令和元年東京都議会会議録第十一号

○議長(尾崎大介君) 二十八番川松真一朗君。
〔二十八番川松真一朗君登壇〕

○二十八番(川松真一朗君) 二〇二〇年大会まであと一年余りとなりました。新規施設も順次竣工してきており、大会準備に向けて総力を挙げて取り組んでいく時期となっています。
 とりわけ大会輸送については、大会成功の鍵を握るとともに、都民生活や経済活動の観点からも、きめ細かい対策が必要となります。開催都市としての役割と責任も大きいため、我が会派は以前から大会輸送について、さまざまな問題提起を行ってきました。
 都はこれまで、大会時の交通需要を抑制するためのTDMなどを推進するとともに、さらなる追加対策の検討について、国に対して要請してきてはいます。しかしながら、これらの対策が有効に機能するためには、事業者や都民の理解が前提であります。また、会場周辺の交通対策への理解のためには、地元自治体や地域の住民の協力が不可欠となります。さらに、物流や交通に一定の制約がかかることを経済活動や都市活動への影響を最小限にするための仕組みも必要なのはいうまでもありません。
 これから夏の試行期間を迎えるわけで、大会時の交通需要のきめ細かい予測をわかりやすく情報提供するとともに、事業者に具体的な取り組みを理解していただく重要な機会となります。
 そのため、知事が率先して輸送対策について発信し、都民に理解を得るために汗をかいていくことが重要であり、その成果を大会輸送計画に反映していくことが必要となります。
 そこで、二〇二〇年大会の輸送対策について、テストイベントでの取り組みや検証内容について、今後どのように大会本番に生かしていくべきか、また取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。
 この夏は、大会までの最後の夏となります。輸送における試行の取り組みに加えて、テストイベントも順次行われていきます。この夏以降のテストイベントでは、競技運営やセキュリティー、暑さ対策、ボランティア、観客誘導などの大会運営の検証の貴重な機会となります。
 さらに、組織委員会を初めとする関係機関との連絡調整や、危機管理対応なども実践的に確認する場となるでしょう。
 したがって、大会成功に向けて、このテストイベントにおいて、どのように実践的な検証の取り組みを進め、その成果をどう生かしていくのか、都の見解を伺います。
 今、世界の経済や人々の生活は、ICTの急速な進歩と、そこから生み出される新たなビジネスによって大きく変貌しつつあります。
 現在、グーグルやアップルに代表されるGAFAや、中国のアリババなどのBATHなど、いわゆるプラットフォーマーは常に世界の情報を集め、さらにそれを魅力的な商品に変えて、あらゆる国や民族の生活に深く食い込んでいます。もちろん、こうした国際企業が莫大な利益をそこから得ていることはいうまでもありません。
 また、金融の世界でのフィンテックや、行政においてもガブテックと呼ばれる改革が始まるなど、あらゆる分野でICTによるビジネス等の改革が進展しています。
 こうした改革の主力として、プラットフォーマーだけではなく、多くのベンチャー企業も躍進しています。アメリカのシリコンバレーや中国の深圳などはその典型例であり、大企業資本とベンチャー企業が巨大なビジネスを生み出し続けています。
 翻って、我が国はどうでしょう。かつては、我が国のICT技術は世界の最高峰にあり、世界中の人々が日本発の商品を利用していました。しかし今日、家電分野、パソコン分野、携帯分野など、次々にシェアを縮小し、我が国の技術は依然として評価は高いものの、残念ながら脇役的存在になってしまっているのが実情です。
 我が国経済のまさにエンジンである首都東京は、我が国がこうした世界のICTビジネスの国際競争において巻き返していくために、今後大きな役割を果たさなければならないと私は考えています。
 それは、ICTビジネスの世界に今大きな変革が起きており、再び国際競争が激化しているからであります。まさしく今は、我が国が世界からおくれてしまう最大のピンチでもあり、再び追いついていくチャンスでもあります。
 その一つは、5Gと呼ばれる高速大容量の通信基盤への移行が始まっていることにあります。AIやビッグデータ活用の時代においては、多くの情報やデータをより大容量で高速に送ることができる社会の通信インフラが必要になってきます。
 5Gについては、個人が映画や動画を数秒でダウンロードできるような便利さがよく話題に上りますが、複雑な金融処理の安全確保や、既に行われている遠隔医療の正確性を向上させるなど、人々の生活を大きく変える可能性があると私は考えています。
 そこで、都としては、ICTビジネスにおける5Gについてどのように認識をしているのか、また、どのように取り組んでいく方針なのか、知事の所見を伺います。
 先ほど申しましたように、現在、GAFAなどのプラットフォーマーは、人々の生活に大きく影響を与えています。個人の嗜好にマッチするようなマーケティング情報が次々とメールなどで紹介されることは、もはや日常となってしまっています。これは情報社会における独占企業の登場ともいえるものです。
