画を変更したが、昭和21年の都市計画がなければ、その変更が合理的か確認する術がない。どうやって都市計画を変更し、事業認可を認める合理性があるとどう判断したのか伺う。

回答
 補助第26号線の都市計画が当初決定された当時の資料としては、路線番号、起点、終点、幅員等が示され、かつ官報告示が昭和21年4月25日戦災復興院告示第15号とされた文書が国立公文書館に保管されています。この文書に添付された図面は、現在、不存在ですが、都は都市計画決定された他の路線も合わせて図示した資料を作成しており、適宜更新しています。
 昭和41年の都市計画変更は、昭和41年7月30日建設省告示第2428号のとおり、当時の法令に基づき、国により適切に変更されたものと認識しています。平成15年の都市計画変更は、都市計画決定された他の路線も合わせて図示した資料を基に、平成15年1月31日東京都告示第85号のとおり、都が適切に変更したものです。補助第26号線(大山区間)の事業認可は、平成15年の都市計画を前提に、平成27年2月24日関東地方整備局告示第66号のとおり、国により適切に認可されたものと認識しています。

質問事項
六の4 補助第26号線の用地買収の期限及び進捗数値について伺う。

回答
 補助第26号線大山区間については、令和2年度の事業完了に向けて、用地買収を進めています。
 平成31年3月末時点の用地取得率は、面積ベースで約19パーセント、画地ベースで約14パーセントです。

質問事項
六の5 ハッピーロード商店街に対し都が過去補助金等で支援してきた概要および金額についてすべて伺う。

回答
 都では、魅力ある商店街づくりに向けて商店街等が行う集客イベントや商店街の活性化を図る多様な取組に対し、区市町村を通じて補助を行っています。
 ハッピーロード大山商店街振興組合に対しては、文書の保存年限である5年間にあたる平成26年度から平成30年度で、サマーセールなど10件の集客イベントのほか、ホームページのリニューアルや空き店舗を活用したコミュニティカフェの整備など6件の取組に対し、合計20,206千円の補助金を交付しています。

質問事項
六の6 今後、都は商店街に対し支援を行うべきと訴えてきたが、取組状況について伺う。

回答
 補助第26号線大山区間には、計画線の区域内に商店街が含まれていることから、店舗などの営業継続やにぎわいの維持向上を図りながら、沿道のまちづくりと一体的に道路整備を進めることが重要です。
 これまで都は、区と連携し、商店街を中心としたまちづくりの勉強会に専門家を派遣するなど、地元の取組を支援しています。
 こうした取組の結果、平成27年2月にピッコロスクエア再開発準備組合が設立されました。
 また、令和元年6月には、大山町クロスポイント周辺地区の市街地再開発組合が設立されており、当地区は、補助第26号線と商店街の交差部に位置する地区として、商店街の連続性を確保する店舗等を低層部に整備することで、まちのにぎわいを創出する計画となっています。
 都は、引き続き、区のまちづくりを技術的、財政的に支援するとともに、商店街をはじめ、地元の理解と協力を得ながら、道路整備を推進していきます。

質問事項
七 健康診断について
 医療発展のために、都職員に向けた定例健康診断を活用し、臨床研究に協力した事例があるのかどうか実績および概要を伺う。また当該事例について、新検査などの有効性が確認できた場合、都が職員に対する健康診断に導入した実績があるのか、さらに、新検査に対して、都が補助金を出すなど支援した実績があるのか伺う。

回答
 職員の定期健康診断等を活用した臨床研究への協力については、受診者の同意の下、尿検体を都立駒込病院の臨床研究に対して提供した実績があります。
 がんの患者は、ジアセチルスペルミンという物質が尿中に増加する頻度が高いことがわかってきており、体に負担の少ない検査により、がんの早期発見につながる可能性があります。
 この臨床研究では大腸がんに着目し、定期健康診断等の受診者の尿検体を使用して、ジアセチルスペルミンの正常値と異常値を識別するための数値を設定することを目的に調査を行ったものです。
 平成20年度から平成24年度まで研究に協力し、延べ約25,000名の尿検体を駒込病院に提供しました。
 駒込病院がこの尿検体を調査した結果、ジアセチルスペルミンの値は性別、年齢などにより異なることが判明し、数値を判定する際に考慮すべき要因が明らかになるという成果がありました。
 なお、数値の高かった職員に対する再検査や駒込病院での相談は任意によるものであったため、十分な情報を集めることはできず、大腸がん識別のためのジアセチルスペルミン値の設定を確立するには至りませんでした。
 このため、臨床研究に協力した新検査を都職員の健康診断で導入した実績はありません。
 なお、平成10年度にがん検診事業が一般財源化されたことから、都では平成11年度から平成14年度までの間、国の研究班等において有効性を示唆された検査法を実施する区市町村に対して補助を行いました。
 現在では、区市町村が実施する対策型検診に導入される検査法は、国立がん研究センターにおいて死亡率減少効果があると有効性を評価し、ガイドラインを定めて推奨した中から、厚生労働省ががん検診の指針に定めることになっています。都は区市町村に対し、国がこの指針で定めた検査法を実施するよう働きかけており、指針に定められていない検査法に対する独自の補助は、平成15年度以降、行っていません。

質問事項
八 都立公園について
 子供たちのボール遊びに対する規制が強化されている。板橋区議会で子どもたち自身が区立公園でのボール遊びに対する陳情を提出する事態までになってる。都立公園におけるボール遊びに対する見解を伺う。周囲に迷惑をかけないようにしたうえで認めていくべきと考えるが、見解を伺う。さらに赤塚公園の沖山地区などにおけるボール遊びについての見解を伺う。

回答
 都立公園における一般的な広場は多くの方が安全に利用できるように、野球やサッカーなどの競技的な利用は禁止しています。
 ただし、親子でのキャッチボールやサッカーのパス練習などについては、他の利用者に支障のない範囲内で認めています。赤塚公園沖山地区にある広場も同様です。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 奥澤高広

質問事項
一 いじめ防止対策について
二 災害時の避難について
三 都立公園大改革について

一 いじめ防止対策について
1 軽微ないじめも見逃さない取組により、いじめ認知件数が増加してきたことは評価する一方で、いじめの未然予防や早期介入といった重篤化する前段階での対応が必要です。そのため、教員が軽微ないじめも見逃さず認知し、迅速且つ適切に対応することが重要と考えますが、見解を伺います。
2 また、子供や保護者が傍観者とならないよう指導・啓発することも重要であると考えますが、見解を伺います。
3 小学校低学年段階から、いじめを未然に防ぐためのプログラムを授業として盛り込むべきであると考えますが、見解を伺います。

二 災害時の避難について
1 令和元年度台風第15号及び第19号等に伴う防災対策の検証結果によりますと、今後新たに取り組むべき事項として、「避難所のペット対策」が挙げられています。
 一方で、総務省消防庁によると、災害時に自力で避難することが難しい高齢者や障害者に対し、避難手順を定めた個人別の支援計画を全員分策定している区市町村は全国で12.1%であるとのことであり、東京都においても、早急に全ての区市町村において、個別支援計画を策定すべきです。特に医療的ケアを必要とする方の支援についての指針を示すなど、未策定の区市町村を支援すべきと考えますが、見解を伺います。
2 また、台風19号発生時に避難所におけるホームレスの受け入れを巡る問題が露見した。災害対策基本法では、避難所について「被災した住民、その他の被災者を一時的に滞在させるための施設」として、全ての方を受け入れることが原則であるとしていますが、想定外の事態が発生した場合に判断を誤ることは想像に難くありません。そこで、例えば、今般のホームレス受け入れの問題をはじめ、避難対策についてこれまでの災害において発生した想定外の事例を区市町村から集め、その対応策を指針として示すなど、区市町村を支援すべきと考えますが、見解を伺います。

三 都立公園大改革について
1 国では、時代の変化を捉え、都市公園というストックを有効活用し、民間との連携によるポテンシャルの最大化を図るよう都市公園法の改正がなされました。東京都では、都立公園大改革を進める視点が示されましたが、Park-PFIや飲食店の設置、様々なイベントの開催などの推進にあたっては、その趣旨に沿ったルールづくりが必要になると考えますが、見解を伺います。
2 本年8月、都立公園である浜離宮恩賜庭園において、浜離宮大江戸文化芸術祭2019が開催され、多くの人が足を運びました。中でも、夜間に行われた浴衣フェスは、和太鼓やDJによる音の演出であり、こうした興行等を通じて、都立公園の新たな魅力を更に引き出していくことが重要です。一方で、その取組を検証することで、今後の民間事業者等の都立公園を活用した取組を推進すべきと考えます。そこで、都立公園大改革を更に前進させるという観点から、浜離宮大江戸文化芸術祭2019全体を通じての評価と検証について、見解を伺います。

令和元年第四回都議会定例会
奥澤高広議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 いじめ防止対策について
1 いじめの未然予防や早期介入といった重篤化する前段階での対応が必要である。そのため、教員が軽微ないじめも見逃さず認知し、迅速且つ適切に対応することが重要と考えるが、見解を伺う。

回答
 いじめを早期に解決するためには、軽微ないじめも見逃さない教員の鋭敏な感覚と組織的な対応力を高めることが必要です。
 そのため、都教育委員会は、全ての教員に配布している「いじめ総合対策」に、意図せずに行った行動が相手にとってはいじめに該当するなど、見逃しがちな軽微ないじめの具体例や、教員が気付いた子供の気になる様子を迅速に学校いじめ対策委員会に報告するなど、組織的な対応の在り方を示してきました。
 また、これらの取組を、全ての教員が確実に行うことができるようにするため、都内全ての公立学校で、年3回以上いじめに関する校内研修を実施することについて徹底を図っています。

質問事項
一の2 子供や保護者が傍観者とならないよう指導・啓発することも重要であると考えるが、見解を伺う。

回答
 学校がいじめを早期に発見し、重篤化する前に解決を図るためには、子供が、いじめを見て見ぬ振りせず、行動できるようにするとともに、保護者が相談しやすい学校の体制を構築することが必要です。
 そのため都教育委員会は、いじめを見聞きした時、どのようにすればよいか子供に考えさせる学習プログラムや、いじめ問題の解決に向けて生徒会等が主体的に取り組む事例等を、各学校の生活指導担当教員の連絡会において周知するなどしてきました。
 また、保護者会や学校便り等を活用して、教員やスクールカウンセラーによる学校の教育相談体制を周知することや、自分の子供のことのみならず、学級の様子等、気になる状況がある場合は学校に連絡するよう伝えることなどを「いじめ総合対策」に掲載し、学校を支援しています。

質問事項
一の3 小学校低学年段階から、いじめを未然に防ぐためのプログラムを授業として盛り込むべきであると考えるが、見解を伺う。

回答
 いじめを未然に防止するためには、子供たち自身が、いじめを自分たちの問題として主体的に考え、話し合い、行動できるよう、全ての教育活動を通じて、意図的・計画的に指導することが必要です。
 そのため都教育委員会は、「いじめ総合対策」に、いじめを未然に防止するための学習プログラムを掲載し、学校において、年3回以上、「いじめに関する授業」を実施するよう徹底を図っています。
 また、これらに加え、民間団体のいじめ防止に向けたプログラム等についても、都内全公立学校の担当者を対象とした連絡会等において周知するなどしています。

