平成三十年東京都議会会議録第十六号

   午後三時二十五分開議

○副議長(長橋桂一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 百二十一番山崎一輝君。
〔百二十一番山崎一輝君登壇〕

○百二十一番(山崎一輝君) 平成三十一年度与党税制改正大綱が二日後に正式に明らかになりますが、先ほど我が党が入手した情報によると、都は、新たに四千二百億円の財源を国に拠出せざるを得ないこととなり、一方、これまで我が党が国や政府に要望してきた将来の経済社会情勢の変化に対応できるセーフティーネットについて、法律にその規定を明記することになるという一報が入りました。
 思い返せば、昨年の十二月十四日、平成三十年度与党税制改正大綱において、地方法人課税の偏在是正措置を新たに講じる旨が記されたその瞬間から、都民の税を守るための新たな戦いが始まったのであります。
 この間、都議会自由民主党は、都民の与党として、安倍総理大臣を初め自民党税制調査会の役員、国会議員やその他大勢の関係者に対し、東京が抱える特有の財政需要や、東京が日本の首都として果たすべき役割を理解していただき、そして、都民生活と東京、日本の未来を守るべく必死の思いで訴えを続けてまいりました。
 しかしながら、新聞報道では、東京から地方へ再配分を行う金額が合計一兆円を超えるという、あたかも既定路線であるかのように何度も報じられてきました。
 都議会自民党は、総力を結集し、今日に至るまで全身全霊をかけて、我々の持てる限りの力を尽くしてまいりました。このことは、都民の皆様にかたく誓って申し上げることができます。
 では、都議会第一党たる都民ファーストの会東京都議団は、果たして力の限りを尽くされたのでしょうか。
 聞くところによりますと、要請活動に赴かれたのは、どうやら先月下旬が初めてとのことです。加えていうならば、本来、直接お会いして、東京の実情を直接訴えかけるべきにもかかわらず、その多くは要請文を事務所スタッフに渡して、早々に退散されていったという話も聞いております。これではまるでポスティングであり、都政の責任を担うべき都議会第一党がこのありさまでは、都議会全体の本気度が疑われても仕方はありません。
 そして、何より我々が悔しく思うのは、これまでの間、再三再四、進言を申し上げてきたにもかかわらず、都民の税を守る都政の責任者である小池知事が、真に都民のためのことを思って最善を尽くされたようにはとても見えなかったことです。
 税制改正がこれから佳境を迎えようとする先月にも、みずから白紙撤回をしたこどもの城を、当時と比較して一・五倍以上となる約六百億円以上もの費用をかけて再度購入する方向にかじを切られました。正念場を迎えるこの時期に、地方の方々からの羨望と反感を覚えかねない内容です。東京富裕論を助長しかねない、真に都民のことを本当に考えての行動なのか、到底納得できません。
 小池知事、都民生活にかつてない危機をもたらし、東京の将来を暗く閉ざしかねない今般の税制改正は、都民の負託に応えるべき小池知事ご自身が招いてしまったのであります。
 これまでにないレベルでの巨額の財産を失いかねない現実を目の前にして、このたびの税制改正をめぐるご自身の一連の言動や振る舞いについて、知事自身はどのように捉えられているのか、見解を伺います。
 また、知事は、今回オール東京で取り組むといってきましたが、オール東京とは今回の税制の問題だけなのか、見解を伺います。
 一連の税制改正をめぐる小池知事の言動、振る舞いに関して、我々都議会自民党としては、是が非でもこの場で明確にはっきり小池知事にお答えをいただかなければならないことがあります。
 マスコミ報道によれば、十一月五日、都知事選や都議選などをめぐって対立する自民党東京都連の幹部と会談し、選挙戦ということもあり、言葉が過ぎた部分があったと陳謝され、このたびの税制改正への反対に向けて自民党都連との連携が欠かせないとの立場を強調されたという報道もございました。
 さらにその後、十一月八日、突然、小池知事名で、自民党東京都連鴨下会長、高島幹事長宛ての文書が届けられました。それは、国の施策及び予算に対する提案要求に係る協力要請会について及び国の税制改正に向けた協力要請会の実施についてという文書であります。
 就任以来、自民党と徹底的に距離を置かれてきた知事が、あたかもついでに申し上げるかのような、なお書きを一文つけ加えた形で陳謝をされているのです。それは、「なお、選挙中に貴党を批判する発言を行ったことについて、改めて陳謝を申し上げます」と、行数にして、たった二行をつけ加えた軽い内容でありました。
 しかしながら、これ以上ないほど信頼関係が崩壊している間柄において、過去の文書をただ焼き直し、ついでのように陳謝をしているだけなのであります。政治家として発する陳謝という言葉の重みに対して、実際に行われている行動が余りにも軽過ぎて、全くつり合いがとれていない、そう感じるのは私だけではありません。
 どのような思いでこの文章を書かれたのか、到底理解ができません。小池知事、これまで幾らでも機会はあったはずです。なぜ、このタイミングだったのでしょうか。税制改正に向けた旗色が悪いと見るや、土壇場で突如変節し、呉越同舟とうたいながら、ついでの陳謝で連携を持ちかける、そのような人と同じ舟に乗ろうなどと思いたくても思えません。
 どう転んでも、国から巨額の都税を取られることが確実になってきたので、その責任を我々になすりつけようとするための陳謝と連携ではないでしょうか。これも小池知事ならではの一流のパフォーマンスではなかろうかとさえ勘ぐってしまいます。
 十一月八日に出された文書の宛先である鴨下都連会長は、知事から正式に陳謝されたという受けとめではないと申されております。
 我々都議会自民党も今日に至るまで、知事から陳謝されたとは受けとめていません。
 小池知事が発せられた一連の陳謝について、この本会議の場で、次の二点を明確にお答えをいただかなければ、我々は先に進むことができません。
 小池知事、伺います。
 陳謝の際に用いられた選挙とは一体何の選挙を指しているのでしょうか。また、陳謝の相手先には、都議会自民党も入っているのですか。知事ご自身の言葉で明確にお答えをください。
 十月十一日、二年おくれで、本当にようやく豊洲市場が無事に開場の運びとなりました。これまでの間、幾多の困難を乗り越えながら、開場に向けてご尽力をされてきた関係者の皆様に心から敬意を表するとともに、都民の台所として、今後長きにわたり、その可能性と魅力を存分に発揮していくことを心から願っている次第であります。と同時に、市場運営を支える市場会計が果たして持続可能なのか、破綻を来すことはないのか、それこそが今後の市場運営を左右する重要な鍵であることはいうまでもありません。
 思い起こせば昨年六月、知事は、築地は守る、豊洲を生かすとの聞こえのよいフレーズで、築地市場の土地は売却せず、その地代収入を元手に、豊洲市場の赤字解消につなげると基本方針を示されました。このことは紛れもない事実であり、この基本方針が全ての負の始まりであったわけです。
 そのまま一年以上が経過をした後、突如、先般の関係局長会議の場において、一般会計への有償所管がえも視野に入れて検討を進めるとの新たな考えが示されました。
 先月三十日の記者会見でこの件を問われた知事は、すぐさま気色ばんだ表情で方針転換を否定されておりましたが、誰がどう見ても方針転換であることに疑いはなく、報道機関も都民の皆様も同様の見方をされているものだと思います。
 念のため申し上げておきますが、我が党は、この築地の市場の跡地について、一貫して売却すべきとの立場にあります。そうした意味で、有償所管がえ自体に反対するものではありません。
 客観的に見ても、知事が示された貸付スキームがもはや成り立たない状況にあることは周知の事実であり、改めて検討するまでもありません。
 築地市場の跡地を縦断する環状二号線用地は、既に先行して有償所管がえの金額の支払い手続がほぼ完了しております。平成三十三年度から年間百六十億円もの地代収入を得ることは、事実上不可能な状況にあるといっても過言ではありません。再来年には豊洲市場が抱える多額の企業債の返済も始まります。
