平成三十年東京都議会会議録第十七号

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(尾崎大介君) 次に、日程の追加について申し上げます。
 議員より、議員提出議案第二十一号、東京都議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例が提出をされました。
 これを本日の日程に追加をいたします。

○議長(尾崎大介君) 昨日に引き続き質問を行います。
 六十四番石川良一君。
〔六十四番石川良一君登壇〕

○六十四番(石川良一君) 昨日、与党の税制調査会において、地方法人課税における新たな偏在是正措置の方針がおおむね固まってきました。暫定措置の廃止により、全額地方税に復元されるはずであった法人事業税の一部が恒久措置として国税化されるという、まるで平成二十八年度税制改正における偏在是正措置の議論をないがしろにする内容であり、巨額の財源が都から地方へ移転されることで、都政運営への影響が強く懸念されるところであります。
 昨日の代表質問にもありましたが、昨年十二月の与党税制改正大綱において、新たな偏在是正措置を講じる考えが示されて以来、東京都は、ことし四月以降、さまざまな手だてを講じ、都民生活や、東京そして日本の将来の発展を見据えた都の考え方を訴えるとともに、知事、都議会各会派、そして都内区市町村が連携して国への要請活動等を積極的に行い、まさにオール東京での活動を展開してまいりました。
 東京、そして日本の将来を考えたとき、今、一体何をなすべきなのかが最も重要なわけであります。
 しかし、国の議論は、大局的な視点ではなく限られたパイを奪い合うものとなり、初めから地方間の財源の水平調整ありきで議論を進めてきており、結果として都に巨額の減収をもたらし、問題の本質的解決にはつながらない場当たりそのものの措置を、また講じることとなったわけであります。
 限りあるパイを奪い合うといった発想から、地方の真の自立にほど遠いと断ぜざるを得ないわけであります。深い憂慮を覚えるところでございます。
 地方自治体の真の自立を確立するためには、どのような税財政制度を目指すべきか、知事の見解を伺います。
 地域力の再構築について伺います。
 本年九月、鬼才小室直樹博士の思想的軌跡をたどった評伝小室直樹が出版をされました。氏は、社会学者で、学際的に活躍をし、弟子には、橋爪大三郎東工大名誉教授、宮台真司首都大学教授、本年の予算委員会の結婚支援問題で私から紹介をさせていただいた山田昌弘中央大学教授などもおり、アカデミズムの世界以外でも幅広く薫陶を受け活躍をしている人材を輩出しております。
 小室直樹氏といいますと、一九八〇年にソビエト帝国の崩壊を著し、ソ連崩壊を予想し、十一年後の一九九一年、実際にソビエトを初め共産国の崩壊が始まったことで、とりわけ注目をされるようになりました。ソビエトは、アノミー、すなわち社会規範や共同体の紐帯が失われることを意味するわけでありますけれども、アノミーによって崩壊することを喝破した、見抜いたわけであります。
 氏は、敗戦とGHQの統治によって、我が国のアノミー化が始まっており、地域の共同体を初めさまざまな社会集団の連帯意識が後退をし、崩壊していくことを指摘しております。戦後の学生運動も、アノミー化が根底にあり、現実的な目標を持たない運動となり、成果を得ることができなかったとしております。そして、アノミーによって連合赤軍リンチ殺人事件や、オウム真理教の犯罪も起こっており、特に学校現場のいじめ問題は、かつてのいじめとは異なり、誰がいじめているのか、主体のない空気によって支配されていることもアノミー化のあらわれとしております。
 私の実感としても、地域社会を見ても、人と人との連帯意識も後退をしており、人々が孤立をし、孤独化していく流れにあることは否定できないわけであります。
 行政のトップとして、小池知事に、時代認識として戦後のアノミー化についての見解を伺いたいと思います。
 人の幸福度は五十代で底を打ち、その後また上昇していく傾向を示していますが、先進国の中で日本だけが右肩下がりで落ちていき、年をとればとるほど不幸を感じる人がふえています。日本の高齢男性が、コミュニケーション力の不足も手伝って世界一孤独といわれています。
 孤独はあらゆる病気を引き起こす万病のもととなるといわれていますが、国も地域も孤独対策に力を入れていないのが現状であります。
