令和元年東京都議会会議録第十一号

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(尾崎大介君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 知事より、東京都人事委員会委員の選任の同意について外人事案件四件が提出をされました。
 これらを本日の日程に追加をいたします。

○議長(尾崎大介君) 昨日に引き続き質問を行います。
 六十三番細谷しょうこさん。
〔六十三番細谷しょうこ君登壇〕

○六十三番(細谷しょうこ君) 新しい令和の時代の幕あけとなり、いよいよ迫ってまいりました東京二〇二〇大会開催へ都民の関心はますます高まっております。
 六月一日には東京二〇二〇オリンピック聖火リレーのルート概要が発表され、全ての市区町村をめぐるとのことです。
 オリンピック・パラリンピックの理念は、心の復興、平和への願いであり、オリンピック聖火リレーはそうした思いをつなぐという意味があります。
 また、東京二〇二〇大会は復興大会であり、オリンピックの聖火リレーのトーチデザインである桜の花のモチーフは、被災地の子供たちとともに支え合い、認め合い、高め合うという意味が込められており、そうした理念のもとに福島県を出発すると聞いております。
 希望の道を照らし出すオリンピック聖火リレー、そのコースについては、昨年の定例会で、競技数のわずかな多摩地域にも、聖火リレーを巡回すべきとお尋ねしましたが、都内全六十二市区町村で、聖火リレーを実施するとの決定を聞き、とても喜んでおります。
 さて、いよいよこの夏にはパラリンピックのチケットの抽せん申し込み受け付けが開始されるとのことですが、パラリンピックに触れるチャンスがなかった方々は、なかなかなじみがないと思います。
 パラリンピックの意義は、多様性を認め、誰もが個性や能力を発揮し、活躍できる公正な機会が与えられていることにあります。
 こうした意義を都民にもご理解いただき、参加していただくことが大切です。そして、パラリンピック終了後も、その精神を受け継いで、誰もが分け隔てなく交流できる、そんな社会の実現にも導いていただきたいと考えております。知事ご自身もパラリンピックの競技を体験されたと伺っております。
 今後、さらに認知度を広げることや機運醸成の取り組みが一層重要になってまいりますが、知事の見解をお伺いいたします。
 次に、多摩地域の振興について伺います。
 二〇一七年九月、東京都では多摩振興の道筋を示す多摩の振興プランを策定し、都市づくりのグランドデザインの内容も踏まえ、先を見据えた多摩の目指すべき地域像や実現に向けた施策の方向性を示しました。
 令和元年度の予算には、産業の振興として、多摩・島しょに五十七億円の予算が計上され、市町村とも連携しながら、多摩の魅力発信など、多摩地域の振興に取り組んでいくと示されております。
 私の地元東久留米市には、東京都で唯一、平成の名水百選に選ばれた水と緑豊かな南沢湧水群や落合川、竹林公園などがあり、農産物として、江戸東京野菜の柳久保小麦など数々の品目がございます。
 また、清瀬市では、近年、多くの人でにぎわうヒマワリ畑があり、先日、金山緑地公園では、子供たちが初めて見る蛍の舞う姿に目を輝かせておりました。
 農業では摘み取り体験のできるファームや果樹園、酪農などに加え、市役所屋上で職員みずからが、ミツバチを世話し、蜂蜜を製造する養蜂に取り組むなど、興味深い試みがさまざま展開されております。
 市町村は、地域のさらなる発展、活性化を図るため、多摩地域ならではの魅力に磨きをかけるとともに、それぞれの地域の魅力発信にも取り組んでいます。
 多摩地域の一層の発展を図っていくために、都は、多摩の魅力発信について、市町村との連携を強化し、取り組んでいく必要があると考えますが、所見を伺います。
 次に、都立公園の環境整備について伺います。都立公園は水と緑のネットワークの拠点として、また、災害時には避難場所や救出救助活動等の拠点として機能する重要な施設です。さらに最近では、地域ににぎわいをもたらす場として注目されています。
 東京都は平成二十三年、都市計画公園・緑地の整備方針を改定し、計画的な整備促進と整備効果の早期実現に向け取り組むと示しております。その中で、都が事業を行う優先整備区域として、重点公園、緑地四十二カ所が発表されています。その公園の一つに、東久留米市の六仙公園がございます。
 当公園は隣接する水と緑の空間を生かし、市民の憩いの場として利用されています。コンセプトに、水の森の創造、湧水を守り、緑を歩くとされ、芝生や広場を子供から大人まで楽しめる空間とするとともに、レクリエーションの場となるように整備されています。
 東久留米市の防災計画の中においても、避難場所として位置づけられ、将来的には、重要な防災拠点となるとされています。
 現在、一部開園され、四季折々、見事な花が咲き誇り、多くの方々に楽しまれています。この花の植栽には、地元のボランティアの方々が熱心な活動をしておられます。六仙公園への地元の方々の思いは大変強いと感じております。
 東久留米市の六仙公園の整備を一層推進してほしいと考えますが、都の所見を伺います。
 昨今、少子高齢化の社会を迎え、核家族化が進むに当たり、都民の墓地に対する意識、ニーズは変化を遂げていることから、都立霊園八園を運営する東京都として今後どのように取り組んでいくかが、都民にとって大きな関心事です。