質問事項
二 災害時の避難について
1 総務省消防庁によると、災害時に自力で避難することが難しい高齢者や障害者に対し、避難手順を定めた個人別の支援計画を全員分策定している区市町村は全国で12.1%であるとのことであり、都においても、早急に全ての区市町村において、策定すべきである。特に医療的ケアを必要とする方の支援についての指針を示すなど、未策定の区市町村を支援すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 平成25年6月改正の災害対策基本法では、区市町村長が高齢者や障害者等の避難行動要支援者名簿を作成することを義務付けており、同年8月策定の内閣府の指針では要支援者の個別計画を策定するよう求めています。
 都は、個別計画の策定に取り組む区市町村を包括補助で支援するとともに、区市町村の担当者を対象とした研修会を開催し、計画策定に関する先行事例などを紹介しています。
 また、区市町村向けに、医療的ケアなどが必要な方へ適切な避難支援等を行うための指針を策定しています。特に避難までに周到な準備が必要な在宅人工呼吸器使用者に関する指針や手引を策定し、平常時からの準備や災害発生時の対応方法、個別計画策定のポイントなどを示しています。
 区市町村では、こうした指針等も参考にしながら、様々な検討を重ね個別計画の策定を進めており、都は引き続き区市町村の取組を支援していきます。

質問事項
二の2 災害対策基本法では、避難所について、全ての方を受け入れることが原則であるとしているが、想定外の事態が発生した場合に判断を誤ることは想像に難くない。例えば今般のホームレス受け入れの問題をはじめ、避難対策についてこれまでの災害において発生した想定外の事例を区市町村から集め、その対応策を指針として示すなど、区市町村を支援すべきと考えるが、見解を伺う。

回答
 発災時において的確な避難対策を行うためには、災害によって得た教訓を生かし、区市町村に対する支援を講ずることが重要です。
 今回の検証では、区市町村にヒアリングを行い、避難勧告・命令などの避難情報の発令のタイミングや、風水害時の一時的な避難先となる施設の不足など、様々な課題が明らかになりました。
 そこで、区市町村が気象情報などに応じた避難情報を的確に発令するための新たなガイドラインの策定や、風水害時の住民の安全な避難先を確保するため、都立一時滞在施設を活用していきます。
 検証結果を踏まえたこうした取組を通じ、避難対策における区市町村等の関係機関との連携を一層高めていきます。

質問事項
三 都立公園大改革について
1 国では、都市公園というストックを有効活用し、民間との連携によるポテンシャルの最大化を図るよう都市公園法の改正がなされた。都では、都立公園大改革を進める視点が示されたが、Park-PFIや飲食店の設置、様々なイベントの開催などの推進にあたっては、その趣旨に沿ったルールづくりが必要になると考えるが、見解を伺う。

回答
 平成29年の都市公園法改正により、飲食店、売店等の収益施設の設置、管理と、その施設から生ずる収益を活用し周辺の園路等の整備、改修を一体的に行う者を公募により選定する制度、いわゆるPark-PFIが創設され、これに合わせて、同年、東京都立公園条例を改正しています。
 都はこれまでも、飲食店の設置については、防災性の向上や緑の保全など公園の本来機能を確保しつつ、公園ごとの個性や特性などを踏まえ、上野恩賜公園や駒沢オリンピック公園において、民間を活用したカフェやレストランを導入しています。
 また、イベントについても、騒音などの周辺の影響を配慮しながら、民間企業などが開催できるよう広場などの園地を提供しています。

質問事項
三の2 本年8月、都立公園である浜離宮恩賜庭園において、浜離宮大江戸文化芸術祭2019が開催された。その取組を検証することで、今後の民間事業者等の都立公園を活用した取組を推進すべきと考える。都立公園大改革を更に前進させるという観点から、浜離宮大江戸文化芸術祭2019全体を通じての評価と検証について、見解を伺う。

回答
 浜離宮恩賜庭園において令和元年8月23日から25日まで開催された「浜離宮大江戸文化芸術祭2019」は、浴衣や和太鼓など日本の歴史伝統文化に触れるイベントとして、指定管理者である公益財団法人東京都公園協会が実施しました。
 民間企業とも連携した企画により、江戸文化を代表する大名庭園としての歴史的価値とともにライトアップや音の演出による新たな庭園の魅力を幅広い世代に発信した、指定管理者の自主的な取組として評価できます。
 指定管理者からの報告では、3日間の開催で1万人を超える来園者があり、アンケートでも多くの来園者に好評を博したことを確認しています。
 今後も、指定管理者や民間団体などと連携を図り、地域の理解を得られるよう努めながら、都立公園の魅力の向上に努めます。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 星見てい子

質問事項
一 後期高齢者医療制度について
二 都営住宅・都施行型都民住宅について
三 民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテストについて

一 後期高齢者医療制度について
 後期高齢者医療の保険料率は、2年ごとの見直しで新年度から変更されます。東京都後期高齢者広域連合が11月に公表した「令和2・3年度の保険料率について(算定案)」では、平均保険料が今年度比で4.3%の値上げで10万1,254円と、制度導入以来、初めて10万円を突破し、1月末には決定される予定です。
 また、縮小されてきた国の低所得者への保険料軽減措置は、本年10月で終了しました。年収80万円までの9割軽減対象者は、軽減特例の廃止で2018年度・年額4,300円だった保険料が、12,900円と3倍になりました。年収168万円までは、2020年10月で8.5割軽減を終了し、2021年までに本則の7割軽減になり保険料を引き上げられます。
 この影響を受ける都民の負担増は、年収80万円以下で約32万9,000人・28億5,000万円、156万円以下では約26万8,000人・17億4,000万円と、東京都後期高齢者広域連合は試算しており、合わせて加入者の約4割に当たる59万7,000人で45億9,000万円にもなります。
 東京都の後期高齢者医療保険料の滞納に伴う差し押さえは317人、短期証は1,361人に及んでいます。こうしたもとで、保険料を引き下げることは、東京都が都民の健康と暮らしを守るうえで重要な課題であり、東京都後期高齢者広域連合と区市町村への支援を、都が行うべきと考え、以下、質問します。
1 財政安定化基金は、「高齢者の医療の確保に関する法律」第116条第1項の規定に基づき、保険料未納リスク、給付増リスクなどの財源不足に対応することが本則ですが、2010年度から、特例で保険料増加抑制にも使えるようになりました。その背景と内容を伺います。
2 東京都後期高齢者医療の財政安定化基金の残額はいくらありますか。
3 2014年、2016年の保険料率改定では、保険料抑制のために財政安定化基金145億円の活用を算定に加えました。新年度からの平均保険料は制度導入以来、初めて10万円を突破する予定です。そのうち、すべての加入者に影響する均等割額は、連続値上げで4万4,200円にもなります。新年度からの保険料率の確定では、財政安定化基金は活用しない算定ですが、本来、特例で導入された「保険料増加抑制に対応する」の目的にふさわしく活用するべきです。都の考え方をお聞きします。
4 区市町村は、都民の保険料を抑制して後期高齢者医療を支えるために、独自に一般会計から繰り出し、葬祭費などに215億円を負担する予定です。東京都全域の後期高齢者の医療の問題であり、東京都も支援をすべきです。
 東京都が区市町村と同様に、東京都後期高齢者広域連合と協議して一般会計から法定外の財政支援を行った場合、法的問題があるのかをお聞きします。ある場合は具体的に法や政令の何に抵触するのかをお示しください。
5 今年10月に廃止になった低所得者への保険料軽減措置の復活・継続を、区市町村と協力し、国に要望すべきです。また、当面、東京都として独自に低所得者の保険料軽減制度の創設を求めます。見解を伺います。
6 高い保険料によって滞納者への差し押さえが進んでいます。その背景には、保険料等の負担増とともに、広域連合が高い保険料収納率を各自治体に求めていることが挙げられます。「平成31年度東京都後期高齢者医療広域連合保険料収納対策実施計画」では、「平成29年度の全国平均保険料収納率99.36%を上回ることを目標にする」として、各区市町村に収納率向上を求めています。滞納者の多くは、年金から引き落とす特別徴収のできない年金の受給額が年額18万円未満の都民です。75歳を超える高齢者への差し押さえは、人道問題だと言わざるを得ません。
 指導・監督をしている都として東京都後期高齢者医療広域連合に対し、〔1〕収納率向上を目的とする計画作成はやめること。〔2〕「有効期限の短い被保険者証の活用」はやめ、保険証は無条件で発行すること。〔3〕区市町村に「滞納処分を積極的に行うことにより、現年度分及び滞納繰越分収納率の向上を図る」を求めるのをやめること。以上の指導を求め、見解を伺います。
7 後期高齢者医療は、75歳以上という医療費給付が高くなる年齢層を集めた世界でも類を見ない差別医療です。この制度である限り、保険料は、青天井に上がり続け高齢者の命も生活も破壊するものです。加えて、75歳以上の医療費窓口負担を、1割負担から2割負担に引き上げる議論が、政府と自民党・公明党のもとで進んでおり、75歳以上の高齢者への医療にともなう負担増は、健康と暮らしを破壊しかねない状況です。
 都は、国に対して、後期高齢者医療制度を廃止し、都民の命を守れる制度に変えるよう強く提案・要望すべきです。見解を伺います。

二 都営住宅・都施行型都民住宅について
1 12月2日に落札された都営目黒1丁目団地27号棟跡地に伴う「都営目黒一丁目団地基本計画」業務委託について質問します。
ア 設計の概要として、「新築工事、鉄筋コンクリート造 共同住宅 20戸程度」とありますが、20戸程度にした算定根拠をお聞きします。
イ 「接道部分の既存擁壁の診断及び概算工事費を算出すること」とありますが、既存擁壁について、新築工事を進めるために必要な考え方について伺います。
ウ 本業務委託の契約期間は、令和2年3月18日までです。「都営目黒一丁目団地基本計画」が提出されたのち、誰がどのように検討するのかを伺います。
2 都施行型都民住宅として20年目を迎え家賃補助が本年度で終了する八雲1丁目アパートについて以下伺います。
ア 八雲1丁目アパートの都民住宅管理戸数は2棟で117戸ですが、空き住戸が6月25戸、12月26戸と増え、およそ4戸に1戸が空き家の状況です。特に、約65平方メートルで2DK・3DKの住戸は、所得区分Ⅰ−1以外の家賃が16万6,100円で12月現在20戸も空き、令和元年6月募集では応募がほとんどない状況です。近隣の住宅に比べて家賃が高いのではないですか。
イ 次回の家賃の見直しは、いつどのように行われますか。その算定根拠は公表されますか。
ウ 住民から「電気代など共用部分の費用として集めている管理費は、空き住戸の分を都が負担すべき」との意見があります。現在、共益費のうち共用設備の電気料金は、空き住戸が全戸数の1割を超えると、都が負担することとなっていますが、八雲1丁目アパートの都民住宅部分はこの対象になっていますか。また、なぜ1割を超えないと都は負担をしないのか根拠を伺います。比率に関係なく空き住戸分の共益費は、住民負担が増えないよう都が負担すべきであり改善を検討すべきです。見解を伺います。
エ 20年前の入居当時は、都民住宅に入居するに相応な基準の収入があった世帯であっても、家族構成の変化や病人などにより収入が大きく減っている世帯があります。次の住居を見つけられない場合などは、家賃や新たな住居の確保など、都として福祉的な対応が必要と考えますが、見解を伺います。
オ 八雲1丁目アパートは、全4棟・総戸数300戸ですが、うち2棟117戸が都民住宅で、他は都営住宅です。特に、5号棟は棟内で都営住宅と都民住宅が合築になっています。目黒区は、公営住宅が最も少ない地域で、都民住宅の空き住戸を順次都営住宅に変更してほしいとの要望が地域住民からあります。
 都施行型都民住宅の都営住宅への転用は、法的に不可能ですか。見解を伺います。また、都が新たに指定を行えば可能と考えますが、いかがですか。

