平成三十年東京都議会会議録第八号

○議長(尾崎大介君) 七十八番山口拓君。
〔七十八番山口拓君登壇〕

○七十八番(山口拓君) 質問に先立ち、大阪府北部を震源とする地震によってお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
 それでは、私は、都議会立憲民主党・民主クラブを代表して、都政の諸課題について質問いたします。
 まず、知事の基本姿勢について伺います。
 さきの東京都知事選挙が二〇一六年の七月三十一日、早いもので小池都知事誕生から二年近くがたとうとしています。
 政策的には、公文書管理条例の制定を初め、受動喫煙防止条例や各種人権施策の推進など、評価できるものも多く見られますが、当時の小池知事の選挙ビラを改めて見返してみると、残業ゼロ、満員電車ゼロなど達成が困難なものも見られます。
 とりわけ選挙ビラの大きなスローガンは、都民が決める、都民と進めるとなっており、この間のブラックボックス、独断専行といわれかねない小池知事の政策決定のあり方は改める必要があります。
 そこで、任期折り返しを迎えるに当たり、小池知事は、この二年間の都知事選公約の達成率をご自身でどう評価されているのか。また、残りの二年で都民と約束した公約を一〇〇%達成できるのか、見解を伺います。
 昨年度、公文書管理条例が制定されたことは評価しています。
 しかし、国において森友学園問題での文書改ざんが横行したことを踏まえ、都においても公文書に関するコンプライアンス意識の改革や、決裁文書の管理のあり方が問われております。さらには、局内だけで完結する仕組みでは、局ぐるみの不正は防げません。
 また、市場問題での小池知事のAI発言に見られるように、何を公文書として記載すべきか、とりわけ知事の政策決定過程に関しては明確にすべきと考えます。
 さらに、私は、全局の公文書の管理状況を横断的に監視する独立したポストの新設を提案するものですが、公文書管理の充実、徹底に向けて知事の見解を伺います。
 次に、犯罪被害者支援条例の制定について伺います。
 都が概要を示した東京都人権条例は、私たちが繰り返し求めてきたLGBTやヘイトスピーチに対応し、差別や偏見のない東京の実現を目指す手段として、基本的に評価します。しかし、他のさまざまな人権課題、中でも最も深刻な人権侵害の一つである犯罪被害者に言及がありません。
 法制定から十年以上がたちます。東京都は計画で支援を推進してきましたが、どの区市町村でもばらつきのない体制が整備されているでしょうか。犯罪被害者等支援計画や条例がある都内の自治体は四団体のみです。
 各自治体に窓口は設置されましたが、そこには相談、支援業務にたけた職員が常駐し、多岐にわたる支援ができる連携協力体制がとれているでしょうか。答えはノーです。
 また、福岡県の条例で、ネット上での中傷や過剰な取材による二次被害を生じさせないよう十分な配慮を求める規定が設けられるなど、新たな課題への対応も必要です。都道府県レベルでは、二十八自治体が条例を制定し、基礎自治体とともに施策を推進してきています。
 犯罪被害者支援の充実と地域格差の解消を早期に実現するため、都として犯罪被害者支援条例の制定を含め、取り組みをより一層強化する必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、障害者差別解消条例について申し上げます。
 障害者差別解消法がようやく制定され、差別のない社会に向けて前進はしたものの、法における調整機能は十分ではなく、実効性を担保する条例制定が求められました。
 条例案では、この声に応え、合理的配慮の提供を義務づけ、悪質な場合に知事が勧告、公表する規定を盛り込んだこと、また、紛争の調整機関設置を率直に歓迎いたします。
 今後、この仕組みの中で、障害のある人の立場が十分に尊重されることが重要と考えます。
 障害のある人もない人も、ともに暮らす共生社会を実現するために、条例制定を契機として、相互理解が進むよう取り組みを進めていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 次に、児童虐待対策の強化について伺います。
 「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」、目黒で虐待死した女の子が書かされていた反省文に接し、なぜ、この小さな命を守ることができなかったのか、どうすれば、この地獄のような暮らしから救い出してあげられたのか。きょうもこの東京で、誰にも助けを求めることができずに、暴力にさらされている子供があと何人いるかと考えると胸がつぶれる思いです。