 しかし、ヨーロッパのGDPRのように、個人情報をプラットフォーマーに支配されることをよしとしない、新しい個人情報保護の大きな動きが世界的に進みつつあります。これが私が申し上げたいもう一つの世界的な大きな変化です。
 GAFAが生まれなかった我が国においては、ICT分野は既に世界から周回おくれともやゆされるところであります。しかし、GAFA、BATH時代においても、再び個人情報保護を見直した上で、改めてビッグデータを活用していこうとする動きには、我が国にとって、改めて情報社会にどのように取り組んでいくのか、千載一遇のチャンスが来ているのかもしれません。
 こうした局面においては、我が国の中小企業やベンチャー企業も新たなビジネスチャンスに挑戦していく必要があります。AIやビッグデータを活用する第四次産業革命やソサエティー五・〇社会に向けた新たな潮流が、またしても大企業だけの独占になってしまえば、真の成長戦略や都民生活の豊かさにはつながらないと私は考えています。
 そこで、今後のデータ活用の進展を、中小企業やベンチャー企業、さらには都民生活の向上につなげるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 そういった背景を踏まえて、さらに東京が成長を遂げていくためには、イノベーションを創出し、GAFA、BATHなどに続くユニコーン企業を生み出していくことが重要です。
 ソサエティー五・〇の実現に向けた取り組みは、こうした企業を生み出す大きな可能性を秘めていると巷間ではよくいわれています。いうはやすしですが、これを実現し、現実の事業に生かし、企業の成長を図っていくことは容易ではありません。理念の議論、空論では意味がありません。
 東京の成長を確実なものとしていくためには、こうした動きに中小企業は乗りおくれないよう、地場の中小企業を巻き込んで着実に成果を上げていきながら、中小企業に成長に向けたイノベーション創出への取り組みを根づかせていくことが重要です。
 都は、中小企業の高い技術力や独創的なアイデアを生かして、外部の大企業や研究機関の持つ資金力や人材などと結びつけるオープンイノベーションなど、革新的な製品、サービスの創出に向けた支援を加速させていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 これからはプラットフォーマーの動向を見据えて、時代の潮流の変化の中で、東京の各地を支える地場産業各社がプラットフォーマーと連携していくサポートをしていくことこそが、今後の中小企業の持続発展を支えるものと強く考え、都にはしっかりとした産業政策を要望しておきます。
 次に、都営浅草線について伺います。
 私の地元墨田区を通り、東京スカイツリーの足元を走る都営浅草線は、羽田と成田の両空港をダイレクトに結び、沿線には浅草や銀座といった東京を代表する観光地があるなど、ビジネスや観光の拠点をつなぐ、極めてポテンシャルの高い路線であります。まさに、浅草線のプレゼンス向上は、東京の国際競争力強化に直結するといっても過言ではありません。
 全編成の新型車両への更新やホームドアの全駅設置に道筋をつけた今、多くのビジネスマンや観光客が行き交う浅草線各駅において、全面的な駅のリニューアルを進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 オペラ夏の祭典二〇一九―二〇事業は、二〇二〇年に向けてのものであり、今年度はプッチーニ作曲のトゥーランドットを上演いたします。TTF事業の中で、ことし最も力を入れて準備を進めてきたものとされ、私自身も事業計画が発表されたときから期待をし、待っていたものです。
 ところが、本番直前の今になっても、都が重点を置いてきたという割には、まだまだ広く世間に浸透しておらず、その盛り上がりが欠ける様子に残念な印象であります。来年に向けて、さらに効果的なPRを行い、さらなる盛り上げを図っていくことが必要ではないかと考えますが、都の見解を伺います。
 近年、豪雨や地震など災害が激甚化しており、災害時のライフラインの確保と都民の安全を守ることが重要であると改めて痛感しています。私の地元墨田区でも、首都直下地震の際には、約八万人の帰宅困難者が発生すると推計されます。
 このような事態に備え、下水道の浸水、震災対策等をさらに進め、強靱化を図ることは重要であると考えますが、見解を伺います。
 さて、知事が会見で発表されましたかぶるタイプの傘について伺います。
 暑さ対策は極めて重要です。しかし、今回の傘はマスコミやネット上で、専らセンスがない、ダサいなど、悪い評判が広がっております。そもそも貴重な税金を使って都がこのような傘を製作することについて、都民の納得が得られていません。
 仮にイベント等の暑さ対策で行政が用意するにしても、伝統工芸品のすげがさなどを使用する案もあったはずです。今回も思いつきだったのでしょうか。今後、都の財政は厳しくなることが予想される中で、この動きは、やはり東京には潤沢な予算があるのではないかとさまざまな方に思われてしまうのではないでしょうか。
 記者会見で、価格などの詳細はまた追ってお知らせしますとされていますが、評判が悪い中で、この製造を引き受けてくれる企業はどれくらいあるのでしょうか。
