平成三十年東京都議会会議録第十六号

   午後一時開議

○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。

○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。

○議長(尾崎大介君) これより質問に入ります。
 百十五番小山くにひこ君。
〔百十五番小山くにひこ君登壇〕

○百十五番(小山くにひこ君) 東京都議会第四回定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表して、小池知事及び教育長、関係局長に質問いたします。
 いよいよ二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会まで二年を切りました。一九六四年の東京大会は、戦後復興の象徴であり、首都高速道路や地下鉄の建設、東海道新幹線の開通など、各種インフラの整備が進みました。一九六四年大会後、日本は高度経済成長を続け、その後の日本と東京の発展へと大きくつながりました。
 その後の平成は激動の時代でありました。バブル崩壊から始まった長期的な経済停滞、経済のグローバル化、IT化の流れの中で、日本の国際的地位は低下しました。一九六四年大会後に増加を続けていました日本の人口は、二〇〇八年をピークに既に減少に転じており、東京都の人口も二〇二五年をピークに減少に転じると見込まれております。このような社会経済情勢の劇的変化は、戦後日本の成長を生んだ社会モデルからの変革を迫っております。
 平成の時代が明年幕を閉じ、新たな時代を迎える成熟都市東京は、今まさに大きな変革を必要としています。少子高齢化による生産年齢人口が減少する中で、次なる成長の源泉となる人、物、金、情報をめぐる世界の都市間競争、まさに熾烈をきわめています。このような状況下において多様性こそが成長の源泉であると、そういった認識に立ち、二〇二〇年の東京大会とその先を見据え、世界の中で戦う東京の成長戦略を描き出さなければなりません。
 そして、私たちは、一九六四年東京大会をきっかけに築き上げられてきた東京を二〇二〇年大会を契機として再構築し、東京と他の地域がともに栄える、東京の持続的成長を実現していかなければなりません。
 私たち都民ファーストの会東京都議団は、都議会最大会派となり一年余が経過しました。この間、議会改革を初め、受動喫煙防止条例の制定、待機児童の大幅減少、オリンピック・パラリンピック憲章人権条例の成立など、二〇二〇年の先を見据えた東京の成長と発展の礎となる施策が着実に推進されてきました。
 本定例会でも、中小企業の振興条例、防災対策、暑さ対策を柱とする補正予算など、未来の東京の成長と発展のために必要不可欠な施策が取り上げられております。
 このような東京都の取り組みにもかかわらず、国はまた、不合理な都税の収奪を繰り返そうとしています。今、都議会に求められているのは、都議会一丸となって、他の地域との共存共栄を可能とする首都東京の成長戦略を描き出し、着実に実行することであると改めて申し上げ、以下質問いたします。
 平成三十一年度税制改正について伺います。
 国は、いわゆる偏在是正の名のもと、都の税財源を地方へと配分すべく、さまざまな措置を講じてきました。この間、都としても対抗策を講じてきましたが、平成に入ってからの三十年間で都が失った財源は六兆円に上り、平成三十一年度税制改正においても、さらなる措置が事実上予告されております。
 こうした国の不合理な税制改正の動きに対して、先般、私たちの提案により立ち上げられました東京と日本の成長を考える検討会の報告書が取りまとめられ、また、東京都税制調査会の答申も示されました。そして、それらを受けた東京都の見解も示されております。
 都はこれまでも、小池知事を先頭に、全国知事会や東京都選出の国会議員、与党税制調査会の国会議員、都内区市町村との折衝を行ってまいりました。私たち都民ファーストの会東京都議団も、東京都選出の国会議員や与党税制調査会の国会議員への要請活動、都民への啓発活動等に努めてまいりました。
 本年十一月に国の財政に関し、財政制度等審議会が財務大臣に提出をいたしました平成三十一年度予算の編成等に関する建議の中では、平成財政の総括が明記をされております。
 そこでは、少子高齢化に伴い増大する負担を将来世代に先送りしている負担先送りの罪深さ、債務残高対GDP比が第二次世界大戦末期の水準に匹敵をしている事実、税財政運営の大原則である受益と負担の乖離の拡大等に触れ、新たな時代において、財政健全化どころか一段と財政を悪化させてしまった平成という時代における過ちを二度と繰り返すことがあってはならないと、平成財政を総括しております。
 国の財政運営に関するこのような厳しい指摘を何ら顧みず、今、国は、あるべき地方創生の姿の議論が欠けたまま、税理論上不合理な主張を繰り返し、東京都から税財源を奪い、近視眼的に他の地方に配分することを進めようとしています。
 東京都と他の地域のそれぞれが独自に魅力を磨き上げながらも連携を深め、互いに高め合うという長期的視点に立った未来志向の共存共栄の関係こそ、目指すべき地方創生の姿であります。近視眼的、対症療法的な対応を繰り返した平成時代の国の財政運営の失敗を、健全な財政運営に努めてきた東京都に押しつけるような措置は、東京のみならず日本全体を沈没させる、平成の次の時代に対する大きな負のレガシーといわざるを得ません。
 国の与党税制調査会において検討されました与党税制改正大綱については、近日中にも正式に示されますが、平成三十一年度税制改正に対する知事の見解を伺います。
 東京都と他の地域との共存共栄策について伺います。
 先ほど述べましたとおり、東京都と他の地域のそれぞれが独自に魅力を磨き上げながらも連携を深め、互いに高め合う関係こそ、目指すべき共存共栄の姿であります。
 東京と日本の成長を考える検討会報告書で指摘されているとおり、東京都は、世界と日本をつなぐ玄関口、結節点であり、地域の魅力を世界に発信し、海外への販路拡大、国際交流を密に図れる場所を提供していくことが極めて重要であります。
 また、地方法人課税の偏在是正措置に関する東京都の見解における都の試算によれば、都が今後も国際金融都市構想の推進や都市再生の取り組みなどを加速させ、国際競争力を高める投資を進めることにより、日本のGDPは、現在の約五百五十兆円から、二〇二一年以降には、約六百十兆円まで拡大すると推計されております。
 他方、東京においてこれらの取り組みが進まず国際競争力が失われてしまった場合、二〇二一年以降の日本のGDPは、約五百三十兆円に縮小してしまうと推計されており、東京のみならず日本全体の成長のためにも、東京への投資は必要不可欠であります。
 これまでも東京都は、さまざまな分野で多くの経済波及効果を他の地域にも生み出してまいりました。
 都の試算によれば、東京二〇二〇大会の都外への経済波及効果は約十一兆九千億円にも及ぶとされており、また、検討会報告書には、東京の国際競争力強化のために必要な取り組みとして、羽田空港の機能強化、外かく環状道路の早期整備、ユニバーサルデザインの促進等の六分野が挙げられております。そして、その都外への経済波及効果は合計で約十一兆三千億円にも及ぶとされております。
 今後、東京と日本の成長を考える検討会報告書で提言を受けました六点の東京と日本の成長に必要な取り組みを検討の中心にしつつ、東京と他の地域がともに栄える、共存共栄のための取り組みを一層推進すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 東京都中小企業・小規模企業振興条例についてお伺いいたします。
 事業所数において都内企業の九九%を占める中小企業の成長は、東京都の成長と発展の根幹であります。経済のグローバル化、ICT技術の進展、生産年齢人口の減少など、都内中小企業を取り巻く環境が大きく変化する中では、都内の中小企業振興に関する基本的な考え方を、都民の代表である都議会の意思も反映された条例として制定することは極めて重要です。
 また、先般公表されました森記念財団都市戦略研究所による世界の都市総合ランキングにおいては、東京のスタートアップ環境、つまり、新規創業環境の弱さが指摘されております。この課題を克服するためには、都内における産業の集積を生かし、大手企業、研究機関、創業支援機関など、さまざまな関係者が連携し、新たなイノベーションやユニコーンと呼ばれるベンチャー企業を生み出す環境整備を進める必要があります。
 また、中小企業、小規模企業は、都内経済を支えるとともに、都民の暮らしも支えております。都内在住の事業者や従業員は、地域のまちづくりに欠かすことのできない人材でもあります。
 都として、条例に掲げる理念に基づき、中小企業、小規模企業の業績向上や、ものづくり、事業を継承する支援を進めることで、にぎわいと活力のある地域社会をつくり、雇用の創出にも積極的に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 中小企業施策の効果検証のあり方について伺います。
 今般、六回にわたる有識者会議を経て示された中小企業振興に関する仮称中長期ビジョン中間まとめ案では、都内の黒字企業の割合五〇%超、都内の開業率が一二%、従業員三十人以上の都内企業におけるテレワークの導入率が五〇%超など、意欲的な達成目標が示されていることを評価します。
 今後の中小企業振興においては、さらなる環境の変化に直面する中小企業に対し、マーケットの動向を捉え、未来志向で成長を促す柔軟な施策展開が求められています。
 そのためには、条例や中長期ビジョンのもとで実施される中小企業振興施策について、施策の効果検証と、それに基づき適宜ブラッシュアップを行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 日本各地と連携した観光振興について伺います。
 東京二〇二〇大会を大会後の東京や日本の成長と発展につなげるためには、訪都観光客が日本各地の観光資源の魅力に触れる機会をふやすとともに、地域間の連携を深め、周遊観光の基盤を形成することが重要であります。東京都と日本各地との連携を深め、訪都観光客が都内のみならず日本全国を訪れる仕組みを構築することは、共存共栄の観点からも極めて重要な時点でございます。
 歴史、文化、食、特産品、エコツーリズム等の独自の体験といった観光資源を有する日本各地との連携を深め、東京二〇二〇大会後も継続的に訪都観光客が日本各地を訪れる観光基盤を構築すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 都内各地域の観光振興について伺います。
 日本各地との連携に加えて、二十三区内に限らず、多摩地域を含めた東京都全体の周遊観光の基盤を形成することも重要であります。
 多摩地域は、歴史的史跡や伝統的なお祭りなどの文化を初め、都市型のまち並みからダム湖まで、多様な魅力を有しております。
 昨年、都が、立川市に立ち上げました東京観光情報センター多摩は、多摩地域の観光拠点として一層の強化、活用が期待されているところであり、独自の観光資源を有する多摩地域間の連携、多摩と区部の連携を深め、東京二〇二〇大会後も継続的に観光客が多摩地域を訪れる観光基盤を構築すべきであります。
 また、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックの競技やスポーツを活用した観光イベント等に取り組むべきと考えます。
 そこで、二〇二〇年大会とその先を見据え、区部のみならず、多摩・島しょも含めた都内各地域の観光振興の取り組みへの支援を一層進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、農業振興について伺います。
 平成二十七年の都市農業振興基本法の成立以来、東京の農業をめぐる情勢は目まぐるしく展開してまいりました。生産緑地法、農地法や税制の改正、都市農地の貸借円滑化法の施行など、農地をめぐる新たな法制度の整備も進み、都市農業の振興は、新たなステージに入りました。
 そのような中、小池知事は、本年二月に瑞穂町で開催されました東京都農業委員会・農業者大会に出席をされました。ここ何代かの都知事にはなかったことでもあり、知事も東京農業の一層の飛躍に向けた農業関係者の熱意を感じられたことと思います。
 昨年公表されました、都市づくりのグランドデザインで示されました活力とゆとりのある高度成熟都市の実現に向けて、都市計画審議会において、東京における土地利用に関する基本方針についての検討が行われており、九月に中間報告がなされました。そこでは、都市農地の保全活用についても具体的な提案がなされております。
 都市における緑は、都民の貴重な憩いの場、暑さ対策への貢献、災害時における避難場所など、多様な機能が積極的に評価されており、農地や農業は、東京の持続的成長のためにも必要不可欠であります。こうした都内の農地や農業を守っていくためには、担い手の確保や農業者が安心して農業を継続できる環境づくり、農地が持つ多様な機能の発揮による農地保全など、さまざまな施策を一つ一つ着実に進めていくことが重要であります。
 そこで、都市農業の新たなステージを迎え、東京の農業振興に向けた今後の展開について、知事の見解を伺います。
 都民の働き方改革を進め、生産性を向上させることは、東京の成長の礎であります。
 東京都は、従業員三十人以上の都内企業の二〇二〇年度のテレワーク導入率三五%を目標にし、さまざまな施策を実施してまいりました。その結果、テレワーク導入率は、昨年の六%から、一九・二%に大幅に増加をしました。二〇一二年のロンドン大会をきっかけに、ロンドンでもテレワークが大きく普及しており、柔軟な働き方の実現は、東京二〇二〇大会を契機とした東京の成長に大きく資するものであります。
 一方、都は、働き方改革のもう一つの柱として時差ビズを推進しております。この夏の参加企業数は、昨年の約二・五倍の八百二十四社に増加しました。都民に対しての時差ビズの認知度は向上しておりますが、さらなる定着を図るため、より踏み込んだ取り組みが必要であります。
 その観点から、海外の主要都市で導入されております時間帯別料金制も満員電車対策として効果が期待できます。
 先般、JR東日本も、需給予測技術を用いた新幹線料金の柔軟な設定に関して実証実験を開始しています。時差ビズの先にある施策として、時間差料金制の可能性を探るために、日本における技術的課題の整理や効果の試算を行うなど、さまざまな角度から検討を行うべきと考えます。
 そこで、都民に満員電車の混雑緩和の実感を得てもらうため、より踏み込んで取り組みを進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 都市の成長の基盤は人であり、都民一人一人の多様性を生かしたダイバーシティー東京の実現こそが、東京の成長に資するものであります。そのためには、子育て環境の整備、東京の未来を担う子供たちのための施策、都民の健康を守る取り組みが必要です。
 幼児教育無償化への対応について伺います。
 東京都、そして日本全体の成長を考える上で最大の課題といっても過言ではないのが、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少であります。東京都の合計特殊出生率は、平成二十九年度で全国最低の一・二一であり、前年度の一・二四から減少しました。これは平成十七年度の一・〇から回復はしていますが、いまだ全国最低の数字であります。
 希望者への婚活、待機児童対策、性教育、働き方改革など、少子化には総合的な対策が必要であり、生産年齢人口の減少の主な理由である少子化は、都政における最重要な課題の一つとして、全庁一丸となって取り組むべき課題であります。
 少子化には、価値観の多様化のほか、子育てに伴う経済的な負担感もその大きな理由に挙げられております。
 先般、国が示しました幼児教育無償化の概要によれば、その主な対象は三歳から五歳児であり、ゼロ歳から二歳児は住民税非課税世帯のみが対象とされる予定であります。ゼロ歳から二歳児の保育料は、一般に三歳から五歳児の保育料よりも高い現状を踏まえると、子育て世代の負担の軽減は十分とはいえません。
