平成三十一年東京都議会会議録第五号

   午後二時五十五分開議

○議長(尾崎大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十一番福島りえこさん。
〔四十一番福島りえこ君登壇〕

○四十一番(福島りえこ君) 少子高齢化により、国内、そして東京都の成長の鈍化、停滞が予測される中で、取り組むべきは、多様な人材が活躍できる社会に向けた投資です。
 前回の一般質問では、投資するべき事業の選定と透明性のある都政運営のために、エピソードではなく、エビデンスに基づいた事業評価と政策立案、EBPMに取り組むべきこと、エビデンスとなるデータの収集ともかかわる東京都ICT戦略、これを力強く推進すること、そして、都民の暮らしの基盤である地域コミユニティ活性化を取り上げました。
 数値目標を鑑み、着実に取り組んでいただきたい領域五つを取り上げて質疑を行います。
 一つ目は、地域コミュニティの活性化です。
 昨年の質疑で私は現役世代への働きかけを求め、平成三十年度は、東京ボランティア・市民活動センターが中心となって取り組んできました。しかしながら、その認知度は六%にすぎず、一年以内にボランティアを実施した都民を、二〇二〇年までに四〇%までふやすという目標に対して、その影響力は限定的です。
 都は、地域包括ケアシステムの構築を担う福祉保健局、多様な主体のかかわりを推進する教育庁、町会、自治会を支援する生活文化局など、複数の局が共助を促す、そして、必要とする事業を実施しており、平成三十一年度の予算発表資料からコミュニティ活性化にかかわる施策を抽出すると、その総額は二百億円を超えます。
 都は、これらの事業について、顔見知りから始まり、信頼関係が培われ、共助がなされるという、ソーシャルキャピタル醸成の一連のプロセスを踏まえたPDCAを行うべきです。
 例えば、ある民間会社は、地域のイベント情報を通知するアプリを開発、登録ユーザーがどれだけの情報や人とつながり、何回やりとりしたかというアクティビティーからソーシャルキャピタルを導出しています。
 中央区や江東区では、区がかかわるさまざまな場面でこのアプリのインストールを促し、行政が実施した事業の評価を行うとともに、これまで難しかった若年層へのリーチと区民自治の強化を図っています。
 我が会派が継続して質疑で取り上げてきたように、東京二〇二〇大会で活躍する各種ボランティアの存在は、共生社会の実現につながる貴重なチャンスです。
 昨日の鳥居都議の質疑に対して、シティキャストの希望者には、大会後も情報提供を継続するとの答弁がありましたが、このフレームを地域活動など、シティキャスト以外にも広がるように生かすべきです。
 都は、ボランティア文化定着のために、シティキャストのデータベースや運営システムを大会後も活用する考えと聞いておりますが、具体的取り組みを伺います。
 二つ目は、中小企業の活性化です。
 今般、都が策定した中小企業振興ビジョンには、五つの数値目標とともに、東京固有の社会課題解決に向けて多機関連携を促すという、国際競争力獲得に向けた取り組みが盛り込まれています。
 一方、東京の事業者の八割以上を占める零細企業に対して、都は、商工会議所などの団体と連携し、昭和三十二年より小規模企業対策事業を実施しています。零細企業から経営や税務、法律などの相談を窓口と訪問でそれぞれ年間七万件、計十四万件を受け付けるという、いわばインフラ的な事業ですが、毎年二十億円を超える予算を計上しています。
 予算をより効果的なものとし、小規模企業の活力をさらに高めていくためには、事業による効果等を把握し、改善を検討するなど、PDCAサイクルを回していくことが必要と考えますが、見解を伺います。
 三つ目は、女性活躍推進です。
 二〇二〇年までに女性管理職比率を三〇%にするという政府目標ですが、二〇一五年末の第四次男女共同参画基本計画で一五%に下方修正されたように、その実現は容易ではありません。昨年、会派の女性都議有志で開催した女性のための政治サロンでも、キャリアを築くための環境が不十分という声を多くいただきました。
