平成三十年東京都議会会議録第十六号

   午後六時四十分開議

○副議長(長橋桂一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百四番尾崎あや子さん。
〔百四番尾崎あや子君登壇〕

○百四番(尾崎あや子君) 日本共産党都議団を代表して質問します。
 まず、市場移転問題です。
 小池知事は、食の安全・安心を守る、築地は守るの公約を投げ捨て、豊洲市場への移転を強行しました。
 知事は、開場後の市場の運営はおおむね順調といいましたが、市場業者と都民にとって一番の心配は土壌汚染問題です。依然として、地下水から環境基準の百四十倍の発がん性物質ベンゼンが出ています。猛毒のシアンも全街区で検出されています。
 豊洲市場の土壌汚染問題は解決していないという認識が知事にはあるのですか、ないのですか、はっきりお答えください。
 市場業者の方々から、知事が安全宣言を行っても不安は拭えない、いつになれば、環境基準以下になるのかという声が上がっています。知事、この声をどう受けとめますか。
 地下の汚染物質がいつ環境基準以下になるのか、知事の明確な答弁を求めます。
 都は、地下水の底面にある地層、有楽町層は不透水層、水を通さない地層だといってきました。一方で、今回問題になった地盤沈下は盛り土の重さで有楽町層から水が押し出されたことが原因だと説明しています。
 これまでの水を通さない地層だという説明の訂正を求めるものです。いかがですか。
 しかも、土壌汚染対策工事の際に、有楽町層から汚染が見つかったことが明らかになりました。どこで発見され、どのように処理したのか、事実経過を明らかにしてください。
 有楽町層に多くの汚染物質が残っている可能性が高いと思いますが、認識を伺います。
 有楽町層に残っている汚染物質が地下水にしみ出したり、地盤沈下に伴い、地下水の底にたまった汚染物質がかきまぜられる可能性もあると思いますが、いかがですか。
 豊洲市場開場後、マンホールからの水漏れ、荷物用エレベーターの故障など、トラブルが続発しています。においや建物の揺れも深刻な問題になっています。ターレの事故が五十件以上発生し、十一月にはターレから人が転落するという重大な事故も起きました。急カーブや死角の多い豊洲市場でターレの事故は強く懸念されていました。
 開場後二カ月でこのような重大事故が起きたことを知事はどう受けとめていますか。
 ターレなどが走ると建物が揺れる、頻繁に揺れて気分が悪くなるという声が六街区の方々から出ています。都は、建物のジョイント部分の段差に一センチのゴム板を入れて対策をしたとのことです。
 しかし、構造の専門家は、現地を見て、このような対策では役に立たない、ターレなどが走る通路の傾斜が小さくなるように施工し直す必要がある、建設時の施工ミスだといっています。
 知事、現場で建物の揺れを確認してください。そして原因を究明し、振動をなくす対策を行ってください。いかがですか。
 鼻をつく生臭いにおい、建物のあちこちにたまっている黒い粉じんなどの問題もあります。においの原因、黒い粉じんの正体は、知事はどう認識していますか。働く人たちへの健康影響を調査し、抜本的な防止対策を実施すべきです。いかがですか。
 築地市場は多くの反対の声を押し切って、解体工事が始まっています。
 知事は、六月の我が党の代表質問に、築地再開発については、仲卸業者の要望等を踏まえながら検討すると答弁しました。
 都は、年明けに築地のまちづくり方針の素案を発表する予定ですが、素案を出す前に、仲卸業者など市場関係者の要望を聞いて反映すべきです。答弁の実行を求めるものです。知事、いかがですか。
 ユネスコの世界文化遺産に関する諮問機関の日本国内委員会ワーキンググループ長を務める建築家は、築地市場の骨格構造を残せば、世界遺産に登録される可能性は十分あると思う、遺跡を更地にして、歴史的な価値を消して全く違う施設をつくれば、世の中の笑い物になると語っています。
 文化財保護に取り組む国際的NGO団体の日本支部は、築地市場の建物の保存活用の検討を知事に求めています。
 歴史学研究会を初め、歴史学の四つの学会などは、先日、築地市場の解体工事中止及び保存活用を求める要望書を知事に提出しました。築地市場は唯一無二の文化遺産であり、歴史的意義と学術的価値を持っていると強調しています。
 知事は、これらの専門家の重い指摘をどう受けとめているのですか。知事、築地は守るという公約を守る決断を求めるものです。お答えください。
 次に、補正予算案について伺います。
 学校体育館へのエアコン設置補助、ブロック塀対策などの補正予算案を我が党は歓迎するものです。どちらも日本共産党都議団が強く求めてきたものです。同時に、区市町村や学校関係者の切実な要望に応えて、さらなる充実を図ることが必要です。
 多摩地域を初めとする自治体から、一気に全校にエアコン設置を進めるのは、財政的に厳しいという声が上がっています。
 また、例えば東村山市の小学校の体育館の平均面積は、豊島区の一・三倍です。多摩地域は区部に比べて体育館が大きい傾向があり、工事費用も多くかかります。
 財政力の違いや、地域の実情の違いなどに左右されることなく、都内の全ての学校体育館へのエアコン設置を早期に進める必要があると思いますが、知事の認識を伺います。
 補正予算案で、都は、国の補助単価を超える事業費について、平米当たり七・六万円を上限に三分の二の負担をするとしていますが、この補助率は今年度のみとされています。
 全ての公立学校の体育館へのエアコン設置を進めるためには、来年度以降も三分の二の補助率を維持することが重要です。知事、いかがですか。
 政府も学校施設へのエアコン設置などの補正予算を組みましたが、不十分です。都内自治体で体育館百九校分の補助申請を行いましたが、内定は一件もありません。
 都として、国の交付金に相当する金額を区市町村へ支援する必要があります。知事、いかがですか。
 都立高校の体育館へのエアコン設置も急がれます。今年度及び来年度にどこまで進むのですか。いつまでに全ての都立高校体育館に設置できるのですか、お答えください。
 中小企業・小規模企業振興条例も、我が党が一貫して提案してきたものです。中小企業団体からも歓迎されています。同時に、さらによりよいものにすることが必要です。
 例えば、小規模企業が条例に位置づけられたのは重要ですが、小規模企業振興基本法を踏まえる立場を明確にすべきです。知事、いかがですか。
 商店街の役割の重要性についても、条例にはっきり書き込むべきです。知事の見解を求めます。
 また、条例の制定が実際の施策の充実につながることが必要です。中小企業・小規模企業振興予算の拡充をどう進めるのですか。
 知事が招集権を持つ中小企業振興対策審議会は、この十四年間、一度も開かれていません。なぜ開かないのですか。中小企業・小規模企業振興条例を推進する役割を持つ審議会として発展させる必要があります。答弁を求めます。
 次に、暮らしの支援について質問します。
 来年十月から、安倍政権は消費税を八%から一〇%に引き上げようとしています。都民の暮らしと経済に重大な打撃をもたらすことは明らかです。消費税の八%への増税後、家計消費は低迷し、一度も増税前の水準を回復していません。都内中小企業を取り巻く経済環境が大変厳しい状況にあることは、都議会の多くの会派の共通認識です。
 小池知事は、昨年の総選挙の際、以前の消費税増税は消費を冷やしたと述べ、景気回復を確実にするため、二年後の消費税増税を凍結しますと表明していました。この考えは今も同じですか。
 どの世論調査を見ても、来年十月からの消費税増税には反対が多数です。年金で暮らす高齢者は、年金は下がるし社会保険料は上がる、手元にほとんど残らない、消費税が上がったらこれ以上何を削ればよいのかと嘆いています。商店街では、今でもお客さんが減って大変なのにこれ以上売り上げが減ったら終わりだ、零細業者は生き残れないと訴えています。
 知事は、消費税増税をめぐる都民のこうした声をどう受けとめていますか。