 また、国の案では、三歳から五歳児に関し、認可外保育施設においては、月額三・七万円を上限に無償化の対象とされております。
 しかし、一般に東京都において、認可保育所と認証保育を含む認可外保育施設の保育料では、認可外保育施設の利用料の方が高額であり、国の現行案では、認可保育所に入ることができた家庭は無料である一方、認可外保育施設に入ることになった家庭の負担は、国の案による三・七万円の補助があったとしても、数万円に上ることが想定され、認可と認可外との格差が生じてしまいます。
 このように国の幼児教育無償化が看板倒れに終わり、取り残されてしまう都民が生じることがあってはなりません。
 そこで、国の幼児教育無償化に向けて、今後、都はどのように対応するのか、知事の見解を伺います。
 病児保育について伺います。
 子育て世代が安心して育児と仕事を両立できる環境の整備は、東京の成長に欠かすことができません。通常の保育園では対応できない病児、病後児の保育施設は、区市町村によっては整備状況にばらつきがあり、中には一つも存在しない区市町村も存在をします。
 さらに、病児保育特有の問題として、利用当日のキャンセル発生とキャンセル待ちの親とのマッチングがスムーズに行われないことや、他の区市町村にある施設の利用が容易ではない等の問題があります。病児保育施設をふやすための各種支援の拡充と、既存の施設の稼働率を向上させるための取り組みを一層進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 児童虐待対策について伺います。
 十一月十四日に東京都児童福祉審議会から、平成三十年三月に目黒区で発生しました児童虐待死亡事例に関する検証部会報告書が出されました。小池知事は、この検証結果を重く受けとめ、関係機関と密接に連携しながら、児童虐待防止に向け全力で取り組む旨、表明をされております。
 目黒区で発生しました児童虐待死亡事例の検証結果を今後どのように改善につなげていくのか、知事の見解を伺います。
 第二回定例会における我が会派の代表質問において、児童虐待対策に関して、東京都独自の条例をつくるべきと提案をいたしました。それを受けて、小池知事から条例づくりを進めるとの表明があり、十一月三十日に条例の骨子案が発表され、現在、二回目のパブリックコメントの手続に付されております。
 児童虐待対策は、早期発見も大切でありますが、子供の立場から第一に考えるべきは、何よりも虐待が起こらないようにすることであります。虐待の未然防止には、小中学生や高校生のときから幼児と触れ合う機会をつくり、親となってからは、乳幼児健診などを通じた小児科医との相談体制の整備、さらには貧困対策を講じていくことによって、家庭にゆとりをつくっていくことなどが必要であります。
 この観点から、条例骨子案に未然防止や乳幼児健診の受診を努力義務とすることなどが盛り込まれ、また、緊急事態を招かないよう、迅速な安全確認が盛り込まれていることを評価いたします。
 さらに、未然防止の観点からは、現場を担う児童相談所の体制強化に加え、SNSを積極的に活用し、虐待を受けている児童本人やその保護者がより一層相談しやすい体制の整備が重要であります。
 第二回定例会における私たちの代表質問を受け、都は、本年十一月に、都民に身近なLINEを活用した児童虐待についての相談体制を試験的に開始しましたが、試験運用の結果を踏まえながら、こうした取り組みをより積極的に進めていくべきと考えます。
 そこで、今後の条例制定や、それに基づく児童虐待防止対策において、未然防止の視点を特に重視して進めるべきと考えますが、LINE相談の一層の活用も含めて、知事の見解を伺います。
 都市の成長と発展のためには、次世代を担う人材の教育、育成こそが極めて重要であります。与えられた課題を迅速に解決するというだけではなく、氾濫する情報を適切に処理し、世界を舞台にみずから課題を発見し解決する二十一世紀型能力を身につけることのできる教育が今、必要とされております。
 また、これまで私たちが指摘してきましたとおり、小学校における英語教科化に向け、専科指導教員の配置促進は重要な課題であり、都としてしっかりと支援していくべきと考えます。
 さらに、先生方が児童生徒一人一人に向き合う教育環境の整備が欠かせません。都では、小中学校の教員の業務負担を軽減し、児童生徒への指導や授業準備に専念できる環境をつくるため、スクールサポートスタッフの配置支援を今年度から実施をしました。今年度は、都内全校の約五分の一程度が対象とされましたが、教員本来の役割である児童生徒への授業や指導に集中できる環境整備をさらに進めるべきと考えます。
 そこで、次年度以降、現場のニーズを踏まえ、さらにスクールサポートスタッフの配置支援を拡大すべきと考えますが、教育長の見解を求めます。
 同様に、教員の負担軽減に効果があるとして評価がされておりますのが、部活動指導員など専門スタッフの配置であります。現場での評価が高い一方で、特に中学校においては、自治体によって状況も異なるため、配置が十分に進んでいない状況にあることや、資質がある人材の確保が大変困難であるという声も聞いております。
 現在、国においては、労働基準法等の改正を踏まえ、教員の勤務時間に上限を設けることが検討されるなど、学校の働き方改革を一層加速させるべき状況にあります。
 そのためには、部活動指導員を初めとする専門スタッフ等の質、量の確保を図るべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
 次に、小中学校におけるICT環境の整備について伺います。
 世界と比較した場合、日本の教育現場におけるICT環境の整備はおくれているとの指摘がされております。
 例えば、OECDが進めています二〇一五年の国際的な学習到達度に関する調査では、生徒用コンピューター一台当たりの生徒数は三・九六人に一台でありましたが、これは調査に協力した四十七カ国中、三十四番目という低い結果でありました。
 二〇二〇年度から小学校においてプログラミング教育が必修化されるなど、教育現場におけるICT環境整備の重要性は論を待ちません。しかし、都内小中学校におけるICT環境の整備状況には、自治体ごとに大きなばらつきが見られます。
 先進都内自治体の取り組みや、これまで東京都教育委員会が実施をしてきましたさまざまな取り組みを総括し、都として、将来の支援を念頭に、小中学校における最も効果的なICT機器の活用の仕方を検討すべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
 通信制高校について伺います。
 都内ではさまざまな事情を抱えた生徒が通信制高校に通っております。多様な教育の選択肢を提供することが、多様な人材を育て、東京の成長に資するものであり、その意味でも、通信制高校の充実を図ることが重要であります。
 一方で、都内通信制高校には幾つかの課題があります。ICT環境の整備が不十分で、いまだレポート提出が郵送または学校への持参しか手段がなく、さらに、自学自習する環境の確保が難しい点や、生徒同士が直接触れ合う機会や居場所が不足しているという点が挙げられております。
 このような問題点に対応した通信制高校の充実、改善を行うべきと考えますが、教育長の見解を伺います。
 受動喫煙対策について伺います。
 本年第二回定例会において、東京都受動喫煙防止条例が制定をされました。学校等での取り組みや店頭表示ステッカーの義務化等については、二〇一九年ラグビーワールドカップの前までに段階的に試行、二〇二〇年四月一日、オリンピック・パラリンピック開催前に、罰則適用も含めて全面的に施行されます。
 我々都民ファーストの会東京都議団は、国の健康増進法における受動喫煙対策の不十分な点を補うこの条例に賛成し、条例が成立をいたしました。この条例は、法律に比べて飲食店の規制対象が広く、十三万四千店舗、割合にして八三・七%の飲食店が対象になると推計をされております。世界基準のスモークフリー都市東京を実現し、都民の健康を守る取り組みを着実に進めていかなければなりません。
 条例施行に向けて、今後、条例内容の一層の周知徹底と条例の実効性を確保すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 フレイル対策について伺います。
 高齢者の力を生かす健康長寿都市東京の実現は、東京の成長と発展に必要不可欠であります。高齢者の数、比率は今後も増加すると見込まれておりますが、今後はこれまでの事後的な対応ではなく、予防を徹底して、健康を維持する対策が重要であります。その鍵の一つがフレイルの予防です。運動等の身体活動、虚弱を招かない栄養管理、社会参加による精神的充足感の保持を三つの柱として、フレイル対策を本格的に推進しなければなりません。
 フレイル対策には、糖尿病等の生活習慣病の予防対策との相違点を踏まえた対策が必要であります。さらに、フレイルのリスクをはかるために簡単に行うことができるフレイルチェックも提唱されており、地域における健康増進活動に積極的に取り入れていくべきであります。
 そこで、地域包括ケアシステムの構築に向けて、三つの柱を組み合わせた総合的なフレイル対策を推進するために、介護予防など地域で実際に高齢者を支援する人材に対して、フレイル対策の理解を促進した上で、多職種連携を推進すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 認知症対策について伺います。
 認知症は多くの高齢者が直面する課題であり、東京都は、何らかの認知症の症状を有する人は、二〇二五年には約五十六万人、六十五歳以上人口の一七・二%にも及び、また、見守りまたは支援の必要な認知症高齢者は、約四十二万人に増加すると推計をされております。
 しかし、高齢者単身世帯や高齢者夫婦世帯、さらには高齢者と未婚の子の世帯などにおいて、認知症への対応が容易でないことは想像にかたくありません。東京都では各地域において、認知症の人とその家族を支援する体制を構築するために、医療機関相互や医療と介護の連携の推進役である認知症疾患医療センターを指定しております。
 認知症疾患医療センターは、今後の認知症高齢者の増加を見据えると、認知症の人や家族介護者への支援、アウトリーチ機能の充実、地域連携機能の強化など、大きな役割を担うことが期待されており、都としてさらなる支援の強化が必要と考えますが、都の見解を求めます。
 高度経済成長後の成熟都市東京が今後も成長を続けていくためには、過去の延長線上にある取り組みでは十分ではありません。不確実性、曖昧さが増す社会の中で、新しい価値を生み出し、成長と発展を続けていくためには、文化や環境、そしてスポーツといった、これまで成長とは関係性が薄いと考えられてきた分野の取り組みこそ鍵となります。
 まず、文化振興について伺います。
 文化がもたらす多様な価値、営みに触れる機会の提供が都民の創造性を刺激し、東京の未来の成長につながっていくものであります。オリンピック・パラリンピックは、文化の祭典でもあり、東京二〇二〇大会を契機に、より多くの人が芸術文化に日常的に触れる環境を整備し、文化の魅力あふれる都市東京を実現していかなければなりません。
 東京には、伝統工芸や庭園、歌舞伎などの歴史的、伝統的な文化のほか、コンサートや演劇などの多様な文化が集積しており、東京都も東京二〇二〇大会に向けてさまざまな文化イベントを実施しております。この東京二〇二〇大会に向けた文化の盛り上がりを一過性のものにしてはなりません。
 そこで、東京二〇二〇大会を契機に、二〇二〇大会後においても東京で芸術文化を楽しむ裾野を広げるため、多様な文化事業の担い手を育成する取り組みを一層推進すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 環境施策について伺います。
 世界の都市総合ランキングの環境分野において、東京は二十九位と大きく出おくれており、CO2削減を初めとする環境施策の一層の推進が必要であります。
 都のLED省エネムーブメント促進事業により、最終的に七十万戸弱のLED電球の配布が行われましたが、これは年間約三万トンのCO2削減効果、つまり一般家庭約二万世帯の年間電気使用量相当の削減効果が認められるものであります。都内のエネルギー消費量の約三割を占めるものの、これまで十分に進展してこなかった家庭部門における省エネ対策の推進に大きく貢献してきたといえます。
 環境と技術の革新は、日本経済を牽引してまいりました自動車産業においても、その駆動力をエンジンからモーターへと転換させ、従来の自動車の概念を根本的に変革させる自動運転の時代へと入りつつあります。その中にあって、東京都は電気自動車の普及促進とともに、燃料電池自動車についても普及目標を設定しております。
 中でも、広く都民や観光客の目にも触れる機会が多く、安定的な水素需要の見込まれる燃料電池バスの普及は重要であります。都は二〇二〇年までに百台以上の普及を目指すとしていますが、それに向けては、都内に一カ所しかないバス用ステーションのさらなる整備など、一層の取り組みが急務であります。
 そこで都は、水素社会の実現に向けた環境整備を関係事業者、業界と一体となって推進すべきと考えますが、都の見解を求めます。
 次に、応急救護活動におけるEVバイクの活用について伺います。
 小池知事は、消防活動等の場面でEVバイクを積極的に活用していく方針を示されておりますが、機動性に加えて環境性も高いEVバイクやEV車は、応急救護活動の現場において大きな可能性を秘めております。
 現場の実情も踏まえながら、EVバイク等について、応急救護活動における活用をさらに拡大すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、都民を守る消防活動について伺います。
 消防団は地域の防火防災のかなめであり、東京二〇二〇大会の安全面の確保、その後の地域の安全を確保するためにも都から一層の支援が必要であり、この夏の暑さを受け、消防団の装備についても暑さ対策に配慮した配備に取り組むべきであります。
 東京二〇二〇大会に向けて、消防団の活動における暑さ対策を充実すべきと考えますが、東京消防庁の取り組みについてお伺いをいたします。
 障害者スポーツ振興について伺います。
 東京は、世界で初めて二回目の夏季パラリンピックを開催する都市であります。小池知事もおっしゃられておりますように、パラリンピックの成功こそが二〇二〇年東京大会の成功と捉えて準備を進めなければなりません。パラリンピックを成功させるためには、障害者スポーツのアスリートのみならず、それを支える人や場への支援が欠かせません。
 大会に向けた練習以外にも、機運醸成イベントへの参加など、パラリンピックを成功させるために、アスリート、そしてそれを支える人にご協力いただく場面は増加をいたしております。しかし、そういった活動の基盤となる障害者スポーツの競技団体については、日本全体の中央競技団体は存在をしていても、東京都レベルでは、そもそも競技団体が存在していないことや、競技団体が存在している場合でも組織として非常に脆弱な状況にあるのが現状であります。
 私たちも、パラリンピックアスリートのお話を聞く機会がこれまでもたくさんございましたが、障害者スポーツにかかわる人の数、人手が足らない、練習の場をふやしたいなど、切実な声をいただいております。
 そこで、パラリンピックを成功させるため、東京都レベルの障害者スポーツの競技団体に対する都の支援を一層進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 ラグビーワールドカップについて伺います。
 来年九月二十日のラグビーワールドカップ日本大会の開幕まで、いよいよ一年を切りました。先般行われました十一月三日のテストマッチは、本番に向けた運営体制を検証する貴重な機会となりました。
 運営面での課題の一つが、会場への交通アクセスの混雑緩和であり、テストマッチの結果を踏まえ、本番での交通アクセスの最適化を図らなければなりません。
 また、さきの定例会の代表質問において、私たちは、ファンゾーンの仕掛けを、今後のラグビーの普及、そして、ラグビーワールドカップの機運醸成につなげていくべきと提言をさせていただきました。