 高齢者の孤独対策が最も進んでいるのがイギリスです。イギリスでは、孤独が問題視され始めたのはここ五、六年のことで、孤独が健康に甚大な影響を与えるとのことから、二〇一一年から孤独を終わらせる目標を立ち上げ、研究、調査、キャンペーンも行われ、高齢者支援団体のインディペンデント・エイジレポートは、男性の孤独は国の非常事態といえる大きな問題と指摘をしております。そして高齢者向けの二十四時間三百六十五日の電話相談サービスも始まっています。
 東京都として、支援が届きにくい孤独な高齢者に対して、相談体制の強化に向けてどう対応するのか伺います。
 注目を集めているのがスマートウエルネスシティーです。大阪府高石市が二〇一四年から始めた健康ポイント事業は、市内を歩くことやイベントに参加すること、健康診断を受けることなどでポイントをためて、地域商品券などとして還元し、住民をさまざまな地域事業に参加してもらう工夫がなされております。
 また、稲城市がスタートさせました介護支援ボランティア事業も、六十五歳以上の介護保険の対象の高齢者が、介護施設などのボランティアとして活動しポイントをためるというもので、家に引きこもらずに社会活動に参加をしてもらう事業も注目をされております。
 東京都としても、高齢者の地域活動を促進していくための支援が必要と考えます。見解を伺います。
 超高齢化、生産年齢人口の減少、国の借金の拡大などもあり、医療、介護、福祉、労働、教育、防犯、防災、どれをとっても、行政だけに頼ることが難しい時代に入ってきています。今まで以上に地域力を必要とする時代に突入しています。しかし、自治会や町会など基礎的コミュニティの組織率が低下をしており、地域力を向上させていくためには、地域でさまざまな活動を行っている団体の活性化が必要です。
 そのため、町会、自治会が中核となり、さまざまな地域団体と連携し、地域全体で取り組む必要があり、都の支援は欠かせません。所見を伺います。
 次に、基地、空港問題について伺います。
 平成十七年、多摩地域商工会、商工会議所二十六団体によって、横田基地軍民共用化推進協議会が設立され、その後、多摩地域経済団体横田飛行場民間利用促進協議会も立ち上がり、この会に私も出席をさせていただきました。地元の経済団体も横田基地の軍民共用化が実現すれば、経済効果は、およそ一千六百十億円に上るという試算もあり、多摩地域発展に大きな期待を寄せているわけであります。
 しかし、舛添知事の時代には、基地返還問題が俎上に上がることはほとんどありませんでした。
 二〇一九年にはラグビーワールドカップ、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックの開催があり、横田基地の軍民共用化推進のため、またとない機会と考えます。
 横田基地の返還、横田基地の軍民共用化を推進すべきと考えますが、都の姿勢を改めて知事に伺います。
 横田基地は、東京五市一町にまたがり、その上空に広がる横田空域は、一都九県にも及びます。戦後、GHQが日本の空の管制権を掌握して以来、日米地位協定に基づき、今も米軍の管理下に置かれていますが、民間航空機がこの空域を飛行する場合、米軍による航空管制を受けねばならず、大きく旋回するルートを通らねばなりません。
 一九九二年に続き二〇〇八年、横田空域の一部が返還が決まり、飛行ルートの改善により、燃料削減などの経済効果は年間で九十八億円に上り、CO2の削減効果も明らかにされました。これは全面返還と軍民共用化を主張し続けた成果といえるかと思います。
 しかし今、羽田空港の発着枠をふやす交渉が、横田空域を数分間通るため、米軍との間で難航していたとのことで、通過時間帯を午後の短い時間に限ることで、米軍は日本側の管制を容認するとの報道がありました。
 そもそも戦後七十三年もたって、主権国家でありながら、外国の軍隊が首都の空域を支配しており、米側の容認を求めること自体、どちらに主権があるのかわからない逆転の状態といわざるを得ません。先ほど指摘をした国をアノミー化させる要因となるわけであります。この問題を放置してきたことを国民の一人として恥じるばかりであります。
 横田空域返還のための東京都の姿勢について改めて伺います。
 また、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピックに向けてビジネスジェットでの来訪を促進すべきと考えますが、具体的な施策について伺います。
 平成二十九年八月三十一日に多摩サービス補助施設の一部が返還されました。今回返還された土地は、日米地位協定に基づき、共同使用という位置づけにより、これまで稲城市が使用許可を受けてきた区域で〇・九ヘクタールであります。
