午後一時開議
○議長(尾崎大介君) これより本日の会議を開きます。
○議長(尾崎大介君) この際、あらかじめ会議時間の延長をいたしておきます。
○議長(尾崎大介君) 次に、議事部長をして諸般の報告をいたさせます。
○議事部長(櫻井和博君) 監査委員より、住民監査請求について、地方自治法等の一部を改正する法律附則第二条第三項の規定により通知がありました。
(別冊参照)
○議長(尾崎大介君) これより質問に入ります。
百十五番荒木ちはるさん。
〔百十五番荒木ちはる君登壇〕
○百十五番(荒木ちはる君) 平成三十年第二回都議会定例会に当たり、都民ファーストの会東京都議団を代表し、小池知事並びに関係局長に質問いたします。
質問に先立ち、申し上げます。
昨日、大阪府北部を震源とする震度六弱の地震が発生し、既に四名の方がお亡くなりになられました。ご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。復興に向けてのいかなる協力も惜しまず、共助の精神で被災地支援に尽くしてまいります。
さて、来年で平成から元号が変わります。この平成の三十年間について、都民一人一人、さまざまな感じ方があると思います。
ただ、政治についてこの三十年間を振り返ってみると、国の長期債務残高が、この三十年間で四倍に膨れ上がったことにも明らかなとおり、これまでの政治の限界が、至るところでひずみとして生じているのではないでしょうか。
例えば、少子化、人口減少については、数十年前から、将来の東京、日本の大きな課題になるといわれ続けてきましたが、安心して子育てと仕事を両立できる環境の整備は、先送りに次ぐ先送り。その大きな原因の一つが、政治の場に女性の視点が欠けていたことにあるのは明らかです。
昨年の都議選を経て、都議会における女性議員の人数は過去最多の三十六名となりました。都民ファーストの会東京都議団も、全五十三名のうち十七名が女性です。こうした東京都における大きな変化もあってか、ことしの五月二十三日に候補者男女均等法が成立しました。
大変喜ばしいことですが、こういった時代の変化にもかかわらず、国政の場でも、子育ては母親、男の育児は子供の迷惑といったような発言や、また、セクハラに対する発言が堂々と繰り返されています。
都議会では、このようなセクシュアルハラスメント発言や時代錯誤の女性蔑視の言動が存在しないことを改めて強く望むところでございます。
小池知事は、国会議員時代から、今般法律が成立をした女性の政治参画、クールビズ、液体ミルクの普及促進、無電柱化など、時代の先を行く施策に取り組んでこられました。また、女性初の都知事として就任後、都内の待機児童数は、区部で約四割、市町村部で約三割、数では昨年に比べて約三千百人減少しました。ですが、都内の待機児童数はいまだに五千人を超えています。加えて東京二〇二〇大会、世界を相手にした都市間競争の激化、税財源をめぐる国との折衝など、東京都の課題は山積をしています。
小池知事は、決して現状に甘んじることなく、千三百万都民の生活をあずかる都知事として、今こそオール東京で、政策の実現に向けた強いリーダーシップを発揮していただきたい。
時代の先を行くからこそ、同じ時代では十分な理解が得られない取り組みもあるかもしれません。ですが、私は、同時代だけではなく、将来振り返ってみたときに、小池知事が未来の東京の礎を築いたと評価される都政の実現に向けて、全力で取り組んでいただきたいと強く要望いたします。
本定例会では、受動喫煙対策、東京の未来を担う子供や教育をめぐるさまざまな課題、障害者差別解消への取り組み、新たな人権課題への対応など、我々も力を入れてきた、これまでの都政では十分に光が当てられてこなかった課題が数多く取り上げられております。
我々は、一九六四年の東京オリンピックに代表されるような、戦後復興を掲げ、豊かな東京を築き上げてきた偉大な先人たちの歩みに心から敬意を表します。ですが、成熟社会を迎えた現在の東京は、戦後復興のようなわかりやすい目標が見えにくくなっています。
そういった時代の中で、東京のかじ取りを任せられた政治家は、これまでの都政には十分に反映されてこなかった都民の声、それは女性に限らず、健康被害に声を上げることができない人、東京の未来を担う子供たち、障害を持つ方、マイノリティーの方、そういった一人一人の人に真摯に耳を傾け、誰もがその人らしく生きることができる東京を目指さなければならないと考えています。
我々都民ファーストの会は、都民の利益ではなく知事や他会派の足を引っ張ることだけを考える政局優先の態度とは、一線を画します。そして、都民一人一人のまさしく人を大切にする都民ファーストの立場で、二〇二〇年のその先も見据えて、問題を先送りしない未来志向の政策を追求し、政策実現競争を行っていくことを誓い、具体的質問に移らせていただきます。
初めに、安全なまちづくりの視点から、大阪府北部を震源とする地震について伺います。
昨日の地震は、登校、出勤時間に重なり、とうとい人命が失われたほか、都市インフラにも大きな被害を与えました。災害時には、都市間の協力、支援が欠かせません。
そこで、都の取り組みについて知事に伺います。
昨日の地震では、公立小学校のプール脇のブロック塀が倒壊し、登校途中の小学四年生の女児が挟まれ、亡くなりました。既に建築基準法違反であることを高槻市も発表していますが、安全な施設であるはずの学校の塀が倒壊をし、児童生徒の命を奪った原因については、都としても検証しなければいけません。
都内の都立高校を初め、公立小中学校において、学校の塀などの耐震化の整備状況を把握すべきと考えますが、所見を伺います。
次に、受動喫煙対策について伺います。
社会を挙げて人の健康を守ることは、東京二〇二〇大会を迎える上でも必要不可欠です。都の受動喫煙防止条例案として、都独自の新しいルールとして、人に着目した対策を基本指針に据えて、働く人と子供を受動喫煙から守る内容が盛り込まれています。
これまで我が国の受動喫煙の議論では、働く人を守るという視点が置き去りにされてきました。海外に比べて日本は従業員を守る視点が弱かったといえます。これに対して、本条例において、働く人を受動喫煙から守るという点を受動喫煙の議論の正面に据えたことは、時代に合った条例づくりと受けとめています。
また、子供を受動喫煙から守るという視点は、我々都民ファーストの会が議員提案条例を行い、強調をしてきた点であり、改めて今回の条例案にもその観点が盛り込まれていることは、時代の要請に応えるものと確信をしております。
そこで、この条例案に込められた知事の思いについて伺います。
次に、従業員、働く人たちが他人のたばこの煙からどう守られるかが重要だと考えます。
たばこの煙を吸い込み、健康を損なうことを防ぐ取り組みは、既に航空機やタクシー、列車などで車内禁煙が進み、定着をしています。現在、たばこを吸わない人が受動喫煙の影響を受けやすい場所は、飲食店や遊技場、職場の順番となっており、働く人たちの安全衛生を強める観点からも、これらの場所での対策強化に取り組むべきです。
健康寿命を延ばすことが大きな社会課題となっている中、受動喫煙を望まない、アルバイトを含めた働く人たちの健康を守るべきだと考えますが、知事の所見を伺います。
さて、我々都民ファーストの会は、本年二月より、受動喫煙防止条例の制定に向けた署名活動を行ってまいりました。同じ志を持つ有志や団体と共同して署名活動を行い、合計二十六万筆以上の署名を集めさせていただきました。
実際に、私たちも街頭に出て、道行く人々にお願いをする、まさに草の根運動をしてまいりました。我々の呼びかけに対し、本当に多くの方々が足をとめて署名をしてくださり、我々は、まさに都民の中に入って、都民一人一人に接して、これまで都政には届いていなかった声なき声を都政に届けることができたと自負をしています。
世論調査の結果でも、東京都独自の受動喫煙防止条例案について七五%が賛成、さらには喫煙者も四割近くが賛成したとの報道に接しています。
こうした高い支持率の一方で、不安感を持っている方々がいるのも事実です。我々都民ファーストの会は、さまざまな立場の団体の方々にヒアリングを行い、その声を真摯に、丁寧に聞いてまいりました。
受動喫煙防止条例の制定によって、かえって屋外での路上喫煙が増加するおそれや、区市町村が制定する条例等への違反が増加するおそれ、あるいは都の受動喫煙防止条例が遵守されないおそれなど、懸念の声もあります。条例の実効性をより高めるためには、喫煙所の整備をすることも必要と考えます。
屋内、屋外の喫煙所の整備に関する都の支援の方針について、知事に伺います。
次に、この条例を効果的に実行していくには、区市町村及び区市の保健所との連携が欠かせません。受動喫煙防止条例の制定に向けて、これまで知事が行ってきた区市町村との意見交換の経緯や連携の状況について伺います。
改めて申し上げるまでもなく、受動喫煙対策は、人の健康を守るため、そして東京二〇二〇大会のホストシティーの責務として、党派を超えて、オール東京で取り組んでいかなければならない課題です。
これまで健康被害を感じながらも、声を上げることができなかった都民一人一人の人の声に真摯に耳を傾けながら、今後も我々は受動喫煙対策に全力で取り組んでまいります。
次に、東京の未来を担う子供の命を守るという観点で、後を絶たない児童虐待について伺います。
事件が起きたのは、ことし三月三日、目黒区です。香川県から都内に転入してきた五歳の女の子が亡くなり、両親が虐待の容疑で逮捕されました。報道によれば、亡くなったときの体重は十二キロ、二歳児ほどの体重しかなかったことから、衰弱がひどく進行していたことがうかがえます。亡くなられたお子様には、心よりご冥福をお祈りいたします。
今回の件ではさまざまな報道が先行していますが、事実に基づいた冷静な検証が必要です。香川県とも連携をし、事実関係の確認と対応の妥当性、今後の課題を速やかに明確にして公表することが不可欠と考えますが、都の見解を伺います。