 これまでも繰り返し都議会で取り組んできた児童虐待対策の強化ですが、五年前に比べて二・七倍の一万二千四百九十四件もの虐待対応を行っており、児童福祉司が対応するケースは、一人当たり約五十六件と多忙をきわめており、人員など体制強化が依然として課題です。
 また、香川県と都の児童相談所の連携不足などがあり、区市町村との連携のあり方、児相から警察への情報連携にも課題があります。さらに、家庭訪問から立入調査までの期間に規定もありません。
 それぞれとても重要な課題です。もう、一人の子供も死なせないため、虐待に遭っている子供を守るために、児童相談所を含めた児童虐待対策の抜本的強化が必要と考えますが、知事の決意を伺います。
 また、虐待をする親、すなわち加害者を減らさなければなりません。基本的には児童を保護するということでありますが、実際に親、加害者側に対しては、事実上放置されている現状も多く見受けられます。
 やはり、実際に加害者に対する指導、更生プログラムも強化すべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、受動喫煙ゼロの実現について伺います。
 都民の健康を守るため、受動喫煙ゼロの東京を実現していくという観点から、知事提案の東京都受動喫煙防止条例を基本的に評価しています。
 しかし、この条例によって死活問題ともいえる影響を受ける方々には、しっかりとした対応をとっていく必要があります。
 条例によって都内八四%もの飲食店が原則屋内禁煙の条例の対象となるわけですから、条例を機に、あるいは店内に適切な喫煙室を設けられず、全面禁煙となるお店がふえ、喫煙場所が外になることが予想されます。
 しかし、公衆喫煙所の設置のための都の予算規模は、現在六十二区市町村にわずか一カ所分にとどまり、目標設置数もなく、区市の負担も拭えません。公衆喫煙所のための予算を大きく拡充するとともに、全額都負担とすべきです。
 加えて、喫煙室設置工事を行う各事業者、個店以外にも共同で使える喫煙室や喫煙所整備を行う商店街や民間ビル等の所有者等、法人、団体、個人を問わずに幅広く支援すべきです。
 そこで、条例を契機として都の支援策を抜本的に強化すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 受動喫煙を減らし、その健康被害から都民を守るために必要な条例ですが、無用の混乱を防止し、本来の趣旨とは異なる事態が起きないよう、きめ細やかな対応を行う必要があります。
 例えば、喫煙室をつくろう、喫煙所を設置しようとする適切な仕様、適切な価格で工事ができるのか。あるいは便乗した悪質商法にだまされる方はいないのか。この条例を口実とした不当解雇などあってはならないわけですが、万が一の不当解雇、条例ができたら解雇も考えなければならないと悩む方など、さまざまな心配事があります。
 縦割りを排し、関係各所へしっかりつなぐ相談窓口の設置など対応をとるべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 また、私たちは、二〇一七年九月の代表質問において、禁煙治療に対する医療費助成などを求めてきました。既に北区や練馬区などでは実施をしており、東京都としても禁煙支援に積極的に取り組むべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 知事は先日の所信表明において、たばこを吸う人も吸わない人も、誰もが快適に過ごすことのできる社会を目指し原則屋内禁煙をと述べられておりましたが、私たちが条例とあわせて繰り返し求めてきた総合的な対策を進めることが欠かせません。
 受動喫煙がなく、たばこを吸う人も吸わない人も気持ちよく暮らせる東京にするためには、たばこの東京ルールが全国のスタンダードになるような、喫煙、非喫煙トータルでのマネジメント、全体像、目標を可視化、数値化し、取り組みを積み上げていく戦略が必要です。知事の所見を伺います。
 さらに、今後の大きな課題として残っているのが歩行喫煙、いわゆる歩きたばこなどの問題です。歩きたばこの対策は各区市町村で取り組みが進んでいますが、条例等による規制には各自治体でばらつきがあり、規制自体がない自治体も約三分の一あります。
 歩きたばこは通勤通学中の人を不快にし、子供や車椅子の人を危険にさらしています。