 地元多摩市、稲城市では、南多摩ニュータウン協議会などを通じて、多摩サービス補助施設全体の返還を要請し、当面の対策として共同使用の促進を提案してきました。多摩サービス補助施設は、広域的な自然公園とするための声を上げ続けなければなりません。
 ついては、一部返還後も、二百ヘクタール近い面積を有する多摩サービス補助施設全体の返還に対する都の取り組みについて伺います。
 次に、多摩振興について伺います。
 東京二〇二〇大会において、多摩地域での実施競技は極めて少なく、東京開催にもかかわらず、オリンピック・パラリンピックの開催を体感する機会は、東京スタジアムと武蔵野の森総合スポーツプラザに限られております。
 唯一、多摩地域で広域的に実施される自転車ロードレースは、東京、武蔵野の森公園をスタートし、都内八市を通り、富士スピードウェイにゴールします。八市の市長が、東京二〇二〇大会における自転車ロードレースについて共同声明を発表し、多摩地域全体の振興につながるよう各市で連携した取り組みを行うとしております。
 そこで、東京二〇二〇大会に向けて多摩地域の市町村が、例えば、自転車ロードレースに関するイベントを実施するなど、多摩地域のスポーツ振興や観光振興につながる取り組みを行う場合、都も支援をすべきと考えますが、所見を伺います。
 また、自転車ロードレースのコースについて、競技会場に該当することから、組織委員会がコースを装飾することになっていると思いますが、距離が長く、全てにわたって装飾を施すことは困難だと考えられます。沿道の大会の雰囲気を盛り上げるためには、地元自治体の協力が必要です。
 自転車ロードレースのコースはもちろんのこと、競技会場が少ない多摩地域にこそ、住民に大会を体感していただけるよう、地域全体のシティードレッシングに取り組んでいく必要があります。
 多摩全体を盛り上げていくという観点から、多摩地域のシティードレッシングについて、市町村の取り組みを支援していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 最後に、公園トイレの洋式化について伺います。
 多摩ニュータウンのまち開きから五十年近く経過をしようとしており、その当時整備をした公園のトイレも老朽化し、洋式化、バリアフリー化などの改修が必要となってきております。
 都では、東京二〇二〇大会に向け、昨年度から三年間の時限制度として、ユニバーサルデザインのまちづくり緊急推進事業を開始し、トイレの洋式化等を積極的に推進していることは高く評価をするところでございます。
 しかし、多摩ニュータウンの公園のトイレは数も多く、来年度までの一斉改修は困難であり、二〇二〇大会後もレガシーとしてこの取り組みを継続すべきであり、そのことを強く要望するところでございます。
 そこで、本事業の実績及び今後の方向性について伺います。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 石川良一議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、税財政制度についてのご質問がございました。
 市長を務められた石川議員はよくご存じでありますが、地方自治体は、みずからの権限と責任のもとで地域の課題解決と発展に取り組むために、地方の自主的、自立的な行財政運営を支え得る地方税財政制度の確立が必要不可欠であるということはよくご存じだと思います。
 こうした中にありまして、今般の税制改正において国が新たに講じようとしている、いわゆる偏在是正措置でございますが、地方税の国税化を推し進めるものであります。そして、地方の自主財源を充実させるどころか、地方の真の自立に資する地方分権の実現に逆行するものである、このように思います。
 人口減少、そして高齢化がますます進んでいる我が国の持続的な成長が危ぶまれる中にありまして、地方自治の力で、東京を含めて、あまねく地方があすへの活力を育み、将来にわたって日本全体が輝き続けられるように、それを支える地方税財政制度を実現することは極めて重要でございます。
 国と地方の役割分担や、国、地方間の税財源の配分の見直しなど、地方税財政制度の抜本的な改革に本腰を入れて取り組むよう、国に対ししっかりと訴えてまいります。
 久々に小室直樹氏のお名前をお聞きすることができました。ノーベル賞の季節でございますが、この小室直樹氏ほどノーベル賞にふさわしい人はいないと、このように今も私は確信している一人でございます。
 戦後のアノミー化についてのご質問でございます。
 アノミーというのは、一般的には、社会的規範の動揺や弛緩、崩壊などによって生じる混沌状態を指す言葉とされております。そしてエミール・デュルケームなど多くの社会学者がさまざまな解釈を試みている概念であると承知をいたしております。
