平成三十年東京都議会会議録第九号

   午後三時二十五分開議

○議長(尾崎大介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質問を続行いたします。
 四十八番つじの栄作君。
〔四十八番つじの栄作君登壇〕

○四十八番(つじの栄作君) 四方を海で囲まれ、資源の少ない我が国日本で、近年、あるいはより以前から、勤勉である、正直である、誠実である、和をたっとぶなどの価値観が日本人の美点、美徳であり、他国との比較ですぐれている点の一部であるとの認識がなされていたと私は考えています。
 しかし、最高学府での論文の捏造が報道され、伝統ある企業において製品データの改ざん、会計の不適切処理などのニュースがマスメディアをにぎわせるようになったのは、私の実感ではこの何年間かのことで、経営者、指導者に当たる人物の本来守るべき法令遵守の精神、高邁であるべき倫理観、生き方に対する真摯な姿勢の意識が損なわれてきているように思うことがあります。
 今を生きる青少年が、このような世相で真っすぐに夢や希望を持って、誠実な態度で社会を見詰めることができるものかと、甚だ懸念を抱いておるところでございます。このような状況で、青少年の健全な育成を図る学校教育の重要性をなお一層意識するところでございます。
 そこで、東京都の公教育のビジョンについてお伺いしたいと思います。
 私は、精神科医として比較的若年の方々のメンタルヘルスにかかわりを持つ経験があります。とりわけ適正な自己肯定感、自尊感情の形成を子供のころから促すことは、精神科医の立場からも重要であると認識しています。
 小池都知事におかれましては、常々、人が大切であると述べられております。教育はまさに人への投資と考えます。東京都教育施策大綱に対するパブリックコメントにおいて、都民の意見として、全ての大人が子供の自己肯定感を育むよう声かけなどに取り組んでいただきたいとあります。
 改めて、教育の中での自己肯定感の形成の重要性について、知事の認識をお伺いしたいと思います。
 また、都教育委員会は、自己肯定感を健全に育む具体的な指導法及びその成果、研究など長年にわたる知見を持ち合わせていると思います。学校において児童生徒の自己肯定感を育むことの重要性について、都教育委員会の認識をお伺いします。
 精神科医の立場から、教育現場においても、子供たちに自己肯定感を育む教育を充実させることが重要と考えますが、都教育委員会の取り組みについて、また、学校における指導及びその成果についてお伺いします。
 精神科医としての経験と観察から述べますと、自分に対する肯定的な感情や自分自身を大切に思う気持ちから、仲間を初めとする他人の気持ちや立場を尊重できる心を持ち、思いやりの心も形成されるのであって、いじめや不登校の問題も根本的なところはこのあたりにあると考えております。
 私は、自己肯定感を育むことにより、いじめや不登校を未然に防止することにつながると考えますが、都教育委員会の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 次に、都の医療施策についてお伺いします。
 本年四月、診療報酬の改定が行われ、本体部分が〇・五五%のプラス改定とのことで、関係団体などは一定の評価をしているように見受けます。また、国内では、政府の経済政策により、いっときに比べれば円安、株高となり、輸出業を主とする大企業など、一部の会社の業績は上向いている状況であると認識しております。
 しかし、多くの給与所得者の可処分所得の伸びは十分ではなく、個人消費は落ち込んでいるといわれ、また、地元の個人商店の皆様のご意見を伺うと、いわゆるトリクルダウンは、いまだ十分ではないように見受けられます。都民の皆様の中にも、経済状況が厳しいと感じて生活されている方も数多くいらっしゃるのではないでしょうか。
 私自身、都心近くの医療機関の経営者の経験から、痛切に感じていることですが、少なくない東京都内の医療機関の経営も非常に厳しい状況に置かれている現状があります。
 その理由の一つに、全国一律の診療報酬にもかかわらず、都内は他道府県に比較して地代も高く、また人件費も相応でないと優秀な人材を医療機関にとどめておくことは困難な状況で、他地域と比較して収入に対して支出が多くならざるを得ない、東京都独特の地域特性があると認識しています。