 都内産業の持続的発展には、女性を初めとする多様な人材が企業経営に参画し、多様化する市場への対応力を高める必要があります。先行する民間企業では、女性の経営者候補を経営者のシャドーイング、平たくいえば、かばん持ち的に付き添わせることで意思決定を学ばせる取り組みも行われています。
 都は、子育てとの両立のために保育政策に注力してきましたが、今後は、キャリア形成するための環境整備や、女性経営者特有の、自宅兼事務所だと保育園に入りにくい、身近にロールモデルがいないなどの課題解決にも取り組むべきです。
 まずは、取り組みの第一歩として、都は、女性経営者の抱える悩みや課題にしっかりと耳を傾けながら、その活躍推進に資する政策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。
 四つ目は、教育施策です。
 先日、ICT教育で先行する小金井市立前原小学校を視察し、子供の二十年後に責任を持つというメッセージに強く共感しました。教育の果たす役割は大きく、都もさまざまな施策と多くの評価に取り組んでいますが、そのPDCAには改善の余地があると考えます。
 例えば、都は、小中学校の少人数習熟度別指導や基礎学力定着のための教材、東京ベーシック・ドリルなど独自の施策を行っていますが、全国学力調査の結果がよかったとしても、都内の生徒は通塾している割合が高く、この影響を考慮する必要があります。
 また、都立高校における理数教育を初めとする特色ある学校づくりについては、生徒の進学志向や、進学先の調査をもって評価としていますが、理想的には、より長期かつ前後のトラッキングも行うべきです。一方、アクティブラーニングにおける主体性やプログラミング教育における科学的、論理的思考など、評価方法自体が検討段階であることも少なくありません。
 このように教育施策の評価は容易ではありませんが、複数要因が絡むからこそ統計的扱いは不可欠であり、精度向上にはデータの蓄積が重要です。このため、私は昨年より文教委員会の質疑で、たびたびEBPMの重要性を訴えてまいりました。
 そこで、教育長の教育分野におけるEBPMの推進に対する意気込みを伺います。
 次に、教育機会における経済格差についてです。
 日本の子供の貧困率は七人に一人と、先進国の中でも最悪です。都は、この社会課題に向き合い、授業料無償化や給付型奨学金などの制度を設けていますが、提出書類が多い、支給時期が遅い、スーパーサイエンスハイスクールなどのプログラム参加費が給付型奨学金の対象外であるなどの課題について、今後の改善を要望します。
 一方、民間企業や団体もCSRやCSVの観点で、奨学金または就学援助を始めています。しかしながら、DV被害などで居どころを明かすことが安全を脅かすケースに思い至らず、申請時に住民票や戸籍の提出を求めたり、犯罪被害者の子供向け奨学金で、親の犯罪被害体験を子供に書かせるなど、申請プロセスに配慮が不足している場合もあるようです。
 現在、奨学金や就学援助に関する情報の収集は各学校に任されていますが、情報の質と量の両面で効率がいいとはいえません。
 必要としている子供に適切な情報が届くように、各種奨学金や就学援助に関して安心して使える情報のデータベースをつくり、加えてマッチングコーディネーターを配するなど、都が環境を整備するべきと考えますが、見解を伺います。
 五つ目は、都の廃棄物最終処分場についてです。
 現在、区部においては基礎自治体が回収と焼却、都の廃棄物最終処分場が焼却灰の受け入れを担っていますが、処分場のキャパシティーがあと五十年しかもたないという、有償所管がえ後の豊洲市場の持続性と同レベルの試算がされています。
 一方、市部では分別を推進し、発生した焼却灰もセメント原料に転用するなど、焼却灰を埋立処分せずに処理できています。
 すなわち、市部に比べておくれている二十三区における分別を促進し、リサイクル可能な紙ごみやプラごみの焼却ごみへの混入を抑制、焼却灰を減らすことができれば、最終処分場の延命が可能です。
 そして、分別推進にごみ袋の有料化が有効であることは、都の廃棄物審議会プラスチック部会の議論などで結論づけられています。東京二十三区清掃一部事務組合が平成二十二年に発行した廃プラスチックのサーマルリサイクルの効果と影響についてによれば、分別推進はCO2削減にもつながります。