 ご指摘の、人の連帯意識の後退につきましては、核家族が進むとともに、最近の都の調査におきましても、近所づき合いがないと回答した高齢者が一割に上るなど、地域におけますつながりの希薄化が進んできていると認識をいたしております。
 今年度策定いたしました重点政策方針二〇一八におきましては、人をつなぎ、東京の活力を生み出すための八つの戦略を掲げております。現在、これらに基づいて、誰もが生き生きと輝くダイバーシティーなど、新しい東京を実現することを目指しております。
 引き続き、人に着目をいたしました施策を幅広く展開することで、誰もが人と人とのつながりの中で輝いて安心して暮らせる、そんな東京をつくり上げていきたいと考えております。
 横田基地のご質問でございます。
 まず返還、そして軍民共用化の推進についてであります。
 日米地位協定では、米軍基地について、必要でなくなった場合は我が国に返還しなければならない、その必要性を絶えず検討する旨が定められております。
 このため、都といたしまして、都民の生活環境を改善し、地域のまちづくりを推進する観点から、横田基地を含めて、米軍基地の返還の可能性が検討され、整理、縮小、返還が促進されますよう、国に要請をいたしております。
 同時に、都は、首都圏西部地域の航空利便性の向上や多摩地域の活性化などに向けまして、横田基地の軍民共用化に取り組んでいるところでございます。
 さらに、東京二〇二〇大会の開催時には、海外からの来訪者の増加も見込まれております。この問題につきましては、外交、安全保障にかかわることから、国と連携していくことが不可欠でございます。
 今後とも、地域からの声も聞きながら、国に日米協議の進展を働きかけるなど、横田基地の軍民共用化の実現に取り組んでまいります。
 空域の返還についてでございます。
 米軍が管理する横田空域は、一都九県にわたる広大な空域でありまして、都はかねてよりこの全面返還に向けて国に要請を重ねてまいりました。
 平成二十年の九月には、空域の一部が返還されまして、飛行時間の短縮や燃料消費の削減などが図られたところでございます。
 首都圏の空域を再編成して、より安全で効率的な航空交通を確保していくためには、今後とも、管制業務とあわせ横田空域の全面返還の実現を国に要請をしてまいります。
 残余の質問は、関係局長からお答えさせていただきます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、高齢者の相談体制についてでありますが、現在、区市町村では、地域の高齢者の状況を把握し、相談や支援につなげるため、地域包括支援センターを拠点といたしまして、地域の実情に応じた相談支援体制を構築しております。
 都は、この相談支援体制の充実を図るため、センターと地域の医療機関や介護事業者などとのネットワークづくりを進める社会福祉士等の専門職の配置や、ひとり暮らしの高齢者への訪問や安否確認などにも対応する相談窓口の設置を支援しております。
 また、高齢者を日常的に見守り、異変に気づいた際に専門機関につなぐサポーターの養成や、民生委員、自治会等による見守り活動など、地域の実情に応じた取り組みを包括補助で支援しており、区市町村における相談体制の強化を図ってまいります。
 次に、高齢者の地域活動への支援についてでありますが、高齢者が地域で安心して暮らし続けるためには、時には高齢者自身が地域社会を支える担い手になるなど、地域とのつながりを持つことが重要でございます。
 都は、高齢者の介護ボランティア活動等でのポイント制の導入や、社会参加のきっかけづくりを目的としたセミナーの開催などに取り組む区市町村を包括補助等で支援しているところでございます。
 また、地域活動の担い手の掘り起こしなどを行う区市町村の生活支援コーディネーターに対し、実践的な対応力を養うための現任者研修を今年度から新たに開始しており、今後とも、区市町村と連携し、高齢者の地域活動への参加促進に取り組んでまいります。
 最後に、トイレの洋式化についてでありますが、都は現在、庁舎、公園、図書館等の公共施設の和式トイレの洋式化と、その際にあわせて行う手すりやベビーチェアの設置など、利用者の視点に立って、より使いやすい設備に改修する区市町村の取り組みを支援しております。
 昨年度は、三十二区市町の三百六十八基の洋式化等の取り組みを支援し、今年度は、区市町村の意向調査を踏まえまして、千二百基分に拡大して補助することとしております。