 そこで、私は、歩行により規制の異なる区市町村をまたぐこともあり、広域自治体の都としても歩きたばこの規制や対策を強化すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
 次に、豊洲市場の移転問題について伺います。
 千客万来施設において、小池知事が、万葉倶楽部からの東京二〇二〇大会後の速やかな着工との提案を受け入れて協議に入ったことについて、小池知事と万葉倶楽部会長との極秘会談などを含め、交渉経過は不透明で、まさにブラックボックス、独断専行の印象を受けます。
 そこでまず、二度にわたる万葉倶楽部会長との直接交渉について、東京都の幹部職員は誰が同席をしていたのか。交渉記録はとってあるのか。情報公開が改革の一丁目一番地であると主張されるのであれば、その交渉経過をしかるべき時期に公開すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 今回の内容は、万葉倶楽部に極めて有利な形で決着することになるように感じます。
 そこで、二〇二〇大会後の速やかな着工は、不履行だった場合の違約金を含め、万葉倶楽部の確約を確実に得られているのか。また、契約するに当たり、土地貸付料の減額など総額十億円とも報じられている支援を実施するのか、支援の内容も含め、見解を伺います。
 さらに、都が整備する暫定施設はどのようなものをイメージしているのか、その財源はどこから捻出する予定かも伺います。
 そもそも千客万来施設の整備は、市場移転を受け入れるための江東区の条件であり、その江東区が理解を示していない合意などあり得ません。四月十七日の段階で、江東区長が再公募を示唆していたにもかかわらず、なぜあえて地元区の意向を無視したのか、今後の江東区の理解と合意を得るための見通しについて、知事の見解を伺います。
 以上、再質問を留保して、都議会立憲民主党・民主クラブの代表質問を終わります。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 山口拓議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、二年間の公約達成の評価と今後についてのご質問がございました。
 知事就任いたして以来、都民に見える都政の実現を目指しまして、公文書の閲覧手数料の廃止、予算編成におけます各種団体からの公開ヒアリング、都政史上初の試みとなる都民からの事業提案制度など、数多くの取り組みを進めてまいりました。まさに都民が決める、都民と進める、そうした都政に向けた挑戦を続けてまいりました。
 さらに、都民が輝くための政策にも幅広く取り組んでまいりました。所信表明でも申し述べましたとおり、待機児童数は大幅に減少する見込みでございます。長時間労働の削減等を促進するTOKYO働き方改革宣言企業制度においては、既に二千社を超える企業がライフワークバランスの実現に取り組むほか、認知率が七割を超えます時差ビズも、現在、今日までに約六百社の参加をいただいておりまして、さらなる普及に向けて取り組み期間を拡大いたします。
 また、ご指摘の受動喫煙防止対策につきましては、健康ファーストの観点から独自のルールを定めました条例案を提案し、ご審議をいただいている最中でございます。
 この二年間の評価とのお尋ねでございますが、それは私自身が行うものではございませんで、都民の皆さんが行うもの、そして私は、引き続き都民の負託に応えるべく、人に着目した施策を初め、なすべきことに、ただひたすらに邁進していきたいと考えております。
 二つ目、公文書管理の拡充、徹底についてでございます。
 都政の透明化を進めていくためには、情報公開の基盤であります公文書の適正な管理が何よりも重要。このため、公文書管理の理念と、文書によりまして事案決定を行うことの徹底や政策の形成過程を明らかにする文書の作成義務を規定いたしました公文書の管理に関する条例を、皆様方都議会でご審議を経て成立をし、昨年七月に施行したものでございます。全庁的な公文書管理のルールの定着と職員への浸透を進めてまいりました。
 ことしの五月には、国におけます公文書の改ざん問題なども踏まえまして、公文書管理の透明性、信頼性を高めるために、事案の意思決定におけます電子決定方式の利用の推進について、改めて庁内に周知徹底しているところでございます。
 また、独立した視点からの監視の強化につきまして、所管局以外の部署の視点から、総務局が政策の形成過程を明らかにする文書が作成されているかなどについてチェックする取り組みを新たに実施してまいります。