一般に、児童虐待が疑われる家庭への対応については、現場の職員に一定の裁量権があります。それが親との信頼関係の構築に寄与する場合もあれば、判断基準が曖昧であるがゆえに、特に命の危険が迫っているときに、不適切な対応になってしまうケースがあることも否定はできないところです。
そこで、現場の職員が経験を積むことに加えて、各事案から得るノウハウを積み上げ、より具体的なガイドラインを策定し、これを現場で徹底することが有効と考えます。
あわせて、職員の人員不足から、研修に割ける時間に制限があるなど、職員の人員不足が生む業務上の支障が問題になっています。
事件が起きるたびに職員が疲弊し、精神的にもさいなまれ、担い手不足に拍車がかかる現状を社会全体で変えていかなければなりません。知事が既に表明されている人員拡大とあわせて、今後の取り組みについて伺います。
児童虐待については、これまでも多くの痛ましい事件が発生をしてきました。尾崎議長を初め、次の悲劇をなくすために、都議会でもさまざまな議論が繰り返されてきました。
改めて、東京都の児童虐待に対する対応方針、体制が十分なものであるのか、例えば、海外からも取り組みの事例を集め、再度検証する必要があるのではないかと考えます。
対策を進めている横浜市などでは、子供を虐待から守る条例が平成二十六年に施行され、いわゆる福祉保健局に限らず、行政と家庭との間のあらゆる接点の場を積極的に活用した、各庁横断的で総合的な取り組みを行っている事例があります。
こうした他の自治体の取り組みを参考に、都においても条例化を含め、児童虐待問題を幅広い視点で、子供の福祉にかかわるあらゆる機関が一丸となって取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。
児童虐待を防ぐためには、当事者である子供たちの声をすくい上げることも必要です。
現在、都では、児童相談所における一般の電話相談や二十四時間体制の全国共通ダイヤル一八九のほか、匿名で気軽に相談できる四一五二電話相談、虐待やいじめなどについて相談できる東京子供ネット電話相談などで子供からの相談を受け付けていますが、いずれも電話による相談です。
今の二十代、三十代の親世代にとって、日常的なコミュニケーションの手段は、もはや電話ではなく、LINEなどのSNSが中心であり、SNSを積極的に活用して、相談のハードルを低くしていくべきと考えます。
今年度、都民ファーストの会の提案によって予算化されたLINEなどによるいじめ相談窓口と同様に、児童虐待の相談でも多くの若い人が利用するSNSを導入するべきと考えますが、所見を伺います。
次に、児童虐待の実情を踏まえ、未来を担う子供を守る立場から、性教育の必要性について伺います。
平成二十九年にまとめられた子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について、十三次報告の概要によると、心中以外の虐待死では、死亡した子供の年齢はゼロ歳が多く、主たる加害者で最も多いのは悲しいことに実母です。その実母が抱える問題として、予期しない妊娠、計画していない妊娠が最も多い三四・六%、次いで、妊婦健診未受診が三二・七%、十代、いわゆる若年妊娠が二五%です。
また、昨今、情報化社会の進展により、さまざまな健康情報や性、薬物等に関する情報の入手が容易になるなど、子供たちを取り巻く環境が大きく変化をし、性教育のあり方について社会的な関心が高まっています。
そうした中、私たち都民ファーストの会東京都議団には、性教育のあり方についてさまざまな意見が寄せられており、性教育について研究やヒアリングを重ね、会派内の議論も行ってまいりました。
二〇〇七年内閣府調査によると、家庭内で性教育を行っている家庭は二三%にすぎないという現実があり、二〇一一年性行動調査によると、中学生男子の二○・七%、女子の一九・五%がネットで性に関する知識を得ているという結果が出ています。また、二〇一六年度末の文部科学省の中教審においては、子供たちが健康情報や性に関する情報等を正しく選択して適切に行動できるようにする必要があるという答申が出されています。
今、子供たちに必要なことは、性について正しい知識を学ぶ場であり、子供たちの実情に即した性教育だと思います。
そこで、性教育のあり方について、都教育委員会の見解を伺います。
次に、性教育の実施に関して質問いたします。
人は誕生した後、身体的な成長を遂げていきます。性教育は、子供の発達段階に応じた内容で行うべきであり、適切な時期を逃してはなりません。さらに、性教育こそ医師等の専門家の活用が必要な分野だと考えます。
そこで、都教育委員会は、性教育の適切な実施に向けて具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
性教育に関する議論はさまざまであることは承知をしております。ですが、あえて一言申し上げます。
私たち女性には、妊娠に適した年齢があります。福祉保健局の発行するハンドブック「いつか子供がほしいと思っているあなたへ」でも触れられています。しかし、加齢により妊娠しづらくなることを知らないまま、妊娠適齢期を過ぎてからその事実を知ったという方もいると伺います。
ライフプランを考える上でも、男性も、そして女性も、妊娠に関する正しい知識を身につけることは重要だと考えます。教育だけにとどまらず、さまざまな取り組みを通じて、性に関する正しい知識の普及について検討くださいますよう要望します。
次に、一人一人の人が輝くためのダイバーシティー政策について伺います。
まずは、女性が輝くためのセクシュアルハラスメントと待機児童対策について伺います。
冒頭でも述べましたとおり、本来、社会のために尽くさなければならない政治や行政の場で、セクハラ発言や女性蔑視の言動が相次いでおります。
政治、行政の場におけるセクハラに対する認識の低さが改めて露呈しました。フランスのマクロン大統領は、職場でのセクハラを禁ずる法律に加えて、公共の場でのセクハラも取り締まる法律をつくると宣言し、国民の声を反映させるためにワークショップを全国で開催しているとも聞いています。
職場におけるセクハラ防止対策が必要です。
例えば、優良な職場環境づくりに取り組む企業を表彰する際には、就業規則にセクハラ防止の項目を定めることを要件とするなど、実効性の高い取り組みを行うべきと考えますが、都の見解を伺います。
セクハラは、職場だけで起きるものではありません。取引先や教育の現場など社会の至るところで起きるものであり、あらゆる場でのセクハラを決して許さないという強い意思に基づく取り組みが必要です。
東京都男女平等参画基本条例では、十四条で、何人も、あらゆる場において、性別による差別的取り扱いをしてはならない、何人も、あらゆる場において、セクシュアルハラスメントを行ってはならないと、職場だけに限られない広範なセクハラ禁止条項を設けています。この禁止条項の趣旨に沿った、あらゆる場におけるセクハラを決して許さないための広範かつ実効的な取り組みを要望します。
子供を安心して育てるために必要な保育園について、土地の確保の観点から質問をいたします。
冒頭に述べたとおり、都内の待機児童数は減少していますが、東京都として保育サービスの整備をさらに加速させていくことが必要です。そのためには、保育所用地の確保が欠かせません。既に都有地については洗い出しが進み、区市町村の保育所整備に提供されていますが、用地不足は否めません。
このような中で、区市町村は、都有地のみならず、地元に残る貴重な国有地や民有地に着目して、用地の確保に余念がありませんが、国家公務員住宅跡地などは広大な敷地も多く、区市町村単位の財政力ではとても購入費用が賄えず、保育所整備を断念する自治体も多いのが実情でございます。
都として、こうした実情に目を背けることなく、大規模未利用地の活用に向けて、国への要望や区市町村に対する何らかの財政支援など、もう一段踏み込んだ対策を行っていくべきと考えます。
そこで、区市町村が広大な国有地や民有地の一部を保育所として整備しようと思っても、財政事情で用地確保できないケースに対し、都はどのように考えているのか、見解を伺います。
東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例について伺います。
オリンピック憲章では、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由によるあらゆる種類の差別禁止について述べています。
これらのうち、従来我が国で法律や条例で対応されてこなかった分野であるLGBT、SOGIとヘイトスピーチを取り上げて、東京都が条例化しようとしていることを評価します。
まずは、LGBT等やヘイトスピーチに限らず、いかなる種類の差別も受けることなくというオリンピック憲章の人権尊重の理念実現に向けた取り組みに関する知事の所見を伺います。
LGBT等については、ロシアの同性愛禁止の法律をめぐって、アメリカやフランス、ドイツなどの首脳が、二〇一四年、ソチ冬季オリンピック開会式を欠席したことは記憶に新しいところです。LGBT等の方々は、例えば、入居の手続、銀行口座開設など、具体的に多くのバリアに遭遇をしています。
東京都人権施策推進指針が普及啓発にとどまっていたことに比べ、条例化することの意味は、教育、就労、医療、福祉など、さまざまな分野で、実際にバリアを除去していくことにあります。
そこで、条例化に当たっては、このようなさまざまな分野に対して具体的な措置に踏み込んでいくことが必要だと考えますが、今後の検討の方向性について伺います。
次に、障害者差別解消条例について伺います。
国連障害者権利条約が二〇〇八年五月に発効してから十年、障害者差別解消法が二〇一三年六月に制定されてから五年、今般、都議会に障害者差別解消条例が提出されるに至りました。
障害者差別に限らず、およそ差別の問題では、差別をしているという認識のないまま差別をしている人が多く、それらの人にそれが差別であることに気づいてもらうことが必要です。障害者にとって、何が物理的な、あるいは社会的なバリアとなっているかを認識して、そのバリアを解消する努力をすることが必要となります。
