平成三十一年東京都議会会議録第五号

平成三十一年二月二十八日(木曜日)
 出席議員 百二十四名
一番古城まさお君
二番けいの信一君
三番成清梨沙子君
四番鈴木 邦和君
六番滝田やすひこ君
七番藤井あきら君
八番森澤 恭子君
九番上田 令子君
十番山内れい子君
十一番伊藤しょうこう君
十二番田村 利光君
十三番菅野 弘一君
十四番藤井とものり君
十五番池川 友一君
十六番細田いさむ君
十七番うすい浩一君
十八番小林 健二君
十九番加藤 雅之君
二十番森口つかさ君
二十一番内山 真吾君
二十二番もり  愛君
二十三番龍円あいり君
二十四番あかねがくぼかよ子君
二十五番保坂まさひろ君
二十六番斉藤れいな君
二十七番おときた駿君
二十八番川松真一朗君
二十九番小松 大祐君
三十番柴崎 幹男君
三十一番舟坂ちかお君
三十二番宮瀬 英治君
三十三番原田あきら君
三十四番斉藤まりこ君
三十五番藤田りょうこ君
三十六番斉藤やすひろ君
三十七番栗林のり子君
三十八番伊藤こういち君
三十九番大松あきら君
四十番関野たかなり君
四十一番福島りえこ君
四十二番つじの栄作君
四十三番米川大二郎君
四十四番清水やすこ君
四十五番白戸 太朗君
四十六番増田 一郎君
四十七番佐野いくお君
四十八番奥澤 高広君
四十九番やながせ裕文君
五十番清水 孝治君
五十一番大場やすのぶ君
五十二番小宮あんり君
五十三番鈴木 章浩君
五十四番西沢けいた君
五十六番原 のり子君
五十七番星見てい子君
五十八番とや英津子君
五十九番遠藤  守君
六十番まつば多美子君
六十一番高倉 良生君
六十二番上野 和彦君
六十三番細谷しょうこ君
六十四番両角みのる君
六十五番石川 良一君
六十六番後藤 なみ君
六十七番平  慶翔君
六十八番鳥居こうすけ君
六十九番菅原 直志君
七十番木下ふみこ君
七十一番ひぐちたかあき君
七十二番入江のぶこ君
七十三番森村 隆行君
七十四番早坂 義弘君
七十五番高橋 信博君
七十六番古賀 俊昭君
七十七番秋田 一郎君
七十八番山口  拓君
七十九番河野ゆりえ君
八十番米倉 春奈君
八十一番白石たみお君
八十二番里吉 ゆみ君
八十三番のがみ純子君
八十四番中山 信行君
八十五番谷村 孝彦君
八十六番小磯 善彦君
八十七番藤井  一君
八十八番村松 一希君
八十九番栗下 善行君
九十番中山ひろゆき君
九十一番桐山ひとみ君
九十二番本橋ひろたか君
九十三番田の上いくこ君
九十四番おじま紘平君
九十五番馬場 信男君
九十六番山田ひろし君
九十七番岡本こうき君
九十八番中屋 文孝君
九十九番宇田川聡史君
百番神林  茂君
百二番中村ひろし君
百三番とくとめ道信君
百四番尾崎あや子君
百五番和泉なおみ君
百六番長橋 桂一君
百七番橘  正剛君
百八番東村 邦浩君
百九番中嶋 義雄君
百十番山内  晃君
百十一番たきぐち学君
百十二番伊藤 ゆう君
百十三番木村 基成君
百十四番荒木ちはる君
百十五番小山くにひこ君
百十六番増子ひろき君
百十七番石毛しげる君
百十八番大津ひろ子君
百十九番尾崎 大介君
百二十番三宅 正彦君
百二十一番山崎 一輝君
百二十二番吉原  修君
百二十三番高島なおき君
百二十四番あぜ上三和子君
百二十五番清水ひで子君
百二十六番大山とも子君
百二十七番曽根はじめ君
 欠席議員 二名
五番  西郷あゆ美君
百一番 三宅 茂樹君
 欠員
    五十五番
 出席説明員
知事小池百合子君
副知事長谷川 明君
副知事猪熊 純子君
副知事多羅尾光睦君
教育長中井 敬三君
東京都技監建設局長兼務西倉 鉄也君
政策企画局長梶原  洋君
総務局長遠藤 雅彦君
財務局長武市  敬君
主税局長目黒 克昭君
警視総監三浦 正充君
生活文化局長浜 佳葉子君
オリンピック・パラリンピック準備局長潮田  勉君
都市整備局長佐藤 伸朗君
環境局長和賀井克夫君
福祉保健局長内藤  淳君
産業労働局長藤田 裕司君
港湾局長斎藤 真人君
会計管理局長代理管理部長野口 一紀君
交通局長山手  斉君
消防総監村上 研一君
水道局長中嶋 正宏君
下水道局長小山 哲司君
青少年・治安対策本部長大澤 裕之君
病院経営本部長堤  雅史君
中央卸売市場長村松 明典君
選挙管理委員会事務局長澤   章君
人事委員会事務局長砥出 欣典君
労働委員会事務局長池田 俊明君
監査事務局長岡崎 義隆君
収用委員会事務局長佐藤  敦君

二月二十八日議事日程第五号
第一 第一号議案
平成三十一年度東京都一般会計予算
第二 第二号議案
平成三十一年度東京都特別区財政調整会計予算
第三 第三号議案
平成三十一年度東京都地方消費税清算会計予算
第四 第四号議案
平成三十一年度東京都小笠原諸島生活再建資金会計予算
第五 第五号議案
平成三十一年度東京都国民健康保険事業会計予算
第六 第六号議案
平成三十一年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
第七 第七号議案
平成三十一年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第八 第八号議案
平成三十一年度東京都中小企業設備導入等資金会計予算
第九 第九号議案
平成三十一年度東京都林業・木材産業改善資金助成会計予算
第十 第十号議案
平成三十一年度東京都沿岸漁業改善資金助成会計予算
第十一 第十一号議案
平成三十一年度東京都と場会計予算
第十二 第十二号議案
平成三十一年度東京都都営住宅等事業会計予算
第十三 第十三号議案
平成三十一年度東京都都営住宅等保証金会計予算
第十四 第十四号議案
平成三十一年度東京都都市開発資金会計予算
第十五 第十五号議案
平成三十一年度東京都用地会計予算
第十六 第十六号議案
平成三十一年度東京都公債費会計予算
第十七 第十七号議案
平成三十一年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
第十八 第十八号議案
平成三十一年度東京都病院会計予算
第十九 第十九号議案
平成三十一年度東京都中央卸売市場会計予算
第二十 第二十号議案
平成三十一年度東京都都市再開発事業会計予算
第二十一 第二十一号議案
平成三十一年度東京都臨海地域開発事業会計予算
第二十二 第二十二号議案
平成三十一年度東京都港湾事業会計予算
第二十三 第二十三号議案
平成三十一年度東京都交通事業会計予算
第二十四 第二十四号議案
平成三十一年度東京都高速電車事業会計予算
第二十五 第二十五号議案
平成三十一年度東京都電気事業会計予算
第二十六 第二十六号議案
平成三十一年度東京都水道事業会計予算
第二十七 第二十七号議案
平成三十一年度東京都工業用水道事業会計予算
第二十八 第二十八号議案
平成三十一年度東京都下水道事業会計予算
第二十九 第二十九号議案
行政不服審査法施行条例の一部を改正する条例
第三十 第三十号議案
東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第三十一 第三十一号議案
東京都職員定数条例の一部を改正する条例
第三十二 第三十二号議案
職員の大学院派遣研修費用の償還に関する条例の一部を改正する条例
第三十三 第三十三号議案
特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十四 第三十四号議案
市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例
第三十五 第三十五号議案
住民基本台帳法関係手数料条例の一部を改正する条例
第三十六 第三十六号議案
住民サービスの向上と行政事務の効率化を図るために住民基本台帳ネットワークシステムの都道府県知事保存本人確認情報を利用する事務等を定める条例の一部を改正する条例
第三十七 第三十七号議案
都と特別区及び特別区相互間の財政調整に関する条例の一部を改正する条例
第三十八 第三十八号議案
平成三十年度分の都と特別区及び特別区相互間の財政調整の特例に関する条例
第三十九 第三十九号議案
東京都区市町村振興基金条例の一部を改正する条例
第四十 第四十号議案
東京都防災会議条例の一部を改正する条例
第四十一 第四十一号議案
東京都国民保護協議会条例の一部を改正する条例
第四十二 第四十二号議案
東京都選挙管理委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十三 第四十三号議案
土地収用法関係手数料等に関する条例の一部を改正する条例
第四十四 第四十四号議案
東京都都税条例の一部を改正する条例
第四十五 第四十五号議案
東京都固定資産評価審査委員会関係手数料条例の一部を改正する条例
第四十六 第四十六号議案
東京都情報公開条例の一部を改正する条例
第四十七 第四十七号議案
東京都個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第四十八 第四十八号議案
東京都特定個人情報の保護に関する条例の一部を改正する条例
第四十九 第四十九号議案
特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例
第五十 第五十号議案
東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例
第五十一 第五十一号議案
東京都体育施設条例及び東京都体育施設条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第五十二 第五十二号議案
学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例
第五十三 第五十三号議案
学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十四 第五十四号議案
東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第五十五 第五十五号議案
東京都立学校設置条例の一部を改正する条例
第五十六 第五十六号議案
東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
第五十七 第五十七号議案
東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例
第五十八 第五十八号議案
東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の一部を改正する条例
第五十九 第五十九号議案
東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
第六十 第六十号議案
東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例
第六十一 第六十一号議案
東京都立職業能力開発センター条例の一部を改正する条例
第六十二 第六十二号議案
東京都立産業貿易センター条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例
第六十三 第六十三号議案
東京都海上公園条例の一部を改正する条例
第六十四 第六十四号議案
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例
第六十五 第六十五号議案
東京都自然公園条例の一部を改正する条例
第六十六 第六十六号議案
東京都立公園条例の一部を改正する条例
第六十七 第六十七号議案
東京都霊園条例の一部を改正する条例
第六十八 第六十八号議案
東京都貸切自動車条例の一部を改正する条例
第六十九 第六十九号議案
東京都地下高速電車条例の一部を改正する条例
第七十 第七十号議案
東京都日暮里・舎人ライナー条例の一部を改正する条例
第七十一 第七十一号議案
東京都給水条例の一部を改正する条例
第七十二 第七十二号議案
東京都工業用水道条例を廃止する等の条例の一部を改正する条例
第七十三 第七十三号議案
東京都が設置する水道の布設工事監督者に関する資格等を定める条例の一部を改正する条例
第七十四 第七十四号議案
東京都下水道条例の一部を改正する条例
第七十五 第七十五号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第七十六 第七十六号議案
東京消防庁職員定数条例の一部を改正する条例
第七十七 第七十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第七十八 第七十八号議案
火災予防条例の一部を改正する条例
第七十九 第七十九号議案
都営住宅三十H─一〇二東(足立区新田一丁目)工事請負契約
第八十 第八十号議案
都営住宅三十H─一〇三東(江東区東砂二丁目第二)工事請負契約
第八十一 第八十一号議案
都営住宅三十H─一〇六西(多摩市諏訪五丁目)工事その二請負契約
第八十二 第八十二号議案
都立竹台高等学校(三十)改築工事請負契約
第八十三 第八十三号議案
立川駅南口東京都・立川市合同施設(仮称)(三十)新築工事請負契約
第八十四 第八十四号議案
谷沢川分水路工事請負契約
第八十五 第八十五号議案
公立大学法人首都大学東京定款の変更について
第八十六 第八十六号議案
公立大学法人首都大学東京中期目標の変更について
第八十七 第八十七号議案
包括外部監査契約の締結について
第八十八 第八十八号議案
平成三十一年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担について
第八十九 第八十九号議案
平成三十年度の連続立体交差事業の実施に伴う費用の関係特別区・市の負担の変更について
第九十 第九十号議案
多摩川流域下水道多摩川上流処理区の建設に要する費用の関係市町の負担について
第九十一 第九十一号議案
多摩川流域下水道秋川処理区の建設に要する費用の関係市町村の負担について
第九十二 第九十二号議案
多摩川流域下水道野川処理区、北多摩一号処理区、北多摩二号処理区、多摩川上流処理区、南多摩処理区、浅川処理区及び秋川処理区並びに荒川右岸東京流域下水道荒川右岸処理区の維持管理に要する費用の関係市町村の負担について
第九十三 第九十三号議案
平成三十年度東京都一般会計補正予算(第三号)
第九十四 第九十四号議案
平成三十年度東京都特別区財政調整会計補正予算(第一号)
第九十五 第九十五号議案
平成三十年度東京都地方消費税清算会計補正予算(第一号)
第九十六 第九十六号議案
平成三十年度東京都用地会計補正予算(第一号)
第九十七 第九十七号議案
平成三十年度東京都中央卸売市場会計補正予算(第一号)
第九十八 第九十八号議案
高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例
第九十九 第九十九号議案
東京都子供への虐待の防止等に関する条例
第百 第百号議案
東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
第百一 諮問第一号
地方自治法第二百六条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
第百二 諮問第二号
地方自治法第二百二十九条の規定に基づく審査請求に関する諮問について
議事日程第五号追加の一
第一 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(三〇財主議第五六〇号)
第二 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(三〇財主議第五六一号)
第三 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(三〇財主議第五六二号)
第四 東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(三〇財主議第五六三号)
第五 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五六四号)
第六 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五六五号)
第七 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五六六号)
第八 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五六七号)
第九 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五六八号)
第十 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五六九号)
第十一 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七〇号)
第十二 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七一号)
第十三 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七二号)
第十四 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七三号)
第十五 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七四号)
第十六 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七五号)
第十七 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七六号)
第十八 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七七号)
第十九 東京都公害審査会委員の任命の同意について(三〇財主議第五七八号)
第二十 議員提出議案第一号
東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例
第二十一 議員提出議案第二号
子どもの属する世帯に係る国民健康保険料又は国民健康保険税の補助に関する条例
第二十二 議員提出議案第三号
東京都中小企業振興対策審議会条例の一部を改正する条例

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(尾崎大介君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例外条例二件、知事より、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について外人事案件十八件がそれぞれ提出をされました。
 これらを本日の日程に追加いたします。

○議長(尾崎大介君) 昨日に引き続き質問を行います。
 四番鈴木邦和君
〔四番鈴木邦和君登壇〕

○四番(鈴木邦和君) 昨年、世界経済フォーラムは、サンフランシスコに次いで世界で二番目の拠点となる第四次産業革命センターを、ここ東京に開設しました。世界経済フォーラムによると、日本が将来的に世界をリードするポテンシャルの高い分野は、ヘルスケアとモビリティーとされています。
 ヘルスケア産業は、二〇三〇年に世界全体で五百二十五兆円、日本国内だけでも三十七兆円の市場規模に至り、二〇三〇年にはヘルスケアが日本最大の産業になることは確実です。特に、日本の国民皆保険のデータには世界が注目しており、このデータを分析すると、誰がどんな理由で幾ら医療費を使っているのか、地域ごとに可視化でき、自治体による保健事業の効果測定も可能となります。
 今年度、都は、国民健康保険のデータ解析を目的としたヘルスアップ事業を実施しました。今後、ヘルスアップ事業の結果を受けて、都として区市町村のデータヘルス計画に基づく保健事業の具体的な取り組みの企画立案を支援していくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 二〇一八年の日本の医療、介護費の合計は年間五十兆円ですが、二〇四〇年には年間九十二兆円に上ります。今後の社会保障費抑制のためには、データを分析して問題の絞り込みを行った上で、テクノロジーの活用こそが鍵となります。
 例えば、患者の喉の撮影データをAIで自動解析して、インフルエンザの検査薬のかわりとなるアイリスや、患者の排せつを予測して通知するウエアラブルデバイス機器、ディーフリーなどは、従来の医療、介護コストを大きく下げ、業界の人手不足を解消できるスタートアップのテクノロジーです。
 しかし、こうした先進的なテクノロジーを持つスタートアップは、人材や資金はあるものの、参入障壁の高い業界内での販路や信用獲得に苦心している実情があります。そこがクリアできれば、スタートアップは急成長を遂げるとともに、東京のみならず日本全体の社会課題の解決にも大きく貢献できます。
 来年度、都は、キングサーモンプロジェクトと称したスタートアップの新しい普及モデル推進事業を実施予定です。
 そこで、キングサーモンプロジェクトの中では、予算を出すだけではなく、都知事によるトップセールスや、区市町村の巻き込みなど総合的なバックアップを検討するとともに、スタートアップに精通した事務局を選定すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 ヘルスケアとともに期待されているモビリティーは、世界有数の自動車業界と公共交通機関を擁する日本にとっては、既に強みとなっている領域です。そして、将来的な自動運転やMaaSの実現を見据えると、モビリティー分野のデータ開放は不可欠です。
 例えば、バス事業のデータをオープンデータで公開すると、バス停の位置情報やバスの遅延情報がグーグルマップの経路検索に反映されるようになるなど、外国人旅行客を中心に、ユーザーの利便性は大きく向上します。ロンドンでは、二〇一二年の大会を契機に、交通事業のオープンデータ化が進み、高い経済効果が認められました。
 現在、都の交通局は、多くの交通事業者が会員である公共交通オープンデータ協議会が実施するアプリコンテストにデータを提供していますが、コンテストの参加者のみがデータ利用可能な状況であり、民間へのデータ開放はいまだ限定的です。
 そこで、公共交通オープンデータ協議会を通じて、アプリコンテスト参加者以外にも広くデータを提供するなど、交通局が今まで以上に、より積極的にデータを公開することを検討すべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 今、自動車業界は、百年に一度の変革期にあります。その背景の一つはMaaSです。MaaSとは、あらゆる交通手段を統合し、その最適化を図った上で、マイカー以上に快適な移動サービスを提供する新しい概念です。
 MaaSの先進都市であるフィンランドの首都ヘルシンキでは、アプリで行き先を選ぶと鉄道、バス、タクシー、自動車のシェアリングサービスなど、複数の移動手段の組み合わせによる最適な経路が提示され、予約や支払いを一括して決済できます。ヘルシンキでは、MaaSアプリを通じて、定額五百ユーロであらゆる交通サービスが乗り放題となっており、将来的には、マイカーがなくても、ドア・ツー・ドアの移動が容易になります。
 こうしたMaaSの実現のためには、行政が交通に関するビジョンを持ち、地域の特性や課題を起点に地域ごとのモデルを示していくことが重要です。
 そこで、来年度、都が実施予定のMaaSの実証実験では、東京の各エリアの移動ニーズを踏まえ、地域タイプごとにMaaSが解決し得る課題とソリューションの方向性をしっかりと定めた上で実験を行い、将来的に、MaaSの社会実装モデルを構築していくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 東京のモビリティー分野最大の課題は、毎日五百万人の通勤客が苦しむ満員電車です。この満員電車の需要分散に効果的な時間差料金制は、ニューヨーク、シンガポールなど海外の主要都市で導入されています。国内でも、航空や電気は時間帯別に料金が変わるようになっており、首都高のロードプライシングの議論も進んでいます。
 日本の鉄道の特徴は、朝のピーク時間帯における乗客の大半が定期利用者であり、特に通勤定期は正規料金の四〇%近く割引されているという点にあります。日本で時間差料金制を導入する際には、例えば、ピーク時も使える定期は正規料金の一〇%引きまで上げるかわりに、オフピーク時に使える定期は正規料金の七〇%引きにすることで、正規料金は変えずとも、朝のピーク時の需要を分散させることが可能です。
 都は来年度に、快適通勤の実現に向けた混雑緩和策等の検討調査を実施予定です。調査に当たっては、時間差料金制を初めとする混雑緩和に資するさまざまな対策を検討し、その実現につなげていく必要があります。混雑緩和の対策の促進に向けた今後の都の取り組みについて伺います。
 第四次産業革命を担う新しいテクノロジーは、行政分野にも大きな変革をもたらします。この分野で世界一先進的なエストニアでは、既に公的サービスの九九%がオンラインで二十四時間利用できるようになっています。私も昨年、エストニアの電子市民に登録しましたが、会社の起業手続ですら、二十分で完了するなど、画期的なサービスに感銘を受けました。
 また、オープンガバメント政策で注目されるモスクワでは、市長が市民にアプリを通じて毎週質問を実施し、質問に対する市民の回答を政策に直接反映させています。モスクワでは、市の人口の二〇%に達する利用者がおり、特に若い世代の政治参加に大きく貢献しています。
 都では来年度、ソサエティー五・〇実現加速のための調査検討を行う予定です。この中で、民間の技術革新を支援する政策展開のあり方だけでなく、都の行政サービスのさらなるICT化促進についても検討すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
 小池知事は、昨年のIWA世界会議において、水道スマートメーターの大規模な実証実験の構想を発表しました。水道局の検針業務にかかる年間六十三億円の多くは人件費であり、スマートメーターの導入によって自動化が可能です。
 スマートメーターが導入されると、時間帯別、曜日別、地域別の水道の使用状況というビッグデータを迅速に把握できます。そして、このデータを活用すれば、より精緻に水道需要の動向を捉えられ、将来予測の幅が大きく広がります。ビッグデータを活用して、よりきめ細やかな需要予測を行い、その結果を施設更新時に活用すれば、償却資産にして二兆円以上の施設を有する水道事業にとって、そのインパクトははるかに大きいものになります。
 そこで、スマートメーターの各戸への設置による自動検針のみならず、将来的には、道路下の水道管への展開などにより、水道事業全体の運営にも活用していくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 二〇二一年度以降、都財政は、新たに年間三千八百億円の減収が見込まれ、二〇二〇大会後の景気後退も予測される中、都の行財政改革は不可欠です。その中でも事業評価の取り組みはさらなる強化が必要だと考えています。
 私は、前職で、地方自治体の事業評価を何度か担当してきましたが、都の事業評価は、毎年の評価件数が全事業の二五%にとどまっており、評価項目もまだ少なく情報公開も限定的です。
 国では、都の全事業数と同じ約五千の全ての事業について、行政事業レビューを毎年実施しており、一事業につき八ページにわたる詳細なレビューシートを作成、公表しています。その中には、定量的な成果目標、成果指標、単位コスト、KPIなど多くの項目があり、都の事業評価にも導入することは可能です。
 また、現在、財務局が実施している事業評価は、総務局の政策評価、政策企画局の実行プランなどとの連携を強化し、将来的には、情報とプロセスの一元化を目指すべきです。これは、事業実施部署の負担軽減にもつながります。
 そこで、事業評価の効力を今後さらに高めていくためには、評価内容、公表内容を充実するとともに、各局との連携強化を図るべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 鈴木邦和議員の一般質問にお答えいたします。
 まず、先端技術活用と行政サービスの向上についてのご質問でございます。
 AIやビッグデータなどの第四次産業革命がもたらしますさまざまな技術革新は今後人々の生活を画期的に変えていくものでありまして、経済の発展、そして少子高齢化などの社会的課題の解決を同時に進めることを可能といたします。
 議員お詳しいところですが、国が目指すべき未来社会の姿として提唱しているソサエティー五・〇は、第四次産業革命がもたらしますさまざまな技術革新をあらゆる産業や人々の生活に取り入れていく社会モデルであって、ビジネス領域だけでなく、オープンガバメントを含めた行政施策やサービスをも抱合いたしております。
 こうした先端技術は、実地で試されてこそ磨き上げられるものであります。さまざまな現場を持ちます東京都といたしまして、行政サービスに先端技術を積極的に活用していく意義は、ご指摘のとおり大きいと考えております。
 現在、都におきましては、都民の皆様方の疑問点に迅速、そして的確な回答を提供するために、AIを活用したチャットボットによる問い合わせ対応を開始いたしております。
 また、インフラの老朽化という課題に対しましては、ドローンやロボットの活用で調査検討を行っております。
 来年度でございますが、ソサエティー五・〇の実現に向けました有識者による検討会をまず立ち上げます。そして、東京の将来のあるべき姿、先端技術を活用した行政サービスの提供、そして都民の皆様方からのご意見の施策への効率的な反映などについて議論を行いまして、今後の施策展開の方向性をしっかり検討してまいります。
 残余のご質問については、関係局長よりご答弁させていただきます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 国民健康保険データヘルスに関するご質問にお答えいたします。
 被保険者の健康を保持増進し、医療費適正化を図るためには、医療費データ等を分析し、地域の健康課題を明確にした上で保健事業を展開する必要がございます。
 このため、都は現在、国保のレセプトデータや健診データを活用して、区市町村ごとの現状分析を行っているところでございます。
 具体的には、腎不全や心筋梗塞などの重篤な疾病を予防する観点から、被保険者一人当たりの疾病別医療費や喫煙、飲酒などの生活習慣の状況、血圧や血糖値などの健診結果を、性別、年齢階層別に分析しており、今後、区市町村ごとに結果を取りまとめて情報提供いたします。
 来年度は、本分析結果の活用方法等を解説する担当者向け研修会を開催し、区市町村がターゲットを絞り、効果的に保健事業を実施できるよう支援してまいります。
〔政策企画局長梶原洋君登壇〕

○政策企画局長(梶原洋君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 まず、先端事業普及モデル創出事業、いわゆるキングサーモンプロジェクトについてでございますが、この事業は、起業から海外展開等による事業拡大までの成功モデルをつくり、これを展開することで、後に続く起業家を輩出するサイクルを確立し、東京の成長と社会課題解決の両立を図ることを目的としております。
 まず来年度は、都が抱える社会課題のテーマについて設定した上で、課題解決に資する先端技術やサービスを有する企業を選定いたします。その後、都政の現場を活用した実証実験や、トップセールス等による支援、事例のモデル化を行い、後続の起業の輩出につなげてまいります。
 実施に当たりましては、起業支援に実績のあるコンサルタントからの意見も聞きながら、シーズとニーズを的確に把握し、事業をより効果的なものとしてまいります。
 次に、MaaSの社会実装モデルの構築についてでありますが、お話のように複数の交通サービスを一体的に提供するMaaSの社会実装に当たりましては、それぞれの地域の移動ニーズに応じた交通サービスを組み合わせていくことが重要でございます。
 そのため、都が来年度実施するMaaSの実証実験では、関連の事業を実施する意欲のある交通事業者等にヒアリングを行うなど、地域ごとのニーズを調査し、都内で先行的に導入する移動サービスのあり方などを検証する予定でございます。
 こうした実証実験を通じて、都独自のMaaSの社会実装モデルの構築を目指してまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) オープンデータ化の取り組みについてでございますが、交通局では、公共交通オープンデータ協議会が主催するアプリコンテストを通じて、開発事業者等の参加者に都営交通の時刻表や運賃等の基本情報のほか、バスの位置情報などを提供してございます。
 加えて、システム改修を実施し、セキュリティー対策をさらに強化しました上で、今年度末より地下鉄の列車位置情報を新たに提供いたします。
 また、同協議会では、民間の自由な発想に基づくアプリ開発を促進するため、来年度からアプリコンテスト参加者に限らず、データを広く公開する予定であり、こうした取り組みを通じて、お客様の利便性がより一層向上することが期待されます。
 今後とも、関係機関と連携を図りまして、公営交通事業者として、オープンデータ化の取り組みを着実に推進してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 鉄道の混雑緩和対策の促進についてでございますが、都は、通勤時の混雑を回避するため、オフピーク通勤を促進する時差ビズを展開してまいりました。
 今後は、テレワークや交通需要マネジメントの取り組みとともに、スムーズビズとして一体的に推し進めてまいりますが、あわせて輸送力の強化や通勤時の利用者のさらなる分散の観点から、鉄道事業者によるさまざまな対策を推進し、スムーズビズの効果を高めていくことが重要でございます。
 来年度、先端技術を活用した運行システムの改良や時間差料金制など、最新の技術動向や国内外の事例も踏まえた対策の効果、課題について、有識者、鉄道事業者などと意見交換し、実現の可能性などを検討してまいります。
 このような取り組みも踏まえ、鉄道の混雑緩和対策をさらに促進してまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) スマートメーターの水道事業への活用についてでございますが、水道事業を将来とも強靱かつ持続可能なものとするためには、水道システムをより高度化、効率化する必要があり、その構築には、最新のICTの活用が不可欠でございます。
 スマートメーターの導入はその大きな鍵であり、当局ではこのたび、将来の本格導入をにらんだトライアルプロジェクトを始めることといたしました。
 具体的には、二〇二五年を目途に、都内複数のエリアにおいて、各住戸や水道管路に、合わせて十万個のスマートメーターを設置し、そのデータを水道施設の効率的な維持管理や迅速な事故対応など、局事業全般に活用する実証実験を行ってまいります。
 今後、産学官の連携を図りつつ、スマートメーターの経済性、安全性なども考慮しながら検討を進め、来年度中にこのトライアルプロジェクトの実施プランを策定いたします。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 事業評価についてでございますが、都は、予算編成の一環として事業評価を実施しており、平成三十一年度予算編成では、新たにコストベネフィットの視点を踏まえた評価を導入し、千二百八件の評価結果を公表するなど、着実に実績を積み重ねております。
 また、二〇二〇年に向けた実行プランや二〇二〇改革プランに関する取り組みを迅速かつ的確に予算に反映をしております。
 今後、評価内容の充実や公表様式の改善、関係部署との連携など、事業評価のさらなる深化に向けて検討を進め、エビデンスに基づく事業検証の徹底や、PDCAサイクルのさらなる機能強化を図り、各事業の効率性や実効性の向上につなげてまいります。