 今後も、来年予定されている消費税増税、最近の物価高の傾向などがあり、医療機関の経営に関してはさらに厳しくなることが予測されます。
 こういった医療機関の経営状況の変化がある中、都内の医療機関の数は、病院も診療所もこの十年ほどは横ばいであるとの統計があります。しかし、都内では、大学病院や伝統ある病院までもが経営的に厳しい状況にあることが話題にされるようになり、今後都内の医療機関の統廃合、撤退や倒産など、地域医療に影響を与える案件が出てくる懸念を持っております。
 都は、都民の健康、命を守るため、第七次東京都保健医療計画を策定していますが、今後の医療機関の経営の厳しさを織り込んだ上で、分析や対策を行った施策を検討することを望みます。
 そのように民間の医療機関はますます厳しい経営環境に置かれている中、都立病院の経営において、本年四月の診療報酬の改定の前後を比較して、経営面では今後どのような影響が見込まれているのか。また、持続可能な都立病院の運営を実現していくために、現在どのような取り組みをしているのか、お伺いします。
 都立病院は、いかなる環境においても、都民にとって最後のとりでとして民間医療機関では対応困難な医療を率先して行う必要があります。都立病院の最も重要な役割の一つとして、行政的医療の都民への提供があります。民間病院が担うことが難しい行政的医療に対しては、都税が財源である一般会計繰入金の投入が必要となります。
 一般会計繰入金に関しては、都民の皆様の高い関心があるところだと私は承知しております。一般会計繰入金の投入と行政的医療の果たすべき役割とのバランスについて、熟慮、検討することが重要であると私は考えておりますが、行政的医療と一般会計繰入金のあり方について、都の見解をお伺いしていきます。
 今後、都民の健康と命を守るため、都立病院は持続可能な安定した経営基盤を必要としており、超高齢化社会の到来や診療報酬改定を初めとする病院経営を取り巻く環境の変化に迅速に対応することが求められます。
 先日、都立病院経営委員会から、都立病院が本来果たすべき役割を果たし、持続可能な病院経営をしていくため、都立病院の地方独立行政法人化の検討について提言がなされました。これを踏まえた経営形態のあり方について、検討状況をお伺いします。
 高齢化社会を受けて、都民生活に関する世論調査によると、都民の皆様の関心事の上位に、自分自身や家族の健康や病気への不安があります。都立病院における都民への啓発など、活動状況についてお伺いします。
 また、団塊の世代全てが後期高齢者になる二〇二五年にかけて、地域の医療需要に対応した医療提供体制の変革が必要です。高齢化が進む多摩地域全体における高度専門医療も含めた医療提供体制全般について、都の認識と見解をお伺いします。
 多摩地域の医療環境において、多摩メディカルキャンパスの存在は、地域の医療拠点として地域の皆様は大いに期待をしております。
 そこで、本年一月に策定された基本構想を踏まえ、多摩メディカルキャンパスが、今後、多摩地域の医療提供体制の構築をどのように支援していくのか、お伺いしていきます。
 多摩地域では、道路、交通インフラの整備、防災対策、産業振興など、さまざまな解決するべき問題点があると承知しています。
 その中で都市計画道路の進捗状況は、区部と比較しておくれている現状があります。多摩地域の道路ネットワークを通じて、多摩地域が区部と遜色ない、便利で安全で豊かな生活を目指すことは重要であると考えます。
 地元小金井市の南北方向の幹線道路については、天文台通りから小金井街道までの間、約三・六キロメートルにわたり、南北の道路がない状況であり、小金井街道や新小金井街道などで時間帯により深刻な渋滞が発生している現状があります。
 小金井市の人口は昨年十二万人を超え、大規模集合住宅の建設などあり、さらに人口はふえる傾向にあります。このような状況で、今後道路のさらなる混雑、渋滞の発生が予想されます。南北方向の都市計画道路である小金井三・四・一一号線が整備されることで甲州街道と五日市街道が結ばれ、渋滞解消のみならず、災害時に小金井公園や武蔵野公園など、広域避難場所への容易な移動性が確保されることが期待できます。
 このような道路整備による利点が予想される中で、私のもとには、道路整備により小金井市が誇る野川や、はけの自然が損なわれるのではないかと懸念を持ち、自然環境に配慮が必要であるなどの、地元の住民の方々の多様な、貴重なご意見も寄せられています。