東京都障害者差別解消条例は、不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供を軸とする、国の障害者差別解消法の上乗せ条例という性格を持っていますが、東京都が法律に加え条例を制定することによって、どのような効果があるのか伺います。
次に、ソーシャルファームについて伺います。
障害者、ひきこもり、シングルマザー、刑事施設からの出所者、難病患者、高齢者などの方々は、営利を目的とする一般の民間企業で働くことに困難を感じるケースが多く、本人の能力や意欲などと合致した職場が少ないのが実情です。
営利目的の一般民間企業でも福祉目的の就労施設でもない、第三の社会的目的を有する職場が求められており、欧州で成果を上げているソーシャルファームの考え方に基づく対策が必要であると考えます。
一九七〇年代にイタリアで誕生して以来、欧州では二〇〇〇年を前後にイギリス、ドイツ、フィンランドなどがソーシャルファーム法を整備し、特定法人に対して税制優遇や公共事業の優先受注権を付与しています。そして、生み出される商品も、いわゆる福祉施設の商品ではなく、付加価値とブランド力を備えた商品が世に送り出され、高い収益性を確保していると聞いています。
こうした海外の事例を参考にしながら、日本型のソーシャルファーム制度を整えていくことが必要だと考えます。設備投資や商品開発など、スタートアップを手厚く支援いただければ一歩踏み出せるという話も伺っています。
ソーシャルファームについては、国における法整備が待たれるところですが、都としても、就労弱者といわれる方々を福祉の対象から経済の主体へと転換することは、さまざまな観点から有益であり、まずは障害者雇用の面から積極的に支援すべきと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、都民の期待が集まるラグビーワールドカップ、東京二〇二〇大会、そして、その先の未来の東京のあるべき姿について伺います。
東京パラリンピックは、障害者スポーツの理解を深め、さらに発展、そして飛躍させる絶好の機会です。
東京都の障害者スポーツの振興施策で、パラリンピックのみならず、市民レベルでの障害者スポーツへの関心が広がりを見せていますが、スポーツ用具の購入など、取り組みのスタート段階がハードルになっているケースがあります。
東京二〇二〇大会を契機として、パラ種目のみならず、聴覚障害者や知的障害者の方が対象となるデフリンピックやスペシャルオリンピックスや他の種目についても光を当てていく必要があります。
新たにスポーツを始めたい人への支援など、誰もがスポーツを楽しめる環境を整備していくことが重要であると思いますが、都の所見を伺います。
ラグビーワールドカップ二〇一九大会開催まで五百日を切りました。全国の開催都市では、チームキャンプ地が内定し、今月には日本代表のテストマッチが行われているなど、来年に迫る大会に向けて準備が本格化しております。
そして、その先には東京二〇二〇大会です。来月には、いよいよ二年前を迎えます。
この二つの世界的なビッグイベントの全国的な機運醸成に向けて、東京が強力な発信拠点とならなければならず、そのためには、東京都の持つ広告媒体を余すことなく活用して、多くの都民、ひいては国民に効果的なPRを行うことが大変重要であると考えます。
我が会派では、その一つの方策として、都営交通の広告媒体を有効に活用することをかねてから提案してきましたが、都の現在の取り組み状況について伺います。
都民、国民における二〇二〇大会への一層の参加意識の醸成も欠かせません。
既に我が会派からは、五輪施設の建設に当たっては特定寄附制度を活用して寄附を募り、寄附者の氏名をネームプレートにして施設に掲げてはどうかと提案しております。このほど、ふるさと納税も活用して、五輪施設への寄附を募り、ネームプレートに刻むという報道が出ていますが、その取り組み状況について伺います。
持続可能なエシカル都市東京の実現に向けた取り組みについて伺います。
ロンドン・オリンピックは、NGOなども含む持続可能なロンドン二〇一二委員会が徹底した検証を行い、史上最も持続可能なオリンピックとして大成功をおさめました。
東京二〇二〇大会では、ロンドン大会を上回る持続可能なオリンピックを実現しなければなりません。
持続可能という点では、環境への配慮のみならず、社会への配慮、地域への配慮と三つに分類される、さまざまな消費活動の総体をあらわす、倫理的消費と呼ばれるエシカル消費が世界の常識となりつつあります。これは、原料調達から生産、流通、販売、廃棄まで、さまざまな問題や課題を含む消費のあり方を示すものです。
小池知事は、第一回定例会、予算特別委員会での我が会派の質問に対して、エシカル消費の推進につながる施策を全庁的に掲げ実行する、持続可能な新しい東京をつくり上げていきたいとの答弁をされています。
本日で東京二〇二〇大会まで七百六十六日となりますが、持続可能な新しい東京をつくり上げる取り組みをさらに加速させていくために、東京都の決意を都民、国民、そして世界に発信していく必要があると考えます。
小池知事は、七月に行われるエシカルサミット二〇一八にも出席をされるということです。今後、エシカル都市の実現に向けた知事の考えを伺います。
既に都は、CO2排出削減についてはさまざまな取り組みを行っていますが、LED省エネムーブメント促進事業は、七月で一年が経過します。平成三十年六月十日までに二十七万四千百八十個の交換がありました。参加協力店に八社の量販店が参加し、交換個数が一時期より持ち直したと聞いております。
家庭の電気使用に関する取り組みとしては画期的だったこの事業に期待が寄せられています。家庭の省エネを進める上で意義のある事業であり、一人でも多くの都民に参加してもらうことが重要です。業界団体などからは、事業継続や交換できる種類をふやしてほしいなどの要望もあります。
こうした意見を踏まえ、この一年間の課題を整理し、多くの都民が参加しやすくなるような新たな方策での事業展開として、次なるLED省エネムーブメント事業を進めていくべきと考えますが、見解を伺います。
世界一高齢者に優しい未来都市東京を実現していくことは、高齢者を支えるインフラや介護器具、自動走行車や車椅子に至るハード、ソフトの両面のイノベーション促進にもつながり、自動車産業に匹敵する新しいマーケットの誕生に広がる可能性があると考えます。
東京二〇二〇大会において主要会場となる臨海副都心には、多くの競技会場が配置されるほか、スポンサーパビリオンも設置される計画と聞いています。
同時に、臨海副都心は先進的な開発を行う研究機関や先進技術を展示するショールームなどが立地していることから、大会には、これらの施設がスポンサーパビリオンと連動して一体感のある展示を行う、いわばミニ万博とすることで、世界からの来訪者への訴求力が高められると確信しております。
過去の愛知万博のテーマは自然の英知でした。大きなテーマを設定することで大きなPR効果が期待できます。
例えば、二〇二〇大会の大きなテーマの一つである持続可能性をコンセプトに、高齢者も快適に移動できるバリアフリー環境など、臨海副都心が目指す近未来都市東京の姿を体現していくことで、東京の先端技術を世界に示していくべきではないでしょうか。所見を伺います。
また、イノベーションを促進するためには、この地域を含む東京全体が日本の最先端技術の集う場所になるよう後押しをしていかなければなりません。
都においても、国家戦略特区制度を活用して、臨海副都心や羽田空港周辺地域などにおいて自動運転バス等の実証実験を支援していますが、自動運転技術に限らず、ドローンを初めとしたロボットなどの実証実験の場の提供や、例えば、日本では時速六キロまでとの規制を受けている自動車椅子の速度の制限の緩和をするといった規制緩和を行うことは、東京、ひいては日本の競争力の強化に資すると考えます。
国家戦略特区制度を活用しながら超高齢社会にも着目し、自動運転、ロボットを初めとした最先端技術の実証支援を進めていくべきと考えますが、所見を伺います。
東京二〇二〇大会を通じて、東京、日本の魅力を取り戻す取り組みとして、日本橋上空の首都高速撤去は都民の期待するところです。この東京二〇二〇大会は、都内の魅力再発見と歴史的建造物の改修事業を再点検する、またとない機会です。
日比谷公会堂は、一九二九年十月十九日、時の東京市長であった後藤新平の発議と、これに共鳴した安田善次郎の篤志により、文化の殿堂として建設され、奇跡的に第二次世界大戦の戦火を免れ、来年、開設九十年を迎えます。大変残念なことに、老朽化と耐震性不足のため、日比谷公会堂は平成二十八年から使用の休止を余儀なくされました。
また、さまざまなポップカルチャーの舞台となってきた日比谷の野音も老朽化が進み、その高いポテンシャルを生かし切れているとはいえない状況になっています。
市政会館を含む日比谷公会堂と野音について、早期改修に向け取り組みを進めるべきだと考えますが、知事の所見を伺います。
次に、人の生活を支える基盤であるインフラについて伺います。
まず、東京の魅力を支える上で不可欠な道路整備について伺います。
道路ネットワーク整備は、東京二〇二〇大会のみならず、その先も見据えた東京の持続可能な都市形成を図る上で欠かすことのできない都市基盤です。
去る六月二日、外環道では、一部都内を含む三郷南インターチェンジ─高谷ジャンクション間が開通をいたしました。都内の関越道─東名高速間の開通、東名高速─湾岸道路間の早期具体化も期待するものです。
首都東京が活気あふれる都市となり、国際都市間の競争に勝ち抜くためには、人と物の流れをスムーズにするとともに、首都直下型地震などの自然災害に対し、安全・安心な都市を実現する道路ネットワークの整備が欠かせません。道路は、首都圏の経済や生活を支え、東京二〇二〇大会時にも重要な役割を担う基幹インフラです。