○議長(尾崎大介君) 二十三番龍円あいりさん
〔二十三番龍円あいり君登壇〕

○二十三番(龍円あいり君) 私は、インクルーシブな社会を実現したいと考えています。インクルーシブというと、みんな一緒だよ、仲間だよというようなイメージを持つ方も多いと思います。しかし、それはただ一緒にいるだけでありまして、違いがある人は肩身が狭かったり、力が十分に発揮できなかったり、違いが不協和音となってしまうことがあります。それを調和がとれた協和音に変えていくための支援や工夫があるのがインクルーシブな社会です。
 去年の一般質問で、スペシャルニーズのある子とない子が安全に一緒に楽しく遊べる公園、インクルーシブ公園を提案し、整備に向け検討に着手すると答弁がありました。こういうコンセプトの公園は、日本ではまだなじみがない中で、本当に安全に楽しく一緒に遊べる環境を整備するには、スペシャルニーズ児の保護者や有識者の意見を聞くことが重要だと考えます。
 インクルーシブな公園整備におけるこれまでの進捗状況と、今後の取り組みについて、知事の所見を伺います。
 インクルーシブ公園は、完成した後の活用方法も重要です。スペシャルニーズ児やその家族だけでなく、支援する専門家や団体、地域の大人や子供がまじり合って意図的に活用するなどして、インクルーシブ拠点として愛される場所にしていくべきです。理想をいえば、各地域にインクルーシブ公園があってほしいと思います。
 そこで、ほかの自治体が同様の公園を整備する際の手助けとなるように、都の得たノウハウをほかの自治体に情報提供し、技術を共有化していただきたいと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、インクルーシブ教育についてです。
 九四年、特別なニーズ教育に関する世界会議において、サラマンカ宣言が採択され、インクルーシブ校の基本原則として、全ての子供は、何らかの困難さ、もしくは相違を持っていようと、可能な際はいつもともに学習すべきである、特殊学校、もしくは学校内に常設の特殊学級やセクションに子供を措置することは、まれなケースだけに勧められる、例外であるべきであると示されました。
 つまり、スペシャルニーズ児は、地域の公立学校の普通学級で学ぶべきだということです。なぜその必要があるのでしょうか。
 それは、人格や考え方を形成していく子供時代に、いろんな違いがある人がいる社会の縮図ともいえるようなクラスの中で育つことで、話し合い、助け合い、相互理解を深め、違いを協和音にする心とスキルを養えるからです。子供時代に分けて育てておきながら、大人になって急に手を取り合ってインクルージョンを実践しなさいというのは、やや無理があります。
 しかし、教職員の負担過剰の問題が叫ばれる中、区市町村の努力だけで普通学級のインクルーシブを進めるのは現実的ではありません。また、発達障害のあるお子さんへの特別支援を公立学校でするようになったこともあり、それ以外のスペシャルニーズ児は、都立特別支援学校へ行くよう勧められるケースがふえ、最新の整備計画では、六校の特別支援学校の新設が予定されています。これは、都が意図した流れではないものの、結果として、分けて教育する方向へ加速しているようにもとれます。
 だからこそ、普通学級でともに学ぶための新たな支援策が必要です。
 そこで、新規事業である共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムに関する調査研究事業について伺います。
 この事業では、公立学校の普通学級において、スペシャルニーズ児が一般の児童生徒と一緒に学ぶために、どのような支援が必要なのか、どうしたらより多くのスペシャルニーズ児を受け入れることが可能になるのか、具体的な政策提案をするところまでを、調査研究の対象とすべきだと考えますが、見解を伺います。
 さて、医療的ケア児の中には、通学できず自宅で特別支援学校による訪問教育を受けているお子さんもいます。繰り返しになりますが、教室の中でともに育つことは全ての子にとって重要です。
 そこで、訪問教育籍の子が分身ロボットで学校の授業に参加するモデル事業が始まることは、一歩前進だと評価いたします。どのような取り組みになるのか伺います。
 なお、分身ロボットは、インクルーシブな社会づくりに非常に有益だと思いますので、東京二〇二〇大会においても、積極的に活用することを強く要望させていただきます。
 話は戻りますが、そもそも医ケア児であっても、希望すれば、必要なサービスを受けながら、地域の公立学校で学べるのが理想的です。それを実現するための前提として、医ケア児の住む地域の教育、医療、福祉等の連携を強めていく必要があります。
 地域において、これらの機関等をつないで調整し、医療的ケア児に必要な支援に結びつけるための福祉保健局の取り組みを伺います。
 去年の一般質問で、地域のさまざまな関係者をつないで包括的にスペシャルニーズ児を支援するかなめとして、児童発達支援センターの期待を話しました。
 都は、平成三十二年度末までに、全区市町村に一カ所以上のセンター整備を目標としていて、実際に少しずつふえているのをこれまで確認してまいりました。しかし、ただセンターがふえればいいのではなく、地域を支援する機能が充実してほしいのです。理学療法士などの専門的な人材が、子供がふだん生活している場所で支援することで、よりインクルーシブな環境が実現します。
 そこで、都で、専門的人材をふやすような後押しをしてほしいとこれまで訴えてきましたが、このたび児童発達支援センター地域支援体制確保事業が新設され、大いに期待しております。事業の内容について伺います。
 話は学校に戻りますが、学校は、性的マイノリティーである児童生徒にとっては、さまざまな困り事や悩みを感じる場所だと聞きます。しかし、子供がみずから訴え出るのは容易ではなく、実際に何に困っているのかは見えにくいという特徴があります。
 四月に、差別的取り扱いを禁止する東京都人権条例が施行されますので、これを機に、先進的なよい配慮の取り組みや、当事者からの話を聞いて、校内での配慮事例集を作成し、教育現場に共有するような取り組みが必要だと思います。性的マイノリティーのお子さんにとって、学校が安心して通える場所になってほしいと切に願います。
 人権条例の施行に当たり、性自認や性的指向に関して困り事や悩みがある児童生徒に、学校が適切に対応できるようにするための都教育委員会の取り組みについて伺います。
 続いて、子供を守るという観点で質問を続けます。
 千葉県野田市の児童虐待死事件では、児童相談所や自治体、学校は、子供と親双方に対応するため、そのはざまで立場の弱い子供の声がおろそかになることがあることが明らかになりました。国が都道府県に策定を求めている社会的養育推進計画の要領には、子供から意見を酌み取る方策と子供の権利を代弁するアドボカシーを進めることが示されています。
 都でも中立的な第三者が要保護児童や社会的養護のもとにある子供など、支援を必要とする子供に寄り添って、意見を尊重していくべきだと考えますが、都の取り組みについて伺います。
 なお、都の推進計画には、子供の意見を代弁できるアドボカシー体制の確立を検討していただくよう要望いたします。
 また、この事件では、虐待をする親と対峙する難しさも明らかになりました。職員を急激にふやしている都の児相では、二年以下の職務経験の児童福祉司がおよそ五割に上り、法的対応力の向上が課題です。国の要領には、弁護士配置については、任期つき職員の活用なども含め、常勤職員の配置を進めると示されました。都についても、常勤弁護士の配置の検討を強く要望いたします。
 続いて、電車内の子供の安全についてです。
 車内で子供は圧倒的な弱者です。子供の安全な移動実現を求める市民団体が行ったアンケートには、千五十七人の両親らが回答し、車内が子供に危険だと感じることがあるかとの問いに、九割以上があると答え、五割の人が子供の安全が守れないという理由で利用を諦めたことがありました。また、四割の人が、車内の安全な環境が整ったら通学、通園で電車を利用したいと答えています。女性が働くための支援としてもニーズがあることが確認できました。
 なお、およそ八五%が子供優先車両について必要だと答えています。
 他に先駆けて、都営地下鉄に子育て応援スペースを設置することを高く評価いたします。スペース導入に合わせて、乗客が子供が乗っているかもしれないことを意識して配慮してもらえる工夫や啓発もしていくべきだと考えますが、都の取り組みを伺います。
 最後に、こどもの城についてです。
 都から旧こどもの城活用の基本的考え方が示され、二〇二〇大会後は、都民の城として活用することが示されました。愛される施設になるよう、より多くの方の声を都政に届けたいと、独自にアンケート調査をしまして、千五百七十三人から回答をいただきました。
 基本的考え方のもとに、子供、学習、福祉、産業、芸術文化、スポーツ健康の六つの視点から、進めてほしい一番目と二番目の取り組みをそれぞれ聞きました。
 一番目としては、芸術文化が六三%、子供が三三%と二つ合わせて九六%となり、旧こどもの城の機能が最も求められています。二番目としては、学習八・八%、福祉五・五%で、新しい機能についても一定程度のニーズがあることがわかりました。八百七十八のコメントもいただきましたが、青山円形劇場の復活、そして、シニア世代も含めて、子供機能に期待していることがわかりました。
 こどもの城は、子供の健全育成を目的とした非常にすぐれた取り組みを通して親しまれましたが、今後の東京都の発展という意味でも、将来を担う子供を育て成長を促すことは不可欠です。
 基本的考え方では、従前の旧こどもの城が担ってきた子供機能にも留意するという言及がありましたが、都民の城に子供のための機能を明確に取り入れていくべきだと考えます。知事の見解を伺います。
 都は、都民の城に寄せられる都民や地元区などの期待に応えるよう、今後の計画をしっかりと進めていただけますよう要望いたします。
 この世は違いだらけです。違う一人一人がひとしく尊重され、違う一人一人の笑顔が輝く社会を目指して、私は、人生をかけて頑張っていくことをお約束して、一般質問を終えます。
 ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 龍円あいり議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、インクルーシブな公園整備についてのお尋ねでございます。
 誰もが自分らしく輝くことのできるダイバーシティーの実現に向けまして、都立公園において、障害の有無にかかわらず全ての子供たちが安全に楽しむことができる遊び場、これを整備することは重要でございます。
 都といたしまして、今年度、障害児の保護者、そして障害者団体、障害児保育の現場、ユニバーサルデザインの有識者など、さまざまな方々にヒアリングを行ってまいりました。
 その中で、体を支える力が弱い子供さんたちが揺れる感覚を楽しめるそんな遊具や直射日光を避けることのできる休憩場所の設置など、さまざまなご意見をいただいたところでございます。
 こうしたご意見を踏まえまして、現在、砧公園と府中の森公園を対象に、具体的な設計を行っておりまして、平成三十一年度末の完成を目指し整備を進めてまいります。
 今後とも、都立公園でこうした取り組みを進めていくことで、障害の有無にかかわらず、全ての子供たちがともに遊び、また、学ぶ機会を積極的に提供してまいります。
 次に、旧こどもの城についてのご質問でございます。
 かつて、多彩な遊びのプログラムを実践するなど、次代を担う子供たちが心身ともに健やかに成長していくための重要な役割を担ってきたものと認識をいたしております。
 こうした旧こどもの城のレガシーを踏まえまして、都民の城におきましても、子供のための機能を大事にして、そして子供の遊び、表現、学びの場などを提供していく必要があると考えております。
 例えば、かつてこどもの城で親しまれてまいりましたプレーホールなどは、子供たちが遊びを通じて人と触れ合って、自主性や思いやる心などを育むことのできる貴重な空間であったと聞いております。そして、こうした既存の施設は有効活用してまいりたいと考えております。
 具体の内容でございますが、来年度立ち上げます全庁横断的な検討組織の中で、詳細の検討を進めてまいります。
 いずれにしましても、子供さんを初め、誰もが利用できる場といたしまして、都民の皆様にとって有益な施設としてまいりたく考えております。
 残余のご質問は、教育長、東京都技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、インクルーシブ教育システムに関する調査研究事業の具体的な展開についてでございますが、都はこれまで、国や区市町村と連携しながら、個々の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整えるとともに、施設の整備や適切な教材の提供など、障害のある子供に対応した教育環境の整備に努めてまいりました。
 また、就学先の決定に当たっては、必ず保護者の了解を得ることとし、就学後も、本人の学びの状況に応じて転学を認めるなど、保護者の意向に沿って制度を運用しております。
 今回の調査研究では、海外事例とその背後にある教育制度や国内の状況等を調査するとともに、公立学校におけるよりよい教育環境の整備に必要な支援策を、ソフト、ハード両面から検討してまいります。
 次に、訪問教育への分身ロボットの活用についてでございますが、特別支援学校への通学が困難な児童生徒に対しては、現在、在宅訪問により、個々の児童生徒の状態に合わせた教育を行っております。
 こうした中、対象の児童生徒からは、教室で学ぶ機会を求める声が寄せられており、昨今の情報通信技術の進歩を踏まえ、ICT機器活用による遠隔教育の実施が期待されております。
 このため、都教育委員会は、肢体不自由特別支援学校二校において、児童生徒が自宅にいながら、分身ロボットを通じて教室での授業や学校行事等に参加できる環境を整備し、活用場面や端末の操作性等について検証を行うなど、分身ロボットの活用による遠隔教育の実用化に向けた検討を進めてまいります。
 最後に、性自認等に悩みを抱える子供への対応でございますが、学校が性自認や性的指向に悩む児童生徒を適切に支援するためには、教員が性自認等について正しい知識を持ち、個に応じた対応を行うことが重要でございます。
 これまで都教育委員会は、都内公立学校の全教員に毎年配布している人権教育プログラムに、性自認や性的指向に関する文部科学省の通知等の資料を掲載し、人権教育の研修会などで、教員等が正しい理解と認識を深めることができるよう取り組んでまいりました。
 今後、条例の趣旨も踏まえ、トイレ、更衣室の使用や健康診断の実施等についての配慮事例をまとめた指導資料を研修会で活用するなどして、教員の対応力の向上を図り、全ての子供たちが自分らしさを発揮し、生き生きと学校生活を送ることができるよう支援してまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 公園整備に関する情報提供や技術の共有化についてでございますが、より多くの方々に、障害の有無にかかわらず、全ての子供たちが楽しむことができる公園づくりを知っていただき、他の自治体に取り組みを広げていくことは重要でございます。
 このため、区市町村に対しましては、利用者ニーズや、障害児が安全に使用できる遊具等に関しまして、公園に携わる担当者の連絡会で情報提供するとともに、区市町村職員も参加できる研修を開催し、技術の共有化を図ってまいります。
 さらに、遊び場の整備状況や完成後の利用者からの反響などにつきましても、ホームページやツイッター等を活用して広く発信してまいります。
 今後とも、こうした都が行う先進的な取り組みを積極的に情報発信してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、医療的ケアが必要な障害児の支援についてでありますが、医療的ケア児が、地域で適切な支援を受けながら生活できるようにするためには、保健、医療、福祉、教育等の連携を強化する必要がございます。
 このため、都は、地域で医療的ケア児の支援にかかわる保健所や障害児通所施設など、関係機関の連絡会を設置するとともに、それらの職員を対象に、医療的ケア児に関する基本的知識や支援の手法等を学ぶ研修を実施しております。
 さらに、今年度からは、医療機関や保健所等と連携いたしまして、相談支援専門員等を対象に、医療的ケア児の支援を総合的に調整するコーディネーターの養成研修を実施しているところでございます。
 こうした取り組みを通じまして、地域の関係機関の連携を強化し、医療的ケア児への支援の充実を図ってまいります。
 次に、児童発達支援センターの地域支援についてでありますが、センターが、身近な地域の障害児支援の中核的施設として、通所支援のみならず、地域の障害児やその家族、関係機関に対する支援や、関係機関との連携構築等を行うためには、その専門性を高める必要がございます。
 そのため、都は来年度から、センターがこうした支援や連携を行うため、理学療法士や作業療法士等の専門職を配置する場合や、センターのノウハウを活用し、障害児を預かる保育所等の職員や障害児の保護者等に対して、障害特性に応じた療育の方法等の研修を実施する場合、こうした場合への支援を開始いたします。
 今後とも、障害児やそのご家族が地域で安心して生活できるよう、児童発達支援センターの地域支援の取り組みを支援してまいります。
 最後に、子供が意見表明できる取り組みについてでありますが、児童相談所の相談対応に当たりましては、子供や保護者等の人権に十分配慮しながら、常に子供の最善の利益を図ることを最優先に行っており、子供や保護者の意向、意見を十分に傾聴し、尊重するよう配慮しているところでございます。
 また、一時保護所では、児童の権利擁護と施設運営の質の向上を図るため、外部評価を受審しているほか、第三者委員を設置し、児童からの相談に対応するとともに、保護所の運営等に関して助言を受けているところでございます。
 さらに、都は、子供や保護者からの悩みや訴えを専門の相談員がフリーダイヤルで直接受けるとともに、深刻な相談には弁護士などの専門員が対応するなど、迅速かつ適切な支援を行っており、今後とも、子供の権利擁護の取り組みを推進してまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 子育て応援スペースについてでございますが、都営地下鉄では、小さなお子様連れのお客様に安心して気兼ねなく電車をご利用いただけるよう、大江戸線で子育て応援スペースを試験的に設置することとしており、設置に当たりましては、お子様連れのお客様に対する周囲の理解を深めていくことが重要と考えてございます。
 このため、子育て応援スペースを設置していることが容易にわかるよう、付近の壁や手すり等にお子様が親しみやすい装飾を施すとともに、車両の外側にも子育て応援スペースを示すステッカーを張りつけます。
 加えて、駅構内における案内放送や局独自に作成するポスター等を通じまして、普及啓発に努めてまいります。
 今後、お客様からのご意見等を踏まえつつ、都営交通として、子育て支援に貢献をしてまいります。

○議長(尾崎大介君) 十六番細田いさむ君
〔十六番細田いさむ君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○十六番(細田いさむ君) がん対策について質問をいたします。
 がんを患う都民の三人に一人がAYA世代、そして働く世代の方々です。そして、がんと診断されたときに就労していた方の四人に一人が退職をされています。
 私のもとにも、がん治療と仕事の両立に悩まれたり、不安を抱えたりしている方から相談が寄せられています。
 今後、都立病院において、退職せずに働きながらがん治療を受けられる新たな取り組みを、まずは、がんの中核的病院である都立駒込病院で実施すべきです。都の所見を求めます。
 都立墨東病院では、四年前より、医療従事者と社会保険労務士の連携による独自の患者支援が行われ、効果を発揮しております。私は、この取り組みを今後、他の都立病院にも広げていくべきと考えます。都の見解を求めます。
 今後、社会の高齢化はますます進んでいきます。これに伴い、がん患者においても、血管病や心臓病を併発するケースの増加が考えられます。さらに、抗がん剤の副作用で心臓に悪影響が出たり、がんにより血液が凝固しやすくなるなどの研究も進んでいます。
 したがって、今後は、がん専門病院と循環器系病院の連携が重要になってきます。既に、近年には日本腫瘍循環器学会が設立され、昨年十一月には、第一回の学術集会が開かれました。
 例えば、東京における代表的ながん診療病院として、都立駒込病院とがん研究会有明病院が挙げられます。都内では、この二つが都道府県がん診療連携拠点病院に指定されていますが、前者は総合病院であり、がん医療と循環器系医療の連携は容易ですが、後者はがん専門病院であり、他の循環器病院との連携が不可欠です。
 都内には、質の高い高度ながん医療を提供する地域がん診療連携拠点病院も多くあります。がん医療の病院と循環器などの病院が、今後、綿密に連携が図れるように都は積極的に取り組んでいくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次いで、ユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーについて質問します。
 東京オリ・パラ大会では、障害のある方、高齢の方など、国内外の多くの方々が東京を訪れます。
 知事は、誰もが快適に滞在し、スムーズに移動できるまちを実現したいと表明していますが、UDタクシーは、通常のタクシー料金と同額で誰でも乗ることができ、車椅子の利用者、ベビーカー持参の子供連れの方、妊産婦や年配者、そして健常者など誰もが利用しやすい移動手段です。
 都は、平成三十二年度までの五年間で、環境性能の高いハイブリッド車などを対象としたUDタクシー一万台を目指し、補助事業を展開しています。エコと福祉の両方を合わせたUDタクシーは、最近、都心で見かけるようになってきましたが、多摩地域を初め、まだ地元で見かけないという声や、これから申請する予定だが、人気があるので都の補助金はなくならないか不安だとの事業者からの声も聞かれます。
 本事業は、次世代タクシーの普及促進事業基金で運営されておりますが、今後の申請が増加した場合には、きちんと対応することが必要です。現在までの実績と今後の見込みについて、都の見解を求めます。
 一方、国会で我が党の山口那津男代表がUDタクシーについて、車椅子の方を乗せるのに二十分以上かかることなどから、車椅子の方が乗車を断られたと感じる事例などもあるようだと取り上げました。私のところにも同様な声が何件も届いております。
 都としても、車椅子利用客が乗降しやすくなる環境整備に向けて支援をするべきと考えます。UDタクシーの現状を改善するための都の取り組みについて答弁を求めます。
 現在、自動車メーカーが、新たに短時間で乗降可能な車両を整えるとしています。しかし、今後、乗降のしやすさの点で改良された車両の配置が進んだとしても、現在営業を続けている車両における課題はそのまま残ることになります。
 都として、ハード、ソフトの両面にわたり、既存のUDタクシーでも車椅子利用者の快適な乗降が確保できるよう対策を講じるべきです。都の見解を求めます。
 加えて、車椅子利用者が多く集まる施設の周辺でUDタクシーを余り見かけない、UDタクシーが走行していないために利用者が乗れないという声も聞かれます。
 こうしたミスマッチの解消を図るべく、都は事業者と連携して工夫を凝らすべきです。都の見解を求めます。
 次いで、ポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCBの処理について伺います。
 PCBは、主に変圧器やコンデンサー、照明用安定器などの絶縁油として使用されてきましたが、毒性があることから昭和四十七年に製造が中止され、現在に至っております。現在、照明用安定器は、いまだに学校の教室などにおいて破損し、PCBが漏えいする事故が発生しています。
 処理期限が四年余りと迫る中、速やかに処理していくには、専門のノウハウを持つ民間業者の協力が必要です。都に毎年届け出されているPCB保有情報の公開時期が、我が党の要望により、昨年、年度末から年末に前倒しされたことは評価をいたします。
 さらにPCBを使用した照明用安定器の処理を促進するためには、その所在を明確にすることが重要です。
 都は、掘り起こし調査を実施していくとのことですが、PCB有無の確認には、建物所有者が照明器具内にある安定器を確認する必要があり、その際には高所作業や感電のおそれが伴うなど、さまざまな困難が想定されます。
 我が党は、昨年の第二回定例会代表質問において、PCBを抱える事業者の処理促進に向けたさらなる支援の必要性を指摘し、都は、民間ノウハウの活用方法について新たに検討すると答弁をいたしました。
 今後の取り組みについて、とりわけ資金が十分でない中小企業を支援する取り組みが必要不可欠ですが、都の見解を求めます。
 次いで、地下鉄八号線について伺います。
 東京メトロ有楽町線の豊洲─住吉間の延伸は、東京区部東部の南北交通の利便性を高め、臨海部とのアクセスを向上させるとともに、東京メトロ東西線の日本一の混雑率を緩和させる重要な路線です。
 本路線は、豊洲市場開場への条件として、平成二十三年に当時の副知事が江東区を訪問し、実現に向け、江東区と連携し、最大限の努力を傾注していく決意であると約束をした路線です。
 昨年十月、都民を初め多くの関係者のご尽力のもと、大きな期待を担い、活況の中で豊洲市場も船出をいたしました。
 開場三カ月前の昨年六月に、都は、東西線の混雑緩和、豊洲市場の開場と東京オリ・パラ大会などで変化する臨海地域の発展への寄与、高い整備効果などを理由に挙げて、平成三十一年三月三十一日を目途に地下鉄八号線延伸の具体化に向けて取り組んでいくことを公表しました。期限まで残すところ一カ月です。早く進めていくべきです。
 私はもちろんのこと、江東区民などは大いに期待をしているところですが、地下鉄八号線の延伸の具体的な状況について知事に所見を求めます。
 次いで、舟運についてです。
 知事は、さきの施政方針で、最寄り駅から会場までのラストマイルで円滑な競技運営のための取り組みを着実に進めると表明しました。東京オリ・パラ大会時には、特に競技会場周辺のラストマイルとなる道路や鉄道の混雑が予想されています。これを緩和するために、また、東京臨海部の魅力を広くPRしていくために舟運を活用すべきと考えます。
 とりわけ、海の森水上競技場及びクロスカントリーコースについては、近くに鉄道駅が全くなく、海に面した会場になります。
 都議会公明党は、舟運の活用のため、海の森に一定の人数を運べる水上バスなどが発着可能で、レガシーとなる船着き場の整備をこれまで提案してまいりました。
 先ごろ、同競技場で行われるボート競技の開始時刻が八時三十分からと公表され、五から八キロメートル離れた近隣駅から多数のシャトルバスが往復する姿が目に浮かびました。バスでの観客輸送だけでは対応に難しさがあります。観客の乗降が可能な船着き場を整備して、観客輸送に舟運も活用し、円滑で魅力的な観客輸送を実現することを提案しますが、都の見解を求めます。
 最後に、東京フォレストビジョンの視点から、森林環境譲与税と区市町村への支援についてお尋ねします。
 東京には、多摩地域と島しょ部を中心に、二十三区の面積を超える森林が広がっており、都の面積の約四割を占めています。多摩の市街地に近い丘陵地には多様な樹種の里山林が広がり、島しょには固有で魅力的な景観とともに、生態系を育む豊かな天然林が形成されています。
 森林環境譲与税は、都と区市町村に交付されますが、この使途は、間伐や人材育成、木材利用の促進などに定められており、今後、多摩や島しょ地域での森林整備の促進や多摩産材の利用拡大が期待されます。
 しかし、多摩や島しょの市町村では、森林整備を進めていくためのノウハウや専門職員が不足しています。また、譲与税は人口も算定基準として案分されるため、森林は多く所在するものの、人口の少ない多摩や島しょの自治体では、譲与額が森林整備を進めていく上では十分とはいえない状況です。
 そこで、森林環境譲与税の導入を契機に、多摩や島しょでの森林整備を促進していくために、市町村における森林整備に対する支援が必要と考えますが、都の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 細田いさむ議員の一般質問にお答えいたします。
 がん医療の提供体制についてのお尋ねがございました。
 がんは二人に一人がかかるといわれ、都民の死亡者のおよそ三人に一人ががんで亡くなっておられます。今後、高齢化が急速に進む都では、がん患者の一層の増加が見込まれるところであります。
 高齢のがん患者は、高血圧、糖尿病など、ほかの病気を抱えている方も多く、治療に当たりましては、がん診療を担う医師とがん以外の専門医療を担う医師が連携をして適切な医療を提供することが必要となります。
 そのため、がん患者が安心して治療に取り組めますように、拠点病院などにおけます手術療法、放射線療法等の組み合わせによる集学的治療や、看護師、薬剤師、栄養士などの多職種によるチーム医療を進めております。
 また、患者が希望する場所で適切な治療や支援が受けられますように、お話のがん診療と循環器診療の連携など、病院間の得意分野を生かした連携を深めまして、がん医療の提供体制の一層の充実を図ってまいります。
 次に、お地元、地下鉄八号線の延伸についてのご質問でございます。
 東京の持続的な成長を実現するためには、東京の強みであります鉄道ネットワークを生かして、これをさらに充実させていくことは重要であります。
 今年度、都は、鉄道新線建設等準備基金を創設することで、事業の裏づけとなります財源をあらかじめ確保いたしまして、新線整備に対する都の取り組み姿勢を明確に示したところでございます。
 地下鉄八号線は東西線の混雑緩和はもとより、臨海地域の今後の発展などにも寄与する重要な路線と考えております。現在、事業採算性や費用負担のあり方、事業主体などの課題につきまして、国、鉄道事業者などと検討を進めております。
 引き続き、関係者との協議、調整を加速いたしまして、この路線の実現に向けてしっかり取り組んでまいります。
 残余のご質問は、関係局長よりの答弁とさせていただきます。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕

○病院経営本部長(堤雅史君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、駒込病院におけるがん患者の治療と仕事の両立を支援するための取り組みについてでございますが、がん患者が働きながら治療を継続していくためには、患者個々の病状や治療状況に適切に対応しつつ、生活面や心理面にも寄り添ったきめ細かな支援が重要でございます。
 駒込病院は、都のがん医療における中核的な役割を担う拠点病院として、医療ソーシャルワーカー等の専門相談員が常駐いたしますほか、週に一度ハローワークの担当者による出張相談を行うなど、就労支援にも積極的に取り組んでおります。
 こうした取り組みに加えまして、来年度からは、長期にわたる通院治療が必要ながん患者が、仕事を継続しながら治療を受けられるよう診療体制を強化し、平日の夜間等に化学療法や放射線治療を行う先導的な取り組みを新たに実施いたします。
 次に、都立病院における社会保険労務士との連携による患者支援の取り組みについてでございますが、都立病院ではこれまで、患者支援センターの医療ソーシャルワーカーを中心に、診療や就労継続等に関する相談に広く対応してまいりました。
 また、お話いただきました墨東病院では、平成二十七年度から、労働や社会保険に関する専門的知見を有する社会保険労務士による個別相談を実施し、傷病手当金の申請やさまざまな休暇制度の活用等の助言を患者に対して行いまして、収入や就労継続における不安軽減に取り組んでおります。
 来年度は、社会保険労務士による両立支援相談を全ての都立病院に拡充し、相談支援体制を強化するとともに、蓄積された相談事例を病院間で共有し、対応力の向上を図ってまいります。
 今後も、働く世代の患者に対して、治療と仕事の両立を支援するための方策を一層充実させてまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、UDタクシーへの補助事業についてでございますが、都は、ハイブリッド車など、環境性能が高く車椅子のまま乗車できるユニバーサルデザインタクシーの普及を目的として補助制度を設けております。
 補助金の原資として、平成二十八年度に六十一億円を東京都環境公社に出捐しており、制度開始から本年一月末までの補助実績は、累計二千二百九台、約十二億円でございました。
 また、既に三千台を超える申請を受け付けており、今後とも、二〇二〇年までに一万台の導入を目指し、取り組んでまいります。
 次に、PCBを使用した照明用安定器の処理促進についてでございますが、照明用安定器におけるPCB含有の調査に当たりましては、照明器具の取り扱いにたけた電気工事業者等の専門ノウハウの活用が有効であると認識しております。
 このため、都はこれまで、電気工事業者の団体に対し、建物所有者からの調査依頼に対する円滑な対応について重ねて協力を要請してまいりました。
 また、中小企業等への支援策として、来年度新たに照明用安定器のPCB含有に係る調査費に対する補助制度を創設いたします。
 さらに、これまで実施している変圧器、コンデンサー等の収集運搬費の補助対象に来年度から照明用安定器を追加いたします。
 これらの取り組みにより、PCBを使用した照明用安定器の期限内処理を促進してまいります。
〔政策企画局長梶原洋君登壇〕