 そこで、十一月のラグビーテストマッチにおける運営面の取り組みと、それを来年の大会に向けてどのようにつなげていくのか、都の見解を伺います。
 東京二〇二〇大会の多摩地域における機運醸成について伺います。
 東京二〇二〇大会において、多摩地域での実施競技は極めて少なく、東京開催にもかかわらず、多摩地域の在住者や子供たちがオリンピック・パラリンピックの開催を体感する機会は限られてしまうという懸念があります。
 また、都と組織委員会で実施をしますライブサイトについても、区部七カ所に対して、多摩地域は区部近郊の井の頭公園のみにとどまっております。
 そこで、コミュニティライブサイトやパブリックビューイング、聖火リレーなどについて、競技施設等のない多摩地域での機運醸成について、一層の充実を図るべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、映像によるレガシーの記録について伺います。
 東京二〇二〇大会は、単なるスポーツの祭典ではありません。東京二〇二〇大会を契機に、さまざまなインフラ整備や都市のバリアフリー化を初め、受動喫煙防止条例やオリンピック憲章人権条例の制定など、多方面にわたる取り組みが進行しております。
 東京二〇二〇大会を契機に東京が都市として生まれ変わる過程を記録し、未来に語り伝えていくことも大きなレガシーの一つと考えます。
 競技大会の記録映像は組織委員会が作成をいたしますが、東京都としても、開催都市として、ハード、ソフト両面にわたる変化や大会開催時の東京の姿を映像により記録し、都民を初め、次世代にも共有していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、東京の都市基盤の整備について伺います。
 ロンドンでは、ヨーロッパ最大規模の建設プロジェクトであるクロスレール、いわゆるエリザベスラインが来年中に全線開通予定であります。
 この地下鉄新路線は、ヒースロー空港とロンドン中心市街地、そしてオリンピックパークのあるロンドン東部を結ぶ、ロンドン百年の課題といわれてきましたロンドン東西を結ぶ大きな交通インフラとなります。大幅な所要時間の短縮など、大きな経済波及効果を生み出すことが見込まれております。
 二〇一二年のロンドン大会後のロンドンの成長を支えているのは、大会をきっかけに進んだこのような取り組みであります。東京においても、二〇二〇年大会をきっかけに、長期的視点に立った都市基盤の整備を推進することは、大会後の東京の持続的成長を支える根幹となるものと考えます。
 まずは、羽田空港の機能強化について伺います。
 東京と日本の成長を考える検討会報告書に挙げられました、東京と日本の成長に必要な具体的取り組みの一つが羽田空港の機能強化であります。
 先日、小池知事も訪れましたイギリスの首都ロンドンでは、世界の都市総合ランキングの交通アクセス分野では二位でありますが、国際空港のさらなる機能強化に向け、ヒースロー空港における滑走路の新設に約二兆円を投じる計画を決定し二〇二六年の完成を目指しております。
 諸外国では国際競争力のさらなる強化に向け、国際空港の機能強化のための取り組みが積極的に行われており、東京もこうした世界の動きにおくれをとることなく、より積極的な投資を行っていかなければなりません。
 また、こうした機能強化の取り組みは、都民への丁寧な説明や安全管理の徹底とともに行われるべきものであります。
 さらに、安全と環境に配慮した羽田空港の機能強化を図るためには、横田空域との調整も含めた首都圏の空域の再構成が必要であり、国との折衝を進めていく必要もあります。
 羽田空港の機能強化のためには、現在、都が国に協力し取り組みを進めています羽田空港の空港容量の拡大がまず必要と考えますが、知事の見解を伺います。
 首都高速の地下化について伺います。
 一九六四年の東京オリンピックを契機に建設をされました首都高速道路は、現在では、橋梁部の腐食やひび割れが発生するなど老朽化が進み、予測される大地震に備えた安全面での対策が急務となっています。老朽化、防災対策の観点のみならず、日本橋の景観と水辺の美しさ、首都高がなくなる空間を活用した周辺のまちづくりは、都市再生、観光の観点からも大きな可能性を秘めております。
 まちづくりと連携した日本橋周辺の取り組みは、将来を見据えますと、首都高を地下化し都市を再生するような同様の取り組みを他のエリアでも応用していくことが考えられ、着実な進捗が期待をされております。
 そこで、日本橋周辺で進められております取り組みを踏まえて、今後の大規模更新事業とまちづくりとの連携をどのように図っていくのか、都の見解を伺います。
 バリアフリーの取り組みについて伺います。
 一九六四年東京大会は、首都高や新幹線の開通など、日本の経済成長を象徴するレガシーを残しました。東京二〇二〇大会は、成熟都市として、高齢者、障害者や子育て世代が安心して移動し活躍できる環境をレガシーとして残さなければなりません。
 その一つがバリアフリーの徹底であります。競技会場や周辺駅を中心にバリアフリーが進んでおりますが、東京二〇二〇大会後を見据え、例えば、横断歩道橋のあり方を検討し、障害者や高齢者、ベビーカー連れの子育て世代の方が、可能な限り上下移動にストレスを感じることなく、まちを移動できる環境整備を進めるべきと考えます。
 ユニバーサルデザインのまちづくりに向け、東京二〇二〇大会の会場周辺などの駅におけるバリアフリーの取り組みを、駅とその周辺地区のまちづくりに広げていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 駅のホームドアの整備について伺います。
 国土交通省は、二〇二〇年までに一日当たりの平均利用者数十万人以上の駅でホームドアの整備を推進する方針を掲げていますが、都内におけるホームドア設置率は約三分の一にとどまっております。本年九月にも都内駅におきまして、視覚障害者が線路内に転落して死亡する事故も発生をいたしました。
 公共交通が発達した東京において、東京二〇二〇大会のレガシーとして、都内鉄道駅全駅でのホームドア設置のバリアフリー化を加速度的に進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 東京ベイエリアビジョンについて伺います。
 二〇一二年のロンドン大会では、ソーシャルインクルージョンを実践すると掲げた開発が行われ、ロンドン東部の都市再生が実現し、ロンドン大会のレガシーとして世界的な評価を得ております。
 東京二〇二〇大会を迎える東京都も、まちづくりとしてのレガシーを残していかなければなりません。
 七月に都が、東京ベイエリアビジョンの策定を発表し、連続的な臨海地域の戦略的なまちづくりに着手したことは、同エリアが東京二〇二〇大会のレガシーとなり、東京の成長の牽引役になることを期待しております。
 現在の東京は、世界の都市総合ランキングにおいて第三位と利便性に支えられた都市力を誇る一方で、文化交流の分野での評価は高くなく、今後の東京ベイエリアのまちづくりにも示唆を与えています。
 都内では、民間の大型再開発に伴う複合施設に美術館や博物館、スポーツ施設が併設される動きが活発化しており、文化交流の分野での成長が期待されておりますが、スポーツ、文化施設等の民間経営は非常に厳しいと伺っております。今後、ベイエリアに進出するこうした文化、スポーツ施設については、固定資産税の減免を行うなど、民間投資を誘発する強力なインセンティブを導入すべきと考えます。
 ベイエリアは、東京の都市としての競争力を向上させ、東京、ひいては日本を牽引する稼ぐ力、集客する力を秘めた非常に重要なエリアであります。
 そこで、ベイエリアビジョンについて、こうした成長分野を後押しする骨太の方針を明確に示すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 将来、一層の発展が見込まれる臨海部における課題の一つが、交通アクセスであります。特に選手村が完成をいたします晴海や、東京二〇二〇大会時にはスポンサーのパビリオン会場となる青海地区など、交通アクセスの改善は急務であります。
 地下鉄やつくばエクスプレスの延伸が検討されることを期待しておりますが、鉄道は整備に膨大な時間を要すため、息の長い事業となります。そのような中で、都心と臨海地域を結ぶ新しい交通機関としてBRTが計画をされております。
 一方、ロンドンでは、二〇一二年のロンドン大会を契機に、テムズ川をロープウエーで渡るエミレーツエアラインが完成し、交通輸送力とともに、観光客を呼び込む集客力を兼ね備えた交通インフラが整備をされております。
 そこで、臨海部へのアクセス改善に向けて今後どのように取り組んでいくのか、都の見解を伺います。
 海の森公園について伺います。
 東京二〇二〇大会のレガシーとして、総合馬術のコースとなる海の森公園や、カヌーやボートの会場となる海の森水上競技場がありますが、現在、このエリアへのアクセスが不足をいたしております。陸上、水上のさまざまな交通手段を組み合わせて考えていくことが重要であります。
 今後、東京が成長を続けるために、長い目で見た航空需要の増大を勘案いたしますと、この地域を経由して羽田にアクセスできる公共交通を考えることが、将来を見越した視点から重要であることも申し述べておきます。
 さらに、海の森公園は、開園前から都民と協働して、苗木づくりから森づくりを進めてきた公園であり、先日の全国育樹祭では、皇太子同妃両殿下によるお手入れも行われ、森づくりの理念が公園の大きな魅力となっております。
 東京二〇二〇大会後は、その魅力をさらに向上させながら、隣接する水上競技場と連携して、多くの都民に利用されるレガシーを創出しなければなりません。水上競技場の後利用は、昨年策定されました新規恒久施設の施設運営計画において、ボートなどの大会利用が中心となっておりますが、エリア全体でレガシーとしていくためには、森づくりを進めてきた公園において野外フェスティバルなどを開催し、多くの方が訪れるようなにぎわいを創出すべきと考えます。
 そこで、このような観点からも、大会後に向けて、魅力ある海の森公園の姿を明らかにしていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 次に、都営地下鉄の外国人観光客対応についてお伺いをいたします。
 訪日外国人は、平成二十五年に初めて一千万人を突破しましたが、それからわずか五年後のことし、既に三千万人を超えようとしております。当然ながら、訪日外国人が増加すれば、日本国内滞在時に地震等の災害に見舞われるリスクも高まります。大阪北部地震等の際には、交通機関の運行状況などの情報が多くの外国人観光客に十分に伝わらず、混乱が生じました。
 こうした状況を踏まえ、私たちは、災害に関する情報伝達や外国人などに対する情報発信について配慮することを求め、都も、防災事業の総点検において外国人への情報発信を強化することで、外国人が迅速に情報を収集し、適切な避難行動等をとれるようにするとしております。
 災害時において外国人に正確な情報を伝えるようにすることは、大切なおもてなしの一つであり、とりわけ交通機関に関する情報を伝えることは重要であります。
 そこで、東京の主要な交通機関であり、東京都が運営する都営地下鉄は、率先して災害時の外国人案内を充実させるべきと考えますが、都の見解を伺います。
 島しょ振興について伺います。
 東京の魅力の一つは、二十三区、多摩地区に加えて、多くの魅力あふれる島しょ地域の存在であり、都市としての多様性を兼ね備えている点にあります。
 島しょ振興のためには、生活の基盤、島へのアクセスの起点である港の環境整備が欠かせません。港における日よけ雨よけ施設は、大島の岡田港や新島の新島港などで整備がされている一方、八丈島の主要な港である神湊港では、この日よけ雨よけ施設が整備をされておりません。
 また、小笠原母島の沖港では、荒天時に漁船を避難させたり、修理を行うための船揚げ場の面積が不足しており、私たちは視察の際に、いずれも地元関係者から直接要望をお伺いいたしました。
 そこで、島しょ振興のためのさらなる環境整備を推進していくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 地域の安全・安心を担う防犯カメラについて伺います。
 区市町村の町会、自治会等のご協力により、地域における防犯カメラの整備が着実に進んでまいりました。防犯カメラは、地域の犯罪抑止や安全確保の場面で有益であると、都民から広く受け入れられており、今や必要不可欠な公的インフラの一つになっております。東京都としても、さらに積極的に支援すべきであります。
 都は、防犯カメラの設置補助を手厚くし、多くの町会、自治会のご協力により設置が進んでおりますが、設置と耐用年数の経過に伴う交換等以外の、修繕費や維持管理に係る経費については都の補助がなく、設置団体の運営に支障が生じております。
 そこで、東京都として、防犯カメラの修繕費や維持管理に係る経費についても補助を行うべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 豊洲市場について伺います。
 昭和六十年以前から続いた築地市場の移転問題が決着し、関係者の万感の思いとともに豊洲市場が開場しましたことは、都政にとって平成最後の大事業として新たな時代の幕あけにふさわしいものとなりました。
 今後は、新たな豊洲ブランドの確立を図るとともに、東京の食の文化を世界に発信し、食の面から東京、日本の成長を牽引していかなければなりません。
 また、今後は、過去の検証とともに市場法の改正など、大きく変わる今後の環境変化に対し、持続可能な市場会計のあり方を検証していくことが極めて重要であります。
 小池知事は就任以来、豊洲市場をめぐる経緯と課題をつぶさに検証し、開場延期の末に追加対策工事を完了させ、十月十一日、豊洲市場の開場を迎えられました。この間、必要な対策を講じるとともに、時代に即した市場のあり方についても検証を重ねてこられたことと思います。
 そこで、市場を取り巻く環境が大きく変化する中での豊洲市場の開場に当たり、市場移転問題の意義と今後の取り組みについて、知事の見解をお伺いいたします。
 先般、豊洲市場内において、ターレから人が転落する重大事故が発生をいたしました。事業者がルールに違反した末の事故といわれており、そうであれば大変遺憾に思います。市場内においては、絶えず円滑な運営のために適切なルールが設定されるべきと考えます。
 そこで、開場したばかりの豊洲市場においては、関係者がふなれであることに留意した運用を図る一方で、速度制限の遵守、使用指定外での荷置き、駐車の禁止など、守るべきルールは徹底されるべきと考えますが、都の取り組みを伺います。
 築地再開発について伺います。
 築地市場跡地の取り扱いについては、先日の市場移転に関する関係局長会議において、早期に結論を見出せるよう、今後の予算編成作業の中で収支計算を行いつつ、市場会計の持続可能性に関する検証を加速化させるとの報告がありました。
 また、会議では、市場会計の持続可能性の検証に当たっての留意点として、築地再開発については、まちづくり自体の採算性には留意しつつも、短期的な利益の追求ではなく、将来の東京全体としての価値の最大化を目指し、段階的な整備の推進を検討していくこと、また、中長期的な時間軸に立って、築地のまちづくりを行っていく場合には、一般会計に土地の所管がえを行った上で、開発整備を具体化していくことも視野に入れて検討を進めることが必要との説明がありました。
 築地再開発については、築地再開発検討会議より本年五月に提言されました、築地まちづくりの大きな視点からの提言を踏まえ、学識経験者を交えつつ庁内で検討が進められていると聞いております。
 そこで、まちづくり方針の現在の検討状況と今後の取り組みについて、都の見解を伺います。
 築地市場跡地についての今後のあり方の議論も重要でありますが、それ以上に重要なのは、市場会計全体の健全な財務体質と将来にわたる事業継続性を確保することであります。