 消費税は、低所得者ほど負担が重い、逆進性という重大な問題点があること、そのため、消費税増税は格差を広げる結果を招くことを知事はどう認識していますか。
 政府は、低所得者対策として、食品などを八%に据え置く軽減税率を導入するとしています。しかし、我が党の試算では、それを導入した場合でも、年収二千万円以上の高額所得の世帯よりも、年収二百万円以下の低所得者世帯の方が消費税の負担率が大きく増加します。軽減税率を導入しても、逆進性を緩和する効果はありません。
 政府に対して、来年十月からの消費税増税は凍結、中止するようはっきり発言し、行動すべきです。知事、いかがですか。
 東京都各局が来年十月からの消費税増税を前提に、上下水道や都営交通の料金の引き上げを見込んだ予算要求をしていることは重大です。水道局、下水道局、交通局の料金への影響額は幾らですか。
 来年度予算編成で、都民の暮らしに欠かせない上下水道、都営交通の公共料金について、都民負担をふやさないようにする対応を知事に強く求めるものです。
 高過ぎる国民健康保険料、保険税に多くの都民が悲鳴を上げています。国保料を払いたくても払えない世帯は、都内で五十一万世帯を超えています。
 先月、東京都が示した試算では、来年度の国保料はさらに一人当たり六千七百六十円も値上げになります。こんな値上げは許されません。しかも、国と都の方針どおり、区市町村による一般会計からの繰り入れをなくしたら、さらなる大幅値上げになります。
 国保の加入者の多くは、非正規の若者、年金生活の高齢者、中小零細業者です。もはや負担は限界に来ていると思いますが、知事の認識はいかがですか。
 全国知事会は、加入者の医療費が高い一方、所得は低いという構造的問題があることを指摘し、定率国庫負担の増額を国に要望しています。
 また、二〇一四年には、公費を一兆円投入して、中小企業等で働く従業員や、その家族が加入している協会けんぽ並みの負担率にすることを政府・与党に求めました。いずれも非常に重要な要望ですが、知事はどう考えていますか。
 家族の人数に応じて保険料がふえる均等割は、協会けんぽなどの被用者保険にはありません。国保だけの仕組みです。
 私の地元東大和市だと一人当たり三万六千五百円、特別区なら五万一千円の負担が子供一人、家族一人ふえるたびにふえるのです。
 均等割が国保料を低所得者や子供が多い世帯に重い負担を強いている要因だと思いますが、知事はどう認識していますか。
 都内では、約八百五十億円の公費追加投入をすれば均等割をなくせます。そうすれば、一人当たり保険料を二万五千円引き下げることができます。
 全国の自治体とも連携して、定率国庫負担の増額を実現し、均等割をなくす方向を目指すことが重要だと思いますが、知事、いかがですか、
 都内の自治体で、子供の均等割軽減に踏み出す努力が始まっています。東京都は子供の均等割軽減を国に求めているのですから、都として、こうした区市町村を支援すべきです。知事の見解を伺います。
 福祉の充実について提案します。
 まず、第一回定例会に提出予定の児童虐待防止条例です。
 子供の虐待防止対策は、子供の権利を守ることを中心に据えることが重要です。子供は大人に保護されるだけの存在ではなく、大人に従属するものではない、子供が権利の主体であり、その権利を守り、子供の最善の利益を最優先する必要があるという認識を広げることが児童虐待防止にとって重要だと思いますが、知事の認識を伺います。
 子供が権利の主体であることを虐待防止条例に規定する必要があります。知事、いかがですか。
 また、児童虐待防止条例とあわせて、子供の権利条例の検討を求めるものです。知事の見解を伺います。
 出生直後に虐待で命を落とす子供が非常に多く、その背景に予期せぬ妊娠があることが指摘されています。妊娠期から切れ目のない支援とともに、小中学生からの性教育が必要です。
 都の児童福祉審議会が先月出した子育て支援に関する提言は、若年妊娠について、学齢期からの予防的な取り組みも重要だとしています。提言を議論した部会では、何人もの委員が性教育の重要性を指摘しました。
 児童虐待対策における性教育の重要性について、知事はどう認識していますか。予期しない妊娠から虐待に至ることを防ぐための性教育について、条例に盛り込むべきと考えますが、いかがですか。
 保育園の待機児童ゼロについて、知事は、来年度末までに実現するとしています。認可保育園の増設が進み始めたことは重要ですが、いわゆる隠れ待機児童を含めると、待機児童は、ことしも四月時点で二万人を超えています。
 来年度末までに認可保育園の増設を中心に、待機児童を解消する目標を実現できる予算編成が必要です。知事はどう取り組むのですか。
 知事は、南青山にある旧こどもの城の購入を表明しました。
 我が党は、都が購入して活用することに賛成です。その際、先駆的な遊びのプログラム開発など、こどもの城が果たしてきた役割を踏まえた対応が重要です。
 また、かつて近くに東京都児童会館があり、子供と親の安心の遊び場、児童演劇などの良質な子供の文化の発信拠点、区市町村の児童館職員を育成する場として貴重な役割を果たしていました。
 ところが、石原都政のもとで、東京都児童会館は廃止され、こどもの城が近くにあることが廃止理由の一つにされました。
 旧こどもの城の活用については、かつて東京都児童会館が果たしていた役割を取り戻すことも含め、子供支援の機能を重視すべきですが、いかがですか。
 また、多くの若者が集まる地の利を生かした若者支援機能、隣にある東京都ウィメンズプラザと連携した女性の支援についても、あわせて検討することを求めるものです。
 子供や若者、演劇関係者などの声を聞いて検討を進めるべきだと考えますが、知事、いかがですか。
 次に、高齢者福祉です。
 都内で高齢者人口が急増するもとで、特別養護老人ホームの増設は待ったなしです。しかし、認可保育園の増設と比べれば、見るべき前進が始まったとはいえません。
 知事は、八月に、今後は高齢者に的を絞って進めたいと発言しました。来年度予算編成で特養整備の前進にどう取り組むのですか。建築費の高騰などに対応する整備費補助、都有地、国有地活用を初め用地確保支援策、介護人材不足対策などの拡充を思い切って進める必要があります。知事、いかがですか。
 認知症高齢者グループホームは、二〇二五年度末までの整備目標を達成するには年間千二百人分の増設が必要です。ところが、昨年度の実績は約四百人分です。整備費補助の拡充が必要です。いかがですか。
 また、家賃負担を軽減し、国民年金でも入れるようにする必要があります。見解を伺います。
 障害者のグループホームは、運営費の都加算の見直しにより、大幅な減収が予測されています。重度障害者を中心に受け入れている事業者は、見直しによって年間四百五十万円もの減収となる見込みです。
 事業者、家族、障害者などからは、希望する地域で安心して暮らすことを保障するために、障害者グループホームへの支援を拡充してほしいとの意見が寄せられていることをどう受けとめていますか。
 重度障害者を受け入れる事業所への支援の拡充は切実に求められています。現場の実態に見合った拡充をすべきですが、いかがですか。
 次に、教員の働き方改革です。
 東京都では、小学校で三八%、中学校では六八%の教員が過労死ラインで働いている深刻な事態です。都は、学校現場における働き方改革推進プランをつくりましたが、抜本的改善につながるものとなっていません。
 知事は所信表明で、教員の働き方改革を進めると述べましたが、問題はその中身です。教員の異常な長時間労働を是正するためには、教員一人当たりの授業の持ち時間数を減らすことを中心に据えて、仕事の量を減らし、定められた一日当たりの労働時間内におさまるようにすることが必要です。知事の認識を伺います。
 同時に、最も効果的で即効性があるのは、教員をふやすことです。知事の認識を伺います。働き方改革というのなら、教員の定数をふやす予算を編成すべきです。知事、いかがですか。
 続いて、防災対策です。
 西日本豪雨災害でも、北海道胆振東部地震でも、土石流や崖崩れなど土砂災害が大きな被害をもたらしました。都内にも、多摩地域はもちろん、区部も台地が多く、土砂災害警戒区域がたくさんあります。