○政策企画局長(梶原洋君) 三点の質問にお答えをいたします。
 まず、ユニバーサルデザインタクシーの現状を改善するための都の取り組みについてでありますが、車椅子のまま乗車可能なユニバーサルデザインタクシーは現在、都内で四千台以上が導入をされております。
 しかし、そのほとんどは乗降用スロープの組み立てにかなりの時間を要するタイプであり、車椅子利用者が円滑に利用するためには改善の余地があることから、都はこれまで、タクシー業界団体や自動車メーカーに乗降用スロープの改善などを求めてまいりました。
 その結果、ことしの春には、短時間で組み立てができるように改良された乗降用スロープを備えた車両が発売される予定となってございます。
 次に、ユニバーサルデザインタクシーに円滑に乗降するための対策についてでありますが、ご指摘のとおり、改良された乗降用スロープを備えた車両が販売されましても、既に走行している四千台以上のユニバーサルデザインタクシーでは、車椅子利用者の乗降に時間を要するという状況は変わりございません。
 このため、都は今年度、車椅子利用者が円滑に乗降できるよう、利便性の高い外づけスロープを、ホテル、病院等に試行的に設置をしております。
 また、タクシー業界団体に対しましては、乗務員に外づけスロープの設置場所、利用方法を周知することや、研修の充実により、乗務員の意識向上を図ることなどを働きかけております。
 これらハード、ソフト両面の取り組みを速やかに展開をし、車椅子利用者の円滑な乗降を支援してまいります。
 最後に、車椅子利用者がユニバーサルデザインタクシーを利用しやすくするための、事業者と連携した工夫についてでありますが、都は今後、外づけスロープがより活用されますよう、スロープを設置したホテル、病院などの施設を掲載したマップを作成いたします。このマップをユニバーサルデザインタクシーの車内に備えつけることや、タクシー事業者のホームページ等に掲載することをタクシー業界に呼びかけますとともに、都のホームページ等にも掲載をしてまいります。
 都として、こうした工夫を行いながら広く周知に努め、車椅子利用者が快適にユニバーサルデザインタクシーを利用できるための環境整備を進めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 海の森の観客輸送への舟運の活用についてでありますが、舟運の活用は、会場周辺の道路や鉄道の混雑緩和策になることに加え、東京の水辺空間の魅力を観客に発信できる効果的な交通手段になり得ると認識しております。
 現在、海の森水上競技場及びクロスカントリーコースについては、徒歩圏内に鉄道駅がないことから、周辺駅からのシャトルバスの運行を予定しておりますが、必要バス台数の確保の課題などもございます。
 このため、海の森公園に整備が計画をされております水上バスも利用可能な船着き場を大会時にも活用し、舟運による観客輸送を実施する方向で調整してまいります。
 今後、組織委員会や舟運事業者等と連携し、バス輸送への負担を軽減し、同時に東京臨海部の魅力を感じられる発着地や航路の設定等について検討を進めてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 市町村の森林整備に対する支援についてでございますが、森林環境譲与税を効果的に活用し、多摩や島しょ地域の森林整備を推進していくためには、市町村における担い手の育成とともに、観光資源としての森林整備など、各市町村の実情に応じた多様な取り組みを支援していく必要がございます。
 このため、都は来年度、市町村からの相談に対応する森林整備アドバイザーを新たに配置し、間伐等の実施に必要な技術的助言等を行いますとともに、事務所等の賃料の補助により、林業事業体の新規参入を促進するなど、担い手の育成を強化してまいります。
 これに加えまして、島しょ地域では、観光資源としての森林の魅力を高める景観改善やツバキ林等の整備など、町村が行う森林整備への支援を開始いたします。
 これらの支援を通じまして、市町村と連携した森林整備を促進し、健全で活力ある森林を次世代に継承してまいります。

○副議長(長橋桂一君) 二十番森口つかさ君
〔二十番森口つかさ君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○二十番(森口つかさ君) 私からは、行財政改革、防災対策の視点で質問をいたします。
 まず、都の組織改革について伺います。
 東京を取り巻く環境が変化をする中、主要課題を明確にし、効率的に都政を執行するべく、組織の再編を行うことは大変重要であります。
 都は、東京二〇二〇大会後、本格的な人口減少社会を迎えることから、東京の将来を見据えた組織改正に取り組むとのことであります。新たな組織のあり方について議論を重ねていくには、都の組織の成り立ちや現状、課題をしっかりと把握をし、未来へとつなげていくことが大変重要であります。
 かつて地方自治体は、組織の骨格である局の数が法律で定められ、組織の改正には国との協議が必要になるなど、厳しく管理がされてきました。
 現在は、地方分権のもと各自治体の判断で内部組織が編成できる一方、組織の簡素化、効率化、能率化の原則が基本とされていることは何ら変わりがなく、組織再編においては身を律していく姿勢が必要と考えます。
 都は来年度、喫緊の課題への迅速な対応として、戦略政策情報推進本部、住宅政策本部といった本部組織の設置を予定しております。
 議会に諮ることなく設置が可能ではありますが、局相当の組織を際限なくふやしていけるとすると、歯どめが必要と考えます。
 過去の大規模な組織改正の際には、行政改革の一環として、局の統合や事業所の廃止など、組織のスリム化、効率化に取り組んできました。将来、都税の減収が予想されている中、組織改正は少なくともスクラップ・アンド・ビルドを基本とするべきではないでしょうか。
 今後の都庁組織全体の見直しに当たっては、行政組織の効率化という観点をより一層重視すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 行政組織は、行政サービスを支える基盤であります。分掌事務や権限、責任が明確で、都民にわかりやすいことも重要と考えます。
 都の行政分野の基本的なくくりである局の所管する範囲も、時代の変化に伴い変わることが考えられます。
 過去の組織再編の際には、都民の声を参考にしたとも伺っております。都庁の組織に何が求められ、どう変わっていくべきか、専門家も含め多方面から意見が必要です。
 今後の大規模な組織再編に向けて、二〇一九年度中に有識者や都民からの意見を含めた検討を進め、東京二〇二〇大会終了後、速やかに実現するよう進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、市場会計について伺います。
 今回の築地跡地の有償所管がえにより、一般会計から約五千四百億円が市場会計に投入されます。
 これは一般会計が用地を取得する対価でありますが、そもそも市場会計は、みずからの収入でみずからの経費を賄う独立採算の公営企業会計であり、都の一般会計の資金を当てに経営を行うべきではありません。
 こうした中、市場の運営費についても、国の基準のもと、一般会計から市場会計に毎年数十億円もの資金が投入がされております。
 今後、市場会計の財務体質改善に向けて、経営計画の策定を行うとのことでありますが、あわせて、一般会計からの資金投入のあり方についても検討すべきと考えます。財務局長の見解を求めます。
 オリンピック・パラリンピックまで五百日余りとなります。大会期間中、この東京に訪れる一千万人の人々とともに、この東京は熱狂に包まれます。世界一のスポーツの祭典を通じて、この東京に住み暮らす大人も子供も、みずからの将来にさらなる夢と希望を抱き、家族の将来に新たな希望と夢を抱き、そして東京のさらなる発展を願うのではないでしょうか。
 東京二〇二〇大会にかかわるさまざまな取り組みや事業の記録について、貴重なレガシーとして、次の大会や東京の将来の発展に生かされるよう、引き継いでいくことは大変重要と考えます。
 都の取り組みはもちろん、大会運営を担う組織委員会に関しても、記録や資料についてその経費なども含め大会後も精査できるよう、適切に管理していく必要があります。
 組織委員会のさまざまな事業について、解散後も重要な資料が失われることのないよう、都からも求めていくべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、防災対策について伺います。
 一九九五年、阪神・淡路大震災の際、家屋の倒壊で私の兄は亡くなりました。
 東京の将来にわたる持続的な発展には、都民の命を守るセーフティー東京の実現が必要不可欠であります。
 ことし五月には、私の地元区である、ここ新宿にて世界の都市型災害への取り組みと、その課題が話し合われる国際会議が開催となります。
 東京二〇二〇大会のホストシティーとして、大都市における災害対策の重要性を世界に訴え、東京の防災力、災害対応力を世界に発信する大変重要な機会と考えますが、都市の防災フォーラムTokyoを開催する意義について知事の所見を伺います。
 災害時の非常用電源の確保について伺います。
 私たち都民ファーストの会東京都議団は、災害時における区市町村庁舎の非常用電源の重要性を訴えてまいりました。
 平成三十一年度予算案に整備がおくれている区市町村に対する支援が盛り込まれたことは大きな前進です。区市町村に対する専門家の派遣も、整備の後押しにつながります。
 既に実施された区市町村へのヒアリングの状況を踏まえ、区市町村の非常用電源の支援を一層進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 昨今の自然災害や東京二〇二〇大会開催を見据え、スピード感ある防災対策の推進が今求められています。
 都は、さまざまな災害対策について、都民へわかりやすく伝えるとともに、都民の自助、共助の推進を目的としたセーフシティ東京防災プランを策定し、その進捗を毎年報告をいたしております。
 都市型災害である阪神・淡路大震災において、倒壊した建物から救出された被災者の約八割は自助や共助によります。
 阪神・淡路大震災においては、私も家の下敷きとなり、地域の方々に助け出されました。
 東京においても、いつ発生してもおかしくない自然災害に対して、都民一人一人の防災意識の向上や自助、共助の推進が課題と考えます。
 都はこれまでも、防災ブックや防災アプリを作成するなど、広く普及啓発を進めてきましたが、自助、共助のさらなる推進には、よりきめ細やかな対象別の取り組みを進めていくことも重要と考えますが、都の見解を伺います。
 都民一人一人の災害に対する備えや災害時の的確な避難行動につながる有効な取り組みと期待されるのが、マイタイムラインの作成であります。
 都は来年度、学校教育や防災イベントを通じて、都民一人一人のタイムラインの作成の支援を行います。家族全員で災害に対する行動計画をつくり、みずからの生活に落とし込むことで、災害に対する備えや発災時の適切な行動につながると考えます。
 風水害に限らず、いつ発生するかわからない巨大地震や火災に対しても、都民一人一人の防災行動計画の作成を支援することで、災害、防災意識の向上や被害の軽減につながると考えますが、都の見解を伺います。
 都市の防災機能の強化には、無電柱化の取り組みが重要です。
 新年度予算案には、防災拠点につながり、防災に寄与する区市町村道の無電柱化に対する事業の補助率を上げるなど、区市町村への支援を拡充しております。
 今後も、都道はもとより、区市町村道を含めた都内全域における無電柱化を計画的に推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 最後の質問です。
 都市の防災機能の強化とともに、高齢者、障害者に配慮をした都市環境の整備は大変重要です。
 都は、昨年三月の予算特別委員会における我が党の締めくくり総括に対する答弁にて、今後、都道のバリアフリー化を進めていく上で、設計段階から、障害者や高齢者と意見交換を行い、きめ細かい道路のバリアフリー化事業を検討していくとのことでありましたが、現在の状況と今後の取り組みについて伺い、以上で私の質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございます。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 森口つかさ議員の一般質問にお答えいたします。
 今後の都庁組織全体の見直しについてのご指摘でございました。
 行政における組織とは、行政目標の達成に向けまして、経営資源を統合、活用するという、いわば行政運営の根幹をなすものでございまして、経営効率の観点は極めて重要でございます。
 都はこれまでも、行政改革を不断に進めて、類似事業の集約化や組織の再編統合等を行うことで、行政需要に的確に対応した簡素で効率的な執行体制を整備してきたところでございます。
 今回の本部設置等の組織改正に当たりましては、事業実施部門を強化しながら、局長級ポストの設置や、内部管理部門の定数措置を厳しく抑制したところでございます。
 東京二〇二〇大会後の組織全体のあり方につきましては、都庁組織の生産性を一層高めていけるように、スクラップ・アンド・ビルドを基本としながら、管理スパンや決定権限などのさまざまな観点から、効率的でかつ効果的な執行体制の構築に向けまして検討してまいります。
 二つ目、都市の防災フォーラムTokyoについてのお尋ねでございました。
 国連の報告によりますと、過去二十年間に自然災害による死者が百三十万人に上っている、そして被災による経済的損失は約三百三十兆円とされております。
 災害から住民の生命、財産を守るということは、世界の都市の首長が果たすべき大きな責任でございます。
 東京も、首都直下地震や大規模水害など、さまざまな自然災害のリスクに直面をいたしております。これに備えまして、災害に強いまちづくりや防災対策の充実など、セーフシティーの実現に向けて取り組んでおります東京で防災の国際会議を開催することは、大変意義のあることと考えております。
 さらに、この本会議は、G20に対しまして提言を行う、U20メイヤーズ・サミットとの同時開催になっておりまして、より多くの都市の参加を促しております。そして、防災や減災の取り組み、知見を直接共有することで、都市の連帯を高めまして、参加都市共通の財産としてまいります。
 また、会議の模様はインターネットを通じまして映像配信をいたすこととしておりまして、都民や世界の多くの方々の防災に対する意識の向上につなげてまいります。
 世界的に都市災害が一層頻発化、激甚化しております。その中で防災施策の充実を進める東京の安全性を実感していただくとともに、レジリエンスの強化に向けました施策を、それぞれの都市が着実に進めていく重要性を強く世界に訴えます、そんな機会としてまいりたいと考えております。
 残余のご質問は、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、無電柱化の計画的な推進についてでございますが、都は、東京二〇二〇大会を見据え、無電柱化をさらに推進するため、第七期の東京都無電柱化推進計画改定の素案を作成いたしまして、現在、都民から意見を募集しております。
 素案では、国道、都道、区市町村道合わせまして二百三十八キロメートルを加えまして、都内全体で千百五十四キロメートルを整備対象といたしました。
 特に、区市町村道の無電柱化につきましては、事業費を全額補助する無電柱化チャレンジ支援事業を引き続き活用いたしますとともに、頻発する自然災害に備えるため、防災に寄与する路線につきまして、補助率を四分の三から四分の四に引き上げ、財政負担を軽減することで、区市町村の取り組みを一層加速してまいります。
 こうした取り組みによりまして、都内全域での無電柱化を積極的に推進してまいります。
 次に、道路のバリアフリー化についてでございますが、都はこれまで、東京都福祉のまちづくり条例等に基づきまして、歩道の段差解消や視覚障害者誘導用ブロックの設置等を進めております。これに加えまして、より利用者目線に立った、きめ細かいバリアフリー化を図るため、障害者団体等と連携した事業に取り組むことといたしました。
 平成三十年度は、モデル事業といたしまして、北区のJR浮間舟渡駅駅前広場を選定し、高齢者、障害者団体及び地元区等が参画した検討会を立ち上げまして、意見交換やまち歩き点検を実施しております。
 平成三十一年度には、障害者団体等からのさまざまな意見を検討会で調整し、これを設計に反映させまして、整備に着手いたします。
 今後は、このモデル事業で得た知見を生かし、きめ細かいバリアフリー化を進めまして、誰もが安全・安心、快適に利用できる歩行空間の整備に積極的に取り組んでまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、都庁組織の見直しについてでございますが、今後の都庁組織全体の見直しにおいては、社会情勢や都に求められる役割の変化を見据えつつ、中長期的な視点に立って幅広く検討することが重要でございます。
 平成十六年度には、大規模な条例局の再編案を含む行政改革プランの中間のまとめに関しまして、都民の意見を募集した例もございます。
 今後の見直しに向けましては、国、他自治体や民間企業の組織形態等も参考とし、二〇二〇改革プランの改定などとあわせまして、外部有識者や都民の意見を聞きながら検討を進めてまいります。
 来年度中をめどに、東京二〇二〇大会以降の組織全体のあり方について、その方向性を示してまいります。
 次に、区市町村への非常用電源の整備支援についてでございますが、災害対策本部が設置される庁舎の非常用電源の整備は、都が大規模災害時に応急対策を的確に行う上で極めて重要であることから、本年度より、継続稼働七十二時間未満の区市町村を主たる対象として補助制度を開始いたしました。
 一方、区市町村へのヒアリングを通じ、適切な設備の選択や設置スペースの確保等の課題解決に向けたノウハウが不足している現状も明らかとなったため、来年度は希望する自治体に専門家を派遣し、技術的助言を行ってまいります。
 具体的には、建築や電気の専門家が設備の状況や建物の構造等を確認して、各自治体の実態に即した改善プランを提示することにより、その後の整備へとつなげてまいります。
 今後とも、区市町村のニーズを一層丁寧に把握しつつ、都全体の災害対応力を強化してまいります。
 次に、自助、共助のさらなる推進についてでございますが、大規模災害への備えを強化するには、都民一人一人がみずからの命を守り、地域で助け合うことが必要であり、都はこれまで、「東京防災」の作成、配布などを通じて普及啓発を行ってまいりました。
 これに加え、今後は防災への取り組みが弱いといわれている子育て世代や女性、外国人などに主体的な防災行動を起こしてもらうため、対象者の特性に応じた普及啓発を展開してまいります。
 具体的には、子育て世代を対象としたイベントでの普及啓発の促進や、女性を対象とした地域や職場における防災人材の育成研修の充実、さらに防災アプリの多言語化の拡充による外国人への普及を進めてまいります。
 今後も、きめ細やかな普及啓発により、自助、共助の取り組みを積極的に推進してまいります。
 最後に、地震等に対する防災行動計画の作成支援についてでございますが、首都直下地震等の被害を最小限に抑えるには、都民が発災時に適切な行動をとることが重要でございます。
 このため、都は、発災時に起こり得る事態を想定いたしまして、平時から備蓄すべき水や食料等の品目や量、これに関しますチェックリスト、あるいは事前に確認した避難場所や避難経路、家族との連絡手段の確保等の対策を記載しまして、携行するためのメモなどを防災ブックや防災アプリ等を通じて都民に提供しております。
 今後も、防災訓練や防災イベント等を通じまして、こうしたリスト等の普及に努め、地震等の災害に対する都民一人一人の計画的な準備について支援をしてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 一般会計から市場会計への資金繰り入れについてでございますが、地方公営企業の経営に要する経費は、その収入をもって充てることが原則とされておりますが、一部の経費は、地方公営企業法に基づく基準により、一般会計からの繰入金を充てることが認められておりまして、この基準の範囲内で、毎年度、市場業者の指導や監督に要する経費などを繰り入れております。
 都における一般会計からの繰り入れは、市場会計の資金状況などを勘案し、継続的に見直し、抑制を図っておりまして、繰入金の割合は他自治体よりも低い水準となっております。
 独立採算を原則とする市場会計の持続可能性の確保に向けまして、今後も、市場経営のあり方や社会経済情勢の変化などを踏まえながら、経費負担のあり方について引き続き検証を重ねてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 東京二〇二〇組織委員会解散後の資料の取り扱いについてでありますが、都が経費を負担している共同実施事業に関しましては、都が内容を確認し、必要な文書を保存しております。
 また、組織委員会のさまざまな事業に係る資料については、法人として適切に保存していく必要があり、関係法令では、会計資料などの重要な資料は、解散後の清算の結了から十年間、清算人が保存することと定められております。
 このほか、開催都市契約等に基づき、組織委員会は、関係者と合意の上、さまざまな記録を保存し、将来に引き継ぐための計画を策定することとされており、現在、関係者間で協議を進めているところでございます。
 こうした取り組みを通じ、解散後におきましても、組織委員会の活動記録などの重要な資料が適正に保存され、貴重なレガシーとなりますよう働きかけてまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時三十七分休憩

   午後二時五十五分開議

○議長(尾崎大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十一番福島りえこさん
〔四十一番福島りえこ君登壇〕

○四十一番(福島りえこ君) 少子高齢化により、国内、そして東京都の成長の鈍化、停滞が予測される中で、取り組むべきは、多様な人材が活躍できる社会に向けた投資です。
 前回の一般質問では、投資するべき事業の選定と透明性のある都政運営のために、エピソードではなく、エビデンスに基づいた事業評価と政策立案、EBPMに取り組むべきこと、エビデンスとなるデータの収集ともかかわる東京都ICT戦略、これを力強く推進すること、そして、都民の暮らしの基盤である地域コミユニティ活性化を取り上げました。
 数値目標を鑑み、着実に取り組んでいただきたい領域五つを取り上げて質疑を行います。
 一つ目は、地域コミュニティの活性化です。
 昨年の質疑で私は現役世代への働きかけを求め、平成三十年度は、東京ボランティア・市民活動センターが中心となって取り組んできました。しかしながら、その認知度は六%にすぎず、一年以内にボランティアを実施した都民を、二〇二〇年までに四〇%までふやすという目標に対して、その影響力は限定的です。
 都は、地域包括ケアシステムの構築を担う福祉保健局、多様な主体のかかわりを推進する教育庁、町会、自治会を支援する生活文化局など、複数の局が共助を促す、そして、必要とする事業を実施しており、平成三十一年度の予算発表資料からコミュニティ活性化にかかわる施策を抽出すると、その総額は二百億円を超えます。
 都は、これらの事業について、顔見知りから始まり、信頼関係が培われ、共助がなされるという、ソーシャルキャピタル醸成の一連のプロセスを踏まえたPDCAを行うべきです。
 例えば、ある民間会社は、地域のイベント情報を通知するアプリを開発、登録ユーザーがどれだけの情報や人とつながり、何回やりとりしたかというアクティビティーからソーシャルキャピタルを導出しています。
 中央区や江東区では、区がかかわるさまざまな場面でこのアプリのインストールを促し、行政が実施した事業の評価を行うとともに、これまで難しかった若年層へのリーチと区民自治の強化を図っています。
 我が会派が継続して質疑で取り上げてきたように、東京二〇二〇大会で活躍する各種ボランティアの存在は、共生社会の実現につながる貴重なチャンスです。
 昨日の鳥居都議の質疑に対して、シティキャストの希望者には、大会後も情報提供を継続するとの答弁がありましたが、このフレームを地域活動など、シティキャスト以外にも広がるように生かすべきです。
 都は、ボランティア文化定着のために、シティキャストのデータベースや運営システムを大会後も活用する考えと聞いておりますが、具体的取り組みを伺います。
 二つ目は、中小企業の活性化です。
 今般、都が策定した中小企業振興ビジョンには、五つの数値目標とともに、東京固有の社会課題解決に向けて多機関連携を促すという、国際競争力獲得に向けた取り組みが盛り込まれています。
 一方、東京の事業者の八割以上を占める零細企業に対して、都は、商工会議所などの団体と連携し、昭和三十二年より小規模企業対策事業を実施しています。零細企業から経営や税務、法律などの相談を窓口と訪問でそれぞれ年間七万件、計十四万件を受け付けるという、いわばインフラ的な事業ですが、毎年二十億円を超える予算を計上しています。
 予算をより効果的なものとし、小規模企業の活力をさらに高めていくためには、事業による効果等を把握し、改善を検討するなど、PDCAサイクルを回していくことが必要と考えますが、見解を伺います。
 三つ目は、女性活躍推進です。
 二〇二〇年までに女性管理職比率を三〇%にするという政府目標ですが、二〇一五年末の第四次男女共同参画基本計画で一五%に下方修正されたように、その実現は容易ではありません。昨年、会派の女性都議有志で開催した女性のための政治サロンでも、キャリアを築くための環境が不十分という声を多くいただきました。
 都内産業の持続的発展には、女性を初めとする多様な人材が企業経営に参画し、多様化する市場への対応力を高める必要があります。先行する民間企業では、女性の経営者候補を経営者のシャドーイング、平たくいえば、かばん持ち的に付き添わせることで意思決定を学ばせる取り組みも行われています。
 都は、子育てとの両立のために保育政策に注力してきましたが、今後は、キャリア形成するための環境整備や、女性経営者特有の、自宅兼事務所だと保育園に入りにくい、身近にロールモデルがいないなどの課題解決にも取り組むべきです。
 まずは、取り組みの第一歩として、都は、女性経営者の抱える悩みや課題にしっかりと耳を傾けながら、その活躍推進に資する政策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 四つ目は、教育施策です。
 先日、ICT教育で先行する小金井市立前原小学校を視察し、子供の二十年後に責任を持つというメッセージに強く共感しました。教育の果たす役割は大きく、都もさまざまな施策と多くの評価に取り組んでいますが、そのPDCAには改善の余地があると考えます。
 例えば、都は、小中学校の少人数習熟度別指導や基礎学力定着のための教材、東京ベーシック・ドリルなど独自の施策を行っていますが、全国学力調査の結果がよかったとしても、都内の生徒は通塾している割合が高く、この影響を考慮する必要があります。
 また、都立高校における理数教育を初めとする特色ある学校づくりについては、生徒の進学志向や、進学先の調査をもって評価としていますが、理想的には、より長期かつ前後のトラッキングも行うべきです。一方、アクティブラーニングにおける主体性やプログラミング教育における科学的、論理的思考など、評価方法自体が検討段階であることも少なくありません。
 このように教育施策の評価は容易ではありませんが、複数要因が絡むからこそ統計的扱いは不可欠であり、精度向上にはデータの蓄積が重要です。このため、私は昨年より文教委員会の質疑で、たびたびEBPMの重要性を訴えてまいりました。
 そこで、教育長の教育分野におけるEBPMの推進に対する意気込みを伺います。
 次に、教育機会における経済格差についてです。
 日本の子供の貧困率は七人に一人と、先進国の中でも最悪です。都は、この社会課題に向き合い、授業料無償化や給付型奨学金などの制度を設けていますが、提出書類が多い、支給時期が遅い、スーパーサイエンスハイスクールなどのプログラム参加費が給付型奨学金の対象外であるなどの課題について、今後の改善を要望します。
 一方、民間企業や団体もCSRやCSVの観点で、奨学金または就学援助を始めています。しかしながら、DV被害などで居どころを明かすことが安全を脅かすケースに思い至らず、申請時に住民票や戸籍の提出を求めたり、犯罪被害者の子供向け奨学金で、親の犯罪被害体験を子供に書かせるなど、申請プロセスに配慮が不足している場合もあるようです。
 現在、奨学金や就学援助に関する情報の収集は各学校に任されていますが、情報の質と量の両面で効率がいいとはいえません。
 必要としている子供に適切な情報が届くように、各種奨学金や就学援助に関して安心して使える情報のデータベースをつくり、加えてマッチングコーディネーターを配するなど、都が環境を整備するべきと考えますが、見解を伺います。
 五つ目は、都の廃棄物最終処分場についてです。
 現在、区部においては基礎自治体が回収と焼却、都の廃棄物最終処分場が焼却灰の受け入れを担っていますが、処分場のキャパシティーがあと五十年しかもたないという、有償所管がえ後の豊洲市場の持続性と同レベルの試算がされています。
 一方、市部では分別を推進し、発生した焼却灰もセメント原料に転用するなど、焼却灰を埋立処分せずに処理できています。
 すなわち、市部に比べておくれている二十三区における分別を促進し、リサイクル可能な紙ごみやプラごみの焼却ごみへの混入を抑制、焼却灰を減らすことができれば、最終処分場の延命が可能です。
 そして、分別推進にごみ袋の有料化が有効であることは、都の廃棄物審議会プラスチック部会の議論などで結論づけられています。東京二十三区清掃一部事務組合が平成二十二年に発行した廃プラスチックのサーマルリサイクルの効果と影響についてによれば、分別推進はCO2削減にもつながります。
 都は、焼却灰受け入れ単価を上げるなど、二十三区の分別推進、焼却灰削減を促すべきだと考えますが、見解を伺います。
 加えて、使用量の削減も重要です。
 都は、東京二〇二〇大会を初めさまざまなイベントで、啓発目的にボールペンやクリアホルダー、動画の入ったDVDなどを配布しています。また、東京二〇二〇大会に向けたシティードレッシングでも、マイクロプラスチックの原因といわれる大量の化学繊維が用いられる予定です。
 都は、既にグリーン調達を実施していますが、ストローやレジ袋の使用抑制に加え、都が配布するノベルティーについて脱プラスチックや配布量の適正化、事業で発生する廃棄物の扱いについて指針を設けるなど、環境先進都市にふさわしい取り組みを推進するべきだと考えますが、見解を伺います。
 以上、目標達成や効果検証、持続性に課題のある五領域を取り上げて質疑を行いました。
 最後に、二年目に入る東京都ICT戦略についてです。
 今年度予算では、東京都ICT戦略に六百八十八億円を投入していますが、この領域で都が先行しているという話を聞きません。平成三十一年度では七百二十八億円を予算計上、政策企画局には、戦略政策情報推進本部が新たに設置されます。
 そこでまず、この新たな本部を設置する狙いと取り組みについて、知事の見解を伺います。
 GAFAが国家をも超える覇権を得ていることから明らかなように、ICT化の真髄は、データを用いた最適化と価値創造です。
 平成三十一年事業案には、デジタル地域通貨に関する調査検討及びモデル事業が盛り込まれていますが、先行事例として、岐阜県飛騨高山地域の地域通貨、さるぼぼコインがあります。
 QRコードを印刷するなど、少ない負担で加盟店でのスマホ決済が可能となり、顧客が少額決済から解放される利便性はもとより、アプリのGPS情報や顧客の属性とリンクされた利用状況をビッグデータとしてAI解析することで、顧客に向けた最適なサービスなど、新たな価値を創造できます。
 東京都ICT戦略の成果の源泉となる、このデータ利活用の阻害要因は、区市町村保有のデータなどが使える形式になっていない、企業のデータ囲い込み体質、個人情報漏えいリスクなどであると聞いています。
 そして、これらの解決策としてのデータプラットホームについては、一昨年の第三回定例会議総務委員会質疑で取り上げ、当時の局長より、都政の多様な行政分野を内包する都全体のプラットホームも視野に入れて検討するとの答弁を得、会派の予算要望にも盛り込んでまいりました。
 あらゆるICT関連事業のサービス提供は、クラウド型を基本とし、集めた全てのデータはセキュリティーを確保した上で、開示、非開示の情報など、データ開示基準を明確にした上で、多様な主体がアクセスできるようにすることで、都の社会課題に関する調査研究、そしてEBPM、すなわち政策立案やサービス開発が進むことが期待されます。
 行政や民間のビッグデータを活用する仕組みを都が先導して構築する必要があると思いますが、見解を伺います。
 また、このデータプラットホームを機能させるためには、都の職員みずからが政策立案におけるデータ利活用を通じて、その活用スキルを高めていく必要があります。
 今後、都庁におけるデータ利活用の推進には、ICTを的確に取り入れながら、データを効率的、効果的に用いることのできる人材の確保、育成が不可欠と考えますが、都の見解を伺います。
 以上をもって質疑を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 福島りえこ議員の一般質問にお答えいたします。
 戦略政策情報推進本部の設置についてのご指摘でございます。
 本格的な人口減少社会が到来する中で、国際的な都市間競争を勝ち抜くためには、急速に進展する最先端技術の革新など、環境変化に対応した東京の成長戦略を進めることは重要であります。
 そこで、国際金融都市東京の実現に向けた取り組みや最先端技術を活用した新技術の創出、さらには都政のICT利活用を推進するため、新たに本部を設置することといたしました。
 今後は、戦略政策情報推進本部を中心といたしまして、国家戦略特区等の活用や、東京二〇二〇大会を見据えた最先端技術のショーケーシング、また、フィンテック産業等の育成など、東京の成長に資します戦略的な事業を集中的に展開をいたしてまいります。
 さらに、議員もお詳しい分野でございますけれども、ICTの利活用による事業構築、AI、RPAを活用いたしました都におけます効率的な業務運営への転換などについて、民間人材のさらなる活用などで取り組みの一層の加速化を図ってまいります。
 これらを一体的かつ局横断的に進めていくことによりまして、東京が日本経済を牽引するとともに、社会的課題の解決を図って、日本全体の持続的な成長へつなげてまいります。
 残余のご質問は、教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、教育施策にかかわる評価についてでございますが、教育の成果は多様な要因が複雑にかかわり影響することから、各事業の目的や内容に照らして、効果測定のために必要な情報を可能な限り収集、分析することで、教育施策を改善、展開していくことが重要でございます。
 こうした考えのもと、都教育委員会では、施策の取り組み状況やその効果を評価する際、さまざまな調査結果などの客観的なデータに加え、児童生徒や教員等へのアンケート結果を取り入れるなど、多面的、多角的な評価となるよう努めております。
 さらに、毎年度実施している点検、評価では、教育や企業の有識者による分析を施策の見直しや改善に反映させております。
 今後とも、確かな根拠に基づいた施策評価を通じ、教育行政の一層の推進を図ってまいります。
 次に、教育における経済的支援に関する情報提供についてでございますが、都立高校等の生徒等に対する経済的支援には、都及び国の制度による支援のほか、あしなが育英会や交通遺児育英会等の団体や民間企業が主体的に実施しているものなど、さまざまなものがございます。
 都教育委員会は、こうした多様な経済支援制度を、都立高校、都立中学校等の生徒等が円滑に活用できるよう、その内容を把握して、都教育委員会のホームページに掲示してまいります。
 また、これらの情報の活用を担任教員等にも促し、適切な情報が学校からも生徒に届くようにしてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 大会後のボランティア活動の継続についてでありますが、東京二〇二〇大会を契機に高まったボランティア活動への参加機運を大会後も維持発展を図り、活動の継続につなげていくことは重要であります。
 シティキャストとして活動いただいた方には、ご本人の意向を踏まえ、地域における活動を含めたボランティア情報を幅広く提供するとともに、希望する方に活動を継続いただける仕組みを検討してまいります。
 また、シティキャストの募集や運営を行うシステムについて、大会後、都が運営する他のボランティアにも活用できるよう、再構築に向けた検討を行ってまいります。
 大会に参加したボランティアによるさまざまな活動の継続を支援し、地域活動の活性化やボランティア文化の定着が図られますよう、関係機関とも連携して取り組んでまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、小規模企業に対する支援についてでございますが、小規模企業は、地域で経済を支え、産業活動の基盤として重要な役割を担っており、その事業の持続と発展を図るためには、企業の抱える課題や地域の状況などを踏まえ、より効果的な支援を行っていく必要がございます。
 このため、都は、各企業の実情に詳しい地域の経済団体と連携協力をいたしまして、経営相談や技術開発のサポートなどを企業の現場にも出向いてきめ細かく行っております。これらの実績や支援による成功事例等につきましては、定期的に把握をし、経営相談等の事業内容に反映をさせているところでございます。
 今後は、事業の実施状況や課題等に関し、都と経済団体が意見交換を行う機会をふやすなど、支援の効果等についてより詳しく分析するなどの取り組みを進め、小規模企業へのサポートの質を高めてまいります。
 次に、女性経営者の活躍を促進する取り組みについてでございますが、都は、ことし一月、女性経営者が一堂に会し、ビジネス分野での活躍の機運を盛り上げる会議を開催いたしました。この会議では、参加者が直面するさまざまな状況を共有し、その克服に向けて議論するとともに、相互の交流も深めたところでございます。
 また、会議の活発な議論を通じ取りまとめました都のサポートに関する政策提言もいただいているところでありまして、その中には、参加者をふやし、議論のさらなる活性化を図ることに加えまして、課題解決につながる相談や情報提供の体制づくりですとか、そのほか女性経営者の成功事例の発信等が盛り込まれたところでございます。
 これらを踏まえまして、新年度には、会議の拡充を図りますとともに、先輩の社長による相談対応やセミナーを通じた情報提供を行うこととしております。また、事業を伸ばす女性経営者の実例を広く発信し、後に続く女性経営者のキャリア形成に役立ててまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、区部における埋立処分量の削減についてでございますが、これまで過去二十年で、区部の埋立処分量はほぼ半減してまいりましたが、現在埋め立てを行っています新海面処分場が東京港内最後の処分場であることから、さらなる分別、資源化の推進などによる埋立処分量の削減が必要でございます。
 そこで、都と区は共同して、さらなる埋立処分量の削減について検討を重ね、東京二〇二〇大会までに廃プラスチック類の埋め立てを終了することにいたしました。
 今後も貴重な処分場をできる限り延命化できるよう、廃棄物審議会での議論も踏まえ、プラスチック製容器包装の分別収集のさらなる実施を区に働きかけてまいります。
 また、区とともに、3R施策の推進や焼却灰の資源化など、処分場への搬入量を減らす検討を進めるほか、都民の協力が得られるよう、わかりやすい広報に努めてまいります。
 次に、都の調達におけるプラスチックの使用抑制等の取り組みについてでございますが、都は、都内最大の事業者、消費者として、日常業務活動から生じる環境負荷の低減を図るため、東京都グリーン購入ガイドで、各局等における環境に配慮した物品や役務の調達を推進してございます。
 プラスチック等の物品につきましても、これまで適正量での調達はもとより、容器包装廃棄物の排出抑制や使用後の再利用、再生利用等の取り組みを求めてまいりました。
 今後、持続可能な資源利用を一層推進していくため、グリーン購入ガイドの改定も含め、都みずからの事業活動によるプラスチックのさらなる削減の取り組みを検討してまいります。
〔政策企画局長梶原洋君登壇〕