 知事は、年明けの予算発表の段階で明らかにしたいと述べられておりますが、もはや有償所管がえを検討する時期ではなく、誰がどう見ても、今すぐにでも決断すべきときであります。
 なぜ、こうも時間を稼ぎ、検討を引き延ばそうとされるのでしょうか。私には、築地を守ると高らかに宣言した知事の言葉、知事ご自身は再開発の一つの考え方といい逃れをされるかもしれませんが、その象徴として掲げられた食のテーマパーク構想がいまだ尾を引いているためとしか考えられません。
 そもそも市場会計の持続可能性は、築地再開発の検討状況を踏まえて検証していくとされていました。にもかかわらず、さきの関係局長会議の場において、具体的なまちづくりの検討状況が報告されることはありませんでした。
 これまでの臨海地域の計画やプランには含まれてこなかった築地地区が、十七年ぶりに臨海地域のビジョンを描くとされる東京ベイエリアビジョンでは、その対象となっております。このことも、もしかしたら食のテーマパーク構想を先送りするための布石ではないかと勘ぐってしまうのは、何も私だけではありません。
 このような疑念をあらぬ疑念とおっしゃるならば、全ての混乱のもとといえる食のテーマパークを今この場で撤回されるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 いずれにしても、知事は予算発表の段階で、市場会計の検証結果を明らかにし、築地市場の跡地の結論も明らかにすると、そう明言をされております。もし結論を本当に出されるのであれば、それはほぼ間違いなく有償所管がえでありましょう。
 では、仮にそうだとして、その先はどうするのでしょうか。一般会計に有償所管がえした後、その土地を民間売却するのでしょうか。はたまた、都が土地を持ち続けるのでしょうか。
 関係局長会議では、築地まちづくり方針も来年の早い段階で素案を公表し、年度内に方針を取りまとめるとしています。まちづくりにおいて土地の利活用方法は重要なポイントであります。
 築地まちづくり方針を明らかにする際には、このような土地の利活用のあり方を示すことが必要と考えますが、見解を伺います。
 先日の関係局長会議において、築地再開発の検討状況について、築地再開発検討会議により五月に示された築地まちづくりの大きな視点の提言を踏まえ、行政としてのまちづくり方針を検討しているとの報告がありました。
 今後、一月に素案の公表とパブリックコメントを行い、三月に取りまとめ、その後には民間事業者の公募に向けた手続に着手していくことになると思われます。
 また、関係局長会議では、まちづくり方針について、将来像や都市基盤施設、土地利用などの分野別の方向性などについて検討を行っているとの説明がありましたが、しかし、ホームページで公開されている庁内検討会などの状況を見る限り、ばらばらの意見が出されており、到底取りまとめられる状況にはないと思われます。
 そこで、現在検討が進められているまちづくり方針の中で、段階的整備とはどのようなものなのか、具体的には二十三ヘクタールという大規模な築地市場跡地を幾つかの街区に分割していくのか、また何年かけて完成させるのか伺いたいと思います。
 続いて、第三回定例会において小池知事が取得を表明し、さきの来年度予算に係る要求発表において、六百億円を超える用地取得費が計上された旧こどもの城について質問をいたします。
 この国有地は、周囲を旧青山病院、国連大学、コスモス青山という都有地で囲まれた都心の一等地であり、平成二十七年三月にこどもの城が閉館をして以降、我が党はその取得を強く主張し、広尾病院の移転先としてその購入が決まっていたものであります。
 当時、用地取得に係る予算は、議会にて全会一致で可決、成立していたところでありました。
 ところが、小池知事が誕生すると、一連のブラックボックス批判の文脈の中で、知事は広尾病院の移転、そして国有地の取得をも白紙撤回をしてしまいました。
 その結果、本来であれば、当時の三百七十億円で取得ができたはずの土地が、六百億円にもコストが膨らむことになったことは明らかであります。
 隣接する都有地の付加価値を高めるためにも、都として計画性を持って早期に土地を購入しておくべきであったにもかかわらず、この間、知事は一体何をしていたのかといわざるを得ません。
 こうした構図は、一旦立ちどまった市場移転、あるいはオリンピック会場の見直しの際の混迷ぶりと全く同じであります。
 折しも現在、税制改正の議論の中で、都の税収が国に奪われかねない危機に瀕しているのにもかかわらず、三百七十億円で買えたものを、用途目的が明確でない段階で、みすみす高値で国から土地を購入するなどというのは、明らかに知事の失政ではないでしょうか。
 現時点では予算の要求段階であり、賛否について論ずるものではないが、少なくとも土地の取得云々を議論する以前の問題として、まずもってこの責任を知事自身どのように認識をしているのか、知事みずからの言葉で見解を伺いたいと思います。
 来年五月に都は二つの国際会議、都市の防災フォーラムTokyoとU20メイヤーズ・サミットを同時に開催いたします。U20メイヤーズ・サミットは、G20に参加する各国に対し、都市課題の観点から提言を行っていく会議であり、来年大阪で開催されるG20に合わせて東京で開催されます。開催に当たっては、世界に対して都市の存在感、ひいては東京の存在感を示すことが非常に重要になってくるものと考えます。
 一方、都市の防災フォーラムTokyoは、都が独自に主催する防災を主題とした国際会議であります。振り返ってみると、本年は大阪や北海道での地震や西日本での豪雨など、日本各地で災害に見舞われた年でありました。
 その意味で、日本の首都である東京において、防災をテーマにした国際会議を開催し、さまざまな災害について世界各都市を代表する人々と知識と経験を共有することは、一定の意義を有するものであります。
 また、都内の防災関連施設等を視察し、都の防災の強靱性に触れることとともに、東北の被災地を実際に見ていただき、災害復興の現場を肌で感じていただくことも重要です。
 来年、防災フォーラムTokyoとあわせてU20メイヤーズ・サミットを同時開催するのであれば、これを好機に捉え、その相乗効果により、世界に対して防災の重要性を改めて訴えるべきと考えますが、見解を伺います。
 オリンピック・パラリンピック大会の開催まで六百日を切りました。大会本番に向けて厳しい鍛錬を重ねる選手の動向が連日のように報じられるなど、徐々にではありますが、都民、国民の皆様の関心も高まってきているように感じられます。
 しかしながら、大会を真の意味で成功に導くためには、選手の動向や開催意義だけではなく、経費負担のあり方についても、都民、国民の皆様にしっかりとご理解、ご納得をしていただくことが不可欠であります。
 ことし一月、都は競技施設の建設や輸送など大会開催そのものに要する大会経費六千億円とは別に、大会に関連する事業として約八千百億円の都負担が生じる見込みであることを明らかにしました。
 しかしながら、この大会関連経費八千百億円に関していえば、疑念を抱かざるを得ない部分も多くあるのが紛れもない事実であります。
 折しも、本定例会の開会日当日、曖昧で不透明な大会経費の線引きに対する厳しい批判記事も紙面をにぎわしました。
 それとは別に、都はことし三月、選手村に水素エネルギーの供給を行う基本協定を民間事業者と締結し、まさに大会を契機として水素社会の実現を目指していくとのことですが、こうした経費も八千百億円には含まれているかどうかわかりません。八千百億円の内訳が示されていないため、果たして含まれているのか、含まれていないのか、我々には確認のしようがありません。
 先般、都は平成三十一年度予算要求状況を公表いたしました。この中にも明らかに大会に関連する新規事業が幾つも散見されますが、これらの事業が大会関連経費として示された八千百億円の中に含まれているのか甚だ疑問に思うところであります。