 中でも、災害時の避難所、災害時に避難が困難とされる要配慮者が二十四時間滞在する福祉施設などへの対策は待ったなしの課題です。土砂災害警戒区域内にある避難所や要配慮者施設などが、二〇一六年度時点で二百二十カ所あることが都の調査で判明しています。
 土砂災害対策の緊急性を踏まえ、いつまでにどの施設の対策を進め、何%まで完了させるのか、目標と期限を明確にした計画を区市町村とも協議をしながら策定することが大切です。
 避難所などの土砂災害対策を集中的、緊急的に推進することを求めますが、知事、いかがですか。
 多摩振興について伺います。
 私の地元武蔵村山市内は鉄道が走っていません。市民の足として、多摩都市モノレールの延伸は市民の悲願です。
 知事は、多摩都市モノレールの上北台から箱根ヶ崎までの延伸の重要性をどう認識していますか。箱根ケ崎までの延伸についての検討の進捗状況はいかがですか。事業化に向け、具体化するよう求めるものです。いかがですか。
 孤独死や餓死による死亡者数は、二十三区は詳細なデータがあるのに、多摩・島しょ地域はありません。熱中症による多摩・島しょの死亡者数は、最近、ようやく過去五年間のデータが示されました。
 このような急性死や事故死した人の死因を究明する監察医の体制について、二十三区と多摩・島しょとの格差解消は急務です。市長会も東京都に要望しています。この問題への知事の認識と対応を伺います。
 水道局の談合疑惑について質問します。
 公正取引委員会は、東京都水道局の七カ所の浄水場排水処理業務をめぐり、独占禁止法違反の容疑があるとして、水ing株式会社など四社に立入検査をしました。
 都の調査特別チームの中間報告書では、浄水場勤務の職員一名が契約に係る情報漏えいの事実を認めたことが明らかにされました。重大な問題です。
 知事は所信表明で謝罪しましたが、都水道局では、これまでも談合、収賄などの不祥事が続発しています。引き続き徹底調査を行い、不祥事が続発する構造的問題に抜本的にメスを入れる必要があります。知事の見解を求めます。
 中間報告書は、水道局では現場業務の多くが民間委託されたため、都の職員だけでは工事や修理ができなくなり、受託業者との密接な関係が生じたと指摘しています。
 この指摘をどう受けとめますか。民間依存の業務委託の抜本的見直しが必要です。いかがですか。
 今回の四社に対する元都職員の天下り状況を明らかにしてください。水道局にとどまらず、都の発注企業への天下りはやめる方向で見直しを検討すべきです。知事の答弁を求めます。
 水道の民営化法を与党が強行したことは重大です。海外では、民営化した多くの国で失敗し、公営に戻す流れが広がっていることを知事はどう認識していますか。水の安定供給や水質の維持は命にかかわる問題です。水道の民営化はすべきではありません。知事、お答えください。
 次に、東京二〇二〇大会経費及び関連経費の問題です。
 まず、日本武道館です。
 都が民間施設である日本武道館の改修費として二十五億四千万円もの負担を決めたことは重大です。経過も不透明です。
 都は、巨額負担の理由を東京二〇二〇大会で柔道会場とすることを依頼した開催都市としての責任だとしていますが、大会経費には入っていません。なぜ大会経費にしないのですか。
 また、会場となる民間施設の中で、なぜ日本武道館だけ特別扱いして優遇するのですか。サッカーくじで二十億円という国の負担より、都の負担の方が多いことも納得できません。
 知事、以上の疑問にはっきり答えてください。経過を全て明らかにし、都負担を抜本的に見直すべきです。知事の答弁を求めます。
 次に、選手村です。
 晴海の選手村用地として、都有地を平米当たり九万七千円という破格の安値で売却して開発事業者を優遇した問題を我が党はただしてきました。
 住民訴訟を起こした原告は、独自に不動産鑑定士に依頼し、平米当たり約百二十万円という鑑定結果を公表しました。土地全体の鑑定額は千六百十一億円です。都の売却額は百二十九億六千万円です。桁が違います。鑑定額のわずか八%で売却したことになります。都は、選手村に使うという特殊要因があるためだというだけで具体的説明はしていません。
 知事、今回の鑑定結果をどう受けとめていますか。九二%、千四百八十億円もの値引きが適正な都有地処分だというなら、その根拠をはっきり示してください。五輪経費の縮減と透明化という知事の公約を守るよう厳しく求めるものです。
 横田基地について質問します。
 CV22オスプレイが十月に正式配備されました。私は、現地調査を行いましたが、横田基地の様相は一変しています。
 オスプレイは、八月から土日を含め、連日のように基地のフェンス際で断続的に何時間もホバリングを繰り返す訓練を行いました。吹きおろしの強風で、枝や葉、小石までフェンス越しに飛んできたそうです。基地内とはいえ、住宅からわずか二、三十メートル先で騒音と振動を発し、家の壁に亀裂が入り、会話も成立しないほどだったとの証言もありました。
 知事は六月、周辺市町とともに、基地全体の離着陸回数は、基地周辺住民への影響を踏まえ、できるだけ増加させないこと、基地周辺住民の不安を取り除くため、安全対策や騒音の軽減等を含め必要な取り組みを求めていますが、このような訓練の実態をご存じですか。オスプレイの訓練は、知事の要請に反しているのではありませんか。知事の認識を伺います。
 訓練の日時、回数、飛行高度、経路、訓練場所、騒音などについて詳細な調査を行い、事実を明らかにすべきです。いかがですか。
 日本の主権を大きく制約する不平等な日米地位協定について、全国知事会が全会一致で上げた抜本見直しを求める提言に基づき、知事は、今後どのように行動するのですか。
 米軍関係者が所有する車両への自動車税は、通常の四分の一程度に優遇されています。これを廃止した場合、都は幾らの増収になりますか。このような特権的な優遇措置は廃止するよう政府と米軍に求めるべきです。いかがですか。
 都民の安全を守るため、オスプレイの撤去はもちろん、横田基地の整理、縮小、返還を強力に推進することを求めるものです。知事の答弁を求めます。
 最後に、国が都の税収の新たな収奪を狙っている問題です。
 国はこれまでに総額六兆円もの東京都の税収を吸い上げています。現在は、毎年約五千億円、加えて新たに年間四千二百億円の追加を狙っているとの報道もあります。毎年一兆円近い税収が奪われることになります。
 これによる都民生活、都民福祉や区市町村への支援への影響の重大さを知事はどう認識していますか。
 都内六十二区市町村とも力を合わせ、オール東京で国による不当な収奪をやめるよう求めるとともに、全国の自治体と連携して、地方の権限と財源を拡大していくために全力を尽くすべきですが、知事、いかがですか。
 都議会も、全会派が力を合わせて取り組むことを心から呼びかけ、再質問を留保して、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 尾崎あや子議員の代表質問にお答えいたします。
 たくさん頂戴いたしました。豊洲市場の土壌汚染についてのご質問、一昨年の九月に盛り土の問題が発覚して以来、専門家会議で詳細な検証を進めてきたところであります。
 この検証を通じまして、豊洲市場用地の法的、科学的な安全性が確認されるとともに、都が実施した追加対策工事におきましても、東京都が実施した追加対策によって、将来リスクを踏まえた安全性が確保されたことを確認したとの評価をいただいたところでございます。
 こうした検証等を経まして、安全・安心な市場として開場する条件が整った、そのことから、本年七月に開催いたしました関係局長会議におきまして、私からその旨を発信したところでございます。
 市場業者からの声についてでございます。
 豊洲市場の運営に当たりましては、食の安全・安心の確保につきまして、都民や市場業者の理解と納得を得ることが何よりも重要と認識をいたしております。
 本年七月三十一日には、業界団体の代表者の方々に、豊洲市場は安全であり、安心してご利用いただける旨を直接私からお伝えさせていただき、ご理解をいただいたところでございます。