三 「民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト」について
1 都教育委員会は、都立高校入試に英語「話すこと」の評価を導入するために、「スピーキングテストの問題及び評価の在り方、具体的な実施・運営方法等について検証する。検証結果を踏まえ、平成31年度以降に実施予定であるプレテストの確実かつ円滑な実施に資する。」として、2018年度、都内公立中学校8校に在籍する第3学年全生徒1,035名を対象に英語「話すこと」の評価に関するフィージビリティ調査(実行可能性調査)が実施されました。
 事業者の協力がありましたか。あった場合は、事業者はどこですか。
2 フィージビリティ調査の協力事業者は、誰が、どのように選定したのですか。
3 フィージビリティ調査で使用したアプリを設定したタブレット機器は、どのように調達したのですか。アプリは、誰が開発したものですか。
4 フィージビリティ調査での生徒の採点・評価は、どこで誰が行ったのですか。国内か国外かもお聞きします。
5 2019年3月に、「民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業」の事業者が公募されましたが、応募希望事業者は何社ありましたか。また、4月の事業者応募は何社でしたか。
6 「民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業」の事業者に、ベネッセ・コーポレーションを選んだ評価をお聞きします。
7 ベネッセ・コーポレーションが高校向けに配布した資料に、大学入学共通テストに向けた記述式の採点基準の作成などで助言事業を請け負っている旨の記載があり、模擬試験や対策講座などのほかの営業活動に利用した疑いがあると国会で指摘されました。文科省は「採点業務の中立性、信頼性に疑念を招く(行為があった)」と、今後厳重に抗議し、是正を促すことを11月に表明しましたが、都教育委員会としてベネッセ・コーポレーションから事実経過などについて報告などを受けていますか。
8 民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業における民間の活用は、なぜ「委託」ではなく「基本協定」にしたのですか。
9 民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業は、「基本協定その1」を締結後、東京都教育委員会及び事業予定者の双方で合意に至った事項を記載した「基本協定その2」を締結していますが、双方で合意に至り、変更・追加された協定事項を伺います。
10 民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業の募集要項には、「事業者は、国外における個人情報の取り扱いについて、本事業の目的の達成を害さないことが確認できる方法及び範囲に限り、かつ、国外の適用法令を遵守するとともに、国内の扱いに準じた管理を行います」とありますが、生徒の回答など個人情報が国外に持ち出されることを、想定していたのですか。
11 本年12月まで行われている東京都中学校英語スピーキングテストの採点評価は、どこでどのように行われていますか。
12 英語スピーキングテストは採点・評価が難しく、入試など1点、2点を争う評価に導入するのは公平性に大きな問題があると指摘されています。都教育委員会は、どのように考えていますか。公平性をどのように担保する計画ですか。

令和元年第四回都議会定例会
星見てい子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 後期高齢者医療制度について
1 財政安定化基金は、「高齢者の医療の確保に関する法律」第116条第1項の規定に基づき、保険料未納リスク、給付増リスクなどの財源不足に対応することが本則だが、2010年度から、特例で保険料増加抑制にも使えるようになった。その背景と内容を伺う。

回答
 国が、平成21年度に、平成22年度及び平成23年度の保険料額の試算を行ったところ、全国ベースで、平成20年度及び平成21年度に比べ、約13.8パーセント増加することが見込まれました。
 こうしたことを踏まえ、国は、高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正し、当分の間、保険料の増加抑制の費用に充てるため、財政安定化基金を取り崩し、後期高齢者医療広域連合に特例的に交付することができることとしました。

質問事項
一の2 東京都後期高齢者医療の財政安定化基金の残額はいくらあるか、伺う。

回答
 東京都後期高齢者医療財政安定化基金の平成31年3月末時点における残高は、21,182,036,206円です。

質問事項
一の3 2014年、2016年の保険料率改定では、保険料抑制のために財政安定化基金145億円の活用を算定に加えた。新年度からの保険料率の確定では、財政安定化基金は活用しない算定だが、特例で導入された「保険料増加抑制に対応する」の目的にふさわしく活用すべきであるが、見解を伺う。

回答
 後期高齢者医療の保険料は、制度を運営する東京都後期高齢者医療広域連合が、東京都後期高齢者医療広域連合議会での審議を経て、設定するものです。
 国は、保険料率の算定に当たり、財政運営期間を通じて生じた剰余金を、原則として、次期財政運営期間における収入として繰り入れることとしています。
 また、保険料増加抑制のために財政安定化基金からの交付を見込む場合については、各都道府県と協議を行うこと、その際は次期保険料率改定において保険料増加要因となり得ることに留意すべきとしています。
 こうしたことを踏まえ、令和2年1月30日開催の令和2年第1回広域連合議会定例会において、平成30年度及び令和元年度の保険財政運営期間における剰余金を収入として見込み、財政安定化基金を活用しない令和2年度及び令和3年度の保険料率の改定案を含む東京都後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例案が、議決されました。

質問事項
一の4 都が区市町村と同様に、東京都後期高齢者広域連合と協議して一般会計から法定外の財政支援を行った場合、法的問題があるのか伺う。ある場合は具体的に法や政令の何に抵触するのかを伺う。

回答
 高齢者の医療の確保に関する法律第103条では、都道府県、市町村及び後期高齢者医療広域連合は、第96条、第98条、第99条及び第116条第5項に規定するもののほか、後期高齢者医療に要する費用に対し、補助金を交付し、又は貸付金を貸し付けることができるとしています。
 一般会計からの法定外の財政支援については、法令上の定めはありません。
 しかし、後期高齢者医療制度の財源は、1割を被保険者の保険料、4割を現役世代からの後期高齢者支援金、5割を公費で賄うことが原則であり、他の保険制度における被保険者との負担の公平性を図る観点からも法定外の財政支援については慎重に対応すべきと考えます。

質問事項
一の5 今年10月に廃止になった低所得者への保険料軽減措置の復活・継続を、区市町村と協力し、国に要望すべきである。また、当面、都として独自に低所得者の保険料軽減制度の創設を求めるが、見解を伺う。

回答
 後期高齢者医療制度の保険料の均等割に係る軽減特例の見直しに当たって、国は、介護保険料の軽減の拡充や年金生活者支援給付金の支給と併せて実施するほか、年金生活者支援給付金の対象とならない方については、令和元年10月から1年間、軽減特例に係る国庫補助の廃止により負担増となる所要額について特例的に補てんを行うこととしています。
 都は、国に対し、現行制度の見直しを行う場合には、地方自治体や保険者などの関係団体等と十分協議するとともに、被保険者に十分配慮し、丁寧な説明と周知を図るよう提案要求しています。
 また、法令等に基づき、保険料の軽減について、国や区市町村とともに既に応分の負担を行っています。

質問事項
一の6 指導・監督をしている都として、東京都後期高齢者医療広域連合に対し、〔1〕収納率向上を目的とする計画作成はやめること、〔2〕「有効期限の短い被保険者証の活用」はやめ、保険証は無条件で発行すること、〔3〕区市町村に「滞納処分を積極的に行うことにより、現年度分及び滞納繰越分収納率の向上を図る」を求めるのをやめること、以上の指導を求めるが、見解を伺う。

回答
 保険料の収納対策について、国は、効果的かつ効率的な取組を行うため、以下の事項等に留意した上で、広域連合において、年度ごとに、具体的な実施計画を策定することとしています。
 ・被保険者と接触して納付相談等の機会を増やすことが重要であることから、広域連合においては短期被保険者証の交付を繰り返し行うこと。
 ・市町村において、きめ細かな収納対策を適切に行った上で、保険料の納付につき十分な収入、資産等があるにもかかわらず、なお、保険料を納めない被保険者に対し、高齢者の医療の確保に関する法律第113条の規定に基づく滞納処分を積極的に行うこと。
 これを踏まえ、広域連合では、収納対策実施計画を策定し、区市町村の収納対策の実施を支援しており、都としても適切に運用しているものと認識しています。

質問事項
一の7 都は、国に対して、後期高齢者医療制度を廃止し、都民の命を守れる制度に変えるよう強く提案・要望すべきであるが、見解を伺う。

回答
 後期高齢者医療制度は、国民皆保険を堅持する観点から、財政運営主体の明確化及び高齢者と現役世代の負担の明確化を図り、高齢者の医療を社会全体で支えるために構築された制度であると認識しています。
 都は、国に対し、「後期高齢者医療制度における保険料負担や財政安定化基金の在り方について考えを示すこと。」「現行制度の見直しに当たっては、地方自治体や保険者などの関係団体等と十分協議するとともに、被保険者に配慮すること。また、必要な財源を確保すること。」などについて、提案要求しています。

質問事項
二 都営住宅・都施行型都民住宅について
1 27号棟跡地に伴う「都営目黒一丁目団地基本計画」業務委託について
ア 設計の概要として、「新築工事、鉄筋コンクリート造共同住宅20戸程度」とあるが、20戸程度にした算定根拠を伺う。

回答
 本敷地は狭小で周囲との高低差もあることから、日影規制をはじめ、現行法令に基づき、おおむね建設可能な戸数として20戸程度を設定しています。

質問事項
二の1のイ 「接道部分の既存擁壁の診断及び概算工事費を算出すること」とあるが、既存擁壁について、新築工事を進めるために必要な考え方について伺う。

回答
 本敷地は狭小であることに加え、南西側は道路に面して最高約3メートルの擁壁となっていることから、建築計画に際しては、擁壁の安全性を検証した上で、場合によってはその再整備も含め、敷地の安全性を確保することが重要となります。
 そのため、本委託において、既存擁壁について現況を調査した上で、既存の擁壁をいかしながら建物を整備する場合、若しくは擁壁を作り変えて建物を整備する場合について、費用を含めた検討を行うものです。

質問事項
二の1のウ 本業務委託の契約期間は、令和2年3月18日までである。「都営目黒一丁目団地基本計画」が提出されたのち、誰がどのように検討するのか、伺う。

回答
 東部住宅建設事務所が業務委託の成果物をもとに、本敷地における都営住宅の建設の可否等について検討していきます。

質問事項
二の2 八雲1丁目アパートについて
ア 都民住宅管理戸数のおよそ4戸に1戸が空き家の状況である。特に、約65平方メートルで2DK・3DKの住戸は、所得区分Ⅰ-1以外の家賃が16万6,100円で12月現在20戸も空き、令和元年6月募集では応募がほとんどない状況である。近隣の住宅に比べて家賃が高いのではないか、伺う。

回答
 都施行型都民住宅の使用料は、東京都地域特別賃貸住宅条例又は東京都特定公共賃貸住宅条例に基づき、近隣の民間賃貸住宅の家賃水準等を考慮して定めることとしています。八雲一丁目アパートの都施行型都民住宅は近隣の民間賃貸住宅と比べて、住戸面積が広く、その使用料は面積に応じて高い金額となっています。

質問事項
二の2のイ 次回の家賃の見直しは、いつどのように行われるか。その算定根拠は公表されるか、伺う。

回答
 都施行型都民住宅の使用料は、条例により近隣の民間賃貸住宅の家賃水準等を考慮して定めることとされており、2年毎に改定を行っています。次回は、令和2年12月に改定を予定しています。
 使用料改定に当たっては、不動産鑑定士による市場家賃調査を実施し、調査の結果、その時点の使用料と市場家賃が5パーセント以上乖離している場合に所要の改定を行っています。
 この使用料の算定の考え方については、都民住宅の個々の入居者に対して、使用料改定前にお知らせしています。
 個別の住宅の使用料算定根拠については、開示請求があれば東京都情報公開条例に基づき、適切に対応していきます。

質問事項
二の2のウ 共益費のうち共用設備の電気料金は、空き住戸が全戸数の1割を超えると、都が負担することとなっているが、八雲1丁目アパートの都民住宅部分はこの対象になっているか。なぜ1割を超えないと都は負担をしないのか根拠を伺う。比率に関係なく空き住戸分の共益費は、住民負担が増えないよう都が負担すべきであり改善を検討すべきであるが、見解を伺う。