 知事は、この八千百億円の公表理由として、都民の皆様に規模感を知っていただきたいとのことを挙げられていましたが、具体的にどのような事業が含まれているのか、なぜその事業が含まれるのかなど、肝心な情報は明らかにされておりません。
 オリンピック・パラリンピックに対する財政負担に、都民、国民の厳しい目が向けられていることは確かであります。
 しかしながら、真に大会に関連して必要な経費なのであれば、都民、国民の皆様に逃げることなく正面から説明することこそが、開催都市の長たる知事の果たすべき役割ではないでしょうか。
 我が党としても、バリアフリー化の推進やボランティアの育成など、大会を契機として必要な取り組みを加速させることに全く異論はありません。未来の東京に向けて、大会を契機に真に取り組むべき施策であるならば、その結果として八千百億円を超えることがあったとしても、はなから否定するつもりは全くありません。
 そのためにも、あやふやな線引きをしてごまかすのではなく、含めるべきものは含めた上で、全てをオープンにして議論するべきであります。
 そもそも大会関連経費とは、何をどこまで指すのでしょうか。都民、国民の真の理解と納得を得るために、大会関連経費八千百億円に含めるべきものは含めた上で、線引きを明らかにし、一刻も早くその詳細を明示すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 続いて、ラグビーワールドカップ二〇一九年大会の開幕まであと二百八十二日となり、時間がなくなってきております。
 都は開催都市として多くの観戦客を迎えるため、準備を急ピッチで進めていく必要があります。特に二カ所のファンゾーンや武蔵野の森スポーツプラザ内のペデストリアンデッキを含む試合会場周辺においては、観戦するだけでなく、さまざまな催しにより来場者を楽しませることが重要であり、工夫を凝らした内容を具体的に考えていかなくてはなりません。
 大会開催時には、海外からも多くの人々が訪れることが予想され、こうした機会を捉え、東京日本の魅力を発信することが必要であると考えております。
 例えば、浅草で人気の着物の着つけ体験や忍者体験、そして子供にもできる折り紙体験など、そして日本の伝統文化と触れ合う催しなどを実施すれば、海外からの旅行客がラグビーの観戦とともに日本文化を体験することができます。また、日本人が各国の異文化を体験するためには、各国の大使館などの協力が必要になります。
 大会開催時に海外から観戦客が日本の文化や東京の魅力に触れられる取り組みについて伺います。
 続いて、豊洲市場が開場して二カ月ほど経過をいたしました。市場本体は開場いたしましたが、本来ならば千客万来施設も一部開業をしていたはずであるのに、移転延期の影響を受け、いまだに開業に至っておりません。
 それによるひずみが至るところに生じております。築地の場外市場の事業者の中には、豊洲市場に移った市場への買い出し人の減少により苦戦しているところもあるという話も聞きます。
 また、豊洲市場内の飲食店では、絶対的な収容力が不足しており、観光客の方々が長時間列をつくって順番を待つだけでなく、市場で働く人々が気軽に立ち寄ることができていた飲食店も大変混雑をしており、なかなか利用ができないとの声も寄せられております。
 豊洲市場の開場の際には、千客万来事業を通じて、築地場外のにぎわいを引き連れていくことが必須とされておりました。これにより、築地場外の事業者も参画することができ、市場ならではのにぎわいを創出することで、豊洲地区全体の、そして市場の発展が進むはずでありました。
 改めて申し上げておきますが、千客万来事業が当初の予定どおり進まず、築地の場外のようなにぎわいを豊洲において発展させるという極めて重要な目的も、いまだ実現をしていないことの原因は、まさに知事による二年間の移転延期であります。
 都は千客万来事業について、東京大会後に着工することで万葉倶楽部と合意し、その間はイベントや仮設施設でのマルシェなどを展開するとのことでありますが、こうしたもので本来の千客万来施設の機能を果たすことができるのか、築地場外のにぎわいを豊洲において実現しつつ、発展に継続させていくことが担保できるのか、中身が全く示されていないため全くわかりません。
 千客万来施設が完成するまでの間、都が五街区、六街区で実施するとしているイベントやマルシェについて、千客万来施設事業の本来のコンセプトと当然同様のものでなければなりません。
 そこで、東京大会後、整備予定の万葉倶楽部による商業施設とどのように連続性を持たせ、結びつけて展開、発展をさせていくのか所見を伺います。
 続きまして、世界で一番の都市東京を実現するためには、将来の都市像を見据えて、鉄道ネットワーク整備を戦略的に進めていくことが重要であります。
 我が党はかねてより、国際競争力や多摩地域の発展など将来の都市像を見据え、鉄道ネットワークの整備を戦略的に進めていくことの必要性を主張してまいりました。
 二年前には都の要望を受ける形で交通政策審議会の答申が出され、より質の高い鉄道ネットワーク構築をしていく観点から、おおむね十五年後の二〇三〇年ごろを念頭に置いて東京圏の都市鉄道のあり方が示されました。
 このような背景がある中で、都は、国の答申において事業化に向けて検討などを進めるべきとされた六路線を進めるために、本年四月に事業の財源を確保するための基金を創設しましたが、創設から半年以上たつ今でも、それぞれの事業化に向けた具体的な道筋が見えておりません。
 鉄道新線の事業化には、関係者との調整が必要であり、時間がかかることは承知しておりますが、答申に示された路線を中心とした鉄道ネットワークの充実について、どのような姿勢で取り組まれていくのか、知事の所見を伺います。
 また、力強い経済で日本をリードする首都東京をつくり上げていくためには、大胆な経済対策とあわせて、国際競争力をこれまで以上に強化していくことが極めて重要です。
 国の答申においても、東京の都市鉄道が目指すべき姿の一番目に、国際競争力の強化に資する都市鉄道が挙げられており、空港、新幹線との連携強化や拠点となるまちづくりとの連携強化といったテーマが示されています。
 そこで、国際競争力の強化に資する路線として提示された羽田空港アクセス線、新空港線及び地下鉄八号線の三路線について、今後の取り組みについて伺います。
 さらに、将来を見据えて多摩地域をどのように活性化していくかも重要な視点であります。多摩地域は圏央道など高速道路や多摩南北道路の整備により、道路交通ネットワークが充実されるとともに、リニア中央新幹線の整備により、ほかの都市圏との交流による経済効果も期待されております。
 そのような中で、多摩地域の公共交通の利便性にはまだまだ不十分な面があり、南北方向の交通機能の強化に資する多摩都市モノレール箱根ヶ崎方面及び町田方面への延伸の重要性が高まっていますが、今後の取り組みについて伺います。
 国は現在、二〇二〇年までの羽田空港の機能強化に向けて、五巡目の住民説明会を今週末から開始するなど、さまざまな取り組みを進めています。
 本年十月に発表された都市総合ランキングでは、昨年に引き続き世界第三位だったものの、課題であった交通アクセス分野の順位は五位にとどまっております。
 公共交通の充実、正確さなどは高水準を保つものの、さらなる上昇のためには、国際線直行便就航都市数の拡大が鍵となっております。
 東京の都市間競争の強化に向けて、羽田空港の機能強化と国際化は極めて重要であり、知事も羽田空港の機能強化は必要不可欠と、これまでの議会で述べております。
 そして、都議会においても、この羽田の機能強化に反対する請願陳情については、共産党など一部会派を除き全会派が不採択とし、まさに知事と都議会が一体となって羽田の機能強化と東京の発展を目指して取り組んでおります。
 ところが、さきの品川区長選挙で、この方針を真っ向から否定することを旗印に立候補した候補者と知事がポスターにおさまり、都議会第一党はこの方を推薦していました。多くの都民は、知事、そして都議会第一党の政治姿勢に強い戸惑いを覚えたと思います。
 多くの都の事業に共通することでありますが、大きな目標達成のためには、時には各地域の方々のご理解とご協力が必要になります。一番いけないのは、選挙対策を優先して、都合のよい言葉を使い分けることであります。都知事、そして都議会の信用にかかわることです。