 市場を取り巻く経営環境の変化、卸売市場法の抜本改正を受け、中央卸売市場全体として財政的に持続可能な経営戦略を構築していく必要があります。都も、条例改正を含めた準備に着手したと聞いておりますが、将来の市場のあるべき姿を見据え、市場業者との議論や具体的なルールづくりを着実に行っていただきたいと考えます。
 同時に、法改正を受けた新しい制度のもとで、中央卸売市場がその役割を果たしていくためにも、強固な財務体質が求められます。
 効果的な経営戦略の策定に向け、会計、財務などの専門家の意見も聞きながら、市場会計全体の検証を進めていくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 水道局に対する公正取引委員会の立入検査について伺います。
 本年十月三十日、東京都水道局発注の業務について、水道局は公正取引委員会の立入検査を受けました。先般公表されました調査特別チームの中間報告によれば、都職員が複数回、受託事業者に対して設計単価に関する情報を示していたことを認めたとされています。これは、都職員が入札に関する情報を漏えいしていたことを意味し、東京都への信頼を大きく損なう行為であります。
 今後は、公正取引委員会の調査に最大限協力するとともに、情報漏えい等の法令違反を起こさないためのコンプライアンス体制を再検証し、都庁全体として再発防止の取り組みを進めるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 消費税対策について伺います。
 来年十月、予定どおりに消費税率が一〇%に引き上げられることになりました。世界経済が不安定さを増す中、来年の消費税引き上げは、東京二〇二〇大会の開催まで一年を切った中でのものとなります。
 消費の冷え込みや景気の悪化が、日本経済をリードする東京における都民の生活に深刻な打撃を与え、大会の盛り上げに水を差すような事態があってはなりません。
 さらに、前回の消費税率引き上げ時には、交渉力の弱い下請事業者が、取引先に対し増税による価格転嫁を行うことができず、しわ寄せを受けた例も見られ、都としても消費税率の引き上げに対し適切に対応していく必要があります。
 こうした中、都は来年より、家庭における省エネ家電の買いかえ促進に向けた新たな制度を検討していると聞いています。環境先進都市の実現に向けて、家庭の省エネを一層推進する観点から、省エネ家電への買いかえ促進と消費税対策、消費活性化策とあわせて検討することも非常に重要な視点と考えます。
 そこで、現在編成中の三十一年度予算においては、こうした視点を含めて消費税対策をしっかりと講じていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 平成三十年度一般会計補正予算について伺います。
 さきの定例会において、私たちは、各局の防災施策に対して質疑、提案するとともに、区市町村庁舎における非常用電源等の確保、体育館等の学校施設による空調設備の設置等を補正予算において対応されることを強く求めました。
 私たちの提案を踏まえて、今般、早期に補正予算が編成されましたことを評価いたします。
 特に、私たちは、区市町村庁舎における非常用電源の整備状況について、財政状況等のさまざまな事情から、都内の約四割の自治体で七十二時間分の整備が行われていないという事実を一貫して指摘してまいりました。大規模災害は東京都においてもいつ起こるかわからない状況の中、基礎自治体だけに庁舎の非常用電源の整備を任せておくことは、都民の命を守る上で十分な対応とはいえません。
 このたびの補正予算では、区市町村庁舎の非常用電源の設置等に対し、都の支援策が初めて盛り込まれました。
 この支援策が区市町村にとって実効性があるものとするためにも、都として、区市町村への支援の考え方を明確にしておくべきと考えますが、都の見解を伺います。
 補正予算の中に盛り込まれていますブロック塀対策、区市町村庁舎の非常用電源の設置、空調設備の設置等は、補助を受ける基礎自治体から、長期的視点に基づく整備が必要な内容であるため、次年度以降も支援を継続してもらいたいとの声が届いております。
 そこで、基礎自治体のニーズを踏まえながら、補正予算に盛り込まれた事業について次年度以降も継続すべきと考えますが、都の見解を伺います。
 以上、これまで世界の都市間競争が熾烈をきわめる中で、多様性こそが成長の源泉であるという認識に立ち、東京の二〇二〇大会と、二〇二〇大会のその先を見据えた東京の成長と発展に向けた取り組みについて伺ってまいりました。
 都民ファーストの会東京都議団は、東京二〇二〇大会を、東京都と他の地域がともに栄える、東京の持続的成長を実現していくきっかけとし、都民一人一人が、その人が、まさに人らしく活躍できる都市東京の実現に向けて、これからも全力で取り組んでいくことを改めて申し上げ、代表質問を終わらせていただきます。
 ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 小山くにひこ議員の代表質問にお答えをいたします。
 まず、平成三十一年度の税制改正についてでございます。
 ご指摘のように、国はこれまで、不合理な税制度の見直しを幾度となく繰り返してきました。そして今、我が国が目指すべきことは、限りあるパイの奪い合いではありません。東京、そして日本を持続的成長に導くために、首都東京が我が国経済の牽引役となって、各地方もみずからの権限と財源をもって地域を活性化する共存共栄でございます。
 こうしたことから、知事である私みずから先頭に立ちまして、都議会各会派の皆様、都内区市町村の皆様と連携をしながら、与党税制調査会のメンバーや東京都選出国会議員への要請活動を精力的に行うなど、あらゆる機会を捉えまして積極的に働きかけてまいりました。
 また、都議会の皆様におかれましても、さきの第三回定例会におきましては、地方法人課税の見直しに関する意見書を全会一致で可決していただきました。そして、国への要請活動など、積極的に行っていただくなど、オール東京での活動を続けていただきました。皆様の活動には、改めて感謝を申し上げたく存じます。
 税制改正をめぐる議論は、まさに今、大詰めを迎えております。国におきましては、東京都の主張、活動も踏まえて、ぜひとも賢明な判断を下されることを願っております。
 東京と他の地域との共存共栄のための取り組みについてでございます。
 我が国は既に人口減少社会にあります。東京の人口も二〇二五年をピークとして減少が始まり、高齢化も世界に例を見ないスピードと規模で進んでおります。
 こうした中にありましても、日本全体の持続的な成長を実現していくためには、東京と日本の成長を考える検討会の報告書にもありますように、東京と他の地域が連携を深化、発展させて、それぞれの個性や強みを生かしながら、共存共栄を図っていくことが必要であります。
 そのため、都はこれまで、全国の中小企業の販路の拡大や都内アンテナショップとの連携を初め、日本各地の魅力発信など、さまざまな取り組みを展開してまいりました。
 また、国産木材の需要創出、森林再生を目的に、私がプロジェクトリーダーとして、全国知事会に設けられました四十五の都道府県から成るチームにおきまして、国産木材活用の検討を進めているところであります。
 東京と地方は、このように、ともに支え合う重要なパートナーでございます。東京に集まる情報、資金、他の地域の資源、技術、これらを結びつけて、双方でより多くの付加価値を生み出すことによりまして、日本経済全体のパイが拡大し、成長が実現いたします。
 こうした認識に立って、東京の活力を日本の成長を牽引する力へと高めながら、全国の産業の振興、東京と日本各地が連携した観光ルートの発信、人的、技術的な協力を初め、より幅広いさまざまな分野で全国との共存共栄に向けた取り組みを一層推進してまいります。
 中小企業・小規模企業振興条例についてのお尋ねがございました。
 都内の企業数の九九%を占めます中小企業、小規模企業でございますが、東京の経済や雇用を支えて、地域に活力をもたらす重要な役割を担っております。東京の持続的な成長にとって欠かせない存在でございます。
 経済のグローバル化やICT技術の進展などによって産業構造の大きな転換が予想される中で、中小企業の一層の振興に向けました揺るぎのない理念を明らかにする条例の制定とともに、施策の具体的な羅針盤となります中長期のビジョンの作成に取り組んでいるところでございます。
 今回の条例におきましては、地域社会で多様な役割を果たす中小企業の重要性を踏まえまして、経営の改善に向けた意欲的な取り組みに対して支援を展開するとの理念を示しております。
 また、ビジョンにおきましても、中小企業が経営力を強化して、次世代に事業を円滑に引き継ぎながら、地域に根差した経済活動を行うためのサポートを重要な戦略の一つに挙げております。
 こうした取り組みの成果として生み出される雇用の機会を最大限に生かすために、社員を採用して育て上げることへの支援に加え、働き方改革を進める方向づけも行っております。
 地域の経済や社会の持続的な発展と雇用の創出を実現するため、条例の理念を踏まえまして、効果の高い中小企業振興策を総合的に展開してまいります。
 中小企業振興施策の効果の検証についてのお尋ねでございます。
 中小企業への支援に当たりましては、その時々の社会経済状況の変化に柔軟に対応し、効果的な取り組みを展開する必要がございます。目まぐるしく変わる経営環境に合わせまして、施策を不断に見直すためのPDCAの視点は重要であります。
 条例では、現場を抱える経営者を初めとして、業界や働き手の実情に詳しい団体などの意見に耳を傾け、さまざまな事業の成果を検証して、新たな施策に反映するPDCAの仕組みによりまして、事業の質を高めていくことをうたっております。
 また、中小企業の振興に向けたビジョンでは、さまざまな施策を積極的に進めるために、具体的に五つの意欲的な数値目標も掲げております。こうした目標をぜひとも達成できるように、PDCAサイクルに基づいて、施策を不断に磨き上げてまいりたいと考えております。
 こうした取り組みを通じまして、中小企業へのサポートを的確に行って、東京の産業の活性化に結びつけてまいります。
 次に、東京農業の今後の展開についてでございます。
 これまで、東京の農業者の皆様は、都市化の進展に伴う宅地化の波が押し寄せる中で、先祖伝来の農地を何代にもわたり守り続けてこられました。今般の都市農地の制度改正によりまして、防災や環境面でも重要な役割を持つ東京の農地、農業を次世代に引き継いでいく道筋が示されております。
 都市農業が一大転換期を迎える中で開催されたことしの農業者大会でございますが、参加された多くの農業者の皆様の熱い思いに触れまして、東京農業の振興に向けたさらなる取り組みの必要性を改めて感じたところでございます。
 都といたしましては、今後、都市農地について、その保全に向けて、生産緑地地区の追加指定や特定生産緑地への移行を進めてまいります。また、貸借制度によりまして新たな担い手が参画しやすくなったこの機を捉えて、女性、若者、シニアなど、多様な担い手の確保に加えまして、育成、定着のためのきめ細かな相談対応等、体制の整備を進めてまいります。
 また、収益性の高い農業経営の実現に向けましては、ICTなど先進技術を活用した生産性の高い栽培施設の整備、江戸東京野菜を初めとする都内産農産物のブランド化など、東京農業の魅力をさらに磨き上げてまいります。
 さらに、東京二〇二〇大会を契機といたしまして、安全・安心で環境負荷の少ない持続可能な農業を目指して、東京都GAPの認証取得を進めてまいります。
 こうしたさまざまな施策を展開いたしまして、農空間を都市の中の魅力のある貴重な資源として活用することで、都市づくりのグランドデザインに掲げた、産業の一翼を担い活力を生み出す都市農業の育成を図って、東京におけます農業の未来を切り開いてまいります。
 次に、時差ビズの強化についてでございます。
 満員電車の混雑の緩和は、社会の生産性を向上するためにも、官民が連携して解決していくべき重要な課題でございます。そのため、オフピーク通勤を促進する時差ビズに昨年度から取り組んでおります。
 この夏には期間を拡大いたしまして、より多くの企業の参加を得て、ワークスタイルの多様化などに取り組んでいただくとともに、鉄道事業者には、混雑の見える化や臨時列車の増発なども行っていただきました。
 加えて、冬にも新たに取り組みを実施し、さらなるムーブメントの拡大を図っております。
 時差ビズの取り組みを社会全体に広げていくためには、その効果をわかりやすく示していくことも重要でございます。アンケートや駅の改札データの分析方法を工夫して、客観的な指標に基づく情報を発信するなど、さまざまな角度からその方策を検討してまいります。
 東京二〇二〇大会の成功に向けまして、時差ビズやテレワークなど、さまざまな取り組みをさらに連携させることで、新たな働き方の普及を進め、大会期間中の混雑緩和にもつなげてまいります。
 個々のライフスタイルに応じました柔軟な働き方を大会のレガシーとして浸透させて、時差ビズを新たな常識として定着させてまいります。
 次に、幼児教育、保育の無償化についてでございます。
 国は、子育てや教育に係る負担軽減措置を講じることが重要な少子化対策の一つであるとして、認可保育所や認定こども園などに加えて、認可外保育施設も無償化の対象としております。
 また、現在、幼児教育、保育の無償化に関します国と地方の財源負担のあり方などを都道府県、市町村と協議するとともに、認可外保育施設の質の確保、向上などについて検討いたしております。
 都におきましては、保育に関する課題などにつきまして、区市町村と協議するために設置しております東京都待機児童対策協議会にて、幼児教育、保育の無償化に関する国からの情報提供や国との意見交換を数回にわたって行っております。
 今後、国の動きを踏まえながら、幼児教育、保育の無償化に関しまして、適切に対応してまいります。
 児童虐待死亡事例の検証結果についてのお尋ねでございます。
 改めまして、本年三月、虐待により亡くなられたお子様に対しまして心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 今回の報告書におきましては、自治体をまたがる児童相談所間の引き継ぎ時の認識の相違や、児童相談所によります四十八時間以内の安全確認の未実施、関係機関との連携不足など、さまざまな指摘と改善に向けた提言をいただいたところであります。その内容につきましては、早速、区市町村、学校、医療機関、民生児童委員など、さまざまな関係機関に周知をいたしております。
 都は、今回の事件を受けまして、児童相談体制の強化に向けた緊急対策といたしまして、独自の安全確認行動指針を新たに策定をいたしまして、全ての児童相談所でその運用開始をいたしております。
 また、児童相談所や区市町村の職員を対象とした研修を実施いたしまして、迅速な子供の安全確認や児童相談所間の的確な引き継ぎを徹底するなど、再発の防止に向けた取り組みを進めております。
 都といたしましては、検証結果の報告を重く受けとめておりまして、これを踏まえまして、子供を虐待から守るため、条例案を策定して、来年の第一回定例会に提案する考えでございます。
 児童虐待の防止について。
 児童虐待は子供たちの輝きをいや応なく奪うものであり、何としてでも防がなければなりません。
 先ほど申し上げました今回の事件を受けまして、第二回の定例会でも条例策定のご提案をいただいております。
 今般、お示しいたしました条例骨子案でございますが、未然防止を初めとして早期発見、早期対応、子供と保護者への支援などの項目に取りまとめております。
 未然防止の項目でございますが、都が、妊娠、出産及び子育てについて相談しやすい環境を整備すること、子供に対しては、自身が守られるべき存在であることを認識するための啓発などを行うことなどを盛り込んでおります。
 また、保護者等の責務といたしましては、体罰等を行ってはならないこと、各種健康診査の受診勧奨に応じるよう努めることなどにつきまして、未然防止の観点から明記したところでございます。
 今後、都民、区市町村など、ご意見を伺いながら、条例案を検討してまいります。
 都民ファーストの会を初め、皆様からお話しいただいておりましたLINE相談につきましては、来年度から本格実施をする考えでございまして、こうした取り組みも含めて、今後とも、社会全体で全ての子供を虐待から守るために全力で取り組んでまいります。