 墓地に対する民間の相談業務の内容を伺うと、かつては墓地を備えるための費用の工面についての相談が主だったそうです。現在は、墓地を支え切れない方のお悩みや墓じまいの相談が寄せられるようになったとのことです。
 千葉のある自治体では、既存の墓地の一角に共同埋蔵式の樹林墓地を計画、登録には一定の条件がありますが、契約した後は、一切負担のない永代供養の形をとっており、利用者からは、安心しましたと好評だそうです。
 都立霊園の中にも、小平霊園のように樹林墓地が設置されたケースもあり、話題となりました。
 墓地の問題は、高齢化の進む中、避けては通れないもので、今後、需要は増加することはあっても、減少するものではないでしょう。また、利用されているご家族も、環境の変化により、多くの相談が寄せられていくことと思います。
 今後、そうしたさまざまなニーズに、都としてどのように応えていかれるのかを伺います。
 最後に、東京都の空き家対策について伺います。
 空き家対策は、区部よりも人口減少や高齢化が進む多摩地域にとって、その取り組みが不可欠であり、成熟したまちづくりを進める上で大きな課題と捉えております。
 平成三十年の総務省住宅・土地統計調査概数集計結果、いわゆる速報値によりますと、全国では、空き家数は八百四十六万戸、空き家率は一三・六%と、ともに過去最高となりましたが、都内では、空き家数は八十一万戸、空き家率は一〇・六%と、ともに五年前の前回調査と比べて、わずかながら減少しました。とはいえ、今後、人口や世帯数の減少、高齢化、単身化が見込まれる中、空き家対策の重要性はますます高まっていくものと考えられます。
 こうした状況のもと、東京都は、市区町村の空き家対策を支援する事業などとして、令和元年度の予算で新規施策を含め、二億八千万円を計上、中には、補助率十分の十という、都として強力に支援しようという事業も設けております。
 財政の厳しい市町村にとって、空き家対策の推進につながること、将来のまちの活性化にも道を開くきっかけになると考えられるところから、取り組みを高く評価したいと思います。
 また、一般の都民向けには、本年、平成三十一年三月、東京都空き家ガイドブックを刊行。内容は、お一人お一人が身近なお困り事を対応できるよう、わかりやすいQアンドA方式でつくられています。
 一方、市区町村の空き家対策に関する状況はさまざまで、実施体制にも違いがあります。東京都には、それぞれの特性を踏まえ、対応をしていただきたいと考えます。
 こうした状況を踏まえ、都は今後、空き家対策について、市区町村とどのように取り組み、進めていくかを伺います。
 質問は以上でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 細谷しょうこ議員の一般質問にお答えをいたします。
 パラリンピックの機運醸成についてのお尋ね、ありがとうございます。私は、パラリンピックの成功なくして大会の成功はないと常々申し上げてきております。パラリンピックの会場を満員の観客で盛り上げる、そのことこそ、アスリートへの最高のおもてなしであり、大会成功の鍵だと考えております。
 今よりももっと多くの方々に競技や選手の魅力を知っていただいて、競技会場に足を運んでもらう、そして、力の限り熱い声援を送っていただきたい。そして、大会後の障害者スポーツの振興や共生社会の実現につなげていきたいと考えております。
 これまで都といたしまして、チームビヨンドなどを通じて障害者スポーツの魅力を発信をする、そして、競技体験、アスリートとの交流ができるNO LIMITS CHALLENGE、こちらは市区町村などと連携をしての実施でございます。
 また、本年三月に作成いたしました競技の魅力やポイントなどが学べて、大会の観戦をより楽しめるパラリンピックハンドブックも広く配布しております。
 これらの取り組みに加えて、今年度は、国際大会などの観戦会を十七大会にふやします。そして、都民の観戦機会を拡大してまいります。あわせまして、まだまだ知られていない認知度の低い競技の戦略的かつ積極的なPRに取り組んでまいります。
 大会まであと一年余りとなりました。おととい発足いたしました学識経験者、パラアスリート、そして各界の著名な方々から成ります東京二〇二〇パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会のメンバーのご協力もいただきながら、あらゆる機会を捉えまして、パラリンピックの魅力を多くの方々へ伝えてまいりたいと思います。
 また、その他のご質問につきましては関係局長よりの答弁とさせていただきます。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 多摩の魅力発信についてでございますが、多摩地域は豊かな自然や歴史文化、特産物などの地域資源を有しており、それらの魅力を多くの人に知っていただくためには、地元の事情に精通した市町村と連携した取り組みを進めることが効果的と考えております。
 そのため、都は今年度、地元自治体が推薦する地域の見どころを親子向けの雑誌などを通じて紹介するとともに、より多くの人々に多摩地域を訪れていただく契機とするため、市町村とともに、多摩の自然を感じられる参加型のプログラムや、地域の農産物を用いた特産品、ご当地グルメの紹介などを行う魅力発信イベントを実施いたします。
 今後とも、多摩の持つ多様な魅力を積極的に発信することで、多摩振興を一層推進してまいります。
〔建設局長三浦隆君登壇〕