 今後とも、国の動向に注視しつつ、新たに導入した公文書管理状況の点検の結果なども踏まえまして、都民共有の財産であります公文書の管理を厳格に進めてまいります。
 犯罪被害者支援についてのご質問がございました。
 犯罪被害者、そのご家族は、直接的な被害、そして二次的な被害によって、身体的、精神的、経済的に苛酷な状況に置かれておりまして、一日でも早く穏やかな日常を取り戻すため、被害直後から途切れることのない支援を実施することが非常に重要でございます。
 都はこれまでも、三期にわたります支援計画に基づいて、東京都総合相談窓口の機能を強化したり、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援事業を初めとして、被害者の方々に寄り添った支援に幅広く取り組んでまいりました。
 一方で、日常生活の支援等におきましては、身近な行政の窓口であります区市町村の役割は重要であることはいうまでもありません。被害者のニーズを適切に受けとめていくということが不可欠であります。
 そのため、都は、窓口の体制整備に資する助言、担当者のスキルアップのための研修の実施など、区市町村の支援機能の強化に向けた取り組みを行っているところでございます。
 今後、都は、SNSやネットなどのメディアによります二次的被害や、転居などにかかります経済的な負担など、被害者が抱える課題も視野に入れて次期計画を検討するなど、誰もがあしたに希望を持って活躍できる東京を実現してまいりたいと考えております。
 障害者差別解消条例についてでございます。
 誰もが生き生きと生活できる、一人一人が自分らしく輝くことができる都市、そのようなダイバーシティーが私が目指している東京の姿でございます。
 こうした考え方に立ちまして、都民や事業者が障害者への理解を深めて、障害を理由に分け隔てられることのない共生社会を実現することを目的として、今回、この条例案を提案いたしているところでございます。
 そして、この条例には、事業者に対します合理的配慮の提供の義務化、個々の相談に丁寧に対応するための相談員の設置、そして学識経験者、障害当事者などで構成されます第三者機関によりますあっせん、悪質な事業者などに対します勧告、公表の規定などを盛り込んでいるところでございます。
 お話のように、障害のある方もない方も、ともに暮らす共生社会を実現するためには、相互理解が進むことは必要でございます。そのために、条例の趣旨をあらゆる機会を通じて広く都民や事業者に普及啓発をしてまいる所存でございます。
 児童虐待の防止についてのご質問がございました。
 今回の事案につきましては、転居時の自治体間での情報共有のあり方であるとか、家庭訪問に拒否的な保護者へのかかわり方などにつきましては、児童相談所の対応に課題があったと、このように認識をいたしております。
 都は、五月に児童福祉審議会の部会によります検証を開始しておりまして、また、国に対しましては、自治体間での情報提供等につきまして全国統一のルールとして対策を強化するように緊急要望を行っております。
 警察との連携につきましては、情報共有の範囲を拡大する方向で警視庁と協議を開始いたしております。また、児童の安全確認が適切に行われますように、都独自の行動指針を策定いたします。
 さらに、児童相談体制のさらなる強化を図るために、児童福祉司、児童心理司、一時保護所の職員の増員等、児童相談所の体制の強化、地域でのネットワークの強化に取り組んでまいります。そのための人員や予算は通常の査定とは切り離しまして、優先的に措置をする考え方でございます。
 全庁横断的に新たなプロジェクトチームも立ち上げまして、関係各局が一丸となって児童虐待の防止に全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。
 次に、受動喫煙につきましてでございますが、喫煙所の整備に関する都の支援についてのお尋ねがございました。
 お話のように、受動喫煙防止対策を進めるためには、喫煙者に対して配慮することも必要でございます。
 現在、国会では、ご承知のように健康増進法改正案の審議が行われておりまして、国は、自治体が屋外の公衆喫煙所を整備する際に財政支援を行う、その旨、その方針を示しているところでございます。
 都といたしましても、区市町村が取り組みます公衆喫煙所の設置などに対する補助率を十分の十に引き上げまして、支援をしていく方針でございます。