東京は政治経済の中枢機関が集中する一方で、都市計画道路の完成率は六割を超えた程度であり、各所で見られる慢性的な交通渋滞は東京の最大の弱点です。
道路ネットワークの形成について今後どのように進めていくのか、取り組みについて所見を伺います。
道路とともに、人が生きる上で必要不可欠なインフラ、水道事業について議論するIWA世界会議について伺います。
ことしは、IWA世界会議が東京で開催されます。東京の魅力の一つは、世界で最も安全でおいしい水道水です。
先日、我が会派では小河内周辺を視察し、水道局がこれまで水源林を大切に守り育てていることを再認識し、職員の皆さんの奮闘に感動を覚えました。水源林は、水源涵養、土砂流出防止及び水質浄化など多面的な機能を有し、小河内貯水池の保全に重要な役割を果たしています。
そこで、ことし九月に東京で開催されるIWA世界会議・展示会開催の機を捉え、海外からの参加者にこうした水源林の多岐にわたる取り組みを紹介することは、大変意義深いものと認識をしております。
さらに、世界各地で脱ペットボトルの取り組みが広がっていることから、水飲み栓などによる水道水の飲用機会を、国際的イベント会場や都庁舎など、観光客が多く訪れる場所に拡大し、都の環境配慮型水道政策を世界にPRしていくべきと考えますが、都の所見を伺います。
地域経済において影響の大きい工業用水道についても伺います。
地盤沈下を防止するために布設され、都内で稼働を続けた低料金の工業用水道は、地域の産業を下支えしてきた重要なインフラでした。一方で、都外に転出した企業も多く、工業用水道事業を取り巻く経営環境は非常に厳しくなっているといえます。
本定例会の所信表明において、知事は、工業用水道について廃止に向けた動きを進めるとの方向性を明言されました。長年の懸念とされてきた工業用水道事業の存廃について、一定の方向性を示したことは、苦慮の末の決断と受けとめています。
同時に、工業用水の利用者は八割が中小企業であり、業種の幅も広いということから、利用者に応じたさまざまな対応も考慮しなければなりません。多様な利用者の多様なニーズに適切に対応していくためには、利用者にわかりやすいワンストップの仕組みを整備する必要があります。
事業廃止に向け、利用者に対し丁寧に説明をしていくとともに、激変緩和に向けた支援が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。
次に、水とともに東京の大きな魅力である、島しょ地域との空の交通アクセスを支えているのが調布飛行場です。
平成二十七年七月に、調布飛行場周辺で航空機の墜落事故が起きてから、間もなく三年が経過しようとしています。
本定例会においては、都営空港を離着陸した航空機の墜落事故が今後都内で起きた場合に、被害者を支援するために条例改正案が上程をされています。
当時の事故で被害を受けられた方は、いまだに十分な賠償や補償を受けられていない状況が続く中、当時の被害者が置き去りにされたままでは、本支援制度の意義が理解されません。
そこで、条例改正に合わせて平成二十七年の事故被害者への支援も行うべきであると考えますが、都の見解を伺います。
次に、人の暮らしを支える基盤である市場について伺います。
築地再開発検討会議では、築地の跡地利用に関してさまざまな専門家の視点から議論がなされ、大きな視点としてまとめられました。ここでは、段階的な整備を進めながら、周辺地域との相乗効果を図り、新たなブランド価値の創出や戦略的な機能の導入に向けた方向性が示されていますが、今後、その具体像に注目が集まっています。
今年度末までにまちづくり方針を策定するとしていますが、十月には市場移転が控えています。
市場移転後の事業者や周辺住民、関係者の受けとめ方などを視野に、より丁寧かつ具体的なロードマップを示していくことが必要だと考えますが、知事の考えを伺います。
また、まちづくり方針の策定に向けた庁内検討を進めるに当たり、地元中央区の意向や市場及び場外関係者の意見聴取は欠かせません。
とりわけてこれからの築地は、東京都の発展の観点からも非常に大きな地理的意義を有しています。
晴海が開発された豊洲に市場がオープンし、中央防波堤内側埋立地の整備が進む中で、ウオーターフロントだった築地は、今後、都心と新しいウオーターフロントとをつなぐ結節点に生まれ変わります。
再開発後の築地が都心と臨海部との壁になることなく、結節点になる開発が求められています。
それだけに、都心と臨海部の回遊性を高める交通網なども検討していかなければなりません。
築地の再開発に当たっては、回遊性を高める鉄道網の整備も期待できます。
既に、秋葉原へ接続するつくばエクスプレスを東京駅まで延伸する構想も一部有識者から出ており、今後、地下鉄も含め、晴海の交通利便性に貢献する交通網の整備が不可欠であることはいうまでもありません。
将来的に開発が進む中央防波堤内側埋立地の未来図も想定して、築地から羽田まで延びる新鉄道網が必要です。
その上で、平成二十八年の国の交通政策審議会答申では、国際競争力強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクトとして、都心部・臨海地域地下鉄構想の新設が位置づけられたところです。この構想の具体化に向けた今後の考え方について伺います。
市場移転後の解体工事について伺います。
二十三ヘクタールの築地市場が解体され、十五ヘクタールの車両基地に姿を変えることが決まっております。その解体工事は過去最大規模となり、工事車両の往来や振動、騒音の影響は地元にとって甚大です。
そのため、一刻も早く地元説明会を開催し、場外市場関係者を初め地元住民の理解を得る努力をすべきと考えますが、所見を伺います。
五月三十日、事態は大きく動きました。これまで事業の撤退を辞さない姿勢を示されてきた万葉倶楽部が、急転直下、二〇二〇年以降の着工を条件に事業の請負を表明され、滞っていた協議が大きく前進したものと受けとめています。
今後は、都と万葉倶楽部との間で協定書を結び直すなど詳細について協議を行い、二〇二〇大会後の円滑な事業実施に万全を尽くされることと思います。
また、万葉倶楽部との会談で、表に出ない約束があるのではといった憶測についても、明確に払拭していただきたいと思います。
今回、急展開した経緯と今後の協定に向けた知事の所見を伺います。
万葉倶楽部と都の協議を受けて、にぎわい予定地については、東京二〇二〇年大会まで都が管理運営していくことになると聞いています。豊洲地域全体のにぎわいに資する事業展開を検討されることと思いますが、用地は一ヘクタールと広大です。
にぎわい創出に向けた検討はもちろん、多くの来場者が見込まれることへの手当て、市場業務との兼ね合いなど、さまざまな観点から検討しておくことが重要ではないかと考えます。所見を伺います。
我が会派は、昨年より市場関係者との意見交換を重ねてまいりました。移転には、駐車場不足など多くの懸念がある中で、多くの仲卸業者の皆さんの、豊洲市場で仕事ができるのかといった不安の声を伺っています。
衛生管理の徹底が図られるという大きなメリットがある一方で、ターレの走行の規制など、築地で皆さんが行っておられる市場機能が、豊洲では十分に発揮されないことを危惧されていました。
そうした声があることに十分留意しつつ、開場後の市場の運営を見守りながら、ルールの検証を行っていくべきと考えます。所見を伺います。
最後に、行財政改革について伺います。
入札制度改革について伺います。
豊洲新市場工事の落札率九九%に端を発した入札制度改革の試行期間が終わり、先般、知事からは、本格実施に当たり、一定の金額未満の工事については予定価格を事前に公表する、一者入札制限を撤廃する等の発表がありました。
予定価格に関しては、入札の公平性、透明性、競争性を確保し、都民の税金を効果的に用いる観点からは、国の制度と同様に事後公表を原則とすべきです。
ただ、試行の結果、予定価格の事後公表は、工事の規模によっては中小企業に過度の負担をかけているとの声も届いており、都民ファーストの会東京都議団もそのことを指摘してまいりました。
今回、工事金額で事前の公表と事後公表のルールを切り分けたことは、中小企業に配慮しつつも、大規模工事については入札の公平性、透明性、競争性を確保する視点を貫いたものとして、適切な見直しと受けとめています。
今回の入札制度の見直しにおける知事の基本的な考えを伺います。
東京が、江戸開府からこれまで比類ない独自の発展を遂げてきたことは、都民、日本人の誇りです。同時に、現在の東京は、金融拠点をシンガポール、物流拠点を上海、ハブ空港を仁川に後塵を拝しつつあります。東京を真の国際金融都市に磨き上げていくためには、世界の諸都市と相対化し、首都東京の機能強化を行っていかなければなりません。
一方、国が地方対東京の対立軸をあおり立て、東京の財源を奪おうとしていることは周知の事実です。このことは日本全体の地盤沈下を起こすことにほかならず、今こそ東京と地方がともに成長戦略を描くときと捉えております。
六月十四日を皮切りに、税財源についての検討会を設置することになったことは、都の主張をより説得力のあるものとし、理解と共感を広げ、国を初めとした関係各所への働きかけを行っていく上で必要不可欠と考えます。
問題は何をどのように議論し、運動展開していくのかにかかっています。第一回会合を終えての知事の見解を伺います。
最後に一言、ことしで返還五十周年を迎える小笠原諸島の抱える問題について述べさせていただきます。
先日、我が会派の議員団も小笠原諸島に視察に行ってまいりました。航空路に代表される小笠原の抱える問題について意見の聴取などをしてまいりました。災害や救命救急を初めとする島民の生活を支える上で、航空路が必要であると改めて強い認識を持ちました。
現在、小笠原航空路協議会では、環境との調和は最も重要な要素の一つとして、現行の滑走路の千二百メートル規模案と並び、自然環境に配慮した幅広い視点からの滑走路案が検討されております。