 地下水質につきましては、中長期的に改善されるものと考えておりまして、測定結果等を定期的に情報発信することで、都民や市場業者の理解につなげてまいりたいと考えております。
 豊洲市場開場後の事故でございますが、開場後に発生した施設のさまざまなふぐあい等に対しましては、マンホールやエレベーターの補修を迅速に行うなど、都として適切に対処いたしてきております。
 また、とりわけターレの事故につきましては、法令や場内ルールに反する行為で、重大な事故が引き起こされたことは大変遺憾に思っております。開設者として重く受けとめております。
 都といたしましては、今回の事故を受けまして、場内の重点パトロールを実施し、現場における取り締まりを強化するとともに、ターレの走行ルールの遵守につきましては、改めて市場業者への周知を徹底しているところでございます。
 今後とも、業界と連携しながら、安全で適正な市場運営の確保に努めてまいります。
 豊洲と築地についてであります。
 私は、市場移転問題にかかわる一連の議論等を踏まえまして、東京のさらなる成長に向けましては、豊洲と築地が有するそれぞれのポテンシャルを最大限に生かすべきという信念のもとで、昨年六月の基本方針で豊洲と築地の両方を生かすことを趣旨とする大きな方向性をお示しいたしました。
 この方針に基づいて、豊洲市場は日本の中核市場として育てていく、また、築地につきましてはそのロケーションを生かした再開発を行うことといたしました。
 築地には、これまで培ってきました伝統や、また、銀座など都心に近接しているなどの地域の特性がございます。そして、築地再開発に当たりましては、これらのさまざまなポテンシャルを生かした新たなまちづくりの具体化を図って、東京の持続的な成長につなげていきたいと考えております。
 学校の体育館の空調設備の設置についてであります。
 学校体育館は、体育の授業や学校行事、部活動など、子供たちが安全に活動を行う場であるとともに、非常災害時には地域住民の避難所等としての役割も果たす、安全性の確保や防災機能の強化はその意味で重要でございます。
 この夏の連日の猛暑は、熱中症を初めとして、都民の生活に大きな影響を与えました。そのことからも、区市町村立学校の体育館への空調設置を促進してまいります。
 都は、今回の補正予算で新たな補助制度を設けまして、区市町村の取り組みを支援してまいります。
 学校体育館の空調設備の設置に係る補助率につきましては、空調設置を来夏までに間に合わせるように、今回の補正予算でこれまでの冷房化支援特別事業におけます単価差に対する補助率を、二分の一から三分の二へ引き上げを行います。
 来年度以降につきましては、引き続き検討してまいります。
 中小企業・小規模企業振興条例についてでございます。
 都内で活動する数多くの小規模企業は、各地域で経済や雇用を支え、また、産業活動の基盤としての役割を担う貴重な存在でございます。
 小規模企業への支援につきましては、条例案では、その持続的な成長につながりますよう、それぞれの規模や形態を踏まえまして、経営資源の有効な活用とともに、多様な主体との連携や協力を図ることを理念といたしており、これが法律の考え方にものっとっているとされます。
 都はこれまでも、小規模企業に対しまして幅広い支援を実施しております。また、法律に基づく国の計画も踏まえまして、必要な支援も行っているところでございます。
 今後とも、東京の産業の発展を図るために小規模企業のサポートに万全を期してまいりたいと考えております。
 消費税についてのご質問がございました。
 そもそも消費税のあり方は、国会において議論されるべきテーマで、国政マターでございます。
 四問ございましたが、まとめてお答えすると、来年予定されております消費税率の引き上げに当たりましては、政府において、経済対策の実施、軽減税率の導入等が表明されているところでございますので、引き続き、都民生活への影響を注視してまいりたいと考えております。
 国民健康保険の保険料についてのお尋ねがございました。
 国民健康保険は、相互扶助の考えに立った社会保険制度でありまして、その財源は、保険料は二分の一、公費が二分の一を基本としております。
 その保険料、保険税の賦課方式や料率は、都民のさまざまな暮らし向きを踏まえながら、各区市町村がみずから定めるものでございまして、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されるもの、このように認識をいたしております。
 また、国への要望についてでございますが、今般の国民健康保険制度の改革に当たりまして、全国知事会で、国民の保険料負担の公平性と国保財政の基盤強化の観点から、公費投入の拡充を求めまして、国と地方の協議の結果、国の財政支援は全国で毎年三千四百億円拡充されることとなったわけであります。
 国保制度の安定化に向けましては、制度改革後も制度設計者である国が、引き続き制度の運用状況を検証して、その責任において、財源の確保など必要な措置を講じるべきでございます。
 都といたしましても、今後とも、全国知事会と連携して、国に対して持続可能な制度となるよう要望してまいりたいと考えます。
 均等割の保険料に関する二点、ご質問いただきました。
 保険料につきましては、法令によりまして、経済的負担の能力に応じた所得割に加えて、世帯の人数に応じた均等割を賦課することとされております。
 なお、低所得者世帯の均等割の保険料でございますが、所得に応じて七割、五割、二割が軽減される仕組みとなっております。
 ご質問の均等割を含めまして、保険料の賦課のあり方は、国民健康保険の制度設計にかかわる問題でございまして、制度設計者である国が検討すべきものと考えております。
 子供の権利と子供を虐待から守るための条例の二点についてのご質問でございます。
 児童福祉法第一条では、全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとって、福祉をひとしく保障される権利を有するとされておりまして、子供は権利の主体でございます。
 都は、現在検討を進めている子供を虐待から守るための条例におきまして、子供の権利利益の擁護と健やかな成長を図ること、虐待の防止に当たりましては、子供の成長、年齢に応じた意見を尊重することや、子供の最善の利益を優先することを盛り込む考えでございます。
 性教育の重要性についてでございますが、子供たちの人格の完成を目指す教育の一環であり、人間尊重の精神に基づいて行うこととなり、子供たちが性に関する正しい知識を身につけて、適切な行動を選択できるよう指導していくことは大切と考えます。
 性教育の具体的な取り組みに当たりましては、児童虐待などを含みます子供たちをめぐるさまざまな実情を踏まえることが重要でございます。また、保護者等の間にもいろんな考え方があることなどにも配慮する必要がございます。
 学校関係者等におきましては、社会状況や子供の実情に応じた適切かつ丁寧な取り組みを行って、子供たちの健やかな成長を実現していってもらいたいと考えます。
 待機児童の解消に向けた取り組みでございますが、私は、この待機児童解消、これを都政の最重要課題の一つに位置づけまして、保育所等の整備促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱として保育サービスの拡大を図ってきたところでございます。
 その結果でございますが、ことし、本年四月一日現在の都内の待機児童数でございますが、昨年と比べますと、全体で三千百七十二名減りまして、五千四百十四名となっております。
 今後とも、二〇一九年度末までの待機児童の解消に向けまして、認可保育所を初めとする多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村の支援をしてまいります。
 旧こどもの城についてのご質問がございました。
 ダイバーシティーの実現に向けた複合拠点として活用していきたいと考えております。