 都は、焼却灰受け入れ単価を上げるなど、二十三区の分別推進、焼却灰削減を促すべきだと考えますが、見解を伺います。
 加えて、使用量の削減も重要です。
 都は、東京二〇二〇大会を初めさまざまなイベントで、啓発目的にボールペンやクリアホルダー、動画の入ったDVDなどを配布しています。また、東京二〇二〇大会に向けたシティードレッシングでも、マイクロプラスチックの原因といわれる大量の化学繊維が用いられる予定です。
 都は、既にグリーン調達を実施していますが、ストローやレジ袋の使用抑制に加え、都が配布するノベルティーについて脱プラスチックや配布量の適正化、事業で発生する廃棄物の扱いについて指針を設けるなど、環境先進都市にふさわしい取り組みを推進するべきだと考えますが、見解を伺います。
 以上、目標達成や効果検証、持続性に課題のある五領域を取り上げて質疑を行いました。
 最後に、二年目に入る東京都ICT戦略についてです。
 今年度予算では、東京都ICT戦略に六百八十八億円を投入していますが、この領域で都が先行しているという話を聞きません。平成三十一年度では七百二十八億円を予算計上、政策企画局には、戦略政策情報推進本部が新たに設置されます。
 そこでまず、この新たな本部を設置する狙いと取り組みについて、知事の見解を伺います。
 GAFAが国家をも超える覇権を得ていることから明らかなように、ICT化の真髄は、データを用いた最適化と価値創造です。
 平成三十一年事業案には、デジタル地域通貨に関する調査検討及びモデル事業が盛り込まれていますが、先行事例として、岐阜県飛騨高山地域の地域通貨、さるぼぼコインがあります。
 QRコードを印刷するなど、少ない負担で加盟店でのスマホ決済が可能となり、顧客が少額決済から解放される利便性はもとより、アプリのGPS情報や顧客の属性とリンクされた利用状況をビッグデータとしてAI解析することで、顧客に向けた最適なサービスなど、新たな価値を創造できます。
 東京都ICT戦略の成果の源泉となる、このデータ利活用の阻害要因は、区市町村保有のデータなどが使える形式になっていない、企業のデータ囲い込み体質、個人情報漏えいリスクなどであると聞いています。
 そして、これらの解決策としてのデータプラットホームについては、一昨年の第三回定例会議総務委員会質疑で取り上げ、当時の局長より、都政の多様な行政分野を内包する都全体のプラットホームも視野に入れて検討するとの答弁を得、会派の予算要望にも盛り込んでまいりました。
 あらゆるICT関連事業のサービス提供は、クラウド型を基本とし、集めた全てのデータはセキュリティーを確保した上で、開示、非開示の情報など、データ開示基準を明確にした上で、多様な主体がアクセスできるようにすることで、都の社会課題に関する調査研究、そしてEBPM、すなわち政策立案やサービス開発が進むことが期待されます。
 行政や民間のビッグデータを活用する仕組みを都が先導して構築する必要があると思いますが、見解を伺います。
 また、このデータプラットホームを機能させるためには、都の職員みずからが政策立案におけるデータ利活用を通じて、その活用スキルを高めていく必要があります。
 今後、都庁におけるデータ利活用の推進には、ICTを的確に取り入れながら、データを効率的、効果的に用いることのできる人材の確保、育成が不可欠と考えますが、都の見解を伺います。
 以上をもって質疑を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 福島りえこ議員の一般質問にお答えいたします。
 戦略政策情報推進本部の設置についてのご指摘でございます。
 本格的な人口減少社会が到来する中で、国際的な都市間競争を勝ち抜くためには、急速に進展する最先端技術の革新など、環境変化に対応した東京の成長戦略を進めることは重要であります。
 そこで、国際金融都市東京の実現に向けた取り組みや最先端技術を活用した新技術の創出、さらには都政のICT利活用を推進するため、新たに本部を設置することといたしました。
 今後は、戦略政策情報推進本部を中心といたしまして、国家戦略特区等の活用や、東京二〇二〇大会を見据えた最先端技術のショーケーシング、また、フィンテック産業等の育成など、東京の成長に資します戦略的な事業を集中的に展開をいたしてまいります。