そこで、私たち都民ファーストの会は、一層自然環境に配慮しつつ、早期の滑走路の実現を強く求めております。
小池知事も小笠原諸島での式典に出席されるとのことですが、ぜひ島民の生活に視点を当てて訪問していただきますようお願い申し上げまして、代表質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 荒木ちはる議員の代表質問にお答えをいたします。
まず、答弁に先立ちまして、一言申し上げます。
昨日、大阪府北部を中心といたしまして、最大震度六弱の地震が発生をいたしました。この地震によりお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りをするとともに、被災地の皆様に心よりお見舞いを申し上げるところでございます。
なお、先ほどこの本会議場も揺れたところでございますが、震源を千葉北西部とするマグニチュード三・五、震度二ということが伝わってきております。
さて、今回の地震に対する都の取り組みでございますが、昨日午前中に危機管理対策会議を開催いたしまして、全庁的に情報共有を図りました。そして、関係各局、直ちに必要な出動体制を整えたところでございます。
なお、大阪府の松井知事に対しましては、私の方から直接ご連絡を申し上げましてお見舞いを申し上げると同時に、要請があるならば協力の準備があるという旨をお伝えしたところでございます。
現在も関西広域連合などと情報交換を緊密に行っておりまして、今後は要請に基づいて、都として必要な支援、応援をしてまいりたいと存じます。
今回の地震でございますが、阪神・淡路大震災以来の大都市での地震でもございますので、注視すべきと考えます。
水道、都市ガスなどライフラインの被害を初めとして、鉄道の運行停止などによります通学通勤への影響、家庭内での家具転倒防止策の効果など、被災地の状況を十分検証しながら、首都直下地震等への備えを強化してまいりたいと存じます。
受動喫煙防止条例についてのご質問がございました。
受動喫煙によります年間の死亡者数、推定一万五千人にも上ります。また、受動喫煙のある人とない人と比べますと、肺がんになるリスクは約一・三倍といわれております。また、ぜんそくや、乳幼児突然死症候群など子供に対する健康影響も指摘をされております。
受動喫煙防止対策は、何よりも人の命、人の健康を守るために必要でございます。私は、こうした思いのもとで、健康ファーストの政策を進めるために、受動喫煙防止条例を提案したところでございます。
この条例でございますが、人に着目した二つの対策を柱といたしております。一つは、健康影響を受けやすい子供を守ること、もう一つは、みずから受動喫煙を防ぎにくい立場である従業員を守ることでございます。
スモークフリーへの取り組みは、もはや世界的な潮流といえましょう。近年のオリンピック・パラリンピック開催都市におきましては、法律や条例で罰則を伴う受動喫煙の防止対策を講じているところでございます。
私は、受動喫煙による健康影響をなくして、誰もが快適に過ごすことができる社会を、東京二〇二〇大会のレガシーの一つとして未来へと受け渡していきたいと考えております。
また、働く人を受動喫煙から守ることについてのお尋ねでございます。
働く人の健康を守るためには、日常生活の大半を過ごす職場におけます受動喫煙防止対策を強化することは必要でございます。
昨年度、二万人を対象に行いました受動喫煙に関する都民の意識調査におきましては、受動喫煙を経験した場所として飲食店が約七七%、駅や空港が約三八%、ホテルや旅館と職場がそれぞれ約二七%の順となっております。
こうしたことを踏まえまして、この条例におきましては、多数の方が利用するこれらの施設について原則屋内禁煙とすることといたしました。また、健康増進法の改正案で一部例外措置が設けられております飲食店につきましても、従業員を雇用している場合には、全て原則屋内禁煙といたしました。
いつまでも健康で暮らし続けたい、それは全ての都民の願いでございます。健康寿命の延伸のためにも、この条例を一つの契機として、都におけます受動喫煙防止対策を一層推進してまいりたいと考えます。
喫煙所の整備に対する都の支援でございますが、お話のように、現在、都内の多くの区市町村では、環境美化や喫煙マナーの向上の観点から、路上喫煙や歩きたばこに関する条例を制定しておられます。
昨年九月に基本的な考え方を公表して以降、区市町村からは、屋外の喫煙所整備が必要だ、喫煙所の整備に対して支援をしてほしいなどのご意見をいただいたところでございます。
現在、健康増進法の改正案が国会で審議されておりますが、国は、自治体が屋外の公衆喫煙所を整備する際に財政支援を行うという方針を示しています。
都といたしましても、地域の実情に応じまして区市町村が取り組む屋内、屋外の公衆喫煙所の設置等につきまして、補助率を十分の十に引き上げて、積極的に支援をしていく考えでございます。
条例制定に向けました区市町村との連携でございます。
昨年の九月、基本的な考え方を公表しまして以降、区長会を初め主管部長会、主管課長会など、さまざまな機会を捉えまして、区市町村にその内容を説明するとともに、意見交換を重ねてまいりました。
また、今年二月に行いました区長、市町村長との意見交換の中でも、受動喫煙防止対策に関するご意見をいただいたところでございます。さらに、四月二十日の骨子案公表後には、区長会、市長会、町村長会に私みずから赴きまして、都の考えをご説明いたしまして、意見交換も行いました。
こうした中でいただいたさまざまなご意見を踏まえまして、今回条例案を提案したところでございます。
この条例は、国の健康増進法改正案のいわゆる上乗せ、横出しを規定するものでございまして、国の法案と同様、指導、勧告等の業務は保健所を設置する区市に担っていただきたいと考えております。
今後、区市と協議を重ねながら連携を強化いたしまして、受動喫煙防止対策をより一層実効性のあるものとしていきたいと考えております。
児童虐待の防止についてのご質問をいただきました。
本年三月、保護者からの虐待で五歳の女の子が亡くなりました。改めて、心よりご冥福をお祈りしたいと存じます。
亡くなったときの体重は、五歳にしてたった十二キロということでございました。この小さなお子さんが、虐待されてもなお、保護者に対して大学ノートに誓いの言葉を記していた、その心の中を推しはかりますと、まさに胸が締めつけられる思いがするわけでございます。
今回の事案でございますが、転居時の自治体間での情報共有のあり方、家庭訪問に拒否的な保護者へのかかわり方などについて、児童相談所の対応に課題があったと認識をいたしております。
そのため、都といたしまして、五月の時点で、児童福祉審議会の部会による検証を開始いたしております。また、今月の十三日には、国に対しまして、自治体間で情報の提供などにつきましては、全国統一のルールとして対策を強化していただくように緊急の要望を行ったところでもございます。
今後、児童福祉司や児童心理司を増員いたしまして、児童相談所の体制を一層強化するとともに、一時保護所の職員の増員など、二十四時間三百六十五日、子供を見守る体制を強化してまいります。
そのための人員や予算でございますが、通常の査定とは切り離しまして、優先的に措置をする考えでございます。
また、児童の安全確認が適切に行われますように、今後、安全確認の手法や、出頭要求、立入調査を行う判断基準などについて、都独自の行動指針を策定するとともに、法的対応力の強化、地域での見守り体制の強化を図ってまいります。
特に警察との連携につきましては、現在の情報共有の協定内容を見直しまして、児童相談所に相談があったケースのうち、今回の事案のように、保護者が子供の確認を拒否しているケースや措置を継続しているケースなど、リスクが高いと考えられるケースについては、全て共有する方向で警視庁と協議を開始しているところでございます。
今後、子供をしっかり見守るという観点から、全庁一丸となりまして、スピード感を持って児童相談体制を強化してまいります。
あらゆる機関が一丸となった児童虐待への取り組みについてもご質問がございました。
全ての子供を虐待から守るためには、児童相談所を初め区市町村の子供家庭支援センター、保健所、民生児童委員、保育所、幼稚園、学校、警察、医療機関など地域の関係機関が連携をして、力を合わせていかなければなりません。
現在、都内全ての区市町村では、地域の関係機関で構成するネットワークを構築しております。そして、情報の共有を図りながら、援助方針などを確認して、子供や家庭への支援を行っているところでございます。
また、お話しのように、横浜市では、平成二十六年に子供を虐待から守る条例を制定いたしまして、市の責務として、虐待を行うおそれがある保護者等への支援を、また、市民の責務として、子供や保護者を地域社会から孤立させないことなどを定め、児童虐待防止の取り組みを進めておられるところであります。
今後、都といたしまして、関係各局の連携を強化するため、全庁横断的な虐待防止のためのプロジェクトチームを立ち上げます。また、関係機関等が一体となりまして、子供と家庭を支え、全ての子供を虐待から守る環境づくりを進めるため、都独自の条例を新たに策定をしていく考えでございます。
オリンピック憲章の人権尊重の理念実現についてでございます。
多様性が尊重され、温かく優しさにあふれる東京、それが私の目指すダイバーシティーでございます。そして、その実現には人権を尊重することが重要でございます。
東京二〇二〇大会が開催され、今後、観光あるいはビジネスにおきましても、さまざまな国や地域から多様な文化や生活習慣を持った方々をますます多くお迎えをすることになるわけでございます。
また、東京で生活する外国の方々もふえていくものと思われ、お互いの個性を尊重して、認め合う共生社会の実現は不可欠でございます。
そのためには、あらゆる人がいかなる種類の差別も受けることなくという、これがオリンピック憲章の理念でございますが、この理念を東京の隅々まで行き渡らせることは必要でございます。