回答
 都施行型都民住宅の共益費は、共同施設の維持管理に要する費用であり、東京都地域特別賃貸住宅条例又は東京都特定公共賃貸住宅条例に基づき、入居者の共通の利益を図るために入居者が負担すべき費用として、修繕や入居手続のための一時的な空室も含め入居者の負担としています。
 ただし、共用設備の電気料金は、共益費の中でも大きなウェイトを占めることから、入居者の負担軽減のため、他の自治体の例も参考に、空き住戸が1割を超える場合には都が負担することとしています。
 八雲一丁目アパートについては、令和元年12月末現在、都は負担していませんが、今後、空き住戸の状況により、負担する場合もあります。

質問事項
二の2のエ 20年前の入居当時は、都民住宅に入居するに相応な基準の収入があった世帯であっても、収入が大きく減っている世帯がある。次の住居を見つけられない場合などは、家賃や新たな住居の確保など、都として福祉的な対応が必要と考えるが、見解を伺う。

回答
 都民住宅の入居者のうち、共益費を除く家賃の負担月額が、世帯の年間総収入を月額に換算した額の20パーセント以上になる場合など、一定の条件に合致する場合には、都営住宅への申込みを可能としています。
 また、高齢者や心身障害者世帯など一定条件に合致する場合には、優遇抽せんの対象ともしています。
 こうした制度について、都営住宅の募集要項で案内しているほか、東京都住宅供給公社の窓口センターにおいて、日常的に入居者の個別相談に対応しています。

質問事項
二の2のオ 目黒区は、公営住宅が最も少ない地域で、都民住宅の空き住戸を順次都営住宅に変更してほしいとの要望が地域住民からある。都施行型都民住宅の都営住宅への転用は、法的に不可能か、見解を伺う。また、都が新たに指定を行えば可能と考えるが、見解を伺う。

回答
 都施行型都民住宅については、これまでも使用料改定や入居者募集に当たり、PRの強化や申込方法の改善などの取組により、空き住戸の解消を図っています。
 都営住宅など他の用途へ転用するため、都施行型都民住宅の用途を廃止することについては、入居者募集のための処置を講じたにもかかわらず入居者がないなどの場合に、国の承認によって法的には可能です。しかしながら、都営住宅への転用については、地域の住宅需要や住宅の立地条件等を踏まえた慎重な整理が必要と考えます。

質問事項
三 「民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト」について
1 2018年度、都内公立中学校8校に在籍する第3学年全生徒1,035名を対象に英語「話すこと」の評価に関するフィージビリティ調査(実行可能性調査)が実施された。事業者の協力があったか。あった場合は、事業者はどこか伺う。

回答
 公益財団法人日本英語検定協会に委託し、実施しました。

質問事項
三の2 フィージビリティ調査の協力事業者は、誰が、どのように選定したのか、伺う。

回答
 東京都が、競争入札により選定し、公益財団法人日本英語検定協会を受託者として決定しました。

質問事項
三の3 フィージビリティ調査で使用したアプリを設定したタブレット機器は、どのように調達したのか。アプリは、誰が開発したか、伺う。

回答
 受託者である公益財団法人日本英語検定協会が保有しているタブレット機器を使用しました。
 また、アプリケーションソフトは、受託者が開発しました。

質問事項
三の4 フィージビリティ調査での生徒の採点・評価は、どこで誰が行ったか。国内か国外かも伺う。

回答
 セキュリティが担保された国内の採点拠点で、高い英語力及び英語指導の専門性を兼ね備えた専任スタッフが採点を行いました。

質問事項
三の5 2019年3月に、「民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業」の事業者が公募されたが、応募希望事業者は何社あったか。また、4月の事業者応募は何社だったか伺う。

回答
 応募希望事業者及び事業応募者は、ともに4社です。

質問事項
三の6 「民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業」の事業者に、ベネッセ・コーポレーションを選んだ評価を伺う。

回答
 当該事業者の選定に当たっては、〔1〕「話すこと」の指導の充実のため、問題や採点基準を公表する等、都教育委員会が募集要項に掲げた事業目的を十分に理解していること、〔2〕既存の資格・検定試験の実績により試験運営可能な事業基盤が構築されており、本事業を実施するに当たっての体制が整っていること、〔3〕不正行為防止対策や、解答データの録音トラブルへの対応等、公正・公平な受験環境の整備や実施上の安全性を担保していること、〔4〕受験者がタブレット端末に慣れることも考慮して本事業を周知する等、具体的な周知計画が立てられていること、以上4点を優れている点として評価しました。

質問事項
三の7 ベネッセが高校向けに配布した資料に、大学入学共通テストに向けた助言事業を請け負っている旨の記載があり、模擬試験や対策講座などのほかの営業活動に利用した疑いがあると国会で指摘された。文科省は「採点業務の中立性、信頼性に疑念を招く」と、抗議し是正を促すことを11月に表明したが、都教育委員会としてベネッセから事実経過などについて報告などを受けているか伺う。

回答
 5月に事業予定者として当該事業者を決定以降、都教育委員会と事業者との間で随時連絡会を行っており、その中で報告を受けています。

質問事項
三の8 民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業における民間の活用は、なぜ「委託」ではなく「基本協定」にしたのか伺う。

回答
 事業者側の技術革新等による提案を随時生かす、事業者の既存のスキームを活用することによりコストを低廉化する、事業者の資格・検定試験として、私立高校、他道府県で活用することを可能とする、などの理由により、「委託」ではなく、「協定」締結という仕組みにしました。

質問事項
三の9 民間資格・検定試験を活用した東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業は、「基本協定その1」を締結後、都教委及び事業予定者の双方で合意に至った事項を記載した「基本協定その2」を締結しているが、双方で合意に至り、変更・追加された協定事項を伺う。

回答
 「基本協定その1」は、当該事業者が最優秀事業応募者として決定されたことを確認し、「基本協定その2」の締結に向けた、双方の義務等について定めています。
 また、「基本協定その2」は、本事業に関する基本的事項、実施運営、その他本事業の円滑な実施に必要な諸手続等について定めています。
 なお、「基本協定その1」締結後に、その内容に関し、「基本協定その2」において変更・追加された協定事項はありません。

質問事項
三の10 東京都中学校英語スピーキングテスト(仮称)事業の募集要項には、「事業者は、国外における個人情報の取り扱いについて、本事業の目的の達成を害さないことが確認できる方法及び範囲に限り、かつ、国外の適用法令を遵守するとともに、国内の扱いに準じた管理を行います」とあるが、生徒の回答など個人情報が国外に持ち出されることを、想定していたのか伺う。

回答
 一般的に民間の資格・検定試験において、採点が国内外で実施されている状況を踏まえ、国外での採点の可能性を排除しないという観点から、国外における個人情報の取り扱いについて、募集要項に規定しました。

質問事項
三の11 本年12月まで行われている東京都中学校英語スピーキングテストの採点評価は、どこでどのように行われているか伺う。

回答
 都教育委員会の監修の下、セキュリティが担保された国内外の採点拠点で、高い英語力及び英語指導の専門性を兼ね備えた専任スタッフが、採点を行っています。

質問事項
三の12 英語スピーキングテストは採点・評価が難しく、入試など1点、2点を争う評価に導入するのは公平性に大きな問題があると指摘されている。都教育委員会は、どのように考えているか。公平性をどのように担保する計画か伺う。

回答
 都教育委員会が監修した評価の基準に基づき、高い英語力及び英語指導の専門性を兼ね備えた複数の専任スタッフが採点業務を行うことにより、採点の精度を高め、公平性を確保していきます。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 中村ひろし

質問事項
一 都道について
二 児童相談所について

一 都道について
1 道路交通法では自転車は軽車両として原則車道を走ることになっていますが、これまではどちらかというと歩道を走る自転車が多く、近年、あらためて警察庁が原則を徹底するようになりました。現在、自転車がどこを走るか分かりにくくなっています。都道において、自転車通行空間の整備手法をどのように選定し整備しているのか伺います。
2 今定例会に「都道における道路構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例」が提出されました。今回、道路構造令の一部改正により、「自転車通行帯」が新たに規定されました。自転車通行帯は歩道と完全に切り分けるため、歩行者の安全は増しますが、車道のため当然のことながら左側通行となるため、広い幹線道路で中央分離帯がある場合にはかなり迂回しなければならなくなります。道路幅があれば、歩道部の自転車通行空間も、自転車通行帯も両方整備できるのですが、現状は困難となっています。今回の条例改正を受けて、今後、都道の構造を変えるのか、どのように整備するのか、伺います。
3 都道において、歩道の中に設置された自転車通行空間では、店舗や住宅の入り口の切り下げや、接続する道路との交差部において視覚障がい者のために段差が設けられています。自転車で走行すると段差が激しく走りにくくなっています。そのため、歩道に自転車通行空間があっても車道を走行する自転車が多く、車道の幅がないと自動車の渋滞が起こる場所も目にします。交差部の縁石による段差は、視覚障がい者の安全な歩行確保のためにあるなら、歩行者通行部分と自転車通行部分の間に段差があればよく、今のままだと、視覚障がい者の方が自転車と接触する恐れもあり、段差をつける場所が違っているのではないかと考えます。自転車通行空間は、自転車にとって走りやすくすべきですが見解を伺います。
4 店舗や住宅の入り口では自動車が出入りするために、歩道が切り下げられています。自転車も走りにくいだけではなく、車椅子の方は通行する際、かなり傾くため、安心して通ることができません。歩道の幅員全体を切り下げるのではなく、車道との接続部分だけを斜めにすればよいのではないかと考えますが見解を伺います。

二 児童相談所について
1 今定例会では、児童相談所を設置する区を都の児童相談所の所管区域から除外するとの条例が提案されました。今後、他の区も同様の動きがあると推測されます。今回、世田谷児童相談所を廃止し狛江市が多摩児童相談所の所管区域になるよう提案されていますが、混乱がないようにしなければなりません。児童相談所の設置に関して地元自治体、関係者に周知し、丁寧に説明する必要がありますが、取り組みを伺います。
2 杉並児童相談所は、三鷹市、武蔵野市、中野区、杉並区の4市区を所管区域としています。仮に、中野区、杉並区にも児童相談所が設置されれば杉並児童相談所の存立に影響を与えます。今後、どのような予定になっているのか伺います。
3 杉並児童相談所について、三鷹市、武蔵野市にも影響があることから、両市の意見も聴き、丁寧な情報提供も必要です。また、両市の児童相談体制が弱体化することが絶対にあってはなりません。都の見解を伺います。
4 以前、保健所が統廃合されサービスの低下が懸念されたこともありますが、東京全体としての児童相談所の体制を弱体化させることもあってはなりません。まだまだ、職員の不足が言われる中で、区部との人材の取り合いになったり、区部への偏重になったりと、多摩地域での体制が弱くならないようにする必要があります。3区が児童相談所を設置しても、都のすべての児童相談所で児童福祉司の増員など体制を強化していかなければならないのですが、見解を伺います。

令和元年第四回都議会定例会
中村ひろし議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都道について
1 道路交通法では自転車は軽車両として原則車道を走ることになっているが、近年、あらためて警察庁が原則を徹底するようになった。現在、自転車がどこを走るか分かりにくくなっている。都道において、自転車通行空間の整備手法をどのように選定し整備しているのか伺う。

回答
 自転車通行空間の整備に当たっては、歩行者、自転車、自動車の交通量、道路幅員や駐停車車両など、道路の状況を把握するための調査を実施しています。
 この調査結果に基づき、交通管理者と十分協議の上、車道を利用した自転車レーンや広い歩道での構造的分離・視覚的分離など、地域の道路事情に応じた手法により整備を進めています。

質問事項
一の2 今定例会に「都道における道路構造の技術的基準に関する条例の一部を改正する条例」が提出された。今回、道路構造令の一部改正により、「自転車通行帯」が新たに規定された。今回の条例改正を受けて、今後、都道の構造を変えるのか、どのように整備するのか、伺う。