○政策企画局長(梶原洋君) ビッグデータの活用についてのご質問にお答えをいたします。
 ビッグデータは、第四次産業革命技術を代表するものでございまして、ご指摘のとおり、行政や各事業者に分散する多様かつ大量のビッグデータを活用することは、都民サービスの向上や新たなビジネスチャンスの創出につながるものでございます。
 しかし、現在、行政データの環境整備のおくれや民間事業者によるデータの囲い込み等により、ビッグデータの提供や活用は不十分な状況にございます。
 そのため、来年度都が設置をいたしますソサエティー五・〇の実現に向けた有識者による検討会では、データ利用の専門家を初め、さまざまな分野の有識者から意見を伺いながら、安全かつ開放型の官民連携のデータプラットホームの導入に向けた調査検討を行ってまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) データ利活用に向けた人材の確保、育成についてでございますが、データ利活用の推進のためには、ICTの効果的な活用と職員のデータ分析、活用能力の向上が不可欠でございます。
 都はこれまで、統計データの利活用に関する職員の基礎的なスキルを高めるため、セミナーの開催などを行ってまいりました。また、ICTに関する最新の知識を有する民間人材を管理職として採用し、各局の取り組みを支援してきたところでございます。
 来年度は、これらに加え、約百二十名の若手職員を対象に、地域経済に関する多様なデータを政策立案に活用する手法を習得するための研修を新たに実施いたします。
 こうした取り組みを通じまして、EBPMを支える人材を育成し、一層のデータ利活用を推進してまいります。

○議長(尾崎大介君) 十四番藤井とものり君
〔十四番藤井とものり君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

○十四番(藤井とものり君) 都議会立憲民主党・民主クラブの藤井とものりでございます。都議として初めての一般質問の機会となります。知事並びに理事者の誠意ある答弁を求めるものであります。
 一点目に、財政の長期計画について伺います。
 都は、今後二十五年間で、社会保障費は累計十・四兆円、社会資本ストックの維持更新経費は累計三・二兆円増加すると試算しております。人も都市インフラも急速に老いていくことの影響は甚大であり、現在の都税収入では到底賄い切れない水準にあるといえます。
 都は、将来がはっきりしないので計画はつくれないとの見解を示していますが、将来がはっきり見通せないからこそ、計画が必要であるはずでございます。改めて財政の長期計画をつくることを提案しますが、都の見解を伺います。
 二点目に、職員定数について伺います。
 平成三十年度現在、東京都には十六万八千百六人の職員がいます。都庁二十万人体制といわれた時代からは職員数は減少したものの、直近五年間で二千六百八十一人増加するなど、再び肥大化する傾向にあります。職種別でも、微減した公営企業を除き、一般行政職、教育、警察、消防と押しなべて増加しております。
 英国の政治学者パーキンソンは、役人の数は仕事に無関係に増加するという法則を世に提唱いたしました。競争原理にさらされていない役所の仕事は、職員一人でやるべき仕事を二人でやる、三人でやるということが往々にして起こりがちです。また、本来は民間や基礎自治体に任せるべき仕事であるにもかかわらず、行政が抱え込む原因にもなります。
 事実上の終身雇用制度を採用する公務員組織では、一人の職員を採用することは、四十年近く、年平均八百万円余の人件費を負担することにもなります。
 行政改革成功の要諦は職員定数の厳格な管理にありといわれますが、職員定数に対する都の見解を伺います。
 三点目に、監理団体改革について伺います。
 昨今、監理団体についても肥大化する傾向にあります。監理団体の職員数は、平成二十二年度の九千五百二十八人から平成三十年度一万二千三百四十五人へと増加しております。都は、監理団体を積極的に活用した結果と説明していますが、外形的には焼け太りとの印象はぬぐえません。
 監理団体に対しては、駐車場や不動産の管理など民間でできる仕事を独占し、民業を圧迫しているとの批判は絶えません。特に平成二十九年度、都と監理団体との間では、四百五十五件、千三百六十億円もの特命随意契約が締結されています。
 さらに、直近五年間で、課長級以上の退職者が監理団体に対して百四十九名再就職し、役員の約六割を都庁OBが占める、いわゆる天下りの問題もあります。
 特命随意契約と天下りは一体の問題であると考えますが、都の問題意識と改善策について見解を伺います。
 この項の最後に、今般の監理団体改革について伺います。
 水道サービスとPUCの統合は、団体の看板を一つにしただけで何ら実態は変わらないのではないか、教員の働き方改革を推進する団体の新設については、教育庁の天下り先をふやすだけではないか、率直に懸念しております。都民納得の監理団体改革を進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 四点目に、二〇二〇改革プランについて伺います。
 当プランは、東京大改革を目指すという小池知事の思いを形にしたものですが、明らかに後退した感は否めません。当初は、工業用水道の廃止、電力事業の見直しに言及するなど、事業のあり方そのものに踏み込む提案がなされていましたが、いつの間にか、日常業務の改善レベルの話ばかりになってしまいました。
 工業用水道をめぐっては、賛否両論さまざまな議論がありましたが、改革を進めていこうとすれば必ず反発や批判が生じるものでもあります。既得権益の見直し、利権の一掃を諦め、改革を妥協してしまえば、都政は何も変わりません。
 改革が後退しているのではないかという私の懸念に対する知事の見解と、今後の対応について答弁を求めます。
 五点目に、待機児童問題について伺います。
 知事は、来年度末、二〇二〇年三月末までの待機児童ゼロを明言されていますが、果たしてゼロは実現可能な目標なのでしょうか。
 私の地元練馬区では、昨年の待機児童数を七十九名と公表しています。意外に少ないなと感じた方も多いと思いますが、区が定義する待機児童は非常に限定的なものにすぎず、認可保育所等に入れなかった子供のうち、認可外保育施設に預けられた子供や育休中の子供などは隠れ待機児童とされ、その八百九十九名は待機児童数には含まれません。
 さらに、初めから入園を諦めて申し込み自体を行っていない、見えない待機児童がその何倍も存在することが想定されます。待機児童は氷山の一角にも例えられますが、行政が行う対策は海上の氷を削り取る作業にすぎず、再び海面下の氷が浮上し、さらなる対策が必要になります。
 そこで伺いますが、隠れ待機児童、見えない待機児童を含めた潜在的な保育需要をどの程度であると見込んでいるのか、また、来年度末の待機児童ゼロ実現の見通しもあわせ、知事の見解を伺います。
 六点目に、幼児教育、保育無償化の影響について伺います。
 本年十月から、国による幼児教育、保育無償化が実施されます。主に三歳児からを対象とする無償化は、待機児童問題にさほど影響を与えないようにも思えます。しかし、無償になった三歳から預けようとしても、二歳から持ち上がる子供が多過ぎて入りにくいために、前倒しで動く人がふえることが想定されます。
 単純に、保育園がただになったのであれば、預けて働きたいと思われる方もふえるはずです。
 国に先駆け無償化を実施した兵庫県明石市では、結果、全国最多の待機児童数になりました。無償化よりも全入化を優先すべきであったのではないでしょうか。
 そもそも保育料の無償化は、保育園に預けられなかったご家庭にとってはメリットのない制度です。政治が子育て世代の歓心を得ようとして保育料を無償にした結果、保育園を利用したい人々が殺到し、待機児童がふえ、結果、困る人がふえるという、皮肉なことにもなりかねません。
 保育の無償化は、爆発的に保育需要を喚起する可能性も指摘されていますが、待機児童に与える影響と保育の受け皿づくりについて都の見解を伺います。
 また、都独自の取り組みとして、児童が二人以上いる世帯では第二子は利用者負担半額、第三子は無償化を予定していますが、保育需要に与える影響をどのように分析されているのか見解を伺い、私の一般質問を終わらせていただきます。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 藤井とものり議員の一般質問にお答えいたします。
 二〇二〇改革プランについてお尋ねがございました。
 二〇二〇改革につきましては、昨年四月、都政改革本部におきまして、各副知事をトップに推進部会を設置いたしまして、新たな体制のもとで仕事、見える化、仕組み、この三つの改革に着実に取り組んでおるものでございます。
 各局の主要事業の総点検を実施した見える化改革でも、職員にこれまで培われた改革マインドが発揮されて、民間活力の導入や事業の運営形態の見直しなど、これまで以上に踏み込んだ検討が行われております。
 また、先月、今年度の取り組み成果や新たな取り組みを追加いたしました二〇二〇改革プランの改定素案を公表いたしまして、現在パブコメを行っているところであり、三月末を目途に策定をする予定となっております。
 引き続き、都政改革アドバイザリー会議を通じまして外部の視点も取り入れながら、手綱を緩めることなく改革は推し進め、生産性の高い、筋肉質な都政を構築してまいります。
 もう一点、待機児童の解消に向けた取り組みについてお答えいたします。
 私は、ご指摘のように、待機児童の解消を都政の最重要課題の一つに位置づけておりまして、保育所等の整備促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実、この三つを柱として保育サービスの拡充を図ってまいりました。
 都は、昨年度実施いたしました保育ニーズ実態調査の結果や、就学前の児童人口推計などに基づきまして、二〇一七年度からの三年間で保育サービスを六万人分拡充する目標を設定いたしております。
 この目標は、保育需要の伸びを見込みまして、二〇一九年度末の就学前児童人口に対して五二%が保育サービスを利用するため、必要な整備量を見積もったものでございます。
 引き続き、二〇一九年度末までの待機児童の解消に向けまして、多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村の支援を努めてまいります。
 その他のご質問は、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 財政の長期計画の策定についてでございますが、都財政は、大規模災害や少子高齢、人口減少社会の到来、社会資本ストックの急速な老朽化への対応など、膨大な財政需要を抱えております。
 一方、歳入面では、都税収入が過去に一年で一兆円の減収をこうむるなど、景気の荒波に翻弄されやすく、地方交付税の不交付団体でもあるなど、不安定な構造にあり、長期的な収入の見通しを立てるに当たりましては、丁寧な検討、検証が不可欠でございます。
 都は、平成三十一年度予算におきましても、事業評価の取り組みにより無駄の排除を徹底するほか、基金、都債の計画的かつ戦略的な活用に努めるなど、中長期的視点に立った取り組みを進めており、引き続き社会構造の変化に適応し得る、持続可能な財政運営を行ってまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず職員定数についてでございますが、都ではこれまでも、徹底した事務事業の見直しや内部努力により、簡素で効率的な執行体制を構築し、職員定数の削減、抑制に努めてまいりました。
 平成二十六年度以降、児童生徒数の増や東京二〇二〇大会の開催に対応するため、職員定数は増加に転じているものの、人員の措置は必要最小限にとどめているものでございます。
 同時に、こうした行政需要の変化に柔軟に対応する一方で、既存体制を徹底して見直すとともに、東京二〇二〇大会後を見据え、任期付き職員の活用や採用数の抑制を行っているところでございます。
 引き続き、事業動向や職務内容等を精査し、職員定数を適正に管理してまいります。
 次に、監理団体への契約及び再就職についてでございますが、複雑化、高度化する都民ニーズに的確に対応していくためには、都のみならず都庁グループの一員である監理団体の活用が欠かせないものと認識しております。
 そのため、公的サービスの担い手として、都政との関連性が高い事業を担う監理団体に対しまして、事業の委託や都職員の推薦等を行っております。一方で、その妥当性や透明性の確保はもとより、社会情勢の変化に合わせた検証や見直しを不断に行っていくことが必要でございます。
 現在、業務委託のあり方を含めました、各団体の役割の再整理や、常勤役員に占める都関係者割合の見直しを進めております。
 今後とも、都が掲げる政策の実現に向けまして改革を進め、都庁グループ全体の機能強化を図ってまいります。
 最後に、監理団体改革についてでございますが、監理団体については、社会情勢の変化に応じ、団体が担うべき役割や機能等について常に見直しを図っていく必要がございます。こうした認識のもと、監理団体改革の実施方針に基づき、具体的な検討を進めてまいりました。
 その結果、団体常勤役員のポスト等を見直し、常勤役員に外部人材等の登用を促進していくとともに、全ての団体が経営情報のさらなる見える化や経営改革プランのブラッシュアップを図っていくことといたしました。
 また、水道事業を包括的に担うことができる体制の構築を目的とした水道局所管の二団体の統合や、教員の働き方改革を推進する団体の設立など、団体の統廃合、新設等を行ってまいります。
 今後とも、不断の見直しを進め、総合的な監理団体改革に取り組んでまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、幼児教育の無償化と保育需要についてでありますが、本年十月から開始となる国の幼児教育の無償化につきましては、三歳から五歳までの子供がいる全ての世帯及びゼロ歳から二歳までの子供がいる住民税非課税世帯が対象となっております。
 昨年四月現在の都内における待機児童数五千四百十四人のうち、ゼロ歳から二歳までの割合は全体の約九五%、三歳から五歳までは約五%となっておりまして、国の幼児教育の無償化が都の待機児童数に及ぼす影響は、限定的であると認識しております。
 引き続き、二〇一九年度末までの待機児童解消に向け、多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいります。
 次に、多子世帯の保育料軽減と保育需要についてでありますが、二〇一九年度までを計画期間とする東京都子供・子育て支援総合計画では、就学前児童の人口の約五二%が保育サービスを利用すると見込み、必要な整備量六万人を目標として設定してございます。
 都が新たに実施する多子世帯に対する保育料負担軽減は、子供を二人以上持ちたいと願う方が、希望どおり子供を産み育てられるよう支援することを目的としているものでございます。
 二〇二〇年度以降の保育サービスの利用見込みにつきましては、区市町村が地域の保育需要に基づき策定する計画を踏まえまして、二〇二四年度までを計画期間とする第二期東京都子供・子育て支援総合計画におきまして定める予定であるとしております。