そこで、さまざまな人権課題に対しまして、これまで以上に積極的に取り組みを進めるとともに、国際社会の視点から、性自認や性的指向等を理由とする差別の解消、不当な差別的言動の解消にも取り組むべく、新条例の制定に向け、このたび概要をお示しいたしております。
条例化を通じまして、人権尊重の理念の浸透を加速させて、人に着目した施策を積極的に推進することで、一人一人が自分らしく輝くことができて、誰もがあすに夢を持って活躍できる東京を築き上げてまいります。
ソーシャルファームの取り組みへの支援についてのお尋ねがございました。
ソーシャルファームは、障害者に限らず、労働市場で不利な立場にある人が働くことを目的とした社会的企業のことを指します。一般企業と同じマーケットでビジネスを行って、企業的手法で経営されているというのが特徴でございます。
私は、こうしたソーシャルファームの取り組みをこの東京にも広げて、さまざまな事情で就労が困難な方々が、能力や適性に応じて活躍できる社会をつくっていきたいと考えております。
このため、まずはソーシャルファームの考えに立ちまして、障害者雇用に積極的に取り組む企業をエクセレントカンパニーとして表彰する制度を昨年度に創設いたしております。また、今年度からは、ビジネスとの両立を図りながら、障害者のさらなる雇用拡大に取り組む中小企業への支援を行うモデル事業も開始いたしております。
お話のありました海外の先進的な事例や制度も参考にしながら、今後、ソーシャルファームの取り組みを一層支援して、誰もが社会の担い手としての誇りや自信を持って生き生きと輝き続ける東京を実現してまいりたいと存じます。
ふるさと納税制度を活用した取り組みについてご質問がございました。
オリンピック・パラリンピックの寄附金については、現在、組織委員会で、東京二〇二〇寄付金として受け付けておりまして、大会を応援したいという人々の思いを大会の準備、運営に活用する仕組みとなっているわけでございます。
都といたしましても、東京二〇二〇大会に向けまして、都民、国民の皆様に大会を身近に感じていただいて、大会後も末永くレガシーとして記憶、そして記録を残す取り組みを進めていくことが重要であります。記憶と記録、両方であります。
一方、オリンピック・パラリンピックに関連いたしまして、組織委員会以外の団体が寄附を募る場合にはIOCの了解が必要となること、そしてまた区市町村に与える影響など、課題もございます。
このため、こうした課題を整理しつつ、関係者の理解を得ながら、ふるさと納税制度の本来の趣旨を生かして、ご好意の受け皿となる仕組みが検討できるのかどうか、関係局にも指示したところでございます。
都民や国民の皆様のご期待、そしてその志をしっかりと受けとめて、大会の成功とその先を見据えて、多くの方々の理解と協力が得られるように、いただいていたご提案の趣旨も踏まえまして検討を進めておきます。
エシカル都市の実現についてでございます。
近年、アメリカやヨーロッパでも、自国の利益第一といった動きが見られるわけでございます。こうした考え方は、目先の一時的な利益を最大化するということで、かえって将来への視座を犠牲にしているようにも感じられます。
エシカルというのは、これとは全く逆の考え方であります。持続可能な都市東京を実現するために、SDGsの理念にも沿ったエシカル消費の普及を進めるということは、いわば私たちの将来にわたる利益を最大化することにつながります。
都は、今年度から、消費生活基本計画に基づいて、エシカル消費の理念を広く都民に普及することに取り組んでおります。あわせまして、食品ロスやレジ袋の削減に向けた働きかけ、被災地支援につながる産直市の開催、障害者支援につながる福祉施設の自主製品の普及など、エシカル消費に資する取り組みを進めております。
今後、持続可能な成長という重要な概念のもとにおきまして、生産、流通から消費後の廃棄に至ります一連の流れに配慮いたしましたエシカル消費を推進するために、幅広い視点から全庁挙げて政策の強化を図ってまいります。
日比谷公会堂と大音楽堂、いわゆる野音の改修についてのご質問がございました。
後藤新平の、都市生活における市民の心のともしびとしたいとの思いで建設されたのが日比谷公会堂でございます。九十年間の長きにわたり数々の名演奏や集会が行われて、歴史を生み出す舞台であり続けました。
私は、本年五月に日比谷公会堂を視察いたしました。ネオゴシック風の建築様式の重厚なたたずまいに触れて、次世代へ継承すべき都民の財産だなということを実感したところでございます。
公会堂の耐震対策と改修に当たりましては、市政会館とも連携しながら、建築当時の意匠の保全を基本に、先人たちの深い思いを未来につなげるべく力を尽くしてまいります。
また、野音につきましては、オリンピックの機運醸成に向け積極的に活用いたします。東京二〇二〇大会後は、民間の知恵を取り入れて再整備、そして、音楽史に名を刻んできた野音でございます、新たな価値を創造してまいりたいと考えております。
文化の発信拠点として、また、日比谷公園の魅力を一層高められますように、これからも人々に愛される公会堂、そして野音としてまいります。
工業用水道事業の廃止に向けた利用者への対応についてのお尋ねがございました。
東京の工業用水道事業は、地盤沈下の防止対策として供給を開始し、これまで地域の産業基盤を支えてまいりましたが、今日では地盤沈下が鎮静化し、その所期の目的は達成いたしております。
一方で、工場の都外移転などが進みまして、料金収入が減少する中で今後も需要が見込めることなく、また、老朽施設の更新にも多大な費用を要するなど、事業運営上の課題が顕在化しております。
このため、都といたしまして、事業の抜本的な経営改革について検討を進めてまいりましたが、このたび有識者委員会の廃止という提言も踏まえまして、東京大改革の一環として、廃止に向けた動きを進めていくことといたしました。
事業を廃止する場合におきましては、何よりもまず、工業用水道を利用する企業の経営への影響を最小限にとどめなければなりません。そのため、これまで工業用水道事業の厳しい運営状況を利用者に説明する一方で、企業活動の継続や料金への影響などを把握し、その支援のあり方につきましても検討するように、関係各局に指示しております。
今後は、利用者からの幅広い声により一層耳を傾けながら、相談やお問い合わせに対しましては、一元的な窓口を設置いたしまして、関係各局が緊密に連携してきめ細かく対応してまいります。
また、具体的に申し上げるならば、料金差額の支援、上水道への切りかえ工事、塩素除去装置などの必要な設備の設置など、個々の利用者の声を反映させまして、多様な支援策を検討し、事業廃止に向けた動きを丁寧に進めてまいります。
築地再開発についてのご質問がございました。
先月、築地再開発検討会議におきまして、築地のポテンシャルを生かして魅力と付加価値を高め、東京の持続的な成長につなげていけますよう、築地まちづくりの大きな視点を取りまとめていただきました。
この大きな視点を踏まえまして、行政としてのまちづくりの方針を検討していくために、庁内横断的な検討体制を整えたところでございます。
今後、さらに学識経験者を交えた会議も立ち上げるとともに、区のまちづくりとの調整や民間からのヒアリングも行いまして、市場の移転後の状況も踏まえ、検討を進めてまいります。
年明けには、まちづくりの方針の素案につきまして、広く都民のご意見を伺った上で、年度内に方針を取りまとめて、将来の東京にとりまして重要な役割を担う、新たなまちづくりの具体化を図ってまいります。
また、千客万来施設事業につきましてのご質問でございました。
先月三十日、万葉倶楽部の高橋会長と会談した際に、私から豊洲市場に係るさまざまな課題検証に追われる中で、万葉倶楽部に対しましての心配りが足りなかったことについて陳謝をさせていただきました。
そして、今後の事業の進め方についての先方との意見交換を通じまして、信頼関係の回復が図られたところと存じます。
これまでの実務的な協議の積み重ねに加えまして、会長と率直に話し合う場を持てたことで、事業をともに進めていこうという共通認識に立てたものであり、新たな約束などをその場で交わしたという事実はございません。
会談を受けて、翌日、事業者からの新たな提案がございまして、都として、事業実施に向けた前向きな内容と受けとめ、協議に応じる判断をいたしまして、現在、事業者との間で、具体的なスケジュールなど課題整理を進めているところでございます。
また、千客万来施設事業の推進に当たりましては、地元である江東区の理解を得ることが大変重要でございます。今回の経緯につきまして丁寧にご説明するとともに、千客万来施設を確実に整備すること、それまでの間のにぎわい創出に向けました方策を早急にお示しする、そのことで、江東区の皆様方のご理解を得ていきたいと考えております。
その上で、建設工事の着手時期、完成時期などを含めた協定を事業者と締結いたしまして、施設整備を確実に進めてまいります。
事業者や江東区と力を合わせまして、活気とにぎわいにあふれ、地域に親しまれる豊洲市場をつくり上げてまいります。
入札契約制度改革についてのご質問でございました。
この改革は、より多くの方が入札に参加しやすい環境を整備することを目的とし、昨年六月より試行を進めてまいりました。これにより応札者数が増加するとともに、応札者が一者のみの案件の割合も半減するなど、入札の競争性や透明性を高める上で成果を上げてまいりました。
今般、この成果を生かしつつ、都の事業進捗への影響にも配慮した仕組みづくり、中小企業が都の入札に参加しやすい環境づくりという二つの視点から、中小企業の積算に係る負担などを考慮いたしまして、低価格帯の案件について予定価格を事前公表とするなど、制度を一部改善いたしまして、改革を本格実施することといたしました。