回答
 今回の条例改正も踏まえ、引き続き自転車を安全かつ円滑に通行させるため、新たに整備する都道における自転車通行帯の設置の推進を図ります。
 都道の構造については、限られた道路幅員の中での自転車通行空間の確保や、歩行者、自転車、自動車の交通量、駐停車車両や沿道の状況等を踏まえ、国のガイドライン等に基づき、自転車レーンや広い歩道を活用した構造的分離や視覚的分離など、地域の道路事情に応じた手法により整備していきます。

質問事項
一の3 都道において、交差部の縁石による段差は、視覚障がい者の安全な歩行確保のためにあるなら、歩行者通行部分と自転車通行部分の間に段差があればよく、今のままだと、視覚障がい者の方が自転車と接触する恐れもあり、段差をつける場所が違っているのではないかと考える。自転車通行空間は、自転車にとって走りやすくすべきだが見解を伺う。

回答
 自転車歩行者道において自転車通行空間を整備する場合は、交通管理者と十分な協議の上、可能な限り、歩行者と自転車の通行部分を植樹帯などにより分離する構造的分離で整備しています。
 構造的分離のための幅員が確保できない場合は、カラー舗装による視覚的分離で整備しています。
 これらの整備に当たり、交差点部においては、自転車同士や歩行者と自転車との交錯の危険性などにより、構造的分離や視覚的分離をせずに整備しています。

質問事項
一の4 店舗や住宅の入り口では自動車が出入りするために、歩道が切り下げられている。自転車も走りにくいだけではなく、車椅子の方は通行する際、かなり傾くため、安心して通ることができない。歩道の幅員全体を切り下げるのではなく、車道との接続部分だけを斜めにすればよいのでないかと考えるが見解を伺う。

回答
 都は、東京都福祉のまちづくり条例による施設整備マニュアル等に基づき、車乗り入れ部が平坦なセミフラット形式の歩道を原則として整備しています。
 なお、マウントアップ形式の歩道の車乗り入れ部においては、可能な限り平坦部を確保し整備しています。

質問事項
二 児童相談所について
1 今定例会では、児童相談所を設置する区を都の児童相談所の所管区域から除外するとの条例が提案された。世田谷児童相談所を廃止し狛江市が多摩児童相談所の所管区域になるよう提案されているが、混乱がないようにしなければならない。児童相談所の設置に関して地元自治体、関係者に周知し、丁寧に説明する必要があるが、取り組みを伺う。

回答
 世田谷区の児童相談所設置に伴う都の世田谷児童相談所の取扱いについては、これまで、狛江市からも意見を伺っており、東京都児童相談所条例の改正に係る議案についても、情報提供をしています。
 世田谷区、荒川区及び江戸川区の児童相談所設置に伴う、都の児童相談所の管轄区域の変更については、関係する区市と連携し、児童養護施設や乳児院、学校、保健所、警察など関係機関へ周知しています。

質問事項
二の2 杉並児童相談所は、三鷹市、武蔵野市、中野区、杉並区の4市区を所管区域としている。仮に、中野区、杉並区にも児童相談所が設置されれば杉並児童相談所の存立に影響を与える。今後、どのような予定になっているのか伺う。

回答
 中野区は、令和3年度に児童相談所の設置を計画しており、令和元年8月から、都区間で児童相談所設置計画案の確認作業を行っています。
 杉並区については、具体的な設置予定時期等は未定です。

質問事項
二の3 杉並児童相談所について、三鷹市、武蔵野市にも影響があることから、両市の意見も聴き、丁寧な情報提供も必要だ。また、両市の児童相談体制が弱体化することが絶対にあってはならない。都の見解を伺う。

回答
 児童相談所の管轄区域等を変更する場合、関係する自治体に対し、適時、変更内容等について情報提供することは必要と考えています。
 児童相談所で相談業務の中心を担う児童福祉司は、国の基準で、管轄する区域の人口等に応じた標準的な配置人数が定められています。
 今後、都が自らの児童相談所の管轄区域を変更する場合も、管轄区域の人口等に応じて児童福祉司を配置し、必要な体制を整備していきます。

質問事項
二の4 東京全体としての児童相談所の体制を弱体化させることもあってはならない。3区が児童相談所を設置しても、都のすべての児童相談所で児童福祉司の増員など体制を強化していかなければならないが、見解を伺う。

回答
 児童福祉司の国の配置基準は、現在、管轄人口4万人につき、1人配置することが標準とされており、令和4年度には3万人に1人の配置に引き上げられる予定です。
 令和4年度に適用される基準を用いて、都の児童相談所における必要な児童福祉司数を試算した場合、3区の人口を除いても、491人の配置が必要となります。
 都の児童相談所の児童福祉司の定数は、現在315人であり、令和4年度に適用される基準を満たすためには、都全体で176人の増員が必要になります。
 今後、国の基準等を踏まえ、児童福祉司の更なる増員を図り、児童相談所の体制を強化していきます。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 尾崎あや子

質問事項
一 厚生労働省が公表した「公立・公的医療機関等の診療実績データの分析結果」について
二 業界団体を通じて都内中小企業の人材確保等を支援する「団体別採用力 スパイラルアップ事業」について
三 都営住宅村山団地について

一 厚生労働省が公表した「公立・公的医療機関等の診療実績データの分析結果」について
 厚生労働省は9月26日に、「公立・公的医療機関等の診療実績データの分析結果」を公表し、全国で424病院、都内では10病院を、再編統合について特に議論が必要だとしました。
 私の活動地域である武蔵村山市内にある「独立行政法人国立病院機構村山医療センター」(以下、村山医療センター)も名指しされました。
 村山医療センターは、北多摩西部医療圏の多くの医療施設と連携し、内服、理学療法などでは軽快せず、手術が必要な腰部脊柱管狭窄症(すべり症・分離症含む)の患者さんを受け入れています。二次医療圏内では、腰部脊柱管狭窄症の診療・手術の71%(2016年度)、腰椎椎間板ヘルニアの手術については71%となっています。北多摩西部医療圏内で、この2つの疾患の治療は村山医療センターが重要な役割を発揮しており、多くの方から「難しい手術で不安だったが、村山医療センターで手術をして助かった」という声がたくさん寄せられています。最近は、長野県や四国、沖縄県といった関東以外からも多くの患者さんが来ています。
1 村山医療センターは、医院長名で「今回の厚生労働省の考え方では急性期の病床を減らすための検討ということで発表されましたが、当センターの急性期を扱う一般病床は95%をこえる稼働率です。この病床数を減らすことは、現在行っている手術件数を減らすことに直結してしまいます」と表明しています。また、「当該構想区域の急性期医療の事情以外にも考慮いただきたい要素があることについても、しっかりと説明していくこととしている」と新聞報道についてホームページにて掲載し、患者さんに説明しています。
 厚労省の「分析結果」は、評価すべきものを評価しないうえ、個々の医療機関の実情を踏まえない、実態とかけ離れたものとなっていますが、都の認識を伺います。
2 厚生労働省による今回の公表に対しては、全国知事会会長、全国市長会会長、全国町村会会長が「国民の命と健康を守る最後の砦である自治体病院が機械的に再編統合されることにつながりかねず、極めて遺憾であると言わざるを得ない」とする共同コメントを発表するなど、厳しい批判が相次いでいます。
 今回の「分析結果」の公表に抗議し、撤回を求めることが必要だと思いますが、いかがですか。
3 国の動向にかかわらず、都としては今回の「分析結果」に基づく再編統合等を推進することはせず、都民が必要とする医療を守る立場で対応することが求められていますが、いかがですか。

二 業界団体を通じて都内中小企業の人材確保等を支援する「団体別採用力 スパイラルアップ事業」について
 東京都が東京しごと財団に委託している「団体別採用力 スパイラルアップ事業」は、中小企業の人材確保などを支援するという重要な事業です。しかし、東京しごと財団が民間人材会社に委託している事業です。
 そこで、事実確認のためにいくつか伺います。
1 「団体別採用力 スパイラルアップ事業」の具体的とりくみについて、伺います。
2 業界団体と民間人材会社が一緒になってとりくむ「コンソーシアム」を選定するということですが、民間人材会社はどのように決めるのですか。
3 「団体別採用力 スパイラルアップ事業」の予算はいくらですか。
4 この事業を受託している民間人材会社のマンパワーグループが主催した企業合同説明会にマンパワーグループの下請けが求職の意思がない学生を参加させていたことが問題になりました。都は、「不適切」であり、受託者に企業説明会の費用は支払わないことを明らかにしていますが、この事業が適切に運用されているのか、例えばセミナーの講師が適切な人なのか、セミナーの講師料が適切なのかなど、東京都がチェックする機能はあるのですか。
5 再発防止のために、都は何を行うのですか。
6 公金を悪用するような民間人材会社に、東京都の事業を委託するようなことはやめるべきですが、いかがですか。
7 都の事業で、民間の優れたノウハウについては学ぶべきですが、民間人材会社に都の事業を委託することはやめるべきですが、いかがですか。

三 都営住宅村山団地について
 私の活動地域である武蔵村山市にある都営住宅村山団地は、建て替え工事が進んでいます。今年の春に完成した棟のベランダの物干しが、これまでのものと大きく変わっています。住民の方からは「なぜ、今までのような天井つりの物干しではなく、ベランダの高さと同じバルコニー型なのか」「バルコニー型では、大きなバスタオルやシーツなどは干せない。ズボンも干せないので困る。直してほしい」との声が寄せられました。
1 都営住宅の物干しの仕様が変わったのは、なぜですか。
2 いつから変わったのですか。
3 都営住宅の設計図を見ると、物干しの金具の上端までの高さは床から111センチメートルとなっています。しかし、村山団地を測ると「かさぎ」の下端から物干しの金具がついているところは6センチメートルも空いています。入居者の方からは「せめて、『かさぎ』の下端ぎりぎりまで金具を設置してほしい」の要望があります。改善を求めますが、いかがですか。

令和元年第四回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 厚生労働省が公表した「公立・公的医療機関等の診療実績データの分析結果」について
1 厚労省の「分析結果」は、評価すべきものを評価しないうえ、個々の医療機関の実情を踏まえない、実態とかけ離れたものとなっていますが、都の認識を伺う。

回答
 御指摘の「分析結果」は、国が設置した有識者会議「地域医療構想に関するワーキンググループ」で議論された基準に基づくものですが、国は、その分析方法は、あくまで現状で把握可能なデータを用いる手法に留まるものであり、分析結果が、公立・公的医療機関等が将来に向けて担うべき役割や、それに必要な再編統合、ダウンサイジング等の方向性を機械的に決定するものでない、としています。
 都としては、国の分析だけでは判断し得ない地域の実情に関する知見を補いながら、地域医療構想調整会議において、公立・公的医療機関の取組の方向性について議論を行っていきます。

質問事項
一の2 厚生労働省による今回の公表に対しては、厳しい批判が相次いでいる。今回の「分析結果」の公表に抗議し、撤回を求めることが必要だと思うが、伺う。

回答
 国は、この分析は、あくまで現状で把握可能なデータを用いる手法に留まるものであり、分析結果が、公立・公的医療機関等が将来に向けて担うべき役割や、それに必要な再編統合、ダウンサイジング等の方向性を機械的に決定するものでない、としています。
 都は、地域医療構想調整会議において、各地域の実情に応じた病床の機能分化と連携の推進など、地域医療構想の実現に向けた議論を行っていきます。

質問事項
一の3 国の動向にかかわらず、都としては今回の「分析結果」に基づく再編統合等を推進することはせず、都民が必要とする医療を守る立場で対応することが求められているが、見解を伺う。

回答
 都としても、国からの説明のとおり、分析結果が、公立・公的医療機関等が将来に向けて担うべき役割や、それに必要な再編統合、ダウンサイジング等の方向性を機械的に決定するものでない、と考えています。
 都は、今後とも、地域医療構想調整会議において、各地域の関係者の意見を聴きながら、地域の実情を踏まえ、地域医療構想の実現に向けた議論を行っていきます。