 また、条例により規制の対象となります中小事業者が経営する飲食店に対しましては、喫煙専用室の設置に要する経費への補助率を十分の九に引き上げるなど、支援内容の充実を図りまして、事業者の負担軽減に配慮する方針でございます。
 そして、相談窓口の設置についてもお尋ねがございました。
 条例の施行に当たりましては、都民や施設管理者等の不安を解消いたしまして、ご理解、ご協力いただくこと、これが必要でございます。
 このため、都は、専門相談窓口を設置いたしまして、規制内容に関しましての問い合わせや各種の相談に丁寧に対応してまいります。
 また、喫煙専用室を設置しようとする施設管理者からの求めがあった場合、そのときには、必要な助言を行う専門家、こちらをアドバイザーとして派遣をする考えでございます。
 そして、禁煙支援の取り組みについては、現在、都内七つの区におきまして、禁煙を希望する方に対しての禁煙外来の医療費等への助成を行っておられます。
 条例の制定を機に、今後、都といたしまして、こうした区市町村の取り組みを支援する考えでございます。
 受動喫煙の防止対策でありますけれども、本年の三月に改定いたしましたのは、東京都がん対策推進計画でございます。この計画では、喫煙率を一二%に下げることや、受動喫煙をなくすことを目標に明確に掲げております。
 また、その達成状況などにつきましては、外部の有識者などで構成いたします東京都がん対策推進協議会におきまして、毎年度、定期的に評価を行って、取り組みに反映させることといたしております。
 この条例におきましても、施行から五年後にその状況を検証いたしまして、必要な措置を講じていくということといたしておりまして、今後も条例の施行状況を把握しながら、受動喫煙防止対策を推進してまいります。
 歩行喫煙対策についてのご質問がございました。
 現在、区市町村では、環境美化や喫煙マナーの向上といった観点から、路上喫煙や歩きたばこに関する条例を制定いたしております。
 交通事情や人口密度、自然環境など、地域によって屋外の状況が異なるわけでございまして、屋外における規制は、それぞれの基礎的な自治体が地域の特性を踏まえて行うということが適切だと考えております。
 万葉倶楽部との会談についてのご質問でございましたが、まず、五月一日に副知事及び市場長、そして、五月三十日には市場長がそれぞれ同席をいたしております。
 当日の会談内容でございますが、市場移転に関する関係局長会議で報告をしておりますし、既に明らかにしております。事務的にも記録も整理をしているところでございます。
 千客万来施設の事業でございますが、この事業は、江東区が示した市場の受け入れ条件の一つであります、豊洲市場に活気とにぎわいをもたらす重要な事業でございます。
 現在は、事業者から出された新たな提案につきまして、事業実施に向けた前向きな内容であると受けとめまして、協議に応じているという段階でございます。
 事業スケジュール、そして諸条件など課題の整理を進めまして、江東区の理解を得た上で、最終的な合意を図ることといたしております。
 まさに急な展開となりました。江東区、江東区議会の皆様を驚かせる結果とはなっておりますけれども、この間の一連の経緯、今後の都の対応につきましては、引き続き丁寧に説明をいたしまして、ご理解が得られるように努めてまいりたいと考えております。
 その他のご質問につきましては、関係局長よりのご答弁とさせていただきます。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 児童相談所の保護者への指導に関するご質問にお答えをいたします。
 児童相談所は、児童虐待を行った保護者に対して、家族機能の回復を図ることを目的に、児童福祉司や児童心理司等による家庭訪問や面接指導のほか、精神科医によるカウンセリングなどを実施しております。
 また、児童相談センターでは、虐待を受けて児童養護施設に入所している子供や養育家庭に委託されている子供、その保護者に対しまして、家族合同でのグループ心理療法や親のグループカウンセリング、家族カウンセリングなど、家族再統合のためのさまざまな援助も行っております。
 親子関係の再構築を図るためには、親みずからが虐待に至った要因に気づき、愛情を持って子供と向き合うことが必要であり、保護者への指導やカウンセリングなど、家族再統合への支援を強化してまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕

○中央卸売市場長(村松明典君) 二点のご質問にお答えいたします。