今後とも、改革の目指す方向性の実現に向けまして、着実に取り組みを進めるとともに、制度を取り巻く状況を常に見きわめながら、競争性の確保と、公正かつ透明な運用を徹底してまいりたいと考えております。
東京と日本の成長を考える検討会についてのお尋ねでございます。
人口減少期が到来いたしまして、持続的成長が危ぶまれる中で、日本が明るい未来への活路を切り開くためには、首都東京が力強い牽引役となり、また、各地方がみずからの権限と財源をもちまして、それぞれの地域の強みを活性化させることで、オールジャパンの総合力を最大限に高めていくこと、これが必要でございます。
一方、国は、こうした大局的な視野を持つことなく、地方間の税収格差を是正することが地方の活性化につながるといわんばかりに、東京を標的とした税制度の見直しを幾度となく繰り返しております。
こうした国の方策が奏功しなかったことは、地方の活性化が思うように進まず、また、地方交付税の不交付団体が、この十年間で半減しているという事実からも明らかでございます。
今回の検討会におきましては、日本の今を知る有識者の方々を交えながら、まず東京だけでなく、地方も、そして日本全体をも持続的な成長に導くために、いかなる投資が必要なのか、加えて、そのための基盤となる地方分権と地方税財源は一体どうあるべきなのかといった点につきまして、しっかりと議論を積み上げていくことといたしております。
今月十四日の第一回検討会におきましては、こうした豊かな見識を持つメンバーが一堂に会しまして、国際競争力の強化や人口、就労構造の変化への対応などの視点から、大変熱のある議論を行うことができたと考えております。
この検討会におきまして、議論を生かしながら、あらゆる機会を捉えて、都の主張を積極的に発信いたしまして、理解、そして共感の輪を、都民、そして全国へと広げてまいります。
なお、その他の質問につきまして、教育長、東京都技監及び関係局長よりのご答弁とさせていただきます。
〔教育長中井敬三君登壇〕
○教育長(中井敬三君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、公立学校における施設の安全対策についてでございますが、学校施設の整備、維持管理等に当たっては、児童生徒の安全確保を図ることが重要でございます。
都教育委員会は、都立学校の建物の耐震化を完了し、非構造部材の耐震化を進めております。敷地境界の塀に関しては、東日本大震災においても、倒壊等の問題は見受けられませんでした。
小中学校については、設置者である区市町村が学校施設の維持管理を行っており、都教育委員会は、建物の耐震化を支援しております。
なお、ブロック塀の状況については、耐震調査の対象外ということもあり、現在のところ把握できておりません。
今後、区市町村教育委員会とも連携しながら、早急に現状を把握するなど、学校施設のさらなる安全対策に努めてまいります。
次に、性教育のあり方についてでございますが、学校における性教育は、児童生徒の人格の完成を目指す教育の一環であり、人間尊重の精神に基づいて行うとともに、児童生徒が性に関する正しい知識を身につけ、適切な行動を選択できるよう進めていく必要がございます。
そのため、全ての児童生徒に学習指導要領に示された内容を確実に指導するとともに、性情報の氾濫等の実情を踏まえ、児童生徒等の状況に応じ、保護者の理解を得ながら、個別やグループ等での対応を行うことも必要でございます。
都教育委員会は、学校における性教育を通して、児童生徒が性に関する諸課題等について適切に判断し行動できる能力や態度を身につけられるよう、区市町村教育委員会や医師等の専門家とも連携しながら、きめ細かく取り組んでまいります。
次に、性教育に関する具体的な取り組みについてでございますが、各学校が児童生徒のさまざまな状況に的確に対応し、健全な心身の発達を促す性教育を適切に実施するには、目的や意義、また、その内容や具体的取り組み方法等について、全ての教員が十分に理解し、共通の認識を持つことが重要でございます。
都教育委員会は、性教育に関する基本的な考えや実践事例を示した手引の改定作業を進めており、今後、学校における性教育の実施状況の調査を行うとともに、産婦人科医等の専門家の具体的な活用方法等についても検討してまいります。
こうした取り組みを通して、都教育委員会は、学校にとってよりわかりやすく、活用しやすい手引を今年度中に作成、配布し、各学校での性教育の適切な実施を支援してまいります。
〔東京都技監西倉鉄也君登壇〕
○東京都技監(西倉鉄也君) 道路ネットワークの形成についてでございますが、東京の道路は、都市活動や都民生活を支えるだけでなく、交通渋滞の解消や拠点間の連携強化によりまして、経済成長の促進、国際競争力の強化に資するとともに、防災性や安全性の向上にも寄与いたします極めて重要な都市基盤でございます。
このため、区部の放射環状、多摩の南北東西の骨格幹線道路の早期整備に重点的に取り組んでまいります。
また、生活道路や通学路への通過交通を抑制するなど、地域の安全性の向上などに資する地域幹線道路の整備を推進してまいります。
これらの路線の整備に当たりましては、地域の皆様の理解と協力を得ながら丁寧に進めてまいります。
今後とも、スマートシティーやセーフシティーの実現に向けまして、道路ネットワークの形成に全力で取り組んでまいります。
〔福祉保健局長梶原洋君登壇〕
○福祉保健局長(梶原洋君) 三点のご質問にお答えをいたします。
最初に、本年三月に起きました虐待事件により亡くなられましたお子様に、児童相談所を所管する局の責任者として、改めて、心よりご冥福をお祈りいたします。
今回の虐待案件の検証についてでございますけれども、都は、本年五月から外部の専門家から成る児童福祉審議会児童虐待死亡事例等検証部会による検証を開始しております。また、香川県も今月中に検証会議を立ち上げることとしており、相互に連携して検証を行ってまいります。
今後、双方の委員がそれぞれの検証会議に参加をして、ヒアリング結果を共有しながら、被害児童の転居前後における当該ケースの引き継ぎ状況や、一連の過程等について検証する予定でございます。
また、国におきましても専門委員会による検証が開始され、秋ごろを目途に結果を取りまとめると聞いております。
都といたしましても、できるだけ速やかに検証を進め、事実関係の確認、対応の妥当性、今後の取り組みなど、段階ごとに結果を取りまとめていく予定でございます。
次に、SNSを活用した児童虐待相談についてでありますが、現在、区市町村は、子供家庭支援センターにおきまして、地域における身近な相談に対応し、児童相談所は、虐待、非行、障害など、十八歳未満の子供に関するあらゆる相談に対応しております。
また、児童相談センターでは、フリーダイヤルの電話相談で、虐待やいじめなど子供の悩みを相談員が直接受け、内容に応じて専門機関の支援につなげるほか、子育てに悩む保護者が匿名で気軽に相談できる電話相談も実施をしております。
近年、若者のコミュニケーション手段として、SNSが圧倒的な割合を占めるようになっていることから、今後、子供や保護者がよりアクセスしやすい相談環境を整備するため、LINEなどのSNSの活用についても検討をしてまいります。
最後に、障害者差別解消条例の制定の効果についてでありますが、障害者の申し出に応じて、事業者が過重な負担のない範囲で柔軟に対応する合理的配慮の提供について、障害者差別解消法では努力義務としております。本条例では、これを義務化いたしました。
また、紛争解決に向け、障害者及び事業者へ助言等を行う広域支援相談員や、紛争解決へのあっせんを行う調整委員会を新たに設置いたしますとともに、調整委員会のあっせん案に正当な理由なく従わないなど悪質な事業者に対しては、勧告、公表ができる仕組みとしております。
こうした仕組みづくりは、社会全体で障害者への理解を深め、相互に人格と個性を尊重し合いながら、障害のある人もない人もともに暮らす共生社会の実現に資するものと考えております。
〔産業労働局長藤田裕司君登壇〕
○産業労働局長(藤田裕司君) 職場におけるセクシュアルハラスメントの防止についてでございますが、セクハラのない良好な就業環境の確保に向けましては、事業主の理解促進に加え、お話のように、企業において就業規則にセクハラ防止の規定を設けるなど、その実効性を高めていくことが重要であります。
そこで、都は今年度、事業主向けに相談体制の整備など、具体的な対策を促すリーフレットを新たに作成し、年二回の街頭労働相談や労働セミナーで配布するなど、広く啓発を図ることとしております。
また、働きやすい職場づくりに取り組む中小企業を表彰いたしますライフワークバランス認定企業の今年度の選定では、セクハラ防止を就業規則等に規定していることも要件に加え、確認してまいります。
今後も、こうしたセクハラ防止への効果的な取り組みを一層強化することで、誰もが安心して働ける職場環境の整備を進めてまいります。
〔財務局長武市敬君登壇〕
○財務局長(武市敬君) 保育所用地の確保についてご答弁いたします。
都はこれまで、全庁一丸となって都有地の洗い出しを行い、区市町村を介した保育事業者への貸付制度の創設など、保育所整備に向けた取り組みを積極的に推進してまいりました。
一方、保育所整備のさらなる推進には、お話のとおり、国有地や民有地等を活用する視点も重要と認識をしております。
とりわけ、一括して売却予定の大規模な国有地や民有地を区市町村が単独で購入し、その一部を保育所用地として活用するには、財政面で課題があるとともに、国有地の場合には、地元区市町村が直接国に申し出ることや、保育所以外の用途も含めて具体的に示すことが必要となっております。
このように、検討すべき課題は多岐にわたることから、国への要望も含めまして、区市町村と連携を図りながら、都としても幅広く検討してまいります。
〔総務局長多羅尾光睦君登壇〕
○総務局長(多羅尾光睦君) LGBT等に関する取り組みの今後の方向性についてですが、ご指摘のとおり、性的マイノリティーの方々が抱える困難は、さまざまであると認識しております。