 そこで改めて、都心上空のルートによる羽田空港の機能強化について、知事の見解を伺います。
 ロンドン二〇一二年大会では、大会期間中に千機以上、発着合計で二千機以上のビジネス航空が飛来したと聞いております。東京大会時にもかなりの機数のビジネス航空が飛来することが予想されます。
 ビジネス航空については、羽田空港は一昨年に日中の受け入れ便数を八便から十六便に拡大、成田空港は特に便数の制限がないと聞いておりますが、利用時間帯のニーズが重なることや、駐機スポットの数にも限りがあることから、羽田空港と成田空港だけではとてもさばき切れないように思えます。
 羽田空港と成田空港で間に合わなければ、それ以外の空港の活用も考えなくてはなりませんが、その場合、空港施設の規模や空港管理者との調整、横田空域の問題、空港から目的地までのアクセス等、さまざまな要素について考える必要があります。
 羽田空港へのビジネス航空飛来機数は年々増加しているものの、年間当たりロンドンの主要空港の約四%程度と、まだまだ低いレベルであり、東京大会を契機にビジネス航空の利用促進を図り、その後の活気ある東京の発展につなげていくべきであります。
 羽田空港は都心から近いこともあり、より一層の受け入れ体制の強化が望まれますが、都として、東京大会時及びその後におけるビジネス航空対策をどう考えているのか見解を伺います。
 また、東京大会開催時には多くの来訪者が見込まれるため、この機会に横田基地でビジネス航空を受け入れ、横田基地の軍民共用化の契機とすべきであると考えますが、横田基地の軍民共用化を主張していた知事ですが、具体的な行動は全く見えておりません。知事は、今後どのように国に働きかけていくのか伺います。
 分譲マンションは、今や都内総世帯数の四分の一を占める東京を象徴する居住形成となっておりますが、建築されてから四十年以上経過したものも多数立地しております。こうした築年数の経過したマンションの管理組合には機能していないものもあります。
 今後、建物の老朽化と居住者の高齢化という二つの老いが急速に進行してまいります。
 我が党はかねてより、この二つの老いに伴い、マンションの老朽化や建てかえへの早期対応、また維持管理が課題となるため、管理組合への支援等に都が率先して実効性のある取り組みを行うべきと主張をしてまいりました。
 都は、少子高齢化など急速な社会状況の変化を踏まえ、都内全マンションの実態調査や住宅政策審議会の審議、良質なマンションストックの形成促進計画の策定、マンション再生まちづくり制度の創設など、数々の取り組みを進めてきました。
 このように都民の生活に直結する重要案件だからこそ、さまざまな方の意見を十分に聞きながら、慎重に審議を繰り返し、条例化に向けて、足かけ四年の年月を費やしてきました。都議会にも十分な説明がなく、知事が拙速に進めようとする条例案とは、そのプロセスや努力が全く違うということを述べておきます。
 こうした長年にわたる取り組みの上に立ち、都はこのたび、本年三月に設置した学識経験者によるマンション管理適正化に向けた検討会の最終報告を受けて、条例制定を目指して検討するとしています。
 都は条例を制定し、マンションの管理適正化にどのように取り組むのか、また、取り組みによる狙いはどのようなものと考えているのか、見解を伺います。
 都市における緑は、都市住民の貴重なレクリエーションや憩いの場であることに加え、災害における避難場所あるいは野生生物の貴重な生息場所となるなど、多様な機能を有しています。
 東京の緑は、公園、緑地は確実にふえているものの、全体としては減少を続けています。
 都は、昨年改定公表した都市づくりのグランドデザインにおいて、東京の緑を総量として、これ以上減らさないことを目標に掲げたところであります。
 現在、都市計画審議会において、東京における土地利用に関する基本方針についての検討が行われており、九月には中間報告がありました。そこでは、今後の土地利用の誘導に当たって、都市機能のさらなる集積とともに、厚みとつながりのある緑の充実と都内全域での緑の量の底上げ、質の向上の必要性が示されたところであります。
 東京の緑をこれ以上減らさないための取り組みを着実に推進していくことが必要と考えますが、今後どのように取り組んでいくのか都の所見を伺います。
 続いて、平成三十年には、西日本を中心とした七月豪雨など多数の自然災害が発生し、中でも土砂災害により多くのとうとい生命が失われました。
 頻発化、激甚化する自然災害に対しては、国土強靱化の取り組みを強化していくことが不可欠であります。国においても重要インフラの緊急点検を実施しており、土砂災害対策を強化することとしています。
 土砂災害から都民の命を守るためには、ハード対策とともに区市町村と連携した地域住民の防災意識を向上させる取り組みを進めることにより、迅速な避難行動を促すソフト対策を進めることも大切であります。
 そこで、都の土砂災害対策について伺います。
 続いて、暑さ対策について伺います。
 ことしの夏、日本列島は記録的な暑さに見舞われました。そして、この暑さ対策は一体どの部署が責任を持って進めていくこととなるのでしょうか。
 ことし六月に開かれた東京大会に向けた東京都暑さ対策推進会議では、それぞれの取り組みごとに関係機関が示されています。この会議はさかのぼるところ三年前の平成二十七年に立ち上げられ、副知事を座長として、庁内各局のみならず、大会組織委員会や内閣官房を含む関係各所が連携して総合的に対策を進めていくためのいわば暑さ対策のプラットホームであります。
 そうした中、本定例会に提出された補正予算案において、突然、暑さ対策を集中的、効率的に進めるという名目のもと、暑さ対策緊急対応センターが設置されることが明らかにされました。
 暑さ対策を集中的、効率的に進めること自体に対しては、大いに賛成するものでありますし、二年後の夏もことし同様、あるいはことし以上の暑さとなる可能性もあることから、暑さへの備えはどんどん進めていってもらいたいと思います。
 しかしながら、東京大会に向けた東京都暑さ対策推進会議において、関係機関の役割分担が一定程度整理され、大会開催まで六百日を切り、テストイベントまで残り一年弱というこのタイミングで、またもや突然、新たな組織を立ち上げ、暑さ対策を一元管理するかのような新たな方針を唐突に打ち出されたことには、計画性が全く感じられません。
 この暑さ対策緊急対応センターは、環境局所管の監理団体である東京都環境公社に設置されるとのことであります。
 念のため申し上げますが、この東京都環境公社は、資源循環の促進、スマートエネルギー都市の実現、自然環境の保全活動などを手がけております。
 我々は、東京都環境公社を決して過小評価するわけではありません。ですが、真夏の炎天下の中で開催される東京大会にとって、暑さ対策は大会の成功をも左右しかねない最重要かつ喫緊の課題の一つであります。
 急を要するからこそ、知事は補正予算に盛り込まれたのでありますから、東京都環境公社が担う暑さ対策緊急対応センターの具体的業務もしっかりと固まっていなければおかしいはずです。
 現状では、知事が発せられた集中的、効率的という耳ざわりのよい言葉だけがひとり歩きしているようにも見えます。知事のおっしゃる集中的、効率的な暑さ対策を責任を持って本当に進めていくことができるのでしょうか、知事の見解を伺います。
 さまざまな条例改正が新たに提出されておりますが、真に行政が果たすべき条例の中の環境確保条例の改正について伺います。
 本定例会において、環境確保条例の土壌汚染対策制度の改正案が提出されておりますが、条例改正により東京の環境を守ることは当然のことでありますが、一方で、過度に規制が強化され、東京の経済成長を阻害するようなことがあってはなりません。
 土壌汚染対策制度については、本年第一回定例会の我が党の代表質問において、適切に土壌汚染対策を行いながら、事業者の負担も軽減できるよう、関係者の意見を聞きながら見直しを進めていくべきと指摘したところです。