 そうした考えのもとで、都民の学習、スポーツ、創業、人材育成など、さまざまな観点からこの建物をどのように活用していくべきか検討を進めているところであり、子供はもちろん、男性も女性も、高齢者も障害者も、誰もが利用できる都民の城として、より具体的な利用形態を早期にお示ししていきたいと考えております。
 なお、本件についてはさまざまなお考えがあることは認識しておりまして、従前こどもの城などが担ってきた子育ての機能、そしてまた、演劇関係者などにも留意しながら検討を進めていく考えであります。
 特別養護老人ホームの整備についてのご質問でございます。
 都は、特別養護老人ホームの整備目標を、高齢者人口の将来推計や区市町村のサービス見込み量を踏まえて定めているところでございます。
 本年策定いたしました第七期の高齢者保健福祉計画では、二〇二五年度末までの整備目標を六万二千人へと引き上げておりまして、都は、建築価格の高騰に対応する加算など、施設整備費の補助、都有地の減額貸付、土地賃借料の負担軽減など、さまざまな独自の支援策を講じております。
 また、サービスを担う介護人材の確保を図るために、職場体験や資格取得支援などの取り組みを実施しておりまして、今年度からは介護事業者が職員宿舎を借り上げる場合の補助の対象を拡大するなど、施策の充実を図っているところでございます。
 今後とも、区市町村のニーズを踏まえながら、特別養護老人ホームの整備を進めてまいります。
 続いて、土砂災害対策についてのご質問でございます。
 土石流や崖崩れなどの土砂災害から都民の生命を守るためには、地域の住民にどのように早く逃げるか、どこに逃げるかを前もって確認していただくことが重要でございます。
 このため、防災事業の緊急総点検を行いまして、区市町村が作成するハザードマップのもととなる土砂災害警戒区域等の指定を加速することといたしました。
 また、ハード対策につきましては、土石流対策として、避難所の有無を考慮して優先度をつけ、事業を実施しております。また、崖崩れ対策といたしまして、区市町村からの要望を受け、事業を実施しているところであります。
 今後とも、ソフト、ハード両面から土砂災害対策を着実に進めてまいります。
 多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面への延伸についてのご質問でございます。
 東京が持続的に成長して全ての世代が生き生きと活躍していくためには、誰もが快適に移動できるように都民の足となる鉄道ネットワークをさらに充実させることが重要でございます。
 今年度、都は、鉄道新線建設等準備基金を創設するとともに、国の答申におきまして、事業化に向けて検討などを進めるべきとされました多摩都市モノレールの延伸を初めとする六路線を中心に検討を進めているところでございます。
 箱根ヶ崎方面への延伸につきましては、その実現で開業区間と一体となって南北方向の拠点が結ばれて、多摩地域の活力や魅力がさらに向上するとされます。
 引き続き、関係者との協議、調整を進めまして、鉄道ネットワークの充実に向けて取り組んでまいります。
 多摩地域の死因究明体制についてのご質問がございました。
 死因究明体制は、本来、国が必要な法整備を行い、地域を限定せずに整えることが必要とされます。
 都は、政令で監察医を置くべきとされている二十三区に限らずに、多摩地域でも適切に死因の究明ができますよう、東京都医師会や大学の協力を得ながら検案医を確保するなど、環境整備を進めているところでございます。
 現在、死因究明推進協議会にて、多摩地域における死因究明体制の充実について検討いたしております。また、国に対しましても、監察医制度が都内全域に適用されるように、政令の改正を繰り返し求めているところでございます。
 水道局の情報漏えい事故についてのご質問でございます。
 このたび水道局の職員によります情報漏えいの事実が判明したことは、知事として、極めて重く受けとめております。
 私が設置した調査特別チームの中間報告書におきましては、水道局において過去二度の不祥事があったことを踏まえまして、局事業の構造的な課題についても検討いたしまして、再発防止策を取りまとめているところでございます。
 今後、引き続き公正取引委員会の調査に全面的に協力をし、また、水道局では局の事業運営のあり方そのものにも踏み込んで、外部の視点から、コンプライアンス体制や情報管理については検証、組織のあり方を含め、抜本的な対策を講じることといたしております。
 これらの取り組みを通じて、都民の皆様の信頼回復に向けて全力を尽くしてまいる所存でございます。
 職員の再就職についてのご質問がございました。
 都の職員が民間企業に再就職することによって、公正な都政運営が損なわれるといったことがあってはなりません。
 都におきましては、退職管理条例で、幹部職員について、退職時の職務に利害関係のある企業への求職活動を退職後二年間、原則禁止としておりまして、外部有識者による委員会を設置、運用して、第三者の目を通して、その妥当性についてチェックを行っております。
 私が知事に就任してからは、条例を厳格に運用することに加えまして、都政改革本部において仕組み改革を議論する中で、退職管理についても検証いたしました結果、職場の中核を担う一般職員も新たに再就職の公表対象に含めるなど、一層の透明化を進めております。
 今後とも、都民の信頼を損なうことがないように、退職管理の厳格な運用を図って、再就職の公正性、透明性をしっかりと確保してまいります。
 水道法の改正に伴う対応についてのご質問でございます。
 都の水道事業は、都民生活と首都東京の都市活動を支える基幹ライフラインといたしまして、二十四時間三百六十五日、安全で高品質な水を安定的に供給いたしております。
 今回の水道法改正の趣旨は、日本の水道事業が直面する課題の解決に向けて、広域連携や官民連携を進めて、その基盤強化を図ることにあると認識をいたしております。
 都ではこれまで、多摩地区の水道の一元化を進めることで、広域化を推進するなど多様な取り組みを進めて、経営の効率化を推進してきております。
 今後は、水道法改正の趣旨を踏まえまして、外部有識者のご意見も聞きながら、さまざまな観点からさらなる経営基盤の強化に取り組んでまいる所存でございます。
 日本武道館の改修費への都負担でございますが、都は、二〇一六年大会の招致段階から、一九六四年大会のレガシーを活用した会場整備を推進してきたところでございます。
 一九六四年大会の会場の再整備を着実に進めて、大会後はレガシーとしていく補助制度を創設いたしております。補助対象は、公益性の高い公益財団等としておりまして、日本武道館のみが対象となっております。
 具体的には、大会開催に必要なウオームアップエリアの整備やバリアフリー対応、耐震改修工事などに対して補助を行うことといたしております。また、国におきましては、国の制度の中で補助が検討されてきたものと認識をいたしております。
 先ほどお答えしたとおりでございますが、本事業、今年度から実施したもので、昨年公表した大会経費バージョンツーには含まれておりません。
 今月末のバージョンスリーの公表に向けて、現在、経費全般にわたって精査を行っているところでございまして、日本武道館に係ります経費につきましても、都民にわかりやすく説明できるように整理をしてまいる所存でございます。
 続いて、オスプレイの訓練についてのご質問でございます。
 安全保障に関することは、いうまでもなく国の専管事項ではございますが、オスプレイの訓練を含む米軍の運用に当たりましては、周辺住民の生活に最大限の配慮が払われなくてはなりません。
 オスプレイにつきましては、ことし十月、横田基地への正式配備以降も、周辺住民の皆様が不安を感じているという、このことについては承知をいたしております。
 都は、オスプレイの配備に当たりまして、地元自治体とともに安全対策の徹底や、騒音など生活環境への配慮などにつきまして、複数回にわたりまして国や米軍に要請してきております。