 そこで、小金井市の都市計画道路である小金井三・四・一一号線について、現在の状況と今後の取り組みをお伺いします。
 最後に、ラグビーワールドカップ二〇一九開催まであと四百五十七日、東京二〇二〇パラリンピック開催まであと七百九十七日、オリンピック開催まであと七百六十五日と迫ってまいりました。国際大会開催期間中には、世界中から、あるいは日本中から多くの旅行者が東京を訪れることになります。
 現在、東京都は、二〇二〇年の訪都外国人旅行者数を二千五百万人との目標とし、二〇二〇大会とその先を見据えて観光産業振興の実行プランを策定し、集客力が高く良質な観光資源の開発、外国人旅行者の受け入れ環境の向上など、さまざまな施策を展開しています。
 ビッグイベントを見据え、海外からの旅行者の皆様に小金井市を含む多摩地域を訪れていただき、大都市、大都会東京のみならず、多摩地域の豊かな自然など、東京都の多様な魅力に触れていただき、便利に快適に観光を楽しんでいただきたいと考えます。
 そのためには、小金井公園初め都立公園や都立施設に公衆無線LANや多言語による観光案内サインなどの設置、あるいは観光スポットに関する情報提供など、海外からの訪都旅行者が、東京で必要な情報を容易に入手できる環境整備が必要と考えます。
 私自身、海外渡航を以前繰り返していた時期があり、旅先々でのことを振り返りますと、このようなインフラ設備などはどこに行っても当たり前のように存在し、現地の情報を得るのに大変に役に立ったと実感できます。
 そこで、東京都としては、多摩地域のインバウンド対応として、こうしたインフラ整備を進めるため、どのような取り組みを実施しているのか、お伺いします。
 以上、ご清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) つじの栄作議員の一般質問にお答えをいたします。
 精神科医としてのご経験をもとにご質問がたくさんございました。自己肯定感の重要性についてのお尋ねでございます。
 全ての子供たちが個性を発揮して、生きがいを持って豊かな人生を切り開いていけるように、自分のよさや可能性をみずから肯定的に認めていくということは、極めて重要であります。ポジティブということかと思います。
 こうした意識を高めていくことは、共生社会の中で多様性を尊重できる態度を育むこととなりまして、私が目指している、温かく、優しさにあふれる都市、ダイバーシティーの実現にもつながるものと考えます。
 そのため、ご指摘の自己肯定感を高める必要性につきましては、昨年の一月に知事として策定をいたしました東京都教育施策大綱にも盛り込んだところでございます。
 今後も、東京の子供たちが夢や希望を持って力強く歩んでいけるように、教育委員会と力を合わせまして、新たな時代を見据えた教育に取り組んでまいりたいと考えております。
 残余のご質問は、教育長、東京都技監、関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕

○教育長(中井敬三君) 自己肯定感に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、自己肯定感を育む教育の重要性についてでございますが、都教育委員会が実施した研究からは、自己肯定感の高い子供は友人関係が良好であり、進路の目標が明確であるといった傾向が明らかになっております。また、都の学力調査の結果においては、自己肯定感の高い子供は、各教科の平均正答率が高い状況が見られます。
 一方、国際比較調査によると、日本の子供たちは自分に自信がないと感じる割合が諸外国に比べて高く、自分のよさを自覚できていない現状がございます。
 こうしたことから、加速度的に変化するこれからの社会において、子供たちが生涯にわたり自信や意欲を持って健やかに成長していくためには、学校教育を通して意図的、計画的に自己肯定感をより一層高めていくことが重要であると考えております。
 次に、自己肯定感を育む取り組み等についてでございますが、都教育委員会は、平成二十年度から五年間にわたり、各教科等において行う自己の成長を振り返る活動など、自己肯定感を高める指導方法を開発し、その資料を都内全公立学校に配布するとともに、各学校における研修の支援を通して、指導方法の理解と実践を促してまいりました。