 次に、受動喫煙防止条例についてのお尋ねがございました。
 この条例は、みずから受動喫煙を防ぐことが難しい従業員や、健康影響を受けやすい子供を守るという、人に着目をいたしました都独自のルールを盛り込んでおります。
 この条例を実効性あるものとするためには、都民、事業者、区市町村の皆様にご理解、ご協力いただくことが重要でございます。
 そのため、都では、条例の趣旨や目的につきまして、「広報東京都」やホームページ、SNSなどを活用した普及啓発を行うとともに、関係機関に対しまして直接説明するなどの周知徹底を図っているところでございます。また、専門相談窓口を開設いたしまして、都民、事業者からの個別の相談にも応じております。
 さらに、区市町村に対しましては公衆喫煙所の設置に要する経費を補助するなど、地域の実情に応じた取り組みを支援しております。
 来年一月には、都、都民及び保護者の責務や、飲食店を初めとする関係者の協力などに関する規定を施行することといたしておりまして、これにあわせて、今月下旬にアンバサダーを起用したキックオフイベントを開催いたします。
 今後も、条例の施行などのタイミングを捉えまして効果的な広報を展開するなど、都民や事業者の理解促進や機運の醸成を図って、健康ファースト東京を旗印として、受動喫煙防止の取り組みを一層進めてまいります。
 応急救護活動におけますEVバイクの導入など、今後の活用の方向性についてのお尋ねでございます。
 小型で機動性が高く、排気ガスを出さないなど、環境性能にもすぐれているEVバイクは、多数の人々が集う大規模なスポーツイベントなどにおける警戒活動や応急救護活動など、幅広く活用できると考えられます。
 東京消防庁では、AED等の応急救護資器材を積載して、救急資格を有する職員が運転する救急EVバイクを今年度試行的に導入いたしまして、東京マラソンなどの大規模イベントで検証してまいります。
 今後は検証結果を踏まえ、EVバイク等のさらなる活用を検討してまいります。
 映像によるレガシーの記録についてでございます。
 東京二〇二〇大会は、成熟都市である東京を国内外にアピールするとともに、大会を契機としてあらゆる分野で東京をさらに進化させ、都民生活の質の向上や持続的な成長を実現していく絶好の機会でございます。
 都は、大会後もスポーツ、文化の拠点といたしまして都民に親しまれる競技施設の整備を初め、ハード、ソフトの両面におけるバリアフリー化、道路の遮熱性舗装の整備などの暑さ対策、開催都市の顔となるボランティアの育成など、大会の成功に向けまして着実に準備を進めているところでございます。
 また、テレワークや時差ビズといった働き方改革を一層推進して、社会全体のムーブメントへと高めていくことで、交通混雑緩和に加えて、東京の成長の鍵となる生産性の向上や多様な人材の活躍を目指しております。
 このような東京の進化の過程や新しい東京の姿のほか、大会開催時の高揚感などをレガシーとして、都民はもとより、次の大会開催地であるパリを初め、全世界に発信するとともに、次世代にも継承していくべきと考えておりまして、今後、映像による記録について検討いたしてまいります。
 次に、羽田空港の機能強化についてでございます。
 東京が国際的な都市間競争を勝ち抜いていくためには、二〇二〇大会やその後の航空需要に応えて、国際線の増便を可能とする羽田空港の容量の拡大が必要不可欠でございます。
 国が提案した飛行経路の見直しに対しまして、都は、地元への丁寧な情報の提供と騒音影響を軽減する方策の検討や、徹底した安全管理に取り組むことを国に要請してまいりました。
 これを受けまして、国は、これまでの四期にわたるオープンハウス型の説明会に加えて、今月から五期目の説明会を開催するなど、丁寧な説明と意見の把握に努めておりまして、今後もさまざまな形で継続する予定と聞いております。
 また、国は、騒音影響の軽減策として、低騒音機の導入促進に加えまして、都の要請を受けて、今年度から学校、病院等の防音工事に対する助成制度を拡充いたしております。
 安全対策につきましても、航空機のチェック体制の強化などに加えて、本年九月には落下物防止対策の基準を制定いたしまして、国内外の航空会社に対して、来年一月から順次、対策の義務づけを図るなど、総合的に対策を充実していくとしております。
 都は国に対しまして、騒音影響の軽減や安全管理の徹底と地元への丁寧な対応につきまして、より一層の取り組みを求め、二〇二〇年までの機能強化が実現できますよう、積極的に取り組んでまいります。
 東京ベイエリアビジョンについてでございます。
 東京ベイエリアビジョンは、東京二〇二〇大会後の成長モデルをベイエリアから発信することを目的としております。民間の成長分野への投資を誘発する環境整備の方向性を盛り込むことも重要と考えております。
 社会そのものが成熟する中、事消費と呼ばれる体験、体感の場の提供は、次代の経済成長の本流の一つとなる大きな可能性を秘めております。
 この夏に臨海副都心や豊洲に開業いたしました最先端の技術を駆使したデジタルアートの体験施設は人気を博しております。そして、この分野における成長の萌芽も見られるといえます。
 また、大会に向けまして競技会場などが建設され、大会の感動やレガシーを引き継ぐベイエリアは、体験、体感の場としてもふさわしいエリアでございます。
 時代の変容を的確に捉えて、経済成長につなげていくため、庁内の検討だけでなく、官民連携チームからもさまざまな意見を取り入れながら、都民を初めとする多くの皆様と共感できるビジョンを描いてまいります。
 防犯カメラに関する町会、自治会等への補助についてでございます。
 町会、自治会には、コミュニティ活動、防災、防犯など、地域を支える重要な役割を担っていただいております。地域の安全・安心の確保のために、見守り活動に加えて、防犯カメラの整備にもご協力いただいているところであります。
 都は、区市町村とともに、町会、自治会などが設置する防犯カメラの整備費用の補助を行っておりまして、さらに、現在、新規設置にかかります都の補助率を引き上げて、町会、自治会等の負担を軽減するなど、設置促進を図っているところでございます。
 お話の防犯カメラの維持管理経費の負担軽減でございますが、私自身、先般、東京都町会連合会の皆様方からもご要望いただいたところでございます。
 東京二〇二〇年大会を間近に控えまして、セーフシティーの実現に向けて、地域の防犯力の維持向上に取り組んで、町会、自治会などをさらに支援するために、防犯カメラの修繕費などの維持管理経費への補助に関し、ご質問の趣旨も踏まえまして検討をしてまいります。
 豊洲市場についてでございますが、一昨年八月の移転延期後、あるはずの盛り土がないということが判明をいたしまして、また、都民に約束をいたしておりました無害化が果たされていないということも明らかになりました。こうした中で、市場の移転につきましては、都民の理解を得られる状況にはなかったと考えます。
 そのため、さまざまな観点から検討を行いまして、とりわけ安全の問題につきましては、専門家会議の詳細な検証によって、法的、科学的な安全性を確認いただいたところであり、その上で暴露経路の遮断に係ります将来のリスクにも備えた追加対策を実施して、安全・安心な市場として開場できる環境を整えました。
 課題を明らかにして検証を行った上で、必要な対策を講じ、それをしっかりと発信をしていく、この積み重ねによって、初めて都民の理解と納得を得ることができます。こうした一連のステップを都民や市場関係者にオープンな形で進められましたことは、大きな意義があったと考えております。
 豊洲市場の開場から二カ月を迎えたところでございます。市場の業務を軌道に乗せるとともに、今後さらに産地や出荷者、消費者に支持される市場となりますように、高度な品質、衛生管理や効率的な物流の実現に向けまして、場内の運用ルールの徹底を図ってまいります。
 また、市場流通を取り巻く環境は大きく変化をいたしております。築地のよさは継承する一方で、先進的な取り組みを市場業者に促して市場の活性化を図っていく。さらには、卸売市場法の改正を踏まえた議論や事業継続性の確保に向けました市場経営の検証など、将来を見据えました市場のあり方の検討も進めまして、豊洲市場を日本の中核市場へと育ててまいります。
 情報漏えい事故の再発防止の取り組みについてのお尋ねがございました。
 情報漏えい事故の再発防止でございますが、このたび、水道局の職員による情報漏えいの事実が判明したこと、知事として極めて重く受けとめております。
 公正取引委員会の行政調査を受けまして、私は、直ちに調査特別チームを設置いたしまして、集中的に調査、原因究明を行うとともに、水道局における再発防止策を取りまとめまして、中間報告書として公表したところでございます。
 引き続き公正取引委員会の調査に全面的に協力をするとともに、事故が発生した水道局におきましては、過去二度の不祥事があったことを踏まえまして、今後、局の事業運営のあり方など、構造的な課題をさらに掘り下げて、外部の視点からコンプライアンス体制や情報管理について検証し、組織のあり方を含めまして抜本的な対策を講じることといたしております。
 また、全庁を挙げまして速やかに再発防止に向けて取り組むよう指示をいたしまして、今月四日には、副知事を筆頭に汚職等防止部会を開催して、今回の事故の原因を踏まえた再発防止策の策定に着手をいたしました。
 これらの取り組みを通じまして、都民の皆様の信頼回復に向け、全力を尽くしてまいります。
 最後に、消費税対策でございます。
 政府は、来年十月に予定をいたしております消費税率一〇%への引き上げに当たりまして、自動車や住宅の購入にかかります税負担の軽減など、必要な対策を講じるべく検討を進めております。
 こうした中、都におきましても、今般の消費税率の引き上げが都民生活に負の影響を与えることのないよう、対策を講じていくことは重要と考えております。
 このため、平成三十一年度予算の編成に当たりましては、まず、都内経済を支える中小企業におきまして、消費税率引き上げに伴う価格の転嫁が適正、公正に行われますように、企業巡回による普及啓発の強化や講習会の拡充など、消費税の転嫁対策、しっかりと講じてまいります。
 家庭の省エネ家電の買いかえ促進策でございますが、省エネ対策としてだけではなく、消費税率引き上げ時の消費活性化策として有効な施策になりますように工夫してはどうかとのご提案は、鳥の目に立ったアイデアと考えております。ゼロエミッションに取り組みます都ならではの消費活性化といった観点から、効果的な取り組みとなりますように、事業の開始時期も含めて、早急に検討を進めてまいりたいと存じます。
 なお、その他のご質問でございますが、教育長及び関係局長よりの答弁とさせていただきます。
 ありがとうございました。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 四点のご質問にお答えいたします。
 まず、スクールサポートスタッフについてでございますが、充実した教育活動を行うためには、学校における教員の働き方を見直し、教員が授業やその準備に集中できる環境を整え、業務の負担を軽減することが重要でございます。
 このため、都教育委員会では、今年度から教員の業務を補助するスクールサポートスタッフの配置支援事業を開始し、公立小中学校四百三十五校を対象に人件費の支援を行うとともに、スタッフの具体的な取り組み例を周知するなど、効果的な活用を促しております。これにより、実施校からは、教員が本来業務に集中でき、在校時間の短縮につながるとの評価を得ております。
 今後、さらなる教員の長時間労働の改善と教育の質の向上に向け、区市町村教育委員会と連携を図りながら、スクールサポートスタッフの配置拡充を検討してまいります。
 次に、部活動指導員等の専門スタッフについてでございますが、学校の教育活動に専門スタッフを活用することは、現職教員の負担軽減のみならず、都の教員を志す人たちから見た学校職場の魅力を高めることにもつながるなど、教育の質の向上に大きく寄与するものと認識しております。
 今年度から導入した部活動指導員については、その配置によって、顧問教諭の指導時間や引率回数が減少するとともに、専門的な指導を受けた生徒の技能が向上するなどの具体的成果が学校から報告されております。
 今後、都教育委員会は、こうしたスタッフの安定的確保や資質向上を初めとする多様な取り組みを複合的に行うための新たな仕組み等について検討するとともに、教員の勤務時間の上限に関する国の動きも踏まえながら、教員の働き方改革を一層推進してまいります。
 次に、公立小中学校における効果的なICT機器の活用についてでございますが、児童生徒の学びの質を高め、これからの時代に求められる資質、能力を育成するためには、ICT教育環境の整備は不可欠であります。
 都教育委員会は、平成二十七年度から実施してきた公立小中学校ICT教育環境整備支援事業における、ICT機器を活用した事業実践例を区市町村に紹介してまいりました。これに加え、今年度は整備状況を調査した上で、課題を把握し取りまとめた内容について情報提供をしてまいります。
 今後は、先進的な取り組みを実施している区市町村と連携しながら、家庭への持ち帰りなどを含むICT機器の活用効果などを多面的に検証し、区市町村への支援のあり方について検討してまいります。
 最後に、都立の通信制高校についてでございますが、通学機会が限定的な通信制高校においては、多様な生徒に対応できるよう学習環境を整えることが重要でございます。
 こうした観点から、通信制の特徴を生かして、生徒がタブレット等を活用し、学習コンテンツの利用やインターネットによるレポート提出、学習の進捗状況の確認などを行うことができるICT環境の整備を検討してまいります。
 また、通信制高校に通う生徒を初め、不登校などの課題を抱える生徒には、悩みやつまずきに向かい合い、生徒同士の交流を促しながら、学習支援や進路、生活相談などに対応する居場所の提供を検討してまいります。
 こうした取り組みを通じて、通信制高校の学習環境の改善、充実に努めてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、日本各地と連携した観光振興についてでございますが、東京二〇二〇大会後もより一層の外国人旅行者誘致を図るためには、東京と日本各地が連携し、さまざまな魅力を生かした相乗効果を発揮する取り組みを進めることが重要でございます。
 都はこれまで、東北、中国、四国、九州の各地域と連携し、その土地ゆかりの歴史や食などを楽しむための観光ルートに海外メディア等を招聘するなど、観光の魅力を発信してまいりました。
 今年度は、こうした取り組みを北陸地域に広げるとともに、ラグビーワールドカップ二〇一九の十二の開催都市が連携し、各地の観光情報を海外のラグビー専門誌で紹介するなど、観戦者の国内周遊を促進する取り組みを進めております。
 今後は、日本各地の豊かな自然に着目した、世界自然遺産という魅力的な観光資源を持つ北海道、青森県、秋田県、鹿児島県の四つの自治体との連携など、取り組みの充実を検討してまいります。
 次に、東京二〇二〇大会を活用した観光振興についてでございますが、二〇二〇年に向けて都内各地域への誘客を進めるためには、自然や地域に代々伝わる伝統的な祭りなどの文化のほか、スポーツといった地域の特色ある観光資源を活用した多様な観光振興を進めることが重要でございます。
 このため、都は今年度、国際的なスポーツイベントの機運を捉えた取り組みとして、十一月に東京スタジアムで行われたラグビーのテストマッチに合わせたパブリックビューイングと、その来場者への観光PRを支援いたしました。
 また、東京二〇二〇大会の自転車競技コースに指定された府中、調布などの都内八市のエリアでは、稲城市内の観光スポットを活用したサイクルイベントの事業化に取り組んでいるところでございます。
 今後は、東京二〇二〇大会開催の機会を生かし、観光協会を初め、多様な主体が参画するスポーツや地域の伝統文化等を活用した取り組みへの支援強化を検討し、都内全域へのさらなる集客につなげてまいります。
〔福祉保健局長内藤淳君登壇〕