 そこで、今回の条例改正案の検討に当たり、どのように事業者の意見を聞き、どのような改正案となっているのか、見解を伺います。
 東京の持続的発展のため、産業を支える中小企業の振興を図ることは重要命題であります。
 知事もさきの定例会において、中小企業の活性化こそ成長戦略の中核と表明されました。GDP百四兆円の巨大な経済圏が日本の成長を支える原動力として期待されていることを考えれば、当然の認識であります。
 しかし、この膨大な金額も、突き詰めれば、都内四十五万に及ぶ事業者の営みの積み重ねであります。産業の活性化とは、つまるところこの一社一社がどう変わるのか、そして行政がこれをいかに後押しすべきかということにほかなりません。
 このたび知事は、中小企業・小規模企業振興条例を提案されました。条例には、中小企業の振興に関する施策を総合的に推進するとか、多様な主体との連携及び協力など、理念が多く語られております。しかし、こうした理念にとどまることなく、これまでの都政は血肉の通った施策を実行してきたのであります。
 二〇〇八年のリーマンショックの際、また、二〇一一年の東日本大震災においても、都議会自民党は苦境にある中小企業の支援に向けて直ちに行動を起こしました。中小企業に関する理念条例はなくとも、企業の切実な求めに対し、都政は具体的にしっかりと応えてまいりました。まさに、こうした事実を積み重ねていくことが政治の役割なのではないでしょうか。
 経営の神様ピーター・ドラッカーはある言葉を残しております。未来を語る前に、今の現実を知らねばならない、現実からしかスタートはできないからである。私も同じ思いであります。
 抽象論や観念論だけでは、経済の実体は何も変わりません。現場の実態をつぶさに把握し、現場の目線に立った具体の施策を展開することこそが重要と考えますが、改めて、中小企業の振興について、知事の基本認識を伺います。
 知事は今般、さまざまな困難を抱える方々を社会全体で包み込むというソーシャルインクルージョンの考え方に基づき、全ての都民の就労を応援する新たな条例の制定を目指すことを表明しました。過日、有識者会議を立ち上げ、議論を開始したところであります。
 現在、安倍政権において、我が国の持続的成長に向けて一億総活躍の旗を掲げ、若者も、高齢者も、女性も、男性も、障害のある方も、一度失敗を経験した人も、誰もが活躍できる全員参加型の社会実現を目指しております。
 そうした意味で、都において就労支援のあり方をさまざまな視点で検討することはとても大切です。しかしながら、なぜ今条例化が必要なのかが明確になっておりません。大事なことは、個別具体の施策をいかに実効に結びつけていくかが重要であります。
 今後の有識者による検討に当たっては、就労に困難を抱える当事者の声や、現場のニーズを酌み取ることはもとより、雇い入れる側の企業や事業者の理解も欠かせません。時間をかけて関係者の意見にしっかりと耳を傾け、真に必要な就労支援のあり方を丁寧に議論していくべきと考えます。
 こうした観点から、今後の就労支援に向けた知事の基本的な認識を伺います。
 続いて、児童虐待防止について伺います。
 児童虐待の深刻化を踏まえ、児童福祉法や児童虐待防止法はこれまで改正を重ねてきました。これらの法改正により、国や地方自治体は児童虐待の対策を進めてきましたが、残念ながら、虐待相談件数は昨年度過去最高となり、また本年三月には、目黒区に転居をしてきた五歳の女の子の虐待死事件が発生するなど、新たな課題も指摘されております。
 この事件を受けて、都としても九月に緊急対策を示し、児童福祉司や児童心理司などの増員、警視庁との情報共有範囲の拡大、児童の安全確認や立入調査を行う基準の明確化といった取り組みを既に進めているところでありますが、特に専門人材の確保は重要な課題となっております。
 そうした人材を確保するだけでなく、複雑化した実態に対応できる人材をしっかりと育成しなければ、たとえ条例を制定しても、子供を虐待から守るという目的が達成されるとは思いません。
 児童虐待により、とうとい子供の命が二度と奪われることのないよう、都は児童福祉司等の専門職員の確保及び育成が最重要課題と位置づけ、取り組みを強化すべきと考えますが、見解を伺います。
 また、虐待を受けた子供の社会的養護の充実を図ることも重要であります。
 児童養護施設や乳児院においても、専門性を有した職員の確保、定着が喫緊の課題であると伺っております。こうした声に応えるためにも、都はさらなる取り組みを行うべきと考えます。
 今後、どのように人材確保に取り組むのか、見解を伺います。
 地震や水害などの大規模災害発生時の医療体制について伺います。
 全国各地の災害を教訓として、薬剤師、柔道整復師、看護師など、さまざまな職種、団体が有事の際、的確に対応をするために独自に研修を行うなど、体制の強化に努めていただいております。
 区市町村においては、それぞれに災害医療体制を整えておりますが、いざというときに各専門職が活躍しやすい環境整備を都として行っていくべきと考えますが、見解を伺います。
 また、発災直後の緊急医療体制はもとより、避難所等における中長期的な被災者支援では、多様なニーズに対応する必要があり、地域間格差が生じるなど課題もあり、さまざまな職種や職業が連携し、きめ細かな支援体制の構築が求められております。都の対応を伺います。
 もう一問、都議会自民党はこれまでも、ICT教育環境の重要性を主張しており、都は、平成二十七年度から私立学校のICT教育環境整備費補助を実施しております。社会の動きや各学校からの需要の高さを踏まえ、今後も引き続き支援を行っていくべきと思いますが、見解を伺います。
 最後に、石原都知事時代、平成十九年には、首都東京の日本の発展につながる、いわゆる十三項目の早期実現に向けて精力的に協議を行う場として、国と東京都の実務者協議会が設置をされましたが、今は、その国との協議会が休止状態にあります。都議会自民党は、東京の活力増進と我が国全体の発展を促進するため、国との協議会の設置を働きかけてまいりました。
 我々都議会自民党は、自民党東京都連とも強固な関係の中、国とも今まで以上に綿密な連携を保ちながら、今後も、東京の一層の発展、そして東京を世界で一番の都市の実現に向けて汗をかいていくことを、決意を申し上げて、質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山崎一輝議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、平成三十一年度税制改正についてのご質問がございました。
 都政の今後を左右するこの重要な課題でございます。都民生活と東京の未来を守る、そのためにも、これまで知事である私みずから先頭に立ちまして、与党税制調査会のメンバー、東京選出の国会議員の皆様方への要請活動などへの働きかけを積極的に行ってきたところでございます。
 加えまして、都議会議員の皆様にもご参加を賜りまして、まことにありがとうございました。
 東京と日本の成長を考える検討会でございます。
 こちらでは、地方税財政制度の抜本的な改革の必要性など、日本全体の成長を見据えた議論を深めていただくとともに、あらゆる機会を捉えて、不合理な税制度の見直しに対しましての都としての見解を発信してまいりました。また、財政運営に当たりましては、ワイズスペンディングの視点に立ちながら、都民生活の向上と東京、日本の発展に向けました施策、こちらを積極的に展開しているところでございます。
 税制改正をめぐる議論は、まさに今、大詰めを迎えているところでございますが、国におきましては、東京そして日本の発展という大局的な見地から、ぜひとも賢明な判断を下されることを願っております。
 次に、オール東京での取り組みについてのご質問がございました。
 私は、就任以来、都民ファーストの都政の展開、こちらを常に目的といたしております。これは、都民のために日夜汗を流されている都議会の皆様方や、区市町村の皆様とも共有できる目的であると確信をいたしております。都議会の皆様と時に協調、時に緊張関係のもとで、互いに都民の代表として、都民のための建設的な議論を交わしながら、東京の明るい未来を切り開くべく、オール東京で邁進していきたいと考えております。