 また、平成二十八年度から全都立高校で実施している都独自の教科、人間と社会において、互いのよさを伝え合い、よりよい人間関係について考える学習などを推進しております。
 学校からは、これらの取り組みを通して、友人とのかかわりの中で認められたり感謝されたりすることで、自分の長所に気づき、自信を持つことができたなど、子供たちの自己肯定感が高まったとの報告を受けているところでございます。
 最後に、いじめや不登校の未然防止についてでございますが、国や都の調査によると、不登校や他人をいじめた経験のある子供は、自分のよさを実感できない傾向があることから、その防止には自己肯定感を育むことが重要であると考えております。
 そのため、都教育委員会は、いじめ防止対策の一つとして、上級生の役割を果たす喜びを実感できる異年齢交流等を推進するとともに、不登校防止のモデル事業において、教員が子供の実態を把握し、自信を持たせるような指導を手厚く行う取り組みなどを進めてきております。
 今後、都独自のDVD教材、自分を大切にしようの活用を推進するとともに、新たに作成する不登校の未然防止に向けた手引に、互いのよさを見つけ、伝え合う活動事例を掲載するなどして、自己肯定感を育み、いじめや不登校の未然防止に一層努めてまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕

○東京都技監(西倉鉄也君) 小金井市内の都市計画道路についてでございますが、小金井三・四・一一号線は、広域避難場所へのアクセス向上や生活道路への通過交通の抑制による地域の安全性向上などに資する重要な路線でございまして、東八道路から連雀通りまでの延長約八百三十メートルの区間を、第四次事業化計画の優先整備路線に位置づけております。
 昨年十一月と本年一月には、本区間の整備に向け、環境や景観への配慮などにつきましてご意見を伺うことを目的に、沿道の自治会の代表者や公募による市民の皆様と意見交換会を開催いたしました。また、三月には、この意見交換会の内容を地域の皆様に情報提供することなどを目的に説明会を開催いたしました。
 今後、自然環境や景観などに関する調査検討を実施いたしまして、意見交換を重ねるなど、丁寧に対応してまいります。
〔病院経営本部長内藤淳君登壇〕

○病院経営本部長(内藤淳君) 五点のご質問にお答えいたします。
 まず初めに、都立病院におきます診療報酬改定の影響と取り組みについてでございますが、今回の改定では、入院料や手術料など、診療報酬の本体部分は〇・五五%引き上げられたものの、診療材料や薬価の引き下げなどにより、全体では一・一九%のマイナス改定となりました。また、入院期間の一層の短縮化が求められ、病床利用率の低下につながるなど、都立病院の運営におきましても非常に厳しい状況が見込まれております。
 今後、さらに改定の影響等を分析し、診療報酬におきます新たな施設基準の取得、医薬品等の共同購入や後発品への切りかえなど、収益確保と費用節減に向けた取り組みを徹底いたします。
 加えて今年度は、外部の医療経営アドバイザーも活用するなど、さまざまな視点から経営力向上に取り組み、安定的な経営基盤の確保に努めてまいります。
 次に、行政的医療と一般会計繰入金のあり方についてでございますが、都立病院が担う行政的医療は、周産期医療、精神科医療、難病医療等、採算の確保が困難な医療であり、法令等一定のルールに基づきまして、一般会計繰入金として都が負担しております。
 今後、一層の高齢化が進み、社会構造が大きく変化する中、診療報酬改定や医療人材の不足など、公民問わず医療機関の経営環境はますます厳しさが増すことが見込まれます。
 こうした環境のもと、都立病院におきましては、不採算医療という言葉に甘んじることなく、不断の見直しを徹底し、経営努力を尽くすことが欠かせません。このことを前提といたしまして、引き続き、一般会計からの適正な負担のもとで、都立病院は、将来にわたり都民の生命と健康を守るという使命を果たしてまいります。
 次に、都立病院の経営形態の検討状況についてでございますが、都は、本年三月、都立病院経営委員会の提言も踏まえまして、都立病院新改革実行プラン二〇一八を策定いたしました。このプランでは、都立病院が担うべき役割として、行政的医療の安定的、継続的な提供と地域医療の充実への貢献を掲げ、六つの具体的な戦略を明確にいたしました。