○副議長(長橋桂一君) 六十七番平慶翔君
〔六十七番平慶翔君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○六十七番(平慶翔君) 東京の未来を担う子供に関する施策について質問を行います。
 子供をめぐる事件が起きるたびに、その都度法律が整備され、対策が講じられてきました。
 学校でのいじめ防止については、滋賀県大津市の自殺事件を契機に、いじめ防止対策推進法が二〇一三年に成立いたしました。
 東京都では、東京都子供・子育て支援総合計画、東京都自殺総合対策計画等の計画を定めて対策に取り組んでいます。
 また、重要な政策分野については、東京都いじめ防止対策推進条例などの条例を制定しており、今定例会には東京都児童虐待防止条例案を提出しています。
 このように、これまでもさまざまな対策が講じられていますが、家庭で、教育現場で、そして対人関係で悩み、みずから命を落としていく子供は後を絶ちません。子供に関する痛ましい報道や新聞記事を見るたびに胸が痛み、私も二人の子を育てる身として人ごととは思えず、目を背けたくなります。
 子供の将来を守る親世代である私たちが解決しなければならない。子供という存在にどう向き合うのか社会が試されている。今こそ一人の子供も死なせないとの覚悟で、子供の命にかかわるさまざまな政策領域の対策を講ずるべきときだと考えます。
 いじめ防止対策推進法では、その目的規定に、いじめが、いじめを受けた児童等の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあると明記されております。
 しかし、子供の政策では、当事者である子供の意見を聞く場はほとんどありません。多くの場合、代理人機能を果たすとされる人々によって代替されています。
 東京都子供・子育て支援総合計画や東京都自殺総合対策計画や東京都教育委員会いじめ総合対策などの策定、改定において、さらに今回の児童虐待防止条例案の策定過程において、当事者である子供の意見はどのように反映されているのか、都に伺います。
 名古屋市の地方教育行政の組織及び運営に関する法律第一条の三第一項に規定する大綱では、子供の能力を引き出す教育、子供が考え、みずから学ぶの教育に取り組むことや、常駐のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、スクールアドバイザー、スクールポリスのチームで子供を応援する仕組みをうたい、名古屋市立大学で計画的に専門家を養成し、学校に配置する作業が軌道に乗っています。
 学校教育の現場で一人の子供も死なせないためには、名古屋市を一つの参考とし、専門家を組織的に養成し、職場と待遇を保障し、チームで学校現場に常駐、さらに、教員とともに専門家が学校の運営に参加することが効果的だと考えますが、教育長の所見を伺います。
 いじめ事件が起こったときに設置される第三者委員会、それも、この事務局を教育委員会の職員が担うなど、第三者としての性格が疑問視されています。
 公立学校、私立学校を問わず、加害者となる子供に対する教育的配慮が必要ではありますが、被害者となる子供の人権を守る立場から、弁護士などの専門家により構成される常設の第三者機関を、総務局など人権を守る独立した部署に設け、いじめ相談もその常設の第三機関と連携するなどの行政改革を検討すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 学校でのいじめをなくすための基本は、いじめられる子供を救う前に、子供がいじめをしないようにする。つまり、いじめる側は、加害者でもあり被害者でもあるという実態があります。いじめないこと、そこに教育の大きな役割があると考えます。
 地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、総合教育会議が設置され、東京都でも平成二十九年一月に東京都教育施策大綱を定めて、社会的自立に必要な力を育む教育を目指していますが、具体的にどのような教育が行われ、それがさまざまな偏見や差別をなくし、また、いじめや自殺の原因除去に効果を上げているのか、教育長に伺います。
 都教育委員会では、都立高校における妊娠や、それに伴う長期欠席や転校などの状況を把握していないとのことですが、こうした課題にどのように向き合うか、状況の把握はEBPMの第一歩であり、必要不可欠です。
 文科省は、母体の保護を最優先させつつ、教育的配慮を行うべきとしていますが、未成年で妊娠をした生徒は、親にも相談できず、一人で悩み苦しんでいることも考えられます。
 一人の子供も死なせないという観点からは、女生徒が妊娠をした場合、ケアの体制、学校内で偏見を与えない体制、こうした環境をつくることが必要だと考えますが、教育長の見解を求めます。
 子供に対する施策は、家庭での児童虐待、学校でのいじめ、意図しない妊娠等、その問題ごとに福祉保健局、教育委員会、青少年・治安対策本部という縦割り、世代割り的行政になり、子供はばらばらに分解されてしまいます。
 子供政策の基本は、子供は将来を担う存在であると同時に今を生きている存在であり、人格を持った一人の人として尊重されることにあります。
 都において、当事者である子供の意見や有識者の意見を聞きながら、子供の視点から施策と行政組織を捉え直す総合的な子供施策の充実を図るべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、子供たちが集う場所、上野動物園について質問を行います。
 本年六月十二日に二歳となる上野のかわいいアイドル、シャンシャン。去年十二月、お母さんのシンシンから離れ、無事にひとり立ちをしました。
 シャンシャンは、中国との協定において二歳で返す約束ですが、その時期は双方で協議して決めることとなっており、昨年の第一回定例会の一般質問においても要望を行いましたが、一日でも長く都民がシャンシャンの成長を見守ることができるよう、協議を進めていただきたいと思います。
 絶滅危惧種のジャイアントパンダは、種の保存の観点から繁殖に取り組むことは大きな意義があります。一般に、ジャイアントパンダの繁殖期は二月から五月、シャンシャンに妹や弟ができれば都民は大いに喜び、歓喜に沸くことと思います。
 今後、上野動物園ではジャイアントパンダの繁殖にどのように取り組んでいくのか、知事の見解をお伺いいたします。
 都立公園について伺います。
 今定例会の我が会派の代表質問において、小池知事は、新たな発想でこれまでにない魅力を引き出すこと、公園を主役とした地域と都民との連携、サードプレースなどまちの中の心地よい場を創出することといった三点の視点で都立公園の大改革に取り組んでいると答弁をなされました。
 また、都民ファーストの会としても、たびたび民間事業者の活用について質問するとともに、サウンディング調査などをして、民間事業者の意見を聞くことを提案してきました。
 都はこれまでも、上野恩賜公園、駒沢オリンピック公園に民間事業者の飲食店をオープンさせ、木場公園においても民間事業者の公募を実施してきました。
 そこで、板橋区の都立赤塚公園等への民間事業者導入の可能性について、西倉都技監にお伺いをいたします。
 次に、東京二〇二〇大会関連について質問を行います。
 例年、大会が行われる夏の期間は、都内各地で花火大会や夏祭りなど数多くのイベントが行われます。各地域のイベントでは、地元自治体、地元の消防団の方々が協力を行うケースが多く、大規模イベントになると、交通整理や警備など人員の確保を要します。東京二〇二〇大会時は、地域の方々に応援の要請を検討すると聞いており、各関係自治体と丁寧な調整を行う必要があると考えます。
 板橋区のいたばし花火大会は、八月の第一土曜日に開催するのが通例ですが、二〇二〇年は日程を前倒しして、五月二十三日に開催することになりました。
 東京二〇二〇大会の成功に向けて、通例のイベントを楽しみにしている都民のためにも、皆が連携し、協力していくことが必要と考えます。
 今後、こうしたイベントの開催に向けて、地域の方が準備を行うことになることから、都は、地元自治体や関係団体に対して、地域への影響を丁寧に情報提供すべきと考えますが、今後の取り組みを伺います。
 続いて、二〇二〇大会の機運醸成についてです。
 これまでも、東京都や組織委員会を中心に、節目におけるカウントダウンイベントなど、さまざまな機運醸成の取り組みが行われています。大会を翌年に控えた現在、あらゆる手段を用いて機運醸成を図っていくことが必要だと考えます。
 私は、都の各局へ電話する際、ここ都議会にいるときは内線電話を利用しますが、外出先からの電話は、都庁代表電話の交換台から各局へつないでいただきます。その際、保留音は、イングランド民謡のグリーンスリーブスのメロディーです。ぱっとされない方は、ぜひ都庁へ一度お電話していただければと思います。
 この曲は、日本の固定電話の保留音で最も多く使用されているスタンダードな楽曲ですが、豊島区や中野区の役所では、区を象徴する区の歌、区歌を使用しています。
 都庁代表電話へは、都民の方々から月三万件の問い合わせがあると聞いています。
 そこで、都庁舎の代表電話の保留音を東京都の都歌に変更することを提案いたします。都歌は、昭和二十二年に都政の発足を記念して制定されたものですが、一般の方々に余り知られていないかというふうに思います。
 二〇二〇大会が近づいている今の時期に保留音とすることで、都民の皆様の東京都への愛着を高め、大会を後押ししていただくことにもつながるものと考えます。都庁舎の管理を所管する財務局長へ所見を伺います。
 最後に、情報施策について伺います。
 二〇二〇大会に向けて、競技施設の建設やバリアフリー化など、東京のまちは大きく変化していく。その一方で、浅草や東京駅周辺などの後世に残していくべき風景もあります。こうした革新と伝統が交差する東京の姿を写真におさめ、都民の貴重な共有財産として残していくことは、後世に東京の歴史や文化を継承していく観点から、また、都政の記録を残すという観点からも必要なことと考えます。
 都では、昭和二十年代から、都内の風景や都政の動きなど、さまざまな記録写真を残していますが、古い写真フィルムをデジタル化するために、来年度の予算案には千七百万円を計上しています。
 写真は、単に記録として保管するだけではなく、都民に広く公開し、活用を図っていくことが求められ、都が保有する写真は、テレビ局などから使用したいとの問い合わせがあると聞いています。
 しかし、都のホームページに掲載されている都政記録写真は、都民等がアクセスしやすいものとはいえず、改善を図る必要があると考えます。
 そこで、都政記録写真を都民が活用しやすくしていくために、今後どのように取り組むのか都の見解を伺い、私の質問といたします。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 平慶翔議員の一般質問にお答えいたします。
 いじめ相談に関する新たな組織の設置についてのお尋ねでございます。
 子供の人権は、東京都人権施策推進指針に掲げる人権課題でございまして、子供たちのいじめの問題につきましても、個人としての尊厳を重んじるという観点から取り組むべき重大な課題でございます。
 都は、子供の不安や悩みを受けとめる常設の相談機関といたしまして、お話がございました教育相談センターに加えまして、児童相談センターや警視庁、警察署の少年相談窓口などにおきまして、相談に応じております。
 今後、東京都人権プラザにおけます外部の弁護士による人権相談の周知に努めること、また、子どもの人権一一〇番を設置している人権擁護機関であります東京法務局など、関係機関との連携を強化いたしまして、第三者的な公正中立の立場からの視点を活用した、子供の人権にかかわるいじめ問題の迅速な解決に取り組んでまいります。
 次に、子供に関する施策の一層の推進についてでございます。
 今回提案いたしました東京都子供への虐待の防止等に関する条例案でございますが、子供が権利の主体であるということを明記いたしました。また、虐待の防止に当たりましては、子供の年齢及び発達の程度に応じた意見を尊重することを基本理念といたしております。
 全ての子供たちが、個性や創造力を十分に伸ばして、社会の一員として自立できる環境を整備していくことは、社会全体の責務でございます。
 都は、子供・子育て支援総合計画に基づいて、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援体制の整備や、乳幼児期の教育、保育の充実、子供の貧困対策の推進など、さまざまな施策を展開いたしております。
 今月から、子供にかかわるさまざまな団体等で構成されます東京都子供・子育て会議におきまして、計画策定に向けた検討を開始いたしております。
 今後とも、こうした議論を踏まえながら、全ての子供たちの育ちを支えられますよう、さまざまな施策を総合的に推進をいたしております。
 ジャイアントパンダの繁殖についてでございますが、希少動物の象徴でありますパンダの飼育繁殖に取り組むということは、自然環境の保全や野生動物の保護に貢献するとともに、生物の多様性の大切さを都民に伝える上で重要でございます。
 パンダの繁殖というのは難しく、年に一回、数日しかない繁殖に適した時期を適切に見きわめて、雄と雌を同居させる必要がございます。
 そのため、現在、雌のシンシンの鳴き声や水浴びなどの行動観察などを行って、体調の把握に努めているところでございます。
 同居の際には、静かな環境を確保するために展示を中止することとなりますが、愛くるしい、かわいいとおっしゃいました、パンダの赤ちゃんの誕生をお知らせできるように、万全の体制で取り組んでまいります。
 残余のご質問、教育長、東京都技監及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、いじめ総合対策の策定、改定時の子供の意見についてでございますが、都教育委員会は、いじめ総合対策の策定や改定に当たり、国や都の調査、また、子供の生活意識調査等を活用して、子供の実態を把握してまいりました。
 まず、いじめ総合対策の策定時には、九千三百六十人の子供にアンケート調査を、また、百七人には聞き取りを行い、誰にも相談できない子供が多いことを把握いたしました。このことから、いじめを受けた子供のサインを確実に受けとめ、組織的に守り通す取り組みの徹底を対策に位置づけたところでございます。
 また、いじめ総合対策の改定時には、学校が定期的に行っているいじめに関するアンケート一万三千四百十六人分を収集し、分析した結果、子供によっていじめの捉え方がさまざまであることがわかりましたことから、教師が軽微ないじめも見逃さず、確実に認知することを重要な柱として対策に位置づけたところでございます。
 次に、外部の専門家との連携についてでございますが、健全育成の推進のためには、教職員の組織的な取り組みに加えて、外部の専門家の協力を得て、子供一人一人に応じた支援を行うことが効果的であります。
 そのため、都教育委員会は、都内全ての小中高等学校に年間三十八日、スクールカウンセラーを配置しております。また、スクールソーシャルワーカーについては、区市町村教育委員会が策定する配置計画に沿って経費を補助しております。さらに、都内全公立学校では、民生児童委員や警察OB等の専門家から成る学校サポートチームを設置し、子供を支える仕組みを構築しております。
 今後、都教育委員会は、学校がこうした外部人材や関係機関と連携し、子供の健全育成を一層推進できるよう、支援体制をさらに充実してまいります。
 次に、いじめ防止等に関する教育についてでございますが、いじめ防止の徹底を図るためには、子供自身がいじめを自分たちの問題として捉え、主体的に行動しようとする意識や態度を育むことが重要でございます。
 そのため、都教育委員会は、いじめをしないと宣言した子供が胸にリボンをつけ、いじめを許さない学校風土をつくった事例など、子供がみずから実践した取り組みをいじめ総合対策に掲載し、都内全公立学校に周知してまいりました。
 また、リボンを使った活動については、他校にも波及し、よい影響を与えたことから、都教育委員会として表彰したところでございます。
 今後は、都内全公立学校の生活指導担当者を対象とした連絡会等において、子供自身がいじめについて考え、行動できるようにする効果的な取り組み事例を周知するなどして、学校におけるいじめ防止対策を一層推進してまいります。
 最後に、妊娠した生徒への支援についてでございますが、都立学校に在籍している生徒の妊娠が明らかになった場合、母体の保護を最優先にしつつ、進級や卒業に向けて教育上の配慮をしていくことが必要でございます。
 これまで都教育委員会は、生徒からの不安や悩みに対して、ユースソーシャルワーカーやスクールカウンセラー等の外部人材を配置し、相談体制の充実を図るとともに、生徒の状況に応じて子供家庭支援センター等の外部機関と連携し、妊娠した生徒の支援を行ってきております。
 今後、生徒の妊娠等の状況に関する調査を実施し、その結果に基づき、学校への指導の充実を図るとともに、転学や退学の際は、生徒や保護者の意向を生かせるよう、転学先や地域の関係機関とこれまで以上に情報共有を図ることなどについて、校長連絡会で周知をしてまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 都立公園への民間事業者の導入についてでございますが、都立公園に新たなにぎわいを創出し、魅力や価値を高めるために、民間事業者を活用することは効果的な取り組みでございます。
 都は、これまでの提案等も踏まえまして、民間事業者から広く意見を聞くため、今年度、マーケットサウンディング調査を実施いたしました。
 現在、このサウンディング調査で得られました公園活用に関するアイデアや要望を参考にしながら、民間施設が設置可能な箇所を検討するため、現地の利用状況の確認や、制度上の課題の把握などを行っております。
 板橋区内の都立公園につきましては、赤塚公園等で関係機関との意見交換を実施するなど、民間事業者活用の検討を進めてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 計画策定時等の子供の意見の反映に関するご質問にお答えいたします。
 都は、計画や条例案の策定に当たりまして、実態調査や有識者、関係団体からの意見聴取を行うとともに、パブリックコメントを実施し、広く都民にご意見を伺っているところでございます。
 今回提案した東京都子供への虐待の防止等に関する条例案の策定に当たりましては、パブリックコメントを二回実施するとともに、社会的養護のもとで育った方々が設立した支援団体からヒアリングも行ったところです。
 また、児童養護施設、乳児院の施設長会議や子供シェルターを運営する法人など、子供に直接かかわるさまざまな団体で構成される協議会におきまして、幅広く意見を聞いており、いただいた意見を条例案に反映しております。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 大会時の地域イベントの開催についてでありますが、東京二〇二〇大会が行われる期間は、例年、地域の夏祭りなどが開催されておりまして、大会の準備に当たりましては、地域の理解や協力を得ながら取り組んでいくことが重要であります。
 このため、都は、競技スケジュールなど大会に関する情報の速やかな提供を区市町村に行うとともに、都内各地のイベントの状況把握に努めてまいりました。また、競技会場が所在する自治体につきましては、個別に赴きまして説明を行い、地域の実情を伺ってきたところでございます。
 今後、大会準備の進捗に合わせまして、交通など地域への影響の有無等を丁寧に説明し、都民の文化活動等と円滑な大会運営の両立を目指すとともに、地域の方々がイベントの開催に向けた準備を計画的に進められるよう取り組んでまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 都庁舎の代表電話の保留音の変更についてでございますが、東京二〇二〇大会の開催が来年に迫る中、開催都市である東京都がさらなる機運醸成を図っていくことは重要であり、保留音の変更もその一つの方法と考えるものでございます。
 一方で、都庁舎の代表電話には、さまざまな用件で都民の皆様などから月に約三万件もの着信があるため、現在は、お話にもありましたように、一般的によく使用されておりますイングランド民謡の楽曲を保留音としております。
 大会開催に向けた機運醸成につきましては、引き続きさまざまな工夫を重ねていくとともに、ご提案の件につきましても、今後よく検討してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 写真の活用についてのお尋ねでございますが、都政記録写真は、後世に伝える資料として保管するだけでなく、都民の共有財産として広く活用されることが重要でございます。
 都では、戦後から現在に至るまでの東京の姿を記録した約三万三千枚の写真を都のホームページで公開しております。さらに、利用を希望する方に無償で提供しておりまして、テレビや雑誌など、多くのメディアで活用されております。
 今後、これらの写真の存在をより広く知っていただくため、ホームページのレイアウトを工夫するとともに、必要な写真を検索しやすくするための機能の改修を行います。また、利用申請の手続を簡素化するため、オンラインによる受け付けを開始いたします。
 こうした取り組みにより、都政記録写真のさらなる活用を促進してまいります。

○議長(尾崎大介君) 九十七番岡本こうき君
〔九十七番岡本こうき君登壇〕

○九十七番(岡本こうき君) 昨年、第二回定例会で六月に成立した東京都受動喫煙防止条例が、ことし一月一日に第一段階施行を迎えました。また、国の健康増進法は、一月二十四日に第一段階施行を迎えました。その中で、特に都民の責務と配慮義務の点について質疑させていただきます。
 条例第四条一項、都民は、他人に受動喫煙を生じさせることがないよう努めなければならない。第七条一項、何人も、喫煙をする際、受動喫煙を生じさせることがないよう周囲の状況に配慮しなければならない。七条二項、多数の者が利用する施設を管理する者は、喫煙場所を定めようとするときは、受動喫煙を生じさせることがない場所とするよう配慮しなければならない。
 従来の健康増進法にはなかった新たな規定で、施設や場所を限定せず、また、義務者を限定せず、広く包括的に責務及び義務を規定するもので、重要な意義があります。
 厚生労働省は、屋外や家庭などを対象としたものと説明しています。
 なお、我々が議員提案で制定した、子どもを受動喫煙から守る条例では、都議会自民党だけが、法は家庭に入らずという原則からも納得できませんなどと述べていましたが、国は配慮義務の対象に家庭も含むと明言していますので、都議会自民党がいっていたことはやはり甚だ疑問といわざるを得ません。
 さて、この責務規定、配慮義務規定と密接に関連するもので近年問題となっているのが、近隣住宅受動喫煙トラブルです。昨年三月十四日の予算特別委員会や十一月二十二日の厚生委員会事務事業質疑でも取り上げさせていただきました。
 密接した戸建て住宅でも生じていますが、特にマンション、アパートといった集合住宅では、ベランダ喫煙や換気扇下での喫煙によって、たばこの煙や臭気が周囲の居住者の生活空間にも流入し、トラブルが多数起きています。時には一一〇番通報で警察沙汰になったり、また民事調停や裁判もなされ、ベランダでの喫煙者に損害賠償を命じた確定判決もあります。
 トラブルの未然防止策として、禁煙マンション、禁煙アパートといった選択肢を普及させ、住環境の分煙化を図ることが考えられます。海外では普及しつつありますが、日本はまだまだ少数です。
 今後、都として、住民同士のトラブル防止のため、また、受動喫煙防止及び健康施策として、さらには火災防止のため、禁煙マンション、禁煙アパートの普及を推進していただきたいと考えます。
 まずは都として、禁煙マンションの事例収集をするなどして、必要性やメリットの分析、検討を行っていただきたいと考えます。福祉保健局、都市整備局、関係機関の連携をぜひお願いいたします。
 こうした取り組みの根拠としても、責務規定と配慮義務規定は重要です。
 今後、条例の全面施行に向けて、罰則の定めがある点の周知を図っていくのは当然ですが、既に施行された罰則のない包括的な責務や配慮義務の内容についても、都民に周知を図っていくべきです。どのように取り組んでいくのか、福祉保健局に伺います。
 次に、周知の方法について述べます。
 都は、アンバサダー、健康ファースト大使として、オリンピック金メダリストの高橋尚子さんをポスターや動画に起用しています。せっかくのポスターですが、受動喫煙防止条例の文字は小さく、一見、何のポスターかわかりません。マラソンのポスターかと思ったという声も聞かれます。
 また、十五秒、三十秒の動画に関しても、条例の内容はほとんどわかりません。都民の関心は、条例によって、いつからどのように生活が変化するのかということです。
 ちなみに、昨年九月に条例を制定した千葉市は、十五秒の動画で、二〇二〇年四月以降オフィスや大きな飲食店では原則屋内禁煙、さらに千葉市では小さな飲食店でも従業員がいる場合、原則屋内禁煙、受動喫煙からあなたを守る千葉市という条例の肝部分を端的に伝え、低コストで市民の関心に応える動画を作成しています。
 代表質問でもご答弁いただきましたが、条例の施行時期と内容をわかりやすく知らせるポスターや動画を追加的に作成すべきです。
 高橋Qちゃんには、アンバサダーとして、条例全面施行まで継続的にご協力をいただきたいと思いますが、神奈川県が二〇一〇年の受動喫煙防止条例の施行の際に行ったキャンペーンを参考にしていえば、健康イメージのスポーツ選手に加えて、たばこをやめた著名人も起用して、喫煙者への禁煙の動機づけにつながる啓発も行うべきです。それぞれアピールする層や目的は必ずしも同じではないことから、著名人の起用は、二つのアプローチを同時に行っていくべきと考えます。
 喫煙率を下げることは、受動喫煙を根本的になくすことにつながります。
 国は、がん対策推進基本計画において、平成三十四年度までに成人喫煙率を一二%とすることとしており、都は、東京都がん対策推進計画において、成人喫煙率の目標値を平成三十五年度までの計画期間において一二%としています。
 平成二十九年の喫煙率は一七・七%で、目標値の達成には三割以上の減少が必要です。三割減らすというのは、容易なことではありません。
 喫煙率を減らすことについて、どのように目標値一二%を達成していくのか、具体策を伺います。
 今後、条例の全面施行を機に、喫煙をやめようと決意する方もふえると予想されます。
 喫煙の本質は、ニコチンの依存性にあり、やめたくてもやめられないという性質があります。実は、喫煙する人々のかなりの割合の方々が禁煙願望を持っています。厚生労働省の調査によれば、喫煙者の約六割が、やめたい、または喫煙本数を減らしたいと回答しています。
 我が国は、国策としてたばこを製造販売してきた珍しい国で、平成二十九年十二月八日の一般質問でも述べましたが、政官財の利権構造が存在してきました。しかし、国民の健康を犠牲にし、やめたいのにやめられない依存症罹患者を生み出してきたたばこ政策は、転換すべき時期に来ています。
 都において、受動喫煙防止の施策を一層加速させるとともに、禁煙願望を持つ人々の禁煙、卒煙支援についても引き続き積極的に取り組んでいただくよう要望して、次のテーマに移ります。
 昨年第三回定例会、十月に制定した東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例について伺います。
 都議会自民党だけが反対し、また、今はなきかがやけTokyoが採決に加わらず、他の会派は全て賛成した条例ですが、この条例の制定は、東京二〇二〇大会のレガシーの一つ、人権尊重都市東京の実現に向けた大きな第一歩です。
 まず、ヘイトスピーチに関する公の施設の利用制限の基準について伺います。
 先行する自治体として、川崎市のガイドラインは、不許可、取り消しとする要件を、不当な差別的言動の行われるおそれ、かつ他の利用者に著しく迷惑を及ぼす危険のあることが明白な場合としています。すなわち、言動要件かつ迷惑要件としています。
 他方、京都府、京都市のガイドラインでは、言動要件または管理運営上の支障要件としており、言動要件に該当すれば、それだけで施設の使用を制限できるとしています。
 東京弁護士会人種差別撤廃モデル条例案コンメンタールは、人種差別撤廃条約と二つの最高裁判決を踏まえて、川崎市のような二つ目の迷惑要件は不要としています。
 条例十四条の規定により審査会が設置、開催され、基準案に関し、専門家の意見が割れています。一月に審査会があり、本日午前中もこの審査会、二回目がありました。私も二回とも傍聴させていただきました。
 審査会委員の北村聡子弁護士は、東京弁護士会と同様、迷惑要件は不要と述べています。
 ヘイトスピーチ集会であっても、主催者側が平穏に行いますという限り、東京都は施設利用を許可せざるを得なくなり、オリンピックのホストシティーとしてどうなのかということ。二つ目の要件に該当しなければ、どんなひどい集会をしても開催されてしまい、開催阻止したいマイノリティー側が、かえって毎回騒乱を惹起するような事態を招きかねず、基準のせいでかえって問題が起きるといった発言をしておられます。
 それに対して、憲法の教授や別の弁護士の先生方は、言動要件一つのみにした場合、外交問題や政治的に意味のある表現にまで過度に規制がなされるおそれがあるといった危惧を述べ、二つの要件を立てることに賛成しています。
 私としては、東京弁護士会や北村弁護士が述べるのと同様、川崎市ガイドラインのような著しい迷惑や明白な危険を要件とすることは、問題があると考えています。実際、川崎市人権施策推進協議会の部会長が、ヘイトスピーチが行われるのが明らかでも許可せざるを得ない、仕組み上、大きな矛盾と指摘しています。私としては、川崎市よりも、京都府や東京弁護士会の要件の方が妥当と考えます。
 また、少し別の考え方としては、〔1〕言動要件を充足すれば、〔2〕迷惑要件の該当も推定が働くといった考え方も審査会で言及があり、そのような折衷的な基準や運用も妥当なのではないかと思う次第です。
 法律専門家で意見が割れる法的に難しい基準策定ですが、先ほど述べた審査会委員の懸念事項も踏まえ、基準の策定とその後の運用について、都はどのように対処していくのか、総務局の見解を伺います。
 次に、多様な性の理解の推進について伺います。
 性自認、性的指向に関する基本計画の策定に当たっては、我々が条例成立時の討論で求めたとおり、専門家や当事者などの意見を十分聞いて進めるべきと考えますが、現在の状況及び都の見解を伺います。
 次に、児童相談所についてです。
 先ほど龍円あいり議員からも、児童相談所の常勤弁護士の配置の要望がありましたが、私からも、加えて、そのメリットを述べさせていただきます。
 月二回や週一日程度の非常勤弁護士と、常勤弁護士とでは、弁護士の関与に質的な大きな差があります。
 前者は、職員が相談したいことを相談するための弁護士活用です。児童福祉司が相談したいと特に思っていない内容や、保護しないと決めたケースや見落とした点は、弁護士への相談に上がってきません。相談する、しないの判断が誤っていれば、そもそも相談がなされません。
 他方、常勤弁護士配置は、日常的な関与によってそうした見落としや漏れを減らすことができ、また、断片的な相談ではなく、弁護士が事案の全体像や経緯をより詳しく把握できます。
 我が会派六名で視察に行った福岡市の児童相談所で、次のメリットを聞いてまいりました。
 常勤弁護士の配置によって、事案の当初から事実や証拠収集に関する具体的な指示を行うことができ、より的確な事実認定を行うことができるようになった、職員の法的専門性や子供の権利に対する意識の向上につながった、一時保護所における処遇の改善にもつながった、子供の意見表明の保障を向上させる、親権者からの要求や主張に対して、法的妥当性の確信に基づいて的確な対応を行えることで、職員の精神的な疲弊を減らし、メンタルヘルスの改善にもつながったなど、多くのメリットがあったとのことです。
 弁護士の活用を家庭裁判所の手続や法解釈の相談に限定するのではなく、当事者との面談、家庭訪問への同行、各種会議への出席も含めて、より深くケースに関与できる体制をつくっていくべきです。
 常勤弁護士を配置することは、子供の最善の利益のために大きな意義があることを強く申し上げて、常勤弁護士の配置に関する福祉保健局の見解を伺います。
 以上で終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 岡本こうき議員の一般質問にお答えをいたします。
 私に対しましてのご質問、一問ございました。性自認、性的指向に関する基本計画の策定についてでございます。
 性自認、そして性的指向に関する困り事はさまざまでございまして、課題も埋もれがちでございます。そんなことから、専門家や当事者の方々の声を伺っていくことは重要でございます。
 お話の、いわゆる人権尊重条例でございますが、性自認及び性的指向を理由とする不当な差別の解消並びに啓発等の推進を図るために、基本計画を定めるということといたしておりまして、その策定に当たりましては、都民などから意見を聞くものと定められております。
 現在、都庁各局の施策現場におきまして、どのような配慮が必要なのかなど、個別具体的に課題の抽出を進めておりますとともに、有識者などによります研究成果、当事者ニーズや、ほかの自治体、企業における施策実施状況など、計画策定のための調査も行っております。
 引き続きまして、専門家や当事者等の意見を伺いながら計画の策定を進めて、必要な施策展開を通じ、多様性が尊重され、温かく優しさにあふれて、誰もがあすに夢を持って活躍できる東京、これを実現してまいりたいと考えております。
 その他のご質問につきましては、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、受動喫煙防止条例の周知についてでありますが、条例を実効性あるものとするためには、都民、事業者、区市町村のご理解、ご協力を得なければならないと考えております。
 都は、昨年六月の条例制定後、その趣旨や規制内容につきまして、広報紙やホームページ、SNS、区市町村や事業者向けの説明会等を通じ、広く都民や事業者に周知するとともに、受動喫煙による健康影響につきましても啓発に努めているところでございます。
 本年一月の都民の責務や喫煙する際の配慮義務等の施行に当たりましては、集中的な広報を行い、積極的に普及啓発を進めております。
 今後も、施行のタイミングなどに合わせたイベントや、条例をわかりやすく解説し、訴求力のある動画なども活用しながら、都民の理解促進を図り、受動喫煙防止対策を一層推進してまいります。
 次に、喫煙率の減少に向けた取り組みについてでありますが、都は、禁煙を希望する方を支援するため、区市町村や医療保険者等を通じましてリーフレットを配布するほか、禁煙治療に保険が適用される医療機関の情報をホームページに掲載してございます。また、未成年者の喫煙防止の啓発のため、ポスターコンクールを実施しているところでもございます。
 今年度は、禁煙外来の医療費等への助成を行う区市町村の取り組みを推進するため、包括補助での支援を開始しており、受動喫煙防止条例の施行に向けた啓発イベント等におきましても、たばこの健康影響について周知しております。
 来年度は、小中高校別に禁煙教育の副教材を新たに作成し、各学校へ配布する予定でございます。
 こうした取り組みを通じまして、今後も、喫煙率の減少を図ってまいります。
 最後に、児童相談所への弁護士の配置についてでありますが、児童相談所が子供を守っていくためには、法的対応等を適切に行う上で、常勤、非常勤のいかんにかかわらず、日常的に弁護士と相談できる体制を確保することは重要であり、都は現在、全ての児童相談所に非常勤弁護士を一名ずつ配置するとともに、副担当となる協力弁護士を、ベテランと若手とを組み合わせて原則二名ずつ登録してございます。
 この非常勤弁護士と協力弁護士が、総勢四十五名の体制で、保護者の意に反した施設入所や親権停止など法的手続への対応を行うほか、児童相談所の求めに応じまして、速やかに専門的な見地からの助言等を行っております。
 今後、法的対応力のさらなる強化に向けまして、他の自治体の取り組み状況や国の動向を見きわめ、児童相談所における弁護士配置のあり方を検討してまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 人権尊重条例における公の施設の利用制限についてでございますが、公の施設の利用制限の基準につきましては、ヘイトスピーチが行われる蓋然性の高さと、公の施設の安全な管理に支障が生じる事態が予測されるか否かの二つの要件を案として示しまして、現在、審査会の意見も聞きながら検討しているところでございます。
 基準の策定後は、予定されている集会等のテーマ、具体的内容、開催、実施の方法等の諸事情のほか、過去の集会及びその言動など、客観的事実に照らし、個別具体の事案について利用の可否を判断してまいります。
 こうした事前の措置に加え、事後の拡散を防ぐ取り組み及び事案の概要公表など、条例に規定する措置もあわせ、ヘイトスピーチの解消に向けて取り組んでまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後四時二十八分休憩

   午後四時五十分開議

○副議長(長橋桂一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行します。
 八番森澤恭子さん
〔八番森澤恭子君登壇〕