質問事項
二 業界団体を通じて都内中小企業の人材確保等を支援する「団体別採用力スパイラルアップ事業」について
1 「団体別採用力スパイラルアップ事業」の具体的とりくみについて、伺う。

回答
 本事業は、中小企業の人材確保を目的として、業界団体による合同企業説明会の開催など、中小企業の採用や人材育成、雇用環境の整備等を支援しています。

質問事項
二の2 業界団体と民間人材会社が一緒になってとりくむ「コンソーシアム」を選定するということであるが、民間人材会社はどのように決めるのか伺う。

回答
 本事業では、業界団体が、事業に共同で取り組む民間事業者等を選定しています。

質問事項
二の3 「団体別採用力スパイラルアップ事業」の予算はいくらか伺う。

回答
 都が東京しごと財団に出捐する令和元年度の予算額は、5億430万円です。

質問事項
二の4 この事業を受託している民間人材会社のマンパワーグループが主催した企業合同説明会に下請けが求職の意思がない学生を参加させていたことが問題になった。この事業が適切に運用されているのか、例えばセミナーの講師が適切な人なのか、セミナーの講師料が適切なのかなど、都がチェックする機能はあるのか伺う。

回答
 本事業においては、東京しごと財団が、受託者からの報告に基づいて、事業の実施状況等を確認し、必要に応じて調査や立入検査を行います。
 都は、東京しごと財団から報告を受け、報告書類等の審査を行い、必要に応じて現地調査を行うこととなっています。

質問事項
二の5 再発防止のために、都は何を行うのか伺う。

回答
 再発防止のため、東京しごと財団において、すべての受託者に対し、契約事項の遵守を徹底するなど、適切な業務執行に向けて注意喚起を行いました。
 さらに、都及び東京しごと財団において、事業の実施状況についての確認の徹底を図っていきます。

質問事項
二の6 公金を悪用するような民間人材会社に、東京都の事業を委託するようなことはやめるべきであるが、見解を伺う。

回答
 都は、事業を効率的・効果的に実施していくため、民間事業者を適切に活用していくこととしています。
 なお、契約違反などの不適正な事例には、厳格に対処していきます。

質問事項
二の7 都の事業で、民間の優れたノウハウについては学ぶべきであるが、民間人材会社に都の事業を委託することはやめるべきであるが、見解を伺う。

回答
 都は、引き続き、適切な管理・監督の下、民間事業者の活用を図っていきます。

質問事項
三 都営住宅村山団地について
1 都営住宅の物干しの仕様が変わったのは、なぜか伺う。

回答
 平成16年に景観法が制定され、平成18年には東京都景観計画が策定され、これと前後して、多くの基礎的自治体において、景観条例の制定などにより、建物の建築等に際して景観への配慮を求めるようになりました。
 このような状況を踏まえ、都営住宅において、景観への配慮を行うため、バルコニーの物干し、エアコンの室外機、給湯器を道路等から見えにくい位置に設置することなどについて、基準設計に反映したものです。

質問事項
三の2 いつから変わったのか伺う。

回答
 平成26年度に都営住宅の基準設計を改正し、村山団地においては、平成28年2月に着工した住棟の建築工事から物干しの設置位置を変更しました。

質問事項
三の3 都営住宅の設計図を見ると、物干しの金具の上端までの高さは床から111センチメートルとなっている。しかし、村山団地を測ると「かさぎ」の下端から物干しの金具がついているところは6センチメートルも空いている。入居者の方からは「せめて、『かさぎ』の下端ぎりぎりまで金具を設置してほしい」の要望がある。改善を求めるが、見解を伺う。

回答
 バルコニーの手すりに設置する物干し金物については、基準設計において居住者の利便性に配慮しつつ、通常の使用上、問題のない高さを定めています。
 今後とも、それぞれの現場において、基準設計に準拠して各メーカーの仕様との整合を図りつつ、整備を行っていきます。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 和泉なおみ

質問事項
一 葛飾区における都立高等学校に通う生徒の実態を踏まえた支援について

一 葛飾区における都立高等学校に通う生徒の実態を踏まえた支援について
 改正子どもの貧困対策法が本年9月7日に施行され、政府は現在子どもの貧困対策に関する大綱案を公表しています。この中では、高等学校における就学継続への支援が位置付けられ、「高校中退を防止することは、将来の貧困を予防する観点から重要である。」として、学習等に課題を抱える高校生の学力向上、進路支援等のための人材の高等学校への配置や、スクールソーシャルワーカーの配置の推進が重点施策に掲げられています。
 また、経済的な理由によって大学等への進学を断念することがないよう、授業料等の減免措置と給付型奨学金の拡充を併せて行う高等教育の修学支援新制度の実施により大学等の修学に係る経済的負担の軽減を図るとしています。
 大綱案の策定に先立ち、本年8月に子供の貧困対策有識者会議が出した「今後の子供の貧困対策に関する在り方について」では、「子どもが高校や大学等への進学を実現した後も、中途退学等により就業や生活の場面で困難を来す場面も見られる。高校・大学等を卒業、就職して、社会的自立が確立されるまでの継続的な視点で支援体制を構築することが必要」であるとして「高校SSWのような仕組み」の整備で切れ目のない支援を提言しています。
 私は、9月から11月にかけて葛飾区内にあるすべての都立高校で校長先生と懇談を行いました。
 普通高校、商業高校、農産高校、工業高校、そして総合高校が揃っているのは、23区では葛飾区しかありません。いずれの学校も葛飾区内に居住する生徒が最も多く3割から5割を占めています。6割から8割の生徒が通学手段に交通費のかからない自転車を利用していることなどが示す通り、家庭が経済的に困難を抱えている生徒が多いこと、卒業後、就職する生徒が多いことも6校に共通した背景です。つまり葛飾区内には、この状況に多様に対応できる都立高校が揃っていることになります。
 そのような中で、それぞれの現場では教職員が並々ならぬ努力をしている様子が懇談を通じてうかがえました。
 A校では近年進学率を上げる取り組みが重視されています。区内で通える都立高校で、大学進学への展望を持てることは、困窮世帯の生徒にとって希望ある未来のために重要です。
 また、B校では、在京外国人枠が20人分ありますが、実際にはもっと多い外国人生徒が通っています。在留資格や経済的理由など本人の学力以外の困難を複合的に抱えています。さらに、大学には外国人受入れ枠がないため、学ぶ意欲がありながら、あきらめざるを得ない生徒も多いといいます。大学の外国人受け入れ枠をと、強く希望しています。
 定時制には170人の生徒が通っていますが、経済的な問題だけでなく、親の精神的な病気や障害など、さまざまな困難を抱えた生徒も多く、家庭への支援が切実に求められています。
 C校は、生徒の自主性や主体性を大事にして、生徒が実行委員会を作って取り組んだ周年行事では、日ごろの勉強や活動の成果が発表され、その生き生きとした姿が感動をよびました。
 しかし、経済的に困難な条件の生徒が多いだけでなく、児童相談所やスクールカウンセラー、ユースソーシャルワーカーとの連携が必要な生徒も多いといいます。ところが、ユースソーシャルワーカーのニーズが高いため、予約がなかなか取れないなど、問題を解決するためのせっかくの制度が、活用が困難な状況です。ユースソーシャルワーカーの常駐化を切実に求めています。
 D校は、コンソーシアム東京に登録した企業との連携が進んでおり、当該会社の執行役員の講義を聞く機会や、具体的な売り上げ向上の研究や、千葉商科大学の学生からプレゼンテーションを学んだり、インターンシップで3日間の企業研修を行うなど、社会に出たときに役立つ力を培う取り組みを行っています。また、地元の飲食店に生徒が考案したメニューを置かせてもらうなど、地域との連携にも取り組んでいます。約半数の生徒が就職するため、教職員は貧困の連鎖を断ち切るうえでも、しっかりとした自立につながるよう努力しているといいます。
 E校は、キャリアコアタイムの選択科目が130に上り、自主的に学ぶ校風が確立しています。しかし、自分で行動を規律する生活に慣れるまでには一定の期間が必要で、新入生が夏休みを終えるころまで、教職員は大変な苦労をしているといいます。一人でも多く教員を増やしてほしいと、語っています。
 夜間のF校は一食380円の給食が食べられない生徒もいます。コンビニの100円のお菓子が夕飯という生徒もいて、給食費の補助があれば、せめて夕食ぐらいは温かく栄養のあるものを食べさせてあげられる、と話されていました。
 経済的困難が、学ぶ意欲を持ち続けることを困難にし、育ち盛りの身体を支える食事さえとれない状況を生んでいることは、重大です。
 大学に進学する生徒も、就職する生徒も、自分の未来に明るい展望を描けるよう支えることは、家庭や学校現場にのみ課せられた責任ではなく、社会が共有して担うべき責任です。
 その観点から、以下質問します。
1 家庭の経済状況の厳しい生徒が、学ぶ意欲がそがれることなく、未来への展望を持つために、都が果たす役割は重要だと考えますが、都の認識を伺います。
2 経済困窮世帯の生徒が多く通う学校における、様々な複合的な問題に対応するために、要望のある学校にはユースソーシャルワーカーを常駐すべきと考えますが、いかがですか。少なくとも派遣回数や人数を増やすことを求めます。
3 貧困の連鎖を断ち切るためには、経済的理由で進学を諦めなくていい仕組みと、高校、大学に進学した後も切れ目なく支援が継続されることが必要です。しかし、高校に進学すると、区市町村は、生徒の実態をつかみづらくなるのが現状です。中学卒業後も、高校、大学と、継続した支援の構築に向けて、都はどのように取り組むのでしょうか。
4 高校卒業後、就職した子どもたちが就職先の企業に定着することは、その後の経済的自立と安定した生活設計の上で重要です。都として、高校での指導に生かしたり、若者支援を充実したりするため、実態を把握する必要があると考えますが、いかがですか。
5 定時制の高校に通う生徒の給食費は、補助額を抜本的に引き上げるとともにすべての生徒を対象にするべきだと思いますが、いかがですか。
6 経済的困難や、親の問題、自身の発達障害、精神疾患など、様々な問題を複合的に抱えている生徒への支援が必要になっています。教員の定数を増やす、加配を行うなど、生徒の困難の実態に見合う人員配置が必要だと考えますが、いかがですか。

令和元年第四回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 葛飾区における都立高等学校に通う生徒の実態を踏まえた支援について
1 家庭の経済状況の厳しい生徒が、学ぶ意欲がそがれることなく、未来への展望を持つために、都が果たす役割は重要だと考えるが、都の認識を伺う。

回答
 高校における就学に係る支援については、家庭の経済状況などにかかわらず、全ての子供たちが充実した教育を受け、自立できる環境を整えることが重要です。
 都教育委員会は、これまで教育費の負担軽減を図ることにより、都立高校等における就学を支援しています。

質問事項
一の2 経済困窮世帯の生徒が多く通う学校における、様々な複合的な問題に対応するために、要望のある学校にはユースソーシャルワーカーを常駐すべきと考えるが、見解を伺う。少なくとも派遣回数や人数を増やすことを求めるが見解を伺う。

回答
 都教育委員会は、社会生活を円滑に営む上で困難を有する生徒に対応するため、不登校や中途退学の課題が顕著な都立高校を継続派遣校に指定し、ユースソーシャルワーカー等を派遣しています。
 継続派遣校にユースソーシャルワーカー等を派遣するに当たっては、学校から支援ニーズを聴き取った上で、それぞれの課題を踏まえ、派遣回数や人数を設定しています。
 それ以外の学校についても、学校からの要請に応じて、ユースソーシャルワーカー等による必要な支援を行っています。

