令和元年東京都議会会議録第十四号

○議長(尾崎大介君) 五十四番西沢けいた君。
〔五十四番西沢けいた君登壇〕

○五十四番(西沢けいた君) 私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、都政の諸課題について、知事並びに関係局長に質問します。
 初めに、知事の基本姿勢について伺います。
 来年、知事選の知事の選挙公約になるともいわれている長期戦略について、六月都議会の代表質問では、その目標を都民の生活満足度のように、もっと人に着目した目標にすべきだと主張してきました。
 例えば、都民の生活満足度調査では、大変不満や、やや不満と答えている都民は四〇・八%いますが、不満の理由の多くは、貯蓄が十分でないという経済的要因です。
 しかし、八月二十二日に発表された、未来の東京への論点では、東京の弱みとして、物価や家賃の高さなどにも言及しておらず、格差や貧困の課題についても触れられていません。
 二〇四〇年代という未来を想定するならば、格差や貧困といった、より根本的な問題も論点に掲げ、その解消に向けて果敢に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 とりわけ、知事が肝いりで進めようとしているソサエティー五・〇、5Gは私たちも推進すべきだと考えますが、一方で、急激な社会変革は雇用や格差などの副作用を伴う可能性もあります。発表された戦略はまだ中身が生煮えで、実効性がどれほどのものか見えず、反面、不安も残ります。
 まずは、税金の投入を含め、都民の負担はどの程度になるのか、官民の役割分担はどうなるのか、都民が享受するメリット、デメリットなどについて丁寧に説明しながら取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、行政改革についてです。
 令和元年度の予算規模は、都政史上最大となりました。東京二〇二〇大会準備のためとはいえ、超高齢社会を前に、歳出膨張は喜ぶべきことではありません。全事業への終期設定は、小池知事らしいアイデアであり、徹底活用を期待しましたが、従来からの事業点検、評価や予算査定の域を出ていないのではないでしょうか。
 私は、都民が直面する課題に、将来にわたってスピーディーに対応していくためには、行政改革に本気で取り組む必要があると考えます。
 例えば、監理団体は政策連携団体に名前が変わりましたが、具体的に何が変わったのでしょうか。先日公表された東京都政策連携団体経営目標の達成状況では、約九割がB評価以上であり、C、Dは三十三団体中、東京水道サービスなどの三団体。そのうち、目標の不達成によるものは一団体のみです。ほぼ一〇〇%達成できる目標と、その進捗管理では意味がありません。目標の設定水準は適正か、十分な検証がされているのか疑問です。
 団体の強みを最大限に生かすと同時に、そもそもその団体が必要かどうかや都民ニーズに合っているかを検証し、統廃合も視野に厳しく改革を進める視点こそが、グループ経営には必要です。
 先日の都政改革本部では、新たな都政改革ビジョン策定の方向性が示されましたが、こうした政策連携団体も含めた聖域なき見直しや、KPIなどの成果目標をしっかりと定め、進捗管理する仕組みの構築、古い仕組みを抜本的に新しくすることなどを掲げるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、いわゆる新しい公共についてです。
 私は、超高齢社会となる東京で主役の一人となるべきは、阪神・淡路大震災での活躍で注目を集め、発展してきたNPOなどの市民活動だと考えます。
 子供食堂など、行政より都民が先に課題を発見し、取り組みを始める例もあり、政策は都民課題が出発点となるわけですが、資金やマンパワー確保、活動拡大に課題があります。
 そこで、例えばクラウドファンディングを活用する方法もあります。今までなら出会えなかったリソースが出会い、資金が集まるクラウドファンディングでスタートアップなどに配分し、応援をするのです。
 また、例えば都庁職員を地域ボランティア団体やNPOへ出向させることなどで、相互理解と支援強化を図ることも考えられます。
 これらは一つの提案ですが、長期ビジョンでは、東京中に散らばっている市民の力を結集して、課題解決に動かすことを一つの柱とすべきです。その上で、都として、直接間接の手段を講じ、戦略的に市民活動の活性化や活用を図るべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、高齢者施策について伺います。
 世界に例を見ない速度で高齢化が進む東京から、これからの先進的な地域モデルを国内外に発信していきたい、小池知事が所信表明で述べたのが一昨年、二〇一七年の十二月都議会。しかし、いまだにその取り組みは見えません。