 この役割を将来にわたって果たすための効果的、効率的な経営のあり方につきまして、病院経営の根幹をなす人材確保や、柔軟かつ迅速な経営に資する予算、契約等の視点から、病院現場の実態を踏まえ、現在、課題の分析や検証などを行っております。
 引き続き、現行の運営におきますさまざまな改善の取り組みを進めるとともに、お話のありました地方独立行政法人初め地方公営企業法の全部適用、指定管理など、公立病院として想定される経営形態について多角的に検討してまいります。
 次に、都立病院における都民への啓発活動についてでございますが、都民が健康や医療の正しい知識を身につけるためには、さまざまな自己啓発の機会を設けることも重要であると認識しております。
 都立病院では、専門的な知見と臨床現場で培った豊富な経験を持つ医師や看護師等が、患者、家族や地域の方々を対象に、医療や予防の情報をわかりやすく解説する公開講座を開催しております。
 また、栄養士が監修した家庭でも再現できる病院食のレシピなど、病院がそれぞれ工夫を凝らし、多様な情報を広報誌やホームページを通じて、都民に提供しております。
 今後は、新たに企業や自治体等のニーズに応じましたアウトリーチ型の普及啓発や、都民の関心が高いテーマを中心に、公開講座を体系化したプログラムの作成を行うなど、都民や地域への啓発活動を一層充実してまいります。
 最後でございます。
 多摩地域の医療提供体制構築の支援についてでございますが、多摩メディカルキャンパスは、その整備基本構想におきまして、多摩地域の高度先進的な医療の拠点としての役割とともに、地域医療支援の拠点としての役割も果たしていくこととしております。
 例えば、地域医療支援として、在宅移行支援の強化等による地域での切れ目のない医療の提供や、地域の訪問看護師に対する研修等による医療人材の育成、さらには、患者支援センターの再構築による患者、家族、地域に対する総合的な支援の実施といった取り組みを進めてまいります。
 今後、整備計画の具体化と並行しつつ、これらの取り組みを着実に展開するとともに、キャンパス総体の機能の高度化を不断に図ることによりまして、多摩地域全体の医療水準の一層の向上に貢献してまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 多摩地域の医療提供体制に関するご質問にお答えをいたします。
 都は、多摩地域に五つの二次保健医療圏を設定し、それぞれ基準病床数を定めるとともに、各圏域の医療資源の状況や地域特性を踏まえ、がんや脳卒中、救急等の疾病や事業ごとに医療提供体制を整備しております。
 また、周産期医療や小児の救命救急等につきましては、限られた医療資源を有効に活用するため、多摩地域を一つのブロックとして、高度な医療機能を有する病院を中心にネットワークを構築しております。
 今後の急速な高齢化に対応するためには、各圏域の実情に応じた切れ目のない医療を提供する体制の整備が必要でございまして、都は、市町村、医師会、地域の医療機関の協力のもと、地域医療構想調整会議等を活用しながら、医療機能の分化と連携を推進し、体制整備を進めてまいります。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕

○産業労働局長(藤田裕司君) 多摩地域の観光案内インフラの整備についてでございますが、外国人旅行者に快適に観光を楽しんでいただくためには、観光案内機能の充実を図っていく必要がございます。
 このため、都は、小金井公園を初めとする都立施設においてWi-Fiサービスを提供いたしますとともに、宿泊施設等を観光案内窓口として指定し、旅行者の情報収集をサポートしております。
 また、Wi-Fiや多言語での案内標識の設置など、市町村が行う二〇二〇年に向けた計画的な受け入れ環境整備に対して助成を行っているところでございます。
 さらに、多摩地域の観光、商工団体等で構成する協議会による多言語での情報発信等の取り組みについて、今年度は新たに、鉄道の沿線別の観光マップの作成やSNSによる発信などを支援いたします。
 こうしたハード、ソフト両面での取り組みを着実に実施し、地域の実情に応じた受け入れ体制の充実を図ってまいります。