質問事項
一の3 経済的理由で進学を諦めなくていい仕組みと、高校、大学に進学した後も切れ目なく支援が継続されることが必要だ。しかし、高校に進学すると、区市町村は、生徒の実態をつかみづらくなるのが現状だ。中学卒業後も、高校、大学と、継続した支援の構築に向けて、都はどのように取り組むのか見解を伺う。

回答
 都立高校等においては、経済的理由で授業料等の納入が困難な生徒に対して、従前より授業料等の減免を実施していますが、平成26年度から、国の高等学校等就学支援金制度による授業料と、奨学のための給付金による教材費、学用品等の通学に必要な経費を支援しています。
 また、平成29年度から、「東京都立高等学校等における給付型奨学金」を創設して、生徒の希望する教育活動に対して、現物給付による支援を実施しています。
 高校卒業後においては、日本学生支援機構等様々な団体、大学等が奨学金事業を実施し、高校以降も、各教育段階に応じた支援を行っています。
 なお、都立高校等では、必要に応じて大学等への進路指導を行う中でこれら情報を生徒等へ提供しています。

質問事項
一の4 高校卒業後、就職した子どもたちが就職先の企業に定着することは、その後の経済的自立と安定した生活設計の上で重要だ。都として、高校での指導に生かしたり、若者支援を充実したりするため、実態を把握する必要があると考えるが、見解を伺う。

回答
 都立高校では、教科「人間と社会」において、働くことの意義について討論し、考えを深める等の学習を行うとともに、社会で活躍している卒業生等による進路講演会や、企業等でのインターンシップを実施するなどして、自立した社会人としての資質や能力を育んでいます。
 また、将来、社会人になった際に、必要となる働くことのルール等の知識等について就職指導の際に取り上げ、雇用や労働問題等についての理解を深める指導を行っています。
 今後とも都教育委員会は、就職を希望する生徒への支援に向けた学校の取組が一層充実するよう、ハローワーク等と連携していきます。

質問事項
一の5 定時制の高校に通う生徒の給食費は、補助額を抜本的に引き上げるとともにすべての生徒を対象にするべきだと思うが、見解を伺う。

回答
 都立高等学校定時制(夜間課程)の給食は、「夜間課程を置く高等学校における学校給食に関する法律」に基づき、都立高等学校定時制夜間課程全ての学校で給食を実施しています。
 この給食の実施は、「夜間課程において学ぶ青年の身体の健全な発達に資し、あわせて国民の食生活の改善に寄与する」ことを目的としており、給食は生徒の健康維持の一助となっています。
 都教育委員会では、現在都の単独事業として、勤労青少年の修学を促進し教育の機会均等を保障するため、有職者や求職中などの生徒を対象に、給食費の一部を補助しています。
 今後も、多様化する生徒のニーズなども踏まえながら、定時制課程の学校給食を適切に実施していきます。

質問事項
一の6 経済的困難や、親の問題、自身の発達障害、精神疾患など、様々な問題を複合的に抱えている生徒への支援が必要になっている。教員の定数を増やす、加配を行うなど、生徒の困難の実態に見合う人員配置が必要だと考えるが、見解を伺う。

回答
 葛飾区内の都立高校も含め、ユースソーシャルワーカー等の継続派遣校では、校長から指名された自立支援担当教員が、会議の運営など校内体制の中心的役割を担っており、都教育委員会では、必要に応じてこの担当教員の授業持ち時数の軽減を行っています。
 都立高校の教員定数は、現在、国の基準を踏まえた都の教職員定数配当基準に基づき、適切に配置しており、国に対しては、引き続き教職員定数の基準の充実を求めていきます。

令和元年第四回都議会定例会
文書質問趣意書

提出者 大山とも子

質問事項
一 第4回定例会での病院経営本部長の答弁について
二 介護離職ゼロの取り組みについて

一 第4回定例会での病院経営本部長の答弁について
 今定例会の開会日に小池知事は、「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針を表明しました。
 この方針についての議論は、第4回定例会の重要なテーマとなりました。12月10日の代表質問においても、日本共産党都議団をふくめ各会派が、この問題についてとりあげました。
 ところが、病院経営本部長は、12月11日の本会議で、「なお、昨日の代表質問での私の答弁で誤解が生じたことはおわびを申し上げたいと思います」と答弁しました。
 この答弁をめぐり、基本的かつ必要不可欠な事実確認を行います。
 以下14問に対し、明瞭な回答を求めます。
1 病院経営本部長は、12月11日の本会議で、都民ファーストの会の清水やすこ議員の一般質問に、「なお、昨日の代表質問での私の答弁で誤解が生じたことはおわびを申し上げたいと思います」と答弁しました。
 これは、12月10日の代表質問のどの会派・議員の代表質問での、どの答弁のことを指しているのですか。
2 「誤解が生じた」と答弁しましたが、誰に対して、どのような誤解が生じたのですか。
3 「おわびを申し上げたい」というのは、誰に対して「おわびを申し上げたい」のですか。
4 代表質問の答弁で「誤解が生じた」のであれば、議員の一般質問に対する答弁で「おわび」するのでなく、議長の許可を得て、議会に対して正式にお詫びと訂正をすべきではありませんか。
5 「誤解を生じた」答弁の議事録は、訂正しなくてよいのですか。
6 病院経営本部長が「誤解を生じた」答弁をした相手の会派・議員に対する「おわび」はしたのですか。
7 都民ファーストの会・清水やすこ議員の一般質問に対し、病院経営本部長は「地方独立行政法人化の検討経緯」について答弁していますが、本年九月の第三回都議会定例会で答弁を行った、というところで終わっています。
 本年九月の第三回都議会定例会で答弁を行ってから、第四回都議会定例会の開会日までの「検討経緯」について述べていないのはなぜですか。
8 本年九月の第三回都議会定例会で答弁を行ってから、第四回都議会定例会の開会日までの「地方独立行政法人化の検討経緯」を、清水やすこ議員への答弁と同様のかたちで、時系列で明らかにして下さい。
9 小池知事が第四回都議会定例会の開会日に表明した、「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針は、東京都として決定した方針ですか。
10 東京都として決定した方針である場合、決定したのは何月何日ですか。
11 その決定の場に、病院経営本部長は同席していましたか。
12 東京都として決定した方針である場合、「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針を東京都として決定したことを、病院経営本部長が知ったのは、何月何日ですか。
13 小池知事が、「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針を、第四回都議会定例会の開会日に表明することを、病院経営本部長が知ったのは、何月何日ですか。
14 「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針を、病院経営本部として決定したのは、何月何日ですか。

二 介護離職ゼロの取り組みについて
1 介護離職ゼロは、小池知事の7つのゼロを目指す公約のひとつです。2017年度に東京都が実施した「介護離職防止施策検討のための特別調査」は、重要です。調査報告書は、介護を理由とした離職のリスクが広がっていけば、企業の経営は立ち行かなくなるかもしれない。そのような問題意識で、介護離職防止は重大な経営課題として認識されつつある、としています。さらに、この調査を実施した問題意識として、全国一律に定める改正育児・介護休業法が都内の企業で働く労働者の実情に即しているか、「ライフ」と「ワーク」には地域ごとの特徴があるので、東京都に固有の両立支援の課題があるのではないか、と述べています。この問題意識は重要だと思いますが、知事はどう認識していますか。
2 従業員への調査では介護休暇の日数については「少ない」が46.4%で最多となっており、介護休暇の日数拡大を望む声が大きいと分析しています。その理由は、介護保険で義務付けられている、月1回のケアマネージャーがケアプランの実施状況を把握するための面談に、介護者として立ち会ったほうが働きながら介護しやすいケアプランになるようにすることができ、介護離職の防止につながるからです。そのためには、年間12回の介護休暇が必要ですが、現在は半日単位で10回しか取れません。知事は、この調査結果をどう認識していますか。
3 この調査は介護休暇の取得割合が少ないことも注目しています。介護休暇よりも年次有給休暇で対応していることがわかりました。それは現行の介護休暇は無給のため、有給である年休のほうが所得ロスを回避できるからとのことです。有給化することにより、年次有給休暇ではなく介護休暇をとる労働者が増えれば、それだけ介護問題が企業において顕在化し、対策を講じやすくなると分析しています。知事、介護休暇の有給化は重要な課題だと思いますが、どう認識していますか。
4 せっかく東京都が実施した重要な調査です。調査の結果を活かして、国に対して介護休暇の日数を増やすことや有給化について求めることが必要ですが、いかがですか。
5 調査は、介護中の経済的支援のニーズが高いことにも目を向けています。労働者が行政に望むことで「フレックスタイムやテレワークなど、介護と仕事を両立できる働き方の推進」は、30.6%にとどまっていますが、「介護のための経済的支援」は64.3%と明らかに高く、「介護施設や介護サービスの充実」も53.0%です。つまり、介護施設や介護サービスを利用しながら両立を図りたいということです。介護施設や介護サービスを使えば家計の支出は増え、介護は経済的な問題を伴うものです。提言では、財政的に厳しい状況にある中小企業等においては、企業から労働者への経済的支援を行政や経営者団体が後方から支えることも考えてもよいだろうと述べています。知事、東京都自らが調査した報告書の分析での提言です。都として検討すべきではありませんか。
6 介護離職防止については、一般社団法人日本経済調査協議会がケアマネージャーへの調査をもとに「介護離職」防止のための社会システム構築への中間提言を今年6月に発表しました。現行の介護保険制度が、要介護高齢者の介護必要度のみで給付額が調整される仕組みのため、家族介護者の健康や就労状況、ダブル介護を含む介護困難性は勘案されない。また、保険給付のサービス運用面においても、家族介護者を支援するレスパイト機能が弱い。そのため、本調査結果においても居宅サービスの利用の柔軟性を高めることの必要性がケアマネージャーの回答からも指摘されました。
 調査結果を踏まえて提言は、制度・政策として家族介護者も介護保険制度における対象者として明確に位置付け、いわゆる「ケアラー」としての存在を社会的・制度的に認知させていくことを提起したいと述べています。都として介護している相手が高齢者、障害者などに限らずケアラーを制度的にも明確に位置付け、支援する仕組みを作ることは可能です。知事、いかがですか。
7 家族介護支援条例(ケアラー条例)(仮称)の検討を求めるものです。いかがですか。

令和元年第四回都議会定例会
大山とも子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 第4回定例会での病院経営本部長の答弁について
1 病院経営本部長は、12月11日の本会議で、都民ファーストの会の清水やすこ議員の一般質問に、「なお、昨日の代表質問での私の答弁で誤解が生じたことはおわびを申し上げたいと思います」と答弁した。これは、12月10日の代表質問のどの会派・議員の代表質問での、どの答弁のことを指しているのか、見解を伺う。

回答
 病院経営本部長は、12月10日の代表質問において、都立・公社病院の地方独立行政法人化に関連して、2会派から5つの質問をいただき、答弁をしました。
 また、貴党から病院経営本部長に対しての再質問が一問ありました。
 その再質問に対して、病院経営本部長は「私が、知事が御発言された内容を知りましたのは、先週の本会議の場でお聞きをしたところでございます」と答弁しました。

質問事項
一の2 「誤解が生じた」と答弁したが、誰に対して、どのような誤解が生じたのか、見解を伺う。

回答
 都は地方独立行政法人への移行の準備を開始するにあたり、これまで丁寧・十分に検討を重ねてきましたが、12月10日の代表質問に対する病院経営本部長の答弁により「今回の方針が突然決まった」かのような誤解を一般質問の質問者に対して生じさせてしまったと病院経営本部長が認識しました。