 次に、貴党への陳謝について二問ご質問がございました。
 このたびの貴党への陳謝につきましては、この間の都知事選、都議選、衆院選におきまして、選挙とはいえ言葉が過ぎたことなど、貴党の東京都連に属し、都民の皆様によって選ばれた方々に対しまして、率直に陳謝を申し上げたものでございます。
 築地再開発についてのご質問がございました。
 築地の再開発検討会議におきまして、本年五月に取りまとめられました築地まちづくりの大きな視点で、日本人の伝統的食生活、そして習慣の中核に根差す世界にも知られたブランド、これを十分に生かせるように、先端技術も活用しながら後世に伝える工夫をすべきとの提言をいただいたところでございます。また、民間の知恵を生かしまして、新しい東京のブランドの創造に寄与していくべきとの提言をいただいております。
 こうしたことを踏まえながら、東京全体の成長と魅力の発信に寄与する新たなまちづくりに向けて、まちづくり方針についての検討を進めているところでございます。
 旧こどもの城についてのご質問をいただきました。
 もとより、国有財産を随意契約によって国から購入するに当たりましては、公共的な使途を定めておくことは不可欠でございます。具体的な使途がないまま国から購入することはできないということでございます。
 実際、広尾病院が現地建てかえとの方針を出した昨年の時点で、都としての具体的な利用計画を示して、直ちに国から購入するというのは難しい状態でございました。
 その後、改めて庁内での検討を重ねまして、今回の方針をお示しするに至っております。そして、こうした検討に一定の時間が必要となるのは必然であり、ご指摘のような点は当たらないと考えております。
 なお、土地の売買につきましては、本件に限らず、購入する時点におきましての適正な時価により、取引をするものでございます。
 大会に関連する経費についてでございます。
 組織委員会が実施する仮設整備や大会運営といった大会に直接必要となる経費や、都が行います新規恒久施設整備などの経費につきましては、大会経費として、その総額や都負担額が毎年公表されております。
 また、この大会経費以外に、大会を契機に都が取り組む事業につきましては、大会に関連する事業として、平成三十年度予算案公表の際にその経費の大枠をお示ししているところでございます。
 この大会に関連する事業でございますが、昨今の猛烈な暑さを受けた暑さ対策の推進や、バリアフリー環境の整備、ボランティアの育成、活用、東京の魅力発信など、大会を契機といたしまして、開催都市として、東京の価値をなお一層高めるために取り組んでいく事業でございます。
 こうした大会に関連する事業に係ります経費の状況につきましては、毎年度予算の進捗に合わせて内容を精査いたしまして、最新の情報を予算の公表時期にお示しをするなど、都民の皆様方にわかりやすくお伝えをし、ご理解を得ながら大会の成功とレガシーの創出に向けて着実に準備を進めてまいります。
 鉄道ネットワークの充実についてでございます。
 日本全体の成長を牽引いたします首都東京の国際競争力を強化して、将来にわたって持続的に発展させるためには、東京の強みでございます鉄道網のさらなる充実は不可欠でございます。
 国の答申におきまして、事業化に向けて検討などを進めるべきとされました六路線等が整備されることによりまして、空港へのアクセス機能の向上、鉄道の混雑緩和、残された鉄道空白地帯の解消などが図られて、人や物の交流が活性化をし、豊かな都民生活が実現をいたします。
 今年度、都といたしまして基金を創設することで、事業の裏づけとなる財源をあらかじめ確保いたしました上で、都の取り組み姿勢を明確に示したところでございます。
 現在は、採算性の検証などの調査を実施いたしまして、事業主体や事業スキームなどにつきまして、鉄道事業者を初めとする関係者との協議、調整を加速いたしております。
 こうしたことで、鉄道ネットワークの充実に向けまして、しっかりと取り組んでいく所存でございます。
 羽田空港機能強化についてのご質問がございました。
 東京が、国際的な都市間競争を勝ち抜いていくためには、二〇二〇大会、その後の航空需要に応えまして、国際線の増便を可能とする羽田空港の容量拡大が必要不可欠でございます。
 国が提案した飛行経路の見直しに対しまして、都は、地元への丁寧な情報提供と騒音影響を軽減する方策の検討、徹底した安全管理に取り組むことを国に要請しております。
 これを受けまして、国は、これまでの四期にわたりますオープンハウス型の説明会に加えまして、今月から五期目の説明会を開催するなど、丁寧な説明と意見の把握に努めておりまして、今後もさまざまな形で継続する予定と伺っております。
 また、国は、騒音影響の軽減策として、低騒音機の導入促進に加え、都の要請を受けまして、今年度から学校、病院等の防音工事に対する助成制度を拡充、また、安全対策につきましても、航空機のチェック体制の強化に加えて、本年九月には落下物防止対策の基準を制定して、国内外の航空会社に対し、来年の一月から順次、対策の義務づけを図るなど、総合的に対策を充実するとしております。よろしいでしょうか──はい。
 都は、国に対しまして、騒音影響の軽減や安全管理の徹底と地元への丁寧な対応につきまして、より一層の取り組みを求めて、二〇二〇年までの機能強化が実現できますよう、積極的に取り組んでまいります。
 横田基地の軍民共用化についてのお尋ねがございました。
 横田基地の共用化は、首都圏西部地域の航空利便性の向上、多摩地域の活性化などに資するものでございます。
 この問題は、外交、安全保障にかかわることから、国と連携し取り組んでいくことが不可欠であり、国に日米協議を進展するよう、機会を捉えて要請をしてまいりました。
 さらに、東京二〇二〇大会の開催に伴います多くの来訪者への対応、その後の航空需要を見据えて、ビジネス航空の受け入れを含めた民間航空の利用の実現を図るように、今後も地元の声も聞きながら、国に働きかけてまいります。
 東京二〇二〇大会における暑さ対策でございますが、東京の厳しい暑さから都民や観客などの健康と安全を守ること、それは大会開催都市としての責務でございます。
 都はこれまでも、東京二〇二〇大会に向けた東京都暑さ対策推進会議などを活用しまして暑さ対策に取り組んでまいりましたが、災害級の暑さとされたことしの猛暑を受けまして、さらに対応を強化することといたしまして、副知事をトップに関係局をメンバーとする全庁的な検討チームを八月に立ち上げ、大会における暑さ対策としては、テントやミストの設置等のハード対策のほか、熱中症の予防に関する情報の発信や、うちわ、帽子の配布等のソフト対策も検討いたしております。
 これらの対策を効果的なものとするためには、来年夏に行われるテストイベントで試行をし、検証するということが必要でございます。
 このため、本定例会に補正予算案を提出しておりまして、今年度から速やかに準備に着手をいたします。
 また、対策を実施するために、都市のヒートアイランド対策の研究などを行ってまいりました環境科学研究所を擁しております東京都環境公社に体制を整備いたしまして、これまで培ってきた知見も活用しながら、着実に推進をしてまいります。
 今後とも、東京二〇二〇大会の成功に向けまして、東京都、組織委員会、関係機関が連携をしながら、時機を逸することなく、現場の実態を十分に踏まえ、施策を講じてまいります。
 中小企業の振興についてのご質問がございました。
 都内の企業数の九九%を占めるのは中小企業、そして小規模企業でございます。この中小企業や小規模企業は、東京の経済や雇用を支え、地域に活力をもたらす重要な役割を担っていることはいうまでもございません。
 しかし、その経営環境は厳しく、売り上げの伸び悩みや人手不足が続いて、経営者の高齢化も深刻となるなど、それらの課題の解決が待ったなしの状況にあります。
 こうした中小企業の支援に当たりましては、経営者を初め、業界や働き手の実情に詳しい団体の皆様の意見に耳を傾けまして、効果の高い施策をつくり上げることが大切でございます。