 今後とも、高齢者、障害者、外国人旅行者など、誰もが快適に利用できるよう、公共施設のトイレの改修を進めるため、事業説明会等を通じまして、具体的な取り組み事例を周知するなど、区市町村に対しまして補助制度の活用を働きかけてまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 地域力の向上に向けた支援についてでございますが、防災、防犯や高齢者見守り等、地域における課題解決の取り組みを活性化し、地域力を向上させていくためには、町会、自治会と地域のさまざまな団体との連携が効果的でございます。
 このため、都は、町会、自治会活動を支援する地域の底力発展事業助成におきまして、消防団、NPO、社会福祉法人等他の地域団体と連携して実施する事業に対し、単独実施する場合よりも助成限度額を増額し支援をしております。
 また、町会、自治会の運営に関し、有識者等をアドバイザーとして派遣する事業では、他の地域団体等との協働や連携を進めるために必要な助言も行っております。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、町会、自治会がさまざまな地域団体と連携した活動を地域で行えるよう支援をしてまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京二〇二〇大会におけるビジネス航空への取り組みについてでございますが、ビジネス航空は、グローバルな企業活動に不可欠なツールとして、欧米や中東、アジアで広く利用されており、東京の国際競争力を強化するため、さらなる受け入れ体制の強化が必要でございます。
 とりわけ東京二〇二〇大会では、過去大会の実績等から、多くのビジネスジェットの飛来が想定され、円滑な大会運営のためにも、利用者の利便性確保が重要でございます。
 このため、羽田空港及び成田空港において対応することを基本としつつ、開会式前日等の需要のピーク時には、他の近隣空港の活用も視野に入れる必要がございます。
 今後とも、都は、大会時に必要となるビジネス航空の受け入れ環境の整備に向け、国に働きかけてまいります。
 次に、多摩サービス補助施設の返還についてでございますが、米軍基地については、日米地位協定に基づいて、必要でなくなった場合には我が国へ返還されなければならず、その必要性が絶えず検討されることになっております。
 多摩サービス補助施設は、市街地に隣接する貴重な緑地であり、広く都民に開放するため、直ちに返還がなされるよう、都は提案要求等を通じ、国に要請してまいりました。
 こうした取り組みにより、平成二十九年八月に、その一部である〇・九ヘクタールが返還され、稲城市の公園として活用されております。残る緑地についても、地元住民を初め多くの都民が利用できるよう、多摩サービス補助施設の早期返還に向け、引き続き国に働きかけてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京二〇二〇大会に向けた多摩地域の市町村の取り組みに対する支援についてでございますが、大会の開催を通じて、多摩地域の振興を図るためには、都民に身近な市町村と連携した取り組みが重要でございます。
 このため、都は、市区町村が行う競技体験イベントやアスリートによる講演会、スポーツを活用した観光PRなどの取り組みに対し補助を行っております。
 また、国際交流や地域の活性化を進められるよう、市区町村による事前キャンプ受け入れの実現に向けて、海外のオリンピック委員会等に対し、施設のPRや視察の受け入れなどの調整を行っております。
 今後とも、多摩地域が一層盛り上がるよう、自転車ロードレース等の競技紹介やイベントの実施など、各市区町村のさまざまな取り組みを支援してまいります。
 次に、東京二〇二〇大会のシティードレッシングについてでございます。
 都内の全域の祝祭感を盛り上げるためには、競技会場周辺やラストマイルを中心に、都が実施するシティードレッシングに加えまして、自治体等のご協力を得ながら、多摩地域のシティードレッシングを推進していくことが重要でございます。
 大会本番に向けて、地元の商店街や人通りの多い道路等を大会ルックを使った統一的なデザインのフラッグなどで積極的に装飾していただけるよう、市区町村に対し、補助制度による支援のほか、適切な情報提供を行いまして、実施に向けた各種相談にも丁寧に対応してまいります。
 今後とも、多摩地域を初め、都内全域の盛り上げにつながるよう、市区町村の取り組みをしっかりと支援してまいります。

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