○八番(森澤恭子君) 私は東京大改革の先にある東京の未来を見据え、東京の稼ぐ力を高めるという観点から一般質問を行います。
 高度経済成長のような画一的な経済発展でなく、東京の持つリソース、多様な人々のポテンシャルを最大限引き出すことで、世界から人、物、お金、情報を引きつける磁力につなげていく。朝から晩まで休みなく画一的に働く企業形態から、時間や場所にとらわれず、個性を生かした働き方へ。仕事か家庭かを選ぶ人生から、仕事も家庭も大切にできる生き方へ。生まれながらに機会と役割が固定化された社会から、全ての人に等しい機会と自分らしい役割があり、誇りと意欲を持って生きられる世の中へ。次の時代の豊かさの新機軸を打ち立て、これまで当たり前とされていた価値観を変えることが東京大改革の柱の一つであり、その活力の源泉は人であります。
 東京大改革の先にある東京の未来、すなわちそれは、多様性に支えられた、世界から選ばれる活力ある東京だと考えます。その実現に向けては、予算の選択と集中により真の稼ぐ力をつけることで、民間の力を生かした持続的な成長を遂げ、東京のプレゼンスを高めることが重要です。
 本年度の東京都予算においては、稼ぐ力の強化に向けた施策に七百四億円、人の活力を生み出す施策に二百六十億円が計上されています。次の時代を見据えたとき、どのような観点から稼ぐ力を伸ばしていくべきと考えるか、知事の見解を伺います。
 東京には課題先進都市としての一面もあり、東京都の課題は早晩日本全国で起きる課題であるといわれています。率先して課題解決に取り組み、全国のモデルとなる必要があります。その意味で、行政の課題を民間の視点で捉え直し、企業的手法で解決するキングサーモンプロジェクトに期待をしています。
 この事業のポイントは、スタートアップを支援して終わりではなく、新たに生まれた経済的価値、課題解決のノウハウなどの果実を評価し、横展開していく点です。
 本事業の狙いについて、これまでの創業支援との違いを踏まえ、都の見解を伺います。
 稼ぐ力を高めるには、イノベーションが必要であり、そのために先端技術の開発への投資が予算化されている点は重要です。
 先端技術は、ややもすれば危険性や不安が先に立ってしまいます。昨年の六本木、大手町の自動運転タクシーや、先日、多摩ニュータウンでの自動運転バスの実証実験に参加し、私自身も技術の高さやその利便性を実感しました。地域で暮らす皆様にご乗車いただくことで、身近な困り事を解決してくれるすばらしいものであると実感いただけたのではないかと思います。
 なお、来年度の実証実験では、さらに距離を延ばし、臨海部と羽田空港をつなぐような実証実験を行っていただきたいと願うところです。
 実証実験により技術の精度等を高めると同時に、そのメリットをわかりやすく示すことで、都民の皆様にその意義を理解してもらい、民間事業者のさらなる参入意欲を喚起し、社会実装を推進していくことが重要です。
 自動運転をさらに推進していく上で、バスやタクシー業界の運転手不足等の社会課題解決への寄与や住民の利便性の向上、そして稼ぐ力、すなわち経済波及効果などを見える化すべく、調査分析していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 成長の伸びしろが期待され、東京の稼ぐ力を担う大きなポテンシャルを秘めているものの一つが夜間帯の観光、ナイトライフ観光です。
 ニューヨーク市ではナイトライフ局、アムステルダムやロンドンではナイトメイヤーを置き、世界各都市で夜間帯の文化、経済を活性化していこうとする動きがあります。世界各都市が切磋琢磨している一方で、東京はその機会を逸しているともいわれます。
 観光における消費拡大に向けて、日本、東京ならではのユニークなナイトライフコンテンツが必要で、例えば日本の伝統文化や最先端テクノロジーもその一つになり得ます。
 都は、今年度調査を実施し、来年度予算ではナイトライフ観光振興助成金に三億円を計上しています。補助金頼みのイベントではなく、ナイトライフ観光の拠点をつくるべく、夜間帯の課題である移動手段の確保や治安向上の観点も検証しながら、短期だけでなく、中長期的な視点から、どれだけ稼ぐ力につながるかを見える化することが、さらなる投資を呼び込むことと考えます。
 新たに開始する助成事業においては、持続性、交通アクセス、経済波及効果等の観点を踏まえ、ナイトライフ観光を推進していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 平成二十七年三月に策定された東京文化ビジョンには、文化から東京の未来を切り開くという思いが込められています。
 文化の醸成には時間がかかり、文化の振興にはお金がかかります。今後、東京を世界のどこにもない文化都市にするために重要なのは、世界で活躍するアーティストやプロデューサー、そして世界の文化ファンを呼び込み続ける持続可能な文化振興のあり方を確立すること、そして文化に触れる裾野を広げるとともに、都民自身の文化に対する価値観を成熟させていくことです。
 文化に対する適切な対価は幾らかといった視点も含め、都民自身が文化を見る目を養うことが、東京に一流の文化的要素を集め、ひいては東京を世界から選ばれる文化都市へと成長させていくと考えます。
 長期的に二〇二〇年以降も世界から人を呼び込み続けていくためにも、海外の観光客やアーティスト等がこぞって東京を訪れたくなるような取り組みを推進していく必要があると考えますが、都の見解を伺います。
 東京大改革の目的の一つに、東京の持続可能性を高めることがありますが、その中心となるのは人であり、人材育成は最も重要なテーマです。
 昨年、文科省がソサエティー五・〇に向けた人材育成を発表しましたが、AI等と共存していく社会の中では、これまでの一斉教育のみならず、個人の能力等に応じた学びの場や、異年齢、異学年集団での協働学習の必要性が述べられています。
 その実現のためには、個々の学習状況に見合った学びのポートフォリオの活用や、エドテックと呼ばれる新しいテクノロジーの活用が重要であり、技術革新と人材育成は切っても切れない関係になりつつあります。
 都は来年度、ソサエティー五・〇の実現に向けた有識者による検討会を設置するとのことです。次の時代の東京をより豊かにするためには、学校教育のみならず、より広い意味での人材育成が核となると考えます。
 この検討会においては、次の時代にどのような人材育成を進めるべきか、教育分野の有識者などを加えて、現場に即した議論をすべきと考えますが、都の見解を伺います。
 人材育成の中心となるのはやはり学校です。しかし、学校現場では、生徒や教員が抱える課題は、近年、多様化、複雑化の一途をたどっています。
 都ではこれまで、スクールサポートスタッフを配置し、教員の負担軽減を図るなどしてきましたが、教員の業務はいまだに膨大で、児童生徒に向き合う余裕を取り戻すためには、さらなる外部人材の活用が必要です。
 都では来年度、新財団を設立するとしており、この財団の機能の一つに多様な外部人材を安定的に供給することを挙げています。
 無所属東京みらいでは、調査会社を活用し、インターネット世論調査を実施した結果、学校に必要な外部人材について、都が一例として挙げている教員OB、地域の元気高齢者と並び、教員を目指す大学生も上位に挙がりました。また、稼ぐ力の向上には、教育の質の向上が重要であるとの結果も出ています。広く若者や大学生から、起業家、地場産業に従事する方々など、多様な人材が適材適所で活躍できる教育環境が求められています。
 教育の質の向上に当たり、広く多様な人材が教育に携わり、授業等への学習指導などにおいても、その知見を十分に発揮いただけるようにしていくべきであり、そのための仕組みづくりをするべきと考えます。教育長の見解を伺います。
 さて、私は常々、早く女性活躍という言葉がなくなってほしいと思っています。もう女性は家事に、子育てに、そして仕事に十分活躍していると考えます。
 都内の育児休業取得率は男性一二・三%、女性九三・九%です。男性の取得率はまだ少なく、その期間も短いのが現状です。
 女性に家事、育児の負担が大きい中で、真のダイバーシティー社会を実現し、女性が働き続けていくためには、男性の家事、育児への参画が必須で、ある意味、家事、育児での男性活躍が求められています。
 内閣府の調査によると、育児休業を取得した男性の方が、取得していない男性に比べて、家事、育児への参画がより一層進む傾向が見られます。また、男性の家事、育児参加の進んでいるスウェーデンは、一人当たりのGDPや出生率も上向きです。
 一方、男性の育休取得は、啓発レベルではなかなか根づかないように考えます。男性側が育休をとることに対して、社会全体ではまだまだ抵抗感が強いように感じていますが、男性の育休を一カ月義務化した企業のような先進事例もあり、一斉で始めることで、気兼ねなく育休を取得し、そのメリットを感じることができるはずです。
 私たちのインターネット世論調査では、男性の育休義務化について、七割を超える方が賛成とのことでした。
 都は今年度より、働くパパママ育休取得応援事業のパパコースで、男性の育休取得を推進していますが、なかなか取得が進んでいない現状もあります。男性の育休取得について、さらに取得を加速するための取り組みを行っていくべきだと考えますが、都の見解を伺います。
 働き方の多様性は、雇用形態のみならず、休日、夜間など働く時間の多様性も生んでいます。医師、看護師、介護施設で働く方などの夜勤対応や、飲食店、商店やシフト勤務のサービス業など、多岐にわたります。
 都はこれまで、多様な保育を推進し、多様な働き方に応えてきましたが、休日や夜間帯はまだまだ手薄であり、潜在的なニーズがあると考えます。
 一方で、夜間帯の保育はこれまで、認可外施設が主な担い手で、二〇一七年十月の時点で午後十時以降に対応しているベビーホテルは、都内に五十七カ所あると聞いています。残念ながら、一部には行政の目が行き届かないがゆえに、保育の質が疑われるような事例も起きています。
 私は、夜間保育を行う認可保育所のうち、唯一深夜帯に保育を行っている認可保育所を視察しましたが、子供をただ預かるだけでなく、先生が共働きやひとり親家庭の親の悩みや課題に寄り添い、フォローするという姿勢がとても印象的でした。
 来年度、都では、夜間帯保育事業を新規に開始する予定ですが、その狙いと、都がこれまで行ってきた認証化移行支援事業も活用し、質の向上を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
 本定例会には、東京都児童虐待防止条例案が提出されました。現在、国会では、児童福祉法の改正案の提出が議論され、両親などによる体罰禁止の規定をすることや、アドボケート制度構築の検討も盛り込むとされ、特に体罰禁止の対象は、親権を持つ両親のほか、子供への懲戒が法的に認められている児童福祉施設長や里親も検討されています。加えて、そもそも親が子を戒めることを認める民法の懲戒権の規定の削除も検討されており、国の動きが加速しています。
 児童虐待防止法では、何人も、児童の健全な成長のために、良好な家庭的環境及び近隣社会の連帯が求められていることに留意しなければならないと記されています。家庭内の虐待は、保護者からの体罰だけではありません。保護者自身も、同居人や交際相手のDVの被害者であることも多く、保護者に対する支援なくして体罰や虐待の防止は不可能です。また、民法で規定のない保育士等の児童虐待への対応が抜け落ちている点も憂慮すべきです。
 今般の条例案では、保護者に対し、体罰の禁止を明記していますが、体罰の禁止は、児童を取り巻くあらゆる構成員を対象とすべきと考えますが、国の動向も踏まえた都の見解を伺います。
 以上で私の一般質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 森澤恭子議員の一般質問に一問お答えをいたします。
 稼ぐ力の強化についてでございます。
 人口減少とさらなる高齢化という二重のうねりが押し寄せて、国際的な都市間競争が熾烈をきわめる中で、東京、日本の明るい未来を切り開く、そのためには確かな成長を創出する稼ぐ力を強化するとともに、都市の活力の源泉であります人の力を高める必要がございます。
 そこで、平成三十一年度の予算案で、東京の稼ぐ力を高めるために、外国企業誘致の加速、東京の多彩な観光資源の活用を一層進めてまいります。民間のイノベーションを後押しし、ビッグデータやAIを初め、先端技術の活用や、世界から人と金を呼び込んで、東京の発展につながる新たな価値、富、資源を生み出す投資を積極的に行っております。
 発展の原動力となる人でありますが、力を存分に発揮できる環境をつくるために、テレワークの導入やICTの活用で、ライフワークバランスの充実などを進めてまいります。
 時代の潮流を踏まえながら、人の持つ無限の可能性を生かして、東京の稼ぐ力を育む、そのための施策を積極果敢に展開して、東京と日本の確かな成長へとつなげてまいります。
 残余のご質問は、教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 新財団による多様な人材の活用についてでございますが、新財団に設置する人材バンクでは、学校が必要とする多様な外部人材の情報を集約する必要がございます。
 そのため、財団スタッフの知見の活用に加え、企業や大学、学校を支援するNPO法人などの関係団体に対して緊密な連携を働きかけ、ネットワークを構築してまいります。
 これを活用した人材バンクが専門的に幅広い人材情報を学校に提供することで、個々の教員や学校における人材確保の負担を軽減してまいります。また、専門知識や特殊な技能を有した人材の紹介を行うことで、教育課題への対応を充実させてまいります。
 今後、新財団を利用する学校や区市町村教育委員会の意見等を踏まえつつ、人材バンクの取り組み内容を具体化し、学校教育の質の向上につなげてまいります。
〔政策企画局長梶原洋君登壇〕

○政策企画局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、先端事業普及モデル創出事業、いわゆるキングサーモンプロジェクトについてでありますが、東京の成長と社会課題解決の両立を図っていくためには、先端的な技術やサービスを有するスタートアップ企業を発掘した上で、集中的に支援し、育てていくことが重要でございます。
 そのため、本事業では、創業する多くの企業の中から、将来大きく成長することが期待できるスタートアップ企業を選定し、都政の現場を活用した技術やサービスの実証実験を支援することなどにより、社会課題の解決に資する先端事業を東京から生み出してまいります。
 こうした取り組みの過程や成果をモデル化し、広く展開することで、後続の起業家の輩出を促す起業のサイクルをつくり上げてまいります。
 次に、自動運転が経済社会に与える便益に関する調査分析についてでありますが、自動運転技術に対する都民や関係機関の理解を深め、これを活用した交通サービスの裾野を拡大していくためには、自動運転技術の実用化により得られるメリットを具体的に示していくことが重要でございます。
 このため、自動運転技術を活用した交通サービスが導入された際に実現する、職業ドライバーの不足解消といった社会課題の解決に係る効果や、住民や観光客などの交通利便性の向上に係る効果などについて、都独自の調査分析を実施いたします。
 この調査結果につきましては、都民向けの講演会のほか、民間事業者や他自治体等が参加する会議などで発表し、自動運転技術の実用化をさらに促進してまいります。
 最後に、ソサエティー五・〇の実現に向けた検討会についてでありますが、ソサエティー五・〇は、AIやビッグデータなどの第四次産業革命技術を活用した社会モデルであり、経済の発展と少子高齢化などの社会的課題の解決を同時に進めることを可能とするものでございます。
 そのため、来年度設置するソサエティー五・〇の実現に向けた有識者による検討会におきましては、東京の将来のあるべき姿や先端技術を活用した今後の施策展開の方向性などについて検討をしてまいります。
 検討に当たりましては、ご指摘の観点も含め、さまざまな分野の有識者や専門家等から多様な意見を伺うことで、実態に即した議論を行っていく予定でございます。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えをいたします。
 初めに、ナイトライフ観光の推進についてでございますが、夜の時間帯は、さらなる活用を図ることで、旅行者の滞在時間の延長等による高い消費拡大の効果が期待されます。
 このため、都は、ライトアップ等を活用して、夜間の集客に結びつける地域の取り組みを支援するとともに、東京の観光公式サイト等により、夜間の観光情報の発信に取り組んでいるところでございます。
 来年度は、これらの充実に加え、年間を通じて実施する集客イベント等への支援を新たに開始し、さらなる観光資源の創出に取り組んでまいります。
 支援に当たりましては、集客目標の設定や、翌年度以降の事業継続に向けた計画の策定、地域の理解を得た取り組みとするための自治体の推薦を要件といたしますとともに、宿泊施設までのシャトルバスの運行等も対象にすることなどにより、今後のモデルとなる成功事例を生み出してまいります。
 次に、男性の育休取得促進についてでございますが、男性が育児休業を取得しやすい環境づくりを進めるためには、企業への働きかけを行うこととあわせて、社会全体の機運を高めていくことが重要でございます。
 そこで都は、今年度から、働くパパママ育休取得応援事業を開始し、男性従業員に育児休業を取得させる企業を支援しております。また、ライフ・ワーク・バランスEXPOや都の専用ウエブサイトなど、さまざまな場面で先進企業の事例等も紹介をしております。
 来年度は、男性の育休取得を促すPR動画を新たに作成し、トレインチャンネルや駅前の大型ビジョン等で放映いたしますとともに、広く都民を対象とした啓発イベントを開催いたします。
 こうした取り組みを多面的に展開し、男性の育休取得を促進してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 海外から観光客やアーティスト等を呼び込むための文化振興の取り組みについてでございますが、都はこれまで、六本木アートナイトや東京芸術祭など、世界で活躍する国内外のさまざまな芸術家の作品を鑑賞できるフェスティバルを行い、誰もが多彩な芸術文化に触れられる機会を提供してまいりました。
 来年度は、世界から注目されるフェスティバルとするため、六本木アートナイトでは、海外の有名アーティストを初めてメーンプログラムに起用するとともに、四回目となる東京芸術祭では、新進気鋭の演出家による演劇コンペティションを新たに開催いたします。
 今後も、世界にアピールできる取り組みを充実させ、都民はもとより、国内外からの来訪者やアーティストを引きつける文化都市東京を目指してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、夜間帯保育事業についてでございますが、現在、夜間帯の保育サービスは、主にベビーホテル等の認可外保育施設で行われております。
 都は来年度、保護者が夜間にも安心して保育サービスを利用できるよう、一定の質が担保されている認証保育所に対しまして、午後十時以降の運営費を支援する事業を創設いたします。
 また、今年度から、認可外保育施設が認証保育所に移行するに当たって必要となる改修費等を補助する事業を開始しており、質の向上に意欲的に取り組むベビーホテル等に対しまして、この事業の活用を働きかけてまいります。
 こうした取り組みにより、安心して利用できる夜間帯の保育サービスの整備に努めてまいりたいと考えております。
 次に、体罰等の禁止についてでありますが、体罰等は児童虐待にエスカレートする可能性のある行為であり、虐待行為そのものである場合もございます。また、医学的に、子供の脳の発達に深刻な影響を及ぼすこともあるとされております。
 しかし、日本では、しつけとしての体罰を容認する風潮もあり、子供が独立した人格と尊厳を持つ存在であるという考え方が、必ずしも浸透しているとはいえない状況にあると認識しております。
 今回提案した条例案では、子供の権利利益の擁護と健やかな成長のため、保護者による体罰等の禁止や、体罰等によらない子育てを推進する都の責務について盛り込んでおります。
 なお、都といたしましては、今後、国の議論も注視してまいります。

○副議長(長橋桂一君) 二十七番おときた駿君
〔二十七番おときた駿君登壇〕

○二十七番(おときた駿君) 初めに、オリンピック・パラリンピックにおける障害者などのボランティア参加についてお伺いいたします。
 定数を上回る応募のあったシティキャストの選考、採用においては、障害の有無などにかかわらず、多くの方々に活躍いただけるよう取り組むとされています。実際に、百四十名の障害者、何らかの支援を必要とされる方がシティキャストに応募されていることが、さきの特別委員会でも明らかにされたところです。中には、難病や重症心身障害による寝たきり状態の方もいらっしゃいます。その彼らが、参加方法として使用を希望されているのが分身ロボットです。
 昨年、都内で行われた分身ロボットカフェという企画では、等身大の分身ロボットを操作して、いわゆる寝たきりの方々が接客業を行ったことが大きな話題となりました。その小型版のロボットを少しご紹介したいと思います。
 こちらの小型版分身ロボットは、スマートフォンで指一本で操作することが可能であり、ネット環境さえあれば、ロボットの目を通じてこの光景が操作者にシェアされ、もちろん会話に参加することも可能です。このように腕や顔も動きます。単なるテレビ電話とは臨場感が全く異なり、実際に利用した障害者からは高い評価を得ています。
 こうしたロボットを通じて、寝たきり状態にある方が通訳や会場案内でボランティア参加をしたとすれば、まさに五輪史上初めての出来事であり、ダイバーシティーを目指し、二度目のパラリンピックを迎える東京都にとって大きな一歩となり得ます。
 分身ロボットによるシティキャスト参加をぜひ実現すべきと提案いたしますが、知事の見解をお伺いいたします。
 また、現在、実際に応募が来ている分身ロボット使用を希望する方に対しては、今後、どのような対応を行っていくのか、都の見解をお伺いいたします。
 次に、組織改編についてお伺いいたします。
 年明けに急遽発表された住宅政策本部新設を初めとする組織改編は、余りにも突然のものでありました。昨年末の定例会で、知事が、二〇二〇東京大会後の組織再編を示唆してから数カ月とたたずに今回の発表です。知事の任期は既に終盤に差しかかっており、通常、こうした組織改編というのは、みずからの公約を達成するために任期の序盤に行うべきものです。
 なぜ、ご自身の選挙が迫ったこの時期なのか。そこには、都民のため以外の何らかの意図があるのではないかと感じられてしまいます。
 とりわけ住宅局は、都市計画との一体化を目指す観点から、都市整備局に統合された経緯があります。空き家が増加し、都営住宅の見直しも指摘される今こそ、むしろ一体的、総合的な政策が必要です。組織が膨張することは、都政改革とも逆行します。また、議会承認が不要である本部で組織改編を行うことにも疑問を覚えます。
 なぜ昨年末の方針を転換して、今、組織改編を行ったのか、とりわけ住宅政策本部は本当に都民にとって必要な組織改編なのか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、都政改革についてです。
 都政改革は完全に停滞しています。改革のエンジンであった特別顧問たちが去って以降、見える化改革は従前の方針をなぞるばかりとなり、抜本的な改革をしようとする意思は目に見えて失われてしまいました。今こそ改革の原点に立ち戻らなければなりません。
 そこで、旧都政改革本部が残した魂ともいえる遺産が公営企業の民営化、下水道コンセッションの導入です。昨年の国会で水道法が改正され、水道事業における民営化、コンセッション方式の導入に注目が集まっています。
 また、東京都水道局では、入札情報の漏えいや外郭団体における虚偽報告などの不祥事が頻発しており、公共でやれば民間より安心・安全というのは幻想であることは明らかです。むしろ、民営化という選択肢を持つことで、行政への緊張感が生まれ、市場原理が働くことでサービス向上も見込めます。
 こうした公営企業の民営化に向けて、浜松市や大阪市でも先進事例が生まれつつある下水道コンセッションに東京都が踏み出すことは、非常に大きな意味のある一歩です。
 当時の知事は、提出された改革案に対して、コンセッションを真剣に考えてほしいという旨の言葉を残されておりました。全く正しいことだと思います。
 この知事の思いに変わりはないのか、下水道コンセッションを断固として進めていく意思はあるのかどうか、知事のお考えをお伺いいたします。
 最後に、築地市場跡地と市場会計についてお伺いいたします。
 一昨年から、本会議、予算特別委員会で知事に直接、何度も申し上げているとおり、知事が都民に約束した基本方針は、完全に変節しています。市場を残す、業者が築地に戻るお手伝いをする、食のテーマパークをつくる、いずれも影も形もございません。
 考えや政策が変わることは、望ましいことではありませんが、状況によってはあり得ることだと思います。最もやってはいけないのは、自身の変節を認めず、それをごまかすために、新たな行政負担、都民負担を生じさせることです。
 今、知事が進もうとしているのは、まさにそのイバラの道であります。
 有償所管がえは、従来から我々も主張してきたことではありますが、都知事選の一年前となるこのタイミングでなぜ補正予算なのか、なぜ基本方針が変わったのか、疑問は尽きません。
 知事は、考え方は全く変わっていないと強弁されておりますが、知事の心の中はどうであれ、都議選前の発表によって、多くの都民、市場関係者が築地に市場を残すと受け取ったことは、紛れもない事実であります。
 知事は、その事実をどのように受けとめていらっしゃるのでしょうか。都議選前に公約した基本方針が撤回されたことを認め、都民の疑問に正面から答えるべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 築地跡地活用も不透明です。現在示されているプランだけでは、市場の建設費用をどのように回収するのか見通しが立たないばかりか、新たな箱物運営にさらなる都民負担が生じかねません。
 知事は、二言目には民間の活用と述べておられますが、定期借地で大型投資を行う民間事業者があらわれることは極めて考えづらく、民間の力というものを余りにも都合よく解釈し過ぎではないでしょうか。
 都が保有したままで、まとまった収益を上げるとすれば、集客施設はカジノを含むIRとする以外は考えづらく、それ自体は一考に値するものの、全てを未定としたまま都税を投入しようとする姿勢は余りにも、余りにも不誠実です。現段階の生煮えプラン、無為無策の開発スキームでは、議会側が補正予算案の賛否を明らかにすることは困難です。
 知事は、補正予算案を撤回し、プランを再考の上、時期を置いて再提出すべきと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。
 さらに一方で、築地市場跡地を一般会計に売却したとしても、市場会計の永続性が全くの未解決です。年間約百六十億円の継続的な賃料収入で市場会計を維持するという荒唐無稽なプランも消えた今、市場会計にお金を入れても、それは穴のあいたバケツに水を注ぐことに等しい状態です。赤字が慢性化している中央卸売市場というモデルそのものを見直さなければ、場当たり的に都税を投入することは認められません。
 代表質問でも、市場の民営化を求める声が上がりました。この提案には、我々も大いに賛成です。実際、大阪府は、二〇一二年から中央卸売市場に指定管理者制度を導入しており、収支改善と市場の活性化に成功しています。
 しかし、昨日までの答弁を聞いておりますと、知事と市場長の考え方に隔たりがあるようにも感じられます。豊洲市場を含む中央卸売市場は、できる部分からコンセッション方式、指定管理者制度を導入するなど民営化を進め、長期的には完全民営化まで視野に入れた検討を早急に始めるべきと考え、提案をいたしますが、東京都の統一的な見解を知事にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) おときた駿議員の一般質問にお答えをいたします。
 障害者のシティキャストへの参加でございますが、都はこれまで、多くの障害者の方々に参加いただけるように、募集説明会などを通じまして、障害者ご自身のボランティア体験を広くお伝えし、障害者が介助者などと一緒に活動できるように、グループでの応募にも対応してまいりました。
 今月から行っております面談におきましては、都の職員が応募者ご本人と直接お会いしまして、ご意向やご都合、配慮、そして支援を必要とする内容を丁寧にお伺いをいたしておりまして、バリアフリーの整った場所への配置や、また柔軟な休憩時間の設定など、細やかに対応してまいります。
 障害等のために外出が困難な方々につきましても、本人のご意向などを踏まえまして、活動内容について幅広く検討してまいります。
 大会時に多くの障害者がシティキャストとして活躍いただくことで、障害のある人もない人も、全ての人が互いに尊重して支え合う共生社会づくりのきっかけとなるように取り組んでまいります。
 組織改正についてでございますが、組織の見直しに当たりましては、将来的な東京の姿を見据えて、中長期的な視点から、都庁全体のあり方について検討する必要がある一方で、喫緊の課題にスピード感を持って、事業動向に即した執行体制を整備する、そのことが重要と考えます。
 ご指摘の住宅政策本部でございますが、世帯の単身化や住宅ストックの老朽化が進む中で、老朽マンションや空き家への対策、セーフティーネットの構築など住宅政策を機動的に展開するために、まちづくりとの一体性を確保しながら、本部組織として設置をすることといたしたものでございます。
 引き続き、都の抱えるさまざまな課題に的確に対応していくために、限られた資源を効率的かつ効果的に活用した執行体制を構築してまいります。
 下水道につきましてでありますが、平成二十九年十二月に、私を本部長とする都政改革本部会議で、下水道局から、今後とも安定的に都民サービスを提供していくため、監理団体との役割分担の見直しとあわせまして、新たな官民連携の手法による施設運営について検討を進める旨の報告が出されております。
 私からは、コンセッションや包括的民間委託などについて一つ一つ真剣に考えるように、下水道局に対して指示をしております。
 現在、施設の老朽化や豪雨の増加など、事業環境の検証や、また、ほかの都市、ほかの事業の官民連携調査などを進めていると承知をいたしております。
 下水道は、東京が持続可能な都市として成長するために必要不可欠なインフラでございます。
 今後とも、都市活動や都民の生活を支え続けられるように、改革に向けました手綱を緩めることなく、幅広く多角的な検討を進めてまいります。
 基本方針についてでありますが、基本方針でお示しをいたしました築地の市場に関する内容でございますが、市場業者を初め、東京の食文化を担う多くの方々の努力で、長い歴史の中で育まれてまいりました築地ブランドでございます。それをさらに発展させていきたいとの思いで述べたものでございます。
 この基本方針をベースに、都として検討を行いまして、一昨年七月、市場移転に関する関係局長会議におきまして、築地については民間主導で再開発を進めるといたしまして、その後、有識者の意見もいただきながら検討を重ねてきたことでございます。
 かねて申し上げましたとおり、都が中央卸売市場として運営していくのは豊洲市場でございます。豊洲市場への移転を済ませた後の築地再開発におきましては、都が改めて卸売市場を整備をすることはないと考えております。
 一方で、築地にとりまして、食文化は重要な要素の一つで、まちづくり方針の素案でも、こうした歴史的、文化的なストックも十分に生かすということとして示しております。
 民間のさまざまな知恵も活用し、築地を先進性と国際性を兼ね備えました東京の顔として育て、築地に期待を寄せられる人々に応えていきたいと、このように考えております。
 有償所管がえの予算措置についてのご質問がございました。
 今回の有償所管がえでございますが、築地まちづくり方針の素案が固まって、まちづくりのために築地の用地が必要となったことから、関係規則にのっとって、適正な価格のもとで一般会計に移しかえるものでございます。
 今年度末に策定をいたします築地まちづくり方針に基づいて、事業実施方針などを作成いたします。そして、民間事業者からの提案を受けながら、まちづくりを具体化してまいりますが、今般、一般会計への移しかえにいち早く着手することで、民間事業者の参画意欲を早期かつ最大限に引き出す。そして、都といたしましても、円滑にまちづくりの具体案を検討することが可能であり、有償所管がえの経費を計上いたしました補正予算案をこのたび提出したものでございます。
 今後の市場経営についてのご指摘でございます。
 都内の中央卸売市場が、都民に生鮮食料品等を円滑かつ安定的に供給する基幹的インフラとしての役割を引き続き果たしていくためには、卸売市場法の改正などもございました。取り巻く環境変化を踏まえた上で市場の活性化に取り組んで、産地、そして実需者に支持される市場としていかなければなりません。
 そのためには戦略的な経営、そして、強固な財務体質の確保が必要でございますが、経常収支の大幅な赤字が見込まれる中で、市場経営のあり方につきましては、長期的な視点から検討が必要であると認識をいたしております。
 このため、市場の維持管理経費の圧縮など、当面の経営改善の取り組みに加えまして、実効ある計画の策定に向け、外部有識者の知見を最大限に活用して、コストの縮減や収益の向上に向けました経営の合理化、民間経営手法の導入など、今後さまざまな観点から検討を進めてまいります。そして、市場経営の抜本的な改善を図ってまいります。
 なお、現時点で十一市場の民営化であるとか、経営統合するとか、そのような具体的な検討を進めている事実はございません。
 残余のご質問は、オリンピック・パラリンピック準備局長からのご答弁とさせていただきます。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 障害のある応募者への面談についてでありますが、都は今月よりシティキャストへの面談を開始し、これまでに四千人を超える応募者にご参加いただいております。
 面談は応募者のご都合や意向等を丁寧に伺う場としていることから、応募者の負担にも配慮しながら、可能な限り直接お会いしてコミュニケーションを図ることが重要と考えております。
 また、障害のある方が面談に参加される場合は、筆談や手話による通訳、資料の読み上げなど、本人のご意向等を確認の上、必要な対応を行っております。
 お尋ねの病気や障害等のため、外出困難な応募者につきましては、ご自宅等にいながら面談をさせていただける方法を検討するなど、個々の状況を踏まえ、対応してまいります。