○福祉保健局長(内藤淳君) 三点のご質問にお答えいたします。
 まず病児保育事業についてでありますが、都は、来年度末までに百六十カ所の病児、病後児保育施設を設置することを目指し、現在、整備費や改修費用の補助を行っております。
 また、複数の区市町村で利用する施設を整備する場合には、整備費や賃借料等の区市町村負担分を全て都が負担しております。
 さらに、本年六月に設置いたしました東京都待機児童対策協議会で、病児、病後児保育施設を整備する際に必要な医療機関との調整や、施設を効率的に活用するための相互利用、広域利用など、先進的な取り組み事例等を紹介しているところでございます。
 今後、こうした取り組みが広がるよう、利用者の利便性や施設稼働率の向上に取り組む区市町村へのさらなる支援策を検討してまいります。
 次に、フレイル対策についてでありますが、フレイルを予防するためには、都民一人一人が日ごろから食事や運動などの生活習慣に気をつけ、社会とのつながりを保ち続けることなどが重要であります。
 現在、区市町村では、高齢者の自立支援や介護予防に向け、地域の医療、介護関係者で構成する地域ケア会議の取り組みを進めているところですが、フレイル予防につきましても、この会議を活用して、リハビリテーション専門職や管理栄養士などの多職種が連携して取り組むことが効果的でございます。
 都は、さまざまな専門職が地域ケア会議で、ご指摘の栄養、運動、社会参加の視点を持って適切な支援方法を提案、助言できるよう、今年度から、専門職の役割や共通認識を持つべきポイントについて学ぶ実践的な研修を実施し、今後、区市町村での多職種連携の取り組みをさらに支援してまいります。
 最後に、認知症疾患医療センターの機能強化についてでありますが、都は、認知症の人と家族の在宅生活を支えるため、区市町村ごとに認知症疾患医療センターの設置を進めており、現在、五十二カ所の医療機関を指定してございます。
 センターでは、鑑別診断のほか、認知症の人や家族等からの相談への対応や地域の関係機関の研修会への講師派遣等を行っております。
 また、二次保健医療圏ごとに設置いたしました地域拠点型のセンターでは、医療従事者への研修等を通じ、地域の認知症対応力の向上を図っているところでございます。
 認知症の人と家族が地域で安心して生活するためには、診断後、初期段階から適切な支援につなげる必要があることなどから、今後、専門職による本人や家族への的確な助言や地域で支える医療、介護従事者の連携の推進など、センターの機能強化を検討してまいります。
〔生活文化局長浜佳葉子君登壇〕