 初めに、千客万来施設事業者との協議についてですが、事業者から、東京二〇二〇大会後、速やかに施設整備に着手する旨の新たな提案を受けまして、現在、都は、事業者との間で具体的なスケジュールや諸条件など、事業実施に向けた課題の整理を進めているところでございます。
 建設工事の着手時期や完成時期などについて十分詰めた上で、その内容を今後、事業者と締結いたします協定等に盛り込むことで、確実な施設整備を図ることとしております。
 なお、事業者との間では、これまで貸付料の取り扱いやテナントリーシングへの協力などの諸条件について、法的側面からの確認を行い、行政として適正な範囲内での協議を進めてきており、合意に当たりましては、こうした内容につきましても整理していくこととしております。
 次に、都によるにぎわい創出の取り組みについてですが、豊洲市場開場後、千客万来施設が開業するまでの間、豊洲市場に継続的ににぎわいをもたらすため、五街区及び六街区の千客万来施設用地におけるさまざまなイベントの実施や仮設施設を活用した事業などについて、現在、財源も含めて検討を進めているところでございます。
 地元である江東区とも相談しながら、地域に親しまれ、多くの人々が集う場となりますよう取り組んでまいります。
〔七十八番山口拓君登壇〕

○七十八番(山口拓君) 再質問させていただきます。
 まず、受動喫煙防止条例に伴う相談窓口について伺います。
 私は、この条例によって、不当解雇などさまざまな心配事があると述べた上で、縦割りを排し、関係各所へとしっかりとつなぐ相談窓口設置などの対応を質問したものであります。
 しかし、先ほどの答弁では、不当解雇の問題は相談窓口の対象外だといわんばかりの答弁です。
 相談窓口においては、人を守るための条例で生じた不当解雇などの問題についても、縦割りを排し、関係部署としっかり連携して、ともに解決を図っていくべきと考えますが、知事の見解を改めてお伺いいたします。
 また、千客万来施設の交渉経過についても伺います。
 かつて、東京ガスとの交渉では、都側に交渉記録がなかったことや水面下の発言などが批判の対象となりました。小池都知事も、こうした体質を批判していたはずです。これは知事の政治姿勢であられるはずです。
 知事自身が会談内容の交渉経過を事務的に記録と答弁されたのであるならば、万葉倶楽部との詳細な交渉経過をしかるべき時期に公開すべきと考えますが、知事の見解と決意を改めてお伺いいたします。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕

○知事(小池百合子君) 先般の万葉倶楽部との会談についてのご質問がございました。
 先ほど申し上げましたように、五月三十日、市場長の同席を得て会談をしたところでございます。
 会談の内容につきましては、これまでの経過につきましては既に明らかにしておりますが、三十日の会談の結果につきましては、事務的に記録も整理をしているところでございます。
 ただ、今、江東区とのさまざまなご報告なども踏まえた上で行うということでございますので、しかるべきときにはしっかりと説明もさせていただきたいと、このように考えております。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕

○福祉保健局長(梶原洋君) 受動喫煙防止条例に関します専門相談窓口に関する再質問についてお答えをいたします。
 この専門相談窓口では、さまざまな規制内容に関する問い合わせのほか、お話のあった従業員、あるいは雇用している方からのさまざまな相談にお答えをするという形で考えております。
 不当解雇というものは、この専用相談窓口で解決するというのは困難でございますので、その場合には、必要な労働基準監督署や労働相談センター、そういうところにつないでいくというのも、ここでの専門相談窓口の仕事だというふうに考えてございます。

○六十七番(斉藤れいな君) この際、議事進行の動議を提出いたします。
 本日の会議はこれをもって散会されることを望みます。

○議長(尾崎大介君) お諮りいたします。
 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○議長(尾崎大介君) ご異議なしと認め、さよう決定いたします。
 明日は、午後一時より会議を開きます。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後八時十五分散会