 そこで、知事が発表した傘について、今後どのようにされるおつもりか、知事の見解を伺います。
 最後に、一言申し上げます。
 東京水道サービス株式会社の野田数社長人事について、小池知事は、適材適所の配置であると強弁されています。
 しかし、着任早々の五月六日、野田社長は事もあろうに、元特別秘書と新社長の二つの肩書を誇示するかのように、某大学で、東京の成長戦略と水道経営についてというテーマで講演をされました。
 しかも、ご丁寧にTSS社のウエブサイトでその講演のPRまでしていることに驚きを隠せません。会社経営の右も左も、これからのかじ取りもわからないまま、都の水道事業について無責任に披瀝されたようですが、こうした姿勢と態度は断じて容認することができません。
 我が党は、引き続き都民にとって有益な監理団体改革となるよう、都議会の権能であるチェック機能を十二分に発揮してまいります。
 以上で私の一般質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 川松真一朗議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、大会輸送にかかわることしの夏の試行と今後の取り組みについてのご質問がございました。
 ことしの夏は、大会と同時期に大会本番を見据えまして、さまざまな検証を行うことができる唯一の機会でございます。そして、より多くの企業の参画を働きかけまして、大会準備を加速させる重要な期間となります。
 円滑な大会輸送を図ることで、東京二〇二〇大会を何としても成功させる、その思いから、東京商工会議所を初めさまざまな団体へ足を運びまして、具体的な取り組みを私からも直接お願いをしているところでございます。
 現在、スムーズビズの取り組みを推進しておりまして、大会時の混雑緩和はもとより、働き方改革、物流効率化、生産性の向上にもつなげていき、大会のレガシーとしてまいります。
 都といたしましても、この夏、率先をいたしまして、時差出勤やテレワークなどを実施し、社会全体の機運を醸成してまいります。
 広く企業や都民の皆様に対しまして、私みずからさまざまな機会に情報発信をするとともに、テストイベントを初め、この夏の取り組みをしっかり検証いたしまして、得られた知見を来年の本番に生かしてまいります。
 円滑な大会輸送の実現と都市活動の維持との両立を図って、大会の成功と新たな働き方などの定着を目指してまいります。
 ICTビジネスにおけます5Gについてのご質問をいただきました。
 世界中の企業が新たなビジネスチャンスを狙い、第五世代通信、いわゆる5G対応を進める中、多様な産業が集積いたしますこの東京で、5Gなどの先端技術を社会実装することが、東京ひいては日本の稼ぐ力の強化に不可欠でございます。
 通信大手がアンテナの設置などにしのぎを削っているこの5Gでございますが、産業構造を変える大きなポテンシャルを持ち、さまざまな分野への活用が期待されております。都といたしましても、その普及に向けて適切な支援を実施してまいります。
 5Gがもたらします未来社会は、例えば、世界中から人、物、金、情報が集まって、新たなビジネスモデルやネットワークが構築されて、中小企業等がイノベーションを次々と生み出すことで、人々が活力に満ちた生活を送ることができる社会となります。
 そこで、都といたしまして、ソサエティー五・〇の検討会において、5Gを活用した実証実験の支援や官民連携データプラットホームの構築について検討を開始しております。
 今後、国、民間と協力をし、取り組みを進めるとともに、官民連携データプラットホームとビジネスチャンス・ナビとの連携のあり方についても検討を進めてまいります。
 日本経済を牽引する首都といたしまして、5Gを基盤とするスマートシティーの構築に向け、全力で取り組んでまいります。
 かぶるタイプの傘についてのご質問がございました。
 東京二〇二〇大会の開催を一年後に控えまして、昨年に引き続き、ことしも猛暑が予想される中で、暑さ対策は喫緊の課題でございます。
 都といたしましても、さまざまな取り組みを進めているところでございまして、ハイテクからローテクまで、あらゆる手法について検討する必要がございます。
 今回のかぶるタイプの傘でございますが、海外の有名ブランドのほか、国内でも、例えば釣り具店やネットの通販などで既に販売をされているものでございます。
 昨年夏、暑さ対策のツールとして販売実績を上げておりますネッククーラーとあわせまして販売するなど、具体的な展開を検討してまいります。
 残余の質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) テストイベントにおける検証についてでありますが、本番の競技運営を想定して実施されるテストイベントは、円滑な大会輸送はもとより、ラストマイル運営など、都の取り組みを実地で検証できる重要な場であります。
 このため、都においても、実施される都内全会場において、組織委員会と連携し、検証を行ってまいります。
 検証に当たりましては、テストイベントの内容等に応じて、暑さ対策やシティキャストの運営、会場周辺の安全確保など重要な項目について、例えばリーダー経験のあるシティキャストの応募者に、実際に最寄り駅で案内をしていただくなど、より実践的な検証も取り入れてまいります。