 今後も引き続き、国や米軍に対して、これまでの要請に真摯に対応するよう求めるとともに、都民の生命、安全・安心を守る立場から、必要なことを申し入れてまいります。
 税制の改正についてでございます。今般の東京を標的とする税制度の見直しでございますが、断じて看過することはできませず、このような措置が強行されようとしていることはまことに遺憾でございます。一方で、いついかなる状況下におきましても都民生活をしっかりと支えていくことは、都知事としての責務でございます。
 こうした観点から、今後の財政運営におきましては、無駄の排除を徹底し、基金や都債を戦略的かつ計画的に活用するなど、財政対応力を最大限に発揮し、都民の暮らしに影響が及ぶことのないよう全力を挙げて取り組んでまいります。
 他の自治体との連携については、日本全体の持続的な成長を実現するためにも、地方自治体が果たすべき役割と権限に見合った地方の自主財源の確保が不可欠と考えております。
 しかしながら、今般の税制改正におきまして講じられようとしております地方法人課税のいわゆる偏在是正措置でございますが、地方税の国税化を推し進めるものでございまして、まさしく地方分権の動きに逆行するものだ、このように断言できるかと思います。
 こうした事態に対しまして、特別区長会、市長会、町村会の皆様に、東京都税制調査会のみならず、都の検討会のメンバーに加わっていただき、税制改正に向けた要請活動もともに行ってまいりました。
 また、都議会の皆様からも、国の動きに反対する意見書を全会一致で可決していただくなど、まさにオール東京での活動を展開してまいりました。
 今後とも、同志である都内の区市町村や全国の自治体と手を携えまして、地方税財政制度の抜本的な見直しに本腰を入れて取り組むように、国に対してしっかりと訴えてまいりたいと考えております。
 残余のご質問は、教育長、関係局長からとさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、学校体育館の空調設備設置への国の補助金についてでございますが、国は、今回の補正予算で学校施設への空調設置を支援することといたしましたが、全国的に学校体育館への補助金交付は認められませんでした。
 都は、国に対し、今後予定されている二次補正予算での学校体育館への空調設置補助を再度要望するとともに、国の今後の動向等を踏まえながら対応を検討してまいります。
 次に、都立高校の体育館の空調設備についてでございますが、学校体育館は、体育の授業や学校行事、部活動など、生徒が安全に教育活動を行う場であるとともに、避難所としての役割も担っております。
 都教育委員会では、都立高校の体育館の空調設備整備に向け、現在、各校の電気容量の調査等を行っております。来年度は、早期に対応が可能な学校二十校の整備を行い、残りの学校についても来年度から三年以内に整備することを目標に検討を進めてまいります。
 次に、教員の長時間労働の是正についてでございますが、教員の長時間労働を改善するためには、教員の業務実態を把握し、役割分担のあり方や業務の進め方など、多面的な観点からの見直しを図る必要がございます。
 このため、都教育委員会は、本年二月に学校における働き方改革推進プランを策定いたしました。
 今後は、教員の勤務時間に関する国の動き等も踏まえながら、引き続き、業務改善やICT化の推進、専門スタッフの配置など、さまざまな取り組みを総合的に講じてまいります。
 なお、教員の授業時数については、いわゆる標準法に基づく都の配置基準により、配置された教員の中で、校長が学年や教科などの教育課程を考慮しながら決定しているところでございます。
 最後に、教員の働き方改革のための定数増についてでございますが、教員の定数は、いわゆる標準法に基づく都の配置基準により適切に配置しております。
 教員の働き方改革については、学校における働き方改革推進プラン等に基づき、多様な取り組みを推進してまいります。
 都教育委員会は、引き続き、教職員定数の充実について国に求めてまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、不透水層についてですが、不透水層とは、地下水が浸透しない、あるいは浸透しにくい地層で、基本的に透水係数が小さい層のことであり、有楽町層のうち、最上部の粘性土層は、透水係数や層の厚さを踏まえまして、不透水層であると認識しております。
 圧密沈下は、地下水位面より深い位置にある粘性土層において、荷重の増加等により間隙水である地下水が排出され、体積が減少することで地盤が沈下する現象でございまして、これにより、基本的に不透水層としての機能に影響が生じるものではないと考えております。
 次に、有楽町層の土壌汚染対策についてですが、平成二十三年度から二十六年度にかけて実施いたしました土壌汚染対策工事の際に、有楽町層についても汚染土壌の調査を行った上で、調査で把握いたしましたガス工場操業に由来する汚染土壌百三十八カ所については掘削除去を行い、埋め戻しの際には不透水層の復旧を行っております。
 なお、こうした調査結果や工事の内容につきましては、既にホームページで公表するとともに、技術会議で報告し、確認していただいております。
 次に、有楽町層の汚染の可能性についてですが、土壌汚染対策工事の際に、調査で把握したガス工場操業に由来する汚染土壌の掘削除去を行っておりますが、有楽町層では、敷地全域においてヒ素や鉛といった自然由来の汚染が確認されておりまして、これらについては、当初から特段の対策は行わないこととしております。
 次に、有楽町層と地下水についてですが、豊洲市場では、先ほどもご答弁させていただいたとおり、有楽町層についても土壌汚染対策を実施しておりますが、ヒ素や鉛といった自然由来につきましては、当初から特段の対策は行わないこととしておりました。
 現在、空気及び地下水質調査を行うことで地下水質の状況を確認するとともに、建物一階部分の空気及び地上部の空気は、科学的な安全が確保された状態で維持されていることを確認しております。
 引き続き、こうした調査を行うとともに、正確な情報発信を通じまして、豊洲市場を安全・安心な市場として運営してまいります。
 次に、建物の振動についてですが、豊洲市場の主要な施設は、耐震性を合理的に確保する等の観点から、一般の大規模建築物と同様に、幾つかの構造体をエキスパンションジョイントでつなぐ方式を用いております。
 お話の振動は、この継ぎ目にある段差の部分をターレが速い速度で通過する際に生じるものと考えておりまして、職員が現場を確認した上で必要な対策を講じております。
 具体的には、まずは振動を抑えるために早期に実施できる対策といたしまして、エキスパンションジョイントの段差を解消するゴム板を設置いたしました。
 これに加えて、当該箇所を通行する際に、制限速度の遵守を徹底させるよう、施設内のサインの充実等も行っておりまして、今後とも、業界の意見を聞きながら丁寧な対応に努めてまいります。
 次に、市場施設内のにおい等についてですが、豊洲市場開場後に、施設内のにおいや粉じんを指摘する声があることは、都としても認識しております。
 閉鎖型の施設でございます豊洲市場において、場内の衛生環境を良好に保つためには、においや粉じんが滞留しないよう、床や排水溝等の清掃を適切に実施する必要がございます。
 都では、排水溝等の清掃作業の効率を向上させるため、排水設備の改修等を行っております。
 また、ターレ等のタイヤがコンクリートの床面とすれることで発生する粉じんにつきましては、施設の利用状況に即して床やスロープの洗浄方法を改善するなど、業界と連携して適切な清掃の実施に取り組んでいるところでございます。
 こうした取り組み状況を見定めた上で、引き続き、施設内において良好な衛生環境が確保できますよう、適切に対応してまいります。
 最後に、旧築地市場の建物についてですが、建物を歴史的、文化的な観点から捉えるということは一つの見解でございまして、専門家におきましても、保存についてのさまざまな意見が出ていることは承知しております。