都は、性自認及び性的指向等を理由とする差別の解消及び啓発等を推進していくため、条例制定後に、全庁横断会議を設置し、各局が課題を共有しながら、基本計画の策定を予定しております。
この基本計画策定に当たっては、性自認や性的指向等を理由に悩みを抱える方々に寄り添い、個々の施策現場等でどのような配慮が必要かについて個別具体的に検討し、対応策を積み上げていくことが重要でございます。
このことにより、都の施策の全体像を示しつつ、実効的な施策展開につなげてまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長潮田勉君登壇〕
○オリンピック・パラリンピック準備局長(潮田勉君) 障害者スポーツの振興についてでございますが、東京二〇二〇大会を契機に、障害者スポーツが多くの方々や団体によって行われ、地域に根づくことは重要でございます。
本年三月に策定いたしましたスポーツ推進総合計画では、スポーツを通じた共生社会の実現を政策目標とし、誰もがスポーツに親しめる環境を築いていくこととしております。
これまで都は、パラリンピック競技のみならず、聴覚障害者や知的障害者等のスポーツについて広く情報発信するほか、都立特別支援学校の体育施設を活用した体験教室を実施するなど、環境整備に努めてまいりました。
今後とも、東京二〇二〇大会後も見据え、障害者が身近な地域でスポーツに参加できるよう、スポーツに新たに取り組む際の情報提供や相談支援も含めまして、区市町村と連携しながら障害者スポーツの一層の振興を図ってまいります。
〔交通局長山手斉君登壇〕
○交通局長(山手斉君) ラグビーワールドカップ及び東京二〇二〇大会についてでございますが、交通局では、両大会に向けまして、関係局等と連携し、大会関連情報の発信などを通じて機運醸成を進めております。
ラグビーワールドカップについては、現在、都営地下鉄及び都営バスの車内液晶モニターで、テストマッチのパブリックビューイングの告知や二〇一九大会のPRを、それぞれ動画により放映してございます。
東京二〇二〇大会については、地下鉄一編成の車内広告枠の全てを使用いたしましたメディアライナーやラッピングバスを活用しまして、大会開催二年前に合わせたPR活動を展開してまいります。
今後とも、都営交通のさまざまな媒体の活用を通じまして、開催に向けた機運の醸成に貢献してまいります。
〔環境局長和賀井克夫君登壇〕
○環境局長(和賀井克夫君) LED省エネムーブメント促進事業についてでございますが、本事業は、LED電球の交換と省エネアドバイスを通して、家庭の省エネルギー対策を進めるものでございます。
これまで、家電店等の協力と多くの都民の参加により、約二十七万個のLED電球への交換と省エネアドバイスが行われ、約一万二千トンのCO2が削減されるなどの効果がございました。
こうした省エネムーブメントの流れをとめないためにも、家電店等からのさまざまな意見も踏まえて、都民がより参加しやすい新たな事業スキームの検討を進め、準備が整い次第、実施をしてまいります。
今後とも、本事業を活用するなど、区市町村等とも連携して、より多くの都民の省エネ行動を促し、さらなる家庭のCO2削減につなげてまいります。
〔港湾局長斎藤真人君登壇〕
○港湾局長(斎藤真人君) 二点のご質問にお答えいたします。
東京二〇二〇大会における一体感のある展示についてでございますが、臨海副都心にはスポンサーパビリオンが設置され、これらは、国内外から来訪されるお客様が最先端の技術やサービスを体験、体感できる場となります。
一方、この地域では、これまでも研究機関や展示施設が多種多様なイベント、展示会を開催しており、こうした実績や経験のある施設が、スポンサーパビリオンと共通のテーマを掲げて、ショーケーシングを展開することは、先端技術発信の場としての臨海副都心をアピールすることにつながると考えます。
ご指摘を踏まえ、今後、大会に向けて展示、発表を検討している研究機関や展示施設に協力を求め、大会と連動した展示を開催できるよう調整を進めてまいります。
次に、航空機墜落事故の被害者支援についてでございます。
平成二十七年に発生した調布飛行場周辺の墜落事故におきましては、その後の事故原因の究明に約二年を要し、損害賠償手続も長期化するなど、被害者の生活再建が円滑に進まない実態が浮き彫りとなりました。
都といたしましては、万一再びこうした事故が発生した場合に備え、被害者に対する迅速な生活再建策を講ずることが、航空機事故に対する都民の不安を緩和し、都営空港への理解とその安定的な運営につながるとの考えから、今回の条例改正案を提案したところでございます。
平成二十七年の事故により住宅損壊等の被害を受けた住民に対し、生活再建に必要な支援を求める声は高く、都議会でのご審議を踏まえ、これら被害者への支援につきましては、今後適切に対応してまいります。
〔政策企画局長遠藤雅彦君登壇〕
○政策企画局長(遠藤雅彦君) 最先端技術の実証支援についてでございますが、自動運転などの最先端技術の実証実験を促進することは、新たなイノベーションを創出し、国際競争力の向上や、東京が直面する超高齢社会等の課題解決につながることから、大きな意義を有しております。
都は、国家戦略特区を活用した技術実証支援として、江東区青海における全国初の遠隔型自動運転システムの公道実証など、計八件の自動運転の実証実験を支援したほか、土砂災害の被害状況をドローンで確認する実証実験を四件支援してまいりました。
ご提案を踏まえ、サンドボックス制度を初めとした国家戦略特区などを活用し、関係局と連携しながら、臨海副都心等の地域で自動運転やロボットを初めとした最先端技術の実証実験を支援してまいります。
〔水道局長中嶋正宏君登壇〕
○水道局長(中嶋正宏君) 環境に配慮した水道事業のPRについてでございますが、海外から訪日される方々などへの水源林管理の取り組みの紹介や、水飲み栓などによる水道水の飲用機会の創出は、環境に配慮した水道局の取り組みを知っていただくために有効でございます。
そこで、九月のIWA世界会議では、会議での発表や海外参加者を対象とした観光ツアーなどを通じまして、水源林の多岐にわたる取り組みを紹介いたします。
また、会議全体を通しまして東京の水道水を提供するとともに、会場などにおきまして、冷たい水道水を気軽に味わえる可動型の仮設水飲み栓を設置いたします。
その後も、お話の国際イベントや外国人が多く訪れる都庁舎等におきまして、この水飲み栓を活用するなど、水道水のおいしさを広く体験していただく方策を検討してまいります。
このような取り組みを通じまして、環境に配慮した水道事業のPRに努めてまいります。
〔都市整備局長佐藤伸朗君登壇〕
○都市整備局長(佐藤伸朗君) 都心部・臨海地域地下鉄構想についてでございます。
この路線は、臨海地域と銀座、東京など都心部を結ぶことで、臨海地域の拠点機能を一層強化するとともに、ネットワークの面からも、東京全体の公共交通のさらなる利便性向上に寄与することが見込まれております。
一方、国の答申では、この路線は事業性に課題があり、検討熟度が低く、関係者間において事業主体を含めた事業計画について、十分な検討が必要とされております。
今後は、答申を踏まえるとともに、臨海地域等における開発動向などを勘案しながら、構想をより具体化するために関係者間で連携して取り組んでまいります。
〔中央卸売市場長村松明典君登壇〕
○中央卸売市場長(村松明典君) 三点のご質問にお答えいたします。
初めに、築地市場解体工事の地元への説明についてですが、解体工事は、七つの工区に分けて発注しておりまして、五月下旬に全ての工区において受注事業者が確定いたしました。現在、各工区の受注者と詳細な施工手順やスケジュールなどを調整しているところでございます。
近隣の方々への対応につきましては、説明会の開催日時等を含め、先月から中央区と調整しているところでございます。近隣町会、場外市場などの方々を対象とした説明会は、今月下旬の築地地区等のまちづくり協議会に説明した後に実施することとなりますが、可能な限り時期を早めまして、来月中旬に開催を予定しているところでございます。
説明の際には、わかりやすい資料を用いるとともに、質疑応答の時間を十分にとるなど丁寧に対応し、地元住民の理解を得られるよう努めてまいります。
次に、千客万来施設用地を活用したにぎわいの創出についてですが、今回の事業者からの提案について、今後最終的に合意が図られた場合、千客万来施設は、東京二〇二〇大会後の着工となります。
都といたしましては、豊洲市場の開場後、千客万来施設が開業するまでの間、建設工事期間中も含め、継続的ににぎわいを創出していく必要があると考えており、五街区及び六街区の千客万来施設用地を活用したさまざまなイベントや、仮設建物による事業等について検討してまいります。
その際には、多くの都民が集える場とするための駐車場の確保や、開場当初の円滑な市場運営などの視点も踏まえて検討を進めてまいります。
最後に、豊洲市場における運用ルールについてでございますが、移転後の市場運営を円滑に行うためには、高度な品質、衛生管理や、効率的な物流の実現といった豊洲市場の基本理念を踏まえた上で、開場当初は、市場業者が新しい市場施設にふなれであることなどにも留意した運用を図る必要がございます。
このため、都は、品質、衛生管理や場内物流、施設の管理運営にかかわる事項などについて、業界団体と設置した街区別幹事会において、実務者レベルで調整しているところでございます。
引き続き、業界との調整を積み重ね、現場の状況を踏まえた実効性のある運用ルールを策定し、習熟訓練で試行、検証するなど、業界団体と連携を図りながら、開場に向けた準備を着実に進めてまいります。
○議長(尾崎大介君) この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
午後二時四十九分休憩
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