○生活文化局長(浜佳葉子君) 文化事業の担い手の育成についてでございますが、東京二〇二〇大会以降も魅力的な都市であるためには、次世代を担う人材等を育成することが重要でございます。
 こうした観点も踏まえまして、都はTokyo Tokyo FESTIVALにおいてさまざまな事業を展開しておりまして、助成事業等を通じて東京の文化を創造する団体等の発展を支援しております。
 今後、今年度創設した新たな現代美術の賞では、世界的に活躍できる次代の人材を持続的に輩出するため、海外での活動に意欲を持つ中堅アーティストが行う国際的な制作活動や展覧会の開催などの支援を通じて、育成を図ってまいります。
 東京二〇二〇大会とその先を見据えたこうした取り組みによりまして、東京の文化を支える担い手を育成し、多様な芸術文化の魅力であふれる都市東京を実現してまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕

○環境局長(和賀井克夫君) 水素社会の実現についてでございますが、都は、将来の脱炭素社会の切り札として、環境性能にすぐれ、安定供給や防災上の観点からも成長が期待できる水素エネルギーを活用した新たな社会の実現に向け、官民連携しながら取り組んでおります。
 お話のバス用ステーションにつきましては、今年度江戸川区で初めて都有地を活用し、事業者を公募、決定いたしました。また、さらなる整備促進に向け、既存ステーションのバス用への改修を働きかけるとともに、民間事業者の遊休地等を活用した新たなステーション整備を豊洲や品川区内で誘導してまいります。
 二〇二〇年とその先を見据え、我が国の高い環境技術を活用し、さまざまなイノベーションを創出しながら、官民一体となった取り組みを加速させ、水素社会の実現に向けた環境整備を着実に推進してまいります。
〔消防総監村上研一君登壇〕

○消防総監(村上研一君) 東京二〇二〇大会に向けた消防団の活動における暑さ対策についてでございますが、東京消防庁ではこれまで、特別区消防団員に対し、薄型の活動服や半袖の被服の整備など、夏季における消防団活動の環境整備に努めてまいりました。しかし、近年暑さが一層増しており、この状況が今後も続くと予想されています。
 このような環境の中でも、消防団員の方々には、東京二〇二〇大会や隅田川花火大会等において、警戒活動など重要な役割を担ってもらうことが必要でありますことから、酷暑の中でも活動しやすい被服等の整備に努めてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕

○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、ラグビーワールドカップへの取り組みについてでございますが、十一月に行われたテストマッチは、二〇一九年大会に向けた運営を検証する貴重な機会でございました。
 昨年のテストマッチに比べ約一万五千人多い四万人を超す観客の中、都は、交通輸送において試合後の混雑緩和を図るため、シャトルバスの増便や複数の来場ルートの周知などを行い、交通分散の促進に取り組んでまいりました。
 また、さまざまな観戦スタイルで楽しめるファンゾーンイベントを有楽町で実施するなど、本番を見据えた取り組みを行い、運営ノウハウの蓄積にも努めてまいりました。
 今後、さらなる検証を深め、運営計画に反映するなど、大会に向けた万全の準備を進めるとともに、開催機運を一層高め、組織委員会や他の開催都市、地元自治体等と連携し、大会の成功につなげてまいります。
 次に、障害者スポーツ競技団体への支援についてでございますが、都としては、パラリンピックの成功なくして二〇二〇年大会の成功はないと考えており、障害者スポーツを大会後のレガシーとして確実に継承していくためには、アスリートを支える競技団体の基盤や取り組みの強化が極めて重要でございます。
 都はこれまで、都レベルの団体にスタッフの活動費等の補助を行うとともに、専門知識を持つボランティアの力をかり、運用しやすいホームページの開設等、団体の課題解決に取り組んでおります。
 さらに、パラアスリートを支える人材を認定する新たな事業に加え、都立特別支援学校体育施設の活用対象校の増加による場の拡大等、さまざまな支援を通じ、団体活動を促進してまいります。
 障害者スポーツ競技団体の自立性を一層高め、二〇二〇年大会後も障害者スポーツが東京で発展していくよう、積極的に取り組んでまいります。
 最後に、東京二〇二〇大会の機運醸成についてでございますが、大会成功のために、多摩地域における開催機運の醸成を図っていくことは非常に大切であると認識しております。
 都民に身近な場所で行うコミュニティライブサイト等は重要であり、都として、ライブサイト等をさらに効果的に展開するとともに、市区町村に積極的に取り組んでいただけるよう、補助制度による支援のほか、来年四月開始予定の申請手続の支援や各種相談対応等を進めてまいります。
 また、聖火リレーは、競技会場の有無にかかわらず、地域住民など多くの人々が大会に参加できる貴重な機会でございます。現在、実行委員会において多摩地域の自治体の意見も丁寧に伺いながら、魅力的な場所をめぐり、人々の記憶に残る聖火リレーとなるよう検討をしております。
 今後とも、市区町村と十分連携し、多摩地域を初め、都内全域の盛り上げにつながる取り組みを進めてまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕

○都市整備局長(佐藤伸朗君) 五点の質問にお答えいたします。
 まず、首都高速道路の大規模更新事業とまちづくりとの連携についてでございますが、都は、老朽化が進む首都高の大規模更新の機会を捉え、機運が高まってきた周辺のまちづくりとの連携を図りながら、日本橋周辺の首都高の地下化に取り組んでおります。
 その際、計画内容や事業の時期などの整合を図るよう、現在、都市計画の手続に向けて、まちづくりを担う開発事業者と施設配置や構造等について調整を進めております。
 このほか、首都高では、都心環状線の築地川区間において大規模更新が予定されており、現在、地元区が周辺のまちづくりとの連携について調査を行っております。
 今後、大規模更新に当たり、まちづくりと連携する際は、日本橋における取り組みも参考にしながら適切に対応してまいります。
 次に、バリアフリーの取り組みの拡大についてでございますが、大会競技会場の周辺駅などでは、東京二〇二〇大会に向け、鉄道事業者によるエレベーターの増設や大型化の取り組みが進められており、都は、国などとともに補助を行い、駅のバリアフリー化を促進しております。
 このような取り組みをまちに広げていくためには、区市町村が駅とその周辺地区においてバリアフリー基本構想を策定し、周辺の施設やそこに至るまでの経路のバリアフリー化を重点的かつ一体的に進めることが重要でございます。
 このため、都では、区市町村が設置する協議会に参画するとともに補助を実施しており、これまでに二十一区九市において基本構想が策定されております。
 引き続きバリアフリーの取り組みが一層進むよう、区市町村に対し技術的、財政的な支援を実施してまいります。
 次に、ホームドアの設置についてでございますが、利用者の安全を確保するため、ホームドアの整備を促進するには、鉄道事業者の積極的な取り組みが不可欠でございます。
 このため、都は、国とともに地下鉄駅に加え、利用者十万人以上のJRや私鉄の駅を対象に補助を行っております。
 また、東京二〇二〇大会の会場周辺駅についても、利用者の規模によらず補助を実施しております。
 これにより、現在、大会競技会場周辺駅を含む、都内の三分の一を超える駅でホームドアが設置されております。
 今後、ホームドアの整備がさらに加速するよう、路線別に駅や利用者の状況を把握した上で、都として優先整備の考え方を整理いたしまして、国や区市町と連携し、鉄道事業者に働きかけるとともに、その取り組みを支援してまいります。
 次に、臨海部へのアクセス改善についてでございますが、東京ベイエリアが持つポテンシャルを最大限に引き出すためには、交通アクセスの改善が重要でございます。
 開発が進む臨海地域の交通需要に速やかに対応するため、東京二〇二〇大会前に、虎ノ門と晴海との間でBRTの先行的な運行を開始いたしまして、大会後に、有明や豊洲などへの運行系統を拡大いたします。環状第二号線本線開通後には、速達性、定時性を確保したBRTの本格運行を実施するとともに、選手村地区の再開発などにも対応してまいります。
 また、都心部・臨海地域地下鉄構想について、平成二十八年四月の国の答申に示された事業性などの課題を踏まえるとともに、開発動向などを勘案しながら、今後、構想をより具体化するため、国や地元区など、関係者間で連携して取り組んでまいります。
 最後に、築地再開発の検討状況についてでございますが、築地については、東京のさらなる魅力向上のための新しい役割が期待されております。
 本年五月、外部有識者による築地再開発検討会議が取りまとめた築地まちづくりの大きな視点を踏まえ、現在、まちづくりの方針の策定に向け検討しております。
 具体的には、まちづくりの将来像や都市基盤、土地利用などの分野別の方向性などについて検討しており、来年の早い段階に、素案について広く都民の皆様の意見を聞いた上で、年度内に取りまとめる予定でございます。
 これにより、立地に恵まれた築地のポテンシャルを生かし、東京の持続的な成長につなげていけるよう、新たなまちづくりの具体化を図ってまいります。
〔港湾局長斎藤真人君登壇〕

○港湾局長(斎藤真人君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、東京二〇二〇大会後の海の森公園についてでございますが、本公園は、ごみの山から緑豊かな公園に再生するという考えのもと、開園前から都民との協働により森づくりを進めてきており、開園後もこの理念を継承していくことは重要であると考えております。
 水上競技場エリアは、来年六月に先行開園いたしますが、大会時にクロスカントリーコースとなる森づくりエリアにつきましては、大会後にインフラなどの施設整備を行った上で、二〇二三年に追加開園の予定でございます。
 これまで、森づくりエリアにおきましては、二万人規模のランニングフェスなど多彩なイベントを開催しており、森づくりエリアの開園後は、こうした経験を活用し、水上競技場エリアとも連携したイベントを開催するなど、このエリア全体のにぎわいを創出してまいります。
 次に、島しょ振興のための環境整備の推進についてでございます。
 島しょの港湾や漁港は、島民の生活や産業を支えるとともに、にぎわい拠点として重要な役割を果たしております。
 都はこれまでも、地元の要望を取り入れながら、計画的な整備を進めており、あわせて、近年の台風による大きな被害に対する早期復旧にも取り組んでいるところでございます。
 ご指摘の八丈島神湊港の日よけ雨よけ施設につきましては、地元からの要望を踏まえ、現在調査を実施しており、今後、整備に向けた取り組みを行ってまいります。
 また、小笠原母島沖港の船揚げ場の拡幅につきましては、漁業協同組合とも協議を進め、設計作業を行っているところであり、着実に事業を進めてまいります。
 今後とも、各島の実情や特性を考慮しながら、地元町村と協力し、港湾施設の機能強化に一層取り組んでまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕

○交通局長(山手斉君) 災害時の外国人への情報提供についてでございますが、都営地下鉄では、駅改札口に設置しているモニターで、発災時の運行情報を多言語で速やかに表示するほか、駅員やコンシェルジュがタブレット端末も活用しながら、外国人のお客様に案内を行ってございます。
 さらに、東京二〇二〇大会に向け、今年度中に、局が保有する全車両で車内モニターと自動放送により多言語案内を実施できるようにするとともに、来年度末までに、全駅のホームに、より多くの情報を多言語で表示可能な行き先案内表示器の導入を行います。
 こうした取り組みにより、運行停止の原因や運転再開の見込み等、お客様が必要とする情報を、より多様な手段で迅速に提供してまいります。
 東京二〇二〇大会とその先を見据え、外国人を含め、誰もが安心して都営地下鉄をご利用いただけるよう、情報提供の充実に取り組んでまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 まず、市場運営のルールについてですが、豊洲市場の開場に当たっては、業界と調整してさまざまなルールを定めており、こうしたルールを守ることが、安全かつ適正な市場運営に不可欠であると認識しております。
 このため、都は、開場後の状況を踏まえて、市場業者に対して、車両の駐車や喫煙、ターレの走行など各種ルールについて、しっかりと遵守するよう求めてまいりました。
 具体的には、都と市場業界で構成される委員会において、ルールの遵守を周知するほか、駐車禁止や喫煙場所の案内などの標示を充実させております。
 また、場内の重点パトロールや業界と連携いたしました合同巡回指導を実施いたしまして、交通ルールの遵守や施設の適正利用の徹底を図っており、こうした取り組みを通じて、円滑な市場運営を実現してまいります。
 次に、市場会計全体の検証についてですが、時代に応じて変化するニーズに的確に対応し、生鮮食料品の安定供給という、卸売市場に求められる役割を引き続き果たしていくためには、将来にわたる事業継続性を確保する必要がございます。
 今般の国の卸売市場法の改正では、規制緩和などを通じて、卸売市場を含めた食品流通の合理化を図ることとしており、都といたしましても、条例改正に向けた検討の中で、市場が果たすべき役割について、市場業界等と議論を進めているところでございます。
 こうした取り組みに加え、今後、外部有識者の専門的知見などを活用しつつ、市場会計全体の将来を見据えた戦略的な経営と、強固な財務体質の確保について検討してまいります。
〔総務局長遠藤雅彦君登壇〕

○総務局長(遠藤雅彦君) 区市町村庁舎における非常用電源設置等支援の基本的な考え方についてでございます。
 大規模災害が発生した場合、区市町村は、その庁舎内に災害対策本部を設置し、地域の被害状況を迅速に把握するとともに、救護所や避難所の開設等、直接住民を支援する役割を担っており、このため、区市町村庁舎の非常用電源の確保は必要不可欠でございます。
 一方、都は、被害状況に応じて、各地域に人員や物資を迅速かつ効果的に投入しなければならず、区市町村からの被害に係る情報の収集は、都が災害対策を的確に実施するためにも重要でございます。
 こうしたことから、首都直下地震や大規模水害などの発生が想定されている中、区市町村庁舎の非常用電源の整備等につきまして、緊急に支援を実施することとしたものでございます。
〔財務局長武市敬君登壇〕

○財務局長(武市敬君) 補正予算についてでございますが、今回の補正予算は、昨今の地震、風水害や猛烈な暑さを受け、前倒しが必要な施策に速やかに着手するため、取りまとめたものでございます。
 補正予算の大きな柱である防災対策と暑さ対策につきましては、いずれも都民の安全・安心の確保に直結する重要な取り組みであり、その実効性を最大限に高めていくためには、区市町村を初め、実情をよく知る現場の方々の意見や考えを踏まえた施策展開を図ることが不可欠と認識しております。
 来年度以降も、区市町村のニーズなどに応えられるよう、防災力の強化に向けたブロック塀対策や非常用電源の設置、暑さ対策としての空調設備の設置など、必要な施策を積極的かつ継続的に展開してまいります。

○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時二分休憩

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