○副議長(長橋桂一君) 十番山内れい子さん
〔十番山内れい子君登壇〕

○十番(山内れい子君) 都議会生活者ネットワークの山内れい子です。
 昨年、生活者ネットワークは、都のRE一〇〇への加盟を提案しました。二〇一九年度予算案に都庁舎版RE一〇〇と称して、都庁舎電力の再エネ一〇〇%化が盛り込まれたことは歓迎するものです。
 予算案の既存住宅への太陽光発電設備の設置に関する補助制度も、再エネをふやす観点から成果を期待しています。
 現在、電力自由化や発送電分離など制度変更が続いています。こうした中で、太陽光発電二〇一九年問題として、余剰電力の買い取り期間が終了し、その後、買い取ってもらえなくなるのではないかと不安が広がっています。
 固定価格買い取り制度の適用外にはなりますが、買い取る事業者は存在します。住宅における太陽光発電の余剰電力の買い取りの動きなどについてわかりやすい情報提供やアドバイスが必要と考えますが、見解を伺います。
 二〇一九年度予算案には、大学からの提案で、太陽光パネル高度循環利用に対する東京モデルの提案が盛り込まれました。太陽光発電の拡大に伴って今後確実に訪れる大量の太陽光パネルの廃棄を見据えて、リサイクルルートを用意することは重要と考えます。知事の見解を伺います。
 今議会には、虐待防止条例が提案されています。条例に保護者の体罰禁止が盛り込まれたことは画期的です。虐待事案への対応とともに、予防への取り組みが必要であり、DVの対策強化や体罰によらない子育てのスキルを普及していくこと、家族の孤立化を防ぐために、家族を丸ごと支援することが重要です。
 虐待されている子供や、虐待している保護者への対応を行う児童相談所では、拡充や改善が求められており、都でも職員の増員を進めています。
 しかし、職員の数だけでなく、質の確保も課題です。児童福祉司の速い人事異動や新規採用などにより、経験の浅い職員がふえており、二年以下の職員が全体の約五割と聞いています。現場の職員こそ厚くする必要があり、人材育成や技術の継承など、職員の力量の向上が重要と考えますが、どのように取り組むのか伺います。
 子供をめぐる問題は、虐待だけではありません。貧困やいじめ、過度な競争を強いられるなど、子供の生きづらさは一向に改善していません。また、子供の意見が軽んじられる状況は昔から変わっていません。
 子どもの権利条約を日本が批准して二十五年、子供は守られるだけの存在ではなく、子供自身が権利の主体であり、自己選択、自己決定して生きていくことを支援する子供の権利に関する総合的な条例が必要です。
 中でも、子供の権利侵害への対応は欠かせません。都が実施している子供の権利擁護専門相談事業は、子供自身がSOSを発信し、子供とともに解決に向けた調整ができることから、大いに評価するものです。
 子供の権利侵害に対して意見や希望を聞きながら、双方に助言し、当事者が解決の道を見つけられるよう支援することで、子供自身がエンパワーメントしていきます。権利保障は重要であり、第三者機関と位置づけ、さらに強化してほしいと思います。
 改めて、子供の権利擁護専門相談事業について、意義や効果、今後の取り組みを伺います。
 外国企業の誘致や人手不足が懸念される産業分野において外国人材を受け入れるための新たな在留資格が創設されるなど、外国人人口のさらなる増加が予想されます。それに伴い、保護者とともに、東京に移り住む外国人等の子供たちの就業機会の確保が求められています。
 国際都市である東京において、義務教育を受けていない外国籍の子供の数の把握ができていないことは大きな問題であり、早急に対処を求めるものです。
 海外から公立中学校に入学したものの、日本語指導が受けられず、中学卒業後の進学ができない子供や、外国人学校の卒業では、日本の中学校卒業とは認められず、高校受験ができないという相談も多く寄せられています。
 中学校卒業程度認定試験制度があり、合格すれば高校受験ができるという周知も十分されていません。外国籍の子供については、都はどのように都内の公立小中学校において受け入れているのか伺います。
 例えば、アメリカでは、高校まで無償の義務教育なため、外国人であろうと地域の公立高校で学ぶことができます。制度は異なるものの、外国籍の全ての子供の学ぶ権利を保障すべきです。
 在京外国人生徒対象募集枠設置校以外にも、一部の全日制都立高校や定時制課程に日本語指導を要する子供たちが多く在籍しています。こうした子供たちにも適切な日本語指導を行い、学習意欲を喚起すべきと考えますが、見解を伺います。
 海外では、英語学習の支援を要する生徒には、その子供の英語の能力に応じて、学年を問わず、クラス分けによるプログラムがあり、単位を取得できると聞いています。多文化共生の海外の教育システムを学ぶべきです。
 都内で、外国籍の子供の日本語支援や学習支援をしているNPO等との連携も重要と考えますが、都の見解を伺います。
 これまで生活者ネットワークは、公共施設のユニバーサルデザイン化を求めてきました。特に、障害者のための施設は、当事者の声が反映されなくてはなりません。
 北区にある都立障害者総合スポーツセンターは、昨年、屋内施設の改修が完了しました。オープン後、障害者が利用したところ、改修前より使いにくくなったという指摘があり、都に改善要望が寄せられたと聞いています。
 改修に当たって、障害者や利用者の意見や要望、また、利用しにくい理由や不都合などをどのように反映しているのか、また、改修後の今回のような要望や、本年六月ごろに改修工事が終了予定の都立多摩障害者スポーツセンターについても、意見や要望があった場合、どのように対応していくのか伺います。
 今や、外国人観光客にも、日本のトイレはきれいですばらしいと大人気です。その一方、さまざまな機能がふえ、流し方もレバー式、ボタン式、センサー式などさまざまで、使い方がわからないという声も聞きます。
 私自身、流すボタンはどこと個室から声を上げている方に位置をお知らせしたり、外国人が間違って非常ボタンを押して警備員が駆けつける場面に居合わせたりした経験があります。
 こうした使い勝手を改善する公共トイレの洗浄ボタン等の形状や配置に関するJIS規格は、高齢者、障害者など、多様な人々にも使いやすくするアクセシブルデザインの国際標準化機構、ISOの規格として承認され、東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルにも明記されています。
 ところが、施設整備マニュアルに統一性が明記されていながら、都議会議事堂や都営地下鉄、新しく建てた都立多摩図書館のトイレに反映されていないのは残念です。
 二〇一二年、生活者ネットワークの質問に答えて、福祉保健局長は、百貨店、鉄道事業者等の事業者団体と連絡協議会を開催しており、今後、こうした場や区市町村との連絡会等を通じて改善を働きかけていくと答弁しましたが、徹底されていません。
 改めて利用者の視点に立ち、都有施設、例えば、東京二〇二〇大会の競技場はもとより、民間の施設事業者へトイレの統一規格の周知徹底を図るとともに、実効性のある取り組みをしていくべきと考えますが、見解を伺います。
 マイクロプラスチックによる海洋汚染が地球規模で広がり、プラスチックごみの削減が世界的な課題になっています。都でも、廃棄物審議会がプラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方中間まとめを公表、パブリックコメントを実施しました。
 生活者ネットワークは、3Rを実践するために、容器包装リサイクル法を見直し、拡大生産者責任を強化するよう、長年提案してきました。
 レジ袋の削減について、都は、二〇二〇年レジ袋無償配布ゼロを目標に掲げ、二〇一七年から意見交換会を開催し、それが今回の中間まとめにつながっています。
 国でもレジ袋有料化の議論が始まっていますが、都はさらに一歩進めて、レジ袋禁止、レジ袋ゼロを宣言するよう提案しますが、見解を伺います。
 都庁内でプラスチックごみを減らす努力も必要です。
 グリーン購入法基本方針の改定を閣議決定し、各省庁のコンビニや食堂、売店などで、ストローやカップなどの使い捨てプラスチックを使用禁止にし、会議の際にペットボトルの飲み物を提供しない方針を決めました。
 都庁での取り組みについて伺います。
 最近、若者も含めて、マイボトルを持ち歩く人がふえてきました。マイボトルを持つことは格好いいという文化をぜひ知事につくっていただきたいと思います。まち中には、飲み物をマイボトルに入れてくれるコーヒーショップもあります。
 マイボトルを推奨し、そこに飲み物を提供する店をふやしていくキャンペーンが必要だと考えますが、見解を伺います。
 来年のオリンピック・パラリンピックは、安全でおいしい東京の水道水を世界に知らせるチャンスです。水道水を飲もうという水Doキャンペーンの活動もあり、水飲み場、給水機があちらこちらにあれば、自動販売機でペットボトルを買うことも減ります。ちょうど、マイボトル給水機でペットボトルを減らそうという運動が始まっており、時宜を得た動きだと思います。
 都内各所に水飲み場の設置を提案しますが、まずは東京二〇二〇大会に向けて、競技施設やその周辺に水飲み場を設置していただきたいと考えますが、見解を伺います。
 建てかえや耐震化の必要な旧耐震基準のマンションは約三十六万戸と推定されていますが、分譲マンションの場合、区分所有者の合意が一定数集まらないと計画の変更や建てかえの決議ができないことが一番のネックになります。
 建てかえを成功させた数少ない事例では、十年もの歳月を使い、ようやく合意にこぎつけたという、もはや奇跡というほかありません。各種のまちづくり制度を駆使し、行政が関与しないと、建てかえを進めることはできません。
 都が提出した条例案では、新たなマンションの管理状況の届け出制度を創設します。
 今回の条例で、要届け出マンションの管理組合に対して、届け出の要請とともに、例えば東京都防災・建築まちづくりセンターで実施しているアドバイザー派遣やマンション管理士などの専門家の紹介案内を行い、都が積極的にマンションの適正な管理や建てかえ、改修への機運を盛り上げていく必要があると考えますが、見解を伺います。
 最後に、水道局職員の技術の継承について伺います。
 このところ水道局の不祥事が相次いでおり、再発防止を求めるものです。
 水道法改正により、水道事業へのコンセッション方式導入が可能になりましたが、生活者ネットワークは、水道事業の民営化に断固反対いたします。
 民間委託がどんどん進められてきた水道事業の現場では、熟練した技術を持つ職員がいなくなり、技術の継承は水道局にとって大きな課題です。このまま技術者が減っていくと、受託事業者をチェックする技術さえ水道局職員に残らなくなることを懸念いたしております。
 水道局職員の技術の継承について、都の見解をお伺いいたします。
 以上で都議会生活者ネットワークの質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山内れい子議員の一般質問にお答えいたします。
 太陽光発電設備のリサイクルについてのご質問でございました。
 FIT制度によって急速に普及いたしました太陽光発電設備でございますが、仮に寿命を二十五年と仮定いたしますと、国内で廃棄される太陽光パネルの量は、二〇二〇年の約三千トンが二〇四〇年には約八十万トンと急増する見込みでございます。
 このように、近い将来、設備の大量廃棄が予想されていることから、今のうちからリサイクルルートを整備するなど、確実な3Rができるよう準備を進める必要がございます。
 そこで、都といたしまして、昨年八月、太陽光発電設備のリサイクルに関する知見を有する専門家から成る検討会を設置いたしました。そして、効果的なリサイクルの手法やパネルのリユースを促進する方策などについて検討を重ねているところでございます。
 また、今回始めました大学研究者からの事業提案制度の中に、太陽光パネル高度循環利用に対する東京モデルの提案がございまして、選定をいたしました。
 今後は、大学によります研究成果も生かして、都、大学、企業などが連携いたしましたモデル事業を行うなど、太陽光パネルの3Rを促進してまいります。
 残余のご質問は、教育長及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、外国人児童生徒の公立小中学校等での受け入れについてでございます。
 外国籍の子供が就学を希望する場合には、区市町村で相談に応じ、手続等の案内を行っておりますが、子供が学齢期の場合は、日本語の習熟状況に応じ、住所地の小中学校等の日本語学級などで適切に指導を行っております。
 また、学齢期以外で高校の受験資格を有していない場合には、中学校夜間学級を紹介するほか、中学校卒業程度認定試験を案内することもございます。
 なお、都教育委員会では、外国人の就学に関する情報をホームページに掲載してございます。
 次に、在京外国人生徒等への日本語指導についてでございますが、日本語の理解が十分でない在京外国人生徒等に速やかに日本語を習得させることは、学力の定着を図る上で重要でございます。
 そのため、在京外国人生徒対象の募集枠を設置していない都立高校では、必要に応じて外部人材を活用して、授業中に生徒の母語を介して講義内容の理解を促すための補助を行うとともに、放課後や夏季休業日等を活用した個別指導を実施するなど、早期の日本語習得に向けた支援を実施しております。
 都教育委員会が先般策定、公表した都立高校改革推進計画新実施計画(第二次)においては、在京外国人生徒等に対する日本語習得に向けた支援を掲げており、今後、これに基づく取り組みを進めてまいります。
 最後に、日本語指導におけるNPO等との連携についてでございますが、現在、都立高校では、放課後等に、地域やNPOなどの連携による日本語指導を実施しております。
 その活動の中には多くの有意義な取り組みがあることから、今後とも、都教育委員会は、こうしたNPOなどの知見やノウハウを集積し、在京外国人生徒等の指導に活用してまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、住宅における太陽光発電の余剰電力の買い取りに関する情報提供等についてでございますが、住宅用太陽光発電の余剰電力の買い取り期間終了に向け、現在買い取りを行っている小売電気事業者は、国の要請に基づき、本年六月までに買い取り期間終了の個別通知を行うこととなっております。また、小売電気事業者等による新たな買い取りメニューの発表も始まっております。
 都は、こうした余剰電力の買い取りに向けた動向や、余剰電力の売電に必要となる契約方法などについて、都民向けのセミナーやホームページ等で周知を行っているところでございます。
 今後も、国や事業者の動向も踏まえて、余剰電力の買い取りなどについて適切な情報提供等を行ってまいります。
 次に、レジ袋の削減についてでございますが、使い捨て型ライフスタイルの象徴であるレジ袋の削減には有料化が有効であり、都では、レジ袋の無償配布ゼロを目標に掲げて、国に対して、有料化を初めとする施策の強化を求めてまいりました。
 有料化の導入は、都県境で扱いが異なると消費者に混乱が生じかねないことから、全国一律に実施すべきとの意見が寄せられており、国民全体の3R推進の意識向上という点からも、国全体での実施が望ましいと考えております。
 国のプラスチック資源循環戦略案にレジ袋有料化の義務化が位置づけられたことから、都では、より実効性ある仕組みとなるように、対象事業者の範囲や価格設定のあり方などについて、今後、廃棄物審議会における最終答申に向けた議論を踏まえて、国に働きかけてまいります。
 次に、都庁内でのプラスチックごみ削減についてでございますが、都は、隗より始めよとして、今年度、都庁店舗で紙ストローの実証実験を行ったほか、職員に使い捨ての象徴であるレジ袋の辞退を求めております。
 また、環境に配慮した物品や役務の調達を定める東京都グリーン購入ガイドにおいて、都庁舎等で委託契約等により営業を行う食堂、喫茶店や小売店舗に対し、容器包装廃棄物の排出抑制の取り組み等を求めてまいりました。
 今後、グリーン購入ガイドの改定も含め、都庁でのワンウエープラスチック等のさらなる削減の取り組みを検討してまいります。
 最後に、使い捨て容器の削減についてでございますが、都が、九都県市と共同で実施したコーヒーショップ等と協力したマイボトルの使用を呼びかけるキャンペーンなどにより、現在では、マイボトルに飲料を入れて販売することは、多くの店舗で定着してきております。
 一方、都では、イベントにおける使い捨て容器の利用を減らすため、事業者と共同して、リユースカップの利用促進事業を実施するなどして、ワンウエー容器の削減に努めております。
 今後とも、使い捨て型のライフスタイルの見直しについて、さらに広く社会の理解と共感を生み出すため、チームもったいない参加事業者等と連携し、大規模イベント等でキャンペーンを展開するなど、わかりやすいメッセージを発信してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、児童相談所の人材育成についてでありますが、都は、職員の経験等に応じ、幅広い内容の研修を行っており、新任の児童福祉司に対しましては、四月に集中的に基礎的知識を習得させるほか、児童福祉司として必要な知識や技術を習得する研修を年間を通じて行っております。
 また、OJTにより、児童福祉司として必要なアセスメント力や実践力の向上に取り組んでいるところでございます。
 具体的には、新任研修の個別指導等を担うベテランやOBの児童福祉司が面接に同席したり、家庭訪問に同行するほか、定期的な会議におきまして、ケースの情報共有や進行管理、援助方針に関する職員同士の意見交換などを行い、若手職員を丁寧にサポートしているところでございます。
 引き続き、研修やOJTを通じまして、児童相談所の人材育成に努めてまいります。
 次に、子供の権利擁護専門相談事業についてでありますが、本事業は、子供の福祉の向上と、権利擁護を図ることを目的に実施し、年間約千四百件以上のさまざまな相談に応じており、うち子供からの相談が約七割となってございます。
 電話相談では、匿名での相談も含め、一人で悩みを抱える子供の気持ちに寄り添いながら対応しているところでございます。
 また、事実関係の調査や関係機関との調整が必要な場合は、弁護士などの専門員が第三者の立場で問題の解決に当たっております。
 来年度は、LINEを活用した児童虐待防止相談とあわせて、本事業のさらなる周知を図ることとしており、今後とも、子供の権利擁護の取り組みを推進してまいります。
 最後に、公共トイレの整備基準の周知についてでございますが、都は、公共トイレの洗浄装置、非常用の呼び出しボタンの配置等のJIS規格で定められた事項や、誰でもトイレの洗浄装置として自動洗浄式等を設ける場合にはボタン式を併設することなどの注意事項につきまして、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルに掲載し、事業者等に周知しております。
 また、鉄道事業者、百貨店、ホテル等の事業者団体等が参画する、福祉のまちづくりに関する連絡協議会におきまして、公共トイレの整備基準や操作方法のわかりやすい表示等についてご説明してきたところでございます。
 公共トイレが誰もが使いやすいものとなるよう、今後、こうした場を通じて、事業者に重ねて協力を求めるとともに、庁内の建築担当者による連絡会議等でも、改めて周知を図ってまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 都立障害者スポーツセンターの改修についてでありますが、バリアフリー整備は、さまざまな障害の状況に応じた対応が求められるところでございます。
 そのため、改修に際しましては、施設の利用状況や利用者の要望を把握するため、計画段階から、利用者ニーズの調査を実施いたしまして、家族更衣室や駐車場整備など、要望をできる限り反映し、利便性、快適性の向上を図っているところでございます。
 昨年、一部改修の完了した障害者総合スポーツセンターでは、利用者から音声案内の音量や壁面スイッチの高さなど、実際の使い勝手に関するさらなる改善のご要望をいただいており、他の利用者の状況も踏まえながら、きめ細かな対応に努めております。
 また、現在改修工事中の多摩のセンターにつきましても、これらの状況も踏まえまして、適切に対応しております。
 今後とも、障害者スポーツの拠点として、利用者のご意見、ご要望を伺いながら、利便性の向上を図ってまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京二〇二〇大会の競技施設及び周辺への水飲み場設置についてでございますが、安全でおいしい東京の水道水を屋外で直接飲んでいただくことは、その高い品質への理解と環境配慮行動の促進につながるものと認識しております。
 そのため、当局では、都内の公共施設等に設置されております水飲み栓に東京水のロゴをデザインしたステッカーを貼付し、ホームページを通じて広くPRしております。
 また、東京国際フォーラムに屋外型の水飲み栓を設置するとともに、昨年のIWA世界会議では、可動型の水飲み栓を会場内に複数配置し、国内外からの多くの来場者に水道水を提供して、大変好評を得たところでございます。
 東京二〇二〇大会に向けましては、こうした実績を踏まえ、関係機関と調整を図り、東京の水道水をより多くの方々に飲んでいただく機会の創出に努めてまいります。
 次に、水道局職員の技術継承についてでございますが、都の水道事業では、管工事や検針業務などの受託事業者への指導も含め、基幹的業務を局と監理団体が一体的に担っており、局はもとより、東京水道グループ全体として技術を継承していくことが重要であると認識しております。
 これまで当局では、現場に近い環境を整えた施設での体験型研修や、修得すべき到達目標を明確にした実務研修などにより、局職員の技術力の向上に取り組んでまいりました。
 今後は、これらに加え、監理団体との共同研修の拡充や、局と監理団体相互の人材交流を活性化することで、局職員のみならず、監理団体職員も含め、企画管理から現場部門に至るまで、さまざまなノウハウを着実に共有してまいります。
 こうした取り組みにより、東京水道グループ全体として、責任を持って技術継承を積極的に進めてまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 分譲マンションの適正な管理の促進についてでございますが、都はこれまで、管理組合の自主的な取り組みを後押しするため、セミナー等の普及啓発や管理組合の求めに応じたアドバイザー派遣などを実施してまいりました。
 都内では、今後老朽化するマンションが急増することが想定されます。こうしたマンションの管理不全を予防するためには、管理組合の機能強化が必要であり、都はこのたび条例を定め、管理状況の届け出を求めることといたしました。
 この届け出に基づき、個々のマンションの管理状況を把握し、助言、支援が必要な場合には、マンション管理士などの専門家の派遣や改良工事費の助成などにより、積極的に支援を行ってまいります。
 こうした取り組みを進め、適正な管理や建てかえ、改修が行われるよう管理組合の機能を強化してまいります。

○副議長(長橋桂一君) 九番上田令子さん
〔九番上田令子君登壇〕
〔副議長退席、議長着席〕

○九番(上田令子君) 水道局の外郭団体、TSSが特別監察を受け、巡回点検で虚偽報告、委託事業者と飲食を伴う会合等が明らかになりました。
 一四年にも入札汚職が発覚しており、その後、談合の疑いから、昨年十月から公取の調査が続いております。折しも私がTSSの接遇ミスを決特でただしていた矢先のことでした。
 不正情報は、職員目安箱に寄せられたとのことです。また、虐待事案等の内部告発もこの制度が活用されているようです。
 知事においては、自治体専門誌、職員アンケートにて四十六・六点という結果公表以来、職員が都の事業において問題や不正を発見し、目安箱を初め内部告発等、都民のため行動を起こした場合、もみ消すことなく、改善に向けてどのように行政過程にフィードバックしているのか、都の内部統制につき常に注視してきました。
 つきましては、知事の考える職員が萎縮やそんたくをせず、伸び伸びはつらつと働き、勇気ある職員が排除されることのない環境を実現できているのか、ガバナンスの観点から所見をお伺いします。
 創業者支援です。
 先日、総額三億円でトーマツに委託している女性ベンチャー成長促進事業の報告会が開催されました。資金調達総額十七社、二十二億円は評価しますが、シードのベンチャーばかり集めても達成できる見込みは薄く、数社で既に十億の資金調達のめどが立っているシリーズBも入れているのではと懸念しております。
 本来都が支えるのはシードのベンチャーであり、IPOの経験者や既に億単位の資金調達を実施している企業も含まれ、資金力のあるベンチャーにあえて税金を投入して、てこ入れする必要があるのでしょうか。
 東京に本拠地のない企業も見られ、総額約二億円投入する創薬系ベンチャー支援も含め、知事とじっこんとされているベンチャー起業家が名を連ね、一部業者が恩恵を受けるだけではないかと危惧をするものであります。
 知事のPRに税金が使われているのではないかという都民の声もあり、税金を使ってまで都がやることなのか、都民への見返りは何なのか、改めての必要性、有用性について、知事の所見を求めます。
 資金調達につき、金額の数値目標もない、各社の金額も明らかにできない、個々の調達日についての資料は手元にないということですが、どう事業を評価するのか、見解を伺います。
 また、当該事業参加企業が都のベビーシッター利用支援事業認定事業者に選定されているのはどのような経緯からなのか、ご説明ください。
 児童虐待防止です。
 保護者による体罰禁止を盛り込んだ本条例において、子供の品位を傷つける罰と民法で定める懲戒権の境界が実に漠然として読めます。親には懲戒権があり、子供の品位を傷つけていない、体罰ではないといい逃れることがないよう、実施に向けた具体的な対応が求められます。
 都では、事務職が配置され、短期間で異動する課題もありますが、児相職員はそもそもが専門職であったはずです。十五条、専門的な知識及び技術を有する職員をもって、人員をふやしたり、資格を与えたり、厳格化することだけで、本当に心愛ちゃん、結愛ちゃんを救えたのでしょうか。どんな資格を持っていても、正しい人権感覚と想像力を持っているのか、それに基づき動くことが評価されるか、それに尽きると思います。
 児童相談所が人権感覚を有し、有機的に動くため、知事はガバナーとして全てを果たすべきです。取り組みの説明はもうたくさんです。その覚悟と行動を伺います。
 民間団体支援ですが、悪徳里親ビジネスが入り込む余地のない各団体の人権感覚も不可欠かつ、毎々おなじみの法人選定という偏りがあってもならず、広く呼びかけるべきです。どのように的確性、公平性を確保し、選定し、支援していくのか、所見を伺います。
 一部有識者や児相関係者、議員などから警察と情報共有をすると保護者が相談しなくなる、犯罪捜査に流れる、福祉、教育現場に警察権力の介入は好ましくない、ゆえに情報共有は一定のレベルでよいという偏った見解がひとり歩きしております。
 私は、先進団体のように、虐待情報の全件共有を昨年来提言していますが、このような疑義を解消すべく、警視総監にお尋ねします。
 警察が児相や学校等の関係機関と協力連携していることが深刻な児童虐待事案の対応にどのように寄与しているのか伺います。
 深刻な児童虐待事案の未然防止のためには、警察と児相や学校等関係機関との情報共有が不可欠であるところ、警察が入手した情報が目的外に利用され、また警察によるいわゆる権力の乱用につながるおそれがないのか、ご説明ください。
 本条例の保護者には、施設長も含まれ、施設内虐待も対象です。くしくも世田谷区養護施設にて、少女への心理的虐待並びに暴力も疑われ、加害者職員を少女とともに児相へ同行させる等不適切な対応、少年を長期間閉じ込めた等、あってはならない虐待報道がなされています。
 内部通告があったと施設長が職員に伝えたとの情報を得ましたが、児相から施設へ内部通告があったと漏らしたのですか。
 さらに、職員目安箱へ意見が一月に寄せられたとのことですが、新聞報道になるまで児相は動かなかったと仄聞しております。
 ちなみに当該法人には、都の児相職員も再就職をしているということです。
 子供の権利ノートは当該施設で配り、子供へ説明したのか、子供の権利擁護専門員会議宛てはがきを抜き取るなど、逸脱がなかったか、具体的に報告の上、西東京市の障害者施設虐待事件のように、施設長らの解任を含む改善命令を出すなど厳しい措置はしないのか、内部通告があってから日数もたっており、少年への対応の一日も早い援助を含めた今後の対応と、条例制定直前に発生した事件を受けて、今後の施設内虐待における都の所見を伺います。
 野田市では、父親におどされ、アンケートを市教委が渡してしまったように、児相による職権保護には時に危険が伴うことから、家庭、学校、施設等、あらゆる場所において、警察官が立ち会う連携強化を図るべきです。
 昨年の協定以降、警察へ情報提供が倍増していることは評価しますが、一七年から昨年末まで立ち入り件数はわずか五件、相談受理数から考えても桁違いに少なく、ちゅうちょがあると懸念します。
 条例制定に当たって、警察官の立ち合いを全職員が迷わずに要請するため、現場でどう取り組んでいるのか伺います。
 教育です。
 昨年、給食強要で戒告処分がありましたが、都教委は教員がいじめを行ったと認定した事案はないとしており、教員による児童生徒へのいじめの認識が極めて欠落しております。
 墨田工業高校重大事故、永福学園熱中症事故、私にも体罰ガイドラインに抵触した事案が多く寄せられております。
 今回の虐待防止条例は、残念ながら家庭内にとどまるものですが、この理念を受けて、都として、いわゆる指導死を含めた教員によるいじめ、体罰、暴言による学校内虐待の認識を明確にしていただきたいと強く求めるものです。
 つきましては、教員によるいじめ、学校内虐待の認識の所見と、実態把握と未然防止のため教師によるいじめアンケートの必要性を伺います。
 処分教員をもとの学校に戻す現行運用では、加害者が戻ってくるわけですから、被害者の子供の利益に反する恐怖心を抱かせるのはいうまでもありません。
 条例制定で教員による体罰禁止、品位を傷つける罰を禁止する規定のもと、子供の利益に反する現運用を見直すべきだと考えますが、所見をお聞かせください。
 選管です。
 一一年、渋谷区議選、一七年、葛飾区議選の一票当選につき、区選管の認定を都選管が覆し、どちらも当初の当選者が議席を失いました。
 都選管においては、私はかねがね政治バイアスの疑義から、元議員が委員につくべきではないと訴えてきました。
 つきましては、葛飾区議選の開票につき、最高裁が区選管より都選管の判断を支持する決定を下した件につき都選管の所見を求めます。
 これにより、区市町村選管の判断に影響が起こり得ますか。従来の判断との整合性について、各選管からの問い合わせ状況につきご説明ください。
 選挙人名簿閲覧で時間制限やパソコンの持ち込み可否が区市選管により対応が分かれています。法的所見と区市への対応をご説明ください。
 以上、再質問を留保し、私の質問を終わります。
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 上田令子議員の一般質問にお答えいたします。
 良好な職場環境の実現についてのご質問でございます。
 組織運営におきまして、意欲や提案力のある職員の意見を尊重して、その士気を高めていくことは重要です。
 知事に就任以来、東京大改革を進めるために、全庁から約六百五十の提案があった自律改革はもとより、職員による事業提案制度や直接私に届く職員目安箱といった、みずから提案できる仕組みの導入で、一人一人の改革マインドは高まっていると実感をいたしております。
 また、テレワークやフレックスタイム制などの働き方改革を進め、外部の弁護士による相談窓口の設置や、管理職が部下や同僚に評価される三百六十度フィードバックの導入などで、よい職場環境の改善にも努めております。
 今後とも、さまざまな取り組みにより、改革意識を職員に根づかせるとともに、職員と一丸となって的確なガバナンスを実現して、都政改革を推進してまいりたいと考えております。
 次に、女性起業家の事業の発展支援についてのご質問でございます。
 近年におきましては、女性の起業家もふえております。そして、さまざまな分野でビジネスを展開しておられますが、世界規模で活躍する事例はいまだに少ないものがございます。
 これからの東京の産業の発展のためには、これら女性起業家がそのポテンシャルを発揮して、突出したスケールと存在感を誇る、いわゆるユニコーンと呼ばれる企業を生み出していくことも必要であります。
 そこで、都といたしまして、女性の経営するベンチャーのうち、事業が広く社会的な課題の解決に役立つものや、グローバル市場への展開が可能なものなどを対象といたしまして、女性ベンチャー成長促進事業で支援を行っております。
 この事業におきましては、将来大きな成長が期待できる企業を選定いたしまして、経営の知識を提供する講義のほか、メンタリングやワークショップなど、ビジネス拡大に向けました育成プログラムを実施いたしております。
 また、海外派遣プログラムも実施いたしまして、グローバル展開への足がかりをつかむためのサポートを行っております。
 これらの取り組みでロールモデルとなるような成功事例を生み出して、その成果について、イベントやウエブサイトなどを通じ、広く発信をし、これによって女性起業家の事業拡大、飛躍に向けた意欲をさらに高めていきたいと考えております。
 児童相談所の人権への取り組みについてのご質問がございました。
 児童相談所におきましては、子供や保護者等の人権に十分配慮しながら、常に子供の最善の利益を図ることを最優先に相談援助活動を行っております。
 また、人権意識を高めるため、全ての職員が受講する人権研修に加えまして、子供の権利擁護等に関する研修を行っております。
 今回提案いたしました東京都子供への虐待の防止等に関する条例案でございますが、子供の権利利益の擁護、そして健やかな成長を図ることを目的といたしまして、専門的な知識や技術を有する職員を育成して、児童相談所の運営体制を適切に確保していくことといたしております。
 児童虐待は、子供たちの輝きをいや応なく奪うものであり、何としても防がなければなりません。条例の制定を機といたしまして、児童相談所職員の人権意識をさらに高めて、児童虐待防止に全力で取り組んでまいります。
 残余のご質問は、警視総監、教育長及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔警視総監三浦正充君登壇〕