 そこで、私は、高齢者施策を全庁横断的に取り組む合同会議の設置を提案します。住まいの確保や生きがい創出、移動の確保など、多様な分野に加え、認知症やがん対策、介護人材確保など、医療、福祉分野での課題を深掘りし、その解決に向けて全庁横断的に取り組むべきです。もちろん会議を設置するだけでなく、そこには知事としての強い関心とリーダーシップが必要です。
 高齢者施策について、知事が責任を持って、全庁横断的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 東京の高齢者の特徴は、ひとり暮らしが多いこと、また、多くが民間賃貸住宅に住んでいることです。
 一方で、金融庁の老後二千万円問題で試算のベースとなったのは、住居費支出が一万三千六百五十六円で、これは、持ち家で、さらに厚生年金であることを前提としています。ますます厳しい賃貸には、持ち家の住宅ローン減税に比べても支援がほとんどありません。
 賃貸といっても、都営住宅は供給戸数が限られることから、私は、民間賃貸住宅などへの家賃補助の拡充が極めて重要であると考えます。しかし、昨年度から始まった住宅セーフティーネット制度における家賃低廉化補助の実績は、九戸にとどまっています。
 都市整備局から独立した住宅政策本部は、福祉や介護などの分野とも連携し、家賃補助を初め、高齢者、貧困層の住まいの確保に重点的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、交通政策について申し上げます。
 東京には、多様な移動ニーズに対応した高度な鉄道、道路網と多様な交通モードが存在しており、それが強みです。しかし、それらサービスをシームレス化し、利便性の高い移動を実現するには、改善の余地が非常に大きいのが実情です。ここでは、これら課題に対して、提案も含め質疑を行っていきます。
 まず、まちづくりとスマートモビリティーについてです。
 社会課題の解決に向けて、スマートモビリティー、MaaSと横文字が躍っていますが、一方で、都市計画では、核都市、集約型とする方針があります。既存の都市交通政策と新たに描くモビリティーサービスがどう整合し、どう影響し合うのかを明らかにし、共通のKPIを設定して取り組みを加速、最適化することが必要と考えます。
 そのためには、まちづくりとスマートモビリティーで都民生活の改善にどう貢献させるのか、長期戦略ビジョンにおいて明らかにすべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、ホームドアの整備についてです。
 都は、国土交通省が示した乗降客数一日十万人以上などの整備条件を満たす駅や、オリンピック会場の最寄り駅に助成し、鉄道ホームドアの整備を進めています。
 あらゆる都民が安心して外出でき、電車との接触事故などのない東京を実現するためには、現行の条件のほかにも、ホームの狭さや混雑度といった転落事故の危険性、ベビーカーや高齢者、障害者などの利用数も加味して、ホームドア設置の整備助成対象を拡大する必要があると考えますが、見解を伺います。
 次に、東京都自転車条例について、自転車運転者等に対し、損害保険への加入を義務づける条例改正案についてです。
 私たちが社会活動をする上で、万が一、他者に損害を与えてしまった場合に備え、賠償保険に入っておくべきであり、自転車が加害者となる重大事故も発生している以上、気軽に乗れる軽車両だからといって、その責任を免れるものではありません。
 資力のない相手から損害を受けた方が、補償を受けられず泣くことのないようにするためには、自転車安全条例の本旨の徹底に加え、今回の条例改正による保険加入義務の履行を担保することこそが必要と考えますが、都の見解を伺います。
 次に、人権施策について伺います。
 八月二十六日、東京都犯罪被害者等支援条例の構成に関する基本的考え方案が公表されました。条例制定は、十八の道府県が先行する中で、やや後発となりましたが、この間、私たちが求めていた二次的被害の防止を初め、東京の地域特性に鑑みて、都内に住所を有しない被害者への支援を盛り込んだことは評価するものです。
 一方で、それぞれの項目を見る限りでは、被害当事者などの参画など具体的施策を読み取ることはできず、やや理念的過ぎるのではないかとの印象もあり、今後、条例文の具体化とあわせ、支援策についても拡充、具体化を望むものです。
 そこで、改めて条例化に向けた知事の見解を伺います。
 また、八月二十六日には、性自認及び性的指向に関する基本計画素案が公表されました。
 私が、この計画素案のもととなる条例案の採決に際して、都営住宅への入居を初め、各種施策についての検証を行い、適切な措置を講ずることなどとする付帯決議を提案したのが昨年十月です。しかし、計画素案では、都営住宅への入居に関して、検討していきますとなっており、スピード感を欠いているようにも感じます。