質問事項
一の3 「おわびを申し上げたい」というのは、誰に対して「おわびを申し上げたい」のか、見解を伺う。

回答
 病院経営本部長が一般質問の質問者に対してお詫びを申し上げたものです。

質問事項
一の4 代表質問の答弁で「誤解が生じた」のであれば、議員の一般質問に対する答弁で「おわび」するのでなく、議長の許可を得て、議会に対して正式にお詫びと訂正をすべきではないか、見解を伺う。

回答
 12月11日の病院経営本部長の答弁は、質問者に、あたかも今回の方針が突然決まったかのような誤解を生じさせたことについて、「昨日の代表質問での私の答弁で誤解が生じたことはお詫びを申し上げたい」と答弁したものであり、質問者に対してお詫びを申し上げたものです。
 12月10日の再質問に対する病院経営本部長の答弁は、所信表明の最終的な内容を知った日という旨で答弁したもので、誤りがあるものではなく、したがって、答弁を訂正する必要はないと考えます。

質問事項
一の5 「誤解を生じた」答弁の議事録は、訂正しなくてよいのか、見解を伺う。

回答
 12月10日の再質問に対する病院経営本部長の答弁は、所信表明の最終的な内容を知った日という旨で答弁したもので、誤りがあるものではなく、したがって、答弁を訂正する必要はないと考えます。

質問事項
一の6 病院経営本部長が「誤解を生じた」答弁をした相手の会派・議員に対する「おわび」はしたのか、見解を伺う。

回答
 12月11日の病院経営本部長の答弁は、質問者に、あたかも今回の方針が突然決まったかのような誤解を生じさせたことについて、「昨日の代表質問での私の答弁で誤解が生じたことはお詫びを申し上げたい」と答弁したものであり、病院経営本部長の発言内容が誤りであったことをお詫びしたものではありません。
 12月10日の再質問に対する病院経営本部長の答弁については、所信表明の最終的な内容を知った日という旨で答弁したものであり、その趣旨は、病院経営本部長自ら本会議終了後、貴党に説明に伺っています。

質問事項
一の7 都民ファーストの会・清水やすこ議員の一般質問に対し、病院経営本部長は「地方独立行政法人化の検討経緯」について答弁しているが、本年9月の第三回都議会定例会で答弁を行った、というところで終わっている。本年9月の第三回都議会定例会で答弁を行ってから、第四回都議会定例会の開会日までの「検討経緯」について述べていないのはなぜか、見解を伺う。

回答
 都は経営形態の検討にあたり、他団体の様々な先行事例調査等を行うとともに、都民ニーズを踏まえた医療機能強化について、各都立病院との意見交換なども行ってきました。
 また、公社病院についても、都立病院改革を進めるのに合わせて、都立病院との連携強化の在り方などについて、東京都保健医療公社とともに検討を進めてきました。
 さらに、令和元年8月、「『未来の東京』への論点」の中で、2040年代も見据え、医療課題が一層深刻化することを踏まえて「都立・公社病院の改革の推進」を課題として示しました。これを踏まえ、検討を更に深めるとともに、法人の出捐者である東京都医師会等と地域医療の充実などについて意見交換を行ってきました。
 第四回都議会定例会で、「本年9月の第三回都議会定例会ではこのような状況を踏まえ、代表質問におきまして長期戦略の策定に合わせて検討を深めていく旨の答弁を行ったところでございます。このように都として、丁寧・十分に検討を重ねた上で、地方独立行政法人への移行の準備を開始することとしたものでございます」と病院経営本部長が答弁しましたが、これは第三回都議会定例会以降も十分に検討を重ねてきた旨をお答えしたものです。

質問事項
一の8 本年9月の第三回都議会定例会で答弁を行ってから、第四回都議会定例会の開会日までの「地方独立行政法人化の検討経緯」を、清水やすこ議員への答弁と同様のかたちで、時系列で明らかにすべきであるが、見解を伺う。

回答
 引き続き、都自ら他団体の様々な先行事例調査等を行うとともに、都民ニーズを踏まえた医療機能強化について、各都立病院との意見交換などを行ってきました。
 また、公社病院についても、都立病院改革を進めるのに合わせて、都立病院との連携強化の在り方などについて、東京都保健医療公社とともに検討を進めてきました。
 さらに、法人の出捐者である東京都医師会等と地域医療の充実などについて意見交換を行ってきました。

質問事項
一の9 小池知事が第四回都議会定例会の開会日に表明した、「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針は、東京都として決定した方針か、見解を伺う。

回答
 都立病院及び東京都保健医療公社の病院合わせて14病院を一体的に地方独立行政法人へ移行するべく準備を開始することは、都として決定したものです。

質問事項
一の10 東京都として決定した方針である場合、決定したのは何月何日か、伺う。

回答
 都は他団体の様々な先行事例調査、都民ニーズを踏まえた医療機能強化に係る各都立病院との意見交換、都立病院と公社病院との連携強化の在り方等に係る東京都保健医療公社との検討、地域医療の充実等に係る東京都医師会等との意見交換など様々な検討を行ってきました。
 こうした検討内容も踏まえた都立・公社病院の経営形態に関する病院経営本部の考え方について、病院経営本部長から11月8日に報告を受け内容を了承し、12月3日の所信で「都立病院及び東京都保健医療公社の病院合わせまして14病院を、一体的に地方独立行政法人へ移行すべく、準備を開始」することを表明しました。

質問事項
一の11 その決定の場に、病院経営本部長は同席していたか、伺う。

回答
 11月8日は病院経営本部長から報告を受けました。

質問事項
一の12 東京都として決定した方針である場合、「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針を東京都として決定したことを、病院経営本部長が知ったのは、何月何日か、伺う。

回答
 都は他団体の様々な先行事例調査、都民ニーズを踏まえた医療機能強化に係る各都立病院との意見交換、都立病院と公社病院との連携強化の在り方等に係る東京都保健医療公社との検討、地域医療の充実等に係る東京都医師会等との意見交換など様々な検討を行ってきました。
 こうした検討内容も踏まえた都立・公社病院の経営形態に関する病院経営本部の考え方について、病院経営本部長から11月8日に報告を受け内容を了承し、「都立病院及び東京都保健医療公社の病院合わせまして14病院を、一体的に地方独立行政法人へ移行すべく、準備を開始」することを12月3日の所信で表明しました。

質問事項
一の13 小池知事が、「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針を、第四回都議会定例会の開会日に表明することを、病院経営本部長が知ったのは、何月何日か、伺う。

回答
 都は他団体の様々な先行事例調査、都民ニーズを踏まえた医療機能強化に係る各都立病院との意見交換、都立病院と公社病院との連携強化の在り方等に係る東京都保健医療公社との検討、地域医療の充実等に係る東京都医師会等との意見交換など様々な検討を行ってきました。
 こうした検討内容も踏まえた都立・公社病院の経営形態に関する病院経営本部の考え方について、病院経営本部長から11月8日に報告を受け内容を了承し、「都立病院及び東京都保健医療公社の病院合わせまして14病院を、一体的に地方独立行政法人へ移行すべく、準備を開始」することを12月3日の所信で表明しました。
 なお、12月10日の代表質問の再質問において病院経営本部長が「知事が御発言された内容を知りましたのは、先週の本会議の場でお聞きをした」と答弁した、「知事が御発言された内容」とは、所信表明で実際に発言した文言という趣旨です。

質問事項
一の14 「都立病院について、地方独立行政法人への移行に向けた準備を開始する」「東京都保健医療公社の病院についても、都立病院と一体に移行を進める」という方針を、病院経営本部として決定したのは、何月何日か、伺う。

回答
 都立病院・公社病院を一体的に地方独立行政法人へ移行すべく準備を開始することを決定するのは都としてであり、決定に向け検討状況等を知事に報告するのは病院経営本部です。病院経営本部が決定するものではありません。

質問事項
二 介護離職ゼロの取り組みについて
1 2017年度に東京都が実施した調査報告書は、介護離職防止は重大な経営課題として認識されつつある、としている。さらに、全国一律に定める改正育児・介護休業法が都内の企業で働く労働者の実情に即しているか、東京都に固有の両立支援の課題があるのではないか、と述べている。この問題意識は重要だと思うが、知事はどう認識しているか、見解を伺う。

回答
 企業に対するアンケート調査の結果では、介護と仕事の両立について、「重要な経営課題である」、「やや重要な経営課題である」との回答を合わせると77.3パーセントとなっています。
 また、本調査は、都内企業とその従業員を対象に実施したものであり、その結果は、都における介護と仕事の両立に関する現状や課題を示しているものです。

質問事項
二の2 従業員への調査では、介護休暇の日数拡大を望む声が大きいと分析している。知事は、この調査結果をどう認識しているか、見解を伺う。

回答
 従業員に対するアンケート調査の結果では、介護休暇の日数に関する満足度について、「少ない」との回答が最も多くなっています。

質問事項
二の3 介護休暇の有給化は重要な課題だと思うが、どう認識しているか、見解を伺う。

回答
 従業員に対するアンケート調査の結果では、従業員が利用したかった制度、あれば助かった制度について、「育児・介護休業法で定めている93日を上回る介護休業制度」との回答は、10.8パーセントとなっているのに対し、「年次有給休暇(未消化分)の積立制度など休暇の残日数を気にしなくて良い制度」との回答は、16.1パーセントとなっています。
 こうした調査結果を踏まえ、本調査では、有給の介護休暇を充実させる方が、介護休業の期間を延ばすことより望まれるケースは少なくないとしています。

質問事項
二の4 調査の結果を活かして、国に対して介護休暇の日数を増やすことや有給化について求めることが必要だが、見解を伺う。

回答
 介護休暇については、育児・介護休業法において、対象家族が一人であれば年5日まで、二人以上の場合は、年10日までと定められています。
 また、介護休暇における給与の取り扱いについては、各企業における就業規則や労使の取り決めによることとなります。
 介護休暇の制度設計については、国において、適切に判断すべきものと考えています。

質問事項
二の5 提言では、財政的に厳しい状況にある中小企業等においては、企業から労働者への経済的支援を行政や経営者団体が後方から支えることも考えてもよいだろうと述べている。東京都自らが調査した報告書の分析での提言である。都として検討すべきではないか、見解を伺う。

回答
 育児・介護休業法において、事業主は、要介護状態にある対象家族を介護する労働者について、就業しつつ対象家族の介護を行うことを容易にする措置として、所定労働時間の短縮等の措置を講じなければならないとされています。
 都は、こうした法の規定や本調査の結果なども踏まえ、従業員の介護休業や介護休暇制度の充実、短時間勤務やフレックスタイム制度の整備、介護サービスの利用支援制度の整備などに取り組む中小企業等に対して、奨励金を支給し、介護と仕事を両立できる職場環境づくりを支援しています。

質問事項
二の6 調査結果を踏まえて提言は、制度・政策として家族介護者も介護保険制度における対象者として明確に位置付け、いわゆる「ケアラー」としての存在を社会的・制度的に認知させていくことを提起したいと述べている。都として介護している相手が高齢者、障害者などに限らずケアラーを制度的にも明確に位置付け、支援する仕組みを作ることは可能であるが、見解を伺う。

回答
 高齢者福祉や障害福祉の分野では、介護保険法や障害者総合支援法に基づき、それまで主に家族が担ってきた高齢者や障害者の介護を、在宅サービスや施設サービスなどにより、社会全体で支え合う仕組みを構築してきました。
 都は、ショートステイなどのサービス基盤の整備を推進するほか、高齢者の家族の交流の場の設置や重症心身障害児(者)に対する在宅レスパイトなど、地域の実情に応じた取組を行う区市町村を包括補助で支援しています。

質問事項
二の7 家族介護支援条例(ケアラー条例)(仮称)の検討を求めるが、見解を伺う。

回答
 都は、3年ごとに、東京都高齢者保健福祉計画、東京都障害者・障害児施策推進計画、東京都地域福祉支援計画を策定し、家族介護者等が、身近な地域で必要な支援を受けられるよう、区市町村を支援しています。

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