○警視総監(三浦正充君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、警察が関係機関と協力連携していることが深刻な児童虐待事案への対応にどのように寄与しているのかについてでありますが、警視庁では、一一〇番通報や相談受理のほか、関係機関からの情報提供等により、児童虐待事案を認知しており、組織的に情報共有を図りながら対応しております。
 さらに、児童虐待事案を認知した際には、その都度、児童相談所等に取り扱い状況等を照会するほか、専門の警察官が現場へ臨場の上、直接児童の安全を確認し、必要と認めた場合には、速やかに児童相談所へ通告を行うなど、関係機関と協力連携しながら、重大事案の未然防止を図っております。
 次に、警察が入手した児童虐待に関する情報の利用についてでありますが、警視庁は昨年九月、東京都福祉保健局と新たな協定を締結し、児童虐待のリスクが高いと考えられるケースは全て情報共有されることとなりました。
 このほか、要保護児童対策地域協議会等にも積極的に参加し、関係機関と情報共有を図っているところであります。
 これら共有された情報については、各種法令等に従った取り扱いをしており、ご懸念のような目的外の利用はしておりません。
 警視庁では、引き続き、共有した情報を適切に活用し、児童虐待事案に的確に対応してまいります。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、教員の不適切な指導についてでございますが、教員による児童生徒に対する体罰やいじめ等は、児童生徒の心身に深刻な悪影響を与えるものであり、早期に解決することが必要でございます。
 都教育委員会では、教員のこうした指導の実態を把握するため、毎年度、都内公立学校の全ての児童生徒を対象に、調査の目的等をわかりやすく説明した上で、アンケートを実施しております。
 また、全教員に対して、校長による聞き取り調査も行っております。
 こうした取り組みにより把握した事案については、速やかに指導を行うなど、適切に対応しているところでございます。
 次に、処分を受けた教員の配置についてでございますが、懲戒処分を受けた教員については、状況に応じて、担当学級や学年の変更等必要な措置を行い、現任校に勤務させる、または、区市町村教育委員会等と連携し、直近の異動期に配置がえを行うなどの対応を行っております。
 いずれの場合においても、児童生徒が安心して教育を受けられる環境を整えることが重要であり、学校設置者である教育委員会や学校長がきめ細かな服務管理や指導を行っております。
 都教育委員会は、こうした教員を対象に服務事故再発防止研修を実施するとともに、巡回指導を行うなど、再発の防止に努めております。
 引き続き、学校運営が適正になされるよう取り組んでまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 女性ベンチャー成長促進事業の評価についてでございますが、本事業は、女性が経営するベンチャーのうち、将来大きな成長が期待できる企業を選定し、事業拡大や海外展開などを支援し、そこで生み出されるロールモデルとなる成功事例を広く発信して、女性起業家の成長に向けた意欲や機運の醸成を図ることを目的といたしております。
 本事業の支援を受けた女性起業家が大型の資金調達に成功しておりますほか、海外での販路の開拓を実現していることに加えまして、メディアの依頼でみずからの経験を発信した事例も数多く出てきているところでございます。
 これらについて、都では、イベントやホームページ等を通じ広く紹介し、東京で女性起業家が事業拡大に取り組む機運醸成につなげるなどの着実な成果を上げているところでございます。
 今後とも、女性起業家の成長に向けた機運が一層高まるよう事業を推進してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、ベビーシッター利用支援事業における参画事業者についてでございますが、本事業では、安定的な保育サービスの提供により、保護者が安心して利用できるよう、参画する事業者について、保育の提供体制、保育の質、事業の安定的運営、利用者支援の四つの観点から認定基準を定め、都のホームページ上で公開しております。
 都は、昨年七月三十日から参画事業者の公募を開始し、この基準に基づきまして、応募があった事業者を審査し、平成三十一年一月末現在、十二の事業者を認定しているところでございます。
 なお、参画事業者を審査する際に、お話のAPT Womenへの参加状況は考慮してございません。
 次に、子育て支援等にかかわる民間団体への支援についてでございますが、都は、子育て支援等に関する施策を推進するため、養育家庭等への支援を行う団体への業務委託や養子縁組のあっせんを行う団体への補助等を行っております。
 業務の委託に当たりましては、活動の理念や実績等を精査した上で、団体を選定しており、補助金については、事業目的に合わせて補助の条件を定め、その条件を満たした団体等に対してのみ交付してございます。
 なお、委託契約につきましては、法令や規則等に基づき、透明性、公正性、競争性を確保した上で、適正に行っております。
 次に、施設内虐待への対応についてでありますが、児童養護施設の職員等による虐待の通告を受けた場合、緊急度等を踏まえ、子供の安全を速やかに確認するとともに、児童福祉法に基づく調査を実施し、必要に応じて、施設等への改善指導を行っております。
 施設に入所する子供等に対しましては、嫌なことから守られる権利があることなどを記載した子供の権利ノートを配布しており、今後とも、子供の最善の利益を図る観点から、子供の権利擁護の取り組みを適切に行ってまいります。
 なお、お話の施設の事案では、心理的虐待に該当すると判断したものにつきましては、施設への指導を実施し、その他の件につきましては、現在、事実を確認中でありますが、関係する子供に対して必要な支援を行っているところでございます。
 最後に、児童相談所と警察との連携についてでありますが、昨年九月に締結した警視庁との協定では、情報の共有に加え、警察への援助要請の判断基準を定めており、虐待が疑われる家庭で、保護者が子供の安全確認に抵抗することが想定される場合などには、ちゅうちょなく要請することとしております。
 本協定につきましては、児童相談所長会を通じ、速やかに全ての職員に周知するとともに、虐待対策班の職員など、安全確認の場面で警察との連携に係る実務を担う職員に対しましては、さまざまな機会を通じて、具体的な運用方法を説明しております。
 また、警察との地区連絡会の中で、協定の運用状況等を確認し、意見交換を行うなど、児童虐待対応の業務について、相互理解を一層深めているところでございます。
〔選挙管理委員会事務局長澤章君登壇〕

○選挙管理委員会事務局長(澤章君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、平成二十九年十一月執行の葛飾区議会議員選挙についてでございますが、その当選の効力に関し、昨年十二月、最高裁判所は上告審について受理しない旨の決定を行ったところでございます。
 都選挙管理委員会といたしましては、今後とも、公職選挙法の定めるところに従い、公平、公正な選挙の管理執行に努めてまいります。
 次に、区市町村選挙管理委員会の判断への影響でございますが、選挙の開票管理は、区市町村選挙管理委員会が選任をした開票管理者等のもとで行われ、それぞれの判断は公職選挙法の趣旨にのっとり、適切に行われるものと考えております。
 区市町村選挙管理委員会からの問い合わせにつきましては、過去の実例や判例などを参考に、具体的な事情を考慮し、個々の判断を行うように対応をしております。
 最後に、選挙人名簿の閲覧への対応でございますが、選挙人名簿は各区市町村選挙管理委員会が調製及び保管をするものでございまして、公職選挙法第二十八条の二等により、選挙人においては、本人等の登録の有無の確認、候補者や政治団体等においては、政治活動を行う場合などに閲覧できるものでございます。
 この名簿の閲覧に際しまして、筆記による書き写しとみなされる程度であれば、パソコンの使用は否定はされていないと認識をしておりますが、具体的には各区市町村選挙管理委員会において、それぞれの実情に即して適切に対応しているものと考えております。
〔九番上田令子君登壇〕

○九番(上田令子君) 各社、数値もわからないまま輝かしい成功をおさめた皆様の通算五億の創業者支援、子供たちに回していただきたいなと思いました。
 昨今、渋谷区の養護施設でとても痛ましい事件が起こりました。私は、情報公開請求で都内の全施設の実態把握をしたことがあります。子供の声が届きにくい児童養護施設の現場で何が起こっているのでしょうか。
 施設内虐待根絶に向けての福祉保健局長の今後の取り組みとご覚悟をこの場で明快にお示しいただきたいと思います。
 以上をもちまして、平成最後の、本当に大トリの、最後の質問を終わらせていただきます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 施設内虐待にかかわります私の決意、覚悟に関する再質問と承知しました。
 今後とも、何よりも子供の安全・安心、子供にとっての最善の利益を図ることを最優先に、関係機関等と連携しまして、全力を挙げて取り組んでまいります。

○議長(尾崎大介君) 以上をもって質問は終わりました。

○議長(尾崎大介君) これより日程に入ります
 日程第一から第百二まで、第一号議案、平成三十一年度東京都一般会計予算外議案九十九件、諮問二件を一括議題といたします。
 本案に関し、提案理由の説明を求めます。
 副知事長谷川明君。
〔副知事長谷川明君登壇〕

○副知事(長谷川明君) ただいま上程になりました百二議案についてご説明申し上げます。
 第一号議案から第二十八号議案までは、平成三十一年度予算案でございます。
 平成三十一年度予算は、東京二〇二〇大会を推進力とし、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、未来に向けた道筋をつける予算と位置づけ、編成いたしました。
 第一号議案は、一般会計予算でございまして、総額七兆四千六百十億円を計上しております。
 第二号議案から第十七号議案までの十六議案は、特別会計予算でございます。それぞれの事業に必要な経費として、総額五兆五千五百五億円を計上しております。
 第十八号議案から第二十八号議案までの十一議案は、公営企業会計予算でございます。病院、交通、水道、下水道などの経営に要する経費として、総額一兆九千四百八十億円を計上しております。
 第二十九号議案から第七十八号議案まで及び第九十八号議案から第百号議案までの五十三議案は、条例案でございます。
 まず、新設の条例が三件ございます。
 第五十七号議案、東京におけるマンションの適正な管理の促進に関する条例は、良質なマンションストック及び良好な居住環境の形成に向けて、マンションの適正な管理を促進するものでございます。
 第九十九号議案、東京都子供への虐待の防止等に関する条例は、子供への虐待防止についての理解を深め、社会全体で虐待の防止に関する取り組みを一層推進するものでございます。
 このほか、平成三十年度分の都区財政調整について、再算定を行うものが一件ございます。
 次に、一部を改正する条例が五十件ございます。
 第三十一号議案、東京都職員定数条例の一部を改正する条例は、平成三十一年度の職員定数を定めるものでございます。
 このほか、職員に関するものが七件ございます。
 第三十三号議案、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例は、特別区における事務処理の特例に関する規定を改めるものでございます。
 このほか、区市町村に関するものが四件ございます。
 第四十号議案、東京都防災会議条例の一部を改正する条例外一件は、会議運営の充実を図るため、委員総数の上限を改めるものでございます。
 第四十三号議案、土地収用法関係手数料等に関する条例の一部を改正する条例は、法律の施行に伴い、所有者不明土地の利用円滑化のための手続が定められることから、手数料を新設するものでございます。
 このほか、使用料、手数料に関するものが八件ございます。
 第四十四号議案、東京都都税条例の一部を改正する条例は、固定資産税等の減額措置を継続するものなどでございます。
 第五十号議案、東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例は、施設の移転に伴い、位置等を改めるものでございます。
 このほか、組織、施設に関するものが二件ございます。
 第五十八号議案、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の一部を改正する条例は、緊急輸送道路の沿道建築物の占有者の協力を得やすくするよう環境を整備することなどにより、沿道建築物の耐震化を推進するものでございます。
 第六十四号議案、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改正する条例は、建築物の新築等において、環境性能のさらなる向上を図るため、建築物環境計画書の提出を求める対象を拡大するものなどでございます。
 第六十八号議案、東京都貸切自動車条例の一部を改正する条例は、消費税率及び地方消費税率の改定に伴い、料金の改定を行うものでございます。
 このほか、消費税率等に関するものが五件ございます。
 第九十八号議案、高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例は、ホテルまたは旅館において多くの人が利用しやすい客室の整備を図るため、一般客室に関する基準を定めるものなどでございます。
 以上のほか、法令改正に伴い規定を整備するものが十三件ございます。
 第七十九号議案から第八十四号議案までの六議案は契約案でございます。
 第七十九号議案、都営住宅三十H─一〇二東、足立区新田一丁目工事など、契約金額の総額は約三百二十二億円でございます。
 第八十五号議案から第九十二号議案までの八議案は事件案でございます。
 包括外部監査契約の締結についてなど、それぞれ地方自治法等の規定に基づき議決をお願いするものでございます。
 第九十三号議案から第九十七号議案までの五議案は、平成三十年度最終補正予算案でございます。
 平成二十九年度決算剰余金や不用額の精査などにより生み出された財源等を活用して、東京オリンピック・パラリンピック開催準備基金への積み立てや、築地市場跡地を中央卸売市場会計から一般会計に有償所管がえする経費の計上などを行い、一般会計四千七百三億円のほか、特別会計、公営企業会計を合わせ五千百四十七億円を補正するものでございます。
 次に、諮問でございます。
 諮問第一号は、教育委員会が行った懲戒免職処分を受けた職員に対する退職手当の支給制限処分について、諮問第二号は、都知事が行った運転免許証更新手数料徴収処分について、それぞれ審査請求があったため、地方自治法の規定に基づき諮問するものでございます。
 上程になりました百二議案の説明は以上ですが、このほかに人事案を送付いたしております。
 まず、東京都固定資産評価審査委員会委員でございます。
 三月三十一日に任期満了となります四名の委員のうち、國武久幸氏、橘田万里惠氏につきましては再任し、德弘洋子氏、道盛大志郎氏を新たに選任いたしたいと存じます。
 次に、東京都公害審査会委員でございます。
 一名の委員が欠員となっておりますので、大内孝子氏を任命いたしたいと存じます。
 また、三月三十一日に任期満了となります十四名の委員のうち、外井浩志氏、小倉京子氏、佐藤泉氏、江尻京子氏、大津真弓氏の各氏を再任し、村頭秀人氏、齊田紀子氏、落合博明氏、今泉博之氏、兼保直樹氏、小林剛氏、足立夏子氏、鴨志田公男氏、山野優子氏の各氏を新たに任命いたしたいと存じます。
 以上で説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
(議案の部参照)

○議長(尾崎大介君) 以上をもって提案理由の説明は終わりました。
 なお、本案中、地方公務員法第五条第二項の規定に該当する議案については、あらかじめ人事委員会の意見を徴しておきました。
 議事部長をして報告いたさせます。

○議事部長(櫻井和博君) 人事委員会の回答は、第三十号議案、第五十三号議案、第五十四号議案、第七十五号議案及び第七十七号議案について、いずれも異議はないとの意見であります。

三〇人委任第一四二号
平成三十一年二月十九日
東京都人事委員会委員長 青山 やすし
 東京都議会議長 尾崎 大介殿
「職員に関する条例」に対する人事委員会の意見聴取について(回答)
 平成三十一年二月十三日付三〇議事第五一八号をもって、地方公務員法第五条第二項の規定により照会があった議案に係る人事委員会の意見は、左記のとおりです。
       記
   提出議案
一 第三十号議案
東京都職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
二 第五十三号議案
学校職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
三 第五十四号議案
東京都教育委員会職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
四 第七十五号議案
警視庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
五 第七十七号議案
東京消防庁職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
   意見
異議ありません。

○六十七番(平慶翔君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議案のうち、日程第一から第二十八までについては、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、日程第一から第二十八までは、三十九人の委員をもって構成する予算特別委員会を設置し、これに付託することに決定をいたしました。
 委員は、委員会条例第五条第一項の規定により、議長からお手元配布の名簿のとおり指名いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、委員は、お手元配布の名簿のとおり選任することに決定いたしました。
 なお、本日の本会議終了後、役員互選のため委員会を本議場に招集いたしますので、ご了承願います。
〔予算特別委員名簿は本号末尾(三〇一ページ)に掲載〕

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいま議題となっております日程第二十九から第百二までは、お手元に配布の議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、日程第二十九から第百二までは、議案付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定をいたしました。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) これより追加日程に入ります。
 追加日程第一から第四まで、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について四件を一括議題といたします。
〔櫻井議事部長朗読〕
一、東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について四件

三〇財主議第五六〇号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、再び選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     國武 久幸

      略歴
現住所 東京都墨田区
國武 久幸
昭和三十五年十一月二十四日生(五十八歳)
昭和五十五年四月 国税庁入庁
昭和五十五年六月 武蔵府中税務署
昭和五十九年三月 専修大学法学部法律学科卒業
平成四年七月   成田税務署特別国税調査官付
平成六年七月   東京国税局課税第一部調査第三部門
平成八年八月   大和不動産鑑定株式会社入社
平成九年二月   税理士登録
平成九年二月   國武税理士事務所開業
平成十年三月   不動産鑑定士登録
平成十年三月   株式会社國武不動産鑑定開業
平成二十八年四月 東京都固定資産評価審査委員会委員
現在       不動産鑑定士
税理士
國武税理士事務所経営
株式会社國武不動産鑑定経営

三〇財主議第五六一号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、再び選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     橘田万里惠

      略歴
現住所 東京都大田区
橘田万里惠
昭和三十七年四月十四日生(五十六歳)
昭和六十年三月  慶應義塾大学経済学部卒業
昭和六十年四月  三菱信託銀行株式会社入社
昭和六十一年四月 宅地建物取引主任者登録
平成元年三月   不動産鑑定士登録
平成十一年七月  三菱信託銀行株式会社不動産鑑定部不動産鑑定コンサルタント
平成二十二年五月 三菱UFJ信託銀行株式会社不動産コンサルティング部副部長
平成二十四年三月 国土交通省土地鑑定委員会専門委員
平成二十四年五月 三菱UFJ信託銀行株式会社不動産コンサルティング部長
平成二十八年四月 東京都固定資産評価審査委員会委員
平成三十年四月  ケネディクス株式会社取締役コーポレート・コミュニケーション室長
現在       不動産鑑定士
ケネディクス株式会社取締役コーポレート・コミュニケーション室長

三〇財主議第五六二号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員江川紀美子は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     德弘 洋子

      略歴
現住所 東京都世田谷区
德弘 洋子
昭和三十六年三月二日生(五十七歳)
昭和五十八年三月 日本女子大学家政学部住居学科卒業
昭和五十八年四月 株式会社森村協同設計事務所入社
平成元年三月   一級建築士免許取得
平成七年十二月  德弘建築設計事務所一級建築士事務所開業
平成十六年四月  神奈川大学工学部建築学科非常勤講師
平成十七年四月  日本女子大学家政学部住居学科非常勤講師
平成二十一年四月 設備設計一級建築士免許取得
平成二十八年六月 一般社団法人建築設備技術者協会理事
現在       一級建築士
設備設計一級建築士
德弘建築設計事務所一級建築士事務所経営
一般社団法人建築設備技術者協会理事

三〇財主議第五六三号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都固定資産評価審査委員会委員の選任の同意について(依頼)
 このことについて、東京都固定資産評価審査委員会委員西江章は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を選任したいので、地方税法第四百二十三条第三項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     道盛大志郎

      略歴
現住所 東京都目黒区
道盛大志郎
昭和三十一年九月二十九日生(六十二歳)
昭和五十三年十月 司法試験合格
昭和五十四年三月 東京大学法学部卒業
昭和五十四年四月 大蔵省入省
昭和五十八年六月 米国カルフォルニア大学バークレー校ビジネススクール(MBA)卒業
平成十二年七月  財務省主税局税制第三課長
平成十四年七月  財務省主税局税制第二課長
平成十七年七月  内閣官房内閣参事官(内閣官房副長官補室)
平成十九年七月  内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補室)
平成二十年七月  財務省大臣官房審議官(理財局担当)
平成二十一年七月 財務省理財局次長
平成二十二年七月 関東信越国税局長
平成二十二年十月 内閣官房内閣審議官(内閣官房国家戦略室)
平成二十四年八月 東京国税局長
平成二十五年六月 税務大学校長
平成二十六年七月 国土交通省政策統括官
平成二十七年七月 財務省退官
平成二十八年四月 弁護士登録(第一東京弁護士会)
平成二十八年四月 TMI総合法律事務所顧問弁護士
平成二十八年四月 株式会社大和総研常務理事
平成三十年四月  株式会社大和総研専務理事
現在       弁護士
TMI総合法律事務所顧問弁護士
株式会社大和総研専務理事

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の選任に同意することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の選任に同意することに決定いたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第五から第十九まで、東京都公害審査会委員の任命の同意について十五件を一括議題といたします。
〔櫻井議事部長朗読〕
一、東京都公害審査会委員の任命の同意について十五件

三〇財主議第五六四号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     外井 浩志

      略歴
現住所 東京都大田区
外井 浩志
昭和三十年六月九日生(六十三歳)
昭和五十六年三月 東京大学法学部卒業
昭和 六十年四月 弁護士登録(第一東京弁護士会)
平成十年六月   日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会副委員長
平成十三年六月  第一東京弁護士会環境保全対策委員会委員長
平成二十二年四月 第一東京弁護士会副会長
平成二十二年四月 日本弁護士連合会常務理事
現在       弁護士(第一東京弁護士会所属)

三〇財主議第五六五号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     小倉 京子

      略歴
現住所 東京都新宿区
小倉 京子
昭和三十二年八月二十六日生(六十一歳)
昭和五十八年三月 成城大学文芸学部卒業
平成五年四月   弁護士登録(第二東京弁護士会)
平成十八年四月  東京家庭裁判所家事調停官
現在       弁護士(第二東京弁護士会所属)

三〇財主議第五六六号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     佐藤  泉

      略歴
現住所 東京都中央区
佐藤  泉
昭和三十四年五月二十八日生(五十九歳)
昭和五十七年三月 早稲田大学第一文学部卒業
昭和六十二年四月 弁護士登録(第一東京弁護士会)
平成十年五月   第一東京弁護士会環境保全対策委員会委員
平成十年六月   日本弁護士連合会公害対策・環境保全委員会委員
現在       弁護士(第一東京弁護士会所属)

三〇財主議第五六七号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     江尻 京子

      略歴
現住所 東京都調布市
江尻 京子
昭和三十年四月二十七日生(六十三歳)
昭和五十五年三月 日本大学商学部卒業
昭和五十五年四月 京浜女子大学横浜高等学校商業科教諭
平成五年七月   えじり企画事務所代表
平成十五年四月  恵泉女学園大学人間社会学部非常勤講師
現在       ごみ問題ジャーナリスト

三〇財主議第五六八号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、再び任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     大津 真弓

      略歴
現住所 埼玉県上尾市
大津 真弓
昭和五十年八月十日生(四十三歳)
平成十四年三月   産業医科大学医学部卒業
平成十四年五月   福岡徳洲会病院研修医
平成十七年六月   産業医科大学産業医実務研修センター専門修練医
平成十九年四月   三菱電機株式会社姫路製作所専属産業医
平成二十三年六月  パナソニック株式会社アプライアンス社草津西健康管理室専属産業医
平成二十四年四月  自治医科大学附属病院専属産業医(医学部助教)
平成二十六年十一月 ひまわり産業医・労働衛生コンサルタント事務所代表
平成二十七年十二月 埼玉県公害審査会委員
平成二十九年三月  自治医科大学大学院医学研究科博士課程修了
現在        ひまわり産業医・労働衛生コンサルタント事務所代表
埼玉県公害審査会委員

三〇財主議第五六九号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、左記の者を東京都公害審査会委員に任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     大内 孝子

      略歴
現住所 神奈川県横浜市
大内 孝子
昭和二十八年二月九日生(六十六歳)
昭和五十一年三月 武蔵工業大学工学部卒業
昭和五十三年三月 武蔵工業大学大学院工学研究科修士課程修了
昭和五十三年六月 三井建設株式会社入社
昭和五十五年九月 大内孝子建築設計室開設
平成九年三月   武蔵工業大学大学院工学研究科博士後期課程修了
平成十六年九月  東横学園女子短期大学講師
平成十八年四月  東横学園女子短期大学准教授
平成二十一年四月 東京都市大学都市生活学部講師
平成二十五年四月 東京都市大学非常勤講師
現在       東京都市大学非常勤講師

三〇財主議第五七〇号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員河東宗文は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     村頭 秀人

      略歴
現住所 東京都杉並区
村頭 秀人
昭和三十九年六月二十五日生(五十四歳)
平成元年三月   東京大学法学部卒業
平成元年四月   住友重機械工業株式会社入社
平成十二年十月  弁護士登録(東京弁護士会)
平成二十一年四月 東京弁護士会公害・環境特別委員会委員長
平成二十二年四月 東京三弁護士会環境保全協議会議長
現在       弁護士(東京弁護士会所属)

三〇財主議第五七一号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員牛島聡美は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     齊田 紀子

      略歴
現住所 東京都荒川区
齊田 紀子
昭和四十八年七月二十八日生(四十五歳)
平成九年三月   一橋大学法学部卒業
平成十六年十月  弁護士登録(第二東京弁護士会)
平成十八年十一月 長崎県弁護士会に登録換え
平成二十二年三月 東京弁護士会に登録換え
平成二十四年四月 東京弁護士会公害・環境特別委員会委員
現在       弁護士(東京弁護士会所属)

三〇財主議第五七二号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員山本貢平は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     落合 博明

      略歴
現住所 東京都国分寺市
落合 博明
昭和二十六年二月六日生(六十八歳)
昭和四十八年三月  学習院大学理学部卒業
昭和四十八年四月  財団法人小林理学研究所入所
昭和五十六年四月  学習院大学理学部非常勤講師
平成十九年三月   山梨大学大学院医学工学総合教育部修了
平成十九年四月   財団法人小林理学研究所騒音振動第二研究室室長
平成二十七年十一月 栃木県公害審査会委員
平成二十八年四月  一般財団法人小林理学研究所協力研究員
現在        一般財団法人小林理学研究所協力研究員
栃木県公害審査会委員

三〇財主議第五七三号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員矢野博夫は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     今泉 博之

      略歴
現住所 茨城県土浦市
今泉 博之
昭和四十年三月二十八日生(五十三歳)
昭和六十三年三月  九州大学工学部卒業
昭和六十三年四月  通商産業省工業技術院公害資源研究所
平成二十一年四月  独立行政法人産業技術総合研究所研究グループ長
平成二十四年十一月 茨城県公害審査会委員
平成二十五年五月  独立行政法人産業技術総合研究所企画本部総合企画室長
平成二十六年十月  独立行政法人産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門副研究部門長
現在        国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター地圏資源環境研究部門副研究部門長
茨城県公害審査会委員

三〇財主議第五七四号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員崎谷教孝は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     兼保 直樹

      略歴
現住所 茨城県つくば市
兼保 直樹
昭和三十八年七月二十日生(五十五歳)
昭和六十三年三月 北海道大学工学部卒業
平成二年三月   北海道大学大学院工学研究科修士課程修了
平成二年四月   通商産業省工業技術院資源環境技術総合研究所研究官
平成十一年四月  ワシントン大学大気科学科雲・エアロゾル研究グループ客員研究員
平成十七年三月  北海道大学学位取得(工学博士)
平成二十七年五月 国立研究開発法人産業技術総合研究所エネルギー・環境領域環境管理研究部門大気環境動態評価研究グループ研究グループ長
現在       国立研究開発法人産業技術総合研究所エネルギー・環境領域環境管理研究部門大気環境動態評価研究グループ研究グループ長

三〇財主議第五七五号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員細見正明は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     小林  剛

      略歴
現住所 神奈川県横浜市
小林  剛
昭和四十四年九月二十七日生(四十九歳)
平成五年三月   横浜国立大学工学部卒業
平成七年三月   横浜国立大学大学院工学研究科博士課程前期修了
平成七年四月   神奈川県入庁
平成九年四月   横浜国立大学工学部助手
平成十六年六月  横浜国立大学大学院工学研究科博士(工学)学位取得
平成十七年七月  横浜国立大学安心・安全の科学研究教育センター助教授
平成二十一年四月 横浜国立大学大学院准教授
現在       横浜国立大学大学院准教授

三〇財主議第五七六号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員崎田裕子は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     足立 夏子

      略歴
現住所 東京都世田谷区
足立 夏子
昭和三十三年五月十日生(六十歳)
昭和五十七年三月 立教大学文学部卒業
平成二十四年四月 公益財団法人日本容器包装リサイクル協会広報専門委員
平成二十七年四月 環境カウンセラー登録
現在       環境カウンセラー

三〇財主議第五七七号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員小島正美は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     鴨志田公男

      略歴
現住所 東京都文京区
鴨志田公男
昭和三十六年五月三十日生(五十七歳)
昭和六十一年三月 京都大学理学部卒業
昭和六十一年四月 株式会社毎日新聞社入社
平成二十年五月  株式会社毎日新聞社前橋支局長
平成二十二年八月 株式会社毎日新聞社北海道支社報道部長
平成二十四年四月 株式会社毎日新聞社論説委員
現在       株式会社毎日新聞社論説委員

三〇財主議第五七八号
平成三十一年二月二十日
東京都知事 小池百合子
東京都議会議長 尾崎 大介殿
東京都公害審査会委員の任命の同意について(依頼)
 このことについて、東京都公害審査会委員茢田香苗は平成三十一年三月三十一日任期満了となるため、後任として左記の者を任命したいので、公害紛争処理法第十六条第一項の規定により、東京都議会の同意についてよろしくお願いします。
       記
     山野 優子

      略歴
現住所 神奈川県横浜市
山野 優子
昭和三十四年一月十五日生(六十歳)
昭和五十六年三月  昭和大学薬学部卒業
昭和五十六年三月  東京女子医科大学第二衛生学教室入局
平成三年四月    東京女子医科大学学位取得(医学博士)
平成十三年四月   東京女子医科大学講師
平成二十一年十一月 昭和大学医学部准教授
平成二十八年十一月 昭和大学医学部教授
現在        昭和大学医学部教授

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 本件は、いずれも知事の任命に同意することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、本件は、いずれも知事の任命に同意することに決定いたしました。

○議長(尾崎大介君) 追加日程第二十から第二十二まで、議員提出議案第一号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例外条例二件を一括議題といたします。
 案文はお手元に配布をいたしております。
(議案の部参照)

○六十七番(平慶翔君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております議員提出議案第一号から第三号までについては、趣旨説明を省略し、第一号は財政委員会に、第二号は厚生委員会に、第三号は経済・港湾委員会にそれぞれ付託されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、議員提出議案第一号から第三号までは、趣旨説明を省略し、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定をいたしました。

○議長(尾崎大介君) 請願及び陳情の付託について申し上げます。
 受理いたしました請願一件及び陳情七件は、お手元配布の請願・陳情付託事項表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。
(別冊参照)

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 明三月一日から五日まで五日間、委員会審査のため休会いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認めます。よって、明三月一日から五日まで五日間、委員会審査のため休会することに決定いたしました。
 なお、次回の会議は、三月六日午後一時に開きます。
 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時四十二分散会

ページ先頭に戻る