 さらに、議員もお詳しい分野でございますけれども、ICTの利活用による事業構築、AI、RPAを活用いたしました都におけます効率的な業務運営への転換などについて、民間人材のさらなる活用などで取り組みの一層の加速化を図ってまいります。
 これらを一体的かつ局横断的に進めていくことによりまして、東京が日本経済を牽引するとともに、社会的課題の解決を図って、日本全体の持続的な成長へつなげてまいります。
 残余のご質問は、教育長、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、教育施策にかかわる評価についてでございますが、教育の成果は多様な要因が複雑にかかわり影響することから、各事業の目的や内容に照らして、効果測定のために必要な情報を可能な限り収集、分析することで、教育施策を改善、展開していくことが重要でございます。
 こうした考えのもと、都教育委員会では、施策の取り組み状況やその効果を評価する際、さまざまな調査結果などの客観的なデータに加え、児童生徒や教員等へのアンケート結果を取り入れるなど、多面的、多角的な評価となるよう努めております。
 さらに、毎年度実施している点検、評価では、教育や企業の有識者による分析を施策の見直しや改善に反映させております。
 今後とも、確かな根拠に基づいた施策評価を通じ、教育行政の一層の推進を図ってまいります。
 次に、教育における経済的支援に関する情報提供についてでございますが、都立高校等の生徒等に対する経済的支援には、都及び国の制度による支援のほか、あしなが育英会や交通遺児育英会等の団体や民間企業が主体的に実施しているものなど、さまざまなものがございます。
 都教育委員会は、こうした多様な経済支援制度を、都立高校、都立中学校等の生徒等が円滑に活用できるよう、その内容を把握して、都教育委員会のホームページに掲示してまいります。
 また、これらの情報の活用を担任教員等にも促し、適切な情報が学校からも生徒に届くようにしてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 大会後のボランティア活動の継続についてでありますが、東京二〇二〇大会を契機に高まったボランティア活動への参加機運を大会後も維持発展を図り、活動の継続につなげていくことは重要であります。
 シティキャストとして活動いただいた方には、ご本人の意向を踏まえ、地域における活動を含めたボランティア情報を幅広く提供するとともに、希望する方に活動を継続いただける仕組みを検討してまいります。
 また、シティキャストの募集や運営を行うシステムについて、大会後、都が運営する他のボランティアにも活用できるよう、再構築に向けた検討を行ってまいります。
 大会に参加したボランティアによるさまざまな活動の継続を支援し、地域活動の活性化やボランティア文化の定着が図られますよう、関係機関とも連携して取り組んでまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、小規模企業に対する支援についてでございますが、小規模企業は、地域で経済を支え、産業活動の基盤として重要な役割を担っており、その事業の持続と発展を図るためには、企業の抱える課題や地域の状況などを踏まえ、より効果的な支援を行っていく必要がございます。
 このため、都は、各企業の実情に詳しい地域の経済団体と連携協力をいたしまして、経営相談や技術開発のサポートなどを企業の現場にも出向いてきめ細かく行っております。これらの実績や支援による成功事例等につきましては、定期的に把握をし、経営相談等の事業内容に反映をさせているところでございます。
 今後は、事業の実施状況や課題等に関し、都と経済団体が意見交換を行う機会をふやすなど、支援の効果等についてより詳しく分析するなどの取り組みを進め、小規模企業へのサポートの質を高めてまいります。
 次に、女性経営者の活躍を促進する取り組みについてでございますが、都は、ことし一月、女性経営者が一堂に会し、ビジネス分野での活躍の機運を盛り上げる会議を開催いたしました。この会議では、参加者が直面するさまざまな状況を共有し、その克服に向けて議論するとともに、相互の交流も深めたところでございます。