 テストイベントは、今月下旬から本格的に始まり、来年五月まで順次行われますが、こうした検証を積み重ね、得られた知見や経験を大会本番における取り組みに反映させてまいります。
〔戦略政策情報推進本部長松下隆弘君登壇〕

○戦略政策情報推進本部長(松下隆弘君) 今後のデータ活用の進展についてでございますが、情報ビジネスの世界では、お話にありましたように、プラットフォーマーによる個人情報の独占から、個人がみずからの情報をコントロールし、データ活用を進める新たな動きが出てきてまいっております。
 ソサエティー五・〇の実現につきましては、こうした個人情報保護等にも配慮しつつ、データを集約し公開していく、信頼性の高いプラットホームを構築することが重要でございます。
 都は先般、ソサエティー五・〇の検討会におきまして、官民連携データプラットホームの構築、さらには中小企業等のビジネス機会の創出等に向けたオープンなデータ活用の検討を開始したところでございます。
 また、あわせまして、ビッグデータ分析を試行し、その結果を広く公開してまいります。今後は、データ活用のメリットを都民や中小企業等の皆様にお示ししながら、データ活用を機軸としたソサエティー五・〇の実現につなげてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) イノベーション創出のための支援についてでございますが、都内にはすぐれた技術や意欲を持つ中小企業が数多く存在しており、東京の産業のさらなる発展に向けて、そのポテンシャルを最大限に引き出していくことが必要でございます。
 このため、都は、防災や環境等、大都市の課題に果敢に取り組む中小企業の技術開発をサポートし、事業化を実現してまいりました。
 また、ベンチャー企業等が大企業と連携し、革新的なサービスや製品を開発することで新たな市場をつくり出す大規模プロジェクトにも支援を行っているところでございます。
 さらに、今年度からは、事業承継を契機に、後継者がイノベーションを実現するために必要な設備投資に対して、一億円を上限に新規の助成を開始いたしております。
 こうした取り組みを積極的に進め、中小企業のイノベーションへの挑戦を力強く後押ししてまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 浅草線における駅のリニューアルについてでございますが、交通局では、浅草線について、古きよき伝統を守りつつ、現代的な地下鉄に生まれ変わらせるため、東京と世界を結ぶ地下鉄という統一的な考え方のもと、車両更新やホームドア整備、駅の改装等を行うリニューアルプロジェクトを推進してございます。
 このうち、駅の改装では、木目調を用いるなど路線の統一感を演出した上で、駅ごとに地域の特色を踏まえたデザインとし、まち並みに合わせた駅空間を形成してまいります。
 今年度は、歌舞伎座をイメージして改装する東銀座駅のほか、国際交流拠点の玄関口として再開発事業と一体的に大規模改良を進める泉岳寺駅など、五駅の設計に着手し、今後十五年間で全十九駅の改装を目指してまいります。
 こうした取り組みを通じて、東京の魅力向上に貢献してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) オペラ夏の祭典のPRについてでございますが、本事業は、世界的なアーティストが演じるオペラを比較的手ごろな価格で鑑賞できるTokyo Tokyo FESTIVALの目玉事業でございまして、二年にわたる一大プロジェクトでございます。
 四月以降、今年度の演目であるトゥーランドットの誰もが一度は耳にしたことのあるメロディーを上野駅の発車メロディーとしているほか、先月には、六本木のオープンスペースで解説つきのミニコンサートを行いました。
 来月には、リハーサルの無料公開を予定しており、既に定員の三倍を超える観覧申し込みをいただいております。
 今後も、多くの方がオペラを身近に感じられる話題性のあるPRを重ねて、本番の盛り上げにつなげるとともに、来年度の演目であるニュルンベルクのマイスタージンガーへの期待感を高めてまいります。
〔下水道局長和賀井克夫君登壇〕

○下水道局長(和賀井克夫君) 下水道の強靭化についてでございますが、激甚化する自然災害を踏まえ、都民の生命と財産を守るためには、防災、減災の取り組みを強化することが重要でございます。
 下水道局では、既存の下水道施設に加え、現在計画中の下水道施設が完成した場合を想定した時間七十五ミリ降雨のシミュレーションを進め、その結果と浸水実績等を踏まえ、今後、整備水準を現行の時間五十ミリから七十五ミリにレベルアップする地区等を追加してまいります。
 また、震災対策につきましては、これまでの避難所等から排水を受け入れる下水道管の耐震化に加え、今後、墨田区の江戸東京博物館など、帰宅困難者が一時的に待機する約五百の施設の下水道管の耐震化を新たに対象として拡大してまいります。
 今後とも、こうした下水道の強靱化を積極的に進め、安全・安心のまちづくりに全力で取り組んでまいります。

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