 また、中長期的には、これからの企業経営は経済のグローバル化やICT技術の進展など、かつてない大きな変化に直面することも予想されております。
 こうしたことから、有識者会議での経営者を交えました議論などを踏まえまして、中小企業の振興に関する揺るぎない理念を明らかにする条例、こちらを制定するとともに、施策の具体的な羅針盤となりますビジョンの作成にも取り組んでおります。
 引き続き、中小企業の現場の実態をしっかりと把握しながら、さまざまな事業を磨き上げて質の高い支援を進めてまいりたいと考えております。
 今後の就労支援でございます。
 働くことを希望しながらも、障害のある方など、さまざまな要因から困難を抱え、仕事につけていない方々も少なくありません。
 そうした方々を、行政はもとより、都民、事業者、福祉、教育の関係団体などが一体となって、社会全体で包み込んで就労につなげていくことが必要でございます。
 こうしたソーシャルインクルージョンの理念に基づいて、全ての都民の就労を応援するために、新たな条例の制定を目指すこととしたものでございます。
 誰もが希望や個性に応じて仕事を選択し、活躍できる社会の実現に向けて、都の考え方や、今後の就労支援のあり方を都民や事業者にお示しをし、理解と協力を得ていくためにも、条例の制定は必要だと考えております。
 このため、先月には有識者会議を立ち上げ、議論を開始したところでございます。
 今後、就労を希望する方々への支援や事業者による職場づくりにつきましては、障害者団体や社会福祉に携わる団体など、さまざまな方からのご意見も伺いながら、丁寧に検討を進めていく所存でございます。
 残余のご質問につきましては、東京都技監及び関係局長よりのご答弁とさせていただきます。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 土砂災害対策についてでございますが、土石流や崖崩れなどの土砂災害から都民の生命を守るためには、ソフト、ハード両面から対策を推進することが重要でございます。
 ソフト対策といたしましては、住民の避難行動につながります土砂災害警戒区域等の指定を、島しょ部では平成三十年度中に、都内全域では三十一年度前半までに完了させます。
 さらに、避難の重要性を伝えます住民向けの出前講座に加えまして、今年度から住民参加によりますハザードマップ作成に対する支援を開始するなど、区市町村が住民の防災意識を高める取り組みを後押ししてまいります。
 ハード対策といたしましては、今年度は、大島町の佐久川で土石流をとめる砂防堰堤を整備するなど、三十三カ所で事業を進めております。
 今後とも、都民の安全・安心の確保に向けまして、土砂災害対策を着実に推進してまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 七点のご質問にお答えいたします。
 まず、築地地区の土地の利活用のあり方についてでございますが、築地については、東京のさらなる魅力向上のための新しい役割が期待されております。
 本年五月、外部有識者による築地再開発検討会議が取りまとめた築地まちづくりの大きな視点を踏まえ、現在、まちづくり方針の策定に向け検討しております。例えば、交通結節点の形成や歩行者ネットワークに加えまして、土地利用などについても検討しております。
 来年の早い段階に、素案について広く都民の意見を、皆様の意見を聞いた上で、年度内に取りまとめる予定でございます。
 これにより、立地に恵まれた築地のポテンシャルを生かし、東京の持続的な成長につなげていけるよう、新たなまちづくりの具体化を図ってまいります。
 次に、段階的整備についてでございますが、築地再開発は、立地に恵まれた築地のポテンシャルを生かし、東京の持続的な成長につなげていくことを目的としております。
 そのため、将来の東京全体としての価値の最大化を図る観点から、二十三ヘクタールという大規模な土地について、一どきではなく、先行する部分から再開発に着工することを想定しております。
 段階的整備の具体的な進め方については、事業期間も含め検討中でございまして、まちづくり方針の内容として何を示すかも含め、検討をしております。
 次に、国際競争力強化に資する鉄道路線の今後の取り組みについてでございますが、首都東京の国際競争力を強化するためには、羽田空港へのアクセス利便性の向上や臨海地域のさらなる発展、鉄道の混雑緩和などに寄与する鉄道ネットワークの充実が不可欠でございます。
 羽田空港アクセス線については、鉄道事業者が中心となり、事業スキームの構築に向けて検討を進めております。
 新空港線につきましては、費用負担のあり方などの合意形成に向けて、大田区と調整を行っております。
 地下鉄八号線については、国や鉄道事業者などとともに、事業スキームの構築に向けて検討を進めております。
 引き続き、関係者との協議、調整を加速し、国際競争力の強化に資する路線の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、多摩都市モノレールの箱根ケ崎方面及び町田方面への延伸についてでございますが、本路線は、開業区間と一体となり、多摩南北地域の拠点を結ぶことで、多摩地域の活力や魅力向上に資するものでございます。
 事業化に向けては、多摩都市モノレール株式会社の経営状況を踏まえるとともに、事業採算性の確保に向けたコスト縮減策や収入確保策などの検討を行うことが必要でございます。また、町田方面への延伸については、導入空間となり得る道路の整備も課題でございます。
 都は、沿線市町、多摩都市モノレール株式会社とともに連絡調整会議を設置して、これらの課題について検討を進めております。
 引き続き、関係者との協議、調整を進め、多摩地域における交通インフラの充実強化に取り組んでまいります。
 次に、羽田空港のビジネス航空対策についてでございますが、ビジネス航空は、グローバルな企業活動に不可欠なツールとして、欧米や中東、アジアで広く利用されており、東京の国際競争力を強化するため、さらなる受け入れ体制の強化が必要でございます。
 国は、その取り組みの一環として、平成二十七年にビジネス航空用の駐機スポットについて、大型機用を三機分から九機分に増設しました。その翌年には、日中の発着枠を十六枠に拡大しました。また、本年十月にも、新たな駐機スポットを増設するなど、東京二〇二〇大会に向け、受け入れ環境の整備を進めております。
 都としては、大会後も見据え、羽田空港におけるビジネス航空の一層の受け入れ体制の強化を図るよう、さまざまな機会を通じて国に働きかけてまいります。
 次に、分譲マンションの適正な管理についてでございますが、都は、住宅マスタープランに基づき、良質なマンションストックや良好な居住環境の形成を目指しており、マンション施策の基礎である管理組合の機能強化に向け、より踏み込んだ実効性のある取り組みが必要であると考えてございます。
 今回の検討会の提言を受けまして、都を初めマンション管理の主体である管理組合や管理及び分譲の事業者等の責務と役割を明らかにすること、届け出制度の創設による管理状況の把握や、その状況に応じた助言、支援を行うことなどを内容とした条例案の検討を進めております。
 これにより、管理の適正化を図るとともに、建てかえ等の円滑な合意形成などを促進してまいります。
 引き続き、区市町村や関係団体の意見を聞きながら、条例案の検討を進め、次の第一回定例会への提案を目指します。
 最後に、東京の緑を減らさないための取り組みについてでございますが、将来にわたり東京の持続的発展を実現していくためには、環境面からの取り組みが重要であり、行政と民間とが適切に役割を分担しながら、これまで以上に緑の拡充や保全を進めていく必要がございます。
 都や区市町は、みずから避難場所や防災拠点ともなる都市計画公園、緑地の計画的な整備を進めてまいります。加えまして、民間の開発などの機会を捉え、緑の創出を図るとともに、減少傾向にある都市農地や貴重な民有地の緑の保全、活用を促進していくことが重要でございます。