 都営住宅への入居を初め、各種施策の適切な措置、具体化に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。
 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例が施行されて半年ほどたちますが、いまだにヘイトスピーチなどの差別が散見されます。
 例えば一件の審査で年単位で時間がかかり、適用がほとんどなされないことなどがあると、実質的な抑止効果などが乏しくなることも考えられます。条例施行から半年ほどたちますが、審査会の実施状況や条例の申し立て件数などの適用の実績を問うとともに、今後の運用、適用のめどがどれくらいか伺います。
 一方で、表現の自由にも配慮しなければなりません。
 特に、SNSなどの拡散力のあるインターネットでの創作活動、漫画やアニメなどの創作活動を萎縮させてしまわないよう、都が率先して表現活動に対して啓発していくべきと申し上げておきます。
 平成二十二年の青少年健全育成条例の改正の際には、非実在青少年などの概念が曖昧で、大きな反響があり、表現者からの大きな心配がありました。
 こうしたことから、差別解消や青少年保護には努めなければならない一方、表現の自由への心配を払拭しなければなりません。
 昨今、表現の不自由展の中止など、自治体の首長が表現の自由に対しての考えを問われるケースが起きています。政治家としての知事の表現の自由への配慮をどのように考えるのか、見解を伺います。
 以上で、都議会立憲民主党・民主クラブを代表しての質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 西沢けいた議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、長期戦略についてご指摘がございました。
 私は、知事になってから、一貫して人に焦点を当てて、東京で働いて、そして暮らす誰もが、自分らしく輝ける社会の実現に向けまして、生活困窮者への支援など、さまざまな政策を展開してきたところでございます。
 今回の未来の東京への論点でございますが、人が輝くをキーワードの一つといたしておりまして、都民一人一人がみずからの希望に応じて生き生きと活躍している七つのイメージを、我々が目指すべき未来の東京の姿としてお示しをしたところでございます。
 そして、こうした将来の姿を実現するために、十年後の二〇三〇年に向けまして、低所得、離職者等の生活の安定に向けた支援や、正規雇用に向けました多面的な支援、ひきこもりの方とその家族へのケア体制、ひとり親家庭への支援といった貧困対策などの具体的な課題も提示をいたしております。
 この論点整理をもとにして検討を重ねて、本年末に策定をいたします長期戦略ビジョンで、誰もが未来に希望を持てる東京の姿をお示ししてまいる所存でございます。
 次に、ソサエティー五・〇や5G推進による都民への影響についてのご質問でございます。
 AIやビッグデータ、5Gなどを活用いたしましたサービスを社会の中に実装していくということが、ソサエティー五・〇の実現につながり、すなわちそれは、東京の稼ぐ力の源泉となりましょう。こうした考え方を広く都民に伝えることは重要であります。
 私も出席しております「Society五・〇」社会実装モデルのあり方検討会、こちらは、フルオープンの場で、社会実装に向けた理念を初めとして、都民が享受するメリット、官民の役割分担や費用負担、デジタルデバイド解消のための普及啓発等について議論をしているところでございます。
 検討会での議論も踏まえまして、都といたしまして、今年度、都民や事業者を対象としたシンポジウムの開催とともに、データ利活用のアイデアやダイバーシティーの実現に資するアプリを募集するコンテストも開催をしてまいります。
 今後とも、5Gなどの先端技術が都民の生活を豊かにすることを発信いたしまして、都民の理解を得ながら、新たなソサエティー五・〇の社会を実現してまいります。
 次に、行政改革についてでございますが、急速な技術革新など変化が激しい時代でございます。未来が不確実さを増していく中では、旧来の延長線ではなく、新たな発想で政策をつくり上げていく必要がございます。
 こうした考えに立ちまして、先月発表いたしました未来の東京への論点におきましては、我々の目指すべき未来の東京の姿と、そこに至る上での考え方をお示ししたところであります。その実現のためには、都庁みずからも大きく変貌していかなければなりません。
 私は就任以来、東京大改革を掲げまして、都民ファースト、情報公開、ワイズスペンディングの三つの原則のもとで、二〇二〇改革プランを策定いたしまして、職員による自律的な改革を進めつつ、都庁の生産性向上や組織の機能強化を図ってまいりました。