 また、会議の活発な議論を通じ取りまとめました都のサポートに関する政策提言もいただいているところでありまして、その中には、参加者をふやし、議論のさらなる活性化を図ることに加えまして、課題解決につながる相談や情報提供の体制づくりですとか、そのほか女性経営者の成功事例の発信等が盛り込まれたところでございます。
 これらを踏まえまして、新年度には、会議の拡充を図りますとともに、先輩の社長による相談対応やセミナーを通じた情報提供を行うこととしております。また、事業を伸ばす女性経営者の実例を広く発信し、後に続く女性経営者のキャリア形成に役立ててまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、区部における埋立処分量の削減についてでございますが、これまで過去二十年で、区部の埋立処分量はほぼ半減してまいりましたが、現在埋め立てを行っています新海面処分場が東京港内最後の処分場であることから、さらなる分別、資源化の推進などによる埋立処分量の削減が必要でございます。
 そこで、都と区は共同して、さらなる埋立処分量の削減について検討を重ね、東京二〇二〇大会までに廃プラスチック類の埋め立てを終了することにいたしました。
 今後も貴重な処分場をできる限り延命化できるよう、廃棄物審議会での議論も踏まえ、プラスチック製容器包装の分別収集のさらなる実施を区に働きかけてまいります。
 また、区とともに、3R施策の推進や焼却灰の資源化など、処分場への搬入量を減らす検討を進めるほか、都民の協力が得られるよう、わかりやすい広報に努めてまいります。
 次に、都の調達におけるプラスチックの使用抑制等の取り組みについてでございますが、都は、都内最大の事業者、消費者として、日常業務活動から生じる環境負荷の低減を図るため、東京都グリーン購入ガイドで、各局等における環境に配慮した物品や役務の調達を推進してございます。
 プラスチック等の物品につきましても、これまで適正量での調達はもとより、容器包装廃棄物の排出抑制や使用後の再利用、再生利用等の取り組みを求めてまいりました。
 今後、持続可能な資源利用を一層推進していくため、グリーン購入ガイドの改定も含め、都みずからの事業活動によるプラスチックのさらなる削減の取り組みを検討してまいります。
〔政策企画局長梶原洋君登壇〕

○政策企画局長(梶原洋君) ビッグデータの活用についてのご質問にお答えをいたします。
 ビッグデータは、第四次産業革命技術を代表するものでございまして、ご指摘のとおり、行政や各事業者に分散する多様かつ大量のビッグデータを活用することは、都民サービスの向上や新たなビジネスチャンスの創出につながるものでございます。
 しかし、現在、行政データの環境整備のおくれや民間事業者によるデータの囲い込み等により、ビッグデータの提供や活用は不十分な状況にございます。
 そのため、来年度都が設置をいたしますソサエティー五・〇の実現に向けた有識者による検討会では、データ利用の専門家を初め、さまざまな分野の有識者から意見を伺いながら、安全かつ開放型の官民連携のデータプラットホームの導入に向けた調査検討を行ってまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) データ利活用に向けた人材の確保、育成についてでございますが、データ利活用の推進のためには、ICTの効果的な活用と職員のデータ分析、活用能力の向上が不可欠でございます。
 都はこれまで、統計データの利活用に関する職員の基礎的なスキルを高めるため、セミナーの開催などを行ってまいりました。また、ICTに関する最新の知識を有する民間人材を管理職として採用し、各局の取り組みを支援してきたところでございます。
 来年度は、これらに加え、約百二十名の若手職員を対象に、地域経済に関する多様なデータを政策立案に活用する手法を習得するための研修を新たに実施いたします。
 こうした取り組みを通じまして、EBPMを支える人材を育成し、一層のデータ利活用を推進してまいります。

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