 都では、当時の竣工図書などを保有しているほか、旧築地市場の建物や取引の様子などを映像にして記録しておりまして、こうした貴重な資料を後世に伝えていくこととしております。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず、築地再開発についてでございますが、築地まちづくり庁内検討会に加え、学識経験者を交えた築地まちづくり検討委員会を立ち上げて、行政としてのまちづくり方針の検討を進めているところでございます。
 まちづくり方針の策定に当たっては、広く都民の意見を聞いた上で、年度内に取りまとめてまいります。
 なお、豊洲市場の開場から二カ月を迎え、現在、市場業務の運営を早期に軌道に乗せるべく、全力で取り組んでいるところでございまして、仲卸業者の要望などを踏まえながら検討してまいります。
 次に、多摩都市モノレールの箱根ヶ崎方面への延伸についてでございますが、本路線の事業化に向けては、多摩都市モノレール株式会社の経営状況を踏まえるとともに、事業採算性の確保に向けたコスト縮減策や収入確保策などの検討を行うことが必要でございます。
 都は、沿線市町、多摩都市モノレール株式会社とともに連絡調整会議を設置して、これらの課題について検討を進めております。
 引き続き、関係者との協議、調整を進め、多摩地域における交通インフラの充実強化に取り組んでまいります。
 次に、選手村の土地価格についてでございますが、本事業は、大会中に選手村として施設を使用し、その後、改修を行った上で、住宅として分譲または賃貸を行うことから、通常の住宅建設と異なり、事業期間が長期に及びます。
 また、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインを満たす高いバリアフリー性能を有する施設を建設する必要がございます。
 都は、こうした特殊要因を踏まえて、土地の価格を定められた基準に基づいて算定し、都市再開発法による手続を経て、適正に決定しております。その手続の過程において、不動産鑑定士や弁護士など外部の専門家を含む委員会で審議を行っております。
 このように、価格の決定については、法令に基づき、適正、公正に行っております。
 次に、横田基地の訓練の調査についてでございますが、訓練の回数、飛行経路や訓練場所など、訓練の実施状況に関する情報は、米軍の運用にかかわるものであり、国の責任において取得し、提供されるべきものでございます。
 このため、都は、国への提案要求等を通じ、周辺住民に影響を及ぼすような米軍の訓練や飛行の実施等に関する情報を地元自治体に提供するよう国に要請してまいりました。
 今後も引き続き、訓練等の情報提供を国に求めてまいります。
 次に、日米地位協定についてでございますが、日米地位協定は、締結以来一度も改定されておらず、補足協定などにより運用の改善が図られているものの、国内法の適用や自治体の基地立ち入り権がないなど、我が国にとって、依然として十分とはいえない状況にございます。
 このため、都は、国への提案要求や、米軍基地所在の都道府県で構成する渉外知事会の要望等を通じ、国に対して見直しを要請してまいりました。
 本年七月には、全国知事会において、日米地位協定の見直しを含めた米軍基地負担に関する提言を全会一致で決議いたしました。
 今後も、知事会等を通じて他の自治体とも連携し、日米地位協定の見直しを国に要請してまいります。
 最後に、横田基地の整理、縮小、返還についてでございますが、横田基地を含む米軍基地は、日米安全保障体制の一翼を担うものでございますが、日米地位協定では、必要でなくなった場合には我が国に返還しなければならず、その必要性が絶えず検討されることとなっております。
 都は、都民の生活環境を改善して、地域のまちづくりを推進する観点から、米軍基地の返還の可能性が検討され、整理、縮小、返還が促進されるよう、引き続き国に要請してまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えいたします。
 初めに、中小企業・小規模企業振興条例に関しまして、商店街の役割についてのお尋ねでございますが、商店街は、身近な買い物の場として住民の日々の生活を支えるとともに、人々が交流する地域コミュニティの中心として、暮らしの中に安全や安心を生み出す重要な役割を果たしております。
 条例案では、商店街によって構成される連合組織を中小企業関係団体として位置づけるとともに、そうした商店街の活動を行う中小企業は、地域社会の発展と住民の生活向上に貢献する重要な存在であるとの考え方を明らかにしているところでございます。
 一方、商店街の事業者は、商品へのニーズやその購入方法の変化に加え、後継者の不足などから、その経営環境が厳しさを増しております。
 都内の商店街が集客力を高め、商業活動の拠点としてにぎわい、地域における存在感を一層発揮できるよう、中小企業関係団体の協力のもと、効果的な支援を行ってまいります。
 次に、中小企業に対する振興施策の充実についてでございますが、都はこれまでも、中小企業の事業発展に向けた自主的な取り組みに対し、経営、技術、資金繰り等の面から幅広い支援を展開してまいりました。
 今後は、条例案の示す理念や基本方針などに基づいて、引き続き必要な予算の計上に努めながら、中小企業の振興を適切に進めてまいります。
 最後に、中小企業支援の展開についてでございますが、都は、社会経済の状況を踏まえ、その都度、中小企業の経営環境を取り巻く変化に適切に対応した多様な施策を展開してきたところでございます。現在は、二〇二〇年に向けた実行プランに基づき、支援を着実に進めております。
 中小企業の経営は、経済のグローバル化などにより、中長期的に大きな変化に直面することが見込まれます。
 このため、有識者会議での議論を踏まえ、中小企業の振興に向けたビジョンの作成に取り組んでおります。
 今後、これに基づき、さまざまな施策を適切に進めてまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 消費税率引き上げに伴う影響額についてでございますが、来年十月に予定されております消費税率引き上げに伴う都営交通の乗車料収入への影響額は、平成二十九年度決算額をもとに試算いたしますと、平年度ベースで全事業合計約三十三億円でございます。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕

○水道局長(中嶋正宏君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず、消費税率引き上げに伴う水道料金収入への影響額についてでございますが、平成三十一年十月から予定されております消費税率引き上げに伴う水道料金収入への影響額は、平成二十九年度の給水収益決算額をもとに試算いたしますと、平年度ベースで約五十八億円でございます。
 次に、水道局における業務委託についてでございますが、水道局では、地方公営企業法に基づき、常に経済性の発揮が求められており、民間に委ねられる業務は可能な限り委託することで、効率的な事業運営を行っております。
 同時に、職員に業務に必要な知識やノウハウを身につけさせるため、技術研修などを定期的に実施しております。
 今回判明しました事実では、担当職員が委託業務の指導監督に関する知識や経験が不足していたことに加え、コンプライアンス意識が欠如していたため、受託事業者と必要以上に距離が近くなったことが明らかとなっております。
 このため、今後は、技術継承など職員の育成をさらに強化しますとともに、職員間で専門的ノウハウを共有し、個人ではなく組織的に受託事業者の指導監督を行うよう、職場体制を抜本的に見直すなど、再発防止を徹底してまいります。
 最後に、今回立入検査を受けたと報道のあった四社への元水道局職員の再就職状況についてでございますが、都におきましては、幹部職員については平成二十二年以降、一般職員につきましては平成二十八年以降、退職後の再就職の届け出を義務づけております。
 これによりますと、四社のうち一社に、平成二十三年に退職した部長級職員一名が再就職しております。