 新たな都政改革におきましては、二〇四〇年代を見据えながら、二〇三〇年までの課題を具体化し、ネックとなる仕事の中身や仕組み等を総点検してまいります。仕事の進め方自体を不断に見直す、そのことで、都政改革を新たなステージへと進化させていく所存でございます。
 市民活動の活性化についてのご指摘がございました。
 今や東京では、九千を超えるNPO法人を初め、町会、自治会、さまざまなボランティア団体などが自主性、主体性を持って活動しています。
 こうしたさまざまな団体の活動が地域で活発に行われることは、地域課題の解決の上でも意義があると認識をいたしております。
 都は、東京ボランティア・市民活動センターにおきまして、NPO法人などの設立、運営に関しての相談やマネジメントに関する研修などの支援を行っております。
 また、団体が行う配偶者暴力被害者支援や、外国人への日本語教育などの活動に対しての助成も行っております。
 今後も、人が輝く東京の実現に向けまして、さまざまな団体と連携協力いたしまして、誰もが自分らしく、生き生きと活躍できる社会を構築してまいります。
 高齢者の施策でございますが、多くの高齢者は、たとえ介護が必要になりましても、可能な限り住みなれた地域で暮らしたい、そのように望んでいると存じます。その思いに応えるためには、適切な住まいや医療、介護、生活支援サービスなど、地域の中で一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築は重要であります。
 都は、第七期東京都高齢者保健福祉計画におきまして、介護サービス基盤の整備、住まいの確保、認知症対策、介護人材対策など、七つの重点分野を定めまして、さまざまな施策を全庁横断的に推進しているところでございます。
 基盤整備につきましては、都有地の活用を進めるほか、認知症対策については、認知症疾患医療センター等の医療提供体制の整備、認知症の人と家族を支える地域づくり、都民への普及啓発などを行っております。
 また、介護人材の確保、定着、育成に向けまして、事業者のキャリアパスの導入や介護職員の宿舎借り上げ支援、職場体験など、さまざまな取り組みを進めております。
 今後とも、地域で支え合いながら、安心して暮らし続けられる東京の実現に向けまして、大都市東京の特性を踏まえた高齢者施策を展開してまいります。
 まちづくりとスマートモビリティーについてのご質問がございました。
 人口減少やさらなる少子高齢化の進展など、今後、東京に大きな変化が見込まれる中で、都民の快適な生活を確保していくためには、それぞれの地域の実情、ライフスタイルの変化に対応してまちづくりを進めて、交通サービスと最適に組み合わせていく必要がございます。
 AIやIoTなど、第四次産業革命によってもたらされます新しいスマートモビリティーのサービスが、この問題を解決する鍵を握っていると考えます。
 今回公表いたしました未来の東京への論点におきましては、5GネットワークとAIの活用によって、都市全体がデジタル化した超スマート社会の姿を示しております。
 その上で、目指す東京のイメージといたしまして、まち中では自動運転によるスマートモビリティーが往来をし、人々がまち歩きを安全かつ自由に楽しんでいるという姿を提示いたしております。
 今後、スマートモビリティーを前提といたしました交通基盤の整備など、幅広い観点から検討を進めまして、最先端技術の社会実装を通じて、都市としての成長と都民生活の向上が両立する東京の姿を、年末に策定いたします長期戦略ビジョンの中で明らかにしてまいりたいと考えております。
 次に、犯罪被害者等支援条例の構成に関する基本的な考え方についてのお尋ねでございます。
 新たに制定をいたします犯罪被害者等支援条例でございますが、苛酷な状況に置かれている被害者やそのご家族の実情を踏まえまして、当事者の方々に寄り添うものにしていかなければなりません。
 今回公表いたしました基本的な考え方は、有識者懇談会において、支援のあり方や必要な取り組みなどにつきまして幅広く議論していただき、その内容を踏まえて策定したものでございます。
 具体的には、基本的な取り組みとして、相談及び情報の提供や、心身に受けた影響からの回復などを掲げるとともに、東京が抱えます特有の課題も見据えまして、在留外国人、他の県からの旅行者への対応などについても盛り込むことといたしました。
 引き続き、有識者懇談会での議論やパブコメに寄せられましたご意見を踏まえまして、真に被害者の支えとなるような条例の制定に向けまして、検討を進めてまいります。
 最後に、表現の自由への配慮についてのご質問がございました。
 表現の自由というのは民主主義を支える根幹であるということはいうまでもないと思います。
 また、漫画やアニメを初めとして、我が国が世界に誇る文化がございますが、それが発展を続けていくための基盤は自由な創作活動と考えます。憲法で保障されている表現の自由は守らなければならないと考えます。