 このため、都市計画審議会における土地利用の基本方針の検討状況も踏まえまして、年内に関係区市町と合同で、都市計画公園・緑地の整備方針と、民有地を対象とする緑確保の総合的な方針の改定に着手いたします。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 世界に対する防災の重要性の発信についてでございますが、国連の報告によれば、この二十年間の災害による損失は、さきの二十年に比べて二・二倍に上っており、世界中で被害の深刻さが増す中、防災は多くの都市の関心事でございます。
 このため、来年五月に世界各都市のリーダーが一堂に会する都市の防災フォーラムTokyoを開催することといたしました。このフォーラムでは、数多くの震災や水害などに見舞われてきた東京が持つ防災と復旧に関する知見を共有し、防災の重要性を再認識してもらう機会といたします。
 また、U20メイヤーズ・サミットと同時に開催することにより、都市のレジリエンス向上に向け、サミット参加都市との共鳴を生み出してまいります。
 二つの国際会議の開催を通じまして、より幅広く世界に対して防災の重要性を発信してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) ラグビーワールドカップの大会開催時の外国人観戦客に対する取り組みについてでございますが、ワールドカップに関しましては、今まさに各種計画の策定が大詰めを迎えているところでございます。
 本大会は、日本を含め二十カ国が参加する国際スポーツ大会であり、開催期間中の約一カ月半ほどに海外から多くのラグビーファンが東京を訪れます。
 大会中は、外国人観戦客に都市としての東京の魅力や日本文化を紹介する絶好の機会であり、過去大会では、開催国が大会に合わせて自国の文化をアピールするさまざまなイベントや体験事業を行っているところであります。
 都としては、ファンゾーンや試合会場周辺も含め、海外からの観光客がさまざまな日本文化を体験できる場の提供や、東京の魅力を効果的に発信していくことを検討し、二〇一九年大会の成功につなげてまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) にぎわい創出事業についてでございますが、まず来年一月から五街区において行うイベントの中で、市場ならではの生鮮食料品等を販売できるよう、市場業界や関係機関と調整を進めているところでございます。
 また、来年四月からは、六街区で都や民間事業者の多様なイベントを行ってまいります。
 さらに、平成三十二年には五街区に場外マルシェを設置し、築地場外市場のような集客力のある多様な店舗を配置してまいります。
 これに加えまして、出店者の希望に応じて千客万来施設への事業展開が可能となりますよう、運営事業者である万葉倶楽部との連携を図ってまいります。
 このように、さまざまなイベントや場外マルシェを切れ目なく展開し、平成三十五年春の千客万来施設の開業につなげることで継続的に豊洲のにぎわいを生み出してまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 環境確保条例に基づく土壌汚染対策制度についてでございますが、今回の改正は土壌汚染対策法改正を契機として、法との関係性や条例運用上の課題などを整理するものでございます。
 改正に当たりまして、学識経験者及び業界団体代表から成る検討委員会で専門的見地から議論を進め、業界団体等へのヒアリング、パブリックコメントを実施し、事業者、都民等の意見を広く聞き、その内容を反映させてまいりました。
 具体的には、土壌汚染調査の実施時期や方法、対策が必要となる要件を合理化するほか、届け出書類を簡素化いたします。
 また、土壌汚染情報の積極的な公開に関する規定、廃止時の事業者の負担軽減を目的とした操業中からの自主的な調査、対策に関する規定を新たに導入いたします。
 今回の条例改正により、法とあわせて、確実かつ合理的な土壌汚染対策をより一層推進してまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、児童相談所の体制強化についてでありますが、都は、深刻化する児童虐待に対応するため、児童福祉司や児童心理司の増員、人材育成等を担う専門課長や児童福祉司OBの配置等、児童相談所の体制を強化しております。
 児童福祉司等には対人援助に必要な高い専門性が求められるため、職員一人一人の経験や職責に応じて、虐待や非行の相談、他機関との調整など現場でのさまざまな経験の積み重ねを通じまして、丁寧にしっかりと育成する必要がございます。
 現在、児童福祉司のフォローアップのための研修を実施しておりますが、今回の児童虐待死亡事例の検証結果も踏まえまして、職員のアセスメント力や実践力の向上を図るため、来年度には関係機関と合同の事例検討や演習型研修等を充実する予定であり、児童相談所のさらなる体制強化に向け、人材の確保に加え、その育成に一層努めてまいります。
 次に、児童養護施設等の人材確保についてでありますが、都は、児童養護施設や乳児院が意欲ある人材を確保できるよう、施設への就職を希望する実習生を指導する職員の代替職員経費や、実習を受けた学生を就職前に一定期間雇用するための経費を補助しております。
 児童養護施設等では、虐待を受けた児童や障害がある児童等が増加しておりますが、夜勤、宿直等の不規則勤務や長時間通勤による就業負担及び家賃に係る経済的な負担等により、人材の確保、定着が課題となっております。
 都といたしましては、こうしたことも踏まえ、児童養護施設等が安定的に運営できるよう、人材の確保、定着に向けた新たな支援策を検討してまいります。
 次に、災害時の多職種の連携についてでありますが、災害時に都民の生命を守るためには、医師や歯科医師、薬剤師や看護師、柔道整復師等の多職種が連携し、多様なニーズに的確に対応する必要がございます。
 このため、都は、区市町村と合同で実施する総合防災訓練に多職種が連携する内容を盛り込むなど、災害時にそれぞれの役割を発揮できる体制づくりを進めております。
 また、地域の実情に応じた医療救護体制が構築されるよう、地域災害医療連携会議を二次保健医療圏ごとに設置し、自治体間の多職種連携等について検討しているところでございます。
 今後とも、多職種が連携して災害対策に取り組めるよう、区市町村における環境整備を支援してまいります。
 最後に、避難所等での被災者への支援体制についてでありますが、都は避難生活の長期化に備えて、精神科医師や保健師などの専門職を避難所へ派遣し、被災者の心のケアや健康管理などを行う仕組みを整えております。
 また、東京都社会福祉協議会等と避難所に介護職員を派遣するための協定や、飲食業や理容業、美容業などを代表する団体と避難所等での飲食や理容、美容サービスの提供などに関する協定を結んでおります。
 お話のように、避難所等での中長期的な被災者支援に当たりましては、多様なニーズに的確に対応する必要があることから、今後とも、さまざまな団体と連携しながら、避難所等での支援体制を整備してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 私立学校のICT教育環境の整備についてでございますが、ICTを活用した多様な学習を可能とすることで、児童生徒の学びへの意欲や関心を高め、学力を向上させるとともに、これからの時代に求められる情報活用能力を育成することは重要でございます。
 そのため、都では平成二十七年度から二十九年度まで、タブレット端末等のICT機器及び無線LAN等の利用環境の整備を促進するため、私立学校ICT教育環境整備費補助を実施いたしました。三十年度からは補助対象を拡大するとともに、補助限度額を引き上げ、引き続き支援をしております。
 今後とも学校現場の意見を聞きながら、児童生徒の学習理解の促進につながるよう、引き続き私立学校におけるICT教育環境の整備について着実に取り組んでまいります。

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