 なお、今回の事故をきっかけに特別に調査を実施しました結果、公正取引委員会の立入検査が行われた時点で、当該の一社に、この社員のほか、局長級、課長級各一名の退職管理条例上、届け出義務が生じない職員が二名、合計三名が在籍しておりましたが、現時点では課長級の一名が在籍していることを確認しております。
〔下水道局長小山哲司君登壇〕

○下水道局長(小山哲司君) 消費税率引き上げの下水道料金への影響額についてでございますが、来年十月に予定されております消費税率引き上げに伴う下水道料金への影響額は、平成二十九年度決算額をもとに試算いたしますと、平年度ベースで約三十二億円でございます。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 六点のご質問にお答えいたします。
 まず初めに、国民健康保険の子供の均等割保険料についてでございますが、国民健康保険は、法に基づく全国統一の制度であり、子供に係る均等割保険料軽減措置を含め、その制度上の課題につきましては、国が責任を持って対応すべきものであると考えてございます。
 次に、子供の権利の擁護についてでありますが、都は、子供が健やかに成長できる社会の形成を目指し、子供・子育て支援総合計画に基づきまして、本人から直接相談を受ける子供の権利擁護専門相談事業など、子供の権利擁護に関するさまざまな施策を実施しております。
 現在、子供を虐待から守るための条例の検討を進めており、先般、子供の権利利益の擁護と健やかな成長を図ることを目的とし、虐待の防止に当たっては、子供の成長、年齢等に応じた意見を尊重することや、子供の最善の利益を優先することを理念とした骨子案を取りまとめたところでございます。
 次に、予期しない妊娠の防止についてでありますが、都は、若い人たちが妊娠、出産に関して正しい知識を持ち、自分自身のライフプランを考えられるよう、さまざまな普及啓発を行っております。
 また、予期しない妊娠など、妊娠や出産に関する悩みを抱える女性からの相談に対し、妊娠相談ほっとラインにおきまして、看護師等の専門職が電話やメールで助言等を行っているところでございます。
 先般取りまとめた子供を虐待から守るための条例の骨子案におきましても、子供等に対する、予期しない妊娠に至らないための啓発や、相談先等に関する情報提供の実施につきまして盛り込んでおります。
 次に、認知症高齢者グループホームについてでありますが、都は、国制度による補助に加え、独自の支援策として、一ユニット当たり二千万円の整備費補助を実施しており、整備状況が十分でない区市町村につきましては重点的緊急整備地域に指定し、補助額を一・五倍の三千万円としております。
 今年度からは、対象となる地域を拡大するとともに、建築価格の高騰に対応するため、一・二五倍とする加算も創設し、支援の充実を図っているところでございます。
 これらの取り組みによりまして、事業者等の負担を軽減することで利用者の家賃負担の軽減を図るほか、区市町村に対し、介護保険制度の地域支援事業を活用した低所得者への家賃助成の実施を働きかけております。
 今後とも、グループホームの整備を進めてまいります。
 次に、障害者グループホームへの支援についてでございますが、都は、事業者が利用者の障害の重度化等に対応できるよう、平成三十一年一月から運営費補助の仕組みを改めることとしております。
 新たな仕組みでは、事業者がサービスの質の向上のための国加算を取得した場合に、加算額が収入に直接反映されるようになることから、事業者が加算の取得に積極的に取り組めるよう、本年一月から八月にかけまして、国加算の取得方法や都の補助金の請求事務等に関する説明会を開催したほか、電話や来所による相談も随時受け付けております。
 個々の相談に対しましては、それぞれの利用者の障害の程度や職員体制、実施している支援の内容等を踏まえた上で助言を行うなど、事業者がこの補助制度を十分活用できるよう、丁寧に対応しております。
 最後に、重度障害者を受け入れるグループホームについてでございますが、都は、重度の障害者を受け入れるグループホームの整備を促進するため、今年度から、介護リフトなどを整備する場合、補助基準額への加算を行っております。
 また、事業者の中には、国で定める基準以上の人員を配置してサービスの質の向上を図っている事業者もあることから、身体上または行動特性上、特別な支援を必要とする利用者の受け入れを進めるために、手厚い職員配置を行うグループホームに対しまして支援を行うことを検討しております。
〔主税局長目黒克昭君登壇〕

○主税局長(目黒克昭君) 米軍関係者の自動車税についてでありますが、米軍構成員等の私有車両に対して適用される税率は、日米地位協定に基づく日米合同委員会において合意されたものであり、都は、この特例税率により課税を行っております。
 平成三十年四月一日現在において、この特例税率が適用される車両は約四千六百台であり、特例税率の適用による影響額は約一億四千万円と推計しております。
 都はこれまでも、横田基地に関係する都内六市町や米軍基地所在の道府県とともに、国に対してこうした自動車税の優遇制度の是正を要請しており、今後も引き続き要請を行ってまいります。
〔百四番尾崎あや子君登壇〕

○百四番(尾崎あや子君) 国民健康保険税について、知事に再質問します。
 全国知事会は、二〇一四年の国保制度の提言で、国保の被保険者の負担が限界に近づいているとして、抜本的な財政基盤の強化が必要だと述べています。その後、東京の保険料はさらに上がっています。
 知事は、保険料が負担の限界に来ているのではないかという我が党の質問に正面から答弁しませんでした。全国知事会の立場とも違うのではありませんか。知事は、負担が限界に近づいているという認識があるのですか、ないのですか。知事、お答えください。
 二問目です。知事は、国保の財源は、保険料二分の一、公費二分の一が基本だといいました。しかし、全国知事会は、定率国庫負担の増額を求めています。
 全国知事会と連携して、定率国庫負担の増額を国に強く求めるべきです。知事、いかがですか。
 三問目です。課税能力に関係なく、国民一人について一定額を課税する人頭税について、広辞苑は、原始的租税形態、悪税だと説明しています。国保の均等割は時代おくれの人頭税と同じようなものです。
 知事、時代おくれの均等割をなくして、負担能力に応じた保険料を払う制度に発展させてこそ、持続可能な制度になるのではありませんか。
 国保について、以上三問、知事の答弁を求め、質問を終わります。(拍手)
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 国民健康保険に関する三点のご質問を頂戴しました。
 まず一点目でございますが、全国知事会の国要望とあわせまして、負担が限界に来ているか否かでございます。
 先ほど知事からもご答弁させていただきましたように、その保険料、保険税の賦課方式や料率につきましては、都民のさまざまな暮らし向きを踏まえながら、各区市町村がみずから定めるものでございまして、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されているものと認識してございます。
 それから、二つ目の増額を求めていることについてでございますが、ご指摘いただきました二〇一四年の全国知事会の要望もそうでございますが、その趣旨といたしましては、医療保険制度間の公平と今後の医療費の増加にたえ得る財政基盤の確立を図るための方策を講じるよう国に求めたものと考えております。
 三つ目の公費投入、持続可能な制度等々でございますが、これまでも再三ご答弁させていただいているところでございますが、国民健康保険は相互扶助の考えに立ちました社会保険制度でございまして、法に基づきます全国統一の仕組みでございます。その制度の運用、構築に当たりましては、国が責任を持って対応するものと考えております。

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