 一方で、判例もございますが、表現の自由は無制約ではございません。基本的な人権であります表現の自由には最大限配慮しつつ、ご指摘のような差別解消であるとか、青少年保護などの観点から議論を深めていくことは重要とも考えております。
 以上、その他のご質問につきましては、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監佐藤伸朗君登壇〕

○東京都技監(佐藤伸朗君) ホームドアの整備についてでございますが、駅のホームドアの整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取り組みが不可欠でございます。
 都はこれまで、鉄道事業者に対する補助を行い、これにより、利用者十万人以上の駅のうち半数を超える駅でホームドアが設置され、整備が進みつつあります。
 今後、さらなるホームドアの整備に向けまして、ホームの形状や乗りかえの有無など駅の特性や、駅周辺における保育所や高齢者福祉施設などの立地状況といったものを考慮した優先整備の考え方を取りまとめ、これに基づき、利用者十万人未満の駅に補助の拡大を図ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、今後、ホームドアの整備を積極的に促進してまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 高齢者等の住まいの確保についてでございますが、高齢者、低額所得者などの住宅確保要配慮者の居住の安定確保には、公共住宅に加え、民間住宅を含めた重層的なセーフティーネット機能が重要でございます。
 これまで都は、居住支援協議会において、入居あっせんの事例や家賃債務保証制度の紹介等を行ってまいりました。
 また、セーフティーネット住宅につきましては、区市町村の意向を踏まえ、昨年度から家賃低廉化補助等を実施し、加えて、今年度からは、見守りサービスを支援するモデル事業や、入居者の死亡時に貸主に生じる損失を補償する保険料への補助などを実施し、登録促進を図っております。
 今後とも、福祉部門と連携しながら、こうした施策を着実に実施することにより、住宅確保要配慮者の住まいの確保に向けて取り組んでまいります。
〔都民安全推進本部長國枝治男君登壇〕

○都民安全推進本部長(國枝治男君) 自転車損害賠償保険加入の促進についてでございますが、都はこのたび、都の自転車事故の状況や専門家の意見等を踏まえ、保険加入を通じたさらなる自転車安全利用を推進するため、自転車損害賠償保険への加入を義務とする条例改正案を提出いたしました。
 今後は、条例施行までを周知期間とした上で、ホームページでの発信、高齢層には広報誌への掲載など、広くさまざまな広報媒体を活用し、実効性のある制度周知と普及啓発を行ってまいります。
 また、官民が連携した多種多様な保険商品の情報発信など、さまざまな手法を用いて加入を促進するとともに、今後は、加入状況の調査も検討するなど、施策を展開してまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画についてでございますが、本計画の素案では、性自認及び性的指向に関する困難を抱える当事者が直面する困り事をできる限り解消していくため、それぞれの施策現場において事業の実情に即した検討を行い、これまでの取り組みや今後の方向性を示しています。
 例えば、都営住宅につきましては、人権を取り巻く社会の動向等を踏まえ、管理制度等における取り扱いについて検討していくこととするなど、さまざまな分野の取り組みを挙げております。
 今後、社会情勢やそれぞれの現場における実態も踏まえ、各局と課題を共有しながら基本計画の策定を進めてまいります。
 次に、いわゆるヘイトスピーチ解消に向けた取り組みについてでございますが、東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例を全面施行した四月以降、複数の事案について情報提供を受けております。これらの事案につきましては、条例に基づいて設置した審査会において既に二回の議論を行い、引き続き、条例の規定に基づく措置等について慎重に検討しているところでございます。
 今後も、表現の自由など、憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないよう、公正、公平かつ中立的に条例の運用に努め、ヘイトスピーチの解消に向けて取り組んでまいります。

○六十七番(岡本こうき君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時四十六分散会

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