○建設局長(三浦隆君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、六仙公園の整備についてでございますが、本公園は北多摩北部に位置し、環境省が平成の名水百選に選定した落合川と南沢湧水群に隣接しておりまして、水源を涵養する緑の拠点として重要な公園でございます。
 これまで計画的に事業区域を拡張いたしまして、都市計画決定面積の八割を超える約十二・二ヘクタールにつきまして事業認可を取得し、用地取得と園地整備を進めております。
 このうち、開園した約五ヘクタールは、芝生広場などとして、近隣住民の散策等に提供するとともに、震災時の避難場所として活用し、整備したマンホールトイレ等を使用したイベントで防災意識の普及啓発に取り組んでおります。
 引き続き、地元市と連携をし、関係権利者の理解と協力を得ながら用地取得を進めまして、六仙公園の整備を推進してまいります。
 次に、都立霊園における多様化する都民ニーズへの対応についてでございますが、都は、社会状況や墓所に対する都民の価値観の変化に応じまして、霊園の限られた敷地を有効活用しながら、墓所の供給に努めております。
 例えば、承継者のいない都民には、貸し付け時に使用料のみを負担するだけで、みずから管理することなく永代にわたり使用できる合葬式墓地や樹林墓地などを整備し、公募により提供をしております。
 また、都立霊園の使用者の中で承継者がいない方に対しましては、希望により、墓所の返還にあわせて合葬式墓地を提供し、墓じまいの需要に対応しております。
 今後とも、墓所に対する多様なニーズに応えながら、着実な墓所の供給を進めてまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕

○住宅政策本部長(榎本雅人君) 空き家対策の取り組みについてでございますが、空き家対策を効果的に進めていくためには、地域の実情を把握している市区町村の取り組みが重要でございます。
 そこで都は、全市区町村が参画する空き家対策連絡協議会を定期的に開催し、先進的な取り組み事例の情報共有や都の区市町村支援事業の活用促進を図るとともに、実態調査、計画作成、除却や改修などへ支援を行ってまいりました。
 今年度からは、新たに、地域特性を踏まえた市区町村の創意工夫を生かす企画提案型の事業や、地域に活気をもたらすため、複数の空き家を改修するエリアリノベーションの促進などへの支援策に取り組んでまいります。
 これらの取り組みを通じまして、今後とも市区町村と緊密に連携しながら、地域の状況に応じて空き家対策の強化を図ってまいります。

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